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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-15
(54)【発明の名称】扉体を備える家具製品
(51)【国際特許分類】
   A47B 55/00 20060101AFI20220608BHJP
   E05F 1/02 20060101ALI20220608BHJP
   E05D 15/26 20060101ALI20220608BHJP
   E05D 15/58 20060101ALI20220608BHJP
   E06B 3/48 20060101ALI20220608BHJP
【FI】
A47B55/00
E05F1/02 A
E05D15/26
E05D15/58 A
E06B3/48
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021558500
(86)(22)【出願日】2020-03-26
(85)【翻訳文提出日】2021-11-17
(86)【国際出願番号】 IB2020052845
(87)【国際公開番号】W WO2020194222
(87)【国際公開日】2020-10-01
(31)【優先権主張番号】102019000004555
(32)【優先日】2019-03-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516265621
【氏名又は名称】ボルトルッツィ システミ エス.ピー.エー.
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】ダル カステル,ルディ
(72)【発明者】
【氏名】ジロット,アドリアーノ
(72)【発明者】
【氏名】スバルデッラ,ダニエレ
(72)【発明者】
【氏名】イレラ,アンジェロ
【テーマコード(参考)】
2E015
2E034
3B067
【Fターム(参考)】
2E015AA02
2E015BA10
2E015DA02
2E015FA01
2E034HA00
2E034JA01
2E034KA03
3B067AA05
(57)【要約】
家具製品(MC)を製作する方法であって、家具製品は、実際の使用時において、扉体(30,32)と、下方に傾斜した直線状のガイド(230)と、ガイド(230)に摺動可能に取り付けられ、扉体(30,32)を終端位置まで引き出すよう、扉体(30,32)に接続された本体(200)と、を備え、本体(200)は、ガイド(230)上を移動し、扉体を重力によってのみ引き出す。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
家具製品(MC)を製作する方法であって、家具製品は、実際の使用時において、
扉体(30,32)と、
下方に傾斜した直線状のガイド(230)と、
前記ガイド(230)に摺動可能に取り付けられ、前記扉体(30,32)を終端位置まで引き出すよう、前記扉体(30,32)と接続された本体(200)と、
を備え、
前記本体(200)は、前記ガイド(230)上を移動し、前記扉体を重力によってのみ引き出す、ことを特徴とする、方法。
【請求項2】
家具製品(MC)であって、実際の使用時において、
コンパートメントに近づくよう、摺動・揺動する扉体(30,32)と、
下向きに傾斜する直線状のガイド(230)と、
前記ガイドに摺動可能に取り付けられ、前記扉体を終端位置まで引き出すよう、前記扉体と接続された本体(200)と、
を備え、
前記本体(200)は、前記ガイド上を移動可能に構成され、前記扉体を、重力によってのみ終端位置まで引き出す、ことを特徴とする、家具製品。
【請求項3】
前記本体は、平行に並んだ、下向きに傾斜する二つのガイド(230)上を摺動可能に取り付けられている、ことを特徴とする、請求項2に記載の家具製品。
【請求項4】
前記本体は、滑走部によって、前記ガイド上、または平行に並んだ前記二つのガイド上を摺動可能に取り付けられている、ことを特徴とする、請求項1または2に記載の家具製品。
【請求項5】
家具のコンパートメントの開口部端に平行な第1部、および、前記コンパートメントの奥行きに沿って、前記コンパートメントの外側に配置され、第1部と交差する第2部からなる、互いに接続された二つの直線部を備えるL字形状のガイドと、
前記外側に沿って平行に水平移動可能な調節エレメント(60)と、
をさらに備え、
前記扉体の一側端は、前記L字形状のガイドに、摺動可能に連結し、
前記扉体の他側端は、前記調節エレメント(60)に、揺動可能に連結し、前記調節エレメント(60)の直線的な往復動作により、前記コンパートメントを閉める第1位置または前記扉体が前記コンパートメントを退け、前記外側の横に位置する第2位置に、前記扉体が移動し、
前記調節エレメント(60)が動いて、前記扉体を前記第1位置または前記第2位置にずらすよう、前記調節エレメント(60)は、摺動可能に取り付けられた前記本体(200)と一体化されるか、摺動可能に取り付けられた前記本体(200)と接続される、ことを特徴とする、請求項2乃至4のいずれか一項に記載の家具製品。
【請求項6】
前記第1扉体と、
前記第1扉体に揺動自在に接続された第2扉体と、
をさらに備え、
前記第2扉体側において、前記第1扉体は、前記L字形状のガイドと摺動可能に連結され、
前記第1扉体の一側面は、第1軸まわりに、可動式の前記調節エレメント(60)に対して、蝶番で連結されており、
前記第1扉体の他側面は、第2軸まわりに、前記L字形状のガイドに対して、摺動可能に連結されている、ことを特徴とする、請求項2乃至5のいずれか一項に記載の家具製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、家具製品、特に、摺動・揺動する、折りたたみ式扉体を備えた家具製品に関する。より具体的には、扉体によって開け閉め可能なコンパートメントを備えた家具製品に関する。本発明はまた、こうした家具に適用される方法に関する。
【背景技術】
【0002】
家具製品の多くは、スライドして折りたたむことができる扉体を備え、それにより、開いた状態で扉体自体を小型化することができる(例えば、特許文献1参照)。特許文献1では、そのほかの多くのモデル同様、滑走部210(同技術文献)を動かして、扉体を終端位置に移動させる弾性エレメントが設けられる。しかしながら、弾性エレメントにより、構造が複雑化し、コストが高くなるものの、直線的な力はそれほど得られなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開第2019/012435号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の主な目的は、先行技術のこうした状況を改善することにある。本発明は、添付の請求項にて定義され、従属項においては、その有利な変形例を定義する。
【0005】
さらなる目的は、使用者による動作を少しも必要とせず、使用時に手間がかからずに、容易に動作できる、スライド式かつ蛇腹折りたたみ式の扉体によって開け閉め可能なコンパートメントを備える家具を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
家具製品を製作する方法を提供する。家具製品は、実際の使用時において、扉体と、下方に傾斜した直線状のガイドと、ガイドに摺動可能に取り付けられ、扉体を終端位置まで引き出すよう、扉体と接続された本体と、を備え、本体は、ガイド上を移動し、扉体を重力によってのみ引き出す。
【0007】
本発明の別の対応は、家具製品に関する。家具製品は、実際の使用時において、コンパートメントに近づくよう、摺動・揺動する(垂直または水平の)扉体と、下向きに傾斜する直線状のガイドと、ガイドに摺動可能に取り付けられ、扉体を終端位置まで引き出すよう、扉体と接続された本体と、を備え、本体は、ガイド上を移動可能に構成され、扉体を、重力によってのみ終端位置まで引き出す。
【0008】
好ましい変形例において、さらなる安定性のために、本体は、平行に並んだ、下向きに傾斜する二つのガイド上を摺動可能に取り付けられている。
【0009】
好ましい変形例において、本体は、滑走部によって、ガイド上、または複数のガイド上を摺動可能に取り付けられている。これにより、滑走部がガイドまたは複数のガイド上を摺動する際、本体が斜めに移動する。
【0010】
好ましい変形例において、本体は、本体自体がガイド上を摺動し、重力のみで扉体を引き出せるほどの重量を有している。しかしながら、この重力は、本体がスライド上を摺動できるように本体に作用するだけではなく、本体と一体化されたその他のエレメント、例えば、ガイドまたは複数のガイド上の本体を摺動可能に支持する、少なくとも一つの滑走部にも作用する。
【0011】
好ましい適用例において、該方法は、家具製品で実践される。家具製品は、正面開口部を有するコンパートメントを画定する本体と、正面開口部を開け閉めする、摺動・揺動可能な(垂直または水平)ドアと、開口部端に平行な第1部、および、第1部と交差し、コンパートメントの奥行き方向に、本体の外側に沿って設けられる第2部からなる、互いに接続された二つの直線部を備えるL字形状のガイドと、外側に沿って平行に水平移動可能な調節エレメントと、をさらに備える。扉体の一側端は、L字形状のガイドに、摺動可能に連結し、扉体の他側端は、調節エレメントに揺動可能に連結する。調節エレメントの直線的な往復動作により、開口部を閉める第1位置、または、扉体が開口部のコンパートメントを空けて、外側の横に位置する第2位置に、扉体が移動する。調節エレメントが動いて、扉体を第1位置または第2位置にずらすよう、調節エレメントは、摺動可能に取り付けられた本体と一体化されるか、摺動可能に取り付けられた本体と接続される。
【0012】
変更例において、家具製品は、前述したような第1扉体と、第1扉体に揺動自在に接続された第2扉体を備える(例えば、この二つの扉体は、互いに蝶番で連結されている)。第2扉体側において、第1扉体は、ガイドと摺動可能に連結されている。第1扉体の一側面は、第1軸まわりに、平行移動可能な調節エレメントに対して、蝶番で連結されている。第1扉体の他側面は、第2軸まわりに、ガイドに摺動可能に連結されている。特に、第1扉体の他側面は、第2軸まわりに、第2扉体に対して、蝶番で連結されている。第1扉体がガイドに直接連結されていない場合、第2扉体を介して連結されている。これにより、
平行移動可能な調節エレメントは、調節エレメント自体の水平方向の往復運動、つまり、コンパートメントの奥行き方向に平行に展開される動きによって、運動エネルギーを連結された扉体に伝達しながら、連結された扉体を動作させることができる。
【0013】
したがって、扉体が、少なくとも一軸まわりに、蛇腹方式に折りたたまれ、扉体がコンパートメントの正面で互いに同一平面状に配置される、コンパートメントが閉じられる位置と、扉体が互いに折り重なってコンパートメントの一辺に沿って位置する、コンパートメントが開かれる位置との間を摺動することになる。
【0014】
平行移動可能な調節エレメントの往復運動によって、扉体が自在に動く。
【0015】
換言すると、調節エレメントは、二つの位置の間を移動することができる。一つめの待機位置において、調節エレメントは、外側(側面)の正面に位置し、そこから前面に突出することはほぼない。二つ目の位置において、調節エレメントは、外側およびコンパートメントから前面に突出するよう、外側に対して(およびコンパートメントに対して)、水平にオフセットされる(平行移動可能な調節エレメントは、コンパートメントの正面開口部の方向に近づくよう動き、コンパートメントの背面から離れるように動く)。
【0016】
平行移動可能な調節エレメントの往復運動によって、扉体が自在に動く。
【0017】
コンパートメントの外側は、側面、天井面、または底面であってもよい。
【0018】
したがって、一つあるいはそれ以上の扉体が、コンパートメント横、上、あるいは下に隠れるようになっている。第1の場合として、L字形状のガイドが、互いに水平に配置された部位を有する。一方、第2の場合として、第1部が水平、第2扉体が垂直に位置する。つまり、一つまたは二つの扉体を備えた前述の変形例は、同様に、水平または垂直に動くよう組付けられた扉体によって実現される。
【0019】
第1の場合、前述の軸は垂直であり、第2の場合は水平である。以下では、分かりやすさの観点から、蝶番で水平に連結された扉体の場合を参照することとする。第2の場合は、第1の場合に必要な変更を加えて得られるものと理解されたい。
【0020】
第1の蝶番軸は、平行移動可能な調節エレメントによって支持され、これにより、確実に水平に移動できる。したがって、第1軸は、待機端および進行端(よりコンパートメントから離れている)の二極端間を水平に移動可能となっている。平行移動可能な調節エレメントの往復移動に対し、第1軸の動きとガイドに沿った第2軸の変位の両方が相当する。第1軸の動きでは、必ず、第1極端から始まり、第2極端に到達し、そして、第1極端に戻る。平行移動可能な調節エレメントの、二回の連続した往復移動において、ガイドに沿った第2軸の移動は、一方向に沿って行われ、その後、反対方向に沿って行われる。第1極端において、第1軸は、略同一平面上、または、正面開口部の平面に近接して配置される。この構成は、扉体の開閉位置に相当する。第2極端において、軸は、正面開口部の平面から直交して離間する。この構成は、扉体の中間位置に相当する。
【0021】
好ましくは、家具製品は、扉体が第2位置に向かって変位する際、第2蝶番軸まわりに、第2扉体を第1扉体に対して回転させる手段を備える。特に、この手段は前回転が段階的で、扉体の一つまたはそれぞれの直動移動と同期するよう、構成される。例えば、家具製品は、扉体が第2位置/第1位置に向かって変位する間、第2蝶番軸まわりに、第2扉体を、第1扉体からまたは第1扉体に向かって回転させる手段を備える。
【0022】
好ましくは、平行移動可能な調節エレメントは、コンパートメント上に、そして、コンパートメントに対して、平行移動可能に取り付けられる垂直壁を備える。これにより、調節エレメントが、コンパートメントの奥行きを画定する方向に略平行に摺動する。より好ましくは、平行移動可能な調節エレメントは、互いに直交して配置され、コンパートメント上に、そして、コンパートメントに対して移動可能に取り付けられた、二つの垂直壁を備える。第1の変形例において、二枚の垂直壁は、扉体を収納する第2コンパートメントあるいはクローゼットの範囲を定めるよう、L字形に配置され、コンパートメント上に、そして、コンパートメントに対して移動可能に取り付けられる。第2の変形例において、二枚の垂直壁は、扉体を収納する第2コンパートメントまたはクローゼットを閉じるよう、T字形に配置され、コンパートメント上に、そして、コンパートメントに対して移動可能に取り付けられる。これにより、扉体を使用しない際には、扉体を覆うことで、埃等から保護し、故意によらない衝撃から機構を保護することができる。
【0023】
なお、いくつかの好ましい変形例における、移動可能に取り付けられた本体により、平行移動可能な調節エレメントに対し、力を付与する戻し手段が実現する。移動可能に取り付けられた本体の重量が作用し、平行移動可能な調節エレメントが、例えば、待機位置、つまり、第1極端まで移動する。したがって、使用者は、ただ、平行移動可能な調節エレメントを、自身の方向に向かって引っ張るだけでよく、これだけで、調節エレメントが第1極端から第2極端まで移動する。そして、平行移動可能な調節エレメントは、解放時に、自動的に元の位置に戻る。 これは、調節エレメントが、傾斜したガイドまたは複数のガイド上で摺動しながら、移動可能に取り付けられた本体の重量によって引っ張られるためである。
【0024】
好ましくは、平行な二本のガイドは、家具フレームと一体化され、家具製品の奥行き方向に沿って配置されている。
【0025】
好ましくは、平行移動可能な調節エレメントは、アルミ製フレームである。
【0026】
添付の図面を参照し、家具製品に関する好ましい実施形態の説明から、本発明の利点をより明らかにする。添付の図面は、以下の通りである。図中、同じ構成要素、または概念的に類似する構成要素に対し、同じ参照符号を付し、実際の使用時における要素を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1図1は、家具製品の正面立体図を示す。
図2図2は、家具製品の正面立体図を示す。
図3図3は、図1の家具製品の背面立体図を示す。
図4図4は、図1の家具製品の背面立体図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明に係る家具製品MCは、外部に開口したスペースを画定し、底面22、天井24、コンパートメント20の幅方向に離間する二枚の垂直側壁26、および後方壁28によって範囲が定められたコンパートメント20からなるモジュールを備える。コンパートメント20は、前面範囲を形成し、該範囲は、コンパートメント20の前面で摺動可能な2枚の扉体30,32によって覆われ得る。扉体30,32は、コンパートメント20前面で蛇腹のような動きをすることで、コンパートメント20を外部から遮断したり、連通したりする。そのような動きの間、扉体30,32は、常時、垂直状態を保ち、互いの相対位置およびコンパートメント20に対する相対位置を異ならせる。コンパートメント20が閉まると、扉体30,32は、隣り合い、互いに同一平面上に位置する。同時に、コンパートメント20を覆うように、扉体30,32は、コンパートメント20の一側面で互いに折り重なる。
【0029】
扉体30,32の変位機構の構造は、必須ではなく、例えば、特許文献1で説明されているものを用いることができる。
【0030】
家具製品MCは、好ましくは、壁26に平行な方向に沿って(換言すると、部位54に平行、または壁28に垂直)、直線的に平行移動可能な可動式フレーム、側面、またはエレメント60を備える。可動式フレーム、側面、またはエレメント60は、例えば、コンパートメントの側面に取り付けられた直線状のガイドや、既知の滑走部を介して、直線的に平行移動可能である。
【0031】
そして、扉体30,32の手動やその他手段での移動を妨げていたエレメント60を作動させることで、扉体30,32をコンパートメント20前に移動させることが可能である。使用者が、(例えば、ハンドルによって)エレメント60を前後に動かしさえすればよく、扉体30,32を、同一平面上から収納された位置へ、またはその逆の方向に、一緒に動かせるという点で、扉体32およびエレメント60間の連結は、有利に働く。
【0032】
エレメント60を、垂直壁26に平行に、前後に動かすことができる。これにより、コンパートメント20が扉体によって閉じられた際、前方壁64が壁26の前端上にとどまり、扉体30,32と同一平面上に位置する。
【0033】
扉体30,32の動きを開始するには、エレメント60の牽引力が、扉体を家具製品MCから引き出せるほど、充分なものでなければならない(使用者方向への動き、つまり、後方壁28から離間する動き)。エレメント60の変位が、扉体32を介して扉体30に伝わり、動きにつながる。
【0034】
家具製品MCは、エレメント60を壁28方向に戻す、エレメント60の戻し手段を備える。これにより、使用者は、自身に向かって、エレメント60を引っ張るだけでよくなる。すると、エレメント60が解放され、戻し手段によって、扉体30,32とともに移動を中止する。
【0035】
調節エレメント60は、垂直ガイド200と一体化されており、二つの滑走部210に直線的に摺動する。各滑走部210は、例えば、棒部240を介して、他方の滑走部に確実に固定され、そして、家具フレームに一体化された、例えば、側面26の外側に取り付けられた、それぞれの傾斜した直線棒部230に対して、摺動可能に固定される。二本の棒部230は、互いに平行かつ、互いに離間しており、水平方向に対して傾斜している。
【0036】
棒部240は、棒部230に沿って離脱することなく、水平方向に摺動可能であり、同時に、滑走部210により、ガイド200上を垂直方向に摺動可能である。
【0037】
エレメント60が前後に動いて、扉体30,32を移動させる際、滑走部210は、棒部230に沿って摺動し、その結果、ガイド200とともに上下に動く。このようにして、エレメント60の動きを安定させ、詰まりや振動を抑えることができる。
【0038】
棒部にかかる重力のみが、棒部240および滑走部210を下方向に、つまり、エレメント60とともに、棒部230の下端に向けて、引き出すのに充分なように、棒部240の重量(および/または棒部240に一体化される構成要素の全てあるいは一部の重量)が設定される。この極端は、エレメント60の、一つの終端位置または各終端位置に対する待機位置、つまり、家具のフレーム内に挿入された際、または、フレームから完全に引き出された際の一に相当する。
【0039】
このようにして、エレメント60に、重力による、一定の戻し力がかかり、この力が、ガイド230に沿って、棒部240(および/または棒部240に一体化される構成要素の全てあるいは一部)を下方向に引っ張る。
【0040】
ほとんど構成要素を必要とせず、エネルギーを消費することなく、ほぼ一定の強さの戻し力が、容易に生成されることは明らかである。
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】