IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ロントラ リミテッドの特許一覧

<>
  • 特表-チェックバルブ 図1
  • 特表-チェックバルブ 図2
  • 特表-チェックバルブ 図3
  • 特表-チェックバルブ 図4
  • 特表-チェックバルブ 図5
  • 特表-チェックバルブ 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-15
(54)【発明の名称】チェックバルブ
(51)【国際特許分類】
   F16K 15/03 20060101AFI20220608BHJP
【FI】
F16K15/03 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021557539
(86)(22)【出願日】2020-03-27
(85)【翻訳文提出日】2021-11-26
(86)【国際出願番号】 GB2020050831
(87)【国際公開番号】W WO2020193990
(87)【国際公開日】2020-10-01
(31)【優先権主張番号】1904245.6
(32)【優先日】2019-03-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】508245563
【氏名又は名称】ロントラ リミテッド
【氏名又は名称原語表記】LONTRA LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】リンジー,スティーブン フランシス
【テーマコード(参考)】
3H058
【Fターム(参考)】
3H058AA07
3H058BB12
3H058BB34
3H058CC01
3H058CD10
3H058CD28
(57)【要約】
チェックバルブ(1)は、閉塞具(2)と、閉塞具を閉状態に付勢するように配置されたバイアス機構とを含み、閉塞具を開状態にするために選択的に作動するように配置されたアクチュエータアセンブリ(5、7a、7b)をさらに含み、コントローラにアクチュエータアセンブリを選択的に作動させるための制御信号の入力を有するコントローラを含む。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
閉塞具とバイアス機構とを備えるチェックバルブであって、
アクチュエータアセンブリと、コントローラと、をさらに備え、
前記バイアス機構は、前記閉塞具を閉状態に付勢するように配置されており、
前記アクチュエータアセンブリは、前記閉塞具を開状態にするために選択的に作動するように配置されており、
前記コントローラには、前記アクチュエータアセンブリを選択的に作動させるための制御信号が入力される、
チェックバルブ。
【請求項2】
前記アクチュエータアセンブリが作動すると、前記アクチュエータアセンブリは、前記バイアス機構を停止させるように配置されている、請求項1に記載のチェックバルブ。
【請求項3】
前記コントローラは、流体変位装置の、前記流体変位装置の流体ポートを介して流体の流れを促す作動中に、前記閉塞具を開状態に保持するために、前記アクチュエータアセンブリの作動を維持するように配置されており、
前記流体ポートは、前記チェックバルブに接続されている、
請求項2に記載のチェックバルブ。
【請求項4】
前記コントローラは、前記流体変位装置の電源が切られたこと、又は前記流体変位装置が作動状態から非作動状態になったことを示す制御入力の受信に応じて、前記アクチュエータアセンブリを非作動させるように配置されている、請求項3に記載のチェックバルブ。
【請求項5】
前記アクチュエータアセンブリは、作動時に前記閉塞具を部分的な開状態からより大きく開くように配置されている、請求項1から4のいずれか一項に記載のチェックバルブ。
【請求項6】
前記コントローラは、電気信号、空気圧、又は機械的信号を受信するように配置された、端子又はポートを有する、請求項1から5のいずれか一項に記載のチェックバルブ。
【請求項7】
前記アクチュエータアセンブリは、圧力動作アクチュエータを有する、請求項1から6のいずれか一項に記載のチェックバルブ。
【請求項8】
前記コントローラは、2つの流体圧力源のうちの1つを、前記アクチュエータアセンブリの少なくとも一部に作用させるように配置されている、請求項1から7のいずれか一項に記載のチェックバルブ。
【請求項9】
前記アクチュエータを一方の圧力源に接続すると、前記バイアス機構が作動可能になり、
前記アクチュエータを他方の圧力源に接続すると、前記閉塞具を前記開状態にさせる、
請求項8に記載のチェックバルブ。
【請求項10】
前記コントローラは、前記アクチュエータアセンブリに接続されたいずれか一つの圧力源を制御するように配置されたスイッチを有する、請求項8又は9に記載のチェックバルブ。
【請求項11】
前記アクチュエータアセンブリは、動力構成要素を有し、
前記動力構成要素の対向する側部又は端部は、それぞれの圧力源によって作用されるように配置されており、
前記動力構成要素の少なくとも一方の側部/端部が受ける流体圧力は、前記コントローラによって制御される、
請求項1から10のいずれか一項に記載のチェックバルブ。
【請求項12】
前記コントローラは、前記動力構成要素の一方の側部/端部が前記動力構成要素の他方の側部/端部よりも高い流体圧力を受けるときの圧力差を、前記動力構成要素が選択的に受けることを可能にするように配置されている、請求項11に記載のチェックバルブ。
【請求項13】
前記コントローラはさらに、前記動力構成要素の両方の端部/側部が実質的に等しい流体圧力を選択的に受けることを可能にする、請求項12に記載のチェックバルブ。
【請求項14】
前記動力構成要素の一方の側部/端部が受ける前記流体圧力は、前記コントローラによって別の圧力に変更されない、請求項13に記載のチェックバルブ。
【請求項15】
前記動力構成要素の前記側部/端部は、実質的に常に単一の流体圧力源に接続されていることが可能である、請求項14に記載のチェックバルブ。
【請求項16】
前記コントローラは、スイッチングバルブを有する、請求項1から15のいずれか一項に記載のチェックバルブ。
【請求項17】
前記アクチュエータアセンブリは、ピストンチャンバ内で移動可能なピストンを有し、
前記ピストンは、第1の圧力及び第2の圧力のいずれかに選択的に接続可能な第1のサブチャンバ及び前記第1の圧力に接続される第2のサブチャンバとの2つのサブチャンバを区画する、請求項1から16のいずれか一項に記載のチェックバルブ。
【請求項18】
前記スイッチングバルブは、前記第1の流体圧力及び前記第2の流体圧力のいずれかが前記第1のサブチャンバに接続されることを制御するように配置されている、請求項14に従属されたときの請求項17に記載のチェックバルブ。
【請求項19】
前記アクチュエータアセンブリは、前記コントローラを前記第1の圧力に接続させる第1の導管と、前記コントローラを前記第2の流体圧力に接続させる第2の導管と、を有する、請求項1から18のいずれか一項に記載のチェックバルブ。
【請求項20】
前記コントローラは、前記コントローラを前記アクチュエータアセンブリに作動可能に接続させる第3導管を有する、請求項19に記載のチェックバルブ。
【請求項21】
第1の流体圧力及び第2の流体圧力を参照する場合、前記第1の流体圧力は前記第2の流体圧力よりも低い、請求項1から20のいずれか一項に記載のチェックバルブ。
【請求項22】
前記第1の流体圧力は、大気圧であり、前記第2の流体圧力は、前記チェックバルブが作動可能に接続されるように配置された流体含有導管内の流体の圧力である、請求項21に記載のチェックバルブ。
【請求項23】
第1の流体圧力及び第2の流体圧力を参照する場合、前記第1の流体圧力は前記第2の流体圧力よりも高い、請求項1から20のいずれか一項に記載のチェックバルブ。
【請求項24】
前記第1の流体圧力は、大気圧であり、前記第2の流体圧力は、真空である、請求項23に記載のチェックバルブ。
【請求項25】
アクチュエータアセンブリを前記閉塞具に接続するリンケージを備える、請求項1から24のいずれか一項に記載のチェックバルブ。
【請求項26】
前記コントローラは、流体変位装置の作動を示す信号が前記コントローラに入力されていないことに応じて、前記アクチュエータアセンブリを非作動させるように配置されており、
前記流体変位装置の流体ポートには、前記チェックバルブが接続されている、
請求項1から25のいずれか一項に記載のチェックバルブ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、チェックバルブに関する。
【背景技術】
【0002】
チェックバルブ(逆止バルブ、クラックバルブ、逆流バルブ、保持バルブ、一方向バルブとも呼ばれる)は、通常、ポンプ/圧縮機の出口(管)で用いられ、圧縮機が停止したとき(又は障害が発生して停止したとき)に、加圧された管網から圧縮機を介して戻る逆流を防ぐ。逆流により、加圧された流体が圧縮機を介して大気中に突然漏れ出し、圧縮機及び/又は電気システムに損傷を与える可能性がある。
【0003】
大規模な空気/水用途向けの既知のチェックバルブは、フラップのような閉塞具を用いて設計されており、フラップ及び/又はばね又は弾性要素のいずれかの重量はフラップを閉じる傾向があるバイアスを提供し、圧縮機側に出口側の圧力よりも高い圧力が存在する場合、フラップが開く傾向がある。このような既知のバルブは、バタフライデザイン/タイプ、又はグースネックバルブ、ボールバルブ、プラグバルブであり得る。
【0004】
このようなバルブは流体の流れに依存してバルブを開状態に維持するため、通常は完全に開くことはない(そのシナリオでは、重量/ばね力を相殺して開いたままにする力はない)。これは、最適な定流量の場合でも、(部分的に)開いているフラップ要素全体に圧力降下が発生することを意味する。一定の流れの場合でも、従来のフラップは渦の放出により振動する可能性がある。
【0005】
既知の容積式圧縮機/装置は、通常、加圧流体を含む連続する各チャンバが出口管に開くときに、出口に脈動流を生成する。
【0006】
このような流れの脈動は、開状態と部分的な開状態(つまり、閉塞具のフラップ要素が他の状態よりも大きな開口部を提供する状態)の間で振動する傾向があるため、チェックバルブに問題を引き起こす可能性があることが認識されている。
【0007】
これにより、高パルスが発生したときにバルブが以前の低圧相から部分的に閉じられたままになるため、さらに大きな圧力降下が発生する。これにより発生するフラップ要素のフラッタリングはノイズが多く、疲労によりバルブが早期に故障する原因となる可能性がある。
【0008】
我々は、定常状態の圧力降下の問題と、脈動流におけるフラッタリングの問題を克服しようとしている。電気制御入力と二次作動機構を含むことができる改良されたチェックバルブを考案した。改良されたチェックバルブは、圧縮空気を主媒体として使用することを目的としている場合があるが、他の流体、非圧縮性流体、又は流動性装置(ポンプ、又は圧縮機等)の入口に使用できる。
【発明の概要】
【0009】
本発明の第1の態様によれば、閉塞具と、閉塞具を閉状態に付勢するように配置されたバイアス機構とを含むチェックバルブであって、閉塞具を開状態にするために選択的に作動するように配置されたアクチュエータアセンブリをさらに含み、コントローラにアクチュエータアセンブリを選択的に作動させ、アクチュエータアセンブリを選択的に非作動させるための制御信号の入力を有するコントローラを含むチェックバルブを提供する。
【0010】
チェックバルブは、任意のチェックバルブタイプであってもよい。
【0011】
本発明は、強化されたチェックバルブと見なされてもよい。
【0012】
コントローラは、チェックバルブの作動モードを制御していると考慮されてもよい。
【0013】
作動されたアクチュエータアセンブリは、使用中にバイアス機構を停止させるように配置されることが好ましい。
【0014】
本発明は、通常は流体の流れによって開かれるが、その性質上、圧力降下を引き起こす受動閉塞具を含んでもよい。
【0015】
本発明は、一般に、圧力降下を低減する(及び振動/摩耗等を低減する)流体流れの効果から純粋に得られるよりも、閉塞具をより開いた位置に移動させるアクチュエータを含むと言ってもよい。ある種の信号を受信すると、流れの作用及びそれに伴う圧力降下によって流れが閉塞具を移動させるよりも、アクチュエータが閉塞具をさらに移動させて(表面積あたりの流れに対して)流れを妨げないようにすることが好ましい。アクチュエータアセンブリは、流体の流れを補助して閉塞具をより大きく開くようにすると見なされてもよい。アクチュエータアセンブリは、流れの作用下で移動するように閉塞具をさらに開くように移動させることによって、バルブ全体の圧力降下を低減するように作動していると見なされてもよい。
【0016】
アクチュエータアセンブリは、閉塞具を開いていない状態からより完全な開状態に開くように配置されてもよい。アクチュエータアセンブリは、閉塞具が部分的な開状態にあるとき(例えば、流体の流れのため)にのみ作動するように配置されてもよい。アクチュエータアセンブリは、閉塞具を完全な、又は実質的に完全な開状態に開くように配置されてもよい。
【0017】
コントローラは、流体変位装置の作動中に閉塞具を開状態に保持して、チェックバルブが接続されている装置の流体ポートを通して流動性を促すために、アクチュエータアセンブリの作動を維持するように配置されてもよい。流体変位装置の流体ポート(例えば、入口又は出口)に接続されているチェックバルブに対する言及は、流体ポートへの直接/即時接続を含むだけでなく、例えば、1つ以上の構成要素又はアセンブリが流体ポートとチェックバルブとの中間にある(フィルタ、サイレンサ、オイルセパレータ等)間接接続も含む。チェックバルブの作動モードは、少なくとも部分的に、流体変位装置の作動状況に依存してもよい(入力制御信号によって示す)。
【0018】
コントローラは、流体変位装置の電源が切られていること、又は流体変位装置の作動状況が作動状態から非作動状態に変化したことを示す制御入力の受信に応じて、アクチュエータアセンブリを非作動させるように配置されてもよい。これは、流体変位装置の作動を示す信号の不在又は中断によるか、又は作動状況の変化を(積極的に)示す信号によって達成されてもよい。コントローラは、その流体ポートにチェックバルブが接続されている流体変位装置の作動を示すコントローラへの信号入力がないことに応じて、(閉塞具を開状態に維持することから)アクチュエータアセンブリを非作動させるように配置されてもよい。
【0019】
チェックバルブは、受動的な装置/エンティティであることが好ましいバイアス機構の作動上のデフォルト状態を有すると考慮されてもよい。これは、入力制御信号の不在又は中断による結果として発生することがある。
【0020】
制御信号入力は、電気信号を受信するように配置された端子又はポートを含んでもよい。
【0021】
バルブを開くための信号は、圧力(ピート管等)に対する流れの検知(機械的(フラップ等)から電気的(熱線、表面音響波、渦放出(振動測定)等)までの1種以上の既知の流れ測定装置)であってもよい。これは、バルブが(受動モードで)すでに部分的に開いていることを前提としており、その後、検知装置が流れを検出し、バルブを動作させてより完全に開く。
【0022】
アクチュエータアセンブリは、圧力動作アクチュエータを含んでもよい。
【0023】
コントローラは、2つの流体圧力源のうちの1つを少なくとも部分的にアクチュエータアセンブリに作用させるように配置されてもよい。
【0024】
アクチュエータを一方の圧力源に接続するとバイアス機構が作動可能になってもよく、他方の圧力源に接続すると閉塞具を開状態にさせる。(正の)圧力源とは対照的に真空への接続を含み、真空源に接続/切り替えられると、閉塞具を開状態にさせることが理解されよう。
【0025】
コントローラは、アクチュエータアセンブリが接続されている圧力源の制御をもたらすように配置されたスイッチを含んでもよい。
【0026】
アクチュエータアセンブリは、対向する側部又は端部がそれぞれの圧力源によって作用するように配置された動力構成要素を含んでもよく、構成要素の少なくとも一方の側部/端部が受ける流体圧力は、コントローラによって制御される。動力構成要素は、シリンダ内で動作可能なピストン、ダイアフラム、ベローズ、又はブラダアセンブリを含んでもよい。
【0027】
コントローラは、動力構成要素の一方の側部/端部が動力構成要素の他方の側部/端部よりも高い流体圧力を受ける圧力差を、動力構成要素が選択的に受けることを可能にするように配置されてもよい。
【0028】
流体システム内(チェックバルブが作動する)、又は流体システムと、大気又は別の圧力基準又は圧力源との間の任意の圧力差を用いることができる。例えば、配管(常に部分真空)と、大気又は他の圧力源との差を用いてバルブを作動させる真空システムである。
【0029】
アクチュエータアセンブリの動作方法は、作動のために配管/流体システムからの圧力を用いてもよいが、電磁力(シリンダを置き換えるソレノイド、又はシリンダを置き換えるモータとラック)、形状金属アクチュエータ、又は他のタイプを含む他の原動力を利用することもできる。
【0030】
コントローラはさらに、動力構成要素の両方の端部/側部が実質的に等しい流体圧力を選択的に受けることを可能にしてもよい。
【0031】
チェックバルブは、動力構成要素の一方の側部/端部が受ける流体圧力が、コントローラによって別の圧力に変更されないものであってもよい。動力構成要素の側部/端部は、実質的に常に単一の流体圧力源に接続されてもよい。
【0032】
コントローラは、スイッチングバルブを含んでもよい。スイッチングバルブは、流体出口、第1の流体入口及び第2の流体入口を含んでもよく、コントローラは、流体出口を第1の流体入口又は第2の流体入口のいずれかに選択的に接続するために用いられる。
【0033】
アクチュエータアセンブリは、ピストンチャンバ内で動作可能なピストンを含んでもよく、ピストンは、第1の圧力及び第2の圧力に選択的に接続可能な第1のサブチャンバ、及び第1の圧力に接続されている第2のサブチャンバの2つのサブチャンバを区画する。アクチュエータアセンブリは、シリンダ内で作用する単一のピストンを含んでもよい。ピストンは、バルブの移動範囲/ストロークの一部にわたって移動/作動するように配置されてもよい。
【0034】
スイッチングバルブは、第1の流体圧力と第2の流体圧力のいずれが第2のサブチャンバに接続されるかを制御するように配置されてもよい。
【0035】
アクチュエータアセンブリは、コントローラを第1の圧力に接続する第1の導管と、コントローラを第2の流体圧力に接続する第2の導管とを含んでもよい。
【0036】
コントローラが第1の流体圧力及び第2の流体圧力への接続を制御することを利用できる場合、第1の流体圧力は第2の流体圧力よりも低いか、又はその逆である。さらに、コントローラは、アクチュエータアセンブリにおいて、圧力差又はアクチュエータアセンブリでの圧力の実質的な均等化のいずれかを達成するために第1の及び第2の圧力を利用してもよい。
【0037】
第1の流体圧力は大気圧であってもよく、第2の流体圧力は、チェックバルブが作動可能に接続されるように配置された流体含有導管内の流体の圧力であってもよい。
【0038】
チェックバルブは、アクチュエータアセンブリを閉塞具に接続するリンケージを含んでもよい。
【0039】
コントローラは、代替的又は追加的に、(アクチュエータアセンブリを効果制御するために)空気圧アセンブリ又は手動操作スイッチを含んでもよいことが理解されよう。
【0040】
使用において、チェックバルブは、流体変位装置(圧縮機等)の下流(すなわち、流体出口)、又は流体変位装置の入口(吸引ポンプ等)の上流に接続されてもよい。
【0041】
バイアス機構は、閉塞具を閉状態にさせるための受動(能動ではなく)機構であることが好ましい。アクチュエータアセンブリは、閉塞具を能動的に開くように構成されていると見なされてもよく、閉塞具を(能動的に)閉じるように配置又は構成されておらず、すなわち、アクチュエータの作動は、閉塞具を開状態にさせるためだけに機能する。ただし、アクチュエータアセンブリは、閉塞具を開状態にさせることができることに加えて、閉塞具を(能動的に)閉じるように構成されてもよい。アクチュエータアセンブリは、閉塞具開口アクチュエータと呼ばれることがある。
【0042】
「バイアス機構」という表現は、閉塞具を閉状態に付勢する任意の装置又は配置を含むと考慮されてもよく、ばね又は他の弾性要素を含んでもよく、及び/又は閉塞具の重量又はその結果を達成するために閉塞具に設けられた加重部分を含んでもよい。バイアス機構は、閉塞具に大きい又は非常に大きい/有意な力を提供するように配置されてもよい。これにより、閉塞具が非常に急速に閉じられる。バイアス機構は、より一般的には、閉塞具バイアス又はバイアス配置と呼ばれる場合がある。
【0043】
アクチュエータアセンブリは、バイアス機構のオーバーライド機構と見なされてもよい。
【0044】
「動力構成要素」には、加えられた圧力差に応じて(並進的又は角度的に)変位するように配置された構成要素が含まれる。
【0045】
コントローラは、制御信号を受信し、アクチュエータアセンブリが閉塞具を開状態にさせたときに、選択的に作動するように構成されていると考えられてもよい。
【0046】
スイッチングバルブは、ソレノイドを含んでもよい。スイッチングバルブは、(1つ以上のソレノイドによって制御されてもよい)3ポートの二方スイッチングバルブを含んでもよい。スイッチングバルブは、2つの圧力源のうちの1つへのアクチュエータアセンブリの接続を制御してもよい。
【0047】
チェックバルブが調整するように構成されている流体は、気体状態の流体であることが好ましい。
【0048】
ピストンは、閉塞具に接続されているアームに接続されてもよい。アームは、関節式アーム又はリンケージを含んでもよい。
【0049】
ピストンチャンバはシリンダを含んでもよい。
【0050】
「開状態」には、閉塞具が部分的な開状態、完全な開状態、又は実質的に完全な開状態にあることが含まれる。
【0051】
アクチュエータアセンブリは、閉塞具を移動させて開状態にするためにその移動範囲全体を移動する必要がない場合があり、むしろ、能動的なストロークのみを有するように、又は閉塞具を部分的に開いた状態から完全に開いた状態まで制限された範囲で移動できるように配置することができることが理解されよう。
【0052】
アクチュエータアセンブリは、閉塞具を開状態にロックするように配置されてもよい。アクチュエータアセンブリは、アクチュエータアセンブリが作動すると閉塞具を開状態にロック又は保持するラッチを含んでもよく、開状態の閉塞具のロックは、アクチュエータがその後に作動又は非作動すると解放される。これは、開状態への第1の作動と、閉塞具が開状態に保持されている状態から解放するための第2の作動とを含むことができる。
【0053】
コントローラは、脈動又は圧力波がアクチュエータ/システムに影響を与えることを防ぐために、ダンパ、応答又はヒステリシスに対するタイムラグ/動作遅延を含んでもよい。
【0054】
本発明の第2の態様によれば、本発明の第1の態様のチェックバルブ及び流体変位装置を含む流体変位システムが提供される。
【0055】
本発明の第3の態様によれば、流体変位装置が提供され、その流体ポートは本発明の第1の態様のチェックバルブが設けられている。
【0056】
チェックバルブは、回転ピストンと、ロータ、及び少なくとも部分的に環状シリンダ空間を定義するステータを含むシリンダ装置とを含む任意のタイプの流体変位装置であって、ロータはリングの形であってもよく、ロータはロータリングから環状シリンダ空間又は作業チャンバに延びる少なくとも1つのピストンを含み、使用中に、少なくとも1つのピストンは、ロータがステータに対して回転すると、シリンダ空間を通って円周方向に移動し、ロータ本体は、ステータに対してシールされ、装置は、ステータに対して、シャッタ手段が環状シリンダ空間を仕切る閉位置、及びシャッタ手段が少なくとも1つのピストンの通過を可能にする開位置に移動することができるシリンダ空間シャッタをさらに含み、シリンダ空間シャッタは、回転可能に取り付けられたシャッタ(ディスク)を含んでもよい、流体変位装置に有利に用いられることができる。このような装置の例は、EP2334908に開示されている。チェックバルブは、ダイナミックポンプ又は容積式ポンプ又は装置に用いられてもよく、これには、ロータリポンプ(例えば、ギアポンプ、スクリュポンプ、ロータリベーンポンプ)、往復ポンプ(例えば、プランジャポンプ、ピストンポンプ、ダイヤフラムポンプ、円周ピストンポンプ)、リニアポンプ(例えば、ロープポンプ、チェーンポンプ、プログレッシブキャビティポンプ)、リニア圧縮機、ロータリ圧縮機、往復圧縮機が含まれる。
【0057】
チェックバルブは、閉塞具の位置、バルブにわたる圧力の降下、及び/又はバルブを通る流れをモニタリングすることができる閉塞具の位置センサ又は作動状況センサを含んでもよい。
【0058】
チェックバルブは、複数のガスが1つのガス流に混合される場合によく用いられる。チェックバルブは、個々のガス流のそれぞれに取り付けられて、元のガス源でのガスの混合を防ぐことができる。
【0059】
チェックバルブは、化学プラントや発電所等、多くの流体システムでも用いられている。原子力産業分野における用途には、給水制御システム、ダンプライン、補給水、多方面のプロセスシステム、N2システム、モニタリング及びサンプリングシステムが含まれる。航空機や航空宇宙分野では、高振動、極端な温度、腐食性の流体が存在する場所でチェックバルブが用いられる。
【0060】
チェックバルブは、「独立型」装置であってもよく、そのため、配管に取り付けられているが必ずしも圧縮機の隣にあるとは限らない。
【0061】
本発明の上記の態様のいずれか、又はさらなる態様は、図面に示される、及び/又は明細書に記載されているように、個別に又は組み合わせて、1つ以上の特徴を含んでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0062】
ここで、本発明の様々な実施形態を単に例示として説明する。
【0063】
図1】チェックバルブの外観斜視図である。
図2】チェックバルブの様々な内部構成要素を示す斜視図である。
図3】チェックバルブの縦断面図である。
図4】チェックバルブのソレノイド制御アセンブリの拡大図である。
図5】チェックバルブの概略図である。
図6】圧縮機の流体出口に接続されたチェックバルブを示す。
【発明を実施するための形態】
【0064】
ここで、開状態から閉状態へ、又はその逆に移動可能な閉塞具(又はフラップ)と、閉塞具を選択的に開状態に保持させ、使用中に、バイアス機構、及びフラップ要素を閉状態にさせるか又は移動させる傾向を停止させる圧力動作アクチュエータ(二次作動機構と呼ばれてもよい)とを含むチェックバルブを説明する。以下に説明する実施形態は、空気圧縮機の出口に設けられた、又はそれに接続されたチェックバルブに関するものである。
【0065】
図1及び図2を参照されたい。チェックバルブ1の本体又はカーカスは、従来のチェックバルブに似ており、自重で(又は、コイルばね又は空気ばねである可能性のあるばね力によって/に加えて)閉じるフラップ2を含む。チェックバルブは、バタフライバルブタイプにすることもできる。チェックバルブ1は、流体入口1a及び流体出口1bを含む。
【0066】
フラップ2は、ピボットシャフト3に取り付けられている。ピボットシャフト3は、フラップが開状態から閉状態に、又はその逆に軸の周りを回転することを可能にする。
【0067】
図示の例において、上記の二次作動機構は、シリンダ6内で動作可能なピストン5を含む。ピストンは、ピストンロッド7a及びアーム7bを含み、かつ部品7a及び7bが枢動可能に接続される関節式リンケージに接続されている。アーム7bはシャフト3に固定的に接続されており、アクチュエータアセンブリの作動がピストンの動きを駆動/引き起こしてフラップ2を開くようにする。
【0068】
ピストン5は、シリンダ空間を2つのサブチャンバに分割する。ピストン5の一側(向きは重要ではないが、図の上部として示されている)は、常にベント10を介して大気又は大気圧に接続されている。ピストン5の他側、すなわち、図示のように下部サブチャンバは、バルブ1が接続されている管内の大気圧又は加圧流体(すなわち、圧縮空気)のいずれかに選択的に接続することができる。管は、圧縮機の流体出口と圧縮機の下流にあるバルブに接続されている。ピストン5は、圧縮空気が大気に漏れるのを防ぐために、シリンダ6にシールされている。管への接続はフラップ2の入口側にあり、配管系が大気圧で起動した場合にフラップが最初に機能できるようにする。
【0069】
チェックバルブ1は、圧縮機から(直接的又は間接的に)信号を受信するように配置された制御信号ポート又は端子12をさらに含む。ポート12への入力は、符号13で概略的に図示されているソレノイドスイッチングバルブの機能を制御する。バルブには、チャンバ6の下部サブチャンバが接続されている圧力源を切り替えるように構成されたソレノイドが含まれる。スイッチングバルブ13は、導管又は入口13aを介して大気圧に接続されており、導管13bを介して圧縮機によって出力された管内の空気の圧力にも接続されている。導管13bは、図3で最もよく見られるように、フラップ2の上流に位置するチェックバルブの本体の開口をスイッチングバルブ13に接続する。スイッチングバルブ13は、シリンダ6の下部サブチャンバに流体的に接続する出口13cをさらに含む。
【0070】
大気圧に接続されているベント10及び入口13aは、より一般的には、基準圧力に接続されていると考えられてもよく、これにより、以下でより詳細に説明するように、圧力差を達成することができる。さらに、ベント10及び13aは、圧縮機の入口に接続されてもよい。これは、有毒ガスを使用する場合に有利であり、そうでなければ大気に放出され、代わりに流体システムに含ませることができる。
【0071】
具体的には、端子12は、圧縮機への電源がオン状態からオフ状態に変化するか、あるいは(少なくとも圧縮空気を供給する限り)圧縮機が作動を停止するかを示す信号を受信するように配置されている。状態遷移を示す信号を受信すると、二次作動機構が作動する。実際には、チェックバルブ1のこの制御は、圧縮空気を供給/排出するために圧縮機の圧縮機能が作動/実行中であることを示す信号が受信されている限り、フラップ3を開状態のままにするアクチュエータによって達成されてもよい。端子12でこのような信号を受信していない場合、スイッチングバルブのソレノイドは、下部サブチャンバへの圧力源を大気圧に接続するように構成されている。あるいは、所定の信号を端子12に出力することができ、これは、その圧縮吐出機能に関連して、圧縮機の作動状況がパワーダウン又はオフ状態に変化したことを示す。したがって、入力端子12は、アクチュエータの制御を行うために、直接的又は間接的に圧縮機に接続されている。そのため、バルブの作動モードは圧縮機の作動状況に依存する。
【0072】
スイッチングバルブ13は、単一の3ポートソレノイド動作バルブを含む。スイッチングバルブはまた、機械的、油圧的又は空気圧的手段等の電気的作動以外の手段によって作動されるバルブであってもよいことが理解されよう。例えば、アクチュエータアセンブリのそれぞれのサブチャンバは、導管によって流体変位装置に接続され、次に、コントローラに信号を出力する圧力センサに接続されることができる。
【0073】
あるいは、スイッチングバルブ13は、シリンダ6の下側が接続されている媒体を交換する2つのソレノイド作動式空気制御バルブを含んでもよい。バルブの1つは通常開いており、もう1つは(通常)閉じている。電気信号が印加されていない場合、バルブはデフォルトでこれらの位置になる。電気信号が印加された場合、それらは反対の状態になる。
【0074】
入力端子12を介して電気信号が印加されていない場合、チェックバルブ1は従来のチェックバルブとして作動し、入口の圧力が出口の圧力よりも大きい場合に開き、反対の場合に閉じる。動作は、フラップをわたって作用する配管系圧力により発生し、ポンプが起動するとフラップが持ち上げられて開き、自重及び/又は流れが逆転しているときにばねの作用によって落下し始め、フラップにわたる圧力が逆転することにより完全に閉じる。シリンダ6の下部はバルブ13によって大気に接続されているので(上部サブチャンバは常に大気に接続されている)、二次作動システムの小さな空気通路によるいくらかの減衰を除いて、ピストン5に作用する有意な力はない。ピストン5(チェックバルブのフラップに機械的に連結されている)は、フラップによって動作され、フラップ2にわずかな減衰力のみを加える。
【0075】
端子12で受信した信号に応じて電気信号が印加されると、ソレノイドによりエアバルブがピストン5の下の空気を大気から切り離し、代わりにメイン管のフラップのすぐ上流にある管内の空気に接続する。これは、管内の圧力が大気圧よりも高い限り、フラップ2のすべての位置でピストンに上向きの力がかかり、フラップが開く(開いたままになる)ことを意味する。ピストン5と、ピストン5のフラップへのリンケージ7a及び7bは、すべての作動状態で予想される配管系圧力が、フラップを完全に開いた状態に維持(してその重量及び/又は取り付けられているばねの閉鎖力を相殺)するのに十分であるように(それぞれの表面積によって)寸法が決められている。フラップ2は完全に開いた状態であるため、メイン管を流れる流体に圧力降下を生じさせない。逆に、管内の流れはフラップにほとんど力を加えず、その位置は主にピストン5によって制御される。ピストン領域は、フラップ2の領域よりも小さくすることができる。
【0076】
したがって、電気信号が印加されると、チェックバルブ1は、低圧希薄化が通過するときに部分的な閉状態ではないため、(パルスの最低圧力がまだ大気圧を超えており、フラップの閉鎖力に対抗することによってピストンをそのストロークの最上部に維持するのに十分である限り)通常又は標準のチェックバルブとして機能しない。流れが逆転した場合でも、管内の圧力は大気圧を超えている可能性が高いため、逆流の場合にもフラップは閉状態にならない(これは、管網が完全に排水されて大気圧に下がるまでの場合である)。
【0077】
これは、電気信号を印加することにより、バルブの逆止性が無効になるか又は回避され、ほとんどすべての状況(電気信号が印加されている間)で、手動又は強制的に開いたバルブ(手動で閉じる機能はない)になることを意味する。配管系と圧縮機を保護するためのチェックバルブの逆止基準を満たすために、問題が発生すると電気信号が切断される。これは、圧縮機及び/又は配管系で様々なセンサを用いることによって、またバルブを圧縮機と同じ電源に接続することによって達成できる。これらは保護手段として機能し(チェックバルブを受動モードにする)、例えば、電源が切られたときの判断が含まれてもよい。
【0078】
回転ピストン及びシリンダ装置50の流体出口に接続されたチェックバルブ1を示す図6を参照する。
【0079】
図2図3及び図4の閉塞具2が閉状態にあることが理解されよう。図5では、閉塞具2は、流体の流れによって加えられた圧力の結果として部分的な開状態で示されているが、アクチュエータの作動の補助はない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】