(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-08
(54)【発明の名称】切削エッジに基づく視覚的金属パネル品質検出
(51)【国際特許分類】
B29C 39/44 20060101AFI20220601BHJP
H04N 5/232 20060101ALI20220601BHJP
B29C 44/00 20060101ALI20220601BHJP
B29C 44/12 20060101ALI20220601BHJP
B29C 44/60 20060101ALI20220601BHJP
B29C 39/10 20060101ALI20220601BHJP
【FI】
B29C39/44
H04N5/232 290
B29C44/00 A
B29C44/12
B29C44/60
B29C39/10
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021559627
(86)(22)【出願日】2020-04-06
(85)【翻訳文提出日】2021-12-02
(86)【国際出願番号】 EP2020059748
(87)【国際公開番号】W WO2020207964
(87)【国際公開日】2020-10-15
(32)【優先日】2019-04-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520204744
【氏名又は名称】コベストロ・インテレクチュアル・プロパティ・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング・アンド・コー・カーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100124855
【氏名又は名称】坪倉 道明
(74)【代理人】
【識別番号】100129713
【氏名又は名称】重森 一輝
(74)【代理人】
【識別番号】100137213
【氏名又は名称】安藤 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100143823
【氏名又は名称】市川 英彦
(74)【代理人】
【識別番号】100183519
【氏名又は名称】櫻田 芳恵
(74)【代理人】
【識別番号】100196483
【氏名又は名称】川嵜 洋祐
(74)【代理人】
【識別番号】100160749
【氏名又は名称】飯野 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100160255
【氏名又は名称】市川 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100202267
【氏名又は名称】森山 正浩
(74)【代理人】
【識別番号】100182132
【氏名又は名称】河野 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100146318
【氏名又は名称】岩瀬 吉和
(74)【代理人】
【識別番号】100127812
【氏名又は名称】城山 康文
(72)【発明者】
【氏名】ポタラジュ,サイラム
(72)【発明者】
【氏名】バルトケ,ユリアン
(72)【発明者】
【氏名】ライディング,アンドレアス
(72)【発明者】
【氏名】ユング,ホルスト-ウーヴェ
【テーマコード(参考)】
4F204
4F214
5C122
【Fターム(参考)】
4F204AA42
4F204AB02
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4F204AD07
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4F214AA42
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4F214AD03
4F214AD07
4F214AG03
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4F214AR20
4F214UA01
4F214UB01
4F214UB13
4F214UD13
4F214UD17
5C122EA57
5C122GA01
5C122GA23
5C122GE22
5C122HA35
5C122HA88
(57)【要約】
本発明は、発泡ユニット(1)の品質を決定する方法であって、前記発泡ユニット(1)は固化した発泡体(2)を形成することによって製造され、発泡ユニットエッジ(5)は前記発泡ユニット(1)を切断して形成され、前記発泡ユニットエッジ(5)の画像(8)をカメラ(7)が取込み、前記画像(8)は前記発泡ユニットエッジ(5)内の欠陥(9)を検出するために分析され、前記画像(8)の分析に基づいて、前記検出された欠陥(9)を記述する品質情報データ(11)が生成される方法。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発泡ユニット(1)の品質を決定する方法であって、前記発泡ユニット(1)は固化した発泡体(2)を形成することによって製造され、発泡ユニットエッジ(5)は前記発泡ユニット(1)を切断して形成され、前記発泡ユニットエッジ(5)の画像(8)をカメラ(7)が取込み、前記画像(8)は前記発泡ユニットエッジ(5)内の欠陥(9)を検出するために分析され、前記画像(8)の分析に基づいて、前記検出された欠陥(9)を記述する品質情報データ(11)が生成される方法であって、
前記発泡ユニット(1)は、製造パラメータ(17)に基づいて、製造装置によって生成され、前記製造パラメータ(17)は、前記発泡ユニット(1)の前記製造の間に製造機器(20)によって測定された製造変数(18)、及び/又は、前記製造装置に入力される製造設定(19)、を含み、前記品質情報データ(11)に基づいて、更新された製造設定(21)が生成され、好ましくは、前記更新された製造設定(21)は前記製造装置へ入力され、前記更新された製造設定(21)は、前記品質情報データ(11)及び前記製造パラメータ(17)を計算モデル(22)に適用することによって生成され、前記計算モデル(22)は、前記製造パラメータ(17)及び前記品質情報データ(11)との間の計算関係を提供し、好ましくは、コンピュータシステム(10)は、前記品質情報データ(11)及び前記製造パラメータ(17)を前記計算モデル(22)に適用することによって前記更新された製造設定(21)を生成し、特に、前記計算モデル(22)は前記コンピュータシステム上に記憶される、ことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記発泡ユニット(1)は、少なくとも1つの固体シート(3a、b)上に、好ましくは2つの固体シート(3a、b)の間に、固化した発泡体(2)を形成することによって製造されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記発泡ユニット(1)は、前記少なくとも1枚のシート(3a、b)を実質的に連続した供給物(6)に供給することによって製造され、前記発泡ユニットは前記供給物(6)を切断することによって前記供給物(6)から分離されることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記固化した発泡体(2)がポリウレタンを含み、好ましくは、前記固化した発泡体が実質的にポリウレタンからなることを特徴とする、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記固化した発泡体(2)が、反応して前記固化した発泡体(2)を生成するように構成された材料を混合することによって、特に注入することによって、形成されることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の方法であって、好ましくは、前記混合された材料がイソシアネートおよびポリオールを含む、方法。
【請求項6】
前記検出された欠陥(9)は欠陥カテゴリーに分類され、好ましくは、前記欠陥カテゴリーが前記発泡体(2)内の気泡(12)、前記発泡体(2)内の亀裂(13)、前記発泡体(2)内の空隙(14)、前記発泡体(2)内のオーバーローリングマーク(15)を含み、特に、前記検出された欠陥(9)について、前記欠陥(9)の密度、前記欠陥(9)のサイズ、前記欠陥(9)のシート(3a、b)までの距離、および/または、前記パネル(1)の側面のエッジ(16)までの前記欠陥(9)からの距離、を含む補助情報が決定される、ことを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記品質情報データ(11)は、予め定義された警報基準(24)と比較され、前記品質情報データ(11)が前記予め定義された警報基準(24)を満たす場合、警報信号(25)が生成されることを特徴とする請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記更新された製造設定(21)を生成することは、前記品質情報データを、前記更新された製造設定を生成するための予め定義されたルールセットと比較することを含むことを特徴とする請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記製造設定(19)が製造ライン(4)の予熱温度、前記固化した発泡体(2)を形成する間の圧力、および/または前記製造ライン(4)の移動速度を含み、好ましくは、前記製造設定(19)が混合材料の材料量および/または混合材料の混合比を含むことを特徴とする、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記製造変数(18)は、前記固化した発泡体(2)の温度および/または前記固化した発泡体(2)を形成するときの周囲湿度を含むことを特徴とする請求項8または9に記載の方法。
【請求項11】
前記更新されたパネル製造設定(21)に基づいてさらなる発泡ユニットが製造され、前記カメラ(7)がさらなる発泡ユニットの発泡ユニットエッジのさらなる画像を取込み、前記さらなる画像が分析されて前記さらなる発泡ユニットの前記発泡ユニットエッジの欠陥を検出し、前記さらなる発泡ユニットの前記発泡ユニットエッジの欠陥を記述するさらなる品質情報データが生成され、前記さらなる品質情報データと、前記更新された製造設定(21)を前記計算モデル(22)に適用することによって生成された予測品質情報との比較に基づいて前記計算モデル(22)が更新されることを特徴とする、請求項1~10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
請求項1乃至11のいずれかに記載の方法であって、前記品質情報データ(11)は分析アルゴリズム(23)に従って生成され、前記発泡ユニット(1)の断熱が測定されて断熱測定結果が得られること、および前記断熱測定と前記品質情報データ(11)との比較に基づいて前記分析アルゴリズム(23)が更新されること、特に、前記発泡ユニット(1)は前記発泡ユニット(1)の断熱を測定する前に、さらに発泡ユニット製品に発泡ユニット(1)が組み立てられていること、好ましくは、前記断熱測定に基づいて前記計算モデル(22)が更新されることを特徴とする方法。
【請求項13】
発泡ユニット(1)の品質を決定するためのシステムであって、前記発泡ユニット(1)を固化した発泡体(2)を形成することによって製造し、前記発泡ユニット(1)を切断することによって発泡ユニットエッジ(5)を形成するための製造装置と、前記発泡ユニットエッジ(5)の画像を取込むカメラと、前記発泡ユニットエッジ(5)内の欠陥を検出するために前記画像(8)を分析し、前記画像(8)の分析に基づいて前記検出された欠陥(9)を記述する品質情報データ(11)を生成するためのコンピュータシステムを用いるシステムであって、前記システムは、前記発泡ユニット(1)は、製造パラメータ(17)に基づいて、前記製造装置によって生成され、前記製造パラメータ(17)は、前記発泡ユニット(1)の前記製造の間に製造機器(20)によって測定された製造変数(18)、及び/又は、前記製造装置に入力される製造設定(19)、を含み、前記品質情報データ(11)に基づいて、更新された製造設定(21)が生成され、好ましくは、前記更新された製造設定(21)は前記製造装置へ入力され、前記更新された製造設定(21)は、前記品質情報データ(11)及び前記製造パラメータ(17)を計算モデル(22)に適用することによって生成され、前記計算モデル(22)は、前記製造パラメータ(17)及び前記品質情報データ(11)との間の計算関係を提供し、好ましくは、コンピュータシステム(10)は、前記品質情報データ(11)及び前記製造パラメータ(17)を前記計算モデル(22)に適用することによって前記更新された製造設定(21)を生成し、特に、前記計算モデル(22)は前記コンピュータシステム上に記憶される、ことを特徴とするシステム。
【発明の詳細な説明】
【発明の概要】
【0001】
本発明は発泡ユニットの品質を決定する方法に関し、前記発泡ユニットは固化した発泡体を形成することによって製造され、発泡ユニットのエッジは発泡ユニットを切断することによって形成され、カメラは発泡ユニットエッジの画像を取込み、前記画像は発泡ユニットエッジにおける欠陥を検出するために分析され、検出された欠陥を記述する品質情報データは前記画像の分析に基づいて生成される。さらに、本発明は、発泡ユニットの品質を決定するためのシステムに関する。
【0002】
発泡ユニットは、実質的に固化した発泡体からなる物体であり、パネル、特に断熱パネルを含む。これらは、今日、様々な用途に使用されている。このようなパネルはしばしば、互いに対向して配置された2つの固体シートと、これらのシートの間に形成された固化した発泡体コアとを含む。このようにして製造された絶縁パネルは、断熱性を有する堅固な構造体を提供することによって、様々な異なる装置を構築することを可能にする。特に、それらは、長距離にわたる冷蔵品のバルク輸送に適した、リーファーとも呼ばれる冷蔵コンテナを構築することを可能にする。この選択肢は、特に腐敗しやすい物品の物流に革命をもたらした。
【0003】
断熱を有効にするためには、パネルのコアが均質で実質的な欠陥のないことが望まれる。これは、シートの層間剥離を回避するためにも重要である。コアは、パネルの完成時にシートが既に所定の位置にあるように製造されるので、コア自体の目視検査は困難である。さらに、コアはある厚さを有し、したがって、シートがない場合でさえ、そのシートに面する表面から離れたコアの状態についての情報を得ることは困難である。その結果、このようなパネルの製造のための適切なパラメータを設定することは、系統的かつ分析的なアプローチではなく、オペレータの直感および経験に依存するプロセスである。好ましくは、ここおよび以下で考慮される欠陥が発泡体製造欠陥である。このような発泡体製造欠陥は、発泡体形態欠陥と区別されるべきである。
【0004】
従来技術(例えば、JP2005 186615 A)から、発泡ユニットを切断し、カメラを使用して発泡ユニットエッジの画像を取込み、欠陥のサイズおよび数を定量化することによって、発泡ユニットエッジを分析することが知られている。しかしながら、適切な方法で生成されたデータを使用することは、当業者に委ねられる。
【0005】
したがって、本発明の目的はより精密で、より信頼性があり、機械で実施され、それによって自動化される、発泡ユニットの品質を決定するための方法およびシステムを提供することである。
【0006】
発泡ユニットの品質を決定する方法に関して、本発明の目的は、請求項1に記載のパネルの品質を決定する方法によって達成される。発泡ユニットの品質を決定するためのシステムに関して、本発明の目的は、請求項15に記載のパネルの品質を決定するためのシステムによって達成される。
【0007】
本発明は、このような発泡体ユニットの製造において、発泡体コアおよび発泡体コア上または発泡体コアの下の任意のシートを切断することによって、発泡体ユニットの少なくとも1つのエッジが作製されるという認識に基づく。それによって生成されたそのエッジの視覚的分析は、コア内に存在する欠陥の種類および数に関する情報を提供する。この情報は、コアの表面だけでなく、これらの表面から離れたコアのより中央の部分にも関係する。このようなエッジはコアの1つのスライスのみを提示し、したがって、エッジ表面に垂直な方向に対して小さなスナップショットのみであるが、パネルが製造される方法は、エッジから得られた情報がコア全体を示すようなものである。言い換えれば、コア内のどこかに存在する特定の欠陥も、パネルエッジの分析によって検出可能である可能性が高い。
【0008】
本発明による方法は発泡ユニットの品質を決定するためのものであり、発泡ユニットは、固化した発泡体を形成することによって製造される。本発明による方法では発泡ユニットエッジが発泡ユニットを切断することによって形成され、カメラは発泡ユニットエッジの画像を取込む。本発明による方法では、画像が分析されて発泡ユニット縁部の欠陥が検出され、検出された欠陥を記述する品質情報データが画像の分析に基づいて生成される。
【0009】
ここで、画像の分析および品質情報データの生成は、コンピュータシステムによって実行されることが好ましい。このようなコンピュータ・システムは一つ以上の個々のコンピュータを含むか、またはそれらから構成されてもよく、また、これらのコンピュータは地理的に分散されてもよい。このようなコンピュータ・システムは、クラウド・コンピューティング・システムまたはクラウド・コンピューティング・システムの一部であってもよい。
【0010】
品質情報データは、検出された欠陥に関する任意の定性的または定量的情報を含むことができる。第1の例として、品質情報データは、検出された欠陥のハイライトを有するキャプチャされた画像の再生を提供することができる。第2の例として、品質情報データは検出された欠陥のリスト、および好ましくは位置、寸法サイズ、および重要度などの各欠陥に関する追加情報を有するテキストファイルを含むことができる。
【0011】
発泡ユニットは、原則として、固化した発泡体を含むか、または固化した発泡体から実質的になる任意の構造であり得る。本発明による方法の好ましい実施形態によれば、発泡ユニットは発泡ブロック、特に、可撓性または硬質発泡ブロックであってもよい。この実施形態では、発泡体ユニットの表面がシートで覆われていなくてもよい。
【0012】
本発明によれば、発泡ユニットは製造パラメータに基づいて製造装置によって製造され、この製造パラメータは発泡ユニットの製造中に製造装置によって測定される製造変数を含む。代替的に又は追加的に、製造パラメータは、製造装置に入力される製造設定を含む。換言すれば、製造パラメータは、製造プロセスを記述する計測手段によって発泡ユニットの製造プロセス中に出力される値である製造変数と、追加的に又は代替的に、製造プロセスを決定するために発泡ユニットの製造に入力される値である製造設定との両方を含む。製造機器は、製造センサを含んでもよく、または製造センサからなってもよい。
【0013】
品質情報データは、特に、品質情報データ内に記載された欠陥が低減または回避されるように、発泡ユニットの製造プロセスを修正するために使用されてもよい。したがって、品質情報データに基づいて、更新された製造設定が生成されてもよい。好ましくは、更新された製造設定が製造装置に入力される。
【0014】
本発明によれば、更新されたパネル製造設定は品質情報データおよび製造パラメータを計算モデルに適用することによって生成され、この計算モデルは製造パラメータと品質情報データとの間の計算関係を提供する。計算モデルはコンピュータプログラム、コンピュータプログラムの一部、または、例えば、シミュレーションプログラムの基礎となる、コンピュータプログラムの基礎となるデータセットであってもよい。換言すれば、計算モデルは、所望の欠陥プロファイルに基づいて発泡ユニットを製造するための、特に製造設定を得るためのアルゴリズムを提供する。加えて、または代替的に、計算モデルは、その発泡ユニットの製造プロセスに適用される製造パラメータに基づいて、発泡ユニットの欠陥プロファイルを予測するアルゴリズムを提供する。計算モデルによって提供されるアルゴリズムは、原則として、任意の方法で決定することができる。特に、計算モデルおよび計算モデルによって提供されるアルゴリズムは、機械学習を使用することによって到着することができる。そのような機械学習は例えば、k最近傍アルゴリズムに基づくことができる。
【0015】
本発明による方法のさらに好ましい実施形態によれば、発泡ユニットは、少なくとも1つの固体シート上に固化した発泡体を形成することによって製造される。ここで、発泡体ブロックは硬質発泡体材料からなることが好ましい。好ましくは、発泡ユニットが2つの固体シートの間に固化した発泡体を形成することによって製造される。したがって、固体シートは、固化した発泡体が固体シートの間にあるように反対側に配置されてもよい。少なくとも1つの固体シートまたは2つの固体シートは、それぞれ、少なくとも1つの金属シートまたは2つの金属シートであってもよい。さらに、2つの固体シートが実質的に平行なシートであってもよい。この場合、発泡ユニットはパネルであってもよい。特に、パネルは、金属パネルまたは絶縁パネルであってもよい。
【0016】
原則として、発泡ユニットは、任意の製造方法または機構によって製造することができる。本発明の方法のさらに好ましい実施形態では、発泡ユニットが実質的に連続した供給材料中に少なくとも1つのシートを供給することによって製造され、発泡生成物は供給材料を通して切断することによって供給材料から分離される。これは、発泡ユニットを製造する非常に効率的な方法を可能にする。
【0017】
固化した発泡体は一般に、任意の材料を含むことができる。既に述べたように、固化した発泡体は軟質発泡体であってもよい。代替的に、固化した発泡体は硬質発泡体であってもよい。本発明による方法の好ましい実施形態は、固化した発泡体がポリウレタンを含むことを特徴とする。好ましくは、固化した発泡体が実質的にポリウレタンからなる。ポリウレタンは、断熱のために有利な特性を有する。固化した発泡体がポリイソシアヌレートを含むか、または実質的にポリイソシアヌレートからなることもできる。
【0018】
本発明による方法のさらに好ましい実施形態は、固化した発泡体が固化した発泡体を反応させ生成するように構成された材料を混合することによって形成されることを特徴とする。これらの材料は特に、例えば、固体シートの間に注入されてもよい。固化した発泡体が固体シートの少なくとも1つ上に形成されるように、材料が固体シートの少なくとも1つ上で混合されることも好ましい。この場合、固化した発泡体を形成した後または形成している間に、別の固体シートを適用することが可能であろう。好ましくは、混合材料がイソシアネートおよびポリオールを含む。注入された材料は、発泡剤および潜在的に他の成分をさらに含んでもよい。
【0019】
本発明による方法の好ましい実施形態では、検出された欠陥が欠陥カテゴリに分類される。特に、そのような欠陥カテゴリは、予め定義されていてもよい。このような分類は、欠陥の発生の潜在的な理由のより正確な分析を可能にする。原則として、欠陥カテゴリは、任意の数及び任意の粒度を有することができる。欠陥カテゴリーは、発泡体内の気泡、発泡体内の亀裂、発泡体内の空隙、および/または発泡体内のオーバーローリングマークを含むことが好ましい。上記の各欠陥は、欠陥カテゴリを定義する。発泡体内の気泡は、固化した発泡体を生成するための材料の不適切な混合比を示す。発泡体内の亀裂は、発泡体の生成にとって好ましくない状況または亀裂を引き起こす機械的応力を示し得る。発泡体内の空隙は、発泡体の体積が不十分であることを示し得る。フォーム内のオーバーローリングマークは波のように余分なフォームクリートが発生し、その後破断すると発生する。このような発泡波の破壊は、オーバーローリングとして説明することもできる。品質情報データは、検出された欠陥を欠陥カテゴリに分類することを含むことがさらに好ましい。
【0020】
検出された欠陥について、欠陥の密度、欠陥のサイズ、欠陥からシートまでの距離、および/または欠陥からパネルの横方向エッジまでの距離を含む補足情報が決定されることがさらに好ましい。これにより、定量的な情報を生成し、欠陥の原因を是正するために使用することもできる。パネルの横方向エッジは、横方向エッジに垂直なエッジの長さよりも短い長さを有するエッジである。
【0021】
原則として、品質情報データは、任意に使用することができる。例えば、品質情報データは、情報表示システムによってユーザに出力されてもよい。本発明による方法のさらなる好ましい実施形態では、品質情報データが事前定義されたアラーム基準と比較され、品質情報データが事前定義されたアラーム基準を満たす場合、アラーム信号が生成される。このようなアラーム信号は、視覚信号および/または音響信号を含むことができる。
【0022】
本発明によれば、発泡ユニットは、製造パラメータに基づいて製造装置によって製造され、この製造パラメータは発泡ユニットの製造中に製造機器によって測定された製造変数及び/又は製造装置に入力された製造設定を含み、品質情報に基づいて更新された製造設定が生成される。更新された製造設定は、原則として、品質情報データに基づいて任意に生成することができる。本発明による方法のさらなる好ましい実施形態は、更新された製造設定を生成することが、品質情報データを、更新された製造設定を生成するための予め定義されたルールセットと比較することを含むことを特徴とする。したがって、検出された欠陥に基づいて製造設定を調整することに関して、所定の反応を提供する固定ルールセットが存在する。このルールセットは、欠陥の品質、ならびに任意に欠陥の量も考慮することができる。
【0023】
原則として、製造設定は、発泡製品の製造プロセスに影響を及ぼすか又はそれを決定するための任意の数及び任意の種類の設定を含むことができる。本発明による方法の好ましい実施形態では、製造設定が製造ラインの予熱温度、固化した発泡体を形成する間の圧力、および/または製造ラインの移動速度を含む。製造ラインは、実質的に連続的な供給でシートを供給するように構成されてもよい。製造設定は、混合材料のレシピを含むことがさらに好ましい。代替的に又は追加的に、製造設定は、混合材料の材料量及び/又は混合材料の混合比を含むことができる。
【0024】
本発明による方法のさらなる好ましい実施形態では、製造変数が、固化発泡体を形成する際の固化発泡体の温度および/または周囲湿度を含む。これらのパラメーターは、発泡体形成の特性を決定する際に重要な役割を果たし得る。
【0025】
本発明によれば、更新されたパネル製造設定は、品質情報データおよび製造パラメータを計算モデルに適用することによって生成される。
【0026】
原則として、計算モデルは、全てのカテゴリの欠陥に関する包括的な計算モデルであってもよい。本発明による方法の好ましい実施形態によれば、計算モデルは複数の計算サブモデルを含み、各計算サブモデルは、検出された欠陥の少なくとも幾つかが分類されたそれぞれの欠陥カテゴリについての製造パラメータと品質情報データとの間の計算関係を提供するように構成される。
【0027】
原則として、上記のアプリケーションは、任意のコンピューティングエンティティによって実行することができる。コンピュータシステムは、品質情報および製造パラメータを計算モデルに適用することによって、更新された製造設定を生成することがさらに好ましい。ここで、計算モデルがコンピュータシステム上に保存されてもよい。
【0028】
更新された製造設定は、次いで、検出された欠陥を低減する目的で発泡ユニットを製造するために使用されてもよい。発泡ユニットを分析することによって、このようにして続いて、そして更新された製造設定で作り出された次のステップにおいて、計算モデルに基づく予測の正確さを比較し、検証することができる。この比較検証の結果をフィードバックし、将来の更新された製造設定の生成におけるより良い精度のために、計算モデル自体をさらに改善するために使用することができる。このようにして、計算モデルは、学習モデルであると理解され得る。
【0029】
したがって、本発明のさらなる好ましい実施形態は、さらなる発泡ユニットが更新された製造設定に基づいて製造され、カメラがさらなる発泡ユニットの発泡ユニットエッジのさらなる画像を取込み、さらなる画像がさらなる発泡ユニットの発泡ユニットエッジにおける欠陥を検出するために分析され、さらなる発泡ユニットの発泡ユニットエッジの欠陥を記述するさらなる品質情報データが生成され、さらなる品質情報データと、更新された製造設定を計算モデルに適用することによって生成された予測品質情報との比較に基づいて計算モデルが更新されることを特徴とする。
【0030】
欠陥に関する別の関連する問題は、欠陥の存在が断熱の観点から、または層間剥離の問題に関して、発泡ユニットの有効性にどの程度有害であるかである。特に、品質情報データの生成は、検出された欠陥が断熱材に関係していることの有意性の理解に基づくことができる。断熱材に対する欠陥のこのような効果は、製造された発泡ユニット上で測定することができる。従って、本発明に係る方法の更なる好適な実施形態は、分析アルゴリズムに従って品質情報データが生成されること、発泡ユニットの断熱が測定されて断熱測定結果が得られること、及び断熱測定と品質情報データとの比較に基づいて分析アルゴリズムが更新されることを特徴とする。
【0031】
このアプローチはまた、発泡ユニットの異なる物理的または化学的特性に適用され得る。したがって、品質情報データは、分析アルゴリズムに従って生成され、物理的性質および/または化学的性質が測定されて物理的性質測定結果および/または化学的性質測定結果が得られ、物理的性質測定結果および/または化学的性質測定結果と品質情報データとの比較に基づいて分析アルゴリズムが更新されることが好ましい。
【0032】
特に、発泡ユニットが、複数の発泡ユニットを含む、より大きな装置の一部、建物、または建物の一部である場合には、そのような測定がそのような完成したより大きな装置、建物、または建物の一部で行うことができる。したがって、発泡ユニットの断熱を測定する前に、発泡ユニットをさらなる発泡ユニットと共に発泡ユニット製品に組み立てることができる。そのような測定からの情報は、計算モデルを改善するためにも有用であり得る。したがって、断熱測定に基づいて計算モデルを更新することが好ましい。
【0033】
本発明によるシステムは、発泡ユニットの品質を決定するためのものである。本発明によるシステムは、固化した発泡体を形成することによって発泡ユニットを製造し、発泡ユニットを切断することによって発泡ユニットエッジを形成するための製造装置を含む。本発明によるシステムはさらに、発泡ユニットエッジの画像を取込むためのカメラを備え、発泡ユニットエッジの欠陥を検出するために画像を分析し、画像の分析に基づいて検出された欠陥を記述する品質情報データを生成するためのコンピュータシステムを備える。システムは発泡ユニットが製造パラメータに基づいて製造装置によって製造され、製造パラメータは発泡ユニットの製造中に製造機器によって測定される製造変数および/または製造装置に入力される製造設定を含み、品質情報データに基づいて、更新された製造設定が生成され、好ましくは更新された製造設定が製造装置に入力され、更新された製造設定は品質情報データおよび製造パラメータを計算モデルに適用することによって生成され、計算モデルは製造パラメータと品質情報データとの間の計算関係を提供し、好ましくはコンピュータシステムが品質情報データおよび製造パラメータを計算モデルに適用することによって更新された製造設定を生成し、特に、計算モデルはコンピュータシステム上に保存される。
【0034】
本発明によるシステムの好ましい実施形態、特徴、および利点は本発明による方法の好ましい実施形態、特徴、および利点に対応し、逆もまた同様である。
【0035】
さらなる利点および好ましい特徴は、図面に関する以下の説明において議論される。以下にそれを示す。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【
図1】本発明による方法を実施するための本発明によるシステムの第1の実施形態の概略図。
【
図2】本発明による方法を実施するための本発明によるシステムの第2の実施形態の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
図1に示す発泡体1は、金属パネルである。この金属パネルは、固体シート3a、bの間に固化した発泡体2を形成することによって製造され、これらのシートはここでは両方とも金属製であり、互いに対向して配置されている。固化した発泡体2は、イソシアネート、ポリオール、発泡剤、活性剤および触媒を混合することによって形成されたポリウレタンから実質的になる。この混合は、本発明によるシステムの製造装置によって行われた。そのシステムの製造ライン4を
図1に示す。製造ライン1は、シート3a、bを実質的に供給部6に供給する。図示された発泡ユニット1は、供給部6を切断することによって供給部6から分離され、この切断によって発泡ユニットエッジ5が得られる。
【0038】
本発明によるシステムのカメラ7は、発泡ユニットエッジ5の画像8を取込むように配置される。この画像8は
図1に画像ファイルとして示されており、本発明によるシステムのコンピュータシステム10によって分析され、発泡ユニットエッジ5の欠陥9を検出する。この分析の結果、コンピュータシステム10は、検出された欠陥9が記述された品質情報データ11を生成する。特に、品質情報データ11は、発泡体2内の気泡12、発泡体2内の亀裂13、発泡体内の空隙14、及び発泡体2内のオーバーローリングマーク15への検出された欠陥の分類を含む。品質情報データ11はさらに、検出された欠陥9の各クラスのカウント、ならびに各検出された欠陥9のそれぞれのサイズおよび位置、すなわち、シート3a、3bならびに発泡ユニット1の横方向エッジ16へのそれらの距離、ならびに重大度分類を含む。したがって、検出された各欠陥9は、低重大度、中重大度、または高重大度として分類される。
【0039】
発泡ユニット1の製造プロセスは、製造装置の製造機器20によって測定された製造変数18と、製造装置、特に製造ライン4、に入力された製造設定19とを含む製造パラメータ17によって記述することができる。
【0040】
製造パラメータ17はコンピュータシステム10にも提供され、次に品質情報データ11及び製造パラメータ17を計算モデル22に適用することにより更新された製造設定21を生成し、計算モデル22はコンピュータシステム10に保存される。この計算モデル22は、製造プロセスをシミュレートするためのソフトウェアである。特に、計算モデル22は、ここでパネルである発泡ユニット1の製造に使用される製造パラメータ17に基づいて欠陥9の発生を予測することを可能にする。同じデータセットに基づいて、計算モデル22はさらに、発泡ユニットの検出された欠陥9を記述する品質情報データ11と、その発泡ユニット1の製造に使用される製造パラメータ17とに基づいて、改善された製造設定19に到達することを可能にする。換言すれば、計算モデル22は、欠陥9を有する発泡ユニット1から得られた品質情報データ11に従って検出された欠陥9を回避するために、製造設定18のどれを調整する必要があるかを決定することができる。
【0041】
次いで、これらの更新された製造設定21はさらなる発泡ユニットの製造のための製造システムに適用され、このさらなる発泡ユニットはここでは示されていない。次いで、このさらなる発泡ユニットを、発泡ユニット1と同じ分析に供する。この分析およびさらなる発泡ユニットからのさらなる品質情報データの生成に基づいて、さらなる品質情報データに記載されるように、さらなる発泡ユニットから実際に検出された欠陥を、更新された製造設定21に基づく計算モデル22に従って予想された欠陥とより密接に連携させるために、計算モデル22がコンピュータシステム10によって更新される。このようにして、計算モデル22を逐次的により正確にすることができる。
【0042】
具体的には、コンピュータシステム10上で実行される分析アルゴリズム23が、画像8から品質情報データ11を生成した。この分析アルゴリズム23はまた、発泡ユニット1の断熱に対するその関連性のある欠陥9の各クラスについても考慮に入れている。分析アルゴリズム23が欠陥9の各クラスに関連するものと見なす精度を評価するために、発泡ユニット1を更に発泡ユニットと共に組み立てて建物構成要素を形成し、この建物構成要素を断熱試験に供し、その結果、断熱測定を行う。次いで、断熱測定を使用して、分析アルゴリズム23と計算モデル22の両方を更新することができる。
【0043】
図2の本発明によるシステムの実施形態は単純化された変形例であり、
図1の実施形態との相違点のみを以下に説明する。この実施形態では、品質情報データ11が予め規定された警報基準24と比較される。予め定義された警報基準24の指定された状態が満たされ、この手段、パネル1が質の要求に適合しないような欠陥9を有する場合、警報信号25、これはここでは視覚的なアウトプットである、が生成される。さらに、更新されたパネル製造設定21は、ここでは品質情報データ11を予め定義されたルールセット26と比較することによって生成される。
【国際調査報告】