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特表2022-528028エアロゾル生成装置及びそれを制御する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-08
(54)【発明の名称】エアロゾル生成装置及びそれを制御する方法
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/53 20200101AFI20220601BHJP
【FI】
A24F40/53
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021531425
(86)(22)【出願日】2020-12-22
(85)【翻訳文提出日】2021-06-01
(86)【国際出願番号】 KR2020018874
(87)【国際公開番号】W WO2021182730
(87)【国際公開日】2021-09-16
(31)【優先権主張番号】10-2020-0029169
(32)【優先日】2020-03-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519217032
【氏名又は名称】ケーティー アンド ジー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100160749
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100202267
【弁理士】
【氏名又は名称】森山 正浩
(72)【発明者】
【氏名】キム,ヨンファン
(72)【発明者】
【氏名】ユン,スンウク
(72)【発明者】
【氏名】イ,スンウォン
(72)【発明者】
【氏名】ハン,デナム
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA03
4B162AA22
4B162AB12
4B162AC37
4B162AD08
4B162AD22
4B162AD32
(57)【要約】
一側面によるエアロゾル生成装置は、エアロゾル生成装置の状態に係わるデータを保存するメモリ、エアロゾル生成装置に係わる情報を出力するディスプレイ及びプロセッサを含み、プロセッサは、メモリに保存されたデータに基づいてエアロゾル生成装置の異常動作を検知し、異常動作が検知されることにより、エアロゾル生成装置に含まれたモジュールに対して自己診断(self-diagnosis)を行い、自己診断によって検出されたエラーに対応する第1解決策(solution)が出力されるようにディスプレイを制御する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エアロゾル生成装置の状態に係わるデータを保存するように構成されたメモリと、
ディスプレイと、
前記メモリに保存されたデータに基づいて前記エアロゾル生成装置の異常動作を検知し、前記異常動作が検知されることにより、前記エアロゾル生成装置に含まれたモジュールに対して自己診断(self-diagnosis)を遂行し、前記自己診断によって検出されたエラーに対応する第1解決策(solution)が出力されるように前記ディスプレイを制御するプロセッサと、を含む、エアロゾル生成装置。
【請求項2】
前記第1解決策は、前記エアロゾル生成装置のユーザが遂行する方法である、請求項1に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、
前記第1解決策が出力された後、前記エラーが解消されたか否かを判断し、前記判断結果によって前記エラーに対応する第2解決策が出力されるように前記ディスプレイを制御する、請求項1に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項4】
前記第2解決策は、前記第1解決策と異なる、請求項3に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項5】
前記プロセッサは、
前記モジュールに対して所定順序によって自己診断を遂行し、
前記所定順序は、前記モジュールに前記異常動作が発生する頻度数によって決定される、請求項1に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項6】
前記プロセッサは、
前記所定順序によって前記モジュールのうち、第Nモジュールに対する自己診断を遂行し、
前記第Nモジュールの異常動作が検出されていない場合、前記モジュールのうち、第N+1モジュールに対する自己診断を遂行し、
前記Nは、自然数である、請求項5に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項7】
前記プロセッサは、
前記自己診断の結果と所定の基準とを比較して、前記エラーを検出する、請求項1に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項8】
前記所定の基準は、所定の時区間の間の前記異常動作の累積検出回数または前記異常動作の連続検出回数を意味する、請求項7に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項9】
前記エアロゾル生成装置の状態に係わるデータは、前記エアロゾル生成装置で発生したイベントに係わる情報を含む、請求項1に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項10】
前記プロセッサは、
前記第1解決策とは、異なる第2解決策が互いに異なる時点に出力されるように前記ディスプレイを制御する、請求項1に記載のエアロゾル生成装置。
【請求項11】
エアロゾル生成装置を制御する方法において、
メモリに保存されたデータに基づいてエアロゾル生成装置の異常動作を検知する段階と、
前記異常動作が検知されることにより、前記エアロゾル生成装置に含まれたモジュールに対して自己診断を行う段階と、
前記自己診断によって検出されたエラーに対応する第1解決策が出力されるようにディスプレイを制御する段階と、を含む、方法。
【請求項12】
請求項11に記載の方法をコンピュータで実行可能なプログラムを記録したコンピュータで読取り可能な記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアロゾル生成装置及びそれを制御する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
最近、一般的なエアロゾル生成装置の短所を克服する方法に係わる需要が増加している。例えば、エアロゾル生成装置で発生したエラー(error)を解決するための方法に係わる需要が増加している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明が解決しようとする課題は、エアロゾル生成装置及びそれを制御する方法を提供することである。具体的に、エアロゾル生成装置に発生したエラーを検知し、検知されたエラーを解消するための解決策を提供する方法を提供することである。一方、本発明が解決しようとする技術的課題は、前記のような技術的課題に限定されず、以下の実施例からさらに他の技術的課題が類推されうる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
一側面によるエアロゾル生成装置は、エアロゾル生成装置の状態に係わるデータを保存するメモリ;前記エアロゾル生成装置に係わる情報を出力するディスプレイ;及びプロセッサ;を含み、前記プロセッサは、前記メモリに保存されたデータに基づいて前記エアロゾル生成装置の異常動作を検知し、前記異常動作が検知されることにより、前記エアロゾル生成装置に含まれたモジュールに対して自己診断(self-diagnosis)を遂行し、前記自己診断によって検出されたエラーに対応する第1解決策(solution)が出力されるように前記ディスプレイを制御する。
【0005】
他の側面によるエアロゾル生成装置は、エアロゾル生成装置に係わる情報を出力するディスプレイ;及びプロセッサ;を含み、前記プロセッサは、前記エアロゾル生成装置に発生したエラーに対応する第1解決策及び第2解決策が互いに異なる時点に出力されるように前記ディスプレイを制御する。
【0006】
さらに他の側面によるエアロゾル生成装置を制御する方法は、メモリに保存されたデータに基づいてエアロゾル生成装置の異常動作を検知する段階;前記異常動作が検知されることにより、前記エアロゾル生成装置に含まれたモジュールに対して自己診断を行う段階;及び前記自己診断によって検出されたエラーに対応する第1解決策が出力されるようにディスプレイを制御する段階;を含む。
【0007】
さらに他の側面によるコンピュータで読取り可能な記録媒体は、上述した方法をコンピュータで実行させるためのプログラムを記録した記録媒体を含む。
【発明の効果】
【0008】
本発明のエアロゾル生成装置は、ただログデータにのみ限らず、自己診断を行うことにより、エラーを検出することができる。したがって、エアロゾル生成装置で発生したエラーを正確に検出することができる。また、エアロゾル生成装置は、エラーの解消如何によって順次的な解決策を提供することができる。したがって、ユーザは、不要な時間及び費用を消耗せず、エアロゾル生成装置を迅速かつ効率的に修理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】エアロゾル生成装置の一例を示す図面である。
図2】エアロゾル生成装置の他の例を示す図面である。
図3】エアロゾル生成装置のさらに他の例を示す図面である。
図4】エアロゾル生成装置のさらに他の例を示す図面である。
図5】エアロゾル生成装置の構成図である。
図6】エアロゾル生成装置を制御する方法の一例を示すフローチャートである。
図7】エアロゾル生成装置で生成されたログデータの一例を示す図面である。
図8】ログデータがメモリに保存される一例を説明するための図面である。
図9】自己診断を行う順序を決定する一例を説明するための図面である。
図10】プロセッサがモジュールに対して自己診断を行う一例を示すフローチャートである。
図11】プロセッサが自己診断の結果を所定の基準と比較する一例を説明するための図面である。
図12】プロセッサが自己診断の結果を所定の基準と比較する他の例を説明するための図面である。
図13】ディスプレイに第1解決策が出力される例を説明するための図面である。
図14】エアロゾル生成装置を制御する方法の他の例を示すフローチャートである。
図15】ディスプレイに第2解決策が出力される例を説明するための図面である。
図16】プロセッサが第1解決策と第2解決策を出力する例を説明するための図面である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付された図面を参照して本発明の実施例について本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が容易に実施可能なように詳細に説明する。しかし、本発明は、様々な異なる形態にも具現され、ここで説明する実施例に限定されない。
【0011】
実施例で使用される用語は、本発明での機能を考慮しながら可能な限り、現在広く使用される一般的な用語を選択したが、これは、当分野に従事する技術者の意図または判例、新たな技術の出現などによっても異なる。また、特定の場合は、出願人が任意に選定した用語もあり、その場合、当該発明の説明部分で詳細にその意味を記載する。したがって、本発明で使用される用語は、単なる用語の名称ではない、その用語が有する意味と、本発明の全般にわたる内容に基づいて定義されねばならない。
【0012】
明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」とするとき、それは、特別に反対となる記載がない限り、他の構成要素を除くものではなく、他の構成要素をさらに含んでもよいということを意味する。
【0013】
以下、添付された図面を参照して本発明の実施例について本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が容易に実施可能なように詳細に説明する。しかし、本発明は、様々な異なる形態にも具現され、ここで説明する実施例に限定されない。
【0014】
また、本明細書で使用される「第1」または、「第2」のような序数を含む用語は、多様な構成要素の説明に使用されるが、構成要素は、前記用語によって限定されてはならない。用語は、1つの構成要素を他の構成要素から区別する目的だけで使用される。
【0015】
以下では、図面を参照して実施例を詳細に説明する。
【0016】
図1は、エアロゾル生成装置の一例を示す図面である。
【0017】
図1を参照すれば、エアロゾル生成装置100は、バッテリ110、プロセッサ120及びヒータ130を含む。また、エアロゾル生成装置100の内部空間には、エアロゾル生成物品200が挿入されうる。
【0018】
図1に図示されたエアロゾル生成装置100には、本実施例に係わる構成要素が図示されている。したがって、図1に図示された構成要素以外に他の汎用的な構成要素がエアロゾル生成装置100にさらに含まれるということを、本実施例に係わる技術分野で通常の知識を有する者であれば、理解できるであろう。
【0019】
図1には、バッテリ110、プロセッサ120及びヒータ130が一列に配置されたように図示されている。しかし、エアロゾル生成装置100の内部構造は、図1に図示されたものに限定されない。すなわち、エアロゾル生成装置100の設計によって、バッテリ110、プロセッサ120、及びヒータ130の配置は、変更されうる。
【0020】
エアロゾル生成物品200がエアロゾル生成装置100に挿入されれば、エアロゾル生成装置100は、ヒータ130を作動させ、エアロゾルを発生させうる。ヒータ130によって発生したエアロゾルは、エアロゾル生成物品200を通過してユーザに伝達される。
【0021】
必要によって、エアロゾル生成物品200がエアロゾル生成装置100に挿入されていない場合にも、エアロゾル生成装置100は、ヒータ130を加熱することができる。
【0022】
バッテリ110は、エアロゾル生成装置100の動作に用いられる電力を供給する。例えば、バッテリ110は、ヒータ130が加熱されるように電力を供給し、プロセッサ120の動作に必要な電力を供給することができる。また、バッテリ110は、エアロゾル生成装置100に設けられたディスプレイ、センサ、モータなどの動作に必要な電力を供給することができる。
【0023】
プロセッサ120は、エアロゾル生成装置100の動作を全般的に制御する。具体的に、プロセッサ120は、バッテリ110及びヒータ130だけではなく、エアロゾル生成装置100に含まれた他の構成の動作を制御する。また、プロセッサ120は、エアロゾル生成装置100の構成それぞれの状態を確認し、エアロゾル生成装置100が動作可能な状態であるか否かを判断することもできる。
【0024】
プロセッサ120は、多数の論理ゲートのアレイによっても具現され、汎用的なマイクロプロセッサと、該マイクロプロセッサで実行されるプログラムが保存されたメモリの組合わせによっても具現される。また、他の形態のハードウェアによっても具現されるということを、本実施例が属する技術分野で通常の知識を有する者であれば、理解できるであろう。
【0025】
ヒータ130は、バッテリ110から供給された電力によっても加熱される。例えば、エアロゾル生成物品がエアロゾル生成装置100に挿入されれば、ヒータ130は、エアロゾル生成物品の外部に位置する。したがって、加熱されたヒータ130は、エアロゾル生成物品内のエアロゾル生成物質の温度を上昇させうる。
【0026】
ヒータ130は、電気抵抗性ヒータでもある。例えば、ヒータ130には、導電性トラック(track)を含み、導電性トラックに電流が流れることにより、ヒータ130が加熱されうる。しかし、ヒータ130は、上述した例に限定されず、希望温度まで加熱可能なものであれば、制限なしに該当しうる。ここで、希望温度は、エアロゾル生成装置100に予め設定されていてもよく、ユーザによって所望の温度に設定されてもよい。
【0027】
例えば、ヒータ130は、細長形(例えば、棒状、針状、ブレード状)であるか、円筒状でもあり、加熱要素の形状によってエアロゾル生成物品200の内部または外部を加熱することができる。
【0028】
また、エアロゾル生成装置100には、ヒータ130が複数個配置されうる。この際、複数個のヒータ130は、エアロゾル生成物品200の内部に挿入されるように配置されてもよく、エアロゾル生成物品200の外部に配置されてもよい。また、複数個のヒータ130のうち、一部は、エアロゾル生成物品200の内部に挿入されるように配置され、残りは、エアロゾル生成物品200の外部に配置されうる。また、ヒータ130の形状は、図1に図示された形状に限定されず、多様な形状に作製されうる。
【0029】
一方、エアロゾル生成装置100は、バッテリ110、プロセッサ120及びヒータ130以外に汎用的な構成をさらに含んでもよい。例えば、エアロゾル生成装置100は、視覚情報の出力が可能なディスプレイ及び/または触覚情報の出力のためのモータを含んでもよい。また、エアロゾル生成装置100は、少なくとも1つのセンサ(パフ検知センサ、温度検知センサ、エアロゾル生成物品挿入検知センサなど)を含んでもよい。また、エアロゾル生成装置100は、エアロゾル生成物品200が挿入された状態でも外部空気が流入されるか、内部気体が流出される構造によっても作製される。
【0030】
図1には、図示されていないが、エアロゾル生成装置100は、別途のクレードルと共に、システムを構成しうる。例えば、クレードルは、エアロゾル生成装置100のバッテリ110の充電に用いられうる。または、クレードルとエアロゾル生成装置100とが結合された状態でヒータ130が加熱されてもよい。
【0031】
エアロゾル生成物品200は、一般的なシガレットと類似してもいる。例えば、エアロゾル生成物品200は、エアロゾル生成物質を含む第1部分とフィルタなどを含む第2部分とに区分されうる。または、エアロゾル生成物品200の第2部分にも、エアロゾル生成物質が含まれてもよい。例えば、顆粒またはカプセルの形態に作られたエアロゾル生成物質が第2部分に挿入されてもよい。
【0032】
エアロゾル生成装置100の内部には、第1部分の全体が挿入され、第2部分は、外部に露出される。または、エアロゾル生成装置100の内部に第1部分の一部だけ挿入されてもよく、第1部分の全体及び第2部分の一部が挿入されてもよい。ユーザは、第2部分を口にした状態でエアロゾルを吸い込む。この際、エアロゾルは、外部空気が第1部分を通過することで生成され、生成されたエアロゾルは、第2部分を通過してユーザの口に伝達される。
【0033】
一例として、外部空気は、エアロゾル生成装置100に形成された少なくとも1つの空気通路を通じて流入されうる。例えば、エアロゾル生成装置100に形成された空気通路の開閉及び/または空気通路の大きさは、ユーザによって調節されうる。これにより、霧化量、喫煙感などがユーザによって調節されうる。他の例として、外部空気は、エアロゾル生成物品200の表面に形成された少なくとも1つの孔(hole)を通じてエアロゾル生成物品200の内部に流入されてもよい。
【0034】
図2は、エアロゾル生成装置の他の例を示す図面である。
【0035】
図2を参照すれば、エアロゾル生成装置100は、図1に図示された構成以外に蒸気化器140をさらに含む。図2のエアロゾル生成物品200、バッテリ110、プロセッサ120及びヒータ130は、図1のエアロゾル生成物品200、バッテリ110、プロセッサ120及びヒータ130に対応しうる。したがって、重複説明は、省略する。
【0036】
図2に図示されたエアロゾル生成装置100には、本実施例に係わる構成要素が図示されている。したがって、図2に図示された構成要素以外に他の汎用的な構成要素がエアロゾル生成装置100にさらに含まれるということを、本実施例に係わる技術分野で通常の知識を有する者であれば、理解できるであろう。
【0037】
また、図2には、エアロゾル生成装置100にヒータ130が含まれているように図示されているが、必要によって、ヒータ130は、省略されてもよい。
【0038】
図2には、バッテリ110、プロセッサ120、蒸気化器140及びヒータ130が一列に配置されたように図示されている。
【0039】
エアロゾル生成物品200がエアロゾル生成装置100に挿入されれば、エアロゾル生成装置100は、ヒータ130及び/または蒸気化器140を作動させ、エアロゾルを発生させうる。ヒータ130及び/または蒸気化器140によって発生したエアロゾルは、エアロゾル生成物品200を通過してユーザに伝達される。
【0040】
バッテリ110は、蒸気化器140が加熱されるように電力を供給することができる。プロセッサ120は、蒸気化器140の動作を制御する。
【0041】
蒸気化器140は、液状組成物を加熱してエアロゾルを生成し、生成されたエアロゾルは、エアロゾル生成物品200を通過してユーザに伝達されうる。すなわち、蒸気化器140によって生成されたエアロゾルは、エアロゾル生成装置100の気流通路に沿って移動し、気流通路は、蒸気化器140によって生成されたエアロゾルがエアロゾル生成物品を通過してユーザに伝達されるように構成されうる。
【0042】
例えば、蒸気化器140は、液体保存部、液体伝達手段及び加熱要素を含んでもよいが、それらに限定されない。例えば、液体保存部、液体伝達手段及び加熱要素は、独立したモジュールとしてエアロゾル生成装置100に含まれてもよい。
【0043】
液体保存部は、液状組成物を保存することができる。例えば、液状組成物は、揮発性タバコ香成分を含むタバコ含有物質を含む液体でもあり、非タバコ物質を含む液体でもある。液体保存部は、蒸気化器140から/に脱/付着することによって作製されても、蒸気化器140と一体として作製されてもよい。
【0044】
例えば、液状組成物は、水、ソルベント、エタノール、植物抽出物、香料、香味剤、または、ビタミン混合物を含んでもよい。香料は、メントール、ペパーミント、スペアミントオイル、各種果物の香り成分などを含んでもよいが、それらに制限されるものではない。香味剤は、ユーザに多様な香味または風味を提供する成分を含んでもよい。ビタミン混合物は、ビタミンA、ビタミンB、ビタミンC及びビタミンEのうち、少なくとも1つが混合されたものでもあるが、それらに制限されるものではない。また、液状組成物は、グリセリン及びプロピレングリコールのようなエアロゾル形成剤を含んでもよい。
【0045】
液体伝達手段は、液体保存部の液状組成物を加熱要素に伝達する。例えば、液体伝達手段は、綿纎維、セラミック纎維、ガラスファイバ、多孔性セラミックのような芯(wick)にもなるが、それらに限定されるものではない。
【0046】
加熱要素は、液体伝達手段によって伝達される液状組成物を加熱するための要素である。例えば、加熱要素は、金属熱線、金属熱板、セラミックヒータなどにもなるが、それらに限定されるものではない。また、加熱要素は、ニクロム線のような伝導性フィラメントで構成され、液体伝達手段に巻かれる構造によっても配置される。加熱要素は、電流供給によって加熱され、加熱要素と接触された液体組成物に熱を伝達し、液体組成物を加熱することができる。その結果、エアロゾルが生成されうる。
【0047】
例えば、蒸気化器140は、カトマイザ(cartomizer)または霧化器(atomizer)とも称されるが、それらに限定されるものではない。
【0048】
図3は、エアロゾル生成装置のさらに他の例を示す図面である。
【0049】
図3のエアロゾル生成物品200、バッテリ110、プロセッサ120、ヒータ130及び蒸気化器140は、図2のエアロゾル生成物品200、バッテリ110、プロセッサ120、ヒータ130及び蒸気化器140に対応しうる。したがって、重複説明は、省略する。
【0050】
図3には、蒸気化器140及びヒータ130が並列に配置された例が図示されている。すなわち、蒸気化器140及びヒータ130は、図2に図示されたように一列に配置されてもよく、図3に図示されたように並列に配置されてもよい。しかし、エアロゾル生成装置100の内部構造は、図2及び図3に図示されたものに限定されない。すなわち、エアロゾル生成装置100の設計によって、バッテリ110、プロセッサ120、ヒータ130及び蒸気化器140の配置は、変更されうる。
【0051】
図4は、エアロゾル生成装置のさらに他の例を示す図面である。
【0052】
図4を参照すれば、エアロゾル生成装置100は、バッテリ110、プロセッサ120、コイル410及びサセプタ420を含む。また、エアロゾル生成装置100の空洞430には、エアロゾル生成物品200の少なくとも一部が収容されうる。図4のエアロゾル生成物品200、バッテリ110及びプロセッサ120は、図1ないし図3のエアロゾル生成物品200、バッテリ110及びプロセッサ120に対応する。またコイル410及びサセプタ420は、ヒータ130に含まれる。したがって、重複説明は、省略する。
【0053】
図4に図示されたエアロゾル生成装置100には、本実施例に係わる構成要素が図示されている。したがって、図4に図示された構成要素以外に他の汎用的な構成要素がエアロゾル生成装置100にさらに含まれるということを、本実施例に係わる技術分野で通常の知識を有する者であれば、理解できるであろう。
【0054】
コイル410は、空洞430周辺に位置してもよい。図4には、コイル410が空洞430を取り囲むように配置されるように図示されているが、それに限定されない。
【0055】
エアロゾル生成物品200がエアロゾル生成装置100の空洞430に収容されれば、エアロゾル生成装置100は、コイル410が磁場を発生させるように、コイル410に電力を供給することができる。コイル410によって発生した磁場がサセプタ420を貫通することにより、サセプタ420が加熱されうる。
【0056】
このような誘導加熱現象は、ファラデーの誘導法則(Faraday’s Law of induction)によって説明される公知された現象である。具体的に、サセプタ420内の磁気誘導が変化する場合、電場がサセプタ420内に生成されることで、渦電流(eddy current)がサセプタ420内に流れることになる。渦電流は、サセプタ420内で電流密度及び伝導体抵抗に比例する熱を発生させる。
【0057】
サセプタ420が渦電流によって加熱され、エアロゾル生成物品200内のエアロゾル生成物質は、加熱されたサセプタ420によって加熱されることにより、エアロゾルが生成されうる。エアロゾル生成物質から生成されたエアロゾルは、エアロゾル生成物品200を通過してユーザに伝達される。
【0058】
バッテリ110は、コイル410が磁場を発生させうるように電力を供給することができる。プロセッサ120は、コイル410と電気的に連結されうる。
【0059】
コイル410は、バッテリ110から供給された電力によって磁場を発生させる導電性コイルでもある。コイル410は、空洞430の少なくとも一部を取り囲むように配置されうる。コイル410によって発生した磁場は、空洞430の内側端部に配置されるサセプタ420に印加されうる。
【0060】
サセプタ420は、コイル410から発生する磁場が貫通されることにより、加熱され、金属または炭素を含んでもよい。例えば、サセプタ420は、フェライト(ferrite)、強磁性合金(ferromagnetic alloy)、ステンレス鋼(stainles ssteel)及びアルミニウム(Al)のうち、少なくとも1つを含んでもよい。
【0061】
また、サセプタ420は、黒鉛(graphite)、モリブデン(molybdenum)、シリコンカーバイド(silicon carbide)、ニオブ(niobium)、ニッケル合金(nickel alloy)、金属フィルム(metal film)、ジルコニア(zirconia)のようなセラミック、ニッケル(Ni)やコバルト(Co)のような遷移金属、ホウ素(B)やリン(P)のような準金属のうち、少なくとも1つを含んでもよい。しかし、サセプタ420は、前述した例に限定されず、磁場が印加されることにより、希望温度まで加熱可能なものであれば、制限なしに該当しうる。ここで、希望温度は、エアロゾル生成装置100に予め設定されていてもよく、ユーザによって所望の温度に設定されてもよい。
【0062】
エアロゾル生成物品200がエアロゾル生成装置100の空洞430に収容されれば、サセプタ420は、エアロゾル生成物品200の少なくとも一部を取り囲むように配置されうる。したがって、加熱されたサセプタ420は、エアロゾル生成物品200内のエアロゾル生成物質の温度を上昇させうる。
【0063】
図4には、サセプタ420がエアロゾル生成物品の少なくとも一部を取り囲むように配置されるように図示されているが、それに限定されない。例えば、サセプタ420は、管状加熱要素、板状加熱要素、針状加熱要素、または棒状加熱要素の加熱要素を含み、加熱要素の形状によってエアロゾル生成物品200の内部または外部を加熱することができる。
【0064】
また、エアロゾル生成装置100には、サセプタ420が複数個配置されてもよい。この際、複数個のサセプタ420は、エアロゾル生成物品200の外部に配置されてもよく、内部に挿入されるように配置されてもよい。また、複数個のサセプタ420のうち、一部は、エアロゾル生成物品200の内部に挿入されるように配置され、残りは、エアロゾル生成物品200の外部に配置されうる。また、サセプタ420の形状は、図4に図示された形状に限定されず、多様な形状に作製されうる。
【0065】
エアロゾル生成装置100に含まれた複数のモジュールのうち、いずれか1つのモジュールの異常動作が検知されれば、エアロゾル生成装置100は、正常動作が不可能である。この際、異常動作の原因によって、ユーザの簡単な措置でエアロゾル生成装置100の異常動作が解消されうる。しかし、エアロゾル生成装置100が正常動作しない場合、ユーザは、AS(After Service)センターを訪問するか、新たな装置を購買することが一般的である。したがって、ユーザの立場では、不要な費用が発生する問題がある。
【0066】
また、エアロゾル生成装置100の異常動作が検知された場合、異常動作の発生原因が正確に把握されて初めて、適切な解決策が提示されうる。但し、従来の電子タバコは、異常動作の発生原因を自体的に把握していないので、ユーザに適切な解決策を提供することができない。
【0067】
本発明によるエアロゾル生成装置100は、異常動作が検知される場合、エアロゾル生成装置100に含まれたモジュールに対して自己診断を遂行する。そして、エアロゾル生成装置100は、自己診断によって正確なエラーを検出し、検出されたエラーに対応する解決策(solution)を出力する。
【0068】
特に、エアロゾル生成装置100は、エラーによって複数の解決策を提示することができる。例えば、エアロゾル生成装置100は、ユーザが行える第1解決策を出力し、第1解決策によってエラーが解消されたか否かを判断する。もし、第1解決策によってエラーが解消されていない場合、エアロゾル生成装置100は、第2解決策を出力する。この際、第2解決策は、当該技術分野の専門家が遂行する解決策でもある。したがって、エアロゾル生成装置100のユーザは、不要にASセンターを訪問するか、新たな製品を購買せずとも、エアロゾル生成装置100のエラーを解消することができる。
【0069】
以下、図5ないし図16を参照して、エアロゾル生成装置100が動作する例を具体的に説明する。
【0070】
図5は、エアロゾル生成装置の構成図である。
【0071】
図5に図示されたエアロゾル生成装置100は、図1ないし図4に基づいて前述したエアロゾル生成装置100のうち、いずれか1つに該当しうる。したがって、図1ないし図4に基づいて前述したエアロゾル生成装置100の説明は、図5のエアロゾル生成装置100にも適用されうる。
【0072】
図5を参照すれば、エアロゾル生成装置100は、プロセッサ120、メモリ150、及びディスプレイ160を含む。
【0073】
メモリ150は、エアロゾル生成装置100の状態に係わるデータを保存する。例えば、データは、エアロゾル生成装置100で発生したイベントに対応するログデータを含んでもよい。ここで、イベントは、エアロゾル生成装置100の電源オン/オフ、加熱開始、加熱完了及び喫煙開始などユーザ入力に応答してエアロゾル生成装置100で行われる全ての動作を含んでもよい。また、イベントは、エアロゾル生成装置100で発生する全ての異常動作またはエラーを含んでもよい。ログデータの一例は、図7を参照して後述する。
【0074】
ディスプレイ170は、エアロゾル生成装置100に係わる情報を出力する。ここで、エアロゾル生成装置100に係わる情報は、エアロゾル生成装置100の動作に係わる全ての情報を含む。例えば、ディスプレイ170は、エアロゾル生成装置100の状態に係わる情報(例えば、エアロゾル生成装置の使用可否など)、ヒータ130に係わる情報(例えば、予熱開始、予熱進行、予熱完了など)、バッテリ110に係わる情報(例えば、バッテリ110の残余容量、使用可否など)、エアロゾル生成装置100のリセットに係わる情報(例えば、リセット時期、リセット進行、リセット完了など)、エアロゾル生成装置100の掃除に係わる情報(例えば、掃除時期、掃除必要、掃除進行、掃除完了など)、エアロゾル生成装置100の充電に係わる情報(例えば、充電必要、充電進行、充電完了など)、パフに係わる情報(例えば、パフ回数、パフ終了予告など)または安全に係わる情報(例えば、使用時間経過など)などを伝達することができる。
【0075】
また、ディスプレイ100は、エアロゾル生成装置100で発生したエラー及び/またはエラーに対する解決策を出力することができる。したがって、ユーザは、ディスプレイ100を通じて、エアロゾル生成装置100のエラー解消方法を確認することができる。ディスプレイ100が動作する一例は、図13及び図15を参照して後述する。
【0076】
プロセッサ120は、メモリ150、及びディスプレイ160の動作を制御する。例えば、プロセッサ120は、メモリ150に保存されたデータを読出すか、メモリ150にデータを記録する。また、プロセッサ120は、ディスプレイ160に所定の情報が出力されるようにディスプレイ160を制御することができる。また、プロセッサ100がエアロゾル生成装置100に含まれる他の構成を制御可能であるということは、図1ないし図4に基づいて前述した通りである。
【0077】
また、プロセッサ120は、エアロゾル生成装置100の異常動作を検知し、エアロゾル生成装置100に含まれたモジュールに対して自己診断を行うことができる。ここで、モジュールは、エアロゾル生成装置100に含まれた構成要素を意味する。すなわち、モジュールは、図1ないし図5に図示された構成要素だけではなく、エアロゾル生成装置100に含まれる他の汎用的な構成要素も含む。
【0078】
また、プロセッサ120は、自己診断によって検出されたエラーに対応する第1解決策が出力されるようにディスプレイ160を制御する。そして、プロセッサ120は、第1解決策が遂行されることにより、エラーが解消されたか否かを判断し、エラーが解消されていない場合には、第2解決策が出力されるようにディスプレイ160を制御する。
【0079】
上述したところによれば、プロセッサ120は、自己診断によってエアロゾル生成装置100で発生したエラーを正確に検出することができる。また、プロセッサ120がエラーの解消如何によって順次的な解決策を提供することで、ユーザは、不要に時間と費用とを消耗することを防止することができる。
【0080】
以下、図6ないし図16を参照して、プロセッサ120が動作する例を説明する。
【0081】
図6は、エアロゾル生成装置を制御する方法の一例を示すフローチャートである。
【0082】
図6を参照すれば、エアロゾル生成装置を制御する方法は、図1ないし図5に図示されたプロセッサ120で時系列的に処理される段階で構成される。したがって、以下で省略された内容であっても、図1ないし図5に図示されたプロセッサ120について前述した内容は、図6のエアロゾル生成装置を制御する方法にも適用されるということが分かる。
【0083】
610段階において、プロセッサ120は、メモリ150に保存されたデータに基づいてエアロゾル生成装置100の異常動作を検知する。
【0084】
ここで、異常動作は、エアロゾル生成装置100が正常に動作しない全ての場合を含む。例えば、プロセッサ120は、メモリ150に保存されたログデータを用いてエアロゾル生成装置100に異常動作の発生有無を判断することができる。ログデータは、エアロゾル生成装置100で発生した全てのイベントに係わる情報を含む。したがって、プロセッサ120は、ログデータを確認することで、エアロゾル生成装置100の異常動作を検知することができる。
【0085】
以下、図7を参照してログデータの一例を説明する。
【0086】
図7は、エアロゾル生成装置で生成されたログデータの一例を示す図面である。
【0087】
ログデータ700は、エアロゾル生成装置100で発生したイベントに対応するログを含んでもよい。具体的に、ログデータ700は、エアロゾル生成装置100で行われる正常動作に対応するログ(以下、「正常ログ」と称する)及びエアロゾル生成装置100で発生した異常動作に対応するログ710(以下、「異常ログ」と称する)を含んでもよい。ログデータ700は、イベントの発生時間順にログが記録されることで構成されうる。
【0088】
一方、メモリ150には、ログデータ700に含まれた異常ログ710が別途に保存されうる。以下、図8を参照して、ログデータ700がメモリ150に区分されて保存される例を説明する。
【0089】
図8は、ログデータがメモリに保存される一例を説明するための図面である。
【0090】
図8を参照すれば、メモリ150は、第1サブメモリ151及び第2サブメモリ152を含んでもよい。例えば、メモリ150は、フラッシュメモリ(flash memory)でもあるが、それに制限されない。
【0091】
第1サブメモリ151には、図7のログデータ700が記録されうる。すなわち、第1サブメモリ151には、正常ログ及び異常ログが発生順に記録される。また、プロセッサ120は、第1サブメモリ151に保存されたログデータのうち、異常ログを抽出し、抽出された異常ログを第2サブメモリ152に記録することができる。
【0092】
一般的に、メモリ150の保存容量の限界によって、メモリ150には、エアロゾル生成装置100の全てのログが保存されにくい。すなわち、ログデータの容量がメモリ150の容量を超過する場合、メモリ150に既保存のログは、記録順に削除されることが一般的である。
【0093】
第2サブメモリ152に異常ログのみ記録される場合、プロセッサ120は、さらに長時間に亙る異常動作に係わる履歴を確認することができる。したがって、エアロゾル生成装置100の開発者、研究員またはASセンターの技術者は、エアロゾル生成装置100の異常動作に対するモニタリングを効率よく遂行することができる。
【0094】
再び図6を参照すれば、プロセッサ120は、ログデータに異常ログが記録されたことを確認することで、エアロゾル生成装置100の異常動作を検知することができる。例えば、プロセッサ120は、ログデータに単一異常ログが記録されるとき、エアロゾル生成装置100に異常動作が発生したと判断する。または、プロセッサ120は、所定の時区間の間、ログデータに異常ログが決定された回数以上記録された場合、エアロゾル生成装置100に異常動作が発生したと判断することもできる。さらに他の例として、プロセッサ120は、ログデータに異常ログが連続して記録された場合、エアロゾル生成装置100に異常動作が発生したと判断することもできる。
【0095】
620段階において、プロセッサ120は、異常動作が検知されることにより、エアロゾル生成装置100に含まれたモジュールに対して自己診断を行う。
【0096】
例えば、プロセッサ120は、エアロゾル生成装置100に含まれたモジュールに対して所定順序によって自己診断を行うことができる。ここで、所定順序は、モジュールに異常動作が発生した頻度数によって決定されうる。自己診断が遂行される順序が決定される例は、図9を参照して後述する。
【0097】
もし、優先順位のモジュールに対する自己診断の結果、異常動作が検出されていない場合、プロセッサ120は、次順位のモジュールに対して自己診断を行う。すなわち、第Nモジュールに対する自己診断の結果、異常動作が検出されていない場合、プロセッサ120は、第N+1モジュールに対して自己診断を行う。ここで、Nは、自己診断が遂行されなければならない順位を意味し、1以上の自然数である。プロセッサ120が所定順序によって自己診断を行う例は、図10を参照して後述する。
【0098】
図9は、自己診断を行う順序を決定する一例を説明するための図面である。
【0099】
図9には、メモリ150に記録されたログデータ900の例が図示されている。ログデータ900には、正常ログ及び異常ログがいずれも含まれている。
【0100】
ログデータ900には、エアロゾル発生装置100で発生した全てのイベントに係わる情報が含まれている。したがって、プロセッサ120は、ログデータ900を確認することで、エアロゾル発生装置100の動作履歴を確認することができる。もし、ログデータ900に最近1ヶ月間発生したイベントが記録された場合、プロセッサ120は、ログデータ900を確認することで、最近1ヶ月間発生した異常動作も確認することができる。
【0101】
プロセッサ120は、ログデータ900から異常ログ910を検出し、検出された異常ログを種類別に累積することができる。図9に図示された例によれば、プロセッサ120は、ログデータ900のうち、「Device Hot」の異常ログが20個含まれ、「Heater Overheat」の異常ログが6個含まれ、「Quiescent Current」の異常ログが17個含まれていると確認することができる。
【0102】
プロセッサ120は、種類別に累積された異常ログの数によって自己診断の順序を決定することができる。図9に図示された例によれば、プロセッサ120は、エアロゾル生成装置100に「Device Hot」に対応する異常動作→「Quiescent Current」に対応する異常動作→「Heater Overheat」に対応する異常動作の順序で発生することを確認することができる。したがって、プロセッサ120は、「Device Hot」に対応する異常動作に係わるモジュール→「Quiescent Current」に対応する異常動作に係わるモジュール→「Heater Overheat」に対応する異常動作に係わるモジュールの順序で自己診断を行うことができる。
【0103】
図10は、プロセッサがモジュールに対して自己診断を行う一例を示すフローチャートである。
【0104】
1010段階において、プロセッサ120は、第Nモジュールに対して自己診断を行う。例えば、エアロゾル生成装置100の動作履歴による時、加熱IC(Integrated Circuit)に異常動作が発生した場合が最多であると仮定すれば、プロセッサ120は、加熱ICに対して最も優先して自己診断を行うことができる。
【0105】
1020段階において、プロセッサ120は、第Nモジュールに異常動作が発生するか否かを判断する。1010段階の例を参照すれば、プロセッサ120は、加熱ICの動作に係わるコマンド(command)を伝送し、加熱ICのレジスタを読み取ることにより、加熱ICが正常動作するか否かを判断することができる。但し、上述したプロセッサ120の動作は、加熱ICの異常動作如何を判断する一例に過ぎず、他の多様な方式で加熱ICの異常動作如何を判断することができる。
【0106】
もし、第Nモジュールが正常動作する場合、1030段階に進み、第Nモジュールが正常動作しない場合、1040段階に進む。
【0107】
1040段階において、プロセッサ120は、自己診断の結果を所定の基準と比較する。例えば、所定の基準は、所定時区間の間の累積検出回数または連続検出回数によって決定されうる。
【0108】
例えば、プロセッサ120が加熱ICに異常動作が発生したと判断した場合、プロセッサ120は、加熱ICの異常動作が所定の時区間(例えば、1時間)の間に何回反復されたかを確認することができる。または、プロセッサ120は、加熱ICの異常動作が連続して何回発生したかを確認することができる。
【0109】
一例として、プロセッサ120は、1020段階に基づいて前述した方式(すなわち、モジュールに対する直接的な検査)によって異常動作の反復回数または連続回数を確認することができる。他の例として、プロセッサ120は、ログデータを確認して異常動作の反復回数または連続回数を確認することもできる。そして、プロセッサ120は、異常動作の反復回数または連続回数が所定の回数(例えば、3回)以上であるか否かを判断することができる。
【0110】
もし、プロセッサ120が異常動作の反復回数または連続回数が所定の基準を満足すると判断した場合、1050段階に進む。または、プロセッサ120が異常動作の反復回数または連続回数が所定の基準に達していないと判断した場合、1030段階に進む。
【0111】
1050段階において、プロセッサ120は、第Nモジュールにエラーが発生したと判断する。
【0112】
以下、図11及び図12を参照して、1040段階及び1050段階の例を具体的に説明する。
【0113】
図11は、プロセッサが自己診断の結果を所定の基準と比較する一例を説明するための図面である。
【0114】
図11には、プロセッサ120が異常動作の反復回数をログデータ1110を用いて確認する例が図示されている。しかし、プロセッサ120は、異常動作の反復回数を図10の1020段階に基づいて前述した方式(すなわち、モジュールに対する直接的な検査)で確認することもできる。
【0115】
また、図11では、図10の1010段階及び1020段階によってログデータ1110の「Heater Overheat」に係わるモジュールで異常動作が発生したと仮定する。
【0116】
プロセッサ120は、所定の時区間の間のログデータ1110で異常ログを確認する。例えば、図11には、所定の時区間として1時間が図示されているが、それに限定されない。
【0117】
そして、プロセッサ120は、異常ログを種類別に累積する。図11に図示された例によれば、プロセッサ120は、「Device Hot」の異常ログが1個含まれ、「Heater Overheat」の異常ログが4個含まれ、「Quiescent Current」の異常ログが2個含まれたものと確認することができる。
【0118】
そして、プロセッサ120は、異常ログの累積検出回数(すなわち、異常動作の反復回数)が所定の基準に符号するかを判断する。例えば、所定の基準が異常動作の反復回数が3回以上であると仮定すれば、プロセッサ120は、「Heater Overheat」に係わるモジュールの動作にエラーが発生したと判断する。
【0119】
図12は、プロセッサが自己診断の結果を所定の基準と比較する他の例を説明するための図面である。
【0120】
図12には、プロセッサ120が異常動作の連続回数をログデータ1210を用いて確認する例が図示されている。しかし、プロセッサ120は、異常動作の連続回数を図10の1020段階に基づいて前述した方式(すなわち、モジュールに対する直接的な検査)で確認してもよい。
【0121】
また、図12では、図10の1010段階及び1020段階によってログデータ1210の「Heater Overheat」に係わるモジュールで異常動作が発生したと仮定する。
【0122】
プロセッサ120は、ログデータ1210で異常ログを確認する。例えば、プロセッサ120は、図10の1010段階が遂行された時点以後のログデータ1210で異常ログを確認することができる。
【0123】
そして、プロセッサ120は、連続した異常ログ1220を確認し、異常ログ1220の連続回数(すなわち、異常動作の連続回数)が所定の基準に符合するか否かを判断する。図12に図示された例によれば、プロセッサ120は、ログデータ1210において「Heater Overheat」の異常ログが連続して3回記録されたことを確認する。例えば、所定の基準が、異常動作の連続回数が3回以上であると仮定すれば、プロセッサ120は、「Heater Overheat」に係わるモジュールの動作にエラーが発生したと判断する。
【0124】
再び図10を参照すれば、1030段階において、プロセッサ120は、第N+1モジュールに対して自己診断を行う。そして、プロセッサ120は、第N+1モジュールにエラーの発生有無を判断する。これは、1020段階~1050段階に基づいて前述した過程と同一である。1020段階の例を参照すれば、もし加熱ICに異常動作が発生されていない場合、プロセッサ120は、バッテリ110やプロセッサ120が過熱されたか否かを確認する。例えば、プロセッサ120は、バッテリ110と連結されたサーミスタ(thermistor)またはプロセッサ120と連結されたサーミスタを通じてバッテリ110やプロセッサ120が過熱されたか否かを確認することができる。但し、上述したプロセッサ120の動作は、バッテリ110やプロセッサ120が過熱されたか否かを判断する一例に過ぎず、他の多様な方式でバッテリ110やプロセッサ120の過熱有無を判断することができる。
【0125】
もし、第N+1モジュールが正常動作する場合、プロセッサ120は、第N+2モジュールに対して自己診断を行い、第N+2モジュールにエラーの発生有無を判断する。これは、1020段階~1050段階に基づいて前述した過程と同一である。
【0126】
このような方式で、プロセッサ120は、エアロゾル生成装置100に含まれたモジュールに対して順次に自己診断を行うことができる。
【0127】
また、図10に基づいて前述した加熱ICに対する自己診断及びバッテリ110やプロセッサ120に対する自己診断は、説明の便宜のために仮定した例示に過ぎない。すなわち、エアロゾル生成装置100のどのモジュールに対して優先して自己診断が行われるのか、及び自己診断の方法が何なのかは、多様に決定されうる。
【0128】
また、図6を参照すれば、630段階において、プロセッサ120は、自己診断によって検出されたエラーに対応する第1解決策が出力されるようにディスプレイ160を制御する。
【0129】
ここで、第1解決策は、エアロゾル生成装置100のユーザが遂行する方法でもある。すなわち、プロセッサ120は、エアロゾル生成装置100に係わる専門家(例えば、ASセンターの技術者)ではないユーザによって行われる解決策をユーザに提供することができる。以下、図13を参照して、ディスプレイ160に第1解決策が出力される例を説明する。
【0130】
図13は、ディスプレイに第1解決策が出力される例を説明するための図面である。
【0131】
図13を参照すれば、ディスプレイ160には、第1解決策を示す文字161が出力されうる。または、ディスプレイ160には、第1解決策に対応する特定カラー162が出力されてもよい。
【0132】
または、図13には、図示されていないが、ディスプレイ160は、第1解決策に対応する所定の発光パターンによっても点滅される。
【0133】
もし、エアロゾル生成装置100にモータが備えられた場合には、プロセッサ120は、モータを制御して第1解決策に対応する振動を出力することもできる。
【0134】
一方、プロセッサ120は、第1解決策と異なる方法である第2解決策をさらに出力することもできる。以下、図14及び図15を参照して、プロセッサ120が第2解決策を出力する例を説明する。
【0135】
図14は、エアロゾル生成装置を制御する方法の他の例を示すフローチャートである。
【0136】
図14を参照すれば、エアロゾル生成装置を制御する方法は、図1ないし図5に図示されたプロセッサ120で時系列的に処理される段階で構成される。したがって、以下で省略された内容であっても、図1ないし図5に図示されたプロセッサ120について前述した内容は、図14のエアロゾル生成装置を制御する方法にも適用されうるということが分かる。
【0137】
また、図14の1410段階~1430段階は、図6の610段階~630段階に対応する。したがって、以下では、1410段階~1430段階に係わる具体的な説明は、省略する。
【0138】
1440段階において、プロセッサ120は、第1解決策が行われることにより、エラーが解消されたか否かを判断する。
【0139】
例えば、プロセッサ120は、第1解決策が遂行された以後のログデータを確認し、エラーが解消されたか否かを判断することができる。もし、第1解決策が遂行された以後のログデータでエラーに対応するログが確認されない場合、プロセッサ120は、エラーが解消されたと判断することができる。
【0140】
1450段階において、プロセッサ120は、1440段階の判断結果によってエラーに対応する第2解決策が出力されるようにディスプレイ160を制御する。
【0141】
もし、第1解決策が遂行された以後のログデータにも、依然としてエラーに対応するログが見出される場合、プロセッサ120は、第2解決策が出力されるようにディスプレイ160を制御することができる。
【0142】
ここで、第2解決策は、第1解決策と異なる方法を意味する。例えば、第2解決策は、エアロゾル生成装置100に係わる専門家(例えば、ASセンターの技術者)を訪問することを勧めることでもある。
【0143】
第1解決策によってもエラーが解消されないということは、ユーザがエアロゾル生成装置100を直すことができないということを意味する。したがって、プロセッサ120は、エアロゾル生成装置100に係わる専門家を訪問することを、ユーザに勧めることで、エアロゾル生成装置100に対する専門的な修理を提案することができる。
【0144】
以下、図15を参照して、ディスプレイ160に第2解決策が出力される例を説明する。
【0145】
図15は、ディスプレイに第2解決策が出力される例を説明するための図面である。
【0146】
図15を参照すれば、ディスプレイ160には、第2解決策を示す文字163が出力されうる。または、ディスプレイ160には、第2解決策に対応する特定カラー164が出力されてもよい。または、図15には、図示されていないが、ディスプレイ160は、第2解決策に対応する所定の発光パターンによっても点滅される。もし、エアロゾル生成装置100にモータが備えられた場合には、プロセッサ120は、モータを制御して第2解決策に対応する振動を出力することもできる。
【0147】
図14に基づいて前述したように、第1解決策と第2解決策は、互いに異なる方法である。したがって、図15に基づいて前述した文字163、特定カラー164、発光パターン及び振動は、図13に基づいて前述した文字161、特定カラー162、発光パターン及び振動と互いに異なる。
【0148】
一方、図14及び図15に基づいて前述したところによれば、プロセッサ120は、第1解決策によってエラーが解消されていない場合、第2解決策をユーザに提供すると説明した。しかし、プロセッサ120は、第1解決策によるエラーの解消如何に関係なく、第2解決策をユーザに提供してもよい。
【0149】
図16は、プロセッサが第1解決策と第2解決策とを出力する例を説明するための図面である。
【0150】
プロセッサ120は、第1解決策と第2解決策とが互いに異なる時点に出力されるようにディスプレイ160を制御することができる。例えば、プロセッサ120は、ディスプレイ160を通じて第1解決策を提供することができる。そして、プロセッサ120は、第1解決策が提供された時点で一定時間経過後に、ディスプレイ160を通じて第2解決策を提供することができる。
【0151】
この際、プロセッサ120は、第1解決策によってエラーの解消如何を判断しない場合もある。すなわち、プロセッサ120は、エラーを解消することができる多様な方法を出力することで、ユーザをして、特定解決策を選択可能な機会を提供することができる。
【0152】
上述したところによれば、プロセッサ120は、自己診断によってエアロゾル生成装置100で発生したエラーを正確に検出することができる。また、プロセッサ120がエラーの解消如何によって順次的な解決策を提供することで、ユーザは、時間と費用との浪費を防止することができる。
【0153】
図面においてブロックで表現される構成要素、エレメント、モジュールまたはユニット(この段落では、総じて「構成要素」と称する)のうち、少なくとも1つは、一実施例によって、前述した個別的な機能を行う多様な数のハードウェア、ソフトウェア及び/またはファームウェア構造によって具現される。例えば、そのような構成要素のうち、少なくとも1つは、1つ以上のマイクロプロセッサまたは他の制御装置の制御を通じて個別的な機能を行うメモリ、プロセッサ、論理回路、ルックアップテーブルのような直接回路構造を用いることができる。また、そのような構成要素のうち、少なくとも1つは、特定論理機能を行うための1つ以上の実行可能な命令語を含むモジュール、プログラム、またはコードの一部によって具体的に具現され、1つ以上のマイクロプロセッサまたは他の制御装置によって実行される。また、そのような構成要素のうち、少なくとも1つは、個別的な機能を処理する中央処理ユニット(CPU)、マイクロプロセッサのようなプロセッサを含むか、プロセッサによって具現される。そのような構成要素の2つ以上は、全ての動作、または結合された2つ以上の構成要素の機能を行う1つの単一構成要素に結合される。また、そのような構成要素のうち、少なくとも1つの機能の少なくとも一部は、そのような構成要素のうち、他の1つによって行われる。また、前述したブロック図にバスが図示されていなくても、構成要素間の連結は、バスを通じて行われる。前述した例示的な実施例の機能的側面は、1つ以上のプロセッサを行うアルゴリズムによって具現される。それに付け加えて、ブロックまたは処理段階によって表現される構成要素は、電子構成、信号処理及び/または制御、データ処理などのための任意の数の関連技術を用いることができる。
【0154】
一方、上述した方法は、コンピュータで実行されるプログラムで作成可能であり、コンピュータで読取り可能な記録媒体を用いて前記プログラムを動作させる汎用デジタルコンピュータで具現されうる。また、上述した方法で使用されたデータの構造は、コンピュータで読取り可能な記録媒体に複数の手段を通じて記録されうる。前記コンピュータで読取り可能な記録媒体は、マグネチック保存媒体(例えば、ROM、RAM、USB、フロッピーディスク、ハードディスクなど)、光学的記録媒体(例えば、CD-ROM、DVDなど)のような保存媒体を含む。
【0155】
本実施例に係わる技術分野で通常の知識を有する者は、前記記載の本質的な特性から外れない範囲で変形された形態として具現可能であるということが理解できるであろう。したがって、開示された方法は、限定的な観点ではなく説明的な観点で考慮されねばならず、権利範囲は、前述した説明ではなく、特許請求の範囲に示されており、それと同等な範囲内にある全ての相違点を含むと解釈されねばならない。
図1
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図16
【国際調査報告】