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特表2022-527910A2A受容体アンタゴニストの塩形態、結晶形態及びその製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-07
(54)【発明の名称】A2A受容体アンタゴニストの塩形態、結晶形態及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   C07D 519/00 20060101AFI20220531BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20220531BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20220531BHJP
   A61K 31/4985 20060101ALI20220531BHJP
【FI】
C07D519/00 311
C07D519/00 CSP
A61P35/00
A61P43/00 111
A61K31/4985
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021557448
(86)(22)【出願日】2020-03-27
(85)【翻訳文提出日】2021-10-28
(86)【国際出願番号】 CN2020081704
(87)【国際公開番号】W WO2020192762
(87)【国際公開日】2020-10-01
(31)【優先権主張番号】201910244468.8
(32)【優先日】2019-03-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TWEEN
(71)【出願人】
【識別番号】519250338
【氏名又は名称】シーストーン・ファーマスーティカルズ・(スージョウ)・カンパニー・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】CSTONE PHARMACEUTICALS (SUZHOU) CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】BUILDING A1 E168, 218 XINGHU ST., SUZHOU INDUSTRIAL PARK, SUZHOU, JIANGSU 215123, CHINA
(71)【出願人】
【識別番号】519250349
【氏名又は名称】シーストーン・ファーマスーティカルズ・(シャンハイ)・カンパニー・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】CSTONE PHARMACEUTICALS (SHANGHAI) CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】ROOM 211‐20, 2F, BUILDING 1, 38 DEBAO ROAD, SHANGHAI PILOT FREE TRADE ZONE, SHANGHAI 200000, CHINA
(71)【出願人】
【識別番号】519250350
【氏名又は名称】シーストーン・ファーマスーティカルズ
【氏名又は名称原語表記】CSTONE PHARMACEUTICALS
【住所又は居所原語表記】P.O. BOX 31119, GRAND PAVILION, HIBISCUS WAY, 802 WEST BAY ROAD, GRAND CAYMAN KY 1‐1205, CAYMAN ISLANDS, UNITED KINGDOM
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】特許業務法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】▲陳▼ 新▲海▼
(72)【発明者】
【氏名】周 ▲凱▼
(72)【発明者】
【氏名】于 衍新
(72)【発明者】
【氏名】胡 伯羽
(72)【発明者】
【氏名】▲張▼ ▲リ▼
(72)【発明者】
【氏名】▲陳▼ 兆国
【テーマコード(参考)】
4C072
4C086
【Fターム(参考)】
4C072MM02
4C072UU01
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086CB09
4C086GA15
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA14
4C086ZC37
4C086ZC41
(57)【要約】
アデノシンA2A受容体アンタゴニストの塩形態、結晶形態及びその製造方法を提供し、更に、A2A受容体に関連する疾患の医薬の製造における前記塩形態又は結晶形態の使用を含み、前記塩形態におけるマレイン酸は式(I)で表わされる構造を有する。
【化1】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)で表される化合物。
【化1】
【請求項2】
粉末X線回折スペクトルが以下の2θ角:7.16±0.2°、9.66±0.2°、19.66±0.2°において特徴的な回折ピークを有することを特徴とする、式(I)で表される化合物のA結晶形。
【請求項3】
粉末X線回折スペクトルは以下の2θ角:7.16±0.2°、9.66±0.2°、13.59±0.2°、14.30±0.2°、15.87±0.2°、17.73±0.2°、19.66±0.2°、20.88±0.2°において特徴的な回折ピークを有する、請求項2に記載の式(I)で表される化合物のA結晶形。
【請求項4】
粉末X線回折スペクトルは以下の2θ角:7.16±0.2°、9.66±0.2°、13.59±0.2°,14.30±0.2°、15.87±0.2°、17.73±0.2°、19.66±0.2°、20.88±0.2°、26.01±0.2°、26.76±0.2°、27.21±0.2°において特徴的な回折ピークを有する、請求項3に記載の式(I)で表される化合物のA結晶形。
【請求項5】
XRPDスペクトルは図1に示された通りである、請求項4に記載の式(I)で表される化合物のA結晶形。
【請求項6】
示差走査熱量曲線は205.67±3℃において吸熱ピークの開始点を有することを特徴とする、請求項2~5のいずれか1項に記載の式(I)で表される化合物のA結晶形。
【請求項7】
DSCスペクトルは図2に示された通りであることを特徴とする、請求項6に記載の式(I)で表される化合物のA結晶形。
【請求項8】
熱重量分析曲線は120.00℃±3℃の際に重量が0.1846%減少する、請求項2~5のいずれか1項に記載の式(I)で表される化合物のA結晶形。
【請求項9】
TGAスペクトルは図3に示された通りである、請求項8に記載の式(I)で表される化合物のA結晶形。
【請求項10】
2A受容体に関連する疾患を治療する医薬の製造における請求項1に記載の式(I)で表される化合物、及び請求項2~9のいずれか1項に記載の式(I)で表される化合物のA結晶形の使用。
【請求項11】
粉末X線回折スペクトルが以下の2θ角:12.84±0.2°、15.84±0.2°、23.55±0.2°において特徴的な回折ピークを有することを特徴とする、式(II)で表される化合物のB結晶形。
【化2】
(ここで、nは0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9及び2.0から選択される。)
【請求項12】
粉末X線回折スペクトルは以下の2θ角:6.43±0.2°、11.22±0.2°、12.84±0.2°、15.84±0.2°、19.78±0.2°、21.61±0.2°、23.55±0.2°、27.02±0.2°において特徴的な回折ピークを有することを特徴とする、請求項11に記載の式(II)で表される化合物のB結晶形。
【請求項13】
粉末X線回折スペクトルは以下の2θ角:6.43±0.2°、11.22±0.2°、12.41±0.2°、12.84±0.2°、15.84±0.2°、16.36±0.2°、19.27±0.2°、19.78±0.2°、21.61±0.2°、23.55±0.2°、27.02±0.2°、28.62±0.2°において特徴的な回折ピークを有することを特徴とする、請求項12に記載の式(II)で表される化合物のB結晶形。
【請求項14】
XRPDスペクトルは図4に示された通りである、請求項13に記載の式(II)で表される化合物のB結晶形。
【請求項15】
示差走査熱量曲線は256.37±3℃において吸熱ピークの開始点を有する、請求項11~14のいずれか1項に記載の式(II)で表される化合物のB結晶形。
【請求項16】
DSCスペクトルは図5に示された通りである、請求項15に記載の式(II)で表される化合物のB結晶形。
【請求項17】
熱重量分析曲線は159.53℃±3℃の際に重量が0.8860%減少する、請求項11~14のいずれか1項に記載の式(II)で表される化合物のB結晶形。
【請求項18】
TGAスペクトルは図6に示された通りである、請求項17に記載の式(II)で表される化合物のB結晶形。
【請求項19】
粉末X線回折スペクトルが以下の2θ角:8.89±0.2°、14.10±0.2°、15.56±0.2°、15.99±0.2°、16.48±0.2°、17.49±0.2°、20.23±0.2°、21.63±0.2°、23.47±0.2°、24.51±0.2°、26.33±0.2°、28.18±0.2°において特徴的な回折ピークを有することを特徴とする、式(III)で表される化合物のC結晶形。
【化3】
【請求項20】
XRPDスペクトルは図7に示された通りである、請求項19に記載の式(III)で表される化合物のC結晶形。
【請求項21】
粉末X線回折スペクトルが以下の2θ角:4.433±0.2°、12.38±0.2°、13.31±0.2°、16.66±0.2°、17.08±0.2°、17.75±0.2°、18.65±0.2°、22.58±0.2°、23.63±0.2°、24.95±0.2°、25.40±0.2°、26.80±0.2°、27.65±0.2°において特徴的な回折ピークを有することを特徴とする、式(IV)で表される化合物のD結晶形。
【化4】
【請求項22】
XRPDスペクトルは図10に示された通りである、請求項21に記載の式(IV)で表される化合物のD結晶形。
【請求項23】
2A受容体に関連する疾患を治療する医薬の製造における、請求項11~18のいずれか1項に記載の式(II)で表される化合物のB結晶形、請求項19~20のいずれか1項に記載の式(III)で表される化合物のC結晶形、及び請求項21~22のいずれか1項に記載の式(IV)で表される化合物のD結晶形の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は以下の優先権を主張する。
CN201910244468.8、出願日は2019年03月28日である。
【0002】
(技術分野)
本発明はアデノシンA2A受容体アンタゴニストの塩形態、結晶形態及びその製造方法に関し、更に、A2A受容体に関連する疾患の医薬の製造における前記塩形態及び結晶形態の使用を含む。
【背景技術】
【0003】
アデノシンA2A受容体は、ヒトの組織に広く分布しており、脾臓、胸腺、白血球、血小板、GABA型ニューロン及び嗅球等の組織と臓器の中で高い発現性がある。同時に、心臓、肺、血管及び脳などの他の部分でも発現される。アデノシンA2A受容体は一般的にほかのGPCRと共存し、互いに結合してヘテロダイマーを形成し、例えば、A2A受容体はドーパミンD、カンナビノイドCB、及びグルタミン酸mGluR5等とヘテロダイマーを形成することができる。アデノシンA2A受容体は、血管拡張の調節、新しい血管の形成のサポート、及び炎症による損傷からの身体の組織の保護等、生体活動において重要な役に立ち、アデノシンA2A受容体は、脳基底核の間接経路の活性程度にも影響する。
【0004】
固形腫瘍では、細胞組織の分解及び酸欠によって大量のATPが分解され、細胞外のアデノシンの濃縮をもたらし、その濃度は異常に高く、通常の10~数百倍である。高濃度のアデノシンとA2A受容体の結合は、アデノシンシグナル伝達経路を活性化する。当該のシグナル伝達経路は、生体組織が損傷した場合に、免疫抑制を通じて組織を保護する機序である。アデノシンシグナル伝達経路の活性化は、先天性免疫応答に対する長期的な阻害を引き起こし、この長期的な阻害は、免疫寛容をもたらし、更に悪性腫瘍の制御されない成長を引き起こし、白血球(例えば、リンパ球、Tリンパ球、ナチュラルキラー細胞、樹状細胞など)の中でのアデノシンとA2A受容体を結合させ、これらの白血球の免疫システムに持つべきエフェクター機能を阻害する。アデノシンとA2A受容体の結合は、CD39、CD73、及びCTLA4(T細胞チェックポイント)の発現性を増加させ、より強い免疫抑制活性のあるTreg細胞の数を増やす。A2A受容体のアデノシンシグナル伝達経路を阻害すると、免疫システムへの抑制効果を低減させ、T細胞の免疫機能を強化させることができるため、腫瘍の成長を阻害することができる有望な負のフィードバック機序であると考えられる。
【0005】
モノクローナル抗体CS1003はPD-1に対する完全長、完全ヒト化免疫グロブリンG4(IgG4)モノクローナル抗体である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明はアデノシンA2A受容体アンタゴニストの塩形態、結晶形態及びその製造方法、更に、A2A受容体に関連する疾患の医薬の製造における前記塩形態及び結晶形態の使用を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は式(I)で表される化合物を提供する。
【化1】
【0008】
本発明は、更に、粉末X線回折スペクトルが以下の2θ角:7.16±0.2°、9.66±0.2°、19.66±0.2°において特徴的な回折ピークを有することを特徴とする、式(I)で表される化合物のA結晶形を提供する。
【0009】
本発明の幾つかの実施の態様において、前記A結晶形の粉末X線回折スペクトルは以下の2θ角:7.16±0.2°、9.66±0.2°、13.59±0.2°、14.30±0.2°、15.87±0.2°、17.73±0.2°、19.66±0.2°、20.88±0.2°において特徴的な回折ピークを有する。
【0010】
本発明の幾つかの実施の態様において、前記A結晶形の粉末X線回折スペクトルは以下の2θ角:7.16±0.2°、9.66±0.2°、13.59±0.2°,14.30±0.2°、15.87±0.2°、17.73±0.2°、19.66±0.2°、20.88±0.2°、26.01±0.2°、26.76±0.2°、27.21±0.2°において特徴的な回折ピークを有する。
【0011】
本発明の幾つかの実施の態様において、前記A結晶形のXRPDスペクトルは図1に示された通りである。
【0012】
本発明の幾つかの実施の態様において、前記A結晶形のXRPDスペクトル解析データは表1に示された通りである。
【0013】
【表1】
【0014】
本発明の幾つかの実施の態様において、前記A結晶形の示差走査熱量曲線は205.67±3℃において吸熱ピークを有する。
【0015】
本発明の幾つかの実施の態様において、前記A結晶形のDSCスペクトルは図2に示された通りである。
【0016】
本発明の幾つかの実施の態様において、前記A結晶形の熱重量分析曲線は120.00°C±3℃の際に重量が0.1846%減少する。
【0017】
本発明の幾つかの実施の態様において、前記A結晶形の熱重量分析曲線は120.00°C±3℃際に重量が0.1846%±0.2%減少する。
【0018】
本発明の幾つかの実施の態様において、前記A結晶形のTGAスペクトルが図3に示された通りである。
【0019】
本発明は、更に、式(I)で表される化合物のA結晶形の製造方法を提供し、それは以下の方法を含み、
(a)式(I)で表される化合物を溶媒の中に添加し、
(b)30~50℃で40~55時間攪拌し、
(c)遠心分離した固体は式(I)で表される化合物のA結晶形であり、
ここで、前記溶媒はアルコール系、アセトニトリル、アセトン、酢酸エチル、tert-ブチルメチルエーテル、水、テトラヒドロフラン、アルコール系と水の混合溶媒及びアセトニトリルと水の混合溶媒である。
【0020】
本発明の幾つかの実施の態様において、前記アルコール系はメタノール、エタノール、イソプロパノール及びn-プロパノールであり、他の変数は、本発明で定義された通りである。
【0021】
本発明の幾つかの実施の態様において、前記アルコール系と水の混合溶媒であり、アルコール系と水の体積比は1:1であり、他の変数は、本発明で定義された通りである。
本発明の幾つかの実施の態様において、前記アセトニトリルと水の混合溶媒であり、アセトニトリルと水の体積比は1:1であり、他の変数は、本発明で定義された通りである。
本発明は、更にA2A受容体に関連する疾患を治療する医薬の製造における前記化合物又はA結晶形、或いは前記製造方法で得られたA結晶形の使用を提供する。
【0022】
本発明は、更に、粉末X線回折スペクトルが以下の2θ角:12.84±0.2°、15.84±0.2°、23.55±0.2°において特徴的な回折ピークを有することを特徴とする、式(II)で表される化合物のB結晶形を提供する。
【化2】
ここで、nは0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9及び2.0から選択される。
【0023】
本発明の幾つかの実施の態様において、前記nは0.7及び1から選択され、好ましくは1である。
【0024】
本発明の幾つかの実施の態様において、前記B結晶形の粉末X線回折スペクトルは以下の2θ角:6.43±0.2°、11.22±0.2°、12.84±0.2°、15.84±0.2°、19.78±0.2°、21.61±0.2°、23.55±0.2°、27.02±0.2°において特徴的な回折ピークを有する。
【0025】
本発明の幾つかの実施の態様において、前記B結晶形の粉末X線回折スペクトルは以下の2θ角:6.43±0.2°、11.22±0.2°、12.41±0.2°、12.84±0.2°、15.84±0.2°、16.36±0.2°、19.27±0.2°、19.78±0.2°、21.61±0.2°、23.55±0.2°、27.02±0.2°、28.62±0.2°において特徴的な回折ピークを有する。
【0026】
本発明の幾つかの実施の態様において、前記B結晶形のXRPDスペクトルは図4に示された通りである。
【0027】
本発明の幾つかの実施の態様において、前記B結晶形のXRPDスペクトルの解析データは表2に示された通りである。
【0028】
【表2】
【0029】
本発明の幾つかの実施の態様において、前記B結晶形の示差走査熱量曲線は256.37±3℃において吸熱ピークの開始点を有する。
【0030】
本発明の幾つかの実施の態様において、前記B結晶形のDSCスペクトルは図5に示された通りである。
【0031】
本発明の幾つかの実施の態様において、前記B結晶形の熱重量分析曲線は159.53°C±3℃の際に重量が0.8860%減少する。
【0032】
本発明の幾つかの実施の態様において、前記B結晶形のTGAスペクトルは図6に示された通りである。
【0033】
本発明は、更に、粉末X線回折スペクトルが以下の2θ角:15.56±0.2°、20.23±0.2°、24.51±0.2°において特徴的な回折ピークを有することを特徴とする、式(III)で表される化合物のC結晶形を提供する。
【化3】
【0034】
本発明の幾つかの実施の態様において、前記C結晶形の粉末X線回折スペクトルは以下の2θ角:8.89±0.2°、15.56±0.2°、15.99±0.2°、20.23±0.2°、21.63±0.2°、23.47±0.2°、24.51±0.2°、28.18±0.2°において特徴的な回折ピークを有する。
【0035】
本発明の幾つかの実施の態様において、前記C結晶形の粉末X線回折スペクトルは以下の2θ角:8.89±0.2°、14.10±0.2°、15.56±0.2°、15.99±0.2°、16.48±0.2°、17.49±0.2°、20.23±0.2°、21.63±0.2°、23.47±0.2°、24.51±0.2°、26.33±0.2°、28.18±0.2°において特徴的な回折ピークを有する。
【0036】
本発明の幾つかの実施の態様において、前記C結晶形のXRPDスペクトルは図7に示された通りである。
【0037】
本発明の幾つかの実施の態様において、前記C結晶形のXRPDスペクトルの解析データは表3に示された通りである。
【表3】
【0038】
本発明の幾つかの実施の態様において、前記C結晶形の示差走査熱量曲線は269.72±3℃において吸熱ピークの開始点を有する。
【0039】
本発明の幾つかの実施の態様において、前記C結晶形のDSCスペクトルは図8に示された通りである。
【0040】
本発明の幾つかの実施の態様において、前記C結晶形の熱重量分析曲線は144.33℃±3℃の際に重量が0.3017%減少し、200.08℃±3℃の際に重量が0.6266%減少する。
【0041】
本発明の幾つかの実施の態様において、前記C結晶形のTGAスペクトルは図9に示された通りである。
【0042】
本発明は、更に、粉末X線回折スペクトルが以下の2θ角:17.08±0.2°、17.75±0.2°、26.80±0.2°において特徴的な回折ピークを有することを特徴とする、式(IV)で表される化合物のD結晶形を提供する。
【化4】
【0043】
本発明の幾つかの実施の態様において、前記D結晶形の粉末X線回折スペクトルは以下の2θ角:13.31±0.2°、16.66±0.2°、17.08±0.2°、17.75±0.2°、22.58±0.2°、23.63±0.2°、24.95±0.2°、26.80±0.2°において特徴的な回折ピークを有する。
【0044】
本発明の幾つかの実施の態様において、前記D結晶形の粉末X線回折スペクトルは以下の2θ角:12.38±0.2°、13.31±0.2°、16.66±0.2°、17.08±0.2°、17.75±0.2°、18.65±0.2°、22.58±0.2°、23.63±0.2°、24.95±0.2°、25.40±0.2°、26.80±0.2°、27.65±0.2°において特徴的な回折ピークを有する。
【0045】
本発明の幾つかの実施の態様において、前記D結晶形の粉末X線回折スペクトルは以下の2θ角:4.433±0.2°、12.38±0.2°、13.31±0.2°、16.66±0.2°、17.08±0.2°、17.75±0.2°、18.65±0.2°、22.58±0.2°、23.63±0.2°、24.95±0.2°、25.40±0.2°、26.80±0.2°、27.65±0.2°において特徴的な回折ピークを有する。
【0046】
本発明の幾つかの実施の態様において、前記D結晶形のXRPDスペクトルは図10に示された通りである。
【0047】
本発明の幾つかの実施の態様において、前記D結晶形のスペクトルの解析データは表4に示された通りである。
【0048】
【表4】
【0049】
本発明の幾つかの実施の態様において、前記D結晶形の示差走査熱量曲線は238.96±3℃において吸熱ピークの開始点を有する。
【0050】
本発明の幾つかの実施の態様において、前記D結晶形のDSCスペクトルは図11で示された通りである。
【0051】
本発明の幾つかの実施の態様において、前記D結晶形の熱重量分析曲線は109.87℃±3℃の際に重量が0.07607%減少し、223.14℃±3℃の際に重量が0.59157%減少する。
【0052】
本発明の幾つかの実施の態様において、前記D結晶形のTGAスペクトルは図12に示された通りである。
【0053】
本発明は、更に、A2A受容体に関連する疾患を治療する医薬の製造における、式(II)で表される化合物のB結晶形、式(III)で表される化合物のC結晶形、及び式(IV)で表される化合物のD結晶形の使用を提供する。
【0054】
本発明は、更に、粉末X線回折スペクトルが以下の2θ角:15.74±0.2°、16.82±0.2°、24.67±0.2°において特徴的な回折ピークを有することを特徴とする、式(V)で表される化合物のE結晶形を提供する。
【化5】
【0055】
本発明の幾つかの実施の態様において、前記E結晶形の粉末X線回折スペクトルは以下の2θ角:12.25±0.2°、13.76±0.2°、15.74±0.2°、16.82±0.2°、20.15±0.2°、22.03±0.2°、24.67±0.2°、25.52±0.2°において特徴的な回折ピークを有する。
【0056】
本発明の幾つかの実施の態様において、前記E結晶形の粉末X線回折スペクトルは以下の2θ角:12.25±0.2°、13.76±0.2°、15.74±0.2°、16.25±0.2°、16.82±0.2°、18.28±0.2°、20.15±0.2°、22.03±0.2°、24.67±0.2°、25.52±0.2°、26.19±0.2°、29.94±0.2°において特徴的な回折ピークを有する。
【0057】
本発明の幾つかの実施の態様において、前記E結晶形のXRPDスペクトルは図13に示される通りである。
【0058】
本発明の幾つかの実施の態様において、前記E結晶形のXRPDスペクトルの解析データは表5に示された通りである。
【0059】
【表5】
【0060】
本発明の幾つかの実施の態様において、前記E結晶形の示差走査熱量曲線は257.96±3℃において吸熱ピークを有する。
【0061】
本発明の幾つかの実施の態様において、前記E結晶形のDSCスペクトルは図14に示された通りである。
【0062】
本発明の幾つかの実施の態様において、前記E結晶形の熱重量分析曲線は63.75℃±3℃の際に重量が0.7061%減少し、155.23℃±3℃の際に重量が1.2632%減少する。
【0063】
本発明の幾つかの実施の態様において、前記E結晶形のTGAスペクトルは図15に示された通りである。
【0064】
本発明は、更に、A2A受容体に関連する疾患を治療する医薬の製造における、式(V)で表される化合物のE結晶形を提供する。
【0065】
(発明的効果)
本発明は、式(I)で表される化合物を合成して、新規のアデノシンA2Aアンタゴニストを得、単独投与又は抗体と併用投与して腫瘍免疫療法に使用される。本発明の化合物は、良好な溶解性を有し、同時に、薬物動態特性を有意に改善した。
【0066】
本発明の化合物とCS1003の併用投与は良好な抗腫瘍効果を達成し、本発明の化合物とCS1003との併用は相乗効果を有する。
【0067】
本発明の化合物は、血漿及び腫瘍組織において十分な曝露量を有する。
【0068】
本発明の化合物の結晶形は、高温及び高湿度条件下で良好な安定性を有する。
【0069】
(定義と説明)
別途に説明しない限り、本明細書で用いられる以下の用語及び連語は以下の意味を含む。一つの特定の連語又は用語は、特別に定義されない場合、不確定又は不明瞭ではなく、普通の定義として理解されるべきである。本明細書で商品名が出た場合、相応の商品又はその活性成分を指す。
【0070】
本発明の中間体化合物は当業者に熟知の様々な合成方法によって製造することができ、以下に挙げられた具体的な実施形態、他の化学合成方法と合わせた実施形態及び当業者に熟知の同等の代替方法を含み、好適な実施形態は本発明の実施例を含むが、これらに限定されない。
【0071】
本発明の具体的な実施形態の化学反応は適切な溶媒で完成され、前記の溶媒は本発明の化学変化及びそれに必要な試薬と材料に適するべきである。本発明の化合物を得るため、当業者が既存の実施形態に基づいて合成工程又は反応スキームを変更又は選択することが必要であることもある。
【0072】
本発明の化合物は、以下に列挙された特定の具体的な実施形態、それらを他の化学合成方法と組み合わせることによって形成される実施形態、及び当業者によく知られている同等の代替方法を含む方法で製造でき、好ましい実施形態は、本発明の実施例を含むが、これらに限定されない。本発明の化合物の構造は、当業者に周知の従来の方法によって確認することができ、本発明が化合物の絶対配置に関連する場合、当該絶対配置は、当業者の従来の技術的手段によって確認することができる。例えば、単結晶X線回折法(SXRD)では、培養した単結晶をBruker D8 venture回折計で回折強度データを収集し、光源はCuKα線であり、走査方法は:φ/走査であり、関連するデータを収集した後、更に、直接法(Shelxs97)を使用して結晶形の構造を分析して絶対配置を確認できる。
【0073】
本発明に使用されたすべての溶媒は市販品で、更に精製せずにそのままで使用してもよい。
【0074】
本発明は下記略語を使用する:r.t.は室温を表し;THFはテトラヒドロフランを表し;NMPはN-メチルピロリドンを表し;MeSOHはメタンスルホン酸を表し;DMEは1,2-ジメトキシエタンを表し;DCMはジクロロメタンを表し;Xphosは2-ジシクロヘキシルホスフィノ-2´,4´,6´-トリイソプロピルビフェニルを表し;EtOAcは酢酸エチルを表し;MeOHはメタノールを表し;2-Me-THFは2-メチルテトラヒドロフランを表し;IPAはイソプロパノールを表し;Pd(dppf)Clは[1,1´-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロリド ジクロロメタン付加物を表し;RHは湿度を表し;BIDは1日2回を表す。
【0075】
化合物は、本技術分野の従来の命名則、又はChemDraw(登録商標)ソフトウェアを使用して命名され、市販の化合物は、サプライヤーのカタログ名を使用して命名される。
【0076】
本発明の粉末X線回折(X-ray powder diffractometer、XRPD)方法
計器モデル:ブルカーD8 advance X-線回折計
測定方法:約10~20mgの試料をXRPDの検出に用いる。
【0077】
詳細なXRPDパラメータは以下通りである。
X線管:Cu、kα、(λ=1.54056Å)。
管電圧:40kV、管電流:40mA
発散スリット:0.60mm
センサスリット:10.50mm
散乱防止スリット:7.10mm
走査範囲:4~40deg
ステップ角:0.02deg
ステップ幅:0.12秒
サンプルパン回転数:15rpm
【0078】
本発明の示差熱分析(Differential Scanning Calorimeter、DSC)方法
計器モデル:TA Q2000示差走査熱量計
測定方法:試料(~1mg)をDSCアルミニウム製坩堝に取って測定を行い、50mL/分 N条件で、10℃/分の昇温速度で、試料を30℃(室温)から300℃(又は350℃)まで加熱する。
【0079】
本発明の熱重量分析(Thermal Gravimetric Analyzer、TGA)方法
計器モデル:TA Q5000IR熱重量分析計
測定方法:試料(2~5mg)をTGA白金坩堝に取って測定を行い、25mL/分 N条件で、10℃/分の昇温速度で、試料を室温から350℃まで、又は重量が20%減少するまで加熱する。
【0080】
本発明の高速液体クロマトグラフィー分析法(HPLC)は表6に示された通りである。
【0081】
【表6】
【図面の簡単な説明】
【0082】
図1】式(I)で表される化合物のA結晶形のCu-Kα線のXRPDスペクトルである。
図2】式(I)で表される化合物のA結晶形のDSCスペクトルである。
図3】式(I)で表される化合物のA結晶形のTGAスペクトルである。
図4】式(II)で表される化合物のB結晶形のCu-Kα線のXRPDスペクトルである。
図5】式(II)で表される化合物のB結晶形のDSCスペクトルである。
図6】式(II)で表される化合物のB結晶形のTGAスペクトルである。
図7】式(III)で表される化合物のC結晶形のCu-Kα線のXRPDスペクトルである。
図8】式(III)で表される化合物のC結晶形のDSCスペクトルである。
図9】式(III)で表される化合物のC結晶形のTGAスペクトルである。
図10】式(IV)で表される化合物のD結晶形のCu-Kα線のXRPDスペクトルである。
図11】式(IV)で表される化合物のD結晶形のDSCスペクトルである。
図12】式(IV)で表される化合物のD結晶形のTGAスペクトルである。
図13】式(V)で表される化合物のE結晶形のCu-Kα線のXRPDスペクトルである。
図14】式(V)で表される化合物のE結晶形のDSCスペクトルである。
図15】式(V)で表される化合物のE結晶形のTGAスペクトルである。
【発明を実施するための形態】
【0083】
本発明の内容がよりよく分かるように、以下に具体的な実施の形態を参照しながら更に説明するが、具体的な実施の態様は本発明の内容を制限するものではない。
【0084】
実施例1:化合物Dの製造
【化6】
【0085】
工程1:
20Lのイソプロパノールを50LのケトルR1に添加した後、原材料A(10Kg、1.0eq)、N,N-ジメチルホルムアミドジメチルアセタール(8.53Kg、1.2eq)を添加し、反応溶液を70~80℃に昇温させ、3時間攪拌し、サンプリングして検出し、原材料Aは消失した。反応溶液を70℃に冷却させた後、バッチで塩酸ヒドロキシルアミン(4.8Kg、1.2eq)を添加し、内部温度を80℃未満に制御し、添加完了後、内部温度を70~80℃に維持させながら1時間攪拌し、サンプリングして検出し、反応を完成させた。加熱を停止させ、反応溶液を室温に冷却させ、濾過し、ケーキを2Lのイソプロパノールで洗浄し、固体を収集し、減圧して真空乾燥させ、化合物Bを得た。
【0086】
LCMS:m/z:217.7[M+1]
H NMR(400MHz、MeOD-d):δ 8.24(d、J=2.4Hz、1H)、7.90(s、2H)、7.76(dd、J=8.8、2.4Hz、1H)、6.89(d、J=8.8Hz、1H)。
【0087】
工程2:
22.4Lの酢酸イソプロピルを50LのケトルR1に添加した後、化合物B(4.48Kg、1.0eq)を添加し、反応系を0~10℃に制御した。ケトルに無水トリフルオロ酢酸(6.2Kg、1.5eq)を滴下し、内部温度を0~10℃に制御し、滴下完了後、冷凍を停止させ、反応溶液をゆっくりと室温まで昇温させ、16時間撹拌し、サンプリングして検出し、反応を完了させた。2.44kgの水酸化ナトリウムを秤量し、30Lの氷と均一に混合し、反応溶液をバッチで前記混合溶液に注ぎ、0.2時間攪拌し、濾過し、固体を1Lの酢酸イソプロピルで洗浄した。濾液を分離し、水層を毎回5Lの酢酸イソプロピルで2回抽出した。有機層を合わせ、10Lの水で洗浄した。液体を分離し、有機層を濃縮して粗生成物を得、粗生成物と前記濾過して得られた固体と合わせた。合わせた固体を16~22℃で2時間スラリー化させ、濾過し、ケーキを2Lの前記混合溶媒で洗浄し、固体を収集し、減圧して真空乾燥させ、化合物Cを得た。
【0088】
LCMS:m/z:199.7[M+1]
H NMR(400MHz、重水素化クロロホルム):δ 8.77(s、1H)、8.34(s、1H)、7.70-7.60(m、2H)。
【0089】
工程3:
30Lのジオキサンを50LのケトルR1に添加した後、化合物C(3.0Kg、1.0eq)を添加し、その後、ビスピナコラートジボロン(3.85Kg、1.0eq)を添加し、R1に酢酸カリウム(2.3Kg、1.5eq)を添加し、R1にPd(dppf)Cl(537g、0.05eq)を添加し、窒素ガスでR1ケトルを4回置換し、窒素雰囲気を維持させ、温度を85~105℃に制御し、18時間攪拌した。サンプリングして検出し、反応溶液を室温に冷却させ、珪藻土濾過し、ケーキをジオキサンで洗浄し、合わせた有機層をスピン乾燥させて残留物を得、R1に2.5Lの酢酸イソプロピルを添加し、残留物をケトルR1に移し、珪藻土を添加した後、n-ヘプタンを添加し、混合物を100℃に加熱し、16時間撹拌した。混合物を室温に冷却させ、珪藻土で濾過し、ケーキをn-ヘプタンで洗浄し、有機層合わせてスピン乾燥させ、粗生成物を得た。粗生成物をn-ヘプタンで16時間スラリー化させ、濾過し、ケーキをn-ヘプタンで洗浄した後、ケーキを収集し、ケーキを乾燥させて化合物Dを得た。
【0090】
LCMS:m/z:46.2[M+1]
H NMR(400MHz、重水素化クロロホルム):δ 8.90(s、1H)、8.29(s、1H)、7.76-7.66(m、2H)、1.30(s、12H)。
【0091】
実施例2:式(I)で表される化合物の製造
【化7】
【0092】
工程1:
24LのDMFを50Lのケトルに添加した後、ケトルに化合物E(5.0Kg、1.0eq)、化合物F(4304.14g、1.0eq)、ヨウ化第一銅(66.88g、0.01eq)、トリエチルアミン(5330.00g、1.5eq)を添加し、0.95kgのDMFでケトル口を洗い流し、ケトルに窒素ガスを置換せずにPd(PPhCl(123.24g、0.005eq)を添加し、内部温度を50℃未満に維持させ、16時間攪拌し、サンプリングして検出し、反応溶液を直接濾過し、1/5濾液当たりを25Lの水にゆっくりと添加し、0.5時間攪拌し続け、5回繰り返してすべての濾液を処理し、混合溶液を濾過して9.82kgの粗生成物を得た。粗生成物を14Lのエタノールで室温でスラリー化させ、スラリー化した液体を濾過し、ケーキを真空乾燥オーブンで減圧乾燥させて、化合物Gを得た。
【0093】
LCMS:m/z:223.6[M+1]
H NMR(400MHz、重水素化クロロホルム):δ 8.76(d、J=1.6Hz、1H)、8.60(d、J=2.4Hz、1H)、7.73-7.65(m、2H)、7.13(t、J=8.4Hz、2H)。
【0094】
工程2:
23LのDMFを50Lのケトルに添加した後、ケトルに化合物G(7700.00g、1.0eq)、酢酸アンモニウム(4945.45g、2.0eq)、トリフルオロメタンスルホナート銅(232.07g、0.02eq)を添加し、1LのDMFでケトル口を洗い流し、加熱を開始させ、内部温度を100℃に維持させ、16時間攪拌した。サンプリングして検出し、反応溶液を直接に濾過し、収集した固体は粗生成物であり、組成生物は6.98kgであった。組成生物を14Lの水で室温でスラリー化させ、スラリー化した液体を濾過し、粗生成物を14Lのエタノールで還流させながらスラリー化させ、スラリー化した液体を濾過し、ケーキを真空乾燥オーブンで減圧乾燥させて、化合物Hを得た。
【0095】
LCMS:m/z:241.0[M+1]
H NMR(400MHz、DMSO-d):δ 9.44(d、J=2.0Hz、1H)、9.19(d、J=2.0Hz、1H)、8.73(dd、J=8.8、3.2 z、2H)、8.06(s、1H)、7.71(t、J=8.8Hz、2H)、7.29(br、2H)。
【0096】
工程3:
10.6LのDMFを50Lのケトルに添加し、攪拌を開始させ、ケトルに化合物H(5.30kg、1.0eq)を添加し、バッチでケトルにN-ブロモスクシンイミド(4.66kg、1.2eq)を添加し、添加する時、内部温度を50℃未満に維持させ、加熱を開始させ、内部温度を50℃に維持させ、2時間攪拌し、サンプリングして検出し、反応溶液にゆっくりと20LのEtOAcを注ぎ、内部温度を50℃に維持させ、0.5時間攪拌した。反応溶液を室温に冷却させ、反応溶液を濾過し、組成生物を16LのTHFで還流させながらスラリー化させ、スラリー化した液体を濾過し、ケーキを真空乾燥オーブンで減圧乾燥させて、化合物Jを得た。
【0097】
LCMS:m/z:320.9[M+1]
H NMR(400MHz、DMSO-d):δ 9.16(d、J=1.6Hz、1H)、8.89(d、J=2.0Hz、1H)、7.72(dd、J=8.8、6.0Hz、2H)、7.64(br、2H),7.32(t、J=8.8Hz、2H)。
【0098】
工程4:
22LのTHFを50Lのケトルに添加した後、ケトルに化合物J(4.4kg、1.0eq)、PKO(7991.97g、3.0eq)、化合物D(6.15kg、1.38eq)、Pd(dtbpf)Cl(408.97g、0.05eq)を添加し、4.4LのHOを50LのケトルAに添加し、攪拌を開始させ、窒素ガスで3回置換し、温度を70℃に制御して16時間攪拌した。サンプリングして検出し、反応溶液を減圧濃縮し、ケトルに33LのDCM及び10LのEtOHを添加し、30℃で0.5時間攪拌し、濃縮物を4.4LのEtOAcに添加し、温度を60℃に制御して1時間攪拌し、室温に冷却させ、濾過した。ケーキを8.8Lの水で希釈し、25℃で1時間攪拌し、濾過し、ケーキを4.4LのDMFで希釈し、温度を50℃に制御して0.5時間攪拌し、22Lの酢酸エチルを添加し、温度を50℃に制御して1時間攪拌した。室温に冷却させ、濾過し、ケーキを36.7LのDCMと9.7LのEtOHで希釈し、40℃に昇温させ、1,3,5-トリアジン-2,4,6-トリチオール三ナトリウム(0.88kg)を添加し、温度を40℃に制御して15時間攪拌し、濾過した。前記の工程を3回繰り返した。濾過し、濾液をスピン乾燥させて化合物Lを得た。
【0099】
LCMS:m/z:358.1[M+1]
【0100】
工程5:
24.2LのTHFを50LのケトルAに添加した後、ケトルCにL(490g、1.0eq)を添加し、温度を50℃に制御して1時間攪拌し、濾過し、濾液を再び50LのケトルAに添加し、マレイン酸(165.98g、1.05eq)を29LのTHFに溶解させた後Cに添加し、温度を50℃に制御して14時間攪拌し、室温20~25℃に冷却させ、反応溶液を直接に濾過し、ケーキを1.32Lのエタノールで室温で16時間スラリー化させ、スラリー化した液体を濾過した。ケーキを真空乾燥オーブンで減圧乾燥させて式(I)で表される化合物のA結晶形を得た。
【0101】
LCMS:m/z:358.1[M+1]
H NMR(400MHz、DMSO-d):δ 9.02(d、J=2.0Hz、1H)、8.88(d、J=2.0Hz、1H)、8.79(d、J=1.6Hz、1H)、8.48(s、1H)、7.77(d、J=0.8Hz、1H)、7.75(br、2H)、7.47-7.43(m、3H)、7.14(t、J=4.6Hz、2H)、6.27(t、J=10.8Hz、2H)。
【0102】
実施例3
表7に従って、式(I)で表される化合物のA結晶形をぞれぞれ液相バイアルに秤量し、それぞれ表7の溶媒又は混合溶媒を添加して懸濁液に製造した。次に、前記懸濁液サンプルを40℃の恒温ミキサーに置き、700rpmの回転速度で2日間振とうした。その後、遠心分離(8000rpmの遠心分離機で、3分間遠心分離した)して固体を分離し、30℃の真空乾燥オーブン内で一晩乾燥させて、式(I)で表される化合物のA結晶形を得た。
【表7】
【0103】
実施例4:式(II-1)で表される化合物の製造
【化8】
【0104】
25℃で反応バイアルにアセトニトリル200mL、水200mLを添加した後、化合物L(6g)を添加し、その後、1Mの希塩酸を添加してpH値を3~5に調節した。反応溶液を25℃で続いて0.5時間攪拌した。式(II-1)で表される化合物を得た。
【0105】
生成物LCMSm/z:358.2[M+H]
H NMR(400MHz、DMSO-d)δ =9.24(t、J=3.6Hz、1H)、9.12(d、J=2.0Hz、1H)、8.87(s、1H)、8.59(t、J=5.2Hz、1H)、7.84(t、J=8.4Hz、1H)、7.58-7.55(m、2H)、7.50(d、J=15.6Hz、1H)、7.27(t、J=9.2Hz、2H)
【0106】
実施例5:式(II)で表される化合物のB結晶形の製造
常温で約100mgの化合物Lを秤量して40mLのバイアルに添加し、30mLのアセトンを添加してそれを溶解させた後、ゆっくりと24.17μLのHCl(化合物L:塩酸のモル比は1:1.05)を添加した。サンプルをマグネチックスターラー(40℃)に置いて1日攪拌した。式(II)で表される化合物のB結晶形を得た。
【0107】
実施例6:式(III)で表される化合物のC結晶形の製造
【化9】
【0108】
常温で約100mgの化合物Lを秤量して40mLのバイアルに添加し、30mLのアセトンを添加してそれを溶解させた後、ゆっくりと19.08μLのメタンスルホン酸(化合物L:メタンスルホン酸のモル比は1:1.05)を添加した。サンプルをマグネチックスターラー(40℃)に置いて1日攪拌した。式(III)で表される化合物のC結晶形を得た。
【0109】
実施例7:式(IV)で表される化合物のD結晶形の製造
【化10】
【0110】
常温で約100mgの化合物Lを秤量して40mLのバイアルに添加し、30mLのアセトンを添加してそれを溶解させた後、ゆっくりと200.57μLのp-トルエンスルホン酸(化合物L:p-トルエンスルホン酸のモル比は1:1.05)を添加した。サンプルをマグネチックスターラー(40℃)に置いて1日攪拌した。式(IV)で表される化合物のD結晶形を得た。
【0111】
実施例8:式(V)で表される化合物のE結晶形の製造
【化11】
【0112】
常温で約100mgの化合物Lを秤量して40mLのバイアルに添加し、30mLのアセトンを添加してそれを溶解させた後、ゆっくりと15.99μLの硫酸(化合物L:硫酸のモル比は1:1.05)を添加した。サンプルをマグネチックスターラー(40℃)に置いて1日攪拌した。式(V)で表される化合物のE結晶形を得た。
【0113】
実施例9:結晶形の安定性実験
所定量(約10mg)の式(I)で表される化合物のA結晶形、式(II)で表される化合物のB結晶形、及び式(III)で表される化合物のC結晶形を並行して各2部を秤量し、40mLのサンプルバイアルに添加し、60℃/75%湿度の恒温恒湿ボックスに入れ、1週間放置した。又、それぞれ一部(約10mg)の式(I)で表される化合物のA結晶形、式(II)で表される化合物のB結晶形、及び式(III)で表される化合物のC結晶形を取って、-20℃の冷蔵庫に入れ、対照サンプルとした。調査時点で、安定ボックスから対応する試験サンプルを取り出し、60℃/75%RHのサンプルバイアルのアルミホイルを取り、蓋で覆いた。0日目のサンプルを冷蔵庫から取り出し、サンプルが室温に戻った後で分析した。実験結果は表8に示した通りである。
【0114】
【表8】
【0115】
結論:
式(I)で表される化合物のA結晶形、式(II)で表される化合物のB結晶形及び式(III)で表される化合物のC結晶形は高温、高湿の条件下で良好な安定性を有した。
【0116】
実験例1:本発明の化合物の生体外活性測定実験
【0117】
ヒトアデノシンA2A受容体のカルシウム流量検出実験
【0118】
細胞の由来:
2A安定細胞株はShanghai WuXi Appによって構築され、宿主細胞はCHOである。
【0119】
検出キット:
Fluo-4 Direct試薬キット、(Invitrogen、カタログ番号:F10471)。キット内の蛍光検出試薬(カルシウムイオンに特異的に結合し、蛍光シグナルの増加を引き起こす)と細胞を適切な時間培養した後、化合物を添加し細胞を刺激して、細胞内カルシウム流量を変化させ、それによって蛍光シグナルの変化が引き起こし、化合物のアゴニスト又は阻害活性の強さを示すことができる。
【0120】
細胞培地:
F12+10%のウシ胎児血清+ジェネティシン300ug/mL+ブラストサイジン2μg/mL
【0121】
化合物希釈の緩衝液:
Hanks平衡塩緩衝液(Invitrogen)+20mMのHEPES、毎回使用する前に製造した。
【0122】
アゴニスト:
NECA(Sigma-E2387)
【0123】
参照化合物(アンタゴニスト):
CGS-15943(Sigma-C199)
【0124】
化合物の希釈:
試験化合物をDMSOで溶解させて10mMの母液に製造した。試験化合物をDMSOで0.2mMに希釈し、参照化合物CGS-15943をDMSOで0.015mMに希釈した。次に、ECHOを使用して10ポイントに3倍段階希釈し、900nLを化合物プレート(Greiner-781280)に移し、30μLの化合物を添加して緩衝液を希釈した。試験化合物の最終の初期濃度は1μMであり、CGS-15943は0.075μMであった。
【0125】
検出方法:
【0126】
細胞の準備:
凍結したA2A細胞を取り、蘇生後、培地で1×10個細胞/mLに再懸濁し、384ウェルポリリジンコーティング細胞プレート(Greiner-781946)に20μL/ウェルを植え、5%のCO、37℃のインキュベーターで培養した。
【0127】
前日に調製した細胞プレートをインキュベーターから取り出し、各ウェルに20μLの2×Fluo-4 DirectTM緩衝液を添加し、5%のCO、37℃のインキュベーターで50分間培養し、室温で10分間放置した。
【0128】
アゴニストNECAのEC80の検出:
アゴニストNECAの希釈:初期濃度が0.15mMであるNECAをEchoで10ポイントに3倍段階希釈し、次に、900nLを対応する化合物プレートに移し、30μLの化合物希釈緩衝液を対応する化合物プレートに添加した。最終の開始濃度は750nMであった。
【0129】
FLIPR計器ソフトウェアを実行し、設定したプログラムに従って10μLの化合物希釈緩衝液を細胞プレートに添加し、蛍光シグナルを読み取った。次に、所定の濃度のアゴニストである参照化合物10μLを細胞プレートに添加し、蛍光シグナルを読み取った。読み取った後、ソフトウェアの「Max-Min」、「Read 90 to Maximum Allowed」方法を使用してデータをエクスポートし、A2A細胞株のEC80を計算し、6×EC80濃度のアゴニストを製造した。緩衝塩溶液で対応する細胞の6×EC80濃度の参照化合物アゴニストを製造し、使用のために対応する化合物プレートに30μL/ウェルを添加した。
【0130】
試験化合物のIC50検出:
FLIPR計器ソフトウェアを実行し、設定したプログラムに従って、既に規定された濃度の10μLの実験化合物と参照化合物を細胞プレートに添加し、蛍光シグナルを読み取った。次に、10μLの6×EC80濃度の参照化合物アゴニストを細胞プレートに添加し、蛍光シグナルを読み取った。化合物のアゴニストの検出は、ソフトウェアの「Max-Min」、「Read 90 to Maximum Allowed」方法を使用してデータをエクスポートした。化合物のアンタゴニストの検出は、ソフトウェアの「Max-Min」、「Read 90 to Maximum Allowed」方法を使用してデータをエクスポートした。データはGraphPad Prism5.0を使用して分析し、試験化合物のIC50値を計算した。試験結果は表9に示された通りである。
【0131】
【表9】
【0132】
結論:
本発明の化合物は、優れたアデノシンA2A受容体拮抗活性を示した。
【0133】
実験例2:本発明の化合物の薬物動態実験
【0134】
実験材料:
Balb/cマウス(メス、15~30g、7~9週齢、Shanghai Lingchang)を使用した。
【0135】
実験方法:
試験化合物を静脈内注射及び経口投与した後の齧歯類動物の薬物動態特性を標準プロトコルで試験し、実験では、候補化合物を透明な溶液に製造し、マウスに1回静脈内注射及び1回経口投与した。静脈(IV)溶媒は、5%のDMSO/5%のポリエチレングリコールヒドロキシステアレート/90%の水の混合溶媒であり、経口(PO)溶媒は、1%のtween80、9%のPEG400、90%のHO(pH=3)の混合溶媒であった。48時間以内の全血サンプルを収集し、4℃で3000gで15分間遠心分離し、上清を分離して血漿サンプルを得、内部標準を含む20倍体積のアセトニトリル溶液を添加してタンパク質を沈殿させ、遠心分離して上清を得、同じ体積の水に添加し、再び、遠心分離して上清を取ってサンプリングし、LC-MS/MS分析方法で血中薬物濃度を定量的に分析し、ピークに達する濃度、ピークに達する時間、クリアランス、半減期、薬物-時間曲線下の面積、バイオアベイラビリティなどの薬物動態パラメータを計算した。試験結果は表10に示された通りである。
【表10】
【0136】
結論:
本発明の化合物は、マウスの薬物動態指数を有意に改善できた。
【0137】
実験例3:本発明の化合物の生体内有効性実験
【0138】
実験材料:
BALB/cマウス(メス);マウス結腸がんCT26細胞(中国科学院典型的な培養物保存委員会細胞バンク)、生体外単層培養し、培養条件は、10%のウシ胎児血清を含むRPMI-1640培地で、37℃で5%COのインキュベーターで培養した。トリプシン-EDTAを使用して通常の消化処理をし、継代培養した。細胞数が指数増殖期にあり、飽和度が80%~90%である場合、細胞を収集してカウントした。
【0139】
化合物の準備:
式(II-1)で表される化合物を秤量し、溶媒(10%のPEG400+90%の(10%のCremophor水溶液))に添加して、それぞれ2.5mg/mL、5mg/mL、10mg/mLのサンプルに製造した。72μLのCS1003(PD-1抗体)溶液(25mg/mL)に1.728mLのダルベッコのリン酸緩衝液(DPBS)を添加して1mg/mLの溶液に製造し、更に、16.2mlのDPBSを添加して0.1mg/mLの澄清溶液に製造した。
【0140】
実験操作:
細胞をダルベッコのリン酸緩衝液に再懸濁させ、密度は3×10個細胞/mLであった。0.1mLのDPBS(3×10個のCT26細胞を含む)を各マウスの右背部に皮下接種し、接種当日、マウスの体重に応じて無作為に群を分け、群当たり9匹であって、投与を開始し、20日間続けた。実験全期間で、毎日動物の体重を測定し、健康状態を観察し、特別な状況がある場合は、関連するプロジェクトリーダーに通知し、対応する記録をした。腫瘍の直径は、週に2回ノギスで測定した。投与方法は表11に示された通りである。腫瘍体積の計算式は:V=0.5×a×bであり、aとbはそれぞれ腫瘍の長径と短径を表す。
【0141】
【表11】
【0142】
化合物の抗腫瘍効果は、GI(%)又は相対腫瘍増殖率T/C(%)で評価された。相対腫瘍増殖率T/C(%)=Vt/Vc×100%(Vt:治療群の平均腫瘍体積;Vc:陰性対照群の平均腫瘍体積)。VtとVcは同じ日のデータを取得した。
【0143】
GI(%)は、腫瘍抑制率である。GI(%)=1-Vt/Vc×100%。
【0144】
統計分析は、SPSSソフトウェアを使用して実験終了時の相対的な腫瘍体積と腫瘍重量に基づいて分析した。2つの群間の比較はt検定によって分析され、3つ以上の群間の比較は一元配置分散分析で分析し、分散が均一である場合(F値に有意差がない場合)、Tukey’s方法を使用して分析し、分散が均一でない場合(F値に有意差がある場合)、Games-Howell法を使用して検定した。P<0.05は有意差があると見なされた。
【0145】
投与を開始してから20日目、溶媒群の腫瘍体積は847.09±79.65mmに達し、CS1003(1mg/kg)群の腫瘍体積は487.34±109.07mmであり、その阻害率は42.47%(溶媒対照群と有意差がない)であった。溶媒対照群と比較して、併用投与群は、いずれも生体内に移植された腫瘍の成長を有意に阻害することができ、式(II-1)で表わされる化合物とCS1003の併用は、投与量と投与頻度に正の相関関係があった。25mg/kg、50mg/kg及び100mg/kgの式(II-1)で表わされる化合物と1mg/kgのCS1003の併用は実験終了時の腫瘍体積はそれぞれ、312.06±80.17mm、246.48±62.57mm及び233.10±59.55mmであり、阻害率はそれぞれ63.16%、70.90%及び72.48%(P<0.001)であった。一方、式(II-1)で表わされる化合物(50mg/kg)を1日2回CS1003と併用して投与する場合、より強い抗腫瘍効果を示し、実験終了時の当該群の平均腫瘍体積は142.17±40.30mmであり、阻害率は83.22%(P<0.001)であった。これから分かるように、式(II-1)で表わされる化合物をCS1003と併用して予防投与する場合、マウス結腸癌細胞CT26の生体内の同種移植腫瘍の増殖を有意に阻害できた。
【0146】
結論:
本発明の化合物とCS1003の併用は良好な抗腫瘍効果を達成しており、本発明の化合物とCS1003の併用は相乗効果を有した。式(II-1)で表わされる化合物とCS1003の併用は、抗腫瘍効果を増強することができた。ここで、式(II-1)で表わされる化合物を25mg/kg、50mg/kg、100mg/kgの投与量で1日1回CS1003と併用投与した群の腫瘍抑制率はそれぞれ63%、71%及び72%であり、式(II-1)で表わされる化合物を50mg/kgの投与量で1日2回CS1003と併用投与した群の腫瘍抑制率は83%(P<0.001)であり、式(II-1)で表わされる化合物(50mg/kg、BID)又はCS1003を単独投与する場合と比較して有意差が(P値はそれぞれ0.002、0.014である)あった。
【0147】
実験例4:本発明の化合物の生体内薬物効果PK実験
実験では、実験例3の投与20日目の異なる時点(0時、0.25時、0.5時、1時、2時、4時、8時及び24時)で、実験の各群から血液及び組織を採取した。各実験群の薬物動態パラメータは表12に示された通りであり、実験で検出した各実験群の腫瘍組織薬物濃度と、対応する採血点の腫瘍組織薬物濃度及び血漿薬物濃度の生物学的比率は表13に示された通りである。
【表12】
【0148】
【表13】
【0149】
結論:
本発明の化合物は、血漿及び腫瘍組織において十分な曝露を有した。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
【手続補正書】
【提出日】2022-03-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)で表される化合物。
【化1】
【請求項2】
粉末X線回折スペクトルが以下の2θ角:7.16±0.2°、9.66±0.2°、19.66±0.2°において特徴的な回折ピークを有することを特徴とする、式(I)で表される化合物のA結晶形。
【化2】
【請求項3】
粉末X線回折スペクトルは以下の2θ角:7.16±0.2°、9.66±0.2°、13.59±0.2°、14.30±0.2°、15.87±0.2°、17.73±0.2°、19.66±0.2°、20.88±0.2°において特徴的な回折ピークを有する、または、
示差走査熱量曲線は205.67±3℃において吸熱ピークの開始点を有する、または、
熱重量分析曲線は120.00℃±3℃の際に重量が0.1846%減少する、請求項2に記載の式(I)で表される化合物のA結晶形。
【請求項4】
粉末X線回折スペクトルは以下の2θ角:7.16±0.2°、9.66±0.2°、13.59±0.2°,14.30±0.2°、15.87±0.2°、17.73±0.2°、19.66±0.2°、20.88±0.2°、26.01±0.2°、26.76±0.2°、27.21±0.2°において特徴的な回折ピークを有する、請求項3に記載の式(I)で表される化合物のA結晶形。
【請求項5】
XRPDスペクトルは図1に示された通りである、または、
DSCスペクトルは図2に示された通りである、または、
TGAスペクトルは図3に示された通りである、請求項4に記載の式(I)で表される化合物のA結晶形。
【請求項6】
請求項1に記載化合物、または、請求項2~5のいずれか1項に記載A結晶形を含む医薬組成物。
【請求項7】
粉末X線回折スペクトルが以下の2θ角:12.84±0.2°、15.84±0.2°、23.55±0.2°において特徴的な回折ピークを有することを特徴とする、式(II)で表される化合物のB結晶形。
【化3】
(ここで、nは0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9及び2.0から選択される。)
【請求項8】
粉末X線回折スペクトルは以下の2θ角:6.43±0.2°、11.22±0.2°、12.84±0.2°、15.84±0.2°、19.78±0.2°、21.61±0.2°、23.55±0.2°、27.02±0.2°において特徴的な回折ピークを有することを特徴とする、請求項に記載の式(II)で表される化合物のB結晶形。
【請求項9】
粉末X線回折スペクトルは以下の2θ角:6.43±0.2°、11.22±0.2°、12.41±0.2°、12.84±0.2°、15.84±0.2°、16.36±0.2°、19.27±0.2°、19.78±0.2°、21.61±0.2°、23.55±0.2°、27.02±0.2°、28.62±0.2°において特徴的な回折ピークを有することを特徴とし、任意に、XRPDスペクトルは図4に示された通りである、または、
示差走査熱量曲線は256.37±3℃において吸熱ピークの開始点を有し、任意に、DSCスペクトルは図5に示された通りである、または、
熱重量分析曲線は159.53℃±3℃の際に重量が0.8860%減少し、任意に、TGAスペクトルは図6に示された通りである、請求項に記載の式(II)で表される化合物のB結晶形。
【請求項10】
粉末X線回折スペクトルが以下の2θ角:8.89±0.2°、14.10±0.2°、15.56±0.2°、15.99±0.2°、16.48±0.2°、17.49±0.2°、20.23±0.2°、21.63±0.2°、23.47±0.2°、24.51±0.2°、26.33±0.2°、28.18±0.2°において特徴的な回折ピークを有することを特徴とし、任意に、XRPDスペクトルは図7に示された通りである、式(III)で表される化合物のC結晶形。
【化4】
【請求項11】
粉末X線回折スペクトルが以下の2θ角:4.433±0.2°、12.38±0.2°、13.31±0.2°、16.66±0.2°、17.08±0.2°、17.75±0.2°、18.65±0.2°、22.58±0.2°、23.63±0.2°、24.95±0.2°、25.40±0.2°、26.80±0.2°、27.65±0.2°において特徴的な回折ピークを有することを特徴とし、任意に、XRPDスペクトルは図10に示された通りである、式(IV)で表される化合物のD結晶形。
【化5】
【請求項12】
求項7~9のいずれか1項に記載の式(II)で表される化合物のB結晶形、請求項10に記載の式(III)で表される化合物のC結晶形、及び請求項11に記載の式(IV)で表される化合物のD結晶形を含む医薬組成物。
【国際調査報告】