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<図1>
  • 特表-装具及び装具製造方法 図1
  • 特表-装具及び装具製造方法 図2A
  • 特表-装具及び装具製造方法 図2B
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  • 特表-装具及び装具製造方法 図3B
  • 特表-装具及び装具製造方法 図4A
  • 特表-装具及び装具製造方法 図4B
  • 特表-装具及び装具製造方法 図5
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-14
(54)【発明の名称】装具及び装具製造方法
(51)【国際特許分類】
   A61F 5/14 20220101AFI20220607BHJP
   A43B 7/22 20060101ALI20220607BHJP
   A43D 31/02 20060101ALI20220607BHJP
   A43B 17/00 20060101ALI20220607BHJP
【FI】
A61F5/14
A43B7/22
A43D31/02
A43B17/00 E
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021560718
(86)(22)【出願日】2020-04-09
(85)【翻訳文提出日】2021-11-15
(86)【国際出願番号】 CA2020050479
(87)【国際公開番号】W WO2020206551
(87)【国際公開日】2020-10-15
(31)【優先権主張番号】62/832,391
(32)【優先日】2019-04-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521447838
【氏名又は名称】エピオネ イノベーションズ インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000154
【氏名又は名称】特許業務法人はるか国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ライアン マイケル
【テーマコード(参考)】
4C098
4F050
【Fターム(参考)】
4C098AA02
4C098BB12
4C098BC42
4C098BD15
4F050EA06
4F050KA08
4F050NA51
(57)【要約】
外側部および内側部を有するインソールを含む装具が提供される。内側部は第1の密度を有する第1の材料から形成され、外側部は第2の密度を有する第2の材料から形成され、第2の密度は第1の密度よりも大きい。内側部と外側部は斜角で接合する。さらに、インソールの内側部は曲面形状アーチサポート部を有する。いくつかの実施形態では、装具は、インソールの底部に結合されたラテラルウェッジをさらに含み、ラテラルウェッジは、装具の外側に配置されたその反対側を有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
装具であって、
外側部および内側部を有するインソールを備え、前記内側部は第1の密度を有する第1の材料から形成され、前記外側部は第2の密度を有する第2の材料から形成され、前記第2の密度は前記第1の密度よりも大きく、前記内側部と前記外側部とは斜角で接合し、前記インソールの前記内側部は曲面形状アーチサポート部を有する、装具。
【請求項2】
前記インソールの底部に結合されたラテラルウェッジをさらに備え、前記ラテラルウェッジは、前記装具の外側に配置されたその反対側を有する、請求項1に記載の装具。
【請求項3】
前記曲面形状アーチサポート部によって形成されたアーチボリュームを充填するアーチサポート材料をさらに含む請求項1に記載の装具。
【請求項4】
曲面形状外側部と曲面形状後方部とをさらに備える請求項1に記載の装具。
【請求項5】
曲面形状シェルをさらに備え、前記曲面形状シェルは、第5中足骨頭を過ぎた位置まで遠位方向に延在する、請求項1に記載の装具。
【請求項6】
前記装具の1つ以上の領域上にテクスチャ付き表面をさらに備えている請求項1に記載の装具。
【請求項7】
前記1つ以上の領域が、足底側の選択された領域に対する圧力を増加させること、足底側の選択された領域に対する圧力を減少させること、および足底側の選択された領域における感覚を刺激することのうちの1つ以上に少なくとも部分的に基づいて決定される、請求項6に記載の装具。
【請求項8】
前記装具が変形性膝関節症を緩和するために使用される、請求項1から7のいずれか1項に記載の装具。
【請求項9】
装具製造方法であって、
第1の密度を有する第1の材料からインソールの内側部を形成し、前記内側部は、曲面形状アーチサポート部をさらに有する、ステップと、
第2の密度を有する第2の材料からインソールの外側部を形成し、前記第2の密度は前記第1の密度よりも大きい、ステップと、
前記内側部と前記外側部とを接合し、前記内側部と前記外側部は、前記インソールの長さに沿って斜角で接合するステップと、を含む方法。
【請求項10】
さらに、ラテラルウェッジをインソールの底部に取り付けるステップを含み、前記ラテラルウェッジは、前記装具の外側に配置されたその反対側を有する、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
さらに、曲面形状シェルを取り付けるステップを含み、前記曲面形状シェルは、第5中足骨頭を過ぎた位置まで遠位に延在する、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記装具の上面の1つ以上の領域にテクスチャ付き表面を形成するステップをさらに含む請求項9に記載の方法。
【請求項13】
前記内側部および外側部のうち1つ以上を形成するステップが三次元印刷を用いて行われる、請求項9に記載の方法。
【請求項14】
前記方法は、変形性膝関節症を患う人の足のために装具を形成することを含む、請求項9から13のいずれか1項に記載の方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、装具の分野に関するものであり、特に、例えば変形性膝関節症を緩和することができる、内側膝コンパートメントの負荷を緩和するための装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
変形性関節症(OA)は、関節炎の普遍的形態であることが知られている。膝OAと、それに伴う歩行や階段昇降の補助の必要を含み得る運動障害のリスクは、65歳以上の人にとって他の病状に比べて大きな問題となり得る。そのため、例えば、個人的な苦痛や医療資源の使用などに関する社会的な負担は、肥満の増加や地域社会の高齢化に伴って増加することが予想される。
【0003】
膝OAの一般的な症状には、痛み、不安定さに加えて、筋力や可動域の低下があり、これらの症状のために日常的な活動が困難になることがある。これらの日常的な活動は、椅子からの立ち上がりや歩行などの動作を含み得る。膝OAは変性疾患と考えられており、多くの場合、痛み止めの薬で治療、またはより重度の場合には全関節置換術で治療する。
【0004】
膝装具は、膝の内転モーメント、すなわち膝を反り返った位置に押し出す力を減少させることにより、膝の内側コンパートメントに「負荷をかけない」ための一般的な保存的な非医学的治療法である。効果的ではあるが、膝装具は高価である可能性があり、皮膚炎が一般的な皮膚への影響であり得る。多くの患者は、外見上の懸念や虚弱認知故に装具を完全に避けていると見受けられる。
【0005】
もう1つの非医学的な手法は靴ベースのラテラルウェッジであり、その場合インソールの外側縁または外縁が、足の内側縁または内縁に対して高くなっている。この手法は、膝装具と比較して同程度の関節無負荷化を行うために、足病学や小児科の業界でも使用されており、また、膝装具に関連するコスト、外見、皮膚炎の問題も克服している。しかし、ラテラルウェッジは、足と足首をより不安定な位置に配置し得ることがわかっている。そのため、快適性や、ラテラルウェッジが引き起こす二次的な傷害を懸念して、ラテラルウェッジは現在、膝OAにはほとんど使用されていない。
【0006】
非特許文献1では、ラテラルウェッジと曲面形状アーチサポートを組み合わせたコンセプトを開示しており、足首の安定化と膝の内側コンパートメントの無負荷化の両方を実現できるデザインとして実証している。しかし、非特許文献2での結論では、現行バージョンの「アーチサポート付き」ラテラルウェッジは膝での無負荷化効果を最小にしており、膝OAの影響を緩和するためには膝の内側コンパートメントの無負荷化が望まれるとしている。
【0007】
したがって、先行技術の1つ以上の制限を受けない、例えば変形性膝関節症を緩和できる、内側膝コンパートメント負荷を緩和するための装置への必要が存在し得る。
【0008】
この背景情報は、本発明に関連し得る情報を提供することを意図している。先行する情報のいずれかが本発明に対する先行技術を構成する旨を承認することは必ずしも意図されておらず、またそのように解釈されるべきでもない。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】リチャード・K.ジョーンズ(Richard K.Jones)、ミン・チャン(Min Zhang)、フィリップ・ラクストン・アンドルー(Philip Laxton Andrew)、H.フィンドロー(H.Findlow)、アンミン・リウ(Anmin Liu)著、「新設計ラテラルウェッジインソールの、歩行中の膝および足首への生体力学的効果(The biomechanical effects of a new design of lateral wedge insole on the knee and ankle during walking)」、Human Movement Science、pp.596-604、2013年8月
【非特許文献2】「変形性膝関節症患者における歩容生体力学への靴着用インソールの効果:システマティックレビューとメタ分析(The effects of shoe-worn insoles on gait biomechanics in people with knee osteoarthritis: a systematic review and meta-analysis)」the British Journal of Sports Medicine、pp. 238-252、2018年2月
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、先行技術の少なくとも1つの欠点を回避または軽減することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の別の態様によれば、装具が提供される。装具は、外側部および内側部を有するインソールを含む。内側部は第1の密度を有する第1の材料から形成され、外側部は第2の密度を有する第2の材料から形成され、第2の密度は第1の密度よりも大きい。内側部と外側部は斜角で接合する。さらに、インソールの内側部は曲面形状アーチサポート部を有している。
【0012】
いくつかの実施形態では、装具は、インソールの底部に結合されたラテラルウェッジをさらに含み、ラテラルウェッジは、装具の外側に配置されたその反対側を有する。いくつかの実施形態では、装具は、曲面形状アーチサポート部によって形成されたアーチボリュームを充填するアーチサポート材料をさらに含む。いくつかの実施形態では、装具はさらに、曲面形状外側部および曲面形状後方部を含む。
【0013】
本発明の一態様によれば、装具製造方法が提供される。方法は、第1の密度を有する第1の材料からインソールの内側部を形成するステップを含み、この内側部はさらに、曲面形状アーチサポート部を有する。方法はさらに、第2の密度を有する第2の材料からインソールの外側部を形成するステップを含み、この第2の密度は第1の密度よりも大きい。さらに、方法は、内側部と外側部とを接合するステップを含み、内側部と外側部とはインソールの長さに沿って斜角で接合する。
【0014】
いくつかの実施形態では、方法はさらに、ラテラルウェッジをインソールの底部に取り付けるステップを含み、ラテラルウェッジは、装具の外側に配置されたその反対側を有する。いくつかの実施形態では、内側部、外側部、およびラテラルウェッジのうちの1つ以上を形成するステップは、三次元印刷を用いて行われる。
【0015】
以上、実施形態を、それらが実施可能な本発明の態様と併せて説明した。当業者であれば、実施形態は、それらが説明されている態様と関連して実施され得るが、その態様の他の実施形態と関連しても実施され得ることを理解するであろう。実施形態が相互排他的である場合、あるいは互いに互換性がない場合、そのことは当業者には明らかであろう。いくつかの実施形態は、ある態様に関連して説明されているが、当業者には明らかなように、他の態様にも適用可能であり得る。
【図面の簡単な説明】
【0016】
本発明のさらなる特徴および利点は、添付の図面と組み合わせた以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
図1】本発明の実施形態による右足用の可変密度装具の透視図である。
図2A図1に示した可変密度装具の第1の実施形態の後面図である。
図2B図1に示した可変密度装具の第2の実施形態の後面図である。
図2C図1に示した可変密度装具の第3の実施形態の後面図である。
図2D図1に示した可変密度装具の第4の実施形態の後面図である。
図3A】本発明の実施形態による曲面形状シェルを含む、右足用の可変密度装具の上面図である。
図3B】本発明の実施形態による曲面形状シェルを含む、右足用の可変密度装具の上面図である。
図4A】本発明の実施形態によるテクスチャ付き上面を含む、右足用の可変密度装具の透視図である。
図4B】本発明の実施形態によるテクスチャ形成の断面図である。
図5】本発明の実施形態による変形性関節症を緩和するための装具の方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
可変密度装具を提供することで、ラテラルウェッジと比較して、快適性を改善し、足首の不安定性の対応する増加を制限する一方で、ラテラルウェッジによって提供されるのと同程度の膝の内側コンパートメントの無負荷化をもたらし得ることが実現されている。
【0018】
実施形態によれば、ラテラルウェッジによる膝の無負荷化効果は、装具を形成するために使用される材料の密度差を使用することによって提供され、装具は、曲面形状アーチサポートを介して足首のかなりの安定化をさらに提供する。
【0019】
実施形態によれば、内側膝コンパートメントの無負荷化は、変形性膝関節症、内側半月板損傷、腓骨筋腱損傷、および外側足首の不安定性のうちの1つ以上を含む症状の軽減を支援することができる。内側の膝コンパートメントの無負荷化で益し得る他の症状は、当業者には容易に理解できるであろう。
【0020】
外側部および内側部を有するインソールを含む装具が提供される。内側部は第1の密度を有する第1の材料から形成され、外側部は第2の密度を有する第2の材料から形成され、第2の密度は第1の密度よりも大きい。内側部と外側部は斜角で接合する。さらに、インソールの内側部は、曲面形状アーチサポート部を有する。いくつかの実施形態では、装具は、インソールの底部に結合されたラテラルウェッジをさらに含み、ラテラルウェッジは、装具の外側に配置されたその反対側を有する。
【0021】
実施形態によれば、曲面形状アーチサポートは、例えば、足の3D体画像を作成することによって個人向けにカスタムメイドされ得る。他の実施形態では、曲面形状アーチサポートは、一般的なアーチ形状に基づいて個人向けに選択され得る。一般的なアーチ形状は、その複数のバージョンに分割されてもよく、これにより、異なる個人のアーチにかなりの変動性を見込むことができる。例えば、一般的なアーチ形状は、高いアーチ、中程度のアーチ、または低いアーチの足の姿勢に対応するために利用可能なアーチの高さのバージョンを有し得る。アーチサポートは、足および足首の安定化のレベルを提供し、膝の無負荷化向けに構成された装具のさらなる特徴の効果を均衡させることができる。
【0022】
実施形態によれば、装具の内側部、例えば、足の内側の下に配置される装具の部分は、第1の密度を有する材料で構成される。装具の外側部、例えば、足の外側に位置する装具の部分は、第2の密度を有する材料で構成され、第2の密度は第1の密度よりも大きい。これらの密度の比率は様々であり得る。いくつかの実施形態によれば、装具の外側部と内側部は、インソールの長軸のほぼ中間線で接合する。しかし、外側部と内側部のこの接合位置は、装具の外側部または内側部のいずれかに向かって長軸の正中線からオフセットされ得ることが容易に理解されるであろう。
【0023】
実施形態によれば、密度比は、外側部および内側部それぞれにつき75:25のデュロメータ比であり得る。これは装具の所望の密度比であり得るが、例えば、80:20、90:10、60:40または容易に理解され得る他の比等の他の比が可能である。
【0024】
いくつかの実施形態では、装具はエチルビニルアセテート(EVA)から形成される。しかし、材料の組成はEVAに限定されるものではなく、プラスチゾート、ポリエチレン、またはネオプレンを含む、任意のオープンセルまたはクローズドセルフォームを含み得る。また、外側部と内側部は、材料が適切に接合され、さらに所望の密度差を提供することができることを条件に、異なる種類の材料から作製され得ることが容易に理解される。実施形態によれば、密度差は、足の外側半分に増加した圧力を提供し、地面反力ベクトルをより膝関節中心に向けてシフトさせ、膝を外側に押し出して内反膝姿勢にする力を低減することができる。
【0025】
実施形態によれば、装具の外側部と内側部とは、例えば密度遷移領域を規定する斜角で接合する。45度の角度は、本質的に、装具の厚さと実質的に同等の長さを有する密度遷移領域を形成することが理解されるであろう。45度より大きい斜角は、この密度遷移領域を実質的に減少させ、一方、45度より小さい斜角は、密度遷移領域の長さを増加させる。斜角は、膝における関節の負荷軽減の程度を調整するために選択され得る。斜角の変動のもう1つの理由は、着用者による自身の足裏の密度遷移の知覚の緩和を含み得る。
【0026】
いくつかの実施形態によれば、より高密度の材料が密度遷移領域内で装具の下部に配置されるように、斜角が選択される。代替の実施形態では、斜角は、より高密度の材料が密度遷移領域内で装具の上部に配置されるように規定される。
【0027】
いくつかの実施形態では、例えば、装具に対する所望の用量反応に応じて、装具は、足の外側でより厚く、内側に向かって先細りとなり得るラテラルウェッジを含んでもよい。ラテラルウェッジの角度は3度から5度の間であり得るが、所望の用量/応答に応じて、また、装具を使用する靴内に収容可能な外側のラテラルウェッジの厚さに応じて、ラテラルウェッジの他の角度が可能である。実施形態によれば、ラテラルウェッジは、地面反力ベクトルのシフトを補助するように可変密度装具を支持して、膝の内側コンパートメントを圧迫する力を低減することで、変形性関節症の個人の痛みを緩和することができる。
【0028】
実施形態によれば、本発明の実施形態による装具は、内側コンパートメントの変形性膝関節症を患う個人に標的化した痛みの緩和を提供することによって、既存の市販のアーチサポートを改善することができると考えられる。さらに、長期間にわたるコンパートメント負荷の軽減は、変形性膝関節症患者の疾患進行を遅らせることが示されており、したがって、膝OAに関連する疾患負担および社会経済的コストを潜在的に低下させる。
【0029】
いくつかの実施形態によれば、本発明の実施形態による可変密度装具は、製造業者によって履物に組み込まれてもよく、または履物用のソックスライナーの設計に組み込まれてもよい。
【0030】
図1は、本発明の実施形態による右足用の可変密度装具の透視図である。装具の外側部102は、インソールの後端10から前端40までの長さに沿って、装具の外側20へと延在して規定される。また、装具の内側部104は、インソールの後端10から前端40までの長さに沿って、装具の内側30へと延在して規定される。装具の内側30には、曲面形状アーチサポート108が設けられている。いくつかの実施形態では、装具ユーザの足のアーチに付加的な支持を提供するために、曲面形状アーチサポート108によって規定されるボリューム106を充填剤で充填してもよい。
【0031】
図2Aは、図1に示した可変密度装具の第1の実施形態の後面図を示す。この実施形態では、外側部202は内側部204よりも高密度の材料から形成されている。外側部202と内側部204とは、接続面208を規定する斜角に沿って接合する。密度遷移領域206の長さはこの斜角に依存する。この実施形態では、外側部のより高密度の材料が、内側部の材料よりも下にあることに留意されたい。
【0032】
図2Bは、図1に示した可変密度装具の第2の実施形態の後面図を示す。この実施形態では、図2Aに例示されているものと同様に、外側部203は内側部205よりも高密度である材料から形成されている。外側部203と内側部205とは、接続面208を規定する斜角に沿って接合する。密度遷移領域207の長さはこの斜角に依存する。本実施形態は、インソールの底部に取り付けられるラテラルウェッジ200をさらに含み、ラテラルウェッジは、ラテラルウェッジの反対側の高さ280を規定する角度208を有し得る。
【0033】
図2Cは、図1に示した可変密度装具の第3の実施形態の後面図を示す。この実施形態では、外側部212は内側部214よりも高密度の材料から形成されている。外側部212と内側部214とは、接続面218を規定する斜角に沿って接合する。密度遷移領域216の長さはこの斜角に依存する。この実施形態では、外側部のより高密度の材料が、内側部の材料よりも上にあることに留意されたい。
【0034】
図2Dは、図1に示した可変密度装具の第4の実施形態の後面図を示す。この実施形態では、図2Cに例示されているものと同様に、外側部213は内側部215よりも高密度の材料から形成されている。外側部213と内側部215とは、接続面222を規定する斜角に沿って接合する。密度遷移領域224の長さはこの斜角に依存する。この実施形態はさらに、インソールの底部に取り付けられたラテラルウェッジ220を含み、ラテラルウェッジは、ラテラルウェッジの反対側の高さ285を規定する角度218を有し得る。
【0035】
いくつかの実施形態によれば、可変密度装具は、その上面に取り付けられた曲面形状シェルをさらに含む。いくつかの実施形態では、図3Aに図示されているように、曲面形状シェル310は、現在製造されている装具に典型的であるように、可変密度装具上に配置および構成される。例えば、図3Aに例示されるように、曲面形状シェルは、第1中足骨頭の近位にほぼ位置する位置318まで延在する。他の実施形態によれば、図3Bに図示されているように、曲面形状シェル312は、所定の位置、例えば第5中足骨頭320を過ぎた位置まで遠位方向に延在し、その後、第1中足骨頭322のすぐ近位に位置する標準的なシェルの位置に折れ戻り/近位方向に延在するように構成されている。曲面形状シェルを含めることで、オプションでラテラルウェッジを用いて可変密度装具の効果を増強する手段を提供することができる。これらの実施形態では、曲面形状シェルは、膝関節の内側コンパートメントにさらなる治療的救済を提供する膝の内転モーメントをさらに減少させることができるアウトトゥー歩行を誘導することができる。
【0036】
いくつかの実施形態によれば、可変密度装具はさらに、その上面に形成されたテクスチャを含み得る。テクスチャ付き上面は、足の足底側の皮膚感覚を高めることによって、ユーザの姿勢安定性を高めるために使用され得る。図4Aは、上面内に形成され得るテクスチャの2つの例を示しており、ディンプル410またはウェーブ415、または容易に理解されるであろう他の適切なテクスチャを含み得る。これらのテクスチャ付き領域は、可変密度装具の上面全体にわたって、または可変密度装具の上面の1つ以上の選択された領域に形成され得る。いくつかの実施形態によれば、テクスチャが形成される選択領域は、様々な所望の副次的効果のうちの1つ以上によって決定され得る。これらの二次効果は、足底側の1つ以上の選択された領域に対する圧力を増加または減少させること、足底側の1つ以上の選択された領域における感覚を刺激すること、または当業者が容易に理解するであろう他の二次効果を含み得る。実施形態によれば、図4Bに示されるように、パターンは、テクスチャが所望の高さ420、例えば約1mmを有するように形成され得る。この高さは、容易に理解されるように、所望の二次効果または他の特徴に依存し得る。テクスチャの高さは、1つ以上の選択された領域にわたって一貫してもよく、または選択された領域にわたって所望の方法で変動してもよく、またはテクスチャが可変密度装具の複数の領域にわたって提供される場合には、選択された領域の間で変動してもよいことが、さらに容易に理解される。実施形態によれば、テクスチャは、ソフトデュロメータまたはハードデュロメータの材料を用いて形成することができ、このような材料の種類は、テクスチャを含めることに対する所望の効果に基づいて決定され得る。例えば、テクスチャは、エチルビニルアセテート、プラスチゾート、ポリプロピレンテレフタレート(PPT)、または容易に理解されるような他の材料を含み得る材料を用いて形成され得る。
【0037】
本発明の実施形態による右足用の装具に関する上記の議論に基づいて、本発明の実施形態による左足用の装具をどのように構成するかは、当業者には容易に理解されるであろう。
【0038】
図5は、本発明の実施形態による変形性関節症を緩和するための装具の方法を示す。方法は、501で第1の密度を有する第1の材料からインソールの内側部を形成するステップを含み、この内側部はさらに、曲面形状アーチサポート部を有する。方法はさらに、503で第2の密度を有する第2の材料からインソールの外側部を形成するステップを含み、第2の密度は第1の密度よりも大きい。さらに、方法は、505で内側部と外側部とを接合するステップを含み、内側部と外側部とは、インソールの長さに沿って斜角で接合する。
【0039】
いくつかの実施形態では、方法はさらに、507でラテラルウェッジをインソールの底部に取り付けるステップを含み、ラテラルウェッジは、装具の外側に配置されたその反対側を有する。いくつかの実施形態では、方法はさらに、508で装具の上面に曲面形状シェルを取り付けるステップを含む。いくつかの実施形態では、方法はさらに、509で装具の上面にテクスチャ付き表面を形成または取り付けるステップを含む。
【0040】
いくつかの実施形態では、内側部、外側部、およびラテラルウェッジのうちの1つ以上を形成することは、三次元印刷を用いて行われる。
【0041】
本明細書では、説明のために本技術の特定の実施形態を記載してきたが、本技術の範囲を逸脱することなく様々な変更を加えることができることが理解されるであろう。したがって、本明細書および図面は、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明を単に例示するものとみなされ、本発明の範囲内に入る任意およびすべての変更、変形、組み合わせ、または等価物を網羅することが企図される。
【0042】
本発明の前述の実施形態は例示であり、多くの方法で変化させることができることは明らかである。そのような現在または将来の変形は、本発明の趣旨および範囲からの逸脱とみなされるべきではなく、当業者には明らかであろうすべてのそのような変更は、以下の請求項の範囲内に含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0043】
10 後端
20 外側
30 内側
40 前端
102、202、203、212、213 外側部
104、204、205、214、215 内側部
106 ボリューム
108 曲面形状アーチサポート
206、207、216、224 密度遷移領域
208、209、218、222 接続面
208、218 角度
200、220 ラテラルウェッジ
280、285、420 高さ
310、312 曲面形状シェル
318 位置
320 第5中足骨頭
322 第1中足骨頭
410 ディンプル
415 ウェーブ

図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図3A
図3B
図4A
図4B
図5
【国際調査報告】