(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-15
(54)【発明の名称】溶着ユニット
(51)【国際特許分類】
B29C 65/20 20060101AFI20220608BHJP
B65B 51/14 20060101ALI20220608BHJP
【FI】
B29C65/20
B65B51/14
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021560666
(86)(22)【出願日】2020-04-09
(85)【翻訳文提出日】2021-11-29
(86)【国際出願番号】 EP2020060290
(87)【国際公開番号】W WO2020208211
(87)【国際公開日】2020-10-15
(31)【優先権主張番号】102019109686.3
(32)【優先日】2019-04-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519378436
【氏名又は名称】クロサック アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】フライ クリスチャン
(72)【発明者】
【氏名】ユート レモ
(72)【発明者】
【氏名】キルガ マルセル
【テーマコード(参考)】
3E094
4F211
【Fターム(参考)】
3E094AA12
3E094BA01
3E094BA04
3E094CA06
3E094CA12
3E094CA15
3E094DA08
3E094EA20
3E094HA20
4F211AD12
4F211AG07
4F211AH54
4F211AH63
4F211TA01
4F211TC17
4F211TD11
4F211TJ13
4F211TJ15
4F211TN03
4F211TQ01
(57)【要約】
フィルムチューブの熱溶着のための、特に無水トイレ用の溶着ユニット(1)が提案される。互いに相対移動可能な少なくとも2つの溶着手段(2、2a)がフィルムチューブの熱溶着のために備えられる。各溶着手段(2、2a)は、少なくとも1つのジョイント配置部(3、3a)によって移動可能に構成される。少なくとも1つのジョイント配置部(3、3a)は、少なくとも1つの関節レバー(4、4a~4e)を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィルムチューブの熱溶着のための、特に無水トイレ用の溶着ユニット(1,1a)であって、フィルムチューブの熱溶着のために互いに相対移動可能な少なくとも2つの溶着手段(2,2a)を備え、
各溶着手段(2、2a)は少なくとも1つのジョイント配置部(3、3a)によって移動可能に構成され、前記少なくとも1つのジョイント配置部(3、3a)は、少なくとも1つの関節レバー(4、4a~4e)を備えることを特徴とする、溶着ユニット。
【請求項2】
請求項1に記載の溶着ユニット(1、1a)であって、各ジョイント配置部(3、3a)は移動の目的のために少なくとも1つの電気駆動部(5、5a)を備える、溶着ユニット。
【請求項3】
請求項2に記載の溶着ユニット(1、1a)であって、前記ジョイント配置部(3、3a)は各々、少なくとも1つの歯車(6、6a~6f)によって前記電気駆動部(5、5a)に動作可能に接続される、溶着ユニット。
【請求項4】
先行する請求項のいずれか一項に記載の溶着ユニット(1、1a)であって、前記溶着手段(2、2a)を案内するために、少なくとも1つの溝付きガイド(8、8a)を好ましくは備える、少なくとも1つのガイド手段(7、7a)を備える、溶着ユニット。
【請求項5】
先行する請求項のいずれか一項に記載の溶着ユニット(1、1a)であって、互いに鏡面対称に配置される2つのジョイント配置部(3、3a)が存在し、各ジョイント配置部(3、3a)は、少なくとも2つ、好ましくは3つの関節レバー(4、4a~4e)を備え、各ジョイント配置部(3、3a)の前記関節レバー(4、4a~4e)は、いずれも共通シャフト(9、9a)上に配置される、溶着ユニット。
【請求項6】
請求項1~5のいずれか一項に記載の溶着ユニット(1、1a)であって、溶着される、及び/又は、溶着されたフィルムチューブを搬送するために搬送配置部(10)を備え、前記搬送配置部は、前記溶着手段(2、2a)の上、又は前記溶着手段(2、2a)の下、又は前記溶着手段(2、2a)の両側(上及び下)にて前記フィルムチューブの経路に少なくとも部分的に配置される、溶着ユニット。
【請求項7】
請求項6に記載の溶着ユニット(1、1a)であって、好ましくは前記ジョイント配置部、特に前記関節レバーはオフセット方式で前記搬送手段を動かし、好ましくは前記溶着手段を追跡するように、及び/又は前記溶着手段から切り離されるように動かす、溶着ユニット。
【請求項8】
請求項7に記載の溶着ユニット(1、1a)であって、前記搬送配置部(10)は2つの部分からなる設計であり、第1の搬送手段(11)と第2の搬送手段(12)とを備え、前記第1の搬送手段(11)は少なくとも1つのローラ要素(13~13c)を備え、前記第2の搬送手段(12)は少なくとも1つのローラ要素(13d~13g)を備え、前記第1の搬送手段(11)及び前記第2の搬送手段(12)は、前記フィルムチューブを移動させるために、少なくとも1つの電気駆動部(5、5a)、好ましくは2つの電気駆動部によって互いに相対移動可能である、溶着ユニット。
【請求項9】
請求項6~8のいずれか一項に記載の溶着ユニット(1、1a)であって、各搬送手段(11、12)は複数の、好ましくは2つから6つの、互いに離間したローラ要素(13~13g)を備える、溶着ユニット。
【請求項10】
請求項8に記載の溶着ユニット(1、1a)であって、前記第1の搬送手段(11)及び前記第2の搬送手段(12)はそれぞれ、少なくとも1つの歯車(20、20a)によって各電気駆動部(5、5a)に動作可能に接続され、各1つの電気駆動部(5、5a)は、各ジョイント配置部(3、3a)に好ましくは動作可能に接続される、溶着ユニット。
【請求項11】
請求項6~10のいずれか一項に記載の溶着ユニット(1、1a)であって、各搬送手段(11、12)はいずれも、少なくとも1つの角度付保持手段(14、14a)を備え、前記搬送手段(11、12)の前記角度付保持手段(14、14a)は互いに鏡面対称に配置される、溶着ユニット。
【請求項12】
請求項5及び請求項11に記載の溶着ユニット(1、1a)であって、前記第1の搬送手段(11)及び前記第2の搬送手段(12)は、前記ガイド手段(7、7a)に沿って移動可能であるようにそれぞれ配置され、前記ガイド手段(7、7a)は略ダンベル形状の構成を有し、中心部(16、16a)と比較してそのそれぞれの終端部(15、15a、15b、15c)がより大きな高さ(17、17a)を有する、溶着ユニット。
【請求項13】
先行する請求項のいずれか一項に記載の溶着ユニット(1、1a)であって、少なくとも1つのばね手段(24、24a、24b、24c)を備え、前記少なくとも1つのばね手段は、溶着作業の間、前記フィルムチューブへの接触圧力を生成するため、少なくとも1つの溶着手段(2、2a)に動作可能に接続され、前記少なくとも1つのばね手段(24、24a、24b、24c)は好ましくは引張ばね、又は圧縮ばねとして構成される、溶着ユニット。
【請求項14】
先行する請求項のいずれか一項に記載の溶着ユニット(1、1a)であって、少なくとも2つのばね手段(24、24a、24b、24c)を備え、各溶着手段(2、2a)は、溶着作業の間、前記フィルムチューブに接触圧力を生成するため、前記少なくとも2つのばね手段(24、24a、24b、24c)のうちの少なくとも1つに動作可能に接続され、前記少なくとも2つのばね手段は、類似又は異なる種類のばね手段として構成される、溶着ユニット。
【請求項15】
先行する請求項のいずれか一項に記載の溶着ユニット(1、1a)であって、前記ジョイント配置部(3、3a)と、前記ジョイント配置部(3、3a)を移動するための手段と、好ましくは、前記ガイド手段(7、7a)とは、前記ジョイント配置部(3、3a)が189度よりも小さい角度まで伸長され得るように、特に前記ジョイント配置部(3、3a)の死点を超えることが抑止されるように、互いに調整される、溶着ユニット。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、請求項1のプリアンブルの記載に係るフィルムチューブの熱溶着、特に無水トイレのための溶着ユニットに関し、請求項12に記載の無水トイレに関する。
無水トイレと、対応するフィルムチューブを溶着するための無水トイレ用の溶着ユニットは、従来技術からすでに公知である。スイス国特許第581462号明細書は、保管庫から引き出されたチューブを案内する一対の拡張フィンガーがチューブ保管庫に割り当てられたシステムを開示している。
【0002】
ここで特に不利な点は、公知の溶着ユニットは、溶着手段の形状が直線的であり、その結果、溶着顎部を非常にゆっくりとしか合わせられないことである。それに応じて、排泄物で満たされた無水トイレのフィルムチューブの溶着が遅くなる。加えて、溶着後、溶着バーからフィルムを除去するのは難しく、最悪の場合には、次のバッグに溶着してしまうこともある。
【0003】
本発明の目的は、フィルムチューブの溶着を確実かつ迅速に行うことが可能な、特に無水トイレ用の溶着ユニットを提供することである。
本発明はフィルムチューブの熱溶着のための溶着ユニット、特に無水トイレ用の溶着ユニットであって、フィルムチューブの熱溶着のために、互いに相対移動可能な少なくとも2つの溶着手段を備える、溶着ユニットに基づく。
【0004】
本目的を達成するために、本発明にとって重要な提案は、各溶着手段が少なくとも1つのジョイント配置部によって移動可能に構成され、少なくとも1つのジョイント配置部が少なくとも1つの関節レバーを備えることである。
【0005】
溶着手段のこの非直線的な動きにより、溶着手段をより素早く動かすことができ、このためフィルムチューブをより速く溶着することができる。関節レバーに溶着手段を配置した結果、ルート短縮につながり、より速い動きとなることが理解できる。
【0006】
関節レバー、特にトグルジョイント方式では、関節レバーが180度を囲む、いわゆる死点に到達するまでレバージョイントを伸ばすと、前述の関節レバーは、端位置を制御しつつ速い動きを実行することができる特性を有する。
【0007】
本発明の有利な改良において、溶着手段を移動させるため、各ジョイント配置部は少なくとも1つの電気駆動部を備えてもよい。
これにより、シンプルな構造で溶着手段の動きを直接制御したり、自動化したりすることができる。電気モーターはダイレクトドライブとして、特に同期ダイレクトドライブとして、又は、追加的に歯車機構及び伝達装置を介して接続されてもよく、その結果、移動に必要な力を達成できるようにする。
【0008】
本発明の更に有利な改良において、各ジョイント配置部は、少なくとも1つの歯車によって電気駆動部に動作可能に接続されてもよい。
これにより関節レバーを介して溶着手段に効率的に動力を伝達することができる。その結果、特に、フィルムチューブを確実に溶着することができる。さらに、歯車により、駆動部の出力軸の変速比を直接昇降させることができ、さらに、駆動列の噛み合わせによりコンパクトな設計が可能となる。
【0009】
対象の溶着手段による溶着結果をさらに改良するため、本発明の更に非常に有利な改良において、溶着手段を案内するために、好ましくは少なくとも1つの溝付きガイドを備える、少なくとも1つのガイド手段を備えてもよい。
【0010】
溝付きガイドは、可動要素を正確に、特に側面で案内し、そうでなければジョイント配置部に横向きの力として作用し得る力を吸収できる。これにより、プロセスの信頼性と、配置の安定性とが向上する。
【0011】
互いに鏡面対称に配置される2つのジョイント配置部が存在し、各ジョイント配置部は、少なくとも2つ、好ましくは3つの関節レバーを備え、各ジョイント配置部の関節レバーは、いずれも共通シャフト上に配置されるという、本発明の発展形により、特に良好な溶着結果を成し遂げることができる。
【0012】
配置が対称であることにより、配置の中央領域において溶着プロセスが確実に実施可能である。これにより、とりわけ溶着手段の移動距離を短縮することもでき、プロセスの速度が速くなる。
【0013】
フィルムチューブの効率的な搬送を可能にするため、本発明の更なる改良においては、溶着される、及び/又は、溶着されたフィルムチューブを搬送するための搬送配置部を備えてもよい。
【0014】
この場合、搬送配置部は、溶着手段の上、又は溶着手段の下、又は溶着手段の両側(上及び下)に、フィルムチューブの経路に少なくとも部分的に配置されることが好ましい。
【0015】
特に、フィルムチューブの下に搬送配置部を配置すると、又は少なくともフィルムチューブの下に搬送手段を取り付けると、溶着プロセス終了後に溶着顎部が後退することができ、溶着顎部の上及び/又は下の搬送手段が、所定の位置にフィルムチューブを保持するという利点がある。これにより、フィルムがこれらから剥ぎ取られるため、溶着手段への付着を妨げる。
【0016】
この目的のために、ジョイント配置部、特に関節レバーはさらに、オフセット方式で搬送手段を動かし、好ましくは溶着手段を追跡するように、及び/又は溶着手段から切り離されるように搬送手段を動かすように対策される。
【0017】
フィルムチューブの搬送をさらに向上させるために、本発明のさらに有利な改良において、搬送配置部が2つの部分からなる設計であり、第1の搬送手段と第2の搬送手段とを備え、第1の搬送手段は少なくとも1つのローラ要素を備え、第2の搬送手段は少なくとも1つのローラ要素を備え、第1の搬送手段及び第2の搬送手段は、フィルムチューブを移動させるために、少なくとも1つの電気駆動部、好ましくは2つの電気駆動部によって互いに相対移動可能であってもよい。
【0018】
互いに分離した搬送手段は、フィルムチューブを均一、相互に握持でき、例えばよじれや重なった層がある場合に、速度、誘導性、及び信頼性に関して搬送を改良できる。
【0019】
フィルムチューブの搬送は、複数の、好ましくは2つから6つの、互いに離間したローラ要素をそれぞれ備えた搬送手段によって更に改良できる。
ローラ要素は、フィルムチューブに充分な表面粘着性を与え、搬送されたフィルムチューブのシステムは、ローラ要素の間に自由で、弛緩した領域を形成することができる。これにより、搬送の間、プロセスの信頼性を高めることができる。
【0020】
本発明の1つの改良として、第1の搬送手段及び第2の搬送手段はそれぞれ、少なくとも1つの歯車によって各電気駆動部に動作可能に接続され、各1つの電気駆動部は、各ジョイント配置部に好ましくは動作可能に接続されてもよい。これにより、搬送手段に効率的に動力を伝達することができ、その結果、信頼性の高いフィルムチューブの搬送が可能になる。
【0021】
1つの有利な改良において、各搬送手段はいずれも、少なくとも1つの角度付保持手段を備え、搬送手段の角度付保持手段は互いに関して鏡面対称に配置されてもよい。このようにすると、2つの搬送手段の間に拡張スペースが得られる。これにより、排泄物に対してフィルムチューブの受容容量に有利な効果が得られ、ユーザーにとっての使い勝手の良さを向上させることもできる。
【0022】
さらにまた、本発明の1つの有利な改良において、第1の搬送手段及び第2の搬送手段は、ガイド手段に沿って移動可能であるようにそれぞれ配置され、ガイド手段は略ダンベル形状の構成を有し、中心部と比較してそのそれぞれの終端部がより大きな高さを有してもよい。
【0023】
これにより、各搬送ユニットをいわば追い出すことができ、その結果、2つの搬送手段の間に拡張スペースが得られる。これにより、排泄物に対してフィルムチューブの受容容量に有利な効果が得られ、ユーザーにとっての使い勝手の良さを向上させることも可能となる。
【0024】
本発明の発展形において、本発明は少なくとも1つのばね手段を備え、少なくとも1つのばね手段は、フィルムチューブへの接触圧力を生成するため、少なくとも1つの溶着手段に動作可能に接続されてもよい。
【0025】
ばね手段を使用することにより、溶着プロセス中のフィルムチューブへの接触圧力が、関節レバーそれ自体ではなく、ばね作用によって達成、及び/又は支持される状況を実現できる。その結果、例えば、特に死点を超えて関節レバーを伸ばし過ぎる必要がなく、又は、必ずしも駆動部により接触圧力を適用及び保持しなくてもよい。これにより、駆動部の寸法を決めるときに、経費削減が可能である。
【0026】
ばね作用のおかげでさらに向上した、フィルムチューブへの溶着手段の接触圧力により、溶着結果が顕著に改善できる。
少なくとも2つのばね手段を備え、各溶着手段は、フィルムチューブに接触圧力を生成するため、少なくとも2つのばね手段のうちの少なくとも1つに動作可能に接続され、少なくとも2つのばね手段は、類似又は異なる種類のばね手段として構成されるという点で、溶着結果はさらに改善できる。このようにして、力作用の対称性を向上することができる。
【0027】
溶着結果の改善に関して、少なくとも1つのばね手段が引張ばねとして、又は、圧縮ばねとして構成される場合も有利である。
本発明は、無水トイレにも関し、無水トイレはフィルムチューブを閉じる溶着ユニットを備え、溶着ユニットは請求項1~11のうちの1つに記載の構成を備える。
【0028】
このようなトイレは特に、排泄物で満たされたフィルムチューブが迅速に、かつ確実に溶着されるという特徴を有する。
フィルムチューブを閉じるための溶着ユニットを備えた無水トイレも特許請求するものであり、溶着ユニットは前述の請求項の1つとして構成され、特に前述の実施形態の1つに従い、構成される。
【図面の簡単な説明】
【0029】
以下、図面を参照しつつ、本発明をより詳細に説明する。
【
図1】本発明による溶着ユニットの詳細を非常に簡略化した概略図を示す。
【
図2】
図1に示す溶着ユニットの発展形を非常に簡略化した概略図を示す。
【
図3】異なる位置にある、
図2に示す溶着ユニットを示す。
【
図4a】第1の位置における、本発明による溶着ユニットの非常に簡略化した模式的側面図を示す。
【
図4b】第2の位置における、本発明による溶着ユニットの非常に簡略化した模式的側面図を示す。
【
図4c】第3の位置における、本発明による溶着ユニットの非常に簡略化した模式的側面図を示す。
【
図4d】第4の位置における、本発明による溶着ユニットの非常に簡略化した模式的側面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0030】
図1は、本発明による溶着ユニット1の詳細を非常に簡略化した概略図を示す。より良好な理解のために、正面から見た側18は、開いた状態にされている。ガイド手段7aは、好ましくは
図2に対応して配置される。
【0031】
図1に示す溶着ユニット1は、休止位置とみなすことができる位置にある。
フィルムチューブを溶着する際の順序は、
図4aから
図4dにより詳細に参照することができる。
【0032】
図1の溶着ユニット1は、フィルムチューブを熱溶着するため、特に無水トイレ(図示せず)に設けられ、互いに相対移動可能な2つの溶着手段2、2aがフィルムチューブの熱溶着のために備えられる。
【0033】
各溶着手段2、2aは、ジョイント配置部3、3aにより移動可能に構成され、少なくとも1つのジョイント配置部3、3aは、少なくとも1つの関節レバー4、4a~4eを備える。
【0034】
本願において、各ジョイント配置部3、3aは、複数の、例えば3つの関節レバー4、4a~4eを備える。
各ジョイント配置部3、3aは、移動の目的のために電気駆動部5、5aを備える(
図2及び
図3を参照)。
【0035】
溶着ユニット1は、任意にフレーム19を備えることができる。簡略化して図示するため、そのようなフレームは
図2に示さないが、対応する方法により備えることができる。
【0036】
図2に示す溶着ユニット1aの改良において、搬送配置部10が追加的に備えられる。この搬送配置部10は、溶着される、及び/又は、溶着されたフィルムチューブを移動させるために設けられる。フィルムチューブは、より詳細には図示しない。
【0037】
例示的実施形態(
図2)による搬送配置部10は、2つの部分からなる設計であり、第1の搬送手段11と第2の搬送手段12とを備える。この場合、第1の搬送手段11はローラ要素13~13cを備え、第2の搬送手段12はローラ要素13d~13gを備える。第1の搬送手段11及び第2の搬送手段12は、フィルムチューブ(より詳細には図示しない)を移動させるため、各電気駆動部5、5a、すなわち2つの電気駆動部によって互いに相対移動可能である。この相対移動は
図3でも確認でき、
図3において搬送手段11、12は、いわば、合わせられた状態で示されている。
【0038】
図2、又は
図3による溶着ユニット1aの実施形態において、搬送手段11、12は、互いに離間する複数のローラ要素13~13gをそれぞれ備える。
第1の搬送手段11及び第2の搬送手段12は、歯車20、20a(例えば、
図1、
図4aを参照)により、各電気駆動部5、5a(例えば、
図2を参照)にそれぞれ動作可能に接続される。各1つの電気駆動部5、5aは、対応する歯車配置を介して各ジョイント配置部3、3aに、動作可能に接続される。
【0039】
さらに、各搬送手段11、12はいずれも、角度付保持手段14、14aを備える。搬送手段11、12の角度付保持手段14、14a(例えば、
図3を参照)は、互いに鏡面対称に配置される。
【0040】
図1又は
図2による例示的実施形態において、第1の搬送手段11及び第2の搬送手段12は、ガイド手段7、7aに沿って移動可能であるように、それぞれ配置される。ガイド手段7、7aは、略ダンベル形状の構成であり、中心部16、16aと比較して、各終端部15、15a、15b、15cにおいてより大きな高さ17、17aを有する(
図4aも参照)。
【0041】
図2を参照すると、複数の歯車6、6a~6eが備えられる。歯車6、6a~6eの主な目的は、フィルムチューブを搬送することである。搬送手段11、12が移動方向21、21a(
図3及び
図4aも参照)に沿って合わせられる際、歯車はかみ合い、フィルム又はフィルムチューブを搬送する回転運動が対向するローラ、すなわち搬送ユニットに伝達される。
【0042】
従って、本発明の特に有利な改良において、1つの搬送手段11、12ごとに駆動部が1つだけ設けられてもよい。これは、溶着ユニット1、1aの構造を大幅に簡略化できることを意味する。
【0043】
フィルムが溶着手段2、2aに付着することがあっても、歯車によりフィルムを離す引張力も保証される。
複数の歯車6、6a~6eを図示するが、本発明の1つの改良において、歯車の数は4つでもよい。これらの歯車は、一対が上(すなわち頂部側22)で一対が下(すなわち底部側23)となるよう、片側のみに設けられてもよい。
【0044】
図1及び
図2に示す改良に対応して、溶着ユニット1、1aは、溶着手段2、2aを案内するガイド手段7、7aを備える。ガイド手段7、7aはそれぞれ、溝付きガイド8、8aを備える(例えば、
図2及び
図4aを参照)。
【0045】
溶着ユニット1、1aによって排泄物で満たされたフィルムチューブ(図示せず)を溶着するために、溶着手段2、2a(例えば、
図4aを参照)はいずれも溶着手段2、2aが合わせられるまで(
図4d)、移動方向21、21aに沿って互いに相対的に移動される。フィルムチューブの熱溶着は、この合わせられた位置において達成され得る。
図4dを参照すると、対向する溶着手段2、2aの関節レバー4及び4aの関節点が直線上にないため、関節レバーは関節レバーの死点の直前まで延伸されていることがわかる。死点では接触圧力が最大となるため、死点又は死点を超えて移動させると、システムにおいて突然の衝撃が起こる程のノイズの原因となる。これは不快であるか、又は故障であると認識される可能性がある。
【0046】
本願では、溶着手段2、2aの移動は直線的に行われず、ジョイント配置部(
図1を参照)が備える関節レバー4、4a(例えば、
図4a~
図4dを参照)によって行われる。
【0047】
溶着手段2、2aの関節的な動きにより、直線的な動きと比べて溶着手段2、2aの移動経路を減少又は加速できる。このため、フィルムチューブを閉じるための溶着作業は、適宜加速できる。
【0048】
この間接的な動きを、搬送配置部10(
図2を参照)にも設けることができる。前述の利点が同様にあてはまる。
更なる可能性において(詳細は図示しない)、本発明の範囲内において、ジョイント配置部又は対応する関節レバーは、死点を超えて動作可能に構成されるか、又はそれぞれの死点を超えて動作するよう構成されてもよい。
【0049】
図3は、ばね手段24、24a、24b、24cを備えることを示す。ばね手段は、フィルムチューブ(図示せず)への接触圧力を生成するために、溶着手段2、2aに動作可能に接続される。
【0050】
溶着ユニット1は対称の構造であるため、ばね手段は両方の溶着手段に作用する。
ばね手段は、歯車20、20aの軸26、26a(例えば、
図4a、
図4b、
図4c、
図4dを参照)を介して溶着手段に動作可能に接続されてもよい。
【0051】
追加的に、又は変形例として、ばね手段は関節レバー4(4a~4e)を介して溶着手段に動作可能に接続されてもよい。
また、詳細には図示しないが、フィルムチューブへの接触圧力を生成するために溶着手段に動作可能に接続されたばね手段を1つだけ備えてもよい。
【0052】
ばね手段24、24a、24b、24cは、引張ばね又は圧縮ばね(図示せず)として設計されてもよい。
複数のばね手段が存在してもよく、ばね手段は引張ばね及び圧縮ばね(図示せず)として実施されてもよい。
【0053】
図3に示す例示的実施形態において、複数のばね手段24、24a、24b、24cが備えられる。この場合、各溶着手段は、ばね手段に動作可能に接続される。簡略化された図のため、構成要素25のばね手段24、24a(
図3)及び構成要素25aのばね手段24b、24c(
図3)のみ示す。これらのばね手段は、溶着手段2に動作可能に接続される(この点に関して
図1を参照)。しかし、更なるばね手段(例示せず)が可能であり、特に鏡面対称に配置された構成要素25、25a、及び、特に溶着手段2にも設けられてもよい。
【0054】
例示的実施形態において、ばね手段24、24a、24b、24cは、類似のばね手段として構成される。詳細に図示しないが、例えば圧縮ばねや引張ばね等の様々な種類のばね手段を用いてもよい。
【符号の説明】
【0055】
1 溶着ユニット、1a 溶着ユニット、2 溶着手段、2a 溶着手段、3 ジョイント配置部、3a ジョイント配置部、4 関節レバー、4a 関節レバー、4b 関節レバー、4c 関節レバー、4d 関節レバー、4e 関節レバー、5 駆動部、5a 駆動部、6 歯車、6a 歯車、6b 歯車、6c 歯車、6d 歯車、6e 歯車、6f 歯車、7 ガイド手段、7a ガイド手段、8 溝付きガイド、8a 溝付きガイド、9 シャフト、9a シャフト、10 搬送配置部、11 第1の搬送手段、12 第2の搬送手段、13 ローラ要素、13a ローラ要素、13b ローラ要素、13c ローラ要素、13d ローラ要素、13e ローラ要素、13f ローラ要素、13g ローラ要素、14 保持手段、14a 保持手段、15 終端部、15a 終端部、15b 終端部、15c 終端部、16 中心部、16a 中心部、17 高さ、17a 高さ、18 正面から見た側、19 フレーム、20 歯車、20a 歯車、21 移動方向、21a 移動方向、22 頂部側、23 底部側、24 ばね手段、24a ばね手段、24b ばね手段、24c ばね手段、25 構成要素、25a 構成要素、26 軸、26a 軸
【手続補正書】
【提出日】2022-04-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィルムチューブの熱溶着のため
の溶着ユニット(1,1a)であって、フィルムチューブの熱溶着のために互いに相対移動可能な少なくとも2つの溶着手段(2,2a)を備え、
各溶着手段(2、2a)は少なくとも1つのジョイント配置部(3、3a)によって移動可能に構成され、前記少なくとも1つのジョイント配置部(3、3a)は、少なくとも1つの関節レバー(4、4a~4e)を備えることを特徴とする、溶着ユニット。
【請求項2】
請求項1に記載の溶着ユニット(1、1a)であって、各ジョイント配置部(3、3a)は移動の目的のために少なくとも1つの電気駆動部(5、5a)を備える、溶着ユニット。
【請求項3】
請求項2に記載の溶着ユニット(1、1a)であって、前記ジョイント配置部(3、3a)は各々、少なくとも1つの歯車(6、6a~6f)によって前記電気駆動部(5、5a)に動作可能に接続される、溶着ユニット。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか一項に記載の溶着ユニット(1、1a)であって、前記溶着手段(2、2a)を案内するために、少なくとも1つの溝付きガイド(8、8a)を
備える、少なくとも1つのガイド手段(7、7a)を備える、溶着ユニット。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか一項に記載の溶着ユニット(1、1a)であって、互いに鏡面対称に配置される2つのジョイント配置部(3、3a)が存在し、各ジョイント配置部(3、3a)は、少なくとも2
つの関節レバー(4、4a~4e)を備え、各ジョイント配置部(3、3a)の前記関節レバー(4、4a~4e)は、いずれも共通シャフト(9、9a)上に配置される、溶着ユニット。
【請求項6】
請求項5に記載の溶着ユニット(1、1a)であって、
前記各ジョイント配置部(3、3a)は、3つの関節レバー(4、4a~4e)を備える、溶着ユニット。
【請求項7】
請求項1~
6のいずれか一項に記載の溶着ユニット(1、1a)であって、溶着される、及び/又は、溶着されたフィルムチューブを搬送するために搬送配置部(10)を備え、前記搬送配置部は、前記溶着手段(2、2a)の上、又は前記溶着手段(2、2a)の下、又は前記溶着手段(2、2a)の両側(上及び下)にて前記フィルムチューブの経路に少なくとも部分的に配置される、溶着ユニット。
【請求項8】
請求項
7に記載の溶着ユニット(1、1a)であって
、前記ジョイント配置部
の前記関節レバーはオフセット方式で
搬送手段(11、12)を動かし
、前記溶着手段を追跡するように、及び/又は前記溶着手段から切り離されるように動かす、溶着ユニット。
【請求項9】
請求項
8に記載の溶着ユニット(1、1a)であって、前記搬送配置部(10)は2つの部分からなる設計であり、第1の搬送手段(11)と第2の搬送手段(12)とを備え、前記第1の搬送手段(11)は少なくとも1つのローラ要素(13~13c)を備え、前記第2の搬送手段(12)は少なくとも1つのローラ要素(13d~13g)を備え、前記第1の搬送手段(11)及び前記第2の搬送手段(12)は、前記フィルムチューブを移動させるために、少なくとも1つの電気駆動部(5、5a
)によって互いに相対移動可能である、溶着ユニット。
【請求項10】
請求項9に記載の溶着ユニット(1、1a)であって、
前記第1の搬送手段(11)及び前記第2の搬送手段(12)は、2つの電気駆動部(5、5a)によって互いに相対移動可能である、溶着ユニット。
【請求項11】
請求項
9又は請求項10に記載の溶着ユニット(1、1a)であって、各搬送手段(11、12)は複数
の、互いに離間したローラ要素(13~13g)を備える、溶着ユニット。
【請求項12】
請求項11に記載の溶着ユニット(1、1a)であって、
各搬送手段(11、12)は2つから6つの、互いに離間したローラ要素(13~13g)を備える、溶着ユニット。
【請求項13】
請求項9~12のいずれか一項に記載の溶着ユニット(1、1a)であって、前記第1の搬送手段(11)及び前記第2の搬送手段(12)はそれぞれ、少なくとも1つの歯車(20、20a)によって各電気駆動部(5、5a)に動作可能に接続され、各1つの電気駆動部(5、5a)は、各ジョイント配置部(3、3a)
に動作可能に接続される、溶着ユニット。
【請求項14】
請求項
9~13のいずれか一項に記載の溶着ユニット(1、1a)であって、各搬送手段(11、12)はいずれも、少なくとも1つの角度付保持手段(14、14a)を備え、前記搬送手段(11、12)の前記角度付保持手段(14、14a)は互いに鏡面対称に配置される、溶着ユニット。
【請求項15】
請求項
4を引用する、請求項9~14のいずれか一項に記載の溶着ユニット(1、1a)であって、前記第1の搬送手段(11)及び前記第2の搬送手段(12)は、前記ガイド手段(7、7a)に沿って移動可能であるようにそれぞれ配置され、前記ガイド手段(7、7a)は略ダンベル形状の構成を有し、中心部(16、16a)と比較してそのそれぞれの終端部(15、15a、15b、15c)がより大きな高さ(17、17a)を有する、溶着ユニット。
【請求項16】
請求項1~15のいずれか一項に記載の溶着ユニット(1、1a)であって、少なくとも1つのばね手段(24、24a、24b、24c)を備え、前記少なくとも1つのばね手段は、溶着作業の間、前記フィルムチューブへの接触圧力を生成するため、少なくとも1つの溶着手段(2、2a)に動作可能に接続され、前記少なくとも1つのばね手段(24、24a、24b、24c)
は引張ばね、又は圧縮ばねとして構成される、溶着ユニット。
【請求項17】
請求項1~16のいずれか一項に記載の溶着ユニット(1、1a)であって、少なくとも2つのばね手段(24、24a、24b、24c)を備え、各溶着手段(2、2a)は、溶着作業の間、前記フィルムチューブに接触圧力を生成するため、前記少なくとも2つのばね手段(24、24a、24b、24c)のうちの少なくとも1つに動作可能に接続され、前記少なくとも2つのばね手段は、類似又は異なる種類のばね手段として構成される、溶着ユニット。
【請求項18】
請求項1~17のいずれか一項に記載の溶着ユニット(1、1a)であって、前記ジョイント配置部(3、3a)と、前記ジョイント配置部(3、3a)を移動するための手段と
、前記ガイド手段(7、7a)とは、前記ジョイント配置部(3、3a)が189度よりも小さい角度まで伸長され得るように、
かつ前記ジョイント配置部(3、3a)の死点を超えることが抑止されるように、互いに調整される、溶着ユニット。
【国際調査報告】