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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-10
(54)【発明の名称】履物の動的ソール
(51)【国際特許分類】
   A43B 13/22 20060101AFI20220603BHJP
   A43C 15/00 20060101ALI20220603BHJP
【FI】
A43B13/22 A
A43C15/00 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021560534
(86)(22)【出願日】2020-03-25
(85)【翻訳文提出日】2021-11-29
(86)【国際出願番号】 IB2020052804
(87)【国際公開番号】W WO2020201923
(87)【国際公開日】2020-10-08
(31)【優先権主張番号】102019000004749
(32)【優先日】2019-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521440714
【氏名又は名称】ワフ エッセ.エッレ.エッレ.
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ボリア、ファニー
(72)【発明者】
【氏名】デ サンティス、マッティア
(72)【発明者】
【氏名】ボニオーロ、イーヴォ エマヌエレ フランチェスコ
(72)【発明者】
【氏名】カザーリ、パトリツィア
【テーマコード(参考)】
4F050
【Fターム(参考)】
4F050BA08
4F050BA33
4F050GA30
(57)【要約】
使用時に歩行面の方を向くように構成されるリーニング表面3を画定する第1の層2と、複数のチャンバ5をさらに有する、上記第1の層2に結合される第2の層4と、を有する履物ソール1。さらに、ソール1が、供給流体を有して上記複数のチャンバ5に接続される流体源7を有する作動システム6を有する。作動システム6が、休止状態と活動状態との間で及びその逆で上記複数のチャンバ5への流体の供給を制御するように構成される。具体的には、上記休止状態では、チャンバ5が第1の容積v1を有し、第1の層2の第1の構成を決定する傾向を有し、対して、上記活動状態では、チャンバ5が第1の容積v1より大きい第2の容積v2を有し、第1の層2の第2の構成を決定する傾向を有し、第1の層2の第2の構成では、リーニング表面3が上記複数のチャンバ5の各々のチャンバのところに複数の隆起部を有するか又は形成する。本記述はさらに、このソールにより実現され得る方法、さらにはこのソールを有する履物に関連する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
履物ソール(1)であって、
- 使用時に歩行面の方を向くように構成されたリーニング表面(3)を画定する第1の層(2)と、
- 前記第1の層(2)に結合され、且つ複数のチャンバ(5)を有する第2の層(4)と、
- 供給流体を有し且つ前記複数のチャンバ(5)に接続された流体源(7)を有する作動システム(6)と
を有し、
前記作動システム(6)は、休止状態と活動状態との間で、及びその逆で、前記複数のチャンバ(5)への前記供給流体の供給を制御するように構成され、
前記休止状態において、前記チャンバ(5)は第1の容積(v1)を有し、且つ前記第1の層(2)の第1の構成を決定する傾向があり、
前記活動状態において、前記チャンバ(5)は前記第1の容積(v1)より大きい第2の容積(v2)を有し、且つ前記第1の層(2)の第2の構成を決定する傾向があり、このとき、前記リーニング表面(3)は、前記複数のチャンバ(5)のそれぞれのところに複数の隆起部を有し又は形成する、履物ソール(1)。
【請求項2】
前記第1の層(2)の前記第1の構成において、前記リーニング表面(3)は実質的にフラットである、請求項1に記載の履物ソール(1)。
【請求項3】
前記作動システム(6)は、前記流体源(7)を各チャンバ(5)に接続する少なくとも1つのチャンネル(8)を有する、請求項1から2までのいずれか一項に記載の履物ソール(1)。
【請求項4】
前記複数のチャンバの各々の前記チャンバ(5)が、1つ又は複数のチャンネル(8)により前記複数のチャンバの少なくとも1つの別のチャンバ(5)に接続される、請求項3に記載の履物ソール(1)。
【請求項5】
前記作動システム(6)は、前記複数のチャンバ(5)から前記流体源(7)への前記流体の流れを対比するように構成された遮断デバイス(9)を有する、請求項1から4までのいずれか一項に記載の履物ソール(1)。
【請求項6】
前記流体源(7)は、タンク(11)と、前記タンク(11)の内部で摺動することができるステム(10)とを有する、請求項1から5までのいずれか一項に記載の履物ソール(1)。
【請求項7】
前記タンク(7)は前記供給流体を収容するように構成され、前記ステム(10)は、前記タンク(11)に収容された前記供給流体に対して圧力を作用させるために前記タンク(11)内部で第1の方向に摺動するように構成され、且つ前記供給流体を前記タンク(11)の内部に戻すのを可能にするために前記タンク(11)内で前記第1の方向と反対の第2の方向に摺動するように構成される、請求項6に記載の履物ソール(1)。
【請求項8】
前記ステム(10)は、電気的に又は使用者により手動で動作させられるように構成される、請求項7に記載の履物ソール(1)。
【請求項9】
前記第2の層(4)は各チャンバ(5)のところにベローズ構造を有し、それにより、前記チャンバ(5)が前記休止状態にあるとき、前記第2の層(2)は前記チャンバ(5)のところに複数の内向きの折り目又はヒダ(12)を有する、請求項1から8までのいずれか一項に記載の履物ソール(1)。
【請求項10】
前記折り目又はヒダ(12)は、前記チャンバ(5)が前記休止構成を採用できるように引っ込む傾向があり、又は前記チャンバ(5)が前記活動構成を採用できるように展開する又は広がる傾向がある、請求項9に記載の履物ソール(1)。
【請求項11】
前記折り目又はヒダ(12)は同心状である、請求項9又は10に記載の履物ソール(1)。
【請求項12】
前記第2の層(4)に結合された第3の層(13)であって、使用時に使用者の足の裏を支持するように構成された第3の層(13)を有する、請求項1から11までのいずれか一項に記載の履物ソール(1)。
【請求項13】
端部領域を有し、前記流体源(7)が前記端部領域のところに配置され、又は前記端部領域に関連づけられている、請求項1から12までのいずれか一項に記載の履物ソール(1)。
【請求項14】
請求項1から13までのいずれか一項に記載の履物ソール(1)を有する履物(100)。
【請求項15】
前記流体源(7)は、前記履物(100)の端部又は踵骨領域のところに配置される、請求項14に記載の履物(100)。
【請求項16】
履物のためのソール(1)のリーニング表面(3)の構成を修正するための方法であって、前記リーニング表面(3)は、使用時に歩行面の方を向くように構成され、また方法は、
- 前記リーニング表面(3)を画定する、履物ソール(1)の第1の層(2)を提供するステップと、
- 複数のチャンバ(5)を有する、履物ソール(1)の第2の層(4)を提供するステップと、
- 前記第1の層(2)及び前記第2の層(4)を結合するステップと、
- 供給流体を有し且つ前記複数のチャンバ(5)に接続された流体源(7)を有する作動システム(6)を提供するステップと、
- 前記流体源(7)から前記複数のチャンバ(5)への前記供給流体の供給を制御するステップであって、それにより休止状態と活動状態との間での前記チャンバ(5)の容積の変化を決定する、ステップと
を含み、
前記休止状態において、前記チャンバ(5)は第1の容積(v1)を有し、且つ前記第1の層(2)の第1の構成を決定し、
前記活動状態において、前記チャンバ(5)は、前記第1の容積(v1)より大きい第2の容積(v2)を有し、且つ前記第1の層(2)の第2の構成を決定し、このとき前記リーニング表面(3)は前記複数のチャンバ(5)の各々のチャンバのところに複数の隆起部を有し又は形成する、方法。
【請求項17】
前記流体源(7)から前記複数のチャンバ(5)までの前記供給流体の供給の制御が、前記流体源(7)と前記複数のチャンバの各チャンバ(5)との間の流体連通を開く又は遮るステップを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記作動システム(6)を提供するステップが、タンク(11)と、前記タンク(11)の内部で摺動することができるステム(10)とを有する前記流体源(7)を提供するステップを含む、請求項16又は17に記載の方法。
【請求項19】
休止状態から活動状態へ前記複数のチャンバ(5)の各チャンバ(5)の容積の変化を決定するように前記流体の供給を制御するステップが、
- 前記流体源(7)と前記チャンバ(5)との間の流体連通を開くステップと、
- 前記流体が前記複数のチャンバ(5)に到達するように、前記タンク(11)の内部で前記ステム(10)を摺動させるステップと、
- 前記流体源(7)と前記チャンバ(5)との間の流体連通を遮るステップと
を含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
活動状態から休止状態へ前記複数のチャンバの各チャンバ(5)の状態の変化を決定するように前記流体の供給を制御するステップが、前記流体源(7)と前記チャンバ(5)との間の流体連通を開くステップを含む、請求項16から19までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
活動状態から休止状態へ前記複数のチャンバの各チャンバ(5)の構成の変化を決定するように前記流体の供給を制御するステップが、
- 前記第1の層(2)及び/又は前記第2の層(4)に圧力を加えるステップ
をさらに含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記作動システム(6)を提供するステップが、前記流体源(7)を各チャンバ(5)に接続する少なくとも1つのチャンネル(8)を提供するステップをさらに含む、請求項16から21までのいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
1つ又は複数のチャンネル(8)によって前記複数のチャンバの各々の前記チャンバ(5)を前記複数のチャンバの少なくとも1つの他のチャンバ(5)に接続するステップをさらに含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記作動システム(6)を提供するステップが、前記複数のチャンバ(5)から前記流体源(7)への流体の流れを対比させるように構成された遮断デバイス(9)を提供するステップをさらに含む、請求項16から23までのいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本記述は、概して、履物製品の分野に関し、本記述は、より詳細には、使用者によりその構造が動的に修正され得る履物ソール、及び履物ソールの構造を修正するための関連の方法に関する。本記述はさらに、このソールを有する履物に関する。
【背景技術】
【0002】
スリップ(滑り、ずれ)は、使用者の労働活動中/非労働活動中に使用者の被る主要なリスクの1つである。スリップはソールと歩行面との間の付着性(adhesion)の低下により起こる。上記の付着性の低下は、使用者の足によりリーニング表面(leaning surface)に加えられる力の水平成分と垂直成分との間の比が、この同じソールとリーニング表面との間の摩擦係数未満まで低下するときに起こる。
【0003】
スリップのリスクを低減するために、特定の種類の歩行面とのソールの付着性を最適化するために特定のコンパウンド又は特定のデザインのみが研究されてきた。
【0004】
しかし、これらの研究は実質的に「静的」な解決策であり、歩行面の特性に対してソールの特性を適合させることを可能にしない。実際、使用者の活動の実施中、使用者が多様な特性を有する表面の上を又は気象条件によりその特性が変化する表面の上を歩行していることに気付く可能性があることから、既知の技術によるソールを有する靴を使用することにより、部分的のみにはスリップの問題が解消される。
【発明の概要】
【0005】
したがって、本記述は、従来技術を参照して上記で言及した欠点を解消するのを及び/又は別の利点を達成するのを可能にする履物ソールを提供することを狙いとする。これが、それぞれの独立請求項で定義される履物ソール、履物、及び方法によって達成される。二次的な特性及び本記述の対象の具体的な実施例が対応する従属請求項で定義される。
【0006】
本記述による履物ソールは、使用時にすなわち使用者の歩行中に歩行面の方を向くように構成されるリーニング表面を画定する第1の層を有する。本記述によるソールが、複数のチャンバをさらに有する、第1の層に結合される第2の層をさらに有する。これらのチャンバが上記第2の層の中にある実質的に中空の空間を表す。ソールが作動システムをさらに有する。上記作動システムが、供給流体を有して上記複数のチャンバを接続される流体源をさらに有する。本記述による履物ソールの作動システムが、休止状態と活動状態との間で及びその逆で上記複数のチャンバへの供給流体の供給を制御するように構成される。上記休止状態では、チャンバが第1の容積を有し、第1の層の第1の構成を決定する傾向を有する。上記活動状態では、チャンバが上記第1の容積より大きい第2の容積を有し、第1の層の第2の構成を決定する傾向を有し、第1の層の第2の構成では、リーニング表面が上記複数のチャンバの各々のチャンバのところに複数の隆起部を有するか又は形成する。「隆起部」という用語は本開示の範囲内では、歩行面の粗さをいくらかの程度で強調して決定する傾向を有する、いくらかの程度で目立つものである複数の突起部、突出要素、又は同様の要素を意味する。
【0007】
言い換えると、本記述による履物ソールでは、第2の層の中の複数のチャンバが、第1の層に特定の構成を誘発する傾向を有する膨張可能チャンバ又は膨張チャンバである。言い方を変えると、複数のチャンバによって導入される容積が第1の層の構成を決定する。つまり、第2の層の複数のチャンバによって導入される容積が第1の層に対して作用し、第1の層の構成を決定する。具体的には、供給流体によるチャンバの容積の増大が第1の層に対して作用して第1の層を変形させ、その結果、複数の隆起部、突出部、又は膨張部分が各々の上記チャンバのところでリーニング表面上に存在するようになるか又は形成されるようになる。
【0008】
したがって、本記述によると、チャンバの休止状態がチャンバ自体の収縮状態に対応し、対して、チャンバの活動状態がチャンバ自体の膨張状態に対応する。これは、休止状態では、チャンバが収縮しているかたまは後退しており、したがって活動状態を基準としてより小さい空間を占有することになり、活動状態では、チャンバが膨張してより大きい空間を占有してそれによりリーニング表面内に上記突起部又は突出部を存在させる、ことを意味する。
【0009】
上記第2の構成にあるときに、第1の層に、隆起部、突出部、又は膨張部分が形成されることにより、ソールのリーニング表面の延在量が決定される。これにより、有利には、平坦ではない歩行面の場合に、履物ソールと歩行面との間の接触面が増大し、ソール自体とリーニング表面との間の摩擦係数が増大し、使用者のスリップのリスクが低減される。言い換えると、特には例えば、柔らかい地面、草の多い地面、雪の多い地面、又は泥の多い地面の事例では、上記隆起部、突出部、又は膨張部分が存在することにより、ソールと地面との間の接触面が第1の層の第1の構成と比較して増大し、それによりリーニング表面と歩行面との間の摩擦係数が増大する。
【0010】
本記述による履物ソールの好適な態様によると、いわゆる第1の層の第1の構成において、リーニング表面が実質的に平らであり、すなわち、実質的にフラットであるか、なだらかであるか、又は隆起部を有さない。これにより、複数のチャンバへの供給流体の供給を制御する作動システムが存在することにより、ソールのリーニング表面が変化することができるようになり、又は、オフィス又は家の床などの、平坦な歩行面に適する実質的にフラットな構成又は平らな構成から、粗い歩行面又は滑りやすい歩行面に適する隆起部又は突起部を有する構成となることができ、その逆となることもできる。
【0011】
本記述の別の好適な態様によると、作動システムが、供給流体源を各チャンバに接続する少なくとも1つのチャンネルを有する。したがって、この態様によると、少なくとも1つのチャンネルが、上記流体源とチャンバとの間の流体連通を可能にする。これにより、流体源から複数のチャンバまで及びその逆で複数のチャンバから流体源まで供給流体を流すことができる経路又は通路が形成されることになる。加えて、複数のチャンバの各チャンバが、1つ又は複数のチャンネルにより複数のチャンバのうちの少なくとも1つの他のチャンバに接続され得る。つまり、チャンバがさらに相互接続され得る。これにより、有利には、異なるチャンバの間で供給流体が均等に分配されることが促進される。
【0012】
本記述の別の好適な態様によると、流体源が上記ソールの端部領域又は周縁領域に添着される。したがって、流体源がソールの端部領域又は端部分或は縁部に結合される。こうすることで、このソールをそこに結合することを意図するところである靴を履くときの妨害度が低減され、これが流体源によって決定され得る。
【0013】
本記述の別の好適な態様が、本作動システムが流体源の複数のチャンバからの供給流体の流れに抵抗するように構成される遮断デバイスを有するという事実に関連する。この態様によると、遮断デバイスが、チャンバから流体源まで供給流体が戻るか又は漏洩するのを防止、妨害、又は回避する傾向を有する。こうすることで、有利には、チャンバが活動状態すなわち膨張状態にあるとき、例えばリーニング表面に加えられる圧力により、チャンバの中に収容される供給流体が流体源の方に可能性として流れることが防止される。これにより、使用時、遮断デバイスが存在することにより、チャンバが活動状態で維持されることになり、したがって第1の層の第2の構成が使用者の歩行時にも維持されることになる。
【0014】
さらに、本記述の別の好適な態様によると、履物ソールの流体源が、タンク、及び上記タンクの内部で摺動することができるステムを有する。言い換えると、流体源が、供給流体を収容するための入れ物又は容器、及び供給流体をチャンバに供給するために上記容器又は入れ物の内部でシフトされ得るステム、ピストン、又はプランジャを有する。
【0015】
本記述の別の好適な態様によると、タンクが上記供給流体を収容するように構成され、上記ステムが、上記タンクの中に収容される供給流体に対して圧力を作用させるために、タンク内部で第1の方向に摺動するように、及び供給流体をタンクの中に戻すのを可能にするために、タンク内で第1の方向の反対の第2の方向に摺動するように、構成される。つまり、ステムが、供給流体のための上記タンク内での利用可能な余地を修正するためにタンク内で移動するように構成される。
【0016】
本開示の別の好適な態様によると、ステムが電気的に又は使用者により手動で動作させられるように構成される。つまり、上記ステムが使用者の手により又は電気的に動作させられ得る。
【0017】
加えて、本記述の別の好適な態様によると、第2の層が各チャンバのところにベローズ構造を有する。それにより、本記述のこの態様によると、各チャンバのところの第2の層がベローズ構造を有し、その結果、チャンバが休止状態にあるとき、第2の層がチャンバのところに複数の内向きの折り目又はヒダを有する。上記を別の表現にすると、チャンバの休止状態において、折り目又はヒダが後退又は収縮する。つまり、チャンバが休止状態にあるとき、第2の層の折り目又はヒダが第1の層の反対の方向に延伸する。有利には、これにより、供給流体をチャンバの内部に供給するとき、折り目又はヒダが第1の層の方向に広がり、それによりリーニング表面に隆起部又は突出部が形成される。同様に、これにより、供給流体がチャンバから流体源の方に流入するとき、上記隆起部又は突出部が畳まれて第1の層が第1の構成を導入することが可能となる。具体的には、上記折り目又はヒダが同心状であってよい。有利には、この態様によると、第1の層が第2の構成にあるとき、第1の層のリーニング表面上の隆起部がテーパ形状を有する。隆起部のテーパ形状がさらに、平坦ではない表面又は粗い表面の上を摺動するのを防止することを可能にする。
【0018】
具体的には、前の態様によると、折り目又はヒダが、チャンバに休止状態を導入するのを可能にするために後退する傾向と、チャンバに活動状態を導入するのを可能にするために展開するか又は広がる傾向とを有する。言い換えると、折り目又はヒダが、チャンバに休止状態及び活動状態をそれぞれ導入するのを可能にするために後退又は展開するように構成される。つまり、チャンバによって導入される活動状態又は休止状態が、折り目又はヒダの構成に従って決定される。
【0019】
本記述の別の好適な態様によると、ソールが、使用時に使用者のフット・ソールを支持するように構成される、第2の層に結合される第3の層を有する。
【0020】
最後に、本記述の別の好適な態様が、第1の層及び/又は第3の層がゴムで作られる事実に関連する。実際に、ゴムは、スリップを対比(contrast)するのを補助する容易に変形可能である弾性材料である。
【0021】
本記述の別の対象が、本記述の実施例のうちの1つの実施例によるソールを有する履物である。具体的には、本記述によるソールの流体源が、踵骨領域などの端部ゾーン又は端部領域のところに配置され得る。有利には、これにより使用者の移動に対する拘束が低減される。
【0022】
本記述はさらに、履物ソールのリーニング表面の構成を修正するための方法を提供する。この方法が:
- 上記リーニング表面を画定する、履物ソールの第1の層を提供するステップと;
- 複数のチャンバを有する、履物ソールの第2の層を提供するステップと;
- 第1の層及び第2の層を結合するステップと;
- 供給流体を有して上記複数のチャンバに接続される流体源を有する作動システムを提供するステップと;
- 流体源から上記複数のチャンバへの供給流体の供給を制御するステップであって、それにより、休止状態と活動状態との間での上記チャンバの容積の変化を決定する、制御するステップと
を含む。
【0023】
具体的には、上記休止状態では、チャンバが、第1の容積を有し、第1の層の第1の構成を決定し、上記活動状態では、チャンバが、上記第1の容積より大きい第2の容積を有し、第1の層の第2の構成を決定し、第1の層の第2の構成では、リーニング表面が上記複数のチャンバの各々のチャンバのところに複数の隆起部を提供又は形成する。
【0024】
したがって、この方法が、第2の層のチャンバの容積の変化時に第1の層のリーニング表面の変形を誘発することを伴う。言い換えると、この方法によると、第2の層の状態に対して作用することによりリーニング表面の変形を与えることが可能である。
【0025】
本記述の好適な態様によると、流体源から上記複数のチャンバまでの供給流体の供給の制御が、流体源と上記複数のチャンバの各チャンバとの間の流体連通を開く又は遮断することを含む。
【0026】
したがって、供給流体の供給の制御に関するステップが、流体源と複数のチャンバの各々のチャンバとの間の流体連通を選択的に可能にすることにより実施される。
【0027】
本記述の好適な態様によると、作動システムを提供するステップが、タンク、及び上記タンクの内部で摺動することができるステム、を有する上記流体源を提供することを含む。言い換えると、流体源を提供することが、供給流体を収容する傾向を有するタンク、及びタンクの中で摺動又は移動することができるステムを提供することを含む。
【0028】
本記述の別の態様によると、休止状態から活動状態への上記複数のチャンバの各チャンバの容積の変化を決定するために流体の供給を制御するステップが:流体源とチャンバとの間の流体連通を開くことと;結果として供給流体が複数のチャンバに到達することになるように、上記タンクの内部で上記ステムを摺動させることと;流体源とチャンバとの間の流体連通を遮断することと、を含む。言い換えると、上記複数のチャンバの各チャンバの容積を休止状態から活動状態まで変化させるために流体の供給を制御するステップが:流体源とチャンバとの間の流体連通を可能にすることと;供給用の流体を複数のチャンバに送るためにタンク内でステムを摺動させることと;最後に、流体源とチャンバとの間の流体連通を防止することと、を含む。
【0029】
さらに、本記述の好適な態様によると、活動状態から休止状態への上記複数のチャンバの各チャンバの状態の変化を決定するために流体の供給を制御するステップが、流体源とチャンバとの間の流体連通を開くことを含む。言い換えると、活動状態から休止状態への上記複数のチャンバの各チャンバの容積を変化させるために供給流体の供給を制御するステップが:結果としてチャンバ内に含まれる供給流体をタンクに戻すことになるように、流体源とチャンバとの間の流体連通を可能にすること、を含む。
【0030】
本記述の好適な態様によると、活動状態から休止状態への上記複数のチャンバの各チャンバの構成の変化を決定するために流体の供給を制御するステップが:第1の層及び/又は第2の層に圧力を加えること、をさらに含む。第1の層及び/又は第2の層に圧縮力を加えることにより、供給流体をチャンバからタンクに戻すのを促進することが可能となる。
【0031】
本記述の好適な態様によると、作動システムを提供することが、流体源を各チャンバに接続する少なくとも1つのチャンネルを提供することをさらに含む。流体源と複数のチャンバとの間の流体連通が、上記流体源を上記複数のチャンバに実際に接続するチャンネルを作ることによって達成される。
【0032】
本記述のこの好適な態様によると、本方法が、1つ又は複数のチャンネルにより、複数のチャンバの各々のチャンバを複数のチャンバの少なくとも1つの他のチャンバに接続することをさらに実現する。言い換えると、作動システムを提供することが、チャンバを相互接続する複数のチャンネルを提供することをさらに含み、その結果、各チャンバが少なくとも1つの他のチャンバに接続され、すなわち流体連通される。
【0033】
最後に、本記述の別の好適な態様によると、作動システムを提供することが、複数のチャンバから流体源までの流体の流れを阻止するように構成される遮断デバイスを提供することをさらに含む。より好適には、上記遮断デバイスが、流体源とチャンバとの間の流体連通を選択的に可能にするように構成される。
【0034】
非限定の例として提示される本記述の実施例の以下の詳細な説明から、本記述の対象の別の利点、特性、及び使用が明らかとなる。
【0035】
しかし、本記述の対象の各実施例が上記に列記される利点のうちの1つ又は複数の利点を有することができることは明らかである。しかし、いずれの場合も、各実施例が列記されるすべての利点を同時に有することが必要というわけではない。
【0036】
添付図面の図を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1】本記述によるソール及び履物を示す側断面図である。
図2】ソールの第1の層が第1の構成である、本記述によるソール及び履物を示す側断面図である。
図3】ソールの第1の層が第2の構成である、本記述によるソール及び履物を示す側断面図である。
図4】第2の層のチャンバが休止状態である、本記述によるソールの第2の層及び作動システムを示す側断面図である。
図5】第2の層のチャンバが休止状態である、本記述によるソールの第2の層及び作動システムを示す側面図である。
図6】本記述によるソール又は履物を示す底面図である。
図7】本記述によるソールを示す上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
添付図を参照すると、履物ソールの実施例が参照符号1により示されている。
【0039】
「履物ソール」とうい言い回しは、本記述の範囲内では、履物に付随するように、また具体的には、例えば履物のアッパーである頂部分に付随するように構成される要素を意味する。
【0040】
ソール1が、使用時に、歩行面に、又は使用者の歩行中に履物をその上に置いているところである地面に、接触することを意図される第1の層2又は下側層を有する。具体的には、上記第1の層2が、使用時に上記歩行面の方を向くように構成されるリーニング表面3を画定するか又は有する。本記述による履物ソール1が、上記第1の層2に結合される第2の層4をさらに有する。第2の層4が第1の層2と重なり合い、すなわち、第2の層4がリーニング表面3の反対側の第1の層2の表面に結合される。したがって、第1の層2が第2の層4の外側被覆物又は下側被覆物を表す。好適には、上記第1の層2及び上記第2の層4が、使用者のフット・ソールと実質的に同じ形状を有する成形要素である。
【0041】
ソール1が、第2の層4の中に含まれる複数のチャンバをさらに有する。言い換えると、チャンバ5が、第2の層4の中に実質的に中空の空間を表す。したがって、チャンバ5が第2の層4の中で包囲又は封入される。
【0042】
ソール1が作動システム6をさらに有し、作動システム6がさらに、供給流体を有して上記複数のチャンバ5に接続される流体源7をさらに有する。作動システム6が、複数のチャンバ5への供給流体の供給を調整又は制御するように、及び結果としてチャンバ5の状態を決定するように、構成される。具体的には、チャンバ5の状態が休止状態と活動状態との間で及びその逆で変化することができる。より具体的には、上記休止状態では、チャンバ5が第1の容積v1を有し、対して上記活動状態では、チャンバ5が第2の容積v2を有し、上記第2の容積v2が第1の容積v1より大きい。したがって、チャンバ5が、第1の容積v1を導入する上記休止状態と、第1の容積より大きい第2の容積v2を導入する上記活動状態との間で変形可能である。
【0043】
第1の層2が第2の層4に結合されることから、複数のチャンバによって導入又は占有される容積が第1の層2の構成を決定する。チャンバ5の休止状態が第1の層2の第1の構成を決定し、チャンバ5の活動状態が第1の層2の第2の構成を決定し、第1の層2の第2の構成では、リーニング表面3が各チャンバ5のところに隆起部をそれぞれ有する。したがって、第1の層2の上記第2の構成では、リーニング表面3が、第1の層2の第1の構成を基準とした複数の隆起部又は突出部を有するか又は形成する。より具体的には、第2の構成で、第1の層2のリーニング表面3が、上記複数のチャンバ5の各々のチャンバ5のところに突出部又は突起部又は隆起部を有する。結果として、リーニング表面3上の隆起部又は突出部の数が第2の層4内のチャンバ5の数に等しい。
【0044】
これにより、作動システム6が、休止状態と活動状態との間で上記複数のチャンバ5の状態を制御するように構成され、それにより、第1の構成と第2の構成との間でソール1の第1の層2の構成を修正する。より具体的には、作動システム6が、上記複数のチャンバ5の状態を制御するような、及びひいては第2の層4の構成を制御するような、傾向を有する。これに応じて、第2の層4に結合される第1の層2がその構成を変化させる。
【0045】
好適には、本記述の好適な態様によると、第1の層2の第1の構成では、リーニング表面3が実質的にフラットであり、すなわち隆起部又は突出部を有さない。
【0046】
本記述の別の好適な態様によると、作動システム6が、流体源7を各々のチャンバ5に接続する少なくとも1つのチャンネル8を有する。したがって、上記少なくとも1つのチャンネル8が、流体源7と複数のチャンバ5との流体連通を実現するための通路又は経路として機能する傾向を有する。少なくとも1つのチャンネル8を通して、流体源7からチャンバ5の中まで供給流体を流すことが可能となる。好適には、この好適な態様によると、ソール1が、チャンバ5をそれら間で接続する傾向を有する複数の副チャンネル8aを有する。より好適には、複数のチャンバの各々のチャンバ5が、1つ又は複数のチャンネル8により、少なくとも1つの別のチャンバ5に接続される。したがって、チャンバ5がそれらの間で相互接続され、流体連通される。
【0047】
好適には、流体源7が、タンク11、及び上記タンク11の内部で摺動することができるステム10を有する。したがって、タンク11が、気体流体又は液体流体であってよい供給流体を収容するための容器又はコレクタとして機能する。つまり、タンク11が供給流体を中に収容するように構成される。ステム10が、タンク11の内部でストローク開始位置とストローク終了位置との間で摺動又はシフトするように適合され、それにより、供給流体を収容することができるタンク11内部の余地を変化させる。したがって、ステム10が、タンク11の内部で第1の方向に摺動するように構成され、それにより、中に収容される供給流体に対して圧力を作用させる。ステム10がさらに、タンク11の中で第1の方向の反対の第2の方向に摺動するように構成され、それにより供給流体をタンク10の中へ戻すことが可能となる。ステム10の摺動が手動で行われ得るか又は電子的に制御され得る。言い換えると、ステム10が、電気的に、又は使用者により手動で、動作させられるように構成される。
【0048】
好適には、本記述による履物ソール1の作動システム6が、複数のチャンバ5から流体源7への供給流体の流れを阻止する傾向を有する遮断デバイス9をさらに有する。したがって、上記遮断デバイス9が、活動状態においてチャンバ5から流体源7まで供給用の流体が戻るのを防止するように構成される。遮断デバイス9が、例えば、上記チャンネル8を閉じるための、少なくとも1つのチャンネル8の上に配置される弁であってよい。遮断デバイス9が可逆的な作用を働かせ、言い換えると、解除されて又は開けられてチャンバ5から流体源7まで供給流体を流すのを可能にするようにも構成され得る。したがって、遮断デバイス9が、複数のチャンバ5と流体源7との間の流体連通を選択的に実現するように構成される。言い換えると、遮断デバイス9が、流体源7とチャンバ5との間の流体連通を可能とするか又は可能としないように構成される。例えば、遮断デバイス9が傘タイプの弁であってよい。別法として、遮断デバイス9がリップ弁又はグースネック弁であってよい。
【0049】
好適には、さらに、流体源7が、ソール1の端部領域又は周縁領域に添着される。したがって、流体源7が、ソールの端部領域又は端部分或は縁部に結合される。したがって、流体源7が好適にはソール1の端部領域に配置される。より好適には、流体源7が、ソール1の後方領域又は踵骨領域のところに配置される。
【0050】
好適には、各チャンバ5が、第1の層2に対して垂直な方向に膨張及び収縮するように構成される。第2の層4が第1の層2と重なり合うことから、各チャンバ5が軸方向に圧縮可能及び延伸可能となるように構成される。
【0051】
好適には、本記述の好適な態様によると、第2の層4が、各チャンバ5のところに、ベローズ構造を有する。この配置構成によると、チャンバ5が休止状態にあるとき、第2の層4が、チャンバ5のところに、第1の層2を基準として反対方向に延在することを意図される複数の内向きの折り目又はヒダ12を有する。言い換えると、休止状態において、折り目又はヒダ12が第1の層2から離れる方向に形成される。折り目又はヒダ12が、チャンバ5により休止状態を導入するのを可能にするために後退する傾向を有する。より好適には、上記折り目又はヒダ12が同心状である。つまり、折り目又はヒダ12が、一方の他の折り目又はヒダがもう一方の折り目又はヒダの中に配置される形で、同心状に構成される。さらに、折り目又はヒダ12が、チャンバ5により活動状態を導入するのを可能にするために展開するか又は広がる傾向を有する。ベローズ構造が、供給流体をチャンバ5の内部に供給するときすなわちチャンバ5が活動状態にあるとき、第2の層4の折り目又はヒダ12を第1の層2の方向に展開させるのを可能にする傾向を有する。折り目又はヒダ12が展開すると、折り目又はヒダ12が第1の層2を変形させてリーニング表面3上に隆起部又は突出部を形成する。さらに、チャンバ5から流体源7まで供給流体を流した後、すなわち上記チャンバ5が休止状態にあるとき、上記隆起部又は突出部が畳まれ、第1の層2が第1の構成を導入することが可能となる。
【0052】
さらに、本記述の別の好適な態様によると、ソール1が、使用時に使用者の足の裏を支持するように構成される、第2の層4に結合される第3の層13をさらに有する。
【0053】
好適には、上記第3の層13及び/又は上記第1の層2が、例えばゴムなどの、エラストマ材料で作られる。好適には、第2の層4が、弾性、及び流体の材料に対しての不浸透性を有するように作られる。
【0054】
最後に、これまでに説明した実施例のうちの1つの実施例によるソール1が履物100のアッパーに添着され得る。特に好適な態様によると、履物100が、履物100自体の後方領域又は踵領域に流体源7を有する。
【0055】
最後に、本記述が、履物ソール1のリーニング表面3の構成を修正するための方法に関連する。
【0056】
この方法、並びに、上で説明したソール1の要素又は部品と同じ機能及び同じ構造を有する、本方法に伴うソール1の要素及び部品は同じ参照符号を有し、再び詳細には説明されない。
【0057】
履物ソールのリーニング表面3の構成を修正するための方法が:
- 上記リーニング表面3を画定する、履物ソール1の第1の層2を提供するステップと;
- 複数のチャンバ5を有する、履物ソール1の第2の層4を提供するステップと;
- 第1の層2及び第2の層4を結合するステップと;
- 供給流体を有して上記複数のチャンバ5に接続される流体源7を有する作動システム6を提供するステップと;
- 流体源7から上記複数のチャンバ5への供給流体の供給を制御するステップであって、それにより、休止状態と活動状態との間での上記チャンバ5の容積の変化を決定する、制御するステップと
を含む。
【0058】
具体的には、上記休止状態において、チャンバ5が第1の容積v1を有し、第1の層2の第1の構成を決定し、上記活動状態において、チャンバ5が上記第1の容積v1より大きい第2の容積v2を有し、第1の層2の第2の構成を決定し、第1の層2の第2の構成では、接地表面(resting surface)3が、上記複数のチャンバ5の各々に対応する複数の隆起部を有するか又は形成する。
【0059】
具体的には、流体源7と複数のチャンバとの間の接続が流体連通接続である。
【0060】
したがって、本方法が、第2の層4のチャンバ5の容積の変化時に第1の層2のリーニング表面3の変形を誘発することを実現する。言い換えると、本方法によると、第2の層4、また具体的にはチャンバ5の状態に対して作用するリーニング表面3の変形を決定することが可能となる。
【0061】
本方法の好適な態様によると、作動システム6を提供するステップが、流体源7を各チャンバ5に接続する少なくとも1つのチャンネル8を提供することをさらに含む。チャンネル8が、流体源7とチャンバ5との間の流体的な接続を可能にする。より好適には、このステップが、1つ又は複数のチャンネル8により複数のチャンバの各々のチャンバ5を複数のチャンバの少なくとも1つの他のチャンバ5に接続することをさらに含む。したがって、チャンバ5がそれらの間で流体連通される。
【0062】
具体的には、本記述による方法の好適な態様によると、供給源7から上記複数のチャンバ5までの供給流体の供給の制御が、流体源7と上記複数のチャンバの各チャンバ5との間の流体連通を開く又は遮断することを含む。つまり、第2の層4の中のチャンバ5の容積の変化の制御が、チャンバ5と流体源7との間の流体連通を開く又は遮断することを介して行われる。
【0063】
本方法が、作動システム6を提供するステップの一部として、タンク11及び上記タンク11の内部で摺動可能であるステム10を有する流体源7を提供することをさらに実現することができる。言い換えると、好適には、タンク11及び上記タンク11の内部で摺動することができるステム10を流体源7に提供することを含むさらなるステップがさらに提供される。
【0064】
好適には、この好適な態様によると、各チャンバ5を休止状態から活動状態へ変化させるために、流体の供給を制御するステップが、流体源7とチャンバ5との間の流体連通を開くことと、結果として供給流体を複数のチャンバ5に到達させるためにタンク11の内部でステム10を摺動させることと、流体源7とチャンバ5との間の流体連通を遮断することと、を含む。つまり、ステム10をタンク11の中へ摺動させて流体源7と複数のチャンバ5との間の流体連通を可能にすることにより、流体源7の中に収容される供給流体が複数のチャンバ5に送られる。タンク11からの供給流体がチャンバ5の内部まで移動する。したがって、活動状態では、供給流体がチャンバ5の内部で受け取られる。したがって、流体連通が遮断されるか又は防止され、それにより、供給流体が複数のチャンバからタンク11に戻ることが防止される。
【0065】
好適には、本方法が、作動システム6を提供することに、複数のチャンバ5から流体源7まで流体を流すのを阻止するように構成される遮断デバイス9を提供することをさらに含ませるのを実現する。
【0066】
したがって、より具体的には、この事例では、各チャンバ5の状態を休止状態から活動状態へ変化させるために、本方法が、得られる遮断デバイス9により、複数のチャンバ5及び流体源7のタンク11を接続する少なくとも1つのチャンネル8が妨害又は遮断されないようにし、ステム10をストローク開始位置からストローク終了位置まで摺動させてタンク11から上記少なくとも1つのチャンネル8を通してチャンバ5に供給用の流体を送り、次いで、タンク11の内部に供給流体を戻すのを防止するために上記少なくとも1つのチャンネル8を遮断又は妨害する、ことを実現する。
【0067】
さらに、チャンバ5の状態を活動状態から休止状態へ変化させるために、供給流体の供給を制御するステップが、流体源7とチャンバ5との間の流体連通を開くことを含むことができる。こうすることで、チャンバ5の中に収容される供給流体がタンク11に戻される。好適には、各チャンバ5の状態を活動状態から休止状態へ変化させるために、供給流体の供給を制御するステップが、第1の層2及び/又は第2の層4に対して圧力を加えることをさらに含む。このように圧力を加えることが、例えば使用者の歩行中に行われ得る。第1の層2及び第2の層4にかかる使用者の重量が、活動状態から休止状態へのチャンバ5の構成の変化を決定する。
【0068】
より具体的には、各チャンバ5の状態を活動状態から休止状態へ変化させるために、供給流体の供給を制御する方法ステップが、複数のチャンバ5と流体源7のタンク11との間の流体連通を可能にするために、得られる遮断デバイス9を開けるか又は無効にすることを含むことができる。
【0069】
本記述の対象の実施例を参照して本記述の対象を説明してきた。本発明の同じ核心に関係する他の実施例も存在し得、これらの他の実施例のすべてが以下に記載される特許請求の範囲の保護範囲に含まれる、ことを理解されたい。
【0070】
本明細書で説明されて示される実施例に対しての任意の変化形態又は追加形態が当業者によって作られ得、これらの変化形態又は追加形態が以下の特許請求の範囲内に留まる。具体的には、別の実施例が、個別の形で、又は任意の相互交換可能な組み合わせの形で、本文で説明されるか又は図面に示される1つ又は複数の技術的特性を追加して、以下のクレームのうちの1つのクレームの技術的特性を有することができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【手続補正書】
【提出日】2021-11-30
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
履物ソール(1)であって、
- 使用時に歩行面の方を向くように構成されたリーニング表面(3)を画定する第1の層(2)と、
- 前記第1の層(2)に結合され、且つ複数のチャンバ(5)を有する第2の層(4)と、
- 供給流体を有し且つ前記複数のチャンバ(5)に接続された流体源(7)を有する作動システム(6)と
を有し、
前記作動システム(6)は、休止状態と活動状態との間で、及びその逆で、前記複数のチャンバ(5)への前記供給流体の供給を制御するように構成され、
前記休止状態において、前記チャンバ(5)は第1の容積(v1)を有し、且つ前記第1の層(2)の第1の構成を決定する傾向があり、
前記活動状態において、前記チャンバ(5)は前記第1の容積(v1)より大きい第2の容積(v2)を有し、且つ前記第1の層(2)の第2の構成を決定する傾向があり、このとき、前記リーニング表面(3)は、前記複数のチャンバ(5)のそれぞれのところに複数の隆起部を有し又は形成する、履物ソール(1)。
【請求項2】
前記第1の層(2)の前記第1の構成において、前記リーニング表面(3)は実質的にフラットである、請求項1に記載の履物ソール(1)。
【請求項3】
前記作動システム(6)は、前記流体源(7)を各チャンバ(5)に接続する少なくとも1つのチャンネル(8)を有する、請求項1又は2に記載の履物ソール(1)。
【請求項4】
前記複数のチャンバの各々の前記チャンバ(5)が、1つ又は複数のチャンネル(8)により前記複数のチャンバの少なくとも1つの別のチャンバ(5)に接続される、請求項3に記載の履物ソール(1)。
【請求項5】
前記作動システム(6)は、前記複数のチャンバ(5)から前記流体源(7)への前記流体の流れを対比するように構成された遮断デバイス(9)を有する、請求項に記載の履物ソール(1)。
【請求項6】
前記作動システム(6)は、前記複数のチャンバ(5)から前記流体源(7)への前記流体の流れを対比するように構成された遮断デバイス(9)を有する、請求項2に記載の履物ソール(1)。
【請求項7】
前記作動システム(6)は、前記複数のチャンバ(5)から前記流体源(7)への前記流体の流れを対比するように構成された遮断デバイス(9)を有する、請求項3に記載の履物ソール(1)。
【請求項8】
前記作動システム(6)は、前記複数のチャンバ(5)から前記流体源(7)への前記流体の流れを対比するように構成された遮断デバイス(9)を有する、請求項4に記載の履物ソール(1)。
【請求項9】
前記流体源(7)は、タンク(11)と、前記タンク(11)の内部で摺動することができるステム(10)とを有する、請求項1又は5に記載の履物ソール(1)。
【請求項10】
前記タンク(7)は前記供給流体を収容するように構成され、前記ステム(10)は、前記タンク(11)に収容された前記供給流体に対して圧力を作用させるために前記タンク(11)内部で第1の方向に摺動するように構成され、且つ前記供給流体を前記タンク(11)の内部に戻すのを可能にするために前記タンク(11)内で前記第1の方向と反対の第2の方向に摺動するように構成される、請求項に記載の履物ソール(1)。
【請求項11】
前記ステム(10)は、電気的に又は使用者により手動で動作させられるように構成される、請求項10に記載の履物ソール(1)。
【請求項12】
前記第2の層(4)は各チャンバ(5)のところにベローズ構造を有し、それにより、前記チャンバ(5)が前記休止状態にあるとき、前記第2の層(2)は前記チャンバ(5)のところに複数の内向きの折り目又はヒダ(12)を有する、請求項1又は5に記載の履物ソール(1)。
【請求項13】
前記折り目又はヒダ(12)は、前記チャンバ(5)が前記休止構成を採用できるように引っ込む傾向があり、又は前記チャンバ(5)が前記活動構成を採用できるように展開する又は広がる傾向がある、請求項12に記載の履物ソール(1)。
【請求項14】
前記折り目又はヒダ(12)は同心状である、請求項12に記載の履物ソール(1)。
【請求項15】
前記折り目又はヒダ(12)は同心状である、請求項13に記載の履物ソール(1)。
【請求項16】
履物のためのソール(1)のリーニング表面(3)の構成を修正するための方法であって、前記リーニング表面(3)は、使用時に歩行面の方を向くように構成され、また方法は、
- 前記リーニング表面(3)を画定する、履物ソール(1)の第1の層(2)を提供するステップと、
- 複数のチャンバ(5)を有する、履物ソール(1)の第2の層(4)を提供するステップと、
- 前記第1の層(2)及び前記第2の層(4)を結合するステップと、
- 供給流体を有し且つ前記複数のチャンバ(5)に接続された流体源(7)を有する作動システム(6)を提供するステップと、
- 前記流体源(7)から前記複数のチャンバ(5)への前記供給流体の供給を制御するステップであって、それにより休止状態と活動状態との間での前記チャンバ(5)の容積の変化を決定する、ステップと
を含み、
前記休止状態において、前記チャンバ(5)は第1の容積(v1)を有し、且つ前記第1の層(2)の第1の構成を決定し、
前記活動状態において、前記チャンバ(5)は、前記第1の容積(v1)より大きい第2の容積(v2)を有し、且つ前記第1の層(2)の第2の構成を決定し、このとき前記リーニング表面(3)は前記複数のチャンバ(5)の各々のチャンバのところに複数の隆起部を有し又は形成する、方法。
【請求項17】
前記流体源(7)から前記複数のチャンバ(5)までの前記供給流体の供給の制御が、前記流体源(7)と前記複数のチャンバの各チャンバ(5)との間の流体連通を開く又は遮るステップを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記作動システム(6)を提供するステップが、タンク(11)と、前記タンク(11)の内部で摺動することができるステム(10)とを有する前記流体源(7)を提供するステップを含む、請求項16又は17に記載の方法。
【請求項19】
休止状態から活動状態へ前記複数のチャンバ(5)の各チャンバ(5)の容積の変化を決定するように前記流体の供給を制御するステップが、
- 前記流体源(7)と前記チャンバ(5)との間の流体連通を開くステップと、
- 前記流体が前記複数のチャンバ(5)に到達するように、前記タンク(11)の内部で前記ステム(10)を摺動させるステップと、
- 前記流体源(7)と前記チャンバ(5)との間の流体連通を遮るステップと
を含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
活動状態から休止状態へ前記複数のチャンバの各チャンバ(5)の状態の変化を決定するように前記流体の供給を制御するステップが、前記流体源(7)と前記チャンバ(5)との間の流体連通を開くステップを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項21】
前記作動システム(6)を提供するステップが、前記複数のチャンバ(5)から前記流体源(7)への流体の流れを対比させるように構成された遮断デバイス(9)を提供するステップをさらに含む、請求項18に記載の方法。
【国際調査報告】