(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-07
(54)【発明の名称】発泡スチレンを結合した機能性レンガの製造方法
(51)【国際特許分類】
B28B 1/30 20060101AFI20220531BHJP
E04C 1/41 20060101ALI20220531BHJP
E04B 2/02 20060101ALI20220531BHJP
E04B 2/14 20060101ALI20220531BHJP
B28B 7/28 20060101ALI20220531BHJP
【FI】
B28B1/30
E04C1/41
E04B2/02 115D
E04B2/14
B28B7/28
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021559015
(86)(22)【出願日】2020-03-31
(85)【翻訳文提出日】2021-11-30
(86)【国際出願番号】 KR2020004394
(87)【国際公開番号】W WO2020204569
(87)【国際公開日】2020-10-08
(31)【優先権主張番号】10-2019-0037765
(32)【優先日】2019-04-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521282011
【氏名又は名称】キム、キョウォン
【氏名又は名称原語表記】KIM, Kyo Won
【住所又は居所原語表記】(Godeok-dong)6, Godeok-ro 83-gil Gangdong-gu Seoul 05222 (KR)
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】キム、キョウォン
【テーマコード(参考)】
4G052
4G053
【Fターム(参考)】
4G052DA01
4G052DB11
4G052DC06
4G053AA13
4G053BC03
(57)【要約】
本発明は、 多角形状であって、内側に前後方に貫通された多数の貫通孔が設けられ、隅角の部位に前後方に突き出た複数本の補強ピンが連結され、前記貫通孔と高さを異にして両側方向に開かれた連結孔が設けられた発泡スチレン素材の軽量ブロックと、セメントモルタル素材から、前記軽量ブロックの前後方の面と両側面を包み込む箱状に成形加工され、成形加工の過程においてセメントモルタルが前記貫通孔に充填されて貫通孔の形状に成形加工され、上面と下面に複数の開口孔が設けられ、両側に前記連結孔と連通される流入孔が設けられた重量ブロックと、前記流入孔と連結孔の内に挿通された配線パイプと、を備える発泡スチレンを結合した機能性レンガの製造方法に関するものであって、これにより、施工のしやすさを向上できることはもとより、保温・断熱機能及び防音機能などの様々な施工効果が期待できる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
多角形状であって、内側に前後方に貫通された多数の貫通孔(111)が設けられ、隅角の部位に前後方に突き出た複数本の補強ピン(113)が連結され、前記貫通孔(111)と高さを異にして両側方向に開かれた連結孔(115)が設けられた発泡スチレン素材の軽量ブロック(110)と、セメントモルタル素材から、前記軽量ブロック(110)の前後方の面と両側面を包み込む箱状に成形加工され、成形加工の過程においてセメントモルタルが前記貫通孔(111)に充填されて貫通孔(111)の形状に成形加工され、上面と下面に複数の開口孔(121)が設けられ、両側に前記連結孔(115)と連通される流入孔(123)が設けられた重量ブロック(120)と、前記流入孔(123)と連結孔(115)の内に挿通された配線パイプ(130)と、前記軽量ブロック(110)の外面を包み込む鉄網(250)と、前記重量ブロック(120)を高さ方向に築き上げるときに上下方向に連通された開口孔(121)には連結ピン(140)が所定の深さに挿通される発泡スチレンを結合した機能性レンガを製造する方法であって、
前後方に貫通された多数の貫通孔(111)と、両側方向に開かれた連結孔(115)を有する発泡スチレン素材の軽量ブロック(110)のうち、前記連結孔(115)に配線パイプ(130)を連結してその両端が軽量ブロック(110)の両側方向に突き出、軽量ブロック(110)に複数本の補強ピン(113)を連結してその両端が軽量ブロック(110)の前後方に突き出るようにする成形準備ステップ(S10)と、
前記成形準備ステップ(S10)において組み立てられた軽量ブロック(110)をレンガの成形のためのレンガ金型(B)内に配置する配置ステップ(S20)と、
前記配置ステップ(S20)において準備されたレンガ金型(B)内にセメントモルタルを打設して前記軽量ブロック(110)の前後方の面と両側面を包み込み、両側に流入孔(123)が形成された重量ブロック(120)を作製する成形加工ステップ(S30)と、
前記成形加工ステップ(S30)後にセメントモルタルが完全に固まるまで所定の時間の間に管理する養生ステップ(S40)と、
前記養生ステップ(S40)後に、レンガ金型(B)から重量ブロック(120)を取り出す取出しステップ(S50)と、
を含み、
成形準備ステップ(S10)において、軽量ブロック(110)の外面には前記軽量ブロック(110)の強さを高めるための鉄網が巻き付けられ、
成形加工ステップ(S30)において、重量ブロック(120)の内部には軽量ブロック(110)の補強ピン(113)の両端が埋設され、前記重量ブロック(120)の成形のためのセメントモルタルが前記貫通孔(111)に充填されて前記貫通孔(111)の形状に成形加工されることを特徴とする発泡スチレンを結合した機能性レンガの製造方法。
【請求項2】
成形加工ステップ(S30)において、レンガ金型(B)の内面の上下部には成形ピン(P)が突設されて前記重量ブロック(120)の上下面に複数の開口孔(121)を成形することを特徴とする請求項1に記載の発泡スチレンを結合した機能性レンガの製造方法。
【請求項3】
成形加工ステップ(S30)において、重量ブロック(120)に成形された開口孔(121)には、前記重量ブロック(120)を高さ方向に築き上げるときに上下方向に互いに連通された開口孔(121)に連結ピン(140)が挿通されることを特徴とする請求項2に記載の発泡スチレンを結合した機能性レンガの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機能性レンガの製造方法に係り、さらに詳しくは、レンガの構造及び製造方法を改善することにより、施工のしやすさを向上できることはもとより、保温・断熱機能及び防音機能などの様々な施工効果が期待できる発泡スチレンを結合した機能性レンガの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、建造物の壁面や垣・柵などを築造する上で用いられるレンガとは、セメントモルタルを加圧成形して作製された建築材料を指しており、材料や焼成乾燥及び用途に応じて、通常レンガ、硅灰レンガ、耐火レンガなどに分けられる。
【0003】
前記通常レンガは、建造物に一般的に広く用いられるレンガであって、酸化鉄を多く含む粘土及び砂からなるレンガ原料を真空土練機にて押し出した後、鉄線やナイフまたはワイヤーで所定の大きさに切って乾燥工程及び焼成工程を経て形成される。
【0004】
このとき、粘土と砂から形成されたレンガ原料は、乾燥工程におけるレンガ室内と日光において自然乾燥を通して乾燥させたり、廃熱を用いた乾燥室において乾燥され、レンガ原料にひび割れが生じたり破損されたりすることを防ぐために、十分な時間をかけて乾燥させなければならない。
【0005】
前記硅灰レンガ(sandlime brick)は、砂に消石灰を混入させた後、高圧にて成形して水蒸気が入れられているオートクレーブにおいて養生して形成されるレンガであり、主として建築用に用いられる。
【0006】
前記耐火レンガ(fire brick)は、高い温度において溶けたり歪んだりしない無機材料性のレンガであり、1000℃~1,700℃の熱処理装置に用いられる。
【0007】
このようにして製造された耐火レンガは、ボイラー、溶鉱炉、電気炉、宇宙船の胴体、ガスタービン、原子炉などに用いられ、耐火レンガの代わりに粉製の不定形耐火物を用いたりもし、耐食性が求められる部分には電気溶融した耐火レンガを用いたりもする。
【0008】
先行技術文献の大韓民国公開特許公報第10-2006-0069806号(「床舗装用レンガの成形方法及びこれを用いて製造された床舗装用レンガ」には、粘土レンガとその製造方法が開示されており、大韓民国公開特許公報第10-2011-0076107号「粘土レンガの製造方法」には、粒度調整脱炭スラグを粘土レンガ原料に混合して焼成歪み率を減少できる粘土レンガの製造方法が開示されている。
【0009】
また、大韓民国登録実用新案第20-0246502号には、レンガの表面に自然石を埋め込んで自然な感じを与えられるように工夫された新規なレンガが開示されている。
【0010】
このように様々な方法を用いて作り出されるレンガは、その機能が制限的に用いられるという不都合がある。
【0011】
すなわち、レンガの特性上、長さを長くすれば、破損の虞があり、大きさを大きくすれば、重量が増えて使用者に不便さを招いていたためである。
【0012】
また、中空状のブロックは、衝撃に弱いため、破損され易いという欠点があり、しかも、保温や防音の効果を期待することができないという構造的な問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】大韓民国公開特許公報第10-2006-0069806号
【特許文献2】大韓民国公開特許公報第10-2011-0076107号
【特許文献3】大韓民国登録実用新案公報第20-0246502号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は、上述した従来の問題に鑑みて考え出されたものであり、レンガの製造方法を改善して、発泡スチレン素材の軽量ブロックとセメントモルタル素材の重量ブロックを組み合わせてレンガを構成することにより、レンガ全体の重さを減少させて施工のしやすさを向上できるようにすることはもとより、発泡スチレン素材の軽量ブロックがレンガの内部に位置して保温・断熱機能及び防音機能を行って様々な施工効果が期待できるようにした発泡スチレンを結合した機能性レンガの製造方法を提供するところに本発明の目的がある。
【0015】
また、軽量ブロックに連結された補強ピンの両端が重量ブロック内に埋設されるようにすることにより、軽量ブロックと重量ブロックとの間の結束力を向上させて強固な結合構造を実現できるようにした発泡スチレンを結合した機能性レンガの製造方法を提供するところに本発明の目的がある。
【0016】
さらに、重量ブロックの成形加工の過程において軽量ブロックの貫通孔にセメントモルタルが充填されて貫通孔の形状に成形加工されるようにすることにより、成形加工された貫通孔の形状の構造体が軽量ブロックと重量ブロックとの間の結束力をなお一層向上させるようにした発泡スチレンを結合した機能性レンガの製造方法を提供するところに本発明の目的がある。
【0017】
さらにまた、本発明のレンガを用いた間仕切り工事を行う場合、前記レンガの内部に連結された配線パイプを介して電話線、電気線、インターネット線及びエアコンパイプなどを連結できるようにすることにより、施工のしやすさを向上させるようにした発泡スチレンを結合した機能性レンガの製造方法を提供するところに本発明の目的がある。
【0018】
さらにまた、本発明のレンガを高さ方向に築き上げるに際して、前記重量ブロックの上下面に形成された開口孔に連結ピンを連結することにより、レンガを揃えて並べ易くすることはもとより、高さ方向に築き上げられたレンガ同士の間の結束力を向上させて構造的な安定性を確保できるようにした発泡スチレンを結合した機能性レンガの製造方法を提供するところに本発明の目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0019】
上記の目的を達成するための具体的な手段として、本発明は、多角形状であって、内側に前後方に貫通された多数の貫通孔が設けられ、隅角の部位に前後方に突き出た複数本の補強ピンが連結され、前記貫通孔と高さを異にして両側方向に開かれた連結孔が設けられた発泡スチレン素材の軽量ブロックと、セメントモルタル素材から、前記軽量ブロックの前後方の面と両側面を包み込む箱状に成形加工され、成形加工の過程においてセメントモルタルが前記貫通孔に充填されて貫通孔の形状に成形加工され、上面と下面に複数の開口孔が設けられ、両側に前記連結孔と連通される流入孔が設けられた重量ブロックと、前記流入孔と連結孔の内に挿通された配線パイプと、を備えてなり、前記軽量ブロックの外面には鉄網を巻き付けて軽量ブロックの強さを高め、前記重量ブロックを高さ方向に築き上げるときに上下方向に連通された開口孔には連結ピンが所定の深さだけ挿通される発泡スチレンを結合した機能性レンガの製造方法を提供する。
【0020】
また、上記の目的を達成するための具体的な手段として、本発明は、前後方に貫通された多数の貫通孔と、両側方向に開かれた連結孔を有する発泡スチレン素材の軽量ブロックのうち、前記連結孔に配線パイプを連結してその両端が軽量ブロックの両側方向に突き出、軽量ブロックに複数本の補強ピンを連結してその両端が軽量ブロックの前後方に突き出るようにする成形準備ステップ(S10)と、前記成形準備ステップ(S10)において組み立てられた軽量ブロックをレンガの成形のためのレンガ金型内に配置する配置ステップ(S20)と、前記配置ステップ(S20)において準備されたレンガ金型内にセメントモルタルを打設して前記軽量ブロックの前後方の面と両側面を包み込み、両側に流入孔が形成された重量ブロックを作製する成形加工ステップ(S30)と、前記成形加工ステップ(S30)後にセメントモルタルが完全に固まるまで所定の時間の間に管理する養生ステップ(S40)と、前記養生ステップ(S40)後に、レンガ金型から重量ブロックを取り出す取出しステップ(S50)と、を含み、成形準備ステップ(S10)において、軽量ブロックの外面には前記軽量ブロック(110)の強さを高めるための鉄網が巻き付けられ、成形加工ステップ(S30)において、重量ブロック120の内部には軽量ブロックの補強ピンの両端が埋設され、前記重量ブロックの成形のためのセメントモルタルが前記貫通孔に充填されて前記貫通孔の形状に成形加工される発泡スチレンを結合した機能性レンガの製造方法を提供する。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、発泡スチレン素材の軽量ブロックとセメントモルタル素材の重量ブロックを組み合わせてレンガを構成することにより、レンガ全体の重さを減少させて施工のしやすさを向上させることはもとより、発泡スチレン素材の軽量ブロックがレンガの内部に位置して保温・断熱機能及び防音機能を行って様々な施工効果が期待できるようにすることができるという効果がある。
【0022】
また、軽量ブロックに連結された補強ピンの両端が重量ブロック内に埋設されるようにすることにより、軽量ブロックと重量ブロックとの間の結束力を向上させて強固な結合構造を実現することができるという効果がある。
【0023】
さらに、レンガの内部に連結された配線パイプを介して電話線、電気線、インターネット線及びエアコンパイプなどを連結できるようにすることにより、施工のしやすさを向上させることができるという効果がある。
【0024】
さらにまた、レンガを高さ方向に築き上げるに際して、前記重量ブロックの上下面に形成された開口孔に連結ピンを連結することにより、レンガを揃えて並べ易くすることはもとより、高さ方向に築き上げられたレンガ同士の間の結束力を向上させることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本発明の好適な第1の実施形態に係る発泡スチレンを結合した機能性レンガを示す斜視図である。
【
図2】本発明の好適な第1の実施形態に係る発泡スチレンを結合した機能性レンガを示す分解斜視図である。
【
図3】本発明の好適な第1の実施形態に係る発泡スチレンを結合した機能性レンガを用いた施工状態図である。
【
図4】本発明の好適な第1の実施形態に係る発泡スチレンを結合した機能性レンガを示す要部平断面図である。
【
図5】本発明の好適な第1の実施形態に係る発泡スチレンを結合した機能性レンガを示す要部縦断面図である。
【
図6】本発明の好適な第2の実施形態に係る発泡スチレンを結合した機能性レンガを示す分解斜視図である。
【
図7】本発明の好適な実施形態に係る発泡スチレンを結合した機能性レンガの製造方法を示す工程手順図である。
【
図8】本発明の好適な実施形態に係る発泡スチレンを結合した機能性レンガの製造方法を示す手順図である。
【
図9】本発明の好適な実施形態に係る発泡スチレンを結合した機能性レンガの製造方法を用いて製造されたレンガの築き上げ状態を示す要部断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明は、多角形状であって、内側に前後方に貫通された多数の貫通孔111が設けられ、隅角の部位に前後方に突き出た複数本の補強ピン113が連結され、前記貫通孔111と高さを異にして両側方向に開かれた連結孔115が設けられた発泡スチレン素材の軽量ブロック110と、セメントモルタル素材から、前記軽量ブロック110の前後方の面と両側面を包み込む箱状に成形加工され、成形加工の過程においてセメントモルタルが前記貫通孔111に充填されて貫通孔111の形状に成形加工され、上面と下面に複数の開口孔121が設けられ、両側に前記連結孔115と連通される流入孔123が設けられた重量ブロック120と、前記流入孔123と連結孔115の内に挿通された配線パイプ130と、前記軽量ブロック110の外面を包み込む鉄網250と、前記重量ブロック120を高さ方向に築き上げるときに上下方向に連通された開口孔121には連結ピン140が所定の深さに挿通される発泡スチレンを結合した機能性レンガを製造する方法であって、前後方に貫通された多数の貫通孔111と、両側方向に開かれた連結孔115を有する発泡スチレン素材の軽量ブロック110のうち、前記連結孔115に配線パイプ130を連結してその両端が軽量ブロック110の両側方向に突き出、軽量ブロック110に複数本の補強ピン113を連結してその両端が軽量ブロック110の前後方に突き出るようにする成形準備ステップ(S10)と、前記成形準備ステップ(S10)において組み立てられた軽量ブロック110をレンガの成形のためのレンガ金型B内に配置する配置ステップ(S20)と、前記配置ステップ(S20)において準備されたレンガ金型B内にセメントモルタルを打設して前記軽量ブロック110の前後方の面と両側面を包み込み、両側に流入孔123が形成された重量ブロック120を作製する成形加工ステップ(S30)と、前記成形加工ステップ(S30)後にセメントモルタルが完全に固まるまで所定の時間の間に管理する養生ステップ(S40)と、前記養生ステップ(S40)後に、レンガ金型Bから重量ブロック120を取り出す取出しステップ(S50)と、を含み、成形準備ステップ(S10)において、軽量ブロック110の外面には前記軽量ブロック110の強さを高めるための鉄網が巻き付けられ、成形加工ステップ(S30)において、重量ブロック120の内部には軽量ブロック110の補強ピン113の両端が埋設され、前記重量ブロック120の成形のためのセメントモルタルが前記貫通孔111に充填されて前記貫通孔111の形状に成形加工されることを特徴とする。
【0027】
この明細書及び特許請求の範囲に用いられた用語や単語は、通常的もしくは辞書的な意味に限定して解釈されてはならず、発明者は、自分の発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義することができるという原則に踏まえて、本発明の技術的な思想に見合う意味と概念として解釈されなければならない。
【0028】
よって、この明細書に記載の実施形態と図面に示されている構成要素は、本発明の単なる最適な一実施形態に過ぎないものであり、本発明の技術的な思想をいずれも代弁するものではないため、本発明の出願時点においてこれらに代替できる様々な均等物と変形例があり得るということを理解しなければならない。
【0029】
図1は、本発明の好適な実施形態に係る発泡スチレンを結合した機能性レンガを示す斜視図であり、
図2は、本発明の好適な実施形態に係る発泡スチレンを結合した機能性レンガを示す分解斜視図であり、
図3は、本発明の好適な実施形態に係る発泡スチレンを結合した機能性レンガを用いた施工状態図であり、
図4は、本発明の好適な実施形態に係る発泡スチレンを結合した機能性レンガを示す要部平断面図であり、
図5は、本発明の好適な実施形態に係る発泡スチレンを結合した機能性レンガを示す要部縦断面図である。
【0030】
図1から
図5を参照すると、本発明の発泡スチレンを結合した機能性レンガ100は、軽量の発泡スチレン素材の軽量ブロック110と、セメントモルタル素材の重量ブロック120及び前記軽量ブロック110と重量ブロック120の内に挿通された配線パイプ130を備えてなる。
【0031】
前記軽量ブロック110は、本発明のレンガ100の内部に備配されてレンガ100の重さを減少させることはもとより、保温・断熱機能及び防音機能を行う役割を果たす。
【0032】
前記軽量ブロック110は、多角形状の軽い発泡スチレン素材から形成される。
【0033】
また、前記軽量ブロック110は、その内側に前後方に貫通された多数の貫通孔111が設けられ、隅角の部位に前後方に突き出た複数本の補強ピン113が連結され、前記貫通孔111と高さを異にして両側方向に開かれた連結孔115が設けられる。
【0034】
一方、前記重量ブロック120は、本発明の外形枠体の役割を果たす構成要素である。
【0035】
前記重量ブロック120は、セメントモルタル素材から、前記軽量ブロック110の前後方の面と両側面を包み込む箱体の形状に成形加工される。
【0036】
このとき、前記重量ブロック120を成形加工の過程において、前記補強ピン113の両端は前記重量ブロック120の内部に埋設される。
【0037】
このため、前記補強ピン113は、前記軽量ブロック110と重量ブロック120との間の結束力を向上させて前記軽量ブロック110と重量ブロック120とが強固な結合構造を成し遂げられるようにする。
【0038】
また、前記重量ブロック120の成形過程において、セメントモルタルが前記貫通孔111に充填されて貫通孔111の形状に成形加工される。
【0039】
このため、前記貫通孔の形状に成形加工された構造体が軽量ブロックと重量ブロックとの間の結束力をなお一層向上させることができる。
【0040】
さらに、前記重量ブロック120は、その上面と下面に複数の開口孔121が設けられ、両側に前記連結孔115と連通される流入孔123が設けられる。
【0041】
このため、本発明のレンガ100を高さ方向に築き上げるとき、前記重量ブロック120の上下部に形成された開口孔121は、隣り合う重量ブロック120の開口孔121と互いに上下方向に連通され、このようにして連通された開口孔121に連結ピン140を挿通する。
【0042】
前記連結ピン140は、高さ方向に築き上げられるレンガ100を揃えて並べ易いようにすることはもとより、高さ方向に築き上げられたレンガ100同士の間の結束力を向上させて構造的な安定性を確保できるようにする。
【0043】
一方、前記配線パイプ130は、互いに連通された連結孔115と流入孔123に挿通されて多種多様な引き回し配線またはパイプなどを連結しやすくする。
【0044】
すなわち、本発明のレンガ100を用いて間仕切り工事を行う場合、前記配線パイプ130は、電話線、電気線、インターネット線及びエアコンパイプなどを連結できる空間を与えることにより、本発明を用いた施工のしやすさを向上できるようにする。
【0045】
このため、本発明の好適な第1の実施形態に係る発泡スチレンを結合した機能性レンガは、重さが減少して施工のしやすさの向上が図られ、保温・断熱機能、防音機能といった機能性を有することはもとより、構造が改善されて軽量ブロックと重量ブロックとが強固な結合構造を有することになって、多種多様な配線の引き回し作業を手軽に行うことができ、本発明を高さ方向に築き上げるに際して構造的な安定性を確保できるようにする。
【0046】
図6は、本発明の好適な第2の実施形態に係る発泡スチレンを結合した機能性レンガを示す分解斜視図である。
【0047】
以下、添付図面に基づいて、本発明の好適な第2の実施形態に係る発泡スチレンを結合した機能性レンガについて詳しく説明する。
【0048】
このとき、本発明の好適な第2の実施形態に係る発泡スチレンを結合した機能性レンガにおいて、本発明の好適な第1の実施形態と同じ構成要素には同じ参照符号を付し、これについての詳細な説明は省略する。
【0049】
本発明の好適な第2の実施形態に係る発泡スチレンを結合した機能性レンガ200の構成要素のうち、前記軽量ブロック110は、本発明の実施形態に従ってその外面に鉄網250を巻き付けてもよい。
【0050】
このとき、前記軽量ブロック110の外面に巻き付けられた鉄網250は、前記軽量ブロック110の強さを高める役割を果たして、本発明のレンガ200の耐久性を向上できるようにする。
【0051】
また、鉄網250が巻き付けられた軽量ブロック110を用いたレンガ200は、前記レンガ200よりも大きなブロックとして用いられてもよい。
【0052】
図7は、本発明の好適な実施形態に係る発泡スチレンを結合した機能性レンガの製造方法を示す工程手順図であり、
図8は、本発明の好適な実施形態に係る発泡スチレンを結合した機能性レンガの製造方法を示す手順図であり、
図9は、本発明の好適な実施形態に係る発泡スチレンを結合した機能性レンガの製造方法を用いて製造されたレンガの築き上げ状態を示す要部断面図である。
【0053】
図7から
図9を参照すると、本発明の好適な実施形態に係る発泡スチレンを結合した機能性レンガの製造方法は、成形準備ステップ(S10)と、配置ステップ(S20)と、成形加工ステップ(S30)と、養生ステップ(S40)及び取出しステップ(S50)を含む。
【0054】
前記成形準備ステップ(S10)においては、前後方に貫通された多数の貫通孔111が形成され、両側方向に開かれた連結孔115を有する多角形状の発泡スチレン素材軽量ブロック110を用いてレンガを製造できるように準備する。
【0055】
このとき、前記連結孔115には配線パイプ130を連結してその両端が軽量ブロック110の両側方向に突き出るようにし、軽量ブロック110に複数本の補強ピン113を連結してその両端が前記軽量ブロック110の前後方に突き出るようにする。
【0056】
前記軽量ブロック110は、本発明の製造方法を用いて製造されたレンガの重さを減少させて施工のしやすさを向上させることはもとより、発泡スチレン素材の特性に応じて保温・断熱機能及び防音機能を行って、様々な施工効果が期待できるようにする。
【0057】
本発明の実施形態に従って、前記軽量ブロック110の外面には前記軽量ブロック110の強さを高めるための鉄網250が巻き付けられてもよい。
【0058】
次いで、成形準備ステップ(S10)を終えた軽量ブロック110を用いた前記配置ステップ(S20)について述べると、前記成形準備ステップ(S10)において組み立てられた軽量ブロック110をレンガの成形のためのレンガ金型B内に配置する。
【0059】
このとき、前記レンガ金型Bの内部の成形空間の高さと軽量ブロック110の高さは同じであるが、前記レンガ金型Bの内部の成形空間のうち、前後方の長さと両側の長さは、前記軽量ブロック110の前後方の長さと両側の長さよりも大きい。
【0060】
次いで、前記配置ステップ(S20)において準備されたレンガ金型B内にセメントモルタルを打設して成形加工ステップ(S30)を行う。
【0061】
このとき、前記成形加工ステップ(S30)においては、前記軽量ブロック110の前後方の面と両側面を包み込み、両側に流入孔123が形成された重量ブロック120が成形加工される。
【0062】
一方、前記成形加工ステップ(S30)において製造された前記重量ブロック120の内部には軽量ブロック110の補強ピン113の両端が埋設され、前記重量ブロック120の成形のためのセメントモルタルが前記貫通孔111に充填されて前記貫通孔111の形状に構造体(図示せず)が成形加工される。
【0063】
このとき、前記重量ブロック120の内部に埋設される補強ピン113は、前記軽量ブロック110と重量ブロック120との間の結束力を向上させて強固な結合構造が成し遂げられるようにする。
【0064】
また、前記貫通孔111の形状に成形加工された構造体(図示せず)は、軽量ブロック110と重量ブロック120との間の結束力をさらに向上させる役割を果たす。
【0065】
さらに、前記成形加工ステップ(S30)において前記レンガ金型Bの内面の上下部には成形ピンPが突設されて前記レンガ金型B内において成形加工された重量ブロック120の上下面に複数の開口孔121を成形する。
【0066】
さらにまた、前記重量ブロック120に成形された開口孔121には、前記重量ブロック120を高さ方向に築き上げるに際して上下方向に互いに連通された開口孔121に連結ピン140を挿通してもよい。
【0067】
このため、本発明のレンガを高さ方向に築き上げるに際して、前記重量ブロック120の開口孔121に連結ピン140を挿通することにより、本発明のレンガ100を揃えて並べやすくすることはもとより、高さ方向に築き上げられたレンガ100同士の間の結束力を向上させて構造的な安定性が確保できるようにする。
【0068】
次いで、前記養生ステップ(S40)においては、前記成形加工ステップ(S30)後にセメントモルタルが完全に固まるまで前記重量ブロック120をレンガ金型B内に所定の時間の間に管理する。
【0069】
次いで、前記取出しステップ(S50)においては、レンガ金型Bから重量ブロック120を取り出す。
【0070】
このため、上述したような方法により製造されたレンガは、施工のしやすさの向上が図られ、かつ、保温・断熱機能、防音機能といった機能性を有することになる。
【0071】
また、前記軽量ブロック110の配線パイプ130を介して多種多様な配線の引き回し作業(電話線、電気線、インターネット線、エアコンパイプ)を手軽に行えるようにする。
【産業上の利用可能性】
【0072】
上記のような本発明に係る発泡スチレンを結合した機能性レンガの製造方法は、発泡スチレン素材の軽量ブロックとセメントモルタル素材の重量ブロックを組み合わせてレンガを構成することにより、レンガ全体の重さを減少させて施工のしやすさを向上できるようにすることはもとより、保温・断熱機能及び防音機能を行って様々な施工効果を期待することができ、軽量ブロックと重量ブロックとの間の連結部位の構造を改善することにより、これらの間に結束力を向上させて強固な結合構造を実現することができ、さらに、レンガの内部に連結された配線パイプを介して電話線、電気線、インターネット線及びエアコンパイプなどを連結できるようにすることにより、施工のしやすさを向上させるとともに、レンガを高さ方向に築き上げるときにレンガを手軽に並べることができ、レンガ同士の間の結束力を向上させることができるという効果が奏されて、産業上の利用可能性が非常に高い発明である。
【符号の説明】
【0073】
110:軽量ブロック
111:貫通孔
113:補強ピン
115:連結孔
120:重量ブロック
121:開口孔
123:流入孔
130:配線パイプ
140:連結ピン
250:鉄網
B:レンガ金型
P:成形ピン
【国際調査報告】