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特表2022-528792ブロードキャストチャネルを介してメッセージを送信するためのインスタントの計画
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-15
(54)【発明の名称】ブロードキャストチャネルを介してメッセージを送信するためのインスタントの計画
(51)【国際特許分類】
   H04W 74/02 20090101AFI20220608BHJP
   H04W 4/06 20090101ALI20220608BHJP
   H04W 4/38 20180101ALI20220608BHJP
   H04W 4/70 20180101ALI20220608BHJP
   H04W 52/02 20090101ALI20220608BHJP
【FI】
H04W74/02
H04W4/06
H04W4/38
H04W4/70
H04W52/02 110
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021560847
(86)(22)【出願日】2020-04-16
(85)【翻訳文提出日】2021-10-13
(86)【国際出願番号】 EP2020060702
(87)【国際公開番号】W WO2020212485
(87)【国際公開日】2020-10-22
(31)【優先権主張番号】1904162
(32)【優先日】2019-04-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512315706
【氏名又は名称】シグフォックス
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】マンスゥイ,アルノー
(72)【発明者】
【氏名】スニガ,フアン・カルロス
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067BB27
5K067BB28
5K067EE02
5K067EE10
(57)【要約】
本発明は、端末(20)のグループ向けのブロードキャストメッセージを、アクセスネットワーク(30)によって送信するための方法(50)に関する。端末は、アクセスネットワーク向けのポーリングメッセージを、反復方式で非同期的に送信するように構成される。方法は、 - 前記グループの端末(20)によって送信されるポーリングメッセージの再発に関する情報に基づいて、ブロードキャストメッセージを送信するためのインスタントを決定すること(51)と、 - ブロードキャストメッセージを送信する前に、グループの端末から受信した各ポーリングメッセージについて、ブロードキャストメッセージの送信に関する1つまたは複数のパラメータを備える応答メッセージを送信すること(52)であって、前記応答メッセージは、ポーリングメッセージの送信後の所定の持続時間のリスニングウィンドウの間に、前記端末によって受信される必要がある、送信すること(52)と、 - 前記ブロードキャストメッセージを、決定された送信インスタントにおいて、ブロードキャストチャネルを介して送信すること(54)と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイヤレス通信システム(1)のアクセスネットワーク(30)によって、「ブロードキャストメッセージ」として知られる少なくとも1つのメッセージを送信するための方法(50)であって、前記メッセージは、ブロードキャストチャネルを介して、前記ワイヤレス通信システム(10)の端末(20)のグループに送信され、前記端末(20)は、「ポーリングメッセージ」として知られるメッセージを、アップリンク上で、前記アクセスネットワーク(30)へ、前記アクセスネットワークに関して反復方式で非同期的に送信するように構成され、前記方法(50)は、
- 前記アクセスネットワーク(30)によって、前記グループの前記端末(20)によって送信される前記ポーリングメッセージの再発に関する情報に基づいて、前記ブロードキャストメッセージを送信するためのインスタントを決定すること(51)と、
- 前記ブロードキャストメッセージを送信する前に、前記グループに属する端末(20)から受信した各ポーリングメッセージに応答して、前記ブロードキャストメッセージの送信に関する1つまたは複数のパラメータを含み、「応答メッセージ」として知られるメッセージを、前記端末(20)へ、ポイントツーポイント接続で、前記アクセスネットワーク(30)によって送信すること(52)であって、前記応答メッセージは、前記ポーリングメッセージの送信後の所定の持続時間のリスニングウィンドウの間に、前記端末(20)によって受信されるように送信される、送信すること(52)と、
- 前記ブロードキャストメッセージを、送信するために決定されたインスタントにおいて、前記ブロードキャストチャネルを介して、前記アクセスネットワーク(30)によって送信すること(54)と、を含むことを特徴とする、方法(50)。
【請求項2】
前記グループの端末(20)に送信される応答メッセージは、以下のパラメータ、すなわち、
- 前記ブロードキャストメッセージを送信するための前記インスタントに関する情報、
- 前記アクセスネットワーク(30)によって動的に割り当てられたグループ識別子、
- 前記ブロードキャストチャネルの中心周波数、
- 複数のブロードキャストメッセージを順次ブロードキャストする必要がある場合、最初のブロードキャストメッセージのシーケンス番号、および/または、最後のブロードキャストメッセージのシーケンス番号、および/または、ブロードキャストメッセージの数、からの1つまたは複数のパラメータを含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法(50)。
【請求項3】
前記グループの前記端末(20)によって送信される前記ポーリングメッセージの再発に関する情報は、前記グループの端末(20)によって送信される2つのポーリングメッセージを分離する最大時間間隔である、請求項1または請求項2に記載の方法(50)。
【請求項4】
前記ブロードキャストメッセージを送信するためのインスタントを決定すること(51)は、前記グループの各端末(20)から到来する少なくとも1つのポーリングメッセージを受信するための最小待機期間を決定することを含み、前記ブロードキャストメッセージを送信するための前記インスタントは、前記最小待機期間の満了後であると判定される、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の方法(50)。
【請求項5】
前記グループの前記端末(20)によって受信された前記ポーリングメッセージに応じて、前記ブロードキャストメッセージの前記送信(54)に寄与する前記アクセスネットワーク(30)の基地局(31)のセットを、前記アクセスネットワーク(30)によって選択すること(53)をさらに含む、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の方法(50)。
【請求項6】
前記アクセスネットワーク(30)の基地局(31)は、前記基地局(31)が、所定のしきい値よりも高いグループの端末(20)から到来する多数のポーリングメッセージを受信した場合にのみ、前記ブロードキャストメッセージを送信するように選択される、請求項5に記載の方法(50)。
【請求項7】
ワイヤレス通信システム(10)の端末(20)とメッセージを交換するように適合された複数の基地局(31)を含む前記ワイヤレス通信システム(10)のアクセスネットワーク(30)であって、前記端末(20)は、「ポーリングメッセージ」として知られるメッセージを、アップリンク上で、前記アクセスネットワーク(30)へ、前記アクセスネットワークに関して反復方式で非同期的に送信するように構成され、前記アクセスネットワーク(30)は、「ブロードキャストメッセージ」として知られる少なくとも1つのメッセージを、ブロードキャストチャネルを介して端末(20)のグループに送信するように構成され、前記アクセスネットワークは、
- 前記グループの前記端末(20)によって送信される前記ポーリングメッセージの再発に関する情報に基づいて、前記ブロードキャストメッセージを送信するためのインスタントを決定することと、
- 前記ブロードキャストメッセージを送信する前に、前記グループに属する端末(20)から受信した各ポーリングメッセージに応答して、前記ブロードキャストメッセージの送信に関する1つまたは複数のパラメータを含み、「応答メッセージ」として知られるメッセージを、前記端末(20)へ、ポイントツーポイント接続で送信することであって、前記応答メッセージは、前記ポーリングメッセージの送信後の所定の持続時間のリスニングウィンドウの間に、前記端末(20)によって受信されるように送信される、送信することと、
- 前記ブロードキャストメッセージを、送信するために決定されたインスタントにおいて、前記ブロードキャストチャネルを介して送信することと、を行うように構成されることを特徴とする、アクセスネットワーク(30)。
【請求項8】
前記グループの端末(20)に送信される応答メッセージは、以下のパラメータ、すなわち、
- 前記ブロードキャストメッセージを送信するための前記インスタントに関する情報、
- 前記アクセスネットワーク(30)によって動的に割り当てられたグループ識別子、
- 前記ブロードキャストチャネルの中心周波数、
- 複数のブロードキャストメッセージを順次ブロードキャストする必要がある場合、最初のブロードキャストメッセージのシーケンス番号、および/または、最後のブロードキャストメッセージのシーケンス番号、および/または、ブロードキャストメッセージの数、からの1つまたは複数のパラメータを含む、請求項7に記載のアクセスネットワーク(30)。
【請求項9】
前記ブロードキャストメッセージを送信するための前記インスタントは、前記グループの各端末(20)から到来する少なくとも1つのポーリングメッセージを受信するために必要な最小待機期間に応じて決定される、請求項7または請求項8に記載のアクセスネットワーク(30)。
【請求項10】
前記グループの前記端末(20)によって受信された前記ポーリングメッセージに応じて、前記ブロードキャストメッセージの送信に寄与する前記アクセスネットワーク(30)の基地局(31)のセットを選択するようにさらに構成される、請求項7から請求項9のいずれか一項に記載のアクセスネットワーク(30)。
【請求項11】
アクセスネットワーク(30)を含むワイヤレス通信システム(10)の端末(20)であって、前記アクセスネットワーク(30)は、前記端末(20)とメッセージを交換するように適合された複数の基地局(31)を含み、前記端末(20)は、「ポーリングメッセージ」として知られるメッセージを、アップリンク上で、前記アクセスネットワーク(30)へ、前記アクセスネットワークに関して反復方式で非同期的に送信するように構成され、前記アクセスネットワーク(30)は、「ブロードキャストメッセージ」として知られる少なくとも1つのメッセージを、ブロードキャストチャネルを介して、前記端末(20)が属する端末(20)のグループに送信するように構成され、前記端末(20)は、前記ブロードキャストメッセージを送信するためのインスタントに関する情報、および/または、複数のブロードキャストメッセージが順次ブロードキャストされる必要がある場合、前記端末(20)向けのシーケンス番号のセットを決定することを可能にする情報を含む「応答メッセージ」として知られるメッセージを、前記アクセスネットワーク(30)と前記端末(20)との間のポイントツーポイント接続で、前記ポーリングメッセージの送信後の所定の持続時間のリスニングウィンドウの間に、受信するように構成されることを特徴とする、端末(20)。
【請求項12】
前記応答メッセージは、少なくとも1つの前記ブロードキャストメッセージを送信するための前記インスタントに関する情報を含み、前記端末は、送信のための前記インスタントに基づいて、1つまたは複数の前記ブロードキャストメッセージを受信するために、前記ブロードキャストチャネルのリッスンを開始するように構成されることを特徴とする、請求項11に記載の端末(20)。
【請求項13】
前記応答メッセージは、前記端末(20)向けのシーケンス番号のセットを決定可能にする情報を含み、前記端末(20)は、そのシーケンス番号が、前記端末(20)向けのシーケンス番号のセットに含まれる前記ブロードキャストメッセージのみを考慮するように構成されることを特徴とする、請求項11または請求項12に記載の端末(20)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワイヤレス通信システムの分野に属し、特に、アクセス方法により、ブロードキャストチャネルを介して端末のグループにメッセージを送信するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明は、限定されないが、M2M(マシンツーマシン)またはIoT(モノのインターネット)タイプのアプリケーション用に実装されたワイヤレス通信システムに特に有利に適用可能である。
【0003】
そのようなワイヤレス通信システムでは、メッセージの交換は、この場合、端末と該システムのアクセスネットワークとの間のアップリンク上での、実質的に一方向である。
【0004】
端末は、アクセスネットワークの基地局によって収集されるメッセージをアップリンク上で送信し、好ましくは、アクセスネットワークの1つまたは複数の基地局に事前に関連付ける必要はない。言い換えると、アップリンク上で端末によって送信されるメッセージは、アクセスネットワークの特定の1つの基地局向けではなく、端末は、少なくとも1つの基地局によって受信できると想定してメッセージを送信する。そのような構成は、端末がそのメッセージを受信するのに最適な基地局を決定するために、特に電力消費の観点から大きな負担となる規則的な測定を実行する必要がないという点で有利である。複雑さはアクセスネットワークにあり、アクセスネットワークは、任意のインスタントにおいて、任意の中心周波数で送信できるアップリンクメッセージの受信が可能である必要がある。
【0005】
メッセージの交換が実質的に一方向であるそのような動作モードは、たとえば、ガス、水、電気メータの遠隔読み取り、建物または家の遠隔監視などの多くのアプリケーションにとって十分に満足できるものである。
【0006】
しかしながら、いくつかのアプリケーションでは、他の方向、すなわちアクセスネットワークから端末へのダウンリンク上でもメッセージの交換を実行できることが有利な場合がある。
【0007】
特に、ブロードキャストまたはマルチキャストチャネルを介して端末にメッセージを送信することが有利な場合がある。特に、ブロードキャストチャネルを介したメッセージの送信は、端末のグループによって使用されるソフトウェアの更新を実行するために実装され得、端末のグループは、すべての端末(ブロードキャストチャネル)または該端末の一部のみ(マルチキャストチャネル)であり得る。
【0008】
M2Mおよび/またはIoTアプリケーション用のワイヤレス通信システムでは、特にバッテリで動作する場合、端末の消費電力を可能な限り低減する必要がある。
【0009】
端末の電力消費を制限するために、該端末によって送信されるアップリンクメッセージに関する所定のリスニングウィンドウの間に、端末にダウンリンクメッセージを送信することが知られている。特に、アップリンクメッセージを送信した後、端末は、所定の持続時間のスタンバイウィンドウにわたってスタンバイ(または、省エネ)モードに切り替わる。該スタンバイウィンドウの終了時に、端末は、基地局によって送信されるダウンリンクメッセージを予期して、限られた持続時間のリスニングウィンドウにわたってダウンリンクをリッスンするためにスタンバイモードを終了する。
【0010】
アクセスネットワークに関する限り、様々な端末のリスニングウィンドウは、これらの端末から受信したアップリンクメッセージに基づいて決定することができ、アクセスネットワークは、該端末のそれぞれのリスニングウィンドウの間に、対応する端末によって、ダウンリンクメッセージを受信できるように、ダウンリンクメッセージの送信を体系化する必要がある。
【0011】
端末は所定のリスニングウィンドウにわたってのみダウンリンクをリッスンするという事実のために、ダウンリンクメッセージを受信するために必要な追加の電力消費は制限され、該端末はしばしばスタンバイモードにある可能性がある。さらに、端末は同時に送信および受信してはならないという事実のために、そのような端末は半二重である可能性があり、したがって製造が安価である可能性がある。
【0012】
しかしながら、そのような構成では、端末は、ブロードキャストチャネルを介してアクセスネットワークによって従来通りに送信されたメッセージをリッスンするように適合されていない。実際、ブロードキャストチャネルを介して送信されたメッセージを受信するために、端末は、一般に、恒久的に、または少なくとも反復的に、該ブロードキャストチャネルをリッスンしなければならない。
【0013】
そのようなワイヤレス通信システムでは、該基地局、より一般的にはアクセスネットワークの製造コストを制限するために、半二重タイプの基地局を実装することも珍しくない。しかしながら、ダウンリンク上のブロードキャストチャネルを介してメッセージを送信する基地局は、アップリンク上で送信されたメッセージを受信するように利用することはできない。したがって、アップリンク上でメッセージを受信するための基地局の利用不可時間を制限する目的で、ブロードキャストチャネルの計画を最適化することが望ましい場合がある。
【0014】
最後に、そのようなワイヤレス通信システムでは、帯域幅は一般に非常に制限されており、アクセスネットワークと端末との間で交換されるメッセージのサイズを可能な限り小さくする必要がある。しかしながら、ブロードキャストチャネルを端末のグループに割り当てるための既存の方法は、この制約を考慮に入れていない。
【発明の概要】
【0015】
本発明の目的は、先行技術の解決策、特に上記に開示されたものの制限のすべてまたは一部を改善することである。
【0016】
この目的のために、そして第1の態様によれば、本発明は、「ブロードキャストメッセージ」として知られる少なくとも1つのメッセージを、ワイヤレス通信システムのアクセスネットワークによって送信するための方法に関する。該メッセージは、ブロードキャストチャネルを介して、該ワイヤレス通信システムの端末のグループに送信される。端末は、「ポーリングメッセージ」として知られるメッセージを、アップリンク上で、アクセスネットワークへ、アクセスネットワークに関して反復方式で非同期的に送信するように構成される。
【0017】
この方法は、
- 該グループの端末によって送信されるポーリングメッセージの再発に関する情報に基づいて、ブロードキャストメッセージを送信するためのインスタントを、アクセスネットワークによって決定することと、
- ブロードキャストメッセージを送信する前に、該グループに属する端末から受信した各ポーリングメッセージに応答して、ブロードキャストメッセージの送信に関する1つまたは複数のパラメータを含み、「応答メッセージ」として知られるメッセージを、該端末へ、ポイントツーポイント接続でアクセスネットワークによって送信することであって、該応答メッセージは、ポーリングメッセージの送信後の所定の持続時間のリスニングウィンドウの間に、該端末によって受信されるように送信される、送信することと、
- ブロードキャストメッセージを、送信するために決定されたインスタントにおいて、ブロードキャストチャネルを介して、該アクセスネットワークによって送信することと、を含む。
【0018】
ポーリングメッセージは、アクセスネットワークに関して非同期的に送信される。これは、ポーリングメッセージが、アクセスネットワークのための任意のインスタントにおいて送信されることを意味し、または、言い換えれば、該アクセスネットワークは、ポーリングメッセージが端末によって送信され得る瞬間を決定する方法を必ずしも知らない。これは特に、アクセスネットワークからのトリガイベントに応答してポーリングメッセージが送信されないことを意味する。特定の端末の場合、アクセスネットワークは、たとえば、端末によって連続して送信される2つのポーリングメッセージを分離する最大時間間隔のみを認識する(この情報は、アクセスネットワークによって事前に認識されている場合もあれば、該端末から以前に受信したメッセージに応じてネットワークアクセスによって推定され得ることに留意されたい)。
【0019】
ブロードキャストチャネルを介して送信されるメッセージは、アクセスネットワークによってグループのすべての端末に送信される。一方、アクセスネットワークと端末との間のポイントツーポイント接続で送信されるメッセージは、当該端末のみへ送信される。
【0020】
そのような構成は、端末がアップリンク上でメッセージを送信した後、所定のリスニングウィンドウの間に、ダウンリンクをリッスンするという制約を尊重しながら、ブロードキャストチャネルの計画を最適化することを可能にする。実際、ブロードキャストチャネルを介してブロードキャストメッセージを送信するためのインスタントは、グループのすべての端末が、該ブロードキャストメッセージを受信するように構成できた、すなわち、グループのすべての端末が、たとえば、該ブロードキャストメッセージを送信するためのインスタントに関する情報のように、ブロードキャストメッセージを受信するために必要な情報を、応答メッセージを介して受信する機会を有したことを確認するように決定され得る。
【0021】
ブロードキャストまたはマルチキャストは、グループの端末に順次送信される複数のブロードキャストメッセージを含み得ることに留意されたい。そのような場合、アクセスネットワークは、ブロードキャストされるメッセージのセットの第1のメッセージを送信するためのインスタントを決定する。ブロードキャストされるメッセージのセットの第1のメッセージを送信するためのインスタントは、その後、応答メッセージでグループの様々な端末に通信され得る。
【0022】
特定の実装形態では、送信方法は、単独で、または任意の可能な技術的組合せにしたがって、以下の特徴のうちの1つまたは複数をさらに含み得る。
【0023】
特定の実装形態では、グループの端末に送信される応答メッセージは、以下のパラメータ、すなわち、
- ブロードキャストメッセージを送信するためのインスタントに関する情報、
- アクセスネットワークによって動的に割り当てられたグループ識別子、
- ブロードキャストチャネルの中心周波数、
- 複数のブロードキャストメッセージを順次ブロードキャストする必要がある場合、最初のブロードキャストメッセージのシーケンス番号、および/または、最後のブロードキャストメッセージのシーケンス番号、および/または、ブロードキャストメッセージの数、からの1つまたは複数のパラメータを含む。
【0024】
グループ識別子を動的に割り当てるという事実により、アクセスネットワークと端末との間で交換されるメッセージのサイズを制限することが可能となる。実際、従来のブロードキャストまたはマルチキャスト方法では、グループ識別子は、静的に事前に定義される。この場合、定義できる異なるグループ識別子の最大数が十分であることを確実にするために、グループ識別子の値をエンコードするのに十分大きいサイズを選択する必要がある。しかしながら、所与のインスタントにおいて、将来サポートする必要であろう多くのグループ識別子を計画することは容易ではない。逆に、グループ識別子を動的に割り当てることにより、アクセスネットワークは、過去に他のブロードキャストチャネルのためにすでに使用されているが現在は使用されていないグループ識別子を再利用することができる。次に、グループ識別子の値をエンコードするパラメータのサイズは、通信システム10をサポートするために必要なブロードキャストチャネルの総数に依存するのではなく、所与のインスタントにおいて、および所与の地理的領域において、同時に存在する可能性が高いブロードキャストチャネルの最大数に応じて最適に定義され得る。そのような構成により、グループ識別子の値をエンコードするパラメータのサイズを縮小し、グループ識別子を含む応答メッセージのサイズを制限することが可能となる。
【0025】
グループ識別子を動的に割り当てるという事実は、アクセスネットワークおよび端末において、グループ識別子の事前定義されたリストをメモリに格納する必要性を回避することも可能にする。
【0026】
複数のブロードキャストメッセージを順次ブロードキャストする必要がある場合、グループの端末に、最初のブロードキャストメッセージのシーケンス番号、および/または、最後のブロードキャストメッセージのシーケンス番号、および/または、ブロードキャストメッセージの数を通信するという事実は、ブロードキャストチャネルのためのリソースの使用をさらに最適化することを可能にする。
【0027】
特定の実装形態では、グループの端末によって送信されるポーリングメッセージの再発に関する情報は、グループの端末によって送信される2つのポーリングメッセージを分離する最大時間間隔である。
【0028】
特定の実装形態では、ブロードキャストメッセージを送信するためのインスタントを決定することは、グループの各端末から到来する少なくとも1つのポーリングメッセージを受信するための最小待機期間を決定することを含む。ブロードキャストメッセージを送信するためのインスタントは、該最小待機期間の満了後であると判定される。
【0029】
特定の実装形態では、この方法は、グループの端末によって受信されたポーリングメッセージに応じて、ブロードキャストメッセージの送信に寄与するアクセスネットワークの基地局のセットを、アクセスネットワークによって選択することをさらに含む。
【0030】
特定の実装形態では、アクセスネットワークの基地局は、該基地局が、所定のしきい値よりも高いグループの端末から到来する多数のポーリングメッセージを受信した場合にのみ、ブロードキャストメッセージを送信するように選択される。
【0031】
そのような構成により、ブロードキャストチャネルの計画と、アクセスネットワークによる無線リソースの使用とを最適化することも可能になる。
【0032】
第2の態様によれば、本発明は、ワイヤレス通信システムのアクセスネットワークに関する。アクセスネットワークは、該ワイヤレス通信システムの端末とメッセージを交換するように適合された複数の基地局を含む。該端末は、「ポーリングメッセージ」として知られるメッセージを、アップリンク上で、アクセスネットワークへ、アクセスネットワークに関して反復方式で非同期的に送信するように構成される。アクセスネットワークは、「ブロードキャストメッセージ」として知られる少なくとも1つのメッセージを、ブロードキャストチャネルを介して端末のグループに送信するように構成される。
【0033】
アクセスネットワークはさらに、
- 該グループの端末によって送信されるポーリングメッセージの再発に関する情報に基づいて、ブロードキャストメッセージを送信するためのインスタントを決定することと、
- ブロードキャストメッセージを送信する前に、該グループに属する端末から受信した各ポーリングメッセージに応答して、ブロードキャストメッセージの送信に関する1つまたは複数のパラメータを含み、「応答メッセージ」として知られるメッセージを、該端末へ、ポイントツーポイント接続で送信することであって、該応答メッセージは、ポーリングメッセージの送信後の所定の持続時間のリスニングウィンドウの間に、該端末によって受信されるように送信される、送信することと、
- ブロードキャストメッセージを、送信するために決定されたインスタントにおいて、ブロードキャストチャネルを介して送信することと、を行うように構成される。
【0034】
特定の実施形態では、アクセスネットワークは、単独で、または任意の可能な技術的組合せにしたがって、以下の特徴のうちの1つまたは複数をさらに含み得る。
【0035】
特定の実施形態では、グループの端末に送信される応答メッセージは、以下のパラメータ、すなわち、
- ブロードキャストメッセージを送信するためのインスタントに関する情報、
- アクセスネットワーク(30)によって動的に割り当てられたグループ識別子、
- ブロードキャストチャネルの中心周波数、
- 複数のブロードキャストメッセージを順次ブロードキャストする必要がある場合、最初のブロードキャストメッセージのシーケンス番号、および/または、最後のブロードキャストメッセージのシーケンス番号、および/または、ブロードキャストメッセージの数、からの1つまたは複数のパラメータを含む。
【0036】
特定の実施形態では、ブロードキャストメッセージを送信するためのインスタントは、グループの各端末から到来する少なくとも1つのポーリングメッセージを受信するために必要な最小待機期間に応じて決定される。
【0037】
特定の実施形態では、アクセスネットワークは、グループの端末によって受信されたポーリングメッセージに応じて、ブロードキャストメッセージの送信に寄与するアクセスネットワークの基地局のセットを選択するようにさらに構成される。
【0038】
第3の態様によれば、本発明は、アクセスネットワークを含むワイヤレス通信システムの端末に関する。アクセスネットワークは、該端末とメッセージを交換するように適合された複数の基地局を含む。端末は、「ポーリングメッセージ」として知られるメッセージを、アップリンク上で、アクセスネットワークへ、アクセスネットワークに関して反復方式で非同期的に送信するように構成される。アクセスネットワークは、「ブロードキャストメッセージ」として知られる少なくとも1つのメッセージを、ブロードキャストチャネルを介して、該端末が属する端末のグループに送信するように構成される。端末は、該ブロードキャストメッセージを送信するためのインスタントに関する情報、および/または、複数のブロードキャストメッセージが順次ブロードキャストされる必要がある場合、端末向けのシーケンス番号のセットを決定することを可能にする情報を含む「応答メッセージ」として知られるメッセージを、アクセスネットワークと端末との間のポイントツーポイント接続で受信するように構成される。応答メッセージは、ポーリングメッセージの送信後の所定の持続時間のリスニングウィンドウの間に、該ポーリングメッセージに応答して該端末によって受信される。
【0039】
特定の実施形態では、端末は、単独で、または任意の可能な技術的組合せにしたがって、以下の特徴のうちの1つまたは複数をさらに含み得る。
【0040】
特定の実施形態では、応答メッセージは、該少なくとも1つのブロードキャストメッセージを送信するためのインスタントに関する情報を含み、端末は、送信のための該インスタントに基づいて、1つまたは複数のブロードキャストメッセージを受信するために、ブロードキャストチャネルのリッスンを開始するように構成される。
【0041】
特定の実施形態では、複数のブロードキャストメッセージは、ブロードキャストチャネルを介して順次送信する必要があり、各メッセージは、シーケンス番号を含む。応答メッセージは、端末向けのシーケンス番号のセットを決定可能にする情報を含む。端末は、そのシーケンス番号が、端末向けのシーケンス番号のセットに含まれるブロードキャストメッセージのみを考慮するように構成される。端末は、端末向けのシーケンス番号のセットにシーケンス番号が含まれていない他のブロードキャストメッセージを無視するように構成される。
【0042】
本発明は、非限定的な例として与えられ、以下に示す図を参照して行われる以下の説明を読むことにより、よりよく理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0043】
図1図1は、ワイヤレス通信システムの概略図である。
図2図2は、アクセスネットワークによりメッセージを送信するための方法の主なステップを示す図である。
図3図3は、本発明による送信方法に含まれるメッセージ交換を示す図である。
図4図4は、アクセスネットワークによってメッセージを送信するための方法の特定の実装の主なステップを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
上記の図において、ある図から別の図への同一の参照は、同一または類似の要素を示す。明確化のために、特に指定がない限り、示されている要素は縮尺通りではない。
【0045】
図1は、複数の端末20と、複数の基地局31を含むアクセスネットワーク30とを含む、ワイヤレス通信システム10を概略的に示す。
【0046】
端末20と、アクセスネットワーク30の基地局31とは、無線電気信号の形態でメッセージを交換する。「無線電気信号」は、ワイヤレス手段を介して伝播する電磁波を意味し、その周波数は、従来の無線電波のスペクトル(数ヘルツから数百ギガヘルツ)の範囲内にある。
【0047】
説明の残りの部分では、例として、非限定的な方式で、LPWAN(低電力ワイドエリアネットワーク)タイプのワイヤレス通信システムに注目する。そのようなワイヤレス通信システムは、低電力ワイドエリアアクセスネットワークであり、その速度は一般に1Mbit/秒未満である。そのようなUNBワイヤレス通信システムは、特にIoTタイプのアプリケーションに適合している。
【0048】
特定の実装形態では、ワイヤレス通信システム10は、超狭帯域通信システムであり得る。「超狭帯域」すなわちUNBは、端末によって送信される無線信号の瞬時周波数スペクトルが、2キロヘルツ未満、または1キロヘルツ未満の周波数幅であることを意味する。そのようなシステムにより、端末がアクセスネットワークと通信する際の消費電力を大幅に制限することができる。
【0049】
端末20は、アップリンク上で、アクセスネットワーク30へメッセージを送信するように適合されている。
【0050】
各基地局31は、その範囲内にある端末20によって送信されたメッセージを受信するように適合されている。そのように受信された各メッセージは、たとえば、アクセスネットワーク30のサーバ32に送信され、任意選択で、メッセージを受信した基地局31の識別子、該受信されたメッセージの測定された電力、受信日および/または該受信されたメッセージの測定された中心周波数などのような他の情報を伴う。サーバ32は、たとえば、様々な基地局31から受信されたすべてのメッセージを処理する。
【0051】
さらに、アクセスネットワーク30はまた、基地局31によって、ダウンリンク上で、メッセージを、メッセージを受信するように適合された端末20に送信するように適合されている。メッセージは、ポイントツーポイント接続のダウンリンク上で、すなわち、メッセージにおいて受信者として示される単一の特定の端末20に送信され得る。
【0052】
端末20へのポイントツーポイント接続でアクセスネットワーク30によって送信されたダウンリンクメッセージは、該端末20によって以前に送信されたアップリンクメッセージに関して、所定のリスニングウィンドウの間に、端末20によって受信される。より具体的には、検討された例では、アップリンクメッセージを送信した後、端末は、所定の持続時間のスタンバイウィンドウにわたってスタンバイ(または、省エネ)モードに切り替わる。該スタンバイウィンドウの終了時に、端末は、基地局によって送信されるダウンリンクメッセージを予期して、限られた持続時間のリスニングウィンドウにわたってダウンリンクをリッスンするためにスタンバイモードを終了する。
【0053】
アクセスネットワーク30に関する限り、様々な端末のリスニングウィンドウは、これらの端末から受信したアップリンクメッセージに基づいて決定することができ、アクセスネットワークは、該端末のそれぞれのリスニングウィンドウの間に、対応する端末によって、ダウンリンクメッセージを受信できるように、ダウンリンクメッセージの送信を体系化する必要がある。
【0054】
端末は、所定のリスニングウィンドウにわたってのみ、ダウンリンクをリッスンするという事実のために、ダウンリンクメッセージを受信するために必要な追加の電力消費は制限され、該端末はしばしばスタンバイモードにある可能性がある。
【0055】
メッセージはまた、ブロードキャストチャネルを介して、メッセージ内で受信者として示されるグループ識別子によって識別される端末20のグループに送信され得る。ブロードキャストチャネルは、端末20のグループが、ワイヤレス通信システム10のすべての端末20に対応するブロードキャストチャネルであり得る。ブロードキャストチャネルは、端末20のグループが、ワイヤレス通信システム10のすべての端末20のうちの一部にのみ対応するマルチキャストチャネルであり得る。
【0056】
図2は、アクセスネットワーク30によって、少なくとも1つのブロードキャストメッセージを、ワイヤレス通信システム10の端末20のグループに送信するための方法50の主なステップを示す。端末20は、アップリンク上で、アクセスネットワークへ、ポーリングメッセージを反復的に送信するように構成される。
【0057】
方法50は、以下のステップ、すなわち、
- 該グループの端末20によって送信されるポーリングメッセージの再発に関する情報に基づいて、ブロードキャストメッセージを送信するためのインスタントを決定するステップ51と、
- ブロードキャストメッセージを送信する前に、該グループに属する端末20から受信した各ポーリングメッセージに応答して、ブロードキャストメッセージの送信に関する1つまたは複数のパラメータを含む応答メッセージを、該端末20へ、ポイントツーポイント接続で、アクセスネットワーク30によって送信するステップ52であって、該応答メッセージは、ポーリングメッセージの送信後の所定の持続時間のリスニングウィンドウの間に、該端末20によって受信されるように向けられる、送信するステップ52と、
- ブロードキャストメッセージを、送信するために決定されたインスタントにおいてブロードキャストチャネルを介して、該アクセスネットワーク30によって送信するステップ54と、を含む。
【0058】
図2に示される様々なステップは、アクセスネットワーク30によって、この場合、アクセスネットワーク30の少なくとも1つの基地局31によって、そして任意選択でサーバ32によって実行されることに留意されたい。
【0059】
この目的のために、各基地局31およびサーバ32は、たとえば、1つまたは複数のプロセッサおよびメモリ記憶手段(磁気ハードドライブ、電子メモリ、光ディスクなど)を含む、たとえば、処理回路(図には示されていない)を含み、コンピュータプログラム製品は、送信方法50のステップを実装するために実行されるプログラムコード命令のセットの形態で、メモリに格納される。あるいは、またはそれに加えて、処理回路は、該ステップのすべてまたは一部を実装するように適合された、1つまたは複数のプログラマブルロジック回路(FPGA、PLDなど)、および/または1つまたは複数の専用集積回路(ASIC)、および/またはディスクリート電子構成要素のセットなどを含む。
【0060】
各基地局31は、当業者に知られている機器(アンテナ、増幅器、局部発振器、ミキサ、アナログフィルタなど)を含む無線電気回路(図には示されていない)をさらに含み、該基地局31が、メッセージを無線電気信号の形態で送信および受信することを可能にする。
【0061】
言い換えれば、基地局31およびサーバ32の処理回路および無線電気回路は、送信方法50のステップを実装するようにソフトウェア(特定のコンピュータプログラム製品)および/またはハードウェア(FPGA、PLD、ASIC、ディスクリート電子構成要素など)によって構成されるアクセスネットワーク30の手段に対応する。
【0062】
決定ステップ51において、ブロードキャストチャネルを介してブロードキャストメッセージを送信するためのインスタントは、グループのすべての端末20が、該ブロードキャストメッセージを受信するように構成できる、すなわち、グループのすべての端末が、たとえば、該ブロードキャストメッセージを送信するためのインスタントに関する情報のように、ブロードキャストメッセージを受信するために必要な情報を、応答メッセージを介して受信する機会を有したことを確認するように決定され得る。
【0063】
1つの変形例では、ブロードキャストチャネルを介してブロードキャストメッセージを送信するためのインスタントは、グループの少なくとも1つの所定の最小数の端末20が、該ブロードキャストメッセージを受信するように構成されていることを確認するように決定され得る。
【0064】
ブロードキャストメッセージを送信するためのインスタントは、グループの端末20によって送信されるポーリングメッセージの再発に関する情報に基づいて決定される。この情報は、たとえば、グループのすべての端末に共通のポーリングメッセージを送信するための期間に対応し得る。別の例によれば、この情報は、様々な端末が、ポーリングメッセージを送信するための異なる期間を有する可能性がある場合、グループのすべての端末の最大送信期間に対応し得る。さらに別の例によれば、この情報は、特にポーリングメッセージが端末によって定期的に送信されない場合、グループの端末によって送信される2つのポーリングメッセージを分離する最大時間間隔に対応し得る。
【0065】
特定の実装形態では、ブロードキャストメッセージを送信するためのインスタントを決定するステップ51は、グループの各端末20から到来する少なくとも1つのポーリングメッセージを受信するための最小待機期間を決定することを含み、ブロードキャストメッセージを送信するためのインスタントは、該最小待機期間の満了後であると判定される。そのような構成は、グループのすべての端末が、ポーリングメッセージを送信し、該ブロードキャストメッセージが送信される前にブロードキャストメッセージを受信するために必要な情報を含む応答メッセージを返報として受信できたことを確認することを特に可能にし得る。
【0066】
端末20によって送信されるポーリングメッセージは、該端末の注意喚起のためにブロードキャストメッセージの可能なブロードキャストに関してアクセスネットワーク30を明示的にポーリングするために送信され得ることに留意されたい。しかしながら、該端末の注意喚起ためのブロードキャストメッセージの可能なブロードキャストに関する明示的な要求を含むことなく、ポーリングメッセージがアクセスネットワーク30の注意喚起ためのデータを含むことを妨げるものはない。しかしながら、アクセスネットワークは、端末20が、所定のリスニングウィンドウの間、ダウンリンクでリッスンし続けるという事実を利用して、該端末が属する端末のグループのためのブロードキャストメッセージが、間もなく送信されることを端末20に示す応答メッセージを送信することができる。
【0067】
送信ステップ52において送信される応答メッセージは、ブロードキャストメッセージを受信するようにグループの端末20を構成することを可能にする1つまたは複数のパラメータを含み得る。
【0068】
応答メッセージは、特に、ブロードキャストメッセージを送信するためのインスタントに関する情報、または複数のブロードキャストメッセージを送信しなければならない場合、最初のブロードキャストメッセージを送信するためのインスタントに関する情報を含み得る。次に、グループの端末20は、最初のブロードキャストメッセージを送信するインスタントまでの特定の期間の間、ブロードキャストチャネルをリッスンすることなく、有利にスタンバイのままであり得る。端末20は、単に、最初のブロードキャストメッセージを送信するためのインスタントから、ブロードキャストチャネルのリッスンを開始する。そのような構成により、端末20の電力消費を低減することが可能となる。
【0069】
応答メッセージはまた、1つまたは複数のブロードキャストメッセージが送信されるブロードキャストチャネルの中心周波数を含み得る。
【0070】
応答メッセージはまた、アクセスネットワーク30によって動的に割り当てられたグループ識別子を含み得る。「動的割当」は、グループ識別子が静的に事前に定義されておらず、アクセスネットワーク30および端末20によってメモリに格納されていないことを意味する。言い換えれば、ブロードキャストチャネルを作成しなければならないときはいつでも、グループ識別子は、該ブロードキャストチャネルのためのアクセスネットワーク30によって決定される。アクセスネットワークは、過去に他のブロードキャストチャネルのためにすでに使用されているが、現在は使用されていないグループ識別子を再利用する場合がある。その場合、グループ識別子をエンコードするパラメータのサイズは、ブロードキャストチャネルが作成された時点で、およびブロードキャストチャネルが使用される地理的領域で、同時に存在し得るブロードキャストチャネルの数(すなわち、異なるグループ識別子の数)に依存し得る。そのような構成により、グループ識別子の値をエンコードするパラメータのサイズを縮小し、したがって、グループ識別子を含む応答メッセージのサイズを制限することが可能となる。たとえば、グループ識別子は8ビットでエンコードされ、これは、256の異なるグループ識別子、つまり256の異なるブロードキャストチャネルが、所与の地理的領域において同時に作成され得ることを意味する。
【0071】
ブロードキャストまたはマルチキャストは、ブロードキャストチャネルを介してグループの端末に順次送信される複数のブロードキャストメッセージを含み得る。そのような場合、応答メッセージが、たとえば、最初のブロードキャストメッセージのシーケンス番号、および/または、最後のブロードキャストメッセージのシーケンス番号、および/または、ブロードキャストメッセージの数のようなグループの端末20向けのシーケンス番号のセットを決定することを可能にする情報を含むことも有利であり得る。これにより、ブロードキャストチャネルのためのリソースの使用をさらに最適化することができる。実際、同じブロードキャストチャネルに対して、すなわち同じグループ識別子に対して、ブロードキャストメッセージのセットの一部のみが意図される端末の複数のサブグループを定義することが可能になる。たとえば、10のブロードキャストメッセージがある場合、シーケンス番号が1から8のメッセージが意図されている端末の第1のサブグループと、シーケンス番号が4から10のメッセージが意図されている端末の第2のサブグループとを定義することが可能になる。しかしながら、10のメッセージは、アクセスネットワークによって、単一のブロードキャストチャネルを介して、1回だけブロードキャストされる。そのような構成は、2つのブロードキャストチャネル、すなわち、シーケンス番号が1から8のメッセージを、端末の第1のサブグループにブロードキャストするための第1のブロードキャストチャネルと、シーケンス番号が4から10のメッセージを、端末の第2のサブグループにブロードキャストするための第2のブロードキャストチャネルとを作成することに関して確かに有利である。実際、そのような場合、10ではなく14のメッセージがブロードキャストされるため、無線リソースの使用は最適化されない。
【0072】
そのような場合、端末20は、そのシーケンス番号が、該端末20によって受信された応答メッセージに示される最初のブロードキャストメッセージのシーケンス番号以上であるメッセージのみを考慮するように構成され得る。端末20はまた、端末20によって受信された応答メッセージに示されるブロードキャストメッセージの数に等しいブロードキャストメッセージの数のみを考慮するように構成され得る。それに加えて、端末20はまた、そのシーケンス番号が、該端末20によって受信された応答メッセージに示される最後のブロードキャストメッセージのシーケンス番号以下であるメッセージのみを考慮するように構成され得る。ブロードキャストメッセージは、該ブロードキャストメッセージが端末20によって使用されるか否かを意味する端末20によって「考慮」される。シーケンス番号が端末20によって考慮されてはならないようなブロードキャストメッセージは無視される。言い換えれば、端末20の最下層(物理層または接続層)は、受信したメッセージのシーケンス番号に応じて、および端末20によって予想されるシーケンス番号に応じて、ブロードキャストメッセージを端末20の最上層(たとえば、アプリケーション層)に送信するか否かを決定する。ブロードキャストメッセージは、ブロードキャストメッセージのシーケンス番号が、端末20によって予想されるシーケンス番号内にある場合にのみ、端末によって使用される。
【0073】
なお、応答メッセージは、ブロードキャストチャネルを介して最初のブロードキャストメッセージを送信するためのインスタントに関する情報を必ずしも含まずに、グループの端末20向けのシーケンス番号のセットを決定することを可能にする情報を含み得ることに留意されたい。そのような場合、端末20は、たとえば、アクセスネットワーク30から応答メッセージを受信するとすぐにブロードキャストチャネルをリッスンし、シーケンス番号が、端末向けのシーケンス番号のセットに含まれていないすべてのメッセージを無視し始め得る。
【0074】
アクセスネットワーク30によってブロードキャストメッセージを送信するステップ54において、ブロードキャストメッセージは、1つまたは複数の基地局31によって送信され得る。本説明では、ブロードキャストメッセージが、複数の基地局31によって送信されたとしても、これは、アクセスネットワーク30によるブロードキャストメッセージの単一の送信に関連すると考えられる。
【0075】
非限定的な例として、図3は、N個のブロードキャストメッセージが、アクセスネットワーク30によって、ブロードキャストチャネルを介して、3つの端末20-a、20-b、20-cのグループにブロードキャストされなければならないときに、端末とアクセスネットワーク30との間で交換されるメッセージを概略的に示す。
【0076】
アクセスネットワーク30は、たとえば、グループの各端末20-a、20-b、20-cから到来する少なくとも1つのポーリングメッセージINTを受信するための最小待機期間61を決定する。この待機期間61は、たとえば、グループの端末によって送信された2つのポーリングメッセージを分離する最大時間間隔に基づいて決定され、この最大時間間隔の値は、アクセスネットワーク30によって事前に知られている。必要な最小待機期間61を決定するために、アクセスネットワーク30は、たとえば、ポーリングメッセージを受信する様々なインスタントを経時的にメモリに格納することができる。最初のブロードキャストメッセージMC#1を送信するためのインスタントは、次に、グループのすべての端末20-a、20-b、20-cがポーリングメッセージINTを送信し、該ブロードキャストメッセージが送信される前に、該ブロードキャストメッセージを受信するために必要な情報を含む応答メッセージRSPを返報として受信できることを確実にするために、待機期間61の満了後になるようにアクセスネットワーク30によって決定される。
【0077】
待機期間61の間にグループの端末20-a、20-b、20-cから受信される各ポーリングメッセージINTについて、アクセスネットワークは、該端末が、ポーリングメッセージINTの送信後の所定のリスニングウィンドウ60の間に該応答メッセージを受信するように、ポイントツーポイント接続で、応答メッセージRSPを該端末に送信する。各応答メッセージRSPは、最初のブロードキャストメッセージMC#1を送信するためのインスタントに関する情報を含み、各端末20-a、20-b、20-cは、ブロードキャストチャネルのリッスンを開始しなければならない瞬間を知ることができる。応答メッセージRSPはまた、ブロードキャストメッセージの数、ブロードキャストチャネルの中心周波数、ブロードキャストチャネルの存在時間などに関する情報を含み得る。任意選択で、N個のブロードキャストメッセージの一部のみがグループの端末20-a、20-b、20-cのうちの1つ向けである場合、応答メッセージRSPは、最初のブロードキャストメッセージのシーケンス番号、および/または、該端末向けの最後のブロードキャストメッセージのシーケンス番号を含み得る。
【0078】
最初のブロードキャストメッセージMC#1を送信するためのインスタントが到着すると、アクセスネットワークは、ブロードキャストチャネルを介して、N個のブロードキャストメッセージMC#1、MC#2、・・・、MC#Nの送信を順次開始する。グループの端末20-a、20-b、20-cは、最初のブロードキャストメッセージMC#1を送信するためのインスタントに基づいて、ブロードキャストチャネルをリッスンするように構成された部分のためのものである。
【0079】
図4は、送信方法50の特定の実装の主なステップを概略的に示す。図4に示されるように、送信方法50は、図2のすべてのステップを行う。
【0080】
図4に示すように、送信方法50は、ブロードキャストメッセージの送信54に寄与するアクセスネットワーク30の基地局31のセットを、アクセスネットワーク30によって選択するステップ53をさらに含む。この選択は、グループの端末20によって受信されたポーリングメッセージに応じて実行される。
【0081】
本発明による方法では、アクセスネットワーク30は、実際に、グループのどの端末20に、ブロードキャストチャネルに関する情報が、応答メッセージを介して送信されたかを知っている。したがって、アクセスネットワークは、ブロードキャストメッセージを受信するように構成されたこれらの端末をカバーすることを可能にする基地局31のセットを選択することが可能である。そのような構成は、グループのどの端末もカバーしない基地局によるブロードキャストメッセージの不必要な送信を回避することが可能であるため、ブロードキャストチャネルのための無線リソースの使用を最適化することを可能にする。
【0082】
特定の実装形態では、アクセスネットワーク30の基地局31は、該基地局31が、所定のしきい値よりも高いグループの端末20から到来する多数のポーリングメッセージを受信した場合にのみ、ブロードキャストメッセージを送信するように選択される。
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】