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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-15
(54)【発明の名称】自己矯正針アセンブリ
(51)【国際特許分類】
   A61B 34/30 20160101AFI20220608BHJP
   A61B 17/34 20060101ALI20220608BHJP
【FI】
A61B34/30
A61B17/34
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021560702
(86)(22)【出願日】2020-04-07
(85)【翻訳文提出日】2021-12-08
(86)【国際出願番号】 IL2020050427
(87)【国際公開番号】W WO2020208634
(87)【国際公開日】2020-10-15
(31)【優先権主張番号】265963
(32)【優先日】2019-04-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IL
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.JAVA
2.SMALLTALK
(71)【出願人】
【識別番号】521446783
【氏名又は名称】タマル ロボティクス リミテッド
【氏名又は名称原語表記】TAMAR ROBOTICS LTD
【住所又は居所原語表記】1st Street, Building No. 3, Kibbutz Yagur, Israel
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】特許業務法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シュテンデル トム
(72)【発明者】
【氏名】ジソ ハダス
(72)【発明者】
【氏名】ハシドフ ノーム
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160FF45
4C160FF47
4C160NN07
(57)【要約】
システムは、外科的処置を実施するために、脳、体組織、または体腔内に挿入され、操作されるように構成された針アセンブリを備える。針アセンブリは、ロボット制御され、モータ駆動される同心カニューレを備える。曲げるために、例えば、内側カニューレを曲げるように構成された引っ張りワイヤ、または調整可能な自然な湾曲を有するカニューレが提供されてもよい。内側カニューレの屈曲部を通過する可撓性の内側要素は自己矯正に作られ、組織を通って前進するときに、その意図された経路からの変位に対する感受性を最小限にする。自己矯正内部要素は例えば、超弾性管、形状記憶合金管、スロット付き管、密にコイル状に巻かれた記憶合金ばね、ばねによって予め装填されたケーブルを引っ張ることによって一緒に保持される円形リンク、および内側カニューレを張るために装填されたばねを介して接続されたケーブルを有するノッチ付き内部カニューレの少なくとも1つを備える。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科的処置において組織を通って案内される延伸のための針アセンブリあって、
剛性の真っ直ぐな外側の第1のカニューレと、
前記剛性の真っ直ぐな外側の第1のカニューレを通り、延伸するように適応された第2のカニューレであって、その長さの少なくとも一部に沿って横方向スロットを有し、前記スロットは、前記第2のカニューレの円周壁の大部分を横切って延伸する、第2のカニューレと、
前記第2のカニューレのスロット付き壁に沿って、前記第2のカニューレ内に配置され、前記第2のカニューレの遠位端領域に取り付けられたワイヤであって、前記ワイヤが張力下にあるときに、前記第2のカニューレの前記延伸部分の前記スロットの隣接する側面が互いに当接し、前記スロットの前記側面の当接が前記第2のカニューレの既知の曲率角度を画定するまで、前記第2のカニューレを屈曲させるように適応された、ワイヤと、
前記第2のカニューレ内に配置された自己矯正内側要素であって、前記第2のカニューレが屈曲しているときでも、前記第2のカニューレを通過するが、前記第2のカニューレを出た後にその真っ直ぐな形成をとるような可撓性を有する、自己矯正内側要素と、を備える、針アセンブリ。
【請求項2】
前記ワイヤは、前記ワイヤと前記第2のカニューレの近位点上の固定点との間に接続されたばねの手段によって引っ張られる、請求項1に記載の針アセンブリ。
【請求項3】
前記スロット付き壁に沿った中間位置に配置され、それによって前記ワイヤを前記スロット付き壁に沿った位置に維持するように適合された保持装置をさらに備える、請求項1に記載の針アセンブリ。
【請求項4】
前記第1のカニューレ、前記第2のカニューレ、および前記内側要素のいずれかは、延伸および回転運動のうちの少なくとも1つを提供するようにロボット制御される、請求項1~3のいずれか一項に記載の針アセンブリ。
【請求項5】
前記針アセンブリは、前記内側要素の先端が標的領域に到達できるように、手術前計画にしたがってロボット制御される、請求項1~4のいずれか一項に記載の針アセンブリ。
【請求項6】
前記組織を通る前記第2のカニューレの延伸は、前記第2のカニューレの既知の曲率角度によって設定された軌道をトレースするように適応され、前記組織への損傷が最小化される、請求項1~5のいずれか一項に記載の針アセンブリ。
【請求項7】
前記針アセンブリは外科用ツールを運ぶように適合され、前記外科用ツールは、吸引器、ドリル、焼灼器、針、カメラ、および組織切除器のうちの1つである、請求項1~6のいずれか一項に記載の針アセンブリ。
【請求項8】
コントローラは、前記第2のカニューレの前記端領域の位置を決定するように構成される、請求項1~7のいずれか一項に記載の針アセンブリ。
【請求項9】
前記屈曲の角度は、前記スロットの幅と前記スロット間の壁の幅との間の比に依存する、請求項1に記載の針アセンブリ。
【請求項10】
前記第2のカニューレの前記遠位端の位置は、前記第1のカニューレからの前記第2のカニューレの前記延伸の程度によって決定される、請求項1~9のいずれか一項に記載の針アセンブリ。
【請求項11】
前記ワイヤは、前記第2のカニューレが横方向の力に晒されたときに、前記遠位端が変位に対して増大した抵抗を有するように、前記スロット付きの第2のカニューレに増大した剛性を提供するように適合される、請求項10に記載の針アセンブリ。
【請求項12】
コントローラは、前記自己矯正内側要素の先端の位置を決定するように構成される、請求項10に記載の針アセンブリ。
【請求項13】
前記自己矯正内側要素は、超弾性管、記憶合金管、スロット付き管、密にコイル状に巻かれた記憶合金ばね、ばねによって予め荷重をかけられたケーブルを引っ張ることによって互いに保持された円形リンク、内側カニューレを引っ張るために荷重ばねを介して接続されたケーブルを有するノッチ付き内側カニューレ、および外科用ツール、光ファイバケーブル、およびカメラを担持するかまたは備える中実要素のうちの少なくとも1つを備える、請求項1~12のいずれか一項に記載の針アセンブリ。
【請求項14】
外科的処置において組織を通って延伸するための針アセンブリであって、
剛性の真っ直ぐな外側の第1のカニューレと、
少なくとも遠位端領域が自然に湾曲した形状を有し、剛性および直径が前記外側カニューレよりも小さい、第2のカニューレであって、それによって、真っ直ぐな形状で前記剛性の真っ直ぐな外側の第1のカニューレを通るように適合される、第2のカニューレと、
前記第2のカニューレ内に配置され、前記第2のカニューレを通るように適応されている自己矯正内側要素であって、前記第2のカニューレが真っ直ぐであれ湾曲であれ前記第2のカニューレを通るが、自己矯正の形状で出るように、前記第2のカニューレよりも小さい剛性を有する、自己矯正内側要素と、を備える、針アセンブリ。
【請求項15】
前記第1のカニューレ、前記第2のカニューレ、および前記内側要素のうちの少なくとも1つの延伸および回転のうちの少なくとも1つを制御するように適合されたロボットコントローラをさらに備え、それによって、前記内側要素の遠位端領域の位置が分かる、請求項14に記載の針アセンブリ。
【請求項16】
前記組織を通る前記第2のカニューレの延伸は、前記第2のカニューレの自然に湾曲した形状によって設定される経路をたどるように適合され、それによって、前記組織への損傷が最小限に抑えられる、請求項14に記載の針アセンブリ。
【請求項17】
前記針アセンブリは外科用ツールを運ぶように適合され、前記外科用ツールは吸引器、ドリル、焼灼器、針、カメラ、および組織切除器のうちの1つである、請求項14に記載の針アセンブリ。
【請求項18】
前記第2のカニューレの前記自然に湾曲した形状および前記剛性は、前記第2のカニューレの前記遠位端の位置が前記第1のカニューレからの前記第2のカニューレの通過中の任意の時点で分かるためである、請求項14に記載の針アセンブリ。
【請求項19】
前記第2のカニューレは、超弾性特性および形状記憶のうちの少なくとも1つを有する生体適合性材料を含む、請求項14に記載の針アセンブリ。
【請求項20】
被験者の脳の標的領域で手術前計画にしたがって外科的処置を実行するためのシステムであって、
(a)コントローラを有するロボットであって、前記ロボットが前記手術前計画にしたがって前記コントローラを介して前記外科的処置を実行するように適合された、ロボットと、
(b)前記ロボットによって制御されるように適合された針アセンブリと、を備え、前記針アセンブリは、
剛性の真っ直ぐな外側カニューレと、
前記外側カニューレ内に配置され、自然に湾曲した形状および前記外側カニューレの剛性よりも小さい剛性を有し、前記真っ直ぐな外側カニューレを通過することができるようになった中央カニューレと、
前記中央カニューレ内に配置された自己矯正内側要素であって、前記自然に湾曲した中央カニューレの剛性よりも小さい剛性を有し、前記中央カニューレを通過し、前記中央カニューレを出た後にその真っ直ぐな形状を採用する自己矯正内側要素と、を備え、
前記外側カニューレ、前記中央カニューレ、および前記内側要素のうちの少なくとも1つのロボット制御された挿入は、脳組織への損傷を最小限に抑える前記標的領域への固有の指定経路を生成するように適合された、システム。
【請求項21】
手術前計画にしたがって被験者の脳の標的領域に対して外科的処置を実行するための方法であって、
(a)前記外科的処置を実行するために挿入されるツールの先端が続く前記標的領域への経路を計画するステップであって、前記経路は、前記脳の損傷に敏感な領域を回避するように構成される、計画するステップと、
(b)前記経路に沿って前記被験者の脳内にロボット制御下で延伸可能要素を挿入するステップであって、前記延伸可能要素の遠位領域は任意の延伸点において単一の既知の位置を有し、前記遠位領域は前記ツールを担持する、挿入するステップと、
(c)前記ツールの位置が前記外科的処置を通じて前記ロボットに知られるように、前記ツールを使用して前記手術前計画を実行するステップと、を含む、外科的処置を実行するための方法。
【請求項22】
前記標的領域および前記外科的処置が、人体の任意の器官または組織内にある、請求項21に記載の外科的処置を実行するための方法。
【請求項23】
外科的処置において組織を通って案内される延伸のための針アセンブリであって、
剛性の真っ直ぐな外側の第1のカニューレと、
前記剛性の真っ直ぐな外側の第1のカニューレを通って延伸するように適合された第2のカニューレと、
前記第2のカニューレの壁に沿って、前記第2のカニューレ内に配置され、前記第2のカニューレの遠位端領域に取り付けられ、ワイヤが張力下にあるときに、前記第2のカニューレを曲げるように適合された、ワイヤと、
前記第2のカニューレ内に配置された自己矯正内側要素であって、前記第2のカニューレが屈曲しているときでも、前記第2のカニューレを通過するが、前記第2のカニューレを出た後にその真っ直ぐな形成をとるような可撓性を有する、自己矯正内側要素と、を備える、針アセンブリ。
【請求項24】
前記第2のカニューレは、その長さの少なくとも一部に沿って横方向スロットを有し、
張力下にある前記ワイヤは、前記第2のカニューレの前記延伸部分内の前記スロットの隣接する側面が互いに当接するまで、前記第2のカニューレを曲げ、前記スロットの前記側面の前記当接は前記第2のカニューレの既知の曲率角度を画定する、請求項23に記載の針アセンブリ。
【請求項25】
前記スロットは、前記第2のカニューレの円周壁の大部分を横切って延伸する、請求項24に記載の針アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願]
本出願は、2019年4月10日に出願されたイスラエル特許出願第265963号からの優先権の利益を主張し、その内容は参照により全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
[発明の分野と背景]
本発明はそのいくつかの実施形態において、最小侵襲性外科的処置および診断手順において使用するためのロボットシステムの分野に関し、より詳細には、神経外科手術の分野における頭蓋内治療の実施における使用に関する。
【0003】
G. Tolkowskyらによる「医療プローブ導入器」に関する米国特許出願公開第2009/0048610号には、プローブを被験者の頭蓋組織に挿入するための手動式機械システムが記載されており、このシステムでは角度付き治療出口先端を有する直線針の使用によって、または先端が治療領域に到達するためにその外側カニューレを出る際に曲がる形状記憶合金で構成された針の使用によって、プローブの軸外ターゲットまたは治療に到達する。
【0004】
C. L. Truwitの「プローブを偏向させるための方法および装置」に関する米国特許出願公開第2004/0059260号には、可撓性針を、軸外の出口開口を有するカニューレに下方に挿入するための方法および装置であって、その結果、カニューレから出るときに、針は真っ直ぐなカニューレが到達することができる領域から軸外の領域にアクセスすることができる、方法および装置が記載されている。
【0005】
本出願と共通の発明者を有する「最小侵襲性神経外科用ロボット」に関する国際特許出願公開第WO2012/095845号には、頭蓋組織に挿入するためのカニューレ付き針を使用し、カニューレ付き針内に同軸に配置され、カニューレ付き針の軸に対して90°までの角度でカニューレ付き針から出ることができる、腫瘍のリアルタイム検出および治療のための光学的に検出可能な腫瘍マーカと組み合わせたロボット装置の使用が記載されている。カニューレ挿入針の回転は、カニューレ挿入針軸に対して方位角の任意の角度で配置された組織へのアクセスを可能にする。可撓性針は外側カニューレ内に収容され、可撓性針はロボットによって制御されて、カニューレの遠位部分内の非軸方向開口の内外への運動を提供する。針は、非軸方向開口から出て、その機械的特性を損なうことなく、ターゲット領域への開口から外へ移動し続けることを可能にする構造を有する。
【0006】
本出願と共通の発明者を有する米国特許出願公開第2014/0025088号には、磁化セグメントのチェーン、平坦化された管構造、およびテンセグリティ構造を含む、そのような機械的特性を有する多数の可能な構造が記載されている。カニューレおよび可撓性針の挿入運動および回転可能要素の回転の調整された制御は、針が脳の標的領域にアクセスすることを可能にする。
【0007】
本明細書のこのセクションおよび他のセクションで言及される各刊行物の開示は、それぞれその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許出願公開第2009/0048610号
【特許文献2】米国特許出願公開第2004/0059260号
【特許文献3】国際特許出願公開第WO2012/095845号
【特許文献4】米国特許出願公開第2014/0025088号
【特許文献5】米国特許出願公開第2018/0014885号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示のいくつかの実施形態の態様によれば、外科的処置において組織を通って案内される延伸のための針アセンブリあって、剛性の真っ直ぐな外側の第1のカニューレと、剛性の真っ直ぐな外側の第1のカニューレを通り、延伸するように適応された第2のカニューレであって、その長さの少なくとも一部に沿って横方向スロットを有し、スロットは、第2のカニューレの円周壁の大部分を横切って延伸する、第2のカニューレと、第2のカニューレのスロット付き壁に沿って、第2のカニューレ内に配置され、第2のカニューレの遠位端領域に取り付けられたワイヤであって、ワイヤが張力下にあるときに、第2のカニューレの延伸部分のスロットの隣接する側面が互いに当接し、スロットの側面の当接が前記第2のカニューレの既知の曲率角度を画定するまで、第2のカニューレを屈曲させるように適応された、ワイヤと、第2のカニューレ内に配置された自己矯正(self-straightening)内側要素であって、第2のカニューレが屈曲しているときでも、第2のカニューレを通過するが、第2のカニューレを出た後にその真っ直ぐな形成をとるような可撓性を有する、自己矯正内側要素と、を備える、針アセンブリ、を提供する。
【0010】
本発明のいくつかの実施形態によれば、ワイヤは、ワイヤと第2のカニューレの近位点上の固定点との間に接続されたばねの手段によって引っ張られる。
【0011】
本開示のいくつかの実施形態によれば、スロット付き壁に沿った中間位置に配置され、それによってワイヤをスロット付き壁に沿った位置に維持するように適合された保持装置をさらに備える。
【0012】
本開示のいくつかの実施形態によれば、第1のカニューレ、第2のカニューレ、および内側要素のいずれかは、延伸および回転運動のうちの少なくとも1つを提供するようにロボット制御される。
【0013】
本開示のいくつかの実施形態によれば、針アセンブリは、内側要素の先端が標的領域に到達できるように、手術前計画にしたがってロボット制御される。
【0014】
本開示のいくつかの実施形態によれば、組織を通る第2のカニューレの延伸は、第2のカニューレの既知の曲率角度によって設定された軌道をトレースするように適応され、組織への損傷が最小化される。
【0015】
本開示のいくつかの実施形態によれば、針アセンブリは外科用ツールを運ぶように適合され、外科用ツールは、吸引器、ドリル、焼灼器、針、カメラ、および組織切除器のうちの1つである。
【0016】
本開示のいくつかの実施形態によれば、コントローラが、第2のカニューレの端領域の位置を決定するように構成される。
【0017】
本開示のいくつかの実施形態によれば、屈曲の角度は、スロットの幅とスロット間の壁の幅との間の比に依存する。
【0018】
本開示のいくつかの実施形態によれば、第2のカニューレの遠位端の位置は、第1のカニューレからの第2のカニューレの延伸の程度によって決定される。
【0019】
本開示のいくつかの実施形態によれば、ワイヤは、第2のカニューレが横方向の力に晒されたときに、遠位端が変位に対して増大した抵抗を有するように、スロット付きの第2のカニューレに増大した剛性を提供するように適合される。
【0020】
本開示のいくつかの実施形態によれば、コントローラは、自己矯正内側要素の先端の位置を決定するように構成される。
【0021】
本開示のいくつかの実施形態によれば、自己矯正内側要素は、超弾性管、記憶合金管、スロット付き管、密にコイル状に巻かれた記憶合金ばね、ばねによって予め荷重をかけられたケーブルを引っ張ることによって互いに保持された円形リンク、内側カニューレを引っ張るために荷重ばねを介して接続されたケーブルを有するノッチ付き内側カニューレ、および外科用ツール、光ファイバケーブル、およびカメラを担持するかまたは備える中実要素のうちの少なくとも1つを備える。
【0022】
本開示のいくつかの実施形態の態様によれば、外科的処置において組織を通って延伸するための針アセンブリであって、剛性の真っ直ぐな外側の第1のカニューレと、少なくとも遠位端領域が自然に湾曲した形状を有し、剛性および直径が外側カニューレよりも小さい、第2のカニューレであって、それによって、真っ直ぐな形状で剛性の真っ直ぐな外側の第1のカニューレを通るように適合される、第2のカニューレと、第2のカニューレ内に配置され、第2のカニューレを通るように適応されている自己矯正内側要素であって、第2のカニューレが真っ直ぐであれ湾曲であれ第2のカニューレを通るが、自己矯正の形状で出るように、第2のカニューレよりも小さい剛性を有する、自己矯正内側要素と、を備える、針アセンブリ、を提供する。
【0023】
本開示のいくつかの実施形態によれば、第1のカニューレ、第2のカニューレ、および内側要素のうちの少なくとも1つの延伸および回転のうちの少なくとも1つを制御するように適合されたロボットコントローラをさらに備え、それによって、内側要素の遠位端領域の位置が分かる。
【0024】
本開示のいくつかの実施形態によれば、組織を通る第2のカニューレの延伸は、第2のカニューレの自然に湾曲した形状によって設定される経路をたどるように適合され、それによって、組織への損傷が最小限に抑えられる。
【0025】
本開示のいくつかの実施形態によれば、針アセンブリは外科用ツールを運ぶように適合され、外科用ツールは吸引器、ドリル、焼灼器、針、カメラ、および組織切除器のうちの1つである。
【0026】
本開示のいくつかの実施形態によれば、第2のカニューレの自然に湾曲した形状および剛性は、第2のカニューレの遠位端の位置が第1のカニューレからの第2のカニューレの通過中の任意の時点で分かるためである。
【0027】
本開示のいくつかの実施形態によれば、第2のカニューレは、超弾性特性および形状記憶のうちの少なくとも1つを有する生体適合性材料を含む。
【0028】
本開示のいくつかの実施形態の態様によれば、被験者の脳の標的領域で手術前計画にしたがって外科的処置を実行するためのシステムであって、(a)コントローラを有するロボットであって、ロボットが手術前計画にしたがってコントローラを介して外科的処置を実行するように適合された、ロボットと、(b)ロボットによって制御されるように適合された針アセンブリと、を備え、針アセンブリは、剛性の真っ直ぐな外側カニューレと、外側カニューレ内に配置され、自然に湾曲した形状および外側カニューレの剛性よりも小さい剛性を有し、真っ直ぐな外側カニューレを通過することができるようになった中央カニューレと、中央カニューレ内に配置された自己矯正内側要素であって、自然に湾曲した中央カニューレの剛性よりも小さい剛性を有し、中央カニューレを通過し、中央カニューレを出た後にその真っ直ぐな形状を採用する自己矯正内側要素と、を備え、外側カニューレ、中央カニューレ、および内側要素のうちの少なくとも1つのロボット制御された挿入は、脳組織への損傷を最小限に抑える標的領域への固有の指定経路を生成するように適合された、システムが提供される。
【0029】
本開示のいくつかの実施形態の態様によれば、手術前計画にしたがって被験者の脳の標的領域に対して外科的処置を実行するための方法であって、(a)外科的処置を実行するために挿入されるツールの先端が続く標的領域への経路を計画するステップであって、経路は、脳の損傷に敏感な領域を回避するように構成される、計画するステップと、(b)経路に沿って被験者の脳内にロボット制御下で延伸可能要素を挿入するステップであって、延伸可能要素の遠位領域は任意の延伸点において単一の既知の位置を有し、遠位領域はツールを担持する、挿入するステップと、(c)ツールの位置が外科的処置を通じてロボットに知られるように、ツールを使用して手術前計画を実行するステップと、を含む、外科的処置を実行するための方法、が提供される。
【0030】
本開示のいくつかの実施形態によれば、標的領域および外科的処置が、人体の任意の器官または組織内にある。
【0031】
本開示のいくつかの実施形態の態様によれば、外科的処置において組織を通って案内される延伸のための針アセンブリであって、剛性の真っ直ぐな外側の第1のカニューレと、剛性の真っ直ぐな外側の第1のカニューレを通って延伸するように適合された第2のカニューレと、第2のカニューレの壁に沿って、第2のカニューレ内に配置され、第2のカニューレの遠位端領域に取り付けられ、ワイヤが張力下にあるときに、第2のカニューレを曲げるように適合された、ワイヤと、第2のカニューレ内に配置された自己矯正内側要素であって、第2のカニューレが屈曲しているときでも、第2のカニューレを通過するが、第2のカニューレを出た後にその真っ直ぐな形成をとるような可撓性を有する、自己矯正内側要素と、を備える、針アセンブリを提供する。
【0032】
本開示のいくつかの実施形態によれば、第2のカニューレは、その長さの少なくとも一部に沿って横方向スロットを有し、張力下にあるワイヤは、第2のカニューレの延伸部分内のスロットの隣接する側面が互いに当接するまで、第2のカニューレを曲げ、スロットの側面の当接は第2のカニューレの既知の曲率角度を画定する。
【0033】
本開示のいくつかの実施形態によれば、スロットは、第2のカニューレの円周壁の大部分を横切って延伸する。
【0034】
別段の定義がない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および/または科学用語は、本開示が関係する当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書に記載されるものと類似または同等の方法および材料を、本開示の実施形態の実施または試験において使用することができるが、例示的な方法および/または材料を以下に記載する。矛盾する場合には、定義を含む特許明細書が優先する。さらに、材料、方法、および実施例は、例示にすぎず、必ずしも限定することを意図するものではない。
【0035】
当業者によって理解されるように、本開示の態様は、システム、方法、またはコンピュータプログラム製品として具現化され得る。したがって、本開示の態様は全体的にハードウェアの実施形態、全体的にソフトウェアの実施形態(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコードなどを含む)、または本明細書ではすべて一般に「回路」、「モジュール」、または「システム」と呼ばれることがあるソフトウェアおよびハードウェアの態様を組み合わせた実施形態の形態をとることができる(たとえば、方法は「コンピュータ回路」を使用して実装されることがある)。さらに、本開示のいくつかの実施形態は、コンピュータ可読プログラムコードが具現化された1つまたは複数のコンピュータ可読媒体に具現化されたコンピュータプログラム製品の形態をとることができる。本開示のいくつかの実施形態の方法および/またはシステムの実装は、選択されたタスクを手動で、自動的に、またはそれらの組合せで実行および/または完了することを含むことができる。さらに、本開示の方法および/またはシステムのいくつかの実施形態の実際の計装および機器によれば、いくつかの選択されたタスクは、ハードウェア、ソフトウェア、またはファームウェア、および/またはそれらの組合せによって、たとえばオペレーティングシステムを使用して実装することができる。
【0036】
例えば、本開示のいくつかの実施形態による、選択されたタスクを実行するためのハードウェアは、チップまたは回路として実装することができる。ソフトウェアとして、本開示のいくつかの実施形態による選択されたタスクは、任意の適切なオペレーティングシステムを使用してコンピュータによって実行される複数のソフトウェア命令として実装することができる。本開示のいくつかの実施形態では、方法および/またはシステムで実行される1つまたは複数のタスクが複数の命令を実行するためのコンピューティングプラットフォームなどのデータプロセッサ(デジタルビットのグループを使用して動作するデータプロセッサに関して、本明細書では「デジタルプロセッサ」とも呼ばれる)によって実行される。任意選択で、データプロセッサは、命令および/またはデータを記憶するための揮発性メモリ、および/または命令および/またはデータを記憶するための、磁気ハードディスクおよび/またはリムーバブルメディアなどの不揮発性記憶装置を含む。任意選択で、ネットワーク接続も同様に提供される。ディスプレイおよび/またはキーボードやマウスなどのユーザ入力装置も、オプションで提供される。これらの実装のいずれも、本明細書では、より一般的にはコンピュータ回路のインスタンスと呼ばれる。
【0037】
本開示のいくつかの実施形態では、1つまたは複数のコンピュータ可読媒体の任意の組合せを利用することができる。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ可読信号媒体またはコンピュータ可読記憶媒体であってもよい。コンピュータ可読記憶媒体は例えば、電子、磁気、光学、電磁気、赤外線、または半導体のシステム、装置、または装置、あるいは前述のもの任意の適切な組合せとすることができるが、これらに限定されない。コンピュータ可読記憶媒体のより具体的な例(非網羅的なリスト)は、以下を含む:1つ以上のワイヤ、携帯用コンピュータディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ、読出し専用メモリ、消去可能プログラマブル読出し専用メモリ、光ファイバ、携帯用コンパクトディスク読出し専用メモリ、光記憶装置、磁気記憶装置、または前述の任意の適切な組み合わせを有する電気的接続。本開示の文脈では、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体が命令実行システム、装置、または装置によって、またはそれに関連して使用するためのプログラムを含む、またはそれを記憶することができる、任意の有形媒体であってもよい。コンピュータ可読記憶媒体はまた、例えば、コンピュータ可読記憶媒体によって記録される方法で構造化されたデータなどの、そのようなプログラムによって使用されるための情報を含むか、または記憶することができ、その結果、コンピュータプログラムは例えば、1つ以上のテーブル、リスト、アレイ、データツリー、および/または別のデータ構造として、それにアクセスすることができる。ここで、デジタルビットのグループとして検索可能な形式でデータを記録するコンピュータ可読記憶媒体は、デジタルメモリとも呼ばれる。本質的に読み取り専用ではないコンピュータ読み取り可能記憶媒体の場合、および/または読み取り専用状態の場合、コンピュータ読み取り可能記憶媒体は、ある実施形態ではコンピュータ書き込み可能記憶媒体としても任意に使用されることが理解されるべきである。
【0038】
ここで、データプロセッサは命令および/またはデータをそこから受信し、それらを処理し、および/または処理結果を同一または別のコンピュータ可読記憶メモリに記憶するためにコンピュータ可読メモリに結合されている限り、データ処理動作を実行するように「構成されている」と言われる。実行される処理(任意選択でデータに対して)は、命令によって指定される。処理の動作は追加的にまたは代替的に、1つ以上の他の用語、例えば、比較、推定、決定、計算、識別、関連付け、記憶、分析、選択、および/または変換によって参照されてもよい。例えば、ある実施形態では、デジタルプロセッサがデジタルメモリから命令およびデータを受信し、命令にしたがってデータを処理し、および/または処理結果をデジタルメモリに格納する。いくつかの実施形態では、処理結果を「提供する」ことは処理結果を送信すること、記憶すること、および/または提示することのうちの1つまたは複数を含む。提示は、任意選択で、ディスプレイ上に表示すること、音で示すこと、プリントアウト上に印刷すること、または他の方法で、人間の感覚能力にアクセス可能な形態で結果を与えることを含む。
【0039】
コンピュータ可読信号媒体は例えば、ベースバンドで、または搬送波の一部として、コンピュータ可読プログラムコードが組み込まれた伝搬データ信号を含むことができる。そのような伝播信号は電磁、光学、またはそれらの任意の適切な組み合わせを含むが、それらに限定されない、任意の様々な形態をとることができる。コンピュータ読み取り可能な信号媒体はコンピュータ読み取り可能な記憶媒体ではなく、命令実行システム、装置、または装置によって、またはそれに関連して使用するために、プログラムを通信、伝播、または移送することができる、任意のコンピュータ読み取り可能な媒体であってもよい。
【0040】
コンピュータ可読媒体上に具現化されたプログラムコードおよび/またはそれによって使用されるデータは、無線、有線、光ファイバケーブル、RFなど、または前述のもの任意の適切な組合せを含むがこれらに限定されない、任意の適切な媒体を使用して送信され得る。
【0041】
本開示のいくつかの実施形態のための動作を実行するためのコンピュータプログラムコードは、Java、Smalltalk、C++などのオブジェクト指向プログラミング言語、および「C」プログラミング言語または同様のプログラミング言語などの従来の手続き型プログラミング言語を含む、1つ以上のプログラミング言語の任意の組み合わせで書くことができる。プログラムコードは、ユーザのコンピュータ上で、部分的にはユーザのコンピュータ上で、スタンドアロン・ソフトウェア・パッケージとして、部分的にはユーザのコンピュータ上で、部分的にはリモート・コンピュータ上で、または全体的にはリモート・コンピュータまたはサーバ上で、ユーザのコンピュータ上で実行されてもよい。後者のシナリオでは、遠隔コンピュータがローカルエリアネットワーク(LAN)または広域ネットワーク(WAN)を含む任意のタイプのネットワークを介してユーザのコンピュータに接続されてもよく、または(例えば、インターネットサービスプロバイダを使用してインターネットを介して)外部コンピュータに接続されてもよい。
【0042】
本開示のいくつかの実施形態は、本開示の実施形態による方法、装置(システム)、およびコンピュータプログラム製品のフローチャート図および/またはブロック図を参照して以下に説明され得る。フローチャート図および/またはブロック図の各ブロック、ならびにフローチャート図および/またはブロック図のブロックの組合せは、コンピュータプログラム命令によって実施できることを理解されたい。これらのコンピュータプログラム命令は、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、または他のプログラマブルデータ処理装置のプロセッサに提供されて、コンピュータまたは他のプログラマブルデータ処理装置のプロセッサを介して実行される命令がフローチャートおよび/またはブロック図の1つまたは複数のブロックで指定された機能/動作を実施するための手段を作成するように、マシンを生成することができる。
【0043】
これらのコンピュータプログラム命令は、コンピュータ、他のプログラマブルデータ処理装置、または他の装置に特定の方法で機能するように指示することができるコンピュータ可読媒体に格納することもでき、その結果、コンピュータ可読媒体に格納された命令は、フローチャートおよび/またはブロック図の1つまたは複数のブロックで指定された機能/動作を実施する命令を含む製造品を生成する。
【0044】
コンピュータプログラム命令はまた、コンピュータ、他のプログラマブルデータ処理装置、または他の装置にロードされて、一連の動作ステップがコンピュータ、他のプログラマブル装置、または他の装置上で実行されて、コンピュータまたは他のプログラマブル装置上で実行される命令がフローチャートおよび/またはブロック図の1つまたは複数のブロックで指定された機能/動作を実装するためのプロセスを提供するように、コンピュータ実装プロセスを生成することも可能である。
【0045】
本明細書で説明される方法のいくつかは、一般に、コンピュータによる使用のためにのみ設計され、人間の専門家によって純粋に手動で実行するためには実現可能ではないか、または実用的ではない場合がある。医療従事者のような同様のタスクを手動で実行したい人間の専門家は例えば、人間の脳の専門知識および/またはパターン認識能力を利用して、完全に異なる方法を使用することが期待され、これは、本明細書に記載される方法のステップを手動で実行するよりもはるかに効率的である。
【図面の簡単な説明】
【0046】
本発明のいくつかの実施形態は、添付の図面を参照して、例示としてのみ説明される。ここで図面を詳細に参照すると、示された特定事項は例示であり、本発明の実施形態の説明を目的としたものであることが強調される。これに関連して、図面を用いた説明は、本発明の実施形態がどのように実施され得るかを当業者に明らかにするものである。
図1A】本開示のいくつかの実施形態による、可撓性スコープの両側に配向された2つの角形成引張ワイヤを有する先行技術の内視鏡を示し、引張ワイヤの所与の移動によって2つの位置のいずれかをどのように画定することができるかを示す。
図1B】本開示のいくつかの実施形態による、可撓性スコープの両側に配向された2つの角形成引張ワイヤを有する先行技術の内視鏡を示し、引張ワイヤの所与の移動によって2つの位置のいずれかをどのように画定することができるかを示す。
図1C】本開示のいくつかの実施形態による、可撓性スコープの両側に配向された2つの角形成引張ワイヤを有する先行技術の内視鏡を示し、引張ワイヤの所与の移動によって2つの位置のいずれかをどのように画定することができるかを示す。
図1D】本開示のいくつかの実施形態による、可撓性スコープの両側に配向された2つの角形成引張ワイヤを有する先行技術の内視鏡を示し、引張ワイヤの所与の移動によって2つの位置のいずれかをどのように画定することができるかを示す。
図2A】本開示のいくつかの実施形態による、従来技術の操作セグメントトラックにおける不正確な操作機構の効果を示す。
図2B】本開示のいくつかの実施形態による、従来技術の操作セグメントトラックにおける不正確な操作機構の効果を示す。
図2C】本開示のいくつかの実施形態による、従来技術の操作セグメントトラックにおける不正確な操作機構の効果を示す。
図3A】本開示のいくつかの実施形態による、先端の正確な位置が外側のカニューレの内側の張力をかけられた内側カニューレによってどのように画定されるかを示す、本発明の概念を図示する。
図3B】本開示のいくつかの実施形態による、先端の正確な位置が外側のカニューレの内側の張力をかけられた内側カニューレによってどのように画定されるかを示す、本発明の概念を図示する。
図3C】本開示のいくつかの実施形態による、先端の正確な位置が外側のカニューレの内側の張力をかけられた内側カニューレによってどのように画定されるかを示す、本発明の概念を図示する。
図4A】本開示のいくつかの実施形態による、現在開示されている操作可能かつ自己矯正針の3つのカニューレ、および機構が動作する様式を示す。
図4B】本開示のいくつかの実施形態による、現在開示されている操作可能かつ自己矯正針の3つのカニューレ、および機構が動作する様式を示す。
図4C】本開示のいくつかの実施形態による、現在開示されている操作可能かつ自己矯正針の3つのカニューレ、および機構が動作する様式を示す。
図4D】本開示のいくつかの実施形態による、現在開示されている操作可能かつ自己矯正針の3つのカニューレ、および機構が動作する様式を示す。
図4E】本開示のいくつかの実施形態による、現在開示されている操作可能かつ自己矯正針の3つのカニューレ、および機構が動作する様式を示す。
図4F】本開示のいくつかの実施形態による、現在開示されている操作可能かつ自己矯正針の3つのカニューレ、および機構が動作する様式を示す。
図4G】本開示のいくつかの実施形態による、現在開示されている操作可能かつ自己矯正針の3つのカニューレ、および機構が動作する様式を示す。
図4H】本開示のいくつかの実施形態による、現在開示されている操作可能かつ自己矯正針の3つのカニューレ、および機構が動作する様式を示す。
図5-01-09】本開示のいくつかの実施形態による、操作可能な針が腫瘍または他の病変を除去するように動作する様式のうちの1つを示す。
図5-10-14】本開示のいくつかの実施形態による、操作可能な針が腫瘍または他の病変を除去するように動作する様式のうちの1つを示す。
図5-15-17】本開示のいくつかの実施形態による、操作可能な針が腫瘍または他の病変を除去するように動作する様式のうちの1つを示す。
図6】本開示のいくつかの実施形態による、操作可能な針がロボットおよびコントローラシステムによって制御される様式を示す。
図7A】本開示のいくつかの実施形態による、操作セグメントの柔軟性および完全な制御の両方を可能にする、中央カニューレの設計を図示する。
図7B】本開示のいくつかの実施形態による、操作セグメントの柔軟性および完全な制御の両方を可能にする、中央カニューレの設計を図示する。
図7C】本開示のいくつかの実施形態による、操作セグメントの柔軟性および完全な制御の両方を可能にする、中央カニューレの設計を図示する。
図7D】本開示のいくつかの実施形態による、操作セグメントの柔軟性および完全な制御の両方を可能にする、中央カニューレの設計を図示する。
図7E】本開示のいくつかの実施形態による、操作セグメントの柔軟性および完全な制御の両方を可能にする、中央カニューレの設計を図示する。
図7F】本開示のいくつかの実施形態による、操作セグメントの柔軟性および完全な制御の両方を可能にする、中央カニューレの設計を図示する。
図7G】本開示のいくつかの実施形態による、操作セグメントの柔軟性および完全な制御の両方を可能にする、中央カニューレの設計を図示する。
図7H】本開示のいくつかの実施形態による、操作セグメントの柔軟性および完全な制御の両方を可能にする、中央カニューレの設計を図示する。
図7I】本開示のいくつかの実施形態による、操作セグメントの柔軟性および完全な制御の両方を可能にする、中央カニューレの設計を図示する。
図8A】本開示のいくつかの実施形態による、中央カニューレが正確に規定された角度で、硬い外側カニューレからどのように移動するかを示す。
図8B】本開示のいくつかの実施形態による、中央カニューレが正確に規定された角度で、硬い外側カニューレからどのように移動するかを示す。
図8C】本開示のいくつかの実施形態による、中央カニューレが正確に規定された角度で、硬い外側カニューレからどのように移動するかを示す。
図9A】本開示のいくつかの実施形態による、屈曲した中央カニューレ内からの自己矯正内側カニューレの延伸を示す。
図9B】本開示のいくつかの実施形態による、屈曲した中央カニューレ内からの自己矯正内側カニューレの延伸を示す。
図9C】本開示のいくつかの実施形態による、屈曲した中央カニューレ内からの自己矯正内側カニューレの延伸を示す。
図10A】本開示のいくつかの実施形態による、特定の可撓性を有し、屈曲可能な操作セグメントを有する自己矯正内側カニューレを作製するいくつかの手段を示す。
図10B】本開示のいくつかの実施形態による、特定の可撓性を有し、屈曲可能な操作セグメントを有する自己矯正内側カニューレを作製するいくつかの手段を示す。
図10C】本開示のいくつかの実施形態による、特定の可撓性を有し、屈曲可能な操作セグメントを有する自己矯正内側カニューレを作製するいくつかの手段を示す。
図10D】本開示のいくつかの実施形態による、特定の可撓性を有し、屈曲可能な操作セグメントを有する自己矯正内側カニューレを作製するいくつかの手段を示す。
図10E】本開示のいくつかの実施形態による、特定の可撓性を有し、屈曲可能な操作セグメントを有する自己矯正内側カニューレを作製するいくつかの手段を示す。
図10F】本開示のいくつかの実施形態による、特定の可撓性を有し、屈曲可能な操作セグメントを有する自己矯正内側カニューレを作製するいくつかの手段を示す。
図10G】本開示のいくつかの実施形態による、特定の可撓性を有し、屈曲可能な操作セグメントを有する自己矯正内側カニューレを作製するいくつかの手段を示す。
図10H】本開示のいくつかの実施形態による、特定の可撓性を有し、屈曲可能な操作セグメントを有する自己矯正内側カニューレを作製するいくつかの手段を示す。
図10I】本開示のいくつかの実施形態による、特定の可撓性を有し、屈曲可能な操作セグメントを有する自己矯正内側カニューレを作製するいくつかの手段を示す。
【発明を実施するための形態】
【0047】
本発明はそのいくつかの実施形態において、最小侵襲性外科的処置および診断手順において使用するためのロボットシステムの分野に関し、より詳細には、神経外科手術の分野における頭蓋内治療の実施での使用に関する。
【0048】
[序文]
外側カニューレを出る際に湾曲した経路を横切る形状記憶針は、頭蓋組織の処置に問題となり得るレベルの不正確さを潜在的に導入する。高い剛性を有し得る真っ直ぐな針とは異なり、針の先端は、2つの理由のために、その意図された標的への弓形経路で進行し得ない。第1に、湾曲した針の軌道は、不正確または不正確であり得る。第2に、組織密度の変化など、通過中に針に加えられる側方力が、針をその計画された経路から偏向させることがある。その結果、針の経路にたわみが生じると、針の先端がターゲットを見逃す原因となることがある。マイクロメータベースのシステムは、手術が遅く、および/または挿入の妥当な精度を達成するために外科医によって調整される設定に依存し得る。
【0049】
本開示のいくつかの実施形態では、可撓性針の材料の機械的特性、および/または可撓性針の形状は特に、針照準精度を高めるように調整される。
【0050】
2つの相反する要件が、本開示に記載されるタイプの神経外科用装置に適用され得る。第1の位置において、外側カニューレ針の外径は、好ましくは健康な脳組織に対する外傷を最小限に低減するために、可能な限り小さい。出口開口経路は、外側カニューレの外径限界内に含まれるべきであり、さもなければ、脳組織内への外側カニューレの滑らかな初期挿入を妨害するのであろう。
【0051】
さらに(および第2の位置において)、この屈曲を達成した後、可撓性針は脳組織を貫通することができるように、脳組織の異方性による横方向の力に耐えるように、必要な精度で所望の標的領域に到達するように直線状に展開するように、および、その外科的または治療的機能を実行するために必要とされるか、または脳組織を通って移動する間にその上で動作し得る任意の軸方向の力を支持するように、十分に強力であるべきである。これらの相反する要件は、システムおよび可撓性針の新規かつ発明的な構成を必要とする。
【0052】
頭蓋手術では、患者の脳組織内の腫瘍性増殖など、あらゆる組織異常の3次元的位置および範囲を決定するために、MRIまたはCTなどのいずれかの手術前画像診断法に基づく手術前治療計画が任意に使用される。次いで、手術前画像を使用して、成長に対して行われるべき外科的処置を決定することができる。
【0053】
いくつかの実施形態では、カニューレ挿入針および可撓性内側針の動きはロボット座標系が患者の頭蓋骨に、したがって手術前画像上の詳細に位置合わせされた状態で、ロボット制御される。
【0054】
標的化における潜在的な問題は、脳シフト効果、脳脊髄液(CSF)の漏出、および/または脳物質の処置またはロボットプローブの脳組織への挿入から生じる。これらの潜在的な問題は、治療位置が以前に撮像された標的組織の予想される位置のみに基づくシステムを、治療が実際にどこで行われているかが分からないので、危険な、または危険な処置にさえする。
【0055】
したがって、本発明者らは手術されている組織の動きを考慮に入れ、健康な組織を無傷のままにしながら、治療することが望まれる病変組織に対してのみ安全に治療を行うことを可能にする、ロボット制御された外科手術システムの必要性を確認した。
【0056】
[概要]
本開示のいくつかの実施形態の一態様は、組織切断、切除、または除去などの外科的処置を実行するために、脳、身体組織、またはキャビティ内に挿入され、操作される針アセンブリのためのシステムに関する。診断および治療のいずれかまたは両方の目的に適合された針アセンブリは、ロボット制御され、モータ駆動される一組の同心カニューレを備ええ、その結果、針アセンブリの先端の位置がロボット制御システムの手段によって正確に分かる。
【0057】
より具体的には、いくつかの実施形態では、針アセンブリは、その可撓性内側先端が組織を通って前進するときに任意の方向からそれに加えられる力によって、その意図された経路からの変位の影響を最小限にするように、設計される。針アセンブリは、内側カニューレ先端によって設定された軌道をたどり、それによって、周囲の脳組織に最小限の損傷を引き起こす。したがって、針先端の位置および針挿入管の軌道の両方が事前に定義され、および知られており、操作者が、挿入または外科的操作中に針によって接触されるべきでない重要な特徴を回避することを可能にする。
【0058】
いくつかの実施形態では、この新規な操作可能な針の構成要素は、以下の特徴を有する、一連の3つの同心カニューレを備える。外側カニューレは堅くて真っ直ぐであり、例えば、ステンレス鋼で構成することができる。中央カニューレは、自然な湾曲を有するように予め曲げられ得る遠位操作セグメントを有する。中央カニューレは、外側カニューレの内側に配置されたときに真っ直ぐになるように十分に可撓性であるが、その形状の記憶を保持し、外側カニューレの境界から外向きに延びたときにその自然な湾曲形状に戻る。形状記憶は、ニチノールのような形状記憶合金の材料特性から、規定された剛性の曲線形状のプラスチックばねから、部分的な切れ目を有する金属管から、または所望の程度の剛性を有し、形状記憶を有するカニューレをもたらす任意の機械的解決策から生じ得る。内側カニューレは、中央カニューレよりも可撓性の材料で構成され、より剛性の中央カニューレの湾曲した操作セグメント内に位置する場合を除いて真っ直ぐになるように構成される。中央カニューレおよび内側カニューレは、例えば、延伸または回転を引き起こすことができる外部モータによって延伸され、内側カニューレの先端が、ある範囲の深さで様々な配向に達することを可能にする。様々な角度および深さで挿入される、延伸可能な中央カニューレおよび内側カニューレの能力は、装置が中央カニューレの角度および真っ直ぐな内側カニューレの延伸の関数として延伸を変更することによって、非対称病変に到達することを可能にする。内側カニューレの先端は、中空針であるか、または外科用ツールを保持するように構成され得る。
【0059】
ここで、現在開示されている操作可能な針アセンブリのいくつかの潜在的な利点を列挙する。現在の操作可能な針の軌道は、その全長に沿って十分に画定することができ、その結果、延伸可能な先端がカニューレのセグメントが後続する軌道をたどる。したがって、軌道の幅は、針アセンブリ自体の直径に近づくように制限される。次いで、先端は、針挿入中に追加の領域を横切るのではなく、単一の経路をたどる。
【0060】
本発明の別の潜在的な利点は、針の先端の位置がロボットコントローラの位置合わせシステムに知られていることである。このロボット制御システムは、外科医が手術前画像上の病変識別にしたがって手術をプログラムし、針または他の手術ツールを正確に操作することを可能にし、針によって損傷され得る重要な領域を回避する。
【0061】
操作可能な針アセンブリのさらなる潜在的な利点は、屈曲可能であるが、内部の引っ張られたワイヤを使用して、真っ直ぐな外側カニューレ内から延伸し、その屈曲または湾曲状態をとると、剛性を保つことができる中央カニューレを有するように設計されることである。この設計は、可変の組織密度または構造を有する器官を横切るときに遭遇するような側方力によって先端が偏向されないことを保証する。1つの例示的な実施態様では、中央カニューレの設計は、遠位操作セグメントに沿って規則的に離間された部分スロットを有する管であってもよく、そのセグメント内のカニューレの剛性を弱め、事前に定義された様式でカニューレを湾曲または屈曲させることを可能にする。この設計は、カニューレの切断された長さに沿って延び、カニューレの遠位端でばねに取り付けられたワイヤを使用し、その結果、ワイヤは、一定の張力下にある。中央カニューレが真っ直ぐで堅い外側カニューレから伸びると、ワイヤ上の外側の線状ばねの張力によって、操作セグメントのスロット部分がスロットを閉じるように曲線になる。中央カニューレのスロットおよび介在セグメントは規定された幅を有するので、中央カニューレは既知の角度で湾曲する。中央カニューレが剛性の外側カニューレ内に完全に収容されると、中央カニューレは真っ直ぐになり、ばねは最大の張力下にある。中央カニューレの先端および操作セグメントが外側カニューレから前方に延ばされると、操作セグメントは、ばねがワイヤを引っ張るにつれて湾曲する。ワイヤに取り付けられたばねの剛性は、ビルトインプレストレス/プレロード要因を用いて計算され、その結果、中央カニューレの先端がその計画された経路から標的に向かって先端を偏向させる傾向がある荷重に曝された場合であっても、ばねは組織を通って伸びる間、操作セグメントの湾曲を維持するために必要とされる荷重の数倍の荷重をワイヤに及ぼし得る。このように、この設計は、操作セグメントの柔軟性と、先端がその計画された経路から逸脱するのを防止する剛性との両方を可能にする。
【0062】
本発明の針アセンブリ設計は、外科医が脳または他の固形および半固形器官から、病変組織または血液出血を切開、切除、および/または除去するための繊細な操作を正確に行うことを可能にする。本開示の針アセンブリの利点はいくつかある。それは、付帯的な組織損傷を最小限に抑え、したがって、最小限の侵襲的な処置に適している。また、内側カニューレの先端は、3つのカニューレの選択的な機械的特性に起因して、針アセンブリの操作全体にわたって正確に決定され、追従され得る。
【0063】
本開示の記載は主として脳に関するものであるが、このような操作機構は頭蓋内処置における使用に限定されるものではなく、体内の他の器官の処置における使用にも適していることは理解されるべきである。針アセンブリは使い捨てであるように設計されるが、アセンブリを多用途設計にすることが可能である。
【0064】
1つの例示的な実施は、外科的処置において組織を通るガイドされた延伸のための針アセンブリを含み、3つの同心の要素を有し、第1の要素は剛性で真っ直ぐな外側カニューレであり、外側カニューレ内が第2のカニューレであり、前記剛性で真っ直ぐな外側の第1のカニューレから通過および延伸されるように適合される。第2のカニューレは、その長さの少なくとも一部に沿って、第2のカニューレの円周壁の大部分を横切って延びる横方向スロットを有する。第2のカニューレ内には、スロット付き壁に沿ってワイヤが配置され、ワイヤが張力下にあるとき、第2のカニューレはカニューレの延伸部分内のスロットの隣接する側面が互いに当接するまで曲がるように、前記第2のカニューレの遠位端領域に取り付けられる。スロットの側面が接触するこの構成は、第2のカニューレの既知の曲率角度を画定する。第3の同心部分は、第2のカニューレ内に配置された自己矯正内側要素である。この内側要素は、第2のカニューレが曲げられたときでも第2のカニューレを通過するが、第2のカニューレを出た後にその真っ直ぐな形成をとるような可撓性を有する。
【0065】
さらなる例示的な実施形態では、第2のカニューレ内のワイヤは、ワイヤと第2のカニューレの近位点上の固定点との間に接続されたばねの手段によって張力をかけられてもよい。ワイヤはさらに、第2のカニューレが横方向の力に晒されたときに、遠位端が変位に対して増大した抵抗を有するように、スロット付きの第2のカニューレに増大した剛性を提供するように適合されてもよい。第2のカニューレは、スロット付き壁に沿った中間位置に配置され、それによってワイヤをスロット付き壁に沿った位置に維持するように適合された保持装置をさらに備えることができる。第2のカニューレの曲げ角度はスロットの幅とスロット間の壁の幅との間の比に依存してもよく、第2のカニューレの遠位端の位置は第1のカニューレからのその延伸の程度によって決定されてもよい。
【0066】
同心の要素、すなわち、第1のカニューレ、第2のカニューレ、および内側要素のいずれも、延伸および/または回転運動を提供するようにロボット制御されてもよい。ロボット制御は、内側要素先端が標的領域に到達することができるように、手術前計画に従うことができる。内側要素は外科用ツールを含むか、または運ぶように適合されてもよく、外科用ツールは吸引、ドリル、焼灼器、針、カメラ、および組織切除器のうちの1つである。第2のカニューレは湾曲した遠位端領域を備えることができ、その結果、外側カニューレ内からの第2のカニューレの延伸が組織損傷を回避または最小限に抑えるために、第2のカニューレの自然な湾曲によって設定された軌道をたどり、この軌道は、第2のカニューレの端領域のうちの少なくとも1つの位置および自己矯正内側要素の遠位端の位置を決定するように構成されたコントローラによってプログラムすることができる。
【0067】
針アセンブリの自己強制内側要素は、超弾性管、記憶合金管、スロット付き管、密にコイル状に巻かれた記憶合金ばね、ばねによって予め荷重をかけられたケーブルを引っ張ることによって互いに保持された円形リンク、内側カニューレを引っ張るために荷重ばねを介して接続されたケーブルを有するノッチ付き内側カニューレ、および外科用ツール、光ファイバケーブル、およびカメラを担持するかまたは備える中実要素のうちの少なくとも1つを備えることができる。
【0068】
別の例示的な実施形態では、外科的処置における組織を貫通するための針アセンブリは、剛性の真っ直ぐな外側の第1のカニューレと、剛性の真っ直ぐな外側の第1のカニューレを通って真っ直ぐな形態で通されるように適合されるような少なくともその遠位端領域が自然に湾曲した形状を有し、その剛性および直径が外側カニューレの剛性および直径よりも小さい第2のカニューレと、第2のカニューレが真っ直ぐかまたは湾曲しているかにかかわらず、第2のカニューレを通過することができるが、その自己矯正形態で現れる、第2のカニューレ内に配置され、第2のカニューレの剛性よりも小さい剛性を有する、自己強制内側要素と、を含むことができる。
【0069】
そのようなアセンブリは、内側要素の遠位端領域の位置が分かるように、第1のカニューレ、第2のカニューレ、および内側要素のうちの3つのうちの少なくとも1つの延伸および回転のうちの少なくとも1つを制御するように適合されたロボットコントローラをさらに備えてもよい。組織を通る第2のカニューレの延伸は、第2のカニューレの自然な湾曲によって設定される経路をたどり、その結果、前記組織への損傷が最小限に抑えられる。前記第2のカニューレの自然に湾曲した形状および剛性は、第2のカニューレの遠位端の位置が第1のカニューレからの第2のカニューレの通過中の任意の時点で分かるためのものである。第2のカニューレは、超弾性特性および形状記憶のうちの少なくとも1つを有する生体適合性材料を含んでもよい。針アセンブリは、吸引、ドリル、焼灼器、針、カメラ、または組織切除器などの外科用ツールを運ぶように適合されてもよい。
【0070】
被験者の脳の標的領域において、手術前計画にしたがって手術手順を実行するための針アセンブリを使用する例示的なシステムは、手術前計画にしたがってコントローラを介して手術手順を実行するように適合されたロボットと、ロボットによって制御されるように適合された針アセンブリと、剛性の真っ直ぐな外側カニューレと、外側カニューレ内に配置され、自然に湾曲した形状および外側カニューレの剛性よりも小さい剛性を有し、真っ直ぐな外側カニューレに通すことができる中央カニューレと、中央カニューレ内に配置され、自然に湾曲した中央カニューレの剛性よりも小さい剛性を有し、中央カニューレを通るように適合され、第2のカニューレを出た後にその真っ直ぐな形成をとるように適合された、自己矯正内側要素と、を備えてもよく、外側カニューレ、中央カニューレ、および内側要素のうちの少なくとも1つのロボット制御された挿入は、脳組織への損傷を最小限に抑える単一の指定された経路を、標的領域に生成するように適合される。
【0071】
本開示はさらに、(a)挿入されるべきツールの先端をたどって、外科的処置を実行するために、標的領域への経路を計画することであって、経路は脳の損傷に敏感な領域を回避するように構成された、計画することと、(b)経路に沿って、ロボット制御の下で、被験者の脳に延伸可能な要素を挿入することであって、延伸可能な要素の遠位領域は、任意の延伸点で単一の既知の位置を有し、ツールを運ぶ、挿入することと、(c)ツールの位置が外科的処置中にロボットに知られるように、ツールを使用して、手術前計画を実行すること、とを含む、手術前計画にしたがって、被験者の脳または任意の他の器官または組織の標的領域に対して外科的処置を実行するための方法を開示する。
【0072】
本出願全体を通して、用語「曲げ角度」または「曲率角度」は、針アセンブリのカニューレまたは他の構成要素の曲げまたは湾曲の程度を記載するために使用され、いくつかの場合において特許請求される。これらの用語または同様の用語への任意の言及は、円弧の「曲率半径」またはより一般的な形状の「曲率度」によって科学的に定義される曲率レベルを指すことを意味し、他の数学的用語が特定の場合に適用可能であり得ることを理解されたい。
【0073】
本開示の少なくとも1つの実施形態を詳細に説明する前に、本開示は、その出願において、以下の説明に記載され、かつ/または図面に示される構成要素および/または方法の構成および配置の詳細に必ずしも限定されないことを理解されたい。本発明の特徴を含む、本開示に記載される特徴は、他の実施形態が可能であり、または様々な方法で実施または実行されることが可能である。
【0074】
[実施形態および実施例]
次に、図1Aを参照すると、図1Aは、可撓性挿入管14の両側でワイヤ12に接続された角形成ノブ15を有する先行技術の内視鏡11を概略的に示している。ワイヤ12は、可撓性操作セグメント17を介して挿入管14を通過し、内視鏡の剛性先端13に接続する。内視鏡の上方に拡大して詳細に示されている、可撓性操作セグメント17を有するこのような装置では、先端の位置がワイヤ12によって制御され、医師は角形成ノブ15を回すことによって先端13の位置を操作することができる。
【0075】
屈曲可能な内視鏡は、先端13に配置されたカメラまたは別のリアルタイム撮像モダリティを介した直視を使用して、外科手術野の3次元視野に対して医師によって操作される。図1Aの先行技術の内視鏡は、操作に使用される2つの引っ張りワイヤを有し、その結果、内視鏡の先端が手術野の意図された位置にある限り、どのワイヤが引っ張られるか、および可撓性操作セグメント17を正確に曲げるか、または先端がどの方向に曲げられるかは重要ではない。この概念は、図1B-1Dに概略的に示されており、図1B-1Dは、真っ直ぐな位置(図1B)にある可撓性操作セグメント17および先端13を示し、定義された基準中心点16の、ロボット工学では「エルボーアップ」としても知られる上方(図1C)またはロボット工学では「エルボーダウン」としても知られる下方(図1D)のいずれかに湾曲している。線18は、参考のために示されている。この図のワイヤ長12は、以下に例示するように、基準中心点16に対する装置の先端13の位置に特異な関係を持たない。
【0076】
図1B-1Dに示すように、2本のワイヤ12Aおよび12Bの長さが同じなので、いずれかのワイヤ12A、12Bの等しい長さに対して先端13は、2つ以上の位置、すなわち、図1Cの配向の上方向または図1Dの配向の下方向のいずれかに配置され得る。この精度の欠如は、方向的に定義された情報が存在しない、すなわち、先端部分の中間ジョイントの形成に含まれる単一の位置解が存在しないために生じる。
【0077】
数学的または工学的用語では、これは2つ以上の数学的解を有する操作機構、または非注入解を有するシステムを示す。図1B-1Dに示されるこの操作機構は、4つのジョイントと2つの引っ張りケーブルを有しているため、「アンダーディファインド機構」である。各ジョイントが2つの引っ張りケーブルを有している場合、図では4つのジョイントに対して合計8本のケーブル、または4つのジョイントに対して4つの「モータ」を有している場合、操作セグメントの位置に対して1つの解が定義される。単一の解の重要性は、内視鏡の先端13および各リンクの位置が操作セグメント17の任意の所与の位置に対して2次元空間内で定義されることである。
【0078】
そのような操作システムは、先端の正確な位置が重要ではなく、医師がリアルタイムフィードバックを使用して先端位置を調整することができる、胃、腹腔、または血管などの中空器官において効率的に動作する。例えば、結腸内視鏡検査または胃内視鏡検査の間、医師は、ライブビデオ画像にしたがって内視鏡の先端を操作するか、または血管のカテーテル挿入の間に、医師は、内視鏡またはカテーテルの先端を操作するためにX線に基づくビデオ画像を使用するのであろう。一般に、非注射溶液を有する操作機構を有する内視鏡は、医師がリアルタイム画像に基づいて「閉ループコントローラ」として作用し、体腔内の内視鏡の正確な位置が重要でない場合(例えば、先端が体腔または管腔の観察のためだけに使用される場合)に、良好に機能する。しかし、頭蓋内手術の間、内視鏡の先端を数mmだけ左または右に動かすと、図2A~2Cに示すように、患者の脳に永久的で重篤な損傷を与える可能性がある
【0079】
図2A~2Cを参照すると、頭蓋内処置のための先行技術の内視鏡操作の限界が示されている。図2Aには、ワイヤ24A、24Bの端部がマーカ29と位置合わせされた直線位置にある可撓性の操作セグメント220が示されている。各リンク22は、ロータリージョイント20で隣接するものと連結されている。図2Bおよび2Cは、血管37のような重要な頭蓋内物体に対して部分的に偏向された位置の2つの状況において、可撓性操作セグメント先端23の操作から生じる潜在的な問題を示す。いずれの部分的に偏向された位置においても、ワイヤ24Aの端部とマーカ29との間、およびワイヤ24Bとマーカ29との間の相対距離は同じであるが、図2Bの操作セグメントリンク22は、血管37に衝突する軌道をたどり、頭蓋内出血を引き起こす可能性がある。図2Cでは、操作セグメントリンク22が血管37を迂回して、代わりの軌道をたどる。図2B図2Cの経路の違いは、図2Bで線35に到達する先端23の位置にも反映されているが、図2Cでは線36に反映されている。したがって、ワイヤ24Aおよび24Bの端部とマーカ29との間の相対的な距離が両方の図面において同じであっても、この情報から、単一の規定された解を欠く操作機構を使用する場合には、操作セグメントの経路も、先端の正確な位置も、部分的に偏向された位置では知ることができない。このように、臨床設定では、ワイヤ24A、24Bから得られる位置情報は、操作セグメント先端23およびリンク22の正確な位置を知るには不十分である。このような精度の欠如は、外科用ツールの挿入が重大な機能を損なう可能性がある脳のような半固形器官では受け入れられない。したがって、3次元空間内への挿入の軌道を最小限に抑え、重大な特徴を回避する所定の経路をたどることは、内視鏡装置の重要な態様である。
【0080】
ここで、図3A~3Cを参照すると、上述の問題の両方を解決する、本開示の新規な装置の動作方法が示されている。操作可能な針または中央カニューレ220は、より堅い外側カニューレ21内に配置され、その両方は長手方向断面で示される。中央カニューレ220は、2次元回転ジョイント20を介して接続された個々のリンク22から構成されている。中央カニューレのリンクおよびジョイントは、任意の数の適切かつ好都合に利用可能な材料から構成され得る。それらは、互いに組み立てられた多くの部品から成ることができ、ここで、回転ジョイントおよび剛性リンクは、図3A-3Cに示されているように、単一の操作セグメントに接合される。このようなジョイントはヒンジ結合され、可撓性であり、磁気ビーズから構成され、または図7A-Hに示され、説明されるような他の解決策であり得る。
【0081】
図3Aにおいて、2つの引っ張りワイヤ24A、24Bの近位端位置は、ここでは装置の一部としてではなく、関連する概念を示すために示されている三角形マーカ25Aおよび25Bにしたがって理解される。両方の引っ張りワイヤは、ワイヤ24A、24Bの相対位置の線形インジケータであるマーカ29の両端に位置合わせされる。図3Bおよび3Cは、外側カニューレ21から中央カニューレ220を移動させる過程の間の、図3Aに対する連続した時点を示す。外側カニューレ21は、中央カニューレ220の経路を拘束し、各リンクは、外側カニューレ21の境界を出るときに規定された角度で曲げられるので、中央カニューレの先端23は、図3Bの点27によって示されるように、単一の規定された経路をたどる。したがって、中央カニューレ220およびその先端23の両方の経路は、予め規定された標的28に対して理解され、針は、組織を通る単一の軌道をたどる。中央カニューレの各直線的な延伸に対して、半径方向の変化を計算することができる。中央カニューレ先端23の制御は、各リンク22が例えば2度未満の半径方向角度で外側カニューレ21から外に移動し、その結果、非常に小さい段差および高い精度が得られるようにすることができる。以下に説明するように、中央カニューレの湾曲によってのみ許容されるものを超える位置の移動および解決のさらなる精度は、システム内の他のモータの一体化された動作によって達成され得る。
【0082】
図3Bでは、中央カニューレの先端23が湾曲した経路に沿って移動し、ロボット制御によって手術前の手術計画にしたがって標的点28に向かって好都合に案内され、引っ張りワイヤ24Bは、操作可能な針の外側湾曲に沿って所与の半径方向距離だけ移動する。針23は、マーカ25Aに対するマーカ25Bの直線移動によって示される、引っ張りワイヤが緩い場合、図3Bの図に示されるように上方向に転じるような自然な曲線を有する。先端23の角運動は引っ張りワイヤ24A、24Bの端部の直線距離によって決定することができ、これにより、任意の所定の時点において、先端23の位置が標的28に対して既知となる。マーカ29は、中央カニューレ全体が外側カニューレ21の外側に移動した直線距離の表示を提供する。
【0083】
ロボットは、(a)外側カニューレ21に対するマーカ29の移動距離、および(b)中央カニューレ220の寸法のみに基づいて、中央カニューレ先端23の位置を計算することができる。標的に向かう中央カニューレ先端23の経路は、各操作可能な中央カニューレの設計パラメータによって規定されるように、中央位置27によって規定される。図3Cに示される最後の時点で、針先端23は、操作可能な中央カニューレ220の各位置が同じ経路に沿って中央カニューレ先端23と同じ経路をたどるように、標的点28に到達している。この種の移動は「リーダー機構に追従する」と呼ばれ、手術用具の挿入時の正常な脳組織への損傷を最小限にするために重要である。この文脈において、「リーダーに追従する」機構は、針トラックの幅にほぼ等しい単一の狭い軌道が組織を通る唯一の経路であることを確実にする。したがって、この機構は、プローブ経路に沿って引き起こされる組織損傷の問題に対処する。
【0084】
ここで、図4A~4Gを参照すると、3つの同心円状に配置されたカニューレ(以下、外側カニューレ、中央カニューレ、および内側カニューレと称する)を有する本開示の例示的な実施態様が示されている。用語「管」および「カニューレ」はこの図の中空通路のいずれかを指すために互換的に使用され、最も内側の可撓性要素は上記の中空管または中実要素のいずれかを含み得、「針アセンブリ」は図4Dに示される開示された装置を示す。
【0085】
図4Aは、中央カニューレ42を長手方向断面で示す。それは、外側カニューレによって中央カニューレに加えられる外力がそれを真っ直ぐにするまでその形状を保持することができるような中央剛性を有し、操作セグメントとして使用される自然に湾曲した遠位セクション42Aで構成される。
【0086】
図4Bは、長手方向断面における3つの同心カニューレを示す図である。外側カニューレ41は、いかなる自然な湾曲もなしに、真っ直ぐで剛性であるように構成される。中央カニューレ42が外側カニューレ内に完全に配置されている限り、中央カニューレは、外側カニューレによって強制される真っ直ぐな形状を維持する。図4Bに示される構成では、矢印48によって示されるように、中央カニューレの方向は外側カニューレ主軸と同軸である。最も剛性が低い内側カニューレ43は、中央カニューレ内に配置されている限り、中央カニューレ操作セグメント42Aが生成する曲線に適合する。しかしながら、内側カニューレ43は、いったん延伸し、中央カニューレ42から突出すると、直線形状を維持するように、自己矯正特性を有する。この特性をどのように達成することができるかの一例は、本出願と共通の発明者を有する上記で参照した米国特許出願公開第2018/0014885号、または以下に示す他の実施例に見られる。
【0087】
図4Cは、長手方向断面における3つの同心カニューレを示す図である。ここでは、中央カニューレ42が外側カニューレ41を越えて延伸しており、その延伸方向は矢印48によって示されている。中央カニューレ42が前方に動かされ、その操作セグメント42Aが外側カニューレ41から延びて突出すると、中央カニューレ操作セグメント42Aは、図4Aに示すように、その元の形状に湾曲して戻る。このような場合、中央カニューレの先端は、外側カニューレ41の軸と同一直線上にない方向48を有する。
【0088】
図4Dは、内側カニューレ43が前方に動かされ、その先端が延伸し、中央カニューレ42を越えて43Lの長さだけ突出すると、内側カニューレは元の形状に戻り、中央カニューレの外側に真っ直ぐになることを示す。そのような場合、中央カニューレの先端は、図4Cに設定されたように方向48を維持し、内側カニューレは、所与の軌道49に延びる。
【0089】
要約すると、外側カニューレ41は最大の剛性を有するが、一方、内側カニューレ43は最小の剛性を有する。外側カニューレおよび内側カニューレは、応力がかかっていない状態では本質的に真っ直ぐであり、一方、中央カニューレ42はその遠位端に本質的な湾曲を有し、より硬い外側カニューレ内の拘束された真っ直ぐな形状から解放されると、その元の自然に湾曲した形状に戻る。外側カニューレ41に対する中央カニューレ42の前方への移動は、図4Cに示されるように方向48の既知の偏向を生成し、一方、外側カニューレ41内への中央カニューレ42の後方への移動は、図4Bに示されるように内側カニューレ43の直線方向48を生成する。このような先端偏向は、中央カニューレ42に対する外側カニューレ41の前方移動と(単一の解決策で)相関関係を有する。この設計は、C.L.Truwitの米国特許出願公開第2004/0059260号とは対照的である。
【0090】
図4Eに示すように、針アセンブリ47に取り付けられたリニアモータ44および回転モータ45は、3つのカニューレ41、42、および43すべての延伸および回転を制御する。装置のこの例示的なバージョンでは、直線的な延伸を引き起こす一連のモータ44が3つのカニューレ41、42、43の各々を駆動し、針アセンブリ47に対して各カニューレを別々に外向きに移動させる。3つのカニューレ41、42、および43はすべて、さらに、回転運動を提供するモータ45を有する。そのように、針アセンブリ47は、より少ない自由度を提供するより少ないモータも可能であるが、6つの自由度で動作することが可能である。
【0091】
本システムの潜在的な利点は2つの外側カニューレ41、42が内側カニューレ43のためのガイドを提供し、その結果、中央カニューレ42または内側カニューレ43のいずれかが外側カニューレ41内から押し出されるとき、各々がその自然な形状をとることである。3つのカニューレは2つの異なる自由度(DOF)を機構に提供する:(a)第1のDOFが角度変化であり、中央カニューレに対する外側カニューレの相対的移動によって生成され、(b)第2のDOFは直線変化であり、中央カニューレに対する内側カニューレの相対的移動によって生成される。また、軌道の方向の変化、および延伸として説明することができ、それによって、図4Dに示すように、内側カニューレの先端が2次元作業空間に到達することを可能にする。
【0092】
追加のDOFが追加される場合、例えば、第3のDOFが外側カニューレの主軸の周りの回転であり、第4のDOFが外側カニューレの主軸に平行な外側カニューレの直線運動である場合、新しい機構は、所与の3次元作業空間内の任意の点に到達することができる。
【0093】
ここで、図4F~4Hを参照すると、例えば腫瘍、血餅、または他の異常組織もしくは病変組織などの病変を除去するためなどの処置を実行するために、人体内の病変46に入る針アセンブリ47の連続するステップが示されている。図4Fでは、外側カニューレ41は病変の周辺にあり、中央カニューレ42は外側カニューレ41内に完全に収容され、内側カニューレは中央カニューレ42内に完全に収容される。
【0094】
図4Gでは、中央カニューレ42の自然に湾曲した操作セグメント42Aは、病変内の外側カニューレ41の端部を越えて延びている。内側カニューレ43は、中央カニューレ操作セグメント42A内に完全に封入されたままであり、その形状は、中央カニューレ42の湾曲に追従する。その固有の湾曲のために、中央カニューレ42の先端は、図4Eに示される針アセンブリ全体の挿入方向と非整列の方向48を有する。内側カニューレは、中央カニューレの境界を越えて延伸すると、自己矯正されるように設計される。したがって、ロボットシステムが作動すると、モータは内側カニューレ43を前方に押し、内側カニューレは図4Hに示すように真っ直ぐに中央カニューレ42から突出する。病変の他の領域に異なる角度で到達するために、内側カニューレ43は中央カニューレ42から延伸され得、同時に、外側カニューレ41からの中央カニューレの延伸を変化させる。この設計から、中央カニューレ42および内側カニューレ43の種々の回転運動および延伸運動の組み合わせは、内側カニューレ43の先端が6つのモータの動作、ならびに針アセンブリ47全体の中からの中央カニューレ42および内側カニューレ43の延伸および回転を変化させることによって、病変の3次元空間全体に到達することを可能にすることが明らかである。内側カニューレ43の先端の位置は、中央カニューレと内側カニューレの両方の直線的な延伸を測定し、中央カニューレの延伸から回転角度を計算することによって、ロボットコントローラに知られる。
【0095】
次に、図5-01~5-17を参照すると、これらの図は、操作可能な針機構50が腫瘍または病変脳組織などの病変を切開し、除去するために、人体内でどのように動作することができるかを概略的に示している。このような機構は、図4A~4Hに記載されるように、3つのカニューレのすべて(またはそれぞれ)を外側カニューレ51の主軸の周りで回転させることができる回転モータと、カニューレを針アセンブリハウジング51の内外に移動させるリニアモータとを用いて動作し得る。機構の内側カニューレ先端54の操作に加えられるこのようなモータは、装置54の機能的端部が不規則なサイズおよび形状の三次元容積(例えば、切除される腫瘍、血腫、または他の罹患組織)に到達することを可能にする。手術される組織への針アセンブリ全体の進入および退出を制御するために、追加のモータが使用されてもよい。
【0096】
この例ではこのような方法に限定されないが、装置先端54は、外科用ロボットをプログラムするコンピュータによって操作される、腫瘍の内側から外側の縁まで連続的な方法で腫瘍を掘削するように構成されており、垂直方向および水平方向の両方において、病変の連続的な層に先端がアクセスできるように、病変の内側に進入し、そこを横断する針アセンブリ50を挿入し、回転させる。様々な例示的な実施態様では、内側要素は、物質を送達するためのカニューレ、外科用ツール、または他の装置のいずれかを含むことができる。内側要素は、切除された組織を除去するために別個に挿入された吸引先端と併せて、病変組織を周囲の健康な組織から切開し分離するために、細いメスとして使用されてもよい。針アセンブリは代替的に、吸引装置として機能するように適合されてもよく、ここで、内側カニューレは中空管であり、それ自体が、掘削および組織除去のいずれかまたは両方を実行する。他の実施態様では、内側カニューレが組織切除、切除、および除去のうちの1つまたは複数を、同時にまたは連続して実行するように適合されることが可能である。
【0097】
ここで、図5-01から図5-14を参照すると、図5-01の組織55および病変56への針アセンブリ50の進入点から始まり、図5-14の病変の完全な範囲の除去で終わる、挿入および治療プロセス全体のステップが概略的に示されている。明確にするために、ラベル付けされたアイテムは、各図面において番号付けされていない。針アセンブリ50全体は、ロボット制御下で所定の深さまで駆動され、この深さに到達すると、内側カニューレ先端54および中央カニューレ52のみが病変56内にさらに延伸される。内側カニューレ先端54は、安全かつ効率的な様式で脳病変を除去するように設計される。
【0098】
図5-02に示すように、先端54の位置は、中央カニューレを30度に操作することによって変更される。これは、外側カニューレ51から中央カニューレ52を突出させることによって行われる。コンピュータ誘導操作可能な針アセンブリ50は外側カニューレ51内から中央カニューレ52を延ばし、そうする際に、内側カニューレ54の先端は、先端54によって掘削された開口の直径がD1になるように、50の主軸からわずかに側方に移動する。
【0099】
針アセンブリ50は例えば、機構全体が病変内に移動する間に、その主軸の周りを360度回転され、その結果、先端54はD1の直径で周囲の組織を除去し、それによって、以下、層L1、または層高さと呼ばれる高さの円筒形または管状の形状を排出する。
【0100】
図5-03に示されるように、針機構50は、先端54が病変56の縁に到達するまで、回転しながら病変内に下方または前方に移動し続け、その結果、半径D1および病変の全高さを有し、組織を含まない中空円筒が得られ、円筒は、現在除去されている組織の複数の層を以前に保持している。
【0101】
図5-04の次の段階に示すように、針アセンブリ50全体を病変の深さから最外層まで上昇または後退させ、中央カニューレ52の角度を60度に操作する。これは、中央カニューレ52を外側カニューレ51からさらに遠くに延ばし、それによって内側カニューレ54の先端を針機構50の主軸からさらに横に延ばすことによって達成される。図5-05~図5-06には、穿孔プロセスの次の段階が示されている。図5-02および03に示すステップが繰り返され、直径D2の真空空間が形成される。このプロセスは、病変の中央部分の全高が組織を含まないように、D2の直径を有する空の円筒58を作り出す。
【0102】
図5-07~図5-09には、穿孔プロセスの次の段階が示されている。先端54の位置は、内側カニューレ53を特定の距離だけ延ばすことによって変更され、中央カニューレ52は外側カニューレ51に対して同じ位置に維持され、図5-04に設定されたように、角度を60度に維持する。ここで、内側カニューレ53は中央カニューレ52から突出し、そうすることによって、内側カニューレ53の先端54は、針アセンブリ50の主軸からさらに横方向に移動する。図5-02と図5-03のステップを繰り返す。この段階の終わりまでに、D3の半径と、組織のない病変の完全な高さとを有する、より大きな円筒59を有する。
【0103】
図5-10~図5-14ではこのプロセスが繰り返されるが、図5-14では、病変の球形容積全体が除去されるまで、角度は90度に設定され、最終的に120度に設定される。内側カニューレ54の先端は、寸法が変化する病変内の組織の除去を可能にし、病変内の病変組織の小さな残留領域を除去するために機械加工プロセスのより微細な制御を使用する、直線的かつ回転的な様式で挿入される。
【0104】
図5-15~図5-17は、容積59を有する非球形病変と、病変の形状にしたがってカニューレを延ばすことによって、システムがそのような容積の遠い到達範囲に到達するように動作することができる方法とを示す。先端位置のこの柔軟性の重要な特徴は、病変の掘削のためだけでなく、医用イメージングまたは他の位置特定ツールによって定義されるように、脳または他の固形器官内の任意の既知の位置に到達するために使用され得ることである。
【0105】
ここで図6を参照すると、手術台63上に横たわっている患者62に対してシステム全体が動作する様子が示されている。外科医は手術前の3次元画像、例えばCT/MRIを用いて、手術前計画にしたがって切除すべき病変を特定し、マッピングする。次に、この情報はコンピュータ68に供給され、コントローラ69を使用してロボットをプログラムし、図5に関連して上述したような病変切除を実行する。次いで、針アセンブリ67は、患者の頭蓋骨または他の骨構造に安定して取り付けられる外科用ロボット65の作動アームに取り付けてもよい。患者の頭蓋骨にキーホール開口61を作り、それを通して針アセンブリ67を脳に挿入し、プログラムされた操作を行う。ロボットは前述したように手術前計画に沿って手術全体を行うことができるのに対し、術中の画像や病変切除時の所見などから、術中に外科医が手術プログラムに変更を加えることも可能である。外科医は「マスタースレーブロボット」としても知られる完全手動モードを使用して、脳内をナビゲートし、操作することを選択することができる。このモードでは、外科医がカニューレの動きを手動で制御し、直接視覚、術中監視、または手術前撮像研究に基づくガイダンスを使用することによって、内側カニューレの経路および機能を選択する。
【0106】
現在開示されている装置によって切除することができる典型的な脳病変の寸法の一例を以下に示す。そのような寸法は例示の目的のためであり、装置の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。直径は、5mm~70mmの間で変化してもよく、典型的には15~40mmの範囲内である。病変は、頭蓋内出血において典型的に見られるように、高度に規定された縁を有する、例えば5~100ccの範囲の容積を有する球形であり得るか、またはそれらは、規定されていない縁を有する、典型的に多形神経膠芽腫において見られるような、非球形であり得る。このような病変の深さは、浅く、頭蓋に近く、10mm~100mmの全針長を必要とし、代わりに、5mm~150mmの全針長を必要とする、頭蓋の基部に近い深い病変であり得る。
【0107】
操作可能な針アセンブリの外径は、1.5~12mmの範囲であり得る。針アセンブリの外径に応じて、中央カニューレおよび内側カニューレの直径は、それに応じて設計される。例示的な一例では、内側カニューレは2.3mmの外径を有し、中央カニューレは3.7mmの外径を有し、外側カニューレは4.2mmの外径を有する。そのような中央カニューレ操作セグメントの曲げ半径は2~12mmの範囲で設計されてもよく、例えば、3~5mmの内側曲げ半径を有する。
【0108】
例示的な一例では、内側カニューレは2.3mmの外径を有し、中央カニューレは3.7mmの外径を有し、外側カニューレは4.2mmの外径を有する。そのような中央カニューレ操作セグメントの曲げ半径は2~12mmの範囲で設計されてもよく、例えば、3~5mmの内側曲げ半径を有する。
【0109】
次に、図7A~7Iを参照し、図3A-3Cおよび4A-4Hに示される装置に記載されるように、操作可能な針機構として機能することができる例示的な設計の詳細を示す。操作可能な針機構は、可撓性と、運転中の任意の所与の点における先端の位置を決定する能力との両方の所望の特性を有するように構成される。本出願の文脈において、所与のカニューレ先端の位置を規定する際に、「遠位」は針アセンブリから離れて位置するものとして規定され、「近位」は針アセンブリにより近く位置することを意味すると理解される。図7Aは中央カニューレ72の長手方向断面を示し、ここで、切れ目または溝74は、操作セグメント73として規定される、カニューレの遠位部分に選択的に作製される。レベル706における断面は、切断プロセス74が完了すると(図7B)、カニューレ72Aの下部のみが残ることを示す。この残りの領域72Aをリブとする。レベル705における断面は、カニューレ断面の全てが無傷のままであることを示す(図7C)。
【0110】
図7Dは、先端77がカニューレの前縁に追加された、中央カニューレ72の長手方向断面を示す。このような先端は、単一点78Aを介して引っ張りワイヤ78に接続される。このような引っ張りワイヤはカニューレの長さに沿って延伸し、引っ張りモータまたはばね(図示せず)に接続する。引張ワイヤは、金属ワイヤ、プラスチックコード、または任意の他の耐久性のある生体適合性材料など、材料特性が必要な引張強度および可撓性を提供するように、任意の適切な組成を有してもよい。レベル707における断面は、カニューレ内の引張りケーブル78の位置を示す(図7E)。図7Dおよび7Eの両方において、カニューレの残りの材料の幅または断面は、線および矢印71によって示される。
【0111】
図7Fは中央カニューレを示し、ここで、カニューレの長手方向の長さに沿った選択された位置に「U」字型のスリング79が追加されて、引っ張りワイヤ78を所定の位置に保つ。引っぱりワイヤ78はスリング79内で長手方向に自由に移動できる。レベル708で取られた断面は、引っぱりワイヤ78を所定の位置に保つ「U」字型のスリング79を示す(図7G)。
【0112】
図7Hは、側方力による撓みを容易に受ける中央カニューレを示す。引っ張りワイヤ78が中央カニューレ80の端部で中央カニューレにしっかりと接続されていると仮定すると、側方力80Aが中央カニューレの先端に加えられると、操作セグメント73は破線80A-1~80A-3によって示されるように、横方向に偏向する。たわみは側方力と相関がある。このような撓みは、(a)主にその弾性によるケーブル78の伸びによるものであり、(b)中央カニューレ操作セグメントの可撓性によるものではない。側方力80Bが中央カニューレの先端に加えられると、操作セグメント73は破線80B-1~80B-3によって示されるように、横方向に偏向する。たわみは側方力に線形相関を持つ。このような撓みは中央カニューレ操作セグメント73の可撓性によるものであり、ケーブル78は能動的な寄与を有していないので、寄与または減少しない。
【0113】
ここで図7Iを参照すると、側方力の下でその形状を保持する能力を有する中央カニューレが示されている。引っ張りワイヤ78が、予め応力が加えられたばね85を使用して中央カニューレの端部で中央カニューレに接続されていると仮定すると、側方力80Aが操作セグメント73の中央カニューレの先端に加えられると、力がケーブル78に加えられる。ケーブルがその弾力性により伸びる場合、ばね85が補償し、操作セグメントはその閉じた形状を維持する。側方力80Aがばね85力に打ち勝つと、操作セグメントは偏向を開始する。中央カニューレの先端に側方力80Bが加えられた場合、操作セグメント73は、操作セグメントのギャップが閉じられるので、横方向に偏向しない。
【0114】
次に、図8Aを参照すると、外側カニューレ81内に収容された上述の中央カニューレ82が示されており、外側カニューレは、中央カニューレよりも剛性である。中央カニューレ82の基端部には、ばね85が配置されている。ばねの一端はワイヤ88の近位端に接続され、他端は中央カニューレの近位尾部に固定される。ばね85に負荷がかかり、結果として引っ張り力が引っ張りケーブル88に、したがって先端87に加えられる。しかしながら、外側カニューレ81の剛性が大きいため、中央カニューレは真っ直ぐに保たれる。
【0115】
ここで図8Bを参照すると、中央カニューレ82が外側カニューレ81に対して遠位および前方に押された結果が示されている。ここで、(i)ケーブルによって先端に加えられる力、および(ii)中央カニューレ82の壁の切れ目84のために、カニューレ操作セグメント86Aのセグメントは、図8Bに示される方向に上方に湾曲する。図8Bに示される状況における最初の3つの切れ目または溝は、ここでは外側カニューレ81の境界の外側にあり、これは、もはやカニューレ操作セグメント86の前方部分を折り畳まない。カニューレ操作セグメント86Aの開放部分は、図8Bの図面視において、上方向に形状および曲線を自由に変化させる。カニューレ操作セグメント86Bは、外側カニューレ81内に収容され、その方向を変えない。図8A~8Cに示す例で、中央カニューレ82における各切れ目84の長手方向の長さは、切れ目による空隙がカニューレの曲げから完全に閉じられたときに、装置の先端の正確に6度の偏向を生じさせるような長さであり、したがって、外側カニューレの外側の3つの切れ目の延伸は主軸から18度の偏向角をもたらす。このように、外側カニューレ81内での中央カニューレ82の直線運動に応じて、主軸からの先端偏向角度を計画することが可能である。このプロセスの間、ばね85はその長さを少し変化させるが、依然としてワイヤを応力下に保つ。この例では、各セグメントが正確に6度の偏向を生成するが、任意の他の構成が異なる角度で適用されてもよい。
【0116】
図8Cには外側カニューレ81に対する中央カニューレ82のさらなる延伸が示されており、先端87は図示のように36度の角度に対応して、6つの切れ目が開いている程度まで外側に移動している。ばね85は、中央カニューレ82が外側に延びるときにリンクを閉じた状態に保つために、必要とされる力よりも何倍も大きい力、例えば、2倍または10倍も大きい力を加えることができる。より大きな力は、中央カニューレの先端が剛性を維持し、組織を通過することによる歪みによる移動を最小限に抑えることを確実にする。
【0117】
図8A図8Cでは中央カニューレ82がばね85によって張力下に保持され、その結果、湾曲したカニューレ部分の内側湾曲部上のスロットを構成する空間は、それらが接触して互いに当接するまで閉じられ、湾曲部の内側に「中実壁」を効果的に生成する。ここで、図8Cに示されるように、側方力80が先端に印加される場合、中央カニューレは、材料の中実環として挙動する。内部に張力を提供する張力をかけられたワイヤの強度のために、中実壁の湾曲したカニューレは、スロット付きカニューレよりも曲げに対して著しく耐性がある。カニューレは、その湾曲した、引っ張られた形成において、そのスロット付き形成におけるよりも、側方力に対してはるかに弾性的に振る舞う。定量的に表現すると、曲げに対する抵抗はここでは、完全なカニューレ直径に対応し、図7Eに示される71よりも著しく大きく、効果的に硬いカニューレをもたらす、図8Cの寸法決めされた形状801の領域の二次モーメントによって定義される。この特徴の重要性は、中央カニューレ82の先端が組織密度の変更または他の力によって引き起こされる撓みに抵抗するので、カニューレの先端の位置が手術の任意の所与の点で分かることができることである。このように、先端位置は、張力のかかったワイヤによって静止された横方向の力のたわみの結果として、著しく正確に知られる。
【0118】
ここで図9Aを参照すると、外側カニューレ91に対して固定位置にある中央カニューレ92からの内側カニューレ93の延伸が示されており、中央カニューレの先端97は部分的に外側に延びている。図9Bにおいて、内側カニューレ93は、前方に押され、中央カニューレ操作セグメントから延びる。それは、常に同じ軌道99を保ちながら、直線状に延び、内側針が延びる距離を変える。図9Cは、内側カニューレおよび中央カニューレの直線および回転運動を制御するための一組のモータ98を示す。
【0119】
図4A図9Cでは、外側カニューレがステンレス鋼などの剛性材料から構成される。中央カニューレは、丸棒ベースばね、平棒ベースばね、ステンレス鋼パイプ、ニチノールパイプ、または矩形中空セクション(RHS)または他の材料のような中空構造セクション管から構成されてもよい。内側カニューレは、中央カニューレまたは外側カニューレのいずれよりも大きな可撓性を有する材料から構成される。内側カニューレは、可撓性を有すること、および張力を受けていないときにその自然な形状に戻る能力を有することをさらに必要とする。ガイドワイヤを引っ張るプロセスは、手動であっても、モータであってもよい。さらに、3つのカニューレを構成する材料は生体適合性であり、滅菌可能でなければならない。
【0120】
ここで図10A~10Iを参照すると、適切に可撓性の特性を有する内側カニューレを得るための種々の解決策を示す。図10Aは、図4Dに示されるように、外側101、中央102、および内側103Aカニューレを伴う針アセンブリを図示する。図10B-10D、10Fおよび10Hは、適当な可撓性を有する内側カニューレを得る5つの異なった手段を示す。図10Bは、ステンレス鋼またはニチノールのような固体の可撓性材料からなる針103Bを示す。ニチノールは、2つの特別な性質、すなわち、特定の張力まで曲げることによって、物品がその元の形状に戻ることができるような記憶形状効果と、この合金で作られた物品が通常の金属よりもはるかに大きな可撓性を有することを意味する超弾性とを有する。これらの両方の品質は、ニチノールのような形状記憶合金を、狭く薄肉の管の形状の可撓性針を作る理想的な材料とする。図10Cには、可撓性かつ形状保持のカニューレのための別の可能な解決策が示されている。この場合、カニューレ103Cは、長手方向断面で示される、しっかりと巻かれたばねから構成される。図10Dでは、カニューレは図7の中央カニューレ72について示されるようなスロットを有するが、図10Dでは、この内側カニューレのスロットは、図10Eで断面900により明確に示されるように、上面および下面上にある。これらのスロット、溝、または切れ目は、針を弱め、スロットのない同じ材料からなる同じ針よりも大きな可撓性を針に与える。異なる金属または他の材料を使用することができ、スロットのサイズおよび幅は、所望の程度の剛性および可撓性をもたらすように経験的に決定される。図10Fは、必要な可撓性を有する内側カニューレを得るさらに別の手段を示す。この実施態様では、カニューレ103Eは、4つのばね105によって予め負荷をかけられた4つの引っ張りケーブル104によって共に保持された円形リンクから構成される。この例示的な実施は、図10Gの断面901に示される。図10Hは、図10Iの断面902に示される、内側カニューレを、内側カニューレに張力をかけるために負荷ばねを介して接続されたケーブルを有するノッチ付き下面と共に示す。内側カニューレは、中央カニューレの外側で一旦自己矯正する。
【0121】
図10A~10Iで示される、可撓性の自己矯正する内側カニューレを提供するためのこれらの種々の解決策はさらに、アブレーションツールとしての吸引装置として動作中に内側カニューレが機能することを可能にするように適合されてもよく、顕微鏡カメラに取り付けられてもよく、または任意の他の外科的に関連する動作要素を担持してもよい。
【0122】
本開示の大部分は脳内出血からの腫瘍または血栓のいずれかで、脳組織への現在の可撓性針アセンブリの適用を議論するが、本発明のバリエーションが可能であり、そして望ましいことが理解されるべきである。例えば、同じシステムを使用して、他のタイプの組織内の腫瘍または他の病変を除去することができる。この設計は例えば、可撓性内側カニューレが狭い関節空間にアクセスし、損傷したまたは裂けた軟骨を除去することを可能にする潜在的な利点を有する。同じ硬い外側カニューレを使用して、カッター、吸引、焼灼、ドリル、キュレット、カメラ、および他のものなど、任意の様々な外科用ツールを収容することができる。
【0123】
[一般]
量または数値に関して本明細書で使用される場合、「約」という語は、「の±10%以内」の手段である。
【0124】
「備える」(“comprises”)、「備えている」(“comprising”)、「含む」(“includes”)、「有している」(“having”)およびそれらの結合語は、含んでいるがそれに限定されないことを意味する。
【0125】
「からなる」(“consisting of”)とは、「含み、それに限定される」ことを意味する。
【0126】
「本質的に~からなる」という用語は、組成物、方法、または構造が、追加の成分、段階、および/または部品を含んでもよいが、追加の成分、段階、および/または部品が、特許請求の範囲に記載された組成物、方法、または構造の基本的かつ新規な特性を実質的に変更しない場合に限ることを意味する。
【0127】
本明細書では、単数形の“a”、“an”および“the”は、文脈上明らかに別段の記述がない限り、複数の参照を含む。例えば、「化合物」または「少なくとも1つの化合物」という用語は、それらの混合物を含む複数の化合物を含むことができる。
【0128】
用語「例」および「例示的」は本明細書では「例、事例、または例示として働く」ことを意味するために使用され、「例」または「例示的」として説明される任意の実施形態は必ずしも、他の実施形態よりも好ましいまたは有利であると解釈されるべきではなく、かつ/または他の実施形態からの特徴の組み込みを排除するものではない。
【0129】
「任意選択的」という用語は本明細書では「いくつかの実施形態では提供され、他の実施形態では提供されない」を意味するために使用される。本開示の任意の特定の実施形態はそのような特徴の矛盾を除いて、複数の「任意選択的」特徴を含むことができる。
【0130】
本明細書で使用される「方法」という用語は化学、薬理学、生物学、生化学、および医学の分野の実務者によって知られているか、または知られている方法、手段、技法、および手順から容易に開発される方法、手段、技法、および手順を含むが、これらに限定されない、所与のタスクを達成するための方法、手段、技法、および手順を指す。
【0131】
本明細書中で使用される場合、用語「処置する」は、状態の進行を排除すること、実質的に阻害すること、遅くすること、または逆転させること、状態の臨床症状もしくは美的症状を実質的に改善すること、または状態の臨床症状もしくは美的症状の出現を実質的に予防することを含む。
【0132】
本出願を通して、本発明の様々な実施形態が範囲形式で示されてもよい。範囲形式での記述は、単に利便性と簡潔さのためのものであり、本発明の範囲に対する柔軟性のない制限として解釈されるべきではないことが理解されるべきである。したがって、範囲の記述は、その範囲内の個々の数値だけでなく、可能なすべての部分範囲を具体的に開示したものとみなされるべきである。例えば、1から6までのような範囲の記述は、1から3まで、1から4まで、1から5まで、2から4まで、2から6まで、3から6までなどのような部分範囲と、その範囲内の個々の数値、例えば、1、2、3、4、5、6などが具体的に開示されていると考えるべきである。これは範囲の広さに関係なく適用される。
【0133】
本明細書で数値範囲(例えば、「10-15」、「10-15」、またはこれらの別のそのような範囲指示によってリンクされた任意の数のペア)が示されている場合はいつでも、文脈が明らかに異なることを述べていない限り、それは示された範囲内で引用された任意の数値(小数または整数)を含むことを意味している。本明細書では、第1の表示番号および第2の表示番号「に亘る/の間の範囲」、および第1の表示番号から第2の表示番号まで「に亘る/の範囲」という表現が互換的に使用されており、第1および第2の表示番号、ならびにその間のすべての小数および整数を含むことを意味している。
【0134】
本開示の説明は特定の実施形態に関連して提供されるが、多くの代替、修正、および変形が当業者に明らかであることは明らかである。したがって、本発明は、添付の特許請求の範囲の精神および広い範囲内にある、そのような代替、修正、および変形のすべてを包含することが意図される。
【0135】
本明細書中で言及されているすべての刊行物、特許および特許出願は、個々の刊行物、特許または特許出願が参照により本明細書中に組み込まれることが具体的かつ個別に記述されている場合と同じ程度に、参照によりその全体が本明細書中に組み込まれる。また、本願明細書で引用または特定した文献は、当該文献が本発明の先行技術として利用可能であることを自認するものと解釈してはならない。節の見出しが使用されている限りにおいて、それらは必ずしも限定的であると解釈されるべきではない。
【0136】
明確にするために、別々の実施形態の文脈で説明されている本発明の特定の特徴は、単一の実施形態において組み合わせて提供されることもあり、本明細書は、そのような組み合わせが本明細書に明示的に記載されているかのように読まれることが理解される。逆に、簡潔にするために、単一の実施形態の文脈で説明されている本発明の様々な特徴も、別個に、または任意の適切な部分的組み合わせで、または本発明の他の説明された実施形態において適切に提供されてもよく、本明細書は、そのような組み合わせが本明細書に明示的に規定されているかのように読まれるべきである。様々な実施形態の文脈で説明された特定の特徴は、それらの要素がないと実施形態が機能しない場合を除き、それらの実施形態の必須の特徴とはみなされない。
【0137】
また、本出願の優先権書類は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
図1A
図1B
図1C
図1D
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図3C
図4A
図4B
図4C
図4D
図4E
図4F
図4G
図4H
図5-01-09】
図5-10-14】
図5-15-17】
図6
図7A
図7B
図7C
図7D
図7E
図7F
図7G
図7H
図7I
図8A
図8B
図8C
図9A
図9B
図9C
図10A
図10B
図10C
図10D
図10E
図10F
図10G
図10H
図10I
【国際調査報告】