IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ストピンスキ ウォイシエクの特許一覧 ▶ ガジョス-ストピンスカ ポーリーナの特許一覧

<>
  • 特表-携帯型データ積層ホルダー 図1
  • 特表-携帯型データ積層ホルダー 図2
  • 特表-携帯型データ積層ホルダー 図3A
  • 特表-携帯型データ積層ホルダー 図3B
  • 特表-携帯型データ積層ホルダー 図4
  • 特表-携帯型データ積層ホルダー 図5
  • 特表-携帯型データ積層ホルダー 図6A
  • 特表-携帯型データ積層ホルダー 図6B
  • 特表-携帯型データ積層ホルダー 図6C
  • 特表-携帯型データ積層ホルダー 図7
  • 特表-携帯型データ積層ホルダー 図8A
  • 特表-携帯型データ積層ホルダー 図8B
  • 特表-携帯型データ積層ホルダー 図8C
  • 特表-携帯型データ積層ホルダー 図9
  • 特表-携帯型データ積層ホルダー 図10
  • 特表-携帯型データ積層ホルダー 図11
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-10
(54)【発明の名称】携帯型データ積層ホルダー
(51)【国際特許分類】
   G06F 21/45 20130101AFI20220603BHJP
【FI】
G06F21/45
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021560583
(86)(22)【出願日】2020-04-02
(85)【翻訳文提出日】2021-09-29
(86)【国際出願番号】 EP2020059471
(87)【国際公開番号】W WO2020201466
(87)【国際公開日】2020-10-08
(31)【優先権主張番号】1904692.9
(32)【優先日】2019-04-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521440862
【氏名又は名称】ストピンスキ ウォイシエク
(71)【出願人】
【識別番号】521440873
【氏名又は名称】ガジョス-ストピンスカ ポーリーナ
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【弁理士】
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【弁理士】
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100185269
【弁理士】
【氏名又は名称】小菅 一弘
(72)【発明者】
【氏名】ストピンスキ ウォイシエク
(72)【発明者】
【氏名】ガジョス-ストピンスカ ポーリーナ
(57)【要約】
データ記録装置は、複数のタイルであって、面に文字がマークされた複数のタイルを含む。細長いコアは、タイルのマークされた面が整列した状態で、各タイルのスロットがコアの開放可能な端部に収まり、タイルをコアに取り付け可能に、タイルがコアに沿ってスライド可能に構成される。コアの長さが十分であることで、取り付けられた積層のタイルが積層の他のタイルから離れてスライド可能であり、タイルの文字を読み取るのに十分な隙間を形成する。ロック要素は、開放可能な端部に配置可能であり、積層からタイルが外れることを防止し、タイルを追加可能にする、又はタイルを取り外し可能にするために取り外し可能である。ケーシングは、コアの上で閉鎖可能であり、ケーシングが閉じられたときにタイルがスライドすることを制限する制限構造を含む。
【選択図】図3A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のタイルであって、各タイルの面には文字のセットの文字がマークされており、各タイルはスロットを含む、複数のタイルと、
細長いコアであって、コアの断面は、タイルのマークされた面が前記コアに取り付けられた隣り合うタイルの面と整列した状態で、前記各タイルのスロットが前記コアの開放可能な端部に収まり、タイルをコアに取り付け可能に構成され、且つ、前記タイルが前記コアに沿ってスライド可能に構成され、前記コアの長さが十分であることで、所定の最大数の前記タイルの積層が前記コアに取り付けられたときに、前記積層のいくつかのタイルが前記積層の他のタイルから離れてスライド可能であり、タイルにマークされた前記文字を読み取るのに十分な長さの隙間を形成する、細長いコアと、
ロック要素であって、前記開放可能な端部に配置可能であり、前記積層から前記複数のタイルのタイルが外れることを防止し、前記開放可能な端部から取り外し可能であり、前記積層に前記複数のタイルのタイルを追加可能にする、又は前記積層から前記複数のタイルのタイルを取り外し可能にするロック要素と、
ケーシングであって、前記コアの上で閉鎖可能であり、前記ケーシングが前記コアの上で閉じられたときに前記コアに沿って前記タイルがスライドすることを制限する制限構造を含むケーシングと、を備えるデータ記録装置。
【請求項2】
前記文字が前記タイルの前記面に消えないようにマークされいる請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記文字が前記タイルの前記面に刻まれている請求項2に記載の装置。
【請求項4】
各タイルの前記スロット及び前記コアの断面が非円形である請求項1~3のいずれかに記載の装置。
【請求項5】
前記コアは、単一のバーを含む請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記コアは、複数の突起を含む請求項4に記載の装置。
【請求項7】
前記複数のタイルの各タイルは、前記複数の突起の異なる突起に前記タイルの異なる積層を取り付け可能な形状である請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記コアは2つの突起を含み、各タイルは実質的に半円形である請求項7に記載の装置。
【請求項9】
各タイルの前記スロットは、そのタイルの前記面の中央に位置する請求項1~8のいずれかに記載の装置。
【請求項10】
各タイルの前記スロットは、そのタイルの前記面に偏心して位置する請求項1~9のいずれかに記載の装置。
【請求項11】
開放可能な端部の反対側にある前記コアの一端は、前記タイルが該一端から滑り落ちることを防ぐために拡幅している請求項1~10のいずれかに記載の装置。
【請求項12】
前記ロック要素は、前記開放可能な端部が挿入可能なキャップを含む請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記開放可能な端部は、切り欠きを含む請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記キャップは、穴を含み、前記切り欠きが前記穴と整列するように前記開放可能な端部が前記キャップに挿入されたときに、前記コアを前記キャップに保持するための前記穴にネジが挿入可能である請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記ロック要素は、端部ロックを含み、前記端部ロックのスロットは、前記開放可能な端部に配置可能であり、前記開放可能な端部から取り外し可能である端部ロックを含む請求項1~14のいずれかに記載の装置。
【請求項16】
前記開放可能な端部は、スロット付きロックを配置可能なスリットを含む請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記制限構造は、狭窄部を含む請求項1~16のいずれかに記載の装置。
【請求項18】
前記制限構造は、バネを含む請求項1~17のいずれかに記載の装置。
【請求項19】
前記コアは、マークを含む請求項1~18のいずれかに記載の装置。
【請求項20】
前記文字は、英数字、絵文字、記号、句読点及び発音区別符号からなるマークの種類の群から選択される少なくとも1つのマークを含む請求項1~19のいずれかに記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データのセキュリティに関するものである。より詳細には、本発明は、データ積層の携帯型ホルダーに関する。
【背景技術】
【0002】
様々な装置やアプリケーションのユーザ、特に暗号通貨のユーザは、時には、情報へのアクセスを提供して情報を確認又は操作するために、パスワード、セキュリティシードフレーズ、又は他の文字又は記号の列の形で、機密データを参照することを要求される。機密データを適時に提供できないことや、権限のない者や機器が機密データにアクセスすることは、ユーザに金銭的な損害や他の損害を生じさせる可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
多くの場合、機密データの長さや、1人のユーザに関連する機密データのセットの数によっては、ユーザはそれらを確実に記憶することや、必要なときに機密データを呼び出せないことがある。一方、後で呼び出すためにデータを記録する場合、データの記録が紛失、破壊、不正アクセスの対象となる可能性がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
したがって、本発明の一実施形態に従って、複数のタイルであって、各タイルの面には文字のセットの文字がマークされており、各タイルはスロットを含む、複数のタイルと、細長いコアであって、コアの断面は、タイルのマークされた面が前記コアに取り付けられた隣り合うタイルの面と整列した状態で、前記各タイルのスロットが前記コアの開放可能な端部に収まり、タイルをコアに取り付け可能に構成され、且つ、前記タイルが前記コアに沿ってスライド可能に構成され、前記コアの長さが十分であることで、所定の最大数の前記タイルの積層が前記コアに取り付けられたときに、前記積層のいくつかのタイルが前記積層の他のタイルから離れてスライド可能であり、タイルにマークされた前記文字を読み取るのに十分な長さの隙間を形成する、細長いコアと、ロック要素であって、前記開放可能な端部に配置可能であり、前記積層から前記複数のタイルのタイルが外れることを防止し、前記開放可能な端部から取り外し可能であり、前記積層に前記複数のタイルのタイルを追加可能にする、又は前記積層から前記複数のタイルのタイルを取り外し可能にするロック要素と、ケーシングであって、前記コアの上で閉鎖可能であり、前記ケーシングが前記コアの上で閉じられたときに前記コアに沿って前記タイルがスライドすることを制限する制限構造を含むケーシングと、を備えるデータ記録装置が提供される。
【0005】
さらに、本発明の一実施形態によれば、前記文字が前記タイルの前記面に消えないようにマークされいる。
【0006】
さらに、本発明の一実施形態によれば、前記文字が前記タイルの前記面に刻まれている。
【0007】
さらに、本発明の一実施形態によれば、各タイルの前記スロット及び前記コアの断面が非円形である。
【0008】
さらに、本発明の一実施形態によれば、前記コアは、単一のバーを含む。
【0009】
さらに、本発明の一実施形態によれば、前記コアは、複数の突起を含む。
【0010】
さらに、本発明の一実施形態によれば、前記複数のタイルの各タイルは、前記複数の突起の異なる突起に前記タイルの異なる積層を取り付け可能な形状である。
【0011】
さらに、本発明の一実施形態によれば、前記コアは2つの突起を含み、各タイルは実質的に半円形である。
【0012】
さらに、本発明の一実施形態によれば、各タイルの前記スロットは、そのタイルの前記面の中央に位置する。
【0013】
さらに、本発明の一実施形態によれば、各タイルの前記スロットは、そのタイルの前記面に偏心して位置する。
【0014】
さらに、本発明の一実施形態によれば、開放可能な端部の反対側にある前記コアの一端は、前記タイルが該一端から滑り落ちることを防ぐために拡幅している。
【0015】
さらに、本発明の一実施形態によれば、前記ロック要素は、前記開放可能な端部が挿入可能なキャップを含む。
【0016】
さらに、本発明の一実施形態によれば、前記開放可能な端部は、切り欠きを含む。
【0017】
さらに、本発明の一実施形態によれば、前記キャップは、穴を含み、前記切り欠きが前記穴と整列するように前記開放可能な端部が前記キャップに挿入されたときに、前記コアを前記キャップに保持するための前記穴にネジが挿入可能である。
【0018】
さらに、本発明の一実施形態によれば、前記ロック要素は、端部ロックを含み、前記端部ロックのスロットは、前記開放可能な端部に配置可能であり、前記開放可能な端部から取り外し可能である端部ロックを含む。
【0019】
さらに、本発明の一実施形態によれば、前記開放可能な端部は、スロット付きロックを配置可能なスリットを含む。
【0020】
さらに、本発明の一実施形態によれば、前記制限構造は、狭窄部を含む。
【0021】
さらに、本発明の一実施形態によれば、前記制限構造は、バネを含む。
【0022】
さらに、本発明の一実施形態によれば、前記コアは、マークを含む。
【0023】
さらに、本発明の一実施形態によれば、前記文字は、英数字、絵文字、記号、句読点及び発音区別符号からなるマークの種類の群から選択される少なくとも1つのマークを含む。
【図面の簡単な説明】
【0024】
本発明をよりよく理解し、その実用的な応用を理解するために、以下の図を提供し、参照する。図はあくまでも例示であり、決して本発明の範囲を限定するものではないことに留意すべきである。同様の構成は、同様の参照数字で示されている。
【0025】
図1】携帯型データ積層ホルダーの一例を模式的に示す。
図2】開いたときの図1の携帯型データ積層ホルダーを模式的に示す。
図3A】開いたときの携帯型データ積層ホルダーの代替例を模式的に示す。
図3B図3Aに示す携帯型データ積層ホルダーの概略断面図である。
図4図1に示す携帯型データ積層ホルダーのケーシングの概略断面図である。
図5】携帯型データ積層ホルダーのケーシングがバネを含む例を示す概略断面図である。
図6A】携帯型データ積層ホルダーの文字タイルの一例を模式的に示す。
図6B】文字タイルの別の例を模式的に示す。
図6C】携帯型データ積層ホルダーの文字タイルの面の代替形状の例を模式的に示す。
図7】携帯型データ積層ホルダーの文字タイルのスロットの代替形状の例を模式的に示す。
図8A】携帯型データ積層ホルダーの積層コアの一例を模式的に示し、コアは2つの突起を有する。
図8B】携帯型データ積層ホルダーの積層コアの変形例を模式的に示し、コアは3つの突起を有する。
図8C】マークを含む積層コアを模式的に示す。
図9】互いに接続するように構成された携帯型データ積層ホルダーの例を模式的に示す。
図10】2つの積層を収容するように構成された携帯型データ積層ホルダーのケーシングの一例を模式的に示す。
図11】複数の突起に異なる積層を保持するように構成された携帯型データ積層ホルダーの一例を模式的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下の詳細な説明では、本発明を十分に理解するために、多数の具体的な内容を記載している。しかし、当業者であれば、これらの具体的な内容がなくても本発明を実施することができることは理解できる。他の例では、よく知られている方法、手順、構成、モジュール、ユニット、及び/又は回路は、本発明が不明瞭にならないように詳細に説明しない。
【0027】
本発明の実施形態はこの点では限定されないが、本明細書で使用される「複数(plurality)」及び「複数(a plurality)」という用語は、例えば、「複数(multiple)」又は「2つ以上」を含むことができる。本明細書では、「複数(plurality)」及び「複数(a plurality)」という用語は、2つ以上の構成、装置、要素、ユニット、パラメータなどを説明するために使用されることがある。明示的に述べられていない限り、本明細書に記載されている方法の実施形態は、特定の順序や順番に拘束されるものではない。さらに、説明した方法の実施形態又はその要素のいくつかは、同時に、同じ時点で、又は同時進行で発生又は実行することができる。特に示さない限り、本明細書で使用される接続詞「又は」は、包括的なもの(記載された選択肢のいずれか又はすべて)として理解される。
【0028】
本発明の一実施形態によれば、携帯型データ積層ホルダーは、文字列を表すタイルの積層を保持するように構成されている。典型的に、文字列は、パスワード、秘密鍵、セキュリティシードフレーズ、又は、少なくともいくつかの状況下において、システムや装置へアクセスすること、又はデータを呼び出すことに必要な他のデータなどの機密データを表す。本明細書では、文字には、1つ以上の英数字、絵文字、記号、句読点、発音区別符号、又はデータを表すために配置される他のタイプのマークが含まれる。いくつかの場合には、文字は、2種類以上のそのようなマークの1つ又は複数のマークの組み合わせを含んでいてもよい。文字のセットは、異なる集団(例えば、異なる言語の話者や読者、他の異なる集団)に合わせて選択することができる。
【0029】
各タイルは、少なくとも1つの面を含み、その面には、文字のセットから1つ以上の文字が、典型的には消えないようにマークされている。例えば、文字をタイルに刻み、蒸着し、他の方法で消えないようにマークしてもよい。本明細書では、消えないマークとは、タイルを破壊し、又はタイルを研磨してタイル自体から材料を取り除かないと消せないマークを指す(例えば、タイルの面に塗布された塗料や着色料の層だけを取り除くのとは異なる)。いくつかの場合には、各タイルは薄くてもよい(代表的な横方向の寸法、例えば直径や幅の10分の1以下の厚さを持つ)。他の場合には、タイルはかなりの厚さを有してもよい。いくつかの場合には、タイルが平らになってもよい。他の場合には、タイルは、(例えば、積層内のタイルの入れ子(nesting)を可能にするために、実質的に同一の輪郭を持つ)湾曲した又は曲がった面を有していてもよく、又は他の形状であってもよい。
【0030】
タイルは通常、本明細書に記載されているような機密データの保存に使用されても曲がらないような、硬くて耐久性のある素材で構成されている。例えば、タイルは、金属、硬質プラスチック、セラミック、ガラス、石、木など、通常の使用では曲がったり崩壊したりすることが予想されない素材で構成されていてもよい。
【0031】
刻印されたタイルは、細長いコアに順番に取り付けられ、例えば、すべての文字が共通の方向を向いている。例えば、各刻印されたタイルは、細長いコアの上に嵌合し、タイルがコアに沿ってスライドできるように構成されたスロット又は開口部を有していてもよい。ユーザは、積層の各タイルに刻まれた文字を読み取ることで、機密データにアクセスしてもよい。コアは十分に長く、積層の一端の露出したタイルを読み取った後、積層の次のタイルが露出するように、読み取られたタイルはコアに沿ってスライドしてもよい。ユーザは、積層内のすべてのタイルが読み込まれるまで、積層のタイルの読み取りとスライドを続けてもよい。ユーザがタイルを読んだり並べたりしていないとき、コアと積層は、保護ケースの中に閉じられてもよい。
【0032】
いくつかの場合には、コアの非円形(noncircular)の断面形状及びタイル上のスロットの対応する非円形の形状は、コアについてのタイルの望ましくない回転を防止してもよい。回転が防止されている場合、1つのタイルの文字が直立して見えるようにコアが配向されていれば、すべてのタイルの文字は直立して見える。このように、積層を読み取るために、ユーザは、単に積層の各タイルをコアに沿ってスライドすることで、積層の各タイルを連続して読み取ってもよい。
【0033】
各タイルのスロットは、中央から外れた位置に位置してもよい。中央から外れた位置は、スロットが中央にあるときよりも、文字のために多くの利用可能なスペースを提供してもよい。利用可能なスペースを大きくすることで、スロットの中央で可能となる場合よりも、大きく、より見やすい文字を刻印することができる。いくつかの場合には、円形の断面を持つコアに非中心円形スロットを設けることで、コアに沿ってタイルをスライドさせる代わりに、あるいはそれに加えて、コアに対してタイルを回転させることで各タイルを見ることが可能になってもよい。
【0034】
いくつかの場合には、スロット形状は、タイルの製造方法によって決定されてもよい。例えば、スロットは、特定の種類の機械や製造設備による製造を容易にするような形状にされてもよい。
【0035】
細長いコアの各端部は、タイルがコアの端部から誤って滑り、又は落ちることを防ぐための保持構造を含む。コアの一方又は両方の端において、ロック構造は、コアへのタイルの取り付け、又はコアからのタイルの意図的な取り外しを可能にする、取り外し可能なロック構造である。また、ロック構造が偶発的又は非意図的に外れることを防ぐために、例えばネジ又は他の構造のロック構造が適用されてもよい。
【0036】
例えば、コアの一端の保持構造は、その端部でディスクがコアから滑り落ちることを防ぐために、コアの拡幅部を含んでもよい。コアの反対側の端部は、取り外し可能なキャップの形をしたロック構造を取り付けることができるように構成されている。例えば、キャップを取り付けるための端部は、ロックネジを挿入するための穴や切り欠きを含んでもよい。キャップがコアから取り外されるとき、タイルがコアのその端に取り付けられ、又はその端から取り外されてもよい。キャップをコアに装着するとき、ロックネジ、ピン、又は他のロック機構がキャップの穴に挿入されて、コアの端にある穴や切り欠きを通過してもよい。ネジの回転と締め付けにより、ネジのネジ山がキャップの穴のネジ山とかみ合って、ネジがその場に保持されてもよい。例えば、専用のドライバーやレンチ(例えば、六角レンチや六角ドライバー)を使用しないと、ネジを取り外せなくてもよい。
【0037】
別の例では、コアの一端は(例えば、ユーザが容易に取り外すことができないように設計された)キャップに取り付けられていてもよく、一方、反対側の端部のロック構造は、コアからロックナットを取り外すことを可能にするために開いた方向に回転し、コアからロックナット、ひいてはタイルを取り外すことを防止するために閉じた方向(例えば、開いた方向に対して90°)に回転可能なロックナットを含んでいてもよい。
【0038】
全ての刻印されたタイルが細長いコアに取り付けられ、キャップが所定の位置にロックされたとき、積層アセンブリはケーシングに挿入されてもよい。例えば、キャップの雄ネジをケーシングの雌ネジにねじ込んで、積層アセンブリをケーシング内に固定することができる。
【0039】
ケーシングは、ケーシング内に置かれたときにコアに沿ってタイルがスライドすることを制限するための制限構造を含む。例えば、制限構造は、タイルがスライドすることを防ぐために通過する内部の肩部又は狭窄部を含んでもよい。狭窄部は、積層が最大許容数のタイルで構成されているときに、すべてのスライドが防止されるように配置されてもよい。代替的又は追加的に、制限構造は、タイルの数が最大値よりも少ない場合にもスライドを防止するためにタイルに押し付けることができるバネを含んでもよい。
【0040】
本明細書に記載されているような携帯型データ積層ホルダーの使用は、機密データを保管する他の方法よりも有利なことがある。コアへのタイルの積層(stacking)は、外部の者が介入したり、手伝ったりすることなく、個人で行うことができる。典型的に、データを保存したり読み出したりするための専用のツールや機器は必要ない。携帯型データ積層ホルダーのタイルや他の構成要素は、様々な条件(例えば、気象条件や環境条件、様々な種類の液体への浸漬、熱や火、光や他の照射への暴露、電気ショックや磁場への暴露、落下や衝撃、摩擦、又は紙、電磁、電子、他のデータ記録(strage)を破壊する可能性のある他の条件)の下で、破壊や破損に対して耐久性がある。携帯型データ積層ホルダーは、その重さと大きさのため、紙やフラッシュドライブよりも置き忘れが少ないことがある。データタイルは、一度に1枚しか見えないように重ねて配置されているため、コアとタイルが露出した状態で撮影するだけでは、文字列全体をコピーすることはできない。コンピュータ、スマートフォン、他のデータ記録、データ通信又はデータ演算装置や、それらの装置と通信しているネットワークへの不正なアクセスを介して、データにアクセスすることはできない。(一部のパスワード保管サービスのように)データを第三者に預ける必要はない。
【0041】
図1は、携帯型データ積層ホルダーの一例を模式的に示す。
【0042】
携帯型データ積層ホルダー10は、複数の文字タイル14を積層コア12に格納できるように構成されている。文字タイル14は、積層コア12のタイル積層20に配置されている。文字タイル14は、文字タイル14の面40が互いに整列するように、タイル積層20内で配向される。そのため、隣り合う2つの文字タイル14を互いに接するようにスライドさせると、一方の文字タイル14の面40の文字44が、隣り合う文字タイル14に覆われることがある。図示の例では、タイル積層20の遠位部20b(例えば、図示の例では、積層コア12のキャップ16の遠位部)が、タイル積層20の近位部20aから離れてスライドされ、遠位部20bと近位部20aとの間に隙間21を形成している。積層コア12は、遠位部20bと近位部20aとの間の隙間21内に露出している。積層コア12の長さは、積層20が所定の最大数(例えば、100又は別の最大数)の文字タイル14を含むときに、積層20の一部が別の部分(例えば、近位部20aから遠位部20b)から離れてスライドされて、ユーザが隙間21に隣り合う文字タイル14上の露出した文字44を読むことができるように十分な長さの隙間21を形成することができるように十分である。例えば、隙間21の最小の長さは、少なくとも1cmとなるように設計されてもよい。
【0043】
便宜上及び明確にするために、多くの場合、ユーザがキャップ16を把持することによって積層コア12を保持して取り扱うことが想定されるので、本明細書では、キャップ16に最も近い積層コア12の端部を近位端(proximal end)と呼ぶことにする。同様に、本明細書では、キャップ16から最も離れている積層コア12の端を遠位端(distal end)と呼ぶ。
【0044】
積層コア12は、剛性と耐久性のある材料で構成された単一の細長いバー又はロッドの形態である。積層コア12の断面の形状は、典型的には非円形であってもよい(しかし、いくつかの例では円形であってもよい)。積層コア12の材料とデザインは、粉砕、ねじれ、又は曲げ、反り、腐食、溶融、又は積層コア12の形状や構造的完全性に対する他の変化に対して耐性があるように選択されてもよい。例えば、適切な材料としては、積層コア12に所定の十分な剛性及び耐久性を与えるように十分な厚さ(例えば、1ミリメートル以上)を有するステンレス鋼、真鍮、又は他の適切な金属又は非金属の材料が挙げられる。積層コア12は、所定の最大数(例えば、100個、又は他の数)の文字タイル14と、2つの積層タイルの間の隙間を収容するように十分に長く、一方で、例えばポケットや財布に入れて容易に持ち運べるように十分に短くても(例えば、10cm未満でも)よい。
【0045】
各文字タイル14は、2つの対向する面(例えば、7mm~2cmの範囲で1cmのオーダーの直径又は他の代表的な横方向の寸法を有する)を有する薄さ(例えば、1mm未満、例えば、約0.5mm)のプレートの形態である。各文字タイル14は、通常の使用時(例えば、積層コア12への取り付け、積層コア12からの取り外し、積層コア12に沿ったスライド)にその形状を維持できるように、十分な剛性と耐久性を備えた材料で形成されている。文字タイル14は、積層コア12の上に嵌合するように構成された少なくとも1つのスロット42を含む。スロット42の形状及び寸法は、携帯型データ積層ホルダー10のユーザによる積層コア12に沿った各文字タイル14のスライドを妨げないように選択されてもよい。図示の例のように、積層コア12の断面及びスロット42の形態は、積層コア12に対して文字タイル14の不要な回転を妨げるように選択されてもよい(例えば、非円形)。図示の例では、スロット42は文字タイル14の中央に位置し、積層コア12はキャップ16の中央から延びている。
【0046】
図示の例では、文字タイル14は細長い湾曲した形状を有し、ケーシング18の断面形状は円形である。他の例では、文字タイル14及びケーシング18は、他の形状(例えば、円形、長方形、多角形、楕円形、不規則な形状、又は他の形状)を有していてもよい。
【0047】
各文字タイル14の少なくとも1つの面に、文字44が(例えば、刻印、電気メッキ、機械加工、細工(inlay)などによって)消えないようにマークされている。いくつかの例では、文字44の形態は、例えば、文字44の触覚的認識を可能にするために、文字タイル14の面の残りの部分に対して盛り上がったり、窪んだりしてもよい。マークは、様々な照明条件の下で文字44の視覚的認識を容易にするように、文字タイル14の面の残りの部分に対する文字44の色又は質感を変更してもよい。いくつかの例では、着色された文字44は、別の触覚マーク(例えば、点字文字)を伴っていてもよい。いくつかの例では、各文字タイル14は、文字タイル14の反対側の面に異なる文字でマークされてもよい。
【0048】
図示の例では、文字タイル14は、タイル積層20の遠位部20bから近位部20aまでの隙間21を越えて、積層コア12に沿って一度に1つずつスライドさせてもよい。各文字タイル14が遠位部20bから近位部20aにスライドされると、その文字タイル14の文字44が見えるようになり、読むことができる(又は感じることができる)。したがって、文字タイル14の文字44が一連の機密データを表す順序で配置されている場合、各文字44(又は文字44によって示される等価物)は、安全なシステムに読み込まれる際に入力され、そのシステムへのアクセスを可能にしてもよい。
【0049】
図示の例では、携帯型データ積層ホルダー10が修正又は読まれていないとき、ケーシング18は積層コア12及びタイル積層20の上に閉じられてもよい。例えば、ケーシング18は、ケーシング18を積層コア12に固定するためにキャップ16の雄ネジ17と係合するように構成された雌ネジ34(図4に示す)を含んでいてもよい。ケーシング18を積層コア12に取り付けるために、他の取り付け又はロック機構を使用してもよい。例えば、ケーシング18、キャップ16、又はその両方が、ケーシング18をキャップ16に保持するための摩擦面(例えば、ゴム、軟質プラスチック、又は粗面化)又はガスケットを含んでもよい。ラッチ、ピン、又は他のロック機構を使用してもよい。いくつかの例では、ケーシング18は、携帯型データ積層ホルダー10をポケット、財布、ケースなどの中にしっかりと保持するために、クリップ、チェーン、又は他の構造を含んでいてもよい。
【0050】
図示の例では、ケーシング18は、円柱の形状を有する。他の例では、断面は円形でなくてもよく、端部は平坦な形状、丸みを帯びた形状、先細りの形状、又は他の形状であり、外面には隆起、突起、窪み、又は他のパターンが含まれている。
【0051】
積層コア12は、積層コア12の文字タイル14の配置又は再配置を可能にし、且つ、他のときに積層コア12からの文字タイル14が外れることを防止するために、開かれるように構成されたタイル保持構造を含む。
【0052】
図2は、開いたときの図1の携帯型データ積層ホルダーを模式的に示す。
【0053】
図示の例では、積層コア12の遠位端は、スリット29の両側に拡幅部31を含む。ロック構造は、ロックスロット27と端部ロック25を含む。ロックスロット27は、端部ロック25が、ロックスロット27の細長い寸法が(図2に示すように)拡幅部31の平面と平行になる向きにあるとき、端部ロック25を拡幅部31まで積層コア12の遠位端にスライドさせることができるように細長くなっている。スリット29を囲む積層コア12の遠位端の弾力性は、端部ロック25と拡幅部31との間の摩擦が端部ロック25を保持することを可能にする。代替的又は追加的に、積層コア12の遠位端は、端部ロック25を積層コア12に保持するための突起物又は他の構造を含んでもよい。
【0054】
図3Aは、開いたときの携帯型データ積層ホルダーの代替例を模式的に示す。図3Bは、図3Aに示す携帯型データ積層ホルダーの概略断面図である。
【0055】
この例では、積層コア12の遠位端は、一体型の停止部28を含む。一体型の停止部28は、文字タイル14のスロット42が一体型の停止部28を越えて積層コア12から滑り落ちることを防ぐように形成されている(例えば、図示の例のように十分に拡幅しているか、又は他の形をしている)。
【0056】
積層コア12の近位端では、キャップ16の形態のロック構造が積層コア12から取り外し可能である。キャップ16が積層コア12から取り外されるとき、文字タイル14は、積層コア12の遠位端にある一体型の停止部28に向かって積層コア12上をスライドしてもよく、積層コア12から取り外されてもよい。文字タイル14が所望のように配置されると、キャップ16は、文字タイル14が積層コア12から意図的又は非意図的に外れることを妨げる又は防止するために、積層コア12に取り付けられてもよい。
【0057】
図示の例では、キャップ16は穴22を含み、積層コア12はその近位端付近に切り欠き30を含む。積層コア12の近位端は、切り欠き30が穴22と整列するまで、キャップ16の開口部26に挿入してもよい。切り欠き30と穴22が整列すると、ロックネジ24を穴22にねじ込み、切り欠き30を通過させてもよい。例えば、ロックネジ24の雄ネジは、穴22内の雌ネジと係合してもよい。他の例では、積層コア12の近位端は、ロックネジ24が挿入される穴を含んでいてもよい。代わりに、又は追加で、1つ以上のピン、ラッチ、又は他のロック構造を含む他の種類のロック構造が、キャップ16を積層コア12に保持してもよい。
【0058】
図示の例では、スロット42は文字タイル14に偏心して位置する。スロット42の偏心した位置は、中央に配置されたスロット42によって可能になるよりも大きな文字44で文字タイル14をマークすることを可能にしてもよい。同様に、開口部26はキャップ16に偏心して位置し、キャップ16の中央から外れた位置に積層コア12を配置するようになっている。
【0059】
図4は、図1に示す携帯型データ積層ホルダーのケーシングの概略断面図である。
【0060】
図示の例では、文字タイル14のタイル積層20が積層コア12に搭載されている。図示の例のように、ケーシング18が積層コア12のタイル積層20の上に配置される場合、ケーシング18の内部肩部32の形態の制限狭窄部が、積層コア12に沿った文字タイル14のスライドを制限することができる。例えば、内部肩部32は、タイル積層20の文字タイル14の推奨最大数に対応するケーシング18内の点に位置してもよい。内部肩部32に内在するケーシング18内の空洞33は、積層コア12の遠位端を収容するのに十分な長さと幅を有する。例えば、空洞33の直径は、キャップ16がケーシング18にねじ込まれ、又はケーシング18から外されたときに、キャップ16から偏心して延びる積層コア12の回転を収容するのに十分な長さであってもよい。
【0061】
タイル積層20内の文字タイル14のスライドが内部肩部32によって制限される場合、携帯型データ積層ホルダー10は、音を立てずに取り扱われ、運ばれてもよい。いくつかの場合には、ケーシング18内での文字タイル14のスライドを制限することで、文字タイル14への生じ得る損傷を防止又は制限することができる。
【0062】
タイル積層20の遠位端が完全に内部肩部32まで延びていない場合、文字タイル14のスライドは制限され得るが、排除されないことに留意されたい。いくつかの場合には、異なるケーシング18は、異なる数の文字タイル14を含む異なるタイル積層20のために(例えば、タイル積層20が保存されるべき機密データの共通の長さに対応するために)設計されてもよい。いくつかの場合には、タイル積層20は、1つ以上のスペーサータイルを含んでもよく、そこに文字はマークされておらず、これにより内部肩部32まで延びるような正しい長さのタイル積層20を形成する。
【0063】
ブランクスペーサータイルは、タイル積層20の長さを内部肩部32まで延長することに加えて、用途を有してもよいことに留意されたい。例えば、スペーサータイルは、タイル積層20を、それぞれが異なる(例えば、比較的短い)パスワード又は別のタイプの機密データを表す文字タイル14のより短いサブセットに分割するためのセパレータとして使用することができる。
【0064】
図5は、携帯型データ積層ホルダーのケーシングがバネを含む例を示す概略断面図である。
【0065】
図示の例では、バネ35の形態の制限機構がケーシング18に挿入されている。文字タイル14のタイル積層20を保持している積層コア12がケーシング18に挿入されると、バネ35は、タイル積層20の遠位端と遠位ケーシング壁18aとの間で圧縮されてもよい。バネ35が圧縮される距離は、タイル積層20の長さに依存し、タイル積層20内の文字タイル14の数によって決まる。バネ35がタイル積層20に圧縮されたときに発揮される力は、タイル積層20における文字タイル14のスライドを防止することができる。バネ35の長さを可変とすることで、異なる長さの範囲を有するタイル積層20のスライドを防止することができる。バネ35に代えて、又はそれに加えて、ケーシング18は、別のタイプの圧縮可能な弾力性のある要素、例えば、弾力性のある圧縮可能な材料(例えば、発泡プラスチック、合成スポンジ、又は他の圧縮可能な弾力性のある物体)の細長いシリンダー又はブロックを含んでもよい。
【0066】
図6Aは、携帯型データ積層ホルダーの文字タイルの一例を模式的に示す。
【0067】
図示の例では、文字タイル14は非円形であり、スロット42は文字タイル14の中央に位置している。
【0068】
図6Bは、文字タイルの別の例を模式的に示す。
【0069】
図示の例では、スロット42は、文字タイル14の面40に偏心して位置する。文字44は、面40のうち、スロット42よりも上の部分(例えば、文字44が直立するように文字タイル14を保持した場合)にマークされている。そのため、文字44のマークのために利用可能なスペースは、スロット42が面40の中央(図の例では、水平方向の直径)に沿って位置する場合に得られるスペースよりも大きい。
【0070】
図示の例では、文字タイル14の面40は円形である。他の形状も可能である。
【0071】
図6Cは、携帯型データ積層ホルダーの文字タイルの面の代替形状の例を模式的に示す。
【0072】
面形状40a~40yは、様々な角度の回転対称性又は鏡面対称性、あるいは対称性の欠如を示す様々な形状の例を示す。他の形状の面40が使用されてもよい。ケーシング18の内部は、面形状40a~40yのいずれかを有する文字タイル14の積層を収容できる形状及びサイズであってもよい。いくつかの場合には、同様の外側の輪郭を有する異なる面形状(例えば、面形状40gと40h、又は40pと40r)を一緒に使用し、単一のケーシング18に封入してもよい。
【0073】
同様に、スロット42の形状も様々なものであってもい。積層コア12の断面形状は、スロット42の形状に合わせた形状であってもよい。
【0074】
図7は、携帯型データ積層ホルダーの文字タイルのスロットの代替形状の例を模式的に示す。
【0075】
スロット形状42a~42nは、文字タイル14におけるスロット42の形状の例を示す。スロット形状42a~42nのいずれかを有するスロット42を備えた文字タイル14は、典型的には、同様の断面を有する積層コア12に取り付けるように設計されている。いくつかの場合には、例えば、スロット形状42j~42n、スロット42は、2つ以上の突起で構成される積層コア12に取り付けるように設計されていてもよい。
【0076】
図示の例のうち、スロット形状42aは円形である。したがって、文字タイル14が、同様に丸い断面を有する積層コア12に取り付けられている場合、その文字タイル14は、積層コア12に対して自由に回転させることができる。残りのスロット形状42b~42nは、非円形である。そのため、スロット形状42a~42nのいずれかを有するスロット42を備え、同様の形状(例えば、一部品で形成されたもの、複数の突起で形成されたもののいずれか)を有する積層コア12に装着された文字タイル14は、積層コア12に対して回転させることができない。
【0077】
スロット形状42a~42nのすべての例では、スロット42及び積層コア12の右左の鏡面対称性により、いずれかの面40が遠位又は近位に向いた状態で、積層コア12に文字タイル14を取り付けることができる。追加の垂直の鏡面対称性を有する形状(例えば、スロット形状42a~42j及び42n)、又は4回回転対称性を有する形状(例えば、スロット形状42f及び42h)であり、面40上のスロット42の位置に応じて、異なる文字タイル14の文字44が異なる向きになるように、積層コア12上に文字タイル14を取り付けることができる可能性がある。
【0078】
図8Aは、携帯型データ積層ホルダーの積層コアの一例を模式的に示し、コアは2つの突起を有する。図8Bは、携帯型データ積層ホルダーの積層コアの変形例を模式的に示し、コアは3つの突起を有する。
【0079】
図示の例では、2つの突起付き積層コア50は、キャップ52から遠位方向に延びる2つの突起54を含む。各突起54は、文字タイル14のスロット42に収まるように構成された断面形状を有していてもよい。例えば、丸い断面を有する2つの突起54を有する2つの突起付き積層コア50は、スロット形状42nを有するスロット42、又は、それぞれがスロット形状42aを有する一対のスロット42と一緒に使用するように設計されてもよい。長方形の断面を有する2つの突起54は、スロット形状42j又は42lを有するスロット42と併用するように設計されてもよいし、それぞれがスロット形状42gを有する2つのスロットと併用するように設計されてもよい。突起54は、例えば、他の形状のスロット42と一緒に使用するように設計された、他の形状の断面を有していてもよい。
【0080】
3つの突起付き積層コア56は、キャップ52から遠位方向に延びる3つの突起54を含む。例えば、円形の断面を有する突起54を有する3つの突起付き積層コア56は、それぞれがスロット形状42aを有するスロット42の3つを有するスロット42と一緒に使用するように設計されてもよい。長方形の断面を有する突起54は、スロット形状42k又は42mを有するスロット42、又はそれぞれがスロット形状42gを有する3つのスロットと一緒に使用するように設計されてもよい。突起54は、例えば、他の形状のスロット42と一緒に使用するように設計された、他の形状の断面を有していてもよい。
【0081】
図8Cは、マークを含む積層コアを模式的に示す。
【0082】
図示の例では、マーク付き積層コア58は、長さマーク59を含む。例えば、長さマーク59は、マークされた積層コア58のタイル積層20に存在する文字タイル14の数をカウントすることを容易にする単位でマークされてもよい。他の場合には、マークされた積層コア58は、例えば、製造者又はマークされた積層コア58のユーザによって、別の方法でマークされてもよい。例えば、マークは、文字、カラー、又は他のマークを含んでもよい。いくつかの場合には、特定の条件下でのみマークが見えるように構成されてもよい。
【0083】
いくつかの場合には、複数の携帯型データ積層ホルダーを連結してもよい。
【0084】
図9は、互いに接続するように構成された携帯型データ積層ホルダーの例を模式的に示す。
【0085】
図示の例では、ケーシング60は、その外面に雄ネジを有する雄ネジキャップ62を含む。ケーシング64は、内周面に雌ネジを有する空洞を備えた少なくとも1つの雌ネジキャップ66を有する。この例では、ケーシング60(例えば、タイル積層20を保持する積層コア12を囲む)をケーシング64(例えば、異なるタイル積層20を保持する積層コア12も囲む)に取り付けるために、雄ネジキャップ62を雌ネジキャップ66にねじ込んでもよい。このような端から端までの同軸の取り付けの後、ケーシング60とケーシング64は、(例えば、取り扱いの容易性を高めたり、紛失の可能性を低減したりして)単一のユニットとして持ち運んだり保管したりすることができる。
【0086】
ケーシング64の各端部に雌ネジキャップ66が設けられている図示の例では、雄ネジキャップ62を有する2つのケーシング60は、ケーシング64の反対側の端部に取り付けられてもよい。他の例では、ケーシングの一端に雄ネジキャップ62を設け、他端に雌ネジキャップ66を設けてもよい。いくつかの場合には、ユーザに提供されるキットは、例えば、異なるケーシングを互いにどのように取り付けるかをユーザが決定できるように、複数種類のキャップを提供してもよい。
【0087】
いくつかの例では、すべてのケーシングのすべてのキャップは雄ネジキャップ62である(例えば、すべてのケーシングはケーシング60と同様である)。このような場合、2つのケーシング60は、中空コネクタによって互いに取り付けられてもよく、例えば、少なくともいくつかの例では、典型的なケーシング60よりも短く、その内面に雌ネジを有していてもよい。同様に、雌ネジキャップ66を有する2つのケーシング64は、外面に雄ネジを有する延長部を有する雄ネジプラグを用いて互いに取り付けてもよい。いくつかの例では、コネクタは、異なるケーシングの接続を可能にするために、同軸の端から端までの取り付けよりもコンパクトな方法で屈曲部を含むことができる。
【0088】
図10は、2つの積層を収容するように構成された携帯型データ積層ホルダーのケーシングの一例を模式的に示す。
【0089】
両端のケーシング70は、例えば、積層コア12とタイル積層20にそれぞれ取り付けられた2つのキャップ16を、反対側の端部に挿入できるように構成されている。例えば、両端のケーシング70は、典型的なケーシング18よりも長くてもよいし、積層コア12(したがって、タイル積層20)は、両端のケーシング70よりも短くてもよい(例えば、約半分の長さを有する)。
【0090】
図11は、複数の突起に異なる積層を保持するように構成された携帯型データ積層ホルダーの一例を模式的に示す。
【0091】
図示の例では、携帯型データ積層ホルダー80は、キャップ52から延びる2つの突起54を含む。各突起54には、タイル84の積層82が取り付けられてもよい。図示の例では、積層82の各タイル84は、ほぼ半円形(semicircular)であり、文字44を含んでいる。このようにして、積層82が突起54の1つに装着されたとき、その積層82のタイル84は、他の突起54に異なるタイル84の別の積層82を装着することを妨げない。図示の例では、各タイル84は、タイル84を突起54に1つ以上の向きで取り付けることができるように、例えば切り欠きの形態で2つのスロット86を備えている。閉鎖構造(図示せず)は、突起54にタイル84を保持することができる。他の例では、携帯型データ積層ホルダーは、2つ以上の突起、別の形状のタイル、及び他の種類又は位置のスロットを含むことができる。
【0092】
異なる積層82のタイル84の文字44の異なるセットは、異なる文字列、又は単一の文字列の異なる部分を表してもよい。いくつかの場合には、異なる突起54への取り付けを意図したタイル84を、互いに区別できるように(例えば、異なる色、質感、形状、文字フォント、又は他の方法で区別できるように)製造してもよい。
【0093】
本明細書では、異なる実施形態が開示されている。ある実施形態の特徴は、他の実施形態の特徴と組み合わせてもよく、したがって、ある実施形態は、複数の実施形態の特徴の組み合わせであってもよい。本発明の実施形態に関する前述の説明は、例示と説明の目的のために提示されたものである。網羅的に説明することや、開示された正確な形に本発明を限定することを意図したものではない。当業者であれば、上記の教示に照らして、多くの修正、変形、置換、変更、及び等価物ができることを理解できるはずである。したがって、添付の特許請求の範囲は、本発明の真の精神の範囲内にあるすべての修正及び変更にわたることが意図されていることを理解されたい。
【0094】
本明細書では、本発明の特定の特徴を図示し、説明してきたが、多くの修正、置換、変更、及び等価物が当業者に生じるようになる。したがって、添付の特許請求の範囲は、本発明の真の精神の範囲内にあるすべての修正及び変更にわたることが意図されていることを理解されたい。
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図7
図8A
図8B
図8C
図9
図10
図11
【国際調査報告】