IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ジョンソン エレクトリック インターナショナル アクチェンゲゼルシャフトの特許一覧

<>
  • 特表-電動液体ポンプ 図1
  • 特表-電動液体ポンプ 図2
  • 特表-電動液体ポンプ 図3
  • 特表-電動液体ポンプ 図4
  • 特表-電動液体ポンプ 図5
  • 特表-電動液体ポンプ 図6
  • 特表-電動液体ポンプ 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-07
(54)【発明の名称】電動液体ポンプ
(51)【国際特許分類】
   F04D 13/06 20060101AFI20220531BHJP
   F04D 29/42 20060101ALI20220531BHJP
   F04D 29/66 20060101ALI20220531BHJP
【FI】
F04D13/06 E
F04D29/42 D
F04D29/66 F
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021567058
(86)(22)【出願日】2020-05-07
(85)【翻訳文提出日】2022-01-07
(86)【国際出願番号】 CN2020088977
(87)【国際公開番号】W WO2020228584
(87)【国際公開日】2020-11-19
(31)【優先権主張番号】201910388656.8
(32)【優先日】2019-05-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518263944
【氏名又は名称】ジョンソン エレクトリック インターナショナル アクチェンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(72)【発明者】
【氏名】チェン アンバン
(72)【発明者】
【氏名】ゾウ グオユアン
(72)【発明者】
【氏名】ジン イ
(72)【発明者】
【氏名】チン ルイフェン
【テーマコード(参考)】
3H130
【Fターム(参考)】
3H130AA02
3H130AB07
3H130AB12
3H130AB22
3H130AB46
3H130AC16
3H130BA09A
3H130BA95A
3H130CA02
3H130CB09
3H130DA02Z
3H130DG02X
3H130EB05A
3H130EB05C
(57)【要約】
本開示は、ポンプハウジングと、ポンプハウジングに連結されるモータと、ポンプハウジングに収容されてモータによって駆動されるインペラとを備える電動液体ポンプに関する。ポンプハウジングには、吸入口及び吐出口が設けられる。インペラは、その中心にインペラ入口と、その周側にインペラ出口とを有する。吸入口、インペラ入口、インペラ出口、及び吐出口は、順次連通している。吸入口は、柱状の第1のセグメントと、第1のセグメントから延びる第2のセグメントとを含む。第2のセグメントは、取り付け座が形成されたインペラ入口に近接している。インペラは、回転軸にスリーブ嵌合される。回転軸の一端は、取り付け座に係合される。インペラは、取り付け座に対して相対的に回転可能である。取り付け座は、インペラ入口に部分的に受け入れられる。取り付け座とインペラ入口の内壁との間の間隙が、液体の流路として形成される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポンプハウジングと、前記ポンプハウジングに連結されるモータと、前記ポンプハウジングに収容されて前記モータによって駆動されるインペラとを備える電動液体ポンプであって、前記ポンプハウジングには、吸入口及び吐出口が設けられ、前記インペラは、その中心にインペラ入口と、その周側にインペラ出口とを有し、前記吸入口、前記インペラ入口、前記インペラ出口、及び前記吐出口は、順次連通している、電動液体ポンプであって、
前記吸入口は、柱状の第1のセグメントと、前記第1のセグメントから延びる第2のセグメントとを含み、前記第2のセグメントは、取り付け座が形成された前記インペラ入口に近接しており、前記インペラは、回転軸にスリーブ嵌合され、前記回転軸の一端は、前記取り付け座に係合され、前記インペラは、前記取り付け座に対して相対的に回転可能であり、前記取り付け座は、前記インペラ入口に部分的に受け入れられ、前記取り付け座と前記インペラ入口の内壁との間の間隙が、液体の流路として形成される、
ことを特徴とする電動液体ポンプ。
【請求項2】
前記流路の最小幅と前記第1のセグメントの内径との比は、23%よりも大きく、且つ35%よりも小さいか又はそれに等しいことを特徴とする、請求項1に記載の電動液体ポンプ。
【請求項3】
前記流路の最小幅と前記第1のセグメントの内径との前記比は、25%よりも大きいか又はそれに等しく、且つ35%よりも小さいか又はそれに等しいことを特徴とする、請求項2に記載の電動液体ポンプ。
【請求項4】
前記流路の最小幅と前記第1のセグメントの内径との前記比は、30%であることを特徴とする、請求項3に記載の電動液体ポンプ。
【請求項5】
前記インペラと前記ポンプハウジングの内側壁との間に、半径方向の間隙が形成され、前記半径方向の間隙の幅の最小値と前記インペラの直径との比は、4%よりも大きく、且つ10%よりも小さいか又はそれに等しいことを特徴とする、請求項1に記載の電動液体ポンプ。
【請求項6】
前記インペラと前記ポンプハウジングの内側壁との間に形成される前記半径方向の間隙の前記最小値と前記インペラの前記直径との前記比は、5%よりも大きいか又はそれに等しく、且つ10%よりも小さいか又はそれに等しいことを特徴とする、請求項5に記載の電動液体ポンプ。
【請求項7】
前記インペラと前記ポンプハウジングの内側壁との間に形成される前記半径方向の間隙の前記最小値と前記インペラの前記直径との前記比は、8%であることを特徴とする、請求項6に記載の電動液体ポンプ。
【請求項8】
前記ポンプハウジングの前記吸入口の前記第2のセグメントは円錐状であり、その内径は、前記第1のセグメントから遠ざかる方向に徐々に大きくなり、前記第2のセグメントの前記内径の最小値は、前記第1のセグメントの前記内径に等しいことを特徴とする、請求項1に記載の電動液体ポンプ。
【請求項9】
前記インペラは、本体と、前記本体に取り付けられるカバープレートとを含み、前記インペラ入口は、前記カバープレートに形成されることを特徴とする、請求項1に記載の電動液体ポンプ。
【請求項10】
複数のリブが、前記第2のセグメントの内面から延びて、前記取り付け座を支持し、前記リブは、互いに離間して、前記取り付け座の周囲に配置されることを特徴とする、請求項1に記載の電動液体ポンプ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0002] 本発明は、電動液体ポンプに関し、特に、車両のための冷却剤ポンプに関する。
【背景技術】
【0002】
[0003] 電動液体ポンプは、一般に、ポンプハウジングと、ポンプハウジングに連結されるモータと、ポンプハウジングに収容されてモータによって駆動されるインペラとを含む。ポンプハウジングには、柱状の吸入口と、柱状の吐出口とが設けられる。モータは、ステータと、ステータに回転可能に設置されるロータとを含む。ロータは、回転軸と、回転軸の外周を取り囲むロータ本体とを含み、インペラは、回転軸を介して駆動されて回転する。インペラは、その中心に位置するインペラ入口と、その周側に位置するインペラ出口とを有する。吸入口、インペラ入口、インペラ出口、及び吐出口は、順次連通している。上述の構造を含む電動液体ポンプの作動時に、液体が吸入口からインペラの入口に入り、これにより大きなノイズが発生し、性能が劣る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
[0004] 本発明の目的は、電動液体ポンプの作動時のノイズを低減させた電動液体ポンプを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
[0005] 本発明の一態様によれば、電動液体ポンプが提供される。この電動液体ポンプは、ポンプハウジングと、前記ポンプハウジングに連結されるモータと、前記ポンプハウジングに収容されて前記モータによって駆動されるインペラとを含む。前記ポンプハウジングには、吸入口及び吐出口が設けられる。前記インペラは、その中心にインペラ入口と、その周側にインペラ出口とを有する。前記吸入口、前記インペラ入口、前記インペラ出口、及び前記吐出口は、順次連通している。前記吸入口は、柱状の第1のセグメントと、前記第1のセグメントから延びる第2のセグメントとを含む。前記第2のセグメントは、取り付け座が形成された前記インペラ入口に近接している。前記インペラは、回転軸にスリーブ嵌合される。前記回転軸の一端は、前記取り付け座に係合される。前記インペラは、前記取り付け座に対して相対的に回転可能である。前記取り付け座は、前記インペラ入口に部分的に受け入れられる。前記取り付け座と前記インペラ入口の内壁との間の間隙が、液体の流路として形成される。
【0005】
[0006] 好ましくは、前記流路の最小幅と前記第1のセグメントの内径との比は、23%よりも大きく、且つ35%よりも小さいか又はそれに等しい。
【0006】
[0007] 好ましくは、前記流路の最小幅と前記第1のセグメントの内径との前記比は、25%よりも大きいか又はそれに等しく、且つ35%よりも小さいか又はそれに等しい。
【0007】
[0008] 好ましくは、前記流路の最小幅と前記第1のセグメントの内径との前記比は、30%である。
【0008】
[0009] 好ましくは、前記インペラと前記ポンプハウジングの内側壁との間に、半径方向の間隙が形成され、前記半径方向の間隙の幅の最小値と前記インペラの直径との比は、4%よりも大きく、且つ10%よりも小さいか又はそれに等しい。
【0009】
[0010] 好ましくは、前記インペラと前記ポンプハウジングの内側壁との間に形成される前記半径方向の間隙の前記最小値と前記インペラの前記直径との前記比は、5%よりも大きいか又はそれに等しく、且つ10%よりも小さいか又はそれに等しい。
【0010】
[0011] 好ましくは、前記インペラと前記ポンプハウジングの内側壁との間に形成される前記半径方向の間隙の前記最小値と前記インペラの前記直径との前記比は、8%である。
【0011】
[0012] 好ましくは、前記ポンプハウジングの前記吸入口の前記第2のセグメントは円錐状であり、その内径は、前記第1のセグメントから遠ざかる方向に徐々に大きくなり、前記第2のセグメントの前記内径の最小値は、前記第1のセグメントの前記内径に等しい。
【0012】
[0013] 好ましくは、前記インペラは、本体と、前記本体に取り付けられるカバープレートとを含み、前記インペラ入口は、前記カバープレートに形成される。
【0013】
[0014] 好ましくは、複数のリブが、前記第2のセグメントの内面から延びて、前記取り付け座を支持し、前記リブは、互いに離間して、前記取り付け座の周囲に配置される。
【0014】
[0015] 本発明は、電動液体ポンプの作動時のノイズを低減させて、その作動性能を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の一実施形態による流体ポンプの斜視図である。
図2図1に示す電動液体ポンプの分解図である。
図3図1に示す電動液体ポンプの縦断面図である。
図4図1に示す電動液体ポンプのポンプハウジングの底面図である。
図5図4に示すポンプハウジング及びインペラの縦断面図である。
図6図1に示す電動液体ポンプのポンプハウジング及びインペラの横断面図である。
図7図1に示す電動液体ポンプのインペラの分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
[0023] 以下、図面及び実施形態に基づいて、本発明を更に説明する。
【0017】
[0024] 図1を参照すると、本発明の一実施形態による電動液体ポンプ100は、自動車の冷却剤ポンプとして使用することができる。電動液体ポンプ100は、ポンプハウジング10と、ポンプハウジング10に連結されるモータ50と、ポンプハウジング10に収容されてモータ50によって駆動されるインペラ30(図2に示す)とを含む。ポンプハウジング10には、吸入口11及び吐出口12が設けられる。インペラ30は、その中心にインペラ入口33と、その周側にインペラ出口34とを有する。吸入口11、インペラ入口33、インペラ出口34、及び吐出口12は、順次連通している。モータ50は、作動時にインペラ30を駆動して回転させて、液体が吸入口11及びインペラ入口33からインペラ30に入り、その後、インペラ出口34及び吐出口12から外部に吐出されるようになっている。
【0018】
[0025] 図2図5を参照すると、モータ50は、インナーロータ型モータであり、ステータと、ステータに回転可能に設置されるロータとを含む。ステータは、円筒形のステータハウジング61と、ステータハウジング61に収容される円筒形のステータインナーハウジング71と、ステータハウジング61とステータインナーハウジング71との間に配置されるステータ本体とを含む。ステータ本体は、ステータコア62と、ステータコア62に巻き付けられるステータ巻線63とを含む。ステータハウジング61の第1の端部は、ポンプハウジング10に密封連結される。ロータは、ステータインナーハウジング71に収容される。ステータインナーハウジング71は、開口端部を有する本体711と、本体711の開口端部に形成されるフランジ712とを含む。フランジ712は、ポンプハウジング10に密封連結されて、ステータハウジング61とポンプハウジング10の第1の端部との間に締め付けられる。フランジ712とポンプハウジング10との間に、ポンプ室104が形成されて、インペラ30を収容する。本体711は円筒形であり、ポンプ室104と連通する内部空間715を形成する。インペラ30は、本体711の開口端部に隣接する。内部空間715の底部に近い本体711に、固定座714が形成される。
【0019】
[0026] ロータは、回転軸72と、回転軸72の周りを回転可能なリング形状のロータ本体とを含む。ロータ本体は、一体型部材として連結部材40を介して、インペラ30の本体31と一体化される。好ましくは、連結部材40は、射出成形部材である。連結部材40及び本体31は、一体に射出成形される。ロータ本体は、連結部材40の外周に固定してスリーブ嵌合される。連結部材40は、回転軸72にスリーブ嵌合される。インペラ30から離れた回転軸の端部は、固定座714内に係合される。
【0020】
[0027] 吸入口11は、柱状の第1のセグメント111と、第1のセグメント111に連結される円錐状の第2のセグメント112とを含む。第2のセグメント112は、取り付け座113が形成されたインペラ入口33に近接している。取り付け座113の断面形状は、好ましくは円錐形状である。回転軸72は、インペラ30を貫通して、取り付け座113と係合される。作動時、モータ50が通電された時に、ロータ本体は、ステータコア62の磁場の作用で回転軸72に対して相対的に回転して、連結部材40を介してインペラ30を駆動して、回転軸72及び取り付け座113に対して相対的に回転させることによって、吸入口11及び次にインペラ入口33を介して液体をインペラ30に入らせて、その後、インペラ出口34及び吐出口12からポンプ外に吐出する。
【0021】
[0028] インペラ入口33は、第2のセグメント112と位置合わせされる。取り付け座113は、インペラ入口33に部分的に受け入れられる。取り付け座113とインペラ入口33の内壁との間の間隙が、液体の流路13として形成される。流路13の最小幅と第1のセグメント111の内径D1との比は、23%よりも大きく、且つ35%よりも小さいか又はそれに等しい。好ましくは、流路13の最小幅と第1のセグメント111の内径D1との比は、25%よりも大きいか又はそれに等しく、且つ35%よりも小さいか又はそれに等しい。更に好ましくは、流路13の最小幅と第1のセグメント111の内径D1との比は、30%である。この構成により、電動液体ポンプ100が作動する時に、第1のセグメント111、第2のセグメント112、及び流路13を通じてインペラ30に入る液体により発生する電動液体ポンプ100のノイズが低減される。運用寿命及び作動性能が向上される。
【0022】
[0029] この実施形態では、第2のセグメント112は円錐状であり、その内径は、第1のセグメント111から遠ざかる方向に徐々に大きくなる。第2のセグメント112の内径の最小値は、第1のセグメント111の内径D1に等しい。この構成は、液体がインペラ30に入る時にインペラ30にかかる圧力を低減するのを助けることができる。
【0023】
[0030] 複数のリブ114が、第2のセグメント112の内面から延びて、取り付け座113を支持する。リブ114は、互いに離間して、取り付け座113の周囲に配置される。この実施形態では、3つのリブ114がある。
【0024】
[0031] 更に、インペラ30に近い回転軸72の端部は、回転軸72に対して相対的に回転可能な上部ブシュ91とスリーブ嵌合される。インペラ30の本体31は、上部ブシュ91と固定して係合される。好ましくは、上部ブシュ91は、インサート成形によって、本体31と一体化される。
【0025】
[0032] 回転軸72は、また、回転軸72に対して相対的に回転可能であるブシュ支持材92及び下部ブシュ93とスリーブ嵌合される。ブシュ支持材92の両端は、それぞれ、上部ブシュ91及び下部ブシュ93を支持する。下部ブシュ93は、インペラ30から離れた回転軸72の端部に位置し、固定座714に隣接する。下部ブシュ93と固定座714との間に、第1のワッシャ95が設けられて、固定座714が下部ブシュを直接摩擦することにより摩耗するのを防ぐ。連結部材40は、ブシュ支持材92及び下部ブシュ93に固定してスリーブ嵌合される。好ましくは、連結部材40は、ブシュ支持材92及び下部ブシュ93の周囲に射出成形される。ロータ本体がステータコア62の磁場の作用で回転する時、インペラ30、上部ブシュ91、ブシュ支持材92及び下部ブシュ93は、駆動されて、連結部材40を介して回転軸72に対して相対的に回転することができる。
【0026】
[0033] インペラ30は、本体31と、本体31に取り付けられるカバープレート32とを含む。インペラ入口33は、カバープレート32に形成される。取り付け座113は、インペラ入口33に部分的に位置する。本体31は、インペラ出口34を形成する。
【0027】
[0034] 第2のワッシャ94が、インペラに近い回転軸72の端部にスリーブ嵌合される。第2のワッシャ94は、上部ブシュ91と取り付け座113との間に位置し、取り付け座113が上部ブシュ91を直接摩擦することにより摩耗するのを防ぐ。第2のワッシャ94は、取り付け座113と連結するための複数のつめ941を含み、インペラ入口33に位置する取り付け座113の一部は、つめ941と対応して係合するための複数の溝115を有する。好ましくは、つめ941の数は3であり、溝115の数も3である。
【0028】
[0035] 一実施形態では、ロータ本体は、ロータコア73と、ロータコア73に埋め込まれる複数の永久磁石74と、ロータコア73の周面及び対向する端面を覆う保護スリーブ75とを含む。永久磁石74は正方形である。一実施形態では、2つ一組になって互いに対向する4つの永久磁石74がある。ブシュ支持材92及び下部ブシュ93は、連結部材40を介して、ロータコア73に固定してスリーブ嵌合される。連結部材40は、連結部材40の外周に互いに対向するリング形状の第1の連結部41及び第2の連結部42を含む。ロータコア73は、連結部材40に固定してスリーブ嵌合され、第1の連結部41と第2の連結部42との間に挟まれる。第1の連結部41及び第2の連結部42は、それぞれ、保護スリーブ75の両端に固定されることによって、ロータ本体を連結部材40に固定する。
【0029】
[0036] 図3及び図6を参照すると、インペラ30とポンプハウジング10の内側壁との間に、半径方向の間隙14がある。半径方向の間隙14の幅は、ポンプハウジング10の内壁とインペラ30の周側との間のインペラ30の半径方向の距離として定められる。半径方向の間隙14の幅の最小値とインペラ30の直径D2との比は、4%よりも大きく、且つ10%よりも小さいか又はそれに等しい。好ましくは、半径方向の間隙14の幅の最小値とインペラ30の直径D2との比は、5%よりも大きいか又はそれに等しく、且つ10%よりも小さいか又はそれに等しい。更に好ましくは、前記比は8%である。一実施形態では、ポンプハウジング10は渦巻形ケーシングである。したがって、半径方向の間隙14の幅の最小値は、ポンプハウジング10の渦巻形の開始点とインペラ30の周側との間の半径方向の幅とするべきである。この構成に基づいて、電動液体ポンプ100が作動する時に、液体は、インペラ出口34及び半径方向の間隙14を介して吐出口12に低ノイズで流れることができ、電動液体ポンプ100のノイズを低減することもできるようになっている。
【0030】
[0037] 図2及び図7を参照すると、インペラ30の本体31は、底部プレート311と、底部プレート311の中心に位置するハブ312と、ハブ312から底部プレート311の外周に延びる複数の円弧状のブレード313とを含む。円弧状のブレード313は、底部プレート311に所定間隔で配置され、底部プレート311とカバープレート32との間に位置する。ハブ312は、上部ブシュ91上に射出成形される。カバープレート32の中心は、インペラ入口33を有し、2つの隣接する円弧状のブレード313の半径方向外端の間に、インペラ出口34が形成される。
【0031】
[0038] 図2及び図3を再び参照すると、ステータハウジング61は、プラスチックブラケット65によってスリーブ嵌合されて、ステータハウジング61を保護する。第1のチャンバ611及び第2のチャンバ612が、ステータハウジング61に形成され、軸方向に配置される。ステータコア62及びステータインナーハウジング71は、第1のチャンバ611に設置される。駆動回路80が、ステータハウジング61の一端に設置され、第2のチャンバ612に受け入れられる。駆動回路80は、ステータ巻線63に電気的に接続されて、ステータ巻線63の電力供給を行うようになっている。
【0032】
[0039] ステータインナーハウジング71及びポンプハウジング10は密封連結されるので、第1のチャンバ611、ステータコア62、第2のチャンバ612及び駆動回路80は、ステータインナーハウジング71の内部空間715及びポンプ室104内の液体に浸ることはなく、ステータ又は駆動回路80が液体によって損傷するのを防ぐ。
【0033】
[0040] 一実施形態では、ステータインナーハウジング71の本体711は、ステータコア62のいくつかのステータ歯によって密閉される空間に位置する。ステータインナーハウジング71のフランジ712は、第1のチャンバ611に近いステータハウジング61の端部上に位置する。ポンプハウジング10及びフランジ712は、ネジなどの固締具でステータハウジング61に順次固定される。この構成は、組立分解及び組立に便利である。
【0034】
[0041] 本開示の発明の特定の実施形態を具体的に説明してきたが、本開示は、これらの実施形態に限定されるものと解釈すべきではない。本開示の範囲及び精神から逸脱することなく、本開示に様々な変更又は修正を行うことができる。
【符号の説明】
【0035】
10 ポンプハウジング
11 吸入口
12 吐出口
13 流路
14 半径方向の間隙
30 インペラ
31 インペラの本体
32 カバープレート
33 インペラ入口
34 インペラ出口
40 連結部材
41 第1の連結部
42 第2の連結部
50 モータ
61 ステータハウジング
62 ステータコア
63 ステータ巻線
71 ステータインナーハウジング
72 回転軸
73 ロータコア
74 永久磁石
75 保護スリーブ
80 駆動回路
91 上部ブシュ
92 ブシュ支持材
93 下部ブシュ
94 第2のワッシャ
95 第1のワッシャ
100 電動液体ポンプ
104 ポンプ室
111 第1のセグメント
112 第2のセグメント
113 取り付け座
114 リブ
115 溝
311 底部プレート
312 ハブ
313 円弧状のブレード
611 第1のチャンバ
612 第2のチャンバ
711 ステータインナーハウジングの本体
712 フランジ
714 固定座
715 内部空間
941 つめ
D1 第1のセグメントの内径
D2 インペラの直径
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】