(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-15
(54)【発明の名称】ピストン冷却空洞を有する船舶用船外機
(51)【国際特許分類】
F02F 3/22 20060101AFI20220608BHJP
F02F 5/00 20060101ALI20220608BHJP
【FI】
F02F3/22 A
F02F5/00 K
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021558758
(86)(22)【出願日】2020-04-01
(85)【翻訳文提出日】2021-09-30
(86)【国際出願番号】 GB2020050864
(87)【国際公開番号】W WO2020201745
(87)【国際公開日】2020-10-08
(32)【優先日】2019-04-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519042375
【氏名又は名称】コックス パワートレイン リミティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【氏名又は名称】森本 有一
(72)【発明者】
【氏名】ミッシェル ミラニ
(72)【発明者】
【氏名】アラン ダナパラ
(57)【要約】
内燃機関100用のピストン200を提供する。ピストンは、上側燃焼面211を有するピストン本体210と、リングベルト領域214を有する環状側壁213と、流体入口243を有するピストン本体内に位置する冷却空洞240とを有する。ピストンリング222はリングベルト領域の周りのリング溝216内に位置し、位置合わせピン230はピストン側壁の穴231内に固定されてピストンリングの周方向変位を制限する。ピストン本体は、穴と位置合わせピンが延びている冷却空洞内にボス250を更に有する。ボスは、流体入口に対向して冷却空洞内に突出し、使用中に流体入口を流れる冷却流体を第1の流体流れと第2の流体流れに分割し、第1の流体流れと第2の流体流れを冷却空洞の周りで反対方向に方向付けるように構成された流れ分割表面251を提供するように整形されている。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内燃機関用のピストンにおいて、前記ピストンは、
上側燃焼面と、リングベルト領域を有する環状側壁と、前記リングベルト領域から半径方向内方においてピストン本体の中に位置する冷却空洞であって、動作中に冷却流体が前記冷却空洞に供給される流体入口を有する、冷却空洞とを有する、ピストン本体と、
前記リングベルト領域の周りのリング溝の中に位置するピストンリングと、
前記ピストンの前記環状側壁の穴に固定されておりかつ前記ピストンリングの周方向の変位を制限するために前記リング溝の中に突出する位置合わせピンとを備え、
前記ピストン本体は、前記穴及び前記位置合わせピンが延びる前記冷却空洞内にボスをさらに備え、
前記ボスは、前記流体入口に対向して前記冷却空洞の中で突出し、前記ボスは、使用中に前記流体入口を通って流れる冷却流体を第1の流体流れと第2の流体流れに分割し、前記第1の流体流れと前記第2の流体流れを前記冷却空洞の周りで反対方向に方向付けるように構成された流れ分割表面を提供するように整形されている、内燃機関用のピストン。
【請求項2】
前記冷却空洞は環状である、請求項1に記載の内燃機関用のピストン。
【請求項3】
前記流れ分割表面は、環状の前記冷却空洞の周りの前記第1の流体流れを第1の周方向に方向付けるように、かつ、環状の前記冷却空洞の周りの前記第2の流体流れを、第1の周方向とは反対の第2の周方向に方向付けるように構成される、請求項2に記載の内燃機関用のピストン。
【請求項4】
前記流れ分割表面は、実質的に対称である、請求項1~3のいずれか一項に記載の内燃機関用のピストン。
【請求項5】
前記流れ分割表面は、湾曲した形状を有する、請求項1~4のいずれか一項に記載の内燃機関用のピストン。
【請求項6】
前記流れ分割表面は、前記流体入口と位置合わせされている、請求項1~5のいずれか一項に記載の内燃機関用のピストン。
【請求項7】
前記穴は、前記ボスの中で終わる止まり穴である、請求項1~6のいずれか一項に記載の内燃機関用のピストン。
【請求項8】
前記流体入口は前記冷却空洞の下面に位置し、前記ボスは前記冷却空洞の上面から突出する、請求項1~7のいずれか一項に記載の内燃機関用のピストン。
【請求項9】
前記冷却空洞は、動作中に前記冷却流体の流れが前記冷却空洞を出る流体出口をさらに有し、前記流体出口は前記流体入口とは別個である、請求項1~8のいずれか一項に記載の内燃機関用のピストン。
【請求項10】
前記流体出口は、前記冷却空洞が前記流体入口及び前記流体出口によって第1の冷却空洞半分部及び第2の冷却空洞半分部に分割されるように、前記冷却空洞の前記流体入口とは反対側の端部に配置されている、請求項9に記載の内燃機関用のピストン。
【請求項11】
前記流体出口は、前記冷却空洞の下面に位置する、請求項9又は10に記載の内燃機関用のピストン。
【請求項12】
前記ピストンリングは、その対向する2つの端部の間にリング間隙を有する分割リングであり、前記位置合わせピンが前記リング間隙の中に受け入れられる、請求項1~11のいずれか一項に記載の内燃機関用のピストン。
【請求項13】
前記ピストンリングは、オイル制御リング又はスクレーパリングである、請求項1~12のいずれか一項に記載の内燃機関用のピストン。
【請求項14】
内燃機関を有する船舶用船外機において、前記内燃機関は、
少なくとも1つのシリンダを画定するエンジンブロックと、
前記少なくとも1つのシリンダの中に配置されている、請求項1~13のいずれか一項に記載の内燃機関用のピストンとを備えている、船舶用船外機。
【請求項15】
前記内燃機関は、垂直軸線の内燃機関である、請求項14に記載の船舶用船外機。
【請求項16】
内燃機関において、前記内燃機関は、
少なくとも1つのシリンダを画定するエンジンブロックと、
前記少なくとも1つのシリンダの中に配置されている、請求項1~13のいずれかに記載の内燃機関用のピストンとを備える、内燃機関。
【請求項17】
請求項14又は15に記載の船舶用船外機を備える船舶。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ピストン本体の内部に位置する冷却空洞と、ピストン本体の周囲に延びているピストンリングの周方向変位を制限するように構成された位置合わせピンとを有する、ピストンを備える内燃機関を備えた、船舶用船外機に関する。
【背景技術】
【0002】
エンジン性能を維持しかつピストンの早期磨耗を避けるためには、動作中にピストン温度が過剰にならないようにすることが重要である。現代のディーゼルエンジンでは、これは、しばしばピストン本体内に冷却空洞を組み込むことによって達成される。動作中、クランクケースオイルなどの冷却流体が冷却空洞の周りに循環させられ、ピストンの上側燃焼面の温度を下げる。冷却流体は、ピストンロッドに沿った空洞入口に供給することができ、又は、ピストン本体の下に位置するオイル噴流からピストン本体の下面に対して噴霧されうる。上記冷却空洞は、ディーゼル内燃機関で特に有効であり、燃焼面は典型的にはボウル形状であり、最高温度は中心ではなく燃焼面のリムの周りで生じる。これは、ボウル形状の燃焼面を有する直噴ガソリンエンジンの場合にも当てはまりうる。リングベルトの内側のピストン本体内に冷却空洞を有することにより、燃焼面のリムの周りの温度を効果的に低下させることができ、それに応じてピストンの最高温度を低下させることができる。
【0003】
冷却空洞に隣接しかつピストン本体の環状側壁の外側には、通常、リングベルトは、ピストンリングがその中に配置されているいくつかの環状リング溝を有している。ピストンリングは、通常、その対向する2つの端部の間にリング間隙を有する分割リングである。ピストンリングの適切な機能を維持するために、リング溝内のピストンリングの周方向変位を制限することが有益となりうる。これにより、リング隙間の周方向位置を千鳥状配置に維持して、十分かつ均一な潤滑を確保することができ、リング隙間が位置合わせされていれば生じる可能性のある過剰なオイル消費及びブローバイガスの増大を避けることができる。これは、シリンダボアが水平に位置合わせされかつ重力効果が隙間位置合わせを更に促進することができる、船舶用船外機にしばしば使用されるような、垂直軸線のエンジンで特に重要であり得る。
【0004】
リング溝内のピストンリングの回転を制限するために、所与のリング溝内の穴に位置合わせピンを固定し、その位置合わせピンがリング溝内に突出し、その溝内のピストンリングと係合するようにすることが知られている。典型的には、位置合わせピンは、位置合わせピンによってピストンリングの周方向の動きが妨げられるように、リング隙間内に受け入れられる。位置合わせピンが冷却空洞と組み合わせて使用される場合、位置合わせピンは、通常、リング溝から冷却空洞内に延びる貫通穴内に固定される。しかしながら、この配置により、動作中に位置合わせピンが冷却空洞内に落下しうる。これは、冷却空洞の周りの冷却流体の流れを妨げる原因となり、したがって、冷却性能に有害となりうる。さらに、位置合わせピンがリング溝の中の穴に正しく配置されなくなると、リング溝の中の穴を介してリングベルトに冷却流体が過剰に流れ、その結果、排出が悪くなり、冷却流体の消費速度が高くなる可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、従来技術に関連する1つ又は複数の課題を克服又は緩和する、改良された船舶用船外機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様によれば、内燃機関を有する船舶用船外機であって、内燃機関は、
少なくとも1つのシリンダを画定するエンジンブロックと、
少なくとも1つのシリンダの中に配置されているピストンであって、上側燃焼面と、リングベルト領域を有する環状側壁と、前記リングベルト領域から半径方向内方において前記ピストン本体の中に位置する冷却空洞であって、動作中に冷却流体が前記冷却空洞に供給される流体入口を有する、冷却空洞とを有する、ピストン本体を備えるピストンと、
前記リングベルト領域の周りのリング溝の中に位置するピストンリングと、
前記ピストン側壁の穴に固定されておりかつ前記ピストンリングの周方向の変位を制限するために前記リング溝の中に突出する位置合わせピンとを備え、
前記ピストン本体は、前記穴及び前記位置合わせピンが延びる前記冷却空洞内にボスをさらに備え、
前記ボスは、前記流体入口に対向して前記冷却空洞の中で突出し、前記ボスは、使用中に前記流体入口を通って流れる冷却流体を第1の流体流れと第2の流体流れに分割し、前記第1の流体流れと前記第2の流体流れを前記冷却空洞の周りで反対方向に方向付けるように構成された流れ分割表面を提供するように整形されている、内燃機関を有する船舶用船外機が提供される。
【0007】
この構成により、ボスは、ピストン本体の側壁の厚さの局所的な増加を形成し、それにより、穴が設けられる付加的な材料を提供する。これにより、位置合わせピン、すなわち「回転防止ピン」をより確実に所定位置に保持することができ、動作中に位置合わせピンが冷却空洞内に落下し、それによって冷却空洞の周りの冷却流体の流れを妨げるリスクを防止することができる。加えて、ボスはまた、冷却空洞の周りの冷却流体の循環を改善し、それによってピストンの最大動作温度を低下させるように、流れ分割器として作用する。このように、本発明によれば、ボスは、位置合わせピン保持の改善とピストン冷却性能の改善との両方の二重の機能を果たす。
【0008】
冷却空洞は、部分環状としうる。冷却空洞は弓形(アーチ状)としうる。好ましくは、冷却空洞は環状である。
【0009】
ボスは、冷却空洞の全長の一部のみに沿って冷却空洞内に突出する。好ましくは、ボスは、冷却空洞の全長の20%未満、より好ましくは10%未満に沿って冷却空洞内に突出する。冷却空洞が環状である場合、好ましくは、ボスは、70度未満の角度範囲、より好ましくは35度未満の角度範囲を有する環状の冷却空洞の一区分にわたって冷却空洞内に突出する。
【0010】
冷却空洞が環状である場合、好ましくは、流れ分割表面は、環状の冷却空洞の周りの第1の流体流れを第1の周方向に方向付け、環状の冷却空洞の周りの第2の流体流れを第1の周方向とは反対の第2の周方向に方向付けるように構成される。このようにして、燃焼面をより効果的かつ均等に冷却することができる。
【0011】
好ましくは、流れ分割表面は、実質的に対称である。これにより、冷却流体の流れの均等な分割及び流れ分割器の両側における一貫した冷却性能を促進することができる。他の例では、冷却流体の流れが不均一に分割されるように、流れ分割表面は非対称としうる。これは、冷却空洞の冷却要件が流れ分割表面の両側で異なる場合に有益となりうる。
【0012】
好ましくは、流れ分割表面は、湾曲した形状を有する。すなわち、流れ分割表面は、少なくとも1つの湾曲部を有する形状を有する。これにより、冷却流体の流れの円滑な分割と、入口方向から冷却流路の周りの流れ方向への円滑な移行を促進することができる。例えば、ボスは、アーチの形態の断面形状を有しうる。他の例では、流れ分割表面は、三角形状などの角形状を有しうる。特定の実施形態では、流れ分割表面は、湾曲したピークと、湾曲したピークから離れて延びる側面と、側面と冷却空洞の隣接する表面との間の移行を形成する湾曲した傾斜部分とを有する。側面は線形としうる。側面は湾曲していてもよい。
【0013】
好ましくは、流れ分割表面は、流体入口と位置合わせされる。このような配置では、流れ分割表面は、流体入口の中心軸線と位置合わせされた中心軸線を有する。これにより、冷却流体の流れの均等な分割及び流れ分割器の両側において一貫した冷却性能を促進することができる。他の例では、流れ分割器は、流体入口から半径方向及び/又は軸線方向に偏倚されうる。
【0014】
好ましくは、位置合わせピンが固定されるリング溝内の穴は、ボス内に延びる止まり穴である。これにより、位置合わせピンが穴から冷却空洞内に落下する可能性が排除される。他の例では、穴は、ボスを貫通して延びる貫通穴としうる。例えば、穴は、位置合わせピンの直径よりも小さい直径を有しかつ位置合わせピンがその中で動かないようにされた、半径方向内側部分を有しうる。
【0015】
ボスは、流体入口とは反対の位置で冷却空洞内に突出する。好ましくは、流体入口は冷却空洞の下面に位置し、ボスは冷却空洞の上面から突出する。このような実施形態では、冷却流体の流れは、ピストン本体の下から冷却空洞に入り、反対側の上面上の流れ分割器によって分割される。他の例では、流体入口及びボスは、冷却空洞の他の部分に配置されうる。例えば、流体入口は、冷却空洞の半径方向内側面上にあり、ボスは、冷却空洞の半径方向外側面から突出しうる。
【0016】
好ましくは、冷却空洞は、動作中に冷却流体の流れが冷却空洞から出る、流体入口とは別個の流体出口をさらに備える。他の例では、冷却空洞は、流体入口と流体出口の両方として作用する単一のポートを備えることができ、その結果、冷却流体は、同じ場所で冷却空洞に入り、そこから排出されうる。
【0017】
好ましくは、流体出口は、冷却空洞が流体入口及び出口によって第1及び第2の冷却空洞半分部に分割されるように、冷却空洞の流体入口とは反対側の端部に配置される。冷却空洞が環状である場合、流体出口は、好ましくは、流体入口とは直径方向に対向している。
【0018】
好ましくは、流体出口は、冷却空洞の下面に配置される。このような構成により、冷却流体は、ピストン本体の下側から冷却空洞から排出される。特定の実施形態では、流体入口及び流体出口の両方は、冷却空洞の下面に位置する。
【0019】
冷却空洞は、単一の流体入口又は複数の流体入口を有しうる。
【0020】
冷却空洞は、単一の流体出口又は複数の流体出口を有しうる。
【0021】
ピストンは、各々がリングベルト領域内のリング溝内に配置される複数のピストンリングを備えうる。ピストンは、複数の位置合わせピンを備えることができ、各位置合わせピンは、複数のリング溝の異なる1つに突出し、複数のリング溝内に位置する複数のピストンリングの周方向変位を制限する。
【0022】
好ましくは、ピストンリングは、その対向する2つの端部の間にリング隙間を有する分割リングであり、位置合わせピンはリング隙間の中に受け入れられる。他の例では、位置合わせピンは、ピストンリングの半径方向内側上のブラインドキャビティ内に受け入れてもよく、又は、単にピストンリングの半径方向内側に押圧しうる。
【0023】
好ましくは、ピストンリングは、オイル制御リング又はスクレーパリングである。
【0024】
好ましくは、内燃機関は、垂直軸線の内燃機関(vertical axis internal combustion engine)である。上記の内燃機関では、クランク軸は、内燃機関内に垂直に取り付けられる。内燃機関はガソリンエンジンとしうる。好ましくは、内燃機関はディーゼルエンジンである。内燃機関は、ターボチャージャ付きのディーゼルエンジンとしうる。
【0025】
冷却流体は、任意の適切な冷却流体としうる。冷却流体は、内燃機関で使用される潤滑剤としうる。冷却液はオイルとしうる。冷却流体は、動作中に内燃機関のクランクケースから吸い上げられるクランクケースオイルとしうる。冷却流体は、ピストンのピストンロッドに沿って、冷却空洞の流体入口に供給されうる。内燃機関は、ピストン本体に向かって冷却流体の噴流を噴霧するように構成された冷却流体ノズルをさらに備えうる。冷却流体ノズルは、冷却流体の噴流を、流体入口を通して冷却空洞内に直接的に噴霧するように構成することができる。エンジンが複数のシリンダを備える場合、主オイル空洞などのエンジンの主冷却流体空洞からピストン本体に向かって冷却流体を噴霧するように冷却流体ノズルを各シリンダ内に設けることができる。
【0026】
本明細書で用いる「エンジンブロック」という用語は、エンジンの少なくとも1つのシリンダが設けられた中実構造を指す。この用語は、シリンダヘッドとクランクケースを備えたシリンダブロックの組み合わせ、又はシリンダブロックのみを指す場合がある。エンジンブロックは、単一のエンジンブロック鋳造物から形成することができる。エンジンブロックは、例えばボルトを用いて互いに接続される複数の別々のエンジンブロック鋳造物から形成されうる。
【0027】
エンジンブロックは、単一のシリンダを備えうる。好ましくは、エンジンブロックは、複数のシリンダを備える。
【0028】
エンジンブロックは、単一のシリンダバンクを備えうる。
【0029】
エンジンブロックは、第1シリンダバンク及び第2シリンダバンクを備えうる。第1シリンダバンクと第2シリンダバンクは、V字の構成で配置されうる。
【0030】
エンジンブロックは、3つのシリンダバンクを備えうる。これらの3つのシリンダバンクは、扇形の構成で配置されうる。エンジンブロックは、4つのシリンダバンクを備えうる。これらの4つのシリンダバンクは、W字の構成又は2つのV字の構成で配置されうる。
【0031】
本明細書で使用される、「上側(upper)」、「下側(lower)」、「下(underneath)」、「下(below)」、及び、類似の用語は、ピストンが実質的に水平である動作中に配向される場合ではなく、
図4に示されるように燃焼面がその上端にあるようにピストンが配向される場合のピストンの構成要素の相対位置を指す。
【0032】
本発明の第2の態様によれば、内燃機関であって、内燃機関は、
少なくとも1つのシリンダを画定するエンジンブロックと、
前記少なくとも1つのシリンダ内に配置されたピストンとを備え、
ピストンは、上側燃焼面と、リングベルト領域を有する環状側壁と、ピストン本体内で前記リングベルト領域から半径方向内方に位置しかつ動作中に前記冷却流体が前記冷却空洞に供給される流体入口を有する、冷却空洞とを有する、ピストン本体と、
前記リングベルト領域の周囲のリング溝内に位置する、ピストンリングと、
ピストン側壁の穴内に固定されかつ前記ピストンリングの周方向変位を制限するようにリング溝内に突出する、位置合わせピンと、を備え、
前記ピストン本体は、前記穴と前記位置合わせピンが延びる前記冷却空洞内にボスをさらに備え、
前記ボスは、前記流体入口に対向して前記冷却空洞の中に突出し、かつ、使用中に前記流体入口を通って流れる冷却流体を第1の流体流れと第2の流体流れに分割し、第1の流体流れと第2の流体流れが冷却空洞の周りを反対方向に流れるように方向付けるように整形されている、内燃機関が提供される。
【0033】
本発明の第3の態様によれば、内燃機関のためのピストンであって、該ピストンは、
上側燃焼面と、リングベルト領域を有する環状側壁と、該リングベルト領域から半径方向内方に位置しかつ動作中に冷却流体が該冷却空洞に供給される流体入口を有する冷却空洞とを有する、ピストン本体と、
リングベルト領域の周囲のリング溝内に位置するピストンリングと、
ピストン側壁の穴内に固定されかつ前記ピストンリングの周方向変位を制限するようにリング溝内に突出する、位置合わせピンと、を備え、
前記ピストン本体は、前記穴と前記位置合わせピンが延びる前記冷却空洞内にボスをさらに備え、
前記ボスは、前記流体入口に対向して前記冷却空洞の中に突出し、かつ、使用中に前記流体入口を通って流れる冷却流体を第1の流体流れと第2の流体流れに分割し、第1の流体流れと第2の流体流れが冷却空洞の周りを反対方向に流れるように方向付けるように整形されている、内燃機関のためのピストンが提供される。
【0034】
本発明の第4の態様によれば、第1の態様に係る船舶用船外機を備える船舶が提供される。
【0035】
本出願の範囲内において、特許請求の範囲及び/又は以下の説明及び図面における、先の段落に示された様々な態様、実施形態、実施例、及び、代替案、特にその個々の特徴は、独立に又は任意の組合せで理解されることが明確に意図されている。すなわち、全ての実施形態及び/又は任意の実施形態の特徴は、組み合わされる特徴が不適合でない限り、任意の方法及び/又は組み合わせで組み合わせることができる。本出願人は、最初に提出された請求項を変更又は新たな請求項を提出する権利を留保する。この権利には、最初に請求項されたものではないが、他の請求項の任意の特徴に依存するようにかつ/又は組み込むように、最初に提出された請求項を補正する権利が含まれる。
【0036】
本発明のさらなる特徴及び利点は、以下に、単なる例として、添付図面を参照してさらに説明される。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【
図1】
図1は船舶用船外機を備える小型船舶の概略側面図である。
【
図2a】
図2aは、傾斜位置における船舶用船外機の模式図を示す。
【
図2b】
図2bは、船舶用船外機の様々な位置調整された位置の一つと、水域内の船舶の対応する向きを示す。
【
図2c】
図2cは、船舶用船外機の様々な位置調整された位置の一つと、水域内の船舶の対応する向きを示す。
【
図2d】
図2dは、船舶用船外機の様々な位置調整された位置の一つと、水域内の船舶の対応する向きを示す。
【
図3】
図3は、本発明による船舶用船外機の概略断面を示す図を示す。
【
図4】
図4は
図3の船舶用船外機のピストンの斜視側面図を示す。
【
図5】
図5は、
図4の線V-Vに沿って見た
図4のピストンの軸線方向断面図を示す。
【
図7】
図7は、
図5の線VII-VIIに沿って見た
図4のピストンの横断面図を示す。
【
図8】
図8は、
図5の線VIII-VIIIに沿って見た
図4のピストンの軸線方向断面図を示す。
【
図9】
図9は、
図8の線IX-IXに沿って見た
図4のピストンの横方向断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0038】
図1は、船舶用船外機2を備えた船舶1の概略側面図を示す。船舶1は、連絡船やスキューバダイビングボートなどの、船舶用船外機と共に使用するのに適した任意の種類の船舶とすることができる。
図1に示す船舶用船外機2が船舶1の船尾部に取り付けられている。船舶用船外機2は、通常、船舶1の船体内に受け入れられている燃料タンク3に接続されている。リザーバ又は燃料タンク3からの燃料は、燃料ライン4を介して船舶用船外機2に供給される。燃料ライン4は、燃料タンク3と船舶用船外機2との間に配置された、1つ又は複数のフィルタと低圧ポンプと(水が船舶用船外機2に入るのを防止するための)分離器タンクを集合的に配置したものとしうる。
【0039】
以下にさらに詳細に説明するように、船舶用船外機2は、概ね、上側部分21と、中間部分22と下側部分23の3つの部分に分割されている。中間部分22及び下側部分23は、しばしば、集合的に脚部として知られ、この脚部は、排気システムを収容する。プロペラ8は、船舶用船外機2のギアボックスとも呼ばれる、下側部分23において、プロペラシャフト上に回転可能に配置されている。当然のことながら、作動中、プロペラ8は、少なくとも部分的には水中に沈められており、船舶1を推進するために、様々な回転速度で作動させることができる。
【0040】
典型的には、船舶用船外機2は、ピボットピンによって、船舶1の船尾部に回動可能に接続されている。ピボットピンの回りの回動により、操作者が公知の方法で水平軸線の回りで船舶用船外機2を傾斜させて位置調整することができる。更に、当技術分野でよく知られているように、船舶用船外機2は、船舶1の船尾部にも回動可能に装着されており、これにより、略直立軸線を中心に回動して、船舶1を操縦することができる。
【0041】
傾斜とは、船舶用船外機2全体が完全に水中から出て上昇することができるように、船舶用船外機2を十分に上昇させる動きである。船舶用船外機2の傾斜動作は、船舶用船外機2の電源を切った状態又は中立状態で行うことができる。しかしながら、いくつかの例では、船舶用船外機2は、浅い海域での作動を可能にするように、傾斜範囲での船舶用船外機2の限定的な運転を可能にするように構成されうる。従って、船舶用エンジンアセンブリは、主に、脚部の長手軸線が実質的に垂直方向にある状態で作動させられる。船舶用船外機2の脚部の長手軸線と実質的に平行である船舶用船外機2のエンジンのクランク軸は、船舶用船外機2の通常作動中では概ね垂直方向に配向されるであろうが、特定の作動条件下、特に浅い水中で船舶で作動させられる場合には、非垂直方向に配向させることもできる。また、エンジンアセンブリの脚部の長手軸線に実質的に平行に配向されている船舶用船外機2のクランク軸は、垂直クランク軸配置と呼ぶこともできる。また、エンジンアセンブリの脚部の長手軸線に対して実質的に垂直に配向された船舶用船外機2のクランク軸は、水平クランク軸配置と呼ぶこともできる。
【0042】
前述したように、適切に作動するためには、船舶用船外機2の下側部分23が水中に延びる必要がある。しかし、極めて浅い海域では、又は、トレーラーから船舶を進水させる際、船舶用船外機2の下側部分23が下方に傾斜した位置にある場合に、海底で引きずられたり、ボートが傾斜したりすることがある。船舶用船外機2を傾斜させて
図2aに示す位置のように上方に傾斜した位置に傾けることによって、下側部分23及びプロペラ8の損傷を防止する。
【0043】
対照的に、位置調整は、
図2b~
図2dの3つの例に示すように、船舶用船外機2を完全に下降した位置から数度上方への比較的に小さな範囲にわたって移動させる機構である。位置調整は、船舶1の燃費と加速と高速作動の最良の組合せを提供する方向にプロペラ8の推力を方向付けるのに役立つ。
【0044】
船舶1が平面上にある場合(船舶1の重量が、静水揚力ではなく、流体力学的揚力によって主に支持される場合)、船首上げ構成は、抗力が比較的少なく、比較的大きな安定性及び効率をもたらす。これは、例えば
図2bに示すように、ボート又は船舶1の中心線が約3度~5度で上向きである場合に一般的に当てはまる。
【0045】
傾斜が多すぎると、
図2cに示す位置などのように、水中で船舶1の船首が高すぎる状態になる。この形態では、船舶1の船体が水を押しており、その結果、より多くの空気抵抗が生じるので、性能と経済性は減少する。上方への傾斜が大きすぎると、プロペラが通気し、性能がさらに低下することもある。さらに厳しい場合には、船舶1が水中を飛び跳ね、操作者と乗客がボード外に投げ出されてしまう可能性がある。
【0046】
下方に傾斜すると、船舶1の船首が下がり、立ち上がりからの加速に役立つ。
図2dに示すように、下方への傾斜が多すぎると、船舶1が水中を「かきわけ(plough)」、燃費が落ちて速度が上がりにくくなる。高速では、下方への傾斜により船舶1が不安定になることさえある。
【0047】
図3を参照すると、本発明の一実施形態による船舶用船外機2の概略断面が示されている。船舶用船外機2は、前述した傾斜及び位置調整作動を行うための傾斜及び位置調整機構10を備えている。この実施形態では、傾斜及び位置調整機構10は、電気制御システムを介して船舶用船外機2を傾斜させ位置調整するように作動させることができる流体圧アクチュエータ11を有する。あるいは、操作者が手で船舶用船外機を回動させる、手動の傾斜及び位置調整機構を提供することも実現可能である。
【0048】
以上のように、船舶用船外機2は、概ね3つの部分に分割されている。発動機としても知られる上側部分21は、船舶1に動力を供給するための内燃機関100を有する。カウリング部25が内燃機関30の周囲に配置される。上側部分21又は発動機に隣接して下方に延びている、中間部分22及び下側部分23が設けられている。下側部分23は、中間部分22に隣接して下方に延びており、中間部分22は、上側部分21を下側部分23に接続している。中間部分22は、内燃機関30とプロペラシャフト29との間に延びている駆動軸27を収容し、フローティング・コネクタ33(例えばスプライン接続部)を介して内燃機関のクランク軸31に接続されている。駆動軸27の下側端部には、駆動軸41の回転エネルギーを水平方向にプロペラ8に供給するギアボックス又は伝達装置(変速機)が設けられている。より詳細には、駆動軸27の底端部は、プロペラ8のプロペラシャフト29に回転接続可能な一対のかさ歯車37、39に接続されたかさ歯車35を有しうる。中間部分22及び下側部分23は、排気システムを形成し、これは、内燃機関100の排気ガス出口からの排気ガス及び船舶用船外機2からの排気ガスを輸送するための排気ガス流路を画定する。
【0049】
内燃機関100は、4ストロークV8ディーゼルエンジンの1つのバンクとして概略的に示されている。V字形シリンダバンクには、任意の他の量のシリンダを採用しうることが理解されるであろう。また、当業者は、インライン(直列)配置などの任意の他の配置を代替的に利用することができることを理解するであろう。本発明のエンジンは、均等的に、2ストローク型燃焼エンジンとして構築することができる。
【0050】
内燃機関100は、シリンダブロック120と、シリンダヘッド130と、クランクケース140とを備えるエンジンブロック110を有する。シリンダブロックは複数のシリンダ122を画定し、各シリンダはピストン200を収容しており、ピストン200は、それぞれのシリンダ122内を往復運動し、ピストンロッド124又は「コネクティングロッド」によってクランク軸31に接続されている。クランク軸31は、垂直クランク軸の軸線32を中心として回転するためにクランクケース140内に取り付けられている。内燃機関100は、空気の流れをエンジンブロックのシリンダに送り出すための吸気マニホールド150と、排気ガスの流れをシリンダから方向付けるように構成された排気マニホールド160とを有している。内燃機関100は、選択的な排気ガス再循環システム(図示せず)を更に有することができ、このシステムは、排気マニホールド160からの排気ガスの流れの一部分を吸気マニホールド150に再循環させるように構成されており、かつ、再循環された排気ガスを冷却するための熱交換器又は「EGR冷却器」を有する。
【0051】
図4は、本発明によるピストン200の斜視側面図を示す。ピストン200は、燃焼ボウル212を有する上側燃焼面211を有するピストン本体210と、リングベルト領域214を有する環状側壁213とを有する。リングベルト領域214は、環状側壁213の周囲に周方向に延在する複数のリング溝内に位置する複数のピストンリングを備える。この例では、リングベルト領域214は、上リング溝215内の圧縮リング221と第2のリング溝216内のスクレーパリング222と第3のリング溝217内のオイル制御リング223の形態の3つのピストンリングを有する。しかしながら、任意の適切な数及び配置のピストンリングを使用しうることが理解されるであろう。そのリング溝内のピストンリングの周方向変位を制限するために、リング溝215~217の内の1つに位置合わせピン230が固定される。この例では、位置合わせピン230は、第2のリング溝216内に突出し、それにより、スクレーパリング222の回転を制限する。代替的に、位置合わせピンは、第1又は第3のリング溝内に突出しうる。さらなる位置合わせピンは、他のピストンリングの回転を制限するために、同様に設けられうる。
【0052】
図5~
図9を参照すると、ピストン本体210は、リングベルト部214の半径方向内側にピストン本体内に形成されておりかつ燃焼ボウル212のリムに隣接する、環状の冷却空洞240を更に有する。冷却空洞240は、上面241及び下面242を有する。流体入口243及び流体出口244は、それぞれ、冷却空洞240の下面242に設けられており、ピストンの軸線方向に延びている。したがって、流体入口243及び流体出口244は、
図5及び
図6に最もよく見られるように、ピストン本体210の下側に開口している。この例では、冷却空洞240は、環状の冷却空洞240の互いに直径方向に対向する2つの端部に配置された、単一の流体入口243と単一の流体出口244を有する。流体入口243及び流体出口244は、冷却空洞240を第1の冷却空洞半分部245と第2の冷却空洞半分部246に分割し、第1の冷却空洞半分部は、第1の周方向において流体入口243から流体出口244まで延び、第2の冷却空洞半分部は、第1の周方向とは反対の第2の周方向において流体入口243から流体出口244まで延びる。
【0053】
位置合わせピン230は、中央リング溝216において開口部を有しかつピストン本体210の側壁213内に延びる、穴231内に固定される。穴231は、好ましくは、ドリル加工された穴である。環状の冷却空洞240は、ピストン本体210の上端部に近接して配置され、効果的な冷却のために燃焼ボウル212に密接していることを保証する。しかしながら、これは、環状の冷却空洞240がリングベルト領域214の半径方向内側に直接的に位置し、従って、位置合わせピン230が保持され得る側壁213の半径方向の厚さを制限することを意味する。これに対処するために、ピストン本体210は、さらに、上面241から冷却空洞240内に下方に突出するボス250を有する。ボス250は、ピストン本体の延伸部分であり、穴231が延びることができる付加的な材料を提供する。これにより、位置合わせピン230が穴231に確実に保持される度合が改良される。この例では、穴231は、リング溝216内の半径方向外側の開放端部からボス250内の半径方向内側の閉鎖端まで途切れることなく延びる、止まり穴である。したがって、穴231はボス250で終わる。このようにして、位置合わせピン230が冷却空洞240内に落下するのを防止し、さもなければ、冷却流体の流れを妨げ、ピストンの冷却性能に影響を及ぼす可能性がある。
図7に示すように、スクレーパリング222は分割リングであり、位置合わせピン230は、分割リングの対向する2つの端部の間のリング隙間224内に受け入れられるようにリング溝内に突出する。これにより、ピストン本体210に対するスクレーパリング222の周方向の回転を防止する。
【0054】
図8に最もよく示されているように、ボス250は冷却空洞240の高さの局所的な減少を引き起こすが、本発明者らは、ボス250を流体入口243に直接的に対向して位置決めし、ボス250を、冷却空洞240の周りの冷却剤流れを改善する流れ分割表面を画定するように整形することによって、ボス250を上手く用いてきた。流れ分割表面は湾曲した形状をしている。すなわち、流れ分割表面は、少なくとも1つの湾曲部を有する形状を有する。この例において、流れ分割表面は、湾曲したピーク251と、湾曲したピーク251から離れて延びている側面252と、側面252と冷却空洞240の上面241の隣接する部分との間の移行を形成する湾曲した傾斜部分253とを有する。この例では、流れ分割表面は、その中心軸線254を中心として対称である。流れ分割表面の中心軸線254は、
図8に示されるように、流体入口243の中心軸線245と位置合わせすることができ、又は、半径方向及び/又は周方向に偏倚されうる。
【0055】
動作中、冷却流体は、ピストン本体210の下面に向かって方向付けられ、流体入口243を通る冷却流体の流れとして軸線方向に冷却空洞240に入る。例えば、各シリンダは、主オイル空洞から供給されかつピストン本体の下面に向かってオイルを噴霧する、流体ノズルを備えうる。冷却流体の流れは、冷却空洞240に入ると、流体入口243に直接的に対向して配置されたボス250の流れ分割表面に衝突し、それによって、冷却流体の流れは、流れ分割表面の両側に第1の流体と第2の流体とに分割される。第1の流体流れは、第1の冷却空洞半分部245の周りの第1の周方向において、流れ分割表面によって方向付けられる。第2の流体流れは、第2の冷却空洞半分部246の周りの第2の周方向において、流れ分割表面によって方向付けられる。冷却流体は、冷却空洞の周りを通過することによって、燃焼面211及び燃焼ボウル212から熱を奪い、ピストン200の最大動作温度を低下させる。次いで、第1及び第2の流体は、流体出口244を介して冷却空洞240から流出する。
【0056】
追加の側壁厚さを提供しかつ流れ分割表面として構成されるボスを、冷却空洞内に設けることによって、位置合わせピン保持とピストン冷却性能の両方を本発明のピストンで改善することができる。
【0057】
本発明は、1つ以上の好ましい実施形態を参照して上述したが、添付の特許請求の範囲に規定されているように、本発明の範囲から逸脱することなく、様々な変更又は修正を行いうることが理解されよう。
【国際調査報告】