(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-10
(54)【発明の名称】識別子付きポーションカプセル
(51)【国際特許分類】
A47J 31/06 20060101AFI20220603BHJP
A47J 31/44 20060101ALI20220603BHJP
A47J 31/36 20060101ALI20220603BHJP
B65D 77/20 20060101ALI20220603BHJP
【FI】
A47J31/06 320
A47J31/44 510
A47J31/36 122
B65D77/20 E
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2021557806
(86)(22)【出願日】2020-04-03
(85)【翻訳文提出日】2021-09-28
(86)【国際出願番号】 EP2020059513
(87)【国際公開番号】W WO2020201487
(87)【国際公開日】2020-10-08
(31)【優先権主張番号】102019204774.2
(32)【優先日】2019-04-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(31)【優先権主張番号】102019117803.7
(32)【優先日】2019-07-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】513014514
【氏名又は名称】ケイ‐フィー システム ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110002343
【氏名又は名称】特許業務法人 東和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】クリューガー,マルク
(72)【発明者】
【氏名】エムプル,ギュンター
【テーマコード(参考)】
3E067
4B104
【Fターム(参考)】
3E067AA03
3E067AA05
3E067AB23
3E067AB24
3E067AC01
3E067BA07A
3E067BB11A
3E067BB14A
3E067BC01A
3E067BC07A
3E067EA04
3E067EA32
3E067EB29
3E067EE06
3E067EE07
3E067FA01
3E067FC01
4B104AA19
4B104AA20
4B104EA20
4B104EA40
(57)【要約】
本発明は、飲料の原材料を入れるための空洞を取り囲む壁面部と底部から成る基本要素と、基本要素に固定された膜で閉じられた、飲料を製造するためのポーションカプセルに関するものである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲料の原材料を入れるための空洞を取り囲む壁面部(4)と底部(7)から成る基本要素(14)に付随する縁の領域(3)があり、前記空洞が前記基本要素(14)の縁の領域(3)に固定された膜(2)で閉じられた、飲料を製造するためのポーションカプセル(1)であって、
前記ポーションカプセル(1)を識別する識別子(15)が、前記膜(2)の反対側の、前記基本要素(14)の縁の領域(3)に記載されたコード(特に、バーコード)であり、
前記壁面部(4)には、少なくとも部分的には縁(3)から底部(7)まで届いている窪みまたは出っ張り、もしくは、その両方(5)があり、
前記窪みまたは出っ張り、もしくは、その両方(5)は、溝/切り欠きであって、中心軸/回転軸から見てある角度(α)(0°<α<180°)の範囲内にあることを特徴とするポーションカプセル(1)。
【請求項2】
前記溝/切り欠き(5)の断面(17)が、一定でないことを特徴とする請求項1記載のポーションカプセル(1)。
【請求項3】
前記溝/切り欠き(5)が、少なくとも部分的には交差することを特徴とする請求項1または請求項2記載のポーションカプセル(1)。
【請求項4】
飲料の原材料を入れるための空洞を取り囲む壁面部(4)と底部(7)から成る基本要素(14)に付随する縁の領域(3)があり、前記空洞が前記基本要素(14)の縁の領域(3)に固定された膜(2)で閉じられた、飲料を製造するためのポーションカプセル(1)であって、
前記ポーションカプセル(1)を識別する識別子(15)が、前記膜(2)の反対側の、前記基本要素(14)の縁の領域(3)に記載されたバーコードであり、
前記壁面部(4)には、少なくとも部分的には縁(3)から前記底部(7)まで届いている窪みまたは出っ張り、もしくは、その両方(5)があり、
前記窪みまたは出っ張り、もしくは、その両方が、ゴルフボールのような構造を持つことを特徴とするポーションカプセル(1)。
【請求項5】
前記窪みの断面が、円形、楕円形もしくは多角形であることであることを特徴とする請求項4記載のポーションカプセル(1)。
【請求項6】
飲料の原材料を入れるための空洞を取り囲む壁面部(4)と底部(7)から成る基本要素(14)に付随する縁の領域(3)があり、前記空洞が前記基本要素(14)の縁の領域(3)に固定された膜(2)で閉じられた、飲料を製造するためのポーションカプセル(1)であって、
前記ポーションカプセル(1)を識別する識別子(15)が、前記膜(2)の反対側の、前記基本要素(14)の縁の領域(3)に記載されたバーコードであり、
前記壁面部(4)には、少なくとも部分的には前記縁(3)から前記底部(7)まで届いている窪みまたは出っ張り、もしくは、その両方(5)があり、
前記窪みまたは出っ張り、もしくは、その両方(5)は、前記溝/切り欠きであって、ゴルフボールのような構造を持つことであるポーションカプセル(1)。
【請求項7】
飲料製造のための、請求項1乃至請求項6のいずれか1つによるポーションカプセル(1)の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲料の原材料を入れるための空洞を取り囲む壁面部と底部から成る基本要素と、基本要素に付随する縁の領域があり、空洞が基本要素の縁の領域に固定された膜で閉じられた、飲料を製造するためのポーションカプセルに関するものである。
識別子は、膜の反対側の、基本要素の縁の領域に記載されており、識別子によってそれぞれのポーションカプセルを識別できるようになっている。
そして、この識別子は、膜の反対側の、基本要素の縁の領域に記載されたバーコードであり、壁面部には、窪みまたは出っ張り、もしくは、その両方があり、それらは、少なくとも部分的には縁から底部まで届いている。
窪みまたは出っ張り、もしくは、その両方は、溝/切り欠きである。
【0002】
このようなポーションカプセルは、広く知られており、市場で様々な形で提供されている。
しかし、剛性またはカプセル内の流体の流れ、もしくは、その両方には、まだ、改良の余地がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
そのため、技術的な欠点のないポーションカプセルの提供が本発明の課題であった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この課題は、飲料の原材料を入れるための空洞を取り囲む壁面部と底部から成る基本要素と、基本要素に付随する縁の領域があり、空洞が基本要素の縁の領域に固定された膜で閉じられた、飲料を製造するためのポーションカプセルで解決される。
ポーションカプセルには、識別子が膜の反対側の、基本要素の縁の領域に記載され、識別子によってそれぞれのポーションカプセルを識別することができるようになる。
識別子は、膜の反対側の、基本要素の縁の領域に記載されたコード(特に、バーコード)であり、壁面部には、窪みまたは出っ張り、もしくは、その両方があり、それらは、少なくとも部分的には縁から底部まで届いている。
窪みまたは出っ張り、もしくは、その両方は、溝/切り欠きである。
これらの溝/切り欠きは、中心軸すなわち回転軸から見てある角度(α)(0°<α<180°)の範囲内にある。
【0005】
本発明の効果は、他の対象にも同様に有効であり、逆もまた然りとなる。
本発明の特徴は、他の対象の特徴と結びつけることができ、逆も可能である。
【0006】
本発明は、飲料の原材料を入れるための空洞がある、飲料もしくは食品を製造するためのポーションカプセルに関するものである。
そういったポーションカプセルは、プラスチック、金属材料(特に、アルミニウム)、天然素材、生物学的に分解可能な素材などで作られている。
基本要素(特に、深絞りしたもの)を含んでおり、その形状は、主に、円錐台、円柱またはカップである。
ポーションカプセルの空洞には、飲料の原材料を充填する。
原材料は、液体(特に、水)で抽出または溶解する。
飲料の原材料は、主に、挽いたコーヒー、紅茶、粉ミルクまたは粉末ココアである。
基本要素は、充填後に、特に、膜で閉じられることが多い。
多くの場合、膜は、基本要素の底と向かい合っている。
膜は、基本要素と同じ素材で作られることもあり、異なる素材で作られることもある。
膜は、シールまたは接着剤、もしくは、その両方で、基本要素に固定する。
膜は、プラスチック層または金属層など、少なくとも1つの層があるホイルである場合もある。
膜には、シール層があることが多い。
ポーションカプセルは、基本的に回転対照的であることが多い。
飲料製造プロセスにおいて、ポーションカプセルが回転しても問題はない。
特に、飲料製造時にポーションカプセルが動かない場合に、液体は、0.5-3バール程度の、非常に小さい超過圧力が掛かった状態で提供される。
【0007】
本発明のポーションカプセルには、識別子が付いており、それによって特定のポーションカプセルを識別することができる。
本発明において識別するということは、それぞれのポーションカプセルを個々のコーヒーメーカーに適したグループに割り当てられるということを意味する。
コーヒーメーカーでどの特定のポーションカプセルを扱っているのかを認識する必要はなく、そのポーションカプセルが、そのコーヒーメーカーに適したグループに割り当てられているかどうかを判別できれば十分である。
特に、識別するということは、特定のコーヒーメーカーに適さないポーションカプセルをコーヒーメーカーに投入できない、もしくは、落とされるか、または、コーヒーメーカーが正しいカプセルでのみ稼働することを意味する。
コーヒーメーカーに取り付けられているセンサー/検出手段で、その識別子を識別し、保存されている識別結果と比較する。
識別した識別子が、参照用識別子と一致する場合にのみ、コーヒーメーカー、特に、水を供給する圧力ポンプを稼働させるべきである。
それ以外の場合には、コーヒーメーカーを稼働させてはならない。
【0008】
識別子は、主に、膜の反対側の、基本要素の縁の領域に記載されたバーコードである。
識別子は、印刷、刻印などで記載することができる。
バーコードでは、様々な光学的特性を持つバーの並びを示している。
それらのバーの幅は、異なっていることもあり、0と9の間の数を表している。
しかし、バーコードがビットコード、すなわち、0と1の組み合わせである可能性もある。
また、同じ値のバーコードが、複数個並んでいることもあり、その場合には、バーの幅が「0」または「1」が複数個並んだものに対応する。
【0009】
しかし、識別子は、QRコード、または、光学的に検出可能な模様で構成されるコードなど、その他のコードでも可能である。
【0010】
本発明に関して、壁面部に窪みまたは出っ張り、もしくは、その両方があり、それらは、少なくとも部分的には縁から底部まで届いている。
本発明では、窪みまたは出っ張り、もしくは、その両方は、溝/切り欠きとして作られている。
【0011】
これらの窪みまたは出っ張り、もしくは、その両方の断面は、円形、楕円形、四角形など、形状が自由である。
溝は、壁面部の全体に及ぶことができ、また、縁の領域の下、または、底部の上のある領域に溝がないように、部分的にのみ存在することもできる。
溝は、壁面部の全体に広がっていることが多い。
しかし、溝が、壁面部の一部にのみ広がっていることも考えられる。
溝は、等間隔で並べることも、様々な間隔で並べることも可能である。
溝は、内壁から内側に向かって広がっていることも、その逆も可能である。
溝は、主に、深絞りまたは刻印、特に、基本要素の深絞り/刻印の間に形成される。
【0012】
本発明に関して、溝の広がりは、中心軸/回転軸から見てある角度(α)(0°<α<180°)の範囲内にある。
溝は、壁面部に沿って広がっているが、中心軸/回転軸から見てある角度の範囲内にある。
【0013】
飲料製造時にポーションカプセルを回転させる場合、溝は、基本要素の底部から縁への回転方向で上昇することができ、その逆も可能である。
【0014】
壁面部に複数の溝がある場合には、それらは、互いに平行であるか、または、中心軸、すなわち、回転軸に対する角度が異なっている。
【0015】
溝の長さは、すべて同じであるか、または、異なっている。
個々の溝の断面は、同じであるか、または、異なっている。
【0016】
傾斜角が0°ではない溝には、それによって、縦方向または円周方向の安定性が向上するという長所がある。
さらに、傾斜した溝によって、飲料の原材料の抽出または溶解にプラスの影響を及ぼすことができる。
【0017】
さらなる本発明は、溝/切り欠きの断面が一定ではないポーションカプセルである。
【0018】
本発明でも、最初に提出した課題が解決される。
【0019】
本発明の効果は、他の対象にも同様に有効であり、逆もまた然りとなる。
本発明の特徴は、他の特徴と結びつけることができ、逆も可能である。
【0020】
本発明は、溝の断面が、溝の縦方向に沿って変化している。
連続的変化と不連続な変化が可能である。
断面の形状を一定にして、サイズのみを変化させることもできる。
しかし、形状のみを変化させることも、サイズの変化に形状の変化を付け加えることも可能である。
断面の拡大の場合には、断面のサイズを基本要素の縁から底部に向けて大きくすることも、その逆も可能である。
断面の変化は、溝全体に及ぼすことも、一部分にのみ適用することもできる。
【0021】
溝においては、断面が互いにそれて行くことが可能である。
【0022】
本発明のさらなる対象が、溝/切り欠きが少なくとも部分的には交差しているポーションカプセルである。
【0023】
本発明の対象でも、最初に提出した課題が解決される。
【0024】
本発明の効果は、他の対象にも同様に有効であり、逆もまた然りとなる。
本発明の特徴は、他の対象の特徴と結びつけることができ、逆も可能である。
【0025】
交差する溝によって、ポーションカプセル内で特に優れた乱流が発生し、ポーションカプセルの安定性を向上させる。
【0026】
基本要素の胴体部分にある、少なくとも2本の溝が交差している。
それ以上の本数も可能である。
2本の溝が交差する角度は、同じであっても、異なっていても構わない。
2本の溝の交点は、基本要素の縁の領域からの距離または底部からの距離、もしくは、その両方で区別することができる。
1本の溝には、複数の交点を作ることが可能である。
【0027】
本発明のもう一つの対象は、飲料の原材料を入れるための空洞を取り囲む壁面部と底部から成る基本要素と、基本要素に付随する縁の領域があり、空洞が基本要素の縁の領域に固定された膜で閉じられた、飲料製造向けのポーションカプセルに関するものである。
識別子は、膜の反対側の、基本要素の縁の領域に記載され、識別子によってそれぞれのポーションカプセルを識別することができるようになる。
識別子は、膜の反対側の、基本要素の縁の領域に記載されたバーコードであり、壁面部には、窪みまたは出っ張り、もしくは、その両方があり、それらは、少なくとも部分的には縁から底部まで届いている。
窪みまたは出っ張り、もしくは、その両方は、ゴルフボールのような構造を持つ。
【0028】
本発明の対象でも、最初に提出した課題が解決される。
【0029】
本発明の効果は、他の対象にも同様に有効であり、逆もまた然りとなる。
本発明の特徴は、他の対象の特徴と結びつけることができ、その逆も然りとなる。
【0030】
本発明のポーションカプセルは、壁面部にゴルフボールのような構造を持つ。
このゴルフボールのような構造には、窪みまたは出っ張り、もしくは、その両方があり、それらの長さと幅は、少なくとも基本的には等しい。
これらの窪みまたは出っ張り、もしくは、その両方の断面は、円形、楕円形、多角形(特に四角形以上)などである。
溝は、等間隔で並べることも、模様に合わせて並べることも可能である。
窪みまたは出っ張り、もしくは、その両方は、基本要素の胴体部分全体(特に、壁面部)に及ぶことができ、また、部分的にのみ存在することもできる。
個々の窪みと出っ張りは、その断面の形状または深さ、もしくは、その両方で区別することができる。
窪みは、ポーションカプセルの内部に向けて形成され、出っ張りは、その逆の方向に向けて形成されることが多い。
【0031】
本発明のもう一つの対象は、飲料の原材料を入れるための空洞を取り囲む壁面部と底部から成る基本要素と、基本要素に付随する縁の領域があり、空洞が基本要素の縁の領域に固定された膜で閉じられた、飲料を製造するためのポーションカプセルに関するものである。
それには、識別子が、膜の反対側の、基本要素の縁の領域に記載され、識別子によってそれぞれのポーションカプセルを識別することができるようになる。
識別子は、膜の反対側の、基本要素の縁の領域に記載されたバーコードであり、壁面部には窪みまたは出っ張り、もしくは、その両方があり、それらは、少なくとも部分的には縁から底部まで届いている。
窪みまたは出っ張り、もしくは、その両方は、溝/切り欠きであり、窪みまたは出っ張り、もしくは、その両方は、ゴルフボールのような構造を持つ。
窪みまたは出っ張り、もしくは、その両方は、適用される。
【0032】
本発明の対象でも、最初に提出した課題が解決される。
【0033】
本発明の効果は、他の対象にも同様に有効であり、逆もまた然りとなる。
本発明の特徴は、他の対象の特徴と結びつけることができ、逆も可能である。
本発明の対象では、基本要素と同じ、もしくは異なる材質で作られる窪みまたは出っ張り、もしくは、その両方は、基本要素に適用される。
窪みまたは出っ張り、もしくは、その両方は、事前に作成して、基本要素に接着するか、または塗付した上で乾燥する。
【0034】
以下、本発明について図を使って説明する。
これらの説明は、例示にすぎず、本発明を限定するものではない。
実施形態は、本発明のすべての対象について、同様に適用される。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【
図1】本発明に関するポーションカプセルの最初の実施形態を示す図。
【
図3】本発明に関するポーションカプセルの実施形態を示す図。
【
図4】本発明に関するポーションカプセルの実施形態を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0036】
図1は、本発明に関するポーションカプセル1の具体的な形状を示している。
この場合には、壁面部4および底部7を含むカップ状の基本要素14が記載されている。
基本要素14の底部7と向かい合う端には、周回する縁3がある。
その長さ/外径は、基本要素14の壁面部4の外径よりも長いため、フランジ状の要素3が生じる。
その縁3には、たとえば、カバーホイル2が、シールまたは接着剤で付けられ、挽いたコーヒーなどの飲料の原材料をポーションカプセル1に充填した後で密閉する。
このポーションカプセル1は、中心軸8に関して回転対照的であることが多い。
そして、矢印16で示すように、ポーションカプセル1は、抽出などの飲料製造過程の間に回転する。
ポーションカプセル1のカバーホイル2(特に中央部分)に穴を開け、製造する飲料の流出も、カバーホイル2経由となる。
特に、壁面部4の上の端近くで膜に丸く開けられた穴を通すことが多い。
さらに、本発明のポーションカプセル1には、識別子15が付いており、それによってポーションカプセル1を識別でき、ポーションカプセル1ごとに液体の量または温度、もしくは、その両方を制御することができる。
この識別子は、矢印15で示すように、フランジ3の裏側、すなわち、膜2と向かい合っているフランジ3の面に記載されている。
【0037】
さらに、本発明のポーションカプセル1には、
図1のように、窪みまたは出っ張り、もしくは、その両方があり、この場合には、これらは、溝5として形成されている。
ここでは、複数の溝5が、等間隔で並んでいる。
溝5は、壁面部4の全体に及ぶことができ、また、部分的にのみ存在することもできる。
溝5は、それぞれ縦に伸びて、その長さは、符号11で示されている。
窪みまたは出っ張り、もしくは、その両方は、符号6で示されているように、フランジ3から離れている。
窪みまたは出っ張り、もしくは、その両方は、底部7まで伸びていることもあり、また底部7から離れていることもある。
その場合の距離は、符号9で示されている。
窪みまたは出っ張りは、等間隔で並べることも、様々な間隔で並べることも可能である。
それについては、符号10で示されている。
前述のように、この場合には、窪みまたは出っ張りは、溝として形成され、これらは、中心軸8、すなわち、回転軸から見て、ある角度(α)(0°<α<180°)の範囲内に広がっている。
このため、窪みまたは出っ張り、もしくは、その両方は、中心軸8に平行ではない。
本発明では、基本要素14の壁面部4の剛性が増し、コーヒーの抽出過程が改善されるという利点がある。
この場合、角度αは、窪みまたは出っ張り、もしくは、その両方が、底部7からフランジ3を見た場合、ポーションカプセル1の回転方向16に向くように選択されているため、特に、抽出された液体の流出が改善され、内部での抽出された液体とコーヒーの粉との接触も促進される。
ここでは、溝5は、液体をカバーホイル2の穴の方向に誘導して集める機能を果たしている。
【0038】
図2では、窪みまたは出っ張り、もしくは、その両方5(特に、溝5)の4種類の断面17を示している。
断面17が、a)では、三角形であり、b)では、長方形または正方形であり、c)では、円形または楕円形であり、そして、d)では、多角形であることは明白である。
符号12、符号13もしくは符号13、符号12で、窪みまたは出っ張り、もしくは、その両方が、内部に向かう方向にも、出て行く方向にも向くことができることを示している。
基本要素14の内側の方向に向って刻まれた窪みが多い。
【0039】
また、窪みまたは出っ張り、もしくは、その両方は、たとえば、深絞りまたは刻印で形成できる。
【0040】
ポーションカプセル1の基本要素14は、金属素材、特に、アルミもしくはアルミ合金で製造することが多い。
カバーホイル2、すなわち膜も、同様であり、さらに、シール層があることも多い。
基本要素14の材料厚は、カバーホイル2の材料厚よりも大きいことが多い。
窪みまたは出っ張り、もしくは、その両方は、刻印または深絞りで形成することができる。
【0041】
図3と
図4では、本発明のポーションカプセル1におけるさらなる実施形態を示している。
【0042】
図3では、窪みまたは出っ張り、もしくは、その両方は、交差する窪みまたは出っ張り(特に、溝5)になっている。
これらの溝5は、一列に並んでいることもあり、この場合のように、複数の列のこともあり、基本要素14の壁面部4の全体またはその一部のみに広がっている。
【0043】
図4では、基本要素14の壁面部4にゴルフボールのような構造が、窪みの形で、すなわち、空洞の方向に広がっている窪みとして実現されているポーションカプセル1を示している。
この場合には、溝5は、等間隔で並べることも、繰り返される模様に合わせて並べることも可能である。
この場合、ゴルフボールのような構造は、円形の断面を持つ要素で作られている。
しかし、専門家には、たとえば、三角形または多角形の断面でも可能であることが分かる。
ダイヤモンド形のような構造またはダイヤモンド形の格子も可能である。
ゴルフボールのような構造が、壁面部4の全体に広がっている必要はなく、フランジ3または底部7、もしくは、その両方から離れていることもある。
ゴルフボールのような構造によって、ポーションカプセル1の基本要素14が、材料厚が同じ場合に、より大きい剛性を持つことができる。
同様に、ゴルフボールのような構造によって改善された液体と固体の間の接触で抽出過程を改善することができる。
【0044】
すべての実施形態は、窪みまたは出っ張り、もしくは、その両方は、基本要素14を深絞りまたは刻印で形成した後、離型できるようになっていることが望ましい。
窪みまたは出っ張り、もしくは、その両方には、アンダーカットがないことが多い。
【符号の説明】
【0045】
1・・・ポーションカプセル
2・・・カバーホイル(膜)
3・・・縁(周回する縁、フランジ)
4・・・壁面部
5・・・窪み、出っ張り、溝
6・・・窪み面と縁との間の距離
7・・・底部
8・・・中心軸、回転軸
9・・・窪み面と縁との間の距離
10・・・2個の窪みまたは出っ張りの間の距離
11・・・窪みまたは出っ張りの長さ
12・・・ポーションカプセルの内部
13・・・ポーションカプセルの外部
14・・・基本要素
15・・・識別子、バーコード
16・・・ポーションカプセルの回転方向
17・・・断面
18・・・ゴルフボールのような構造
【国際調査報告】