(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-08
(54)【発明の名称】薬剤調剤システムにおける薬剤コンテナ
(51)【国際特許分類】
A61J 3/00 20060101AFI20220601BHJP
G07F 17/00 20060101ALI20220601BHJP
【FI】
A61J3/00 310K
G07F17/00 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021560607
(86)(22)【出願日】2020-04-01
(85)【翻訳文提出日】2021-12-07
(86)【国際出願番号】 IB2020053080
(87)【国際公開番号】W WO2020208477
(87)【国際公開日】2020-10-15
(32)【優先日】2019-04-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-04-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-06-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-09-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】521444114
【氏名又は名称】テク ファーマシー サービシズ,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100147762
【氏名又は名称】藤 拓也
(72)【発明者】
【氏名】エイナヴ,オメル
(72)【発明者】
【氏名】シャバノフ,ドロン
(72)【発明者】
【氏名】ベン デイビッド,タミール
(72)【発明者】
【氏名】リシッツ,エーヤル
(72)【発明者】
【氏名】マッキニー,トーマス エー.
(72)【発明者】
【氏名】リベルマン,モシェ
(72)【発明者】
【氏名】スペロ,アンソニー ジョセフ
【テーマコード(参考)】
3E048
4C047
【Fターム(参考)】
3E048AA10
4C047JJ06
4C047JJ15
4C047JJ24
(57)【要約】
互いに垂直に変位して配置された複数のドッキングポートをそれぞれ含んでいる1つまたは複数の薬剤パネルを備える薬剤調剤システム。薬剤調剤システムは、複数のドッキングポートに結合された、薬剤を格納するための複数の薬剤コンテナアセンブリと、1つまたは複数のアクチュエータと、薬剤コンテナアセンブリのうちの1つまたは複数から薬剤投与量を選別するために、1つまたは複数のアクチュエータによって、薬剤コンテナアセンブリのうちの最も近い1つまたは複数に垂直方向に移動可能である保持アセンブリと、薬剤投与量を受け取るように構成された1つまたは複数の薬剤容器を保持するための容器台を含んでいる容器キャリアとを備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに垂直に変位して配置された複数のドッキングポートをそれぞれ含んでいる、1つまたは複数の薬剤パネルと、
前記複数のドッキングポートに結合された、薬剤を格納するための複数の薬剤コンテナアセンブリと、
1つまたは複数のアクチュエータと、
前記薬剤コンテナアセンブリのうちの1つまたは複数から薬剤投与量を選別するために、前記薬剤コンテナアセンブリのうちの最も近い前記1つまたは複数に向けて、前記1つまたは複数のアクチュエータによって、垂直方向に移動可能である保持アセンブリと、
前記薬剤投与量を受け取るように構成された1つまたは複数の薬剤容器を保持するための容器台を備える容器キャリアとを備える、薬剤調剤システム。
【請求項2】
前記複数の薬剤コンテナアセンブリが、概略コンテナ方向に沿って伸び、前記概略コンテナ方向は、垂直面を鋭角に横断する方向である、請求項1に記載の薬剤調剤システム。
【請求項3】
前記1つまたは複数の薬剤パネルが1つまたは複数のポート面を備え、
前記複数のドッキングポートが、前記ポート面に結合され、概略ドッキングポート方向に突き出て、前記概略ドッキングポート方向は、前記1つまたは複数のポート面を鋭角に横断する方向である、請求項1または2に記載の薬剤調剤システム。
【請求項4】
前記複数のドッキングポートが、垂直面を鋭角に横断するドッキング面を備える、請求項1から3のいずれか一項に記載の薬剤調剤システム。
【請求項5】
前記1つまたは複数の薬剤パネルが、垂直面に対して傾斜する、請求項1から4のいずれか一項に記載の薬剤調剤システム。
【請求項6】
前記薬剤コンテナアセンブリが、前記複数のドッキングポートに結合された場合、前記1つまたは複数の薬剤パネルに対して固定される、請求項1から5のいずれか一項に記載の薬剤調剤システム。
【請求項7】
前記容器キャリアが、前記1つまたは複数のアクチュエータによって、前記薬剤コンテナアセンブリのうちの1つまたは複数に接近するように、垂直方向に移動可能である、請求項1から6のいずれか一項に記載の薬剤調剤システム。
【請求項8】
前記薬剤コンテナアセンブリが、
前記薬剤コンテナアセンブリを前記ドッキングポートのうちの1つに結合するために、サイズを決定されて成形された、取り付けリムと、
薬剤収集室であって、薬剤収集室の下部の一部を定める誘導面を含んでいる薬剤収集室と
を備えるキャニスタと、
前記キャニスタに結合され、薬剤放出ポートを含んでいる、薬剤を格納するためのカートリッジと、
前記薬剤投与量を抽出するためのプローブを挿入する保持ポートとを備え、
前記誘導面が、前記薬剤放出ポートの下にある点から前記保持ポートの下にある点に傾斜する、請求項1から7のいずれか一項に記載の薬剤調剤システム。
【請求項9】
前記保持アセンブリが、
保持プラットフォームと、
グリッパであって、前記グリッパを前記1つまたは複数の薬剤コンテナアセンブリに対して移動させるように、前記保持プラットフォームに移動可能に結合されたグリッパとを備える、請求項1から8のいずれか一項に記載の薬剤調剤システム。
【請求項10】
前記保持アセンブリが動いているときに、前記薬剤コンテナアセンブリのうちの1つまたは複数が、オペレータによってアクセス可能である、請求項1から9のいずれか一項に記載の薬剤調剤システム。
【請求項11】
前記薬剤コンテナアセンブリのうちの1つまたは複数が、前記薬剤コンテナアセンブリの動作パラメータを送信するための電気/電磁回路を備える、請求項1から10のいずれか一項に記載の薬剤調剤システム。
【請求項12】
垂直方向に隣接する薬剤コンテナアセンブリが、垂直面上の薬剤コンテナアセンブリの投影と、垂直面上の垂直方向に隣接する別の薬剤コンテナアセンブリの投影との間の重複を有する、請求項1から11のいずれか一項に記載の薬剤調剤システム。
【請求項13】
前記重複が、前記垂直面上の前記垂直方向に隣接する薬剤コンテナアセンブリのうちの1つまたは複数の投影の10%より大きい、請求項12に記載の薬剤調剤システム。
【請求項14】
前記容器キャリアが、前記薬剤投与量の下で1つまたは複数の薬剤容器を保持するために、前記保持アセンブリに結合される、請求項1から13のいずれか一項に記載の薬剤調剤システム。
【請求項15】
前記容器キャリアが、前記薬剤コンテナアセンブリからの前記薬剤投与量の前記選別の後に、垂直面上の薬剤コンテナアセンブリの投影と、垂直面上の前記容器の投影との間の重複を有するように、1つまたは複数の薬剤容器を保持するために、前記保持アセンブリに結合される、請求項1から14のいずれか一項に記載の薬剤調剤システム。
【請求項16】
薬剤を格納するための薬剤コンテナアセンブリを含んでいるシステムによって薬剤投与量を調剤するための方法であって、
選択された薬剤を格納する薬剤コンテナアセンブリを識別することであって、前記薬剤コンテナアセンブリが1つまたは複数の薬剤コンテナアセンブリに対して垂直方向に変位して配置される、識別することと、
保持アセンブリを前記薬剤コンテナアセンブリに向かって垂直方向に移動することによって前記保持アセンブリを前記薬剤コンテナアセンブリに近づけることと、
前記保持アセンブリを操作して、前記薬剤コンテナアセンブリから薬剤投与量を抽出することと、
投与量を1つまたは複数の薬剤容器内に調剤することとを含む、薬剤投与量を調剤するための方法。
【請求項17】
前記容器を垂直方向に移動して前記薬剤コンテナアセンブリに近づけることを含む、請求項16に記載の薬剤投与量を調剤するための方法。
【請求項18】
前記容器を垂直方向に移動して前記保持アセンブリに近づけることを含む、請求項16または17に記載の薬剤投与量を調剤するための方法。
【請求項19】
前記移動が前記調剤に先立つ、請求項16から18のいずれか一項に記載の薬剤投与量を調剤するための方法。
【請求項20】
前記移動が前記操作に先立つ、請求項16から19のいずれか一項に記載の薬剤投与量を調剤するための方法。
【請求項21】
前記操作することが、
垂直面と角度を有するように、前記保持アセンブリの少なくとも一部を回転させることと、
前記薬剤コンテナアセンブリ内に挿入されたプローブによって前記薬剤投与量を選別することと、
前記薬剤コンテナアセンブリの外側に前記プローブを取り外すことと、
前記投与量を前記薬剤容器の開口部の上に配置することとを含む、請求項16から20のいずれか一項に記載の薬剤投与量を調剤するための方法。
【請求項22】
前記識別と前記調剤の間の時間が1秒未満である、請求項16から21のいずれか一項に記載の薬剤投与量を調剤するための方法。
【請求項23】
薬剤容器キャリアを操作して、前記薬剤容器を前記保持アセンブリの下に配置することを含む、請求項16から22のいずれか一項に記載の薬剤投与量を調剤するための方法。
【請求項24】
前記近づけることが、1つまたは複数の薬剤容器を前記保持アセンブリと一緒に操作することを含む、請求項16から23のいずれか一項に記載の薬剤投与量を調剤するための方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、米国特許法第119条(e)の下で2019年9月4日に出願された米国特許仮出願第16/559,716号明細書の優先権の利益を主張する。本出願は、2019年4月10日に出願された米国特許出願第16/379,835号明細書および第16/379,831号明細書の一部継続(CIP:Continuation-in-Part)であり、2019年6月4日に出願された第16/430,456号明細書の一部継続(CIP)でもある。
【0002】
上記の出願の内容は、完全に示されているかのように、参照によって全体がすべて本明細書に組み込まれている。
【0003】
本発明は、本発明の一部の実施形態において、薬剤調剤システムに関し、より詳細には、薬剤コンテナから薬剤を抽出し、薬剤容器内で薬剤を調剤することに関するが、これに限定されない。
【背景技術】
【0004】
米国特許出願公開第2013/0123977号明細書は、「薬剤を自動的に調剤するために使用されるキャニスタを管理するためのシステムおよび方法。キャニスタは、設計プロセスおよび構築プロセスを介して、さまざまな薬剤を正確に調剤するように構成可能である。設計プロファイルは、キャニスタ管理システムによって作成されて格納され、キャニスタを構築して充填するために使用されるワークステーション、および薬剤を調剤するために使用されるワークステーションと統合される。構築プロセス、充填プロセス、および調剤プロセスに関連する情報も、このシステムによって統合される。このシステムは、ワークステーション上のクライアントアプリケーションとキャニスタ管理システムの間での他の種類のメッセージの送信も可能にする。このシステムは、キャニスタを設計し、構築し、配布し、使用するために使用される供給連鎖の構造に関わらず、データを統合するのに役立つ」と開示する。
【0005】
国際特許公開第2018/052160号パンフレットは、「空間利用率が高く、大量の薬剤パッケージが充填され、薬剤調剤効率が高く、薬剤パッケージのサイズおよび種類に関わらず円滑な調剤を可能にする薬剤調剤器。薬剤パッケージが充填されるキャニスタが収容されるキャニスタモジュールと、個別のユニット内の薬剤パッケージを取り上げるためのピックアップロボットとを備える薬剤調剤器が提供される、これらのキャニスタは、薬剤パッケージがキャニスタ内をキャニスタの長軸方向に移動できるようにする充填空間を提供するためのL字型の第1および第2の壁と、第2の壁とのすき間を調整するために第1の壁を第2の壁に向かって移動させるためのガイドと、充填空間に沿って移動して、薬剤パッケージを圧力によって互いに密着させる接触板と、接触板に圧力を供給する、コイル形状に巻かれた帯状の渦巻ばねとを含んでいる」と開示する。
【0006】
米国特許出願公開第2018/0122177号明細書は、「単位服用量で製品の複数の位置をそれぞれ含んでいる複数の筐体ユニットを含む、単位服用量での製品のための格納および配布システム。筐体ユニットは、選別壁の少なくとも一部を作り出すように、垂直面上に編成され、選別壁内で、単位服用量での製品のための位置は、選択的な選別メンバーに面する。選別ユニットは、単位服用量でパッケージ化された製品を選別するために、選別壁上で方向付けられた選別メンバーを含んでいる。収集ユニットは、選別ユニットの第2の側面に配置され、選別ユニットの第1の側面に面する複数のペグを含んでいるラックを含む。これらのペグは、単位服用量でパッケージ化された製品を選別メンバーから選別するため、または選別メンバー上に置くために、選別メンバーに達する。複数のペグは、全体として、自動格納において格納され得る数より小さい数の単位服用量の製品を収集することができる」と開示する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
以下では、本発明の実施形態の一部の実施例について説明する。本明細書では、本発明の一部の実施例が説明され、実施形態は、2つ以上の実施例からの特徴および/または1つの実施例のすべての特徴より少ない特徴を含んでよい。
【0008】
本発明の一部の実施形態の態様によれば、互いに垂直に変位して配置された複数のドッキングポートをそれぞれ含んでいる、1つまたは複数の薬剤パネルを備える薬剤調剤システムが提供されている。薬剤調剤システムは、複数のドッキングポートに結合された、薬剤を格納するための複数の薬剤コンテナアセンブリと、1つまたは複数のアクチュエータと、薬剤コンテナアセンブリのうちの1つまたは複数から薬剤投与量を選別するために、薬剤コンテナアセンブリのうちの最も近い1つまたは複数に向けて、1つまたは複数のアクチュエータによって、垂直方向に移動可能である保持アセンブリと、薬剤投与量を受け取るように構成された1つまたは複数の薬剤容器を保持するための容器台を含んでいる容器キャリアとを備える。
【0009】
本発明の一部の実施形態によれば、複数の薬剤コンテナアセンブリが、概略コンテナ方向に沿って伸び、前記概略コンテナ方向は、垂直面を鋭角に横断する方向である。
【0010】
本発明の一部の実施形態によれば、1つまたは複数の薬剤パネルが1つまたは複数のポート面を備え、複数のドッキングポートが、ポート面に結合され、概略ドッキングポート方向に突き出て、前記概略ドッキングポート方向は、1つまたは複数のポート面を鋭角に横断する方向である。
【0011】
本発明の一部の実施形態によれば、複数のドッキングポートが、垂直面を鋭角に横断するドッキング面を備える。
【0012】
本発明の一部の実施形態によれば、1つまたは複数の薬剤パネルが、垂直面に対して傾斜する。
【0013】
本発明の一部の実施形態によれば、薬剤コンテナアセンブリは、複数のドッキングポートに結合された場合、1つまたは複数の薬剤パネルに対して固定される。
【0014】
本発明の一部の実施形態によれば、容器キャリアは、1つまたは複数のアクチュエータによって、薬剤コンテナアセンブリのうちの1つまたは複数に接近するように、垂直方向に移動可能である。
【0015】
本発明の一部の実施形態によれば、薬剤コンテナアセンブリはキャニスタを備える。キャニスタは、薬剤コンテナアセンブリをドッキングポートのうちの1つに結合するために、サイズを決定されて成形された、取り付けリムを備える。キャニスタは、薬剤収集室の下部の一部を定める誘導面を含んでいる薬剤収集室をさらに備える。薬剤コンテナアセンブリは、キャニスタに結合され、薬剤放出ポートを含んでいる、薬剤を格納するためのカートリッジをさらに備える。一部の実施形態では、薬剤コンテナアセンブリは、薬剤投与量を抽出するためのプローブを挿入する保持ポートを備える。一部の実施形態では、誘導面は、薬剤放出ポートの下にある点から保持ポートの下にある点に傾斜する。
【0016】
本発明の一部の実施形態によれば、保持アセンブリは、保持プラットフォームおよびグリッパを備える。一部の実施形態では、グリッパは、薬剤コンテナアセンブリに対してグリッパを移動するために、保持プラットフォームに移動可能に結合される。一部の実施形態では、グリッパは、薬剤コンテナアセンブリに対してグリッパを回転させるために、保持プラットフォームに枢動可能に結合される。
【0017】
本発明の一部の実施形態によれば、保持アセンブリが動いているときに、薬剤コンテナアセンブリのうちの1つまたは複数が、オペレータによってアクセス可能である。本発明の一部の実施形態によれば、薬剤コンテナアセンブリのうちの1つまたは複数が、薬剤コンテナアセンブリの動作パラメータを送信するための電気/電磁回路を備える。
【0018】
本発明の一部の実施形態によれば、垂直方向に隣接する薬剤コンテナアセンブリが、垂直面上の薬剤コンテナアセンブリの投影と、垂直面上の垂直方向に隣接する別の薬剤コンテナアセンブリの投影との間の重複を有する。一部の実施形態では、この重複は、垂直面上の垂直方向に隣接する薬剤コンテナアセンブリのうちの1つまたは複数の投影の10%より大きい。
【0019】
本発明の一部の実施形態によれば、容器キャリアが、薬剤投与量の下で1つまたは複数の薬剤容器を保持するために、保持アセンブリに結合される。本発明の一部の実施形態によれば、容器キャリアが、薬剤コンテナアセンブリからの薬剤投与量の選別の後に、垂直面上の薬剤コンテナアセンブリの投影と、垂直面上の容器の投影との間の重複を有するように、1つまたは複数の薬剤容器を保持するために、保持アセンブリに結合される。
【0020】
本発明の一部の実施形態の態様によれば、薬剤を格納するための薬剤コンテナアセンブリを含んでいるシステムによって薬剤投与量を調剤するための方法が提供されている。一部の実施形態によれば、この方法は、選択された薬剤を格納する薬剤コンテナアセンブリを識別することであって、この薬剤コンテナアセンブリが1つまたは複数の薬剤コンテナアセンブリに対して垂直方向に変位して配置される、識別することと、保持アセンブリを薬剤コンテナアセンブリに向かって垂直方向に移動することによって保持アセンブリを薬剤コンテナアセンブリに近づけることと、保持アセンブリを操作して、薬剤コンテナアセンブリから薬剤投与量を抽出することと、投与量を1つまたは複数の薬剤容器内に調剤することとを含む。
【0021】
本発明の一部の実施形態によれば、この方法は、薬剤コンテナアセンブリに接近するように、容器を垂直方向に移動することを含む。本発明の一部の実施形態によれば、この方法は、保持アセンブリに接近するように、容器を垂直方向に移動することを含む。一部の実施形態では、この移動は調剤に先立つ。一部の実施形態では、この移動は操作に先立つ。
【0022】
本発明の一部の実施形態によれば、操作することは、垂直面と角度を有するように、保持アセンブリの少なくとも一部を回転させることと、薬剤コンテナアセンブリ内に挿入されたプローブによって薬剤投与量を選別することと、薬剤コンテナアセンブリの外側にプローブを取り外すことと、投与量を薬剤容器の開口部の上に配置することとを含む。
【0023】
本発明の一部の実施形態によれば、薬剤投与量を調剤するための方法は、薬剤容器キャリアを操作して、薬剤容器を保持アセンブリの下に配置することを含む。
【0024】
本発明の一部の実施形態によれば、近づけることは、1つまたは複数の薬剤容器を保持アセンブリと一緒に操作することを含む。
【0025】
本発明の一部の実施形態によれば、識別と調剤の間の時間は1秒未満である。
【0026】
特に定義されない限り、本明細書において使用されるすべての技術用語および/または科学用語は、本発明に関連する当業者によって一般的に理解されている意味と同じ意味を有する。本明細書に記載された方法および材料に類似または相当する方法および材料が、本発明の実施形態の実践または試験において使用され得るが、以下では、例示的な方法および/または材料が説明される。定義を含めて矛盾が生じた場合、本特許明細書が統制する。加えて、材料、方法、および例は、単なる例示であり、必ずしも限定するよう意図されていない。
【0027】
当業者によって理解されるように、本発明の一部の実施形態は、システム、方法、またはコンピュータプログラム製品として具現化されてよい。したがって、本発明の一部の実施形態は、完全にハードウェアの実施形態、完全にソフトウェアの実施形態(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコードなどを含む)、またはソフトウェアの態様とハードウェアの態様を組み合わせる実施形態の形態を取ってよく、これらはすべて、本明細書では、一般に「回路」、「モジュール」、または「システム」と呼ばれてよい。さらに、本発明の一部の実施形態は、コンピュータ可読プログラムコードが具現化されている1つまたは複数のコンピュータ可読媒体において具現化されたコンピュータプログラム製品の形態を取ってよい。本発明の一部の実施形態の方法および/またはシステムの実装は、選択された作業を手動で、自動で、またはこれらの組み合わせで実行および/または完了することを含むことができる。さらに、本発明の方法および/またはシステムの一部の実施形態の実際の実装および機器に従って、複数の選択された作業が、ハードウェアによって、ソフトウェアによって、もしくはファームウェアによって、および/または例えばオペレーティングシステムを使用して、これらの組み合わせによって、実装され得る。
【0028】
例えば、本発明の一部の実施形態に従って選択された作業を実行するためのハードウェアは、チップまたは回路として実装され得る。ソフトウェアとしての、本発明の一部の実施形態に従う選択された作業は、任意の適切なオペレーティングシステムを使用してコンピュータによって実行される複数のソフトウェア命令として、実装され得る。本発明の実施形態例では、本明細書において説明されている方法および/またはシステムの一部の実施形態例に従う1つまたは複数の作業が、複数の命令を実行するためのコンピューティングプラットフォームなどの、データプロセッサによって実行される。任意選択的に、このデータプロセッサは、命令および/もしくはデータを格納するための揮発性メモリ、ならびに/または命令および/もしくはデータを格納するための不揮発性ストレージ(例えば、磁気ハードディスクおよび/もしくは取り外し可能な媒体)を含む。任意選択的に、ネットワーク接続も提供される。ディスプレイおよび/またはキーボードもしくはマウスなどのユーザ入力デバイスも、任意選択的に提供される。
【0029】
本発明の一部の実施形態では、1つまたは複数のコンピュータ可読媒体の任意の組み合わせが利用されてよい。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ可読信号媒体またはコンピュータ可読ストレージ媒体であってよい。コンピュータ可読ストレージ媒体は、例えば、電子、磁気、光、電磁気、赤外線、もしくは半導体システム、装置、もしくはデバイス、またはこれらの任意の適切な組み合わせであってよいが、これらに限定されない。コンピュータ可読ストレージ媒体のさらに具体的な例(非網羅的な一覧)としては、1つもしくは複数のワイヤ、ポータブルフロッピーディスク、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM:random access memory)、読み取り専用メモリ(ROM:read-only memory)、消去可能プログラマブル読み取り専用メモリ(EPROM:erasable programmable read-only memoryもしくはフラッシュメモリ)、光ファイバ、ポータブルコンパクトディスク読み取り専用メモリ(CD-ROM:compact disc read-only memory)、光ストレージデバイス、電磁ストレージデバイス、またはこれらの任意の適切な組み合わせを含んでいる電気的接続が挙げられる。本文書との関連において、コンピュータ可読ストレージ媒体は、命令実行システム、命令実行装置、もしくは命令実行デバイスによって、またはこれらに関連して使用するためのプログラムを含むか、または格納することができる任意の有形の媒体であってよい。
【0030】
コンピュータ可読の信号媒体は、コンピュータ可読プログラムコードが具現化された伝搬データ信号を、例えば、ベースバンドに、または搬送波の一部として含んでよい。このような伝搬信号は、電磁気、光、またはこれらの任意の適切な組み合わせを含むが、これらに限定されない、さまざまな形態のいずれかを取ってよい。コンピュータ可読信号媒体は、コンピュータ可読ストレージ媒体ではなく、命令を実行するシステム、機器、もしくはデバイスによって、またはそれらに関連して使用するためにプログラムを伝達、伝搬、または搬送することができる任意のコンピュータ可読媒体であってよい。
【0031】
コンピュータ可読媒体に具体化されたプログラムコードおよび/またはそれらのプログラムコードによって使用されるデータは、無線、有線、光ファイバケーブル、RFなど、またはこれらの任意の適切な組み合わせを含むが、これらに限定されない、任意の適切な媒体を使用して送信されてよい。
【0032】
本発明の一部の実施形態の動作を実行するためのコンピュータプログラムコードは、Java、Smalltalk、C++などのオブジェクト指向プログラミング言語、および「C」プログラミング言語または同様のプログラミング言語などの従来の手続き型プログラミング言語を含む1つまたは複数のプログラミング言語の任意の組み合わせで記述されてよい。プログラムコードは、ユーザのコンピュータ上で全体的に実行すること、スタンドアロンソフトウェアパッケージとしてユーザのコンピュータ上で部分的に実行すること、ユーザのコンピュータ上およびリモートコンピュータ上でそれぞれ部分的に実行すること、またはリモートコンピュータ上もしくはサーバ上で全体的に実行することができる。後者のシナリオでは、リモートコンピュータは、ローカルエリアネットワーク(LAN:local area network)もしくは広域ネットワーク(WAN:wide area network)を含む任意の種類のネットワークを介してユーザのコンピュータに接続されてよく、または接続は、(例えば、インターネットサービスプロバイダを使用してインターネットを介して)外部コンピュータに対して行われてよい。
【0033】
本発明の一部の実施形態は、本発明の実施形態に従って、方法、装置(システム)、およびコンピュータプログラム製品のフローチャート図および/またはブロック図を参照して下で説明されることができる。フローチャート図および/またはブロック図の各ブロック、ならびにフローチャート図および/またはブロック図に含まれるブロックの組み合わせが、コンピュータプログラム命令によって実装され得るということが理解されるであろう。これらのコンピュータプログラム命令は、コンピュータまたはその他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサを介して実行される命令が、フローチャートおよび/またはブロック図のブロックに指定される機能/動作を実施する手段を作り出すべく、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、または他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサに提供されてマシンを作り出すものであってよい。
【0034】
これらのコンピュータプログラム命令は、コンピュータ可読媒体に格納されてもよく、コンピュータ可読媒体に格納された命令がフローチャートおよび/またはブロック図のブロックにおいて指定された機能/動作を実施する命令を含んでいる製品を作り出すように、コンピュータ、その他のプログラム可能なデータ処理装置、またはその他のデバイスに、特定の方式で機能するように指示することができる。
【0035】
コンピュータプログラム命令は、コンピュータ上、またはその他のプログラム可能な装置上で実行される命令が、フローチャートおよび/またはブロック図のブロックに指定される機能/動作を実施するためのプロセスを提供するように、コンピュータ、その他のプログラム可能なデータ処理装置、またはその他のデバイスに読み込まれてもよく、それによって、一連の動作可能なステップを、コンピュータ上、その他のプログラム可能な装置上、またはコンピュータ実装プロセスを生成するその他のデバイス上で実行させる。
【0036】
本明細書に記載された方法の一部は、通常、コンピュータのみによって使用するために設計されており、専門家によって純粋に手動で実行することに関して、実現可能でも実用的でもなくてよい。調剤の速度を増やし、調剤の失敗を減らして、医療用容器への薬物の調剤などの同様の作業を手動で実行したかった専門家が、全く異なる方法を使用することを期待されることがあり、例えば、専門知識および/または人間の脳のパターン認識能力を活用することは、本明細書に記載された方法のステップを手動で実施するよりも大幅に効率的であろう。
【0037】
本明細書では、添付の図面を単に例として参照し、本発明の一部の実施形態が説明される。ここで、図面を詳細に参照するが、これらの詳細が例として示されており、本発明の実施形態の例示的な説明を目的とするということが強調される。これに関して、図面を使用して行う説明によって、本発明の実施形態を実践する方法を、当業者に対して明らかにする。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【
図1】本発明の一部の実施形態に従う、薬剤調剤システムのブロック図の簡略化された概略図である。
【
図2】本発明の一部の実施形態に従って調剤プロセスを示す簡略化されたフローチャートである。
【
図3A】本発明の一部の実施形態に従って薬剤コンテナパネルの透視図、正面図、および側面図を示す、調剤装置の一部の簡略化された概略図である。
【
図3B】本発明の一部の実施形態に従って薬剤コンテナパネルの透視図、正面図、および側面図を示す、調剤装置の一部の簡略化された概略図である。
【
図3C】本発明の一部の実施形態に従って薬剤コンテナパネルの透視図、正面図、および側面図を示す、調剤装置の一部の簡略化された概略図である。
【
図3D】本発明の一部の実施形態に従って薬剤コンテナパネルの透視図、正面図、および側面図を示す、調剤装置の一部の簡略化された概略図である。
【
図4】本発明の一部の実施形態に従って薬剤コンテナパネルの透視図を示す、調剤装置の一部の簡略化された図である。
【
図5】本発明の一部の実施形態に従って薬剤コンテナパネルの側面図を示す、調剤装置の一部の簡略化された概略図である。
【
図6A】本発明の一部の実施形態に従って薬剤パネルの側面図を示す、調剤装置の一部の簡略化された概略図である。
【
図6B】本発明の一部の実施形態に従って薬剤パネルの側面図を示す、調剤装置の一部の簡略化された概略図である。
【
図6C】本発明の一部の実施形態に従って薬剤パネルの側面図を示す、調剤装置の一部の簡略化された概略図である。
【
図6D】本発明の一部の実施形態に従って容器キャリアの側面図を示す、調剤装置の一部の簡略化された概略図である。
【
図7A】本発明の一部の実施形態に従う、薬剤コンテナアセンブリの概略図および透視図の簡略化された図である。
【
図7B】本発明の一部の実施形態に従う、薬剤コンテナアセンブリの概略図および透視図の簡略化された図である。
【
図8A】本発明の一部の実施形態に従う、保持アセンブリの側面図の簡略化された図である。
【
図8B】本発明の一部の実施形態に従う、保持アセンブリの側面図の簡略化された図である。
【
図8C】本発明の一部の実施形態に従う、保持アセンブリの側面図の簡略化された図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
本発明は、本発明の一部の実施形態において、薬剤調剤システムに関し、より詳細には、薬剤コンテナから薬剤を抽出し、薬剤を薬剤容器に挿入することによって調剤するために、薬剤を準備することに関するが、これに限定されない。
【0040】
概要
本発明の一部の実施形態の広い態様は、動作パラメータに影響を与えるための薬剤調剤システム内のアセンブリの配置に関する。動作パラメータの例としては、調剤速度を増やすこと、垂直方向のサイズを制御すること、水平方向のサイズを減らすこと、調剤に使用できる薬剤の種類の数を増やすこと、修理するための平均時間を減らすこと、システムを準備するための平均時間を減らすこと、システムがアクセスされる平均時間を減らすこと、およびアイドル時間を減らすことが挙げられる。
【0041】
一部の実施形態によれば、薬剤調剤システムは、1つまたは複数の薬剤パネル上に垂直方向に配置された薬剤コンテナアセンブリから薬剤投与量を選別し、その薬剤投与量を薬剤容器に調剤する保持アセンブリを含む。一部の実施形態では、保持アセンブリが、選択された薬剤に接近するように、コンテナアセンブリ間を垂直方向に移動する。一部の実施形態では、容器が、薬剤コンテナアセンブリに接近するように、垂直方向に移動する。
【0042】
一部の実施形態によれば、薬剤コンテナアセンブリの垂直方向の配置は、調剤プロセス中に、保持アセンブリと容器の両方を薬剤コンテナアセンブリの近くに配置することを可能にする。
【0043】
一部の実施形態によれば、保持アセンブリと容器の間の距離を減らすことは、動作パラメータのうちの1つまたは複数に影響を与える。一部の実施形態では、動作パラメータは、薬剤コンテナアセンブリからの抽出と容器への投与量の配置との間の、薬剤投与量の最小限の移動による影響を受ける。一部の実施形態では、容器キャリアおよび容器は、両方とも保持アセンブリに結合され、一緒に移動する。一部の実施形態では、調剤速度は、容器に対する保持モデルの移動および/または保持モデルに対する容器の移動を減らすことによる影響を受ける。
【0044】
一部の実施形態によれば、薬剤投与量を受け取った後に、保持アセンブリと薬剤容器の間に、水平移動が存在しない。水平移動を減らすことの潜在的な利点は、薬剤調剤時間を減らして、薬剤のパッケージ化速度を増やすことである。
【0045】
本発明の一部の実施形態の広い態様は、有用性に影響を与える薬剤調剤システムのアセンブリの配置に関する。
【0046】
一部の実施形態によれば、内部の配置は、システムの準備、システムの動作、および/またはシステムの保守に関連する有用性パラメータを改善する。一部の実施形態では、内部の配置は、調剤システムをオペレータのより近くに配置することを可能にするシステムのサイズに影響を与える。一部の実施形態では、内部の配置は、薬剤コンテナアセンブリにアクセスすることの利便性を改善する。一部の実施形態では、内部の配置は、調剤速度を増やし、パッケージ化された薬剤のユーザの待ち時間を減らす。
【0047】
本発明の一部の実施形態の態様は、薬剤コンテナアセンブリが垂直方向に配置された薬剤調剤システムに関する。
【0048】
一部の実施形態によれば、調剤システムは1つまたは複数の薬剤パネルを含み、薬剤コンテナアセンブリは、それらのパネル上に垂直方向に配置される。垂直方向に広がる薬剤パネルを含むことの潜在的な利点は、パネルの水平方向のサイズを減らすことである。一部の実施形態では、パネルの水平方向のサイズを減らすことによって、システムの水平方向のサイズが縮小する。
【0049】
一部の実施形態によれば、薬剤調剤システムは、パネル上に垂直方向に配置された薬剤コンテナアセンブリのうちの最も近い1つまたは複数に垂直方向に移動するように構成された保持アセンブリを含む。
【0050】
一部の実施形態によれば、パネルでの薬剤コンテナアセンブリの配置を最適化することによって、保持アセンブリの移動の軌道が減少する。一部の実施形態では、配置を最適化することは、保持アセンブリの移動および/もしくはシステムによって調剤された薬剤の履歴データ、ならびに/または調剤計画に従う。一部の実施形態では、薬剤コンテナアセンブリの位置は、薬剤の使用に関するデータによって決定される。
【0051】
一部の実施形態によれば、保持アセンブリは、薬剤コンテナアセンブリから薬剤を選別するために配置されることと、薬剤投与量を容器に調剤するために容器の上に配置されることとの間で回転するように構成された部分を含む。潜在的な利点は、保持アセンブリによって薬剤を保持することと、薬剤投与量を放出することとの間の、コンテナアセンブリが開いたままになる時間を最小限に抑えることである。一部の実施形態では、薬剤コンテナアセンブリから薬剤投与量をつかむことと、容器内の薬剤投与量の調剤との間の時間は、10秒より短い。別の潜在的な利点は、薬剤容器内の薬剤投与量の調剤の前に、保持アセンブリから薬剤投与量が誤って外れるのを減らすことである。
【0052】
一部の実施形態によれば、薬剤コンテナアセンブリが、垂直面に対して傾斜する。一部の実施形態では、薬剤コンテナアセンブリを傾斜した向きに配置することによって、薬剤コンテナアセンブリから薬剤を抽出するために使用される薬剤開口部のアクセス性を改善する。一部の実施形態では、薬剤コンテナアセンブリを傾斜した向きに配置することによって、保持アセンブリの水平移動の少なくとも一部を減らす。
【0053】
一部の実施形態によれば、薬剤投与量をコンテナアセンブリから抽出することと、薬剤容器内で薬剤投与量を調剤することとの間に、保持アセンブリは、コンテナアセンブリから水平方向に離れて作動されない。一部の実施形態によれば、薬剤投与量をコンテナアセンブリから抽出することと、薬剤容器内で薬剤投与量を調剤することとの間に、保持アセンブリとコンテナアセンブリの間の最大水平距離は一定のままである。最大水平距離を減らすことの潜在的な利点は、システムの水平方向のサイズを縮小することである。
【0054】
本発明の一部の実施形態の態様は、薬剤パネルで薬剤コンテナアセンブリが垂直方向に配置された薬剤調剤システムに関し、コンテナアセンブリのうちの1つまたは複数が、パネルに配置された他のコンテナアセンブリを移動せずに、オペレータによってアクセス可能である。
【0055】
一部の実施形態によれば、薬剤コンテナアセンブリの垂直方向の配置は、薬剤コンテナアセンブリへのアドホックなアクセスを可能にする。一部の実施形態では、このアクセスは、調剤動作中に可能になる。潜在的な利点は、薬剤コンテナアセンブリへのスケジューリングされていないアクセスを可能にすることである。別の潜在的な利点は、例えば、調剤システムをアイドル状態にするための要件に起因する、薬剤コンテナに対するアクセス制限を減らすことである。
【0056】
本発明の一部の実施形態の態様は、傾斜した薬剤誘導面を含んでいる薬剤コンテナアセンブリを含む薬剤調剤システムに関する。
【0057】
一部の実施形態によれば、この誘導面は、コンテナアセンブリ内の薬剤投与量を、コンテナから薬剤投与量を抽出するために使用されるプローブに向かわせる。一部の実施形態によれば、コンテナアセンブリは、誘導面が水平方向にならず、したがって、重力を用いて薬剤投与量を前述のコンテナアセンブリ内の望ましい位置に誘導することを可能にするように、傾斜した向きでパネルに配置される。潜在的な利点は、プローブから離れた場所に蓄積する代わりに、プローブに近接する薬剤投与量の可用性を高めることである。潜在的な利点は、コンテナアセンブリの抽出された薬剤の割合の予測可能性を高めることである。
【0058】
本発明の少なくとも1つの実施形態を詳細に説明する前に、本発明が、その適用において、以下の説明において示され、かつ/または図面および/もしくは実施例において示された、コンポーネントおよび/または方法の構造および構成の詳細に必ずしも限定されないということが、理解されるべきである。本発明は、他の実施形態であることができ、またはさまざまな方法で実践もしくは実行することができる。
【0059】
薬剤調剤システム
ここで
図1を参照すると、
図1は、本発明の一部の実施形態に従う、薬剤調剤システムのブロック図の簡略化された概略図である。
【0060】
図1に示されているように、調剤システム100は、薬剤の供給品を収容するための1つまたは複数の薬剤パネル102を含んでいる。一部の実施形態によれば、薬剤が薬剤コンテナアセンブリ104に格納される。一部の実施形態では、薬剤コンテナアセンブリ104が、薬剤パネル102内で垂直方向に配置される。一部の実施形態によれば、薬剤パネル102は、薬剤コンテナアセンブリ104をパネル102に結合するための複数のドッキングポートを含む。一部の実施形態では、ドッキングポートは、薬剤パネル102内で垂直方向に配置される。
【0061】
一部の実施形態によれば、調剤システム100は、薬剤投与量を薬剤コンテナ104から選別することと、薬剤容器108内に薬剤投与量を配置するまで薬剤投与量を保持することとを実行するように構成された、保持アセンブリ106を含んでいる。一部の実施形態によれば、保持アセンブリ106は、パネル102の隣に移動することと、薬剤投与量を選別するためにコンテナアセンブリ104に接近することとを実行するように構成される。
【0062】
一部の実施形態では、保持アセンブリ106は、薬剤投与量を選別した後に、容器108に向かって水平方向に移動しない。水平移動を減らすことの潜在的な利点は、薬剤の準備時間を減らして、薬剤のパッケージ化速度を増やすことである。別の潜在的な利点は、薬剤投与量を保持アセンブリ106から失うリスクを低下させることである。
【0063】
一部の実施形態によれば、調剤システム100は、保持アセンブリ106を作動させるための作動信号を出力する制御回路110を含んでいる。一部の実施形態では、システム100は、1つまたは複数のアクチュエータ112を使用することによって、および制御回路110から作動信号を受信することによって、保持アセンブリ106を作動させる。
【0064】
図1に示されているように、調剤システム100は、薬剤投与量を受け取るための開口部を含んでいる1つまたは複数の薬剤容器108を操作するための1つまたは複数の容器キャリア114を含んでいる。一部の実施形態によれば、容器キャリア114は、保持アセンブリ106とは無関係に移動可能である。一部の実施形態では、アクチュエータ112は、容器キャリア114を移動する1つまたは複数のキャリアアクチュエータを含む。一部の実施形態では、キャリアアクチュエータが容器キャリア114を直線的に移動する。一部の実施形態では、キャリアアクチュエータが容器キャリア114をパネル102と平行に移動する。一部の実施形態では、容器キャリア114を移動することは、保持アセンブリ106の移動と同期する。
【0065】
準備プロセス
ここで
図2を参照すると、
図2は、本発明の一部の実施形態に従う、調剤のための薬剤容器の準備プロセスを示す簡略化されたフローチャートである。
【0066】
一部の実施形態によれば、準備プロセスは、以下の活動のカテゴリに分割され得る。
【0067】
準備前活動。調剤するために選択された薬剤に関するデータを受信すること、および薬剤コンテナアセンブリ内で薬剤を準備することなど。
【0068】
準備活動。選択された薬剤を含んでいる対象の薬剤コンテナアセンブリを識別すること、薬剤投与量を抽出すること、および薬剤を容器に挿入することなど。一部の実施形態では、例えば複数の投与量が単一または複数の容器に挿入される場合、準備ステップは繰り返され得る。一部の実施形態では、薬剤を抽出することは、対象の薬剤コンテナアセンブリに近接して配置された保持アセンブリによる。
【0069】
準備後活動。容器を密封すること、対象の患者の詳細を容器に貼ること、および容器を収集ユニット/薬剤運搬箱に配置することなど。
【0070】
図2に示されているように、準備活動の例として以下が挙げられる。
【0071】
選択された薬剤を含んでいる対象の薬剤コンテナアセンブリを識別する(202)。一部の実施形態によれば、対象の薬剤コンテナアセンブリは、1つまたは複数の薬剤コンテナアセンブリに対して垂直方向に変位して配置される。
【0072】
薬剤コンテナアセンブリ間で保持アセンブリを垂直方向に移動することによって、保持アセンブリを対象の薬剤コンテナアセンブリに近づける(204)。一部の実施形態によれば、近づけること(204)は、保持アセンブリの直線移動による。一部の実施形態では、この直線移動は、垂直方向である。一部の実施形態では、近づけること(204)は、水平移動および垂直移動を含んでいる直線移動による。一部の実施形態によれば、近づけること(204)は、制御回路によって監視され、保持アセンブリを移動するための接近信号を1つまたは複数のアクチュエータに出力する。
【0073】
保持アセンブリを操作して(206)、対象の薬剤コンテナアセンブリから薬剤投与量を抽出する。
【0074】
薬剤投与量を薬剤容器に挿入する(208)。一部の実施形態では、操作206と挿入208の間に、対象の薬剤コンテナアセンブリから離れた水平方向の保持アセンブリの直線移動が存在しない。
【0075】
一部の実施形態によれば、準備プロセスは、容器を垂直方向に移動すること(210)を含む。一部の実施形態では、移動すること(210)は、対象の薬剤コンテナアセンブリに接近するためである。一部の実施形態では、移動すること(210)は、保持アセンブリに接近するためである。一部の実施形態では、移動すること(210)は、挿入すること(208)に先立つ。一部の実施形態では、移動すること(210)は、操作すること(206)に先立つ。一部の実施形態によれば、移動すること(210)は、容器の直線移動による。一部の実施形態では、移動すること(210)は、水平移動および垂直移動を含んでいる直線移動による。一部の実施形態によれば、移動すること(210)は、制御回路によって監視され、容器を移動するための信号を1つまたは複数のアクチュエータに出力する。
【0076】
一部の実施形態によれば、操作プロセス(206)は以下を含む。
【0077】
垂直面と角度を有するように、保持アセンブリの少なくとも一部を回転させる(212)。一部の実施形態によれば、回転させること(212)は、制御回路によって、保持アセンブリを回転させるための回転信号を1つまたは複数のアクチュエータに出力することを含む。
【0078】
保持アセンブリによって薬剤投与量を選別する(214)。一部の実施形態では、選別すること(214)は、保持アセンブリを、対象の薬剤コンテナアセンブリ内に挿入されたプローブに結合することによる。一部の実施形態では、プローブは保持アセンブリの一部である。一部の実施形態では、選別すること(214)は、薬剤コンテナアセンブリの外側にプローブを取り外すことを含む。
【0079】
一部の実施形態によれば、選別すること(214)は、制御回路によって、保持アセンブリを移動して薬剤コンテナアセンブリからの薬剤投与量を操作するための投与量操作信号を1つまたは複数のアクチュエータに出力することを含む。
【0080】
薬剤投与量を薬剤容器の開口部の上に方向付ける(216)。一部の実施形態では、方向付けること(216)は、保持アセンブリを回転させることを含む。一部の実施形態では、方向付けること(216)は、回転(212)と反対の方向に保持アセンブリを回転させることを含む。一部の実施形態では、方向付けること(216)は、薬剤コンテナアセンブリから取り外されたプローブを方向付けることを含む。一部の実施形態では、方向付け(216)の間に、保持アセンブリと対象の薬剤コンテナアセンブリの間の最大水平距離が変化しない。
【0081】
一部の実施形態によれば、近づけること(204)と調剤すること(210)の間の時間は5秒未満である。一部の実施形態では、近づけること(204)と調剤すること(210)の間の時間は3秒未満である。一部の実施形態では、近づけること(204)と調剤すること(210)の間の時間は1秒未満である。
【0082】
薬剤パネル
ここで
図3A~3Dを参照すると、これらの図は、本発明の一部の実施形態に従って薬剤コンテナパネルの透視図、正面図、および側面図を示す、調剤装置の一部の簡略化された概略図である。
【0083】
一部の実施形態では、調剤システム300は、複数の薬剤コンテナアセンブリ304を収容するように構成された薬剤パネル302を備えており、一部の実施形態では、薬剤コンテナアセンブリ304が垂直方向に配置される。
【0084】
一部の実施形態では、2つ以上の薬剤コンテナアセンブリ304が垂直方向に積み重なって配置された場合、2つ以上の薬剤コンテナアセンブリ304が垂直方向のレイアウトである。一部の実施形態では、隣接する薬剤コンテナアセンブリ304の最下点間に垂直距離が存在する場合、薬剤コンテナアセンブリ304が垂直方向のレイアウトである。
【0085】
図3A~3Bの実施形態例に示されているように、パネル302は垂直方向に平坦である。一部の実施形態では、パネル302の高さが最大水平幅より大きい場合、パネル302は垂直パネルとして定義される。一部の実施形態では、パネル302の高さが最大水平幅より少なくとも1.5倍大きい場合、パネル302は垂直パネルとして定義される。
【0086】
垂直パネルを含むことの潜在的な利点は、パネルの水平方向のサイズを減らすことである。一部の実施形態では、パネルの水平方向のサイズを減らすことによって、調剤システムの水平方向のサイズが少なくとも1つの方向に縮小する。
【0087】
一部の実施形態では、パネル302は、10~500個の薬剤コンテナアセンブリ304を保持するように構成される。一部の実施形態では、パネル302は、30~400個の薬剤コンテナアセンブリ304を保持するように構成される。一部の実施形態では、パネル302は、100~300個の薬剤コンテナアセンブリ304を保持するように構成される。一部の実施形態によれば、パネル302は、2~100行を含んでいる行列内に薬剤コンテナアセンブリ304を保持するように構成される。一部の実施形態では、パネル302は、5~50行を含んでいる行列内に薬剤コンテナアセンブリ304を保持するように構成される。一部の実施形態では、パネル302は、10~30行を含んでいる行列内に薬剤コンテナアセンブリ304を保持するように構成される。
【0088】
一部の実施形態によれば、薬剤パネル302は、複数のサブパネル302-1/302-2で形成される。一部の実施形態では、(例えば、
図3Bに示されている)サブパネル302-1/302-2は、水平方向のレイアウトを有する。一部の実施形態では、サブパネル302-1は、パネル302の行を形成するようにサイズを決定される。一部の実施形態では、パネル302の行は、複数のサブパネル302-2で形成される。一部の実施形態では、(例えば、
図3Cに示されている)サブパネル302-3/302-4は、垂直方向のレイアウトを有する。
【0089】
傾斜した薬剤コンテナ
一部の実施形態によれば、例えば
図3Dに示されているように、薬剤コンテナアセンブリ304は、パネル302に結合された場合に、垂直面に対して傾斜した向きを有する。一部の実施形態では、パネル302に結合された薬剤コンテナアセンブリ304は、垂直面と鋭角αの角度を有する方向304’に伸びる。コンテナアセンブリ304を傾斜した向きに配置することの潜在的な利点は、パネル302上のコンテナアセンブリ304の密度を増やす(パネル302の高さごとのコンテナアセンブリ304の数を増やす)ことである。
【0090】
一部の実施形態では、角度αは約10度~約90度である。任意選択的に、角度αは約15度~約60度である。任意選択的に、角度αは約20度~約45度である。
【0091】
一部の実施形態によれば、2つの垂直方向に隣接する薬剤コンテナアセンブリ304は、(例えば、X-Y方向の)垂直面上の1つの薬剤コンテナアセンブリ304の投影と、(例えば、X-Y方向の)垂直面上の垂直方向に隣接する薬剤コンテナアセンブリ304の投影との間の重複を有する。一部の実施形態では、投影間の重複は、垂直面上の垂直方向に隣接する薬剤コンテナアセンブリ304のうちの1つまたは複数の投影の10%より大きい。一部の実施形態によれば、2つの垂直方向に隣接する傾斜した薬剤コンテナアセンブリ304は、(例えば、X-Y方向の)垂直面上の1つの薬剤コンテナアセンブリ304の上部の投影と、垂直面上の垂直方向に隣接する薬剤コンテナアセンブリ304の下部の投影との間の重複を有する。一部の実施形態では、投影間の重複は、垂直面上の隣接する薬剤コンテナアセンブリ304の上部または下部のうちの1つまたは複数の投影の10%より大きい。
【0092】
垂直方向の重複を含むことの潜在的な利点は、垂直方向(Y)での薬剤コンテナアセンブリ304間の活用されない領域を減らすことである。活用されない領域を減らすことの潜在的な利点の例は、垂直方向でのパネル302上の薬剤コンテナアセンブリ304の密度を増やすこと、垂直方向でのパネル302上のコンテナアセンブリ304によって提供される薬剤の密度を増やすこと、垂直方向でのパネル302の垂直方向のサイズを縮小すること、およびシステム300内のコンテナアセンブリ304の可能な数を増やすことである。
【0093】
一部の実施形態によれば、2つの垂直方向に隣接する薬剤コンテナアセンブリ304は、(例えば、X-Z方向の)水平面上の1つの薬剤コンテナアセンブリ304の投影と、(例えば、X-Z方向の)水平面上の垂直方向に隣接する薬剤コンテナアセンブリ304の投影との間の重複を有する。一部の実施形態では、投影間の重複は、水平面上の垂直方向に隣接する薬剤コンテナアセンブリ304のうちの1つまたは複数の投影の10%より大きい。一部の実施形態によれば、2つの垂直方向に隣接する傾斜した薬剤コンテナアセンブリ304は、(例えば、X-Z方向の)水平面上の1つの薬剤コンテナアセンブリ304の上部の投影と、(例えば、X-Z方向の)水平面上の垂直方向に隣接する薬剤コンテナアセンブリ304の下部の投影との間の重複を有する。一部の実施形態では、投影間の重複は10%より大きい。
【0094】
水平方向の重複を含むことの潜在的な利点は、水平方向(例えば、Z)での薬剤コンテナアセンブリ304間の活用されない領域を減らすことである。活用されない領域を減らすことの潜在的な利点の例は、水平方向(例えば、Z)でのパネル302上の薬剤コンテナアセンブリ304の密度を増やすこと、水平方向でのパネル302上のコンテナアセンブリ304によって提供される薬剤の密度を増やすこと、パネル302の水平方向のサイズを縮小すること、およびシステム300内のコンテナアセンブリ304の可能な数を増やすことである。
【0095】
一部の実施形態によれば、薬剤パネル302はパネルベース305を含み、複数のドッキングポート306がパネルベース305に結合され、薬剤コンテナアセンブリ304をドッキングポート306に接続することによって、薬剤コンテナアセンブリ304がパネル302に結合される。
【0096】
一部の実施形態によれば、パネルベース305が、垂直方向に傾斜し、垂直面と角度を有する。一部の実施形態では、パネルベース305は、弓形のレイアウトを有し、垂直方向に広がる弓形の断面を有する。任意選択的に、パネルベース305は、円筒形のレイアウトを有し、垂直方向に広がる円筒形の断面を有する。任意選択的に、パネルベース305は、多角形のレイアウトを有し、垂直方向に広がる多角形または閉じていない多角形の断面を有する。
【0097】
一部の実施形態によれば、薬剤コンテナアセンブリ304は、パネル302に結合された場合、薬剤パネル302に対して固定される。
【0098】
一部の実施形態によれば、薬剤コンテナアセンブリ304は薬剤ポート307を含んでいる。一部の実施形態では、2つ以上の薬剤コンテナアセンブリ304の2つ以上の薬剤ポート307が積み重なって配置された場合、2つ以上の薬剤コンテナアセンブリ304が垂直方向のレイアウトであるとして定義される。一部の実施形態では、垂直面上のポート307のうちの2つ以上の最下点の投影間に垂直距離307aが存在する場合、2つ以上の薬剤コンテナアセンブリ304が垂直方向のレイアウトである。一部の実施形態では、垂直距離307aは2cm~40cmである。一部の実施形態では、垂直距離307aは5cm~30cmである。一部の実施形態では、垂直距離307aは7cm~20cmである。一部の実施形態では、垂直距離307aは、薬剤コンテナアセンブリ304の最大の長さの0.5~5倍である。一部の実施形態では、垂直距離307aは、薬剤コンテナアセンブリ304の最大の長さの0.5~1倍である。一部の実施形態では、垂直距離307aは、薬剤コンテナアセンブリ304の最大の長さの1~1.5倍である。
【0099】
一部の実施形態によれば、ドッキングポート306は、概略ポート方向に伸びるように成形され、概略ポート方向は、パネルベース305を横断する方向である。一部の実施形態では、ドッキング面306aに結合された薬剤コンテナアセンブリ304が垂直面と角度を有するように、ドッキングポート306は、パネルベース305と角度を有するドッキング面306aを含む。一部の実施形態では、ドッキング面306aに結合された薬剤コンテナアセンブリ304がパネルベース305と角度を有するように、ドッキング面306aは、パネルベース305と角度を有する。
【0100】
一部の実施形態によれば、例えば
図3Aに示されているように、調剤装置は保持アセンブリ308を含み、保持アセンブリ308を保持する。一部の実施形態では、保持アセンブリ308は、容器キャリア312を保持する。一部の実施形態では、保持アセンブリ308は、保持アセンブリ308を薬剤コンテナアセンブリ304の隣に垂直方向に移動するロボットアームである。
【0101】
一部の実施形態によれば、調剤装置300は、パネル302の隣に移動できる垂直レール314を含む。一部の実施形態では、レール314は水平方向に移動可能である。一部の実施形態によれば、保持アセンブリ308は、レール314に移動可能に取り付けられる。一部の実施形態では、保持アセンブリ308は、ヘッド308をレール314上でスライドさせることによって、パネル302の隣に垂直方向に移動するように構成される。一部の実施形態では、保持アセンブリ308は、レール314を水平方向に移動することによって、パネル302の隣に水平方向に移動するように構成される。一部の実施形態では、レール314は1つまたは複数の水平レールに結合される。一部の実施形態によれば(図示せず)、保持アセンブリ308は、薬剤パネル302に結合された水平レール上で移動可能であり、ヘッド308の直線移動が水平レール上に存在する。一部の実施形態では、保持アセンブリ308の垂直移動は、薬剤パネル302に備えられた1つまたは複数の垂直レール上で水平レールを移動することによる。
【0102】
一部の実施形態によれば、調剤装置は複数の隣接する薬剤パネルを含む。任意選択的に、調剤装置は複数の隣接していない薬剤パネルを含む。一部の実施形態では、複数の薬剤パネルが互いに垂直に配置される。一部の実施形態では、複数の垂直パネルが互いに水平に配置される。一部の実施形態によれば、複数の薬剤パネルが、調剤装置の同じ側面/ゾーンに配置される。一部の実施形態では、複数の薬剤パネルが、調剤装置の異なる側面/ゾーンに配置される。一部の実施形態では、調剤装置は、異なる形状/レイアウトを有する薬剤面を含む。
【0103】
ここで
図4を参照すると、
図4は、本発明の一部の実施形態に従って薬剤コンテナパネルの透視図を示す、薬剤調剤装置の一部の簡略化された図である。
【0104】
一部の実施形態では、調剤システム400は、複数の薬剤コンテナアセンブリ404をそれぞれ収容する、互いに隣接して配置された複数の薬剤パネル402を備えており、任意選択的に、薬剤コンテナアセンブリ404が垂直方向に配置される。一部の実施形態によれば、保持アセンブリ(図示せず)は、パネル402の隣に垂直方向に移動可能である。一部の実施形態では、保持アセンブリはレール414に結合される。一部の実施形態によれば、調剤装置400はパネルベース406を含んでいる。一部の実施形態では、パネル402はベース406に結合される。一部の実施形態では、パネル402のうちの1つまたは複数が、ベースに406に枢動可能に結合され、垂直軸に沿って回転可能である。一部の実施形態では、垂直軸に沿ってパネル402を回転させることによって、保持ヘッドが薬剤コンテナアセンブリ404に接近する。任意選択的に、パネル402は、垂直軸の回りを回転できるベース406に結合される。
【0105】
例えば
図4に示されているように、複数のパネルを円筒形/曲線/多角形/半多角形のレイアウトで配置することの潜在的な利点は、パネルによって占められる水平方向の空間の縮小である。回転移動によって保持アセンブリを薬剤コンテナアセンブリ404に近づけることの別の潜在的な利点は、水平移動を減らすことであり、例えばこれによって、水平レールの必要性をなくすことができる。
【0106】
複数のパネルを含むことの潜在的な利点は、保持アセンブリから離れているパネルへの安全なアクセスをオペレータに提供することである。別の潜在的な利点は、調剤装置をアイドル状態にすることなく、オペレータがパネルにアクセスできるにすることである。
【0107】
保持アセンブリ
ここで
図5を参照すると、
図5は、本発明の一部の実施形態に従って薬剤コンテナパネルの側面図を示す、調剤装置の一部の簡略化された概略図である。
【0108】
一部の実施形態によれば、
図5の実施形態例に示されているように、調剤装置500は、薬剤パネル502と、垂直方向のレイアウトで薬剤パネル502に結合された薬剤コンテナアセンブリ504とを含んでいる。一部の実施形態では、薬剤コンテナアセンブリ504は、薬剤Mを収容し、薬剤ポート506を含んでいる。一部の実施形態によれば、薬剤Mは錠剤の形態である。一部の実施形態では、粉末の形態である。一部の実施形態では、薬剤Mは液体の形態である。一部の実施形態では、パネル502でのコンテナアセンブリ504は、同じ形態の薬剤Mを収容する。一部の実施形態では、パネル502でのコンテナアセンブリ504は、さまざまな形態の薬剤Mを収容する。
【0109】
一部の実施形態では、薬剤投与量が、薬剤ポート506を介して薬剤コンテナアセンブリ504から抽出される。一部の実施形態によれば、調剤装置500は、薬剤コンテナアセンブリ504間を、薬剤コンテナアセンブリ504の隣に垂直方向に移動できる保持アセンブリ508を含んでいる。一部の実施形態では、保持アセンブリ508は、保持プラットフォーム510と、保持プラットフォーム510に移動可能に結合されたグリッパ512とを含んでいる。一部の実施形態では、グリッパ512は、薬剤ポート506に接近して薬剤Mを選別するように移動可能である。一部の実施形態では、グリッパ512は、薬剤ポート506に接近するように水平軸の回りを回転可能である。一部の実施形態では、グリッパ512は、薬剤ポート506に接近するように直線的に移動可能である。
【0110】
一部の実施形態によれば、調剤装置500は、1つまたは複数の薬剤容器516を操作するための容器キャリア514を含んでいる。一部の実施形態では、例えば
図5に示されているように、容器キャリア514は保持アセンブリ508に結合される。一部の実施形態では、容器キャリア514が保持アセンブリ508に結合された場合、容器がグリッパ512の先端に近接して保持される。
【0111】
一部の実施形態によれば、グリッパ512は、薬剤投与量を保持するためのプローブを選別するように構成された、プローブグリッパである。一部の実施形態では、グリッパ512は、プローブによって薬剤Mを選別して保持するために、プローブへの吸引を適用するように構成される。
【0112】
一部の実施形態では、グリッパ512は、薬剤コンテナアセンブリ504から離れているプローブを直線運動でつかむために、グリッパ512をプローブに近づけることによって、薬剤コンテナに挿入されたプローブをつかむように構成される。一部の実施形態では、グリッパ512は、プローブを、薬剤コンテナアセンブリ504に向かう直線運動でコンテナに戻すように構成される。一部の実施形態では、グリッパ512は、プラットフォーム510に結合された線形システムによって直線的に移動するように作動される。一部の実施形態では、直線運動でグリッパ512を移動することは、薬剤パネル502に対してプラットフォーム510を移動することを伴わない。
【0113】
一部の実施形態によれば、抽出された薬剤投与量Mを薬剤容器516に調剤するために、選別されたプローブがグリッパ512によって回転され、薬剤容器516の上に配置される。一部の実施形態では、グリッパ512は回転するようにプラットフォーム510に結合される。一部の実施形態では、グリッパ512の回転は、プラットフォーム510に結合されたシステム514を回転させることによる。一部の実施形態では、ヘッド500は、薬剤パネル502に対してプラットフォーム510を移動せずに、回転運動でグリッパ512を移動するように構成される。一部の実施形態では、薬剤投与量Mの抽出と調剤の間に、コンテナアセンブリ504から離れた水平方向でのグリッパ512の直線移動が存在しない。一部の実施形態では、この回転は5~85度の範囲内である。一部の実施形態では、この回転は10~60度の範囲内である。一部の実施形態では、この回転は20~45度の範囲内である。
【0114】
グリッパアセンブリ508の直線移動を減らすことの潜在的な利点は、調剤時間を減らすことである。グリッパアセンブリ508および容器キャリア514を結合することおよびそれらの間の直線移動を減らすことの潜在的な利点は、調剤時間を減らすことである。一部の実施形態では、グリッパ512によってコンテナアセンブリ504からプローブをつかむことと、薬剤投与量Mを薬剤容器516内に調剤することとの間の時間は、5秒より短い。一部の実施形態では、グリッパ512によってコンテナアセンブリ504からプローブをつかむことと、薬剤投与量Mを薬剤容器516内に調剤することとの間の時間は、2秒より短い。一部の実施形態では、グリッパ512によってコンテナアセンブリ504からプローブをつかむことと、薬剤投与量Mを薬剤容器516内に調剤することとの間の時間は、0.5秒より短い。
【0115】
一部の実施形態によれば、(X-Z方向の)水平面上の1つのアセンブリ504に格納された薬剤Mの少なくとも一部の投影と、(X-Z方向の)水平面上の垂直方向に隣接するアセンブリ504に格納された薬剤Mの少なくとも一部の投影との間には、重複が存在する。一部の実施形態では、薬剤Mに関する投影間の重複は10%より大きい。一部の実施形態によれば、(X-Y方向の)垂直面上の1つのアセンブリ504に格納された薬剤Mの少なくとも一部の投影と、(X-Y方向の)垂直面上の垂直方向に隣接するアセンブリ504に格納された薬剤Mの少なくとも一部の投影との間には、重複が存在する。一部の実施形態では、薬剤Mに関する投影間の重複は10%より大きい。
【0116】
ここで
図6A~6Dを参照すると、これらの図は、本発明の一部の実施形態に従って薬剤パネルの側面図を示す、調剤装置の一部の簡略化された概略図である。
【0117】
調剤装置600は、本明細書の他の場所で説明された調剤装置500に類似する。一部の実施形態では、装置600は、パネル602上に垂直方向のレイアウトで配置された複数の薬剤コンテナアセンブリ604を含んでいる(垂直方向Yに積み重なった薬剤コンテナアセンブリ604を含んでいる)。一部の実施形態では、保持アセンブリ606は、パネル604を横切って移動し、薬剤コンテナアセンブリ604に接近するように構成される。一部の実施形態では、保持アセンブリ606は、垂直方向Yでの直線移動よって薬剤コンテナアセンブリ604間を移動するように構成される。一部の実施形態では、この直線移動は、パネル602を横切るX方向での水平移動とY方向での垂直移動の組み合わせである。一部の実施形態では、保持アセンブリは、薬剤コンテナアセンブリ604と薬剤容器への調剤との間で薬剤投与量Mを操作するように構成されたグリッパ608を含む。
【0118】
一部の実施形態では、調剤装置600は、1つまたは複数の薬剤容器612を操作するための容器キャリア610を含んでいる。一部の実施形態では、薬剤容器612は薬袋である。一部の実施形態では、容器キャリア610はグリッパ608の下で垂直方向に容器612を保持する。一部の実施形態では、薬剤投与量Mを保持するためにプローブPが使用される場合、プローブPから容器612の開口部に薬剤Mを落とすことによって、プローブの先端に配置された薬剤が調剤されるように、容器キャリア610がプローブPの先端の下で垂直方向に容器612を保持する。
【0119】
図6A~6Bに示されている実施形態例では、調剤装置600が、保持アセンブリ606から分離した容器キャリア610を含んでいる。一部の実施形態によれば、1つまたは複数のキャリアアクチュエータが容器キャリア610を水平方向に移動する。一部の実施形態では、容器キャリア610は、薬剤コンテナアセンブリ604の下で水平方向Xに容器を操作する。一部の実施形態では、水平方向に移動することは、グリッパ608と容器612の開口部の間の最大水平距離D1を事前に定義された範囲内に維持するためである。一部の実施形態では、距離D1は50cmより短い。一部の実施形態では、距離D1は10cmより短い。一部の実施形態では、距離D1は20cmより短い。一部の実施形態では、距離D1は5cmより短い。
【0120】
一部の実施形態では、例えば
図6Aに示されているように、距離D1を制御することは、保持アセンブリ606とキャリア610の両方を水平方向(例えば、X方向)に移動することによる。
【0121】
一部の実施形態によれば、キャリア610を移動して、キャリア610をグリッパ608からある水平距離に配置することは、コンテナアセンブリ604に接近することに先立つ。一部の実施形態では、キャリア610を移動して、キャリア610をグリッパ608から事前に定義された水平距離に配置することは、保持アセンブリ606が薬剤投与量Mを受け取った後、かつその薬剤投与量Mを容器610に調剤する前である。
【0122】
一部の実施形態によれば、容器キャリア610は、Y方向に垂直に移動可能である。一部の実施形態では、垂直キャリアアクチュエータが、キャリア610を垂直方向に移動する。
【0123】
一部の実施形態によれば、例えば
図6Cに示されているように、パネル602が複数の保持アセンブリ606を含むことができる。一部の実施形態では、コンテナアセンブリ604のある列に配置された薬剤コンテナアセンブリ604の1つまたは複数の行に接近するために、保持アセンブリ606-1~606-3が指定される。一部の実施形態では、保持アセンブリ606-1~606-3は、コンテナアセンブリ604の列間の水平移動を伴わずに、垂直方向のみに移動するように構成される。一部の実施形態では、保持アセンブリ606-1~606-3を作動させることは、保持アセンブリ間の依存関係を伴わず、同時である。一部の実施形態では、列間の水平移動を含まないことによって、調剤装置600の複雑さ(例えば、保持アセンブリの水平方向の作動に必要なコンポーネント)が低減する。複数の保持アセンブリを含むことの潜在的な利点は、調剤プロセスにおいて保持アセンブリが動作していない列に結合されたコンテナアセンブリ604に安全にアクセスできることである。
【0124】
一部の実施形態によれば(図示せず)、調剤装置600は、薬剤コンテナアセンブリ604の1つまたは複数の列間を水平方向に移動するように指定された複数の保持アセンブリ606を含んでいる。一部の実施形態では、保持アセンブリ606は、コンテナアセンブリ604の行間の垂直移動を伴わずに、水平方向のみに移動するように構成される。一部の実施形態では、保持アセンブリ606-1~606-3は、保持アセンブリ間の依存関係を伴わず、同時に作動される。
【0125】
一部の実施形態によれば、例えば
図6Dに示されているように、容器キャリア610-2は、複数の容器612を保持するように構成される。一部の実施形態では、キャリア610-2は、コンテナアセンブリ604の列間の水平移動を仮定しない。一部の実施形態では、列間の水平移動を含まないことによって、調剤装置600の複雑さ(例えば、キャリア610-2の水平方向の作動に必要なコンポーネント)が低減する。一部の実施形態では、キャリア610-2は、作動され、水平移動を伴わずに垂直移動するように構成される。一部の実施形態では、キャリア610-2は、容器612を保持アセンブリ606の下に配置するために固定される。一部の実施形態では、キャリア610-2は、薬剤投与量Mを抽出することと薬剤投与量Mを容器612内に調剤することとの間で、固定される。
【0126】
薬剤コンテナアセンブリ
ここで
図7A~7Bを参照すると、これらの図は、本発明の一部の実施形態に従う、薬剤コンテナアセンブリの概略図および透視図の簡略化された図である。
【0127】
一部の実施形態によれば、薬剤パネルに結合された薬剤コンテナアセンブリは同一である。一部の実施形態では、パネルに結合された薬剤コンテナアセンブリのサイズが変化する。一部の実施形態では、薬剤パネルに結合された薬剤コンテナアセンブリの形状が変化する。一部の実施形態によれば、薬剤コンテナアセンブリが、異なる種類/形態の薬剤を収容する。一部の実施形態では、薬剤コンテナアセンブリのサイズおよび形状が薬剤の種類/形態に従う。
【0128】
一部の実施形態によれば、薬剤コンテナアセンブリ702は、キャニスタ704と、キャニスタ704内に形成され、保持アセンブリによって選別される薬剤を収容するように構成された、薬剤収集室706とを含んでいる。
【0129】
一部の実施形態によれば、薬剤をコンテナアセンブリ702に供給する前に、薬剤が薬剤カートリッジ708に格納される。一部の実施形態では、カートリッジ708に格納された薬剤をコンテナアセンブリ702に(例えば、M1方向に)移動することは、カートリッジ708をキャニスタ704に取り付けることによる。一部の実施形態では、カートリッジ708から薬剤Mを収集するための収集室706がキャニスタ704内に形成される。一部の実施形態では、キャニスタ704へのカートリッジ708の取り付けの後に、薬剤Mがカートリッジ708から収集室706に落下する。一部の実施形態では、コンテナアセンブリ702がカートリッジを含まず、薬剤Mがキャニスタ704でポートによって収集室706に供給される。
【0130】
一部の実施形態によれば、薬剤コンテナアセンブリ702は、収集室706から薬剤投与量Mを選別するためにキャニスタ704に結合された取り外し可能なプローブ710を含む。一部の実施形態では、薬剤投与量を抽出することは、保持アセンブリ(106など)によって薬剤コンテナ702から調剤プローブ710をつかむことによる。
【0131】
一部の実施形態では、プローブ710は遠心端に先端712を有する。一部の実施形態では、先端712は、プローブ710が室706に配置された薬剤にアクセスできるように、収集室706内に配置されるよう構成される。一部の実施形態によれば、先端712によって収集室706から薬剤投与量を選別することは、先端712を介して吸引を適用することによる。一部の実施形態では、保持アセンブリによって吸引が適用され、プローブ710は、吸引を先端712に伝えるために、少なくとも部分的に空洞である。一部の実施形態によれば、プローブ710によって選別された薬剤投与量を放出することは、吸引を終了することによる。
【0132】
一部の実施形態では、プローブ710は、把握要素(例えば、把握爪)によって薬剤を選別するように構成される。一部の実施形態では、把握要素は先端712で結合される。一部の実施形態では、プローブ710による把握は、プローブ710を介して吸引を適用することを伴わない。
【0133】
一部の実施形態では、プローブ710に近接して薬剤投与量の可用性を高めることによって、コンテナアセンブリ702の収集室706から抽出された薬剤の割合の予測可能性を高めることができる。一部の実施形態によれば、コンテナ702内で薬剤を誘導することによって、任意選択的に(例えば、M2方向に)重力を用いて、プローブ710に近接して薬剤投与量のグループ化が実行される。
【0134】
一部の実施形態によれば、例えば
図7Bに示されているように、収集室706は、1つまたは複数の傾斜した薬剤誘導面726を含んでいる。一部の実施形態では、少なくとも1つの誘導面726-1は、コンテナアセンブリ702内の薬剤投与量を先端712に向かわせるために、プローブ710の先端712に向かって傾斜する。一部の実施形態では、誘導面726-1は、薬剤を誘導面726-1の中心に向かわせる2つ以上の面726-2および726-3に分割される。
【0135】
一部の実施形態によれば、本明細書の他の場所で説明されているように(例えば、
図3Dおよび5に示されているように)、収集室は、傾斜した向きで薬剤パネルに結合され、それによって、重力により、薬剤投与量をプローブの先端に向かって誘導する。一部の実施形態では、収集室は、薬剤アセンブリが薬剤パネルに結合されたときに、重力によって薬剤投与量を誘導するために、成形されて方向付けられた1つまたは複数の誘導面を含む。
【0136】
一部の実施形態によれば、薬剤投与量をプローブ710の先端712に向かって誘導することは、コンテナ702内に正または負の圧力差を加えることによって実行される。一部の実施形態では、負の圧力は吸引による。
【0137】
一部の実施形態によれば、コンテナアセンブリ702がパネル700にある間に室706の内容を見ることは、オペレータにとって有益である。一部の実施形態によれば、室706の少なくとも1つの壁が透明であり、室706内で収集された薬剤を見ることができるようにする。一部の実施形態では、透明な壁は、オペレータによって見ることができるパネル700の側面に面する壁である。潜在的な利点は、コンテナがパネルにある間に、オペレータによってコンテナの内容を見ることである。
【0138】
一部の実施形態によれば、プローブ710は、プローブコネクタ728によってキャニスタ704に取り外し可能なように接続される。一部の実施形態では、プローブ710をコンテナ702から選別することは、保持アセンブリによってプローブコネクタ728をつかむことによる。一部の実施形態では、プローブ710の遠心端730がプローブコネクタ728に接続される。一部の実施形態では、収集器室706内の薬剤投与量を選別するために、保持アセンブリによって、プローブ710の遠心端730を介して吸引が適用される。
【0139】
一部の実施形態によれば、コンテナアセンブリ702は、先端712に近接して蓄積される薬剤の量を制御するために、薬剤収集堤732を含んでいる。
【0140】
一部の実施形態によれば、コンテナアセンブリ702は、帯電防止材料で作られている。一部の実施形態によれば、コンテナ704は、帯電防止材料で作られている。
【0141】
一部の実施形態によれば、702などのコンテナアセンブリは、動作パラメータを識別/報告するための1つまたは複数の指示/警告回路(例えば、
図7Bの736)を含んでいる。一部の実施形態によれば、コンテナアセンブリ702によって提供される指示は視覚的である。一部の実施形態では、視覚的指示は光によって提供される。一部の実施形態では、視覚的指示は、LEDによってコンテナアセンブリ上またはコンテナアセンブリ内に配置される。一部の実施形態では、光をインジケータ736に伝達することは、光パイプを使用することによる。一部の実施形態では、インジケータ736によって提供される指示は、2つ以上の色である。一部の実施形態では、警告は音波の放射を含む。一部の実施形態では、警告は振動を含む。一部の実施形態では、パネルは(本明細書の他の場所で開示されたパネルのうちのいずれか1つのように)1つまたは複数のインジケータを含む。一部の実施形態では、調剤システムは、1つまたは複数の警告デバイスを含んでいるモニタを含む。
【0142】
一部の実施形態では、薬剤コンテナアセンブリは、1つまたは複数のチップまたはRFIDタグ738を含む。一部の実施形態では、RFID/チップ738は、薬剤コンテナアセンブリの動作パラメータを格納/送信する。
【0143】
コンテナアセンブリに関連する指示の例は、カートリッジ接続状態、コンテナ内の薬剤、プローブ取り付け状態、薬剤コンテナアセンブリの準備におけるステップを誘導するための指示などである。
【0144】
一部の実施形態によれば、薬剤コンテナアセンブリのうちの1つまたは複数は、コンテナを置き換える必要性、コンテナに関連するエラー、空のコンテナ、事前に定義された値より少ない薬剤の内容、および正常動作などの、薬剤コンテナアセンブリの動作パラメータを送信するための電気/電磁回路を備える。
【0145】
保持アセンブリを回転させる実施形態例
ここで
図8A~8Cを参照すると、これらの図は、本発明の一部の実施形態に従う、保持アセンブリの側面図の簡略化された図である。
【0146】
図8Aおよび8Bに示されているように、保持アセンブリ800は筐体802を含んでいる。一部の実施形態では、保持アセンブリ800は、筐体802に回転可能なように結合された可動プラットフォーム804を含んでいる。
【0147】
一部の実施形態によれば、保持アセンブリ800は、保持プラットフォーム804およびプラットフォーム804に結合されたグリッパ808を含んでいる。一部の実施形態では、グリッパ808は、薬剤コンテナアセンブリに結合されたプローブPを選別するように構成される。
【0148】
図8A~8Cに示されているように、一部の実施形態では、グリッパ808は、筐体802に対して近位方向810-1および遠位方向810-2に直線的に移動可能である。一部の実施形態では、1つまたは複数のグリッパアクチュエータは、グリッパ808を近位方向810-1にプローブPに近づけることによって、薬剤コンテナアセンブリからプローブPをつかみ、遠位の直線運動によって方向810-2にコンテナアセンブリから離れてプローブPをつかむように、グリッパ808を作動させる。一部の実施形態では、プローブPを薬剤コンテナアセンブリに戻すことは、グリッパによって近位の直線運動で薬剤コンテナアセンブリに向かって方向810-1にグリッパ808を作動させることによる。一部の実施形態では、グリッパ808を近位方向810-1および遠位方向810-2に移動することは、薬剤パネル(本明細書の他の場所で説明されたような薬剤パネル)に対して筐体802を移動することを伴わない。一部の実施形態では、近位方向810-1および遠位方向810-2はY方向に垂直である。
【0149】
一部の実施形態によれば、薬剤パネルに対してグリッパ808を回転させることは、筐体802を回転させずに実行される。一部の実施形態では、薬剤パネルに対してグリッパ808を回転させることは、薬剤パネルに対して保持アセンブリ800を移動することを伴わない。一部の実施形態では、例えば
図8Aおよび8Bに示されているように、保持アセンブリ800は、プラットフォーム804および筐体802を相互接続する1つまたは複数の歯車機構812を含んでいる。一部の実施形態では、グリッパ808の回転は、保持プラットフォーム804を回転させることによる。一部の実施形態では、保持アセンブリ800は、グリッパ808を(
図8Aおよび8Bに示された)方向812-1および812-2に回転させるように構成された1つまたは複数の歯車機構812を含んでいる。一部の実施形態では、回転方向812-1および812-2は、軸YおよびZと直角な軸Xを軸にする。
【0150】
一部の実施形態によれば、保持アセンブリ800は、薬剤コンテナアセンブリ内のエンコードされた情報を更新するように構成される。
図8Aおよび8Cに示されているように、保持アセンブリ800は、グリッパ808に結合されたRFID/タグリーダおよび/またはエンコーダ814を含んでいる。一部の実施形態では、グリッパ808は、リーダ/エンコーダ814を近位方向810-1および遠位方向810-2に作動させ、薬剤コンテナアセンブリに結合されたRFIDタグ/チップに接近することおよび離れることを可能にするように構成される。
【0151】
一部の実施形態では、リーダ/エンコーダ814は筐体802に対して移動可能である。一部の実施形態では、例えば
図8A~8Cのように、リーダ/エンコーダ814は、例えば、グリッパ808によってプローブPを選別するとき、コンテナのRFIDタグ/チップに接近するために、グリッパ808と一緒に移動するように構成される。一部の代替の実施形態では、リーダ/エンコーダ814は、グリッパ808とは無関係に移動するように構成される。
【0152】
一部の実施形態では、保持アセンブリ800は、歯車モジュール808および筐体802を相互接続する1つまたは複数の直線的な歯車機構816を含んでいる。一部の実施形態では、歯車816による歯車モジュール808の移動は、グリッパ808を方向810-1(
図8Cに示されている)および810-2(
図8Aおよび8Bに示されている)に移動する。一部の実施形態では、直線的な歯車機構816は、歯車モジュール808および保持プラットフォーム804を相互接続する。一部の実施形態では、歯車816を保持プラットフォーム804に接続することは、筐体802に対する直線運動および回転運動の両方で、グリッパ808および/またはリーダ814の作動を可能にする。
【0153】
一部の実施形態によれば、保持アセンブリ800は、1つまたは複数の薬袋Eを保持アセンブリ800に結合するための薬袋キャリア818を含む。一部の実施形態では、例えば
図8Aに示されているように、薬袋キャリア818は、グリッパ808の下で筐体802に結合される。一部の実施形態によれば、薬袋キャリア818は、薬剤投与量を薬袋Eに調剤するときに1つまたは複数の薬袋Eを保持するように構成された薬袋台820を含んでいる。
図8Aに示されているように、薬袋台820は、薬袋Eをグリッパ808の下で垂直方向に保持する。一部の実施形態では、薬剤投与量を保持するためにプローブPが使用される場合、プローブPから開いた薬袋に薬剤を落とすことによって、プローブPの先端に配置された薬剤が調剤されるように、薬袋台820がプローブPの先端の下で垂直方向に薬袋Eを保持する。一部の実施形態では、キャリア818によって薬袋Eを保持することは、台820によって薬袋の表面に加えられた吸引力による。一部の実施形態では、吸引を薬袋キャリア818に供給することは、保持アセンブリ800に接続された吸引システムによる。
【0154】
量または値を参照して本明細書において使用されるとき、「約」という用語は「~の±20%以内である」ということを意味する。
【0155】
用語「備える」、「備えている」、「含む」、「含んでいる」、「有する」、「有している」、およびこれらの活用形は、「~を含んでいるが、これに限定されない」ということを意味する。
【0156】
「~から成る」という用語は、「~を含んでいるが、これに限定されない」ということを意味する。
【0157】
「基本的に~から成る」という用語は、組成、方法、または構造が追加の原料、ステップ、および/または部品を含んでよいということを意味するが、ただしそれは、追加の原料、ステップ、および/または部品が、請求された組成、方法、または構造の基本的な新しい特性を著しく変更しない場合に限る。
【0158】
本明細書において使用されるとき、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈において特に明確に示されない限り、複数の参照を含む。例えば、「化合物」または「少なくとも1つの化合物」という用語は、化合物の混合を含む、複数の化合物を含んでよい。
【0159】
本出願全体を通じて、本発明の実施形態が、範囲の形式を参照して提示されることがある。範囲の形式における説明が、単に便宜および簡潔さのためであり、本発明の範囲に対する柔軟性のない制限であると解釈されるべきではないということが、理解されるべきである。したがって、範囲の説明は、その範囲内の個別の数値に加えて、すべての可能な部分範囲を特に開示すると見なされるべきである。例えば、「1~6」などの範囲の説明は、その範囲内の個別の数値(例えば、1、2、3、4、5、および6)に加えて、「1~3」、「1~4」、「1~5」、「2~4」、「2~6」、「3~6」などの部分範囲を特に開示すると見なされるべきである。このことは、範囲の幅に関わらず当てはまる。
【0160】
本明細書において数値範囲(例えば、「10~15(10-15)」、「10~15(10 to 15)」、または別のこれらのような範囲の指示で結び付けられた任意の数値の対)が示された場合、常に、文脈において特に明確に示されない限り、範囲の限界を含む示された範囲の限界内の任意の数値(分数または整数)を含むよう意図される。1番目に示された数値と2番目に示された数値の「間の範囲にわたる」、および1番目に示された数値「から」2番目に示された数値「まで(to)」、「まで(up to)」、または「まで(through)」(あるいは別のそのような範囲を示す用語)の「範囲にわたる」という語句は、本明細書では交換可能なように使用されており、1番目に示された数値および2番目に示された数値、ならびにそれらの間のすべての分数および整数を含むよう意図される。
【0161】
特に示されない限り、本明細書において使用される数値およびそれらに基づく任意の数値範囲は、当業者によって理解されているように、妥当な測定誤差および丸め誤差の精度内での近似である。
【0162】
明確にするために別々の実施形態との関連において説明された本発明の特定の複数の特徴が、単一の実施形態において組み合わさって提供されてもよいということが、理解される。反対に、簡潔にするために単一の実施形態との関連において説明された本発明のさまざまな特徴は、別々に、もしくは任意の適切な部分的組み合わせで、または本発明の任意のその他の説明された実施形態において適切であるように、提供されてもよい。さまざまな実施形態との関連において説明された特定の特徴は、そのような要素なしでは実施形態が動作不能になるのでない限り、それらの実施形態の不可欠な特徴と見なされるべきではない。
【0163】
本発明は、その特定の実施形態と併せて説明されたが、多くの代替、変更、および変形が当業者にとって明らかであるということは明白である。したがって、添付の特許請求の思想および広い範囲に含まれるすべてのそのような代替、変更、および変形を包含することが、意図されている。
【0164】
本明細書において言及されたすべての公開文献、特許、および特許出願は、本明細書では、個々の公開文献、特許、または特許出願が具体的かつ個別に参照によって本明細書に組み込まれていると示された場合と同じ程度まで、全体的に参照によって本明細書に組み込まれる。加えて、本出願におけるすべての参照の引用または識別は、そのような参照が従来技術として本発明に使用可能であることの承認であると解釈されてはならない。セクションの見出しが使用されている範囲内において、それらの見出しが必ずしも制限であると解釈されるべきではない。加えて、本出願のすべての優先権書類が、参照によって本明細書に全体的に組み込まれている。加えて、本出願のすべての優先権書類が、参照によって本明細書に全体的に組み込まれている。
【符号の説明】
【0165】
100 調剤システム
102 コンテナアセンブリパネル
104 コンテナアセンブリ
106 保持アセンブリ
108 薬剤容器
109 カメラ
110 制御回路
112 アクチュエータ
114 容器キャリア
116 電源
124 監視インターフェイス
126 ユーザ入力インターフェイス
202 ステップ
204 ステップ
206 ステップ
208 ステップ
210 ステップ
212 ステップ
214 ステップ
216 ステップ
300 調剤装置
302 パネル
302-1 サブパネル
302-2 サブパネル
302-3 サブパネル
302-4 サブパネル
304 薬剤コンテナアセンブリ
304’ 方向
305 パネルベース
306 ドッキングポート
306a ドッキング面
307 薬剤ポート
307a 垂直距離
308 保持アセンブリ
312 容器キャリア
314 レール
400 調剤装置
402 パネル
404 薬剤コンテナアセンブリ
406 ベース
414 レール
502 パネル
504 コンテナアセンブリ
506 薬剤ポート
508 グリッパアセンブリ
510 保持プラットフォーム
512 グリッパ
512’ グリッパ
514 容器キャリア
516 薬剤容器
602 パネル
604 コンテナアセンブリ
606 保持アセンブリ
606-1 保持アセンブリ
606-2 保持アセンブリ
606-3 保持アセンブリ
608 グリッパ
610 容器キャリア
610-2 キャリア
612 薬剤容器
702 コンテナアセンブリ
704 コンテナ
706 収集室
708 薬剤カートリッジ
710 プローブ
712 先端
726 薬剤誘導面
726-1 誘導面
726-2 面
726-3 面
728 プローブコネクタ
730 遠心端
732 薬剤収集堤
736 インジケータ
738 RFID/チップ
800 保持アセンブリ
802 筐体
804 保持プラットフォーム
808 グリッパ
810-1 近位方向
810-2 遠位方向
812 歯車機構
812-1 回転方向
812-2 回転方向
814 リーダ/エンコーダ
816 歯車機構
818 薬袋キャリア
820 薬袋台
【国際調査報告】