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特表2022-528133直流気中回路遮断器用の消弧部構造体
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-08
(54)【発明の名称】直流気中回路遮断器用の消弧部構造体
(51)【国際特許分類】
   H01H 9/44 20060101AFI20220601BHJP
   H01H 33/08 20060101ALI20220601BHJP
【FI】
H01H9/44 A
H01H33/08
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021559217
(86)(22)【出願日】2020-03-11
(85)【翻訳文提出日】2021-10-04
(86)【国際出願番号】 KR2020003413
(87)【国際公開番号】W WO2020204388
(87)【国際公開日】2020-10-08
(31)【優先権主張番号】10-2019-0039919
(32)【優先日】2019-04-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】593121379
【氏名又は名称】エルエス、エレクトリック、カンパニー、リミテッド
【氏名又は名称原語表記】LS ELECTRIC CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】127,LS-ro,Dongan-gu,Anyang-si,Gyeonggi-do,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100140822
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 光広
(72)【発明者】
【氏名】キム、イル-ヒョン
【テーマコード(参考)】
5G027
【Fターム(参考)】
5G027AA03
5G027BA09
5G027BB03
5G027BC03
(57)【要約】
本発明の一実施形態による直流気中回路遮断器用の消弧部構造体は、複数のグリッドと、前記グリッドが離隔した状態で、複数個が積載されるように前記複数のグリッドの両側部に結合された側板と、前記側板と前記複数のグリッドの上部に位置する排気カバーと、前記複数のグリッドの下部に位置するように前記側板に結合されたアークガイドと、前記アークガイドに結合されるマグネットとを含み、前記マグネットは、前記複数のグリッドと前記アークガイドの上/下配置方向を基準に互いに異なる極が着磁する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のグリッド;
前記グリッドが離隔した状態で、複数個が積載されるように前記複数のグリッドの両側部に結合された側板;
前記側板と前記複数のグリッドの上部に位置する排気カバー;
前記複数のグリッドの下部に位置するように、前記側板に結合されたアークガイド;及び、
前記アークガイドに結合されるマグネットを含み、
前記マグネットは、前記複数のグリッドと前記アークガイドの上/下配置方向を基準に互いに異なる極が着磁した、
直流気中回路遮断器用の消弧部構造体。
【請求項2】
前記アークガイドには、前記マグネットの安着するマグネット挿入溝が形成され、前記マグネットは、前記グリッドの積載方向に延び、
前記マグネット挿入溝は、前記グリッドの積載方向に延びた、
請求項1記載の直流気中回路遮断器用の消弧部構造体。
【請求項3】
前記グリッドは、下部が中心部から両端部に向かって延びるように下向傾斜部が形成され、
前記アークガイドは、前記下向傾斜部に対応する上向傾斜部からなるガイド板部がさらに形成された、
請求項2記載の直流気中回路遮断器用の消弧部構造体。
【請求項4】
前記マグネット挿入溝には、側板固定部が形成され、前記側板には、前記側板固定部に対応するアークガイド固定部が形成された、
請求項2記載の直流気中回路遮断器用の消弧部構造体。
【請求項5】
前記側板固定部と前記アークガイド固定部は、貫通孔からなる、
請求項2記載の直流気中回路遮断器用の消弧部構造体。
【請求項6】
前記マグネットは、前記アークガイドの長手方向に延びるように形成され、前記貫通孔に対応する取付孔が形成され、
前記アークガイド固定部、前記取付孔及び前記側板固定部を結合させる固定部材をさらに含み、前記固定部材により前記マグネットが前記マグネット挿入溝に安着した状態で、前記アークガイドは、前記側板に固定された、
請求項5記載の直流気中回路遮断器用の消弧部構造体。
【請求項7】
前記マグネットは、上部にS極が着磁し、下部にN極が着磁した、
請求項2記載の直流気中回路遮断器用の消弧部構造体。
【請求項8】
前記アークガイドのマグネット挿入溝が形成された板部は、一側の幅が他側の幅よりも大きく形成され、
前記マグネット挿入溝は、一側の幅が他側の幅よりも大きく形成され、
前記マグネット挿入孔に結合される前記マグネットは、一側の幅が他側の幅よりも広く形成された、
請求項1記載の直流気中回路遮断器用の消弧部構造体。
【請求項9】
前記マグネットは、複数個からなり、
前記アークガイドには、前記マグネットが安着する複数のマグネット挿入溝と、前記マグネット挿入溝の間に形成された側板固定部が形成され、
前記側板には、前記側板固定部に対応するアークガイド固定部が形成された、
請求項1記載の直流気中回路遮断器用の消弧部構造体。
【請求項10】
前記側板固定部と、前記アークガイド固定部は、貫通孔からなる、
請求項8記載の直流気中回路遮断器用の消弧部構造体。
【請求項11】
前記アークガイド固定部及び前記側板固定部を結合させる固定部材をさらに含み、前記固定部材により前記マグネットが前記マグネット挿入溝に安着した状態で、前記アークガイドは、前記側板に固定された、
請求項10記載の直流気中回路遮断器用の消弧部構造体。
【請求項12】
前記マグネットは、上部にS極が着磁し、下部にN極が着磁した、
請求項8記載の直流気中回路遮断器用の消弧部構造体。
【請求項13】
前記アークガイドは、一側部から他側部に長手方向に延びるとともに、一側部から下方向に延びるように形成され、前記マグネット挿入溝は、前記アークガイドは、一側部には下方向に延びた第1のマグネット挿入溝と、前記アークガイドの一側部から他側部に延びた第2のマグネット挿入溝が形成され、
前記マグネットは、第1のマグネット挿入溝(2410a)に対応するように、下方向に延びるように形成された第1マグネットと、前記第2のマグネット挿入溝に対応するように、長手方向に延びるように形成された第2マグネットとを含む、
請求項9記載の直流気中回路遮断器用の消弧部構造体。
【請求項14】
前記グリッドは、下部が中心部から両端部に向かって延びるように下向傾斜部が形成され、
前記アークガイドは、前記下向傾斜部に対応する上向傾斜部からなるガイド板部がさらに形成された、
請求項9記載の直流気中回路遮断器用の消弧部構造体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、直流気中回路遮断器用の消弧部構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
通常、気中遮断器(Air Circuit Breaker:ACB)は、低圧配電線路に設置されて、空気を消弧の媒質として低圧系統電力の送受電、切替え(switching)及び停止などを計画的に行うほか、過電流、短絡及び地絡事故などの異常電流発生時、回路を遮断して人命及び負荷機器を保護する機器である。
【0003】
より具体的に、従来技術による直流気中回路遮断器は、遮断器内部の消弧部と通電部を含む。そして、線路の過電流、短絡及び地絡事故などによる異常電流が発生する場合、継電器によって製品の器具部が動作して、固定接点と可動接点が分離される。
【0004】
また、固定接点と可動接点が分離されるとともにアークが発生する。これによって発生したアークは、アーク電流と磁束密度により直交して発生するローレンツ力(アーク磁界駆動力)により固定接点と可動接点で冷却板に移動することで、冷却及び消弧が行われる。
【0005】
また、アークガイドは、アークシュートアッセイに結合され、アークガイドは、アークを冷却板の中央に誘導して、アークの消弧が速やかに行われるようにする役割を果たす。
【0006】
しかしながら、IEC 60947-3 ANNEX D規格基準の小電流遮断時は、小さな電流及び磁場によりアークにおける非常に小さな磁界駆動力が発生する。そして、固定接点と可動接点との間でアーク停滞現象が発生する。
【0007】
また、高温のアーク停滞現象は、消弧部と通電部に構造的かつ電気的に深刻な損傷を負わせて、製品の性能低下及び設備事故が引き起こされる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の一観点は、マグネットの磁場によりアーク磁界駆動力を発生させ、これによって、アークを速やかに消弧部に排出することのできる直流気中回路遮断器用の消弧部構造体を提供するためのものである。
【0009】
本発明の他観点は、アークシュートアッセイにおいて、アークガイドがグリッドの下部に位置する上下方向に、マグネットが他の極を有するように着磁させることによって、アークの逆流を防止することのできる直流気中回路遮断器用の消弧部構造体を提供するためのものである。
【0010】
本発明のさらに他の観点は、アークガイドに挿入されるマグネットの磁場の大きさを最大化させることによって、アーク磁界駆動力を最大化し得る直流気中回路遮断器用の消弧部構造体を提供するためのものである。
【0011】
本発明のさらに他の観点は、アーク継続時間の短縮と共に、小電流遮断性能を同時に確保することのできる直流気中回路遮断器用の消弧部構造体を提供するためのものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の一実施形態による直流気中回路遮断器用の消弧部構造体は、複数のグリッドと、前記グリッドが離隔した状態で、複数個が積載されるように、前記複数のグリッドの両側部に結合された側板と、前記側板と前記複数のグリッドの上部に位置する排気カバーと、前記複数のグリッドの下部に位置するように、前記側板に結合されたアークガイドと、前記アークガイドに結合されるマグネットとを含み、前記マグネットは、前記複数のグリッドと前記アークガイドの上/下配置方向を基準に互いに異なる極が着磁する。
【0013】
また、直流気中回路遮断器用の消弧部構造体において、前記アークガイドには、前記マグネットの安着するマグネット挿入溝が形成され、前記マグネットは、前記グリッドの積載方向に延び、前記マグネット挿入溝は、前記グリッドの積載方向に延び得る。
【0014】
また、直流気中回路遮断器用の消弧部構造体において、前記マグネット挿入溝には、側板固定部が形成され、前記側板には、前記側板固定部に対応するアークガイド固定部が形成され得る。
【0015】
また、直流気中回路遮断器用の消弧部構造体において、前記側板固定部と前記アークガイド固定部は、貫通孔からなってもよい。
【0016】
また、直流気中回路遮断器用の消弧部構造体において、前記マグネットは、前記アークガイドの長手方向に延びるように形成され、前記貫通孔に対応する取付孔が形成され、前記アークガイド固定部、前記取付孔及び前記側板固定部を結合させる固定部材をさらに含み、前記固定部材により前記マグネットが前記マグネット挿入溝に安着した状態で、前記アークガイドは、前記側板に固定される。
【0017】
また、直流気中回路遮断器用の消弧部構造体において、前記マグネットは、上部にS極が着磁し、下部にN極が着磁し得る。
【0018】
また、直流気中回路遮断器用の消弧部構造体において、前記アークガイドのマグネット挿入溝が形成された板部は、一側の幅が他側の幅よりも大きく形成され、前記マグネット挿入溝は、一側の幅が他側の幅よりも大きく形成され、前記マグネット挿入孔に結合される前記マグネットは、一側の幅が他側の幅よりも広く形成され得る。
【0019】
また、直流気中回路遮断器用の消弧部構造体において、前記マグネットは、複数個からなり、前記アークガイドには、前記マグネットが安着する複数のマグネット挿入溝と、前記マグネット挿入溝の間に形成された側板固定部が形成され、前記側板には、前記側板固定部に対応するアークガイド固定部が形成される。
【0020】
また、直流気中回路遮断器用の消弧部構造体において、前記側板固定部と、前記アークガイド固定部は、貫通孔からなってもよい。
【0021】
また、直流気中回路遮断器用の消弧部構造体において、
前記アークガイド固定部及び前記側板固定部を結合させる固定部材をさらに含み、前記固定部材により前記マグネットが前記マグネット挿入溝に安着した状態で、前記アークガイドは、前記側板に固定され得る。
【0022】
また、直流気中回路遮断器用の消弧部構造体において、前記マグネットは、上部にS極が着磁し、下部にN極が着磁し得る。
【0023】
また、直流気中回路遮断器用の消弧部構造体において、前記アークガイドは、一側部から他側部に長手方向に延びるとともに、一側部から下方向に延びるように形成され、前記マグネット挿入溝は、前記アークガイドは、一側部には下方向に延びた第1のマグネット挿入溝と、前記アークガイドの一側部から他側部に延びた第2のマグネット挿入溝が形成され、前記マグネットは、第1のマグネット挿入溝2410aに対応するように、下方向に延びるように形成された第1マグネットと、前記第2のマグネット挿入溝に対応するように、長手方向に延びるように形成された第2マグネットとを含む。
【0024】
また、直流気中回路遮断器用の消弧部構造体において、前記グリッドは、下部が中心部から両端部に向かって延びるように下向傾斜部が形成され、前記アークガイドは、前記下向傾斜部に対応する上向傾斜部からなるガイド板部がさらに形成され得る。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、マグネットの磁場によりアーク磁界駆動力を発生させ、これによって、アークを速やかに消弧部に排出することができ、本発明の他観点は、アークシュートアッセイにアークガイドがグリッドの下部に位置する上下方向に、マグネットが他の極を有するように着磁させることによって、アークの逆流を防止することができ、アークガイドに挿入されるマグネットの磁場の大きさを最大化させることによって、アーク磁界駆動力を最大化し得、アーク継続時間の短縮と共に、小電流遮断性能を同時に確保することのできる直流気中回路遮断器用の消弧部構造体を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の第1実施形態による直流気中回路遮断器用の消弧部構造体を概略的に示した構成図。
図2図1に示した消弧部構造体において、アークガイドを概略的に示した構成図。
図3図1に示した消弧部構造体において、マグネットを概略的に示した構成図。
図4】本発明の第2実施形態による直流気中回路遮断器用の消弧部構造体を概略的に示した構成図。
図5図4に示した消弧部構造体において、アークガイドを概略的に示した構成図。
図6図4に示した消弧部構造体において、マグネットを概略的に示した構成図。
図7】本発明による消弧部構造体が取り付けられた直流気中回路遮断器を概略的に示した構成図。
図8図7に示した直流気中回路遮断器において、第1実施形態による消弧部構造体の概略的な第1使用状態図。
図9図7に示した直流気中回路遮断器において、第1実施形態による消弧部構造体の概略的な第2使用状態図。
図10図7に示した直流気中回路遮断器において、第2実施形態による消弧部構造体の概略的な第1使用状態図。
図11図7に示した直流気中回路遮断器において、第2実施形態による消弧部構造体の概略的な第2使用状態図。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1は、本発明の第1実施形態による直流気中回路遮断器用の消弧部構造体を概略的に示した構成図であり、図2は、図1に示した消弧部構造体において、アークガイドを概略的に示した構成図で、図3は、図1に示した消弧部構造体において、マグネットを概略的に示した構成図である。
【0028】
消弧部構造体1000は、太陽光発電設備を含む様々な直流を遮断するための設備に使用される直流気中回路遮断器に小電流遮断性能を確保する。
【0029】
図示のように、消弧部構造体1000は、側板1100、グリッド1200、排気カバー1300、アークガイド1400、及びマグネット1500を含む。
【0030】
より具体的に、グリッド1200は、流入するアークを分割及び冷凍させる冷却板であり、グリッド1200は、排気カバー1300を基準に両側に位置する側板1100の間に複数個が離隔した状態で積載される。
【0031】
このためにグリッド1200には、固定突起1210が両端部に形成され、側板1100には、固定突起1210に対応する貫通孔1110が形成される。
【0032】
グリッド1200は、下部が中心部から両端部に向かって延びるように、下向傾斜部1220が形成される。
【0033】
側板1100の上部には排気カバー1300が結合され、側板1100の下部にはアークガイド1400が結合される。
【0034】
このために側板1100には、アークガイド固定部1120と排気カバー結合部1130が形成される。
【0035】
排気カバー1300は、側板1100と複数のグリッドの上部に位置する。排気カバー1300には、側板の排気カバー結合部1130に対応する側板結合部1310が形成される。
【0036】
また、図1は、これに対する一実施形態として、側板結合部1310は、突起で形成され、排気カバー結合部1130は、貫通部で形成されたことを示したものである。
【0037】
アークガイド1400は、複数のグリッド1200の下部に位置するように、側板に固定される。
【0038】
また、アークガイド1400にはマグネット挿入溝1410、ガイド板部1420及び側板固定部1430が形成される。マグネット挿入溝1410は、マグネット1500に対応する形状からなる。
【0039】
また、マグネット挿入溝1410は、グリッド1200の積載方向に延びて、ガイド板部1420がグリッド1200に向かうように延びる。
【0040】
マグネット挿入溝1410には側板固定部1430が形成され得る。
【0041】
ガイド板部1420は、グリッド1200の下向傾斜部1220に対応する上向傾斜部からなってもよい。
【0042】
側板固定部1430は、アークガイド1400を側板1100に固定するためのものであって、アークガイド固定部1120に対応する。また、アークガイド固定部1120と側板固定部1430は、貫通孔からなってもよい。
【0043】
マグネット1500は、グリッドの積載方向であるアークガイド1400の長手方向に延びるように形成され、延在方向の直交方向、つまりグリッド1200とアークガイド1400の配置方向を基準に上/下に互いに異なる極が着磁する。
【0044】
これに対する一例として、図3は、上部に第1極1500aとしてS極が着磁し、下部には第2極1500bとしてN極が着磁する。
【0045】
上記のように、マグネットが着磁して、アークガイド1400に結合されることによって、磁界駆動力は、最大限に増大して、アークの早い冷却及び消弧を可能にする。
【0046】
また、マグネット1500には取付孔1510が形成される。取付孔1510は、貫通孔からなる前記側板固定部と前記アークガイド固定部に対応するように形成される。
【0047】
また、前記アークガイド1400は、マグネット挿入溝1410の形成された板部において、一側の幅が他側の幅よりも大きく形成され得る。これは、遮断器に取り付けられる消弧部構造体1000の全体構造を考慮したものである。
【0048】
また、マグネット挿入溝1410は、上記の構造に対応して、一側の幅が他側の幅よりも大きく形成される。マグネット挿入孔1410に結合されるマグネット1500も、一側の幅が他側の幅よりも広く形成される。
【0049】
消弧部構造体1000は、固定部材1600をさらに含み、固定部材1600は、アークガイド固定部1120、取付孔1510及び側板固定部1430を結合させる。これによって、マグネットをアークガイドに結合させた状態で、アークガイドを側板に固定させることができる。
【0050】
また、固定部材1600は、外周部にシリコンなどの絶縁層1610が形成され得る。
【0051】
図4は、本発明の第2実施形態による直流気中回路遮断器用の消弧部構造体を概略的に示した構成図であり、図5は、図4に示した消弧部構造体において、アークガイドを概略的に示した構成図で、図6は、図4に示した消弧部構造体において、マグネットを概略的に示した構成図である。
【0052】
図示のように、消弧部構造体2000は、図1図3に示した消弧部構造体1000と比較して、マグネットと、マグネットを収容するマグネット挿入溝1410のみが相違する。
【0053】
より具体的に、消弧部構造体2000は、側板2100、グリッド2200、排気カバー2300、アークガイド2400、及びマグネット2500a,2500bを含む。
【0054】
マグネットは、第1マグネット2500aと第2マグネット2500bを含む。
【0055】
また、側板2100、グリッド2200及び排気カバー2300は、前述した第1実施形態による消弧部構造体1000の側板1100、グリッド2200及び排気カバー2300と同様であり、前述したところ、具体的な説明は省略する。
【0056】
アークガイド2400は、マグネット挿入溝2410、ガイド板部2420及び側板固定部2430が形成される。マグネット挿入溝2410は、第1マグネット2500aが挿入結合される第1のマグネット挿入溝2410aと、第2マグネット2500bが挿入結合される第2のマグネット挿入溝2410bとが形成される。
【0057】
また、第1のマグネット挿入溝2410aと、第2のマグネット挿入溝2410bは、側板固定部2430が形成されない領域に形成される。
【0058】
アークガイド2400は、一側部から他側部に長手方向に延びるとともに、一側部から下方向に延びるように形成される。これによって、アークガイド2400は、一側部には、下方向に延びた第1のマグネット挿入溝2410aが形成され、一側部から他側部に延びた第2のマグネット挿入溝2410bが形成される。
【0059】
第1マグネット2500aは、第1のマグネット挿入溝2410aに対応するように、下方向に延びるように形成され、第2マグネット2500bは、第2のマグネット挿入溝2410bに対応するように、長手方向に延びるように形成される。
【0060】
第1マグネット2500aと第2マグネット2500bは、アークガイド2400の延在方向に対する直交方向、つまりグリッド2200とアークガイド2400の配置方向を基準に上/下に互いに異なる極が着磁する。
【0061】
これに対する一例として、図6は、上部に第1極2500a’,2500b’としてS極が着磁し、下部には第2極2500a”,2500b”としてN極が着磁する。
【0062】
また、第1マグネット2500aは、第1のマグネット挿入溝2410aに挿入され、第2マグネット2500bは、第2のマグネット挿入溝2410bに挿入された状態で、固定部材2600をアークガイド固定部2120と側板固定部2430に結合させて、アークガイド2400が側板2100に固定される。
【0063】
図7は、本発明による消弧部構造体が取り付けられた直流気中回路遮断器を概略的に示した構成図である。
【0064】
図示のように、直流気中回路遮断器の本体に消弧部構造体1000,2000、固定コンダクターアッセイ3000及び可動コンダクターアッセイ4000が取り付けられる。
【0065】
また、固定コンダクターアッセイ3000に対向するように可動コンダクターアッセイ4000が取り付けられ、消弧部構造体1000,2000は、固定コンダクターアッセイ3000と可動コンダクターアッセイ4000の上部に位置して、接点分離時に発生するアークを消弧させる。
【0066】
図8は、図7に示した直流気中回路遮断器において、第1実施形態による消弧部構造体の概略的な第1使用状態図であり、図9は、図7に示した直流気中回路遮断器において、第1実施形態による消弧部構造体の概略的な第2使用状態図である。
【0067】
図8に示したように、アークガイド1400にマグネット1500が装着された場合、矢印で示したように、小電流遮断時、磁場が分布される。
【0068】
また、直流気中遮断器の小電流を遮断する状況におけるマグネット周囲の磁場は、均一に分布される。
【0069】
また、図9に示したように、アーク磁界駆動力の大きさは、マグネット磁場の大きさによって決定され、方向は、磁場と電流方向に直交するようになる。
【0070】
すなわち、磁場の分布と小電流の接続方向を基準にアーク磁界駆動力(F)は、矢印で示したように、グリッド1200に向かって作用する。また、図9の(a)は、アークガイド1400の延在方向に電流方向が引き出される場合の駆動力(F)を示したものであり、図9の(b)は、アークガイド1400の延在方向に電流方向が引き込まれる場合の駆動力(F)を示したものである。
【0071】
結局、磁場の分布と小電流の接続方向に基づく小電流遮断時、アーク磁界駆動力は、グリッド1200の側面方向に作用するようになり、上記したように、アーク磁界駆動力(F)が形成されることによって、アークの消弧が速やかに行われるだけでなく、アークの逆流が発生せず、アークの停滞が発生しない。
【0072】
図10は、図7に示した直流気中回路遮断器において、第2実施形態による消弧部構造体の概略的な第1使用状態図であり、図11は、図7に示した直流気中回路遮断器において、第2実施形態による消弧部構造体の概略的な第2使用状態図である。
【0073】
図10に示したように、アークガイド2400にマグネット2500が装着された場合、矢印のように、小電流遮断時に磁場が分布される。
【0074】
また、直流気中遮断器の小電流を遮断する状況におけるマグネット周囲の磁場は、均一に分布される。
【0075】
図11に示したように、アーク磁界駆動力の大きさは、マグネットの磁場の大きさによって決定され、方向は、磁場と電流方向に直交するようになる。
【0076】
すなわち、磁場の分布と小電流の接続方向を基準にアーク磁界駆動力(F)は、矢印で示したように、グリッド2200に向かって作用する。また、図11の(a)は、アークガイド2400の延在方向に電流方向が引き出される場合の駆動力(F)を示したものであり、図11の(b)は、アークガイド2400の延在方向に電流方向が引き込まれる場合の駆動力(F)を示したものである。
【0077】
結局、磁場の分布と小電流の接続方向に基づく小電流遮断時、アーク磁界駆動力は、グリッド1200の側面方向に作用するようになり、上記したように、アーク磁界駆動力(F)が形成されることによって、アークの消弧が速やかに行われるだけでなく、アークの逆流が発生せず、アークの停滞が発生しない。
【0078】
上記のように行われることによって、本発明の第1実施形態による消弧部構造体1000と、第2実施形態による消弧部構造体2000は、いずれもアーク消弧が速やかに行われるだけでなく、アークの逆流が発生せず、アークの停滞が発生しない構造からなるとともに、消弧部構造体1000は、マグネットが最大の大きさに確保されて、アーク磁界駆動力が最大化し、消弧部構造体2000は、側板固定部2430と関係なくマグネットの装着が容易であり、これによって、組み立て性及び生産性が向上する。
【0079】
以上、添付の図面を参照して、本発明の好ましい一実施形態を説明したが、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者であれば、本発明がその技術的思想や必須な特徴を変更せずに、他の具体的な形態に実施され得ることを理解することができる。よって、以上に記述した一実施形態は、すべての面で例示的なものであり、限定的ではないと理解しなければならない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8(a)】
図8(b)】
図9(a)】
図9(b)】
図10(a)】
図10(b)】
図11(a)】
図11(b)】
【国際調査報告】