(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-06
(54)【発明の名称】微生物叢の副産物及びその使用
(51)【国際特許分類】
A61K 45/00 20060101AFI20220530BHJP
C12Q 1/02 20060101ALI20220530BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20220530BHJP
A61K 35/74 20150101ALI20220530BHJP
A61K 35/741 20150101ALI20220530BHJP
A61K 35/744 20150101ALI20220530BHJP
A61K 35/745 20150101ALI20220530BHJP
A61K 35/747 20150101ALI20220530BHJP
C12Q 1/04 20060101ALN20220530BHJP
【FI】
A61K45/00
C12Q1/02
A61P43/00
A61K35/74 A
A61K35/741
A61K35/744
A61K35/745
A61K35/747
C12Q1/04
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021558633
(86)(22)【出願日】2020-03-27
(85)【翻訳文提出日】2021-09-29
(86)【国際出願番号】 US2020025284
(87)【国際公開番号】W WO2020205542
(87)【国際公開日】2020-10-08
(32)【優先日】2019-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520021048
【氏名又は名称】プソマーゲン, インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】PSOMAGEN, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110000914
【氏名又は名称】特許業務法人 安富国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】アプト, ザカリー
(72)【発明者】
【氏名】リッチマン, ジェシカ
(72)【発明者】
【氏名】アルモナシッド, ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】マルケス, バレリア
【テーマコード(参考)】
4B063
4C084
4C087
【Fターム(参考)】
4B063QA18
4B063QQ05
4B063QR41
4C084AA17
4C084MA16
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4C084NA05
4C084ZC511
4C084ZC512
4C087AA01
4C087AA02
4C087BC56
4C087BC59
4C087BC61
4C087BC77
4C087CA09
4C087MA02
4C087MA16
4C087MA34
4C087MA52
4C087MA55
4C087NA05
4C087ZC51
(57)【要約】
【課題】微生物叢の副産物及びその使用。
【解決手段】患者の微生物関連症状を治療する方法であって、母集団から収集したサンプルのセットにおいて微生物を検出することと、サンプルのセットにおける異なる微生物分類群の相対存在量、及び、微生物分類群間の共起を比較することと、を備えてもよい。該方法は、微生物分類群の相対存在量、又は、微生物分類群間の共起における変化を、母集団中、微生物関連症状を伴う人々からのサンプル、及び、母集団中、微生物関連症状を伴わない人々からのサンプルと関連付けることにより、標的分類群を判定することをさらに備える。その後、バクテリオファージのブレンドを特定するが、このブレンドは、微生物コミュニティから標的分類群を除去するように構成される。その後、このブレンドを含む治療用組成物を、微生物関連症状を伴う患者に投与する。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の微生物関連症状を治療する方法であって、
母集団から収集したサンプルのセットにおいて微生物を検出することと、
前記サンプルのセットにおける異なる微生物分類群の相対存在量、及び、前記微生物分類群間の共起を比較することと、
前記微生物分類群の前記相対存在量、又は、前記微生物分類群間の前記共起における変化を、前記母集団中、前記微生物関連症状を伴う人々からのサンプル、及び、前記母集団中、前記微生物関連症状を伴わない人々からのサンプルと関連付けることにより、標的分類群を判定することと、
微生物コミュニティから前記標的分類群を除去するように構成された、バクテリオファージのブレンドを特定することと、
前記微生物関連症状を伴う前記患者に対して、前記ブレンドを含む治療用組成物を投与することと、を備える方法。
【請求項2】
前記標的分類群には、前記母集団中、前記微生物関連症状の発生と直接対応付けられる分類群が含まれる請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記標的分類群には、前記母集団中、前記微生物関連症状の発生と直接対応付けられる分類群と共起する分類群が含まれる請求項1に記載の方法。
【請求項4】
患者の微生物関連症状を治療する方法であって、
母集団から収集したサンプルのセットにおいて微生物を検出することと、
前記サンプルのセットにおける異なる微生物分類群の相対存在量、及び、前記微生物分類群間の共起を比較することと、
前記微生物分類群の前記相対存在量、又は、前記微生物分類群間の前記共起における変化を、前記母集団中、前記微生物関連症状を伴う人々からのサンプル、及び、前記母集団中、前記微生物関連症状を伴わない人々からのサンプルと関連付けることにより、標的分類群を判定することと、
微生物コミュニティにおける前記標的分類群の存在量を変化させるように構成された、治療用微生物のブレンドを特定することと、
前記微生物関連症状を伴う前記患者に対して、前記ブレンドを含む治療用組成物を投与することと、を備える方法。
【請求項5】
前記標的分類群には、前記母集団中、前記微生物関連症状の発生に直接対応付けられる分類群が含まれる請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記標的分類群には、前記母集団中、前記微生物関連症状の発生に直接対応付けられる分類群と共起する分類群が含まれる請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記ブレンドは、前記標的分類群を直接再増殖させることにより、前記標的分類群の前記存在量を増加させるように構成される請求項4に記載の方法。
【請求項8】
前記ブレンドは、前記標的分類群との共起の可能性の高い、1つ以上の分類群を再増加させることにより、前記標的分類群の前記存在量を増加させるように構成される請求項4に記載の方法。
【請求項9】
前記ブレンドは、Enterococcus faecium、Lactobacillus rhamnosus、Lactobacillus salivarius、Bifidobacterium adolescentis、Bifidobacterium animalis、Lactobacillus gasseri、Bifidobacterium breve、Bifidobacterium catenulatum、Bifidobacterium pseudocatenulatum、Bifidobacterium stercoris、Lactobacillus reuteri、Lactobacillus fermentutn、Pediococcus pentosaceus、Lactobacillus helveticus、Lactobacillus brevis、Lactococcus lactis、Bacteroides xylanisolvensからなる群より選択される株又は種を含む請求項4に記載の方法。
【請求項10】
前記ブレンドは、Faecalibacterium prausnitzii、Roseburia faecis、Roseburia hominis、Roseburia intestinalis、Anaerostipes caccae、Anaerostipes rhamnosivorans、Eubacterium limosum、Eubacterium sp.ARC.2、Subdoligranulum variabile、Akkermansia muciniphila、Bifidobacterium adolescentis、Bifidobacterium animalis、Bifidobacterium breve、Bifidobacterium catenulatum、Bifidobacterium crudilactis、Bifidobacterium dentium、Bifidobacterium pseudocatenulatum、Bifidobacterium stercoris、Bifidobacterium thermacidophilum、Methanobrevibacter smithii、Roseburia sp.499、Bacteroides dorei、Bacteroides massiliensis、Bacteroides plebeius、Bacteroides sp.35AE37、Bacteroides thetaiotaomicron、Bacteroides xylanisolvens、Lactobacillus rhamnosus、Lactococcus lactis、Enterococcus faecium、Lactobacillus salivarius、Lactobacillus gasseri、Lactobacillus reuteri、Lactobacillus fermentum、Pediococcus pentosaceus、Lactobacillus helveticus、Lactobacillus brevisからなる群より選択される株又は種を含む請求項4に記載の方法。
【請求項11】
新規の細菌生成抗菌性化合物を特定する方法であって、
既知の抗菌性化合物生成微生物及び抗菌性化合物をスクリーニングすることにより、細菌によって生成される抗菌性化合物のデータベースを生成することと、
プロセッサにより、キュレートした抗菌性化合物の配列アラインメントを、参照プロテオームの配列アラインメントと比較することにより、他の微生物を結合するデータベースから、前記抗菌性化合物の結合領域を特定することと、
前記特定されたペプチドモチーフに基づき、新規の細菌生成抗菌性化合物を特定することと、を備える方法。
【請求項12】
前記キュレートした抗菌性化合物には、ランチビオティック、バクテリオシン、及びミクロシンが含まれる請求項11に記載の方法。
【請求項13】
参照プロテオームは、Uniprotデータベース又はNCBIデータベースから選択される請求項11に記載の方法。
【請求項14】
配列アラインメントの比較は、BLAST、FASTA、及びClustalからなる群より選択される配列アラインメントアルゴリズムを使用して実施される請求項11に記載の方法。
【請求項15】
特定されたペプチドモチーフの構造を解析することにより、前記特定されたペプチドモチーフ中、微生物由来のタンパク質と相互作用可能なペプチドモチーフのセットを判定することと、
前記ペプチドモチーフのセットに対し、既知の抗菌性ペプチドの作用によって阻害される微生物由来の既知の標的と、各ペプチドモチーフとの間の相互作用をモデリングすることと、をさらに備える請求項11に記載の方法。
【請求項16】
治療用組成物の生成方法であって、
微生物関連症状の基礎となる代謝物質を生成する細菌由来のタンパク質を特定することと、
プロセッサにより、仮想高スループットスクリーニングを使用し、前記特定されたタンパク質のための第1の阻害剤と、前記特定されたタンパク質に対してオーソロガスなタンパク質の第2の阻害剤を特定することと、
前記第1の阻害剤及び前記第2の阻害剤の一方又は双方を含む治療用組成物を生成することと、を備える方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年3月29日出願の米国仮出願第62/826,479号、2019年3月29日出願の米国仮出願第62/826,497号、2019年3月29日出願の米国仮出願第62/826,505号、2019年3月29日出願の米国仮出願第62/826,515号の利益を主張するものであり、これら全体を参照として本明細書中に援用する。
【背景技術】
【0002】
背景
ヒトの細菌叢によって生成される抗菌性化合物には、ヒトの健康、及び/又は、病状に関連する異なる生物学的機能に関与するものがある。最も一般的な抗菌性化合物には、ランチビオティック、バクテリオシン、及びミクロシンがある。
【0003】
バクテリオシン及びランチビオティックは、他の微生物を阻害又は殺傷する細菌によって合成される抗菌性のペプチド又はタンパク質(例えば、20~60のアミノ酸)である。抗菌性化合物は、殺菌性又は静菌性の効果を促進し、細胞成長を阻害する。バクテリオシンは、ヒトの消化管で容易に消化されるため、安全な食品保存料として主に使用されてきた。しかしながら、バクテリオシン及びランチビオティックの中には、健康関連用途に使用されるものもある。Bacillus subtilis由来のサブチロシンは、抗ウィルス性且つ殺精子性の活性を示す。ナイシンは、Lactococcus及びStreptococcus種を含む、いくつかのグラム陽性菌で生成されるものであり、Streptococcus pneumoniae、Enterococci、及びClostridium difficile等、多数のグラム陽性病原体を制御する能力を有する。ミクロシンは、Enterobacteriaceaeに排他的に由来する小ペプチド(10kDa未満)であり、これを生成する関連性の高い細菌に対して潜在的な抗菌活性を有する。感受性Escherichia coli細胞に対するミクロシンB17の作用により、DNA複製の停止を生じ、最終的に、SOS応答の誘発を生じる。抗菌性化合物の一部は、FDAにより、一般的に安全と認識される(GRAS)化合物として認識されているため、その多様な用途が研究されている。したがって、バクテリオシン、ランチビオティック、及びミクロシン等の抗菌性化合物は、ヘルスケアバイオテクノロジー及び調剤の用途で前途有望な標的である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
概要
第1の態様によると、患者の微生物関連症状を治療する方法であって、母集団から収集したサンプルのセットにおいて微生物を検出することと、サンプルのセットにおける異なる微生物分類群の相対存在量、及び、微生物分類群間の共起を比較することと、を備えてもよい。該方法は、微生物分類群の相対存在量、又は、微生物分類群間の共起における変化を、母集団中、微生物関連症状を伴う人々からのサンプル、及び、母集団中、微生物関連症状を伴わない人々からのサンプルと関連付けることにより、標的分類群を判定することをさらに備える。バクテリオファージのブレンドが特定されるが、このブレンドは、微生物コミュニティから標的分類群を除去するように構成される。このブレンドを含む治療用組成物を、微生物関連症状を伴う患者に投与する。
【0005】
第2の態様によると、患者の微生物関連症状を治療する方法であって、母集団から収集したサンプルのセットにおいて微生物を検出することと、サンプルのセットにおける異なる微生物分類群の相対存在量、及び、微生物分類群間の共起を比較することと、を備えてもよい。該方法は、微生物分類群の相対存在量、又は、微生物分類群間の共起における変化を、母集団中、微生物関連症状を伴う人々からのサンプル、及び、母集団中、微生物関連症状を伴わない人々からのサンプルと関連付けることにより、標的分類群を判定することをさらに備えてもよい。治療用微生物のブレンドを特定するが、このブレンドは、微生物コミュニティにおける標的分類群の存在量を変化させるように構成される。このブレンドを含む治療用組成物を、微生物関連症状を伴う患者に投与する。
【0006】
第3の態様によると、新規の細菌生成抗菌性化合物を特定する方法であって、既知の抗菌性化合物生成微生物及び抗菌性化合物をスクリーニングすることにより、細菌によって生成される抗菌性化合物のデータベースを生成することと、プロセッサにより、キュレートした抗菌性化合物の配列アラインメントを、参照プロテオームの配列アラインメントと比較することにより、他の微生物を結合するデータベースから、抗菌性化合物の結合領域を特定することと、を備える。新規の細菌生成抗菌性化合物は、特定されたペプチドモチーフに基づき、特定される。
【0007】
第4の態様によると、治療用組成物の生成方法であって、微生物関連症状の基礎となる代謝物質を生成する細菌由来のタンパク質を特定することと、プロセッサにより、仮想高スループットスクリーニングを使用し、特定されたタンパク質のための第1の阻害剤と、特定されたタンパク質に対してオーソロガスなタンパク質の第2の阻害剤を特定することと、を備えてもよく、第1の阻害剤及び第2の阻害剤の一方又は双方を含む治療用組成物を生成する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本開示の一実施形態に係る新規の細菌生成抗菌性化合物を検出するパイプラインの一例を示している。
【
図2】本開示の一実施形態に係る抗菌性化合物を改変するパイプラインの一例を示している。
【発明を実施するための形態】
【0009】
詳細な説明
本技術の以下の説明は、以下に記載の種々の実施形態に限定されることを意図したものではなく、当業者がこれを作成及び使用できるようにすることを意図したものである。
【0010】
本開示の態様によると、新規の細菌生成抗菌性化合物を特定する方法を開示する。他の態様においては、抗菌活性を向上するように抗菌性化合物を変化させる方法。
【0011】
実施形態は、以下のうちの1つ以上を包含、使用、及び/又は、これに関連付けられることができる。
a)サリバリシンA(例えば、Streptococcus anginosis T29、Eubacterium saburreum、及びMicromonas micros等、悪臭関連細菌種を阻害するため、Streptococcus salivarius K12によって生成されるバクテリオシンが研究されている。)
b)ルミノコッシンA(例えば、C. perfringens及びC. difficileに対して、Ruminococcus gnavus及びClostridium nexileで生成されるものが研究されており、これらの病原体に対する治療薬として提案する。これらの病原体は、ヒトの抗菌薬関連下痢症及び散発性下痢症等に関連付けられる。)
c)バクテリオシンスタフィロコッシン188(例えば、ニューカッスル病ウィルス、インフルエンザウィルス等に対して研究されている)。
【0012】
実施形態には、病原性細菌を阻害、及び/又は、殺傷する細菌叢(例えば、任意の好適な微生物分類群等)由来の1つ以上の抗菌性化合物(例えば、治療用組成物等におけるもの)が含まれ得る。実施形態には、細菌叢(例えば、任意の好適な微生物分類群等)由来の1つ以上の抗菌性化合物(例えば、治療用組成物等におけるもの)を使用して、病原性細菌を阻害又は殺傷することが含まれ得る。方法の実施形態には、1つ以上のバイオインフォマティクスアプローチ(例えば、バイオインフォマティクスパイプライン)を使用して、細菌叢(例えば、病原性細菌を阻害、及び/又は、殺傷するためのもの等)において1つ以上の抗菌性化合物を特定することが含まれ得る。方法の実施形態には、既存のものに基づく等、新規の抗菌性化合物を設計するために構造生物学を使用した1つ以上のアプローチを使用することが含まれ得る。
【0013】
実施形態において、疾病の治療として、及び/又は、ヘルスケアバイオテクノロジー及び調剤の用途のために、この新規の天然、及び/又は、改変された抗菌性化合物を使用することができる。追加又は代替として、食品保存、活性プロバイオティック培養、感染治療、従来の抗生物質に対する抗生物質耐性、感染性細菌の術後制御、及び/又は、潜在的な抗癌剤のうちの1つ以上のために、実施形態を使用することができる。
【0014】
第1段階(及び/又は、任意の好適なタイミング及び頻度で実施可能):このパイプラインにより、新規の細菌生成抗菌性化合物を発見することが可能となる。
【0015】
まず(及び/又は、任意の好適なタイミング及び頻度で実施可能)、既知の抗菌性化合物生成微生物及び抗菌性化合物のスクリーニングを実施して、細菌によって生成される抗菌性化合物のデータベースを生成する。抗菌性の名称、それを生成する微生物、用途、宿主部位、及び/又は、阻害、及び/又は殺傷する標的微生物を含む、関連情報のすべて、及び/又は、情報の任意の好適な組み合わせを次のステップに使用することができる。
【0016】
その後(及び/又は、任意の好適なタイミング及び頻度で実施可能)、キュレートした抗菌性化合物(例えば、ランチビオティック、バクテリオシン、及び/又は、ミクロシン等)のデータベースを使用して、異なる配列アラインメントアルゴリズム(例えば、中でもBLAST、FASTA、Clustal等)を使用した参照プロテオーム(例えば、Uniprot又はNCBIデータベース等)に対して検索を行う。アラインメントを使用して、抗菌性化合物の他の微生物への結合領域を予測するのに有用となり得るペプチドモチーフを特定し、及び/又は、最終的には新規の細菌生成抗菌性化合物を特定することができる。
【0017】
第2段階(及び/又は、任意の好適なタイミング及び頻度で実施可能):このパイプラインにより、抗菌活性を向上するように抗菌性化合物を改変することが可能となる。
【0018】
第2のアプローチには、規定の3次元構造を有し、既知の特定標的(例えば、構造データベースから得たもので、例えば、中でも、タンパク質データバンク、Bactibase、BAGEL)を有する抗菌性ペプチドを改変することが含まれ得る。これに基づき、及び/又は、第1段階(及び/又は、好適なステップ)からの関連ペプチドモチーフの特定に基づき、構造解析を実施して、これらのモチーフが溶媒に露出され、他の微生物由来のタンパク質と相互作用可能であるかを特定する。この解析は、溶媒アクセス可能表面領域(SASA)、及び/又は、任意の好適な態様を使用して実施可能である。
【0019】
その後(及び/又は、任意の好適なタイミング及び頻度で実施可能)、分子ドッキング(controlとして)、及び/又は、好適な実験を実施し、抗菌性ペプチド又はモチーフと、抗菌性ペプチドの作用によって阻害されることが既知の微生物由来の標的との間の原子相互作用をモデル化することができる。双方の分子が剛性と考えられ、すなわち、結合が回転を伴わず、二次構造を維持する。これを考慮して、新規の抗菌性ペプチドを設計することができる。このために、抗菌性ペプチドのアミノ酸のセグメントに対して改変を行うことにより、抗菌活性のより良好な新規の抗菌性ペプチドを得る。この改変には、残りの19のアミノ酸(しかしながら、任意の好適な位置における任意の好適な数のアミノ酸を改変することができる)に対するペプチドの各位置を変異させることが含まれる。続いて(及び/又は、任意の好適なタイミング及び頻度で実施可能)、改変されたペプチドと標的との間のドッキングを実施する。したがって、新規の抗菌性ペプチドは、標的に高い親和性を伴って結合することができるため、それらの抗菌活性を向上することができる。
【0020】
実施形態には、
図1に概略が示される、新規のヒト細菌生成抗菌性化合物を特定するためのパイプラインが含まれ得る。実施形態には、
図2に概略が示される、新規の抗菌性化合物を得るために抗菌性化合物を改変するためのパイプラインが含まれ得る。
【0021】
本開示の他の態様によると、症状治療のファージのための微生物を選択するプラットフォームを開示する。
【0022】
方法の実施形態には、関心対象の特定の健康状態(例えば、微生物関連症状)を伴う(例えば、これに関連付けられる)人々において存在量が増加した(及び/又は、存在量を増加させる)微生物(例えば、分類群)を検出すること(及び/又は、判定すること)が含まれ得る。方法の実施形態には、サンプル中の微生物分類群の相対存在量を比較し、微生物がそのヒト宿主に対して与えた機能、及び/又は、異なる分類群間の共起等を考慮しつつ、関心対象の特定の健康状態を伴う人々、及び/又は、これを伴わない人々の間での存在量(存在する場合に限る)の変化を関連付ける1つ以上の統計的アプローチを使用することが含まれ得る。方法の実施形態には、この情報(及び/又は、本明細書に記載の好適なデータ)に基づき、1つ以上のバクテリオファージの特定のブレンド(例えば、組み合わせ)を生成、適用、及び/又は使用して、コミュニティから関連の分類群を除去する等により、標的分類群の存在量を低下させることができ、これにより、特定の健康状態、及び/又は、その他の宿主特性に対して潜在的な(例えば、ポジティブな)作用を引き起こし得ることを含むことができる。
【0023】
方法の実施形態には、微生物の相対存在量における変化(例えば、1つ以上の特定の健康状態の結果)を特定することを含むことができ、及び/又は、その変化は、1つ以上の健康状態の発症に関連付けられる。
【0024】
実施形態には、微生物叢組成のデータの利用に基づくか、時間窓構成における自らと比較するか、及び/又は、参照母集団組成セットと比較する等して、1名以上のユーザ/患者に対して、1つ以上のカスタムバクテリオファージブレンドの組み合わせ(例えば、処方等)を含む治療用組成物を生成すること、及び/又は、判定することを含むことができ、及び/又は、この治療用組成物を含むことができる。
【0025】
方法の実施形態には、いずれの微生物が、ポジティブな相関を示す、所与の健康状態に関連付けられた相対存在量を増加させる(及び/又は、増加した存在量を有する)かを特定することが含まれ得る。具体例において、これらの分類群は、その存在量を低減することができ、及び/又は、コミュニティ(例えば、ユーザの微生物叢)から、それを完全に除去することのできる特定のバクテリオファージの標的とすることができる。
【0026】
1つ以上の症状に関連付けられる等、増加した分類群を特定する例
64000を超える操作的分類単位(OTU)の一覧から、関心対象の特定の健康状態にポジティブに関連付けられるものとして、サブセットを選択した。
【0027】
対象指標をこの選択に合わせて規定することができる。具体例において、この指標には、総合的な調査に回答し、具体的に、現在、関心対象の健康状態を示していると主張する(及び/又は、慢性的症状の場合、その診断を受けたもので、以下、「条件群」とする)ユーザから収集したサンプルのサブセットを選択することが含まれ得る。追加又は代替として、具体的に、関心対象の症状を示さないと主張するユーザからのサンプルのサブセットを選択した(以降、「control群」)。しかしながら、任意の好適な指標を使用することができる(例えば、任意の好適な調査回答等)。
【0028】
これら2つのコホートのOTUの相対存在量を集め、いずれの微生物群類群が条件群において直接関連付けられるもの(すなわち、その存在量が増加するもの)かを検出するために、統計的に解析した。具体例において、2つの統計的アプローチを使用することができるが、任意の好適な数、及び/又は、種別の統計的アプローチを使用することができる。まず、応答変数としての関心対象条件(例えば、病気又は健康)及び予測因子としてのOTU存在量を使用して、CLR変換関連データに、ロジスティック回帰(プロバイオティックリンク、及び/又は、任意の好適なアプローチによる)を実施するが、任意の好適な回帰アプローチを使用することができる。CLR変換を使用し、相対的性質(すなわち組成データ)により、データに導入されたバイアスを除去したが、任意の好適な変換アプローチを使用することができる。第2に、各OTUの相対存在量に対して、関心対象の条件を予測因子とし、ゼロ過剰ネガティブ二項回帰を実施したが、任意の好適な回帰アプローチを使用することができる。この解析は、重度に左側に歪んだ分布によく作用するという効果を有し、個別にゼロと、ゼロ超の存在量をモデル化し、データにおける過剰分散をより制御するため、具体例においては、ポアソン回帰よりもよく実施することができるという効果を有する。さらに、計数データにもよく作用する。双方の解析に対する相対存在量(すなわち、0.05以下のP値。しかしながら、任意の好適な閾値を使用することができる)において、統計的差異を示すOTUのみが、コミュニティーからこれらを除去する潜在的な候補とみなされた。その後、選択したOTUを、SILVA分類法を使用して、その対応する分類群レベルで示した。出力情報には、回帰係数等の情報が含まれるが、これは、関心対象の条件下で、回帰モデルによって推定された各OTUに対する相対存在量における変化量として解釈可能である。正の係数は、存在量の増加を表し、負の数は、相対存在量の減少を表す。
【0029】
具体的症状に対するプロバイオティック製剤に含まれる微生物の組み合わせの例
具体例には、特定された微生物に感染し得る1つ以上の任意のファージを含み得る、関心対象の1つ以上の健康状態の治療としての1つ以上の新規のバクテリオファージ製剤(例えば、任意の好適な量のバクテリオファージ等)を含む1つ以上の治療用組成物が含まれ得る。これらのバクテリオファージの起源は、天然ソース、設計ソース(例えば、溶解形態に変換された溶原化ウィルス)、合成による生成、及び/又は、その他任意の方法又は起源から選ばれてよい。バクテリオファージのブレンド/混合物の伝達物には、液体中(例えば、シロップ、食塩水、乳製品等)、固体中(例えば、ピル、食物ソース等)、及び/又は、他の任意の伝達物とすることができる。この伝達モードは、経口、直腸、膣、及び/又は、その他の伝達モードとすることができる。
【0030】
本開示のさらに他の態様によると、特定の微生物関連症状の治療を目的とした生菌生物学的療法用組成物のための微生物の選択を行うプラットフォームを開示する。
【0031】
人体に定着した微生物コミュニティは、その宿主に、必要分子の生成、免疫系の向上、又は、有害種の定着の防止等、多数の有益な機能を提供する。過去数年に亘り、多くの科学的文献において、いくつかの健康状態と、特定の常在微生物の低減又は枯渇との間の関連付けについて記載している。これらの健康状態の症候から回復するか、又は、これを改善するために、微生物コミュニティに損失した構成員を補うことが(医学的及び商業的観点から)重要であろう。
【0032】
特定の生きた微生物が、十分な量で投与されると、ヒトに異なる効果を与えることができる。これらの微生物は、プロバイオティクスとして知られるが、長年に亘って使用されてきている。もっとも幅広く使用されるプロバイオティクスは、Saccharomyces、Lactobacillus、及びBifidobacteriumである。しかしながら、より高い精度で微生物を特定する技術の向上のおかげで、一般的に安全と認識されている(GRAS)プロバイオティクスとして好適な微生物の一覧は、日々、増えている。
【0033】
これらの新規の技術によって説明される有機体は、多くの場合、「次世代プロバイオティクス」(NGP)と称され、非常に具体的な目的で使用することができ、特定の症状の治療を目的とすることができる。このため、生菌生物学的療法(LBP)とも称される。
【0034】
実施形態には、抗生物質消費後に低下を示した微生物、及び/又は、任意の好適な因子(例えば、健康状態、挙動、食事法等)により存在量の低下した微生物を含む、好適な治療用組成物(例えば、生菌生物学的療法用組成物)、及び/又は、これを包含、及び/又は、これに関連付けられる任意の好適な方法プロセス、及び/又は、システム構成要素を判定すること(例えば、特定等)、これに関連付けられたアプローチが含まれ得る。実施形態には、LBP、及び/又は、好適な消耗品(例えば、生菌生物学療法、プロバイオティクス、プレバイオティクス等)、及び/又は、治療用組成物の1つ以上の候補が含まれ得る。
【0035】
実施形態には、関心対象の1つ以上の特定の健康状態(例えば、微生物関連症状等)を伴う人々において、存在量を低下させる(及び/又は、低下された存在量を備えた)微生物を検出することが含まれ得る。実施形態には、サンプル中の微生物分類群の相対存在量を比較し、微生物がそのヒト宿主に与える機能を考慮するなど、関心対象の1つ以上の特定の健康状態を伴う人々及びこれを伴わない人々の間での存在量(存在する場合に限る)の変化、及び/又は、異なる分類群間の共起を関連付けることのできる統計的アプローチを適用することが含まれ得る。実施形態によると、この情報に基づき、分類群の枯渇したコミュニティの再増殖等により、標的分類群の存在量を増やすように生成可能なもの等、LBPの特定ブレンド、及び/又は、好適な消耗品(例えば、生菌生物学的療法、プロバイオティクス、プレバイオティクス等、及び/又は、治療)、及び/又は、治療用組成物の判定、使用、及び/又は包含があり得る。
【0036】
本明細書に記載の任意の好適な分類群(及び/又は、本明細書に記載のアプローチによって特定可能なもの)を、1つ以上のLBP、及び/又は、好適な消耗品(例えば、生菌生物学的療法、プロバイオティクス、プレバイオティクス等)、及び/又は、治療用組成物(例えば、治療等)に使用可能である。
【0037】
具体例において、該方法には、抗生物質消費後に低下を示す、ヒトの消化管(及び/又は、好適な身体部位)に定着した微生物であって、LBP、及び/又は、好適な消耗品(例えば、生菌生物学的療法、プロバイオティクス、プレバイオティクス等)、及び/又は、治療用組成物となり得るものを特定することが含まれ得る。
【0038】
実施形態には、特定の健康状態の結果としての(及び/又は、これに関連付けられる)、及び/又は、その変化がその健康状態の発症に関連付けられる微生物の相対存在量の変化を特定する方法が含まれ得る。
【0039】
実施形態には、特定の健康状態の治療用の潜在的LBPブレンドに含まれるべき微生物(例えば、本明細書に記載のもの)の1つの以上の組み合わせを含む、消耗品、及び/又は、その他の好適な治療用組成物が含まれ得る。
【0040】
実施形態には、損失した分類群を回復し、これらの分類群の低下の結果として生じる健康状態の症候を緩和することを目的とするなど、いずれの微生物が、所与の健康状態に関連付けられたその相対存在量(例えば、低減された相対存在量を有する)を低減するかを特定することが含まれ得る。
【0041】
具体例において、セクション1(以下)では、LBP製剤、及び/又は、好適な治療用組成物に含まれるもの等、本明細書に記載のとおり、細菌分類群を特定する方法の具体例を示す。セクション2では、特定された種の具体例を示す。
【0042】
1.1.抗生物質消費後に結果として枯渇した細菌を特定する方法の具体例
64000を超える操作的分類単位(OTU)の一覧より、細菌叢の障害の発症を回復するためのプロバイオティック(例えば、健康状態、医薬品消費等)へ包含される潜在的な候補として、サブセットを選択した。対象指標をこの選択に合わせて規定した。総合的な調査に回答し、具体的に、現在、関心対象の健康状態を示していると主張する(及び/又は、慢性的症状の場合、その診断を受けたもので、以下、「条件群」とする)ユーザからサンプルのサブセットを選択することに決めた。さらに、具体的に、関心対象の症状を示さないと主張するユーザからのサンプルのサブセットを選択した(以降、「control群」)。しかしながら、任意の好適な指標を使用して、異なる群のユーザ、及び/又は、サンプルを選択することができる。これら2つのコホートのOTUの相対存在量を集め、条件群においていずれの微生物群が逆相関している(すなわち、その存在量が低下している)かを検出するために、統計的解析を行った。2つの統計的アプローチが使用される(しかしながら、任意の好適な数、及び/又は、種別の統計的アプローチを使用することができる)。まず、応答変数として関心対象条件(すなわち、消費者対非消費者、病気対健康等)を使用し、予想因子としてOTU存在量を使用して、CLR変換関連データにロジスティック回帰(プロバイオティックリンクを伴うもの)を構築する。CLR変換を使用して、関連性質(すなわち、組成データ)により、データに導入されたバイアスを除去した。第2に、各OTUの相対存在量に対して、関心対象の条件を予測因子とし、ゼロ過剰ネガティブ二項回帰を実施した。この解析は、重度に左側に歪んだ分布によく作用するという効果を有し、個別にゼロと、ゼロ超の存在量をモデル化し、データにおける過剰分散をより制御するため、ポアソン回帰よりもよく実施することができるという効果を有する。さらに、計数データにもよく作用する。双方の解析に対する相対存在量(すなわち、0.05以下のP値。しかしながら、任意の好適な閾値を使用することができる)において、統計的差異を示すOTUのみが、プロバイオティックに包含される潜在的な候補とみなされた。その後、選択したOTUを、SILVA分類法を使用して、その対応する分類群レベルで示した。出力情報には、回帰係数等の情報が含まれるが、これは、関心対象の条件下で、回帰モデルによって推定された各OTUに対する相対存在量における変化量として解釈可能である。負の係数は、存在量の減少を表し、正の数は、相対存在量の増加を表す。
【0043】
消化管内の細菌コミュニティ、及び/又は、好適な身体部位によって与えられる機能は多用であり、多くの場合は冗長であり、これは、特定の機能を実施するのに、分類群は1つのみでなく、それ以上の分類が関与することを意味する。条件又は宿主の挙動(例えば、抗生物質、医薬品、又はアルコールの消費)によっては、微生物コミュニティ中の障害を誘発し、これが人体に異なる箇所に定着した種の存在量に影響する。結果として、細菌叢によって実現される機能の一部が変更されるか、場合によっては消失する。したがって、この障害によっていずれの微生物分類群が低減するかを検出する方法には、これらの分類群によって実施される生態的サービス(例えば、代謝機能)が含まれてもよい。
【0044】
一例として、表Aに示されるとおり、抗生物質を消費した人々(条件群)とこれを消費しなかった人々(control群)とから得たサンプル中に、異なる相対存在量を示す分類群。このテーブルはまた、一連の抗生物質コースの後、保護することが重要だとみなされる機能を実施する分類群も示している。中でも、病原体の阻害、多糖類の分解、短鎖脂肪酸の生成、共役リノール酸の生成、及び/又は、インドールの生成を含む代謝機能。例えば、インドールの生成により、バリア機能を向上し、in vitro及びin vivoにおける炎症性腸疾患を低減する。さらに、病原体の定着を低減する。
【0045】
解析はすべて、R統計ソフトウェアで実施した。回帰解析には、Pscl及びMASSパッケージを使用した。必要に応じて、データにCLR変換を実施するのに、組成パッケージを使用した。しかしながら、任意の好適な統計ソフトウェア、及び/又は、アプローチ、及び/又は、変換ソフトウェア、及び/又は、アプローチを使用することができる。
【0046】
1.2.分類群の共起を検出する方法の具体例
人体の異なる箇所に宿る細菌叢は、生体コミュニティとしての構造を有する。したがって、分類群の多くは、互いにネガティブ及びポジティブな相互作用を示すことが予期される。異なる分類群間の相互作用を知ることで、障害の次に生じる、枯渇した分類群の腸内コミュニティへの保存又は再導入において、より多くのオプションが与えられる。例えば、分類群Aが関心対象であるものの、これをプロバイオティックに加えることができない場合、分類群Aと強い共起可能性を有する、別の分類群Bの混合物を添加することができる。分類群間のポジティブな相互作用に関する情報を集めるために、「control」とみなされる(すなわち、関心対象の健康状態又は挙動を示さない)サンプルのサブセットにおいて、共起解析を実施し、「正常」細菌叢におけるポジティブな相互作用のパターンが何であるかを把握する。
【0047】
有用な共起の最低可能性として、0.85の閾値を設定したが、任意の好適な閾値を使用することができる。一例として、抗生物質を消費していない「control」群の人々(表B)を使用して、属レベルでの共起分類群の一覧が提供される。「prob_cooccur」の列は、サンプル中に2つの有機体を発見する可能性を表し、「p_gt」の列は、分類群のうちの一方が存在し、他方も存在する存在する場合の可能性を表している。「効果」の列は、分類群間の関連付けの有効サイズを表している。
【0048】
解析はすべて、R統計ソフトウェアで実施した。共起解析には、共起パッケージを使用した。しかしながら、任意の好適な統計ソフトウェア、及び/又は、アプローチ、及び/又は、変換ソフトウェア、及び/又は、アプローチを使用することができる。
【0049】
2.1.1つ以上の特定の症状に対するプロバイオティック製剤(及び/又は、好適な治療用組成物)に含まれる微生物の組み合わせの具体例
実施形態には、関心対象の1つ以上の症状のための治療として、この症状を伴う人々からのサンプルにおける存在量が低下しているものとして検出される(及び/又は、存在量が低下している)種の任意の1つ以上の株を含む等、1つ以上の新規のLBP製剤(及び/又は、好適な治療用組成物)を判定、及び/又は、包含することができる。
【0050】
2.1.1.抗生物質製剤後に結果として枯渇した細菌種の例
具体例において、以下のセクションでは、LBP、及び/又は、好適な消耗品(例えば、生菌生物学的療法、プロバイオティクス、プレバイオティクス等)、及び/又は、好適な治療用組成物として使用される潜在的な細菌について説明する。
【0051】
第1の例において、抗生物質回復治療としての新規のLBP製剤(及び/又は、治療用組成物)には、以下の株、及び/又は、種、すなわち、Enterococcus faecium、Lactobacillus rhamnosus、Lactobacillus salivarius、Bifidobacterium adolescentis、Bifidobacterium animalis、Lactobacillus gasseri、Bifidobacterium breve、Bifidobacterium catenulatum、Bifidobacterium pseudocatenulatum、Bifidobacterium stercoris、Lactobacillus reuteri、Lactobacillus fermentutn、Pediococcus pentosaceus、Lactobacillus helveticus、Lactobacillus brevis、Lactococcus lactis、Bacteroides xylanisolvensのうちの少なくとも1つ以上が含まれ得る。これらすべての組み合わせ、又はこれらのサブセットを、この治療、診断、及び/又は、任意の好適な目的のために使用することができる。本明細書に記載のもののうちの1つ以上には、以下の特性のうちのすべて、又は、一部を包含することができるか、及び/又は、これに関連付けることができる。すなわち、病原体阻害、多糖類の分解、ムチンの分解、短鎖脂肪酸の生成、共役リノール酸の生成、GABAの生成、インドールの生成、及び免疫応答の改変である。
【0052】
第2の例において、抗生物質回復治療としての新規のLBP製剤(及び/又は、治療用組成物)には、Faecalibacterium prausnitzii、Roseburia faecis、Roseburia hominis、Roseburia intestinalis、Anaerostipes caccae、Anaerostipes rhamnosivorans、Eubacterium limosum、Eubacterium sp.ARC.2、Subdoligranulum variabile、Akkermansia muciniphila、Bifidobacterium adolescentis、Bifidobacterium animalis、Bifidobacterium breve、Bifidobacterium catenulatum、Bifidobacterium crudilactis、Bifidobacterium dentium、Bifidobacterium pseudocatenulatum、Bifidobacterium stercoris、Bifidobacterium thermacidophilum、Methanobrevibacter smithii、Roseburia sp.499、Bacteroides dorei、Bacteroides massiliensis、Bacteroides plebeius、Bacteroides sp.35AE37、Bacteroides thetaiotaomicron、Bacteroides xylanisolvens、Lactobacillus rhamnosus、Lactococcus lactis、Enterococcus faecium、Lactobacillus salivarius、Lactobacillus gasseri、Lactobacillus reuteri、Lactobacillus fermentum、Pediococcus pentosaceus、Lactobacillus helveticus、Lactobacillus brevisのうちの少なくとも1つ以上の株、及び/又は、種が含まれ得る。このような種のうちの1つ以上は、以下の特性のすべて又は一部を有する。すなわち、病原体阻害、多糖類の分解、ムチンの分解、短鎖脂肪酸の生成、共役リノール酸の生成、GABAの生成、インドールの生成、及び/又は、免疫応答の改変である。各細菌分類群の回帰係数の具体例と、それらの機能の一部とを、表Aに示した。
【0053】
表A:抗生物質消費及び非消費の対象間において異なる相対存在量を示す分類群一覧の具体例とこれらの分類群の示す重要な機能
【0054】
【0055】
表B:抗生物質非消費対象からのサンプルにおける属共起可能性の具体例
【0056】
【0057】
【0058】
【0059】
【0060】
【0061】
【0062】
【0063】
【0064】
【0065】
本開示のさらなる態様によると、細菌性代謝物質の阻害剤を判定するプラットフォーム。
【0066】
「微生物叢への薬剤」という概念は、細菌叢に属する受容体及び酵素を標的にすることにより、標的ヒト細胞を直接回避する治療アプローチとして、急がれる。この概念は、特に、人体に悪影響を及ぼす代謝物質を生成する微生物酵素を阻害するために、適用可能である。この新規のアプローチは、遺伝子療法によりヒト酵素機能の崩壊を回避することも目的としている。
【0067】
もっともよく報告されるケースの1つとして、CutC/D及びCntA/CntB酵素の作用により、食品コリン及びL・カルニチンからのヒト細菌叢に仲介されるTMAの生成が挙げられる。TMAは、トリメチルアミンN-酸化物(TMAO)の前駆体である。高リスクの心腎症候群に関連付けられてきた代謝物質であり、さらに、マウス中に高レベルのTMAOが発現すると、アテローム性動脈硬化のトリガとなる。最近では、TMA生成酵素に対する阻害剤が提案されている。
【0068】
方法の実施形態には、細菌中の酵素を特定及び標的化する新規のパイプラインが含まれ得ることを提示する。実施形態には、関連の治療用組成物が含まれ得る。
【0069】
方法の実施形態には、特定の有害な代謝物質を生成する細菌性タンパク質が含まれ得る。実施形態には、新規の小分子阻害剤の設計のために、標的として、特定された細菌性タンパク質を使用することが含まれ得る。実施形態には、この1つ以上の小分子阻害剤を含む治療用組成物が含まれ得る。
【0070】
実施形態には、有害な代謝物質を生成する新規の酵素の特定、及び/又は、これらの酵素を阻害する1つ以上の新規の薬剤の判定、及び/又は、生成が含まれ得る。実施形態には、新規の薬剤(例えば、任意の好適な治療用組成物の形態におけるもの)が含まれ得る。実施形態には、細菌による有害な代謝物質の生成を妨げるのに使用可能であり、いくつかの症状又は疾病のうちの1つ以上の治療を支援する1つ以上の新規の薬剤、及び/又は、好適な治療用組成物が含まれ得る。
【0071】
実施形態(例えば、本明細書に記載のパイプライン等を含む方法の実施形態)は、参照プロテオーム、及び/又は、NCBI、及び/又は、任意の好適なデータベース、及び/又は、ソース等の他のソースに対する配列照合等により、既知のものに対して酵素を生成するオーソロガスな代謝物質を発見するものとして機能、これを包含、及び/又は、これに関連付けることができる。
【0072】
具体例
具体例において、この目的を達成するために、いくつかのアラインメントアルゴリズムを使用することができる(例えば、中でもBLAST、FASTA、CLUSTALのうちの1つ以上)。配列の類似したネットワークを構築して、2018年8月14日に申請の米国出願第16/103,830号に記載の任意の好適なアプローチ等、各分類学的順(例えば、門)に対する代表的な配列を得て、このような代謝物質の生成に関与するすべてのタンパク質ファミリーを特定することができる。追加又は代替として、1つ以上の代謝予測ツールを使用して、2019年3月18日出願のPCT出願PCT/US19/22807号に記載の任意の好適な代謝関連ツール、及び/又は、アプローチ等、代謝物質細菌生成に対する1つ以上の代謝経路を特定することができる。
【0073】
一旦代謝物質酵素生成物質の1つの代表的な配列が特定されると(及び/又は、任意の好適なタイミング、及び/又は、頻度で)、これらの酵素の構造モデルは、タンパク質データバンク(PDB)、及び/又は、ホモロジーモデリング、及び/又は、任意の好適なデータベース、及び/又は、アプローチのいずれかから得ることができる。これらの酵素の活性部位は、ポケット予測を可能にするツール、及び/又は、PDBにおけるアナログ構造、又は結合部位に関する文献情報、及び/又は、構造へのより良好な置換が予測できる既知の分子、及び/又は、任意の好適なアプローチのいずれかにより、特定することができる。
【0074】
一旦活性部位が特定されると(及び/又は、任意の好適なタイミング及び頻度で)、競合の阻害剤を得ることができる。競合の阻害は、酵素阻害型であり、酵素の活性部位における結合により、その基質の結合を妨げることができ、その逆も然りである。換言すると、基質及び阻害剤は、同時に活性部位を結合することができない。
【0075】
したがって、酵素構造及び標的として得られた活性部位を使用した、化合物の膨大なライブラリ(例として、CHEMBL、CHEMSPIDER、ZINC等)において、分子ドッキング(及び/又は、その他の好適なアプローチ)を使用した仮想高スループットスクリーニング等により、新たなペプチド阻害剤を発見することができる。最良のドッキング結合エネルギーを備えるものとして、最良の候補を規定することができる。しかしながら、具体例においては、任意の好適な候補のランキングを、適用することができ、候補は、例えば、Lipinskiルールを得ることによる製剤可能性アセスメントによってフィルタリング可能である。これらのルールは、分子量<500ダルトン、H結合ドナー数<5、H結合受容体数<10、N及びO原子の数<15、分配係数logP範囲-2~5、回転可能結合の数<10、環数<10であることを含む。このフィルタリングを通過する候補のみを考慮する。さらに、Lipinskiルールを通過しない分子を、in-silicoツール(例として、フラグメントベース設計、ファーマコフォアベース設計)によって改変され、より良好な製剤可能特性を備えた候補を得ることができる。しかしながら、任意の好適な条件をフィルタリングに適用することができる。
【0076】
このパイプラインの実施によって生成を阻害できる代謝物質のいくつかの例として、産業薬剤及び汚染、食品化合物及び調剤、及び/又は、その他の好適な代謝物質が挙げられる。例えば、細菌性ベータ・グルクロニダーゼ酵素が、いくつかの疾病に使用される薬剤に対する有害な代謝物の生じる原因となることがある。これらの薬剤のうちの一部を同時に使用して、簡単な炎症(ケトプロフェン、ジクロフェナク)から癌までの治療を行う。ベータ・グルクロニダーゼ酵素は、これらの薬剤が有害な代謝物質となるのを引き起こし得る。このクラスの酵素に対する阻害剤としての薬剤を設計するのは、代替薬剤と同時に使用する「併用薬」の生成に有用となり得る。一例として、これらの酵素に代替される薬剤のうち、よく報告されるものは、イリノテカンと称される。この抗癌剤は、これらの酵素によって新規の化合物に変換され、副作用の中でも特に、患者に下痢を引き起こす。
【0077】
追加として、いくつかの酵素阻害剤の特定により、フェノール及びインドール等、慢性腎疾患等の疾病におけるいくつかの化合物の過剰生成を低減するよう支援することができる。阻害剤によっては、細菌性アルコールデヒドロゲナーゼによって仲介されるアセトアルデヒドの過剰生成を低減することも目指すことができる。アセトアルデヒドを過剰に蓄積すると、結腸直腸癌等、いくつかの疾病を招き得る。
【0078】
実施形態には、本明細書に記載のアプローチ(例えば、本明細書に記載のパイプライン)の実施に基づく、細菌性代謝物質生成の阻害剤としての新規の薬剤が含まれ、及び/又は、データに基づく等、この新規の薬剤を取得することが含まれ得る。
【0079】
実施形態には、望ましくない代謝物質の生成に関与する新規の細菌性タンパク質を特定する方法が含まれ得る。
【0080】
実施形態には、望ましくない代謝物質の生成に関与する細菌性タンパク質の新規の阻害剤を特定及び生成する方法が含まれ得る。
【0081】
実施形態には、このような細菌性タンパク質、及び/又は、阻害剤を含む1つ以上の治療用組成物が含まれ得る。
【0082】
しかしながら、該方法の実施形態には、対象からの生体サンプルの受容、対象からの生体サンプルへの処理、生体サンプルから導出したデータの解析、特有の微生物叢組成、及び/又は、対象の機能的特徴に応じた、カスタマイズ診断、及び/又は、プロバイオティックベース治療を提供するのに使用可能なモデルの生成を促進するように構成された他の任意の好適なブロック又はステップが含まれ得る。
【0083】
該方法、及び/又は、システムの実施形態には、任意の変形例(例えば、実施形態、バリエーション、例、具体例、図面等)を含む、種々のシステム構成要素及び種々の方法プロセスのすべての組み合わせ及び並べ替えが含まれ得るもので、この場合、本明細書に記載の方法、及び/又は、プロセスの実施形態の一部が、非同時的(例えば、順次)、同時(例えば、並行して)、又はその他任意の好適な順に、本明細書に記載のシステム、及び/又は、その他の実体の1つ以上の例、要素、構成要素、及び/又は、その他の態様により、及び/又は、これを使用して実施可能である。
【0084】
本明細書に記載の変形例(例えば、実施形態、バリエーション、例、具体例、図面等)のいずれか、及び/又は、本明細書に記載の変形例のいずれか一部の、追加又は代替としての、組み合わせ、統合、除外、使用、順次実施、並行実施、及び/又は適用が可能である。
【0085】
当該方法、及び/又は、システムの方法の一部は、少なくとも部分的に、コンピュータ可読指示を記憶したコンピュータ可読媒体を受け入れるように構成された機械として実装、及び/又は、実現可能である。この指示は、システムに集積可能なコンピュータ実行可能な構成要素により、実行可能である。コンピュータ可読媒体は、RAM、ROM、フラッシュメモリ、EEPROM、光学デバイス(CD又はDVD)、ハードドライブ、フロッピードライブ、又は任意の好適なデバイスに記憶可能である。コンピュータ実行可能な構成要素は、汎用又はアプリケーション専用のプロセッサとすることができるが、代替又は追加として、任意の好適な専用ハードウェア又はハードウェア/ファームウェアの組み合わせが指示を実行することもできる。
【0086】
当業者は、上述の詳細な説明及び図面並びに請求項より、該方法、システム、及び/又は、その変形例に対して、クレームに規定の範囲から逸脱することなく、修正及び変更が加えられ得ることを認識するであろう。
【手続補正書】
【提出日】2020-08-18
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の微生物関連症状を治療する方法であって、
母集団から収集したサンプルのセットにおいて微生物を検出することと、
前記サンプルのセットにおける異なる微生物分類群の相対存在量、及び、前記微生物分類群間の共起を比較することと、
予測因子として前記微生物関連症状を伴う操作的分類群の事前選択されたセットを解析することにより、前記微生物分類群の前記相対存在量、又は、前記微生物分類群間の前記共起における変化を、前記母集団中、前記微生物関連症状を伴う
第1セットの人々からのサンプル、及び、前記母集団中、前記微生物関連症状を伴わない
第2セットの人々からのサンプルと関連付けることにより、
前記第1セットの人々と前記第2セットの人々とのサンプル間で統計的差異を示す標的分類群を判定することと、
微生物コミュニティから前記標的分類群
のための治療用組成物を特定することと、
前記微生物関連症状を伴う前記患者に対して、前記ブレンドを含む
前記治療用組成物を投与することと、を備える方法。
【請求項2】
前記標的分類群には、前記母集団中、前記微生物関連症状の発生と直接対応付けられる分類群が含まれる請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記標的分類群には、前記母集団中、前記微生物関連症状の発生と直接対応付けられる分類群と共起する分類群が含まれる請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記治療用組成物は、微生物コミュニティから前記標的分類群を除去するように構成されたバクテリオファージのブレンド、治療用微生物のブレンドであって、前記微生物コミュニティにおける前記標的分類群の存在量を変化させるように構成されたブレンド、及び抗生物質化合物からなる群より選択された少なくとも1つである請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記ブレンドは、前記標的分類群を直接再増殖させることにより、前記標的分類群の前記存在量を増加させるように構成される請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記ブレンドは、前記標的分類群との共起の可能性の高い、1つ以上の分類群を再増加させることにより、前記標的分類群の前記存在量を増加させるように構成される請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記ブレンドは、Enterococcus faecium、Lactobacillus rhamnosus、Lactobacillus salivarius、Bifidobacterium adolescentis、Bifidobacterium animalis、Lactobacillus gasseri、Bifidobacterium breve、Bifidobacterium catenulatum、Bifidobacterium pseudocatenulatum、Bifidobacterium stercoris、Lactobacillus reuteri、Lactobacillus fermentutn、Pediococcus pentosaceus、Lactobacillus helveticus、Lactobacillus brevis、Lactococcus lactis、Bacteroides xylanisolvensからなる群より選択される株又は種を含む請求項4に記載の方法。
【請求項8】
前記ブレンドは、Faecalibacterium prausnitzii、Roseburia faecis、Roseburia hominis、Roseburia intestinalis、Anaerostipes caccae、Anaerostipes rhamnosivorans、Eubacterium limosum、Eubacterium sp.ARC.2、Subdoligranulum variabile、Akkermansia muciniphila、Bifidobacterium adolescentis、Bifidobacterium animalis、Bifidobacterium breve、Bifidobacterium catenulatum、Bifidobacterium crudilactis、Bifidobacterium dentium、Bifidobacterium pseudocatenulatum、Bifidobacterium stercoris、Bifidobacterium thermacidophilum、Methanobrevibacter smithii、Roseburia sp.499、Bacteroides dorei、Bacteroides massiliensis、Bacteroides plebeius、Bacteroides sp.35AE37、Bacteroides thetaiotaomicron、Bacteroides xylanisolvens、Lactobacillus rhamnosus、Lactococcus lactis、Enterococcus faecium、Lactobacillus salivarius、Lactobacillus gasseri、Lactobacillus reuteri、Lactobacillus fermentum、Pediococcus pentosaceus、Lactobacillus helveticus、Lactobacillus brevisからなる群より選択される株又は種を含む請求項4に記載の方法。
【請求項9】
新規の細菌生成抗菌性化合物を特定する方法であって、
既知の抗菌性化合物生成微生物及び抗菌性化合物をスクリーニングすることにより、細菌によって生成される抗菌性化合物のデータベースを生成することと、
プロセッサにより、キュレートした抗菌性化合物の配列アラインメントを、参照プロテオームの配列アラインメントと比較することにより、他の微生物を結合するデータベースから、前記抗菌性化合物の結合領域を特定
して、抗菌性化合物の他の微生物に対する前記結合領域を予測するのに有用となり得るペプチドモチーフを特定することと、
前記特定されたペプチドモチーフに基づき、新規の細菌生成抗菌性化合物を特定することと、を備える方法。
【請求項10】
前記キュレートした抗菌性化合物には、ランチビオティック、バクテリオシン、及びミクロシンが含まれる請求項
9に記載の方法。
【請求項11】
参照プロテオームは、Uniprotデータベース又はNCBIデータベースから選択される請求項
9に記載の方法。
【請求項12】
配列アラインメントの比較は、BLAST、FASTA、及びClustalからなる群より選択される配列アラインメントアルゴリズムを使用して実施される請求項
9に記載の方法。
【請求項13】
特定されたペプチドモチーフの構造を解析することにより、前記特定されたペプチドモチーフ中、微生物由来のタンパク質と相互作用可能なペプチドモチーフのセットを判定することと、
前記ペプチドモチーフのセットに対し、既知の抗菌性ペプチドの作用によって阻害される微生物由来の既知の標的と、各ペプチドモチーフとの間の相互作用をモデリングすることと、
により
細菌生成抗菌性化合物を改変することをさらに備える請求項
9に記載の方法。
【請求項14】
治療用組成物の生成方法であって、
微生物関連症状の基礎となる代謝物質を生成する細菌由来の
標的として、酵素を特定することと、
プロセッサにより、仮想高スループットスクリーニングを使用し、
阻害剤候補から、前記特定された
酵素のための第1の阻害剤と、前記特定された
酵素に対してオーソロガスなタンパク質の第2の阻害剤を特定することと、
前記第1の阻害剤及び前記第2の阻害剤の一方又は双方を含む治療用組成物を生成することと、を備える方法。
【請求項15】
前記阻害剤は、有害代謝物の生成を防ぐ請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記標的酵素を特定することは、前記酵素から代表的な配列を特定し、構造モデル又は配列ホモロジーモデルを得て、前記酵素の活性部位を特定することにより、実施される請求項14に記載の方法。
【請求項17】
前記酵素の前記活性部位は、ポケット予測を可能にするツール、タンパク質データバンク(PDB)中のアナログ構造、又は前記活性部位についての文献情報により、特定される請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記候補は、分子量<500ダルトン、H結合ドナーの数<5、H結合受容体の数<10、N及びO原子の数<15、分配係数logP範囲-2~5、回転可能結合の数<10、環数<10のルールを満たすことでフィルタリングされる請求項16に記載の方法。
【請求項19】
Lipinskiルールを通過しない候補は、in-silicoツールで改変可能である請求項16に記載の方法。
【国際調査報告】