(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-10
(54)【発明の名称】プラウモジュール
(51)【国際特許分類】
A01B 9/00 20060101AFI20220603BHJP
【FI】
A01B9/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2021557168
(86)(22)【出願日】2020-03-24
(85)【翻訳文提出日】2021-11-24
(86)【国際出願番号】 EP2020058132
(87)【国際公開番号】W WO2020193537
(87)【国際公開日】2020-10-01
(31)【優先権主張番号】102019204256.2
(32)【優先日】2019-03-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521100380
【氏名又は名称】フーバー ソイル ソリューション ゲー・エム・ベー・ハー
【氏名又は名称原語表記】Huber Soil Solution GmbH
【住所又は居所原語表記】Franz-Nabl-Gasse 15, 8435 Wagna, Austria
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】フランツ-フェアディナント フーバー
【テーマコード(参考)】
2B032
【Fターム(参考)】
2B032AA06
2B032EA02
2B032EA05
2B032EA06
2B032EB03
2B032EB05
2B032EB11
2B032EB25
(57)【要約】
本発明は、土壌を耕起するためのプラウ装置(3)のベースフレーム(2)に交換可能に組み付けるためのプラウモジュール(1)であって、環状の第1の切刃(103)を備える切断プレートとして形成された回転可能な第1の切断要素(102)であって、耕起方向(110)に沿った土壌(120)上でのプラウモジュール(1)の運動によって、土壌(120)のれき条(201)の側方領域(202)が切離し可能であるように形成された、第1の切断要素(102)と、第2の切刃(106)を備える平らな第2の切断要素(105)であって、耕起方向(110)に沿った土壌(120)上でのプラウモジュール(1)の運動によって、土壌(120)のれき条(201)の底領域(203)が切離し可能であるように形成された、第2の切断要素(105)と、を有するプラウモジュール(1)において、プラウモジュール(1)は、組立て済みの構成ユニットとして形成されており、プラウモジュール(1)では、第2の切断要素(105)の切刃は、耕起方向(110)で第1の切断要素(102)に追従し、第1の切断要素(102)が配置されている第1の支持構造体(4)と、第2の切断要素(105)が配置されていて、第1の支持構造体(4)に結合されている第2の支持構造体(5)と、が設けられており、第1の支持構造体(4)は、プラウ装置(3)のベースフレーム(2)に分離可能に取り付けるための手段を有することを特徴とする、プラウモジュール(1)に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
土壌を耕起するためのプラウ装置(3)のベースフレーム(2)に交換可能に組み付けるためのプラウモジュール(1)であって、
環状の第1の切刃(103)を備える切断プレートとして形成された回転可能な第1の切断要素(102)であって、耕起方向(110)に沿った前記土壌(120)上での前記プラウモジュール(1)の運動によって、前記土壌(120)のれき条(201)の側方領域(202)が切断可能であるように形成された、第1の切断要素(102)と、
第2の切刃(106)を備える平らな第2の切断要素(105)であって、耕起方向(110)に沿った前記土壌(120)上での前記プラウモジュール(1)の運動によって、前記土壌(120)のれき条(201)の底領域(203)が切離し可能であるように形成された、第2の切断要素(105)と、
を有する、プラウモジュール(1)において、
前記プラウモジュール(1)は、組立て済みの構成ユニットとして形成されており、前記プラウモジュール(1)では、前記第2の切断要素(105)の切刃は、耕起方向(110)で前記第1の切断要素(102)に追従し、
前記第1の切断要素(102)が配置されている第1の支持構造体(4)と、
前記第2の切断要素(105)が配置されていて、前記第1の支持構造体(4)に結合されている第2の支持構造体(5)と、
が設けられており、
前記第1の支持構造体(4)は、プラウ装置(3)のベースフレーム(2)に分離可能に取り付けるための手段を有する
ことを特徴とする、プラウモジュール(1)。
【請求項2】
前記第2の支持構造体(5)は、ジョイント(7)を介して前記第1の支持構造体(4)に旋回可能に結合されていることを特徴とする、請求項1記載のプラウモジュール。
【請求項3】
前記第1の切断要素(102)は、前記第1の切断要素(102)の前記第1の切刃(103)と前記第2の切断要素(105)の前記第2の切刃(106)との間の間隔が調整可能であるように、前記第1の支持構造体(4)にスライド可能に配置されていることを特徴とする、請求項1または2記載のプラウモジュール。
【請求項4】
前記第1の切断要素(102)と前記第2の切断要素(105)とは、前記第1の切断要素(102)の前記第1の切刃(103)の前記切断領域(104)が、前記第2の切断要素(105)の前記第2の切刃(106)から鉛直方向で離間しているように互いに配置されている、請求項1から3までのいずれか1項記載のプラウモジュール(1)。
【請求項5】
前記第1の切断領域(104)は第1の切断平面内に形成され、第2の切断領域(107)は第2の切断平面内に形成されており、前記第1の切断平面と前記第2の切断平面とは、互いに30°~135°、特に45°~110°の角度を形成している、請求項1から4までのいずれか1項記載のプラウモジュール(1)。
【請求項6】
前記第1の切断要素(102)は、湾曲しているかまたは円錐形状または円錐台形状を有する、請求項1から5までのいずれか1項記載のプラウモジュール(1)。
【請求項7】
前記第1の切断要素(102)の前記第1の切刃(103)および/またはディスク状の前記第2の切断要素(105)の前記第2の切刃(106)は、周囲に切欠き(10,11)を有する、請求項1から6までのいずれか1項記載のプラウモジュール(1)。
【請求項8】
前記第2の切断要素(105)は、回転可能な切断要素であり、前記第2の切刃(106)は、環状の切刃(106)である、請求項1から7までのいずれか1項記載のプラウモジュール(1)。
【請求項9】
前記第2の切断要素(105)は、位置不変の切断カッタ(6)である、請求項1から5までのいずれか1項記載のプラウモジュール(1)。
【請求項10】
前記第2の切断要素(105)の前記切断カッタ(6)は、L字形に形成されており、前記切断カッタ(6)の第1のビーム(8)は、前記プラウモジュール(1)の作業位置で水平に方向付けられており、第2のビーム(9)は、前記第1のビーム(8)に対して実質的に垂直に方向付けられていることを特徴とする、請求項9記載のプラウモジュール。
【請求項11】
前記切断カッタ(6)は、一体形に形成されていることを特徴とする、請求項10記載のプラウモジュール。
【請求項12】
ベースフレーム(2)を備えるプラウ装置(3)において、
前記プラウ装置(3)の前記ベースフレーム(2)に、請求項1から11までのいずれか1項記載の少なくとも1つのプラウモジュール(1)が配置されていることを特徴とする、プラウ装置(3)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前提部に記載した、土壌を耕起するためのプラウ装置のベースフレームに交換可能に組み付けるためのプラウモジュール、および、請求項12に記載した、少なくとも1つのこのようなプラウモジュールを備えて形成されたプラウ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
通常、トラクタによって牽引されるこのようなプラウ装置による耕起時に、土壌から、いわゆる「れき条」が切り出される。れき条は、それに沿って第1の切断要素が切断するまたは切断した側方領域を有している。さらに、れき条は、両側方領域を結合している底領域を有しており、この底領域は、第2の切断要素を用いて土壌から切り離される。相応して、土壌は、れき条の底領域に分離面(いわゆる溝床)を有している。これによって、土壌から、ほぼ方形のれき条が切り出され、水平の切断平面(=溝床)が第2の切断要素を用いて、かつ鉛直の切断平面(=溝壁)が第1の切断要素を用いて、残留土壌に形成される。れき条の切出しによって、土壌には溝壁が形成され、この溝壁から、れき条の側方領域が分離される。これによって、底領域は、土壌からの切離しの時点に、れき条の鉛直方向で最下位の面を規定する。
【0003】
付言しておくと、「水平」および「鉛直」ならびに「上」および「下」という概念は、プラウ装置ひいてはプラウ装置に取り付けられた本発明に係るプラウモジュールの配置および構成に関連している。このとき、プラウ装置は、規定通りに土壌上に載っていて、耕起作業時に耕作方向に沿って可動であることが考えられている。
【0004】
関連したプラウ装置は、独国特許出願公開第102017102683号明細書に基づいて公知である。このプラウ装置のベースフレームには、環状の第1の切刃を備えており、切断プレートとして形成された回転可能な第1の切断要素が配置されている。この第1の切断要素は、耕起方向に沿った土壌上でのプラウ装置の運動によって、土壌のれき条の側方領域が切離し可能であるように形成されている。耕起方向または耕作方向は、それに沿ってプラウ装置が土壌上を走行する方向として規定されている。第2の切刃を備えた平らな第2の切断要素も同様にベースフレームに取り付けられていて、耕起方向で第1の切断要素の前に配置されている。第2の切断要素は、耕起方向に沿った土壌上でのプラウモジュールの運動によって、れき条の底領域が切離し可能であるように形成されている。このプラウ装置による耕起時には、まず、形成すべきれき条の底領域が第2の切断要素を用いて切断される。湾曲した切断プレートとして形成された後続の第1の切断要素は、次いで、れき条の1つの側方領域を切断し、このれき条を、形成された溝内に反転させて下ろす。このようなプラウ装置は、プラウボディとモールドボード(Streichblech)とによる従来の耕起に比べて、著しく減じられた牽引力しか必要としない。
【0005】
独国特許出願公開第102017102683号明細書に記載されたプラウ装置には、種々様々な切断要素が個々にベースフレームに組み付けられているという欠点がある。これによって、耕起のための従来のベースフレームへの組付けまたは後装備が困難となる。さらに、両切断要素相互の空間的な方向付けが複雑であり、両切断要素の調整または移動が僅かな範囲でしか可能とならないことが多くなってしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、冒頭に記載したプラウまたは耕起法のすべての機能を可能にし、プラウ装置のベースフレームに交換可能に組付け可能であり、牽引しやすい耕起を可能にする構成ユニットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この課題は、請求項1記載の特徴を有するプラウモジュールによって解決される。好適な発展形態は、従属請求項に定義されている。
【0008】
この課題は、プラウモジュールが、組立て済みの構成ユニットとして形成されていて、第1の切断要素が配置されている第1の支持構造体と、第2の切断要素が配置されていて、第1の支持構造体に結合されている第2の支持構造体と、を備えており、第1の支持構造体が、プラウ装置のベースフレームに分離可能に取り付けるための手段を有しており、第2の切断要素が耕起方向で第1の切断要素の後ろに配置されているプラウモジュールが設けられていることによって解決される。
【0009】
本発明の第1の態様によれば、土壌を耕起するためのプラウ装置用のプラウモジュールが記載される。このプラウモジュールは、第1の支持構造体を有しており、この第1の支持構造体に、回転可能な切断要素、例えば湾曲したディスクが配置されている。第2の切断要素、例えば、第1の切断要素に対して規定の角度を成して配置された別のディスクまたは切断カッタが、第2の支持構造体に組み付けられており、この第2の支持構造体自体は、第1の支持構造体に不動に結合されている。回転可能な第1の切断要素は、環状の第1の切刃を有していて、プラウ装置の耕起方向、つまり、耕作方向に沿った土壌上での、支持構造体を備えたプラウ装置の運動時に、土壌のれき条の1つの側方領域が、特に溝壁から、第1の切刃の第1の切断領域を用いて切り離されるように形成されている。第1の支持構造体と第2の支持構造体とは、互いに不動に結合されていて、一緒にプラウ装置のベース構造に配置されている。第2の切断要素は、第2の切刃を有している。第2の切断要素は、第2の支持構造体に配置されていて、耕起方向に沿った土壌上でのプラウモジュールの運動時に、土壌のれき条の底領域が、特にれき条と耕起底との間の分離面に沿って、第2の切刃の第2の切断領域を用いて切離し可能であるように形成されている。第2の切断要素は、耕起方向で第1の切断要素に対して、第2の切断領域が耕起方向で第1の切断領域の背後に位置するように配置されている。
【0010】
好ましくは、プラウモジュールにおけるそれぞれの切断要素は、その位置に関して相互に調整可能であり、好ましくは旋回可能である。これは、公知のプラウ装置に対して大きな利点である。例えば、れき条の側方切離しのための第1の切断要素が、れき条の底切離しのための第2の切断要素の前に配置されているプラウモジュールを使用することができる。
【0011】
好ましくは、プラウ装置は複数のプラウモジュール、例えば1つの耕起側に3~8体のモジュール、つまり、1つのベースフレームに関して全部で6~16体のモジュールを有している。公知のプラウ装置では、れき条の側方を切断するための第1の切断要素が、第2の切断要素の背後に配置されており、第2の切断要素は、れき条またはそこかられき条が切断される溝の底を切断する。この公知の配置形態は明確に選択されている。なぜならば、第1の切断要素が、例えばガイドプレートと協働して、または切り出されたれき条の反転のための中空ディスクとして形成され機能するからである。そのために、溝の底、つまり、れき条の下側は既に切断されていなくてはならない。ゆえに、公知の装置では、第2の切断要素は、そのアクティブな切刃に関して第1の切断要素の前に配置されている。この配置形態によって、第1の切断要素は、この第1の切断要素によるれき条の側壁の切断後に、れき条を直ぐに反転させることができる。なぜなら、溝床は既に切断されているからである。第1の切断要素が、側方を確実に切断できるようにするか、または湾曲した構成でれき条を反転のために準備して、この反転を開始できるようにするためには、もちろん、第1の切断要素の駆動装置または第1の切断要素の支持部もしくは保持部が、第1の切断要素の背側に設けられていなくてはならない。しかしながら、これは、さらに、第2の切断要素と第1の切断要素とがそれぞれ別個の支持体を有していなければならず、これらの支持体を用いて第2の切断要素および第1の切断要素とがフレームに取り付けられていることを意味している。これによって、両切断要素相互の調整は著しく困難になる。
【0012】
これに対して、本発明では、れき条の側方を切断する第1の切断要素は、れき条または溝の底面を切断する第2の切断要素の前に配置されている。通常、このようなことは考慮されない。なぜならば、牽引方向でれき条の側方を切断するための第1の切断要素が最初に配置されているプラウ装置では、形状が中空ディスクとして形成されていて、原則的にれき条を反転させるために設けられているにもかかわらず、なお反転の機能を実施することができないからである。それというのは、溝床がまだ切断されていないからである。本発明に係るモジュールの利点は、まさに、ガイドプレートまたはモールドボードを必要とすることなしに、単に2つの切断要素だけしか設ける必要がないということにある。本発明による利点はさらに、第1の切断要素がその背側に駆動装置または支持装置もしくは支持構造体を有しており、同様に支持構造体を有している第2の切断要素の前に配置されていて、第1の切断要素と第2の切断要素との両支持構造体を互いに結合することができることにもある。これによって、ただ1つの懸吊部をプラウ装置の支持体フレームに取り付けることができるモジュールが形成される。決定的な利点は、大きな手間をかけることなしに、プラウボディを取り外して相応のモジュールを組み付けることによって、プラウボディを備えた従来のプラウ装置を改造できることにある。もちろん、プラウアーム(Pflugbaeume)とも呼ばれる従来のベースフレームに、工場側で本発明に係るプラウモジュールを設けることも可能である。
【0013】
驚いたことに、中空ディスクとして形成された先行する切断要素を備えたプラウ装置では、直ぐに続けて反転を行うことなしに、側方領域の切断が可能であるということが判っている。なぜなら、溝床がなお切断されていないからである。溝床の切断は、後続の第2の切断要素によって初めて行われる。1つのプラウ装置において、このような複数のモジュールが相前後して配置されていると、耕起方向で見て、第1のモジュールに続く第2のモジュールでは既に、第1の切断要素は、単にれき条の存在している側面を切断するのみならず、そこでは既に第1のモジュールによって溝床が切断されているということが判っている。これによって、第2のモジュールにより、所望の機能を直接加えることができ、つまり、中空ディスクの形態の第1の切断要素は、れき条の側面を切断し、かつ同時にれき条を反転させることができる。
【0014】
構造に関しては、第1の切断要素の保持部または支持構造体が、後方に向かって第2の切断要素のための支持構造体に向いていることによって利点を得ることができる。このように構成されていると、そこで両切断要素を容易に取り付けかつ結合して1つのモジュールを形成することが可能になる。プラウ装置が、例えば単に1つのプラウモジュールしか有していない場合には、畑の耕起時における最初の牽引時に、単にこの最初の牽引は、まだ切り離されていないれき条の側方が切断されるものの、反転はまだ行われていない牽引である。しかしながら、次いで、第2の牽引時には既に直ぐに、側方で切り離されたれき条の反転が、第1の切断要素を用いて行われる。なぜなら、第2の切断要素はそこでその領域において既に溝床ひいてはれき条の下側を切り離しているからである。これによって、従来のプラウ装置に比べて大きな利点が生じる。プラウボディを備えた従来のプラウ装置を本発明に係るプラウモジュールに交換または改造することは簡単に可能である。また、モジュール構造に基づいて迅速に故障部を交換することも、変化する土壌構造のために、プラウ装置における相応に適合させられた他のプラウモジュールを交換することも簡単に可能である。
【0015】
本発明に係るプラウモジュールは、第1の切断要素と第2の切断要素とがその位置に関して調整可能であると、特に好ましい。このように構成されていると、耕起すべき土壌に対する調整可能性と、両切断要素相互の調整可能性とが生じる。第2の切断要素は、第1の切断要素が取り付けられている支持構造体に旋回可能に取り付けられており、これによって、第2の切断要素の傾斜を、土壌を通して切断する場合に容易に下方に向けることができ、溝床を切断するこの切断要素が、耕起中に外に進出走行してしまうことを阻止することができ、かつ同時に第1の切断要素を土壌内に保つことができる。第1の切断要素は、複数の方向に旋回可能かつオフセット可能であり、つまり、複数の自由度を有している。これによって、両切断要素相互の協働で相応に最適な耕起結果を実現することができる。
【0016】
プラウ装置に複数のモジュールが設けられていることには、さらに、比較的大きな幅を本発明に係る装置によって一気に耕起することができるという利点がある。また、切断要素の係合解除旋回もまた、耕起すべき畑の縁部が耕起される場合に好適であり、さもないと、最後の牽引のための幅が大きくなりすぎてしまい、これによって、さらに最も側方に配置されたプラウモジュールによって、例えば場合によっては既に隣接した畑である、土壌の一部の底切離しが実施されるおそれがある。このことを回避するために、相応の1つまたは複数の切断要素の係合解除旋回によって、このような状況を阻止することができる。
【0017】
本発明に係るプラウモジュールは、プラウ装置の基本構造を介して、例えばトラクタのような牽引機械に連結されており、このトラクタは、これによって、切断要素を耕起方向に沿って土壌を通して牽引する。基本構造は、ストレッチャボード(Trageisen)またはフレーム(Grindel)の一部であってもよい。まとめられた支持構造体に配置された2つの切断要素、つまり、れき条の側方を切断するためかつ反転させるための第1の切断要素と、溝床を切断するための第2の切断要素とから成るプラウモジュールによって、フレームを完全に省くことも可能である。支持構造体は、金属ビームおよび/または繊維複合要素を有している。さらに、さらに下で詳細に説明するように、取り付けられた要素は支持構造体に調整可能に取り付けることができる。
【0018】
これによって、プラウアーム、または第1の支持構造体と第2の支持構造体とから形成されている支持構造体は、プラウモジュールにおける切断要素用のかつジョイントまたは調整要素のような追加的な部材用の、剛性を有するものの調整のために適した取付け構造を提供する。言い換えれば、切断要素はそれぞれの第1または第2の支持構造体に、耕起中に切断要素の間における相対運動が不可能であるように取り付けられている。耕起時に第2の切断要素が、れき条の切断に基づいて土壌内に押し込まれると、同時に第1の切断要素も引込み力によって土壌内に押し込まれる。しかしながら、また好ましくは、切断要素は、耕起中に調整可能であってもよく、このような調整は、例えば電気式にまたは液圧式に行うことができる。
【0019】
一例としての1つの実施形態によれば、第1の切断要素および/または第2の切断要素は、旋回可能に、例えばジョイントを用いて、それぞれの支持構造体に取り付けられており、これによって、第2の切刃の回動軸と延在方向との間の角度を調整することができ、かつ所望の位置で取り付けることができる。本発明の別の有利な実施形態では、第2の支持構造体自体は、ジョイントを介して旋回可能に第1の支持構造体に結合されている。このように構成されていると、耕起方向に関する第2の切断要素の迎え角が調整可能である。迎え角は、通常、先行する切刃が幾分下方に向かって土壌内へと方向付けられるようになっている。
【0020】
一例としての別の実施形態では、第1の切断要素および/または第2の切断要素は、旋回可能であり、かつ/または並進的にスライド可能にそれぞれの支持構造体に配置されており、このように構成されていると、迎え角と相互の位置とを調整することができる。これによって、土壌特性に関連してかつ所望の耕作深さに関連して、第2の切断要素の迎え角を耕起方向に関して調整することができる。
【0021】
例えば上に記載したジョイントのような装置は、切断要素角度(プレートディスク角度)を調整する働きをし、かつ切断要素傾斜角度(土壌の溝壁に対する鉛直傾斜)および切断要素方向角度(耕起方向に対する、つまり、トラクタ走行方向に対する)の調整を可能にする。第1の切刃と溝壁との間における切断要素の切断ラインは、調整可能な支持体を用いて高さ調整することができる。相応して、第1の切断要素と第2の切断要素との間の鉛直方向間隔および/または水平方向間隔は可変に調整することができる。言い換えれば、一例としての別の実施形態では、第1の切断要素と第2の切断要素とは、第1の切断要素の第1の切刃の切断領域が、第2の切断要素の第2の切刃から鉛直方向で離間しているように互いに配置されていてよい。水平方向における調整によって、1回の牽引による切断幅または耕起幅が調整可能である。
【0022】
本発明の好適な構成では、第1の切断領域は第1の切断平面に形成され、第2の切断領域は第2の切断平面に形成されており、第1の切断平面と第2の切断平面とは互いに、30°~135°、特に45°~110°の角度を形成している。そのために、所望の角度の調整は、両切断要素がそれぞれ所属の支持構造体に旋回可能に支持されていることによって行うことができる。もちろん、両切断平面の予め設定された不動の方向付けも本発明の枠内である。
【0023】
第1の切刃が第1の切断平面内に延びているのに対して、第2の切刃は第2の切断平面内に延びている。第1の切断要素と第2の切断要素とは、第1の切断平面と第2の切断平面とが互いに平行でないように形成されていて、特に90°よりも大きいまたは小さい角度(開放角度)を互いに有しているように、互いに相対的に支持構造体に取り付けられている。言い換えれば、一例としての別の実施形態では、第1の切断要素は、第1の切断要素の回動軸と第2の切刃の延在方向(または第2の切断要素が回転するディスクを形成している場合には、第2の切断領域における接線)との間に、約0°~約±30°の角度が存在するように配置されていてよい。特に、第1の切断平面の垂線は、プラウ装置が規定通りに土壌上に載っている場合に、水平方向に対して平行である(方向)成分を有している。切断要素の回動軸は、特に第1の切断平面の垂線に対して平行である。さらに、第2の切断平面の垂線は、プラウ装置が規定通りに土壌上に載っている場合に、鉛直方向に対して平行である別の(方向)成分を有している。垂線の間の角度は、例えば45°~130°の間で選択することができ、これによって、土壌に所望の溝を形成することができる。
【0024】
第1の切断平面と第2の切断平面とが、相互間で特に約90°を成していると、第2の切断要素は、アンダカットされたれき条を第1の切断要素の方向に押圧する。これによって、耕起方向における運動中に、れき条を第1の切断要素と第2の切断要素との間で好適に耕作することができる。回転する両機械要素、つまり、第1の切断要素と第2の切断要素との協働によって、好適な耕起結果または「砕き(Kruemelung)」(土塊の細砕)が提供される。さらに、第1の切断要素の、トラクタ牽引ラインに対してネガティブに作用する強い横方向引張り力は、第2の切断要素の反作用によって大幅に相殺される。これによって、牽引機械は、大きなカウンタ制御なしに轍内に留まる。
【0025】
第1の切断要素は、回転可能にまたは回動可能に第1の支持構造体に取り付けられている。相応して第1の切断要素は、第1の回動軸を有しており、この第1の回動軸を中心として第1の切断要素は回動する。第1の切断要素は、好ましくは湾曲した切断プレートとして形成されていて、真円形の外周線を有している。外周線に沿って、環状の第1の切刃が形成されている。第1の切刃を用いて、れき条の側方領域は土壌の溝壁から切り離され、れき条は同時に側方に導かれる。環状の第1の切刃は、第1の切断領域を有している。第1の切断領域は、第1の切刃の、耕起方向で好ましくは最初に土壌と接触して土壌を切断する周囲部分である。第1の切断要素は、約500mm~約800mmの直径を有していてよい。さらに、第1の切断要素は歯を有し、中央で支持されていて、第1の支持構造体および第2の切断要素に対する位置を、好ましくはキャリッジを用いて調整可能であってよい。
【0026】
特に有利には、回動軸を中心として回動可能な第1の切断要素は、湾曲しているかまたは円錐形状または円錐台形状を有している。これによって、切り離されたれき条は回動し、プラウモジュールの既に行われた通過時に形成された隣接した溝内で下ろされる。このとき、第1の切断要素の回動軸は、耕起方向に対して角度を成して調整されており、つまり、切断要素の先行する刃が耕起方向に対して下げられ、切断要素が耕起方向に対して実質的に斜めに、ひいては、刃によって切断すべきれき条に対して斜めに延在するようになっている。
【0027】
第1の切断要素は、もちろん、プラウ装置が土壌に沿って運動する場合に回転する。このときに生じる摩擦力によって、第1の切断要素は運動させられる。第1の切断要素は、好ましくは、耕起中に単に第1の切断要素の、第1の回動軸の下に位置している下側半部だけが土壌内に進入するように寸法設定されており、これによって、土壌との摩擦力が回転を誘起することができる。
【0028】
湾曲しているかまたはプレート状に形成された第1の切断要素の回転によって、さらに、切り離されたれき条が持ち上げられ、同時に側方に導かれる。切り離されたれき条は、特に第1の切断要素の第1の切断面と摩擦接触している。第1の切断面は、第1の切断要素の、第1の切刃の内部に形成されている面である。さらに、第1の切断面は、切り離されたれき条に向けられた面である。第1の切断面は、切欠きまたは凸部なしに均質に形成されていてよい。さらに、第1の切断面(つまり第1の切断要素の周面)は、円錐形状または円錐台形状を形成していてよい。
【0029】
1つの好適な実施形態では、第2の切断要素は、丸いディスクとして形成され、回転可能に支持されており、第2の切刃は、第2の切断要素の環状の縁部によって規定されている。代替的に、第2の切断要素は、耕起方向に対して横方向に延在している切刃を備えた調整可能な切断カッタによって実現されていてよい。切刃に好ましくは歯を備えている切断要素は、好ましくは耕起方向に関して、規定された角度をもってその先端が幾分後方に向けられている、つまり、耕起方向に対して90°よりも大きな角度を有している。第2の切刃を用いて、れき条の底領域は土壌の溝床から切り離され、アンダカットされ、かつ場合によっては同時に持ち上げられる。回転可能なディスクの場合には、環状の第2の切刃は第2の切断領域を有している。第2の切断領域は、第2の切刃の、耕起方向で2番目に土壌と接触して土壌を切断する周囲部分である。
【0030】
第1の切断要素、例えば湾曲したディスクは、れき条を鉛直な第1の切断平面で、例えば土壌表面から約15~35cmの耕作深さで切り離し、れき条を、予め形成された溝内に導く。
【0031】
土壌表面から約15~35cmの耕作深さに位置している水平な第2の切断平面で、れき条は、第2の切断要素によって水平に、つまり、溝床から切断される。
【0032】
両切断平面(上側:回転する鉛直な第1の切断要素と、下側:水平な第2の切断要素と)の間隔は、回転する切断要素の調整可能性によって適合させることができる。
【0033】
切断カッタまたは回転するディスクのような、湾曲した第1の切断要素の主構成要素と、平らな第2の切断要素の主構成要素とから成る効果的なプラウボディは、土壌によって引っ張られる傾いた曲げられた平面にほぼ相当している。切り離されたれき条は、湾曲した第1の切断要素の内側面に沿って、上方にかつ側方に移動する。この動作は、れき条の上側半部の押し潰しと、れき条の下側半部の引き伸ばしとを含む。その結果として、れき条の内部では、土壌の分解を生じさせる圧縮応力、引張り応力およびねじり応力が発生する。
【0034】
本発明のように耕起方向で第1の切断要素の後ろに第2の切断要素が配置されていることによって、そのように配置されていない場合に必要になるプラウ装置の高い牽引力を生じさせる摩擦力を減じることができる。第1の切断要素によってその側方が切断されるれき条は、既に第2の切断要素によって溝床からアンダカットされて切り離されているので、れき条は、第1の切断要素によって既に持ち上げられて反転させられる。第2の切断領域は、耕起方向で例えば1cm~50cm、特に15cm~25cmの間隔を置いて第1の切断領域の背後に位置している。実質的に水平な第2の切断ディスクまたは切断カッタは、2番目に土壌と接触し、いわば、実質的に鉛直に配置された第1の切断ディスクまたは切断要素に追従する。第2の切断要素のこの配置形態は、溝壁または耕起すべきれき条を水平に「アンダカット」し、これによって、傾け/溝クリアリング(Furchenraeumung)を著しく容易にする。鉛直に配置されていて湾曲した第1の切断要素は、後置された第2の切断要素を用いて水平に予め切断されたれき条を後続の牽引時に鉛直に切り離し、切り離されたれき条を中空ディスクの回転運動によって同時に反転させて、側方に、好ましくは溝内に下ろす。
【0035】
これによって、プラウ装置は、迅速かつ円滑な耕起効果を可能にする。摩擦係数は、従来の剛性のプラウボディに対して著しく減少する。なぜならば、切断要素が一緒に回動するからである。このコンセプトによって、迅速かつ円滑な、力を節減する耕起が提供され、このような耕起は、同時に、ほぼ苗床が完成した一定の溝形成を生じさせる。
【0036】
一例としての別の実施形態によれば、第2の切断要素は、アクティブに回転可能な切断要素であり、第2の切刃は、第2の切断要素を取り囲む切刃である。第2の切断要素は、電気式または液圧式の駆動装置を用いて駆動するまたは回転させることができる。
【0037】
一例としての別の実施形態によれば、第1の切断要素の第1の切刃または第2の切断要素の第2の切刃は、湾曲した歯列を備えていて、例えば凹面状のディスクとして形成されている。湾曲した構成というのは、第1の切刃または第2の切刃に凹部または凸部(歯列)が形成されていることを意味する。これによって、れき条の切離し時における第1の切断要素または第2の切断要素の改善された切断作用を得ることができる。特に第1の切断要素の球欠状の構成によって、この構成に沿って導くれき条を反転させることができ、これによって、モールドボードまたはガイドプレートの取付けを省くことができる。有利には、第1の切断要素の第1の切刃および/またはディスク状の第2の切断要素の第2の切刃は、周囲に切欠きを有している。このように構成されていると、特に容易に土(Erdreich)を貫いて進入しかつ土との係合によって回動させることができる丸鋸盤の形態の構造が得られる。
【0038】
記載したプラウ装置を用いて、プラウ装置の動きやすさによって牽引力節減/燃料節減が可能になる。さらに、プラウ装置は普遍的に使用可能であり、ほぼすべての土壌条件において機能する。さらに、切断プレートの回転運動によって、れき条は連続的に破壊される。これによって、土塊の所望の砕き(土塊の細砕)が達成される。土塊の細砕効果によって、後耕作作業を減らすことができる。これは、苗床耕作に至るまでの作業工程を節減する。さらに、土壌は、好適に完全に混合される。さらに、モールドボードやディスクコルタのような従来のスタンダード構成要素またはスタンダード追加工具はもはや不要である。回転する第1の切断要素および/または第2の切断要素によって、摩耗はほとんど発生せず、これによって、予備部品コストも僅かしかかからない。このような穏やかな土壌耕作によって、切断要素の、腐植土を痛める金属摩耗が、従来のモールドボードを備えたプラウ装置に比べて十分に回避されるかまたは減じられる。
【0039】
一例としての別の実施形態によれば、プラウ装置は、環状の別の第1の切刃を有する同様に回転可能な第1の切断要素を備えた少なくとも1つの別のプラウモジュールを有しており、さらに、耕起方向に沿った土壌上での支持構造体の運動時に、別のれき条の別の側方領域が土壌から別のプラウモジュールを用いて切離し可能であり、かつ別の第1の切断要素が回転可能であるように形成されている。このように構成されていると、別のれき条を別の第1の切断要素を用いて持ち上げることができる。
【0040】
上に記載した実施形態によって、多数のプラウモジュールを耕起方向で互いに並んで、つまり、耕起方向に対して直交する(水平平面で)方向に沿って互いに離間しかつ互いに並んで配置することができることが明らかになる。これによって、耕起方向で互いに並んで配置された多数のれき条を土壌から切断し、持ち上げ、かつ場合によっては反転させることができる。
【0041】
多数のまたは複数の相応のプラウモジュールひいては相応の数の切断要素が、耕起方向で相前後して配置されていると、耕起方向に対して横方向に個々のプラウモジュールが互いに側方にずらされていることに基づいて、一度にただ1つのプラウモジュールが使用される場合よりも幅広い面を一気に耕起することができる。さらに、プラウ装置の機能性のためには、切断要素が係合解除され、ひいては、その調整された位置から外方旋回可能であると有利である。これによって、例えば後続の切断要素から、先行する切断要素を形成することが可能である。これは、1つのプラウ装置の複数のプラウモジュールの組合せにおいて、有利には、例えば土壌特性のような種々様々なパラメータに対して最適な適合という観点で意味があり、または有利であり得る。
【0042】
本発明に係るプラウ装置によって、例えば上側の回転可能な湾曲した第1の切断要素によって、ガイドプレートなしでもモールドボードなしでも、例えば15cmまでの土壌のれき条の穏やかでフラットな反転が可能になる。
【0043】
一例としての実施形態では、第1の切断要素と第2の切断要素とは交換可能に(例えばねじ結合部を用いて)それぞれの支持構造体に配置されている。第1の支持構造体は、この第1の支持構造体がプラウ装置のベースフレームに分離可能に組付け可能であるように形成されており、この場合の組付けは、好ましくはねじ結合を介して行われる。石に対する保護のために、シヤーボルトが設けられていてもよい。孔またはピンのような、そのために設けられた組付け要素は、好ましくは、これらの組付け要素がプラウ装置のための市販のベースフレームとの互換性があるような特性および配置形態を有している。このように構成されていると、プラウモジュールを1つのプラウ装置のベースフレームに、例えば1つのプラウボディの代わりに難なく後装備させることができる。
【0044】
第1の切断要素の回転に基づいて、切り離されたれき条は、容易に持ち上げられ、反転させられ、かつ溝上に投じられる。耕起方向に沿ったプラウ装置の運動時に、れき条は耕起方向で反転させられる。
【0045】
回転する第1の切断要素を用いたれき条の持上げに基づいて、れき条を耕起方向で切断要素の背後にエネルギ効率よく下ろすことができる。
【0046】
本発明に係るプラウモジュールの特に好適な実施形態では、第2の切断要素は位置不変の切断カッタとして形成されている。切断カッタは、平らな、方形の、真っ直ぐな、または曲げられたブレードとして形成されており、このブレードは、端部領域で第2の支持構造体に取り付けられている。取付けは、好ましくはねじ結合によって行われており、これによって、摩耗時における第2の切断要素の簡単な交換も可能になる。ブレードの切刃は、その作業位置で耕起方向を向いていて、一般的にこの方向に対して横方向に方向付けられている。
【0047】
この構造形態の有利な変化形態では、第2の切断要素の切断カッタは、L字形に形成されており、切断カッタの第1のビームは、プラウモジュールの作業位置で水平に方向付けられており、第2のビームは、第1のビームに対して実質的に垂直に方向付けられている。このように構成されていると、第1のビームは、形成すべきれき条の底領域を切断する。プラウモジュールの作業位置で鉛直な第2のビームは、第1の切断要素の前に位置していて、土壌内への第1の切断要素の進入を容易にする。なぜなら、第2のビームは、第1の切断要素の先行する刃と実質的に同じ平面で延びているからである。機械的な頑丈さの理由から、切断カッタは一体形に形成されていることが好ましい。切断カッタは、一般的にフラットなブレードの形態を有しており、このブレードは、前向きに尖った切刃を有している。耕起方向に関するブレードの迎え角は調整可能であってよく、これによって、土壌内へのプラウモジュールの所望の進入深さを得ることができ、保つことができる。
【0048】
本発明は、請求項12によれば、本発明に係る少なくとも1つのプラウモジュール、好ましくは6~16体のプラウモジュールが配置されているベースフレームを備えたプラウ装置にも関する。このプラウ装置においてプラウモジュールは、好ましくはねじ結合を介してベースフレームに不動に結合されており、結合は、第1の支持構造体を介して行われる。もちろん、ベースフレームと第1の支持構造体とには、孔またはねじ山付きピンのような互換性の取付け要素が形成されていなくてはならない。代替的に、プラウモジュールをプラウ装置の種々様々なベースフレームに適合させ、これらのベースフレームに取り付けることができるようにするために、アダプタ要素が設けられていてもよい。これによって、プラウモジュールをベースフレームに簡単に組み付けることができるかまたは例えば保守目的のために取り外すことができる。
【0049】
次に、本発明をさらに説明するためおよび本発明の理解をさらに良好にするために、添付の図面を参照しながら実施例について詳説する。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【
図1】本発明の一例としての実施形態によるプラウモジュールを示す図である。
【
図2】耕起動作中における本発明の一例としての実施形態によるプラウ装置を概略的に示す図である。
【
図3】本発明の別の例としての実施形態によるプラウモジュールであって、切断カッタと第2の切断要素としての切断ディスクとの代替的な配置形態が示されている、プラウモジュールを示す図である。
【
図4】本発明の別の例としての実施形態によるプラウモジュールを備えた、苗床耕起装置としての本発明に係るプラウ装置を示す図である。
【
図5】例として1つのプラウボディが本発明に係るプラウモジュールと後装備の意味で交換されている、プラウ装置を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0051】
異なる図面内の同じまたは類似の構成要素には、同じ符号が付されている。図中の図示は大幅に略示されており、単に例を示すものである。
【0052】
図1には、土壌120を耕起するためのプラウモジュールが示してあり、このプラウモジュールでは、球欠形状の中空ディスクの形態の第1の切断要素102が、フラットなプレートの形態の第2の切断要素105の前に耕起方向で相前後して配置されている。第1の切断要素102は、れき条の側面を切断するために設けられており、これに対して、第1の切断要素102に後置された第2の切断要素105は、溝床を切断するフラットなディスクとして形成されている。両切断要素102,105は、支持構造体4,5を用いてプラウモジュールとしてまとめられている。支持構造体4,5は、ベースフレーム(図示せず)に取り付けられていてよく、第2の切断要素105は、第1の切断要素102にこの第1の切断要素102の支持構造体4を介して枢動自在に結合されている。
【0053】
図1に示すように、湾曲した環状の第1の切刃103を備えた回転可能な第1の切断要素102は、第1の支持構造体4に配置されており、耕起方向110に沿った土壌120上での支持構造体4の運動時に、土壌120のれき条201の側方領域202(
図2参照)が、
図2に示すように、第1の切刃103の第1の切断領域を用いて切断可能であるように、形成されている。耕起方向110は、それに沿ってプラウ装置3が土壌120上で走行する方向として規定されている。第2の切刃106を備えた第2の切断要素105は、第2の支持構造体5に配置されており、この第2の支持構造体5は、第1の支持構造体4に分離可能に結合されていて、第1の支持構造体に対して旋回可能である。第2の切断要素105は、耕起方向110に沿った土壌120上での支持構造体5の運動時に、土壌120のれき条201の底領域203を、第2の切刃106の第2の切断領域を用いて切離し可能であるように形成されており、第2の切断要素105は、第1の切断要素102に対して耕起方向110で、第2の切断領域が耕起方向で第1の切断領域の後ろに配置されるように、配置されている。これによって、第2の切断領域は、第1の切断領域から間隔xを置いて配置されている。
【0054】
耕起時に、第1の支持構造体4および第2の支持構造体5を備えたプラウモジュール1のベースフレーム2は、土壌120の分離面121の方向に押圧されるので、相応して第1の切断要素102もまた分離面121の方向に押圧され、これによって、第1の切断要素102が耕起中に所望の土壌深さに保たれる。
【0055】
図2には、耕起動作中における本発明の一例としての実施形態によるプラウ装置の主要な機能要素が概略的に示してある。この
図2は、第1の切断要素102および第2の切断要素105の正確な三次元配置形態と、れき条201の形成および反転とを示している。所属のプラウ装置3のその他の部材は、図面を見やすくするために図示されていない。
【0056】
図2に示すように、耕起時に、土壌120から、いわゆる「れき条201」が切り出される。れき条201は側方領域202を有しており、この側方領域202に沿って第1の切断要素102が切断を行う。さらに、れき条201は底領域203を有しており、この底領域203は、両側方領域202を結合しており、ここでは、例えば二重L字形の位置不変の切断カッタ6として形成されている第2の切断要素105を用いて、土壌120から切り離される。相応して、土壌120は、れき条201の底領域203に分離面121、いわゆる溝床121を有している。れき条201を切り出した後で、土壌120には溝壁122を認識することができ、この溝壁122かられき条201の側方領域202は分離されている。これによって、底領域203は、土壌120からの切離しの時点で、れき条201の、鉛直方向で最下位の水平面を規定している。れき条201の側方領域202は、土壌120からの切離しの時点で、れき条201の側方の壁領域を規定している。
【0057】
図1に示すように、両切断要素102,105のための支持構造体4,5は、一緒に少なくとも第1の切断要素102と第2の切断要素105とをプラウ装置3のベースフレーム2に不動に結合するように形成されている。第1の支持構造体4は、プラウ装置3のベースフレーム2を介して、例えばトラクタのような牽引機械に取付け可能であり、これによって、相応して切断要素102,105を耕起方向110に沿って駆動することができる。プラウモジュール1は、例えば第1の支持構造体4と第2の支持構造体5とを有しており、両支持構造体4,5は、不動にまたはジョイントを介して旋回可能に形成されていてよい。
【0058】
これによって、第1の支持構造体4と第2の支持構造体5とが、切断要素102,105用の剛性の取付け構造を形成する。切断要素102,105は、耕起中に切断要素102,105の位置の間の相対運動が不可能であるように、支持構造体4,5に取り付けられている。これによって、本発明によれば、第2の切断要素105が、れき条201の切断に基づいて土壌120の方向に押圧されると、第1の切断要素102も同時に土壌120内に押し込まれる。なぜなら、両支持構造体4,5は互いに不動に結合されているからである。
【0059】
第1の切断要素102と第2の切断要素105とは、それぞれの支持構造体4または5に回転可能に取り付けられている。相応して、第1の切断要素102は回動軸108を有しており、この回動軸108を中心として切断要素102は回動する。第2の切断要素105は第2の回動軸109を形成しており、この回動軸109を中心として第2の切断要素105は回動する。第1の切断要素102と第2の切断要素105とは、ここでは、例えば球欠形状の切断プレートまたは平らなディスクとして形成されていて、真円形の外周線を有している。この外周線に沿って、相応する環状の第1の切刃103と第2の切刃106とが形成されている。第1の切刃103を用いて、れき条201の側方領域202は、土壌120の溝壁122から切り離される。環状の第1の切刃103は、切断領域104を有している。切断領域104は、第1の切刃103の周囲部分であって、耕起方向110で最初に土壌120と接触して土壌120を切断する周囲部分である。第2の切刃106を用いて、れき条201の底領域203は、土壌120から切り離される。第2の切刃106の第2の切断領域は、第2の切断要素105の周囲部分であって、耕起方向110で土壌120との第2の接触部であるかまたは第1の切断要素に追従し、土壌120を切断する周囲部分である。
図2における双方向矢印12は、第2の切断要素105が、第2の支持構造体5(ここには図示せず)に旋回可能に支持されていることを示唆している。旋回は、耕起方向ひいては土壌120内へのプラウモジュール1の進入深さに関する切断カッタ6の迎え角の調整を可能にする。
【0060】
プラウモジュール1の前にまたはプラウモジュール1に結合されて、回転可能なディスクコルタ13が配置されていてよい。これによって、切断カッタ6の鉛直の第2のビーム9および第1の切断要素102の前における土壌120が予備切断または開放する。これによって、耕起のために必要な牽引力が減少し、同様に切断カッタ6および後続の第1の切断要素102の摩耗が減少する。切断カッタは、二重切刃または三重切刃として水平および鉛直に切断する。
【0061】
プラウ装置3が土壌120に沿って運動する場合に、第1の切断要素102は回転する。このとき、例えば摩擦力によって、切断要素102が運動させられる。切断要素102は、耕起中に第1の切断要素102の、回動軸108の下に位置している下半部だけが、土壌120内に進入するように寸法設定されており、これによって、土壌120との摩擦力が回転を誘起する。
【0062】
第1の切断要素102の回転によって、さらに、切り離されたれき条201が持ち上げられる。これは、
図2に、プラウ装置3に沿ったれき条201の搬送方向123を示す矢印によって示されている。
【0063】
切り離されたれき条201は、切断要素102の切断面113と摩擦接触している。切断面113は、切断要素102の面であって、第1の切刃103の内部に形成される面または第1の切刃103によって取り囲まれる面である。さらに、切断面113は、切り離されたれき条201に向けられた面である。切断面113は、
図1に示すように、凹部または凸部なしに均質に形成されていてよい。
【0064】
回転する切断要素102を用いたれき条201の持ち上がりに基づいて、れき条201は、エネルギ効率よく、隣接した溝内に運ぶことができる。この溝は、
図2に示すように、プラウモジュールの先行する通過時に掘り出されている。
【0065】
図1によれば、第1の切断要素102と第2の切断要素105とは、プラウ装置3が作業位置で土壌120上に載っているかまたは土壌120内に進入している場合に、第1の切断要素102の切断領域104が鉛直方向で第2の切断要素105に対して離間しているように、または第2の切断要素105の上方に位置しているように、互いに相対的に支持構造体4,5に取り付けられている。
【0066】
回転する切断要素102と第2の切断要素105とは、互いに相乗的に協働する。一方で、第2の切断要素105を用いて、所望の耕起深さが一定に保たれる。なぜなら、切り離されたれき条201は、規定された圧力/引込み力で第2の切断要素105を押圧し、ひいては、回転する切断要素102の浮き上がりに抗して作用するからである。他方で、回転する切断要素102のエネルギ的に有利な作用は、れき条201の切断時、特にれき条201の側面または側方領域202の切断時に利用される。これによって、溝形成の品質に不都合な影響を及ぼすことなしに、エネルギ効率の良いプラウ装置3が提供される。さらに、回転する第2の切断要素105によって、切り離されたれき条201が第1の切断要素102の方向に押圧され、これによって、切り離されたれき条201の砕きが行われる。さらに、前方に支持された第2の切断要素105を用いて第1の支持構造体4内にもたらされる横力に基づいて、切断中に第1の切断要素102に誘導される横力に抗して作用する力が生じるので、牽引機械によるプラウ装置3の比較的簡単でかつ良好な案内が可能になる。
【0067】
第1の切断要素102と第2の切断要素105とは、第2の切断要素105の第2の切刃106の、切断要素105の前側半部を含む第2の切断領域107が、耕起方向110で間隔xを置いて、第1の切断要素102の第1の切刃103の第1の切断領域104の後ろに位置するように、互いに第1の支持構造体4と第2の支持構造体5とに配置されている。これによって、まず、耕起中に、回転する第1の切断要素105がれき条201の側方に当たり、れき条201を、エネルギ効率よく第2の切断要素105の第2の切刃106で残留土壌120から切り離す。次いで、第1の切断要素102が第1の切刃103でれき条201の側方領域202を切断する。このとき、第2の切断要素105は、第1の切断要素102によって切断された溝壁を区別する。これによって、後続のモジュールの後続の切断要素102は、れき条の側方を鉛直に切断して反転させることができる。次いで、れき条201は、第1の切断要素102の湾曲した形状と第1の切断要素102の、耕起方向に対して斜めの方向付けとによって回動し、隣に位置している溝内で下ろされる。これによって、第1の切断要素102と第2の切断要素105とは、エネルギ効率よくれき条201を切断し、第1の切断要素102と第2の切断要素105とは、同時に、第2の切断要素105に作用する圧力で所望の切断深さに保たれる。
【0068】
第2の切断要素105は、1つの領域(約半分の円形ディスク)でれき条201をアンダカットする。第2の切断要素105の別の取付け領域であって、第1の支持構造体4との取付けのための取付けロッド/取付け軸(回動軸109)が配置されている取付け領域は、第1の切断要素102から離反した側で第2の切断要素105に形成されている。これによって、取付けロッド/取付け軸は、耕起中に、既に耕作された溝内に延びており、これによって、プラウ装置3の牽引力が減じられる。
【0069】
支持構造体4,5は、第1の切断要素102および/または第2の切断要素105が、耕起方向110に沿ってかつ/または鉛直に、つまり、耕起方向110に対して垂直に互いに相対的に調整可能であるように形成されている。例えば、第1の切断要素102は、第1の支持構造体4の長孔116内に係合することができるピン結合部115を用いて、支持構造体4にスライド可能に取り付けることができる。切断要素102と第2の切断要素105と支持構造体4,5との間隔を耕起方向110に沿って調整することによって、プラウ装置3を種々異なる土壌形態の特殊な条件に調整することができ、効果を最適化して使用することができる。さらに、これらの要素がプラウ装置3の使用に応じて歪んだ場合には、これらの要素を後調整することができる。
【0070】
さらに、支持構造体4,5は、第1の切断要素102が第1の回動軸108の方向成分に沿って、かつ第2の切断要素105が第2の回動軸109の方向成分に沿って互いに相対的に調整可能であるように形成されていてよい。特に、第1の回動軸108と第2の回動軸109との間の角度を調整することができる。第1の切刃103が第1の切断平面内に延びているのに対して、第2の切刃106は第2の切断平面内に延びている。第1の切断要素102と第2の切断要素105とは、第1の切断平面と第2の切断平面とが互いに平行に形成されているのではなく、互いに所定の角度を有するように、互いに相対的にそれぞれの支持構造体4または5に取り付けられている。例えば、第1の回動軸108と第2の回動軸109との間の角度は、90°未満であり、特に45°~80°である。
【0071】
相応して支持構造体4,5に切断要素102および/または第2の切断要素105をフレキシブルに取り付けることによって、切断要素102の第1の切刃103の切断領域104と第2の切断要素105の第2の切刃106との間の間隔を調整することができる。
【0072】
図3には、本発明の一例としての実施形態によるプラウモジュール1が示してあり、この実施形態では、第2の切断要素105は、代替的に回転するディスク16としてまたは位置不変の切断カッタ6として形成されている。
【0073】
第1の切断要素102および/または第2の切断要素105は、例えばジョイントを用いて旋回可能にそれぞれの支持構造体4または5に取り付けられていてよく、これによって、第1の回動軸108と第2の回動軸109との間の角度を調整することができ、かつ所望の位置で取り付けることができる。この可能性は、ここでは、例えば液圧シリンダまたはスピンドル15によって示唆されており、この液圧シリンダまたはスピンドル15は、第2の支持構造体5に旋回可能に支持された第2の切断要素105を第1の支持構造体4に結合している。ここでは、例として湾曲した縁部を備えた凹面状のディスクとして示されている第1の切断要素102の位置は、同様に第1の支持構造体4に関して、例えば液圧式に調整することができる。このような調整によって、特に形成される溝14の幅または両切断要素102,105の協働に影響を及ぼすことができる。
【0074】
図3に示した第1の切断要素102は、球欠形状を有していて、その第1の回動軸108に相応の取付け領域を有しており、この取付け領域は、取付け平面に形成されている。環状の第1の切刃103は、第1の切断平面の内部で延びており、取付け平面は、切断平面から回動軸108に沿って離間している。環状の第1の切刃103と取付け領域との間には、切断要素102の切断面113が形成されている。
【0075】
図4には、苗床プラウ装置としての本発明に係るプラウ装置3が示してあり、このプラウ装置3のベースフレーム2には、例として本発明に係る3つのプラウモジュール1が配置されている。図示の3つのプラウモジュールのそれぞれのプラウモジュールは、第1の切断要素102と、それに後続する第2の切断要素105とを有しており、両切断要素102,105はそれぞれ、第1の支持構造体4と第2の支持構造体5とで互いに結合されて一体形のプラウモジュールを形成している。第2の支持構造体5は、第1の支持構造体に旋回可能に枢着されており、これによって、第2の切断要素105は、土壌内へと下方に向かう少なくとも小さな迎え角を有することができ、これによって、必要な圧力をプラウ装置に加えることができ、第2の切断要素105を所望の耕起深さに留めることができ、このようにして、れき条の側方を切り離すための所望の深さにおける、中空ディスクとして形成された第1の切断要素102を保証することができる。矢印110で示唆された耕起方向における耕起時に、第1の切断要素102の環状の切刃103は、れき条の側方を切断するために、溝床を切断するための同様に環状の切刃106を備えた第2の切断要素105に先行している。第1の連結部材20は、プラウ装置3を例えば牽引機械に結合するために働き、第1の連結部材20は、一般的にビーム状に形成された第2の連結部材21に枢動自在に結合されている。第2の連結部材21は、原則的にベースフレーム2である。ベースフレーム2には、ジョイント19を用いてプラウモジュール1が取り付けられている。
【0076】
土壌120上での牽引時に、プラウモジュールの一部が、構造的に予め設定された深さにまで土壌120内に進入し、このときに発生したれき条201を掘り起こす。プラウモジュール1は、実質的に段階的にずらされて互いに並んで位置しているので、
図2から認識できるように、複数のれき条がプラウモジュール1の数に相応して生じる。これらのれき条201は、
図2に示すように、第1の切断要素102の通過時における反転の後で、その前に位置している切断要素102によって形成された溝14内に位置することになる。
【0077】
最後に
図5には、プラウ装置3が平面図で示してあり、このプラウ装置3では6つのプラウボディ24がそれぞれ対を成して互いに並んで配置されている。プラウボディ24を本発明に係るプラウモジュール1と交換できることが、双方向矢印によって示されている。これは、取付けの手間に関して特に簡単である。なぜならば、取付け手間をほとんど増やすことなしに、完全なプラウモジュール1を、元々プラウ装置に取り付けられているプラウボディ24と交換することができるからである。本発明に係るプラウモジュール1は、れき条の側方を切断するための先行する第1の切断要素102と、溝床を切断するための後続の切断要素105とを有している。第2の切断要素105は、支持構造体5に取り付けられており、これに対して、第1の切断要素102は、第1の支持構造体4に取り付けられている。支持構造体4と支持構造体5とは互いに結合されており、つまり、第2の支持構造体5が旋回可能であるように結合されており、これによって、溝床に関する第2の切断要素105の迎え角を調整することができる。第1の切断要素102は、複数の自由度で調整可能であるので、調整によって、一方では耕起幅を、他方では第1の切断要素102と第2の切断要素105との間の協働を、土壌パラメータおよび別のパラメータに関して調整することができる。例えば第1の切断要素102は、キャリッジ23を用いて第1の支持構造体4に調整可能に取り付けられており、これによって、第1の支持構造体4の高さを、第2の切断要素105によって切断される平面に関して調整することができる。
【符号の説明】
【0078】
1 プラウモジュール
2 ベースフレーム/プラウアーム
3 プラウ装置
4 第1の支持構造体
5 第2の支持構造体
6 切断カッタ
7 ジョイント
8 第1のビーム
9 第2のビーム
10 切欠き
11 切欠き
12 双方向矢印
13 ディスクコルタ
14 溝
15 液圧シリンダ/スピンドル
16 ディスク
17 矢印
18 ジョイント
19 ジョイント
20 第1の連結部材
21 第2の連結部材
22 旋回アーム
23 キャリッジ
24 プラウボディ
102 第1の切断要素
103 第1の切刃
104 第1の切断要素の切断領域
105 第2の切断要素
106 第2の切刃
107 第2の切断要素の切断領域
108 第1の切断要素の回動軸
109 第2の切断要素の回動軸
110 耕起方向
113 切断面
120 土壌
121 分離面/溝床
201 れき条
202 側方領域
203 底領域
【手続補正書】
【提出日】2021-01-27
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
土壌を耕起するためのプラウ装置(3)のベースフレーム(2)に交換可能に組み付けるためのプラウモジュール(1)であって、
環状の第1の切刃(103)を備える
湾曲した切断プレートとして形成された回転可能な第1の切断要素(102)であって、耕起方向(110)に沿った前記土壌(120)上での前記プラウモジュール(1)の運動によって、前記土壌(120)のれき条(201)の側方領域(202)が切断可能であるように形成された、第1の切断要素(102)と、
第2の切刃(106)を備える平らな第2の切断要素(105)であって、耕起方向(110)に沿った前記土壌(120)上での前記プラウモジュール(1)の運動によって、前記土壌(120)の
前記れき条(201)の底領域(203)が切離し可能であるように形成された、第2の切断要素(105)と、
を有する、プラウモジュール(1)において、
前記プラウモジュール(1)は、組立て済みの構成ユニットとして形成されており、前記プラウモジュール(1)では、前記第2の切断要素(105)の切刃は、耕起方向(110)で前記第1の切断要素(102)に追従し、
前記第1の切断要素(102)が配置されている第1の支持構造体(4)と、
前記第2の切断要素(105)が配置されていて、前記第1の支持構造体(4)に結合されている第2の支持構造体(5)と、
が設けられており、
前記第1の支持構造体(4)は、
前記プラウ装置(3)のベースフレーム(2)に分離可能に取り付けるための手段を有する
ことを特徴とする、プラウモジュール(1)。
【請求項2】
前記第2の支持構造体(5)は、ジョイント(7)を介して前記第1の支持構造体(4)に旋回可能に結合されていることを特徴とする、請求項1記載のプラウモジュール。
【請求項3】
前記第1の切断要素(102)は、前記第1の切断要素(102)の前記第1の切刃(103)と前記第2の切断要素(105)の前記第2の切刃(106)との間の間隔が調整可能であるように、前記第1の支持構造体(4)にスライド可能に配置されていることを特徴とする、請求項1または2記載のプラウモジュール。
【請求項4】
前記第1の切断要素(102)と前記第2の切断要素(105)とは、前記第1の切断要素(102)の前記第1の切刃(103)の前記切断領域(104)が、前記第2の切断要素(105)の前記第2の切刃(106)から鉛直方向で離間しているように互いに配置されている、請求項1から3までのいずれか1項記載のプラウモジュール(1)。
【請求項5】
前記第1の切断領域(104)は第1の切断平面内に形成され、第2の切断領域(107)は第2の切断平面内に形成されており、前記第1の切断平面と前記第2の切断平面とは、互いに30°~135°、特に45°~110°の角度を形成している、請求項1から4までのいずれか1項記載のプラウモジュール(1)。
【請求項6】
湾曲した前記第1の切断要素(102)は
、円錐
形または円錐台
形に形成されている、請求項1から5までのいずれか1項記載のプラウモジュール(1)。
【請求項7】
前記第1の切断要素(102)の前記第1の切刃(103)および/またはディスク状の前記第2の切断要素(105)の前記第2の切刃(106)は、周囲に切欠き(10,11)を有する、請求項1から6までのいずれか1項記載のプラウモジュール(1)。
【請求項8】
前記第2の切断要素(105)は、回転可能な切断要素であり、前記第2の切刃(106)は、環状の切刃(106)である、請求項1から7までのいずれか1項記載のプラウモジュール(1)。
【請求項9】
前記第2の切断要素(105)は、位置不変の切断カッタ(6)である、請求項1から5までのいずれか1項記載のプラウモジュール(1)。
【請求項10】
前記第2の切断要素(105)の前記切断カッタ(6)は、L字形に形成されており、前記切断カッタ(6)の第1のビーム(8)は、前記プラウモジュール(1)の作業位置で水平に方向付けられており、第2のビーム(9)は、前記第1のビーム(8)に対して実質的に垂直に方向付けられていることを特徴とする、請求項9記載のプラウモジュール。
【請求項11】
前記切断カッタ(6)は、一体形に形成されていることを特徴とする、請求項10記載のプラウモジュール。
【請求項12】
ベースフレーム(2)を備えるプラウ装置(3)において、
前記プラウ装置(3)の前記ベースフレーム(2)に、請求項1から11までのいずれか1項記載の少なくとも1つのプラウモジュール(1)が配置されていることを特徴とする、プラウ装置(3)。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0003
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0003】
付言しておくと、「水平」および「鉛直」ならびに「上」および「下」という概念は、プラウ装置ひいてはプラウ装置に取り付けられた本発明に係るプラウモジュールの配置および構成に関連している。このとき、プラウ装置は、規定通りに土壌上に載っていて、耕起作業時に耕作方向に沿って可動であることが考えられている。
英国特許出願公告第1385951号明細書には、道路工事の際に表面層を除去するかまたは表面層の保守の際にこの表面層を除去するための機械が記載されている。同明細書に記載された機械は、2つの切断要素、つまり、表面層を相応の回転により掻き出す中空ディスクと、この中空ディスクに追従し、側方領域を切断する平らなディスクとを有している。掻き出すべき土壌の方向でこの土壌に対して実質的に垂直に配置された駆動軸は、相応の雑草根絶剤または粉末状、液状もしくはガス状の別の物質を、耕作された領域に供給するために中空に形成されている。平らなディスクが装置から取り外される限り、中空ディスクに関して、支持軸の別の角度でも作業を行うことができる。平らなディスクはこの意味で付加機器であり、モジュールの一部ではない。既知の機械は耕起に適していない。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
本発明の第1の態様によれば、土壌を耕起するためのプラウ装置用のプラウモジュールが記載される。このプラウモジュールは、第1の支持構造体を有しており、この第1の支持構造体に、湾曲したディスクとして形成された回転可能な切断要素が配置されている。第2の切断要素、例えば、第1の切断要素に対して規定の角度を成して配置された別のディスクまたは切断カッタが、第2の支持構造体に組み付けられており、この第2の支持構造体自体は、第1の支持構造体に不動に結合されている。回転可能な第1の切断要素は、環状の第1の切刃を有していて、プラウ装置の耕起方向、つまり、耕作方向に沿った土壌上での、支持構造体を備えたプラウ装置の運動時に、土壌のれき条の1つの側方領域が、特に溝壁から、第1の切刃の第1の切断領域を用いて切り離されるように形成されている。第1の支持構造体と第2の支持構造体とは、互いに不動に結合されていて、一緒にプラウ装置のベース構造に配置されている。第2の切断要素は、第2の切刃を有している。第2の切断要素は、第2の支持構造体に配置されていて、耕起方向に沿った土壌上でのプラウモジュールの運動時に、土壌のれき条の底領域が、特にれき条と耕起底との間の分離面に沿って、第2の切刃の第2の切断領域を用いて切離し可能であるように形成されている。第2の切断要素は、耕起方向で第1の切断要素に対して、第2の切断領域が耕起方向で第1の切断領域の背後に位置するように配置されている。
【国際調査報告】