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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-15
(54)【発明の名称】関節屈曲プレナム
(51)【国際特許分類】
   F02M 35/10 20060101AFI20220608BHJP
   F02M 35/104 20060101ALI20220608BHJP
【FI】
F02M35/10 301R
F02M35/10 301P
F02M35/104 Q
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021557814
(86)(22)【出願日】2020-03-11
(85)【翻訳文提出日】2021-10-19
(86)【国際出願番号】 FR2020050497
(87)【国際公開番号】W WO2020201649
(87)【国際公開日】2020-10-08
(31)【優先権主張番号】1903385
(32)【優先日】2019-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】501211925
【氏名又は名称】ラビー,ヴィアニー
【氏名又は名称原語表記】RABHI Vianney
(74)【代理人】
【識別番号】110001656
【氏名又は名称】特許業務法人谷川国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ラビー,ヴィアニー
(57)【要約】
関節屈曲プレナム(1)は、拘束手段(17)によって保たれた密閉ボールジョイントリンク(16)で終わる吸気管(3)を形成し、当該プレナム(1)は、熱源(39)を膨張シリンダ(32)に接続し、プレナム入口オリフィス(4)、弁座部(9)を受容するプレナム出口オリフィス(6)、および弁(10)を制御する吸気弁アクチュエータ(50)を受容するアクチュエータオリフィス(8)を備え、弁(10)は、弁座部(9)と係合して吸気管(3)を閉じる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
二段作動膨張ピストン(31)が膨張シリンダ(32)内を移動する伝達-膨張-再生燃焼エンジン(30)用に想定された関節屈曲プレナム(1)であって、前記膨張シリンダ(32)が、上部膨張シリンダヘッド(33)および下部膨張シリンダヘッド(34)と一緒になって膨張シリンダヘッドアセンブリ(35)を形成し、前記エンジン(30)が、作動ガス(37)を圧縮してから前記作動ガス(37)を再生熱交換器(38)に排出する圧縮機(36)を備え、前記ガス(37)が予熱される一方、前記交換器(38)を出ると、前記ガス(37)が、前記膨張シリンダ(32)内で膨張され、動力出力シャフト(40)への作用をもたらすために、熱源(39)によって過熱されてから、バーナ出口管(46)、続いて吸気管(3)、および吸気弁アクチュエータ(50)によって制御される吸気弁(10)を介して、前記膨張シリンダ(32)に導入され、前記ガス(37)が、その後、その熱の一部を、前記再生熱交換器(38)の内部で予熱される前記交換器(38)に流入する前記作動ガス(37)に伝達することによって前記再生熱交換器(38)の内部で冷却されるために、前記膨張シリンダ(32)から排出されてから、前記再生熱交換器(38)に再導入され、前記プレナム(1)が、
・前記吸気管(3)を形成し、前記熱源(39)と連通するプレナム入口オリフィス(4)、前記上部膨張シリンダヘッド(33)または前記下部膨張シリンダヘッド(34)のいずれかを介して前記膨張シリンダ(32)に開口しているプレナム出口オリフィス(6)、および前記吸気弁アクチュエータ(50)を受容するアクチュエータオリフィス(8)を含む、中空のプレナム本体(2)と、
・前記プレナム入口オリフィス(4)のレベルに提供されたバーナ側の截頭球形端部(5)であって、前記端部(5)が、前記バーナ出口管(46)の外側に設けられた前記バーナ側の相補的な截頭球形面(14)と密閉ボールジョイントリンク(16)を形成する、バーナ側の截頭球形端部と、
・前記プレナム出口オリフィス(6)のレベルに提供されたシリンダヘッド側の截頭球形端部(7)であって、前記端部(7)が、前記上部膨張シリンダヘッド(33)または前記下部膨張シリンダヘッド(34)の外側に設けられた前記シリンダヘッド側の相補的な截頭球形面(15)と密閉ボールジョイントリンク(16)を形成する、シリンダヘッド側の截頭球形端部と、
・前記プレナム出口オリフィス(6)の近くに設けられた弁座部(9)であって、前記吸気弁(10)が、前記オリフィス(6)を閉じるために前記座部(9)上に載置することができる、弁座部(9)と、
・拘束手段(17)であって、一方では、前記バーナ側の前記相補的な截頭球形面(14)に対して前記バーナ側の前記截頭球形端部(5)の押圧を維持し、他方では、前記シリンダヘッド側の前記相補的な截頭球形面(15)に対して前記シリンダヘッド側の前記截頭球形端部(7)の押圧を維持する、拘束手段(17)と、を備えることを特徴とする、関節屈曲プレナム(1)。
【請求項2】
前記弁座部(9)が、前記吸気弁(10)の端部に設けられた前記弁側(19)の截頭球形軸受領域と係合する弁側(18)の相補的な截頭球形面を有し、前記表面(18)および前記軸受領域(19)が、これらが互いに接触しているときに密閉ボールジョイントリンク(16)を形成することを特徴とする、請求項1に記載の関節屈曲プレナム。
【請求項3】
前記吸気弁(10)が、前記吸気弁アクチュエータ(50)内に収容された上部弁ステム誘導ボールジョイント(66)内で、またはこれとともに、その長手方向軸に沿って並進して移動することができる弁ステム(11)を備え、前記ボールジョイント(66)が、前記弁(10)が前記アクチュエータ(50)に対して制限角度に従って前記弁自体を配向することを可能にすることを特徴とする、請求項2に記載の関節屈曲プレナム。
【請求項4】
前記弁ステム(11)が、前記吸気弁アクチュエータ(50)内に収容された位置記憶弁ステムシール搬送体(67)において、その長手方向軸に沿って並進して移動することができ、前記シール搬送体(67)が、前記アクチュエータ(50)に対して半径方向に移動することができ、前記シール搬送体(67)と前記弁ステム(11)との間に密閉性を形成する弁ステムシール(74)を含み、一方、前記シール搬送体(67)がまた、前記シール搬送体(67)と前記吸気弁アクチュエータ(50)との間に密閉性を形成するシール搬送体シール(75)も含むことを特徴とする、請求項3に記載の関節屈曲プレナム。
【請求項5】
前記位置記憶弁ステムシール搬送体(67)が、弁ステムシール搬送体ばね(68)によって前記吸気弁アクチュエータ(50)に対して押圧が維持されることを特徴とする、請求項4に記載の関節屈曲プレナム。
【請求項6】
前記プレナム本体(2)が、一方では、前記プレナム本体(2)と、他方では、前記吸気弁アクチュエータ(50)との密閉性および中心性を作成する熱分離スペーサ(13)を介して前記吸気弁アクチュエータ(50)を受容することを特徴とする、請求項1に記載の関節屈曲プレナム。
【請求項7】
前記拘束手段(17)が、少なくとも1つの板タイロッド(43)によって、かつ、少なくとも1つの板当接部(42)を介して前記吸気弁アクチュエータ(50)に対して押圧が維持された少なくとも1つのアクチュエータ拘束板(41)から構成されており、その結果、前記アクチュエータ(50)が、次に、前記アクチュエータオリフィス(8)に含まれるアクチュエータ軸受面(12)を介して前記プレナム本体(2)に対して押圧が維持され、かつ、前記バーナ側の前記截頭球形端部(5)が、前記バーナ側の前記相補的な截頭球形面(14)に対して押圧が維持され、かつ/または前記シリンダヘッド側の前記截頭球形端部(7)が、前記シリンダヘッド側の前記相補的な截頭球形面(15)に対して押圧が維持されることを特徴とする、請求項1に記載の関節屈曲プレナム。
【請求項8】
前記拘束手段(17)が、前記プレナム入口オリフィス(4)の近くで、およびその方向で、少なくとも1つのバイス軸受面(65)を介して、前記プレナム本体(2)上で直接的または間接的に押圧する、バーナ側の少なくとも1つのプレナム拘束バイス(71)から構成されることを特徴とする、請求項1に記載の関節屈曲プレナム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、関節屈曲プレナムに関し、特に本出願人が保有する特許WO2016/120560に従って、伝達-膨張-再生燃焼エンジンを強化することを意図した関節屈曲プレナムに関し、当該特許は、2016年8月5日に第3032236号で公開されたフランス特許に起因する。
【0002】
より詳細には、本発明による関節屈曲プレナムは、これも本出願人が保有する特許WO2017/046479に従って、適応型支持体を備えた二段作動膨張シリンダと有利に組み合わせることができる。
【0003】
特許WO2017/046479は、特許WO2016/120560による伝達-膨張-再生燃焼エンジンに含まれるシリンダバレル、下部シリンダヘッド、および上部シリンダヘッドから形成された剛性アセンブリが、これが装着されている変速機ケーシングに対する温度の影響下で、当該シリンダバレル内で移動するピストンの適切な機能を損なうことなく、自由に膨張することを可能にする。
【0004】
特許WO2016/120560およびWO2017/046479に加えて、本発明による関節屈曲プレナムは、再生冷却システムから構成される特許WO2018/154214による本発明との組み合わせにおいて特に着目されている。当該システムは、特許WO2016/120560による伝達-膨張-再生燃焼エンジンをも強化するものであり、当該システムが、鋳鉄またはステンレス鋼との適合性を保ったまま、当該アセンブリを摂氏700度程度の最大温度に維持するのに好適であるため、これらの材料で作製された当該エンジンのシリンダバレル、下部シリンダヘッド、および上部シリンダヘッドから形成された剛性アセンブリを製造するのに特に好適である。
【0005】
本発明による関節屈曲プレナムはまた、本出願人が保有する2017年10月2日のフランス特許出願第1759206号の主題と有利に組み合わされる。本出願は、特許WO2016/120560に従って、好ましくは特許WO2017/046479の主題によって強化されたそのバージョンで、伝達-膨張-再生燃焼エンジンに有利に適用される油圧再生弁アクチュエータを記載する。
【0006】
フランス特許出願第1759206号には、下部膨張シリンダヘッドおよび上部膨張シリンダヘッドは、これらが係合するシリンダヘッド上の板当接部を介して、一方では、下部膨張シリンダヘッドの場合には下部カートリッジ拘束板によって、他方では、上部膨張シリンダヘッドの場合には上部カートリッジ拘束板によって押圧されたアクチュエータカートリッジを各々受容することができ、当該板は、板タイロッドによって互いにより近くに移動される傾向にあることが特に記載されている。
【0007】
しかしながら、特許WO2017/046479およびフランス特許出願第1759206号では、高温ガスを搬送する伝達-膨張-再生エンジンの吸気管が、当該エンジンの下部シリンダヘッドおよび上部シリンダヘッドに統合されていることを示唆しており、この吸気管は、特許WO2018/154214によれば、摂氏700度程度の温度に維持された鋳鉄またはステンレス鋼で有利に作製されている。
【0008】
伝達-膨張-再生エンジンの吸気管は、冷却を回避する必要がある高温ガスを搬送するため、より高い温度にすることができると有利であることに留意されたい。明らかに、この温度は、当該ガスの温度、すなわち、例えば、摂氏1,300度にできるだけ近いものにするべきである。実際に、当該管の温度が、管内に搬送されるガスの温度と等しい場合、当該ガスは、当該管に熱を伝達することができない。ガスと管との間の熱伝達を最小にすることは、伝達-膨張-再生エンジンの最終エネルギー効率にとって好都合である。
【0009】
また、特許WO2017/046479では、実際に、伝達-膨張-再生エンジンのシリンダバレル、下部シリンダヘッド、および上部シリンダヘッドから形成された剛性アセンブリが、これが装着されている変速機ケーシングに対して自由に膨張することを可能にすることにも留意されたい。しかしながら、当該特許では、当該エンジンの吸気管が、例えば、バーナから構成され得るその熱源にどのように接続されるかは明記されていない。しかしながら、当該エンジンの下部シリンダヘッドおよび上部シリンダヘッドのそれぞれの吸気管間の距離は、シリンダバレル、下部シリンダヘッド、および上部シリンダヘッドから形成される剛性アセンブリの膨張により著しく変化する傾向がある。
【0010】
同様に、油圧再生弁アクチュエータについて記載するフランス特許出願第1759206号では、伝達-膨張-再生燃焼エンジンの膨張シリンダアセンブリ上に取り付けられたアクチュエータカートリッジを想定しており、当該カートリッジは、下部膨張シリンダヘッド、または上部膨張シリンダヘッドのいずれかに収容された弁ケージを含む。この文脈では、吸気管を開閉するのに好適な弁は、弁座部を収容する当該ケージ内で直接的または間接的に誘導することができ、弁座部および/または当該弁を誘導する弁ケージの一部は、熱伝達流体が循環する弁冷却回路によって冷却されるのに好適である。
【0011】
したがって、低温に維持されたケージは、吸気管内を循環するガスを高温にするための熱交換表面積を提供する。したがって、この構成は、当該ガスの冷却に有利に働き、よって、伝達-膨張-再生モータの最終エネルギー効率に悪影響を及ぼす。
【0012】
これらの知見に基づいて、上述の様々な発明および発明の組み合わせの固有の欠点を修正するために、本発明による関節屈曲プレナムは、
【0013】
伝達-膨張-再生エンジンの吸気管を、一方では、これらが係合する下部シリンダヘッドまたは上部シリンダヘッドに対して、他方では、熱源に対して、一方では、当該エンジンのシリンダバレル、下部シリンダヘッド、および上部シリンダヘッドから形成された剛体アセンブリが、他方では、熱源が、当該吸気管がこれらを防止することなく、また当該管に機械的な応力を付与することなく、互いに対して自由に膨張することができるように、密閉的な方法で、かつ、三次元デカルト座標系の3つの軸に沿って機械的に結合解除することと、
【0014】
伝達-膨張-再生エンジンの吸気管を、高温に適合する材料で作製することであって、当該材料は、任意選択で有利には、当該エンジンのシリンダバレル、下部シリンダヘッドおよび上部シリンダヘッドを形成する材料とは異なり、この戦略は、当該吸気管内を循環する高温ガスの冷却を最小にするのに役立つ、作製することと、
【0015】
フランス特許出願第1759206号に記載されているものと同様のアクチュエータカートリッジを、当該吸気管内を循環する高温ガスを冷却する傾向がある弁ケージを使用することなく、受容し、含み、かつ、熱的および密閉的に絶縁することと、
【0016】
高温で動作する吸気弁を収容することであって、当該吸気管内を循環する高温ガスの冷却を最小にするのに役立つ、収容することと、
【0017】
吸気管に対して当該弁を制御するアクチュエータカートリッジの相対的な位置に関係なく、吸気弁の完全な動作および密閉性を保つことができることであって、当該位置は、当該カートリッジの膨張に対して、また、当該吸気管の膨張に対して、当該弁の膨張に従って可変である、保つことができることと、に好適である。
【0018】
本発明による関節屈曲プレナムは、主に、本出願人が保有する特許WO2016/120560による伝達-膨張-再生燃焼エンジンを対象としていることが理解される。
【0019】
しかしながら、当該プレナムはまた、高温になった任意のガス管に制限なく適用されてもよく、当該管の開閉は、弁によって制御され、当該管を相互接続する構成要素は、互いに対して膨張および移動するのに好適である。
【0020】
本発明による関節屈曲プレナムは、二段作動膨張ピストンが膨張シリンダ内を移動する伝達-膨張-再生燃焼エンジン用に想定されており、膨張シリンダは、上部膨張シリンダヘッドおよび下部膨張シリンダヘッドと一緒になって膨張シリンダヘッドアセンブリを形成し、当該エンジンは、作動ガスを圧縮してからこれを再生熱交換器に排出する圧縮機を備え、当該ガスは予熱される一方、当該交換器を出ると、当該ガスは、膨張シリンダ内で膨張され、動力出力シャフトへの作用をもたらすために、熱源によって過熱されてから、バーナ出口管、続いて吸気管、および吸気弁アクチュエータによって制御される吸気弁を介して、膨張シリンダに導入され、当該ガスは、その後、その熱の一部を、その内部で予熱される当該交換器に流入する作動ガスに伝達することによってその内部で冷却されるために、膨張シリンダから排出されてから再生熱交換器に再導入され、当該プレナムは、
【0021】
吸気管を形成し、熱源と連通するプレナム入口オリフィス、上部膨張シリンダヘッドまたは下部膨張シリンダヘッドのいずれかを介して膨張シリンダに開口しているプレナム出口オリフィス、および吸気弁アクチュエータを受容するアクチュエータオリフィスを含む、中空のプレナム本体と、
【0022】
プレナム入口オリフィスのレベルに提供されるバーナ側の截頭球形端部であって、当該端部は、バーナ出口管の外側に設けられたバーナ側の相補的な截頭球形面と密閉ボールジョイントリンクを形成する、截頭球形端部と、
【0023】
プレナム出口オリフィスのレベルに提供されるシリンダヘッド側の截頭球形端部であって、当該端部は、上部膨張シリンダヘッドまたは下部膨張シリンダヘッドの外側に設けられたシリンダヘッド側の相補的な截頭球形面と密閉ボールジョイントリンクを形成する、截頭球形端部と、
【0024】
プレナム出口オリフィスの近くに設けられた弁座部であって、吸気弁は、当該オリフィスを閉じるために当該座部上に載置することができる、弁座部と、
【0025】
拘束手段であって、一方では、バーナ側の相補的な截頭球形面に対してバーナ側の截頭球形端部の押圧を維持し、他方では、シリンダヘッド側の相補的な截頭球形面に対してシリンダヘッド側の截頭球形端部の押圧を維持する、拘束手段と、を備える。
【0026】
本発明による関節屈曲プレナムは、吸気弁の端部に設けられた弁側の截頭球形軸受領域と係合する、座部側の相補的な截頭球形面を有する弁座部を含み、当該表面および当該軸受領域は、これらが互いに接触したときに密閉ボールジョイントリンクを形成する。
【0027】
本発明による関節屈曲プレナムは、吸気弁アクチュエータ内に収容された上部弁ステム誘導ボールジョイント内で、またはこれとともに、その長手方向軸に沿って並進して移動することができる弁ステムを含む吸気弁を含み、当該ボールジョイントは、当該弁が当該アクチュエータに対して制限角度に従って弁自体を配向することを可能にする。
【0028】
本発明による関節屈曲プレナムは、吸気弁アクチュエータ内に収容された位置記憶弁ステムシール搬送体において、その長手方向軸に沿って並進して移動することができる弁ステムを含み、当該シール搬送体は、当該アクチュエータに対して半径方向に移動することができ、当該シール搬送体と当該弁ステムとの間に密閉性を形成する弁ステムシールを含み、一方、当該シール搬送体はまた、当該シール搬送体と吸気弁アクチュエータとの間に密閉性を形成するシール搬送体シールも含む。
【0029】
本発明による関節屈曲プレナムは、弁ステムシール搬送体ばねによって吸気弁アクチュエータに対して押圧が維持される位置記憶弁ステムシール搬送体を備える。
【0030】
本発明による関節屈曲プレナムは、一方では、プレナム本体と、他方では、吸気弁アクチュエータとの密閉性および中心性をもたらす熱分離スペーサを介して吸気弁アクチュエータを受容するプレナム本体を備える。
【0031】
本発明による関節屈曲プレナムは、少なくとも1つの板タイロッドによって、かつ、少なくとも1つの板当接部を介して、吸気弁アクチュエータに対して押圧が維持された少なくとも1つのアクチュエータ拘束板から構成される拘束手段を備え、その結果、当該アクチュエータは、次に、アクチュエータオリフィスに含まれるアクチュエータ軸受面を介してプレナム本体に対して押圧が維持され、バーナ側の截頭球形端部は、バーナ側の相補的な截頭球形面に対して押圧が維持され、かつ/または、シリンダヘッド側の截頭球形端部は、シリンダヘッド側の相補的な截頭球形面に対して押圧が維持される。
【0032】
本発明による関節屈曲プレナムは、プレナム入口オリフィスの近くで、およびその方向で、少なくとも1つのバイス軸受面を介して、プレナム本体上で直接的または間接的に押圧する、バーナ側の少なくとも1つのプレナム拘束バイスから構成される拘束手段を備える。
【0033】
非限定的な実施例として付与される添付の図面に関する以下の説明では、本発明、その特徴、および提供するべき利点をより良好に理解することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1】本出願人が保有する特許WO2016/120560による伝達-膨張-再生燃焼エンジンに使用される、本発明による関節屈曲プレナムの概略断面図であり、当該プレナムは、油圧再生弁アクチュエータを収容し、弁は、本発明による関節屈曲プレナムによって想定される様々な配置によって、当該プレナムに適合され、バーナ側のプレナム拘束バイスは、拘束手段によって取り付けられることが示されている。
【0035】
図2】本出願人が保有する特許WO2016/120560による伝達-膨張-再生燃焼エンジンに使用される、本発明による関節屈曲プレナムの三次元図であり、当該プレナムは、油圧再生弁アクチュエータを収容し、弁は、本発明による関節屈曲プレナムによって想定される様々な配置によって、当該プレナムに適合される。
【0036】
図3】2つの膨張シリンダヘッドアセンブリを備え、各アセンブリが、2つの本発明による関節屈曲プレナムを受容する、本出願人が保有する特許WO2016/120560による伝達-膨張-再生燃焼エンジンの三次元全体図である。
【0037】
本発明の説明:
図1図3では、関節屈曲プレナム1、その構成要素の様々な詳細、その代替実施形態、およびその付属品が示されている。
【0038】
図3に例示されるように、関節屈曲プレナム1は、二段作動膨張ピストン31が膨張シリンダ32内で移動し、膨張シリンダ32は、上部膨張シリンダヘッド33および下部膨張シリンダヘッド34と一緒になって膨張シリンダヘッドアセンブリ35を形成する、伝達-膨張-再生燃焼エンジン30を特に想定している。
【0039】
図3では、伝達-膨張-再生燃焼エンジン30は、作動ガス37を圧縮して、再生熱交換器38に排出する圧縮機36を備え、当該ガス37は、予熱される一方、当該交換器38を出ると、当該ガス37は熱源39によって過熱されることが分かる。
【0040】
熱源39を出ると、作動ガス37は、膨張シリンダ32内で膨張され、動力出力シャフト40への作用をもたらすために、バーナ出口管46、続いて吸気管3、および膨張シリンダ32内の吸気弁アクチュエータ50によって制御される吸気弁10を介して導入される。
【0041】
その後、作動ガス37は、再生熱交換器38に流入してその中で予熱される作動ガス37にその熱の一部を伝達することによって当該交換器38内で冷却されるために、膨張シリンダ32から排出されてから、当該交換器38に再導入される。
【0042】
図1図3に示されるように、本発明による関節屈曲プレナム1は、炭化ケイ素などの高温に耐性のある硬質材料で有利に作製することができる中空のプレナム本体2を有する。
【0043】
当該プレナム本体2は、伝達-膨張-再生燃焼エンジン30の吸気管3を形成し、熱源39と連通するプレナム入口オリフィス4、上部膨張シリンダヘッド33または下部膨張シリンダヘッド34のいずれかを介して膨張シリンダ32に開口しているプレナム出口オリフィス6、および吸気弁アクチュエータ50を受容するアクチュエータオリフィス8を備える。
【0044】
図1および図2に特に例示されるように、本発明による関節屈曲プレナム1はまた、プレナム入口オリフィス4のレベルに提供されるバーナ側の截頭球形端部5を有し、当該端部5は、バーナ出口管46の外側に提供されるバーナ側の相補的な截頭球形面14と密閉ボールジョイントリンク16を形成し、密閉ボールジョイントリンク16は、炭化ケイ素などの高温に耐性のある硬質材料で作製することができる。
【0045】
有利には、バーナ側の截頭球形端部5またはバーナ側の相補的な截頭球形面14のいずれかは、当該端部5と当該表面14との間の接触領域ではなく、接触線に有利に働くように、球形ではない円錐形を有することができることに留意されたい。この場合、メス部は円錐形でなければならないことに留意されたい。
【0046】
図1および図2はまた、本発明による関節屈曲プレナム1が、プレナム出口オリフィス6のレベルに提供されるシリンダヘッド側の截頭球形端部7も有し、当該端部7は、上部膨張シリンダヘッド33または下部膨張シリンダヘッド34の外側に提供されるシリンダヘッド側の相補的な截頭球形面15と密閉ボールジョイントリンク16を形成することを例示する。
【0047】
有利には、シリンダヘッド側の截頭球形端部7またはシリンダヘッド側の相補的な截頭球形面15は、当該端部7と当該表面15との間の接触領域ではなく、接触線に有利に働くように、球形ではない円錐形を有することができることに留意されたい。この場合、メス部は円錐形でなければならないことに留意されたい。
【0048】
本発明による関節屈曲プレナム1はまた、図1および図2で特に視認可能な弁座部9を含み、当該座部9は、プレナム出口オリフィス6の近くに設けられており、一方、吸気弁10は、熱源39からの作動ガス37が膨張シリンダ32に流入するのを防止するように、当該オリフィス6を閉じるために当該座部9上に載置することができる。
【0049】
有利には、吸気弁10は、炭化ケイ素などの高温に耐性のある硬質材料で作製することができることに留意されたい。
【0050】
最後に、図1図3に示されるように、本発明による関節屈曲プレナム1は、一方では、バーナ側の相補的な截頭球形面14に対してバーナ側の截頭球形端部5の押圧を維持し、他方では、シリンダヘッド側の相補的な截頭球形面15に対してシリンダヘッド側の截頭球形端部7の押圧を維持する拘束手段17を含む。
【0051】
本発明による関節屈曲プレナム1の特定の実施形態によれば、弁座部9は、吸気弁10の端部に設けられた弁側19の截頭球形軸受領域と係合する、座部側18の相補的な截頭球形面を有することができる。
【0052】
この場合、当該表面18および当該軸受領域19は、これらが、すべての場合で、係合する弁座部9との密閉性をもたらしながら、吸気弁10が関節屈曲プレナム1に対して制限角度に従って配向され得るように互いに接触するときに、密閉ボールジョイントリンク16を形成する。
【0053】
有利には、座部側18の相補的な截頭球形面は、これ自体と弁側19の截頭球形軸受領域との間の接触領域ではなく、接触線に有利に働くように、球形ではない円錐形とすることができることに留意されたい。
【0054】
図1および図2に明確に示されるように、吸気弁10は、吸気管アクチュエータ50内に収容された上部弁ステム誘導ボールジョイント66内で、またはこれとともに、その長手方向軸に沿って並進して移動することができる弁ステム11を含むことができ、当該ボールジョイント66は、当該弁10が当該アクチュエータ50に対して制限角度に従って弁自体を配向することを可能にする。
【0055】
この代替実施形態によれば、弁ステム11は、図1および図2に示される位置記憶弁ステムシール搬送体67において、その長手方向軸に沿って並進して移動することができる。当該シール搬送体67は、吸気弁アクチュエータ50内に収容され、当該アクチュエータ50に対して半径方向に移動することができる。
【0056】
当該シール搬送体67は、当該シール搬送体67と弁ステム11との間に密閉性を形成する弁ステムシール74を有利に含むことができ、一方、当該シール搬送体67はまた、当該シール搬送体67と吸気弁アクチュエータ50との間に密閉性を形成するシール搬送体シール75も含むことができる。
【0057】
位置記憶弁ステムシール搬送体67は、弾性ワッシャ、つる巻ばね、または当業者に既知の任意の他の種類のばねの積み重ねから構成され得る弁ステムシール搬送体ばね68によって、吸気弁アクチュエータ50に対して押圧を維持できることが、図1および図2で確認される。
【0058】
当該ばね68によって当該シール搬送体67に印加される押圧荷重は、弁ステム11がその上に十分な強度の半径方向荷重を付与するときに、吸気弁アクチュエータ50が移動するのを防止することなく、吸気弁アクチュエータ50に対して、当該シール搬送体67を摩擦によって所定の位置に保つ傾向があることが確認される。
【0059】
本発明による関節屈曲プレナム1の代替実施形態として、図1図3では、プレナム本体2が、一方ではプレナム本体2と、他方では吸気弁アクチュエータ50との密閉性および中心性をもたらす熱分離スペーサ13を介して吸気弁アクチュエータ50を受容することができることが示されている。
【0060】
有利には、熱分離スペーサ13は、酸化ジルコニウムなどの低い熱伝導性材料で作製されている。
【0061】
特に図1および図2では、熱分離スペーサ13の下部が、作動ガス37によって放出される熱から吸気弁アクチュエータ50を保護する熱スペーサスクリーン20を形成することができ、作動ガス37は、プレナム本体2によって形成される吸気管3内で高温で循環することが確認される。
【0062】
熱スペーサスクリーン20によって形成される吸気弁アクチュエータ50の熱保護は、図1および図2で特に視認可能なアクチュエータ本体冷却回路69に追加または置き換えることができ、アクチュエータ本体冷却回路69は、吸気弁アクチュエータ50の下部に含まれ得ることに留意されたい。
【0063】
図1図3では、保持手段17は、少なくとも1つの板タイロッド43によって、および少なくとも1つの板当接部42を介して、吸気弁アクチュエータ50に対して押圧が維持される少なくとも1つのアクチュエータ拘束板41から構成され得ることが示されている。
【0064】
したがって、吸気弁アクチュエータ50は、アクチュエータオリフィス8のアクチュエータ軸受面12によってプレナム本体2に対して押圧が維持され、一方、バーナ側の截頭球形端部5は、バーナ側の相補的な截頭球形面14に対して押圧が維持され、かつ/またはシリンダヘッド側の截頭球形端部7は、シリンダヘッド側の相補的な截頭球形面15に対して押圧が維持される。
【0065】
図1図3に示されるように、板当接部42は、固定され得るか、関節屈曲され得るか、または1つ以上の介在部もしくは並列部から構成され得ることが確認される。図3では、2つのアクチュエータ拘束板41は、板タイロッド43によって相互接続することができ、第1の当該板41は、上部膨張シリンダヘッド33と係合する第1の関節屈曲プレナム1に対して第1の吸気弁アクチュエータ50の押圧を維持し、一方、第2の当該板41は、下部膨張シリンダヘッド34と係合する第2の関節屈曲プレナム1に対して第2の吸気弁アクチュエータ50の押圧を維持することがさらに確認される。
【0066】
図1では、拘束手段17がまた、プレナム入口オリフィス4の近くで、およびその方向で、少なくとも1つのバイス軸受面65を介して、プレナム本体2上で直接的または間接的に押圧する、バーナ側の少なくとも1つのプレナム拘束バイス71から構成され得ることを示している。
【0067】
バーナ側の同じプレナム拘束バイス71は、2つの関節屈曲プレナム1のバーナ側のそれぞれの截頭球形端部5を、これらが係合するバーナ側の相補的な截頭球形面14に対して同時に押圧し、第1の関節屈曲プレナム1は上部膨張シリンダヘッド33と係合し、一方、第2の関節屈曲プレナム1は下部膨張シリンダヘッド34と係合することが想定できることに留意されたい。
【0068】
図1に特に例示されるように、プレナム拘束バイスが係合する関節屈曲プレナム1上のバーナ側のプレナム拘束バイス71によって印加される拘束荷重は、プレナム拘束バイスばね72を備えるバイス荷重設定ナット73を使用して有利に設定できることが確認される。
【0069】
本発明の動作:
本発明による関節屈曲プレナム1の動作は、図1図3の観点から容易に理解される。
【0070】
当該動作を詳細に説明するために、関節屈曲プレナム1は、本出願人が保有する特許WO2016/120560に従って、伝達-膨張-再生燃焼エンジン30で使用することができるため、図1図3に示され、これは、これも本出願人が保有する特許WO2017/046479に記載されるような適応型支持体を有する二段作動膨張シリンダから構成され、温度の影響下で当該エンジン30の膨張シリンダヘッドアセンブリ35が自由に膨張することを可能にする点で本明細書で強化される。
【0071】
また、図1図3では、伝達-膨張-再生燃焼エンジン30は、当該エンジン30の強化として想定される、これも本出願人が保有する特許WO2018/154214に従って、再生冷却システムを受容することが確認される。
【0072】
したがって、図1図3では、冷却室47およびガス流量空間44の存在が注目され、これらの部材47、44は、特許WO2018/154214による再生冷却システムの特徴である。
【0073】
図3は、本発明による、関節屈曲プレナム1を受容することを想定することができるような、伝達-膨張-再生燃焼エンジン30の概略図である。
【0074】
当該図3では、二段作動膨張ピストン31が確認され、これは、上端が上部膨張シリンダヘッド33によって閉じられ、一方、その下端が下部膨張シリンダヘッド34によって閉じられている膨張シリンダ32内で長手方向に並進して移動することができる。したがって、当該シリンダ32は、当該シリンダヘッド33、34によって膨張シリンダヘッドアセンブリ35を形成する。
【0075】
図3では、伝達-膨張-再生燃焼エンジン30は、作動ガス37を圧縮する圧縮機36を含むことに留意されたい。当該ガス37は、再生熱交換器38内で予熱された後、膨張シリンダ32内で膨張され、次に熱源39によって過熱されることを意図しており、この例では、本発明による関節屈曲プレナム1の動作を例示するために本明細書に開示される非限定的な例によれば、これ自体が既知のバーナである。
【0076】
膨張時に、作動ガス37は、変速機ケーシング45に収容された動力出力シャフト40に伝動される二段作動膨張ピストン31の機械的作用をもたらす。
【0077】
作動ガス37は、熱源39からバーナ出口管46を介して連続して膨張シリンダ32に搬送され、次いで、本発明による関節屈曲プレナム1のプレナム本体2によって形成された吸気管3を介して搬送されることが確認される。
【0078】
図1図3では、吸気弁10を制御し、本出願人が保有する2017年10月2日のフランス特許出願第1759206号に記載されている油圧再生弁アクチュエータ51に他ならぬ吸気弁アクチュエータ50が確認される。図3では、油圧閉鎖再生エンジン70が、当該特許出願に記載されている。
【0079】
特に図1および図2では、フランス特許出願第1759206号によって記載された油圧再生弁アクチュエータ51の主な構成部品が見られる。これらの構成部品は、油圧アクチュエータ室54を形成するアクチュエータジャックピストン53を含むアクチュエータジャック52を含む。当該油圧室54への油圧流体の導入または当該室54からの油圧流体の排出は、電磁弁アクチュエータ56によって制御される管状油圧弁55で、一実施形態のこの非限定的な例に従って行われる。
【0080】
アクチュエータジャックピストン53は、カムレバー旋回リンク58を介して当該弁ステム11に接続された弁上げカムレバー57を介して吸気弁10の弁ステム11に作用することが確認される。
【0081】
弁上げカムレバー57は、吸気弁10を持ち上げるか、または載置させるために反応するカムレバー転がり摺動板59上に載置されている。
【0082】
カムレバー配向アーチ60は、弁ステム11と平行な軸に沿って、弁上げカムレバー57上でその配向を有利に保持することができることに留意されたい。
【0083】
また、図1および図2では、吸気弁10をその座部に戻す弁戻しジャック61を示し、当該ジャック61は、特に、弁戻しジャックピストン62から構成されて、油圧弁戻しジャック室63を形成する。
【0084】
カムレバー転がり/摺動板59の下には、遊び補正ジャック64も確認され、これは、油圧再生弁アクチュエータ51を形成する様々な構成要素の変形および膨張を補正して、それが受ける機械的および熱的応力に関係なく、油圧再生弁アクチュエータ51に好適な動作を提供する。
【0085】
本明細書では、膨張シリンダヘッドアセンブリ35は、特許WO2018/154214による再生冷却システムによって想定される冷却室47によって摂氏700度の温度に維持されると仮定するが、一方で、作動ガス37は、摂氏1,300度の温度で熱源39を出る。
【0086】
また、有利には、当該再生冷却システムによって、膨張シリンダヘッドアセンブリ35は、例えば、自動車、トラック、または船舶を対象としているかどうかにかかわらず、動力化に使用されることが知られている材料である鋳鉄で作製されていると仮定する。
【0087】
また、本明細書では、本発明による関節屈曲プレナム1のバーナ出口管46およびプレナム本体2は、炭化ケイ素で作製されており、動作温度は、熱源39を出る作動ガス37の温度、すなわち、本明細書で挙げる非限定的な例に従って摂氏1,300度に等しいと仮定する。
【0088】
吸気弁10の部分は、本明細書では、吸気弁10が係合する弁座部9に最も近い部分の場合は窒化ケイ素、および吸気弁アクチュエータ50の内部に入り、弁上げカムレバー57と係合する弁ステム11の部分の場合は鋼で作製される。
【0089】
窒化ケイ素で作製された吸気弁10の部分は、本質的に摂氏1,300度に近い温度まで動作中に加熱され、一方、鋼で作製された弁ステム11の部分は、本質的に摂氏100度に近い温度まで動作中に加熱されることに留意されたい。鋼で作製された弁ステム11の部分は、窒化ケイ素で作製された当該ステム11の部分上に縮小されて有利に取り付けられることが本明細書に明記され得る。
【0090】
膨張シリンダヘッドアセンブリ35がおおよそ摂氏700度の動作温度の影響下で膨張し、プレナム本体2およびバーナ出口管46が摂氏1,300度程度の温度にさらされて膨張したとき、同じ関節屈曲プレナム1のシリンダヘッド側の截頭球形端部7からバーナ側の截頭球形端部5を分離する距離が増加することが理解される。
【0091】
これは、図3に表されるように、各関節屈曲プレナム1に適用される。距離のこの増加、および上述の様々な膨張から、当該関節屈曲プレナム1の配向は、一方では、関節屈曲プレナム1が係合する上部拡張シリンダヘッド33または下部拡張シリンダヘッド34に対して、および他方では、関節屈曲プレナム1が密閉的に接続されるバーナ出口管46に対して変化することが容易に推測される。
【0092】
当該プレナム1の相対的な配向のこの変化は、バーナ側の截頭球形端部5に面するバーナ側の相補的な截頭球形面14と第1の密閉ボールジョイントリンク16を形成する、バーナ側の截頭球形端部5により、本発明による関節屈曲プレナム1によって可能にされる。当該変化は、第2の密閉ボールジョイントリンク16を形成するシリンダヘッド側の截頭球形端部7と、シリンダヘッド側の相補的な截頭球形面15も同じ向きにあることにより可能になる。
【0093】
したがって、本発明による関節屈曲プレナム1は、上部膨張シリンダヘッド33と下部膨張シリンダヘッド34との間、および当該シリンダヘッド33、34と、これらが係合するプレナム本体2を介して接続されるバーナ出口管46との間の距離の変化に自動的に適合する。
【0094】
図3では、伝達-膨張-再生燃焼エンジン30によって構成される4つの吸気弁アクチュエータ50は、各々がプレナム本体2によって支持され、当該アクチュエータ50は、これらが係合するアクチュエータオリフィス8に含まれるアクチュエータ軸受面12を介して各々載置されることが確認される。
【0095】
図1図3では、熱分離スペーサ13が、吸気弁アクチュエータ50と、それを支持するプレナム本体2との間に有利に挿入されることが確認される。
【0096】
熱分離スペーサ13は、酸化ジルコニウムなどの低い熱伝導性材料で作製されたこの非限定的な例に従っており、一方、その下部は、吸気弁アクチュエータ50を、プレナム本体2によって形成された吸気管3内で高温で循環する作動ガス37によって放出される熱から保護する熱スペーサスクリーン20を形成する。
【0097】
図1および図2では、熱スペーサスクリーン20によって形成された吸気弁アクチュエータ50の熱保護に、おおよそ摂氏100度の温度に維持された水とグリコールの混合物などの熱伝達流体が循環するアクチュエータ本体冷却回路69に追加されることが確認される。
【0098】
図1図3では、拘束手段17が示されており、これにより、一方では、係合するプレナム本体2に対して吸気弁アクチュエータ50の密閉的な押圧を維持することが可能となり、他方では、当該端部5が係合するバーナ側の相補的な截頭球形面14に対してシリンダヘッド側の截頭球形端部5の押圧を維持しながら、当該端部7が係合するシリンダヘッド側の相補的な截頭球形面15に対してシリンダヘッド側の截頭球形端部7の押圧を維持することが可能となる。
【0099】
図1図3では、一方では、プレナム本体2に対して吸気弁アクチュエータ50の押圧を維持し、他方では、シリンダヘッド側の相補的な截頭球形面15に対してシリンダヘッド側の截頭球形端部7の押圧を維持する拘束手段17は、本明細書で関節屈曲され、いくつかの介在部から構成される板当接部42を介して、プレナム本体2の方向で吸気弁アクチュエータ50に対して押圧荷重を印加するアクチュエータ拘束板41の形態をとることが確認される。
【0100】
図3では、2つのアクチュエータ拘束板41は、タイロッド43によって相互接続され、第1の当該板41は、上部膨張シリンダヘッド33と係合する第1の関節屈曲プレナム1に対して第1の吸気弁アクチュエータ50の押圧を維持し、一方、第2の当該板41は、下部膨張シリンダヘッド34と係合する第2の関節屈曲プレナム1に対して第2の吸気弁アクチュエータ50の押圧を維持することが確認される。
【0101】
図1では、拘束手段17はまた、プレナム入口オリフィス4の近くで、およびその方向で、本明細書ではボールジョイントリンクの形態をとる少なくとも1つのバイス軸受面65を介して、プレナム本体2上で押圧するバーナ側のプレナム拘束バイス71を含む。
【0102】
有利には、バーナ側の同じプレナム拘束バイス71は、同じ膨張シリンダヘッドアセンブリ35に含まれる2つの関節屈曲プレナム1のバーナ側のそれぞれの截頭球形端部5を、これらが係合するバーナ側の相補的な截頭球形面14に対して同時に押圧し、第1の関節屈曲プレナム1は上部拡張シリンダヘッド33と係合し、一方、第2の関節屈曲プレナム1は下部拡張シリンダヘッド34と係合する。
【0103】
図1に例示されるように、係合する関節屈曲プレナム1上のバーナ側のプレナム拘束バイス71によって印加される拘束荷重は、本明細書およびこの非限定的な例によれば、バイス荷重設定ナット73によって調節可能であり、バイス荷重設定ナット73は、当該バイス71によって把持される様々な構成要素の膨張にかかわらず、係合する関節屈曲プレナム1上のバーナ側のプレナム拘束バイス71によって印加される押圧荷重の小さな変化を確実にするプレナム拘束ばね72を圧縮する。
【0104】
膨張シリンダヘッドアセンブリ35、関節屈曲プレナム1、および当該アセンブリ35が係合するバーナ出口管46が膨張するのと同じ方法で、吸気弁10の熱分離スペーサ13および窒化ケイ素で作製された端部は、すべての方向に膨張するか、または機械的および熱的応力の影響下で歪曲することもある。
【0105】
さらに、上記の様々な構成要素35、1、46、13、10の製造公差は、伝達-膨張-再生燃焼エンジン30の動作条件に従って、プレナム出口オリフィス6のレベルに提供された弁座部9の位置付けに対して、吸気弁アクチュエータ50の位置付けが変化することを意味する。
【0106】
そのためには、吸気弁10が、依然として、本発明による関節屈曲プレナム1の動作を例示するために、本明細書に挙げられる非限定的な例に従って、プレナム本体2の内部に具現化されている弁座部9上に好適かつ密閉的に載置されていることを確実にする必要がある。
【0107】
本発明による関節屈曲プレナム1は、弁座部9の位置に対する吸気弁アクチュエータ50の相対的な位置が可変であり、弁座部9は、本明細書で円錐形として想定される座部側18に相補的な截頭球形面を有することを想定し、当該表面18は、吸気弁10の端部に設けられた弁側19の截頭球形軸受領域と係合し、その結果、吸気弁10は、すべての場合で、係合する弁座部9との密閉性をもたらしながら、関節屈曲プレナム1に対して制限角度に従って配向することができる。
【0108】
このため、吸気弁10の弁ステム11は、吸気弁アクチュエータ50内に設けられた上部弁ステム誘導ボールジョイント66と係合し、当該ステム11は、当該ボールジョイント66内のその長手方向軸に沿って並進して移動することができ、一方、当該ボールジョイント66は、当該弁10が、これを制御する吸気弁アクチュエータ50に対して制限角度に従って配向されることを可能にする。
【0109】
さらに、図1および図2では、弁ステム11が、吸気弁アクチュエータ50内に設けられた位置記憶弁ステムシール搬送体67内の長手方向軸に沿って並進して移動することができることを示している。
【0110】
位置記憶弁ステムシール搬送体67は、弁ステム11がその上に半径方向荷重を印加したときに、当該アクチュエータ50に対して半径方向に移動することができる。図1および図2では、当該シール搬送体67が、一方では、これ自体と弁ステム11との間に密閉性を形成する弁ステムシール74、および他方で、当該シール搬送体67と吸気弁アクチュエータ50との間に密閉性を形成するシール搬送体シール75を含むことが確認される。
【0111】
図1および図2では、位置記憶弁ステムシール搬送体67は、本明細書では弾性ワッシャの積み重ねから構成される弁ステムシール搬送体ばね68によって吸気弁アクチュエータ50に対して押圧が維持されることが確認される。
【0112】
当該ばね68によって当該シール搬送体67に印加される押圧荷重は、弁ステム11がその上に十分な強度の半径方向荷重を付与するときに、吸気弁アクチュエータ50が移動するのを防止することなく、吸気弁アクチュエータ50に対して、当該シール搬送体67を摩擦によって所定の位置に保つ傾向があることが確認される。
【0113】
上述のすべての手段によって形成された吸気弁10を再配向するための装置は、プレナム本体2が歪曲して膨張することを可能にし、吸気弁10の窒化ケイ素で作製された端部が伸長することを可能にし、一方では、熱分離スペーサ13と吸気弁アクチュエータ50との間、他方では、当該スペーサ13とアクチュエータオリフィス8との間で見出される遊びは、吸気弁10と、係合する弁座部9とによって形成される密着性を一度も損なうことなく、補正されることを可能にする。
【0114】
実際、膨張、変形、または遊びの補正により、開口後の吸気弁10が、係合する弁座部9の軸に正確に位置しなくなる場合、当該弁10の閉鎖において、弁側19のその截頭球形軸受領域の一方の側のみが、この例では円錐形である弁座部9上に最初に当接する。
【0115】
吸気弁10はその閉鎖を継続し、弁座部9によって形成された円錐は、吸気弁10が閉鎖されたときに、弁側19の截頭球形軸受領域を当該弁座部9の中心に戻す。
【0116】
こうすることにより、弁ステム11は、位置記憶弁ステムシール搬送体67に半径方向荷重を印加し、その結果、位置記憶弁ステムシール搬送体67は、吸気弁アクチュエータ50に対して半径方向に移動し、これは上部弁ステム誘導ボールジョイント66によって許可される。
【0117】
吸気弁10の後続の開口において、位置記憶弁ステム67上の弁ステムシール搬送体ばね68によって印加された押圧荷重が吸気弁アクチュエータ50に対して位置記憶弁ステム67を制動するとき、当該シール搬送体67は、当該弁10の後続の閉鎖まで、当該アクチュエータ50に対して吸気弁10の配向を保持する。
【0118】
したがって、吸気弁10は、依然として、本発明による関節屈曲プレナム1の様々な構成部品、または伝達-膨張-再生燃焼エンジン30が、当該エンジン30の動作応力に従って、歪曲および/または自由に膨張することを防止することなく、係合する弁座部9の軸に段階的に維持される。
【0119】
吸気弁10を正しい配向に維持するこの戦略は、遊び補正ジャック64によって行われる遊び補正と有利に組み合わされ、当該遊び補正は、本出願人が保有する、2017年10月2日のフランス患者出願第1759206号に具体的に記載されていることにさらに留意されたい。
【0120】
本発明による関節屈曲プレナム1の可能性は、上述の用途に限定されず、また、上記の説明は単に例として付与されたに過ぎず、これは決して、他の同等のものによって記載された実行の詳細を置き換える場合に依然として適用される当該発明の範囲を制限しないことをさらに理解されたい。
図1
図2
図3
【国際調査報告】