(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-08
(54)【発明の名称】創傷閉鎖
(51)【国際特許分類】
A61B 17/03 20060101AFI20220601BHJP
【FI】
A61B17/03
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021558987
(86)(22)【出願日】2020-04-01
(85)【翻訳文提出日】2021-11-24
(86)【国際出願番号】 IB2020053109
(87)【国際公開番号】W WO2020202037
(87)【国際公開日】2020-10-08
(32)【優先日】2019-04-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514073617
【氏名又は名称】ザ プロボースト,フェローズ,ファンデーション スカラーズ,アンド ジ アザー メンバーズ オブ ボード,オブ ザ カレッジ オブ ザ ホーリー アンド アンディバイデッド トリニティ オブ クイーン エリザベス ニア ダブリン
(74)【代理人】
【識別番号】100101890
【氏名又は名称】押野 宏
(74)【代理人】
【識別番号】100098268
【氏名又は名称】永田 豊
(72)【発明者】
【氏名】ドクター・サイラス
(72)【発明者】
【氏名】デイビス・トラビス・アレン
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160BB11
4C160CC06
(57)【要約】
創傷閉鎖を行うための外科用装置およびシステムが提供される。例えば、創傷閉鎖部材は、アンカーと、ばね部材と、それらの間に延びる本体と、を備える。創傷閉鎖部材は、調節可能な閉鎖力を組織に加えて創傷を閉鎖するように構成される。送達器具がさらに提供される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
創傷を閉鎖するためのシステムであって、
硬い第1のアンカーと、ばね部材と、前記第1のアンカーと前記ばね部材との間に延び、前記第1のアンカーと前記ばね部材とを連結する本体と、を有する少なくとも1つの創傷閉鎖部材であって、前記ばね部材は、前記ばね部材が前記創傷の第2の側に位置付けられ、前記硬い第1のアンカー部材が前記創傷の第1の側に位置付けられ、前記本体が前記創傷の組織を通って延びるときに、前記創傷の動きおよび前記ばね部材の形状に基づいて、調節可能な外転閉鎖力を前記創傷に加えるように構成されている、創傷閉鎖部材と、
近位開口端部と、放出ポートを有し、遠位尖端で終端する遠位端部と、前記近位開口端部と前記放出ポートとの間に延びるチャネルと、を有する、湾曲した送達針であって、前記チャネルは前記アンカーをスライド可能に受容するように構成されている、湾曲した送達針と、
前記湾曲した送達針にスライド可能に連結され、前記創傷閉鎖部材の前記アンカーを前記チャネルに沿って前記送達針の前記近位開口端部から前記放出ポートまで並進運動させるように構成されたプッシュロッドと、
を含む、システム。
【請求項2】
前記硬い第1のアンカーはクロスバーであり、前記ばね部材の前記形状は、複数の非平坦アーム、複数の凸状または凹状アーム、半球構造体、前記アンカーに向かって延びる半円形パネル、および螺旋からなる群から選択されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記ばね部材の選択された各形状は、前記創傷に対して、異なる調節可能な外転閉鎖力を加えるように構成されている、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記少なくとも1つの創傷閉鎖部材は、互いに脆弱に連結された複数の創傷閉鎖部材を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記複数の創傷閉鎖部材は、スパインによって脆弱に連結されている、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
ハンドルをさらに含み、前記ハンドルは、前記送達針の近位端部に連結され、前記ハンドルを通して前記プッシュロッドを受容し、前記プッシュロッドを前記針内に案内するように構成され、前記ハンドルは、前記プッシュロッドをスライド可能に移動させるように構成されたトリガーを有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記少なくとも1つの創傷閉鎖部材を内部に受容するように構成され、かつ、前記ハンドルに取り外し可能に嵌合されるように構成された、取り外し可能かつ交換可能なカートリッジをさらに含み、前記少なくとも1つの創傷閉鎖部材は、前記プッシュロッドの作動時に前記カートリッジから前記送達針の前記チャネルに沿って並進運動可能である、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記送達針の前記チャネルは、前記放出ポートで終端する上向きの傾斜を有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記送達針の前記遠位尖端は、切断先端部を含む、請求項1に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【開示の内容】
【0001】
〔関連出願の相互参照〕
本出願は、「Wound Closure」と題する、2019年4月1日に出願された米国仮特許出願第62/827,590号の利益を主張し、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
〔分野〕
創傷を閉鎖するための外科用装置、システム、および方法が提供される。
【0003】
〔背景〕
創傷閉鎖、例えば、患者の皮膚の裂傷または外科的切開部の閉鎖は、縫合糸、外科用ステープル、または医療用接着剤の使用によってしばしば達成される。縫合糸は、適用するのに時間がかかり、創傷反転を引き起こし得、その場合、皮膚の上面に沿った壊死組織が創傷に向かって内側に押し出され、これにより、治癒にかかる時間が遅れる場合があり、また、瘢痕化が大きくなる可能性がある。縫合糸およびステープルは瘢痕化および感染を引き起こすことがあり、適用中に疼痛を伴うことがある。医療用接着剤は一般に、創傷を永続的または実質的に閉鎖する上では効果がない可能性があり、任意のタイプの永続的閉鎖機構ではなく手当用品として用いられることが多い。
【0004】
したがって、改善された創傷閉鎖技術が必要である。
【0005】
〔概要〕
創傷を閉鎖するための創傷閉鎖タグを埋め込むための方法、装置、およびシステムが本明細書で提供される。
【0006】
一態様では、創傷を閉鎖するためのシステムが提供され、これは、第1のアンカーと、第2のアンカーと、第1のアンカーと第2のアンカーとの間に延び、第1のアンカーと第2のアンカーとを連結する本体と、を備える、少なくとも1つの創傷閉鎖部材を有する。創傷閉鎖部材は、第1のアンカーが創傷の第1の側に位置付けられ、第2のアンカーが創傷の第2の側に位置付けられ、本体が創傷の組織を通って延びるときに、創傷に外転閉鎖力を提供するように構成される。このシステムは、近位開口端部と、放出ポートを有し、遠位尖端で終端する遠位端部と、近位開口端部と放出ポートとの間に延びるチャネルと、を備える、湾曲した送達針も有する。チャネルは、第1のアンカーをスライド可能に受容するように構成される。このシステムはプッシュロッドも有し、プッシュロッドは、湾曲した送達針にスライド可能に連結され、創傷閉鎖部材の第1のアンカーをチャネルに沿って送達針の近位開口端部から放出ポートまで並進運動させるように構成される。
【0007】
システムは多くの変形例を有し得る。例えば、第1のアンカーはクロスバーであってもよく、第2のアンカーは、複数の平坦または非平坦アーム、複数の凸状または凹状アーム、半球構造体、アンカーに向かって延びる半円形パネル、および螺旋からなる群から選択されるばね部材であってもよい。第2のアンカーはまた、創傷および選択された第2のアンカーの動きに基づいて調節可能な外転閉鎖力を加えるように構成され得る。いくつかの実施例では、少なくとも1つの創傷閉鎖部材は、互いに脆弱に連結された複数の創傷閉鎖部材を含むことができる。また、複数の創傷閉鎖部材は、スパインによって脆弱に連結され得る。システムは、ハンドルも含むことができ、これは、送達針の近位端部に連結され、ハンドルを通してプッシュロッドを受容し、プッシュロッドを針内に案内するように構成される。ハンドルは、プッシュロッドをスライド可能に移動させるように構成されたトリガーを有することができる。一実施例では、システムは、少なくとも1つの創傷閉鎖部材を内部に受容するように構成され、かつ、ハンドルに取り外し可能に嵌合されるように構成された、取り外し可能かつ交換可能なカートリッジを含むことができ、少なくとも1つの創傷閉鎖部材は、プッシュロッドの作動時にカートリッジから送達針のチャネルに沿って並進運動可能である。送達針のチャネルは、放出ポートで終端する上向きの傾斜も有し得る。別の実施例では、送達針の遠位尖端は、トロカール先端部を含むことができる。
【0008】
別の態様では、組織内の創傷を閉鎖する方法が提供され、これは、創傷の第1および第2の側における組織に湾曲した送達針を通すことを含む。方法はまた、創傷の第1の側から第2の側へと針のチャネルに創傷閉鎖部材の第1のアンカーを通して、第1のアンカーが第2の側において針の遠位端部にある放出ポートから出て、第2の側で組織の外面に係合するようにすることを含む。この方法は、送達針を後退させて、創傷閉鎖部材の第2のアンカーを解放し、第2のアンカーが創傷の第1の側で組織の外面に係合するようにすることをさらに含む。第1のアンカーと第2のアンカーとの間に連結された本体は、組織を通って創傷を横切って延びる。また、創傷閉鎖部材は、組織に外転閉鎖力を加え、組織の第1の側および第2の側を互いに向かって移動させ、それによって創傷を閉鎖する。
【0009】
本方法は、様々な異なる実施形態を有することができる。例えば、第1のアンカーを通すことは、プッシュロッドを針のチャネルに沿って前進させて、針を通して第1のアンカーを前進させることを含み得る。この方法はまた、第1のアンカーを通す前に、第1のアンカーを送達針のチャネルの近位端部内に前進させ、本体が針の側壁に形成されたスロットを通って延び、第2のアンカーが針の外部に位置付けられるようにすることを含み得る。第1のアンカーを通すことはまた、送達針の近位端部上のハンドルに連結されたトリガーを作動させて、プッシュロッドを針のチャネルに沿って近位開口端部から放出ポートまで前進させ、それによって第1のアンカーを通し、かつ放出することを含み得る。一実施例では、本方法は、カートリッジを回転させて、第2の創傷閉鎖部材の第3のアンカーを針のチャネルと整列させることも含み得る。いくつかの実施例では、第1のアンカーはクロスバーであってもよく、第2のアンカーは、複数の平坦または非平坦アーム、凸状または凹状アーム、半球構造体、アンカーに向かって延びる半円形パネル、および螺旋からなる群から選択されるばね部材であってもよい。さらに、送達針を後退させて、第2のアンカーを解放することは、創傷閉鎖部材が、創傷および選択された第2のアンカーの動きに基づいて調節可能な外転閉鎖力を加えることを含み得る。
【0010】
上述の実施形態は、添付の図面と併せて理解される以下の詳細な説明からより完全に理解されるであろう。図面は縮尺通りに描くことを意図したものではない。明確にするために、すべての構成要素は、すべての図面で標識付けされているわけではない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図2】切開部を閉鎖する組織に埋め込まれた
図1の創傷閉鎖タグの断面側面図である。
【
図3】
図2の創傷閉鎖タグおよび切開部の断面斜視図である。
【
図4】創傷閉鎖タグの別の実施形態の斜視図である。
【
図5】創傷閉鎖タグの別の実施形態の斜視図である。
【
図6】創傷閉鎖タグの別の実施形態の斜視図である。
【
図7】創傷閉鎖タグの別の実施形態の斜視図である。
【
図8】創傷閉鎖タグの別の実施形態の斜視図である。
【
図9】切開部を閉鎖する組織に埋め込まれた
図8の創傷閉鎖タグの断面側面図である。
【
図10】
図9の創傷閉鎖タグおよび切開部の断面側面図である。
【
図11A】創傷閉鎖タグの別の実施形態の斜視図である。
【
図12】創傷閉鎖タグの別の実施形態の斜視図である。
【
図13A】ばね部材からアンカーに向かって見た創傷閉鎖タグの別の実施形態の端面図である。
【
図13B】ばね部材からアンカーに向かって見た創傷閉鎖タグの別の実施形態の端面図である。
【
図13C】ばね部材からアンカーに向かって見た創傷閉鎖タグの別の実施形態の端面図である。
【
図13D】ばね部材からアンカーに向かって見た創傷閉鎖タグの別の実施形態の端面図である。
【
図13E】ばね部材からアンカーに向かって見た創傷閉鎖タグの別の実施形態の端面図である。
【
図13F】ばね部材からアンカーに向かって見た創傷閉鎖タグの別の実施形態の端面図である。
【
図13G】ばね部材からアンカーに向かって見た創傷閉鎖タグの別の実施形態の端面図である。
【
図13H】ばね部材からアンカーに向かって見た創傷閉鎖タグの別の実施形態の端面図である。
【
図13I】ばね部材からアンカーに向かって見た創傷閉鎖タグの別の実施形態の端面図である。
【
図15A】創傷閉鎖タグの別の実施形態の斜視図である。
【
図17A】切開部を閉鎖する組織に
図1の創傷閉鎖タグを埋め込む一実施形態の断面側面図である。
【
図19A】創傷閉鎖タグを送達するための送達装置の一実施形態の斜視図である。
【
図19F】
図19Aの送達装置と共に使用することができる創傷閉鎖タグカートリッジの斜視図である。
【
図19H】回外の向きで保持された送達装置19Aのハウジングの側面図である。
【
図19I】中立の向きで保持された送達装置19Aのハウジングの斜視図である。
【
図19J】回内の向きで保持された送達装置19Aのハウジングの側面図である。
【
図19K】カートリッジの別の実施形態の断面側面図である。
【
図20A】
図1の例示された創傷閉鎖タグなどの創傷閉鎖タグのための送達装置の別の実施形態の斜視図である。
【
図21】創傷閉鎖タグを送達するための送達装置の別の実施形態の斜視図である。
【
図22】創傷閉鎖タグを送達するための送達装置の別の実施形態の遠位端部の斜視図である。
【
図23】スパインに接続された
図7の複数の創傷閉鎖タグの斜視図である。
【
図24A】創傷閉鎖タグを送達するための送達装置の別の実施形態の内部構成要素の斜視図である。
【
図25】スパインに接続された
図12の複数の創傷閉鎖タグの斜視図である。
【
図26】創傷閉鎖タグを送達するための送達装置の別の実施形態の遠位端部の斜視図である。
【
図27A】創傷閉鎖タグのための送達装置の別の実施形態の斜視図である。
【
図28A】
図1の創傷閉鎖タグのような複数の創傷閉鎖タグを用いて閉鎖された切開部の、0日目の写真である。
【
図29A】縫合糸を用いて閉鎖された切開部の、0日目の写真である。
【
図30A】ステープルを用いて閉鎖された切開部の、0日目の写真である。
【
図31A】切開部を閉鎖するために使用される縫合糸に対するストレス試験の写真である。
【
図32A】切開部を閉鎖するために使用される
図1の創傷閉鎖タグに対するストレス試験の写真である。
【0012】
〔詳細な説明〕
次に、本明細書に開示された装置および方法の構造、機能、製造、および使用の原理の全体的な理解を提供するために、特定の例示的な実施形態について説明する。これらの実施形態の1つ以上の実施例が添付の図面に例示されている。当業者は、本明細書に具体的に記載され、添付の図面に例示された装置および方法が非限定的な例示的実施形態であり、本発明の範囲が特許請求の範囲によってのみ定義されることを理解するであろう。1つの例示的な実施形態に関連して例示または説明される特徴は、他の実施形態の特徴と組み合わせることができる。このような変更および変形は、本発明の範囲内に含まれることが意図される。
【0013】
さらに、本開示では、実施形態の同様に命名された構成要素は、一般に、同様の特徴を有し、したがって、特定の実施形態内では、同様に命名された各構成要素の各特徴は、必ずしも十分に詳しく述べられていない。さらに、開示されたシステム、装置、および方法の説明において線形寸法または円形寸法が使用される範囲において、そのような寸法は、そのようなシステム、装置、および方法と共に使用され得る形状のタイプを制限することを意図していない。当業者であれば、任意の幾何学的形状について、このような線形寸法および円形寸法に相当するものが容易に決定され得ることを理解するであろう。システムおよび装置、ならびにそれらの構成要素のサイズおよび形状は、少なくとも、システムおよび装置が使用される対象の解剖学的構造、システムおよび装置が使用される構成要素のサイズおよび形状、ならびにシステムおよび装置が使用される方法および手順に依存し得る。
【0014】
1つ以上の創傷閉鎖部材を用いて、裂傷または外科的切開部などの創傷を閉鎖するための様々な例示的な方法、装置およびシステムが提供される。例えば、創傷閉鎖部材が提供され、これは、その遠位端部におけるアンカーと、その近位端部におけるばね部材と、これら2つの間に延びる本体と、を有する。アンカーは、創傷の第1および第2の側で組織を貫通する湾曲した針を有する針送達装置を用いて組織を通して送達されるように構成することができる。アンカーは、創傷の第2の側で組織に係合することができ、本体は、創傷の2つの側の間に延びるように、送達中にアンカーの後ろについていくことができる。ばね部材は、創傷の第1の側に残り、それ自体を第1の側で組織に対して固定することができる。これは創傷閉鎖部材に可撓性を与えることができ、有効な引張力または圧縮力が、創傷を閉鎖するために創傷の両側で組織に加えられる。創傷の周囲の組織が屈曲して動くと、ばね部材は、加えられた引張力を調節して、組織の動きに基づいて増加または減少する、創傷を閉鎖するための概ね対応する閉鎖力を維持することができる。さらに、アンカーおよび本体は、湾曲した針を用いて埋め込まれ、そのため、埋め込み後、アンカーおよびばね部材は、組織の外側表面に支えられ、本体は、アンカーとばね部材とを接続するように概ね半円形で組織内へと下方に延びる。創傷を通るこの概ね半円形の経路は、創傷に沿って組織に上向きの力を加え、一方、創傷閉鎖部材は、常に調節される閉鎖力を加え、これにより、創傷が外転するか、または創傷部位の皮膚が上向きにしわになる。創傷の外転は、創傷に沿ってより速い治癒、より良い血流、およびより少ない瘢痕化を促進することができ、創傷閉鎖部材はまた、創傷の反転、または閉鎖不良および瘢痕化をもたらす創傷部位における組織の絞扼を回避または減少させることができる。創傷閉鎖部材はまた、より迅速な閉鎖プロセスを可能にすることができる。
【0015】
創傷閉鎖部材は、送達装置を用いて組織に送達され得る。一実施形態では、創傷閉鎖部材は、湾曲した遠位部分と、少なくとも部分的に内部を通って延びるチャネルと、遠位端部における放出ポートとを有する針を使用して、創傷の組織を横切って送達され得る。針は、創傷の第1および第2の側を通され得、創傷閉鎖部材のアンカーは、針のチャネルを通って創傷の第1の側から第2の側へと通され、創傷の第2の側で、針の遠位端部における放出ポートから出ることができる。針は、本体が創傷の第1の側と第2の側との間に延びるように、組織を通して創傷閉鎖部材の本体を案内するのを補助することができ、ばね部材は、針によって創傷の第1の側に残されて、第1の側での確実かつ柔軟な係合を提供し、それによって創傷を閉鎖することができる。
【0016】
針は、種々の異なる送達装置に組み込むことができ、種々のアクチベーターを使用して、創傷閉鎖部材のアンカーを針のチャネルに通して放出ポートから出すことができる。装置に手動で装填されるか、または以下に説明する種々のカートリッジ送達システムを通して自動的に配備されるように構成された、1つ以上の創傷閉鎖部材を中に組み込む、種々の送達装置を使用することもできる。
【0017】
図1は、創傷閉鎖タグ100の形態の創傷閉鎖部材の一実施形態を示す。創傷閉鎖タグ100は、アンカー110と、アンカーまたはばね部材130と、それらの間に延びる本体120と、を有する。アンカー110は、以下に説明するような、湾曲した針を通って、創傷150の第1の側152から第2の側154まで組織を横切って、送達されるように、成形およびサイズ決めされ、そのため、アンカーは、
図2に示すように、創傷150の第2の側154の外部組織表面156に係合し、これに支えられる。本体120は、送達の間、アンカー110の後ろについていく。いったん埋め込まれると、本体は、創傷150の第1の側152と第2の側154との間で伸びて、第2の側154のアンカー110を第1の側152のばね部材130に接続し、組織を通る概ね半円形の経路を形成する。ばね部材130は、本体120を通じてアンカー110に連結され、組織を通過しないように創傷の第1の側152上に残るように設計される。代わりに、ばね部材は、送達後、創傷150の第1の側152の外部組織表面158と係合し、第1の側152の外部組織表面158を固定するように作用する。ばね部材130は、創傷の周囲の組織が動くにつれて屈曲し、かつ曲がる可撓性の弾性体であり、よって、タグ100は、患者が動く量に応じてばね部材130が曲がるかまたは動きに抵抗するのを可能にすることによって、患者が動くかまたは位置を変えるのに応じて常に調節される閉鎖力を加えることができる。したがって、アンカー110、本体120、およびばね部材130は、一緒に動作して、創傷150の第1の側152と第2の側154との間に有効な引張閉鎖力を加え、タグ100の著しい変位または組織の著しい引き裂きを引き起こさない。
図3の矢印によって示されるように、タグ100の常に調節される引張閉鎖力は、創傷の表面の下に延びる本体120の半円形の埋め込み経路に沿って、創傷150に加えられ得る。したがって、これは、
図3に矢印で示されているように、創傷の第1および第2の側を一緒に引き寄せる閉鎖力を加えると共に、上向きまたは引っ張り力も加えることができ、これにより、創傷の外転およびより良好な治癒結果が得られる。
【0018】
図1に示す実施形態では、創傷閉鎖タグ100は、クロスバーの形態のアンカー110と、細長いシャフトまたはストランドの形態の本体120と、実質的には第2のアンカーを表す、アンカー110と同様のクロスバーの形態のばね部材130と、を有する。したがって、アンカーおよびばね部材は、類似の構成要素を表すことができ、以下に説明するように、様々な他の第2のアンカーまたはばね部材が可能である。本体120は、アンカー110とばね部材130との間に垂直に延びる。創傷閉鎖タグ100は、概ねI字型であるが、以下に説明するように、様々な異なる形状および向きが、ばね部材および/またはアンカーについて可能である。タグ100は、意図された手術部位に基づいてサイズ決めおよび成形されて、創傷に加えられる、異なる量の引張閉鎖力を作り出すことができる。例えば、引張閉鎖力は、本体120について異なる長さを使用すること、および/または、ばね部材130について異なるデザインもしくは異なる可撓性を使用することによって、変化させることができる。例示された本体120は一定の長さを有するが、いくつかの本体は、使用中に変更され得る、可撓性または調節可能な長さを有して、カスタマイズされた閉鎖長さおよび/またはカスタマイズされた引張閉鎖力を可能にすることができる。
【0019】
創傷閉鎖タグ100は、プラスチック、金属、医療用エラストマー、ポリマー、ヒドロゲル、ニチノール、生体組織、吸収性のもの(absorbable)、非吸収性のもの(non-absorbable)などといった種々の材料で構成することができ、以下に説明するようなばね部材130など、タグ100の種々の部分は、種々の材料で構成することができる。タグ100は、タグ100の所望の用途に基づいて様々な寸法を有することができる。しかしながら、本体120は、約4.0~12.0mm、より好ましくは約6.0~9.0mmの長さ、および約0.05~0.40mm、より好ましくは約0.10~0.35mmの直径という寸法を有することができる。さらに、アンカー110は、約3.0mm~7.0mm、より好ましくは約4.0mm~6.0mmの長さ、および約0.2mm~0.6mm、より好ましくは約0.3mm~0.5mmの直径を有することができる。
図1の例示されたばね部材130は、アンカー100と同様の寸法を有することができるが、ばね部材は、以下に説明するように、異なる実施形態において様々な異なる構成を有することができる。創傷閉鎖タグ100は、創傷150から様々な深さおよび距離で患者の皮膚内に配置することができ、例えば、アンカー110およびばね部材130は、患者の皮膚を通って延び、創傷150から約3~4mm離れてその両側に位置付けられることができる。
【0020】
上述のように、所望の創傷閉鎖用途および所望の引張閉鎖力に応じて、ばね部材の多くの異なる構成を使用することができる。
図4は、タグ100と同様の創傷閉鎖タグ200の別の実施形態を示す。創傷閉鎖タグ200は、クロスバーの形態のアンカー210と、細長いシャフトまたはストランドである本体220と、ばね部材230と、を有する。ばね部材230は、アンカー210と同一平面上にあり、アンカー210に向かって湾曲した半円の形状である。ばね部材230は2つのアーム232a、232bを有し、アームはそれぞれ、本体220から半径方向外側に延びてばね部材230の半円形状を形成する。各アームの末端部は、配備時に創傷の第1の側で外側組織表面に支えられることができる球体234を有し、アーム232a、232bは、外側組織表面の上に延び、創傷を閉鎖するために引張閉鎖力が必要とされるときに外側組織表面に向かって圧縮されることができる。したがって、ばね部材230を形成するアーム232a、232bの湾曲形状は、タグ200が創傷の第1および第2の側を横切って延びるときに、タグ200の動きに対する付加的な屈曲または引張抵抗を提供することができ、これはまた、創傷の両側で組織に加えられる引張閉鎖力を増加させて、創傷をより確実に閉鎖することができる。
【0021】
図5は、アンカー260と、ばね部材280と、それらの間に延びる本体270と、を備える、タグ200と同様の創傷閉鎖タグ250を示す。ばね部材280は、ばね部材230と同様に半円形部材であるが、アンカー260と同一平面ではなくアンカーの平面に垂直な平面内にある。
【0022】
ばね部材230、280はそれぞれ、2つのアームを有するが、種々の数のアームを多くの異なる構成で使用することができる。例えば、
図6は、タグ200および250と同様の創傷閉鎖タグ300の別の実施形態を示す。創傷閉鎖タグ300は、アンカー310と、ばね部材330と、それらの間に延びる本体320と、を有する。この実施形態では、ばね部材330は3つのアーム332a、332b、332cを有し、アームはそれぞれ、本体に係合する第1の端部と、球体334を有し、アンカー310に近接して位置付けられた第2の端部と、を有する。球体334は、配備時に創傷の第1の側で外側組織表面に支えられることができ、ばね部材330の半球形状は、タグ300の動きに対する付加的な屈曲または引張抵抗を提供することができ、これはまた、創傷の両側に加えられる付加的な引張閉鎖力を生成することができる。
【0023】
図7は、アンカー360と、ばね部材380と、それらの間に延びる本体370と、を備える、タグ300と同様の創傷閉鎖タグ350を示す。ばね部材380は、ばね部材330と同様の半球部材であるが、アンカー360に向かって湾曲し、概ね半球状の形状を画定する4つのアーム382a、382b、382c、382dを有する。2つのアーム382b、382dはアンカー360と同一平面上にあり、その他の2つのアーム382a,382cはアンカー360の平面に垂直な平面内にある。しかしながら、アームを様々な非直角の角度でアンカーと整列させるなど、アームの様々な他の整列も可能である。
【0024】
図8は、タグ300および350と同様の創傷閉鎖タグ400の別の実施形態を示す。創傷閉鎖タグ400は、アンカー410と、ばね部材430と、それらの間に延びる本体420と、を有する。ばね部材430は、4つのアーム432a、432b、432c、432dを有し、アームはそれぞれ、本体420に係合する第1の端部と、リング440に係合する第2の端部または末端部と、を有する。リング440は、本体420の周りに同半径方向に(co-radially)延び、全てのアーム432a、432b、432c、432dと係合して、リング440およびアーム432a、432b、432c、432dは、半球形状を画定し、これは、画定された半球内で本体420の一部を取り囲む。タグ400が、創傷450の第1の側452から第2の側454に送達されると、リング440は、
図9および
図10に示すように、第1の側452の外側組織表面458に接触し、外側組織表面458に対するばね部材430のための大きく安定した接触表面を提供する。アーム432a、432b、432c、432dは、初期送達時に圧縮状態にあるときに、本体420に上向きの引っ張り力を加えることによって、タグ400が創傷450の2つの側452、454の間に引張閉鎖力を加えるのを助けるように屈曲し、曲がることができる。例えば、アーム432a、432b、432c、432dは、
図9に示されるように、タグ400が創傷450を閉鎖するように作用するとき、初期送達時に外側組織表面458に向かって圧縮され得る。このように、ばね部材430の半球形状は、半球形状の半径R1がばね部材430が静止状態または配備前状態にあるときよりも小さくなるように、送達時に外側組織表面458に向かって平坦化され歪められ得る。創傷150が閉鎖されると、アーム432a、432b、432c、432dは、
図10に示すように、タグ400が創傷の2つの側452、454を一緒に引き寄せるのを助けるのに必要な引張閉鎖力が少なくなるので、歪みの少ない半球形の向きに戻ることができ、半球形状の半径R1を、ばね部材430が静止状態にあるときの半径と、より同等の値まで増加させることができる。
【0025】
図11A~
図11Cは、タグ200および250と同様の創傷閉鎖タグ500の別の実施形態を示す。創傷閉鎖タグ500は、アンカー510と、ばね部材530と、それらの間に延びる本体520と、を有する。ばね部材530は、アンカー510に向かって延びる半円形プレートの形状である。これは、2つのプレートアームまたは側面532a、532bを有し、これらはそれぞれ、一端部が本体520に係合し、反対端部がアンカー510に向かって延びる。アーム532a、532bは、本体520から離れて延びて、ばね部材530の幅の広い半円形プレート形状を形成し、概ね部分的な円筒形状を形成し、本体520は部分的な円筒の半円曲線内の内側表面から延びる。アーム532a、532bはそれぞれ、アンカー510の近くに位置付けられた、各アーム532a、532bの縁部に沿って延びる、円筒形バー534で終端している。プレートアーム532a、532bは、本体520から離れてアンカー510に対して同一平面上を延びる。しかしながら、プレートアーム532a、532bの様々な他の整列、例えば、アーム532a、532bはアンカー510に対して垂直であること、および/またはアーム532a、532bをアンカーに対して様々な非直角の角度で整列させること、が可能である。タグ500が創傷に送達され、創傷の第1の側から第2の側へ延びると、円筒形バー534は、タグ400のリング440と同様に、創傷の第1の側の外側組織表面と接触して、ばね部材530と組織との間に安定した接触表面を提供する。タグ500が創傷に引張閉鎖力を加えると、アーム532a、532bは、アーム432a、432b、432c、432dと同様に、より大きな力を加えるのを助けるように屈曲し、曲がることができる。ばね部材530は広いアーム532a、532bを有するので、加えられる力は、タグ200上のアームのような細いアームによって加えられる力よりも大きくなる。他の実施形態では、ばね部材530によって加えられる力は、プレートアーム532a、532bの厚さを変化させることによって、および/または製造材料を変化させ、したがって、ばね部材530の弾性率を変化させるなど、ばね部材530の機械的特性を変化させることによって、調節することができる。さらに他の実施形態では、ばね部材530の力は、ばね部材530の外形を変化させることによって、例えば、ばね部材530を半楕円形または可撓性の平らなプレートへと形成し、それによって、円筒体534とアンカー510との間で本体520および/またはばね部材530の深さおよび調節可能な長さを変化させることによって、調節することができる。
【0026】
図12は、タグ200および250と同様の創傷閉鎖タグ600の別の実施形態を示す。創傷閉鎖タグ600は、アンカー610と、ばね部材630と、それらの間に延びる本体620と、を有する。ばね部材630は、概して、心臓またはシャベルのように成形されており、アンカー610の反対側の端部に尖端634を形成し、アンカー610に向かってそれぞれが延びる2つのローブ632a、632bを有している。しかし、ばね部材630は、アンカー610の反対側の端部が丸められてもよい。アンカー510に最も近いローブ632a、632bの端部は、配備時に創傷の第1の側の外側組織表面に支えられ、ローブ632a、632bはそれぞれ、アンカー600に付加的な屈曲または引張閉鎖力を与えることができる。
【0027】
ばね部材にも多くの他のデザインを使用することができる。例えば、
図13A~
図13Iおよび
図14A~
図14Iは、種々の異なるばね部材を有する種々の付加的な創傷閉鎖タグを示す。
図13A~
図13Iは、対応するばね部材から対応するアンカーに向かって見たときの各創傷閉鎖タグを示し、
図14A~
図14Iは、横から見たときの各創傷閉鎖タグを示す。例えば、
図13Aおよび
図14Aは、創傷閉鎖タグ700を示し、これは、アンカー702と、本体704と、アンカー702とは反対側の本体704の端部の周りに巻かれ、中央部分に沿って隆起する、コイルばねまたは螺旋のように成形されたばね部材706と、を備える。
図13Bおよび
図14Bは、創傷閉鎖タグ710を示し、これは、アンカー712と、本体714と、コイル状または螺旋状の円錐体のように成形され、アンカー712から離れた方向を向く円錐体の尖端、およびアンカー712に面する、より広い基部を備える、ばね部材716と、を備える。
図13Cおよび
図14Cは、創傷閉鎖タグ720を示し、これは、アンカー722と、本体724と、円錐体のワイヤフレームのように成形され、アンカー722から離れた方向を向く円錐体の螺旋状の尖端、およびアンカー722に面する、より広い基部を備える、ばね部材726と、を備える。
図13Dおよび
図14Dは、創傷閉鎖タグ730を示し、これは、アンカー732と、本体734と、円錐体のように成形され、側面における中実パネル、およびアンカー732から離れた方向を向く円錐体の尖端を備え、より広い基部がアンカー732に面している、ばね部材736と、を備える。
図13Eおよび
図14Eは、創傷閉鎖タグ740を示し、これは、アンカー742と、本体744と、タグ350と同様であるがアンカー742から角度的にオフセットされているアームを備えたばね部材746と、を備える。
図13Fおよび
図14Fは、創傷閉鎖タグ750を示し、これは、アンカー752と、本体754と、ヒドロゲル、エラストマー、熱可塑性物質、部分的に再吸収可能な材料、フォーム、ニチノール、種々のポリマーなどの種々の材料から作られた、円筒体であるばね部材756と、を備える。ばね部材756は、使用中に膨張可能とすることもできる。
図13Gおよび
図14Gは、創傷閉鎖タグ760を示し、これは、アンカー762と、本体764と、生物組織、ヒドロゲル、アルジネートなどといった非晶質または膨張可能な材料であるばね部材766と、を備える。
図13Hおよび
図14Hは、創傷閉鎖タグ770を示し、これは、アンカー772と、本体774と、モップまたは羽ぼうきの外観をもたらす、アンカー772とは反対側の本体774の端部から突出する複数の無秩序なアームを含むばね部材776と、を備える。
図13Iおよび
図14Iは、創傷閉鎖タグ780を示し、これは、アンカー782と、本体784と、本体784に垂直に配置された円筒体の形状のばね部材786と、を備える。本体784は、ばね部材786の中心線に対して垂直にスライド可能に並進運動することができる。ばね部材786の円筒体は、折り畳むことができ、アンカー782から離れてばね部材786の外面または内面が本体784に取り付けられ得る。これらのばね部材の全ては、配備中に折り畳むことができ、例えば、配備されるまで圧縮された張力状態に保持される膨張可能なフォーム、フリル、ニチノールなどの記憶保持材料などを有し、それらは、膨張を開始する前に配備を可能にするために凍結乾燥され得、例えば、いったん熱および/または水分と接触すると膨張し始める凍結ヒドロゲルである。
【0028】
アンカーも、配備中に折り畳み可能であり、かついったん送達されると膨張可能とすることができる。例えば、
図15Aおよび
図15Bは、これは、アンカー792と、本体794と、タグ200と同様のアームを備えたばね部材796と、を備える創傷閉鎖タグ790を示す。アンカー792には、凍結乾燥したヒドロゲル792aが付着している。
図15Aに示されるような配備の間、アンカー792は、ヒドロゲル792aが熱および/または水分に反応するのに十分な時間がないので、膨張していない状態にある。しかし、配備後、
図15Bに示すように、アンカー792は、ヒドロゲル792aが体内の熱および/または水分と相互作用するにつれて膨張する。
【0029】
上述の創傷閉鎖タグ上の様々なアンカーは、送達針を通って配備されるようにサイズ決めされ、成形される。送達針は、創傷の第1の側および第2の側を通過し、創傷の両側をまだ穿刺している間に、創傷閉鎖タグのアンカーをその中に通して、アンカーが第1の側および第2の側を通って移動して第2の側で組織から出て、それ自体をそこに固定するのを可能にする。針はまた、アンカーの配置中に創傷閉鎖タグの本体を案内するのを助け、そのため、本体は、創傷の第1の側に位置する創傷閉鎖タグのばね部材とアンカーとの間で創傷の第1の側および第2の側を通って延びることができる。
【0030】
図16A~
図16Cは、送達針800の実施形態を示し、これは、湾曲した遠位部分800dと、少なくとも部分的に送達針に沿って延びるチャネル802と、チャネル802の遠位端部に位置付けられた放出ポート804と、鋭利な遠位尖端806と、開口近位端部808と、を有する。チャネル802は、アンカーが送達中にチャネル802に沿ってスライドし得るように種々の創傷閉鎖タグのアンカーをチャネル内に受容するようにサイズ決めされており、針800の外部にチャネル802からの開口部または通路を形成するスロット803を有し、送達中、これに沿って本体がスライドし得る。チャネル802の遠位端部における放出ポート804は、アンカーが送達装置から放出されることを可能にする。いくつかの実施形態では、チャネル802は、
図16Cに示すように、放出ポート804に接近するその遠位端部に上向きの傾斜802aを有し、アンカーをそこから出すことができ、黒いバーは、上向きの傾斜802aを含むチャネル802の底部の一般的な経路を示す。遠位尖端806は、幅広い中実の貫通側面を有する切断および/またはトロカール先端針のような種々のタイプの針先端部から形成することができる。
図16Cで、創傷閉鎖タグ100を使用し、内部相互作用が破線によって示された、例示的な装填プロセスが示されるが、任意の創傷閉鎖タグを使用することができる。針800は、アンカー110を放出ポート804内に通し、本体120がアンカー110からスロット803を通って延び、ばね部材130が本体120に連結され、針800の外部に位置付けられた状態で、アンカー110をチャネル802に沿って近位にスライドさせることによって、アンカーを針の中に装填することができる。針800の開口近位端部808は、その中に可撓性プッシュロッド810を受け入れることができ、それにより、アンカーを創傷部位に送達する間に、プッシュロッドは遠位先端部806および放出ポート804に向けてアンカーを遠位に押すことができる。可撓性プッシュロッド810がチャネル802を通って延びるので、針800は、アンカー110がチャネル802の傾斜802aに沿ってスライドすると、アンカー110を放出ポート804から押し出すことができる。
【0031】
針800は、医療グレードの金属、例えば鋼、種々の硬質プラスチックまたはポリマー等、のような種々の材料から作ることができ、種々のプッシュロッドが、細長いシャフトの形態で使用することができ、同様に、インコネル、ばね鋼、ポリマー、ニチノール、ポリマー編組および織り鋼複合材(polymer braided and woven steel composites)、熱可塑性物質、エラストマー等のような種々の材料から作ることができる。
【0032】
使用時には、アンカー110が針800内に近位に装填されると、針は、創傷における組織を通過することができる。
図17Aに示すように、外科医は、鉗子914のような種々のツールを使用して、患者の組織910内の創傷900の第1の側902を把持することができる。次いで、針800の遠位尖端806は、創傷900の第1の側902の組織を通過することができる。
図17A~
図17Cに示す針800は、ハンドル916上に配置されるが、針800は、以下に説明するように、様々な装置上に配置されるか、または様々な装置に組み込まれ得る。次いで、
図17Bに示すように、創傷900の第2の側904を把持することができ、
図17Cに示すように、針800の遠位尖端806が第2の側を通過することができる。したがって、針800は、針800の近位側が創傷900の第1の側902にあり、針800の遠位側が創傷900の第2の側904にある状態で、創傷900を横切って延びることができる。遠位尖端806は、第2の側904の外に延びることができ、したがって、チャネル802は、創傷900を通る通路または経路を形成することができる。針の遠位部分は湾曲しているので、経路は半円形である。
【0033】
針800の開口近位端部808は、可撓性プッシュロッド810をその中に受け入れることができ、アンカー110は、プッシュロッド810が遠位に前進すると遠位先端部806および放出ポート804に向かって遠位に押されることができる。プッシュロッド810は、外科医により手動で挿入および前進され得るか、または以下に説明する様々な機構を通じて作動され得る。可撓性プッシュロッド810がチャネル802を通って延びると、針800は、アンカー110がチャネル802の傾斜802aに沿ってスライドするときに、放出ポート804からアンカーを押し出すことができ、よって、本体120が創傷900の2つの側を通って延びている状態で、アンカー110を創傷900の第2の側904に配置する。ばね部材130は、
図17Dに示すように、第1の側902に残る。種々の他の実施形態では、針は、創傷の両側を同時に通過し得、かつ/あるいは鉗子または他の把持器具は、外科医の快適さのレベルおよび/または創傷がどれほど重症かもしくは開いているかに応じて、必要とされなくてもよい。
【0034】
針内への1つ以上のアンカーの装填、およびプッシュロッドを作動させてアンカーをその中に通す機構は、以下に説明するように変化し得る。しかしながら、以下の実施形態では、針を創傷のそれぞれの側に通し、プッシュロッドを針のチャネルに沿って遠位に前進させて、チャネルを通し創傷を横切って創傷閉鎖タグのアンカーを送達する基本的なプロセスを使用して、アンカーの送達および創傷を横切る創傷閉鎖タグの配置を提供する。
【0035】
針800は放出ポート804を通じて手動で装填されるが、異なる装填機構が可能である。例えば、
図18Aおよび
図18Bは、近位端部から装填されて、針の遠位端部と相互作用する必要なく複数のアンカーの送達を可能にすることができる送達針850の実施形態を示す。近位装填は、以下に説明する自動装填を含めて、より容易な装填を可能にすることができ、放出ポートを通じた装填によって引き起こされる面倒および偶発的な使用者の針刺しを回避することができる。針850は、針800と同様の湾曲した針であり、これは、スロット853が沿って延びるチャネル852と、チャネル852の遠位端部に位置付けられた放出ポート854と、鋭利な遠位尖端856と、開口近位端部858と、を備える。チャネル852は、開口近位端部858から放出ポート854まで延びる。したがって、針850は、近位開口端部858から装填することができる。
【0036】
例示的な装填プロセスは、
図18Aでは創傷閉鎖タグ500を使用して示されているが、任意の創傷閉鎖タグを使用することができる。図示されるように、針850は、近位開口端部858を通じてチャネル852内にアンカー510を受け入れることができ、本体520は、チャネル852を通って延び、アンカー510の移動に伴ってチャネルに沿ってスライドする。ばね部材530は、本体510から延び、針の外部に留まる。遠位尖端856が創傷の2つの側を通過した後、針850の近位開口端部858は、内部係合を表す破線で
図18Bに示すように、チャネル852に沿って遠位に延びてチャネル852を通じてアンカー510を遠位に押しやる可撓性プッシュロッド860を受け入れることができる。針850は、アンカー510を放出ポート854から押し出すことができる。針800のチャネル802と同様に、チャネル852は経路を提供し、これに沿ってアンカー510が移動してアンカーを創傷の第1の側から第2の側に移動させることができ、本体520はスロット853を通って延び、アンカー510の後ろについていき、ばね部材530は第1の側に残る。アンカー510は、針850の近位開口端部858内に装填されるものとして説明される。しかしながら、アンカー510は、針800と同様に、必要に応じて放出ポート854を通して装填され得る。
【0037】
上述のように、針850は、外科医がアンカーを針850に挿入することによって手動で装填され得、または以下に説明するように、様々な送達装置を使用することによって自動的に装填され得る。
図19A~
図19Jは、創傷閉鎖タグを送達するための送達装置1000の一実施形態を示す。送達装置1000は、使用中に1つ以上の創傷閉鎖タグの迅速な自動装填を可能にすることができ、外科医が創傷を閉鎖するために創傷閉鎖タグを迅速に送達することを可能にする。送達装置はまた、取り外し可能かつ交換可能な創傷閉鎖タグカートリッジを有することができ、これは、外科医が1回の手術中に複数の創傷閉鎖タグを送達することを可能にし、かつ/または外科医がカートリッジを単に交換することによって1回の手術中に種々のタイプの創傷閉鎖タグを容易に使用することを可能にする。一般に、装置1000は、ハウジング1002と、湾曲した針1010と、トリガー1020を備える作動機構と、カートリッジ1040と、を有する。
【0038】
ハウジング1002は、装置1000を動作させる際に視認性を高めるために近位端部1002pから遠位端部1002dに向かって下方に傾斜または湾曲するほぼ矩形の物体である。ハウジング1002は、中にカートリッジ1040を取り外し可能に受容し、クリップ、突出部および戻り止めの組み合わせなどのような種々の機構を通じてカートリッジ1040を回転可能な係合状態に保持するように構成された、キャビティの形態をしたカートリッジ開口部1004を有する。ハウジング1002はまた、以下に説明する、針1010のチャネル1018とカートリッジ1040との間に延びる本体スロット1006を有して、以下に説明するように、アンカーの送達中に創傷閉鎖タグの本体およびばね部材がカートリッジ1040から出て、針1010に沿って前進することを可能にする。
図19A~
図19Jでは、装置1000は創傷閉鎖タグ500と共に使用されるが、任意の創傷閉鎖タグを使用することができる。ハウジング1002は、例えば、
図19Hに示される回外の向き、
図19Iに示されるような中立の向き、または
図19Jに示されるような回内の向きに保持されることによって、外科医が装置の使用方法を迅速に理解するのを助けるために、針ドライバと同様に保持されるように設計および成形され得る。
【0039】
針1010は、上述した針850と同様であり、ハウジング1002の遠位端部1002dから遠位に延びている。針は、鋭利な遠位尖端1012と、放出ポート1014と、開口近位端部1016と、これら2つの間に延びるチャネル1018と、を有する。針1010は、創傷の第1および第2の側を通って前進され得、創傷を横切って創傷閉鎖タグ500のアンカー510を送達することができる。アンカー510は、カートリッジ1040と整列された、針1010の開口近位端部1016から装填され得る。
【0040】
カートリッジ1040は、その中に複数の創傷閉鎖タグ500を収容する。カートリッジ1040は、使用中に装置1000が作動すると、創傷閉鎖タグ500を針1010に自動的に装填することができ、最初の創傷閉鎖タグの送達後に別の創傷閉鎖タグ500を整列させるために回転され得る。図示されたカートリッジ1040は、リボルバー銃の回転可能な弾丸シリンダと同様に、カートリッジ開口部1004内に受容され得、かつカートリッジ開口部に対して回転し得る、円形の物体であるが、以下で論じるように、トップローディング式またはサイドローディング式カートリッジのような他の構成も可能である。カートリッジ1040は、遠位側面1040dと、近位側面1040pと、遠位側面1040dから近位側面1040pに延びるキャビティの形態の複数のタグ開口部1042と、を有する。タグ開口部1042はそれぞれ、図示されたタグ500のような選択された創傷閉鎖タグを取り外し可能に受容するようにサイズ決めされ、成形されている。各タグ開口部1042は、カートリッジ1040の長手方向中心軸A1からオフセットされ、かつこれに隣接するアンカーキャビティ1042a内にアンカー510を受容する。各アンカーキャビティ1042aは、カートリッジ1040の回転時に針1010の開口近位端部1016と整列するように位置付けられる。各開口部1042はまた、タグ500の本体520を受容するために、カートリッジ1040の長手方向中心軸A1から離れてアンカーキャビティ1042aから外に半径方向に延びる本体キャビティ1042bを有する。本体キャビティ1042bは、カートリッジ1040の長手方向中心軸A1から半径方向に最も離れて配置されたばね部材キャビティ1042cで終端し、これは、ばね部材530をその中に受容し、その結果、カートリッジ1040は、長手方向中心軸A1から扇状に広がる複数のタグ500を受容するように構成される。カートリッジ1040は、アンカーキャビティ1042aの1つを針1010の開口近位端部1016と整列させることができ、そして、その中に含まれる任意のアンカー510が針1010の開口近位端部1016内へと遠位に押しやられるように、近位側面1040pからアンカーキャビティ1042aを通してプッシュロッド1030を受容することができ、かくして、アンカー510を針1010内に装填し、関連する創傷閉鎖タグ500を長手方向中心軸A1に垂直にカートリッジ1040から遠位に移動させる。アンカーキャビティ1042aは、以下に説明するように、タグ500が創傷に送達されるときに、アンカーキャビティを通してプッシュロッド1030を受容することができる。送達が成功すると、プッシュロッド1030は、アンカーキャビティ1042aから近位に後退させられ、カートリッジ1040は、その長手方向中心軸A1を中心として回転されて、次のアンカーキャビティ1042aを針1010の開口近位端部1016と整列させ、別のタグ500の任意選択的な送達を行うことができる。いくつかの実施形態において、カートリッジ1040は、使用後に使い捨て可能とすることができる。
【0041】
プッシュロッド1030は、カートリッジ1040から針1010に沿って創傷を横切って1つ以上の創傷閉鎖タグ500を送達するために使用される作動機構の一部とすることができる。図示された作動機構は、トリガー1020と、レバー1022と、第1のギア1024および第2のギア1026と、プッシュロッド1030と、ラック1032と、整列部材1034と、を含む。トリガー1020は、ハウジング1002から離れて延びるように付勢され、旋回点1020pでハウジングに旋回可能に連結される。トリガー1020は、トリガー内に形成されたスロット1020aによってレバー1022に連結され、このスロットは、トリガー1020をハウジング1002に向けて旋回させることによって、トリガー1020の作動時にレバー1022がスロットに沿ってスライドすることを可能にする。トリガー1020は、完全作動時にハウジング1002に接触し、トリガー1020の移動を停止させる停止部材1020bを有する。レバー1022は、旋回点1022pにおいてトリガー1020と反対の側で第1のギア1024および第2のギア1026に旋回可能に連結されている。第1のギア1024および第2のギア1026は、旋回点1024p、1026pでハウジング1002に連結される。トリガー1020が作動すると、レバー1022がハウジング1002に向かってわずかに近位に移動し、レバー1022が旋回点1024p、1026pを中心にギア1024、1026を回転させ、それによってギア1024、1026がハウジング1002の遠位端部1002dに向かって回転する。ギア1024、1026は、そこから延びる歯を有し、歯は、ラック1032の対応する開口部と係合し、ラックは、ハウジング1002の近位端部1002pから遠位端部1002dに向かってスロット内を延び、その中で遠位にスライド可能な細長い部材である。ラック1032は、その遠位端部に固定されてそこから延びるプッシュロッド1030を有し、遠位端部に整列部材1034を有する。ギア1024、1026がハウジング1002の遠位端部1002dに向かって回転すると、ギアの歯がラック1032を遠位に押しやり、これにより、次にプッシュロッド1030を遠位に押しやる。カートリッジ1040がプッシュロッド1030および針1010と整列されると、プッシュロッド1030は、カートリッジ1040の整列されたアンカーキャビティ1042aを通り、針1010の開口近位端部1016を通り、チャネル1018内に入る。トリガー1020が解放されると、プロセスは逆転され、レバー1022をハウジング1002から離して移動させ、ギア1024、1026の近位回転を引き起こす。近位回転時に、ギア1024、1026の歯は、ラック1032をハウジング1002内で近位に押し、これにより、プッシュロッド1030を近位に移動させ、針1010およびカートリッジ1040から近位に後退させる。整列部材1034は、ラック1032の遠位および近位の移動に伴ってハウジング1002内で遠位および近位にスライドするように構成されており、移動中にラック1032とプッシュロッド1030とを整列した状態に保ち、過剰な作動を防止するために、完全作動の遠位点で終端するハウジング1002内の整列スロット1008内に位置する。プッシュロッド1030はまた、単一の可撓性構造であってもよく、または、
図19Dに示すように、摩擦低減ガイド1030bを通ってスライド可能に移動する可撓性部分1030aを有してもよい。さらに、1つ以上のばねをハウジング内に設けて、作動時に触覚フィードバックを提供し、かつ/またはハウジング内の機構の動きを遅くすることができる。例えば、ばねをレバー1022上に設けて、触覚フィードバックを提供し、装置1000を非作動状態に付勢することができる。作動後のラック1032の戻りを遅くするために、ばねを整列部材1034の周りに設けることもできる。
【0042】
したがって、使用時に、外科医はカートリッジ1040をハウジング1002内に装填し、カートリッジ1040を針1010と整列させることができる。針1010は、針1010が創傷を横切って延び、遠位尖端1012が第2の側から突出するように、創傷の2つの側を通過することができる。トリガー1020は、作動されて、ギア1024、1026の回転と、それに続くラック1032およびプッシュロッド1030の遠位運動を引き起こすことができる。プッシュロッド1030は、カートリッジ1040を通って遠位に延び、針1010の開口近位端部1016を通じてチャネル1018内にタグ500のアンカー510を移動させることができる。プッシュロッド1030は、タグ500のアンカー510が放出ポート1014から出て、創傷の第2の側に送達されるまで、チャネル1018を通って遠位に前進し続けることができ、これにより、上述のプロセスと同様にタグ500が送達される。アンカー510の移動中、本体520およびばね部材530は、カートリッジ1040から遠位に前進する。本体520は、ハウジング1002の本体スロット1006を通って、針1010のチャネル1018に沿ってアンカー510の後ろについていく。アンカー510がチャネル1018を通過して放出ポート1014から出て創傷の第2の側に配置されると、本体520は、創傷を通ってアンカー510の後ろについていき、第2の側から第1の側に延び、ばね部材530は、カートリッジ1040から引き離された後に創傷の第1の側に支えられる。
【0043】
カートリッジ1040は、自動的に回転するように構成され、針1010と自動的に整列される。しかしながら、様々な他の実施形態では、カートリッジは、手動で回転および/または整列され得、自動および/または手動での整列および回転を補助するために、様々な機構をカートリッジ、ハウジング1002、またはこれら2つの何らかの組み合わせに組み込むことができる。例えば、カートリッジおよび/またはハウジング上のマーキング、ラチェット機構、ばねおよびピンの対、突出部、戻り止め、ノッチ、穴などは全て使用可能である。例えば、
図19Kは、カートリッジ1040と同様のカートリッジ2040を示しているが、これは、その近位側面2040pに沿って複数の角度付きノッチ2042を有している。角度付きノッチ2042は、ハウジング1002と同様のハウジング(不図示)内に配置されたピン2044を受容し、ピン2044は、ばね2046によってカートリッジ2040と係合するように付勢される。角度付きノッチ2042は、(近位側面2040pに面しているときに見て)カートリッジ2040の反時計回りの回転によって、ピン2044が第1のノッチ2042との係合から飛び出し、第2のノッチ2042に到達するまで近位側面2040pに沿って進み、その時点でピン2044が第2のノッチ2042と係合するように、角度を付けられている。この動作は、カートリッジ2040の整列を確実にするとともに、整列時に可聴のクリック音またはポンという音も提供することができる。ピン2044はまた、時計回りの回転に抵抗して、全ての創傷閉鎖タグが送達されるまで、創傷閉鎖タグが装填された整列位置へと外科医が回転させ続けることを確実にすることができる。しかしながら、他の係合も可能であり、機構を装置1000に組み込んでカートリッジ1040を自動的に前進させることができる。例えば、1つ以上の歯止めをトリガー10220、レバー1022、ギア1024、1026等に取り付けて、ラチェットと係合させてカートリッジを次の未送達のタグ500まで回転させることができ、別の歯止めをカートリッジ1040上の小さな窪みに入れて、カートリッジ1040を特定の位置に停止させることができ、針1010およびプッシュロッド1030と一列に並べ、これは、リボルバー銃の回転可能な弾丸シリンダと同様である。
【0044】
送達装置10000は、回転カートリッジ1040と共に上述されたが、サイドまたはトップローディング式、およびプッシュロッドに平行な装填のような様々な異なる送達装置および装填機構が可能である。
図20Aおよび
図20Bは、送達装置1000と同様であるが、トップローディング式の創傷閉鎖タグを有する、送達装置3000の別の実施形態を示す。装置3000は、ハウジング3002と、湾曲した針3010と、トリガー3020を備えた作動機構と、複数の創傷閉鎖タグを着座させるための受容ポート3040と、を有する。ハウジング3002は、ピストルグリップ3002aを備えた拳銃の形状をしており、針3010はそこから遠位に突出している。ハウジング3002は、その側面を貫通する本体スロット3006(本体スロット1006と同様)を有し、創傷閉鎖タグの本体は、対応するアンカーが針3010を通って送達されている間に、本体スロットに沿って通過する。
図20Aおよび
図20Bは、複数の創傷閉鎖タグ100を示すが、任意の創傷閉鎖タグを使用することができる。針3010は、針1010と同様に構成され、ハウジング3002内の近位開口端部(不図示)を通じて装填され、針は、受容ポート3040と整列したチャネルを有する。作動機構のトリガー3020は、トリガー1020と同様であり、ハウジング3002のピストルグリップ3002aに係合し、トリガー3020をピストルグリップ3002aに向かって旋回させることによるトリガー3020の作動が、ピストルグリップ3002aによって装置3000を保持している間に達成され得る。装置1000の作動機構と同様に、トリガー3020の作動は、ハウジング3002内の1つ以上のギア(不図示)の回転を引き起こし、ラック(不図示)を遠位に駆動して、プッシュロッド(不図示)を、受容ポート3040の底部および針3010の近位開口端部と整列したスロットに沿って遠位に前進させる。
【0045】
受容ポート3040は、各タグ100の各アンカー110がタグスパイン3045に脆弱に接続されるようにすべてタグスパイン3045に沿って連続して配置された複数の創傷閉鎖タグ100を受容するように成形される。ハウジング3002内の受容ポートの底部は、その遠位端部が針3010の近位開口端部と整列され、その近位端部がプッシュロッドと整列される。したがって、これは、送達される次のアンカー110を受容する整列表面として作用する。受容ポート3040は、アンカー受容チャネル3040aを有し、これは、ハウジング3002の上部を通って垂直にスパイン3045に接続された複数のアンカー110を受容し、アンカー110はすべて、各アンカーが受容ポート3040の底部に到達したときに針3010の近位開口端部内へと遠位に装填されるように整列される。また、受容ポート3040は、本体チャネル3040bを有しており、これは、アンカー受容チャネル3040aとハウジング3002上の本体スロット1006との間に延び、装置3000に装填された対応する複数のアンカー110に接続された複数の本体120は、アンカー110およびスパイン3045の下方への移動に伴って本体チャネル3040bに沿って垂直に下方に移動することができ、次いで、各本体120は、針3010を通じて送達される際に、対応するアンカー110と共に本体スロット3006に沿って遠位に移動することができる。対応する複数のばね部材130は、ハウジング3002の側面に沿って延びており、ハウジング内に受容されない。スパインチャネル3040cは、ハウジング内でアンカー受容チャネル3040aに隣接して垂直に形成され、任意選択的にその全体を貫通して延びることができる。スパインチャネル3040cは、それに沿ってスパイン3045を受容し、アンカー受容チャネル3040aの底部の下に延びる。したがって、既に送達されているアンカー110を収容していたスパイン3045の底部は、下方に移動し続ける余地があり、送達される次のアンカー110は、スパイン3045からの干渉なしに受容ポート3040の底部上でプッシュロッドおよび針3010と正確に整列された状態を維持することができる。
【0046】
使用時には、複数の創傷閉鎖タグ100が脆弱に取り付けられたスパイン3045は、アンカー110がアンカーチャネル3040a内で垂直に整列され、本体120が本体チャネル3040b内で垂直に整列された状態で、受容ポート3040内に装填され得る。スパイン3045に沿って先頭にある創傷閉鎖タグ100は、受容ポート3040の底部で静止することができる。タグ100は、アンカー110の後方で近位に整列されたプッシュロッドと整列され、アンカー110の前方で遠位に整列された針3010の開口端部と整列され得る。上述したように、針3010を創傷の両側に通した後、トリガー3020を作動させてタグ100を送達させることができる。トリガー3020が作動すると、ハウジング内のギアおよびラックが、装置1000と同様に、プッシュロッドを遠位に駆動して、プッシュロッドを受容ポート3040の底部に通す。プッシュロッドが受容ポートを通過すると、プッシュロッドは、スパイン3045に沿った第1のアンカー110の近位端部に接触し、それを針3010の近位開口端部内へと遠位に押し込む。プッシュロッドの遠位の力は、第1のアンカー110をスパイン3045から離してぽきっと折るか、切断するか、または破壊し、第1のアンカー110は、装置1000と同様に、針3010を通じて遠位に押され、創傷の第2の側に送達される。第1のアンカー110が遠位に押されると、第1の本体120は、ハウジング3002内の本体スロット3006に沿ってアンカー110の後ろについていき、第1のばね部材130は、本体120と共に遠位に引っ張られるが、創傷の第1の側に残る。トリガー3020が解放されると、作動プロセスは逆転されて、プッシュロッドを針3010および受容ポート3040から近位に後退させる。プッシュロッドが受容ポート3040から近位に後退されると、スパイン3045に沿って並んでいる第2のタグ100の第2のアンカー110が、反復される作動プロセスに備えて受容ポート3040の底部の所定の位置に落下することができ、プッシュロッドは、送達中にスパイン3045から第2のアンカー110を破壊するか、またはぽきっと折り取る。しかしながら、他の実施形態では、様々な他のタグ前進機構が、次のタグ100を移動させて、送達のための整列させることが可能であり、例えば、ハウジング内のばね部材が、スパインに下向きの圧力を加えることができ、またはスパインを下方に引っ張るために、スパインの下から係合されることができ、ラチェットおよび/またはギア機構がハウジング内に配置され、これが、トリガーの各引き抜き時に作動されて、スパインを対応する距離だけ下方に移動させて次のアンカーを整列させ、複数のタグ100およびスパイン3045が、上方部分にばね部材を収容し、スパイン3045に下向きの力を提供するトップローディング式垂直カートリッジ内に装填され得、スパイン3045が、手動で移動され得る、などである。
【0047】
様々な実施形態では、複数の創傷閉鎖タグを装置の側面から装填することもできる。例えば、
図21は、送達装置3000と同様の、創傷閉鎖タグのための送達装置4000の別の実施形態を示す。装置4000は、ハウジング4002と、湾曲した針4010と、トリガー4020を備えた作動機構と、複数の創傷閉鎖タグを受容するための受容ポート4040と、を有する。ハウジング4002は、近位に角度を付けたピストルグリップ4002aを備えた拳銃の形状であり、針4010は、そこから遠位に突出している。ハウジング4002は、本体スロット4006と同様の本体スロット4006を有し、創傷閉鎖タグの本体は、対応するアンカーが針4010を通って送達されている間、本体スロットに沿って通過する。しかし、本体スロット4006は、側面ではなくハウジング4002の上面にある。
図21~
図23は、複数の創傷閉鎖タグ350を示すが、任意の創傷閉鎖タグを使用することができる。針4010は、針3010と同様に構成され、ハウジング4002内の近位開口端部(不図示)を通して装填され、受容ポート4040と整列したチャネルを有する。作動機構のトリガー4020は、トリガー3020と同様であり、ハウジング4002のピストルグリップ4002aと係合し、トリガー4020をピストルグリップ4002aに向かって旋回させることによるトリガー4020の作動が、ピストルグリップ4002aによって装置4000を保持している間に達成され得る。装置3000の作動機構と同様に、トリガー4020の作動は、ハウジング4002内の1つ以上のギア(不図示)の回転を引き起こし、ラック(不図示)を遠位に駆動して、プッシュロッド(不図示)を、受容ポート4040の底部および針4010の近位開口端部と整列したスロットに沿って遠位に前進させる。
【0048】
受容ポート4040は、
図23に示されるような、各タグ350の各アンカー360がタグスパイン4045に脆弱に接続されるようにすべてタグスパイン4045に沿って連続して配置された複数の創傷閉鎖タグ350を受容するように成形される。ハウジング4002の中心軸に沿った受容ポート4040の末端部は、ハウジング3002内の受容ポート3040の底部と同様に、送達される次のアンカー360のための整列および停止面として作用し、これは、その遠位端部が針4010の近位開口端部と、また、近位端部がプッシュロッドと整列される。受容ポート4040はまた、アンカー受容チャネル(不図示)を有し、これは、各アンカー360が受容ポート4040の末端部に到達したときに、アンカー360が針4010の近位開口端部内に遠位に装填されるようにすべてそれぞれ整列されるように、ハウジング4002の側面を通して水平にスパイン4045に接続された複数のアンカー360を受容する。また、受容ポート4040は、アンカー受容チャネルとハウジング4002上の本体スロット4006との間に延びる本体チャネル(不図示)を有し、これにより、装置4000に装填された対応する複数のアンカー360に接続された複数の本体370は、針4010を通して送達される際に、その対応するアンカー360と共に、本体チャネルに沿って水平に、次いで、本体スロット4006に沿って遠位に移動することができる。対応する複数のばね部材380は、ハウジング4002の上方に垂直に延びており、ハウジング内に受容されない。スパインチャネル(不図示)は、ハウジング内のアンカー受容チャネルの下に水平に形成され、任意選択的に、完全にこれを通って延びることができる。スパインチャネルは、これに沿ってスパイン4045を受容し、受容ポート4040の末端部を越えて水平に延びる。したがって、既に送達されたアンカー360を収容していたスパイン4045の第1の部分は、水平に移動し続ける余地があり、これにより、送達される次のアンカー360は、スパイン4045からの干渉を受けることなく、受容ポート4040の末端部でプッシュロッドおよび針4010と正確に整列された状態を維持することができる。
【0049】
受容ポート4040は、保持部分4042aおよび連結部材4042bを備えるタブハウジング4042と整列する。連結部材4042bは、ハウジング4002の周囲に延び、保持部分4042aをハウジングの受容ポート4040と整列する側に連結する。保持部分4042aは、使用中に複数のタグ350およびスパイン4045を中に受容し、複数のアンカー350およびスパイン4045への保護を提供するほぼ矩形の物体である。また、保持部分4042aは、受容ポート4040の反対側の端部にあるばねまたは回転可能なノブのような1つ以上のアンカー前進機構を中に有してもよく、これは、送達される次のタグ350を、針4010およびプッシュロッドと整列して維持するために、スパイン4045に水平力を加えることができる。
【0050】
使用中、装置4000は、装置3000と同様に動作する。複数の創傷閉鎖タグ350が脆弱に取り付けられたスパイン4045は、受容ポート4040内に装填することができ、タブハウジング4042は、装置ハウジング4002に固定することができる。スパイン4045に沿って先頭にある第1の創傷閉鎖タグ350は、近位では列をなした第1のアンカー360の後方でプッシュロッドと整列し、かつ遠位では第1のアンカー360の前方で針4010の近位開口端部と整列して、受容ポート4040の末端部で停止することができる。針4010を創傷の両側に通した後、トリガー4020を作動させてタグ350を送達させることができる。トリガー4020が作動すると、ハウジング内のギアおよびラックがプッシュロッドを遠位に駆動して、プッシュロッドを受容ポート4040の末端部に通す。このようにして、プッシュロッドは、第1のアンカー360をスパイン4045から折り取って、これを針4010の近位開口端部内へと遠位に押しやる。アンカー360は、針4010のチャネルを通して遠位に付勢され、本体370が創傷を横切って延び、かつばね部材380が第1の側に残った状態で、創傷の第2の側に送達される。トリガー4020が解放されると、作動プロセスは逆転されて、プッシュロッドを針4010および受容ポート4040から近位に後退させる。プッシュロッドが受容ポート4040から近位に後退されると、スパイン4045に沿って列をなした第2のタグ350の第2のアンカー360は、水平に所定の位置に移動することができる。上述したように、このような移動は、スパイン4045に水平力を加える、保持部分4042a内のばねまたは回転可能なノブによって生じ得る。しかしながら、他の実施形態では、ハウジング内のばね部材など、他の機構も可能であり、ラチェットおよび/またはギア機構が、ハウジング内に配置され得、これが、トリガーの各引き抜き時に作動され、スパイン4045が手動で移動され得る、などである。
【0051】
図22は、サイドローディング機構を有する、装置4000と同様の送達装置5000の別の実施形態を示す。装置5000は、ハウジング5002と、湾曲した針5010と、トリガー(不図示)を備えた作動機構と、複数の創傷閉鎖タグのための受容ポート5040と、本体スロット5006と、を有する。しかしながら、装置5000はタブハウジング4042をその上に有していない。装置4000のスパインチャネルに類似したスパインチャネル5040cが、装置5000を通って全体的に水平に延びており、受容ポート5040と反対の側で開口している。スパインチャネル5040cは、その中を通って複数のタグ350に連結されたスパイン4045を受容し、その結果、そのアンカー360が既に取り外されている、スパイン4045の第1の部分は、使用中に装置5000から離れて水平に延びることができる。
【0052】
装置3000、4000、5000は、対応するプッシュロッドの移動に対して垂直方向に装填された創傷閉鎖タグを有する。しかしながら、複数の創傷閉鎖タグを、装置のプッシュロッドと平行な方向に装填することができる。
図24A~
図24Cは、上述の装置3000、4000、および5000と同様の、創傷閉鎖タグのための送達装置の別の実施形態の装填および送達部分を示す。しかしながら、
図24A~
図24Cに示される装填および送達部分は、サイドまたはトップローディング機構を有する代わりに、互いに平行に延びる2つのチャネル、すなわち、プッシュロッドチャネル6002および創傷閉鎖タグチャネル6004を有する。プッシュロッドチャネル6002は、装置の作動時に、その中を通してプッシュロッド6010を受容し、創傷閉鎖タグチャネル6004は、ギア付きスパイン6020上に直線状に脆弱に接続された複数の創傷閉鎖タグ500を、その中を通して受容する。タグ500が
図24A~
図24Dに示されているが、
図25のスパイン6030上の創傷閉鎖タグ600など、任意の創傷閉鎖タグを使用することができる。創傷閉鎖タグチャネル6004は、スパインチャネル部分6002a、アンカーチャネル部分6002b、本体チャネル部分6002c、およびばね部材チャネル部分6002dを有し、これらはそれぞれ、スパイン6020および複数のタグ500が装置内に装填されると、対応するスパイン6020、アンカー510、本体520、およびばね部材530をその中にそれぞれ受容する。スパイン6020および複数のタグ500は、それらを遠位方向にスライドさせることによって、装置の近位端部から創傷閉鎖タグチャネル6004内に挿入され得る。プッシュロッドチャネル6002および創傷閉鎖タグチャネル6004は、
図24Bおよび
図24Cに示すように、最初、互いに平行な方向に、装置の近位部分から遠位端部に向かって装置のハウジング内で並んで延びる。しかしながら、
図24Cの黒いバーによって強調されているように、創傷閉鎖タグチャネル6004は、装置の針より近位であるが、プッシュロッド6010自体より遠位の点において、プッシュロッドチャネル6002との整列状態に移行し、プッシュロッドチャネル6002に合流する。したがって、創傷閉鎖タグチャネル6004は、プッシュロッドチャネル6002内に効果的に終端する。創傷閉鎖タグチャネル6004がプッシュロッドチャネル6002に合流する点で、スパイン6020は遠位に前進し、連続して送達される次のタグ500のアンカー510が、針より近位でかつプッシュロッド6010より遠位にある、プッシュロッドチャネル6002の合流部分に前進する一方、任意の後続のタグ500は、創傷閉鎖タグチャネル6004における合流点よりわずかに近位にとどまる。したがって、送達される次のタグ500のアンカー510は、本体520およびばね部材530がプッシュロッドチャネル6002の合流部分の上方で垂直に延びている状態で、プッシュロッドチャネル6002の合流部分内に単独で、静止する。プッシュロッド6010に連結されたラック6012の遠位への前進などにより、上述した機構のいずれかを用いて装置を作動させると、プッシュロッド6010は、次のタグ500が位置付けられるチャネルの合流部分を含めて、プッシュロッドチャネル6002を通って遠位に前進する。送達されるタグ500のアンカー510は、スパイン6020からぽきっと折られるか、切断されるか、または破壊され、プッシュロッド6010は、アンカー510を針のチャネル内へと遠位に押し込み、遠位側から押し出して創傷の第2の側に送達する。次いで、プッシュロッド6010をプッシュロッドチャネル6002の合流部分から近位に後退させ、スパイン6020を再び前進させて、次のタグ500をプッシュロッドチャネル6002の合流部分に装填する。ここでは、プッシュロッドチャネル6002の合流部分について説明したが、合流部分は、針の近位開口端部であってもよく、その結果、針は、合流点において、プッシュロッドチャネル6002および創傷閉鎖タグチャネル6004に直接連結する。スパイン6020は、スパイン6020の底面に沿って配置された歯とギアとの係合によって制御された様式で遠位に前進する。ギアは、装置の作動時に自動的に回転させることができる。しかしながら、手動前進、ばね機構、種々のレバー、ノブ、ボタン、解放スイッチ等の回転および/または作動のような種々の他の前進機構を使用することができる。
【0053】
他の実施形態では、スパインを排除することができ、複数の創傷閉鎖タグのアンカーは、これに脆弱に連結されるか、または直接個別に配置することができる。例えば、
図26は、上述の装置と同様の送達装置7000を示す。装置7000は、ハウジング7002と、湾曲した針7010と、ハウジング7002の近位端部から遠位端部まで延びる受容ポート7040と、プッシュロッド7030を有する作動機構と、を有する。複数の創傷閉鎖タグ430が設けられており、これらのタグは、アンカー410が直線的に連続して端と端とを係合されていることにより互いに脆弱に連結されている。タグ400がここでは図示されているが、任意の創傷閉鎖タグを使用することができる。複数の創傷閉鎖タグ400は、その近位端部上で受容ポート7040内に装填され、配備されるのを待機しながらハウジング7002を通って連続して遠位に配置される。アンカー410は、本体420がハウジング7002を通って受容ポート7040に沿って延びている状態で、ハウジング7002内に保持され、ばね部材430は、ハウジング7002の上方に垂直に延びている。送達される最初のタグ400は、受容ポート7040から水平方向に押し出され、対応するアンカー410を残りのアンカー410から破壊または分離し、送達チャネル7042に入れる。したがって、対応するタグ400のアンカー410は、送達チャネル7042内で、遠位ではプッシュロッド7030に、および近位では針7010の近位開口端部に整列される。上述の作動機構と同様に、装置7000が作動すると、プッシュロッド7030は、送達チャネル7042を通って、近位開口端部を通って、針7010のチャネルに沿って、遠位前方に駆動される。プッシュロッド7030は、タグ400のアンカー410に遭遇してこれを送達のために遠位に付勢し、その後、タグのアンカー410は、創傷を横切って第2の側に送達される。送達されたタグ400の本体420は、送達チャネル7042を通過し、創傷を横切ってアンカー410の後ろについていき、送達されたタグ400のばね部材430は、アンカー410の動きに伴って遠位に移動するが、創傷の第1の側に残る。装置の作動によって引き起こされるギアとプッシュ部材との相互作用、ばね機構、手動力などの、様々な異なる機構を用いて、送達されるタグ400を破壊し、これを水平に送達チャネル7042内に移動させることができる。
【0054】
いくつかの送達装置は、手動装填を使用しながら、上述の装置と同様の機械的作動機構を使用することもできる。例えば、
図27Aおよび
図27Bは、創傷閉鎖タグを送達するための装置1000と同様の送達装置8000を示す。装置8000は、ハウジング8002と、湾曲した針8010と、トリガー8020を備えた作動機構と、タグ装填ポート8040と、ハウジング8002内の本体スロット8006と、を有する。上述した創傷閉鎖タグの1つのような創傷閉鎖タグのアンカーは、タグ装填ポート8040に挿入される。タグ装填ポート8040内では、アンカーは、針8010の開口端部より近位の位置と、プッシュロッドより遠位の位置と、において整列される。針8010が創傷の2つの側を通過した後、トリガー8020を作動させて、上述したものと同様の機構を通じてプッシュロッドの遠位前進を生じさせることができる。プッシュロッドは、アンカーを針8010の中に遠位に押し込んでこれを貫通させることができ、その結果、創傷の第2の側にアンカーが送達される。タグの対応する本体は、送達されているアンカーの後ろについていくので、本体スロット8006に沿ってスライドし、対応するばね部材は、アンカーの送達に伴って遠位に移動するが、創傷の第1の側に残る。第2のタグを装置8000に装填することができる。タグは、任意選択的に、詳細に上述したように、針8010上の放出ポートを通して装填することもできる。
【0055】
作動のためのトリガーが示されており、創傷閉鎖タグの前進のための様々な手動、重力送り、または、ばねもしくは回転機構が議論されているが、ハウジング上のスライダリリースおよび/または押しボタンなどの、様々な異なる作動および前進機構を他の実施形態で使用することができる。連続して接続され、積み重ねられ、かつ/または配置された複数の創傷閉鎖タグを収容する、取り外し可能なカートリッジを使用することもでき、これらは、種々のクリップ、スライダリリース、押しボタンなどを使用して、装置内にクリップ留めし、その後に装置から解放することができる。さらに、種々のスパインが示されているが、創傷閉鎖タグを割出し、配備するための他の機構を使用することができ、例えば、アンカーを直接一緒に脆弱に接続すること、ばね部材を直接一緒に脆弱に接続すること、またはこれら2つの何らかの組み合わせなどが挙げられる。本明細書で説明する種々の装置の実施形態はまた、一般的に、人間工学的形状、使用方法、および全体的なデザインにおいて針ドライバを模倣して、外科医が種々の送達装置を最初に使用するときに快適に感じることを可能にすることもできる。
【0056】
実際には、本明細書で説明する創傷閉鎖タグは、縫合糸またはステープルと比べて、より速く、より効果的な治癒、およびより良好な応力変位を提供することが示されている。例えば、
図28A~
図28Cは、それぞれ、上述の創傷閉鎖タグ100を用いて閉鎖された、0日目、14日目、および28日目の、創傷9000を示す。創傷9000は、切開線が28日目までにほぼ完全に消失するほど有意な治癒を示す。同様の創傷9002が、縫合糸を用いて閉鎖され、
図29A~
図29Cは、それぞれ、0日目、14日目、および28日目における治癒を示す。創傷9002は28日目までに閉鎖したが、切開線はまだ見える。最後に、別の同様の創傷9004が、ステープルを用いて閉鎖され、
図30A~
図30Cは、それぞれ、0日目、14日目、および28日目における治癒を示す。創傷9004は、依然として、切開部が28日目において完全に閉鎖する過程にあるという兆候を示す。したがって、創傷閉鎖タグは、縫合糸およびステープルと比較して、改善された治癒を提供する。
【0057】
さらに、
図31Aおよび
図31Bは、組織内の創傷を閉鎖するために使用される縫合糸9010に適用される引張応力または引っ張り試験を示す。縫合糸9010は、
図31Bに見られるように、創傷を通り、横切る力の不均一な分布によって引き起こされる皮膚の裂傷および裂け目を生じさせた。
図32Aおよび
図32Bに示すように、本明細書で説明するタグ100と同様の、創傷閉鎖タグ9012に対して第2の引張応力または引っ張り試験を行った。タグ9012は、
図32Bに見られるように、創傷を通る力の、より大きな分布によって引き起こされる皮膚の裂傷および裂け目を著しく少なくした。
【0058】
本明細書に開示されている装置の全ては、1回の使用後に廃棄されるように設計され得るか、またはそれらは複数回使用されるように設計され得る。しかしながら、いずれの場合も、装置は、少なくとも1回の使用後に再利用のために再調整され得る。再調整は、装置の分解ステップ、その後の特定の部品の洗浄または交換ステップ、およびその後の再組立ステップの任意の組み合わせを含み得る。特に、装置を分解することができ、装置の任意の数の特定の部品または部分を、任意の組み合わせで選択的に交換または除去することができる。特定の部品が洗浄および/または交換されると、装置は、再調整設備で、または外科処置の直前に外科チームによって、その後の使用のために再び組み立てられ得る。当業者であれば、装置の再調整は、分解、洗浄/交換、および再組立のための様々な技術を利用できることを理解するであろう。このような技術の使用、および得られる再調整された装置は全て、本出願の範囲内である。
【0059】
本明細書に開示される装置は、使用前に滅菌されることが好ましい。これは、ベータまたはガンマ放射線、エチレンオキシド、蒸気、および液浴(例えば、寒冷浸透)を含む、当業者に既知の任意の数の方法によって行うことができる。装置は、埋め込まれた場合、密閉されることが好ましい。これは、当業者に既知の任意の数の方法によって行うことができる。
【0060】
さらに、本開示では、実施形態の同様に命名された構成要素は、一般に、同様の特徴を有し、したがって、特定の実施形態内では、同様に命名された各構成要素の各特徴は、必ずしも十分に詳しく述べられていない。さらに、開示されたシステム、装置、および方法の説明において線形寸法または円形寸法が使用される範囲において、そのような寸法は、そのようなシステム、装置、および方法と共に使用され得る形状のタイプを制限することを意図していない。当業者であれば、任意の幾何学的形状について、このような線形寸法および円形寸法に相当するものが容易に決定され得ることを理解するであろう。システムおよび装置、ならびにそれらの構成要素のサイズおよび形状は、少なくとも、システムおよび装置が使用される対象の解剖学的構造、システムおよび装置が使用される構成要素のサイズおよび形状、ならびにシステムおよび装置が使用される方法および手順に依存し得る。
【0061】
当業者であれば、上述した実施形態に基づく説明した装置および方法のさらなる特徴および利点を理解するであろう。したがって、本開示は、添付の特許請求の範囲によって示される場合を除いて、具体的に示され説明されたものによって制限されない。本明細書に引用されるすべての刊行物および参考文献は、その全体が参照により本明細書に明示的に組み込まれる。
【0062】
〔実施の態様〕
(1) 創傷を閉鎖するためのシステムであって、
第1のアンカーと、第2のアンカーと、前記第1のアンカーと前記第2のアンカー部材との間に延び、前記第1のアンカーと前記第2のアンカー部材とを連結する本体と、を有する少なくとも1つの創傷閉鎖部材であって、前記第2のアンカーが前記創傷の第2の側に位置付けられ、前記第1のアンカー部材が前記創傷の第1の側に位置付けられ、前記本体が前記創傷の組織を通って延びるときに、外転力の印加によって前記創傷を閉鎖するように構成されている、創傷閉鎖部材と、
近位開口端部と、放出ポートを有し、遠位尖端で終端する遠位端部と、前記近位開口端部と前記放出ポートとの間に延びるチャネルと、を有する、湾曲した送達針であって、前記チャネルは前記アンカーをスライド可能に受容するように構成されている、湾曲した送達針と、
前記湾曲した送達針にスライド可能に連結され、前記創傷閉鎖部材の前記アンカーを前記チャネルに沿って前記送達針の前記近位開口端部から前記放出ポートまで並進運動させるように構成されたプッシュロッドと、
を含む、システム。
(2) 前記第1のアンカーはクロスバーであり、前記第2のアンカーは、複数の平坦または非平坦アーム、複数の凸状または凹状アーム、半球構造体、前記アンカーに向かって延びる半円形パネル、および螺旋からなる群から選択されるばね部材である、実施態様1に記載のシステム。
(3) 前記第2のアンカーは、前記創傷および選択された前記第2のアンカーの動きに基づいて調節可能な外転閉鎖力を加えるように構成されている、実施態様2に記載のシステム。
(4) 前記少なくとも1つの創傷閉鎖部材は、互いに脆弱に連結された複数の創傷閉鎖部材を含む、実施態様1に記載のシステム。
(5) 前記複数の創傷閉鎖部材は、スパインによって脆弱に連結されている、実施態様4に記載のシステム。
【0063】
(6) ハンドルをさらに含み、前記ハンドルは、前記送達針の近位端部に連結され、前記ハンドルを通して前記プッシュロッドを受容し、前記プッシュロッドを前記針内に案内するように構成され、前記ハンドルは、前記プッシュロッドをスライド可能に移動させるように構成されたトリガーを有する、実施態様1に記載のシステム。
(7) 前記少なくとも1つの創傷閉鎖部材を内部に受容するように構成され、かつ、前記ハンドルに取り外し可能に嵌合されるように構成された、取り外し可能かつ交換可能なカートリッジをさらに含み、前記少なくとも1つの創傷閉鎖部材は、前記プッシュロッドの作動時に前記カートリッジから前記送達針の前記チャネルに沿って並進運動可能である、実施態様6に記載のシステム。
(8) 前記送達針の前記チャネルは、前記放出ポートで終端する上向きの傾斜を有する、実施態様1に記載のシステム。
(9) 前記送達針の前記遠位尖端は、切断先端部を含む、実施態様1に記載のシステム。
(10) 組織内の創傷を閉鎖する方法であって、
創傷の第1の側および第2の側における組織に湾曲した送達針を通すことと、
前記創傷の前記第1の側から前記第2の側へと前記針のチャネルに創傷閉鎖部材の第1のアンカーを通して、前記第1のアンカーが前記第2の側において前記針の遠位端部にある放出ポートから出て、前記第2の側で前記組織の外面に係合するようにすることと、
前記送達針を後退させて、前記創傷閉鎖部材の第2のアンカーを解放し、前記第2のアンカーが前記創傷の前記第1の側で前記組織の外面に係合するようにすることと、
を含み、
前記第1のアンカーと前記第2のアンカーとの間に連結された本体は、前記組織を通り、前記創傷を通って延び、
前記創傷閉鎖部材は、前記組織に外転力を加え、前記組織の前記第1の側および前記第2の側を互いに向かって移動させ、それによって前記創傷を閉鎖する、方法。
【0064】
(11) 前記アンカーを通すことは、プッシュロッドを前記針の前記チャネルに沿って前進させて、前記針を通して前記アンカーを前進させることを含む、実施態様10に記載の方法。
(12) 前記アンカーを通す前に、前記第1のアンカーを前記送達針の前記チャネルの近位端部内に前進させ、前記本体が前記針の側壁に形成されたスロットを通って延び、前記第2のアンカーが前記針の外部に位置付けられるようにすることをさらに含む、実施態様10に記載の方法。
(13) 前記第1のアンカーを通すことは、前記送達針の近位端部上のハンドルに連結されたトリガーを作動させて、プッシュロッドを前記針の前記チャネルに沿って近位開口端部から前記放出ポートまで前進させ、それによって前記第1のアンカーを通し、かつ放出することを含む、実施態様10に記載の方法。
(14) カートリッジを回転させて、第2の創傷閉鎖部材の第3のアンカーを前記針の前記チャネルと整列させることをさらに含む、実施態様13に記載の方法。
(15) 前記第1のアンカーはクロスバーであり、前記第2のアンカーは、複数の平坦または非平坦アーム、凸状または凹状アーム、半球構造体、前記アンカーに向かって延びる半円形パネル、および螺旋からなる群から選択されるばね部材であり、
前記送達針を後退させて、前記第2のアンカーを解放することは、前記創傷閉鎖部材が、前記創傷および選択された前記第2のアンカーの動きに基づいて調節可能な外転閉鎖力を加えることを含む、実施態様10に記載の方法。
【0065】
(16) 創傷を閉鎖するためのシステムであって、
硬い第1のアンカーと、ばね部材と、前記第1のアンカーと前記ばね部材との間に延び、前記第1のアンカーと前記ばね部材とを連結する本体と、を有する少なくとも1つの創傷閉鎖部材であって、前記ばね部材は、前記ばね部材が前記創傷の第2の側に位置付けられ、前記硬い第1のアンカー部材が前記創傷の第1の側に位置付けられ、前記本体が前記創傷の組織を通って延びるときに、前記創傷の動きおよび前記ばね部材の形状に基づいて、調節可能な外転閉鎖力を前記創傷に加えるように構成されている、創傷閉鎖部材と、
近位開口端部と、放出ポートを有し、遠位尖端で終端する遠位端部と、前記近位開口端部と前記放出ポートとの間に延びるチャネルと、を有する、湾曲した送達針であって、前記チャネルは前記アンカーをスライド可能に受容するように構成されている、湾曲した送達針と、
前記湾曲した送達針にスライド可能に連結され、前記創傷閉鎖部材の前記アンカーを前記チャネルに沿って前記送達針の前記近位開口端部から前記放出ポートまで並進運動させるように構成されたプッシュロッドと、
を含む、システム。
(17) 前記硬い第1のアンカーはクロスバーであり、前記ばね部材の前記形状は、複数の非平坦アーム、複数の凸状または凹状アーム、半球構造体、前記アンカーに向かって延びる半円形パネル、および螺旋からなる群から選択されている、実施態様16に記載のシステム。
(18) 前記ばね部材の選択された各形状は、前記創傷に対して、異なる調節可能な外転閉鎖力を加えるように構成されている、実施態様17に記載のシステム。
(19) 前記少なくとも1つの創傷閉鎖部材は、互いに脆弱に連結された複数の創傷閉鎖部材を含む、実施態様16に記載のシステム。
(20) 前記複数の創傷閉鎖部材は、スパインによって脆弱に連結されている、実施態様19に記載のシステム。
【0066】
(21) ハンドルをさらに含み、前記ハンドルは、前記送達針の近位端部に連結され、前記ハンドルを通して前記プッシュロッドを受容し、前記プッシュロッドを前記針内に案内するように構成され、前記ハンドルは、前記プッシュロッドをスライド可能に移動させるように構成されたトリガーを有する、実施態様16に記載のシステム。
(22) 前記少なくとも1つの創傷閉鎖部材を内部に受容するように構成され、かつ、前記ハンドルに取り外し可能に嵌合されるように構成された、取り外し可能かつ交換可能なカートリッジをさらに含み、前記少なくとも1つの創傷閉鎖部材は、前記プッシュロッドの作動時に前記カートリッジから前記送達針の前記チャネルに沿って並進運動可能である、実施態様21に記載のシステム。
(23) 前記送達針の前記チャネルは、前記放出ポートで終端する上向きの傾斜を有する、実施態様16に記載のシステム。
(24) 前記送達針の前記遠位尖端は、切断先端部を含む、実施態様16に記載のシステム。
(25) 組織内の創傷を閉鎖する方法であって、
創傷の第1の側および第2の側における組織に湾曲した送達針を通すことと、
前記創傷の前記第1の側から前記第2の側へと前記針のチャネルに創傷閉鎖部材の硬い第1のアンカーを通して、前記硬い第1のアンカーが前記第2の側において前記針の遠位端部にある放出ポートから出て、前記第2の側で前記組織の外面に係合するようにすることと、
前記送達針を後退させて、前記創傷閉鎖部材のばね部材を解放し、前記ばね部材が前記創傷の前記第1の側で前記組織の外面に係合するようにすることと、
を含み、
前記硬い第1のアンカーと前記ばね部材との間に連結された本体は、前記組織を通り、前記創傷を通って延び、
前記ばね部材は、前記組織に調節可能な外転閉鎖力を加え、前記組織の前記第1の側および前記第2の側を互いに向かって移動させて、前記創傷を閉鎖し、
前記調節可能な外転閉鎖力は、前記創傷の動きおよび前記ばね部材の形状に基づいて調節可能である、方法。
【0067】
(26) 前記アンカーを通すことは、プッシュロッドを前記針の前記チャネルに沿って前進させて、前記針を通して前記アンカーを前進させることを含む、実施態様25に記載の方法。
(27) 前記アンカーを通す前に、前記硬い第1のアンカーを前記送達針の前記チャネルの近位端部内に前進させ、前記本体が前記針の側壁に形成されたスロットを通って延び、前記ばね部材が前記針の外部に位置付けられるようにすることをさらに含む、実施態様25に記載の方法。
(28) 前記硬い第1のアンカーを通すことは、前記送達針の近位端部上のハンドルに連結されたトリガーを作動させて、プッシュロッドを前記針の前記チャネルに沿って近位開口端部から前記放出ポートまで前進させ、それによって前記硬い第1のアンカーを通し、かつ放出することを含む、実施態様25に記載の方法。
(29) カートリッジを回転させて、第2の創傷閉鎖部材の第2のアンカーを前記針の前記チャネルと整列させることをさらに含む、実施態様28に記載の方法。
(30) 前記硬い第1のアンカーはクロスバーであり、前記ばね部材の前記形状は、複数の非平坦アーム、凸状または凹状アーム、半球構造体、および前記アンカーに向かって延びる半円形パネル、および螺旋からなる群から選択され、
前記ばね部材の選択された各形状は、前記創傷に対して、異なる調節可能な外転閉鎖力を加える、実施態様25に記載の方法。
【国際調査報告】