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特表2022-528158コンジュゲート化莢膜糖抗原を含む免疫原性組成物、それを含むキットおよびその使用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-08
(54)【発明の名称】コンジュゲート化莢膜糖抗原を含む免疫原性組成物、それを含むキットおよびその使用
(51)【国際特許分類】
   A61K 39/09 20060101AFI20220601BHJP
   A61K 39/12 20060101ALI20220601BHJP
   A61K 39/145 20060101ALI20220601BHJP
   A61K 39/29 20060101ALI20220601BHJP
   A61K 39/02 20060101ALI20220601BHJP
   A61P 37/04 20060101ALI20220601BHJP
   A61P 31/12 20060101ALI20220601BHJP
   A61P 31/04 20060101ALI20220601BHJP
【FI】
A61K39/09
A61K39/12
A61K39/145
A61K39/29
A61K39/02
A61P37/04
A61P31/12
A61P31/04
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021559526
(86)(22)【出願日】2020-04-06
(85)【翻訳文提出日】2021-11-22
(86)【国際出願番号】 IB2020053280
(87)【国際公開番号】W WO2020208502
(87)【国際公開日】2020-10-15
(31)【優先権主張番号】62/832,245
(32)【優先日】2019-04-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】593141953
【氏名又は名称】ファイザー・インク
(74)【代理人】
【識別番号】100133927
【弁理士】
【氏名又は名称】四本 能尚
(74)【代理人】
【識別番号】100147186
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 眞紀
(74)【代理人】
【識別番号】100174447
【弁理士】
【氏名又は名称】龍田 美幸
(74)【代理人】
【識別番号】100185960
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 理愛
(72)【発明者】
【氏名】アナリーサ シビル アンダーソン
(72)【発明者】
【氏名】イシス カネフスキー
(72)【発明者】
【氏名】ファリド ラティフ カーン
(72)【発明者】
【氏名】チャールズ ハロルド ジョーンズ
(72)【発明者】
【氏名】ジョン マイケル マクラフリン
【テーマコード(参考)】
4C085
【Fターム(参考)】
4C085AA03
4C085BA14
4C085BA38
4C085BA55
4C085BA88
4C085BA89
4C085CC07
4C085CC08
4C085FF01
4C085FF02
4C085FF11
4C085FF17
(57)【要約】
本発明は、コンジュゲート化肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae)莢膜糖抗原(糖コンジュゲート)を含む新規免疫原性組成物、前記免疫原性組成物を含むキットおよびその使用に関する。本発明の免疫原性組成物は、典型的には、PREVNAR(登録商標)、SYNFLORIX(登録商標)および/またはPREVNAR13(登録商標)には見出されない肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型由来の少なくとも1つの糖コンジュゲートを含む。本発明はまた、前記新規免疫原性組成物を使用する、肺炎球菌感染に対する、ヒト対象、特に、乳児および高齢者のワクチン接種に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型6C、7C、9N、15A、15B、15C、16F、17F、20、23A、23B、31、34、35B、35F、および38からなる群から選択される少なくとも1つの糖コンジュゲートを含む免疫原性組成物であって、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15または16価の肺炎球菌コンジュゲート組成物である、前記組成物。
【請求項2】
肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型6C由来の糖コンジュゲート、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型7C由来の糖コンジュゲート、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型9N由来の糖コンジュゲート、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型15A由来の糖コンジュゲート、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型15B由来の糖コンジュゲート、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型15C由来の糖コンジュゲート、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型16F由来の糖コンジュゲート、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型17F由来の糖コンジュゲート、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型20由来の糖コンジュゲート、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型23A由来の糖コンジュゲート、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型23B由来の糖コンジュゲート、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型31由来の糖コンジュゲート、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型34由来の糖コンジュゲート、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型35B由来の糖コンジュゲート、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型35F由来の糖コンジュゲート、および肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型38由来の糖コンジュゲートを含み、16価の肺炎球菌コンジュゲート組成物である、請求項1に記載の免疫原性組成物。
【請求項3】
前記糖コンジュゲートが、CRM197に個別にコンジュゲートされる、請求項1に記載の免疫原性組成物。
【請求項4】
前記血清型6C、7C、9N、15A、15B、15C、16F、17F、20、23A、23B、31、34、35B、35F、または38糖コンジュゲートの少なくとも1つが、1,000kDa~20,000kDaの分子量を有する、請求項1に記載の免疫原性組成物。
【請求項5】
前記血清型6C、7C、9N、15A、15B、15C、16F、17F、20、23A、23B、31、34、35B、35F、または38糖コンジュゲートの少なくとも1つが、血清型6C、7C、9N、15A、15B、15C、16F、17F、20、23A、23B、31、34、35B、35F、または38莢膜多糖の総量と比較して、約50%未満の遊離血清型6C、7C、9N、15A、15B、15C、16F、17F、20、23A、23B、31、34、35B、35F、または38莢膜多糖を含む、請求項1に記載の免疫原性組成物。
【請求項6】
前記血清型6C、7C、9N、15A、15B、15C、16F、17F、20、23A、23B、31、34、35B、35F、または38糖コンジュゲートの少なくとも1つのコンジュゲーション度が、2~15である、請求項1に記載の免疫原性組成物。
【請求項7】
前記血清型6C、7C、9N、15A、15B、15C、16F、17F、20、23A、23B、31、34、35B、35F、または38糖コンジュゲートの少なくとも1つが、還元的アミノ化を使用して調製される、請求項1に記載の免疫原性組成物。
【請求項8】
前記血清型6C、7C、9N、15A、15B、15C、16F、17F、20、23A、23B、31、34、35B、35F、または38糖コンジュゲートの少なくとも1つが、400kDa~15,000kDaの分子量を有する、請求項1に記載の免疫原性組成物。
【請求項9】
前記血清型6C、7C、9N、15A、15B、15C、16F、17F、20、23A、23B、31、34、35B、35F、または38糖コンジュゲートの少なくとも1つが、1,000kDa~8,000kDaの分子量を有する、請求項1に記載の免疫原性組成物。
【請求項10】
前記血清型6C、7C、9N、15A、15B、15C、16F、17F、20、23A、23B、31、34、35B、35F、または38糖コンジュゲートの少なくとも1つが、還元的アミノ化を使用して調製される、請求項1に記載の免疫原性組成物。
【請求項11】
前記免疫原性組成物のそれぞれの用量が、0.1μg~100μgのそれぞれの血清型の多糖を含む、請求項1に記載の免疫原性組成物。
【請求項12】
前記免疫原性組成物のそれぞれの用量が、1.0μg~10μgのそれぞれの血清型の多糖を含む、請求項1に記載の免疫原性組成物。
【請求項13】
前記免疫原性組成物のそれぞれの用量が、それぞれの血清型の糖コンジュゲートについて、約1.0μg、約1.2μg、約1.4μg、約1.6μg、約1.8μg、約2.0μg、約2.2μg、約2.4μg、約2.6μg、約2.8μg、約3.0μg、約3.2μg、約3.4μg、約3.6μg、約3.8μg、約4.0μg、約4.2μg、約4.4μg、約4.6μg、約4.8μg、約5.0μg、約5.2μg、約5.4μg、約5.6μg、約5.8μgまたは約6.0μgの多糖を含む、請求項1に記載の免疫原性組成物。
【請求項14】
ジフテリアトキソイド(D)、破傷風トキソイド(T)、百日咳抗原(P)、無細胞百日咳抗原(Pa)、B型肝炎ウイルス(HBV)表面抗原(HBsAg)、A型肝炎ウイルス(HAV)抗原、コンジュゲート化インフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)b型莢膜糖(Hib)、および不活化ポリオウイルスワクチン(IPV)からなる群から選択される少なくとも1つの抗原をさらに含む、請求項1に記載の免疫原性組成物。
【請求項15】
リン酸アルミニウム、硫酸アルミニウムまたは水酸化アルミニウム、リン酸カルシウム、リポソーム、水中油エマルジョン、MF59(4.3%w/vスクアレン、0.5%w/vポリソルベート80、0.5%w/vソルビタントリオレエート)、油中水エマルジョン、MONTANIDE(商標)、ポリ(D,L-ラクチド-co-グリコリド)(PLG)マイクロ粒子およびポリ(D,L-ラクチド-co-グリコリド)(PLG)ナノ粒子からなる群から選択される少なくとも1つのアジュバントをさらに含む、請求項1に記載の免疫原性組成物。
【請求項16】
CpGオリゴヌクレオチドをさらに含む、請求項1に記載の免疫原性組成物。
【請求項17】
5.5~7.5のpHを有する、請求項1に記載の免疫原性組成物。
【請求項18】
血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19F、23F、22Fおよび33Fからなる群から選択される肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae)血清型由来の少なくとも1つの糖コンジュゲートを含む第2の免疫原性組成物と同時に、同時発生的に、併用的に、または連続的に投与される、請求項1に記載の免疫原性組成物。
【請求項19】
前記第2の免疫原性組成物が、10、11、12、13、14または15価の肺炎球菌コンジュゲート組成物である、請求項18に記載の免疫原性組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、2019年4月10日に出願された米国仮特許出願第62/832,245号の優先権の利益を主張する。
【0002】
本発明の分野
本発明は、コンジュゲート化莢膜糖抗原(糖コンジュゲート)を含む新規免疫原性組成物、免疫原性組成物を含むキット、およびその使用に関する。本発明の免疫原性組成物は、典型的には、糖が肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae)の血清型に由来する糖コンジュゲートを含む。本発明はまた、新規免疫原性組成物およびキットを使用する、肺炎球菌感染に対する、ヒト対象、特に、乳児および高齢者対象のワクチン接種に関する。
【背景技術】
【0003】
肺炎球菌によって引き起こされる感染は、世界中で罹患と死亡の主な原因である。肺炎、熱性菌血症および髄膜炎は侵襲性肺炎球菌疾患の最も一般的な症状であるが、気道内での細菌拡散は、中耳感染、副鼻腔炎または反復性気管支炎をもたらし得る。侵襲性疾患と比較して、非侵襲性症状は通常、あまり重篤ではないが、かなりより一般的である。
【0004】
欧州および米国では、肺炎球菌性肺炎は、最も一般的な市中細菌性肺炎であり、毎年、成人100,000人あたり約100人が罹患すると見積もられている。熱性菌血症および髄膜炎に関する、対応する統計は、それぞれ、100,000人あたり15~19人および100,000人あたり1~2人である。1つまたは複数のこれらの症状のリスクは、乳児および高齢者ならびに全ての年齢の免疫障害を有する人々においてはるかにより高い。経済的に発達した地域であっても、侵襲性肺炎球菌疾患は死亡率が高い;肺炎球菌性肺炎を有する成人については、死亡率は平均で10%~20%であるが、高リスク群では、それは50%を超える可能性がある。肺炎は、世界で肺炎球菌による死亡の圧倒的に最も一般的な原因である。
【0005】
肺炎球菌疾患の原因菌である、肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae)(肺炎球菌)は、多糖莢膜によって取り囲まれた、グラム陽性被包性球菌である。この莢膜の組成における差異は、約91種の莢膜型間の血清学的差異を可能にし、その一部は肺炎球菌疾患と関連することが多いが、他は稀である。侵襲性肺炎球菌感染は、肺炎、髄膜炎および熱性菌血症を含む;中でも、一般的な非侵襲性症状は、中耳炎、副鼻腔炎および気管支炎である。肺炎球菌コンジュゲートワクチン(PCV)は、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)(肺炎球菌)によって引き起こされる疾患に対して防御するために使用される肺炎球菌ワクチンである。現在、世界市場で利用可能な3種のPCVワクチンがある:PREVNAR(登録商標)(一部の国では、PREVENAR(登録商標))(7価ワクチン)、SYNFLORIX(登録商標)(10価ワクチン)およびPREVNAR13(登録商標)(一部の国では、PREVENAR13(登録商標))(13価ワクチン)。
【0006】
必須の抗生物質に対する幅広い微生物耐性の最近の発生および免疫障害を有する人々の数の増加は、さらにより広い防御を示す肺炎球菌ワクチンの必要性を強調する。
【0007】
特に、PREVNAR13(登録商標)には見出されない血清型に起因する肺炎球菌疾患の範囲に関する残っている満たされない医学的必要性および非PREVNAR13(登録商標)血清型の出現の可能性に対処する必要がある。PREVNAR13(登録商標)における13を超える疾患を引き起こす特定の血清型は、地域、集団によって変化し、抗生物質耐性の獲得、肺炎球菌ワクチン導入および未知の起源の長期的傾向に起因して時間と共に変化し得る。ヒト、特に、2歳未満の小児においてさらなる肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae)血清型に対する免疫応答を誘導するために使用することができる免疫原性組成物が必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の新規免疫原性組成物の目的は、PREVNAR13(登録商標)には見出されない肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型に対する適切な防御を提供することである。一態様では、本発明の免疫原性組成物の目的は、PREVNAR(登録商標)(7価ワクチン)、SYNFLORIX(登録商標)および/またはPREVNAR13(登録商標)によって現在包含される血清型に対する免疫応答を維持しながら、前記ワクチンには見出されない肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型に対する適切な防御を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
これらの必要性および他の必要性を満たすために、本発明は、新規免疫原性組成物、それを含むキットおよびその使用に関する。以下の条項は、本発明の一部の態様および実施形態を記載する。
【0010】
1.肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型6C、7C、9N、15A、15B、15C、16F、17F、20、23A、23B、31、34、35B、35F、および38からなる群から選択される少なくとも1つの糖コンジュゲートを含む免疫原性組成物であって、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15または16価の肺炎球菌コンジュゲート組成物である、前記組成物。
【0011】
2.肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型6C由来の少なくとも1つの糖コンジュゲートを含む、条項1に記載の免疫原性組成物。
【0012】
3.肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型7C由来の少なくとも1つの糖コンジュゲートを含む、条項1に記載の免疫原性組成物。
【0013】
4.肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型9N由来の少なくとも1つの糖コンジュゲートを含む、条項1に記載の免疫原性組成物。
【0014】
5.肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型15A由来の少なくとも1つの糖コンジュゲートを含む、条項1に記載の免疫原性組成物。
【0015】
6.肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型15B由来の少なくとも1つの糖コンジュゲートを含む、条項1に記載の免疫原性組成物。
【0016】
7.肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型15C由来の少なくとも1つの糖コンジュゲートを含む、条項1に記載の免疫原性組成物。
【0017】
8.肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型16F由来の少なくとも1つの糖コンジュゲートを含む、条項1に記載の免疫原性組成物。
【0018】
9.肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型17F由来の少なくとも1つの糖コンジュゲートを含む、条項1に記載の免疫原性組成物。
【0019】
10.肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型20由来の少なくとも1つの糖コンジュゲートを含む、条項1に記載の免疫原性組成物。
【0020】
11.肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型23A由来の少なくとも1つの糖コンジュゲートを含む、条項1に記載の免疫原性組成物。
【0021】
12.肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型23B由来の少なくとも1つの糖コンジュゲートを含む、条項1に記載の免疫原性組成物。
【0022】
13.肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型31由来の少なくとも1つの糖コンジュゲートを含む、条項1に記載の免疫原性組成物。
【0023】
14.肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型34由来の少なくとも1つの糖コンジュゲートを含む、条項1に記載の免疫原性組成物。
【0024】
15.肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型35B由来の少なくとも1つの糖コンジュゲートを含む、条項1に記載の免疫原性組成物。
【0025】
16.肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型35F由来の少なくとも1つの糖コンジュゲートを含む、条項1に記載の免疫原性組成物。
【0026】
17.肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型38由来の少なくとも1つの糖コンジュゲートを含む、条項1に記載の免疫原性組成物。
【0027】
18.肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型6C由来の糖コンジュゲート、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型7C由来の糖コンジュゲート、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型9N由来の糖コンジュゲート、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型15A由来の糖コンジュゲート、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型15B由来の糖コンジュゲート、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型15C由来の糖コンジュゲート、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型16F由来の糖コンジュゲート、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型17F由来の糖コンジュゲート、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型20由来の糖コンジュゲート、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型23A由来の糖コンジュゲート、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型23B由来の糖コンジュゲート、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型31由来の糖コンジュゲート、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型34由来の糖コンジュゲート、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型35B由来の糖コンジュゲート、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型35F由来の糖コンジュゲート、および肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型38由来の糖コンジュゲートを含み、16価の肺炎球菌コンジュゲート組成物である、条項1~17のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【0028】
19.前記糖コンジュゲートが、CRM197に個別にコンジュゲートされる、条項1~18のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【0029】
20.前記糖コンジュゲートが、PDに個別にコンジュゲートされる、条項1~18のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【0030】
21.前記糖コンジュゲートが、TTに個別にコンジュゲートされる、条項1~18のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【0031】
22.前記糖コンジュゲートが、DTに個別にコンジュゲートされる、条項1~18のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【0032】
23.前記血清型6C、7C、9N、15A、15B、15C、16F、17F、20、23A、23B、31、34、35B、35F、または38糖コンジュゲートの少なくとも1つが、1,000kDa~20,000kDaの分子量を有する、条項1~18のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【0033】
24.前記血清型6C、7C、9N、15A、15B、15C、16F、17F、20、23A、23B、31、34、35B、35F、または38糖コンジュゲートの少なくとも1つが、血清型6C、7C、9N、15A、15B、15C、16F、17F、20、23A、23B、31、34、35B、35F、または38莢膜多糖の総量と比較して、約50%未満の遊離血清型6C、7C、9N、15A、15B、15C、16F、17F、20、23A、23B、31、34、35B、35F、または38の莢膜多糖を含む、条項1~18のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【0034】
25.血清型6C、7C、9N、15A、15B、15C、16F、17F、20、23A、23B、31、34、35B、35F、または38糖コンジュゲートの少なくとも40%が、CL-4Bカラム中で0.3より低い、またはそれに等しいKを有する、条項1~18のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【0035】
26.前記血清型6C、7C、9N、15A、15B、15C、16F、17F、20、23A、23B、31、34、35B、35F、または38糖コンジュゲートの少なくとも1つのコンジュゲーション度が、2~15である、条項1~18のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【0036】
27.前記血清型6C、7C、9N、15A、15B、15C、16F、17F、20、23A、23B、31、34、35B、35F、または38糖コンジュゲートの少なくとも1つの担体タンパク質が、CRM197である、条項1~22のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【0037】
28.前記血清型6C、7C、9N、15A、15B、15C、16F、17F、20、23A、23B、31、34、35B、35F、または38糖コンジュゲートの少なくとも1つが、還元的アミノ化を使用して調製される、条項1~22のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【0038】
29.前記血清型6C、7C、9N、15A、15B、15C、16F、17F、20、23A、23B、31、34、35B、35F、または38糖コンジュゲートの少なくとも1つが、400kDa~15,000kDaの分子量を有する、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【0039】
30.前記血清型6C、7C、9N、15A、15B、15C、16F、17F、20、23A、23B、31、34、35B、35F、または38糖コンジュゲートの少なくとも1つが、1,000kDa~8,000kDaの分子量を有する、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【0040】
31.前記血清型6C、7C、9N、15A、15B、15C、16F、17F、20、23A、23B、31、34、35B、35F、または38糖コンジュゲートの少なくとも1つが、還元的アミノ化を使用して調製される、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【0041】
32.前記免疫原性組成物のそれぞれの用量が、0.1μg~100μgのそれぞれの血清型の多糖を含む、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【0042】
33.前記免疫原性組成物のそれぞれの用量が、1.0μg~10μgのそれぞれの血清型の多糖を含む、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【0043】
34.前記免疫原性組成物のそれぞれの用量が、それぞれの血清型の糖コンジュゲートについて、約1.0μg、約1.2μg、約1.4μg、約1.6μg、約1.8μg、約2.0μg、約2.2μg、約2.4μg、約2.6μg、約2.8μg、約3.0μg、約3.2μg、約3.4μg、約3.6μg、約3.8μg、約4.0μg、約4.2μg、約4.4μg、約4.6μg、約4.8μg、約5.0μg、約5.2μg、約5.4μg、約5.6μg、約5.8μgまたは約6.0μgの多糖を含む、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【0044】
35.前記免疫原性組成物のそれぞれの用量が、存在する場合、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型6C、7C、9N、15A、15B、15C、16F、17F、20、23A、23B、31、34、35B、35F、および/または38由来のそれぞれの糖コンジュゲートについて、約1.5μg~約3.0μgの多糖を含む、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【0045】
36.前記免疫原性組成物のそれぞれの用量が、10μg~150μgの担体タンパク質を含む、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【0046】
37.前記免疫原性組成物のそれぞれの用量が、約1μg、約2μg、約3μg、約4μg、約5μg、約6μg、約7μg、約8μg、約9μg、約10μg、約11μg、約12μg、約13μg、約14μg、約15μg、約16μg、約17μg、約18μg、約19μg、約20μg、約21μg、約22μg、約23μg、約24μg、約25μg、約26μg、約27μg、約28μg、約29μg、約30μg、約31μg、約32μg、約33μg、約34μg、約35μg、約36μg、約37μg、約38μg、約39μg、約40μg、約41μg、約42μg、約43μg、約44μg、約45μg、約46μg、約47μg、約48μg、約49μg、約50μg、約51μg、約52μg、約53μg、約54μg、約55μg、約56μg、約57μg、約58μg、約59μg、約60μg、約61μg、約62μg、約63μg、約64μg、約65μg、約66μg、約67μg、約68μg、約69μg、約70μg、約71μg、約72μg、約73μg、約74μgまたは約75μgの担体タンパク質を含む、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【0047】
38.他の病原体由来の少なくとも1つの抗原をさらに含む、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【0048】
39.ジフテリアトキソイド(D)、破傷風トキソイド(T)、百日咳抗原(P)、無細胞百日咳抗原(Pa)、B型肝炎ウイルス(HBV)表面抗原(HBsAg)、A型肝炎ウイルス(HAV)抗原、コンジュゲート化インフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)b型莢膜糖(Hib)、および不活化ポリオウイルスワクチン(IPV)からなる群から選択される少なくとも1つの抗原をさらに含む、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【0049】
40.D、TおよびPaをさらに含む、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【0050】
41.D、T、PaおよびHibをさらに含む、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【0051】
42.D、T、PaおよびIPVをさらに含む、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【0052】
43.D、T、PaおよびHBsAgをさらに含む、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【0053】
44.D、T、Pa、HBsAgおよびIPVをさらに含む、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【0054】
45.D、T、Pa、HBsAgおよびHibをさらに含む、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【0055】
46.D、T、Pa、HBsAg、IPVおよびHibをさらに含む、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【0056】
47.コンジュゲート化髄膜炎菌(N.meningitidis)血清群Y莢膜糖(MenY)をさらに含む、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【0057】
48.コンジュゲート化髄膜炎菌(N.meningitidis)血清群C莢膜糖(MenC)をさらに含む、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【0058】
49.コンジュゲート化髄膜炎菌(N.meningitidis)血清群A莢膜糖(MenA)をさらに含む、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【0059】
50.コンジュゲート化髄膜炎菌(N.meningitidis)血清群W135莢膜糖(MenW135)をさらに含む、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【0060】
51.コンジュゲート化髄膜炎菌(N.meningitidis)血清群Y莢膜糖(MenY)およびコンジュゲート化髄膜炎菌(N.meningitidis)血清群C莢膜糖(MenC)をさらに含む、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【0061】
52.コンジュゲート化髄膜炎菌(N.meningitidis)血清群W135莢膜糖(MenW135)、コンジュゲート化髄膜炎菌(N.meningitidis)血清群Y莢膜糖(MenY)および/またはコンジュゲート化髄膜炎菌(N.meningitidis)血清群C莢膜糖(MenC)をさらに含む、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【0062】
53.コンジュゲート化髄膜炎菌(N.meningitidis)血清群A莢膜糖(MenA)、コンジュゲート化髄膜炎菌(N.meningitidis)血清群W135莢膜糖(MenW135)、コンジュゲート化髄膜炎菌(N.meningitidis)血清群Y莢膜糖(MenY)および/またはコンジュゲート化髄膜炎菌(N.meningitidis)血清群C莢膜糖(MenC)をさらに含む、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【0063】
54.少なくとも1つのアジュバントをさらに含む、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【0064】
55.リン酸アルミニウム、硫酸アルミニウムまたは水酸化アルミニウム、リン酸カルシウム、リポソーム、水中油エマルジョン、MF59(4.3%w/vスクアレン、0.5%w/vポリソルベート80、0.5%w/vソルビタントリオレエート)、油中水エマルジョン、MONTANIDE(商標)、ポリ(D,L-ラクチド-co-グリコリド)(PLG)マイクロ粒子およびポリ(D,L-ラクチド-co-グリコリド)(PLG)ナノ粒子からなる群から選択される少なくとも1つのアジュバントをさらに含む、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【0065】
56.リン酸アルミニウム、硫酸アルミニウムおよび水酸化アルミニウムからなる群から選択される少なくとも1つのアジュバントをさらに含む、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【0066】
57.アジュバントとしてリン酸アルミニウムをさらに含む、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【0067】
58.アジュバントとして硫酸アルミニウムをさらに含む、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【0068】
59.アジュバントとして水酸化アルミニウムをさらに含む、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【0069】
60.アジュバントとしてリン酸アルミニウムの形態で0.1mg/mL~1mg/mLの元素アルミニウムを含む、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【0070】
61.アジュバントとしてリン酸アルミニウムの形態で0.2mg/mL~0.3mg/mLの元素アルミニウムを含む、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【0071】
62.アジュバントとしてリン酸アルミニウムの形態で約0.25mg/mLの元素アルミニウムを含む、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【0072】
63.CpGオリゴヌクレオチドをさらに含む、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【0073】
64.液体形態で製剤化される、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【0074】
65.凍結乾燥形態で製剤化される、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【0075】
66.水性液体形態で製剤化される、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【0076】
67.1つまたは複数の緩衝剤、塩、二価カチオン、非イオン性界面活性剤、糖などの凍結保護剤、およびフリーラジカルスカベンジャーもしくはキレート剤などの酸化防止剤、またはそれらの任意の組合せを含む、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【0077】
68.緩衝剤を含む、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【0078】
69.前記緩衝剤が、約3.5~約7.5のpKaを有する、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【0079】
70.前記緩衝剤が、リン酸塩、コハク酸塩、ヒスチジンまたはクエン酸塩である、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【0080】
71.前記緩衝剤が、1.0mM~10mMの最終濃度のコハク酸塩である、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【0081】
72.前記緩衝剤が、約5.0mMの最終濃度のコハク酸塩である、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【0082】
73.塩を含む、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【0083】
74.前記塩が、塩化マグネシウム、塩化カリウム、塩化ナトリウムおよびその組合せからなる群から選択される、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【0084】
75.前記塩が、塩化ナトリウムである、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【0085】
76.前記塩が、約150mMの濃度の塩化ナトリウムである、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【0086】
77.界面活性剤を含む、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【0087】
78.前記界面活性剤が、ポリソルベート20、ポリソルベート40、ポリソルベート60、ポリソルベート65、ポリソルベート80、ポリソルベート85、トリトンN-101、トリトンX-100、オクトキシノール40、ノノキシノール9、トリエタノールアミン、トリエタノールアミンポリペプチドオレイン酸、ポリオキシエチレン-660ヒドロキシステアリン酸、ポリオキシエチレン-35-リシノール酸、大豆レシチンおよびポロキサマーからなる群から選択される、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【0088】
79.前記界面活性剤が、ポリソルベート20、ポリソルベート40、ポリソルベート60、ポリソルベート65、ポリソルベート80、ポリソルベート85およびポロキサマーの群から選択される、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【0089】
80.前記界面活性剤が、ポリソルベート80である、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【0090】
81.界面活性剤が、少なくとも0.0001重量%~10重量%(w/w)の最終濃度のポリソルベート80である、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【0091】
82.界面活性剤が、少なくとも0.001重量%~1重量%(w/w)の最終濃度のポリソルベート80である、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【0092】
83.界面活性剤が、少なくとも0.01重量%~1重量%(w/w)の最終濃度のポリソルベート80である、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【0093】
84.界面活性剤が、0.01重量%、0.02重量%、0.03重量%、0.04重量%、0.05重量%、0.06重量%、0.07重量%、0.08重量%、0.09重量%または0.1重量%(w/w)の最終濃度のポリソルベート80である、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【0094】
85.5.5~7.5のpHを有する、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【0095】
86.5.6~7.0のpHを有する、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【0096】
87.5.8~6.0のpHを有する、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【0097】
88.(a)条項1~165のいずれか一項に記載の前記免疫原性組成物を含む第1の免疫原性組成物;ならびに(b)血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19F、23F、22Fおよび33Fからなる群から選択される肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae)血清型由来の少なくとも1つの糖コンジュゲートを含む第2の免疫原性組成物を含むキット。
【0098】
89.前記第2の免疫原性組成物が、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型4、6B、9V、14、18C、19Fおよび23F由来の糖コンジュゲートを含む、条項88に記載のキット。
【0099】
90.前記第2の免疫原性組成物が、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型1、4、5、6B、7F、9V、14、18C、19Fおよび23F由来の糖コンジュゲートを含む、条項88に記載のキット。
【0100】
91.前記第2の免疫原性組成物が、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型1、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19Fおよび23F由来の糖コンジュゲートを含む、条項88に記載のキット。
【0101】
92.前記第2の免疫原性組成物が、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19Fおよび23F由来の糖コンジュゲートを含む、条項88に記載のキット。
【0102】
93.前記第2の免疫原性組成物が、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型1、4、5、6B、7F、9V、14、18C、19F、23Fおよび22F由来の糖コンジュゲートを含む、条項88に記載のキット。
【0103】
94.前記第2の免疫原性組成物が、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型1、4、5、6B、7F、9V、14、18C、19F、23Fおよび33F由来の糖コンジュゲートを含む、条項88に記載のキット。
【0104】
95.前記第2の免疫原性組成物が、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型1、4、5、6B、7F、9V、14、18C、19F、23F、22Fおよび33F由来の糖コンジュゲートを含む、条項88に記載のキット。
【0105】
96.前記第2の免疫原性組成物が、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19F、23Fおよび22F由来の糖コンジュゲートを含む、条項88に記載のキット。
【0106】
97.前記第2の免疫原性組成物が、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19F、23Fおよび33F由来の糖コンジュゲートを含む、条項88に記載のキット。
【0107】
98.前記第2の免疫原性組成物が、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19F、23F、22Fおよび33F由来の糖コンジュゲートを含む、条項88に記載のキット。
【0108】
99.肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型4、6B、9V、14、18C、19Fおよび23F由来の前記糖コンジュゲートが、CRM197にコンジュゲートされる、前記条項のいずれか一項に記載のキット。
【0109】
100.肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型1、5および7F由来の前記糖コンジュゲートが、CRM197にコンジュゲートされる、前記条項のいずれか一項に記載のキット。
【0110】
101.肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型6Aおよび19A由来の前記糖コンジュゲートが、CRM197にコンジュゲートされる、前記条項のいずれか一項に記載のキット。
【0111】
102.肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型3由来の前記糖コンジュゲートが、CRM197にコンジュゲートされる、前記条項のいずれか一項に記載のキット。
【0112】
103.肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型22F由来の前記糖コンジュゲートが、CRM197にコンジュゲートされる、前記条項のいずれか一項に記載のキット。
【0113】
104.肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型33F由来の前記糖コンジュゲートが、CRM197にコンジュゲートされる、前記条項のいずれか一項に記載のキット。
【0114】
105.前記糖コンジュゲートが、CRM197に全て個別にコンジュゲートされる、条項166~182のいずれか一項に記載のキット。
【0115】
106.肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型1、4、5、6B、7F、9V、14および23F由来の前記糖コンジュゲートが、PDに個別にコンジュゲートされる、前記条項のいずれか一項に記載のキット。
【0116】
107.肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型18C由来の前記糖コンジュゲートが、TTにコンジュゲートされる、前記条項のいずれか一項に記載のキット。
【0117】
108.肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型19F由来の前記糖コンジュゲートが、DTにコンジュゲートされる、前記条項のいずれか一項に記載のキット。
【0118】
109.肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型1、4、5、6B、7F、9V、14および/または23F由来の前記糖コンジュゲートがPDに個別にコンジュゲートされ、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型18C由来の前記糖コンジュゲートがTTにコンジュゲートされ、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型19F由来の前記糖コンジュゲートがDTにコンジュゲートされる、前記条項のいずれか一項に記載のキット。
【0119】
110.肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型22F由来の前記糖コンジュゲートが、CRM197にコンジュゲートされる、前記条項のいずれか一項に記載のキット。
【0120】
111.肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型33F由来の前記糖コンジュゲートが、CRM197にコンジュゲートされる、前記条項のいずれか一項に記載のキット。
【0121】
112.前記第2の免疫原性組成物が、7、8、9、10、11、12、13、14または15価の肺炎球菌コンジュゲート組成物である、前記条項のいずれか一項に記載のキット。
【0122】
113.前記第2の免疫原性組成物が、10、11、12、13、14または15価の肺炎球菌コンジュゲート組成物である、前記条項のいずれか一項に記載のキット。
【0123】
114.前記第2の免疫原性組成物が、13価の肺炎球菌コンジュゲート組成物である、前記条項のいずれか一項に記載のキット。
【0124】
115.前記第2の免疫原性組成物が、11価の肺炎球菌コンジュゲート組成物であり、前記11価コンジュゲートが、PDに個別にコンジュゲートされた肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型1、4、5、6B、7F、9V、14および23F由来の糖コンジュゲート、TTにコンジュゲートされた肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型18C由来の糖コンジュゲート、DTにコンジュゲートされた肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型19F由来の糖コンジュゲートならびにCRM197にコンジュゲートされた肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型22F由来の糖コンジュゲートからなる、前記条項のいずれか一項に記載のキット。
【0125】
116.前記第2の免疫原性組成物が、11価の肺炎球菌コンジュゲート組成物であり、前記11価コンジュゲートが、PDに個別にコンジュゲートされた肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型1、4、5、6B、7F、9V、14および23F由来の糖コンジュゲート、TTにコンジュゲートされた肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型18C由来の糖コンジュゲート、DTにコンジュゲートされた肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型19F由来の糖コンジュゲートならびにCRM197にコンジュゲートされた肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型33F由来の糖コンジュゲートからなる、前記条項のいずれか一項に記載のキット。
【0126】
117.前記第2の免疫原性組成物が、12価の肺炎球菌コンジュゲート組成物であり、前記12価コンジュゲートが、PDに個別にコンジュゲートされた肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型1、4、5、6B、7F、9V、14および23F由来の糖コンジュゲート、TTにコンジュゲートされた肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型18C由来の糖コンジュゲート、DTにコンジュゲートされた肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型19F由来の糖コンジュゲート、CRM197にコンジュゲートされた肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型22F由来の糖コンジュゲートならびにCRM197にコンジュゲートされた肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型33F由来の糖コンジュゲートからなる、前記条項のいずれか一項に記載のキット。
【0127】
118.前記第2の免疫原性組成物が、13価の肺炎球菌コンジュゲート組成物であり、前記13価コンジュゲートが、CRM197に個別にコンジュゲートされた肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19Fおよび23F由来の糖コンジュゲートからなる、前記条項のいずれか一項に記載のキット。
【0128】
119.前記第2の免疫原性組成物が、14価の肺炎球菌コンジュゲート組成物であり、前記14価コンジュゲートが、CRM197に個別にコンジュゲートされた肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19F、23Fおよび22F由来の糖コンジュゲートからなる、前記条項のいずれか一項に記載のキット。
【0129】
120.前記第2の免疫原性組成物が、14価の肺炎球菌コンジュゲート組成物であり、前記14価コンジュゲートが、CRM197に個別にコンジュゲートされた肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19F、23Fおよび33F由来の糖コンジュゲートからなる、前記条項のいずれか一項に記載のキット。
【0130】
121.前記第2の免疫原性組成物が、15価の肺炎球菌コンジュゲート組成物であり、前記15価コンジュゲートが、CRM197に個別にコンジュゲートされた肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19F、23F、22Fおよび33F由来の糖コンジュゲートからなる、前記条項のいずれか一項に記載のキット。
【0131】
122.第2の免疫原性組成物の前記糖コンジュゲートが全て、還元的アミノ化によって担体タンパク質にコンジュゲートされる、前記条項のいずれか一項に記載のキット。
【0132】
123.前記第2の免疫原性組成物のそれぞれの用量が、1.0μg~10μgのそれぞれの血清型の多糖を含む、前記条項のいずれか一項に記載のキット。
【0133】
124.前記第2の免疫原性組成物のそれぞれの用量が、10μg~150μgの担体タンパク質を含む、前記条項のいずれか一項に記載のキット。
【0134】
125.前記第2の免疫原性組成物のそれぞれの用量が、約15μg、約16μg、約17μg、約18μg、約19μg、約20μg、約21μg、約22μg、約23μg、約24μg、約25μg、約26μg、約27μg、約28μg、約29μg、約30μg、約31μg、約32μg、約33μg、約34μg、約35μg、約36μg、約37μg、約38μg、約39μg、約40μg、約41μg、約42μg、約43μg、約44μg、約45μg、約46μg、約47μg、約48μg、約49μgまたは約50μgの担体タンパク質を含む、前記条項のいずれか一項に記載のキット。
【0135】
126.前記第2の免疫原性組成物が、他の病原体由来の少なくとも1つの抗原をさらに含む、前記条項のいずれか一項に記載のキット。
【0136】
127.前記第2の免疫原性組成物が、少なくとも1つのアジュバントをさらに含む、前記条項のいずれか一項に記載のキット。
【0137】
128.前記第2の免疫原性組成物が、リン酸アルミニウム、硫酸アルミニウムおよび水酸化アルミニウムからなる群から選択される少なくとも1つのアジュバントをさらに含む、前記条項のいずれか一項に記載のキット。
【0138】
129.前記第2の免疫原性組成物が、アジュバントとしてリン酸アルミニウムをさらに含む、前記条項のいずれか一項に記載のキット。
【0139】
130.前記第2の免疫原性組成物が、アジュバントとしてリン酸アルミニウムの形態で0.2mg/mL~0.3mg/mLの元素アルミニウムをさらに含む、前記条項のいずれか一項に記載のキット。
【0140】
131.前記第2の免疫原性組成物が、アジュバントとしてリン酸アルミニウムの形態で約0.25mg/mLの元素アルミニウムをさらに含む、前記条項のいずれか一項に記載のキット。
【0141】
132.前記第2の免疫原性組成物が、緩衝剤をさらに含む、前記条項のいずれか一項に記載のキット。
【0142】
133.前記緩衝剤が、約3.5~約7.5のpKaを有する、前記条項のいずれか一項に記載のキット。
【0143】
134.前記緩衝剤が、リン酸塩、コハク酸塩、ヒスチジンまたはクエン酸塩である、前記条項のいずれか一項に記載のキット。
【0144】
135.前記緩衝剤が、約5.0mMの最終濃度のコハク酸塩である、前記条項のいずれか一項に記載のキット。
【0145】
136.前記第2の免疫原性組成物が、塩をさらに含む、前記条項のいずれか一項に記載のキット。
【0146】
137.前記塩が、塩化マグネシウム、塩化カリウム、塩化ナトリウムおよびその組合せからなる群から選択される、前記条項のいずれか一項に記載のキット。
【0147】
138.前記第2の免疫原性組成物が、150mMの最終濃度の塩化ナトリウムを含む、前記条項のいずれか一項に記載のキット。
【0148】
139.前記第2の免疫原性組成物が、界面活性剤をさらに含む、前記条項のいずれか一項に記載のキット。
【0149】
140.前記界面活性剤が、ポリソルベート80である、前記条項のいずれか一項に記載のキット。
【0150】
141.ポリソルベート80の最終濃度が、0.01%、0.02%、0.03%、0.04%、0.05%、0.06%、0.07%、0.08%、0.09%または0.1%(w/w)である、前記条項のいずれか一項に記載のキット。
【0151】
142.前記第2の免疫原性組成物が、5.8~6.0のpHを有する、前記条項のいずれか一項に記載のキット。
【0152】
143.前記第1の免疫原性組成物と、前記第2の免疫原性組成物とが、別々の容器中にある、前記条項のいずれか一項に記載のキット。
【0153】
144.前記第1および第2の免疫原性組成物が、液体形態で製剤化される、前記条項のいずれか一項に記載のキット。
【0154】
145.前記第1および第2の免疫原性組成物が、凍結乾燥形態で製剤化される、前記条項のいずれか一項に記載のキット。
【0155】
146.前記第1の免疫原性組成物が液体形態にあり、前記第2の免疫原性組成物が凍結乾燥形態にある、前記条項のいずれか一項に記載のキット。
【0156】
147.前記第1の免疫原性組成物が凍結乾燥形態にあり、前記第2の免疫原性組成物が液体形態にある、前記条項のいずれか一項に記載のキット。
【0157】
148.前記免疫原性組成物が、第2の免疫原性組成物と同時に、同時発生的に、併用的に、または連続的に投与される、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【0158】
149.第2の免疫原性組成物との同時、同時発生的、併用的、または連続的投与のための、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【0159】
150.上のセクション3に開示された免疫原性組成物のいずれかとの同時、同時発生的、併用的、または連続的投与のための、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【0160】
151.前記第2の免疫原性組成物が、血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19F、23F、22Fおよび33Fからなる群から選択される肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae)血清型由来の少なくとも1つの糖コンジュゲートを含む、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【0161】
152.前記第2の免疫原性組成物が、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型4、6B、9V、14、18C、19Fおよび23F由来の糖コンジュゲートを含む、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【0162】
153.前記第2の免疫原性組成物が、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型1、4、5、6B、7F、9V、14、18C、19Fおよび23F由来の糖コンジュゲートを含む、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【0163】
154.前記第2の免疫原性組成物が、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型1、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19Fおよび23F由来の糖コンジュゲートを含む、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【0164】
155.前記第2の免疫原性組成物が、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19Fおよび23F由来の糖コンジュゲートを含む、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【0165】
156.前記第2の免疫原性組成物が、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型1、4、5、6B、7F、9V、14、18C、19F、23Fおよび22F由来の糖コンジュゲートを含む、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【0166】
157.前記第2の免疫原性組成物が、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型1、4、5、6B、7F、9V、14、18C、19F、23Fおよび33F由来の糖コンジュゲートを含む、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【0167】
158.前記第2の免疫原性組成物が、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型1、4、5、6B、7F、9V、14、18C、19F、23F、22Fおよび33F由来の糖コンジュゲートを含む、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【0168】
159.前記第2の免疫原性組成物が、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19F、23Fおよび22F由来の糖コンジュゲートを含む、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【0169】
160.前記第2の免疫原性組成物が、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19F、23Fおよび33F由来の糖コンジュゲートを含む、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【0170】
161.前記第2の免疫原性組成物が、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19F、23F、22Fおよび33F由来の糖コンジュゲートを含む、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【0171】
162.肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型4、6B、9V、14、18C、19Fおよび23F由来の前記糖コンジュゲートが、CRM197にコンジュゲートされる、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【0172】
163.肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型1、5および7F由来の前記糖コンジュゲートが、CRM197にコンジュゲートされる、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【0173】
164.肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型6Aおよび19A由来の前記糖コンジュゲートが、CRM197にコンジュゲートされる、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【0174】
165.肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型3由来の前記糖コンジュゲートが、CRM197にコンジュゲートされる、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【0175】
166.肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型22F由来の前記糖コンジュゲートが、CRM197にコンジュゲートされる、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【0176】
167.肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型33F由来の前記糖コンジュゲートが、CRM197にコンジュゲートされる、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【0177】
168.前記糖コンジュゲートが、CRM197に全て個別にコンジュゲートされる、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【0178】
169.肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型1、4、5、6B、7F、9V、14および23F由来の前記糖コンジュゲートが、PDに個別にコンジュゲートされる、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【0179】
170.肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型18C由来の前記糖コンジュゲートが、TTにコンジュゲートされる、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【0180】
171.肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型19F由来の前記糖コンジュゲートが、DTにコンジュゲートされる、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【0181】
172.肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型1、4、5、6B、7F、9V、14および/または23F由来の前記糖コンジュゲートがPDに個別にコンジュゲートされ、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型18C由来の前記糖コンジュゲートがTTにコンジュゲートされ、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型19F由来の前記糖コンジュゲートがDTにコンジュゲートされる、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【0182】
173.肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型22F由来の前記糖コンジュゲートが、CRM197にコンジュゲートされる、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【0183】
174.肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型33F由来の前記糖コンジュゲートが、CRM197にコンジュゲートされる、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【0184】
175.前記第2の免疫原性組成物が、7、8、9、10、11、12、13、14または15価の肺炎球菌コンジュゲート組成物である、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【0185】
176.前記第2の免疫原性組成物が、10、11、12、13、14または15価の肺炎球菌コンジュゲート組成物である、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【0186】
177.前記第2の免疫原性組成物が、13、14または15価の肺炎球菌コンジュゲート組成物である、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【0187】
178.前記第2の免疫原性組成物が、13価の肺炎球菌コンジュゲート組成物である、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【0188】
179.前記第2の免疫原性組成物が、11価の肺炎球菌コンジュゲート組成物であり、前記11価コンジュゲートが、PDに個別にコンジュゲートされた肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型1、4、5、6B、7F、9V、14および23F由来の糖コンジュゲート、TTにコンジュゲートされた肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型18C由来の糖コンジュゲート、DTにコンジュゲートされた肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型19F由来の糖コンジュゲートならびにCRM197にコンジュゲートされた肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型22F由来の糖コンジュゲートからなる、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【0189】
180.前記第2の免疫原性組成物が、11価の肺炎球菌コンジュゲート組成物であり、前記11価コンジュゲートが、PDに個別にコンジュゲートされた肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型1、4、5、6B、7F、9V、14および23F由来の糖コンジュゲート、TTにコンジュゲートされた肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型18C由来の糖コンジュゲート、DTにコンジュゲートされた肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型19F由来の糖コンジュゲートならびにCRM197にコンジュゲートされた肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型33F由来の糖コンジュゲートからなる、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【0190】
181.前記第2の免疫原性組成物が、12価の肺炎球菌コンジュゲート組成物であり、前記12価コンジュゲートが、PDに個別にコンジュゲートされた肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型1、4、5、6B、7F、9V、14および23F由来の糖コンジュゲート、TTにコンジュゲートされた肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型18C由来の糖コンジュゲート、DTにコンジュゲートされた肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型19F由来の糖コンジュゲート、CRM197にコンジュゲートされた肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型22F由来の糖コンジュゲートならびにCRM197にコンジュゲートされた肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型33F由来の糖コンジュゲートからなる、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【0191】
182.前記第2の免疫原性組成物が、13価の肺炎球菌コンジュゲート組成物であり、前記13価コンジュゲートが、CRM197に個別にコンジュゲートされた肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19Fおよび23F由来の糖コンジュゲートからなる、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【0192】
183.前記第2の免疫原性組成物が、14価の肺炎球菌コンジュゲート組成物であり、前記14価コンジュゲートが、CRM197に個別にコンジュゲートされた肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19F、23Fおよび22F由来の糖コンジュゲートからなる、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【0193】
184.前記第2の免疫原性組成物が、14価の肺炎球菌コンジュゲート組成物であり、前記14価コンジュゲートが、CRM197に個別にコンジュゲートされた肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19F、23Fおよび33F由来の糖コンジュゲートからなる、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【0194】
185.前記第2の免疫原性組成物が、15価の肺炎球菌コンジュゲート組成物であり、前記15価コンジュゲートが、CRM197に個別にコンジュゲートされた肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19F、23F、22Fおよび33F由来の糖コンジュゲートからなる、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【0195】
186.第2の免疫原性組成物の前記糖コンジュゲートが全て、還元的アミノ化によって担体タンパク質にコンジュゲートされる、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【0196】
187.前記第2の免疫原性組成物のそれぞれの用量が、1~10μgのそれぞれの血清型の多糖を含む、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【0197】
188.前記第2の免疫原性組成物のそれぞれの用量が、10μg~150μgの担体タンパク質を含む、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【0198】
189.前記第2の免疫原性組成物のそれぞれの用量が、約15μg、約16μg、約17μg、約18μg、約19μg、約20μg、約21μg、約22μg、約23μg、約24μg、約25μg、約26μg、約27μg、約28μg、約29μg、約30μg、約31μg、約32μg、約33μg、約34μg、約35μg、約36μg、約37μg、約38μg、約39μg、約40μg、約41μg、約42μg、約43μg、約44μg、約45μg、約46μg、約47μg、約48μg、約49μgまたは約50μgの担体タンパク質を含む、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【0199】
190.前記第2の免疫原性組成物が、他の病原体由来の抗原をさらに含む、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【0200】
191.前記第2の免疫原性組成物が、少なくとも1つのアジュバントをさらに含む、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【0201】
192.前記第2の免疫原性組成物が、リン酸アルミニウム、硫酸アルミニウムおよび水酸化アルミニウムからなる群から選択される少なくとも1つのアジュバントをさらに含む、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【0202】
193.前記第2の免疫原性組成物が、アジュバントとしてリン酸アルミニウムをさらに含む、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【0203】
194.前記第2の免疫原性組成物が、アジュバントとしてリン酸アルミニウムの形態で0.2mg/mL~0.3mg/mLの元素アルミニウムをさらに含む、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【0204】
195.前記第2の免疫原性組成物が、アジュバントとしてリン酸アルミニウムの形態で約0.25mg/mLの元素アルミニウムをさらに含む、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【0205】
196.前記第2の免疫原性組成物が、緩衝剤をさらに含む、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【0206】
197.前記第2の免疫原性組成物が、約3.5~約7.5のpKaを有する緩衝剤を含む、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【0207】
198.前記第2の免疫原性組成物の前記緩衝剤が、リン酸塩、コハク酸塩、ヒスチジンまたはクエン酸塩である、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【0208】
199.前記第2の免疫原性組成物の前記緩衝剤が、約5.0mMの最終濃度のコハク酸塩である、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【0209】
200.前記第2の免疫原性組成物が、塩をさらに含む、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【0210】
201.前記第2の免疫原性組成物の前記塩が、塩化マグネシウム、塩化カリウム、塩化ナトリウムおよびその組合せからなる群から選択される、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【0211】
202.前記第2の免疫原性組成物が、150mMの最終濃度の塩化ナトリウムを含む、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【0212】
203.前記第2の免疫原性組成物が、界面活性剤をさらに含む、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【0213】
204.前記第2の免疫原性組成物の前記界面活性剤が、ポリソルベート80である、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【0214】
205.前記第2の免疫原性組成物中のポリソルベート80の最終濃度が、0.01%、0.02%、0.03%、0.04%、0.05%、0.06%、0.07%、0.08%、0.09%または0.1%(w/w)である、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【0215】
206.前記第2の免疫原性組成物が、5.8~6.0のpHを有する、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【0216】
207.ワクチン接種スケジュールが単回用量スケジュールである、ワクチン接種における使用のための前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【0217】
208.ワクチン接種スケジュールが複数回用量スケジュールである、ワクチン接種における使用のための前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【0218】
209.ワクチン接種スケジュールが、約1ヶ月~約12ヶ月の間隔で隔てられた2回用量シリーズからなる、ワクチン接種における使用のための前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【0219】
210.ワクチン接種スケジュールが、約1ヶ月~約6ヶ月の間隔で隔てられた2回用量シリーズからなる、ワクチン接種における使用のための前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【0220】
211.ワクチン接種スケジュールが、約1ヶ月~約2ヶ月の間隔で隔てられた2回用量シリーズからなる、ワクチン接種における使用のための前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【0221】
212.ワクチン接種スケジュールが、約1ヶ月~約12ヶ月の間隔で隔てられた3回用量シリーズからなる、ワクチン接種における使用のための前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【0222】
213.ワクチン接種スケジュールが、約1ヶ月~約6ヶ月の間隔で隔てられた3回用量シリーズからなる、ワクチン接種における使用のための前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【0223】
214.ワクチン接種スケジュールが、約1ヶ月~約2ヶ月の間隔で隔てられた3回用量シリーズからなる、ワクチン接種における使用のための前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【0224】
215.ワクチン接種スケジュールが、約1ヶ月~約4ヶ月の間隔で隔てられた3回用量シリーズ、次いで、1回目の用量の約10ヶ月~約13ヶ月後の4回目の用量からなる、ワクチン接種における使用のための前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【0225】
216.ワクチン接種スケジュールが、約1ヶ月~約2ヶ月の間隔で隔てられた3回用量シリーズ、次いで、1回目の用量の約10ヶ月~約13ヶ月後の4回目の用量からなる、ワクチン接種における使用のための前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【0226】
217.ワクチン接種スケジュールが、2ヶ月齢で開始して、約1ヶ月~約2ヶ月の間隔で隔てられた2回または3回用量シリーズ、次いで、12~18ヶ月齢での幼児用量からなる、ワクチン接種における使用のための前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【0227】
218.ワクチン接種スケジュールが、2ヶ月齢で開始して、約2ヶ月の間隔で隔てられた2回用量シリーズ、次いで、12~18ヶ月齢での幼児用量からなる、ワクチン接種における使用のための前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【0228】
219.ワクチン接種スケジュールが、2、4、6および12~15ヶ月齢で投与される4回の用量のワクチンからなる、ワクチン接種における使用のための前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【0229】
220.ワクチン接種スケジュールが、0日目で与えられる初回用量および約2~約24週の範囲の間隔で与えられる1つまたは複数の追加用量からなる、ワクチン接種における使用のための前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
【0230】
221.第1および第2の免疫原性組成物の同時、同時発生的、併用的、または連続的投与のための、前記条項のいずれか一項に記載のキット。
【0231】
222.第1および第2の免疫原性組成物の同時投与の方法における使用のための、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物またはキット。
【0232】
223.前記同時投与のワクチン接種スケジュールが単回用量である、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物またはキット。
【0233】
224.前記同時投与のワクチン接種スケジュールが複数回用量スケジュールである、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物またはキット。
【0234】
225.前記複数回用量スケジュールが、約1ヶ月~約12ヶ月の間隔で隔てられた2回用量シリーズからなる、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物またはキット。
【0235】
226.前記複数回用量スケジュールが、約1ヶ月~約2ヶ月の間隔で隔てられた2回用量シリーズからなる、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物またはキット。
【0236】
227.前記複数回用量スケジュールが、約1ヶ月~約12ヶ月の間隔で隔てられた3回用量シリーズからなる、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物またはキット。
【0237】
228.前記複数回用量スケジュールが、約1ヶ月~約2ヶ月の間隔で隔てられた3回用量シリーズからなる、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物またはキット。
【0238】
229.前記複数回用量スケジュールが、約1ヶ月~約2ヶ月の間隔で隔てられた3回用量シリーズ、次いで、1回目の用量の約10ヶ月~約13ヶ月後の4回目の用量からなる、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物またはキット。
【0239】
230.前記複数回用量スケジュールが、それぞれの用量が約1、2、3または4ヶ月の間隔で隔てられた3回用量シリーズ、次いで、1回目の用量の約10ヶ月~約13ヶ月後の4回目の用量からなる、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物またはキット。
【0240】
231.前記複数回用量スケジュールが、1歳で少なくとも1回の用量(例えば、1回、2回または3回の用量)、次いで、少なくとも1回の幼児用量からなる、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物またはキット。
【0241】
232.前記複数回用量スケジュールが、2ヶ月齢で開始して、約1ヶ月~約2ヶ月の間隔で隔てられた2回または3回用量シリーズ(例えば、用量間は28~56日)、次いで、12~18ヶ月齢での幼児用量からなる、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物またはキット。
【0242】
233.前記複数回用量スケジュールが、2、4、6、および12~15ヶ月齢で投与される4回用量シリーズのワクチンからなる、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物またはキット。
【0243】
234.前記複数回用量スケジュールが、0日目で与えられる初回用量および約2~約24週間の範囲の間隔、好ましくは、4~8週間の投与間隔で与えられる1つまたは複数の追加用量からなる、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物またはキット。
【0244】
235.前記複数回用量スケジュールが、0日目で与えられる初回用量および約3ヶ月後に与えられる追加用量からなる、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物またはキット。
【0245】
236.第1および第2の免疫原性組成物の併用的投与の方法における使用のための、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物またはキット。
【0246】
237.前記併用的投与のワクチン接種スケジュールが単回用量である、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物またはキット。
【0247】
238.前記併用的投与のワクチン接種スケジュールが複数回用量スケジュールである、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物またはキット。
【0248】
239.第1および第2の免疫原性組成物の同時発生的投与の方法における使用のための、条項226~284のいずれか一項に記載の免疫原性組成物または条項299に記載のキット。
【0249】
240.前記同時発生的投与のワクチン接種スケジュールが単回用量である、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物またはキット。
【0250】
241.前記同時発生的投与のワクチン接種スケジュールが複数回用量スケジュールである、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物またはキット。
【0251】
242.前記複数回用量スケジュールが、約1ヶ月~約12ヶ月の間隔で隔てられた2回用量シリーズからなる、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物またはキット。
【0252】
243.前記複数回用量スケジュールが、約1ヶ月~約2ヶ月の間隔で隔てられた2回用量シリーズからなる、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物またはキット。
【0253】
244.前記複数回用量スケジュールが、約1ヶ月~約12ヶ月の間隔で隔てられた3回用量シリーズからなる、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物またはキット。
【0254】
245.前記複数回用量スケジュールが、約1ヶ月~約2ヶ月の間隔で隔てられた3回用量シリーズからなる、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物またはキット。
【0255】
246.前記複数回用量スケジュールが、約1ヶ月~約4ヶ月の間隔で隔てられた3回用量シリーズ、次いで、1回目の用量の約10ヶ月~約13ヶ月後の4回目の用量からなる、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物またはキット。
【0256】
247.前記複数回用量スケジュールが、約1ヶ月~約2ヶ月の間隔で隔てられた3回用量シリーズ、次いで、1回目の用量の約10ヶ月~約13ヶ月後の4回目の用量からなる、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物またはキット。
【0257】
248.前記複数回用量スケジュールが、1歳で少なくとも1回の用量(例えば、1回、2回または3回の用量)、次いで、少なくとも1回の幼児用量からなる、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物またはキット。
【0258】
249.前記複数回用量スケジュールが、2ヶ月齢で開始して、約1ヶ月~約2ヶ月の間隔で隔てられた2回または3回用量シリーズ(例えば、用量間は28~56日)、次いで、12~18ヶ月齢での幼児用量からなる、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物またはキット。
【0259】
250.前記複数回用量スケジュールが、2、4、6、および12~15ヶ月齢で投与される4回用量シリーズのワクチンからなる、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物またはキット。
【0260】
251.前記複数回用量スケジュールが、0日目で与えられる初回用量および約2~約24週間の範囲の間隔、好ましくは、4~8週間の投与間隔で与えられる1つまたは複数の追加用量からなる、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物またはキット。
【0261】
252.前記複数回用量スケジュールが、0日目で与えられる初回用量および約3ヶ月後に与えられる追加用量からなる、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物またはキット。
【0262】
253.第1および第2の免疫原性組成物の連続的投与の方法における使用のための、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物またはキット。
【0263】
254.前記連続的投与のワクチン接種スケジュールが、2回、3回、4回、5回、6回、7回、または8回用量シリーズからなる、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物またはキット。
【0264】
255.前記連続的投与のワクチン接種スケジュールが、2回、3回、または4回用量シリーズからなる、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物またはキット。
【0265】
256.第1の免疫原性組成物が1回目に投与され、第2の免疫原性組成物が2回目に投与される、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物またはキット。
【0266】
257.第2の免疫原性組成物が1回目に投与され、第1の免疫原性組成物が2回目に投与される、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物またはキット。
【0267】
258.ワクチン接種スケジュールが、約1ヶ月~約12ヶ月の間隔で隔てられた2回用量シリーズからなる、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物またはキット。
【0268】
259.ワクチン接種スケジュールが、約1ヶ月~約2ヶ月の間隔で隔てられた2回用量シリーズからなる、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物またはキット。
【0269】
260.1回目および2回目の用量が、1歳で投与される、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物またはキット。
【0270】
261.1回目の用量が1歳で投与され、2回目の用量が幼児用量である、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物またはキット。
【0271】
262.前記幼児用量が、12~18ヶ月齢で投与される、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物またはキット。
【0272】
263.前記連続的投与のワクチン接種スケジュールが、3回用量シリーズからなる、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物またはキット。
【0273】
264.前記スケジュールが、それぞれの用量が約1ヶ月~約12ヶ月の間隔で隔てられた3回用量シリーズからなる、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物またはキット。
【0274】
265.前記スケジュールが、それぞれの用量が約1ヶ月~約2ヶ月の間隔で隔てられた3回用量シリーズからなる、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物またはキット。
【0275】
266.1回目および2回目の用量が1歳で投与され、3回目の用量が幼児用量である、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物またはキット。
【0276】
267.1回目および2回目の用量が、2ヶ月齢で開始して、約1ヶ月~約2ヶ月の間隔で隔てられ(例えば、用量間は28~56日)、3回目の用量が12~18ヶ月齢での幼児用量である、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物またはキット。
【0277】
268.第1の免疫原性組成物が1回目および2回目の用量として投与され、第2の免疫原性組成物が3回目の用量として投与される、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物またはキット。
【0278】
269.第2の免疫原性組成物が1回目および2回目の用量として投与され、第1の免疫原性組成物が3回目の用量として投与される、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物またはキット。
【0279】
270.第1の免疫原性組成物が1回目の用量として投与され、第2の免疫原性組成物が2回目の用量として投与され、第1の免疫原性組成物が3回目の用量として投与される、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物またはキット。
【0280】
271.第2の免疫原性組成物が1回目の用量として投与され、第1の免疫原性組成物が2回目の用量として投与され、第2の免疫原性組成物が3回目の用量として投与される、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物またはキット。
【0281】
272.第1の免疫原性組成物が1回目の用量として投与され、第2の免疫原性組成物が2回目および3回目の用量として投与される、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物またはキット。
【0282】
273.第2の免疫原性組成物が1回目の用量として投与され、第1の免疫原性組成物が2回目および3回目の用量として投与される、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物またはキット。
【0283】
274.前記連続的投与のワクチン接種スケジュールが、4回用量シリーズからなる、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物またはキット。
【0284】
275.1回目、2回目、および3回目の用量が、約1ヶ月~約4ヶ月の間隔で隔てられ、次いで、4回目の用量が、1回目の用量の約10ヶ月~約13ヶ月後である、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物またはキット。
【0285】
276.1回目、2回目、および3回目の用量が、約1ヶ月~約2ヶ月の間隔で隔てられ、次いで、4回目の用量が、1回目の用量の約10ヶ月~約13ヶ月後である、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物またはキット。
【0286】
277.1回目、2回目、および3回目の用量が1歳で投与され、4回目の用量が幼児用量である、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物またはキット。
【0287】
278.1回目、2回目、および3回目の用量が、2ヶ月齢で開始して、約1ヶ月~約2ヶ月の間隔で隔てられ(例えば、用量間は28~56日)、4回目の用量が12~18ヶ月齢での幼児用量である、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物またはキット。
【0288】
279.第1の免疫原性組成物が1回目、2回目、および3回目の用量として投与され、第2の免疫原性組成物が4回目の用量として投与される、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物またはキット。
【0289】
280.第2の免疫原性組成物が1回目、2回目、および3回目の用量として投与され、第1の免疫原性組成物が4回目の用量として投与される、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物またはキット。
【0290】
281.第1の免疫原性組成物が1回目および2回目の用量として投与され、第2の免疫原性組成物が3回目および4回目の用量として投与される、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物またはキット。
【0291】
282.第2の免疫原性組成物が1回目および2回目の用量として投与され、第1の免疫原性組成物が3回目および4回目の用量として投与される、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物またはキット。
【0292】
283.第1の免疫原性組成物が1回目および2回目の用量として投与され、第2の免疫原性組成物が3回目の用量として投与され、第1の免疫原性組成物が4回目の用量として投与される、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物またはキット。
【0293】
284.第2の免疫原性組成物が1回目および2回目の用量として投与され、第1の免疫原性組成物が3回目の用量として投与され、第2の免疫原性組成物が4回目の用量として投与される、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物またはキット。
【0294】
285.第1の免疫原性組成物が1回目の用量として投与され、第2の免疫原性組成物が2回目、3回目、および4回目の用量として投与される、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物またはキット。
【0295】
286.第2の免疫原性組成物が1回目の用量として投与され、第1の免疫原性組成物が2回目、3回目、および4回目の用量として投与される、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物またはキット。
【0296】
287.第1の免疫原性組成物が1回目の用量として投与され、第2の免疫原性組成物が2回目の用量として投与され、第1の免疫原性組成物が3回目の用量として投与され、第2の免疫原性組成物が4回目の用量として投与される、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物またはキット。
【0297】
288.第2の免疫原性組成物が1回目の用量として投与され、第1の免疫原性組成物が2回目の用量として投与され、第2の免疫原性組成物が3回目の用量として投与され、第1の免疫原性組成物が4回目の用量として投与される、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物またはキット。
【0298】
289.第1の免疫原性組成物が1回目の用量として投与され、第2の免疫原性組成物が2回目の用量として投与され、第1の免疫原性組成物が3回目および4回目の用量として投与される、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物またはキット。
【0299】
290.第2の免疫原性組成物が1回目の用量として投与され、第1の免疫原性組成物が2回目の用量として投与され、第2の免疫原性組成物が3回目および4回目の用量として投与される、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物またはキット。
【0300】
291.第1の免疫原性組成物が1回目の用量として投与され、第2の免疫原性組成物が2回目および3回目の用量として投与され、第1の免疫原性組成物が4回目の用量として投与される、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物またはキット。
【0301】
292.第2の免疫原性組成物が1回目の用量として投与され、第1の免疫原性組成物が2回目および3回目の用量として投与され、第2の免疫原性組成物が4回目の用量として投与される、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物またはキット。
【0302】
293.前記連続的投与のワクチン接種スケジュールが、5回用量シリーズからなる、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物またはキット。
【0303】
294.ワクチン接種スケジュールが、約1ヶ月~約3ヶ月の間隔で隔てられた4回用量シリーズ、次いで、1回目の用量の約10ヶ月~約13ヶ月後の5回目の用量からなる、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物またはキット。
【0304】
295.1回目、2回目、3回目、および4回目の用量が1歳で投与され、5回目の用量が幼児用量である、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物またはキット。
【0305】
296.第1の免疫原性組成物(第1のIC)および第2の免疫原性組成物(第2のIC)が、以下のスケジュールのいずれかに従って投与される、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物またはキット。
【0306】
【表1】
【0307】
297.前記連続的投与のワクチン接種スケジュールが、6回用量シリーズからなる、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物またはキット。
【0308】
298.ワクチン接種スケジュールが、約1ヶ月~約2ヶ月の間隔で隔てられた5回用量シリーズ、次いで、1回目の用量の約10ヶ月~約13ヶ月後の6回目の用量からなる、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物またはキット。
【0309】
298.1回目、2回目、3回目、4回目、および5回目の用量が1歳で投与され、6回目の用量が幼児用量である、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物またはキット。
【0310】
299.第1の免疫原性組成物と、第2の免疫原性組成物とが、条項374に記載のスケジュールのいずれか、次いで、6回目の用量に従って投与される、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物またはキット。
【0311】
300.本発明による第1の免疫原性組成物が、6回目の用量として投与される、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物またはキット。
【0312】
301.本発明による第2の免疫原性組成物が、6回目の用量として投与される、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物またはキット。
【0313】
302.前記連続的投与のワクチン接種スケジュールが、7回用量シリーズからなる、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物またはキット。
【0314】
303.ワクチン接種スケジュールが、約1ヶ月の間隔で隔てられた6回用量シリーズ、次いで、1回目の用量の約10ヶ月~約13ヶ月後の7回目の用量からなる、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物またはキット。
【0315】
304.1回目、2回目、3回目、4回目、5回目、および6回目の用量が1歳で投与され、7回目の用量が幼児用量である、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物またはキット。
【0316】
305.第1の免疫原性組成物と、第2の免疫原性組成物とが、条項379または380に記載のスケジュールのいずれか、次いで、7回目の用量に従って投与される、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物またはキット。
【0317】
306.本発明による第1の免疫原性組成物が、7回目の用量として投与される、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物またはキット。
【0318】
307.本発明による第2の免疫原性組成物が、7回目の用量として投与される、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物またはキット。
【0319】
308.前記連続的投与のワクチン接種スケジュールが、8回用量シリーズからなる、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物またはキット。
【0320】
309.ワクチン接種スケジュールが、約1ヶ月の間隔で隔てられた7回用量シリーズ、次いで、1回目の用量の約10ヶ月~約13ヶ月後の8回目の用量からなる、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物またはキット。
【0321】
310.1回目、2回目、3回目、4回目、5回目、6回目、および7回目の用量が1歳で投与され、7回目の用量が幼児用量である、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物またはキット。
【0322】
311.第1の免疫原性組成物と、第2の免疫原性組成物とが、条項385または386に記載のスケジュールのいずれか、次いで、8回目の用量に従って投与される、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物またはキット。
【0323】
312.本発明による第1の免疫原性組成物が、8回目の用量として投与される、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物またはキット。
【0324】
313.本発明による第2の免疫原性組成物が、8回目の用量として投与される、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物またはキット。
【0325】
314.ワクチン接種スケジュールが、第1の免疫原性組成物の連続的投与および第1の免疫原性組成物と第2の免疫原性組成物との併用的または同時発生的投与からなる、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物またはキット。
【0326】
315.ワクチン接種スケジュールが、2回投与シリーズからなる、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物またはキット。
【0327】
316.ワクチン接種スケジュールが、約1ヶ月~約12ヶ月の間隔で隔てられた2回投与シリーズからなる、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物またはキット。
【0328】
317.第1の免疫原性組成物が1回目に投与され、併用的または同時発生的投与が2回目に投与される、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物またはキット。
【0329】
318.併用的または同時発生的投与が1回目に投与され、第1の免疫原性組成物が2回目に投与される、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物またはキット。
【0330】
319.1回目および2回目の投与が、1歳で投与される、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物またはキット。
【0331】
310.1回目の投与が1歳で投与され、2回目の投与が幼児投与である、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物またはキット。
【0332】
311.前記幼児投与が、12~18ヶ月齢で投与される、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物またはキット。
【0333】
312.ワクチン接種スケジュールが、3回投与シリーズからなる、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物またはキット。
【0334】
313.前記スケジュールが、約1ヶ月~約12ヶ月の間隔で隔てられた3回投与シリーズからなる、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物またはキット。
【0335】
314.1回目および2回目の投与が1歳で投与され、3回目の投与が幼児投与である、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物またはキット。
【0336】
315.1回目および2回目の投与が、2ヶ月齢で開始して、約1ヶ月~約2ヶ月の間隔で隔てられ(例えば、投与間は28~56日)、3回目の投与が12~18ヶ月齢での幼児投与である、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物またはキット。
【0337】
316.第1の免疫原性組成物が1回目および2回目の投与で投与され、併用的または同時発生的投与が3回目の投与で投与される、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物またはキット。
【0338】
317.併用的または同時発生的投与が1回目および2回目の投与で投与され、第1の免疫原性組成物が3回目の投与で投与される、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物またはキット。
【0339】
318.第1の免疫原性組成物が1回目の投与で投与され、併用的または同時発生的投与が2回目の投与で投与され、第1の免疫原性組成物が3回目の投与で投与される、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物またはキット。
【0340】
319.併用的または同時発生的投与が1回目の投与で投与され、第1の免疫原性組成物が2回目の投与で投与され、併用的または同時発生的投与が3回目の投与で投与される、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物またはキット。
【0341】
320.第1の免疫原性組成物が1回目の投与で投与され、併用的または同時発生的投与が2回目および3回目の投与で投与される、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物またはキット。
【0342】
321.併用的または同時発生的投与が1回目の投与で投与され、第1の免疫原性組成物が2回目および3回目の投与で投与される、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物またはキット。
【0343】
322.ワクチン接種スケジュールが、4回投与シリーズからなる、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物またはキット。
【0344】
323.1回目、2回目および3回目の投与が、約1ヶ月~約4ヶ月の間隔で隔てられ、次いで、4回目の投与が、1回目の投与の約10ヶ月~約13ヶ月後である、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物またはキット。
【0345】
324.1回目、2回目および3回目の投与が、約1ヶ月~約2ヶ月の間隔で隔てられ、次いで、4回目の投与が、1回目の投与の約10ヶ月~約13ヶ月後である、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物またはキット。
【0346】
325.1回目、2回目および3回目の投与が1歳で投与され、4回目の投与が幼児投与である、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物またはキット。
【0347】
326.1回目、2回目および3回目の投与が、2ヶ月齢で開始して、約1ヶ月~約2ヶ月の間隔で隔てられ(例えば、投与間は28~56日)、4回目の投与が12~18ヶ月齢での幼児投与である、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物またはキット。
【0348】
327.第1の免疫原性組成物が1回目、2回目および3回目の投与で投与され、併用的または同時発生的投与が4回目の投与で投与される、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物またはキット。
【0349】
328.併用的または同時発生的投与が1回目、2回目および3回目の投与で投与され、第1の免疫原性組成物が4回目の投与で投与される、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物またはキット。
【0350】
329.第1の免疫原性組成物が1回目および2回目の投与で投与され、併用的または同時発生的投与が3回目および4回目の投与で投与される、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物またはキット。
【0351】
330.併用的または同時発生的投与が1回目および2回目の投与で投与され、第1の免疫原性組成物が3回目および4回目の投与で投与される、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物またはキット。
【0352】
331.第1の免疫原性組成物が1回目および2回目の投与で投与され、併用的または同時発生的投与が3回目の投与で投与され、第1の免疫原性組成物が4回目の投与で投与される、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物またはキット。
【0353】
332.併用的または同時発生的投与が1回目および2回目の投与で投与され、第1の免疫原性組成物が3回目の投与で投与され、併用的または同時発生的投与が4回目の投与で投与される、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物またはキット。
【0354】
333.第1の免疫原性組成物が1回目の投与で投与され、併用的または同時発生的投与が2回目、3回目および4回目の投与で投与される、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物またはキット。
【0355】
334.併用的または同時発生的投与が1回目の投与で投与され、第1の免疫原性組成物が2回目、3回目および4回目の投与で投与される、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物またはキット。
【0356】
335.第1の免疫原性組成物が1回目の投与で投与され、併用的または同時発生的投与が2回目の投与で投与され、第1の免疫原性組成物が3回目の投与で投与され、併用的または同時発生的投与が4回目の投与で投与される、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物またはキット。
【0357】
336.併用的または同時発生的投与が1回目の投与で投与され、第1の免疫原性組成物が2回目の投与で投与され、併用的または同時発生的投与が3回目の投与で投与され、第1の免疫原性組成物が4回目の投与で投与される、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物またはキット。
【0358】
337.第1の免疫原性組成物が1回目の投与で投与され、併用的または同時発生的投与が2回目の投与で投与され、第1の免疫原性組成物が3回目および4回目の投与で投与される、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物またはキット。
【0359】
338.併用的または同時発生的投与が1回目の投与で投与され、第1の免疫原性組成物が2回目の投与で投与され、併用的または同時発生的投与が3回目および4回目の投与で投与される、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物またはキット。
【0360】
339.第1の免疫原性組成物が1回目の投与で投与され、併用的または同時発生的投与が2回目および3回目の投与で投与され、第1の免疫原性組成物が4回目の投与で投与される、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物またはキット。
【0361】
340.併用的または同時発生的投与が1回目の投与で投与され、第1の免疫原性組成物が2回目および3回目の投与で投与され、併用的または同時発生的投与が4回目の投与で投与される、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物またはキット。
【0362】
341.ワクチン接種スケジュールが、5回投与シリーズからなる、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物またはキット。
【0363】
342.スケジュールが、それぞれの用量が約1ヶ月~約3ヶ月の間隔で隔てられた4回投与シリーズ、次いで、1回目の投与の約10ヶ月~約13ヶ月後の5回目の投与からなる、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物またはキット。
【0364】
343.1回目、2回目、3回目および4回目の投与が1歳で投与され、5回目の投与が幼児用量である、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物またはキット。
【0365】
344.第1の免疫原性組成物(第1のIC)および第1の免疫原性組成物と第2の免疫原性組成物との併用的または同時発生的投与(第1のIC/第2のIC)が、以下のスケジュールのいずれかに従って投与される、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物またはキット。
【0366】
【表2-1】
【0367】
【表2-2】
【0368】
345.ワクチン接種スケジュールが、6回投与シリーズからなる、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物またはキット。
【0369】
346.スケジュールが、それぞれの投与が約1ヶ月~約2ヶ月の間隔で隔てられた5回投与シリーズ、次いで、1回目の投与の約10ヶ月~約13ヶ月後の6回目の投与からなる、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物またはキット。
【0370】
347.1回目、2回目、3回目、4回目および5回目の投与が1歳で投与され、6回目の投与が幼児投与である、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物またはキット。
【0371】
348.第1の免疫原性組成物および第1の免疫原性組成物と第2の免疫原性組成物との併用的または同時発生的投与が、条項433に記載のスケジュールのいずれか、次いで、6回目の投与に従って投与される、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物またはキット。
【0372】
349.第1の免疫原性組成物が、6回目の投与として投与される、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物またはキット。
【0373】
350.第1の免疫原性組成物と第2の免疫原性組成物との併用的または同時発生的投与が、6回目の投与で投与される、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物またはキット。
【0374】
351.ワクチン接種スケジュールが、7回投与シリーズからなる、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物またはキット。
【0375】
352.ワクチン接種スケジュールが、それぞれの投与が約1ヶ月の間隔で隔てられた6回投与シリーズ、次いで、1回目の投与の約10ヶ月~約13ヶ月後の7回目の投与からなる、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物またはキット。
【0376】
353.1回目、2回目、3回目、4回目、5回目および6回目の投与が1歳で投与され、7回目の投与が幼児投与である、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物またはキット。
【0377】
354.第1の免疫原性組成物および第1の免疫原性組成物と第2の免疫原性組成物との併用的投与が、前記条項のいずれか一項に記載のスケジュール、次いで、7回目の投与に従って投与される、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物またはキット。
【0378】
355.第1の免疫原性組成物が、7回目の投与として投与される、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物またはキット。
【0379】
356.第1の免疫原性組成物と第2の免疫原性組成物との併用的または同時発生的投与が、7回目の投与で投与される、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物またはキット。
【0380】
357.ワクチン接種スケジュールが、8回投与シリーズからなる、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物またはキット。
【0381】
358.ワクチン接種スケジュールが、それぞれの投与が約1ヶ月の間隔で隔てられた7回投与シリーズ、次いで、1回目の投与の約10ヶ月~約13ヶ月後の8回目の投与からなる、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物またはキット。
【0382】
359.1回目、2回目、3回目、4回目、5回目、6回目および7回目の投与が1歳で投与され、7回目の投与が幼児投与である、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物またはキット。
【0383】
360.第1の免疫原性組成物および第1の免疫原性組成物と第2の免疫原性組成物との併用的または同時発生的投与が、前記条項のいずれか一項に記載のスケジュールのいずれか、次いで、8回目の投与に従って投与される、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物またはキット。
【0384】
361.第1の免疫原性組成物が、8回目の投与として投与される、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物またはキット。
【0385】
362.第1の免疫原性組成物と第2の免疫原性組成物との併用的または同時発生的投与が、8回目の投与として投与される、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物またはキット。
【0386】
363.ワクチン接種スケジュールが、
第2の免疫原性組成物および
第1の免疫原性組成物と第2の免疫原性組成物との併用的または同時発生的投与
の連続的投与からなる、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物またはキット。
【0387】
364.前記スケジュールが、条項394~451に記載のスケジュールのいずれか1つであり、(a)の前記第2の免疫原性組成物の投与が、前記条項における(a)の第1の免疫原性組成物の投与と置き換える、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物またはキット。
【0388】
365.医薬としての使用のための、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物またはキット。
【0389】
366.ワクチンとしての使用のための、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物またはキット。
【0390】
367.対象における細菌感染、疾患または状態を防止する、処置する、または改善するための方法における使用のための、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物またはキット。
【0391】
368.対象における細菌感染、疾患または状態を防止するための方法における使用のための、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物またはキット。
【0392】
369.全身または粘膜経路によって前記免疫原性組成物を投与することによって、肺炎球菌感染に罹りやすいヒトを保護または処置するための方法における使用のための、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物またはキット。
【0393】
370.前記免疫原性組成物が、筋肉内、腹腔内、皮内または皮下経路によって投与される、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物またはキット。
【0394】
371.ワクチン接種される対象が、1歳未満のヒトである、ワクチンとしての使用のための前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物またはキット。
【0395】
372.ワクチン接種される対象が、2歳未満のヒトである、ワクチンとしての使用のための前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物またはキット。
【0396】
373.ワクチン接種される対象が、50歳またはそれより高齢の成人である、ワクチンとしての使用のための前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物またはキット。
【0397】
374.ワクチン接種される対象が、免疫障害のあるヒトである、ワクチンとしての使用のための前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物またはキット。
【0398】
375.単回用量スケジュールにおける使用のための前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物またはキット。
【0399】
376.複数回用量スケジュールにおける使用のための前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物またはキット。
【0400】
377.前記複数回用量スケジュールが、約1ヶ月~約2ヶ月の間隔で隔てられた2回用量シリーズからなる、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物またはキット。
【0401】
378.前記複数回用量スケジュールが、約1ヶ月~約2ヶ月の間隔で隔てられた3回用量シリーズからなる、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物またはキット。
【0402】
379.前記複数回用量スケジュールが、約1ヶ月~約2ヶ月の間隔で隔てられた3回用量シリーズ、次いで、1回目の用量の約10ヶ月~約13ヶ月後の4回目の用量からなる、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物またはキット。
【0403】
380.前記複数回用量スケジュールが、1歳で少なくとも1回の用量、次いで、少なくとも1回の幼児用量からなる、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物またはキット。
【0404】
381.前記複数回用量スケジュールが、2ヶ月齢で開始して、約1ヶ月~約2ヶ月の間隔で隔てられた2回または3回用量シリーズ、次いで、12~18ヶ月齢での幼児用量からなる、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物またはキット。
【0405】
382.前記複数回用量スケジュールが、2、4、6、および12~15ヶ月齢で投与される4回用量シリーズのワクチンからなる、前記条項のいずれか一項に記載の免疫原性組成物またはキット。
【発明を実施するための形態】
【0406】
1.本発明の糖コンジュゲート
本発明の免疫原性組成物は、典型的には、糖が肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)の血清型に由来する、コンジュゲート化莢膜糖抗原(糖コンジュゲートとも称される)を含む。
【0407】
タンパク質担体が組成物中で2つ以上の糖について同じである場合、糖を、タンパク質担体(2つ以上の異なる糖がそれにコンジュゲートされる担体分子)の同じ分子にコンジュゲートすることができる(例えば、WO2004/083251を参照されたい)。
【0408】
ある実施形態では、糖は、タンパク質担体の異なる分子にそれぞれ個別にコンジュゲートされる(1つの型の糖がそれにコンジュゲートされるタンパク質担体のそれぞれの分子のみ)。この実施形態では、莢膜糖は、担体タンパク質に個別にコンジュゲートされると言われる。
【0409】
本発明の目的のために、用語「糖コンジュゲート」は、担体タンパク質に共有的に連結された莢膜糖を示す。一実施形態では、莢膜糖は、担体タンパク質に直接連結される。別の実施形態では、細菌糖は、スペーサー/リンカーを介してタンパク質に連結される。
【0410】
1.1 本発明の担体タンパク質
本発明の糖コンジュゲートの成分は、糖がコンジュゲートされた担体タンパク質である。用語「タンパク質担体」または「担体タンパク質」または「担体」は、本明細書では互換的に使用することができる。担体タンパク質は、標準的なコンジュゲーション手順に適しているべきである。
【0411】
ある実施形態では、糖コンジュゲートの担体タンパク質は、DT(ジフテリア毒素)、TT(破傷風トキソイド)またはTTの断片C、CRM197(ジフテリア毒素の非毒性的であるが、抗原的に同一のバリアント)、他のDT突然変異体(CRM176、CRM228、CRM45(Uchidaら(1973)J.Biol.Chem.218:3838~3844)、CRM9、CRM102、CRM103またはCRM107;およびNichollsおよびYoule、Genetically Engineered Toxins、編:Frankel、Maecel Dekker Inc.(1992)によって記載された他の突然変異;Glu-148からAsp、GlnもしくはSerへの、および/またはAla158からGlyへの欠失または突然変異ならびに米国特許第4,709,017号および第4,950,740号に開示された他の突然変異;Lys516、Lys526、Phe530および/またはLys534の少なくとも1つまたは複数の残基の突然変異ならびに米国特許第5,917,017号および第6,455,673号に開示された他の突然変異;または米国特許第5,843,711号に開示された断片、一部の様式で解毒されたply、例えば、dPLY-GMBS(WO2004/081515、WO2006/032499)もしくはdPLY-ホルモルを含む、肺炎球菌ニューモリシン(ply)(Kuoら(1995)Infect Immun 63:2706~2713)、PhtA、PhtB、PhtD、PhtE(PhtA、PhtB、PhtDもしくはPhtEの配列はWO00/37105およびWO00/39299に開示されている)を含むPhtXおよびPhtタンパク質の融合物、例えば、PhtDE融合物、PhtBE融合物、PhtA-E(WO01/98334、WO03/054007、WO2009/000826)、通常、髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)血清群B(EP0372501)から抽出されるOMPC(髄膜炎菌外膜タンパク質)、PorB(髄膜炎菌(N.meningitidis)由来)、PD(インフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)タンパク質D;例えば、EP0594610Bを参照されたい)、またはその免疫学的に機能的な等価物、合成ペプチド(EP0378881、EP0427347)、熱ショックタンパク質(WO93/17712、WO94/03208)、百日咳タンパク質(WO98/58668、EP0471177)、サイトカイン、リンホカイン、増殖因子またはホルモン(WO91/01146)、種々の病原体由来抗原由来の複数のヒトCD4+T細胞エピトープを含む人工タンパク質(Falugiら(2001)Eur J Immunol 31:3816~3824)、例えば、N19タンパク質(Baraldoiら(2004)Infect Immun 72:4884~4887)肺炎球菌表面タンパク質PspA(WO02/091998)、鉄取込みタンパク質(WO01/72337)、クロストリジウム・ディフィシレ(Clostridium difficile)の毒素AまたはB(WO00/61761)、トランスフェリン結合タンパク質、肺炎球菌接着タンパク質(PsaA)、組換え緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)外毒素A(特に、その非毒性突然変異体(グルタミン酸553に置換を担持する外毒素Aなど(Douglasら(1987)J.Bacteriol.169(11):4967~4971))から選択される。オブアルブミン、キーホールリンペットヘモシアニン(KLH)、ウシ血清アルブミン(BSA)またはツベルクリンの精製されたタンパク質誘導体(PPD)などの他のタンパク質も、担体タンパク質として使用することができる。他の好適な担体タンパク質としては、コレラトキソイド(例えば、WO2004/083251に記載されている)、大腸菌(Escherichia coli)LT、大腸菌(E.coli)ST、および緑膿菌(P.aeruginosa)由来の外毒素Aなどの不活化細菌毒素が挙げられる。
【0412】
ある実施形態では、糖タンパク質の担体タンパク質は、TT、DT、DT突然変異体(CRM197など)、インフルエンザ菌(H.influenzae)タンパク質D、PhtX、PhtD、PhtDE融合物(特に、WO01/98334およびWO03/054007に記載のもの)、解毒されたニューモリシン、PorB、N19タンパク質、PspA、OMPC、クロストリジウム・ディフィシレ(C.difficile)の毒素AまたはBおよびPsaAから選択される。
【0413】
ある実施形態では、本発明の糖コンジュゲートの担体タンパク質は、DT(ジフテリアトキソイド)である。別の実施形態では、本発明の糖コンジュゲートの担体タンパク質は、TT(破傷風トキソイド)である。
【0414】
別の実施形態では、本発明の糖コンジュゲートの担体タンパク質は、PD(インフルエンザ菌(H.influenzae)タンパク質D;例えば、EP0594610Bを参照されたい)。
【0415】
ある実施形態では、本発明の莢膜糖を、CRM197タンパク質にコンジュゲートする。CRM197タンパク質は、ジフテリア毒素の非毒性形態であるが、ジフテリア毒素と免疫学的に識別不可能である。CRM197は、毒素原性コリネファージベータのニトロソグアニジン突然変異誘発によって創出された非毒素原性ファージβ197tox-により感染したコリネバクテリウム・ジフテリア(Corynebacterium diphtheriae)によって産生される(Uchidaら(1971)Nature New Biology 233:8~11)。CRM197タンパク質は、ジフテリア毒素と同じ分子量を有するが、構造遺伝子中の単一の塩基変化(グアニンからアデニンへの)によってそれと異なる。この単一の塩基変化は、成熟タンパク質中のアミノ酸置換(グルタミン酸からグリシンへの)を引き起こし、ジフテリア毒素の有毒性を除去する。CRM197タンパク質は、糖のための安全かつ有効なT細胞依存的担体である。CRM197およびその産生に関するさらなる詳細は、例えば、米国特許第5,614,382号に見出すことができる。
【0416】
ある実施形態では、本発明の莢膜糖を、CRM197タンパク質またはCRM197のA鎖にコンジュゲートする(CN103495161を参照されたい)。ある実施形態では、本発明の莢膜糖を、遺伝子組換え大腸菌(E.coli)による発現を介して得られるCRM197のA鎖にコンジュゲートする(CN103495161を参照されたい)。ある実施形態では、本発明の莢膜糖を、全てCRM197にコンジュゲートする。ある実施形態では、本発明の莢膜糖を、全てCRM197のA鎖にコンジュゲートする。
【0417】
したがって、1つまたは複数の実施形態では、本発明の糖コンジュゲートは、担体タンパク質としてCRM197を含み、莢膜多糖はCRM197に共有的に連結される。
【0418】
また、1つまたは複数の実施形態では、本発明の糖コンジュゲートは、担体タンパク質としてTTを含み、莢膜多糖はTTに共有的に連結される。
【0419】
1.2 本発明の莢膜糖
本明細書を通して、用語「糖」は、多糖またはオリゴ糖を示してもよく、多糖とオリゴ糖の両方を含む。1つまたは複数の実施形態では、糖は、多糖、特に、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)莢膜多糖である。
【0420】
莢膜多糖は、当業者に公知の標準的な技術によって調製される。
【0421】
本発明では、莢膜多糖を、例えば、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)の血清型6C、7C、9N、15A、15B、15C、16F、17F、20、23A、23B、31、34、35B、35F、および38から調製することができる。典型的には、莢膜多糖を、それぞれの肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型を培地(例えば、大豆ベースの培地)中で増殖させることによって産生させた後、細菌培養物から多糖を調製する。本発明の糖コンジュゲートにおいて使用されるそれぞれの多糖を作製するために使用される肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)の細菌株を、確立された菌株保存機関または臨床標本から得ることができる。
【0422】
生物(それぞれの肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型)の集団は、種バイアルから種ボトルへとスケールアップされることが多く、生産規模の発酵容量に達するまで、大容量の1または複数の種発酵器を介して継代される。増殖サイクルの終わりに、細胞を溶解した後、溶解物ブロスを下流の(精製)処理のために採取する(例えば、WO2006/110381、WO2008/118752、ならびに米国特許出願公開第2006/0228380号、第2006/0228381号、第2008/0102498号および第2008/0286838号を参照されたい)。
【0423】
個々の多糖を、典型的には、遠心分離、沈降、限外濾過、および/またはカラムクロマトグラフィーによって精製する(例えば、WO2006/110352およびWO2008/118752を参照されたい)。
【0424】
精製された多糖を活性化(例えば、化学的に活性化)して、それらが反応できるようにした後(例えば、eTECスペーサーと)、本明細書でさらに記載されるように、本発明の糖コンジュゲート中に組み込むことができる。
【0425】
肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)莢膜多糖は、最大で8個の糖残基を含有してもよい反復オリゴ糖単位を含む。
【0426】
ある実施形態では、本発明の莢膜糖は、1つのオリゴ糖単位、または反復オリゴ糖単位の天然の長さよりも短い糖鎖であってもよい。ある実施形態では、本発明の莢膜糖は、関連する血清型の1つの反復オリゴ糖単位である。
【0427】
ある実施形態では、本発明の莢膜糖は、オリゴ糖であってもよい。オリゴ糖は、少数の反復単位(典型的には、5~15の反復単位)を有し、典型的には、合成的に、または多糖の加水分解によって誘導される。
【0428】
1つまたは複数の実施形態では、本発明の、および本発明の免疫原性組成物中の、全ての莢膜糖は、多糖である。高分子量の莢膜多糖は、抗原性表面上に存在するエピトープのため、ある特定の抗体免疫応答を誘導することができる。高分子量の莢膜多糖の単離および精製は、本発明のコンジュゲート、組成物および方法においても使用される。
【0429】
1つまたは複数の実施形態では、コンジュゲーション前の精製された多糖は、10kDa~4,000kDaの分子量を有する。1つまたは複数の実施形態では、多糖は、50kDa~4,000kDaの分子量を有する。さらなるそのような実施形態では、多糖は、50kDa~3,500kDa;50kDa~3,000kDa;50kDa~2,500kDa;50kDa~2,000kDa;50kDa~1,750kDa;50kDa~1,500kDa;50kDa~1,250kDa;50kDa~1,000kDa;50kDa~750kDa;50kDa~500kDa;100kDa~4,000kDa;100kDa~3,500kDa;100kDa~3,000kDa;100kDa~2,500kDa;100kDa~2,250kDa;100kDa~2,000kDa;100kDa~1,750kDa;100kDa~1,500kDa;100kDa~1,250kDa;100kDa~1,000kDa;100kDa~750kDa;100kDa~500kDa;200kDa~4,000kDa;200kDa~3,500kDa;200kDa~3,000kDa;200kDa~2,500kDa;200kDa~2,250kDa;200kDa~2,000kDa;200kDa~1,750kDa;200kDa~1,500kDa;200kDa~1,250kDa;200kDa~1,000kDa;200kDa~750kDa;または200kDa~500kDaの分子量を有する。上記の範囲のいずれかの中の任意の全整数が、本開示の実施形態として企図される。
【0430】
多糖は、通常の精製手順の間にサイズがわずかに減少するようになってもよい。さらに、本明細書に記載のように、多糖を、コンジュゲーションの前にサイジング技術にかけることができる。機械的または化学的サイジングを用いることもできる。化学的加水分解を、酢酸を使用して行うことができる。機械的サイジングを、高圧ホモジェナイゼーション剪断を使用して行うことができる。上記の分子量範囲は、コンジュゲーション前(例えば、活性化前)の精製された多糖を指す。
【0431】
ある実施形態では、精製された多糖は、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)の血清型6C、7C、9N、15A、15B、15C、16F、17F、20、23A、23B、31、34、35B、35F、または38由来の莢膜多糖であり、莢膜多糖は、本明細書に記載の分子量範囲の1つの範囲内にある分子量を有する。
【0432】
本明細書で使用される場合、多糖または担体タンパク質-多糖コンジュゲートの用語「分子量」とは、多角度レーザー光散乱検出器(MALLS)と組み合わせた、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)によって算出される分子量を指す。
【0433】
1つまたは複数の実施形態では、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)の血清型6C、7C、9N、15A、15B、15C、16F、17F、20、23A、23B、31、34、35B、35F、および38由来の肺炎球菌糖の少なくとも1つは、O-アセチル化される。1つまたは複数の実施形態では、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)の血清型6C、7C、9N、15A、15B、15C、16F、17F、20、23A、23B、31、34、35B、35F、および/または38由来の肺炎球菌糖の2つ以上は、O-アセチル化される。
【0434】
1つまたは複数の実施形態では、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)の血清型6C、7C、9N、15A、15B、15C、16F、17F、20、23A、23B、31、34、35B、35F、および38由来の肺炎球菌糖の少なくとも1つは、脱O-アセチル化される。1つまたは複数の実施形態では、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)の血清型6C、7C、9N、15A、15B、15C、16F、17F、20、23A、23B、31、34、35B、35F、および/または38由来の肺炎球菌糖の2つ以上は、脱O-アセチル化される。
【0435】
本明細書に記載の精製された多糖を化学的に活性化して、担体タンパク質と反応することができる糖にすることができる。これらの肺炎球菌コンジュゲートは、別々のプロセスによって調製され、以下に記載の単一用量製剤に製剤化される。
【0436】
1.2.1 肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型6C、7C、9N、15A、15B、15C、16F、17F、20、23A、23B、31、34、35B、35F、および38由来の肺炎球菌多糖
肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型6C、7C、9N、15A、15B、15C、16F、17F、20、23A、23B、31、34、35B、35F、および38由来の莢膜糖を、当業者に公知の標準的な技術によって調製することができる(例えば、WO2006/110381を参照されたい)。莢膜多糖を、それぞれの肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型を培地中で増殖させることによって産生させることができる;増殖周期の終わりに、細胞を溶解した後、溶解物ブロスを、下流の(精製)処理のために採取する。個々の多糖を、典型的には、遠心分離、沈降、限外濾過、および/またはカラムクロマトグラフィーによって精製する(例えば、WO2006/110352およびWO2008/118752を参照されたい)。精製された多糖を、本明細書でさらに記載されるようにさらに処理して、本発明の糖コンジュゲートを調製することができる。
【0437】
1つまたは複数の実施形態では、コンジュゲーション前の肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型6C、7C、9N、15A、15B、15C、16F、17F、20、23A、23B、31、34、35B、35F、および/または38由来の精製された多糖は、10kDa~4,000kDaの分子量を有する。他のそのような実施形態では、多糖は、50kDa~4,000kDa、50kDa~3,000kDaまたは50kDa~2,000kDaの分子量を有する。さらなるそのような実施形態では、多糖は、50kDa~3,500kDa;50kDa~3,000kDa;50kDa~2,500kDa;50kDa~2,000kDa;50kDa~1,750kDa;50kDa~1,500kDa;50kDa~1,250kDa;50kDa~1,000kDa;50kDa~750kDa;50kDa~500kDa;100kDa~4,000kDa;100kDa~3,500kDa;100kDa~3,000kDa;100kDa~2,500kDa;100kDa~2,000kDa;100kDa~1,750kDa;100kDa~1,500kDa;100kDa~1,250kDa;100kDa~1,000kDa;100kDa~750kDa;100kDa~500kDa;200kDa~4,000kDa;200kDa~3,500kDa;200kDa~3,000kDa;200kDa~2,500kDa;200kDa~2,000kDa;200kDa~1,750kDa;200kDa~1,500kDa;200kDa~1,250kDa;200kDa~1,000kDa;200kDa~750kDa;または200kDa~500kDaの分子量を有する。上記の範囲のいずれかの中の任意の全整数が、本開示の実施形態として企図される。
【0438】
多糖は、通常の精製手順の間にサイズがわずかに減少するようになってもよい。さらに、本明細書に記載のように、多糖を、コンジュゲーションの前にサイジング技術にかけることができる。上記の分子量範囲は、最終的なサイジングステップ後、コンジュゲーション前(例えば、活性化前)の精製された多糖を指す。
【0439】
1.2.2 肺炎球菌多糖血清型6C
血清型6C糖を、当業者に公知の単離手順を使用して細菌から直接得ることができる(例えば、米国特許出願公開第2006/0228380号、第2006/0228381号、第2007/0184071号、第2007/0184072号、第2007/0231340号、および第2008/0102498号ならびにWO2008/118752号に開示された方法を参照されたい)。さらに、それらを、合成プロトコールを使用して生産することができる。
【0440】
血清型6Cの肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)株を、確立された菌株保存機関(例えば、Streptococcal Reference Laboratory(Centers for Disease Control and Prevention、Atlanta、GA)など)または臨床標本から得ることができる。
【0441】
1つまたは複数の実施形態では、コンジュゲーション前の肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型6C由来の精製された多糖は、10kDa~2,000kDaの分子量を有する。一実施形態では、莢膜多糖は、50kDa~1,000kDaの分子量を有する。別の実施形態では、莢膜多糖は、70kDa~900kDaの分子量を有する。別の実施形態では、莢膜多糖は、100kDa~800kDaの分子量を有する。
【0442】
1つまたは複数のさらなる実施形態では、莢膜多糖は、100kDa~600kDa;100kDa~500kDa;100kDa~400kDa;150kDa~600kDa;150kDa~500kDa;150kDa~400kDa;200kDa~600kDa;200kDa~500kDa;200kDa~400kDa;250kDa~600kDa;250kDa~500kDa;250kDa~400kDa;250kDa~350kDa;300kDa~600kDa;300kDa~500kDa;300kDa~400kDa;400kDa~600kDa;500kDa~600kDaの分子量;および同様の望ましい分子量範囲を有する。上記の範囲のいずれかの中の任意の全整数が、本開示の実施形態として企図される。
【0443】
多糖は、通常の精製手順の間にサイズがわずかに減少するようになってもよい。さらに、本明細書に記載のように、多糖を、コンジュゲーションの前にサイジング技術にかけることができる。上記の分子量範囲は、最終的なサイジングステップ後、コンジュゲーション前(例えば、活性化前)の精製された多糖を指す。
【0444】
1.2.3 肺炎球菌多糖血清型7C
血清型7C糖を、当業者に公知の単離手順を使用して細菌から直接得ることができる(例えば、米国特許出願公開第2006/0228380号、第2006/0228381号、第2007/0184071号、第2007/0184072号、第2007/0231340号、および第2008/0102498号ならびにWO2008/118752号に開示された方法を参照されたい)。さらに、それらを、合成プロトコールを使用して生産することができる。
【0445】
血清型7Cの肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)株を、確立された菌株保存機関(例えば、Streptococcal Reference Laboratory(Centers for Disease Control and Prevention、Atlanta、GA)など)または臨床標本から得ることができる。
【0446】
1つまたは複数の実施形態では、コンジュゲーション前の肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型7C由来の精製された多糖は、10kDa~2,000kDaの分子量を有する。一実施形態では、莢膜多糖は、50kDa~1,000kDaの分子量を有する。別の実施形態では、莢膜多糖は、70kDa~900kDaの分子量を有する。別の実施形態では、莢膜多糖は、100kDa~800kDaの分子量を有する。
【0447】
1つまたは複数のさらなる実施形態では、莢膜多糖は、100kDa~600kDa;100kDa~500kDa;100kDa~400kDa;150kDa~600kDa;150kDa~500kDa;150kDa~400kDa;200kDa~600kDa;200kDa~500kDa;200kDa~400kDa;250kDa~600kDa;250kDa~500kDa;250kDa~400kDa;250kDa~350kDa;300kDa~600kDa;300kDa~500kDa;300kDa~400kDa;400kDa~600kDa;500kDa~600kDaの分子量;および同様の望ましい分子量範囲を有する。上記の範囲のいずれかの中の任意の全整数が、本開示の実施形態として企図される。
【0448】
多糖は、通常の精製手順の間にサイズがわずかに減少するようになってもよい。さらに、本明細書に記載のように、多糖を、コンジュゲーションの前にサイジング技術にかけることができる。上記の分子量範囲は、最終的なサイジングステップ後、コンジュゲーション前(例えば、活性化前)の精製された多糖を指す。
【0449】
1.2.4 肺炎球菌多糖血清型9N
血清型9N糖を、当業者に公知の単離手順を使用して細菌から直接得ることができる(例えば、米国特許出願公開第2006/0228380号、第2006/0228381号、第2007/0184071号、第2007/0184072号、第2007/0231340号、および第2008/0102498号ならびにWO2008/118752号に開示された方法を参照されたい)。さらに、それらを、合成プロトコールを使用して生産することができる。
【0450】
血清型9Nの肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)株を、確立された菌株保存機関(例えば、Streptococcal Reference Laboratory(Centers for Disease Control and Prevention、Atlanta、GA)など)または臨床標本から得ることができる。
【0451】
肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)溶解物からの血清型9N多糖の精製および必要に応じて、精製された多糖のサイジングによって得られる単離された血清型9N莢膜多糖を、例えば、分子量(MW)および前記血清型9N莢膜多糖1mMあたりのアセテートのmMなどの異なる属性によって特徴付けることができる。
【0452】
1つまたは複数の実施形態では、コンジュゲーション前の肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型9N由来の精製された多糖は、10kDa~2,000kDaの分子量を有する。一実施形態では、莢膜多糖は、50kDa~1,000kDaの分子量を有する。別の実施形態では、莢膜多糖は、70kDa~900kDaの分子量を有する。別の実施形態では、莢膜多糖は、100kDa~800kDaの分子量を有する。
【0453】
さらなる実施形態では、莢膜多糖は、100kDa~600kDa;100kDa~500kDa;100kDa~400kDa;100kDa~300kDa;100kDa~200kDa;150kDa~600kDa;150kDa~500kDa;150kDa~400kDa;150kDa~300kDa;150kDa~200kDa;200kDa~600kDa;200kDa~500kDa;200kDa~400kDa;250kDa~600kDa;250kDa~500kDa;250kDa~400kDa;250kDa~350kDa;300kDa~600kDa;300kDa~500kDa;300kDa~400kDa;400kDa~600kDa;500kDa~600kDaの分子量;および同様の望ましい分子量範囲を有する。上記の範囲のいずれかの中の任意の全整数が、本開示の実施形態として企図される。
【0454】
多糖は、通常の精製手順の間にサイズがわずかに減少するようになってもよい。さらに、本明細書に記載のように、多糖を、コンジュゲーションの前にサイジング技術にかけることができる。上記の分子量範囲は、最終的なサイジングステップ後、コンジュゲーション前(例えば、活性化前)の精製された多糖を指す。
【0455】
ある実施形態では、精製された血清型9N多糖のサイズを、高圧ホモジェナイゼーションによって減少させる。高圧ホモジェナイゼーションは、十分に小さい寸法の流路を介してプロセスストリームをポンプすることによって高い剪断速度を達成する。剪断速度は、より大きい印加されるホモジェナイゼーション圧力を使用することによって増加し、ホモジェナイザーを介して供給ストリームを再循環させることによって曝露時間を増加させることができる。
【0456】
高圧ホモジェナイゼーションプロセスは、O-アセチル基の存在などの多糖の構造的特徴を保存しながら、精製された血清型9N多糖のサイズを減少させるのに特に適切である。
【0457】
精製、単離もしくは活性化された血清型9N莢膜多糖または血清型9N多糖-担体タンパク質コンジュゲート中のO-アセチルの存在は、前記多糖1mMあたりのアセテートのmM数として、または多糖反復単位あたりのO-アセチル基の数として表される。
【0458】
ある実施形態では、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型9N由来の精製された多糖は、前記血清型9N莢膜多糖1μmolあたり少なくとも0.2、0.4、0.6、0.8、1.0、1.2、1.4または1.6μmolのアセテートを有する。
【0459】
1.2.5 肺炎球菌多糖血清型15A
血清型15Aの肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae)株を、確立された菌株保存機関(例えば、Streptococcal Reference Laboratory(Centers for Disease Control and Prevention、Atlanta、GA)など)または臨床標本から得ることができる。
【0460】
肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型15A由来の莢膜糖を、当業者に公知の標準的な技術によって調製する。典型的には、莢膜多糖を、それぞれの肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型を培地(例えば、大豆ベースの培地)中で増殖させることによって産生させた後、細菌培養物から多糖を調製する。生物(肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型15A)の集団は、種バイアルから種ボトルへとスケールアップされることが多く、生産規模の発酵容量に達するまで、大容量の1または複数の種発酵器を介して継代される。増殖サイクルの終わりに、細胞を溶解した後、溶解物ブロスを下流の(精製)処理のために採取する(例えば、WO2006/110381およびWO2008/118752、米国特許出願公開第2006/0228380号、第2006/0228381号、第2008/0102498号および第2008/0286838号を参照されたい)。多糖を、典型的には、遠心分離、沈降、限外濾過、および/またはカラムクロマトグラフィーによって精製する(例えば、WO2006/110352およびWO2008/118752を参照されたい)。
【0461】
血清型15A由来の精製された多糖を活性化して(例えば、化学的に活性化して)、それらが反応することができるようにした後、本明細書にさらに記載されるように、本発明の糖コンジュゲートに組み込むことができる。
【0462】
一部の実施形態では、コンジュゲーション前の肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型15A由来の精製された多糖は、10kDa~2,000kDaの分子量を有する。一実施形態では、莢膜多糖は、50kDa~1,000kDaの分子量を有する。別の実施形態では、莢膜多糖は、50kDa~300kDaの分子量を有する。別の実施形態では、莢膜多糖は、70kDa~300kDaの分子量を有する。さらなる実施形態では、莢膜多糖は、90kDa~250kDa;90kDa~150kDa;90kDa~120kDa;80kDa~120kDa;70kDa~100kDa;70kDa~110kDa;70kDa~120kDa;70kDa~130kDa;70kDa~140kDa;70kDa~150kDa;70kDa~160kDa;80kDa~110kDa;80kDa~120kDa;80kDa~130kDa;80kDa~140kDa;80kDa~150kDa;80kDa~160kDa;90kDa~110kDa;90kDa~120kDa;90kDa~130kDa;90kDa~140kDa;90kDa~150kDa;90kDa~160kDa;100kDa~120kDa;100kDa~130kDa;100kDa~140kDa;100kDa~150kDa;100kDa~160kDaの分子量;および同様の望ましい分子量範囲を有する。上記の範囲のいずれかの中の任意の全整数が、本開示の実施形態として企図される。
【0463】
多糖は、通常の精製手順の間にサイズがわずかに減少するようになってもよい。さらに、本明細書に記載のように、多糖を、コンジュゲーションの前にサイジング技術にかけることができる。上記の分子量範囲は、最終的なサイジングステップ後、コンジュゲーション前(例えば、活性化前)の精製された多糖を指す。
【0464】
1.2.6 肺炎球菌多糖血清型15B
血清型15B多糖を、当業者に公知の単離手順を使用して細菌から直接得ることができる(例えば、米国特許出願公開第2006/0228380号、第2006/0228381号、第2007/0184071号、第2007/0184072号、第2007/0231340号、および第2008/0102498号ならびにWO2008/118752号に開示された方法を参照されたい)。15B多糖を、当業者に公知の合成プロトコールを使用して生産することもできる。
【0465】
血清型15B肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)株を、確立された菌株保存機関(例えば、American Type Culture Collection(ATCC、Manassas、VA、USAなど)(例えば、寄託株番号ATCC10354)もしくはStreptococcal Reference Laboratory(Centers for Disease Control and Prevention、Atlanta、GA、USA))から、または臨床標本から得ることができる。
【0466】
細菌細胞を、培地、好ましくは、大豆ベースの培地中で増殖させる。肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型15B莢膜多糖を産生する細菌細胞の発酵後、細菌細胞を溶解させて、細胞溶解物を生産する。次いで、血清型15B多糖を、遠心分離、深層濾過、沈降、限外濾過、活性炭処理、透析濾過および/またはカラムクロマトグラフィーの使用を含む、当技術分野で公知の精製技術を使用して細胞溶解物から単離することができる(例えば、米国特許出願公開第2006/0228380号、第2006/0228381号、第2007/0184071号、第2007/0184072号、第2007/0231340号、および第2008/0102498号ならびにWO2008/118752を参照されたい)。次いで、精製された血清型15B莢膜多糖を、免疫原性コンジュゲートの調製のために使用することができる。
【0467】
肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)溶解物からの血清型15B多糖の精製および必要に応じて、精製された多糖のサイジングによって得られた、単離された血清型15B莢膜多糖を、例えば、分子量(MW)、前記血清型15B莢膜多糖1mMあたりのアセテートのmMおよび前記血清型15B莢膜多糖1mMあたりのグリセロールのmMを含む異なるパラメーターによって特徴付けることができる。
【0468】
好ましくは、有利な濾過特性および/または収率を示す15Bコンジュゲートを生成するために、担体タンパク質へのコンジュゲーションの前に、標的分子量範囲への多糖のサイジングを実施する。有利には、精製された血清型15B多糖のサイズを、例えば、O-アセチル基の存在などの多糖の構造の重要な特徴を保存しながら、減少させる。好ましくは、精製された血清型15B多糖のサイズを、機械的ホモジェナイゼーションによって減少させる。
【0469】
ある実施形態では、精製された血清型15B多糖のサイズを、高圧ホモジェナイゼーションによって減少させる。高圧ホモジェナイゼーションは、十分に小さい寸法の流路を介してプロセスストリームをポンプすることによって高い剪断速度を達成する。剪断速度は、より大きい印加されるホモジェナイゼーション圧力を使用することによって増加し、ホモジェナイザーを介して供給ストリームを再循環させることによって曝露時間を増加させることができる。
【0470】
高圧ホモジェナイゼーションプロセスは、O-アセチル基の存在などの多糖の構造的特徴を保存しながら、精製された血清型15B多糖のサイズを減少させるのに特に適切である。
【0471】
ある実施形態では、単離された血清型15B莢膜多糖は、5kDa~500kDa、50kDa~500kDa、50kDa~450kDa、100kDa~400kDa、および100kDa~350kDaの分子量を有する。ある実施形態では、単離された血清型15B莢膜多糖は、100kDa~350kDaの分子量を有する。ある実施形態では、単離された血清型15B莢膜多糖は、100kDa~300kDaの分子量を有する。ある実施形態では、単離された血清型15B莢膜多糖は、150kDa~300kDaの分子量を有する。ある実施形態では、単離された血清型15B莢膜多糖は、150kDa~350kDaの分子量を有する。さらなる実施形態では、莢膜多糖は、100kDa~500kDa;100kDa~400kDa;100kDa~300kDa;100kDa~200kDa;150kDa~500kDa;150kDa~400kDa;150kDa~300kDa;150kDa~200kDa;200kDa~500kDa;200kDa~400kDa;250kDa~500kDa;250kDa~400kDa;250kDa~350kDa;300kDa~500kDa;300kDa~400kDaの分子量;および同様の望ましい分子量範囲を有する。上記の範囲のいずれかの中の任意の全整数が、本開示の実施形態として企図される。
【0472】
血清型15B多糖は、O-アセチル化されており、O-アセチル化の総量は、多糖反復単位あたり約0.8~0.9個のO-アセチル基である。多糖のO-アセチル化度を、当技術分野で公知の任意の方法により、例えば、プロトンNMRにより決定することができる(例えば、Lemercinierら(1996)Carbohydrate Research 296:83~96;Jonesら(2002)J.Pharmaceutical and Biomedical Analysis 30:1233~1247;WO2005/033148およびWO00/56357を参照されたい)。別の一般的に使用される方法は、Hestrin,S.(1949)J.Biol.Chem.180:249~261に記載されている。好ましくは、O-アセチル基の存在は、イオン-HPLC分析によって決定される。
【0473】
精製、単離もしくは活性化された血清型15B莢膜多糖または血清型15B多糖-担体タンパク質コンジュゲート中のO-アセチルの存在は、前記多糖1mMあたりのアセテートのmM数として、または多糖反復単位あたりのO-アセチル基の数として表される。
【0474】
ある実施形態では、単離された血清型15B莢膜多糖は、前記血清型15B莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7または0.8mMのアセテートを含む。別の実施形態では、単離された血清型15B莢膜多糖は、前記血清型15B莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.5、0.6または0.7mMのアセテートを含む。さらに別の実施形態では、単離された血清型15B莢膜多糖は、前記血清型15B莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.6mMのアセテートを含む。さらに別の実施形態では、単離された血清型15B莢膜多糖は、前記血清型15B莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.7mMのアセテートを含む。
【0475】
グリセロールリン酸側鎖の存在は、多糖のフッ化水素酸(HF)を用いた処理によるその放出後の、パルスアンペロメトリック検出を用いた高速陰イオン交換クロマトグラフィー(HPAEC-PAD)を使用するグリセロールの測定によって決定される。精製、単離もしくは活性化された血清型15B多糖または血清型15B多糖-担体タンパク質コンジュゲート中のグリセロールの存在は、血清型15B多糖1mMあたりのグリセロールのmM数として表される。
【0476】
ある実施形態では、単離された血清型15B莢膜多糖は、前記血清型15B莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7または0.8mMのグリセロールを含む。別の実施形態では、単離された血清型15B莢膜多糖は、前記血清型15B莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.5、0.6または0.7mMのグリセロールを含む。さらに別の実施形態では、単離された血清型15B莢膜多糖は、前記血清型15B莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.6mMのグリセロールを含む。さらに別の実施形態では、単離された血清型15B莢膜多糖は、前記血清型15B莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.7mMのグリセロールを含む。
【0477】
ある実施形態では、単離された血清型15B莢膜多糖は、100kDa~350kDaの分子量を有し、前記血清型15B莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.6mMのアセテートを含む。
【0478】
ある実施形態では、単離された血清型15B莢膜多糖は、100kDa~350kDaの分子量を有し、前記血清型15B莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.6mMのグリセロールを含む。
【0479】
ある実施形態では、単離された血清型15B莢膜多糖は、150kDa~300kDaの分子量を有し、前記血清型15B莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.6mMのアセテートを含む。
【0480】
ある実施形態では、単離された血清型15B莢膜多糖は、150kDa~300kDaの分子量を有し、前記血清型15B莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.6mMのグリセロールを含む。
【0481】
ある実施形態では、単離された血清型15B莢膜多糖は、150kDa~350kDaの分子量を有し、前記血清型15B莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.6mMのアセテートを含む。
【0482】
ある実施形態では、単離された血清型15B莢膜多糖は、150kDa~350kDaの分子量を有し、前記血清型15B莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.6mMのグリセロールを含む。
【0483】
ある実施形態では、単離された血清型15B莢膜多糖は、前記血清型15B莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.6mMのアセテートおよび前記血清型15B莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.6mMのグリセロールを含む。
【0484】
ある実施形態では、単離された血清型15B莢膜多糖は、100kDa~350kDaの分子量を有し、前記血清型15B莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.6mMのアセテートおよび前記血清型15B莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.6mMのグリセロールを含む。
【0485】
ある実施形態では、単離された血清型15B莢膜多糖は、150kDa~300kDaの分子量を有し、前記血清型15B莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.6mMのアセテートおよび前記血清型15B莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.6mMのグリセロールを含む。
【0486】
ある実施形態では、単離された血清型15B莢膜多糖は、150kDa~350kDaの分子量を有し、前記血清型15B莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.6mMのアセテートおよび前記血清型15B莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.6mMのグリセロールを含む。
【0487】
1.2.7 肺炎球菌多糖血清型15C
血清型15C多糖を、当業者に公知の単離手順を使用して細菌から直接得ることができる(例えば、米国特許出願公開第2006/0228380号、第2006/0228381号、第2007/0184071号、第2007/0184072号、第2007/0231340号、および第2008/0102498号ならびにWO2008/118752号に開示された方法を参照されたい)。15C多糖を、当業者に公知の合成プロトコールを使用して生産することもできる。
【0488】
血清型15C肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)株を、確立された菌株保存機関(例えば、American Type Culture Collection(ATCC、Manassas、VA、USAなど)(例えば、寄託株番号ATCC10354)もしくはStreptococcal Reference Laboratory(Centers for Disease Control and Prevention、Atlanta、GA、USA))から、または臨床標本から得ることができる。
【0489】
細菌細胞を、培地、好ましくは、大豆ベースの培地中で増殖させる。肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型15C莢膜多糖を産生する細菌細胞の発酵後、細菌細胞を溶解させて、細胞溶解物を生産する。次いで、血清型15C多糖を、遠心分離、深層濾過、沈降、限外濾過、活性炭処理、透析濾過および/またはカラムクロマトグラフィーの使用を含む、当技術分野で公知の精製技術を使用して細胞溶解物から単離することができる(例えば、米国特許出願公開第2006/0228380号、第2006/0228381号、第2007/0184071号、第2007/0184072号、第2007/0231340号、および第2008/0102498号ならびにWO2008/118752を参照されたい)。次いで、精製された血清型15C莢膜多糖を、免疫原性コンジュゲートの調製のために使用することができる。
【0490】
肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)溶解物からの血清型15C多糖の精製および必要に応じて、精製された多糖のサイジングによって得られた、単離された血清型15C莢膜多糖を、例えば、分子量(MW)、前記血清型15C莢膜多糖1mMあたりのアセテートのmMおよび前記血清型15C莢膜多糖1mMあたりのグリセロールのmMを含む異なるパラメーターによって特徴付けることができる。
【0491】
好ましくは、有利な濾過特性および/または収率を示す15Cコンジュゲートを生成するために、担体タンパク質へのコンジュゲーションの前に、標的分子量範囲への多糖のサイジングを実施する。有利には、精製された血清型15C多糖のサイズを、例えば、O-アセチル基の存在などの多糖の構造の重要な特徴を保存しながら、減少させる。好ましくは、精製された血清型15C多糖のサイズを、機械的ホモジェナイゼーションによって減少させる。
【0492】
ある実施形態では、精製された血清型15C多糖のサイズを、高圧ホモジェナイゼーションによって減少させる。高圧ホモジェナイゼーションは、十分に小さい寸法の流路を介してプロセスストリームをポンプすることによって高い剪断速度を達成する。剪断速度は、より大きい印加されるホモジェナイゼーション圧力を使用することによって増加し、ホモジェナイザーを介して供給ストリームを再循環させることによって曝露時間を増加させることができる。
【0493】
高圧ホモジェナイゼーションプロセスは、O-アセチル基の存在などの多糖の構造的特徴を保存しながら、精製された血清型15C多糖のサイズを減少させるのに特に適切である。
【0494】
ある実施形態では、単離された血清型15C莢膜多糖は、5kDa~500kDa、50kDa~500kDa、50kDa~450kDa、100kDa~400kDa、および100kDa~350kDaの分子量を有する。ある実施形態では、単離された血清型15C莢膜多糖は、100kDa~350kDaの分子量を有する。ある実施形態では、単離された血清型15C莢膜多糖は、100kDa~300kDaの分子量を有する。ある実施形態では、単離された血清型15C莢膜多糖は、150kDa~300kDaの分子量を有する。ある実施形態では、単離された血清型15C莢膜多糖は、150kDa~350kDaの分子量を有する。さらなる実施形態では、莢膜多糖は、100kDa~500kDa;100kDa~400kDa;100kDa~300kDa;100kDa~200kDa;150kDa~500kDa;150kDa~400kDa;150kDa~300kDa;150kDa~200kDa;200kDa~500kDa;200kDa~400kDa;250kDa~500kDa;250kDa~400kDa;250kDa~350kDa;300kDa~500kDa;300kDa~400kDaの分子量;および同様の望ましい分子量範囲を有する。上記の範囲のいずれかの中の任意の全整数が、本開示の実施形態として企図される。
【0495】
血清型15C多糖は、O-アセチル化されており、O-アセチル化の総量は、多糖反復単位あたり約0.8~0.9個のO-アセチル基である。多糖のO-アセチル化度を、当技術分野で公知の任意の方法により、例えば、プロトンNMRにより決定することができる(例えば、Lemercinierら(1996)Carbohydrate Research 296:83~96;Jonesら(2002)J.Pharmaceutical and Biomedical Analysis 30:1233~1247;WO2005/033148およびWO00/56357を参照されたい)。別の一般的に使用される方法は、Hestrin,S.(1949)J.Biol.Chem.180:249~261に記載されている。好ましくは、O-アセチル基の存在は、イオン-HPLC分析によって決定される。
【0496】
精製、単離もしくは活性化された血清型15C莢膜多糖または血清型15C多糖-担体タンパク質コンジュゲート中のO-アセチルの存在は、前記多糖1mMあたりのアセテートのmM数として、または多糖反復単位あたりのO-アセチル基の数として表される。
【0497】
ある実施形態では、単離された血清型15C莢膜多糖は、前記血清型15C莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7または0.8mMのアセテートを含む。別の実施形態では、単離された血清型15C莢膜多糖は、前記血清型15C莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.5、0.6または0.7mMのアセテートを含む。さらに別の実施形態では、単離された血清型15C莢膜多糖は、前記血清型15C莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.6mMのアセテートを含む。さらに別の実施形態では、単離された血清型15C莢膜多糖は、前記血清型15C莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.7mMのアセテートを含む。
【0498】
グリセロールリン酸側鎖の存在は、多糖のフッ化水素酸(HF)を用いた処理によるその放出後の、パルスアンペロメトリック検出を用いた高速陰イオン交換クロマトグラフィー(HPAEC-PAD)を使用するグリセロールの測定によって決定される。精製、単離もしくは活性化された血清型15C多糖または血清型15C多糖-担体タンパク質コンジュゲート中のグリセロールの存在は、血清型15C多糖1mMあたりのグリセロールのmM数として表される。
【0499】
ある実施形態では、単離された血清型15C糖は、前記血清型15C莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7または0.8mMのグリセロールを含む。別の実施形態では、単離された血清型15C莢膜多糖は、前記血清型15C莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.5、0.6または0.7mMのグリセロールを含む。さらに別の実施形態では、単離された血清型15C莢膜多糖は、前記血清型15C莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.6mMのグリセロールを含む。さらに別の実施形態では、単離された血清型15C莢膜多糖は、前記血清型15C莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.7mMのグリセロールを含む。
【0500】
ある実施形態では、単離された血清型15C莢膜多糖は、100kDa~350kDaの分子量を有し、前記血清型15C莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.6mMのアセテートを含む。
【0501】
ある実施形態では、単離された血清型15C莢膜多糖は、100kDa~350kDaの分子量を有し、前記血清型15C莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.6mMのグリセロールを含む。
【0502】
ある実施形態では、単離された血清型15C莢膜多糖は、150kDa~300kDaの分子量を有し、前記血清型15C莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.6mMのアセテートを含む。
【0503】
ある実施形態では、単離された血清型15C莢膜多糖は、150kDa~300kDaの分子量を有し、前記血清型15C莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.6mMのグリセロールを含む。
【0504】
ある実施形態では、単離された血清型15C莢膜多糖は、150kDa~350kDaの分子量を有し、前記血清型15C莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.6mMのアセテートを含む。
【0505】
ある実施形態では、単離された血清型15C莢膜多糖は、150kDa~350kDaの分子量を有し、前記血清型15C莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.6mMのグリセロールを含む。
【0506】
ある実施形態では、単離された血清型15C莢膜多糖は、前記血清型15C莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.6mMのアセテートおよび前記血清型15C莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.6mMのグリセロールを含む。
【0507】
ある実施形態では、単離された血清型15C莢膜多糖は、100kDa~350kDaの分子量を有し、前記血清型15C莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.6mMのアセテートおよび前記血清型15C莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.6mMのグリセロールを含む。
【0508】
ある実施形態では、単離された血清型15C莢膜多糖は、150kDa~300kDaの分子量を有し、前記血清型15C莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.6mMのアセテートおよび前記血清型15C莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.6mMのグリセロールを含む。
【0509】
ある実施形態では、単離された血清型15C莢膜多糖は、150kDa~350kDaの分子量を有し、前記血清型15C莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.6mMのアセテートおよび前記血清型15C莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.6mMのグリセロールを含む。
【0510】
1.2.8 肺炎球菌多糖血清型16F
血清型16F多糖を、当業者に公知の単離手順を使用して細菌から直接得ることができる(例えば、米国特許出願公開第2006/0228380号、第2006/0228381号、第2007/0184071号、第2007/0184072号、第2007/0231340号、および第2008/0102498号ならびにWO2008/118752号に開示された方法を参照されたい)。さらに、それらを、合成プロトコールを使用して生産することができる。
【0511】
血清型16F肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)株を、確立された菌株保存機関(例えば、Streptococcal Reference Laboratory(Centers for Disease Control and Prevention、Atlanta、GA)など)または臨床標本から得ることができる。
【0512】
血清型16F由来の精製された多糖を活性化して(例えば、化学的に活性化して)、それらが反応することができるようにした後、本明細書にさらに記載されるように、本発明の糖コンジュゲートに組み込むことができる。
【0513】
肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)溶解物からの血清型16F多糖の精製および必要に応じて、精製された多糖のサイジングによって得られる単離された血清型16F莢膜多糖を、例えば、分子量および前記血清型16F莢膜多糖1mMあたりのアセテートのmMなどの異なるパラメーターによって特徴付けることができる。
【0514】
一部の実施形態では、コンジュゲーション前の肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型16F由来の精製された多糖は、10kDa~2,000kDaの分子量を有する。他のそのような実施形態では、糖は、50kDa~2,000kDaの分子量を有する。さらなるそのような実施形態では、糖は、50kDa~1,750kDa;50kDa~1,500kDa;50kDa~1,250kDa;50kDa~1,000kDa;50kDa~750kDa;50kDa~500kDa;100kDa~2,000kDa;100kDa~1,750kDa;100kDa~1,500kDa;100kDa~1,250kDa;100kDa~1,000kDa;100kDa~750kDa;100kDa~500kDa;200kDa~2,000kDa;200kDa~1,750kDa;200kDa~1,500kDa;200kDa~1,250kDa;200kDa~1,000kDa;200kDa~750kDa;または200kDa~500kDaの分子量を有する。上記の範囲のいずれかの中の任意の全整数が、本開示の実施形態として企図される。
【0515】
多糖は、通常の精製手順の間にサイズがわずかに減少するようになってもよい。さらに、本明細書に記載のように、多糖を、コンジュゲーションの前にサイジング技術にかけることができる。上記の分子量範囲は、最終的なサイジングステップ後、コンジュゲーション前(例えば、活性化前)の精製された多糖を指す。
【0516】
精製、単離もしくは活性化された血清型16F莢膜多糖または血清型16F多糖-担体タンパク質コンジュゲート中のO-アセチルの存在は、前記多糖1mMあたりのアセテートのmM数として、または多糖反復単位あたりのO-アセチル基の数として表される。
【0517】
ある実施形態では、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型16F由来の精製された多糖は、前記血清型16F莢膜多糖1μmolあたり少なくとも0.2、0.4、0.6、0.8、1.0、1.2、1.4または1.6μmolのアセテートを有する。
【0518】
1.2.9 肺炎球菌多糖血清型17F
血清型17F多糖を、当業者に公知の単離手順を使用して細菌から直接得ることができる(例えば、米国特許出願公開第2006/0228380号、第2006/0228381号、第2007/0184071号、第2007/0184072号、第2007/0231340号、および第2008/0102498号ならびにWO2008/118752号に開示された方法を参照されたい)。さらに、それらを、合成プロトコールを使用して生産することができる。
【0519】
血清型17F肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)株を、確立された菌株保存機関(例えば、Streptococcal Reference Laboratory(Centers for Disease Control and Prevention、Atlanta、GA)など)または臨床標本から得ることができる。
【0520】
血清型17F由来の精製された多糖を活性化して(例えば、化学的に活性化して)、それらが反応することができるようにした後、本明細書にさらに記載されるように、本発明の糖コンジュゲートに組み込むことができる。
【0521】
肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)溶解物からの血清型17F多糖の精製および必要に応じて、精製された多糖のサイジングによって得られる単離された血清型17F莢膜多糖を、例えば、分子量および前記血清型17F莢膜多糖1mMあたりのアセテートのmMなどの異なるパラメーターによって特徴付けることができる。
【0522】
一部の実施形態では、コンジュゲーション前の肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型17F由来の精製された多糖は、10kDa~2,000kDaの分子量を有する。他のそのような実施形態では、糖は、50kDa~2,000kDaの分子量を有する。さらなるそのような実施形態では、糖は、50kDa~1,750kDa;50kDa~1,500kDa;50kDa~1,250kDa;50kDa~1,000kDa;50kDa~750kDa;50kDa~500kDa;100kDa~2,000kDa;100kDa~1,750kDa;100kDa~1,500kDa;100kDa~1,250kDa;100kDa~1,000kDa;100kDa~750kDa;100kDa~500kDa;200kDa~2,000kDa;200kDa~1,750kDa;200kDa~1,500kDa;200kDa~1,250kDa;200kDa~1,000kDa;200kDa~750kDa;または200kDa~500kDaの分子量を有する。上記の範囲のいずれかの中の任意の全整数が、本開示の実施形態として企図される。
【0523】
多糖は、通常の精製手順の間にサイズがわずかに減少するようになってもよい。さらに、本明細書に記載のように、多糖を、コンジュゲーションの前にサイジング技術にかけることができる。上記の分子量範囲は、最終的なサイジングステップ後、コンジュゲーション前(例えば、活性化前)の精製された多糖を指す。
【0524】
精製、単離もしくは活性化された血清型17F莢膜多糖または血清型17F多糖-担体タンパク質コンジュゲート中のO-アセチルの存在は、前記多糖1mMあたりのアセテートのmM数として、または多糖反復単位あたりのO-アセチル基の数として表される。
【0525】
ある実施形態では、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型17F由来の精製された多糖は、前記血清型17F莢膜多糖1μmolあたり少なくとも0.2、0.4、0.6、0.8、1.0、1.2、1.4または1.6μmolのアセテートを有する。
【0526】
1.2.10 肺炎球菌多糖血清型20
血清型20多糖を、当業者に公知の単離手順を使用して細菌から直接得ることができる(例えば、米国特許出願公開第2006/0228380号、第2006/0228381号、第2007/0184071号、第2007/0184072号、第2007/0231340号、および第2008/0102498号ならびにWO2008/118752号に開示された方法を参照されたい)。さらに、それらを、合成プロトコールを使用して生産することができる。
【0527】
血清型20肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)株を、確立された菌株保存機関(例えば、Streptococcal Reference Laboratory(Centers for Disease Control and Prevention、Atlanta、GA)など)または臨床標本から得ることができる。
【0528】
血清型20由来の精製された多糖を活性化して(例えば、化学的に活性化して)、それらが反応することができるようにした後、本明細書にさらに記載されるように、本発明の糖コンジュゲートに組み込むことができる。
【0529】
肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)溶解物からの血清型20多糖の精製および必要に応じて、精製された多糖のサイジングによって得られる単離された血清型20莢膜多糖を、例えば、分子量(MW)および前記血清型20莢膜多糖1mMあたりのアセテートのmMなどの異なるパラメーターによって特徴付けることができる。
【0530】
一部の実施形態では、コンジュゲーション前の肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型20由来の精製された多糖は、10kDa~2,000kDaの分子量を有する。他のそのような実施形態では、糖は、50kDa~2,000kDaの分子量を有する。さらなるそのような実施形態では、糖は、50kDa~1,750kDa;50kDa~1,500kDa;50kDa~1,250kDa;50kDa~1,000kDa;50kDa~750kDa;50kDa~500kDa;100kDa~2,000kDa;100kDa~1,750kDa;100kDa~1,500kDa;100kDa~1,250kDa;100kDa~1,000kDa;100kDa~750kDa;100kDa~500kDa;200kDa~2,000kDa;200kDa~1,750kDa;200kDa~1,500kDa;200kDa~1,250kDa;200kDa~1,000kDa;200kDa~750kDa;または200kDa~500kDaの分子量を有する。上記の範囲のいずれかの中の任意の全整数が、本開示の実施形態として企図される。
【0531】
多糖は、通常の精製手順の間にサイズがわずかに減少するようになってもよい。さらに、本明細書に記載のように、多糖を、コンジュゲーションの前にサイジング技術にかけることができる。上記の分子量範囲は、最終的なサイジングステップ後、コンジュゲーション前(例えば、活性化前)の精製された多糖を指す。
【0532】
精製、単離もしくは活性化された血清型20莢膜多糖または血清型20多糖-担体タンパク質コンジュゲート中のO-アセチルの存在は、前記多糖1mMあたりのアセテートのmM数として、または多糖反復単位あたりのO-アセチル基の数として表される。
【0533】
ある実施形態では、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型20由来の精製された多糖は、前記血清型20莢膜多糖1μmolあたり少なくとも0.2、0.4、0.6、0.8、1.0、1.2、1.4または1.6μmolのアセテートを有する。
【0534】
1.2.11 肺炎球菌多糖血清型23A
血清型23A多糖を、当業者に公知の単離手順を使用して細菌から直接得ることができる(例えば、米国特許出願公開第2006/0228380号、第2006/0228381号、第2007/0184071号、第2007/0184072号、第2007/0231340号、および第2008/0102498号ならびにWO2008/118752号に開示された方法を参照されたい)。さらに、それらを、合成プロトコールを使用して生産することができる。
【0535】
血清型23A肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)株を、確立された菌株保存機関(例えば、Streptococcal Reference Laboratory(Centers for Disease Control and Prevention、Atlanta、GA)など)または臨床標本から得ることができる。
【0536】
血清型23A由来の精製された多糖を活性化して(例えば、化学的に活性化して)、それらが反応することができるようにした後、本明細書にさらに記載されるように、本発明の糖コンジュゲートに組み込むことができる。
【0537】
肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)溶解物からの血清型23A多糖の精製および必要に応じて、精製された多糖のサイジングによって得られる単離された血清型23A莢膜多糖を、例えば、分子量(MW)および前記血清型23A莢膜多糖1mMあたりのアセテートのmMなどの異なるパラメーターによって特徴付けることができる。
【0538】
一部の実施形態では、コンジュゲーション前の肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型23A由来の精製された多糖は、10kDa~2,000kDaの分子量を有する。他のそのような実施形態では、糖は、50kDa~2,000kDaの分子量を有する。さらなるそのような実施形態では、糖は、50kDa~1,750kDa;50kDa~1,500kDa;50kDa~1,250kDa;50kDa~1,000kDa;50kDa~750kDa;50kDa~500kDa;100kDa~2,000kDa;100kDa~1,750kDa;100kDa~1,500kDa;100kDa~1,250kDa;100kDa~1,000kDa;100kDa~750kDa;100kDa~500kDa;200kDa~2,000kDa;200kDa~1,750kDa;200kDa~1,500kDa;200kDa~1,250kDa;200kDa~1,000kDa;200kDa~750kDa;または200kDa~500kDaの分子量を有する。上記の範囲のいずれかの中の任意の全整数が、本開示の実施形態として企図される。
【0539】
多糖は、通常の精製手順の間にサイズがわずかに減少するようになってもよい。さらに、本明細書に記載のように、多糖を、コンジュゲーションの前にサイジング技術にかけることができる。上記の分子量範囲は、最終的なサイジングステップ後、コンジュゲーション前(例えば、活性化前)の精製された多糖を指す。
【0540】
精製、単離もしくは活性化された血清型23A莢膜多糖または血清型23A多糖-担体タンパク質コンジュゲート中のO-アセチルの存在は、前記多糖1mMあたりのアセテートのmM数として、または多糖反復単位あたりのO-アセチル基の数として表される。
【0541】
ある実施形態では、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型23A由来の精製された多糖は、前記血清型23A莢膜多糖1μmolあたり少なくとも0.2、0.4、0.6、0.8、1.0、1.2、1.4または1.6μmolのアセテートを有する。
【0542】
1.2.12 肺炎球菌多糖血清型23B
血清型23B多糖を、当業者に公知の単離手順を使用して細菌から直接得ることができる(例えば、米国特許出願公開第2006/0228380号、第2006/0228381号、第2007/0184071号、第2007/0184072号、第2007/0231340号、および第2008/0102498号ならびにWO2008/118752号に開示された方法を参照されたい)。さらに、それらを、合成プロトコールを使用して生産することができる。
【0543】
血清型23B肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)株を、確立された菌株保存機関(例えば、Streptococcal Reference Laboratory(Centers for Disease Control and Prevention、Atlanta、GA)など)または臨床標本から得ることができる。
【0544】
血清型23B由来の精製された多糖を活性化して(例えば、化学的に活性化して)、それらが反応することができるようにした後、本明細書にさらに記載されるように、本発明の糖コンジュゲートに組み込むことができる。
【0545】
肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)溶解物からの血清型23B多糖の精製および必要に応じて、精製された多糖のサイジングによって得られる単離された血清型23B莢膜多糖を、例えば、分子量(MW)および前記血清型23B莢膜多糖1mMあたりのアセテートのmMなどの異なるパラメーターによって特徴付けることができる。
【0546】
一部の実施形態では、コンジュゲーション前の肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型23B由来の精製された多糖は、10kDa~2,000kDaの分子量を有する。他のそのような実施形態では、糖は、50kDa~2,000kDaの分子量を有する。さらなるそのような実施形態では、糖は、50kDa~1,750kDa;50kDa~1,500kDa;50kDa~1,250kDa;50kDa~1,000kDa;50kDa~750kDa;50kDa~500kDa;100kDa~2,000kDa;100kDa~1,750kDa;100kDa~1,500kDa;100kDa~1,250kDa;100kDa~1,000kDa;100kDa~750kDa;100kDa~500kDa;200kDa~2,000kDa;200kDa~1,750kDa;200kDa~1,500kDa;200kDa~1,250kDa;200kDa~1,000kDa;200kDa~750kDa;または200kDa~500kDaの分子量を有する。上記の範囲のいずれかの中の任意の全整数が、本開示の実施形態として企図される。
【0547】
多糖は、通常の精製手順の間にサイズがわずかに減少するようになってもよい。さらに、本明細書に記載のように、多糖を、コンジュゲーションの前にサイジング技術にかけることができる。上記の分子量範囲は、最終的なサイジングステップ後、コンジュゲーション前(例えば、活性化前)の精製された多糖を指す。
【0548】
精製、単離もしくは活性化された血清型23B莢膜多糖または血清型23B多糖-担体タンパク質コンジュゲート中のO-アセチルの存在は、前記多糖1mMあたりのアセテートのmM数として、または多糖反復単位あたりのO-アセチル基の数として表される。
【0549】
ある実施形態では、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型23B由来の精製された多糖は、前記血清型23B莢膜多糖1μmolあたり少なくとも0.2、0.4、0.6、0.8、1.0、1.2、1.4または1.6μmolのアセテートを有する。
【0550】
1.2.13 肺炎球菌多糖血清型31
血清型31多糖を、当業者に公知の単離手順を使用して細菌から直接得ることができる(例えば、米国特許出願公開第2006/0228380号、第2006/0228381号、第2007/0184071号、第2007/0184072号、第2007/0231340号、および第2008/0102498号ならびにWO2008/118752号に開示された方法を参照されたい)。さらに、それらを、合成プロトコールを使用して生産することができる。
【0551】
血清型31肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)株を、確立された菌株保存機関(例えば、Streptococcal Reference Laboratory(Centers for Disease Control and Prevention、Atlanta、GA)など)または臨床標本から得ることができる。
【0552】
血清型31由来の精製された多糖を活性化して(例えば、化学的に活性化して)、それらが反応することができるようにした後、本明細書にさらに記載されるように、本発明の糖コンジュゲートに組み込むことができる。
【0553】
肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)溶解物からの血清型31多糖の精製および必要に応じて、精製された多糖のサイジングによって得られる単離された血清型31莢膜多糖を、例えば、分子量(MW)および前記血清型31莢膜多糖1mMあたりのアセテートのmMなどの異なるパラメーターによって特徴付けることができる。
【0554】
一部の実施形態では、コンジュゲーション前の肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型31由来の精製された多糖は、10kDa~2,000kDaの分子量を有する。他のそのような実施形態では、糖は、50kDa~2,000kDaの分子量を有する。さらなるそのような実施形態では、糖は、50kDa~1,750kDa;50kDa~1,500kDa;50kDa~1,250kDa;50kDa~1,000kDa;50kDa~750kDa;50kDa~500kDa;100kDa~2,000kDa;100kDa~1,750kDa;100kDa~1,500kDa;100kDa~1,250kDa;100kDa~1,000kDa;100kDa~750kDa;100kDa~500kDa;200kDa~2,000kDa;200kDa~1,750kDa;200kDa~1,500kDa;200kDa~1,250kDa;200kDa~1,000kDa;200kDa~750kDa;または200kDa~500kDaの分子量を有する。上記の範囲のいずれかの中の任意の全整数が、本開示の実施形態として企図される。
【0555】
多糖は、通常の精製手順の間にサイズがわずかに減少するようになってもよい。さらに、本明細書に記載のように、多糖を、コンジュゲーションの前にサイジング技術にかけることができる。上記の分子量範囲は、最終的なサイジングステップ後、コンジュゲーション前(例えば、活性化前)の精製された多糖を指す。
【0556】
精製、単離もしくは活性化された血清型31莢膜多糖または血清型31多糖-担体タンパク質コンジュゲート中のO-アセチルの存在は、前記多糖1mMあたりのアセテートのmM数として、または多糖反復単位あたりのO-アセチル基の数として表される。
【0557】
ある実施形態では、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型31由来の精製された多糖は、前記血清型31莢膜多糖1μmolあたり少なくとも0.2、0.4、0.6、0.8、1.0、1.2、1.4または1.6μmolのアセテートを有する。
【0558】
1.2.14 肺炎球菌多糖血清型34
血清型34多糖を、当業者に公知の単離手順を使用して細菌から直接得ることができる(例えば、米国特許出願公開第2006/0228380号、第2006/0228381号、第2007/0184071号、第2007/0184072号、第2007/0231340号、および第2008/0102498号ならびにWO2008/118752号に開示された方法を参照されたい)。さらに、それらを、合成プロトコールを使用して生産することができる。
【0559】
血清型34肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)株を、確立された菌株保存機関(例えば、Streptococcal Reference Laboratory(Centers for Disease Control and Prevention、Atlanta、GA)など)または臨床標本から得ることができる。
【0560】
血清型34由来の精製された多糖を活性化して(例えば、化学的に活性化して)、それらが反応することができるようにした後、本明細書にさらに記載されるように、本発明の糖コンジュゲートに組み込むことができる。
【0561】
肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)溶解物からの血清型34多糖の精製および必要に応じて、精製された多糖のサイジングによって得られる単離された血清型34莢膜多糖を、例えば、分子量(MW)および前記血清型34莢膜多糖1mMあたりのアセテートのmMなどの異なるパラメーターによって特徴付けることができる。
【0562】
一部の実施形態では、コンジュゲーション前の肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型34由来の精製された多糖は、10kDa~2,000kDaの分子量を有する。他のそのような実施形態では、糖は、50kDa~2,000kDaの分子量を有する。さらなるそのような実施形態では、糖は、50kDa~1,750kDa;50kDa~1,500kDa;50kDa~1,250kDa;50kDa~1,000kDa;50kDa~750kDa;50kDa~500kDa;100kDa~2,000kDa;100kDa~1,750kDa;100kDa~1,500kDa;100kDa~1,250kDa;100kDa~1,000kDa;100kDa~750kDa;100kDa~500kDa;200kDa~2,000kDa;200kDa~1,750kDa;200kDa~1,500kDa;200kDa~1,250kDa;200kDa~1,000kDa;200kDa~750kDa;または200kDa~500kDaの分子量を有する。上記の範囲のいずれかの中の任意の全整数が、本開示の実施形態として企図される。
【0563】
多糖は、通常の精製手順の間にサイズがわずかに減少するようになってもよい。さらに、本明細書に記載のように、多糖を、コンジュゲーションの前にサイジング技術にかけることができる。上記の分子量範囲は、最終的なサイジングステップ後、コンジュゲーション前(例えば、活性化前)の精製された多糖を指す。
【0564】
精製、単離もしくは活性化された血清型34莢膜多糖または血清型34多糖-担体タンパク質コンジュゲート中のO-アセチルの存在は、前記多糖1mMあたりのアセテートのmM数として、または多糖反復単位あたりのO-アセチル基の数として表される。
【0565】
ある実施形態では、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型34由来の精製された多糖は、前記血清型34莢膜多糖1μmolあたり少なくとも0.2、0.4、0.6、0.8、1.0、1.2、1.4または1.6μmolのアセテートを有する。
【0566】
1.2.15 肺炎球菌多糖血清型35B
血清型35B多糖を、当業者に公知の単離手順を使用して細菌から直接得ることができる(例えば、米国特許出願公開第2006/0228380号、第2006/0228381号、第2007/0184071号、第2007/0184072号、第2007/0231340号、および第2008/0102498号ならびにWO2008/118752号に開示された方法を参照されたい)。さらに、それらを、合成プロトコールを使用して生産することができる。
【0567】
血清型35B肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)株を、確立された菌株保存機関(例えば、Streptococcal Reference Laboratory(Centers for Disease Control and Prevention、Atlanta、GA)など)または臨床標本から得ることができる。
【0568】
血清型35B由来の精製された多糖を活性化して(例えば、化学的に活性化して)、それらが反応することができるようにした後、本明細書にさらに記載されるように、本発明の糖コンジュゲートに組み込むことができる。
【0569】
肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)溶解物からの血清型35B多糖の精製および必要に応じて、精製された多糖のサイジングによって得られる単離された血清型35B莢膜多糖を、例えば、分子量および前記血清型35B莢膜多糖1mMあたりのアセテートのmMなどの異なるパラメーターによって特徴付けることができる。
【0570】
一部の実施形態では、コンジュゲーション前の肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型35B由来の精製された多糖は、10kDa~2,000kDaの分子量を有する。他のそのような実施形態では、糖は、50kDa~2,000kDaの分子量を有する。さらなるそのような実施形態では、糖は、50kDa~1,750kDa;50kDa~1,500kDa;50kDa~1,250kDa;50kDa~1,000kDa;50kDa~750kDa;50kDa~500kDa;100kDa~2,000kDa;100kDa~1,750kDa;100kDa~1,500kDa;100kDa~1,250kDa;100kDa~1,000kDa;100kDa~750kDa;100kDa~500kDa;200kDa~2,000kDa;200kDa~1,750kDa;200kDa~1,500kDa;200kDa~1,250kDa;200kDa~1,000kDa;200kDa~750kDa;または200kDa~500kDaの分子量を有する。上記の範囲のいずれかの中の任意の全整数が、本開示の実施形態として企図される。
【0571】
多糖は、通常の精製手順の間にサイズがわずかに減少するようになってもよい。さらに、本明細書に記載のように、多糖を、コンジュゲーションの前にサイジング技術にかけることができる。上記の分子量範囲は、最終的なサイジングステップ後、コンジュゲーション前(例えば、活性化前)の精製された多糖を指す。
【0572】
精製、単離もしくは活性化された血清型35B莢膜多糖または血清型35B多糖-担体タンパク質コンジュゲート中のO-アセチルの存在は、前記多糖1mMあたりのアセテートのmM数として、または多糖反復単位あたりのO-アセチル基の数として表される。
【0573】
ある実施形態では、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型35B由来の精製された多糖は、前記血清型35B莢膜多糖1μmolあたり少なくとも0.2、0.4、0.6、0.8、1.0、1.2、1.4または1.6μmolのアセテートを有する。
【0574】
1.2.16 肺炎球菌多糖血清型35F
血清型35F多糖を、当業者に公知の単離手順を使用して細菌から直接得ることができる(例えば、米国特許出願公開第2006/0228380号、第2006/0228381号、第2007/0184071号、第2007/0184072号、第2007/0231340号、および第2008/0102498号ならびにWO2008/118752号に開示された方法を参照されたい)。さらに、それらを、合成プロトコールを使用して生産することができる。
【0575】
血清型35F肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)株を、確立された菌株保存機関(例えば、Streptococcal Reference Laboratory(Centers for Disease Control and Prevention、Atlanta、GA)など)または臨床標本から得ることができる。
【0576】
血清型35F由来の精製された多糖を活性化して(例えば、化学的に活性化して)、それらが反応することができるようにした後、本明細書にさらに記載されるように、本発明の糖コンジュゲートに組み込むことができる。
【0577】
肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)溶解物からの血清型35F多糖の精製および必要に応じて、精製された多糖のサイジングによって得られる単離された血清型35F莢膜多糖を、例えば、分子量(MW)および前記血清型35F莢膜多糖1mMあたりのアセテートのmMなどの異なるパラメーターによって特徴付けることができる。
【0578】
一部の実施形態では、コンジュゲーション前の肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型35F由来の精製された多糖は、10kDa~2,000kDaの分子量を有する。他のそのような実施形態では、糖は、50kDa~2,000kDaの分子量を有する。さらなるそのような実施形態では、糖は、50kDa~1,750kDa;50kDa~1,500kDa;50kDa~1,250kDa;50kDa~1,000kDa;50kDa~750kDa;50kDa~500kDa;100kDa~2,000kDa;100kDa~1,750kDa;100kDa~1,500kDa;100kDa~1,250kDa;100kDa~1,000kDa;100kDa~750kDa;100kDa~500kDa;200kDa~2,000kDa;200kDa~1,750kDa;200kDa~1,500kDa;200kDa~1,250kDa;200kDa~1,000kDa;200kDa~750kDa;または200kDa~500kDaの分子量を有する。上記の範囲のいずれかの中の任意の全整数が、本開示の実施形態として企図される。
【0579】
多糖は、通常の精製手順の間にサイズがわずかに減少するようになってもよい。さらに、本明細書に記載のように、多糖を、コンジュゲーションの前にサイジング技術にかけることができる。上記の分子量範囲は、最終的なサイジングステップ後、コンジュゲーション前(例えば、活性化前)の精製された多糖を指す。
【0580】
精製、単離もしくは活性化された血清型35F莢膜多糖または血清型35F多糖-担体タンパク質コンジュゲート中のO-アセチルの存在は、前記多糖1mMあたりのアセテートのmM数として、または多糖反復単位あたりのO-アセチル基の数として表される。
【0581】
ある実施形態では、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型35F由来の精製された多糖は、前記血清型35F莢膜多糖1μmolあたり少なくとも0.2、0.4、0.6、0.8、1.0、1.2、1.4または1.6μmolのアセテートを有する。
【0582】
1.2.17 肺炎球菌多糖血清型38
血清型38多糖を、当業者に公知の単離手順を使用して細菌から直接得ることができる(例えば、米国特許出願公開第2006/0228380号、第2006/0228381号、第2007/0184071号、第2007/0184072号、第2007/0231340号、および第2008/0102498号ならびにWO2008/118752号に開示された方法を参照されたい)。さらに、それらを、合成プロトコールを使用して生産することができる。
【0583】
血清型38肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)株を、確立された菌株保存機関(例えば、Streptococcal Reference Laboratory(Centers for Disease Control and Prevention、Atlanta、GA)など)または臨床標本から得ることができる。
【0584】
血清型38由来の精製された多糖を活性化して(例えば、化学的に活性化して)、それらが反応することができるようにした後、本明細書にさらに記載されるように、本発明の糖コンジュゲートに組み込むことができる。
【0585】
肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)溶解物からの血清型38多糖の精製および必要に応じて、精製された多糖のサイジングによって得られる単離された血清型38莢膜多糖を、例えば、分子量(MW)および前記血清型38莢膜多糖1mMあたりのアセテートのmMなどの異なるパラメーターによって特徴付けることができる。
【0586】
一部の実施形態では、コンジュゲーション前の肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型38由来の精製された多糖は、10kDa~2,000kDaの分子量を有する。他のそのような実施形態では、糖は、50kDa~2,000kDaの分子量を有する。さらなるそのような実施形態では、糖は、50kDa~1,750kDa;50kDa~1,500kDa;50kDa~1,250kDa;50kDa~1,000kDa;50kDa~750kDa;50kDa~500kDa;100kDa~2,000kDa;100kDa~1,750kDa;100kDa~1,500kDa;100kDa~1,250kDa;100kDa~1,000kDa;100kDa~750kDa;100kDa~500kDa;200kDa~2,000kDa;200kDa~1,750kDa;200kDa~1,500kDa;200kDa~1,250kDa;200kDa~1,000kDa;200kDa~750kDa;または200kDa~500kDaの分子量を有する。上記の範囲のいずれかの中の任意の全整数が、本開示の実施形態として企図される。
【0587】
多糖は、通常の精製手順の間にサイズがわずかに減少するようになってもよい。さらに、本明細書に記載のように、多糖を、コンジュゲーションの前にサイジング技術にかけることができる。上記の分子量範囲は、最終的なサイジングステップ後、コンジュゲーション前(例えば、活性化前)の精製された多糖を指す。
【0588】
精製、単離もしくは活性化された血清型38莢膜多糖または血清型38多糖-担体タンパク質コンジュゲート中のO-アセチルの存在は、前記多糖1mMあたりのアセテートのmM数として、または多糖反復単位あたりのO-アセチル基の数として表される。
【0589】
ある実施形態では、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型38由来の精製された多糖は、前記血清型38莢膜多糖1μmolあたり少なくとも0.2、0.4、0.6、0.8、1.0、1.2、1.4または1.6μmolのアセテートを有する。
【0590】
1.3 本発明の糖コンジュゲート
精製された糖を化学的に活性化して、担体タンパク質と反応することができる糖(すなわち、活性化された糖)にする。活性化されたら、それぞれの莢膜糖を、担体タンパク質に別々にコンジュゲートして、糖コンジュゲートを形成させる。一実施形態では、それぞれの莢膜糖は、同じ担体タンパク質にコンジュゲートされる。糖の化学的活性化およびその後の担体タンパク質へのコンジュゲーションを、本明細書に開示される活性化およびコンジュゲーション方法によって達成することができる。
【0591】
1.3.1 肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型6C、7C、9N、15A、15B、15C、16F、17F、20、23A、23B、31、34、35B、35F、および38由来の糖コンジュゲート
肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)の血清型6C、7C、9N、15A、15B、15C、16F、17F、20、23A、23B、31、34、35B、35F、および/または38由来の莢膜多糖を、当業者に公知の標準的な技術によって調製することができる(例えば、WO2006/110381、WO2008/118752、WO2006/110352、ならびに米国特許出願公開第2006/0228380号、第2006/0228381号、第2008/0102498号および第2008/0286838号を参照されたい)。
【0592】
ある実施形態では、多糖を、1-シアノ-4-ジメチルアミノピリジニウムテトラフルオロホウ酸(CDAP)を用いて活性化して、シアン酸エステルを形成させる。次いで、活性化された多糖を、担体タンパク質(好ましくは、CRM197)上のアミノ基に直接的に、またはスペーサー(リンカー)基を介してカップリングする。例えば、スペーサーは、マレイミド活性化された担体タンパク質(例えば、N-[γ-マレイミドブチリルオキシ]スクシンイミドエステル(GMBS)を使用する)またはハロアセチル化された担体タンパク質(例えば、ヨードアセトイミド、N-スクシンイミジルブロモ酢酸(SBA;SIB)、N-スクシンイミジル(4-ヨードアセチル)アミノ安息香酸(SIAB)、スルホスクシンイミジル(4-ヨードアセチル)アミノ安息香酸(スルホ-SIAB)、N-スクシンイミジルヨード酢酸(SIA)、もしくはスクシンイミジル3-[ブロモアセトアミド]プロピオン酸(SBAP)を使用する)との反応後に得られるチオエーテル結合によって担体にカップリングすることができるチオール化された多糖を得るためのシスタミンまたはシステアミンであってよい。好ましくは、シアン酸エステル(CDAP化学によって作製されてもよい)は、ヘキサンジアミンまたはアジピン酸ジヒドラジド(ADH)とカップリングされ、アミノ誘導体化された糖は、タンパク質担体上のカルボキシル基を介してカルボジイミド(例えば、EDACまたはEDC)化学を使用して担体タンパク質(例えば、CRM197)にコンジュゲートされる。そのようなコンジュゲートは、例えば、WO93/15760、WO95/08348およびWO96/129094に記載されている。
【0593】
コンジュゲーションのための他の好適な技術は、カルボジイミド、ヒドラジド、活性エステル、ノルボラン、p-ニトロ安息香酸、N-ヒドロキシスクシンイミド、S-NHS、EDC、TSTUを使用する。多くは、国際特許出願公開番号WO98/42721に記載されている。コンジュゲーションは、糖の遊離ヒドロキシル基と、1,1’-カルボニルジイミダゾール(CDI)との反応(Bethellら(1979)J.Biol.Chem.254:2572~2574;Hearnら(1981)J.Chromatogr.218:509~518を参照されたい)、次いで、タンパク質と反応させてカルバメート結合を形成させることによって形成させることができるカルボニルリンカーを含んでもよい。これは、アノマー末端の第一級ヒドロキシル基への還元、必要に応じた、第一級ヒドロキシル基の保護/脱保護、CDIカルバメート中間体を形成させるための第一級ヒドロキシル基とCDIとの反応およびCDIカルバメート中間体と、タンパク質上のアミノ基とのカップリングを含んでもよい。
【0594】
ある実施形態では、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)の血清型6C、7C、9N、15A、15B、15C、16F、17F、20、23A、23B、31、34、35B、35F、および38由来の少なくとも1つの莢膜多糖は、還元的アミノ化(米国特許出願公開第2006/0228380号、第2007/0231340号、第2007/0184071号および第2007/0184072号、WO2006/110381、WO2008/079653、およびWO2008/143709などに記載されている)によって担体タンパク質にコンジュゲートされる。ある実施形態では、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)の血清型6C、7C、9N、15A、15B、15C、16F、17F、20、23A、23B、31、34、35B、35F、および38由来の莢膜多糖は全て、還元的アミノ化によって担体タンパク質にコンジュゲートされる。
【0595】
還元的アミノ化は、2つのステップ:(1)多糖の酸化および(2)コンジュゲートを形成させるための活性化された多糖と担体タンパク質との還元を含む。酸化の前に、多糖を加水分解してもよい。機械的または化学的加水分解を用いることができる。化学的加水分解を、酢酸を使用して行うことができる。酸化ステップは、過ヨウ素酸塩との反応を含んでもよい。本発明の目的のために、用語「過ヨウ素酸塩」は、過ヨウ素酸塩と過ヨウ素酸の両方を含む;この用語はまた、メタ過ヨウ素酸塩(IO )とオルト過ヨウ素酸塩(IO 5-)の両方および過ヨウ素酸の様々な塩(例えば、過ヨウ素酸ナトリウムおよび過ヨウ素酸カリウム)も含む。
【0596】
ある実施形態では、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)の血清型6C、7C、9N、15A、15B、15C、16F、17F、20、23A、23B、31、34、35B、35F、および/または38由来の莢膜多糖を、メタ過ヨウ素酸塩の存在下、または過ヨウ素酸ナトリウム(NaIO)の存在下で酸化させる。別の実施形態では、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)の血清型6C、7C、9N、15A、15B、15C、16F、17F、20、23A、23B、31、34、35B、35F、および/または38由来の莢膜多糖を、オルト過ヨウ素酸塩の存在下、または過ヨウ素酸の存在下で酸化させる。
【0597】
多糖の酸化ステップの後、多糖は活性化されると言われ、本明細書では「活性化された多糖」と称される。活性化された多糖および担体タンパク質を、独立に(個別凍結乾燥)または一緒に(同時凍結乾燥)、凍結乾燥(凍結-乾燥)することができる。一実施形態では、活性化された多糖と、担体タンパク質とを同時凍結乾燥する。別の実施形態では、活性化された多糖および担体タンパク質は、独立に凍結乾燥される。
【0598】
一実施形態では、凍結乾燥は、非還元糖の存在下で行い、あり得る非還元糖としては、スクロース、トレハロース、ラフィノース、スタキオース、メレジトース、デキストラン、マンニトール、ラクチトールおよびパラチニットが挙げられる。
【0599】
コンジュゲーションプロセスの第2のステップは、還元剤を使用した、コンジュゲートを形成させるための活性化された多糖および担体タンパク質の還元(還元的アミノ化と称される)である。好適である還元剤としては、シアノ水素化ホウ素ナトリウムなどのシアノ水素化ホウ素、ボラン-ピリジン、またはホウ化水素交換樹脂が挙げられる。一実施形態では、還元剤は、シアノ水素化ホウ素ナトリウムである。
【0600】
ある実施形態では、還元反応は、水性溶媒中で実行され、別の実施形態では、反応は、非プロトン性溶媒中で実行される。ある実施形態では、還元反応は、DMSO(ジメチルスルホキシド)またはDMF(ジメチルホルムアミド)溶媒中で実行される。DMSOまたはDMF溶媒を使用して、凍結乾燥された活性化された多糖および担体タンパク質を再構成させることができる。
【0601】
還元反応の終わりに、コンジュゲート中に残存する未反応のアルデヒド基があってもよく、これらのものを、好適なキャッピング剤を使用してキャップすることができる。一実施形態では、このキャッピング剤は、水素化ホウ素ナトリウム(NaBH)である。コンジュゲーション(還元反応および必要に応じて、キャッピング)後、糖コンジュゲートを精製することができる。糖コンジュゲートを、透析濾過および/またはイオン交換クロマトグラフィーおよび/またはサイズ排除クロマトグラフィーによって精製することができる。ある実施形態では、糖コンジュゲートは、透析濾過またはイオン交換クロマトグラフィーまたはサイズ排除クロマトグラフィーによって精製される。一実施形態では、糖コンジュゲートは、滅菌濾過される。
【0602】
1つまたは複数の実施形態では、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)の血清型6C、7C、9N、15A、15B、15C、16F、17F、20、23A、23B、31、34、35B、35Fおよび/または38由来の糖コンジュゲートは、10%~100%、20%~100%、30%~100%、40%~100%、50%~100%、60%~100%、70%~100%、75%~100%、80%~100%、90%~100%、50%~90%、60%~90%、70%~90%または80%~90%のO-アセチル化度を有する糖を含む。他の実施形態では、O-アセチル化度は、10%以上、20%以上、30%以上、40%以上、50%以上、60%以上、70%以上、80%以上、もしくは90%以上、または約100%である。
【0603】
一部の実施形態では、本発明の肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型6C、7C、9N、15A、15B、15C、16F、17F、20、23A、23B、31、34、35B、35Fおよび/または38由来の糖コンジュゲートは、O-アセチル化される。一部の実施形態では、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型6C、7C、9N、15A、15B、15C、16F、17F、20、23A、23B、31、34、35B、35Fおよび/または38由来の糖コンジュゲートはO-アセチル化され、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)の血清型6C、7C、9N、15A、15B、15C、16F、17F、20、23A、23B、31、34、35B、35Fおよび/または38由来の糖コンジュゲートは、脱O-アセチル化される。
【0604】
1つまたは複数の実施形態では、本発明の血清型6C、7C、9N、15A、15B、15C、16F、17F、20、23A、23B、31、34、35B、35Fおよび/または38糖コンジュゲートは、実施例1、2および3ならびにWO2014/027302などに記載された、eTECコンジュゲーション(本明細書では以後、「eTEC結合糖コンジュゲート」)を使用して調製される。6C、7C、9N、15A、15B、15C、16F、17F、20、23A、23B、31、34、35B、35Fおよび/または38糖コンジュゲートは、1つまたは複数のeTECスペーサーを介して担体タンパク質に共有的にコンジュゲートされた糖を含み、糖はカルバメート結合を介してeTECスペーサーに共有的にコンジュゲートされ、担体タンパク質はアミド結合を介してeTECスペーサーに共有的にコンジュゲートされる。本発明のeTEC結合糖コンジュゲートを、一般式(III):
【0605】
【化1】
(式中、eTECスペーサーを含む原子は中央の囲みに含まれる)
によって表すことができる。
【0606】
eTECスペーサーは、7個の線状原子(すなわち、-C(O)NH(CHSCHC(O)-)を含み、糖と担体タンパク質との間に安定なチオエーテルおよびアミド結合を提供する。eTEC結合糖コンジュゲートの合成は、チオール化された糖を提供するための糖へのカルバメート結合を形成する、糖の活性化されたヒドロキシル基と、チオアルキルアミン試薬、例えば、シスタミンもしくはシステインアミンまたはその塩のアミノ基との反応を含む。1つまたは複数の遊離スルフヒドリル基の生成は、活性化されたチオール化された糖を提供するための還元剤との反応によって達成される。活性化されたチオール化された糖の遊離スルフヒドリル基と、アミン含有残基上に1つまたは複数のα-ハロアセトアミド基を有する活性化された担体タンパク質との反応は、チオエーテル結合を生成してコンジュゲートを形成し、担体タンパク質は、アミド結合を介してeTECスペーサーに結合する。
【0607】
本発明の血清型6C、7C、9N、15A、15B、15C、16F、17F、20、23A、23B、31、34、35B、35Fおよび/または38糖コンジュゲートにおいて、糖は多糖またはオリゴ糖であってもよい。担体タンパク質を、本明細書に記載の、または当業者に公知の任意の好適な担体から選択することができる。1つまたは複数の実施形態では、糖は多糖である。一部のそのような実施形態では、担体タンパク質は、CRM197である。一部のそのような実施形態では、eTEC結合糖コンジュゲートは、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型6C、7C、9N、15A、15B、15C、16F、17F、20、23A、23B、31、34、35B、35Fおよび/または38莢膜多糖を含む。
【0608】
1つまたは複数の実施形態では、eTEC結合糖コンジュゲートは、eTECスペーサーを介してCRM197に共有的にコンジュゲートされる、Pn-6C、7C、9N、15A、15B、15C、16F、17F、20、23A、23B、31、34、35B、35Fおよび/または38莢膜多糖を含む(血清型6C、7C、9N、15A、15B、15C、16F、17F、20、23A、23B、31、34、35B、35Fおよび/または38のeTEC結合糖コンジュゲート)。
【0609】
一部の実施形態では、本発明の血清型6C、7C、9N、15A、15B、15C、16F、17F、20、23A、23B、31、34、35B、35Fおよび/または38糖コンジュゲートは、10kDa~2,000kDaの分子量を有する糖を含む。他のそのような実施形態では、糖は、50kDa~2,000kDaの分子量を有する。さらなる実施形態では、糖は、50kDa~1,750kDa;50kDa~1,500kDa;50kDa~1,250kDa;50kDa~1,000kDa;50kDa~750kDa;50kDa~500kDa;100kDa~2,000kDa;100kDa~1,750kDa;100kDa~1,500kDa;100kDa~1,250kDa;100kDa~1,000kDa;100kDa~750kDa;100kDa~500kDa;200~2,000kDa;200kDa~1,750kDa;200kDa~1,500kDa;200kDa~1,250kDa;200kDa~1,000kDa;200kDa~750kDa;または200kDa~500kDaの分子量を有する。上記の範囲のいずれかの中の任意の全整数が、本開示の実施形態として企図される。
【0610】
一部の実施形態では、本発明の血清型6C、7C、9N、15A、15B、15C、16F、17F、20、23A、23B、31、34、35B、35Fおよび/または38糖コンジュゲートは、50kDa~20,000kDaの分子量を有する。他の実施形態では、血清型6C、7C、9N、15A、15B、15C、16F、17F、20、23A、23B、31、34、35B、35Fおよび/または38糖コンジュゲートは、500kDa~10,000kDaの分子量を有する。他の実施形態では、血清型6C、7C、9N、15A、15B、15C、16F、17F、20、23A、23B、31、34、35B、35Fおよび/または38糖コンジュゲートは、200kDa~10,000kDaの分子量を有する。さらに他の実施形態では、血清型6C、7C、9N、15A、15B、15C、16F、17F、20、23A、23B、31、34、35B、35Fおよび/または38糖コンジュゲートは、1,000kDa~3,000kDaの分子量を有する。
【0611】
さらなる実施形態では、本発明の血清型6C、7C、9N、15A、15B、15C、16F、17F、20、23A、23B、31、34、35B、35Fおよび/または38糖コンジュゲートは、200kDa~20,000kDa;200kDa~15,000kDa;200kDa~10,000kDa;200kDa~7,500kDa;200kDa~5,000kDa;200kDa~3,000kDa;200kDa~1,000kDa;500kDa~20,000kDa;500kDa~15,000kDa;500kDa~12,500kDa;500kDa~10,000kDa;500kDa~7,500kDa;500kDa~6,000kDa;500kDa~5,000kDa;500kDa~4,000kDa;500kDa~3,000kDa;500kDa~2,000kDa;500kDa~1,500kDa;500kDa~1,000kDa;750kDa~20,000kDa;750kDa~15,000kDa;750kDa~12,500kDa;750kDa~10,000kDa;750kDa~7,500kDa;750kDa~6,000kDa;750kDa~5,000kDa;750kDa~4,000kDa;750kDa~3,000kDa;750kDa~2,000kDa;750kDa~1,500kDa;1,000kDa~15,000kDa;1,000kDa~12,500kDa;1,000kDa~10,000kDa;1,000kDa~7,500kDa;1,000kDa~6,000kDa;1,000kDa~5,000kDa;1,000kDa~4,000kDa;1,000kDa~2,500kDa;2,000kDa~15,000kDa;2,000kDa~12,500kDa;2,000kDa~10,000kDa;2,000kDa~7,500kDa;2,000kDa~6,000kDa;2,000kDa~5,000kDa;2,000kDa~4,000kDa;2,000kDa~3,000kDa;3,000kDa~20,000kDa;3,000kDa~15,000kDa;3,000kDa~12,500kDa;3,000kDa~10,000kDa;3,000kDa~9,000kDa;3,000kDa~8,000kDa;3,000kDa~7,000kDa;3,000kDa~6,000kDa;3,000kDa~5,000kDaまたは3,000kDa~4,000kDaの分子量を有する。上記の範囲のいずれかの中の任意の全整数が、本開示の実施形態として企図される。
【0612】
ある実施形態では、本発明の血清型6C、7C、9N、15A、15B、15C、16F、17F、20、23A、23B、31、34、35B、35Fおよび/または38糖コンジュゲートのコンジュゲーション度は、2~20、4~16、2~15、2~13、2~10、2~8、2~6、2~5、2~4、3~15、3~13、3~10、3~8、3~6、3~5、3~4、5~15、5~10、8~15、8~12、10~15または10~12である。ある実施形態では、本発明の血清型6C、7C、9N、15A、15B、15C、16F、17F、20、23A、23B、31、34、35B、35Fおよび/または38糖コンジュゲートのコンジュゲーション度は、約2、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9、約10、約11、約12、約13、約14、約15、約16、約17、約18、約19または約20である。別の実施形態では、本発明の血清型6C、7C、9N、15A、15B、15C、16F、17F、20、23A、23B、31、34、35B、35Fおよび/または38糖コンジュゲートのコンジュゲーション度は、4~16である。一部のそのような実施形態では、担体タンパク質は、CRM197である。
【0613】
ある実施形態では、担体タンパク質は、39個のリシン残基を含有するCRM197を含む。一部の実施形態では、CRM197は、糖に共有的に連結された、39個のうちの4~16個のリシン残基を含んでもよい。このパラメーターを表現するための別の方法は、CRM197リシンの約10%~約41%が糖に共有的に連結されているというものである。別の実施形態では、CRM197は、糖に共有的に連結された、39個のうちの2~20個のリシン残基を含んでもよい。このパラメーターを表現するための別の方法は、CRM197リシンの約5%~約50%が糖に共有的に連結されているというものである。一部の実施形態では、CRM197は、糖に共有的に連結された、39個のうちの約4個、約5個、約6個、約7個、約8個、約9個、約10個、約11個、約12個、約13個、約14日、約15個、または約16個のリシン残基を含んでもよい。
【0614】
1つまたは複数の実施形態では、担体タンパク質は、担体タンパク質上のリシン残基の1つまたは複数のε-アミノ基へのアミド結合を介してeTECスペーサーに共有的にコンジュゲートされる。一部のそのような実施形態では、担体タンパク質は、糖に共有的にコンジュゲートした、2~20個のリシン残基を含む。一部のそのような実施形態では、担体タンパク質は、糖に共有的にコンジュゲートした、4~16個のリシン残基を含む。
【0615】
本発明の血清型6C、7C、9N、15A、15B、15C、16F、17F、20、23A、23B、31、34、35B、35Fおよび/または38糖コンジュゲートはまた、糖の担体タンパク質に対する比(重量/重量)によって特徴付けることもできる。一部の実施形態では、糖の担体タンパク質に対する比(w/w)は、0.2~4.0(例えば、約0.2、約0.3、約0.4、約0.5、約0.6、約0.7、約0.8、約0.9、約1.0、約1.1、約1.2、約1.3、約1.4、約1.5、約1.6、約1.7、約1.8、約1.9、約2.0、約2.1、約2.2、約2.3、約2.4、約2.5、約2.6、約2.7、約2.8、約2.9、約3.0、約3.1、約3.2、約3.3、約3.4、約3.5、約3.6、約3.7、約3.8、約3.9または約4.0)である。他の実施形態では、糖の担体タンパク質に対する比(w/w)は、1.0~2.5である。さらなる実施形態では、糖の担体タンパク質に対する比(w/w)は、0.4~1.7である。一部のそのような実施形態では、担体タンパク質は、CRM197である。
【0616】
担体タンパク質上のリシンへの糖鎖の結合の頻度は、本発明の血清型6C、7C、9N、15A、15B、15C、16F、17F、20、23A、23B、31、34、35B、35Fおよび/または38糖コンジュゲートを特徴付けるための別のパラメーターである。例えば、一部の実施形態では、担体タンパク質と、多糖との間の少なくとも1つの共有結合は、多糖の4糖反復単位毎に存在する。別の実施形態では、担体タンパク質と多糖との間の共有結合は、多糖の10糖反復単位毎に少なくとも1回存在する。別の実施形態では、担体タンパク質と多糖との間の共有結合は、多糖の15糖反復単位毎に少なくとも1回存在する。さらなる実施形態では、担体タンパク質と多糖との間の共有結合は、多糖の25糖反復単位毎に少なくとも1回存在する。
【0617】
1つまたは複数の実施形態では、担体タンパク質は、CRM197であり、CRM197と多糖との間のeTECスペーサーを介する共有結合は、多糖の4、10、15または25糖反復単位あたり少なくとも1回存在する。
【0618】
他の実施形態では、コンジュゲートは、5~10糖反復単位毎に;2~7糖反復単位毎に;3~8糖反復単位毎に;4~9糖反復単位毎に;6~11糖反復単位毎に;7~12糖反復単位毎に;8~13糖反復単位毎に;9~14糖反復単位毎に;10~15糖反復単位毎に;2~6糖反復単位毎に;3~7糖反復単位毎に;4~8糖反復単位毎に;6~10糖反復単位毎に;7~11糖反復単位毎に;8~12糖反復単位毎に;9~13糖反復単位毎に;10~14糖反復単位毎に;10~20糖反復単位毎に;4~25糖反復単位毎に、または2~25糖反復単位毎に、担体タンパク質と糖との間に少なくとも1個の共有結合を含む。よくある実施形態では、担体タンパク質は、CRM197である。
【0619】
別の実施形態では、担体タンパク質と糖との間の少なくとも1個の結合は、多糖の2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24または25糖反復単位毎に存在する。ある実施形態では、担体タンパク質は、CRM197である。上記の範囲のいずれかの中の任意の全整数が、本開示の実施形態として企図される。
【0620】
コンジュゲーション中の重要な考慮は、糖エピトープの一部を形成し得るO-アシル、リン酸またはグリセロールリン酸側鎖などの、個々の成分の潜在的に感受性の非糖置換官能基の保持を可能にする条件の開発である。
【0621】
一実施形態では、本発明の血清型6C、7C、9N、15A、15B、15C、16F、17F、20、23A、23B、31、34、35B、35Fおよび/または38糖コンジュゲートは、10%~100%のO-アセチル化度を有する糖を含む。一部のそのような実施形態では、糖は、50%~100%のO-アセチル化度を有する。他のそのような実施形態では、糖は、75%~100%のO-アセチル化度を有する。さらなる実施形態では、糖は、70%より高いか、またはそれに等しい(70%以上の)O-アセチル化度を有する。
【0622】
ある実施形態では、血清型6C、7C、9N、15A、15B、15C、16F、17F、20、23A、23B、31、34、35B、35Fおよび/または38糖コンジュゲートは、血清型6C、7C、9N、15A、15B、15C、16F、17F、20、23A、23B、31、34、35B、35Fおよび/または38莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7または0.8mMのアセテートを含む。ある実施形態では、糖コンジュゲートは、血清型6C、7C、9N、15A、15B、15C、16F、17F、20、23A、23B、31、34、35B、35Fおよび/または38莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.5、0.6または0.7mMのアセテートを含む。別の実施形態では、糖コンジュゲートは、血清型6C、7C、9N、15A、15B、15C、16F、17F、20、23A、23B、31、34、35B、35Fおよび/または38莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.6mMのアセテートを含む。ある実施形態では、糖コンジュゲートは、血清型6C、7C、9N、15A、15B、15C、16F、17F、20、23A、23B、31、34、35B、35Fおよび/または38莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.7mMのアセテートを含む。ある実施形態では、O-アセチル基の存在は、イオン-HPLC分析によって決定される。
【0623】
別の実施形態では、糖コンジュゲート中の血清型6C、7C、9N、15A、15B、15C、16F、17F、20、23A、23B、31、34、35B、35Fおよび/または38多糖1mMあたりのアセテートのmMの、単離された多糖中の血清型6C、7C、9N、15A、15B、15C、16F、17F、20、23A、23B、31、34、35B、35Fおよび/または38多糖1mMあたりのアセテートのmMに対する比は、少なくとも0.6、0.65、0.7、0.75、0.8、0.85、0.9、または0.95である。ある実施形態では、糖コンジュゲート中の血清型6C、7C、9N、15A、15B、15C、16F、17F、20、23A、23B、31、34、35B、35Fおよび/または38多糖1mMあたりのアセテートのmMの、単離された多糖中の血清型6C、7C、9N、15A、15B、15C、16F、17F、20、23A、23B、31、34、35B、35Fおよび/または38多糖1mMあたりのアセテートのmMに対する比は、少なくとも0.7である。ある実施形態では、糖コンジュゲート中の血清型6C、7C、9N、15A、15B、15C、16F、17F、20、23A、23B、31、34、35B、35Fおよび/または38多糖1mMあたりのアセテートのmMの、単離された多糖中の血清型6C、7C、9N、15A、15B、15C、16F、17F、20、23A、23B、31、34、35B、35Fおよび/または38多糖1mMあたりのアセテートのmMに対する比は、少なくとも0.9である。
【0624】
ある実施形態では、糖コンジュゲート中の血清型6C、7C、9N、15A、15B、15C、16F、17F、20、23A、23B、31、34、35B、35Fおよび/または38の多糖1mMあたりのアセテートのmMの、活性化された多糖中の血清型6C、7C、9N、15A、15B、15C、16F、17F、20、23A、23B、31、34、35B、35Fおよび/または38の多糖1mMあたりのアセテートのmMに対する比は、少なくとも0.6、0.65、0.7、0.75、0.8、0.85、0.9、または0.95である。別の実施形態では、糖コンジュゲート中の血清型6C、7C、9N、15A、15B、15C、16F、17F、20、23A、23B、31、34、35B、35Fおよび/または38の多糖1mMあたりのアセテートのmMの、活性化された多糖中の血清型6C、7C、9N、15A、15B、15C、16F、17F、20、23A、23B、31、34、35B、35Fおよび/または38の多糖1mMあたりのアセテートのmMに対する比は、少なくとも0.7である。ある実施形態では、糖コンジュゲート中の血清型6C、7C、9N、15A、15B、15C、16F、17F、20、23A、23B、31、34、35B、35Fおよび/または38の多糖1mMあたりのアセテートのmMの、活性化された多糖中の血清型6C、7C、9N、15A、15B、15C、16F、17F、20、23A、23B、31、34、35B、35Fおよび/または38の多糖1mMあたりのアセテートのmMに対する比は、少なくとも0.9である。
【0625】
血清型6C、7C、9N、15A、15B、15C、16F、17F、20、23A、23B、31、34、35B、35Fおよび/または38糖コンジュゲートおよび免疫原性組成物は、担体タンパク質に共有的にコンジュゲートされていないが、それにも拘わらず、糖コンジュゲート組成物中に存在する遊離糖を含有してもよい。遊離糖は、糖コンジュゲートと非共有的に会合していてもよい(すなわち、非共有的に結合する、吸着する、またはその中に、もしくはそれと共に捕捉される)。
【0626】
一部の実施形態では、本発明の血清型6C、7C、9N、15A、15B、15C、16F、17F、20、23A、23B、31、34、35B、35Fおよび/または38糖コンジュゲートは、血清型6C、7C、9N、15A、15B、15C、16F、17F、20、23A、23B、31、34、35B、35Fおよび/または38多糖の総量と比較して、約50%、45%、40%、35%、30%、25%、20%、15%、10%または5%未満の遊離血清型33F多糖を含む。血清型6C、7C、9N、15A、15B、15C、16F、17F、20、23A、23B、31、34、35B、35Fおよび/または38糖コンジュゲートは、15%未満の遊離糖、10%未満の遊離糖、または5%未満の遊離糖を含む。ある実施形態では、血清型6C、7C、9N、15A、15B、15C、16F、17F、20、23A、23B、31、34、35B、35Fおよび/または38糖コンジュゲートは、血清型6C、7C、9N、15A、15B、15C、16F、17F、20、23A、23B、31、34、35B、35Fおよび/または38多糖の総量と比較して、約25%未満の遊離血清型6C、7C、9N、15A、15B、15C、16F、17F、20、23A、23B、31、34、35B、35Fおよび/または38多糖を含む。別の実施形態では、血清型6C、7C、9N、15A、15B、15C、16F、17F、20、23A、23B、31、34、35B、35Fおよび/または38糖コンジュゲートは、血清型33F多糖の総量と比較して、約20%未満の遊離血清型6C、7C、9N、15A、15B、15C、16F、17F、20、23A、23B、31、34、35B、35Fおよび/または38多糖を含む。ある実施形態では、血清型6C、7C、9N、15A、15B、15C、16F、17F、20、23A、23B、31、34、35B、35Fおよび/または38糖コンジュゲートは、血清型6C、7C、9N、15A、15B、15C、16F、17F、20、23A、23B、31、34、35B、35Fおよび/または38多糖の総量と比較して、約15%未満の遊離血清型6C、7C、9N、15A、15B、15C、16F、17F、20、23A、23B、31、34、35B、35Fおよび/または38多糖を含む。
【0627】
1つまたは複数の実施形態では、本発明は、以下の特徴の1つまたは複数を単独で、または組み合わせて有する血清型6C、7C、9N、15A、15B、15C、16F、17F、20、23A、23B、31、34、35B、35Fおよび/または38糖コンジュゲートを提供する:多糖が、50kDa~2,000kDaの分子量を有する;糖コンジュゲートが、500kDa~10,000kDaの分子量を有する;担体タンパク質が、糖に共有的に連結された、2~20個のリシン残基を含む;糖の担体タンパク質に対する比(w/w)が0.2~4.0である;糖コンジュゲートが、多糖の4、10、15または25糖反復単位毎に、担体タンパク質と多糖との間に少なくとも1個の共有結合を含む;糖が、75%~100%のO-アセチル化度を有する;コンジュゲートが、全多糖に対して約15%未満の遊離多糖を含む;担体タンパク質がCRM197である。
【0628】
血清型6C、7C、9N、15A、15B、15C、16F、17F、20、23A、23B、31、34、35B、35Fおよび/または38糖コンジュゲートを、その分子サイズ分布(K)によって特徴付けることもできる。サイズ排除クロマトグラフィー媒体(CL-4B)を使用して、上記のように、コンジュゲートの相対分子サイズ分布を決定することができる。
【0629】
ある実施形態では、本発明の血清型6C、7C、9N、15A、15B、15C、16F、17F、20、23A、23B、31、34、35B、35Fおよび/または38糖コンジュゲートの少なくとも15%が、CL-4Bカラム中で0.3より低い、またはそれに等しいKを有する。ある実施形態では、本発明の血清型6C、7C、9N、15A、15B、15C、16F、17F、20、23A、23B、31、34、35B、35Fおよび/または38糖コンジュゲートの少なくとも15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、60%、70%、80%または90%が、CL-4Bカラム中で0.3より低い、またはそれに等しいKを有する。
【0630】
別の実施形態では、本発明の血清型6C、7C、9N、15A、15B、15C、16F、17F、20、23A、23B、31、34、35B、35Fおよび/または38糖コンジュゲートの少なくとも35%が、CL-4Bカラム中で0.3より低い、またはそれに等しいKを有する。1つまたは複数の実施形態では、本発明の血清型6C、7C、9N、15A、15B、15C、16F、17F、20、23A、23B、31、34、35B、35Fおよび/または38糖コンジュゲートの少なくとも40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%または85%が、CL-4Bカラム中で0.3より低い、またはそれに等しいKを有する。ある実施形態では、本発明の血清型6C、7C、9N、15A、15B、15C、16F、17F、20、23A、23B、31、34、35B、35Fおよび/または38糖コンジュゲートの少なくとも60%が、CL-4Bカラム中で0.3より低い、またはそれに等しいKを有する。ある実施形態では、本発明の血清型6C、7C、9N、15A、15B、15C、16F、17F、20、23A、23B、31、34、35B、35Fおよび/または38糖コンジュゲートの少なくとも70%が、CL-4Bカラム中で0.3より低い、またはそれに等しいKを有する。
【0631】
ある実施形態では、本発明の血清型6C、7C、9N、15A、15B、15C、16F、17F、20、23A、23B、31、34、35B、35Fおよび/または38糖コンジュゲートの40%~90%が、CL-4Bカラム中で0.3より低い、またはそれに等しいKを有する。別の実施形態では、本発明の血清型6C、7C、9N、15A、15B、15C、16F、17F、20、23A、23B、31、34、35B、35Fおよび/または38糖コンジュゲートの50%~90%が、CL-4Bカラム中で0.3より低い、またはそれに等しいKを有する。さらなる実施形態では、本発明の血清型6C、7C、9N、15A、15B、15C、16F、17F、20、23A、23B、31、34、35B、35Fおよび/または38糖コンジュゲートの65%~80%が、CL-4Bカラム中で0.3より低い、またはそれに等しいKを有する。
【0632】
1.3.2 肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型6C由来の糖コンジュゲート
ある実施形態では、血清型6C糖コンジュゲートは、1-シアノ-4-ジメチルアミノピリジニウムテトラフルオロホウ酸(CDAP)を用いて多糖を活性化して、シアン酸エステルを形成させることによって得られる。活性化された糖を、担体タンパク質上のアミノ基に直接的に、またはスペーサー(リンカー)基を介してカップリングすることができる。例えば、スペーサーは、マレイミド活性化担体タンパク質(例えば、GMBSを使用する)またはハロアセチル化担体タンパク質(例えば、ヨードアセトイミド、SIB、SIAB、スルホ-SIAB、SIA、もしくはSBAPを使用する)との反応後に得られるチオエーテル結合を介して担体にカップリングすることができるチオール化多糖を得るためのシスタミンまたはシステアミンであってもよい。好ましくは、シアン酸エステル(CDAP化学によって作製されてもよい)は、ヘキサンジアミンまたはアジピン酸ジヒドラジド(ADH)とカップリングされ、アミノ誘導体化された糖は、タンパク質担体上のカルボキシル基を介してカルボジイミド(例えば、EDACまたはEDC)化学を使用して担体タンパク質にコンジュゲートされる。そのようなコンジュゲートは、例えば、WO93/15760、WO95/08348およびWO96/129094に記載されている。
【0633】
他の好適な技術は、カルボジイミド、ヒドラジド、活性エステル、ノルボラン、p-ニトロ安息香酸、N-ヒドロキシスクシンイミド、S-NHS、EDC、TSTUを使用する。多くは、国際特許出願公開番号WO98/42721に記載されている。コンジュゲーションは、糖の遊離ヒドロキシル基と、CDIとの反応(Bethellら(1979)J.Biol.Chem.254:2572~2574;Hearnら(1981)J.Chromatogr.218:509~518を参照されたい)、次いで、タンパク質と反応させてカルバメート結合を形成させることによって形成させることができるカルボニルリンカーを含んでもよい。これは、アノマー末端の第一級ヒドロキシル基への還元、必要に応じた、第一級ヒドロキシル基の保護/脱保護、CDIカルバメート中間体を形成させるための第一級ヒドロキシル基とCDIとの反応およびCDIカルバメート中間体と、タンパク質上のアミノ基とのカップリングを含んでもよい。
【0634】
1つまたは複数の実施形態では、本発明の血清型6C糖コンジュゲートは、還元的アミノ化を使用して調製される。還元的アミノ化は、2つのステップ:(1)個々の6糖単位中の隣接ジオールからアルデヒド官能基を生成するための多糖の酸化および(2)コンジュゲートを形成させるための活性化された多糖と担体タンパク質(例えば、CRM197)との還元を含む。
【0635】
ある実施形態では、酸化の前に、標的分子量(MW)範囲への血清型6C多糖のサイジングを実施する。有利には、精製された血清型6C多糖のサイズを、例えば、O-アセチル基の存在などの多糖の構造の重要な特徴を保存しながら、減少させる。ある実施形態では、精製された血清型6C多糖のサイズを、本明細書に記載の機械的ホモジェナイゼーションによって減少させる。
【0636】
ある実施形態では、血清型多糖は、
(a)単離された血清型6C多糖を、酸化剤と反応させるステップ;および
(b)クエンチング剤の添加によって酸化反応をクエンチングして、活性化された血清型6C多糖を得るステップ
を含むプロセスによって活性化(酸化)される。
【0637】
ある実施形態では、酸化剤は、過ヨウ素酸塩である。本発明の目的のために、用語「過ヨウ素酸塩」は、過ヨウ素酸塩と過ヨウ素酸の両方を含む;この用語はまた、メタ過ヨウ素酸塩(IO )とオルト過ヨウ素酸塩(IO 5-)の両方および過ヨウ素酸の様々な塩(例えば、過ヨウ素酸ナトリウムおよび過ヨウ素酸カリウム)も含む。ある実施形態では、酸化剤は、過ヨウ素酸ナトリウムである。ある実施形態では、血清型6C多糖の酸化のために使用される過ヨウ素酸塩は、メタ過ヨウ素酸塩である。別の実施形態では、血清型6C多糖の酸化のために使用される過ヨウ素酸塩は、メタ過ヨウ素酸ナトリウムである。
【0638】
一実施形態では、クエンチング剤は、隣接ジオール、1,2-アミノアルコール、アミノ酸、グルタチオン、亜硫酸塩、重硫酸塩、亜ジチオン酸塩、メタ重亜硫酸塩、チオ硫酸塩、亜リン酸塩、次亜リン酸塩または亜リン酸から選択される。
【0639】
一実施形態では、クエンチング剤は、式(I):
【0640】
【化2】
(式中、Rは、H、メチル、エチル、プロピルまたはイソプロピルから選択される)
の1,2-アミノアルコールである。
【0641】
一実施形態では、クエンチング剤は、亜硫酸塩、重硫酸塩、亜ジチオン酸塩、メタ重亜硫酸塩、チオ硫酸塩、亜リン酸塩、次亜リン酸塩または亜リン酸のナトリウムおよびカリウム塩から選択される。
【0642】
一実施形態では、クエンチング剤は、アミノ酸である。そのような実施形態では、前記アミノ酸を、セリン、トレオニン、システイン、シスチン、メチオニン、プロリン、ヒドロキシプロリン、トリプトファン、チロシン、およびヒスチジンから選択することができる。
【0643】
一実施形態では、クエンチング剤は、重硫酸塩、亜ジチオン酸塩、メタ重亜硫酸塩、チオ硫酸塩などの亜硫酸塩である。
【0644】
一実施形態では、クエンチング剤は、2つの隣接ヒドロキシル基(隣接ジオール)、すなわち、2個の隣接する炭素原子に共有的に連結された2個のヒドロキシル基を含む化合物である。
【0645】
1つまたは複数の実施形態では、クエンチング剤は、式(II):
【0646】
【化3】
(式中、RおよびRはそれぞれ独立にH、メチル、エチル、プロピルまたはイソプロピルから選択される)
の化合物である。
【0647】
ある実施形態では、クエンチング剤は、グリセロール、エチレングリコール、プロパン-1,2-ジオール、ブタン-1,2-ジオールまたはブタン-2,3-ジオール、またはアスコルビン酸である。ある実施形態では、クエンチング剤は、ブタン-2,3-ジオールである。
【0648】
別の実施形態では、単離された血清型6C多糖は、
(a)単離された血清型6C多糖と過ヨウ素酸塩とを反応させるステップ;および
(b)ブタン-2,3-ジオールの添加によって酸化反応をクエンチングして、活性化された血清型6C多糖を得るステップ
を含むプロセスによって活性化される。
【0649】
多糖の酸化ステップの後、多糖は活性化されると言われ、本明細書では「活性化された多糖」と称される。
【0650】
ある実施形態では、活性化された血清型6C多糖は、精製される。活性化された血清型6C多糖は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)、透析または限外濾過/透析濾過などの当業者に公知の方法に従って精製される。例えば、活性化された6C多糖は、限外濾過デバイスを使用する濃縮および透析濾過によって精製される。
【0651】
別の実施形態では、活性化された血清型6C多糖の酸化度は、2~30、2~25、2~20、2~15、2~10、2~5、5~30、5~25、5~20、5~15、5~10、10~30、10~25、10~20、10~15、15~30、15~25、15~20、20~30、または20~25である。ある実施形態では、活性化された血清型6C多糖の酸化度は、2~10、4~8、4~6、6~8、6~12、8~14、9~11、10~16、12~16、14~18、16~20、16~18、18~22、または18~20である。
【0652】
ある実施形態では、活性化された血清型6C多糖は、25kDa~1,000kDa、100kDa~1,000kDa、300kDa~800kDa、300kDa~700kDa、300kDa~600kDa、400kDa~1,000kDa、400kDa~800kDa、400kDa~700kDaまたは400kDa~600kDaの分子量を有する。ある実施形態では、活性化された血清型6C多糖は、300kDa~800kDaの分子量を有する。ある実施形態では、活性化された血清型6C多糖は、400kDa~600kDaの分子量を有する。別の実施形態では、活性化された血清型6C多糖は、400kDa~600kDaの分子量および10~25、10~20、12~20または14~18の酸化度を有する。別の実施形態では、活性化された血清型6C多糖は、400kDa~600kDaの分子量および10~20の酸化度を有する。
【0653】
別の実施形態では、活性化された血清型6C多糖は、血清型6C多糖1mMあたり少なくとも0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6もしくは0.7または約0.8mMのアセテートを含む。ある実施形態では、活性化された血清型6C多糖は、血清型6C多糖1mMあたり少なくとも0.5、0.6または0.7mMのアセテートを含む。別の実施形態では、活性化された血清型6C多糖は、血清型6C多糖1mMあたり少なくとも0.6mMのアセテートを含む。別の実施形態では、活性化された血清型6C多糖は、血清型6C多糖1mMあたり少なくとも0.7mMのアセテートを含む。
【0654】
ある実施形態では、活性化された血清型6C多糖は、400kDa~800kDaの分子量を有し、血清型6C多糖1mMあたり少なくとも0.6mMのアセテートを含む。
【0655】
ある実施形態では、活性化された血清型6C多糖は、400kDa~800kDaの分子量、12~20の酸化度を有し、血清型6C多糖1mMあたり少なくとも0.6mMのアセテートを含む。
【0656】
活性化された多糖および/または担体タンパク質を、独立に(個別凍結乾燥)または一緒に(同時凍結乾燥)、凍結乾燥(凍結-乾燥)することができる。
【0657】
別の実施形態では、活性化された血清型6C多糖を、必要に応じて、糖の存在下で凍結乾燥する。ある実施形態では、糖は、スクロース、トレハロース、ラフィノース、スタキオース、メレジトース、デキストラン、マンニトール、ラクチトールおよびパラチニットから選択される。ある実施形態では、糖は、スクロースである。一実施形態では、次いで、凍結乾燥された活性化された多糖を、担体タンパク質を含む溶液と混合する。
【0658】
別の実施形態では、活性化された多糖と、担体タンパク質とを同時凍結乾燥する。そのような実施形態では、活性化された血清型6C多糖を、担体タンパク質と混合し、必要に応じて、糖の存在下で凍結乾燥する。ある実施形態では、糖は、スクロース、トレハロース、ラフィノース、スタキオース、メレジトース、デキストラン、マンニトール、ラクチトールおよびパラチニットから選択される。ある実施形態では、糖は、スクロースである。次いで、同時凍結乾燥された多糖と担体タンパク質とを、溶液中に再懸濁し、還元剤と反応させることができる。
【0659】
コンジュゲーションプロセスの第2のステップは、還元剤を使用した、コンジュゲートを形成させるための活性化された多糖および担体タンパク質の還元(還元的アミノ化)である。
【0660】
活性化された血清型6C多糖を、
(c)活性化された血清型6C多糖と担体タンパク質とを混合するステップ;および
(d)混合された活性化された血清型6C多糖および担体タンパク質と、還元剤とを反応させて、血清型6C多糖-担体タンパク質コンジュゲートを形成させるステップ
を含むプロセスによって、担体タンパク質にコンジュゲートすることができる。
【0661】
ある実施形態では、還元反応は、水性溶媒中で実行される。別の実施形態では、反応は、非プロトン性溶媒中で実行される。ある実施形態では、還元反応は、DMSO(ジメチルスルホキシド)またはDMF(ジメチルホルムアミド)溶媒中で実行される。DMSOまたはDMF溶媒を使用して、凍結乾燥された活性化された多糖および担体タンパク質を再構成させることができる。
【0662】
ジメチルスルホキシド(DMSO)中での還元的アミノ化による活性化された血清型6C多糖と、タンパク質担体とのコンジュゲーションは、例えば、多糖のO-アセチル化のレベルが有意に低下し得る水相中での還元的アミノ化と比較して、多糖のO-アセチル含量を保持するのに好適である。したがって、1つまたは複数の実施形態では、ステップ(c)およびステップ(d)は、DMSO中で実行される。
【0663】
ある実施形態では、還元剤は、シアノ水素化ホウ素ナトリウム、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム、BronstedまたはLewis酸の存在下での水素化ホウ素ナトリウムまたは亜鉛、ピリジンボラン、2-ピコリンボラン、2,6-ジボラン-メタノール、ジメチルアミン-ボラン、t-BuMePrN-BH、ベンジルアミン-BHまたは5-エチル-2-メチルピリジンボラン(PEMB)などのアミンボランである。ある実施形態では、還元剤は、シアノ水素化ホウ素ナトリウムである。
【0664】
還元反応の終わりに、コンジュゲート中に残存する未反応のアルデヒド基があってもよく、これらのものを、好適なキャッピング剤を使用してキャップすることができる。一実施形態では、このキャッピング剤は、水素化ホウ素ナトリウム(NaBH)である。
【0665】
血清型6C多糖の担体タンパク質へのコンジュゲーション後、糖コンジュゲートを、当業者に公知の様々な技術によって精製する(多糖-タンパク質コンジュゲートの量に関して富化する)ことができる。これらの技術としては、透析、濃縮/透析濾過操作、接線流濾過沈降/溶出、カラムクロマトグラフィー(DEAEまたは疎水性相互作用クロマトグラフィー)、および深層濾過が挙げられる。
【0666】
一部の実施形態では、本発明の血清型6C糖コンジュゲートは、10kDa~2,000kDaの分子量を有する糖を含む。他のそのような実施形態では、糖は、50kDa~1,000kDaの分子量を有する。他のそのような実施形態では、糖は、70kDa~900kDaの分子量を有する。他のそのような実施形態では、糖は、100kDa~800kDaの分子量を有する。他のそのような実施形態では、糖は、200kDa~600kDaの分子量を有する。さらなるそのような実施形態では、糖は、100kDa~1000kDa;100kDa~900kDa;100kDa~800kDa;100kDa~700kDa;100kDa~600kDa;100kDa~500kDa;100kDa~400kDa;100kDa~300kDa;150kDa~1,000kDa;150kDa~900kDa;150kDa~800kDa;150kDa~700kDa;150kDa~600kDa;150kDa~500kDa;150kDa~400kDa;150kDa~300kDa;200kDa~1,000kDa;200kDa~900kDa;200kDa~800kDa;200kDa~700kDa;200kDa~600kDa;200kDa~500kDa;200kDa~400kDa;200kDa~300kDa;250kDa~1,000kDa;250kDa~900kDa;250kDa~800kDa;250kDa~700kDa;250kDa~600kDa;250kDa~500kDa;250kDa~400kDa;250kDa~350kDa;300kDa~1,000kDa;300kDa~900kDa;300kDa~800kDa;300kDa~700kDa;300kDa~600kDa;300kDa~500kDa;300kDa~400kDa;400kDa~1,000kDa;400kDa~900kDa;400kDa~800kDa;400kDa~700kDa;400kDa~600kDa;500kDa~600kDaの分子量を有する。上記の範囲のいずれかの中の任意の全整数が、本開示の実施形態として企図される。一部のそのような実施形態では、血清型6C糖コンジュゲートは、還元的アミノ化を使用して調製される。
【0667】
一部の実施形態では、本発明の血清型6C糖コンジュゲートは、400kDa~15,000kDa;500kDa~10,000kDa;2,000kDa~10,000kDa;3,000kDa~8,000kDa;または3,000kDa~5,000kDaの分子量を有する。他の実施形態では、血清型6C糖コンジュゲートは、500kDa~10,000kDaの分子量を有する。他の実施形態では、血清型6C糖コンジュゲートは、1,000kDa~8,000kDaの分子量を有する。さらに他の実施形態では、血清型6C糖コンジュゲートは、2,000kDa~8,000kDaまたは3,000kDa~7,000kDaの分子量を有する。さらなる実施形態では、本発明の血清型6C糖コンジュゲートは、200kDa~20,000kDa;200kDa~15,000kDa;200kDa~10,000kDa;200kDa~7,500kDa;200kDa~5,000kDa;200kDa~3,000kDa;200kDa~1,000kDa;500kDa~20,000kDa;500kDa~15,000kDa;500kDa~12,500kDa;500kDa~10,000kDa;500kDa~7,500kDa;500kDa~6,000kDa;500kDa~5,000kDa;500kDa~4,000kDa;500kDa~3,000kDa;500kDa~2,000kDa;500kDa~1,500kDa;500kDa~1,000kDa;750kDa~20,000kDa;750kDa~15,000kDa;750kDa~12,500kDa;750kDa~10,000kDa;750kDa~7,500kDa;750kDa~6,000kDa;750kDa~5,000kDa;750kDa~4,000kDa;750kDa~3,000kDa;750kDa~2,000kDa;750kDa~1,500kDa;1,000kDa~15,000kDa;1,000kDa~12,500kDa;1,000kDa~10,000kDa;1,000kDa~7,500kDa;1,000kDa~6,000kDa;1,000kDa~5,000kDa;1,000kDa~4,000kDa;1,000kDa~2,500kDa;2,000kDa~15,000kDa;2,000kDa~12,500kDa;2,000kDa~10,000kDa;2,000kDa~7,500kDa;2,000kDa~6,000kDa;2,000kDa~5,000kDa;2,000kDa~4,000kDa;または2,000kDa~3,000kDaの分子量を有する。
【0668】
さらなる実施形態では、本発明の血清型6C糖コンジュゲートは、3,000kDa~20,000kDa;3,000kDa~15,000kDa;3,000kDa~10,000kDa;3,000kDa~7,500kDa;3,000kDa~5,000kDa;4,000kDa~20,000kDa;4,000kDa~15,000kDa;4,000kDa~12,500kDa;4,000kDa~10,000kDa;4,000kDa~7,500kDa;4,000kDa~6,000kDa;または4,000kDa~5,000kDaの分子量を有する。
【0669】
さらなる実施形態では、本発明の血清型6C糖コンジュゲートは、5,000kDa~20,000kDa;5,000kDa~15,000kDa;5,000kDa~10,000kDa;5,000kDa~7,500kDa;6,000kDa~20,000kDa;6,000kDa~15,000kDa;6,000kDa~12,500kDa;6,000kDa~10,000kDaまたは6,000kDa~7,500kDaの分子量を有する。
【0670】
糖コンジュゲートの分子量は、SEC-MALLSによって測定される。上記の範囲のいずれかの中の任意の全整数が、本開示の実施形態として企図される。
【0671】
ある実施形態では、本発明の血清型6C糖コンジュゲートは、血清型6C多糖1mMあたり少なくとも0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6もしくは0.7または約0.8mMのアセテートを含む。ある実施形態では、糖コンジュゲートは、血清型6C多糖1mMあたり少なくとも0.5、0.6または0.7mMのアセテートを含む。ある実施形態では、糖コンジュゲートは、血清型6C多糖1mMあたり少なくとも0.6mMのアセテートを含む。別の実施形態では、糖コンジュゲートは、血清型6C多糖1mMあたり少なくとも0.7mMのアセテートを含む。
【0672】
別の実施形態では、糖コンジュゲート中の血清型6C多糖1mMあたりのアセテートのmMの、単離された多糖中の血清型6C多糖1mMあたりのアセテートのmMに対する比は、少なくとも0.6、0.65、0.7、0.75、0.8、0.85、0.9または0.95である。ある実施形態では、糖コンジュゲート中の血清型6C多糖1mMあたりのアセテートのmMの、単離された多糖中の血清型6C多糖1mMあたりのアセテートのmMに対する比は、少なくとも0.7である。別の実施形態では、糖コンジュゲート中の血清型6C多糖1mMあたりのアセテートのmMの、単離された多糖中の血清型6C多糖1mMあたりのアセテートのmMに対する比は、少なくとも0.9である。
【0673】
ある実施形態では、糖コンジュゲート中の血清型6C多糖1mMあたりのアセテートのmMの、活性化された多糖中の血清型6C多糖1mMあたりのアセテートのmMに対する比は、少なくとも0.6、0.65、0.7、0.75、0.8、0.85、0.9または0.95である。ある実施形態では、糖コンジュゲート中の血清型6C多糖1mMあたりのアセテートのmMの、活性化された多糖中の血清型6C多糖1mMあたりのアセテートのmMに対する比は、少なくとも0.7である。別の実施形態では、糖コンジュゲート中の血清型6C多糖1mMあたりのアセテートのmMの、活性化された多糖中の血清型6C多糖1mMあたりのアセテートのmMに対する比は、少なくとも0.9である。
【0674】
本発明の血清型6C糖コンジュゲートを特徴付けるための別の方法は、コンジュゲートされたリシンの範囲(コンジュゲーション度)として特徴付けることができる、糖にコンジュゲートされるようになる担体タンパク質(例えば、CRM197)中のリシン残基の数によるものである。多糖への共有結合に起因する、担体タンパク質のリシン修飾に関する証拠を、当業者に公知の日常的な方法を使用するアミノ酸分析によって得ることができる。コンジュゲーションは、コンジュゲート材料を生成するために使用されるCRM197タンパク質出発材料と比較して、回収されるリシン残基数の減少をもたらす。ある実施形態では、本発明の血清型6C糖コンジュゲートのコンジュゲーション度は、2~15、2~13、2~10、2~8、2~6、2~5、2~4、3~15、3~13、3~10、3~8、3~6、3~5、3~4、5~15、5~10、8~15、8~12、10~15または10~12である。ある実施形態では、本発明の血清型6C糖コンジュゲートのコンジュゲーション度は、約2、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9、約10、約11、約12、約13、約14または約15である。ある実施形態では、本発明の血清型6C糖コンジュゲートのコンジュゲーション度は、4~7である。一部のそのような実施形態では、担体タンパク質は、CRM197である。
【0675】
本発明の血清型6C糖コンジュゲートを、糖の担体タンパク質に対する比(重量/重量)によって特徴付けることもできる。一部の実施形態では、糖コンジュゲート中の血清型6C多糖の担体タンパク質に対する比(w/w)は、0.5~3.0(例えば、約0.5、約0.6、約0.7、約0.8、約0.9、約1.0、約1.1、約1.2、約1.3、約1.4、約1.5、約1.6、約1.7、約1.8、約1.9、約2.0、約2.1、約2.2、約2.3、約2.4、約2.5、約2.6、約2.7、約2.8、約2.9、または約3.0)である。他の実施形態では、糖の担体タンパク質に対する比(w/w)は、0.5~2.0、0.5~1.5、0.8~1.2、0.5~1.0、1.0~1.5または1.0~2.0である。さらなる実施形態では、糖の担体タンパク質に対する比(w/w)は、0.8~1.2である。ある実施形態では、コンジュゲート中の血清型6C莢膜多糖の担体タンパク質に対する比は、0.9~1.1である。一部のそのような実施形態では、担体タンパク質は、CRM197である。
【0676】
本発明の血清型6C糖コンジュゲートおよび免疫原性組成物は、担体タンパク質に共有的にコンジュゲートされていないが、それにも拘わらず、糖コンジュゲート組成物中に存在する遊離糖を含有してもよい。遊離糖は、糖コンジュゲートと非共有的に会合していてもよい(すなわち、非共有的に結合する、吸着する、またはその中に、もしくはそれと共に捕捉される)。
【0677】
ある実施形態では、血清型6C糖コンジュゲートは、血清型6C多糖の総量と比較して、約50%、45%、40%、35%、30%、25%、20%または15%未満の遊離血清型6C多糖を含む。別の実施形態では、血清型6C糖コンジュゲートは、血清型6C多糖の総量と比較して、約40%未満の遊離血清型6C多糖を含む。ある実施形態では、血清型6C糖コンジュゲートは、血清型6C多糖の総量と比較して、約25%未満の遊離血清型6C多糖を含む。ある実施形態では、血清型6C糖コンジュゲートは、血清型6C多糖の総量と比較して、約20%未満の遊離血清型6C多糖を含む。別の実施形態では、血清型6C糖コンジュゲートは、血清型6C多糖の総量と比較して、約15%未満の遊離血清型6C多糖を含む。
【0678】
血清型6C糖コンジュゲートを、その分子サイズ分布(K)によって特徴付けることもできる。サイズ排除クロマトグラフィー媒体(CL-4B)を使用して、コンジュゲートの相対分子サイズ分布を決定することができる。サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)は、コンジュゲートの分子サイズ分布をプロファイリングするために重力送りのカラム中で使用される。媒体中の小孔から排除される大きい分子は、小さい分子よりも迅速に溶出する。画分収集装置を使用して、カラム溶出液を収集する。画分を、糖アッセイによる比色分析で試験する。Kの決定のために、分子が完全に排除される画分(V)、(K=0)、および最大保持を示す画分(V)、(K=1)を確立するために、カラムを較正する。特定の試料属性に達する画分(V)を、式K=(V-V)/(V-V)によってKと関連付ける。
【0679】
ある実施形態では、血清型6C糖コンジュゲートの少なくとも30%が、CL-4Bカラム中で0.3より低い、またはそれに等しいKを有する。別の実施形態では、糖コンジュゲートの少なくとも40%が、CL-4Bカラム中で0.3より低い、またはそれに等しいKを有する。別の実施形態では、血清型6C糖コンジュゲートの少なくとも45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、または85%が、CL-4Bカラム中で、0.3より低い、またはそれに等しいKを有する。ある実施形態では、血清型6C糖コンジュゲートの少なくとも60%が、CL-4Bカラム中で0.3より低い、またはそれに等しいKを有する。別の実施形態では、血清型6C糖コンジュゲートの50%~80%が、CL-4Bカラム中で0.3より低い、またはそれに等しいKを有する。ある実施形態では、血清型6C糖コンジュゲートの65%~80%が、CL-4Bカラム中で0.3より低い、またはそれに等しいKを有する。
【0680】
1.3.3 肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型7C由来の糖コンジュゲート
ある実施形態では、血清型7C糖コンジュゲートは、1-シアノ-4-ジメチルアミノピリジニウムテトラフルオロホウ酸(CDAP)を用いて多糖を活性化して、シアン酸エステルを形成させることによって得られる。活性化された糖を、担体タンパク質上のアミノ基に直接的に、またはスペーサー(リンカー)基を介してカップリングすることができる。例えば、スペーサーは、マレイミド活性化担体タンパク質(例えば、GMBSを使用する)またはハロアセチル化担体タンパク質(例えば、ヨードアセトイミド、SIB、SIAB、スルホ-SIAB、SIA、もしくはSBAPを使用する)との反応後に得られるチオエーテル結合を介して担体にカップリングすることができるチオール化多糖を得るためのシスタミンまたはシステアミンであってもよい。好ましくは、シアン酸エステル(CDAP化学によって作製されてもよい)は、ヘキサンジアミンまたはアジピン酸ジヒドラジド(ADH)とカップリングされ、アミノ誘導体化された糖は、タンパク質担体上のカルボキシル基を介してカルボジイミド(例えば、EDACまたはEDC)化学を使用して担体タンパク質にコンジュゲートされる。そのようなコンジュゲートは、例えば、WO93/15760、WO95/08348およびWO96/129094に記載されている。
【0681】
他の好適な技術は、カルボジイミド、ヒドラジド、活性エステル、ノルボラン、p-ニトロ安息香酸、N-ヒドロキシスクシンイミド、S-NHS、EDC、TSTUを使用する。多くは、国際特許出願公開番号WO98/42721に記載されている。コンジュゲーションは、糖の遊離ヒドロキシル基と、CDIとの反応(Bethellら(1979)J.Biol.Chem.254:2572~2574;Hearnら(1981)J.Chromatogr.218:509~518を参照されたい)、次いで、タンパク質と反応させてカルバメート結合を形成させることによって形成させることができるカルボニルリンカーを含んでもよい。これは、アノマー末端の第一級ヒドロキシル基への還元、必要に応じた、第一級ヒドロキシル基の保護/脱保護、CDIカルバメート中間体を形成させるための第一級ヒドロキシル基とCDIとの反応およびCDIカルバメート中間体と、タンパク質上のアミノ基とのカップリングを含んでもよい。
【0682】
1つまたは複数の実施形態では、本発明の血清型7C糖コンジュゲートは、還元的アミノ化を使用して調製される。還元的アミノ化は、2つのステップ:(1)個々の6糖単位中の隣接ジオールからアルデヒド官能基を生成するための多糖の酸化および(2)コンジュゲートを形成させるための活性化された多糖と担体タンパク質(例えば、CRM197)との還元を含む。
【0683】
ある実施形態では、酸化の前に、標的分子量(MW)範囲への血清型7C多糖のサイジングを実施する。有利には、精製された血清型7C多糖のサイズを、例えば、O-アセチル基の存在などの多糖の構造の重要な特徴を保存しながら、減少させる。ある実施形態では、精製された血清型7C多糖のサイズを、本明細書に記載の機械的ホモジェナイゼーションによって減少させる。
【0684】
ある実施形態では、血清型多糖は、
(a)単離された血清型7C多糖を、酸化剤と反応させるステップ;および
(b)クエンチング剤の添加によって酸化反応をクエンチングして、活性化された血清型7C多糖を得るステップ
を含むプロセスによって活性化(酸化)される。
【0685】
ある実施形態では、酸化剤は、過ヨウ素酸塩である。本発明の目的のために、用語「過ヨウ素酸塩」は、過ヨウ素酸塩と過ヨウ素酸の両方を含む;この用語はまた、メタ過ヨウ素酸塩(IO )とオルト過ヨウ素酸塩(IO 5-)の両方および過ヨウ素酸の様々な塩(例えば、過ヨウ素酸ナトリウムおよび過ヨウ素酸カリウム)も含む。ある実施形態では、酸化剤は、過ヨウ素酸ナトリウムである。ある実施形態では、血清型7C多糖の酸化のために使用される過ヨウ素酸塩は、メタ過ヨウ素酸塩である。別の実施形態では、血清型7C多糖の酸化のために使用される過ヨウ素酸塩は、メタ過ヨウ素酸ナトリウムである。
【0686】
一実施形態では、クエンチング剤は、隣接ジオール、1,2-アミノアルコール、アミノ酸、グルタチオン、亜硫酸塩、重硫酸塩、亜ジチオン酸塩、メタ重亜硫酸塩、チオ硫酸塩、亜リン酸塩、次亜リン酸塩または亜リン酸から選択される。
【0687】
一実施形態では、クエンチング剤は、式(I):
【0688】
【化4】
(式中、Rは、H、メチル、エチル、プロピルまたはイソプロピルから選択される)
の1,2-アミノアルコールである。
【0689】
一実施形態では、クエンチング剤は、亜硫酸塩、重硫酸塩、亜ジチオン酸塩、メタ重亜硫酸塩、チオ硫酸塩、亜リン酸塩、次亜リン酸塩または亜リン酸のナトリウムおよびカリウム塩から選択される。
【0690】
一実施形態では、クエンチング剤は、アミノ酸である。そのような実施形態では、前記アミノ酸を、セリン、トレオニン、システイン、シスチン、メチオニン、プロリン、ヒドロキシプロリン、トリプトファン、チロシン、およびヒスチジンから選択することができる。
【0691】
一実施形態では、クエンチング剤は、重硫酸塩、亜ジチオン酸塩、メタ重亜硫酸塩、チオ硫酸塩などの亜硫酸塩である。
【0692】
一実施形態では、クエンチング剤は、2つの隣接ヒドロキシル基(隣接ジオール)、すなわち、2個の隣接する炭素原子に共有的に連結された2個のヒドロキシル基を含む化合物である。
【0693】
1つまたは複数の実施形態では、クエンチング剤は、式(II):
【0694】
【化5】
(式中、RおよびRはそれぞれ独立にH、メチル、エチル、プロピルまたはイソプロピルから選択される)
の化合物である。
【0695】
ある実施形態では、クエンチング剤は、グリセロール、エチレングリコール、プロパン-1,2-ジオール、ブタン-1,2-ジオールまたはブタン-2,3-ジオール、またはアスコルビン酸である。ある実施形態では、クエンチング剤は、ブタン-2,3-ジオールである。
【0696】
別の実施形態では、単離された血清型7C多糖は、
(a)単離された血清型7C多糖と過ヨウ素酸塩とを反応させるステップ;および
(b)ブタン-2,3-ジオールの添加によって酸化反応をクエンチングして、活性化された血清型7C多糖を得るステップ
を含むプロセスによって活性化される。
【0697】
多糖の酸化ステップの後、多糖は活性化されると言われ、本明細書では「活性化された多糖」と称される。
【0698】
ある実施形態では、活性化された血清型7C多糖は、精製される。活性化された血清型7C多糖は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)、透析または限外濾過/透析濾過などの当業者に公知の方法に従って精製される。例えば、活性化された7C多糖は、限外濾過デバイスを使用する濃縮および透析濾過によって精製される。
【0699】
別の実施形態では、活性化された血清型7C多糖の酸化度は、2~30、2~25、2~20、2~15、2~10、2~5、5~30、5~25、5~20、5~15、5~10、10~30、10~25、10~20、10~15、15~30、15~25、15~20、20~30、または20~25である。ある実施形態では、活性化された血清型7C多糖の酸化度は、2~10、4~8、4~6、6~8、6~12、8~14、9~11、10~16、12~16、14~18、16~20、16~18、18~22、または18~20である。
【0700】
ある実施形態では、活性化された血清型7C多糖は、25kDa~1,000kDa、100kDa~1,000kDa、300kDa~800kDa、300kDa~700kDa、300kDa~600kDa、400kDa~1,000kDa、400kDa~800kDa、400kDa~700kDaまたは400kDa~600kDaの分子量を有する。ある実施形態では、活性化された血清型7C多糖は、300kDa~800kDaの分子量を有する。ある実施形態では、活性化された血清型7C多糖は、400kDa~600kDaの分子量を有する。別の実施形態では、活性化された血清型7C多糖は、400kDa~600kDaの分子量および10~25、10~20、12~20または14~18の酸化度を有する。別の実施形態では、活性化された血清型7C多糖は、400kDa~600kDaの分子量および10~20の酸化度を有する。
【0701】
別の実施形態では、活性化された血清型7C多糖は、血清型7C多糖1mMあたり少なくとも0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6もしくは0.7または約0.8mMのアセテートを含む。ある実施形態では、活性化された血清型7C多糖は、血清型7C多糖1mMあたり少なくとも0.5、0.6または0.7mMのアセテートを含む。別の実施形態では、活性化された血清型7C多糖は、血清型7C多糖1mMあたり少なくとも0.6mMのアセテートを含む。別の実施形態では、活性化された血清型7C多糖は、血清型7C多糖1mMあたり少なくとも0.7mMのアセテートを含む。
【0702】
ある実施形態では、活性化された血清型7C多糖は、400kDa~800kDaの分子量を有し、血清型7C多糖1mMあたり少なくとも0.6mMのアセテートを含む。
【0703】
ある実施形態では、活性化された血清型7C多糖は、400kDa~800kDaの分子量、12~20の酸化度を有し、血清型7C多糖1mMあたり少なくとも0.6mMのアセテートを含む。
【0704】
活性化された多糖および/または担体タンパク質を、独立に(個別凍結乾燥)または一緒に(同時凍結乾燥)、凍結乾燥(凍結-乾燥)することができる。
【0705】
別の実施形態では、活性化された血清型7C多糖を、必要に応じて、糖の存在下で凍結乾燥する。ある実施形態では、糖は、スクロース、トレハロース、ラフィノース、スタキオース、メレジトース、デキストラン、マンニトール、ラクチトールおよびパラチニットから選択される。ある実施形態では、糖は、スクロースである。一実施形態では、次いで、凍結乾燥された活性化された多糖を、担体タンパク質を含む溶液と混合する。
【0706】
別の実施形態では、活性化された多糖と、担体タンパク質とを同時凍結乾燥する。そのような実施形態では、活性化された血清型7C多糖を、担体タンパク質と混合し、必要に応じて、糖の存在下で凍結乾燥する。ある実施形態では、糖は、スクロース、トレハロース、ラフィノース、スタキオース、メレジトース、デキストラン、マンニトール、ラクチトールおよびパラチニットから選択される。ある実施形態では、糖は、スクロースである。次いで、同時凍結乾燥された多糖と担体タンパク質とを、溶液中に再懸濁し、還元剤と反応させることができる。
【0707】
コンジュゲーションプロセスの第2のステップは、還元剤を使用した、コンジュゲートを形成させるための活性化された多糖および担体タンパク質の還元(還元的アミノ化)である。
【0708】
活性化された血清型7C多糖を、
(c)活性化された血清型7C多糖と担体タンパク質とを混合するステップ;および
(d)混合された活性化された血清型7C多糖および担体タンパク質と、還元剤とを反応させて、血清型7C多糖-担体タンパク質コンジュゲートを形成させるステップ
を含むプロセスによって、担体タンパク質にコンジュゲートすることができる。
【0709】
ある実施形態では、還元反応は、水性溶媒中で実行される。別の実施形態では、反応は、非プロトン性溶媒中で実行される。ある実施形態では、還元反応は、DMSO(ジメチルスルホキシド)またはDMF(ジメチルホルムアミド)溶媒中で実行される。DMSOまたはDMF溶媒を使用して、凍結乾燥された活性化された多糖および担体タンパク質を再構成させることができる。
【0710】
ジメチルスルホキシド(DMSO)中での還元的アミノ化による活性化された血清型7C多糖と、タンパク質担体とのコンジュゲーションは、例えば、多糖のO-アセチル化のレベルが有意に低下し得る水相中での還元的アミノ化と比較して、多糖のO-アセチル含量を保持するのに好適である。したがって、1つまたは複数の実施形態では、ステップ(c)およびステップ(d)は、DMSO中で実行される。
【0711】
ある実施形態では、還元剤は、シアノ水素化ホウ素ナトリウム、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム、BronstedまたはLewis酸の存在下での水素化ホウ素ナトリウムまたは亜鉛、ピリジンボラン、2-ピコリンボラン、2,6-ジボラン-メタノール、ジメチルアミン-ボラン、t-BuMePrN-BH、ベンジルアミン-BHまたは5-エチル-2-メチルピリジンボラン(PEMB)などのアミンボランである。ある実施形態では、還元剤は、シアノ水素化ホウ素ナトリウムである。
【0712】
還元反応の終わりに、コンジュゲート中に残存する未反応のアルデヒド基があってもよく、これらのものを、好適なキャッピング剤を使用してキャップすることができる。一実施形態では、このキャッピング剤は、水素化ホウ素ナトリウム(NaBH)である。
【0713】
血清型7C多糖の担体タンパク質へのコンジュゲーション後、糖コンジュゲートを、当業者に公知の様々な技術によって精製する(多糖-タンパク質コンジュゲートの量に関して富化する)ことができる。これらの技術としては、透析、濃縮/透析濾過操作、接線流濾過沈降/溶出、カラムクロマトグラフィー(DEAEまたは疎水性相互作用クロマトグラフィー)、および深層濾過が挙げられる。
【0714】
一部の実施形態では、本発明の血清型7C糖コンジュゲートは、10kDa~2,000kDaの分子量を有する糖を含む。他のそのような実施形態では、糖は、50kDa~1,000kDaの分子量を有する。他のそのような実施形態では、糖は、70kDa~900kDaの分子量を有する。他のそのような実施形態では、糖は、100kDa~800kDaの分子量を有する。他のそのような実施形態では、糖は、200kDa~600kDaの分子量を有する。さらなるそのような実施形態では、糖は、100kDa~1000kDa;100kDa~900kDa;100kDa~800kDa;100kDa~700kDa;100kDa~600kDa;100kDa~500kDa;100kDa~400kDa;100kDa~300kDa;150kDa~1,000kDa;150kDa~900kDa;150kDa~800kDa;150kDa~700kDa;150kDa~600kDa;150kDa~500kDa;150kDa~400kDa;150kDa~300kDa;200kDa~1,000kDa;200kDa~900kDa;200kDa~800kDa;200kDa~700kDa;200kDa~600kDa;200kDa~500kDa;200kDa~400kDa;200kDa~300kDa;250kDa~1,000kDa;250kDa~900kDa;250kDa~800kDa;250kDa~700kDa;250kDa~600kDa;250kDa~500kDa;250kDa~400kDa;250kDa~350kDa;300kDa~1,000kDa;300kDa~900kDa;300kDa~800kDa;300kDa~700kDa;300kDa~600kDa;300kDa~500kDa;300kDa~400kDa;400kDa~1,000kDa;400kDa~900kDa;400kDa~800kDa;400kDa~700kDa;400kDa~600kDa;500kDa~600kDaの分子量を有する。上記の範囲のいずれかの中の任意の全整数が、本開示の実施形態として企図される。一部のそのような実施形態では、血清型7C糖コンジュゲートは、還元的アミノ化を使用して調製される。
【0715】
一部の実施形態では、本発明の血清型7C糖コンジュゲートは、400kDa~15,000kDa;500kDa~10,000kDa;2,000kDa~10,000kDa;3,000kDa~8,000kDa;または3,000kDa~5,000kDaの分子量を有する。他の実施形態では、血清型7C糖コンジュゲートは、500kDa~10,000kDaの分子量を有する。他の実施形態では、血清型7C糖コンジュゲートは、1,000kDa~8,000kDaの分子量を有する。さらに他の実施形態では、血清型7C糖コンジュゲートは、2,000kDa~8,000kDaまたは3,000kDa~7,000kDaの分子量を有する。さらなる実施形態では、本発明の血清型7C糖コンジュゲートは、200kDa~20,000kDa;200kDa~15,000kDa;200kDa~10,000kDa;200kDa~7,500kDa;200kDa~5,000kDa;200kDa~3,000kDa;200kDa~1,000kDa;500kDa~20,000kDa;500kDa~15,000kDa;500kDa~12,500kDa;500kDa~10,000kDa;500kDa~7,500kDa;500kDa~6,000kDa;500kDa~5,000kDa;500kDa~4,000kDa;500kDa~3,000kDa;500kDa~2,000kDa;500kDa~1,500kDa;500kDa~1,000kDa;750kDa~20,000kDa;750kDa~15,000kDa;750kDa~12,500kDa;750kDa~10,000kDa;750kDa~7,500kDa;750kDa~6,000kDa;750kDa~5,000kDa;750kDa~4,000kDa;750kDa~3,000kDa;750kDa~2,000kDa;750kDa~1,500kDa;1,000kDa~15,000kDa;1,000kDa~12,500kDa;1,000kDa~10,000kDa;1,000kDa~7,500kDa;1,000kDa~6,000kDa;1,000kDa~5,000kDa;1,000kDa~4,000kDa;1,000kDa~2,500kDa;2,000kDa~15,000kDa;2,000kDa~12,500kDa;2,000kDa~10,000kDa;2,000kDa~7,500kDa;2,000kDa~6,000kDa;2,000kDa~5,000kDa;2,000kDa~4,000kDa;または2,000kDa~3,000kDaの分子量を有する。
【0716】
さらなる実施形態では、本発明の血清型7C糖コンジュゲートは、3,000kDa~20,000kDa;3,000kDa~15,000kDa;3,000kDa~10,000kDa;3,000kDa~7,500kDa;3,000kDa~5,000kDa;4,000kDa~20,000kDa;4,000kDa~15,000kDa;4,000kDa~12,500kDa;4,000kDa~10,000kDa;4,000kDa~7,500kDa;4,000kDa~6,000kDa;または4,000kDa~5,000kDaの分子量を有する。
【0717】
さらなる実施形態では、本発明の血清型7C糖コンジュゲートは、5,000kDa~20,000kDa;5,000kDa~15,000kDa;5,000kDa~10,000kDa;5,000kDa~7,500kDa;6,000kDa~20,000kDa;6,000kDa~15,000kDa;6,000kDa~12,500kDa;6,000kDa~10,000kDaまたは6,000kDa~7,500kDaの分子量を有する。
【0718】
糖コンジュゲートの分子量は、SEC-MALLSによって測定される。上記の範囲のいずれかの中の任意の全整数が、本開示の実施形態として企図される。
【0719】
ある実施形態では、本発明の血清型7C糖コンジュゲートは、血清型7C多糖1mMあたり少なくとも0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6もしくは0.7または約0.8mMのアセテートを含む。ある実施形態では、糖コンジュゲートは、血清型7C多糖1mMあたり少なくとも0.5、0.6または0.7mMのアセテートを含む。ある実施形態では、糖コンジュゲートは、血清型7C多糖1mMあたり少なくとも0.6mMのアセテートを含む。別の実施形態では、糖コンジュゲートは、血清型7C多糖1mMあたり少なくとも0.7mMのアセテートを含む。
【0720】
別の実施形態では、糖コンジュゲート中の血清型7C多糖1mMあたりのアセテートのmMの、単離された多糖中の血清型7C多糖1mMあたりのアセテートのmMに対する比は、少なくとも0.6、0.65、0.7、0.75、0.8、0.85、0.9または0.95である。ある実施形態では、糖コンジュゲート中の血清型7C多糖1mMあたりのアセテートのmMの、単離された多糖中の血清型7C多糖1mMあたりのアセテートのmMに対する比は、少なくとも0.7である。別の実施形態では、糖コンジュゲート中の血清型7C多糖1mMあたりのアセテートのmMの、単離された多糖中の血清型7C多糖1mMあたりのアセテートのmMに対する比は、少なくとも0.9である。
【0721】
ある実施形態では、糖コンジュゲート中の血清型7C多糖1mMあたりのアセテートのmMの、活性化された多糖中の血清型7C多糖1mMあたりのアセテートのmMに対する比は、少なくとも0.6、0.65、0.7、0.75、0.8、0.85、0.9または0.95である。ある実施形態では、糖コンジュゲート中の血清型7C多糖1mMあたりのアセテートのmMの、活性化された多糖中の血清型7C多糖1mMあたりのアセテートのmMに対する比は、少なくとも0.7である。別の実施形態では、糖コンジュゲート中の血清型7C多糖1mMあたりのアセテートのmMの、活性化された多糖中の血清型7C多糖1mMあたりのアセテートのmMに対する比は、少なくとも0.9である。
【0722】
本発明の血清型7C糖コンジュゲートを特徴付けるための別の方法は、コンジュゲートされたリシンの範囲(コンジュゲーション度)として特徴付けることができる、糖にコンジュゲートされるようになる担体タンパク質(例えば、CRM197)中のリシン残基の数によるものである。多糖への共有結合に起因する、担体タンパク質のリシン修飾に関する証拠を、当業者に公知の日常的な方法を使用するアミノ酸分析によって得ることができる。コンジュゲーションは、コンジュゲート材料を生成するために使用されるCRM197タンパク質出発材料と比較して、回収されるリシン残基数の減少をもたらす。ある実施形態では、本発明の血清型7C糖コンジュゲートのコンジュゲーション度は、2~15、2~13、2~10、2~8、2~6、2~5、2~4、3~15、3~13、3~10、3~8、3~6、3~5、3~4、5~15、5~10、8~15、8~12、10~15または10~12である。ある実施形態では、本発明の血清型7C糖コンジュゲートのコンジュゲーション度は、約2、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9、約10、約11、約12、約13、約14または約15である。ある実施形態では、本発明の血清型7C糖コンジュゲートのコンジュゲーション度は、4~7である。一部のそのような実施形態では、担体タンパク質は、CRM197である。
【0723】
本発明の血清型7C糖コンジュゲートを、糖の担体タンパク質に対する比(重量/重量)によって特徴付けることもできる。一部の実施形態では、糖コンジュゲート中の血清型7C多糖の担体タンパク質に対する比(w/w)は、0.5~3.0(例えば、約0.5、約0.6、約0.7、約0.8、約0.9、約1.0、約1.1、約1.2、約1.3、約1.4、約1.5、約1.6、約1.7、約1.8、約1.9、約2.0、約2.1、約2.2、約2.3、約2.4、約2.5、約2.6、約2.7、約2.8、約2.9、または約3.0)である。他の実施形態では、糖の担体タンパク質に対する比(w/w)は、0.5~2.0、0.5~1.5、0.8~1.2、0.5~1.0、1.0~1.5または1.0~2.0である。さらなる実施形態では、糖の担体タンパク質に対する比(w/w)は、0.8~1.2である。ある実施形態では、コンジュゲート中の血清型7C莢膜多糖の担体タンパク質に対する比は、0.9~1.1である。一部のそのような実施形態では、担体タンパク質は、CRM197である。
【0724】
本発明の血清型7C糖コンジュゲートおよび免疫原性組成物は、担体タンパク質に共有的にコンジュゲートされていないが、それにも拘わらず、糖コンジュゲート組成物中に存在する遊離糖を含有してもよい。遊離糖は、糖コンジュゲートと非共有的に会合していてもよい(すなわち、非共有的に結合する、吸着する、またはその中に、もしくはそれと共に捕捉される)。
【0725】
ある実施形態では、血清型7C糖コンジュゲートは、血清型7C多糖の総量と比較して、約50%、45%、40%、35%、30%、25%、20%または15%未満の遊離血清型7C多糖を含む。別の実施形態では、血清型7C糖コンジュゲートは、血清型7C多糖の総量と比較して、約40%未満の遊離血清型7C多糖を含む。ある実施形態では、血清型7C糖コンジュゲートは、血清型7C多糖の総量と比較して、約25%未満の遊離血清型7C多糖を含む。ある実施形態では、血清型7C糖コンジュゲートは、血清型7C多糖の総量と比較して、約20%未満の遊離血清型7C多糖を含む。別の実施形態では、血清型7C糖コンジュゲートは、血清型7C多糖の総量と比較して、約15%未満の遊離血清型7C多糖を含む。
【0726】
血清型7C糖コンジュゲートを、その分子サイズ分布(K)によって特徴付けることもできる。サイズ排除クロマトグラフィー媒体(CL-4B)を使用して、コンジュゲートの相対分子サイズ分布を決定することができる。サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)は、コンジュゲートの分子サイズ分布をプロファイリングするために重力送りのカラム中で使用される。媒体中の小孔から排除される大きい分子は、小さい分子よりも迅速に溶出する。画分収集装置を使用して、カラム溶出液を収集する。画分を、糖アッセイによる比色分析で試験する。Kの決定のために、分子が完全に排除される画分(V)、(K=0)、および最大保持を示す画分(V)、(K=1)を確立するために、カラムを較正する。特定の試料属性に達する画分(V)を、式K=(V-V)/(V-V)によってKと関連付ける。
【0727】
ある実施形態では、血清型7C糖コンジュゲートの少なくとも30%が、CL-4Bカラム中で0.3より低い、またはそれに等しいKを有する。別の実施形態では、糖コンジュゲートの少なくとも40%が、CL-4Bカラム中で0.3より低い、またはそれに等しいKを有する。別の実施形態では、血清型7C糖コンジュゲートの少なくとも45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、または85%が、CL-4Bカラム中で、0.3より低い、またはそれに等しいKを有する。ある実施形態では、血清型7C糖コンジュゲートの少なくとも60%が、CL-4Bカラム中で0.3より低い、またはそれに等しいKを有する。別の実施形態では、血清型7C糖コンジュゲートの50%~80%が、CL-4Bカラム中で0.3より低い、またはそれに等しいKを有する。ある実施形態では、血清型7C糖コンジュゲートの65%~80%が、CL-4Bカラム中で0.3より低い、またはそれに等しいKを有する。
【0728】
1.3.4 肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型9N由来の糖コンジュゲート
ある実施形態では、血清型9N糖コンジュゲートは、1-シアノ-4-ジメチルアミノピリジニウムテトラフルオロホウ酸(CDAP)を用いて多糖を活性化して、シアン酸エステルを形成させることによって得られる。活性化された糖を、担体タンパク質上のアミノ基に直接的に、またはスペーサー(リンカー)基を介してカップリングすることができる。例えば、スペーサーは、マレイミド活性化担体タンパク質(例えば、GMBSを使用する)またはハロアセチル化担体タンパク質(例えば、ヨードアセトイミド、SIB、SIAB、スルホ-SIAB、SIA、もしくはSBAPを使用する)との反応後に得られるチオエーテル結合を介して担体にカップリングすることができるチオール化多糖を得るためのシスタミンまたはシステアミンであってもよい。好ましくは、シアン酸エステル(CDAP化学によって作製されてもよい)は、ヘキサンジアミンまたはアジピン酸ジヒドラジド(ADH)とカップリングされ、アミノ誘導体化された糖は、タンパク質担体上のカルボキシル基を介してカルボジイミド(例えば、EDACまたはEDC)化学を使用して担体タンパク質にコンジュゲートされる。そのようなコンジュゲートは、例えば、WO93/15760、WO95/08348およびWO96/129094に記載されている。
【0729】
他の好適な技術は、カルボジイミド、ヒドラジド、活性エステル、ノルボラン、p-ニトロ安息香酸、N-ヒドロキシスクシンイミド、S-NHS、EDC、TSTUを使用する。多くは、国際特許出願公開番号WO98/42721に記載されている。コンジュゲーションは、糖の遊離ヒドロキシル基と、CDIとの反応(Bethellら(1979)J.Biol.Chem.254:2572~2574;Hearnら(1981)J.Chromatogr.218:509~518を参照されたい)、次いで、タンパク質と反応させてカルバメート結合を形成させることによって形成させることができるカルボニルリンカーを含んでもよい。これは、アノマー末端の第一級ヒドロキシル基への還元、必要に応じた、第一級ヒドロキシル基の保護/脱保護、CDIカルバメート中間体を形成させるための第一級ヒドロキシル基とCDIとの反応およびCDIカルバメート中間体と、タンパク質上のアミノ基とのカップリングを含んでもよい。
【0730】
1つまたは複数の実施形態では、本発明の血清型9N糖コンジュゲートは、還元的アミノ化を使用して調製される。還元的アミノ化は、2つのステップ:(1)個々の6糖単位中の隣接ジオールからアルデヒド官能基を生成するための多糖の酸化および(2)コンジュゲートを形成させるための活性化された多糖と担体タンパク質(例えば、CRM197)との還元を含む。
【0731】
ある実施形態では、酸化の前に、標的分子量(MW)範囲への血清型9N多糖のサイジングを実施する。有利には、精製された血清型9N多糖のサイズを、例えば、O-アセチル基の存在などの多糖の構造の重要な特徴を保存しながら、減少させる。ある実施形態では、精製された血清型9N多糖のサイズを、本明細書に記載の機械的ホモジェナイゼーションによって減少させる。
【0732】
ある実施形態では、血清型多糖は、
(a)単離された血清型9N多糖を、酸化剤と反応させるステップ;および
(b)クエンチング剤の添加によって酸化反応をクエンチングして、活性化された血清型9N多糖を得るステップ
を含むプロセスによって活性化(酸化)される。
【0733】
ある実施形態では、酸化剤は、過ヨウ素酸塩である。本発明の目的のために、用語「過ヨウ素酸塩」は、過ヨウ素酸塩と過ヨウ素酸の両方を含む;この用語はまた、メタ過ヨウ素酸塩(IO )とオルト過ヨウ素酸塩(IO 5-)の両方および過ヨウ素酸の様々な塩(例えば、過ヨウ素酸ナトリウムおよび過ヨウ素酸カリウム)も含む。ある実施形態では、酸化剤は、過ヨウ素酸ナトリウムである。ある実施形態では、血清型9N多糖の酸化のために使用される過ヨウ素酸塩は、メタ過ヨウ素酸塩である。別の実施形態では、血清型9N多糖の酸化のために使用される過ヨウ素酸塩は、メタ過ヨウ素酸ナトリウムである。
【0734】
一実施形態では、クエンチング剤は、隣接ジオール、1,2-アミノアルコール、アミノ酸、グルタチオン、亜硫酸塩、重硫酸塩、亜ジチオン酸塩、メタ重亜硫酸塩、チオ硫酸塩、亜リン酸塩、次亜リン酸塩または亜リン酸から選択される。
【0735】
一実施形態では、クエンチング剤は、式(I):
【0736】
【化6】
(式中、Rは、H、メチル、エチル、プロピルまたはイソプロピルから選択される)
の1,2-アミノアルコールである。
【0737】
一実施形態では、クエンチング剤は、亜硫酸塩、重硫酸塩、亜ジチオン酸塩、メタ重亜硫酸塩、チオ硫酸塩、亜リン酸塩、次亜リン酸塩または亜リン酸のナトリウムおよびカリウム塩から選択される。
【0738】
一実施形態では、クエンチング剤は、アミノ酸である。そのような実施形態では、前記アミノ酸を、セリン、トレオニン、システイン、シスチン、メチオニン、プロリン、ヒドロキシプロリン、トリプトファン、チロシン、およびヒスチジンから選択することができる。
【0739】
一実施形態では、クエンチング剤は、重硫酸塩、亜ジチオン酸塩、メタ重亜硫酸塩、チオ硫酸塩などの亜硫酸塩である。
【0740】
一実施形態では、クエンチング剤は、2つの隣接ヒドロキシル基(隣接ジオール)、すなわち、2個の隣接する炭素原子に共有的に連結された2個のヒドロキシル基を含む化合物である。
【0741】
1つまたは複数の実施形態では、クエンチング剤は、式(II):
【0742】
【化7】
(式中、RおよびRはそれぞれ独立にH、メチル、エチル、プロピルまたはイソプロピルから選択される)
の化合物である。
【0743】
ある実施形態では、クエンチング剤は、グリセロール、エチレングリコール、プロパン-1,2-ジオール、ブタン-1,2-ジオールまたはブタン-2,3-ジオール、またはアスコルビン酸である。ある実施形態では、クエンチング剤は、ブタン-2,3-ジオールである。
【0744】
別の実施形態では、単離された血清型9N多糖は、
(a)単離された血清型9N多糖と過ヨウ素酸塩とを反応させるステップ;および
(b)ブタン-2,3-ジオールの添加によって酸化反応をクエンチングして、活性化された血清型9N多糖を得るステップ
を含むプロセスによって活性化される。
【0745】
多糖の酸化ステップの後、多糖は活性化されると言われ、本明細書では「活性化された多糖」と称される。
【0746】
ある実施形態では、活性化された血清型9N多糖は、精製される。活性化された血清型9N多糖は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)、透析または限外濾過/透析濾過などの当業者に公知の方法に従って精製される。例えば、活性化された9N多糖は、限外濾過デバイスを使用する濃縮および透析濾過によって精製される。
【0747】
別の実施形態では、活性化された血清型9N多糖の酸化度は、2~30、2~25、2~20、2~15、2~10、2~5、5~30、5~25、5~20、5~15、5~10、10~30、10~25、10~20、10~15、15~30、15~25、15~20、20~30、または20~25である。ある実施形態では、活性化された血清型9N多糖の酸化度は、2~10、4~8、4~6、6~8、6~12、8~14、9~11、10~16、12~16、14~18、16~20、16~18、18~22、または18~20である。
【0748】
ある実施形態では、活性化された血清型9N多糖は、25kDa~1,000kDa、100kDa~1,000kDa、300kDa~800kDa、300kDa~700kDa、300kDa~600kDa、400kDa~1,000kDa、400kDa~800kDa、400kDa~700kDaまたは400kDa~600kDaの分子量を有する。ある実施形態では、活性化された血清型9N多糖は、300kDa~800kDaの分子量を有する。ある実施形態では、活性化された血清型9N多糖は、400kDa~600kDaの分子量を有する。別の実施形態では、活性化された血清型9N多糖は、400kDa~600kDaの分子量および10~25、10~20、12~20または14~18の酸化度を有する。別の実施形態では、活性化された血清型9N多糖は、400kDa~600kDaの分子量および10~20の酸化度を有する。
【0749】
別の実施形態では、活性化された血清型9N多糖は、血清型9N多糖1mMあたり少なくとも0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6もしくは0.7または約0.8mMのアセテートを含む。ある実施形態では、活性化された血清型9N多糖は、血清型9N多糖1mMあたり少なくとも0.5、0.6または0.7mMのアセテートを含む。別の実施形態では、活性化された血清型9N多糖は、血清型9N多糖1mMあたり少なくとも0.6mMのアセテートを含む。別の実施形態では、活性化された血清型9N多糖は、血清型9N多糖1mMあたり少なくとも0.7mMのアセテートを含む。
【0750】
ある実施形態では、活性化された血清型9N多糖は、400kDa~800kDaの分子量を有し、血清型9N多糖1mMあたり少なくとも0.6mMのアセテートを含む。
【0751】
ある実施形態では、活性化された血清型9N多糖は、400kDa~800kDaの分子量、12~20の酸化度を有し、血清型9N多糖1mMあたり少なくとも0.6mMのアセテートを含む。
【0752】
活性化された多糖および/または担体タンパク質を、独立に(個別凍結乾燥)または一緒に(同時凍結乾燥)、凍結乾燥(凍結-乾燥)することができる。
【0753】
別の実施形態では、活性化された血清型9N多糖を、必要に応じて、糖の存在下で凍結乾燥する。ある実施形態では、糖は、スクロース、トレハロース、ラフィノース、スタキオース、メレジトース、デキストラン、マンニトール、ラクチトールおよびパラチニットから選択される。ある実施形態では、糖は、スクロースである。一実施形態では、次いで、凍結乾燥された活性化された多糖を、担体タンパク質を含む溶液と混合する。
【0754】
別の実施形態では、活性化された多糖と、担体タンパク質とを同時凍結乾燥する。そのような実施形態では、活性化された血清型9N多糖を、担体タンパク質と混合し、必要に応じて、糖の存在下で凍結乾燥する。ある実施形態では、糖は、スクロース、トレハロース、ラフィノース、スタキオース、メレジトース、デキストラン、マンニトール、ラクチトールおよびパラチニットから選択される。ある実施形態では、糖は、スクロースである。次いで、同時凍結乾燥された多糖と担体タンパク質とを、溶液中に再懸濁し、還元剤と反応させることができる。
【0755】
コンジュゲーションプロセスの第2のステップは、還元剤を使用した、コンジュゲートを形成させるための活性化された多糖および担体タンパク質の還元(還元的アミノ化)である。
【0756】
活性化された血清型9N多糖を、
(c)活性化された血清型9N多糖と担体タンパク質とを混合するステップ;および
(d)混合された活性化された血清型9N多糖および担体タンパク質と、還元剤とを反応させて、血清型9N多糖-担体タンパク質コンジュゲートを形成させるステップ
を含むプロセスによって、担体タンパク質にコンジュゲートすることができる。
【0757】
ある実施形態では、還元反応は、水性溶媒中で実行される。別の実施形態では、反応は、非プロトン性溶媒中で実行される。ある実施形態では、還元反応は、DMSO(ジメチルスルホキシド)またはDMF(ジメチルホルムアミド)溶媒中で実行される。DMSOまたはDMF溶媒を使用して、凍結乾燥された活性化された多糖および担体タンパク質を再構成させることができる。
【0758】
ジメチルスルホキシド(DMSO)中での還元的アミノ化による活性化された血清型9N多糖と、タンパク質担体とのコンジュゲーションは、例えば、多糖のO-アセチル化のレベルが有意に低下し得る水相中での還元的アミノ化と比較して、多糖のO-アセチル含量を保持するのに好適である。したがって、1つまたは複数の実施形態では、ステップ(c)およびステップ(d)は、DMSO中で実行される。
【0759】
ある実施形態では、還元剤は、シアノ水素化ホウ素ナトリウム、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム、BronstedまたはLewis酸の存在下での水素化ホウ素ナトリウムまたは亜鉛、ピリジンボラン、2-ピコリンボラン、2,6-ジボラン-メタノール、ジメチルアミン-ボラン、t-BuMePrN-BH、ベンジルアミン-BHまたは5-エチル-2-メチルピリジンボラン(PEMB)などのアミンボランである。ある実施形態では、還元剤は、シアノ水素化ホウ素ナトリウムである。
【0760】
還元反応の終わりに、コンジュゲート中に残存する未反応のアルデヒド基があってもよく、これらのものを、好適なキャッピング剤を使用してキャップすることができる。一実施形態では、このキャッピング剤は、水素化ホウ素ナトリウム(NaBH)である。
【0761】
血清型9N多糖の担体タンパク質へのコンジュゲーション後、糖コンジュゲートを、当業者に公知の様々な技術によって精製する(多糖-タンパク質コンジュゲートの量に関して富化する)ことができる。これらの技術としては、透析、濃縮/透析濾過操作、接線流濾過沈降/溶出、カラムクロマトグラフィー(DEAEまたは疎水性相互作用クロマトグラフィー)、および深層濾過が挙げられる。
【0762】
一部の実施形態では、本発明の血清型9N糖コンジュゲートは、10kDa~2,000kDaの分子量を有する糖を含む。他のそのような実施形態では、糖は、50kDa~1,000kDaの分子量を有する。他のそのような実施形態では、糖は、70kDa~900kDaの分子量を有する。他のそのような実施形態では、糖は、100kDa~800kDaの分子量を有する。他のそのような実施形態では、糖は、200kDa~600kDaの分子量を有する。さらなるそのような実施形態では、糖は、100kDa~1000kDa;100kDa~900kDa;100kDa~800kDa;100kDa~700kDa;100kDa~600kDa;100kDa~500kDa;100kDa~400kDa;100kDa~300kDa;150kDa~1,000kDa;150kDa~900kDa;150kDa~800kDa;150kDa~700kDa;150kDa~600kDa;150kDa~500kDa;150kDa~400kDa;150kDa~300kDa;200kDa~1,000kDa;200kDa~900kDa;200kDa~800kDa;200kDa~700kDa;200kDa~600kDa;200kDa~500kDa;200kDa~400kDa;200kDa~300kDa;250kDa~1,000kDa;250kDa~900kDa;250kDa~800kDa;250kDa~700kDa;250kDa~600kDa;250kDa~500kDa;250kDa~400kDa;250kDa~350kDa;300kDa~1,000kDa;300kDa~900kDa;300kDa~800kDa;300kDa~700kDa;300kDa~600kDa;300kDa~500kDa;300kDa~400kDa;400kDa~1,000kDa;400kDa~900kDa;400kDa~800kDa;400kDa~700kDa;400kDa~600kDa;500kDa~600kDaの分子量を有する。上記の範囲のいずれかの中の任意の全整数が、本開示の実施形態として企図される。一部のそのような実施形態では、血清型9N糖コンジュゲートは、還元的アミノ化を使用して調製される。
【0763】
一部の実施形態では、本発明の血清型9N糖コンジュゲートは、400kDa~15,000kDa;500kDa~10,000kDa;2,000kDa~10,000kDa;3,000kDa~8,000kDa;または3,000kDa~5,000kDaの分子量を有する。他の実施形態では、血清型9N糖コンジュゲートは、500kDa~10,000kDaの分子量を有する。他の実施形態では、血清型9N糖コンジュゲートは、1,000kDa~8,000kDaの分子量を有する。さらに他の実施形態では、血清型9N糖コンジュゲートは、2,000kDa~8,000kDaまたは3,000kDa~7,000kDaの分子量を有する。さらなる実施形態では、本発明の血清型9N糖コンジュゲートは、200kDa~20,000kDa;200kDa~15,000kDa;200kDa~10,000kDa;200kDa~7,500kDa;200kDa~5,000kDa;200kDa~3,000kDa;200kDa~1,000kDa;500kDa~20,000kDa;500kDa~15,000kDa;500kDa~12,500kDa;500kDa~10,000kDa;500kDa~7,500kDa;500kDa~6,000kDa;500kDa~5,000kDa;500kDa~4,000kDa;500kDa~3,000kDa;500kDa~2,000kDa;500kDa~1,500kDa;500kDa~1,000kDa;750kDa~20,000kDa;750kDa~15,000kDa;750kDa~12,500kDa;750kDa~10,000kDa;750kDa~7,500kDa;750kDa~6,000kDa;750kDa~5,000kDa;750kDa~4,000kDa;750kDa~3,000kDa;750kDa~2,000kDa;750kDa~1,500kDa;1,000kDa~15,000kDa;1,000kDa~12,500kDa;1,000kDa~10,000kDa;1,000kDa~7,500kDa;1,000kDa~6,000kDa;1,000kDa~5,000kDa;1,000kDa~4,000kDa;1,000kDa~2,500kDa;2,000kDa~15,000kDa;2,000kDa~12,500kDa;2,000kDa~10,000kDa;2,000kDa~7,500kDa;2,000kDa~6,000kDa;2,000kDa~5,000kDa;2,000kDa~4,000kDa;または2,000kDa~3,000kDaの分子量を有する。
【0764】
さらなる実施形態では、本発明の血清型9N糖コンジュゲートは、3,000kDa~20,000kDa;3,000kDa~15,000kDa;3,000kDa~10,000kDa;3,000kDa~7,500kDa;3,000kDa~5,000kDa;4,000kDa~20,000kDa;4,000kDa~15,000kDa;4,000kDa~12,500kDa;4,000kDa~10,000kDa;4,000kDa~7,500kDa;4,000kDa~6,000kDa;または4,000kDa~5,000kDaの分子量を有する。
【0765】
さらなる実施形態では、本発明の血清型9N糖コンジュゲートは、5,000kDa~20,000kDa;5,000kDa~15,000kDa;5,000kDa~10,000kDa;5,000kDa~7,500kDa;6,000kDa~20,000kDa;6,000kDa~15,000kDa;6,000kDa~12,500kDa;6,000kDa~10,000kDaまたは6,000kDa~7,500kDaの分子量を有する。
【0766】
糖コンジュゲートの分子量は、SEC-MALLSによって測定される。上記の範囲のいずれかの中の任意の全整数が、本開示の実施形態として企図される。
【0767】
ある実施形態では、本発明の血清型9N糖コンジュゲートは、血清型6C、7C、9N、15A、15B、15C、16F、17F、20、23A、23B、31、34、35B、35Fおよび/または38多糖1mMあたり少なくとも0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6もしくは0.7または約0.8mMのアセテートを含む。ある実施形態では、糖コンジュゲートは、血清型9N多糖1mMあたり少なくとも0.5、0.6または0.7mMのアセテートを含む。ある実施形態では、糖コンジュゲートは、血清型9N多糖1mMあたり少なくとも0.6mMのアセテートを含む。別の実施形態では、糖コンジュゲートは、血清型9N多糖1mMあたり少なくとも0.7mMのアセテートを含む。
【0768】
別の実施形態では、糖コンジュゲート中の血清型9N多糖1mMあたりのアセテートのmMの、単離された多糖中の血清型9N多糖1mMあたりのアセテートのmMに対する比は、少なくとも0.6、0.65、0.7、0.75、0.8、0.85、0.9または0.95である。ある実施形態では、糖コンジュゲート中の血清型9N多糖1mMあたりのアセテートのmMの、単離された多糖中の血清型9N多糖1mMあたりのアセテートのmMに対する比は、少なくとも0.7である。別の実施形態では、糖コンジュゲート中の血清型9N多糖1mMあたりのアセテートのmMの、単離された多糖中の血清型9N多糖1mMあたりのアセテートのmMに対する比は、少なくとも0.9である。
【0769】
ある実施形態では、糖コンジュゲート中の血清型9N多糖1mMあたりのアセテートのmMの、活性化された多糖中の血清型9N多糖1mMあたりのアセテートのmMに対する比は、少なくとも0.6、0.65、0.7、0.75、0.8、0.85、0.9または0.95である。ある実施形態では、糖コンジュゲート中の血清型9N多糖1mMあたりのアセテートのmMの、活性化された多糖中の血清型9N多糖1mMあたりのアセテートのmMに対する比は、少なくとも0.7である。別の実施形態では、糖コンジュゲート中の血清型9N多糖1mMあたりのアセテートのmMの、活性化された多糖中の血清型9N多糖1mMあたりのアセテートのmMに対する比は、少なくとも0.9である。
【0770】
本発明の血清型9N糖コンジュゲートを特徴付けるための別の方法は、コンジュゲートされたリシンの範囲(コンジュゲーション度)として特徴付けることができる、糖にコンジュゲートされるようになる担体タンパク質(例えば、CRM197)中のリシン残基の数によるものである。多糖への共有結合に起因する、担体タンパク質のリシン修飾に関する証拠を、当業者に公知の日常的な方法を使用するアミノ酸分析によって得ることができる。コンジュゲーションは、コンジュゲート材料を生成するために使用されるCRM197タンパク質出発材料と比較して、回収されるリシン残基数の減少をもたらす。ある実施形態では、本発明の血清型9N糖コンジュゲートのコンジュゲーション度は、2~15、2~13、2~10、2~8、2~6、2~5、2~4、3~15、3~13、3~10、3~8、3~6、3~5、3~4、5~15、5~10、8~15、8~12、10~15または10~12である。ある実施形態では、本発明の血清型9N糖コンジュゲートのコンジュゲーション度は、約2、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9、約10、約11、約12、約13、約14または約15である。ある実施形態では、本発明の血清型9N糖コンジュゲートのコンジュゲーション度は、4~7である。一部のそのような実施形態では、担体タンパク質は、CRM197である。
【0771】
本発明の血清型9N糖コンジュゲートを、糖の担体タンパク質に対する比(重量/重量)によって特徴付けることもできる。一部の実施形態では、糖コンジュゲート中の血清型9N多糖の担体タンパク質に対する比(w/w)は、0.5~3.0(例えば、約0.5、約0.6、約0.7、約0.8、約0.9、約1.0、約1.1、約1.2、約1.3、約1.4、約1.5、約1.6、約1.7、約1.8、約1.9、約2.0、約2.1、約2.2、約2.3、約2.4、約2.5、約2.6、約2.7、約2.8、約2.9、または約3.0)である。他の実施形態では、糖の担体タンパク質に対する比(w/w)は、0.5~2.0、0.5~1.5、0.8~1.2、0.5~1.0、1.0~1.5または1.0~2.0である。さらなる実施形態では、糖の担体タンパク質に対する比(w/w)は、0.8~1.2である。ある実施形態では、コンジュゲート中の血清型9N莢膜多糖の担体タンパク質に対する比は、0.9~1.1である。一部のそのような実施形態では、担体タンパク質は、CRM197である。
【0772】
本発明の血清型9N糖コンジュゲートおよび免疫原性組成物は、担体タンパク質に共有的にコンジュゲートされていないが、それにも拘わらず、糖コンジュゲート組成物中に存在する遊離糖を含有してもよい。遊離糖は、糖コンジュゲートと非共有的に会合していてもよい(すなわち、非共有的に結合する、吸着する、またはその中に、もしくはそれと共に捕捉される)。
【0773】
ある実施形態では、血清型9N糖コンジュゲートは、血清型9N多糖の総量と比較して、約50%、45%、40%、35%、30%、25%、20%または15%未満の遊離血清型9N多糖を含む。別の実施形態では、血清型9N糖コンジュゲートは、血清型9N多糖の総量と比較して、約40%未満の遊離血清型9N多糖を含む。ある実施形態では、血清型9N糖コンジュゲートは、血清型9N多糖の総量と比較して、約25%未満の遊離血清型9N多糖を含む。ある実施形態では、血清型9N糖コンジュゲートは、血清型9N多糖の総量と比較して、約20%未満の遊離血清型9N多糖を含む。別の実施形態では、血清型9N糖コンジュゲートは、血清型9N多糖の総量と比較して、約15%未満の遊離血清型9N多糖を含む。
【0774】
血清型9N糖コンジュゲートを、その分子サイズ分布(K)によって特徴付けることもできる。サイズ排除クロマトグラフィー媒体(CL-4B)を使用して、コンジュゲートの相対分子サイズ分布を決定することができる。サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)は、コンジュゲートの分子サイズ分布をプロファイリングするために重力送りのカラム中で使用される。媒体中の小孔から排除される大きい分子は、小さい分子よりも迅速に溶出する。画分収集装置を使用して、カラム溶出液を収集する。画分を、糖アッセイによる比色分析で試験する。Kの決定のために、分子が完全に排除される画分(V)、(K=0)、および最大保持を示す画分(V)、(K=1)を確立するために、カラムを較正する。特定の試料属性に達する画分(V)を、式K=(V-V)/(V-V)によってKと関連付ける。
【0775】
ある実施形態では、血清型9N糖コンジュゲートの少なくとも30%が、CL-4Bカラム中で0.3より低い、またはそれに等しいKを有する。別の実施形態では、糖コンジュゲートの少なくとも40%が、CL-4Bカラム中で0.3より低い、またはそれに等しいKを有する。別の実施形態では、血清型9N糖コンジュゲートの少なくとも45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、または85%が、CL-4Bカラム中で、0.3より低い、またはそれに等しいKを有する。ある実施形態では、血清型9N糖コンジュゲートの少なくとも60%が、CL-4Bカラム中で0.3より低い、またはそれに等しいKを有する。別の実施形態では、血清型9N糖コンジュゲートの50%~80%が、CL-4Bカラム中で0.3より低い、またはそれに等しいKを有する。ある実施形態では、血清型9N糖コンジュゲートの65%~80%が、CL-4Bカラム中で0.3より低い、またはそれに等しいKを有する。
【0776】
1.3.5 肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型15A由来の糖コンジュゲート
ある実施形態では、血清型15A糖コンジュゲートは、1-シアノ-4-ジメチルアミノピリジニウムテトラフルオロホウ酸(CDAP)を用いて多糖を活性化して、シアン酸エステルを形成させることによって得られる。活性化された多糖を、担体タンパク質上のアミノ基に直接的に、またはスペーサー(リンカー)基を介してカップリングすることができる。例えば、スペーサーは、マレイミド活性化担体タンパク質(例えば、GMBSを使用する)またはハロアセチル化担体タンパク質(例えば、ヨードアセトイミド、SIB、SIAB、スルホ-SIAB、SIA、もしくはSBAPを使用する)との反応後に得られるチオエーテル結合を介して担体にカップリングすることができるチオール化多糖を得るためのシスタミンまたはシステアミンであってもよい。好ましくは、シアン酸エステル(CDAP化学によって作製されてもよい)は、ヘキサンジアミンまたはアジピン酸ジヒドラジド(ADH)とカップリングされ、アミノ誘導体化された糖は、タンパク質担体上のカルボキシル基を介してカルボジイミド(例えば、EDACまたはEDC)化学を使用して担体タンパク質にコンジュゲートされる。そのようなコンジュゲートは、例えば、WO93/15760、WO95/08348およびWO96/129094に記載されている。
【0777】
他の好適な技術は、カルボジイミド、ヒドラジド、活性エステル、ノルボラン、p-ニトロ安息香酸、N-ヒドロキシスクシンイミド、S-NHS、EDC、TSTUを使用する。多くは、国際特許出願公開番号WO98/42721に記載されている。コンジュゲーションは、糖の遊離ヒドロキシル基と、CDIとの反応(Bethellら(1979)J.Biol.Chem.254:2572~2574;Hearnら(1981)J.Chromatogr.218:509~518を参照されたい)、次いで、タンパク質と反応させてカルバメート結合を形成させることによって形成させることができるカルボニルリンカーを含んでもよい。これは、アノマー末端の第一級ヒドロキシル基への還元、必要に応じた、第一級ヒドロキシル基の保護/脱保護、CDIカルバメート中間体を形成させるための第一級ヒドロキシル基とCDIとの反応およびCDIカルバメート中間体と、タンパク質上のアミノ基とのカップリングを含んでもよい。
【0778】
1つまたは複数の実施形態では、本発明の血清型15A糖コンジュゲートは、還元的アミノ化を使用して調製される。還元的アミノ化は、2つのステップ:(1)個々の6糖単位中の隣接ジオールからアルデヒド官能基を生成するための多糖の酸化および(2)コンジュゲートを形成させるための活性化された多糖と担体タンパク質との還元を含む。
【0779】
好ましくは、酸化の前に、標的分子量(MW)範囲への血清型15A多糖のサイジングを実施する。有利には、精製された血清型15A多糖のサイズを、例えば、O-アセチル基の存在などの多糖の構造の重要な特徴を保存しながら、減少させる。好ましくは、精製された血清型15A多糖のサイズを、機械的ホモジェナイゼーションによって減少させる(上のセクション1.2.6を参照されたい)。
【0780】
酸化ステップは、過ヨウ素酸塩との反応を含んでもよい。本発明の目的のために、用語「過ヨウ素酸塩」は、過ヨウ素酸塩と過ヨウ素酸の両方を含む;この用語はまた、メタ過ヨウ素酸塩(IO )とオルト過ヨウ素酸塩(IO 5-)の両方および過ヨウ素酸の様々な塩(例えば、過ヨウ素酸ナトリウムおよび過ヨウ素酸カリウム)も含む。ある実施形態では、血清型15A莢膜多糖の酸化のために使用される過ヨウ素酸塩は、メタ過ヨウ素酸塩である。ある実施形態では、血清型15A莢膜多糖の酸化のために使用される過ヨウ素酸塩は、メタ過ヨウ素酸ナトリウムである。
【0781】
ある実施形態では、多糖を、0.01~10.0、0.05~5.0、0.1~1.0、0.5~1.0、0.7~0.8、0.05~0.5、0.1~0.3モル当量の酸化剤と反応させる。ある実施形態では、多糖を、約0.1、0.15、0.2、0.25、0.3、0.35、0.4、0.45、0.5、0.55、0.6、0.65、0.7、0.75、0.8、0.85、0.9、0.95モル当量の酸化剤と反応させる。別の実施形態では、多糖を、約0.15モル当量の酸化剤と反応させる。さらに別の実施形態では、多糖を、約0.25モル当量の酸化剤と反応させる。さらに別の実施形態では、多糖を、約0.5モル当量の酸化剤と反応させる。ある実施形態では、多糖を、約0.6モル当量の酸化剤と反応させる。別の実施形態では、多糖を、約0.7モル当量の酸化剤と反応させる。
【0782】
ある実施形態では、反応の持続期間は、1時間~50時間、10時間~30時間、15時間~20時間、15時間~17時間または約16時間である。
【0783】
別の実施形態では、反応の温度は、15℃~45℃、15℃~30℃、20℃~25℃に維持される。さらに別の実施形態では、反応の温度は、約23℃に維持される。
【0784】
別の実施形態では、酸化反応は、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、2-(N-モルホリノ)エタンスルホン酸(MES)またはBis-Trisから選択される緩衝液中で実行される。ある実施形態では、緩衝液は、リン酸カリウムである。
【0785】
さらに別の実施形態では、緩衝液は、1mM~500mM、1mM~300mM、または50mM~200mMの濃度を有する。さらに別の実施形態では、緩衝液は、約100mMの濃度を有する。
【0786】
ある実施形態では、酸化反応は、4.0~8.0、5.0~7.0、または5.5~6.5のpHで実行される。別の実施形態では、pHは、約6.0である。
【0787】
ある実施形態では、活性化された血清型15A莢膜多糖は、0.5mg/mL~5mg/mLの単離された血清型15A莢膜多糖と、0.2~0.3モル当量の過ヨウ素酸塩とを、20℃~25℃の温度で反応させることによって得られる。
【0788】
別の実施形態では、活性化された血清型15A莢膜多糖は、精製される。活性化された血清型15A莢膜多糖は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)、透析または限外濾過/透析濾過などの当業者に公知の方法に従って精製される。例えば、活性化された莢膜多糖は、限外濾過デバイスを使用する濃縮および透析濾過によって精製される。
【0789】
さらに別の実施形態では、活性化された血清型15A莢膜多糖の酸化度は、2~20、2~15、2~10、2~5、5~20、5~15、5~10、10~20、10~15、または15~20である。別の実施形態では、活性化された血清型15A莢膜多糖の酸化度は、2~10、4~8、4~6、6~8、6~12、8~12、9~11、10~16、12~16、14~18、16~20、16~18、または18~20である。
【0790】
さらに別の実施形態では、活性化された血清型15A莢膜多糖は、5kDa~500kDa、50kDa~500kDa、50kDa~450kDa、100kDa~400kDa、100kDa~350kDaの分子量を有する。ある実施形態では、活性化された血清型15A莢膜多糖は、100kDa~350kDaの分子量を有する。さらに別の実施形態では、活性化された血清型15A莢膜多糖は、100kDa~300kDaの分子量を有する。別の実施形態では、活性化された血清型15A莢膜多糖は、100kDa~250kDaの分子量を有する。
【0791】
ある実施形態では、活性化された血清型15A莢膜多糖は、前記血清型15A莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7または0.8mMのアセテートを含む。別の実施形態では、活性化された血清型15A莢膜多糖は、前記血清型15A莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.5、0.6または0.7mMのアセテートを含む。さらに別の実施形態では、活性化された血清型15A莢膜多糖は、前記血清型15A莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.6mMのアセテートを含む。さらに別の実施形態では、活性化された血清型15A莢膜多糖は、前記血清型15A莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.7mMのアセテートを含む。
【0792】
ある実施形態では、活性化された血清型15A莢膜多糖は、前記血清型15A莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7または0.8mMのグリセロールを含む。別の実施形態では、活性化された血清型15A莢膜多糖は、前記血清型15A莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.5、0.6または0.7mMのグリセロールを含む。さらに別の実施形態では、活性化された血清型15A莢膜多糖は、前記血清型15A莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.6mMのグリセロールを含む。さらに別の実施形態では、活性化された血清型15A莢膜多糖は、前記血清型15A莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.7mMのグリセロールを含む。
【0793】
ある実施形態では、活性化された血清型15A莢膜多糖は、100kDa~250kDaの分子量を有し、前記血清型15A莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.6mMのアセテートを含む。
【0794】
別の実施形態では、活性化された血清型15A莢膜多糖は、100kDa~250kDaの分子量を有し、前記血清型15A莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.6mMのグリセロールを含む。
【0795】
さらに別の実施形態では、活性化された血清型15A莢膜多糖は、前記血清型15A莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.6mMのアセテートおよび前記血清型15A莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.6mMのグリセロールを含む。
【0796】
さらに別の実施形態では、活性化された血清型15A莢膜多糖は、100kDa~250kDaの分子量を有し、前記血清型15A莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.6mMのアセテートおよび前記血清型15A莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.6mMのグリセロールを含む。
【0797】
ある実施形態では、活性化された血清型15A莢膜多糖を、必要に応じて、糖の存在下で凍結乾燥する。ある実施形態では、糖は、スクロース、トレハロース、ラフィノース、スタキオース、メレジトース、デキストラン、マンニトール、ラクチトールおよびパラチニットから選択される。ある実施形態では、糖は、スクロースである。次いで、凍結乾燥された活性化された莢膜多糖を、担体タンパク質を含む溶液と混合することができる。
【0798】
別の実施形態では、活性化された血清型15A莢膜多糖を、担体タンパク質と混合し、必要に応じて、糖の存在下で凍結乾燥する。ある実施形態では、糖は、スクロース、トレハロース、ラフィノース、スタキオース、メレジトース、デキストラン、マンニトール、ラクチトールおよびパラチニットから選択される。ある実施形態では、糖は、スクロースである。次いで、同時凍結乾燥された多糖と担体タンパク質とを、溶液中に再懸濁し、還元剤と反応させることができる。
【0799】
活性化された血清型15A莢膜多糖を、
(a)活性化された血清型15A莢膜多糖と、担体タンパク質とを混合するステップ、および
(b)混合された活性化された血清型15A莢膜多糖および担体タンパク質と、還元剤とを反応させて、血清型15A莢膜多糖-担体タンパク質コンジュゲートを形成させるステップ
を含むプロセスによって、担体タンパク質にコンジュゲートすることができる。
【0800】
ジメチルスルホキシド(DMSO)中での還元的アミノ化による活性化された血清型15A莢膜多糖と、タンパク質担体とのコンジュゲーションは、例えば、多糖のO-アセチル化のレベルが有意に低下する水性溶液中での還元的アミノ化と比較して、多糖のO-アセチル含量を保持するのに好適である。別の実施形態では、ステップ(a)およびステップ(b)は、DMSO中で実行される。
【0801】
ある実施形態では、ステップ(a)は、担体タンパク質およびDMSOを含む溶液中に、凍結乾燥された血清型15A莢膜多糖を溶解することを含む。ある実施形態では、ステップ(a)は、DMSO中に、同時凍結乾燥された血清型15A莢膜多糖および担体タンパク質を溶解することを含む。
【0802】
ステップ(a)および(b)が水性溶液中で実行される場合、ステップ(a)および(b)は、好ましくは、PBS、MES、HEPES、Bis-トリス、ADA、PIPES、MOPSO、BES、MOPS、DIPSO、MOBS、HEPPSO、POPSO、TEA、EPPS、ビシンまたはHEPBから選択される緩衝液中、6.0~8.5、7.0~8.0または7.0~7.5のpHで実行される。ある実施形態では、緩衝液は、PBSである。ある実施形態では、pHは、約7.3である。
【0803】
ある実施形態では、ステップ(b)における活性化された血清型15A莢膜多糖の濃度は、0.1mg/mL~10mg/mL、0.5mg/mL~5mg/mL、または0.5mg/mLから2mg/mLである。別の実施形態では、ステップ(b)における活性化された血清型15A莢膜多糖の濃度は、約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9または3.0mg/mLである。
【0804】
さらに別の実施形態では、活性化された血清型15A莢膜多糖の、担体タンパク質に対する初期入力比(重量/重量)は、5:1~0.1:1、2:1~0.1:1、2:1~1:1、1.5:1~1:1、0.1:1~1:1、0.3:1~1:1、または0.6:1~1:1である。
【0805】
さらに別の実施形態では、活性化された血清型15A莢膜多糖の、担体タンパク質に対する初期入力比は、約0.6:1~1:1である。別の実施形態では、活性化された血清型15A莢膜多糖の、担体タンパク質に対する初期入力比は、約0.6:1~1.5:1である。そのような初期入力比は、糖コンジュゲート中の低レベルの遊離多糖を得るのに特に好適である。
【0806】
ある実施形態では、活性化された血清型15A莢膜多糖の、担体タンパク質に対する初期入力比は、約0.4:1、0.5:1、0.6:1、0.7:1、0.8:1、0.9:1、1:1、1.1:1、1.2:1、1.3:1、1.4:1、1.5:1、1.6:1、1.7:1、1.8:1、1.9:1または2:1である。
【0807】
ある実施形態では、還元剤は、シアノ水素化ホウ素ナトリウム、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム、BronstedまたはLewis酸の存在下での水素化ホウ素ナトリウムまたは亜鉛、ピリジンボラン、2-ピコリンボラン、2,6-ジボラン-メタノール、ジメチルアミン-ボラン、t-BuMeiPrN-BH3、ベンジルアミン-BH3または5-エチル-2-メチルピリジンボラン(PEMB)などのアミンボランである。ある実施形態では、還元剤は、シアノ水素化ホウ素ナトリウムである。ある実施形態では、還元剤は、2-ピコリンボランナトリウムである。
【0808】
別の実施形態では、ステップ(b)において使用される還元剤の量は、約0.1~10.0モル当量、0.5~5.0モル当量、または1.0~2.0モル当量である。ある実施形態では、ステップ(b)において使用される還元剤の量は、約1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9または2.0モル当量である。
【0809】
さらに別の実施形態では、ステップ(b)の持続期間は、1時間~60時間、10時間~50時間、40時間~50時間、または42時間~46時間である。ある実施形態では、ステップ(b)の持続期間は、約44時間である。
【0810】
さらに別の実施形態では、ステップ(b)における反応の温度は、10℃~40℃、15℃~30℃または20℃~26℃に維持される。別の実施形態では、ステップ(b)における反応の温度は、約23℃に維持される。
【0811】
ある実施形態では、担体タンパク質に共有的に連結された肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型15A莢膜多糖を含む糖コンジュゲートの調製のためのプロセスは、NaBHの添加によって未反応のアルデヒドを捕捉する(クエンチングする)ステップ(ステップ(c))をさらに含む。
【0812】
さらに別の実施形態では、ステップ(c)において使用されるNaBHの量は、0.1~10モル当量、0.5~5.0モル当量、または1.0~3.0モル当量である。さらに別の実施形態では、ステップ(c)において使用されるNaBHの量は、約2.0モル当量である。
【0813】
別の実施形態では、ステップ(c)の持続期間は、0.1時間~10時間、0.5時間~5時間、または2時間~4時間である。ある実施形態では、ステップ(c)の持続期間は、約3時間である。
【0814】
別の実施形態では、ステップ(c)における反応の温度は、15℃~45℃、15℃~30℃または20℃~26℃に維持される。さらに別の実施形態では、ステップ(c)における反応の温度は、約23℃に維持される。
【0815】
別の実施形態では、コンジュゲーションステップの収率は、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%または90%よりも高い。さらに別の実施形態では、コンジュゲーションステップ(ステップb)の収率は、60%よりも高い。さらに別の実施形態では、コンジュゲーションステップ(ステップb)の収率は、70%よりも高い。収率は、(コンジュゲート中の血清型15A多糖の量/コンジュゲーションステップにおいて使用される活性化された多糖の量)x100である。
【0816】
ある実施形態では、担体タンパク質に共有的に連結された肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型15A莢膜多糖を含む糖コンジュゲートの調製のためのプロセスは、
(a)高圧ホモジェナイゼーションによって精製された血清型15A多糖をサイジングするステップ;
(b)サイジングされた血清型15A多糖と、酸化剤とを反応させるステップ;
(c)活性化された血清型15A多糖と、担体タンパク質とを混合するステップ;
(d)混合された活性化された血清型15A多糖および担体タンパク質と、還元剤とを反応させて、血清型15A多糖-担体タンパク質コンジュゲートを形成させるステップ;ならびに
(e)NaBHの添加によって未反応のアルデヒドを捕捉する(クエンチングする)ステップ
を含む。
【0817】
さらに別の実施形態では、上記プロセスのコンジュゲーションステップ(ステップd)の収率は、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%または90%よりも高い。別の実施形態では、コンジュゲーションステップ(ステップd)の収率は、60%よりも高い。さらに別の実施形態では、コンジュゲーションステップ(ステップd)の収率は、70%よりも高い。収率は、(コンジュゲート中の血清型15A多糖の量/コンジュゲーションステップにおいて使用される活性化された多糖の量)x100である。
【0818】
血清型15A莢膜多糖の担体タンパク質へのコンジュゲーション後、多糖-タンパク質コンジュゲートを、当業者に公知の様々な技術によって精製する(多糖-タンパク質コンジュゲートの量に関して富化する)ことができる。これらの技術としては、透析、濃縮/透析濾過操作、接線流濾過、沈降/溶出、カラムクロマトグラフィー(DEAEまたは疎水性相互作用クロマトグラフィー)、および深層濾過が挙げられる。
【0819】
ある実施形態では、担体タンパク質は、セクション1.1で定義された通りである。ある実施形態では、担体タンパク質は、DT(ジフテリア毒素)、TT(破傷風トキソイド)、CRM197、他のDT突然変異体、PD(インフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)タンパク質D)、またはその免疫学的に機能的な等価物からなる群において選択される。ある実施形態では、担体タンパク質は、CRM197である。
【0820】
1つまたは複数の実施形態では、本発明の血清型15A糖コンジュゲートは、担体タンパク質(例えば、CRM197)にコンジュゲートされ、5kDa~1,500kDaの分子量を有する糖を含む。他の実施形態では、糖は、10kDa~1,500kDaの分子量を有する。さらなるそのような実施形態では、糖は、50kDa~1,500kDa;50kDa~1,250kDa;50kDa~1,000kDa;50kDa~750kDa;50kDa~500kDa;50kDa~250kDa;100kDa~1,500kDa;100kDa~1,250kDa;100kDa~1,000kDa;100kDa~750kDa;100kDa~500kDa;100~250kDa;200kDa~1,500kDa;200kDa~1,250kDa;200kDa~1,000kDa;200kDa~750kDa;または200kDa~500kDa;または200kDa~400kDaの分子量を有する。上記の範囲のいずれかの中の任意の全整数が、本開示の実施形態として企図される。一部の実施形態では、本発明の血清型15A糖コンジュゲートは、50kDa~20,000kDaの分子量を有する。一部の実施形態では、本発明の血清型15A糖コンジュゲートは、1,000kDa~20,000kDaの分子量を有する。ある実施形態では、本発明の血清型15A糖コンジュゲートは、3,000kDa~20,000kDa、5,000kDa~10,000kDa、5,000kDa~20,000kDa、8,000kDa~20,000kDa、8,000kDa~16,000kDaまたは10,000kDa~16,000kDaの分子量を有する。
【0821】
1つまたは複数のさらなる実施形態では、本発明の血清型15A糖コンジュゲートは、約1,000kDa、約1,500kDa、約2,000kDa、約2,500kDa、約3,000kDa、約3,500kDa、約4,000kDa、約4,500kDa、約5,000kDa、約5,500kDa、約6,000kDa、約6,500kDa、約7,000kDa、約7,500kDa、約8,000kDa、約8,500kDa、約9,000kDa、約9,500kDa、約10,000kDa、約10,500kDa、約11,000kDa、約11,500kDa、約12,000kDa、約12,500kDa、約13,000kDa、約13,500kDa、約14,000kDa、約14,500kDa、約15,000kDa、約15,500kDa、約16,000kDa、約16,500kDa、約17,000kDa、約17,500kDa、約18,000kDa、約18,500kDa、約19,000kDa、約19,500kDaまたは約20,000kDaの分子量を有する。
【0822】
さらなる実施形態では、本発明の血清型15A糖コンジュゲートは、1,000kDa~20,000kDa;1,000kDa~15,000kDa;1,000kDa~10,000kDa;1,000kDa~7,500kDa;1,000kDa~5,000kDa;1,000kDa~4,000kDa;1,000kDa~3,000kDa;2,000kDa~20,000kDa;2,000kDa~15,000kDa;2,000kDa~12,500kDa;2,000kDa~10,000kDa;2,000kDa~7,500kDa;2,000kDa~6,000kDa;2,000kDa~5,000kDa;2,000kDa~4,000kDa;または2,000kDa~3,000kDaの分子量を有する。
【0823】
さらなる実施形態では、本発明の血清型15A糖コンジュゲートは、3,000kDa~20,000kDa;3,000kDa~15,000kDa;3,000kDa~10,000kDa;3,000kDa~7,500kDa;3,000kDa~5,000kDa;3,000kDa~4,000kDa;4,000kDa~20,000kDa;4,000kDa~15,000kDa;4,000kDa~12,500kDa;4,000kDa~10,000kDa;4,000kDa~7,500kDa;4,000kDa~6,000kDa;または4,000kDa~5,000kDaの分子量を有する。さらなる実施形態では、本発明の血清型15A糖コンジュゲートは、5,000kDa~20,000kDa;5,000kDa~15,000kDa;5,000kDa~10,000kDa;5,000kDa~7,500kDa;6,000kDa~20,000kDa;6,000kDa~15,000kDa;6,000kDa~12,500kDa;6,000kDa~10,000kDaまたは6,000kDa~7,500kDaの分子量を有する。
【0824】
糖コンジュゲートの分子量は、SEC-MALLSによって測定される。上記の範囲のいずれかの中の任意の全整数が、本開示の実施形態として企図される。ある実施形態では、前記血清型15A糖コンジュゲートは、還元的アミノ化を使用して調製される。
【0825】
本発明の血清型15A糖コンジュゲートを、糖の担体タンパク質に対する比(重量/重量)によって特徴付けることもできる。ある実施形態では、コンジュゲート中の血清型15A莢膜多糖の担体タンパク質に対する比(重量/重量)は、0.5~3.0(例えば、約0.5、約0.6、約0.7、約0.8、約0.9、約1.0、約1.1、約1.2、約1.3、約1.4、約1.5、約1.6、約1.7、約1.8、約1.9、約2.0、約2.1、約2.2、約2.3、約2.4、約2.5、約2.6、約2.7、約2.8、約2.9、または約3.0)である。ある実施形態では、コンジュゲート中の血清型15A莢膜多糖の担体タンパク質に対する比は、0.4~2である。ある実施形態では、コンジュゲート中の血清型15A莢膜多糖の担体タンパク質に対する比は、0.5~2.0、0.5~1.5、0.5~1.0、1.0~1.5、1.0~2.0である。ある実施形態では、コンジュゲート中の血清型15A莢膜多糖の担体タンパク質に対する比は、0.7~0.9である。
【0826】
本発明の血清型15A糖コンジュゲートおよび免疫原性組成物は、担体タンパク質に共有的にコンジュゲートされていないが、それにも拘わらず、糖コンジュゲート組成物中に存在する遊離糖を含有してもよい。遊離糖は、糖コンジュゲートと非共有的に会合していてもよい(すなわち、非共有的に結合する、吸着する、またはその中に、もしくはそれと共に捕捉される)。
【0827】
ある実施形態では、本発明の血清型15A糖コンジュゲートは、血清型15A莢膜多糖の総量と比較して、約50%、45%、40%、35%、30%、25%、20%または15%未満の遊離血清型15A莢膜多糖を含む。別の実施形態では、本発明の血清型15A糖コンジュゲートは、血清型15A莢膜多糖の総量と比較して、約25%未満の遊離血清型15A莢膜多糖を含む。さらに別の実施形態では、本発明の血清型15A糖コンジュゲートは、血清型15A莢膜多糖の総量と比較して、約20%未満の遊離血清型15A莢膜多糖を含む。さらに別の実施形態では、本発明の血清型15A糖コンジュゲートは、血清型15A莢膜多糖の総量と比較して、約15%未満の遊離血清型15A莢膜多糖を含む。
【0828】
血清型15A糖コンジュゲートを、その分子サイズ分布(K)によって特徴付けることもできる。サイズ排除クロマトグラフィー媒体(CL-4B)を使用して、上記のように、コンジュゲートの相対分子サイズ分布を決定することができる。
【0829】
ある実施形態では、本発明の血清型15A糖コンジュゲートの少なくとも20%が、CL-4Bカラム中で0.3より低い、またはそれに等しいKdを有する。別の実施形態では、免疫原性コンジュゲートの少なくとも30%が、CL-4Bカラム中で0.3より低い、またはそれに等しいKdを有する。さらに別の実施形態では、本発明の血清型15A糖コンジュゲートの少なくとも40%が、CL-4Bカラム中で0.3より低い、またはそれに等しいKを有する。ある実施形態では、本発明の血清型15A糖コンジュゲートの少なくとも45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、または85%が、CL-4Bカラム中で、0.3より低い、またはそれに等しいKを有する。別の実施形態では、本発明の血清型15A糖コンジュゲートの少なくとも60%が、CL-4Bカラム中で0.3より低い、またはそれに等しいKを有する。さらに別の実施形態では、本発明の血清型15A糖コンジュゲートの少なくとも70%が、CL-4Bカラム中で0.3より低い、またはそれに等しいKを有する。
【0830】
ある実施形態では、血清型15A糖コンジュゲートの40%~90%が、CL-4Bカラム中で0.3より低い、またはそれに等しいKを有する。ある実施形態では、血清型15A糖コンジュゲートの50%~90%が、CL-4Bカラム中で0.3より低い、またはそれに等しいKを有する。ある実施形態では、血清型15A糖コンジュゲートの65%~80%が、CL-4Bカラム中で0.3より低い、またはそれに等しいKを有する。
【0831】
さらに別の実施形態では、本発明の血清型15A糖コンジュゲートは、血清型15A莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7または0.8mMのアセテートを含む。ある実施形態では、糖コンジュゲートは、血清型15A莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.5、0.6または0.7mMのアセテートを含む。別の実施形態では、糖コンジュゲートは、血清型15A莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.6mMのアセテートを含む。さらに別の実施形態では、糖コンジュゲートは、血清型15A莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.7mMのアセテートを含む。さらに別の実施形態では、O-アセチル基の存在は、イオン-HPLC分析によって決定される。
【0832】
別の実施形態では、血清型15A糖コンジュゲート中の血清型15A莢膜多糖1mMあたりのアセテートのmMの、単離された多糖中の血清型15A莢膜多糖1mMあたりのアセテートのmMに対する比は、少なくとも0.6、0.65、0.7、0.75、0.8、0.85、0.9または0.95である。さらに別の実施形態では、血清型15A糖コンジュゲート中の血清型15A莢膜多糖1mMあたりのアセテートのmMの、単離された多糖中の血清型15A莢膜多糖1mMあたりのアセテートのmMに対する比は、少なくとも0.7である。別の実施形態では、血清型15A糖コンジュゲート中の血清型15A莢膜多糖1mMあたりのアセテートのmMの、単離された多糖中の血清型15A莢膜多糖1mMあたりのアセテートのmMに対する比は、少なくとも0.9である。さらに別の実施形態では、O-アセチル基の存在は、イオン-HPLC分析によって決定される。
【0833】
ある実施形態では、血清型15A糖コンジュゲート中の血清型15A莢膜多糖1mMあたりのアセテートのmMの、活性化された多糖中の血清型15A莢膜多糖1mMあたりのアセテートのmMに対する比は、少なくとも0.6、0.65、0.7、0.75、0.8、0.85、0.9または0.95である。別の実施形態では、血清型15A糖コンジュゲート中の血清型15A莢膜多糖1mMあたりのアセテートのmMの、活性化された多糖中の血清型15A莢膜多糖1mMあたりのアセテートのmMに対する比は、少なくとも0.7である。さらに別の実施形態では、血清型15A糖コンジュゲート中の血清型15A莢膜多糖1mMあたりのアセテートのmMの、活性化された多糖中の血清型15A莢膜多糖1mMあたりのアセテートのmMに対する比は、少なくとも0.9である。ある実施形態では、O-アセチル基の存在は、イオン-HPLC分析によって決定される。
【0834】
ある実施形態では、本発明の血清型15A糖コンジュゲートは、血清型15A莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7または0.8mMのグリセロールを含む。別の実施形態では、本発明の血清型15A糖コンジュゲートは、血清型15A莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.5、0.6または0.7mMのグリセロールを含む。さらに別の実施形態では、本発明の血清型15A糖コンジュゲートは、血清型15A莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.6mMのグリセロールを含む。さらに別の実施形態では、本発明の血清型15A糖コンジュゲートは、血清型15A莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.7mMのグリセロールを含む。
【0835】
本発明の血清型15A糖コンジュゲートを特徴付けるための別の方法は、コンジュゲートされたリシンの範囲(コンジュゲーション度)として特徴付けることができる、糖にコンジュゲートされるようになる担体タンパク質(例えば、CRM197)中のリシン残基の数によるものである。多糖への共有結合に起因する、担体タンパク質のリシン修飾に関する証拠を、当業者に公知の日常的な方法を使用するアミノ酸分析によって得ることができる。コンジュゲーションは、コンジュゲート材料を生成するために使用されるCRM197タンパク質出発材料と比較して、回収されるリシン残基数の減少をもたらす。
【0836】
ある実施形態では、本発明の血清型15A糖コンジュゲートのコンジュゲーション度は、2~15、2~13、2~10、2~8、2~6、2~5、2~4、3~15、3~13、3~10、3~8、3~6、3~5、3~4、5~15、5~10、8~15、8~12、10~15または10~12である。ある実施形態では、本発明の血清型15A糖コンジュゲートのコンジュゲーション度は、約2、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9、約10、約11、約12、約13、約14または約15である。別の実施形態では、本発明の血清型15A糖コンジュゲートのコンジュゲーション度は、2~5である。
【0837】
1.3.6 肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型15B由来の糖コンジュゲート
ある実施形態では、血清型15B糖コンジュゲートは、1-シアノ-4-ジメチルアミノピリジニウムテトラフルオロホウ酸(CDAP)を用いて多糖を活性化して、シアン酸エステルを形成させることによって得られる。活性化された多糖を、担体タンパク質上のアミノ基に直接的に、またはスペーサー(リンカー)基を介してカップリングすることができる。例えば、スペーサーは、マレイミド活性化担体タンパク質(例えば、GMBSを使用する)またはハロアセチル化担体タンパク質(例えば、ヨードアセトイミド、SIB、SIAB、スルホ-SIAB、SIA、もしくはSBAPを使用する)との反応後に得られるチオエーテル結合を介して担体にカップリングすることができるチオール化多糖を得るためのシスタミンまたはシステアミンであってもよい。好ましくは、シアン酸エステル(CDAP化学によって作製されてもよい)は、ヘキサンジアミンまたはアジピン酸ジヒドラジド(ADH)とカップリングされ、アミノ誘導体化された糖は、タンパク質担体上のカルボキシル基を介してカルボジイミド(例えば、EDACまたはEDC)化学を使用して担体タンパク質にコンジュゲートされる。そのようなコンジュゲートは、例えば、WO93/15760、WO95/08348およびWO96/129094に記載されている。
【0838】
他の好適な技術は、カルボジイミド、ヒドラジド、活性エステル、ノルボラン、p-ニトロ安息香酸、N-ヒドロキシスクシンイミド、S-NHS、EDC、TSTUを使用する。多くは、国際特許出願公開番号WO98/42721に記載されている。コンジュゲーションは、糖の遊離ヒドロキシル基と、CDIとの反応(Bethellら(1979)J.Biol.Chem.254:2572~2574;Hearnら(1981)J.Chromatogr.218:509~518を参照されたい)、次いで、タンパク質と反応させてカルバメート結合を形成させることによって形成させることができるカルボニルリンカーを含んでもよい。これは、アノマー末端の第一級ヒドロキシル基への還元、必要に応じた、第一級ヒドロキシル基の保護/脱保護、CDIカルバメート中間体を形成させるための第一級ヒドロキシル基とCDIとの反応およびCDIカルバメート中間体と、タンパク質上のアミノ基とのカップリングを含んでもよい。
【0839】
1つまたは複数の実施形態では、本発明の血清型15B糖コンジュゲートは、還元的アミノ化を使用して調製される。還元的アミノ化は、2つのステップ:(1)個々の6糖単位中の隣接ジオールからアルデヒド官能基を生成するための多糖の酸化および(2)コンジュゲートを形成させるための活性化された多糖と担体タンパク質との還元を含む。
【0840】
好ましくは、酸化の前に、標的分子量(MW)範囲への血清型15B多糖のサイジングを実施する。有利には、精製された血清型15B多糖のサイズを、例えば、O-アセチル基の存在などの多糖の構造の重要な特徴を保存しながら、減少させる。好ましくは、精製された血清型15B多糖のサイズを、機械的ホモジェナイゼーションによって減少させる(上のセクション1.2.6を参照されたい)。
【0841】
酸化ステップは、過ヨウ素酸塩との反応を含んでもよい。本発明の目的のために、用語「過ヨウ素酸塩」は、過ヨウ素酸塩と過ヨウ素酸の両方を含む;この用語はまた、メタ過ヨウ素酸塩(IO )とオルト過ヨウ素酸塩(IO 5-)の両方および過ヨウ素酸の様々な塩(例えば、過ヨウ素酸ナトリウムおよび過ヨウ素酸カリウム)も含む。ある実施形態では、血清型15B莢膜多糖の酸化のために使用される過ヨウ素酸塩は、メタ過ヨウ素酸塩である。別の実施形態では、血清型15B莢膜多糖の酸化のために使用される過ヨウ素酸塩は、メタ過ヨウ素酸ナトリウムである。
【0842】
ある実施形態では、多糖を、0.01~10.0、0.05~5.0、0.1~1.0、0.5~1.0、0.7~0.8、0.05~0.5、0.1~0.3モル当量の酸化剤と反応させる。ある実施形態では、多糖を、約0.1、0.15、0.2、0.25、0.3、0.35、0.4、0.45、0.5、0.55、0.6、0.65、0.7、0.75、0.8、0.85、0.9、0.95モル当量の酸化剤と反応させる。別の実施形態では、多糖を、約0.15モル当量の酸化剤と反応させる。さらに別の実施形態では、多糖を、約0.25モル当量の酸化剤と反応させる。さらに別の実施形態では、多糖を、約0.5モル当量の酸化剤と反応させる。ある実施形態では、多糖を、約0.6モル当量の酸化剤と反応させる。別の実施形態では、多糖を、約0.7モル当量の酸化剤と反応させる。
【0843】
ある実施形態では、反応の持続期間は、1時間~50時間、10時間~30時間、15時間~20時間、15時間~17時間または約16時間である。
【0844】
別の実施形態では、反応の温度は、15℃~45℃、15℃~30℃、20℃~25℃に維持される。さらに別の実施形態では、反応の温度は、約23℃に維持される。
【0845】
別の実施形態では、酸化反応は、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、2-(N-モルホリノ)エタンスルホン酸(MES)またはBis-Trisから選択される緩衝液中で実行される。ある実施形態では、緩衝液は、リン酸カリウムである。
【0846】
さらに別の実施形態では、緩衝液は、1mM~500mM、1mM~300mM、または50mM~200mMの濃度を有する。さらに別の実施形態では、緩衝液は、約100mMの濃度を有する。
【0847】
ある実施形態では、酸化反応は、4.0~8.0、5.0~7.0、または5.5~6.5のpHで実行される。別の実施形態では、pHは、約6.0である。
【0848】
ある実施形態では、活性化された血清型15B莢膜多糖は、0.5mg/mL~5mg/mLの単離された血清型15B莢膜多糖と、0.2~0.3モル当量の過ヨウ素酸塩とを、20℃~25℃の温度で反応させることによって得られる。
【0849】
別の実施形態では、活性化された血清型15B莢膜多糖は、精製される。活性化された血清型15B莢膜多糖は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)、透析または限外濾過/透析濾過などの当業者に公知の方法に従って精製される。例えば、活性化された莢膜多糖は、限外濾過デバイスを使用する濃縮および透析濾過によって精製される。
【0850】
さらに別の実施形態では、活性化された血清型15B莢膜多糖の酸化度は、2~20、2~15、2~10、2~5、5~20、5~15、5~10、10~20、10~15、または15~20である。別の実施形態では、活性化された血清型15B莢膜多糖の酸化度は、2~10、4~8、4~6、6~8、6~12、8~12、9~11、10~16、12~16、14~18、16~20、16~18、または18~20である。
【0851】
さらに別の実施形態では、活性化された血清型15B莢膜多糖は、5kDa~500kDa、50kDa~500kDa、50kDa~450kDa、100kDa~400kDa、100kDa~350kDaの分子量を有する。ある実施形態では、活性化された血清型15B莢膜多糖は、100kDa~350kDaの分子量を有する。さらに別の実施形態では、活性化された血清型15B莢膜多糖は、100kDa~300kDaの分子量を有する。別の実施形態では、活性化された血清型15B莢膜多糖は、100kDa~250kDaの分子量を有する。
【0852】
ある実施形態では、活性化された血清型15B莢膜多糖は、前記血清型15B莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7または0.8mMのアセテートを含む。別の実施形態では、活性化された血清型15B莢膜多糖は、前記血清型15B莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.5、0.6または0.7mMのアセテートを含む。さらに別の実施形態では、活性化された血清型15B莢膜多糖は、前記血清型15B莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.6mMのアセテートを含む。さらに別の実施形態では、活性化された血清型15B莢膜多糖は、前記血清型15B莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.7mMのアセテートを含む。
【0853】
ある実施形態では、活性化された血清型15B莢膜多糖は、前記血清型15B莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7または0.8mMのグリセロールを含む。別の実施形態では、活性化された血清型15B莢膜多糖は、前記血清型15B莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.5、0.6または0.7mMのグリセロールを含む。さらに別の実施形態では、活性化された血清型15B莢膜多糖は、前記血清型15B莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.6mMのグリセロールを含む。さらに別の実施形態では、活性化された血清型15B莢膜多糖は、前記血清型15B莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.7mMのグリセロールを含む。
【0854】
ある実施形態では、活性化された血清型15B莢膜多糖は、100kDa~250kDaの分子量を有し、前記血清型15B莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.6mMのアセテートを含む。
【0855】
別の実施形態では、活性化された血清型15B莢膜多糖は、100kDa~250kDaの分子量を有し、前記血清型15B莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.6mMのグリセロールを含む。
【0856】
さらに別の実施形態では、活性化された血清型15B莢膜多糖は、前記血清型15B莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.6mMのアセテートおよび前記血清型15B莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.6mMのグリセロールを含む。
【0857】
さらに別の実施形態では、活性化された血清型15B莢膜多糖は、100kDa~250kDaの分子量を有し、前記血清型15B莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.6mMのアセテートおよび前記血清型15B莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.6mMのグリセロールを含む。
【0858】
ある実施形態では、活性化された血清型15B莢膜多糖を、必要に応じて、糖の存在下で凍結乾燥する。ある実施形態では、糖は、スクロース、トレハロース、ラフィノース、スタキオース、メレジトース、デキストラン、マンニトール、ラクチトールおよびパラチニットから選択される。ある実施形態では、糖は、スクロースである。次いで、凍結乾燥された活性化された莢膜多糖を、担体タンパク質を含む溶液と混合することができる。
【0859】
別の実施形態では、活性化された血清型15B莢膜多糖を、担体タンパク質と混合し、必要に応じて、糖の存在下で凍結乾燥する。ある実施形態では、糖は、スクロース、トレハロース、ラフィノース、スタキオース、メレジトース、デキストラン、マンニトール、ラクチトールおよびパラチニットから選択される。ある実施形態では、糖は、スクロースである。次いで、同時凍結乾燥された多糖と担体タンパク質とを、溶液中に再懸濁し、還元剤と反応させることができる。
【0860】
活性化された血清型15B莢膜多糖を、
(a)活性化された血清型15B莢膜多糖と、担体タンパク質とを混合するステップ、および
(b)混合された活性化された血清型15B莢膜多糖および担体タンパク質と、還元剤とを反応させて、血清型15B莢膜多糖-担体タンパク質コンジュゲートを形成させるステップ
を含むプロセスによって、担体タンパク質にコンジュゲートすることができる。
【0861】
ジメチルスルホキシド(DMSO)中での還元的アミノ化による活性化された血清型15B莢膜多糖と、タンパク質担体とのコンジュゲーションは、例えば、多糖のO-アセチル化のレベルが有意に低下する水性溶液中での還元的アミノ化と比較して、多糖のO-アセチル含量を保持するのに好適である。別の実施形態では、ステップ(a)およびステップ(b)は、DMSO中で実行される。
【0862】
ある実施形態では、ステップ(a)は、担体タンパク質およびDMSOを含む溶液中に、凍結乾燥された血清型15B莢膜多糖を溶解することを含む。ある実施形態では、ステップ(a)は、DMSO中に、同時凍結乾燥された血清型15B莢膜多糖および担体タンパク質を溶解することを含む。
【0863】
ステップ(a)および(b)が水性溶液中で実行される場合、ステップ(a)および(b)は、好ましくは、PBS、MES、HEPES、Bis-トリス、ADA、PIPES、MOPSO、BES、MOPS、DIPSO、MOBS、HEPPSO、POPSO、TEA、EPPS、ビシンまたはHEPBから選択される緩衝液中、6.0~8.5、7.0~8.0または7.0~7.5のpHで実行される。ある実施形態では、緩衝液は、PBSである。ある実施形態では、pHは、約7.3である。
【0864】
ある実施形態では、ステップ(b)における活性化された血清型15B莢膜多糖の濃度は、0.1mg/mL~10mg/mL、0.5mg/mL~5mg/mL、または0.5mg/mLから2mg/mLである。別の実施形態では、ステップ(b)における活性化された血清型15B莢膜多糖の濃度は、約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9または3.0mg/mLである。
【0865】
さらに別の実施形態では、活性化された血清型15B莢膜多糖の、担体タンパク質に対する初期入力比(重量/重量)は、5:1~0.1:1、2:1~0.1:1、2:1~1:1、1.5:1~1:1、0.1:1~1:1、0.3:1~1:1、または0.6:1~1:1である。
【0866】
さらに別の実施形態では、活性化された血清型15B莢膜多糖の、担体タンパク質に対する初期入力比は、約0.6:1~1:1である。別の実施形態では、活性化された血清型15B莢膜多糖の、担体タンパク質に対する初期入力比は、約0.6:1~1.5:1である。そのような初期入力比は、糖コンジュゲート中の低レベルの遊離多糖を得るのに特に好適である。
【0867】
ある実施形態では、活性化された血清型15B莢膜多糖の、担体タンパク質に対する初期入力比は、約0.4:1、0.5:1、0.6:1、0.7:1、0.8:1、0.9:1、1:1、1.1:1、1.2:1、1.3:1、1.4:1、1.5:1、1.6:1、1.7:1、1.8:1、1.9:1または2:1である。
【0868】
ある実施形態では、還元剤は、シアノ水素化ホウ素ナトリウム、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム、BronstedまたはLewis酸の存在下での水素化ホウ素ナトリウムまたは亜鉛、ピリジンボラン、2-ピコリンボラン、2,6-ジボラン-メタノール、ジメチルアミン-ボラン、t-BuMeiPrN-BH3、ベンジルアミン-BH3または5-エチル-2-メチルピリジンボラン(PEMB)などのアミンボランである。ある実施形態では、還元剤は、シアノ水素化ホウ素ナトリウムである。ある実施形態では、還元剤は、2-ピコリンボランナトリウムである。
【0869】
別の実施形態では、ステップ(b)において使用される還元剤の量は、約0.1~10.0モル当量、0.5~5.0モル当量、または1.0~2.0モル当量である。ある実施形態では、ステップ(b)において使用される還元剤の量は、約1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9または2.0モル当量である。
【0870】
さらに別の実施形態では、ステップ(b)の持続期間は、1時間~60時間、10時間~50時間、40時間~50時間、または42時間~46時間である。ある実施形態では、ステップ(b)の持続期間は、約44時間である。
【0871】
さらに別の実施形態では、ステップ(b)における反応の温度は、10℃~40℃、15℃~30℃または20℃~26℃に維持される。別の実施形態では、ステップ(b)における反応の温度は、約23℃に維持される。
【0872】
ある実施形態では、担体タンパク質に共有的に連結された肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型15B莢膜多糖を含む糖コンジュゲートの調製のためのプロセスは、NaBHの添加によって未反応のアルデヒドを捕捉する(クエンチングする)ステップ(ステップ(c))をさらに含む。
【0873】
さらに別の実施形態では、ステップ(c)において使用されるNaBHの量は、約0.1~10モル当量、0.5~5.0モル当量、または1.0~3.0モル当量である。さらに別の実施形態では、ステップ(c)において使用されるNaBHの量は、約2.0モル当量である。
【0874】
別の実施形態では、ステップ(c)の持続期間は、0.1時間~10時間、0.5時間~5時間、または2時間~4時間である。ある実施形態では、ステップ(b)の持続期間は、約3時間である。
【0875】
別の実施形態では、ステップ(c)における反応の温度は、15℃~45℃、15℃~30℃または20℃~26℃に維持される。さらに別の実施形態では、ステップ(c)における反応の温度は、約23℃に維持される。
【0876】
別の実施形態では、コンジュゲーションステップの収率は、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%または90%よりも高い。さらに別の実施形態では、コンジュゲーションステップ(ステップb)の収率は、60%よりも高い。さらに別の実施形態では、コンジュゲーションステップ(ステップb)の収率は、70%よりも高い。収率は、(コンジュゲート中の血清型15B多糖の量/コンジュゲーションステップにおいて使用される活性化された多糖の量)x100である。
【0877】
ある実施形態では、担体タンパク質に共有的に連結された肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型15B莢膜多糖を含む糖コンジュゲートの調製のためのプロセスは、
(a)高圧ホモジェナイゼーションによって精製された血清型15B多糖をサイジングするステップ;
(b)サイジングされた血清型15B多糖と、酸化剤とを反応させるステップ;
(c)活性化された血清型15B多糖と、担体タンパク質とを混合するステップ;
(d)混合された活性化された血清型15B多糖および担体タンパク質と、還元剤とを反応させて、血清型15B多糖-担体タンパク質コンジュゲートを形成させるステップ;ならびに
(e)NaBHの添加によって未反応のアルデヒドを捕捉する(クエンチングする)ステップ
を含む。
【0878】
さらに別の実施形態では、上記プロセスのコンジュゲーションステップ(ステップd)の収率は、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%または90%よりも高い。別の実施形態では、コンジュゲーションステップ(ステップd)の収率は、60%よりも高い。さらに別の実施形態では、コンジュゲーションステップ(ステップd)の収率は、70%よりも高い。収率は、(コンジュゲート中の血清型15B多糖の量/コンジュゲーションステップにおいて使用される活性化された多糖の量)x100である。
【0879】
血清型15B莢膜多糖の担体タンパク質へのコンジュゲーション後、多糖-タンパク質コンジュゲートを、当業者に公知の様々な技術によって精製する(多糖-タンパク質コンジュゲートの量に関して富化する)ことができる。これらの技術としては、透析、濃縮/透析濾過操作、接線流濾過、沈降/溶出、カラムクロマトグラフィー(DEAEまたは疎水性相互作用クロマトグラフィー)、および深層濾過が挙げられる。
【0880】
ある実施形態では、担体タンパク質は、セクション1.1で定義された通りである。ある実施形態では、担体タンパク質は、DT(ジフテリア毒素)、TT(破傷風トキソイド)、CRM197、他のDT突然変異体、PD(インフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)タンパク質D)、またはその免疫学的に機能的な等価物からなる群において選択される。ある実施形態では、担体タンパク質は、CRM197である。
【0881】
1つまたは複数の実施形態では、本発明の血清型15B糖コンジュゲートは、担体タンパク質(例えば、CRM197)にコンジュゲートされ、5kDa~1,500kDaの分子量を有する糖を含む。他の実施形態では、糖は、10kDa~1,500kDaの分子量を有する。さらなるそのような実施形態では、糖は、50kDa~1,500kDa;50kDa~1,250kDa;50kDa~1,000kDa;50kDa~750kDa;50kDa~500kDa;50kDa~250kDa;100kDa~1,500kDa;100kDa~1,250kDa;100kDa~1,000kDa;100kDa~750kDa;100kDa~500kDa;100~250kDa;200kDa~1,500kDa;200kDa~1,250kDa;200kDa~1,000kDa;200kDa~750kDa;または200kDa~500kDa;または200kDa~400kDaの分子量を有する。上記の範囲のいずれかの中の任意の全整数が、本開示の実施形態として企図される。一部の実施形態では、本発明の血清型15B糖コンジュゲートは、50kDa~20,000kDaの分子量を有する。一部の実施形態では、本発明の血清型15B糖コンジュゲートは、1,000kDa~20,000kDaの分子量を有する。ある実施形態では、本発明の血清型15B糖コンジュゲートは、3,000kDa~20,000kDa、5,000kDa~10,000kDa、5,000kDa~20,000kDa、8,000kDa~20,000kDa、8,000kDa~16,000kDaまたは10,000kDa~16,000kDaの分子量を有する。
【0882】
1つまたは複数のさらなる実施形態では、本発明の血清型15B糖コンジュゲートは、約1,000kDa、約1,500kDa、約2,000kDa、約2,500kDa、約3,000kDa、約3,500kDa、約4,000kDa、約4,500kDa、約5,000kDa、約5,500kDa、約6,000kDa、約6,500kDa、約7,000kDa、約7,500kDa、約8,000kDa、約8,500kDa、約9,000kDa、約9,500kDa、約10,000kDa、約10,500kDa、約11,000kDa、約11,500kDa、約12,000kDa、約12,500kDa、約13,000kDa、約13,500kDa、約14,000kDa、約14,500kDa、約15,000kDa、約15,500kDa、約16,000kDa、約16,500kDa、約17,000kDa、約17,500kDa、約18,000kDa、約18,500kDa、約19,000kDa、約19,500kDaまたは約20,000kDaの分子量を有する。
【0883】
さらなる実施形態では、本発明の血清型15B糖コンジュゲートは、1,000kDa~20,000kDa;1,000kDa~15,000kDa;1,000kDa~10,000kDa;1,000kDa~7,500kDa;1,000kDa~5,000kDa;1,000kDa~4,000kDa;1,000kDa~3,000kDa;2,000kDa~20,000kDa;2,000kDa~15,000kDa;2,000kDa~12,500kDa;2,000kDa~10,000kDa;2,000kDa~7,500kDa;2,000kDa~6,000kDa;2,000kDa~5,000kDa;2,000kDa~4,000kDa;または2,000kDa~3,000kDaの分子量を有する。
【0884】
さらなる実施形態では、本発明の血清型15B糖コンジュゲートは、3,000kDa~20,000kDa;3,000kDa~15,000kDa;3,000kDa~10,000kDa;3,000kDa~7,500kDa;3,000kDa~5,000kDa;3,000kDa~4,000kDa;4,000kDa~20,000kDa;4,000kDa~15,000kDa;4,000kDa~12,500kDa;4,000kDa~10,000kDa;4,000kDa~7,500kDa;4,000kDa~6,000kDa;または4,000kDa~5,000kDaの分子量を有する。さらなる実施形態では、本発明の血清型15B糖コンジュゲートは、5,000kDa~20,000kDa;5,000kDa~15,000kDa;5,000kDa~10,000kDa;5,000kDa~7,500kDa;6,000kDa~20,000kDa;6,000kDa~15,000kDa;6,000kDa~12,500kDa;6,000kDa~10,000kDaまたは6,000kDa~7,500kDaの分子量を有する。
【0885】
糖コンジュゲートの分子量は、SEC-MALLSによって測定される。上記の範囲のいずれかの中の任意の全整数が、本開示の実施形態として企図される。ある実施形態では、前記血清型15B糖コンジュゲートは、還元的アミノ化を使用して調製される。
【0886】
本発明の血清型15B糖コンジュゲートを、糖の担体タンパク質に対する比(重量/重量)によって特徴付けることもできる。ある実施形態では、コンジュゲート中の血清型15B莢膜多糖の担体タンパク質に対する比(重量/重量)は、0.5~3.0(例えば、約0.5、約0.6、約0.7、約0.8、約0.9、約1.0、約1.1、約1.2、約1.3、約1.4、約1.5、約1.6、約1.7、約1.8、約1.9、約2.0、約2.1、約2.2、約2.3、約2.4、約2.5、約2.6、約2.7、約2.8、約2.9、または約3.0)である。ある実施形態では、コンジュゲート中の血清型15B莢膜多糖の担体タンパク質に対する比は、0.4~2である。ある実施形態では、コンジュゲート中の血清型15B莢膜多糖の担体タンパク質に対する比は、0.5~2.0、0.5~1.5、0.5~1.0、1.0~1.5、1.0~2.0である。ある実施形態では、コンジュゲート中の血清型15B莢膜多糖の担体タンパク質に対する比は、0.7~0.9である。
【0887】
本発明の血清型15B糖コンジュゲートおよび免疫原性組成物は、担体タンパク質に共有的にコンジュゲートされていないが、それにも拘わらず、糖コンジュゲート組成物中に存在する遊離糖を含有してもよい。遊離糖は、糖コンジュゲートと非共有的に会合していてもよい(すなわち、非共有的に結合する、吸着する、またはその中に、もしくはそれと共に捕捉される)。
【0888】
ある実施形態では、本発明の血清型15B糖コンジュゲートは、血清型15B莢膜多糖の総量と比較して、約50%、45%、40%、35%、30%、25%、20%または15%未満の遊離血清型15B莢膜多糖を含む。別の実施形態では、本発明の血清型15B糖コンジュゲートは、血清型15B莢膜多糖の総量と比較して、約25%未満の遊離血清型15B莢膜多糖を含む。さらに別の実施形態では、本発明の血清型15B糖コンジュゲートは、血清型15B莢膜多糖の総量と比較して、約20%未満の遊離血清型15B莢膜多糖を含む。さらに別の実施形態では、本発明の血清型15B糖コンジュゲートは、血清型15B莢膜多糖の総量と比較して、約15%未満の遊離血清型15B莢膜多糖を含む。
【0889】
血清型15B糖コンジュゲートを、その分子サイズ分布(K)によって特徴付けることもできる。サイズ排除クロマトグラフィー媒体(CL-4B)を使用して、上記のように、コンジュゲートの相対分子サイズ分布を決定することができる。
【0890】
ある実施形態では、本発明の血清型15B糖コンジュゲートの少なくとも20%が、CL-4Bカラム中で0.3より低い、またはそれに等しいKdを有する。別の実施形態では、免疫原性コンジュゲートの少なくとも30%が、CL-4Bカラム中で0.3より低い、またはそれに等しいKdを有する。さらに別の実施形態では、本発明の血清型15B糖コンジュゲートの少なくとも40%が、CL-4Bカラム中で0.3より低い、またはそれに等しいKを有する。ある実施形態では、本発明の血清型15B糖コンジュゲートの少なくとも45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、または85%が、CL-4Bカラム中で、0.3より低い、またはそれに等しいKを有する。別の実施形態では、本発明の血清型15B糖コンジュゲートの少なくとも60%が、CL-4Bカラム中で0.3より低い、またはそれに等しいKを有する。さらに別の実施形態では、本発明の血清型15B糖コンジュゲートの少なくとも70%が、CL-4Bカラム中で0.3より低い、またはそれに等しいKを有する。
【0891】
ある実施形態では、血清型15B糖コンジュゲートの40%~90%が、CL-4Bカラム中で0.3より低い、またはそれに等しいKを有する。ある実施形態では、血清型15B糖コンジュゲートの50%~90%が、CL-4Bカラム中で0.3より低い、またはそれに等しいKを有する。ある実施形態では、血清型15B糖コンジュゲートの65%~80%が、CL-4Bカラム中で0.3より低い、またはそれに等しいKを有する。
【0892】
さらに別の実施形態では、本発明の血清型15B糖コンジュゲートは、血清型15B莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7または0.8mMのアセテートを含む。ある実施形態では、糖コンジュゲートは、血清型15B莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.5、0.6または0.7mMのアセテートを含む。別の実施形態では、糖コンジュゲートは、血清型15B莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.6mMのアセテートを含む。さらに別の実施形態では、糖コンジュゲートは、血清型15B莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.7mMのアセテートを含む。さらに別の実施形態では、O-アセチル基の存在は、イオン-HPLC分析によって決定される。
【0893】
別の実施形態では、血清型15B糖コンジュゲート中の血清型15B莢膜多糖1mMあたりのアセテートのmMの、単離された多糖中の血清型15B莢膜多糖1mMあたりのアセテートのmMに対する比は、少なくとも0.6、0.65、0.7、0.75、0.8、0.85、0.9または0.95である。さらに別の実施形態では、血清型15B糖コンジュゲート中の血清型15B莢膜多糖1mMあたりのアセテートのmMの、単離された多糖中の血清型15B莢膜多糖1mMあたりのアセテートのmMに対する比は、少なくとも0.7である。別の実施形態では、血清型15B糖コンジュゲート中の血清型15B莢膜多糖1mMあたりのアセテートのmMの、単離された多糖中の血清型15B莢膜多糖1mMあたりのアセテートのmMに対する比は、少なくとも0.9である。さらに別の実施形態では、O-アセチル基の存在は、イオン-HPLC分析によって決定される。
【0894】
ある実施形態では、血清型15B糖コンジュゲート中の血清型15B莢膜多糖1mMあたりのアセテートのmMの、活性化された多糖中の血清型15B莢膜多糖1mMあたりのアセテートのmMに対する比は、少なくとも0.6、0.65、0.7、0.75、0.8、0.85、0.9または0.95である。別の実施形態では、血清型15B糖コンジュゲート中の血清型15B莢膜多糖1mMあたりのアセテートのmMの、活性化された多糖中の血清型15B莢膜多糖1mMあたりのアセテートのmMに対する比は、少なくとも0.7である。さらに別の実施形態では、血清型15B糖コンジュゲート中の血清型15B莢膜多糖1mMあたりのアセテートのmMの、活性化された多糖中の血清型15B莢膜多糖1mMあたりのアセテートのmMに対する比は、少なくとも0.9である。ある実施形態では、O-アセチル基の存在は、イオン-HPLC分析によって決定される。
【0895】
ある実施形態では、本発明の血清型15B糖コンジュゲートは、血清型15B莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7または0.8mMのグリセロールを含む。別の実施形態では、本発明の血清型15B糖コンジュゲートは、血清型15B莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.5、0.6または0.7mMのグリセロールを含む。さらに別の実施形態では、本発明の血清型15B糖コンジュゲートは、血清型15B莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.6mMのグリセロールを含む。さらに別の実施形態では、本発明の血清型15B糖コンジュゲートは、血清型15B莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.7mMのグリセロールを含む。
【0896】
本発明の血清型15B糖コンジュゲートを特徴付けるための別の方法は、コンジュゲートされたリシンの範囲(コンジュゲーション度)として特徴付けることができる、糖にコンジュゲートされるようになる担体タンパク質(例えば、CRM197)中のリシン残基の数によるものである。多糖への共有結合に起因する、担体タンパク質のリシン修飾に関する証拠を、当業者に公知の日常的な方法を使用するアミノ酸分析によって得ることができる。コンジュゲーションは、コンジュゲート材料を生成するために使用されるCRM197タンパク質出発材料と比較して、回収されるリシン残基数の減少をもたらす。
【0897】
ある実施形態では、本発明の血清型15B糖コンジュゲートのコンジュゲーション度は、2~15、2~13、2~10、2~8、2~6、2~5、2~4、3~15、3~13、3~10、3~8、3~6、3~5、3~4、5~15、5~10、8~15、8~12、10~15または10~12である。ある実施形態では、本発明の血清型15B糖コンジュゲートのコンジュゲーション度は、約2、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9、約10、約11、約12、約13、約14または約15である。別の実施形態では、本発明の血清型15B糖コンジュゲートのコンジュゲーション度は、2~5である。
【0898】
1.3.7 肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型15C由来の糖コンジュゲート
ある実施形態では、血清型15C糖コンジュゲートは、1-シアノ-4-ジメチルアミノピリジニウムテトラフルオロホウ酸(CDAP)を用いて多糖を活性化して、シアン酸エステルを形成させることによって得られる。活性化された多糖を、担体タンパク質上のアミノ基に直接的に、またはスペーサー(リンカー)基を介してカップリングすることができる。例えば、スペーサーは、マレイミド活性化担体タンパク質(例えば、GMBSを使用する)またはハロアセチル化担体タンパク質(例えば、ヨードアセトイミド、SIB、SIAB、スルホ-SIAB、SIA、もしくはSBAPを使用する)との反応後に得られるチオエーテル結合を介して担体にカップリングすることができるチオール化多糖を得るためのシスタミンまたはシステアミンであってもよい。好ましくは、シアン酸エステル(CDAP化学によって作製されてもよい)は、ヘキサンジアミンまたはアジピン酸ジヒドラジド(ADH)とカップリングされ、アミノ誘導体化された糖は、タンパク質担体上のカルボキシル基を介してカルボジイミド(例えば、EDACまたはEDC)化学を使用して担体タンパク質にコンジュゲートされる。そのようなコンジュゲートは、例えば、WO93/15760、WO95/08348およびWO96/129094に記載されている。
【0899】
他の好適な技術は、カルボジイミド、ヒドラジド、活性エステル、ノルボラン、p-ニトロ安息香酸、N-ヒドロキシスクシンイミド、S-NHS、EDC、TSTUを使用する。多くは、国際特許出願公開番号WO98/42721に記載されている。コンジュゲーションは、糖の遊離ヒドロキシル基と、CDIとの反応(Bethellら(1979)J.Biol.Chem.254:2572~2574;Hearnら(1981)J.Chromatogr.218:509~518を参照されたい)、次いで、タンパク質と反応させてカルバメート結合を形成させることによって形成させることができるカルボニルリンカーを含んでもよい。これは、アノマー末端の第一級ヒドロキシル基への還元、必要に応じた、第一級ヒドロキシル基の保護/脱保護、CDIカルバメート中間体を形成させるための第一級ヒドロキシル基とCDIとの反応およびCDIカルバメート中間体と、タンパク質上のアミノ基とのカップリングを含んでもよい。
【0900】
1つまたは複数の実施形態では、本発明の血清型15C糖コンジュゲートは、還元的アミノ化を使用して調製される。還元的アミノ化は、2つのステップ:(1)個々の6糖単位中の隣接ジオールからアルデヒド官能基を生成するための多糖の酸化および(2)コンジュゲートを形成させるための活性化された多糖と担体タンパク質との還元を含む。
【0901】
好ましくは、酸化の前に、標的分子量(MW)範囲への血清型15C多糖のサイジングを実施する。有利には、精製された血清型15C多糖のサイズを、例えば、O-アセチル基の存在などの多糖の構造の重要な特徴を保存しながら、減少させる。好ましくは、精製された血清型15C多糖のサイズを、機械的ホモジェナイゼーションによって減少させる(上のセクション1.2.6を参照されたい)。
【0902】
酸化ステップは、過ヨウ素酸塩との反応を含んでもよい。本発明の目的のために、用語「過ヨウ素酸塩」は、過ヨウ素酸塩と過ヨウ素酸の両方を含む;この用語はまた、メタ過ヨウ素酸塩(IO )とオルト過ヨウ素酸塩(IO 5-)の両方および過ヨウ素酸の様々な塩(例えば、過ヨウ素酸ナトリウムおよび過ヨウ素酸カリウム)も含む。ある実施形態では、血清型15C莢膜多糖の酸化のために使用される過ヨウ素酸塩は、メタ過ヨウ素酸塩である。別の実施形態では、血清型15C莢膜多糖の酸化のために使用される過ヨウ素酸塩は、メタ過ヨウ素酸ナトリウムである。
【0903】
ある実施形態では、多糖を、0.01~10.0、0.05~5.0、0.1~1.0、0.5~1.0、0.7~0.8、0.05~0.5、0.1~0.3モル当量の酸化剤と反応させる。ある実施形態では、多糖を、約0.1、0.15、0.2、0.25、0.3、0.35、0.4、0.45、0.5、0.55、0.6、0.65、0.7、0.75、0.8、0.85、0.9、0.95モル当量の酸化剤と反応させる。別の実施形態では、多糖を、約0.15モル当量の酸化剤と反応させる。さらに別の実施形態では、多糖を、約0.25モル当量の酸化剤と反応させる。さらに別の実施形態では、多糖を、約0.5モル当量の酸化剤と反応させる。ある実施形態では、多糖を、約0.6モル当量の酸化剤と反応させる。別の実施形態では、多糖を、約0.7モル当量の酸化剤と反応させる。
【0904】
ある実施形態では、反応の持続期間は、1時間~50時間、10時間~30時間、15時間~20時間、15時間~17時間または約16時間である。
【0905】
別の実施形態では、反応の温度は、15℃~45℃、15℃~30℃、20℃~25℃に維持される。さらに別の実施形態では、反応の温度は、約23℃に維持される。
【0906】
別の実施形態では、酸化反応は、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、2-(N-モルホリノ)エタンスルホン酸(MES)またはBis-Trisから選択される緩衝液中で実行される。ある実施形態では、緩衝液は、リン酸カリウムである。
【0907】
さらに別の実施形態では、緩衝液は、1mM~500mM、1mM~300mM、または50mM~200mMの濃度を有する。さらに別の実施形態では、緩衝液は、約100mMの濃度を有する。
【0908】
ある実施形態では、酸化反応は、4.0~8.0、5.0~7.0、または5.5~6.5のpHで実行される。別の実施形態では、pHは、約6.0である。
【0909】
ある実施形態では、活性化された血清型15C莢膜多糖は、0.5mg/mL~5mg/mLの単離された血清型15C莢膜多糖と、0.2~0.3モル当量の過ヨウ素酸塩とを、20℃~25℃の温度で反応させることによって得られる。
【0910】
別の実施形態では、活性化された血清型15C莢膜多糖は、精製される。活性化された血清型15C莢膜多糖は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)、透析または限外濾過/透析濾過などの当業者に公知の方法に従って精製される。例えば、活性化された莢膜多糖は、限外濾過デバイスを使用する濃縮および透析濾過によって精製される。
【0911】
さらに別の実施形態では、活性化された血清型15C莢膜多糖の酸化度は、2~20、2~15、2~10、2~5、5~20、5~15、5~10、10~20、10~15、または15~20である。別の実施形態では、活性化された血清型15C莢膜多糖の酸化度は、2~10、4~8、4~6、6~8、6~12、8~12、9~11、10~16、12~16、14~18、16~20、16~18、または18~20である。
【0912】
さらに別の実施形態では、活性化された血清型15C莢膜多糖は、5kDa~500kDa、50kDa~500kDa、50kDa~450kDa、100kDa~400kDa、100kDa~350kDaの分子量を有する。ある実施形態では、活性化された血清型15C莢膜多糖は、100kDa~350kDaの分子量を有する。さらに別の実施形態では、活性化された血清型15C莢膜多糖は、100kDa~300kDaの分子量を有する。別の実施形態では、活性化された血清型15C莢膜多糖は、100kDa~250kDaの分子量を有する。
【0913】
ある実施形態では、活性化された血清型15C莢膜多糖は、前記血清型15C莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7または0.8mMのアセテートを含む。別の実施形態では、活性化された血清型15C莢膜多糖は、前記血清型15C莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.5、0.6または0.7mMのアセテートを含む。さらに別の実施形態では、活性化された血清型15C莢膜多糖は、前記血清型15C莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.6mMのアセテートを含む。さらに別の実施形態では、活性化された血清型15C莢膜多糖は、前記血清型15C莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.7mMのアセテートを含む。
【0914】
ある実施形態では、活性化された血清型15C莢膜多糖は、前記血清型15C莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7または0.8mMのグリセロールを含む。別の実施形態では、活性化された血清型15C莢膜多糖は、前記血清型15C莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.5、0.6または0.7mMのグリセロールを含む。さらに別の実施形態では、活性化された血清型15C莢膜多糖は、前記血清型15C莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.6mMのグリセロールを含む。さらに別の実施形態では、活性化された血清型15C莢膜多糖は、前記血清型15C莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.7mMのグリセロールを含む。
【0915】
ある実施形態では、活性化された血清型15C莢膜多糖は、100kDa~250kDaの分子量を有し、前記血清型15C莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.6mMのアセテートを含む。
【0916】
別の実施形態では、活性化された血清型15C莢膜多糖は、100kDa~250kDaの分子量を有し、前記血清型15C莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.6mMのグリセロールを含む。
【0917】
さらに別の実施形態では、活性化された血清型15C莢膜多糖は、前記血清型15C莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.6mMのアセテートおよび前記血清型15C莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.6mMのグリセロールを含む。
【0918】
さらに別の実施形態では、活性化された血清型15C莢膜多糖は、100kDa~250kDaの分子量を有し、前記血清型15C莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.6mMのアセテートおよび前記血清型15C莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.6mMのグリセロールを含む。
【0919】
ある実施形態では、活性化された血清型15C莢膜多糖を、必要に応じて、糖の存在下で凍結乾燥する。ある実施形態では、糖は、スクロース、トレハロース、ラフィノース、スタキオース、メレジトース、デキストラン、マンニトール、ラクチトールおよびパラチニットから選択される。ある実施形態では、糖は、スクロースである。次いで、凍結乾燥された活性化された莢膜多糖を、担体タンパク質を含む溶液と混合することができる。
【0920】
別の実施形態では、活性化された血清型15C莢膜多糖を、担体タンパク質と混合し、必要に応じて、糖の存在下で凍結乾燥する。ある実施形態では、糖は、スクロース、トレハロース、ラフィノース、スタキオース、メレジトース、デキストラン、マンニトール、ラクチトールおよびパラチニットから選択される。ある実施形態では、糖は、スクロースである。次いで、同時凍結乾燥された多糖と担体タンパク質とを、溶液中に再懸濁し、還元剤と反応させることができる。
【0921】
活性化された血清型15C莢膜多糖を、
(a)活性化された血清型15C莢膜多糖と、担体タンパク質とを混合するステップ、および
(b)混合された活性化された血清型15C莢膜多糖および担体タンパク質と、還元剤とを反応させて、血清型15C莢膜多糖-担体タンパク質コンジュゲートを形成させるステップ
を含むプロセスによって、担体タンパク質にコンジュゲートすることができる。
【0922】
ジメチルスルホキシド(DMSO)中での還元的アミノ化による活性化された血清型15C莢膜多糖と、タンパク質担体とのコンジュゲーションは、例えば、多糖のO-アセチル化のレベルが有意に低下する水性溶液中での還元的アミノ化と比較して、多糖のO-アセチル含量を保持するのに好適である。別の実施形態では、ステップ(a)およびステップ(b)は、DMSO中で実行される。
【0923】
ある実施形態では、ステップ(a)は、担体タンパク質およびDMSOを含む溶液中に、凍結乾燥された血清型15C莢膜多糖を溶解することを含む。ある実施形態では、ステップ(a)は、DMSO中に、同時凍結乾燥された血清型15C莢膜多糖および担体タンパク質を溶解することを含む。
【0924】
ステップ(a)および(b)が水性溶液中で実行される場合、ステップ(a)および(b)は、好ましくは、PBS、MES、HEPES、Bis-トリス、ADA、PIPES、MOPSO、BES、MOPS、DIPSO、MOBS、HEPPSO、POPSO、TEA、EPPS、ビシンまたはHEPBから選択される緩衝液中、6.0~8.5、7.0~8.0または7.0~7.5のpHで実行される。ある実施形態では、緩衝液は、PBSである。ある実施形態では、pHは、約7.3である。
【0925】
ある実施形態では、ステップ(b)における活性化された血清型15C莢膜多糖の濃度は、0.1mg/mL~10mg/mL、0.5mg/mL~5mg/mL、または0.5mg/mLから2mg/mLである。別の実施形態では、ステップ(b)における活性化された血清型15C莢膜多糖の濃度は、約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、2.0、2.1、2.2、2.3、2.4、2.5、2.6、2.7、2.8、2.9または3.0mg/mLである。
【0926】
さらに別の実施形態では、活性化された血清型15C莢膜多糖の、担体タンパク質に対する初期入力比(重量/重量)は、5:1~0.1:1、2:1~0.1:1、2:1~1:1、1.5:1~1:1、0.1:1~1:1、0.3:1~1:1、または0.6:1~1:1である。
【0927】
さらに別の実施形態では、活性化された血清型15C莢膜多糖の、担体タンパク質に対する初期入力比は、約0.6:1~1:1である。別の実施形態では、活性化された血清型15C莢膜多糖の、担体タンパク質に対する初期入力比は、約0.6:1~1.5:1である。そのような初期入力比は、糖コンジュゲート中の低レベルの遊離多糖を得るのに特に好適である。
【0928】
ある実施形態では、活性化された血清型15C莢膜多糖の、担体タンパク質に対する初期入力比は、約0.4:1、0.5:1、0.6:1、0.7:1、0.8:1、0.9:1、1:1、1.1:1、1.2:1、1.3:1、1.4:1、1.5:1、1.6:1、1.7:1、1.8:1、1.9:1または2:1である。
【0929】
ある実施形態では、還元剤は、シアノ水素化ホウ素ナトリウム、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム、BronstedまたはLewis酸の存在下での水素化ホウ素ナトリウムまたは亜鉛、ピリジンボラン、2-ピコリンボラン、2,6-ジボラン-メタノール、ジメチルアミン-ボラン、t-BuMeiPrN-BH3、ベンジルアミン-BH3または5-エチル-2-メチルピリジンボラン(PEMB)などのアミンボランである。ある実施形態では、還元剤は、シアノ水素化ホウ素ナトリウムである。ある実施形態では、還元剤は、2-ピコリンボランナトリウムである。
【0930】
別の実施形態では、ステップ(b)において使用される還元剤の量は、約0.1~10.0モル当量、0.5~5.0モル当量、または1.0~2.0モル当量である。ある実施形態では、ステップ(b)において使用される還元剤の量は、約1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9または2.0モル当量である。
【0931】
さらに別の実施形態では、ステップ(b)の持続期間は、1時間~60時間、10時間~50時間、40時間~50時間、または42時間~46時間である。ある実施形態では、ステップ(b)の持続期間は、約44時間である。
【0932】
さらに別の実施形態では、ステップ(b)における反応の温度は、10℃~40℃、15℃~30℃または20℃~26℃に維持される。別の実施形態では、ステップ(b)における反応の温度は、約23℃に維持される。
【0933】
ある実施形態では、担体タンパク質に共有的に連結された肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型15C莢膜多糖を含む糖コンジュゲートの調製のためのプロセスは、NaBHの添加によって未反応のアルデヒドを捕捉する(クエンチングする)ステップ(ステップ(c))をさらに含む。
【0934】
さらに別の実施形態では、ステップ(c)において使用されるNaBHの量は、約0.1~10モル当量、0.5~5.0モル当量、または1.0~3.0モル当量である。さらに別の実施形態では、ステップ(c)において使用されるNaBHの量は、約2.0モル当量である。
【0935】
別の実施形態では、ステップ(c)の持続期間は、0.1時間~10時間、0.5時間~5時間、または2時間~4時間である。ある実施形態では、ステップ(b)の持続期間は、約3時間である。
【0936】
別の実施形態では、ステップ(c)における反応の温度は、15℃~45℃、15℃~30℃または20℃~26℃に維持される。さらに別の実施形態では、ステップ(c)における反応の温度は、約23℃に維持される。
【0937】
別の実施形態では、コンジュゲーションステップの収率は、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%または90%よりも高い。さらに別の実施形態では、コンジュゲーションステップ(ステップb)の収率は、60%よりも高い。さらに別の実施形態では、コンジュゲーションステップ(ステップb)の収率は、70%よりも高い。収率は、(コンジュゲート中の血清型15C多糖の量/コンジュゲーションステップにおいて使用される活性化された多糖の量)x100である。
【0938】
ある実施形態では、担体タンパク質に共有的に連結された肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型15C莢膜多糖を含む糖コンジュゲートの調製のためのプロセスは、
(a)高圧ホモジェナイゼーションによって精製された血清型15C多糖をサイジングするステップ;
(b)サイジングされた血清型15C多糖と、酸化剤とを反応させるステップ;
(c)活性化された血清型15C多糖と、担体タンパク質とを混合するステップ;
(d)混合された活性化された血清型15C多糖および担体タンパク質と、還元剤とを反応させて、血清型15C多糖-担体タンパク質コンジュゲートを形成させるステップ;ならびに
(e)NaBHの添加によって未反応のアルデヒドを捕捉する(クエンチングする)ステップ
を含む。
【0939】
さらに別の実施形態では、上記プロセスのコンジュゲーションステップ(ステップd)の収率は、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%または90%よりも高い。別の実施形態では、コンジュゲーションステップ(ステップd)の収率は、60%よりも高い。さらに別の実施形態では、コンジュゲーションステップ(ステップd)の収率は、70%よりも高い。収率は、(コンジュゲート中の血清型15C多糖の量/コンジュゲーションステップにおいて使用される活性化された多糖の量)x100である。
【0940】
血清型15C莢膜多糖の担体タンパク質へのコンジュゲーション後、多糖-タンパク質コンジュゲートを、当業者に公知の様々な技術によって精製する(多糖-タンパク質コンジュゲートの量に関して富化する)ことができる。これらの技術としては、透析、濃縮/透析濾過操作、接線流濾過、沈降/溶出、カラムクロマトグラフィー(DEAEまたは疎水性相互作用クロマトグラフィー)、および深層濾過が挙げられる。
【0941】
ある実施形態では、担体タンパク質は、セクション1.1で定義された通りである。ある実施形態では、担体タンパク質は、DT(ジフテリア毒素)、TT(破傷風トキソイド)、CRM197、他のDT突然変異体、PD(インフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)タンパク質D)、またはその免疫学的に機能的な等価物からなる群において選択される。ある実施形態では、担体タンパク質は、CRM197である。
【0942】
1つまたは複数の実施形態では、本発明の血清型15C糖コンジュゲートは、担体タンパク質(例えば、CRM197)にコンジュゲートされ、5kDa~1,500kDaの分子量を有する糖を含む。他の実施形態では、糖は、10kDa~1,500kDaの分子量を有する。さらなるそのような実施形態では、糖は、50kDa~1,500kDa;50kDa~1,250kDa;50kDa~1,000kDa;50kDa~750kDa;50kDa~500kDa;50kDa~250kDa;100kDa~1,500kDa;100kDa~1,250kDa;100kDa~1,000kDa;100kDa~750kDa;100kDa~500kDa;100~250kDa;200kDa~1,500kDa;200kDa~1,250kDa;200kDa~1,000kDa;200kDa~750kDa;または200kDa~500kDa;または200kDa~400kDaの分子量を有する。上記の範囲のいずれかの中の任意の全整数が、本開示の実施形態として企図される。一部の実施形態では、本発明の血清型15C糖コンジュゲートは、50kDa~20,000kDaの分子量を有する。一部の実施形態では、本発明の血清型15C糖コンジュゲートは、1,000kDa~20,000kDaの分子量を有する。ある実施形態では、本発明の血清型15C糖コンジュゲートは、3,000kDa~20,000kDa、5,000kDa~10,000kDa、5,000kDa~20,000kDa、8,000kDa~20,000kDa、8,000kDa~16,000kDaまたは10,000kDa~16,000kDaの分子量を有する。
【0943】
1つまたは複数のさらなる実施形態では、本発明の血清型15C糖コンジュゲートは、約1,000kDa、約1,500kDa、約2,000kDa、約2,500kDa、約3,000kDa、約3,500kDa、約4,000kDa、約4,500kDa、約5,000kDa、約5,500kDa、約6,000kDa、約6,500kDa、約7,000kDa、約7,500kDa、約8,000kDa、約8,500kDa、約9,000kDa、約9,500kDa、約10,000kDa、約10,500kDa、約11,000kDa、約11,500kDa、約12,000kDa、約12,500kDa、約13,000kDa、約13,500kDa、約14,000kDa、約14,500kDa、約15,000kDa、約15,500kDa、約16,000kDa、約16,500kDa、約17,000kDa、約17,500kDa、約18,000kDa、約18,500kDa、約19,000kDa、約19,500kDaまたは約20,000kDaの分子量を有する。
【0944】
さらなる実施形態では、本発明の血清型15C糖コンジュゲートは、1,000kDa~20,000kDa;1,000kDa~15,000kDa;1,000kDa~10,000kDa;1,000kDa~7,500kDa;1,000kDa~5,000kDa;1,000kDa~4,000kDa;1,000kDa~3,000kDa;2,000kDa~20,000kDa;2,000kDa~15,000kDa;2,000kDa~12,500kDa;2,000kDa~10,000kDa;2,000kDa~7,500kDa;2,000kDa~6,000kDa;2,000kDa~5,000kDa;2,000kDa~4,000kDa;または2,000kDa~3,000kDaの分子量を有する。
【0945】
さらなる実施形態では、本発明の血清型15C糖コンジュゲートは、3,000kDa~20,000kDa;3,000kDa~15,000kDa;3,000kDa~10,000kDa;3,000kDa~7,500kDa;3,000kDa~5,000kDa;3,000kDa~4,000kDa;4,000kDa~20,000kDa;4,000kDa~15,000kDa;4,000kDa~12,500kDa;4,000kDa~10,000kDa;4,000kDa~7,500kDa;4,000kDa~6,000kDa;または4,000kDa~5,000kDaの分子量を有する。さらなる実施形態では、本発明の血清型15C糖コンジュゲートは、5,000kDa~20,000kDa;5,000kDa~15,000kDa;5,000kDa~10,000kDa;5,000kDa~7,500kDa;6,000kDa~20,000kDa;6,000kDa~15,000kDa;6,000kDa~12,500kDa;6,000kDa~10,000kDaまたは6,000kDa~7,500kDaの分子量を有する。
【0946】
糖コンジュゲートの分子量は、SEC-MALLSによって測定される。上記の範囲のいずれかの中の任意の全整数が、本開示の実施形態として企図される。ある実施形態では、前記血清型15C糖コンジュゲートは、還元的アミノ化を使用して調製される。
【0947】
本発明の血清型15C糖コンジュゲートを、糖の担体タンパク質に対する比(重量/重量)によって特徴付けることもできる。ある実施形態では、コンジュゲート中の血清型15C莢膜多糖の担体タンパク質に対する比(重量/重量)は、0.5~3.0(例えば、約0.5、約0.6、約0.7、約0.8、約0.9、約1.0、約1.1、約1.2、約1.3、約1.4、約1.5、約1.6、約1.7、約1.8、約1.9、約2.0、約2.1、約2.2、約2.3、約2.4、約2.5、約2.6、約2.7、約2.8、約2.9、または約3.0)である。ある実施形態では、コンジュゲート中の血清型15C莢膜多糖の担体タンパク質に対する比は、0.4~2である。ある実施形態では、コンジュゲート中の血清型15C莢膜多糖の担体タンパク質に対する比は、0.5~2.0、0.5~1.5、0.5~1.0、1.0~1.5、1.0~2.0である。ある実施形態では、コンジュゲート中の血清型15C莢膜多糖の担体タンパク質に対する比は、0.7~0.9である。
【0948】
本発明の血清型15C糖コンジュゲートおよび免疫原性組成物は、担体タンパク質に共有的にコンジュゲートされていないが、それにも拘わらず、糖コンジュゲート組成物中に存在する遊離糖を含有してもよい。遊離糖は、糖コンジュゲートと非共有的に会合していてもよい(すなわち、非共有的に結合する、吸着する、またはその中に、もしくはそれと共に捕捉される)。
【0949】
ある実施形態では、本発明の血清型15C糖コンジュゲートは、血清型15C莢膜多糖の総量と比較して、約50%、45%、40%、35%、30%、25%、20%または15%未満の遊離血清型15C莢膜多糖を含む。別の実施形態では、本発明の血清型15C糖コンジュゲートは、血清型15C莢膜多糖の総量と比較して、約25%未満の遊離血清型15C莢膜多糖を含む。さらに別の実施形態では、本発明の血清型15C糖コンジュゲートは、血清型15C莢膜多糖の総量と比較して、約20%未満の遊離血清型15C莢膜多糖を含む。さらに別の実施形態では、本発明の血清型15C糖コンジュゲートは、血清型15C莢膜多糖の総量と比較して、約15%未満の遊離血清型15C莢膜多糖を含む。
【0950】
血清型15C糖コンジュゲートを、その分子サイズ分布(K)によって特徴付けることもできる。サイズ排除クロマトグラフィー媒体(CL-4B)を使用して、上記のように、コンジュゲートの相対分子サイズ分布を決定することができる。
【0951】
ある実施形態では、本発明の血清型15C糖コンジュゲートの少なくとも20%が、CL-4Bカラム中で0.3より低い、またはそれに等しいKdを有する。別の実施形態では、免疫原性コンジュゲートの少なくとも30%が、CL-4Bカラム中で0.3より低い、またはそれに等しいKdを有する。さらに別の実施形態では、本発明の血清型15C糖コンジュゲートの少なくとも40%が、CL-4Bカラム中で0.3より低い、またはそれに等しいKを有する。ある実施形態では、本発明の血清型15C糖コンジュゲートの少なくとも45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、または85%が、CL-4Bカラム中で、0.3より低い、またはそれに等しいKを有する。別の実施形態では、本発明の血清型15C糖コンジュゲートの少なくとも60%が、CL-4Bカラム中で0.3より低い、またはそれに等しいKを有する。さらに別の実施形態では、本発明の血清型15C糖コンジュゲートの少なくとも70%が、CL-4Bカラム中で0.3より低い、またはそれに等しいKを有する。
【0952】
ある実施形態では、血清型15C糖コンジュゲートの40%~90%が、CL-4Bカラム中で0.3より低い、またはそれに等しいKを有する。ある実施形態では、血清型15C糖コンジュゲートの50%~90%が、CL-4Bカラム中で0.3より低い、またはそれに等しいKを有する。ある実施形態では、血清型15C糖コンジュゲートの65%~80%が、CL-4Bカラム中で0.3より低い、またはそれに等しいKを有する。
【0953】
さらに別の実施形態では、本発明の血清型15C糖コンジュゲートは、血清型15C莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7または0.8mMのアセテートを含む。ある実施形態では、糖コンジュゲートは、血清型15C莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.5、0.6または0.7mMのアセテートを含む。別の実施形態では、糖コンジュゲートは、血清型15C莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.6mMのアセテートを含む。さらに別の実施形態では、糖コンジュゲートは、血清型15C莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.7mMのアセテートを含む。さらに別の実施形態では、O-アセチル基の存在は、イオン-HPLC分析によって決定される。
【0954】
別の実施形態では、血清型15C糖コンジュゲート中の血清型15C莢膜多糖1mMあたりのアセテートのmMの、単離された多糖中の血清型15C莢膜多糖1mMあたりのアセテートのmMに対する比は、少なくとも0.6、0.65、0.7、0.75、0.8、0.85、0.9または0.95である。さらに別の実施形態では、血清型15C糖コンジュゲート中の血清型15C莢膜多糖1mMあたりのアセテートのmMの、単離された多糖中の血清型15C莢膜多糖1mMあたりのアセテートのmMに対する比は、少なくとも0.7である。別の実施形態では、血清型15C糖コンジュゲート中の血清型15C莢膜多糖1mMあたりのアセテートのmMの、単離された多糖中の血清型15C莢膜多糖1mMあたりのアセテートのmMに対する比は、少なくとも0.9である。さらに別の実施形態では、O-アセチル基の存在は、イオン-HPLC分析によって決定される。
【0955】
ある実施形態では、血清型15C糖コンジュゲート中の血清型15C莢膜多糖1mMあたりのアセテートのmMの、活性化された多糖中の血清型15C莢膜多糖1mMあたりのアセテートのmMに対する比は、少なくとも0.6、0.65、0.7、0.75、0.8、0.85、0.9または0.95である。別の実施形態では、血清型15C糖コンジュゲート中の血清型15C莢膜多糖1mMあたりのアセテートのmMの、活性化された多糖中の血清型15C莢膜多糖1mMあたりのアセテートのmMに対する比は、少なくとも0.7である。さらに別の実施形態では、血清型15C糖コンジュゲート中の血清型15C莢膜多糖1mMあたりのアセテートのmMの、活性化された多糖中の血清型15C莢膜多糖1mMあたりのアセテートのmMに対する比は、少なくとも0.9である。ある実施形態では、O-アセチル基の存在は、イオン-HPLC分析によって決定される。
【0956】
ある実施形態では、本発明の血清型15C糖コンジュゲートは、血清型15C莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7または0.8mMのグリセロールを含む。別の実施形態では、本発明の血清型15C糖コンジュゲートは、血清型15C莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.5、0.6または0.7mMのグリセロールを含む。さらに別の実施形態では、本発明の血清型15C糖コンジュゲートは、血清型15C莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.6mMのグリセロールを含む。さらに別の実施形態では、本発明の血清型15C糖コンジュゲートは、血清型15C莢膜多糖1mMあたり少なくとも0.7mMのグリセロールを含む。
【0957】
本発明の血清型15C糖コンジュゲートを特徴付けるための別の方法は、コンジュゲートされたリシンの範囲(コンジュゲーション度)として特徴付けることができる、糖にコンジュゲートされるようになる担体タンパク質(例えば、CRM197)中のリシン残基の数によるものである。多糖への共有結合に起因する、担体タンパク質のリシン修飾に関する証拠を、当業者に公知の日常的な方法を使用するアミノ酸分析によって得ることができる。コンジュゲーションは、コンジュゲート材料を生成するために使用されるCRM197タンパク質出発材料と比較して、回収されるリシン残基数の減少をもたらす。
【0958】
ある実施形態では、本発明の血清型15C糖コンジュゲートのコンジュゲーション度は、2~15、2~13、2~10、2~8、2~6、2~5、2~4、3~15、3~13、3~10、3~8、3~6、3~5、3~4、5~15、5~10、8~15、8~12、10~15または10~12である。ある実施形態では、本発明の血清型15C糖コンジュゲートのコンジュゲーション度は、約2、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9、約10、約11、約12、約13、約14または約15である。別の実施形態では、本発明の血清型15C糖コンジュゲートのコンジュゲーション度は、2~5である。
【0959】
1.3.8 肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型16F由来の糖コンジュゲート
ある実施形態では、血清型16F糖コンジュゲートは、1-シアノ-4-ジメチルアミノピリジニウムテトラフルオロホウ酸(CDAP)を用いて多糖を活性化して、シアン酸エステルを形成させることによって得られる。活性化された糖を、担体タンパク質上のアミノ基に直接的に、またはスペーサー(リンカー)基を介してカップリングすることができる。例えば、スペーサーは、マレイミド活性化担体タンパク質(例えば、GMBSを使用する)またはハロアセチル化担体タンパク質(例えば、ヨードアセトイミド、SIB、SIAB、スルホ-SIAB、SIA、もしくはSBAPを使用する)との反応後に得られるチオエーテル結合を介して担体にカップリングすることができるチオール化多糖を得るためのシスタミンまたはシステアミンであってもよい。好ましくは、シアン酸エステル(CDAP化学によって作製されてもよい)は、ヘキサンジアミンまたはアジピン酸ジヒドラジド(ADH)とカップリングされ、アミノ誘導体化された糖は、タンパク質担体上のカルボキシル基を介してカルボジイミド(例えば、EDACまたはEDC)化学を使用して担体タンパク質にコンジュゲートされる。そのようなコンジュゲートは、例えば、WO93/15760、WO95/08348およびWO96/129094に記載されている。
【0960】
他の好適な技術は、カルボジイミド、ヒドラジド、活性エステル、ノルボラン、p-ニトロ安息香酸、N-ヒドロキシスクシンイミド、S-NHS、EDC、TSTUを使用する。多くは、国際特許出願公開番号WO98/42721に記載されている。コンジュゲーションは、糖の遊離ヒドロキシル基と、CDIとの反応(Bethellら(1979)J.Biol.Chem.254:2572~2574;Hearnら(1981)J.Chromatogr.218:509~518を参照されたい)、次いで、タンパク質と反応させてカルバメート結合を形成させることによって形成させることができるカルボニルリンカーを含んでもよい。これは、アノマー末端の第一級ヒドロキシル基への還元、必要に応じた、第一級ヒドロキシル基の保護/脱保護、CDIカルバメート中間体を形成させるための第一級ヒドロキシル基とCDIとの反応およびCDIカルバメート中間体と、タンパク質上のアミノ基とのカップリングを含んでもよい。
【0961】
1つまたは複数の実施形態では、本発明の血清型16F糖コンジュゲートは、還元的アミノ化を使用して調製される。還元的アミノ化は、2つのステップ:(1)個々の6糖単位中の隣接ジオールからアルデヒド官能基を生成するための多糖の酸化および(2)コンジュゲートを形成させるための活性化された多糖と担体タンパク質(例えば、CRM197)との還元を含む。
【0962】
ある実施形態では、酸化の前に、標的分子量(MW)範囲への血清型16F多糖のサイジングを実施する。有利には、精製された血清型16F多糖のサイズを、例えば、O-アセチル基の存在などの多糖の構造の重要な特徴を保存しながら、減少させる。ある実施形態では、精製された血清型16F多糖のサイズを、本明細書に記載の機械的ホモジェナイゼーションによって減少させる。
【0963】
ある実施形態では、血清型多糖は、
(a)単離された血清型16F多糖を、酸化剤と反応させるステップ;および
(b)クエンチング剤の添加によって酸化反応をクエンチングして、活性化された血清型16F多糖を得るステップ
を含むプロセスによって活性化(酸化)される。
【0964】
ある実施形態では、酸化剤は、過ヨウ素酸塩である。本発明の目的のために、用語「過ヨウ素酸塩」は、過ヨウ素酸塩と過ヨウ素酸の両方を含む;この用語はまた、メタ過ヨウ素酸塩(IO )とオルト過ヨウ素酸塩(IO 5-)の両方および過ヨウ素酸の様々な塩(例えば、過ヨウ素酸ナトリウムおよび過ヨウ素酸カリウム)も含む。ある実施形態では、酸化剤は、過ヨウ素酸ナトリウムである。ある実施形態では、血清型16F多糖の酸化のために使用される過ヨウ素酸塩は、メタ過ヨウ素酸塩である。別の実施形態では、血清型16F多糖の酸化のために使用される過ヨウ素酸塩は、メタ過ヨウ素酸ナトリウムである。
【0965】
一実施形態では、クエンチング剤は、隣接ジオール、1,2-アミノアルコール、アミノ酸、グルタチオン、亜硫酸塩、重硫酸塩、亜ジチオン酸塩、メタ重亜硫酸塩、チオ硫酸塩、亜リン酸塩、次亜リン酸塩または亜リン酸から選択される。
【0966】
一実施形態では、クエンチング剤は、式(I):
【0967】
【化8】
(式中、Rは、H、メチル、エチル、プロピルまたはイソプロピルから選択される)
の1,2-アミノアルコールである。
【0968】
一実施形態では、クエンチング剤は、亜硫酸塩、重硫酸塩、亜ジチオン酸塩、メタ重亜硫酸塩、チオ硫酸塩、亜リン酸塩、次亜リン酸塩または亜リン酸のナトリウムおよびカリウム塩から選択される。
【0969】
一実施形態では、クエンチング剤は、アミノ酸である。そのような実施形態では、前記アミノ酸を、セリン、トレオニン、システイン、シスチン、メチオニン、プロリン、ヒドロキシプロリン、トリプトファン、チロシン、およびヒスチジンから選択することができる。
【0970】
一実施形態では、クエンチング剤は、重硫酸塩、亜ジチオン酸塩、メタ重亜硫酸塩、チオ硫酸塩などの亜硫酸塩である。
【0971】
一実施形態では、クエンチング剤は、2つの隣接ヒドロキシル基(隣接ジオール)、すなわち、2個の隣接する炭素原子に共有的に連結された2個のヒドロキシル基を含む化合物である。
【0972】
1つまたは複数の実施形態では、クエンチング剤は、式(II):
【0973】
【化9】
(式中、RおよびRはそれぞれ独立にH、メチル、エチル、プロピルまたはイソプロピルから選択される)
の化合物である。
【0974】
ある実施形態では、クエンチング剤は、グリセロール、エチレングリコール、プロパン-1,2-ジオール、ブタン-1,2-ジオールまたはブタン-2,3-ジオール、またはアスコルビン酸である。ある実施形態では、クエンチング剤は、ブタン-2,3-ジオールである。
【0975】
別の実施形態では、単離された血清型16F多糖は、
(a)単離された血清型16F多糖と過ヨウ素酸塩とを反応させるステップ;および
(b)ブタン-2,3-ジオールの添加によって酸化反応をクエンチングして、活性化された血清型16F多糖を得るステップ
を含むプロセスによって活性化される。
【0976】
多糖の酸化ステップの後、多糖は活性化されると言われ、本明細書では「活性化された多糖」と称される。
【0977】
ある実施形態では、活性化された血清型16F多糖は、精製される。活性化された血清型16F多糖は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)、透析または限外濾過/透析濾過などの当業者に公知の方法に従って精製される。例えば、活性化された16F多糖は、限外濾過デバイスを使用する濃縮および透析濾過によって精製される。
【0978】
別の実施形態では、活性化された血清型16F多糖の酸化度は、2~30、2~25、2~20、2~15、2~10、2~5、5~30、5~25、5~20、5~15、5~10、10~30、10~25、10~20、10~15、15~30、15~25、15~20、20~30、または20~25である。ある実施形態では、活性化された血清型16F多糖の酸化度は、2~10、4~8、4~6、6~8、6~12、8~14、9~11、10~16、12~16、14~18、16~20、16~18、18~22、または18~20である。
【0979】
ある実施形態では、活性化された血清型16F多糖は、25kDa~1,000kDa、100kDa~1,000kDa、300kDa~800kDa、300kDa~700kDa、300kDa~600kDa、400kDa~1,000kDa、400kDa~800kDa、400kDa~700kDaまたは400kDa~600kDaの分子量を有する。ある実施形態では、活性化された血清型16F多糖は、300kDa~800kDaの分子量を有する。ある実施形態では、活性化された血清型16F多糖は、400kDa~600kDaの分子量を有する。別の実施形態では、活性化された血清型16F多糖は、400kDa~600kDaの分子量および10~25、10~20、12~20または14~18の酸化度を有する。別の実施形態では、活性化された血清型16F多糖は、400kDa~600kDaの分子量および10~20の酸化度を有する。
【0980】
別の実施形態では、活性化された血清型16F多糖は、血清型16F多糖1mMあたり少なくとも0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6もしくは0.7または約0.8mMのアセテートを含む。ある実施形態では、活性化された血清型16F多糖は、血清型16F多糖1mMあたり少なくとも0.5、0.6または0.7mMのアセテートを含む。別の実施形態では、活性化された血清型16F多糖は、血清型16F多糖1mMあたり少なくとも0.6mMのアセテートを含む。別の実施形態では、活性化された血清型16F多糖は、血清型16F多糖1mMあたり少なくとも0.7mMのアセテートを含む。
【0981】
ある実施形態では、活性化された血清型16F多糖は、400kDa~800kDaの分子量を有し、血清型16F多糖1mMあたり少なくとも0.6mMのアセテートを含む。
【0982】
ある実施形態では、活性化された血清型16F多糖は、400kDa~800kDaの分子量、12~20の酸化度を有し、血清型16F多糖1mMあたり少なくとも0.6mMのアセテートを含む。
【0983】
活性化された多糖および/または担体タンパク質を、独立に(個別凍結乾燥)または一緒に(同時凍結乾燥)、凍結乾燥(凍結-乾燥)することができる。
【0984】
別の実施形態では、活性化された血清型16F多糖を、必要に応じて、糖の存在下で凍結乾燥する。ある実施形態では、糖は、スクロース、トレハロース、ラフィノース、スタキオース、メレジトース、デキストラン、マンニトール、ラクチトールおよびパラチニットから選択される。ある実施形態では、糖は、スクロースである。一実施形態では、次いで、凍結乾燥された活性化された多糖を、担体タンパク質を含む溶液と混合する。
【0985】
別の実施形態では、活性化された多糖と、担体タンパク質とを同時凍結乾燥する。そのような実施形態では、活性化された血清型16F多糖を、担体タンパク質と混合し、必要に応じて、糖の存在下で凍結乾燥する。ある実施形態では、糖は、スクロース、トレハロース、ラフィノース、スタキオース、メレジトース、デキストラン、マンニトール、ラクチトールおよびパラチニットから選択される。ある実施形態では、糖は、スクロースである。次いで、同時凍結乾燥された多糖と担体タンパク質とを、溶液中に再懸濁し、還元剤と反応させることができる。
【0986】
コンジュゲーションプロセスの第2のステップは、還元剤を使用した、コンジュゲートを形成させるための活性化された多糖および担体タンパク質の還元(還元的アミノ化)である。
【0987】
活性化された血清型16F多糖を、
(c)活性化された血清型16F多糖と担体タンパク質とを混合するステップ;および
(d)混合された活性化された血清型16F多糖および担体タンパク質と、還元剤とを反応させて、血清型16F多糖-担体タンパク質コンジュゲートを形成させるステップ
を含むプロセスによって、担体タンパク質にコンジュゲートすることができる。
【0988】
ある実施形態では、還元反応は、水性溶媒中で実行される。別の実施形態では、反応は、非プロトン性溶媒中で実行される。ある実施形態では、還元反応は、DMSO(ジメチルスルホキシド)またはDMF(ジメチルホルムアミド)溶媒中で実行される。DMSOまたはDMF溶媒を使用して、凍結乾燥された活性化された多糖および担体タンパク質を再構成させることができる。
【0989】
ジメチルスルホキシド(DMSO)中での還元的アミノ化による活性化された血清型16F多糖と、タンパク質担体とのコンジュゲーションは、例えば、多糖のO-アセチル化のレベルが有意に低下し得る水相中での還元的アミノ化と比較して、多糖のO-アセチル含量を保持するのに好適である。したがって、1つまたは複数の実施形態では、ステップ(c)およびステップ(d)は、DMSO中で実行される。
【0990】
ある実施形態では、還元剤は、シアノ水素化ホウ素ナトリウム、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム、BronstedまたはLewis酸の存在下での水素化ホウ素ナトリウムまたは亜鉛、ピリジンボラン、2-ピコリンボラン、2,6-ジボラン-メタノール、ジメチルアミン-ボラン、t-BuMePrN-BH、ベンジルアミン-BHまたは5-エチル-2-メチルピリジンボラン(PEMB)などのアミンボランである。ある実施形態では、還元剤は、シアノ水素化ホウ素ナトリウムである。
【0991】
還元反応の終わりに、コンジュゲート中に残存する未反応のアルデヒド基があってもよく、これらのものを、好適なキャッピング剤を使用してキャップすることができる。一実施形態では、このキャッピング剤は、水素化ホウ素ナトリウム(NaBH)である。
【0992】
血清型16F多糖の担体タンパク質へのコンジュゲーション後、糖コンジュゲートを、当業者に公知の様々な技術によって精製する(多糖-タンパク質コンジュゲートの量に関して富化する)ことができる。これらの技術としては、透析、濃縮/透析濾過操作、接線流濾過沈降/溶出、カラムクロマトグラフィー(DEAEまたは疎水性相互作用クロマトグラフィー)、および深層濾過が挙げられる。
【0993】
一部の実施形態では、本発明の血清型16F糖コンジュゲートは、10kDa~2,000kDaの分子量を有する糖を含む。他のそのような実施形態では、糖は、50kDa~1,000kDaの分子量を有する。他のそのような実施形態では、糖は、70kDa~900kDaの分子量を有する。他のそのような実施形態では、糖は、100kDa~800kDaの分子量を有する。他のそのような実施形態では、糖は、200kDa~600kDaの分子量を有する。さらなるそのような実施形態では、糖は、100kDa~1000kDa;100kDa~900kDa;100kDa~800kDa;100kDa~700kDa;100kDa~600kDa;100kDa~500kDa;100kDa~400kDa;100kDa~300kDa;150kDa~1,000kDa;150kDa~900kDa;150kDa~800kDa;150kDa~700kDa;150kDa~600kDa;150kDa~500kDa;150kDa~400kDa;150kDa~300kDa;200kDa~1,000kDa;200kDa~900kDa;200kDa~800kDa;200kDa~700kDa;200kDa~600kDa;200kDa~500kDa;200kDa~400kDa;200kDa~300kDa;250kDa~1,000kDa;250kDa~900kDa;250kDa~800kDa;250kDa~700kDa;250kDa~600kDa;250kDa~500kDa;250kDa~400kDa;250kDa~350kDa;300kDa~1,000kDa;300kDa~900kDa;300kDa~800kDa;300kDa~700kDa;300kDa~600kDa;300kDa~500kDa;300kDa~400kDa;400kDa~1,000kDa;400kDa~900kDa;400kDa~800kDa;400kDa~700kDa;400kDa~600kDa;500kDa~600kDaの分子量を有する。上記の範囲のいずれかの中の任意の全整数が、本開示の実施形態として企図される。一部のそのような実施形態では、血清型16F糖コンジュゲートは、還元的アミノ化を使用して調製される。
【0994】
一部の実施形態では、本発明の血清型16F糖コンジュゲートは、400kDa~15,000kDa;500kDa~10,000kDa;2,000kDa~10,000kDa;3,000kDa~8,000kDa;または3,000kDa~5,000kDaの分子量を有する。他の実施形態では、血清型16F糖コンジュゲートは、500kDa~10,000kDaの分子量を有する。他の実施形態では、血清型16F糖コンジュゲートは、1,000kDa~8,000kDaの分子量を有する。さらに他の実施形態では、血清型16F糖コンジュゲートは、2,000kDa~8,000kDaまたは3,000kDa~7,000kDaの分子量を有する。さらなる実施形態では、本発明の血清型16F糖コンジュゲートは、200kDa~20,000kDa;200kDa~15,000kDa;200kDa~10,000kDa;200kDa~7,500kDa;200kDa~5,000kDa;200kDa~3,000kDa;200kDa~1,000kDa;500kDa~20,000kDa;500kDa~15,000kDa;500kDa~12,500kDa;500kDa~10,000kDa;500kDa~7,500kDa;500kDa~6,000kDa;500kDa~5,000kDa;500kDa~4,000kDa;500kDa~3,000kDa;500kDa~2,000kDa;500kDa~1,500kDa;500kDa~1,000kDa;750kDa~20,000kDa;750kDa~15,000kDa;750kDa~12,500kDa;750kDa~10,000kDa;750kDa~7,500kDa;750kDa~6,000kDa;750kDa~5,000kDa;750kDa~4,000kDa;750kDa~3,000kDa;750kDa~2,000kDa;750kDa~1,500kDa;1,000kDa~15,000kDa;1,000kDa~12,500kDa;1,000kDa~10,000kDa;1,000kDa~7,500kDa;1,000kDa~6,000kDa;1,000kDa~5,000kDa;1,000kDa~4,000kDa;1,000kDa~2,500kDa;2,000kDa~15,000kDa;2,000kDa~12,500kDa;2,000kDa~10,000kDa;2,000kDa~7,500kDa;2,000kDa~6,000kDa;2,000kDa~5,000kDa;2,000kDa~4,000kDa;または2,000kDa~3,000kDaの分子量を有する。
【0995】
さらなる実施形態では、本発明の血清型16F糖コンジュゲートは、3,000kDa~20,000kDa;3,000kDa~15,000kDa;3,000kDa~10,000kDa;3,000kDa~7,500kDa;3,000kDa~5,000kDa;4,000kDa~20,000kDa;4,000kDa~15,000kDa;4,000kDa~12,500kDa;4,000kDa~10,000kDa;4,000kDa~7,500kDa;4,000kDa~6,000kDa;または4,000kDa~5,000kDaの分子量を有する。
【0996】
さらなる実施形態では、本発明の血清型16F糖コンジュゲートは、5,000kDa~20,000kDa;5,000kDa~15,000kDa;5,000kDa~10,000kDa;5,000kDa~7,500kDa;6,000kDa~20,000kDa;6,000kDa~15,000kDa;6,000kDa~12,500kDa;6,000kDa~10,000kDaまたは6,000kDa~7,500kDaの分子量を有する。
【0997】
糖コンジュゲートの分子量は、SEC-MALLSによって測定される。上記の範囲のいずれかの中の任意の全整数が、本開示の実施形態として企図される。
【0998】
ある実施形態では、本発明の血清型16F糖コンジュゲートは、血清型16F多糖1mMあたり少なくとも0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6もしくは0.7または約0.8mMのアセテートを含む。ある実施形態では、糖コンジュゲートは、血清型16F多糖1mMあたり少なくとも0.5、0.6または0.7mMのアセテートを含む。ある実施形態では、糖コンジュゲートは、血清型16F多糖1mMあたり少なくとも0.6mMのアセテートを含む。別の実施形態では、糖コンジュゲートは、血清型16F多糖1mMあたり少なくとも0.7mMのアセテートを含む。
【0999】
別の実施形態では、糖コンジュゲート中の血清型16F多糖1mMあたりのアセテートのmMの、単離された多糖中の血清型16F多糖1mMあたりのアセテートのmMに対する比は、少なくとも0.6、0.65、0.7、0.75、0.8、0.85、0.9または0.95である。ある実施形態では、糖コンジュゲート中の血清型16F多糖1mMあたりのアセテートのmMの、単離された多糖中の血清型16F多糖1mMあたりのアセテートのmMに対する比は、少なくとも0.7である。別の実施形態では、糖コンジュゲート中の血清型16F多糖1mMあたりのアセテートのmMの、単離された多糖中の血清型16F多糖1mMあたりのアセテートのmMに対する比は、少なくとも0.9である。
【1000】
ある実施形態では、糖コンジュゲート中の血清型16F多糖1mMあたりのアセテートのmMの、活性化された多糖中の血清型16F多糖1mMあたりのアセテートのmMに対する比は、少なくとも0.6、0.65、0.7、0.75、0.8、0.85、0.9または0.95である。ある実施形態では、糖コンジュゲート中の血清型16F多糖1mMあたりのアセテートのmMの、活性化された多糖中の血清型16F多糖1mMあたりのアセテートのmMに対する比は、少なくとも0.7である。別の実施形態では、糖コンジュゲート中の血清型16F多糖1mMあたりのアセテートのmMの、活性化された多糖中の血清型16F多糖1mMあたりのアセテートのmMに対する比は、少なくとも0.9である。
【1001】
本発明の血清型16F糖コンジュゲートを特徴付けるための別の方法は、コンジュゲートされたリシンの範囲(コンジュゲーション度)として特徴付けることができる、糖にコンジュゲートされるようになる担体タンパク質(例えば、CRM197)中のリシン残基の数によるものである。多糖への共有結合に起因する、担体タンパク質のリシン修飾に関する証拠を、当業者に公知の日常的な方法を使用するアミノ酸分析によって得ることができる。コンジュゲーションは、コンジュゲート材料を生成するために使用されるCRM197タンパク質出発材料と比較して、回収されるリシン残基数の減少をもたらす。ある実施形態では、本発明の血清型16F糖コンジュゲートのコンジュゲーション度は、2~15、2~13、2~10、2~8、2~6、2~5、2~4、3~15、3~13、3~10、3~8、3~6、3~5、3~4、5~15、5~10、8~15、8~12、10~15または10~12である。ある実施形態では、本発明の血清型16F糖コンジュゲートのコンジュゲーション度は、約2、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9、約10、約11、約12、約13、約14または約15である。ある実施形態では、本発明の血清型16F糖コンジュゲートのコンジュゲーション度は、4~7である。一部のそのような実施形態では、担体タンパク質は、CRM197である。
【1002】
本発明の血清型16F糖コンジュゲートを、糖の担体タンパク質に対する比(重量/重量)によって特徴付けることもできる。一部の実施形態では、糖コンジュゲート中の血清型16F多糖の担体タンパク質に対する比(w/w)は、0.5~3.0(例えば、約0.5、約0.6、約0.7、約0.8、約0.9、約1.0、約1.1、約1.2、約1.3、約1.4、約1.5、約1.6、約1.7、約1.8、約1.9、約2.0、約2.1、約2.2、約2.3、約2.4、約2.5、約2.6、約2.7、約2.8、約2.9、または約3.0)である。他の実施形態では、糖の担体タンパク質に対する比(w/w)は、0.5~2.0、0.5~1.5、0.8~1.2、0.5~1.0、1.0~1.5または1.0~2.0である。さらなる実施形態では、糖の担体タンパク質に対する比(w/w)は、0.8~1.2である。ある実施形態では、コンジュゲート中の血清型16F莢膜多糖の担体タンパク質に対する比は、0.9~1.1である。一部のそのような実施形態では、担体タンパク質は、CRM197である。
【1003】
本発明の血清型16F糖コンジュゲートおよび免疫原性組成物は、担体タンパク質に共有的にコンジュゲートされていないが、それにも拘わらず、糖コンジュゲート組成物中に存在する遊離糖を含有してもよい。遊離糖は、糖コンジュゲートと非共有的に会合していてもよい(すなわち、非共有的に結合する、吸着する、またはその中に、もしくはそれと共に捕捉される)。
【1004】
ある実施形態では、血清型16F糖コンジュゲートは、血清型16F多糖の総量と比較して、約50%、45%、40%、35%、30%、25%、20%または15%未満の遊離血清型16F多糖を含む。別の実施形態では、血清型16F糖コンジュゲートは、血清型16F多糖の総量と比較して、約40%未満の遊離血清型16F多糖を含む。ある実施形態では、血清型16F糖コンジュゲートは、血清型16F多糖の総量と比較して、約25%未満の遊離血清型16F多糖を含む。ある実施形態では、血清型16F糖コンジュゲートは、血清型16F多糖の総量と比較して、約20%未満の遊離血清型16F多糖を含む。別の実施形態では、血清型16F糖コンジュゲートは、血清型16F多糖の総量と比較して、約15%未満の遊離血清型16F多糖を含む。
【1005】
血清型16F糖コンジュゲートを、その分子サイズ分布(K)によって特徴付けることもできる。サイズ排除クロマトグラフィー媒体(CL-4B)を使用して、コンジュゲートの相対分子サイズ分布を決定することができる。サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)は、コンジュゲートの分子サイズ分布をプロファイリングするために重力送りのカラム中で使用される。媒体中の小孔から排除される大きい分子は、小さい分子よりも迅速に溶出する。画分収集装置を使用して、カラム溶出液を収集する。画分を、糖アッセイによる比色分析で試験する。Kの決定のために、分子が完全に排除される画分(V)、(K=0)、および最大保持を示す画分(V)、(K=1)を確立するために、カラムを較正する。特定の試料属性に達する画分(V)を、式K=(V-V)/(V-V)によってKと関連付ける。
【1006】
ある実施形態では、血清型16F糖コンジュゲートの少なくとも30%が、CL-4Bカラム中で0.3より低い、またはそれに等しいKを有する。別の実施形態では、糖コンジュゲートの少なくとも40%が、CL-4Bカラム中で0.3より低い、またはそれに等しいKを有する。別の実施形態では、血清型16F糖コンジュゲートの少なくとも45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、または85%が、CL-4Bカラム中で、0.3より低い、またはそれに等しいKを有する。ある実施形態では、血清型16F糖コンジュゲートの少なくとも60%が、CL-4Bカラム中で0.3より低い、またはそれに等しいKを有する。別の実施形態では、血清型16F糖コンジュゲートの50%~80%が、CL-4Bカラム中で0.3より低い、またはそれに等しいKを有する。ある実施形態では、血清型16F糖コンジュゲートの65%~80%が、CL-4Bカラム中で0.3より低い、またはそれに等しいKを有する。
【1007】
1.3.9 肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型17F由来の糖コンジュゲート
ある実施形態では、血清型17F糖コンジュゲートは、1-シアノ-4-ジメチルアミノピリジニウムテトラフルオロホウ酸(CDAP)を用いて多糖を活性化して、シアン酸エステルを形成させることによって得られる。活性化された糖を、担体タンパク質上のアミノ基に直接的に、またはスペーサー(リンカー)基を介してカップリングすることができる。例えば、スペーサーは、マレイミド活性化担体タンパク質(例えば、GMBSを使用する)またはハロアセチル化担体タンパク質(例えば、ヨードアセトイミド、SIB、SIAB、スルホ-SIAB、SIA、もしくはSBAPを使用する)との反応後に得られるチオエーテル結合を介して担体にカップリングすることができるチオール化多糖を得るためのシスタミンまたはシステアミンであってもよい。好ましくは、シアン酸エステル(CDAP化学によって作製されてもよい)は、ヘキサンジアミンまたはアジピン酸ジヒドラジド(ADH)とカップリングされ、アミノ誘導体化された糖は、タンパク質担体上のカルボキシル基を介してカルボジイミド(例えば、EDACまたはEDC)化学を使用して担体タンパク質にコンジュゲートされる。そのようなコンジュゲートは、例えば、WO93/15760、WO95/08348およびWO96/129094に記載されている。
【1008】
他の好適な技術は、カルボジイミド、ヒドラジド、活性エステル、ノルボラン、p-ニトロ安息香酸、N-ヒドロキシスクシンイミド、S-NHS、EDC、TSTUを使用する。多くは、国際特許出願公開番号WO98/42721に記載されている。コンジュゲーションは、糖の遊離ヒドロキシル基と、CDIとの反応(Bethellら(1979)J.Biol.Chem.254:2572~2574;Hearnら(1981)J.Chromatogr.218:509~518を参照されたい)、次いで、タンパク質と反応させてカルバメート結合を形成させることによって形成させることができるカルボニルリンカーを含んでもよい。これは、アノマー末端の第一級ヒドロキシル基への還元、必要に応じた、第一級ヒドロキシル基の保護/脱保護、CDIカルバメート中間体を形成させるための第一級ヒドロキシル基とCDIとの反応およびCDIカルバメート中間体と、タンパク質上のアミノ基とのカップリングを含んでもよい。
【1009】
1つまたは複数の実施形態では、本発明の血清型17F糖コンジュゲートは、還元的アミノ化を使用して調製される。還元的アミノ化は、2つのステップ:(1)個々の6糖単位中の隣接ジオールからアルデヒド官能基を生成するための多糖の酸化および(2)コンジュゲートを形成させるための活性化された多糖と担体タンパク質(例えば、CRM197)との還元を含む。
【1010】
ある実施形態では、酸化の前に、標的分子量(MW)範囲への血清型17F多糖のサイジングを実施する。有利には、精製された血清型17F多糖のサイズを、例えば、O-アセチル基の存在などの多糖の構造の重要な特徴を保存しながら、減少させる。ある実施形態では、精製された血清型17F多糖のサイズを、本明細書に記載の機械的ホモジェナイゼーションによって減少させる。
【1011】
ある実施形態では、血清型多糖は、
(a)単離された血清型17F多糖を、酸化剤と反応させるステップ;および
(b)クエンチング剤の添加によって酸化反応をクエンチングして、活性化された血清型17F多糖を得るステップ
を含むプロセスによって活性化(酸化)される。
【1012】
ある実施形態では、酸化剤は、過ヨウ素酸塩である。本発明の目的のために、用語「過ヨウ素酸塩」は、過ヨウ素酸塩と過ヨウ素酸の両方を含む;この用語はまた、メタ過ヨウ素酸塩(IO )とオルト過ヨウ素酸塩(IO 5-)の両方および過ヨウ素酸の様々な塩(例えば、過ヨウ素酸ナトリウムおよび過ヨウ素酸カリウム)も含む。ある実施形態では、酸化剤は、過ヨウ素酸ナトリウムである。ある実施形態では、血清型17F多糖の酸化のために使用される過ヨウ素酸塩は、メタ過ヨウ素酸塩である。別の実施形態では、血清型17F多糖の酸化のために使用される過ヨウ素酸塩は、メタ過ヨウ素酸ナトリウムである。
【1013】
一実施形態では、クエンチング剤は、隣接ジオール、1,2-アミノアルコール、アミノ酸、グルタチオン、亜硫酸塩、重硫酸塩、亜ジチオン酸塩、メタ重亜硫酸塩、チオ硫酸塩、亜リン酸塩、次亜リン酸塩または亜リン酸から選択される。
【1014】
一実施形態では、クエンチング剤は、式(I):
【1015】
【化10】
(式中、Rは、H、メチル、エチル、プロピルまたはイソプロピルから選択される)
の1,2-アミノアルコールである。
【1016】
一実施形態では、クエンチング剤は、亜硫酸塩、重硫酸塩、亜ジチオン酸塩、メタ重亜硫酸塩、チオ硫酸塩、亜リン酸塩、次亜リン酸塩または亜リン酸のナトリウムおよびカリウム塩から選択される。
【1017】
一実施形態では、クエンチング剤は、アミノ酸である。そのような実施形態では、前記アミノ酸を、セリン、トレオニン、システイン、シスチン、メチオニン、プロリン、ヒドロキシプロリン、トリプトファン、チロシン、およびヒスチジンから選択することができる。
【1018】
一実施形態では、クエンチング剤は、重硫酸塩、亜ジチオン酸塩、メタ重亜硫酸塩、チオ硫酸塩などの亜硫酸塩である。
【1019】
一実施形態では、クエンチング剤は、2つの隣接ヒドロキシル基(隣接ジオール)、すなわち、2個の隣接する炭素原子に共有的に連結された2個のヒドロキシル基を含む化合物である。
【1020】
1つまたは複数の実施形態では、クエンチング剤は、式(II):
【1021】
【化11】
(式中、RおよびRはそれぞれ独立にH、メチル、エチル、プロピルまたはイソプロピルから選択される)
の化合物である。
【1022】
ある実施形態では、クエンチング剤は、グリセロール、エチレングリコール、プロパン-1,2-ジオール、ブタン-1,2-ジオールまたはブタン-2,3-ジオール、またはアスコルビン酸である。ある実施形態では、クエンチング剤は、ブタン-2,3-ジオールである。
【1023】
別の実施形態では、単離された血清型17F多糖は、
(a)単離された血清型17F多糖と過ヨウ素酸塩とを反応させるステップ;および
(b)ブタン-2,3-ジオールの添加によって酸化反応をクエンチングして、活性化された血清型17F多糖を得るステップ
を含むプロセスによって活性化される。
【1024】
多糖の酸化ステップの後、多糖は活性化されると言われ、本明細書では「活性化された多糖」と称される。
【1025】
ある実施形態では、活性化された血清型17F多糖は、精製される。活性化された血清型17F多糖は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)、透析または限外濾過/透析濾過などの当業者に公知の方法に従って精製される。例えば、活性化された17F多糖は、限外濾過デバイスを使用する濃縮および透析濾過によって精製される。
【1026】
別の実施形態では、活性化された血清型17F多糖の酸化度は、2~30、2~25、2~20、2~15、2~10、2~5、5~30、5~25、5~20、5~15、5~10、10~30、10~25、10~20、10~15、15~30、15~25、15~20、20~30、または20~25である。ある実施形態では、活性化された血清型17F多糖の酸化度は、2~10、4~8、4~6、6~8、6~12、8~14、9~11、10~16、12~16、14~18、16~20、16~18、18~22、または18~20である。
【1027】
ある実施形態では、活性化された血清型17F多糖は、25kDa~1,000kDa、100kDa~1,000kDa、300kDa~800kDa、300kDa~700kDa、300kDa~600kDa、400kDa~1,000kDa、400kDa~800kDa、400kDa~700kDaまたは400kDa~600kDaの分子量を有する。ある実施形態では、活性化された血清型17F多糖は、300kDa~800kDaの分子量を有する。ある実施形態では、活性化された血清型17F多糖は、400kDa~600kDaの分子量を有する。別の実施形態では、活性化された血清型17F多糖は、400kDa~600kDaの分子量および10~25、10~20、12~20または14~18の酸化度を有する。別の実施形態では、活性化された血清型17F多糖は、400kDa~600kDaの分子量および10~20の酸化度を有する。
【1028】
別の実施形態では、活性化された血清型17F多糖は、血清型17F多糖1mMあたり少なくとも0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6もしくは0.7または約0.8mMのアセテートを含む。ある実施形態では、活性化された血清型17F多糖は、血清型17F多糖1mMあたり少なくとも0.5、0.6または0.7mMのアセテートを含む。別の実施形態では、活性化された血清型17F多糖は、血清型17F多糖1mMあたり少なくとも0.6mMのアセテートを含む。別の実施形態では、活性化された血清型17F多糖は、血清型17F多糖1mMあたり少なくとも0.7mMのアセテートを含む。
【1029】
ある実施形態では、活性化された血清型17F多糖は、400kDa~800kDaの分子量を有し、血清型17F多糖1mMあたり少なくとも0.6mMのアセテートを含む。
【1030】
ある実施形態では、活性化された血清型17F多糖は、400kDa~800kDaの分子量、12~20の酸化度を有し、血清型17F多糖1mMあたり少なくとも0.6mMのアセテートを含む。
【1031】
活性化された多糖および/または担体タンパク質を、独立に(個別凍結乾燥)または一緒に(同時凍結乾燥)、凍結乾燥(凍結-乾燥)することができる。
【1032】
別の実施形態では、活性化された血清型17F多糖を、必要に応じて、糖の存在下で凍結乾燥する。ある実施形態では、糖は、スクロース、トレハロース、ラフィノース、スタキオース、メレジトース、デキストラン、マンニトール、ラクチトールおよびパラチニットから選択される。ある実施形態では、糖は、スクロースである。一実施形態では、次いで、凍結乾燥された活性化された多糖を、担体タンパク質を含む溶液と混合する。
【1033】
別の実施形態では、活性化された多糖と、担体タンパク質とを同時凍結乾燥する。そのような実施形態では、活性化された血清型17F多糖を、担体タンパク質と混合し、必要に応じて、糖の存在下で凍結乾燥する。ある実施形態では、糖は、スクロース、トレハロース、ラフィノース、スタキオース、メレジトース、デキストラン、マンニトール、ラクチトールおよびパラチニットから選択される。ある実施形態では、糖は、スクロースである。次いで、同時凍結乾燥された多糖と担体タンパク質とを、溶液中に再懸濁し、還元剤と反応させることができる。
【1034】
コンジュゲーションプロセスの第2のステップは、還元剤を使用した、コンジュゲートを形成させるための活性化された多糖および担体タンパク質の還元(還元的アミノ化)である。
【1035】
活性化された血清型17F多糖を、
(c)活性化された血清型17F多糖と担体タンパク質とを混合するステップ;および
(d)混合された活性化された血清型17F多糖および担体タンパク質と、還元剤とを反応させて、血清型17F多糖-担体タンパク質コンジュゲートを形成させるステップ
を含むプロセスによって、担体タンパク質にコンジュゲートすることができる。
【1036】
ある実施形態では、還元反応は、水性溶媒中で実行される。別の実施形態では、反応は、非プロトン性溶媒中で実行される。ある実施形態では、還元反応は、DMSO(ジメチルスルホキシド)またはDMF(ジメチルホルムアミド)溶媒中で実行される。DMSOまたはDMF溶媒を使用して、凍結乾燥された活性化された多糖および担体タンパク質を再構成させることができる。
【1037】
ジメチルスルホキシド(DMSO)中での還元的アミノ化による活性化された血清型17F多糖と、タンパク質担体とのコンジュゲーションは、例えば、多糖のO-アセチル化のレベルが有意に低下し得る水相中での還元的アミノ化と比較して、多糖のO-アセチル含量を保持するのに好適である。したがって、1つまたは複数の実施形態では、ステップ(c)およびステップ(d)は、DMSO中で実行される。
【1038】
ある実施形態では、還元剤は、シアノ水素化ホウ素ナトリウム、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム、BronstedまたはLewis酸の存在下での水素化ホウ素ナトリウムまたは亜鉛、ピリジンボラン、2-ピコリンボラン、2,6-ジボラン-メタノール、ジメチルアミン-ボラン、t-BuMePrN-BH、ベンジルアミン-BHまたは5-エチル-2-メチルピリジンボラン(PEMB)などのアミンボランである。ある実施形態では、還元剤は、シアノ水素化ホウ素ナトリウムである。
【1039】
還元反応の終わりに、コンジュゲート中に残存する未反応のアルデヒド基があってもよく、これらのものを、好適なキャッピング剤を使用してキャップすることができる。一実施形態では、このキャッピング剤は、水素化ホウ素ナトリウム(NaBH)である。
【1040】
血清型17F多糖の担体タンパク質へのコンジュゲーション後、糖コンジュゲートを、当業者に公知の様々な技術によって精製する(多糖-タンパク質コンジュゲートの量に関して富化する)ことができる。これらの技術としては、透析、濃縮/透析濾過操作、接線流濾過沈降/溶出、カラムクロマトグラフィー(DEAEまたは疎水性相互作用クロマトグラフィー)、および深層濾過が挙げられる。
【1041】
一部の実施形態では、本発明の血清型17F糖コンジュゲートは、10kDa~2,000kDaの分子量を有する糖を含む。他のそのような実施形態では、糖は、50kDa~1,000kDaの分子量を有する。他のそのような実施形態では、糖は、70kDa~900kDaの分子量を有する。他のそのような実施形態では、糖は、100kDa~800kDaの分子量を有する。他のそのような実施形態では、糖は、200kDa~600kDaの分子量を有する。さらなるそのような実施形態では、糖は、100kDa~1000kDa;100kDa~900kDa;100kDa~800kDa;100kDa~700kDa;100kDa~600kDa;100kDa~500kDa;100kDa~400kDa;100kDa~300kDa;150kDa~1,000kDa;150kDa~900kDa;150kDa~800kDa;150kDa~700kDa;150kDa~600kDa;150kDa~500kDa;150kDa~400kDa;150kDa~300kDa;200kDa~1,000kDa;200kDa~900kDa;200kDa~800kDa;200kDa~700kDa;200kDa~600kDa;200kDa~500kDa;200kDa~400kDa;200kDa~300kDa;250kDa~1,000kDa;250kDa~900kDa;250kDa~800kDa;250kDa~700kDa;250kDa~600kDa;250kDa~500kDa;250kDa~400kDa;250kDa~350kDa;300kDa~1,000kDa;300kDa~900kDa;300kDa~800kDa;300kDa~700kDa;300kDa~600kDa;300kDa~500kDa;300kDa~400kDa;400kDa~1,000kDa;400kDa~900kDa;400kDa~800kDa;400kDa~700kDa;400kDa~600kDa;500kDa~600kDaの分子量を有する。上記の範囲のいずれかの中の任意の全整数が、本開示の実施形態として企図される。一部のそのような実施形態では、血清型6C、7C、9N、15A、15B、15C、16F、17F、20、23A、23B、31、34、35B、35Fおよび/または38糖コンジュゲートは、還元的アミノ化を使用して調製される。
【1042】
一部の実施形態では、本発明の血清型17F糖コンジュゲートは、400kDa~15,000kDa;500kDa~10,000kDa;2,000kDa~10,000kDa;3,000kDa~8,000kDa;または3,000kDa~5,000kDaの分子量を有する。他の実施形態では、血清型17F糖コンジュゲートは、500kDa~10,000kDaの分子量を有する。他の実施形態では、血清型17F糖コンジュゲートは、1,000kDa~8,000kDaの分子量を有する。さらに他の実施形態では、血清型17F糖コンジュゲートは、2,000kDa~8,000kDaまたは3,000kDa~7,000kDaの分子量を有する。さらなる実施形態では、本発明の血清型17F糖コンジュゲートは、200kDa~20,000kDa;200kDa~15,000kDa;200kDa~10,000kDa;200kDa~7,500kDa;200kDa~5,000kDa;200kDa~3,000kDa;200kDa~1,000kDa;500kDa~20,000kDa;500kDa~15,000kDa;500kDa~12,500kDa;500kDa~10,000kDa;500kDa~7,500kDa;500kDa~6,000kDa;500kDa~5,000kDa;500kDa~4,000kDa;500kDa~3,000kDa;500kDa~2,000kDa;500kDa~1,500kDa;500kDa~1,000kDa;750kDa~20,000kDa;750kDa~15,000kDa;750kDa~12,500kDa;750kDa~10,000kDa;750kDa~7,500kDa;750kDa~6,000kDa;750kDa~5,000kDa;750kDa~4,000kDa;750kDa~3,000kDa;750kDa~2,000kDa;750kDa~1,500kDa;1,000kDa~15,000kDa;1,000kDa~12,500kDa;1,000kDa~10,000kDa;1,000kDa~7,500kDa;1,000kDa~6,000kDa;1,000kDa~5,000kDa;1,000kDa~4,000kDa;1,000kDa~2,500kDa;2,000kDa~15,000kDa;2,000kDa~12,500kDa;2,000kDa~10,000kDa;2,000kDa~7,500kDa;2,000kDa~6,000kDa;2,000kDa~5,000kDa;2,000kDa~4,000kDa;または2,000kDa~3,000kDaの分子量を有する。
【1043】
さらなる実施形態では、本発明の血清型17F糖コンジュゲートは、3,000kDa~20,000kDa;3,000kDa~15,000kDa;3,000kDa~10,000kDa;3,000kDa~7,500kDa;3,000kDa~5,000kDa;4,000kDa~20,000kDa;4,000kDa~15,000kDa;4,000kDa~12,500kDa;4,000kDa~10,000kDa;4,000kDa~7,500kDa;4,000kDa~6,000kDa;または4,000kDa~5,000kDaの分子量を有する。
【1044】
さらなる実施形態では、本発明の血清型17F糖コンジュゲートは、5,000kDa~20,000kDa;5,000kDa~15,000kDa;5,000kDa~10,000kDa;5,000kDa~7,500kDa;6,000kDa~20,000kDa;6,000kDa~15,000kDa;6,000kDa~12,500kDa;6,000kDa~10,000kDaまたは6,000kDa~7,500kDaの分子量を有する。
【1045】
糖コンジュゲートの分子量は、SEC-MALLSによって測定される。上記の範囲のいずれかの中の任意の全整数が、本開示の実施形態として企図される。
【1046】
ある実施形態では、本発明の血清型17F糖コンジュゲートは、血清型17F多糖1mMあたり少なくとも0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6もしくは0.7または約0.8mMのアセテートを含む。ある実施形態では、糖コンジュゲートは、血清型17F多糖1mMあたり少なくとも0.5、0.6または0.7mMのアセテートを含む。ある実施形態では、糖コンジュゲートは、血清型17F多糖1mMあたり少なくとも0.6mMのアセテートを含む。別の実施形態では、糖コンジュゲートは、血清型17F多糖1mMあたり少なくとも0.7mMのアセテートを含む。
【1047】
別の実施形態では、糖コンジュゲート中の血清型17F多糖1mMあたりのアセテートのmMの、単離された多糖中の血清型17F多糖1mMあたりのアセテートのmMに対する比は、少なくとも0.6、0.65、0.7、0.75、0.8、0.85、0.9または0.95である。ある実施形態では、糖コンジュゲート中の血清型17F多糖1mMあたりのアセテートのmMの、単離された多糖中の血清型17F多糖1mMあたりのアセテートのmMに対する比は、少なくとも0.7である。別の実施形態では、糖コンジュゲート中の血清型17F多糖1mMあたりのアセテートのmMの、単離された多糖中の血清型17F多糖1mMあたりのアセテートのmMに対する比は、少なくとも0.9である。
【1048】
ある実施形態では、糖コンジュゲート中の血清型17F多糖1mMあたりのアセテートのmMの、活性化された多糖中の血清型17F多糖1mMあたりのアセテートのmMに対する比は、少なくとも0.6、0.65、0.7、0.75、0.8、0.85、0.9または0.95である。ある実施形態では、糖コンジュゲート中の血清型17F多糖1mMあたりのアセテートのmMの、活性化された多糖中の血清型17F多糖1mMあたりのアセテートのmMに対する比は、少なくとも0.7である。別の実施形態では、糖コンジュゲート中の血清型17F多糖1mMあたりのアセテートのmMの、活性化された多糖中の血清型17F多糖1mMあたりのアセテートのmMに対する比は、少なくとも0.9である。
【1049】
本発明の血清型17F糖コンジュゲートを特徴付けるための別の方法は、コンジュゲートされたリシンの範囲(コンジュゲーション度)として特徴付けることができる、糖にコンジュゲートされるようになる担体タンパク質(例えば、CRM197)中のリシン残基の数によるものである。多糖への共有結合に起因する、担体タンパク質のリシン修飾に関する証拠を、当業者に公知の日常的な方法を使用するアミノ酸分析によって得ることができる。コンジュゲーションは、コンジュゲート材料を生成するために使用されるCRM197タンパク質出発材料と比較して、回収されるリシン残基数の減少をもたらす。ある実施形態では、本発明の血清型17F糖コンジュゲートのコンジュゲーション度は、2~15、2~13、2~10、2~8、2~6、2~5、2~4、3~15、3~13、3~10、3~8、3~6、3~5、3~4、5~15、5~10、8~15、8~12、10~15または10~12である。ある実施形態では、本発明の血清型17F糖コンジュゲートのコンジュゲーション度は、約2、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9、約10、約11、約12、約13、約14または約15である。ある実施形態では、本発明の血清型17F糖コンジュゲートのコンジュゲーション度は、4~7である。一部のそのような実施形態では、担体タンパク質は、CRM197である。
【1050】
本発明の血清型17F糖コンジュゲートを、糖の担体タンパク質に対する比(重量/重量)によって特徴付けることもできる。一部の実施形態では、糖コンジュゲート中の血清型17F多糖の担体タンパク質に対する比(w/w)は、0.5~3.0(例えば、約0.5、約0.6、約0.7、約0.8、約0.9、約1.0、約1.1、約1.2、約1.3、約1.4、約1.5、約1.6、約1.7、約1.8、約1.9、約2.0、約2.1、約2.2、約2.3、約2.4、約2.5、約2.6、約2.7、約2.8、約2.9、または約3.0)である。他の実施形態では、糖の担体タンパク質に対する比(w/w)は、0.5~2.0、0.5~1.5、0.8~1.2、0.5~1.0、1.0~1.5または1.0~2.0である。さらなる実施形態では、糖の担体タンパク質に対する比(w/w)は、0.8~1.2である。ある実施形態では、コンジュゲート中の血清型17F莢膜多糖の担体タンパク質に対する比は、0.9~1.1である。一部のそのような実施形態では、担体タンパク質は、CRM197である。
【1051】
本発明の血清型17F糖コンジュゲートおよび免疫原性組成物は、担体タンパク質に共有的にコンジュゲートされていないが、それにも拘わらず、糖コンジュゲート組成物中に存在する遊離糖を含有してもよい。遊離糖は、糖コンジュゲートと非共有的に会合していてもよい(すなわち、非共有的に結合する、吸着する、またはその中に、もしくはそれと共に捕捉される)。
【1052】
ある実施形態では、血清型17F糖コンジュゲートは、血清型17F多糖の総量と比較して、約50%、45%、40%、35%、30%、25%、20%または15%未満の遊離血清型17F多糖を含む。別の実施形態では、血清型17F糖コンジュゲートは、血清型17F多糖の総量と比較して、約40%未満の遊離血清型17F多糖を含む。ある実施形態では、血清型17F糖コンジュゲートは、血清型17F多糖の総量と比較して、約25%未満の遊離血清型17F多糖を含む。ある実施形態では、血清型17F糖コンジュゲートは、血清型17F多糖の総量と比較して、約20%未満の遊離血清型17F多糖を含む。別の実施形態では、血清型17F糖コンジュゲートは、血清型17F多糖の総量と比較して、約15%未満の遊離血清型17F多糖を含む。
【1053】
血清型17F糖コンジュゲートを、その分子サイズ分布(K)によって特徴付けることもできる。サイズ排除クロマトグラフィー媒体(CL-4B)を使用して、コンジュゲートの相対分子サイズ分布を決定することができる。サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)は、コンジュゲートの分子サイズ分布をプロファイリングするために重力送りのカラム中で使用される。媒体中の小孔から排除される大きい分子は、小さい分子よりも迅速に溶出する。画分収集装置を使用して、カラム溶出液を収集する。画分を、糖アッセイによる比色分析で試験する。Kの決定のために、分子が完全に排除される画分(V)、(K=0)、および最大保持を示す画分(V)、(K=1)を確立するために、カラムを較正する。特定の試料属性に達する画分(V)を、式K=(V-V)/(V-V)によってKと関連付ける。
【1054】
ある実施形態では、血清型17F糖コンジュゲートの少なくとも30%が、CL-4Bカラム中で0.3より低い、またはそれに等しいKを有する。別の実施形態では、糖コンジュゲートの少なくとも40%が、CL-4Bカラム中で0.3より低い、またはそれに等しいKを有する。別の実施形態では、血清型17F糖コンジュゲートの少なくとも45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、または85%が、CL-4Bカラム中で、0.3より低い、またはそれに等しいKを有する。ある実施形態では、血清型17F糖コンジュゲートの少なくとも60%が、CL-4Bカラム中で0.3より低い、またはそれに等しいKを有する。別の実施形態では、血清型17F糖コンジュゲートの50%~80%が、CL-4Bカラム中で0.3より低い、またはそれに等しいKを有する。ある実施形態では、血清型17F糖コンジュゲートの65%~80%が、CL-4Bカラム中で0.3より低い、またはそれに等しいKを有する。
【1055】
1.3.10 肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型20由来の糖コンジュゲート
ある実施形態では、血清型20糖コンジュゲートは、1-シアノ-4-ジメチルアミノピリジニウムテトラフルオロホウ酸(CDAP)を用いて多糖を活性化して、シアン酸エステルを形成させることによって得られる。活性化された糖を、担体タンパク質上のアミノ基に直接的に、またはスペーサー(リンカー)基を介してカップリングすることができる。例えば、スペーサーは、マレイミド活性化担体タンパク質(例えば、GMBSを使用する)またはハロアセチル化担体タンパク質(例えば、ヨードアセトイミド、SIB、SIAB、スルホ-SIAB、SIA、もしくはSBAPを使用する)との反応後に得られるチオエーテル結合を介して担体にカップリングすることができるチオール化多糖を得るためのシスタミンまたはシステアミンであってもよい。好ましくは、シアン酸エステル(CDAP化学によって作製されてもよい)は、ヘキサンジアミンまたはアジピン酸ジヒドラジド(ADH)とカップリングされ、アミノ誘導体化された糖は、タンパク質担体上のカルボキシル基を介してカルボジイミド(例えば、EDACまたはEDC)化学を使用して担体タンパク質にコンジュゲートされる。そのようなコンジュゲートは、例えば、WO93/15760、WO95/08348およびWO96/129094に記載されている。
【1056】
他の好適な技術は、カルボジイミド、ヒドラジド、活性エステル、ノルボラン、p-ニトロ安息香酸、N-ヒドロキシスクシンイミド、S-NHS、EDC、TSTUを使用する。多くは、国際特許出願公開番号WO98/42721に記載されている。コンジュゲーションは、糖の遊離ヒドロキシル基と、CDIとの反応(Bethellら(1979)J.Biol.Chem.254:2572~2574;Hearnら(1981)J.Chromatogr.218:509~518を参照されたい)、次いで、タンパク質と反応させてカルバメート結合を形成させることによって形成させることができるカルボニルリンカーを含んでもよい。これは、アノマー末端の第一級ヒドロキシル基への還元、必要に応じた、第一級ヒドロキシル基の保護/脱保護、CDIカルバメート中間体を形成させるための第一級ヒドロキシル基とCDIとの反応およびCDIカルバメート中間体と、タンパク質上のアミノ基とのカップリングを含んでもよい。
【1057】
1つまたは複数の実施形態では、本発明の血清型20糖コンジュゲートは、還元的アミノ化を使用して調製される。還元的アミノ化は、2つのステップ:(1)個々の6糖単位中の隣接ジオールからアルデヒド官能基を生成するための多糖の酸化および(2)コンジュゲートを形成させるための活性化された多糖と担体タンパク質(例えば、CRM197)との還元を含む。
【1058】
ある実施形態では、酸化の前に、標的分子量(MW)範囲への血清型20多糖のサイジングを実施する。有利には、精製された血清型20多糖のサイズを、例えば、O-アセチル基の存在などの多糖の構造の重要な特徴を保存しながら、減少させる。ある実施形態では、精製された血清型20多糖のサイズを、本明細書に記載の機械的ホモジェナイゼーションによって減少させる。
【1059】
ある実施形態では、血清型多糖は、
(a)単離された血清型20多糖を、酸化剤と反応させるステップ;および
(b)クエンチング剤の添加によって酸化反応をクエンチングして、活性化された血清型20多糖を得るステップ
を含むプロセスによって活性化(酸化)される。
【1060】
ある実施形態では、酸化剤は、過ヨウ素酸塩である。本発明の目的のために、用語「過ヨウ素酸塩」は、過ヨウ素酸塩と過ヨウ素酸の両方を含む;この用語はまた、メタ過ヨウ素酸塩(IO )とオルト過ヨウ素酸塩(IO 5-)の両方および過ヨウ素酸の様々な塩(例えば、過ヨウ素酸ナトリウムおよび過ヨウ素酸カリウム)も含む。ある実施形態では、酸化剤は、過ヨウ素酸ナトリウムである。ある実施形態では、血清型20多糖の酸化のために使用される過ヨウ素酸塩は、メタ過ヨウ素酸塩である。別の実施形態では、血清型20多糖の酸化のために使用される過ヨウ素酸塩は、メタ過ヨウ素酸ナトリウムである。
【1061】
一実施形態では、クエンチング剤は、隣接ジオール、1,2-アミノアルコール、アミノ酸、グルタチオン、亜硫酸塩、重硫酸塩、亜ジチオン酸塩、メタ重亜硫酸塩、チオ硫酸塩、亜リン酸塩、次亜リン酸塩または亜リン酸から選択される。
【1062】
一実施形態では、クエンチング剤は、式(I):
【1063】
【化12】
(式中、Rは、H、メチル、エチル、プロピルまたはイソプロピルから選択される)
の1,2-アミノアルコールである。
【1064】
一実施形態では、クエンチング剤は、亜硫酸塩、重硫酸塩、亜ジチオン酸塩、メタ重亜硫酸塩、チオ硫酸塩、亜リン酸塩、次亜リン酸塩または亜リン酸のナトリウムおよびカリウム塩から選択される。
【1065】
一実施形態では、クエンチング剤は、アミノ酸である。そのような実施形態では、前記アミノ酸を、セリン、トレオニン、システイン、シスチン、メチオニン、プロリン、ヒドロキシプロリン、トリプトファン、チロシン、およびヒスチジンから選択することができる。
【1066】
一実施形態では、クエンチング剤は、重硫酸塩、亜ジチオン酸塩、メタ重亜硫酸塩、チオ硫酸塩などの亜硫酸塩である。
【1067】
一実施形態では、クエンチング剤は、2つの隣接ヒドロキシル基(隣接ジオール)、すなわち、2個の隣接する炭素原子に共有的に連結された2個のヒドロキシル基を含む化合物である。
【1068】
1つまたは複数の実施形態では、クエンチング剤は、式(II):
【1069】
【化13】
(式中、RおよびRはそれぞれ独立にH、メチル、エチル、プロピルまたはイソプロピルから選択される)
の化合物である。
【1070】
ある実施形態では、クエンチング剤は、グリセロール、エチレングリコール、プロパン-1,2-ジオール、ブタン-1,2-ジオールまたはブタン-2,3-ジオール、またはアスコルビン酸である。ある実施形態では、クエンチング剤は、ブタン-2,3-ジオールである。
【1071】
別の実施形態では、単離された血清型20多糖は、
(a)単離された血清型20多糖と過ヨウ素酸塩とを反応させるステップ;および
(b)ブタン-2,3-ジオールの添加によって酸化反応をクエンチングして、活性化された血清型20多糖を得るステップ
を含むプロセスによって活性化される。
【1072】
多糖の酸化ステップの後、多糖は活性化されると言われ、本明細書では「活性化された多糖」と称される。
【1073】
ある実施形態では、活性化された血清型20多糖は、精製される。活性化された血清型20多糖は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)、透析または限外濾過/透析濾過などの当業者に公知の方法に従って精製される。例えば、活性化された20多糖は、限外濾過デバイスを使用する濃縮および透析濾過によって精製される。
【1074】
別の実施形態では、活性化された血清型20多糖の酸化度は、2~30、2~25、2~20、2~15、2~10、2~5、5~30、5~25、5~20、5~15、5~10、10~30、10~25、10~20、10~15、15~30、15~25、15~20、20~30、または20~25である。ある実施形態では、活性化された血清型20多糖の酸化度は、2~10、4~8、4~6、6~8、6~12、8~14、9~11、10~16、12~16、14~18、16~20、16~18、18~22、または18~20である。
【1075】
ある実施形態では、活性化された血清型20多糖は、25kDa~1,000kDa、100kDa~1,000kDa、300kDa~800kDa、300kDa~700kDa、300kDa~600kDa、400kDa~1,000kDa、400kDa~800kDa、400kDa~700kDaまたは400kDa~600kDaの分子量を有する。ある実施形態では、活性化された血清型20多糖は、300kDa~800kDaの分子量を有する。ある実施形態では、活性化された血清型20多糖は、400kDa~600kDaの分子量を有する。別の実施形態では、活性化された血清型20多糖は、400kDa~600kDaの分子量および10~25、10~20、12~20または14~18の酸化度を有する。別の実施形態では、活性化された血清型20多糖は、400kDa~600kDaの分子量および10~20の酸化度を有する。
【1076】
別の実施形態では、活性化された血清型20多糖は、血清型20多糖1mMあたり少なくとも0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6もしくは0.7または約0.8mMのアセテートを含む。ある実施形態では、活性化された血清型20多糖は、血清型20多糖1mMあたり少なくとも0.5、0.6または0.7mMのアセテートを含む。別の実施形態では、活性化された血清型20多糖は、血清型20多糖1mMあたり少なくとも0.6mMのアセテートを含む。別の実施形態では、活性化された血清型20多糖は、血清型20多糖1mMあたり少なくとも0.7mMのアセテートを含む。
【1077】
ある実施形態では、活性化された血清型20多糖は、400kDa~800kDaの分子量を有し、血清型20多糖1mMあたり少なくとも0.6mMのアセテートを含む。
【1078】
ある実施形態では、活性化された血清型20多糖は、400kDa~800kDaの分子量、12~20の酸化度を有し、血清型20多糖1mMあたり少なくとも0.6mMのアセテートを含む。
【1079】
活性化された多糖および/または担体タンパク質を、独立に(個別凍結乾燥)または一緒に(同時凍結乾燥)、凍結乾燥(凍結-乾燥)することができる。
【1080】
別の実施形態では、活性化された血清型20多糖を、必要に応じて、糖の存在下で凍結乾燥する。ある実施形態では、糖は、スクロース、トレハロース、ラフィノース、スタキオース、メレジトース、デキストラン、マンニトール、ラクチトールおよびパラチニットから選択される。ある実施形態では、糖は、スクロースである。一実施形態では、次いで、凍結乾燥された活性化された多糖を、担体タンパク質を含む溶液と混合する。
【1081】
別の実施形態では、活性化された多糖と、担体タンパク質とを同時凍結乾燥する。そのような実施形態では、活性化された血清型20多糖を、担体タンパク質と混合し、必要に応じて、糖の存在下で凍結乾燥する。ある実施形態では、糖は、スクロース、トレハロース、ラフィノース、スタキオース、メレジトース、デキストラン、マンニトール、ラクチトールおよびパラチニットから選択される。ある実施形態では、糖は、スクロースである。次いで、同時凍結乾燥された多糖と担体タンパク質とを、溶液中に再懸濁し、還元剤と反応させることができる。
【1082】
コンジュゲーションプロセスの第2のステップは、還元剤を使用した、コンジュゲートを形成させるための活性化された多糖および担体タンパク質の還元(還元的アミノ化)である。
【1083】
活性化された血清型20多糖を、
(c)活性化された血清型20多糖と担体タンパク質とを混合するステップ;および
(d)混合された活性化された血清型20多糖および担体タンパク質と、還元剤とを反応させて、血清型20多糖-担体タンパク質コンジュゲートを形成させるステップ
を含むプロセスによって、担体タンパク質にコンジュゲートすることができる。
【1084】
ある実施形態では、還元反応は、水性溶媒中で実行される。別の実施形態では、反応は、非プロトン性溶媒中で実行される。ある実施形態では、還元反応は、DMSO(ジメチルスルホキシド)またはDMF(ジメチルホルムアミド)溶媒中で実行される。DMSOまたはDMF溶媒を使用して、凍結乾燥された活性化された多糖および担体タンパク質を再構成させることができる。
【1085】
ジメチルスルホキシド(DMSO)中での還元的アミノ化による活性化された血清型20多糖と、タンパク質担体とのコンジュゲーションは、例えば、多糖のO-アセチル化のレベルが有意に低下し得る水相中での還元的アミノ化と比較して、多糖のO-アセチル含量を保持するのに好適である。したがって、1つまたは複数の実施形態では、ステップ(c)およびステップ(d)は、DMSO中で実行される。
【1086】
ある実施形態では、還元剤は、シアノ水素化ホウ素ナトリウム、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム、BronstedまたはLewis酸の存在下での水素化ホウ素ナトリウムまたは亜鉛、ピリジンボラン、2-ピコリンボラン、2,6-ジボラン-メタノール、ジメチルアミン-ボラン、t-BuMePrN-BH、ベンジルアミン-BHまたは5-エチル-2-メチルピリジンボラン(PEMB)などのアミンボランである。ある実施形態では、還元剤は、シアノ水素化ホウ素ナトリウムである。
【1087】
還元反応の終わりに、コンジュゲート中に残存する未反応のアルデヒド基があってもよく、これらのものを、好適なキャッピング剤を使用してキャップすることができる。一実施形態では、このキャッピング剤は、水素化ホウ素ナトリウム(NaBH)である。
【1088】
血清型20多糖の担体タンパク質へのコンジュゲーション後、糖コンジュゲートを、当業者に公知の様々な技術によって精製する(多糖-タンパク質コンジュゲートの量に関して富化する)ことができる。これらの技術としては、透析、濃縮/透析濾過操作、接線流濾過沈降/溶出、カラムクロマトグラフィー(DEAEまたは疎水性相互作用クロマトグラフィー)、および深層濾過が挙げられる。
【1089】
一部の実施形態では、本発明の血清型20糖コンジュゲートは、10kDa~2,000kDaの分子量を有する糖を含む。他のそのような実施形態では、糖は、50kDa~1,000kDaの分子量を有する。他のそのような実施形態では、糖は、70kDa~900kDaの分子量を有する。他のそのような実施形態では、糖は、100kDa~800kDaの分子量を有する。他のそのような実施形態では、糖は、200kDa~600kDaの分子量を有する。さらなるそのような実施形態では、糖は、100kDa~1000kDa;100kDa~900kDa;100kDa~800kDa;100kDa~700kDa;100kDa~600kDa;100kDa~500kDa;100kDa~400kDa;100kDa~300kDa;150kDa~1,000kDa;150kDa~900kDa;150kDa~800kDa;150kDa~700kDa;150kDa~600kDa;150kDa~500kDa;150kDa~400kDa;150kDa~300kDa;200kDa~1,000kDa;200kDa~900kDa;200kDa~800kDa;200kDa~700kDa;200kDa~600kDa;200kDa~500kDa;200kDa~400kDa;200kDa~300kDa;250kDa~1,000kDa;250kDa~900kDa;250kDa~800kDa;250kDa~700kDa;250kDa~600kDa;250kDa~500kDa;250kDa~400kDa;250kDa~350kDa;300kDa~1,000kDa;300kDa~900kDa;300kDa~800kDa;300kDa~700kDa;300kDa~600kDa;300kDa~500kDa;300kDa~400kDa;400kDa~1,000kDa;400kDa~900kDa;400kDa~800kDa;400kDa~700kDa;400kDa~600kDa;500kDa~600kDaの分子量を有する。上記の範囲のいずれかの中の任意の全整数が、本開示の実施形態として企図される。一部のそのような実施形態では、血清型20糖コンジュゲートは、還元的アミノ化を使用して調製される。
【1090】
一部の実施形態では、本発明の血清型20糖コンジュゲートは、400kDa~15,000kDa;500kDa~10,000kDa;2,000kDa~10,000kDa;3,000kDa~8,000kDa;または3,000kDa~5,000kDaの分子量を有する。他の実施形態では、血清型20糖コンジュゲートは、500kDa~10,000kDaの分子量を有する。他の実施形態では、血清型20糖コンジュゲートは、1,000kDa~8,000kDaの分子量を有する。さらに他の実施形態では、血清型20糖コンジュゲートは、2,000kDa~8,000kDaまたは3,000kDa~7,000kDaの分子量を有する。さらなる実施形態では、本発明の血清型20糖コンジュゲートは、200kDa~20,000kDa;200kDa~15,000kDa;200kDa~10,000kDa;200kDa~7,500kDa;200kDa~5,000kDa;200kDa~3,000kDa;200kDa~1,000kDa;500kDa~20,000kDa;500kDa~15,000kDa;500kDa~12,500kDa;500kDa~10,000kDa;500kDa~7,500kDa;500kDa~6,000kDa;500kDa~5,000kDa;500kDa~4,000kDa;500kDa~3,000kDa;500kDa~2,000kDa;500kDa~1,500kDa;500kDa~1,000kDa;750kDa~20,000kDa;750kDa~15,000kDa;750kDa~12,500kDa;750kDa~10,000kDa;750kDa~7,500kDa;750kDa~6,000kDa;750kDa~5,000kDa;750kDa~4,000kDa;750kDa~3,000kDa;750kDa~2,000kDa;750kDa~1,500kDa;1,000kDa~15,000kDa;1,000kDa~12,500kDa;1,000kDa~10,000kDa;1,000kDa~7,500kDa;1,000kDa~6,000kDa;1,000kDa~5,000kDa;1,000kDa~4,000kDa;1,000kDa~2,500kDa;2,000kDa~15,000kDa;2,000kDa~12,500kDa;2,000kDa~10,000kDa;2,000kDa~7,500kDa;2,000kDa~6,000kDa;2,000kDa~5,000kDa;2,000kDa~4,000kDa;または2,000kDa~3,000kDaの分子量を有する。
【1091】
さらなる実施形態では、本発明の血清型20糖コンジュゲートは、3,000kDa~20,000kDa;3,000kDa~15,000kDa;3,000kDa~10,000kDa;3,000kDa~7,500kDa;3,000kDa~5,000kDa;4,000kDa~20,000kDa;4,000kDa~15,000kDa;4,000kDa~12,500kDa;4,000kDa~10,000kDa;4,000kDa~7,500kDa;4,000kDa~6,000kDa;または4,000kDa~5,000kDaの分子量を有する。
【1092】
さらなる実施形態では、本発明の血清型20糖コンジュゲートは、5,000kDa~20,000kDa;5,000kDa~15,000kDa;5,000kDa~10,000kDa;5,000kDa~7,500kDa;6,000kDa~20,000kDa;6,000kDa~15,000kDa;6,000kDa~12,500kDa;6,000kDa~10,000kDaまたは6,000kDa~7,500kDaの分子量を有する。
【1093】
糖コンジュゲートの分子量は、SEC-MALLSによって測定される。上記の範囲のいずれかの中の任意の全整数が、本開示の実施形態として企図される。
【1094】
ある実施形態では、本発明の血清型20糖コンジュゲートは、血清型20多糖1mMあたり少なくとも0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6もしくは0.7または約0.8mMのアセテートを含む。ある実施形態では、糖コンジュゲートは、血清型20多糖1mMあたり少なくとも0.5、0.6または0.7mMのアセテートを含む。ある実施形態では、糖コンジュゲートは、血清型20多糖1mMあたり少なくとも0.6mMのアセテートを含む。別の実施形態では、糖コンジュゲートは、血清型20多糖1mMあたり少なくとも0.7mMのアセテートを含む。
【1095】
別の実施形態では、糖コンジュゲート中の血清型20多糖1mMあたりのアセテートのmMの、単離された多糖中の血清型20多糖1mMあたりのアセテートのmMに対する比は、少なくとも0.6、0.65、0.7、0.75、0.8、0.85、0.9または0.95である。ある実施形態では、糖コンジュゲート中の血清型20多糖1mMあたりのアセテートのmMの、単離された多糖中の血清型20多糖1mMあたりのアセテートのmMに対する比は、少なくとも0.7である。別の実施形態では、糖コンジュゲート中の血清型20多糖1mMあたりのアセテートのmMの、単離された多糖中の血清型20多糖1mMあたりのアセテートのmMに対する比は、少なくとも0.9である。
【1096】
ある実施形態では、糖コンジュゲート中の血清型20多糖1mMあたりのアセテートのmMの、活性化された多糖中の血清型20多糖1mMあたりのアセテートのmMに対する比は、少なくとも0.6、0.65、0.7、0.75、0.8、0.85、0.9または0.95である。ある実施形態では、糖コンジュゲート中の血清型20多糖1mMあたりのアセテートのmMの、活性化された多糖中の血清型20多糖1mMあたりのアセテートのmMに対する比は、少なくとも0.7である。別の実施形態では、糖コンジュゲート中の血清型20多糖1mMあたりのアセテートのmMの、活性化された多糖中の血清型20多糖1mMあたりのアセテートのmMに対する比は、少なくとも0.9である。
【1097】
本発明の血清型20糖コンジュゲートを特徴付けるための別の方法は、コンジュゲートされたリシンの範囲(コンジュゲーション度)として特徴付けることができる、糖にコンジュゲートされるようになる担体タンパク質(例えば、CRM197)中のリシン残基の数によるものである。多糖への共有結合に起因する、担体タンパク質のリシン修飾に関する証拠を、当業者に公知の日常的な方法を使用するアミノ酸分析によって得ることができる。コンジュゲーションは、コンジュゲート材料を生成するために使用されるCRM197タンパク質出発材料と比較して、回収されるリシン残基数の減少をもたらす。ある実施形態では、本発明の血清型20糖コンジュゲートのコンジュゲーション度は、2~15、2~13、2~10、2~8、2~6、2~5、2~4、3~15、3~13、3~10、3~8、3~6、3~5、3~4、5~15、5~10、8~15、8~12、10~15または10~12である。ある実施形態では、本発明の血清型20糖コンジュゲートのコンジュゲーション度は、約2、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9、約10、約11、約12、約13、約14または約15である。ある実施形態では、本発明の血清型20糖コンジュゲートのコンジュゲーション度は、4~7である。一部のそのような実施形態では、担体タンパク質は、CRM197である。
【1098】
本発明の血清型20糖コンジュゲートを、糖の担体タンパク質に対する比(重量/重量)によって特徴付けることもできる。一部の実施形態では、糖コンジュゲート中の血清型20多糖の担体タンパク質に対する比(w/w)は、0.5~3.0(例えば、約0.5、約0.6、約0.7、約0.8、約0.9、約1.0、約1.1、約1.2、約1.3、約1.4、約1.5、約1.6、約1.7、約1.8、約1.9、約2.0、約2.1、約2.2、約2.3、約2.4、約2.5、約2.6、約2.7、約2.8、約2.9、または約3.0)である。他の実施形態では、糖の担体タンパク質に対する比(w/w)は、0.5~2.0、0.5~1.5、0.8~1.2、0.5~1.0、1.0~1.5または1.0~2.0である。さらなる実施形態では、糖の担体タンパク質に対する比(w/w)は、0.8~1.2である。ある実施形態では、コンジュゲート中の血清型20莢膜多糖の担体タンパク質に対する比は、0.9~1.1である。一部のそのような実施形態では、担体タンパク質は、CRM197である。
【1099】
本発明の血清型20糖コンジュゲートおよび免疫原性組成物は、担体タンパク質に共有的にコンジュゲートされていないが、それにも拘わらず、糖コンジュゲート組成物中に存在する遊離糖を含有してもよい。遊離糖は、糖コンジュゲートと非共有的に会合していてもよい(すなわち、非共有的に結合する、吸着する、またはその中に、もしくはそれと共に捕捉される)。
【1100】
ある実施形態では、血清型20糖コンジュゲートは、血清型20多糖の総量と比較して、約50%、45%、40%、35%、30%、25%、20%または15%未満の遊離血清型20多糖を含む。別の実施形態では、血清型20糖コンジュゲートは、血清型20多糖の総量と比較して、約40%未満の遊離血清型20多糖を含む。ある実施形態では、血清型20糖コンジュゲートは、血清型20多糖の総量と比較して、約25%未満の遊離血清型20多糖を含む。ある実施形態では、血清型20糖コンジュゲートは、血清型20多糖の総量と比較して、約20%未満の遊離血清型20多糖を含む。別の実施形態では、血清型20糖コンジュゲートは、血清型20多糖の総量と比較して、約15%未満の遊離血清型20多糖を含む。
【1101】
血清型20糖コンジュゲートを、その分子サイズ分布(K)によって特徴付けることもできる。サイズ排除クロマトグラフィー媒体(CL-4B)を使用して、コンジュゲートの相対分子サイズ分布を決定することができる。サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)は、コンジュゲートの分子サイズ分布をプロファイリングするために重力送りのカラム中で使用される。媒体中の小孔から排除される大きい分子は、小さい分子よりも迅速に溶出する。画分収集装置を使用して、カラム溶出液を収集する。画分を、糖アッセイによる比色分析で試験する。Kの決定のために、分子が完全に排除される画分(V)、(K=0)、および最大保持を示す画分(V)、(K=1)を確立するために、カラムを較正する。特定の試料属性に達する画分(V)を、式K=(V-V)/(V-V)によってKと関連付ける。
【1102】
ある実施形態では、血清型20糖コンジュゲートの少なくとも30%が、CL-4Bカラム中で0.3より低い、またはそれに等しいKを有する。別の実施形態では、糖コンジュゲートの少なくとも40%が、CL-4Bカラム中で0.3より低い、またはそれに等しいKを有する。別の実施形態では、血清型20糖コンジュゲートの少なくとも45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、または85%が、CL-4Bカラム中で、0.3より低い、またはそれに等しいKを有する。ある実施形態では、血清型20糖コンジュゲートの少なくとも60%が、CL-4Bカラム中で0.3より低い、またはそれに等しいKを有する。別の実施形態では、血清型20糖コンジュゲートの50%~80%が、CL-4Bカラム中で0.3より低い、またはそれに等しいKを有する。ある実施形態では、血清型20糖コンジュゲートの65%~80%が、CL-4Bカラム中で0.3より低い、またはそれに等しいKを有する。
【1103】
1.3.11 肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型23A由来の糖コンジュゲート
ある実施形態では、血清型23A糖コンジュゲートは、1-シアノ-4-ジメチルアミノピリジニウムテトラフルオロホウ酸(CDAP)を用いて多糖を活性化して、シアン酸エステルを形成させることによって得られる。活性化された糖を、担体タンパク質上のアミノ基に直接的に、またはスペーサー(リンカー)基を介してカップリングすることができる。例えば、スペーサーは、マレイミド活性化担体タンパク質(例えば、GMBSを使用する)またはハロアセチル化担体タンパク質(例えば、ヨードアセトイミド、SIB、SIAB、スルホ-SIAB、SIA、もしくはSBAPを使用する)との反応後に得られるチオエーテル結合を介して担体にカップリングすることができるチオール化多糖を得るためのシスタミンまたはシステアミンであってもよい。好ましくは、シアン酸エステル(CDAP化学によって作製されてもよい)は、ヘキサンジアミンまたはアジピン酸ジヒドラジド(ADH)とカップリングされ、アミノ誘導体化された糖は、タンパク質担体上のカルボキシル基を介してカルボジイミド(例えば、EDACまたはEDC)化学を使用して担体タンパク質にコンジュゲートされる。そのようなコンジュゲートは、例えば、WO93/15760、WO95/08348およびWO96/129094に記載されている。
【1104】
他の好適な技術は、カルボジイミド、ヒドラジド、活性エステル、ノルボラン、p-ニトロ安息香酸、N-ヒドロキシスクシンイミド、S-NHS、EDC、TSTUを使用する。多くは、国際特許出願公開番号WO98/42721に記載されている。コンジュゲーションは、糖の遊離ヒドロキシル基と、CDIとの反応(Bethellら(1979)J.Biol.Chem.254:2572~2574;Hearnら(1981)J.Chromatogr.218:509~518を参照されたい)、次いで、タンパク質と反応させてカルバメート結合を形成させることによって形成させることができるカルボニルリンカーを含んでもよい。これは、アノマー末端の第一級ヒドロキシル基への還元、必要に応じた、第一級ヒドロキシル基の保護/脱保護、CDIカルバメート中間体を形成させるための第一級ヒドロキシル基とCDIとの反応およびCDIカルバメート中間体と、タンパク質上のアミノ基とのカップリングを含んでもよい。
【1105】
1つまたは複数の実施形態では、本発明の血清型23A糖コンジュゲートは、還元的アミノ化を使用して調製される。還元的アミノ化は、2つのステップ:(1)個々の6糖単位中の隣接ジオールからアルデヒド官能基を生成するための多糖の酸化および(2)コンジュゲートを形成させるための活性化された多糖と担体タンパク質(例えば、CRM197)との還元を含む。
【1106】
ある実施形態では、酸化の前に、標的分子量(MW)範囲への血清型23A多糖のサイジングを実施する。有利には、精製された血清型23A多糖のサイズを、例えば、O-アセチル基の存在などの多糖の構造の重要な特徴を保存しながら、減少させる。ある実施形態では、精製された血清型23A多糖のサイズを、本明細書に記載の機械的ホモジェナイゼーションによって減少させる。
【1107】
ある実施形態では、血清型多糖は、
(a)単離された血清型23A多糖を、酸化剤と反応させるステップ;および
(b)クエンチング剤の添加によって酸化反応をクエンチングして、活性化された血清型23A多糖を得るステップ
を含むプロセスによって活性化(酸化)される。
【1108】
ある実施形態では、酸化剤は、過ヨウ素酸塩である。本発明の目的のために、用語「過ヨウ素酸塩」は、過ヨウ素酸塩と過ヨウ素酸の両方を含む;この用語はまた、メタ過ヨウ素酸塩(IO )とオルト過ヨウ素酸塩(IO 5-)の両方および過ヨウ素酸の様々な塩(例えば、過ヨウ素酸ナトリウムおよび過ヨウ素酸カリウム)も含む。ある実施形態では、酸化剤は、過ヨウ素酸ナトリウムである。ある実施形態では、血清型23A多糖の酸化のために使用される過ヨウ素酸塩は、メタ過ヨウ素酸塩である。別の実施形態では、血清型23A多糖の酸化のために使用される過ヨウ素酸塩は、メタ過ヨウ素酸ナトリウムである。
【1109】
一実施形態では、クエンチング剤は、隣接ジオール、1,2-アミノアルコール、アミノ酸、グルタチオン、亜硫酸塩、重硫酸塩、亜ジチオン酸塩、メタ重亜硫酸塩、チオ硫酸塩、亜リン酸塩、次亜リン酸塩または亜リン酸から選択される。
【1110】
一実施形態では、クエンチング剤は、式(I):
【1111】
【化14】
(式中、Rは、H、メチル、エチル、プロピルまたはイソプロピルから選択される)
の1,2-アミノアルコールである。
【1112】
一実施形態では、クエンチング剤は、亜硫酸塩、重硫酸塩、亜ジチオン酸塩、メタ重亜硫酸塩、チオ硫酸塩、亜リン酸塩、次亜リン酸塩または亜リン酸のナトリウムおよびカリウム塩から選択される。
【1113】
一実施形態では、クエンチング剤は、アミノ酸である。そのような実施形態では、前記アミノ酸を、セリン、トレオニン、システイン、シスチン、メチオニン、プロリン、ヒドロキシプロリン、トリプトファン、チロシン、およびヒスチジンから選択することができる。
【1114】
一実施形態では、クエンチング剤は、重硫酸塩、亜ジチオン酸塩、メタ重亜硫酸塩、チオ硫酸塩などの亜硫酸塩である。
【1115】
一実施形態では、クエンチング剤は、2つの隣接ヒドロキシル基(隣接ジオール)、すなわち、2個の隣接する炭素原子に共有的に連結された2個のヒドロキシル基を含む化合物である。
【1116】
1つまたは複数の実施形態では、クエンチング剤は、式(II):
【1117】
【化15】
(式中、RおよびRはそれぞれ独立にH、メチル、エチル、プロピルまたはイソプロピルから選択される)
の化合物である。
【1118】
ある実施形態では、クエンチング剤は、グリセロール、エチレングリコール、プロパン-1,2-ジオール、ブタン-1,2-ジオールまたはブタン-2,3-ジオール、またはアスコルビン酸である。ある実施形態では、クエンチング剤は、ブタン-2,3-ジオールである。
【1119】
別の実施形態では、単離された血清型23A多糖は、
(a)単離された血清型23A多糖と過ヨウ素酸塩とを反応させるステップ;および
(b)ブタン-2,3-ジオールの添加によって酸化反応をクエンチングして、活性化された血清型23A多糖を得るステップ
を含むプロセスによって活性化される。
【1120】
多糖の酸化ステップの後、多糖は活性化されると言われ、本明細書では「活性化された多糖」と称される。
【1121】
ある実施形態では、活性化された血清型23A多糖は、精製される。活性化された血清型23A多糖は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)、透析または限外濾過/透析濾過などの当業者に公知の方法に従って精製される。例えば、活性化された23A多糖は、限外濾過デバイスを使用する濃縮および透析濾過によって精製される。
【1122】
別の実施形態では、活性化された血清型23A多糖の酸化度は、2~30、2~25、2~20、2~15、2~10、2~5、5~30、5~25、5~20、5~15、5~10、10~30、10~25、10~20、10~15、15~30、15~25、15~20、20~30、または20~25である。ある実施形態では、活性化された血清型23A多糖の酸化度は、2~10、4~8、4~6、6~8、6~12、8~14、9~11、10~16、12~16、14~18、16~20、16~18、18~22、または18~20である。
【1123】
ある実施形態では、活性化された血清型23A多糖は、25kDa~1,000kDa、100kDa~1,000kDa、300kDa~800kDa、300kDa~700kDa、300kDa~600kDa、400kDa~1,000kDa、400kDa~800kDa、400kDa~700kDaまたは400kDa~600kDaの分子量を有する。ある実施形態では、活性化された血清型23A多糖は、300kDa~800kDaの分子量を有する。ある実施形態では、活性化された血清型23A多糖は、400kDa~600kDaの分子量を有する。別の実施形態では、活性化された血清型23A多糖は、400kDa~600kDaの分子量および10~25、10~20、12~20または14~18の酸化度を有する。別の実施形態では、活性化された血清型23A多糖は、400kDa~600kDaの分子量および10~20の酸化度を有する。
【1124】
別の実施形態では、活性化された血清型23A多糖は、血清型23A多糖1mMあたり少なくとも0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6もしくは0.7または約0.8mMのアセテートを含む。ある実施形態では、活性化された血清型23A多糖は、血清型23A多糖1mMあたり少なくとも0.5、0.6または0.7mMのアセテートを含む。別の実施形態では、活性化された血清型23A多糖は、血清型23A多糖1mMあたり少なくとも0.6mMのアセテートを含む。別の実施形態では、活性化された血清型23A多糖は、血清型23A多糖1mMあたり少なくとも0.7mMのアセテートを含む。
【1125】
ある実施形態では、活性化された血清型23A多糖は、400kDa~800kDaの分子量を有し、血清型23A多糖1mMあたり少なくとも0.6mMのアセテートを含む。
【1126】
ある実施形態では、活性化された血清型23A多糖は、400kDa~800kDaの分子量、12~20の酸化度を有し、血清型23A多糖1mMあたり少なくとも0.6mMのアセテートを含む。
【1127】
活性化された多糖および/または担体タンパク質を、独立に(個別凍結乾燥)または一緒に(同時凍結乾燥)、凍結乾燥(凍結-乾燥)することができる。
【1128】
別の実施形態では、活性化された血清型23A多糖を、必要に応じて、糖の存在下で凍結乾燥する。ある実施形態では、糖は、スクロース、トレハロース、ラフィノース、スタキオース、メレジトース、デキストラン、マンニトール、ラクチトールおよびパラチニットから選択される。ある実施形態では、糖は、スクロースである。一実施形態では、次いで、凍結乾燥された活性化された多糖を、担体タンパク質を含む溶液と混合する。
【1129】
別の実施形態では、活性化された多糖と、担体タンパク質とを同時凍結乾燥する。そのような実施形態では、活性化された血清型23A多糖を、担体タンパク質と混合し、必要に応じて、糖の存在下で凍結乾燥する。ある実施形態では、糖は、スクロース、トレハロース、ラフィノース、スタキオース、メレジトース、デキストラン、マンニトール、ラクチトールおよびパラチニットから選択される。ある実施形態では、糖は、スクロースである。次いで、同時凍結乾燥された多糖と担体タンパク質とを、溶液中に再懸濁し、還元剤と反応させることができる。
【1130】
コンジュゲーションプロセスの第2のステップは、還元剤を使用した、コンジュゲートを形成させるための活性化された多糖および担体タンパク質の還元(還元的アミノ化)である。
【1131】
活性化された血清型23A多糖を、
(c)活性化された血清型23A多糖と担体タンパク質とを混合するステップ;および
(d)混合された活性化された血清型23A多糖および担体タンパク質と、還元剤とを反応させて、血清型23A多糖-担体タンパク質コンジュゲートを形成させるステップ
を含むプロセスによって、担体タンパク質にコンジュゲートすることができる。
【1132】
ある実施形態では、還元反応は、水性溶媒中で実行される。別の実施形態では、反応は、非プロトン性溶媒中で実行される。ある実施形態では、還元反応は、DMSO(ジメチルスルホキシド)またはDMF(ジメチルホルムアミド)溶媒中で実行される。DMSOまたはDMF溶媒を使用して、凍結乾燥された活性化された多糖および担体タンパク質を再構成させることができる。
【1133】
ジメチルスルホキシド(DMSO)中での還元的アミノ化による活性化された血清型23A多糖と、タンパク質担体とのコンジュゲーションは、例えば、多糖のO-アセチル化のレベルが有意に低下し得る水相中での還元的アミノ化と比較して、多糖のO-アセチル含量を保持するのに好適である。したがって、1つまたは複数の実施形態では、ステップ(c)およびステップ(d)は、DMSO中で実行される。
【1134】
ある実施形態では、還元剤は、シアノ水素化ホウ素ナトリウム、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム、BronstedまたはLewis酸の存在下での水素化ホウ素ナトリウムまたは亜鉛、ピリジンボラン、2-ピコリンボラン、2,6-ジボラン-メタノール、ジメチルアミン-ボラン、t-BuMePrN-BH、ベンジルアミン-BHまたは5-エチル-2-メチルピリジンボラン(PEMB)などのアミンボランである。ある実施形態では、還元剤は、シアノ水素化ホウ素ナトリウムである。
【1135】
還元反応の終わりに、コンジュゲート中に残存する未反応のアルデヒド基があってもよく、これらのものを、好適なキャッピング剤を使用してキャップすることができる。一実施形態では、このキャッピング剤は、水素化ホウ素ナトリウム(NaBH)である。
【1136】
血清型23A多糖の担体タンパク質へのコンジュゲーション後、糖コンジュゲートを、当業者に公知の様々な技術によって精製する(多糖-タンパク質コンジュゲートの量に関して富化する)ことができる。これらの技術としては、透析、濃縮/透析濾過操作、接線流濾過沈降/溶出、カラムクロマトグラフィー(DEAEまたは疎水性相互作用クロマトグラフィー)、および深層濾過が挙げられる。
【1137】
一部の実施形態では、本発明の血清型23A糖コンジュゲートは、10kDa~2,000kDaの分子量を有する糖を含む。他のそのような実施形態では、糖は、50kDa~1,000kDaの分子量を有する。他のそのような実施形態では、糖は、70kDa~900kDaの分子量を有する。他のそのような実施形態では、糖は、100kDa~800kDaの分子量を有する。他のそのような実施形態では、糖は、200kDa~600kDaの分子量を有する。さらなるそのような実施形態では、糖は、100kDa~1000kDa;100kDa~900kDa;100kDa~800kDa;100kDa~700kDa;100kDa~600kDa;100kDa~500kDa;100kDa~400kDa;100kDa~300kDa;150kDa~1,000kDa;150kDa~900kDa;150kDa~800kDa;150kDa~700kDa;150kDa~600kDa;150kDa~500kDa;150kDa~400kDa;150kDa~300kDa;200kDa~1,000kDa;200kDa~900kDa;200kDa~800kDa;200kDa~700kDa;200kDa~600kDa;200kDa~500kDa;200kDa~400kDa;200kDa~300kDa;250kDa~1,000kDa;250kDa~900kDa;250kDa~800kDa;250kDa~700kDa;250kDa~600kDa;250kDa~500kDa;250kDa~400kDa;250kDa~350kDa;300kDa~1,000kDa;300kDa~900kDa;300kDa~800kDa;300kDa~700kDa;300kDa~600kDa;300kDa~500kDa;300kDa~400kDa;400kDa~1,000kDa;400kDa~900kDa;400kDa~800kDa;400kDa~700kDa;400kDa~600kDa;500kDa~600kDaの分子量を有する。上記の範囲のいずれかの中の任意の全整数が、本開示の実施形態として企図される。一部のそのような実施形態では、血清型23A糖コンジュゲートは、還元的アミノ化を使用して調製される。
【1138】
一部の実施形態では、本発明の血清型23A糖コンジュゲートは、400kDa~15,000kDa;500kDa~10,000kDa;2,000kDa~10,000kDa;3,000kDa~8,000kDa;または3,000kDa~5,000kDaの分子量を有する。他の実施形態では、血清型23A糖コンジュゲートは、500kDa~10,000kDaの分子量を有する。他の実施形態では、血清型23A糖コンジュゲートは、1,000kDa~8,000kDaの分子量を有する。さらに他の実施形態では、血清型23A糖コンジュゲートは、2,000kDa~8,000kDaまたは3,000kDa~7,000kDaの分子量を有する。さらなる実施形態では、本発明の血清型23A糖コンジュゲートは、200kDa~20,000kDa;200kDa~15,000kDa;200kDa~10,000kDa;200kDa~7,500kDa;200kDa~5,000kDa;200kDa~3,000kDa;200kDa~1,000kDa;500kDa~20,000kDa;500kDa~15,000kDa;500kDa~12,500kDa;500kDa~10,000kDa;500kDa~7,500kDa;500kDa~6,000kDa;500kDa~5,000kDa;500kDa~4,000kDa;500kDa~3,000kDa;500kDa~2,000kDa;500kDa~1,500kDa;500kDa~1,000kDa;750kDa~20,000kDa;750kDa~15,000kDa;750kDa~12,500kDa;750kDa~10,000kDa;750kDa~7,500kDa;750kDa~6,000kDa;750kDa~5,000kDa;750kDa~4,000kDa;750kDa~3,000kDa;750kDa~2,000kDa;750kDa~1,500kDa;1,000kDa~15,000kDa;1,000kDa~12,500kDa;1,000kDa~10,000kDa;1,000kDa~7,500kDa;1,000kDa~6,000kDa;1,000kDa~5,000kDa;1,000kDa~4,000kDa;1,000kDa~2,500kDa;2,000kDa~15,000kDa;2,000kDa~12,500kDa;2,000kDa~10,000kDa;2,000kDa~7,500kDa;2,000kDa~6,000kDa;2,000kDa~5,000kDa;2,000kDa~4,000kDa;または2,000kDa~3,000kDaの分子量を有する。
【1139】
さらなる実施形態では、本発明の血清型23A糖コンジュゲートは、3,000kDa~20,000kDa;3,000kDa~15,000kDa;3,000kDa~10,000kDa;3,000kDa~7,500kDa;3,000kDa~5,000kDa;4,000kDa~20,000kDa;4,000kDa~15,000kDa;4,000kDa~12,500kDa;4,000kDa~10,000kDa;4,000kDa~7,500kDa;4,000kDa~6,000kDa;または4,000kDa~5,000kDaの分子量を有する。
【1140】
さらなる実施形態では、本発明の血清型23A糖コンジュゲートは、5,000kDa~20,000kDa;5,000kDa~15,000kDa;5,000kDa~10,000kDa;5,000kDa~7,500kDa;6,000kDa~20,000kDa;6,000kDa~15,000kDa;6,000kDa~12,500kDa;6,000kDa~10,000kDaまたは6,000kDa~7,500kDaの分子量を有する。
【1141】
糖コンジュゲートの分子量は、SEC-MALLSによって測定される。上記の範囲のいずれかの中の任意の全整数が、本開示の実施形態として企図される。
【1142】
ある実施形態では、本発明の血清型23A糖コンジュゲートは、血清型23A多糖1mMあたり少なくとも0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6もしくは0.7または約0.8mMのアセテートを含む。ある実施形態では、糖コンジュゲートは、血清型23A多糖1mMあたり少なくとも0.5、0.6または0.7mMのアセテートを含む。ある実施形態では、糖コンジュゲートは、血清型23A多糖1mMあたり少なくとも0.6mMのアセテートを含む。別の実施形態では、糖コンジュゲートは、血清型23A多糖1mMあたり少なくとも0.7mMのアセテートを含む。
【1143】
別の実施形態では、糖コンジュゲート中の血清型23A多糖1mMあたりのアセテートのmMの、単離された多糖中の血清型23A多糖1mMあたりのアセテートのmMに対する比は、少なくとも0.6、0.65、0.7、0.75、0.8、0.85、0.9または0.95である。ある実施形態では、糖コンジュゲート中の血清型23A多糖1mMあたりのアセテートのmMの、単離された多糖中の血清型23A多糖1mMあたりのアセテートのmMに対する比は、少なくとも0.7である。別の実施形態では、糖コンジュゲート中の血清型23A多糖1mMあたりのアセテートのmMの、単離された多糖中の血清型23A多糖1mMあたりのアセテートのmMに対する比は、少なくとも0.9である。
【1144】
ある実施形態では、糖コンジュゲート中の血清型23A多糖1mMあたりのアセテートのmMの、活性化された多糖中の血清型23A多糖1mMあたりのアセテートのmMに対する比は、少なくとも0.6、0.65、0.7、0.75、0.8、0.85、0.9または0.95である。ある実施形態では、糖コンジュゲート中の血清型23A多糖1mMあたりのアセテートのmMの、活性化された多糖中の血清型23A多糖1mMあたりのアセテートのmMに対する比は、少なくとも0.7である。別の実施形態では、糖コンジュゲート中の血清型23A多糖1mMあたりのアセテートのmMの、活性化された多糖中の血清型23A多糖1mMあたりのアセテートのmMに対する比は、少なくとも0.9である。
【1145】
本発明の血清型23A糖コンジュゲートを特徴付けるための別の方法は、コンジュゲートされたリシンの範囲(コンジュゲーション度)として特徴付けることができる、糖にコンジュゲートされるようになる担体タンパク質(例えば、CRM197)中のリシン残基の数によるものである。多糖への共有結合に起因する、担体タンパク質のリシン修飾に関する証拠を、当業者に公知の日常的な方法を使用するアミノ酸分析によって得ることができる。コンジュゲーションは、コンジュゲート材料を生成するために使用されるCRM197タンパク質出発材料と比較して、回収されるリシン残基数の減少をもたらす。ある実施形態では、本発明の血清型23A糖コンジュゲートのコンジュゲーション度は、2~15、2~13、2~10、2~8、2~6、2~5、2~4、3~15、3~13、3~10、3~8、3~6、3~5、3~4、5~15、5~10、8~15、8~12、10~15または10~12である。ある実施形態では、本発明の血清型23A糖コンジュゲートのコンジュゲーション度は、約2、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9、約10、約11、約12、約13、約14または約15である。ある実施形態では、本発明の血清型23A糖コンジュゲートのコンジュゲーション度は、4~7である。一部のそのような実施形態では、担体タンパク質は、CRM197である。
【1146】
本発明の血清型23A糖コンジュゲートを、糖の担体タンパク質に対する比(重量/重量)によって特徴付けることもできる。一部の実施形態では、糖コンジュゲート中の血清型23A多糖の担体タンパク質に対する比(w/w)は、0.5~3.0(例えば、約0.5、約0.6、約0.7、約0.8、約0.9、約1.0、約1.1、約1.2、約1.3、約1.4、約1.5、約1.6、約1.7、約1.8、約1.9、約2.0、約2.1、約2.2、約2.3、約2.4、約2.5、約2.6、約2.7、約2.8、約2.9、または約3.0)である。他の実施形態では、糖の担体タンパク質に対する比(w/w)は、0.5~2.0、0.5~1.5、0.8~1.2、0.5~1.0、1.0~1.5または1.0~2.0である。さらなる実施形態では、糖の担体タンパク質に対する比(w/w)は、0.8~1.2である。ある実施形態では、コンジュゲート中の血清型23A莢膜多糖の担体タンパク質に対する比は、0.9~1.1である。一部のそのような実施形態では、担体タンパク質は、CRM197である。
【1147】
本発明の血清型23A糖コンジュゲートおよび免疫原性組成物は、担体タンパク質に共有的にコンジュゲートされていないが、それにも拘わらず、糖コンジュゲート組成物中に存在する遊離糖を含有してもよい。遊離糖は、糖コンジュゲートと非共有的に会合していてもよい(すなわち、非共有的に結合する、吸着する、またはその中に、もしくはそれと共に捕捉される)。
【1148】
ある実施形態では、血清型23A糖コンジュゲートは、血清型23A多糖の総量と比較して、約50%、45%、40%、35%、30%、25%、20%または15%未満の遊離血清型23A多糖を含む。別の実施形態では、血清型23A糖コンジュゲートは、血清型23A多糖の総量と比較して、約40%未満の遊離血清型23A多糖を含む。ある実施形態では、血清型23A糖コンジュゲートは、血清型23A多糖の総量と比較して、約25%未満の遊離血清型23A多糖を含む。ある実施形態では、血清型23A糖コンジュゲートは、血清型23A多糖の総量と比較して、約20%未満の遊離血清型23A多糖を含む。別の実施形態では、血清型23A糖コンジュゲートは、血清型23A多糖の総量と比較して、約15%未満の遊離血清型23A多糖を含む。
【1149】
血清型23A糖コンジュゲートを、その分子サイズ分布(K)によって特徴付けることもできる。サイズ排除クロマトグラフィー媒体(CL-4B)を使用して、コンジュゲートの相対分子サイズ分布を決定することができる。サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)は、コンジュゲートの分子サイズ分布をプロファイリングするために重力送りのカラム中で使用される。媒体中の小孔から排除される大きい分子は、小さい分子よりも迅速に溶出する。画分収集装置を使用して、カラム溶出液を収集する。画分を、糖アッセイによる比色分析で試験する。Kの決定のために、分子が完全に排除される画分(V)、(K=0)、および最大保持を示す画分(V)、(K=1)を確立するために、カラムを較正する。特定の試料属性に達する画分(V)を、式K=(V-V)/(V-V)によってKと関連付ける。
【1150】
ある実施形態では、血清型23A糖コンジュゲートの少なくとも30%が、CL-4Bカラム中で0.3より低い、またはそれに等しいKを有する。別の実施形態では、糖コンジュゲートの少なくとも40%が、CL-4Bカラム中で0.3より低い、またはそれに等しいKを有する。別の実施形態では、血清型23A糖コンジュゲートの少なくとも45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、または85%が、CL-4Bカラム中で、0.3より低い、またはそれに等しいKを有する。ある実施形態では、血清型23A糖コンジュゲートの少なくとも60%が、CL-4Bカラム中で0.3より低い、またはそれに等しいKを有する。別の実施形態では、血清型23A糖コンジュゲートの50%~80%が、CL-4Bカラム中で0.3より低い、またはそれに等しいKを有する。ある実施形態では、血清型23A糖コンジュゲートの65%~80%が、CL-4Bカラム中で0.3より低い、またはそれに等しいKを有する。
【1151】
1.3.12 肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型23B由来の糖コンジュゲート
ある実施形態では、血清型23B糖コンジュゲートは、1-シアノ-4-ジメチルアミノピリジニウムテトラフルオロホウ酸(CDAP)を用いて多糖を活性化して、シアン酸エステルを形成させることによって得られる。活性化された糖を、担体タンパク質上のアミノ基に直接的に、またはスペーサー(リンカー)基を介してカップリングすることができる。例えば、スペーサーは、マレイミド活性化担体タンパク質(例えば、GMBSを使用する)またはハロアセチル化担体タンパク質(例えば、ヨードアセトイミド、SIB、SIAB、スルホ-SIAB、SIA、もしくはSBAPを使用する)との反応後に得られるチオエーテル結合を介して担体にカップリングすることができるチオール化多糖を得るためのシスタミンまたはシステアミンであってもよい。好ましくは、シアン酸エステル(CDAP化学によって作製されてもよい)は、ヘキサンジアミンまたはアジピン酸ジヒドラジド(ADH)とカップリングされ、アミノ誘導体化された糖は、タンパク質担体上のカルボキシル基を介してカルボジイミド(例えば、EDACまたはEDC)化学を使用して担体タンパク質にコンジュゲートされる。そのようなコンジュゲートは、例えば、WO93/15760、WO95/08348およびWO96/129094に記載されている。
【1152】
他の好適な技術は、カルボジイミド、ヒドラジド、活性エステル、ノルボラン、p-ニトロ安息香酸、N-ヒドロキシスクシンイミド、S-NHS、EDC、TSTUを使用する。多くは、国際特許出願公開番号WO98/42721に記載されている。コンジュゲーションは、糖の遊離ヒドロキシル基と、CDIとの反応(Bethellら(1979)J.Biol.Chem.254:2572~2574;Hearnら(1981)J.Chromatogr.218:509~518を参照されたい)、次いで、タンパク質と反応させてカルバメート結合を形成させることによって形成させることができるカルボニルリンカーを含んでもよい。これは、アノマー末端の第一級ヒドロキシル基への還元、必要に応じた、第一級ヒドロキシル基の保護/脱保護、CDIカルバメート中間体を形成させるための第一級ヒドロキシル基とCDIとの反応およびCDIカルバメート中間体と、タンパク質上のアミノ基とのカップリングを含んでもよい。
【1153】
1つまたは複数の実施形態では、本発明の血清型23B糖コンジュゲートは、還元的アミノ化を使用して調製される。還元的アミノ化は、2つのステップ:(1)個々の6糖単位中の隣接ジオールからアルデヒド官能基を生成するための多糖の酸化および(2)コンジュゲートを形成させるための活性化された多糖と担体タンパク質(例えば、CRM197)との還元を含む。
【1154】
ある実施形態では、酸化の前に、標的分子量(MW)範囲への血清型23B多糖のサイジングを実施する。有利には、精製された血清型23B多糖のサイズを、例えば、O-アセチル基の存在などの多糖の構造の重要な特徴を保存しながら、減少させる。ある実施形態では、精製された血清型23B多糖のサイズを、本明細書に記載の機械的ホモジェナイゼーションによって減少させる。
【1155】
ある実施形態では、血清型多糖は、
(a)単離された血清型23B多糖を、酸化剤と反応させるステップ;および
(b)クエンチング剤の添加によって酸化反応をクエンチングして、活性化された血清型23B多糖を得るステップ
を含むプロセスによって活性化(酸化)される。
【1156】
ある実施形態では、酸化剤は、過ヨウ素酸塩である。本発明の目的のために、用語「過ヨウ素酸塩」は、過ヨウ素酸塩と過ヨウ素酸の両方を含む;この用語はまた、メタ過ヨウ素酸塩(IO )とオルト過ヨウ素酸塩(IO 5-)の両方および過ヨウ素酸の様々な塩(例えば、過ヨウ素酸ナトリウムおよび過ヨウ素酸カリウム)も含む。ある実施形態では、酸化剤は、過ヨウ素酸ナトリウムである。ある実施形態では、血清型23B多糖の酸化のために使用される過ヨウ素酸塩は、メタ過ヨウ素酸塩である。別の実施形態では、血清型23B多糖の酸化のために使用される過ヨウ素酸塩は、メタ過ヨウ素酸ナトリウムである。
【1157】
一実施形態では、クエンチング剤は、隣接ジオール、1,2-アミノアルコール、アミノ酸、グルタチオン、亜硫酸塩、重硫酸塩、亜ジチオン酸塩、メタ重亜硫酸塩、チオ硫酸塩、亜リン酸塩、次亜リン酸塩または亜リン酸から選択される。
【1158】
一実施形態では、クエンチング剤は、式(I):
【1159】
【化16】
(式中、Rは、H、メチル、エチル、プロピルまたはイソプロピルから選択される)
の1,2-アミノアルコールである。
【1160】
一実施形態では、クエンチング剤は、亜硫酸塩、重硫酸塩、亜ジチオン酸塩、メタ重亜硫酸塩、チオ硫酸塩、亜リン酸塩、次亜リン酸塩または亜リン酸のナトリウムおよびカリウム塩から選択される。
【1161】
一実施形態では、クエンチング剤は、アミノ酸である。そのような実施形態では、前記アミノ酸を、セリン、トレオニン、システイン、シスチン、メチオニン、プロリン、ヒドロキシプロリン、トリプトファン、チロシン、およびヒスチジンから選択することができる。
【1162】
一実施形態では、クエンチング剤は、重硫酸塩、亜ジチオン酸塩、メタ重亜硫酸塩、チオ硫酸塩などの亜硫酸塩である。
【1163】
一実施形態では、クエンチング剤は、2つの隣接ヒドロキシル基(隣接ジオール)、すなわち、2個の隣接する炭素原子に共有的に連結された2個のヒドロキシル基を含む化合物である。
【1164】
1つまたは複数の実施形態では、クエンチング剤は、式(II):
【1165】
【化17】
(式中、RおよびRはそれぞれ独立にH、メチル、エチル、プロピルまたはイソプロピルから選択される)
の化合物である。
【1166】
ある実施形態では、クエンチング剤は、グリセロール、エチレングリコール、プロパン-1,2-ジオール、ブタン-1,2-ジオールまたはブタン-2,3-ジオール、またはアスコルビン酸である。ある実施形態では、クエンチング剤は、ブタン-2,3-ジオールである。
【1167】
別の実施形態では、単離された血清型23B多糖は、
(a)単離された血清型23B多糖と過ヨウ素酸塩とを反応させるステップ;および
(b)ブタン-2,3-ジオールの添加によって酸化反応をクエンチングして、活性化された血清型23B多糖を得るステップ
を含むプロセスによって活性化される。
【1168】
多糖の酸化ステップの後、多糖は活性化されると言われ、本明細書では「活性化された多糖」と称される。
【1169】
ある実施形態では、活性化された血清型23B多糖は、精製される。活性化された血清型23B多糖は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)、透析または限外濾過/透析濾過などの当業者に公知の方法に従って精製される。例えば、活性化された23B多糖は、限外濾過デバイスを使用する濃縮および透析濾過によって精製される。
【1170】
別の実施形態では、活性化された血清型23B多糖の酸化度は、2~30、2~25、2~20、2~15、2~10、2~5、5~30、5~25、5~20、5~15、5~10、10~30、10~25、10~20、10~15、15~30、15~25、15~20、20~30、または20~25である。ある実施形態では、活性化された血清型23B多糖の酸化度は、2~10、4~8、4~6、6~8、6~12、8~14、9~11、10~16、12~16、14~18、16~20、16~18、18~22、または18~20である。
【1171】
ある実施形態では、活性化された血清型23B多糖は、25kDa~1,000kDa、100kDa~1,000kDa、300kDa~800kDa、300kDa~700kDa、300kDa~600kDa、400kDa~1,000kDa、400kDa~800kDa、400kDa~700kDaまたは400kDa~600kDaの分子量を有する。ある実施形態では、活性化された血清型23B多糖は、300kDa~800kDaの分子量を有する。ある実施形態では、活性化された血清型23B多糖は、400kDa~600kDaの分子量を有する。別の実施形態では、活性化された血清型23B多糖は、400kDa~600kDaの分子量および10~25、10~20、12~20または14~18の酸化度を有する。別の実施形態では、活性化された血清型23B多糖は、400kDa~600kDaの分子量および10~20の酸化度を有する。
【1172】
別の実施形態では、活性化された血清型23B多糖は、血清型23B多糖1mMあたり少なくとも0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6もしくは0.7または約0.8mMのアセテートを含む。ある実施形態では、活性化された血清型23B多糖は、血清型23B多糖1mMあたり少なくとも0.5、0.6または0.7mMのアセテートを含む。別の実施形態では、活性化された血清型23B多糖は、血清型23B多糖1mMあたり少なくとも0.6mMのアセテートを含む。別の実施形態では、活性化された血清型23B多糖は、血清型23B多糖1mMあたり少なくとも0.7mMのアセテートを含む。
【1173】
ある実施形態では、活性化された血清型23B多糖は、400kDa~800kDaの分子量を有し、血清型23B多糖1mMあたり少なくとも0.6mMのアセテートを含む。
【1174】
ある実施形態では、活性化された血清型23B多糖は、400kDa~800kDaの分子量、12~20の酸化度を有し、血清型23B多糖1mMあたり少なくとも0.6mMのアセテートを含む。
【1175】
活性化された多糖および/または担体タンパク質を、独立に(個別凍結乾燥)または一緒に(同時凍結乾燥)、凍結乾燥(凍結-乾燥)することができる。
【1176】
別の実施形態では、活性化された血清型23B多糖を、必要に応じて、糖の存在下で凍結乾燥する。ある実施形態では、糖は、スクロース、トレハロース、ラフィノース、スタキオース、メレジトース、デキストラン、マンニトール、ラクチトールおよびパラチニットから選択される。ある実施形態では、糖は、スクロースである。一実施形態では、次いで、凍結乾燥された活性化された多糖を、担体タンパク質を含む溶液と混合する。
【1177】
別の実施形態では、活性化された多糖と、担体タンパク質とを同時凍結乾燥する。そのような実施形態では、活性化された血清型23B多糖を、担体タンパク質と混合し、必要に応じて、糖の存在下で凍結乾燥する。ある実施形態では、糖は、スクロース、トレハロース、ラフィノース、スタキオース、メレジトース、デキストラン、マンニトール、ラクチトールおよびパラチニットから選択される。ある実施形態では、糖は、スクロースである。次いで、同時凍結乾燥された多糖と担体タンパク質とを、溶液中に再懸濁し、還元剤と反応させることができる。
【1178】
コンジュゲーションプロセスの第2のステップは、還元剤を使用した、コンジュゲートを形成させるための活性化された多糖および担体タンパク質の還元(還元的アミノ化)である。
【1179】
活性化された血清型23B多糖を、
(c)活性化された血清型23B多糖と担体タンパク質とを混合するステップ;および
(d)混合された活性化された血清型23B多糖および担体タンパク質と、還元剤とを反応させて、血清型23B多糖-担体タンパク質コンジュゲートを形成させるステップ
を含むプロセスによって、担体タンパク質にコンジュゲートすることができる。
【1180】
ある実施形態では、還元反応は、水性溶媒中で実行される。別の実施形態では、反応は、非プロトン性溶媒中で実行される。ある実施形態では、還元反応は、DMSO(ジメチルスルホキシド)またはDMF(ジメチルホルムアミド)溶媒中で実行される。DMSOまたはDMF溶媒を使用して、凍結乾燥された活性化された多糖および担体タンパク質を再構成させることができる。
【1181】
ジメチルスルホキシド(DMSO)中での還元的アミノ化による活性化された血清型23B多糖と、タンパク質担体とのコンジュゲーションは、例えば、多糖のO-アセチル化のレベルが有意に低下し得る水相中での還元的アミノ化と比較して、多糖のO-アセチル含量を保持するのに好適である。したがって、1つまたは複数の実施形態では、ステップ(c)およびステップ(d)は、DMSO中で実行される。
【1182】
ある実施形態では、還元剤は、シアノ水素化ホウ素ナトリウム、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム、BronstedまたはLewis酸の存在下での水素化ホウ素ナトリウムまたは亜鉛、ピリジンボラン、2-ピコリンボラン、2,6-ジボラン-メタノール、ジメチルアミン-ボラン、t-BuMePrN-BH、ベンジルアミン-BHまたは5-エチル-2-メチルピリジンボラン(PEMB)などのアミンボランである。ある実施形態では、還元剤は、シアノ水素化ホウ素ナトリウムである。
【1183】
還元反応の終わりに、コンジュゲート中に残存する未反応のアルデヒド基があってもよく、これらのものを、好適なキャッピング剤を使用してキャップすることができる。一実施形態では、このキャッピング剤は、水素化ホウ素ナトリウム(NaBH)である。
【1184】
血清型23B多糖の担体タンパク質へのコンジュゲーション後、糖コンジュゲートを、当業者に公知の様々な技術によって精製する(多糖-タンパク質コンジュゲートの量に関して富化する)ことができる。これらの技術としては、透析、濃縮/透析濾過操作、接線流濾過沈降/溶出、カラムクロマトグラフィー(DEAEまたは疎水性相互作用クロマトグラフィー)、および深層濾過が挙げられる。
【1185】
一部の実施形態では、本発明の血清型23B糖コンジュゲートは、10kDa~2,000kDaの分子量を有する糖を含む。他のそのような実施形態では、糖は、50kDa~1,000kDaの分子量を有する。他のそのような実施形態では、糖は、70kDa~900kDaの分子量を有する。他のそのような実施形態では、糖は、100kDa~800kDaの分子量を有する。他のそのような実施形態では、糖は、200kDa~600kDaの分子量を有する。さらなるそのような実施形態では、糖は、100kDa~1000kDa;100kDa~900kDa;100kDa~800kDa;100kDa~700kDa;100kDa~600kDa;100kDa~500kDa;100kDa~400kDa;100kDa~300kDa;150kDa~1,000kDa;150kDa~900kDa;150kDa~800kDa;150kDa~700kDa;150kDa~600kDa;150kDa~500kDa;150kDa~400kDa;150kDa~300kDa;200kDa~1,000kDa;200kDa~900kDa;200kDa~800kDa;200kDa~700kDa;200kDa~600kDa;200kDa~500kDa;200kDa~400kDa;200kDa~300kDa;250kDa~1,000kDa;250kDa~900kDa;250kDa~800kDa;250kDa~700kDa;250kDa~600kDa;250kDa~500kDa;250kDa~400kDa;250kDa~350kDa;300kDa~1,000kDa;300kDa~900kDa;300kDa~800kDa;300kDa~700kDa;300kDa~600kDa;300kDa~500kDa;300kDa~400kDa;400kDa~1,000kDa;400kDa~900kDa;400kDa~800kDa;400kDa~700kDa;400kDa~600kDa;500kDa~600kDaの分子量を有する。上記の範囲のいずれかの中の任意の全整数が、本開示の実施形態として企図される。一部のそのような実施形態では、血清型23B糖コンジュゲートは、還元的アミノ化を使用して調製される。
【1186】
一部の実施形態では、本発明の血清型23B糖コンジュゲートは、400kDa~15,000kDa;500kDa~10,000kDa;2,000kDa~10,000kDa;3,000kDa~8,000kDa;または3,000kDa~5,000kDaの分子量を有する。他の実施形態では、血清型23B糖コンジュゲートは、500kDa~10,000kDaの分子量を有する。他の実施形態では、血清型23B糖コンジュゲートは、1,000kDa~8,000kDaの分子量を有する。さらに他の実施形態では、血清型23B糖コンジュゲートは、2,000kDa~8,000kDaまたは3,000kDa~7,000kDaの分子量を有する。さらなる実施形態では、本発明の血清型23B糖コンジュゲートは、200kDa~20,000kDa;200kDa~15,000kDa;200kDa~10,000kDa;200kDa~7,500kDa;200kDa~5,000kDa;200kDa~3,000kDa;200kDa~1,000kDa;500kDa~20,000kDa;500kDa~15,000kDa;500kDa~12,500kDa;500kDa~10,000kDa;500kDa~7,500kDa;500kDa~6,000kDa;500kDa~5,000kDa;500kDa~4,000kDa;500kDa~3,000kDa;500kDa~2,000kDa;500kDa~1,500kDa;500kDa~1,000kDa;750kDa~20,000kDa;750kDa~15,000kDa;750kDa~12,500kDa;750kDa~10,000kDa;750kDa~7,500kDa;750kDa~6,000kDa;750kDa~5,000kDa;750kDa~4,000kDa;750kDa~3,000kDa;750kDa~2,000kDa;750kDa~1,500kDa;1,000kDa~15,000kDa;1,000kDa~12,500kDa;1,000kDa~10,000kDa;1,000kDa~7,500kDa;1,000kDa~6,000kDa;1,000kDa~5,000kDa;1,000kDa~4,000kDa;1,000kDa~2,500kDa;2,000kDa~15,000kDa;2,000kDa~12,500kDa;2,000kDa~10,000kDa;2,000kDa~7,500kDa;2,000kDa~6,000kDa;2,000kDa~5,000kDa;2,000kDa~4,000kDa;または2,000kDa~3,000kDaの分子量を有する。
【1187】
さらなる実施形態では、本発明の血清型23B糖コンジュゲートは、3,000kDa~20,000kDa;3,000kDa~15,000kDa;3,000kDa~10,000kDa;3,000kDa~7,500kDa;3,000kDa~5,000kDa;4,000kDa~20,000kDa;4,000kDa~15,000kDa;4,000kDa~12,500kDa;4,000kDa~10,000kDa;4,000kDa~7,500kDa;4,000kDa~6,000kDa;または4,000kDa~5,000kDaの分子量を有する。
【1188】
さらなる実施形態では、本発明の血清型23B糖コンジュゲートは、5,000kDa~20,000kDa;5,000kDa~15,000kDa;5,000kDa~10,000kDa;5,000kDa~7,500kDa;6,000kDa~20,000kDa;6,000kDa~15,000kDa;6,000kDa~12,500kDa;6,000kDa~10,000kDaまたは6,000kDa~7,500kDaの分子量を有する。
【1189】
糖コンジュゲートの分子量は、SEC-MALLSによって測定される。上記の範囲のいずれかの中の任意の全整数が、本開示の実施形態として企図される。
【1190】
ある実施形態では、本発明の血清型23B糖コンジュゲートは、血清型23B多糖1mMあたり少なくとも0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6もしくは0.7または約0.8mMのアセテートを含む。ある実施形態では、糖コンジュゲートは、血清型23B多糖1mMあたり少なくとも0.5、0.6または0.7mMのアセテートを含む。ある実施形態では、糖コンジュゲートは、血清型23B多糖1mMあたり少なくとも0.6mMのアセテートを含む。別の実施形態では、糖コンジュゲートは、血清型23B多糖1mMあたり少なくとも0.7mMのアセテートを含む。
【1191】
別の実施形態では、糖コンジュゲート中の血清型23B多糖1mMあたりのアセテートのmMの、単離された多糖中の血清型23B多糖1mMあたりのアセテートのmMに対する比は、少なくとも0.6、0.65、0.7、0.75、0.8、0.85、0.9または0.95である。ある実施形態では、糖コンジュゲート中の血清型23B多糖1mMあたりのアセテートのmMの、単離された多糖中の血清型23B多糖1mMあたりのアセテートのmMに対する比は、少なくとも0.7である。別の実施形態では、糖コンジュゲート中の血清型23B多糖1mMあたりのアセテートのmMの、単離された多糖中の血清型23B多糖1mMあたりのアセテートのmMに対する比は、少なくとも0.9である。
【1192】
ある実施形態では、糖コンジュゲート中の血清型23B多糖1mMあたりのアセテートのmMの、活性化された多糖中の血清型23B多糖1mMあたりのアセテートのmMに対する比は、少なくとも0.6、0.65、0.7、0.75、0.8、0.85、0.9または0.95である。ある実施形態では、糖コンジュゲート中の血清型23B多糖1mMあたりのアセテートのmMの、活性化された多糖中の血清型23B多糖1mMあたりのアセテートのmMに対する比は、少なくとも0.7である。別の実施形態では、糖コンジュゲート中の血清型23B多糖1mMあたりのアセテートのmMの、活性化された多糖中の血清型23B多糖1mMあたりのアセテートのmMに対する比は、少なくとも0.9である。
【1193】
本発明の血清型23B糖コンジュゲートを特徴付けるための別の方法は、コンジュゲートされたリシンの範囲(コンジュゲーション度)として特徴付けることができる、糖にコンジュゲートされるようになる担体タンパク質(例えば、CRM197)中のリシン残基の数によるものである。多糖への共有結合に起因する、担体タンパク質のリシン修飾に関する証拠を、当業者に公知の日常的な方法を使用するアミノ酸分析によって得ることができる。コンジュゲーションは、コンジュゲート材料を生成するために使用されるCRM197タンパク質出発材料と比較して、回収されるリシン残基数の減少をもたらす。ある実施形態では、本発明の血清型23B糖コンジュゲートのコンジュゲーション度は、2~15、2~13、2~10、2~8、2~6、2~5、2~4、3~15、3~13、3~10、3~8、3~6、3~5、3~4、5~15、5~10、8~15、8~12、10~15または10~12である。ある実施形態では、本発明の血清型23B糖コンジュゲートのコンジュゲーション度は、約2、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9、約10、約11、約12、約13、約14または約15である。ある実施形態では、本発明の血清型23B糖コンジュゲートのコンジュゲーション度は、4~7である。一部のそのような実施形態では、担体タンパク質は、CRM197である。
【1194】
本発明の血清型23B糖コンジュゲートを、糖の担体タンパク質に対する比(重量/重量)によって特徴付けることもできる。一部の実施形態では、糖コンジュゲート中の血清型23B多糖の担体タンパク質に対する比(w/w)は、0.5~3.0(例えば、約0.5、約0.6、約0.7、約0.8、約0.9、約1.0、約1.1、約1.2、約1.3、約1.4、約1.5、約1.6、約1.7、約1.8、約1.9、約2.0、約2.1、約2.2、約2.3、約2.4、約2.5、約2.6、約2.7、約2.8、約2.9、または約3.0)である。他の実施形態では、糖の担体タンパク質に対する比(w/w)は、0.5~2.0、0.5~1.5、0.8~1.2、0.5~1.0、1.0~1.5または1.0~2.0である。さらなる実施形態では、糖の担体タンパク質に対する比(w/w)は、0.8~1.2である。ある実施形態では、コンジュゲート中の血清型23B莢膜多糖の担体タンパク質に対する比は、0.9~1.1である。一部のそのような実施形態では、担体タンパク質は、CRM197である。
【1195】
本発明の血清型23B糖コンジュゲートおよび免疫原性組成物は、担体タンパク質に共有的にコンジュゲートされていないが、それにも拘わらず、糖コンジュゲート組成物中に存在する遊離糖を含有してもよい。遊離糖は、糖コンジュゲートと非共有的に会合していてもよい(すなわち、非共有的に結合する、吸着する、またはその中に、もしくはそれと共に捕捉される)。
【1196】
ある実施形態では、血清型23B糖コンジュゲートは、血清型23B多糖の総量と比較して、約50%、45%、40%、35%、30%、25%、20%または15%未満の遊離血清型23B多糖を含む。別の実施形態では、血清型23B糖コンジュゲートは、血清型23B多糖の総量と比較して、約40%未満の遊離血清型23B多糖を含む。ある実施形態では、血清型23B糖コンジュゲートは、血清型23B多糖の総量と比較して、約25%未満の遊離血清型23B多糖を含む。ある実施形態では、血清型23B糖コンジュゲートは、血清型23B多糖の総量と比較して、約20%未満の遊離血清型23B多糖を含む。別の実施形態では、血清型23B糖コンジュゲートは、血清型23B多糖の総量と比較して、約15%未満の遊離血清型23B多糖を含む。
【1197】
血清型23B糖コンジュゲートを、その分子サイズ分布(K)によって特徴付けることもできる。サイズ排除クロマトグラフィー媒体(CL-4B)を使用して、コンジュゲートの相対分子サイズ分布を決定することができる。サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)は、コンジュゲートの分子サイズ分布をプロファイリングするために重力送りのカラム中で使用される。媒体中の小孔から排除される大きい分子は、小さい分子よりも迅速に溶出する。画分収集装置を使用して、カラム溶出液を収集する。画分を、糖アッセイによる比色分析で試験する。Kの決定のために、分子が完全に排除される画分(V)、(K=0)、および最大保持を示す画分(V)、(K=1)を確立するために、カラムを較正する。特定の試料属性に達する画分(V)を、式K=(V-V)/(V-V)によってKと関連付ける。
【1198】
ある実施形態では、血清型23B糖コンジュゲートの少なくとも30%が、CL-4Bカラム中で0.3より低い、またはそれに等しいKを有する。別の実施形態では、糖コンジュゲートの少なくとも40%が、CL-4Bカラム中で0.3より低い、またはそれに等しいKを有する。別の実施形態では、血清型23B糖コンジュゲートの少なくとも45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、または85%が、CL-4Bカラム中で、0.3より低い、またはそれに等しいKを有する。ある実施形態では、血清型23B糖コンジュゲートの少なくとも60%が、CL-4Bカラム中で0.3より低い、またはそれに等しいKを有する。別の実施形態では、血清型23B糖コンジュゲートの50%~80%が、CL-4Bカラム中で0.3より低い、またはそれに等しいKを有する。ある実施形態では、血清型23B糖コンジュゲートの65%~80%が、CL-4Bカラム中で0.3より低い、またはそれに等しいKを有する。
【1199】
1.3.13 肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型31由来の糖コンジュゲート
ある実施形態では、血清型31糖コンジュゲートは、1-シアノ-4-ジメチルアミノピリジニウムテトラフルオロホウ酸(CDAP)を用いて多糖を活性化して、シアン酸エステルを形成させることによって得られる。活性化された糖を、担体タンパク質上のアミノ基に直接的に、またはスペーサー(リンカー)基を介してカップリングすることができる。例えば、スペーサーは、マレイミド活性化担体タンパク質(例えば、GMBSを使用する)またはハロアセチル化担体タンパク質(例えば、ヨードアセトイミド、SIB、SIAB、スルホ-SIAB、SIA、もしくはSBAPを使用する)との反応後に得られるチオエーテル結合を介して担体にカップリングすることができるチオール化多糖を得るためのシスタミンまたはシステアミンであってもよい。好ましくは、シアン酸エステル(CDAP化学によって作製されてもよい)は、ヘキサンジアミンまたはアジピン酸ジヒドラジド(ADH)とカップリングされ、アミノ誘導体化された糖は、タンパク質担体上のカルボキシル基を介してカルボジイミド(例えば、EDACまたはEDC)化学を使用して担体タンパク質にコンジュゲートされる。そのようなコンジュゲートは、例えば、WO93/15760、WO95/08348およびWO96/129094に記載されている。
【1200】
他の好適な技術は、カルボジイミド、ヒドラジド、活性エステル、ノルボラン、p-ニトロ安息香酸、N-ヒドロキシスクシンイミド、S-NHS、EDC、TSTUを使用する。多くは、国際特許出願公開番号WO98/42721に記載されている。コンジュゲーションは、糖の遊離ヒドロキシル基と、CDIとの反応(Bethellら(1979)J.Biol.Chem.254:2572~2574;Hearnら(1981)J.Chromatogr.218:509~518を参照されたい)、次いで、タンパク質と反応させてカルバメート結合を形成させることによって形成させることができるカルボニルリンカーを含んでもよい。これは、アノマー末端の第一級ヒドロキシル基への還元、必要に応じた、第一級ヒドロキシル基の保護/脱保護、CDIカルバメート中間体を形成させるための第一級ヒドロキシル基とCDIとの反応およびCDIカルバメート中間体と、タンパク質上のアミノ基とのカップリングを含んでもよい。
【1201】
1つまたは複数の実施形態では、本発明の血清型31糖コンジュゲートは、還元的アミノ化を使用して調製される。還元的アミノ化は、2つのステップ:(1)個々の6糖単位中の隣接ジオールからアルデヒド官能基を生成するための多糖の酸化および(2)コンジュゲートを形成させるための活性化された多糖と担体タンパク質(例えば、CRM197)との還元を含む。
【1202】
ある実施形態では、酸化の前に、標的分子量(MW)範囲への血清型31多糖のサイジングを実施する。有利には、精製された血清型31多糖のサイズを、例えば、O-アセチル基の存在などの多糖の構造の重要な特徴を保存しながら、減少させる。ある実施形態では、精製された血清型31多糖のサイズを、本明細書に記載の機械的ホモジェナイゼーションによって減少させる。
【1203】
ある実施形態では、血清型多糖は、
(a)単離された血清型31多糖を、酸化剤と反応させるステップ;および
(b)クエンチング剤の添加によって酸化反応をクエンチングして、活性化された血清型31多糖を得るステップ
を含むプロセスによって活性化(酸化)される。
【1204】
ある実施形態では、酸化剤は、過ヨウ素酸塩である。本発明の目的のために、用語「過ヨウ素酸塩」は、過ヨウ素酸塩と過ヨウ素酸の両方を含む;この用語はまた、メタ過ヨウ素酸塩(IO )とオルト過ヨウ素酸塩(IO 5-)の両方および過ヨウ素酸の様々な塩(例えば、過ヨウ素酸ナトリウムおよび過ヨウ素酸カリウム)も含む。ある実施形態では、酸化剤は、過ヨウ素酸ナトリウムである。ある実施形態では、血清型31多糖の酸化のために使用される過ヨウ素酸塩は、メタ過ヨウ素酸塩である。別の実施形態では、血清型31多糖の酸化のために使用される過ヨウ素酸塩は、メタ過ヨウ素酸ナトリウムである。
【1205】
一実施形態では、クエンチング剤は、隣接ジオール、1,2-アミノアルコール、アミノ酸、グルタチオン、亜硫酸塩、重硫酸塩、亜ジチオン酸塩、メタ重亜硫酸塩、チオ硫酸塩、亜リン酸塩、次亜リン酸塩または亜リン酸から選択される。
【1206】
一実施形態では、クエンチング剤は、式(I):
【1207】
【化18】
(式中、Rは、H、メチル、エチル、プロピルまたはイソプロピルから選択される)
の1,2-アミノアルコールである。
【1208】
一実施形態では、クエンチング剤は、亜硫酸塩、重硫酸塩、亜ジチオン酸塩、メタ重亜硫酸塩、チオ硫酸塩、亜リン酸塩、次亜リン酸塩または亜リン酸のナトリウムおよびカリウム塩から選択される。
【1209】
一実施形態では、クエンチング剤は、アミノ酸である。そのような実施形態では、前記アミノ酸を、セリン、トレオニン、システイン、シスチン、メチオニン、プロリン、ヒドロキシプロリン、トリプトファン、チロシン、およびヒスチジンから選択することができる。
【1210】
一実施形態では、クエンチング剤は、重硫酸塩、亜ジチオン酸塩、メタ重亜硫酸塩、チオ硫酸塩などの亜硫酸塩である。
【1211】
一実施形態では、クエンチング剤は、2つの隣接ヒドロキシル基(隣接ジオール)、すなわち、2個の隣接する炭素原子に共有的に連結された2個のヒドロキシル基を含む化合物である。
【1212】
1つまたは複数の実施形態では、クエンチング剤は、式(II):
【1213】
【化19】
(式中、RおよびRはそれぞれ独立にH、メチル、エチル、プロピルまたはイソプロピルから選択される)
の化合物である。
【1214】
ある実施形態では、クエンチング剤は、グリセロール、エチレングリコール、プロパン-1,2-ジオール、ブタン-1,2-ジオールまたはブタン-2,3-ジオール、またはアスコルビン酸である。ある実施形態では、クエンチング剤は、ブタン-2,3-ジオールである。
【1215】
別の実施形態では、単離された血清型31多糖は、
(a)単離された血清型31多糖と過ヨウ素酸塩とを反応させるステップ;および
(b)ブタン-2,3-ジオールの添加によって酸化反応をクエンチングして、活性化された血清型31多糖を得るステップ
を含むプロセスによって活性化される。
【1216】
多糖の酸化ステップの後、多糖は活性化されると言われ、本明細書では「活性化された多糖」と称される。
【1217】
ある実施形態では、活性化された血清型31多糖は、精製される。活性化された血清型31多糖は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)、透析または限外濾過/透析濾過などの当業者に公知の方法に従って精製される。例えば、活性化された31多糖は、限外濾過デバイスを使用する濃縮および透析濾過によって精製される。
【1218】
別の実施形態では、活性化された血清型31多糖の酸化度は、2~30、2~25、2~20、2~15、2~10、2~5、5~30、5~25、5~20、5~15、5~10、10~30、10~25、10~20、10~15、15~30、15~25、15~20、20~30、または20~25である。ある実施形態では、活性化された血清型31多糖の酸化度は、2~10、4~8、4~6、6~8、6~12、8~14、9~11、10~16、12~16、14~18、16~20、16~18、18~22、または18~20である。
【1219】
ある実施形態では、活性化された血清型31多糖は、25kDa~1,000kDa、100kDa~1,000kDa、300kDa~800kDa、300kDa~700kDa、300kDa~600kDa、400kDa~1,000kDa、400kDa~800kDa、400kDa~700kDaまたは400kDa~600kDaの分子量を有する。ある実施形態では、活性化された血清型31多糖は、300kDa~800kDaの分子量を有する。ある実施形態では、活性化された血清型31多糖は、400kDa~600kDaの分子量を有する。別の実施形態では、活性化された血清型31多糖は、400kDa~600kDaの分子量および10~25、10~20、12~20または14~18の酸化度を有する。別の実施形態では、活性化された血清型31多糖は、400kDa~600kDaの分子量および10~20の酸化度を有する。
【1220】
別の実施形態では、活性化された血清型31多糖は、血清型31多糖1mMあたり少なくとも0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6もしくは0.7または約0.8mMのアセテートを含む。ある実施形態では、活性化された血清型31多糖は、血清型31多糖1mMあたり少なくとも0.5、0.6または0.7mMのアセテートを含む。別の実施形態では、活性化された血清型31多糖は、血清型31多糖1mMあたり少なくとも0.6mMのアセテートを含む。別の実施形態では、活性化された血清型31多糖は、血清型31多糖1mMあたり少なくとも0.7mMのアセテートを含む。
【1221】
ある実施形態では、活性化された血清型31多糖は、400kDa~800kDaの分子量を有し、血清型31多糖1mMあたり少なくとも0.6mMのアセテートを含む。
【1222】
ある実施形態では、活性化された血清型31多糖は、400kDa~800kDaの分子量、12~20の酸化度を有し、血清型31多糖1mMあたり少なくとも0.6mMのアセテートを含む。
【1223】
活性化された多糖および/または担体タンパク質を、独立に(個別凍結乾燥)または一緒に(同時凍結乾燥)、凍結乾燥(凍結-乾燥)することができる。
【1224】
別の実施形態では、活性化された血清型31多糖を、必要に応じて、糖の存在下で凍結乾燥する。ある実施形態では、糖は、スクロース、トレハロース、ラフィノース、スタキオース、メレジトース、デキストラン、マンニトール、ラクチトールおよびパラチニットから選択される。ある実施形態では、糖は、スクロースである。一実施形態では、次いで、凍結乾燥された活性化された多糖を、担体タンパク質を含む溶液と混合する。
【1225】
別の実施形態では、活性化された多糖と、担体タンパク質とを同時凍結乾燥する。そのような実施形態では、活性化された血清型31多糖を、担体タンパク質と混合し、必要に応じて、糖の存在下で凍結乾燥する。ある実施形態では、糖は、スクロース、トレハロース、ラフィノース、スタキオース、メレジトース、デキストラン、マンニトール、ラクチトールおよびパラチニットから選択される。ある実施形態では、糖は、スクロースである。次いで、同時凍結乾燥された多糖と担体タンパク質とを、溶液中に再懸濁し、還元剤と反応させることができる。
【1226】
コンジュゲーションプロセスの第2のステップは、還元剤を使用した、コンジュゲートを形成させるための活性化された多糖および担体タンパク質の還元(還元的アミノ化)である。
【1227】
活性化された血清型31多糖を、
(c)活性化された血清型31多糖と担体タンパク質とを混合するステップ;および
(d)混合された活性化された血清型31多糖および担体タンパク質と、還元剤とを反応させて、血清型31多糖-担体タンパク質コンジュゲートを形成させるステップ
を含むプロセスによって、担体タンパク質にコンジュゲートすることができる。
【1228】
ある実施形態では、還元反応は、水性溶媒中で実行される。別の実施形態では、反応は、非プロトン性溶媒中で実行される。ある実施形態では、還元反応は、DMSO(ジメチルスルホキシド)またはDMF(ジメチルホルムアミド)溶媒中で実行される。DMSOまたはDMF溶媒を使用して、凍結乾燥された活性化された多糖および担体タンパク質を再構成させることができる。
【1229】
ジメチルスルホキシド(DMSO)中での還元的アミノ化による活性化された血清型31多糖と、タンパク質担体とのコンジュゲーションは、例えば、多糖のO-アセチル化のレベルが有意に低下し得る水相中での還元的アミノ化と比較して、多糖のO-アセチル含量を保持するのに好適である。したがって、1つまたは複数の実施形態では、ステップ(c)およびステップ(d)は、DMSO中で実行される。
【1230】
ある実施形態では、還元剤は、シアノ水素化ホウ素ナトリウム、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム、BronstedまたはLewis酸の存在下での水素化ホウ素ナトリウムまたは亜鉛、ピリジンボラン、2-ピコリンボラン、2,6-ジボラン-メタノール、ジメチルアミン-ボラン、t-BuMePrN-BH、ベンジルアミン-BHまたは5-エチル-2-メチルピリジンボラン(PEMB)などのアミンボランである。ある実施形態では、還元剤は、シアノ水素化ホウ素ナトリウムである。
【1231】
還元反応の終わりに、コンジュゲート中に残存する未反応のアルデヒド基があってもよく、これらのものを、好適なキャッピング剤を使用してキャップすることができる。一実施形態では、このキャッピング剤は、水素化ホウ素ナトリウム(NaBH)である。
【1232】
血清型31多糖の担体タンパク質へのコンジュゲーション後、糖コンジュゲートを、当業者に公知の様々な技術によって精製する(多糖-タンパク質コンジュゲートの量に関して富化する)ことができる。これらの技術としては、透析、濃縮/透析濾過操作、接線流濾過沈降/溶出、カラムクロマトグラフィー(DEAEまたは疎水性相互作用クロマトグラフィー)、および深層濾過が挙げられる。
【1233】
一部の実施形態では、本発明の血清型31糖コンジュゲートは、10kDa~2,000kDaの分子量を有する糖を含む。他のそのような実施形態では、糖は、50kDa~1,000kDaの分子量を有する。他のそのような実施形態では、糖は、70kDa~900kDaの分子量を有する。他のそのような実施形態では、糖は、100kDa~800kDaの分子量を有する。他のそのような実施形態では、糖は、200kDa~600kDaの分子量を有する。さらなるそのような実施形態では、糖は、100kDa~1000kDa;100kDa~900kDa;100kDa~800kDa;100kDa~700kDa;100kDa~600kDa;100kDa~500kDa;100kDa~400kDa;100kDa~300kDa;150kDa~1,000kDa;150kDa~900kDa;150kDa~800kDa;150kDa~700kDa;150kDa~600kDa;150kDa~500kDa;150kDa~400kDa;150kDa~300kDa;200kDa~1,000kDa;200kDa~900kDa;200kDa~800kDa;200kDa~700kDa;200kDa~600kDa;200kDa~500kDa;200kDa~400kDa;200kDa~300kDa;250kDa~1,000kDa;250kDa~900kDa;250kDa~800kDa;250kDa~700kDa;250kDa~600kDa;250kDa~500kDa;250kDa~400kDa;250kDa~350kDa;300kDa~1,000kDa;300kDa~900kDa;300kDa~800kDa;300kDa~700kDa;300kDa~600kDa;300kDa~500kDa;300kDa~400kDa;400kDa~1,000kDa;400kDa~900kDa;400kDa~800kDa;400kDa~700kDa;400kDa~600kDa;500kDa~600kDaの分子量を有する。上記の範囲のいずれかの中の任意の全整数が、本開示の実施形態として企図される。一部のそのような実施形態では、血清型31糖コンジュゲートは、還元的アミノ化を使用して調製される。
【1234】
一部の実施形態では、本発明の血清型31糖コンジュゲートは、400kDa~15,000kDa;500kDa~10,000kDa;2,000kDa~10,000kDa;3,000kDa~8,000kDa;または3,000kDa~5,000kDaの分子量を有する。他の実施形態では、血清型31糖コンジュゲートは、500kDa~10,000kDaの分子量を有する。他の実施形態では、血清型31糖コンジュゲートは、1,000kDa~8,000kDaの分子量を有する。さらに他の実施形態では、血清型31糖コンジュゲートは、2,000kDa~8,000kDaまたは3,000kDa~7,000kDaの分子量を有する。さらなる実施形態では、本発明の血清型31糖コンジュゲートは、200kDa~20,000kDa;200kDa~15,000kDa;200kDa~10,000kDa;200kDa~7,500kDa;200kDa~5,000kDa;200kDa~3,000kDa;200kDa~1,000kDa;500kDa~20,000kDa;500kDa~15,000kDa;500kDa~12,500kDa;500kDa~10,000kDa;500kDa~7,500kDa;500kDa~6,000kDa;500kDa~5,000kDa;500kDa~4,000kDa;500kDa~3,000kDa;500kDa~2,000kDa;500kDa~1,500kDa;500kDa~1,000kDa;750kDa~20,000kDa;750kDa~15,000kDa;750kDa~12,500kDa;750kDa~10,000kDa;750kDa~7,500kDa;750kDa~6,000kDa;750kDa~5,000kDa;750kDa~4,000kDa;750kDa~3,000kDa;750kDa~2,000kDa;750kDa~1,500kDa;1,000kDa~15,000kDa;1,000kDa~12,500kDa;1,000kDa~10,000kDa;1,000kDa~7,500kDa;1,000kDa~6,000kDa;1,000kDa~5,000kDa;1,000kDa~4,000kDa;1,000kDa~2,500kDa;2,000kDa~15,000kDa;2,000kDa~12,500kDa;2,000kDa~10,000kDa;2,000kDa~7,500kDa;2,000kDa~6,000kDa;2,000kDa~5,000kDa;2,000kDa~4,000kDa;または2,000kDa~3,000kDaの分子量を有する。
【1235】
さらなる実施形態では、本発明の血清型31糖コンジュゲートは、3,000kDa~20,000kDa;3,000kDa~15,000kDa;3,000kDa~10,000kDa;3,000kDa~7,500kDa;3,000kDa~5,000kDa;4,000kDa~20,000kDa;4,000kDa~15,000kDa;4,000kDa~12,500kDa;4,000kDa~10,000kDa;4,000kDa~7,500kDa;4,000kDa~6,000kDa;または4,000kDa~5,000kDaの分子量を有する。
【1236】
さらなる実施形態では、本発明の血清型31糖コンジュゲートは、5,000kDa~20,000kDa;5,000kDa~15,000kDa;5,000kDa~10,000kDa;5,000kDa~7,500kDa;6,000kDa~20,000kDa;6,000kDa~15,000kDa;6,000kDa~12,500kDa;6,000kDa~10,000kDaまたは6,000kDa~7,500kDaの分子量を有する。
【1237】
糖コンジュゲートの分子量は、SEC-MALLSによって測定される。上記の範囲のいずれかの中の任意の全整数が、本開示の実施形態として企図される。
【1238】
ある実施形態では、本発明の血清型31糖コンジュゲートは、血清型31多糖1mMあたり少なくとも0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6もしくは0.7または約0.8mMのアセテートを含む。ある実施形態では、糖コンジュゲートは、血清型31多糖1mMあたり少なくとも0.5、0.6または0.7mMのアセテートを含む。ある実施形態では、糖コンジュゲートは、血清型31多糖1mMあたり少なくとも0.6mMのアセテートを含む。別の実施形態では、糖コンジュゲートは、血清型31多糖1mMあたり少なくとも0.7mMのアセテートを含む。
【1239】
別の実施形態では、糖コンジュゲート中の血清型31多糖1mMあたりのアセテートのmMの、単離された多糖中の血清型31多糖1mMあたりのアセテートのmMに対する比は、少なくとも0.6、0.65、0.7、0.75、0.8、0.85、0.9または0.95である。ある実施形態では、糖コンジュゲート中の血清型31多糖1mMあたりのアセテートのmMの、単離された多糖中の血清型31多糖1mMあたりのアセテートのmMに対する比は、少なくとも0.7である。別の実施形態では、糖コンジュゲート中の血清型31多糖1mMあたりのアセテートのmMの、単離された多糖中の血清型31多糖1mMあたりのアセテートのmMに対する比は、少なくとも0.9である。
【1240】
ある実施形態では、糖コンジュゲート中の血清型31多糖1mMあたりのアセテートのmMの、活性化された多糖中の血清型31多糖1mMあたりのアセテートのmMに対する比は、少なくとも0.6、0.65、0.7、0.75、0.8、0.85、0.9または0.95である。ある実施形態では、糖コンジュゲート中の血清型31多糖1mMあたりのアセテートのmMの、活性化された多糖中の血清型31多糖1mMあたりのアセテートのmMに対する比は、少なくとも0.7である。別の実施形態では、糖コンジュゲート中の血清型31多糖1mMあたりのアセテートのmMの、活性化された多糖中の血清型31多糖1mMあたりのアセテートのmMに対する比は、少なくとも0.9である。
【1241】
本発明の血清型31糖コンジュゲートを特徴付けるための別の方法は、コンジュゲートされたリシンの範囲(コンジュゲーション度)として特徴付けることができる、糖にコンジュゲートされるようになる担体タンパク質(例えば、CRM197)中のリシン残基の数によるものである。多糖への共有結合に起因する、担体タンパク質のリシン修飾に関する証拠を、当業者に公知の日常的な方法を使用するアミノ酸分析によって得ることができる。コンジュゲーションは、コンジュゲート材料を生成するために使用されるCRM197タンパク質出発材料と比較して、回収されるリシン残基数の減少をもたらす。ある実施形態では、本発明の血清型31糖コンジュゲートのコンジュゲーション度は、2~15、2~13、2~10、2~8、2~6、2~5、2~4、3~15、3~13、3~10、3~8、3~6、3~5、3~4、5~15、5~10、8~15、8~12、10~15または10~12である。ある実施形態では、本発明の血清型31糖コンジュゲートのコンジュゲーション度は、約2、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9、約10、約11、約12、約13、約14または約15である。ある実施形態では、本発明の血清型31糖コンジュゲートのコンジュゲーション度は、4~7である。一部のそのような実施形態では、担体タンパク質は、CRM197である。
【1242】
本発明の血清型31糖コンジュゲートを、糖の担体タンパク質に対する比(重量/重量)によって特徴付けることもできる。一部の実施形態では、糖コンジュゲート中の血清型31多糖の担体タンパク質に対する比(w/w)は、0.5~3.0(例えば、約0.5、約0.6、約0.7、約0.8、約0.9、約1.0、約1.1、約1.2、約1.3、約1.4、約1.5、約1.6、約1.7、約1.8、約1.9、約2.0、約2.1、約2.2、約2.3、約2.4、約2.5、約2.6、約2.7、約2.8、約2.9、または約3.0)である。他の実施形態では、糖の担体タンパク質に対する比(w/w)は、0.5~2.0、0.5~1.5、0.8~1.2、0.5~1.0、1.0~1.5または1.0~2.0である。さらなる実施形態では、糖の担体タンパク質に対する比(w/w)は、0.8~1.2である。ある実施形態では、コンジュゲート中の血清型31莢膜多糖の担体タンパク質に対する比は、0.9~1.1である。一部のそのような実施形態では、担体タンパク質は、CRM197である。
【1243】
本発明の血清型31糖コンジュゲートおよび免疫原性組成物は、担体タンパク質に共有的にコンジュゲートされていないが、それにも拘わらず、糖コンジュゲート組成物中に存在する遊離糖を含有してもよい。遊離糖は、糖コンジュゲートと非共有的に会合していてもよい(すなわち、非共有的に結合する、吸着する、またはその中に、もしくはそれと共に捕捉される)。
【1244】
ある実施形態では、血清型31糖コンジュゲートは、血清型31多糖の総量と比較して、約50%、45%、40%、35%、30%、25%、20%または15%未満の遊離血清型31多糖を含む。別の実施形態では、血清型31糖コンジュゲートは、血清型31多糖の総量と比較して、約40%未満の遊離血清型31多糖を含む。ある実施形態では、血清型31糖コンジュゲートは、血清型31多糖の総量と比較して、約25%未満の遊離血清型31多糖を含む。ある実施形態では、血清型31糖コンジュゲートは、血清型31多糖の総量と比較して、約20%未満の遊離血清型31多糖を含む。別の実施形態では、血清型31糖コンジュゲートは、血清型31多糖の総量と比較して、約15%未満の遊離血清型31多糖を含む。
【1245】
血清型31糖コンジュゲートを、その分子サイズ分布(K)によって特徴付けることもできる。サイズ排除クロマトグラフィー媒体(CL-4B)を使用して、コンジュゲートの相対分子サイズ分布を決定することができる。サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)は、コンジュゲートの分子サイズ分布をプロファイリングするために重力送りのカラム中で使用される。媒体中の小孔から排除される大きい分子は、小さい分子よりも迅速に溶出する。画分収集装置を使用して、カラム溶出液を収集する。画分を、糖アッセイによる比色分析で試験する。Kの決定のために、分子が完全に排除される画分(V)、(K=0)、および最大保持を示す画分(V)、(K=1)を確立するために、カラムを較正する。特定の試料属性に達する画分(V)を、式K=(V-V)/(V-V)によってKと関連付ける。
【1246】
ある実施形態では、血清型31糖コンジュゲートの少なくとも30%が、CL-4Bカラム中で0.3より低い、またはそれに等しいKを有する。別の実施形態では、糖コンジュゲートの少なくとも40%が、CL-4Bカラム中で0.3より低い、またはそれに等しいKを有する。別の実施形態では、血清型31糖コンジュゲートの少なくとも45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、または85%が、CL-4Bカラム中で、0.3より低い、またはそれに等しいKを有する。ある実施形態では、血清型31糖コンジュゲートの少なくとも60%が、CL-4Bカラム中で0.3より低い、またはそれに等しいKを有する。別の実施形態では、血清型31糖コンジュゲートの50%~80%が、CL-4Bカラム中で0.3より低い、またはそれに等しいKを有する。ある実施形態では、血清型31糖コンジュゲートの65%~80%が、CL-4Bカラム中で0.3より低い、またはそれに等しいKを有する。
【1247】
1.3.14 肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型34由来の糖コンジュゲート
ある実施形態では、血清型34糖コンジュゲートは、1-シアノ-4-ジメチルアミノピリジニウムテトラフルオロホウ酸(CDAP)を用いて多糖を活性化して、シアン酸エステルを形成させることによって得られる。活性化された糖を、担体タンパク質上のアミノ基に直接的に、またはスペーサー(リンカー)基を介してカップリングすることができる。例えば、スペーサーは、マレイミド活性化担体タンパク質(例えば、GMBSを使用する)またはハロアセチル化担体タンパク質(例えば、ヨードアセトイミド、SIB、SIAB、スルホ-SIAB、SIA、もしくはSBAPを使用する)との反応後に得られるチオエーテル結合を介して担体にカップリングすることができるチオール化多糖を得るためのシスタミンまたはシステアミンであってもよい。好ましくは、シアン酸エステル(CDAP化学によって作製されてもよい)は、ヘキサンジアミンまたはアジピン酸ジヒドラジド(ADH)とカップリングされ、アミノ誘導体化された糖は、タンパク質担体上のカルボキシル基を介してカルボジイミド(例えば、EDACまたはEDC)化学を使用して担体タンパク質にコンジュゲートされる。そのようなコンジュゲートは、例えば、WO93/15760、WO95/08348およびWO96/129094に記載されている。
【1248】
他の好適な技術は、カルボジイミド、ヒドラジド、活性エステル、ノルボラン、p-ニトロ安息香酸、N-ヒドロキシスクシンイミド、S-NHS、EDC、TSTUを使用する。多くは、国際特許出願公開番号WO98/42721に記載されている。コンジュゲーションは、糖の遊離ヒドロキシル基と、CDIとの反応(Bethellら(1979)J.Biol.Chem.254:2572~2574;Hearnら(1981)J.Chromatogr.218:509~518を参照されたい)、次いで、タンパク質と反応させてカルバメート結合を形成させることによって形成させることができるカルボニルリンカーを含んでもよい。これは、アノマー末端の第一級ヒドロキシル基への還元、必要に応じた、第一級ヒドロキシル基の保護/脱保護、CDIカルバメート中間体を形成させるための第一級ヒドロキシル基とCDIとの反応およびCDIカルバメート中間体と、タンパク質上のアミノ基とのカップリングを含んでもよい。
【1249】
1つまたは複数の実施形態では、本発明の血清型34糖コンジュゲートは、還元的アミノ化を使用して調製される。還元的アミノ化は、2つのステップ:(1)個々の6糖単位中の隣接ジオールからアルデヒド官能基を生成するための多糖の酸化および(2)コンジュゲートを形成させるための活性化された多糖と担体タンパク質(例えば、CRM197)との還元を含む。
【1250】
ある実施形態では、酸化の前に、標的分子量(MW)範囲への血清型34多糖のサイジングを実施する。有利には、精製された血清型34多糖のサイズを、例えば、O-アセチル基の存在などの多糖の構造の重要な特徴を保存しながら、減少させる。ある実施形態では、精製された血清型34多糖のサイズを、本明細書に記載の機械的ホモジェナイゼーションによって減少させる。
【1251】
ある実施形態では、血清型多糖は、
(a)単離された血清型34多糖を、酸化剤と反応させるステップ;および
(b)クエンチング剤の添加によって酸化反応をクエンチングして、活性化された血清型34多糖を得るステップ
を含むプロセスによって活性化(酸化)される。
【1252】
ある実施形態では、酸化剤は、過ヨウ素酸塩である。本発明の目的のために、用語「過ヨウ素酸塩」は、過ヨウ素酸塩と過ヨウ素酸の両方を含む;この用語はまた、メタ過ヨウ素酸塩(IO )とオルト過ヨウ素酸塩(IO 5-)の両方および過ヨウ素酸の様々な塩(例えば、過ヨウ素酸ナトリウムおよび過ヨウ素酸カリウム)も含む。ある実施形態では、酸化剤は、過ヨウ素酸ナトリウムである。ある実施形態では、血清型34多糖の酸化のために使用される過ヨウ素酸塩は、メタ過ヨウ素酸塩である。別の実施形態では、血清型34多糖の酸化のために使用される過ヨウ素酸塩は、メタ過ヨウ素酸ナトリウムである。
【1253】
一実施形態では、クエンチング剤は、隣接ジオール、1,2-アミノアルコール、アミノ酸、グルタチオン、亜硫酸塩、重硫酸塩、亜ジチオン酸塩、メタ重亜硫酸塩、チオ硫酸塩、亜リン酸塩、次亜リン酸塩または亜リン酸から選択される。
【1254】
一実施形態では、クエンチング剤は、式(I):
【1255】
【化20】
(式中、Rは、H、メチル、エチル、プロピルまたはイソプロピルから選択される)
の1,2-アミノアルコールである。
【1256】
一実施形態では、クエンチング剤は、亜硫酸塩、重硫酸塩、亜ジチオン酸塩、メタ重亜硫酸塩、チオ硫酸塩、亜リン酸塩、次亜リン酸塩または亜リン酸のナトリウムおよびカリウム塩から選択される。
【1257】
一実施形態では、クエンチング剤は、アミノ酸である。そのような実施形態では、前記アミノ酸を、セリン、トレオニン、システイン、シスチン、メチオニン、プロリン、ヒドロキシプロリン、トリプトファン、チロシン、およびヒスチジンから選択することができる。
【1258】
一実施形態では、クエンチング剤は、重硫酸塩、亜ジチオン酸塩、メタ重亜硫酸塩、チオ硫酸塩などの亜硫酸塩である。
【1259】
一実施形態では、クエンチング剤は、2つの隣接ヒドロキシル基(隣接ジオール)、すなわち、2個の隣接する炭素原子に共有的に連結された2個のヒドロキシル基を含む化合物である。
【1260】
1つまたは複数の実施形態では、クエンチング剤は、式(II):
【1261】
【化21】
(式中、RおよびRはそれぞれ独立にH、メチル、エチル、プロピルまたはイソプロピルから選択される)
の化合物である。
【1262】
ある実施形態では、クエンチング剤は、グリセロール、エチレングリコール、プロパン-1,2-ジオール、ブタン-1,2-ジオールまたはブタン-2,3-ジオール、またはアスコルビン酸である。ある実施形態では、クエンチング剤は、ブタン-2,3-ジオールである。
【1263】
別の実施形態では、単離された血清型34多糖は、
(a)単離された血清型34多糖と過ヨウ素酸塩とを反応させるステップ;および
(b)ブタン-2,3-ジオールの添加によって酸化反応をクエンチングして、活性化された血清型34多糖を得るステップ
を含むプロセスによって活性化される。
【1264】
多糖の酸化ステップの後、多糖は活性化されると言われ、本明細書では「活性化された多糖」と称される。
【1265】
ある実施形態では、活性化された血清型34多糖は、精製される。活性化された血清型34多糖は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)、透析または限外濾過/透析濾過などの当業者に公知の方法に従って精製される。例えば、活性化された血清型34多糖は、限外濾過デバイスを使用する濃縮および透析濾過によって精製される。
【1266】
別の実施形態では、活性化された血清型34多糖の酸化度は、2~30、2~25、2~20、2~15、2~10、2~5、5~30、5~25、5~20、5~15、5~10、10~30、10~25、10~20、10~15、15~30、15~25、15~20、20~30、または20~25である。ある実施形態では、活性化された血清型34多糖の酸化度は、2~10、4~8、4~6、6~8、6~12、8~14、9~11、10~16、12~16、14~18、16~20、16~18、18~22、または18~20である。
【1267】
ある実施形態では、活性化された血清型34多糖は、25kDa~1,000kDa、100kDa~1,000kDa、300kDa~800kDa、300kDa~700kDa、300kDa~600kDa、400kDa~1,000kDa、400kDa~800kDa、400kDa~700kDaまたは400kDa~600kDaの分子量を有する。ある実施形態では、活性化された血清型34多糖は、300kDa~800kDaの分子量を有する。ある実施形態では、活性化された血清型34多糖は、400kDa~600kDaの分子量を有する。別の実施形態では、活性化された血清型34多糖は、400kDa~600kDaの分子量および10~25、10~20、12~20または14~18の酸化度を有する。別の実施形態では、活性化された血清型34多糖は、400kDa~600kDaの分子量および10~20の酸化度を有する。
【1268】
別の実施形態では、活性化された血清型34多糖は、血清型34多糖1mMあたり少なくとも0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6もしくは0.7または約0.8mMのアセテートを含む。ある実施形態では、活性化された血清型34多糖は、血清型34多糖1mMあたり少なくとも0.5、0.6または0.7mMのアセテートを含む。別の実施形態では、活性化された血清型34多糖は、血清型34多糖1mMあたり少なくとも0.6mMのアセテートを含む。別の実施形態では、活性化された血清型34多糖は、血清型34多糖1mMあたり少なくとも0.7mMのアセテートを含む。
【1269】
ある実施形態では、活性化された血清型34多糖は、400kDa~800kDaの分子量を有し、血清型34多糖1mMあたり少なくとも0.6mMのアセテートを含む。
【1270】
ある実施形態では、活性化された血清型34多糖は、400kDa~800kDaの分子量、12~20の酸化度を有し、血清型34多糖1mMあたり少なくとも0.6mMのアセテートを含む。
【1271】
活性化された多糖および/または担体タンパク質を、独立に(個別凍結乾燥)または一緒に(同時凍結乾燥)、凍結乾燥(凍結-乾燥)することができる。
【1272】
別の実施形態では、活性化された血清型34多糖を、必要に応じて、糖の存在下で凍結乾燥する。ある実施形態では、糖は、スクロース、トレハロース、ラフィノース、スタキオース、メレジトース、デキストラン、マンニトール、ラクチトールおよびパラチニットから選択される。ある実施形態では、糖は、スクロースである。一実施形態では、次いで、凍結乾燥された活性化された多糖を、担体タンパク質を含む溶液と混合する。
【1273】
別の実施形態では、活性化された多糖と、担体タンパク質とを同時凍結乾燥する。そのような実施形態では、活性化された血清型34多糖を、担体タンパク質と混合し、必要に応じて、糖の存在下で凍結乾燥する。ある実施形態では、糖は、スクロース、トレハロース、ラフィノース、スタキオース、メレジトース、デキストラン、マンニトール、ラクチトールおよびパラチニットから選択される。ある実施形態では、糖は、スクロースである。次いで、同時凍結乾燥された多糖と担体タンパク質とを、溶液中に再懸濁し、還元剤と反応させることができる。
【1274】
コンジュゲーションプロセスの第2のステップは、還元剤を使用した、コンジュゲートを形成させるための活性化された多糖および担体タンパク質の還元(還元的アミノ化)である。
【1275】
活性化された血清型34多糖を、
(c)活性化された血清型34多糖と担体タンパク質とを混合するステップ;および
(d)混合された活性化された血清型34多糖および担体タンパク質と、還元剤とを反応させて、血清型34多糖-担体タンパク質コンジュゲートを形成させるステップ
を含むプロセスによって、担体タンパク質にコンジュゲートすることができる。
【1276】
ある実施形態では、還元反応は、水性溶媒中で実行される。別の実施形態では、反応は、非プロトン性溶媒中で実行される。ある実施形態では、還元反応は、DMSO(ジメチルスルホキシド)またはDMF(ジメチルホルムアミド)溶媒中で実行される。DMSOまたはDMF溶媒を使用して、凍結乾燥された活性化された多糖および担体タンパク質を再構成させることができる。
【1277】
ジメチルスルホキシド(DMSO)中での還元的アミノ化による活性化された血清型34多糖と、タンパク質担体とのコンジュゲーションは、例えば、多糖のO-アセチル化のレベルが有意に低下し得る水相中での還元的アミノ化と比較して、多糖のO-アセチル含量を保持するのに好適である。したがって、1つまたは複数の実施形態では、ステップ(c)およびステップ(d)は、DMSO中で実行される。
【1278】
ある実施形態では、還元剤は、シアノ水素化ホウ素ナトリウム、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム、BronstedまたはLewis酸の存在下での水素化ホウ素ナトリウムまたは亜鉛、ピリジンボラン、2-ピコリンボラン、2,6-ジボラン-メタノール、ジメチルアミン-ボラン、t-BuMePrN-BH、ベンジルアミン-BHまたは5-エチル-2-メチルピリジンボラン(PEMB)などのアミンボランである。ある実施形態では、還元剤は、シアノ水素化ホウ素ナトリウムである。
【1279】
還元反応の終わりに、コンジュゲート中に残存する未反応のアルデヒド基があってもよく、これらのものを、好適なキャッピング剤を使用してキャップすることができる。一実施形態では、このキャッピング剤は、水素化ホウ素ナトリウム(NaBH)である。
【1280】
血清型34多糖の担体タンパク質へのコンジュゲーション後、糖コンジュゲートを、当業者に公知の様々な技術によって精製する(多糖-タンパク質コンジュゲートの量に関して富化する)ことができる。これらの技術としては、透析、濃縮/透析濾過操作、接線流濾過沈降/溶出、カラムクロマトグラフィー(DEAEまたは疎水性相互作用クロマトグラフィー)、および深層濾過が挙げられる。
【1281】
一部の実施形態では、本発明の血清型34糖コンジュゲートは、10kDa~2,000kDaの分子量を有する糖を含む。他のそのような実施形態では、糖は、50kDa~1,000kDaの分子量を有する。他のそのような実施形態では、糖は、70kDa~900kDaの分子量を有する。他のそのような実施形態では、糖は、100kDa~800kDaの分子量を有する。他のそのような実施形態では、糖は、200kDa~600kDaの分子量を有する。さらなるそのような実施形態では、糖は、100kDa~1000kDa;100kDa~900kDa;100kDa~800kDa;100kDa~700kDa;100kDa~600kDa;100kDa~500kDa;100kDa~400kDa;100kDa~300kDa;150kDa~1,000kDa;150kDa~900kDa;150kDa~800kDa;150kDa~700kDa;150kDa~600kDa;150kDa~500kDa;150kDa~400kDa;150kDa~300kDa;200kDa~1,000kDa;200kDa~900kDa;200kDa~800kDa;200kDa~700kDa;200kDa~600kDa;200kDa~500kDa;200kDa~400kDa;200kDa~300kDa;250kDa~1,000kDa;250kDa~900kDa;250kDa~800kDa;250kDa~700kDa;250kDa~600kDa;250kDa~500kDa;250kDa~400kDa;250kDa~350kDa;300kDa~1,000kDa;300kDa~900kDa;300kDa~800kDa;300kDa~700kDa;300kDa~600kDa;300kDa~500kDa;300kDa~400kDa;400kDa~1,000kDa;400kDa~900kDa;400kDa~800kDa;400kDa~700kDa;400kDa~600kDa;500kDa~600kDaの分子量を有する。上記の範囲のいずれかの中の任意の全整数が、本開示の実施形態として企図される。一部のそのような実施形態では、血清型34糖コンジュゲートは、還元的アミノ化を使用して調製される。
【1282】
一部の実施形態では、本発明の血清型34糖コンジュゲートは、400kDa~15,000kDa;500kDa~10,000kDa;2,000kDa~10,000kDa;3,000kDa~8,000kDa;または3,000kDa~5,000kDaの分子量を有する。他の実施形態では、血清型34糖コンジュゲートは、500kDa~10,000kDaの分子量を有する。他の実施形態では、血清型34糖コンジュゲートは、1,000kDa~8,000kDaの分子量を有する。さらに他の実施形態では、血清型34糖コンジュゲートは、2,000kDa~8,000kDaまたは3,000kDa~7,000kDaの分子量を有する。さらなる実施形態では、本発明の血清型34糖コンジュゲートは、200kDa~20,000kDa;200kDa~15,000kDa;200kDa~10,000kDa;200kDa~7,500kDa;200kDa~5,000kDa;200kDa~3,000kDa;200kDa~1,000kDa;500kDa~20,000kDa;500kDa~15,000kDa;500kDa~12,500kDa;500kDa~10,000kDa;500kDa~7,500kDa;500kDa~6,000kDa;500kDa~5,000kDa;500kDa~4,000kDa;500kDa~3,000kDa;500kDa~2,000kDa;500kDa~1,500kDa;500kDa~1,000kDa;750kDa~20,000kDa;750kDa~15,000kDa;750kDa~12,500kDa;750kDa~10,000kDa;750kDa~7,500kDa;750kDa~6,000kDa;750kDa~5,000kDa;750kDa~4,000kDa;750kDa~3,000kDa;750kDa~2,000kDa;750kDa~1,500kDa;1,000kDa~15,000kDa;1,000kDa~12,500kDa;1,000kDa~10,000kDa;1,000kDa~7,500kDa;1,000kDa~6,000kDa;1,000kDa~5,000kDa;1,000kDa~4,000kDa;1,000kDa~2,500kDa;2,000kDa~15,000kDa;2,000kDa~12,500kDa;2,000kDa~10,000kDa;2,000kDa~7,500kDa;2,000kDa~6,000kDa;2,000kDa~5,000kDa;2,000kDa~4,000kDa;または2,000kDa~3,000kDaの分子量を有する。
【1283】
さらなる実施形態では、本発明の血清型34糖コンジュゲートは、3,000kDa~20,000kDa;3,000kDa~15,000kDa;3,000kDa~10,000kDa;3,000kDa~7,500kDa;3,000kDa~5,000kDa;4,000kDa~20,000kDa;4,000kDa~15,000kDa;4,000kDa~12,500kDa;4,000kDa~10,000kDa;4,000kDa~7,500kDa;4,000kDa~6,000kDa;または4,000kDa~5,000kDaの分子量を有する。
【1284】
さらなる実施形態では、本発明の血清型34糖コンジュゲートは、5,000kDa~20,000kDa;5,000kDa~15,000kDa;5,000kDa~10,000kDa;5,000kDa~7,500kDa;6,000kDa~20,000kDa;6,000kDa~15,000kDa;6,000kDa~12,500kDa;6,000kDa~10,000kDaまたは6,000kDa~7,500kDaの分子量を有する。
【1285】
糖コンジュゲートの分子量は、SEC-MALLSによって測定される。上記の範囲のいずれかの中の任意の全整数が、本開示の実施形態として企図される。
【1286】
ある実施形態では、本発明の血清型34糖コンジュゲートは、血清型34多糖1mMあたり少なくとも0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6もしくは0.7または約0.8mMのアセテートを含む。ある実施形態では、糖コンジュゲートは、血清型34多糖1mMあたり少なくとも0.5、0.6または0.7mMのアセテートを含む。ある実施形態では、糖コンジュゲートは、血清型34多糖1mMあたり少なくとも0.6mMのアセテートを含む。別の実施形態では、糖コンジュゲートは、血清型34多糖1mMあたり少なくとも0.7mMのアセテートを含む。
【1287】
別の実施形態では、糖コンジュゲート中の血清型34多糖1mMあたりのアセテートのmMの、単離された多糖中の血清型34多糖1mMあたりのアセテートのmMに対する比は、少なくとも0.6、0.65、0.7、0.75、0.8、0.85、0.9または0.95である。ある実施形態では、糖コンジュゲート中の血清型34多糖1mMあたりのアセテートのmMの、単離された多糖中の血清型34多糖1mMあたりのアセテートのmMに対する比は、少なくとも0.7である。別の実施形態では、糖コンジュゲート中の血清型34多糖1mMあたりのアセテートのmMの、単離された多糖中の血清型34多糖1mMあたりのアセテートのmMに対する比は、少なくとも0.9である。
【1288】
ある実施形態では、糖コンジュゲート中の血清型34多糖1mMあたりのアセテートのmMの、活性化された多糖中の血清型34多糖1mMあたりのアセテートのmMに対する比は、少なくとも0.6、0.65、0.7、0.75、0.8、0.85、0.9または0.95である。ある実施形態では、糖コンジュゲート中の血清型34多糖1mMあたりのアセテートのmMの、活性化された多糖中の血清型34多糖1mMあたりのアセテートのmMに対する比は、少なくとも0.7である。別の実施形態では、糖コンジュゲート中の血清型34多糖1mMあたりのアセテートのmMの、活性化された多糖中の血清型34多糖1mMあたりのアセテートのmMに対する比は、少なくとも0.9である。
【1289】
本発明の血清型34糖コンジュゲートを特徴付けるための別の方法は、コンジュゲートされたリシンの範囲(コンジュゲーション度)として特徴付けることができる、糖にコンジュゲートされるようになる担体タンパク質(例えば、CRM197)中のリシン残基の数によるものである。多糖への共有結合に起因する、担体タンパク質のリシン修飾に関する証拠を、当業者に公知の日常的な方法を使用するアミノ酸分析によって得ることができる。コンジュゲーションは、コンジュゲート材料を生成するために使用されるCRM197タンパク質出発材料と比較して、回収されるリシン残基数の減少をもたらす。ある実施形態では、本発明の血清型34糖コンジュゲートのコンジュゲーション度は、2~15、2~13、2~10、2~8、2~6、2~5、2~4、3~15、3~13、3~10、3~8、3~6、3~5、3~4、5~15、5~10、8~15、8~12、10~15または10~12である。ある実施形態では、本発明の血清型34糖コンジュゲートのコンジュゲーション度は、約2、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9、約10、約11、約12、約13、約14または約15である。ある実施形態では、本発明の血清型34糖コンジュゲートのコンジュゲーション度は、4~7である。一部のそのような実施形態では、担体タンパク質は、CRM197である。
【1290】
本発明の血清型34糖コンジュゲートを、糖の担体タンパク質に対する比(重量/重量)によって特徴付けることもできる。一部の実施形態では、糖コンジュゲート中の血清型34多糖の担体タンパク質に対する比(w/w)は、0.5~3.0(例えば、約0.5、約0.6、約0.7、約0.8、約0.9、約1.0、約1.1、約1.2、約1.3、約1.4、約1.5、約1.6、約1.7、約1.8、約1.9、約2.0、約2.1、約2.2、約2.3、約2.4、約2.5、約2.6、約2.7、約2.8、約2.9、または約3.0)である。他の実施形態では、糖の担体タンパク質に対する比(w/w)は、0.5~2.0、0.5~1.5、0.8~1.2、0.5~1.0、1.0~1.5または1.0~2.0である。さらなる実施形態では、糖の担体タンパク質に対する比(w/w)は、0.8~1.2である。ある実施形態では、コンジュゲート中の血清型34莢膜多糖の担体タンパク質に対する比は、0.9~1.1である。一部のそのような実施形態では、担体タンパク質は、CRM197である。
【1291】
本発明の血清型34糖コンジュゲートおよび免疫原性組成物は、担体タンパク質に共有的にコンジュゲートされていないが、それにも拘わらず、糖コンジュゲート組成物中に存在する遊離糖を含有してもよい。遊離糖は、糖コンジュゲートと非共有的に会合していてもよい(すなわち、非共有的に結合する、吸着する、またはその中に、もしくはそれと共に捕捉される)。
【1292】
ある実施形態では、血清型34糖コンジュゲートは、血清型34多糖の総量と比較して、約50%、45%、40%、35%、30%、25%、20%または15%未満の遊離血清型34多糖を含む。別の実施形態では、血清型34糖コンジュゲートは、血清型34多糖の総量と比較して、約40%未満の遊離血清型34多糖を含む。ある実施形態では、血清型34糖コンジュゲートは、血清型34多糖の総量と比較して、約25%未満の遊離血清型34多糖を含む。ある実施形態では、血清型34糖コンジュゲートは、血清型34多糖の総量と比較して、約20%未満の遊離血清型34多糖を含む。別の実施形態では、血清型34糖コンジュゲートは、血清型34多糖の総量と比較して、約15%未満の遊離血清型34多糖を含む。
【1293】
血清型34糖コンジュゲートを、その分子サイズ分布(K)によって特徴付けることもできる。サイズ排除クロマトグラフィー媒体(CL-4B)を使用して、コンジュゲートの相対分子サイズ分布を決定することができる。サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)は、コンジュゲートの分子サイズ分布をプロファイリングするために重力送りのカラム中で使用される。媒体中の小孔から排除される大きい分子は、小さい分子よりも迅速に溶出する。画分収集装置を使用して、カラム溶出液を収集する。画分を、糖アッセイによる比色分析で試験する。Kの決定のために、分子が完全に排除される画分(V)、(K=0)、および最大保持を示す画分(V)、(K=1)を確立するために、カラムを較正する。特定の試料属性に達する画分(V)を、式K=(V-V)/(V-V)によってKと関連付ける。
【1294】
ある実施形態では、血清型34糖コンジュゲートの少なくとも30%が、CL-4Bカラム中で0.3より低い、またはそれに等しいKを有する。別の実施形態では、糖コンジュゲートの少なくとも40%が、CL-4Bカラム中で0.3より低い、またはそれに等しいKを有する。別の実施形態では、血清型34糖コンジュゲートの少なくとも45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、または85%が、CL-4Bカラム中で、0.3より低い、またはそれに等しいKを有する。ある実施形態では、血清型34糖コンジュゲートの少なくとも60%が、CL-4Bカラム中で0.3より低い、またはそれに等しいKを有する。別の実施形態では、血清型34糖コンジュゲートの50%~80%が、CL-4Bカラム中で0.3より低い、またはそれに等しいKを有する。ある実施形態では、血清型34糖コンジュゲートの65%~80%が、CL-4Bカラム中で0.3より低い、またはそれに等しいKを有する。
【1295】
1.3.15 肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型35B由来の糖コンジュゲート
ある実施形態では、血清型35B糖コンジュゲートは、1-シアノ-4-ジメチルアミノピリジニウムテトラフルオロホウ酸(CDAP)を用いて多糖を活性化して、シアン酸エステルを形成させることによって得られる。活性化された糖を、担体タンパク質上のアミノ基に直接的に、またはスペーサー(リンカー)基を介してカップリングすることができる。例えば、スペーサーは、マレイミド活性化担体タンパク質(例えば、GMBSを使用する)またはハロアセチル化担体タンパク質(例えば、ヨードアセトイミド、SIB、SIAB、スルホ-SIAB、SIA、もしくはSBAPを使用する)との反応後に得られるチオエーテル結合を介して担体にカップリングすることができるチオール化多糖を得るためのシスタミンまたはシステアミンであってもよい。好ましくは、シアン酸エステル(CDAP化学によって作製されてもよい)は、ヘキサンジアミンまたはアジピン酸ジヒドラジド(ADH)とカップリングされ、アミノ誘導体化された糖は、タンパク質担体上のカルボキシル基を介してカルボジイミド(例えば、EDACまたはEDC)化学を使用して担体タンパク質にコンジュゲートされる。そのようなコンジュゲートは、例えば、WO93/15760、WO95/08348およびWO96/129094に記載されている。
【1296】
他の好適な技術は、カルボジイミド、ヒドラジド、活性エステル、ノルボラン、p-ニトロ安息香酸、N-ヒドロキシスクシンイミド、S-NHS、EDC、TSTUを使用する。多くは、国際特許出願公開番号WO98/42721に記載されている。コンジュゲーションは、糖の遊離ヒドロキシル基と、CDIとの反応(Bethellら(1979)J.Biol.Chem.254:2572~2574;Hearnら(1981)J.Chromatogr.218:509~518を参照されたい)、次いで、タンパク質と反応させてカルバメート結合を形成させることによって形成させることができるカルボニルリンカーを含んでもよい。これは、アノマー末端の第一級ヒドロキシル基への還元、必要に応じた、第一級ヒドロキシル基の保護/脱保護、CDIカルバメート中間体を形成させるための第一級ヒドロキシル基とCDIとの反応およびCDIカルバメート中間体と、タンパク質上のアミノ基とのカップリングを含んでもよい。
【1297】
1つまたは複数の実施形態では、本発明の血清型35B糖コンジュゲートは、還元的アミノ化を使用して調製される。還元的アミノ化は、2つのステップ:(1)個々の6糖単位中の隣接ジオールからアルデヒド官能基を生成するための多糖の酸化および(2)コンジュゲートを形成させるための活性化された多糖と担体タンパク質(例えば、CRM197)との還元を含む。
【1298】
ある実施形態では、酸化の前に、標的分子量(MW)範囲への血清型35B多糖のサイジングを実施する。有利には、精製された血清型35B多糖のサイズを、例えば、O-アセチル基の存在などの多糖の構造の重要な特徴を保存しながら、減少させる。ある実施形態では、精製された血清型35B多糖のサイズを、本明細書に記載の機械的ホモジェナイゼーションによって減少させる。
【1299】
ある実施形態では、血清型多糖は、
(a)単離された血清型35B多糖を、酸化剤と反応させるステップ;および
(b)クエンチング剤の添加によって酸化反応をクエンチングして、活性化された血清型35B多糖を得るステップ
を含むプロセスによって活性化(酸化)される。
【1300】
ある実施形態では、酸化剤は、過ヨウ素酸塩である。本発明の目的のために、用語「過ヨウ素酸塩」は、過ヨウ素酸塩と過ヨウ素酸の両方を含む;この用語はまた、メタ過ヨウ素酸塩(IO )とオルト過ヨウ素酸塩(IO 5-)の両方および過ヨウ素酸の様々な塩(例えば、過ヨウ素酸ナトリウムおよび過ヨウ素酸カリウム)も含む。ある実施形態では、酸化剤は、過ヨウ素酸ナトリウムである。ある実施形態では、血清型35B多糖の酸化のために使用される過ヨウ素酸塩は、メタ過ヨウ素酸塩である。別の実施形態では、血清型35B多糖の酸化のために使用される過ヨウ素酸塩は、メタ過ヨウ素酸ナトリウムである。
【1301】
一実施形態では、クエンチング剤は、隣接ジオール、1,2-アミノアルコール、アミノ酸、グルタチオン、亜硫酸塩、重硫酸塩、亜ジチオン酸塩、メタ重亜硫酸塩、チオ硫酸塩、亜リン酸塩、次亜リン酸塩または亜リン酸から選択される。
【1302】
一実施形態では、クエンチング剤は、式(I):
【1303】
【化22】
(式中、Rは、H、メチル、エチル、プロピルまたはイソプロピルから選択される)
の1,2-アミノアルコールである。
【1304】
一実施形態では、クエンチング剤は、亜硫酸塩、重硫酸塩、亜ジチオン酸塩、メタ重亜硫酸塩、チオ硫酸塩、亜リン酸塩、次亜リン酸塩または亜リン酸のナトリウムおよびカリウム塩から選択される。
【1305】
一実施形態では、クエンチング剤は、アミノ酸である。そのような実施形態では、前記アミノ酸を、セリン、トレオニン、システイン、シスチン、メチオニン、プロリン、ヒドロキシプロリン、トリプトファン、チロシン、およびヒスチジンから選択することができる。
【1306】
一実施形態では、クエンチング剤は、重硫酸塩、亜ジチオン酸塩、メタ重亜硫酸塩、チオ硫酸塩などの亜硫酸塩である。
【1307】
一実施形態では、クエンチング剤は、2つの隣接ヒドロキシル基(隣接ジオール)、すなわち、2個の隣接する炭素原子に共有的に連結された2個のヒドロキシル基を含む化合物である。
【1308】
1つまたは複数の実施形態では、クエンチング剤は、式(II):
【1309】
【化23】
(式中、RおよびRはそれぞれ独立にH、メチル、エチル、プロピルまたはイソプロピルから選択される)
の化合物である。
【1310】
ある実施形態では、クエンチング剤は、グリセロール、エチレングリコール、プロパン-1,2-ジオール、ブタン-1,2-ジオールまたはブタン-2,3-ジオール、またはアスコルビン酸である。ある実施形態では、クエンチング剤は、ブタン-2,3-ジオールである。
【1311】
別の実施形態では、単離された血清型35B多糖は、
(a)単離された血清型35B多糖と過ヨウ素酸塩とを反応させるステップ;および
(b)ブタン-2,3-ジオールの添加によって酸化反応をクエンチングして、活性化された血清型35B多糖を得るステップ
を含むプロセスによって活性化される。
【1312】
多糖の酸化ステップの後、多糖は活性化されると言われ、本明細書では「活性化された多糖」と称される。
【1313】
ある実施形態では、活性化された血清型35B多糖は、精製される。活性化された血清型35B多糖は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)、透析または限外濾過/透析濾過などの当業者に公知の方法に従って精製される。例えば、活性化された35B多糖は、限外濾過デバイスを使用する濃縮および透析濾過によって精製される。
【1314】
別の実施形態では、活性化された血清型35B多糖の酸化度は、2~30、2~25、2~20、2~15、2~10、2~5、5~30、5~25、5~20、5~15、5~10、10~30、10~25、10~20、10~15、15~30、15~25、15~20、20~30、または20~25である。ある実施形態では、活性化された血清型35B多糖の酸化度は、2~10、4~8、4~6、6~8、6~12、8~14、9~11、10~16、12~16、14~18、16~20、16~18、18~22、または18~20である。
【1315】
ある実施形態では、活性化された血清型35B多糖は、25kDa~1,000kDa、100kDa~1,000kDa、300kDa~800kDa、300kDa~700kDa、300kDa~600kDa、400kDa~1,000kDa、400kDa~800kDa、400kDa~700kDaまたは400kDa~600kDaの分子量を有する。ある実施形態では、活性化された血清型35B多糖は、300kDa~800kDaの分子量を有する。ある実施形態では、活性化された血清型35B多糖は、400kDa~600kDaの分子量を有する。別の実施形態では、活性化された血清型35B多糖は、400kDa~600kDaの分子量および10~25、10~20、12~20または14~18の酸化度を有する。別の実施形態では、活性化された血清型35B多糖は、400kDa~600kDaの分子量および10~20の酸化度を有する。
【1316】
別の実施形態では、活性化された血清型35B多糖は、血清型35B多糖1mMあたり少なくとも0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6もしくは0.7または約0.8mMのアセテートを含む。ある実施形態では、活性化された血清型35B多糖は、血清型35B多糖1mMあたり少なくとも0.5、0.6または0.7mMのアセテートを含む。別の実施形態では、活性化された血清型35B多糖は、血清型35B多糖1mMあたり少なくとも0.6mMのアセテートを含む。別の実施形態では、活性化された血清型35B多糖は、血清型35B多糖1mMあたり少なくとも0.7mMのアセテートを含む。
【1317】
ある実施形態では、活性化された血清型35B多糖は、400kDa~800kDaの分子量を有し、血清型35B多糖1mMあたり少なくとも0.6mMのアセテートを含む。
【1318】
ある実施形態では、活性化された血清型35B多糖は、400kDa~800kDaの分子量、12~20の酸化度を有し、血清型35B多糖1mMあたり少なくとも0.6mMのアセテートを含む。
【1319】
活性化された多糖および/または担体タンパク質を、独立に(個別凍結乾燥)または一緒に(同時凍結乾燥)、凍結乾燥(凍結-乾燥)することができる。
【1320】
別の実施形態では、活性化された血清型35B多糖を、必要に応じて、糖の存在下で凍結乾燥する。ある実施形態では、糖は、スクロース、トレハロース、ラフィノース、スタキオース、メレジトース、デキストラン、マンニトール、ラクチトールおよびパラチニットから選択される。ある実施形態では、糖は、スクロースである。一実施形態では、次いで、凍結乾燥された活性化された多糖を、担体タンパク質を含む溶液と混合する。
【1321】
別の実施形態では、活性化された多糖と、担体タンパク質とを同時凍結乾燥する。そのような実施形態では、活性化された血清型35B多糖を、担体タンパク質と混合し、必要に応じて、糖の存在下で凍結乾燥する。ある実施形態では、糖は、スクロース、トレハロース、ラフィノース、スタキオース、メレジトース、デキストラン、マンニトール、ラクチトールおよびパラチニットから選択される。ある実施形態では、糖は、スクロースである。次いで、同時凍結乾燥された多糖と担体タンパク質とを、溶液中に再懸濁し、還元剤と反応させることができる。
【1322】
コンジュゲーションプロセスの第2のステップは、還元剤を使用した、コンジュゲートを形成させるための活性化された多糖および担体タンパク質の還元(還元的アミノ化)である。
【1323】
活性化された血清型35B多糖を、
(c)活性化された血清型35B多糖と担体タンパク質とを混合するステップ;および
(d)混合された活性化された血清型35B多糖および担体タンパク質と、還元剤とを反応させて、血清型35B多糖-担体タンパク質コンジュゲートを形成させるステップ
を含むプロセスによって、担体タンパク質にコンジュゲートすることができる。
【1324】
ある実施形態では、還元反応は、水性溶媒中で実行される。別の実施形態では、反応は、非プロトン性溶媒中で実行される。ある実施形態では、還元反応は、DMSO(ジメチルスルホキシド)またはDMF(ジメチルホルムアミド)溶媒中で実行される。DMSOまたはDMF溶媒を使用して、凍結乾燥された活性化された多糖および担体タンパク質を再構成させることができる。
【1325】
ジメチルスルホキシド(DMSO)中での還元的アミノ化による活性化された血清型35B多糖と、タンパク質担体とのコンジュゲーションは、例えば、多糖のO-アセチル化のレベルが有意に低下し得る水相中での還元的アミノ化と比較して、多糖のO-アセチル含量を保持するのに好適である。したがって、1つまたは複数の実施形態では、ステップ(c)およびステップ(d)は、DMSO中で実行される。
【1326】
ある実施形態では、還元剤は、シアノ水素化ホウ素ナトリウム、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム、BronstedまたはLewis酸の存在下での水素化ホウ素ナトリウムまたは亜鉛、ピリジンボラン、2-ピコリンボラン、2,6-ジボラン-メタノール、ジメチルアミン-ボラン、t-BuMePrN-BH、ベンジルアミン-BHまたは5-エチル-2-メチルピリジンボラン(PEMB)などのアミンボランである。ある実施形態では、還元剤は、シアノ水素化ホウ素ナトリウムである。
【1327】
還元反応の終わりに、コンジュゲート中に残存する未反応のアルデヒド基があってもよく、これらのものを、好適なキャッピング剤を使用してキャップすることができる。一実施形態では、このキャッピング剤は、水素化ホウ素ナトリウム(NaBH)である。
【1328】
血清型35B多糖の担体タンパク質へのコンジュゲーション後、糖コンジュゲートを、当業者に公知の様々な技術によって精製する(多糖-タンパク質コンジュゲートの量に関して富化する)ことができる。これらの技術としては、透析、濃縮/透析濾過操作、接線流濾過沈降/溶出、カラムクロマトグラフィー(DEAEまたは疎水性相互作用クロマトグラフィー)、および深層濾過が挙げられる。
【1329】
一部の実施形態では、本発明の血清型35B糖コンジュゲートは、10kDa~2,000kDaの分子量を有する糖を含む。他のそのような実施形態では、糖は、50kDa~1,000kDaの分子量を有する。他のそのような実施形態では、糖は、70kDa~900kDaの分子量を有する。他のそのような実施形態では、糖は、100kDa~800kDaの分子量を有する。他のそのような実施形態では、糖は、200kDa~600kDaの分子量を有する。さらなるそのような実施形態では、糖は、100kDa~1000kDa;100kDa~900kDa;100kDa~800kDa;100kDa~700kDa;100kDa~600kDa;100kDa~500kDa;100kDa~400kDa;100kDa~300kDa;150kDa~1,000kDa;150kDa~900kDa;150kDa~800kDa;150kDa~700kDa;150kDa~600kDa;150kDa~500kDa;150kDa~400kDa;150kDa~300kDa;200kDa~1,000kDa;200kDa~900kDa;200kDa~800kDa;200kDa~700kDa;200kDa~600kDa;200kDa~500kDa;200kDa~400kDa;200kDa~300kDa;250kDa~1,000kDa;250kDa~900kDa;250kDa~800kDa;250kDa~700kDa;250kDa~600kDa;250kDa~500kDa;250kDa~400kDa;250kDa~350kDa;300kDa~1,000kDa;300kDa~900kDa;300kDa~800kDa;300kDa~700kDa;300kDa~600kDa;300kDa~500kDa;300kDa~400kDa;400kDa~1,000kDa;400kDa~900kDa;400kDa~800kDa;400kDa~700kDa;400kDa~600kDa;500kDa~600kDaの分子量を有する。上記の範囲のいずれかの中の任意の全整数が、本開示の実施形態として企図される。一部のそのような実施形態では、血清型35B糖コンジュゲートは、還元的アミノ化を使用して調製される。
【1330】
一部の実施形態では、本発明の血清型35B糖コンジュゲートは、400kDa~15,000kDa;500kDa~10,000kDa;2,000kDa~10,000kDa;3,000kDa~8,000kDa;または3,000kDa~5,000kDaの分子量を有する。他の実施形態では、血清型35B糖コンジュゲートは、500kDa~10,000kDaの分子量を有する。他の実施形態では、血清型35B糖コンジュゲートは、1,000kDa~8,000kDaの分子量を有する。さらに他の実施形態では、血清型35B糖コンジュゲートは、2,000kDa~8,000kDaまたは3,000kDa~7,000kDaの分子量を有する。さらなる実施形態では、本発明の血清型35B糖コンジュゲートは、200kDa~20,000kDa;200kDa~15,000kDa;200kDa~10,000kDa;200kDa~7,500kDa;200kDa~5,000kDa;200kDa~3,000kDa;200kDa~1,000kDa;500kDa~20,000kDa;500kDa~15,000kDa;500kDa~12,500kDa;500kDa~10,000kDa;500kDa~7,500kDa;500kDa~6,000kDa;500kDa~5,000kDa;500kDa~4,000kDa;500kDa~3,000kDa;500kDa~2,000kDa;500kDa~1,500kDa;500kDa~1,000kDa;750kDa~20,000kDa;750kDa~15,000kDa;750kDa~12,500kDa;750kDa~10,000kDa;750kDa~7,500kDa;750kDa~6,000kDa;750kDa~5,000kDa;750kDa~4,000kDa;750kDa~3,000kDa;750kDa~2,000kDa;750kDa~1,500kDa;1,000kDa~15,000kDa;1,000kDa~12,500kDa;1,000kDa~10,000kDa;1,000kDa~7,500kDa;1,000kDa~6,000kDa;1,000kDa~5,000kDa;1,000kDa~4,000kDa;1,000kDa~2,500kDa;2,000kDa~15,000kDa;2,000kDa~12,500kDa;2,000kDa~10,000kDa;2,000kDa~7,500kDa;2,000kDa~6,000kDa;2,000kDa~5,000kDa;2,000kDa~4,000kDa;または2,000kDa~3,000kDaの分子量を有する。
【1331】
さらなる実施形態では、本発明の血清型35B糖コンジュゲートは、3,000kDa~20,000kDa;3,000kDa~15,000kDa;3,000kDa~10,000kDa;3,000kDa~7,500kDa;3,000kDa~5,000kDa;4,000kDa~20,000kDa;4,000kDa~15,000kDa;4,000kDa~12,500kDa;4,000kDa~10,000kDa;4,000kDa~7,500kDa;4,000kDa~6,000kDa;または4,000kDa~5,000kDaの分子量を有する。
【1332】
さらなる実施形態では、本発明の血清型35B糖コンジュゲートは、5,000kDa~20,000kDa;5,000kDa~15,000kDa;5,000kDa~10,000kDa;5,000kDa~7,500kDa;6,000kDa~20,000kDa;6,000kDa~15,000kDa;6,000kDa~12,500kDa;6,000kDa~10,000kDaまたは6,000kDa~7,500kDaの分子量を有する。
【1333】
糖コンジュゲートの分子量は、SEC-MALLSによって測定される。上記の範囲のいずれかの中の任意の全整数が、本開示の実施形態として企図される。
【1334】
ある実施形態では、本発明の血清型35B糖コンジュゲートは、血清型35B多糖1mMあたり少なくとも0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6もしくは0.7または約0.8mMのアセテートを含む。ある実施形態では、糖コンジュゲートは、血清型35B多糖1mMあたり少なくとも0.5、0.6または0.7mMのアセテートを含む。ある実施形態では、糖コンジュゲートは、血清型35B多糖1mMあたり少なくとも0.6mMのアセテートを含む。別の実施形態では、糖コンジュゲートは、血清型35B多糖1mMあたり少なくとも0.7mMのアセテートを含む。
【1335】
別の実施形態では、糖コンジュゲート中の血清型35B多糖1mMあたりのアセテートのmMの、単離された多糖中の血清型35B多糖1mMあたりのアセテートのmMに対する比は、少なくとも0.6、0.65、0.7、0.75、0.8、0.85、0.9または0.95である。ある実施形態では、糖コンジュゲート中の血清型35B多糖1mMあたりのアセテートのmMの、単離された多糖中の血清型35B多糖1mMあたりのアセテートのmMに対する比は、少なくとも0.7である。別の実施形態では、糖コンジュゲート中の血清型35B多糖1mMあたりのアセテートのmMの、単離された多糖中の血清型35B多糖1mMあたりのアセテートのmMに対する比は、少なくとも0.9である。
【1336】
ある実施形態では、糖コンジュゲート中の血清型35B多糖1mMあたりのアセテートのmMの、活性化された多糖中の血清型35B多糖1mMあたりのアセテートのmMに対する比は、少なくとも0.6、0.65、0.7、0.75、0.8、0.85、0.9または0.95である。ある実施形態では、糖コンジュゲート中の血清型35B多糖1mMあたりのアセテートのmMの、活性化された多糖中の血清型35B多糖1mMあたりのアセテートのmMに対する比は、少なくとも0.7である。別の実施形態では、糖コンジュゲート中の血清型35B多糖1mMあたりのアセテートのmMの、活性化された多糖中の血清型35B多糖1mMあたりのアセテートのmMに対する比は、少なくとも0.9である。
【1337】
本発明の血清型35B糖コンジュゲートを特徴付けるための別の方法は、コンジュゲートされたリシンの範囲(コンジュゲーション度)として特徴付けることができる、糖にコンジュゲートされるようになる担体タンパク質(例えば、CRM197)中のリシン残基の数によるものである。多糖への共有結合に起因する、担体タンパク質のリシン修飾に関する証拠を、当業者に公知の日常的な方法を使用するアミノ酸分析によって得ることができる。コンジュゲーションは、コンジュゲート材料を生成するために使用されるCRM197タンパク質出発材料と比較して、回収されるリシン残基数の減少をもたらす。ある実施形態では、本発明の血清型35B糖コンジュゲートのコンジュゲーション度は、2~15、2~13、2~10、2~8、2~6、2~5、2~4、3~15、3~13、3~10、3~8、3~6、3~5、3~4、5~15、5~10、8~15、8~12、10~15または10~12である。ある実施形態では、本発明の血清型35B糖コンジュゲートのコンジュゲーション度は、約2、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9、約10、約11、約12、約13、約14または約15である。ある実施形態では、本発明の血清型35B糖コンジュゲートのコンジュゲーション度は、4~7である。一部のそのような実施形態では、担体タンパク質は、CRM197である。
【1338】
本発明の血清型35B糖コンジュゲートを、糖の担体タンパク質に対する比(重量/重量)によって特徴付けることもできる。一部の実施形態では、糖コンジュゲート中の血清型35B多糖の担体タンパク質に対する比(w/w)は、0.5~3.0(例えば、約0.5、約0.6、約0.7、約0.8、約0.9、約1.0、約1.1、約1.2、約1.3、約1.4、約1.5、約1.6、約1.7、約1.8、約1.9、約2.0、約2.1、約2.2、約2.3、約2.4、約2.5、約2.6、約2.7、約2.8、約2.9、または約3.0)である。他の実施形態では、糖の担体タンパク質に対する比(w/w)は、0.5~2.0、0.5~1.5、0.8~1.2、0.5~1.0、1.0~1.5または1.0~2.0である。さらなる実施形態では、糖の担体タンパク質に対する比(w/w)は、0.8~1.2である。ある実施形態では、コンジュゲート中の血清型35B莢膜多糖の担体タンパク質に対する比は、0.9~1.1である。一部のそのような実施形態では、担体タンパク質は、CRM197である。
【1339】
本発明の血清型35B糖コンジュゲートおよび免疫原性組成物は、担体タンパク質に共有的にコンジュゲートされていないが、それにも拘わらず、糖コンジュゲート組成物中に存在する遊離糖を含有してもよい。遊離糖は、糖コンジュゲートと非共有的に会合していてもよい(すなわち、非共有的に結合する、吸着する、またはその中に、もしくはそれと共に捕捉される)。
【1340】
ある実施形態では、血清型35B糖コンジュゲートは、血清型35B多糖の総量と比較して、約50%、45%、40%、35%、30%、25%、20%または15%未満の遊離血清型35B多糖を含む。別の実施形態では、血清型35B糖コンジュゲートは、血清型35B多糖の総量と比較して、約40%未満の遊離血清型35B多糖を含む。ある実施形態では、血清型35B糖コンジュゲートは、血清型35B多糖の総量と比較して、約25%未満の遊離血清型35B多糖を含む。ある実施形態では、血清型35B糖コンジュゲートは、血清型35B多糖の総量と比較して、約20%未満の遊離血清型35B多糖を含む。別の実施形態では、血清型35B糖コンジュゲートは、血清型35B多糖の総量と比較して、約15%未満の遊離血清型35B多糖を含む。
【1341】
血清型35B糖コンジュゲートを、その分子サイズ分布(K)によって特徴付けることもできる。サイズ排除クロマトグラフィー媒体(CL-4B)を使用して、コンジュゲートの相対分子サイズ分布を決定することができる。サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)は、コンジュゲートの分子サイズ分布をプロファイリングするために重力送りのカラム中で使用される。媒体中の小孔から排除される大きい分子は、小さい分子よりも迅速に溶出する。画分収集装置を使用して、カラム溶出液を収集する。画分を、糖アッセイによる比色分析で試験する。Kの決定のために、分子が完全に排除される画分(V)、(K=0)、および最大保持を示す画分(V)、(K=1)を確立するために、カラムを較正する。特定の試料属性に達する画分(V)を、式K=(V-V)/(V-V)によってKと関連付ける。
【1342】
ある実施形態では、血清型35B糖コンジュゲートの少なくとも30%が、CL-4Bカラム中で0.3より低い、またはそれに等しいKを有する。別の実施形態では、糖コンジュゲートの少なくとも40%が、CL-4Bカラム中で0.3より低い、またはそれに等しいKを有する。別の実施形態では、血清型35B糖コンジュゲートの少なくとも45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、または85%が、CL-4Bカラム中で、0.3より低い、またはそれに等しいKを有する。ある実施形態では、血清型35B糖コンジュゲートの少なくとも60%が、CL-4Bカラム中で0.3より低い、またはそれに等しいKを有する。別の実施形態では、血清型35B糖コンジュゲートの50%~80%が、CL-4Bカラム中で0.3より低い、またはそれに等しいKを有する。ある実施形態では、血清型35B糖コンジュゲートの65%~80%が、CL-4Bカラム中で0.3より低い、またはそれに等しいKを有する。
【1343】
1.3.16 肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型35F由来の糖コンジュゲート
ある実施形態では、血清型35F糖コンジュゲートは、1-シアノ-4-ジメチルアミノピリジニウムテトラフルオロホウ酸(CDAP)を用いて多糖を活性化して、シアン酸エステルを形成させることによって得られる。活性化された糖を、担体タンパク質上のアミノ基に直接的に、またはスペーサー(リンカー)基を介してカップリングすることができる。例えば、スペーサーは、マレイミド活性化担体タンパク質(例えば、GMBSを使用する)またはハロアセチル化担体タンパク質(例えば、ヨードアセトイミド、SIB、SIAB、スルホ-SIAB、SIA、もしくはSBAPを使用する)との反応後に得られるチオエーテル結合を介して担体にカップリングすることができるチオール化多糖を得るためのシスタミンまたはシステアミンであってもよい。好ましくは、シアン酸エステル(CDAP化学によって作製されてもよい)は、ヘキサンジアミンまたはアジピン酸ジヒドラジド(ADH)とカップリングされ、アミノ誘導体化された糖は、タンパク質担体上のカルボキシル基を介してカルボジイミド(例えば、EDACまたはEDC)化学を使用して担体タンパク質にコンジュゲートされる。そのようなコンジュゲートは、例えば、WO93/15760、WO95/08348およびWO96/129094に記載されている。
【1344】
他の好適な技術は、カルボジイミド、ヒドラジド、活性エステル、ノルボラン、p-ニトロ安息香酸、N-ヒドロキシスクシンイミド、S-NHS、EDC、TSTUを使用する。多くは、国際特許出願公開番号WO98/42721に記載されている。コンジュゲーションは、糖の遊離ヒドロキシル基と、CDIとの反応(Bethellら(1979)J.Biol.Chem.254:2572~2574;Hearnら(1981)J.Chromatogr.218:509~518を参照されたい)、次いで、タンパク質と反応させてカルバメート結合を形成させることによって形成させることができるカルボニルリンカーを含んでもよい。これは、アノマー末端の第一級ヒドロキシル基への還元、必要に応じた、第一級ヒドロキシル基の保護/脱保護、CDIカルバメート中間体を形成させるための第一級ヒドロキシル基とCDIとの反応およびCDIカルバメート中間体と、タンパク質上のアミノ基とのカップリングを含んでもよい。
【1345】
1つまたは複数の実施形態では、本発明の血清型35F糖コンジュゲートは、還元的アミノ化を使用して調製される。還元的アミノ化は、2つのステップ:(1)個々の6糖単位中の隣接ジオールからアルデヒド官能基を生成するための多糖の酸化および(2)コンジュゲートを形成させるための活性化された多糖と担体タンパク質(例えば、CRM197)との還元を含む。
【1346】
ある実施形態では、酸化の前に、標的分子量(MW)範囲への血清型35F多糖のサイジングを実施する。有利には、精製された血清型35F多糖のサイズを、例えば、O-アセチル基の存在などの多糖の構造の重要な特徴を保存しながら、減少させる。ある実施形態では、精製された血清型35F多糖のサイズを、本明細書に記載の機械的ホモジェナイゼーションによって減少させる。
【1347】
ある実施形態では、血清型多糖は、
(a)単離された血清型35F多糖を、酸化剤と反応させるステップ;および
(b)クエンチング剤の添加によって酸化反応をクエンチングして、活性化された血清型35F多糖を得るステップ
を含むプロセスによって活性化(酸化)される。
【1348】
ある実施形態では、酸化剤は、過ヨウ素酸塩である。本発明の目的のために、用語「過ヨウ素酸塩」は、過ヨウ素酸塩と過ヨウ素酸の両方を含む;この用語はまた、メタ過ヨウ素酸塩(IO )とオルト過ヨウ素酸塩(IO 5-)の両方および過ヨウ素酸の様々な塩(例えば、過ヨウ素酸ナトリウムおよび過ヨウ素酸カリウム)も含む。ある実施形態では、酸化剤は、過ヨウ素酸ナトリウムである。ある実施形態では、血清型35F多糖の酸化のために使用される過ヨウ素酸塩は、メタ過ヨウ素酸塩である。別の実施形態では、血清型35F多糖の酸化のために使用される過ヨウ素酸塩は、メタ過ヨウ素酸ナトリウムである。
【1349】
一実施形態では、クエンチング剤は、隣接ジオール、1,2-アミノアルコール、アミノ酸、グルタチオン、亜硫酸塩、重硫酸塩、亜ジチオン酸塩、メタ重亜硫酸塩、チオ硫酸塩、亜リン酸塩、次亜リン酸塩または亜リン酸から選択される。
【1350】
一実施形態では、クエンチング剤は、式(I):
【1351】
【化24】
(式中、Rは、H、メチル、エチル、プロピルまたはイソプロピルから選択される)
の1,2-アミノアルコールである。
【1352】
一実施形態では、クエンチング剤は、亜硫酸塩、重硫酸塩、亜ジチオン酸塩、メタ重亜硫酸塩、チオ硫酸塩、亜リン酸塩、次亜リン酸塩または亜リン酸のナトリウムおよびカリウム塩から選択される。
【1353】
一実施形態では、クエンチング剤は、アミノ酸である。そのような実施形態では、前記アミノ酸を、セリン、トレオニン、システイン、シスチン、メチオニン、プロリン、ヒドロキシプロリン、トリプトファン、チロシン、およびヒスチジンから選択することができる。
【1354】
一実施形態では、クエンチング剤は、重硫酸塩、亜ジチオン酸塩、メタ重亜硫酸塩、チオ硫酸塩などの亜硫酸塩である。
【1355】
一実施形態では、クエンチング剤は、2つの隣接ヒドロキシル基(隣接ジオール)、すなわち、2個の隣接する炭素原子に共有的に連結された2個のヒドロキシル基を含む化合物である。
【1356】
1つまたは複数の実施形態では、クエンチング剤は、式(II):
【1357】
【化25】
(式中、RおよびRはそれぞれ独立にH、メチル、エチル、プロピルまたはイソプロピルから選択される)
の化合物である。
【1358】
ある実施形態では、クエンチング剤は、グリセロール、エチレングリコール、プロパン-1,2-ジオール、ブタン-1,2-ジオールまたはブタン-2,3-ジオール、またはアスコルビン酸である。ある実施形態では、クエンチング剤は、ブタン-2,3-ジオールである。
【1359】
別の実施形態では、単離された血清型35F多糖は、
(a)単離された血清型35F多糖と過ヨウ素酸塩とを反応させるステップ;および
(b)ブタン-2,3-ジオールの添加によって酸化反応をクエンチングして、活性化された血清型35F多糖を得るステップ
を含むプロセスによって活性化される。
【1360】
多糖の酸化ステップの後、多糖は活性化されると言われ、本明細書では「活性化された多糖」と称される。
【1361】
ある実施形態では、活性化された血清型35F多糖は、精製される。活性化された血清型35F多糖は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)、透析または限外濾過/透析濾過などの当業者に公知の方法に従って精製される。例えば、活性化された35F多糖は、限外濾過デバイスを使用する濃縮および透析濾過によって精製される。
【1362】
別の実施形態では、活性化された血清型35F多糖の酸化度は、2~30、2~25、2~20、2~15、2~10、2~5、5~30、5~25、5~20、5~15、5~10、10~30、10~25、10~20、10~15、15~30、15~25、15~20、20~30、または20~25である。ある実施形態では、活性化された血清型35F多糖の酸化度は、2~10、4~8、4~6、6~8、6~12、8~14、9~11、10~16、12~16、14~18、16~20、16~18、18~22、または18~20である。
【1363】
ある実施形態では、活性化された血清型35F多糖は、25kDa~1,000kDa、100kDa~1,000kDa、300kDa~800kDa、300kDa~700kDa、300kDa~600kDa、400kDa~1,000kDa、400kDa~800kDa、400kDa~700kDaまたは400kDa~600kDaの分子量を有する。ある実施形態では、活性化された血清型35F多糖は、300kDa~800kDaの分子量を有する。ある実施形態では、活性化された血清型35F多糖は、400kDa~600kDaの分子量を有する。別の実施形態では、活性化された血清型35F多糖は、400kDa~600kDaの分子量および10~25、10~20、12~20または14~18の酸化度を有する。別の実施形態では、活性化された血清型35F多糖は、400kDa~600kDaの分子量および10~20の酸化度を有する。
【1364】
別の実施形態では、活性化された血清型35F多糖は、血清型35F多糖1mMあたり少なくとも0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6もしくは0.7または約0.8mMのアセテートを含む。ある実施形態では、活性化された血清型35F多糖は、血清型35F多糖1mMあたり少なくとも0.5、0.6または0.7mMのアセテートを含む。別の実施形態では、活性化された血清型35F多糖は、血清型35F多糖1mMあたり少なくとも0.6mMのアセテートを含む。別の実施形態では、活性化された血清型35F多糖は、血清型35F多糖1mMあたり少なくとも0.7mMのアセテートを含む。
【1365】
ある実施形態では、活性化された血清型35F多糖は、400kDa~800kDaの分子量を有し、血清型35F多糖1mMあたり少なくとも0.6mMのアセテートを含む。
【1366】
ある実施形態では、活性化された血清型35F多糖は、400kDa~800kDaの分子量、12~20の酸化度を有し、血清型35F多糖1mMあたり少なくとも0.6mMのアセテートを含む。
【1367】
活性化された多糖および/または担体タンパク質を、独立に(個別凍結乾燥)または一緒に(同時凍結乾燥)、凍結乾燥(凍結-乾燥)することができる。
【1368】
別の実施形態では、活性化された血清型35F多糖を、必要に応じて、糖の存在下で凍結乾燥する。ある実施形態では、糖は、スクロース、トレハロース、ラフィノース、スタキオース、メレジトース、デキストラン、マンニトール、ラクチトールおよびパラチニットから選択される。ある実施形態では、糖は、スクロースである。一実施形態では、次いで、凍結乾燥された活性化された多糖を、担体タンパク質を含む溶液と混合する。
【1369】
別の実施形態では、活性化された多糖と、担体タンパク質とを同時凍結乾燥する。そのような実施形態では、活性化された血清型35F多糖を、担体タンパク質と混合し、必要に応じて、糖の存在下で凍結乾燥する。ある実施形態では、糖は、スクロース、トレハロース、ラフィノース、スタキオース、メレジトース、デキストラン、マンニトール、ラクチトールおよびパラチニットから選択される。ある実施形態では、糖は、スクロースである。次いで、同時凍結乾燥された多糖と担体タンパク質とを、溶液中に再懸濁し、還元剤と反応させることができる。
【1370】
コンジュゲーションプロセスの第2のステップは、還元剤を使用した、コンジュゲートを形成させるための活性化された多糖および担体タンパク質の還元(還元的アミノ化)である。
【1371】
活性化された血清型35F多糖を、
(c)活性化された血清型35F多糖と担体タンパク質とを混合するステップ;および
(d)混合された活性化された血清型35F多糖および担体タンパク質と、還元剤とを反応させて、血清型35F多糖-担体タンパク質コンジュゲートを形成させるステップ
を含むプロセスによって、担体タンパク質にコンジュゲートすることができる。
【1372】
ある実施形態では、還元反応は、水性溶媒中で実行される。別の実施形態では、反応は、非プロトン性溶媒中で実行される。ある実施形態では、還元反応は、DMSO(ジメチルスルホキシド)またはDMF(ジメチルホルムアミド)溶媒中で実行される。DMSOまたはDMF溶媒を使用して、凍結乾燥された活性化された多糖および担体タンパク質を再構成させることができる。
【1373】
ジメチルスルホキシド(DMSO)中での還元的アミノ化による活性化された血清型35F多糖と、タンパク質担体とのコンジュゲーションは、例えば、多糖のO-アセチル化のレベルが有意に低下し得る水相中での還元的アミノ化と比較して、多糖のO-アセチル含量を保持するのに好適である。したがって、1つまたは複数の実施形態では、ステップ(c)およびステップ(d)は、DMSO中で実行される。
【1374】
ある実施形態では、還元剤は、シアノ水素化ホウ素ナトリウム、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム、BronstedまたはLewis酸の存在下での水素化ホウ素ナトリウムまたは亜鉛、ピリジンボラン、2-ピコリンボラン、2,6-ジボラン-メタノール、ジメチルアミン-ボラン、t-BuMePrN-BH、ベンジルアミン-BHまたは5-エチル-2-メチルピリジンボラン(PEMB)などのアミンボランである。ある実施形態では、還元剤は、シアノ水素化ホウ素ナトリウムである。
【1375】
還元反応の終わりに、コンジュゲート中に残存する未反応のアルデヒド基があってもよく、これらのものを、好適なキャッピング剤を使用してキャップすることができる。一実施形態では、このキャッピング剤は、水素化ホウ素ナトリウム(NaBH)である。
【1376】
血清型35F多糖の担体タンパク質へのコンジュゲーション後、糖コンジュゲートを、当業者に公知の様々な技術によって精製する(多糖-タンパク質コンジュゲートの量に関して富化する)ことができる。これらの技術としては、透析、濃縮/透析濾過操作、接線流濾過沈降/溶出、カラムクロマトグラフィー(DEAEまたは疎水性相互作用クロマトグラフィー)、および深層濾過が挙げられる。
【1377】
一部の実施形態では、本発明の血清型35F糖コンジュゲートは、10kDa~2,000kDaの分子量を有する糖を含む。他のそのような実施形態では、糖は、50kDa~1,000kDaの分子量を有する。他のそのような実施形態では、糖は、70kDa~900kDaの分子量を有する。他のそのような実施形態では、糖は、100kDa~800kDaの分子量を有する。他のそのような実施形態では、糖は、200kDa~600kDaの分子量を有する。さらなるそのような実施形態では、糖は、100kDa~1000kDa;100kDa~900kDa;100kDa~800kDa;100kDa~700kDa;100kDa~600kDa;100kDa~500kDa;100kDa~400kDa;100kDa~300kDa;150kDa~1,000kDa;150kDa~900kDa;150kDa~800kDa;150kDa~700kDa;150kDa~600kDa;150kDa~500kDa;150kDa~400kDa;150kDa~300kDa;200kDa~1,000kDa;200kDa~900kDa;200kDa~800kDa;200kDa~700kDa;200kDa~600kDa;200kDa~500kDa;200kDa~400kDa;200kDa~300kDa;250kDa~1,000kDa;250kDa~900kDa;250kDa~800kDa;250kDa~700kDa;250kDa~600kDa;250kDa~500kDa;250kDa~400kDa;250kDa~350kDa;300kDa~1,000kDa;300kDa~900kDa;300kDa~800kDa;300kDa~700kDa;300kDa~600kDa;300kDa~500kDa;300kDa~400kDa;400kDa~1,000kDa;400kDa~900kDa;400kDa~800kDa;400kDa~700kDa;400kDa~600kDa;500kDa~600kDaの分子量を有する。上記の範囲のいずれかの中の任意の全整数が、本開示の実施形態として企図される。一部のそのような実施形態では、血清型35F糖コンジュゲートは、還元的アミノ化を使用して調製される。
【1378】
一部の実施形態では、本発明の血清型35F糖コンジュゲートは、400kDa~15,000kDa;500kDa~10,000kDa;2,000kDa~10,000kDa;3,000kDa~8,000kDa;または3,000kDa~5,000kDaの分子量を有する。他の実施形態では、血清型35F糖コンジュゲートは、500kDa~10,000kDaの分子量を有する。他の実施形態では、血清型35F糖コンジュゲートは、1,000kDa~8,000kDaの分子量を有する。さらに他の実施形態では、血清型35F糖コンジュゲートは、2,000kDa~8,000kDaまたは3,000kDa~7,000kDaの分子量を有する。さらなる実施形態では、本発明の血清型35F糖コンジュゲートは、200kDa~20,000kDa;200kDa~15,000kDa;200kDa~10,000kDa;200kDa~7,500kDa;200kDa~5,000kDa;200kDa~3,000kDa;200kDa~1,000kDa;500kDa~20,000kDa;500kDa~15,000kDa;500kDa~12,500kDa;500kDa~10,000kDa;500kDa~7,500kDa;500kDa~6,000kDa;500kDa~5,000kDa;500kDa~4,000kDa;500kDa~3,000kDa;500kDa~2,000kDa;500kDa~1,500kDa;500kDa~1,000kDa;750kDa~20,000kDa;750kDa~15,000kDa;750kDa~12,500kDa;750kDa~10,000kDa;750kDa~7,500kDa;750kDa~6,000kDa;750kDa~5,000kDa;750kDa~4,000kDa;750kDa~3,000kDa;750kDa~2,000kDa;750kDa~1,500kDa;1,000kDa~15,000kDa;1,000kDa~12,500kDa;1,000kDa~10,000kDa;1,000kDa~7,500kDa;1,000kDa~6,000kDa;1,000kDa~5,000kDa;1,000kDa~4,000kDa;1,000kDa~2,500kDa;2,000kDa~15,000kDa;2,000kDa~12,500kDa;2,000kDa~10,000kDa;2,000kDa~7,500kDa;2,000kDa~6,000kDa;2,000kDa~5,000kDa;2,000kDa~4,000kDa;または2,000kDa~3,000kDaの分子量を有する。
【1379】
さらなる実施形態では、本発明の血清型35F糖コンジュゲートは、3,000kDa~20,000kDa;3,000kDa~15,000kDa;3,000kDa~10,000kDa;3,000kDa~7,500kDa;3,000kDa~5,000kDa;4,000kDa~20,000kDa;4,000kDa~15,000kDa;4,000kDa~12,500kDa;4,000kDa~10,000kDa;4,000kDa~7,500kDa;4,000kDa~6,000kDa;または4,000kDa~5,000kDaの分子量を有する。
【1380】
さらなる実施形態では、本発明の血清型35F糖コンジュゲートは、5,000kDa~20,000kDa;5,000kDa~15,000kDa;5,000kDa~10,000kDa;5,000kDa~7,500kDa;6,000kDa~20,000kDa;6,000kDa~15,000kDa;6,000kDa~12,500kDa;6,000kDa~10,000kDaまたは6,000kDa~7,500kDaの分子量を有する。
【1381】
糖コンジュゲートの分子量は、SEC-MALLSによって測定される。上記の範囲のいずれかの中の任意の全整数が、本開示の実施形態として企図される。
【1382】
ある実施形態では、本発明の血清型35F糖コンジュゲートは、血清型35F多糖1mMあたり少なくとも0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6もしくは0.7または約0.8mMのアセテートを含む。ある実施形態では、糖コンジュゲートは、血清型35F多糖1mMあたり少なくとも0.5、0.6または0.7mMのアセテートを含む。ある実施形態では、糖コンジュゲートは、血清型35F多糖1mMあたり少なくとも0.6mMのアセテートを含む。別の実施形態では、糖コンジュゲートは、血清型35F多糖1mMあたり少なくとも0.7mMのアセテートを含む。
【1383】
別の実施形態では、糖コンジュゲート中の血清型35F多糖1mMあたりのアセテートのmMの、単離された多糖中の血清型35F多糖1mMあたりのアセテートのmMに対する比は、少なくとも0.6、0.65、0.7、0.75、0.8、0.85、0.9または0.95である。ある実施形態では、糖コンジュゲート中の血清型35F多糖1mMあたりのアセテートのmMの、単離された多糖中の血清型35F多糖1mMあたりのアセテートのmMに対する比は、少なくとも0.7である。別の実施形態では、糖コンジュゲート中の血清型35F多糖1mMあたりのアセテートのmMの、単離された多糖中の血清型35F多糖1mMあたりのアセテートのmMに対する比は、少なくとも0.9である。
【1384】
ある実施形態では、糖コンジュゲート中の血清型35F多糖1mMあたりのアセテートのmMの、活性化された多糖中の血清型35F多糖1mMあたりのアセテートのmMに対する比は、少なくとも0.6、0.65、0.7、0.75、0.8、0.85、0.9または0.95である。ある実施形態では、糖コンジュゲート中の血清型35F多糖1mMあたりのアセテートのmMの、活性化された多糖中の血清型35F多糖1mMあたりのアセテートのmMに対する比は、少なくとも0.7である。別の実施形態では、糖コンジュゲート中の血清型35F多糖1mMあたりのアセテートのmMの、活性化された多糖中の血清型35F多糖1mMあたりのアセテートのmMに対する比は、少なくとも0.9である。
【1385】
本発明の血清型35F糖コンジュゲートを特徴付けるための別の方法は、コンジュゲートされたリシンの範囲(コンジュゲーション度)として特徴付けることができる、糖にコンジュゲートされるようになる担体タンパク質(例えば、CRM197)中のリシン残基の数によるものである。多糖への共有結合に起因する、担体タンパク質のリシン修飾に関する証拠を、当業者に公知の日常的な方法を使用するアミノ酸分析によって得ることができる。コンジュゲーションは、コンジュゲート材料を生成するために使用されるCRM197タンパク質出発材料と比較して、回収されるリシン残基数の減少をもたらす。ある実施形態では、本発明の血清型35F糖コンジュゲートのコンジュゲーション度は、2~15、2~13、2~10、2~8、2~6、2~5、2~4、3~15、3~13、3~10、3~8、3~6、3~5、3~4、5~15、5~10、8~15、8~12、10~15または10~12である。ある実施形態では、本発明の血清型35F糖コンジュゲートのコンジュゲーション度は、約2、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9、約10、約11、約12、約13、約14または約15である。ある実施形態では、本発明の血清型35F糖コンジュゲートのコンジュゲーション度は、4~7である。一部のそのような実施形態では、担体タンパク質は、CRM197である。
【1386】
本発明の血清型35F糖コンジュゲートを、糖の担体タンパク質に対する比(重量/重量)によって特徴付けることもできる。一部の実施形態では、糖コンジュゲート中の血清型35F多糖の担体タンパク質に対する比(w/w)は、0.5~3.0(例えば、約0.5、約0.6、約0.7、約0.8、約0.9、約1.0、約1.1、約1.2、約1.3、約1.4、約1.5、約1.6、約1.7、約1.8、約1.9、約2.0、約2.1、約2.2、約2.3、約2.4、約2.5、約2.6、約2.7、約2.8、約2.9、または約3.0)である。他の実施形態では、糖の担体タンパク質に対する比(w/w)は、0.5~2.0、0.5~1.5、0.8~1.2、0.5~1.0、1.0~1.5または1.0~2.0である。さらなる実施形態では、糖の担体タンパク質に対する比(w/w)は、0.8~1.2である。ある実施形態では、コンジュゲート中の血清型35F莢膜多糖の担体タンパク質に対する比は、0.9~1.1である。一部のそのような実施形態では、担体タンパク質は、CRM197である。
【1387】
本発明の血清型35F糖コンジュゲートおよび免疫原性組成物は、担体タンパク質に共有的にコンジュゲートされていないが、それにも拘わらず、糖コンジュゲート組成物中に存在する遊離糖を含有してもよい。遊離糖は、糖コンジュゲートと非共有的に会合していてもよい(すなわち、非共有的に結合する、吸着する、またはその中に、もしくはそれと共に捕捉される)。
【1388】
ある実施形態では、血清型35F糖コンジュゲートは、血清型35F多糖の総量と比較して、約50%、45%、40%、35%、30%、25%、20%または15%未満の遊離血清型35F多糖を含む。別の実施形態では、血清型35F糖コンジュゲートは、血清型35F多糖の総量と比較して、約40%未満の遊離血清型35F多糖を含む。ある実施形態では、血清型35F糖コンジュゲートは、血清型35F多糖の総量と比較して、約25%未満の遊離血清型35F多糖を含む。ある実施形態では、血清型35F糖コンジュゲートは、血清型35F多糖の総量と比較して、約20%未満の遊離血清型35F多糖を含む。別の実施形態では、血清型35F糖コンジュゲートは、血清型35F多糖の総量と比較して、約15%未満の遊離血清型35F多糖を含む。
【1389】
血清型35F糖コンジュゲートを、その分子サイズ分布(K)によって特徴付けることもできる。サイズ排除クロマトグラフィー媒体(CL-4B)を使用して、コンジュゲートの相対分子サイズ分布を決定することができる。サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)は、コンジュゲートの分子サイズ分布をプロファイリングするために重力送りのカラム中で使用される。媒体中の小孔から排除される大きい分子は、小さい分子よりも迅速に溶出する。画分収集装置を使用して、カラム溶出液を収集する。画分を、糖アッセイによる比色分析で試験する。Kの決定のために、分子が完全に排除される画分(V)、(K=0)、および最大保持を示す画分(V)、(K=1)を確立するために、カラムを較正する。特定の試料属性に達する画分(V)を、式K=(V-V)/(V-V)によってKと関連付ける。
【1390】
ある実施形態では、血清型35F糖コンジュゲートの少なくとも30%が、CL-4Bカラム中で0.3より低い、またはそれに等しいKを有する。別の実施形態では、糖コンジュゲートの少なくとも40%が、CL-4Bカラム中で0.3より低い、またはそれに等しいKを有する。別の実施形態では、血清型35F糖コンジュゲートの少なくとも45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、または85%が、CL-4Bカラム中で、0.3より低い、またはそれに等しいKを有する。ある実施形態では、血清型35F糖コンジュゲートの少なくとも60%が、CL-4Bカラム中で0.3より低い、またはそれに等しいKを有する。別の実施形態では、血清型35F糖コンジュゲートの50%~80%が、CL-4Bカラム中で0.3より低い、またはそれに等しいKを有する。ある実施形態では、血清型35F糖コンジュゲートの65%~80%が、CL-4Bカラム中で0.3より低い、またはそれに等しいKを有する。
【1391】
1.3.17 肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型38由来の糖コンジュゲート
ある実施形態では、血清型38糖コンジュゲートは、1-シアノ-4-ジメチルアミノピリジニウムテトラフルオロホウ酸(CDAP)を用いて多糖を活性化して、シアン酸エステルを形成させることによって得られる。活性化された糖を、担体タンパク質上のアミノ基に直接的に、またはスペーサー(リンカー)基を介してカップリングすることができる。例えば、スペーサーは、マレイミド活性化担体タンパク質(例えば、GMBSを使用する)またはハロアセチル化担体タンパク質(例えば、ヨードアセトイミド、SIB、SIAB、スルホ-SIAB、SIA、もしくはSBAPを使用する)との反応後に得られるチオエーテル結合を介して担体にカップリングすることができるチオール化多糖を得るためのシスタミンまたはシステアミンであってもよい。好ましくは、シアン酸エステル(CDAP化学によって作製されてもよい)は、ヘキサンジアミンまたはアジピン酸ジヒドラジド(ADH)とカップリングされ、アミノ誘導体化された糖は、タンパク質担体上のカルボキシル基を介してカルボジイミド(例えば、EDACまたはEDC)化学を使用して担体タンパク質にコンジュゲートされる。そのようなコンジュゲートは、例えば、WO93/15760、WO95/08348およびWO96/129094に記載されている。
【1392】
他の好適な技術は、カルボジイミド、ヒドラジド、活性エステル、ノルボラン、p-ニトロ安息香酸、N-ヒドロキシスクシンイミド、S-NHS、EDC、TSTUを使用する。多くは、国際特許出願公開番号WO98/42721に記載されている。コンジュゲーションは、糖の遊離ヒドロキシル基と、CDIとの反応(Bethellら(1979)J.Biol.Chem.254:2572~2574;Hearnら(1981)J.Chromatogr.218:509~518を参照されたい)、次いで、タンパク質と反応させてカルバメート結合を形成させることによって形成させることができるカルボニルリンカーを含んでもよい。これは、アノマー末端の第一級ヒドロキシル基への還元、必要に応じた、第一級ヒドロキシル基の保護/脱保護、CDIカルバメート中間体を形成させるための第一級ヒドロキシル基とCDIとの反応およびCDIカルバメート中間体と、タンパク質上のアミノ基とのカップリングを含んでもよい。
【1393】
1つまたは複数の実施形態では、本発明の血清型38糖コンジュゲートは、還元的アミノ化を使用して調製される。還元的アミノ化は、2つのステップ:(1)個々の6糖単位中の隣接ジオールからアルデヒド官能基を生成するための多糖の酸化および(2)コンジュゲートを形成させるための活性化された多糖と担体タンパク質(例えば、CRM197)との還元を含む。
【1394】
ある実施形態では、酸化の前に、標的分子量(MW)範囲への血清型38多糖のサイジングを実施する。有利には、精製された血清型38多糖のサイズを、例えば、O-アセチル基の存在などの多糖の構造の重要な特徴を保存しながら、減少させる。ある実施形態では、精製された血清型38多糖のサイズを、本明細書に記載の機械的ホモジェナイゼーションによって減少させる。
【1395】
ある実施形態では、血清型多糖は、
(a)単離された血清型38多糖を、酸化剤と反応させるステップ;および
(b)クエンチング剤の添加によって酸化反応をクエンチングして、活性化された血清型38多糖を得るステップ
を含むプロセスによって活性化(酸化)される。
【1396】
ある実施形態では、酸化剤は、過ヨウ素酸塩である。本発明の目的のために、用語「過ヨウ素酸塩」は、過ヨウ素酸塩と過ヨウ素酸の両方を含む;この用語はまた、メタ過ヨウ素酸塩(IO )とオルト過ヨウ素酸塩(IO 5-)の両方および過ヨウ素酸の様々な塩(例えば、過ヨウ素酸ナトリウムおよび過ヨウ素酸カリウム)も含む。ある実施形態では、酸化剤は、過ヨウ素酸ナトリウムである。ある実施形態では、血清型38多糖の酸化のために使用される過ヨウ素酸塩は、メタ過ヨウ素酸塩である。別の実施形態では、血清型38多糖の酸化のために使用される過ヨウ素酸塩は、メタ過ヨウ素酸ナトリウムである。
【1397】
一実施形態では、クエンチング剤は、隣接ジオール、1,2-アミノアルコール、アミノ酸、グルタチオン、亜硫酸塩、重硫酸塩、亜ジチオン酸塩、メタ重亜硫酸塩、チオ硫酸塩、亜リン酸塩、次亜リン酸塩または亜リン酸から選択される。
【1398】
一実施形態では、クエンチング剤は、式(I):
【1399】
【化26】
(式中、Rは、H、メチル、エチル、プロピルまたはイソプロピルから選択される)
の1,2-アミノアルコールである。
【1400】
一実施形態では、クエンチング剤は、亜硫酸塩、重硫酸塩、亜ジチオン酸塩、メタ重亜硫酸塩、チオ硫酸塩、亜リン酸塩、次亜リン酸塩または亜リン酸のナトリウムおよびカリウム塩から選択される。
【1401】
一実施形態では、クエンチング剤は、アミノ酸である。そのような実施形態では、前記アミノ酸を、セリン、トレオニン、システイン、シスチン、メチオニン、プロリン、ヒドロキシプロリン、トリプトファン、チロシン、およびヒスチジンから選択することができる。
【1402】
一実施形態では、クエンチング剤は、重硫酸塩、亜ジチオン酸塩、メタ重亜硫酸塩、チオ硫酸塩などの亜硫酸塩である。
【1403】
一実施形態では、クエンチング剤は、2つの隣接ヒドロキシル基(隣接ジオール)、すなわち、2個の隣接する炭素原子に共有的に連結された2個のヒドロキシル基を含む化合物である。
【1404】
1つまたは複数の実施形態では、クエンチング剤は、式(II):
【1405】
【化27】
(式中、RおよびRはそれぞれ独立にH、メチル、エチル、プロピルまたはイソプロピルから選択される)
の化合物である。
【1406】
ある実施形態では、クエンチング剤は、グリセロール、エチレングリコール、プロパン-1,2-ジオール、ブタン-1,2-ジオールまたはブタン-2,3-ジオール、またはアスコルビン酸である。ある実施形態では、クエンチング剤は、ブタン-2,3-ジオールである。
【1407】
別の実施形態では、単離された血清型38多糖は、
(a)単離された血清型38多糖と過ヨウ素酸塩とを反応させるステップ;および
(b)ブタン-2,3-ジオールの添加によって酸化反応をクエンチングして、活性化された血清型38多糖を得るステップ
を含むプロセスによって活性化される。
【1408】
多糖の酸化ステップの後、多糖は活性化されると言われ、本明細書では「活性化された多糖」と称される。
【1409】
ある実施形態では、活性化された血清型38多糖は、精製される。活性化された血清型38多糖は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)、透析または限外濾過/透析濾過などの当業者に公知の方法に従って精製される。例えば、活性化された38多糖は、限外濾過デバイスを使用する濃縮および透析濾過によって精製される。
【1410】
別の実施形態では、活性化された血清型38多糖の酸化度は、2~30、2~25、2~20、2~15、2~10、2~5、5~30、5~25、5~20、5~15、5~10、10~30、10~25、10~20、10~15、15~30、15~25、15~20、20~30、または20~25である。ある実施形態では、活性化された血清型38多糖の酸化度は、2~10、4~8、4~6、6~8、6~12、8~14、9~11、10~16、12~16、14~18、16~20、16~18、18~22、または18~20である。
【1411】
ある実施形態では、活性化された血清型38多糖は、25kDa~1,000kDa、100kDa~1,000kDa、300kDa~800kDa、300kDa~700kDa、300kDa~600kDa、400kDa~1,000kDa、400kDa~800kDa、400kDa~700kDaまたは400kDa~600kDaの分子量を有する。ある実施形態では、活性化された血清型38多糖は、300kDa~800kDaの分子量を有する。ある実施形態では、活性化された血清型38多糖は、400kDa~600kDaの分子量を有する。別の実施形態では、活性化された血清型38多糖は、400kDa~600kDaの分子量および10~25、10~20、12~20または14~18の酸化度を有する。別の実施形態では、活性化された血清型38多糖は、400kDa~600kDaの分子量および10~20の酸化度を有する。
【1412】
別の実施形態では、活性化された血清型38多糖は、血清型38多糖1mMあたり少なくとも0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6もしくは0.7または約0.8mMのアセテートを含む。ある実施形態では、活性化された血清型38多糖は、血清型38多糖1mMあたり少なくとも0.5、0.6または0.7mMのアセテートを含む。別の実施形態では、活性化された血清型38多糖は、血清型38多糖1mMあたり少なくとも0.6mMのアセテートを含む。別の実施形態では、活性化された血清型38多糖は、血清型38多糖1mMあたり少なくとも0.7mMのアセテートを含む。
【1413】
ある実施形態では、活性化された血清型38多糖は、400kDa~800kDaの分子量を有し、血清型38多糖1mMあたり少なくとも0.6mMのアセテートを含む。
【1414】
ある実施形態では、活性化された血清型38多糖は、400kDa~800kDaの分子量、12~20の酸化度を有し、血清型38多糖1mMあたり少なくとも0.6mMのアセテートを含む。
【1415】
活性化された多糖および/または担体タンパク質を、独立に(個別凍結乾燥)または一緒に(同時凍結乾燥)、凍結乾燥(凍結-乾燥)することができる。
【1416】
別の実施形態では、活性化された血清型38多糖を、必要に応じて、糖の存在下で凍結乾燥する。ある実施形態では、糖は、スクロース、トレハロース、ラフィノース、スタキオース、メレジトース、デキストラン、マンニトール、ラクチトールおよびパラチニットから選択される。ある実施形態では、糖は、スクロースである。一実施形態では、次いで、凍結乾燥された活性化された多糖を、担体タンパク質を含む溶液と混合する。
【1417】
別の実施形態では、活性化された多糖と、担体タンパク質とを同時凍結乾燥する。そのような実施形態では、活性化された血清型38多糖を、担体タンパク質と混合し、必要に応じて、糖の存在下で凍結乾燥する。ある実施形態では、糖は、スクロース、トレハロース、ラフィノース、スタキオース、メレジトース、デキストラン、マンニトール、ラクチトールおよびパラチニットから選択される。ある実施形態では、糖は、スクロースである。次いで、同時凍結乾燥された多糖と担体タンパク質とを、溶液中に再懸濁し、還元剤と反応させることができる。
【1418】
コンジュゲーションプロセスの第2のステップは、還元剤を使用した、コンジュゲートを形成させるための活性化された多糖および担体タンパク質の還元(還元的アミノ化)である。
【1419】
活性化された血清型38多糖を、
(c)活性化された血清型38多糖と担体タンパク質とを混合するステップ;および
(d)混合された活性化された血清型38多糖および担体タンパク質と、還元剤とを反応させて、血清型38多糖-担体タンパク質コンジュゲートを形成させるステップ
を含むプロセスによって、担体タンパク質にコンジュゲートすることができる。
【1420】
ある実施形態では、還元反応は、水性溶媒中で実行される。別の実施形態では、反応は、非プロトン性溶媒中で実行される。ある実施形態では、還元反応は、DMSO(ジメチルスルホキシド)またはDMF(ジメチルホルムアミド)溶媒中で実行される。DMSOまたはDMF溶媒を使用して、凍結乾燥された活性化された多糖および担体タンパク質を再構成させることができる。
【1421】
ジメチルスルホキシド(DMSO)中での還元的アミノ化による活性化された血清型38多糖と、タンパク質担体とのコンジュゲーションは、例えば、多糖のO-アセチル化のレベルが有意に低下し得る水相中での還元的アミノ化と比較して、多糖のO-アセチル含量を保持するのに好適である。したがって、1つまたは複数の実施形態では、ステップ(c)およびステップ(d)は、DMSO中で実行される。
【1422】
ある実施形態では、還元剤は、シアノ水素化ホウ素ナトリウム、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム、BronstedまたはLewis酸の存在下での水素化ホウ素ナトリウムまたは亜鉛、ピリジンボラン、2-ピコリンボラン、2,6-ジボラン-メタノール、ジメチルアミン-ボラン、t-BuMePrN-BH、ベンジルアミン-BHまたは5-エチル-2-メチルピリジンボラン(PEMB)などのアミンボランである。ある実施形態では、還元剤は、シアノ水素化ホウ素ナトリウムである。
【1423】
還元反応の終わりに、コンジュゲート中に残存する未反応のアルデヒド基があってもよく、これらのものを、好適なキャッピング剤を使用してキャップすることができる。一実施形態では、このキャッピング剤は、水素化ホウ素ナトリウム(NaBH)である。
【1424】
血清型38多糖の担体タンパク質へのコンジュゲーション後、糖コンジュゲートを、当業者に公知の様々な技術によって精製する(多糖-タンパク質コンジュゲートの量に関して富化する)ことができる。これらの技術としては、透析、濃縮/透析濾過操作、接線流濾過沈降/溶出、カラムクロマトグラフィー(DEAEまたは疎水性相互作用クロマトグラフィー)、および深層濾過が挙げられる。
【1425】
一部の実施形態では、本発明の血清型38糖コンジュゲートは、10kDa~2,000kDaの分子量を有する糖を含む。他のそのような実施形態では、糖は、50kDa~1,000kDaの分子量を有する。他のそのような実施形態では、糖は、70kDa~900kDaの分子量を有する。他のそのような実施形態では、糖は、100kDa~800kDaの分子量を有する。他のそのような実施形態では、糖は、200kDa~600kDaの分子量を有する。さらなるそのような実施形態では、糖は、100kDa~1000kDa;100kDa~900kDa;100kDa~800kDa;100kDa~700kDa;100kDa~600kDa;100kDa~500kDa;100kDa~400kDa;100kDa~300kDa;150kDa~1,000kDa;150kDa~900kDa;150kDa~800kDa;150kDa~700kDa;150kDa~600kDa;150kDa~500kDa;150kDa~400kDa;150kDa~300kDa;200kDa~1,000kDa;200kDa~900kDa;200kDa~800kDa;200kDa~700kDa;200kDa~600kDa;200kDa~500kDa;200kDa~400kDa;200kDa~300kDa;250kDa~1,000kDa;250kDa~900kDa;250kDa~800kDa;250kDa~700kDa;250kDa~600kDa;250kDa~500kDa;250kDa~400kDa;250kDa~350kDa;300kDa~1,000kDa;300kDa~900kDa;300kDa~800kDa;300kDa~700kDa;300kDa~600kDa;300kDa~500kDa;300kDa~400kDa;400kDa~1,000kDa;400kDa~900kDa;400kDa~800kDa;400kDa~700kDa;400kDa~600kDa;500kDa~600kDaの分子量を有する。上記の範囲のいずれかの中の任意の全整数が、本開示の実施形態として企図される。一部のそのような実施形態では、血清型38糖コンジュゲートは、還元的アミノ化を使用して調製される。
【1426】
一部の実施形態では、本発明の血清型38糖コンジュゲートは、400kDa~15,000kDa;500kDa~10,000kDa;2,000kDa~10,000kDa;3,000kDa~8,000kDa;または3,000kDa~5,000kDaの分子量を有する。他の実施形態では、血清型38糖コンジュゲートは、500kDa~10,000kDaの分子量を有する。他の実施形態では、血清型38糖コンジュゲートは、1,000kDa~8,000kDaの分子量を有する。さらに他の実施形態では、血清型38糖コンジュゲートは、2,000kDa~8,000kDaまたは3,000kDa~7,000kDaの分子量を有する。さらなる実施形態では、本発明の血清型38糖コンジュゲートは、200kDa~20,000kDa;200kDa~15,000kDa;200kDa~10,000kDa;200kDa~7,500kDa;200kDa~5,000kDa;200kDa~3,000kDa;200kDa~1,000kDa;500kDa~20,000kDa;500kDa~15,000kDa;500kDa~12,500kDa;500kDa~10,000kDa;500kDa~7,500kDa;500kDa~6,000kDa;500kDa~5,000kDa;500kDa~4,000kDa;500kDa~3,000kDa;500kDa~2,000kDa;500kDa~1,500kDa;500kDa~1,000kDa;750kDa~20,000kDa;750kDa~15,000kDa;750kDa~12,500kDa;750kDa~10,000kDa;750kDa~7,500kDa;750kDa~6,000kDa;750kDa~5,000kDa;750kDa~4,000kDa;750kDa~3,000kDa;750kDa~2,000kDa;750kDa~1,500kDa;1,000kDa~15,000kDa;1,000kDa~12,500kDa;1,000kDa~10,000kDa;1,000kDa~7,500kDa;1,000kDa~6,000kDa;1,000kDa~5,000kDa;1,000kDa~4,000kDa;1,000kDa~2,500kDa;2,000kDa~15,000kDa;2,000kDa~12,500kDa;2,000kDa~10,000kDa;2,000kDa~7,500kDa;2,000kDa~6,000kDa;2,000kDa~5,000kDa;2,000kDa~4,000kDa;または2,000kDa~3,000kDaの分子量を有する。
【1427】
さらなる実施形態では、本発明の血清型38糖コンジュゲートは、3,000kDa~20,000kDa;3,000kDa~15,000kDa;3,000kDa~10,000kDa;3,000kDa~7,500kDa;3,000kDa~5,000kDa;4,000kDa~20,000kDa;4,000kDa~15,000kDa;4,000kDa~12,500kDa;4,000kDa~10,000kDa;4,000kDa~7,500kDa;4,000kDa~6,000kDa;または4,000kDa~5,000kDaの分子量を有する。
【1428】
さらなる実施形態では、本発明の血清型38糖コンジュゲートは、5,000kDa~20,000kDa;5,000kDa~15,000kDa;5,000kDa~10,000kDa;5,000kDa~7,500kDa;6,000kDa~20,000kDa;6,000kDa~15,000kDa;6,000kDa~12,500kDa;6,000kDa~10,000kDaまたは6,000kDa~7,500kDaの分子量を有する。
【1429】
糖コンジュゲートの分子量は、SEC-MALLSによって測定される。上記の範囲のいずれかの中の任意の全整数が、本開示の実施形態として企図される。
【1430】
ある実施形態では、本発明の血清型38糖コンジュゲートは、血清型38多糖1mMあたり少なくとも0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6もしくは0.7または約0.8mMのアセテートを含む。ある実施形態では、糖コンジュゲートは、血清型38多糖1mMあたり少なくとも0.5、0.6または0.7mMのアセテートを含む。ある実施形態では、糖コンジュゲートは、血清型38多糖1mMあたり少なくとも0.6mMのアセテートを含む。別の実施形態では、糖コンジュゲートは、血清型38多糖1mMあたり少なくとも0.7mMのアセテートを含む。
【1431】
別の実施形態では、糖コンジュゲート中の血清型38多糖1mMあたりのアセテートのmMの、単離された多糖中の血清型38多糖1mMあたりのアセテートのmMに対する比は、少なくとも0.6、0.65、0.7、0.75、0.8、0.85、0.9または0.95である。ある実施形態では、糖コンジュゲート中の血清型38多糖1mMあたりのアセテートのmMの、単離された多糖中の血清型38多糖1mMあたりのアセテートのmMに対する比は、少なくとも0.7である。別の実施形態では、糖コンジュゲート中の血清型38多糖1mMあたりのアセテートのmMの、単離された多糖中の血清型38多糖1mMあたりのアセテートのmMに対する比は、少なくとも0.9である。
【1432】
ある実施形態では、糖コンジュゲート中の血清型38多糖1mMあたりのアセテートのmMの、活性化された多糖中の血清型38多糖1mMあたりのアセテートのmMに対する比は、少なくとも0.6、0.65、0.7、0.75、0.8、0.85、0.9または0.95である。ある実施形態では、糖コンジュゲート中の血清型38多糖1mMあたりのアセテートのmMの、活性化された多糖中の血清型38多糖1mMあたりのアセテートのmMに対する比は、少なくとも0.7である。別の実施形態では、糖コンジュゲート中の血清型38多糖1mMあたりのアセテートのmMの、活性化された多糖中の血清型38多糖1mMあたりのアセテートのmMに対する比は、少なくとも0.9である。
【1433】
本発明の血清型38糖コンジュゲートを特徴付けるための別の方法は、コンジュゲートされたリシンの範囲(コンジュゲーション度)として特徴付けることができる、糖にコンジュゲートされるようになる担体タンパク質(例えば、CRM197)中のリシン残基の数によるものである。多糖への共有結合に起因する、担体タンパク質のリシン修飾に関する証拠を、当業者に公知の日常的な方法を使用するアミノ酸分析によって得ることができる。コンジュゲーションは、コンジュゲート材料を生成するために使用されるCRM197タンパク質出発材料と比較して、回収されるリシン残基数の減少をもたらす。ある実施形態では、本発明の血清型38糖コンジュゲートのコンジュゲーション度は、2~15、2~13、2~10、2~8、2~6、2~5、2~4、3~15、3~13、3~10、3~8、3~6、3~5、3~4、5~15、5~10、8~15、8~12、10~15または10~12である。ある実施形態では、本発明の血清型38糖コンジュゲートのコンジュゲーション度は、約2、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9、約10、約11、約12、約13、約14または約15である。ある実施形態では、本発明の血清型38糖コンジュゲートのコンジュゲーション度は、4~7である。一部のそのような実施形態では、担体タンパク質は、CRM197である。
【1434】
本発明の血清型38糖コンジュゲートを、糖の担体タンパク質に対する比(重量/重量)によって特徴付けることもできる。一部の実施形態では、糖コンジュゲート中の血清型38多糖の担体タンパク質に対する比(w/w)は、0.5~3.0(例えば、約0.5、約0.6、約0.7、約0.8、約0.9、約1.0、約1.1、約1.2、約1.3、約1.4、約1.5、約1.6、約1.7、約1.8、約1.9、約2.0、約2.1、約2.2、約2.3、約2.4、約2.5、約2.6、約2.7、約2.8、約2.9、または約3.0)である。他の実施形態では、糖の担体タンパク質に対する比(w/w)は、0.5~2.0、0.5~1.5、0.8~1.2、0.5~1.0、1.0~1.5または1.0~2.0である。さらなる実施形態では、糖の担体タンパク質に対する比(w/w)は、0.8~1.2である。ある実施形態では、コンジュゲート中の血清型38莢膜多糖の担体タンパク質に対する比は、0.9~1.1である。一部のそのような実施形態では、担体タンパク質は、CRM197である。
【1435】
本発明の血清型38糖コンジュゲートおよび免疫原性組成物は、担体タンパク質に共有的にコンジュゲートされていないが、それにも拘わらず、糖コンジュゲート組成物中に存在する遊離糖を含有してもよい。遊離糖は、糖コンジュゲートと非共有的に会合していてもよい(すなわち、非共有的に結合する、吸着する、またはその中に、もしくはそれと共に捕捉される)。
【1436】
ある実施形態では、血清型38糖コンジュゲートは、血清型38多糖の総量と比較して、約50%、45%、40%、35%、30%、25%、20%または15%未満の遊離血清型38多糖を含む。別の実施形態では、血清型38糖コンジュゲートは、血清型38多糖の総量と比較して、約40%未満の遊離血清型38多糖を含む。ある実施形態では、血清型38糖コンジュゲートは、血清型38多糖の総量と比較して、約25%未満の遊離血清型38多糖を含む。ある実施形態では、血清型38糖コンジュゲートは、血清型38多糖の総量と比較して、約20%未満の遊離血清型38多糖を含む。別の実施形態では、血清型38糖コンジュゲートは、血清型38多糖の総量と比較して、約15%未満の遊離血清型38多糖を含む。
【1437】
血清型38糖コンジュゲートを、その分子サイズ分布(K)によって特徴付けることもできる。サイズ排除クロマトグラフィー媒体(CL-4B)を使用して、コンジュゲートの相対分子サイズ分布を決定することができる。サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)は、コンジュゲートの分子サイズ分布をプロファイリングするために重力送りのカラム中で使用される。媒体中の小孔から排除される大きい分子は、小さい分子よりも迅速に溶出する。画分収集装置を使用して、カラム溶出液を収集する。画分を、糖アッセイによる比色分析で試験する。Kの決定のために、分子が完全に排除される画分(V)、(K=0)、および最大保持を示す画分(V)、(K=1)を確立するために、カラムを較正する。特定の試料属性に達する画分(V)を、式K=(V-V)/(V-V)によってKと関連付ける。
【1438】
ある実施形態では、血清型38糖コンジュゲートの少なくとも30%が、CL-4Bカラム中で0.3より低い、またはそれに等しいKを有する。別の実施形態では、糖コンジュゲートの少なくとも40%が、CL-4Bカラム中で0.3より低い、またはそれに等しいKを有する。別の実施形態では、血清型38糖コンジュゲートの少なくとも45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、または85%が、CL-4Bカラム中で、0.3より低い、またはそれに等しいKを有する。ある実施形態では、血清型38糖コンジュゲートの少なくとも60%が、CL-4Bカラム中で0.3より低い、またはそれに等しいKを有する。別の実施形態では、血清型38糖コンジュゲートの50%~80%が、CL-4Bカラム中で0.3より低い、またはそれに等しいKを有する。ある実施形態では、血清型38糖コンジュゲートの65%~80%が、CL-4Bカラム中で0.3より低い、またはそれに等しいKを有する。
【1439】
2.本発明の免疫原性組成物
ある実施形態では、免疫原性組成物の肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)莢膜糖の数は、1個の血清型(または「v」、価)~16個の異なる血清型(16v)の範囲であり得る。一実施形態では、1個の血清型が存在する。別の実施形態では、2個の異なる血清型が存在する。別の実施形態では、3個の異なる血清型が存在する。別の実施形態では、
4個の異なる血清型が存在する。別の実施形態では、5個の異なる血清型が存在する。別の実施形態では、6個の異なる血清型が存在する。別の実施形態では、7個の異なる血清型が存在する。別の実施形態では、8個の異なる血清型が存在する。別の実施形態では、9個の異なる血清型が存在する。別の実施形態では、10個の異なる血清型が存在する。別の実施形態では、11個の異なる血清型が存在する。別の実施形態では、12個の異なる血清型が存在する。別の実施形態では、13個の異なる血清型が存在する。別の実施形態では、14個の異なる血清型が存在する。別の実施形態では、15個の異なる血清型が存在する。別の実施形態では、16個の異なる血清型が存在する。莢膜糖は担体タンパク質にコンジュゲートされて、本明細書に記載の糖コンジュゲートを形成する。
【1440】
ある実施形態では、本発明の免疫原性組成物は、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型6C、7C、9N、15A、15B、15C、16F、17F、20、23A、23B、31、34、35B、35F、および38由来の糖コンジュゲートからなる群から選択される少なくとも1つの糖コンジュゲートを含む。そのような糖コンジュゲートとしては、上記セクション1.3.2から1.3.17に記載のものが挙げられる。
【1441】
ある実施形態では、本発明の免疫原性組成物は、以下からなる群から選択される2つの肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型のそれぞれの少なくとも1つの糖コンジュゲートを含む:6Cおよび7C、6Cおよび9N、6Cおよび15A、6Cおよび15B、6Cおよび15C、6Cおよび16F、6Cおよび17F、6Cおよび20、6Cおよび23A、6Cおよび23B、6Cおよび31、6Cおよび34、6Cおよび35B、6Cおよび35F、6Cおよび38、7Cおよび9N、7Cおよび15A、7Cおよび15B、7Cおよび15C、7Cおよび16F、7Cおよび17F、7Cおよび20、7Cおよび23A、7Cおよび23B、7Cおよび31、7Cおよび34、7Cおよび35B、7Cおよび35F、7Cおよび38、9Nおよび15A、9Nおよび15B、9Nおよび15C、9Nおよび16F、9Nおよび17F、9Nおよび20、9Nおよび23A、9Nおよび23B、9Nおよび31、9Nおよび34、9Nおよび35B、9Nおよび35F、9Nおよび38、15Aおよび16F、15Aおよび17F、15Aおよび20、15Aおよび23A、15Aおよび23B、15Aおよび31、15Aおよび34、15Aおよび35B、15Aおよび35F、15Aおよび38、15Bおよび16F、15Bおよび17F、15Bおよび20、15Bおよび23A、15Bおよび23B、15Aおよび31、15Aおよび34、15Aおよび35B、15Aおよび35F、15Bおよび38、15Cおよび16F、15Cおよび17F、15Cおよび20、15Cおよび23A、15Cおよび23B、15Cおよび31、15Cおよび34、15Cおよび35B、15Cおよび35F、15Cおよび38、16Fおよび17F、16Fおよび20、16Fおよび23A、16Fおよび23B、16Fおよび31、16Fおよび34、16Fおよび35B、16Fおよび35F、16Fおよび38、17Fおよび20、17Fおよび23A、17Fおよび23B、17Fおよび31、17Fおよび34、17Fおよび35B、17Fおよび35F、17Fおよび38、20および23A、20および23B、20および31、20および34、20および35B、20および35F、20および38、23Aおよび31、23Aおよび34、23Aおよび35B、23Aおよび35F、23Aおよび38、23Bおよび31、23Bおよび34、23Bおよび35B、23Bおよび35F、23Bおよび38、31および34、31および35B、31および35F、31および38、34および35B、34および35F、34および38、35Bおよび38、ならびに35Fおよび38。
【1442】
上記免疫原性組成物のすべての糖コンジュゲートは、担体タンパク質に個別にコンジュゲートされていてもよい。
【1443】
本明細書における免疫原性組成物のいずれかの実施形態では、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型6C由来の糖コンジュゲートは、CRM197にコンジュゲートされている。上記免疫原性組成物のいずれかの実施形態では、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型7C由来の糖コンジュゲートは、CRM197にコンジュゲートされている。上記免疫原性組成物のいずれかの実施形態では、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型9N由来の糖コンジュゲートは、CRM197にコンジュゲートされている。上記免疫原性組成物のいずれかの実施形態では、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型15A由来の糖コンジュゲートは、CRM197にコンジュゲートされている。上記免疫原性組成物のいずれかの実施形態では、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型15B由来の糖コンジュゲートは、CRM197にコンジュゲートされている。上記免疫原性組成物のいずれかの実施形態では、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型15C由来の糖コンジュゲートは、CRM197にコンジュゲートされている。上記免疫原性組成物のいずれかの実施形態では、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型16F由来の糖コンジュゲートは、CRM197にコンジュゲートされている。上記免疫原性組成物のいずれかの実施形態では、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型17F由来の糖コンジュゲートは、CRM197にコンジュゲートされている。上記免疫原性組成物のいずれかの実施形態では、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型20由来の糖コンジュゲートは、CRM197にコンジュゲートされている。上記免疫原性組成物のいずれかの実施形態では、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型23A由来の糖コンジュゲートは、CRM197にコンジュゲートされている。上記免疫原性組成物のいずれかの実施形態では、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型23B由来の糖コンジュゲートは、CRM197にコンジュゲートされている。上記免疫原性組成物のいずれかの実施形態では、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型23B由来の糖コンジュゲートは、CRM197にコンジュゲートされている。上記免疫原性組成物のいずれかの実施形態では、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型34由来の糖コンジュゲートは、CRM197にコンジュゲートされている。上記免疫原性組成物のいずれかの実施形態では、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型35B由来の糖コンジュゲートは、CRM197にコンジュゲートされている。上記免疫原性組成物のいずれかの実施形態では、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型35F由来の糖コンジュゲートは、CRM197にコンジュゲートされている。上記免疫原性組成物のいずれかの実施形態では、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型38由来の糖コンジュゲートは、CRM197にコンジュゲートされている。
【1444】
上記免疫原性組成物のいずれかの実施形態では、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)由来の糖コンジュゲートは、CRM197にすべて個別にコンジュゲートされている。
【1445】
本明細書における免疫原性組成物のいずれかの別の実施形態では、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)由来の糖コンジュゲートは、PDにすべて個別にコンジュゲートされている。別の実施形態では、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)由来の糖コンジュゲートは、TTにすべて個別にコンジュゲートされている。さらに別の実施形態では、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)由来の糖コンジュゲートは、DTにすべて個別にコンジュゲートされている。
【1446】
本明細書における免疫原性組成物のいずれかの別の実施形態では、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型6C、7C、9N、15A、15B、15C、16F、17F、20、23A、23B、31、34、35B、35F、および/または38由来の糖コンジュゲートは、DTに個別にコンジュゲートされている。別の実施形態では、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型6C、7C、9N、15A、15B、15C、16F、17F、20、23A、23B、31、34、35B、35F、および/または38由来の糖コンジュゲートは、TTに個別にコンジュゲートされている。別の実施形態では、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型6C、7C、9N、15A、15B、15C、16F、17F、20、23A、23B、31、34、35B、35F、および/または38由来の糖コンジュゲートは、PDに個別にコンジュゲートされている。
【1447】
上記免疫原性組成物のいずれかの別の実施形態では、糖コンジュゲートの少なくとも1つは、DTに個別にコンジュゲートされており、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)由来のその他の糖コンジュゲートは、TTに個別にコンジュゲートされている。別の実施形態では、糖コンジュゲートの少なくとも1つは、TTに個別にコンジュゲートされており、その他の糖コンジュゲートは、DTに個別にコンジュゲートされている。別の実施形態では、糖コンジュゲートの少なくとも1つは、PDに個別にコンジュゲートされており、その他の糖コンジュゲートは、DTに個別にコンジュゲートされている。別の実施形態では、糖コンジュゲートの少なくとも1つは、PDに個別にコンジュゲートされており、その他の糖コンジュゲートは、TTに個別にコンジュゲートされている。別の実施形態では、糖コンジュゲート少なくとも1つは、TTに個別にコンジュゲートされており、その他の糖コンジュゲートは、PDに個別にコンジュゲートされている。別の実施形態では、糖コンジュゲートの少なくとも1つは、DTに個別にコンジュゲートされており、その他の糖コンジュゲートは、PDに個別にコンジュゲートされている。
【1448】
上記免疫原性組成物のいずれかの別の実施形態では、糖コンジュゲートの少なくとも1つは、CRM197に個別にコンジュゲートされており、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)由来のその他の糖コンジュゲートは、DTに個別にコンジュゲートされている。別の実施形態では、糖コンジュゲートの少なくとも1つは、CRM197に個別にコンジュゲートされており、その他の糖コンジュゲートは、TTに個別にコンジュゲートされている。別の実施形態では、糖コンジュゲートの少なくとも1つは、CRM197に個別にコンジュゲートされており、その他の糖コンジュゲートは、PDに個別にコンジュゲートされている。別の実施形態では、糖コンジュゲートの少なくとも1つは、DTに個別にコンジュゲートされており、その他の糖コンジュゲートは、CRM197に個別にコンジュゲートされている。別の実施形態では、糖コンジュゲートの少なくとも1つは、TTに個別にコンジュゲートされており、その他の糖コンジュゲートは、CRM197に個別にコンジュゲートされている。別の実施形態では、糖コンジュゲートの少なくとも1つは、PDに個別にコンジュゲートされており、その他の糖コンジュゲートは、CRM197に個別にコンジュゲートされている。
【1449】
ある実施形態では、上記免疫原性組成物は、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)の1~16個の異なる血清型を含む。一実施形態では、上記免疫原性組成物は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、または16価の肺炎球菌コンジュゲート組成物である。
【1450】
ある実施形態では、本発明の免疫原性組成物は、血清型6C、7C、9N、15A、15B、15C、16F、17F、20、23A、23B、31、34、35B、35F、および38由来のコンジュゲート化肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)糖を含む。
【1451】
ある実施形態では、本発明の免疫原性組成物の糖コンジュゲートは、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型6C、7C、9N、15A、15B、15C、16F、17F、20、23A、23B、31、34、35B、35F、および38由来の糖コンジュゲートからなる。
【1452】
ある実施形態では、本発明のすべての免疫原性組成物の糖コンジュゲートは、担体タンパク質に個別にコンジュゲートされている。
【1453】
ある実施形態では、免疫原性組成物の糖コンジュゲートは、CRM197に個別にコンジュゲートされている。ある実施形態では、免疫原性組成物の糖コンジュゲートは、PDに個別にコンジュゲートされている。ある実施形態では、免疫原性組成物の糖コンジュゲートは、TTに個別にコンジュゲートされている。ある実施形態では、免疫原性組成物の糖コンジュゲートは、DTに個別にコンジュゲートされている。
【1454】
ある実施形態では、免疫原性組成物の糖コンジュゲートの少なくとも1つは、DTに個別にコンジュゲートされており、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)由来のその他の糖コンジュゲートは、TTに個別にコンジュゲートされている。別の実施形態では、免疫原性組成物の糖コンジュゲートの少なくとも1つは、TTに個別にコンジュゲートされており、その他の糖コンジュゲートは、DTに個別にコンジュゲートされている。別の実施形態では、免疫原性組成物の糖コンジュゲートの少なくとも1つは、PDに個別にコンジュゲートされており、その他の糖コンジュゲートは、DTに個別にコンジュゲートされている。別の実施形態では、免疫原性組成物の糖コンジュゲートの少なくとも1つは、PDに個別にコンジュゲートされており、その他の糖コンジュゲートは、TTに個別にコンジュゲートされている。別の実施形態では、免疫原性組成物の糖コンジュゲートの少なくとも1つは、TTに個別にコンジュゲートされており、その他の糖コンジュゲートは、PDに個別にコンジュゲートされている。別の実施形態では、免疫原性組成物の糖コンジュゲートの少なくとも1つは、DTに個別にコンジュゲートされており、その他の糖コンジュゲートは、PDに個別にコンジュゲートされている。
【1455】
別の実施形態では、免疫原性組成物の糖コンジュゲートの少なくとも1つは、CRM197に個別にコンジュゲートされており、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)由来のその他の糖コンジュゲートは、DTに個別にコンジュゲートされている。別の実施形態では、免疫原性組成物の糖コンジュゲートの少なくとも1つは、CRM197に個別にコンジュゲートされており、その他の糖コンジュゲートは、TTに個別にコンジュゲートされている。別の実施形態では、免疫原性組成物の糖コンジュゲートの少なくとも1つは、CRM197に個別にコンジュゲートされており、その他の糖コンジュゲートは、PDに個別にコンジュゲートされている。別の実施形態では、免疫原性組成物の糖コンジュゲートの少なくとも1つは、DTに個別にコンジュゲートされており、その他の糖コンジュゲートは、CRM197に個別にコンジュゲートされている。別の実施形態では、免疫原性組成物の糖コンジュゲートの少なくとも1つは、TTに個別にコンジュゲートされており、その他の糖コンジュゲートは、CRM197に個別にコンジュゲートされている。別の実施形態では、免疫原性組成物の糖コンジュゲートの少なくとも1つは、PDに個別にコンジュゲートされており、その他の糖コンジュゲートは、CRM197に個別にコンジュゲートされている。
【1456】
莢膜多糖の担体タンパク質へのコンジュゲートション後、様々な技法によって糖コンジュゲートを精製する(多糖-タンパク質コンジュゲートの量に関して富化させる)。これらの技法としては、濃縮/透析濾過操作、沈殿/溶出、カラムクロマトグラフィー、および深層濾過が挙げられる(例えば、米国特許公開第2007/0184072号またはWO2008/079653号を参照)。個々の糖コンジュゲートを精製した後、これらを配合して本発明の免疫原性組成物を製剤化する。
【1457】
ある実施形態では、上記免疫原性組成物は、他の病原体由来、特に本明細書に開示される細菌および/またはウイルス由来の抗原をさらに含む。
【1458】
ある実施形態では、上記免疫原性組成物は、本明細書に開示される1つまたは複数のアジュバントをさらに含む。
【1459】
ある実施形態では、上記免疫原性組成物は、本明細書に開示されるように製剤化される。
【1460】
3.本発明の免疫原性組成物と組み合わせて使用し得る免疫原性組成物
ある実施形態では、本発明の免疫原性組成物は、第2の免疫原性組成物と組み合わせて使用する。
【1461】
ある実施形態では、第2の免疫原性組成物は、血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19F、23F、22F、および33Fからなる群から選択される肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae)血清型由来の少なくとも1つの糖コンジュゲートを含む。
【1462】
ある実施形態では、第2の免疫原性組成物は、血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19F、および23Fからなる群から選択される肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae)血清型由来の少なくとも1つの糖コンジュゲートを含む。
【1463】
1.ある実施形態では、第2の免疫原性組成物は、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型4、6B、9V、14、18C、19F、および23F由来の少なくとも1つの糖コンジュゲートを含む(上記セクション1.3.1の糖コンジュゲートなど)。
【1464】
2.別の実施形態では、第2の免疫原性組成物は、上記1に加えて、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型1、5、および7F由来の少なくとも1つの糖コンジュゲートを含む(上記セクション1.3.1の糖コンジュゲートなど)。
【1465】
ある実施形態では、上記第2の免疫原性組成物のすべての糖コンジュゲートは、担体タンパク質に個別にコンジュゲートされている。
【1466】
上記第2の免疫原性組成物のいずれかの実施形態では、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型4、6B、9V、14、18C、19F、および23F由来の糖コンジュゲートは、CRM197にコンジュゲートされている。上記第2の免疫原性組成物のいずれかの実施形態では、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型1、5、および7F由来の糖コンジュゲートは、CRM197にコンジュゲートされている。上記第2の免疫原性組成物のいずれかの実施形態では、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型6Aおよび19A由来の糖コンジュゲートは、CRM197にコンジュゲートされている。上記第2の免疫原性組成物のいずれかの実施形態では、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型3由来の糖コンジュゲートは、CRM197にコンジュゲートされている。
【1467】
ある実施形態では、上記第2の免疫原性組成物のいずれかの肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型1、4、5、6B、7F、9V、14、および/または23F由来の糖コンジュゲートは、PDに個別にコンジュゲートされている。
【1468】
ある実施形態では、上記第2の免疫原性組成物のいずれかの肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型18C由来の糖コンジュゲートは、TTにコンジュゲートされている。
【1469】
ある実施形態では、上記第2の免疫原性組成物のいずれかの肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型19F由来の糖コンジュゲートは、DTにコンジュゲートされている。
【1470】
ある実施形態では、上記第2の免疫原性組成物のいずれかの肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型1、4、5、6B、7F、9V、14、および/または23F由来の糖コンジュゲートは、PDに個別にコンジュゲートされており、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型18C由来の糖コンジュゲートは、TTにコンジュゲートされており、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型19F由来の糖コンジュゲートは、DTにコンジュゲートされている。
【1471】
ある実施形態では、上記第2の免疫原性組成物のいずれかの、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型1、4、5、6B、7F、9V、14、および/または23F由来の糖コンジュゲートは、PDに個別にコンジュゲートされており、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型18C由来の糖コンジュゲートは、TTにコンジュゲートされており、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型19F由来の糖コンジュゲートは、DTにコンジュゲートされており、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型22F由来の糖コンジュゲートは、CRM197にコンジュゲートされており、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型33F由来の糖コンジュゲートは、CRM197にコンジュゲートされている。
【1472】
ある実施形態では、上記第2の免疫原性組成物は、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)の7~15個の異なる血清型を含む。一実施形態では、上記第2の免疫原性組成物は、7、8、9、10、11、12、13、14、または15個の異なる血清型由来の糖コンジュゲートを含む。一実施形態では、上記第2の免疫原性組成物は、10~15個の異なる血清型由来の糖コンジュゲートを含む。ある実施形態では、上記第2の免疫原性組成物は、7、8、9、10、11、12、13、14、または15価の肺炎球菌コンジュゲート組成物である。ある実施形態では、上記第2の免疫原性組成物は、10価の肺炎球菌コンジュゲート組成物である。ある実施形態では、上記第2の免疫原性組成物は、11価の肺炎球菌コンジュゲート組成物である。ある実施形態では、上記第2の免疫原性組成物は、12価の肺炎球菌コンジュゲート組成物である。ある実施形態では、上記第2の免疫原性組成物は、13価の肺炎球菌コンジュゲート組成物である。ある実施形態では、上記第2の免疫原性組成物は、14価の肺炎球菌コンジュゲート組成物である。ある実施形態では、上記第2の免疫原性組成物は、15価の肺炎球菌コンジュゲート組成物である。
【1473】
ある実施形態では、上記第2の免疫原性組成物は7価の肺炎球菌コンジュゲート組成物であり、前記7個のコンジュゲートは、CRM197に個別にコンジュゲートした肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型4、6B、9V、14、18C、19F、および23F由来の7個の糖コンジュゲートからなる。
【1474】
ある実施形態では、上記第2の免疫原性組成物は10価の肺炎球菌コンジュゲート組成物であり、前記10個のコンジュゲートは、PDに個別にコンジュゲートした肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型1、4、5、6B、7F、9V、14、および23F由来の糖コンジュゲート、TTにコンジュゲートした肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型18C由来の糖コンジュゲート、ならびにDTにコンジュゲートした肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型19F由来の糖コンジュゲートからなる。
【1475】
ある実施形態では、上記第2の免疫原性組成物は11価の肺炎球菌コンジュゲート組成物であり、前記11個のコンジュゲートは、PDに個別にコンジュゲートした肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型1、4、5、6B、7F、9V、14、および23F由来の糖コンジュゲート、TTにコンジュゲートした肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型18C由来の糖コンジュゲート、DTにコンジュゲートした肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型19F由来の糖コンジュゲート、ならびにCRM197にコンジュゲートした肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型22F由来の糖コンジュゲートからなる。
【1476】
ある実施形態では、上記第2の免疫原性組成物は11価の肺炎球菌コンジュゲート組成物であり、前記11個のコンジュゲートは、PDに個別にコンジュゲートした肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型1、4、5、6B、7F、9V、14、および23F由来の糖コンジュゲート、TTにコンジュゲートした肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型18C由来の糖コンジュゲート、DTにコンジュゲートした肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型19F由来の糖コンジュゲート、ならびにCRM197にコンジュゲートした肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型33F由来の糖コンジュゲートからなる。
【1477】
ある実施形態では、上記第2の免疫原性組成物は12価の肺炎球菌コンジュゲート組成物であり、前記12個のコンジュゲートは、PDに個別にコンジュゲートした肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型1、4、5、6B、7F、9V、14、および23F由来の糖コンジュゲート、TTにコンジュゲートした肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型18C由来の糖コンジュゲート、DTにコンジュゲートした肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型19F由来の糖コンジュゲート、CRM197にコンジュゲートした肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型22F由来の糖コンジュゲート、ならびにCRM197にコンジュゲートした肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型33F由来の糖コンジュゲートからなる。
【1478】
ある実施形態では、上記第2の免疫原性組成物は13価の肺炎球菌コンジュゲート組成物であり、前記13個のコンジュゲートは、CRM197に個別にコンジュゲートした肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19F、および23F由来の糖コンジュゲートからなる。
【1479】
ある実施形態では、上記第2の免疫原性組成物は14価の肺炎球菌コンジュゲート組成物であり、前記14個のコンジュゲートは、CRM197に個別にコンジュゲートした肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19F、23F、および22F由来の糖コンジュゲートからなる。
【1480】
ある実施形態では、上記第2の免疫原性組成物は14価の肺炎球菌コンジュゲート組成物であり、前記14個のコンジュゲートは、CRM197に個別にコンジュゲートした肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19F、23F、および33F由来の糖コンジュゲートからなる。
【1481】
ある実施形態では、上記第2の免疫原性組成物は15価の肺炎球菌コンジュゲート組成物であり、前記15個のコンジュゲートは、CRM197に個別にコンジュゲートした肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19F、23F、22F、および33F由来の糖コンジュゲートからなる。
【1482】
ある実施形態では、上記第2の免疫原性物質の投薬量は以下に開示される通りである。
【1483】
ある実施形態では、上記第2の免疫原性組成物は、他の病原体由来、特に下記セクション6で開示されるものなどの細菌および/またはウイルス由来の抗原をさらに含む。
【1484】
ある実施形態では、上記第2の免疫原性組成物は、下記セクション7で開示される1つまたは複数のアジュバントをさらに含む。
【1485】
ある実施形態では、上記第2の免疫原性組成物は、下記セクション8で開示されるように製剤化される。
【1486】
ある実施形態では、本発明の免疫原性組成物(上記セクション2のもののいずれかなど)を、PREVNAR(登録商標)(一部の国ではPREVENAR(登録商標))(7価ワクチン)、SYNFLORIX(登録商標)(10価ワクチン)、および/またはPREVNAR13(登録商標)(一部の国ではPREVENAR13(登録商標))(13価ワクチン)と組み合わせて使用する。
【1487】
4.本発明のキット
ある態様では、本発明は、(a)上記セクション2で定義した第1の免疫原性組成物と、(b)血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19F、23F、22F、および33Fから選択される肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae)血清型由来の少なくとも1つの糖コンジュゲートを含む第2の免疫原性組成物とを含むキットを提供する。
【1488】
ある態様では、本発明は、(a)上記セクション2で定義した第1の免疫原性組成物と、(b)血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19F、および23Fから選択される肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae)血清型由来の少なくとも1つの糖コンジュゲートを含む第2の免疫原性組成物とを含むキットを提供する。
【1489】
ある態様では、本発明は、(a)上記セクション2で定義した第1の免疫原性組成物と、(b)上記セクション3で定義した第2の免疫原性組成物とを含むキットを提供する。
【1490】
ある実施形態では、キットの第2の免疫原性組成物(キットのパート(b))は、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型4、6B、9V、14、18C、19F、および23F由来の糖コンジュゲートを含む。
【1491】
ある実施形態では、キットの第2の免疫原性組成物は、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型1、4、5、6B、7F、9V、14、18C、19F、および23F由来の糖コンジュゲートを含む。
【1492】
ある実施形態では、キットの第2の免疫原性組成物は、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型1、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19F、および23F由来の糖コンジュゲートを含む(上記セクション1.3.1の糖コンジュゲートなど)。
【1493】
ある実施形態では、キットの第2の免疫原性組成物は、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19F、および23F由来の糖コンジュゲートを含む(上記セクション1.3.1の糖コンジュゲートなど)。
【1494】
ある実施形態では、キットの第2の免疫原性組成物は、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型1、4、5、6B、7F、9V、14、18C、19F、23F、および22F由来の糖コンジュゲートを含む(上記セクション1.3.1および1.3.2の糖コンジュゲートなど)。
【1495】
ある実施形態では、キットの第2の免疫原性組成物は、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型1、4、5、6B、7F、9V、14、18C、19F、23F、および33F由来の糖コンジュゲートを含む(上記セクション1.3.1および1.3.3の糖コンジュゲートなど)。
【1496】
ある実施形態では、キットの第2の免疫原性組成物は、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型1、4、5、6B、7F、9V、14、18C、19F、23F、22F、および33F由来の糖コンジュゲートを含む(上記セクション1.3.1、1.3.2、および1.3.3の糖コンジュゲートなど)。
【1497】
ある実施形態では、キットの第2の免疫原性組成物は、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19F、23F、および22F由来の糖コンジュゲートを含む(上記セクション1.3.1および1.3.2の糖コンジュゲートなど)。
【1498】
ある実施形態では、キットの第2の免疫原性組成物は、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19F、23F、および33F由来の糖コンジュゲートを含む(上記セクション1.3.1および1.3.3の糖コンジュゲートなど)。
【1499】
ある実施形態では、キットの第2の免疫原性組成物は、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19F、23F、22F、および33F由来の糖コンジュゲートを含む(上記セクション1.3.1、1.3.2、および1.3.3の糖コンジュゲートなど)。
【1500】
キットの第2の免疫原性組成物のすべての糖コンジュゲートは、担体タンパク質に個別にコンジュゲートされていてもよい。
【1501】
上記キットのいずれかの実施形態では、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型4、6B、9V、14、18C、19F、および23F由来の糖コンジュゲートは、CRM197にコンジュゲートされている。上記キットのいずれかの実施形態では、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型1、5、および7F由来の糖コンジュゲートは、CRM197にコンジュゲートされている。上記キットのいずれかの実施形態では、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型6Aおよび19A由来の糖コンジュゲートは、CRM197にコンジュゲートされている。上記キットのいずれかの実施形態では、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型3由来の糖コンジュゲートは、CRM197にコンジュゲートされている。
【1502】
ある実施形態では、上記キットのいずれかの糖コンジュゲートは、CRM197にすべて個別にコンジュゲートされている。
【1503】
別の実施形態では、上記キットのいずれかの、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型1、4、5、6B、7F、9V、14、および/または23F由来の糖コンジュゲートは、PDに個別にコンジュゲートされている。
【1504】
ある実施形態では、上記キットのいずれかの肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型18C由来の糖コンジュゲートは、TTにコンジュゲートされている。
【1505】
ある実施形態では、上記キットのいずれかの肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型19F由来の糖コンジュゲートは、DTにコンジュゲートされている。
【1506】
ある実施形態では、上記キットのいずれかの、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型1、4、5、6B、7F、9V、14、および/または23F由来の糖コンジュゲートは、PDに個別にコンジュゲートされており、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型18C由来の糖コンジュゲートは、TTにコンジュゲートされており、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型19F由来の糖コンジュゲートは、DTにコンジュゲートされている。
【1507】
ある実施形態では、上記キットのいずれかの、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型1、4、5、6B、7F、9V、14、および/または23F由来の糖コンジュゲートは、PDに個別にコンジュゲートされており、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型18C由来の糖コンジュゲートは、TTにコンジュゲートされており、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型19F由来の糖コンジュゲートは、DTにコンジュゲートされており、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型22F由来の糖コンジュゲートは、CRM197にコンジュゲートされており、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型33F由来の糖コンジュゲートは、CRM197にコンジュゲートされている。
【1508】
ある実施形態では、上記第2の免疫原性組成物は、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)の7~15個の異なる血清型を含む。一実施形態では、上記第2の免疫原性組成物は、7、8、9、10、11、12、13、14、または15個の異なる血清型由来の糖コンジュゲートを含む。一実施形態では、上記第2の免疫原性組成物は、10~15個の異なる血清型由来の糖コンジュゲートを含む。ある実施形態では、上記第2の免疫原性組成物は、7、8、9、10、11、12、13、14、または15価の肺炎球菌コンジュゲート組成物である。ある実施形態では、上記第2の免疫原性組成物は、10価の肺炎球菌コンジュゲート組成物である。ある実施形態では、上記第2の免疫原性組成物は、11価の肺炎球菌コンジュゲート組成物である。ある実施形態では、上記第2の免疫原性組成物は、12価の肺炎球菌コンジュゲート組成物である。ある実施形態では、上記第2の免疫原性組成物は、13価の肺炎球菌コンジュゲート組成物である。ある実施形態では、上記第2の免疫原性組成物は、14価の肺炎球菌コンジュゲート組成物である。ある実施形態では、上記第2の免疫原性組成物は、15価の肺炎球菌コンジュゲート組成物である。
【1509】
ある実施形態では、上記第2の免疫原性組成物は7価の肺炎球菌コンジュゲート組成物であり、前記7個のコンジュゲートは、CRM197に個別にコンジュゲートした肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型4、6B、9V、14、18C、19F、および23F由来の7個の糖コンジュゲートからなる。
【1510】
ある実施形態では、上記第2の免疫原性組成物は10価の肺炎球菌コンジュゲート組成物であり、前記10個のコンジュゲートは、PDに個別にコンジュゲートした肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型1、4、5、6B、7F、9V、14、および23F由来の糖コンジュゲート、TTにコンジュゲートした肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型18C由来の糖コンジュゲート、ならびにDTにコンジュゲートした肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型19F由来の糖コンジュゲートからなる。
【1511】
ある実施形態では、上記第2の免疫原性組成物は11価の肺炎球菌コンジュゲート組成物であり、前記11個のコンジュゲートは、PDに個別にコンジュゲートした肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型1、4、5、6B、7F、9V、14、および23F由来の糖コンジュゲート、TTにコンジュゲートした肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型18C由来の糖コンジュゲート、DTにコンジュゲートした肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型19F由来の糖コンジュゲート、ならびにCRM197にコンジュゲートした肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型22F由来の糖コンジュゲートからなる。
【1512】
ある実施形態では、上記第2の免疫原性組成物は11価の肺炎球菌コンジュゲート組成物であり、前記11個のコンジュゲートは、PDに個別にコンジュゲートした肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型1、4、5、6B、7F、9V、14、および23F由来の糖コンジュゲート、TTにコンジュゲートした肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型18C由来の糖コンジュゲート、DTにコンジュゲートした肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型19F由来の糖コンジュゲート、ならびにCRM197にコンジュゲートした肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型33F由来の糖コンジュゲートからなる。
【1513】
ある実施形態では、上記第2の免疫原性組成物は12価の肺炎球菌コンジュゲート組成物であり、前記12個のコンジュゲートは、PDに個別にコンジュゲートした、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型1、4、5、6B、7F、9V、14、および23F由来の糖コンジュゲート、TTにコンジュゲートした肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型18C由来の糖コンジュゲート、DTにコンジュゲートした肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型19F由来の糖コンジュゲート、CRM197にコンジュゲートした肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型22F由来の糖コンジュゲート、ならびにCRM197にコンジュゲートした肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型33F由来の糖コンジュゲートからなる。
【1514】
ある実施形態では、上記第2の免疫原性組成物は13価の肺炎球菌コンジュゲート組成物であり、前記13個のコンジュゲートは、CRM197に個別にコンジュゲートした、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19F、および23F由来の糖コンジュゲートからなる。
【1515】
ある実施形態では、上記第2の免疫原性組成物は14価の肺炎球菌コンジュゲート組成物であり、前記14個のコンジュゲートは、CRM197に個別にコンジュゲートした、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19F、23F、および22F由来の糖コンジュゲートからなる。
【1516】
ある実施形態では、上記第2の免疫原性組成物は14価の肺炎球菌コンジュゲート組成物であり、前記14個のコンジュゲートは、CRM197に個別にコンジュゲートした、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19F、23F、および33F由来の糖コンジュゲートからなる。
【1517】
ある実施形態では、上記第2の免疫原性組成物は15価の肺炎球菌コンジュゲート組成物であり、前記15個のコンジュゲートは、CRM197に個別にコンジュゲートした、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型1、3、4、5、6A、6B、7F、9V、14、18C、19A、19F、23F、22F、および33F由来の糖コンジュゲートからなる。
【1518】
ある実施形態では、上記第2の免疫原性組成物は、他の病原体由来、特に本明細書に開示される細菌および/またはウイルス由来の抗原をさらに含む。
【1519】
ある実施形態では、上記第2の免疫原性組成物は、本明細書に開示される1つまたは複数のアジュバントをさらに含む。
【1520】
ある実施形態では、上記第2の免疫原性組成物は、本明細書に開示されるように製剤化される。
【1521】
ある実施形態では、本発明の免疫原性組成物(上記セクション2のもののいずれかなど)を、PREVNAR(登録商標)(一部の国ではPREVENAR(登録商標))(7価ワクチン)、SYNFLORIX(登録商標)(10価ワクチン)、および/またはPREVNAR13(登録商標)(一部の国ではPREVENAR13(登録商標))(13価ワクチン)と組み合わせて使用する。
【1522】
本発明のある態様では、キットは2つの容器の形態をとる。したがって、本発明の一実施形態では、キットの免疫原性組成物のそれぞれ(すなわち、第1の免疫原性組成物および第2の免疫原性組成物)は別個の容器に含まれる。
【1523】
一実施形態では、キットの第1の免疫原性組成物(キットのパート(a))は、バイアル、シリンジ、フラスコ、発酵槽、バイオリアクター、バッグ、広口瓶、アンプル、カートリッジ、および使い捨てのペンからなる群から選択される容器に含まれる。ある特定の実施形態では、容器はシリコン処理されている。
【1524】
一実施形態では、キットの第2の免疫原性組成物(キットのパート(b))は、バイアル、シリンジ、フラスコ、発酵槽、バイオリアクター、バッグ、広口瓶、アンプル、カートリッジ、および使い捨てのペンからなる群から選択される容器に含まれる。ある特定の実施形態では、容器はシリコン処理されている。
【1525】
ある実施形態では、容器は、ガラス、金属(例えば、スチール、ステンレス鋼、アルミニウムなど)、および/またはポリマー(例えば、熱可塑性、エラストマー、熱可塑性エラストマー)から作られる。ある実施形態では、容器はガラスから作られる。
【1526】
一実施形態では、キットの第1および第2の免疫原性組成物はシリンジまたは使い捨てのペンに含まれる。一実施形態では、キットの第1および第2の免疫原性組成物はシリンジに含まれる。ある特定の実施形態では、シリンジはシリコン処理されている。ある特定の実施形態では、シリコン処理されたシリンジはガラスから作られる。
【1527】
ある実施形態では、キットの第1および第2の免疫原性組成物は、同時投与のために即席で混合される。
【1528】
ある実施形態では、第1および第2の免疫原性組成物は液体形態であり、好ましくは2つの容器に含有される。一実施形態では、第1および第2の容器は、始動された際に第1の容器中の溶液が第2の容器内に導入されるように、二屋シリンジ中の別個の部屋である。その後、生じる混合物がシリンジを出ることができる。2つの免疫原性組成物は、混合の準備ができるまで別個に保つ。
【1529】
ある実施形態では、キットの第1および/または第2の免疫原性組成物は凍結乾燥形態である。
【1530】
ある実施形態では、キットの第1の免疫原性組成物は凍結乾燥形態であり、第2の免疫原性組成物は液体形態である。別の実施形態では、キットの第2の免疫原性組成物は凍結乾燥形態であり、第1の免疫原性組成物は液体形態である。前記実施形態では、両方の免疫原性組成物の同時投与のために、凍結乾燥免疫原性組成物を、液体免疫原性組成物を用いて即席で再構成することができる。
【1531】
前記実施形態では、キットは2つの容器を含有し、1つの容器は再構成のための液体材料を含み、第2の容器は凍結乾燥材料を含む。一実施形態では、第2の容器は密閉シールされている。ある実施形態では、液体材料は第1の針を介して第2の容器内に導入され、それによって、凍結乾燥材料が液体形態へと再構成される。生じる混合物を、その後、患者に投与するために容器(シリンジなど)内に引き出す。一実施形態では、引出しステップは第1の針を介するものである。別の実施形態では、引出しステップは第2の針を介するものである。ある実施形態では、引出しステップに使用する針は、患者の注射に使用するものと同じ針である。別の実施形態では、引出しステップに使用する針は、患者の注射に使用する針とは異なる。
【1532】
一実施形態では、第2の容器はバイアルである。さらなる実施形態では第1および第2の容器は、始動された際に液体材料が第1の容器から第2の容器内へと導入されるように、二屋シリンジ中の別個の部屋である。生じる混合物は液体形態でシリンジを出る。一実施形態では、凍結乾燥材料および液体材料は、混合の準備ができるまで別個に保つ。
【1533】
ある実施形態では、キットは、既に満たされたシリンジおよびバイアルを含む。一実施形態では、シリンジは単一用量の第1の免疫原性組成物を含み、バイアルは単一用量の第2の免疫原性組成物を含む。一実施形態では、シリンジは単一用量の第2の免疫原性組成物を含み、バイアルは単一用量の第1の免疫原性組成物を含む。別の実施形態では、シリンジおよびバイアルは複数用量を含む。
【1534】
5.免疫原性組成物の投薬量
それぞれの用量中の糖コンジュゲートの量は、典型的なワクチン接種を受けた者において顕著な有害副作用なしに免疫保護応答を誘導する量として選択される。そのような量は、どの特定の免疫原を用いるか、およびそれをどのように提示するかに応じて変動する。
【1535】
5.1 糖コンジュゲート量
免疫原性組成物中の特定の糖コンジュゲートの量は、そのコンジュゲートの全多糖(コンジュゲートしたものおよびコンジュゲートしていないもの)に基づいて計算することができる。例えば、20%の遊離多糖を有する糖コンジュゲートは、100μgの多糖用量中に約80μgのコンジュゲート化した多糖および約20μgのコンジュゲート化していない多糖を有する。糖コンジュゲートの量は、肺炎球菌血清型に応じて変動する場合がある。糖濃度はウロン酸アッセイによって決定することができる。
【1536】
免疫原性組成物中の様々な多糖構成成分の「免疫原性量」は発散していてよく、それぞれ、約1μg、約2μg、約3μg、約4μg、約5μg、約6μg、約7μg、約8μg、約9μg、約10μg、約15μg、約20μg、約30μg、約40μg、約50μg、約60μg、約70μg、約80μg、約90μg、または約100μgの任意の特定の多糖抗原を含み得る。
【1537】
一般に、それぞれの用量は、所定の血清型について0.1μg~100μg、具体的には0.5μg~20μg、より具体的には1.0μg~10μg、さらにより具体的には2.0μg~5.0μgの多糖を含む。上記範囲のいずれかの内にある任意の自然整数が本開示の一実施形態として企図される。
【1538】
ある実施形態では、それぞれの用量は、それぞれの特定の糖コンジュゲートについて、約1.0μg、約1.2μg、約1.4μg、約1.6μg、約1.8μg、約2.0μg、約2.2μg、約2.4μg、約2.6μg、約2.8μg、約3.0μg、約3.2μg、約3.4μg、約3.6μg、約3.8μg、約4.0μg、約4.2μg、約4.4μg、約4.6μg、約4.8μg、約5.0μg、約5.2μg、約5.4μg、約5.6μg、約5.8μg、または約6.0μgの多糖を含む。
【1539】
ある実施形態では、それぞれの用量は、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型1、3、4、5、6A、7F、8、9V、10A、11A、12F、14、15B、18C、19A、19F、22F、23F、および/または33F由来の糖コンジュゲートについて、約1.1μg、約1.2μg、約1.3μg、約1.4μg、約1.5μg、約1.6μg、約1.7μg、約1.8μg、約1.9μg、約2.0μg、約2.1μg、約2.2μg、約2.3μg、約2.4μg、約2.5μg、約2.6μg、約2.7μg、約2.8μg、約2.9μg、または約3.0μgの多糖を含む。
【1540】
ある実施形態では、それぞれの用量は、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型8、10A、11A、12F、15B、22F、および33F由来の糖コンジュゲートについて、約1.1μg、約1.2μg、約1.3μg、約1.4μg、約1.5μg、約1.6μg、約1.7μg、約1.8μg、約1.9μg、約2.0μg、約2.1μg、約2.2μg、約2.3μg、約2.4μg、約2.5μg、約2.6μg、約2.7μg、約2.8μg、約2.9μg、または約3.0μgの多糖を含む。
【1541】
ある実施形態では、それぞれの用量は、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型6B由来の糖コンジュゲートについて、約2.0μg、約2.2μg、約2.4μg、約2.6μg、約2.8μg、約3.0μg、約3.2μg、約3.4μg、約3.6μg、約3.8μg、約4.0μg、約4.2μg、約4.4μg、約4.6μg、約4.8μg、約5.0、約5.2μg、約5.4μg、約5.6μg、約5.8μg、または約6.0μgの多糖を含む。
【1542】
ある実施形態では、それぞれの用量は、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型1、3、4、5、6A、7F、8、9V、10A、11A、12F、14、15B、18C、19A、19F、22F、23F、および/または33F由来のそれぞれの糖コンジュゲートについて約1.5μg~約3.0μgの多糖を含み、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型6B由来の糖コンジュゲートについて約3.0μg~約6.0μgの多糖を含む。
【1543】
ある実施形態では、それぞれの用量は、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型1、3、4、5、6A、7F、8、9V、10A、11A、12F、14、15B、18C、19A、19F、22F、23F、および/または33F由来のそれぞれの糖コンジュゲートについて約2.0μg~約2.5μgの多糖を含み、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型6B由来の糖コンジュゲートについて約4.0μg~約4.8μgの多糖を含む。
【1544】
ある実施形態では、それぞれの用量は、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型1、3、4、5、6A、7F、8、9V、10A、11A、12F、14、15B、18C、19A、19F、22F、23F、および/または33F由来のそれぞれの糖コンジュゲートから約2.2μgの多糖を含み、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型6B由来の糖コンジュゲートについて約4.4μgの多糖を含む。
【1545】
ある実施形態では、それぞれの用量は、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型8、10A、11A、12F、15B、22F、および33F由来のそれぞれの糖コンジュゲートについて約1.5μg~約3.0μgの多糖を含む。
【1546】
ある実施形態では、それぞれの用量は、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型8、10A、11A、12F、15B、22F、および33F由来のそれぞれの糖コンジュゲートについて約2.0μg~約2.5μgの多糖を含む。
【1547】
ある実施形態では、それぞれの用量は、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型8、10A、11A、12F、15B、22F、および33F由来のそれぞれの糖コンジュゲートについて約2.2μgの多糖を含む。
【1548】
5.2 担体量
一般に、本発明の免疫原性組成物のそれぞれの用量は、1μg~150μgの担体タンパク質、具体的には10μg~100μgの担体タンパク質、より具体的には15μg~50μgの担体タンパク質、さらにより具体的には16μg~40μgの担体タンパク質を含む。ある実施形態では、前記担体タンパク質はCRM197である。
【1549】
ある実施形態では、それぞれの用量は、約1μg、約2μg、約3μg、約4μg、約5μg、約6μg、約7μg、約8μg、約9μg、約10μg、約11μg、約12μg、約13μg、約14μg、約15μg、約16μg、約17μg、約18μg、約19μg、約20μg、約21μg、約22μg、約23μg、約24μg、約25μg、約26μg、約27μg、約28μg、約29μg、約30μg、約31μg、約32μg、約33μg、約34μg、約35μg、約36μg、約37μg、約38μg、約39μg、約40μg、約41μg、約42μg、約43μg、約44μg、約45μg、約46μg、約47μg、約48μg、約49μg、約50μg、約51μg、約52μg、約53μg、約54μg、約55μg、約56μg、約57μg、約58μg、約59μg、約60μg、約61μg、約62μg、約63μg、約64μg、約65μg、約66μg、約67μg、約68μg、約69μg、約70μg、約71μg、約72μg、約73μg、約74μg、または約75μgの担体タンパク質を含む。ある実施形態では、前記担体タンパク質はCRM197である。
【1550】
ある実施形態では、それぞれの用量は、約約10μg、約11μg、約12μg、約13μg、約14μg、約15μg、約16μg、約17μg、約18μg、約19μg、約20μg、約21μg、約22μg、約23μg、約24μg、約25μg、約26μg、約27μg、約28μg、約29μg、または約30μgの担体タンパク質を含む。ある実施形態では、担体タンパク質はCRM197である。
【1551】
6.さらなる抗原
本明細書に開示される免疫原性組成物は、コンジュゲート化肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)糖抗原(糖コンジュゲート)を含む。これらは、他の病原体由来、特に細菌および/またはウイルス由来の少なくとも1つの抗原もさらに含み得る。
【1552】
ある実施形態では、本明細書に開示される免疫原性組成物は、ジフテリアトキソイド(D)、破傷風トキソイド(T)、百日咳抗原(P)、無細胞百日咳抗原(Pa)、B型肝炎ウイルス(HBV)表面抗原(HBsAg)、A型肝炎ウイルス(HAV)抗原、コンジュゲート化インフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)b型莢膜糖(Hib)、および不活性化ポリオウイルスワクチン(IPV)からなる群から選択される少なくとも1つの抗原をさらに含む。
【1553】
ある実施形態では、本明細書に開示される免疫原性組成物は、D-T-Paを含む。ある実施形態では、本明細書に開示される免疫原性組成物は、D-T-Pa-Hib、D-T-Pa-IPV、またはD-T-Pa-HBsAgを含む。ある実施形態では、本明細書に開示される免疫原性組成物は、D-T-Pa-HBsAg-IPVまたはD-T-Pa-HBsAg-Hibを含む。ある実施形態では、本明細書に開示される免疫原性組成物は、D-T-Pa-HBsAg-IPV-Hibを含む。
【1554】
百日咳抗原:百日咳菌(Bordetella pertussis)は百日咳を引き起こす。ワクチン中の百日咳抗原は細胞性(全細胞、不活性化百日咳菌(B.pertussis)細胞の形態)または無細胞性のどちらかである。細胞性百日咳抗原の調製は十分に文書化されている(例えば、これは百日咳菌(B.pertussis)の第I相培養物の熱不活性化によって得られ得る)。しかし、好ましくは、本発明では無細胞抗原を使用する。無細胞抗原を使用する場合、以下の抗原の1つ、2つ、または(好ましくは)3つを使用することが好ましい:(1)解毒化百日咳毒素(百日咳トキソイド、すなわちPT)、(2)繊維状赤血球凝集素(FHA)、(3)ペルタクチン(69キロダルトンの外膜タンパク質としても知られる)。FHAおよびペルタクチンは、本発明に従って使用前にホルムアルデヒドで処理してもよい。PTは、好ましくは、ホルムアルデヒドおよび/またはグルタルアルデヒドを用いた処理によって解毒する。無細胞百日咳抗原は、好ましくは、1つまたは複数のアルミニウム塩アジュバント上に吸着させる。代替方法として、これらを未吸着の状態で加えてもよい。ペルタクチンを加える場合、好ましくは、これは既に水酸化アルミニウムアジュバント上に吸着されている。PTおよびFHAは、水酸化アルミニウムアジュバントまたはリン酸アルミニウム上に吸着させ得る。PT、FHA、およびペルタクチンすべての水酸化アルミニウムへの吸着が最も好ましい。
【1555】
不活性化ポリオウイルスワクチン:ポリオウイルスは灰白髄炎を引き起こす。経口ポリオウイルスワクチンを使用するのではなく、本発明の実施形態はIPVを使用する。患者に投与する前に、ポリオウイルスを不活性化させなければならず、これはホルムアルデヒドを用いた処理によって達成することができる。灰白髄炎は、3種類のポリオウイルスの1種によって引き起こされることができる。この3種類は類似しており、同一の症状を引き起こすが、抗原性が異なっており、1つの種による感染は他のものによる感染から保護しない。したがって、本発明において3つのポリオウイルス抗原を使用することが好ましい:1型ポリオウイルス(例えばマホニー(Mahoney)株)、2型ポリオウイルス(例えばMEF-1株)、および3型ポリオウイルス(例えばサウケット(Saukett)株)。ウイルスは、好ましくは個別に成長させ、精製し、不活性化させ、その後、一緒に合わせて、本発明で使用するためのバルクの三価混合物が得られる。
【1556】
ジフテリアトキソイド:ジフテリア菌(Corynebactirum diphtheriae)はジフテリアを引き起こす。ジフテリア毒素は、(例えばホルマリンまたはホルムアルデヒドを使用して)処理して、注射後に特異的抗毒素抗体を誘導する能力を保持したまま、毒性を除去することができる。これらのジフテリアトキソイドはジフテリアワクチン中で使用される。ジフテリアトキソイドはホルムアルデヒド処理によって調製されるものである。ジフテリアトキソイドは、ジフテリア菌(C.diphtheriae)を成長培地中で成長させ、次いで、ホルムアルデヒド処理、限外濾過、および沈殿を行うことによって得ることができる。その後、トキソイド化した材料を、滅菌濾過および/または透析を含むプロセスによって処理し得る。ジフテリアトキソイドは、好ましくは水酸化アルミニウムアジュバント上に吸着されている。
【1557】
破傷風トキソイド:破傷風菌(Clostridium tetani)は破傷風を引き起こす。破傷風毒素を処理して、保護的トキソイドを得ることができる。トキソイドは破傷風ワクチン中で使用される。破傷風トキソイドはホルムアルデヒド処理によって調製されるものである。破傷風トキソイドは、破傷風菌(C.tetani)を成長培地中で成長させ、次いで、ホルムアルデヒド処理、限外濾過、および沈殿を行うことによって得ることができる。その後、材料を、滅菌濾過および/または透析を含むプロセスによって処理し得る。
【1558】
A型肝炎ウイルス抗原:A型肝炎ウイルス(HAV)は、ウイルス性肝炎を引き起こす既知の病原体の1つである。HAV構成成分は不活性化ウイルスに基づいており、不活性化はホルマリン処理によって達成することができる。
【1559】
B型肝炎ウイルス(HBV)は、ウイルス性肝炎を引き起こす既知の病原体の1つである。カプシドの主要な構成成分は、HBV表面抗原、またはより一般的にはHBsAgとして知られるタンパク質であり、これは、典型的には、約24kDaの分子量を有する226個のアミノ酸のポリペプチドである。すべての存在するB型肝炎ワクチンはHBsAgを含有しており、この抗原をワクチン接種を受けた健常者に投与した場合、これは、HBV感染に対して保護する抗HBsAg抗体の産生を刺激する。
【1560】
ワクチン製造には、HBsAgは2つの方法、すなわち、慢性B型肝炎保因者の血漿由来の粒子形態の抗原の精製、または組換えDNA法(例えば酵母細胞中での組換え発現)によるタンパク質の発現で作製されてきた。ネイティブHBsAg(すなわち血漿精製産物におけるものなど)とは異なり、酵母で発現させたHBsAgは一般にグリコシル化されておらず、これが、本発明で使用するためのHBsAgの最も好ましい形態である。
【1561】
コンジュゲート化インフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)b型抗原:インフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)b型(Hib)は細菌性髄膜炎を引き起こす。Hibワクチンは、典型的には、その調製が十分に文書化されている莢膜糖抗原に基づく。Hib糖は、特に小児において、その免疫原性を増強させるために担体タンパク質にコンジュゲートさせることができる。典型的な担体タンパク質は、破傷風トキソイド、ジフテリアトキソイド、CRM197、インフルエンザ菌(H.influenzae)タンパク質D、および血清群B髄膜炎菌由来の外膜タンパク質複合体である。コンジュゲートの糖部分は、Hib細菌、および/または完全長ポリリボシルリビトールリン酸(PRP)の断片から調製される、完全長PRPを含み得る。Hibコンジュゲートは、アルミニウム塩アジュバントに吸着されていてもされていなくてもよい。
【1562】
ある実施形態では、本明細書に開示される免疫原性組成物は、コンジュゲート化髄膜炎菌(N.meningitidis)血清群Y莢膜糖(MenY)および/またはコンジュゲート化髄膜炎菌(N.meningitidis)血清群C莢膜糖(MenC)をさらに含む。
【1563】
ある実施形態では、本明細書に開示される免疫原性組成物は、コンジュゲート化髄膜炎菌(N.meningitidis)血清群A莢膜糖(MenA)、コンジュゲート化髄膜炎菌(N.meningitidis)血清群W135莢膜糖(MenW135)、コンジュゲート化髄膜炎菌(N.meningitidis)血清群Y莢膜糖(MenY)、および/またはコンジュゲート化髄膜炎菌(N.meningitidis)血清群C莢膜糖(MenC)をさらに含む。
【1564】
ある実施形態では、本明細書に開示される免疫原性組成物は、コンジュゲート化髄膜炎菌(N.meningitidis)血清群W135莢膜糖(MenW135)、コンジュゲート化髄膜炎菌(N.meningitidis)血清群Y莢膜糖(MenY)、および/またはコンジュゲート化髄膜炎菌(N.meningitidis)血清群C莢膜糖(MenC)をさらに含む。
【1565】
本発明のある態様は、上記さらなる抗原のいずれかが、第1の免疫原性組成物(キットのパート(a))の一部である、上記セクション4で定義したキットを提供する。
【1566】
本発明のある態様は、上記さらなる抗原のいずれかが、第2の免疫原性組成物(キットのパート(b))の一部である、上記セクション4で定義したキットを提供する。
【1567】
本発明のある態様は、上記さらなる抗原のいずれかが、第1の免疫原性組成物(キットのパート(a))の一部であり、上記さらなる抗原のいずれかが、第2の免疫原性組成物(キットのパート(b))の一部である、上記セクション4で定義したキットを提供する。
【1568】
7.アジュバント
1つまたは複数の実施形態において、本明細書に開示される免疫原性組成物は、少なくとも1つ、2つ、または3つのアジュバントをさらに含み得る。用語「アジュバント」とは、抗原に対する免疫応答を増強させる化合物または混合物を指す。抗原は、主に送達系として作用し得る、主に免疫変調剤として作用し得る、または両方の強力な特長を有し得る。適切なアジュバントとしては、ヒトを含めた哺乳動物における使用に適したものが挙げられる。
【1569】
ヒトにおいて使用することができる既知の適切な送達系型のアジュバントの例としては、それだけには限定されないが、ミョウバン(例えば、リン酸アルミニウム、硫酸アルミニウム、または水酸化アルミニウム)、リン酸カルシウム、リポソーム、MF59(4.3%w/vのスクアレン、0.5%w/vのポリソルベート80(TWEEN(登録商標)80)などの水中油エマルジョン、0.5%w/vのトリオレイン酸ソルビタン(Span85))、MONTANIDE(商標)などの油中水エマルジョン、およびポリ(D,L-ラクチド-co-グリコリド)(PLG)マイクロ粒子またはナノ粒子が挙げられる。
【1570】
ある実施形態では、本明細書に開示される免疫原性組成物は、アジュバントとしてアルミニウム塩(ミョウバン)を含む(例えば、リン酸アルミニウム、硫酸アルミニウム、または水酸化アルミニウム)。ある実施形態では、本明細書に開示される免疫原性組成物は、アジュバントとしてリン酸アルミニウムまたは水酸化アルミニウムを含む。ある実施形態では、本明細書に開示される免疫原性組成物は、0.1mg/mL~1mg/mLまたは0.2mg/mL~0.3mg/mLの元素アルミニウムをリン酸アルミニウムの形態で含む。ある実施形態では、本明細書に開示される免疫原性組成物は、約0.25mg/mLの元素アルミニウムをリン酸アルミニウムの形態で含む。
【1571】
ヒトにおいて使用することができる既知の適切な免疫変調型アジュバントの例としては、それだけには限定されないが、アクイラ(Aquilla)樹木の樹皮から抽出したサポニン(QS21、QUILA(登録商標))、MPL(モノホスホリル脂質A)、3DMPL(3-O-脱アシル化MPL)、またはGLA-AQ等のTLR4アゴニスト、LT/CT突然変異体、様々なインターロイキン(例えば、IL-2、IL-12)またはGM-CSF等のサイトカインなどが挙げられる。
【1572】
ヒトにおいて使用することができる、送達および免疫変調の特長の両方を有する既知の適切な免疫変調型アジュバントの例としては、それだけには限定されないが、ISCOMS(例えば、Sjolanderら(1998)J.Leukocyte Biol.、64:713、WO90/03184号、WO96/11711号、WO00/48630号、WO98/36772号、WO00/41720号、WO2006/134423号、およびWO2007/026190号を参照)、またはTLR4アゴニストと水中油エマルジョンとの組合せであるGLA-EMが挙げられる。
【1573】
それだけには限定されないが動物実験を含めた獣医学的応用には、完全フロイントアジュバント(CFA)、フロイント不完全アジュバント(IFA)、EMULSIGEN(登録商標)、N-アセチル-ムラミル-L-スレオニル-D-イソグルタミン(thr-MDP)、N-アセチル-nor-ムラミル-L-アラニル-D-イソグルタミン(CGP 11637、nor-MDPと呼ばれる)、N-アセチルムラミル-L-アラニル-D-イソグルタミニル-L-アラニン-2-(1’-2’-ジパルミトイル-sn-グリセロ-3-ヒドロキシホスホリルオキシ)-エチルアミン(CGP 19835A、MTP-PEと呼ばれる)、ならびに、細菌から抽出した3つの構成成分であるモノホスホリル脂質A、トレハロースジミコレート、および細胞壁骨格(MPL+TDM+CWS)を2%のスクアレン/TWEEN(登録商標)80エマルジョン中に含有するRIBI(商標)を使用することができる。
【1574】
本明細書に開示される肺炎球菌ワクチンの有効性を増強させるためのさらなる例示的なアジュバントとしては、それだけには限定されないが、(1)例えば、(a)サブミクロンエマルジョンへと微小流動化した、またはボルテックスをかけてより大きな粒径のエマルジョンを作製した、10%のスクワラン、0.4%のTWEEN(登録商標)80、5%のプルロニック(登録商標)ブロックポリマーL121、およびthr-MDPを含有するSAF、ならびに、(b)2%のスクアレンと、0.2%のTWEEN(登録商標)80と、モノホスホリル脂質(monophosphoryl lipid)A(MPL)、トレハロースジミコレート(TDM)、および細胞壁骨格(CWS)などの1つまたは複数の細菌細胞壁構成成分、好ましくはMPL+CWS(DETOX(商標))を含有する、RIBI(商標)アジュバント系(RAS)(Ribi Immunochem、モンタナ州Hamilton)などの、水中油エマルジョン製剤(ムラミルペプチド(以下参照)または細菌細胞壁構成成分などの他の特定の免疫賦活剤を含むまたは含まない)、(2)QS21、STIMULON(商標)(Cambridge Bioscience、マサチューセッツ州Worcester)、ABISCO(登録商標)(Isconova、スウェーデン)、またはISCOMATRIX(登録商標)(Commonwealth Serum Laboratories、オーストラリア)などのサポニンアジュバントを使用し得る、または、ISCOMs(免疫刺激複合体)などのそれから作製された粒子であり、ISCOMSは追加の洗剤を欠いていてよい(例えばWO00/07621号)、(3)完全フロイントアジュバント(CFA)および不完全フロイントアジュバント(IFA)、(4)インターロイキンなどのサイトカイン(例えば、IL-1、IL-2、IL-4、IL-5、IL-6、IL-7、IL-12(例えばWO99/44636号))、インターフェロン(例えばガンマインターフェロン)、マクロファージコロニー刺激因子(M-CSF)、腫瘍壊死因子(TNF)など、(5)必要に応じて、肺炎球菌糖と共に使用した場合はミョウバンの実質的な非存在下の、モノホスホリル脂質A(MPL)または3-O-脱アシル化MPL(3dMPL)(例えば、GB-2220221号、EP0689454号を参照)(例えばWO00/56358号を参照)、(6)3dMPLと、例えばQS21および/または水中油エマルジョンとの組合せ(例えば、EP0835318号、EP0735898号、EP0761231号を参照)、(7)ポリオキシエチレンエーテルまたはポリオキシエチレンエステル(例えばWO99/52549号を参照)、(8)オクトキシノールと組み合わせたポリオキシエチレンソルビタンエステル界面活性剤(例えばWO01/21207号)、またはオクトキシノールなどの少なくとも1つの追加の非イオン性界面活性剤と組み合わせたポリオキシエチレンアルキルエーテルもしくはエステル界面活性剤(例えばWO01/21152号)、(9)サポニンおよび免疫賦活性オリゴヌクレオチド(例えばCpGオリゴヌクレオチド)(例えばWO00/62800号)、(10)免疫賦活剤および金属塩粒子(例えばWO00/23105号を参照)、(11)サポニンおよび水中油エマルジョン(例えばWO99/11241号)、(12)サポニン(例えばQS21)+3dMPL+IM2(必要に応じて+ステロール)(例えばWO98/57659号)、(13)免疫賦活剤として作用して組成物の有効性を増強させる他の物質が挙げられる。ムラミルペプチドとしては、N-アセチル-ムラミル-L-スレオニル-D-イソグルタミン(thr-MDP)、N-25アセチル-ノルムラミル-L-アラニル-D-イソグルタミン(nor-MDP)、N-アセチルムラミル-L-アラニル-D-イソグルタミニル-L-アラニン-2-(1’-2’-ジパルミトイル-sn-グリセロ-3-ヒドロキシホスホリルオキシ)-エチルアミンMTP-PE)などが挙げられる。
【1575】
本発明のある実施形態では、本明細書に開示される免疫原性組成物は、CpGオリゴヌクレオチドをアジュバントとして含む。本明細書で使用される場合、CpGオリゴヌクレオチドとは免疫賦活性CpGオリゴデオキシヌクレオチド(CpG ODN)を指し、したがって、別段に指定しない限りは、これらの用語は互換性があるように使用される。免疫賦活性CpGオリゴデオキシヌクレオチドは、必要に応じて特定の塩基コンテキスト内において、メチル化されていないシトシン-グアニンジヌクレオチドである1つまたは複数の免疫賦活性CpGモチーフを含有する。CpG免疫賦活性モチーフのメチル化状態とは、一般に、ジヌクレオチド中のシトシン残基を指す。少なくとも1つのメチル化されていないCpGジヌクレオチドを含有する免疫賦活性オリゴヌクレオチドは、リン酸結合によって3’グアニンに連結された5’非メチル化シトシンを含有しており、トール様受容体9(TLR-9)との結合を通じて免疫系を活性化させるオリゴヌクレオチドである。別の実施形態では、免疫賦活性オリゴヌクレオチドは、TLR9を通じて免疫系を活性化させるが、CpGモチーフがメチル化されていない場合ほど強力ではない、1つまたは複数のメチル化されたCpGジヌクレオチドを含有し得る。CpG免疫賦活性オリゴヌクレオチドは1つまたは複数の回文構造を含んでいてよく、回文構造はCpGジヌクレオチドを包含していてよい。CpGオリゴヌクレオチドは、米国特許第6,194,388号、第6,207,646号、第6,214,806号、第6,218,371号、第6,239,116号、および第6,339,068号を含めた、いくつかの発行された特許、公開特許出願、および他の出版物中に記載されている。
【1576】
本発明のある実施形態では、本明細書に開示される免疫原性組成物は、WO2010/125480号の第3頁、第22行から第12頁、第36行に記載されているCpGオリゴヌクレオチドのいずれかを含む。
【1577】
様々なクラスのCpG免疫賦活性オリゴヌクレオチドが同定されている。これらはA、B、C、およびPクラスと呼ばれ、WO2010/125480号の第3頁、第22行から第12頁、第36行により詳細に記載されている。本発明の方法は、これらの様々なクラスのCpG免疫賦活性オリゴヌクレオチドの使用を包含する。
【1578】
本発明のある実施形態では、本明細書に開示される免疫原性組成物は、AクラスCpGオリゴヌクレオチドを含む。好ましくは、本発明の「Aクラス」CpGオリゴヌクレオチドは以下の核酸配列を有する:5’GGGGACGACGTCGTGGGGGGG 3’(配列番号1)。Aクラスオリゴヌクレオチドの一部の非限定的な例としては、以下が挙げられる:5’GG_G_A_C_G_A_C_G_T_C_G_T_G_GG 3’(配列番号2)[式中、「」はホスホロチオエート結合を指し、「_」はリン酸ジエステル結合を指す]。
【1579】
本発明のある実施形態では、本明細書に開示される免疫原性組成物は、BクラスCpGオリゴヌクレオチドを含む。一実施形態では、本発明において使用するためのCpGオリゴヌクレオチドは、少なくとも以下の式によって表されるBクラスCpGオリゴヌクレオチドである:
【1580】
5’X2CGX 3’[式中、X1、X2、X3、およびX4はヌクレオチドである]。一実施形態では、Xは、アデニン、グアニン、またはチミンである。別の実施形態では、Xは、シトシン、アデニン、またはチミンである。
【1581】
本発明のBクラスCpGオリゴヌクレオチド配列は、上記に幅広く記載されているもの、ならびに、WO96/02555号、WO98/18810号、および米国特許第6,194,388号、第6,207,646号、第6,214,806号、第6,218,371号、第6,239,116号、第6,339,068号に開示されているものである。例示的な配列としては、それだけには限定されないが、これらの後者の出願および特許中に開示されているものが挙げられる。
【1582】
ある実施形態では、本発明の「Bクラス」CpGオリゴヌクレオチドは以下の核酸配列を有する:
5’TCGTCGTTTTTCGGTGCTTTT 3’(配列番号3)、または
5’TCGTCGTTTTTCGGTCGTTTT 3’(配列番号4)、または
5’TCGTCGTTTTGTCGTTTTGTCGTT 3’(配列番号5)、または
5’TCGTCGTTTCGTCGTTTTGTCGTT 3’(配列番号6)、または
5’TCGTCGTTTTGTCGTTTTTTTCGA 3’(配列番号7)。
【1583】
これらの配列のいずれかにおいて、すべての連結は、すべてホスホロチオエート結合であり得る。別の実施形態では、これらの配列のいずれかにおいて、連結の1つまたは複数が、リン酸ジエステル、好ましくはCpGモチーフの「C」と「G」との間のものであってよく、半軟CpGオリゴヌクレオチドを作る。これらの配列のいずれかにおいて、エチル-ウリジンまたはハロゲンが5’Tを置換し得る。ハロゲン置換の例としては、それだけには限定されないが、ブロモ-ウリジンまたはヨード-ウリジン置換が挙げられる。
【1584】
Bクラスオリゴヌクレオチドの一部の非限定的な例としては、以下が挙げられる:
5’TT 3’(配列番号8)、または
5’TT 3’(配列番号9)、または
5’TT 3’(配列番号10)、または
5’TT 3’(配列番号11)、または
5’TA 3’(配列番号12)
[式中、「*」はホスホロチオエート結合を指す]。
【1585】
本発明のある実施形態では、本明細書に開示される免疫原性組成物は、CクラスCpGオリゴヌクレオチドを含む。ある実施形態では、本発明の「Cクラス」CpGオリゴヌクレオチドは以下の核酸配列を有する:
5’TCGCGTCGTTCGGCGCGCGCCG 3’(配列番号13)、または
5’TCGTCGACGTTCGGCGCGCGCCG 3’(配列番号14)、または
5’TCGGACGTTCGGCGCGCGCCG 3’(配列番号15)、または
5’TCGGACGTTCGGCGCGCCG 3’(配列番号16)、または
5’TCGCGTCGTTCGGCGCGCCG 3’(配列番号17)、または
5’TCGACGTTCGGCGCGCGCCG 3’(配列番号18)、または
5’TCGACGTTCGGCGCGCCG 3’(配列番号19)、または
5’TCGCGTCGTTCGGCGCCG 3’(配列番号20)、または
5’TCGCGACGTTCGGCGCGCGCCG 3’(配列番号21)、または
5’TCGTCGTTTTCGGCGCGCGCCG 3’(配列番号22)、または
5’TCGTCGTTTTCGGCGGCCGCCG 3’(配列番号23)、または
5’TCGTCGTTTTACGGCGCCGTGCCG 3’(配列番号24)、または
5’TCGTCGTTTTCGGCGCGCGCCGT 3’(配列番号25)。
【1586】
これらの配列のいずれかにおいて、すべての連結は、すべてホスホロチオエート結合であり得る。別の実施形態では、これらの配列のいずれかにおいて、連結の1つまたは複数が、リン酸ジエステル、好ましくはCpGモチーフの「C」と「G」との間のものであってよく、半軟CpGオリゴヌクレオチドを作る。
【1587】
Cクラスオリゴヌクレオチドの一部の非限定的な例としては、以下が挙げられる:
5’TC_GC_GC_GC_GC_GG 3’(配列番号26)、または
5’TC_GC_GC_GC_GC_GG 3’(配列番号27)、または
5’TC_GC_GC_GC_GG 3’(配列番号28)、または
5’TC_GC_GC_GG 3’(配列番号29)、または
5’TC_GC_GC_GC_GG 3’(配列番号30)、または
5’TC_GC_GC_GC_GG 3’(配列番号31)、または
5’TC_GC_GC_GG 3’(配列番号32)、または
5’TC_GC_GC_GC_GG 3’(配列番号33)、または
5’TC_GC_GC_GC_GC_GG 3’(配列番号34)、または
5’TG 3’(配列番号35)、または
5’TG 3’(配列番号36)、または
5’TC_GC_GC_GG 3’(配列番号37)、または
5’TC_GT 3’(配列番号38)
[式中、「*」はホスホロチオエート結合を指し、「_」はリン酸ジエステル結合を指す]。
【1588】
これらの配列のいずれかにおいて、エチル-ウリジンまたはハロゲンが5’Tを置換し得る。ハロゲン置換の例としては、それだけには限定されないが、ブロモ-ウリジンまたはヨード-ウリジン置換が挙げられる。
【1589】
本発明のある実施形態では、本明細書に開示される免疫原性組成物は、PクラスCpGオリゴヌクレオチドを含む。ある実施形態では、本発明において使用するためのCpGオリゴヌクレオチドは、5’TLR活性化ドメインおよび少なくとも2つの回文構造領域を含有するPクラスCpGオリゴヌクレオチドであり、1つの回文構造領域は、少なくとも6個のヌクレオチドの長さの5’回文構造領域であり、少なくとも8個のヌクレオチドの長さの3’回文構造領域と、直接またはスペーサーを介して接続されており、オリゴヌクレオチドは少なくとも1つのYpRジヌクレオチドを含む。一実施形態では、前記オリゴヌクレオチドはTC_GC_GC_GC_GC_GG(配列番号27)ではない。一実施形態では、PクラスCpGオリゴヌクレオチドは少なくとも1つの非メチル化CpGジヌクレオチドを含む。別の実施形態では、TLR活性化ドメインは、TCG、TTCG、TTTCG、TYpR、TTYpR、TTTYpR、UCG、UUCG、UUUCG、TTT、またはTTTTである。さらに別の実施形態では、TLR活性化ドメインは5’回文構造領域内にある。別の実施形態では、TLR活性化ドメインは5’回文構造領域のすぐ5’側である。
【1590】
ある実施形態では、本発明の「Pクラス」CpGオリゴヌクレオチドは以下の核酸配列を有する:5’TCGTCGACGATCGGCGCGCGCCG 3’(配列番号39)。
【1591】
前記配列において、すべての連結は、すべてホスホロチオエート結合であり得る。別の実施形態では、連結の1つまたは複数が、リン酸ジエステル、好ましくはCpGモチーフの「C」と「G」との間のものであってよく、半軟CpGオリゴヌクレオチドを作る。これらの配列のいずれかにおいて、エチル-ウリジンまたはハロゲンが5’Tを置換し得る。ハロゲン置換の例としては、それだけには限定されないが、ブロモ-ウリジンまたはヨード-ウリジン置換が挙げられる。
【1592】
Pクラスオリゴヌクレオチドの非限定的な例としては、以下が挙げられる:
5’TC_GC_GC_GC_GC_GG 3’(配列番号40)
[式中、「*」はホスホロチオエート結合を指し、「_」はリン酸ジエステル結合を指す]。
【1593】
一実施形態では、オリゴヌクレオチドは少なくとも1つのホスホロチオエート連結を含む。別の実施形態では、オリゴヌクレオチドのすべてのヌクレオチド間連結がホスホロチオエート連結である。別の実施形態では、オリゴヌクレオチドは少なくとも1つのリン酸ジエステル様連結を含む。別の実施形態では、リン酸ジエステル様連結はリン酸ジエステル連結である。別の実施形態では、親油性基がオリゴヌクレオチドにコンジュゲートされている。一実施形態では、親油性基はコレステロールである。
【1594】
ある実施形態では、本明細書に開示されるCpGオリゴヌクレオチドのすべてのヌクレオチド間連結がリン酸ジエステル結合である(WO2007/026190号に記載の「軟」オリゴヌクレオチド)。別の実施形態では、本発明のCpGオリゴヌクレオチドは分解に対して耐性を与えられている(例えば安定化されている)。「安定化オリゴヌクレオチド」とは、in vivo分解(例えばエキソまたはエンドヌクレアーゼを介したもの)に対して比較的耐性であるオリゴヌクレオチドを指す。核酸の安定化は、主鎖修飾を介して達成することができる。ホスホロチオエート連結を有するオリゴヌクレオチドが最大の活性を提供し、オリゴヌクレオチドを細胞内エキソまたはエンドヌクレアーゼによる分解から保護する。
【1595】
免疫賦活性オリゴヌクレオチドは、リン酸ジエステルとホスホロチオエート連結との組合せを有するキメラ主鎖を有し得る。本発明の目的のために、キメラ主鎖とは、少なくとも1つのヌクレオチド間連結がリン酸ジエステルまたはリン酸ジエステル様であり、少なくとも1つの他のヌクレオチド間連結が安定化ヌクレオチド間連結であり、少なくとも1つのリン酸ジエステルまたはリン酸ジエステル様連結と少なくとも1つの安定化連結とが異なる、部分的に安定化された主鎖を指す。リン酸ジエステル連結がCpGモチーフ内に優先的に位置する場合は、そのような分子は、WO2007/026190号に記載のように「半軟」と呼ばれる。
【1596】
他の修飾オリゴヌクレオチドとしては、リン酸ジエステル、ホスホロチオエート、メチルホスホネート、メチルホスホロチオエート、ホスホロジチオエート、および/またはp-エトキシ連結の組合せが挙げられる。
【1597】
混合主鎖修飾ODNは、WO2007/026190号に記載のように合成し得る。
【1598】
CpGオリゴヌクレオチドの大きさ(すなわち、オリゴヌクレオチドの長さに沿ったヌクレオチド残基の数)もオリゴヌクレオチドの刺激活性に寄与し得る。細胞内への取り込みを容易にするために、本発明のCpGオリゴヌクレオチドは、好ましくは、最小で6個のヌクレオチド残基の長さを有する。より大きなオリゴヌクレオチドは細胞内で分解されるため、十分な免疫賦活性モチーフが存在する場合は、6個ヌクレオチドより大きい任意の大きさのオリゴヌクレオチドが(多数kbの長さでさえも)、免疫応答を誘導することができる。ある特定の実施形態では、CpGオリゴヌクレオチドは、6~100個のヌクレオチドの長さ、優先的には8~30個のヌクレオチドの長さである。重要な実施形態では、本発明の核酸およびオリゴヌクレオチドはプラスミドまたは発現ベクターではない。
【1599】
ある実施形態では、本明細書に開示されるCpGオリゴヌクレオチドは、WO2007/026190号の段落番号第134~147に記載の塩基および/または糖などのように、置換または修飾を含む。
【1600】
ある実施形態では、本発明のCpGオリゴヌクレオチドは化学修飾されている。化学修飾の例は公知であり、例えば、Uhlmannら(1990)Chem.Rev.、90:543、S.Agrawal編、Humana Press、米国Totowa、1993、Crookeら(1996)Annu.Rev.Pharmacol.Toxicol.、36:107~129、およびHunzikerら(1995)Mod.Synth.Methods、7:331~417に記載されている。本発明によるオリゴヌクレオチドは1つまたは複数の修飾を有していてよく、それぞれの修飾は、特定のリン酸ジエステルヌクレオシド間橋、および/または特定のβ-D-リボース単位、および/または、天然のDNAもしくはRNAから構成される同じ配列のオリゴヌクレオチドを比較して特定の天然ヌクレオシド塩基位置に位置する。
【1601】
本発明の一部の実施形態では、CpG含有核酸は、当業者に公知の方法に従って、単に免疫原性担体と混合してもよい(例えばWO03/024480号を参照)。
【1602】
本発明の特定の実施形態では、本明細書に開示される免疫原性組成物のいずれかは、2μg~100mgのCpGオリゴヌクレオチド、好ましくは0.1mg~50mgのCpGオリゴヌクレオチド、好ましくは0.2mg~10mgのCpGオリゴヌクレオチド、好ましくは0.3mg~5mgのCpGオリゴヌクレオチド、好ましくは0.3mg~5mgのCpGオリゴヌクレオチド、さらにより好ましくは0.5~2mgのCpGオリゴヌクレオチド、さらにより好ましくは0.75~1.5mgのCpGオリゴヌクレオチドを含む。ある実施形態では、本明細書に開示される免疫原性組成物のいずれかは約1mgのCpGオリゴヌクレオチドを含む。
【1603】
ある実施形態では、本発明の免疫原性組成物(上記セクション2で定義したものなど)は、上記定義したアジュバント、好ましくは、アルミニウム塩(ミョウバン)(例えば、リン酸アルミニウム、硫酸アルミニウム、または水酸化アルミニウム)を含む。ある実施形態では、本発明の免疫原性組成物は、アジュバントとしてリン酸アルミニウムまたは水酸化アルミニウムを含む。
【1604】
ある実施形態では、本発明の免疫原性組成物(上記セクション3で定義したものなど)と組み合わせて使用し得る免疫原性組成物は、上記定義したアジュバント、好ましくは、アルミニウム塩(ミョウバン)(例えば、リン酸アルミニウム、硫酸アルミニウム、または水酸化アルミニウム)を含む。ある実施形態では、前記免疫原性組成物は、アジュバントとしてリン酸アルミニウムまたは水酸化アルミニウムを含む。
【1605】
本発明のある態様は、第1の免疫原性組成物(キットのパート(a))のみが上記定義したアジュバントを含む、上記セクション4で定義したキットを提供する。
【1606】
本発明のある態様は、第2の免疫原性組成物(キットのパート(b))のみが上記定義したアジュバントを含む、上記セクション4で定義したキットを提供する。
【1607】
本発明のある態様は、両方の免疫原性組成物(キットのパート(a)および(b))が上記定義したアジュバントを含む、上記セクション4で定義したキットを提供する。
【1608】
本発明のある態様は、両方の免疫原性組成物(キットのパート(a)および(b))が、リン酸アルミニウム、硫酸アルミニウム、および水酸化アルミニウムからなる群から選択されるアジュバントを含む、上記セクション4で定義したキットを提供する。
【1609】
本発明のある態様は、両方の免疫原性組成物(キットのパート(a)および(b))が、アジュバントとしてリン酸アルミニウムを含む、上記セクション4で定義したキットを提供する。
【1610】
本発明のある態様は、両方の免疫原性組成物(キットのパート(a)および(b))が、アジュバントとして水酸化アルミニウムを含む、上記セクション4で定義したキットを提供する。
【1611】
本発明のある態様は、両方の免疫原性組成物(キットのパート(a)および(b))が、アジュバントとして硫酸アルミニウムを含む、上記セクション4で定義したキットを提供する。
【1612】
8.製剤
本明細書に開示される免疫原性組成物は、液体形態(すなわち、溶液もしくは懸濁液)または凍結乾燥形態で製剤化し得る。液体製剤は、有利には、その包装形態から直接投与してよく、したがって、それ以外の場合の凍結乾燥組成物では必要となる、水性媒体中での再構成の必要性なしに注射するために理想的である。
【1613】
本明細書に開示される免疫原性組成物の製剤は、当分野で認識されている方法を使用して達成することができる。例えば、個々の肺炎球菌コンジュゲートは、生理的に許容されるビヒクルを用いて製剤化して組成物を調製することができる。そのようなビヒクルの例としては、それだけには限定されないが、水、緩衝食塩水、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、液体ポリエチレングリコール)、およびデキストロース溶液が挙げられる。
【1614】
本開示は、本明細書に開示される糖コンジュゲートと薬学的に許容できる賦形剤、担体、または希釈剤との任意の組合せを含む免疫原性組成物を提供する。
【1615】
ある実施形態では、本明細書に開示される免疫原性組成物は液体形態であり、好ましくは水性液体形態である。
【1616】
本開示の免疫原性組成物は、緩衝剤、塩、二価カチオン、非イオン性洗剤、糖などの凍結保護剤、およびフリーラジカル捕捉剤やキレート化剤などの抗酸化剤の1つもしくは複数、またはその任意の組合せを含み得る。
【1617】
ある実施形態では、本明細書に開示される免疫原性組成物は緩衝剤を含む。ある実施形態では、前記緩衝剤は約3.5~約7.5のpKaを有する。一部の実施形態では、緩衝剤は、ホスフェート、スクシネート、ヒスチジン、またはシトレートである。ある特定の実施形態では、緩衝剤は、1mM~10mMの最終濃度のスクシネートである。特定の一実施形態では、スクシネート緩衝剤の最終濃度は約5mMである。
【1618】
ある実施形態では、本明細書に開示される免疫原性組成物は塩を含む。一部の実施形態では、塩は、塩化マグネシウム、塩化カリウム、塩化ナトリウム、およびその組合せからなる群から選択される。特定の一実施形態では、塩は塩化ナトリウムである。特定の一実施形態では、本明細書に開示される免疫原性組成物は塩化ナトリウムを150mMで含む。
【1619】
ある実施形態では、本明細書に開示される免疫原性組成物は界面活性剤を含む。ある実施形態では、界面活性剤は、ポリソルベート20(TWEEN(商標)20)、ポリソルベート40(TWEEN(商標)40)、ポリソルベート60(TWEEN(商標)60)、ポリソルベート65(TWEEN(商標)65)、ポリソルベート80(TWEEN(商標)80)、ポリソルベート85(TWEEN(商標)85)、TRITON(商標)N-101、TRITON(商標)X-100、オクストキシノール40、ノノキシノール-9、トリエタノールアミン、トリエタノールアミンポリペプチドオレエート、ポリオキシエチレン-660ヒドロキシステアレート(PEG-15、Solutol H15)、ポリオキシエチレン-35-リシノレート(CREMOPHOR(登録商標)EL)、大豆レシチン、およびポロキサマーからなる群から選択される。特定の一実施形態では、界面活性剤はポリソルベート80である。一部の前記実施形態では、製剤中のポリソルベート80の最終濃度は、少なくとも0.0001%~10%のポリソルベート80の重量対重量(w/w)である。一部の前記実施形態では、製剤中のポリソルベート80の最終濃度は、少なくとも0.001%~1%のポリソルベート80の重量対重量(w/w)である。一部の前記実施形態では、製剤中のポリソルベート80の最終濃度は、少なくとも0.01%~1%のポリソルベート80の重量対重量(w/w)である。他の実施形態では、製剤中のポリソルベート80の最終濃度は、0.01%、0.02%、0.03%、0.04%、0.05%、0.06%、0.07%、0.08%、0.09%、または0.1%のポリソルベート80(w/w)である。別の実施形態では、製剤中のポリソルベート80の最終濃度は1%のポリソルベート80(w/w)である。
【1620】
ある特定の実施形態では、本明細書に開示される免疫原性組成物は、5.5~7.5のpH、より好ましくは5.6~7.0のpH、さらにより好ましくは5.8~6.0のpHを有する。
【1621】
一実施形態では、本発明は、本明細書に開示される免疫原性組成物のいずれかで満たされた容器を提供する。一実施形態では、容器は、バイアル、シリンジ、フラスコ、発酵槽、バイオリアクター、バッグ、広口瓶、アンプル、カートリッジ、および使い捨てのペンからなる群から選択される。ある特定の実施形態では、容器はシリコン処理されている。
【1622】
ある実施形態では、本発明の容器は、ガラス、金属(例えば、スチール、ステンレス鋼、アルミニウムなど)、および/またはポリマー(例えば、熱可塑性、エラストマー、熱可塑性エラストマー)から作られる。ある実施形態では、本発明の容器はガラスから作られる。
【1623】
一実施形態では、本発明は、本明細書に開示される免疫原性組成物のいずれかで満たされたシリンジを提供する。ある特定の実施形態では、シリンジは、シリコン処理されているおよび/またはガラスから作られる。
【1624】
注射のための本明細書に開示される免疫原性組成物の典型的な用量は、0.1mL~2mLの体積、より好ましくは0.2mL~1mL、さらにより好ましくは約0.5mLの体積を有する。
【1625】
したがって、上記定義した容器またはシリンジは、0.1mL~2mLの体積、より好ましくは0.2mL~1mL、さらにより好ましくは約0.5mLの体積の、本明細書で定義した免疫原性組成物のいずれかで満たされる。
【1626】
ある実施形態では、本発明の免疫原性組成物(上記セクション2で定義したものなど)は、上記に開示されているように製剤化される。
【1627】
ある実施形態では、本発明の免疫原性組成物(上記セクション3で定義したものなど)と組み合わせて使用し得る免疫原性組成物は、上記に開示されているように製剤化される。
【1628】
本発明のある態様は、両方の免疫原性組成物(キットのパート(a)および(b))が上述のように製剤化される、上記セクション4で定義したキットを提供する。
【1629】
本発明のある態様は、両方の免疫原性組成物(キットのパート(a)および(b))が液体形態で製剤化される、上記セクション4で定義したキットを提供する。
【1630】
本発明のある態様は、両方の免疫原性組成物(キットのパート(a)および(b))が凍結乾燥形態で製剤化される、上記セクション4で定義したキットを提供する。
【1631】
本発明のある態様は、第1の免疫原性組成物(キットのパート(a))が液体形態であり、第2の免疫原性組成物(キットのパート(b))が凍結乾燥形態である、上記セクション4で定義したキットを提供する。
【1632】
本発明のある態様は、第1の免疫原性組成物(キットのパート(a))が凍結乾燥形態であり、第2の免疫原性組成物(キットのパート(b))が液体形態である、上記セクション4で定義したキットを提供する。
【1633】
9.本発明の免疫原性組成物およびキットの使用
ある実施形態では、本明細書に開示される免疫原性組成物およびキットは、医薬として使用される。
【1634】
本明細書に記載の免疫原性組成物およびキットは、対象における細菌感染、疾患、または状態を防止する、処置する、または寛解させるための様々な治療的または予防的方法において使用し得る。特に、本明細書に記載の免疫原性組成物およびキットは、対象において肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)感染症、疾患、または状態を防止する、処置する、または寛解させるために使用し得る。
【1635】
1つまたは複数の実施形態において、本発明は、免疫学的有効量の本明細書に記載の免疫原性組成物を対象に投与することを含む、対象において肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)に関連する感染症、疾患、または状態を防止する、処置する、または寛解させる方法を提供する。
【1636】
一部のそのような実施形態では、感染症、疾患、または状態は、肺炎、副鼻腔炎、中耳炎、急性中耳炎、髄膜炎、菌血症、敗血症、胸腔蓄膿、結膜炎、骨髄炎、敗血症性関節炎、心内膜炎、腹膜炎、心膜炎、乳様突起炎、蜂窩織炎、軟組織感染症、および脳膿瘍からなる群から選択される。
【1637】
ある実施形態では、本発明は、免疫学的有効量の本発明の免疫原性組成物を対象に投与することを含む、対象において肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)に対する免疫応答を誘導する方法を提供する。
【1638】
ある実施形態では、本明細書に開示される免疫原性組成物およびキットは、ワクチンとして使用するためのものである。そのような実施形態では、本明細書に記載の免疫原性組成物およびキットは、対象において肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)感染症を防止するために使用し得る。したがって、一態様では、本発明は、免疫学的有効量の本発明の免疫原性組成物を対象に投与することを含む、対象において肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)による感染症を防止する方法を提供する。一部のそのような実施形態では、感染症は、肺炎、副鼻腔炎、中耳炎、急性中耳炎、髄膜炎、菌血症、敗血症、胸腔蓄膿、結膜炎、骨髄炎、敗血症性関節炎、心内膜炎、腹膜炎、心膜炎、乳様突起炎、蜂窩織炎、軟組織感染症、および脳膿瘍からなる群から選択される。一態様では、ワクチン接種される対象は、ヒト、ネコ、ヒツジ、ブタ、ウマ、ウシ、またはイヌなどの哺乳動物である。
【1639】
一態様では、本明細書に開示される免疫原性組成物およびキットは、対象において肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)に関連する感染症、疾患、または状態を防止する、処置する、または寛解させる方法において使用するためのものである。一部のそのような実施形態では、感染症、疾患、または状態は、肺炎、副鼻腔炎、中耳炎、急性中耳炎、髄膜炎、菌血症、敗血症、胸腔蓄膿、結膜炎、骨髄炎、敗血症性関節炎、心内膜炎、腹膜炎、心膜炎、乳様突起炎、蜂窩織炎、軟組織感染症、および脳膿瘍からなる群から選択される。
【1640】
ある実施形態では、本明細書に開示される免疫原性組成物およびキットは、ワクチンとして使用するためのものである。そのような実施形態では、本明細書に記載の免疫原性組成物およびキットは、対象において肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)感染症を防止するために使用し得る。したがって、一態様では、本明細書に開示される免疫原性組成物およびキットは、対象において肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)による感染症を防止する方法において使用するためのものである。一部のそのような実施形態では、感染症は、肺炎、副鼻腔炎、中耳炎、急性中耳炎、髄膜炎、菌血症、敗血症、胸腔蓄膿、結膜炎、骨髄炎、敗血症性関節炎、心内膜炎、腹膜炎、心膜炎、乳様突起炎、蜂窩織炎、軟組織感染症、および脳膿瘍からなる群から選択される。一態様では、ワクチン接種される対象は、ヒト、ネコ、ヒツジ、ブタ、ウマ、ウシ、またはイヌなどの哺乳動物である。
【1641】
本発明の免疫原性組成物およびキットは、全身性または粘膜経路を介して免疫原性組成物を投与することによって、肺炎球菌感染症に罹りやすいヒトを保護または処置するために使用することができる。ある実施形態では、本明細書に開示される免疫原性組成物は、筋肉内、腹腔内、皮内、または皮下経路によって投与される。ある実施形態では、本明細書に開示される免疫原性組成物は、筋肉内、腹腔内、皮内、または皮下注射によって投与される。ある実施形態では、本明細書に開示される免疫原性組成物は、筋肉内または皮下注射によって投与される。
【1642】
ある実施形態では、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型15B由来の少なくとも1つの糖コンジュゲート(上記セクション1.3.4の糖コンジュゲートなど)を含む本開示の免疫原性組成物は、対象に投与した場合に、標準ELISAアッセイによって測定して、肺炎連鎖球菌(S.pneumonia)血清型15B、15A、および/または15Cと結合することができる抗体の形成を誘導することができる。ある実施形態では、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型15B由来の少なくとも1つの糖コンジュゲート(上記セクション1.3.4の糖コンジュゲートなど)を含む本開示の免疫原性組成物は、対象に投与した場合に、標準ELISAアッセイによって測定して、肺炎連鎖球菌(S.pneumonia)血清型15Bおよび15Cと結合することができる抗体の形成を誘導することができる。
【1643】
ELISA(酵素結合免疫吸着検定法)方法では、ワクチン接種した対象の血清由来の抗体を、固体支持体に吸着させた多糖と共にインキュベートする。結合した抗体を、酵素にコンジュゲート化させた二次検出抗体を使用して検出する。
【1644】
ある実施形態では、前記標準ELISAアッセイは、WHOによって「Training manual for Enzyme linked immunosorbent assay for the quantitation of Streptococcus pneumoniae serotype specific IgG(Pn PS ELISA).」(http://www.vaccine.uab.edu/ELISA%20protocol.pdfでアクセス可能、2014年3月31日に最終アクセス)において定義された、標準化された(WHO)ELISAアッセイである。
【1645】
ELISAは、ヒト血清中に存在する型特異的IgG抗肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)莢膜多糖(PS)抗体を測定する。ヒト血清の希釈液を型特異的莢膜PSをコーティングしたマイクロタイタープレートに加えた際、その莢膜PSに特異的な抗体がマイクロタイタープレートに結合する。プレートに結合した抗体を、ヤギ抗ヒトIgGアルカリホスファターゼで標識した抗体、次いでp-ニトロフェニルリン酸基質を使用して検出する。有色の最終産物光学密度は、血清中に存在する抗莢膜PS抗体の量に比例する。
【1646】
ある実施形態では、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型15B由来の少なくとも1つの糖コンジュゲート(上記セクション1.3.4の糖コンジュゲートなど)を含む本開示の免疫原性組成物は、ELISAアッセイによって決定して少なくとも0.05、0.1、0.2、0.3、0.35、0.4、または0.5μg/mlの濃度で、ヒトにおいて、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型15B多糖と結合することができるIgG抗体を誘発することができる。
【1647】
ある実施形態では、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型15B由来の少なくとも1つの糖コンジュゲート(上記セクション1.3.4の糖コンジュゲートなど)を含む本開示の免疫原性組成物は、ELISAアッセイによって決定して少なくとも0.05、0.1、0.2、0.3、0.35、0.4、または0.5μg/mlの濃度で、ヒトにおいて、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型15C多糖と結合することができるIgG抗体を誘発することができる。
【1648】
ある実施形態では、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型15B由来の少なくとも1つの糖コンジュゲート(上記セクション1.3.4の糖コンジュゲートなど)を含む本開示の免疫原性組成物は、ELISAアッセイによって決定して少なくとも0.05、0.1、0.2、0.3、0.35、0.4、または0.5μg/mlの濃度で、ヒトにおいて、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型15Bおよび15C多糖と結合することができるIgG抗体を誘発することができる。
【1649】
ある実施形態では、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型15B由来の少なくとも1つの糖コンジュゲート(上記セクション1.3.4の糖コンジュゲートなど)を含む本開示の免疫原性組成物は、対象に投与した場合に、本明細書に開示されるオプソノファゴサイトーシスアッセイ(実施例12のOPAアッセイなど)において、肺炎連鎖球菌(S.pneumonia)血清型15Bを死滅させることができる抗体の形成を誘導することができる。
【1650】
ある実施形態では、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型15B由来の少なくとも1つの糖コンジュゲート(上記セクション1.3.4の糖コンジュゲートなど)を含む本開示の免疫原性組成物は、本明細書に開示されるOPAアッセイ(実施例12のOPAアッセイなど)において試験した場合に、コンジュゲート化していないネイティブ肺炎連鎖球菌(S.pneumonia)血清型15B莢膜多糖を用いて得られたOPA力価よりも高いOPA力価を有する。
【1651】
ある実施形態では、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型15B由来の少なくとも1つの糖コンジュゲート(上記セクション1.3.4の糖コンジュゲートなど)を含む本開示の免疫原性組成物は、対象に投与した場合に、本明細書に開示されるオプソノファゴサイトーシスアッセイ(実施例12のOPAアッセイなど)において、肺炎連鎖球菌(S.pneumonia)血清型15Cを死滅させることができる抗体の形成を誘導することができる。ある実施形態では、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型15B由来の少なくとも1つの糖コンジュゲート(上記セクション1.3.4の糖コンジュゲートなど)を含む本開示の免疫原性組成物は、本明細書に開示されるOPAアッセイ(実施例12のOPAアッセイなど)において試験した場合に、コンジュゲート化していないネイティブ肺炎連鎖球菌(S.pneumonia)血清型15B莢膜多糖を用いて得られたOPA力価よりも高いOPA力価を有する。
【1652】
機能的抗体および補体の存在下で食作用エフェクター細胞による肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)細胞の死滅を測定する、肺炎球菌オプソノファゴサイトーシスアッセイ(OPA)は、肺炎球菌ワクチンの有効性を評価するための重要な代理方法とみなされている。
【1653】
オプソノファゴサイトーシスアッセイ(OPA)は、肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae)細胞、試験する熱不活性化ヒト血清、分化HL-60細胞(食細胞)、および外因性補体源(例えば仔ウサギ補体)の混合物を一緒にインキュベートすることによって、実施することができる。オプソノファゴサイトーシスがインキュベーション中に進行し、抗体および補体でコーティングされた細菌細胞はオプソノファゴサイトーシスの際に死滅させられる。アッセイ混合物を平板培養することによって、オプソノファゴサイトーシスを回避した生存細菌のコロニー形成単位(cfu)が決定される。OPA力価は、試験血清なしの対照ウェルに対して細菌数の50%の低下をもたらす希釈率の逆数として定義される。OPA力価は、この50%の死滅カットオフを包含する2つの希釈率から内挿される。
【1654】
1:8以上のエンドポイント力価が、これら死滅型OPAにおける陽性結果とみなされる。
【1655】
さらなる態様では、本開示は、治療または予防有効量の、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型15B由来の少なくとも1つの糖コンジュゲートを含む本開示の免疫原性組成物のいずれかを投与するステップを含む、対象において肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型15A、15B、および/または15Cに関連する肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)感染症、疾患、または状態を処置または防止する方法を提供する。ある実施形態では、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型15B由来の少なくとも1つの糖コンジュゲートを含む本開示の免疫原性組成物は、対象に投与した場合に、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型15B、15A、および/または15Cと結合することができる抗体の形成を誘導する。ある実施形態では、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型15B由来の少なくとも1つの糖コンジュゲートを含む本開示の免疫原性組成物は、対象に投与した場合に、本明細書に開示されるオプソノファゴサイトーシスアッセイにおいて、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型15B、15C、および/または15Aを死滅させることができる抗体の形成を誘導する。
【1656】
本開示の一実施形態は、免疫原性量の、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型15B由来の少なくとも1つの糖コンジュゲートを含む本開示の免疫原性組成物のいずれかを対象に投与することを含む、対象を肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型15Cの感染症から保護する方法、または肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型15Cの感染症を防止する方法、または肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型15Cによって引き起こされる感染症に関連する少なくとも1つの症状の重症度を低下させるもしくはその開始を遅延させる方法を提供する。本開示の一実施形態は、治療または予防有効量の、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型15B由来の少なくとも1つの糖コンジュゲートを含む本開示の免疫原性組成物のいずれかを対象に投与するステップを含む、対象において肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型15A、15B、および/または15Cに関連する肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)感染症、疾患、または状態を処置または防止する方法を提供する。別の実施形態は、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型15B由来の少なくとも1つの糖コンジュゲートを含む本開示の免疫原性組成物のいずれかからポリクローナルまたはモノクローナル抗体調製物を作製し、前記抗体調製物を使用して対象に受動免疫を与えることを含む、対象において肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型15A、15B、および/または15Cに関連する肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)感染症、疾患、または状態を処置または防止する方法を提供する。
【1657】
一実施形態では、本開示は、対象を肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)の感染症から保護するため、ならびに/または肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)の感染症を防止するため、ならびに/または肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)によって引き起こされる感染症に関連する少なくとも1つの症状の重症度を低下させるもしくはその開始を遅延させるため、ならびに/または対象を肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型15A、15B、および/もしくは15Cの感染症から保護するため、ならびに/または肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型15A、15B、および/もしくは15Cの感染症を防止するため、ならびに/または肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型15A、15B、および/もしくは15Cによって引き起こされる感染症に関連する少なくとも1つの症状の重症度を低下させるもしくはその開始を遅延させるための医薬を製造するための、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型15B由来の少なくとも1つの糖コンジュゲートを含む本開示の免疫原性組成物のいずれかの使用に関する。
【1658】
一実施形態では、本開示は、対象を肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)の感染症から保護するため、ならびに/または肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)の感染症を防止するため、ならびに/または肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)によって引き起こされる感染症に関連する少なくとも1つの症状の重症度を低下させるもしくはその開始を遅延させるため、ならびに/または対象を肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型15A、15B、および/もしくは15Cの感染症から保護するため、ならびに/または肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型15A、15B、および/または15Cの感染症を防止するため、ならびに/または肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型15A、15B、および/もしくは15Cによって引き起こされる感染症に関連する少なくとも1つの症状の重症度を低下させるもしくはその開始を遅延させるための、肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型15B由来の少なくとも1つの糖コンジュゲートを含む本開示の免疫原性組成物のいずれかの使用に関する。
【1659】
10.本発明の免疫原性組成物およびキットで処置される対象
本明細書に開示されるように、本明細書に記載の免疫原性組成物およびキットは、対象における細菌感染、疾患、または状態を防止する、処置する、または寛解させるための様々な治療的または予防的方法において使用し得る。
【1660】
ある実施形態では、前記対象はヒトである。最も好ましい実施形態では、前記対象は新生児(すなわち3カ月齢未満)、乳児(すなわち3カ月齢~1歳)、または幼児(すなわち1歳~4歳)である。
【1661】
ある実施形態では、本明細書に開示される免疫原性組成物およびキットは、ワクチンとして使用するためのものである。
【1662】
そのような実施形態では、ワクチン接種される対象は1歳未満であり得る。例えば、ワクチン接種される対象は、約1、約2、約3、約4、約5、約6、約7、約8、約9、約10、約11、または約12カ月齢であり得る。ある実施形態では、ワクチン接種される対象は、約2、約4、または約6カ月齢である。別の実施形態では、ワクチン接種される対象は2歳未満である。例えば、ワクチン接種される対象は約12~約15カ月齢であり得る。一部の事例では、少なければ1回用量の本発明による免疫原性組成物のみが必要であるが、一部の状況下においては、2回目、3回目、または4回目の用量を与え得る(下記セクション11を参照)。
【1663】
本発明のある実施形態では、ワクチン接種される対象は、50歳以上のヒト成人、より好ましくは55歳以上のヒト成人である。ある実施形態では、ワクチン接種される対象は、65歳以上、70歳以上、75歳以上、または80歳以上のヒト成人である。
【1664】
ある実施形態では、ワクチン接種される対象は、免疫無防備状態の個体、特にヒトである。免疫無防備状態の個体は、一般に、感染性因子によって誘発される、正常な液性または細胞性の防御を開始する能力が減弱または低下しているヒトとして定義される。
【1665】
本発明のある実施形態では、ワクチン接種される免疫無防備状態の対象は、免疫系を損なわせ、肺炎球菌疾患に対して保護するまたはそれを処置するためには不十分な抗体応答をもたらす疾患または状態を患っている。
【1666】
ある実施形態では、前記疾患は原発性免疫不全障害である。好ましくは、前記原発性免疫不全障害は、複合TおよびB細胞免疫不全、抗体欠損、明確に定義された症候群、免疫調節不全疾患、食細胞障害、自然免疫不全、自己炎症性障害、および補体欠損からなる群から選択される。ある実施形態では、前記原発性免疫不全障害は、WO2010/125480号の第24頁、第11行から第25頁、第19行に開示されているものから選択される。
【1667】
本発明の特定の実施形態では、ワクチン接種される免疫無防備状態の対象は、HIV感染症、後天性免疫不全症候群(AIDS)、がん、慢性心臓または肺障害、鬱血性心不全、真性糖尿病、慢性肝疾患、アルコール依存症、硬変、髄液漏、心筋症、慢性気管支炎、気腫、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、脾臓機能不全(鎌状赤血球症など)、脾臓機能欠如(無脾症)、血液悪性腫瘍、白血病、多発性骨髄腫、ホジキン病、リンパ腫、腎不全、ネフローゼ症候群、および喘息からなる群から選択される疾患を患っている。
【1668】
本発明のある実施形態では、ワクチン接種される免疫無防備状態の対象は栄養失調を患っている。
【1669】
本発明の特定の実施形態では、ワクチン接種される免疫無防備状態の対象は、感染症に対する身体の耐性を下げる薬物または処置を受けている。ある実施形態では、前記薬物は、WO2010/125480号の第26頁、第33行から第26頁、第4行に開示されているものから選択される。
【1670】
本発明の特定の実施形態では、ワクチン接種される免疫無防備状態の対象は喫煙者である。
【1671】
本発明の特定の実施形態では、ワクチン接種される免疫無防備状態の対象は、5×10個の細胞/リットル未満、または4×10個の細胞/リットル未満、または3×10個の細胞/リットル未満、または2×10個の細胞/リットル未満、または1×10個の細胞/リットル未満、または0.5×10個の細胞/リットル未満、または0.3×10個の細胞/リットル未満、または0.1×10個の細胞/リットル未満の白血球数(ロイコサイト数)を有する。
【1672】
白血球数(ロイコサイト数):血液中の白血球(WBC)の数。WBCは通常、CBC(全血球数)の一部として測定される。白血球は、血液中の感染と闘う細胞であり、赤血球として知られる赤い(酸素運搬)血液細胞とは明確に異なる。様々な種類の白血球が存在し、好中球(多形核ロイコサイト、PMN)、桿状核細胞(わずかに未成熟な好中球)、T型リンパ球(T細胞)、B型リンパ球(B細胞)、単球、好酸球、および好塩基球が挙げられる。全種類の白血球が白血球数に反映される。白血球数の正常範囲は通常、1立方ミリメートルの血液あたり4,300~10,800個の細胞である。これはロイコサイト数とも呼ぶことができ、国際単位で4.3~10.8×10個の細胞/リットルとして表すことができる。
【1673】
本発明の特定の実施形態では、ワクチン接種される免疫無防備状態の対象は好中球減少症を患っている。本発明の特定の実施形態では、ワクチン接種される免疫無防備状態の対象は、2×10個の細胞/リットル未満、または1×10個の細胞/リットル未満、または0.5×10個の細胞/リットル未満、または0.1×10個の細胞/リットル未満、または0.05×10個の細胞/リットル未満の好中球数を有する。
【1674】
低い白血球数または「好中球減少症」とは、循環血液中の異常に低いレベルの好中球によって特徴付けられる状態である。好中球は、感染症を防止してそれと闘うことを助ける、特殊な種類の白血球である。がん患者が好中球減少症を経験する最も一般的な原因は、化学療法の副作用としてである。化学療法誘導性好中球減少症は、患者の感染症の危険性を増加させ、がん処置を乱す。
【1675】
本発明の特定の実施形態では、ワクチン接種される免疫無防備状態の対象は、500/mm未満のCD4+細胞数、または300/mm未満のCD4+細胞数、または200/mm未満のCD4+細胞数、100/mm未満のCD4+細胞数、75/mm未満のCD4+細胞数、または50/mm未満のCD4+細胞数を有する。
【1676】
CD4細胞試験は通常、mm中の細胞数として報告される。正常なCD4数は500~1,600であり、CD8数は375~1,100である。CD4数はHIVを有する人において劇的に下落する。
【1677】
本発明のある実施形態では、本明細書に開示される免疫無防備状態の対象のいずれかは、男性のヒトまたは女性のヒトである。
【1678】
11.免疫化スケジュール
一部の事例では、少なければ1回用量の本発明による免疫原性組成物のみが必要であるが、より高い免疫不全または免疫未成熟の状態などの一部の状況下においては、2回目、3回目、または4回目の用量を与え得る。初回ワクチン接種の後、対象は、十分に間隔をあけた1回または数回のブースター免疫化を受けることができる。
【1679】
ある実施形態では、本発明による免疫原性組成物のワクチン接種スケジュールは単一用量である。特定の実施形態では、前記単一用量スケジュールは少なくとも2歳の健康な人用である。
【1680】
ある実施形態では、本発明による免疫原性組成物のワクチン接種スケジュールは複数用量スケジュールである。複数用量スケジュールは、多くの場合、免疫不全(ヒトの高齢者もしくはヒトの免疫無防備状態の個体など)または免疫未成熟(ヒトの新生児(すなわち3カ月齢未満)、乳児(すなわち3カ月齢~1歳)、もしくは幼児(すなわち1歳~4歳など))等の状態において使用する。特定の実施形態では、前記複数用量スケジュールは、約1カ月~約12カ月の間隔によって隔てられている2回用量シリーズからなる。特定の実施形態では、前記複数用量スケジュールは、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12カ月の間隔によって隔てられている2回用量シリーズからなる。特定の実施形態では、前記複数用量スケジュールは、約1カ月~約6カ月の間隔によって隔てられている2回用量シリーズからなる。特定の実施形態では、前記複数用量スケジュールは、約1、2、3、4、5、または6カ月の間隔によって隔てられている2回用量シリーズからなる。特定の実施形態では、前記複数用量スケジュールは、約1カ月の間隔によって隔てられている2回用量シリーズ、または約2カ月の間隔によって隔てられている2回用量シリーズからなる。
【1681】
別の実施形態では、前記複数用量スケジュールは、それぞれの用量が約1カ月~約12カ月の間隔によって隔てられている3回用量シリーズからなる。
【1682】
特定の実施形態では、前記複数用量スケジュールは、それぞれの用量が約1カ月~約6カ月の間隔によって隔てられている3回用量シリーズからなる。特定の実施形態では、前記複数用量スケジュールは、それぞれの用量が約1、2、3、4、5、または6カ月の間隔によって隔てられている3回用量シリーズからなる。特定の実施形態では、前記複数用量スケジュールは、それぞれの用量が約1カ月の間隔によって隔てられている3回用量シリーズ、またはそれぞれの用量が約2カ月の間隔によって隔てられている3回用量シリーズからなる。
【1683】
別の実施形態では、前記複数用量スケジュールは、それぞれの用量が約1カ月~約12カ月の間隔によって隔てられている4回用量シリーズからなる。
【1684】
特定の実施形態では、前記複数用量スケジュールは、それぞれの用量が約1カ月~約6カ月の間隔によって隔てられている4回用量シリーズからなる。特定の実施形態では、前記複数用量スケジュールは、それぞれの用量が約1、2、3、4、5、または6カ月の間隔によって隔てられている4回用量シリーズからなる。特定の実施形態では、前記複数用量スケジュールは、それぞれの用量が約1カ月の間隔によって隔てられている4回用量シリーズ、またはそれぞれの用量が約2カ月の間隔によって隔てられている4回用量シリーズからなる。
【1685】
別の実施形態では、前記複数用量スケジュールは、それぞれの用量が約1カ月~約4カ月の間隔によって隔てられている3回用量シリーズ、次いで1回目の用量の約10カ月~約13カ月後の4回目の用量からなる。別の実施形態では、前記複数用量スケジュールは、それぞれの用量が約1、2、3、または4カ月の間隔によって隔てられている3回用量シリーズ、次いで1回目の用量の約10カ月~約13カ月後の4回目の用量からなる。別の実施形態では、前記複数用量スケジュールは、それぞれの用量が約1カ月~約2カ月の間隔によって隔てられている3回用量シリーズ、次いで1回目の用量の約10カ月~約13カ月後の4回目の用量からなる。別の実施形態では、前記複数用量スケジュールは、それぞれの用量が約1カ月の間隔によって隔てられている3回用量シリーズ、次いで1回目の用量の約10カ月~約13カ月後の4回目の用量、または、それぞれの用量が約2カ月の間隔によって隔てられている3回用量シリーズ、次いで1回目の用量の約10カ月~約13カ月後の4回目の用量からなる。
【1686】
ある実施形態では、複数用量スケジュールは、1歳で少なくとも1回の用量(例えば、1回、2回、または3回の用量)、次いで少なくとも1回の幼児用量からなる。
【1687】
ある実施形態では、複数用量スケジュールは、2カ月齢で開始する、それぞれの用量が約1カ月~約2カ月の間隔によって隔てられている(例えば用量間が28~56日間である)2回または3回用量シリーズ、次いで12~18カ月齢での幼児用量からなる。ある実施形態では、前記複数用量スケジュールは、2カ月齢で開始する、それぞれの用量が約1カ月~約2カ月の間隔によって隔てられている(例えば用量間が28~56日間である)3回用量シリーズ、次いで12~15カ月齢での幼児用量からなる。別の実施形態では、前記複数用量スケジュールは、2カ月齢で開始する、約2カ月の間隔によって隔てられている2回用量シリーズ、次いで12~18カ月齢での幼児用量からなる。
【1688】
ある実施形態では、複数用量スケジュールは、2、4、6、および12~15カ月齢でのワクチンの4回用量シリーズからなる。
【1689】
ある実施形態では、プライム用量を0日目に与え、1つまたは複数のブースター用量を、用量間が約2~約24週間の範囲である間隔、好ましくは4~8週間の投薬間隔で与える。
【1690】
ある実施形態では、プライム用量を0日目に与え、ブーストを約3カ月後に与える。
【1691】
別の実施形態では、前記複数用量スケジュールは、それぞれの用量が約1カ月~約12カ月の間隔によって隔てられている5回用量シリーズからなる。
【1692】
特定の実施形態では、前記複数用量スケジュールは、それぞれの用量が約1カ月~約6カ月の間隔によって隔てられている5回用量シリーズからなる。特定の実施形態では、前記複数用量スケジュールは、それぞれの用量が約1、2、3、4、5、または6カ月の間隔によって隔てられている5回用量シリーズからなる。特定の実施形態では、前記複数用量スケジュールは、それぞれの用量が約1カ月の間隔によって隔てられている5回用量シリーズ、またはそれぞれの用量が約2カ月の間隔によって隔てられている5回用量シリーズからなる。
【1693】
別の実施形態では、前記複数用量スケジュールは、それぞれの用量が約1カ月~約12カ月の間隔によって隔てられている、6回、7回、または8回用量シリーズからなる。特定の実施形態では、前記複数用量スケジュールは、それぞれの用量が約1カ月~約6カ月の間隔によって隔てられている、6回、7回、または8回用量シリーズからなる。特定の実施形態では、前記複数用量スケジュールは、それぞれの用量が約1、2、3、4、5、または6カ月の間隔によって隔てられている、6回、7回、または8回用量シリーズからなる。特定の実施形態では、前記複数用量スケジュールは、それぞれの用量が約1カ月の間隔によって隔てられている、6回、7回、または8回用量シリーズからなる。特定の実施形態では、前記複数用量スケジュールは、それぞれの用量が約2カ月の間隔によって隔てられている、6回、7回、または8回用量シリーズからなる。
【1694】
本発明のある態様は、第2の免疫原性組成物との同時、同時発生的、併用的、または連続的投与のための、本発明の任意の免疫原性組成物に関する。本発明のある態様は、同時、同時発生的、併用的、または連続的投与のための、本明細書に開示される任意のキットに関する。
【1695】
「同時投与」とは、単一の単位剤中での治療有効用量の第1および第2の免疫原性組成物の投与を意味する。
【1696】
「同時発生的投与」とは、同じアクセス部位を介するが、別個の単位剤形で、互いに短い期間内で、治療有効用量の第1および第2の免疫原性組成物を投与することを意味する。同時発生的投与は、本質的に、2つの免疫原性組成物を、ほぼ同時であるが別個の剤形で、同じアクセス部位を介して投与することである。第1および第2の免疫原性組成物の同時発生的投与は多くの場合、同じ医師の外来診療中に起こる。
【1697】
「併用的投与」とは、別個の単位剤形で、互いに短い期間内、異なる解剖学的部位で、治療有効用量の第1および第2の免疫原性組成物を投与することを意味する。併用的投与は、本質的に、2つの免疫原性組成物を、ほぼ同時であるが別個の剤形で、かつ異なる解剖学的部位に投与することである。第1および第2の免疫原性組成物の併用的投与は多くの場合、同じ医師の外来診療中に起こる。
【1698】
「連続的投与」とは、治療有効用量の第1または第2の免疫原性組成物の単独で投与し、次いで、少なくとも約1カ月の間隔後に治療有効用量の残りの免疫原性組成物を投与することを意味する。例えば、一実施形態では、第1の免疫原性組成物が単一剤形で投与され、その後、少なくとも約1カ月の間隔後に、第2の免疫原性組成物が別個の単一剤形で投与される。代替実施形態では、第2の免疫原性組成物が単一剤形で投与され、その後、少なくとも約1カ月の間隔後に、第1の免疫原性組成物が別個の単一剤形で投与される。第1および第2の免疫原性組成物の連続的投与は多くの場合、異なる医師の外来診療で起こる。
【1699】
本発明のある態様では、本発明による第1の免疫原性組成物(上記セクション2のものなど)を、第2の免疫原性組成物と同時に、同時発生的に、併用的に、または連続的に投与される。ある実施形態では、前記第2の免疫原性組成物は、上記セクション3に開示されている免疫原性組成物のいずれかである。
【1700】
したがって、本発明の態様は、第2の免疫原性組成物と同時に、同時発生的に、併用的に、または連続的に使用するための、本発明による第1の免疫原性組成物(上記セクション2のものなど)に関する。ある実施形態では、前記第2の免疫原性組成物は、上記セクション3に開示されている免疫原性組成物のいずれかである。
【1701】
一部の事例では、少なければ1回用量の免疫原性組成物のそれぞれのみが必要であるが、一部の状況下においては、2回目、3回目、または4回目の用量の、免疫原性組成物の1つまたはそれぞれを与え得る。初回ワクチン接種の後、対象は、十分に間隔をあけた1回または数回のブースター免疫化を受けることができる。
【1702】
ある実施形態では、本発明は、第2の免疫原性組成物との同時投与のための、本発明による第1の免疫原性組成物(上記セクション2のものなど)に関する。ある実施形態では、前記第2の免疫原性組成物は、上記セクション3に開示されている免疫原性組成物のいずれかである。
【1703】
ある実施形態では、前記同時投与のワクチン接種スケジュールは単一用量である。特定の実施形態では、前記単一用量スケジュールは少なくとも2歳の健康な人用である。
【1704】
ある実施形態では、前記同時投与のワクチン接種スケジュールは複数用量スケジュールである。特定の実施形態では、前記複数用量スケジュールは、約1カ月~約12カ月の間隔によって隔てられている2回用量シリーズからなる。特定の実施形態では、前記複数用量スケジュールは、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12カ月の間隔によって隔てられている2回用量シリーズからなる。特定の実施形態では、前記複数用量スケジュールは、約1カ月~約6カ月の間隔によって隔てられている2回用量シリーズからなる。特定の実施形態では、前記複数用量スケジュールは、約1、2、3、4、5、または6カ月の間隔によって隔てられている2回用量シリーズからなる。特定の実施形態では、前記複数用量スケジュールは、約1カ月の間隔によって隔てられている2回用量シリーズ、または約2カ月の間隔によって隔てられている2回用量シリーズからなる。
【1705】
別の実施形態では、前記複数用量スケジュールは、それぞれの用量が約1カ月~約12カ月の間隔によって隔てられている3回用量シリーズからなる。特定の実施形態では、前記複数用量スケジュールは、それぞれの用量が約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12カ月の間隔によって隔てられている3回用量シリーズからなる。特定の実施形態では、前記複数用量スケジュールは、それぞれの用量が約1カ月~約6カ月の間隔によって隔てられている3回用量シリーズからなる。特定の実施形態では、前記複数用量スケジュールは、それぞれの用量が約1、2、3、4、5、または6カ月の間隔によって隔てられている3回用量シリーズからなる。別の実施形態では、前記複数用量スケジュールは、それぞれの用量が約1カ月の間隔によって隔てられている3回用量シリーズ、またはそれぞれの用量が約2カ月の間隔によって隔てられている3回用量シリーズからなる。
【1706】
特定の実施形態では、前記複数用量スケジュールは、約1カ月~約12カ月の間隔によって隔てられている4回用量シリーズからなる。特定の実施形態では、前記複数用量スケジュールは、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12カ月の間隔によって隔てられている4回用量シリーズからなる。特定の実施形態では、前記複数用量スケジュールは、約1カ月~約6カ月の間隔によって隔てられている4回用量シリーズからなる。特定の実施形態では、前記複数用量スケジュールは、約1、2、3、4、5、または6カ月の間隔によって隔てられている4回用量シリーズからなる。特定の実施形態では、前記複数用量スケジュールは、約1カ月の間隔によって隔てられている4回用量シリーズ、または約2カ月の間隔によって隔てられている4回用量シリーズからなる。
【1707】
別の実施形態では、前記複数用量スケジュールは、それぞれの用量が約1カ月~約4カ月の間隔によって隔てられている3回用量シリーズ、次いで1回目の用量の約10カ月~約13カ月後の4回目の用量からなる。別の実施形態では、前記複数用量スケジュールは、それぞれの用量が約1、2、3、または4カ月の間隔によって隔てられている3回用量シリーズ、次いで1回目の用量の約10カ月~約13カ月後の4回目の用量からなる。別の実施形態では、前記複数用量スケジュールは、それぞれの用量が約1カ月~約2カ月の間隔によって隔てられている3回用量シリーズ、次いで1回目の用量の約10カ月~約13カ月後の4回目の用量からなる。別の実施形態では、前記複数用量スケジュールは、それぞれの用量が約1カ月の間隔によって隔てられている3回用量シリーズ、次いで1回目の用量の約10カ月~約13カ月後の4回目の用量、または、それぞれの用量が約2カ月の間隔によって隔てられている3回用量シリーズ、次いで1回目の用量の約10カ月~約13カ月後の4回目の用量からなる。
【1708】
ある実施形態では、複数用量スケジュールは、1歳で少なくとも1回の用量(例えば、1回、2回、または3回の用量)、次いで少なくとも1回の幼児用量からなる。
【1709】
ある実施形態では、複数用量スケジュールは、2カ月齢で開始する、それぞれの用量が約1カ月~約2カ月の間隔によって隔てられている(例えば用量間が28~56日間である)2回または3回用量シリーズ、次いで12~18カ月齢での幼児用量からなる。ある実施形態では、前記複数用量スケジュールは、2カ月齢で開始する、それぞれの用量が約1カ月~約2カ月の間隔によって隔てられている(例えば用量間が28~56日間である)3回用量シリーズ、次いで12~15カ月齢での幼児用量からなる。別の実施形態では、前記複数用量スケジュールは、2カ月齢で開始する、約2カ月の間隔によって隔てられている2回用量シリーズ、次いで12~18カ月齢での幼児用量からなる。
【1710】
ある実施形態では、複数用量スケジュールは、2、4、6、および12~15カ月齢で投与するワクチンの4回用量シリーズからなる。
【1711】
ある実施形態では、プライム用量を0日目に与え、1つまたは複数のブースター用量を、用量間が約2~約24週間の範囲である間隔、好ましくは4~8週間の投薬間隔で与える。
【1712】
ある実施形態では、プライム用量を0日目に与え、ブースター用量を約3カ月後に与える。
【1713】
特定の実施形態では、前記複数用量スケジュールは、約1カ月~約12カ月の間隔によって隔てられている5回、6回、7回、または8回用量シリーズからなる。特定の実施形態では、前記複数用量スケジュールは、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12カ月の間隔によって隔てられている5回、6回、7回、または8回用量シリーズからなる。特定の実施形態では、前記複数用量スケジュールは、約1カ月~約6カ月の間隔によって隔てられている5回、6回、7回、または8回用量シリーズからなる。特定の実施形態では、前記複数用量スケジュールは、約1、2、3、4、5、または6カ月の間隔によって隔てられている5回、6回、7回、または8回用量シリーズからなる。特定の実施形態では、前記複数用量スケジュールは、約1カ月の間隔によって隔てられている5回、6回、7回、または8回用量シリーズ、または約2カ月の間隔によって隔てられている5回、6回、7回、または8回用量シリーズからなる。
【1714】
ある実施形態では、本発明は、第2の免疫原性組成物との併用的投与のための、本発明による第1の免疫原性組成物(上記セクション2のものなど)に関する。ある実施形態では、前記第2の免疫原性組成物は、上記セクション3に開示されている免疫原性組成物のいずれかである。
【1715】
ある実施形態では、前記併用的投与のワクチン接種スケジュールは単一用量である(第1および第2の免疫原性組成物の投与は、別個の単位剤形であるが、免疫化スケジュールを定義する目的のために単一用量としてみなされる)。特定の実施形態では、前記単一用量スケジュールは少なくとも2歳の健康な人用である。
【1716】
ある実施形態では、前記併用的投与のワクチン接種スケジュールは複数用量スケジュールである(第1および第2の免疫原性組成物の投与は、別個の単位剤形であるが、免疫化スケジュールを定義する目的のために単一用量としてみなされる)。特定の実施形態では、前記複数用量スケジュールは、約1カ月~約12カ月の間隔によって隔てられている2回用量シリーズからなる。特定の実施形態では、前記スケジュールは、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12カ月の間隔によって隔てられている2回用量シリーズからなる。特定の実施形態では、前記スケジュールは、約1カ月~約6カ月の間隔によって隔てられている2回用量シリーズからなる。特定の実施形態では、前記スケジュールは、約1、2、3、4、5、または6カ月の間隔によって隔てられている2回用量シリーズからなる。特定の実施形態では、前記スケジュールは、約1カ月の間隔によって隔てられている2回用量シリーズ、または約2カ月の間隔によって隔てられている2回用量シリーズからなる。
【1717】
別の実施形態では、前記複数用量スケジュールは、それぞれの用量が約1カ月~約12カ月の間隔によって隔てられている3回用量シリーズからなる。特定の実施形態では、前記スケジュールは、それぞれの用量が約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12カ月の間隔によって隔てられている3回用量シリーズからなる。特定の実施形態では、前記スケジュールは、それぞれの用量が約1カ月~約6カ月の間隔によって隔てられている3回用量シリーズからなる。特定の実施形態では、前記スケジュールは、それぞれの用量が約1、2、3、4、5、または6カ月の間隔によって隔てられている3回用量シリーズからなる。別の実施形態では、前記スケジュールは、それぞれの用量が約1カ月の間隔によって隔てられている3回用量シリーズ、またはそれぞれの用量が約2カ月の間隔によって隔てられている3回用量シリーズからなる。
【1718】
特定の実施形態では、前記複数用量スケジュールは、約1カ月~約12カ月の間隔によって隔てられている4回用量シリーズからなる。特定の実施形態では、前記複数用量スケジュールは、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12カ月の間隔によって隔てられている4回用量シリーズからなる。特定の実施形態では、前記複数用量スケジュールは、約1カ月~約6カ月の間隔によって隔てられている4回用量シリーズからなる。特定の実施形態では、前記複数用量スケジュールは、約1、2、3、4、5、または6カ月の間隔によって隔てられている4回用量シリーズからなる。特定の実施形態では、前記複数用量スケジュールは、約1カ月の間隔によって隔てられている4回用量シリーズ、または約2カ月の間隔によって隔てられている4回用量シリーズからなる。
【1719】
別の実施形態では、前記複数用量スケジュールは、それぞれの用量が約1カ月~約4カ月の間隔によって隔てられている3回用量シリーズ、次いで1回目の用量の約10カ月~約13カ月後の4回目の用量からなる。別の実施形態では、前記スケジュールは、それぞれの用量が約1、2、3、または4カ月の間隔によって隔てられている3回用量シリーズ、次いで1回目の用量の約10カ月~約13カ月後の4回目の用量からなる。別の実施形態では、前記スケジュールは、それぞれの用量が約1カ月~約2カ月の間隔によって隔てられている3回用量シリーズ、次いで1回目の用量の約10カ月~約13カ月後の4回目の用量からなる。別の実施形態では、前記スケジュールは、それぞれの用量が約1カ月の間隔によって隔てられている3回用量シリーズ、次いで1回目の用量の約10カ月~約13カ月後の4回目の用量、または、それぞれの用量が約2カ月の間隔によって隔てられている3回用量シリーズ、次いで1回目の用量の約10カ月~約13カ月後の4回目の用量からなる。
【1720】
ある実施形態では、複数用量スケジュールは、1歳で少なくとも1回の用量(例えば、1回、2回、または3回の用量)、次いで少なくとも1回の幼児用量からなる。
【1721】
ある実施形態では、複数用量スケジュールは、2カ月齢で開始する、それぞれの用量が約1カ月~約2カ月の間隔によって隔てられている(例えば用量間が28~56日間である)2回または3回用量シリーズ、次いで12~18カ月齢での幼児用量からなる。ある実施形態では、前記スケジュールは、2カ月齢で開始する、それぞれの用量が約1カ月~約2カ月の間隔によって隔てられている(例えば用量間が28~56日間である)3回用量シリーズ、次いで12~15カ月齢での幼児用量からなる。別の実施形態では、前記スケジュールは、2カ月齢で開始する、約2カ月の間隔によって隔てられている2回用量シリーズ、次いで12~18カ月齢での幼児用量からなる。
【1722】
ある実施形態では、複数用量スケジュールは、2、4、6、および12~15カ月齢で投与するワクチンの4回用量シリーズからなる。
【1723】
ある実施形態では、プライム用量を0日目に与え、1つまたは複数のブースター用量を、約2~約24週間の範囲である間隔、好ましくは4~8週間の投薬間隔で与える。
【1724】
ある実施形態では、プライム用量を0日目に与え、ブーストを約3カ月後に与える。
【1725】
特定の実施形態では、前記複数用量スケジュールは、約1カ月~約12カ月の間隔によって隔てられている5回、6回、7回、または8回用量シリーズからなる。特定の実施形態では、前記複数用量スケジュールは、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12カ月の間隔によって隔てられている5回、6回、7回、または8回用量シリーズからなる。特定の実施形態では、前記複数用量スケジュールは、約1カ月~約6カ月の間隔によって隔てられている5回、6回、7回、または8回用量シリーズからなる。特定の実施形態では、前記複数用量スケジュールは、約1、2、3、4、5、または6カ月の間隔によって隔てられている5回、6回、7回、または8回用量シリーズからなる。特定の実施形態では、前記複数用量スケジュールは、約1カ月の間隔によって隔てられている5回、6回、7回、または8回用量シリーズ、または約2カ月の間隔によって隔てられている5回、6回、7回、または8回用量シリーズからなる。
【1726】
別の実施形態では、本発明は、第2の免疫原性組成物との同時発生的投与のための、本発明による第1の免疫原性組成物(上記セクション2のものなど)に関する。ある実施形態では、前記第2の免疫原性組成物は、上記セクション3に開示されている免疫原性組成物のいずれかである。
【1727】
ある実施形態では、前記同時発生的投与のワクチン接種スケジュールは単一用量である(第1および第2の免疫原性組成物の投与は、別個の単位剤形であるが、免疫化スケジュールを定義する目的のために単一用量としてみなされる)。特定の実施形態では、前記単一用量スケジュールは少なくとも2歳の健康な人用である。
【1728】
ある実施形態では、前記同時発生的投与のワクチン接種スケジュールは、複数用量スケジュール、特に、併用的投与について上記に開示されている複数スケジュールのいずれかである。
【1729】
ある実施形態では、本発明は、第2の免疫原性組成物との連続的投与のための、本発明による第1の免疫原性組成物(上記セクション2のものなど)に関する。ある実施形態では、前記第2の免疫原性組成物は、上記セクション3に開示されている免疫原性組成物のいずれかである。
【1730】
ある実施形態では、本発明による第1の免疫原性組成物が1回目に投与され、第2の免疫原性組成物が2回目に投与される。別の実施形態では、第2の免疫原性組成物が1回目に投与され、本発明による第1の免疫原性組成物が2回目に投与される。
【1731】
ある実施形態では、前記連続的投与のワクチン接種スケジュールは、2回、3回、4回、5回、6回、7回、または8回用量シリーズからなる。
【1732】
ある実施形態では、前記連続的投与のワクチン接種スケジュールは、2回、3回、または4回用量シリーズからなる。
【1733】
ある実施形態では、前記連続的投与のワクチン接種スケジュールは、2回用量シリーズからなる。ある実施形態では、前記連続的投与のワクチン接種スケジュールは、約1カ月~約12カ月の間隔によって隔てられている2回用量シリーズからなる。特定の実施形態では、前記複数用量スケジュールは、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12カ月の間隔によって隔てられている2回用量シリーズからなる。特定の実施形態では、前記複数用量スケジュールは、約1カ月~約6カ月の間隔によって隔てられている2回用量シリーズからなる。特定の実施形態では、前記複数用量スケジュールは、約1、2、3、4、5、または6カ月の間隔によって隔てられている2回用量シリーズからなる。特定の実施形態では、前記複数用量スケジュールは、約1カ月の間隔によって隔てられている2回用量シリーズ、または約2カ月の間隔によって隔てられている2回用量シリーズからなる。
【1734】
前記2回用量スケジュールのある実施形態では、本発明による第1の免疫原性組成物が1回目に投与され、第2の免疫原性組成物が2回目に投与される。別の実施形態では、第2の免疫原性組成物が1回目に投与され、本発明による第1の免疫原性組成物が2回目に投与される。
【1735】
前記2回用量スケジュールのある実施形態では、1回目および2回目の用量が1歳で投与される。前記2回用量スケジュールのある実施形態では、1回目の用量が1歳で投与され、2回目の用量は幼児用量である。ある実施形態では、前記幼児用量は12~18カ月齢で投与される。ある実施形態では、前記幼児用量は12~15カ月齢で投与される。
【1736】
ある実施形態では、前記連続的投与のワクチン接種スケジュールは、3回用量シリーズからなる。特定の実施形態では、前記スケジュールは、それぞれの用量が約1~約12カ月の間隔によって隔てられている3回用量シリーズからなる。特定の実施形態では、前記スケジュールは、それぞれの用量が約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12カ月の間隔によって隔てられている3回用量シリーズからなる。特定の実施形態では、前記スケジュールは、それぞれの用量が約1カ月~約6カ月の間隔によって隔てられている3回用量シリーズからなる。特定の実施形態では、前記スケジュールは、それぞれの用量が約1、2、3、4、5、または6カ月の間隔によって隔てられている3回用量シリーズからなる。特定の実施形態では、前記スケジュールは、それぞれの用量が約1~約2カ月の間隔によって隔てられている3回用量シリーズからなる。別の実施形態では、前記スケジュールは、それぞれの用量が約1カ月の間隔によって隔てられている3回用量シリーズ、またはそれぞれの用量が約2カ月の間隔によって隔てられている3回用量シリーズからなる。
【1737】
前記3回用量スケジュールのある実施形態では、1回目および2回目の用量が1歳で投与され、3回目の用量は幼児用量である。ある実施形態では、1回目および2回目の用量は、2カ月齢で開始し、約1カ月~約2カ月の間隔によって隔てられており(例えば用量間が28~56日間である)、3回目の用量は、12~18カ月齢での幼児用量である。ある実施形態では、1回目および2回目の用量は、2カ月齢で開始し、約1カ月~約2カ月の間隔によって隔てられており(例えば用量間が28~56日間である)、3回目の用量は、12~15カ月齢での幼児用量である。
【1738】
前記3回用量スケジュールのある実施形態では、本発明による第1の免疫原性組成物が最初の2回の用量として投与され、第2の免疫原性組成物が3回目の用量として投与される。
【1739】
前記3回用量スケジュールの別の実施形態では、第2の免疫原性組成物が最初の2回の用量として投与され、本発明による第1の免疫原性組成物が3回目の用量として投与される。
【1740】
前記3回用量スケジュールの別の実施形態では、本発明による第1の免疫原性組成物が1回目の用量として投与され、第2の免疫原性組成物が2回目の用量として投与され、本発明による第1の免疫原性組成物が3回目の用量として投与される。
【1741】
前記3回用量スケジュールのさらに別の実施形態では、第2の免疫原性組成物が1回目の用量として投与され、本発明による第1の免疫原性組成物が2回目の用量として投与され、第2の免疫原性組成物が3回目の用量として投与される。
【1742】
前記3回用量スケジュールのさらに別の実施形態では、本発明による第1の免疫原性組成物が1回目の用量として投与され、第2の免疫原性組成物が2回目および3回目の用量として投与される。
【1743】
前記3回用量スケジュールの別の実施形態では、第2の免疫原性組成物が1回目の用量として投与され、本発明による第1の免疫原性組成物が2回目および3回目の用量として投与される。
【1744】
ある実施形態では、前記連続的投与のワクチン接種スケジュールは、4回用量シリーズからなる。
【1745】
特定の実施形態では、前記スケジュールは、それぞれの用量が約1~約12カ月の間隔によって隔てられている4回用量シリーズからなる。特定の実施形態では、前記スケジュールは、それぞれの用量が約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12カ月の間隔によって隔てられている4回用量シリーズからなる。特定の実施形態では、前記スケジュールは、それぞれの用量が約1カ月~約6カ月の間隔によって隔てられている4回用量シリーズからなる。特定の実施形態では、前記スケジュールは、それぞれの用量が約1、2、3、4、5、または6カ月の間隔によって隔てられている4回用量シリーズからなる。特定の実施形態では、前記スケジュールは、それぞれの用量が約1~約2カ月の間隔によって隔てられている4回用量シリーズからなる。別の実施形態では、前記スケジュールは、それぞれの用量が約1カ月の間隔によって隔てられている4回用量シリーズ、またはそれぞれの用量が約2カ月の間隔によって隔てられている4回用量シリーズからなる。
【1746】
前記4回用量スケジュールのある実施形態では、前記スケジュールは、それぞれの用量が約1カ月~約4カ月の間隔によって隔てられている3回用量シリーズ、次いで1回目の用量の約10カ月~約13カ月後の4回目の用量からなる。別の実施形態では、前記スケジュールは、それぞれの用量が約1、2、3、または4カ月の間隔によって隔てられている3回用量シリーズ、次いで1回目の用量の約10カ月~約13カ月後の4回目の用量からなる。別の実施形態では、前記スケジュールは、それぞれの用量が約1カ月~約2カ月の間隔によって隔てられている3回用量シリーズ、次いで1回目の用量の約10カ月~約13カ月後の4回目の用量からなる。別の実施形態では、前記スケジュールは、それぞれの用量が約1カ月の間隔によって隔てられている3回用量シリーズ、次いで1回目の用量の約10カ月~約13カ月後の4回目の用量、または、それぞれの用量が約2カ月の間隔によって隔てられている3回用量シリーズ、次いで1回目の用量の約10カ月~約13カ月後の4回目の用量からなる。
【1747】
前記4回用量スケジュールのある実施形態では、1回目、2回目、および3回目の用量が1歳で投与され、4回目の用量は幼児用量である。
【1748】
ある実施形態では、前記4回用量スケジュールは、2カ月齢で開始する、それぞれの用量が約1カ月~約2カ月の間隔によって隔てられている(例えば用量間が28~56日間である)3回用量シリーズ、次いで12~18カ月齢での幼児用量からなる。ある実施形態では、前記スケジュールは、2カ月齢で開始する、それぞれの用量が約1カ月~約2カ月の間隔によって隔てられている(例えば用量間が28~56日間である)3回用量シリーズ、次いで12~15カ月齢での幼児用量からなる。
【1749】
ある実施形態では、複数用量スケジュールは、2、4、6、および12~15カ月齢でのワクチンの4回用量シリーズからなる。
【1750】
前記4回用量スケジュールのある実施形態では、本発明による第1の免疫原性組成物が最初の3回の用量として投与され、第2の免疫原性組成物が4回目の用量として投与される。
【1751】
前記4回用量スケジュールの別の実施形態では、第2の免疫原性組成物が最初の3回の用量として投与され、本発明による第1の免疫原性組成物が4回目の用量として投与される。
【1752】
前記4回用量スケジュールの別の実施形態では、本発明による第1の免疫原性組成物が1回目および2回目の用量として投与され、第2の免疫原性組成物が3回目および4回目の用量として投与される。
【1753】
前記4回用量スケジュールの別の実施形態では、第2の免疫原性組成物が1回目および2回目の用量として投与され、本発明による第1の免疫原性組成物が3回目および4回目の用量として投与される。
【1754】
前記4回用量スケジュールの別の実施形態では、本発明による第1の免疫原性組成物が1回目および2回目の用量として投与され、第2の免疫原性組成物が3回目の用量として投与され、本発明による第1の免疫原性組成物が4回目の用量として投与される。
【1755】
前記4回用量スケジュールの別の実施形態では、第2の免疫原性組成物が1回目および2回目の用量として投与され、本発明による第1の免疫原性組成物が3回目の用量として投与され、第2の免疫原性組成物が4回目の用量として投与される。
【1756】
前記4回用量スケジュールの別の実施形態では、本発明による第1の免疫原性組成物が1回目の用量として投与され、第2の免疫原性組成物が2回目、3回目および4回目の用量として投与される。
【1757】
前記4回用量スケジュールの別の実施形態では、第2の免疫原性組成物が1回目の用量として投与され、本発明による第1の免疫原性組成物が2回目、3回目および4回目の用量として投与される。
【1758】
前記4回用量スケジュールの別の実施形態では、本発明による第1の免疫原性組成物が1回目の用量として投与され、第2の免疫原性組成物が2回目の用量として投与され、本発明による第1の免疫原性組成物が3回目の用量として投与され、第2の免疫原性組成物が4回目の用量として投与される。
【1759】
前記4回用量スケジュールの別の実施形態では、第2の免疫原性組成物が1回目の用量として投与され、本発明による第1の免疫原性組成物が2回目の用量として投与され、第2の免疫原性組成物が3回目の用量として投与され、本発明による第1の免疫原性組成物が4回目の用量として投与される。
【1760】
前記4回用量スケジュールの別の実施形態では、本発明による第1の免疫原性組成物が1回目の用量として投与され、第2の免疫原性組成物が2回目の用量として投与され、本発明による第1の免疫原性組成物が3回目および4回目の用量として投与される。
【1761】
前記4回用量スケジュールの別の実施形態では、第2の免疫原性組成物が1回目の用量として投与され、本発明による第1の免疫原性組成物が2回目の用量として投与され、第2の免疫原性組成物が3回目および4回目の用量として投与される。
【1762】
前記4回用量スケジュールの別の実施形態では、本発明による第1の免疫原性組成物が1回目の用量として投与され、第2の免疫原性組成物が2回目および3回目の用量として投与され、本発明による第1の免疫原性組成物が4回目の用量として投与される。
【1763】
前記4回用量スケジュールの別の実施形態では、第2の免疫原性組成物が1回目の用量として投与され、本発明による第1の免疫原性組成物が2回目および3回目の用量として投与され、第2の免疫原性組成物が4回目の用量として投与される。
【1764】
ある実施形態では、前記連続的投与のワクチン接種スケジュールは、5回用量シリーズからなる。
【1765】
特定の実施形態では、前記スケジュールは、それぞれの用量が約1~約12カ月の間隔によって隔てられている5回用量シリーズからなる。特定の実施形態では、前記スケジュールは、それぞれの用量が約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12カ月の間隔によって隔てられている5回用量シリーズからなる。特定の実施形態では、前記スケジュールは、それぞれの用量が約1カ月~約6カ月の間隔によって隔てられている5回用量シリーズからなる。特定の実施形態では、前記スケジュールは、それぞれの用量が約1、2、3、4、5、または6カ月の間隔によって隔てられている5回用量シリーズからなる。特定の実施形態では、前記スケジュールは、それぞれの用量が約1~約2カ月の間隔によって隔てられている5回用量シリーズからなる。別の実施形態では、前記スケジュールは、それぞれの用量が約1カ月の間隔によって隔てられている5回用量シリーズ、またはそれぞれの用量が約2カ月の間隔によって隔てられている5回用量シリーズからなる。
【1766】
ある実施形態では、前記5回用量スケジュールは、それぞれの用量が約1カ月~約3カ月の間隔によって隔てられている4回用量シリーズ、次いで1回目の用量の約10カ月~約13カ月後の5回目の用量からなる。別の実施形態では、前記スケジュールは、それぞれの用量が約1カ月~約2カ月の間隔によって隔てられている4回用量シリーズ、次いで1回目の用量の約10カ月~約13カ月後の5回目の用量からなる。別の実施形態では、前記スケジュールは、それぞれの用量が約1カ月の間隔によって隔てられている4回用量シリーズ、次いで1回目の用量の約10カ月~約13カ月後の5回目の用量、または、それぞれの用量が約2カ月の間隔によって隔てられている4回用量シリーズ、次いで1回目の用量の約10カ月~約13カ月後の5回目の用量からなる。
【1767】
前記5回用量スケジュールのある実施形態では、1回目、2回目、3回目および4回目の用量が1歳で投与され、5回目の用量は幼児用量である。ある実施形態では、前記5回用量スケジュールは、2カ月齢で開始する、それぞれの用量が約1カ月~約2カ月の間隔によって隔てられている(例えば用量間が28~56日間である)4回用量シリーズ、次いで12~18カ月齢での幼児用量からなる。ある実施形態では、前記スケジュールは、2カ月齢で開始する、それぞれの用量が約1カ月~約2カ月の間隔によって隔てられている(例えば用量間が28~56日間である)4回用量シリーズ、次いで12~15カ月齢での幼児用量からなる。
【1768】
前記5回用量スケジュールのある実施形態では、本発明による第1の免疫原性組成物(上記セクション2のものなど、以下の表中で第1のICと示す)および第2の免疫原性組成物(上記セクション3に開示されているものなど、以下の表中で第2のICと示す)は以下の順序で投与し得る:
【1769】
【表3】
【1770】
上記表は、様々な用量について第1および第2の免疫原性組成物(それぞれ第1のICおよび第2のICと示す)の投与順序を提供し、例えば、スケジュール番号1は以下のように読む:前記5回用量スケジュールの実施形態では、第2の免疫原性組成物が1回目、2回目、3回目、および4回目の用量として投与され、本発明による第1の免疫原性組成物が5回目の用量として投与される。
【1771】
ある実施形態では、第1および第2の免疫原性組成物の投与順序は、スケジュール1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、16、17、18、19、20、または21に従うものである。
【1772】
ある実施形態では、前記連続的用量のワクチン接種スケジュールは、6回用量シリーズからなる。
【1773】
特定の実施形態では、前記スケジュールは、それぞれの用量が約1~約12カ月の間隔によって隔てられている6回用量シリーズからなる。特定の実施形態では、前記スケジュールは、それぞれの用量が約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12カ月の間隔によって隔てられている6回用量シリーズからなる。特定の実施形態では、前記スケジュールは、それぞれの用量が約1カ月~約6カ月の間隔によって隔てられている6回用量シリーズからなる。特定の実施形態では、前記スケジュールは、それぞれの用量が約1、2、3、4、5、または6カ月の間隔によって隔てられている6回用量シリーズからなる。特定の実施形態では、前記スケジュールは、それぞれの用量が約1~約2カ月の間隔によって隔てられている6回用量シリーズからなる。別の実施形態では、前記スケジュールは、それぞれの用量が約1カ月の間隔によって隔てられている6回用量シリーズ、またはそれぞれの用量が約2カ月の間隔によって隔てられている6回用量シリーズからなる。
【1774】
ある実施形態では、前記6回用量スケジュールは、それぞれの用量が約1カ月~約2カ月の間隔によって隔てられている5回用量シリーズ、次いで1回目の用量の約10カ月~約13カ月後の6回目の用量からなる。別の実施形態では、前記スケジュールは、それぞれの用量が約1カ月の間隔によって隔てられている5回用量シリーズ、次いで1回目の用量の約10カ月~約13カ月後の6回目の用量、または、それぞれの用量が約2カ月の間隔によって隔てられている5回用量シリーズ、次いで1回目の用量の約10カ月~約13カ月後の6回目の用量からなる。
【1775】
前記6回用量スケジュールのある実施形態では、1回目、2回目、3回目、4回目、および5回目の用量が1歳で投与され、6回目の用量は幼児用量である。ある実施形態では、前記6回用量スケジュールは、2カ月齢で開始する、それぞれの用量が約1カ月~約2カ月の間隔によって隔てられている(例えば用量間が28~56日間である)5回用量シリーズ、次いで12~18カ月齢での幼児用量からなる。ある実施形態では、前記スケジュールは、2カ月齢で開始する、それぞれの用量が約1カ月~約2カ月の間隔によって隔てられている(例えば用量間が28~56日間である)5回用量シリーズ、次いで12~15カ月齢での幼児用量からなる。
【1776】
前記6回用量スケジュールのある実施形態では、本発明による第1の免疫原性組成物(上記セクション2のものなど)および第2の免疫原性組成物(上記セクション3に開示されているものなど)は、5回用量スケジュールについて提供した30個のスケジュールのいずれかに従った順序(上記表参照、スケジュール1~30)、次いで6回目の用量で投与される。ある実施形態では、本発明による第1の免疫原性組成物は6回目の用量として投与される。別の実施形態では、第2の免疫原性組成物は6回目の用量として投与される。
【1777】
ある実施形態では、前記連続的用量のワクチン接種スケジュールは、7回用量シリーズからなる。
【1778】
特定の実施形態では、前記スケジュールは、それぞれの用量が約1~約12カ月の間隔によって隔てられている7回用量シリーズからなる。特定の実施形態では、前記スケジュールは、それぞれの用量が約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12カ月の間隔によって隔てられている7回用量シリーズからなる。特定の実施形態では、前記スケジュールは、それぞれの用量が約1カ月~約6カ月の間隔によって隔てられている7回用量シリーズからなる。特定の実施形態では、前記スケジュールは、それぞれの用量が約1、2、3、4、5、または6カ月の間隔によって隔てられている7回用量シリーズからなる。特定の実施形態では、前記スケジュールは、それぞれの用量が約1~約2カ月の間隔によって隔てられている7回用量シリーズからなる。別の実施形態では、前記スケジュールは、それぞれの用量が約1カ月の間隔によって隔てられている7回用量シリーズ、またはそれぞれの用量が約2カ月の間隔によって隔てられている7回用量シリーズからなる。
【1779】
ある実施形態では、前記7回用量スケジュールは、それぞれの用量が約1カ月の間隔によって隔てられている6回用量シリーズ、次いで1回目の用量の約10カ月~約13カ月後の7回目の用量からなる。
【1780】
前記7回用量スケジュールのある実施形態では、1回目、2回目、3回目、4回目、5回目、および6回目の用量が1歳で投与され、7回目の用量は幼児用量である。ある実施形態では、前記7回用量スケジュールは、2カ月齢で開始する、それぞれの用量が約1カ月の間隔によって隔てられている(例えば用量間が28~40日間である)6回用量シリーズ、次いで12~18カ月齢での幼児用量からなる。ある実施形態では、前記スケジュールは、2カ月齢で開始する、それぞれの用量が約1カ月の間隔によって隔てられている(例えば用量間が28~40日間である)6回用量シリーズ、次いで12~15カ月齢での幼児用量からなる。
【1781】
前記7回用量スケジュールのある実施形態では、本発明による第1の免疫原性組成物(上記セクション2のものなど)および第2の免疫原性組成物(上記セクション3に開示されているものなど)は、6回用量スケジュールについて提供したスケジュールのいずれかに従った順序(上記参照)、次いで7回目の用量で投与される。ある実施形態では、本発明による第1の免疫原性組成物は7回目の用量として投与される。別の実施形態では、第2の免疫原性組成物は7回目の用量として投与される。
【1782】
ある実施形態では、前記連続的用量のワクチン接種スケジュールは、8回用量シリーズからなる。
【1783】
特定の実施形態では、前記スケジュールは、それぞれの用量が約1~約12カ月の間隔によって隔てられている8回用量シリーズからなる。特定の実施形態では、前記スケジュールは、それぞれの用量が約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12カ月の間隔によって隔てられている8回用量シリーズからなる。特定の実施形態では、前記スケジュールは、それぞれの用量が約1カ月~約6カ月の間隔によって隔てられている8回用量シリーズからなる。特定の実施形態では、前記スケジュールは、それぞれの用量が約1、2、3、4、5、または6カ月の間隔によって隔てられている8回用量シリーズからなる。特定の実施形態では、前記スケジュールは、それぞれの用量が約1~約2カ月の間隔によって隔てられている8回用量シリーズからなる。別の実施形態では、前記スケジュールは、それぞれの用量が約1カ月の間隔によって隔てられている8回用量シリーズ、またはそれぞれの用量が約2カ月の間隔によって隔てられている8回用量シリーズからなる。
【1784】
ある実施形態では、前記8回用量スケジュールは、それぞれの用量が約1カ月の間隔によって隔てられている7回用量シリーズ、次いで1回目の用量の約10カ月~約13カ月後の8回目の用量からなる。
【1785】
前記8回用量スケジュールのある実施形態では、1回目、2回目、3回目、4回目、5回目、6回目、および7回目の用量が1歳で投与され、8回目の用量は幼児用量である。ある実施形態では、前記8回用量スケジュールは、2カ月齢で開始する、それぞれの用量が約1カ月の間隔によって隔てられている(例えば用量間が28~40日間である)7回用量シリーズ、次いで12~18カ月齢での幼児用量からなる。ある実施形態では、前記スケジュールは、2カ月齢で開始する、それぞれの用量が約1カ月の間隔によって隔てられている(例えば用量間が28~40日間である)7回用量シリーズ、次いで12~15カ月齢での幼児用量からなる。
【1786】
前記8回用量スケジュールのある実施形態では、本発明による第1の免疫原性組成物(上記セクション2のものなど)および第2の免疫原性組成物(上記セクション3に開示されているものなど)は、7回用量スケジュールについて提供したスケジュールのいずれかに従った順序(上記参照)、次いで8回目の用量で投与される。ある実施形態では、本発明による第1の免疫原性組成物は8回目の用量として投与される。別の実施形態では、第2の免疫原性組成物は8回目の用量として投与される。
【1787】
ある実施形態では、本発明は、
(a)本発明による第1の免疫原性組成物(上記セクション2のものなど)、および
(b)本発明による第1の免疫原性組成物(上記セクション2のものなど)と第2の免疫原性組成物との併用的投与
の連続的投与に関する。
【1788】
ある実施形態では、前記第2の免疫原性組成物は、上記セクション3に開示されている免疫原性組成物のいずれかである。
【1789】
ある実施形態では、前記連続的投与のワクチン接種スケジュールは、2回投与シリーズからなる。ある実施形態では、ワクチン接種スケジュールは、約1カ月~約12カ月の間隔によって隔てられている2回投与シリーズからなる。特定の実施形態では、前記スケジュールは、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12カ月の間隔によって隔てられている2回投与シリーズからなる。特定の実施形態では、前記スケジュールは、約1カ月~約6カ月の間隔によって隔てられている2回投与シリーズからなる。特定の実施形態では、前記スケジュールは、約1、2、3、4、5、または6カ月の間隔によって隔てられている2回投与シリーズからなる。ある実施形態では、ワクチン接種スケジュールは、約1カ月~約2カ月の間隔によって隔てられている2回投与シリーズからなる。特定の実施形態では、前記スケジュールは、約1カ月の間隔によって隔てられている2回投与シリーズ、または約2カ月の間隔によって隔てられている2回投与シリーズからなる。
【1790】
前記スケジュールのある実施形態では、本発明による第1の免疫原性組成物が1回目に投与され、本発明による第1の免疫原性組成物と第2の免疫原性組成物との併用的投与が2回目に投与される。別の実施形態では、本発明による第1の免疫原性組成物と第2の免疫原性組成物との併用的投与が1回目に投与され、本発明による第1の免疫原性組成物が2回目に投与される。
【1791】
前記2回投与スケジュールのある実施形態では、1回目および2回目の投与が1歳で投与される。前記2回投与スケジュールのある実施形態では、1回目の投与が1歳で投与され、2回目の投与は幼児投与である。ある実施形態では、前記幼児投与は12~18カ月齢で投与される。ある実施形態では、前記幼児投与は12~15カ月齢で投与される。
【1792】
ある実施形態では、前記連続的投与のワクチン接種スケジュールは、3回投与シリーズからなる。ある実施形態では、前記スケジュールは、約1カ月~約12カ月の間隔によって隔てられている3回投与シリーズからなる。特定の実施形態では、前記スケジュールは、それぞれの投与が約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12カ月の間隔によって隔てられている3回投与シリーズからなる。特定の実施形態では、前記スケジュールは、それぞれの投与が約1カ月~約6カ月の間隔によって隔てられている3回投与シリーズからなる。特定の実施形態では、前記スケジュールは、それぞれの投与が約1、2、3、4、5、または6カ月の間隔によって隔てられている3回投与シリーズからなる。ある実施形態では、前記スケジュールは、約1カ月~約2カ月の間隔によって隔てられている3回投与シリーズからなる。別の実施形態では、前記スケジュールは、それぞれの投与が約1カ月の間隔によって隔てられている3回投与シリーズ、またはそれぞれの投与が約2カ月の間隔によって隔てられている3回投与シリーズからなる。
【1793】
前記3回投与スケジュールのある実施形態では、1回目および2回目の投与が1歳で投与され、3回目の投与は幼児投与である。ある実施形態では、1回目および2回目の投与は、2カ月齢で開始し、約1カ月~約2カ月の間隔によって隔てられており(例えば投与間が28~56日間である)、3回目の投与は12~18カ月齢での幼児投与である。ある実施形態では、1回目および2回目の投与は、2カ月齢で開始し、約1カ月~約2カ月の間隔によって隔てられており(例えば投与間が28~56日間である)、3回目の投与は12~15カ月齢での幼児投与である。
【1794】
前記3回投与スケジュールのある実施形態では、本発明による第1の免疫原性組成物が1回目および2回目の投与で投与され、本発明による第1の免疫原性組成物と第2の免疫原性組成物との併用的投与が3回目の投与で投与される。
【1795】
前記3回投与スケジュールの別の実施形態では、本発明による第1の免疫原性組成物と第2の免疫原性組成物との併用的投与が1回目および2回目の投与で投与され、本発明による第1の免疫原性組成物が3回目の投与で投与される。
【1796】
前記3回投与スケジュールの別の実施形態では、本発明による第1の免疫原性組成物が1回目の投与で投与され、本発明による第1の免疫原性組成物と第2の免疫原性組成物との併用的投与が2回目の投与で投与され、本発明による第1の免疫原性組成物が3回目の投与で投与される。
【1797】
前記3回投与スケジュールのさらに別の実施形態では、本発明による第1の免疫原性組成物と第2の免疫原性組成物との併用的投与が1回目の投与で投与され、本発明による第1の免疫原性組成物が2回目の投与で投与され、本発明による第1の免疫原性組成物と第2の免疫原性組成物との併用的投与が3回目の投与で投与される。
【1798】
前記3回投与スケジュールのさらに別の実施形態では、本発明による第1の免疫原性組成物が1回目の投与で投与され、本発明による第1の免疫原性組成物と第2の免疫原性組成物との併用的投与が2回目および3回目の投与で投与される。
【1799】
前記3回投与スケジュールの別の実施形態では、本発明による第1の免疫原性組成物と第2の免疫原性組成物との併用的投与が1回目の投与で投与され、本発明による第1の免疫原性組成物が2回目および3回目の投与で投与される。
【1800】
ある実施形態では、前記連続的投与のワクチン接種スケジュールは、4回投与シリーズからなる。
【1801】
ある実施形態では、前記スケジュールは、約1カ月~約12カ月の間隔によって隔てられている4回投与シリーズからなる。特定の実施形態では、前記スケジュールは、それぞれの投与が約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12カ月の間隔によって隔てられている4回投与シリーズからなる。特定の実施形態では、前記スケジュールは、それぞれの投与が約1カ月~約6カ月の間隔によって隔てられている4回投与シリーズからなる。特定の実施形態では、前記スケジュールは、それぞれの投与が約1、2、3、4、5、または6カ月の間隔によって隔てられている4回投与シリーズからなる。ある実施形態では、前記スケジュールは、約1カ月~約2カ月の間隔によって隔てられている4回投与シリーズからなる。別の実施形態では、前記スケジュールは、それぞれの投与が約1カ月の間隔によって隔てられている4回投与シリーズ、またはそれぞれの投与が約2カ月の間隔によって隔てられている4回投与シリーズからなる。
【1802】
前記4回投与スケジュールのある実施形態では、前記スケジュールは、それぞれの投与が約1カ月~約4カ月の間隔によって隔てられている3回投与シリーズ、次いで1回目の投与の約10カ月~約13カ月後の4回目の投与からなる。別の実施形態では、前記スケジュールは、それぞれの投与が約1、2、3、または4カ月の間隔によって隔てられている3回投与シリーズ、次いで1回目の投与の約10カ月~約13カ月後の4回目の投与からなる。別の実施形態では、前記スケジュールは、それぞれの投与が約1カ月~約2カ月の間隔によって隔てられている3回投与シリーズ、次いで1回目の投与の約10カ月~約13カ月後の4回目の投与からなる。別の実施形態では、前記スケジュールは、それぞれの投与が約1カ月の間隔によって隔てられている3回投与シリーズ、次いで1回目の投与の約10カ月~約13カ月後の4回目の投与、または、それぞれの投与が約2カ月の間隔によって隔てられている3回投与シリーズ、次いで1回目の投与の約10カ月~約13カ月後の4回目の投与からなる。
【1803】
前記4回投与スケジュールのある実施形態では、1回目、2回目および3回目の投与が1歳で投与され、4回目の投与は幼児投与である。ある実施形態では、前記4回投与スケジュールは、2カ月齢で開始する、それぞれの投与が約1カ月~約2カ月の間隔によって隔てられている(例えば投与間が28~56日間である)3回投与シリーズ、次いで12~18カ月齢での幼児投与からなる。ある実施形態では、前記スケジュールは、2カ月齢で開始する、それぞれの投与が約1カ月~約2カ月の間隔によって隔てられている(例えば投与間が28~56日間である)3回投与シリーズ、次いで12~15カ月齢での幼児投与からなる。
【1804】
ある実施形態では、前記4回投与スケジュールは、2、4、6、および12~15カ月齢での投与シリーズからなる。
【1805】
前記4回投与スケジュールのある実施形態では、本発明による第1の免疫原性組成物が1回目、2回目および3回目の投与で投与され、本発明による第1の免疫原性組成物と第2の免疫原性組成物との併用的投与が4回目の投与で投与される。
【1806】
前記4回投与スケジュールの別の実施形態では、本発明による第1の免疫原性組成物と第2の免疫原性組成物との併用的投与が1回目、2回目、および3回目の投与で投与され、本発明による第1の免疫原性組成物が4回目の投与で投与される。
【1807】
前記4回投与スケジュールの別の実施形態では、本発明による第1の免疫原性組成物が1回目および2回目の投与で投与され、本発明による第1の免疫原性組成物と第2の免疫原性組成物との併用的投与が3回目および4回目の投与で投与される。
【1808】
前記4回投与スケジュールの別の実施形態では、本発明による第1の免疫原性組成物と第2の免疫原性組成物との併用的投与が1回目および2回目の投与で投与され、本発明による第1の免疫原性組成物が3回目および4回目の投与で投与される。
【1809】
前記4回投与スケジュールの別の実施形態では、本発明による第1の免疫原性組成物が1回目および2回目の投与で投与され、本発明による第1の免疫原性組成物と第2の免疫原性組成物との併用的投与が3回目の投与で投与され、本発明による第1の免疫原性組成物が4回目の投与で投与される。
【1810】
前記4回投与スケジュールの別の実施形態では、本発明による第1の免疫原性組成物と第2の免疫原性組成物との併用的投与が1回目および2回目の投与で投与され、本発明による第1の免疫原性組成物が3回目の投与で投与され、本発明による第1の免疫原性組成物と第2の免疫原性組成物との併用的投与が4回目の投与で投与される。
【1811】
前記4回投与スケジュールの別の実施形態では、本発明による第1の免疫原性組成物が1回目の投与で投与され、本発明による第1の免疫原性組成物と第2の免疫原性組成物との併用的投与が2回目、3回目および4回目の投与で投与される。
【1812】
前記4回投与スケジュールの別の実施形態では、本発明による第1の免疫原性組成物と第2の免疫原性組成物との併用的投与が1回目の投与で投与され、本発明による第1の免疫原性組成物が2回目、3回目および4回目の投与で投与される。
【1813】
前記4回投与スケジュールの別の実施形態では、本発明による第1の免疫原性組成物が1回目の投与で投与され、本発明による第1の免疫原性組成物と第2の免疫原性組成物との併用的投与が2回目の投与で投与され、本発明による第1の免疫原性組成物が3回目の投与で投与され、本発明による第1の免疫原性組成物と第2の免疫原性組成物との併用的投与が4回目の投与で投与vる。
【1814】
前記4回投与スケジュールの別の実施形態では、本発明による第1の免疫原性組成物と第2の免疫原性組成物との併用的投与が1回目の投与で投与され、本発明による第1の免疫原性組成物が2回目の投与で投与され、本発明による第1の免疫原性組成物と第2の免疫原性組成物との併用的投与が3回目の投与で投与され、本発明による第1の免疫原性組成物が4回目の投与で投与される。
【1815】
前記4回投与スケジュールの別の実施形態では、本発明による第1の免疫原性組成物が1回目の投与で投与され、本発明による第1の免疫原性組成物と第2の免疫原性組成物との併用的投与が2回目の投与で投与され、本発明による第1の免疫原性組成物が3回目および4回目の投与で投与される。
【1816】
前記4回投与スケジュールの別の実施形態では、本発明による第1の免疫原性組成物と第2の免疫原性組成物との併用的投与が1回目の投与で投与され、本発明による第1の免疫原性組成物が2回目の投与で投与され、本発明による第1の免疫原性組成物と第2の免疫原性組成物との併用的投与が3回目および4回目の投与で投与される。
【1817】
前記4回投与スケジュールの別の実施形態では、本発明による第1の免疫原性組成物が1回目の投与で投与され、本発明による第1の免疫原性組成物と第2の免疫原性組成物との併用的投与が2回目および3回目の投与で投与され、本発明による第1の免疫原性組成物が4回目の投与で投与される。
【1818】
前記4回投与スケジュールの別の実施形態では、本発明による第1の免疫原性組成物と第2の免疫原性組成物との併用的投与が1回目の投与で投与され、本発明による第1の免疫原性組成物が2回目および3回目の投与で投与され、本発明による第1の免疫原性組成物と第2の免疫原性組成物との併用的投与が4回目の投与で投与される。
【1819】
ある実施形態では、前記連続的投与のワクチン接種スケジュールは、5回投与シリーズからなる。
【1820】
ある実施形態では、前記スケジュールは、約1カ月~約12カ月の間隔によって隔てられている5回投与シリーズからなる。特定の実施形態では、前記スケジュールは、それぞれの投与が約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12カ月の間隔によって隔てられている5回投与シリーズからなる。特定の実施形態では、前記スケジュールは、それぞれの投与が約1カ月~約6カ月の間隔によって隔てられている5回投与シリーズからなる。特定の実施形態では、前記スケジュールは、それぞれの投与が約1、2、3、4、5、または6カ月の間隔によって隔てられている5回投与シリーズからなる。ある実施形態では、前記スケジュールは、約1カ月~約2カ月の間隔によって隔てられている5回投与シリーズからなる。別の実施形態では、前記スケジュールは、それぞれの投与が約1カ月の間隔によって隔てられている5回投与シリーズ、またはそれぞれの投与が約2カ月の間隔によって隔てられている5回投与シリーズからなる。
【1821】
ある実施形態では、前記スケジュールは、それぞれの用量が約1カ月~約3カ月の間隔によって隔てられている4回投与シリーズ、次いで1回目の投与の約10カ月~約13カ月後の5回目の投与からなる。別の実施形態では、前記スケジュールは、それぞれの投与が約1カ月~約2カ月の間隔によって隔てられている4回投与シリーズ、次いで1回目の用量の約10カ月~約13カ月後の5回目の投与からなる。別の実施形態では、前記スケジュールは、それぞれの用量が約1カ月の間隔によって隔てられている4回投与シリーズ、次いで1回目の投与の約10カ月~約13カ月後の5回目の投与、または、それぞれの投与が約2カ月の間隔によって隔てられている4回投与シリーズ、次いで1回目の投与の約10カ月~約13カ月後の5回目の投与からなる。
【1822】
前記5回投与スケジュールのある実施形態では、1回目、2回目、3回目および4回目の投与が1歳で投与され、5回目の投与は幼児用量である。ある実施形態では、前記5回投与スケジュールは、2カ月齢で開始する、それぞれの投与が約1カ月~約2カ月の間隔によって隔てられている(例えば用量間が28~56日間である)4回投与シリーズ、次いで12~18カ月齢での幼児投与からなる。ある実施形態では、前記スケジュールは、2カ月齢で開始する、それぞれの投与が約1カ月~約2カ月の間隔によって隔てられている(例えば用量間が28~56日間である)4回投与シリーズ、次いで12~15カ月齢での幼児投与からなる。
【1823】
前記5回投与スケジュールのある実施形態では、本発明による第1の免疫原性組成物(以下の表中で第1のICと示す)、および本発明による第1の免疫原性組成物と第2の免疫原性組成物との併用的投与(以下の表で第1のIC/第2のICと示す)は、以下の順序で投与し得る:
【1824】
【表4-1】
【1825】
【表4-2】
【1826】
上記表は、様々な用量について、本発明による第1の免疫原性組成物(以下の表中で第1のICと示す)、および本発明による第1の免疫原性組成物と第2の免疫原性組成物との併用的投与(以下の表で第1のIC/第2のICと示す)の投与順序を提供し、例えば、スケジュール番号1は以下のように読む:前記5回投与スケジュールの実施形態では、本発明による第1の免疫原性組成物と第2の免疫原性組成物との併用的投与が1回目、2回目、3回目、および4回目の用量として投与され、本発明による第1の免疫原性組成物が5回目の用量として投与される。
【1827】
ある実施形態では、投与順序は、スケジュール1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、16、17、18、19、20、22、または23に従うものである。
【1828】
ある実施形態では、前記連続的用量のワクチン接種スケジュールは、6回投与シリーズからなる。
【1829】
ある実施形態では、前記スケジュールは、約1カ月~約12カ月の間隔によって隔てられている6回投与シリーズからなる。特定の実施形態では、前記スケジュールは、それぞれの投与が約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12カ月の間隔によって隔てられている6回投与シリーズからなる。特定の実施形態では、前記スケジュールは、それぞれの投与が約1カ月~約6カ月の間隔によって隔てられている6回投与シリーズからなる。特定の実施形態では、前記スケジュールは、それぞれの投与が約1、2、3、4、5、または6カ月の間隔によって隔てられている6回投与シリーズからなる。ある実施形態では、前記スケジュールは、約1カ月~約2カ月の間隔によって隔てられている6回投与シリーズからなる。別の実施形態では、前記スケジュールは、それぞれの投与が約1カ月の間隔によって隔てられている6回投与シリーズ、またはそれぞれの投与が約2カ月の間隔によって隔てられている6回投与シリーズからなる。
【1830】
ある実施形態では、前記6回投与スケジュールは、それぞれの投与が約1カ月~約2カ月の間隔によって隔てられている5回投与シリーズ、次いで1回目の投与の約10カ月~約13カ月後の6回目の投与からなる。別の実施形態では、前記スケジュールは、それぞれの投与が約1カ月の間隔によって隔てられている5回投与シリーズ、次いで1回目の投与の約10カ月~約13カ月後の6回目の投与、または、それぞれの投与が約2カ月の間隔によって隔てられている5回投与シリーズ、次いで1回目の投与の約10カ月~約13カ月後の6回目の投与からなる。
【1831】
前記6回投与スケジュールのある実施形態では、1回目、2回目、3回目、4回目、および5回目の投与が1歳で投与され、6回目の投与は幼児投与である。ある実施形態では、前記6回投与スケジュールは、2カ月齢で開始する、それぞれの投与が約1カ月~約2カ月の間隔によって隔てられている(例えば投与間が28~56日間である)5回投与シリーズ、次いで12~18カ月齢での幼児投与からなる。ある実施形態では、前記スケジュールは、2カ月齢で開始する、それぞれの投与が約1カ月~約2カ月の間隔によって隔てられている(例えば投与間が28~56日間である)5回投与シリーズ、次いで12~15カ月齢での幼児投与からなる。
【1832】
前記6回投与スケジュールのある実施形態では、本発明による第1の免疫原性組成物、および本発明による第1の免疫原性組成物と第2の免疫原性組成物との併用的投与は、5回投与スケジュールについて提供した30個のスケジュールのいずれかに従った順序(上記表参照、スケジュール1~30)、次いで6回目の投与で投与される。ある実施形態では、本発明による第1の免疫原性組成物は6回目の投与で投与される。別の実施形態では、本発明による第1の免疫原性組成物と第2の免疫原性組成物との併用的投与は6回目の投与で投与される。
【1833】
ある実施形態では、前記連続的投与のワクチン接種スケジュールは、7回投与シリーズからなる。
【1834】
ある実施形態では、前記スケジュールは、約1カ月~約12カ月の間隔によって隔てられている7回投与シリーズからなる。特定の実施形態では、前記スケジュールは、それぞれの投与が約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12カ月の間隔によって隔てられている7回投与シリーズからなる。特定の実施形態では、前記スケジュールは、それぞれの投与が約1カ月~約6カ月の間隔によって隔てられている7回投与シリーズからなる。特定の実施形態では、前記スケジュールは、それぞれの投与が約1、2、3、4、5、または6カ月の間隔によって隔てられている7回投与シリーズからなる。ある実施形態では、前記スケジュールは、約1カ月~約2カ月の間隔によって隔てられている7回投与シリーズからなる。別の実施形態では、前記スケジュールは、それぞれの投与が約1カ月の間隔によって隔てられている7回投与シリーズ、またはそれぞれの投与が約2カ月の間隔によって隔てられている7回投与シリーズからなる。
【1835】
ある実施形態では、前記7回投与スケジュールは、それぞれの投与が約1カ月の間隔によって隔てられている6回投与シリーズ、次いで1回目の投与の約10カ月~約13カ月後の7回目の投与からなる。
【1836】
前記7回投与スケジュールのある実施形態では、1回目、2回目、3回目、4回目、5回目、および6回目の投与が1歳で投与され、7回目の投与は幼児投与である。ある実施形態では、前記7回投与スケジュールは、2カ月齢で開始する、それぞれの投与が約1カ月の間隔によって隔てられている(例えば投与間が28~40日間である)6回投与シリーズ、次いで12~18カ月齢での幼児投与からなる。ある実施形態では、前記スケジュールは、2カ月齢で開始する、それぞれの投与が約1カ月の間隔によって隔てられている(例えば投与間が28~40日間である)6回投与シリーズ、次いで12~15カ月齢での幼児投与からなる。
【1837】
前記7回投与スケジュールのある実施形態では、本発明による第1の免疫原性組成物(上記セクション2のものなど)、および本発明による第1の免疫原性組成物と第2の免疫原性組成物との併用的投与は、6回投与スケジュールについて提供したスケジュールのいずれかに従った順序(上記参照)、次いで7回目の投与で投与される。ある実施形態では、本発明による第1の免疫原性組成物は7回目の投与で投与される。別の実施形態では、本発明による第1の免疫原性組成物と第2の免疫原性組成物との併用的投与は7回目の投与で投与される。
【1838】
ある実施形態では、前記連続的投与のワクチン接種スケジュールは、8回投与シリーズからなる。
【1839】
ある実施形態では、前記スケジュールは、約1カ月~約12カ月の間隔によって隔てられている8回投与シリーズからなる。特定の実施形態では、前記スケジュールは、それぞれの投与が約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、または12カ月の間隔によって隔てられている8回投与シリーズからなる。特定の実施形態では、前記スケジュールは、それぞれの投与が約1カ月~約6カ月の間隔によって隔てられている8回投与シリーズからなる。特定の実施形態では、前記スケジュールは、それぞれの投与が約1、2、3、4、5、または6カ月の間隔によって隔てられている8回投与シリーズからなる。ある実施形態では、前記スケジュールは、約1カ月~約2カ月の間隔によって隔てられている8回投与シリーズからなる。別の実施形態では、前記スケジュールは、それぞれの投与が約1カ月の間隔によって隔てられている8回投与シリーズ、またはそれぞれの投与が約2カ月の間隔によって隔てられている8回投与シリーズからなる。
【1840】
ある実施形態では、前記8回投与スケジュールは、それぞれの投与が約1カ月の間隔によって隔てられている7回投与シリーズ、次いで1回目の投与の約10カ月~約13カ月後の8回目の投与からなる。
【1841】
前記8回投与スケジュールのある実施形態では、1回目、2回目、3回目、4回目、5回目、6回目、および7回目の投与が1歳で投与され、8回目の投与は幼児投与である。ある実施形態では、前記8回投与スケジュールは、2カ月齢で開始する、それぞれの投与が約1カ月の間隔によって隔てられている(例えば投与間が28~40日間である)7回投与シリーズ、次いで12~18カ月齢での幼児投与からなる。ある実施形態では、前記スケジュールは、2カ月齢で開始する、それぞれの投与が約1カ月の間隔によって隔てられている(例えば投与間が28~40日間である)7回投与シリーズ、次いで12~15カ月齢での幼児投与からなる。
【1842】
前記8回投与スケジュールのある実施形態では、本発明による第1の免疫原性組成物(上記セクション2のものなど)、および本発明による第1の免疫原性組成物と第2の免疫原性組成物との併用的投与は、7回投与スケジュールについて提供したスケジュールのいずれかに従った順序(上記参照)、次いで8回目の用量で投与される。ある実施形態では、本発明による第1の免疫原性組成物は8回目の用量で投与される。別の実施形態では、本発明による第1の免疫原性組成物と第2の免疫原性組成物との併用的投与は8回目の用量で投与される。
【1843】
ある実施形態では、上記に開示されている投与スケジュールにおいて、併用的投与は同時発生的投与によって置き換えられる。
【1844】
ある実施形態では、本発明は、
(a)第2の免疫原性組成物(上記セクション3のものなど)、および
(b)本発明による第1の免疫原性組成物(上記セクション2のものなど)と前記第2の免疫原性組成物との併用的投与
の連続的投与に関する。
【1845】
ある実施形態では、前記第2の免疫原性組成物は、上記セクション3に開示されている免疫原性組成物のいずれかである。
【1846】
ある実施形態では、投与スケジュールは、本発明による第1の免疫原性組成物の連続的投与、および本発明による第1の免疫原性組成物と第2の免疫原性組成物との併用的投与について上記に開示されているスケジュールのいずれか1つ(第151頁の下~第164頁の上)であり、前記スケジュール中において、(a)の前記第2の免疫原性組成物の投与で(a)の第1の免疫原性組成物の投与を置き換える。
【1847】
ある実施形態では、上記に開示されている投与スケジュールのいずれかにおいて、併用的投与は同時発生的投与によって置き換えられる。
【1848】
ある実施形態では、本明細書に開示される免疫原性組成物は筋肉内または皮下注射によって投与される。
【1849】
ある実施形態では、免疫原性組成物は大腿または腕への筋肉内注射によって投与される。ある実施形態では、注射部位は大腿前外側筋または三角筋である。
【1850】
ある実施形態では、免疫原性組成物は大腿または腕への皮下注射によって投与される。ある実施形態では、注射部位は、大腿前外側筋の上部の脂肪組織または三頭筋の上部の脂肪組織である。
【1851】
併用的投与の場合、1回目の注射を一方の大腿に行い、2回目を他方の大腿に行うことができる(好ましくは大腿前外側筋中)。または、1回目の注射を一方の腕に行い、2回目を他方の腕に行うことができる(好ましくは三角筋中)。また、1回目の注射を大腿に行い、2回目を腕に行う、または1回目の注射を腕に行い、2回目を大腿に行うこともできる。
【1852】
ある態様では、本発明は、上記に開示されている免疫化スケジュールのいずれかにおいて使用するための、本発明のキット(上記セクション4のものなど)に関する。
【1853】
本明細書で使用される場合、用語「約」は、記述された濃度範囲、時間枠、分子量、温度またはpHなどの、統計的に意味のある値の範囲内にあることを意味する。そのような範囲は、所与の値または範囲の1桁分以内、典型的には、20%以内、より典型的には、10%以内、さらにより典型的には、5%以内または1%以内であってもよい。時には、そのような範囲は、所与の値または範囲の測定および/または決定のために使用される標準的な方法に典型的な実験誤差以内であってもよい。用語「約」によって包含される許容可能な変動は、試験下の特定の系に依存し、当業者であれば容易に理解できる。本出願内である範囲が記載される場合はいつでも、その範囲内の全整数も、本開示の実施形態として企図される。
【1854】
本明細書における用語「含む(comprising)」、「含む(comprise)」および「含む(comprises)」は、全ての例において、それぞれ、用語「本質的にからなる(consisting essentially of)」、「本質的にからなる(consist essentially of)」、「本質的にからなる(consists essentially of)」、「からなる(consisting of)」、「からなる(consist of)」および「からなる(consists of)」と置換可能であってもよいことが本発明者らによって意図される。
【1855】
本明細書でそれぞれ互換的に使用される、「免疫原性量」、「免疫学的有効量」、「治療有効量」、「予防有効量」、または「用量」は、一般的には、当業者に公知の標準的なアッセイによって測定した場合、細胞性(T細胞)または体液性(B細胞もしくは抗体)応答のいずれか、またはその両方である免疫応答を惹起するのに十分な抗原または免疫原性組成物の量を指す。
【1856】
本特許明細書内で引用される全ての参考文献または特許出願は、参照により本明細書に組み込まれる。
【実施例
【1857】
本発明は、添付の実施例に例示される。以下の実施例は、そうでなければ詳細に説明される場合を除いて、当業者には周知であり、日常的である標準的な技術を使用して実行される。実施例は、例示的であるが、本発明を限定するものではない。
【1858】
SEC-MALLSは、多糖および多糖-タンパク質コンジュゲートの分子量の決定のために使用される。SECは、流体力学的体積によって多糖を分離するために使用される。屈折率(RI)および多角度レーザー光散乱(MALLS)検出器は、分子量の決定のために使用される。光が物質と相互作用する時、それは散乱し、散乱光の量は、濃度、dn/dc(比屈折率増分)の平方、および物質のモル質量と関連する。分子量測定値は、MALLS検出器からの散乱光シグナルおよびRI検出器からの濃度シグナルからの読取り値に基づいて算出される。
【1859】
本明細書に開示される肺炎連鎖球菌(S.pneumoniae)血清型に特異的なマウス血清中の機能的抗体を測定するためには、オプソノファゴサイトーシス活性(OPA)アッセイが使用される。試験血清は、莢膜多糖特異的免疫グロブリンが、細菌をオプソニン化し、補体沈着を誘発することによって、食細胞による細菌のファゴサイトーシスおよび死滅を容易にする能力を測定するアッセイ反応において設定される。OPA力価は、試験血清を含まない対照ウェルと比較して細菌数の50%の減少をもたらす希釈率の逆数と定義される。OPA力価は、この50%死滅カットオフを包含する2つの希釈率から内挿される。
【1860】
OPA手順は、以下の改変を伴う、Huら(2005)Clin Diagn Lab Immunol 12(2):287~295に記載の方法に基づくものである。試験血清を、2.5倍に段階希釈し、マイクロタイターアッセイプレートに添加する。生きた血清型標的細菌株をウェルに添加し、プレートを25℃で30分間振とうする。次いで、分化したHL-60細胞(食細胞)および子ウサギ血清(3~4週齢、PEL-FREEZ(登録商標)、12.5%最終濃度)をウェルに添加し、プレートを37℃で45分間振とうする。反応を終結させるために、80μLの0.9%NaClを全てのウェルに添加し、混合し、10μLアリコートを、200μLの水を含有するMULTISCREEN(登録商標)HTS HVフィルタープレート(MILLIPORE(登録商標))のウェルに移す。液体を減圧下でプレートを通して濾過し、150μLのHYSOY(登録商標)培地を各ウェルに添加し、濾過する。次いで、フィルタープレートを37℃、5%COで一晩インキュベートした後、Destain Solution(Bio-Rad Laboratories,Inc.,Hercules,CA)で固定する。次いで、プレートをクマシーブルーで染色し、1回脱色する。コロニーを画像化し、Cellular Technology Limited(CTL)(Shaker Heights,OH)IMMUNOSPOT(登録商標)Analyzer上で計数する。生のコロニー数を使用して、死滅曲線をプロットし、OPA力価を算出する。
【1861】
本明細書に記載された全ての刊行物および特許出願は、本発明が属する当業者のレベルを示す。全ての刊行物および特許出願は、あたかもそれぞれ個々の刊行物または特許出願が、参照により組み込まれると具体的かつ個別的に示されたのと同程度に、参照により本明細書に組み込まれる。
【1862】
前記発明を明確に理解するために図表および例によっていくらか詳細に記載してきたが、ある特定の変化および改変を、添付の特許請求の範囲内で実施することができる。
【国際調査報告】