(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-08
(54)【発明の名称】容器の分注部の製造方法および製造装置、並びに容器の分注部
(51)【国際特許分類】
B29C 43/34 20060101AFI20220601BHJP
B65D 25/42 20060101ALI20220601BHJP
【FI】
B29C43/34
B65D25/42
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021559184
(86)(22)【出願日】2020-04-03
(85)【翻訳文提出日】2021-11-16
(86)【国際出願番号】 IB2020053182
(87)【国際公開番号】W WO2020202085
(87)【国際公開日】2020-10-08
(31)【優先権主張番号】102019000005206
(32)【優先日】2019-04-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】509238432
【氏名又は名称】サチミ、コオペラティバ、メッカニーチ、イモラ、ソチエタ、コオペラティバ
【氏名又は名称原語表記】SACMI COOPERATIVA MECCANICI IMOLA SOCIETA’ COOPERATIVA
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100173794
【氏名又は名称】色部 暁義
(72)【発明者】
【氏名】ファブリツィオ プッチ
(72)【発明者】
【氏名】フィオレンツォ パリネッロ
【テーマコード(参考)】
3E062
4F204
【Fターム(参考)】
3E062AA09
3E062AB01
3E062KA04
3E062KB03
3E062KB17
4F204AA04
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4F204FN15
(57)【要約】
溶融状態にある連続的な高分子押出物(8)を分注するステップと、ほぼ平行六面体の形状を有する用量(14)であって、用量(14)を連続的な押出物(8)から分離する分離面(65)を有し、更に、分離面(65)に隣接する面(22)を有する用量(14)を、連続的な押出物(8)から分離するステップと、用量(14)を第1の金型部(23)および第2の金型部(24)を含む金型(11)に向けて搬送するステップと、第1の金型部(23)および第2の金型部(24)を、前記面(22)に対して横方向に配置された成形方向(Y)に一方から他方へ移動させることにより、用量(14)を金型(11)内で成形するステップによって、容器の分注部(2;102)を取得するステップと、を順に含む方法。分注部(2;102)は、容器本体に接合されるのに適した端縁ゾーン(3;103)と、容器に収容された製品を分注することができる経路(50)を包囲するネック(4;104)と、前記製品を流出させることができるように、成形ステップ後に開口されることが意図される経路(50)を閉鎖する膜(43;143)と、を含む。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
-溶融状態にある連続的な高分子押出物(8)を分注するステップと、
-ほぼ平行六面体の形状を有し、前記用量(14)を前記連続的な押出物(8)から分離する分離面(65)を有し、更に、前記分離面(65)に隣接する面(22)を有する用量(14)を、前記連続的な押出物(8)から分離するステップと、
-前記用量(14)を第1の金型部(23)および第2の金型部(24)を含む金型(11)に向けて搬送するステップと、
-前記第1の金型部(23)および前記第2の金型部(24)を、前記面(22)に対して横方向に配置された成形方向(Y)に一方から他方へ移動させることにより、前記用量(14)を前記金型(11)内で成形することによって、容器の分注部(2;102)を取得する成形ステップと、
を順に含む方法であって、前記分注部(2;102)は、
-容器本体に接合されるのに適した端縁ゾーン(3;103)と、
-前記容器に収容された製品を分注することができる経路(50)を包囲するネック(4;104)と、
-前記製品を流出させることができるように、前記成形ステップ後に開口されることが意図される経路(50)を閉鎖する膜(43;143)と、
を含む、方法。
【請求項2】
前記用量(14)は、多層構造を有し、前記面(22)にほぼ平行に配置された複数の層(20、21)を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ネック(4;104)に閉鎖要素を適用する前に、前記膜(43;143)を前記金型(11)の下流の位置に除去することによって前記経路(50)を開放する、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記分注部(2;102)の端部(60)を、周囲に前記ネック(4;104)が延在する軸(Z)に対して横方向に、例えば垂直に配置された切断面(P1)に沿って切断することによって、前記膜(43;143)を除去することにより、前記切断面(P1)に自由端縁(159)を形成する、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記分注部(2;102)の端部(60)を、前記端縁ゾーン(3;103)に面する凹部を有する凸状突起状に成形する、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記膜(43;143)を閉鎖した切断線に沿って前方に切断することによって、前記膜(43;143)を除去する、請求項3に記載の方法。
【請求項7】
前記閉鎖した切断線は、前記ネック(4)と同心の円形切断線である、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記膜(43;143)を穿孔または除去するユーザによって、前記経路(50)を開放する、請求項1または2に記載の方法。
【請求項9】
前記搬送ステップの間、前記用量(14)が前記分注ステップの最後に有する初期配向から、前記面(22)が前記成形方向に対して横方向に、例えば垂直に配置される最終的な配向に前記用量(14)が通過するように、前記用量(14)の配向を変更する、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記初期配向において、前記成形方向(Y)に平行に配置された平面内に前記面(22)を実質的に配置する、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記搬送ステップにおいて、前記用量は、前記金型(11)に向けた経路に沿って移動運動を実行し、前記移動運動に加えて、前記配向を変更するために回転運動を実行する、請求項9または10に記載の方法。
【請求項12】
前記第1の金型部(23)は、パンチ(25)を含み、前記第2の金型部(24)には、キャビティ(26)が画定可能であり、前記パンチ(25)は前記キャビティ(26)の下方に配置されている、請求項1~11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記パンチ(25)は、その上方領域において、平坦な載置面(37)によって画定されており、前記最終的な配向において、前記用量(14)の前記面(22)は、前記載置面(37)に面しており、前記用量(14)の前記面(22)は、特に前記載置面(37)とほぼ平行である、請求項9~11のいずれか一項に従属する場合の請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記膜(43;143)は、前記分注部(2;102)の中間部分(6)の厚さよりも小さい厚さを有し、前記中間部分(6)は、前記ネック(4;104)と前記端縁ゾーン(3;103)との間に介在している、請求項1~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記膜(43;143)には、互いに異なる材料の少なくとも2つの層(55、56、57)が存在し、これが分注部(2;102)を形成する、請求項1~14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
-溶融状態にある連続的な高分子押出物(8)を分注するための分注装置(7)と、
-ほぼ平行六面体の形状を有する用量(14)であって、前記用量(14)を前記連続的な押出物(8)から分離する分離面(65)と、前記分離面(65)に隣接する面(22)とを有する前記用量(14)を、前記連続的な押出物(8)から分離するように構成された分離要素(19)と、
-第1の金型部(23)および第2の金型部(24)を含む少なくとも1つの金型(11)であって、前記第1の金型部(23)および前記第2の金型部(24)は、成形方向(Y)に沿って、前記第1の金型部(23)と前記第2の金型部(24)との間に、容器の分注部(2;102)を取得するように構成された形成チャンバが画定される閉鎖位置と、開放位置との間を互いに対して移動可能である、少なくとも1つの金型(11)と、
-前記用量(14)を前記金型(11)に向かう経路に沿って搬送するための少なくとも1つの搬送要素(13)と、
-前記搬送要素(13)を前記経路に沿って移動させるための第1の移動装置と、
-前記用量(14)が前記金型(11)に解放される最終的な配向が達成されるまで前記用量(14)の配向を変更するために、前記経路中で前記搬送要素(13)を旋回させるための第2の移動装置であって、前記面(22)は前記最終的な配向において前記成形方向(Y)に対して横方向に配置される、第2の移動装置と、
を備える、装置。
【請求項17】
前記第1の金型部(23)は、前記分注部(2;102)の内面を成形することを意図したパンチ(25)を備え、前記第2の金型部(24)にはキャビティ(26)が画定可能であり、前記キャビティ(26)は、前記分注部(2;102)の外面を成形することを意図しており、前記第1の金型部(23)は、前記第2の金型部(24)の下方に位置する、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
容器用の分注部であって、前記分注部(2;102)は、高分子材料の少なくとも2つの層(55、56、57)を含む多層構造を有し、前記分注部(2;102)は、
-容器本体に接合するのに適した端縁ゾーン(3;103)と、
-長手方向軸(Z)を中心に延在し、かつ前記容器に収容された製品を分注することができる経路(50)を包囲するネック(4;104)と、
を含み、前記ネック(4;104)は、前記端縁ゾーン(3;103)とは反対側にて、前記長手方向軸(Z)に対して横方向に配置された平面(P1)に位置する自由端縁(159)によって画定されており、前記高分子材料の少なくとも2つの層(55、56、57)は、どちらも前記自由端縁(159)上に出現している、分注部。
【請求項19】
前記高分子材料の少なくとも2つの層(55、56)は、前記自由端縁(159)上に出現する少なくとも1つのバリア層(55)を含む、請求項18に記載の分注部。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧縮成形によって、容器に収容された製品を分注することができる、容器の分注部を製造するための方法および装置に関する。
【背景技術】
【0002】
「頭部」、「肩部」、または「スパウト」とも称される分注部は、使用時に、容器内に存在する製品を流出させるための経路を画定するように、容器本体に接合されることが意図されている。
【0003】
分注部は、例えば、押潰し可能な容器を得るために容器本体に接合するのに適していてもよい。押潰し可能な容器は、クリームまたは歯磨き粉等の化粧品、マヨネーズまたはソース等の食品、医薬品等を収容することを意図したチューブ包装体であってもよい。あるいは、押潰し可能な容器は、ヨーグルト、フルーツジュースまたは他の飲料等の食品を収容するのに適したタイプのパウチ包装体であってもよい。
【0004】
分注部はまた、紙から製造された少なくとも1つの層と高分子材料から製造された1つの層とを含む積層材料から製造された容器本体のような、半剛性の容器本体に接合するのに適していてもよい。
【0005】
あるいは、分注部は、剛性の容器本体、例えば、高分子材料から製造されたボトル本体に接合されてもよい。
【0006】
本発明による方法および装置は、多層構造を有する、特に、高分子材料から製造された複数の層を含む、または単層構造を有する、すなわち、単層の高分子材料を含む、容器の分注部を得ることを可能にする。
【0007】
本発明は、更に、押潰し可能な容器、または半剛性あるいは剛性の容器を形成するように、容器本体に接合されるように意図された容器の分注部に関する。
【0008】
二層の高分子材料を含む容器のための、特に押潰し可能なチューブ包装体のための分注部または頭部は周知である。特に、先行技術の頭部は、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)から製造された、ガスバリア性を有する内層と、例えば、ポリエチレン(PE)から製造された、押潰し可能なチューブ包装体を得るためにチューブに溶接されるように意図された外層とを含むことができる。
【0009】
上述したタイプの頭部は、2つの予備加工された頭部要素、すなわち、例えば、PET製であって、頭部の内層を形成するように意図された内側の予備加工要素と、例えば、PE製であって、頭部の外層を形成するように意図された外側の予備加工要素とを製造することによって得られる。2つの予備加工された要素は、例えば、圧縮成形によって製造することができる。続いて、2つの予備加工された要素は、頭部を得るように組み立てられる。
【0010】
容器用の頭部を製造するための上述した方法の欠点は、比較的長い製造時間を伴う点である。実際、個々の予備加工された頭部要素の製造に加えて、2つの予備加工された要素を接合するために追加の組立作業が必要であり、これは生産時間を増加させ、結果的にコストを増加させる。
【0011】
更に、上述した方法で製造された容器用の頭部は、リサイクルが困難である。実際、別々に取り扱い可能な2つの予備加工された頭部要素を製造するために、予備加工された要素はそれぞれ、所定の最小厚さを有し、かつ、結果的に所定の最小重量を有していなければならない。これは、各予備加工された要素が、それを別々に取り扱うことを可能にする最小構造強度を有することを確実にするためである。従って、予備加工された頭部要素を形成する各材料は、完成した頭部においてかなりの量で存在する。結果的に、2つの予備加工された頭部要素を形成する高分子材料は、2つの予備加工された頭部要素が互いに分離されている場合にのみリサイクル可能であり、これは非常に困難である。
【0012】
単層構造を有する、すなわち、単一の高分子材料を使用して製造された、環状形状を有する用量、すなわち、頭部に分注開口部を形成するように意図された穴を設けた用量を圧縮成形することによって製造された、先行技術による容器用の頭部も存在する。
【0013】
しかしながら、環状の用量は、取得および取り扱いが非常に困難であるという欠点を有する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明の目的は、容器用の分注部を製造するための方法および装置、並びに、既知のタイプの容器の分注部を改善することである。
【0015】
別の目的は、簡単に、かつ生産性の良い、容器用の分注部の製造を可能にする方法および装置を提供することである。
【0016】
更なる目的は、例えば、容易にリサイクル可能な、多層構造を有する容器用の分注部の製造を可能にする方法および装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明の第1の態様においては、
-溶融状態にある連続的な高分子押出物を分注するステップと、
-ほぼ平行六面体の形状を有する用量であって、用量を連続的な押出物から分離する分離面を有し、更に、分離面に隣接する面を有する用量を、連続的な高分子押出物から分離するステップと、
-用量を第1の金型部および第2の金型部を含む金型に向けて搬送するステップと、
-第1の金型部および第2の金型部を、前記面に対して横方向に配置された成形方向に沿って一方から他方へ移動させることにより、用量を金型内で成形するステップによって、容器の分注部を取得するステップと、
を順に含む方法が提供され、分注部は、
-容器本体に接合されるのに適した端縁ゾーンと、
-容器に収容された製品を分注することができる経路を包囲するネックと、
-前記製品を流出させることができるように、成形ステップ後に開口されることが意図された経路を閉鎖する膜と、
を含む。
【0018】
本発明の第1の態様によれば、容器の分注部を簡単かつ生産性良く得ることができる。特に、容器の分注部は、ほぼ平行六面体の形状を有する用量、すなわち、特に製造および取り扱いが簡単な用量を圧縮成形することによって製造することができる。
【0019】
実際、平行六面体の用量は、連続的な高分子押出物を切断するための単純な切断操作によって取得可能であり、これは、先行技術で見られる環状の用量を分注するための複雑な装置の使用を回避する。
【0020】
更に、平行六面体の用量は、廃棄物の生成を生じさせない。
【0021】
最後に、平行六面体の用量は、例えば、ほぼ平坦な搬送面に付着する面のうちの1つを保持することによって、過度の変形を受けることなく、簡単に搬送することができる。
【0022】
一実施形態では、連続的な高分子押出物は多層押出物であり、用量は、分離面に隣接する面に平行に配置された複数の層を有する。
【0023】
複数の層を含む用量を使用することにより、単一の成形ステップによって多層構造を有する分注部を得ることができ、この場合、分注部の全ての層が同時に成形される。従って、従来技術において生じたように、各予備加工された要素が異なる材料から製造されている、分注部の複数の予備加工された要素を別々に製造し、次いで組み立てる必要はない。
【0024】
更に、多層の用量を構成する用量の層に平行である、用量の面に対して横方向に、特に垂直に配置された成形方向により、これらの層の材料は、分注部の全範囲にわたって均一に流れることができる。
【0025】
最終的に、全ての層を同時に成形することにより、複数の層のうちの1つ以上の層は、成形ステップ中に裂けない場合に限り、所望されるような小さな厚さを有することができる。これにより、最も薄い層を形成する材料が、所定の最小値未満の割合で存在することを確実とすることができる故に、分注部全体を現行規定に基づいてリサイクル可能と見なすことができ、分注部をより容易にリサイクルすることができる。
【0026】
一実施形態では、搬送ステップの間、用量の配向を初期配向から最終的な配向に変化させるステップが提供され、ここで、用量の上述した面は、成形方向に対して横方向に、具体的には垂直に配置される。
【0027】
最終的な配向では、上述した用量の面は、ほぼ水平な平面内に配置され得る。
【0028】
初期配向では、上述した用量の面は、成形方向に対してほぼ平行であり得る。
【0029】
搬送ステップ中に用量の配向を変更することによって、用量が分注ステップの終わりにどのような向きであっても(すなわち、初期配向)、用量は、成形ステップに最も適した配向で金型に入ることができる(すなわち、最終的な配向)という方法で、用量の最終的な配向をその初期の配向に依存させないことが可能である。
【0030】
一実施形態では、初期配向において、上述した用量の面は、非水平面内に、例えばほぼ垂直な平面内に配置される。
【0031】
一実施形態では、用量の配向は、用量が搬送ステップ中に実行する回転運動により変更されてもよい。
【0032】
回転運動に加えて、搬送ステップの間、用量は、金型に向けた経路に沿って移動運動を実行することができる。
【0033】
移動運動は、例えば、用量の配向を変更する回転運動が生じる回転軸とは異なる中心軸を中心とした更なる回転運動であってもよい。
【0034】
これにより、特に簡単な方法で用量の配向を変えることができる。
【0035】
一実施形態では、用量は、分注部の外側に残るように意図された少なくとも1つの外層と、特にガスに対してバリア特性を有する1つのバリア層とを含む、複数の層を含み得る。
【0036】
容器の内側に面するのに適した内層も存在してもよい。
【0037】
この場合、バリア層は、外層と内層との間の中間位置に位置する。
【0038】
一実施形態では、ネックに包囲された経路は、ネックに閉鎖要素を適用する前に、膜を金型の下流位置に除去することによって開放される。
【0039】
閉鎖要素は、例えば、キャップまたはシーリングフィルムを含むことができる。
【0040】
具体的には、膜は、例えば、金型の外側かつ後者の下流の、容器を製造するためのプラントにおいて除去されてもよい。より詳細には、膜は、分注部が製造される金型と、分注部を容器本体に溶接する溶接ユニットとの間に介在する位置で除去してもよい。
【0041】
一実施形態では、膜は、金型の下流で実施される切断ステップにおいて除去される。
【0042】
一実施形態では、切断ステップは、その周囲にネックが延在する長手方向軸に対して横方向に、例えば垂直に配置された切断面に沿って分注部の端部を切断するステップを含むことができる。
【0043】
切断ステップは、切断面において、続いてシーリングフィルムを適用可能なネックの周縁部を形成する。
【0044】
例えば、溶接によってネックに固定されるシーリングフィルムは、容器内に収容された製品を分注することができるように、初めて容器を開封する際に消費者によって除去されることが意図されている。
【0045】
用量が、少なくとも1つのバリア層を含む複数の層を含む場合、切断面に画定された周縁部に沿ってシーリングフィルムを適用することによって、容器のバリア特性を最適化することができる。
【0046】
実際、分注部のバリア層が切断面に現れる故、バリア層はシーリングフィルムに直接的に接合することができ、これによりバリア特性を有する。
【0047】
このようにして、容器の内側と外部環境との間のガス交換を最小限に、または排除することさえ可能となる。
【0048】
一実施形態では、切断ステップは、膜を閉鎖された切断線に沿って、例えば円形の切断線に沿って、前方に切断するステップを含むことができる。
【0049】
これにより、ネックによって包囲された経路を開放するために、除去されるべき材料の量を最小化することが可能となる。
【0050】
一実施形態では、経路は、ネックに適用されたキャップを除去した後に、例えば、キャップがネックに適用されるのとは反対側のキャップの端部ゾーンを使用して、膜を穿孔するユーザによって開放される。
【0051】
この場合、膜は、使用する瞬間まで、容器に収容された製品に対して保護機能を果たす。
【0052】
本発明の第2の態様では、
-溶融状態にある連続的な高分子押出物を分注するための分注装置と、
-ほぼ平行六面体の形状を有する用量であって、用量を連続的な押出物から分離する分離面と、分離面に隣接する面とを有する用量を、連続的な高分子押出物から分離するように構成された分離要素と、
-第1の金型部および第2の金型部を含む少なくとも1つの金型であって、第1の金型部および第2の金型部は、成形方向に沿って、第1の金型部と第2の金型部との間に、容器の分注部を取得するように成形された形成チャンバが画定される閉鎖位置と、開口位置との間を互いに対して移動可能である、少なくとも1つの金型と、
-用量を金型に向かう経路に沿って搬送するための少なくとも1つの搬送要素と、
-搬送要素を前記経路に沿って移動させるための第1の移動装置と、
-用量が金型に解放される最終的な配向が達成されるまで用量の配向を変更するために、前記経路中で搬送要素を旋回させるための第2の移動装置であって、前記面は最終的な配向において成形方向に対して横方向に配置される、第2の移動装置と、
を含む装置が提供される。
【0053】
これにより、本発明の第1の態様を参照してより詳細に説明するように、容器の分注部を簡単かつ生産性良く取得することが可能となる。
【0054】
一実施形態では、第1の金型部は、分注部の内面を成形するように意図されたパンチを含む。
【0055】
第2の金型部は、分注部の外面を成形するように意図されたキャビティを含む。
【0056】
一実施形態では、第1の金型部は、第2の金型部の下方に配置される。
【0057】
第1の金型部を第2の金型部の下方に配置することによって、搬送要素は、用量をパンチの上方領域上に落下させることによって用量を解放することができる。これは、用量が搬送要素から自由に落下する際に用量が移動すべき距離を最小化する。これにより、用量の変形を減少させることができ、金型内における用量の位置決め精度を向上させることができる。
【0058】
本発明の第3の態様では、容器の分注部が提供され、分注部は、少なくとも2層の高分子材料を含む多層構造を有しており、分注部は、
-容器本体に接合するのに適した端縁ゾーンと、
-長手方向軸を中心に延在し、かつ容器に収容された製品を分注することができる経路を包囲するネックと、
を含み、ネックは、端縁ゾーンとは反対側にて、長手方向軸に対して横方向に配置された平面に位置する自由端縁によって画定され、前記少なくとも2層の高分子材料は、どちらも自由端縁上に出現する。
【0059】
前記少なくとも2層の高分子材料のうち一方が、ガスおよび/または光に対してバリア特性を有するバリア層である場合、本発明の第3の態様による分注部は、特に良好なバリア特性を有する容器を製造するために使用され得る。実際に、例えば溶接により、自由端に、ガスおよび/または光に対して良好なバリア特性を有するシーリングフィルムを接合することが可能である。分注部のバリア層が自由端縁上に現れる故に、シーリングフィルムを分注部のバリア層に接合することができ、これにより最終的な容器のバリア特性を最適化することができる。
【0060】
一実施形態では、前記少なくとも2層の高分子材料は、機能層、例えばバリア層を含む。
【0061】
機能層は、ネックを画定する自由端縁の付近で長手方向軸に向けて湾曲される。
【0062】
従って、機能層は、自由端縁において、端縁ゾーンとは反対側のネック部分における機能層の横方向寸法よりも小さい横方向寸法を有する管状形状を有する。
【0063】
ネックがほぼ円筒形である場合、自由端縁に向けて減少する横方向寸法は、機能層の直径である。
【0064】
このように、自由端縁における経路の寸法を小さくすることができ、これにより、経路を閉鎖するために自由端縁に接合されることを意図したシーリングフィルムの寸法を減少させることができる。結果的に、使用するシーリングフィルムの量を節約することができる。
【0065】
本発明は、本発明のいくつかの実施例、および非限定的な実施形態を示す、添付の図面を参照してより良く理解され、かつ実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【
図1】容器の分注部を製造するための装置の一部を示す斜視図である。
【
図3】
図1の装置によって処理可能な多層用量を模式的に示す斜視図である。
【
図4】
図2のステップ後のステップにおける金型の一部を示す概略断面図である。
【
図5】
図4の位置において、金型内での多層用量の成形方法を示す斜視図である。
【
図6】チューブ包装体用の分注部を示す断面図である。
【
図7】最初にネックの経路を閉鎖していた膜を除去した切断操作後の分注部を示す、
図6の断面図と同様の断面図である。
【
図8】
図7の方法とは異なる方法に従って切断操作を行った、最初にネックの経路を閉鎖していた膜を除去した切断操作後の分注部を示す、
図6の断面図と同様の断面図である。
【
図9】剛性の容器本体に接合するのに適した、代替的な実施形態による分注部を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0067】
以下に、圧縮成形により、完成した容器を形成するために容器本体に結合されるように意図された容器の分注部2を製造するための方法および装置について説明する。分注部2は、「頭部」、または「肩部」、または「スパウト」とも定義され得る。
図1~
図8を参照して以下に説明する実施例では、分注部2は、チューブ包装体にて使用可能である。より詳細には、上述した分注部2は、ユーザが押潰すことで、チューブ内に収容された製品を分注部にある分注開口部を通して流出させることができる可撓性チューブに接合されるように意図されている。
【0068】
図6に示すように、分注部2は、例えば溶接によって、可撓性チューブに接合されるように意図された端縁ゾーン3を備える。
【0069】
分注部2は、更に、端縁ゾーン3とは反対側に位置するネック4を備える。ネック4には、外部に取り外し可能な固定手段が設けられていてもよく、この固定手段は、分注開口部を閉鎖するために、キャップがネック4に選択的に固定され得るのに適した、ねじ山5を備えてもよい。ネック4は、長手方向軸Zを中心に延在している。
【0070】
図示されていない代替的な実施形態では、取り外し可能な固定手段は存在しなくてもよい。この場合、分注部2を容器本体に接合することによって得られる容器(例えば、チューブ包装体)は、例えば糊付けまたは溶接によって、ネック4の上方の自由端縁に固定されたシーリングフィルムにより閉鎖されていてもよい。
【0071】
ネック4と端縁ゾーン3との間には中間部分6が介在しており、この中間部分6は、端縁ゾーン3からネック4に向けて徐々に減少する横方向寸法を有する。分注部2が円筒状チューブに接合されるように設計されている場合、中間部分6は、上下逆さまの漏斗状の円錐台形状を有し、徐々に減少する横方向寸法が直径となる。しかしながら、分注部2は、例えば、分注部2が長円形または楕円形の断面を有するチューブに接合されるように意図されている場合には、他の形状を有してもよい。
【0072】
ネック3の内部には、チューブ包装体に収容されている物質を分注することができる経路50が画定されている。円筒形状を有し得る経路50は、軸Zに沿って延在している。
【0073】
分注部2は、端縁ゾーン3とは反対側のネック4の端部に設けられた膜43を含む。
【0074】
膜43は、経路50を閉鎖する。
【0075】
膜43は、軸Zに対して横方向に、具体的には垂直に延在している。
【0076】
図6に示す実施例では、膜43は平坦な形状を有している。
【0077】
平面視において、膜43は、円形の形状を有してもよい。
【0078】
膜43の厚さは、中間部分6の厚さよりも薄い。
【0079】
特に、膜43の厚さは、0.05~0.7mmであることができる。膜43の厚さは、膜43が除去または穿孔されることが意図される方法を含む、様々な要因に依存するが、これは以下に説明する。
【0080】
図示の例では、
図6に示すように、膜43は直径D1を有する。ネック4は、直径D1よりも大きい内径D2を有する。
【0081】
より詳細には、図示した例において、膜43は、円筒面52から始まり、軸Zを中心に延在し、軸Zに対してセンタリングされて延在しており、これにより、端縁ゾーン3とは反対側のネック4の端部を内的に画定している。円筒面52の直径は、D1である。ネック4は、内径D2から直径D1まで通過するための狭窄部51を有する。
【0082】
膜43は、自由端縁59の内側において延在しており、これにより、その上端にて、すなわち端縁ゾーン3とは反対側にてネック4を画定する。自由端縁59は、膜43と同じレベル、またはより高いレベルまたはより低いレベルであってもよい。
【0083】
図示した実施例では、分注部2は多層構造を有する。具体的には、分注部2は、中心層55を備え、この中心層55は、例えば、ガスおよび/または光に対してバリア特性を有する材料から製造されたバリア層のような機能層であってもよい。
【0084】
分注部2は、更に、外層56および内層57を含み、それぞれ、チューブ包装体の外側および内側に向けて面するように意図されている。中心層55は、外層56と内層57との間の中間位置に配置される。中心層55と外層56との間、および/または中心層55と内層57との間に任意の更なる層が配置されてもよい。
【0085】
図6の拡大図において明らかなように、中心層55は、膜43に存在している。中心層55は、膜43とは別個の分注部2の他の領域に、特にネック4および中間部分6にも存在する。中心層55は、端縁ゾーン3にも存在し得る。
【0086】
膜43において、少なくとも外層56および内層57は、ネック4および中間部分6におけるよりも薄い。
【0087】
中間層55は、断面において、ネック4の幾何学的形状に従う輪郭を有する。特に、狭窄部51の付近にて、中間層55は、ネック4の内側に向けて、すなわち、軸Zに向けて折り畳まれている。従って、中間層55の横方向寸法(例えば、直径)は、ネック3に沿って、膜43に向かう方向に減少する。
【0088】
経路50は、チューブ包装体内に収容された物質がその包装体の外部に流出することを可能にするように開口されることが意図されている。
【0089】
図6~
図8に示される実施形態では、分注部2が圧縮成形により製造された後、膜43を除去することにより、経路50が開放される。
【0090】
特に、膜43は、切断ステップにおいて除去することができ、これは、分注部2をチューブに接合する前、または場合によってはその後に実施することができる。
【0091】
切断ステップの間、膜43は、分注部2の内側から、または分注部2の外側から前方に切断することができる。
【0092】
特に、膜43は、軸Zを中心に延在する閉鎖した切断線に沿って切断することができる。閉鎖した切断線は、円形の切断線であり得る。
【0093】
図8は、第1の切断方法に従って、
図6に示す分注部2から膜43を除去することによって得られる、開口分注部2aを示す。
【0094】
図8に示す実施例では、円筒面52において、または円筒面52付近において分注部2から膜43を分離するような方法で、直径D1に等しい、またはその直径よりも僅かに小さい直径を有する円形の切断線に沿って、膜43を前方に切断している。これにより、経路50を通過した後、チューブ包装体に収容された物質を外部環境に分注することができる分注開口部58が画定される。
【0095】
円形の切断線の直径が膜43の直径D1に近いほど、分注開口部58が広くなる。
【0096】
図8に示すように、膜43が除去された後、中心層55は軸Zに面する位置に、具体的には円筒面52上に出現する。
【0097】
シーリングフィルム(図示せず)は、例えば溶接によって、自由端縁59に接合されてもよく、このフィルムは、チューブ包装体を密閉するのに適している。シーリングフィルムは、初めてチューブ包装体が開口される際に、ユーザによって除去または穿孔されるように意図されている。
【0098】
図7は、代替的な切断方法に従って、
図6に示す分注部2から膜43を除去することによって得られる開口分注部2bを示す。
【0099】
本実施形態ではまた、
図6に示す分注部2が圧縮成形により製造された後、膜43を除去することによって経路50を開放する。これは、分注部2をチューブに接合する前、または場合によってはその後に実施可能な切断ステップにおいて実施される。
【0100】
特に、切断ステップの間、分注部2の端部60は切断面P1に沿って切断され、その形跡を
図6に示す。
【0101】
平面P1は、軸Zに対して横方向に、例えば垂直に配置されてもよい。
【0102】
端部60は、膜43およびネック4の端部延伸部を含む、凸状突起部の形状を有していてもよい。
【0103】
切断ステップの終了時には、端部60が除去され、開口分注部2bには、中間部分6とは反対側のネック4を画定する自由端縁159が画定されて残る。
【0104】
前述した自由端縁59の場合のように、自由端縁159は平坦な円形のクラウン形状を有することができる。
【0105】
その後、チューブ包装体を閉鎖するために、シーリングフィルムを自由端縁159に適用してもよい。
【0106】
図7に示すように、切断ステップの後、中心層55が自由端縁159に出現する。従って、自由端縁159にシーリングフィルムを適用した後、シーリングフィルムは、実質的に中心層55と接触している。従って、中心層55およびシーリングフィルムがバリア特性を有する場合、最適でないバリア特性を有する分注部のゾーンを最小化する、または排除することが可能となる。
【0107】
従って、
図7に示す実施形態は、分注部のバリア特性を最適化することを可能にし、より一般的には、シーリングフィルムと分注部2bとの間に介在する位置における性能の低いゾーンを削減または排除することを可能にする。
【0108】
一方、
図8の実施形態は、膜43が除去された後に廃棄されるべき(願わくばリサイクルされる)、膜43を形成する材料の量を最小化することを可能にする。
【0109】
しかしながら、除去されるべき材料の量は、
図7の実施形態および
図8の実施形態の両方において、特に、膜43および端部60の各々の厚さが薄いことに起因して、非常に少ない。
【0110】
狭窄部51付近の中間層55の直径の減少に起因して、経路50を閉鎖するために自由端縁59、159に適用すべきシーリングフィルムの寸法を最小化することができることが強調される。
【0111】
図示した実施例では、膜43は平坦なディスクの形状を有する。これにより、膜43の製造を簡素化するとともに、その膜を形成する材料の量を最小化する。しかしながら、膜43は他の形状も可能であり、例えば、凹状、凸状、またはその他の形状であってもよい。
【0112】
図示した例では、膜43はほぼ均一な厚さを有する。しかしながら、この条件も必ずしも必要ではない。
【0113】
更に、膜43または端部60は、例えば、膜43または端部60のそれぞれの厚さ全体を通過しない、局所的な薄肉化またはスコアリングの形態で、弱化線を有することができる。弱化線は、所定の位置において、膜43または端部60を容易に破壊することを可能にする。
【0114】
経路50を閉鎖する膜は、切断ステップで除去される代わりに、初めてチューブ包装体が開封される際に、ユーザによって穿孔または除去されてもよい。特に、経路50を閉鎖する膜は、ネック4に係合するキャップの遠い方の端部とは反対側のキャップの一端部に特別に設けられた穿孔要素を使用して穿孔されてもよい。
【0115】
中心層55は、必ずしもガスおよび/または光に対してバリア特性を有する材料から製造された層ではない。例えば、中心層55は、部分的または完全に、再生高分子材料から製造された層であってもよく、または特殊な充填材で充填されていてもよい。この場合、内層57および外層56は、中心層55の材料が容器に収容された製品と接触するのを防ぎ、および/または外部から見えるのを防ぐ。
【0116】
分注部2は、
図6~
図8に示されているものとは異なる多数の層を含むことができる。特に、分注部2は、2層の高分子材料のみを含み得る。
【0117】
図示されていない実施形態では、分注部2はまた、単層構造を有していてもよく、すなわち、高分子材料の単一層によって形成されてもよい。
【0118】
分注部2は、チューブ包装体を形成するために、必ずしも押潰し可能なチューブに接合されることが意図されていない。
【0119】
例えば、
図6~
図8に示されたものと同様の容器の分注部は、パウチ容器を得るために、可撓性の容器本体に接合されることを意図している場合もある。あるいは、
図6~
図8に示されたものと同様の容器の分注部は、例えば、積層された包装材を折り曲げ、溶接することによって製造される、半剛性の容器本体に接合されてもよい。
【0120】
容器の分注部はまた、
図9に示す容器の分注部102の場合のように、高分子材料、例えばボトルから製造された剛性または半剛性の容器に接合されるように意図されてもよい。
【0121】
分注部102は、軸Zを中心に延在し、ほぼ円筒形状を有するネック104を含む。ネック104の外側には、取り外し可能な固定手段が設けられてもよく、この取り外し可能な固定手段は、キャップと着脱自在に係合するのに適している(図示せず)。取り外し可能な固定手段は、ねじ山105を含んでもよい。
【0122】
分注部102は、更に、ネック104とは反対側に、例えば、糊付けまたは溶接によって、容器本体に接合するのに適した端縁ゾーン103を含む(図示せず)。図示された例では、端縁ゾーン103は、ネック104から突出する環状突起の形状を有する。
【0123】
端縁ゾーン103は、ねじ山105の外径と等しい、またはねじ山105の外径よりも大きい直径を有してもよい。
【0124】
更に、膜143が設けられており、膜143は、ネック104によって包囲された経路50を閉鎖するように、端縁ゾーン103に対向するネック104の一端部に配置されている。
【0125】
膜143は、
図6~
図8に示す膜43と類似している。
図7および
図8を参照して説明した方法と同様の方法を用いて、膜143を切断操作によって除去することができる。また、膜143は、初めて分注部102を含む容器が開口される際に、ユーザによって除去されることも可能である。この場合、容器を開口するために初めて容器からキャップを外す際に、例えば、キャップと膜143との間の相互作用の結果として膜143を除去することができる。
【0126】
その目的のために、キャップを開口するためにキャップを回転するとき、膜143が持ち上がるように、ネック104に設けられたカムプロフィール(図示せず)と係合するのに適したフック要素をキャップに設けてもよい。これにより、膜143がネック104に接合される端縁に破断が生じ、その結果、膜143がネック104から剥離する。
【0127】
特に、膜143がキャップとの相互作用により除去される場合、分注部102において、膜143上に直接的にまたは膜143の近傍に、1つ以上のスコア線または弱化線が設けられることも可能である。
【0128】
図示した例では、分注部102は多層構造を有するが、その構造は単層タイプであってもよい。
【0129】
図1は、
図6に示すタイプの分注部2を圧縮成形により製造するための装置1を示す。装置1は、
図9に示す分注部102、または他の、同様の分注部を製造するために使用することもできる。
【0130】
装置1は、溶融状態にある連続的な高分子押出物8を分注するための分注装置を備える。図示の例では、分注装置は、多層構造を有する、すなわち、互いに異なる複数の層の高分子材料を含む、押出物8を分注するための共押出装置7を備える。
【0131】
しかしながら、この条件は必ずしも必要ではない。実際に、装置1の分注装置は、代替的に、単層構造を有する押出物8を分注するように構成することができる。
【0132】
共押出装置7は、特に、2つの周辺層の間に介在する中間層を含む押出物8を分注するように構成することができる。中間層は、例えば、ガスおよび/または酸素および/または光に対して、バリア特性を有する材料から製造されたバリア層であってもよい。互いに同じであっても異なっていてもよい周辺層は、所望の機械的および/または審美的特性を得る分注部をもたらすことを意図した材料から製造されてもよい。特に、周辺層は、分注部がチューブに容易かつ安定的に接合されることを可能にするように選択されてもよい。
【0133】
代替的な実施形態では、中間層は、再生高分子材料またはそれに添加される適切な充填材を有する材料を含むことができる。周辺層と中間層との間には、例えば、中間層と周辺層との間の密着性を向上させるための適合性促進物質の層のような各補助層が存在していてもよい。
【0134】
共押出装置7は、押出物8を分注するための送出し開口部9を有する。
【0135】
図示の例では、
図1に見られるように、送出し開口部9は下方に向いている。共押出装置7は、垂直またはほぼ垂直な送出し方向Eに従って、押出物8を下方に分注するように構成されている。しかしながら、この条件は必ずしも必要ではない。
【0136】
装置1は、更に、成形装置を備え、成形装置は、図示された例では、成形カルーセル10の構造を有しており、その一部のみ
図1で見ることができる。成形カルーセル10は、図示した例では、垂直に配置された各軸を中心に回転可能である。成形カルーセル10には、圧縮成形によって分注部2または102を得るように、その周辺領域に、各々が押出物8を切断することによって得られる高分子材料の用量を成形するように構成された、複数の金型11が設けられている。
【0137】
搬送装置12は、共押出装置7と成形カルーセル10との間に介在している。図示の例では、搬送装置12は、搬送カルーセルの構造を有している。搬送装置12は、複数の搬送要素13を備えており、各搬送要素13は、共押出装置7から流出した、またはより一般には分注装置から流出した高分子材料から分離された高分子材料の用量14を成形カルーセル10に向けて搬送するように配置されている。
【0138】
装置1は、更に、押出物8から用量14を分離するための少なくとも1つの分離要素を含む。
【0139】
図示の例では、複数の分離要素19が設けられており、各分離要素19は搬送要素13に関連し、特に搬送要素13によって支持されている。例えば、各分離要素19は、搬送要素13を画定する切断刃の構造を有してもよい。
【0140】
分離要素19が送出し開口部9の下を通過するとき、分離要素19は、特に送出し開口部から用量14を掻き取ることによって、用量14を切断する。用量14を金型11に向けて搬送することができるように、用量14は、搬送要素13に、特にその搬送面18に付着した状態を維持する。
【0141】
分離要素19は、図示された構造とは異なる構造を有してもよい。例えば、各分離要素19は、搬送要素13に固定された刃を含むことができる。
【0142】
また、搬送要素13から独立した分離要素19、特に、搬送要素13の上流に配置され、かつ後者とは別個の分離要素、例えば、送出し開口部9と搬送要素13との間に介在する位置で回転する刃、またはレーザビームを有することも可能である。
【0143】
長方形または正方形の断面を有するストリップの形態で押出物8を供給するように、送出し開口部9は、長方形または正方形の形状を有してもよい。ストリップの断面が長方形である場合、長方形のベースは高さよりもはるかに大きい場合があるが、この条件は必ずしも必要ではない。
【0144】
分離要素19は、特に切断によって、
図3によりよく示されるように、各々がほぼ平行六面体の形状を有する、連続する用量14を押出物8から分離するように構成されている。
【0145】
本明細書において、「ほぼ」という用語は、用量14の形状が理論的には平行六面体であるにもかかわらず、用量14が、実際には、その形状を完全なる平行六面体にしない変形を受ける場合があることを示すために使用される。これは、用量14が剛性ではなく、容易に変形し得る粘性状態の高分子材料から製造されているからである。
【0146】
用量14が押出物8から分離されると、以前に用量14が押出物8に接合されていた場所に、用量14上に画定された分離面65が残る。従って、分離面65は、分離要素19が押出物8と相互作用する表面である。
【0147】
分離面65は、送出し方向Eに対して横方向に、特に垂直に配置される。分離面65は、ほぼ平坦である。
【0148】
用量14は、更に、分離面に隣接する面22を有する。面22は、分離面65に対して横方向に、特に垂直に配置される。図示した例では、面22は、送出し方向Eに平行に配置される。面22は、ほぼ平坦である。
【0149】
図示した例では、面22は、用量14によって画定される平行六面体のより大きい面である。特に、面22は、分離面65の表面積よりも大きい表面積を有する。
【0150】
詳細には、
図3に示すように、用量14は、「ウエハ」と同様の方法で、その横方向寸法L1およびL2よりもはるかに小さい厚さSを有することができる。横方向寸法L1は、共押出装置7から用量14の送出し方向Eに沿って測定される一方、横方向寸法L2および厚さSは、その方向に対して横方向に測定される。横方向寸法L1およびL2は、互いに等しくてもよい。
【0151】
横方向寸法LlおよびL2は、面22の寸法である。
【0152】
図示していない実施形態では、厚さSは、横方向寸法LlまたはL2のうちの一方に等しくてもよい。厚さSは、横方向寸法LlおよびL2の両方に等しいことも可能であり、この場合、用量は、互いに同じ面を有する平行六面体の、すなわち立方体の形状を有する。
【0153】
用量14は、図中に白色で示されている2つの周辺層21の間に介在する、図中に黒色で示されている中間層20を含むことができる複数の層を有することができる。中間層20は、例えば、酸素および/またはガスおよび/または光に対してバリア特性を有する材料から製造されたバリア層であってもよい。あるいは、中間層20は、再生高分子材料またはそれに添加された適切な充填材を有する材料を含むことができる。中間層20は、分注部2または102の中心層55を形成するように意図される一方、周辺層21は、外層56および内層57をそれぞれ形成するように意図されている。
【0154】
図示していない実施形態では、用量14は、単層構造を有していてもよく、すなわち、単一層の高分子材料によって形成されてもよい。
【0155】
用量14を形成する層は、用量14の面22にほぼ平行に配置されてもよい(ここで、用語「ほぼ」とは、上述したように、用量14の高い変形性に起因する)。
【0156】
より具体的には、用量を形成する層は、面22にほぼ平行な各面において、互いに接触して配置された、平坦または平行六面体の層の形態をとることができる。
【0157】
搬送装置10は、中央本体15を備えることができ、これは、図示の例では、ほぼ円筒形状を有するドラムの形態である。中央本体15は、図示されていない移動装置により、中心軸Hを中心に回転可能である。中心軸Hは、ほぼ垂直であってもよい。
【0158】
搬送要素13は、中央本体15によって、後者の周辺領域に支持される。
【0159】
中央本体15が中心軸Hを中心に回転するとき、搬送要素13は、用量14を金型11に搬送するように、共押出装置7から金型11に向けて経路に沿って移動する。この移動は、搬送要素13の第1の移動を画定する。第1の移動は、用量14を金型11に向かう経路に沿って移送するための移送運動である。
【0160】
図示した例では、移送運動中に搬送要素13が移動する経路は、閉鎖経路、特に、中心軸Hを中心とする円形経路である。図示しない代替的な実施形態では、共押出装置7から金型11に向かう搬送要素13の経路は、非円形の閉鎖経路、または非閉鎖経路、例えば直線状であってもよい。
【0161】
非円形の閉鎖経路は、搬送要素13の経路が、1つのポイントにおいてのみでなく、より長い距離を有するポイントにおいて、金型11の経路と重複していることが望ましい場合に特に適している。これにより、位置決め不良を生じさせることなく、用量14が金型11内に放出されることを確実とするのに十分な時間だけ、搬送要素13が金型11の要素上に残ることを可能にする。
【0162】
各搬送要素13はまた、移動運動に加えて、かつ移動運動中に、その回転軸を中心に回転することによって、第2の運動または回転運動を実行するように構成されており、これは、
図1にXで示され、1つの搬送要素13についてのみ示されている。この回転運動は、以下に更に詳細に説明するように、用量14の向きを変更することを可能にする。
【0163】
第2の運動または回転運動を実施するために、図示の例では、各搬送要素13は、支持体16によって支持されている。複数の支持体16が設けられており、支持体16は、中央本体15の周辺領域に配置される。より具体的には、支持体16は、中央本体15の側面に取り付けられている。各支持体16は、L字形状を有していてもよい。
【0164】
各支持体16は、ピン17によって支持体16に回転可能に固定された搬送要素13を支持する。各ピン17は、それぞれの回転軸Xに沿って延在している。
【0165】
各回転軸Xは、中心軸Hに対して横方向に、特に垂直に配置される。回転軸Xは、単一の平面内に位置し、例えば、中心軸Hに対して半径方向に配置され得る。
【0166】
各搬送要素13は、用量14を金型11に向けて搬送するために、用量14を接触させるのに適した搬送面18によって画定されている。
【0167】
図示の例では、搬送面18は平坦である。搬送面18のこの構造は、
図1に示すように、平行六面体の形状を有する用量14を搬送するのに特に適している。
【0168】
搬送要素13が用量14を金型11に向けて搬送する一方、用量14の面22は、搬送面18に接触するように配置される。
【0169】
中間層20は、搬送面18とほぼ平行な平面内に位置する。
【0170】
搬送要素13は、搬送中に用量14が搬送面18に接触した状態を維持するよう選択的に操作可能な吸引手段(図示せず)を有してもよい。
【0171】
搬送要素13は、用量14を金型11に供給することができるように、搬送面18から用量14を取り外すことをより容易にするために選択的に操作可能な送風手段(図示せず)も有してもよい。
【0172】
図示されていない実施形態では、送風手段の代わりに、または送風手段と組み合わせて、搬送要素13は、ピストンのようなもの、すなわち、適切なタイミングで、用量14を下方に押し出すことによって、金型11内に放出され得るように、用量14が搬送面18から分離するのを助ける機械的要素が設けられていてもよい。
【0173】
搬送要素13には、搬送中の用量14の過度の冷却を回避するために、特に加熱手段の形態で、熱調整手段を設けてもよい。あるいは、熱調整手段は、搬送要素13が過熱する傾向がある場合に、用量14が搬送要素13に過度に付着することを回避するように、冷却手段の形態であってもよい。
【0174】
第2の移動装置(図示せず)は、各搬送要素13と関連している。第2の移動装置は、搬送要素13が回転運動を行うことができるように、搬送要素13を相対的な回転軸Xを中心に回転させるために、例えば、中央本体15に収容されていてもよい。
【0175】
第2の移動装置は、第1の移動装置とは別個である。
【0176】
図示の例では、搬送要素13は、中心軸Hの周りの経路の大部分について、搬送面18が下方に向くように、特に水平面内に位置するように位置決めされる。
【0177】
中心軸Hの周りのそれ自身の経路のうちの一領域において、搬送要素13は、押出物8が流出する共押出装置7の付近を、特に送出し開口部9の下を通過する。
【0178】
共押出装置7の上流では、搬送要素13が各回転軸Xを中心に回転することによって、
図1に示すように、搬送要素13が押出物8から分離された用量14を収集する収集構成Pに搬送要素13が位置決めされる。収集構成Pにおいて、搬送面18は垂直、または垂直方向に対して僅かに後方に傾斜していてもよい。
【0179】
このようにして、送出し開口部9から、ほぼ垂直な送出し方向Eに沿って流出する用量14は、搬送面18上に載置され、これはまたほぼ垂直に位置決めされ、結果的に高分子材料の粘性に起因して搬送面18に付着する。
【0180】
より一般的には、収集構成Pにおいて、搬送面18が共押出装置7からの用量14の送出し方向Eにほぼ平行になるように、搬送要素13を配置する。
【0181】
用量14は、収集構成Pにおいて搬送要素13によって受け取られる一方、用量14は、例示された例ではほぼ垂直である初期配向を有する。代替的な実施形態では、収集構成Pにおいて、用量14は、例えば、送出し方向Eが垂直でない故に、非垂直な向きを有し得る。
【0182】
収集構成Pにおいて用量14を受け取った後、搬送要素13が中央本体15によって中心軸Hを中心に移動される間(移動運動)、搬送要素13は、対応する回転軸Xを中心に回転し続ける(回転運動)。搬送要素13は、以下により詳細に説明するように、用量13が金型11に解放される、
図1に示される解放構成Rに達するまで、回転軸Xを中心に回転する。解放構成Rでは、搬送面18は下方に向いており、特に、ほぼ水平であってもよい。
【0183】
解放構成Rでは、用量14は、金型11に解放されるのに適した最終的な配向を有する。
【0184】
用量14が金型11に解放された後、搬送要素13は、搬送要素13が共押出装置7の送出し開口部9付近に、かつ後者の上流に戻るまで、解放構成Rに留まる、すなわち、搬送面18が下方に向いた状態であり得る。
【0185】
図2により良く示されているように、各金型11は、第1の金型部23および第2の金型部24を備えており、これらは、垂直であり得る成形軸Yに沿って互いに整列している。第1の金型部23は、分注部2の内面を成形するように配置されたパンチ25を備えることができる。これとは対照的に、第2の金型部24は、
図4にも示されるように、用量14が成形されるキャビティ26を画定するように意図されている。
【0186】
第1の金型部23は、第2の金型部24の下方に配置されている。
【0187】
第1の金型部23は、パンチ25を支持するベース要素30を備えていてもよい。
【0188】
ベース要素30は、第1の金型部23を第2の金型部24に対して、成形軸Yに平行な成形方向に沿って移動するために、例えば、油圧式または機械式のアクチュエータに接続されているロッド31の一端に固定されていてもよい。
【0189】
第1の金型部23はまた、パンチ25を包囲するスリーブ32を備えてもよい。
【0190】
スリーブ32は、
図2に示す、スリーブ32が第2の金型部24に向けて突出する伸長位置と、スリーブ32が第2の金型部24から更に遠くにある後退位置(図示せず)との間で移動可能である。スリーブ32は、螺旋ばねを含み得る弾性要素33によって伸長位置に押し込まれる。スリーブ32は、弾性要素33の推力を克服することによって後退位置に置かれてもよい。
【0191】
スリーブ32は、成形方向に沿って、すなわち、成形軸Yに平行にスライドすることによって伸長位置と後退位置との間で移動可能である。
【0192】
第1の金型部23は、パンチ25をベース要素30に対して固定し続けるために、特にベース要素30上の固定リング34をねじ込むことによって、ベース要素30に固定されるのに適した固定リング34も備えることができる。
【0193】
固定リング34は、伸長位置において、固定リング34の内側リム35に接触するスリーブ32の移動を制限することを可能にする。
【0194】
パンチ25は、第1の形成面36によって画定されており、端縁ゾーン3、ネック4および分注部の中間部分6を内的に成形するのに適している。
【0195】
パンチ25は、更に、載置面37によって画定されており、解放位置Rにおいて、すなわち、用量14が搬送要素13によって解放されるときに、用量14を支持するのに適している。実際、以下により詳述するように、パンチ25がキャビティ26の下方に配置されているため、用量14は、搬送要素13から分離されるとパンチ25上に配置される。
【0196】
載置面37は、平面であってもよい。
【0197】
平面視では、載置面37は円形状を有していてもよい。
【0198】
載置面37は、成形軸Yに対して横方向に、特に垂直に配置されている。
【0199】
載置面37は、成形軸Yおよび後者の付近において、パンチ25の上方領域を画定する。
【0200】
載置面37は、搬送要素13が解放構成Rにあるとき、搬送面18とほぼ平行であってもよい。
【0201】
第2の金型部24は、
図2に示す形成位置と、図示しない係合解除位置との間で移動可能な2つ以上の可動インサート27を備えてもよい。形成位置において、第2の形成面29は、可動インサート27の間に画定され、第2の形成面29は、分注部2のねじ山5を含む、端縁ゾーン3の、中間部分6の、およびネック4の外面を成形するように意図されている。係合解除位置では、可動インサート27は互いに分離するように移動することにより、形成されたばかりの分注部2を型11から取り出すことができる。特に、係合解除位置において、可動インサート27により、ネック4のアンダーカット部分、例えばねじ山5を金型11から取り出すことができる。
【0202】
可動インサート27は、各ピン28を中心に回転することにより、形成位置と係合解除位置との間で移動することができる。この場合、可動インサート27は、ピン28にヒンジ結合されたレバー状に成形することができる。より詳細には、可動インサート27は、第2の形成面29に対向する可動インサート27の各端部領域において、ピン28にヒンジ結合されている。
【0203】
図示の例では、各可動インサート27は、第2の形成面29が形成される可動インサート27の端部付近で、外面38によって画定される。可動インサート27が形成位置にあるとき、それらの外面38は、スリーブ32上に形成される内面39と形状的に結合するのに適した円錐台状表面を画定する。これにより、第1の金型部23は、第2の金型部24に対して、成形軸Y上にて中心に位置するように配置される。
【0204】
第2の金型部24は、更に、可動インサート27に対して中央位置に配置される中央形成部材40を含む。
【0205】
中央形成部材40は、成形軸Yに沿って静止位置に取り付けられてもよい。可動インサート27は、成形軸Yに沿って中央形成部材40に対して、例えば、ばね41の作用に対して移動可能であってもよい。
【0206】
中央形成部材40は、形成面42によって画定されており、以下により詳細に説明するように、分注部の膜43を成形するために、パンチ25の載置面37と関連して動作するのに適している。
【0207】
動作中、
図1に示すように、例えば複数の層の高分子材料を含む押出物8は、共押出装置7によって分注され、送出し方向Eに沿って送出し開口部9から流出する。押出物8を形成する層は、互いに平行かつ送出し方向Eに平行な各平面に位置している。
【0208】
搬送装置12の中央本体15は、中心軸Hの周囲を、例えば連続的に回転する。このような方法で中央本体15によって支持される搬送要素13は、図示された例では、中心軸Z上の中央に位置する円形状に成形された閉鎖経路に沿って移動する。これが搬送要素13の第1の運動または移動運動である。
【0209】
搬送要素13の経路は、用量14が分注される分注ゾーンにおける共押出装置7の送出し開口部9の下を通過する。
【0210】
この分注ゾーンの上流では、搬送要素13が共押出装置7の送出し開口部9の下方にあるとき、搬送要素13が収集構成Pにあるように、各搬送要素13は、対応する回転軸Xを中心に回転する。この構成では、搬送要素13は押出物8と相互作用し、そこから分離要素19によって用量14が分離される。後者は、分離面65に沿って、特に送出し開口部9の直下で、用量14を切断する。用量14は、用量14の面22に平行に、またはほぼ平行に配置された搬送面18上に載置される。
【0211】
収集構成Pでは、搬送面18もまた、用量14の中間層20に平行に、またはほぼ平行に配置される。
【0212】
搬送面18は、搬送面18に面する用量14の表面よりも、すなわち、面22よりも大きい表面積を有する。
【0213】
用量14は、搬送要素13によって収集される一方、用量14は、図示された例においては、ほぼ垂直な初期配向を有する。用量14は、大きな変形を受けることなく、搬送面18に付着する。中間層20さえ、ほぼ変形せずに残る。
【0214】
次に、搬送要素13は、用量14を搬送しながら共押出装置7から分離する。用量14は、その粘性によって、また、用量14が搬送面18に接触した状態を維持する搬送要素13の吸引手段によって、搬送面18に付着した状態を維持する。
【0215】
同時に、搬送要素13は、各回転軸Xの周囲を回転し続けることによって、用量14が解放構成Rにおいて最終的な配向になるまで、用量14の配向を変化させる。これが、搬送要素13の回転運動である。解放構成Rでは、搬送要素13の搬送面18は下方に向いており、特に、それに付着した用量14のように水平に配向される。
【0216】
従って、収集構成Pから解放構成Rへと通過するとき、用量14は初期配向から最終的な配向に変わる。
【0217】
搬送要素13の経路は、少なくとも1つのポイントにおいて、金型11の経路と重複しており、ここで、用量14は、搬送要素13によってパンチ25上に解放される。
【0218】
このとき、搬送要素13は、解放構成Rにあり、互いに離間した第1の金型部23と第2の金型部24との間に介在している。
【0219】
次に、搬送要素13は、搬送中の用量14を解放する。用量14は、パンチ25上に、特に、パンチの頂部を画定する載置面37上に堆積される。これは、用量14を搬送面18から取り外すように、用量14に作用する送風手段または機械要素の助けにより生じ得る。
【0220】
載置面37は、用量14が(解放構成Rに対応する)最終的な配向にあるとき、水平である、すなわち、それに面する用量14の表面に平行であることに留意すべきである。また、パンチ25の載置面37も、後者が解放構成Rにある場合、搬送要素13の搬送面18と平行である。
【0221】
これは、後者が搬送要素13からパンチ25に通過するときの用量14の変形を最小化する。
【0222】
更に、搬送要素13が(用量14の最終的な配向に対応する)解放構成Rにあるとき、用量14とパンチ25の載置面37との間の距離は最小であるか、またはヌルでさえある。従って、搬送要素13は、後者がパンチ25上を通過するまで、用量14の位置を制御することができる。これもまた、用量14の望ましくない変形を防止することを可能にし、これにより、載置面37上への正確な位置決めを妥協することができる。
【0223】
用量14は、その平行六面体の形状によって、載置面37上に正確に配置されてもよい。実際、用量14は、パンチ25の載置面37に載置されるように意図された、面22とは反対側の更なる面43を含む、複数の平面によって画定される。更なる面43の平坦な形状により、用量14は、載置面37上に安定的に載置された状態を維持することが可能になる。
【0224】
用量14の安定性は、図示した例におけるように、用量14がその横方向寸法LlおよびL2よりもかなり小さい厚さSを有するときに増加する。これにより、用量がパンチ25上に載置されるとき、用量14の重心の位置を下げることができる。
【0225】
用量14をパンチ25の載置面37上に解放した後、搬送要素13は金型11から離れる。
【0226】
スリーブ32は、
図2に示す伸長位置にある一方、可動インサート27は、形成位置において互いに接触している。第1の金型部23は、第2の金型部24に向けて徐々に移動することによって、用量14を可動インサート27に向けて移動させる。
図2の位置では、用量14は可動インサート27に接触している。
【0227】
成形方向Yに沿った、第1の金型部23の第2の金型部24に向けた移動が続くと、可動インサート27がスリーブ32に係合する。より具体的には、外面38が内面39に形状的に結合される。これにより、第1の金型部23を第2の金型部24に対して中心に配置することができ、また、可動インサート27を互いに分離させる傾向がある、用量14の材料によって印加される圧力に関わらず、可動インサート27を形成位置に保持する、すなわち、互いに接触させ続けることができる。
【0228】
スリーブ32が可動インサート27と接触すると、パンチ25と可動インサート27と中央形成部材40とスリーブ32との間に、閉鎖した形成チャンバが画定され、この内側に用量14が成形されて、分注部2が得られる。この形成チャンバは、最初、分注部2の容積よりも大きい容積を有する。第1の金型部23が第2の金型部24に向けて押し出される間、形成チャンバの容積は徐々に減少する。これが発生すると、スリーブ32は、可動インサート27によって後退位置に向けて押し出され、これにより、弾性要素33を圧縮可能な力を印加する。
【0229】
図4および
図5は、パンチ25と可動インサート27との間で用量18が変形されているステップを概略的に示す。形成チャンバは、その最終的な形状および容積にまだ達していない。用量14の中央部分が、中央形成部材40に面するその表面にドーム形状をとっていることに留意すべきである。4つの角部64は、用量14の中央部分から突出しており、角部64は、用量14が最初に有していた平行六面体状の角領域に対応する。
【0230】
中間層20は、用量14の側面上に出現する。
【0231】
第1の金型部23の第2の金型部24に向けた移動が続くと、形成チャンバが分注部2の形状に対応した形状となる、金型11の閉鎖位置に達するまで、用量14は完全に成形される。
【0232】
特に、閉鎖位置では、パンチ25の載置面37と中央形成部材40との間に、ネック4に包囲された経路50を閉鎖する膜43(または143)が成形される。従って、閉鎖位置では、載置面37は中央形成部材40と接触していないが、膜43(または143)の厚さに対応する中央形成部材40から離れて配置される。
【0233】
その形状が安定化するのに十分に長い時間、分注部2を金型11内に放置した後、分注部2を除去し、後続する新しい用量14の成形を開始するために、金型11を開口する。
【0234】
金型11の下流に切断装置を設けてもよく、切断装置は、膜43または143を除去する手段によって切断ステップを実行するのに適している。
【0235】
切断装置は、装置1上に、または、特にチューブ包装体用の容器製造ラインに沿った装置1の下流の位置に設けられてもよい。
【0236】
切断装置は、特に、分注部が製造される金型11と、分注部が容器本体に、特にチューブに固定される溶接部との間に配置されてもよい。
【0237】
図7に示されるタイプの開口分注部2bを得ることが望ましい場合、切断装置は、切断面P1内の自身の軸を中心に回転可能な丸刃を備えてもよい。切断装置は、更に、分注部2と刃との互いに関連する回転運動を生じさせるためのモータ手段を備えてもよい。特に、分注部2は、軸Zを中心に回転することができる一方、丸刃の軸は静止位置に留まる。また、端部60をネック4から分離するために、丸刃が、端部60と軸Zを中心に360°の角度にわたって相互作用するように、分注部2を静止した状態に維持し、かつ分注部2を中心に丸刃の軸を回転させることも可能である。
【0238】
端部60を切断する切断装置は、圧縮成形によってキャップを製造するための従来技術による機械において、キャップのカップ状本体をタンパーエビデントリングから分離する切断線を形成する切断装置と同様であってもよい。
【0239】
図8に示すタイプの開口分注部2aを得るために、代わりに膜43を前面の切断により除去した場合、切断装置は、分注部2の内側または外側から膜43と相互作用する適切な刃を備えてもよい。この場合も、軸Zを中心に刃を回転させ、分注部2を静止させ続ける、またはその逆にすることが可能である。
【0240】
図7の実施形態および
図8の実施形態の両方において、刃の代わりに、異なるタイプの切断要素、例えばレーザビームを使用することが可能である。
【0241】
切断装置は、膜がユーザによって穿孔または除去される場合にはもちろん存在しないであろう。
【0242】
図示しない実施形態では、金型11において、パンチ25は、キャビティ26上に配置されてもよい。この場合、用量14は、搬送要素13によってキャビティ26内に解放されてもよく、または、キャビティ26の上方に配置されているが、吸引源の助けを用いて用量14を保持するパンチ25に供給されてもよい。
【0243】
上述した方法および装置を、多層構造を有する用量14と組み合わせて使用する場合、中心層55を分注部に均一に供給しつつ、容器の分注部2または102を単純な方法で得られる。中心層55の厚さは非常に小さくてもよく、これにより、使用後に分注部のリサイクルを可能にするように、中心層55を形成する材料の量を最小限に抑えることができる。
【国際調査報告】