(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-15
(54)【発明の名称】インクジェット印刷ヘッドクリーニングシステム
(51)【国際特許分類】
B41J 2/165 20060101AFI20220608BHJP
B41J 2/175 20060101ALI20220608BHJP
B41J 2/01 20060101ALI20220608BHJP
B41J 2/18 20060101ALI20220608BHJP
B41J 29/393 20060101ALI20220608BHJP
【FI】
B41J2/165 401
B41J2/175 201
B41J2/175 501
B41J2/01 401
B41J2/01 451
B41J2/18
B41J29/393 101
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021556852
(86)(22)【出願日】2020-03-23
(85)【翻訳文提出日】2021-10-06
(86)【国際出願番号】 US2020024191
(87)【国際公開番号】W WO2020198129
(87)【国際公開日】2020-10-01
(32)【優先日】2019-03-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】517151372
【氏名又は名称】ナノ ディメンション テクノロジーズ,リミテッド
【住所又は居所原語表記】2 Ilan Ramon St., 74036 Nes Ziona, Israel
(74)【代理人】
【識別番号】110001656
【氏名又は名称】特許業務法人谷川国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】フリードマン,トマー
(72)【発明者】
【氏名】メコネン,サラモン
【テーマコード(参考)】
2C056
2C061
【Fターム(参考)】
2C056EA14
2C056EA20
2C056EB25
2C056EB27
2C056EB34
2C056EB40
2C056EC18
2C056EC24
2C056EC32
2C056EC39
2C056FA03
2C056FA04
2C056JB15
2C056KA01
2C056KB08
2C056KB16
2C061AP01
2C061AQ05
2C061KK04
2C061KK18
2C061KK26
(57)【要約】
本開示は、インクジェット印刷ヘッドをクリーニングするためのポータブルシステムに関する。具体的には、本開示は、制御された圧力下でインクジェット印刷ヘッドの詰まったノズルをクリーニングするための外部のポータブルシステムおよびジグアセンブリに関する。ジグアセンブリは、自己完結型で取り外し可能であり得、ノズルプレートまたはその一部の詰まりを示す様々な信号を受信したとき、および/またはルーティーンメンテナンス動作手順として動作するようにプログラムされ得る。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
インクジェット印刷ヘッドのノズルプレートの詰まりを除去するためのコンピュータ化システムであって、
a.圧力ポンプと、
b.前記圧力ポンプと流体連通している圧力逃がし弁と、
c.前記圧力逃がし弁と流体連通しているクリーニング液容器と、
d.入口、ドレーン出口、およびノズルプレートを有するインクジェット印刷ヘッドであって、前記クリーニング容器と流体連通しているインクジェット印刷ヘッドと、
e.スイッチ弁であって、前記インクジェット印刷ヘッドおよび槽と流体連通しているスイッチ弁と、
f.前記槽と、
g.前記スイッチ弁と流体連通しているフィルタモジュールと、
h.前記フィルタモジュールおよび前記クリーニング液容器と流体連通しているリサイクルポンプと、
i.前記圧力ポンプ、前記圧力逃がし弁、前記インクジェット印刷ヘッド、前記スイッチ弁、前記フィルタモジュール、および前記リサイクルポンプと通信する中央処理モジュール(CPM)と、を含むシステム。
【請求項2】
前記システムが、前記フィルタモジュールと通信している少なくとも1つの圧力計をさらに含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記CPMが前記圧力計と通信している、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記CPMが、
a.ユーザインターフェースモジュールと、
b.ディスプレイと、
c.少なくとも1つのプロセッサと、
d.実行可能命令のセットを備えたプロセッサ可読媒体を上に有する不揮発性メモリと、をさらに含む、請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記実行可能命令のセットは、実行されると、前記CPMに含まれる前記少なくとも1つのプロセッサに、
a.前記圧力ポンプを使用して、クリーニング液容器を加圧し、クリーニング液を前記インクジェット印刷ヘッドの入口に流入させ、
b.前記スイッチ弁および再循環ポンプを作動させて、前記フィルタモジュールを介して前記クリーニング液を、前記クリーニング液容器、前記インクジェット印刷ヘッドの入口、および前記インクジェット印刷ヘッドのドレーン出口に循環させ、
c.前記スイッチ弁を作動させて、前記インクジェット印刷ヘッドのノズルプレートを介して、前記槽の中へ、そして前記槽から前記スイッチ弁を介して、前記フィルタモジュールおよび前記クリーニング液容器に前記クリーニング液を循環させ、かつ
d.前記圧力弁を停止させ、前記スイッチ弁を作動させ、前記逃がし弁を閉じ、前記液体を前記槽から前記クリーニング液容器に循環させるように構成されている、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記実行可能命令のセットは、実行されると、前記CPMに含まれる前記少なくとも1つのプロセッサに、所定のサイクル数にわたり、請求項5に記載のステップを繰り返させるようにさらに構成されている、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記所定のサイクル数が3~10である、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記逃がし弁が、0.987気圧を超えるいずれの圧力も逃がすように構成されている、請求項6に記載のシステム。
【請求項9】
前記実行可能命令のセットが、実行されると、前記CPMに含まれる前記少なくとも1つのプロセッサに、固定された時間間隔で所定の期間にわたり前記クリーニング液を循環させることと、前記圧力計から受信した信号に応答して前記クリーニング液を循環させることと、のうちの少なくとも1つを作動させるようにさらに構成されている、請求項7に記載のシステム。
【請求項10】
前記実行可能命令のセットが、実行されると、前記CPMに含まれる前記少なくとも1つのプロセッサに、
a.前記CPMが受信した信号に応答して、前記再循環ポンプを停止させる、
b.圧力ポンプを停止させ、かつ
c.前記圧力逃がし弁を使用して、残存するシステム圧力を解放させるようにさらに構成されている、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記信号が、前記圧力計内の所定の程度を上回る圧力上昇である、請求項9に記載のシステム。
【請求項12】
前記信号が、所定の期間を上回る時間の経過である、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記フィルタモジュールが3μmのフィルタを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
画像化モジュールおよび較正モジュールのうちの少なくとも1つをさらに含み、前記画像化モジュールおよび前記較正モジュールが、それぞれ、または組み合わせて、詰まったノズルプレートまたはその部分を検出するように動作可能である、請求項10に記載のシステム。
【請求項15】
前記信号が、前記画像化モジュール、および前記較正モジュールのうちの少なくとも1つから受信される、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
インクジェット印刷ヘッドのノズルプレートの詰まりを除去するコンピュータ化された方法であって、システムに実装可能であり、前記システムは、圧力ポンプと、前記圧力ポンプと流体連通している圧力逃がし弁と、前記圧力逃がし弁と流体連通しているクリーニング液容器と、入口、ドレーン出口、およびノズルプレートを有するインクジェット印刷ヘッドであって、前記クリーニング容器と流体連通しているインクジェット印刷ヘッドと、スイッチ弁であって、前記インクジェット印刷ヘッドおよび槽と流体連通しているスイッチ弁と、前記槽と、前記スイッチ弁と流体連通しているフィルタモジュールと、前記フィルタモジュールおよび前記クリーニング液容器と流体連通しているリサイクルポンプと、前記フィルタモジュールと流体連通している圧力計と、前記圧力ポンプ、前記圧力逃がし弁、前記インクジェット印刷ヘッド、前記スイッチ弁、前記フィルタモジュール、および前記リサイクルポンプと通信する中央処理モジュール(CPM)と、を備え、前記方法が、
a.
i.前記インクジェット印刷ヘッド印刷の固定された時間間隔、
ii.前記CPMによりコマンドを受信すること、
iii.前記インクジェット印刷ヘッドのノズルプレートが詰まっていることを示す信号を受信すること、のうちの少なくとも1つに即して、
前記圧力ポンプ、および前記再循環ポンプを起動し、かつ前記スイッチ弁を作動させることと、
b.クリーニング液を前記インクジェット印刷ヘッドの入口を通して前記ドレーン出口へ、前記スイッチ弁を通して前記フィルタモジュールへ、そしてクリーニング液容器へ循環させることと、
c.前記クリーニング液を前記インクジェット印刷ヘッドのノズルプレートを通して前記槽の中へ循環させるために前記スイッチ弁を作動させることと、
d.
i.所定の時間経過、および
ii.前記CPMによってコマンドを受信すること、のうちの少なくとも1つに即して、
前記圧力ポンプを閉じ、前記スイッチ弁を作動させ、前記逃がし弁を閉じて、それによって、前記槽から、前記フィルタモジュールを通して前記クリーニング液容器に前記液体をドレーンすることと、を含む、方法。
【請求項17】
前記CPMが、
a.ユーザインターフェースモジュールと、
b.ディスプレイと、
c.少なくとも1つのプロセッサと、
d.実行されたときに、前記少なくとも1つのプロセッサに請求項16に記載のステップを行わせるように構成された、実行可能命令のセットを備えたプロセッサ可読媒体を上に記憶する不揮発性メモリ記憶装置と、をさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記システムが、画像化モジュールおよび較正モジュールのうちの少なくとも1つをさらに含み、前記画像化モジュールおよび前記較正モジュールが、各々、または組み合わせて、詰まったおよび詰まっていないノズルプレート、またはその部分を検出するように動作可能であり、インクジェット印刷ヘッドのノズルプレート、またはその部分が詰まっている、または詰まっていないことを示す信号が、前記画像化モジュールおよび前記較正モジュールのうちの少なくとも1つから受信される、請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記スイッチ弁および前記再循環ポンプを作動させる前記ステップの前に、
a.テストパターンを印刷することと、
b.前記テストパターンを分析することと、
c.前記ノズルプレートが詰まっているかどうかを判定することと、
d.前記ノズルプレートが詰まっている場合、前記圧力逃がし弁と流体連通している前記クリーニング液容器を前記インクジェット印刷ヘッドの入口に結合し、かつ、前記スイッチ弁、前記フィルタモジュール、および前記再循環ポンプを前記ドレーン出口に結合し、同時に前記槽を前記インクジェット印刷ヘッドのノズルプレートの下に配置することと、そうでないとき、
e.前記インクジェット印刷ヘッドを使用することと、がある、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記スイッチ弁および前記再循環ポンプを作動させる前記ステップから、前記スイッチ弁を作動させ、前記逃がし弁を閉じて、それによって、前記流体を前記槽から前記クリーニング液容器に循環させる前記ステップまでを3~10サイクルにわたって繰り返すことをさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項21】
前記最終サイクルの後に、前記テストパターンを印刷して、
a.前記印刷パターンがノズルプレートまたはその部分の詰まりを示している場合、前記スイッチ弁および前記再循環ポンプを作動させる前記ステップから、前記スイッチ弁を作動させ、前記逃がし弁を閉じて、それによって、前記液体を前記槽から前記クリーニング液容器に循環させる前記ステップまでを追加の少なくとも1サイクルにわたって繰り返すことと、そうでないとき、
b.前記印刷されたテストパターンがノズルプレートまたはその部分の開口を示している場合、前記圧力逃がし弁と流体連通している前記クリーニング液容器を前記インクジェット印刷ヘッドの入口から切り離し、前記スイッチ弁、前記フィルタモジュール、および前記再循環ポンプを前記ドレーン出口から切り離すことと、同時に、前記インクジェット印刷ヘッドのノズルプレートの下から前記槽を取り外すことと、前記インクジェット印刷ヘッドの使用を再開することと、をさらに含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記スイッチ弁および前記再循環ポンプを作動させる前記ステップ、ならびに前記圧力ポンプおよび前記再循環ポンプを停止させる前記ステップのうちの少なくとも1つのための前記CPMによって受信されるコマンドが、前記ユーザインターフェースを使用してユーザによって入力されている、請求項17に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、インクジェット印刷ヘッドをクリーニングするためのシステムに向けられている。具体的には、本開示は、制御された圧力下でインクジェット印刷ヘッドの詰まったノズルをクリーニングするためのシステムおよびアセンブリに向けられている。
【背景技術】
【0002】
インクジェット印刷ヘッドは、ノズル上の沈着物(固形の沈殿物)を除去し、気泡を除去し、他の方法で印刷品質を維持するために、印刷ノズルを定期的にクリーニングする必要がある。印刷ヘッドのクリーニングは、インクジェット印刷プロセスの重要な部分であり、例えば、一部の工業用設定では、印刷ヘッドは2分ごとにクリーニングされる。クリーニングの頻度は、印刷ヘッドが使用されている特定の用途によって異なる。典型的には、クリーニングは、容易なアクセスのために、プリンタの片側にある印刷ヘッドを取り外し、手動またはワイパを使用してヘッドをクリーニングすることによっても実行することができる。これらの方法は、時間がかかり、かつ非効率的である。
【0003】
通常、オリフィスプレートは、印刷ヘッドの印刷側(下面)に配置され、ノズルが印刷するためのアクセスを提供すると同時に、場合により、印刷ヘッドの保護も提供する。各ノズルから噴射されたインクは、印刷のためにオリフィスから出る。定期的なクリーニングの間、および/またはパージ後に、沈着物、パージされた液体を除去し、ノズルから(オリフィスを介して)印刷液が適切に噴射されるのを可能にするためにオリフィスの表面がクリーニングされ得る。
【0004】
印刷側と噴射されたインクおよびオリフィス表面との間の滑らかさと高い界面張力(一貫した液滴を形成するために必要とされる非濡れ性)を維持するために、オリフィスプレートを損傷したり、ノズルを再び詰まらせたりしないように、拭き取りを行う際に注意を払う必要がある。同様に、ノズルの詰まりを除去するためのクリーニング液を有するシリンジの現行の使用は、一貫性がなく、時間がかかり、潜在的に印刷ヘッドに有害である。
【0005】
現行技術のこれらの欠点、および他の欠点は、以下の開示によって対処されている。
【発明の概要】
【0006】
様々な実施形態において、制御された圧力下でインクジェット印刷ヘッドの詰まったノズルをクリーニングするためのシステムおよびアセンブリが開示されている。
【0007】
本明細書で提供される一実施形態では、インクジェット印刷ヘッドのノズルプレートの詰まりを除去するためのコンピュータ化システムが本明細書で提供されており、システムは、圧力ポンプと、圧力ポンプと流体連通している圧力逃がし弁と、圧力逃がし弁と流体連通しているクリーニング液容器と、入口、ドレーン出口、およびノズルプレートを有するインクジェット印刷ヘッドであって、クリーニング容器と流体連通しているインクジェット印刷ヘッドと、スイッチ弁であって、インクジェット印刷ヘッドおよび槽と流体連通しているスイッチ弁と、槽と、スイッチ弁と流体連通しているフィルタモジュールと、フィルタモジュールおよびクリーニング液容器と流体連通しているリサイクルポンプと、圧力ポンプ、圧力逃がし弁、インクジェット印刷ヘッド、スイッチ弁、フィルタモジュール、およびリサイクルポンプと通信する中央処理モジュール(CPM)と、を含む。
【0008】
別の実施形態では、インクジェット印刷ヘッドノズルプレートの詰まりを除去するコンピュータ化された方法が、本明細書で提供されており、システムで実装可能になっており、システムは、圧力ポンプと、圧力ポンプと流体連通している圧力逃がし弁と、圧力逃がし弁と流体連通しているクリーニング液容器と、入口、ドレーン出口、およびノズルプレートを有するインクジェット印刷ヘッドであって、クリーニング容器と流体連通しているインクジェット印刷ヘッドと、スイッチ弁であって、インクジェット印刷ヘッドおよび槽と流体連通しているスイッチ弁と、槽と、スイッチ弁と流体連通しているフィルタモジュールと、フィルタモジュールおよびクリーニング液容器と流体連通しているリサイクルポンプと、フィルタモジュールと通信する圧力計(例えば、静水圧力計、アネロイド圧力計、ピエゾ抵抗ひずみ計、容量性マノメータ、冷陰極真空計、熱電対真空計など、およびそれらの組み合わせ)と、圧力ポンプ、圧力逃がし弁、インクジェット印刷ヘッド、スイッチ弁、フィルタモジュール、およびリサイクルポンプと通信する中央処理モジュール(CPM)と、を含み、本方法は、インクジェット印刷ヘッドの印刷の固定された時間間隔、CPMによりコマンドを受信すること、およびインクジェット印刷ヘッドのノズルプレートが詰まっていることを示す信号を受信すること、のうちの少なくとも1つに即して、圧力ポンプ、および前記再循環ポンプを起動し、かつ前記スイッチ弁を作動させることと、クリーニング液をインクジェット印刷ヘッドの入口を通してドレーン出口へ、スイッチ弁を通してフィルタモジュールへ、そしてクリーニング液容器へ循環させることと、クリーニング液をインクジェット印刷ヘッドのノズルプレートを通して槽の中へ循環させるためにスイッチ弁を作動させることと、所定の時間経過、およびCPMによってコマンドを受信すること、のうちの少なくとも1つに即して、圧力ポンプを閉じ、スイッチ弁を作動させ、逃がし弁を閉じて、それによって、槽から、フィルタモジュールを通してクリーニング液容器に液体をドレーンすることと、を含む。
【0009】
別の実施形態では、実行可能命令のセットは、実行されると、CPMに圧力ポンプを使用して、クリーニング液容器を加圧し、クリーニング液をインクジェット印刷ヘッドの入口に流入させ、スイッチ弁と再循環ポンプを作動させて、フィルタモジュールを介して、クリーニング液容器、インクジェット印刷ヘッドの入口、およびインクジェット印刷ヘッドのドレーン出口にクリーニング液を循環させ、スイッチ弁を作動させて、インクジェット印刷ヘッドのノズルプレートを介して、槽の中へ、そして槽からスイッチ弁を介して、フィルタモジュールおよびクリーニング液容器にクリーニング液を循環させ、圧力弁を停止させ、スイッチ弁を作動させ、逃がし弁を閉じ、液体を槽からクリーニング液容器に循環させるように構成されている。
【0010】
さらに別の実施形態では、スイッチ弁および再循環ポンプを作動させるステップの前に、テストパターンを印刷することと、テストパターンを分析することと、ノズルプレートが詰まっているかどうかを判定することと、ノズルプレートが詰まっている場合、圧力逃がし弁と流体連通しているクリーニング液容器をインクジェット印刷ヘッドの入口に結合し、かつ、スイッチ弁、フィルタモジュール、および再循環ポンプをドレーン出口に結合し、同時に槽をインクジェット印刷ヘッドのノズルプレートの下に配置することと、そうでないとき、インクジェット印刷ヘッドを使用することと、がある。
【0011】
インクジェット印刷ヘッドアライメントのためのアセンブリおよび方法の、これらの特徴および他の特徴は、限定するものでなく例示的な、図面および実施例と併せて読むと、以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
制御された圧力下でインクジェット印刷ヘッドの詰まったノズルをクリーニングするためのシステムおよびアセンブリをよりよく理解するために、その実施形態に関して、添付の実施例および図を参照する。
【0013】
【
図2】システムの動作の一実施形態を示すフローチャートである。
【
図3A】治具を取り付けてシステムを形成する前のテスト印刷パターンを示す。
【
図3B】本明細書で提供されるシステムおよび方法を使用してクリーニングした後のテスト印刷を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本明細書で提供されるのは、制御された圧力下でインクジェット印刷ヘッドの詰まったノズルをクリーニングするためのシステムおよびアセンブリの実施形態である。
【0015】
インクジェットプリンタの1つのタイプは、「オンデマンド」インクジェットプリンタである。「オンデマンド」インクジェットプリンタは、所望のパターンを形成するために必要な場合にのみインクの液滴を射出する。「オンデマンド」インクジェットプリンタの一形態では、複数のインクジェットノズルが、すべてのノズルに対して複数の加圧アクチュエータとともに設けられている。インクジェット液滴を生成するために、複数の加圧アクチュエータが使用される。例えば、アクチュエータは、熱アクチュエータおよび圧電アクチュエータであり得る。熱アクチュエータでは、ヒーターがインクジェットノズル内に配置され、インクを加熱する。このことが、ある量のインクを気泡に相変化させ、インク液滴が記録媒体に放出されるのに十分なように内部インク圧力を上昇させる。
【0016】
逆に、圧電アクチュエータでは、すべてのノズルに圧電材料が設けられている。圧電材料は、印加された電界が材料に機械的応力を生成し、何らかの変形(言い換えれば、電歪)になるような圧電特性を有している。これらの特性を備えた天然素材には、クォーツとトルマリンがある。最も一般的に製造されている圧電セラミックは、チタン酸ジルコン酸鉛、チタン酸バリウム、チタン酸鉛、およびメタニオブ酸鉛である。これらの材料がインクジェット印刷ヘッドに使用されると、印刷ヘッド内のインクに機械的応力がかかり、インク液滴が印刷ヘッドから射出される。
【0017】
さらに、インクジェット印刷ヘッドは、インクジェット印刷が行われる環境に露出している。したがって、印刷ヘッドのオリフィスと表面は、印刷品質の不整合性につながる、オリフィスの形状に影響を与える多くの種類の浮遊粒子やその他の環境上の制約に曝されている。粒子状の破片は、オリフィスを囲む印刷ヘッド表面に蓄積することがあり、オリフィスおよびチャンバー自体に蓄積することがある。また、インクはそのような粒子状の破片と結合して、干渉バリを形成することがあり、これがオリフィスを塞ぐか、または表面の濡れ性を変化させてインク液滴の適切な形成を阻害する。当然ながら、粒子状の破片は、適切な液滴形成を回復するために、表面とオリフィスから除去される必要がある。
【0018】
インクジェット印刷ヘッドクリーナが知られている。インクジェット印刷ヘッドクリーナが、1990年11月13日に発行された「In Jet Print Head Face Cleaner」と題する米国特許第4,970、535号に開示されており、印刷ヘッド面に対して形成されたエンクロージャを通る制御された空気通路を提供するインクジェット印刷ヘッド面クリーナを開示している。空気は入口を通ってエンクロージャ内のキャビティに向けられている。キャビティに入る空気は、ヘッド面のインクジェット開口部を通過して出口を出るように向けられている。真空源が出口に取り付けられて、キャビティ内に亜大気圧を形成する。回収チャンバーおよび取り外し可能な引き出しが、除去されたインクの廃棄を容易にするために出口の下に配置されている。しかしながら、加熱空気の使用は、印刷ヘッド表面から乾燥粒子を除去するための特に効果的な媒体ではない。同様のアプローチが、「Devices, Systems and Methods for Ink Jet Print Head Maintenance」と題する、構造的に統合された機械的システム、および開口プレートを液体または他の機械的手段に接触させることなくインクジェット印刷ヘッドからパージされたインクを除去するための方法を対象とする、共通所有の米国特許第9,878,549号に開示されている。本システムは、印刷ヘッドと回収槽の間にベンチュリ効果を生み出す。これらのシステムは、どちらもポータブルではなく、これらのシステムは、開口部の詰まりの除去を試みることもしない。
【0019】
別の方法は、クリーニング液を使用して印刷ヘッドをクリーニングすることで、ウェットワイピングとして知られている。ウェットワイピングでは、印刷ヘッドの下側にクリーニング液が塗布され、印刷ヘッドからクリーニング液と汚染物質を除去するためにワイパが使用されている。様々なウェットワイピングの実施形態の例は、Rotering et al.の米国特許第5,914,734号に見出され、ここでは、計量された量のクリーニング液を印刷ヘッドに塗布して、クリーニング液および汚染物質を印刷ヘッドから拭き取るために構造的に統合されたクリーニングステーションが利用されている。同様のアプローチが、「Contactless Inkjet Print head maintenance」と題する共通所有のPCT/米国特許第19/42540号に開示されており、インクの蓄積から印刷ヘッドをクリーニングするために使用されるアセンブリを対象としている。このアセンブリは、各印刷ヘッドからインクの蓄積を除去し、再生のためにCIを収集し、廃棄のためにDIを収集するようにサイズ設定および構成された、洗浄と槽のシーケンスを使用する。本システムは、リサイクルシーケンスをさらに細分化する。ここでも、システムはプリンタと統合されており、クリーニングは液滴の排出方向とは反対の方向、別の言い方をすると、オリフィスプレートから印刷ヘッドのリザーバに向けられている。
【0020】
例示的な実装では、インクジェット印刷ヘッドのノズルプレートの詰まりを除去するための外部のポータブルコンピュータ化システムが本明細書で提供されており、システムは、圧力ポンプと、圧力ポンプと流体連通している圧力逃がし弁と、圧力逃がし弁と流体連通しているクリーニング液容器と、入口、ドレーン出口、およびノズルプレートを有するインクジェット印刷ヘッドであって、クリーニング容器と流体連通しているインクジェット印刷ヘッドと、スイッチ弁であって、インクジェット印刷ヘッドおよび槽と流体連通しているスイッチ弁と、槽と、スイッチ弁と流体連通しているフィルタモジュールと、フィルタモジュールおよびクリーニング液容器と流体連通しているリサイクルポンプと、圧力ポンプ、圧力逃がし弁、インクジェット印刷ヘッド、スイッチ弁、フィルタモジュール、およびリサイクルポンプと通信する中央処理モジュール(CPM)と、を含む。本システムは、圧力逃がし弁と通信している第1の圧力計、フィルタモジュールと通信している第2の圧力計、およびインクジェット印刷ヘッドと通信している第3の圧力計のうちの少なくとも1つをさらに備えることができる。例えば、システムは、単一の圧力計を備えることができ、この圧力計は、フィルタモジュールと流体通信しており、フィルタモジュールの状態を、言い換えれば、フィルタモジュールが、再循環インク不純物と重合インクによってブロックされているかどうかを示すように構成されている。例えば、圧力計がフィルタモジュールの上流にある場合(言い換えると、フィルタモジュールの入口で圧力を測定する場合)、ブロックされたフィルタモジュールが、入口の上流に背圧を発生させ、約0.25~0.49Atmの圧力上昇を生じ、ブロックされたフィルタを示すものとして使用され得る。あるいは、圧力計がフィルタモジュールの下流にある場合、同じ圧力降下が、フィルタモジュールがブロックされていることを示すために使用され得る。
【0021】
システムは、最大1バールに制限されるように制御されることができ、言い換えれば、システムは、印刷ヘッドの内部で、ノズルプレートを横切って発生する圧力が最大1バールに制限するようにサイズ設定され、適合され(言い換えれば、システム、ステップ/構成要素は、好ましくは機能の特性に合わせて調整される)、かつ構成され、一方で、開示されたシステムなどの非制御システムで実装される通常の手動プロセスでは、制御されていないことから、適用される圧力は何も示されない。システムによって誘発される圧力は、例えば、約0.5バール(0.494気圧)~最大1バール(0.987気圧)に維持される。
【0022】
さらに、本明細書に記載のシステムおよびアセンブリは、リサイクル機構を有し、自動プログラムシーケンスを実行し、このシーケンスは実行されると、所定の時間の経過時に、または別の例示的な実装では、(例えば、ノズルの詰まりによる、例えば、
図3Aを参照)全体的な印刷品質の低下の検出後にクリーニングプロセスを自動的に実行するように構成されている。
【0023】
印刷品質は、当業者には周知の様々な方法で測定され得るパラメータであり、クリーニングシーケンスの開始のためのユーザ判定の閾値またはトリガを提供し得る。本明細書で使用される場合、「印刷品質」という用語は、特定の例において、印刷基板にインクを塗布することによって生成される印刷の主観的および/または客観的品質を指す。印刷品質を向上させることができる例示的な客観的品質には、基材へのインク塗布精度、液滴サイズ精度などが含まれ得る。例えば、エッジの鋭さは、インクの液滴サイズを低減すること、インクの液滴の塗布を増加すること、および/またはエッジに沿ったインク液滴の整列を増加することによって、を高めることができ、それによって主観的な印刷品質も増加させる。主観的な印刷品質とは、見る人の目にある個人的な嗜好、知覚、および/または品質を指す。印刷の正確性(例えば、ドロップオンドロップ、体積/ドロップ、真円度)などのいくつかの客観的品質も主観的な印刷品質に影響を与え得るが、例示的な方法、装置、および製品は、必ずしもこれらの他の品質を制御し、または影響を及ぼし得ない。印刷品質を評価するために使用される他のパラメータは、クリーニング間の平均時間(MTBC)、較正パターンの再現性、1次元、2次元、または3次元に沿った印刷層の厚さなどであり得る。印刷品質は、例えば、
図3A(システムを使用してクリーニングする前)および
図3B(本明細書に記載のシステムを使用した後)に示すようなテストパターンを印刷することによって判定されることができる。
【0024】
例示的な実装では、インクジェット印刷ヘッドがジグとして構成されていることを除いて、システムは、他に示されない限り、必要に応じて選択可能に、かつ可逆的に(言い換えれば、インクジェット印刷ヘッドおよび/またはプリンタの動作性に影響を及ぼすことなく)インクジェット印刷ヘッドに結合されるスタンドアロンの外部サブシステムとしてサイズ設定および動作可能な、そのような構成要素を含む。したがって、例示的な実装では、ジグサブシステムは、ハウジング1000(例えば、
図1を参照)に収容され、圧力ポンプと、圧力ポンプと流体連通する圧力逃がし弁と、圧力逃がし弁と流体連通しているクリーニング液容器と、スイッチ弁であって、インクジェット印刷ヘッドに結合するようにサイズ設定され、構成(例えば、適切なチューブおよびカプラを使用して)されるように適合され、流体連通を維持しているスイッチ弁と、を含むようにサイズ設定され、構成されるように適合されている。ジグはまた、槽と、スイッチ弁と流体連通するフィルタモジュールと、フィルタモジュールおよびクリーニング液容器と流体連通しているリサイクルポンプと、圧力ポンプ、圧力逃がし弁、スイッチ弁、フィルタモジュール、およびリサイクルポンプと通信する中央処理モジュール(CPM)と、を備えている。ジグは、インクジェット印刷ヘッドへと操縦されることができる別個のアセンブリとして提供されることができるか、またはインクジェット印刷ヘッドを備える、より大型のプリンタの一体部分として提供することができる。したがって、例示的な実装では、本明細書で提供されるのは、インクジェット印刷ヘッドのノズルプレートの詰まりを除去するか、そうでない場合、メンテナンスを実行するためのジグアセンブリであり、本アセンブリは、クリーニング液容器、逃がし弁、スイッチ弁、槽、圧力ポンプ、リサイクルポンプ、フィルタモジュール、および槽を備え、前述のこれらすべてがCPMと通信している。ジグは、チューブ、結合具、回路、逆止弁、および圧力計をさらに備え、ジグが、インクジェット印刷ヘッド入口およびドレーン出口に結合すると、本明細書に記載のシステムを形成することができるようになっている。
【0025】
クリーニングプロセスは、本明細書で説明されるように最終的なユーザ、またはシステムの様々なパイプに沿って検出された圧力および圧力降下に基づいてシステムのいずれかによって選択されたプログラムされたルーチンに応じて、所定の期間にわたり、例えば、約5分~約30分、または約15分~約30分、より具体的には、約5分~約15分、または約25分~約30分で実行するように構成され得る。これらのルーチンは、選択されたスケジュールで自動的に、および/または、追加的に、またはユーザによる起動で実行されるように構成されることができ、例えば、
図3Aに示されるテストパターンを印刷することによって、印刷品質の劣化の検出に続いて実行するように構成されることができる。
【0026】
本明細書に開示される構成要素、プロセス、アセンブリのより完全な理解は、添付の図面を参照することによって得ることができる。これらの図面(本明細書では「図(FIG.)」とも称される)は、本開示の利便性および実証の容易さに基づいた単なる概略図(例えば、図解)であり、したがって、デバイスの、またはその構成要素の相対的なサイズおよび寸法を示すこと、および/または例示的な実装の範囲を規定または制限することを意図するものではない。以下の説明では、明確化のために特定の用語を使用しているが、これらの用語は、図面で図解するために選択された例示的な実装の特定の構造のみを指すことを意図するものであり、本開示の範囲を画定または制限することを意図するものではない。以下の図面および以下の説明において、同様の数値指定は、同様の機能の部品を指すことを理解されたい。
【0027】
ここで
図1を参照すると、インクジェット印刷ヘッド107のインクジェット印刷ヘッドのノズルプレート110の詰まりを除去するためのコンピュータ化されたシステム10を示しており、システムは、動作可能にそこに結合された圧力調整器103を有する圧力ポンプ101と、圧力ポンプ101および圧力調整器103に流体連通し、例えば24Vバッテリーなどの電源102に接続された圧力逃がし弁105と、を備える。また、圧力逃がし弁105と流体連通しているクリーニング液容器106も示されている。インクジェット印刷ヘッド107は、入口108、排水出口109、およびノズルプレート110を有しており、インクジェット印刷ヘッド107は、スイッチ弁112を備えたクリーニング液容器106と流体連通している。スイッチ弁112は、インクジェット印刷ヘッド107および槽111と流体連通している。また、スイッチ弁112と流体連通しているフィルタモジュール113も示されている。リサイクルポンプ115は、フィルタモジュール113(例えば、残留物および固化したインクを濾過するように構成された3μmフィルタ)およびクリーニング液容器106と流体連通して示されている。さらに、中央処理モジュール(CPM)150は、圧力ポンプ101、圧力逃がし弁105、任意選択で、インクジェット印刷ヘッド107、スイッチ弁112、フィルタモジュール113、およびリサイクルポンプ115と通信している。さらに、システム10は、本明細書で説明するように、様々な流体経路に沿って配置されたセンサーアレイを有することができる。例えば、圧力調整器103および圧力逃がし弁105に結合された第1の圧力計104、フィルタモジュール113とリサイクルポンプ115との間に動作可能に結合された第2の圧力計、例えば、インライン圧力計114である。ライン圧力計114の別の例では、フィルタモジュール113とスイッチ弁112との間で動作可能に結合され得る。また、オプションの第3の圧力計116、例えば、インクジェット印刷ヘッド107の入口108の上流にある導管(202、302)に動作可能に結合された圧力センサも示されている。他のセンサは、例えば、槽111に結合されたオーバーフローセンサであり得、故障の場合には、液体がオーバーフローすることを防止するように動作可能である。そのようなオーバーフローは、例えば、フィルタモジュール113内の目詰まりしたフィルタ、および/またはリサイクルポンプ115の故障、および/または目詰まりしたパイプの場合に発生し得る。したがって、例示的な実装では、システム10は、圧力逃がし弁105と通信している第1の圧力計104、フィルタモジュールと通信している第2の圧力計114、およびインクジェット印刷ヘッド107の入口108の上流にある導管(202、302)に動作可能に結合された第3の圧力計116のうちの少なくとも1つをさらに備える。他の例示的な実装では、圧力計114のみがシステム10で使用されている。CPM150は、データを受信し、圧力計やシステム内の他のいずれかのセンサとの通信を維持するように構成されている。同様に、CPM150は、逃がし弁105およびスイッチ弁112の動作を制御するように構成され、したがって、提供されたプログラムを使用して実行されるように、クリーニング液容器106からのクリーニング液の流れを制御する。
【0028】
図示されていないが、システム10は、CPM150と電子通信することができ、ドレーンシーケンス201~206または目詰まり除去シーケンス301~306のいずれかの開始および/または終了を判定するために使用され得る他の構成要素をさらに含むことができる。したがって、例示的な実装では、システム10は、画像化モジュールおよび較正モジュールのうちの少なくとも1つをさらに備え、画像化モジュールおよび較正モジュールは、それぞれが、または組み合わせて、詰まったノズルプレートを検出するように構成されており、ドレーン(201~206)および/または目詰まり除去(301~306)シーケンスを開始するか、または終了するかの、いずれかを行うコマンドが、画像化モジュールおよび較正モジュールを介して提供されている。
【0029】
本明細書で使用される「モジュール」という用語、例えば、CPM150、フィルタモジュール113は、限定されるものでないが、ソフトウェアコンポーネント、ハードウェアコンポーネント、電気機械デバイス、ADコンバータ、DAコンバータなどを示し、適切な回路または組み合わせが、特定のタスクを実行する、前述の1つまたは複数を備えている。モジュールは、有利には、1つまたは複数のアドレス指定可能な記憶媒体上に常駐するように構成され得、1つ以上のプロセッサ上で実行されるように構成され得る。したがって、モジュールは、例として、ソフトウェアコンポーネント、アプリケーション固有のソフトウェアコンポーネント、オブジェクト指向ソフトウェアコンポーネント、クラスコンポーネントおよびタスクコンポーネントなどのコンポーネント、プロセス、関数、動作、実行スレッド、属性、プロシージャ、サブルーチン、プログラムコードのセグメント、ドライバ、ファームウェア、マイクロコード、回路、データ、データベース、データ構造、テーブル、配列、および変数を含み得る。コンポーネントまたはモジュールに提供される機能は、より少ないコンポーネントまたはモジュールに組み合わせられ得るか、または特定のタスクに関連付けられたデバイス、機器、システム、またはサブシステムと同様に、追加のコンポーネントまたはモジュールにさらに分離され得る。さらに、コンポーネントまたはモジュールは、デバイスに設けられた少なくとも1つのプロセッサ(例えば、中央処理装置(CPU))を動作させることができる。さらに、ハードウェアコンポーネントの例には、特定用途向け集積回路(ASIC)およびフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)が含まれる。上に示したように、モジュールはまた、ソフトウェアコンポーネントとハードウェアコンポーネントの組み合わせを指すこともできる。さらに、「モジュール」という用語は、様々なタスクを実行するように構成され、かつ適合されたサブシステムまたはシステムを指すことができる。
【0030】
同様に、本開示の文脈において、「画像化モジュール」という用語は、複数の内蔵画像センサを含み、光電変換によって得られた電気信号を画像として出力するユニットを意味し、一方で、「モジュール」という用語は、アルゴリズムまたは方法を実行するための命令でプログラムされたソフトウェア、ハードウェア、例えば、少なくとも1つのプロセッサ、またはそれらの組み合わせを指す。本明細書に記載のモジュールは、有線接続、例えば、配線による接続、ローカルエリアネットワークを介して通信することができ、または、このモジュールは、無線で通信することができる。画像化モジュールは、ラインカメラ、レーザースキャナ、電荷結合デバイス(CCD)、相補型金属酸化物半導体(CMOS)、または前述の1つ以上を含む組み合わせを含み得る。例えば、画像化モジュールは、ラインスキャンカメラを含むことができ、視野は所定のスキャン期間によって判定されることになる。静止画像が必要な場合、画像化モジュールはデジタルフレームカメラを含むことができ、FOV(例えば、
図3Aを参照)は、例えば、カメラサイズおよびPQを測定するために使用されるパターンからの距離によって事前決定され得る。開示されたシステムおよび方法の画像化モジュールで使用されるカメラは、デジタルカメラであり得る。「デジタルカメラ」という用語は、一実施形態では、デジタルスチルカメラや、物体などの静止画像をキャプチャすることができるデジタルビデオレコーダ、等を指す。デジタルカメラは、画像キャプチャユニットまたはモジュール、キャプチャ制御モジュール、処理ユニット(プリンタの中央処理モジュールと同一か、または別個であり得る)、ディスプレイモジュール、および動作モジュールを備えることができる。画像のキャプチャは、例えば、フルフレーム転送タイプのCCDソリッド画像キャプチャデバイス、および/またはCMOSタイプのソリッド画像キャプチャデバイス、またはそれらの組み合わせなどの画像キャプチャ手段を使用して実行され得る。
【0031】
例示的な実装では、システム10CPM150はまた、ユーザインターフェースモジュール、ディスプレイ、プロセッサ、および実行可能命令のセットを備えたプロセッサ可読媒体を上に有する不揮発性メモリを備えることができる。示されるように、CPM150は、ユーザインターフェースモジュールをさらに含むことができ、それにより、「ユーザインターフェースモジュール」は、ユーザまたは他のエンティティに情報を提供し、かつ/またはそれらから情報を受信する任意の視覚的、グラフィカル、触覚、聴覚、感覚、または他の手段を広く指す。同様に、ディスプレイは、ディスプレイ要素を含むことができる、ディスプレイとして機能する部品またはディスプレイモジュールであり得る。典型的な例は、液晶ディスプレイ(LCD)である。例えば、LCDは、液晶の両側に配置された透明な電極板を含んでいる。しかし、例えば、OLEDディスプレイや双安定ディスプレイなど、他にも多くの形式のディスプレイがある。新しいディスプレイ技術も絶えず開発されている。したがって、ディスプレイという用語は広く解釈されるべきであり、単一のディスプレイ技術に関連付けられるべきではない。また、ディスプレイモジュールは、電子デバイスのプリント回路基板(PCB)に取り付けられることができ、保護ハウジング内に配置され得、ディスプレイモジュールは、ディスプレイ要素上に配置され、ハウジングに取り付けられたガラスまたはプラスチックプレートによって損傷から保護されている。
【0032】
例えば、例示的な実装では、システム10は、インクジェット印刷ヘッド107のノズルプレート110を横切る圧力を最大1バールに制限するように構成され、ノズルプレート110への損傷(1バールを超えるとノズルプレート110内のノズルは損傷を受け得る)を防ぎ、一方で、最小圧力は、約0.5バールに維持されるように構成されたノズルプレート110内の詰まったノズルを開くように構成されている。
【0033】
必要に応じて、一例では、システムは、少なくとも2つの別個のルーチンを(自動的に、または選択的に)動作および実行するように構成されている。第1のルーチンは、ドレーンクリーニングシーケンスであり得、それにより、実行可能な命令のセットは、自動的に、および/または本明細書に記載のユーザインターフェースを介してユーザによって実行されると、実行されたときに、CPMに、圧力ポンプ101を使用して、クリーニング液容器106を加圧201し、クリーニング液202をインクジェット印刷ヘッド107の入口108内に流してスイッチ弁112を作動させ、ポンプ115を再循環させ、スイッチ弁112を介してドレーン出口のクリーニング液203を、フィルタモジュール113に入れ204、再循環ポンプ115を通し206、クリーニング液容器106に戻し、インクジェット印刷ヘッド入口108、およびインクジェット印刷ヘッドドレン出口109を通して戻し、循環させるように構成されている。ドレーンクリーニングシーケンスにおいて、クリーニング液は、インクジェット印刷ヘッド入口108からインクジェット印刷ヘッドドレン出口109を通り、クリーニング液容器106に戻る。このシーケンスでは、ノズルプレート110内の詰まったノズルを横切る流れがないことから、流れ抵抗が低いために、圧力は0.5バールまで徐々に上昇することがある。このシーケンスは、より高い頻度でより短い時間にわたり使用され得、CPM150およびユーザインターフェースモジュールを介してプログラムされることができる。
【0034】
さらに、詰まり除去シーケンスにおいて、実行可能な命令のセットは、実行されると、CPM150に、圧力ポンプ101を使用して、クリーニング液容器106を加圧301して、クリーニング液が、インクジェット印刷ヘッドの入口108の中に流れる302ようにし、スイッチ弁112および再循環ポンプ115を作動させ、これによって、インクジェット印刷ヘッドノズルプレート110を通ってクリーニング液を槽111の中へ循環させ、そして槽111から、スイッチ弁112を通り303、フィルタモジュール113へ通り304、クリーニング液容器106に戻る306ように循環させるように構成されている。示されるように、詰まり除去シーケンス(301~306)において、洗浄液は、インクジェット印刷ヘッド入口108からノズルプレート110を通り、槽111へ通過し、クリーニング液容器106に戻る。このシナリオでは、圧力は、徐々に最大1バールに達するように構成されており、これは、詰まったノズルを開くための有効圧力である。逃がし弁105は変更不可能であり、パイプラインとクリーニング液容器106の両方の詰まり除去サイクルおよびドレーンサイクルの両方について、いずれの蓄積されたシステム圧力も解放することに留意されたい。圧力ポンプがオフ位置にある間、逃がし弁105ロジック(例えば、CPM150によって制御される)は、(標準気圧に対して)開かれるように構成され、例えば、(ドレーンおよび/または詰まり除去の)シーケンス間で、およびプログラムの終了時に開かれる。詰まり除去シーケンス(301~306)は、独立して、かつ/または、ドレーンシーケンスの動作の1つの機能として所定の頻度で実行されることができる。詰まり除去シーケンスの持続時間は、所定のリサイクル時間によって、および/またはシステム内のすべての、または一部の圧力計の圧力降下を監視することによって制限されるように、CPM150によって決定されることができる。例えば、第1の圧力計104における急激な圧力降下は、ノズルプレート110内の詰まったノズルによって引き起こされる背圧が、詰まりを除去することによって低減されているので、ノズルの詰まりが除去されたことを示し得る。
【0035】
したがって、例示的な実装では、CPM150は、固定された時間間隔で所定の期間にわたってクリーニング液を循環させることと、第1の圧力計104、第2の圧力計114、および第3の圧力計116のうちの少なくとも1つから受信した信号に応答してクリーニング液を循環させることと、のうちの少なくとも1つを行うように構成されている。さらに、実行可能命令のセットは、実行されると、CPM150によって以下を行わせるように構成されており、CPM150によって受信した信号(例えば、時間経過、および/または第1の圧力計104、第2の圧力計114、第3の圧力計116のうちの少なくとも1つにおける、かつ、それらの組み合わせにわたる、所定の程度を超える圧力降下/増加(例えば、0.2~0.5バール))に応答して、CPM150は、ポンプ115の再循環を停止させ、圧力ポンプ101を停止させ、圧力逃がし弁105を使用して、残留システム圧力(言い換えれば、クリーニング液容器106、および圧力ポンプ101および再循環ポンプ115の停止後のパイプラインに残留している、あらゆる圧力)を解放する。別の例では、インクジェット印刷ヘッド107の入口108の上流の導管(202、302)に動作可能に結合された圧力計116で(例えば、インラインで)測定された圧力降下は、ノズルプレート110のノズルの詰まり除去を示し、クリーニングサイクルの早期終了、または圧力降下が観察されない状況でのサイクルのさらなる延長を可能にする。さらに、圧力計116で観察された信号の急激な増加は、逃がし弁103の故障、またはノズルプレート110のノズルの広範囲の閉塞を示すために使用され得る。圧力計116で測定された圧力の増減速度は、システムをさらに制御するためのCPM150用の信号として使用できることに留意されたい。
【0036】
例示的な実装では、システムおよびドレーンシーケンスは、例えば、インクジェット印刷ヘッド107のインクタイプの定期的な変更後、長期間のいずれかの動作に続いて、または長期間のシャットダウンに続いて、のうちの少なくとも1つの後に使用される。
【0037】
ラインポンプを示す一方で、様々な部品の作動に影響を及ぼすために他の駆動装置が使用され得る。これらには、サーボモータ、空気圧アクチュエータなどが含まれる。
【0038】
例示的な実装では、本明細書で提供される方法は、本明細書で説明されるシステムを使用して実装されている。したがって、例示的な実装では、
図1および
図2に示されるように、ジグをインクジェット印刷ヘッド107の入口108(例えば、
図1を参照)およびドレーン出口109に接続した403後に本明細書で説明されるシステムに実装可能なインクジェット印刷ヘッドノズルプレートの詰まりを除去するコンピュータ化された方法が、本明細書で提供されており、本方法は、インクジェット印刷ヘッド印刷の固定された時間間隔、CPMによりコマンドを受信すること、およびインクジェット印刷ヘッドのノズルプレートが詰まっていることを示す信号を受信すること、のうちの少なくとも1つに即して、スイッチ弁112および再循環ポンプ115(をオンにする4053)を作動させる4052圧力ポンプ101をオンにすること4051によって、ドレーンクリーニングシーケンス405を開始することと、それによって、インクジェット印刷ヘッド107の入口108およびドレーン出口109を通り、スイッチ弁112を通り、フィルタモジュール113およびクリーニング液容器106にクリーニング液を循環させることと、次いで、ノズルクリーニングシーケンス406に切り替えて、クリーニング液をインクジェット印刷ヘッド107のノズルプレート110を通って槽111内に循環させるためにスイッチ弁112を作動させること4062によって、圧力ポンプ101をオンに維持し4051、同様にポンプ115を再循環4052させることと、ならびに、所定の時間経過T
2、およびCPMによってコマンドを受信すること、のうちの少なくとも1つに即して、圧力ポンプ101をオフにすること4071、スイッチ弁112を作動させること4072、再循環ポンプ115をオン4053に維持することによって槽ドレーンシーケンスを作動させることと、逃がし弁を閉じて、液体を槽111からフィルタモジュール113を通してクリーニング液容器にドレーンすることと、を含む。その時点で、CPMが停止409され、ジグが接続解除410され得る。
【0039】
ジグを印刷ヘッド107の入口108、ドレーン出口109に接続し、槽111をノズルプレート110の下に配置することは、テストパターンを印刷400した後(例えば、
図3Aを参照)に特定の構成で実行され、印刷品質(PQ)が満足のいくものであるかを判定401し、PQが満足のいくものではないと判定402すると、ジグ10は、テストされたインクジェット印刷ヘッド107の入口108、またはドレーン出口109のいずれかに接続403され、それによって、槽111がインクジェット印刷ヘッド107のノズルプレート111の下に配置され、または、特定の実装では、印刷システムの一体部品(図示せず)として設置され、印刷が停止され、ドレーンクリーニングシーケンスが開始404されることができる。ドレーンクリーニングシーケンス405(ドレーン出口108を通ってフィルタを通って戻す、クリーニング液の再循環)は、約30秒~約180秒の期間にわたり実行されるように構成されており、一方で、ノズルクリーニングシーケンス406(ノズルプレート110を通って槽へのクリーニング液の再循環)は、約120秒~約420秒の期間にわたり実行されるように構成されていることに留意されたい。同様に、槽ドレーンシーケンス407(槽111を排出してフィルタモジュール113を通してクリーニング液容器106に戻す)は、約30秒~60秒の期間にわたり実行されることができる。
【0040】
さらに、3つのシーケンス405、406、および407が、いくつかのサイクル、例えば、3~7サイクルにわたり実行されることができ、続いて、追加的なテストパターン(例えば、
図3A、
図3Bを参照)が印刷され、その結果として、PQが満足のいくものであり(411)、クリーニングされているか、そうでない場合、刷新されてインクジェット印刷ヘッドが、印刷の準備ができている(412)か、を判定(401)する。本開示の文脈において、最初はPQを満足しなかったものに対して、クリーニングプロセスに続いて、満足のいくPQを有しているクリーニングされた印刷ヘッドは、「刷新された」印刷ヘッドのノズルプレート110と見なされる。
【0041】
本明細書で使用されている用語やフレーズ、およびそれらのバリエーションは、特に明記されていない限り、制限を目的とするものではなく自由形式として解釈されるべきである。前述の例として、「含む」という用語は、「含むがこれに限定されない」などを意味するものとして解釈されるべきであり、「例」、「実装」、または「例示的な実装」という用語は、その網羅的または限定的なリストではなく、議論中の項目の例示的な事例を提供するために使用され、また、「従来型」、「従来型」、「通常」、「標準」、「既知」、「典型的」などの形容詞、および同様の意味の用語は、説明されている項目を特定の期間または特定の時点で利用可能な項目に限定するものと解釈されるべきではなく、代わりに、現在または将来に、いつでも利用可能または知られる可能性のある従来の、伝統的な、通常の、または標準の技術を包含するように読む必要がある。
【0042】
本明細書で使用される場合、「第1」、「第2」などの用語は、順序、数量、または重要性を示すのではなく、一方の要素から別の要素を示すために使用される。本明細書の用語「1つの(a)」、「1つの(an)」および「その(the)」は、量の制限を示すものではなく、本明細書で特に明記しない限り、または文脈により明らかに矛盾しない限り、単数および複数の両方を包含すると解釈されるものとする。本明細書で使用される接尾辞「(単数または複数)」は、それが修飾する用語の単数および複数の両方を含むことを意図し、それにより、その用語の1つ以上を含む(例えば、ヘッド(単数または複数)は1つまたは複数のヘッドを含む)。明細書全体を通じて、「一例示的実装(one exemplary implementation)」、「別の例示的実装(another exemplary implementation)」、「一例示的実装(an exemplary implementation)」などへの言及は、存在する場合、例示的実装に関連して記載の特定の要素(例えば、特徴、構造、および/または特性)が本明細書に記載の少なくとも1つの例示的実装に含まれることを意味し、他の例示的実装に存在し得るか、存在し得ないことを意味する。加えて、説明された要素を、様々な例示的実装において、任意の好適な方式で組み合わせてもよいことを理解されたい。
【0043】
さらに、本開示の目的のために、「上(top)」、「底(bottom)」、「上側(upper)」、「下側(lower)」、「側(side)」、「前(front)」、「正面(frontal)」、「前方(forward)」、「後(rear)」、「後方(rearward)」、「背面(back)」、「後縁(trailing)」、「上方(above)」、「下方(below)」、「左(left)」、「右(right)」、「径方向(radial)」、「垂直(vertical)」、「上向き(upward)」、「下向き(downward)」、「外側(outer)」、「内側(inner)」、「中間(intermediate)」等などの方向または位置の用語は、本開示の様々な実施形態を説明する際の便宜のために単に使用される。
【0044】
「動作可能に結合」、「結合」または「結合可能」などの様々な形を含む「結合」という用語は、直接または間接の構造的結合、接続または取り付け、あるいはそのような直接または間接の構造的または動作的結合、接続または取り付けの適合または特性を指し、それらを含み、一体的に形成されたコンポーネント、および別のコンポーネントを介して、または別のコンポーネントを通じて、または形成プロセス(例えば、電磁界)によって、結合されるコンポーネントを含む。間接的な結合は、摩擦(例えば壁に対して)または物理的接続なしの別個の手段によるかどうかにかかわらず、中間部材または接着剤を介した結合、または当接およびそうでなければ静止することを含み得る。
【0045】
システム、デバイス、およびジグに関して、「動作可能」という用語は、システムおよび/またはデバイスおよび/またはジグが完全に機能し、較正されており、起動されたときに、またはシステムおよび/またはデバイスおよび/またはジグに関連付けられた少なくとも1つのプロセッサによって実行可能プログラムが実行されるときに、記載された機能を実行するための要素を含み、適用可能な動作性要件を満たすことを意味する。システムおよび回路に関して、「動作可能」という用語は、システムおよび/または回路が完全に機能し、較正され、少なくとも1つのプロセッサによって実行されるときに列挙された機能を実行するための適用可能な動作性要件のためのロジックを含み、それら要件を満たすことを意味する。
【0046】
本明細書で使用される「含む(comprising)」という用語およびその派生語は、記載された特徴、要素、部品、群、整数、および/またはステップの存在を指定するが、他の記載されていない特徴、要素、部品、群、整数、および/またはステップの存在を除外しない、制約のない用語であることを意図している。前述のことは、用語「含む(including)」、「有する(having)」、およびそれらの派生語などの類似の意味を有する単語にも適用される。
【0047】
本明細書で開示されるすべての範囲は、端点を含み、端点は互いに独立して組み合わせることができる。同様に、「約」という用語は、量、サイズ、式、パラメータ、およびその他の量と特性が正確ではないことを意味するが、必要に応じて、許容範囲、変換係数、丸め、測定誤差など、および当業者に知られている他の要因を反映して、近似および/またはより大きいまたはより小さいことがある。一般に、量、サイズ、配合、パラメータ、または他の量もしくは特質は、明示的にそう述べられているかどうかにかかわらず、「約」または「おおよそ」である。
【0048】
本明細書で使用される「コンピュータ可読媒体」という用語は、その通常の意味を有することに加えて、実行のためにプロセッサに命令を提供することに関与するあらゆる媒体を指す。そのような媒体は、不揮発性媒体および揮発性媒体を含むがこれらに限定されない多くの形態をとることができる。不揮発性媒体は、例えば、記憶装置などの光学ディスクまたは磁気ディスクであり得る。揮発性メディアには、メインメモリなどの動的メモリが含まれる。
【0049】
本明細書で説明される方法、プログラム、およびシステムで使用されるメモリデバイスは、様々なタイプのメモリデバイスまたはストレージデバイスのいずれかであり得る。「メモリデバイス」という用語は、インストール媒体、例えば、CD-ROM、フロッピーディスク、またはテープデバイス、コンピュータシステムメモリ、またはDRAM、DDR RAM、SRAM、EDO RAM、Rambus RAM、等などのランダムアクセスメモリ、または磁気媒体などの不揮発性メモリ、例えば、ハードドライブ、光ストレージ、またはROM、EPROM、FLASH、等を包含することを意図している。メモリデバイスは、他のタイプのメモリ、またはそれらの組み合わせも含み得る。さらに、メモリ媒体は、プログラムが実行される第1のコンピュータ(例えば、提供される3Dインクジェットプリンタ)に置かれてもよく、および/またはインターネットなどのネットワーク上で第1のコンピュータに接続する第2の異なるコンピュータ(またはマイクロコンピュータ)に置かれてもよい。後者の場合、第2のコンピュータは、実行のために第1のコンピュータにプログラム命令をさらに提供し得る。「メモリデバイス」という用語はまた、異なる位置、例えば、ネットワーク上で接続されている異なるコンピュータに存在し得る2つ以上のメモリデバイスを含んでもよい。
【0050】
したがって、本明細書で提供される一実装では、インクジェット印刷ヘッドのノズルプレートの詰まりを除去するための外部のポータブルコンピュータ化システムが本明細書で提供されており、システムは、圧力ポンプと、圧力ポンプと流体連通している圧力逃がし弁と、圧力逃がし弁と流体連通しているクリーニング液容器と、入口、ドレーン出口、およびノズルプレートを有するインクジェット印刷ヘッドであって、クリーニング容器と流体連通しているインクジェット印刷ヘッドと、スイッチ弁であって、インクジェット印刷ヘッドおよび槽と流体連通しているスイッチ弁と、槽と、スイッチ弁と流体連通しているフィルタモジュールと、フィルタモジュールおよびクリーニング液容器と流体連通しているリサイクルポンプと、圧力ポンプ、圧力逃がし弁、インクジェット印刷ヘッド、スイッチ弁、フィルタモジュール、およびリサイクルポンプと通信する中央処理モジュール(CPM)と、を含み、(i)システムは、フィルタモジュールと通信する少なくとも1つの圧力計をさらに含み、(ii)CPMは圧力計と通信しており、(iii)CPMは、ユーザインターフェースモジュール、ディスプレイ、少なくとも1つのプロセッサ、および実行可能命令のセットを備えたプロセッサ可読媒体を上に有する不揮発性メモリをさらに含み、(iv)実行可能命令のセットは、実行されると、CPMに以下を行うように構成されており、CPMは、圧力ポンプを使用して、クリーニング液容器を加圧し、クリーニング液をインクジェット印刷ヘッドの入口に流入させ、スイッチ弁と再循環ポンプを作動させて、フィルタモジュールを介してクリーニング液を、クリーニング液容器、インクジェット印刷ヘッドの入口、およびインクジェット印刷ヘッドのドレーン出口に循環させ、次いで、スイッチ弁を作動させて、インクジェット印刷ヘッドのノズルプレートを介して、槽の中へ、そして槽からスイッチ弁を介して、フィルタモジュールおよびクリーニング液容器にクリーニング液を循環させ、そして、圧力弁を停止させ、スイッチ弁を作動させ、逃がし弁を閉じ、液体を槽からクリーニング液容器に循環させ、(v)実行可能な命令のセットは、実行されると、CPMに含まれる少なくとも1つのプロセッサに、圧力ポンプを使用して、クリーニング液容器を加圧し、クリーニング液をインクジェット印刷ヘッドの入口に流入させ、スイッチ弁と再循環ポンプを作動させて、フィルタモジュールを介してクリーニング液を、クリーニング液容器、インクジェット印刷ヘッドの入口、およびインクジェット印刷ヘッドのドレーン出口に循環させ、次いで、スイッチ弁を作動させて、インクジェット印刷ヘッドのノズルプレートを介して、槽の中へ、そして槽からスイッチ弁を介して、フィルタモジュールおよびクリーニング液容器にクリーニング液を循環させ、そして、圧力弁を停止させ、スイッチ弁を作動させ、逃がし弁を閉じ、液体を槽からクリーニング液容器に循環させるステップを所定のサイクル数にわたって繰り返させるようにさらに構成されており、(vi)この所定のサイクル数は3~10であり、(vii)逃がし弁は、機械式、電子式、磁気式、およびスプリング式弁のうちの少なくとも1つであり、0.987Atmを上回る圧力を逃がし、圧力、圧力対応温度、またはそれらの組み合わせによって起動するように構成されており、さらに逃がし弁は、圧力逃がし弁、圧力解放弁、圧力安全弁、安全逃がし弁、パイロット動作逃がし弁、スナップ式逃がし弁、ポップイット弁、または調節解放弁であり得、(viii)実行可能命令のセットは、実行されると、CPMに含まれる少なくとも1つのプロセッサに、固定された時間間隔で所定の期間にわたりクリーニング液を循環させること、および圧力計から受信した信号に応答してクリーニング液を循環させることのうちの少なくとも1つを作動させるようにさらに構成されており、(ix)実行可能な命令のセットは、実行されると、CPMに含まれる少なくとも1つのプロセッサに、CPMによって受信された信号(正の空気圧または水圧、もしくは負の空気圧または水圧のいずれかを指し、空気圧は空気または他の気体(例えば、蒸気)圧力を指し得、一方で、水圧は流体圧力を指し得る)に応答して、再循環ポンプを停止させ、圧力ポンプを停止させ、圧力逃がし弁を使用して、システムの残留圧力(圧力計によって感知される圧力を指す)を所定の閾値(例えば、0.987気圧)未満まで放出するか、そうでない場合、調整するようにさらに構成されており、(x)信号は、圧力計における所定の範囲(言い換えれば、例えば、0.2~0.5バールまたは固定された間隔で取得された2つの圧力測定値の差などの所定のデルタ)を上回る圧力増加であるか、または(xi)信号は、所定の期間を上回る時間の経過であり、(xii)フィルタモジュールは、3μm(粒子カットオフ)フィルタを含み、(xiii)システムは、画像化モジュールおよび較正モジュールのうちの少なくとも1つをさらに含み、画像化モジュールおよび較正モジュールは、各々が、または組み合わせて、詰まったノズルプレート、またはノズルプレート全体より少ない一部分にある詰まったノズルを検出するように動作可能であり、(xiv)信号は、画像化モジュールおよび較正モジュールのうちの少なくとも1つから受信されており、例えば、(例えば、CPMに結合されたものと同じか、または異なるメモリ記憶装置上に)保存された動作パラメータを指しており、これらはほとんどが永続的である。エンドユーザは通常、較正モジュールに保存されている動作パラメータ(つまり、較正パラメータ)を調整できなくなっていることから、これらのパラメータはほとんどが永続的である。参考までに、比較すると、調整可能な動作パラメータには、エンドユーザが調整可能な圧力差(上または下、逃がし弁の作動を生じる)が含まれ得る。
【0051】
さらに別の例示的な実装では、インクジェット印刷ヘッドのノズルプレートの詰まりを除去するコンピュータ化された方法が、本明細書で提供されており、システムで実装可能になっており、システムは、圧力ポンプと、圧力ポンプと流体連通している圧力逃がし弁と、圧力逃がし弁と流体連通しているクリーニング液容器と、入口、ドレーン出口、およびノズルプレートを有するインクジェット印刷ヘッドであって、クリーニング容器と流体連通しているインクジェット印刷ヘッドと、スイッチ弁であって、インクジェット印刷ヘッドおよび槽と流体連通しているスイッチ弁と、槽と、スイッチ弁と流体連通しているフィルタモジュールと、フィルタモジュールおよびクリーニング液容器と流体連通しているリサイクルポンプと、フィルタモジュールと通信する圧力計と、圧力ポンプ、圧力逃がし弁、インクジェット印刷ヘッド、スイッチ弁、フィルタモジュール、およびリサイクルポンプと通信する中央処理モジュール(CPM)と、を含み、本方法は、インクジェット印刷ヘッド印刷の固定された時間間隔、(および/または)CPMによりコマンドを受信すること、(および/または)インクジェット印刷ヘッドのノズルプレート、またはそこの所定の部分(言い換えると、PQが許容できないと判断するのに十分に大きな部分)が詰まっていることを示す信号を受信すること、のうちの少なくとも1つに即して、圧力ポンプ、および再循環ポンプを起動し、かつスイッチ弁を作動させることと、クリーニング液をインクジェット印刷ヘッドの入口を通してドレーン出口へ、スイッチ弁を通してフィルタモジュールへ、そしてクリーニング液容器へ循環させることと、クリーニング液をインクジェット印刷ヘッドのノズルプレートを通して槽の中へ循環させるためにスイッチ弁を作動させることと、所定の時間経過、およびCPMによって命令を受信すること、のうちの少なくとも1つに即して、圧力ポンプを閉じ、スイッチ弁を作動させ、逃がし弁を閉じて、それによって、槽から、フィルタモジュールを通してクリーニング液容器に液体をドレーンすることと、を含み、(xv)CPMはさらにユーザインターフェースモジュール、ディスプレイ、少なくとも1つのプロセッサ、および実行可能命令のセットを備えたプロセッサ可読媒体を上に記憶する不揮発性メモリ記憶装置をさらに含み、命令は実行時に、少なくとも1つのプロセッサに完全に開示された本方法のステップを実行させるように構成されており、(xvi)システムは画像化モジュール、および較正モジュールのうちの少なくとも1つをさらに含み、画像化モジュールおよび較正モジュールは、各々が、または組み合わせて、詰まった、および詰まっていないノズルプレートまたはその一部を検出するように動作可能であり、印刷ヘッドのノズルプレートまたはその一部が詰まっているか、または詰まっていないことを示す信号は、画像化モジュールおよび較正モジュールのうちの少なくとも1つから受信されており、(xvii)スイッチ弁および再循環ポンプを作動させるステップの前に、テストパターンを印刷することと、テストパターンを分析することと、ノズルプレートまたはその一部が詰まっているかどうかを判定することと、ノズルプレートまたはその一部が詰まっている場合、圧力逃がし弁と流体連通しているクリーニング液容器をインクジェット印刷ヘッドの入口に結合し、かつ、スイッチ弁、フィルタモジュール、および再循環ポンプをドレーン出口に結合し、同時に槽をインクジェット印刷ヘッドのノズルプレートの下に配置することと、そうでないとき、インクジェット印刷ヘッドを使用することと、があり、本方法は、(xviii)スイッチ弁および再循環ポンプを作動させることから、スイッチ弁を作動させるステップまでのステップを繰り返すことと、スイッチ弁および再循環ポンプを作動させるステップから、スイッチ弁を作動させ、逃がし弁を閉じて、液体を槽から循環させるステップまでを繰り返すことと、逃がし弁を閉じて、それによって、流体を槽からクリーニング液容器に3~10サイクルにわたって、例えば、4~8サイクルにわたって、5~7サイクルにわたって循環させることと、をさらに含み、(xix)最終サイクルの後、(同じ)テストパターン(例えば
図3A)を印刷し、印刷されたテストパターンがノズルプレートまたはその一部の詰まりを示している場合、スイッチ弁と再循環ポンプを作動させるステップから、スイッチ弁を作動させ、逃がし弁を閉じるステップまでを繰り返して、液体を槽からクリーニング液容器へ追加的に少なくとも1サイクルにわたり循環させ、そうでなく、印刷パターンが開口したノズルプレートまたはその一部を示している場合は、圧力逃がし弁と流体連通しているクリーニング液容器をインクジェット印刷ヘッドの入口から切り離し、スイッチ弁、フィルタモジュール、および再循環ポンプをドレーン出口から切り離し、同時に槽をインクジェット印刷ヘッドのノズルプレートの下から取り外して、インクジェット印刷ヘッドの使用を再開し、(xx)スイッチ弁および再循環ポンプを作動させるステップ、ならびに圧力ポンプおよび再循環ポンプを停止させるステップのうちの少なくとも1つのためのCPMによって受信されるコマンドが、ユーザインターフェースを使用してユーザによって入力されている。
【0052】
前述の明細書では、制御された圧力下でインクジェット印刷ヘッドの詰まったノズルをクリーニングするためのシステムおよびアセンブリが、特定の好ましい例示的な実装に関連して説明されており、例示をする目的のために多くの詳細が示されているが、当業者にはアセンブリおよび方法の開示が、位相、位置決め、およびヨーを選択的に調整することによってインクジェット印刷ヘッドの位置合わせを可能にすることが明らかになり、追加の例示的な実装の影響を受けやすく、本明細書で説明された詳細は明らかであり、以下の特許請求の範囲は、本開示の基本原則から逸脱することなく大幅に変更することができることを理解するであろう。
【国際調査報告】