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特表2022-528476成長中にウェハの平面性を提供する装置および方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-10
(54)【発明の名称】成長中にウェハの平面性を提供する装置および方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/205 20060101AFI20220603BHJP
   C23C 16/52 20060101ALI20220603BHJP
   C23C 16/46 20060101ALI20220603BHJP
【FI】
H01L21/205
C23C16/52
C23C16/46
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021560636
(86)(22)【出願日】2020-04-08
(85)【翻訳文提出日】2021-11-15
(86)【国際出願番号】 SE2020050367
(87)【国際公開番号】W WO2020209780
(87)【国際公開日】2020-10-15
(31)【優先権主張番号】1930124-1
(32)【優先日】2019-04-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521445362
【氏名又は名称】エピルバック エービー
【氏名又は名称原語表記】EPILUVAC AB
【住所又は居所原語表記】Ideon Science Park, 223 70 LUND, Sweden
(74)【代理人】
【識別番号】100105131
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 満
(74)【代理人】
【識別番号】100105795
【弁理士】
【氏名又は名称】名塚 聡
(72)【発明者】
【氏名】ニルソン,ロジャー
(72)【発明者】
【氏名】スペングラー,リチャード
【テーマコード(参考)】
4K030
5F045
【Fターム(参考)】
4K030BA08
4K030BA38
4K030CA04
4K030CA12
4K030EA03
4K030EA11
4K030FA10
4K030GA02
4K030GA06
4K030HA13
4K030JA10
4K030JA16
4K030KA23
4K030KA39
4K030KA41
5F045AA03
5F045AB14
5F045AD13
5F045AD14
5F045AD15
5F045AD16
5F045AD17
5F045AD18
5F045AF03
5F045DP04
5F045DP28
5F045DQ10
5F045EB03
5F045EK06
5F045EK22
5F045GB04
5F045GB05
(57)【要約】
反応器ハウジング(11,12,13)内に配置された成長チャンバ(14)内の昇温での成長中に半導体ウェハ(4)の平坦性を確保するための装置であって、成長チャンバ(14)内の回転サセプタ(2)上に少なくとも1つのウェハ(4)を蒸着させ、成長チャンバからウェハ(4)を引き出すことを可能にするポートを有する成長チャンバ(14)を含み、成長チャンバ(14)は、プロセスガス(5)を供給するための入口チャネル(17)と、消費されなかったプロセスガス(5)を排出するための出口チャネル(18)とをさらに有して、前記チャネル間にプロセスガス流を生成し、ウェハ(4)の上下両方の個別に制御された加熱ゾーンによって回転ウェハ(4)を加熱するために個別のヒータV1~V6が成長チャンバ(14)に隣接して配置され、ウェハ(4)の屈曲を測定するために器具(6)が配置され、自動制御回路は、温度センサ(20)からのデータ、またはヒータに供給される電力の測定データを使用し、器具(6)が、ウェハの屈曲を測定して、ウェハ(4)の屈曲が最小になるように前記温度ゾーンの温度を変化させるように配置される。
【選択図】 図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
反応器ハウジング(11、12、13)内に配置された成長チャンバ(14)内の高温での成長中に半導体ウェハ(4)の平面性を確保するための装置であって、
-成長チャンバ(14)内の回転するサセプタ(2)上に少なくとも1つのウェハ(4)を堆積させ、前記成長チャンバ(4)から前記ウェハ(4)を引き出すことを可能にするポートを有する成長チャンバ(14)であって、前記成長チャンバ(14)はプロセスガス(5)の供給のための入口チャネル(17)と、消費されなかったプロセスガス(5)を排出するための出口チャネル(18)とをさらに有することで前記チャネル(17、18)の間にプロセスガス流を生成する、前記成長チャンバ(14)
を有し、
前記ウェハ(4)の上方及び下方の両方の個別に制御された加熱ゾーンによって回転するウェハ(4)を加熱するために個別のヒータV1~V6が前記成長チャンバ(14)に隣接して配置され、
前記ウェハ(4)の屈曲を測定するために器具(6)が配置され、
a)温度センサ(20)、b)ヒータへの電力の測定データ、およびウェハの屈曲を測定する器具(6)のいずれか1つからのデータを使用し、前記ウェハ(4)の屈曲が最小になるように前記温度ゾーンの温度を変化させるために自動制御回路が配置されている、装置。
【請求項2】
前記ヒータV1~V6は、前記成長チャンバ(14)の下に3つのヒータV1~V3を有し、前記成長チャンバの上に3つのヒータV4~V6を有して配置される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記ヒータV1~V6がグループで配置され、それによって、成長チャンバ(14)が第1のグループの前記ヒータV1およびV4を用いて前記成長チャンバ内へのプロセスガス(5)の流入部で加熱され、第2のグループの前記ヒータV2およびV5が成長チャンバをその中央部分で加熱し、第3のグループの前記ヒータV3およびV6が成長チャンバからのプロセスガス(5)の流出部で成長チャンバ(14)を加熱する、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記ウェハ(4)の屈曲は、前記ウェハ(4)に向かって送られ、前記ウェハ(4)面上の少なくとも2つの点から反射されるレーザ光(6)によって前記屈曲を計算する器具によって測定される、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記器具(6)は前記ウェハ(4)に入射するレーザビーム(6)と、前記ウェハ上の少なくとも2つの点で前記ウェハから反射されるレーザビーム(6)との間の角度を計算し、それにより、前記ウェハの屈曲が存在するかどうかを計算するように構成される、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
請求項1に記載の成長チャンバ(14)において高温での成長中に半導体ウェハ(4)の平坦性を確保するための方法であって、
前記ウェハ(4)に向けてレーザビーム(6)を送る器具によって前記ウェハ(4)の屈曲が測定され、
始まって測定された屈曲に対応するために、自動制御回路が前記ヒータ(V1~V6)のうちの1つまたはいくつかへのエネルギの供給を調整する、方法。
【請求項7】
個々のヒータV1~V6は、それらへのエネルギ供給に関して個別に制御されるステップをさらに有する、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記成長チャンバ(14)の上部または下部の温度が、上部及び下部の前記ヒータV1~V6を互いに独立して制御することによって制御されるステップをさらに有する、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記ウェハ(4)の端部での屈曲測定値が前記ウェハ(4)の中央部よりも高いことが示されたときに、前記自動制御回路が、前記ウェハ(4)の外側の上側に位置する前記ヒータ(V4-V6)のいずれかへのエネルギ供給を増やすことにより、前記ウェハ(4)の外側の上側の温度を上昇させることを確実にするステップをさらに有する、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記ウェハ(4)の端部での屈曲測定値が前記ウェハ(4)の中央部よりも低いことが示されたときに、前記自動制御回路が、前記ウェハ(4)の外側の下側に位置する前記ヒータ(V1-V3)のいずれかへのエネルギ供給を増やすことにより、前記ウェハ(4)の外側の下側の温度を上昇させることを確実にするステップをさらに有する、請求項9に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は高温下での成長チャンバ内での半導体材料のウェハの成長中に、成長プロセス中に達成されるウェハの所定の平面性を監視する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
化学蒸着(CVD)によって半導体材料を製造する場合、材料が均一な品質を得ることが大切である。得られる品質は、しばしば材料の成長と呼ばれる成長プロセスの下で支配的な様々な条件に依存する。
【0003】
成長は、例えばグラファイトのような固体材料から製造されるベースディスク(サセプタ)上に通常配置されるウェハ上で生じる。成長チャンバ内で高温下で(又は、昇温中の/at an elevated temperature)で成長が起こる間、ウェハは特にサセプタによって加熱される。成長、すなわち半導体材料中で取り組まれる結晶構造の生成のために必要な元素を含む蒸気を含むガスは、制御された方法でチャンバ内に入れられる。ウェハは、通常、成長中に回転される。場合によっては、ウェハは成長プロセス中に曲がる。これは、ウェハの周囲の不均一な温度、ウェハ内の内部応力、またはウェハ上で発生した成長によって生じた応力によって引き起こされ得る。通常、内部応力は、成長プロセスの開始前に決定することができない材料特性である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
直径がより大きいウェハでは、成長プロセスが終了したときに、ウェハを再び室温まで冷却すると、屈曲(又は、曲がり/bending)によって壊滅的なクラックが生じる可能性がある。ウェハが元の形状に戻ろうとするとき、内部応力は付加された成長層によって増加し、内部応力は所定の半導体材料を達成するために使用されるガスからの原子によって構築される結晶面間の変化した距離によって相殺(又は、オフセット)され得ない。これは成長材料に亀裂の発生を引き起こす。
【0005】
ウェハの屈曲を測定し、成長プロセス中にそれを制御する方法が存在する。屈曲は、例えば、成長チャンバ内の種々のガス間の修正された分布(又は、分配/distribution)によって、反対方向の屈曲を生じさせる力を発生させることによって補償することができる。しかし、異なるガス間の分布が変化すると、生成される半導体の特性も望ましくない方法で変化する。
【0006】
特許文献EP1275135は、関連技術分野の中で最も近い先行技術を構成するものと想定される。前記文献には、ウェハの屈曲を回避するための要件を作り出すために、ウェハ上のガス流の前後にガス内で異なる温度ゾーンを配置することについての記載はある。一方、成長プロセス中のウェハの平面性の可能な偏差の検出、並びに、検出されたウェハの平面性からの偏差に基づいて、ウェハのリアルタイムの屈曲に対抗する任意の構成については、前記文献では何も言及されていない。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は一態様によれば、成長チャンバ内の高温での(又は、昇温中の/at an increased temperature)成長中の半導体ウェハの平坦性を確保するための装置であって、装置が成長チャンバを囲む反応器ハウジング内に含まれ、成長チャンバが成長チャンバ内の回転サセプタ上に少なくとも1つのウェハを蒸着(又は、堆積)させることを可能にし、成長チャンバからウェハを引き出すためのポートを有し、成長チャンバがさらに、プロセスガスを供給するための入口チャネルと、消費されなかったプロセスガスを排出するための出口チャネルとを有することで、前記チャネル間にプロセスガス流を生成し、ウェハの上下両方の個別に制御される加熱ゾーンにより回転するウェハを加熱するための別個のヒータが成長チャンバに隣接して配置される、前記装置を構成する。更に、少なくとも1つの位置におけるウェハの屈曲を測定するために、器具が配置される。自動制御回路は温度センサと屈曲を測定する器具からのデータを用い、ウェハの屈曲が最小になるように前記加熱ゾーンの温度を変化させる。
【0008】
ウェハの屈曲の測定は、例えばEpiCurve(登録商標)TT Gen 3による光学的方法で行うことができる。屈曲の大きさはウェハの直径に依存するので、しばしば屈曲の半径として表され、km-1として示される。半径の値が大きいほど、屈曲は小さくなる。本発明に関連して試された測定方法は7000km-1に相当する凸半径、及び、凹半径の場合は800km-1まで測定することが可能である。成長過程において、屈曲半径はしばしば50km-1前後であり、十分にこの測定方法で求められる範囲内である。屈曲は、ウェハに向かって送られるレーザビームの反射を測定することによって、ウェハの中心から異なる距離にある互いに独立した位置で測定される。2つの異なる位置からのそれらの反射における反射ビームの角度間の差を測定することにより、屈曲を求めることができる。ウェハの屈曲は連続的に測定される。
【0009】
ヒータの温度は、自動制御回路によって一定の時間間隔で調整され、これは30秒の期間で行うことができる。測定された屈曲に関連して、テーブル値に従って調整が行われる。屈曲が凹状である場合、すなわち、ウェハの縁部がウェハの中央部分よりも高い場合、上側の温度は一般に、下側に対して上昇されなければならない。本明細書では、ヒータが成長チャンバに隣接して配置されることに言及する。「別個のヒータ」という概念は、本明細書では互いに対して個別にそれらの温度が測定され、それらの電力が制御されるヒータを言う。
【0010】
サセプタは、サセプタの上方のガス流に対して垂直に配置されたシャフトの周りを回転する。ヒータの設計は与えられておらず(又は、所与ではなく)、その代わりに、それらは成長チャンバ内のガス流の実施(又は、挙動/conduct)に従って配置することができる。本明細書に開示される解決策では、水平ガス流が示され、プロセスガスの流れが、主に、その表面に1つまたは複数のウェハを有する水平に配置されたサセプタを横切って水平に通過する。プロセスガスは、他の用途ではサセプタの中央上方に導入され、その周囲の方向にポンプ引きされる(pumped away)ことができる。今日、プロセスガス流の構成として複数の方法が使用されている。
【0011】
成長チャンバに流入するプロセスガスはサセプタを冷却し、そのため、ヒータはガス流の挙動に従って設計されなければならない。サセプタの上方および下方のヒータは、個別に制御される。本発明の開示された実施形態では、成長チャンバを通る水平ガス流に対して垂直に延びる直線状のヒータが使用され、ここで、ヒータはサセプタの上方および下方の両方に位置する。本発明による装置の原理は、他の設計の成長チャンバ、サセプタの位置、およびプロセスガスの流れについても、それらの設計がサセプタの上下およびそれにより成長中のウェハの上下に制御された加熱ゾーンを確立できるようにヒータを配置することによって、同様に使用することができる。
ウェハが内部応力または付加された成長層によって生じた応力によって屈曲する傾向があるとき、ウェハは、本発明により、ウェハの表面全体にわたる温度プロファイルの制御された変化を確立することによって平坦に保つことができる。このプロセスは、フィードバック制御回路で自動的に監視される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、本発明の態様による装置の概略図を示す。
図2図2は、本発明による装置の斜視図を概略的に示し、ここで、反応器、成長チャンバ、およびプロセスガスのためのチャネルは装置が例示された反応器内に配置される場合に、成長チャンバを通る長手方向断面で示される。
図3図3は、図2による成長チャンバを通る長手方向断面を示し、ここで、成長チャンバおよびウェハに関連するヒータの位置が示されている。
図4図4は、図3に記載の成長チャンバの下半分の上方からの平面図を示し、サセプタ、ウェハ、および前記成長チャンバの下のヒータグループが現れる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に、本発明のいくつかの実施形態を、添付の図面を参照して説明する。図面は、本発明の原理を概略的に示すに過ぎず、異なる要素間の比率を縮尺に従って示すことを要求するものではない。
【0014】
ここでは、本発明による装置の実施形態が提示される。上述したように、成長チャンバ及びプロセスガス用のチャネルの構成は、様々な方法で設計することができる。本明細書に提示される実施形態に示される要素を他の形状の反応器に適合させることによって、本発明の原理をこれらに移すことができる。
【0015】
図1は、ウェハ上に半導体材料の層を成長させるための反応器内で使用されている内部要素のみを示す。装置の図示された例は、シリコン上に窒化ガリウムを成長させるための反応器で使用される。この種の成長は通常900℃と1500℃との間の非常に高い温度を必要とし、それによって、上述の結晶材料に欠陥が生じることがある。本発明による装置は、1として参照される。ここでは、シャフト3の周囲を回転するように配置されたサセプタ2が図示されている。サセプタ2上にはウェハ4が配置され、それによってウェハはサセプタと共に回転する。半導体材料の成長は、ウェハ4の上側で起こる。図中、半導体材料の成長に使用されているプロセスガスは、図中、出口に向かって水平方向に左から右に流れるように示されている。プロセスガス流は参照符号5で示されている。ヒータはサセプタ2の下および上の両方に配置され、図の例ではV1、V2、V3、V4、V5、V6で示される6つの異なるヒータが配置される。ヒータは、一例として、グラファイトの部材(又は、要素)として製造される。上述のように、ウェハの屈曲は、非常に短い間隔であるが、ヒータ間でウェハの少なくとも1つのわずかに中心側の点とウェハの1つのわずかに周縁側の点とに向けられるレーザ光線6によって測定される。
【0016】
装置1は図2の反応器10の内側に非常に概略的に示されており、反応器は、底部11、蓋12、および円筒壁13を備えて設計された円筒ハウジングを備えて構成されている。図2による反応器は、通常、ステンレス鋼で作られる。この図は反応器10を通る断面を示しており、これにより、この内部に、長手方向断面に開放された成長チャンバ14が容易に明らかにされる。成長チャンバは、非常に耐熱性の材料で作られる。成長チャンバ14は、ここでは底部15と上部壁16とを備えている。サセプタ2は成長チャンバの底部15内に埋められて(submerged)示されており、サセプタと同じ平面内で回転可能に配置されている。反応器10はプロセスガスを供給するためのポートを有し、プロセスガスは入口チャネル17を介して成長チャンバ14に導入される。ここで、プロセスガスは入口チャネル17の内部の矢印によって記号化されている。さらに、反応器10は未使用のプロセスガスを排出するためのポートを有し、これらは、成長チャンバ14から出口チャネル18を介して排出される。この出口チャネル18では、この未使用のプロセスガスの流れが出口チャネル18の内部に矢印で示されている。ヒータV1~V6は明確のため、図2には示されていない。
【0017】
図2の例に係る反応器10において適用される装置1内に配置されたヒータ構成V1-V6は図3において可視化されている。この図から、成長チャンバの底部15の下方および上部壁16の上方の両方のヒータによって、3群のヒータが配置されていることが理解できる。ヒータV1~V6は、グループに編成される。したがって、成長チャンバは、第1のグループのヒータV1およびV4によって、成長チャンバ内へのプロセスガスの流入時に加熱される。第2のグループのヒータV2およびV5は成長チャンバ14をその中央部分で加熱し、一方、第3のグループのヒータV3およびV6は、成長チャンバからのプロセスガスの出流で成長チャンバを加熱する。プロセスガスは、ここでは矢印5で示されている。したがって、長さ方向の成長チャンバ14の広がりに対するこれらのヒータV1-V6の異なる位置への配置、ウェハ4の中心部分およびその周辺部分への熱の供給は、これらへのエネルギの供給に関してヒータグループが個々に制御されるため、互いに独立して制御および変化させることができる。また、成長チャンバ14の上部または下部の温度は、互いに独立したヒータグループの上部ヒータおよび下部ヒータの制御によって、それぞれのヒータグループで制御することができる。ヒータV1~V6は、本実施形態ではグラファイトの部材で構成されている。
【0018】
図4は、成長チャンバ14の底部15を上から見た平面図で示す。ここで、異なるヒータグループが成長チャンバ14の異なる部分をどのように加熱するかを明確に読み取ることができ、したがって、ウェハ4への熱の供給の変化がどのように確立されるかを示す。自動制御回路(図示せず)は屈曲量(曲がり量/曲がり値/bending value)を検出し、その後、ヒータV1~V6へのエネルギの供給を制御し、それにより、平坦なウェハを維持するように、監視された温度プロファイルがウェハ4の全表面にわたって達成される。例えば、サセプタ2上に配置されたウェハの屈曲の測定値がウェハ4の縁部でウェハの中央部分よりも高いことを示す場合、自動制御回路は、ウェハの外側部分でウェハの上側の温度を上昇させ、それによって、ウェハの縁部の上方への屈曲が相殺される。これは、ヒータV4及びV6におけるエネルギ供給の増大、又はヒータV1及びV3を介してのエネルギ供給の低下によって達成される。
【0019】
従来技術の測定方法によるレーザ光が、どのようにウェハ上の位置に向けられるかが、図3に示されている。ウェハに入射する光ビームと符号6で示す反射ビームとの間に形成された角度を測定し、ウェハ上の異なる位置に向けられた別の光ビームに対する対応する角度と比較することによって、ウェハの任意の屈曲を決定することができ、したがって、異なるヒータへのエネルギ供給の自動調整によって対応することができる。この制御は、前記制御回路を介して実行される。屈曲値(又は、屈曲量)は前記測定法により求められる。
【0020】
温度の測定は、光学的方法(パイロメータ(又は、高温計/pyrometer)の使用)によって行われる。各ヒータに対してパイロメータの形態の温度センサ20が1つある。パイロメータは、ガスの流れの方向に対して垂直に測定する。パイロメータは成長チャンバの外側に位置し、光学窓を通して測定する。これは、成長チャンバの外側にある温度センサ20からの矢印によって示されている。測定はヒータに対して直接ではなく、底部15及び上部壁16に対して行われる。
【0021】
成長チャンバ内の温度を測定する代わりに、ヒータへの印加電力に関するデータを求めることができる。これにより、測定された電力データは、屈曲量と共に制御回路に対する制御手段として使用される。
【0022】
ヒータV1-V6に供給される電力エネルギは、真空密の電気ブッシングを介して反応器10の外側円筒壁13を通して導入される。これらのブッシングはさらに、ヒータをそれらの位置に保持する。ヒータと冷たい外壁の間には、プロセスガスと反応器内部の高温に耐える隔離部(isolation)がある。
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】