(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-06
(54)【発明の名称】付随する処置のためのシステム、方法、及びワークフロー
(51)【国際特許分類】
A61B 34/37 20160101AFI20220530BHJP
A61B 46/10 20160101ALI20220530BHJP
A61B 90/50 20160101ALI20220530BHJP
A61B 17/221 20060101ALI20220530BHJP
【FI】
A61B34/37
A61B46/10
A61B90/50
A61B17/221
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021559628
(86)(22)【出願日】2020-03-26
(85)【翻訳文提出日】2021-11-11
(86)【国際出願番号】 US2020024979
(87)【国際公開番号】W WO2020210044
(87)【国際公開日】2020-10-15
(32)【優先日】2019-04-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】518083032
【氏名又は名称】オーリス ヘルス インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】ハッサン・アレクサンダー・タレク
(72)【発明者】
【氏名】ロモ・エンリケ
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160DD02
4C160DD22
(57)【要約】
付随する処置のためのシステム、方法、及びワークフローを開示する。一態様では、この方法は、ロボットシステムの第1のロボットアームを使用して可撓性器具を操作することと、ロボットシステムの第2のロボットアームを使用して剛性器具を操作することと、可撓性器具からのフィードバックを表示することと、剛性器具からのフィードバックを表示することと、を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロボットシステムであって、
可撓性器具と、
剛性器具と、
前記可撓性器具を操作するように構成された第1のロボットアームと、
前記剛性器具を操作するように構成された第2のロボットアームと、
前記可撓性器具及び前記剛性器具からの視覚データを表示するように構成されたディスプレイと、を含む、ロボットシステム。
【請求項2】
前記可撓性器具が、可撓性スコープを含み、
前記剛性器具が、剛性スコープを含み、
前記ディスプレイが、ビデオスクリーンを含み、
前記システムが、
少なくとも1つのプロセッサと、
少なくとも1つのコンピュータ可読メモリであって、前記少なくとも1つのプロセッサと通信し、前記1つ又は2つ以上のプロセッサに、
前記可撓性スコープから第1の視覚データを受信することと、
前記剛性スコープから第2の視覚データを受信することと、
前記第1の視覚データ及び前記第2の視覚データに基づいて信号を生成することと、
ビデオスクリーンに前記信号を送信することであって、前記信号が、前記ビデオスクリーンに、前記可撓性スコープ及び前記剛性スコープのうちの少なくとも1つからのビデオシーケンスをレンダリングさせるように構成されている、送信することと、を行わせるためのコンピュータ実行可能命令を記憶した、少なくとも1つのコンピュータ可読メモリと、を更に含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記ビデオスクリーンが、前記可撓性スコープ及び前記剛性スコープからの前記ビデオシーケンスをピクチャインピクチャビューでレンダリングするように更に構成されている、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記ビデオスクリーンが、前記可撓性スコープ及び前記剛性スコープからの前記ビデオシーケンスをサイドバイサイドビューで表示するように更に構成されている、請求項2に記載のシステム。
【請求項5】
前記可撓性スコープからの前記第1の視覚データが、一次ビューを含み、前記剛性スコープからの前記第2の視覚データが、二次ビューを含み、
前記ビデオスクリーンが、前記一次ビュー及び前記二次ビューのレンダリングを切り替えるように更に構成されている、請求項2に記載のシステム。
【請求項6】
1つ又は2つ以上のプロセッサと、
前記1つ又は2つ以上のプロセッサと通信し、前記1つ又は2つ以上のプロセッサに滅菌ゾーン及び非滅菌ゾーンを識別させるためのコンピュータ実行可能命令を記憶した、少なくとも1つのコンピュータ可読メモリと、を更に含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記滅菌ゾーンと前記非滅菌ゾーンとの間に位置付けられたドレープを更に含む、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記コンピュータ実行可能命令が、前記1つ又は2つ以上のプロセッサに、
前記第1のロボットアーム又は前記第2のロボットアームのうちの一方を、前記滅菌ゾーン内に維持することと、
前記第1のロボットアーム及び前記第2のロボットアームのうちの他方を前記非滅菌ゾーン内に維持することと、を更に行わせる、請求項6に記載のシステム。
【請求項9】
前記コンピュータ実行可能命令が、前記1つ又は2つ以上のプロセッサに、
前記滅菌ゾーンと前記非滅菌ゾーンとの間の移行ゾーンを識別することと、
前記第1のロボットアーム及び前記第2のロボットアームが前記移行ゾーンに移動することを阻止することと、を更に行わせる、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
1つ又は2つ以上のプロセッサと、
少なくとも1つのコンピュータ可読メモリであって、前記1つ又は2つ以上のプロセッサと通信し、前記1つ又は2つ以上のプロセッサに、
患者の第1の領域を通して前記可撓性器具を操作することと、
前記患者の第2の領域を通して前記剛性器具を操作することと、を行わせるためのコンピュータ実行可能命令を記憶した、少なくとも1つのコンピュータ可読メモリと、を更に含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記可撓性器具が、自然開口部を通して操作されるように構成され、前記剛性器具が、人工切開部を通して操作されるように構成されている、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記コンピュータ実行可能命令が、前記1つ又は2つ以上のプロセッサに、
前記患者の前記第1の領域及び前記患者の前記第2の領域での前記患者の送気を制御することを更に行わせる、請求項10に記載のシステム。
【請求項13】
前記コンピュータ実行可能命令が、前記1つ又は2つ以上のプロセッサに、
前記第1の領域の前記送気の測定に基づいて前記第2の領域の前記送気を調整することを更に行わせる、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
ベッドと、
前記ベッドに連結された調整可能なアーム支持体と、を更に含み、
前記第1のロボットアーム及び前記第2のロボットアームが、前記調整可能なアーム支持体に位置付けられている、請求項1に記載のシステム。
【請求項15】
前記第1のロボットアームを使用して前記可撓性器具を操作するための入力を受信するように構成されたペンダントと、
前記第2のロボットアームを使用して前記剛性器具を操作するための入力を受信するように構成されたマスタコントローラと、を更に含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項16】
非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって、実行されたときに、少なくとも1つのコンピューティングデバイスに、
ロボットシステムの第1のロボットアームを使用して可撓性器具を操作することと、
前記ロボットシステムの第2のロボットアームを使用して剛性器具を操作することと、
前記可撓性器具からのフィードバックを表示することと、
前記剛性器具からのフィードバックを表示することと、を行わせる命令を記憶した、非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
【請求項17】
外科的方法であって、
ロボットシステムの第1のロボットアームを使用して可撓性器具を操作することと、
前記ロボットシステムの第2のロボットアームを使用して剛性器具を操作することと、
前記可撓性器具からのフィードバックを表示することと、
前記剛性器具からのフィードバックを表示することと、を含む、外科的方法。
【請求項18】
前記可撓性器具が、可撓性スコープを含み、
前記剛性器具が、剛性スコープを含み、
前記可撓性スコープからの前記フィードバック及び前記剛性スコープからの前記フィードバックのうちの少なくとも1つが、ビデオスクリーンに表示される、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記可撓性スコープからの前記フィードバック及び前記剛性スコープからの前記フィードバックが、ピクチャインピクチャビューで表示される、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記可撓性スコープからの前記フィードバック及び前記剛性スコープからの前記フィードバックが、サイドバイサイドビューで表示される、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
前記可撓性スコープ及び前記剛性スコープからの前記フィードバックの一方が、一次ビューを含み、前記可撓性スコープ及び前記剛性スコープからの前記フィードバックの他方が、二次ビューを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項22】
前記可撓性スコープからの前記フィードバックが前記一次ビューを含み、前記剛性スコープからの前記フィードバックが前記二次ビューを含むように、前記一次ビューと前記二次ビューとを切り替えることを更に含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
滅菌ゾーン及び非滅菌ゾーンを識別することを更に含む、請求項17に記載の方法。
【請求項24】
前記滅菌ゾーンと前記非滅菌ゾーンとの間にドレープが位置付けられている、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記第1のロボットアーム又は前記第2のロボットアームのうちの一方を前記滅菌ゾーン内に維持することと、
前記第1のロボットアーム及び前記第2のロボットアームのうちの他方を前記非滅菌ゾーン内に維持することと、を更に含む、請求項23に記載の方法。
【請求項26】
前記滅菌ゾーンと前記非滅菌ゾーンとの間の移行ゾーンを識別することを更に含む、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記第1のロボットアーム及び前記第2のロボットアームが前記移行ゾーンに移動することを阻止することを更に含む、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記可撓性器具が、患者の第1の領域を通して操作され、前記剛性器具が、前記患者の第2の領域を通して操作される、請求項17に記載の方法。
【請求項29】
前記可撓性器具が、第1の開口部を通して操作され、前記剛性器具が、第2の開口部を通して操作される、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記第1の開口部が、自然開口部を含み、前記第2の開口部が、人工切開部を含む、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記自然開口部が、前記患者の肛門を含み、前記人工切開部が、前記患者の腹部に形成される、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記患者の前記第1の領域及び前記患者の前記第2の領域のうちの1つにおいて前記患者に送気することを更に含む、請求項28に記載の方法。
【請求項33】
前記患者の前記第1の領域及び前記患者の前記第2の領域の両方に送気することを更に含む、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記第1の領域の前記送気の測定に基づいて、前記第2の領域の前記送気を調整することを更に含む、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記第1のロボットアーム及び前記第2のロボットアームが、調整可能なアーム支持体に位置付けられている、請求項17に記載の方法。
【請求項36】
前記調整可能なアーム支持体が、ベッドに連結されている、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記ベッドが、一対の調整可能なアーム支持体を含み、前記一対の調整可能なアーム支持体の各々が、そこに取り付けられた1つ又は2つ以上のロボットアームを有する、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記可撓性器具が、外側シースを通して駆動されるように構成されている、請求項17に記載の方法。
【請求項39】
前記可撓性器具が、内部を通した外科用器具の送達を容易にするように構成された、1つ又は2つ以上の作業チャネルを含む、請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記外科用器具が、ポリープスネアを含む、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前記可撓性器具及び前記剛性器具のうちの1つを使用して、マーカを前記患者の標的領域の中へ導入することを更に含む、請求項17に記載の方法。
【請求項42】
前記マーカが、前記患者の静脈に送達される、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記第1のロボットアームを使用して前記可撓性器具を操作することが、ペンダントを介して受信される入力に応じて行われ、
前記第2のロボットアームを使用して前記剛性器具を操作することが、マスタコントローラを介して受信される入力に応じて行われる、請求項17に記載の方法。
【請求項44】
前記ペンダントを介して受信される前記入力及び前記マスタコントローラを介して受信される前記入力が、単一のユーザーから受信される、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記第1のロボットアームを使用して前記可撓性器具を操作することが、マスタコントローラを介して受信される入力に応じて行われ、
前記第2のロボットアームを使用して前記剛性器具を操作することが、前記マスタコントローラを介して受信される入力に応じて行われる、請求項17に記載の方法。
【請求項46】
前記可撓性器具及び前記剛性器具を使用して、組み合わせた内視鏡及び腹腔鏡手術(CELS)処置を行うことを更に含む、請求項17に記載の方法。
【請求項47】
前記CELS処置が、患者への結腸直腸介入を行うことを含む、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
外科的方法であって、
ロボットシステムの第1のロボットアームを使用して可撓性器具を操作することと、
前記ロボットシステムの第2のロボットアームを使用して剛性器具を操作することと、
前記可撓性器具からの第1のフィードバックを一次ビューとしてビュースクリーンに表示することと、
前記剛性器具からの第2のフィードバックを二次ビューとして同じビュースクリーンに表示することと、を含む、外科的方法。
【請求項49】
前記可撓性器具が、可撓性スコープを含み、
前記剛性器具が、剛性スコープを含み、
前記可撓性スコープからの前記第1のフィードバック及び前記剛性スコープからの前記第2のフィードバックが、ピクチャインピクチャビューで表示される、請求項48に記載の方法。
【請求項50】
前記可撓性器具が、可撓性スコープを含み、
前記剛性器具が、剛性スコープを含み、
前記可撓性スコープからの前記第1のフィードバック及び前記剛性スコープからの前記第2のフィードバックが、サイドバイサイドビューで表示される、請求項48に記載の方法。
【請求項51】
前記第1のフィードバック及び前記第2のフィードバックのうちの一方が、一次ビューを含み、前記第1のフィードバック及び前記第2のフィードバックのうちの他方が、二次ビューを含む、請求項48に記載の方法。
【請求項52】
前記一次ビュー及び前記二次ビューを切り替えることを更に含む、請求項51に記載の方法。
【請求項53】
滅菌ゾーン及び非滅菌ゾーンを識別することを更に含む、請求項48に記載の方法。
【請求項54】
前記第1のロボットアーム又は前記第2のロボットアームのうちの一方を前記滅菌ゾーン内に維持することと、
前記第1のロボットアーム及び前記第2のロボットアームのうちの他方を前記非滅菌ゾーン内に維持することと、を更に含む、請求項53に記載の方法。
【請求項55】
前記滅菌ゾーンと前記非滅菌ゾーンとの間の移行ゾーンを識別することを更に含む、請求項54に記載の方法。
【請求項56】
前記第1のロボットアーム及び前記第2のロボットアームが前記移行ゾーンに移動することを阻止することを更に含む、請求項55に記載の方法。
【請求項57】
前記可撓性器具が、患者の第1の領域を通して操作され、前記剛性器具が、前記患者の第2の領域を通して操作される、請求項48に記載の方法。
【請求項58】
前記可撓性器具が、第1の開口部を通して操作され、前記剛性器具が、第2の開口部を通して操作される、請求項57に記載の方法。
【請求項59】
前記第1の開口部が、自然開口部を含み、前記第2の開口部が、人工切開部を含む、請求項58に記載の方法。
【請求項60】
前記自然開口部が、前記患者の肛門を含み、前記人工切開部が、前記患者の腹部に形成される、請求項59に記載の方法。
【請求項61】
前記患者の前記第1の領域及び前記患者の前記第2の領域のうちの1つにおいて前記患者に送気することを更に含む、請求項57に記載の方法。
【請求項62】
前記患者の前記第1の領域及び前記患者の前記第2の領域の両方に送気することを更に含む、請求項61に記載の方法。
【請求項63】
前記第1の領域の前記送気の測定に基づいて、前記第2の領域の前記送気を調整することを更に含む、請求項62に記載の方法。
【請求項64】
前記可撓性器具及び前記剛性器具のうちの1つを使用して、マーカを前記患者の標的領域の中へ導入することを更に含む、請求項48に記載の方法。
【請求項65】
前記マーカが、前記患者の静脈に送達される、請求項64に記載の方法。
【請求項66】
前記第1のロボットアームを使用して前記可撓性器具を操作することが、ペンダントを介して受信される入力に応じて行われ、
前記第2のロボットアームを使用して前記剛性器具を操作することが、マスタコントローラを介して受信される入力に応じて行われる、請求項48に記載の方法。
【請求項67】
前記ペンダントを介して受信される前記入力及び前記マスタコントローラを介して受信される前記入力が、単一のユーザーから受信される、請求項66に記載の方法。
【請求項68】
前記第1のロボットアームを使用して前記可撓性器具を操作することが、マスタコントローラを介して受信される入力に応じて行われ、
前記第2のロボットアームを使用して前記剛性器具を操作することが、前記マスタコントローラを介して受信される入力に応じて行われる、請求項48に記載の方法。
【請求項69】
前記可撓性器具及び前記剛性器具を使用して、組み合わせた内視鏡及び腹腔鏡手術(CELS)処置を行うことを更に含む、請求項48に記載の方法。
【請求項70】
前記CELS処置が、患者への結腸直腸介入を行うことを含む、請求項69に記載の方法。
【請求項71】
外科的方法であって、
患者の自然開口部を通してロボットシステムの第1のロボットアームを使用して可撓性器具を操作することと、
前記患者に形成された切開部を通して前記ロボットシステムの第2のロボットアームを使用して剛性器具を操作することと、
前記可撓性器具及び前記剛性器具からのフィードバック情報を表示することと、を含む、外科的方法。
【請求項72】
前記可撓性器具が、可撓性スコープを含み、
前記剛性器具が、剛性スコープを含み、
前記可撓性スコープ及び前記剛性スコープからの前記フィードバック情報が、ビデオスクリーンに表示される、請求項71に記載の方法。
【請求項73】
前記可撓性スコープからの第1のフィードバック及び前記剛性スコープからの第2のフィードバックが、ピクチャインピクチャビューで表示される、請求項72に記載の方法。
【請求項74】
前記可撓性スコープからの第1のフィードバック及び前記剛性スコープからの第2のフィードバックが、サイドバイサイドビューで表示される、請求項72に記載の方法。
【請求項75】
前記第1のフィードバック及び前記第2のフィードバックのうちの一方が、一次ビューを含み、前記第1のフィードバック及び前記第2のフィードバックのうちの他方が、二次ビューを含む、請求項71に記載の方法。
【請求項76】
前記一次ビュー及び前記二次ビューを切り替えることを更に含む、請求項75に記載の方法。
【請求項77】
滅菌ゾーン及び非滅菌ゾーンを識別することを更に含む、請求項71に記載の方法。
【請求項78】
前記第1のロボットアーム又は前記第2のロボットアームのうちの一方を前記滅菌ゾーン内に維持することと、
前記第1のロボットアーム及び前記第2のロボットアームのうちの他方を前記非滅菌ゾーン内に維持することと、を更に含む、請求項77に記載の方法。
【請求項79】
前記滅菌ゾーンと前記非滅菌ゾーンとの間の移行ゾーンを識別することを更に含む、請求項78に記載の方法。
【請求項80】
前記第1のロボットアーム及び前記第2のロボットアームが前記移行ゾーンに移動することを阻止することを更に含む、請求項79に記載の方法。
【請求項81】
前記自然開口部が、前記患者の肛門を含み、前記切開部が、前記患者の腹部に形成される、請求項71に記載の方法。
【請求項82】
前記可撓性器具が、患者の第1の領域を通して操作され、前記剛性器具が、前記患者の第2の領域を通して操作される、請求項71に記載の方法。
【請求項83】
前記患者の前記第1の領域及び前記患者の前記第2の領域のうちの1つにおいて前記患者に送気することを更に含む、請求項82に記載の方法。
【請求項84】
前記患者の前記第1の領域及び前記患者の前記第2の領域の両方に送気することを更に含む、請求項83に記載の方法。
【請求項85】
前記第1の領域の前記送気の測定に基づいて、前記第2の領域の前記送気を調整することを更に含む、請求項84に記載の方法。
【請求項86】
前記可撓性器具及び前記剛性器具のうちの1つを使用して、マーカを前記患者の標的領域の中へ導入することを更に含む、請求項71に記載の方法。
【請求項87】
前記マーカが、前記患者の静脈に送達される、請求項86に記載の方法。
【請求項88】
前記第1のロボットアームを使用して前記可撓性器具を操作することが、ペンダントを介して受信される入力に応じて行われ、
前記第2のロボットアームを使用して前記剛性器具を操作することが、マスタコントローラを介して受信される入力に応じて行われる、請求項71に記載の方法。
【請求項89】
前記ペンダントを介して受信される前記入力及び前記マスタコントローラを介して受信される前記入力が、単一のユーザーから受信される、請求項88に記載の方法。
【請求項90】
前記第1のロボットアームを使用して前記可撓性器具を操作することが、マスタコントローラを介して受信される入力に応じて行われ、
前記第2のロボットアームを使用して前記剛性器具を操作することが、前記マスタコントローラを介して受信される入力に応じて行われる、請求項71に記載の方法。
【請求項91】
前記可撓性器具及び前記剛性器具を使用して、組み合わせた内視鏡及び腹腔鏡手術(CELS)処置を行うことを更に含む、請求項71に記載の方法。
【請求項92】
外科的方法であって、
患者の自然開口部を介して前記患者に可撓性器具を導入することと、
前記自然開口部を通してロボットシステムの第1のロボットアームを使用して前記可撓性器具を操作することと、
ユーザー入力装置を介して入力信号を受信することに応答して、格納位置からセットアップ位置へと前記ロボットシステムの第2のロボットアームを展開することと、
前記患者に形成された切開部を通して前記ロボットシステムの前記第2のロボットアームを使用して剛性器具を操作することと、
前記可撓性器具及び前記剛性器具のうちの少なくとも1つからのフィードバックを表示することと、を含む、外科的方法。
【請求項93】
前記ユーザー入力装置が、マスタコントローラ及びペンダントのうちの少なくとも1つを含む、請求項92に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、2019年4月8日に出願の米国仮出願第62/831,064号の利益を主張するものである。
【0002】
(発明の分野)
本明細書に開示されるシステム及び方法は、医療処置、より具体的には付随する処置を行うためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
1つ又は2つ以上の医療用器具の挿入及び/又は操作を制御するために、ロボット医療用システムを使用して、様々な医療処置を行うことができる。特定の医学的状態では、医学的状態を完全に治療するために、2つ以上の医療処置が実行されることがある。ロボット制御可能な医療用システムは、1つ又は2つ以上のロボットアーム又は任意の他の器具位置決め装置を含むことができる。ロボット医療用システムはまた、ロボットアーム及び/又は器具位置決め装置の操作を介して、処置のそれぞれの間の器具の位置決めを制御するために使用されるコントローラを含むことができる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示のシステム、方法及び装置はそれぞれ、いくつかの革新的な態様を有し、そのうちの1つとして本明細書に開示される望ましい属性を単独で司るものではない。
【0005】
一態様では、外科的方法が提供され、当該外科的方法は、ロボットシステムの第1のロボットアームを使用して可撓性器具を操作することと、ロボットシステムの第2のロボットアームを使用して剛性器具を操作することと、可撓性器具からのフィードバックを表示することと、剛性器具からのフィードバックを表示することと、を含む。
【0006】
別の態様では、外科的方法が提供され、当該外科的方法は、ロボットシステムの第1のロボットアームを使用して可撓性器具を操作することと、ロボットシステムの第2のロボットアームを使用して剛性器具を操作することと、可撓性器具からの第1のフィードバックを一次ビューとしてビュースクリーンに表示することと、剛性器具からの第2のフィードバックを二次ビューとして同じビュースクリーンに表示することと、を含む。
【0007】
更に別の態様では、外科的方法が提供され、当該外科的方法は、患者の自然オリフィスを通してロボットシステムの第1のロボットアームを使用して可撓性器具を操作することと、患者に形成された切開部を通してロボットシステムの第2のロボットアームを使用して剛性器具を操作することと、可撓性器具及び剛性器具からのフィードバック情報を表示することと、を含む。
【0008】
更になお別の態様では、外科的方法が提供され、当該外科的方法は、患者の自然オリフィスを介して患者に可撓性器具を導入することと、自然オリフィスを通してロボットシステムの第1のロボットアームを使用して可撓性器具を操作することと、ユーザー入力装置を介して入力信号を受信することに応答して、格納位置からセットアップ位置へとロボットシステムの第2のロボットアームを展開することと、患者に形成された切開部を通してロボットシステムの第2のロボットアームを使用して剛性器具を操作することと、可撓性器具及び剛性器具のうちの少なくとも1つからのフィードバックを表示することと、を含む。
【0009】
更に別の態様では、ロボットシステムを提供し、当該ロボットシステムは、可撓性器具と、剛性器具と、可撓性器具を操作するように構成された第1のロボットアームと、剛性器具を操作するように構成された第2のロボットアームと、可撓性器具及び剛性器具からの視野データを表示するように構成されたディスプレイと、を含む。
【0010】
更になお別の態様では、命令を記憶した非一時的コンピュータ可読記憶媒体が提供され、当該命令は、実行されたときに、少なくとも1つのコンピューティングデバイスに、ロボットシステムの第1のロボットアームを使用して可撓性器具を操作することと、ロボットシステムの第2のロボットアームを使用して剛性器具を操作することと、可撓性器具からのフィードバックを表示することと、剛性器具からのフィードバックを表示することと、を行わせる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
開示される態様は、以下、添付の図面と併せて説明され、開示された態様を例示するが、限定するものではなく、同様の称号は同様の要素を示す。
【
図1】診断及び/又は治療用気管支鏡検査処置のために配置されたカートベースのロボットシステムの実施形態である。
【
図2】
図1のロボットシステムの更なる態様である。
【
図3】尿管鏡検査のために配置された
図1のロボットシステムの実施形態である。
【
図4】血管処置のために配置された
図1のロボットシステムの実施形態である。
【
図5】気管支鏡検査処置のために配置されたテーブルベースのロボットシステムの実施形態である。
【
図6】
図5のロボットシステムの代替的な図である。
【
図7】ロボットアームを格納するように構成された例示的なシステムである。
【
図8】尿管鏡検査処置のために構成されたテーブルベースのロボットシステムの実施形態である。
【
図9】腹腔鏡処置のために構成されたテーブルベースのロボットシステムの実施形態である。
【
図10】ピッチ又は傾斜調整を備えた
図5~
図9のテーブルベースのロボットシステムの実施形態を示す。
【
図11】
図5~
図10のテーブルベースのロボットシステムのテーブルとカラムとの間のインターフェースの詳細な図示を提供する。
【
図12】テーブルベースのロボットシステムの代替的実施形態を示す。
【
図13】
図12のテーブルベースのロボットシステムの端面図を示す。
【
図14】ロボットアームが取り付けられた、テーブルベースのロボットシステムの端面図を示す。
【
図16】ペア器具ドライバを備えた例示的な医療用器具を示す。
【
図17】駆動ユニットの軸が器具の細長シャフトの軸に平行である、器具ドライバ及び器具の代替的な設計を示す。
【
図18】器具ベースの挿入アーキテクチャを有する器具を示す。
【
図20】例示的な実施形態にかかる、
図16~
図18の器具の位置など、
図1~
図10のロボットシステムの1つ又は2つ以上の要素の位置を推定する位置特定システムを示すブロック図を示す。
【
図21】本開示の態様にかかる付随する処置を行うように構成されたベッドベースのロボットシステムの実施形態を示す。
【
図22】本開示の態様にかかる付随する処置を行うように構成されたベッドベースのロボットシステムの別の実施形態を示す。
【
図23】本開示の態様にかかる不随する処置を行うように構成されたロボットシステムの更に別の実施形態を示す。
【
図24】本開示の態様にかかる付随する処置を行うように構成されたベッドベースのロボットシステムの別の実施形態の2つの構成を示す。
【
図25】本開示の態様にかかる付随する処置を行うように構成されたベッドベースのロボットシステムの別の実施形態の2つの構成を示す。
【
図26】本開示の態様にかかる、付随する医療処置を行うための、ロボットシステム又はその構成要素によって動作可能な例示的な方法を示すフローチャートである。
【
図27A】本開示の態様にかかる、付随する内視鏡及び胸腔鏡処置を行うための、ロボットシステム又はその構成要素によって動作可能な別の例示的な方法を示すフローチャートを提供する。
【
図27B】本開示の態様にかかる、付随する内視鏡及び胸腔鏡処置を行うための、ロボットシステム又はその構成要素によって動作可能な別の例示的な方法を示すフローチャートを提供する。
【
図28】本開示の態様にかかる、処置エスカレーションを含む付随する医療処置を行うための、ロボットシステム又はその構成要素によって動作可能な例示的な方法を示すフローチャートである。
【
図29】本開示の態様にかかる、ロボットアームを制御するための1つ又は2つ以上のタイプのインターフェースを含む、例示的なコンソールを示す。
【
図30】本開示の態様にかかる、
図29に示すコントローラの拡大図を示す。
【
図31】本開示の態様にかかる、
図29及び
図30に示すハンドルのうちの1つの拡大図を示す。
【
図32】本開示の態様にかかる、
図29に示すペンダントの拡大図を示す。
【
図33】本開示の態様にかかる、単一のユーザーインターフェースを介して付随する医療処置を行うための、ロボットシステム又はその構成要素によって動作可能な例示的な方法を示すフローチャートである。
【
図34】本開示の態様にかかる、付随する医療処置中にビューワーによって表示され得る例示的な図である。
【
図35】本開示の態様にかかる、付随する医療処置中にビューワーによって表示され得る例示的な図である。
【
図36】本開示の態様にかかる、付随する医療処置中にビューワーによって表示され得る別の例示的な図である。
【
図37】本開示の態様にかかる、付随する医療処置を行いながら、表示された画像を切り替えるための、ロボットシステム又はその構成要素によって動作可能な例示的な方法を示すフローチャートである。
【
図38A】本開示の態様にかかる、組み合わせた内視鏡及び腹腔鏡手術(CELS)を行うための例示的なワークフローを示すフローチャートである。
【
図38B】本開示の態様にかかる、組み合わせた内視鏡及び腹腔鏡手術(CELS)を行うための例示的なワークフローを示すフローチャートである。
【
図39】本開示の態様にかかる、付随する処置を行うように構成されたベッドベースのロボットシステムの一実施形態を示す。
【
図40】本開示の態様にかかる、CELS行うための別の例示的なワークフローを示すフローチャートである。
【
図41】本開示の態様にかかる、付随する処置を行うように構成されたロボットシステムの別の実施形態を示す。
【
図42】本開示の態様にかかる、結腸直腸介入中に付随するシステムのビデオスクリーンから取り込まれた例示的な静止画像である。
【
図43】本開示の態様にかかる、CELS行うための例示的な患者準備処置を示すフローチャートである。
【
図44】本開示の態様にかかる、CELSを行うための例示的な送気処置を示すフローチャートである。
【
図45】本開示の態様にかかる、CELSを行うための例示的な撮像処置を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
1.概論
本開示の態様は、腹腔鏡などの低侵襲性、及び内視鏡などの非侵襲性の両方の処置を含む、様々な医療処置を行うことができるロボットで使用可能な医療用システムに統合され得る。内視鏡処置のうち、システムは、気管支鏡検査、尿管鏡検査、胃鏡検査などを行うことができる。
【0013】
幅広い処置を行うことに加えて、システムは、医師を支援するための強調された撮像及び誘導などの追加の利益を提供することができる。追加的に、システムは、厄介な腕の動作及び姿勢を必要とせずに、人間工学的位置から処置を行う能力を医師に提供することができる。また更に、システムは、システムの器具のうちの1つ又は2つ以上が単一のユーザーによって制御され得るように、改善された使いやすさで処置を行う能力を医師に提供することができる。
【0014】
以下、説明を目的として、図面と併せて、様々な実施形態が説明される。開示される概念の多くの他の実装態様が可能であり、開示される実装態様で様々な利点が達成され得ることを理解されたい。見出しが、参照のために本明細書に含まれ、様々なセクションの位置を特定する支援となる。これらの見出しは、それに関して説明される概念の範囲を限定することを意図するものではない。そのような概念は、本明細書全体にわたって適用可能性を有し得る。
【0015】
A.ロボットシステム-カート
ロボットで使用可能な医療用システムは、特定の処置に応じて様々な方法で構成され得る。
図1は、診断及び/又は治療用気管支鏡検査処置のために配置された、カートベースのロボット制御可能なシステム10の実施形態を示す。気管支鏡検査の間、システム10は、気管支鏡検査のための処置専用気管支鏡であり得る操縦可能な内視鏡13などの医療用器具を、診断及び/又は治療用具を送達するための自然開口部アクセスポイント(すなわち、本実施例ではテーブル上に位置決めされている患者の口)に送達するための1つ又は2つ以上のロボットアーム12を有するカート11を含むことができる。示されるように、カート11は、アクセスポイントへのアクセスを提供するために、患者の上部胴体に近接して位置決めすることができる。同様に、ロボットアーム12は、アクセスポイントに対して気管支鏡を位置決めするために作動させることができる。
図1の配置はまた、胃腸管(GI)処置を胃鏡(GI処置のための特殊な内視鏡)を用いて実行するときにも利用され得る。
図2は、カートの例示的な実施形態をより詳細に描画する。
【0016】
図1を引き続き参照すると、一旦カート11が適切に位置付けられると、ロボットアーム12は、操縦可能な内視鏡13をロボットで、手動で、又はそれらの組み合わせで患者内に挿入することができる。図示のように、操縦可能な内視鏡13は、内側リーダー部分及び外側シース部分などの少なくとも2つの入れ子式部品を含んでもよく、各部分は、器具ドライバのセット28から別個の器具ドライバ(計器駆動機構(IDM)とも呼ばれる)に結合され、各器具ドライバは、個々のロボットアームの遠位端部に結合されている。リーダー部分をシース部分と同軸上に位置合わせするのを容易にする、器具ドライバ28のこの直線配置は、1つ又は2つ以上のロボットアーム12を異なる角度及び/又は位置に操作することによって空間内に再位置決めされ得る「仮想レール」29を作成する。本明細書に記載される仮想レールは、破線を使用して図に示されており、したがって破線は、システムの物理的構造を示さない。仮想レール29に沿った器具ドライバ28の並進は、外側シース部分に対して内側リーダー部分を入れ子にするか、又は内視鏡13を患者から前進若しくは後退させる。仮想レール29の角度は、臨床用途又は医師の好みに基づいて調整、並進、及び枢動させられてもよい。例えば、気管支鏡検査では、示されるような仮想レール29の角度及び位置は、内視鏡13を患者の口内に曲げ入れることによる摩擦を最小限に抑えながら内視鏡13への医師のアクセスを提供する妥協を表す。
【0017】
内視鏡13は、標的の目的地又は手術部位に到達するまで、ロボットシステムからの正確なコマンドを使用して挿入後に患者の気管及び肺の下方に向けられてもよい。患者の肺網を通したナビゲーションを高め、及び/又は所望の標的に到達するために、内視鏡13を操縦して、内側リーダー部分を外側シース部分から入れ子状に延在させ、高められた関節運動及びより大きな曲げ半径を得てもよい。別個の器具ドライバ28の使用により、リーダー部分及びシース部分が互いに独立して駆動することも可能になる。
【0018】
例えば、内視鏡13は、例えば、患者の肺内の病変又は小結節などの標的に生検針を送達するように方向付けられてもよい。針は、内視鏡の長さにわたる作業チャネルの下方に展開されて、病理医によって分析される組織サンプルを得てもよい。病理の結果に応じて、追加の生検のために追加のツールが内視鏡の作業チャネルの下方に展開されてもよい。小結節を悪性と識別した後、内視鏡13は、潜在的な癌組織を切除するために器具を内視鏡的に送達してもよい。場合によっては、診断及び治療的処置は、別々の手順で提供することができる。これらの状況において、内視鏡13はまた、標的小結節の場所を「マーク」するために基準を送達するのに使用されてもよい。他の例では、診断及び治療的処置は、同じ処置中に送達されてもよい。
【0019】
システム10はまた、カート11に支持ケーブルを介して接続されて、カート11への制御、電子機器、流体工学、光学系、センサ、及び/又は電力のためのサポートを提供し得る移動可能なタワー30を含んでもよい。タワー30内にこのような機能を配置することは、操作を行う医師及びそのスタッフがより容易に調整及び/又は再位置決めし得る、より小さいフォームファクタのカート11を可能にする。追加的に、カート/テーブルと支持タワー30との間の機能の分割は、手術室の乱雑さを低減し、臨床ワークフローの改善を促進する。カート11は患者に近接して配置されてもよいが、タワー30は、処置中に邪魔にならないように離れた場所に格納されてもよい。
【0020】
上述のロボットシステムのサポートにおいて、タワー30は、例えば、永続的な磁気記憶ドライブ、ソリッドステートドライブなどの非一時的コンピュータ可読記憶媒体内にコンピュータプログラム命令を記憶するコンピュータベースの制御システムの構成要素を含んでもよい。これらの命令の実行は、実行がタワー30内で行われるのか又はカート11で行われるのかにかかわらず、システム全体又はそのサブシステムを制御してもよい。例えば、コンピュータシステムのプロセッサによって実行されるとき、命令は、ロボットシステムの構成要素に、関連するキャリッジ及びアームマウントを作動させ、ロボットアームを作動させ、医療用器具を制御させてもよい。例えば、制御信号を受信したことに応答して、ロボットアームの関節内のモータは、アームをある特定の姿勢に位置決めしてもよい。
【0021】
タワー30は、内視鏡13を通して配備することができるシステムに、制御された灌注及び吸引機能を提供するために、ポンプ、流量計、弁制御、及び/又は流体アクセスも含むことができる。これらの構成要素は、タワー30のコンピュータシステムも使用して制御されてもよい。いくつかの実施形態では、灌注及び吸引能力は、別個のケーブルを通して内視鏡13に直接送達されてもよい。
【0022】
タワー30は、フィルタリングされ、保護された電力をカート11に提供するように設計された電圧及びサージ保護具を含んでもよく、それによって、カート11内に電力変圧器及び他の補助電力構成要素を配置することが回避され、カート11はより小さく、より移動可能になる。
【0023】
タワー30は、ロボットシステム10全体に配備されたセンサのための支持機器も含んでもよい。例えば、タワー30は、ロボットシステム10を通して光センサ又はカメラから受信したデータを検出、受信、及び処理するためのオプトエレクトロニクス機器を含んでもよい。制御システムと組み合わせて、そのようなオプトエレクトロニクス機器は、タワー30内を含むシステム全体に配置された任意の数のコンソール内に表示するためのリアルタイム画像を生成するように使用されてもよい。同様に、タワー30はまた、展開された電磁(EM)センサから信号を受信し、受信した信号を処理するための電子サブシステムも含んでもよい。タワー30はまた、医療用器具内又は医療用器具上のEMセンサによる検出のためにEM場発生器を収容し、位置決めするためにも使用されてもよい。
【0024】
タワー30はまた、システムの残りの部分で利用可能な他のコンソール、例えば、カートの上部上に装着されたコンソールに追加して、コンソール31を含んでもよい。コンソール31は、オペレータである医師のためのユーザーインターフェース及びタッチスクリーンなどの表示画面を含んでもよい。システム10内のコンソールは、一般に、ロボット制御、並びに内視鏡13のナビゲーション情報及び位置特定情報などの処置の術前及びリアルタイム情報の両方を提供するように設計される。コンソール31が医師に利用可能な唯一のコンソールではない場合、コンソール31は、看護師などの第2のオペレータによって使用されて、患者の健康又は生命及びシステムの動作を監視し、並びにナビゲーション及び位置特定情報などの処置固有のデータを提供することができる。その他の実施形態では、コンソール30は、タワー30とは別個の本体内に収容される。
【0025】
タワー30は、1つ又は2つ以上のケーブル又は接続部(図示せず)を介してカート11及び内視鏡13に連結されてもよい。いくつかの実施形態では、タワー30からのサポート機能は、単一ケーブルを通してカート11に提供されることにより、手術室を簡略化し、整理整頓することができる。他の実施形態では、特定の機能は、別個の配線及び接続部で連結されてもよい。例えば、単一の電力ケーブルを通してカートに電力が供給されてもよい一方、制御、光学、流体工学、及び/又はナビゲーションのためのサポートは、別個のケーブルを通して提供されてもよい。
【0026】
図2は、
図1に示されるカートベースのロボット制御可能なシステムからのカートの実施形態の詳細な図を提供する。カート11は、概して、細長い支持構造14(しばしば「カラム」と称される)と、カート基部15と、カラム14の頂部にあるコンソール16と、を含む。カラム14は、1つ又は2つ以上のロボットアーム12(
図2には3つ示されている)の展開を支持するためのキャリッジ17(代替的に「アーム支持体」)などの1つ又は2つ以上のキャリッジを含んでもよい。キャリッジ17は、患者に対してより良好に位置決めするために垂直軸に沿って回転してロボットアーム12の基部を調整する、個別に構成可能なアームマウントを含んでもよい。キャリッジ17はまた、キャリッジ17がカラム14に沿って垂直方向に並進することを可能にするキャリッジインターフェース19を含む。
【0027】
キャリッジインターフェース19は、キャリッジ17の垂直方向の並進を案内するためにカラム14の両側に位置決めされているスロット20などのスロットを通してカラム14に接続されている。スロット20は、カート基部15に対して様々な垂直方向の高さでキャリッジを位置付け及び保持するための垂直方向の並進インターフェースを含む。キャリッジ17の垂直方向の並進により、カート11は、様々なテーブルの高さ、患者のサイズ、及び医師の好みを満たすようにロボットアーム12のリーチを調整することが可能となる。同様に、キャリッジ17上の個別に構成可能なアームマウントにより、ロボットアーム12のロボットアーム基部21を様々な構成で角度付けすることが可能となる。
【0028】
いくつかの実施形態では、キャリッジ17が垂直方向に並進するときにカラム14の内部チャンバ及び垂直方向の並進インターフェース内に汚れ及び流体が侵入するのを防止するために、スロット20には、スロット表面と同一平面及び平行であるスロットカバーが追加されてもよい。スロットカバーは、スロット20の垂直方向の頂部及び底部付近に位置決めされているばねスプールの対を通じて展開されてもよい。カバーは、キャリッジ17が上下に垂直方向に並進するにつれてコイル状から伸縮するように展開されるまで、スプール内でコイル巻きにされている。スプールのばね荷重は、キャリッジ17がスプールに向かって並進するときにカバーをスプール内に後退させるための力を提供する一方で、キャリッジ17がスプールから離れるように並進するときに密封も維持する。カバーは、キャリッジ17が並進するときにカバーが適切に拡張及び後退するのを容易にするために、例えばキャリッジインターフェース19内のブラケットを使用して、キャリッジ17に接続され得る。
【0029】
カラム14は、例えば、コンソール16からの入力などのユーザー入力に応答して生成された制御信号に応答してキャリッジ17を機械的に並進させるために垂直方向に位置合わせされた主ねじを使用するように設計された、ギア及びモータなどの機構を内部に含んでもよい。
【0030】
ロボットアーム12は、一般に、一連の関節24によって接続されている一連のリンク23によって分離されたロボットアーム基部21及びエンドエフェクタ22を含んでもよく、各関節は独立したアクチュエータを含み、各アクチュエータは、独立して制御可能なモータを含む。それぞれ独立して制御可能な関節は、ロボットアームが利用可能な独立した自由度を表す。アーム12の各々は、7つの関節を有し、したがって、7つの自由度を提供する。多数の関節は、多数の自由度をもたらし、「冗長」自由度を可能にする。冗長自由度は、ロボットアーム12が、異なる連結位置及び関節角度を使用して空間内の特定の位置、向き、及び軌道で、それらのそれぞれのエンドエフェクタ22を位置付けすることを可能にする。これにより、システムが空間内の所望のポイントから医療用器具を位置決めし、方向付けることが可能になると同時に、医師がアーム関節を患者から離れる臨床的に有利な位置へと移動させて、アームの衝突を回避しながらよりよいアクセスを生み出すことを可能にする。
【0031】
カート基部15は、床の上のカラム14、キャリッジ17、及びアーム12の重量の釣り合いをとる。したがって、カート基部15は、電子機器、モータ、電源、並びにカートの移動及び/又は固定化のいずれかを可能にする構成要素などの、より重い部品を収容する。例えば、カート基部15は、処置前にカートが部屋中をあちこちに容易に移動することを可能にする、転動可能なホイール形状のキャスタ25を含む。適切な位置に到達した後、キャスタ25は、処置中にカート11を所定の場所に保持するためのホイールロックを使用して静止させられてもよい。
【0032】
カラム14の垂直方向の端部に位置付けされたコンソール16は、ユーザー入力を受信するためのユーザーインターフェース及び表示画面(又は、例えば、タッチスクリーン26などの二重目的デバイス)の両方を可能にして、術前データ及び術中データの両方を医師であるユーザーに提供する。タッチスクリーン26上の潜在的な術前データは、術前計画、術前コンピュータ断層撮影(CT)スキャンから導出されたナビゲーション及びマッピングデータ、及び/又は術前の患者への問診からのメモを含んでもよい。ディスプレイ上の術中データは、ツールから提供される光学情報、センサからのセンサ及び座標情報、及び呼吸、心拍数、及び/又はパルスなどの不可欠な患者統計を含んでもよい。コンソール16は、医師が、キャリッジ17の反対側のカラム14側からコンソールにアクセスすることを可能にするように位置付けされ、傾斜がつけられてもよい。この位置から、医師は、コンソール16をカート11の背後から操作しながら、コンソール16、ロボットアーム12、及び患者を見ることができる。図示のように、コンソール16はまた、カート11の操作及び安定化を支援するハンドル27を含む。
【0033】
図3は、尿管鏡検査のために配されたロボット制御可能なシステム10の実施形態を示す。尿管鏡検査処置では、カート11は、患者の尿道及び尿管を横断するように設計された処置専用内視鏡である尿管鏡32を患者の下腹部領域に送達するように位置決めされてもよい。尿管鏡検査では、尿管鏡32が患者の尿道と直接位置合わせされ、領域内の敏感な解剖学的構造に対する摩擦及び力を低減することが望ましいことがある。示されるように、カート11は、ロボットアーム12が尿管鏡32を、患者の尿道に直線状に直接アクセスするために位置決めすることを可能にするように、テーブルの脚部に位置合わせされてもよい。テーブルの脚部から、ロボットアーム12は、尿道を通して患者の下腹部内に直接、仮想レール33に沿って尿管鏡32を挿入することができる。
【0034】
気管支鏡検査におけるのと同様の制御技法を使用して尿道に挿入した後、尿管鏡32は、診断及び/又は治療用途のために、膀胱、尿管、及び/又は腎臓にナビゲートされてもよい。例えば、尿管鏡32を尿管及び腎臓に方向付けて、尿管鏡32の作動チャネルの下方に配備されたレーザー又は超音波結石破砕デバイスを使用して、腎臓結石の蓄積を破砕することができる。砕石術が完了した後、結果として得られた結石片は、尿管鏡32の下方に配備されたバスケットを使用して除去されてもよい。
【0035】
図4は、血管処置のために同様に配されたロボット制御可能なシステムの実施形態を示す。血管処置において、システム10は、カート11が、操縦可能なカテーテルなどの医療用器具34を、患者の脚内の大腿動脈内のアクセスポイントに送達することができるように構成され得る。大腿動脈は、ナビゲーションのためのより大きな直径と、患者の心臓への、遠回りが比較的少ない曲がりくねった経路の両方を示すが、これはナビゲーションを簡素化する。尿管鏡検査処置のように、カート11は、患者の脚及び下腹部に向かって位置決めされて、ロボットアーム12が患者の大腿/腰領域内の大腿動脈アクセスポイントへの直接的な線形アクセスで仮想レール35を提供することを可能にしてもよい。動脈内への挿入後、器具ドライバ28を並進させることによって医療用器具34が方向付けられ、挿入されてもよい。代替的には、カートは、例えば、肩及び手首付近の頸動脈及び腕動脈などの代替的な血管アクセスポイントに到達するために、患者の上腹部の周囲に位置決めされてもよい。
【0036】
B.ロボットシステム-テーブル
ロボットで使用可能な医療用システムの実施形態は、患者テーブルも組み込んでもよい。テーブルの組み込みは、カートをなくすことによって手術室内の資本設備の量を低減し、患者へのより大きなアクセスを可能にする。
図5は、気管支鏡検査処置のために配されたこのようなロボット制御可能なシステムの一実施形態を示す。システム36は、床の上にプラットフォーム38(「テーブル」又は「ベッド」として図示)を支持するための支持構造体又はカラム37を含む。カートベースのシステムと同様に、システム36のロボットアーム39のエンドエフェクタは、器具ドライバ42の線形整列から形成された仮想レール41を通して、又はそれに沿って、
図5の気管支鏡40などの細長い医療用器具を操作するように設計された器具ドライバ42を含む。実際には、X線透視撮像を提供するためのCアームは、放射器及び検出器をテーブル38の周囲に置くことによって、患者の上部腹部領域の上方に位置付けされてもよい。
【0037】
図6は、考察目的で患者及び医療器具なしのシステム36の代替図を提供する。示されるように、カラム37は、1つ又は2つ以上のロボットアーム39の基部となり得る、システム36内でリング形状として図示される1つ又は2つ以上のキャリッジ43を含んでもよい。キャリッジ43は、カラム37の長さにわたる垂直方向のカラムインターフェース44に沿って並進して、ロボットアーム39が患者に到達するように位置決めされ得る異なるバンテージポイントを提供してもよい。キャリッジ43は、カラム37内に位置決めされている機械的モータを使用してカラム37の周りを回転して、ロボットアーム39が、例えば、患者の両側などのテーブル38の多数の側部へのアクセスを有することを可能にしてもよい。複数のキャリッジを有する実施形態では、キャリッジはカラム上に個別に位置付けされてもよく、他のキャリッジとは独立して並進及び/又は回転してもよい。キャリッジ43はカラム37を取り囲む必要はなく、又は更には円形である必要はないが、図示されるようなリング形状は、構造的バランスを維持しながらカラム37の周りでキャリッジ43が回転するのを容易にする。キャリッジ43の回転及び並進により、システムは、内視鏡及び腹腔鏡などの医療器具を患者の異なるアクセスポイントに位置合わせさせることができる。他の実施形態(図示せず)では、システム36は、並行して延在するバー又はレールの形態の調整可能なアーム支持体を有する患者テーブル又はベッドを含むことができる。1つ又は2つ以上のロボットアーム39を、(例えば、肘関節を有する肩部を介して)垂直方向に調整することができる調整可能なアーム支持体に取り付けることができる。垂直方向の調節を提供することによって、ロボットアーム39は、有利には、患者テーブル又はベッドの下にコンパクトに収容されることが可能であり、その後、処置中に引き上げられることが可能である。
【0038】
アーム39は、ロボットアーム39に追加の構成可能性を提供するために個別に回転し得る及び/又は入れ子状に延び得る一連の関節を含むアームマウント45の組を通してキャリッジに装着され得る。追加的に、アームマウント45は、キャリッジ43が適切に回転したとき、(
図6に示すように)アームマウント45がテーブル38の片側に、(
図9に示すように)テーブル38の両側に、又はテーブル38の隣接する側部(図示せず)のいずれかに位置付けられ得るように、キャリッジ43に位置付けられ得る。
【0039】
カラム37は、テーブル38の支持及びキャリッジの垂直方向の並進のための経路を構造的に提供する。内部に、カラム37は、キャリッジの垂直方向の並進を案内するための主ねじ、及び主ねじに基づく当該キャリッジの並進を機械化するためのモータが備えられていてもよい。カラム37は、キャリッジ43及びその上に装着されたロボットアーム39に電力及び制御信号も伝達してもよい。
【0040】
テーブル基部46は、
図2に示すカート11のカート基部15と同様の機能を果たし、テーブル/ベッド38、カラム37、キャリッジ43、及びロボットアーム39の釣り合いをとるためにより重い構成要素を収容する。テーブル基部46はまた、処置中に安定性を提供するために剛性キャスタを組み込んでもよい。テーブル基部46の底部から展開されるキャスタは、基部46の両側で反対方向に延在し、システム36を移動させる必要があるときに引き込んでもよい。
【0041】
引き続き
図6によれば、システム36はまた、テーブルとタワーとの間のシステム36の機能を分割して、テーブルのフォームファクタ及びバルクを低減するタワー(図示せず)を含んでもよい。先に開示された実施形態と同様に、タワーは、処理、計算、及び制御能力、電力、流体工学、並びに/又は光学及びセンサ処理などの様々な支持機能をテーブルに提供してもよい。タワーはまた、医師のアクセスを改善し、手術室を整理整頓するために、患者から離れて位置決めされるように移動可能であってもよい。更に、タワー内に構成要素を位置付けすることにより、ロボットアームの潜在的な収納のために、テーブル基部内により多くの格納空間を可能にする。タワーは、キーボード及び/又はペンダントなどのユーザー入力のためのユーザーインターフェース、並びにリアルタイム撮像、ナビゲーション、及び追跡情報などの術前及び術中情報のための表示画面(又はタッチスクリーン)の両方を提供するマスタコントローラ又はコンソールも含んでもよい。いくつかの実施形態では、タワーはまた、送気のために使用されるガスタンク用のホルダを含んでもよい。
【0042】
いくつかの実施形態では、テーブル基部は、使用されていないときにロボットアームを収容して格納してもよい。
図7は、テーブルベースのシステムの一実施形態におけるロボットアームを収容するシステム47を示す。システム47では、キャリッジ48は、ロボットアーム50、アームマウント51、及びキャリッジ48を基部49内に格納するために、基部49内へと垂直方向に並進させられてもよい。基部カバー52は、並進及び後退して、キャリッジ48、アームマウント51、及びアーム50をカラム53の周りに配置させるように開き、使用されていないときにそれらを収容して保護するように閉じられてもよい。基部カバー52は、閉じたときに汚れ及び流体の侵入を防止するために、その開口部の縁部に沿って膜54で封止されてもよい。
【0043】
図8は、尿管鏡検査処置のために構成されたロボット制御可能なテーブルベースのシステムの一実施形態を示す。尿管鏡検査では、テーブル38は、患者をカラム37及びテーブル基部46からオフアングルに位置決めするためのスイベル部分55を含んでもよい。スイベル部分55は、スイベル部分55の底部をカラム37から離すように位置決めするために、枢動点(例えば、患者の頭部の下方に配置)を中心に回転又は枢動してもよい。例えば、スイベル部分55の旋回により、Cアーム(図示せず)が、テーブル38の下のカラム(図示せず)と空間を奪い合うことなく、患者の下部腹部の上方に位置決めされることを可能にする。カラム37の周りにキャリッジ35(図示せず)を回転させることにより、ロボットアーム39は、尿道に到達するように、仮想レール57に沿って、患者の鼠径部領域に尿管鏡56を直接挿入してもよい。尿管鏡検査では、処置中に患者の脚の位置を支持し、患者の鼠径部領域への明確なアクセスを可能にするために、テーブル38のスイベル部分55にあぶみ58が固定されてもよい。
【0044】
腹腔鏡処置では、患者の腹壁内の小さな切開部を通して、低侵襲性器具を患者の解剖学的構造に挿入してもよい。いくつかの実施形態では、低侵襲性器具は、患者内の解剖学的構造にアクセスするために使用されるシャフトなどの細長い剛性部材を含む。患者の腹腔の膨張後、器具は、把持、切断、アブレーション、縫合などの外科的又は医療的タスクを実施するように方向付けられてもよい。いくつかの実施形態では、器具は、腹腔鏡などのスコープを含むことができる。
図9は、腹腔鏡検査処置のために構成されたロボット制御されたテーブルベースのシステムの実施形態を示す。
図9に図示されるように、システム36のキャリッジ43は回転し、垂直方向に調整されて、器具59が患者の両側の最小切開部を通過して患者の腹腔に到達するようにアームマウント45を使用して位置付けされ得るように、ロボットアーム39の対をテーブル38の両側に位置付けしてもよい。
【0045】
腹腔鏡処置に対応するために、ロボットで使用可能なテーブルシステムはまた、プラットフォームを所望の角度に傾斜させてもよい。
図10は、ピッチ又は傾斜調整を有するロボット制御可能な医療システムの実施形態を示す。
図10に示すように、システム36は、テーブル38の傾斜に適応して、テーブルの一方側の部分を他方側の部分よりも床から長い距離に位置付けることができる。加えて、アームマウント45は、アーム39がテーブル38と同じ平面関係を維持するように、傾斜に一致するように回転させてもよい。急角度に適応するために、カラム37は、テーブル38が床に接触するか又は基部46と衝突するのを防ぐためにカラム37が垂直方向に延びるのを可能にする入れ子部分60も含んでもよい。
【0046】
図11は、テーブル38とカラム37との間のインターフェースの詳細な図示を提供する。ピッチ回転機構61は、カラム37に対するテーブル38のピッチ角を多数の自由度で変更するように構成されてもよい。ピッチ回転機構61は、カラム-テーブルインターフェースでの直交軸1、2の位置決めによって可能にされてもよく、各軸は、電気ピッチ角コマンドに応答して別個のモータ3、4によって作動させられる。一方のねじ5に沿った回転は、一方の軸1における傾斜調整を可能にし、他方のねじ6に沿った回転は、他方の軸2に沿った傾斜調整を可能にする。いくつかの実施形態では、カラム37に対するテーブル38のピッチ角を複数の自由度で変更するために、玉継ぎ手が使用されてもよい。
【0047】
例えば、ピッチ調節は、テーブルをトレンデレンブルグ体位に位置付けしようとするときに、すなわち下腹部手術のために患者の下腹部よりも床からより高い位置に患者の下腹部を位置付けしようとするときに、特に有用である。トレンデレンブルグ位置は、重力によって患者の内臓を患者の上腹部に向かって摺動させ、低侵襲性ツールが入って腹腔鏡前立腺切除術などの下腹部の外科又は医療処置を行うために、腹腔を空にする。
【0048】
図12及び
図13は、テーブルベースの外科用ロボットシステム100の別の実施形態の等角図及び端面図を示す。外科用ロボットシステム100は、テーブル101に対して1つ又は2つ以上のロボットアームを支持するように構成され得る1つ又は2つ以上の調整可能なアーム支持体105(例えば、
図14参照)を含む。図示される実施形態では、単一の調整可能なアーム支持体105が示されているが、テーブル101の反対側に追加のアーム支持体を設けることができる。調整可能なアーム支持体105は、テーブル101に対してそれを移動させて、テーブル101に対する調整可能なアーム支持体105及び/又はそれに装着された任意のロボットアームの位置を調整及び/又は変化させるように構成することができる。例えば、調整可能なアーム支持体105は、テーブル101に対して1つ又は2つ以上の自由度で調節することができる。調整可能なアーム支持体105は、1つ又は2つ以上の調整可能なアーム支持体105及びそれに取り付けられた任意のロボットアームをテーブル101の下に容易に収容する能力を含む、システム100への高い汎用性を提供する。調整可能なアーム支持体105は、収容位置からテーブル101の上面の下の位置まで上昇させることができる。他の実施形態では、調整可能なアーム支持体105は、収容位置からテーブル101の上面の上方の位置まで上昇させることができる。
【0049】
調整可能なアーム支持体105は、リフト(例えば、垂直方向の並進)、横方向並進、傾斜などを含む、いくつかの自由度を提供することができる。
図12及び
図13の図示の実施形態では、アーム支持体105は、4自由度で構成され、
図12に矢印で示されている。第1の自由度は、z方向における調整可能なアーム支持体105の調節(「Zリフト」)を可能にする。例えば、調整可能なアーム支持体105は、テーブル101を支持するカラム102に沿って、又はそれに対して上下に動くように構成されたキャリッジ109を含むことができる。第2の自由度は、調整可能なアーム支持体105が傾斜することを可能にする。例えば、調整可能なアーム支持体105は、回転接合部を含むことができ、それは、調整可能なアーム支持体105を、トレンデレンブルグ位置のベッドと位置合わせすることを可能にできる。第3の自由度は、調整可能なアーム支持体105が「上方へ枢動する」ことを可能にするが、これを使用して、テーブル101の側面と調整可能なアーム支持体105との間の距離を調整することができる。第4の自由度は、テーブルの長手方向の長さに沿って調整可能なアーム支持体105の並進を可能にする。
【0050】
図12及び
図13の外科用ロボットシステム100は、基部103に取り付けられたカラム102によって支持されるテーブルを含むことができる。基部103及びカラム102は、支持面に対してテーブル101を支持する。床軸131及び支持軸133は、
図13に示される。
【0051】
調整可能なアーム支持体105は、カラム102に装着することができる。他の実施形態では、アーム支持体105は、テーブル101又は基部103に装着することができる。調整可能なアーム支持体105は、キャリッジ109、バー又はレールコネクタ111、及びバー又はレール107を含むことができる。いくつかの実施形態では、レール107に装着された1つ又は2つ以上のロボットアームは、互いに対して並進及び移動することができる。
【0052】
キャリッジ109は、第1の接合部113によってカラム102に取り付けられてもよく、それにより、キャリッジ109がカラム102に対して移動することが可能になる(例えば、第1又は垂直軸123の上下など)。第1の接合部113は、調整可能なアーム支持体105に第1の自由度(「Zリフト」)を提供することができる。調整可能なアーム支持体105は、第2の自由度(チルト)を調整可能なアーム支持体105に提供する第2の関節115を含むことができる。調整可能なアーム支持体105は、第3の自由度(「上方枢動」)を調整可能なアーム支持体105に提供することができる第3の接合部117を含むことができる。レールコネクタ111が第3の軸127を中心にして回転させられるときにレール107の方向を維持するように第3の接合部117を機械的に拘束する、追加の接合部119(
図13に示す)を設けることができる。調整可能なアーム支持体105は、第4の軸129に沿った調整可能なアーム支持体105の第4の自由度(並進)を提供することができる第4の関節121を含むことができる。
【0053】
図14は、テーブル101の判値側に取り付けられた2つの調整可能なアーム支持体105A、105Bを有する、外科用ロボットシステム140Aの端面図を示す。第1のロボットアーム142Aは、第1の調整可能なアーム支持体105Bのバー又はレール107Aに取り付けられる。第1のロボットアーム142Aは、レール107Aに取り付けられた基部144Aを含む。第1のロボットアーム142Aの遠位端部は、1つ又は2つ以上のロボット医療用器具又はツールに取り付けることができる器具駆動機構146Aを含む。同様に、第2のロボットアーム142Bは、レール107Bに取り付けられた基部144Bを含む。第2のロボットアーム142Bの遠位端は、器具駆動機構146Bを含む。器具駆動機構146Bは、1つ又は2つ以上のロボット医療器具又はツールに取り付けるように構成することができる。
【0054】
いくつかの実施形態では、ロボットアーム142A、142Bのうちの1つ又は2つ以上は、7以上の自由度を有するアームを含む。いくつかの実施形態では、ロボットアーム142A、142Bのうちの1つ又は2つ以上は、挿入軸(挿入を含む1自由度)、リスト(リストピッチ、ヨー及びロールを含む3自由度)、エルボ(エルボピッチを含む1自由度)、ショルダ(ショルダピッチ及びヨーを含む2自由度)、及び基部144A、144B(並進を含む1自由度)、を含む8自由度を含むことができる。いくつかの実施形態では、挿入自由度は、ロボットアーム142A、142Bによって提供することができるが、他の実施形態では、器具自体は、器具ベースの挿入アーキテクチャを介して挿入を提供する。
【0055】
C.器具ドライバ及びインターフェース
システムのロボットアームのエンドエフェクタは、(i)医療器具を作動させるための電気機械的手段を組み込む器具ドライバ(代替的には、「器具駆動機構」又は「器具デバイスマニピュレータ」と呼ばれる)と、(ii)モータなどの任意の電気機械的構成要素を欠いていてもよい除去可能な又は取り外し可能な医療用器具と、を含む。この二分法は、医療処置に使用される医療用器具を滅菌する必要性、それらの複雑な機械的アセンブリ及び繊細な電子機器により、高価な資本設備を十分に滅菌することができないことを根拠とする場合がある。したがって、医療用器具は、医師又は医師のスタッフによる個々の滅菌又は廃棄のために、器具ドライバ(したがってそのシステム)から取り外され、除去され、及び交換されるように設計することができる。対照的に、器具ドライバは交換又は滅菌される必要がなく、保護のために掛け布をすることができる。
【0056】
図15は、例示的な器具ドライバを示す。ロボットアームの遠位端部に配置される器具ドライバ62は、駆動シャフト64を介して医療器具に制御トルクを提供するために平行軸を伴って配された1つ又は2つ以上の駆動ユニット63を含む。各駆動ユニット63は、器具と相互作用するための個々の駆動シャフト64と、モータシャフトの回転を所望のトルクに変換するためのギアヘッド65と、駆動トルクを生成するためのモータ66と、モータシャフトの速度を測定し、制御回路にフィードバックを提供するエンコーダ67と、制御信号を受信し、駆動ユニットを作動させるための制御回路68と、を含む。各駆動ユニット63は、独立して制御され電動化され、器具ドライバ62は、複数(
図15に示すように4つ)の独立した駆動出力を医療用器具に提供することができる。動作中、制御回路68は、制御信号を受信し、モータ66にモータ信号を送信し、エンコーダ67によって測定された結果として得られたモータ速度を所望の速度と比較し、モータ信号を変調して所望のトルクを生成する。
【0057】
無菌環境を必要とする処置のために、ロボットシステムは、器具ドライバと医療用器具との間に位置する、滅菌ドレープに接続された滅菌アダプタなどの駆動インターフェースを組み込んでもよい。滅菌アダプタの主な目的は、器具ドライバの駆動シャフトから器具の駆動入力部に角度運動を伝達する一方で、駆動シャフトと駆動入力部との間の物理的分離、したがって無菌性を維持することである。したがって、例示的な無菌アダプタは、器具ドライバの駆動シャフトと嵌合されることが意図された一連の回転入力部及び出力部と、器具に対する駆動入力部とで構成することができる。滅菌アダプタに接続される滅菌ドレープは、透明又は半透明プラスチックなどの薄い可撓性材料で構成され、器具ドライバ、ロボットアーム、及び(カートベースのシステムにおける)カート又は(テーブルベースのシステムにおける)テーブルなどの資本設備を覆うように設計される。ドレープの使用により、滅菌を必要としない領域(すなわち、非滅菌野)に依然として位置決めされている間に、資本設備を患者に近接して配置することが可能となる。滅菌ドレープの反対側では、医療用器具は、滅菌を必要とする領域(すなわち、滅菌野)において患者とインターフェースしてもよい。
【0058】
D.医療用器具
図16は、ペアの器具ドライバを備えた例示的な医療用器具を示す。ロボットシステムと共に使用するために設計された他の器具と同様に、医療用器具70は、細長いシャフト71(又は細長い本体)及び器具基部72を含む。医師による手動相互作用が意図されているその設計により「器具ハンドル」とも呼ばれる器具基部72は、一般に、ロボットアーム76の遠位端部において器具ドライバ75上の駆動インターフェースを通って延びる駆動出力部74と嵌合するように設計された、回転可能な駆動入力部73、例えば、レセプタクル、プーリー、又はスプールを含んでもよい。物理的に接続、ラッチ、及び/又は連結されるときに、器具基部72の嵌合された駆動入力部73は、器具ドライバ75における駆動出力部74と回転軸線を共有して、駆動出力部74から駆動入力部73へのトルクの伝達を可能にすることができる。いくつかの実施形態では、駆動出力部74は、駆動入力部73上のレセプタクルと嵌合するように設計されたスプラインを含んでもよい。
【0059】
細長いシャフト71は、例えば、内視鏡におけるような解剖学的開口部若しくは管腔、又は腹腔鏡検査におけるような低侵襲性切開部のいずれかを通して送達されるように設計される。細長いシャフト71は、可撓性(例えば、内視鏡と同様の特性を有する)若しくは剛性(例えば、腹腔鏡と同様の特性を有する)のいずれかであってもよく、又は可撓性部分及び剛性部分の両方のカスタマイズされた組み合わせを含んでもよい。腹腔鏡検査のために設計される場合、剛性の細長いシャフトの遠位端部は、少なくとも1つの自由度を有するクレビスから形成された接合されたリストから延在するエンドエフェクタ、及び駆動入力部が器具ドライバ75の駆動出力部74から受信したトルクに応答して回転するときに、腱からの力に基づいて作動され得る、例えば、把持具又ははさみなどの外科用ツール又は医療用器具に接続することができる。内視鏡検査のために設計される場合、可撓性の細長いシャフトの遠位端部は、器具ドライバ75の駆動出力部74から受信したトルクに基づいて関節運動及び屈曲され得る操縦可能又は制御可能な屈曲部を含んでもよい。
【0060】
器具ドライバ75からのトルクは、シャフト71に沿った腱を使用して細長いシャフト71の下流に伝達される。プルワイヤなどのこれらの個々の腱は、器具ハンドル72内の個々の駆動入力部73に個別に固定されてもよい。ハンドル72から、腱は、細長いシャフト71に沿って1つ又は2つ以上のプルルーメン(pull lumens)の下方に向けられ、細長いシャフト71の遠位部分、又は細長いシャフトの遠位部分のリストに固定される。腹腔鏡、内視鏡、又はハイブリッド処置などの外科処置中、これらの腱は、リスト、把持具、又ははさみなどの遠位に装着されたエンドエフェクタに連結されてもよい。このような構成の下で、駆動入力部73に及ぼされるトルクは、腱に張力を伝達し、それによってエンドエフェクタを何らかの方法で作動させる。いくつかの実施形態では、外科処置中に、腱は、関節を軸の周りで回転させることができるが、それによってエンドエフェクタを一方向又は別の方向に移動させる。代替的に、腱は、細長いシャフト71の遠位端部で把持具の1つ又は2つ以上のジョーに接続されてもよく、腱からの張力によって把持具が閉鎖される。
【0061】
内視鏡検査では、腱は、接着剤、制御リング、又は他の機械的固定を介して、細長いシャフト71に沿って(例えば、遠位端部に)位置決めされている屈曲部又は関節運動部に連結されてもよい。屈曲部の遠位端部に固定的に取り付けられる場合、駆動入力部73に及ぼされるトルクは、腱の下流に伝達され、より軟質の屈曲部(関節運動可能部又は領域と呼ばれることがある)を屈曲又は関節運動させる。非屈曲部分に沿って、個々の腱を内視鏡シャフトの壁に沿って(又は内側に)向く個々のプルルーメンを螺旋状又は渦巻状にして、プルワイヤにおける張力からもたらされる半径方向の力の釣り合いをとることが有利であり得る。これらの間の螺旋及び/又は間隔の角度は、特定の目的のために変更又は設計されてもよく、より狭い螺旋は負荷力下でより小さいシャフト圧縮を呈する一方で、より少ない量の螺旋は負荷力下でより大きなシャフト圧縮をもたらすが、屈曲制限も示す。スペクトルのもう一方の端部では、プルルーメンは、細長いシャフト71の長手方向軸に平行に方向付けられて、所望の屈曲部又は関節運動可能部における制御された関節運動を可能にしてもよい。
【0062】
内視鏡検査では、細長いシャフト71は、ロボット処置を支援するいくつかの構成要素を収容する。シャフトは、シャフト71の遠位端部における手術領域に対して手術ツール(又は医療器具)を配置する、灌注する、及び/又は吸引するための作業チャネルを構成しもよい。シャフト71は、光学カメラを含んでもよい遠位先端部の光学アセンブリとの間で信号の授受を行うために、ワイヤ及び/又は光ファイバも収容してもよい。シャフト71は、発光ダイオードなどの近位に位置する光源からシャフトの遠位端部に光を搬送するための光ファイバも収容してもよい。
【0063】
器具70の遠位端部では、遠位先端部は、診断及び/又は治療、灌注、及び吸引のためにツールを手術部位に送達するための作業チャネルの開口部を含んでもよい。遠位先端部はまた、内部解剖学的空間の画像をキャプチャするために、ファイバスコープ又はデジタルカメラなどのカメラのためのポートを含んでもよい。関連して、遠位先端部はまた、カメラを使用する場合に解剖学的空間を照明するための光源用のポートを含んでもよい。
【0064】
図16の実施例では、駆動シャフト軸、したがって駆動入力軸は、細長いシャフトの軸に直交する。しかしながら、この配置は、細長いシャフト71のロール能力を複雑にする。駆動入力部73を静止させながら、細長いシャフト71をその軸に沿ってロールさせることにより、腱が駆動入力部73から延在し、細長いシャフト71内のプルルーメンに入るときに、腱の望ましくない絡まりをもたらす。結果として生じるそのような腱のもつれは、内視鏡処置中に可撓性の細長いシャフトの動きを予測することが意図される任意の制御アルゴリズムを妨害することがある。
【0065】
図17は、駆動ユニットの軸が器具の細長いシャフトの軸に平行である、器具ドライバ及び器具の代替的な設計を示す。示されるように、円形の器具ドライバ80は、ロボットアーム82の端部において平行に位置合わせされた駆動出力部81を備える4つの駆動ユニットを含む。駆動ユニット及びそれらのそれぞれの駆動出力部81は、アセンブリ83内の駆動ユニットのうちの1つによって駆動される器具ドライバ80の回転アセンブリ83内に収容される。回転駆動ユニットによって提供されるトルクに応答して、回転アセンブリ83は、回転アセンブリ83を器具ドライバの非回転部分84に接続する円形ベアリングに沿って回転する。電力及び制御信号は、電気接点を通して器具ドライバ80の非回転部分84から回転アセンブリ83に伝達されてもよく、ブラシ付きスリップリング接続(図示せず)による回転を通して維持されてもよい。他の実施形態では、回転アセンブリ83は、非回転可能部分84に一体化され、したがって他の駆動ユニットと平行ではない別個の駆動ユニットに応答してもよい。回転機構83は、器具ドライバ80が、器具ドライバ軸85周りの単一ユニットとして、駆動ユニット及びそれらのそれぞれの駆動出力部81を回転させることを可能にする。
【0066】
先に開示した実施形態と同様に、器具86は、細長いシャフト部分88と、器具ドライバ80内の駆動出力部81を受け入れるように構成された複数の駆動入力部89(レセプタクル、プーリー、及びスプールなど)を含む器具基部87(説明目的のために透明な外部スキンで示される)と、を含んでもよい。先の開示した実施形態とは異なり、器具シャフト88は、器具基部87の中心から延び、軸は、
図16の設計にあるように直交するのではなく、駆動入力部89の軸に実質的に平行である。
【0067】
器具ドライバ80の回転アセンブリ83に連結されると、器具基部87及び器具シャフト88を含む医療用器具86は、器具ドライバ軸85を中心にして回転アセンブリ83と一緒に回転する。器具シャフト88は器具基部87の中心に位置決めされているため、器具シャフト88は、取り付けられたときに器具ドライバ軸85と同軸である。したがって、回転アセンブリ83の回転により、器具シャフト88は、それ自体の長手方向軸を中心に回転する。更に、器具基部87が器具シャフト88と共に回転すると、器具基部87内の駆動入力部89に接続された任意の腱は、回転中に絡まらない。したがって、駆動出力部81、駆動入力部89、及び器具シャフト88の軸の平行性は、制御腱を絡めることなくシャフト回転を可能にする。
【0068】
図18は、いくつかの実施形態にかかる、器具ベースの挿入アーキテクチャを有する器具を示す。器具150は、上述の器具ドライバのいずれかに連結することができる。器具150は、細長いシャフト152と、シャフト152に接続されたエンドエフェクタ162と、シャフト152に連結されたハンドル170と、を含む。細長いシャフト152は、近位部分154及び遠位部分156を有する管状部材を含む。細長いシャフト152は、その外側表面に沿った1つ又は2つ以上のチャネル又は溝158を含む。溝158は、1つ又は2つ以上のワイヤ又はケーブル180をそれを通して受け入れるように構成されている。したがって、1つ又は2つ以上のケーブル180は、細長いシャフト152の外側表面に沿って延びる。他の実施形態では、ケーブル180は、細長いシャフト152を通って延びることもできる。ケーブル180のうちの1つ又は2つ以上の操作(例えば、器具ドライバを介して)により、エンドエフェクタ162の作動がもたらされる。
【0069】
器具基部とも称され得る器具ハンドル170は、一般に、器具ドライバの取り付け面上で1つ又は2つ以上のトルクカプラと往復嵌合するように設計された1つ又は2つ以上の機械的入力部174、例えばレセプタクル、プーリー又はスプールを有する取り付けインターフェース172を含むことができる。
【0070】
いくつかの実施形態では、器具150は、細長いシャフト152がハンドル170に対して並進することを可能にする一連のプーリー又はケーブルを含む。換言すれば、器具150自体は器具の挿入に適応する器具ベースの挿入アーキテクチャを含み、それによって器具150の挿入を提供するためにロボットアームへの依存を最小化する。他の実施形態では、ロボットアームは、器具の挿入に大きく関与することができる。
【0071】
E.コントローラ
本明細書に記載の任意のロボットシステムは、ロボットアームに取り付けられた器具を操作するための入力デバイス又はコントローラを含むことができる。いくつかの実施形態では、コントローラは、器具と連結(例えば、通信的に、電子的に、電気的に、無線的に、及び/又は機械的に)することができ、それによりコントローラの操作は、例えば、マスタースレーブ制御を介して、器具の対応する操作を引き起こす。
【0072】
図19は、コントローラ182の実施形態の斜視図である。本実施形態では、コントローラ182は、インピーダンス制御及びアドミタンス制御の両方を有することができるハイブリッドコントローラを含む。他の実施形態では、コントローラ182は、インピーダンス又は受動的制御だけを利用することができる。他の実施形態では、コントローラ182は、アドミタンス制御だけを利用することができる。ハイブリッドコントローラであることにより、コントローラ182は、有利には、使用中、より低い知覚慣性を有することができる。
【0073】
図示される実施形態では、コントローラ182は、2つの医療用器具の操作を可能にするように構成され、2つのハンドル184を含む。ハンドル184の各々は、ジンバル186に接続されている。各ジンバル186は、位置決めプラットフォーム188に接続されている。
【0074】
図19に示すように、各位置決めプラットフォーム188は、プリズム接合部196によってカラム194に連結されたSCARAアーム(selective compliance assembly robot arm)198を含む。プリズム接合部196は、(例えば、レール197に沿って)カラム194に沿って並進して、ハンドル184の各々がz方向に並進され、第1の自由度を提供するように構成されている。SCARAアーム198は、x-y平面におけるハンドル184の動作を可能にし、2つの追加的な自由度を提供するように構成されている。
【0075】
いくつかの実施形態では、1つ又は2つ以上のロードセルがコントローラ内に位置決めされる。例えば、いくつかの実施形態では、ロードセル(図示せず)は、ジンバル186の各々の本体内に位置決めされる。ロードセルを設けることによって、コントローラ182の一部分は、アドミタンス制御下で動作することができ、それによって、使用中にコントローラの知覚慣性を有利に低減する。いくつかの実施形態では、位置決めプラットフォーム188はアドミタンス制御用に構成され、一方、ジンバル186はインピーダンス制御用に構成されている。他の実施形態では、ジンバル186はアドミタンス制御用に構成され、位置決めプラットフォーム188はインピーダンス制御用に構成されている。したがって、いくつかの実施形態では、位置決めプラットフォーム188の並進又は位置自由度は、アドミタンス制御に依存することができ、一方、ジンバル186の回転自由度はインピーダンス制御に依存する。
【0076】
F.ナビゲーション及び制御
従来の内視鏡検査は、オペレータである医師に腔内誘導を提供するために、蛍光透視法(例えば、Cアームを通して送達され得るような)、及び他の形態の放射線ベースの撮像モダリティの使用を伴うことがある。対照的に、本開示によって企図されるロボットシステムは、放射線への医師の暴露を低減し、手術室内の機器の量を低減するために、非放射線ベースのナビゲーション及び位置特定手段を提供することができる。本明細書で使用するとき、用語「位置特定」は、基準座標系内のオブジェクトの位置を判定及び/又は監視することを指すことがある。術前マッピング、コンピュータビジョン、リアルタイムEM追跡、及びロボットコマンドデータなどの技術は、放射線を含まない動作環境を達成するために個別に又は組み合わせて使用されてもよい。放射線ベースの撮像モダリティが依然として使用されるその他の場合、術前マッピング、コンピュータビジョン、リアルタイムEM追跡、及びロボットコマンドデータは、放射線ベースの撮像モダリティによってのみ取得される情報を改善するために、個別に又は組み合わせて使用されてもよい。
【0077】
図20は、例示的な実施形態にかかる、器具の位置など、ロボットシステムの1つ又は2つ以上の要素の位置を推定する位置特定システム90を示すブロック図である。位置特定システム90は、1つ又は2つ以上の命令を実行するように構成されている1つ又は2つ以上のコンピュータデバイスの組であってもよい。コンピュータデバイスは、上で考察された1つ又は2つ以上の構成要素内のプロセッサ(又は複数のプロセッサ)及びコンピュータ可読メモリによって具現化されてもよい。例として、限定するものではないが、コンピュータデバイスは、
図1に示すタワー30、
図1~
図4に示すカート、
図5~
図14に示すベッド、などの中にあってよい。
【0078】
図20に示すように、位置特定システム90は、入力データ91~94を処理して医療器具の遠位先端部の位置データ96を生成する位置特定モジュール95を含んでもよい。場所データ96は、基準系に対する器具の遠位端部の場所及び/又は向きを表すデータ又は論理であってもよい。基準系は、患者の解剖学的構造、又はEM場発生器(EM場発生器についての以下の考察を参照)などの既知の物体に対する基準系とすることができる。
【0079】
ここで、様々な入力データ91~94についてより詳細に説明する。術前マッピングは、低用量CTスキャンの収集を利用して達成することができる。術前CTスキャンは、例えば、患者の内部解剖学的構造のノッチ図の「スライス」として可視化される三次元画像に再構成される。全体として分析される場合、患者の肺網などの患者の解剖学的構造の解剖学的空腔、空間、及び構造のための画像ベースのモデルが生成され得る。中心線形状(center-line geometry)などの手法をCT画像から決定及び近似して、モデルデータ91(術前CTスキャンのみを使用して生成された場合は「術前モデルデータ」とも称される)と称される患者の解剖学的構造の三次元ボリュームを作成することができる。中心線形状の使用は、米国特許出願第14/523,760号で考察されており、その内容はその全体が本明細書に組み込まれる。ネットワーク位相モデルもまた、CT画像から導出されてもよく、気管支鏡検査に特に適している。
【0080】
いくつかの実施形態では、器具はカメラを装備して、視覚データ92を提供してもよい。位置特定モジュール95は、視覚データを処理して、1つ又は2つ以上の視覚ベースの位置追跡を可能にしてもよい。例えば、術前モデルデータは、医療器具(例えば、内視鏡、又は内視鏡の作業チャネルを通って前進する器具)のコンピュータビジョンベースの追跡を可能にするために、視覚データ92と共に使用されてもよい。例えば、術前モデルデータ91を使用して、ロボットシステムは、内視鏡の予想される移動経路に基づいて、モデルから、予測される内視鏡画像のライブラリを生成することができ、各画像はモデル内の場所にリンクされる。手術中に、このライブラリは、カメラ(例えば、内視鏡の遠位端部でのカメラ)で捕捉されたリアルタイム画像を画像ライブラリ内のものと比較して、位置特定を支援するために、ロボットシステムによって参照することができる。
【0081】
他のコンピュータビジョンベースの追跡技術は、追跡機能を使用して、カメラ、したがって内視鏡の動作を決定する。位置特定モジュール95のいくつかの特徴は、解剖学的管腔に対応する術前モデルデータ91内の円形幾何学形状を特定し、どの解剖学的管腔が選択されたか、並びにカメラの相対的な回転及び/又は並進運動を決定するために、それらの幾何学的形状の変化を追跡してもよい。位相マップの使用は、視覚ベースのアルゴリズム又は技術を更に向上させることがある。
【0082】
光学フロー、別のコンピュータビジョンベースの技術は、カメラの移動を推測するために、視覚データ92内のビデオシーケンス内の画像ピクセルの変位及び並進を分析してもよい。光学フロー技術の例としては、動き検出、オブジェクトセグメンテーション計算、輝度、動き補償符号化、立体視差測定などを挙げることができる。複数の反復にわたり複数のフレームを比較することにより、カメラ(及びしたがって内視鏡)の動き及び位置を決定することができる。
【0083】
位置特定モジュール95は、リアルタイムEM追跡を使用して、術前モデルによって表される患者の解剖学的構造に登録され得るグローバル座標系内に、内視鏡のリアルタイムの場所を生成することができる。EM追跡では、医療器具(例えば、内視鏡器具)内に1つ又は2つ以上の位置及び配向で埋め込まれた1つ又は2つ以上のセンサコイルを構成するEMセンサ(又はトラッカ)は、既知の場所に位置付けられた1つ又は2つ以上の静的EM場発生器によって生成されるEM場の変動を測定する。EMセンサによって検出された位置情報は、EMデータ93として記憶される。EM場発生器(又は送信機)は、埋め込まれたセンサが検出し得る低強度磁場を生成するために、患者に近接して配置することができる。磁場はEMセンサのセンサコイル内に小さな電流を誘導し、EMセンサとEM場発生器との間の距離及び角度を判定するためにこの電流が分析され得る。これらの距離及び配向は、患者の解剖学的構造の術前モデル内の位置と座標系内の単一の位置を整合させる幾何学的変換を決定するために、患者の解剖学的構造(例えば、術前モデル)に術中「位置合わせ」することができる。一旦登録されると、医療用器具の1つ又は2つ以上の位置(例えば、内視鏡の遠位先端部)に埋め込まれたEMトラッカは、患者の解剖学的構造を通る医療用器具の進行のリアルタイム表示を提供することができる。
【0084】
ロボットコマンド及び運動学データ94はまた、ロボットシステムのための位置特定データ96を提供するために、位置特定モジュール95によって使用されてもよい。関節運動コマンドから生じるデバイスピッチ及びヨーは、術前較正中に判定することができる。術中、これらの較正測定値は、既知の挿入深度情報と組み合わせて使用されて、器具の位置を推定することができる。代替的には、これらの計算は、EM、視覚、及び/又は位相モデリングと組み合わせて分析して、ネットワーク内の医療用器具の位置を推定し得る。
【0085】
図20が示すように、いくつかの他の入力データは、位置特定モジュール95によって使用することができる。例えば、
図20には示されていないが、形状検知ファイバを利用する器具は、位置特定モジュール95が器具の位置及び形状を判定するために使用することができる形状データを提供することができる。
【0086】
位置特定モジュール95は、入力データ91~94を組み合わせて使用することができる。場合によっては、このような組み合わせは、位置特定モジュール95が入力データ91~94の各々から判定された位置に信頼重みを割り当てる確率的アプローチを使用することができる。したがって、EMデータが信頼でき得ない場合(EM干渉が存在する場合など)、EMデータ93によって判定された場所の信頼性を低下させることになり、位置特定モジュール95は、視覚データ92並びに/又はロボットコマンド及び運動学データ94により重く依存してもよい。
【0087】
上で考察されるように、本明細書で考察されるロボットシステムは、上述の技術のうちの1つ又は2つ以上の組み合わせを組み込むように設計することができる。タワー、ベッド、及び/又はカートに基づいているロボットシステムのコンピュータベースの制御システムは、例えば、永続的な磁気記憶ドライブ、ソリッドステートドライブなどの非一時的コンピュータ可読記憶媒体内に、コンピュータプログラム命令を記憶してもよく、コンピュータプログラム命令は、実行されると、システムに、センサデータ及びユーザーコマンドを受信及び分析させ、システム全体の制御信号を生成させ、グローバル座標系内の器具の位置、解剖学的マップなどのナビゲーション及び位置特定データを表示させる。
【0088】
2.ロボット支援付随処置への導入。
特定の医学的状態の処置は、医学的状態を完全に治療するために、2つ以上の医療処置を行うことを含むことができる。例えば、肺病変の診断及び管理は、可撓性内視鏡検査及び胸腔鏡検査を含む医療処置を行うための複数の治療エピソードを含むことができる。CTスキャンの分析などを介して放射線学的研究から病変が発見された後、医師は、複数の処置エピソードの過程で内視鏡診断及びその後の治療を行うことができる。一実施例では、医師が患者の早期の癌を疑う場合、医師は、患者が最初に癌の診断のために内視鏡処置を受けることを注文してもよい。内視鏡処置の間、結節は生検されてもよく、医師が結節の除去が必要であると判定した場合、医師は、患者が結節の外科的切除のために第2の処置エピソードを受けるようにすることができる。
【0089】
複数の処置エピソードを行うための欠点がある。患者の病状を診断及び治療するために、介護者及び患者の双方からの臨床コスト及び時間の要求は、そのような多エピソードアプローチのために増加する。加えて、外科的切除処置中、処置(例えば、内視鏡検査)は、腫瘍を正確に位置特定し、外科的切除のための手術標的を提供するのを補助するために繰り返し実行される必要があり得る。更に、複数の処置エピソードにわたって医療処置を段階化するとき、患者は、患者に危険性及び不便性を高める可能性がある、複数の麻酔エピソードを経験しなければならない場合がある。また、複数の処置エピソードは、増加した術中リソース(例えば、手術前のワークアップ、手術後の回復、及び恐らくは一晩の入院)を利用する可能性があり、患者及び医師の双方に時間及びコストを増加させる。
【0090】
複数の処置エピソードにわたって医療処置を段階的に段階化するのではなく、医師は、単一の処置エピソード中に、連続的に複数の処置を実行する選択肢を有する。そのような単一の処置エピソードは、単一の処置エピソードの一部として、並行して処置を行うのを支援するために、追加の臨床提供者を招聘することによって実行され得る。
【0091】
しかしながら、複数の処置エピソードに関しては、現在実行されているように、単一の処理エピソードに関連する欠点が存在する。上述したように、複数の臨床提供者は、単一の処置エピソードを実行するのを支援する必要があり得、それによって、手術室におけるコストの増大及び過密なスペースをもたらす。更にまた、単一の処置エピソードにわたって複数の処置を連続的に行うために、医師は、滅菌技術と非滅菌技術との間の切り替えを伴い得る様々な手法の間で交互にしてもよい。滅菌技術と非滅菌技術との切り替えは、1つの手術部位から別の手術部位への、退行すること及び著しく中断された臨床ワークフローへの注意を変更することを更に伴い得る。
【0092】
単一の処置エピソード中に並列に処置を行うための複数の医療提供者及び/又は医師の協調は高価であり、特定の処置のために費用がかかる場合がある。単一の処置エピソードの一部として並列処置を実施する際の複数の臨床提供者の使用の一例は、結腸ポリープ切除を行う手動法である、複合内視鏡及び腹腔鏡手術(CELS)である。ポリープは、それらのサイズ、種類、及び場所に基づいて内視鏡的に除去することができるかどうかについて評価することができる。ポリープを内視鏡的に除去することができない場合、それらは、セグメント的結腸切除を介して除去することができるが、これは、比較的高い合併症率及び長い回復時間を伴う。CELSは、結腸(腹腔鏡器具を用いた)の外腔動員を可能にする方法として提案されて、(内視鏡器具を用いた)腔内での切除をより容易にする方法として提案された。CELSは、典型的には、少なくとも2人の医師(それぞれ腹腔鏡及び内視鏡器具を制御するため)及び2つの補助剤(それぞれ腹腔鏡及び結腸鏡を保持するため)を必要とする。1人の医師が器具を移動させている間、残りの提供者が器具を動かないように保持していることがあり、これは長期間にわたって身体的にきつい場合がある。器具交換、縫合糸又はガーゼ、除去後のハンドル標本、及び腹腔鏡器具などを制御するために、部屋に追加のスタッフ員が存在してもよい。
【0093】
本開示の実施形態は、単一の処置エピソードの一部として(例えば、単一のユーザー又はチームによって)処置の2つ以上のタイプ/モードを同時に実行するためのシステム及び方法に関する。本明細書に記載のシステム及び方法は、上述した単一及び複数の処理エピソードを改善する。いくつかの実施形態では、並行処置は、新規なロボット医療システムによって単一の処置エピソードの一部として行うことができるが、それによって、例えば既存のCELSなどの、非ロボット支援の並行医療処置によるものと同じ数の保健医療提供者及び/又は医師を有する必要性を低減させる。
【0094】
癌性腫瘍の内視鏡診断及び外科的切除の上記の例に加えて、他の例示的な医療処置は、同時胸腔鏡下切除を伴う肺癌の気管支鏡的位置特定、腹腔鏡下切除を伴う消化器癌の内視鏡的位置特定、腹腔鏡補助を伴う胃腸癌の内視鏡的位置特定及び切除、胃切除術、ルーワイ胃バイパス術などの胃腸再建術のための内視鏡撮像又は視覚化、尿管結石/腫瘍位置特定及び経皮的除去/切除などを含む、本明細書に記載のシステム及び方法から利益を得ることができる。いくつかの実施形態では、そのような処置は、単一の処置エピソードで実行することができる。いくつかの実施形態では、そのような処置は、最小限の数の臨床医、及び場合によっては単一の医師のみで行うことができる。更に、いくつかの実施形態では、同時処置は、同時処置を制御するために、単一のタイプのコンソールを使用して実行することができる。
【0095】
本開示の態様によれば、付随/並列医療処置中に実行される第1のタイプの処置は、1つ又は2つ以上の可撓性装置を患者に送達することを含むことができるが、第2のタイプの処置は、1つ又は2つ以上の剛性装置を患者に送達することを含むことができる。例えば、一実施形態では、2つの付随する処置は、腹腔鏡処置(例えば、剛性スコープを使用する)と組み合わせて内視鏡処置(例えば、可撓性スコープを使用する)を伴うことができる。気管支内の腫瘍を含む医療処置において、第1の内視鏡器具(例えば、可撓性気管支鏡)を気管支を通して挿入することができる一方で、第2の腹腔鏡器具(例えば、剛性カメラ又はカッター)を、腫瘍へのアクセスを提供する切開部を通して挿入することができる。
【0096】
いくつかの実施形態では、第1のタイプの処置は、自然開口部を通して行うことができる一方で、第2のタイプの処置は切開部を通して行うことができる。例えば、腎臓結石の除去を伴う医療処置では、第1のツール「(例えば、レーザー)を尿道の自然開口部を通して挿入して、腎骨盤内の結石を破壊することができる一方で、第2のツール(例えば、真空)を、切開部を通して経皮的に挿入して、破壊された腎臓結石を吸引及び除去することができる。
【0097】
A.付随する処置を行うためのシステム及び方法。
いくつかの実施形態では、単一のロボット医療用システムは、単一の処置エピソードの一部と同時に、2種類以上の医療処置を行うことができる。
図21は、本開示の態様にかかる付随する処置を行うように構成されたベッドベースのロボットシステムの実施形態を示す。
図21に示されるように、ロボット医療用システム200は、1つ又は2つ以上のロボットアーム205の第1の組と、1つ又は2つ以上のロボットアーム210の第2の組と、を含む。システム200は、プラットフォーム215を更に含むが、これは、患者を配置することができるベッドを含むことができ、ロボットアームの第1の組205及び第2の組210は、プラットフォーム215に対して両側アーム支持体又はレール上に配置されている。ロボットアームの第1の組205は、第1の調整可能なアーム支持体220に連結されてもよい一方で、ロボットアームの第2の組210は、第1の調整可能なアーム支持体220に対してプラットフォーム215の対向する側に位置する第2の調整可能なアーム支持体225に連結されてもよい。プラットフォーム215のベッドは、頭部及び足部を含んでもよい。第1のアーム支持体220及び第2のアーム支持体225は、頭部と足部との間に配置されてもよい。
【0098】
特定の実施形態では、第1の組のアーム205は、内視鏡処置の一部として、例えば、結腸鏡、気管支鏡、又は尿道鏡(例えば、内側及び外側カテーテルを有する)などの1つ又は2つ以上の可撓性器具230を制御するように構成されてもよい。第2の組のアーム210は、腹腔鏡処置の一部として、剛性カメラ、血管封止器、組織カッター、ステープラ、ニードルドライバなどの1つ又は2つ以上の剛性器具235を制御するように構成されてもよい。本実施形態では、第1の組のアーム205は、いくつかの実施形態によれば、可撓性尿管鏡を送達するために仮想レール内で整列される。第2の組のアーム210は、腹腔鏡ポートを通して1つ又は2つ以上の腹腔鏡器具を送達する。いくつかの実施形態では、腹腔鏡器具のうちの少なくとも1つは剛性とすることができるが、いくつかの実施形態では、第2の組のアーム210は、剛性カッター及び可撓性関節腹腔鏡などの剛性及び可撓性の器具の組み合わせを送達するように構成され得る。
図21に示すように、第1の組のアーム205は、第2の組のアーム210とは異なる方向から患者に接近するように構成されている。例えば、第1の組のアーム205は、プラットフォーム215の基部から患者に接近することができる一方で、第2の組のアーム210は、プラットフォーム215の側から患者に接近することができる。いくつかの実施形態では、内視鏡又は腹腔鏡器具のうちの1つ又は2つ以上は、EM又はX線透視ナビゲーションを介して部分的又は全体的にナビゲートされ得る。いくつかの実施形態では、第1の組のアーム205は、第2の組のアーム210が移動可能である間にロックされ得る。他の実施形態では、第1の組のアーム205は可動である一方で、第2の組のアーム210はロックされる。
【0099】
図21に示されるように、第1の組のアーム205は、第1の調整可能なアーム支持体220に連結され、一方で、第2の組のアーム210は、第2の調整可能なアーム支持体225に連結されている。第1の調整可能なアーム支持体220は、第2の調整可能なアーム支持体225から独立して調整可能とすることができる。いくつかの実施形態では、第1の調整可能なアーム支持体220は、第2の調整可能なアーム支持体225とは異なる高さにあるが、他の実施形態では、第1の調整可能なアーム支持体220は、第2の調整可能なアーム支持体225と同じ高さにある。いくつかの実施形態では、アーム支持体220、225及び/又はアーム205、210は、プラットフォーム215の下に収容され得る。いくつかの実施形態では、アーム支持体220、225及び/又はアーム205、210のうちの1つ又は2つ以上は、プラットフォームの基部の上方に上昇することができ、それによって、「モップ傾斜」及び不注意な汚れがこれらの構成要素上に入ることを回避する。いくつかの実施形態では、1つ又は2つ以上のアーム支持体220、225及び/又はアーム205、210は、収容位置から、ベッド又はプラットフォーム215の上面よりも高い高さまで上昇することができる。
【0100】
本実施形態では、一対のアーム210が第2の調整可能なアーム支持体225に連結されていると共に、一対のアーム205が第1の調整可能なアーム支持体220に連結されている。他の実施形態では、調整可能なアーム支持体のそれぞれのアームの数は、偶数とすることができる。他の実施形態では、アームの数は、
図21に示されるアームの数よりも多くても少なくてもよい。
【0101】
図22は、本開示の態様にかかる付随する処置を行うように構成されたベッドベースのロボットシステムの別の実施形態を示す。
図21の実施形態と同様に、
図22に示される実施形態は、第1の組の1つ又は2つ以上のロボットアーム205と、第2の組の1つ又は2つ以上のロボットアーム210と、プラットフォーム215に対して両側のアーム支持体に位置付けられた複数のロボットアーム205及び210を有するプラットフォーム215と、を含む。これらの両側アーム支持体は、第1の調整可能なアーム支持体220及び第2の調整可能なアーム支持体225を含む。
【0102】
図21に示される実施形態とは対照的に、
図22の実施形態では、ロボットアームの第1の組205は、患者を経皮的に剛性腹腔鏡器具235を制御するように構成された単一のロボットアームを含む一方で、ロボットアーム210の第2の組は、可撓性内視鏡器具230を制御するように構成された一対のロボットアームを含む。他の実施形態では、ロボットアーム205及び210は、ベッド(又はベッドの隣接する側面)の同じ側に位置してもよく、可撓性内視鏡器具230及び剛性腹腔鏡器具235をそれぞれ制御するように構成されてもよい。更に他の実施形態では、プラットフォーム215の各側に位置する少なくとも1つのアームを含むロボットアーム205及び210の組は、第1の医療用器具(例えば、可撓性内視鏡器具230)を制御するように構成されてもよく、プラットフォーム215の各側に位置する少なくとも1つのアームを含むロボットアーム205及び210の別の組は、第2の医療用器具(例えば、剛性腹腔鏡器具235)を制御するように構成されてもよい。
【0103】
図21及び
図22に示される実施形態のそれぞれにおいて、それに取り付けられたロボットアームを有する単一のベッドベースのシステムは、1つ又は2つ以上の可撓性器具230を伴う内視鏡処置、並びに1つ又は2つ以上の剛性器具235を伴う腹腔鏡処置の双方を行うように構成され得る。内視鏡処置は、自然開口部(例えば、喉)を通して行うことができ、腹腔鏡処置は、切開部(例えば、胸部)を通して行うことができる。処置は、有利には、単一のユーザーによって単一のコンソール(その更なる詳細は以下に提供される)を介して同時に/付随して(部分的に又は全体的に)行うことができる。いくつかの実施形態では、ロボット医療用システム200は、必要に応じて、2種類の医療処置を直列に行うように構成され得る。例えば、患者に対して第1のタイプの処置が行われてもよい。そのような処置がそれ自体で無効である場合、「処置エスカレーション」の一部として第1のタイプの処置をしのぐ又は補うために第2のタイプの処置を行うことができる。
【0104】
図21及び
図22のそれぞれにおいて、ロボットアーム205及び210は、収容され、続いてプラットフォーム215の下から展開され得る。ロボットアーム205及び210は、ユーザーから受信したコマンドに基づいて、例えば患者240の足付近及び/又は患者240の右側付近の複数の位置に配置されるように構成される。ロボットアーム205及び210は、調整可能なアーム支持体220及び225に沿って並進可能であるように構成されている。ロボットアーム205、210は、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ又はそれ以上を含む多自由度が可能である。いくつかの実施形態では、ロボットアーム205、210は、1つ又は2つ以上の冗長な自由度を含むことができる。ロボットアーム205、210は、ロボットアーム205及び210の垂直方向、横方向、及び長手方向の調節を提供するように構成された調整可能なアーム支持体220、225に連結されている。ロボットアーム205及び210の動きとは無関係に、いくつかの実施形態では、調整可能なアーム支持体は、自由度3で調節されるように構成されている。特定の実施形態では、調整可能なアーム支持体220及び225は、棒又はレールの形態であってもよく、これに沿ってロボットアームの基部が並進することができる。基部は、ロボットアーム205及び210を調整可能なアーム支持体220及び225に連結することができる。
【0105】
図21に示されるロボットシステムの特定の構成を参照すると、第1の調整可能なアーム支持体220は、プラットフォーム215の基部の下方及び基部を超えて延在するが、それによって、第1のロボットアーム205を、内視鏡処置の一部として患者240の足の近くに位置付けることを可能にするように水平に調整されている。第2の調整可能なアーム支持体225は、プラットフォーム215と実質的に整列したままであるが、それに取り付けられた第2のロボットアーム210が、腹腔鏡処置の一部として患者240の垂直方向に配置され得るように、垂直に調節されている。第1の調整可能なアーム支持体220及び第2の調整可能なアーム支持体225は、ロボットアーム205及び210が、異なる高さ及び横方向位置を含む異なる方向から接近することを可能にする。
【0106】
ロボットアーム205及び210は、ロボットアームの第1の組205及びロボットアームの第2の組210に分割されるものとして説明されているが、ロボットアーム205及び210は、(1つ又は2つ以上のアームの組を含む)他のグループに分割され得、それぞれは、付随する医療処置の一部として別個の処置を行うように構成されている。いくつかの実施形態では、付随する処置(例えば、診断のため)は、一方が可撓性カメラを保持するために、他方が器具を保持するために、僅か2つのアームによって行われることができる。いくつかの実施形態では、不随する処置(例えば、治療のため)は、2つのアーム又は3つのアームを用いて行われることができる。いくつかの実施形態では、4つ以上のロボットアーム205及び210を提供することができる。
【0107】
同時に行われる医療処置の組み合わせに応じて、ロボットアーム205及び210は、様々な医療用器具を制御するように構成及び/又は操作され得る。ロボット医療用システム200を使用してロボットアーム205及び210のうちの1つ又は2つ以上を実装することができる用途の例としては、(i)例えば、鼻、口、膣、尿道、直腸、又は耳などの自然の身体開口部へのアクセスを提供するイントロデューサ又はシースを制御するように構成されたロボットアーム、(ii)前述したイントロデューサ又はシースの有無にかかわらず、自然開口部を通して内視鏡及び/又は内視鏡器具(例えば、可撓性器具)を制御するように構成されたロボットアーム、(iii)関連する解剖学的空間(例えば、胸腔、腹部、腹膜、及び/又は再腹膜空間)の管腔外視覚化を提供する胸腔鏡又は腹腔鏡カメラ(例えば、可撓性又は剛性装置)を保持及び指示するように構成されたロボットアーム、及び/又は(iv)胸腔鏡又は腹腔鏡器具(例えば、剛性装置)を保持及び指示するように構成された1つ又は2つ以上のロボットアーム、を含む。これらは単に例示的な用途であり、当業者は、本明細書に記載されるシステムがこれらの実施に限定されないことを理解するであろう。
【0108】
可撓性及び剛性ツールを用いて付随する内視鏡及び腹腔鏡処置を行うために、
図21及び
図22のうちの1つのロボット医療用システムなどの単一のシステムを使用することに多くの利点がある。第1に、単一のシステムの使用は、手術室内の設備/資本を少なくすることによって、システムの構成要素によって占有される空間の量を節約する。第2に、単一のシステムの使用は、手術室内で他の臨床医/医師を補助することなく、単一の臨床医/医師が双方のタイプの処置を行うのを容易にする。及び第3に、単一のシステムを使用することにより、システムのロボット制御可能な構成要素のそれぞれは、同じグローバル基準フレームに関連付けられることができる-例えば、内視鏡器具の位置及び/又は向きは、腹腔鏡器具の位置及び/又は向きに対して容易に参照され得る。換言すれば、単一のシステムは、単一の座標フレームに対する全ての器具及びマニピュレータに対する位置及び/又は向きに関するデータの知識を提供し、それによって、衝突防止及び/又は回避などの特徴、及び/又は互いに対する機器のコンピュータ生成ディスプレイを可能にする。
【0109】
図23は、本開示の態様にかかる不随する処置を行うように構成されたロボットシステムの更に別の実施形態を示す。ロボット医療用システム300は、プラットフォームベースのロボットシステム301及びカートベースのロボットシステム303の双方を含む。プラットフォームベースのロボットシステム301は、1つ又は2つ以上のロボットアーム305の第1の組と、1つ又は2つ以上のロボットアーム310の第2の組と、ベッド又はプラットフォーム315と、を含み、複数のロボットアーム305及び310は、プラットフォーム315に対して両側に配置されている。システム300は、1つ又は2つ以上のロボットアーム305の第1の組に連結された第1の調整可能なアーム支持体320と、1つ又は2つ以上のロボットアーム310の第2の組に連結された第2の調整可能なアーム支持体325と、を更に含む。カートベースのロボットシステム303は、第3の調整可能なアーム支持体335に連結された1つ又は2つ以上のロボットアーム330の第3の組を含む。本実施形態では、プラットフォームベースのロボットシステム301及びカートベースのロボットシステム303は、有利には、単一の処置エピソードの一部として付随する処置を行うように統合されている。
【0110】
ロボットアーム305及び310の第1の組及び第2の組は、患者350上で行われる腹腔鏡処置の一部として、例えば、カメラ、血管封止器、組織カッター、ステープラ、ニードルドライバなどの1つ又は2つ以上の剛性器具340を制御するように構成されている。第3の組のロボットアーム330は、内視鏡処置の一部として、例えば、結腸鏡、気管支鏡、又は尿道鏡(例えば、内側及び外側カテーテルを有する)などの1つ又は2つ以上の可撓性器具345を制御するように構成されている。しかしながら、他の構成では、第1のロボットアーム305、第2のロボットアーム310、及び第3のロボットアーム330の任意の組み合わせ又はサブセットは、剛性器具340及び/又は可撓性器具345を制御するように構成され得る。いくつかの実施形態では、ロボットシステム300は、2つ以上のカートベースのシステム303を含んでもよく、これらはそれぞれ、1つ又は2つ以上の医療用器具を制御するように構成されてもよい。
【0111】
図24及び
図25は、本開示の態様にかかる付随する処置を行うように構成されたベッドベースのロボットシステムの別の実施形態の2つの構成を示す。
図24及び
図25に示されるように、ロボット医療システム400は、第1の組の1つ又は2つ以上のロボットアーム405と、第2の組の1つ又は2つ以上のロボットアーム410と、プラットフォーム415と、調整可能なアーム支持体420と、1つ又は2つ以上の可撓性医療器具425と、1つ又は2つ以上の剛性医療器具430と、を含む。本実施形態では、1つ又は2つ以上のロボットアーム405の第1の組及び1つ又は2つ以上のロボットアーム410の第2の組は、同じ調整可能なアーム支持体420を共有する。撮像装置(例えば、CT、X線透視装置など)は、アーム支持体420の反対側のプラットフォーム415の側に配置される。システム400は、EMセンサを介した1つ又は2つ以上の器具のナビゲーションを支援するための電磁場発生器418を更に含む。
【0112】
図24に示されるロボット医療システムの第1の構成では、第1の組のロボットアーム405は、患者440の気管支道を通して挿入された可撓性医療器具405を制御するように構成することができる。第2の組のロボットアーム410は、医療用器具を制御することなくプラットフォーム415の下に収容され得る。
図25に示される第2の構成では、ロボットアームの第1の組410は、可撓性器具425を制御するように構成され得る一方で、ロボットアームの第2の組410は、収容位置から持ち上げられて、患者440に形成された切開部を通して挿入され得る1つ又は2つ以上の剛性器具430を制御するように構成され得る。ロボットアームは、調整可能なアーム支持体420を介して上昇することができる。
図25に示すように、アームレスト422をプラットフォーム及び/又は調整可能なアーム支持体420の1つ又は2つ以上に連結して、処置中に患者の腕を静止させることができる。
図24及び
図25に見られるように、ロボットアーム405及び410の異なるサブセットは、ロボット医療システム400がどのように構成されるか、又は利用されるかに依存して、医療器具425及び430を制御するように選択することができる。具体的には、
図24の構成の可撓性器具を制御するために第1の組のロボットアーム405の一部として2つのロボットアーム405が含まれ得、一方で、
図25の構成の可撓性器具を制御するために第1の組のロボットアーム405の一部として単一のロボットアーム405が含まれ得る。
図24及び
図25に示されるように、所与の調整可能なアーム支持体420上のロボットアーム405、410の異なる組み合わせが可能である。
【0113】
図26は、本開示の態様にかかる、少なくとも部分的に又は全体的に付随する医療処置を行うための、ロボットシステム又はその構成要素によって動作可能な例示的な方法を示すフローチャートである。例えば、
図26に例示される方法500の工程は、医療用ロボットシステム(例えば、ロボット制御可能システム10、又は上述したロボット医療用システム200、300、若しくは400のうちの1つ)又は関連するシステムのプロセッサ及び/又は他の構成要素によって実行されてもよい。便宜上、方法500は、方法500の説明に関連して「システム」によって実施されるものとして説明される。
【0114】
方法500は、ブロック501において開始する。ブロック505において、システムは、第1のロボットアームを制御して、患者の第1の開口部を通して第1の医療用器具を挿入することができる。ブロック510において、システムは、第2のロボットアームを制御して、患者の第2の開口部を通して第2の医療用器具を挿入することができる。第1のロボットアーム及び第2のロボットアームは、第1のプラットフォームの一部とすることができ、第1の開口部及び第2の開口部は、患者の2つの異なる解剖学的領域に配置され得る。方法500は、ブロック515において終了する。
【0115】
方法500の実施例の一例として、及び
図21の実施形態を参照すると、ロボット医療用システム200は、ブロック505において、ロボットアーム205の第1の組を制御して、可撓性医療用器具230を患者240の第1の開口部を通して挿入することができる。同様に、ブロック510において、ロボット医療用システム200は、第2の組のロボットアーム210を制御して、剛性医療用器具230を患者240の第2の開口部を通して挿入することができる。いくつかの実施形態では、第1の開口部は、患者の自然開口部であってもよく、第2の開口部は、患者に形成された切開部であってもよい。
【0116】
いくつかの実施形態では、第1の医療用器具は、第1の画像撮像デバイス(例えば、内視鏡)を含むことができ、第2の医療用器具は、第2の画像撮像デバイス(例えば、腹腔鏡)を含むことができる。患者の2つの異なる解剖学的領域に配置された異なる開口部を通して第1の医療用器具及び第2の医療用器具(それぞれカメラ又は他の撮像構成要素を有する)を挿入することによって、患者の1つ又は2つ以上の解剖学的領域の異なるビューを提供することが可能である。例えば、可撓性器具が患者の結腸を通して挿入され、剛性器具が患者の腹腔内に挿入されるとき、可撓性器具は、結腸内から結腸ポリープのビューを提供することができることがあり、一方、剛性器具は、腹部空洞から(例えば、結腸の外部から)同じ結腸ポリープのビューを提供することができることがある。本明細書に記載されるシステムは、有利には、ディスプレイを見る際に、ユーザーが異なるカメラビューを切り替えることを可能にする。いくつかの実施形態では、第1の画像撮像デバイスからのビューは、ディスプレイ上の第2の画像撮像デバイスからのビュー上に重ね合わせることができる。いくつかの実施形態では、第1の画像撮像デバイスのビューは、ディスプレイ上のタイリングビューで第2の画像撮像デバイスと並列に配置することができる。カメラビュー操作に関する更なる詳細は、以下に記載される。
【0117】
図26の方法500を含む本開示の態様は、単独の内視鏡手術、経皮的処置、腹腔鏡手術、並びにそれらの同時組み合わせを可能にし得る。単一の処置中に3つ全てのモダリティを利用するとき、1つ又は2つ以上のロボットアームのサブセットは、可撓性内視鏡及び器具を駆動及び制御して、直接可視化及び体内の管腔へのアクセスを提供するように割り当てられ得、1つ又は2つ以上のロボットアームの別のサブセットは、腹腔鏡/胸腔鏡カメラを駆動及び制御して、様々な体腔内の直接可視化を提供するように割り当てられ得る一方で、1つ又は2つ以上のロボットアームの別のサブセットは、体腔内の剛性、半剛性、又は可撓性器具を駆動及び制御するように割り当てられ得る。ロボットアームは、任意の場合に必要に応じて構成及び展開され得る。
【0118】
図27A及び
図27Bは、本開示の態様にかかる、付随する内視鏡及び胸腔鏡処置を行うための、ロボットシステム又はその構成要素によって動作可能な別の例示的な方法を示すフローチャートを提供する。例えば、
図27A及び
図27Bに示される方法600の工程は、医療用ロボットシステム(例えば、ロボット制御可能システム10、又はロボット医療用システム200、300、若しくは400のうちの1つ)又は関連するシステムのプロセッサ及び/又は他の構成要素によって実行され得る。便宜上、方法600は、方法600の説明に関連して「システム」によって行われるものとして説明される。
【0119】
方法600は、ブロック601において開始する。ブロック605において、ベッドベースのプラットフォームは、手術室スタッフによってベッド上に移動される患者を受容するように構成され得る。ブロック610において、システムは、内視鏡器具の準備において、ベッド又は一体化されたカートベースのシステムのいずれかから第1のアームを配備することができる。ブロック615において、第1のロボットアームは、手術室スタッフによって第1のロボットアームに装填され得る可撓性器具を受容する。ブロック620において、医師の制御下で、システムは、自然な身体開口部を介して、可撓性器具を患者の体内に駆動することができる。
【0120】
ブロック625において、システムは、可撓性器具を使用して標的病理を位置特定することができる。肺病変の場合、ブロック620及び625は、可撓性器具を気道内に導入することと、可撓性器具を、医師の制御下で標的(例えば、対象の病変)に導入することを含んでもよい。
【0121】
ブロック630において、システムは、第2のロボットアームを配備して腹腔鏡切除を実施することができる。いくつかの実施形態では、ブロック630は、病状が癌であるとの判定に応答して実行されてもよい。ブロック645において、第2のロボットアームは、手術室スタッフによって第1のロボットアームに装填され得る胸腔鏡器具を受容することができる。手術室スタッフはまた、胸腔鏡器具が患者に挿入されるように構成された胸腔鏡ポートを作成してもよい。胸腔鏡器具は、剛性カメラ、この場合は胸腔鏡、及び胸腔鏡器具を含んでもよい。胸腔鏡ポートは、患者の胸腔へのアクセスを提供するカニューレを含んでもよい。
【0122】
ブロック640において、システムは、医師の制御下で胸腔鏡器具を使用して標的の腹腔鏡切除を実施することができる。可撓性器具及び胸腔鏡は、それぞれ気道の内側及び外側から標的の別個のビューを提供し、切除を実施する際に医師を補助することができる。切除が完了すると、医師及び/又は手術室スタッフは、胸腔鏡器具及び近接胸腔鏡ポートを除去し、患者から可撓性装置を除去することができる。方法600は、ブロック645において終了する。
【0123】
B.処置の段階的拡大
単一のプラットフォーム(又はハイブリッドのベッドベースのプラットフォーム及びカートベースのシステム)から内視鏡及び腹腔鏡器具の双方を制御する能力の1つの利点は、必要に応じて外科手術の侵襲性のレベルを評価する能力である。異なる処置は、異なる程度の侵襲性を有する。例えば、第1のタイプの処置は、純内視鏡切除とすることができる。第2のタイプの処置は、腹腔鏡下の補助を有する内視鏡切除とすることができる。第3のタイプの処置は、腹腔鏡切除とすることができる。本明細書に記載されるシステム及び方法は、有利には、医師が、第1のタイプの処置から第2のタイプの処置、第2のタイプの処置から第3のタイプの処置、又は第1のタイプの処置から第3のタイプの処置など、1つのタイプの処置から別の処置へと容易に段階的に拡大させることができる。
【0124】
いくつかの実施形態では、医師は、第1のタイプの処置(例えば、純内視鏡切除)及び第2のタイプの処置(例えば、腹腔鏡支援を伴う内視鏡切除)を含むように、第1のタイプの処置(例えば、純内視鏡切除)を行うことを意図することができる。いくつかの実施形態では、第1のタイプの処置は、第2のタイプの処置よりも侵襲性が低い場合がある。例えば、第1のタイプの処置において、医師は、患者に切開部を形成する必要なく切除を内視鏡的に行うことを試みることができる。第2のタイプの処置では、腹腔鏡支援を提供するために、ポート及び孔が患者の腹部に導入されると、侵襲性の程度が増加する。ポート及び孔は、腹腔鏡及び/又は他の腹腔鏡器具を、例えば、組織及び位置決めを見るために提供され得るが、切除は依然として内視鏡的であり、これは、合併症の速度及び回復時間を比較的最小限に保つ。本明細書に記載されるシステム及び方法は、医師が、第1のタイプの処置から第2のタイプの処置に容易に段階的に拡大することを有利に可能にすることができる。
【0125】
いくつかの実施形態では、医師は、第2のタイプの処置(例えば、腹腔鏡下支援を伴う内視鏡切除)及び第3のタイプの処置(例えば、腹腔鏡切除)を含むための段階的な拡大処置を意図することができる。いくつかの実施形態では、第2のタイプの処置は、第3のタイプの処置よりも侵襲性が低い場合がある。例えば、第2のタイプの処置では、医師は、腹腔鏡支援を用いて内視鏡切除を行うことを試みることができる。第3のタイプの処置では、切除が腹腔鏡下で実施される際に、侵襲性の程度が増加する。そのような切除、例えば、セグメント的結腸切除術は、第1のタイプの処置及び第2のタイプの処置に対して、より高いリスク及び回復時間を伴う可能性がある。本明細書に記載されるシステム及び方法は、医師が第2のタイプの処置から第3のタイプの処置に容易に段階的に拡大することを有利に可能にする。
【0126】
処置の段階的に拡大することができる1つの例示的な処置は、結腸ポリープ切除である。医師は、結腸ポリープの純内視鏡的切除を試みることによって治療を開始することができる。純内視鏡切除が失敗した場合、医師は、腹腔鏡器具の支援を受けて、結腸ポリープの内視鏡切除を迅速に行うことができる。いくつかの実施形態では、段階的な拡大は、追加の人員又は資本設備を室内に持って行くことなく実行することができる。腹腔鏡下器具の補助にもかかわらず内視鏡切除が依然として切除に不適切である場合、医師は、処置を完全腹腔鏡処置及び腹腔鏡切除に段階的に拡大することができる。この実施例では、腹腔鏡下器具の支援を用いて内視鏡切除を行うことは、純内視鏡切除を行うよりも高いレベルの侵襲性を有する場合がある一方で、腹腔鏡切除を行うことは、腹腔鏡下器具の支援を用いて内視鏡切除を行うよりも高いレベルの侵襲性を有する場合がある。所与の処置の侵襲性のレベルは、これらに限定されるものではないが、患者の所望の又は予想される回復時間、器具を送達するための切開部の不在又は存在、医療用器具を患者の身体内に送達するのに必要な切開部の大きさ、処置後の予測される罹患率、予想される合併症リスクを含む多数の要因に基づいて決定され得る。
【0127】
段階的な拡大処置を使用して治療を行うことにより、医師は、より侵襲的処置を行おうと試みる前に、最初に最小侵襲的処置を行うことを試みることができる。例えば、段階的な拡大処置を使用して結腸ポリープを処置することによって、医師は、有利には、完全な内視鏡切除を使用して結腸ポリープの一部又は全てを切除することができ、それによって、複数のエピソードにわたって治療を延ばすことなく患者の関連する回復時間を潜在的に低減することができる。段階的な拡大処置は、結腸ポリープ例に関連して上述されているが、段階的な拡大処置は、例えば、癌結節の診断及び切除を含む他の医療処置に適用され得る。
【0128】
図28は、本開示の態様にかかる、段階的な拡大処置を含む付随する医療処置を行うための、ロボットシステム又はその構成要素によって動作可能な例示的な方法を示すフローチャートである。例えば、
図28に示される方法700の工程は、医療用ロボットシステム(例えば、ロボット制御可能システム10、又はロボット医療用システム200、300、若しくは400のうちの1つ)又は関連するシステムの1つ又は2つ以上のプロセッサ及び/又は他の構成要素によって実行され得る。便宜上、方法700は、方法700の説明に関連して「システム」によって行われるものとして説明される。
【0129】
方法700は、ブロック701において開始する。方法700は、例えば、ブロック505と510との間で
図26に例示される付随する医療処置を行うために、方法500の最中に実行されてもよい。しかしながら、方法700を行うタイミングは限定されず、ブロック505の前に、ブロック510の後に、又はブロック505及び510のうちの1つ又は2つ以上と同時に行われ得る。ブロック705において、システムは、第1のロボットアームを制御して第1の医療処置を行うことができる。第1の医療処置は、標的部位を位置特定することを含むことができる。システムは、標的部位の位置特定に基づいて切開部位を更に選択することができる。切開部は、ブロック710の第2の医療処置で使用される第2の医療用器具を送達するために使用され得る。
【0130】
ブロック710において、第1の医療処置が患者の医学的状態を完全に治療できなかったという判定に応答して、システムは、第2の医療処置を制御して、患者の医学的状態を完全に治療するための第2の医療処置を行うことができる。第2の医療処置は、第1の医療処置よりも高いレベルの侵襲性を有する場合がある。第1の医療処置及び第2の医療処置は、単一の医療エピソード中に同時に実行される。いくつかの実施形態では、第1の医療処置及び相対的により侵襲性のある第2の医療処置は、複数のアームを有するカートベースのプラットフォーム又はベッドベースのプラットフォームなどの単一のプラットフォームを使用して実施される。他の実施形態では、第1の医療処置及び相対的により侵襲性のある第2の医療処置は、ベッドベースのプラットフォームをカートベースのプラットフォームと組み合わせて、又はカートベースのプラットフォームを別のカートベースのプラットフォームと組み合わせるなど、複数の統合プラットフォームを使用して実施される。いくつかの実施形態では、システムは、患者の解剖学的構造内の標的部位が第2の医療処置を介した治療のための状態を満たすとの判定に応じて、第2のロボットアームを更に制御して第2の医療処置を行うことができる。方法700は、ブロック715において終了する。
【0131】
C.複数の医療用器具の制御のためのユーザーインターフェース。
本開示の別の態様は、単一のユーザーが不随する処置中にロボットアームの全てを制御することを可能にすることができるユーザーインターフェースに関する。換言すれば、本開示の態様は、1つ又は2つ以上の可撓性装置を使用して内視鏡的介入を行うために使用することができる新規な単一のインターフェース、並びに1つ又は2つ以上の剛性デバイスを使用する腹腔鏡介入の使用に関する。
【0132】
図29は、本開示の態様にかかる、ロボットアームを制御するための1つ又は2つ以上のタイプのインターフェースを含む、例示的なコンソールを示す。
図29に示すように、コンソール800は、ビューワー805と、ユーザーの左手及び右手から入力を受信するように構成された2つのハンドル(位置決めプラットフォームとも呼ばれる)815、ペンダント820、アームレスト825、及び1つ又は2つ以上の足ペダル830を含むコントローラ810と、を含む。
【0133】
図30は、本開示の態様にかかる、
図29に示すコントローラの拡大図を示す。
図30のコントローラ810は、
図19に示すコントローラ182と同様であってもよい。
図31は、本開示の態様にかかる、
図29及び
図30に示されるハンドルのうちの1つの拡大図を示す。いくつかの実施形態では、ハンドル815は、ボタン835と、指グリップ840と、を含む。ボタン835は、ユーザーが対応する医療用器具のエンドエフェクタを作動させることを可能にするユーザーインターフェースを提供する。指グリップ840は、ユーザーがハンドル815を掴み、6自由度でハンドル815の位置を操作することを可能にするインターフェースを提供することができる。ハンドル815はまた、ユーザーが3つの自由度(例えば、ピッチ、ヨー、及びロール)でハンドルを操作することを可能にするジンバルとして機能することができる。
【0134】
図32は、本開示の態様にかかる、
図29に示すペンダントの拡大図を示す。ペンダント820は、挿入/後退ジョイスティック845、メニューボタン850、クイックアクションボタン855、一時停止ボタン860、関節運動及び弛緩ジョイスティック865、スナップショット、光、及び1つのプログラム可能なボタン870、及び5つのボタンクラスタボタン875を含む。ペンダント820は、
図21の可撓性器具230などの可撓性器具を駆動するように構成され得る。
【0135】
図29~
図32は、2つ以上のタイプのユーザーインターフェース(例えば、ジンバルベースのインターフェース及びペンダントベースのインターフェース)を含み、いくつかの実施形態では、コンソール800は、本明細書で開示される付随する処置を行うためのハンドル815などの単一のタイプのインターフェースを含み得る。例えば、いくつかの実施形態では、左手ハンドル815は、内視鏡器具を制御するように構成され得る一方で、右手ハンドル815は、腹腔鏡器具を制御するように構成され得る。他の実施形態では、左手ハンドル及び右手ハンドル815は、2つの異なるモード-1つ又は2つ以上の可撓性内視鏡器具を制御するように構成された第1のモード及び1つ又は2つ以上の剛性腹腔鏡器具を制御するように構成された第2のモードで使用され得る。フットペダル830又はコンソール800上の他のボタンは、2つのモードを切り替えるためにユーザーから入力を受信するように構成され得る。2つの異なる器具(例えば、可撓性内視鏡及び剛性の腹腔鏡)を制御するための単一タイプのインターフェースの使用は、多くの場合、そのような様々な器具を制御するために2つの異なるタイプのインターフェースを使用することが多いため、非常に新規である。
【0136】
左手ハンドル及び右手ハンドル815を有する
図30のコントローラ810などのコントローラ810は、腹腔鏡器具を制御するために使用されてもよいが、このタイプのコントローラ810を、1つ又は2つ以上の可撓性装置を伴う付随する内視鏡的処置と共に使用することは典型的ではない。しかしながら、2つ以上の医療用器具(内視鏡器具及び腹腔鏡器具を含む)を同じインターフェースを介して制御するために、ユーザーに単一のユーザーインターフェースを提供することが望ましい場合があり、それにより、ユーザーは、2つの医療用器具の制御間の切り替え時に異なるユーザー入力装置間で継続的に切り替える必要はない。したがって、物理的に制御することができる単一のインターフェースを提供するために、コントローラ810は、腹腔鏡器具に加えて内視鏡器具を制御するように適合されてもよい。
【0137】
図33は、本開示の態様にかかる、単一のユーザーインターフェースを介して付随する医療処置を行うための、ロボットシステム又はその構成要素によって動作可能な例示的な方法を示すフローチャートである。例えば、
図33に示される方法900の工程は、医療用ロボットシステム(例えば、ロボット制御可能システム10、又はロボット医療用システム200、300、若しくは400のうちの1つ)又は関連するシステムのプロセッサ及び/又は他の構成要素によって実行され得る。便宜上、方法900は、方法900の説明に関連して「システム」によって行われるものとして説明される。
【0138】
方法900は、ブロック901において開始する。ブロック905において、システムは、ユーザーインターフェースを使用して、第1のロボットアームを介して患者の第1の開口部を通して挿入された第1の器具を操作することができる。ブロック910において、システムは、ユーザーインターフェースを使用して、第2のロボットアームを介して患者の第2の開口部を通して挿入された第2の器具を操作することができる。第1の開口部及び第2の開口部は、患者の2つの異なる解剖学的領域に配置されている。いくつかの実施形態では、第1の開口部は、患者の自然開口部であってもよく、第2の開口部は、患者に形成された切開部であってもよい。第1の器具は可撓性であってもよく、第2の器具は剛性であってもよい。方法900は、ブロック915において終了する。
【0139】
一実施形態では、内視鏡器具を制御するためのユーザーからの選択をシステムが受信したことに応じて、ハンドル815のうちの1つは、内視鏡器具の挿入及び後退を制御するようにマッピングされる一方で、他のハンドル815は、内視鏡器具の関節運動及びロールの制御にマッピングされる。挿入及び後退を制御するハンドル815は、直線内で移動するように触覚的に拘束されてもよく、コントローラ810は、ユーザーが、内視鏡器具を患者の身体の中又は外に並進させるために利用可能なストローク長さを調節することを可能にするように構成されたクラッチを含んでもよい。関節運動及びロールを制御するハンドル815は、ハンドル815が平面的な様式で移動しないように、触覚的に拘束され得る。他の関節運動/ロールハンドル815の位置は、座標平面内に固定することができるが、回転、ピッチ、及びヨーを許容することができる。関節運動/ロールハンドル815上のアクセサリボタン835は、ユーザーが管腔を灌注又は吸引し、並びに内視鏡器具にエネルギーを送達することを可能にするように構成され得る。
【0140】
第2の実施形態では、ハンドル815のうちの1つは、内視鏡器具の挿入及び後退を制御するようにマッピングされ得、一方、他のハンドル815は、第1の実施形態のように内視鏡器具の関節運動及びロールを制御するようにマッピングされるが、ユーザーの駆動経験は僅かに変更されてもよい。1つのハンドル815は、直線で移動するように触覚的に拘束され得るが、ユーザーがクラッチを必要とするのではなく、ユーザーコントローラ810は、ユーザーが処置対象の標的から離れて又はそこに向かって自分の手を移動させるように構成され得る。ユーザーが自身の手を移動させる大きさは、内視鏡器具が患者の体内又は体外に移動する速度にマッピングされ得る。残りのハンドル815は、第1の実施形態に記載されたものと同様の方法で制御されるように構成されてもよい。
【0141】
第3の実施形態は、
図29~
図31に示される一次ハンドル815に加えて、二次インターフェースセット(図示せず)を有するコントローラ810を含むことができる。一次左ハンドル及び一次右ハンドル815は、腹腔鏡又は胸腔鏡制御インターフェースと同様に構成され得る。左インターフェース及び右インターフェースの二次セットは、内視鏡器具を駆動するように構成され得る。二次インターフェースのうちの1つは、2つのホイールに取り付けられた内視鏡様挿入管のループを含むことができる。挿入管のループは、軸に沿って並進され、左及び右に巻かれるように構成され得る。挿入管は、位置又は速度に基づく制御のいずれかを提供することができる。コントローラ810上にトグルボタンが存在して、ユーザーが患者の身体内で並進又は回転される必要がある同心器具を介してサイクルすることを可能にする。別の二次インターフェースは、一連のボタンで強化された擬似内視鏡先端を含むことができる。擬似内視鏡先端は、ロボット制御内視鏡器具の遠位端の所望の形状を指示するように、ユーザーによって操作されるように構成され得る。擬似内視鏡先端上のボタンを利用して、内腔内で灌注又は吸引し、並びに内視鏡器具にエネルギーを送達することができる。擬似内視鏡先端は、制御されている内視鏡器具の現在の位置を想定し、ユーザーがさもなければ指示されるまでその位置を維持するか、又は従来の内視鏡器具と同様に挙動し、ユーザーによって能動的に指示されたときに位置を維持することができる。別の二次インターフェースは、1つ又は2つ以上のハンドル815上の「ジョイスティック」型ボタンを含むことができ、このボタンは、ペンダント820上の入力と同様の方法で1つ又は2つ以上の可撓性器具を制御するために使用され得る。いくつかの実施形態では、ハンドル815は、二次インターフェースジョイスティックボタンの人間工学的制御を容易にするために、それ自体を代替的な構成(例えば、上方を向くように)に再配置する。
【0142】
第4の実施形態では、コントローラ810は、第3の実施形態に記載されるように内視鏡器具を並進及びロールするための二次インターフェースを含んでもよいが、2つの一次左手インターフェース又は右手インターフェースの1つは、内視鏡器具の関節運動及び他の機能を制御するように構成され得る。
【0143】
第5の実施形態では、コントローラ810は、
図32に示すようなペンダント820を含む二次インターフェースを含むことができる。この実施形態では、ユーザーは、左ハンドルと右ハンドル815との間で物理的に前後に切り替えなければならず、ペンダント820は、腹腔鏡及び内視鏡器具の制御の間で移動する必要がある。ビューワー805によって表示される現在のビューは、コントローラ810によって制御され得る。
【0144】
いくつかの実施形態では、コンソール800は、他のロボットアームの運動を拘束しながら同時に制御可能なロボットアームの数を制限するように構成される。例えば、いくつかの実施形態では、インターフェースは、他のロボットアーム(例えば、2つ、3つ、4つ又はそれ以上)の運動を拘束しながら、選択されたロボットアームを駆動するために使用され得る。
【0145】
D.画像ディスプレイの閲覧及び切り替え。
図29~
図32を参照すると、いくつかの実施形態では、ビューワー805は、内視鏡画像センサ及び腹腔鏡撮像センサから画像を表示するように構成され得、並びに、超音波プローブなどの生ビデオのシステム又は他のソースにロードされた任意の術前計画又はスキャンを表示するように構成され得る。ユーザーは、限定されるものではないが、以下を使用して様々な方法で異なるビューを切り替えることができる:左手インターフェース又は右手インターフェース上に配置されたアクセサリボタン835を使用すること、アクセサリフットペダル830又はユーザーの足、膝、つま先又は肘によって起動されるスイッチを使用すること、左手インターフェース及び右手インターフェースを介してハンドベースのジェスチャを使用して複数のビューを切り替える又はサイクルするように、器具のクラッチと組み合わせて触覚対応コマンドを使用すること、コンソールに取り付けられた制御ペンダント825を使用すること、又は任意の組み合わせを使用すること。二次ビューは、ピクチャインピクチャ、サイドバイサイド、スプリットフレーム、又は周期的ビューモードを介して表示されてもよい。
【0146】
図34及び
図35は、本開示の態様にかかる、付随する医療処置中にビューワーによって表示され得る例示的な図である。具体的には、
図34は、胸腔鏡ビュー1000を示し、
図35は、内視鏡ビュー1050を示す。
【0147】
いくつかの実施形態では、現在選択されている医療用器具の制御は、ビューワー805によって表示された一次ビューの座標フレームと同期される。システムは、一次器具として表示される一次ビューのアプローチに由来する器具を考慮してもよいが、システムは、ユーザーが一次ビューに対してシステム上の任意の器具を制御することを可能にすることができる。換言すれば、ユーザーが胸腔鏡ビューモード1000にあるシナリオでは、胸腔鏡器具は一次器具である。
図34の胸腔鏡ビューモード1000に示されるように、第1の胸腔鏡器具1005及び第2の胸腔鏡器具1010を見ることができる。
【0148】
ユーザーは、肺内に配置された内視鏡を調節することを望む場合がある。これを行うために、ユーザーは、適切な二次ビュー(この場合、内視鏡ビュー1050)を表示し、「セクションC.」において上述したインターフェースの1つを利用して、一次左手器具又は右手器具から二次左手器具又は右手器具に切り替え、必要に応じて内視鏡器具を調節することができる。
図35に示されるように、内視鏡ビュー1050は、内視鏡上のカメラの第1のビュー1055と、術前モデルに対する内視鏡の先端の位置を示す第2のビュー1060と、を含み得る。胸腔鏡ビュー1000と内視鏡ビュー1050とを切り替えることに加えて、システムは、胸腔鏡ビュー1000と、内視鏡ビュー1050と、患者の術前スキャンを介して得られた第3のビューと、を切り替えることが更に可能であり得る。
【0149】
図36は、本開示の態様にかかる、付随する医療処置中にビューワーによって表示され得る別の例示的な図である。いくつかの実施形態では、システムは、
図36に示すように、互いの上に1つの画像のコンピュータ生成オーバーレイを有するように構成されてもよい。実際に、
図36に示す実施形態では、2つの別個のビューオンビューの実施形態が示されている。まず、可撓性範囲からの内視鏡ビュー(右上隅)は、剛性スコープ(基本画像)からの腹腔鏡ビュー1090上にオーバーレイされる。第2に、可撓性スコープ(輪郭内)のグラフィック又は仮想表現1095もまた、剛性スコープからの腹腔鏡ビュー1090上にオーバーレイされる。そのようなビューインビュー機能を提供することによって、これは、医師が同時に複数の処置を行うのに役立ち、個々の処置を行う不要な人員の必要性を最小限に抑える。
【0150】
図37は、本開示の態様にかかる、付随する医療処置を行いながら、表示された画像を切り替えるための、ロボットシステム又はその構成要素によって動作可能な例示的な方法を示すフローチャートである。例えば、
図37に示される方法1100の工程は、医療用ロボットシステム(例えば、ロボット制御可能なシステム10、又はロボット医療システム200、300、若しくは400のうちの1つ)又は関連するシステムのプロセッサ及び/又は他の構成要素によって行われ得る。便宜上、方法1100は、方法1100の説明に関連して「システム」によって行われるものとして説明される。
【0151】
方法1100は、ブロック1101において開始する。ブロック1105において、システムは、第1のロボットアームを介して患者の第1の開口部を通して第1のスコープを送達して、第1の画像を取得することができる。ブロック1110において、システムは、第2のロボットアームを介して患者の第2の開口部を通して第2のスコープを送達して、第2の画像を取得することができる。ブロック1115において、システムは、ディスプレイ上で第1の画像と第2の画像とを切り替えることができる。いくつかの実施形態では、システムは、第1の画像がディスプレイ上の第2の画像上に重ねられたビューに切り替えるように更に構成されてもよい。他の実施形態では、システムは、患者の術前スキャンから得られる第1の画像、第2の画像、及び第3の画像(例えば、コンピュータ断層撮影(CT)スキャン又は蛍光透視スキャン)から取得される第3の画像を切り替えるように構成されてもよい。システムは、
図36に示されるように、ディスプレイ上の第1の画像又は第2の画像のいずれかの上に仮想画像をオーバーレイするように更に構成され得る。方法1100は、ブロック1120において終了する。
【0152】
3.付随する処置のための例示的な方法及びワークフロー
本明細書で説明するロボット医療システムによって可能になる多くの例示的な方法及びワークフローが存在する。説明するロボット医療システムを使用して行うことができる1つの特定の例示的な医療処置は、結腸直腸介入である。結腸直腸介入処置では、医師は、非常に複雑な処置であり得る低侵襲介入を行って、結腸直腸疾患に対処を試みることができる。場合によっては、結腸直腸疾患の処置は、結腸ポリープの除去を含み得る。本開示の態様は、具体的な一例として結腸直腸介入を使用し得るが、本明細書で説明するシステム及び方法はまた、胃腸介入及び胸部介入などの他の処置でも同様に使用することができる。
【0153】
CELSは、例えば結腸直腸介入及び胃腸介入などの処置に利用することができる。例えば、特定の結腸ポリープ(大きな無茎性ポリープ又は結腸の管腔に対して困難な場所にあるものなど)は、現在の手法を使用した純内視鏡手法によって切除することができない。これらのポリープは、腹腔鏡器具の支援によって内視鏡的に切除することができる。そうした場合、結腸は、腹腔鏡器具を使用して再位置決めして、ポリープの内視鏡切除を可能にすることができる。加えて又は代替の処置では、内視鏡ツールは、標的化を可能にするためのポリープの位置特定及び/又はポリープの組織温存の腹腔鏡切除に使用することができる。
【0154】
腹腔鏡支援の内視鏡切除及び内視鏡支援の腹腔鏡切除は、各々が、純腹腔鏡切除よりも低侵襲であり得る(例えば、患者の回復時間をより短くし得る)ので、CELSを使用した内視鏡及び組み合わせた内視鏡/腹腔鏡処置の使用は、潜在的に、ポリープを有する患者へのより良好な結果につながり得る。
【0155】
しかしながら、実際にCELSを実施するには、いくつかの課題が存在し得る。1つの課題は、CELSが、(i)腹腔鏡カメラを制御するために、(ii)腹腔鏡器具を制御するために、(iii)内視鏡カメラを制御するために、及び(iv)内視鏡器具を制御するために、いくつかのリソース及び少なくとも4人の医師などの複数の人員をしばしば必要とし得ることである。4人の医師に加えて、CELSはまた、ある状況をサポートするために、何人かの臨床医及びアシスタントを必要とし得る。したがって、CELSは、広く採用されておらず、単一の処置のために複数の臨床提供者をサポートすることができる特定の施設(例えば、ハイエンドのアカデミックセンター)に限定されている。
【0156】
図38A及び
図38Bは、本開示の態様にかかる、CELSを行うための例示的なワークフローを示すフローチャートを含む。例えば、
図38A及び
図38Bに示すワークフロー1200の工程は、1人又は2人以上の医師、臨床医、及び/又はアシスタントによって行われ得る。便宜上、CELSワークフロー1200は、ワークフロー1200の説明に関連して4人の医師によって行われるものとして説明されている。
【0157】
図38Aを参照すると、ワークフロー1200は、ブロック1201において開始する。ブロック1205において、ワークフロー1200は、1人又は2人以上の医師が、内視鏡(例えば、結腸鏡)及び1つ又は2つ以上の他の内視鏡器具を患者の結腸に導入することを含む。ブロック1210において、ワークフロー1200は、1人又は2人以上の医師が、内視鏡及び1つ又は2つ以上の他の内視鏡器具を使用して標的の解剖学的構造を識別し、特徴付けることを含む。ブロック1215において、ワークフロー1200は、1人又は2人以上の医師が、複数の腹腔鏡ポートを患者に配置することと、腹腔鏡及び1つ又は2つ以上の腹腔鏡器具を患者に導入することと、を含む。これらの医師は、滅菌野(例えば、腹腔鏡ポート)と非滅菌領域(例えば、内視鏡アクセスポイント、例えば、患者の肛門)との間に滅菌境界を確立するのを補助する。腹腔鏡及び1つ又は2つ以上の腹腔鏡器具は、患者の腹腔に挿入され得る。
【0158】
図38Bを参照すると、ブロック1220において、ワークフロー1200は、内視鏡カメラ及び器具並びに腹腔鏡カメラ及び器具を交換可能に使用して、介入のために標的の解剖学的構造を位置付けることを含む。医師は、内視鏡ビュー及び腹腔鏡ビューについて異なるスクリーンを視認することができる。他の実施形態では、同じスクリーンが、内視鏡ビュー及び腹腔鏡ビューの両方を視認することができる。ブロック1225において、ワークフロー1200は、随意に、内視鏡器具及び腹腔鏡器具のうちの1つ又は2つ以上を交換することを含む。ブロック1230において、ワークフロー1200は、内視鏡器具及び腹腔鏡器具のうちの1つ又は2つ以上を使用して、標的の解剖学的構造において介入を行うことを含む。ブロック1235において、ワークフロー1200は、内視鏡カメラ及び器具並びに腹腔鏡カメラ及び器具の全てを除去して、腹腔鏡ポートを閉じることを含む。ワークフローは、ブロック1240において終了する。
【0159】
本開示の態様は、CELSを行うことが可能である、付随するシステムに関する。システムは、内視鏡処置(例えば、1つ又は2つ以上の可撓性器具の使用を含む処置)及び腹腔鏡処置(例えば、1つ又は2つ以上の剛性器具の使用を含む処置)の両方を行うことが可能である。内視鏡及び腹腔鏡の能力は、有利には、相対的にコンパクトなフォームファクタで付随するシステムに統合される。コンパクトなファームファクタに加えて、システムは、単一の制御ユニットによって制御することができ、それによって、有利には、手術室における多数の医師及びアシスタントに対する依存を低減させる。CELSを行うときに、多数の医師及びアシスタントに対する依存を低減させることによって、これは、システムを、従来のCELSの上述した欠点のうちの少なくともいくつかを伴うことなく、世界中の病院内の多数の手術室及び緊急救命室において広く使用することを可能にする。
【0160】
図39は、本開示の態様にかかる、付随する処置を行うように構成されたベッドベースのロボットシステムの一実施形態を示す。例えば、システム1300は、CELS処置を行うための方法に使用することができる。システムは、
図21に関連して説明されるシステムと同様であり得る。
【0161】
図39に示すように、システム1300は、複数のロボットアーム1310及び1315が調整可能なアーム支持体1311及び1316に取り付けられたベッド1307を含む、患者プラットフォーム1305を含む。システム1300は、ライブビデオストリームを表示するように構成することができる、ディスプレイ1321を更に含む。本実施形態では、ディスプレイ1321は、テレビスクリーンを含む。他の実施形態では、ディスプレイ1321は、タワーモニタの一部であるスクリーンとすることができ、ビデオストリームは、HDMI、SDI、又は同様の手段を介して外部のルームモニタに更に流すことができる。
【0162】
第1の組のロボットアーム1310の1つ又は2つ以上は、1つ又は2つ以上の可撓性器具を操作するように構成されている。いくつかの実施形態では、可撓性器具は、内視鏡、及び1つ又は2つ以上の内視鏡器具などの可撓性スコープを含む。
図39の実施形態では、第1の組のロボットアーム1310は2つのアームを含むが、他の実施形態では、内視鏡及び/又は内視鏡器具を制御するために、より多い又はより少ないロボットアーム1310を使用することができる。第2の組のロボットアーム1315の1つ又は2つ以上は、1つ又は2つ以上の剛性器具を操作するように構成されている。いくつかの実施形態では、剛性器具は、腹腔鏡及び1つ又は2つ以上の腹腔鏡器具などの剛性スコープを含む。
図39の実施形態では、第2の組のロボットアーム1315は、3つのアームを含むが、他の実施形態では、腹腔鏡及び/又は腹腔鏡器具を制御するために、より多い又はより少ないロボットアーム1315を使用することができる。
【0163】
ディスプレイ1321は、可撓性スコープ及び/又は剛性スコープからのフィードバックを表示するように構成された、大型ビデオスクリーンを含むことができる。いくつかの実施形態では、フィードバックは、腹腔鏡及び/又は内視鏡からのライブビデオストリームを含むことができる。他の実施形態では、フィードバックは、患者の解剖学的構造のモデルに対する腹腔鏡及び内視鏡器具の場所の仮想表現を含むことができる。
図39の実施形態では、システム1300は、腹腔鏡及び内視鏡からの両方のライブストリームを同時に表示するように構成されている。例えば、可撓性スコープからのフィードバック及び剛性スコープからのフィードバックは、ピクチャインピクチャビューでビデオスクリーンに表示することができる。別の実施例では、可撓性スコープからのフィードバック及び剛性スコープからのフィードバックは、サイドバイサイドビューでビデオスクリーンに表示することができる。
【0164】
図39は、各ロボットアーム1310及び1315がプラットフォーム1305に取り付けられた一実施形態を示すが、代替の実施形態では、システム1300は、各々が1つ又は2つ以上のロボットアームを含む1つ又は2つ以上のカートを含むことができる。カートは、医師が可撓性器具及び剛性器具を中央の場所から制御することができるように、互いに通信することができる。一実施形態では、可撓性器具を操作するように構成されたロボットアーム1310は、第1のカートに取り付けることができ、一方で、剛性器具を操作するように構成されたロボットアーム1315は、第2のカートに取り付けることができる。カートベースのロボットアームを含むシステムの実施例は、限定されるものではないが、
図1、
図3、
図4、及び
図23に示されている。
【0165】
図40は、本開示の態様にかかる、CELS行うための別の例示的なワークフローを示すフローチャートである。例えば、
図40に示すワークフロー1400の工程は、1人又は2人以上の医師、臨床医、及び/又はアシスタントによって行われ得る。
図40の方法1400の工程のいくつかは、医療ロボットシステム(例えば、上で論じた、ロボット制御可能なシステム10、又はロボット医療システム200、300、400、1300、又は1500のうちの1つ)又は関連するシステムのプロセッサ及び/又は他の構成要素によって行うことができる。方法1400の特定の工程はまた、(例えば、
図29~
図32に示すような)入力装置を介して、例えば医師から受信されるコマンドに応答してシステムによって行われ得るか、又はユーザーからの介入を伴うことなく、システムによって自動的に行われ得る。
【0166】
図40を参照すると、ワークフロー1400は、ブロック1401において開始する。ブロック1405において、ワークフロー1400は、ロボットシステムの第1のロボットアームを使用して可撓性器具を操作することを含む。例えば、医師は、可撓性器具を操作するために、
図39の付随するシステム1300に第1のコマンドを入力し得る。いくつかの実施形態では、医師は、患者の自然開口部を通して第1のロボットアームを使用して可撓性器具を操作し得る。ブロック1410において、ワークフロー1400は、ロボットシステムの第2のロボットアームを使用して剛性器具を操作することを含む。医師は、剛性器具を操作するために第2のコマンドを付随するシステムに入力し得る。いくつかの実施形態では、医師は、患者に形成された切開部を通して第2のロボットアームを使用して剛性器具を操作し得る。医師は、可撓性器具及び剛性器具の制御を切り替えること可能であり得る。他の実施形態では、医師は、可撓性器具及び剛性器具の制御のために、別々の入力装置を使用し得る。医師によって使用することができる例示的な入力装置及びインターフェースは、
図29~
図32に示されている。
【0167】
ブロック1415において、ワークフロー1400は、可撓性器具からのフィードバックを表示することを含む。可撓性器具からのフィードバックは、例えば、
図39のディスプレイ1321によって表示され得る。ブロック1420において、ワークフロー1400は、剛性器具からのフィードバックを表示することを含む。以下に詳細に説明するように、可撓性器具からのフィードバック及び剛性器具からのフィードバックは、ピクチャインピクチャビュー、サイドバイサイドビューで表示することができ、並びに/又は可撓性器具及び剛性器具のうちの1つだけからのフィードバックが一度に表示され得る。医師は、どのようにフィードバックが表示されるかを制御することが可能であり得る。医師はまた、一次ビューとしての可撓性器具及び剛性器具のうちの1つからのフィードバック、及び二次ビューとしての他のフィードバックを選択することも可能であり得る。システムは、一次ビュー及び二次ビューをディスプレイの同じビュースクリーンに表示し得る。方法1400は、ブロック1425において終了する。
【0168】
図41は、本開示の態様にかかる、付随する処置を行うように構成されたロボットシステムの別の実施形態を示す。具体的には、
図41のシステム1500は、CELS処置を使用して結腸直腸介入を行うように構成され得る。
【0169】
システム1500は、一対の調整可能なアーム支持体1411及び1416に位置付けられたロボットアーム1510及び1515を含み、それによって、ロボットアーム1510及び1515を患者1503の両側に係合することを可能にする。調整可能なアーム支持体1411及び1416は、プラットフォーム1507又はベッドに結合され得る。第1の対のロボットアーム1510は、1つ又は2つ以上の可撓性器具、例えば1つ又は2つ以上の内視鏡及び/又は内視鏡ツールを制御するために使用される。本実施形態では、第1の対のロボットアーム1510の一方は、1つ又は2つ以上の作業チャネルを有する内視鏡1525を制御し、一方で、第1の対のロボットアーム1510の他方は、内視鏡1525を通して内視鏡ツール1530を制御する。
【0170】
内視鏡ツール1530としては、限定されるものではないが、スネア(例えば、ポリープスネア)、鉗子、ネット、把持具、バスケット、バルーン、(例えば、染料、マーカ、又は治療物質の)注入器、アブレーションプローブ、及びワイヤを含む、1つ又は2つ以上のポリープリムーバ又はレシーバを挙げることができ、これらは全て、電気外科エネルギーなどの介入エネルギーを送達することが可能である場合、又はそうでない場合がある。加えて、内視鏡ツール1530は、超音波撮像又は蛍光撮像などの撮像モダリティを包含することができる。いくつかの実施形態では、内視鏡1525及び/又は内視鏡ツール1530は、例えば内視鏡1525及び/又は内視鏡ツール1530の遠位端に設置された1つ又は2つ以上のカメラを介して、1つ又は2つ以上のポリープの除去の視認及び支援に使用することができる。他の実施形態では、内視鏡1525及び/又は内視鏡ツール1530は、標的化を可能にするための位置特定及び/又は組織温存の腹腔鏡切除に使用することができる。
【0171】
図41に示す実施形態では、第2の組の4つのロボットアーム1515は、1つ又は2つ以上の剛性器具、例えば1つ又は2つ以上の腹腔鏡及び/又は腹腔鏡ツールを制御するために使用される。例えば、第2の組のロボットアーム1515のうちの1つは、患者の1503の腹部を視認するための腹腔鏡1535を制御し、一方で、第2の組のロボットアーム1515の他の3つは、腹腔鏡ツール1540を制御し、それぞれ、患者1503に配置された腹腔鏡ポート(図示せず)を通して送達される。腹腔鏡ツール1540としては、限定されるものではないが、組織全体の操作のための1つ又は2つ以上の様々な把持具、リトラクタ、及び/又は他のツール、電気外科エネルギーを送達することが可能である場合、又はそうでない場合がある切開及び切断ツール、例えばパドル鉗子、Maryland鉗子、はさみ、フックなど、並びにステープラ、容器シーラ、針ドライバ、及び自動縫合装置などの結紮及び縫合ツールを挙げることができる。いくつかの実施形態では、腹腔鏡1535及び/又は腹腔鏡ツール1540は、1つ又は2つ以上のポリープの除去を視認及び支援するために使用することができる。他の実施形態では、腹腔鏡1535及び/又は腹腔鏡ツール1540を使用して、結腸を再位置決めし、より良好な内視鏡切除を可能にすることができる。
【0172】
特定の実施形態では、ロボットアーム1510及び1515は、使用しないときに格納位置に配置される。例えば、CELS処置は、初期段階又は処置中に第1のロボットアーム1510によって制御される可撓性器具の使用によって開始し得る。いくつかの実施形態では、システムは、患者の自然開口部を介して可撓性器具を患者に導入し得る。システムは、自然開口部を通してロボットシステムの第1のロボットアームを使用して可撓性器具を操作することができる。
【0173】
純内視鏡切除が、病状(例えば、結腸ポリープ)を完全に処置することに成功しなかった場合、システムは、ユーザー入力装置を介して入力信号を受信して、第2のロボットアーム1515を展開し得る。入力信号を受信することに応答して、システムは、格納位置からセットアップ位置へとロボットシステムの第2のロボットアーム1515を展開し得る。追加のロボットアームの展開は、処置の段階的拡大(例えば、「2.B.処置の段階的拡大」セクションで説明する)の一部として行われ得る。
【0174】
次いで、システムは、患者に形成された切開部を通してロボットシステムの第2のロボットアーム1515を使用して剛性器具を操作し得る。システムはまた、CELS処置中に、可撓性器具及び剛性器具のうちの少なくとも1つからのフィードバックを表示することもできる。
【0175】
図42は、本開示の態様にかかる、シミュレーションした結腸直腸介入中に付随するシステムのビデオスクリーンから取り込まれた例示的な静止画像である。静止画像1600は、腹腔鏡からのライブ映像1605、並びにピクチャインピクチャビューでフォーマットされた内視鏡からのライブ映像1610を含む。腹腔鏡からのライブ映像1605は、患者の腹部からの結腸1615のビュー、並びにそれぞれが腹腔鏡ツールに取り付けられた一対の腹腔鏡エンドエフェクタ1620を示す。内視鏡からのライブ映像1610は、結腸の内部ビューを示す。
【0176】
有利には、操作者(例えば、医師、アシスタントなど)は、ビデオスクリーンに表示されるビュー、及び/又はビューが表示されるフォーマットを切り替えることができる。他の実施形態では、ビデオスクリーンに2つの異なるライブ映像1605及び1610を提供するのではなく、ユーザーは、ライブ映像1605及び1610のうちの1つをフリーズさせて静止画像にするための命令を提供することができ、一方で、他のライブ映像1605及び1610をライブにしたままにすることができる。他の実施形態では、2つの異なるライブ映像1605及び1610を提供するのではなく、ユーザーは、ディスプレイ画像のうちの1つを選択して、仮想ビュー(例えば、標的の解剖学的構造の術前撮像に基づいて生成することができる、標的の解剖学的構造の仮想表現)を提示することができ、一方、他の画像は、ライブ映像1605及び1610のうちの1つとすることができる。いくつかの実施形態では、仮想視野は、ロボットアーム及びマニピュレータの測定された関節及びエンコーダの位置に基づいた、内視鏡カメラ及び/又は器具、又は腹腔鏡カメラ及び/又は器具のビューを含むことができる。
図42の実施形態では、腹腔鏡からのライブ映像1605は、目立つように表示され、「一次」映像とみなすことができ、一方で、内視鏡からのライブ映像1610は、コーナー領域に表示され、「二次」とみなすことができる。ユーザーは、内視鏡からのライブ映像1610が一次ビューを含み、腹腔鏡からのライブ映像1605が二次ビューを含むように、一次ビュー及び二次ビューを切り替えることが可能であり得る。
【0177】
本明細書で説明する付随するシステムは、付随するCELSのためのいくつかの改善された方法及びワークフローを提供するために使用することができる。続くセクションは、付随するシステムによって可能にされるワークフローを使用して達成することができる利点及び改善点のいくつかを説明する。本明細書で説明するワークフローは、(例えば、処置のタイプ、患者などに基づいて)行われている特定のCELS処置に応じて、連続的及び/又は同時に行うことができる。
【0178】
A.患者の準備
本明細書で開示する付随するシステムを使用してCELS処置を行う前に、医師、臨床医、及び/又はアシスタントは、いくつかの術前準備処置を行い得る。1つのそのような処置は、患者の準備を含み得る。
【0179】
患者の準備は、手術を行う前に(例えば、切開部が形成される前に)、患者を準備することに関連する任意の工程を含むことができる。これは、例えば、臨床医、アシスタント、及び/又は医師が、患者の滅菌部位及び非滅菌部位を識別することを含むことができる。例えば、結腸介入の準備では、医師は、滅菌部位(例えば、腹腔鏡ポートが配置される患者の腹部の領域)、及び非滅菌部位(例えば、肛門)を識別することができ、滅菌ドレープを適用して、滅菌部位と非滅菌部位との間の滅菌境界を形成することができる。
【0180】
患者の準備を行うための方法は、本明細書で説明する付随するシステムを使用して大幅に改善することができる。
図43は、本開示の態様にかかる、CELS行うための例示的な患者準備処置を示すフローチャートである。例えば、
図43に示す方法1700の工程は、1人又は2人以上の医師、臨床医、及び/又はアシスタントによって行われ得る。
図43の方法1700の工程のいくつかは、医療用ロボットシステム(例えば、上で論じた、ロボット制御可能なシステム10、又はロボット医療システム200、300、400、1300、若しくは1500のうちの1つ)又は関連するシステムのプロセッサ及び/又は他の構成要素によって行うことができる。方法1700の特定の工程はまた、(例えば、
図29~
図32に示すような)入力装置を介して、例えば医師から受信されるコマンドに応答してシステムによって行われ得るか、又はユーザーからの介入を伴うことなく、システムによって自動的に行われ得る。
【0181】
図43を参照すると、方法1700は、ブロック1701において開始する。ブロック1705において、方法1700は、滅菌境界を確立することを含む。いくつかの実施形態では、システムのプロセッサを使用して、滅菌境界を画定及び識別することができる。ブロック1710において、方法1700は、プロセッサが、滅菌ゾーン及び非滅菌のゾーンを識別することを含む。いくつかの実施形態では、プロセッサはまた、滅菌ゾーンと非滅菌ゾーンとの間に移行ゾーンを識別することもできる。いくつかの実施形態では、視覚の境界を介して異なるゾーンを識別することができる。
【0182】
ブロック1715において、方法1700は、プロセッサが、第1のロボットアームを滅菌ゾーン内に維持すること、及び第2のロボットアームを非滅菌ゾーン内に維持することを含む。したがって、プロセッサは、ロボットアーム又は器具が、望ましくないゾーン(例えば、滅菌ゾーンから非滅菌ゾーンへと、又はその逆に)に入り込むことを防止し得る。いくつかの実施形態では、プロセッサは、滅菌ゾーン内に残ることができる「滅菌」ロボットアームとしての第1のロボットアーム、及び非滅菌のゾーン内に残ることができる「非滅菌」ロボットアームとしての第2のロボットアームを識別することができ、それによって、これらのロボットアームが望ましくない領域に入り込むことを防止する。いくつかの実施形態では、プロセッサは、第1のロボットアーム及び第2のロボットアームが、移行ゾーンに移動することを防止し得、それによって、ゾーン間にバッファを残す。いくつかの実施形態では、プロセッサは、視覚的キュー又は聴覚的キューを介して、ロボットアームが移行ゾーン又は非滅菌ゾーンに移動していることをユーザーに気付かせることができる。いくつかの実施形態では、プロセッサは、移行ゾーン又は非滅菌ゾーンに移動し続けることを確認するようにユーザーに指示し得る。方法1700は、ブロック1720において終了する。
【0183】
B.送気
CELS処置中には、患者の身体の1つ又は2つ以上の領域に送気を行うことが望ましい場合がある。例えば、腹部は、(例えば、腹部内に配置された1つ又は2つ以上のカニューレ/ポートを通して空気を圧送する管を介して)送気すること又は膨張させることができる。加えて、結腸は、(例えば、内視鏡の作業チャネルを通して圧送する管を介して)空気を送気すること又は膨張させることができる。結腸介入処置では、2つの送気領域の間の適切なバランスを維持することは困難であり得る。例えば、腹部の送気は、臓器(例えば、結腸など)の圧縮を生じさせることがあり、それによって、結腸を視覚化することを困難にする。2つの異なる領域の送気(ここでは、腹部及び結腸)は、しばしば互いに競合し得る。
【0184】
図44は、本開示の態様にかかる、CELSを行うための例示的な送気処置を示すフローチャートである。例えば、
図44に示す方法1800の工程は、1人又は2人以上の医師、臨床医、及び/又はアシスタントによって行われ得る。
図44の方法1800の工程のいくつかは、医療用ロボットシステム(例えば、上で論じた、ロボット制御可能なシステム10、又はロボット医療システム200、300、400、1300、若しくは1500のうちの1つ)又は関連するシステムのプロセッサ及び/又は他の構成要素によって行うことができる。方法1800の特定の工程はまた、(例えば、
図29~
図32に示すような)入力装置を介して、例えば医師から受信されるコマンドに応答してシステムによって行われ得るか、又はユーザーからの介入を伴うことなく、システムによって自動的に行われ得る。
【0185】
図44を参照すると、方法1800は、ブロック1801において開始する。ブロック1805において、プロセッサは、患者の第1の領域を通して可撓性器具を操作し、患者の第2の領域を通して剛性器具を操作する。いくつかの実施形態では、可撓性器具は、第1の開口部(例えば、患者の肛門などの自然開口部)を通して操作され、剛性器具は、第2の開口部(例えば、患者の腹部に形成され得る人口切開部を)を通して操作される。
【0186】
ブロック1810において、プロセッサは、患者の第1の領域及び患者の第2の領域のうちの少なくとも1つにおいて患者に送気し得る。いくつかの実施形態では、プロセッサは、患者の第1の領域及び患者の第2の領域の両方に送気し得る。
【0187】
ブロック1815において、プロセッサは、随意に、第1の領域の送気の測定に基づいて第2の領域の送気を調整し得、又はその逆であり得る。例えば、プロセッサは、2つの異なる領域の十分な送気が達成されたときを判定することができ、それによって、領域の間の送気の適切なバランスを作成する。いくつかの実施形態では、空気を患者に圧送するように構成された管の1つ又は2つ以上はまた、患者の対応する領域内の現在の送気の測定値を取るように構成された圧力センサも含み得る。したがって、プロセッサは、圧力センサからの測定値に基づいて、第1の領域及び第2の領域の各々における送気を決定することが可能であり得る。加えて、システムは、ライブ映像を有するビデオを含むことができるので、医師は、複数の領域のいずれかにおける膨張量をリアルタイムで増加させるようにCELSシステムに命令することができる。方法1800は、ブロック1820において終了する。
【0188】
上で説明した改善されたCELSシステムによって、有利には、送気機構及び技術を提案されたシステムに統合することが可能であり、それによって、患者全体の膨張管理を提供することをより容易にする。第1の臨床医が一方の領域(例えば、腹部)の膨張を管理しなければならない場合があり、別の臨床医が別の領域(例えば、結腸)の膨張を管理しなければならない場合がある、従来のCELS処置とは対照的に、説明する送気処置を使用することで、CELSシステムは、複数の患者領域における(例えば、腹部及び/又は結腸の両方における)送気量の動的なユーザー制御を可能にすることができ、それによって、内視鏡及び腹腔鏡の視覚化を向上させる。
【0189】
C.撮像
先に説明したように、可撓性器具及び剛性器具の1つ又は2つ以上からのフィードバックは、CELS処置中にビデオスクリーンに表示され得る。場合によっては、異なる解剖学的領域及び標的領域(例えば、癌部位)の内部画像は、ビデオスクリーンに表示された患者の解剖学的構造の他の部分と区別することが困難であり得る。これらの解剖学的領域及び標的領域を視認することは、視覚マーカ又は蛍光マーカの導入によって支援することができる。例えば、視覚マーカ又は蛍光マーカ(インジゴカルミン溶液、メチレンブルー、インドシアニングリーン、又は他の化合物など)を患者に注入して、より良好にレジオンを識別して特徴付けることができる。
【0190】
図45は、本開示の態様にかかる、CELSを行うための例示的な撮像処置を示すフローチャートである。例えば、
図45に示す方法1900の工程は、1人又は2人以上の医師、臨床医、及び/又はアシスタントによって行われ得る。
図45の方法1900の工程のいくつかは、医療用ロボットシステム(例えば、上で論じた、ロボット制御可能なシステム10、又はロボット医療システム200、300、400、1300、若しくは1500のうちの1つ)又は関連するシステムのプロセッサ及び/又は他の構成要素によって行うことができる。方法1900の特定の工程はまた、(例えば、
図29~
図32に示すような)入力装置を介して、例えば医師から受信したコマンドに応答してシステムによって行われ得るか、又はユーザーからの介入を伴うことなく、システムによって自動的に行われ得る。
【0191】
図45を参照すると、方法1900は、ブロック1901において開始する。ブロック1905において、プロセッサは、可撓性器具及び剛性器具のうちの1つを使用して、患者の標的領域にマーカを導入し得る。いくつかの実施形態では、マーカは、患者の静脈に送達される。マーカの例としては、視覚マーカ又は蛍光マーカ(例えば、インジゴカルミン溶液、メチレンブルー、インドシアニングリーン、又は他の化合物)が挙げられる。ブロック1910において、プロセッサは、可撓性器具及び剛性器具のうちの1つからの、標的領域を含むフィードバックをビデオスクリーンに表示し得る。したがって、医師は、ビデオスクリーンで表示された画像を介して標的領域を視認することが可能であり得る。方法1900は、ブロック1915において終了する。
【0192】
上で提供した改善されたCELSシステムは、異なる処置モダリティ(例えば、内視鏡モダリティ及び腹腔鏡モダリティ)の間で情報を通信及び転送する能力などの、いくつかの利益を提供することができる。例えば、一実施形態では、内視鏡を使用して、内視鏡及び腹腔鏡の1つ又は2つ以上からのライブビデオストリームを表示することによって、従来は腹腔鏡によってだけ視認され得た蛍光染色領域を視覚化することができ、逆もまた同じである。別の実施形態では、蛍光色素は、内視鏡及び腹腔鏡の両方が同じ染色領域を視認することができるように、静脈に送達することができる。したがって、改善されたCELSシステムは、内視鏡及び腹腔鏡の両方を使用して、蛍光染色した又はマーク付けした領域の視認をより容易にする。蛍光撮像の使用に加えて、システムは、狭帯域撮像を使用することができ、これはまた、病変を識別し、特徴付けるために、統合した内視鏡及び/又は腹腔鏡を有することによる利益を得ることもできる。
【0193】
D.ナビゲーション
本明細書で説明する付随するシステムを使用したナビゲーションは、患者の解剖学的構造を通して1つ又は2つ以上のスコープ及び/又は器具を駆動することを含み得る。可撓性内視鏡及びその関連する内視鏡器具は、本明細書で説明する付随するシステムを使用する新規な方法で駆動することができる。いくつかの実施形態では、可撓性器具は、例えば可撓性結腸鏡の、外側シースを通して駆動されるように構成されている。可撓性器具は、内部を通した外科用器具の送達を容易にするように構成された1つ又は2つ以上の作業チャネルを含むことができる。例えば、結腸直腸介入では、可撓性結腸鏡は、「マザー」器具として視認することができ、結腸鏡の作業チャネルを通る結腸鏡内の任意の器具は、従属する「ドーター」器具として視認することができ、このようなマザー器具及びドーター器具は、一緒にナビゲートすることができる。
【0194】
別の実施形態では、外側シースは、「マザー」及び結腸鏡として視認することができ、結腸鏡を通る任意の器具は、外側シースを通って進行する、従属する「ドーター」として視認することができる。換言すれば、改善されたCELSシステムは、細長い部材(例えば、外側シース、スコープ、及び作業器具)のナビゲーションを行うことを可能にする。
【0195】
E.可撓性器具及び剛性器具の統合
本明細書で説明する改善されたCELSシステムは、可撓性器具及び剛性器具の両方を一意的に統合する。システムは、本明細書で説明するように、両方のタイプの器具のナビゲーション及び制御を可能にし、それによって、そうした処置の段階的拡大を含む、新しい処置を可能にする。
【0196】
可撓性器具及び剛性器具の両方の制御を含む処置の1つの例では、可撓性器具(外側シース、内側シース、及び作業器具など)は、最初の試みにおいてロボットアームによって駆動して、標的の解剖学的構造の切除を行うことができる。初期試行に続いて、腹腔鏡ポート及び器具を所望に応じて提供して、所望に応じて切除を行い得る。いくつかの実施形態では、腹腔鏡ポートは、(例えば、12mmの腹腔鏡、8mmの器具、及び3mmほどの器具に適応するように)約3~14mmとすることができる。いくつかの実施形態では、標準の腹腔鏡ポートの代わりに、又はそれに加えて、より大きいハンドポート又はゲルポートを使用することができる。内視鏡及び腹腔鏡スコープ及びツールの両方を使用する場合、本明細書で説明する改善されたCELSシステムは、内視鏡及び腹腔鏡スコープ及びツールの各々の間で制御を切り替えることができ、それによって、ユーザーが、例えば1つ又は2つ以上のコントローラを使用して、両方を制御することを可能にする。
【0197】
有利には、いくつかの実施形態では、同じコントローラ(例えば、
図31に示す1つ又は2つ以上のハンドル815、又は
図32に示すペンダント820などの単一の入力装置)を使用して、内視鏡及び腹腔鏡スコープ及びツールの両方を制御することができる。単一の入力装置は、ジンバル又はゲームパッド型デバイス(例えば、ペンダント820)を備えた多重DOF(例えば、7-DOF)マスタコントローラ(例えば、
図30に示すマスタコントローラ810を参照されたい)を含む、任意のタイプのコントローラとすることができる。単一の入力装置を使用して、内視鏡、可撓性内視鏡器具、腹腔鏡、及び剛性腹腔鏡器具の制御を切り替えることができる。
【0198】
他の実施形態では、多数のコントローラを使用して、内視鏡及び腹腔鏡スコープ及びツールの両方を制御することができる。多数のコントローラを有する利点は、複数のユーザー(例えば、一組の医師)が、所望に応じてCELSシステムの異なる態様を同時に制御することを可能にすることである。加えて、多数のコントローラを有する別の利点は、当該コントローラを異なる場所に位置付けることができること、-例えば、1つのコントローラが外科医コンソールにあり得、別のコントローラがベッドサイドにあること-である。一実施形態では、一組のユーザーは、剛性器具及び可撓性器具を同期的に制御することができ、それによって、一方は、外科医コンソールの多重DOF(例えば、7-DOF)マスターから剛性器具を制御することができ、他方は、ベッドサイドのペンダントから可撓性器具を制御することができる。別の実施形態では、一組のユーザーは、同期的に剛性器具及び可撓性器具を制御することができ、それによって、一方は、1つのタイプのコントローラを使用して剛性器具を制御することができ、他方は、同じタイプのコントローラを使用して可撓性器具を制御することができる。
【0199】
しかしながら、他の実施形態では、単一のユーザーが、ペンダント及びマスタコントローラを介して剛性器具及び可撓性器具を制御するためのコマンドを入力し得る。例えば、単一のユーザーは、1つのタイプのコントローラを使用して剛性器具を制御するためのコマンドを入力し得、別のタイプのコントローラを使用して可撓性器具を制御するためのコマンドを入力し得る。これは、ユーザーが、システムの入力モードを変更するのではなく、コマンドを別個の装置に入力することによって、内視鏡器具及び腹腔鏡器具の制御を切り替えることを可能にし得る。
【0200】
F.UI/UX
従来のCELS処置では、1人又は2人以上の外科医は、内視鏡からの画像を第1のスクリーンで視認し、腹腔鏡からの画像を第2の別個のスクリーンで視認し得る。外科医は、しばしば、自分の頭部を前後に回して、内視鏡及び腹腔鏡とは異なるビューを分析する。
【0201】
本明細書で説明する改善されたCELSシステムは、単一のビデオパイプラインを通して、腹腔鏡及び内視鏡(例えば、結腸鏡)の一方又は両方からのライブビデオストリームの確立を可能にすることができる。これを可能にするために、システムは、内視鏡及び腹腔鏡から受信したビデオを画像出力経路に流す、2つの独立したビデオプロセッサを含み得る。画像出力経路は、タワーモニタ及び/又は手術室モニタに出力することができる。単一のCELSシステムを使用して、両方のビデオストリームを制御することで、ユーザーが、所与のモニタが腹腔鏡ビュー、内視鏡ビュー、又は両方(例えば、ピクチャインピクチャ又はサイドバイサイド)のどれを表示するべきかを決定することを可能にする。したがって、システムは、腹腔鏡及び内視鏡からのフィードバックをピクチャインピクチャビュー及び/又はサイドバイサイドビューで表示するように構成することができる。
【0202】
改善されたCELSシステムは、任意の接続された表示ユニット上で腹腔鏡ビューと内視鏡ビューとを切り替えるように構成することができ、それによって、表示ユニットは、タワーモニタ、手術室モニタ、医師コンソールディスプレイ、又は代替的な第三者のベッドサイド視覚化ユニットのいずれかとすることができる。いくつかの実施形態では、プロセッサは、内視鏡からのフィードバック及び腹腔鏡からのフィードバックのうちの1つを、一次ビューとして、及び他方を二次ビューと識別し得る。次いで、プロセッサは、ユーザーから受信された入力に基づいて、一次ビュー及び二次ビューを切り替えることができる。
【0203】
接続された表示ユニットのいずれかのビューを切り替えることは、(i)単一のモニタでフルスクリーンの腹腔鏡ビューと内視鏡ビューとを切り替えること、(ii)フルスクリーンの腹腔鏡ビュー又は内視鏡ビューとピクチャインピクチャ又はサイドバイサイド(又はこれらの任意の組み合わせ)を切り替えること、(iii)どのモニタがどのコンテンツを表示しているかを切り替えること(例えば、モニタAを腹腔鏡ビューから内視鏡ビューに切り替えること、及びモニタBを内視鏡ビューから腹腔鏡ビューに切り替えること、又はその逆)、を含むことができる。したがって、システムは、ビューの任意の組み合わせを各表示ユニットに独立して表示することを可能にし得る。
【0204】
G.例示的な利点及び改善点
ロボットアームを使用して内視鏡器具、腹腔鏡器具、又は両方を制御する、上述したシステムは、いくつかの利益をもたらす。1つの利益としては、一方又は両方のツールタイプ(可撓性/内視鏡及び剛性/腹腔鏡)のロボット制御を可能にすることが挙げられるが、これは、特定の処置を行うための多数の医師及び人員を有する必要性を低減させる。例えば、4人の医師のうちの4人目が器具を操作している間に3人が静止したままになるのではなく、ロボットアームが静的器具を静止したままに保持することができる。そのような場合、可撓性器具は、腹腔鏡器具、腹腔鏡器具、腹腔鏡、及び結腸鏡が静止したままである間に、ポリープをポリープスネアするように操作することができる。
【0205】
加えて、システムは、ロボットアームによって器具を制御することができ、器具シャフト及び先端の場所の運動及びセンサベースの決定を可能にする。この情報は、ユーザーが常に、ロボットアーム及び器具の場所及び位置のグラフィックスベースのレンダリングを見ることを可能にすることができる。これは、ロボット及び器具の3Dボリュームレンダリング、ロボット及び器具の2D線図、又は剛性腹腔鏡内から可撓性器具の(逆もまた同じである、
図36に示す)視覚オーバーレイを含むことができる。
【0206】
4.実装システム及び用語
本明細書に開示される実装形態は、付随する医療処置を行うためのシステム、方法、及び装置を提供する。
【0207】
本明細書で使用するとき、用語「連結する」、「連結している」、「連結された」、又は連結という単語の他の変形は、間接的接続又は直接的接続のいずれかを示し得ることに留意されたい。例えば、第1の構成要素が第2の構成要素に「連結される」場合、第1の構成要素は、別の構成要素を介して第2の構成要素に間接的に接続される、又は第2の構成要素に直接的に接続される、のいずれかであってもよい。
【0208】
本明細書で説明する付随する処置を行うためのシステム、方法、及びワークフローに関連する機能は、1つ又は2つ以上の命令としてプロセッサ可読媒体又はコンピュータ可読媒体に記憶され得る。用語「コンピュータ可読媒体」は、コンピュータ又はプロセッサによってアクセスすることができる任意の利用可能な媒体を指す。一例として、限定するものではないが、このような媒体は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み出し専用メモリ(ROM)、電気的消去可能プログラム可能読み出し専用メモリ(EEPROM)、フラッシュメモリ、コンパクトディスク読み出し専用メモリ(CD-ROM)、又は他の光ディスク記憶装置、磁気ディスク記憶装置、若しくは他の磁気記憶デバイス、又は命令若しくはデータ構造の形態で所望のプログラムコードを記憶するために使用することができ、コンピュータによってアクセスされ得る任意の他の媒体を含んでもよい。コンピュータ可読媒体は、有形であり、非一時的であってもよいことに留意されたい。本明細書で使用するとき、用語「コード」は、コンピューティング装置又はプロセッサによって実行可能であるソフトウェア、命令、コード、又はデータを指してもよい。
【0209】
本明細書に開示される方法は、記載される方法を達成するための1つ又は2つ以上のステップ又は行為を含む。方法ステップ及び/又は行為は、特許請求の範囲から逸脱することなく互いに交換されてもよい。換言すれば、記載されている方法の適切な動作のために特定の順序のステップ又は行為が必要とされない限り、特許請求の範囲から逸脱することなく、特定のステップ及び/又は行為の順序及び/又は使用を修正してもよい。
【0210】
本明細書で使用するとき、用語「複数」は、2つ以上を示す。例えば、複数の構成要素は、2つ以上の構成要素を示す。用語「判定する」は、多種多様な行為を包含し、したがって、「判定する」は、計算する、演算する、処理する、算出する、調査する、ルックアップする(例えば、テーブル、データベース又は別のデータ構造を見ること)、確認することなどを含むことができる。また、「判定する」は、受け取る(例えば、情報を受信すること)、アクセスする(例えば、メモリ内のデータにアクセスすること)などを含むことができる。また、「判定する」は、解決する、選択する、選出する、確立するなどを含むことができる。
【0211】
語句「基づく」は、別途明示的に指定されない限り、「のみに基づく」ことを意味しない。換言すれば、語句「基づく」は、「のみに基づく」及び「少なくとも基づく」の両方を記載する。
【0212】
開示される実装形態の前述の説明は、任意の当業者が本発明を製造すること、又は使用することを可能にするために提供される。これらの実装形態に対する様々な修正は、当業者には容易に明らかになり、かつ、本明細書で規定される一般的な原理は、本発明の範囲から逸脱することなく、他の実装形態に適用され得る。例えば、当業者であれば、締結、装着、連結、又は係合ツール構成要素の均等の方法、特定の作動運動を生み出すための均等の機構、及び電気エネルギーを送達するための均等の機構など、多くの対応する代替的かつ均等の構造的詳細を採用することができると理解されるであろう。したがって、本発明は、本明細書に示される実装形態に限定されることを意図するものではなく、本明細書に開示される原則及び新規な特徴と一致する最も広い範囲が与えられるものである。
【0213】
〔実施の態様〕
(1) ロボットシステムであって、
可撓性器具と、
剛性器具と、
前記可撓性器具を操作するように構成された第1のロボットアームと、
前記剛性器具を操作するように構成された第2のロボットアームと、
前記可撓性器具及び前記剛性器具からの視覚データを表示するように構成されたディスプレイと、を含む、ロボットシステム。
(2) 前記可撓性器具が、可撓性スコープを含み、
前記剛性器具が、剛性スコープを含み、
前記ディスプレイが、ビデオスクリーンを含み、
前記システムが、
少なくとも1つのプロセッサと、
少なくとも1つのコンピュータ可読メモリであって、前記少なくとも1つのプロセッサと通信し、前記1つ又は2つ以上のプロセッサに、
前記可撓性スコープから第1の視覚データを受信することと、
前記剛性スコープから第2の視覚データを受信することと、
前記第1の視覚データ及び前記第2の視覚データに基づいて信号を生成することと、
ビデオスクリーンに前記信号を送信することであって、前記信号が、前記ビデオスクリーンに、前記可撓性スコープ及び前記剛性スコープのうちの少なくとも1つからのビデオシーケンスをレンダリングさせるように構成されている、送信することと、を行わせるためのコンピュータ実行可能命令を記憶した、少なくとも1つのコンピュータ可読メモリと、を更に含む、実施態様1に記載のシステム。
(3) 前記ビデオスクリーンが、前記可撓性スコープ及び前記剛性スコープからの前記ビデオシーケンスをピクチャインピクチャビューでレンダリングするように更に構成されている、実施態様2に記載のシステム。
(4) 前記ビデオスクリーンが、前記可撓性スコープ及び前記剛性スコープからの前記ビデオシーケンスをサイドバイサイドビューで表示するように更に構成されている、実施態様2に記載のシステム。
(5) 前記可撓性スコープからの前記第1の視覚データが、一次ビューを含み、前記剛性スコープからの前記第2の視覚データが、二次ビューを含み、
前記ビデオスクリーンが、前記一次ビュー及び前記二次ビューのレンダリングを切り替えるように更に構成されている、実施態様2に記載のシステム。
【0214】
(6) 1つ又は2つ以上のプロセッサと、
前記1つ又は2つ以上のプロセッサと通信し、前記1つ又は2つ以上のプロセッサに滅菌ゾーン及び非滅菌ゾーンを識別させるためのコンピュータ実行可能命令を記憶した、少なくとも1つのコンピュータ可読メモリと、を更に含む、実施態様1に記載のシステム。
(7) 前記滅菌ゾーンと前記非滅菌ゾーンとの間に位置付けられたドレープを更に含む、実施態様6に記載のシステム。
(8) 前記コンピュータ実行可能命令が、前記1つ又は2つ以上のプロセッサに、
前記第1のロボットアーム又は前記第2のロボットアームのうちの一方を、前記滅菌ゾーン内に維持することと、
前記第1のロボットアーム及び前記第2のロボットアームのうちの他方を前記非滅菌ゾーン内に維持することと、を更に行わせる、実施態様6に記載のシステム。
(9) 前記コンピュータ実行可能命令が、前記1つ又は2つ以上のプロセッサに、
前記滅菌ゾーンと前記非滅菌ゾーンとの間の移行ゾーンを識別することと、
前記第1のロボットアーム及び前記第2のロボットアームが前記移行ゾーンに移動することを阻止することと、を更に行わせる、実施態様8に記載のシステム。
(10) 1つ又は2つ以上のプロセッサと、
少なくとも1つのコンピュータ可読メモリであって、前記1つ又は2つ以上のプロセッサと通信し、前記1つ又は2つ以上のプロセッサに、
患者の第1の領域を通して前記可撓性器具を操作することと、
前記患者の第2の領域を通して前記剛性器具を操作することと、を行わせるためのコンピュータ実行可能命令を記憶した、少なくとも1つのコンピュータ可読メモリと、を更に含む、実施態様1に記載のシステム。
【0215】
(11) 前記可撓性器具が、自然開口部を通して操作されるように構成され、前記剛性器具が、人工切開部を通して操作されるように構成されている、実施態様10に記載のシステム。
(12) 前記コンピュータ実行可能命令が、前記1つ又は2つ以上のプロセッサに、
前記患者の前記第1の領域及び前記患者の前記第2の領域での前記患者の送気を制御することを更に行わせる、実施態様10に記載のシステム。
(13) 前記コンピュータ実行可能命令が、前記1つ又は2つ以上のプロセッサに、
前記第1の領域の前記送気の測定に基づいて前記第2の領域の前記送気を調整することを更に行わせる、実施態様12に記載のシステム。
(14) ベッドと、
前記ベッドに連結された調整可能なアーム支持体と、を更に含み、
前記第1のロボットアーム及び前記第2のロボットアームが、前記調整可能なアーム支持体に位置付けられている、実施態様1に記載のシステム。
(15) 前記第1のロボットアームを使用して前記可撓性器具を操作するための入力を受信するように構成されたペンダントと、
前記第2のロボットアームを使用して前記剛性器具を操作するための入力を受信するように構成されたマスタコントローラと、を更に含む、実施態様1に記載のシステム。
【0216】
(16) 非一時的コンピュータ可読記憶媒体であって、実行されたときに、少なくとも1つのコンピューティングデバイスに、
ロボットシステムの第1のロボットアームを使用して可撓性器具を操作することと、
前記ロボットシステムの第2のロボットアームを使用して剛性器具を操作することと、
前記可撓性器具からのフィードバックを表示することと、
前記剛性器具からのフィードバックを表示することと、を行わせる命令を記憶した、非一時的コンピュータ可読記憶媒体。
(17) 外科的方法であって、
ロボットシステムの第1のロボットアームを使用して可撓性器具を操作することと、
前記ロボットシステムの第2のロボットアームを使用して剛性器具を操作することと、
前記可撓性器具からのフィードバックを表示することと、
前記剛性器具からのフィードバックを表示することと、を含む、外科的方法。
(18) 前記可撓性器具が、可撓性スコープを含み、
前記剛性器具が、剛性スコープを含み、
前記可撓性スコープからの前記フィードバック及び前記剛性スコープからの前記フィードバックのうちの少なくとも1つが、ビデオスクリーンに表示される、実施態様17に記載の方法。
(19) 前記可撓性スコープからの前記フィードバック及び前記剛性スコープからの前記フィードバックが、ピクチャインピクチャビューで表示される、実施態様18に記載の方法。
(20) 前記可撓性スコープからの前記フィードバック及び前記剛性スコープからの前記フィードバックが、サイドバイサイドビューで表示される、実施態様18に記載の方法。
【0217】
(21) 前記可撓性スコープ及び前記剛性スコープからの前記フィードバックの一方が、一次ビューを含み、前記可撓性スコープ及び前記剛性スコープからの前記フィードバックの他方が、二次ビューを含む、実施態様18に記載の方法。
(22) 前記可撓性スコープからの前記フィードバックが前記一次ビューを含み、前記剛性スコープからの前記フィードバックが前記二次ビューを含むように、前記一次ビューと前記二次ビューとを切り替えることを更に含む、実施態様21に記載の方法。
(23) 滅菌ゾーン及び非滅菌ゾーンを識別することを更に含む、実施態様17に記載の方法。
(24) 前記滅菌ゾーンと前記非滅菌ゾーンとの間にドレープが位置付けられている、実施態様23に記載の方法。
(25) 前記第1のロボットアーム又は前記第2のロボットアームのうちの一方を前記滅菌ゾーン内に維持することと、
前記第1のロボットアーム及び前記第2のロボットアームのうちの他方を前記非滅菌ゾーン内に維持することと、を更に含む、実施態様23に記載の方法。
【0218】
(26) 前記滅菌ゾーンと前記非滅菌ゾーンとの間の移行ゾーンを識別することを更に含む、実施態様25に記載の方法。
(27) 前記第1のロボットアーム及び前記第2のロボットアームが前記移行ゾーンに移動することを阻止することを更に含む、実施態様26に記載の方法。
(28) 前記可撓性器具が、患者の第1の領域を通して操作され、前記剛性器具が、前記患者の第2の領域を通して操作される、実施態様17に記載の方法。
(29) 前記可撓性器具が、第1の開口部を通して操作され、前記剛性器具が、第2の開口部を通して操作される、実施態様28に記載の方法。
(30) 前記第1の開口部が、自然開口部を含み、前記第2の開口部が、人工切開部を含む、実施態様29に記載の方法。
【0219】
(31) 前記自然開口部が、前記患者の肛門を含み、前記人工切開部が、前記患者の腹部に形成される、実施態様30に記載の方法。
(32) 前記患者の前記第1の領域及び前記患者の前記第2の領域のうちの1つにおいて前記患者に送気することを更に含む、実施態様28に記載の方法。
(33) 前記患者の前記第1の領域及び前記患者の前記第2の領域の両方に送気することを更に含む、実施態様32に記載の方法。
(34) 前記第1の領域の前記送気の測定に基づいて、前記第2の領域の前記送気を調整することを更に含む、実施態様33に記載の方法。
(35) 前記第1のロボットアーム及び前記第2のロボットアームが、調整可能なアーム支持体に位置付けられている、実施態様17に記載の方法。
【0220】
(36) 前記調整可能なアーム支持体が、ベッドに連結されている、実施態様35に記載の方法。
(37) 前記ベッドが、一対の調整可能なアーム支持体を含み、前記一対の調整可能なアーム支持体の各々が、そこに取り付けられた1つ又は2つ以上のロボットアームを有する、実施態様36に記載の方法。
(38) 前記可撓性器具が、外側シースを通して駆動されるように構成されている、実施態様17に記載の方法。
(39) 前記可撓性器具が、内部を通した外科用器具の送達を容易にするように構成された、1つ又は2つ以上の作業チャネルを含む、実施態様38に記載の方法。
(40) 前記外科用器具が、ポリープスネアを含む、実施態様39に記載の方法。
【0221】
(41) 前記可撓性器具及び前記剛性器具のうちの1つを使用して、マーカを前記患者の標的領域の中へ導入することを更に含む、実施態様17に記載の方法。
(42) 前記マーカが、前記患者の静脈に送達される、実施態様41に記載の方法。
(43) 前記第1のロボットアームを使用して前記可撓性器具を操作することが、ペンダントを介して受信される入力に応じて行われ、
前記第2のロボットアームを使用して前記剛性器具を操作することが、マスタコントローラを介して受信される入力に応じて行われる、実施態様17に記載の方法。
(44) 前記ペンダントを介して受信される前記入力及び前記マスタコントローラを介して受信される前記入力が、単一のユーザーから受信される、実施態様43に記載の方法。
(45) 前記第1のロボットアームを使用して前記可撓性器具を操作することが、マスタコントローラを介して受信される入力に応じて行われ、
前記第2のロボットアームを使用して前記剛性器具を操作することが、前記マスタコントローラを介して受信される入力に応じて行われる、実施態様17に記載の方法。
【0222】
(46) 前記可撓性器具及び前記剛性器具を使用して、組み合わせた内視鏡及び腹腔鏡手術(CELS)処置を行うことを更に含む、実施態様17に記載の方法。
(47) 前記CELS処置が、患者への結腸直腸介入を行うことを含む、実施態様46に記載の方法。
(48) 外科的方法であって、
ロボットシステムの第1のロボットアームを使用して可撓性器具を操作することと、
前記ロボットシステムの第2のロボットアームを使用して剛性器具を操作することと、
前記可撓性器具からの第1のフィードバックを一次ビューとしてビュースクリーンに表示することと、
前記剛性器具からの第2のフィードバックを二次ビューとして同じビュースクリーンに表示することと、を含む、外科的方法。
(49) 前記可撓性器具が、可撓性スコープを含み、
前記剛性器具が、剛性スコープを含み、
前記可撓性スコープからの前記第1のフィードバック及び前記剛性スコープからの前記第2のフィードバックが、ピクチャインピクチャビューで表示される、実施態様48に記載の方法。
(50) 前記可撓性器具が、可撓性スコープを含み、
前記剛性器具が、剛性スコープを含み、
前記可撓性スコープからの前記第1のフィードバック及び前記剛性スコープからの前記第2のフィードバックが、サイドバイサイドビューで表示される、実施態様48に記載の方法。
【0223】
(51) 前記第1のフィードバック及び前記第2のフィードバックのうちの一方が、一次ビューを含み、前記第1のフィードバック及び前記第2のフィードバックのうちの他方が、二次ビューを含む、実施態様48に記載の方法。
(52) 前記一次ビュー及び前記二次ビューを切り替えることを更に含む、実施態様51に記載の方法。
(53) 滅菌ゾーン及び非滅菌ゾーンを識別することを更に含む、実施態様48に記載の方法。
(54) 前記第1のロボットアーム又は前記第2のロボットアームのうちの一方を前記滅菌ゾーン内に維持することと、
前記第1のロボットアーム及び前記第2のロボットアームのうちの他方を前記非滅菌ゾーン内に維持することと、を更に含む、実施態様53に記載の方法。
(55) 前記滅菌ゾーンと前記非滅菌ゾーンとの間の移行ゾーンを識別することを更に含む、実施態様54に記載の方法。
【0224】
(56) 前記第1のロボットアーム及び前記第2のロボットアームが前記移行ゾーンに移動することを阻止することを更に含む、実施態様55に記載の方法。
(57) 前記可撓性器具が、患者の第1の領域を通して操作され、前記剛性器具が、前記患者の第2の領域を通して操作される、実施態様48に記載の方法。
(58) 前記可撓性器具が、第1の開口部を通して操作され、前記剛性器具が、第2の開口部を通して操作される、実施態様57に記載の方法。
(59) 前記第1の開口部が、自然開口部を含み、前記第2の開口部が、人工切開部を含む、実施態様58に記載の方法。
(60) 前記自然開口部が、前記患者の肛門を含み、前記人工切開部が、前記患者の腹部に形成される、実施態様59に記載の方法。
【0225】
(61) 前記患者の前記第1の領域及び前記患者の前記第2の領域のうちの1つにおいて前記患者に送気することを更に含む、実施態様57に記載の方法。
(62) 前記患者の前記第1の領域及び前記患者の前記第2の領域の両方に送気することを更に含む、実施態様61に記載の方法。
(63) 前記第1の領域の前記送気の測定に基づいて、前記第2の領域の前記送気を調整することを更に含む、実施態様62に記載の方法。
(64) 前記可撓性器具及び前記剛性器具のうちの1つを使用して、マーカを前記患者の標的領域の中へ導入することを更に含む、実施態様48に記載の方法。
(65) 前記マーカが、前記患者の静脈に送達される、実施態様64に記載の方法。
【0226】
(66) 前記第1のロボットアームを使用して前記可撓性器具を操作することが、ペンダントを介して受信される入力に応じて行われ、
前記第2のロボットアームを使用して前記剛性器具を操作することが、マスタコントローラを介して受信される入力に応じて行われる、実施態様48に記載の方法。
(67) 前記ペンダントを介して受信される前記入力及び前記マスタコントローラを介して受信される前記入力が、単一のユーザーから受信される、実施態様66に記載の方法。
(68) 前記第1のロボットアームを使用して前記可撓性器具を操作することが、マスタコントローラを介して受信される入力に応じて行われ、
前記第2のロボットアームを使用して前記剛性器具を操作することが、前記マスタコントローラを介して受信される入力に応じて行われる、実施態様48に記載の方法。
(69) 前記可撓性器具及び前記剛性器具を使用して、組み合わせた内視鏡及び腹腔鏡手術(CELS)処置を行うことを更に含む、実施態様48に記載の方法。
(70) 前記CELS処置が、患者への結腸直腸介入を行うことを含む、実施態様69に記載の方法。
【0227】
(71) 外科的方法であって、
患者の自然開口部を通してロボットシステムの第1のロボットアームを使用して可撓性器具を操作することと、
前記患者に形成された切開部を通して前記ロボットシステムの第2のロボットアームを使用して剛性器具を操作することと、
前記可撓性器具及び前記剛性器具からのフィードバック情報を表示することと、を含む、外科的方法。
(72) 前記可撓性器具が、可撓性スコープを含み、
前記剛性器具が、剛性スコープを含み、
前記可撓性スコープ及び前記剛性スコープからの前記フィードバック情報が、ビデオスクリーンに表示される、実施態様71に記載の方法。
(73) 前記可撓性スコープからの第1のフィードバック及び前記剛性スコープからの第2のフィードバックが、ピクチャインピクチャビューで表示される、実施態様72に記載の方法。
(74) 前記可撓性スコープからの第1のフィードバック及び前記剛性スコープからの第2のフィードバックが、サイドバイサイドビューで表示される、実施態様72に記載の方法。
(75) 前記第1のフィードバック及び前記第2のフィードバックのうちの一方が、一次ビューを含み、前記第1のフィードバック及び前記第2のフィードバックのうちの他方が、二次ビューを含む、実施態様71に記載の方法。
【0228】
(76) 前記一次ビュー及び前記二次ビューを切り替えることを更に含む、実施態様75に記載の方法。
(77) 滅菌ゾーン及び非滅菌ゾーンを識別することを更に含む、実施態様71に記載の方法。
(78) 前記第1のロボットアーム又は前記第2のロボットアームのうちの一方を前記滅菌ゾーン内に維持することと、
前記第1のロボットアーム及び前記第2のロボットアームのうちの他方を前記非滅菌ゾーン内に維持することと、を更に含む、実施態様77に記載の方法。
(79) 前記滅菌ゾーンと前記非滅菌ゾーンとの間の移行ゾーンを識別することを更に含む、実施態様78に記載の方法。
(80) 前記第1のロボットアーム及び前記第2のロボットアームが前記移行ゾーンに移動することを阻止することを更に含む、実施態様79に記載の方法。
【0229】
(81) 前記自然開口部が、前記患者の肛門を含み、前記切開部が、前記患者の腹部に形成される、実施態様71に記載の方法。
(82) 前記可撓性器具が、患者の第1の領域を通して操作され、前記剛性器具が、前記患者の第2の領域を通して操作される、実施態様71に記載の方法。
(83) 前記患者の前記第1の領域及び前記患者の前記第2の領域のうちの1つにおいて前記患者に送気することを更に含む、実施態様82に記載の方法。
(84) 前記患者の前記第1の領域及び前記患者の前記第2の領域の両方に送気することを更に含む、実施態様83に記載の方法。
(85) 前記第1の領域の前記送気の測定に基づいて、前記第2の領域の前記送気を調整することを更に含む、実施態様84に記載の方法。
【0230】
(86) 前記可撓性器具及び前記剛性器具のうちの1つを使用して、マーカを前記患者の標的領域の中へ導入することを更に含む、実施態様71に記載の方法。
(87) 前記マーカが、前記患者の静脈に送達される、実施態様86に記載の方法。
(88) 前記第1のロボットアームを使用して前記可撓性器具を操作することが、ペンダントを介して受信される入力に応じて行われ、
前記第2のロボットアームを使用して前記剛性器具を操作することが、マスタコントローラを介して受信される入力に応じて行われる、実施態様71に記載の方法。
(89) 前記ペンダントを介して受信される前記入力及び前記マスタコントローラを介して受信される前記入力が、単一のユーザーから受信される、実施態様88に記載の方法。
(90) 前記第1のロボットアームを使用して前記可撓性器具を操作することが、マスタコントローラを介して受信される入力に応じて行われ、
前記第2のロボットアームを使用して前記剛性器具を操作することが、前記マスタコントローラを介して受信される入力に応じて行われる、実施態様71に記載の方法。
【0231】
(91) 前記可撓性器具及び前記剛性器具を使用して、組み合わせた内視鏡及び腹腔鏡手術(CELS)処置を行うことを更に含む、実施態様71に記載の方法。
(92) 外科的方法であって、
患者の自然開口部を介して前記患者に可撓性器具を導入することと、
前記自然開口部を通してロボットシステムの第1のロボットアームを使用して前記可撓性器具を操作することと、
ユーザー入力装置を介して入力信号を受信することに応答して、格納位置からセットアップ位置へと前記ロボットシステムの第2のロボットアームを展開することと、
前記患者に形成された切開部を通して前記ロボットシステムの前記第2のロボットアームを使用して剛性器具を操作することと、
前記可撓性器具及び前記剛性器具のうちの少なくとも1つからのフィードバックを表示することと、を含む、外科的方法。
(93) 前記ユーザー入力装置が、マスタコントローラ及びペンダントのうちの少なくとも1つを含む、実施態様92に記載の方法。
【国際調査報告】