(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-10
(54)【発明の名称】低比抵抗物質の処理方法及び処理装置
(51)【国際特許分類】
B03C 3/40 20060101AFI20220603BHJP
【FI】
B03C3/40 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021556694
(86)(22)【出願日】2020-03-19
(85)【翻訳文提出日】2021-09-20
(86)【国際出願番号】 CN2020080276
(87)【国際公開番号】W WO2020187305
(87)【国際公開日】2020-09-24
(31)【優先権主張番号】201910211284.1
(32)【優先日】2019-03-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201910340445.7
(32)【優先日】2019-04-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201910340443.8
(32)【優先日】2019-04-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201910452169.3
(32)【優先日】2019-05-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201910605156.5
(32)【優先日】2019-07-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201910636710.6
(32)【優先日】2019-07-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521172099
【氏名又は名称】上海必修福企業管理有限公司
【氏名又は名称原語表記】SHANGHAI BIXIUFU ENTERPRISE MANAGEMENT CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】Room 404B, Building 10, No.1188, Lianhang Road, Minhang District Shanghai 201112 China
(74)【代理人】
【識別番号】100205936
【氏名又は名称】崔 海龍
(74)【代理人】
【識別番号】100132805
【氏名又は名称】河合 貴之
(72)【発明者】
【氏名】唐 万福
(72)【発明者】
【氏名】王 大祥
(72)【発明者】
【氏名】段 志軍
(72)【発明者】
【氏名】奚 勇
【テーマコード(参考)】
4D054
【Fターム(参考)】
4D054AA03
4D054BA02
4D054BB06
4D054BC31
(57)【要約】
低比抵抗物質の処理方法及び処理装置であって、処理方法は、導電極(301)を用いて電子を低比抵抗物質に伝導し、低比抵抗物質を帯電させるステップと、吸着極(302)を用いて帯電した低比抵抗物質を吸引し、帯電した低比抵抗物質を吸着極(302)に移動させるステップとを含む。電子伝導方法により低比抵抗物質を帯電させ、低比抵抗物質の帯電後に電子が失われやすくなることに起因する問題を解消し、低比抵抗物質は電子が失われた後すぐに電子を得ることができるようにし、低比抵抗物質を帯電させる確率を高め、低比抵抗物質を帯電状態に維持させ、吸着極(302)は、低比抵抗物質に吸引力を継続的に付勢することで、低比抵抗物質を吸着することができ、且つ低比抵抗物質の処理方法は低比抵抗物質に対する収集能力がより強くなり、収集効率がより高くなる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電極を用いて電子を低比抵抗物質に伝導し、前記低比抵抗物質を帯電させるステップと、
吸着極を用いて帯電した前記低比抵抗物質を吸引し、帯電した前記低比抵抗物質を前記吸着極に移動させるステップとを含む、
低比抵抗物質の処理方法。
【請求項2】
導電極を用いて電子を前記低比抵抗物質に伝導する前記ステップは、電子を前記導電極と前記吸着極の間に位置する低比抵抗物質間で伝送することで、より多くの低比抵抗物質を帯電させるステップを含む、ことを特徴とする請求項1に記載の低比抵抗物質の処理方法。
【請求項3】
前記導電極と前記吸着極との間は低比抵抗物質を介して電子を伝導し、電流を形成する、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の低比抵抗物質の処理方法。
【請求項4】
導電極を用いて電子を前記低比抵抗物質に伝導する前記ステップは、
前記導電極は、前記低比抵抗物質と接触することにより前記低比抵抗物質を帯電させるステップを含む、ことを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の低比抵抗物質の処理方法。
【請求項5】
前記導電極に少なくとも1つの貫通孔が設けられる、ことを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の低比抵抗物質の処理方法。
【請求項6】
導電極を用いて電子を前記低比抵抗物質に伝導する前記ステップは、前記低比抵抗物質を前記導電極の貫通孔に通し、前記低比抵抗物質を帯電させるステップを含む、ことを特徴とする請求項5に記載の低比抵抗物質の処理方法。
【請求項7】
前記導電極及び前記吸着極はいずれもハウジング内に取り付けられ、前記ハウジングは入口及び出口を有する、ことを特徴とする請求項1~6のいずれか一項に記載の低比抵抗物質の処理方法。
【請求項8】
前記ハウジングは流路をさらに含み、前記流路は前記ハウジングの中に位置し、前記入口と前記出口との間に位置する、ことを特徴とする請求項1~7のいずれか一項に記載の低比抵抗物質の処理方法。
【請求項9】
前記低比抵抗物質は入口から流路に入り、出口方向に移動するステップと、前記低比抵抗物質が前記導電極を通過する場合、前記導電極は電子を低比抵抗物質に伝導し、低比抵抗物質を帯電させるステップとを含む、
ことを特徴とする請求項1~8のいずれか一項に記載の低比抵抗物質の処理方法。
【請求項10】
前記導電極の断面積と流路の断面積との比率は99%~10%であることを特徴とする請求項1~9のいずれかに記載の低比抵抗物質の処理方法。
【請求項11】
電子を前記低比抵抗物質に伝導できる導電極であって、電子が前記低比抵抗物質に伝導されると、前記低比抵抗物質が帯電する導電極と、
帯電した低比抵抗物質に吸引力を付勢することができる吸着極とを含む、
低比抵抗物質の処理装置。
【請求項12】
前記導電極に少なくとも1つの貫通孔が設けられる、ことを特徴とする請求項11に記載の低比抵抗物質の処理装置。
【請求項13】
前記低比抵抗物質が前記導電極上の貫通孔を通過する場合、前記低比抵抗物質を帯電させる、ことを特徴とする請求項11又は12に記載の低比抵抗物質の処理装置。
【請求項14】
入口及び出口を有するハウジングをさらに含み、前記導電極及び前記吸着極はいずれも前記ハウジング内に取り付けられる、ことを特徴とする請求項11~13のいずれか一項に記載の低比抵抗物質の処理装置。
【請求項15】
前記ハウジング内はさらに流路を含み、前記流路は前記ハウジングの中に位置し、前記入口と前記出口との間に位置する、ことを特徴とする請求項11~14のいずれか一項に記載の低比抵抗物質の処理装置。
【請求項16】
前記導電極の断面積と前記流路の断面積との比率は99%~10%である、ことを特徴とする請求項11~15のいずれか一項に記載の低比抵抗物質の処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、低比抵抗物質の処理方法及び処理装置に関し、特に、低比抵抗物質を収集するためのより高い効率を有する低比抵抗物質の処理方法及び処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、環境保護分野では、集塵、脱硫、脱硝、ミスト除去などの段階を通って、煙突から排出された黒煙、青煙、黄煙がなくなったが、白煙が生じてしまう。白煙の成分のほとんどは水煙であり、微粒子、アンモニウム塩、カルシウム、硝酸、エアロゾルなどもその中に入り混じており、これらは緊急に解決すべき主な汚染物である。現在使用されているサイクロン集塵機、バッグ集塵機、凝縮型デミスター、湿式電気集塵機、酸霧デミスターなどは基本的に無効である。例えば、オゾン脱硝及びボイラーや焼結機からの煙道ガスの湿式処理の最後に、煙道ガス中の水分を除去するためにデミスターが使用されるが、温度差と微細なミストの特性のため、実際のデミスターは除去効果をまったく達成できない。現在、主に湿式静電集塵機が処理方法として使用されているが、構造と荷電原理との偏差により、水煙を帯電させ且つ吸着することができず、白煙の処理効率も極めて低い。このようにして大量の上記汚染物が大気中に排出されて、煙霧や酸性雨を発生させる。飛散粉塵、アンモニウム塩、脱硫剤、脱硝剤、フェン、及び高原子価重金属などが混ぜられて排出されるため、地元の人々の健康に深刻な影響を及ぼす。また、工業用水を大量に排出することで、水資源の節約に不利である。
【0003】
上記排出される水煙は低比抵抗物質であり、従来の低比抵抗物質を処理する技術には、低比抵抗物質の帯電後に電子が失われやすくなることに起因する問題が存在し、空気中に排出された低比抵抗物質の除去を実現できず、例えば工業用排気中の酸霧の浄化、収集についての問題は、今日でも緊急に解決すべき技術的な問題である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来技術の欠点に鑑み、本発明の解決しようとする技術的問題は、低比抵抗物質を収集することができ、収集効率が高い、低比抵抗物質の処理方法及び装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的及び他の関連する目的を達成するために、本発明は以下の例を提供する。
【0006】
1、本発明により提供される例1は、
導電極を用いて電子を前記低比抵抗物質に伝導し、前記低比抵抗物質を帯電させるステップと、
吸着極を用いて帯電した前記低比抵抗物質を吸引し、帯電した前記低比抵抗物質を前記吸着極に移動させるステップと、を含む低比抵抗物質の処理方法である。
【0007】
2、本発明により提供される例2は、例1に記載の低比抵抗物質の処理方法において、導電極を用いて電子を前記低比抵抗物質に伝導する前記ステップは、電子を前記導電極と前記吸着極との間に位置する低比抵抗物質間で伝達し、より多くの低比抵抗物質を帯電させるステップを含む、低比抵抗物質の処理方法である。
【0008】
3、本発明により提供される例3は、例1又は2に記載の低比抵抗物質の処理方法において、前記導電極と前記吸着極との間は低比抵抗物質を介して電子を伝導し、電流を形成する、低比抵抗物質の処理方法である。
【0009】
4、本発明により提供される例4は、例1~3のいずれか一項に記載の低比抵抗物質の処理方法において、導電極を用いて電子を前記低比抵抗物質に伝導する前記ステップは、前記導電極は、低比抵抗物質と接触することにより低比抵抗物質を帯電させるステップを含む、低比抵抗物質の処理方法である。
【0010】
5、本発明により提供される例5は、例1~4のいずれか一項に記載の低比抵抗物質の処理方法において、前記導電極は、面状、網状、有孔板状、板状、ツェッパ状、ボックス状、又は管状を有する、低比抵抗物質の処理方法である。
【0011】
6、本発明により提供される例6は、実施例1~5のいずれか一項に記載の低比抵抗物質の処理方法において、前記導電極は、固体、液体、気体分子クラスター、プラズマ、導電性混合形態物質、生体の自然混合による導電性物質又は物体の人工加工による導電性物質のうちの1つ又は複数の形態の組み合わせである、低比抵抗物質の処理方法である。
【0012】
7、本発明により提供される例7は、例1~6のいずれか一項に記載の低比抵抗物質の処理方法において、前記導電極は、固体金属、グラファイト、又はイオン含有導電性液体である、低比抵抗物質の処理方法である。
【0013】
8、本発明により提供される例8は、例1~7のいずれか一項に記載の低比抵抗物質の処理方法において、前記吸着極は多層網状、網状、有孔板状、管状、筒状、ツェッパ状、ボックス状、板状、粒子蓄積層状又は折り曲げ板状である、低比抵抗物質の処理方法である。
【0014】
9、本発明により提供される例9は、例1~8のいずれか一項に記載の低比抵抗物質の処理方法において、前記導電極に少なくとも1つの貫通孔が設けられる、低比抵抗物質の処理方法である。
【0015】
10、本発明により提供される例10は、例9に記載の低比抵抗物質の処理方法において、導電極を用いて電子を前記低比抵抗物質に伝導する前記ステップは、前記低比抵抗物質を前記導電極の貫通孔に通し、前記低比抵抗物質を帯電させるステップを含む、低比抵抗物質の処理方法である。
【0016】
11、本発明により提供される例11は、例9又は10に記載の低比抵抗物質の処理方法において、前記導電極における貫通孔の形状は多角形、円形、楕円形、正方形、長方形、台形、又は菱形である、低比抵抗物質の処理方法である。
【0017】
12、本発明により提供される例12は、例9~11のいずれか一項に記載の低比抵抗物質の処理方法において、前記導電極における貫通孔の孔径は0.1~3ミリメートルである、低比抵抗物質の処理方法である。
【0018】
13、本発明により提供される例13は、例1~12のいずれか一項に記載の低比抵抗物質の処理方法において、前記吸着極に少なくとも1つの貫通孔が設けられる、低比抵抗物質の処理方法である。
【0019】
14、本発明により提供される例14は、例13に記載の低比抵抗物質の処理方法において、前記吸着極における貫通孔の形状は多角形、円形、楕円形、正方形、長方形、台形、又は菱形である、低比抵抗物質の処理方法である。
【0020】
15、本発明により提供される例15は、例13又は14に記載の低比抵抗物質の処理方法において、前記吸着極における貫通孔の孔径は0.1~3ミリメートルである、低比抵抗物質の処理方法である。
【0021】
16、本発明により提供される例16は、例1~15のいずれか一項に記載の低比抵抗物質の処理方法において、前記吸着極は導電性物質で作製されるか、又は前記吸着極の表面には導電性物質がある、低比抵抗物質の処理方法である。
【0022】
17、本発明により提供される例17は、例1~16のいずれか一項に記載の低比抵抗物質の処理方法において、前記導電極と前記吸着極との間に電界が形成される、低比抵抗物質の処理方法である。
【0023】
18、本発明により提供される例18は、例1~17のいずれか一項に記載の低比抵抗物質の処理方法において、前記導電極は、前記吸着極に対して垂直又は平行である、低比抵抗物質の処理方法である。
【0024】
19、本発明により提供される例19は、例1~18のいずれか一項に記載の低比抵抗物質の処理方法において、前記導電極は網状であり、前記吸着極は面状であり、前記導電極は前記吸着極に平行である、低比抵抗物質の処理方法である。
【0025】
20、本発明により提供される例20は、例1~19のいずれか一項に記載の低比抵抗物質の処理方法において、前記導電極及び吸着極はいずれも面状であり、前記導電極は前記吸着極に平行である、低比抵抗物質の処理方法である。
【0026】
21、本発明により提供される例21は、例1~20のいずれか一項に記載の低比抵抗物質の処理方法において、前記導電極は金網を用いる、低比抵抗物質の処理方法である。
【0027】
22、本発明により提供される例22は、例1~21のいずれか一項に記載の低比抵抗物質の処理方法において、前記導電極は平面状又は球面状である、低比抵抗物質の処理方法である。
【0028】
23、本発明により提供される例23は、例1~22のいずれか一項に記載の低比抵抗物質の処理方法において、前記吸着極は曲面状又は球面状である、低比抵抗物質の処理方法である。
【0029】
24、本発明により提供される例24は、例1~23のいずれか一項に記載の低比抵抗物質の処理方法において、前記導電極は給電電源の1つの電極に電気的に接続され、前記吸着極は給電電源のもう1つの電極に電気的に接続される、低比抵抗物質の処理方法である。
【0030】
25、本発明により提供される例25は、例1~24のいずれか一項に記載の低比抵抗物質の処理方法において、前記導電極は給電電源の負極に電気的に接続され、前記吸着極は給電電源の正極に電気的に接続される、低比抵抗物質の処理方法である。
【0031】
26、本発明により提供される例26は、例1~25のいずれか一項に記載の低比抵抗物質の処理方法において、給電電源の給電駆動電圧範囲は5~50KVである、低比抵抗物質の処理方法である。
【0032】
27、本発明により提供される例27は、例1~26のいずれか一項に記載の低比抵抗物質の処理方法において、前記給電電源の給電駆動電圧は初期コロナ開始電圧よりも低い、低比抵抗物質の処理方法である。
【0033】
28、本発明により提供される例28は、例1~27のいずれか一項に記載の低比抵抗物質の処理方法において、前記給電電源の給電駆動電圧は0.1~2kv/mmである、低比抵抗物質の処理方法である。
【0034】
29、本発明により提供される例29は、例1~28のいずれか一項に記載の低比抵抗物質の処理方法において、前記給電電源の給電駆動電圧波形は直流波形、正弦波、又は変調波形である、低比抵抗物質の処理方法である。
【0035】
30、本発明により提供される例30は、例1~29のいずれか一項に記載の低比抵抗物質の処理方法において、前記電源は交流電源であり、前記給電電源のインバータパルス幅は0.1Hz~5GHzである、低比抵抗物質の処理方法である。
【0036】
31、本発明により提供される例31は、例1~30のいずれか一項に記載の低比抵抗物質の処理方法において、前記導電極と吸着極はともに左右方向に伸びており、前記導電極の左端は吸着極の左端の左側に位置する、低比抵抗物質の処理方法である。
【0037】
32、本発明により提供される例32は、例1~31のいずれか一項に記載の低比抵抗物質の処理方法において、前記吸着極は2つあり、前記導電極は2つの吸着極の間に位置する、低比抵抗物質の処理方法である。
【0038】
33、本発明により提供される例33は、例1~32のいずれか一項に記載の低比抵抗物質の処理方法において、前記導電極と吸着極は吸着ユニットを構成し、前記吸着ユニットは複数ある、低比抵抗物質の処理方法である。
【0039】
34、本発明により提供される例34は、例1~33のいずれか一項に記載の低比抵抗物質の処理方法において、全ての吸着ユニットは縦方向、横方向、斜め方向、螺旋方向のうち1つの方向又は複数方向に分布している、低比抵抗物質の処理方法である。
【0040】
35、本発明により提供される例35は、例1~34のいずれか一項に記載の低比抵抗物質の処理方法において、前記導電極及び前記吸着極はいずれもハウジング内に取り付けられ、前記ハウジングは入口及び出口を有する、低比抵抗物質の処理方法である。
【0041】
36、本発明により提供される例36は、例1~35のいずれか一項に記載の低比抵抗物質の処理方法において、流路をさらに含み、前記流路はハウジングの中に位置し、入口と出口との間に位置する、低比抵抗物質の処理方法である。
【0042】
37、本発明により提供される例37は、例35又は36に記載の低比抵抗物質の処理方法において、前記入口は円形であり、且つ前記入口の直径は300~1000mm又は500mmである、低比抵抗物質の処理方法である。
【0043】
38、本発明により提供される例38は、例35又は36のいずれか一項に記載の低比抵抗物質の処理方法において、前記出口は円形であり、且つ前記出口の直径は300~1000mm又は500mmである、低比抵抗物質の処理方法である。
【0044】
39、本発明により提供される例39は、例1~38のいずれか一項に記載の低比抵抗物質の処理方法において、前記ハウジングの材質は金属、非金属、導体、非導体、水、各種導電性液体、各種多孔質材料、又は各種発泡材料である、低比抵抗物質の処理方法である。
【0045】
40、本発明により提供される例40は、例1~39のいずれか一項に記載の低比抵抗物質の処理方法において、前記ハウジングの材質はステンレス、アルミニウム合金、鉄合金、導電性液体、布、スポンジ、分子ふるい、活性炭、発泡鉄、発泡炭化珪素である、低比抵抗物質の処理方法である。
【0046】
41、本発明により提供される例41は、例1~40のいずれか一項に記載の低比抵抗物質の処理方法において、前記ハウジングは、入口から出口方向に順次分布している第1の筒体、第2の筒体、及び第3の筒体を含み、前記入口は第1の筒体の一端に位置し、前記出口は第3の筒体の一端に位置する、低比抵抗物質の処理方法である。
【0047】
42、本発明により提供される例42は、例41に記載の低比抵抗物質の処理方法において、前記第1の筒体の輪郭の大きさは入口から出口方向に徐々に大きくなる、低比抵抗物質の処理方法である。
【0048】
43、本発明により提供される例43は、例41又は42に記載の低比抵抗物質の処理方法において、前記第1の筒体は直管状である、低比抵抗物質の処理方法である。
【0049】
44、本発明により提供される例44は、例41~43のいずれか一項に記載の低比抵抗物質の処理方法において、前記第2の筒体は直管状であり、且つ前記導電極及び前記吸着極は第2の筒体の中に取り付けられる、低比抵抗物質の処理方法である。
【0050】
45、本発明により提供される例45は、例41~44のいずれか一項に記載の低比抵抗物質の処理方法において、前記第3の筒体の輪郭の大きさは入口から出口方向に徐々に小さくなる、低比抵抗物質の処理方法である。
【0051】
46、本発明により提供される例46は、例41~45のいずれか一項に記載の低比抵抗物質の処理方法において、前記第2の筒体の断面は矩形である、低比抵抗物質の処理方法である。
【0052】
47、本発明により提供される例47は、例1~46のいずれか一項に記載の低比抵抗物質の処理方法において、前記導電極は、絶縁性部材を介してハウジングに固着される、低比抵抗物質の処理方法である。
【0053】
48、本発明により提供される例48は、例47に記載の低比抵抗物質の処理方法において、前記絶縁体の材質は絶縁性マイカである、低比抵抗物質の処理方法である。
【0054】
49、本発明により提供される例49は、例47又は48に記載の低比抵抗物質の処理方法において、前記絶縁部材は柱状、又は塔状である、低比抵抗物質の処理方法である。
【0055】
50、本発明により提供される例50は、例1~49のいずれか一項に記載の低比抵抗物質の処理方法において、前記導電極に第1の接続部が設けられ、前記第1の接続部は絶縁部材に固着される、低比抵抗物質の処理方法である。
【0056】
51、本発明により提供される例51は、例1~50のいずれか一項に記載の低比抵抗物質の処理方法において、前記ハウジング内壁に第2の接続部が設けられ、前記第2の接続部は絶縁部材に固着される、低比抵抗物質の処理方法である。
【0057】
52、本発明により提供される例52は、例1~51のいずれか一項に記載の低比抵抗物質の処理方法において、前記導電極の断面積と流路の断面積との比率は、99%~10%、又は90%~10%、又は80%~20%、又は70%~30%、又は60%~40%、又は50%である、低比抵抗物質の処理方法である。
【0058】
53、本発明により提供される例53は、例1~52のいずれか一項に記載の低比抵抗物質の処理方法において、前記低比抵抗物質は、液体、ミスト、固体、又はプラズマのうち1つ又は複数の形態の組み合わせである、低比抵抗物質の処理方法である。
【0059】
54、本発明により提供される例54は、例1~53のいずれか一項に記載の低比抵抗物質の処理方法において、前記低比抵抗物質は導電性液体、導電性ミスト、導電性粒子、帯電液体、帯電ミスト、帯電粒子、水、エマルジョン、エアロゾル、液化粉塵、多物質混合物、多形態混合物、多物質多形態混合物、水煙、エマルジョンミスト、多物質混合液体ミスト、多形態混合液体ミスト、多物質多形態混合液体ミスト、煙霧、蒸気、酸霧、含水排気ガス、含水煙道ガス、気体分子クラスター、イオンクラスター、プラズマ、導電性粉末、導電性液滴、導電性ダスト、液体中のイオンクラスター、ガス中のイオンクラスター、液体中の化合物、及びガス中の化合物のうち1つ又は複数の形態の組み合わせである、低比抵抗物質の処理方法である。
【0060】
55、本発明により提供される例55は、例1~54のいずれか一項に記載の低比抵抗物質の処理方法において、前記低比抵抗物質は、水、エマルジョン、多物質混合液体、多形態混合液体、多物質多形態混合液体を含む生体である、低比抵抗物質の処理方法である。
【0061】
56、本発明により提供される例56は、例1~55のいずれか一項に記載の低比抵抗物質の処理方法において、前記低比抵抗物質は、導体又は半導体である、低比抵抗物質の処理方法である。
【0062】
57、本発明により提供される例57は、例1~56のいずれか一項に記載の低比抵抗物質の処理方法において、
前記低比抵抗物質は入口から流路に入り、出口方向に移動するステップと、前記低比抵抗物質が前記導電極を通過する場合、前記導電極は電子を低比抵抗物質に伝導し、低比抵抗物質を帯電させるステップとを含む、低比抵抗物質の処理方法である。
【0063】
58、本発明により提供される例58は、
電子を低比抵抗物質に伝導できる導電極であって、電子が低比抵抗物質に伝導されると、低比抵抗物質が帯電する導電極と、
帯電した低比抵抗物質に吸引力を付勢することができる吸着極と、を含む低比抵抗物質の処理装置である。
【0064】
59、本発明により提供される例59は、例58に記載の低比抵抗物質の処理装置において、前記導電極は、面状、網状、有孔板状、板状、ツェッパ状、ボックス状、又は管状を有する、低比抵抗物質の処理装置である。
【0065】
60、本発明により提供される例60は、例58又は59に記載の低比抵抗物質の処理装置において、前記導電極は、固体、液体、気体分子クラスター、プラズマ、導電性混合形態物質、生体の自然混合による導電性物質又は物体の人工加工による導電性物質のうちの1つ又は複数の形態の組み合わせである、低比抵抗物質の処理装置である。
【0066】
61、本発明により提供される例61は、例58~60のいずれか一項に記載の低比抵抗物質の処理装置において、前記導電極は、固体金属、グラファイト、又はイオン含有導電性液体である、低比抵抗物質の処理装置である。
【0067】
62、本発明により提供される例62は、例58~61のいずれか一項に記載の低比抵抗物質の処理装置において、前記吸着極は多層網状、網状、有孔板状、管状、筒状、ツェッパ状、ボックス状、板状、粒子蓄積層状又は折り曲げ板状である、低比抵抗物質の処理装置である。
【0068】
63、本発明により提供される例63は、例58~62のいずれか一項に記載の低比抵抗物質の処理装置において、前記導電極に少なくとも1つの貫通孔が設けられる、低比抵抗物質の処理装置である。
【0069】
64、本発明により提供される例64は、例58~63のいずれか一項に記載の低比抵抗物質の処理装置において、導電極を用いて電子を前記低比抵抗物質に伝導する前記ステップは、前記低比抵抗物質を前記導電極の貫通孔に通し、前記低比抵抗物質を帯電させるステップを含む、低比抵抗物質の処理装置である。
【0070】
65、本発明により提供される例65は、例63又は64に記載の低比抵抗物質の処理装置において、前記導電極における貫通孔の形状は多角形、円形、楕円形、正方形、長方形、台形、又は菱形である、低比抵抗物質の処理装置である。
【0071】
66、本発明により提供される例66は、例63~65のいずれか一項に記載の低比抵抗物質の処理装置において、前記導電極の貫通孔の孔径は0.1~3ミリメートルである、低比抵抗物質の処理装置である。
【0072】
67、本発明により提供される例67は、例58~66のいずれか一項に記載の低比抵抗物質の処理装置において、前記導電極に少なくとも1つの貫通孔が設けられる、低比抵抗物質の処理装置である。
【0073】
68、本発明により提供される例68は、例67に記載の低比抵抗物質の処理装置において、前記吸着極における貫通孔の形状は多角形、円形、楕円形、正方形、長方形、台形、又は菱形である、低比抵抗物質の処理装置である。
【0074】
69、本発明により提供される例69は、例67又は69に記載の低比抵抗物質の処理装置において、前記吸着極の貫通孔の孔径は0.1~3ミリメートルである、低比抵抗物質の処理装置である。
【0075】
70、本発明により提供される例70は、例58~69のいずれか一項に記載の低比抵抗物質の処理装置において、前記吸着極は導電性物質で作製されるか、又は吸着極の表面には導電性物質がある、低比抵抗物質の処理装置である。
【0076】
71、本発明により提供される例71は、例58~70のいずれか一項に記載の低比抵抗物質の処理装置において、前記導電極と吸着極との間に電界が形成される、低比抵抗物質の処理装置である。
【0077】
72、本発明により提供される例72は、例58~71のいずれか一項に記載の低比抵抗物質の処理装置において、前記導電極は、吸着極に対して垂直又は平行である、低比抵抗物質の処理装置である。
【0078】
73、本発明により提供される例73は、例58~72のいずれか一項に記載の低比抵抗物質の処理装置において、前記導電極は網状であり、吸着極は面状であり、導電極は吸着極に平行である、低比抵抗物質の処理装置である。
【0079】
74、本発明により提供される例74は、例58~73のいずれか一項に記載の低比抵抗物質の処理装置において、前記導電極及び吸着極はいずれも面状であり、前記導電極は吸着極に平行である、低比抵抗物質の処理装置である。
【0080】
75、本発明により提供される例75は、例58~74のいずれか一項に記載の低比抵抗物質の処理装置において、前記導電極は金網を用いる、低比抵抗物質の処理装置である。
【0081】
76、本発明により提供される例76は、例58~75のいずれか一項に記載の低比抵抗物質の処理装置において、前記導電極は平面状又は球面状である、低比抵抗物質の処理装置である。
【0082】
77、本発明により提供される例77は、例58~76のいずれか一項に記載の低比抵抗物質の処理装置において、前記吸着極は曲面状又は球面状である、低比抵抗物質の処理装置である。
【0083】
78、本発明により提供される例78、例58~77のいずれか一項に記載の低比抵抗物質の処理装置において、前記導電極は給電電源の1つの電極に電気的に接続され、前記吸着極は給電電源のもう1つの電極に電気的に接続される、低比抵抗物質の処理装置である。
【0084】
79、本発明により提供される例79は、例58~78のいずれか一項に記載の低比抵抗物質の処理装置において、前記導電極は給電電源の負極に電気的に接続され、前記吸着極は給電電源の正極に電気的に接続される、低比抵抗物質の処理装置である。
【0085】
80、本発明により提供される例80は、例58~79のいずれか一項に記載の低比抵抗物質の処理装置において、給電電源の給電駆動電圧範囲は5~50KVである、低比抵抗物質の処理装置である。
【0086】
81、本発明により提供される例81は、例58~80のいずれか一項に記載の低比抵抗物質の処理装置において、前記給電電源の給電駆動電圧は初期コロナ開始電圧よりも低い、低比抵抗物質の処理装置である。
【0087】
82、本発明により提供される例82は、例58~81のいずれか一項に記載の低比抵抗物質の処理装置において、前記給電電源の給電駆動電圧は0.1KV/mm~2kv/mmである、低比抵抗物質の処理装置である。
【0088】
83、本発明により提供される例82は、例58~82のいずれか一項に記載の低比抵抗物質の処理装置において、前記給電電源の給電駆動電圧波形は直流波形、正弦波、又は変調波形である、低比抵抗物質の処理装置である。
【0089】
84、本発明により提供される例84は、例58~83のいずれか一項に記載の低比抵抗物質の処理装置において、前記電源は交流電源であり、前記給電電源のインバータパルス幅は0.1Hz~5GHzである、低比抵抗物質の処理装置である。
【0090】
85、本発明により提供される例85は、例58~84のいずれか一項に記載の低比抵抗物質の処理装置において、前記導電極と吸着極はともに左右方向に伸びており、前記導電極の左端は吸着極の左端の左側に位置する、低比抵抗物質の処理装置である。
【0091】
86、本発明により提供される例86は、例58~85のいずれか一項に記載の低比抵抗物質の処理装置において、前記吸着極は2つあり、前記導電極は2つの吸着極の間に位置する、低比抵抗物質の処理装置である。
【0092】
87、本発明により提供される例87は、例58~86のいずれか一項に記載の低比抵抗物質の処理装置において、前記導電極と吸着極は吸着ユニットを構成し、前記吸着ユニットは複数ある、低比抵抗物質の処理装置である。
【0093】
88、本発明により提供される例88は、例58~87のいずれか一項に記載の低比抵抗物質の処理装置において、全ての吸着ユニットは縦方向、横方向、斜め方向、螺旋方向のうち1つの方向又は複数方向に分布している、低比抵抗物質の処理装置である。
【0094】
89、本発明により提供される例89は、例58~88のいずれか一項に記載の低比抵抗物質の処理装置において、入口及び出口を有するハウジングをさらに含み、前記導電極及び吸着極がいずれも前記ハウジング内に取り付けられる、低比抵抗物質の処理装置である。
【0095】
90、本発明により提供される例90は、例58~89のいずれか一項に記載の低比抵抗物質の処理装置において、流路をさらに含み、前記流路は前記ハウジングにおける前記入口と前記出口との間に位置する、低比抵抗物質の処理装置である。
【0096】
91、本発明により提供される例91は、例89又は90に記載の低比抵抗物質の処理装置において、前記入口は円形であり、且つ前記入口の直径は300~1000mm又は500mmである、低比抵抗物質の処理装置である。
【0097】
92、本発明により提供される例92は、例89又は90に記載の低比抵抗物質の処理装置において、前記出口は円形であり、且つ前記出口の直径は300~1000mm又は500mmである、低比抵抗物質の処理装置である。
【0098】
93、本発明により提供される例93は、例58~92のいずれか一項に記載の低比抵抗物質の処理装置において、前記ハウジングの材質は金属、非金属、導体、非導体、水、各種導電性液体、各種多孔質材料、又は各種発泡材料である、低比抵抗物質の処理装置である。
【0099】
94、本発明により提供される例94は、例58~93のいずれか一項に記載の低比抵抗物質の処理装置において、前記ハウジングの材質はステンレス、アルミニウム合金、鉄合金、導電性液体、布、スポンジ、分子ふるい、活性炭、発泡鉄、発泡炭化珪素である、低比抵抗物質の処理装置である。
【0100】
95、本発明により提供される例95は、例58~94のいずれか一項に記載の低比抵抗物質の処理装置において、前記ハウジングは、入口から出口方向に順次分布している第1の筒体、第2の筒体、及び第3の筒体を含み、前記入口は第1の筒体の一端に位置し、前記出口は第3の筒体の一端に位置する、低比抵抗物質の処理装置である。
【0101】
96、本発明により提供される例96は、例95に記載の低比抵抗物質の処理装置において、前記第1の筒体の輪郭の大きさは入口から出口方向に徐々に大きくなる、低比抵抗物質の処理装置である。
【0102】
97、本発明により提供される例97は、例95又は96に記載の低比抵抗物質の処理装置において、前記第1の筒体は直管状である、低比抵抗物質の処理装置である。
【0103】
98、本発明により提供される例98は、例95~97のいずれか一項に記載の低比抵抗物質の処理装置において、前記第2の筒体は直管状であり、且つ前記導電極及び前記吸着極は第2の筒体の中に取り付けられる、低比抵抗物質の処理装置である。
【0104】
99、本発明により提供される例99は、例95~98のいずれか一項に記載の低比抵抗物質の処理装置において、前記第3の筒体の輪郭の大きさは入口から出口方向に徐々に小さくなる、低比抵抗物質の処理装置である。
【0105】
100、本発明により提供される例100は、例95~99のいずれか一項に記載の低比抵抗物質の処理装置において、前記第2の筒体の断面は矩形である、低比抵抗物質の処理装置である。
【0106】
101、本発明により提供される例101は、例58~100のいずれか一項に記載の低比抵抗物質の処理装置において、前記導電極は、絶縁性部材を介してハウジングに固着される、低比抵抗物質の処理装置である。
【0107】
102、本発明により提供される例102は、例39~101のいずれか一項に記載の低比抵抗物質の処理装置において、前記絶縁体の材質は絶縁性マイカである、低比抵抗物質の処理装置である。
【0108】
103、本発明により提供される例103は、例101又は102に記載の低比抵抗物質の処理装置において、前記絶縁部材は柱状、又は塔状である、低比抵抗物質の処理装置である。
【0109】
104、本発明により提供される例104は、例58~103のいずれか一項に記載の低比抵抗物質の処理装置において、前記導電極に第1の接続部が設けられ、前記第1の接続部は絶縁部材に固着される、低比抵抗物質の処理装置である。
【0110】
105、本発明により提供される例105は、例58~104のいずれか一項に記載の低比抵抗物質の処理装置において、前記ハウジング内壁に第2の接続部が設けられ、前記第2の接続部は絶縁部材に固着される、低比抵抗物質の処理装置である。
【0111】
106、本発明により提供される例106は、例58~105のいずれか一項に記載の低比抵抗物質の処理装置において、前記導電極の断面積と流路の断面積との比率は、99%~10%、又は90%~10%、又は80%~20%、又は70%~30%、又は60%~40%、又は50%である、低比抵抗物質の処理装置である。
【0112】
107、本発明により提供される例107は、例58~106のいずれか一項に記載の低比抵抗物質の処理装置において、前記低比抵抗物質は、液体、ミスト、固体、又はプラズマのうち1つ又は複数の形態の組み合わせである、低比抵抗物質の処理装置である。
【0113】
108、本発明により提供される例108は、例58~107のいずれか一項に記載の低比抵抗物質の処理装置において、前記低比抵抗物質は導電性液体、導電性ミスト、導電性粒子、帯電液体、帯電ミスト、帯電粒子、水、エマルジョン、エアロゾル、液化粉塵、多物質混合物、多形態混合物、多物質多形態混合物、水煙、エマルジョンミスト、多物質混合液体ミスト、多形態混合液体ミスト、多物質多形態混合液体ミスト、煙霧、蒸気、酸霧、含水排気ガス、含水煙道ガス、気体分子クラスター、イオンクラスター、プラズマ、導電性粉末、導電性液滴、導電性ダスト、液体中のイオンクラスター、ガス中のイオンクラスター、液体中の化合物、及びガス中の化合物のうち1つ又は複数の形態の組み合わせである、低比抵抗物質の処理装置である。
【0114】
109、本発明により提供される例109は、例58~108のいずれか一項に記載の低比抵抗物質の処理装置において、前記低比抵抗物質は、水、エマルジョン、多物質混合液体、多形態混合液体、多物質多形態混合液体を含む生体である、低比抵抗物質の処理装置である。
【0115】
110、本発明により提供される例110は、例58~109のいずれか一項に記載の低比抵抗物質の処理装置において、前記低比抵抗物質は、導体又は半導体である、低比抵抗物質の処理装置である。
【0116】
111、本発明により提供される例111は、例58~110のいずれか一項に記載の低比抵抗物質の処理装置において、入口、出口、及び入口と出口との間に位置する流路をさらに含み、前記流路には電子を低比抵抗物質に伝導できる導電極が取り付けられ、且つ前記導電極の断面積と流路の断面積との比率は99%~10%であり、前記低比抵抗物質の処理装置は、帯電した低比抵抗物質に吸引力を付勢することができる吸着極をさらに含む、低比抵抗物質の処理装置である。
【0117】
本発明における低比抵抗物質の処理装置の動作原理は以下のとおりである。導電極を用いて電子を低比抵抗物質に伝導し、低比抵抗物質を帯電させ、且つ吸着極を用いて帯電した低比抵抗物質に吸引力を付勢し、低比抵抗物質が吸着極に付着するまで低比抵抗物質を吸引して吸着極に移動させ、それにより吸着板への低比抵抗物質の収集を実現し、また、本発明の低比抵抗物質の処理装置は、上記電子伝導方法により低比抵抗物質を帯電させ、この方法は、低比抵抗物質の帯電後に電子が失われやすくなることに起因する問題を解消し、低比抵抗物質は電子が失われた後すぐに電子を得ることができるようにし、低比抵抗物質を帯電させる確率を高め、低比抵抗物質を帯電状態に維持させ、このように、吸着極は、低比抵抗物質に吸引力を継続的に付勢することで、低比抵抗物質を吸着し、且つ本低比抵抗物質の処理装置による低比抵抗物質に対する収集能力がより強くなり、収集効率がより高くなるようにすることができる。
【0118】
本発明により提供される低比抵抗物質の処理方法は、低比抵抗物質を収集することができ、且つ収集効率が高い。
【発明の効果】
【0119】
要約すると、本発明に係る処理方法は、以下の有益な効果を有する。
【0120】
本発明は上記方法に基づいて吸着板への低比抵抗物質の収集を実現し、このような処理方法は低比抵抗物質の帯電後に電子が失われやすくなることに起因する問題を解消し、低比抵抗物質は電子が失われた後すぐに電子を得ることができるようにし、それにより低比抵抗物質の帯電状態の維持を保証し、このように、吸着極は、低比抵抗物質に吸引力を継続的に付勢することで、低比抵抗物質を吸着することができ、さらに、本処理方法による低比抵抗物質に対する収集効率がより高くなるようにする。
【0121】
本発明は、導電極を流路に取り付け、且つ導電極の断面積と流路の断面積との比率を99%~10%とし、それにより導電極は電子を低比抵抗物質に効果的に伝導することができる。
【図面の簡単な説明】
【0122】
【
図1】本発明の実施例1における低比抵抗物質の処理装置の構造概略図である。
【
図2】本発明の実施例1における低比抵抗物質の処理装置の左側面図である。
【
図3】本発明の実施例1における低比抵抗物質の処理装置の斜視図である。
【
図4】本発明の実施例2における低比抵抗物質の処理装置の構造概略図である。
【
図5】本発明の実施例2における低比抵抗物質の処理装置の平面図である。
【
図6】本発明の実施例20におけるエンジンに基づくガス処理システムにおける吸気装置の一実施例における構造概略図である。
【
図7】本発明の実施例20におけるエンジンに基づくガス処理システムにおける吸気装置内に設けられた第1の水濾過機構の別の実施例の概略構造図である。
【
図8】本発明の実施例21におけるディーゼルエンジンの排気ガス処理システムの原理と構造の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0123】
本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、以下の低比抵抗物質の処理装置及び処理方法を提供する。前記低比抵抗物質の処理方法及び処理装置は、低比抵抗物質を収集することができ、且つ収集効率がより高い。また、本発明における低比抵抗物質とは、単位体積当たりの電気抵抗が1×109オーム未満の物質であり、ここで、単位体積は立方センチメートルを意味し、すなわち、1立方センチメートルあたりの低比抵抗物質は、その抵抗値が1×109オーム未満である。
【0124】
本発明のいくつかの実施例は、
電子を前記低比抵抗物質に伝導できる導電極であって、電子が前記低比抵抗物質に伝導されると、低比抵抗物質が帯電する導電極と、
帯電した低比抵抗物質に吸引力を付勢することができる吸着極と、を含む、低比抵抗物質の処理装置を提供する。
【0125】
本発明における低比抵抗物質の処理装置の動作原理は以下のとおりである。導電極を用いて電子を低比抵抗物質に伝導し、低比抵抗物質を帯電させ、且つ吸着極を用いて帯電した低比抵抗物質に吸引力を付勢し、低比抵抗物質が吸着極に付着するまで低比抵抗物質を吸引して吸着極に移動させ、それにより吸着板への低比抵抗物質の収集を実現し、また、本発明の低比抵抗物質の処理装置は、上記電子伝導方法により低比抵抗物質を帯電させ、この方法は、低比抵抗物質の帯電後に電子が失われやすくなることに起因する問題を解消し、低比抵抗物質は電子が失われた後すぐに電子を得ることができるようにし、低比抵抗物質を帯電させる確率を高め、低比抵抗物質を帯電状態に維持させ、このように、吸着極は、低比抵抗物質に吸引力を継続的に付勢することで、低比抵抗物質を吸着し、且つ本低比抵抗物質の処理装置による低比抵抗物質に対する収集能力がより強くなり、収集効率がより高くなるようにすることができる。
【0126】
また、本発明は、
導電極を用いて電子を前記低比抵抗物質に伝導し、前記低比抵抗物質を帯電させるステップと、
吸着極を用いて帯電した前記低比抵抗物質を吸引し、帯電した前記低比抵抗物質を前記吸着極に移動させるステップと、を含む、低比抵抗物質の処理方法を提供する。
【0127】
本発明の処理方法は上記ステップに基づいて吸着板への低比抵抗物質の収集を実現し、このような処理方法は低比抵抗物質の帯電後に電子が失われやすくなることに起因する問題を解消し、低比抵抗物質は電子が失われた後すぐに電子を得ることができるようにし、それにより低比抵抗物質の帯電状態の維持を保証し、このように、吸着極は、低比抵抗物質に吸引力を継続的に付勢することで、低比抵抗物質を吸着することができ、さらに、本処理方法による低比抵抗物質に対する収集効率がより高くなるようにする。
【0128】
本発明のいくつかの実施例は、入口、出口、及び入口と出口との間に位置する流路を含み、流路には電子を低比抵抗物質に伝導できる導電極が取り付けられ、且つ導電極の断面積と流路の断面積との比率が99%~10%の低比抵抗物質の処理装置であって、帯電した低比抵抗物質に吸引力を付勢することができる吸着極をさらに含む低比抵抗物質の処理装置を提供する。本発明における低比抵抗物質の処理装置の動作原理は以下のとおりである。低比抵抗物質は入口から流路に入り、流路に取り付けられた導電極は電子を低比抵抗物質に伝導し、低比抵抗物質を帯電させ、吸着極は帯電した低比抵抗物質に吸引力を付勢し、低比抵抗物質が吸着極に付着するまで低比抵抗物質を吸着極に移動させ、それにより吸着板への低比抵抗物質の収集を実現し、また、本発明において導電極を流路に取り付け、且つ導電極の断面積と流路の断面積との比率を99%~10%とし、それにより導電極は電子を低比抵抗物質に効果的に伝導することができ、また、本発明における低比抵抗物質の処理装置は、上記電子伝導方法により低比抵抗物質を帯電させ、この方法は、低比抵抗物質の帯電後に電子が失われやすくなることに起因する問題を解消し、低比抵抗物質は電子が失われた後すぐに電子を得ることができるようにし、低比抵抗物質を帯電させる確率を高め、低比抵抗物質を帯電状態に維持させ、このように、吸着極は、低比抵抗物質に吸引力を継続的に付勢することで、低比抵抗物質を吸着することができ、且つ低比抵抗物質の処理装置による低比抵抗物質に対する収集能力がより強くなり、収集効率がより高くなるようにする。
【0129】
本発明のいくつかの実施例は、入口、出口、及び入口と出口との間に位置する流路を含み、流路には電子を低比抵抗物質に伝導できる導電極が取り付けられ、且つ導電極の断面積と流路の断面積との比率が99%~10%の低比抵抗物質の処理装置であって、帯電した低比抵抗物質に吸引力を付勢することができる吸着極をさらに含む低比抵抗物質の処理装置を提供する。
【0130】
本発明のいくつかの実施例により提供される前記低比抵抗物質の処理方法は、
低比抵抗物質は入口から流路に入り、出口方向に移動するステップと、低比抵抗物質が導電極を通過する場合、導電極は電子を低比抵抗物質に伝導し、低比抵抗物質を帯電させるステップと、吸着極を用いて帯電した前記低比抵抗物質を吸引し、帯電した前記低比抵抗物質を前記吸着極に移動させるステップと、を含む。
【0131】
本発明における低比抵抗物質の処理方法は、上記ステップに基づいて吸着板への低比抵抗物質の収集を実現し、また、本発明において導電極を流路に取り付け、且つ導電極の断面積と流路の断面積との比率を99~10%とし、低比抵抗物質を導電極に通して、低比抵抗物質と導電極の接触面積を拡大し、それにより導電極は電子を低比抵抗物質に効果的に伝導することができ、且つこの処理方法は、低比抵抗物質の帯電後に電子が失われやすくなることに起因する問題を解消し、低比抵抗物質は電子が失われた後すぐに電子を得ることができるようにし、それにより低比抵抗物質の帯電状態の維持を保証し、このように、吸着極は、低比抵抗物質に吸引力を継続的に付勢することで、低比抵抗物質を吸着することができ、さらに、本処理方法による低比抵抗物質に対する収集効率がより高くなるようにする。
【0132】
本発明の一実施例において、導電極は流路に位置する。本発明において、導電極の断面積は、断面に沿った導電極の固形部分の面積の合計である。さらに、本発明のいくつかの実施例では、導電極の断面積と流路の断面積との比率は、99~10%、又は90~10%、又は80~20%、又は70~30%、又は60~40%、又は50%であってもよい。
【0133】
本発明における低比抵抗物質の形態は、液体、ミスト、固体、又はプラズマのうち1つ又は複数の形態の組み合わせであってもよい。例えば、本発明における低比抵抗物質は、導電性液体、導電性ミスト、導電性粒子、帯電液体、帯電ミスト、帯電粒子、水、エマルジョン、エアロゾル、液化粉塵、多物質混合物、多形態混合物、多物質多形態混合物、水煙、エマルジョンミスト、多物質混合液体ミスト、多形態混合液体ミスト、多物質多形態混合液体ミスト、煙霧、蒸気、酸霧、含水排気ガス、含水煙道ガス、気体分子クラスター、イオンクラスター、プラズマ、導電性粉末、導電性液滴、導電性ダスト、液体中のイオンクラスター、ガス中のイオンクラスター、液体中の化合物、及びガス中の化合物であってもよい。本発明における低比抵抗物質は、水、エマルジョン、多物質混合液体、多形態混合液体、多物質多形態混合液体を含む生体であってもよい。本発明における低比抵抗物質は導体又は半導体であってもよい。本発明は上記処理方法により、低比抵抗物質を吸着極に収集することができる。本発明における処理装置は、電気凝固型デミスターとして使用することができ、且つオゾンによる脱硝が行われた排気ガスの回収、湿式脱硫が行われた排煙の脱水、湿式集塵による逃し水の回収、工業用排気ガス用のデミスター、エマルジョン清浄機、オイルミストコレクター、電子タバコ、核融合抑制装置に適用することができる。例えば、本処理装置をオゾンによる脱硝が行われた排気ガスの回収に適用した場合、オゾンによる脱硝が行われた排気ガス中に発生する酸霧は低比抵抗物質であり、酸霧を含む排気ガスの1立方センチメートルあたりの抵抗は0.1~1000オームであり、この場合、本低比抵抗物質の処理方法は、具体的には、オゾンによる脱硝が行われた排気ガスが導電極を流れ、導電極はオゾンによる脱硝が行われた排気ガス中の酸霧に電子を伝導し、酸霧を帯電させるステップと、吸着極は帯電した酸霧に吸引力を付勢するステップと、酸霧が吸着極に移動して吸着極に付着するステップと、を含み、それにより、オゾンによる脱硝が行われた排気ガス中の酸霧の回収を実現し、オゾンによる脱硝が行われた排気ガス中の酸霧が大気中に直接排出されて大気への汚染を引き起こすのを防ぐ。この場合の上記処理方法は酸霧の静電回収方法とも呼ばれる。本発明における処理装置及び処理方法は発電所、ガラス工場、製鋼所、化学工場の煙突から排出された逃しミスト、エアロゾルなどの白煙除去処理に用いることができる。本発明は、従来の湿式電気集塵機は排気ガスに含まれる、水煙、酸霧、エアロゾル、エマルジョン、液化粉塵などを含む低比抵抗物質を除去することができないという問題を解決し、且つ空間伝送型給電方式を採用し、電界を直接利用して、排気ガスに含まれる低抵抗物質を吸着及び回収する。また、本発明における処理方法及び装置は、目標物質である低比抵抗物質を、気相、液相、又はゾルから分離又は濃縮することができる。
【0134】
本発明の一実施例では、導電極は電源の一電極に電気的に接続され、吸着極は、電源のもう1つの電極に電気的に接続される。本発明の一実施例では、導電極は具体的に電源の負極に電気的に接続され、吸着極は具体的に電源の正極に電気的に接続される。
【0135】
本発明における低比抵抗物質の給電方法は導電極を用いて正電子又は負電子を低比抵抗物質に導入し、このような給電方法は、低比抵抗物質は電子が失われた後すぐに電子を得ることができるようにし、低比抵抗物質を帯電状態に維持させ、さらに上記吸着極は、低比抵抗物質に吸引力を継続的に付勢することで、低比抵抗物質を吸着することができるようにする。また、本発明において、導電極は、正又は負の電位を有することができ、導電極が正の電位を有する場合、吸着極は負の電位を有し、導電極が負の電位を有する場合、吸着極は正の電位を有し、本発明において、導電極及び吸着極は両方とも給電電源に電気的に接続され、具体的には、導電極及び吸着極は、それぞれ給電電源の正極及び負極に電気的に接続することができる。当該給電電源の電圧は給電駆動電圧と呼ばれ、給電駆動電圧の大きさの選択は環境温度や媒体の温度などに関する。例えば、給電電圧の給電駆動電圧範囲は5~50KV、10~50KV、5~10KV、10~20KV、20~30KV、30~40KV、又は40~50KVであってもよく、生体電気から空間煙霧の処理用電気にわたる。給電電源は直流電源又は交流電源であってもよく、その給電駆動電圧の波形は直流、正弦波、変調波形であってもよい。直流電源は吸着の基本的な用途で使用され、正弦波は移動のために使用され、例えば、正弦波の給電駆動電圧が導電電極と吸着極の間に作用し、発生した電界は電界における霧粒などの帯電した粒子を駆動して吸着極に移動させ、斜め波は引っ張るために使用され、引っ張り力の度合いに応じて波形を変調し、例えば、非対称電界の両端のエッジでは、その中の媒体に対して発生する引っ張り力は明らかな方向性を持つことで、電界内の媒体を駆動して当該方向に沿って移動させる。給電電源は交流電源を用いる場合、その周波数変換パルスの範囲は0.1Hz~5GHz、0.1Hz~1Hz、0.5Hz~10Hz、5Hz~100Hz、50Hz~1KHz、1KHz~100KHz、50KHz~1MHz、1MHz~100MHz、50MHz~1GHz、500MHz~2GHz、又は1GHz~5GHzであってもよく、生体から汚染物質粒子までの吸着に適用される。本発明の導電極は導線として使用することができ、低比抵抗物質と接触する場合、正及び負の電子を低比抵抗物質に直接導入し、この場合、低比抵抗物質そのものは電極とすることができる。本発明において、低比抵抗物質は導電極から吸着極への移動プロセスにおいて、電子の獲得と喪失を繰り返すとともに、導電極と吸着極との間にある複数の低比抵抗物質間に多数の電子が伝達され、最終的に吸着極に到達することにより、電流を形成し、当該電流は給電駆動電流とも呼ばれる。給電駆動電流の大きさは、環境温度、媒体温度、電子量、被吸着物質量、逃し量に関する。例えば、電子量の増加、霧粒などの移動可能な粒子の増加につれて、移動する帯電粒子によって形成される電流が大きくなる。単位時間当たりに吸着される霧粒などの帯電物質が多ければ多いほど、電流が大きくなる。逃した霧粒は帯電しているだけで、吸着極には到達しておらず、すなわち有効な電気的中和を形成しておらず、それにより、同じ条件では、逃した霧粒が多ければ多いほど、電流が小さくなる。同じ条件では、環境温度が高いほど、ガス粒子と霧粒の速度が速いほど、それ自体の運動エネルギーも高くなり、それ自体と導電極及び吸着極との衝突確率が高くなり、吸着極に吸着されにくくなることで、逃しが発生し、ただし、その逃しは電気的中和の後に発生し、且つ電気的中和を繰り返した後に発生する可能性があるため、それに応じて電子伝導速度が速くなり、それに応じて電流も大きくなる。また、環境温度が高いほど、ガス分子や霧粒などの運動量が高くなり、且つ吸着極に吸着されにくくなるため、吸着極に吸着されても、再び吸着極から逃げ、すなわち電気的中和の後に逃げる確率が高くなり、したがって、導電極と吸着極との間隔が変わらない場合、上記給電駆動電圧を上げる必要があり、当該給電駆動電圧の限界は空気破壊の効果を達成するほどである。また、媒体温度による影響は、環境温度による影響にほぼ相当する。媒体温度が低いほど、霧粒などの媒体の帯電を励起する必要があるエネルギーが小さく、それ自体が有する運動エネルギーも小さくなり、同様の電界力の作用で、吸着極に吸着されやすくなることで、形成される電流が大きい。本発明における処理装置は低温物質に対してより優れた吸着効果を有する。また、霧粒などの媒体の濃度が高くなるにつれて、帯電した媒体が吸着極に衝突する前に他の媒体と電子を伝達した確率が高いほど、効果的な電気的中和を形成する機会が大きくなり、形成される電流もそれに応じて大きくなり、そのため、媒体濃度が高いほど、形成される電流が大きくなる。給電駆動電圧と媒体温度との関係は、給電駆動電圧と環境温度との関係とほぼ同じである。
【0136】
本発明の一実施例では、給電電源の給電駆動電圧は、コロナ開始電源の初期コロナ開始電圧よりも低くすることができ、コロナ放電がない場合でも、本発明の導電極は、低比抵抗物質を帯電させることもでき、イオン化してなくても導電も可能であり、給電駆動電圧はコロナ開始電源の初期コロナ開始電圧より大きい場合、コロナ放電と導電極により電子を前記低比抵抗物質に伝導することにより、前記低比抵抗物質を帯電させる。当該コロナ開始電源は導電極及び吸着極がいずれもコロナ開始電源に電気的に接続されると想定した場合に導電極又は吸着極に放電を発生させることができる電源であり、且つ導電極又は吸着極に放電が発生する時にガスをイオン化し、ガス中の煙塵粒子などの物質が負の電荷を得るようにする。当該コロナ開始電源の電圧をコロナ開始電圧と呼び、コロナ開始電圧の最小値を初期コロナ開始電圧と呼び、すなわち、導電極と吸着極が共にコロナ開始電源に電気的に接続される場合では、導電極又は吸着極に放電を発生させてガスをイオン化する最小電圧値を初期コロナ開始電圧と呼ぶ。異なるガス、及び異なる動作環境などに対して、初期コロナ開始電圧の大きさが異なる可能性がある。しかし当業者であれば、確定されたガス、及び動作環境に対して、対応する初期コロナ開始電圧は確定されたものである。また、本発明のいくつかの実施例では、給電駆動電圧は具体的には0.1~2kv/mmであってもよい。給電電源の給電駆動電圧はエアコロナ開始電圧より小さい。また、本発明における低比抵抗物質の処理方法は、エンジンの排気ガスの処理に適用することができ、特に、本発明における低比抵抗物質の処理装置及び処理方法により、エンジンの排気ガス中の水煙などの低比抵抗物質を処理することができる。
【0137】
本発明の一実施例における導電極と吸着極はともに左右方向に伸びており、導電極の左端は吸着極の左端の左側に位置する。
【0138】
本発明の一実施例では、吸着極は2つあり、導電極は2つの吸着極の間に位置する。
【0139】
本発明における導電極と吸着極との間の距離は、両者間の給電駆動電圧の大きさ、低比抵抗物質の流速、及び低比抵抗物質の帯電能力などに応じて設定することができる。例えば、導電極と吸着極との間隔は、5~50mm、5~10mm、10~20mm、20~30mm、30~40mm、又は40~50mmであってもよい。導電極と吸着極との間隔が大きいほど、必要な給電駆動電圧が高くなることで、十分に強い電界を形成し、媒体の逃しを防止するように帯電した媒体を駆動して吸着極に速やかに移動させるために用いる。同様の条件では、導電極と吸着極との間隔が大きいほど、気流方向に沿って中央に近いほど物質の流速が速くなり、吸着極に近いほど物質の流速が遅くなり、また、気流方向と直交する方向に沿って、霧粒などの帯電媒体は、導電極と吸着極の間の距離の拡大につれて、衝突がない場合、電界によって加速される時間が長くなり、その結果、物質は吸着極に近づく前に垂直方向に沿う移動速度が大きくなる。同じ条件では、給電駆動電圧が変わらない場合、距離の拡大につれて、電界強度が絶えず低下し、電界における媒体の帯電能力が弱くなる。
【0140】
本発明のいくつかの実施例における導電極は、固体、液体、気体分子クラスター、プラズマのうち1つ又は複数の形態の組み合わせであってもよい。導電性が固体である場合、導電極は、304鋼などの固体金属、又はグラファイトなどの他の固体導体を採用してもよく、導電性が液体である場合、導電極はイオン含有導電性液体であってもよい。また、本発明のいくつかの実施例では導電極は導電性混合形態物質、生体の自然混合による導電性物質又は物体の人工加工による導電性物質であってもよい。本発明において吸着極は導電性物質で作製されるか、又は吸着極の表面には導電性物質がある。
【0141】
本発明のいくつかの実施例における導電極は、面状、網状、有孔板状、板状、ツェッパ状、ボックス状、又は管状であってもよい。本発明において、網状は、任意の有孔構造を含む形状である。導電極が板状、ツェッパ状、ボックス状、又は管状である場合、導電極は無孔構造であってもよく、有孔構造であってもよい。導電極が有孔構造である場合、導電極に1つ又は複数の貫通孔が設けられていてもよく、当該導電極における貫通孔の形状は多角形、円形、楕円形、正方形、長方形、台形、又は菱形などであってもよい。導電極の貫通孔の大きさは、0.1~3mm、0.1~0.3mm、0.3~0.5mm、0.5~0.8mm、0.8~1.0mm、1.0~1.2mm、1.2~1.0mm、1.0~1.5mm、1.5~1.8mm、1.8~2.0mm、2.0~2.3mm、2.3~2.5mm、2.5~2.8mm、又は2.8~3.0mmであってもよい。また、本発明のいくつかの実施例では、導電極の形状はまた、他の物質の自然な形態又は物質の加工形態であってもよい。本発明において低比抵抗物質が導電極上の貫通孔を通過する場合、低比抵抗物質が前記導電極を貫通し、低比抵抗物質と導電極との接触面積を拡大し、帯電効率を向上させる。本発明における導電極上の貫通孔は、物質が導電極を流れることを可能にする任意の孔である。
【0142】
また、本発明のいくつかの実施例では、吸着極の形状は、多層網状、網状、有孔板状、管状、筒状、ツェッパ状、ボックス状、板状、粒子蓄積層状、折り曲げ板状、又はパネル状であってもよい。吸着極が板状、ツェッパ状、ボックス状又は管状である場合、吸着極は無孔構造、又は有孔構造であってもよい。吸着極が有孔構造である場合、吸着極に1つ又は複数の貫通孔が設けられていてもよく、当該吸着極における貫通孔の形状は多角形、円形、楕円形、正方形、長方形、台形、又は菱形などであってもよい。吸着極の貫通孔の大きさは、0.1~3mm、0.1~0.3mm、0.3~0.5mm、0.5~0.8mm、0.8~1.0mm、1.0~1.2mm、1.2~1.0mm、1.0~1.5mm、1.5~1.8mm、1.8~2.0mm、2.0~2.3mm、2.3~2.5mm、2.5~2.8mm、又は2.8~3.0mmであってもよい。本発明における吸着極の貫通孔は、物質が吸着極を流れることを可能にする任意の孔である。
【0143】
本発明のいくつかの実施例では、導電極と吸着極との間に電界が形成され、当該電界は網面電界又は網筒電界などさまざまな電界であってもよい。例えば、導電極は網状であり、吸着極は面状であり、導電極は吸着極に平行し、それにより網面電界が形成され、或いは導電極は網状であり、且つワイヤ又は金属針によって固定され、吸着極は筒状であり、導電極は吸着極の幾何学的対称中心に位置し、それにより網筒電界が形成される。吸着極が面状である場合、具体的には、平面状、曲面状、又は球面状であってもよい。導電極が網状である場合、具体的には平面状、球面状、又は他の幾何学的面状であってもよく、また長方形又は不規則な形状であってもよい。吸着極が筒状である場合、吸着極はさらに様々なボックス状に変化することができる。導電極もそれに応じて変化し、電極と電界の嵌めを形成することができる。
【0144】
本発明の一実施例では、導電極は吸着極に垂直である。本発明の一実施例では、導電極は吸着極に平行である。本発明の一実施例では、導電極と吸着極はいずれも面状であり、且つ導電極は吸着極に平行である。本発明の一実施例では、導電極は金網を用いる。本発明の一実施例では、導電極は平面状又は球面状である。本発明の一実施例では、吸着極は曲面状又は球面状である。本発明の一実施例では、導電極は網状であり、吸着極は筒状であり、導電極は吸着極の内部に位置し、且つ導電極は吸着極の中心対称軸上に位置する。
【0145】
本発明において導電極及び吸着極は吸着ユニットを構成する。前記吸着ユニットは1つ又は複数であってもよく、具体的な数は実際の必要に応じて決定される。一実施例では、吸着ユニットは1つある。他の実施例では、吸着ユニットは複数あることで、複数の吸着ユニットを用いてより多くの低比抵抗物質を吸着し、それにより、低比抵抗物質を収集する効率を向上させる。吸着ユニットは複数ある場合、全ての吸着ユニットの分布形態は必要に応じて柔軟に調整することができ、全ての吸着ユニットは同一であってもよいし、異なるものであってもよい。例えば、全ての吸着ユニットは異なる風量の要求を満たすように、縦方向、横方向、斜め方向、螺旋方向のうちの一方向又は複数の方向に沿って分布することができる。全ての吸着ユニットは矩形アレイ状に分布してもよいし、ピラミッド状に分布してもよい。上記種々の形状の導電極と吸着極は自由に組み合わせて吸着ユニットを形成することができる。例えば、線状の導電極を管状の吸着極に挿入して吸着ユニットを形成し、そして、線状の導電極と組み合わせて新たな吸着ユニットを形成し、この場合、2つの線状の導電極は電気的に接続することができ、そして、新たな吸着ユニットはさらに縦方向、横方向、斜め方向、螺旋方向のうちの一方向又は複数の方向に沿って分布する。また、例えば、線状の導電極を管状の吸着極に挿入して吸着ユニットを形成し、この吸着ユニットは、縦方向、横方向、斜め方向、螺旋方向のうちの一方向又は複数の方向に沿って分布して新たな吸着ユニットを形成し、当該新たな吸着ユニットは、さらに、上記の様々な形状の導電極と組み合わせて新たな吸着ユニットを形成する。本発明において吸着ユニットにおける導電極と吸着極との間の距離は異なる動作電圧と吸着対象の要求に適応するように任意に調整することができる。本発明において異なる吸着ユニットの間は組み合わせることができる。本発明において異なる吸着ユニットは同一の給電電源を用いてもよく、異なる給電電源を用いてもよい。異なる給電電源を用いる場合、各給電電源の給電駆動電圧は同じものであってもよいし、異なるものであってもよい。また、本発明における処理装置は複数あってもよく、全ての処理装置は縦方向、横方向、斜め方向、螺旋方向のうちの一方向又は複数の方向に沿って分布してもよい。
【0146】
本発明の一実施例では、低比抵抗物質の処理装置はさらにハウジングを含み、当該ハウジングは入口、出口及び流路を含み、流路の両端はそれぞれ入口及び出口に連通する。本発明の一実施例では、入口は円形であり、且つ入口の直径は300~1000mmであり、又は500mmである。本発明の一実施例では、出口は円形であり、且つ出口の直径は300~1000mmであり、又は500mmである。本発明の一実施例では、ハウジングは入口から出口方向に順次分布する第1の筒体、第2の筒体、及び第3の筒体を含み、入口は第1の筒体の一端に位置し、出口は第3の筒体の一端に位置する。本発明の一実施例では、第1の筒体の輪郭の大きさは入口から出口方向に沿って徐々に大きくなる。本発明の一実施例では、第1の筒体は直管状である。本発明の一実施例では、第2の筒体は直管状であり、且つ導電極及び吸着極が第2の筒体の中に取り付けられる。本発明の一実施例では、第3の筒体の輪郭の大きさは入口から出口方向に向かって徐々に小さくなる。本発明の一実施例では、第1の筒体、第2の筒体、及び第3の筒体の断面はいずれも矩形であり、本発明の一実施例では、第2の筒体の断面は矩形である。本発明の一実施例では、ハウジングの材質はステンレス、アルミニウム合金、鉄合金、布、スポンジ、分子ふるい、活性炭、発泡鉄、発泡炭化珪素である。本発明の一実施例では、導電極は絶縁部材を介してハウジングに接続される。本発明の一実施例では、絶縁部材の材質は絶縁マイカである。本発明の一実施例では、絶縁部材は柱状、又は塔状である。本発明の一実施例では、導電極に円筒形の前接続部が設けられ、且つ前接続部が絶縁部材に固着される。本発明の一実施例では、吸着極又はハウジング内壁に円筒形の後接続部が設けられ、且つ後接続部が絶縁部材に固着される。
【0147】
本発明のいくつかの実施例では、低比抵抗物質の処理装置はさらに入口及び出口を有するハウジングを含み、上記導電極及び吸着極はいずれもハウジングの中に取り付けられる。低比抵抗物質を収集するプロセスでは、低比抵抗物質は入口からハウジングに入り、出口に向かって移動し、低比抵抗物質が出口に向かって移動するプロセスでは、低比抵抗物質は導電極を経て、帯電しており、吸着極は帯電した低比抵抗物質を吸着することで低比抵抗物質を吸着極に収集する。本発明は、ハウジングを用いて、導電性板を流れるように低比抵抗物質を誘導することで、導電極によって低比抵抗物質を帯電させ、且つ吸着極によって低比抵抗物質を収集し、それにより出口から流出する低比抵抗物質の量を効果的に低減する。本発明のいくつかの実施例では、ハウジングの材質は金属、非金属、導体、非導体、水、各種導電性液体、各種多孔質材料、又は各種発泡材料などであってもよい。ハウジングの材質が金属である場合、その材質は、具体的には、ステンレス、又はアルミニウム合金などであってもよい。ハウジングの材質が非金属である場合、その材質は、具体的には、布、又はスポンジなどであってもよい。ハウジングの材質が導体である場合、その材質は、具体的には、鉄合金などであってもよい。ハウジングの材質が非導体である場合、その表面に水層が形成され、水が電極になり、例えば水を吸収した後の砂層が挙げられる。ハウジングの材質が水や各種導電性液体である場合、ハウジングは静止又は流動するものである。ハウジングの材質が各種多孔質材料である場合、その材質は具体的には分子ふるい又は活性炭であってもよい。ハウジングの材質が各種発泡材料である場合、その材質は具体的に発泡鉄、発泡炭化珪素などである。本発明の一実施例では、導電極は絶縁部材を介してハウジングに固着され、絶縁部材の材質は絶縁マイカであってもよい。また、本発明の一実施例では吸着極がハウジングに直接電気的に接続され、このような接続方式により、ハウジングが吸着極と同じ電位を有し、このようにハウジングも帯電した低比抵抗物質を吸着することができ、ハウジングも吸着極を構成する。ハウジングの中に上記流路が設けられ、導電極が流路の中に取り付けられる。
【0148】
吸着極に水煙などの低抵抗物質が付着すると、結露が発生する。本発明のいくつかの実施例では、吸着極は上下方向に沿って伸びることができ、このように吸着極に堆積された結露が一定の重量に達すると、重力の作用で吸着極に沿って下向きに流れ、最終的に設定位置又は装置に集まり、それにより吸着極に付着した低比抵抗物質に対する回収を実現する。本処理装置は冷蔵によるミストの除去に用いることができる。また、外部電界を使用して、吸着板に付着した物質を収集することもできる。吸着板上の物質に対する収集方向は気流方向と同じであってもよく、気流方向とは異なっていてもよい。具体的に実施する時に、重力を最大限に活用して、吸着極上の水滴又は水層をできるだけ速く収集タンクに流入させ、また、気流方向とその力を可能な限り使用して、吸着極での水の流れの速度を加速する。そのため、異なる取り付け条件、並びに絶縁の利便性、経済性、及びフィージビリティなどに応じて、上記目的をできるだけ達成し、特定の方向に制限されない。
【0149】
本発明のいくつかの実施例では、上記処理装置は、低比抵抗物質の吸着装置として独立して使用することができる。また、本発明のいくつかの実施例では、上記の処理装置は、結露、触媒、コロナ、加熱、遠心、スクリーニングなどの機能を実現するように冷凍装置、触媒装置、コロナ装置、加熱装置、遠心装置、スクリーニング装置、電磁装置、照射装置などと組み合わせて使用することができる。また、上記装置は、現場の必要に応じて任意に組み合わせることができる。
【0150】
また、既存の静電界荷電理論では、コロナ放電を利用して酸素をイオン化し、多数の負の酸素イオンを生成し、負の酸素イオンは粉塵と接触し、粉塵が荷電し、荷電した粉塵がヘテロポーラに吸着される。しかしながら、水煙、金属粒子、導体塵埃などの低抵抗物質に遇った場合、既存の電界はほとんど吸着効果がない。低比抵抗物質は、電子を得た後に電子を失いやすいため、移動する負の酸素イオンが低比抵抗物質を荷電させた後、低比抵抗物質はすぐに電子を失い、負の酸素イオンは1回だけ移動するため、電子を失った後の低比抵抗の再荷電が困難になるか、或いは、この帯電方法は、低比抵抗物質を帯電させる可能性を大幅に低減するため、低比抵抗物質全体が帯電していない状態になり、このように、ヘテロポーラが低比抵抗物質に吸着力を継続的に付勢することは困難であり、最終的には、既存の電界による低比抵抗物質に対する吸着率が非常に低くなる。本発明のいくつかの実施例では、上記処理装置及び処理方法は、荷電方法を使用してこれらの低比抵抗物質を帯電させるのではなく、電子を低比抵抗物質に直接伝達してそれらを帯電させ、ある低比抵抗物質が帯電してから電子を失った後、新たな電子は導電極から他の低比抵抗物質を介して当該電子を失った低比抵抗材料にすばやく伝達されることで、低比抵抗物質は電子を失った後、すぐに電気を得ることができ、低比抵抗物質の帯電確率を大幅に向上させ、このように繰り返すと、低比抵抗物質全体は電子を得た状態になり、吸着極は、低比抵抗物質を吸着するまで低比抵抗物質に吸引力を継続的に付勢することができ、それにより、本処理装置による低比抵抗物質に対する収集効率がより高いことを確保する。本発明で採用された低比抵抗物質を帯電させる上記方法は、コロナワイヤ、コロナ電極、又はコロナ板などを使用する必要がなく、本処理装置全体の構造を簡素化し、本処理装置の製造コストを削減する。また、本発明は上記給電方式を採用することにより、導電極上の大量の電子を、低比抵抗物質を介して吸着極に伝達し、且つ電流を形成する。本処理装置を流れる低比抵抗物質の濃度が大きいほど、導電極上の電子が低比抵抗物質を介して吸着極に伝達されやすく、より多くの電子が低比抵抗物質間に伝達されることにより、導電極と吸着極との間に形成される電流がより大きくなり、低比抵抗物質の帯電確率がより高くなり、本処理装置による低比抵抗物質に対する収集効率がより高くなる。本発明における上記処理方法は煙突からの白煙の除去、ミストの除去の新方法とすることができる。本発明における処理装置は湿式電気集塵器に増設されてもよい。
【0151】
本発明の一実施例により提供される低比抵抗物質の処理方法は、
低比抵抗物質が導電極を流れるようにするステップと、
低比抵抗物質が導電極を流れた場合、導電極は低比抵抗物質を帯電させ、吸着極は帯電した低比抵抗物質に吸引力を付勢することで、低比抵抗物質が吸着極に付着するまで低比抵抗物質を吸着極に移動させるステップと、を含む。
【0152】
本発明の一実施例では、低比抵抗物質が導電極を流れるようにする前記ステップは、電子を導電極と吸着極との間にある低比抵抗物質間に伝達し、より多くの低比抵抗物質を帯電させるステップを含む。
【0153】
本発明の一実施例では、導電極と吸着極との間は低比抵抗物質を介して電子を伝導し、且つ電流を形成する。
【0154】
本発明の一実施例では、低比抵抗物質が導電極を流れるようにする前記ステップは、導電極は、低比抵抗物質と接触することにより、低比抵抗物質を帯電させるステップを含む。
【0155】
本発明の一実施例では、吸着極に付着した低比抵抗物質は1カ所に集まる。
【0156】
本発明の一実施例では、硝酸ミスト付きのガスが導電極を流れるようにし、硝酸ミスト付きのガスが導電極を流れると、導電極はガス中の硝酸ミストを帯電させ、吸着極は帯電した硝酸ミストに吸引力を付勢し、硝酸ミストが吸着極に付着するまで、硝酸ミストを吸着極に移動させる。
【0157】
本発明の一実施例では、導電極は電子を硝酸ミストに導入するステップは、電子を導電極と吸着極との間にある霧粒間で伝達することで、より多くの霧粒を帯電させるステップを含む。
【0158】
本発明の一実施例では、導電極と吸着極との間は硝酸ミストを介して電子を伝導し、且つ電流を形成する。
【0159】
本発明の一実施例では、導電極は電子を硝酸ミストに導入するステップは、導電極は、硝酸ミストと接触することにより、硝酸ミストを帯電させるステップを含む。
【0160】
本発明の上記実施例では、さらにハウジングを含み、前記入口と前記出口はいずれもハウジング上に設けられ、前記導電極と吸着極はいずれもハウジングの中に取り付けられ、前記流路はハウジングの中に位置し、入口と出口との間に位置する。
【0161】
本発明の一実施例により提供される低比抵抗物質の処理方法は、
導電極を用いて電子を前記低比抵抗物質に伝導し、前記低比抵抗物質を帯電させるステップと、
吸着極を用いて帯電した前記低比抵抗物質を吸引し、帯電した前記低比抵抗物質を前記吸着極に移動させるステップと、を含み、
前記導電極に少なくとも1つの貫通孔が設けられ、前記低比抵抗物質が前記導電極上の貫通孔を通過する場合、前記低比抵抗物質が前記導電極を貫通し、前記低比抵抗物質を帯電させる。
【0162】
本発明の上記実施例では、導電極を用いて電子を前記低比抵抗物質に伝導する前記ステップは、電子を前記導電極と前記吸着極の間に位置する低比抵抗物質間で伝達することで、より多くの低比抵抗物質を帯電させるステップを含む。
【0163】
本発明の上記実施例では、前記導電極と前記吸着極との間は低比抵抗物質を介して電子を伝導し、且つ導電極放電電流である電流を形成する。
【0164】
本発明の上記実施例では、導電極を用いて電子を前記低比抵抗物質に伝導する前記ステップは、前記導電極は、低比抵抗物質と接触することにより低比抵抗物質を帯電させるステップを含む。
【0165】
本発明の一実施例では、前記導電極及び前記吸着極はいずれもハウジング内に取り付けられ、前記ハウジングは入口及び出口を有する。
【0166】
本発明の上記実施例では、前記ハウジングは流路をさらに含み、前記流路はハウジングの中に位置し、入口と出口との間に位置する。
【0167】
本発明の上記実施例では、前記導電極の断面積と流路の断面積との比率は99%~10%である。
【0168】
本発明の一実施例により提供される低比抵抗物質の処理装置は、
電子を低比抵抗物質に伝導できる導電極であって、電子が低比抵抗物質に伝導されると、低比抵抗物質が帯電する導電極と、
帯電した低比抵抗物質に吸引力を付勢することができる吸着極とを含み、
前記導電極に少なくとも1つの貫通孔が設けられる。
【0169】
本発明の上記実施例では、前記低比抵抗物質が前記導電極上の貫通孔を通過する場合、前記低比抵抗物質が前記導電極を貫通し、前記低比抵抗物質を帯電させる。
【0170】
本発明の上記実施例では、入口及び出口を有するハウジングをさらに含み、前記導電極及び吸着極はいずれも前記ハウジング内に取り付けられる。
【0171】
本発明の上記実施例では、前記ハウジングは流路をさらに含み、前記流路は前記ハウジングの中に位置し、前記入口と前記出口との間に位置する。
【0172】
本発明の上記実施例では、前記導電極の断面積と流路の断面積との比率は99%~10%である。
【0173】
本発明の一実施例により提供される低比抵抗物質の処理方法は、
前記低比抵抗物質は入口から流路に入り、出口方向に移動するステップと、導電極を用いて電子を前記低比抵抗物質に伝導し、前記低比抵抗物質を帯電させるステップと、
吸着極を用いて帯電した前記低比抵抗物質を吸引し、帯電した前記低比抵抗物質を吸着極に移動させるステップとを含み、
前記導電極の断面積と流路の断面積との比率は99%~10%である。
【0174】
本発明の上記実施例では、導電極を用いて電子を前記低比抵抗物質に伝導する前記ステップは、電子を前記導電極と前記吸着極の間に位置する低比抵抗物質間で伝達することで、より多くの低比抵抗物質を帯電させるステップを含む。
【0175】
本発明の上記実施例では、前記導電極と前記吸着極との間は低比抵抗物質を介して電子を伝導し、且つ導電極放電電流である電流を形成する。
【0176】
本発明の上記実施例では、導電極を用いて電子を前記低比抵抗物質に伝導する前記ステップは、前記導電極は、低比抵抗物質と接触することにより低比抵抗物質を帯電させるステップを含む。
【0177】
本発明の上記実施例では、前記導電極及び前記吸着極はいずれもハウジング内に取り付けられ、前記ハウジングは入口及び出口を有する。
【0178】
本発明の上記実施例では、前記流路はハウジングの中に位置し、入口と出口との間に位置する。
【0179】
本発明の一実施例により提供される低比抵抗物質の処理装置は、
入口、出口、及び入口と出口との間に位置する流路を含み、
流路に位置し、電子を低比抵抗物質に伝導でき、電子が低比抵抗物質に伝導されると、低比抵抗物質が帯電する導電極と、
流路に位置し、帯電した低比抵抗物質に吸引力を付勢することができる吸着極とを含み、
前記導電極の断面積と流路の断面積との比率は99%~10%である。
【0180】
本発明のいくつかの実施例では、導電極を用いて電子を前記低比抵抗物質に伝導するステップに記載の「伝導」とは、導電極が帯電しない低比抵抗物質と接触する時に、導電極上の電子が低比抵抗物質に伝達され、低比抵抗物質に導電極と同じ電荷を帯びさせ、帯電した低比抵抗物質は電荷を他の帯電しない低比抵抗物質に伝達し、より多くの低比抵抗物質を帯電させる。
【0181】
以下に特定の具体的な実施例によって本発明の実施形態を説明し、当業者は本明細書に開示された内容から本発明の他の利点及び効果を容易に理解することができる。
【0182】
なお、本明細書の図面に示されている構造、比率、サイズなどは、当業者の理解及び閲覧のために、本明細書に開示されている内容と組み合わせることのみに使用されており、本発明の実施を限定するための限定条件ではないため、技術上に本質的な意味はなく、任意の構造の補正、比例関係の変更、又はサイズの調整は、本発明によって生じられる効果及び達成される目的に影響を与えることなく、本発明に開示された技術的内容がカバーできる範囲内に含まれるべきである。また、本明細書において引用された「上」、「下」、「左」、「右」、「中間」及び「一」などの用語は、明確にな説明の便宜上に記載されたものにすぎず、本発明の実施可能な範囲を限定するものではなく、その相対的な関係の変更又は調整は、技術的内容を実質的に変更することなく、本発明の実施可能な範囲と見なされるべきである。
【0183】
(実施例1)
図1から
図3に示すように、本実施例により提供される低比抵抗物質の処理装置は、
電子を低比抵抗物質に伝導できる導電極であって、電子が低比抵抗物質に伝導されると、低比抵抗物質が帯電する導電極301と、
帯電した低比抵抗物質に吸引力を付勢することができる吸着極302とを含む。
【0184】
また、
図1に示すように、本実施例における低比抵抗物質の処理装置は、入口3031及び出口3032を有するハウジング303を含み、導電極301及び吸着極302はいずれもハウジング303内に取り付けられる。また、導電極301は絶縁部材304を介してハウジング303の内壁に固着され、吸着極302はハウジング303に直接固着される。本実施例における絶縁部材304は柱状であり、絶縁柱とも呼ばれる。他の実施例では絶縁部材304はさらに塔状などであってもよい。本絶縁部材304は主に汚染防止及び漏電防止のためのものである。本実施例では導電極301と吸着極302はいずれも網状であり(すなわち導電極と吸着極にはいずれも複数の貫通孔が設けられる)、且つ両者はいずれも入口3031と出口3032との間にある。導電極301は負の電位を有し、吸着極302は正の電位を有する。また、本実施例では、ハウジング303は吸着極302と同じ電位を有し、当該ハウジング303は同様に、帯電した低比抵抗物質を吸着することができる。本実施例では、ハウジングに流路3036が設けられ、導電極301と吸着極302はいずれも流路3036に取り付けられ、且つ導電極301の断面積と流路3036の断面積との比率は70%である。
【0185】
本実施例はさらに、酸霧を含む工業用排気ガス(本実施例における工業用排気ガスはエンジンの排気ガスである)を処理するために用いられる低比抵抗物質の処理方法であって、導電極301を用いて電子を工業用排気ガス中の酸霧に伝導し、酸霧を帯電させるステップと、吸着極302を用いて帯電した酸霧を吸引し、帯電した酸霧を前記吸着極302に移動させるステップとを含む低比抵抗物質の処理方法を提供する。具体的には、本実施例では、入口3031は、工業用排気ガスを排出するための口に接続され、
図1に示すように、動作プロセス及び動作原理は以下のとおりである。工業用排気ガスは、入口3031からハウジング303に流入し、出口3032を通って流出し、このプロセスでは、工業用排気ガスは導電極301を流れ、工業用排気ガス中の酸霧が導電極301と接触するか、又は導電極301との間の距離が一定の値に達すると、導電極301は電子を酸霧に伝達し、酸霧を帯電させ、吸着極302は帯電した酸霧に吸引力を付勢し、酸霧を吸着極302に移動させて吸着極302に付着させ、酸霧は電子を帯びやすく且つ電子を失いやすいという特徴を有するため、ある帯電した霧粒は、吸着極302に移動するプロセスで再び電子を失い、この場合、他の帯電した霧粒は、当該電子を失った霧粒に電子を速く伝達し、このように繰り返すと、霧粒は連続的に帯電した状態にあり、吸着極302は霧粒に吸着力を継続的に付勢し、且つ霧粒を吸着極302に付着させることができ、それにより、工業用排気ガス中の酸霧の除去を実現し、酸霧が大気中に直接排出されて大気汚染を引き起こすのを防ぐ。
【0186】
本実施例により提供される処理方法及び処理装置における各パラメータを表1に示す。
【0187】
【0188】
本実施例では導電極301と吸着極302は吸着ユニットを構成する。且つ吸着ユニットが1つだけある場合、本実施例における低比抵抗物質の処理装置及び処理方法は工業用排気ガス中の酸霧を80%除去することができ、酸霧の排出量を大幅に削減し、環境保護効果が顕著である。
【0189】
図2に示すように、本実施例では導電極301に3つの第1の接続部3011が設けられ、3つの第1の接続部3011はそれぞれ3つの絶縁部材304を介してハウジング303の内壁上の3つの第2の接続部に固着され、このような接続形態は導電極301とハウジング303との間の接続強度を効果的に向上させることができる。本実施例では第1の接続部3011は円柱状であり、他の実施例では第1の接続部3011は塔状などであってもよい。本実施例では絶縁部材304は円柱状であり、他の実施例において絶縁部材304はさらに塔状などであってもよい。本実施例では第2の接続部は円柱状であり、他の実施例において絶縁部材304はさらに塔状などであってもよい。
図1に示すように、本実施例ではハウジング303は入口3031から出口3032の方向に沿って順に分布している第1の筒体3033、第2の筒体3034、及び第3の筒体3035を含む。入口3031は第1の筒体3033の一端にあり、出口3032は第3の筒体3035の一端にある。第1の筒体3033の輪郭の大きさは入口3031から出口3032への方向に沿って徐々に大きくなり、第3の筒体3035の輪郭の大きさは入口3031から出口3032への方向に沿って徐々に小さくなる。本実施例では第2の筒体3034の断面は矩形である。本実施例ではハウジング303は上記構造設計を採用することにより、排気ガスが入口3031で一定の入口流速に達するようにし、より主要なのは、空気流分布をより均一にすることができ、さらに、霧粒など排気ガス中の媒体が導電極301の励起作用によってより帯電しやすくなるようにする。また、本ハウジング303はよりパッケージしやすく、材料の使用量を低減し、且つスペースを節約し、パイプで接続することができ、さらに、絶縁を考慮することに有利である。上記の効果を達成できる任意のハウジング303が許容される。
【0190】
本実施例では入口3031及び出口3032はいずれも円形であり、入口3031は吸気口と呼ばれてもよく、出口3032は排気口と呼ばれてもよい。本実施例における入口3031の直径は300mm~1000mmであり、具体的には500mmである。また、本実施例では出口3032の直径は300mm~1000mmであり、具体的には500mmである。
【0191】
(実施例2)
図4及び
図5に示すように、本実施例は、
電子を低比抵抗物質に伝導できる導電極であって、電子が低比抵抗物質に伝導されると、低比抵抗物質が帯電する導電極301と、
帯電した低比抵抗物質に吸引力を付勢することができる吸着極302とを含む低比抵抗物質の処理装置を提供する。
【0192】
図4及び
図5に示すように、本実施例では導電極301は2つあり、2つの導電極301はいずれも網状であり且つツェッパ状である。本実施例では吸着極302は1つあり、当該吸着極302は網状であり且つツェッパ状である。吸着極302は、2つの導電極301の間に位置する。また、
図4に示すように、本実施例における低比抵抗物質の処理装置は、入口3031及び出口3032を有するハウジング303をさらに含み、導電極301及び吸着極302はいずれもハウジング303内に取り付けられる。また、導電極301は絶縁部材304を介してハウジング303の内壁に固着され、吸着極302はハウジング303に直接固着される。本実施例における絶縁部材304は柱状であり、絶縁柱とも呼ばれる。本実施例では導電極301は負の電位を有し、吸着極302は正の電位を有する。また、本実施例では、ハウジング303と吸着極302は同じ電位を有し、当該ハウジング303は同様に、帯電した物質を吸着することができる。
【0193】
本実施例は酸霧を含む工業的排気ガスを処理するために用いられる、上記低比抵抗物質の処理装置を用いる処理方法であって、導電極301を用いて工業用排気中の酸霧に電子を伝導し、酸霧を帯電させるステップと、吸着極302を用いて帯電した酸霧を吸引し、帯電した酸霧を前記吸着極302に移動させるステップとを含む処理方法をさらに提供する。具体的には、本実施例では、入口3031は、工業用排気ガスを排出するための口に接続され、
図4に示すように、動作プロセス及び動作原理は以下のとおりである。工業用排気ガスは、入口3031からハウジング303に流入し、出口3032を通って流出し、このプロセスでは、工業用排気ガスは先に1つの導電極301を流れ、工業用排気ガス中の酸霧が当該導電極301と接触するか、又は当該導電極301との間の距離が一定の値に達すると、導電極301は電子を酸霧に伝達し、一部の酸霧を帯電させ、吸着極302は帯電した酸霧に吸引力を付勢し、酸霧を吸着極302に移動させて吸着極302に付着させ、他の部分の酸霧が吸着極302に吸着されず、当該部分の酸霧は出口3032に向かって流れ続け、当該部分の酸霧がもう1つの導電極301と接触するか、又はもう1つの導電極301との間の距離が一定の値に達すると、当該部分の酸霧が帯電し、ハウジング303は当該部分の帯電した酸霧に吸引力を付勢し、当該部分の帯電した酸霧をハウジング303の内壁に付着させ、それにより、工業用排気ガス中の酸霧の排出量が大幅に削減され、本実施例における処理装置及び処理方法は、工業用排気中の酸霧を90%除去することができ、酸霧を除去する効果が非常に顕著である。また、本実施例では入口3031及び出口3032はいずれも円形であり、入口3031は吸気口と呼ばれてもよく、出口3032は排気口と呼ばれてもよい。
【0194】
本実施例により提供される処理方法及び処理装置における各パラメータを表2に示す。
【0195】
【0196】
(実施例3)
本実施例は、
電子を低比抵抗物質に伝導できる導電極であって、電子が低比抵抗物質に伝導されると、低比抵抗物質が帯電する導電極と、
帯電した低比抵抗物質に吸引力を付勢することができる吸着極とを含む低比抵抗物質の処理装置を提供する。
【0197】
本実施例では導電極は網状であり、且つ導電極は負の電位を有する。また、本実施例では吸着極は面状であり、且つ吸着極は正の電位を有し、当該吸着極は収集極とも呼ばれる。本実施例では吸着極は具体的には平面状であり、且つ導電極は吸着極に平行である。本実施例では導電極と吸着極との間に網面電界が形成される。また、本実施例では、導電極はワイヤで作られた網状構造であり、当該導電極は金網で構成される。本実施例では吸着極の面積は導電極の面積より大きい。
【0198】
(実施例4)
本実施例は、
電子を低比抵抗物質に伝導できる導電極であって、電子が低比抵抗物質に伝導されると、低比抵抗物質が帯電する導電極と、
帯電した低比抵抗物質に吸引力を付勢することができる吸着極とを含む低比抵抗物質の処理装置を提供する。
【0199】
本実施例では導電極は網状であり、且つ導電極は負の電位を有する。また、本実施例では吸着極は筒状であり、且つ吸着極は正の電位を有し、当該吸着極は収集極とも呼ばれる。本実施例における導電極はワイヤ又は金属針によって固定される。本実施例では導電極は筒状の吸着極の幾何学的対称中心に位置する。本実施例では導電極と吸着極との間は網筒電界を形成する。
【0200】
(実施例5)
本実施例は、
電子を低比抵抗物質に伝導できる導電極であって、電子が低比抵抗物質に伝導されると、低比抵抗物質が帯電する導電極と、
帯電した低比抵抗物質に吸引力を付勢することができる吸着極とを含む低比抵抗物質の処理装置を提供する。
【0201】
本実施例では、吸着極は2つあり、導電極は2つの吸着極の間に位置し、左右方向における導電極の長さは、左右方向における吸着極の長さよりも長く、導電極がある左端は、吸着極の左側に位置する。導電極の左端と吸着極の左端は斜めに延びる電力線を形成する。本実施例では導電極と吸着極との間には非対称電界が形成される。使用時には、霧粒などの低比抵抗物質は左から2つの吸着極の間に入る。一部の霧粒が帯電した後、導電極の左端から斜め方向に沿って吸着極の左端に向かって移動し、それにより霧粒を引っ張る効果を形成する。
【0202】
(実施例6)
本実施例は、
電子を低比抵抗物質に伝導できる導電極であって、電子が低比抵抗物質に伝導されると、低比抵抗物質が帯電する導電極と、
帯電した低比抵抗物質に吸引力を付勢することができる吸着極とを含む低比抵抗物質の処理装置を提供する。
【0203】
本実施例では、導電極と吸着極は吸着ユニットを構成する。本実施例では吸着ユニットは複数あり、且つ全ての吸着ユニットは横方向に沿って分布する。本実施例では全ての吸着ユニットは具体的には左右方向に沿って分布する。
【0204】
(実施例7)
本実施例は、
電子を低比抵抗物質に伝導できる導電極であって、電子が低比抵抗物質に伝導されると、低比抵抗物質が帯電する導電極と、
帯電した低比抵抗物質に吸引力を付勢することができる吸着極とを含む低比抵抗物質の処理装置を提供する。
【0205】
本実施例では、導電極と吸着極は吸着ユニットを構成する。本実施例における吸着ユニットは複数あり、且つ全ての吸着ユニットは縦方向に沿って分布する。
【0206】
(実施例8)
本実施例は、
電子を低比抵抗物質に伝導できる導電極であって、電子が低比抵抗物質に伝導されると、低比抵抗物質が帯電する導電極と、
帯電した低比抵抗物質に吸引力を付勢することができる吸着極とを含む低比抵抗物質の処理装置を提供する。
【0207】
本実施例では、導電極と吸着極は吸着ユニットを構成する。本実施例では吸着ユニットは複数あり、且つ全ての吸着ユニットは斜め方向に沿って分布する。
【0208】
(実施例9)
本実施例は、
電子を低比抵抗物質に伝導できる導電極であって、電子が低比抵抗物質に伝導されると、低比抵抗物質が帯電する導電極と、
帯電した低比抵抗物質に吸引力を付勢することができる吸着極とを含む低比抵抗物質の処理装置を提供する。
【0209】
本実施例では、導電極と吸着極は吸着ユニットを構成する。本実施例では吸着ユニットは複数あり、且つ全ての吸着ユニットは螺旋方向に沿って分布する。
【0210】
(実施例10)
本実施例は、
電子を低比抵抗物質に伝導できる導電極であって、電子が低比抵抗物質に伝導されると、低比抵抗物質が帯電する導電極と、
帯電した低比抵抗物質に吸引力を付勢することができる吸着極とを含む低比抵抗物質の処理装置を提供する。
【0211】
本実施例では、導電極と吸着極は吸着ユニットを構成する。本実施例における吸着ユニットは複数あり、且つ全ての吸着ユニットは横方向、縦方向及び斜め方向に沿って分布する。
【0212】
(実施例11)
本実施例は、上記低比抵抗物質の処理装置及びベンチュリプレートを含むエンジンに基づくガス処理システムを提供する。本実施例では低比抵抗物質の処理装置はベンチュリプレートと組み合わせて使用される。
【0213】
(実施例12)
本実施例は、上記低比抵抗物質の処理装置と、ベンチュリプレートと、NOx酸化触媒装置と、オゾン分解装置とを含むエンジンに基づくガス処理システムを提供する。本実施例では、低比抵抗物質の処理装置及びベンチュリプレートはNOx酸化触媒装置とオゾン分解装置との間に位置する。且つNOx酸化触媒装置にNOx酸化触媒があり、オゾン分解装置にオゾン分解触媒がある。
【0214】
(実施例13)
本実施例は、上記低比抵抗物質の処理装置と、コロナ装置と、ベンチュリプレートとを含み、そのうち、低比抵抗物質の処理装置はコロナ装置とベンチュリプレートとの間に位置するエンジンに基づくガス処理システムを提供する。
【0215】
(実施例14)
本実施例は、上記低比抵抗物質の処理装置と、加熱装置と、オゾン分解装置とを含み、そのうち、加熱装置は低比抵抗物質の処理装置とオゾン分解装置との間に位置するエンジンに基づくガス処理システムを提供する。
【0216】
(実施例15)
本実施例は、上記低比抵抗物質の処理装置と、遠心装置と、ベンチュリプレートとを含み、そのうち、低比抵抗物質の処理装置は遠心装置とベンチュリプレートとの間に位置するエンジンに基づくガス処理システムを提供する。
【0217】
(実施例16)
本実施例は、上記低比抵抗物質の処理装置と、コロナ装置と、ベンチュリプレートと、分子ふるいとを含み、そのうち、ベンチュリプレート及び低比抵抗物質の処理装置はコロナ装置と分子ふるいとの間に位置するエンジンに基づくガス処理システムを提供する。
【0218】
(実施例17)
本実施例は、上記低比抵抗物質の処理装置と、コロナ装置と、電磁装置とを含み、そのうち、低比抵抗物質の処理装置はコロナ装置と電磁装置との間に位置するエンジンに基づくガス処理システムを提供する。
【0219】
(実施例18)
本実施例は、上記低比抵抗物質の処理装置と、コロナ装置と、照射装置とを含み、そのうち、照射装置はコロナ装置と低比抵抗物質の処理装置との間に位置するエンジンに基づくガス処理システムを提供する。
【0220】
(実施例19)
本実施例は、上記低比抵抗物質の処理装置と、コロナ装置と、湿式電気集塵装置とを含み、そのうち、湿式電気集塵装置はコロナ装置と低比抵抗物質の処理装置との間に位置するエンジンに基づくガス処理システム。
【0221】
(実施例20)
図6に示すように、本実施例は、吸気装置を含むエンジンに基づくガス処理システムを提供し、
図1は吸気装置の構造概略図である。前記吸気装置101は吸気口1011と、分離機構1012と、第1の水濾過機構1013と、静電集塵機構1014と、絶縁機構1015と、空気分散機構と、第2の水濾過機構1017及び/又はオゾン機構1018とを含む。本実施例では、第1の水濾過機構1013は本発明により提供される低比抵抗物質の処理装置である。
【0222】
図6に示すように、前記吸気口1011は、粒子物質を有するガスを受けるために前記分離機構1012の吸気壁に設けられる。
【0223】
前記静電集塵機構1014は、アノードダスト収集部10141と、アノードダスト収集部10141内に設けられたカソード放電部10142とを含み、アノードダスト収集部10141とカソード放電部10142との間に非対称な静電界が形成される。
【0224】
前記分離機構1012内に設けられた第1の水濾過機構1013は、導電性網板である、前記吸気口1011に設けられた導電極を含み、前記導電性網板は、給電後に、電子を低比抵抗物質に伝導するために用いられる。帯電した低比抵抗物質を吸着するための吸着極は、本実施例では、前記静電集塵機構1014のアノードダスト収集部10141である。
【0225】
図7に示すのは、前記吸気装置内に設けられた第1の水濾過機構の他の実施例の構造概略図である。前記第1の水濾過機構の導電極10131は前記吸気口に設けられ、前記導電極10131は負の電位を有する導電性網板である。また、吸着極10132は前記吸気装置内に配置されて平面網状であり、且つ吸着極10132は正の電位を有し、当該吸着極10132は収集極とも呼ばれる。本実施例では吸着極10132は具体的に平面網状であり、且つ導電極10131は吸着極10132に平行である。本実施例では導電極10131と吸着極10132との間に網面電界が形成される。また、導電極10131は、ワイヤで作られた網状構造であり、当該導電極10131は金網で構成される。当該吸着極10132の面積は、導電極10131の面積よりも大きい。
【0226】
エンジンに基づくガス処理システムはさらに排気ガス処理装置をさらに含み、前記排気ガス処理装置は第3の水濾過機構を含み、本実施例における第1の水濾過機構は、エンジンに基づくガス処理システムの排気ガス処理装置の第3の水濾過機構にも適用される。
【0227】
(実施例21)
ディーゼルエンジンの排気ガス処理システムは、
図8に示すように、
ディーゼルエンジンの排気ガス中の窒素酸化物(NO
x)を除去するために用いられる窒素酸化物(NO
x)除去装置を含み、前記窒素酸化物(NO
x)除去装置は、例えばオゾン発生器201であって、オゾンを供給するために用いられるオゾン源と、ディーゼルエンジンの排気ガスとオゾンとの混合反応に用いられる反応場202と、窒素酸化物(NO
x)除去装置によって処理された後のディーゼルエンジンの排気ガス中の硝酸を除去するために用いられる脱硝装置203であって、低抵抗物質処理装置であってオゾン処理後のエンジン排気ガスを電気的凝固し、硝酸を含む水煙を低抵抗物質処理装置の吸着極に蓄積するために用いられる電気凝固ミスト除去ユニット2031と、排気ガスから除去された硝酸水溶液及び/又は硝酸塩水溶液を貯蔵するために用いられる脱硝液収集ユニット2032とを含む脱硝装置203と、脱硝装置によって処理されたディーゼルエンジンの排気ガス中のオゾンを分解するために用いられるオゾンダイジェスター204とを含む。オゾンダイジェスターは紫外線、触媒などの方式によりオゾンを分解することができる。
【0228】
本実施例では、前記低比抵抗物質の処理装置である電気凝固ミスト除去ユニット2031は、電子を低比抵抗物質に伝導できる導電極であって、電子が低比抵抗物質に伝導されると、低比抵抗物質が帯電する導電極301と、帯電した低比抵抗物質に吸引力を付勢することができる吸着極302とを含む。
【0229】
本実施例では導電極301は2つあり、2つの導電極301はいずれも網状であり且つツェッパ状である。本実施例では吸着極302は1つあり、当該吸着極302は網状であり且つツェッパ状である。吸着極302は、2つの導電極301の間に位置する。また、
図4に示すように、本実施例における低比抵抗物質の処理装置は、入口3031及び出口3032を有するハウジング303をさらに含み、導電極301及び吸着極302はいずれもハウジング303内に取り付けられる。また、導電極301は絶縁部材304を介してハウジング303の内壁に固着され、吸着極302はハウジング303に直接固着される。本実施例における絶縁部材304は柱状であり、絶縁柱とも呼ばれる。本実施例では導電極301は負の電位を有し、吸着極302は正の電位を有する。また、本実施例では、ハウジング303と吸着極302は同じ電位を有し、当該ハウジング303は同様に、帯電した低比抵抗物質を吸着することができる。
【0230】
本実施例はさらに、酸霧を含む工業用排気ガスを処理するために用いられる、上記低比抵抗物質の処理装置を用いる処理方法であって、導電極301を用いて工業用排気ガス中の酸霧に電子を伝導し、酸霧を帯電させるステップと、吸着極302を用いて帯電した酸霧を吸引し、帯電した酸霧を前記吸着極302に移動させるステップとを含む処理方法を提供する。具体的には、本実施例では、入口3031は、工業用排気ガスを排出するための口に接続され、動作プロセス及び動作原理は以下のとおりである。工業用排気ガスは、入口3031からハウジング303に流入し、出口3032を通って流出し、このプロセスでは、工業用排気は先に1つの導電極301を流れ、工業用排気ガス中の酸霧が当該導電極301と接触するか、又は当該導電極301との間の距離が一定の値に達すると、導電極301は電子を酸霧に伝達し、一部の酸霧を帯電させ、吸着極302は帯電した酸霧に吸引力を付勢し、酸霧を吸着極302に移動させて吸着極302に付着させ、他の部分の酸霧が吸着極302に吸着されず、当該部分の酸霧は出口3032に向かって流れ続け、当該部分の酸霧がもう1つの導電極301と接触するか、又は当該導電極301との間の距離が一定の値に達すると、当該部分の酸霧が帯電し、ハウジング303は当該部分の帯電した酸霧に吸引力を付勢し、当該部分の帯電した酸霧をハウジング303の内壁に付着させ、それにより、工業用排気ガス中の酸霧の排出量が大幅に削減され、本実施例における処理装置及び処理方法は、工業用排気ガス中の酸霧を90%除去することができ、酸霧を除去する効果が非常に顕著である。また、本実施例では入口3031及び出口3032はいずれも円形であり、入口3031は吸気口と呼ばれてもよく、出口3032は排気口と呼ばれてもよい。
【0231】
本実施例により提供される処理方法及び処理装置における各パラメータを表3に示す。
【0232】
【0233】
要約すると、本発明は、先行技術における様々な欠点を効果的に解消し、高い工業的価値を有する。
【0234】
上記の実施例は、本発明の原理及び効果を例示的に説明するものにすぎず、本発明を限定するために用いられるものではない。当業者であれば、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、上記の実施例を補正又は変更することができる。したがって、本発明に開示された精神及び技術的アイデアから逸脱することなく、当業者によって行われたすべての同等の補正又は変更は、依然として本発明の特許請求の範囲によってカバーされるべきである。
【符号の説明】
【0235】
301 導電極、
3011 第1の接続部、
302 吸着極、
303 ハウジング、
3031 入口、
3032 出口、
3033 第1の筒体部、
3034 第2の筒体部、
3035 第3の筒体部、
3036 流路、
304 絶縁部材、
101 吸気装置、
1011 吸気口、
1012 分離機構、
1013 第1の水濾過機構、
1014 静電集塵機構、
10141 アノードダスト収集部、
10142 カソード放電部、
1015 第1の絶縁機構、
1016 空気分散機構、
1017 第2の水濾過機構、
1018 オゾン機構、
201 オゾン発生器、
202 反応場、
2021 ハニカム状キャビティ、
2022 隙間、
203 脱硝装置、
2031 電気凝固ミスト除去ユニット、
2032 脱硝液収集ユニット、
204 オゾン分解器。
【国際調査報告】