(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-07
(54)【発明の名称】混成触媒組成物、これを含む触媒およびこれらの調製方法
(51)【国際特許分類】
C08F 4/6592 20060101AFI20220531BHJP
C07F 7/00 20060101ALN20220531BHJP
C07F 17/00 20060101ALN20220531BHJP
【FI】
C08F4/6592
C07F7/00 A
C07F17/00
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021559013
(86)(22)【出願日】2020-03-27
(85)【翻訳文提出日】2021-10-01
(86)【国際出願番号】 KR2020004181
(87)【国際公開番号】W WO2020204480
(87)【国際公開日】2020-10-08
(31)【優先権主張番号】10-2019-0040114
(32)【優先日】2019-04-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520161344
【氏名又は名称】ハンファ ソリューションズ コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100121728
【氏名又は名称】井関 勝守
(74)【代理人】
【識別番号】100165803
【氏名又は名称】金子 修平
(74)【代理人】
【識別番号】100170900
【氏名又は名称】大西 渉
(72)【発明者】
【氏名】パク ランファ
(72)【発明者】
【氏名】パク ソンヨン
(72)【発明者】
【氏名】イ ヒョンスン
(72)【発明者】
【氏名】ジョン ウク
【テーマコード(参考)】
4H049
4H050
4J128
【Fターム(参考)】
4H049VN06
4H049VP01
4H049VQ91
4H049VR32
4H049VU14
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4H050AA03
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4J128AA02
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4J128EB07
4J128EB08
4J128EB09
4J128EB10
4J128EC01
4J128EC02
(57)【要約】
本発明は、異種の遷移金属化合物を含む混成触媒組成物、これを含むオレフィン重合用触媒、およびこれらを調製する方法に関するものである。具体的に、本発明は、優れた加工性および機械的物性を有する様々なポリオレフィンを調製し得る異種の遷移金属化合物を含む混成触媒組成物、これを含むオレフィン重合用触媒および混成遷移金属化合物の比率を調節して混成触媒組成物およびこれを含む触媒を調製する方法に関するものである。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記化学式1~3で表される遷移金属化合物のうち少なくとも2種を含む、混成触媒組成物:
【化1】
前記化学式1~3において、Mはそれぞれ、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)またはハフニウム(Hf)であり、
Xはそれぞれ独立して、ハロゲン、C
1-20アルキル、C
2-20アルケニル、C
2-20アルキニル、C
6-20アリール、C
1-20アルキルC
6-20アリール、C
6-20アリールC
1-20アルキル、C
1-20アルキルアミド、C
6-20アリールアミド、またはC
1-20アルキリデンであり、
R
1~R
5およびR
6~R
12はそれぞれ独立して、水素、置換または非置換のC
1-20アルキル、置換または非置換のC
2-20アルケニル、置換または非置換のC
6-20アリール、置換または非置換のC
1-20アルキルC
6-20アリール、置換または非置換のC
6-20アリールC
1-20アルキル、置換または非置換のC
1-20ヘテロアルキル、置換または非置換のC
3-20ヘテロアリール、置換または非置換のC
1-20アルキルアミド、置換または非置換のC
6-20アリールアミド、置換または非置換のC
1-20アルキリデン、または置換または非置換のC
1-20シリルであり、
前記R
1~R
5およびR
6~R
12はそれぞれ独立して、隣接する基が結合して置換または非置換の飽和または不飽和C
4-20環を形成し得る。
【請求項2】
前記Mはそれぞれ、ジルコニウム(Zr)またはハフニウム(Hf)であり、
前記Xはそれぞれ、ハロゲン、または置換または非置換のC
1-20アルキルであり、
前記R
1~R
5および前記R
6~R
12はそれぞれ、水素、置換または非置換のC
1-20アルキル、または置換または非置換のC
6-20アリールである、請求項1に記載の混成触媒組成物。
【請求項3】
前記化学式1で表される遷移金属化合物が、下記化学式1-1~1-10で表される遷移金属化合物のうちの少なくとも1つであり、
前記化学式2で表される遷移金属化合物が、下記化学式2-1~2-10で表される遷移金属化合物のうちの少なくとも1つであり、
前記化学式3で表される遷移金属化合物が、下記化学式3-1~3-10で表される遷移金属化合物のうちの少なくとも1つである、請求項1に記載の混成触媒組成物:
【化2】
【請求項4】
(1)下記化学式4で表される化合物と下記化学式5で表される化合物とを溶媒に溶解させる段階と、(2)前記段階(1)で得られた溶液に、下記化学式6で表される化合物を添加した後、撹拌して、下記化学式1~3で表される遷移金属化合物のうち少なくとも2種を含む混成触媒組成物を得る段階とを含み、前記化学式4で表される化合物と前記化学式5で表される化合物とのモル比が10:1~1:10の範囲である、混成触媒組成物の調製方法:
【化3】
前記化学式1~6において、M、X、R
1~R
5およびR
6~R
12は、請求項1で定義した通りである。
【請求項5】
前記化学式4で表される化合物が、下記化学式4-1~4-10で表される化合物のうちの少なくとも1つであり、
前記化学式5で表される化合物が、下記化学式5-1~5-10で表される化合物のうちの少なくとも1つである、請求項4に記載の混成触媒組成物の調製方法:
【化4】
【請求項6】
前記化学式6で表される化合物がZrCl
4である、請求項4に記載の混成触媒組成物の調製方法。
【請求項7】
前記溶媒が、ヘキサン、ペンタン、トルエン、ベンゼン、ジクロロメタン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、アセトン、および酢酸エチルからなる群より選択される少なくとも1種を含む、請求項4に記載の混成触媒組成物の調製方法。
【請求項8】
(2’)前記段階(2)で得られた混成触媒組成物を乾燥させる段階をさらに含む、請求項4に記載の混成触媒組成物の調製方法。
【請求項9】
(2’’)前記段階(2’)で得られた乾燥混成触媒組成物を溶媒に溶解した後、フィルターにより未反応物および/または不純物を除去する段階をさらに含む、請求項8に記載の混成触媒組成物の調製方法。
【請求項10】
前記溶媒が、ヘキサン、ペンタン、トルエン、ベンゼン、ジクロロメタン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、アセトン、および酢酸エチルからなる群より選択される少なくとも1種を含む、請求項9に記載の混成触媒組成物の調製方法。
【請求項11】
請求項1~3のいずれか1項に記載の混成触媒組成物と、助触媒化合物とを含む、オレフィン重合用触媒。
【請求項12】
前記助触媒化合物は、下記化学式7で表される化合物、化学式8で表される化合物および化学式9で表される化合物からなる群より選択される1つ以上である、請求項11に記載のオレフィン重合用触媒:
【化5】
前記化学式7において、nは2以上の整数であり、R
aはハロゲン原子、C
1-20炭化水素基、またはハロゲンで置換されたC
1-20炭化水素基であり、
前記化学式8において、Dはアルミニウム(Al)またはボロン(B)であり、R
b、R
cおよびR
dはそれぞれ独立して、ハロゲン原子、C
1-20炭化水素基、ハロゲンで置換されたC
1-20炭化水素基、またはC
1-20アルコキシ基であり、
前記化学式9において、Lは中性または陽イオン性ルイス塩基であり、[L-H]
+および[L]
+はブレンステッド酸であり、Zは第13族元素であり、Aはそれぞれ独立して置換または非置換のC
6-20アリール基か、置換または非置換のC
1-20アルキル基である。
【請求項13】
前記化学式7で表される化合物は、メチルアルミノキサン、エチルアルミノキサン、イソブチルアルミノキサン、およびブチルアルミノキサンからなる群より選択される少なくとも1つである、請求項12に記載のオレフィン重合用触媒。
【請求項14】
前記化学式8で表される化合物は、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリプロピルアルミニウム、トリブチルアルミニウム、ジメチルクロロアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリ-s-ブチルアルミニウム、トリシクロペンチルアルミニウム、トリペンチルアルミニウム、トリイソペンチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、エチルジメチルアルミニウム、メチルジエチルアルミニウム、トリフェニルアルミニウム、トリ-p-トリルアルミニウム、ジメチルアルミニウムメトキシド、ジメチルアルミニウムエトキシド、トリメチルボロン、トリエチルボロン、トリイソブチルボロン、トリプロピルボロン、およびトリブチルボロンからなる群より選択される少なくとも1つである、請求項12に記載のオレフィン重合用触媒。
【請求項15】
前記化学式9で表される化合物は、トリエチルアンモニウムテトラフェニルボレート、トリブチルアンモニウムテトラフェニルボレート、トリメチルアンモニウムテトラフェニルボレート、トリプロピルアンモニウムテトラフェニルボレート、トリメチルアンモニウムテトラ(p-トリル)ボレート、トリメチルアンモニウムテトラ(o、p-ジメチルフェニル)ボレート、トリブチルアンモニウムテトラ(p-トリフルオロメチルフェニル)ボレート、トリメチルアンモニウムテトラ(p-トリフルオロメチルフェニル)ボレート、トリブチルアンモニウムテトラペンタフルオロフェニルボレート、N,N-ジエチルアニリニウムテトラフェニルボレート、N,N-ジエチルアニリニウムテトラペンタフルオロフェニルボレート、ジエチルアンモニウムテトラペンタフルオロフェニルボレート、トリフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、トリメチルホスホニウムテトラフェニルボレート、トリエチルアンモニウムテトラフェニルアルミニウム、トリブチルアンモニウムテトラフェニルアルミニウム、トリメチルアンモニウムテトラフェニルアルミニウム、トリプロピルアンモニウムテトラフェニルアルミニウム、トリメチルアンモニウムテトラ(p-トリル)アルミニウム、トリプロピルアンモニウムテトラ(p-トリル)アルミニウム、トリエチルアンモニウムテトラ(o、p-ジメチルフェニル)アルミニウム、トリブチルアンモニウムテトラ(p-トリフルオロメチルフェニル)アルミニウム、トリメチルアンモニウムテトラ(p-トリフルオロメチルフェニル)アルミニウム、トリブチルアンモニウムテトラペンタフルオロフェニルアルミニウム、N,N-ジエチルアニリニウムテトラフェニルアルミニウム、N,N-ジエチルアニリニウムテトラペンタフルオロフェニルアルミニウム、ジエチルアンモニウムテトラペンタテトラフェニルアルミニウム、トリフェニルホスホニウムテトラフェニルアルミニウム、トリメチルホスホニウムテトラフェニルアルミニウム、トリプロピルアンモニウムテトラ(p-トリル)ボレート、トリエチルアンモニウムテトラ(o、p-ジメチルフェニル)ボレート、トリブチルアンモニウムテトラ(p-トリフルオロメチルフェニル)ボレート、トリフェニルカルベニウムテトラ(p-トリフルオロメチルフェニル)ボレート、およびトリフェニルカルベニウムテトラペンタフルオロフェニルボレートからなる群より選択される少なくとも1つである、請求項12に記載のオレフィン重合用触媒。
【請求項16】
前記混成触媒組成物、前記助触媒化合物、またはその両方とも担持する担体をさらに含む、請求項11に記載のオレフィン重合用触媒。
【請求項17】
前記担体が、シリカ、アルミナ、および酸化マグネシウム(マグネシア)からなる群より選択される少なくとも1つを含む、請求項16に記載のオレフィン重合用触媒。
【請求項18】
前記担体に担持される前記混成遷移金属化合物の総量が、担体1gを基準に0.001mmol~1mmolであり、前記担体に担持される前記助触媒化合物の量が、担体1gを基準に2mmol~15mmolである、請求項16に記載のオレフィン重合用触媒。
【請求項19】
(1)下記化学式4で表される化合物と、下記化学式5で表される化合物とを溶媒に溶解させる段階と、(2)前記段階(1)で得られた溶液に、下記化学式6で表される化合物を添加した後、撹拌して、下記化学式1~3で表される遷移金属化合物のうち少なくとも2種を含む混成触媒組成物を得る段階と、(3)前記段階(2)で得られた混成触媒組成物、助触媒化合物、またはその両方とも担体に担持させる段階とを含み、前記化学式4で表される化合物と、前記化学式5で表される化合物とのモル比が10:1~1:10の範囲である、オレフィン重合用触媒の調製方法:
【化6】
前記化学式1~6において、M、X、R
1~R
5およびR
6~R
12は、請求項1で定義した通りである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、異種の遷移金属化合物を含む混成触媒組成物、これを含むオレフィン重合用触媒、およびこれらを調製する方法に関するものである。具体的に、本発明は、優れた加工性および機械的物性を有する様々なポリオレフィンを調製し得る2種以上の遷移金属化合物を含む混成触媒組成物、これを含むオレフィン重合用触媒、並びに当該混成触媒組成物および触媒を調製する方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ポリオレフィン系重合体は、実生活において買い物袋、ビニールハウス、漁網、タバコ包装紙、ラーメン包装袋、ヨーグルトボトル、バッテリーケース、自動車バンパー、内装材、靴底、洗濯機などの素材として多様に使用される。
【0003】
従来、ポリエチレン、ポリプロピレン、およびエチレン-αオレフィン共重合体のようなポリオレフィン系重合体とこれらの共重合体は、チタン化合物とアルキルアルミニウム化合物からなるチーグラー・ナッタ(Ziegler-Natta)触媒のような不均一系触媒によって調製された。
【0004】
最近では、触媒活性が非常に高い均一系触媒であるメタロセン触媒を用いたポリオレフィンの調製方法が研究されている。メタロセン触媒は、遷移金属または遷移金属ハロゲン化合物に、シクロペンタジエニル(cyclopentadienyl)、インデニル(indenyl)、シクロヘプタジエニル(cycloheptadienyl)などのリガンドが配位結合された化合物として、サンドイッチ構造を基本的な形態として有する。この際、リガンドの形態と中心金属の種類によって様々な分子構造を有する。
【0005】
不均一系触媒であるチーグラー・ナッタ触媒が、活性点である金属成分が不活性である固体表面に分散され活性点の性質が均一ではないことに対し、メタロセン触媒は、一定の構造を有する1つの化合物であるため、すべての活性点が同じ重合特性を有する単一活性点触媒(single-site catalyst)として知られている。
【0006】
一般的に、メタロセン触媒は、それ自体だけでは重合触媒としての活性がないため、メチルアルミノキサンなどの助触媒とともに用いられる。助触媒の作用によってメタロセン触媒が陽イオンに活性化すると同時に、助触媒は、メタロセン触媒に配位していない陰イオンとして不飽和となった陽イオン活性種を安定化させ、各種オレフィン重合に活性を有する触媒系を形成する。
【0007】
このようなメタロセン触媒は、共重合が容易であり、触媒の対称性により重合体の立体構造を調節することができ、これにより調製された高分子は、分子量分布が狭く共単量体の分布が均一であるという長所を持つ。
【0008】
一方、メタロセン触媒により調製された重合体は、狭い分子量分布のため、機械的強度は優れるが、加工性が低いという問題点を有する。このような問題点を解決するために、重合体の分子構造を変更したり、分子量分布を広くしたりするなどと、様々な方法が提示されている。例えば特許文献1では、重合体の主鎖に分枝として長鎖分枝(long chain branch;LCB)を導入させる触媒を利用して重合体の加工性を改善したが、担持触媒の場合は活性が低いという問題点が存在する。
【0009】
このような単一メタロセン触媒の問題点を解決し、より簡便で活性が優れながらも加工性が改善する触媒を開発するために、互いに異なる特性を有するメタロセン触媒(異種メタロセン触媒)を混成担持する方法が提示された。例えば、特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5、特許文献6には、共単量体に対する反応性が互いに異なる触媒を用いて、二峰性(bimodal)分子量分布を有するポリオレフィンを調製する方法が開示されている。このような方法により調製された二峰性分子量分布を有するポリオレフィンは、加工性は向上するものの互いに異なる分子量分布を有するために同質性が低くなる。したがって、加工後に均一な物性を有する製品を得るのが難しく、機械的強度が低下するという問題が存在する。
【0010】
また、異種メタロセン混成担持触媒の問題点を解決するために、活性点が2つである2核メタロセン触媒を用いた方法が提案された。例えば、特許文献7には、担体に二重核メタロセン触媒を利用して分子量分布および分子量を制御する方法が提示されているが、活性が低いという問題点が存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】米国特許第5272236号明細書
【特許文献2】米国特許第4935474号明細書
【特許文献3】米国特許第6828394号明細書
【特許文献4】米国特許第6894128号明細書
【特許文献5】韓国登録特許第1437509号公報
【特許文献6】米国特許第6841631号明細書
【特許文献7】韓国公開特許第2004-0076965号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の目的は、優れた加工性および機械的物性を有する様々なポリオレフィンを調製し得る異種の遷移金属化合物を含む混成触媒組成物およびこれを含むオレフィン重合用触媒を提供するものである。
【0013】
本発明の他の目的は、遷移金属化合物の比率を調節することにより、混成触媒組成物およびこれを含むオレフィン重合用触媒を調製する方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の目的を達成するための一具体例により、下記化学式1~3で表される遷移金属化合物のうち少なくとも2種を含む混成触媒組成物が提供される。
【0015】
【0016】
前記化学式1~3において、Mはそれぞれ、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)またはハフニウム(Hf)である。
【0017】
Xはそれぞれ独立して、ハロゲン、C1-20アルキル、C2-20アルケニル、C2-20アルキニル、C6-20アリール、C1-20アルキルC6-20アリール、C6-20アリールC1-20アルキル、C1-20アルキルアミド、C6-20アリールアミド、またはC1-20アルキリデンである。
【0018】
R1~R5およびR6~R12はそれぞれ独立して、水素、置換または非置換のC1-20アルキル、置換または非置換のC2-20アルケニル、置換または非置換のC6-20アリール、置換または非置換のC1-20アルキルC6-20アリール、置換または非置換のC6-20アリールC1-20アルキル、置換または非置換のC1-20ヘテロアルキル、置換または非置換のC3-20ヘテロアリール、置換または非置換のC1-20アルキルアミド、置換または非置換のC6-20アリールアミド、置換または非置換のC1-20アルキリデン、または置換または非置換のC1-20シリルである。
【0019】
前記R1~R5およびR6~R12はそれぞれ独立して、隣接する基が結合して置換または非置換の飽和または不飽和C4-20環を形成し得る。
【0020】
具体的に、前記化学式1~3において、Mはジルコニウムまたはハフニウムであり、Xはそれぞれハロゲン、または置換または非置換のC1-20アルキルであり、R1~R5およびR6~R12はそれぞれ、水素、置換または非置換のC1-20アルキル、または置換または非置換のC6-20アリールであり得る。
【0021】
好ましくは、前記化学式1で表される遷移金属化合物が、下記化学式1-1~1-10で表される遷移金属化合物のうちの少なくとも1つであり、前記化学式2で表される遷移金属化合物が、下記化学式2-1~2-10で表される遷移金属化合物のうちの少なくとも1つであり、前記化学式3で表される遷移金属化合物が、下記化学式3-1~3-10で表される遷移金属化合物のうちの少なくとも1つである。
【0022】
【0023】
本発明の一具体例により、(1)下記化学式4で表される化合物と下記化学式5で表される化合物とを溶媒に溶解させる段階と、(2)前記段階(1)で得られた溶液に、下記化学式6で表される化合物を添加した後、撹拌して、前記化学式1~3で表される遷移金属化合物のうち少なくとも2種を含む混成触媒組成物を得る段階とを含み、前記化学式4で表される化合物と前記化学式5で表される化合物とのモル比が10:1~1:10の範囲である、混成触媒組成物の調製方法が提供される。
【0024】
【0025】
前記化学式4~6において、M、X、R1~R5およびR6~R12は、前記混成触媒組成物の項目で説明した通りである。
【0026】
好ましくは、前記化学式4で表される化合物が、下記化学式4-1~4-10で表される化合物のうちの少なくとも1つであり、前記化学式5で表される化合物が、下記化学式5-1~5-10で表される化合物のうちの少なくとも1つである。
【0027】
【0028】
好ましくは、前記化学式6で表される化合物がZrCl4である。
【0029】
ここで、溶媒は、ヘキサン、ペンタン、トルエン、ベンゼン、ジクロロメタン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、アセトン、および酢酸エチルからなる群より選択される少なくとも1種を含み得る。
【0030】
本発明の一具体例による混成触媒組成物の調製方法は、(2’)前記段階(2)で得られた混成触媒組成物を乾燥させる段階をさらに含み得る。
【0031】
また、本発明の一具体例による混成触媒組成物の調製方法は、(2’’)前記段階(2’)で得られた乾燥混成触媒組成物を溶媒に溶解させた後、フィルターにより未反応物および/または不純物を除去する段階をさらに含み得る。
【0032】
本発明の他の目的を達成するための一具体例により、前記化学式1~3で表される遷移金属化合物のうち少なくとも2種を含む混成触媒組成物と、助触媒化合物とを含むオレフィン重合用触媒が提供される。
【0033】
ここで、前記助触媒化合物は、下記化学式7で表される化合物、化学式8で表される化合物および化学式9で表される化合物からなる群より選択される1つ以上であり得る。
【0034】
【0035】
前記化学式7において、nは2以上の整数であり、Raはハロゲン原子、C1-20炭化水素基、またはハロゲンで置換されたC1-20炭化水素基である。
【0036】
前記化学式8において、Dはアルミニウム(Al)またはボロン(B)であり、Rb、RcおよびRdはそれぞれ独立して、ハロゲン原子、C1-20炭化水素基、ハロゲンで置換されたC1-20炭化水素基、またはC1-20アルコキシ基である。
【0037】
前記化学式9において、Lは中性または陽イオン性ルイス塩基であり、[L-H]+および[L]+はブレンステッド酸であり、Zは第13族元素であり、Aはそれぞれ独立して置換または非置換のC6-20アリール基か、置換または非置換のC1-20アルキル基である。
【0038】
具体的に、前記化学式7で表される化合物は、メチルアルミノキサン、エチルアルミノキサン、イソブチルアルミノキサン、およびブチルアルミノキサンからなる群より選択される少なくとも1つである。
【0039】
また、前記化学式8で表される化合物は、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリプロピルアルミニウム、トリブチルアルミニウム、ジメチルクロロアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリ-s-ブチルアルミニウム、トリシクロペンチルアルミニウム、トリペンチルアルミニウム、トリイソペンチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、エチルジメチルアルミニウム、メチルジエチルアルミニウム、トリフェニルアルミニウム、トリ-p-トリルアルミニウム、ジメチルアルミニウムメトキシド、ジメチルアルミニウムエトキシド、トリメチルボロン、トリエチルボロン、トリイソブチルボロン、トリプロピルボロン、およびトリブチルボロンからなる群より選択される少なくとも1つである。
【0040】
また、前記化学式9で表される化合物は、トリエチルアンモニウムテトラフェニルボレート、トリブチルアンモニウムテトラフェニルボレート、トリメチルアンモニウムテトラフェニルボレート、トリプロピルアンモニウムテトラフェニルボレート、トリメチルアンモニウムテトラ(p-トリル)ボレート、トリメチルアンモニウムテトラ(o、p-ジメチルフェニル)ボレート、トリブチルアンモニウムテトラ(p-トリフルオロメチルフェニル)ボレート、トリメチルアンモニウムテトラ(p-トリフルオロメチルフェニル)ボレート、トリブチルアンモニウムテトラペンタフルオロフェニルボレート、N,N-ジエチルアニリニウムテトラフェニルボレート、N,N-ジエチルアニリニウムテトラペンタフルオロフェニルボレート、ジエチルアンモニウムテトラペンタフルオロフェニルボレート、トリフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、トリメチルホスホニウムテトラフェニルボレート、トリエチルアンモニウムテトラフェニルアルミニウム、トリブチルアンモニウムテトラフェニルアルミニウム、トリメチルアンモニウムテトラフェニルアルミニウム、トリプロピルアンモニウムテトラフェニルアルミニウム、トリメチルアンモニウムテトラ(p-トリル)アルミニウム、トリプロピルアンモニウムテトラ(p-トリル)アルミニウム、トリエチルアンモニウムテトラ(o、p-ジメチルフェニル)アルミニウム、トリブチルアンモニウムテトラ(p-トリフルオロメチルフェニル)アルミニウム、トリメチルアンモニウムテトラ(p-トリフルオロメチルフェニル)アルミニウム、トリブチルアンモニウムテトラペンタフルオロフェニルアルミニウム、N,N-ジエチルアニリニウムテトラフェニルアルミニウム、N,N-ジエチルアニリニウムテトラペンタフルオロフェニルアルミニウム、ジエチルアンモニウムテトラペンタテトラフェニルアルミニウム、トリフェニルホスホニウムテトラフェニルアルミニウム、トリメチルホスホニウムテトラフェニルアルミニウム、トリプロピルアンモニウムテトラ(p-トリル)ボレート、トリエチルアンモニウムテトラ(o、p-ジメチルフェニル)ボレート、トリブチルアンモニウムテトラ(p-トリフルオロメチルフェニル)ボレート、トリフェニルカルベニウムテトラ(p-トリフルオロメチルフェニル)ボレート、およびトリフェニルカルベニウムテトラペンタフルオロフェニルボレートからなる群より選択される少なくとも1つである。
【0041】
好ましくは、前記オレフィン重合用触媒が、前記混成触媒組成物を担持する担体をさらに含む。具体的に、前記担体が、混成触媒組成物と助触媒化合物とを両方とも担持し得る。
【0042】
具体的に、前記担体は、シリカ、アルミナ、および酸化マグネシウム(マグネシア)からなる群より選択される少なくとも1つを含み得る。
【0043】
ここで、前記担体に担持される前記混成遷移金属化合物の総量が、担体1gを基準に0.001mmol~1mmolであり、前記担体に担持される前記助触媒化合物の量が、担体1gを基準に2mmol~15mmolである。
【0044】
本発明の他の具体例により、(1)前記化学式4で表される化合物と、前記化学式5で表される化合物とを溶媒に溶解させる段階と、(2)前記段階(1)で得られた溶液に、前記化学式6で表される化合物を添加した後、撹拌して、前記化学式1~3で表される遷移金属化合物のうち少なくとも2種を含む混成触媒組成物を得る段階と、(3)前記段階(2)で得られた混成触媒組成物、助触媒化合物、またはその両方とも担体に担持させる段階とを含み、前記化学式4で表される化合物と前記化学式5で表される化合物とのモル比が10:1~1:10の範囲である、オレフィン重合用触媒の調製方法が提供される。
【発明の効果】
【0045】
本発明の具体例による異種の遷移金属化合物を含む混成触媒組成物およびこれを含むオレフィン重合用触媒は、当該遷移金属化合物の含有量に応じて、優れた加工性および機械的物性を有するポリオレフィンを調製することができる。
【0046】
また、異種の遷移金属化合物を含む混成触媒組成物およびこれを含むオレフィン重合用触媒を調製する方法は、混成遷移金属化合物の比率を精密に調節することにより、優れた加工性および機械的物性を有するポリオレフィン重合用触媒を容易に提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0047】
以下、本発明についてより詳細に説明する。
【0048】
[異種の遷移金属化合物を含む混成触媒組成物]
本発明の一具体例により、下記化学式1~3で表される遷移金属化合物のうち少なくとも2種を含む混成触媒組成物が提供される。
【0049】
【0050】
前記化学式1~3において、Mは、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)またはハフニウム(Hf)である。具体的に、Mはジルコニウムまたはハフニウムであり得る。
【0051】
Xはそれぞれ独立して、ハロゲン、C1-20アルキル、C2-20アルケニル、C2-20アルキニル、C6-20アリール、C1-20アルキルC6-20アリール、C6-20アリールC1-20アルキル、C1-20アルキルアミド、C6-20アリールアミド、またはC1-20アルキリデンである。具体的に、Xはそれぞれハロゲン、または置換または非置換のC1-20アルキルであり得る。より具体的に、Xはそれぞれ塩素であり得る。
【0052】
R1~R5およびR6~R12はそれぞれ独立して、水素、置換または非置換のC1-20アルキル、置換または非置換のC2-20アルケニル、置換または非置換のC6-20アリール、置換または非置換のC1-20アルキルC6-20アリール、置換または非置換のC6-20アリールC1-20アルキル、置換または非置換のC1-20ヘテロアルキル、置換または非置換のC3-20ヘテロアリール、置換または非置換のC1-20アルキルアミド、置換または非置換のC6-20アリールアミド、置換または非置換のC1-20アルキリデン、または置換または非置換のC1-20シリルである。なお、R1~R5およびR6~R12はそれぞれ独立して、隣接する基が結合して置換または非置換の飽和または不飽和C4-20環を形成し得る。具体的に、R1~R5およびR6~R12はそれぞれ、水素、置換または非置換のC1-20アルキル、または置換または非置換のC6-20アリールであり得る。
【0053】
具体的に、前記化学式1~3において、Mはジルコニウムまたはハフニウムであり、Xはそれぞれハロゲン、または置換または非置換のC1-20アルキルであり、R1~R5およびR6~R12はそれぞれ、水素、置換または非置換のC1-20アルキル、または置換または非置換のC6-20アリールであり得る。
【0054】
本発明の好ましい具体例において、前記化学式1で表される遷移金属化合物が、下記化学式1-1~1-10で表される遷移金属化合物のうちの少なくとも1つであり、前記化学式2で表される遷移金属化合物が、下記化学式2-1~2-10で表される遷移金属化合物のうちの少なくとも1つであり、前記化学式3で表される遷移金属化合物が、下記化学式3-1~3-10で表される遷移金属化合物のうちの少なくとも1つであり得る。
【0055】
【0056】
[混成触媒組成物の調製方法]
本発明の一具体例により、(1)下記化学式4で表される化合物と下記化学式5で表される化合物とを溶媒に溶解させる段階と、(2)前記段階(1)で得られた溶液に、下記化学式6で表される化合物を添加した後、撹拌して、下記化学式1~3で表される遷移金属化合物のうち少なくとも2種を含む混成触媒組成物を得る段階とを含み、前記化学式4で表される化合物と前記化学式5で表される化合物のモル比が10:1~1:10の範囲である、混成触媒組成物の調製方法が提供される。
【0057】
【0058】
前記化学式4~6において、M、X、R1~R5およびR6~R12は、前記混成触媒組成物の項目で説明した通りである。
【0059】
具体的に、前記段階(1)において、前記化学式4で表される化合物と、前記化学式5で表される化合物とを溶媒に溶解させる。
【0060】
好ましくは、前記化学式4で表される化合物が、下記化学式4-1~4-10で示される化合物のうちの少なくとも1つであり、前記化学式5で表される化合物が、下記化学式5-1~5-10で表される化合物のうちの少なくとも1つである。
【0061】
【0062】
また、溶媒は、ヘキサン、ペンタンのような脂肪族炭化水素溶媒、トルエン、ベンゼンのような芳香族炭化水素溶媒、ジクロロメタンのような塩素原子で置換された炭化水素溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランのようなエーテル系溶媒、アセトン、およびエチル酢酸からなる群より選択される少なくとも1種を含み得る。好ましくは、前記溶媒がトルエンとテトラヒドロフランとの混合溶媒であり得るが、特にこれに限定されるものではない。
【0063】
前記化学式4で表される化合物と前記化学式5で表される化合物とを溶媒に溶解させる際、各化合物の投入順序は、特に限定されない。つまり、化学式4で表される化合物をまず溶媒に添加して溶解させた後、化学式5で表される化合物を溶媒に添加して溶解させても良く、その逆の順序で溶解させても良い。また、その2つの化合物を同時に溶媒に添加して溶解させても良い。
【0064】
前記化学式4で表される化合物と前記化学式5で表される化合物とを溶媒に溶解させる際、温度と溶解時間は特に限定されない。例えば、-78℃~30℃の温度、好ましくは-40℃~10℃の温度、より好ましくは約-30℃の温度にて、前記化学式4で表される化合物と前記化学式5で表される化合物とを、それぞれまたは同時に溶媒に添加し、1時間~24時間、好ましくは5時間~20時間、より好ましくは約15時間の間、それを撹拌して溶解させ得る。
【0065】
前記段階(1)において、溶媒に溶解される化学式4で表される化合物と化学式5で表される化合物とのモル比は、10:1~1:10の範囲である。好ましくは、該2つの化合物のモル比が5:1~1:5である。より好ましくは、該2つの化合物のモル比が3:1~1:3である。
【0066】
前記段階(2)において、段階(1)で得られた溶液に前記化学式6で表される化合物を添加した後、撹拌して、前記化学式1~3で表される遷移金属化合物のうち少なくとも2種を含む混成触媒組成物を得る。
【0067】
好ましくは、前記化学式6で表される化合物がZrCl4である。
【0068】
前記化学式6で表される化合物を添加する際の温度は、-78℃~30℃の範囲であることが好ましい。より好ましくは、前記化学式6で表される化合物を添加する際の温度は、-40℃~10℃であり得る。最も好ましくは、前記化学式6で表される化合物を添加する際の温度は、約-30℃であり得る。
【0069】
前記化学式6で表される化合物を添加した後、温度を-30℃~100℃の範囲、より好ましくは0℃~50℃の範囲、最も好ましくは約25℃に徐々に上げて1時間~24時間、好ましくは、5時間~20時間、より好ましくは約15時間撹拌して反応させる。
【0070】
本発明の他の具体例による混成触媒組成物の調製方法は、(2’)前記段階(2)で得られた混成触媒組成物を乾燥させる段階をさらに含み得る。ここで、組成物の乾燥条件は特に限定されないが、25℃~80℃の温度範囲、より好ましくは25℃~50℃の温度範囲、最も好ましくは約25℃の温度にて行われ得る。
【0071】
また、本発明の他の具体例による混成触媒組成物の調製方法は、(2’’)前記段階(2’)で得られた乾燥混成触媒組成物を溶媒に溶解させた後、フィルターにより未反応物および/または不純物を除去する段階をさらに含み得る。ここで、溶媒は、前記段階(1)で使用された溶媒と実質的に同一であり得る。好ましくは、ジクロロメタンが使用され得る。未反応物および/または不純物を除去するフィルターは特に限定されないが、セライトフィルターを使用することが好ましい。
【0072】
[オレフィン重合用触媒]
本発明の他の具体例により、下記化学式1~3で表される遷移金属化合物のうち少なくとも2種を含む混成触媒組成物と、助触媒化合物とを含むオレフィン重合用触媒が提供される。
【0073】
【0074】
前記化学式1~3において、M、X、R1~R5およびR6~R12は、前記混成触媒組成物の項目で説明した通りである。
【0075】
本発明の好ましい具体例において、前記化学式1で表される遷移金属化合物が、下記化学式1-1~1-10で表される遷移金属化合物のうちの少なくとも1つであり、前記化学式2で表される遷移金属化合物が、下記化学式2-1~2-10で表される遷移金属化合物のうちの少なくとも1つであり、前記化学式3で表される遷移金属化合物が、下記化学式3-1~3-10で表される遷移金属化合物のうちの少なくとも1つであり得る。
【0076】
【0077】
一方、助触媒化合物は、下記化学式7で表される化合物、化学式8で表される化合物および化学式9で表される化合物のうち1つ以上を含み得る。
【0078】
【0079】
前記化学式7において、nは2以上の整数であり、Raはハロゲン原子、C1-20炭化水素基、またはハロゲンで置換されたC1-20炭化水素基であり得る。具体的に、Raはメチル、エチル、n-ブチル、またはイソブチルであり得る。
【0080】
【0081】
前記化学式8において、Dはアルミニウム(Al)またはボロン(B)であり、Rb、RcおよびRdはそれぞれ独立して、ハロゲン原子、C1-20炭化水素基、ハロゲンで置換されたC1-20炭化水素基またはC1-20アルコキシ基である。具体的に、Dがアルミニウム(Al)のとき、Rb、RcおよびRdはそれぞれ独立して、メチルまたはイソブチルであり、Dがボロン(B)のとき、Rb、RcおよびRdはそれぞれペンタフルオロフェニルであり得る。
【0082】
[化学式9]
[L-H]+[Z(A)4]-または[L]+[Z(A)4]-
【0083】
前記化学式9において、Lは中性または陽イオン性ルイス塩基であり、[L-H]+および[L]+はブレンステッド酸であり、Zは第13族元素であり、Aはそれぞれ独立して置換または非置換のC6-20アリール基か、置換または非置換のC1-20アルキル基である。具体的に、[L-H]+はジメチルアニリニウム陽イオンであり、[Z(A)4]-は[B(C6F5)4]-であり、[L]+は[(C6H5)3C]+であり得る。
【0084】
具体的に、前記化学式7で表される化合物の例としては、メチルアルミノキサン、エチルアルミノキサン、イソブチルアルミノキサン、ブチルアルミノキサン等が挙げられ、メチルアルミノキサンが好ましいが、これらに限定されるものではない。
【0085】
前記化学式8で表される化合物の例としては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリプロピルアルミニウム、トリブチルアルミニウム、ジメチルクロロアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリ-s-ブチルアルミニウム、トリシクロペンチルアルミニウム、トリペンチルアルミニウム、トリイソペンチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、エチルジメチルアルミニウム、メチルジエチルアルミニウム、トリフェニルアルミニウム、トリ-p-トリルアルミニウム、ジメチルアルミニウムメトキシド、ジメチルアルミニウムエトキシド、トリメチルボロン、トリエチルボロン、トリイソブチルボロン、トリプロピルボロン、トリブチルボロン等が挙げられ、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、およびトリイソブチルアルミニウムが好ましいが、これらに限定されるものではない。
【0086】
前記化学式9で表される化合物の例としては、トリエチルアンモニウムテトラフェニルボレート、トリブチルアンモニウムテトラフェニルボレート、トリメチルアンモニウムテトラフェニルボレート、トリプロピルアンモニウムテトラフェニルボレート、トリメチルアンモニウムテトラ(p-トリル)ボレート、トリメチルアンモニウムテトラ(o、p-ジメチルフェニル)ボレート、トリブチルアンモニウムテトラ(p-トリフルオロメチルフェニル)ボレート、トリメチルアンモニウムテトラ(p-トリフルオロメチルフェニル)ボレート、トリブチルアンモニウムテトラペンタフルオロフェニルボレート、N,N-ジエチルアニリニウムテトラフェニルボレート、N,N-ジエチルアニリニウムテトラペンタフルオロフェニルボレート、ジエチルアンモニウムテトラペンタフルオロフェニルボレート、トリフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、トリメチルホスホニウムテトラフェニルボレート、トリエチルアンモニウムテトラフェニルアルミニウム、トリブチルアンモニウムテトラフェニルアルミニウム、トリメチルアンモニウムテトラフェニルアルミニウム、トリプロピルアンモニウムテトラフェニルアルミニウム、トリメチルアンモニウムテトラ(p-トリル)アルミニウム、トリプロピルアンモニウムテトラ(p-トリル)アルミニウム、トリエチルアンモニウムテトラ(o、p-ジメチルフェニル)アルミニウム、トリブチルアンモニウムテトラ(p-トリフルオロメチルフェニル)アルミニウム、トリメチルアンモニウムテトラ(p-トリフルオロメチルフェニル)アルミニウム、トリブチルアンモニウムテトラペンタフルオロフェニルアルミニウム、N,N-ジエチルアニリニウムテトラフェニルアルミニウム、N,N-ジエチルアニリニウムテトラペンタフルオロフェニルアルミニウム、ジエチルアンモニウムテトラペンタテトラフェニルアルミニウム、トリフェニルホスホニウムテトラフェニルアルミニウム、トリメチルホスホニウムテトラフェニルアルミニウム、トリプロピルアンモニウムテトラ(p-トリル)ボレート、トリエチルアンモニウムテトラ(o、p-ジメチルフェニル)ボレート、トリブチルアンモニウムテトラ(p-トリフルオロメチルフェニル)ボレート、トリフェニルカルベニウムテトラ(p-トリフルオロメチルフェニル)ボレート、トリフェニルカルベニウムテトラペンタフルオロフェニルボレートなどが挙げられる。
【0087】
本発明の好ましい具体例において、オレフィン重合用触媒が混成触媒組成物を担持する担体をさらに含み得る。具体的に、担体が混成触媒組成物と助触媒化合物とを両方とも担持し得る。
【0088】
この際、担体は、表面にヒドロキシ基を含有する物質を含んでよく、好ましくは、乾燥され表面に水分が除去された、反応性の大きいヒドロキシ基とシロキサン基とを有する物質が使用され得る。例えば、担体は、シリカ、アルミナ、および酸化マグネシウム(マグネシア)からなる群より選択される少なくとも1つを含み得る。具体的に、高温で乾燥されたシリカ、シリカ-アルミナ、およびシリカ-マグネシア等が担体として用いられ、これらは通常、Na2O、K2CO3、BaSO4、およびMg(NO3)2等の酸化物、炭酸塩、硫酸塩、および硝酸塩成分を含有し得る。また、これらは、炭素、ゼオライト、塩化マグネシウム等をも含み得る。ただし、担体がこれらに限定されるものではなく、遷移金属化合物と助触媒化合物とを担持し得るものであれば特に限定されない。
【0089】
担体は、平均粒度が10μm~250μmであり、好ましくは、平均粒度が10μm~150μmであり、より好ましくは20μm~100μmであり得る。
【0090】
担体の微細気孔の体積は0.1cc/g~10cc/gであり、好ましくは0.5cc/g~5cc/gであり、より好ましくは1.0cc/g~3.0cc/gであり得る。
【0091】
担体の比表面積は、1m2/g~1000m2/gであり、好ましくは100m2/g~800m2/gであり、より好ましくは200m2/g~600m2/gであり得る。
【0092】
好ましい一実施例において、担体がシリカである場合、シリカの乾燥温度は常温~900℃であり得る。乾燥温度は、好ましくは常温~800℃、より好ましくは常温~700℃であり得る。乾燥温度が常温よりも低いと、水分が多すぎて表面の水分と助触媒が反応することとなり、900℃を超えると、担体の構造が崩壊され得る。
【0093】
乾燥されたシリカ内のヒドロキシ基の濃度は0.1mmol/g~5mmol/gであり、好ましくは0.7mmol/g~4mmol/gであり、より好ましくは1.0mmol/g~2mmol/gであり得る。ヒドロキシ基の濃度が0.1mmol/g未満であると、助触媒の担持量が低くなり、5mmol/gを超えると、触媒成分が不活性化する問題が発生し得る。
【0094】
担体に担持される混成遷移金属化合物の総量は、担体1gを基準に0.001mmol~1mmolであり得る。混成遷移金属化合物と担体の比が前記範囲を満足すると、適切な担持触媒活性を示し、触媒の活性維持および経済性の面から有利である。
【0095】
担体に担持される助触媒化合物の量は、担体1gを基準に2mmol~15mmolであり得る。助触媒化合物と担体との比が前記範囲を満足すると、触媒の活性維持および経済性の面から有利である。
【0096】
担体は、1種または2種以上が使用され得る。例えば、1種の担体に混成触媒組成物と助触媒化合物とが両方とも担持されても良く、2種以上の担体に混成触媒組成物と助触媒化合物とが、それぞれ担持されても良い。また、混成触媒組成物と助触媒化合物とのいずれか1つのみが担体に担持されても良い。
【0097】
[オレフィン重合用触媒の調製方法]
本発明の他の具体例により、(1)下記化学式4で表される化合物と下記化学式5で表される化合物を溶媒に溶解させる段階と、(2)前記段階(1)で得られた溶液に、下記化学式6で表される化合物を添加した後、撹拌して、下記化学式1~3で表される遷移金属化合物のうち少なくとも2種を含む混成触媒組成物を得る段階と、(3)前記段階(2)で得られた混成触媒組成物、助触媒化合物、またはその両方とも担体に担持させる段階とを含み、前記化学式4で表される化合物と前記化学式5で表される化合物とのモル比が10:1~1:10の範囲である、オレフィン重合用触媒の調製方法が提供される。
【0098】
【0099】
前記化学式1~6において、M、X、R1~R5およびR6~R12は、前記混成触媒組成物の項目で説明した通りである。
【0100】
前記段階(1)および段階(2)の具体的な内容は、前記混成触媒組成物の調製方法における段階(1)および段階(2)と実質的に同一である。
【0101】
本発明の他の具体例によるオレフィン重合用触媒の調製方法は、(2’)前記段階(2)で得られた組成物を乾燥させる段階をさらに含み得る。なお、前記段階(2’)の具体的な内容は、前記混成触媒組成物の調製方法における段階(2’)と実質的に同一である。
【0102】
また、本発明の他の具体例によるオレフィン重合用触媒の調製方法は、(2’’)前記段階(2’)で得られた乾燥組成物を溶媒に溶解させた後、フィルターにより未反応物および/または不純物を除去する段階をさらに含み得る。なお、前記段階(2’’)の具体的な内容は、前記混成触媒組成物の調製方法における段階(2’’)と実質的に同一である。
【0103】
前記段階(3)において、混成触媒組成物、助触媒化合物、またはその両方とも担体に担持させる。
【0104】
混成触媒組成物および/または助触媒化合物を担持する方法として、物理的吸着方法または化学的吸着方法が使用され得る。
【0105】
例えば、物理的吸着方法は、混成触媒組成物が溶解された溶液を担体に接触させた後、乾燥する方法、混成触媒組成物と助触媒化合物とが溶解された溶液を担体に接触させた後、乾燥する方法、または混成触媒組成物が溶解された溶液を担体に接触させた後、乾燥して、混成触媒組成物が担持された担体を調製し、これとは別に助触媒化合物が溶解された溶液を担体に接触させた後、乾燥して、助触媒化合物が担持された担体を調製した後、これらを混合する方法等であり得る。
【0106】
化学的吸着方法は、担体の表面に助触媒化合物をまず担持させた後、助触媒化合物に混成触媒組成物を担持させる方法、または担体の表面の官能基(例えば、シリカの場合、シリカ表面のヒドロキシ基(-OH))と混成遷移金属化合物とを共有結合させる方法等であり得る。
【0107】
なお、混成触媒組成物および/または助触媒化合物を担持させる際に使用される溶媒は、特に限定されない。例えば、溶媒はヘキサン、ペンタンのような脂肪族炭化水素溶媒、トルエン、ベンゼンのような芳香族炭化水素溶媒、ジクロロメタンのような塩素原子で置換された炭化水素溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランのようなエーテル系溶媒、アセトン、および酢酸エチルからなる群より選択される少なくとも1種を含み得る。
【0108】
好ましい一実施例において、前記段階(3)において担体に混成触媒組成物および/または助触媒化合物を担持させる過程は、0℃~100℃の温度、好ましくは室温~90℃の温度にて行われ得る。
【0109】
また、段階(3)において担体に混成触媒組成物および/または助触媒化合物を担持させる過程は、混成触媒組成物および/または助触媒化合物と担体との混合物を、1分~24時間、好ましくは5分~15時間十分に撹拌することにより行われ得る。
【0110】
[オレフィンの重合]
本発明の具体例によるオレフィン重合用触媒の存在下で、オレフィン系単量体を重合してオレフィン系重合体を調製し得る。
【0111】
なお、オレフィン系重合体は、オレフィン系単量体の単独重合体(homopolymer)またはオレフィン系単量体と共単量体との共重合体(copolymer)であり得る。
【0112】
オレフィン系単量体は、C2-20αオレフィン(α-olefin)、C1-20ジオレフィン(diolefin)、C3-20シクロオレフィン(cycloolefin)、およびC3-20シクロジオレフィン(cyclodiolefin)からなる群より選択される少なくとも1つである。
【0113】
例えば、オレフィン系単量体は、エチレン、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、4-メチル-1-ペンテン、1-ヘキセン、1-ヘプテン、1-オクテン、1-デセン、1-ウンセン、1-ドデセン、1-テトラデセン、または1-ヘキサデセン等であり、オレフィン系重合体は、前記例示のオレフィン系単量体を1種のみ含む単独重合体であるかまたは2種以上含む共重合体であり得る。
【0114】
例示的な実施例において、オレフィン系重合体は、エチレンとC3-20αオレフィンとが共重合された共重合体であって良く、エチレンと1-ヘキセンとが共重合された共重合体が好ましいが、これらに限定されるものではない。
【0115】
この場合、エチレンの含有量は、55重量%~99.9重量%が好ましく、90重量%~99.9重量%がより好ましい。αオレフィン系共単量体の含有量は、0.1重量%~45重量%が好ましく、0.1重量%~10重量%がより好ましい。
【0116】
本発明の具体例によるオレフィン系重合体は、例えば、フリーラジカル(free radical)、陽イオン(cationic)、配位(coordination)、縮合(condensation)、添加(addition)などの重合反応によって重合され得るが、これらに限定されるものではない。
【0117】
好ましい実施例として、オレフィン系重合体は、気相重合法、溶液重合法またはスラリー重合法などにより調製され得る。オレフィン系重合体が溶液重合法またはスラリー重合法により調製される場合、使用され得る溶媒の例として、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、ノナン、デカン、およびこれらの異性体のようなC5-12脂肪族炭化水素溶媒;トルエン、ベンゼンのような芳香族炭化水素溶媒;ジクロロメタン、クロロベンゼンのような塩素原子で置換された炭化水素溶媒;およびこれらの混合物などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【実施例】
【0118】
以下、実施例により、本発明をより具体的に説明する。ただし、以下の実施例は本発明を例示するためのものであり、本発明の範囲がこれらのみに限定されるものではない。
【0119】
(実施例1)
前記化学式5-1のインデニルリチウム(indenyllithium;IndLi)157mg(1.29mmol、3eq.)と、前記化学式4-1のシクロペンタジエニルリチウム(cyclopentadienyllithium;CpLi)31mg(0.43mmol、1eq.)とを、トルエン/テトラヒドロフランの混合溶媒(体積比2:1)20mLに溶かした。-30℃にて、この溶液に塩化ジルコニウム(ZrCl4)200mg(0.86mmol、2eq.)を添加した後、徐々に常温に上げて15時間撹拌した。反応生成物を乾燥させ、ジクロロメタン溶媒に添加して溶解した後、セライトフィルターにより塩化リチウム(LiCl)を除去して、混成遷移金属化合物294mg(収率:91%)を得た。
【0120】
1H NMRにより、Ind2ZrCl2/CpIndZrCl2(1.25:1)である混成遷移金属化合物の構造を確認した。
【0121】
1H-NMR (CDCl3, 300 MHz) 7.69-7.66 (m, 1.6H), 7.63-7.59 (m, 4H), 7.32-7.26 (m, 5.6H), 6.92 (t, 0.8H), 6.53 (d,1.4H), 6.49-6.46 (m, 2.8H), 6.16 (s, 5.7H)。
【0122】
(実施例2)
IndLi、CpLiおよびZrCl4をそれぞれ、140mg(1.14mmol、2eq.)、41mg(0.57mmol、1eq.)および200mg(0.86mmol、1.5eq.)の量で使用したことを除いては、実施例1と同様の方法により混成遷移金属化合物254mg(収率:81%)を得た。
【0123】
1H NMRにより、Ind2ZrCl2/CpIndZrCl2(1:1)である混成遷移金属化合物の構造を確認した。
【0124】
1H-NMR (CDCl3, 300 MHz) 7.69-7.66 (m, 2H), 7.63-7.59 (m, 4H), 7.32-7.26 (m, 6H), 6.92 (t, 1H), 6.53 (d, 1H), 6.49-6.46 (m, 2H), 6.16 (s, 6H)。
【0125】
(実施例3)
IndLi、CpLiおよびZrCl4をそれぞれ、105mg(0.86mmol、1eq.)、62mg(0.86mmol、1eq.)および200mg(0.86mmol、1.0eq.)の量で使用したことを除いては、実施例1と同様の方法により混成遷移金属化合物278mg(収率:95%)を得た。
【0126】
1H NMRにより、Cp2ZrCl2/Ind2ZrCl2/CpIndZrCl2(1:1:2)である混成遷移金属化合物の構造を確認した。
【0127】
1H-NMR (CDCl3, 300 MHz) 7.69-7.66 (m, 4H), 7.63-7.59 (m, 4H), 7.32-7.26 (m, 8H), 6.92 (t, 2H), 6.53 (d, 4H), 6.49-6.46 (m, 16H), 6.16 (s, 12H)。
【0128】
(実施例4)
IndLi、CpLiおよびZrCl4をそれぞれ、70mg(0.57mmol、1eq.)、82mg(1.14mmol、2eq.)および200mg(0.86mmol、1.5eq.)の量で使用したことを除いては、実施例1と同様の方法により混成遷移金属化合物207mg(収率:72%)を得た。
【0129】
1H NMRにより、Cp2ZrCl2/Ind2ZrCl2/CpIndZrCl2(1.5:1:2)である混成遷移金属化合物の構造を確認した。
【0130】
1H-NMR (CDCl3, 300 MHz) 7.69-7.66 (m, 4H), 7.63-7.59 (m, 4H), 7.32-7.26 (m, 8H), 6.92 (t, 2H), 6.53 (d, 4H), 6.49-6.46 (m, 21H), 6.16 (s, 12H)。
【0131】
(実施例5)
IndLi、CpLiおよびZrCl4をそれぞれ、52mg(0.43mmol、1eq.)、93mg(1.29mmol、3eq.)および200mg(0.86mmol、2eq.)の量で使用したことを除いては、実施例1と同様の方法により混成遷移金属化合物254mg(収率:93%)を得た。
【0132】
1H NMRにより、Cp2ZrCl2/Ind2ZrCl2/CpIndZrCl2(5:1:2.5)である混成遷移金属化合物の構造を確認した。
【0133】
1H-NMR (CDCl3, 300 MHz) 7.69-7.66 (m, 5H), 7.63-7.59 (m, 4H), 7.32-7.26 (m, 8H), 6.92 (t, 2H), 6.53 (d, 4H), 6.49-6.46 (m, 49H), 6.16 (s, 12H)。
【0134】
前記実施例の反応物と生成物の組成比を下記表1に示した。
【0135】
【産業上の利用可能性】
【0136】
本発明の具体例による異種の遷移金属化合物を含む混成触媒組成物およびこれを含むオレフィン重合用触媒は、当該遷移金属化合物の含有量に応じて、優れた加工性および機械的物性を有する様々なポリオレフィンを調製し得る。
【0137】
また、混成触媒組成物およびこれを含むオレフィン重合用触媒を調製する方法は、混成遷移金属化合物の比率を精密に調節することにより、優れた加工性および機械的物性を有するポリオレフィン重合用触媒を容易に提供し得る。
【国際調査報告】