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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-15
(54)【発明の名称】コーンクラッシャ
(51)【国際特許分類】
   B02C 2/04 20060101AFI20220608BHJP
【FI】
B02C2/04 B
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2021557226
(86)(22)【出願日】2020-03-24
(85)【翻訳文提出日】2021-10-21
(86)【国際出願番号】 IB2020052753
(87)【国際公開番号】W WO2020194185
(87)【国際公開日】2020-10-01
(31)【優先権主張番号】16/363,477
(32)【優先日】2019-03-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516067058
【氏名又は名称】メトソ・アウトテック・フィンランド・オーワイ
【氏名又は名称原語表記】Metso Outotec Finland Oy
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100103034
【弁理士】
【氏名又は名称】野河 信久
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100219542
【弁理士】
【氏名又は名称】大宅 郁治
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】ブーレ、ピエリック
(72)【発明者】
【氏名】ペルトネン、ミカ
(72)【発明者】
【氏名】バルセビシウス、パウロ
(72)【発明者】
【氏名】ラウタラ、アキ
(72)【発明者】
【氏名】ガライ、ニコラ
(72)【発明者】
【氏名】ホーホランド、ジョナサン
(72)【発明者】
【氏名】ニクレウスキー、アンジェイ
(72)【発明者】
【氏名】ドライエ、マキシム
(72)【発明者】
【氏名】クバジャ、カリ
【テーマコード(参考)】
4D063
【Fターム(参考)】
4D063BB06
4D063BB17
4D063GA07
4D063GB02
4D063GC05
4D063GC14
4D063GC21
4D063GC25
4D063GC27
4D063GC29
4D063GC40
4D063GD04
4D063GD12
4D063GD13
(57)【要約】
本開示は、コーンクラッシャの主軸の空洞内に配置された支持装置を含むコーンクラッシャに関する。支持装置は、破砕ヘッドを支持するように、及び破砕ギャップの幅を調整するために垂直方向に変位可能であるように構成されている。支持装置は、破砕ヘッドによって囲まれた上部を有し、上部は、破砕ヘッドに支持を提供するように配置されている。下部は、主軸の空洞内で下方に延在し、上部及び下部は、シャフト軸に対して横方向に画定される異なる外形寸法を有する。圧力作用面が上部と下部との間の移行部に形成されて、空洞内で上記圧力作用面より下に可変容積圧縮チャンバを形成する。
【選択図】 図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コーンクラッシャであって、
実質的に垂直な主軸を中心として回転可能に配置されており、第1の破砕ライナが取り付けられている破砕ヘッドと、
前記第1の破砕ライナ及び第2の破砕ライナが一緒になって破砕ギャップを画定するように前記第2の破砕ライナが取り付けられているフレームと、
前記主軸によって画定されるシャフト軸を中心として回転可能に配置された偏心器と、
前記偏心器上に回転可能に配置された前記破砕ヘッドが、前記破砕ギャップ内に導入された材料を破砕するための旋回振り子運動を実行するように、前記偏心器を回転させるように配置された駆動ユニットと、
前記主軸の空洞内に配置されており、前記破砕ヘッドを支持するように、及び前記破砕ギャップの幅を調整するために前記シャフト軸に沿って変位可能であるように配置された支持装置と
を備え、
前記支持装置は、前記破砕ヘッドによって囲まれており、かつ前記破砕ヘッドに支持を提供するように配置された上部と、前記主軸の前記空洞内で下方に延在する下部とを有し、
前記上部及び前記下部は、圧力作用面が前記上部と前記下部との間の移行部に形成されて前記空洞内で前記圧力作用面より下に可変容積圧縮チャンバを形成するように、前記シャフト軸に対して横方向に画定される異なる外形寸法を有し、
前記支持装置は、少なくとも、前記上部が前記主軸によって横支持される上側支持位置と、前記下部が前記主軸によって横支持される下側支持位置とにおいて、前記空洞内で横支持される、
コーンクラッシャ。
【請求項2】
前記支持装置は軸対称であり、前記上部は第1の外径寸法を有し、前記下部はより小さい第2の外径寸法を有する、請求項1に記載のコーンクラッシャ。
【請求項3】
前記第1の外径寸法と前記第2の外径寸法との比は、1.25~4、好ましくは1.75~2.5の範囲内である、請求項2に記載のコーンクラッシャ。
【請求項4】
前記下部の上下方向寸法と前記上部の上下方向寸法との比は、少なくとも1、好ましくは1.5、より好ましくは少なくとも3である、請求項1に記載のコーンクラッシャ。
【請求項5】
前記支持装置が最下の垂直変位位置にあるとき、前記支持装置の前記下部は、前記下部の一部が前記偏心器より下に延在するように前記主軸の空洞内で下方に延在する、請求項1に記載のコーンクラッシャ。
【請求項6】
前記コーンクラッシャは、前記支持装置の前記上部を前記破砕ヘッドと接続する一組のアキシャル軸受と、前記上側支持位置において、前記支持装置の前記上部を前記空洞の内壁と接続する上側ラジアル支持軸受とを備える軸受アセンブリを更に備える、請求項1に記載のコーンクラッシャ。
【請求項7】
前記支持装置及び前記主軸の少なくとも一方は、前記一組のアキシャル軸受及び/又は前記上側ラジアル支持軸受に潤滑油を供給するように構成された潤滑油チャネルシステムを備える、請求項6に記載のコーンクラッシャ。
【請求項8】
前記支持装置は、前記支持装置の前記上部の表面を前記空洞の表面と密封接続するための上部シーリングを更に備える、請求項1に記載のコーンクラッシャ。
【請求項9】
前記支持装置は、前記上側支持位置と前記下側支持位置との間に位置する中間支持位置において前記空洞内で横支持され、前記中間支持位置において前記下部が前記主軸によって横支持されている、請求項1に記載のコーンクラッシャ。
【請求項10】
前記中間支持位置は、前記可変容積圧縮チャンバの底面に隣接して又は少なくともその近くに位置する、請求項9に記載のコーンクラッシャ。
【請求項11】
前記中間支持位置において、前記支持装置を前記空洞の内壁と接続する中間ラジアル支持軸受を更に備える、請求項9に記載のコーンクラッシャ。
【請求項12】
前記支持装置は、前記支持装置の表面を前記空洞の表面と密封接続するための中間シーリングを更に備える、請求項9に記載のコーンクラッシャ。
【請求項13】
前記中間支持位置は、前記可変容積圧縮チャンバを密封する前記中間シーリングより下に位置する、請求項12に記載のコーンクラッシャ。
【請求項14】
前記主軸は、前記破砕ヘッドの支持及び変位可能性を提供するために、前記可変容積圧縮チャンバに作動油を供給するように構成された作動油チャネルシステムを備える、請求項9に記載のコーンクラッシャ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本発明は、コーンクラッシャに関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]コーンクラッシャは、岩石破砕システムの一種であり、一般に、静止要素と移動要素との間の破砕ギャップ内で岩石、石、又は他の材料を破砕する。コーンクラッシャは、クラッシャのメインフレームに取り付けられた固定ボウル内で垂直軸を中心として旋回するクラッシャヘッドを含むヘッドアセンブリから構成される。クラッシャヘッドは、クラッシャヘッドとボウルとの間に形成された破砕ギャップ内で岩石、石、又は他の材料を破砕するクラッシャヘッドの旋回振り子運動を与えるために固定の主軸を中心として回転する偏心器を取り囲むように組み立てられている。偏心器は、ピニオン及びカウンタシャフトアセンブリによって駆動される付属の歯車のような様々な動力駆動装置と、電気モータ又は燃焼機関のような多数の機械的動力源とによって駆動され得る。固定ボウルに対するクラッシャヘッドの旋回運動は、岩石、石、又は他の材料が破砕ギャップを通って移動するときにそれらを破砕する。破砕された材料は、破砕ギャップの底部を通ってコーンクラッシャから出る。
【0003】
[0003]コーンクラッシャが直面する課題は、破砕プロセスにより、破砕ギャップを形成する破砕面に過度の摩耗がもたらされることである。この目的のために、移動クラッシャヘッド及び固定ボウルの両方は、例えばマンガン鋼のような耐摩耗性材料で作られた破砕ライナを備えている。この点に関して、ボウルは、破砕プロセス中は静止しているが、摩耗面の摩耗及び引裂を調整することができるように移動可能であり、この調整は通常、破砕が行われていないときに行われることに留意されたい。摩耗に起因して、破砕ライナの厚さは、その摩耗面の材料が摩耗するにつれて減少する。いかなる予防的手段もない場合、時間の経過と共に破砕ギャップが単調に増加していくこととなる。破砕ギャップを常に制御しておくために、コーンクラッシャは、典型的には、動作中に破砕ギャップを調整するための内蔵機能を有する。そのような機能の1つは、クラッシャヘッドの高さを調整するために垂直方向に変位させることができる支持構造体にクラッシャヘッドを取り付けることを伴う。このような垂直方向に変位可能な支持構造体の一種には、コーンクラッシャの主軸の空洞内に位置しており、その頂部でクラッシャヘッドに接続された油圧ピストン装置が含まれる。
【0004】
[0004]動作中、材料は、破砕されるためにクラッシャヘッドとボウルとの間の破砕ギャップを常に通過しており、従って、材料がギャップ表面間で圧縮されるときに破砕ヘッドに力を及ぼす。これらの力は、クラッシャヘッドを支持するピストン装置に更に伝達される。従って、主軸とピストン装置との間の支持が重要である。支持が十分でない場合、特に、ピストンの上部と、ピストン及びブッシング部分の周囲の対応する支持面とが過度に摩耗し得、最終的にピストンシールの故障を引き起こす可能性がある。支持が不十分であってもヘッドが傾くことになり、軸受、ブッシング、及び他の機械部品などの支持面を損傷する可能性がある。従って、当技術分野では改良されたコーンクラッシャが必要である。
【発明の概要】
【0005】
[0005]本発明の目的は、当技術分野における上述の欠陥及び欠点のうちの1つ又は複数を単独で又は任意の組合せで軽減、緩和、又は解消し、少なくとも上述の問題を解決することである。第1の態様によれば、以下を備えるコーンクラッシャが提供される:
[0006]実質的に垂直な主軸を中心として回転可能に配置されており、第1の破砕ライナが取り付けられている破砕ヘッド、
[0007]第1の破砕ライナ及び第2の破砕ライナが一緒になって破砕ギャップを画定するように第2の破砕ライナが取り付けられているフレーム、
[0008]主軸によって画定されるシャフト軸を中心として回転可能に配置された偏心器、
[0009]偏心器上に回転可能に配置された破砕ヘッドが、破砕ギャップ内に導入された材料を破砕するための旋回振り子運動を実行するように、上記偏心器を回転させるように配置された駆動ユニット、及び
[0010]上記主軸の空洞内に配置されており、破砕ヘッドを支持するように、及び破砕ギャップの幅を調整するためにシャフト軸に沿って変位可能であるように配置された支持装置、
[0011]ここにおいて、支持装置は、破砕ヘッドによって囲まれており、かつ破砕ヘッドに上記支持を提供するように配置された上部と、主軸の空洞内で下方に延在する下部とを有し、
[0012]上部及び下部は、圧力作用面が上部と下部との間の移行部に形成されて空洞内で上記圧力作用面より下に可変容積圧縮チャンバを形成するように、シャフト軸に対して横方向に画定される異なる外形寸法を有し、
[0013]支持装置は、少なくとも、上部が主軸によって横支持される上側支持位置と、下部が主軸によって横支持される下側支持位置とにおいて、空洞内で横支持される。
【0006】
[0014]支持装置の上部及び支持装置の下部は、圧力作用面がこれらの部分間の移行部に形成され得るように互いに対して配置されている。これは、上部と下部とが互いに近接していることを意味する。上部及び下部は、互いに対して隣接していてもよい。しかしながら、上部及び下部がそれらの間に中間部分を有することが考えられる。そのような場合、中間部分は、上部と下部との間の移行部を画定するだけでなく、圧力作用面を画定し得る。支持装置が軸対称形状を有する場合、中間部分は、上部及び下部の円筒形外面にそれぞれ接続する円錐台形外面を画定し得る。
【0007】
[0015]上部及び下部は、それぞれの要素又はアセンブリによって画定され得る。従って、支持装置の上部は、支持装置の下部に固定して取り付けられ得る。しかしながら、支持装置が上部と下部の両方を画定する単一の要素を備えることも考えられる。
【0008】
[0016]支持装置は、シャフト軸に沿って空洞内で変位可能である。これは、支持装置が空洞内に摺動可能に配置されていることを意味する。
【0009】
[0017]支持装置及び空洞は、クラッシャの主軸内の比較的高い垂直位置に可変容積圧縮チャンバを画定するよう形作られている。これは、クラッシャヘッドアセンブリの重量がかかる支持位置が比較的高く位置することになるため有利であり得る。これにより、可変容積圧縮チャンバが主軸の底部に位置する従来の設計と比較して、支持装置及び主軸内の力のバランスが全体的に改善される。下部とは異なる上部を有する支持装置の更なる利点は、支持装置が典型的に軸方向位置の関数として一定の横断面を有する従来技術の解決策と比較して、特定のクラッシャの特定の設計に対してより多くの自由度を一般に提供することである。この設計の更なる利点は、支持装置及び油圧システムへのアクセスがより容易であることである。今日、サービスは、典型的にはコーンクラッシャの下から実行されるが、このプロセスでは、サービスアクションを実行するためのスペースが限られるため、必要となるサービス時間を増加させ得る。提案された設計では、代わりに、サービスがクラッシャの頂部から実行され得る。支持装置の下部は下方に延在しており、支持装置の全体的な安定性を高める。
【0010】
[0018]いくつかの実施形態によれば、支持装置は軸対称であり、上部は第1の外径寸法を有し、下部は第2のより小さい外径寸法を有する。
【0011】
[0019]いくつかの実施形態によれば、第1の外径寸法と第2の外径寸法との比は、1.25~4、好ましくは1.75~2.5の範囲内である。
【0012】
[0020]これは、作動油が作用するのに十分な大きさの圧力作用面を有することと、高い構造的完全性のために下部の寸法を十分な大きさに維持することとの間の最適なバランスを取ることができるため、有利であり得る。第2の径寸法の寸法が増加すると、主軸に利用可能な体積が低減するため、主軸の寸法が自動的に小さくなることにも留意されるべきである。従って、第2の寸法を小さくすることで、主軸の強度が高まり、曲げの影響を受けにくくなる。
【0013】
[0021]いくつかの実施形態によれば、下部の上下方向寸法と上部の上下方向寸法との比は、少なくとも1、好ましくは1.5、より好ましくは少なくとも3である。
【0014】
[0022]下部の長さが減少すると支持点における力が高まるため、1未満の比はあまり好ましくない。いずれの場合も、下部の長さは、少なくとも支持装置の移動距離と同じ長さでなければならない。いくつかの実施形態では、少なくとも移動距離の1.5倍でなければならない。一実施形態では、それは主軸の底部にまで達する。
【0015】
[0023]いくつかの実施形態によれば、主軸の空洞は、支持装置が最下の垂直変位位置にあるとき、支持装置の下部が、上記下部の一部が偏心器より下に延在するように主軸の空洞内で下方に延在するような長さを有する。
【0016】
[0024]いくつかの実施形態によれば、主軸の空洞は、支持装置が最上の垂直変位位置にあるとき、主軸の空洞の、支持装置の下端より下の残りの長さが、好ましくは支持装置の最大ストロークの少なくとも120%であるような長さを有する。
【0017】
[0025]いくつかの実施形態によれば、コーンクラッシャは、支持装置の上部を破砕ヘッドと接続する一組のアキシャル軸受と、上側支持位置において、支持装置の上部を空洞の内壁と接続する上側ラジアル支持軸受とを備える軸受アセンブリを更に備える。
【0018】
[0026]いくつかの実施形態によれば、支持装置及び主軸の少なくとも一方は、一組のアキシャル軸受及び/又は上側ラジアル支持軸受に潤滑油を供給するように構成された潤滑油チャネルシステムを備える。
【0019】
[0027]潤滑油チャネルシステムは更に、偏心器と主軸との間に位置するラジアル軸受及び偏心器と破砕ヘッドとの間に位置するラジアル軸受などの更なる軸受に潤滑油を供給するように構成され得る。そのような更なる軸受の別の例は、偏心器を垂直に支持するように配置されたアキシャル軸受である。
【0020】
[0028]いくつかの実施形態によれば、潤滑油は、破砕ヘッド内のチャンバに入り、破砕ヘッドと偏心器との間に位置するラジアル軸受及び偏心器と主軸との間に位置するラジアル軸受に入り、重力によって、偏心器の下に位置するアキシャル軸受に到達し得る。過剰な油量は、破砕ヘッド内のチャンバから通じる専用の排出開口部によって処理され得る。
【0021】
[0029]いくつかの実施形態によれば、支持装置の上部の表面を空洞の表面と密封接続するための上部シーリングが設けられている。支持装置は、上部シーリングを備え得る。上部シーリングは、リップシールであり得る。上部シーリングの目的は、支持装置の表面を空洞の表面と密封接続して圧縮チャンバを密閉する(hermetically seal off)ことである。
【0022】
[0030]いくつかの実施形態によれば、支持装置は、上側支持位置と下側支持位置との間に位置する中間支持位置において空洞内で横支持され、中間支持位置において下部が主軸によって横支持されている。
【0023】
[0031]いくつかの実施形態によれば、中間支持位置は、可変容積圧縮チャンバの底面に隣接して又は少なくともその近くに位置する。
【0024】
[0032]いくつかの実施形態によれば、コーンクラッシャは、中間支持位置において、支持装置を空洞の内壁と接続する中間ラジアル支持軸受を更に備える。
【0025】
[0033]いくつかの実施形態によれば、潤滑油チャネルシステムは、中間ラジアル支持軸受に潤滑油を供給するように更に構成される。
【0026】
[0034]いくつかの実施形態によれば、支持装置は、支持装置の表面を空洞の表面と密封接続するための中間シーリングを更に備える。中間シーリングは、好ましくは、中間支持位置の近くに又はそれに隣接して位置する。中間シーリングは、中間支持位置より下又は上に位置し得る。更により好ましくは、中間シーリングは、中間支持位置より上に位置する。中間シーリングは、圧縮チャンバの底面と同一平面上にあり得る。中間シーリングの目的は、支持装置の表面を空洞の表面と密封接続して、圧縮チャンバを空洞の下部から密閉することである。
【0027】
[0035]いくつかの実施形態によれば、中間支持位置は、可変容積圧縮チャンバを密封する中間シーリングより下に位置する。
【0028】
[0036]いくつかの実施形態によれば、主軸は、破砕ヘッドの支持及び変位可能性を提供するために、圧縮チャンバに作動油を供給するように構成された作動油チャネルシステムを備える。
【0029】
[0037]本発明の適用可能性の更なる範囲は、以下に与えられる詳細な説明から明らかになるであろう。しかしながら、この詳細な説明から本発明の範囲内での様々な変更及び修正が当業者に明らかになるため、詳細な説明及び特定の例は、本発明の好ましい実施形態を示しているが、例示として与えられているにすぎないことが理解されるべきである。
【0030】
[0038]従って、本発明は、説明される装置の特定の構成部品又は説明される方法のステップに限定されるものではなく、そのような装置及び方法は変化し得ることが理解されるべきである。本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明することを目的としているにすぎず、限定することを意図していないことも理解されるべきである。本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用される場合、冠詞「a」、「an」、「the」、及び「said」が、文脈がそうでないことを明確に示さない限り、1つ又は複数の要素が存在することを意味するように意図されることは留意されなければならない。従って、例えば、「あるユニット(a unit)」又は「前記ユニット/そのユニット(the unit)」への言及は、いくつかの装置を含み得、他も同様である。更に、「備える(comprising)」、「含む(including)」、「包含する(containing)」という単語及び同様の言い回しは、他の要素又はステップを除外するものではない。
【0031】
[0039]本発明は、例として、本発明の現在の好ましい実施形態を示す添付を示す添付の図面を参照してより詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1A】[0040]図1Aは、本開示の実施形態によるコーンクラッシャの断面を示す。
図1B】[0041]図1Bは、図1Aの実施形態によるコーンクラッシャの主軸の断面を示す。
図1C】[0042]図1Cは、図1Aの実施形態によるコーンクラッシャの支持装置の断面を示す。
図1D】[0043]図1Dは、図1Aの実施形態による支持装置及び主軸の断面を示す。
図2A】[0044]図2Aは、本開示の別の実施形態によるコーンクラッシャの断面を示す。
図2B】[0045]図2Bは、図2Aの実施形態によるコーンクラッシャの主軸の断面を示す。
図2C】[0046]図2Cは、図2Aの実施形態によるコーンクラッシャの支持装置の断面を示す。
図2D】[0047]図2Dは、図2Aの実施形態による支持装置及び主軸の断面を示す。
【発明を実施するための形態】
【0033】
[0048]本発明は、本発明の現在好ましい実施形態が示されている添付の図面を参照して以下により完全に説明される。しかしながら、本発明は、多くの異なる形態で具現化され得、本明細書に記載される実施形態に限定されると解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施形態は、徹底性及び完全性のために提供され、本発明の範囲を当業者に十分に伝えるものである。
【0034】
[0049]図1Aは、例となる実施形態によるコーンクラッシャ100の断面図を示す。コーンクラッシャ100は、下部フレーム部133と上部フレーム部131とを含むフレーム130を備える。コーンクラッシャ100は、下部フレーム部133に固定的に接続されている垂直な主軸120を更に備える。主軸120は、垂直に位置合わせされたシャフト軸Aを画定する。偏心器140は、中心軸Aを中心として回転可能であるように、主軸120を中心として回転可能に配置されている。偏心器140の外面は、図1Aに見られるように、シャフト軸Aに対して傾斜している。破砕ヘッド110は、偏心器140を中心として回転可能に配置されている。偏心器140の外面の傾斜により、破砕ヘッド110もシャフト軸Aに対して幾分傾斜している。コーンクラッシャ100は、偏心器140のかさ歯車142と係合する歯車152を有する駆動シャフト151によって、主軸120を中心として上記偏心器140を回転させるように配置された駆動ユニット150を更に備える。駆動シャフト151が回転すると、偏心器140はそれと共に回転し、それによって偏心器140上に回転可能に配置された破砕ヘッド110は、主軸120を中心とした旋回振り子運動を実行する。
【0035】
[0050]第1の破砕ライナ112が破砕ヘッド110に取り付けられている。回転可能な部分132は、上部フレーム部131に接続されており、第2の破砕ライナ134がこの回転可能な部分132に取り付けられている。第1の破砕ライナ112及び第2の破砕ライナ134は共に、破砕ギャップ114を画定する。石、砂利、鉱石などの破砕材料が破砕ギャップ114に入ると、破砕ヘッド110の旋回振り子運動によって、第1の破砕ライナ112と第2の破砕ライナ134との間の距離の増加及び減少が交互に行われる。この運動は、材料が破砕ギャップ114を通過するときに材料を破砕する。
【0036】
[0051]破砕中に発生する負荷を吸収して支持を提供するために、偏心器140と主軸120との間及び偏心器140と破砕ヘッド110との間に、ラジアル軸受182、184が配置されている。これらのラジアル軸受の重要な目的は、例えば過剰な負荷の状況又は潤滑不良の場合にクラッシャの他の要素を保護する犠牲要素として機能することである。一組のラジアル軸受182、184は、例えば、ワンピースブッシング又はツーピースブッシングのような1つ、2つ、又はそれ以上のブッシングを備え得る。ラジアル軸受のいくつかが、軸方向、すなわち垂直方向の負荷成分も吸収することができる場合もできない場合もあることは留意されるべきである。例えば、傾斜した外面を有する偏心器140上に配置されたラジアル軸受184である。偏心器140は、アキシャル軸受180によって垂直方向に支持される。
【0037】
[0052]コーンクラッシャ100は、主軸120の空洞121内に配置された支持装置160を更に備える(図1B参照)。支持装置160は、破砕ヘッド110を支持するように、及び破砕ギャップ114の幅を調整するためにシャフト軸Aに沿って変位可能であるように配置されている。換言すると、支持装置160は、破砕ヘッド110の垂直方向の調整を可能にする。支持装置160の(垂直)変位Dは図1Dに例示されている。支持装置160は軸対称であるが、ピン又は他の適切な手段によって回転を防止することができる。
【0038】
[0053]支持装置160は、破砕ヘッド110によって囲まれた上部162を有し、上部162は、破砕ヘッド110に上記支持を提供するように配置されている。支持装置160の上部162の頂部に取り付けられた軸受アセンブリ127は、支持装置160を破砕ヘッド110と接続する。軸受アセンブリ127は、一組のアキシャル軸受126を備える。アキシャル軸受126は、旋回運動中の破砕ヘッド110の傾斜及び水平運動を可能にする。
【0039】
[0054]支持装置160は、図1Bに見られるように、主軸120の空洞121内で下方に延在する下部164を更に有する。
【0040】
[0055]図1B図1Dに最も良く図示されているように、上部162及び下部164は、シャフト軸線Aに対して横方向に定められた異なる外形寸法を有する。従って、圧力作用面166は、上部162と下部164との間の移行部に形成されて、空洞121内で上記圧力作用面166より下に可変容積圧縮チャンバ168を形成する。可変容積圧縮チャンバ168は、更に後述するように、破砕ヘッドの垂直方向の支持及び変位可能性を提供するために作動油Hで満たされるように配置されている。具体的には、軸対称の例では、上部162は、第1の外径寸法D1を有し、下部164は、第2のより小さい外径寸法D2を有する。第1の外径寸法D1と第2の外径寸法D2との比は、1.25~4の範囲内である。例となる実施形態では、比は2である。下部164の上下方向寸法L2と上部162の上下方向寸法L1との比は、好ましくは少なくとも3であるが、いくつかの実施形態ではより小さくてもよい。支持装置160の下部164は、主軸120内で下方に延在する。支持装置160が最下の垂直変位位置にあるとき、支持装置160の下部164は、上記下部164の部分が、偏心器140が支持されるフレーム133の上部より下かつ偏心器140より下に延在するように主軸120の空洞121内で下方に延在する。これにより、支持装置160での安定化効果が達成され、上記装置は曲がりにくくなる。本発明の他の実施形態では、下部164がそこまで延在する必要はない。
【0041】
[0056]支持装置160は、空洞121内に摺動可能に配置されている。支持装置160は、少なくとも、上部162が主軸120によって横支持される上側支持位置P1と、下部164が主軸120によって横支持される下側支持位置P2とにおいて、空洞121内で横支持される。図1A及び図1Bに見られるように、支持装置160は更に、上側支持位置P1と下側支持位置P2との間に位置する中間支持位置P3において空洞121内で横支持され、この中間支持位置P3において、下部164が主軸120によって横支持される。具体的には、例となる実施形態では、中間支持位置P3は、可変容積圧縮チャンバ168の底部と同一平面上にあり得るか又は少なくともその近くにあり得る中間シーリング190の直下に位置する。中間支持位置P3と圧縮チャンバ168の底面167との間の距離は、図1Dに距離Vとして図示されている。中間支持位置P3は、作動油Hが主軸120の上部だけに存在して、主軸120の最下部には到達しないように下部164の長さに沿った中間位置にシーリングが設けられる状況で使用され得る。この中間支持位置P3は、中間位置に配置されたシールが支持されるため摩耗しにくくなるという利点を有する。作動油Hが主軸120の最下部にまで存在する場合、図2A図2Dを参照して後述するように、中間支持位置P3及び中間シーリング190を省略することができる。
【0042】
[0057]支持点は、様々な方法で達成され得る。図1A及び図1Dに見られるように、上側ラジアル支持軸受122は、上側支持位置P1において、支持装置160の上部162を空洞121の内壁123と接続する。下側支持位置P2において、下側ラジアル支持軸受128が示されている。下側ラジアル支持軸受128は、空洞121の内壁123に配置された軸受を備え得るが、支持装置160の外面161上に配置された、例えばリングの形態のブッシングによっても提供され得る。更に、図1B及び1Dに見られるように、空洞121は、底部に向かって厚さが減少している。これは、外面161上に配置された下側ラジアル支持軸受128を有する支持装置160が空洞内に挿入されるときに、下側ラジアル支持軸受128が空洞121の底部に向かって空洞121の内壁123だけと接触するという利点を有する。これは、組み立ての労働強度を大幅に減少させる。中間支持位置P3において、中間ラジアル支持軸受124が示されている。本出願の他の箇所で述べたように、中間ラジアル支持軸受は必ず必要なわけではない。
【0043】
[0058]コーンクラッシャ、特にその軸受は、動作中、常に潤滑を必要とする。この目的のために、コーンクラッシャは、例えば、一組のアキシャル軸受126、アキシャル軸受180、ラジアル支持軸受122、124、及びラジアル軸受182、184に潤滑油Lを供給するように構成された潤滑油チャネルシステム170を備える。潤滑油チャネルシステム170は、支持装置160の下部164の底面165と主軸120の空洞121の内壁123との間に形成された潤滑油チャンバ169を含む。入口チャネル170aは、潤滑油チャンバ169から潤滑油Lを受け取るために、支持装置160内でその底部に配置されている。入口チャネル170aは、支持装置160内で、横方向に配向されたサブチャネル170cに流体連通しており、このサブチャネルは、下部164の垂直方向側面で空洞121に流体連通している。次いで、潤滑油Lは、支持装置160の垂直位置とは無関係に、油供給チャネル170b及び潤滑油チャンバ169を介して支持装置160の入口チャネル170aに入ることができる。
【0044】
[0059]図1Cに図示するように、支持装置160の下部164は、サブチャネル170cから空洞121に入る潤滑油Lが中間ラジアル支持軸受124に到達することができるように、支持装置160の下部164と空洞121の内壁123との間に隙間を形成するために、凹部164aを備える。遷移チャネル125は主軸120内に設けられており、遷移チャネル129は、偏心器140と主軸120との間及び偏心器140と破砕ヘッド110との間に配置されたラジアル軸受182、184に潤滑油Lを導くために偏心器140内に配置されている。軸受アセンブリ127の一組のアキシャル軸受126に潤滑油Lを導くために、上側供給チャネル170d、170eが支持装置160内に設けられている。潤滑油Lは、破砕ヘッド110内に形成されたチャンバ135内にも存在し、潤滑油Lは、ラジアル軸受182、184に入り、偏心器140の下にあるアキシャル軸受180に到達する。過剰な潤滑油量は、チャンバ135から通じる専用の排出開口部(図示せず)によって処理され得る。更に図1Aに見られるのは、支持装置160の位置を検出するためのセンサ構成である。磁石を有するセンサ受容チャネル174が下部164内に配置されている。センサロッド175は、センサ受容チャネル174内に配置されており、センサ176は、磁石の位置を感知することによって支持装置160の位置を検出するように配置されている。センサロッド175自体は移動せず、代わりに、支持装置160が移動するにつれて、センサロッド175と支持装置160との間の相対位置が変化する。
【0045】
[0060]図1Aに図示するように、主軸120は、破砕ヘッド110の上記垂直方向の支持及び変位能力を提供するために圧縮チャンバ168に作動油Hを供給するように構成された作動油チャネルシステムを備える。作動油チャネルシステムは、作動油チャネル172aがその底面167で圧縮チャンバ168に流体連通するように、中心軸Aに対して半径方向にオフセットして少なくとも部分的に主軸120内に配置された作動油チャネル172aを備える。
【0046】
[0061]典型的には10~450バールの範囲である作動油Hの圧力に耐え、圧縮チャンバ168内の圧力を維持するために、支持装置160は、支持装置160の表面161を空洞121の表面123と密封接続するためのシーリング190、192を更に備える。これにより、圧縮チャンバ168を空洞121の残りの部分から密閉することができる。そのようなシーリングの1つは、支持装置160の下部164と空洞121の内壁123との間に位置する中間シーリング190である。中間シーリング190は、加圧された作動油Hが圧縮チャンバ168から中間ラジアル支持軸受124に漏れて潤滑油Lと混ざることを防止する。中間シーリング190は、圧縮チャンバ168の底面167と同一平面上に配置され得る。別のシーリングである上部シーリング192が、支持装置160の上部162と空洞121の内面123との間に配置されていることが見受けられ得る。シーリング190、192は、圧縮チャンバ168と支持位置P1、P3との間に配置されているが、他の実施形態では、支持位置P1、P3がシーリング190、192と圧縮チャンバ168との間に配置されるように配置され得る。
【0047】
[0062]図2A図2Dは、本発明の別の実施形態200を説明する。これらの図の参照番号は、いくつかの例外を除いて、図1A図1Dの参照番号に対応する。そのような違いの1つは、潤滑油Lが、主軸220の壁内に配置された主供給チャネル270aと、支持装置260の上部262内に形成された上側接続チャネル270bとを備える潤滑油チャネルシステム270を通して供給される点である。実施形態200と実施形態100との別の違いは、作動油Hが空洞221自体を介して可変容積圧縮チャンバ268に供給される点である。具体的には、作動油Hのための主供給チャネル272a及び下側接続チャネル272bが設けられている。作動油Hは、主供給チャネル272aを介して、支持装置260より下に形成された更なる圧縮チャンバ269に供給される。次いで、作動油Hは、支持装置260の下部264内に画定された下側接続チャネル272bを介して、更に空洞221を介して圧縮チャンバ268に更に移送される。従って、実施形態200の場合、可変容積圧縮チャンバ268までの間に別個の作動油供給チャネル(図1Aの作動油チャネル172aなど)を設ける必要はない。
【0048】
[0063]支持装置260の下部264の形状は、支持装置160の下部164の形状とは幾分異なる。具体的には、下部264は、(例えば、図1Cの164aに対応する)凹部を有さない。代わりに、下部264の表面261は、軸方向位置とは無関係に一定の直径D2を有する断面を画定する円筒形状である。センサ受容チャネル274は、図1A図1Dのセンサ受容チャネル174と同様であり、磁石を有し、下部264内に配置されている。センサロッド175は、センサ受容チャネル274内に配置されており、センサ176は、磁石の位置を感知することによって支持装置260の位置を検出するように配置されている。例えば、図2A及び図2Cに見られるように、支持装置260の上部262も、図1A図1Dに示された実施形態の上部とは幾分異なる。また、図2B図2Aとの比較から明らかなように、空洞221の形状は、空洞121の形状とは幾分異なる。具体的には、空洞221の内壁223は、円筒形状であり、軸方向に沿って一様な断面を有する。
【0049】
[0064]図2A図2Dは、中間支持体P3及びシーリング190が設けられていないという点でも図1A図1Dとは異なる。代わりに、作動油Hは下部264のほぼ全長に沿って存在し、支持位置P1及びP2だけが必要である。従って、下側ラジアル支持軸受228は、潤滑油Lの代わりに作動油Hを使用して潤滑される。更に、支持装置260の底面265に作動油Hが存在することにより、更なる圧縮チャンバ269を形成することができる。従って、コーンクラッシャ200の場合、2つの圧縮チャンバ、すなわち、作動油Hが支持装置260の圧力作用面266に圧力をかける(上側)圧縮チャンバ268と、作動油Hが支持装置260の底面265に圧力をかける(下側)圧縮チャンバ269とが存在する。従って、追加の圧縮チャンバ269は、支持装置260の総圧力作用面積を増加させる。
【0050】
[0065]当業者は、本発明が決して、上述した好ましい実施形態に限定されないことを認識する。それどころか、添付の特許請求の範囲内で多くの修正及び変形が可能である。追加的に、開示された実施形態に対する変形は、図面、開示、及び添付の特許請求の範囲の検討から、特許請求された発明を実施する際に当業者によって理解され達成され得る。
図1A
図1B
図1C
図1D
図2A
図2B
図2C
図2D
【手続補正書】
【提出日】2021-11-25
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コーンクラッシャ(100;200)であって、
実質的に垂直な主軸(120;220)を中心として回転可能に配置されており、第1の破砕ライナ(112)が取り付けられている破砕ヘッド(110)と、
前記第1の破砕ライナ及び第2の破砕ライナ(134)が一緒になって破砕ギャップを画定するように前記第2の破砕ライナが取り付けられているフレーム(130)と、
前記主軸(120;220)によって画定されるシャフト軸(A)を中心として回転可能に配置された偏心器(140)と、
前記偏心器上に回転可能に配置された前記破砕ヘッドが、前記破砕ギャップ内に導入された材料を破砕するための旋回振り子運動を実行するように、前記偏心器を回転させるように配置された駆動ユニット(150)と、
前記主軸の空洞内に配置されており、前記破砕ヘッドを支持するように、及び前記破砕ギャップの幅を調整するために前記シャフト軸に沿って変位可能であるように配置された支持装置(160;260)
を備え、
前記支持装置(160;260)は、少なくとも上部が前記主軸によって横支持される上側支持位置(P1)において、前記空洞内で横支持される、コーンクラッシャ(100;200)において、
前記支持装置(160;260)は、前記破砕ヘッドによって囲まれており、かつ前記破砕ヘッドに支持を提供するように配置された上部(162;262)と、前記主軸の前記空洞内で下方に延在する下部(164;264)とを有し、
前記上部及び前記下部は、圧力作用面(166;266)が前記上部(162;262)と前記下部(164;264)との間の移行部に形成されて前記空洞内で前記圧力作用面より下に可変容積圧縮チャンバ(168;268)を形成するように、前記シャフト軸に対して横方向に画定される異なる外形寸法を有し、
前記支持装置(160;260)、前記下部(164;264)が前記主軸(120;220)によって横支持される下側支持位置(P2)において、前記空洞内で横支持される、
ことを特徴とする、コーンクラッシャ。
【請求項2】
前記支持装置(160;260)は軸対称であり、前記上部(162;262)は第1の外径寸法(D1)を有し、前記下部(164;264)はより小さい第2の外径寸法(D2)を有する、請求項1に記載のコーンクラッシャ(100;200)
【請求項3】
前記第1の外径寸法(D1)と前記第2の外径寸法(D2)との比は、1.25~4、好ましくは1.75~2.5の範囲内である、請求項2に記載のコーンクラッシャ(100;200)
【請求項4】
前記下部の上下方向寸法(L2)と前記上部の上下方向寸法(L1)との比は、少なくとも1、好ましくは1.5、より好ましくは少なくとも3である、請求項1に記載のコーンクラッシャ(100;200)
【請求項5】
前記支持装置(160;260)が最下の垂直変位位置にあるとき、前記支持装置の前記下部(164;264)は、前記下部の一部が前記偏心器(140)より下に延在するように前記主軸の空洞(121;221)内で下方に延在する、請求項1に記載のコーンクラッシャ(100;200)
【請求項6】
前記コーンクラッシャは、前記支持装置の前記上部(162;262)を前記破砕ヘッド(110)と接続する一組のアキシャル軸受(126)と、前記上側支持位置(P1)において、前記支持装置の前記上部を前記空洞(121;221)の内壁(123;223)と接続する上側ラジアル支持軸受(122)とを備える軸受アセンブリ(127)を更に備える、請求項1に記載のコーンクラッシャ(100;200)
【請求項7】
前記支持装置(160;260)及び前記主軸(120;220)の少なくとも一方は、前記一組のアキシャル軸受(126)及び/又は前記上側ラジアル支持軸受(122)に潤滑油(L)を供給するように構成された潤滑油チャネルシステム(170;270)を備える、請求項6に記載のコーンクラッシャ(100;200)
【請求項8】
前記支持装置(160;260)は、前記支持装置の前記上部の表面を前記空洞の表面と密封接続するための上部シーリング(192)を更に備える、請求項1に記載のコーンクラッシャ(100;200)
【請求項9】
前記支持装置は、前記上側支持位置(P1)と前記下側支持位置(P2)との間に位置する中間支持位置(P3)において前記空洞内で横支持され、前記中間支持位置(P3)において前記下部(164)が前記主軸(120)によって横支持されている、請求項1に記載のコーンクラッシャ(100)
【請求項10】
前記中間支持位置(P3)は、前記可変容積圧縮チャンバ(168)の底面(167)に隣接して又は少なくともその近くに位置する、請求項9に記載のコーンクラッシャ(100)
【請求項11】
前記中間支持位置(P3)において、前記支持装置(160)を前記空洞(121)の内壁(123)と接続する中間ラジアル支持軸受(124)を更に備える、請求項9に記載のコーンクラッシャ(100)
【請求項12】
前記支持装置は、前記支持装置の表面を前記空洞の表面と密封接続するための中間シーリング(190)を更に備える、請求項9に記載のコーンクラッシャ(100)
【請求項13】
前記中間支持位置(P3)は、前記可変容積圧縮チャンバ(168)を密封する前記中間シーリング(190)より下に位置する、請求項12に記載のコーンクラッシャ(100)
【請求項14】
前記主軸(120)は、前記破砕ヘッド(110)の支持及び変位可能性を提供するために、前記可変容積圧縮チャンバ(168)に作動油(H)を供給するように構成された作動油チャネルシステム(172a)を備える、請求項9に記載のコーンクラッシャ(100)
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0002
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0002】
[0002]コーンクラッシャは、岩石破砕システムの一種であり、一般に、静止要素と移動要素との間の破砕ギャップ内で岩石、石、又は他の材料を破砕する。コーンクラッシャは、クラッシャのメインフレームに取り付けられた固定ボウル内で垂直軸を中心として旋回するクラッシャヘッドを含むヘッドアセンブリから構成される。クラッシャヘッドは、クラッシャヘッドとボウルとの間に形成された破砕ギャップ内で岩石、石、又は他の材料を破砕するクラッシャヘッドの旋回振り子運動を与えるために固定の主軸を中心として回転する偏心器を取り囲むように組み立てられている。偏心器は、ピニオン及びカウンタシャフトアセンブリによって駆動される付属の歯車のような様々な動力駆動装置と、電気モータ又は燃焼機関のような多数の機械的動力源とによって駆動され得る。固定ボウルに対するクラッシャヘッドの旋回運動は、岩石、石、又は他の材料が破砕ギャップを通って移動するときにそれらを破砕する。破砕された材料は、破砕ギャップの底部を通ってコーンクラッシャから出る。米国特許出願公開第2011/006143号明細書には、空洞に配置されたジャイレートリークラッシャであって、少なくとも部分的にピストンプレートよりも上に空洞内で構成された潤滑油チャンバに潤滑油を供給するために支持ピストンに含まれているピストンプレートを通って延在するオイルラインを有するジャイレートリークラッシャが開示されている。米国特許第3801026号明細書には、プレストレスが加えられた圧縮性ガスが充填される少なくとも部分的に可撓に(yieldably)構成されたコンテナを備える過負荷安全装置を有するジャイレートリークラッシャが開示されている。当技術分野の更なる例は、米国特許第2310737に開示されているジャイレートリークラッシャである。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0050
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0050】
[0065]当業者は、本発明が決して、上述した好ましい実施形態に限定されないことを認識する。それどころか、添付の特許請求の範囲内で多くの修正及び変形が可能である。追加的に、開示された実施形態に対する変形は、図面、開示、及び添付の特許請求の範囲の検討から、特許請求された発明を実施する際に当業者によって理解され達成され得る。
以下に、出願当初の特許請求の範囲に記載の事項を、そのまま、付記しておく。
[1] コーンクラッシャであって、
実質的に垂直な主軸を中心として回転可能に配置されており、第1の破砕ライナが取り付けられている破砕ヘッドと、
前記第1の破砕ライナ及び第2の破砕ライナが一緒になって破砕ギャップを画定するように前記第2の破砕ライナが取り付けられているフレームと、
前記主軸によって画定されるシャフト軸を中心として回転可能に配置された偏心器と、
前記偏心器上に回転可能に配置された前記破砕ヘッドが、前記破砕ギャップ内に導入された材料を破砕するための旋回振り子運動を実行するように、前記偏心器を回転させるように配置された駆動ユニットと、
前記主軸の空洞内に配置されており、前記破砕ヘッドを支持するように、及び前記破砕ギャップの幅を調整するために前記シャフト軸に沿って変位可能であるように配置された支持装置と
を備え、
前記支持装置は、前記破砕ヘッドによって囲まれており、かつ前記破砕ヘッドに支持を提供するように配置された上部と、前記主軸の前記空洞内で下方に延在する下部とを有し、
前記上部及び前記下部は、圧力作用面が前記上部と前記下部との間の移行部に形成されて前記空洞内で前記圧力作用面より下に可変容積圧縮チャンバを形成するように、前記シャフト軸に対して横方向に画定される異なる外形寸法を有し、
前記支持装置は、少なくとも、前記上部が前記主軸によって横支持される上側支持位置と、前記下部が前記主軸によって横支持される下側支持位置とにおいて、前記空洞内で横支持される、
コーンクラッシャ。
[2] 前記支持装置は軸対称であり、前記上部は第1の外径寸法を有し、前記下部はより小さい第2の外径寸法を有する、[1]に記載のコーンクラッシャ。
[3] 前記第1の外径寸法と前記第2の外径寸法との比は、1.25~4、好ましくは1.75~2.5の範囲内である、[2]に記載のコーンクラッシャ。
[4] 前記下部の上下方向寸法と前記上部の上下方向寸法との比は、少なくとも1、好ましくは1.5、より好ましくは少なくとも3である、[1]に記載のコーンクラッシャ。
[5] 前記支持装置が最下の垂直変位位置にあるとき、前記支持装置の前記下部は、前記下部の一部が前記偏心器より下に延在するように前記主軸の空洞内で下方に延在する、[1]に記載のコーンクラッシャ。
[6] 前記コーンクラッシャは、前記支持装置の前記上部を前記破砕ヘッドと接続する一組のアキシャル軸受と、前記上側支持位置において、前記支持装置の前記上部を前記空洞の内壁と接続する上側ラジアル支持軸受とを備える軸受アセンブリを更に備える、[1]に記載のコーンクラッシャ。
[7] 前記支持装置及び前記主軸の少なくとも一方は、前記一組のアキシャル軸受及び/又は前記上側ラジアル支持軸受に潤滑油を供給するように構成された潤滑油チャネルシステムを備える、[6]に記載のコーンクラッシャ。
[8] 前記支持装置は、前記支持装置の前記上部の表面を前記空洞の表面と密封接続するための上部シーリングを更に備える、[1]に記載のコーンクラッシャ。
[9] 前記支持装置は、前記上側支持位置と前記下側支持位置との間に位置する中間支持位置において前記空洞内で横支持され、前記中間支持位置において前記下部が前記主軸によって横支持されている、[1]に記載のコーンクラッシャ。
[10] 前記中間支持位置は、前記可変容積圧縮チャンバの底面に隣接して又は少なくともその近くに位置する、[9]に記載のコーンクラッシャ。
[11] 前記中間支持位置において、前記支持装置を前記空洞の内壁と接続する中間ラジアル支持軸受を更に備える、[9]に記載のコーンクラッシャ。
[12] 前記支持装置は、前記支持装置の表面を前記空洞の表面と密封接続するための中間シーリングを更に備える、[9]に記載のコーンクラッシャ。
[13] 前記中間支持位置は、前記可変容積圧縮チャンバを密封する前記中間シーリングより下に位置する、[12]に記載のコーンクラッシャ。
[14] 前記主軸は、前記破砕ヘッドの支持及び変位可能性を提供するために、前記可変容積圧縮チャンバに作動油を供給するように構成された作動油チャネルシステムを備える、[9]に記載のコーンクラッシャ。
【手続補正4】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図2A
【補正方法】変更
【補正の内容】
図2A
【国際調査報告】