(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-08
(54)【発明の名称】マルチレベル配送システムおよび関連装置
(51)【国際特許分類】
B62B 3/02 20060101AFI20220601BHJP
B65G 61/00 20060101ALI20220601BHJP
【FI】
B62B3/02 B
B65G61/00 530
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021559075
(86)(22)【出願日】2020-04-02
(85)【翻訳文提出日】2021-11-17
(86)【国際出願番号】 US2020026447
(87)【国際公開番号】W WO2020206163
(87)【国際公開日】2020-10-08
(32)【優先日】2020-02-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-04-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-02-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-02-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521183604
【氏名又は名称】アーバン エレクトリック コー.
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100174023
【氏名又は名称】伊藤 怜愛
(72)【発明者】
【氏名】スヴェン エツェルスバーガー
(72)【発明者】
【氏名】ピーター リー
【テーマコード(参考)】
3D050
【Fターム(参考)】
3D050AA01
3D050BB04
3D050BB05
3D050CC05
3D050DD01
3D050DD03
3D050EE08
3D050EE15
3D050GG01
(57)【要約】
マルチレベル配送システムおよびそれに関連する多様な装置が提供される。マルチレベル配送システムは、単独で、または他のそのような要素と組み合わせて機能することができる、多数の統合されたモジュール式の交換可能かつコンパクト化が可能な要素を含むことにより、同等の従来の配送システムと比較して、全体的な空間的フットプリントが小さい配送システムの展開を可能にする。組み合わせて配送システムを形成する装置は、コンパクト化が可能なコンテナカート、コンパクト化が可能なカート運搬装置またはトレーラ、および推進手段のうちの1つ以上を含むことができる。これらの要素または装置は、統合システムとして一緒に、または互換性のある従来の装置と共に、任意の組み合わせで展開することができる。組み合わせることで、配送システムはスペース効率を最大化し、あらゆる環境や規模への適応を可能にする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンパクト化が可能なカートであって、
互いに平行に配置された一対の長手方向側壁要素と、互いに平行に配置された一対の短手方向端壁要素とを含む支持構造であって、前記側壁および端壁要素は、前記側壁および端壁要素が、前記側壁および端壁が互いに直交して配置されて内部容積を形成する第1の壁位置と、前記側壁および端壁が互いに平行に配置される第2の壁位置との間で回転することができるように、各端部にて互いに枢動可能に相互接続されている、支持構造と、
内部プラットフォーム要素が前記側壁および端壁に平行に配置される第1のプラットフォーム位置と、前記内部プラットフォーム要素が前記側壁および端壁に垂直に配置される第2のプラットフォーム位置との間で、前記内部プラットフォーム要素が回転することができるように、少なくとも、その上端で前記側壁または端壁要素のいずれか一方に枢動可能に相互接続された上部プラットフォーム要素と、その下端で前記側壁または端壁要素のいずれか一方に枢動可能に相互接続された下部プラットフォーム要素と、
前記下部プラットフォームの下に配置された複数のホイールであって、少なくとも1つのホイールが前記カートの各コーナーに配置されている、複数のホイールと、
を含み、
前記上部または下部プラットフォーム要素のうち少なくとも一方が前記第2のプラットフォーム位置に配置されたとき、前記カートの要素は、前記側壁および端壁要素が旋回するのを防ぐように構成されている、コンパクト化が可能なカート。
【請求項2】
更に、その上端と下端との間で前記側壁または端壁要素のいずれか一方に枢動可能に相互接続された少なくとも1つの内部プラットフォーム要素を含む、請求項1に記載のコンパクト化が可能なカート。
【請求項3】
少なくとも前記内部および下部プラットフォーム要素はそれぞれ、各々が対向する側壁または端壁要素に枢動可能に相互接続された2つのプラットフォーム要素から形成される、請求項2に記載のコンパクト化が可能なカート。
【請求項4】
前記側壁および端壁はそれぞれ、前記内部容積が開放されるように開放されている、請求項1に記載のコンパクト化が可能なカート。
【請求項5】
前記側壁および端壁はそれぞれ、前記内部容積を包囲するように立体である、請求項1に記載のコンパクト化が可能なカート。
【請求項6】
前記側壁を前記支持構造に対して回転することで前記内部容積へのアクセスを提供するように、前記長手方向側壁要素のうちの少なくとも1つが、前記支持構造の上部に枢動可能に接続されている、請求項5に記載のコンパクト化が可能なカート。
【請求項7】
前記少なくとも1つの枢動可能に接続された長手方向側壁要素は、2つの枢動可能に相互接続された長手方向側壁部分から形成される、請求項6に記載のコンパクト化が可能なカート。
【請求項8】
更に、前記少なくとも1つの枢動可能に接続された長手方向側壁要素を前記支持構造に対する回転から守るように構成された少なくとも1つのラッチを含む、請求項6に記載のコンパクト化が可能なカート。
【請求項9】
前記上部プラットフォームおよび枢動可能に接続された長手方向側壁は、一度に一方のみが前記支持構造に対して回転することができるように、ヒンジ結合されている、請求項6に記載のコンパクト化が可能なカート。
【請求項10】
更に、前記上部プラットフォームを前記支持構造に対する回転から守るように構成された少なくとも1つのラッチを含む、請求項1に記載のコンパクト化が可能なカート。
【請求項11】
コンパクト化が可能な運搬装置であって、
プラットフォームを支持するフレームであって、前記フレームおよびプラットフォームは、その長手方向軸に沿って枢動可能に相互接続された少なくとも前部および後部から形成されることにより、前記部分が互いに一列に配置される第1の位置と、前記部分が隣接する平行な平面に配置される第2の位置との間で、前記少なくとも2つの部分を回転可能とする、フレームと、
少なくとも2セットのホイールであって、少なくとも1セットのホイールは前部に配置され、かつ少なくとも1セットのホイールは後部に配置されており、前記部分が前記第2の位置に配置されるとき、前記ホイールのセットが重なり合う、少なくとも2セットのホイールと、
を含み、
第1の位置において、前記後部が同じ高さに配置されるように、前記後輪が前記フレームおよびプラットフォームに対して枢動可能であり、かつ第2の位置において、前記後部が前記前部よりも低い高さに配置されている、コンパクト化が可能な運搬装置。
【請求項12】
前記前部に単一のホイールが配置され、かつ前記後部に2つのホイールのセットが配置される、請求項11に記載のコンパクト化が可能な運搬装置。
【請求項13】
前記プラットフォームは、更に、前記第2の位置に配置されたときに、前記前部の単一のホイールが少なくとも部分的にそれを通過するように構成された中央開口部を備える、請求項12に記載のコンパクト化が可能な運搬装置。
【請求項14】
更に、前記前部に配置されたサージブレーキ機構を含む、請求項11に記載のコンパクト化が可能な運搬装置。
【請求項15】
前記サージブレーキ機構は、
前記運搬装置フレームと相互接続された少なくとも第1のブレーキ支持部材と、
前記第1のブレーキ支持部材と枢動可能に相互接続され、かつ第2のブレーキ支持部材の遠位端で推進装置と相互接続するように構成された少なくとも第2のブレーキ支持部材と、
前記第2のブレーキ支持部材に固定的に相互接続された空気圧シリンダと、その上に配置された弾性部材を有するロッドであって、第1の端部にて前記空気圧シリンダ内にスライド式に係合し、かつ前記第1のブレーキ支持部材に固定的に相互接続されているロッドとを有する空気圧ブレーキ要素と、
を含み、
前記第1のブレーキ支持部材が前記第2のブレーキ支持部材の方向に旋回されると、前記ロッドが前記ブレーキ機構を適用して前記空気圧シリンダに押し込まれる、請求項14に記載のコンパクト化が可能な運搬装置。
【請求項16】
配送システムであって、
プラットフォームを支持するフレームであって、前記フレームおよびプラットフォームは、その長手方向軸に沿って枢動可能に相互接続された少なくとも前部および後部から形成されることにより、前記部分が互いに一列に配置される第1の位置と、前記部分が隣接する平行な平面に配置される第2の位置との間で、前記少なくとも2つの部分を回転可能とする、フレームと、
少なくとも2セットのホイールであって、少なくとも1セットのホイールは前部に配置され、かつ少なくとも1セットのホイールは後部に配置されており、前記部分が前記第2の位置に配置されるとき、前記ホイールのセットが重なり合う、少なくとも2セットのホイールと、
を含み、
第1の位置において、前記後部が同じ高さに配置されるように、前記後輪が前記フレームおよびプラットフォームに対して枢動可能であり、かつ第2の位置において、前記後部が前記前部よりも低い高さに配置されており、
前記プラットフォームは、
互いに平行に配置された一対の長手方向側壁要素と、互いに平行に配置された一対の短手方向端壁要素とを含む支持構造であって、前記側壁および端壁要素は、前記側壁および端壁要素が、前記側壁および端壁が互いに直交して配置されて内部容積を形成する第1の壁位置と、前記側壁および端壁が互いに平行に配置される第2の壁位置との間で回転することができるように、各端部にて互いに枢動可能に相互接続されている、支持構造と、
内部プラットフォーム要素が前記側壁および端壁に平行に配置される第1のプラットフォーム位置と、前記内部プラットフォーム要素が前記側壁および端壁に垂直に配置される第2のプラットフォーム位置との間で、前記内部プラットフォーム要素が回転することができるように、少なくとも、その上端で前記側壁または端壁要素のいずれか一方に枢動可能に相互接続された上部プラットフォーム要素と、その下端で前記側壁または端壁要素のいずれか一方に枢動可能に相互接続された下部プラットフォーム要素と、
前記下部プラットフォームの下に配置された複数のホイールであって、少なくとも1つのホイールが前記カートの各コーナーに配置されている、複数のホイールと、
を含み、
前記上部または下部プラットフォーム要素のうち少なくとも一方が前記第2のプラットフォーム位置に配置されたとき、前記カートの要素は、前記側壁および端壁要素が旋回するのを防ぐように構成されている、コンパクト化が可能なカートを支持するように構成されている、コンパクト化が可能な運搬装置を含む、配送システム。
【請求項17】
更に、前記コンパクト化が可能な運搬装置と相互接続可能な推進装置を含む、請求項16に記載の配送システム。
【請求項18】
前記推進装置は、コンパクト化が可能な電動スクータである、請求項17に記載の配送システム。
【請求項19】
荷物を配送する方法であって、
商品を物流センターへ配送するステップと、
1つ以上のコンパクト化が可能なカート上に前記商品を整理するステップと、
1つ以上のコンパクト化が可能な運搬装置に前記コンパクト化が可能なカートを積載するステップと、
各コンパクト化が可能な運搬装置を推進システムと相互接続して、前記商品を配送するステップと、
を含み、
前記1つ以上のコンパクト化が可能なカートは、
互いに平行に配置された一対の長手方向側壁要素と、互いに平行に配置された一対の短手方向端壁要素とを含む支持構造であって、前記側壁および端壁要素は、前記側壁および端壁要素が、前記側壁および端壁が互いに直交して配置されて内部容積を形成する第1の壁位置と、前記側壁および端壁が互いに平行に配置される第2の壁位置との間で回転することができるように、各端部にて互いに枢動可能に相互接続されている、支持構造と、
内部プラットフォーム要素が前記側壁および端壁に平行に配置される第1のプラットフォーム位置と、前記内部プラットフォーム要素が前記側壁および端壁に垂直に配置される第2のプラットフォーム位置との間で、前記内部プラットフォーム要素が回転することができるように、少なくとも、その上端で前記側壁または端壁要素のいずれか一方に枢動可能に相互接続された上部プラットフォーム要素と、その下端で前記側壁または端壁要素のいずれか一方に枢動可能に相互接続された下部プラットフォーム要素と、
前記下部プラットフォームの下に配置された複数のホイールであって、少なくとも1つのホイールが前記カートの各コーナーに配置されている、複数のホイールと、
を含み、
前記カートの要素は、前記上部または下部プラットフォーム要素のうち少なくとも一方が前記第2のプラットフォーム位置に配置されたときに、前記側壁および端壁要素が旋回するのを防ぐように、構成されており、
前記1つ以上のコンパクト化が可能な運搬装置は、
プラットフォームを支持するフレームであって、前記フレームおよびプラットフォームは、その長手方向軸に沿って枢動可能に相互接続された少なくとも前部および後部から形成されていることにより、前記部分が互いに一列に配置される第1の位置と、前記部分が隣接する平行な平面に配置される第2の位置との間で、前記少なくとも2つの部分を回転可能とする、フレームと、
少なくとも2セットのホイールであって、少なくとも1セットのホイールは前部に配置され、かつ少なくとも1セットのホイールは後部に配置されており、前記部分が前記第2の位置に配置されるとき、前記ホイールのセットが重なり合う、少なくとも2セットのホイールと、
を含み、
第1の位置において、前記後部が同じ高さに配置されるように、前記後輪が前記フレームおよびプラットフォームに対して枢動可能であり、かつ、第2の位置において、前記後部が前記前部よりも低い高さに配置されている、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2019年4月2日に出願された米国仮特許出願第62/828232号、2020年2月10日に出願された米国仮特許出願第62/972525号、2020年2月25日に出願された米国仮特許出願第62/981461号、および2020年2月12日に出願された米国仮特許出願第62/975668号の優先権を主張する。列挙した各仮特許出願の開示内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、マルチレベル配送システムに、より具体的には、コンパクト化が可能なカート、トレーラ、および推進装置を組み込んだマルチレベル配送システムに関する。
【背景技術】
【0003】
オンラインショッピングは、消費者がウェブブラウザを使用してインターネットを介して売り手から商品またはサービスを直接的に購入することを可能にする電子商取引の一形態である。消費者は、小売業者のウェブサイトに直接的に訪れることによって、または、異なる電子小売業者における同じ製品の入手可能性および価格を表示するショッピング検索エンジンを使用して代替的なベンダーの中で検索することによって、関心のある製品を見つける。2020年現在、消費者はデスクトップコンピュータ、ラップトップ、タブレットコンピュータ、スマートフォン、およびスマートスピーカーを含む様々なコンピュータおよびデバイスを使用してオンラインで買い物をすることができる。
【0004】
オンラインショッピングの人気により、従来の小売業者の売上が損なわれ続けている。例えば、2014年8月、米国で最大の電子機器小売業者であるBest Buyは、消費者によるオンラインショッピングへのシフトが進んでいることを理由に、四半期の売上が10回連続で低下したことを報告した。一方、2018年5月現在、調査により、アメリカ人の3分の2がAmazonから何かを購入し(オンラインで何かを購入した人の92%)、オンラインの買い物客の40%が少なくとも月に1回Amazonから何かを購入していることが判明した。更に、オンラインショッピングの拡大は、世界的な現象である。2012年、中国のオンラインショッピング人口は2億4200万人であった。
【0005】
オンライン小売りの継続的な拡大に対する1つの主要な問題は、特に、大型トラックや倉庫インフラストラクチャを含むラストマイル配送のソリューションにあまり適していない混雑した大都市圏における、物理的製品の配送のロジスティクスに対するソリューションである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許出願第10214230号明細書
【特許文献2】米国特許第9227687号明細書
【特許文献3】米国特許第9694868号明細書
【特許文献4】米国特許第9873476号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態は、マルチレベル配送システム、並びに、コンパクト化が可能なカート、トレーラ、および推進装置を組み込んだマルチレベル配送システムを対象とする。
【0008】
多くの実施形態は、
互いに平行に配置された一対の長手方向側壁要素と、互いに平行に配置された一対の短手方向端壁要素とを含む支持構造であって、側壁および端壁要素は、前記側壁および端壁要素が、側壁および端壁が互いに直交して配置されて内部容積を形成する第1の壁位置と、側壁および端壁が互いに平行に配置される第2の壁位置との間で回転することができるように、各端部にて互いに枢動可能に相互接続されている、支持構造と、
内部プラットフォーム要素が側壁および端壁に平行に配置される第1のプラットフォーム位置と、前記内部プラットフォーム要素が側壁および端壁に垂直に配置される第2のプラットフォーム位置との間で、前記内部プラットフォーム要素が回転することができるように、少なくとも、その上端で側壁または端壁要素のいずれか一方に枢動可能に相互接続された上部プラットフォーム要素と、その下端で側壁または端壁要素のいずれか一方に枢動可能に相互接続された下部プラットフォーム要素と、
下部プラットフォームの下に配置された複数のホイールであって、少なくとも1つのホイールがカートの各コーナーに配置されている、複数のホイールと、
を含み、
上部または下部プラットフォーム要素のうち少なくとも一方が第2のプラットフォーム位置に配置されたとき、カートの要素は、側壁および端壁要素が旋回するのを防ぐように構成されている、コンパクト化が可能なカートに関する。
【0009】
更に多くの実施形態は、その上端と下端との間で側壁または端壁要素のいずれか一方に枢動可能に相互接続された少なくとも1つの内部プラットフォーム要素を含む。
【0010】
更に多くの実施形態においては、少なくとも内部および下部プラットフォーム要素はそれぞれ、各々が対向する側壁または端壁要素に枢動可能に相互接続された2つのプラットフォーム要素から形成される。
【0011】
更に多くの実施形態においては、側壁および端壁はそれぞれ、内部容積が開放されるように開放されている。
【0012】
更に多くの実施形態においては、側壁および端壁はそれぞれ、内部容積を包囲するように立体である。
【0013】
6.側壁を支持構造に対して回転することで内部容積へのアクセスを提供するように、長手方向側壁要素のうちの少なくとも1つが、支持構造の上部に枢動可能に接続されている、請求項5に記載のコンパクト化が可能なカート。
【0014】
更に多くの実施形態においては、少なくとも1つの枢動可能に接続された長手方向側壁要素は、2つの枢動可能に相互接続された長手方向側壁部分から形成される。
【0015】
更に多くの実施形態は、少なくとも1つの枢動可能に接続された長手方向側壁要素を支持構造に対する回転から守るように構成された少なくとも1つのラッチを含む。
【0016】
更に多くの実施形態では、上部プラットフォームおよび枢動可能に接続された長手方向側壁は、一度に一方のみが支持構造に対して回転することができるように、ヒンジ結合されている。
【0017】
更に多くの実施形態は、上部プラットフォームを支持構造に対する回転から守るように構成された少なくとも1つのラッチを含む。
【0018】
いくつかの実施形態は、
プラットフォームを支持するフレームであって、前記フレームおよびプラットフォームは、その長手方向軸に沿って枢動可能に相互接続された少なくとも前部および後部から形成されることにより、前記部分が互いに一列に配置される第1の位置と、前記部分が隣接する平行な平面に配置される第2の位置との間で、前記少なくとも2つの部分を回転可能とする、フレームと、
少なくとも2セットのホイールであって、少なくとも1セットのホイールは前部に配置され、かつ少なくとも1セットのホイールは後部に配置されており、前記部分が第2の位置に配置されるとき、ホイールのセットが重なり合う、少なくとも2セットのホイールと、
を含み、
第1の位置において、後部が同じ高さに配置されるように、後輪がフレームおよびプラットフォームに対して枢動可能であり、かつ第2の位置において、後部が前部よりも低い高さに配置されている、コンパクト化が可能な運搬装置を対象とする。
【0019】
更にいくつかの実施形態では、前部に単一のホイールが配置され、かつ後部に2つのホイールのセットが配置される。
【0020】
更にいくつかの実施形態では、プラットフォームは、更に、第2の位置に配置されたときに、前部の単一のホイールが少なくとも部分的にそれを通過するように構成された中央開口部を備える。
【0021】
更にいくつかの実施形態は、前部に配置されたサージブレーキ機構を含む。
【0022】
更に多くの実施形態では、サージブレーキ機構は、
運搬装置フレームと相互接続された少なくとも第1のブレーキ支持部材と、
第1のブレーキ支持部材と枢動可能に相互接続され、かつ第2のブレーキ支持部材の遠位端で推進装置と相互接続するように構成された少なくとも第2のブレーキ支持部材と、
第2のブレーキ支持部材に固定的に相互接続された空気圧シリンダと、その上に配置された弾性部材を有するロッドであって、第1の端部にて空気圧シリンダ内にスライド式に係合し、かつ第1のブレーキ支持部材に固定的に相互接続されているロッドとを有する空気圧ブレーキ要素と、
を含み、
第1のブレーキ支持部材が第2のブレーキ支持部材の方向に旋回されると、ロッドがブレーキ機構を適用して空気圧シリンダに押し込まれる。
【0023】
多様な実施形態は、
プラットフォームを支持するフレームであって、前記フレームおよびプラットフォームは、その長手方向軸に沿って枢動可能に相互接続された少なくとも前部および後部から形成されることにより、前記部分が互いに一列に配置される第1の位置と、前記部分が隣接する平行な平面に配置される第2の位置との間で、前記少なくとも2つの部分を回転可能とする、フレームと、
少なくとも2セットのホイールであって、少なくとも1セットのホイールは前部に配置され、かつ少なくとも1セットのホイールは後部に配置されており、前記部分が第2の位置に配置されるとき、ホイールのセットが重なり合う、少なくとも2セットのホイールと、
を含み、
第1の位置において、後部が同じ高さに配置されるように、後輪がフレームおよびプラットフォームに対して枢動可能であり、かつ第2の位置において、後部が前部よりも低い高さに配置されており、
プラットフォームは、
互いに平行に配置された一対の長手方向側壁要素と、互いに平行に配置された一対の短手方向端壁要素とを含む支持構造であって、側壁および端壁要素は、前記側壁および端壁要素が、側壁および端壁が互いに直交して配置されて内部容積を形成する第1の壁位置と、側壁および端壁が互いに平行に配置される第2の壁位置との間で回転することができるように、各端部にて互いに枢動可能に相互接続されている、支持構造と、
内部プラットフォーム要素が側壁および端壁に平行に配置される第1のプラットフォーム位置と、前記内部プラットフォーム要素が側壁および端壁に垂直に配置される第2のプラットフォーム位置との間で、前記内部プラットフォーム要素が回転することができるように、少なくとも、その上端で側壁または端壁要素のいずれか一方に枢動可能に相互接続された上部プラットフォーム要素と、その下端で側壁または端壁要素のいずれか一方に枢動可能に相互接続された下部プラットフォーム要素と、
下部プラットフォームの下に配置された複数のホイールであって、少なくとも1つのホイールがカートの各コーナーに配置されている、複数のホイールと、
を含み、
上部または下部プラットフォーム要素のうち少なくとも一方が第2のプラットフォーム位置に配置されたとき、カートの要素は、側壁および端壁要素が旋回するのを防ぐように構成されている、コンパクト化が可能なカートを支持するように構成されている、コンパクト化が可能な運搬装置を含む配送システムを対象とする。
【0024】
更に様々な実施形態は、コンパクト化が可能な運搬装置と相互接続可能な推進装置を含む。
【0025】
更に様々な実施形態では、推進装置は、コンパクト化が可能な電動スクータである。
【0026】
実施形態はまた、
商品を物流センターへ配送するステップと、
互いに平行に配置された一対の長手方向側壁要素と、互いに平行に配置された一対の短手方向端壁要素とを含む支持構造であって、側壁および端壁要素は、前記側壁および端壁要素が、側壁および端壁が互いに直交して配置されて内部容積を形成する第1の壁位置と、側壁および端壁が互いに平行に配置される第2の壁位置との間で回転することができるように、各端部にて互いに枢動可能に相互接続されている、支持構造と、
内部プラットフォーム要素が側壁および端壁に平行に配置される第1のプラットフォーム位置と、前記内部プラットフォーム要素が側壁および端壁に垂直に配置される第2のプラットフォーム位置との間で、前記内部プラットフォーム要素が回転することができるように、少なくとも、その上端で側壁または端壁要素のいずれか一方に枢動可能に相互接続された上部プラットフォーム要素と、その下端で側壁または端壁要素のいずれか一方に枢動可能に相互接続された下部プラットフォーム要素と、
下部プラットフォームの下に配置された複数のホイールであって、少なくとも1つのホイールがカートの各コーナーに配置されている、複数のホイールと、
を含み、
上部または下部プラットフォーム要素のうち少なくとも一方が第2のプラットフォーム位置に配置されたとき、カートの要素は、側壁および端壁要素が旋回するのを防ぐように構成されている、
1つ以上のコンパクト化が可能なカート上に前記商品を整理するステップと、
プラットフォームを支持するフレームであって、前記フレームおよびプラットフォームは、その長手方向軸に沿って枢動可能に相互接続された少なくとも前部および後部から形成されることにより、前記部分が互いに一列に配置される第1の位置と、前記部分が隣接する平行な平面に配置される第2の位置との間で、前記少なくとも2つの部分を回転可能とする、フレームと、
少なくとも2セットのホイールであって、少なくとも1セットのホイールは前部に配置され、かつ少なくとも1セットのホイールは後部に配置されており、前記部分が第2の位置に配置されるとき、ホイールのセットが重なり合う、少なくとも2セットのホイールと、
を含み、
第1の位置において、後部が同じ高さに配置されるように、後輪がフレームおよびプラットフォームに対して枢動可能であり、かつ第2の位置において、後部が前部よりも低い高さに配置されている、
1つ以上のコンパクト化が可能な運搬装置に前記コンパクト化が可能なカートを積載するステップと、
各コンパクト化が可能な運搬装置を推進システムと相互接続して、前記商品を配送するステップと、
を含む、荷物を配送する方法を対象とする。
【0027】
更なる実施形態および特徴は、以下の説明に部分的に記載されており、また、一部は、明細書を検討することで当業者に明らかになるか、または開示された主題の実施によって学習することができる。本開示の性質および利点の更なる理解は、本開示の一部を形成する明細書および図面の残りの部分を参照することによって実現することができる。
【0028】
本発明のこれらおよび他の特徴および利点は、付随するデータおよび図面と併せて検討した場合、以下の詳細な説明を参照することによってよりよく理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】実施形態による、マルチレベル配送システムのフローチャートである。
【
図2A】実施形態による、コンパクト化が可能なコンテナの概略図である。
【
図2B】実施形態による、コンパクト化が可能なコンテナの概略図である。
【
図2C】実施形態による、コンパクト化が可能なコンテナの概略図である。
【
図3】先行技術による、トラック積載スキームの概略図である。
【
図4】実施形態による、トラック積載スキームの概略図である。
【
図5】先行技術による、コンテナ積載スキームの概略図である。
【
図6】実施形態による、コンテナ積載スキームの概略図である。
【
図7】実施形態による、コンパクト化が可能なコンテナの概略斜視図である。
【
図8A】実施形態による、展開構成にあるコンパクト化が可能なコンテナの概略側面図である。
【
図8B】実施形態による、コンパクト化された構成にあるコンパクト化が可能なコンテナの概略側面図である。
【
図9】実施形態による、コンパクト化が可能なコンテナの概略上面斜視図である。
【
図10】実施形態による、完全に包囲されたコンパクト化が可能なコンテナの概略斜視図である。
【
図11A】実施形態による、折り畳み可能な側壁を備えたコンパクト化が可能なコンテナの概略斜視図である。
【
図11B】実施形態による、折り畳み可能な側壁を備えたコンパクト化が可能なコンテナの概略斜視図である。
【
図12】実施形態による、上部プラットフォームが開口しているコンパクト化が可能なコンテナの概略斜視図である。
【
図13】実施形態による、コンパクト化が可能なコンテナのヒンジ機構の拡大概略図である。
【
図14】実施形態による、コンパクト化が可能なコンテナのヒンジ機構の拡大概略図である。
【
図15A】実施形態による、折り畳み可能な内部プラットフォームを備えたコンパクト化が可能なコンテナの概略斜視図である。
【
図15B】実施形態による、折り畳み可能な内部プラットフォームを備えたコンパクト化が可能なコンテナの概略斜視図である。
【
図16】実施形態による、コンパクト化が可能なコンテナを折り畳む方法の概略図である。
【
図17A】実施形態による、コンパクト化が可能なコンテナの折り畳みの概略上面図である。
【
図17B】実施形態による、コンパクト化が可能なコンテナの折り畳みの概略上面図である。
【
図17C】実施形態による、コンパクト化が可能なコンテナの折り畳みの概略上面図である。
【
図18】実施形態による、多数の積み重ねられたコンパクト化が可能なコンテナの概略図である。
【
図19】先行技術による、運搬装置ステージングスキームの概略図である。
【
図20】実施形態による、運搬装置ステージングスキームの概略図である。
【
図21A】実施形態による、展開構成にあるコンパクト化が可能な運搬装置の概略上面斜視図である。
【
図21B】実施形態による、折り畳まれた構成にあるコンパクト化が可能な運搬装置の概略上面斜視図である。
【
図22】実施形態による、コンパクト化が可能な運搬装置の概略底面斜視図である。
【
図23】実施形態による、上昇構成にあるコンパクト化が可能な運搬装置の概略側面図である。
【
図24】実施形態による、下降構成にあるコンパクト化が可能な運搬装置の概略側面図である。
【
図25】実施形態による、積載されたコンパクト化が可能な運搬装置の概略側面図である。
【
図26】実施形態による、積載されたコンパクト化が可能な運搬装置の概略上面図である。
【
図27】実施形態による、ブレーキ機構の概略斜視図である。
【
図28】実施形態による、動作中のブレーキ機構の概略図である。
【
図29】実施形態による、動作中のブレーキ機構の概略図である。
【
図30】実施形態による、積載中に上昇構成にあるコンパクト化が可能な運搬装置の概略側面図である。
【
図31】実施形態による、積載中に下降構成にあるコンパクト化が可能な運搬装置の概略側面図である。
【
図32】実施形態による、推進装置に接続された、積載されたコンパクト化が可能な運搬装置の概略上面図である。
【
図33】実施形態による、推進装置に接続された、積載されたコンパクト化が可能な運搬装置の概略上面図である。
【
図34】実施形態による、コンパクト化が可能なコンテナ、運搬装置、および推進システムを組み込んだ配送システムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本明細書に記載の本発明の実施形態は、網羅的であること、または本発明を開示されたまさにその形態に限定することを意図するものではない。むしろ、説明のために選択された実施形態は、当業者が本発明を実施することを可能にするように選択されたものである。
【0031】
次に図面を参照すると、マルチレベル配送システムおよびそれに関連する様々な装置が提示されている。多くの実施形態では、マルチレベル配送システムは、単独で、または他のそのような要素と組み合わせて機能することができる、多数の統合されたモジュール式の交換可能かつコンパクト化が可能な要素を含むことにより、同等の従来の配送システムと比較して、全体的な空間的フットプリントがより小さい配送システムの展開を可能にする。組み合わせて配送システムを形成する装置の実施形態は、コンパクト化が可能なコンテナカート、コンパクト化が可能なカート運搬装置またはトレーラ、および推進手段のうちの1つ以上を含むことができる。これらの要素または装置は、統合システムとして一緒に、または互換性のある従来の装置と共に、任意の組み合わせで展開することができる。組み合わせることで、実施形態による配送システムは、スペース効率を最大化し、任意の環境および規模への適応を可能にする。
【0032】
オンラインマーケットプレイス配送の台頭により、より具体的には、人口密集地における配送は、重大な課題を提示している。具体的には、首都圏外の倉庫は市内への出荷用の商品を効率的に保管することができる一方、倉庫から市内中心部の顧客に商品を運搬するラストマイル配送は、非常に複雑である。通常、荷送人は、倉庫からトラックで顧客に直接的に全てを輸送する機能に依存している。非効率的かつ環境破壊的ではあるが、より密度の低い地域では直接輸送が可能である一方、密度の高い都市では大型トラックの路上駐車が不十分であるか、または利用することができない。これらの高密度の都市部のコースでは、荷送人が市内の物流センターのインフラストラクチャを開発する必要があり、ここから、大型トラックから、多くの場合自転車やカート配送車両を含むより小型の車両に配送物を移送することができる。
【0033】
そのような物流センターおよびよりローカルな配送手段により、路上駐車の問題に対処することができるが、現在の解決策は扱いにくく、非効率的である。具体的には、市内中心部の流通場所の必要性は、荷送人のコストを増加させる。更に、既存の都市型配達車両は大型かつ柔軟性がなく、使用中および非使用時に保管されているときの両方において過剰なスペースを必要とする。また、これらの配送用車両の多くは、単にユースケース向けに設計されていないため、十分な耐久性またはタスクとの互換性がない。最後に、配達は1日および1年のうち特定の時間帯に急増する傾向がある。現在の配送用車両では、ダウンタイム中に効率的な保管ができず、即ち配送容量の追加は困難または不可能である。本開示の実施形態は、空間効率が高く、柔軟性があり、多くの異なる配送方法と互換性があるマルチレベル配送システムを対象としている。
【0034】
図面を参照すると、多くの実施形態は、統合的な配送システムを作成するために組み合わせて使用可能ないくつかのレベルの異なる装置を含むことができる。
図1に示すように、様々なそのような実施形態は、電動または非電動カート等のコンテナと、コンテナを物流センターから顧客に移動するための運搬装置またはトレーラと、自転車、eバイク、人力車、電動スクータ等の推進装置とを含むことができる。これらの配送装置は、非使用時に配送用構成要素を保管するための静的または可動ポッドと組み合わせることもできる。コンテナ、運搬装置、および推進装置の特定の実施形態が以下のセクションに記載されているが、実施形態に従って組み合わせて使用される場合、これらの装置は、より広範囲に、特定のニーズに応じて異なる構成で互換性のある要素を組み合わせることができることを理解されよう。
【0035】
〔コンパクト化が可能なコンテナを実装する実施形態〕
様々な実施形態には、少なくとも2つの動作構成を有するコンパクト化が可能なホイール付きカートコンテナが組み込まれている。多くのそのような実施形態では、
図2A~
図2Cに示すように、コンパクト化が可能なカートは、長手方向および短手方向の側壁が互いに直交し、かつ内部プラットフォームが側壁の平面に直交する水平構成に設定されている第1の展開構成と、長手方向および短手方向の側壁の両方が互いに平行に配置され、かつ内部プラットフォームが側壁の平面に平行な構成に折り畳まれている、少なくとも第2のコンパクト化された構成とを有する。他の様々な実施形態では、内部プラットフォームの各レベルは、2つの別個のヒンジ付きプラットフォーム要素から形成されている。いくつかの実施形態では、短手方向壁の2つの端縁はそれぞれ、長手方向壁の異なる端縁に枢動可能に接続されている。様々な実施形態において、側壁のうち少なくとも1つは、2つの側壁部分から構成され、これらは互いに枢動可能に接続されている。多くのこうした実施形態では、2つの側壁部分のうちの一方が、それ自体、2つの隣接する側壁の間に渡るように構成された側壁支持梁に枢動可能に接続されている。いくつかの実施形態は、更に、それ自体が、側壁のうちの少なくとも1つの端縁に沿って枢動可能に接続された上部を含む。
【0036】
そのようなカートコンテナを使用することにより、現在の配送インフラストラクチャに関する多数の特定の問題に対処する。
図3に示すように、従来の配送システムでは、製品は倉庫からパレットで物流センターに配送され、(多くの場合、歩道等の公共の通路上のスペースが利用できない場所に)荷降ろしした後、仕分け、整理、および配送カートに積み替えて、次いで配送用に展開しなければならない。実施形態による統合的な配送システムを使用することにより、
図4に示されるように、配送は整理され、分類され、かつ倉庫でカートコンテナに積み込まれ、事前に積み込まれた構成で物流センターに直接的に出荷することができる。
【0037】
更に、製品が従来のパレットシステムを使用して物流センターに配送される場合でさえ、実施形態は、そのような製品のより効率的な整理および分類を可能にする。具体的には、
図5に示すように、物流センターで製品を分類する現在の方法は、秩序がなく面倒である。通常、製品は、配送コンテナが保管されている中央の開放エリアの周囲の棚に配置される。次に、製品が棚から選択され、配送のために適切なコンテナに挿入される。このようなシステムは時間がかかり、整理の流れが欠如しているため、選別者は様々な棚とコンテナとの間を何度も往復する必要がある。対照的に、実施形態は、
図6に示すように、コンパクト化が可能なホイール付きカートが中央領域に配置され、展開され、次いで体系的な競走場方式で物流センターの棚の周りを移動するシステムを提案する。そのような一方向の流れは、実施形態によるカートコンテナ内の配送の効率的な分類および整理を可能にする。
【0038】
このようなシステムは、
図6A~
図6Cに説明および示されるように、中央の競走場システムを物流センターの設置面積内に配置することができるように、カートコンテナの実施形態が、コンパクト化が可能である場合にのみ可能である。実施形態によるそのようなコンパクト化が可能なコンテナカートの構築は、
図7~
図17に関してより詳細に論じられる。
【0039】
図7に示すように、多くの実施形態において、コンパクト化が可能なカート(10)は、上部(14)、下部(16)および中間(18)の細長い支持体を有する一対のサイドフレーム構造(12および12´)と、各フレーム構造の下梁に沿って配置された少なくとも2セットのホイール(20および20´)とを含む。多くの実施形態では、フレーム構造は、それ自体が上部、下部、および中間の支持体を含み得る一対の端部部材(22および22´)を少なくとも介して互いに枢動可能に相互接続されている。(
図7または
図8Aには示されていないが、任意の数量の枢動可能な梁が2つの端部部材(22および22´)間のサイドフレーム構造を相互接続することができることに留意されたい。例えば、枢動可能な中間部材(23)の例が
図9に示されている。)
【0040】
サイドフレーム構造を相互接続する梁の数に関係なく、各梁は、各端部にて、2つのサイドフレーム構造のうちの1つのポイントに枢動可能に接続される。これらの枢動可能な梁は、フレーム構造が、互いに直交して配置されて、(
図8Aに示すように)上に配達物を配置することができる内部容積(25)、または(
図8Bに示すように)一連の積み重ねられた平行要素を形成する平行なフレームの対(側面12および12´並びに端部22および22´)として構成することができるように構成される。
【0041】
様々な実施形態において、図面に示されるように、カートコンテナは、更に、開放されているか、またはサイドフレーム構造(12および12´)並びに端部部材(22および22´)を被覆するように構成された一連の壁を含むことで、保管されているアイテムを要素から保護することができる。様々な壁は単一の構造であり得るが、壁が内部容積を被覆するならば、いずれの壁も任意の所望の長さおよび高さの複数の部分から形成され得ることを理解されたい。これらの複数の部分はまた、壁を移動させて内部容積を露出させることができるように、互いに対して枢動可能であってもよい。そのようなコンパクト化が可能なカートの例示的な実施形態が
図10および
図11A~
図11Bに示されている。図示するように、いくつかのそのような実施形態では、壁(本実施例では側壁(24)のうちの1つ)は、互いに枢動可能に接続された上部(28)および下部(28´)から形成される(30)。実施形態では、壁は、単一であろうとセグメント化されていようと、内部容積にアクセスすることができるように、フレーム(11)に枢動可能に接続することができる(32)。
【0042】
いくつかのそのような実施形態では、1つより多くまたは全ての壁は、従って、カートのフレームに対してセグメント化されるおよび/または枢動可能であることができる。様々な実施形態において、
図12に示すように、カートの上壁(34)は、カートの内部容積(25)にアクセスすることができるように、フレーム(11)の上部に枢動可能に接続されている。多くのそのような実施形態では、枢動可能な壁は、一連のラッチ(36)を介して(
図10~
図14のいずれかに示すように)閉鎖位置に固定することで、フレーム要素が互いに対して旋回するのを防ぐことができる。同様に、他の枢動可能な壁(例えば、側壁(28/28´))は、一連の同様のラッチ(38)を介して所定位置に固定することができる。
【0043】
各壁の特定の設計に関係なく、多くの実施形態では、コンパクト化が可能なカートの壁は、それぞれ剛性材料から製造されており、1つ以上の部分を有する1つ以上のパネルを含む。いくつかの実施形態では、側壁パネルはそれぞれ、各フレームの長さに渡るように構成することができる。多くのそのような実施形態では、(例えば、
図10に示すように)側壁が完全に伸長されている場合、各側壁パネルは、各フレーム支持体の間に渡っており、各折り畳み式パネルは、壁パネルの組み合わせがカートの内部を完全に包囲し、画定するように、ケアの各側で接触する。多くの実施形態では、カートの各側壁または端壁に対して、1つ以上のパネルが、少なくともフレーム梁のうちの1つおよび/または他の壁のうちの1つに枢動可能に取り付けられている。
【0044】
一実施形態では、
図13および
図14に示すように、上壁(34)および他の側壁または端壁のうちの少なくとも1つ(例えば、24)は、上部または側面のうちのいずれか一方のみが同時に旋回することができるように、互いに枢動可能に取り付けられている(40)。例えば、様々な実施形態において、前側壁(24)は、上壁(34)が所定位置にラッチされている場合にのみ、上方に旋回して内側容積を露出させることができる。次に、上壁(34)は、側壁(24)が所定位置にラッチされている場合にのみ枢動可能である。
【0045】
壁は、1つまたは2つのパネル部分のいずれかから形成されるように示されているが、側壁が前壁と後壁との間の距離に渡ることができるように、任意の数量のパネルおよびセクションを使用することができ、かつ内部容積にアクセスすることができるように折り畳むことができることを理解されたい。
【0046】
多くの実施形態では、壁のうち少なくとも1つは、
図10に示すように、更に、その面の一部に沿って配置されることで、壁の開閉を補助する少なくとも1つのハンドル(41)を含む。様々な実施形態において、パネルは、更に、壁が展開構成に配置されるとき、カートが所定位置に安定的に固定されることを確実とするようにラッチすることができる協働ラッチ(35および38)を含むことができる。いくつかのそのような実施形態では、ラッチのセットのうち少なくとも1つは、壁パネルの端縁に沿って配置される。様々な実施形態において、ラッチは、面ファスナ、ボタン、スナップ、ジッパー等からなる群から選択することができる。
【0047】
図15Aおよび
図15Bに示すように、様々な実施形態では、カートは、フレーム(例えば、12および12´)にも枢動可能に接続されている1セットの内部プラットフォーム(42および44)を備える。多くのそのような実施形態では、内部プラットフォーム(42および44)は、それらが、カートの壁に対して旋回して、カートの側壁に平行に、または側壁に垂直に配置されることで、1セットの水平プラットフォームを形成するように、複数の部分(42´および42´´並びに44´および44´´)で形成される。枢動可能な中間部材(例えば、23)がカートに存在する実施形態では、内部プラットフォームは、展開構成においてカートに更なる安定性を提供するためにその上に載置されてもよい。多くの実施形態では、内部プラットフォームは、カートの中心点から外向きに少なくとも90度の弧で枢動可能であり、従って、
図15Bに示すように、カートの側壁に対して内部プラットフォームを折り畳む。図面には2つの内部プラットフォームが示されているが、カートの内部容積内には任意の数量の内部プラットフォームを配置することができることを理解されよう。更に、内部プラットフォームは、カートの側壁と枢動可能に相互接続されているように示されているが、プラットフォームは、端壁とも相互接続され得ることが理解されるであろう。
【0048】
図面には2セットの2つのホイールが示されているが、任意の数量のホイールを含む任意の数量のセットのホイールを配置することで、ワゴン、およびワゴンプラットフォームの各セクションに安定性を提供し、かつホイールセットの回転運動を介して移動する機能を提供することができることが理解されよう。多くのそのような実施形態では、後部および前部のホイールのセットは、ワゴンに安定性を提供するのに十分な量だけ互いに対してオフセットされている。いくつかのそのような実施形態では、ホイールのセットは、水平プラットフォームの両端の近位に配置される。様々なそのような実施形態では、少なくとも1対のホイールは、更に、それに機械的に相互接続されたハンドルを含むことができる。いくつかのそのような実施形態では、ホイールのセットの一方または両方は、ホイールのセットの方向を制御することができるように、ワゴンの水平プラットフォームの長手方向軸に垂直な軸を中心に枢動可能である。
【0049】
図16に示すように、様々な実施形態において、フレームおよび壁は全て、フレーム/壁パネルが一緒に平らに折り畳まれ、かつ完全にコンパクト化された構成にあるときにフレーム/パネルが全て互いに平行に配置されるよう入れ子になるように、互いにヒンジ結合されるまたは折り畳み可能である。様々な実施形態において、ステップ1に示すように、カートは、カートの壁(側壁および端壁)に直交する配置から、壁(側壁および端壁)に平行な位置まで内部プラットフォームを持ち上げることによってコンパクト化の準備が整う。ステップ2では、上壁(存在する場合)が側壁の外面に対して平坦に折り畳まれる。ステップ3に示すように、カートのサイドフレームに渡るカートの様々な部分が取り外されると、(ステップ4に示すように)カートの様々なフレームおよび壁は、それらを一連の平行な平面に折り畳むことができるように、互いに対して枢動可能となる。上から見たこの折り畳みプロセスを示す一連の画像が
図17A~
図17Cに提供されている。
【0050】
図面には示されていないが、ワゴンが制御不能に展開するのを防ぐために、ロック、留め具、または保持ストラップ等の保持機構をカートに組み込んで、カートのフレームおよび壁が一旦ロックされると互いに移動するのを防ぐことができる。
【0051】
多くの実施形態が
図7~
図17を参照して上に説明されているが、他の実施形態もまた企図され得る。例えば、壁は、ワゴンの側面から取り外すことができるように取り外し可能であってもよい。様々な実施形態において、図示するように、そのような硬い壁は、例えば、スナップ、ボタン、ジッパーまたはフックアンドラッチファスナ等の締結具を介してワゴンに取り外し可能に取り付けられてもよい。コンパクト化が可能なカートの特定の構造に関係なく、実施形態によれば、こうしたコンパクト化が可能なカートは、例えば、
図18に示すように、互いに隣接して保管される場合、実質的なスペースの節約を可能にする。先に論じたように、そのような積み重ね性能は、配送システムの実施形態にとって重要な運用上の意味を有する。
【0052】
〔コンパクト化が可能な運搬装置を実装する実施形態〕
様々な実施形態はまた、少なくとも2つの動作構成を有する互換性のあるコンテナ(例えば、前述のコンテナカート)を支持するように構成および寸法決めされたコンパクト化が可能な運搬装置を組み込む。多くのそのような実施形態では、コンパクト化が可能な運搬装置は、
図21および
図30に示すように、運搬装置プラットフォームが単一の細長い水平面に構成される第1の展開構成と、運搬装置プラットフォームが互いに平行に配置された2つの隣接する長手方向平面に配置され、かつ内部プラットフォームが、側壁の平面に平行な構成に折り畳まれる、少なくとも第2のコンパクト化された構成とを有する。
【0053】
そのようなコンパクト化が可能な運搬装置の使用は、従来の配送システムに関する第2の問題に対処する。物流センターは、
図19に示すように、配達の準備が整ったコンテナを積み込むために、通りに沿って運搬装置を事前に配置する必要ある。しかしながら、そのようなトレーラまたは運搬装置を配置することができる通りの正面は一定量しかない。従って、従来の運搬装置やトレーラを使用することにより、一度に限られた数量のみしか配置することができず、後で使用するために保管されている運搬装置のために貴重な通りの間口を効率的に使用することもできない。実施形態によるコンパクト化が可能な運搬装置は、通りの間口の著しくより効率的な使用を可能にする。
図20に示すように、非使用時には非常に多数のコンパクト化が可能な運搬装置を保管し、次に必要時にはコンテナを積み込むために展開することが可能である。
【0054】
図21A、
図21B、および
図22に示すように、多くの実施形態において、コンパクト化が可能な運搬装置(100)は、フレームの内側のいずれかに配置される、立体シートであることができる運搬装置プラットフォーム(104)または図示したようなトラック(104´および104´´)を支持するフレーム構造(102)を含む。コンパクト化のために、運搬装置プラットフォームは、多くの実施形態において、使用中の運搬装置プラットフォームの意図しない旋回を防ぐようにロック可能(108´)であることができるヒンジ継手(108)によって相互接続された少なくとも2つのセクション(106および106´)に分割される。動作中、このヒンジはロック解除され、2つのセクションが互いに隣接する平行な平面に位置し、前輪110´および後輪110´´が重なり合い、(
図21Bに示すように)運搬装置プラットフォームのトラック104´と104´´との間に形成されたオープンスペース(109)を前輪が貫通するように、運搬装置プラットフォームの2つのセクションが互いに対して旋回する。提示される運搬装置は、フレーム構造と相互接続された3つのホイールを有するものとして示されているが、コンパクト化された構成にあるときに重なり合うことができる支持ホイールの任意の適切な配置が使用可能であることが理解されよう。図示するように、そのようなホイールは、使用中に道路の隆起を減衰させるように、弾性部材(すなわち、ばね等)(112)を用いてフレーム構造に相互接続してもよい。トレーラは、以下により詳細に説明するように、トレーラが推進装置と相互接続する前輪に近接して取り付けられて、ブレーキ中にトレーラが推進装置に衝突するのを防ぐ統合ヒッチブレーキシステム(114)も含むことができる。実施形態によるコンパクト化が可能な運搬装置を使用することにより、
図21Bに示されるように、非常に限られたスペースに多数のコンパクト化された運搬装置を積み重ねることが可能である。
【0055】
図23~
図25を参照すると、多くの実施形態では、コンパクト化が可能な運搬装置はまた、前輪(110´)に近接する部分が後輪(110´´)に近接する部分よりも高く配置されるように、かつ後輪に近接する部分が、コンテナカートを地面から運搬装置に転がすためのランプ構造として機能するのに十分に地面に近く配置されるように、運搬装置プラットフォーム(104)を旋回させる機構を備えるように構成される。そのようなランプ機構を含む実施形態では、運搬装置は、更に、フレーム(117)と更に枢動可能に相互接続された枢動可能に取り付けられた後輪車軸(116)と、例えばハンドル(118)等の適切な展開機構とを備える。(
図23および
図24に示すように)様々な実施形態において、旋回部材のこの組み合わせは、ハンドルの回転により、後輪のピボット点(116)が、
図23に示すように、運搬装置プラットフォーム(106´)の部分の水平面と一直線上にある第1の位置から、
図24に示すように、後輪の中心点が運搬装置プラットフォーム(106´)の部分の平面より上に延在する第2の位置まで、運搬装置プラットフォームの車軸および後部(106´)の連結された旋回がもたらされるように構成される。いくつかのそのような実施形態では、枢動部材(例えば、ハンドルおよび車軸)のうち少なくとも1つの間の連携は、下降または上昇位置のいずれかでの動作中に、車軸の所定位置への内在するロッキングが存在するように、弾性部材を介して相互接続される。そのようなランプ機構を利用することにより、
図25および
図26に示すように、輸送のために、実施形態によるホイール付きコンテナカート(120)をコンパクト化が可能な運搬装置(100)上に容易に転がすことができる。
【0056】
いくつかの実施形態は、
図27~
図29に例示的な形態で示されるように、統合された運搬装置ブレーキ機構を含むことができる。図示するように、例示的な実施形態では、そのようなブレーキ機構は、第1の支持部材(122)を介して運搬装置(100)に、および第2の支持部材(124)を介して推進装置に(例えば、従来のヒッチ機構を介して)相互接続されるように構成されたサージブレーキ機構(114)を含むことができ、これらは、少なくとも1つのヒンジ(125)を介して枢動可能に相互接続される。多くのそのような実施形態では、サージブレーキ機構は、第1の端部(128)(例えば、空気圧シリンダが配置される場所)で第2の支持部材に固定的に接続され、かつ第2の端部(130)(例えば、弾性部材が配置される場所)で第1の支持部材(122)に固定的に接続される空気圧ブレーキ(126)を備え、これは、第1および第2の支持部材が互いに対して移動するときに空気圧ブレーキ(126)の弾性の第2の端部(130)が空気圧シリンダ(128)の内外にスライドすることによって、運搬装置のホイール(134)と相互接続された関連するブレーキライン(132)に圧力を発生させ、かつ解放するように、空気圧シリンダにスライド式に係合する。注目すべきことに、サージブレーキ機構の多くの実施形態は、支持部材間の従来の設計のスライド関係を(
図28および
図29に示されるように)旋回動作に置き換えることによって、妨害の影響を受けにくい、より堅牢なブレーキ機構を作成する。
【0057】
運搬装置のニーリングメカニズムは、
図30および
図31に示すように、2つの異なるモードでの運搬装置の積み込みを可能にする。第1に、運搬装置がランプとして機能するように運搬装置プラットフォームが降下されている場合、コンテナは地面から積み込むことができる(
図30)。第2に、運搬装置プラットフォームがホイールの中心に水平な位置に留まる場合、運搬装置は、縁石または他の隆起したプラットフォームから直接積み込むことができるように構成することができる(
図31)。
【0058】
コンパクト化が可能な運搬装置の特定の一実施形態が本明細書に示されているが、配送システムの実施形態の他の要素が、例えば、その内容が参照により本明細書に組み込まれる特許文献1に記載のような、他の従来の運搬装置およびコンパクト化が可能な運搬装置を含む、他の運搬装置に組み込まれてもよいことが理解されよう。
【0059】
〔推進装置を実装する実施形態〕
前述のように、カートコンテナおよび運搬装置の実施形態は、自転車、eバイク、人力車、電動車両等を含む任意の適切な推進装置とともに使用することができる。多くの実施形態では、
図32および
図33に示すように、コンテナ(140)および運搬装置(142)自体と関連して使用される推進装置は、電動スクータ(144)の形態をとることができる。いくつかのそのような実施形態では、電動スクータ自体コンパクト化が可能であり、それによって、更に、全体的な配送システムの空間的フットプリントを低減することができる(例えば、各開示が参照により本明細書に組み込まれる、特許文献2、特許文献3、および特許文献4参照)。
図34に示すように、配送システムの統合された要素を組み合わせて、トラックから運搬装置、そして顧客への配送に対する完全なソリューションを提供することができる。
【0060】
〔均等論〕
本発明のこの説明は、例示および説明の目的で提示したものである。網羅的であること、または本発明を記載されたまさにその形態に限定することを意図するものではなく、上記の教示に照らして多くの修正および変形が可能である。実施形態は、本発明の原理およびその実際的応用を最もよく説明するために選択され、記載されている。この説明は、当業者が、様々な実施形態において、また特定の用途に適した様々な修正を加えて、本発明を最もよく利用および実施することを可能にするであろう。本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲によって定義される。
【国際調査報告】