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特表2022-527752フィラメントコイルを配置するためのユーザインターフェース
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-06
(54)【発明の名称】フィラメントコイルを配置するためのユーザインターフェース
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/068 20060101AFI20220530BHJP
【FI】
A61B17/068
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021557236
(86)(22)【出願日】2020-05-01
(85)【翻訳文提出日】2021-11-22
(86)【国際出願番号】 IB2020054164
(87)【国際公開番号】W WO2020194283
(87)【国際公開日】2020-10-01
(31)【優先権主張番号】16/367,154
(32)【優先日】2019-03-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500498763
【氏名又は名称】ジャイラス エーシーエムアイ インク ディー/ビー/エー オリンパス サージカル テクノロジーズ アメリカ
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】デイヴィッド・エー・ヘリン
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160CC07
4C160CC32
4C160CC40
4C160MM32
(57)【要約】
開示される実施形態は、コイル化可能フィラメントを、表面の両側上に配置するための器具及び方法を含む。器具は、針を延在させかつ引き抜くように構成された針機構を含む。コイル機構は、スタイレットの遠位端にコイル化可能フィラメントを延在させるように構成される。インターロック機構は、針及びスタイレットを同時に移動させて、針及びコイル化可能フィラメントを表面の遠位側に延在させることと、スタイレットを別個に前進させて、表面の遠位側にコイルの第1のセグメントを延在させることと、針を表面の近位側に引き抜くことと、スタイレットを別個に更に前進させて、表面の近位側に沿ってコイルの第2のセグメントを展開させることと、を含む、針機構及びコイル機構の動作を制御するように構成されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
器具であって、
表面を通って前記表面の遠位側に針を延在させ、前記針を前記表面の近位側に引き抜くように構成された針機構と、
前記針を通ってスタイレットを前進させて、前記スタイレットの遠位端に解放可能に結合されたコイル化可能フィラメントを前記針を通って延在させるように構成され、前記針が出ると、前記コイル化可能フィラメントがコイルを形成する、コイル機構と、
インターロック機構であって、
前記針機構及び前記コイル制御機構が、前記針及び前記スタイレットを前記表面の前記遠位側に同時に前進させるように移動可能であり、
前記コイル機構が、前記スタイレットを前進させて、前記表面の前記遠位側に前記コイルの第1のセグメントを延在させるように移動可能であり、
前記針機構及び前記コイル機構が、前記針を前記表面の前記近位側に引き抜くように移動可能であり、かつ
前記コイル機構が、前記スタイレットを更に前進させて、前記表面の前記近位側に沿って前記コイルの第2のセグメントを展開させるように回転可能であるように、前記針機構及び前記コイル機構の動作を制御するように構成されている、インターロック機構と、
を備える、器具。
【請求項2】
前記針機構及び前記コイル機構が前記針を前記表面の前記近位側に引き抜くように移動可能であることが、前記コイルの前記第1のセグメントを前記表面の前記遠位側に沿って展開させるように前記コイル機構を回転させることを含む、請求項1に記載の器具。
【請求項3】
前記針機構、前記コイル機構、及び前記インターロック機構に動作可能に結合された制御ハンドルを更に備え、前記制御ハンドルが、前記針制御機構をロック解除するように、前記針機構及び前記コイル機構を前進させて前記針及び前記コイルを延在させるように、前記コイル機構をロック解除するように、かつ前記針を前記表面の前記近位側に引き抜くように、回転可能及び摺動可能のうちの少なくとも一方である、請求項2に記載の器具。
【請求項4】
前記コイル機構と結合され、前記針を通って前記スタイレットを前進させて、前記コイル化可能フィラメントを延在させるように回転可能であるコイルノブを更に備える、請求項3に記載の器具。
【請求項5】
前記制御ハンドルが、前記針機構をロック解除するように回転可能であり、
前記制御ハンドルが、前記針機構を動かして前記針及び前記コイル化可能フィラメントを前記表面の前記遠位側に延在させるように摺動可能であり、
前記コイルノブが、前記スタイレットを前進させて、前記表面の前記遠位側の前記針を越えて前記コイルの前記第1のセグメントを延在させるように回転可能であり、
前記制御ハンドルが、前記コイル機構を回転させて前記コイルの前記第1のセグメントを回転させ、前記コイルの前記第1のセグメントを前記表面の前記遠位側に接触して平らに置く一方で、前記針を前記表面の前記近位側に引き抜くように回転可能であり、
前記コイルノブが、前記スタイレットを前進させて、前記表面の前記近位側に沿って前記コイルの前記第2のセグメントを適用するように回転可能である、請求項4に記載の器具。
【請求項6】
前記針機構の移動を設定可能な深さに制限するように設定可能な深さ制御機構を更に備え、前記深さ制御機構は、前記針が前記設定可能な深さに達したときに、前記制御ハンドルの摺動を阻止して前記針を延在させるように位置付け可能である、請求項5に記載の器具。
【請求項7】
前記コイル機構が、
前記スタイレットの近位端と結合され、外向きに延在する駆動部材を支持するスタイレットキャリッジと、
前記スタイレットキャリッジを摺動可能に受容するように構成され、前記駆動部材を移動可能に受容するガイドスロットを画定するカムシャフトと、
前記制御ハンドルと選択的に結合可能であり、前記コイルノブと結合され、前記スタイレットキャリッジから前記カムシャフトの前記ガイドスロットを通って延在する前記駆動部材と係合するように構成された螺旋状チャネルを画定するカムチューブと、
を更に含み、
前記コイルノブの回転が前記カムシャフトを回転させ、それにより、前記駆動部材と前記ガイドスロット及び前記螺旋状チャネルとの係合が、前記カムシャフトを通して前記スタイレットキャリッジを駆動して、前記スタイレットを前記カムシャフトとして延在させ、前記カムチューブに対して回転させられる、請求項5に記載の器具。
【請求項8】
前記スタイレットキャリッジが前記スタイレットを延在させるように駆動されると、前記カムシャフトが前記スタイレットを横方向に支持するように更に構成されている、請求項7に記載の器具。
【請求項9】
後退ロックを更に備え、前記後退ロックは、前記後退ロックが解放されない限り、前記針制御機構が前記針を引き抜くことを妨げるように構成されている、請求項5に記載の器具。
【請求項10】
位置決めシステムを通じて前記表面の前記近位側に前記針を搬送するように構成されたシースの位置を制御するためのシース機構を更に備え、前記シース機構が、前記表面を通る前記針の伸長前、及び前記表面の前記近位側へ前記針を引き抜く前の、前記表面の前記近位側から離れる方向への前記シースの摺動可能な移動を可能にするように構成されている、請求項5に記載の器具。
【請求項11】
前記コイル化可能フィラメントは、前記コイル化可能フィラメントが前記針を完全に越えて延在すると、前記スタイレットから係合解除するように構成された切断可能な接合部で前記スタイレットの遠位端に取り付けられている、請求項1に記載の器具。
【請求項12】
器具であって、
中央チャンバを画定するハウジングと、
針を収容するシースの、表面への摺動可能な移動を可能にし、かつ前記表面から前記針を引き抜くように構成された、シース機構と、
前記針と前記針内のコイル化可能フィラメントとを前記表面を通って前記表面の遠位側に延在させ、前記針を前記表面の近位側に引き抜くように回転可能かつ前記ハウジングに沿って摺動可能な制御ハンドルを有する針機構と、
前記針の移動を制限するための前記制御ハンドルの移動を制限するために、前記ハウジングに沿ってロック可能に位置付けられるように構成された、深さ制御機構と、
前記ハウジングの近位端に配設され、前記針を通ってスタイレットを前進させて、前記スタイレットの遠位端で解放可能に結合された前記コイル化可能フィラメントを前記針を通って延在させ、前記針が出ると、前記コイル化可能フィラメントがコイルを形成するように回転可能なコイルノブを有するコイル機構と、
インターロック機構であって、
前記針機構及び前記コイル制御機構が、前記針及び前記スタイレットを前記表面の前記遠位側に同時に前進させるように移動可能であり、
前記コイル機構が、前記スタイレットを前進させて、前記表面の前記遠位側に前記コイルの第1のセグメントを延在させるように移動可能であり、
前記針機構及び前記コイル機構は、前記コイル機構を回転させて前記コイルの前記第1のセグメントを前記表面の前記遠位側に沿って展開させる一方で、前記針を前記表面の前記近位側に引き抜くように移動可能であり、
前記コイル機構が、前記スタイレットを更に前進させて、前記表面の前記近位側に沿って前記コイルの第2のセグメントを展開させるように回転可能であるように、前記針機構及び前記コイル機構と結合されている、インターロック機構と、
を備える、器具。
【請求項13】
前記制御ハンドルが、前記針機構をロック解除するように回転可能であり、
前記制御ハンドルが、前記針及び前記コイル化可能フィラメントを前記表面の前記遠位側に延在させるように摺動可能であり、
前記コイルノブが、前記スタイレットを前進させて、前記表面の前記遠位側に前記コイルの前記第1のセグメントを延在させるように回転可能であり、
前記制御ハンドルが、前記コイル機構を回転させて前記コイルの前記第1のセグメントを回転させ、前記コイルの前記第1のセグメントを前記表面の前記遠位側に接触して平らに置く一方で、前記針を前記表面の前記近位側に引き抜くように回転可能であり、
前記コイルノブが、前記スタイレットを前進させて、前記表面の前記近位側に沿って前記コイルの前記第2のセグメントを適用するように回転可能である、請求項12に記載の器具。
【請求項14】
前記コイル機構が、
前記スタイレットの近位端と結合され、外向きに延在する駆動部材を支持するスタイレットキャリッジと、
前記スタイレットキャリッジを摺動可能に受容するように構成され、前記駆動部材を移動可能に受容するガイドスロットを画定するカムシャフトと、
前記制御ハンドルと選択的に結合可能であり、前記コイルノブと結合され、前記スタイレットキャリッジからカムシャフトの前記ガイドスロットを通って延在する前記駆動部材と係合するように構成された螺旋状チャネルを画定する、カムチューブと、
を更に含み、
前記コイルノブの回転が前記カムシャフトを回転させ、それにより、前記駆動部材と前記ガイドスロット及び前記螺旋状チャネルとの係合が、前記カムシャフトを通して前記スタイレットキャリッジを駆動して、前記スタイレットを前記カムシャフトとして延在させ、前記カムチューブに対して回転させる、請求項12に記載の器具。
【請求項15】
前記スタイレットキャリッジが前記スタイレットを延在させるように駆動されると、前記カムシャフトが前記スタイレットを横方向に支持するように更に構成されている、請求項14に記載の器具。
【請求項16】
後退ロックを更に備え、前記後退ロックは、前記後退ロックが解放されない限り、前記針制御機構が前記針を引き抜くことを妨げるように構成されている、請求項12に記載の器具。
【請求項17】
前記コイル化可能フィラメントは、前記コイル化可能フィラメントが前記針を完全に越えて延在すると、前記スタイレットから係合解除するように構成された切断可能な接合部で前記スタイレットの遠位端に取り付けられている、請求項12に記載の器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、コイル化可能フィラメントを、表面の両側上に配置するためのユーザインターフェースに関する。
【背景技術】
【0002】
このセクションにおける記述は、単に、本開示に関する背景情報を提供し、先行技術を構成しない場合もある。
【0003】
総胆管の閉塞などの、生体内の内部導管又は他の開口部の閉塞は、深刻な結果をもたらすおそれがある。胆汁は肝臓によって放出され、消化器系が脂肪を分解するのを補助する。胆汁は総胆管に蓄えられ、小腸に放出される。総胆管は、総胆管から小腸の上部に胆汁を運ぶ通路を提供する。腫瘍、嚢胞、瘢痕組織、感染、炎症、又は任意の数の原因によって引き起こされ得る総胆管の閉塞は、胆汁が小腸に放出されることを妨げる。総胆管の閉塞は、胆汁が小腸に到達することを妨げるだけでなく、胆汁が肝臓に蓄積する結果をももたらす。胆汁が蓄積すると、疼痛、血液中のビリルビンの蓄積を引き起こし、黄疸、及び他の健康問題を引き起こす可能性がある。
【0004】
総胆管が閉塞されると、胆汁が小腸に流入することを可能にするために、総胆管と小腸との間に新たな通路を形成する場合がある。しかしながら、従来の腹部手術は、痛みを伴い、衰弱させ、かつ特に健康機能障害のある患者にとっては、あらゆる侵襲的手術と同様、潜在的に危険である。総胆管と小腸との間に新たな通路を作るための低侵襲的手法は、臓器の位置及び組織の繊細な性質がゆえに困難をもたらす。特に問題となるのは、新たな排液管を形成するために穴を開ける前に、総胆管の弾性組織と小腸との間に封止された接続を形成することができることである。穴を形成する前に組織が一緒に挟持されない場合、胆汁が体腔内に漏出して、持続的な吻合が形成されないことがある。
【発明の概要】
【0005】
開示される実施形態は、表面の両側上にフィラメントコイルを配置するための器具、並びに表面の両側上にコイル化可能フィラメントを配置するための方法を含む。
【0006】
例示的な実施形態では、器具は、表面を通って表面の遠位側に針を延在させ、針を表面の近位側に引き抜くように構成された針機構を含む。コイル機構は、針を通ってスタイレットを前進させて、遠位端に解放可能に結合されたコイル化可能フィラメントを針を通ってスタイレットの延在させるように構成され、針が出ると、コイル化可能フィラメントがコイルを形成する。インターロック機構は、針機構及びコイル機構の動作を制御するように構成されている。針機構及びコイル制御機構は、針及びスタイレットを表面の遠位側に同時に前進させるように移動可能である。コイル機構は、スタイレットを前進させて、表面の遠位側にコイルの第1のセグメントを延在させるように移動可能である。針機構及びコイル機構は、針を表面の近位側に引き抜くように移動可能である。コイル機構は、スタイレットを更に前進させて、コイルの第2のセグメントを、表面の近位側に沿って配置するように回転可能である。
【0007】
別の例示的な実施形態では、器具は、中央チャンバを画定するハウジングを含む。シース機構は、針を収容するシースの、表面への摺動可能な移動を可能にし、かつ表面から針を引き抜くように構成されている。針機構は、ハウジングに沿って回転可能かつ摺動可能な制御ハンドルを有する針機構であって、表面を通って表面の遠位側に針を延在させ、針を表面の近位側に引き抜く。深さ制御機構は、針の移動を制限するための制御ハンドルの移動を制限するために、ハウジングに沿ってロック可能に位置付けられるように構成されている。ハウジングの近位端に配設されたコイルノブを有するコイル機構は、針を通ってスタイレットを前進させて、針を通ってスタイレットの遠位端で解放可能に結合されたコイル化可能フィラメントを延在させるように回転可能であり、針が出ると、コイル化可能フィラメントがコイルを形成する。インターロック機構は、針機構及びコイル機構と動作可能に結合されている。針機構及びコイル制御機構は、針及びスタイレットを表面の遠位側に同時に前進させるように移動可能である。コイル機構は、スタイレットを前進させて、表面の遠位側にコイルの第1のセグメントを延在させるように移動可能である。針機構及びコイル機構は、コイルの第1のセグメントを表面の遠位側に沿って配置するためにコイル機構が回転している間、針を表面の近位側に引き抜くように移動可能である。コイル機構は、スタイレットを更に前進させて、コイルの第2のセグメントを、表面の近位側に沿って配置するように回転可能である。
【0008】
更なる例示的な実施形態では、方法は、針内に受容されたスタイレットと移動可能に連結された針を備え、針の先端部が表面を穿孔し、針の先端を表面を通って表面の遠位側に延在させる一方で、スタイレットを針と共に延在させて、針内のコイル化可能フィラメントを表面の遠位側に延在させる。スタイレットは、針から移動可能に係合解除され、針を通って前進して、針の先端を通ってスタイレットの遠位端に結合された第1の長さのコイル化可能フィラメントを延在させ、針の先端が出ると、第1の長さのコイル化可能フィラメントは、表面の遠位側に第1のコイルを形成する。同時に針は後退し、スタイレットは回転し、これにより針の先端は表面の近位側に引き抜かれ、コイルの第1のセグメントを表面の遠位側に沿って配置する。スタイレットは、針から移動可能に係合解除され、針の先端を通って第2の長さのコイル化可能フィラメントを延在させ、針の先端部が出ると、第2の長さのコイル化可能フィラメントコイルは、表面の近位側に第2のコイルを形成する。
【0009】
更なる特徴、利点、及び適用分野は、本明細書に提供される説明から明らかになるであろう。説明及び具体的な例は、単に例示目的のために意図され、本開示の範囲を限定することは意図されないことを理解されたい。
【0010】
本明細書に説明される図面は、単に例示目的のためであり、決して本開示の範囲を制限することは意図されない。図面における構成要素は、必ずしも一定の縮尺ではなく、開示された実施形態の原理を例示することに重点を置かれる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】表面の両側にフィラメントのコイルを配置するためのユーザインターフェースの概略図である。
図2A図1のユーザインターフェースを使用して表面の両側に堆積された、フィラメントのコイルの概略図である。
図2B図1のユーザインターフェースを使用して表面の両側に堆積された、フィラメントのコイルの概略図である。
図2C図1のユーザインターフェースを使用して表面の両側に堆積された、フィラメントのコイルの概略図である。
図3】位置決めシステムと結合された、図1のユーザインターフェースの概略図である。
図4図1のユーザインターフェースの部分的断面の斜視図である。
図5図1のユーザインターフェースの分解図である。
図6】シースを表面に対して移動させるためのシース機構の部分的断面の斜視図である。
図7A】シースロックが操作されてシースの動きを可能にする、図3の位置決めシステムと結合された図1の器具の概略図である。
図7B図7A及び図8Aに示されるようなユーザインターフェースの操作に対応するシースの位置決めを示す、シース及び他の構成要素の遠位端の概略図である。
図8A】シースロックが操作されてシースの動きを可能にする、図3の位置決めシステムと結合された図1の器具の概略図である。
図8B図7A及び図8Aに示されるようなユーザインターフェースの操作に対応するシースの位置決めを示す、シース及び他の構成要素の遠位端の概略図である。
図9】深さ制御機構のハウジング及び構成要素の一部分の斜視図である。
図10】深さ制御機構のハウジング及び構成要素の一部分の斜視図である。
図11】深さ制御機構のハウジング及び構成要素の一部分の斜視図である。
図12図1の制御ハンドル130の構成要素の分解図である。
図13図1の制御ノブに係合された制御ハンドルの構成要素の断面図である。
図14図1の制御ハンドルの構成要素と係合された後退ロックの断面図である。
図15】ピンロッカーとカムプレートとの係合を示す、図1の制御ハンドルの構成要素の断面図である。
図16図1のユーザインターフェースのカムチューブ、カムシャフト、及びスタイレットキャリッジの部分断面図である。
図17図16のスタイレットキャリッジ及びスタイレットの側面図である。
図18図15及び図16のスタイレットキャリッジに係合する移動停止部の断面図である。
図19図15及び図16のスタイレットキャリッジに係合する移動停止部の断面図である。
図20A】表面の両側上にコイルを配置するための例示的なユーザインターフェースの斜視図である。
図20B図20Aのユーザインターフェースの構成要素の位置に対応する表面点における、シース、針、及びコイル化可能フィラメントの遠位端の位置決めの概略図である。
図21A】表面の両側上にコイルを配置するための例示的なユーザインターフェースの斜視図である。
図21B図21Aのユーザインターフェースの構成要素の位置に対応する表面点における、シース、針、及びコイル化可能フィラメントの遠位端の位置決めの概略図である。
図22A】表面の両側上にコイルを配置するための例示的なユーザインターフェースの斜視図である。
図22B図22Aのユーザインターフェースの構成要素の位置に対応する表面点における、シース、針、及びコイル化可能フィラメントの遠位端の位置決めの概略図である。
図23A】表面の両側上にコイルを配置するための例示的なユーザインターフェースの斜視図である。
図23B図23Aのユーザインターフェースの構成要素の位置に対応する表面点における、シース、針、及びコイル化可能フィラメントの遠位端の位置決めの概略図である。
図24A】表面の両側上にコイルを配置するための例示的なユーザインターフェースの斜視図である。
図24B図24Aのユーザインターフェースの構成要素の位置に対応する表面点における、シース、針、及びコイル化可能フィラメントの遠位端の位置決めの概略図である。
図25A】表面の両側上にコイルを配置するための例示的なユーザインターフェースの斜視図である。
図25B図25Aのユーザインターフェースの構成要素の位置に対応する表面点における、シース、針、及びコイル化可能フィラメントの遠位端の位置決めの概略図である。
図26A】表面の両側上にコイルを配置するための例示的なユーザインターフェースの斜視図である。
図26B図26Aのユーザインターフェースの構成要素の位置に対応する表面点における、シース、針、及びコイル化可能フィラメントの遠位端の位置決めの概略図である。
図27A】表面の両側上にコイルを配置するための例示的なユーザインターフェースの斜視図である。
図27B図27Aのユーザインターフェースの構成要素の位置に対応する表面点における、シース、針、及びコイル化可能フィラメントの遠位端の位置決めの概略図である。
図28A】表面の両側上にコイルを配置するための例示的なユーザインターフェースの斜視図である。
図28B図28Aのユーザインターフェースの構成要素の位置に対応する表面点における、シース、針、及びコイル化可能フィラメントの遠位端の位置決めの概略図である。
図29A】表面の両側上にコイルを配置するための例示的なユーザインターフェースの斜視図である。
図29B図29Aのユーザインターフェースの構成要素の位置に対応する表面点における、シース、針、及びコイル化可能フィラメントの遠位端の位置決めの概略図である。
図30A】表面の両側上にコイルを配置するための例示的なユーザインターフェースの斜視図である。
図30B図30Aのユーザインターフェースの構成要素の位置に対応する表面点における、シース、針、及びコイル化可能フィラメントの遠位端の位置決めの概略図である。
図31A】表面の両側上にコイルを配置するための例示的なユーザインターフェースの斜視図である。
図31B図31Aのユーザインターフェースの構成要素の位置に対応する表面点における、シース、針、及びコイル化可能フィラメントの遠位端の位置決めの概略図である。
図32】表面の両側にコイルを配置するための例示的な方法のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下の説明は、本質的に単に例示的なものであり、本開示、適用、又は使用を限定することは意図されない。3桁の参照番号のうちの最初の桁及び4桁の参照番号のうちの最初の2桁は、そのエレメントが最初に現れる1桁の図番号のうちの最初の桁及び図番号のうちの最初の2桁にそれぞれ対応することに留意されるであろう。
【0013】
以下の説明は、限定することなく単に例示として、表面の両側にコイル化可能フィラメントを配置するためのユーザインターフェース及び方法の様々な実施形態を説明する。以下で詳細に説明するように、器具及び方法は、針を位置付けて表面を穿孔し、針を表面の遠位側に貫通して延在させ、第1の長さのコイル化可能フィラメントを針に貫通させて延在させて、表面の遠位側に第1のコイルを形成し、針を表面の近位側に引き抜き、針を通って第2の長さのコイル化可能フィラメントを通って延在させて、表面の近位側に第2のコイルを形成する。表面は、体内の組織壁などの1つ以上の組織を含み得る。特定の実施例では、表面は、総胆管の隣接する壁及びそれを貫通して管が形成される小腸であり得る。第1及び第2のコイルの配置は、組織を一緒に保持する一方で、コイルによって囲まれた組織の領域への血液供給を遮断し、組織の領域を最終的に破壊させてコイル間に瘻孔を形成する。次いで、第1及び第2のコイルが外れ、瘻孔を所定の位置に残して、胆汁が総胆管から小腸に吹き込まれることを可能にし得る。本明細書に記載される器具は、針を延在及び後退させ、かつコイル化可能フィラメントを延在させてコイルを形成するプロセスを容易にするユーザインターフェース、並びにコイル化可能フィラメントを配置することによって新たな導管を形成する方法を提供する。器具及び方法はまた、針及びコイル化可能フィラメントが適切な順序に従って移動することを確実にするために、針とコイル化可能フィラメントとの別個のロックを提供する。
【0014】
簡潔にするために、以下の説明は主として、例示のみを目的として与えられる非限定的な例を介して、総胆管と小腸との間に一般に膨大部と呼ばれる新たな開口部を作成するための、本明細書に開示される器具及び方法の使用に対処する。しかしながら、新たな開口部を形成するプロセスは、単に例示するために提供されるものであり、限定するためではない。本明細書に開示される器具及び方法はまた、コイル化可能フィラメントを適用して、他の表面の両側にコイルを形成し、それらの表面を接合して、他の表面に開口部を形成するため、及び/又は特定の用途に所望される他の目的のために使用されてもよいことが理解されるであろう。
【0015】
導入として、及び以下に更に記載されるように、様々な実施形態では、ある長さのコイル化可能フィラメントがスタイレットの遠位端に取り付けられ、次いで針を通って延在する。針は、表面(又は複数の隣接する表面)を通って、この表面の遠位側まで延在する。ある長さのコイル化可能フィラメントをこの地点で部分的に延在させて、コイルの第1のセグメントを形成する。次いで、針を表面の近位側に後退させ、スタイレットを回転させて、コイルの第1のセグメントを捻じれさせて表面の遠位側に沿って配置させる。次いで、コイル化可能フィラメントの残りの部分を延在させて、表面の近位側に沿ってコイルの第2のセグメントを形成する。ある長さのコイル化可能フィラメントは、溶接又は接合部によってスタイレットの遠位端に取り付けられるが、これは、スタイレットの遠位端でコイル化可能フィラメントの長さを所定の位置に保持するのに十分な強度であるが、この溶接又は接合部が針の遠位端を越えたときに外れたり壊れたりする。コイル化可能フィラメントの長さが針の遠位端を越えて延在するとき、ある長さのコイル化可能フィラメントのコイル化は、接合部に横方向の歪みを加えることができ、スタイレットからコイル化可能フィラメントの長さを係合解除し、コイルを所定の位置に残す。
【0016】
図1を参照すると、シース102内に収容された針及びその針を通って延在するコイル化可能フィラメント(図1には図示せず)を制御するためのユーザインターフェース100が提供されている。シース102は、図3及び図7A図8Bを参照して以下で更に説明するように、位置決めシステム(図1には図示せず)を使用して、所望の位置に搬送され得る。以下で詳細に説明するように、シース102が針を所望の位置に位置決めするために搬送されたとき、ユーザインターフェース100を使用して針を操作し、針を通って延在するコイル化可能フィラメントの伸長を制御することができる。本明細書で具体的に説明されるように、例えば、位置決めシステムは、シース102を小腸に搬送することができ、小腸ではユーザインターフェース100を使用して、小腸の壁を貫通して総胆管の壁(どちらも図1には示されていない)内に針を延在させる。針が小腸から総胆管内に延在されると、第1の長さのコイル化可能フィラメントが針から延在される。コイル化可能フィラメントの伸長により、総胆管内に第1のコイルが形成される。次いで、針が総胆管から小腸内に後退してもよく、ここで第2の長さのコイル化可能フィラメントが針から延在させて第2のコイルを形成してもよい。
【0017】
ユーザインターフェース100は、針及びコイル化可能フィラメント(図1には示さず)を収容するシース102を、以下で更に説明するように、多数の機構の動作を通してコイルが堆積される表面まで延在させるための、複数の機構を支持するハウジング104を含む。機構は、シース機構110、制御ハンドル130の操作によって制御される針機構、制御ハンドル130及びコイルノブ160の両方によって制御されるコイル機構、並びに制御ハンドル130及び後退ロック180によって制御される、針の意図しない引き抜きを妨げるためのインターロック機構を含む。針深さ制御機構150は、ハウジング104に沿って移動可能であり、針が挿入される深さを制限するために、ハンドル130の移動を制限して針制御機構の動きを制限する。インターロック表示部187は、ユーザインターフェース100が針伸長モード、コイル伸長モードなどにあるかどうかなどのユーザインターフェース100の動作状態の視覚的表示を提供することができる。シース機構110の動作、針機構の動作、コイル機構の動作、及び制御ハンドル130のユーザ操作によるインターロック機構の動作、針深さ制御機構150の動作、コイルノブ160の動作、後退ロック180の動作、及びインターロック表示部187の動作については、以下で詳細に説明する。
【0018】
これらの機構の動作は、図2A図2Cを参照して説明するように、表面に沿ってコイルを堆積させるために使用されてもよい。図2A図2Cを参照すると、表面201の周囲の領域200は、第1のコイル212及び第2のコイル214を含むコイル210の配置を示す。図2A図2Cの実施例において、図2Aは、組織の一部分、又は本実施例では隣接する組織206及び208の部分を含み得る、表面201の断面図を示す。例えば、表面201が隣接する組織を含む場合、組織は、総胆管206の壁の一部分に当接する小腸208の壁の一部分を含み得る。以下で更に説明するように、コイル212及び214は、コイル化可能フィラメントを配置することによって形成される。コイル化可能フィラメントは、ニチノール、ニッケル-チタン合金などのメモリワイヤを含んでもよく、これは、以下で更に説明するように、非変形状態にあるときはコイル形状に標準規定され、コイル化可能フィラメントを配置するために使用される針内に抑制されるときは直線形状をとるように、構成され得る。
【0019】
図2A及び図2Bを参照すると、第1のコイル212は、表面201の遠位側202に配置され、表面201の遠位側202は、例えば総胆管206の壁を含むがこれに限定されない。図2A及び図2Cを参照すると、第2のコイル214は、表面201の近位側204に配置され、表面201の近位側204は、例えば小腸208の壁を含むがこれに限定されない。第2のコイル214は、第1のコイル212が表面201を通過する際の、第1のコイル212から延在するコイル化可能フィラメントの延長部分を表す。したがって、接続された第1のコイル212及び第2のコイル214は、それぞれ対向する遠位側202及び近位側204から表面に突き当たる。
【0020】
図2B及び図2Cを参照すると、表面201が総胆管206の壁と小腸208の壁とを含むような生体組織の例では、第1のコイル212及び第2のコイル214の配置が、第1のコイル212及び第2のコイル214によって取り囲まれた表面201である、囲まれた領域219への血流を切断する。コイル212及び214は、総胆管206及び小腸208の壁を一緒に保持し、時間経過と共に、血流の損失が、囲まれた領域219内の組織の破壊をもたらし得る。その結果、表面201内の囲まれた領域219の位置に新たな開口が形成される。開口部は、総胆管206と小腸208との間に封止されて、新たな開口部の周囲での持続的な吻合を可能にする。表面201が総胆管206の壁及び小腸208の壁を含むとき、新たな開口部は、胆汁が総胆管から小腸へと流入することを可能にする。
【0021】
様々な実施形態では、開口部が形成されると、第1のコイル212及び第2のコイル214が表面201から外れることが望ましい場合がある。したがって、様々な実施形態では、表面201が総胆管206の壁及び小腸208の壁を含むときは、第2のコイル214が第1のコイル212よりも大きいことが望ましい場合がある。より大きい第2のコイル214は、第1のコイル212と比較して、第2のコイル214を形成する際に、コイル化可能フィラメントの1回以上の追加の回転を堆積させることによって生じ得る。結果として、接触する組織を一緒に治癒し、表面の囲まれた領域219が破壊されることによって新たな開口部が形成されると、接続された第1のコイル212及び第2のコイル214は、コイル212及び214が体から排出されることができる小腸内に落ち得る。
【0022】
図3を参照すると、図2A図2Cを参照して説明されるコイル212及び214を形成するために、ユーザインターフェース100を、シース102を所望の位置に搬送するための位置決めシステム300と結合することが望ましい場合がある。位置決めシステム300は、制御可能なガイド器具304の遠位端(図示せず)を所望の位置に位置付けるために動かされかつ操作され得る、制御可能なガイド器具304を含む、内視鏡又は同等のシステムを含んでもよい。閉塞された総胆管を交換するための開口部を形成しようとする実施例では、位置決めシステムは、制御可能なガイド器具304が消化器トラック内に挿入され、十二指腸又は小腸内に操作される内視鏡を含んでもよい。ユーザインターフェース100は、ユーザインターフェース100を受容するように構成されたポート302で位置決めシステム300に接続される。以下に説明するように、ポート302に対するユーザインターフェース100の移動を可能にするシース機構110の操作は、操作者がシース102を所望の位置に位置付けることを可能にする。
【0023】
図4を参照すると、ユーザインターフェース100の一実施形態の構成要素は、ハウジング104内又はハウジング104の周囲に位置付けられている。シース102は、シースハブ419でハウジング104に結合されている。シース機構110は、ハウジング104の端部に位置付けられている。シース機構110の動作は、シースキャップ416のチャネル414内で選択的に摺動するシースロック412によって制御され、図6図7Bを参照して以下で更に説明するように、シースキャップ416に対してハウジング104を摺動させてシース102を前進又は後退させることができる。
【0024】
針420は、シース102内に摺動可能に受容されている。針420は、スラストブッシング430でカムチューブ440と結合されている。制御ハンドル130は、カムチューブ440と選択的に係合して、針420を延在させ、かつ引き抜く。カムチューブ440は、コイルノブ160に取り付けられたカムシャフト(図4には示さず)を収容する。コイルノブ160の回転は、カムチューブ440に相対してカムシャフトを回転させ、以下で更に説明するように、コイルを表面上に配置するために、スタイレット(図4には示さず)を前進させてコイル化可能フィラメント(図4には示さず)を前進させる。様々な実施形態では、コイルノブ160は、以下で更に説明するように、ラチェット461を用いてカムシャフトに結合され、コイル配置中にコイルノブ160がカムシャフトを一方向にのみ回転させて、コイル化可能フィラメントを延在することはできるが、コイル化可能フィラメントを後退させることはできないようにすることができる。様々な実施形態では、コイルノブ160はラチェットから摺動可能に取り外されて、コイルノブ160を反対方向に回転させて、スタイレットの後退を容易にし、ユーザインターフェース100を使用した配置のためのコイル化可能フィラメントを装填することを可能にする。
【0025】
制御ハンドル130は、インターロック機構の一部としてのハンドルサブアセンブリ450と係合し、制御ハンドル130が制御ハンドル130を摺動させて針420及びコイル化可能フィラメントを前進させることを可能にする。ハンドルサブアセンブリ450はまた、制御ハンドル130がカムシャフトから係合解除されることを可能にし、針を前進させることなくコイルノブ160を回転させてコイル化可能フィラメントを延在させることを可能にする。ハンドルサブアセンブリ450はまた、以下で更に説明するように、制御ハンドル130をカムシャフトと再係合させることを可能にし、制御ハンドル130を回転させて、シャフトがスタイレットを回転させ、コイル化可能フィラメントを捻じってコイルセグメントを表面の遠位側に沿って位置付けるように回転している間に、針420を引き抜くことを可能にする。表示部リング187は、制御グリップ130の位置をマークして、ユーザインターフェース100の現在の動作フェーズを識別する。
【0026】
図5を参照すると、分解図におけるユーザインターフェースの構成要素は、シースキャップ416のチャネル414を通って延在するシースロック412を受容するためのハウジング104に結合可能なナットプレート415を含む。様々な実施形態におけるハウジング104は、本明細書で説明する構造を画定するように成形(mold)されるか、又はそうでなければ形成(form)され得るハウジング部分505及び506を含む。ハウジング部分505及び506は、シース機構110のシースハブ419が受容されるシースポート503を画定する。ハウジング部分505及び506はまた、複数の制御チャネル532を支持し、これにより、制御ハンドル130がハウジング104に選択的に係合して、ハウジング104を前進、回転、及び/又は後退させて針420及びスタイレット(図5には示さず)を移動させて、針420及びコイル化可能フィラメントを操作することを可能にする。制御チャネル532は、ハウジング104に対して摺動可能な動きで制御ハンドル130をガイドする直線部分534と、制御ハンドル130をハウジング104の周囲で回転させるための1つ以上の横断部分536と、を含んでもよい。制御ハンドル130は、制御チャネル532と係合するように構成されている、図12及び図15を参照して以下で更に説明されるような、1つ以上の内向きのピンを含んでもよい。
【0027】
深さ制御機構150は、ハウジング(ハウジング部分505及び506を含む)に沿って選択的に位置決め可能であり、様々な実施形態では、以下で更に説明するように、針の侵入深さを設定するように回転可能に前進される。深さ制御機構150は、制御ハンドル130の停止部として機能するように構成されている。ハウジング部分505及び506はまた、カムチューブ440内に受容するように構成されている。カムチューブ440は、針420がシース102内で摺動可能に受容可能であるように、針420をカムチューブ440に結合するスラストブッシング430を支持する。カムチューブ440は、スタイレットキャリッジ(図示せず)と係合する複数の螺旋状溝541を画定し、これにより、コイルノブ160を回転させることによってカムチューブ440を回転させることが、スタイレットを前進させコイル化可能フィラメント(いずれも図5には示さず)を延在させる。図18及び図19を参照して以下で更に説明するように、移動停止部570は、スタイレットキャリッジの移動を制限するよう選択的に係合される。
【0028】
回転可能なカムシャフト530は、カムチューブ440内に受容される。回転可能なカムシャフト530のガイドスロット531は、駆動部材(図5には示さず)をガイドし、これによりコイル化可能フィラメントを延在させる。カムシャフト530のガイドスロット531を通って延在する駆動部材の係合は、図16及び図17を参照して以下で更に説明するように、カムチューブ440によって係合されて、コイル化可能フィラメントの伸長を制御する。
【0029】
図6を参照すると、ユーザインターフェース100のシース機構110は、ユーザインターフェース100の、位置決めシステム300との結合を容易にし、操作者がシース102の位置決めを制御することを可能にする。様々な実施形態では、シース機構110は、刻み付きノブ604又は他のグリップ可能な構造によって回転可能なルアーコネクタの性質を有する結合具602を含み、この結合具602を回転させて、シース機構110を位置決めシステム300のポート302に固定する(図3)。
【0030】
様々な実施形態では、後述するように、シース機構110は、シース102に結合され、針及びコイルを配置するために使用されるスタイレットを操作する機構を支持するハウジング104の動きを制御することによって、シース102の位置決めを可能にする。したがって、シース102は、ハウジング104と共に移動する。ハウジング104を移動させてシース102を位置決めすることはまた、ハウジング104によって支持される他の機構をシース102と共に移動させ、それらの機構がシース102の基準系内で動作することを可能にする。シース102は、図4を参照して前述したように、シースハブ419でハウジング104と結合される。
【0031】
様々な実施形態では、シースロック412は、ハウジング104から延在し、図4を参照して説明したように、又は同様の構造によって、ナットプレート415(図6には示さず)でハウジングに固定される。様々な実施形態では、シースロック412は、刻み付きねじを含むが、他の固定装置が使用されてもよい。シースロック412は、結合具602に固定可能に接合されるシースキャップ416内のチャネル414内に摺動可能に受容される。シースロック412が解除されたか又は緩められた位置にあるとき、シースロック412は、シースキャップ416から離れる方向に延在し、それによってシースロック412がチャネル414内で摺動することを可能にする。結果として、以下で更に説明するように、シースロック412が解除された位置にあるとき、ハウジング104は、シースキャップ416に対して摺動して、シース102(並びに図6には示されていない封入された針及び他の機構)の移動を可能にし、シース102を所望の位置に位置付けることができる。一方、シースロック412がロックされているか又は締められた位置にあるとき、シースロック412は、シースキャップ416と係合して、シースキャップ416及び結合具602に対するハウジング104の移動を妨げ、ひいてはシース102及びハウジング104の動きを妨げる。
【0032】
図7A図8Bを参照すると、シース102を表面201付近の所望の位置に位置決めするためのシース機構110の動作が説明されている。図7Aを参照すると、ユーザインターフェース100は、シースキャップ416の端部の結合具602によって位置決めシステム300のポート302に接合される。シースロック412は、シース102が所望の位置に移動される前に、チャネル414の後縁部715に最初に置かれてもよい。シースロック412は、シース機構110を、ハウジング104を(to permit the sheath mechanism 110 to permit the housing 104)、シースキャップ416に対して移動させてシース102を所望の位置に延在させることを可能にするために、解除又は緩められてもよい。
【0033】
図7Bを参照すると、シース102の遠位端701は、コイルを配置することが望ましい表面201の近傍に示されている。シース102は、針420(破線として示されている)を収容し、針は次に、コイル化可能フィラメント710(点線として示される)を収容する。ユーザインターフェース100の動作におけるこの時点で、針420の遠位端703がシース102の遠位端701内に収容され、コイル化可能フィラメント710の遠位端705は、針420の遠位端703内に収容される。コイル化可能フィラメント710が針420内に収容される結果、コイル化可能フィラメント710は、直線状の、コイル状がほどかれた構成に抑制される。シース102は、針420及びコイル化可能フィラメント710を収容し、針420及びコイル化可能フィラメント710を、それらが所定位置に延在する際に保護する。シース102はまた、制御可能なガイド器具304(図3図7Bには示さず)を、針420又はコイル化可能フィラメント710との接触から生じ得る損傷から保護する助けとなり得る。
【0034】
図8A及び図8Bを参照すると、シース機構110は、シース102の遠位端701を、表面201に隣接する位置へと延在させるように操作される。前述したように、シースロック412を解除又は緩めることにより、ハウジング104がシースキャップ416内で移動してシース102を前進させることを可能にする。図8Aに示すように、ハウジング104は、シースキャップ416に向かってかつシースキャップ416内へと距離809を通って移動して、シースロック412によって表されるようにシース102を延在させ、チャネル414の中間点815に移動する。シースロック412は、シース102が所望の位置に位置決めされたときにロック又は締め付けられてもよい。図8Bを参照すると、シース102の遠位端701は、距離809を通って、表面201又は表面201に隣接した所望の位置まで移動される。前述したように、ハウジング104は針及びコイル制御機構を支持するので、ハウジング104を前進させることは、シース102の遠位端701を表面201に向かって前進させるだけでなく、針420の遠位端703及びコイル化可能フィラメント710の遠位端705を表面201に向かって移動させる。理解されるように、かつ続いて説明するように、シース機構110はまた、シース102を表面201から引き抜くために使用されてもよい。様々な実施形態では、以下に更に記載されるように、表面からのシース102の引き抜きが、コイル化可能なフィラメント710を配置するプロセス中に実施されて、コイル化可能フィラメント710の位置決めを容易にする。
【0035】
図9図11を参照すると、様々な実施形態では、深さ制御機構150は、針420の伸長のための深さ制限を設定するように移動されてもよい。図9を参照すると、深さ制御機構150は、深さ制御グリップ1150(図11)の下に存在するロックスリーブ950を含んでもよい。ロックスリーブ950は、深さ制御グリップ1150から延在する1つ以上の内向きピン(図9には示さず)をガイドすることによって、深さ制御グリップ1150をガイドする。1つ以上のピンは、深さ制御グリップ1150から内側に延在する1つ以上のピンと正に係合するためのいくつかの階段状ねじ山952を含んでもよい。深さ制御グリップ1150上のピンと係合する階段状ねじ山952は、深さ制御機構150を所望の位置に移動させる際に正確な設定を行うユーザの能力を支持するための、移動に対する抵抗度を提供する。階段状のねじ山952は、深さ制御グリップ1150が移動される際に触覚及び/又は可聴フィードバックを提供することができる。
【0036】
図10を参照すると、ハウジング104は、各々が外向きの移動可能ピン1052を支持し得る1つ以上のカンチレバーばね1051を支持してもよく、深さ制御グリップ1150(図10には示さず)の下側を係合することができる。カンチレバーばね1051上のピン1052によって及ぼされる力は、深さ制御グリップ1150がハウジング104に沿って望ましい位置に移動されると、深さ制御グリップ1150を所定位置に保持し得る。図10にも示すように、ユーザガイダンスのためにハウジング104は、深さ制御機構150を所望の深さに設定するのを補助するために、成形された深さマーカ1010を含んでもよい。
【0037】
図11を参照すると、深さ制御グリップ1150は、深さ制御機構150を所望の位置に位置付けるために、ハウジング104の周囲を回転可能である。所望の位置に設定されると、任意選択的に深さマーカ1010を参照して、深さ制御グリップ1150の後縁部1151は、制御ハンドル130の前縁部1131に当接するように位置付けられる。したがって、以下で更に説明するように、制御ハンドル130がハウジングに沿って摺動可能に前進されて、針(図示せず)を延在させて表面を穿孔すると、深さ制御機構150は、制御ハンドル130が、深さ制御機構150を使用して、所望の深さを超えて針を更に延在させることを停止する。
【0038】
図12を参照すると、制御ハンドル130は、いくつかの構成要素と相互作用して、針420及び/又はコイル化可能フィラメント710を移動させる際の制御ハンドルの動きを容易にしかつ制御する。制御グリップ1210は、制御ハンドル130のユーザインターフェースを提示する。制御グリップ1210の移動は、後述する他の構成要素を介してハウジング104上の制御チャネル934と選択的に係合する、内側制御スリーブ1240によって管理される。様々な実施形態によれば、制御グリップ1210の動作は、適切な順序、所定の方向、及び所定の範囲内でのみ動作するように抑制されて、針420の伸長及び後退並びにコイル化可能フィラメント710の位置決めが望ましく達成されることを確実にする。
【0039】
内側制御スリーブ1240は、内側制御スリーブ1240上の開口部1251内に回転可能に配設されたピンロッカー1241及び1242を支持する。以下で更に説明するピンロッカー1241及び1242は、中間点に回転可能に取り付けられ、カムプレート1244の平面内側表面1243によって選択的に係合されるか、又はカムプレート1244の内側表面に形成された凹部1247~1249によって受容される外向きの突出部を支持する。凹部1247~1249は、制御グリップ1210の動きにより、カムプレート1244の凹部1247~1249がピンロッカー1241及び1242を回転させ、これによって内向きピンを、ハウジング104によって画定される制御チャネル532に選択的に係合させて、制御ハンドル130の動きを、針420及びコイル化可能フィラメント710を選択的に動くように向けさせるように形作られている。凹部1247~1249の横方向縁部は、カムプレート1244の回転運動が外向き突出部と摺動可能に係合してピンロッカー1241及び1242を回転させるように傾斜していることが理解されよう。
【0040】
カムプレート1244は、スリーブを形成するために戻り止めプレート1249と接合されてもよい。戻り止めプレート1249は、制御ハンドル130の操作を指示する際の制御グリップ1210の制御された移動を容易にするために、内側制御スリーブ1240上の戻り止め又は突出部(図示せず)と係合するカンチレバーばねアーム1253を含んでもよい。制御グリップ1210は、カムプレート1244及び戻り止めプレート1249の上に固定可能に取り付けられ、これにより制御グリップ1210の並進運動及び回転運動は、カムプレート1244及び戻り止めプレート1249の対応する並進及び回転移動をもたらす。
【0041】
引き続き図12を参照すると、インターロック機構の構成要素はまた、ロックバー1264及び後退ロック180を含む。ロックバー1264は、内側制御スリーブ1240上のチャネル1265内に摺動可能に取り付けられ、図13を参照して以下で更に説明するように、カムプレート1244の内側表面上のロック凹部1268によって係合される突出部1266を支持する。以下に更に説明するように、後退ロック180は、カムプレート1244の回転を防ぐように構成されており、ひいては、後退ロック180がユーザによって明確に解除されない限りは制御グリップ1210が針420を引き抜くように移動するのを防ぐように構成されている。解放ボタンクランクの動作は、図14を参照して以下に更に説明される。
【0042】
図13を参照すると、ロックバー1264はロック位置にあり、内側制御スリーブ1240のチャネル1265からコイルノブ160の凹部1365内に延在している。制御グリップ1210(図13には示さず)が回転されてカムプレート1244を回転させると、ロック凹部1268は突出部1266を横切って回転する。ロック凹部1268の傾斜部1366は、突出部1266と横方向に係合し、突出部をロック凹部1268のロック解除スロット1368内に駆動する。ロック解除スロット1368内に突出部1266を駆動することにより、ロックバー1264がチャネル1265を横切って摺動し、ロックバー1264をコイルノブ160との係合から引き抜く。この時点で、コイルノブ160を回転させて、コイル化可能フィラメント710(図13には示さず)を延在させることができる。
【0043】
図14を参照すると、解放ロック1284はロック位置にあり、カムプレート1244の回転を阻止して針420の引き抜きを可能にする。針420の引き抜きを可能にするには、ユーザは後退ロック180を横方向に摺動させる。矢印1401によって表される方向に後退ロック180を摺動させることにより、カムプレート1244及び制御グリップ1210を回転させて、針420の引き抜きを可能にする。
【0044】
再び図12を参照すると、カムプレート1244内の凹部1247~1249は、ピンロッカー1241及び1242を操作して、制御ハンドル130の動きを制御してもよい。再び図5を参照すると、ハウジング104は制御チャネル532を提供し、制御チャネル532は、ハウジング104の軸に沿って延在する1つ以上のチャネル534を含む一方で、ハウジング104の周囲に半径方向に延在する1つ以上のチャネル536を含む。したがって、制御チャネル532は、ピンロッカー1241及び1242から延在するピンが内側制御スリーブ1240の開口部1251を通って延在して制御チャネル532と係合するとき、制御ハンドルによって抑制される直線運動又は回転運動のいずれかを選択的に可能にし得る。カムプレート1244とピンロッカー1241及び1242との間の相互作用は、どのピンが制御チャネル532のどのピンと係合するかを制御する。凹部1247~1249によって操作されるピンロッカー1241及び1242は、ピンロッカー1241及び1242から選択された制御チャネル532へと突出部を選択的に後退させ、係合することにより、制御ハンドル130は、針420及びコイル化可能フィラメント710を位置付ける一連の工程と一致する特定の様式で移動するように抑制される。
【0045】
例示のために図15を参照すると、カムプレート1244は、カムプレート1244の平面内側表面1243及びカムプレート1244に形成された凹部1247~1249が、ピンローラ1241及び1242から延在するピンを、ハウジング104(図15には示さず)によって画定される選択された制御チャネル532内に選択的に方向付けるように構成されている。ハウジング104は図15には示さないが、理解されるように、内側制御スリーブ1240の直下に延在するであろう。
【0046】
例えば、ピンローラ1241は、内向きに延在するピン1551と、外向きに延在する2つの突出部1548及び1552と、を有し、ピンローラ1242は、内向きに延在するピン1561と、2つの外向きに延在する突出部1557及び1559と、を有する。制御グリップ1210がカムプレート1244をその現在の位置に回転させると、カムプレート1244の平面内側表面1243は突出部1548を押圧して、ピンロッカー1241を反時計回り方向に回転させ、一方でカムプレート1244内の凹部1248により、突出部1552がハウジング104から離れて回転して、ハウジング104から離れてピン1551を持ち上げることを可能にする。したがって、ピン1551は、ハウジング104内の任意の制御チャネル532から引き抜かれ、ピン1551は制御ハンドル130の移動を抑制又は指示しない。
【0047】
しかしながら、同時に、カムプレート1244の平面内側表面1243は突出部1559を押圧してピンロッカー1242を時計回り方向に回転させ、一方でカムプレート内の凹部1249により、突出部1557がハウジング104から離れるように回転することを可能にする。その結果、ピン1561は、制御チャネル532内に下方向に駆動される。したがって、ピン1561及びピン1561を受容する制御チャネル532の形状は、制御ハンドル130の移動を指示及び抑制する。したがって、ピン1561によって係合された制御チャネル532がハウジング104と軸方向に位置合わせされる場合、制御ハンドルは、その制御チャネル532に沿って摺動することができ、かつ/又は制御チャネル532がハウジング104に沿って半径方向に位置合わせされている場合、制御ハンドル130は、制御チャネル532によって方向付けられるように回転されてもよい。したがって、カムプレート1244内の凹部の形状及び制御チャネル532の形状は、制御ハンドル130の移動を方向付けるために使用されてもよい。
【0048】
図16を参照すると、コイル化可能フィラメント710(図16には示さず)は、針420を通って延在するスタイレット1610によって推進される。以下で更に説明するように、コイル化可能フィラメント710は、スタイレット1620の遠位端と解放可能に結合される。スタイレット1610は、カムシャフト530のガイドスロット531内に摺動可能に受容されるスタイレットキャリッジ1620と結合される。スタイレットキャリッジ1620は、スタイレットキャリッジ1620から半径方向に延在する駆動部材1622を支持する。様々な実施形態では、駆動部材1622は、スタイレットキャリッジ1620の端部に回転可能に取り付けられたキャップローラ1624を支持する。駆動部材1622は、突出した螺旋状チャネル1641によって強調されるように、カムチューブ440の螺旋状チャネル541の内側表面と係合する。カムチューブ440の螺旋状チャネル541とカムシャフト530のガイドスロット531との間の駆動部材1622の係合の結果として、操作者がコイルノブ160(図16には示さず)を回転させることによってカムチューブ440が回転されると、カムシャフト530のガイドスロット531とカムチューブ440の螺旋状チャネル541との間のはさみ型の相互作用が、スタイレット1610の軸に沿って駆動部材1622に並進力を付与する。したがって、カムチューブ440の回転により、スタイレットキャリッジ1620がカムチューブ1630を通って押されてスタイレット1610を前進させ、以下で更に後述するように、コイル化可能フィラメント710を延在させる。
【0049】
カムシャフト530のガイドチャネル1632はまた、スタイレット1610に対する横方向の支持をもたらす。結果として、スタイレットキャリッジ1620がカムシャフト530を通って駆動され、スタイレット1610が抵抗に遭うと、ガイドチャネル1632はスタイレット1610の側面を支持して、スタイレットが座屈するのを防止する。
【0050】
図17を参照すると、スタイレットキャリッジ1620はスタイレット1610に固定可能に結合されている。スタイレット1610は、凹部1721内のスタイレットキャリッジ1620内に部分的に受容され得る。スタイレット1610は、接合によってスタイレットキャリッジ1620に固定されてもよい。様々な実施形態における駆動部材1622は、スタイレットキャリッジ1620に固定可能に結合された駆動ピン1726を含む。キャップローラ1624は、キャップローラがカムチューブ440の螺旋状チャネル541と係合する際にキャップローラ1624の回転を容易にするために、スリーブ1728を介して駆動ピン上に装着されてもよい。
【0051】
図18及び図19を参照すると、移動停止部570は、スタイレットキャリッジ1620の移動を選択的に阻むように位置付け可能である。スタイレットキャリッジ1620の移動を阻むことにより、スタイレット1610の伸長は、所望の点を越えて、コイル化可能フィラメント710(図18及び図19には示さず)の伸長を制御するように制限される。図18を参照すると、以下で更に説明するように、針420が表面201から後退されるモードでは(どちらも図18又は19には示さず)、針420の伸長中にスタイレット1610の移動を制限する必要はなく、又はコイルの第2のセグメントとしてのコイル化可能フィラメント710の伸長を制限する必要はない。したがって、移動停止部570は、スタイレットキャリッジ1620の移動に干渉しないように操作される。ハウジング104から延在する第1のカムローブ1845は、移動停止部570から外側に延在する突出部1871と係合する。第1のカムローブ1845の突出部1871との係合により、移動停止部を時計回り方向に回転させ、停止部1873をカムシャフト530から離れるように持ち上げ、ひいてはスタイレットキャリッジ1620の経路から外れるようにする。結果として、移動停止部570は、スタイレットキャリッジ1620の移動を阻害しない。
【0052】
しかしながら、針420が表面201を通って延在するときに、スタイレット1610が針420の端部を越えてコイル化可能フィラメント710の所望の長さだけ前進し、針420の引き抜き後にコイル化可能フィラメント710の所望の部分を表面201の近位側に配置させるように、スタイレットキャリッジ1620の移動を制限することが望ましい。移動停止部570は、スタイレットキャリッジ1620の移動を制御して、スタイレット1610の、ひいてはコイル化可能フィラメント710の伸長を制限することができる。針420が延長された状態の図19を参照すると、第2のカムローブ1846は、移動停止部570と係合して、移動停止部570を反時計回り方向に回転させる。ハウジング104によって画定される凹部1875は、突出部1871がカムシャフト530から離れることを可能にする。したがって、停止部1873は、スタイレットキャリッジ1620の動きを阻むために、カムシャフト530に向かって移動され、かつスタイレットキャリッジ1620から延在する駆動部材1622の経路に移動される。したがって、スタイレットキャリッジ1620の移動は、針420が表面201を越えて延在するときに、スタイレット1610が前進してコイル化可能フィラメント710が大きく延在しすぎるのを防止するように制御される。
【0053】
図20A図31Bを参照して、ユーザインターフェース100の動作、並びにシース102、針420、及びコイル化可能フィラメント710を延在させる際の結果として生じる動作について説明する。これら一対の図面の各々の第1の図面、例えば図20Aでは、ユーザインターフェース100の状態を示し、一方、これら一対の図面の各々の第2の図面、例えば図20Bでは、シース102の遠位端における針520及び/又はコイル化可能フィラメント710の効果を示す。コイル化可能フィラメントを配置する際の工程のいずれかに関与するユーザインターフェース100の構成要素は、図20A図21A図22A図23A図24A図25A図26A図27A図28A図29A図30A、及び図31Aのそれぞれにおいてラベル付けされる。シース102の遠位端701の位置、針420の遠位端703、並びに第1のコイル212及び第2のコイル214が、それぞれ表面201の遠位側202及び近位側204上に配置される表面201に対する、コイル化可能フィラメント710の遠位端705は、図20B図21B図22B図23B図24B図25B図26B図27B図28B図29B図30B、及び図31Bの各々に示される。
【0054】
図20A図31Bに示す例では、第1のコイル212及び第2のコイル214が配置される表面201は、総胆管壁206及び小腸壁208の隣接する部分として限定されることなく見なされ得る。しかしながら、ユーザインターフェース100は、針607によって穿孔可能であり得る任意の種類の表面201上にコイルを配置するために使用され得ることが理解されるであろう。図18を参照して説明されるように、コイル化可能フィラメント611は、1863スタイレットによって針を通って駆動されるが、図20B図21B図22B図23B図24B図25B図26B図27B図28B、及び図29Bに示される表面201の図は、コイル化可能フィラメント611のみを示すことも理解されるであろう。
【0055】
図20A図31Bを参照して説明するユーザインターフェース100の以下の動作説明は、制御ハンドル130などの制御面の動作、及び結果として生じるシース102、針420、及びコイル化可能フィラメント710の任意の動作に焦点を合わせることが理解されるであろう。理解されるように、制御面の任意の移動は他の構成要素の移動をもたらす。例えば、制御ハンドル130の回転は、前述のように、カムプレート1244並びにピンロッカー1241及び1242などの関連する構成要素の移動を伴い得る。明確さ及び簡潔さのため、各構成要素の動きは制御面の移動に起因する。同様に、シース102の遠位端701、針420の遠位端703、及びコイル化可能フィラメント710の遠位端705の動きを説明する際には、前述のようなそこに取り付けられた機構の移動を必然的に伴う。例えば、コイル化可能フィラメント710の遠位端705を前進させるときは、必然的にスタイレット1610、スタイレットキャリッジ1620、及び前述したような他の構成要素の移動を伴う。ここでも、明確さ及び簡潔さのために、シース102、針420、及びコイル化可能フィラメント710の移動をもたらす各構成要素の移動は、ここでは繰り返されない。
【0056】
図20A及び図20Bを参照すると、ユーザインターフェース100が位置決めシステム300(図3)と結合されており、位置決めシステム300が、シース102の遠位端701をコイル化可能フィラメント710の配置が起こる表面201に隣接する位置まで搬送するために使用されているとき、ユーザインターフェース100は開始位置にある。図20Aに示すように、かつ図6Aで前に示したように、シースロック412は、チャネル414の後縁部715の開始位置に位置する。図20Bを参照すると、シース102の遠位端701は、表面201の近くに位置付けられている。針420の遠位端703は、シース102の遠位端701内に置かれ、コイル化可能フィラメント710の遠位端705は、表面201の近位側204において針420の遠位端703内に置かれる。
【0057】
図21A及び図21Bを参照すると、シース102の遠位端701は、表面201に向かって延在する。図8A及び図8Bを参照して前述したように、シースロック412は、ロック解除されるか又は緩められ、チャネル414内の中間点815まで距離2190を移動されて、シース102の遠位端701を前進する。コイル化可能フィラメント710の遠位端705及び針420の遠位端703は、シース102の遠位端701と協調した動きで摺動する。したがって、針420及びコイル化可能フィラメント710と結合されており、コイルノブ160を含むユーザインターフェース100の構成要素、制御ハンドル130、針深さ制御機構150、及びハウジング104もまた、距離2190を通って移動する。ユーザインターフェース100の構成要素が移動することにより、シース102の遠位端701、針420の遠位端703、及びコイル化可能フィラメント710の遠位端705の各々が、同じ距離2190にわたって対応した移動をする結果となる。
【0058】
図22A及び図22Bを参照すると、ユーザインターフェース100は、針深さ制御機構150を方向2290に回転させて、針深さ制御機構150を所望の位置まで距離2291にわたって移動させることによって、針420の伸長のために備えられている。図9図11を参照して前述したように、針深さ制御機構150は、ハウジング104上の深さ設定チャネル952と回転可能に係合して、針深さ制御機構150の位置を設定し、ひいては制御ハンドル130の移動を制限する停止部を設定する。針制御機構150をハウジング104に沿って距離2291にわたって移動させるために針深さ制御機構150を回転させることにより、制御ハンドル130の同じ距離2291にわたる後続の移動が可能となる。針深さ制御機構150の動作中、制御ハンドル130、コイルノブ160、及びシースロック412を含む、ユーザインターフェース100の他の構成要素は、同じ位置に留まる。図22Bを参照すると、プロセスのこの部分は、針420の移動の準備のみを伴うので、シース102の遠位端701、針420の遠位端703、及びコイル化可能フィラメント710の遠位端705は、図21Bと同じ位置に留まる。
【0059】
図23A及び図23Bを参照すると、ユーザインターフェース100は、制御ハンドル130を解除することによって針420の伸長のために更に備えられている。制御ハンドル130は、ハウジング104及び他の構成要素に対して、制御ハンドル130を方向2390に回転させることによってロック解除される。図12及び図15を参照して前述したように、制御ハンドル130の制御グリップ1210の回転は、カムプレート1244並びにピンロッカー1241及び1242の移動をもたらし、制御ハンドル130を、針420の伸長のためにハウジング104上の制御チャネル532と係合するように構成する。制御ハンドル130の回転中、ハウジング104、コイルノブ160、深さ制御機構150、及びシースロック412を含む、ユーザインターフェース100の他の構成要素は、同じ位置に留まる。図23Bを参照すると、プロセスのこの部分は、針420の移動の準備のみを伴うので、シース102の遠位端701、針420の遠位端703、及びコイル化可能フィラメント710の遠位端705は、図22Bと同じ位置に留まる。
【0060】
図24A及び図24Bを参照すると、ユーザインターフェース100は、針420の遠位端703を伸長して、第1のコイル212(図2A及び図2B)の配置に備えて表面201を穿孔する。制御ハンドル130は、距離2490にわたって移動する。ユーザは、図22A及び図22Bを参照して説明したように、針深さ設定機構150を使用して設定された深さで針の伸長を停止し、針深さ設定機構150に当接するまで制御ハンドル130摺動部を摺動させてもよい。コイル化可能フィラメント710は針420と共に移動してコイル化可能フィラメント710の配置に備えるので、コイルノブ160は、後退ロック180及びインターロック表示部187などの他の構成要素と共に制御ハンドル130と同時に移動する。図24Bを参照すると、制御ハンドル130及び他の構成要素が距離2490にわたって移動することは、結果として、針420の遠位端703及びコイル化可能フィラメント710の遠位端705を距離2490にわたって伸長させる。したがって、針420の遠位端703は表面201を貫通し、それによって表面201の近位側204から表面201の遠位側202に向かって通過する。したがって針420は、以下で更に説明するように、第1のコイル212を配置するために、コイル化可能フィラメント710の伸長のための位置にある。
【0061】
図25A及び図25Bを参照すると、ユーザインターフェース100を操作して、コイル化可能フィラメント710の伸長に備える。コイル化可能フィラメント710の伸長に備えるために、制御ハンドル130を方向2590に回転させてコイルノブ160をロック解除することにより、図12及び図13を参照して前述したようにスタイレット1610(図25A及び図25Bには示さず)を前進させて、コイル化可能フィラメント710を前進させることができる。図25Bを参照すると、プロセスのこの部分は、スタイレット1610及びコイル化可能フィラメント710の前進に備えるためのコイルノブ160のロック解除のみを伴うので、シース102の遠位端701、針420の遠位端703、及びコイル化可能フィラメント710の遠位端705は、図24Bと同じ位置に留まる。
【0062】
図26A及び図26Bを参照すると、ユーザインターフェース100を操作してスタイレット1610(図26A及び図26Bには示さず)を前進させて、コイル化可能フィラメント710を延在させる。具体的には、コイルノブ160を方向2690に回転させて、コイル化可能フィラメント710を延在させる。前述したように、コイルノブ160を回転させると、カムチューブ440が回転し、それによってカムチューブ440の螺旋状チャネル541がキャリッジスタイレット1620を前進させてスタイレット1610を前進させ、次いでコイル化可能フィラメント611を延在させる。コイルノブの回転中、制御ハンドル130及び他の構成要素を含む、ユーザインターフェース100の他の構成要素は、同じ位置に留まる。図26Bを参照すると、コイル化可能フィラメント710の遠位端705は、針420の遠位端703を越えて延在する。前述したように、様々な実施形態では、コイル化可能なフィラメント710は、針420がもはやコイル化可能なフィラメント710を抑制して直線的な構成に留まらないときにコイル状になるように構成された、メモリワイヤから形成される。したがって、針420の遠位端703を越えたコイル化可能なフィラメント710の伸長は、自動的に第1のコイル212の形成をもたらす。第1のコイル212の配置中、シース102の遠位端701及び針420の遠位端703は、図25Bと同じ位置に留まる。
【0063】
図27A及び図27Bを参照すると、第2のコイル214の配置のために、表面201の遠位側202から近位側204に針420を引き抜く準備をするために、シース102は、表面201から部分的に後退している。シース102を後退させるため、シースロック412が解放され、ハウジング104が方向2790に移動されてシース102の遠位端701を後退させる。図27Bを参照すると、距離2790をわたるシースロック412の移動は、シース102の遠位端701の距離2790をわたる対応する移動をもたらし、シース102の遠位端701を表面201の近位側204から離れるように後退させる。
【0064】
図28A及び図28Bを参照すると、第2のコイル214の配置に備えるための針420の後退は、図14を参照して説明したように、後退ロック180を回転させることによって開始される。後退ロック140を方向1401に摺動させることにより、解放ボタンクランク1284(図14には示さず)を回転させて、カムプレート1244、ひいては制御ハンドル130を回転させて、針420の引き抜きを可能にする。図28Bを参照すると、プロセスのこの部分は、針420の引き抜きに備えるための後退ロック180の作動のみを伴うので、シース102の遠位端701、針420の遠位端703、及びコイル化可能なフィラメント710の遠位端705は、図27Bと同じ位置に留まる。
【0065】
図29A及び図29Bを参照すると、ユーザインターフェース100は、制御ハンドルを方向2990に回転させることによって針207を後退させるように操作される。制御ハンドル130を回転させることにより、針420を表面201から回転可能に後退させる。同時に、制御ハンドル130を回転させることにより、カムチューブ440、ひいてはスタイレット1610に結合された構成要素の残りの部分が回転し、ひいては、コイル化可能なフィラメント710を回転させる。図29Bを参照すると、針420を回転可能に後退させるための制御ハンドル130の回転は、針420の遠位端703を距離2991の分だけ後退させる。但し、同時に、コイル化可能なフィラメント710の回転は、コイル化可能なフィラメント710、ひいては第1のコイル212を2993の方向に捻じり、第1のコイル212を反転させて表面201の遠位側202に接触して平らに置く。
【0066】
図30Aを参照すると、ユーザインターフェース100は、第2のコイル214を配置するように操作される。第2のコイル214を配置するために、針420を表面201の近位側204に後退させ、並行してコイル化可能なフィラメント710を捻じって第1のコイル212の向きを反転させた後、コイルノブ160は更に方向3090に回転されて、スタイレット1610(図30Aには示さず)を更に前進させる。図30Bを参照すると、追加の長さのコイル化可能なフィラメント710が針420の遠位端703を越えて延在し、結果として、表面201の近位側204上に第2のコイル214が配置される。コイル化可能なフィラメント710を更に回転させることなく、追加の長さのコイル化可能なフィラメント710が第1のコイル212と同じ向きに配置される。したがって、第2のコイル214は、表面201の近位側204に沿って、第1のコイル212と平行して平らに置かれている。
【0067】
引き続き図30Bを参照すると、コイルノブ160が回転すると、コイル化可能フィラメント710の近位端3001及びスタイレット1610の遠位端3003の両方が針420の遠位端703の付近になるように、スタイレット1610を前進させる。様々な実施形態において、コイル化可能フィラメント710の近位端3001の両方が、解放可能な溶接部3095でスタイレット1610の遠位端3003と接合される。解放可能な溶接部3095は、コイル化可能フィラメント710とスタイレット610の両方が針420を通って並進する際に、コイル化可能フィラメント710をスタイレット610に保持するように構成されている。しかしながら、後述するように、解放可能な溶接部3095は、前述したようにコイル化可能フィラメント710を捻じってコイル212及び214を配置することによって生じる、針420の遠位端703を越えたコイル化可能フィラメント710の捻じれによって引き起こされる、解放可能な溶接部に印加されるトルクに耐えるように構成されていない。
【0068】
図31A及び図31Bを参照すると、ユーザインターフェース100は、第2のコイル214の配置を完了し、スタイレット1610から第2のコイル214を係合解除するように操作される。コイルノブ160は、方向3190に回転されて、スタイレット1610の遠位端3003を針420の遠位端703まで及び/又は針420の遠位端703をわずかに越えるまで前進させる。前述したように、様々な実施形態では、針420を支持することなく、解放可能な溶接部3095は、スタイレット1610の遠位端3003からコイル化可能フィラメント710を解放する方法を与える。図31Bを参照すると、第1のコイル212及び第2のコイル214は、したがって、表面201上の遠位側202及び近位側204上の所定位置に残される。したがって、針420、スタイレット1610、及びシース102は後退させてもよい。
【0069】
図2A図2Cを参照して前述したように、コイル212及び214は、それらの目的を果たした後に離れてもよい。したがって、新たな総胆管を形成する例のように、新しい導管が形成された後、コイル212及び214は小腸内に落ち、やがて体から排出され得る。
【0070】
図32を参照すると、図20A図31Bを参照して前述したように、コイル化可能フィラメントを延在することによってコイルを配置する例示的な方法3200が提供されている。方法3200は、ブロック3205で開始する。ブロック3210において、図24A及び図24Bを参照して説明したように、針内に受容されたスタイレットと移動可能に連結された針が延在されて、針の先端部が表面を穿孔し、針の先端を表面を通って表面の遠位側に延在させる一方で、スタイレットを針と共に延在させて、針内のコイル化可能フィラメントを表面の遠位側に延在させる。ブロック3220において、図26A及び図26Bを参照して説明したように、スタイレットは、針から移動可能に係合解除され、針を通って前進して、針の先端を通ってスタイレットの遠位端に結合された第1の長さのコイル化可能フィラメントを延在させ、針の先端が出ると、第1の長さのコイル化可能フィラメントは、表面の遠位側に第1のコイルを形成する。ブロック3230において、図29A及び図29Bを参照して前述したように、同時に針は後退し、スタイレットは回転し、これにより針の先端は表面の近位側に引き抜かれ、コイルの第1のセグメントを表面の遠位側に沿って配置する。ブロック3240において、図30A及び図30Bを参照して前述したように、スタイレットは、針から移動可能に係合解除され、針の先端を通って第2の長さのコイル化可能フィラメントを延在させ、針の先端部が出ると、第2の長さのコイル化可能フィラメントコイルは、表面の近位側に第2のコイルを形成する。方法3200は、ブロック3245で、コイルが表面の両側に現在位置付けられた状態で終了する。
【0071】
上に示した発明を実施するための形態は、本質的に単に例示的なものであり、請求項に係る主題の主旨及び/又は趣旨から逸脱しない変形が、請求項の範囲内にあることが意図されることが理解されよう。このような変形は、請求項に係る主題の趣旨及び範囲から逸脱するものとしてみなされない。
図1
図2A
図2B
図2C
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8A
図8B
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20A
図20B
図21A
図21B
図22A
図22B
図23A
図23B
図24A
図24B
図25A
図25B
図26A
図26B
図27A
図27B
図28A
図28B
図29A
図29B
図30A
図30B
図31A
図31B
図32
【国際調査報告】