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特表2022-528504静脈注入用フィルタのフィルタシート積層構造
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  • 特表-静脈注入用フィルタのフィルタシート積層構造 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-14
(54)【発明の名称】静脈注入用フィルタのフィルタシート積層構造
(51)【国際特許分類】
   A61M 5/165 20060101AFI20220607BHJP
【FI】
A61M5/165 500V
A61M5/165 500B
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021541090
(86)(22)【出願日】2020-10-15
(85)【翻訳文提出日】2021-07-14
(86)【国際出願番号】 KR2020014079
(87)【国際公開番号】W WO2021182703
(87)【国際公開日】2021-09-16
(31)【優先権主張番号】10-2020-0030903
(32)【優先日】2020-03-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2020-0041785
(32)【優先日】2020-04-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521312477
【氏名又は名称】メディライン アクティブ コリア カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】特許業務法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】カン,デ ウォン
【テーマコード(参考)】
4C066
【Fターム(参考)】
4C066AA07
4C066BB01
4C066CC01
4C066MM01
4C066MM09
(57)【要約】
【課題】フィルタ体の濾過効率を最大化し、高圧による破損を防止できる静脈注入用フィルタのフィルタシート積層構造を提供する。
【解決手段】本発明の静脈注入用フィルタのフィルタシート積層構造は、薬物が注入される薬物注入口が形成された上側フィルタハウジングと、上側フィルタハウジングの下部に連結され、薬物が排出される薬物排出口が形成された下側フィルタハウジングと、上側フィルタハウジングと下側フィルタハウジングとの内部の薬物注入口に注入される薬物が流れる上流側に備えられ、濾過機能を行うフィルタ体と、フィルタ体の下部の薬物が排出される下流側に備えられ、フィルタ体を支持可能にする支持体と、を含んで構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
薬物が注入される薬物注入口が形成された上側フィルタハウジングと、
前記上側フィルタハウジングの下部に連結され、薬物が排出される薬物排出口が形成された下側フィルタハウジングと、
前記上側フィルタハウジングと下側フィルタハウジングとの内部の薬物注入口に注入される薬物が流れる上流側に備えられ、濾過機能を行うフィルタ体と、
前記フィルタ体の下部の薬物が排出される下流側に備えられ、フィルタ体を支持可能にする支持体と、を含むことを特徴とする静脈注入用フィルタのフィルタシート積層構造。
【請求項2】
前記フィルタ体は、薬物が注入される上側フィルタハウジングを基準として、支持体の上部に密着し、濾過機能の高いメンブランフィルタからなることを特徴とする請求項1に記載の静脈注入用フィルタのフィルタシート積層構造。
【請求項3】
前記支持体は、メッシュ方式で製織したメッシュフィルタまたは高温高圧で圧縮して作った焼結方式で製作した焼結フィルタからなり、高速高圧で注入される薬物により、フィルタ体が破損しないように、フィルタ体を支持する支持台の役割を行うことを特徴とする請求項1に記載の静脈注入用フィルタのフィルタシート積層構造。
【請求項4】
前記支持体は、薬物が注入される上側フィルタハウジングを基準として、フィルタ体の下部に密着して、フィルタ体を支えることを特徴とする請求項1に記載の静脈注入用フィルタのフィルタシート積層構造。
【請求項5】
前記下側フィルタハウジングの下部には、逆止め弁が備えられた逆止め弁ハウジングが連結されることを特徴とする請求項1に記載の静脈注入用フィルタのフィルタシート積層構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、静脈注入用フィルタのフィルタシート積層構造に関し、より詳しくは、濾過機能を行うフィルタ体を、フィルタ形態の支持体で支持することにより、高圧によるフィルタ体の破損を防止することができる静脈注入用フィルタのフィルタシート積層構造に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、病院で治療の目的で薬物を体内に投薬するとき、静脈または皮下脂肪に薬物を注入するが、皮下脂肪に注入するときは、注射器を主に使用し、静脈に一定の速度で薬物を注入するときは、輸液ラインを主に使用する。
【0003】
このとき、薬物に混入されているかもしれない異物を除去するために、濾過器を使用し、主にメンブランフィルタを使用している。
【0004】
ところで、CTまたはMRIを撮影するためには、血管を映し出す血管造影剤を使用し、最大3~5ml/secの速度で、静脈に注入する。よって、メンブランフィルタのみを単独で使用する場合は、フィルタに圧力が累積するかフィルタの破損の臨界点を超えて、フィルタが破損してフィルタ本来の機能を損なうことになる。
【0005】
また、血管造影剤は、粘度が高いので、一般の食塩水及び蒸溜水よりも極めて急激に圧力が上昇する。
【0006】
このような血管造影剤を静脈内に注入するために造影剤インジェクタ(Media Injector)を用いるが、造影剤インジェクタの高い圧力により、メンブランフィルタが破損しやすく、略5ミクロン以上のフィルタ粉が発生すると、破損したフィルタ粉が血管を閉鎖して医療事故の危険が高いという問題点があった。
【0007】
従来は、メンブランフィルタが破損することを防止するために、薬物が注入されるフィルタハウジングの入口側にメッシュフィルタが備えられ、排出口側にメンブランフィルタが備えられている。
【0008】
このような従来のフィルタ構造は、メンブランフィルタを支持する支持台がないので、単一構造のフィルタと同様に、メンブランフィルタが破損するという問題点があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、上述の問題点を解決するために導き出されたものであって、その目的は、薬物が注入されるフィルタハウジングの入口側に濾過機能のためのメンブランフィルタを備え、フィルタハウジングの薬物が排出される排出口側であるメンブランフィルタの下部にメンブランフィルタの支持の役割をするメッシュまたは焼結フィルタからなる支持体を備えることにより、濾過の効率を最大化し、高圧によるメンブランフィルタの破損を防止することができ、製品の効率性及び堅固性を最大化することができる静脈注入用フィルタのフィルタシート積層構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明による静脈注入用フィルタのフィルタシート積層構造は、薬物が注入される薬物注入口が形成された上側フィルタハウジングと、前記上側フィルタハウジングの下部に連結され、薬物が排出される薬物排出口が形成された下側フィルタハウジングと、前記上側フィルタハウジングと下側フィルタハウジングとの内部の薬物注入口に注入される薬物が流れる上流側に備えられ、濾過機能を行うフィルタ体と、前記フィルタ体の下部の薬物が排出される下流側に備えられ、フィルタ体を支持可能にする支持体と、を含むことを特徴とする。
【0011】
前記フィルタ体は、薬物が注入される上側フィルタハウジングを基準として、支持体の上部に密着し、濾過機能の高いメンブランフィルタからなることを特徴とする。
【0012】
前記支持体は、メッシュ方式で製織したメッシュフィルタ、または高温高圧で圧縮して作った焼結方式で製作した焼結フィルタからなり、高速高圧で注入される薬物により、フィルタ体が破損しないように、フィルタ体を支持する支持台の役割を行うことを特徴とする。
【0013】
前記支持体は、薬物が注入される上側フィルタハウジングを基準として、フィルタ体の下部に密着して、フィルタ体を支えることを特徴とする。
【0014】
前記下側フィルタハウジングの下部には、逆止め弁が備えられた逆止め弁ハウジングが連結されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明による静脈注入用フィルタのフィルタシート積層構造によれば、上側フィルタハウジングと下側フィルタハウジングとの内部に、薬物注入口に注入される薬物が流れる上流側に濾過機能をするメンブランフィルタからなるフィルタ体が備えられ、薬物が排出される下流側であるフィルタ体の下部にメッシュフィルタまたは焼結フィルタのフィルタ形態からなる支持体を密着することにより、フィルタ体と支持体により、濾過効率を最大化し、支持体がメンブランフィルタのフィルタ体を下から支えながら支持するようになり、薬物注入の高速高圧によるフィルタ体の破損を防止して、製品性及び使用者への信頼感を極大化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明による静脈注入用フィルタのフィルタシート積層構造を示す分解斜視図である。
図2】本発明による静脈注入用フィルタのフィルタシート積層構造を示す斜視図である。
図3】本発明による静脈注入用フィルタのフィルタシート積層構造の内部構成を示す結合前の断面図である。
図4】本発明による静脈注入用フィルタのフィルタシート積層構造の内部構成を示す結合状態の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明は、様々な変更を加え、様々な実施形態にできるので、特定の実施形態について、図面に例示して詳細な説明において詳述する。これらは、本発明を特定の実施形態について限定しようとするものではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれる全ての変更、均等物乃至代替物を含むものと理解されなければならない。
【0018】
実施例の図面は、明確性のために誇張されている。明細書の特定の用語は、本発明を説明するためのものであり、特許請求の範囲に記載された内容を制限するためのものではない。
【0019】
本明細書において、「及び/または」という表現は、前後に並べられた構成要素の両方の場合であるか、いずれか一つの場合である。「連結される/結合される」という表現は、他の構成要素に直接的に連結されるか、または他の構成要素を介して間接的に連結されることを含む。単数型は特に言及しない限り複数型も含む。明細書において用いられる「含む」または「含んでいる」と言及された構成要素、段階、動作、及び素子は、一つ以上の他の構成要素、段階、動作、及び素子の存在や追加を意味する。
【0020】
実施形態の説明において、各層(膜)、領域、パターン、または構造物が、基板、各層(膜)、領域、パッド、またはパターンの「上/上方(on)」または「下/下方(under)」に形成されるという記載は、直接(directly)または他の層を介して形成されるものの両方を含む。各層の上/上方または下/下方に対する基準は、図面を基準として説明する。
【0021】
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態について詳述する。
【0022】
図1は、本発明による静脈注入用フィルタのフィルタシート積層構造を示す分解斜視図であり、図2は、本発明による静脈注入用フィルタのフィルタシート積層構造を示す斜視図で、図3は、本発明による静脈注入用フィルタのフィルタシート積層構造の内部構成を示す結合前の断面図であり、図4は、本発明による静脈注入用フィルタのフィルタシート積層構造の内部構成を示す結合状態の断面図である。
【0023】
図1から図4に示すように、本発明による静脈注入用フィルタのフィルタシート積層構造は、上側フィルタハウジング100と、下側フィルタハウジング200と、フィルタ体300と、支持体400と、逆止め弁ハウジング500と、を含む。
【0024】
上側フィルタハウジング100には、上、下を貫通して薬物が注入される薬物注入口110が形成される。
【0025】
また、上側フィルタハウジング100の下部の内側には、下側フィルタハウジング200が連結されるように、結合溝120が形成されてもよい。
【0026】
下側フィルタハウジング200には、上側フィルタハウジング100の下部に連結され、薬物注入口110に注入される薬物が上側フィルタハウジング100を通過して排出されるように薬物排出口210が形成される。
【0027】
また、下側フィルタハウジング200の上部には、結合溝120に挿入されて、上側フィルタハウジング100と下側フィルタハウジング200が連結されるように挿入片220が備えられてもよい。
【0028】
また、挿入片220が結合溝120に挿入されるとき、結合溝120内において融着され、上側フィルタハウジング100と下側フィルタハウジング200が堅固に固定される。
【0029】
フィルタ体300は、上側フィルタハウジング100と下側フィルタハウジング200との内部に備えられるが、薬物注入口110に注入される薬物が流れる上流側に備えられ、濾過機能を行う。
【0030】
また、フィルタ体300は、薬物注入口110に薬物が注入される上側フィルタハウジング100を基準として、後述される支持体400の上部に密着して備えられてもよい。
【0031】
また、フィルタ体300は、薬物の濾過効率を高めるように、メンブランフィルタからなってもよい。
【0032】
すなわち、フィルタ体300をメンブランフィルタで構成することにより、薬物に混入されている異物の除去を最大化することができる。
【0033】
図4に示すように、フィルタ体300は、上側フィルタハウジング100の下部の内側に挿入されて連結されてもよい。
【0034】
支持体400は、上側フィルタハウジング100と下側フィルタハウジング200との間に備えられるが、フィルタ体300の下部の薬物が排出される薬物排出口210の下流側に備えられ、フィルタ体300を支持する支持台の役割を行うことができる。
【0035】
支持体400は、メッシュ方式で製織したメッシュフィルタまたは高温高圧で圧縮して作った焼結方式で製作した焼結フィルタからなってもよい。
【0036】
前記メッシュフィルタは、製織により作られ、ワイヤを混ぜて網(mesh)を形成する。
【0037】
前記焼結フィルタは、ビーズをくっつけて高圧で押さえつけて製造されてもよい。
【0038】
また、支持体400は、フィルタ体300を支えるようになり、薬物注入口110に高速高圧で注入される薬物により、フィルタ体300が破損しないようにフィルタ体300を支持するようになる。
【0039】
すなわち、支持体400は、薬物注入口110に薬物が注入される上側フィルタハウジング100を基準として、フィルタ体300の下部に密着して、フィルタ体300を支えることにより、メンブランフィルタであるフィルタ体300が破損しないように支える支持台の役割をするので、メンブランフィルタの破損の臨界点が、メッシュフィルタまたは焼結フィルタの破損の臨界点まで上昇して、フィルタ体300の破損を防ぐことができる。
【0040】
逆止め弁ハウジング500は、下側フィルタハウジング200の下部に結合され、内部に薬物の逆流を防止する逆止め弁510が備えられる。
【0041】
また、逆止め弁ハウジング500は、下側フィルタハウジング200の下部に結合されながら、融着されてもよい。
【0042】
逆止め弁510は、逆止め弁ハウジング500が下側フィルタハウジング200と連結されることにより、逆止め弁ハウジング500と下側フィルタハウジング200との間に設置され、上側フィルタハウジング100を通過し、フィルタ体300及び支持体400を経て、下側フィルタハウジング200に流れる薬物の逆流を防止することができる。
【0043】
以下、本発明の静脈注入用フィルタのフィルタシート積層構造の作用について説明する。
【0044】
薬物注入口110が形成された上側フィルタハウジング100の下部に、薬物排出口210が形成された下側フィルタハウジング200が結合されるが、上側フィルタハウジング100と下側フィルタハウジング200との内部に、薬物注入口110に薬物が注入される上側フィルタハウジング100を基準として、メンブランフィルタであるフィルタ体300が備えられ、フィルタ体300の下部にメッシュフィルタまたは焼結フィルタの支持体400が密着して備えられる。
【0045】
このように、上側フィルタハウジング100を基準として、薬物が流れる上流方向に濾過機能の役割をするフィルタ体300が備えられることにより、フィルタ体300であるメンブランフィルタが薬物に混入されている異物を除去できる。
【0046】
また、上側フィルタハウジング100を基準として、薬物が排出される下流方向のフィルタ体300の下部に支持体400が備えられることにより、支持体400であるメッシュフィルタまたは焼結フィルタが、メンブランフィルタであるフィルタ体300を下から支えて支持するようになり、フィルタ体300の破損を防止することができる。
【0047】
また、上側フィルタハウジング100と下側フィルタハウジング200との内部に、濾過のためのフィルタを、フィルタ体300と支持体400として、二重で積層させることにより、濾過効率を最大化することができる。
【0048】
これとともに、下側フィルタハウジング200の下部に、逆止め弁510が設置される逆止め弁ハウジング500を設置することにより、輸液ラインに別途に逆止め弁を追加設置する必要がなく、費用を節減することができる。
【0049】
本発明は、上述の好適な実施形態に限定されず、様々な変形実施が可能であることはもちろんである。
【符号の説明】
【0050】
100 上側フィルタハウジング
110 薬物注入口
120 結合溝
200 下側フィルタハウジング
210 薬物排出口
220 挿入片
300 フィルタ体
400 支持体
500 逆止め弁ハウジング
510 逆止め弁
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】