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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-15
(54)【発明の名称】調理製品を加熱する装置
(51)【国際特許分類】
   F24C 15/20 20060101AFI20220608BHJP
   F24C 1/00 20060101ALI20220608BHJP
【FI】
F24C15/20 A
F24C1/00 310C
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021560396
(86)(22)【出願日】2020-04-14
(85)【翻訳文提出日】2021-11-08
(86)【国際出願番号】 EP2020060413
(87)【国際公開番号】W WO2020208256
(87)【国際公開日】2020-10-15
(31)【優先権主張番号】102019205337.8
(32)【優先日】2019-04-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518355906
【氏名又は名称】ブルックバウアー ヴィルヘルム
(74)【代理人】
【識別番号】100154612
【弁理士】
【氏名又は名称】今井 秀樹
(72)【発明者】
【氏名】アッペル ニコラウス
(72)【発明者】
【氏名】ケンネカー ヴァルター
(57)【要約】
調理グッズを加熱する装置(1)が、異なる機能モードを可能とする換気装置を有し、機能モードの1つにおいて、ファン(15)により生成される体積流量(V°)が少なくとも90%の割合の収容スペース(3)から吸引される排気(18)を有する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
調理グッズを加熱する装置(1)であって、
1.1 加熱すべき前記調理グッズを収容する収容スペース(3)を取り囲むハウジング(2)であって、
1.1.1 前記収容スペース(3)に調理グッズを充填するための閉鎖可能な開口(8)、及びこれから別個に、
1.1.2 少なくとも1つの吸気口(34)、及び
1.1.3 少なくとも1つの流体出口(20)を有するハウジング(2)と、
1.2 熱エネルギーを加熱すべき前記調理グッズに直接又は間接的に伝達する加熱装置(13)と、
1.3 制御可能な換気装置であって、
1.3.1 体積流量(V°)を生成する少なくとも1つのファン(15)、
1.3.2 前記ハウジング(2)に吸い込まれた新鮮な空気(17)を有する気流及び/又は前記収容スペース(3)から吸引される排気(18)を有する気流を案内する、前記ハウジング(2)内に前記収容スペース(3)の外側に配置された気流案内装置(16)、
1.3.3 排気(18)を浄化する少なくとも1つの手段(25)、
1.3.4 前記収容スペース(3)からの排気の吸引を制御する少なくとも1つの制御手段(19)、
1.3.5 前記少なくとも1つの吸気口(34)を介する前記収容スペース(3)への新鮮な空気の供給を制御する少なくとも1つの制御手段(23)、
1.3.6 前記ハウジング(2)に吸い込まれた前記新鮮な空気(17)の気流の、前記収容スペース(3)から吸引される前記排気(18)の気流への供給を制御する少なくとも1つの制御手段(24)を有する換気装置と、を有し、
1.4 前記換気装置は少なくとも3つの異なる機能モード:
1.4.1 前記収容スペース(3)へのアクティブな新鮮な空気の供給が本質的に防止される第1機能モード、
1.4.2 前記収容スペース(3)への新鮮な空気の供給と、前記収容スペース(3)から吸引される前記排気(18)の気流への新鮮な空気の供給の両方が可能である第2機能モード、
1.4.3 前記収容スペース(3)から吸引される前記排気(18)の気流への新鮮な空気(17)の供給が防止される第3機能モード、を可能とする装置(1)。
【請求項2】
調理グッズを加熱する装置(1)であって、
1.1 加熱すべき前記調理グッズを収容する収容スペース(3)を取り囲むハウジング(2)であって、
2.1.1 前記収容スペース(3)に調理グッズを充填するための閉鎖可能な開口(8)、及びこれから別個に、
2.1.2 少なくとも1つの吸気口(34)、及び
2.1.3 少なくとも1つの排気口(12)を有するハウジング(2)と、
2.2 熱エネルギーを加熱すべき前記調理グッズに直接又は間接的に伝達する加熱装置(13)と、
2.3 制御可能な換気装置であって、
2.3.1 少なくとも1つのファン(15)、
2.3.2 前記ハウジング(2)に吸い込まれた新鮮な空気(17)を有する気流及び/又は前記収容スペース(3)から吸引される排気(18)を有する気流を案内する、前記ハウジング(2)内に前記収容スペース(3)の外側に配置された気流案内装置(16)、
2.3.3 前記収容スペース(3)からの排気の吸引を制御する少なくとも1つの制御手段、
2.3.4 前記少なくとも1つの吸気口(34)を介する前記収容スペース(3)への新鮮な空気の供給を制御する少なくとも1つの制御手段(23)、
2.3.5 前記ハウジング(2)に吸い込まれた前記新鮮な空気(17)の気流の、前記収容スペース(3)から吸引される前記排気(18)の気流への供給を制御する少なくとも1つの制御手段(24)を有する換気装置と、を有し、
2.4 前記換気装置は少なくとも3つの異なる機能モード:
2.4.1 前記ファン(15)により生成される体積流量(V°)が、多くても10%の割合の前記収容スペース(3)から吸引される排気を有する第1機能モード、
2.4.2 前記ファン(15)により生成される体積流量(V°)が、少なくとも10%及び多くても90%の割合の前記収容スペース(3)から吸引される排気を有する第2機能モード、及び
2.4.3 前記ファン(15)により生成される体積流量(V°)が、少なくとも90%の割合の前記収容スペース(3)から吸引される排気を有する第3機能モード、を可能とする装置(1)。
【請求項3】
前記制御手段(19,23,24)のうちの1つ又は複数が無段調節可能である、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の装置(1)。
【請求項4】
前記制御手段(19,23,24)のうちの2以上が互いに直接又は間接的に結合している、ことを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の装置(1)。
【請求項5】
前記制御手段(19,23,24)のうちの1つ又は複数が調整可能なアクチュエータを有する、ことを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の装置(1)。
【請求項6】
少なくとも1つの臭気フィルタを備えた少なくとも1つのフィルタモジュールを有する、排気を浄化する手段(25)を有する、ことを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の装置(1)。
【請求項7】
前記ハウジング(2)の正面側から工具を用いずに交換可能な、排気を浄化する手段(25)を有する、ことを特徴とする請求項1~6のいずれか一項に記載の装置(1)。
【請求項8】
気流方向に前記ファン(15)の前に前記気流案内装置(16)内に配置された、排気を浄化する手段(25)を有する、ことを特徴とする請求項1~7のいずれか一項に記載の装置(1)。
【請求項9】
前記少なくとも1つの吸気口(34)を介する前記収容スペース(3)への新鮮な空気の供給を制御する前記制御手段(23)が、信号伝送式に前記収容スペース(3)内のセンサ装置(27)と結合している、ことを特徴とする請求項1~8のいずれか一項に記載の装置(1)。
【請求項10】
前記収容スペース(3)から吸引される前記排気(18)に含まれる水蒸気を凝縮する装置(28)が、前記収容スペース(3)の前記流体出口(20)の出口側に配置されている、ことを特徴とする請求項1~9のいずれか一項に記載の装置(1)。
【請求項11】
前記ファンが1m/h~200m/hの範囲の体積流量を生成するように制御可能である、ことを特徴とする請求項1~10のいずれか一項に記載の装置(1)。
【請求項12】
前記収容スペース(3)に調理グッズを充填するための開口(8)を閉鎖するドア(9)が、信号伝送式に、1又は複数のパラメータに依存して前記ドア(9)の開放を許可する又は防止するロック装置に結合している、ことを特徴とする請求項1~11のいずれか一項に記載の装置(1)。
【請求項13】
調理グッズを加熱する装置(1)を操作する方法であって、以下のステップ:
13.1 調理グッズを加熱する装置に、
13.1.1 収容スペース(3)に加熱すべき調理グッズを充填するための閉鎖可能な開口(8)を有する収容スペース(3)、及び
13.1.2 前記収容スペース(3)からの排気の吸引を制御する少なくとも1つの制御手段(19)を有する制御可能な換気装置を備えるステップ、
13.2 前記収容スペース(3)における前記調理グッズを加熱するステップ、
13.3 前記収容スペース(3)から排気を吸引するステップを有し、
13.4 前記収容スペース(3)からの排気の吸引を、前記収容スペース(3)における温度及び/又は湿度に関するセンサデータに依存する及び/又は所定の操作プロトコルに依存する制御された方法で実行する方法。
【請求項14】
ロック装置が解除された後でのみ、前記収容スペース(3)の開放が可能になる、ことを特徴とする請求項13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
独国特許出願DE102019205337.8の内容は参照により組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
本発明は調理グッズを加熱する装置に関する。本発明はさらに、調理グッズを加熱する装置を操作する方法に関する。
【0003】
ベーキングオーブンや蒸し器が、様々な設計で従来技術から知られている。例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4及び特許文献5を参照されたい。このような装置をさらに発展させるための継続した必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】DE2705395A1
【特許文献2】DE4407702A1
【特許文献3】DE10158425C1
【特許文献4】US3587555A
【特許文献5】EP1436550B2
【特許文献6】DE102008012961A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は調理グッズを加熱する装置を改良するという目的に基づく。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的は請求項1に従う装置によって達成される。
【0007】
本発明の核心は、制御可能な換気装置であって、収容スペースからの排気の吸引を制御する少なくとも1つの制御手段と、少なくとも1つの吸気口(外気取入口)を介する収容スペースへの新鮮な空気の供給を制御する少なくとも1つの制御手段を有する換気装置を有する装置を提供することである。
【0008】
結局、収容スペースにおける雰囲気、特に温度及び/又は湿度を正確に制御することができる。特に、収容スペース内の雰囲気を調整することができる。
【0009】
収容スペース内の雰囲気は、特に、その温度及び湿度内容を有する収容スペース内のガス媒体を言うと理解されたい。
【0010】
1つの特有の利点は、制御可能な換気装置が収容スペース内の空気を迅速に、特に数秒以内に交換することができる点である。結局、増大した操作信頼性を実現することが可能である。さらに、これは調理工程をより正確に制御すること、特に調理工程の終わりに又は完了後における加熱しすぎを防止することを可能とする。
【0011】
本発明のさらなる観点によれば、換気装置は収容スペースから吸引される排気を浄化することを可能にする。このために、望まれない臭気の邪魔者及び/又は不純物が回避される。
【0012】
当該装置は例えばベーキングオーブン、特に蒸気ベーキングオーブン又は蒸し器である。それは電子レンジ、又はベーキングオーブン、蒸し器及び電子レンジの機能の選択からの組み合わせ機器であってもよい。一般に、当該装置はキッチン用器具である。
【0013】
本発明の1つの観点によれば、換気装置は少なくとも3つの異なる機能モードを可能にする。
-第1機能モードでは、収容スペースへの新鮮な空気の供給は防止され、
-第2機能モードでは、収容スペースへの新鮮な空気の供給と、収容スペースから吸引される排気の気流への新鮮な空気の供給の両方が可能とされ、及び
-第3機能モードでは、収容スペースから吸引される排気の気流への新鮮な空気の供給が防止される。
【0014】
第3機能モードは、特に、収容スペースからの排気の非常に素早い吸引を可能とする。これは、収容スペースのドアを開けるのに及び/又は調理工程の最後に特に有利である。
【0015】
ここで及び以下では、新鮮な空気は、外部から装置のハウジングに吸い込まれる空気を意味すると理解される。
【0016】
排気は収容スペースからの空気を意味すると理解される。排気は特に、水蒸気(vapors)、すなわち調理蒸気、及び/又は、蒸気(steam)、特に油脂含有蒸気をも有してもよい。
【0017】
本発明に従う装置の助力により、排気のキッチンへの制御不能な導入を防止することが可能である。特に、排気がハウジングの外に導かれる前に排気を浄化することが可能である。
【0018】
本発明に従う目的は請求項2に従う装置によってさらに達成される。
【0019】
本発明の核心は、異なる機能モードを提供することであり、それらは、ファンにより生成される体積流量のどれだけの割合が収容スペースから吸引される排気によって形成されるかで異なる。
【0020】
ここで、ファンにより生成される体積流量における、収容スペースから吸引される排気の割合に関する数値表示は、排気を浄化する少なくとも1つの手段、特にフィルタの領域を、及び/又は、体積流量の生成用の少なくとも1つのファンの吸気開口の領域を及び/又はハウジング出口の領域を指す。
【0021】
第1機能モードでは、ファンにより生成される体積流量は、多くても10%の収容スペースから吸引される排気の割合を有する。収容スペースからの排気のこのような低い吸引は、例えば蒸気を出しているモード又は組み合わせの蒸気操作モードにおいて有利である。この場合、体積流量は主に電気部品又は電子部品を冷却する機能を有する。
【0022】
第2機能モードでは、ファンにより生成される体積流量に対する収容スペースから吸引される排気の割合は少なくとも10%であり、多くても90%である。これは例えば収容スペースにおける蒸気の減少及び/又は熱気モードのために有利である。
【0023】
第3機能モードでは、ファンにより生成される体積流量は、少なくとも90%の割合の収容スペースから吸引される排気を有する。これは収容スペースからの排気の素早い吸引のために及び/又は収容スペースを冷却するのに特に有利である。収容スペースからの排気の吸引は、収容スペース又は調理スペースを空にするとも呼ばれる。この場合、用語「空にする」は、少なくとも必ずしも、負圧が収容スペースにおいて生成されることを意味しない。
【0024】
1つの観点によれば、収容スペースからの排気の吸引を制御する、少なくとも1つの吸気口を介する収容スペースへの新鮮な空気の供給を制御する、及びハウジングに吸い込まれた新鮮な空気の気流の、収容スペースから吸引される排気の気流への供給を制御する1又は複数の制御手段は、無段制御可能である。特に、それらは完全に開いているのと完全に閉じている間で調節可能である。特に、それらはランダムな中間位置を有し得る。それに代えて、それらは所定の数の離散した位置を有してもよい。
【0025】
無段調節はより柔軟な制御を可能とする。離散設定は制御手段の作動を簡単化する。
【0026】
本発明の更なる観点によれば、新鮮な空気がハウジングの正面から吸い込まれるように換気装置は構成される。それに代えて又は加えて、背面からの新鮮な空気の吸入もまた可能である。特に、装置の背面側から、吸気口を介して収容スペースに供給される新鮮な空気を吸い込むことが可能である。特に、それはガイドを用いずに吸い込まれ得る。
【0027】
本発明の別な観点によれば、2以上の制御手段が互いに直接又は間接的に結合している。特に、全ての制御手段を互いに結合されるように構成することが可能である。特に、それらは信号伝送式に共通の中央制御装置に接続され得る。結局、操作信頼性が増大する。加えて、これは制御を単純化する。
【0028】
本発明のさらに別な観点によれば、1又は複数の制御手段は調整可能なアクチュエータを有する。特に、それらは弁及び/又は調整フラップ及び/又は1又は複数の空気スライドを有し得る。特に、それらは弁又は調整フラップの形態で構成されてもよい。
【0029】
これは、特に簡単で、信頼できる、堅牢な気流の制御を可能とする。
【0030】
本発明の更なる観点によれば、排気を浄化する手段は少なくとも1つの臭気フィルタを備えた少なくとも1つのフィルタモジュールを有する。
【0031】
フィルタモジュールの助力により、調理工程中に収容スペースで生成された排気は調理工程中に浄化され得る。特に、排気は臭気及び/又は油脂(グリース)及び/又は粒子を浄化され得る。
【0032】
本発明のこの観点はまた、制御可能な換気装置の詳細から独立して実現され得る。特に、臭気フィルタを有する調理グッズを加熱する装置は本発明の別個の観点を構成する。
【0033】
本発明の別な観点によれば、少なくとも1つのフィルタモジュール、特に臭気フィルタは、装置のハウジングの正面側から取り外すことができる。
【0034】
本発明のさらに別な観点によれば、排気を浄化する手段、特にフィルタモジュール、特に臭気フィルタは、工具を用いずにハウジングの正面側から交換可能である。
【0035】
これは、洗浄剤の交換性を促進する。洗浄剤、特に臭気フィルタが再処理され得る。
【0036】
特に、フィルタモジュールは部分的に又は全体的に洗浄され得る。
【0037】
本発明の更なる観点によれば、気流制御システムにおける排気を浄化する手段は気流方向においてファンの上流に配置されている。
【0038】
これはファンの汚染を防止する。
【0039】
本発明の別な観点によれば、フィルタモジュールの上流の流路に、バイパスフラップ、バイパス弁又はバイパススライドが配置されてもよく、それにより別な流路が開閉され得る。このようにして、排気をフィルタモジュールを越えて迂回させることが可能である。これは、特に、ファンにより生成される体積流量が主に収容スペースから吸引される排気を有する第3機能モードのために有効である。このような代替手段の調節可能な流路の援助により、特に第3機能モードにおける圧力損失がさらに減少され得る。さらには、結局、装置のエネルギー効率が概して改善され得る。
【0040】
本発明の更なる観点によれば、別な流路は無段に調整可能である。特に、それはフィルタモジュールを通る流路と平行に設置され得る。この場合、体積流量のどんな量がフィルタモジュールを通して導かれ、どんな量がバイパスを介して導かれるかを制御すること、特に調整すること、特にセンサ検知されるパラメータに依存して調整することが可能である。
【0041】
フィルタモジュール、特に臭気フィルタは、活性炭、プラズマ、UV光触媒反応又はこれらオプションの組み合わせに基づいてもよい。
【0042】
臭気フィルタは特に保持要素を有してもよい。保持要素によって、臭気フィルタは装置に、特に気流ガイドシステムに容易に配置できる。
【0043】
臭気フィルタは、立方体の形状を有してもよい。それは少なくとも20cm、特に少なくとも30cm、特に少なくとも40cmの長さを有してもよい。
【0044】
それは、少なくとも5cm、特に少なくとも10cm、特に少なくとも15cm、特に少なくとも18cmの幅を有してもよい。
【0045】
それは、少なくとも1cm、特に少なくとも2.5cm、特に少なくとも4.8cmの奥行を有してもよい。
【0046】
これらの値は、流れ抵抗を可能な限り低く維持しながら十分に高い濾過をもたらすのに有利だと判明した。
【0047】
本発明の更なる観点によれば、少なくとも1つの吸気口を介する収容スペースへの新鮮な空気の供給を制御する制御手段が、信号伝送式に収容スペース内のセンサ装置と結合している。センサ装置によって、例えば収容スペース内の雰囲気の温度及び/又は湿度が検出可能である。
【0048】
このようにして、収容スペース内の雰囲気、特に温度及び/又は湿度を柔軟かつ正確に制御すること、特に調整することが可能である。
【0049】
本発明の別な観点によれば、収容スペースからの排気の吸引を制御する制御手段が、収容スペース内のセンサ装置と結合している。これは既に上述したセンサ装置であってもよい。
【0050】
これは収容スペースからの排気の吸引を柔軟かつ正確に制御することを可能とする。
【0051】
本発明のさらに別な観点によれば、本装置は制御可能なポンプを有し、それにより排気及び/又は湿気が少なくとも1つの流体出口を介して収容スペースから吸い上げられる。
【0052】
これは収容スペースからの排気及び/又は湿気の除去を改善する。別個のポンプによって、特に、収容スペース内の雰囲気の交換が迅速かつ簡単に可能である。
【0053】
本発明の更なる観点によれば、収容スペースから吸引される排気に含まれる水蒸気を凝縮する装置が、収容スペースの流体出口の出口側に配置されている。
【0054】
凝縮装置は、水冷機能を有する濃縮装置であってもよい。特に、排気を水冷機能を有するタンクに通過させることが可能である。これは、排気に含まれる水蒸気の凝縮をもたらす。これはまた排気の浄化をもたらす。
【0055】
本発明の別な観点によれば、吸引中に濃縮装置における水位を下げることで、ファン断面が増加する。これは吸引の性能の増加をもたらす。
【0056】
水タンクは固定された水接続部を有してもよい。特に、それは新鮮な水の取水口及び廃水の出口を有してもよい。これはまた水タンクの容易な洗浄を可能にする。
【0057】
本発明のさらに別な観点によれば、濃縮装置は収容スペースと共に洗浄され得る。特別な洗浄プログラムがこの目的のために備えられ得る。
【0058】
特に、ハウジングは正面側で又は正面側の領域で新鮮な空気を吸い込むための吸気開口を有してもよい。これは、正面側から最大20cm、特に最大10cm、特に最大5cmの距離を有する領域を意味すると理解される。
【0059】
更なる観点によれば、換気装置は、排気がハウジングの背面側で排出されるように構成される。特に、ハウジングはその背面側の領域に出口開口を有し得る。
【0060】
特に排気ダクト装置の形態の排気ガイドが出口開口に結合してもよい。ダクト装置はモジュール設計であってもよい。特に、それは換気ダクト及び/又は換気チューブを有してもよい。
【0061】
特に、ハウジングからの排気を別個のスペース領域に柔軟に案内することが可能である。例えば、排気はキッチンキャビネットのベース領域に案内される。原則として、排気は外部に案内され得る。
【0062】
本発明の別な観点によれば、ファンは1m/h~500m/hの範囲の体積流量を創出するように制御可能である。
【0063】
本発明によれば、ファンが少なくとも短い時間の間正常な調理モードで通常必要とされるものより顕著に高い体積流量を生成できる場合に、収容スペースからの排気の素早い吸引のために有利であると判明した。正常な調理モードにおいて、ファンにより生成される体積流量は特に20m/hまでの範囲である。40m/hより多い体積流量は、収容スペース内の雰囲気の完全な交換を15s未満で、特に10s未満で、特に5s未満で、特に3s未満で可能とする。
【0064】
空にするための体積流量は特に40m/h~80m/hの範囲である。それは100m/h以上であってもよい。
【0065】
体積流量を生成するファンは特にラジアルファンであってもよい。軸流ファン又はクロスフローファンを使用することも可能である。
【0066】
本発明の更なる観点によれば、調理グッズを加熱する装置は収容スペース内の温度及び/又は湿度を制御する制御装置を有する。特に、調理グッズを加熱する装置は異なる加熱素子を有してもよい。これは調理グッズの特に柔軟な加熱を可能にする。特に、異なる加熱モードが可能である。
【0067】
本発明の別な観点によれば、収容スペースに調理グッズを充填するための開口を閉鎖するドアが、信号伝送式に、1又は複数のパラメータに依存してドアの開放を許可する又は防止するロック装置に結合している。
【0068】
ロック装置は例えば収容スペース内の前述したセンサ装置に結合され得る。結局、収容スペース内の温度及び/又は湿度が所定の限界値より低い場合にのみ、収容スペースに対するドアを開けることが可能である。特に、これは、収容スペースに対するドアが開いたときに大量の蒸気が漏れることを防止する。このような蒸気の漏洩は通常、使用者にとって都合が悪く又は危険でもある。
【0069】
本発明の1つの観点によれば、ドアが開錠される前に収容スペースを空にすること、すなわち収容スペースから少なくとも可能な限り排気を吸引することが意図される。この目的のために、収容スペース内の雰囲気の状態がセンサ装置によって検査されるとすぐに、ドアを開けるためにこのような要求が通知されなければならないように、制御装置が設計され得る。収容スペース内の温度及び/又は湿度が所定の限界値より低い場合、ドアは開錠される。さもなければ、収容スペースを空にするために、換気装置の第3機能モードが開始される。
【0070】
ロック装置は特に電子制御ロック装置であってもよい。
【0071】
本発明の更なる観点によれば、ロック装置は、センサ装置により検出されるデータから独立して、特に収容スペース内の温度及び/又は湿度から独立して要求に応じて、解放され得る、特に解除され得る。特に、ドアを開けるためにロック装置を手動で動作停止させることができる。
【0072】
本発明の更なる目的は、調理グッズを加熱する装置を操作する方法を改善することである。
【0073】
この目的は、収容スペースからの排気の吸引が、収容スペース内の温度及び/又は湿度に関するセンサデータに依存して及び/又は所定の操作プロトコルに依存して制御された方法で実行されることで達成される。
【0074】
詳細のために、調理グッズを加熱する装置の先の記載を参照されたい。
【0075】
本発明に従う方法は、一方で、使用の容易性と操作安全性を増大するために使用され得る。特に、ドアが開いたときに、熱い蒸気又は少なくとも多くても所定の最大量の蒸気が収容スペースから漏れないことが保証される。さらに、調理工程の最後が収容スペースからの排気の狙い通りの吸引によって正確に制御され得る。特に、調理グッズの望まれない加熱しすぎが防止され得る。この目的のために、収容スペース内の雰囲気が調理工程の最後に完全に交換され得る。次いで、所定の温度及び/又は湿度の制御された保持が実行され得る。
【0076】
本発明の更なる利点及び詳細は図面に基づいた実施形態の記載から明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0077】
図1】第1機能モードにおける制御可能な換気装置を備えた調理装置を通る概略断面図である。
図2】第2機能モードにおける図1に従う図である。
図3】第3機能モードにおける図1に従う図である。
【発明を実施するための形態】
【0078】
以下では、本発明に従う装置の構成部品を先ず説明する。本装置は調理グッズを加熱する装置である。ゆえに、それを以下では調理装置1と呼ぶ。特に、それは常圧の調理装置であってもよい。特に、それはベーキングオーブン、蒸し器、組み合わせ蒸し器、すなわち蒸し調理機能を有するベーキングオーブン、電子レンジ、又は前述の機能からの選択を有する組み合わせ機器であってもよい。
【0079】
調理装置1はハウジング2を有する。ハウジング2は加熱すべき調理グッズを収容する収容スペース3を取り囲んでいる。収容スペース3は調理スペースとも呼ばれる。
【0080】
ハウジング2は基本的に立方体の形状を有する。特に、それは正面側44と背面側5を有する。特に、それは底部6と上面7を有する。それはさらに、図に明確には示されていない側壁を有する。
【0081】
ハウジング2は特に、収容スペース3に調理グッズを充填するための閉鎖可能な開口8を有する。開口8は、特にドア9の形態の閉鎖要素によって閉じることができる。ドア9は特に開き戸である。特に、ドアは旋回軸10の周りに旋回可能である。ドアが閉じられたとき、旋回軸10は好ましくはドア9の下側領域に位置している。ドア9の別な装置及び閉鎖要素の別な設計が可能である。
【0082】
収容スペース3に調理グッズを投入するための開口8に加えて及びそれとは別に、ハウジング2は吸気口34及び排気口12を有する。
【0083】
吸気口34は好ましくはハウジング2の正面側4の領域に配置される。
【0084】
排気口12は好ましくはハウジング2の背面側5の領域に位置している。
【0085】
調理装置1は、図面において概略的にのみ示された加熱装置13をさらに有する。加熱装置13は加熱すべき調理グッズへの熱エネルギーの直接的な又は間接的な伝達のために機能する。加熱装置13は1又は複数の加熱素子を有し得る。加熱素子は収容スペース3の内側又はその外側に配置され得る。対応する代替手段が従来技術から、例えば特許文献3から知られている。
【0086】
調理装置1は収容スペース3において循環気流を発生させる手段を有する。この循環気流を発生させる手段は図面において概略的にファンホイール(ファンプロペラ)14として示されている。それは好ましくは収容スペース3の背面側の領域に配置され得る。
【0087】
さらに、調理装置1は換気装置を有する。換気装置は複数の機能を有し得る。一方で、それは調理装置1の或る構成部品を冷却するための気流を発生する機能を有する。他方で、それは収容スペース3の通気及び脱気を制御する機能を有する。本発明によれば、これらの機能は単一の換気装置により実現され得る。図面に示されない代替手段によれば、異なる機能のために少なくとも部分的に分離した換気装置を備えることも可能である。
【0088】
換気装置は、図面に概略的にのみ示された少なくとも1つのファン15を有する。ラジアルファンが好ましくはファンとして機能する。それに代えて、軸流ファン又はクロスフローファンもファンとして機能し得る。異なるファンの組み合わせも可能である。特に、換気装置は単一のファン15又は1若しくは複数のファンを有する単一のファンを有してもよい。例えば、単一のファンユニットにおいて複数のファンを並べて配置することができる。これは、ファンユニットに必要とされる設置スペース、特に設置高さを減少させる。加えて、この種類のファンユニットは特に柔軟に制御され得る。
【0089】
ファン15は好ましくは排気口12の領域に配置されている。
【0090】
ファン15は体積流量V°を生成する機能を有する(ここで、V°は体積流量dV/dtを示す)。ファン15により生成され得る体積流量V°は、50m/hまでの範囲、特に100m/hまでの範囲、特に200m/hまでの範囲、特に300m/hまでの範囲、特に500m/hまでの範囲にある。
【0091】
さらに、換気装置は気流案内装置16を有する。気流案内装置16は冷却用空気17の流れを案内する第1部分装置を有する。特に、冷却用空気17は吸気口11を介してハウジング2に吸い込まれる新鮮な空気により生成される。
【0092】
冷却用空気17は気流案内装置16を通って蛇行して案内される。特にハウジング2の正面側4から吸気口11から出発して、それはまず収容スペース3の上面に沿ってハウジング2の背面領域に案内される。それは次に向け直され(偏向され)、ハウジング2の正面側4の領域に案内して戻される。そこで、それは再び向け直され、ハウジング2の背面側5における排気口12に案内される。より多数の向け直し、特により多数の蛇行ループも可能である。
【0093】
冷却用空気17は、特に正面から、気流案内装置16に案内される。排気18は、特に背面から、気流案内装置16に案内される。
【0094】
気流案内装置16における圧力損失を最小化するために、好ましくは可能な限り少ない向け直しが供され、流路は可能な限り短くなるように設計される。
【0095】
冷却用空気は図面において実線矢印で概略的に示されている。
【0096】
さらに、気流案内装置16は、収容スペース3から吸引される排気18の流れを案内する部分装置を含む。排気流れは図面において破線矢印で概略的に示されている。
【0097】
吸気口11を介して吸い込まれた冷却用空気17は、供給開口33を介して、吸引される排気18の流れを有する気流案内装置16の領域に供給され得る。
【0098】
したがって、気流案内装置16は、ハウジング2に吸い込まれた新鮮な空気を有する気流を案内する、及び/又は収容スペース3から吸い込まれた排気18を有する気流を案内する機能を有する。
【0099】
2つの部分装置は部分的に重複する。特に、冷却用空気17を有する気流を制御された方法で、収容スペース3から吸引される排気18の気流に供給することが意図されている。
【0100】
ハウジング2におけるそれら気流を制御するために、換気装置は、収容スペース3からの排気18の吸引を制御する制御手段を有する。特に、制御可能な弁19が収容スペース3からの排気18の吸引を制御する制御手段として機能し得る。弁19は収容スペース3の底部において流体出口20の領域に配置されている。
【0101】
流体出口20の下流側に、収容スペース3から吸引される排気に含まれる水蒸気を凝縮する装置が配置されている。凝縮装置28は蛇行したダクトを有するダクト装置を有する。冷却水29がダクト装置内に配置されている。吸水口(新鮮水口)30が、凝縮装置28を冷却水29で満たす機能を有する。廃水ライン31が凝縮装置28を空にする機能を有する。
【0102】
給水口30及び廃水ライン31は図面において概略的にのみ示されている。それらは一緒に固定水接続部(fixed water connection)と呼ばれる。固定水接続部はまた収容スペース3を清掃するために使用され得る。この目的のために、調理装置1は特別な清掃プログラムを有し得る。これは収容スペース3の自動清掃を可能にする。
【0103】
凝縮装置28の詳細のために、例えば特許文献6を参照されたい。
【0104】
弁19は信号伝送式に中央制御装置21に接続している。中央制御装置21は、カプセル型電子機器ハウジング22内に配置されている。電子機器ハウジング22は、液密に、特に蒸気が漏れないようにカプセル化されるように設計される。電子機器ハウジング22は特に気流案内装置16に、特に冷却用空気17を案内する部分装置に配置される。よって、冷却用空気17は電子機器ハウジング22、特にそこに配置された電気構成部品及び/又は電子構成部品を冷却する機能を有する。調理装置1を制御するための全ての電気及び電子構成部品が電子機器ハウジング22に配置され得る。
【0105】
図面に示されるように、電子機器ハウジング22は収容スペース3の上、特にハウジング2の上面7の領域に配置され得る。それに代えて、電子機器ハウジング22を収容スペース3の下に、特にハウジング2の底部6の領域に可能である。これは、電気構成部品及び/又は電子構成部品の過熱に対する改善された保護をもたらす。
【0106】
換気装置は、収容スペース3への新鮮な空気の供給を制御する制御手段をさらに有する。ファンフラップ23又は弁又は一般に調整要素、特に調節可能な調整要素が、収容スペース3への新鮮な空気の供給を制御する制御手段として機能する。
【0107】
ファンフラップ23は、新鮮な空気が収容スペース3に供給されるために通る吸気開口34を閉じるために使用される。新鮮な空気は装置の背面側から収容スペース3に供給され得る。収容スペース3に供給される新鮮な空気は、ユニットの背面側から、特にガイドを用いずに供給され得る。特に、それは、吸気口11と流れ接続していない流路を介して供給され得る。収容スペース3に供給される新鮮な空気は、特に、吸気口11を通って吸引される冷却用空気17から独立している。
【0108】
収容スペース3への新鮮な空気の供給を制御する制御手段は、信号伝送式に中央制御装置21に接続している。
【0109】
収容スペース3への新鮮な空気の供給を制御する制御手段は、例えば、収容スペース3の背面側の領域に配置される。他の配置も可能である。
【0110】
加えて、換気装置は、ハウジング2に吸い込まれた冷却用空気17の気流の、収容スペース3から吸引される排気18の気流への供給を制御する少なくとも1つの制御手段を有する。この制御手段は調節可能なフラップ24として設計されると好ましい。それは弁として、特に多方向弁として、特に少なくとも2つの入口と1つの出口を有する多方向弁として設計され得る。
【0111】
閉止フラップ24は信号伝送式に中央制御装置21に接続している。
【0112】
好ましくは、換気装置の全ての制御手段は互いに直接又は間接的に結合している。それらは好ましくは、全てそれぞれ、信号伝送式に中央制御装置21に接続している。
【0113】
さらに、調理装置1、特に換気装置は、排気を浄化する手段を有する。排気を浄化する手段はフィルタモジュール25である。フィルタモジュール25は特に臭気フィルタを有する。それはまた油脂フィルタ及び/又は更なるフィルタを有してもよい。フィルタモジュール25は特に、調理装置1の正面側4の領域に配置される。特に、それは取り外し可能な正面パネル26の後に配置される。
【0114】
フィルタモジュール25は好ましくは、ハウジング2から取り外し可能である。特に、それは交換可能である。特に、フィルタモジュール25は工具を用いずにハウジング2から取り外すことができる。これはフィルタモジュール25の交換を容易化する。
【0115】
排気18と冷却用空気17の両方がフィルタモジュールを貫流するように、フィルタモジュール25は気流案内装置16に配置されている。
【0116】
フィルタモジュール25は流れ方向において電子機器ハウジング22の前に配置されている。したがって、浄化された空気が、調理装置1の操作中、特に換気装置の操作中に電子機器ハウジング22の周りを流れる。
【0117】
フィルタモジュール25は特に、流れ方向においてファン15の前に配置されている。よって、ファン15は換気装置の操作中浄化された空気に晒される。
【0118】
気流案内装置16には、ファン15によって生成される体積流量V°の温度及び/又は湿度を検出するセンサ装置35が配置され得る。センサ装置35は、例えばフィルタモジュール25の領域に配置される。それは、電子機器ハウジング22の領域に又はファン15の領域に配置されてもよい。それは好ましくはファン15の上流側に配置される。
【0119】
センサ装置35は好ましくは、供給開口33の下流側に、そこから距離を置いて配置されている。
【0120】
換気装置の詳細と、特にフィルタモジュール25の詳細は、調理装置1の他の詳細から独立して有利であり、それら自体、調理グッズを加熱する装置の改良をもたらす。
【0121】
正面パネル26は特に、1又は複数の操作要素を備えたディスプレイ及び/又は操作装置を有し得る。これは特に、接触式ディスプレイ(タッチディスプレイ)であってもよい。
【0122】
特に、ディスプレイは非常に濃く着色された前面ガラス(ブラックパネル効果)を有し得る。結局、容量キーなどの機能構成部品に隣接するディスプレイとハウジング又は隔字体タイピング(spaced typing)の間の輪郭は見えない。
【0123】
加えて、調理装置1は、収容スペース3に配置されたセンサ装置27を有する。センサ装置27は、収容スペース3における温度及び/又は湿度を検出する少なくとも1つのセンサを有する。センサ装置27は、信号伝送式に中央制御装置21に接続している。センサ装置27の援助により、特に、換気装置の制御手段の、特にファンフラップ23の及び/又は弁19の及び/又はフラップ24の、フィードバック制御が可能である。
【0124】
さらには、調理装置1は、やはり概略的にのみ示されている、収容スペース3における湿度を制御する装置32を有する。収容スペース3における湿度を制御する装置32は好ましくは固定水接続部に接続している。
【0125】
以下では、調理装置1の様々な機能及びそれを操作する方法を記載する。
【0126】
調理装置1は異なる機能モードを有する。異なる機能モードは特に、収容スペース3から吸引される排気18の、ファン15により生成される体積流量V°に対する割合が異なる。
【0127】
図1に示される第1機能モードでは、収容スペース3から吸引される排気18の、ファン15により生成される全体積流量V°に対する割合が多くても10%である。言い換えれば、この機能モードでは、ファン15は本質的にもっぱら、吸気口11を介して新鮮な空気を吸引する。新鮮な空気は気流案内装置16によって電子機器ハウジング22を通過して案内される。それは、電子機器ハウジング22を、特にそこに配置された電気/電子構成部品を冷却する機能を有する。
【0128】
この機能モードでは、収容スペース3に対してファンフラップ23は本質的に閉じている。しかしながら、それは受動的に作動され得る。これは、収容スペース3において或る負圧に達すると、それが新鮮な空気を収容スペース3に流入させ得ることを意味すると理解されたい。
【0129】
流体出口20は常に開いていてよい。それに代えて、流体出口20は第1機能モードにおいて実質的に閉じられてもよい。この場合、それは、好ましくは制御可能な弁によって、制御可能、特に調節可能である。
【0130】
例えば圧力補償のために、収容スペース3からの流体の受動的な漏出も第1機能モードにおいて可能である。比較的低い体積流量の排気18を収容スペース3の外に連続的に運ぶことも可能である。このために、収容スペース3における雰囲気の一定の連続的な循環が可能である。これは、収容スペース3における温度及び/又は湿度を検出し、制御する、特に調整するのに有利である。特に、これは調理工程の制御を改善する。
【0131】
図2に概略的に示される第2機能モードでは、収容スペース3から吸引される排気18の、ファン15により生成される全体積流量V°に対する割合は、少なくとも10%及び多くても90%である。特に、それは20%~80%の範囲であってもよい。
【0132】
この機能モードは特に、収容スペース3における蒸気含有量を減少させる機能を有する。それは特に調理装置1の熱気操作の際に有利である。
【0133】
この機能モードでは、新鮮な空気の収容スペース3への供給と、収容スペース3から吸引される排気18の気流への新鮮な空気の供給の両方が可能である。
【0134】
この機能モードでは、ファンフラップ23は開いている。特に、新鮮な空気が収容スペース3にアクティブに(活発に)供給され得る。排気もまた流体出口20を通って収容スペース3からアクティブに吸引される又は送り出される。
【0135】
この機能モードでは、調節可能なフラップ24は、吸気口11を介して吸い込まれる新鮮な空気17を排気18の気流に供給することができる位置にある。供給開口33は少なくとも部分的に開いている。
【0136】
供給開口33は調節可能なフラップ24により閉じられ得る。特に、それは調節可能なフラップ24により完全に閉じられる。この場合、冷却用空気17の排気流れへの供給が防止される。
【0137】
供給開口33はまた、調節可能なフラップ24により部分的に閉じられ得る。これにより、ファン15によって生成される体積流量における冷却用空気17の割合を調整することができる。
【0138】
したがって、ファン15によって生成される体積流量V°における排気18の割合が調節可能なフラップ24の援助により調整される。
【0139】
図3に示される第3機能モードでは、収容スペースから吸引される排気18の、ファン15によって生成される体積流量V°に対する割合は少なくとも90%である。
【0140】
このモードは収容スペース3を素早く空にする機能を有する。特に、それは収容スペース3における蒸気含有量の素早い減少を可能にする。特に、それは収容スペース3における雰囲気の素早い冷却を可能にする。
【0141】
これは最後の調理工程を正確に制御するのに特に有利である。
【0142】
これは、ドア9が収容スペース3に対して開いているときに多量の熱蒸気が漏れることを防止するためにさらに有利である。
【0143】
この機能モードでは、収容スペース3から吸引される排気18の気流に対する新鮮な空気の供給、特に直接的な供給が防止される。供給開口33は調節可能なフラップ24により完全に閉じられている。
【0144】
場合によっては、ファン15による収容スペース3からの排気の吸引が、この機能モードにおいて付加的な手段によって支援されてもよい。例えば、より強い体積流量を生成するために1又は複数の付加的なファンが設けられ得る。収容スペース3から流体をアクティブに除去することも可能である。この目的のために、流体、特に排気含有蒸気が収容スペース3から送り出され得る。これは例えば図面に示していないポンプの援助により実行され得る。
【0145】
収容スペース3における雰囲気の素早い交換はまた、新鮮な空気を収容スペース3にアクティブに導入することで支援され得る。新鮮な空気は、特に吸気開口34を介して収容スペース3に供給され得る。
【0146】
この機能モードでは、冷却用空気17の、排気18の体積流量への直接的な供給が防止される。これにより、排気が収容スペース3からより素早く吸い出される。他方で、これは吸引される冷却用空気17の冷却機能を妨げる。ゆえに、数秒から数分の範囲の所定の最大期間の間のみ第3機能モードをそれぞれ可能にすることができる。特に、最大期間は、3秒~3分の範囲、特に2分までの範囲、特に1分までの範囲、特に30秒までの範囲、特に20秒までの範囲、特に10秒までの範囲であってもよい。次に、調節可能なフラップ24の強制的な開きが行われ得る。特に、少なくとも、フィルタモジュール25の領域における、特にセンサ装置35の領域における体積流量の温度及び/又は湿度が所定値に到達するまで、この状態は企図される。
【0147】
以下では、調理装置1又はその操作の更なる詳細をキーワードで記載する。
【0148】
調節可能なフラップ24の援助により、どんな混合比の新鮮な空気17と排気18がフィルタモジュール25を通過するかを特に制御可能である。これがフィルタモジュール25を通過する流体の温度及び相対湿度を制御できることが判明した。これは排気流れの効率的な浄化のために有益である。
【0149】
フィルタモジュール25の援助により、収容スペース3から吸引される排気18は浄化され得る。特に、それは油脂分及び/又は臭気分及び/又はそこに含まれる粒子分を浄化され得る。
【0150】
換気装置の様々な制御手段の適切な作動によって、収容スペース3内の雰囲気と冷却空気流れが本質的に互いに独立して制御され得る。本発明によれば、単一の共通のファン15のみがこの目的のために必要となる。
【0151】
収容スペース3からの蒸気含有排気の素早い吸引は、収容スペース3が装置の正面で開けられたときに熱蒸気含有排気が漏れるのを防止することができる。これは装置の操作を改善する。
【0152】
フィルタモジュール25の援助による排気18の絶え間ない浄化によって、調理工程中の臭気の迷惑が減少され、特に防がれる。これは、キッチンにおける空気品質の又は一般にリビングルームにおける空気品質の改善をもたらす。
【0153】
制御手段、特に調節可能なフラップ24及び/又はファンフラップ23及び/又は弁19はモーター制御され得る。これは中央制御装置21の援助により特に柔軟な制御を可能にする。
【符号の説明】
【0154】
1 調理グッズを加熱する装置
2 ハウジング
3 収容スペース
13 加熱装置
15 ファン
16 気流案内装置
17 新鮮な空気
18 排気
20 流体出口
34 吸気口
図1
図2
図3
【手続補正書】
【提出日】2021-12-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
この目的は
調理グッズを加熱する装置であって、
- 加熱すべき前記調理グッズを収容する収容スペースを取り囲むハウジングであって、
-- 前記収容スペースに調理グッズを充填するための閉鎖可能な開口、及びこれから別個に、
-- 少なくとも1つの吸気口、及び
-- 少なくとも1つの流体出口を有するハウジングと、
- 熱エネルギーを加熱すべき前記調理グッズに直接又は間接的に伝達する加熱装置と、
- 制御可能な換気装置であって、
-- 体積流量を生成する少なくとも1つのファン、
-- 前記ハウジングに吸い込まれた新鮮な空気を有する気流及び/又は前記収容スペースから吸引される排気(18)を有する気流を案内する、前記ハウジング内に前記収容スペースの外側に配置された気流案内装置、
-- 排気を浄化する少なくとも1つの手段、
-- 前記収容スペースからの排気の吸引を制御する少なくとも1つの制御手段、
-- 前記少なくとも1つの吸気口を介する前記収容スペースへの新鮮な空気の供給を制御する少なくとも1つの制御手段、
-- 前記ハウジングに吸い込まれた前記新鮮な空気の気流の、前記収容スペースから吸引される前記排気の気流への供給を制御する少なくとも1つの制御手段を有する換気装置と、を有し、
- 前記排気を浄化する手段(25)は、前記ハウジングの正面側から工具を用いずに交換可能である、装置によって達成される。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0018】
本発明に従う目的は
調理グッズを加熱する装置であって、
- 加熱すべき前記調理グッズを収容する収容スペース(3)を取り囲むハウジング(2)であって、
2.1.1 前記収容スペース(3)に調理グッズを充填するための閉鎖可能な開口(8)、及びこれから別個に、
2.1.2 少なくとも1つの吸気口(34)、及び
2.1.3 少なくとも1つの排気口(12)を有するハウジング(2)と、
2.2 熱エネルギーを加熱すべき前記調理グッズに直接又は間接的に伝達する加熱装置(13)と、
2.3 制御可能な換気装置であって、
2.3.1 少なくとも1つのファン(15)、
2.3.2 前記ハウジング(2)に吸い込まれた新鮮な空気(17)を有する気流及び/又は前記収容スペース(3)から吸引される排気(18)を有する気流を案内する、前記ハウジング(2)内に前記収容スペース(3)の外側に配置された気流案内装置(16)、
2.3.3 前記収容スペース(3)からの排気の吸引を制御する少なくとも1つの制御手段、
2.3.4 前記少なくとも1つの吸気口(34)を介する前記収容スペース(3)への新鮮な空気の供給を制御する少なくとも1つの制御手段(23)、
2.3.5 前記ハウジング(2)に吸い込まれた前記新鮮な空気(17)の気流の、前記収容スペース(3)から吸引される前記排気(18)の気流への供給を制御する少なくとも1つの制御手段(24)を有する換気装置と、を有する、装置によってさらに達成される。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0116
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0116】
フィルタモジュール25は流れ方向において電子機器ハウジング22の上流に配置されている。したがって、浄化された空気が、調理装置1の操作中、特に換気装置の操作中に電子機器ハウジング22の周りを流れる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0117
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0117】
フィルタモジュール25は特に、流れ方向においてファン15の上流に配置されている。よって、ファン15は換気装置の操作中浄化された空気に晒される。
【手続補正5】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
調理グッズを加熱する装置(1)であって、
1.1 加熱すべき前記調理グッズを収容する収容スペース(3)を取り囲むハウジング(2)であって、
1.1.1 前記収容スペース(3)に調理グッズを充填するための閉鎖可能な開口(8)、及びこれから別個に、
1.1.2 少なくとも1つの吸気口(34)、及び
1.1.3 少なくとも1つの流体出口(20)を有するハウジング(2)と、
1.2 熱エネルギーを加熱すべき前記調理グッズに直接又は間接的に伝達する加熱装置(13)と、
1.3 制御可能な換気装置であって、
1.3.1 体積流量(V°)を生成する少なくとも1つのファン(15)、
1.3.2 前記ハウジング(2)に吸い込まれた新鮮な空気(17)を有する気流及び/又は前記収容スペース(3)から吸引される排気(18)を有する気流を案内する、前記ハウジング(2)内に前記収容スペース(3)の外側に配置された気流案内装置(16)、
1.3.3 排気(18)を浄化する少なくとも1つの手段(25)、
1.3.4 前記収容スペース(3)からの排気の吸引を制御する少なくとも1つの制御手段(19)、
1.3.5 前記少なくとも1つの吸気口(34)を介する前記収容スペース(3)への新鮮な空気の供給を制御する少なくとも1つの制御手段(23)、
1.3.6 前記ハウジング(2)に吸い込まれた前記新鮮な空気(17)の気流の、前記収容スペース(3)から吸引される前記排気(18)の気流への供給を制御する少なくとも1つの制御手段(24)を有する換気装置と、を有し、
1.4 前記排気を浄化する手段(25)は、前記ハウジング(2)の正面側から工具を用いずに交換可能である、装置(1)。
【請求項2】
前記換気装置は少なくとも3つの異なる機能モード:
2.4.1 前記収容スペース(3)へのアクティブな新鮮な空気の供給が本質的に防止される第1機能モード、
2.4.2 前記収容スペース(3)への新鮮な空気の供給と、前記収容スペース(3)から吸引される前記排気(18)の気流への新鮮な空気の供給の両方が可能である第2機能モード、
2.4.3 前記収容スペース(3)から吸引される前記排気(18)の気流への新鮮な空気(17)の供給が防止される第3機能モード、を可能とする、ことを特徴とする請求項1に記載の装置(1)。
【請求項3】
前記制御手段(19,23,24)のうちの1つ又は複数が無段調節可能である、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の装置(1)。
【請求項4】
前記制御手段(19,23,24)のうちの2以上が互いに直接又は間接的に結合している、ことを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の装置(1)。
【請求項5】
前記制御手段(19,23,24)のうちの1つ又は複数が調整可能なアクチュエータを有する、ことを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の装置(1)。
【請求項6】
前記排気を浄化する手段(25)が、少なくとも1つの臭気フィルタを備えた少なくとも1つのフィルタモジュールを有する、請求項1~5のいずれか一項に記載の装置(1)。
【請求項7】
気流方向に前記ファン(15)の上流に前記気流案内装置(16)内に配置された、排気を浄化する手段(25)を有する、ことを特徴とする請求項1~のいずれか一項に記載の装置(1)。
【請求項8】
前記フィルタモジュールの上流の流路に、バイパスフラップ、バイパス弁又はバイパススライドが配置され、それにより別な流路が開閉され得る、ことを特徴とする請求項1~7のいずれか一項に記載の装置(1)。
【請求項9】
前記フィルタモジュールを通る流路と平行な別な流路が設置されている、ことを特徴とする請求項1~8のいずれか一項に記載の装置(1)。
【請求項10】
前記少なくとも1つの吸気口(34)を介する前記収容スペース(3)への新鮮な空気の供給を制御する前記制御手段(23)が、信号伝送式に前記収容スペース(3)内のセンサ装置(27)と結合している、ことを特徴とする請求項1~のいずれか一項に記載の装置(1)。
【請求項11】
前記収容スペース(3)から吸引される前記排気(18)に含まれる水蒸気を凝縮する装置(28)が、前記収容スペース(3)の前記流体出口(20)の出口側に配置されている、ことを特徴とする請求項1~10のいずれか一項に記載の装置(1)。
【請求項12】
前記ファンが1m/h~200m/hの範囲の体積流量を生成するように制御可能である、ことを特徴とする請求項1~11のいずれか一項に記載の装置(1)。
【請求項13】
前記収容スペース(3)に調理グッズを充填するための開口(8)を閉鎖するドア(9)が、信号伝送式に、1又は複数のパラメータに依存して前記ドア(9)の開放を許可する又は防止するロック装置に結合している、ことを特徴とする請求項1~12のいずれか一項に記載の装置(1)。
【請求項14】
調理グッズを加熱する装置(1)を操作する方法であって、以下のステップ:
14.1 調理グッズを加熱する装置に、
14.1.1 収容スペース(3)に加熱すべき調理グッズを充填するための閉鎖可能な開口(8)を有する収容スペース(3)、及び
14.1.2 前記収容スペース(3)からの排気の吸引を制御する少なくとも1つの制御手段(19)を有する制御可能な換気装置を備えるステップ、
14.2 前記収容スペース(3)における前記調理グッズを加熱するステップ、
14.3 前記収容スペース(3)から排気を吸引するステップを有し、
14.4 前記収容スペース(3)からの排気の吸引を、前記収容スペース(3)における温度及び/又は湿度に関するセンサデータに依存する及び/又は所定の操作プロトコルに依存する制御された方法で実行する方法。
【請求項15】
ロック装置が解除された後でのみ、前記収容スペース(3)の開放が可能になる、ことを特徴とする請求項14に記載の方法。
【国際調査報告】