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特表2022-527976移動の自由が制限され流体中に懸濁する装飾物を含む装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-07
(54)【発明の名称】移動の自由が制限され流体中に懸濁する装飾物を含む装置
(51)【国際特許分類】
   G04B 45/00 20060101AFI20220531BHJP
   G09F 9/37 20060101ALI20220531BHJP
   G04B 37/12 20060101ALI20220531BHJP
   G04B 19/06 20060101ALI20220531BHJP
【FI】
G04B45/00 D
G09F9/37
G04B37/12 Z
G04B19/06 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021558974
(86)(22)【出願日】2020-03-30
(85)【翻訳文提出日】2021-11-10
(86)【国際出願番号】 IB2020053025
(87)【国際公開番号】W WO2020201993
(87)【国際公開日】2020-10-08
(31)【優先権主張番号】62/828,672
(32)【優先日】2019-04-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】PCT/IB2019/058379
(32)【優先日】2019-10-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514022235
【氏名又は名称】プレシフレックス エスアー
(74)【代理人】
【識別番号】100141829
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 牧人
(74)【代理人】
【識別番号】100123663
【弁理士】
【氏名又は名称】広川 浩司
(72)【発明者】
【氏名】レギネッリ, サンドロ
(72)【発明者】
【氏名】バーク, トラルフ
(72)【発明者】
【氏名】グーベルマン, ジーン
(72)【発明者】
【氏名】ローネル, ヨハン
(72)【発明者】
【氏名】ウルヴェ, マシュー
(72)【発明者】
【氏名】マフリ, リュック
(72)【発明者】
【氏名】ジャカール, アラン
【テーマコード(参考)】
5C094
【Fターム(参考)】
5C094AA60
5C094BA65
5C094BA66
5C094BA74
5C094BA86
5C094BA91
5C094CA02
5C094CA30
5C094DA04
5C094DA20
5C094ED01
5C094ED20
5C094FA10
5C094FB20
5C094HA03
(57)【要約】
装飾的なウェアラブルシステムであって、機械的固定要素によって液体中に機械的かつ移動可能に懸濁された少なくとも1つの装飾要素を含むシステムである。液体は、機械的固定要素の少なくとも1つと実質的に同等の屈折率を共有している。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
機械的固定要素により流体(116、206、326、426、510、610、726、826、1206、1306、1406、1506、1606、1706、1806)中に機械的かつ移動可能に懸濁する少なくとも1つの装飾要素(102、204、302、402、502、602、702、802、1202、1302、1304、1402、1404、1502、1602、1702、1704、1802)を含む可搬式流体アニメーションカプセル(100、200、300、400、500、600、700、800、1200、1300、1400、1500、1600、1700、1800)であって、流体カプセルには、1つ以上の流体が充填されており、該流体は、前記装飾要素の動きを変化させるあるいは制限する要素が本質的に見えなくなるように、前記少なくとも1つの装飾要素と相互作用するように選択された粘性、屈折率、または比重を有し、(a)装飾要素の密度、(b)流体の密度、(c)流体の粘度、および/または(d)重力に対する前記流体カプセルの向きの変化の組み合わせが、前記少なくとも1つの装飾要素のアニメーションまたは動きを発生させることを特徴とする可搬式流体アニメーションカプセル。
【請求項2】
前記少なくとも1つの装飾要素(102、204、302、402、502、602、702、802、1202、1302、1304、1402、14040、1502、1602、1702、1704、1802)は、少なくとも1つの浮遊要素を含み、該浮遊要素の密度を局所的に変化させることで、動きが強調され、前記浮遊要素の密度が前記流体の密度よりも小さい場合、浮遊要素が浮いて前記装飾要素を上に傾ける傾向を示し、前記浮遊要素の密度が前記流体の密度よりも大きい場合、前記浮遊要素は沈んで前記装飾要素を下に傾ける傾向を示す請求項1に記載の可搬式流体アニメーションカプセル。
【請求項3】
前記少なくとも1つの浮遊要素は、観察者から見えなくなるように前記流体の屈折率と同等の屈折率を共有する請求項2に記載の可搬式流体アニメーションカプセル。
【請求項4】
前記少なくとも1つの装飾要素は、柔軟な糸である請求項1~3のいずれか1項に記載の可搬式流体アニメーションカプセル。
【請求項5】
前記少なくとも1つの装飾要素は、連結された鎖(202、1602)である請求項1~3のいずれか1項に記載の可搬式流体アニメーションカプセル。
【請求項6】
前記少なくとも1つの装飾要素は剛体であり、前記機械的固定要素は関節(1610、1804)である請求項1~3のいずれか1項に記載の可搬式流体アニメーションカプセル。
【請求項7】
流体の密度に対する自身の密度と、重力に対する前記流体カプセルの向きの変化との組み合わせにより、自由に移動して動作する移動要素を含む請求項1~6のいずれか1項に記載の可搬式流体アニメーションカプセル。
【請求項8】
前記移動要素は、前記少なくとも1つの装飾要素と衝突することで、アニメーション効果を増大させる請求項7に記載の可搬式流体アニメーションカプセル。
【請求項9】
前記移動要素の少なくとも1つは、観察者から見えなくなるように前記流体の屈折率と同等の屈折率を共有する請求項8に記載の可搬式流体アニメーションカプセル。
【請求項10】
前記装飾要素の少なくとも1つは、前記移動要素の少なくとも1つとの衝突の発生を生じやすくするように、少なくとも1つの突出部(1710)を有する請求項9に記載の可搬式流体アニメーションカプセル。
【請求項11】
前記可搬式流体アニメーションカプセルは、クリスタルで密封されたケーシングを有する腕時計であり、前記流体は、クリスタルを通して着用者に見える前記ケーシング内に封入されている請求項1に記載の可搬式流体アニメーションカプセル。
【請求項12】
前記装飾要素(102、204、302、402、502、602、702、802、1202、1302、1304、1402、1404、1502、1602、1702、1704、1802)は、一端または両端が流体カプセル内に取り付けられた繊維、着用者から本質的に見えないように、流体カプセルに含まれる1つまたは複数の流体(116、206、326、426、510、610、726、826、1206、1306、1406、1506、1606、1706、1806)の屈折率と同等の屈折率を持つように選択された、錘が組み付けられた糸、着用者が規則的または不規則的な形状の光学レンズを通して見る固定画像、着用者が装飾された透明な板を通して見る固定画像、からなる装飾要素のグループから1つが選択され、前記装飾要素は、任意的に、格子のような規則的なパターンと、流体カプセル内の1つ以上の透明な可撓性フィルムで区切られたキャビティ内を自由に動く可動要素と、動きの自由度が制限された多関節要素の鎖との組み合わせである請求項1~11のいずれか1項に記載の可搬式流体アニメーションカプセル。
【請求項13】
重量に対する重力の影響が、1つまたは複数の流体の物理的特性および着用者の動きと組み合わされて、繊維または糸の動きを発生させる請求項1~12のいずれか1項に記載の可搬式流体アニメーションカプセル。
【請求項14】
1つ以上の流体の物理的特性は、粘度または比重である請求項1~13のいずれか1項に記載の可搬式流体アニメーションカプセル。
【請求項15】
錘を囲む流体(116、206、326、426、510、610、726、826、1206、1306、1406、1506、1606、1706、1806)の比重が錘の比重より大きい場合、錘は浮く傾向にあり、反対の場合、錘は沈む傾向にあり、糸に生物またはアニメーション化された装飾構造のような印象を与える請求項1~14のいずれか1項に記載の可搬式流体アニメーションカプセル。
【請求項16】
他者の目に見える装飾要素(114、204、306、502、602、702、802、1204、1304、1404)が、例えば、植物の葉や花、生物の手足を表現するために、あるいは単に追加の形象的または非形象的な装飾要素として、スレッドに追加される請求項1~15のいずれか1項に記載の可搬式流体アニメーションカプセル。
【請求項17】
可搬式流体アニメーションカプセル1300、1400に接続された光学レンズは、その形状と流体カプセルの内部形状との組み合わせによって許容されるある程度の動きの自由度を有し、着用者の動きと組み合わされた光学レンズの質量に対する重力の影響および1つまたは複数の周囲の流体(116、206、326、426、510、610、726、826、1206、1306、1406、1506、1606、1706、1806)の物理的特性が、固定画像に対する光学レンズ(1304)の動きを生み出し、それによって固定画像にアニメーションのような錯覚を生じさせる請求項3に記載の可搬式流体アニメーションカプセル。
【請求項18】
1つ以上の前記流体(116、206、326、426、510、610、726、826、1206、1306、1406、1506、1606、1706、1806)の物理的特性は、粘度または比重である請求項1~17のいずれか1項に記載の可搬式流体アニメーションカプセル。
【請求項19】
グリッド(1412、1414)を備え、グリッド(1412、1414)は固定画像のパターンと光学的に干渉し、装飾された透明プレートはモアレ効果を生成する請求項12に記載の可搬式流体アニメーションカプセル。
【請求項20】
請求項1の可搬式流体アニメーションカプセルを使用して、個人用ウェアラブル機器、時計、ジュエリー、革製品、アパレル、アクセサリーなどの装飾物をアニメーション化することからなる方法。
【請求項21】
PCT出願番号PCT/IB2015/000448に開示されている熱補償システムを含む請求項1~19のいずれか1項に記載の可搬式流体アニメーションカプセル。
【請求項22】
PCT出願番号PCT/IB2016/000249に開示されている電動式の特殊効果要素と発電システムを含む請求項1~19のいずれか1項に記載の可搬式流体アニメーションカプセル。
【請求項23】
明細書、従属する請求項、要約書(参照により本明細書に組み込まれる)、および/または図面に記載された可搬式流体アニメーションカプセルおよび/または方法。

【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本発明は、2019年4月3日に出願された米国仮出願第62/828,672号、2019年10月2日に出願された国際特許出願PCT/IB2019/058379号の便益を主張し、参照として組み込まれると共にそれに依拠し、保護を求めるものとされる特徴を定義するためにその内容はその全てが発明の根底にある技術的課題の解決に寄与するものと理解され、本文書で言及される特徴には特に重要なものもあるとされる。
【著作権および法的告知】
【0002】
本特許文書に開示されるものの一部には著作権保護の対象となる資料が含まれている。出願人は、特許商標庁の特許記録として特許開示されている特許文書に関してはいずれの者によるファクシミリ複製に異論はないが、そうでない場合はいかなる場合もすべての著作権を留保する。また、本願に記載される第三者の特許又は記事は、先行技術を理由として本発明がその資料を先行する権利がないことを承認するものとして考慮すべきでない。
【背景技術】
【0003】
本発明は宝飾品などの着用可能な装身具に関する。
【0004】
ほとんどの装身具は半永久的な形状および装飾を備える物である。
【0005】
装身具の外観を変化できるようにして、それらをより生き生きさせる新しい方法が必要とされている。
【発明の開示】
【0006】
個人の装身具のために、一目見て生き生きとした装飾を創出する手段を提供するシステムおよび方法/装置を提供する。システムは、機械的固定要素により流体中に機械的かつ移動可能に懸濁する少なくとも1つの装飾要素を含む装飾的で着用可能な装置である。流体は機械的固定または可動要素の少なくとも1つとほぼ同じ屈折率を共有する。
【0007】
本発明の目的は、装飾物をアニメーション化する、傾ける、あるいは動かすことにある。
【0008】
本発明の別の目的は、アニメーション化、傾く、あるいは動く際に外観を変化させる装置の提供にある。
【0009】
本発明のまた別の目的は、物への不可視で一部傾倒あるいは移動可能な固定の提供、およびその結果としての魅力的な効果の提供にある。
【図面の簡単な説明】
【0010】
添付の図面は、本発明の対象の異なる実施形態を例示するものである。
図1A】装飾要素を有する本発明の固定装置の断面図である。
図1B】本発明の第1代替固定装置の断面図である。
図1C】別の位置に装飾要素を有する図1Aの固定装置の断面図である。
図1D】別の位置に装飾要素を有する図1Cの第1代替固定装置の断面図である。
図1E】本発明の第2代替固定装置の一連の断面図である。
図2】本発明の要素を使用する時計面の平面概略図である。
図3A】本発明に係る動きを付された顔の装飾の平面概略図である。
図3B図3Aの装飾の断面図である。
図4A】本発明に係る動きを付された顔の別の装飾の平面概略図である。
図4B図4Aの装飾の断面図である。
図5A】本発明に係る動きを付された顔のまた別の装飾の平面概略図である。
図5B図5Aの装飾の断面図である。
図5C図5Aの装飾の別の断面図である。
図5D】本発明に係る動きを付された顔の別の装飾の平面概略図である。
図5E】本発明に係る動きを付された顔のまた別の装飾の平面概略図である。
図6A】本発明に係る動きを付された顔のまた別の装飾の平面図である。
図6B図6Aの装飾を180度回転させた図の平面図である。
図6C図6Aの装飾の右側面図である。
図6D図6Aの固定が不可視である図の平面図である。
図6E図6A~6Dの装置内で懸濁する装飾の平面図である。
図7A】本発明に係る動きを付された顔のまた別の装飾の断面図である。
図7B図7Aの装飾要素が左に移動する図である。
図8A】台上の別の固定の側面図である。
図8B図8Aの固定が傾けられていることを示す別の固定の側面図である。
図9】本発明のもう1つ別の固定装置の平面図である。
図10】本発明のまた別の固定装置の平面図である。
図11A-11B】異なるメッセージを伝える本発明の固定装置の概略図である。
図12A】さらなる実施形態の概略図である。
図12B】さらなる実施形態の概略図である。
図12C】さらなる実施形態の概略図である。
図13A】さらなる実施形態の概略図である。
図13B】さらなる実施形態の概略図である。
図14A】さらなる実施形態の概略図である。
図14B】さらなる実施形態の概略図である。
図14C】さらなる実施形態の概略図である。
図15A】さらなる実施形態の概略図である。
図15B】さらなる実施形態の概略図である。
図16A】さらなる実施形態の概略図である。
図16B】さらなる実施形態の概略図である。
図16C】さらなる実施形態の概略図である。
図17A】さらなる実施形態の概略図である。
図17B】さらなる実施形態の概略図である。
図17C】さらなる実施形態の概略図である。
図18】さらなる実施形態の概略図である。
【0011】
図面に示される要素は単純化及び明確性のために開示され、必ずしも正寸で描かれていないことは当業者には明らかである。例えば本発明の様々な実施形態の理解をより深めるために、図面のいくつかの要素の寸法はその他の要素に対して強調して描かれていることもある。さらに、本件で用いられる「第1」、「第2」やその類の用語はとりわけ類似する要素を区別するために使用され、必ずしも順次的または時系的な順番を示すものではない。また、明細書及び/又は請求項における「正面」、「背面」、「平面」、「底面」やその類の用語は便宜的な目的で使用され、必ずしも限定的な相対位置を総合的に表わすものではない。このような用語は例えば本願で開示される様々な実施形態が明確に図示又は説明される以外の配向でも操作可能であるような適切な状況下では置き換えられてもよいことを当業者は理解されたい。
【好適な実施形態の詳細な説明】
【0012】
以下の説明は本質的に例示的であり、本願が出願された時点で発明者が知り得た本発明の最良の態様を説明するもので、本発明の範囲をいかなる意味でも制限するものではない。その結果として、本願で開示される例示的な実施形態における全ての要素の配置及び/又は機能は、本願発明の精神および範疇から逸脱することなく変更を加えることが可能である。
【0013】
本発明に係るシステムは、機械的固定要素により流体中に機械的かつ移動可能に懸濁する少なくとも1つの装飾要素を含み、流体は機械的固定または可動要素の少なくとも1つとほぼ同じ屈折率を共有する。
【0014】
次に図1Aから1Eを参照すると、システム100は1つ以上の浮遊装飾要素102を備え、また、浮遊要素は移動または傾斜の自由が制限されている。浮遊装飾要素102は可動式柱またはスタンドオフ104を含んでもよい(バルク材料から機械加工されて機械的に所定位置に維持されるようにするか、または凹部106に個別に組み付けられる)。動きは、凹部106(動きに十分な透過性を可能にする緩いアリ溝相互接続内など)の端110のジオメトリにより、例えば全平面方向の一定角度まで制限される。当該柱104はより大きな上部112を有してもよく、これを金114でコーティングして、例えば他の当該浮遊装飾要素102と並置されると光反射からパイエットまたはグリッター効果を得るようにしてもよい。また、柱104を本明細書に記載の他種金属でコーティングしてもよい。また、柱と周囲流体116間の反応を回避するために保護層(非開示だが隔離されるよう表面を被覆する)を適応してもよい。異なる種類の層の組み合わせが可能である。また、個々の貴金部分または装飾を、当該柱104またはその上部112に配置してもよい。
【0015】
特に図1Bおよび1Eを参照すると、浮遊装飾要素102の傾斜は柱104下のジオメトリの特徴(傾斜面120、120’、120’’など)により強化または促進できる。加えて、代替的に柱/凹部の形状の組み合わせを用いるか組み合わせるかして、傾斜方向を予め決めるようにする。
【0016】
特に図1Eを参照すると、浮遊装飾要素102は底板130と天板132との間に保持されてもよい。底板130および天板132は、着用者にほぼ不可視であるように、有利にも周囲流体116の屈折率と似た屈折率を有する材料からなる。
【0017】
柱および支持部の材料は、屈折率整合液を見いだすことができるガラス材料からなる。
【0018】
次に図2を参照すると、ガラスチェーンメッシュ202のシステム200は、屈折率整合液206を見いだすことができるバルクガラス材料から機械加工される。ガラスチェーンメッシュ202はノット224と枠212とに接続するリンク222を含む。フレームブリッジ214は、針、または温度などの別の表示器を備える時計面216の境界を画定する。
【0019】
メッシュ202は同じバルク材料からなる枠内で懸濁する。このようにメッシュリンク222を構成することで、メッシュ連動ノット224は平面上を限定的に移動できる。当該ノット224はより大きな表面を含むように構成されてもよく、これはコーティングしてもよいし他の物を取り付けてもよい。リンクやノットに装飾要素204を取り付けてイメージを形成してもよい。
【0020】
次に図3Aから3Bを参照すると、システム300において装飾移動部分302はチャネル312によりガイドされる。基板310は透過材料からなり、チャネル312は例えばレーザでエッチングしてもよい。チャネル312を基板310で作り出すための代替工程では、化学エッチング、スパーク支援化学エッチング、機械エッチング、射出形成、ホットエンボス、またはこれら工程の任意の組み合わせを用いてもよい。装飾移動部分302は、チャネル312に摺動可能な任意の材料からなる支持部304で構成されうる。任意の貴金要素306を支持部304に取り付けてもよい。
【0021】
流体326は、基板310の屈折率に整合する空洞314を充填して、チャネル312を不可視にする。例えば、クリスタル316は空洞314を閉塞し、透過材料からなる。また、流体326は液体でもよく、システム上の潤滑剤として作用してもよい。液体は透明でも着色されてもよい。
【0022】
重力が作動原理である。しかし、重力は加速力および減速力を生み出すその他の任意の作動原理に置換できる。
【0023】
移動部分302およびチャネル312からなるそれらの摺動路のジオメトリは、システムがある位置で動かなくなってしまわないように選択される。
【0024】
装飾移動部分302の支持部304は、移動部分がチャネル312内で回動でき、その結果貴金要素306の向きが変わるように、円形にされうる。他方、支持部304の形状は、装飾移動部分302の回転を制限するように設計されうる。
【0025】
次に図4Aから4Bを参照すると、システム400において装飾移動部分402は柱412を中心に回転してガイドされる。基板410は透過材料からなり、柱412は例えばレーザでエッチングしてもよい。柱412を基板410で作り出すための代替工程では、化学エッチング、スパーク支援化学エッチング、機械エッチング、射出形成、ホットエンボス、またはこれら工程の任意の組み合わせを用いてもよい。装飾移動部分402は支持部404で構成されることができ、任意の貴金要素406を取り付けてもよい。支持部404は同じ透過材料からなってもよい。支持部404を貴金要素406で隠してもよい。
【0026】
流体426は、透過材料の屈折率に整合する空洞414を充填して、柱412および支持部404を不可視にする。また、流体426は液体でもよく、システム上の潤滑剤として作用してもよい。液体426は透明でも着色されてもよい。
【0027】
重力が作動原理である。しかし、重力はその他の任意の加速力および減速力に置換できる。
【0028】
回転部分のジオメトリは、システムがある位置で動かなくなってしまわないように選択される。回転部分の支持部404は基板410のエッチングされた構造でその動きを制限されてもよい。
【0029】
図4Aの鼻416で示すように、柱412が定義する回転軸の反対側で回転部分がより大きい質量を有すると、直感に反する動きを作ることができる。
【0030】
次に図5Aから5Eを参照すると、システム500において固体装飾要素502は細繊維506に固定され、流体510に囲まれている。繊維506は周囲流体510と同じ屈折率を有し、不可視である。流体は液体でもよい。流体は透明でも着色されてもよい。繊維506の捻転により固体装飾要素502が繊維の周囲でわずかにねじれ、動き効果が与えられる。
【0031】
一実施形態では、流体510のフロー512は第1可撓性チャンバ514の収縮により生じる。第1可撓性チャンバ514の収縮により変位した流体510は第2可撓性チャンバ516を充填し、第1可撓性チャンバ514の圧力が開放されると繊維506は元の状態に戻り、反対方向のフローが生じる。第1可撓性チャンバ514は、手動または機械システム520によって作動できる。もちろん、本明細書に開示の可撓性チャンバ514、516の位置決めは一例であり、異なる配置をしてもよい。
【0032】
次に図6Aから6Eを参照すると、システム600は1つ以上の繊維606を有するチャンバを含み、繊維はチャンバの側壁に取り付けられ、互いに、または所定の間隔で間隔を空け、そのすべてが流体610に囲まれている。繊維606は、不可視であるように、流体610と同じ屈折率を有する。流体は透明でも着色されてもよい。可動固体装飾要素602は、繊維606に沿って移動でき、孔620によりガイドされて、それらを介して繊維606に連結される。任意で、流体と似た屈折率を有して作られたいくつかの停止要素622が繊維606の特定場所に固定され、繊維606に沿う可動装飾要素602の変位が制限される。装置の向きおよび停止要素の位置に応じて、可動装飾要素602は予め定められた形に配置される。例えば、装置が垂直の場合は水平に、装置が上下反転する場合はランダム配置となる。一実施形態では、該1つ以上の可動装飾要素602は貴金要素630からなってもよく、または貴金要素を1つ以上の可動要素に取り付けてもよい。可動装飾要素602は定義された向きを保証するため、2つの繊維によりガイドされてもよい。
【0033】
次に図7Aから7B、および図8A、8Bを参照すると、システム700は着用可能な装身具に統合可能で、装飾要素702を含む。システムは、重力、装身具を着用する使用者の動き、外力、周囲流体726の動きを作動させる使用者、またはガイド要素706を動かす機械的トランスミッションにより付勢される1つ以上の方向で移動してもよく、当該機械的トランスミッションは使用者または時計システムで起動してもよく、当該時計システムは電気式または機械式動力でもよく、電子制御でもよい。装飾要素702はアタッチメント704によりガイド要素706に取り付けられる。当該アタッチメント704は完全剛性でもよく、それによりある程度の動き自由(1つ以上の方向へのたわみ)が生まれる。ガイド要素706は、不可視であるように、周囲流体726と同じ屈折率を有してもよい。ガイド要素706はガイドフィーチャ724で支持部722に取り付けられ、支持部は例えば装飾イメージ背景に取り付けられる。支持部722は、不可視であるように、周囲流体726と同じ屈折率を有してもよい。周囲流体726は液体でもよい。周囲流体726は透明でも着色されてもよい。ガイド要素706のためのガイドフィーチャ724により、1つ以上の自由な動き方向が生まれる。装飾要素702は、重力、周囲流体726の動き、ガイド要素706上の機械的作用、またはそれらを任意で組み合わせて動かしてもよい。
【0034】
図7Aから7Bには、支持部724に対する装飾要素702の制限された自由直線運動の一例が示されている。図8Aから8Bには、支持部724に対する装飾要素702の制限された自由回転運動の一例が示されている。
【0035】
次に図9および10を参照すると、装飾要素802はチャネル804によりガイドされ、使用者がプーリ820、スライダ822、その他の任意の適切な機構(本明細書に非開示)で生成する動きを伝達する伝達要素806により移動される。また、動きは、使用者が生成する代わりに時計システムで生成してもよく、当該時計システムは電気式または機械式動力であり、電子制御でもよい。装飾要素802をチャネル804内でガイドすることで、システム800が重力に対して動いたり、システム800がその着用者により任意の方向で加速したりすると、複数方向である程度の自由が生まれ、より生き生きとした挙動を装飾要素802に与えることができる。装身具810の可視領域に存在するトランスミッション機構の部分は、不可視であるように、周囲流体の屈折率と似た屈折率を有する材料からなってもよい。例えば、伝達要素806は有利にもガラス繊維からなってもよい。周囲流体は液体でもよい。周囲流体は透明でも着色されてもよい。装身具812の不可視領域に存在するトランスミッション機構の部分は、その機能に適切な任意の材料からなってもよい。
【0036】
システムは所与のイメージに「生き生きした」印象を提供する、つまりイメージは同じままでありながらその部品がランダムに移動するだけでなく、システムの異なる向き、またはアニメーションの起動によって作動する可動要素の位置に応じて、予め定められた異なるイメージを生成するように構成されてもよい。図11Aおよび11Bに、口の向きがイメージを変化させる一例が示されている。
【0037】
次に図12A~12Cを参照すると、装飾要素1202は、繊維、錘1204が組み付けられた糸であってもよい。糸1202は、流体カプセル1200の内部の一端または両端に取付けられてもよい。錘1204の材料は、着用者から本質的に見えないように、カプセル1200に含まれる1つ以上の流体1206の屈折率と同等の屈折率を有するように選択されてもよい。錘1204に対する重力の影響が、粘度および比重などの1つまたは複数の流体1206の物理的特性と組み合わされ、また、着用者の動きによって、糸1202および錘1204の動きが生じる。錘1204を囲む流体1206の比重が錘の比重よりも大きい場合、錘は浮く傾向がある。 反対であれば、錘は沈む傾向にある。このようにして、糸1202は、生物またはアニメーション化された装飾構造のような印象を与える。例えば、植物の葉や花、生物の手足などを表現するために、あるいは単に追加の造形的または非造形的な装飾要素として、他者の目に見える装飾要素を糸に追加することができる。
【0038】
図13A~13Bを参照すると、装飾要素は、着用者が規則的または不規則な形状の光学レンズ1304を通して見る固定画像1302であってもよい。光学レンズ1304は、流体カプセル1300の内部形状と組み合わせたその形状によって許容される、ある程度の動きの自由度を有する。光学レンズ1304の質量に対する重力の影響と、1つまたは複数の周囲の流体1306の物理的特性(粘度や比重など)とが組み合わされた着用者の動きは、固定画像1302に対する光学レンズの動きを生成する。このような動きは、固定画像1302にアニメーションのような錯覚を生じさせる。
【0039】
図14A~14Cを参照すると、装飾要素は、着用者が装飾された透明プレート1404を通して見る固定画像1402であり、そのような装飾は、グリッド1412、1414のような規則的なパターンであってもよい。装飾された透明プレート1404は、流体カプセル1400の内部形状と組み合わせたその形状によって許容される、ある程度の動きの自由度を有する。装飾された透明プレート1404の質量に対する重力の影響と組み合わされた着用者の動きは、1つまたは複数の周囲の流体1406の物理的特性(粘度や比重など)とさらに組み合わされて、固定画像1402に対する光学レンズの動きを生成する。このような動きは、固定画像1402にアニメーションのような錯覚を生じさせる。注意深く選択された場合、固定画像1402および装飾された透明板1404のパターンは、モアレ効果を生成することができる。モアレパターンまたはモアレ縞は、透明な隙間のある不透明な罫線パターンを別の同様のパターンに重ねたときに生じる可能性のある大規模な干渉パターンである。モアレの干渉縞が現れるためには、2つのパターンが完全に同じではなく、ずれていたり、回転していたり、ピッチがわずかに異なっていたりする必要がある。モアレパターンはさまざまな場面で現れる。印刷では、印刷されたドットのパターンが画像に干渉する。テレビやデジタル写真では、撮影対象物のパターンが光センサーの形状と干渉して、不要なアーチファクトが発生することがある。また、意図的に作られることもある。マイクロメートル単位では、非常に小さな動きの影響を増幅させるために使われる。
【0040】
図15A~15Bを参照すると、装飾要素は、流体カプセル1500内の1つまたは複数の透明な可撓性フィルム1504によって区切られたキャビティ1510内を自由に移動する移動要素1502の組み合わせであってもよい。流体カプセル1500をキャビティ1510に分離することで、移動要素1502の自由な衝突/自由な移動が可能となる。可撓性フィルム1504は、高い柔軟性を有し、キャビティ1510の間で流体1506の循環を可能にするための1つ以上の穴または開口部を有していてもよい。可撓性フィルムは、動きの自由度を高めるために、流体カプセル内の限られた場所にのみ取り付けられてもよい。フィルム1504の屈折率は、周囲の流体1506の屈折率に近くなるように選択されてもよい。フィルムには、目に見える部品が取り付けられていてもよいし、フィルムが動くことで生きているように見える装飾が印刷されていてもよい。
【0041】
図16A~16Cを参照すると、装飾要素1602は、動きの自由度が制限された多関節要素1610の鎖で作られていてもよい。鎖1602は、一端が流体カプセル1600に取り付けられ、他端が自由に動けるようになっていてもよい。多関節要素1610のいくつかは、実質的に見えないように、周囲の流体1606と同じ屈折率を有する材料で作られてもよく、他の多関節要素1610のいくつかは、任意的に希少な材料で作られた装飾要素で形成されてもよい。要素1610の間の関節1612は、制限されたまたは完全な動きの自由度を可能にしてもよい。関節1612が動きの自由度を平面に制限する場合、いくつかの鎖1602が互いに横方向に沿って設置されてもよく、鎖1602のいくつかの層が互いに前に設置されて、3D景観を作成してもよい。
【0042】
図17A~17Cを参照すると、装飾要素1702は、上述した形態のいずれかで形成されてもよく、流体カプセル1700は、流体1706の密度に対する自身の密度と、重力に対するカプセル1700の向きとの組み合わせによって作動する、自由に動くことができる少なくとも1つの移動要素1704を含んでもよい。少なくとも1つの移動要素1704のいくつかは、観察者から見えないように、カプセル1700に含まれる流体1706の屈折率と実質的に同様の屈折率を共有してもよい。移動要素1704の動きは、装飾要素1702との衝突をもたらし、移動要素の動きを増大させ、それによってアニメーション効果を増大させてもよい。装飾要素1702は、移動要素1704との衝突の発生を促進するように、突出部1710を含んでもよい。突起1710は、観察者から見えないように、カプセル1700に含まれる流体1706の屈折率と実質的に類似した屈折率を共有してもよい。
【0043】
図18を参照すると、装飾要素1802は、上述したような少なくとも1つの剛性を有するまたは柔軟性を有する要素で形成されており、自重と重力に対するカプセル1800の向きとの組み合わせによって作動する関節1804を介して、流体カプセル1800に取り付けられていてもよい。少なくとも1つの剛性を有するまたは柔軟性を有する要素1802および関節1804の一部は、観察者から見えないように、カプセル1800に含まれる流体1806の屈折率と実質的に同様の屈折率を共有してもよい。
【0044】
装飾要素は、1つまたは複数の画像を一緒に形成する。本出願全体において、画像は、具象的および非具象的な表現であってもよいことを理解されたい。装飾要素は、様々な寸法や形状であってもよく、ポリマー、金属、貴金属で作られていてもよく、結晶、ダイヤモンド、カプセル化された流体やゲルであってもよく、1つまたは複数の画像を作成する目的に応じて適切な任意の装飾要素であってもよい。
【0045】
流体カプセル1200、1300、1400、1500、1600、1700、1800は、底板、側壁、および透過性窓でできており、そのような窓は、サファイア、ガラス、プラスチック、またはその他の適切な透明材料で形成されており、1つまたは複数の流体1206、1306、1406、1506、1606、1706、1806で満たされており、そのような流体は、装飾的な移動要素と相互作用し、ユーザの可視性の程度を可変にするために、選択された粘度、屈折率、および比重を有する。流体カプセル1200、1300、1400、1500、1600、1700、1800の底板は、着用者が流体カプセルの下に配置された要素を、当該流体カプセルを通して見ることができるように、透明な材料で形成されていてもよい。
【0046】
いくつかの可動要素はシステムの不可視部分に隠れてもよく、アニメーションが作動すると現れる。
【0047】
いくつかの可動要素はシステムの任意位置で互いに隠れてもよく、アニメーションが作動すると隠れた可動要素が突然現れる。
【0048】
いくつかの要素はそれらが互いに重なる場合に色を変えてもよく、例えば半透明の青い部分上に半透明の黄色い部分が重なると緑色が現れる。
【0049】
本願で開示および説明される特定の実施形態は、本発明の代表的および最適な態様を示すものであって、本発明の範囲を制限することを意図したものでは決してないことを理解されたい。
【0050】
利点として、本システムおよび方法/装置は、個人の装身具のための一目見て生き生きとした装飾を作り出す。
【0051】
別の利点として、本発明は装飾物に動きを付す。
【0052】
別の利点として、本発明は動くとその外観を変化させる。
【0053】
また別の利点として、本発明は物への不可視で一部可動な固定を提供し、それにより魅力的な効果を提供する。
【0054】
当業者には理解されるように、本発明はシステム、装置又は方法として具現化することが可能である。
【0055】
また、本願のシステムは、本願と同様の機能を有する全ての物品、サービス又は情報の使用、販売及び/又は流通を意図したものである。
【0056】
本願の明細書及び図面は限定するためではなく例示的なものとして理解されたく、本願で説明される全ての改良は、本願の請求する発明の範囲に包含されることを意図される。従って、本願発明の範囲は、上記された単なる例示案からではなく、添付される請求項(すでに存在している、又は後に補正あるいは追加される請求項、又はそれに法的に相当する物)によって判断されるべきである。全ての方法又は工程の請求項で記載されるステップは、特に記載のない限りいかなる順序であっても実行可能であり、請求項に記載される特定の順序に限定されるものではない。さらに、装置の請求項で記載される要素及び/又は部品は、本願と本質的に同様の成果をもたらす様々な置換で組立又は操作的に構成されることも可能である。総じて、本願発明は請求項で記載される特定の構成に限定されるものではない。
【0057】
本願で記載される便益、利点や解決法は、全ての請求項の必須、重要あるいは不可欠な特徴又は要素であると考慮されるべきでない。
【0058】
本願で用いられる「からなる」、「から構成される」やその他の同様の言い回しは、要素の非限定的な一覧を表すために用いられ、その要素一覧から構成される本発明の装置、工程、方法、物品、又は構成は記載される要素のみを含むわけではなく、本明細書に記載されるその他の要素を含むことも可能である。また、「を含む」、「を含んでなる」または「を本質的に含む」といった言い回しは、別段に指定のない限り、列挙される要素のみに発明の範囲を限定する意図で用いられるものではない。本発明の実施に用いられる上記された要素、材料又は構造の組み合わせ及び/又は改良は、本発明の一般原則から逸脱することなく、当業者によってその他の設計に変更または適応することも可能である。
【0059】
上記で挙げられた特許及び記事は、別段の記載のない限り、本開示に反しない範囲において参照することにより本件に組み入れられる。
【0060】
本発明は以下の特徴セットを備えるものとして要約できる。
1.機械的固定要素により流体(116、206、326、426、510、610、726、826、1206、1306、1406、1506、1606、1706、1806)中に機械的かつ移動可能に懸濁する少なくとも1つの装飾要素(102、204、302、402、502、602、702、802、1202、1302、1304、1402、1404、1502、1602、1702、1704、1802)を含むシステム(100、200、300、400、500、600、700、800、1200、1300、1400、1500、1600、1700、1800)であり、(a)装飾要素の密度、(b)流体の密度、(c)流体の粘度、および/または(d)重力に対するシステムの向きの変化の組み合わせが、前記少なくとも1つの装飾要素の動きを発生させることを特徴とするシステム。
2.前記少なくとも1つの装飾要素(102、204、302、402、502、602、702、802、1202、1302、1304、1402、14040、1502、1602、1702、1704、1802)は、少なくとも1つの浮遊要素を含み、該浮遊要素の密度を局所的に変化させることで、動きが強調され、前記浮遊要素の密度が前記流体の密度よりも小さい場合、浮遊要素が浮いて前記装飾要素を上に傾ける傾向を示し、前記浮遊要素の密度が前記流体の密度よりも大きい場合、前記浮遊要素は沈んで前記装飾要素を下に傾ける傾向を示す特徴セット1のシステム。
3.前記少なくとも1つの浮遊要素は、観察者から見えなくなるように前記流体の屈折率と同等の屈折率を共有する特徴セット2のシステム。
4.前記少なくとも1つの装飾要素は、柔軟な糸である特徴セット1~3いずれかのシステム。
5.前記少なくとも1つの装飾要素は、連結された鎖(202、1602)である特徴セット1~3いずれかのシステム。
6.前記少なくとも1つの装飾要素は剛体であり、前記機械的固定要素は関節(1610、1804)である特徴セット1~3いずれかのシステム。
7.流体の密度に対する自身の密度と、重力に対するシステムの向きの変化との組み合わせにより、自由に移動して動作する移動要素を含む前記特徴セットのシステム。
8.前記移動要素は、前記少なくとも1つの装飾要素と衝突することで、アニメーション効果を増大させる特徴セット7のシステム。
9.前記移動要素の少なくとも1つは、観察者から見えなくなるように前記流体の屈折率と同等の屈折率を共有する特徴セット8のシステム。
10.前記装飾要素の少なくとも1つは、前記移動要素の少なくとも1つとの衝突の発生を生じやすくするように、少なくとも1つの突出部(1710)を有する特徴セット9のシステム。
11.前記システムは、クリスタルで密封されたケーシングを有する腕時計であり、前記流体は、クリスタルを通して着用者に見える前記ケーシング内に封入されている特徴セット1のシステム。
12.前記装飾要素(102、204、302、402、502、602、702、802、1202、1302、1304、1402、1404、1502、1602、1702、1704、1802)は、一端または両端が流体カプセル内に取り付けられた繊維、着用者から本質的に見えないように、流体カプセルに含まれる1つまたは複数の流体(116、206、326、426、510、610、726、826、1206、1306、1406、1506、1606、1706、1806)の屈折率と同等の屈折率を持つように選択された、錘が組み付けられた糸、着用者が規則的または不規則的な形状の光学レンズを通して見る固定画像、着用者が装飾された透明な板を通して見る固定画像、からなる装飾要素のグループから1つが選択され、前記装飾要素は、任意的に、格子のような規則的なパターンと、流体カプセル内の1つ以上の透明な可撓性フィルムで区切られたキャビティ内を自由に動く可動要素と、動きの自由度が制限された多関節要素の鎖との組み合わせである前記特徴セットのシステム。
13.重量に対する重力の影響が、1つまたは複数の流体の物理的特性および着用者の動きと組み合わされて、繊維または糸の動きを発生させる前記特徴セットのシステム。
14.1つ以上の流体の物理的特性は、粘度または比重である前記特徴セットのシステム。
15.錘を囲む流体(116、206、326、426、510、610、726、826、1206、1306、1406、1506、1606、1706、1806)の比重が錘の比重より大きい場合、錘は浮く傾向にあり、反対の場合、錘は沈む傾向にあり、糸に生物またはアニメーション化された装飾構造のような印象を与える前記特徴セットのシステム。
16.他者の目に見える装飾要素(114、204、306、502、602、702、802、1204、1304、1404)が、例えば、植物の葉や花、生物の手足を表現するために、あるいは単に追加の形象的または非形象的な装飾要素として、スレッドに追加される前記特徴セットのシステム。
17.システム1300、1400に接続された光学レンズは、その形状と流体カプセルの内部形状との組み合わせによって許容されるある程度の動きの自由度を有し、着用者の動きと組み合わされた光学レンズの質量に対する重力の影響および1つまたは複数の周囲の流体(116、206、326、426、510、610、726、826、1206、1306、1406、1506、1606、1706、1806)の物理的特性が、固定画像に対する光学レンズ(1304)の動きを生み出し、それによって固定画像にアニメーションのような錯覚を生じさせる特徴セット3のシステム。
18.1つ以上の前記流体(116、206、326、426、510、610、726、826、1206、1306、1406、1506、1606、1706、1806)の物理的特性は、粘度または比重である前記特徴セットのシステム。
19.グリッド(1412、1414)を備え、グリッド(1412、1414)は固定画像のパターンと光学的に干渉し、装飾された透明プレートはモアレ効果を生成する特徴セット12のシステム。
20.特徴セット1のシステムを使用して、個人用ウェアラブル機器、時計、ジュエリー、革製品、アパレル、アクセサリーなどの装飾物をアニメーション化することからなる方法。
21.PCT出願番号PCT/IB2015/000448に開示されている熱補償システムを含む前記特徴セットのシステム。
22.PCT出願番号PCT/IB2016/000249に開示されている電動式の特殊効果要素と発電システムを含む前記特徴セットのシステム。
23.明細書、従属する特徴セット、要約書(参照により本明細書に組み込まれる)、および/または図面に記載されたシステムおよび/または方法。
【0061】
本発明の他の特徴及び実施形態は添付の請求項において説明される。
【0062】
本発明の実現のために用いられる材料は、適切で本発明の作業温度範囲に準拠するように選択される。当該材料は、例えば、金属、ポリマーまたはガラス、特にサファイアガラスである。同様に、本発明の実現のために用いられる構造の場合には、例えば、ベローズ、チップ、または真性膜などの当該構造が、適切で本発明の作業温度範囲に準拠するように選択される。
【0063】
本願システムは熱補償システムを含んでもよく、該システムは液体の熱膨張および/または収縮に適応する機構を含み、温度上昇の場合は液体のシステム外への漏出を生じうる許容不能な高圧の発生を、また低温の場合は液体内での魅力的でない気泡の発生を回避する。このような熱補償は、着用者に一部または全部が不可視でもよい。このようなシステムは2015年4月7日に同一出願人により出願されたPCT出願第PCT/IB2015/000448号「透明な空洞内での液体の吸収/膨張/収縮/動きのためのシステムおよび方法」に開示され、その内容は参照として組み込まれると共に、それに依拠する。
【0064】
また、本発明は、電力消費要素を作動させるために使用者により電力供給される小型携帯可能装置を収容および使用してもよく、それは好ましくは着用可能で、力学エネルギー貯蔵を利用し、バッテリーやその他の電気化学貯蔵装置を必要とせずに、限られた時間、バックライト、イルミネーション、その他の特殊効果目的のために、要求に応じて起動する小型特殊効果要素を組み入れる。装置は、手動ばね負荷機構と、渦巻ばねと、手動トリガ機構と、回転速度を上げるためのトランスミッションと、小型ジェネレータと、トランスミッタまたは光源、好ましくは発光ダイオードなどの少なくとも1つの電力消費要素と、を含む。このような装置は2016年3月7日に同一出願人により出願されたPCT出願第PCT/IB2016/000249号「使用者により電力供給される小型照明装置、システム、およびその使用法」に開示され、その内容は参照として組み込まれると共に、それに依拠する。
【0065】
さらに、本発明は、新規性、進歩性及び産業上の利用性を具備すると考慮される本明細書、添付の請求項及び/又は図面において説明された全ての特徴の可能な全ての組み合わせから構成されることを考慮されたい。
【0066】
著作権は出願人またはその譲受人によって保有され、1つまたは複数の請求項で定義される権利の第三者への明示的なライセンス付与に関しては、本発明を残りの請求項に定義されるように使用する黙示的なライセンスは一切許諾されていない。さらに、一般または第三者に対して、この添付物および本願に含まれる全てのコンピュータープログラムを含め、本願明細書に基づいて二次的著作物を作成する明示的または黙示的なライセンスは許諾されていない。
【0067】
本発明の付加的な特徴及び機能性は添付の請求項及び/又は要約書において説明される。それらの請求項及び/又は要約書は参照として本明細書にその全てが組み込まれ、提出された出願の一部と考慮されたい。
【0068】
上述された発明の実施形態において、様々な変更及び改良を加えることが可能である。本発明の特定の具体的な実施形態が開示及び説明されたが、幅広い変更、改良及び置換が上述の実施形態では考慮される。上記の説明には多くの特定事項が含まれるが、発明の範囲を限定するものとしてではなく、むしろ1つ又はその他の好適な実施形態の例示であると考慮されたい。場合によっては、本発明のいくつかの特徴は、対応する他の特徴を使用することなく用いられる。従って、上述の説明は広義に解釈され、単なる例示として理解され、本発明の精神及び範囲は本出願で最終的に発行される請求項によってのみ限定されるべきである。

図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図5A
図5B
図5C
図5D
図5E
図6A-6D】
図6E
図7A
図7B
図8A
図8B
図9
図10
図11A
図11B
図12A
図12B
図12C
図13A
図13B
図14A
図14B
図14C
図15A
図15B
図16A
図16B
図16C
図17A
図17B
図17C
図18
【国際調査報告】