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特表2022-528044RAPIEnetシステムにおける通信障害発生時、ネットワークの復旧方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-08
(54)【発明の名称】RAPIEnetシステムにおける通信障害発生時、ネットワークの復旧方法
(51)【国際特許分類】
   H04L 41/0654 20220101AFI20220601BHJP
   H04L 12/427 20060101ALI20220601BHJP
   H04L 67/12 20220101ALI20220601BHJP
【FI】
H04L41/0654
H04L12/427
H04L67/12
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021556892
(86)(22)【出願日】2019-08-27
(85)【翻訳文提出日】2021-09-21
(86)【国際出願番号】 KR2019010877
(87)【国際公開番号】W WO2020197008
(87)【国際公開日】2020-10-01
(31)【優先権主張番号】10-2019-0033535
(32)【優先日】2019-03-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】593121379
【氏名又は名称】エルエス、エレクトリック、カンパニー、リミテッド
【氏名又は名称原語表記】LS ELECTRIC CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】127,LS-ro,Dongan-gu,Anyang-si,Gyeonggi-do,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100140822
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 光広
(72)【発明者】
【氏名】ユン、ゴン
(72)【発明者】
【氏名】リー、ソン-ハン
【テーマコード(参考)】
5K031
【Fターム(参考)】
5K031AA08
5K031EA01
5K031EB02
5K031EB03
(57)【要約】
本発明は、RAPIEnetシステムにおける通信障害発生時、ネットワークの復旧方法に関する。本発明によれば、RAPIEnetシステムにおけるリング又はライン状のネットワーク上、LNMデバイス間又はRNM間のネットワーク通信障害の有無を検査するメッセージを周期的に伝送することにより、ネットワークに負担を与えないつつ、ネットワーク通信障害の有無をより正確に判断して復旧することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のネットワークデバイスで構成されたRAPIEnetラインネットワークにおけるネットワークの復旧方法であって、
前記ラインネットワークの両側末端に位置した2つのLNM(line network manager)ネットワークデバイスにおいて、それぞれ前記ラインネットワークの他側末端にネットワーク信頼性検査メッセージ(NICM:Network Integrity Check Message)を伝送するステップと、
前記他側末端のLNMネットワークデバイスの送信したNICMが受信されていない場合、前記各LNMネットワークデバイスにおいて、前記ラインネットワーク経路上の全てのネットワークデバイスに隣ノードのネットワークデバイスとの通信点検を行うことを命令するステップと、
前記命令に従って、各ネットワークデバイスにおいて、自分と隣接した隣ノードのネットワークデバイスにファミリー要請メッセージ(Family request message)を伝送して連結状態を確認するステップと、
前記ファミリー要請メッセージに対する回答メッセージを受信していない該ネットワークデバイスは、自分の状態をLNM又はSA(stand alone)に変更するステップ、とを含む、
RAPIEnetシステムにおける通信障害発生時、ネットワークの復旧方法。
【請求項2】
前記通信点検を行うことを命令するステップは、
前記各LNMネットワークデバイスにおいて、予め設定された時間の間に、前記他側末端のLNMネットワークデバイスが送信したNICMの受信を待機するステップと、
前記予め設定された時間の間に、前記他側末端のLNMネットワークデバイスの送信したNICMが受信されていない場合、前記各LNMネットワークデバイスにおいて、前記ラインネットワーク経路上の全てのネットワークデバイスに通信点検命令メッセージ(NCCM:Neighbor Check Command Message)をブロードキャストするステップ、とを含む、
請求書1に記載のRAPIEnetシステムにおける通信障害発生時、ネットワークの復旧方法。
【請求項3】
前記ネットワークデバイスのうち、前記LNMへ状態が変更されたネットワークデバイスは、前記ラインネットワークの前記LNMネットワークデバイスに新しいラインネットワークが始まることを知らせるためライン開始メッセージ(line start message)をブロードキャスト(broadcast)するステップをさらに含む、
請求書1に記載のRAPIEnetシステムにおける通信障害発生時、ネットワークの復旧方法。
【請求項4】
前記NICMは、
前記各LNMネットワークデバイスにおいて、予め設定された周期に従って繰り返して生成され、前記ラインネットワークの他側末端に位置した他のLNMネットワークデバイスに伝送される、
請求項1に記載のRAPIEnetシステムにおける通信障害発生時、ネットワークの復旧方法。
【請求項5】
前記ネットワークデバイスは、
RAPIEnetプロトコルが搭載され、2つの通信ポートを備えて、前記ラインネットワークの両方向にデータ転送可能なデバイスである、
請求項1に記載のRAPIEnetシステムにおける通信障害発生時、ネットワークの復旧方法。
【請求項6】
複数のネットワークデバイスで構成されたRAPIEnetリングネットワークにおけるネットワークの復旧方法であって、
前記リングネットワーク上の2つのRNMネットワークデバイスにおいて、それぞれ前記リングネットワークの両方向の経路にNICMを伝送するステップと、
前記他のRNMネットワークデバイスの送信したNICMが受信されていない場合、
前記各RNMネットワークデバイスにおいて、前記リングネットワークの両方向の経路上の全てのネットワークデバイスに隣ノードのネットワークデバイスとの通信点検を行うことを命令するステップと、
前記命令に従って、各ネットワークデバイスにおいて、自分と隣接した隣ノードのネットワークデバイスにファミリー要請メッセージを伝送して連結状態を確認するステップと、
前記ファミリー要請メッセージに対する回答メッセージを受信していない該ネットワークデバイスは、自分の状態をLNMに変更するステップ、とを含む、
RAPIEnetシステムにおける通信障害発生時、ネットワークの復旧方法。
【請求項7】
前記通信点検を行うことを命令するステップは、
前記各RNMネットワークデバイスにおいて、予め設定された時間の間に、前記他のRNMネットワークデバイスが送信したNICMの受信を待機するステップと、
前記予め設定された時間の間に、前記他のRNMネットワークデバイスの送信したNICMが受信されていない場合、前記各RNMネットワークデバイスにおいて、前記リングネットワークの両方向の経路上の全てのネットワークデバイスにNCCMをブロードキャストするステップ、とを含む、
請求項6に記載のRAPIEnetシステムにおける通信障害発生時、ネットワークの復旧方法。
【請求項8】
前記LNMへ状態が変更されたネットワークデバイスは、前記リングネットワークの前記RNMネットワークデバイスに新しいラインネットワークの形成を知らせるライン開始メッセージをブロードキャストする、
請求項6に記載のRAPIEnetシステムにおける通信障害発生時、ネットワークの復旧方法。
【請求項9】
前記NICMは、
前記各RNMネットワークデバイスにおいて、予め設定された周期に従って繰り返して生成され、前記リングネットワークの両方向の経路に位置した他のRNMネットワークデバイスに伝送される、
請求項6に記載のRAPIEnetシステムにおける通信障害発生時、ネットワークの復旧方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、RAPIEnetシステムに関する。より詳細に本発明は、RAPIEnetシステムにおけるリング又はライン状のネットワーク上、ラインネットワークマネージャ(Line Network Manager:LNM)デバイス間、又はリングネットワークマネージャ(Ring Network Manager:RNM)間のネットワーク通信障害の有無を検査するメッセージを周期的に伝送することにより、ネットワークに負担を与えないつつ、ネットワーク通信障害の有無をより正確に判断して復旧できるようにするRAPIEnetシステムにおける通信障害発生時、ネットワークの復旧方法に関する。
【背景技術】
【0002】
RAPIEnetは、イーサネットに基づく産業用ネットワークプロトコルを意味する。このような産業用ネットワークを適用する分野は、半導体、自動車などの製造工程自動化、電力設備自動化などであり、温度/化学/ノイズ/震動などの側面で劣悪な環境である場合が多い。かかる理由によりネットワークケーブル、ケーブルの結線状態、ネットワーク装備の劣化による通信機能の喪失といった障害が任意の時間に発生し得る。
【0003】
上記のような通信機能の喪失などの障害発生に備えて、従来のRAPIEnetは、通信リンク上の問題が発生する場合、これをネットワークに知らせる機能が具備される。
【0004】
図1図4は、従来のRAPIEnetシステムにおけるネットワーク上の通信障害が発生した場合、ネットワークを復旧する動作概念を示したものである。
【0005】
図1は、4つのネットワークデバイスで構成されたRAPIEnetラインネットワーク(line network)におけるケーブルが切れたか脱落した場合、ネットワークの復旧動作を例示したものである。
【0006】
図1を参照すると、4つのネットワークデバイス(network device)100,110,120,130で構成されたRAPIEnetラインネットワークにおけるデバイスの間に連結されたケーブル150が切れたか脱落したことが分かる。
【0007】
かかる場合、従来のRAPIEnetシステムでは、ケーブルの脱落した位置で隣接した2つのデバイス110,120がリンク(link)の変化状態を認知する。そして、隣接した2つのデバイス110,120は、自分の状態がネットワークの端(LNM)であることをネットワークにブロードキャスト(broadcast)して、ネットワーク上に存在するデバイス100,130に新しいラインネットワーク状態となったことを知らせる。
【0008】
図2は、4つのネットワークデバイスで構成されたRAPIEnetラインネットワークにおけるデバイス電源オフ(off)時、ネットワークの復旧動作を例示したものである。
【0009】
図2を参照すると、4つのネットワークデバイス(network device)100,110,120,130で構成されたRAPIEnetラインネットワークにおける1つのデバイス110に電源オフが発生したことが分かる。
【0010】
かかる場合、従来のRAPIEnetシステムでは、電源オフされたデバイス110に隣接した2つのネットワークデバイス100,120がリンクの変化状態を認知する。そして、隣接した2つのネットワークデバイス100,120は、自分の状態がネットワークの端(LNM)であることをネットワークにブロードキャストして、ネットワーク上に存在するデバイス130に新しいラインネットワーク状態となったことを知らせる。
【0011】
このとき、図2におけるネットワークデバイス100は、左右側に連結された他のデバイスがないため、自分の状態をSA(Stand Alone)に変更することになる。
【0012】
図3は、4つのネットワークデバイスで構成されたRAPIEnetリングネットワーク(ring network)におけるケーブルが切れたか脱落した場合、ネットワークの復旧動作を例示したものである。
【0013】
図3を参照すると、4つのネットワークデバイス(network device)200,210,220,230で構成されたRAPIEnetリングネットワークにおけるデバイスの間に連結されたケーブル250が切れたか脱落したことが分かる。
【0014】
かかる場合、従来のRAPIEnetシステムでは、ケーブルの脱落した位置で隣接した2つのデバイス200,230がリンク(link)の変化状態を認知する。そして、隣接した2つのデバイス200,230は、自分の状態がネットワークの端(LNM)であることをネットワークにブロードキャスト(broadcast)して、ネットワーク上に存在するデバイス210,220に新しいラインネットワーク状態となったことを知らせる。
【0015】
図4は、4つのネットワークデバイスで構成されたRAPIEnetリングネットワークにおけるデバイス電源オフ(off)時、ネットワークの復旧動作を例示したものである。
【0016】
図4を参照すると、4つのネットワークデバイス(network device)200,210,220,230で構成されたRAPIEnetラインネットワークにおける1つのデバイス230に電源オフが発生したことが分かる。
【0017】
かかる場合、従来のRAPIEnetシステムでは、電源オフされたデバイス230に隣接した2つのネットワークデバイス200,220がリンクの変化状態を認知する。そして、隣接した2つのネットワークデバイス200,220は、自分の状態がネットワークの端(LNM)であることをネットワークにブロードキャストして、ネットワーク上に存在するデバイス210に新しいラインネットワーク状態となったことを知らせる。
【0018】
すなわち、上記図1図4で説明したように、従来のRAPIEnetシステムは、リンクの結線やデバイスの電源不良によるネットワークの状態変化が発生時、ネットワークの状態が自動に復旧されるようにする機能を提供している。
【0019】
上記のようなRAPIEnetシステムの従来のネットワークの復旧方法においては、ケーブルの切れ又は脱落やデバイスの電源オフなどは、復旧可能である。しかしながら、デバイス間の通信不良や単に電源オフではないデバイスの故障による通信障害については、ネットワークの復旧方法を提供することができない問題点があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
本発明の目的は、RAPIEnetシステムにおけるリング又はライン状のネットワーク上、LNMデバイス間又はRNM間のネットワーク通信障害の有無を検査するメッセージを周期的に伝送することにより、ネットワークに負担を与えないつつ、ネットワーク通信障害の有無をより正確に判断して復旧できるようにするRAPIEnetシステムにおける通信障害発生時、ネットワークの復旧方法を提供することである。
【0021】
本発明の目的は、以上に言及した目的に制限されず、言及していない本発明の他の目的及び長所は、下記の説明によって理解され得、本発明の実施形態によってより明らかに理解することができる。また、本発明の目的及び長所は、特許請求の範囲に示した手段及びその組み合わせによって実現できることが分かりやすい。
【課題を解決するための手段】
【0022】
本発明による複数のネットワークデバイスで構成されたRAPIEnetラインネットワークにおけるネットワークの復旧方法は、前記ラインネットワークの両側末端に位置した2つのLNM(line network manager)ネットワークデバイスにおいて、それぞれ前記ラインネットワークの他側末端にネットワーク信頼性検査メッセージ(NICM:Network Integrity Check Message)を伝送するステップと、前記NICMに対する回答メッセージが受信されていない場合、前記各LNMネットワークデバイスにおいて、前記ラインネットワーク経路上の全てのネットワークデバイスに隣ノードのネットワークデバイスとの通信点検を行うことを命令するステップと、前記命令に従って、各ネットワークデバイスにおいて、自分と隣接した隣ノードのネットワークデバイスにファミリー要請メッセージ(Family request message)を伝送して連結状態を確認するステップと、前記ファミリー要請メッセージに対する回答メッセージを受信していない該ネットワークデバイスは、自分の状態をLNM又はSA(stand alone)に変更するステップ、とを含んでいてもよい。
【0023】
また、本発明による複数のネットワークデバイスで構成されたRAPIEnetラインネットワークにおけるネットワークの復旧方法は、前記ファミリー要請メッセージに対する回答メッセージを受信したネットワークデバイスは、さらに自分と隣接した隣ノードのネットワークデバイスにファミリー要請メッセージを伝送して連結状態を確認するステップをさらに含んでいてもよい。
【0024】
また、前記通信点検を行うことを命令するステップは、前記各LNMネットワークデバイスにおいて、予め設定された時間の間に、前記NICMに対する回答メッセージの受信を待機するステップと、前記予め設定された時間の間に、前記回答メッセージが受信されていない場合、前記各LNMネットワークデバイスにおいて、前記ラインネットワーク経路上の全てのネットワークデバイスに通信点検命令メッセージ(NCCM:Neighbor Check Command Message)をブロードキャストするステップを含んでいてもよい。
【0025】
また、本発明による複数のネットワークデバイスで構成されたRAPIEnetラインネットワークにおけるネットワークの復旧方法は、前記ネットワークデバイスのうち前記LNMへ状態が変更されたネットワークデバイスは、前記ラインネットワークの前記LNMネットワークデバイスに新しいラインネットワークが始まることを知らせるためライン開始メッセージ(line start message)をブロードキャスト(broadcast)するステップをさらに含んでいてもよい。
【0026】
また、前記NICMは、前記各LNMネットワークデバイスにおいて、予め設定された周期に従って繰り返して生成され、前記ラインネットワークの他側末端に位置した他のLNMネットワークデバイスに伝送されうる。
【0027】
また、前記ネットワークデバイスは、RAPIEnetプロトコルが搭載され、2つの通信ポートを備えて、前記ラインネットワークの両方向にデータ転送可能なデバイスであってもよい。
【0028】
また、本発明による複数のネットワークデバイスで構成されたRAPIEnetリングネットワークにおけるネットワークの復旧方法は、前記リングネットワーク上の2つのRNMネットワークデバイスにおいて、それぞれ前記リングネットワークの両方向の経路にNICMを伝送するステップと、前記チェックメッセージに対する回答メッセージが受信されていない場合、前記各RNMネットワークデバイスにおいて、前記リングネットワークの両方向の経路上の全てのネットワークデバイスに隣ノードのネットワークデバイスとの通信点検を行うことを命令するステップと、前記命令に従って、各ネットワークデバイスにおいて、自分と隣接した隣ノードのネットワークデバイスにファミリー要請メッセージを伝送して連結状態を確認するステップと、前記ファミリー要請メッセージに対する回答メッセージを受信していない該ネットワークデバイスは、自分の状態をLNMに変更するステップを含んでいてもよい。
【0029】
また、本発明による複数のネットワークデバイスで構成されたRAPIEnetリングネットワークにおけるネットワークの復旧方法は、前記ファミリー要請メッセージに対する回答メッセージを受信したネットワークデバイスは、さらに自分と隣接した隣ノードのネットワークデバイスにファミリー要請メッセージを伝送して連結状態を確認するステップをさらに含んでいてもよい。
【0030】
また、前記通信点検を行うことを命令するステップは、前記各RNMネットワークデバイスにおいて、予め設定された時間の間に、前記NICMに対する回答メッセージの受信を待機するステップと、前記予め設定された時間の間に、前記回答メッセージが受信されていない場合、前記各RNMネットワークデバイスにおいて、前記リングネットワークの両方向の経路上の全てのネットワークデバイスにNCCMをブロードキャストするステップを含んでいてもよい。
【0031】
また、前記LNMへ状態が変更されたネットワークデバイスは、前記リングネットワークの前記RNMネットワークデバイスに新しいラインネットワークの形成を知らせるライン開始メッセージをブロードキャストすることができる。
【0032】
また、前記NICMは、前記各RNMネットワークデバイスにおいて、予め設定された周期に従って繰り返して生成され、前記リングネットワークの両方向の経路に位置した他のRNMネットワークデバイスに伝送されうる。
【発明の効果】
【0033】
本発明によれば、RAPIEnetシステムにおけるリング又はライン状のネットワーク上、LNMデバイス間又はRNM間のネットワーク通信障害の有無を検査するメッセージを周期的に伝送することにより、ネットワークに負担を与えないつつ、ネットワーク通信障害の有無をより正確に判断して復旧することができる。
【0034】
また、本発明によれば、ケーブルの結線、脱落などのリンク状態の変化のほか、ネットワークデバイスの通信不良や通信線路の不良をより効果的に検出して、ネットワーク通信障害をより正確に判断して復旧させることができる。
【0035】
上述した効果並びに本発明の具体的な効果は、以下の発明を実施するための具体的な事項を説明すると共に記述する。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1】従来のRAPIEnetシステムにおけるネットワーク上の通信障害が発生した場合、ネットワークを復旧する動作概念図。
図2】従来のRAPIEnetシステムにおけるネットワーク上の通信障害が発生した場合、ネットワークを復旧する動作概念図。
図3】従来のRAPIEnetシステムにおけるネットワーク上の通信障害が発生した場合、ネットワークを復旧する動作概念図。
図4】従来のRAPIEnetシステムにおけるネットワーク上の通信障害が発生した場合、ネットワークを復旧する動作概念図。
図5】本発明の一実施形態によるRAPIEnetシステムにおけるラインネットワーク上の通信障害が発生した場合、ネットワークを復旧する動作概念図。
図6図5に示されたネットワークデバイスの内部構成図。
図7】本発明の一実施形態による複数のネットワークデバイスを含むラインネットワークにおけるネットワークデバイス間の信号処理流れ図。
図8】本発明の一実施形態によるRAPIEnetシステムにおけるリングネットワーク上の通信障害が発生した場合、ネットワークを復旧する動作概念図。
図9】本発明の一実施形態による複数のネットワークデバイスを含むリングネットワークにおけるネットワークデバイス間の信号処理流れ図。
【発明を実施するための形態】
【0037】
前述した目的、特徴及び長所は、添付の図面を参照して詳細に後述され、これによって、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者は、本発明の技術思想を容易に実施することができる。本発明の説明において、本発明に係る公知の技術に関する具体的な説明が本発明の要旨を曖昧にすると判断される場合には詳細な説明を省略する。以下では、添付の図面を参照して、本発明による好ましい実施形態を詳説することとする。図面における同じ参照符号は、同一又は類似の構成要素を示すことに使われる。
【0038】
図5は、本発明の一実施形態によるRAPIEnetシステムにおけるラインネットワーク上の通信障害が発生した場合、ネットワークを復旧する動作概念を示したものである。
【0039】
また、図5は、本発明の一実施形態であり、4つのネットワークデバイス510,520,530,540で構成されたRAPIEnetラインネットワークにおけるネットワーク上の通信障害が発生時、ネットワークの復旧動作を例示したものであるが、本発明がこれに限定されるものではない。
【0040】
図5を参照すると、本発明の一実施形態によるラインネットワークの場合、ラインネットワークの両側末端に位置した2つのLNMネットワークデバイス510,540が周期的にネットワーク信頼性検査メッセージ(Network Integrity Check Message:NICM)を相手のLNMネットワークデバイス540,510に伝送する。
【0041】
次いで、2つのLNMネットワークデバイス510,540は、相手のLNMネットワークデバイス540,510からNICMを周期的に受信して、ネットワーク経路上に存在するネットワークデバイス510,520,530,540に通信障害発生などのような問題がないか確認することができる。
【0042】
図6は、図5に示されたネットワークデバイスの内部構成を示したものである。
【0043】
ネットワークデバイス510にはRAPIEnetのようなプロトコルが搭載されうる。また、ネットワークデバイス510は、2つの通信ポートを備えて、ラインネットワーク又はリングネットワークで具現されるネットワークの両方向にデータ転送可能なデバイスであってもよい。かかるネットワークデバイス510は、PLC(Programable Logic Controller)の入出力装置などになり得る。
【0044】
図6を参照すると、ネットワークデバイス510は、2つの物理層部(physical layer)616,618と、媒体制御器(Media Access Controller:MAC)612,614と、制御器610とを含んでいてもよい。
【0045】
物理層部616,618は、ネットワークバス650からデータを受信して、媒体制御器612,614に提供する。また、物理層部616,618は、媒体制御器612,614から印加されるデータをネットワークバス650に転送する。
【0046】
媒体制御器612,614は、制御器610からデータを受信する。そして、媒体制御器612,614は、制御器610から受信したデータを物理層部616,618を介してネットワークバス650に転送する。
【0047】
また、媒体制御器612,614は、物理層部616,618を介して受信されるデータの種類を判別する。そして、媒体制御器612,614は、制御器610への伝達が不要なデータと判別した場合、該データを制御器610に転送せずに物理層部616,618を介してネットワークバス650に伝達して、ネットワーク上の他のネットワークデバイスに転送されるようにする。このとき、制御器610への転送が不要なデータは、NICMであってもよい。NICMは、本発明の一実施形態によってラインネットワーク又はリングネットワークのLNMネットワークデバイス510,540間、又はRNMネットワークデバイス810,840間のネットワーク経路上に問題があるか否かを検査するために伝送されるメッセージである。かかるNICMは、LNMネットワークデバイスでないデバイスでは、制御器610を介せずに次のネットワークデバイスに伝達されて、ネットワークの全体デバイスに負荷を与えない。
【0048】
また、媒体制御器612,614は、物理層部616,618を介して受信されたデータの種類を判別する。そして、媒体制御器612,614は、制御器610への伝達が必要なデータと判別した場合、該データを制御器610に転送する。このとき、制御器610への転送が必要なデータは、通信点検命令メッセージ(Neighbor check command message:NCCM)又はファミリー要請メッセージ(Family request message)であってもよい。NCCM又はファミリー要請メッセージは、本発明の一実施形態によってラインネットワーク又はリングネットワークにおけるケーブルの切れ又は脱落やデバイスの電源オフ、デバイスの故障による通信障害が発生した場合、通信障害が発生したネットワークデバイスを検出するために使用されるメッセージである。かかるNCCM又はファミリー要請メッセージは、全てのネットワークデバイスにおいて制御器610まで伝送されるように具現することができ、制御器610は、ファミリー要請メッセージに対する回答メッセージを用いて隣ノードのネットワークデバイスに対する通信障害が発生するか否かを点検できるようになる。
【0049】
制御器610は、媒体制御器612,614とデータ送受信を行う。そして、制御器610は、送受信されたデータを利用してネットワーク上の通信障害が発生するか否か、及び自分のネットワークデバイス510がラインネットワーク又はリングネットワークにおけるネットワークの端となったか否かを判断する。
【0050】
このとき、制御器610は、ネットワーク上の通信障害発生によって自分のネットワークデバイス510がラインネットワーク又はリングネットワークにおけるネットワークの端となったと判断した場合、自分のネットワークデバイス510の状態をLNM又はSA(Stand Alone)に変更する。そして、制御器610は、変更された状態情報をLNMネットワークデバイス540又はRNMネットワークデバイス840に伝送する。このような状態情報は、新しいラインネットワークが始まることを知らせるライン開始メッセージ(line start message)として製作されて、ネットワークにブロードキャスト(broadcast)され、LNMネットワークデバイス540又はRNMネットワークデバイス840で受信されうる。
【0051】
図7は、本発明の一実施形態による図5の複数のネットワークデバイスを含むラインネットワークにおけるネットワークデバイスの通信障害を感知して、ネットワークを復旧するネットワークデバイス間の信号処理流れを示したものである。
【0052】
以下、図7を参照して、本発明の一実施形態をより詳説することとする。
【0053】
先ず、ラインネットワーク500の両側末端に位置した2つのLNMネットワークデバイス510,540は、それぞれラインネットワーク500の他側末端にNICMを伝送する(S700,S750)。
【0054】
このとき、図7で示されるように、ラインネットワーク上のネットワークデバイス520で通信障害が発生した状態である。よって、各々のLNMネットワークデバイス510,540では、他側末端のLNMネットワークデバイスが送信したNICMを受信することができず、タイムアウト(Time-out)が発生することになる(S702,S752)。
【0055】
すると、各々のLNMネットワークデバイス510,540は、ラインネットワーク上の全てのネットワークデバイス520,530にNCCMをブロードキャスト(broadcast)に送信して、ラインネットワーク経路上の全てのネットワークデバイス520,530が隣ノードのネットワークデバイスと通信点検を行うように命令する(S704,S754)。
【0056】
次いで、NCCMを受信した各ネットワークデバイス520,530は、隣接した隣ノードのネットワークデバイスにファミリー要請メッセージ(Family request message)を伝送して、隣ノードのネットワークデバイスが正常に動作しているか否かを検査する。
【0057】
このとき、ラインネットワーク上のネットワークデバイス520で通信障害が発生した状態であるので、図7の左側末端のLNMネットワークデバイス510では、ファミリー要請メッセージS706に対するファミリー回答メッセージが正常に受信されず、タイムアウトが発生することになる(S708)。
【0058】
すると、LNMネットワークデバイス510は、隣ノードのネットワークデバイス520との経路に問題が発生したと判断し、自分の状態をLNM又はSAに変更する(S710)。このとき、図7の左側末端のLNMネットワークデバイス510は、左右側に連結されている何らネットワークデバイスもないため、自分の状態をSAに変更する。
【0059】
一方、図7の右側末端のLNMネットワークデバイス540は、LNMネットワークデバイス540に隣接したネットワークデバイス530が正常に動作しているため、ファミリー要請メッセージS756に対するファミリー回答メッセージを正常に受信する(S758)。
【0060】
一方、ネットワークデバイス530は、自分と隣接した隣ノードのネットワークデバイス520にファミリー要請メッセージを伝送する(S760)。このとき、ネットワークデバイス520で通信障害が発生した状態であるので、ネットワークデバイス530では、タイムアウトが発生することになる(S762)。
【0061】
すると、タイムアウトの発生したネットワークデバイス530は、隣ノードのネットワークデバイス520との経路に問題が発生したと判断して、自分の状態をLNM又はSAに変更する。
【0062】
このとき、ネットワークデバイス530にはLNMネットワークデバイス540が連結されている状態であるので、自分の状態をLNMに変更する(S764)。次いで、LNMへ状態が変更されたネットワークデバイス530は、新しいラインネットワークが始まることを知らせるためライン開始メッセージ(line start message)をLNMネットワークデバイス540に伝送する(S766)。
【0063】
図8は、本発明の一実施形態によるRAPIEnetシステムにおけるリングネットワーク上の通信障害が発生した場合、ネットワークを復旧する動作概念を示したものでる。
【0064】
また、図8は、本発明の一実施形態であり、4つのネットワークデバイス810,820,830,840で構成されたRAPIEnetリングネットワークにおけるネットワーク上の通信障害が発生時、ネットワーク復旧動作を例示したものであるが、本発明がこれに限定されるものではない。
【0065】
図8を参照すると、本発明の一実施形態によるリングネットワークの場合、リングネットワーク上の2つのRNMネットワークデバイス810,840がそれぞれリングネットワークの両方向の経路に周期的にNICMを相手のRNMに伝送する。
【0066】
次いで、2つのRNMネットワークデバイス810,840は、相手のRNMネットワークデバイス840,810からNICMを周期的に受信して、ネットワーク経路上に存在するネットワークデバイス810,820,830,840に通信障害発生などのような問題がないか確認することができる。
【0067】
図9は、本発明の一実施形態による図8の複数のネットワークデバイスを含むリングネットワークにおけるネットワークデバイスの通信障害を感知して、ネットワークを復旧するネットワークデバイス間の信号処理流れを示したものである。
【0068】
以下、図9を参照して、本発明の一実施形態をより詳説することとする。
【0069】
先ず、リングネットワーク800の両方向の経路末端に位置した2つのRNMネットワークデバイス810,840は、それぞれリングネットワーク800の両方向の経路にNICMを伝送しる(S900,S950)。
【0070】
このとき、図9で示されるように、リングネットワーク上のネットワークデバイス820で通信障害が発生した状態である。よって、各々のRNMネットワークデバイス810,840では、他のRNMネットワークデバイスが送信したNICMを受信することができず、タイムアウト(Time-out)が発生することになる(S902,S952)。
【0071】
すると、各々のRNMネットワークデバイス810,840は、リングネットワーク上の全てのネットワークデバイス820,830にNCCMをブロードキャスト(broadcast)に送信して、リングネットワークの両方向の経路上の全てのネットワークデバイス820,830が隣ノードのネットワークデバイスと通信点検を行うように命令する(S904,S954)。このとき、図9では、リングネットワークの参照番号900のネットワークにネットワークデバイスを示していないものの、これは説明の便宜のためのものであり、参照番号900のネットワークにネットワークデバイスがある場合も同じく適用可能である。
【0072】
次いで、NCCMを受信した各ネットワークデバイス820,830は、隣接した隣ノードのネットワークデバイスにファミリー要請メッセージを伝送して、隣ノードのネットワークデバイスが正常に動作しているか否かを検査する。
【0073】
このとき、リングネットワーク上のネットワークデバイス820で通信障害が発生した状態であるので、図9の左側RNMネットワークデバイス810では、ファミリー要請メッセージS906に対するファミリー回答メッセージが正常に受信されず、タイムアウトが発生することになる(S908)。
【0074】
すると、RNMネットワークデバイス810は、隣ノードのネットワークデバイス820との経路に問題が発生したと判断して、自分の状態をLNMに変更する(S910)。このとき、ネットワークデバイス820に通信障害が発生して、ラインネットワークに変更された状態であるので、RNMネットワークデバイス810は、自分の状態をLNMに変更することになるのである。
【0075】
次いで、LNMに変更されたネットワークデバイス810は、新しいラインネットワークが始まることを知らせるためライン開始メッセージをリングネットワークの参照番号900のネットワークを介してRNMネットワークデバイス840に伝送する(S912)。
【0076】
一方、図9の右側RNMネットワークデバイス840は、RNMネットワークデバイス840に隣接したネットワークデバイス830が正常に動作しているため、ファミリー要請メッセージS956に対するファミリー回答メッセージを正常に受信する(S958)。
【0077】
一方、ネットワークデバイス830は、自分と隣接した隣ノードのネットワークデバイス820にファミリー要請メッセージを伝送する(S960)。このとき、ネットワークデバイス820で通信障害が発生した状態であるので、ネットワークデバイス830では、タイムアウトが発生することになる(S962)。
【0078】
すると、タイムアウトの発生したネットワークデバイス830は、隣ノードのネットワークデバイス820との経路に問題が発生したと判断して、自分の状態をLNMに変更する(S964)。
【0079】
このとき、ネットワークデバイス830にはRNMネットワークデバイス840が連結されている状態であるので、自分の状態をLNMに変更する。次いで、LNMへ状態が変更されたネットワークデバイス830は、新しいラインネットワークが始まることを知らせるためライン開始メッセージをLNMネットワークデバイス840に伝送する(S966)。
【0080】
上述したように、本発明によれば、RAPIEnetシステムにおけるリング又はライン状のネットワーク上、LNMデバイス間又はRNM間のネットワーク通信障害の有無を検査するメッセージを周期的に伝送することにより、ネットワークに負担を与えないつつ、ネットワーク通信障害の有無をより正確に判断して復旧することができる。
【0081】
本明細書に開示のあらゆる方法及び手続きは、一以上のコンピュータプログラム又はコンポネントを使って少なくとも部分的に具現することができる。これら構成要素は、RAM、ROM、フラッシュメモリ、磁気又は光ディスク、光メモリ又は他の貯蔵装置のような揮発性及び非揮発性メモリを含む任意の従来のコンピュータ読み取り可能な媒体又はマシン読み取り可能な媒体上の一連のコンピュータ命令として提供することができる。命令語は、ソフトウェア又はファームウエアとして提供され得、ASIC、FPGA、DSP又は他の類似する装置のようなハードウェア構成要素に全体的に又は部分的に具現することができる。命令語は、一連のコンピュータ命令語を行う際、開示の方法及び手続きの全部又は一部の性能を行うか容易にする、1以上のプロセッサ又は他のハードウェアの構成要素によって行われるように構成することができる。
【0082】
以上のように、本発明について例示した図面を参照して説明したが、本発明は、本明細書に開示の実施形態と図面によって限定されるものではなく、本発明の技術思想の範囲内で通常の技術者によって様々な変形が行われることは自明である。さらに、本発明の実施形態を前述しながら本発明の構成による作用効果を明示的に記載して説明しなかったとしても、該構成によって予測可能な効果も認められるべきであることは当然である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【国際調査報告】