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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-08
(54)【発明の名称】医療機器用グリップ
(51)【国際特許分類】
   A61B 1/00 20060101AFI20220601BHJP
【FI】
A61B1/00 650
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021559654
(86)(22)【出願日】2020-04-09
(85)【翻訳文提出日】2021-11-22
(86)【国際出願番号】 IB2020000391
(87)【国際公開番号】W WO2020208428
(87)【国際公開日】2020-10-15
(31)【優先権主張番号】62/832,595
(32)【優先日】2019-04-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520283299
【氏名又は名称】ボストン サイエンティフィック リミテッド
【氏名又は名称原語表記】BOSTON SCIENTIFIC LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】ナーラーヤナ、バラージ アスワサ
(72)【発明者】
【氏名】インサル、ジェフ
(72)【発明者】
【氏名】クシャトリヤ、ビジェイ アムルトラオ
【テーマコード(参考)】
4C161
【Fターム(参考)】
4C161FF11
4C161GG11
4C161HH01
4C161HH31
4C161JJ11
(57)【要約】
一態様によれば、手技補助装置は、内視鏡で使用するように構成することができる。手技補助装置は、内視鏡のハンドルに着脱自在に結合するように形成された本体を備え得る。本体は、内視鏡のハンドルを受け入れるように形成された凹部を有し得る。凹部は、本体の近位端から本体の遠位端まで延びることができる。本体はまた、手掌担持部と、手掌担持部の近位にある指担持部とを有し得る。本体は、手掌担持部の遠位にある基部担持部をさらに有し得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内視鏡とともに使用する手技補助装置において、
前記内視鏡のハンドルに着脱自在に結合するように形成された本体であって、
前記内視鏡のハンドルを受け入れるように形成された凹部であって、前記本体の近位端から遠位端まで延びる凹部と、
手掌担持部と、
前記手掌担持部の近位にある指担持部と、
前記手掌担持部の遠位にある基部担持部とを備える前記本体を備える、手技補助装置。
【請求項2】
前記本体は、前記本体の2つの長手方向端部間に長手方向開口を画定し、前記長手方向開口は、前記凹部につながる、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記手掌担持部が、手掌と内視鏡ハンドルのハンドル本体との間の間隙を埋めるように構成され、前記本体の中心長手方向軸から径方向外側に突出する湾曲部分を有する、請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
前記湾曲部分が、前記本体の径方向の最も外側の部分に頂点を有する、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記装置が前記内視鏡に結合された時に、前記指担持部が前記ハンドルの少なくとも1つのボタンに隣接して配置され、及び、前記人差し指と前記内視鏡のハンドルとの間の間隙を埋めるように形成される、請求項1~4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記装置が前記内視鏡のハンドルに結合された時に、前記指担持部は内視鏡の臍部の端部に近接し、かつ前記臍部の端部よりも遠位にある、請求項1~5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記基部担持部は、前記本体の中央長手方向軸から径方向外向きに突出する、請求項1~6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記基部担持部は、前記中心長手方向軸から径方向に離れるように面する凹状の外面を有する、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記本体が、中指と薬指との間に配置されるように構成された表面突起をさらに備え、前記表面突起は、前記手掌担持部と前記指担持部との間に配置される、請求項1~8いずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
前記本体は、医療機器を受け入れるように構成されたロック部分をさらに備える、請求項1~9のいずれか一項に記載の装置。
【請求項11】
前記ロック部分がC字形をなし、前記医療機器を受け入れるための内部を画定し、前記ロック部分は、前記手掌担持部または前記基部担持部のうちの一方の表面から分離された自由端を有する、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記本体は、前記内視鏡を受け入れるための静止構成と拡大構成との間を切り替えて付勢できる可撓性材料を含んでなる、請求項1~11のいずれか一項に記載の装置。
【請求項13】
前記本体は単一の構成部品からなる本体である、請求項1~12のいずれか一項に記載の装置。
【請求項14】
前記凹部が前記近位方向から前記遠位方向に向かって先細になっている、請求項1~13のいずれか一項に記載の装置。
【請求項15】
前記基部担持部は手掌の尺骨側に位置合わせすべく形成されている、請求項1~14のいずれか一項に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の様々な態様は、医療機器のハンドル用のグリップ一般に関する。より詳細には、本発明の実施形態は、他の態様の中でもとりわけ、内視鏡または他の医療機器のハンドルとともに使用するためのアドオングリップに関する。
【背景技術】
【0002】
内視鏡手術中、内視鏡を操作する医療専門家は、医療機器のグリップまたはハンドル部分を手掌全体で包み込むことがよくある。内視鏡のハンドルに設けられた様々なアクチュエータのために、医療専門家は手技中に頻繁に、そして長時間にわたって手をゆがめる必要があり、緊張または怪我さえ引き起こす可能性がある。場合によっては、ノブやエレベータなどの様々な内視鏡制御装置を操作すると、医療専門家の親指や他の指が動き、把持力が失われる可能性がある。内視鏡の操作者は、内視鏡のハンドルを持って操作することにより、手首や手の不快感を覚えることがある。場合によっては、医療専門家は手根管症候群や腱炎と同様の症状を経験することがある。医療専門家が手や手首に疲労感やその他の痛みを感じると、医療専門家は第1のグリップ位置から、第1のグリップ位置よりも弱い把持力となる第2のグリップ位置へ、例えば、4本の指での把持から3本の指での把持へとシフトすることがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
医療専門家が手技の合間にハンドグリップを繰り返し再調整すると、手技がより長時間となり、手技がより困難になる場合がある。医療専門家の手の支持が改善されたハンドル付きの内視鏡やその他の医療機器は、これらまたはその他の問題の1つ以上に対処するために役立ち得る。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の態様は、とりわけ、内視鏡または他の医療装置に対する使用者のハンドグリップを支援するためのシステム、装置、および方法に関する。本明細書に開示される各態様は、他の開示される態様のいずれかに関連して記載される1つ以上の特徴を含み得る。
【0005】
一態様によれば、手技補助装置は、内視鏡で使用するように構成することができる。手技補助装置は、内視鏡のハンドルに着脱自在に結合するように形成された本体を備え得る。本体は、内視鏡のハンドルを受け入れるように形成された凹部を有し得る。凹部は、本体の近位端から本体の遠位端まで延びることができる。本体はまた、手掌担持部と、手掌担持部の近位にある指担持部とを有し得る。本体は、手掌担持部の遠位にある基部担持部をさらに有し得る。
【0006】
本発明の他の態様では、手技補助装置は、以下の特徴のうちの1つ以上を有し得る。手技補助装置の本体は、本体の2つの長手方向の縁の間に長手方向の開口部を画定することができ、長手方向の開口部は、凹部に到達することができる。手掌担持部は、手掌と内視鏡ハンドルのハンドル本体との間の間隙を埋めるように構成することができ、本体の中心縦軸から径方向外側に突出する湾曲部分を有することができる。湾曲した部分は、本体の放射状に最も外側の部分に頂点を有し得る。指担持部は、装置が内視鏡に結合されたときに、ハンドルの少なくとも1つのボタンに隣接して配置されるように構成され得る。指支持部は、人差し指と内視鏡のハンドルとの間の間隙を埋めるように構成することができる。指支持部は、装置が内視鏡のハンドルに結合されている場合、内視鏡の臍部の端部に近接して、かつこれより遠位にあるように構成することができる。基部担持部は、本体の中心長手方向軸から径方向外向きに突出することができ、手掌の尺骨側と位置合わせするように構成することができる。基部担持部は、中心長手方向軸から径方向に離れて面する凹状の外面を有し得る。本体は、中指と薬指の間に配置されるように構成された表面突起を備えてもよく、表面突起は、手掌担持部と指担持部との間に配置されてもよい。本体は、医療機器を受け入れるように構成されたロック部分を含み得る。ロック部分は、C字形であり得、医療機器を受け入れるための内部を画定し得る。ロック部分は、手掌担持部または基部担持部のうちの一方の表面から分離された自由端を有し得る。本体は、内視鏡を受け入れるための静止構成と拡大構成との間に窪みを強制することができるように、可撓性材料を含み得る。
【0007】
他の態様では、内視鏡システムは、ハンドルを備えた内視鏡を含み得る。内視鏡システムはまた、内視鏡のハンドルに結合された手技補助装置を含み得る。手技補助装置は、本体を含んでなる。本体は、内視鏡のハンドルを受け入れるように構成されたチャネルを備え得る。チャネルは、本体の近位端から体の遠位端まで延びることができる。本体はまた、手掌担持部と、手掌担持部の近位の指担持部と、手掌担持部から遠位の基部担持部とを有し得る。
【0008】
本発明の他の態様では、内視鏡システムは、以下の特徴のうちの1つ以上を有し得る。本体は単一の構造物であってもよい。本体は、付属装置を受け入れるように構成されたロック部分をさらに備えてもよい。チャネルは、近位方向から遠位方向に向かって先細になる場合がある。
【0009】
他の態様では、ハンドルを備えた内視鏡を操作する方法が開示されている。この方法は、ハンドルを手技補助装置の本体の凹部に挿入して、内視鏡を手技補助装置に着脱自在に取り付ける工程を備え得る。凹部は、本体の近位端から本体の遠位端まで長手方向軸に沿って延びることができる。手技補助装置は、手掌担持部と、手掌担持部の近位にある指担持部と、手掌担持部の遠位にある基部担持部とをさらに備え得る。この方法は、内視鏡を保持するために手技補助装置の手掌担持部を把持する工程をさらに備え得る。さらに、この方法は、患者に対して手術を行う工程を備え得る。
【0010】
本発明の他の態様では、内視鏡システムを操作する方法は、以下の工程および/または特徴のうちの1つ以上を有し得る。この方法はさらに、(a)基部担持部を手掌の尺骨側と接触させて、基部担持部が手掌の尺骨側を支持する工程と、(b)内視鏡のアクチュエータの作動中に指担持部を人差し指と接触させる工程とのうちの少なくとも1つを有し得る。ハンドルを凹部に挿入することは、凹部の開口部を拡張することを含み得る。この方法は、手術を行った後、凹みからハンドルを取り外す工程をさらに備え得る。
【0011】
上記の一般的な説明及び以下の詳細な説明は、例示的かつ説明的なものであり、特許請求の範囲に記載される発明を限定するものではないことが理解されよう。
本明細書に組み込まれ、その一部を構成する添付の図面は、本発明の例示的な実施形態を示し、詳細な説明とともに、本発明の原理を説明する役割を果たす。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1A】本発明の態様による、例示的な内視鏡を示す斜視図。
図1B】本発明の態様による、例示的な内視鏡を示す斜視図。
図2A】本発明の態様による内視鏡ハンドルを保持する使用者の手を示す斜視図。
図2B】本発明の態様による内視鏡ハンドルを保持する使用者の手を示す斜視図。
図3A】本発明の態様による内視鏡ハンドルと手技補助装置を示す斜視図。
図3B】本発明の態様による内視鏡ハンドルと手技補助装置を示す斜視図。
図4A】本発明の態様による手技補助装置の上面図。
図4B】本発明の態様による手技補助装置の正面図。
図4C】本発明の態様による手技補助装置の側面図。
図4D】本発明の態様による手技補助装置の背面図。
図5】本発明の態様による内視鏡ハンドルを保持している使用者の手の側面図。
図6A】本発明の態様による内視鏡ハンドルおよび手技補助装置を保持している使用者の手を示す側面図。
図6B】本発明の態様による内視鏡ハンドルおよび手技補助装置を保持している使用者の手を示す側面図。
図7】本発明の態様による内視鏡ハンドルを保持している使用者の手を示す上面図。
図8】本発明の態様による内視鏡ハンドルおよび手技補助装置を示す斜視図。
図9A】本発明の態様による内視鏡ハンドルおよび手技補助装置を示す背面図。
図9B】本発明の態様による内視鏡ハンドルおよび手技補助装置を保持している使用者の左手と、ツールを保持している使用者の右手とを示す斜視図。
図10】本発明の態様による内視鏡ハンドルおよびツールを保持している使用者の手を示す側面図。
図11A】本発明の態様による手技補助装置を示す斜視図。
図11B】本発明の態様による内視鏡ハンドルおよび手技補助装置を保持している使用者の手を示す側面図。
図12A】本発明の態様による手技補助装置を示す上面図。
図12B】本発明の態様による手技補助装置を示す背面図。
図12C】本発明の態様による手技補助装置を示す側面図。
図12D】本発明の態様による手技補助装置を示す正面図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
次に、本発明の態様を詳細に参照し、その例を添付の図面に示す。可能な限り、同一又は類似の部品を参照するために、図面全体で同一の参照番号を使用する。「遠位」という用語は、装置を患者に導入するときに使用者から最も遠い部分を指す。対照的に、「近位」という用語は、装置を患者に配置するときに使用者に最も近い部分を指す。このアプリケーションに含まれる図全体を通して、「P」および「D」とラベル付けされた矢印は、図の近位および遠位方向を示すために使用される。本明細書で使用される場合、「含む(comprises)」、「含む(comprising)」、又はそれらの他の変形という用語は、プロセス、方法、物品、又は装置などの非排他的な含有物を包含することを意図するが、要素のリストは、それらの要素だけを含むことに限らず、明示的にリストされていないか、又はそのようなプロセス、方法、物品、又は装置に固有の他の要素を含み得る。「例示的」という用語は、「理想的」ではなく「例示」の意味で使用される。さらに、例えば、「約」、「実質的に」、「およそ」などの相対的な用語は、記載された数値または範囲において±10%の可能な変動を示すために使用される。
【0014】
本発明の実施形態は、医療処置中に、内視鏡などの医療機器のハンドルを把持し、操作し、さもなければ力を加える医師の能力を改善しようとし、非限定的な例示的利益として、とりわけ、処置中に使用者の手の位置を変える必要性を低減することを促進する。
【0015】
図1Aおよび1Bは、例示的な内視鏡システム100の斜視図を示す。内視鏡システム100は、内視鏡101を含み得る。内視鏡101は、ハンドルアセンブリ106および可撓性管状シャフト108を含み得る。ハンドルアセンブリ106は、生検ポート102、生検キャップ103、画像キャプチャボタン104、エレベータアクチュエータ107、第1のロックレバー109、第2のロックレバー110、第1の制御ノブ112、第2の制御ノブ114、吸引ボタン116、空気/水ボタン118、ハンドル本体120、および臍部105を有し得る。内視鏡システム100のアクチュエータ、エレベータ、ノブ、レバー、ポート、またはキャップのいずれも、任意の目的を果たすことができ、本明細書で使用される各構成要素のそれぞれの命名によって暗示される特定の用途によって制限されない。臍部105は、ハンドル本体120から、制御ユニット、給水、または真空源などの補助装置まで延びることができる。シャフト108は、遠位先端119で終端することができる。シャフト108は、遠位先端119を上、下、左、および/または右方向に偏向させるための関節セクション122を含み得る。ハンドル本体120は、ハンドル本体120の外形がその近位端よりも遠位端で小さくなるように、ハンドルが遠位方向に延びるにつれて先細になり、狭くなり得る。
【0016】
内視鏡システム100を操作する際、使用者は、左手を使用してハンドルアセンブリ106(図2Aに示される)を保持し、右手を使用して付属装置を保持し、および/または、例えば、第1および第2の制御ノブ112、114、ならびに第1および第2のロックレバー109、110など、ハンドルアセンブリ106の1つ以上のアクチュエータを操作することができる。使用者は、使用者の手をハンドル本体120に巻き付けることによって、ハンドルアセンブリ106をつかむことができる。ハンドル本体120を掴む時、使用者は、左手の親指を使用して、第1および第2の制御ノブ112、114およびエレベータアクチュエータ107を(それらの軸の周りの回転を通じて)操作することができ、左手の指を使用して、画像撮影ボタン104、吸引ボタン116、および空気/水ボタン118を(それぞれを押すことによって)操作することができる。
【0017】
図2Aおよび2Bは、手技補助装置を使用することなく、例示的な使用者の左手201がハンドルアセンブリ106を把持する様子を示している。使用者の左人差し指230および中指231を使用して、吸引ボタン116および空気/水ボタン118を操作することができる。使用者は、把持する手201の親指202をエレベータ107上に配置し、親指202を動かすことによって、エレベータ107を第1の位置(図2Aに示される)から第2の位置(図2Bに示される)まで円形経路に沿って動かすことができる。図2Bに示されるように、親指202が第1の位置から第2の位置に移動する時、手掌240はハンドル本体120から離れて移動することができる。使用者の手掌240とハンドル本体120との間に間隙を作り出すことができる。使用者の手掌240がハンドル本体120から離れるとき、使用者は把持力を失う可能性があり、これは、ハンドルアセンブリ106を制御および移動する使用者の能力を妨げる可能性がある。
【0018】
図3Aは、ハンドルアセンブリ106および例示的な手技補助装置350の斜視図を示し、図3Bは、ハンドルアセンブリ106に結合された手技補助装置350の斜視図を示す。手技補助装置350は、手技補助装置350の近位端355から遠位端356まで延びるチャネル353を含み得る。いくつかの例では、手技補助装置350は、図3Bに示されるように、チャネル353内にハンドル本体120を配置することによって、ハンドル本体120に着脱自在に結合され得る。手技補助装置350は、エラストマーなどの柔らかくおよび/または可撓性の材料で作製され得、ハンドル本体120に「クリップオン」または「スナップオン」され得るか、あるいは摩擦嵌合を介してハンドル本体120に結合され得る。例えば、使用者は、手技補助装置350を曲げてチャネル353を広げ、ハンドル本体120をチャネル353内に配置できるようにすることができる。ハンドル本体120がチャネル353内に配置されると、使用者は、手技補助装置350を曲げ力から解放することができ、チャネル353の内面357は、手技補助装置の長手方向軸に向かって径方向内側に移動し、ハンドル本体120の外面と同一平面上になる(または概ね同一平面になる)。チャネル353の内面357を形成するために使用される型は、ハンドル本体120の対応する部分を形成するために使用される型の逆であり得、その結果、内面357は、ハンドル本体120の外面と同一平面になる。他の例では、手技補助装置350は、異なるスタイルの内視鏡ハンドルまたは任意の他の医療機器ハンドルに結合するように構成され得る。いくつかの例では、チャネル353の内面357は、ハンドル本体120の外面と位置合わせするように構成され得る。内面357は、内面357とハンドル本体120との間に摩擦を生じさせるように設計された材料であり得、これは、ハンドル本体120に結合されたときに手技補助装置350の移動を防止するために役立ち得る。いくつかの例では、手技補助装置は、一体形成であり得、および/または射出成形され得る。手技補助装置は、シリコーンなどの単一の材料でできていてもよい。いくつかの例では、手技補助装置は、天然ゴム、合成ゴム材料、熱可塑性材料、および/または発泡体ベースの材料でできていてもよい。図4A~4Dは、手技補助装置350のより詳細な概略図を提供する。
【0019】
図4A~4Dは、手技補助装置350の上面図、正面図、側面図、および背面図を示している。いくつかの例では、手技補助装置350は、手掌担持部359、指担持部361、および基部担持部363を含み得る。チャネル353の内面357は、手技補助装置350がハンドル本体120に結合された時に、ハンドル本体120の周囲の半分を超えて延びるように湾曲していてもよい。例えば、図4Aは、手技補助装置350の中心長手方向軸Lの周りに約270度延びる内面357を示している。手技補助装置350は、様々な使用者の手のサイズに合うように任意のサイズで作製することができる。いくつかの例では、手技補助装置350は、対向するエッジ390、391の間に長手方向の開口部392を含み得る。縦方向の開口部392は、チャネル353に到達し得る。
【0020】
手技補助装置350の手掌担持部359は、内視鏡101の使用中に、使用者の手掌240とハンドル本体120との間の間隙501(図5に示される)を埋めるように構成され得る。いくつかの例では、手掌担持部359は、遠位端および近位端355、356に相対して、手技補助装置350の長手方向軸Lから径方向外向きに延びる。手掌担持部359は、例えば、指担持部361を含む、装置150の他の部分よりも大きな断面厚さを有し得る。手掌担持部359は、使用者の手掌240を支持するように構成された湾曲した突出部分365を含み得る。湾曲した突出部分365は、手技補助装置350の最も広い点に頂点を含み得る。いくつかの例では、湾曲した突出部分365は、手技補助装置350の径方向最も外側の部分に頂点を有し得る。図6Aおよび6Bに示されるように、手掌担持部359は、使用者がエレベータ107を第1の位置(図6Aに示される)から第2の位置(図6Bに示される)に移動するときに使用者の手掌240に接触することができ、これはエレベータ107を動かすとき、ハンドル本体120上で使用者の手の把持を維持することにおいて、使用者を補助することができる。使用者の手掌240とハンドル本体120との間の間隙501を埋めることにより、手掌担持部359は、処置中に使用者が強力なグリップを維持するのを助けることができる。
【0021】
図7は、手技補助装置350なしでハンドルアセンブリ106を保持している使用者の手201の上面図を示している。使用者がハンドルアセンブリ106の吸引ボタン116および/または空気/水ボタン118を作動させるときに、使用者の人差し指と中指230、231とハンドル本体120との間に間隙701が形成され得る。指担持部361は、間隙701の少なくとも一部を埋めるように構成され得る。いくつかの例では、指担持部361は、手技補助装置350の近位部分にあり得、長手方向軸Lから径方向外向きに突出し得るか、あるいは、長手方向軸Lに対して角度を付けられ得る。手技補助装置350がハンドルアセンブリ106に結合される場合、指担持部361は、吸引ボタン116、空気/水ボタン118、および臍部105(図8に示されている)に近接していてもよい。いくつかの例では、指担持部361は、ハンドル本体120の第1の制御ノブ112および第2の制御ノブ114とは反対側にあるハンドル本体120の表面と同一平面になり得る。指支持部361は、手技補助装置350の最近位端にあってもよい。間隙701の少なくとも一部を埋めることにより、指担持部361は、使用者が人差し指230または中指231の末節骨部分703を吸引ボタン116および/または空気/水ボタン118に近接して配置するのを助けることができる。また、指担持部361は、使用者の人差し指および薬指の内面と手技補助装置350との間の接触を容易にし、これは、ハンドルアセンブリ106の適切な把持を維持しながらボタンの作動を容易にし得る。さらに、指担持部361は、使用者が吸引ボタン116および/または空気/水ボタン118を作動させるときに、使用者の指輪および小指へのストレス軽減を促進することができる。
【0022】
いくつかの例では、手技補助装置350は、使用者が手技補助装置350を握っているときに、使用者の中指と薬指との間に配置されるように構成された表面突起368を含み得る。表面突起は、手技補助装置350の長手方向軸Lを横切って延びることができ、湾曲した突起部分365の実質的に反対側に配置することができる。
【0023】
基部363は、手技補助装置350の遠位部分356にあり得る。いくつかの例では、基部363は、使用者の手の下部、すなわち、小指から手首まで延びる手の部分を支持するように構成され得る。例えば、基部363は、使用者の手掌240の尺骨側を支持するように構成され得る。基部363は、凹状であり、手技補助装置350の近位部分から径方向外向きに湾曲し得、使用者の手201の下端910と位置合わせするように構成され得る。図9Aは、ハンドル本体120に結合された手技補助装置350を備えたハンドルアセンブリ106の背面図を示す。ハンドル補助装置350がハンドル本体120に結合されている場合、基部363は、ハンドル本体120の、生検ポート102の反対側で生検ポート102に近接している。いくつかの例では、基部363は、長手方向軸Lから径方向外向きに突出する曲面を含む。図9Bは、使用者の左手201がハンドルアセンブリ106および手技補助装置350を保持し、使用者の右手901が生検ポート102内にツール903を配置する様子を示す。使用者が生検ポート102から付属部品903を引き抜くとき、基部363は、使用者が左手201で遠位方向に押す時、および/または右手901で近位方向に引く時に、使用者の左手201を支持し得る。したがって、基部363は、生検ポート102から付属部品903を取り外す時にハンドルアセンブリ106を握るのに必要な労力を軽減するのに役立ち、使用者が手201を再配置すべき回数を低減することができる。
【0024】
図10は、手技補助装置350なしでハンドルアセンブリ106を保持している使用者の手の斜視図を示している。図10では、使用者の手201は、小指で付属部品1003を保持している。使用者は、例えば、別の医療専門家がガイドワイヤ上の1つ以上の装置を交換している間、付属部品1003が内視鏡内部で移動することを防止するなど、付属部品1003を保持して付属部品1003が生検ポート102内で移動するのを防ぐべき場合がある。使用者がハンドル本体120を握りながら付属部品1003を保持しているとき、使用者は、小指の不自然な位置決めのために、左手201にひずみを経験する可能性がある。
【0025】
図11Aは、ロック部分1151を備えた手技補助装置1150の別の実施形態を示している。手技補助装置350と同様に、手技補助装置1150は、指担持部1161、手掌担持部1159、基部担持部1163、および手技補助装置350に関連して前述した構造物のいずれかを有し得る。ロック部分1151はC字形であってもよく、基部1163に近接するか、またはその内部にある手技補助装置1150の部分から径方向外向きに突出し得る。ロック部分1151は、遠位端1152および近位端1153を含み得る。遠位端1152は自由であり得、手技補助装置1150の外面から離間されて、付属部品1003がロック部分1151の開口1154に通過することを可能にする。C字形のロック部分1151は、近位端および遠位端1153、1152が、手技補助装置1150の中心長手方向軸に最も近いロック機構の部分であるように配置することができる。図12A~12Dは、ロック部分1151、手掌担持部1159、指担持部1161、および基部担持部1163を備えた手技補助装置1150の上面図、正面図、側面図、および背面図をそれぞれ示す。他の例では、ロック部分はフックであり得るか、近位端および遠位端の両方で手技補助装置1150に固定され得るか、または手技補助装置1150の近位部分に配置され得る。
【0026】
図11Bは、ハンドルアセンブリ106および手技補助装置1150を保持している使用者の手201を示している。使用者は、付属部品1003の動きを一時的に抑制するために、ロック部分1151の開口部1154内に付属部品1003を配置することができる。
【0027】
本発明の手技補助装置350、1150は、使用者が内視鏡101または他の医療機器を操作するときに使用者の手掌および指を支持するのを支援し得、使用者が把持しそこなう可能性を低減し得る。また、手技補助装置350、1150は、倦怠感、緊張、または他の困難のために、医療機器のハンドル上で使用者の手を繰り返し再配置することを防止するために役立ち得る。前述の手技補助装置のそれぞれは、内視鏡システムまたは他の医療機器と組み合わせて使用されるか否かにかかわらず、使用者のハンドルの把持を強化および/または容易にするために使用され得る。本明細書に記載した手技補助装置のいずれも、ハンドルのグリップが、上記に記載したのと同様に、指担持部、手掌担持部、および/または基部担持部を備えた外面を含むように、内視鏡または他の医療装置のハンドルに組み込まれ得る。例えば、内視鏡または他の医療機器のハンドルは、本明細書に開示されるハンドアシスト機器の外面の輪郭および形状を有するように成形または他の方法で製造することができる。
【0028】
当業者には、本発明の範囲から逸脱することなく、開示された装置および方法において様々な修正および変形を行うことができることが明らかであろう。本発明の他の態様は、本明細書に開示される特徴の仕様および実施を考慮できることが当業者には明らかである。仕様および実施形態は、例示としてのみ考慮されることが意図されている。
図1A
図1B
図2A
図2B
図3A
図3B
図4A
図4B
図4C
図4D
図5
図6A
図6B
図7
図8
図9A
図9B
図10
図11A
図11B
図12A
図12B
図12C
図12D
【国際調査報告】