(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-06
(54)【発明の名称】乗り移り装置を有するロープウェイ支柱
(51)【国際特許分類】
B61B 12/02 20060101AFI20220530BHJP
B61B 12/00 20060101ALI20220530BHJP
【FI】
B61B12/02 G
B61B12/00 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021558918
(86)(22)【出願日】2020-03-31
(85)【翻訳文提出日】2021-11-02
(86)【国際出願番号】 EP2020059051
(87)【国際公開番号】W WO2020201254
(87)【国際公開日】2020-10-08
(32)【優先日】2019-04-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500579431
【氏名又は名称】インノヴァ・パテント・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング
【住所又は居所原語表記】Konrad-Doppelmayr-Strasse 1 A-6922 Wolfurt Austria
(74)【代理人】
【識別番号】100069556
【氏名又は名称】江崎 光史
(74)【代理人】
【識別番号】100111486
【氏名又は名称】鍛冶澤 實
(74)【代理人】
【識別番号】100191835
【氏名又は名称】中村 真介
(74)【代理人】
【識別番号】100221981
【氏名又は名称】石田 大成
(72)【発明者】
【氏名】シュミット・オーリヴァー
(72)【発明者】
【氏名】ズッター・ヨーゼフ
(72)【発明者】
【氏名】イルク・ゲアノト
(72)【発明者】
【氏名】シェーネンベルガー・マルティン
(57)【要約】
【解決手段】ロープウェイ2のロープウェイ支柱1の踏込みユニット4への容易な乗り込みを可能とするために、本発明に従い、前記ロープウェイ支柱1に、前記ロープウェイ2のロープウェイキャリッジ7から前記踏込みユニット4への、または逆に、前記踏込みユニット4から前記ロープウェイ2の前記ロープウェイキャリッジ7への、人員用の乗り移りのための乗り移り装置15が設けられており、その際、この乗り移り装置15が、固定ユニット21を用いて、前記踏込みユニット4に対して相対的に移動可能に前記ロープウェイ支柱1に配置されており、その際、前記乗り移り装置15が、前記踏込みユニット4に対して相対的に、前記乗り移り装置15が前記踏込みユニット4に積み込まれた静止位置RPから、乗り移りの実施のために設けられた準備位置BPに移動可能である、ことが意図されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
人員用の踏込みのための踏込みユニット(4)を有する、ロープウェイ(2)のロープウェイ支柱(1)において、
前記ロープウェイ支柱(1)に、前記ロープウェイ(2)のロープウェイキャリッジ(7)から前記踏込みユニット(4)への、または逆に、前記踏込みユニット(4)から前記ロープウェイ(2)の前記ロープウェイキャリッジ(7)への、人員用の乗り移りのための乗り移り装置(15)が設けられており、
この乗り移り装置(15)が、固定ユニット(21)を用いて、前記踏込みユニット(4)に対して相対的に移動可能に前記ロープウェイ支柱(1)に配置されており、
前記乗り移り装置(15)が、前記踏込みユニット(4)に対して相対的に、前記乗り移り装置(15)が前記踏込みユニット(4)に積み込まれた静止位置(RP)から、乗り移りの実施のために設けられた準備位置(BP)に移動可能であることを特徴とするロープウェイ支柱(1)。
【請求項2】
前記ロープウェイ支柱(1)に、前記静止位置(RP)において前記乗り移り装置(15)をロックするためのロックユニット(18)が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のロープウェイ支柱(1)。
【請求項3】
前記ロックユニット(18)は、機械式、液圧式、または、電気式に操作可能であることを特徴とする請求項2に記載のロープウェイ支柱(1)。
【請求項4】
前記乗り移り装置(15)を前記静止位置(RP)から前記準備位置(BP)に移動するために前記静止位置(RP)における前記乗り移り装置(15)のロックを解離するため、
前記ロープウェイ支柱(1)に、前記ロックユニット(18)の操作のための操作ユニット(19)が設けられていることを特徴とする請求項2または3に記載のロープウェイ支柱(1)。
【請求項5】
前記ロックユニット(18)をロープウェイキャリッジ(7)から操作するために、前記操作ユニット(19)は、少なくとも1つの第1のレバー要素(24a)を有しており、
前記ロックユニット(18)を、前記踏込みユニット(4)から操作するために、前記操作ユニット(19)が、有利には、1つの第2のレバー要素(24b)を有している、ことを特徴とする請求項4に記載のロープウェイ支柱(1)。
【請求項6】
前記操作ユニット(19)は、引張りケーブルまたはフレキシブルな軸の形態での操作手段(31)を有していることを特徴とする請求項4または5に記載のロープウェイ支柱(1)。
【請求項7】
前記静止位置(RP)から前記準備位置(BP)への、前記乗り移り装置(15)の重力に伴う移動を制動するために、前記乗り移り装置(15)は、制動装置を有しており、
この制動装置が、有利には、機械式、液圧式または空気圧式に構成されていることを特徴とする請求項1から6のいずれか一つに記載のロープウェイ支柱(1)。
【請求項8】
前記ロープウェイ支柱(1)は、少なくとも1つのセンサー要素(29)を有しており、
このセンサー要素が、前記乗り移り装置(15)の位置の認識のため、特に前記乗り移り装置(15)が前記静止位置(RP)に位置しているかどうかの認識のために設けられており、
このセンサー要素(29)が、前記ロープウェイ(2)の設備制御ユニットに対して伝送可能であるセンサー値を生成することを特徴とする請求項1から7のいずれか一つに記載のロープウェイ支柱(1)。
【請求項9】
前記センサー要素(29)は、前記ロックユニット(18)のロック状態、特に前記乗り移り装置(15)が前記静止位置(RP)において、前記ロックユニット(18)を用いてロックされているかどうかを認識するために設けられていることを特徴とする請求項8に記載のロープウェイ支柱(1)。
【請求項10】
前記乗り移り装置(15)は、人員用の踏込み及び/または把持のための、少なくとも1つの踏付け及び/または把持要素(16)を有していることを特徴とする請求項1から9のいずれか一つに記載のロープウェイ支柱(1)。
【請求項11】
前記乗り移り装置(15)の長さを、前記踏込みユニット(4)と前記ロープウェイキャリッジ(7)との間の可変の間隔に対して適合させるために、前記乗り移り装置(15)の長さは変化可能であることを特徴とする請求項1から10のいずれか一つに記載のロープウェイ支柱(1)。
【請求項12】
前記乗り移り装置(15)は、梯子として、有利にはテレスコープ式梯子として形成されており、少なくとも1つの前記踏付け及び/または把持要素(16)が、前記梯子の梯子段であることを特徴とする請求項10から11のいずれか一つに記載のロープウェイ支柱(1)。
【請求項13】
前記踏込みユニット(4)に、手摺り(13)が設けられていること、および、
前記乗り移り装置(15)が、前記静止位置(RP)において、この手摺り(13)の一部を形成することを特徴とする請求項1から12のいずれか一つに記載のロープウェイ支柱(1)。
【請求項14】
ロープウェイ(2)であって、このロープウェイが、
このロープウェイ(2)の搬送ケーブルを案内のための、複数のロープウェイ支柱(1)と、この搬送ケーブルに配置された少なくとも1つのロープウェイキャリッジ(7)とを有している、上記ロープウェイ(2)において、
少なくとも1つのロープウェイ支柱(1)に、請求項1から13のいずれか一つによる乗り移り装置(15)が設けられていることを特徴とするロープウェイ(2)。
【請求項15】
前記ロープウェイ(2)は、このロープウェイ(2)の制御のための、設備制御ユニットを有しており、
前記センサー要素(29)が前記乗り移り装置(15)の前記静止位置(RP)から逸脱する位置を認識した場合、及び/または、このセンサー要素(29)が前記ロックユニット(18)内におけるこの乗り移り装置(15)のロックされていない状態を認識した場合に、前記ロープウェイ(2)を作動停止するか、または、警告信号を生成し且つ信号装置を介して出力するために、
この設備制御ユニットが、前記センサー要素(29)の前記センサー値を処理するために設けられていることを特徴とする請求項14に記載のロープウェイ(2)。
【請求項16】
請求項14または15によるロープウェイ(2)のロープウェイキャリッジ(7)から前記ロープウェイ(2)のロープウェイ支柱(1)の踏込みユニット(4)への、または逆に、前記ロープウェイ(2)のロープウェイ支柱(1)の踏込みユニット(4)から前記ロープウェイ(2)のロープウェイキャリッジ(7)への乗り移りを実施するための方法において、
前記ロープウェイキャリッジ(7)が、乗り移り位置に移動され、
前記ロープウェイ支柱(1)の前記乗り移り装置(15)が、前記ロープウェイキャリッジ(7)または前記踏込みユニット(4)から、前記静止位置(RP)から前記準備位置(BP)に移動され、
人員が、前記ロープウェイキャリッジ(7)から、前記乗り移り装置(15)を介して、前記踏込みユニット(4)に、または逆に、前記踏込みユニット(4)から、前記乗り移り装置(15)を介して、前記ロープウェイキャリッジ(7)に乗り移り、および、
前記乗り移り装置(15)が、この乗り移りの後に、有利には、前記踏込みユニット(4)または前記ロープウェイキャリッジ(7)から、前記準備位置(BP)から戻って前記静止位置(RP)に移動される、
ことを特徴とする方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人員用の踏込みのための踏込みユニットを有する、ロープウェイのロープウェイ支柱に関する。更に、本発明は、ロープウェイであって、このロープウェイが、このロープウェイの搬送ケーブルを案内のための、複数のロープウェイ支柱と、この搬送ケーブルに配置された少なくとも1つのロープウェイキャリッジとを有している上記ロープウェイに関し、並びに、ロープウェイキャリッジから踏込みユニットへの、または逆に、前記踏込みユニットからロープウェイキャリッジへの乗り移りを実施するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ロープウェイは、極めて異なる実施形態において、大抵の場合、例えば都市の交通輸送手段としての人員輸送及び/または貨物輸送のため、または、スキー場内における人員輸送のために存在する。
その際、ワイヤーケーブル鉄道は公知であり、これらワイヤーケーブル鉄道において、大抵の場合、レールを使用する車両が、ワイヤーケーブルに固定されており、且つ、このワイヤーケーブルによって牽引される。移動は、その場合に地面において行われ、その際、ワイヤーケーブル鉄道が、大抵の場合、山岳区間で使用される。
空中ロープウェイの場合、それに反して、例えば、ゴンドラ、吊り篭、または、ひじ掛け椅子のようなロープウェイキャリッジが、強固な案内無しに、1つまたは複数の(ワイヤー-)ケーブルによって担持され、且つ、空宙に浮いて移動される。ロープウェイキャリッジは、従って、如何なる地面との接触も有していない。空中ロープウェイは、通常、歩きにくい道のない原野において、大抵の場合、例えばスキー場内における山岳区間のために、人員を谷間から山の上へと輸送するために使用される。通常、ロープウェイは、2つの駅を有しており、これら駅の間で、ロープウェイキャリッジが移動される。
【0003】
循環鉄道と折り返し鉄道とは、その場合に区別されるべきである。
折り返し鉄道において、1つまたは2つのロープウェイキャリッジが往来し、1本の牽引ケーブルによって、1つの車線の上での1つの搬送ケーブルの上で、2つの駅の間で、行きつ戻りつ、往復式に牽引される。循環鉄道は、それに反して、2つの駅の間で、エンドレスの恒常的に循環する搬送ケーブルを有しており、この搬送ケーブルに、ゴンドラ、吊り篭、または、ひじ掛け椅子のような複数のロープウェイキャリッジが、懸吊状態で配置されている。
これらロープウェイキャリッジは、このことによって、一方の側で、一方の駅から他方の駅へ、および、反対側で、再び戻り移動される。これらロープウェイキャリッジの移動は、従って、常に、基本的に連続的に1つの方向に、連続コンベアに類似して行われる。
【0004】
より大きな間隔も架橋可能とするために、両方の駅の間に、通常、1つまたは複数のロープウェイ支柱が、担持-/牽引-ケーブルの案内のために配置されている。ロープウェイ支柱が、鋼製骨組み構造物として、しかしながら同様に鋼管構造物または板金ボックス構造物として、構成されていることは可能である。
ケーブルを担持および案内するために、1つのロープウェイ支柱において、大抵の場合、例えばいわゆるローラ列の形態での、複数のローラが配置されている。ロープウェイ支柱における、特にローラにおける、メンテナンスおよび修理を実施可能とするために、しばしば、踏込みユニットが、ロープウェイ支柱に設けられている。
そのような踏込みユニットが、例えば、(メンテナンス-)プラットホーム及び/または階段の形態において構成されていることは可能であり、且つ、メンテナンス従業員によって踏込みされ得る。メンテナンス従業員の安全性を向上させるために、付加的に、更に安全装置、例えば手摺りが設けられていることは可能である。
【0005】
それぞれの使用目的、および、道のない原野に応じて、ロープウェイ支柱が、数メートルと150m以上に至るまでとの間の値である高さを有していることは可能である。
従来、ロープウェイ支柱の踏込みユニットへの乗り込みは、地面からただ梯子を介してだけで可能であった。しばしば歩きにくい道のない原野に基づいて、および、特にロープウェイ支柱の部分的に大きな高さであるという理由で、そのような乗り込みは、但し、極めて面倒であり、且つ、時間を浪費する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
それ故に、本発明の課題は、ロープウェイのロープウェイ支柱の踏込みユニットへのより容易な乗り込みを可能とすることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この課題は、本発明に従い、
前記ロープウェイ支柱に、前記ロープウェイのロープウェイキャリッジから前記踏込みユニットへの、または逆に、前記踏込みユニットから前記ロープウェイの前記ロープウェイキャリッジへの、人員用の乗り移りのための乗り移り装置が設けられており、
その際、この乗り移り装置が、固定ユニットを用いて、前記踏込みユニットに対して相対的に移動可能に前記ロープウェイ支柱に配置されており、
その際、前記乗り移り装置が、前記踏込みユニットに対して相対的に、前記乗り移り装置が前記踏込みユニットに積み込まれた静止位置から、乗り移りの実施のために設けられた準備位置に移動可能であることによって解決される。
このことによって、踏込みユニットへの乗り込みは、直接的に、ロープウェイキャリッジから可能であり、このことは、メンテナンス従業員のために、地面から梯子を介してよりも、著しくより少ない厄介さおよびより少ない時間を浪費である。
【発明の効果】
【0008】
有利には、ロープウェイ支柱に、静止位置において乗り移り装置をロックするためのロックユニットが設けられている。このことによって、例えばロープウェイの作動の間じゅうの、乗り移り装置が所望されない方法で解離されることの危険は減少され得る。
【0009】
機械式、液圧式、または、電気式に操作可能なロックユニットによって、このロックユニットの操作のための自在性のある可能性は可能にされる。
【0010】
有利には、乗り移り装置を静止位置から準備位置に移動するために静止位置における乗り移り装置のロックを解離するため、ロープウェイ支柱に、ロックユニットの操作のための操作ユニットが設けられており、その際、ロックユニットをロープウェイキャリッジから操作するために、操作ユニットが、有利には、少なくとも1つの第1のレバー要素を有しており、その際、ロックユニットを、踏込みユニットから操作するために、操作ユニットが、特に有利には、同様に1つの第2のレバー要素を有している。
更に有利な実施形態に従い、操作ユニットは、引張りケーブルまたはフレキシブルな軸の形態での操作手段を有している。このことによって、ロックユニットの容易な操作のための自在性のある可能性が提供される。
【0011】
静止位置から準備位置への、乗り移り装置の重力に伴う移動を制動するために、乗り移り装置が、制動装置を有しており、その際、この制動装置が、有利には、機械式、液圧式または空気圧式に構成されている場合、有利である。このことによって、安全性は向上され得、且つ、人員の負傷の危険が低減され得る。
【0012】
有利には、ロープウェイ支柱は、少なくとも1つのセンサー要素を有しており、このセンサー要素が、乗り移り装置の位置の認識のため、特に乗り移り装置が静止位置に位置しているかどうかの認識のために設けられており、その際、このセンサー要素が、ロープウェイの設備制御ユニットに対して伝送可能であるセンサー値を生成する。
センサー要素が、ロックユニットのロック状態、特に乗り移り装置が静止位置において、ロックユニットを用いてロックされているかどうかを認識するために設けられていることも可能である。このことによって、安全性は更に向上される。何故ならば、乗り移り装置の位置及び/またはロック状態の、信頼性の高い認識が可能にされるからである。
【0013】
乗り移り装置は、有利には、人員用の踏込み及び/または把持のための、少なくとも1つの踏付け及び/または把持要素を有している。このことによって、人員の乗り移りは容易化され、且つ、安全性が向上される。
【0014】
乗り移り装置の長さを、踏込みユニットとロープウェイキャリッジとの間の可変の間隔に対して適合させるために、乗り移り装置の長さが変化可能である場合、更に有利であり、その際、乗り移り装置が、特に有利には、梯子として、有利にはテレスコープ式梯子として形成されており、少なくとも1つの踏付け及び/または把持要素が、梯子の梯子段である。
【0015】
有利には、踏込みユニットに、手摺りが設けられており、且つ、乗り移り装置が、静止位置において、この手摺りの一部を形成し、このことによって、安全性が向上され得る。
【0016】
この課題は、更に、乗り移り装置が、ロープウェイの少なくとも1つのロープウェイ支柱に設けられていることによって解決され、その際、有利には、複数のロープウェイ支柱に、それぞれに1つの乗り移り装置が設けられている。
【0017】
有利には、ロープウェイは、このロープウェイの制御のための、設備制御ユニットを有しており、
その際、センサー要素が乗り移り装置の静止位置から逸脱する位置を認識した場合、及び/または、このセンサー要素がロックユニット内におけるこの乗り移り装置のロックされていない状態を認識した場合に、ロープウェイを作動停止するか、または、警告信号を生成し且つ信号装置を介して出力するために、
この設備制御ユニットが、センサー要素のセンサー値を処理するために設けられている。
設備制御ユニットとの、乗り移り装置のセンサーのコミュニケーションによって、ロープウェイを、乗り移り装置の位置及び/またはロック状態に依存して、作動停止する、または、少なくとも1つの警告信号を出力することは可能である。
【0018】
この課題は、更に、冒頭に記載された方法によって解決され、その際、
前記ロープウェイキャリッジが、乗り移り位置に移動され、
前記ロープウェイ支柱の前記乗り移り装置が、前記ロープウェイキャリッジまたは前記踏込みユニットから、前記静止位置)から前記準備位置に移動され、
人員が、前記ロープウェイキャリッジから、前記乗り移り装置を介して、前記踏込みユニットに、または逆に、前記踏込みユニットから、前記乗り移り装置を介して、前記ロープウェイキャリッジに乗り移り、および、
前記乗り移り装置が、この乗り移りの後に、有利には、前記踏込みユニットまたは前記ロープウェイキャリッジから、前記準備位置から戻って前記静止位置に移動される。
【0019】
本発明を、以下で、例示的、概略的、および、限定すること無しに、本発明の有利な実施形態を示している、
図1から5bまでとの関連のもとで詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の第1の実施形態に従う、乗り移り装置を有するロープウェイ支柱の図である。
【
図2a】静止位置における、乗り移り装置の詳細図である。
【
図2b】静止位置における、乗り移り装置の詳細図である。
【
図3】準備位置における乗り移り装置の詳細図である。
【
図4】本発明の第2の実施形態に従う、乗り移り装置を有するロープウェイ支柱の図である。
【
図5a】乗り移り装置のためのロック装置の図である。
【
図5b】乗り移り装置のためのロック装置の図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1内において、ローラ列3と踏込みユニット4とを有する、ロープウェイ2のロープウェイ支柱1が図示されている。ロープウェイ2の構造は原理的に公知であり、その理由で、ここでは、本発明のために重要な構成要素だけが説明される。
ローラ列3は、相前後して配置された複数のローラ5を有しており、これらローラにおいて、ロープウェイ2の搬送ケーブル6が案内される。搬送ケーブル6、および、特にこの搬送ケーブルに配置されたロープウェイキャリッジ7の負荷を、ロープウェイ支柱1を介して地面において支持するために、ローラ列3は、ロープウェイ支柱1において固定されている。搬送ケーブル6に、通常、複数のロープウェイキャリッジ7が、相互に所定の間隔をおいて懸架されている。
ロープウェイキャリッジ7を、駅内において、搬送ケーブル6から切り離し可能とするために、搬送ケーブル6におけるロープウェイキャリッジ7の固定は、例えば図示されているように、解離可能な締付け機構8を用いて行われ得る。この切り離しは、例えば、駅を通っての通過の間じゅう速度を低減するため、人員の容易な乗降車を可能とするために行われ得る。
ロープウェイキャリッジを、作動時間の外で、例えば適当なガレージ内において駐車させるために、切り離しは、しかしながら、例えば同様にロープウェイの終業の後にも行われ得る。言うまでも無く、同様に、搬送ケーブル6におけるロープウェイキャリッジ7の切り離し可能でない結合も可能である。
図示された例示において、ロープウェイキャリッジ7は、メンテナンス用ゴンドラとして構成されている。このメンテナンス用ゴンドラは、梯子9を有しており、この梯子を介して、例えば所定のメンテナンス活動を実施するために、人員が、このメンテナンス用ゴンドラから、このメンテナンス用ゴンドラの上側の端部におけるプラットホーム10に踏込み可能である。
【0022】
ロープウェイ支柱1の踏込みユニット4は、ここで、階段として構成されており、この階段が、1つの長手方向担持体11と複数の踏み段12とを有している。踏込みユニット4が、ローラ列3及び/またはロープウェイ支柱1自体に固定されていることは可能である。踏込みユニット4の使用の際の人員のための安全性を向上させるために、これら踏み段12に、図示された実施例において、付加的に手摺り13が設けられている。
言うまでも無く、このことは、しかしながら、ただ例示的なだけであり、踏込みユニット4が、同様に適宜に異なって構成されていることも可能であり、且つ、例えば、単に、手摺り13を有するかまたは有していない1つのプラットホームを有することも可能である。ロープウェイ支柱1が骨組み構造物として構成されている場合、踏込みユニット4は、例えば、同様に直接的に、このロープウェイ支柱1の一部であることも可能である。
【0023】
ロープウェイ支柱1において、概略的にメンテナンス用梯子14が示唆されており、このメンテナンス用梯子を介して、人員、特にメンテナンス従業員が、地面から踏込みユニット4に至るまで登ることは可能である。言うまでも無く、人員を落下に対して保護するために、そのようなメンテナンス用梯子14が、更に、付加的な安全保護要素、例えば一種のケージを有していることは可能である。
従来、踏込みユニット4への乗り込みは、基本的に、専らそのようなメンテナンス用梯子14を介してだけで行われた。このメンテナンス用梯子14を介しての乗り込みが、特に極めて高いロープウェイ支柱1の際に、極めて厄介であり且つ時間を浪費することは直ぐに明らかであり、このことは、言うまでも無く不利である。
ロープウェイ支柱1が、しばしば、歩きにくい、例えば急勾配の、岩の多い、道のない原野に配置されており、このことによって、既に、地面におけるロープウェイ支柱1への到達が極めて面倒であることの、付加的な困難という事態となる。付加的に、メンテナンス用梯子14の使用の際に、例えば工具のような荷物に関して制限されている。
【0024】
踏込みユニット4への人員の乗り込みを容易化するために、それ故に、本発明に従い、ロープウェイ支柱1に、ロープウェイ2のロープウェイキャリッジ7からの、人員用の乗り移りのための、乗り移り装置15が、踏込みユニット4に配置されていることが意図されている。
乗り移り装置15は、その際、固定ユニット21を用いて、旋回可能に踏込みユニット4に配置されており、且つ、この踏込みユニット4に対して相対的に、その静止位置RPにおいてこの乗り移り装置15がこの踏込みユニット4に積み込まれている該静止位置RPから、乗り移りの実施のために意図されている準備位置BPに、移動可能である。
図1内において、乗り移り装置15は、第1の実施形態において示されており、この実施形態の構造と機能態様とが、以下で
図2a、2bおよび
図3に基づいて、更に詳細に説明される。
【0025】
乗り移り装置15は、
図1内において、準備位置BPにおいて位置しており、この準備位置において、ロープウェイキャリッジ7、例えばメンテナンス用ゴンドラのプラットホーム10から、踏込みユニット4への乗り移りが可能にされる。
乗り移り装置15は、ここで、踏込みユニット4の最も下方の踏み段12に、旋回可能に固定されており、且つ、ロープウェイキャリッジ7からの人員による使用のために、(図示されていない)静止位置RPから図示されている準備位置BPに、移動、特に旋回され得る。この目的のために、ロープウェイキャリッジ7は、乗り移り位置に、踏込みユニット4の十分に近傍にだんだんと近づいて移動され、且つ、停止される。
その後、踏込みユニット4、ここで階段へと到達するために、人員は、ロープウェイキャリッジ7の梯子9を介して、プラットホーム10へと踏込み可能であり、且つ、このプラットホーム10から、乗り移り装置15が、静止位置RPから準備位置BPに傾倒され得る。言うまでも無く、踏込みユニット4からロープウェイキャリッジ7へと到達するために、(踏込みユニット4にいる)人員が、この踏込みユニット4から、乗り移り装置15を、静止位置RPから準備位置BPに移動するというやり方で、乗り移りは、同様に逆にも行われ得る。
【0026】
乗り移りを容易化するために、乗り移り装置15は、有利には、少なくとも1つの踏付け及び/または把持要素16を有しており、この踏付け及び/または把持要素が、人員による把持または踏込みのために適合されている。
有利な方法において、乗り移り装置15が、図示されているように、例えば梯子として構成されていることは可能であり、その際、この梯子が、踏付け及び/または把持要素16として、複数の梯子段を有している。更に有利な実施形態に従い、乗り移り装置15を踏込みユニット4とロープウェイキャリッジ7との間の可変の間隔に対して適合可能とするために、この乗り移り装置15の長さは変化可能である。
これに伴って、同様に乗り移りも、異なる身長の人員のための容易化され、且つ、乗り移り位置における、ロープウェイキャリッジ7の位置決めが、あまり正確ではなく行われ得る。乗り移り装置15が、梯子として構成されている場合、変化可能な長さは、例えば、構造および機能が公知であるテレスコープ式梯子によって実現され得る。
【0027】
図2aおよび
図2bは、静止位置RPにおける異なる眺望での、
図1の乗り移り装置15を詳細に示している。より良好な一目瞭然性の理由から、それぞれに、踏込みユニット4の一部、例えば最も下方の踏み段12だけが、並びに、手摺り13の一部だけが図示されている。
図示されているように、乗り移り装置15は、関節運動可能に、固定ユニット21と結合されており、且つ、この固定ユニット21が、強固に、踏込みユニット4と結合、例えば、ねじ止めされている。図示された例示において、固定ユニット21は、左側および右側のブラケット17を有しており、これらブラケットの間に、乗り移り装置15が旋回可能に固定されている。
【0028】
乗り移り装置15を静止位置RPにおいて解離可能にロックするために、有利には、ロープウェイ支柱1、特に踏込みユニット4または固定ユニット21に、ロックユニット18が設けられている。ロックユニット18は、有利には、機械式、液圧式、または、電気式に操作可能である。このことによって、安全性が向上され得る。何故ならば、乗り移り装置15が所望されない方法で、静止位置RPから、部分的に準備位置の方向に、または、完全に準備位置BPに移動されないことが保証されるからである。
有利には、ロープウェイ支柱1は、それに加えて、踏込みユニット4または固定ユニット21における乗り移り装置15のロックを解離するため、
図2aおよび
図2b内において矢印によって図案化されているようにこの乗り移り装置15を静止位置RPから準備位置BPに移動可能とするために、ロックユニット18の操作のための操作ユニット19を有している。
【0029】
ロックユニット18と操作ユニット19とは、図示された例示において、ブラケット20に配置されており、これらロックユニットと操作ユニットとが、しかしながら、言うまでも無く、同様に踏込みユニット4、例えば手摺り13に配置されていることも可能である。ブラケット20は、ここで、横方向構造体(
図2a)を介して、ブラケット17と結合されており、このことによって、踏込みユニット4における乗り移り装置15の旋回可能な固定のための、基本的に一体の固定ユニット21が結果として生じ、この固定ユニットが、同時に、ロックユニット18と操作ユニット19とを有している。
この固定ユニット21の一体的な構成により、構造剛性が改善され得、且つ、踏込みユニット4における乗り移り装置15の組み付けが容易化され得る。何故ならば、全乗り移り装置15が、固定ユニット21、並びに、この固定ユニットに設けられたロックユニット18および操作ユニット19をも含めて、1つのモジュールとして形成されているからである。
構造剛性を更に改善するために、付加的に、ブラケット20が、例えば、同様に踏込みユニット4、ここで手摺り13に固定されていることも可能である。このことは、乗り移りの間じゅうの振動を減少させるために特に有利であり、このことによって、人員のための安全性の感覚が向上される。
【0030】
図3内において、準備位置BPにおける乗り移り装置15が図示されており、この準備位置において、ロープウェイキャリッジ7からの乗り移りは行われ得る(
図1参照)。
乗り移り装置15は、ここで梯子として構成されており、この梯子が、側方の保持体22を用いて、関節運動可能に、固定装置21のブラケット17と結合されている。このことによって、例えば、従来の、市販の梯子が、乗り移り装置15として使用され得、その際、この梯子が、有利には、十分な強度を有する、軽量な、耐候性の材料、例えばアルミニウムから構成されていることは可能である。
言うまでも無く、乗り移り装置15が、しかしながら、直接的に、即ち保持体22無しに、固定ユニット21と関節運動可能に結合されていることも可能である。梯子と保持体22との使用は、しかしながら、この梯子が、例えば損傷の場合に容易に交換され得ること、及び/または、異なる長さを有する梯子が使用され得ることの利点を有している。
【0031】
ロックユニット18をロープウェイキャリッジ7から操作するために、有利には、操作ユニット19は、少なくとも1つの第1のレバー要素24aを有している。ロックユニット18を同様に踏込みユニット4から操作可能とするために、特に有利には、操作ユニット19は、しかしながら、同様に第2のレバー要素24bも有している。
図示された例示において、これらレバー要素24a、24bは、操作ユニット19と一体に構成されており、その際、第1のレバー要素24aが、準備位置BPの方向に(ここで基本的に垂直方向に下方へと)延在し、且つ、第2のレバー要素24bが、静止位置RPの方向に(ここで基本的に垂直方向に上方へと)延在している。操作ユニット19は、ここで、回転可能にブラケット20に固定されており、且つ、ロック位置と解離位置との間で移動可能である。
操作ユニット19を、そのロック位置において乗り移り装置15が踏込みユニット4にロックされている該ロック位置に予負荷するために、有利には、付加的に、例えば適当なばねのような予負荷要素26が設けられている。このロックの解離のために、操作ユニット19は、予負荷要素26の予負荷力に抗して、解離位置に、静止位置から準備位置に旋回され得る。
【0032】
ロックユニット18は、示された例示において、操作ユニット19内における開口部25として構成されており、乗り移り装置15を踏込みユニット4における静止位置RPにおいてロックするために、この開口部が、乗り移り装置15のピン27(
図2b)と協働する。示された例示において、ピン27は、梯子の左側の保持体22の外側に配置されており、且つ、静止位置RPにおいて、開口部25との係合状態にある。
乗り移り装置15が(保持体22無しに)一体に構成されている場合、ピン27は、有利には、直接的に、側方で、この乗り移り装置15に設けられている。操作ユニット19が両方のレバー要素24a、24bの内の一方のレバー要素によって操作される場合、即ち、予負荷要素26の予負荷力に抗して、ロック位置から解離位置に旋回される場合、開口部25はピン27を解放し、且つ、乗り移り装置15が、静止位置RPから準備位置BPに移動、特に旋回され得る。
【0033】
乗り移り装置15を静止位置RPにおいてロックおよび保持するため、および、操作の際に乗り移り装置15を解放するために、もちろん、操作ユニット19が、適宜に異なって構成されていることは可能である。
【0034】
例えば、ローラ列3におけるメンテナンス作業の終了の後、乗り移り装置15がもはや必要とされない場合、ロープウェイ2の作動を危険に曝さないために、この乗り移り装置15は、有利には、再び戻して静止位置RPに移動される。乗り移り装置15が手動で準備位置BPから、戻して静止位置RPに傾倒されるというやり方で、このことは、他方また、ロープウェイキャリッジ7から行われ得る。
特定の機能をロープウェイ2の作動の間じゅう検査または監視するために、例えば人員が踏込みユニット4に残留する場合、乗り移り装置15は、しかしながら、同様に、この踏込みユニット4から、戻して静止位置RPに移動されることも可能である。
踏込みユニット4からの、乗り移り装置15の上方への傾倒を容易化するために、グリップ要素23が、乗り移り装置15に設けられていることは可能である。図示された例示において、グリップ要素23は、右側の保持体22の一部として形成されており、言うまでも無く、しかしながら、同様に他のバリエーション、例えば別個のグリップ要素23も考慮可能である。
【0035】
踏込みユニット4に、手摺り13が設けられている場合、乗り移り装置15は、有利には、静止位置RPにおいて、踏込みユニット4の手摺り13の一部を形成する。
【0036】
ロックユニット18のロックが、操作ユニット19を用いて解離されるやいなや、乗り移り装置15は、有利には、重力によって、静止位置RPから準備位置BPに移動可能である。静止位置RPから準備位置BPへの、乗り移り装置15の重力に伴う移動を制動するために、乗り移り装置15が、(図示されていない)制動装置を有している場合、確かに有利であり得る。このことによって、安全性は向上され得る。何故ならば、乗り移り装置15が、コントロール不能に下方へと移動可能ではなく、且つ、諸事情のもとで、人員を負傷させる可能性が無いからである。
制動装置は、それに加えて、乗り移り装置15における損傷を回避するために、有利であり得る。例えば、これに伴って、(ここで保持体22とブラケット17との間の)関節運動可能な結合の、許容されていない高い負荷が防止され得、及び/または、乗り移り装置15、例えば図示された(アルミニウム)梯子の損傷または変形が防止され得る。制動装置は、有利には、機械式、液圧式または空気圧式に、例えばガス圧ばねとして構成されている。制動装置は、しかしながら、例えば関節部内における摩擦力の合目的な増大により実現され得る。
【0037】
更に、静止位置RPを越えての乗り移り装置15の移動を制限する、少なくとも1つの制限要素28が設けられている場合、有利である。示された例示において、左側と右側とに、それぞれに1つの制限要素28が配置されており、この制限要素は、基本的に、乗り移り装置15のためのエンドストッパーとして利用される。これら制限要素28は、ここで、一体の固定ユニット21の(左側で)ブラケット20に、および、(右側で)ブラケット17に固定されている。
言うまでも無く、しかしながら、同様に、例えば踏込みユニット4における、例えば手摺り13における、他の配置も考慮可能である。制限要素28が、図示されているように、それぞれに1つの、例えばゴム要素のような、弾性的な緩衝要素を有する場合、静止位置RPにおける、制限要素28に対する乗り移り装置15の当接は緩衝され得る。このことによって、操作ユニット19の開口部25内における、ピン27の衝撃的な当接は回避され得、これによって、損傷は回避され得る。
静止位置RPにおけるピン27を、開口部25の境界に対して予負荷するために、付加的に、緩衝要素は、予負荷のために利用され得る。このことによって、乗り移り装置15が、ピン27と開口部25との間の、存在する遊隙の内側で移動することは回避され得、このことが、諸事情のもとで、例えば風によって起因する振動およびカタカタの騒音を誘起可能である。
【0038】
更に、乗り移り装置15が少なくとも1つのセンサー要素29を有している場合に有利であり得、このセンサー要素は、この乗り移り装置15の位置の認識のため、特にこの乗り移り装置15が静止位置RPに位置しているかどうかを認識するために設けられている。センサー要素29は、ロープウェイ2の(図示されていない)設備制御ユニットに対して伝送可能であるセンサー値を生成する。
特に有利には、センサー要素29は、乗り移り装置15が静止位置RPにおいて踏込みユニット4におけるロックユニット18を用いてロックされているかどうかを認識するために設けられている。示された例示において、センサー要素29は、いわゆる終端位置スイッチとして構成されており、この乗り移り装置15が静止位置RPにある場合にこの終端位置スイッチが乗り移り装置15によって操作され、且つ、相応するセンサー値を生成する。
ロープウェイ2の設備制御ユニットは、このセンサー値を処理可能であり、且つ、センサー要素29によって乗り移り装置15が静止位置RPから逸脱する位置にあることが認識された場合に、このロープウェイを作動停止するか、または、警告信号を出力する。ロックユニット18のロック状態の認識のための適当なセンサー29が設けられている場合、設備制御ユニットは、このセンサーが、ロックユニット18内における乗り移り装置15のロックされていない状態を認識した際に、ロープウェイを作動停止可能である。
【0039】
図4内において、ローラ列3と、その搬送ケーブルにロープウェイキャリッジ7が懸吊状態で配置されている該搬送ケーブル6とを有する、ロープウェイ支柱1の、更に別の実施例が図示されている。ロープウェイ支柱1は、
図1に類似して、踏込みユニット4を有している。ロープウェイ支柱1の左側のローラ列3の部分は、
図4内において、踏込みユニット4のより良好な認識可能性のために切り取られている。
踏込みユニット4は、長手方向担持体11と複数の踏み段12を有している。これら踏み段は、それぞれに、ここで管体の形態での横方向担持体30に配置されており、その際、これら横方向担持体30が、強固に長手方向担持体11と結合されている。乗り移り装置15は、ここで同様に、梯子として形成されており、且つ、固定ユニット21を用いて、踏込みユニット4に旋回可能に配置されている。
【0040】
固定ユニット21は、ここで2つの留め環を有しており、これら留め環が、最も下方の踏み段12の横方向担持体30に配置されており、従って、この横方向担持体30もしくは管体が、これら留め環を通って延在している。このことによって、この横方向担持体30は、基本的に、乗り移り装置15の旋回のための回転軸として使用される。
乗り移り装置15の結合のより高い安定性を生成するために確かに2つまたは複数の留め環が有利であるが、言うまでも無く、固定ユニット21が、ただ1つの留め環を有している場合、原理的に同様に十分である。特に、このことによって、乗り移りの間じゅうの、乗り移り装置15の側方の傾倒もしくはぐらつきは減少され、それによって、安全性の感覚は向上される。
少なくとも1つの留め環が、例示的に、例えば適当な金属的な材料から剛性に構成されていることは可能であり、または、しかしながら同様に、例えばプラスチックまたは繊維織物のような、適当な強度のフレキシブルな材料から構成されていることも可能である。
【0041】
静止位置RPにおいて、乗り移り装置15は、踏込みユニット4の下側に位置し、且つ、基本的に、
図4内において見て取れるように、長手方向担持体11に対して平行に延在している。ロックユニット18は、ここで、踏込みユニット4に配置されており、且つ、ロック要素18aを有しており、このロック要素が、回転可能に、踏込みユニット4に、例えば長手方向担持体11に支承されている。
ロック要素18a内における回転軸線は、基本的に、横方向担持体30もしくは管体に対して平行に延びており、これら横方向担持体もしくは管体に、踏み段12が配置されている。乗り移り装置15をロックするために、ロック要素18aは、静止位置RPにおいて、この乗り移り装置15との係合状態にある。
図示された例示において、ロック要素18aは開口部を有しており、この開口部が、静止位置RPにおいて、梯子を静止位置において固定するために、この梯子の梯子段との係合状態にある。
【0042】
ロープウェイキャリッジ7が適当な(図示されていない)乗り移り位置にある場合に、ロックユニット18をロープウェイキャリッジ7から操作可能とするために、ロックユニット18の操作のための操作ユニット19は、ここで、第1のレバー要素24aを有している。ロックを解離するため、例えばロック要素18aを図示された例示において旋回するために、第1のレバー要素24aは、例えば、引張りケーブル、または、相応する長さのフレキシブルな軸を用いて、ロックユニット18と結合されている。
ロックの解離の後、乗り移り装置15は、静止位置RPから準備位置BPに移動され得、ここで、特に最も下方の横方向担持体30の回転軸線を中心として旋回され得る。
【0043】
ロックユニット18が、電気式に操作可能である場合、操作ユニット19が、例えば、同様に電気式のスイッチであることも可能であり、このスイッチが、電気的な導線を介して、ロックユニット18と接続されている(このことは、言うまでも無く、同様に、本発明の他の実施形態に関しても言えることである)。
例えば、同様に電気式に操作可能なロックユニット18の無線式の操作も考慮可能である。操作ユニット19が、この場合に、例えば無線スイッチであることは可能であり、この無線スイッチが、例えば、位置固定式に、例えば踏込みユニット4のような、ロープウェイ支柱1の適当な位置に配置されていることは可能である。ロックユニット18を異なる位置から操作するために、複数の無線スイッチが設けられていることも、しかしながら同様に考慮可能である。
言うまでも無く、乗り移り装置15の操作もしくはロック解除を、ロープウェイキャリッジ7から可能とするために、同様にポータブル式の無線スイッチも使用され得る。
【0044】
準備位置BPにおいて、乗り移り装置15もしくは梯子は、基本的に、
図4内において破線で示唆されているように、踏込みユニット4から、垂直方向に下方へと延在している。移動は、有利には、容易に重力によって行われ、その際、特に、静止位置RPから準備位置BPへの乗り移り装置15の移動を制動するために、この実施形態において、(図示されていない)制動装置が設けられている場合、有利であり得る。
第1の実施例に基づいて既に説明されているように、制動装置が、例えばガス圧ばねとして形成されていることは可能である。しかしながら、例えば、同様に機械式のばねが設けられることも考慮可能であり、この機械式のばねが、基本的に自由な場合に相応する、乗り移り装置15の移動を妨害する。
例えば、捻りばねが、最も下方の横方向担持体30に設けられていることは可能であり、この横方向担持体が、乗り移り装置15のための旋回軸線として利用される。言うまでも無く、このことは、ただ例示的にだけ理解されるべきであり、且つ、当業者が、同様に他の適当な制動装置を設けることは可能である。
【0045】
ロックユニット18を踏込みユニット4から操作するために、選択的に、言うまでも無く、同様に第2のレバー要素24bが設けられていることも可能である。例えば、第2のレバー要素24bが、
図4内において示唆されているのと同様に、直接的にロック要素18aに配置されており、且つ、2つの踏み段12の側方または間で、上方へと延在していることは可能である。
準備位置BPを越えての(ここで、垂線から左側への)乗り移り装置15の移動を制限するために、更に、同様に1つまたは複数の(図示されていない)当接要素が乗り移り装置15または踏込みユニット4に設けられていることも可能である。このことによって、準備位置BPにおける乗り移り装置15の揺動が減少され得、それによって、乗り移りが容易化され得、且つ、安全性が向上され得る。
例えば、1つまたは複数の当接要素が、ゴム緩衝体の形態において、乗り移り装置15に、もしくは、ここで(準備位置BPにおいて上側の端部における)梯子に設けられており、前記当接要素が、準備位置BPにおいて、長手方向担持体11の下側の端部、または、最も下方の横方向担持体30との接触状態にあることは可能である。梯子の移動を制限するために、言うまでも無く、当接要素が、選択的または付加的に、同様に長手方向担持体11または最も下方の横方向担持体30に設けられていることも可能である。
【0046】
準備位置BPにおける乗り移り装置15の揺動を、なお更に制限するために、同様に固有の(図示されていない)固定装置が設けられていることも可能であり、この固定装置が、準備位置BPにおける乗り移り装置15を固定する。このことによって、例えば
図4内における垂線から左側および右側への、乗り移り装置15の移動は最小限に減らされ得、このことによって、乗り移りの際の安全性が、更に向上され得る。
固定装置が、例えば、ロックユニット18に類似して構成されていることは可能である。第1の実施形態(
図1~3b)に比しての、乗り移り装置15の第2の実施形態(
図4)の利点は、例えば、静止位置RPにおける、長手方向担持体11に沿っての、乗り移り装置15の配置に基づいて、より長い乗り移り装置15が使用され得、このことによって、ロープウェイキャリッジ7から/への、乗り移りが容易化されることである。
【0047】
図5a内において、
図4の乗り移り装置15とロックユニット18とが、詳細に図示されている。乗り移り装置15は、梯子の形態において形成されており、且つ、一方の端部において、踏込みユニット4における旋回可能な固定のための固定ユニット21を有している。固定ユニット21は、ここでプレート21aを有しており、このプレート21aが、強固に、梯子と結合されており、例えばねじ止め、溶接、リベット留め、等がされている。
プレート21aの、梯子と反対側の上側の面に、2つの留め環21bが配置されており、これら留め環が、既に
図4に基づいて説明されていたように、最も下方の横方向担持体30の、管体として形成された横方向担持体30における、旋回可能な固定のために設けられている。留め環の端部がプレート21a内における適当な開口部を貫いて案内され且つプレート21aの梯子の方に向けられた下側の面において、例えばねじ止めされるというやり方で、留め環21bが例えば固定されていることは可能である。このことによって、先ず第一に留め環21bが横方向担持体30において配置され、且つ、引き続いてこれら留め環の端部がプレート21a内における開口部を通って案内され、且つ、このプレートにねじ止めされるというやり方で、乗り移り装置15の組み付けの容易な可能性が提供され得る。
言うまでも無く、固定ユニット21の具体的な実施形態は、ただ例示的だけに理解されるべきであり、且つ、同様に固定の他の、例えば固定ユニット21が第1の実施例において示されているのと類似してブラケットの形態での可能性も考慮可能である。固定ユニット21が、例えば同様に、単に2つのボルトまたはねじを乗り移り装置15の側方で有しており、これらボルトまたはねじを介して、この乗り移り装置15が、関節運動可能に踏込みユニット4と結合されていることも可能である。
【0048】
プレート21aの(留め環21bに対して)下側の面において、操作ユニット19の一部として、第1のレバー要素24aが設けられている。ロックユニット18を乗り移り装置15のロックの解離のために操作するために、第1のレバー要素24aは、例えば引張りケーブルまたはフレキシブルな軸のような操作手段31を介して、このロックユニット18と協働する。
ロックユニット18は、踏込みユニット4に配置されており(
図4参照)、且つ、ロック要素18aを有しており、乗り移り装置15のロックを解離するため、このロック要素がこの踏込みユニット4に対して相対的に旋回可能である。ロック要素18aが、直接的に関節運動可能に、踏込みユニット4またはこの踏込みユニットの一部(例えば、横方向担持体30)に、または、図示されているように適当な担持要素32に固定されており、この担持要素が、他方また、強固に踏込みユニット4と結合されていることは可能である。
ロック要素18aは開口部33を有しており、この開口部が、乗り移り装置15を踏込みユニット4にロックするために、静止位置RPにおいて、乗り移り装置15と係合されている。梯子の場合、例えば、この梯子の梯子段16が、開口部33と係合されることは可能である。
【0049】
ロックの解離のために、ロックユニット18は、第1のレバー要素24aを介して、ロープウェイキャリッジ7から操作され得る。このことによって、ロック要素18aは、操作手段31を用いてロック位置VPから解離位置LPに旋回され、それによって、乗り移り装置15が解放され、且つ、静止位置RPから準備位置BPに移動され得る。
ロック要素18aの回転軸線は、ここで、横方向に、基本的に横方向担持体30に対して平行に延びている。この移動は、有利には、自動的に重力によって行われ、その際、移動は、場合によっては、選択的な制動装置によって制動され得る。
【0050】
ロック要素18aをロック位置VPに予負荷するために、ロックユニット18は、有利には、少なくとも1つの適当な(図示されていない)予負荷要素26を有している。予負荷要素26として、有利には、適当な機械式のばねが使用される。例えば、捻りばねが、ロック要素18aの回転軸線内において設けられていることは可能である。
付加的に図示された例示において、出発位置への操作手段31をも含めての第1のレバー要素24aの復帰を可能とするために、同様に第1のレバー要素24aが、適当な予負荷要素26を有している場合、有利であり得る。第1のレバー要素24aおよび操作手段31の復帰が、十分に大きな予負荷力の際に、例えばしかしながら、同様に予負荷要素26だけ、特にロック要素18aにおけるばねだけによって行われることも可能である。
電気式に操作可能なロックユニット18の場合、レバー要素24aの代わりに、例えばスイッチが設けられているか、または、このスイッチがこのレバー要素24aを用いて操作可能であることは可能である。スイッチは、その場合に、例えば、電気的な導線を介して、ロックユニット18と接続されている。
【0051】
準備位置BP(
図4)から静止位置RPへの乗り移り装置15の移動は、有利には、手動で行われ、その際、場合によっては、例えば引張りケーブル、1つまたは複数の連結金具、グリップ、等のような、適当な補助手段が設けられていることは可能である。
静止位置RPにおける乗り移り装置15の容易な戻り移動およびロックを可能とするために、ロック要素18aは、図示された例示において、傾斜した面34の形成のためのくさび形の部分を有している。乗り移り装置15が準備位置BPから静止位置RPに戻り移動される場合、この乗り移り装置15、ここで梯子の最後の梯子段16は、(ロック位置VPにある)ロック要素18aの傾斜した面34と接触する。
公知のくさび効果に基づいて、梯子段16が開口部33との係合状態にされるまで、ロック要素18aは、この梯子段16によって、部分的に解離位置LPの方向に旋回される。(例えば、ロック要素18aの回転軸線内における捩りばねのような)予負荷要素26によって、このロック要素18aは、戻ってロック位置VPに移動され、このことによって、乗り移り装置15がロックされる。
【0052】
静止位置RPを越えての乗り移り装置15の移動を制限するために、既に第1の実施形態に基づいて示されているように、同様にここでも、1つまたは複数の(図示されていない)制限要素28が、乗り移り装置15及び/または踏込みユニット4に設けられていることは可能である。それに加えて、このことによって、梯子段16と開口部33との間の与えられた遊隙は、場合によっては開口部33の内側での乗り移り装置15の移動に基づいてのカタカタの騒音を減少するために、最小限に減らされ得る。
乗り移り装置15の位置を認識するために、言うまでも無く、同様に第2の実施例においても、センサー要素29が設けられていることは可能である。この機能は、第1の実施例におけると類似しており、その理由で、ここで、もはやより詳細にはこのことに立ち入らない。
【0053】
図5bは、ロックユニット18の選択的な実施形態を示している。このロックユニットは、担持要素32を有しており、この担持要素が、(図示されていない)踏込みユニット4に固定されている。担持要素32に、2つのロック要素18aが設けられており、これらロック要素が、基本的に、
図5a内においてと類似して構成されている。
図5aに従う実施形態との相違において、これら両方のロック要素18aは、
図5b内において、それぞれに回転軸線を中心として旋回可能であり、これら回転軸線が、踏込みユニット4の長手方向担持体11に対して平行に、且つ、先の
図5a内においてのようにではなく、横方向に延在している。静止位置RPにおける乗り移り装置15を踏込みユニット4にロックするために、これらロック要素18aは、それぞれに1つの開口部33を有しており、これら開口部が、乗り移り装置15と係合され得る。
但し、これら開口部33は、ここで、梯子として形成された乗り移り装置15の長手方向担持体15aと協働し、且つ、先のように、この梯子の梯子段16とは協働しない。(図示されていない)操作ユニット19を用いての機能もしくは操作は、しかしながら、
図5aに従うバリエーションと相違は無く、その理由で、もはや詳細には、このことに立ち入らない。2重のロックにより、静止位置RPにおける乗り移り装置15の安定性は、改善され得る。
【0054】
更に別の(図示されていない)実施形態に従い、乗り移り装置15は、有利には梯子の形態において、静止位置RPにおいて、側方に外側で、手摺り13に、即ちこの手摺り13の、踏み段12と反対の方に向けられている側面に、配置されている。
固定ユニット21は、その際、例えばブラケットであり、このブラケットが、旋回可能に、踏込みユニット4に固定されており、その際、旋回軸線が、横方向に、例えば横方向担持体30に対して平行に、延びている。乗り移り装置15は、その際、固定ユニット21に対して相対的に、例えば固定ユニット21内における適当な切欠き部の内側で旋回可能である。これに伴って、乗り移り装置15は、この固定ユニット21の切欠き部の内側で、2つの位置の間で往復運動させられ得、これら位置において、乗り移り装置15の両方の軸線方向の端部が、固定ユニット21に当接する。
静止位置RPにおける乗り移り装置15を確実に手摺り13において保持するために、有利には、その際、同様に手摺り13においても、付加的に案内ユニットが設けられている。
【0055】
準備位置BPへの移動のために、乗り移り装置15は、静止位置RPを出発点として、先ず第一に、手摺り13に対して相対的に、且つ、基本的に、この手摺り13に対して平行に、移動、特に摺動され得る。乗り移り装置15は、その際、同様に、固定ユニット21に対して相対的に、例えば切欠き部の内側で摺動される。
この摺動は、第1の、静止位置RPにおいて、固定ユニット21と反対の方に向けられた、乗り移り装置15の軸線方向の端部が、固定ユニット21に到達するまで、および、有利にはこの固定ユニット21に当接するまでの間、行われる。その後、固定ユニット21は旋回され、このことによって、準備位置BPに到達する。
【0056】
最後に、再度、説明された実施形態が、ただ例示的だけ且つ制限的にではなく理解されるべきであることは、コメントされるべきである。示された実施形態と並んで、言うまでも無く、同様に当業者の裁量に任されている更に別のバリエーションも考慮可能である。例えば、当業者は、本発明を、例えば踏込みユニットの異なる形状に対してのような、ロープウェイの具体的な所与の要件に対して適合可能である。
【国際調査報告】