(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-15
(54)【発明の名称】皮膚に塗布する組成物及び方法
(51)【国際特許分類】
A61L 15/18 20060101AFI20220608BHJP
A61L 15/24 20060101ALI20220608BHJP
A61L 15/26 20060101ALI20220608BHJP
【FI】
A61L15/18 100
A61L15/24 100
A61L15/26 100
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021560854
(86)(22)【出願日】2020-04-14
(85)【翻訳文提出日】2021-10-13
(86)【国際出願番号】 IB2020053481
(87)【国際公開番号】W WO2020212828
(87)【国際公開日】2020-10-22
(32)【優先日】2019-04-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-10-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】000001959
【氏名又は名称】株式会社 資生堂
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】アクサクル,アリヤ
【テーマコード(参考)】
4C081
【Fターム(参考)】
4C081AA02
4C081AA12
4C081CA011
4C081CA271
4C081CC05
4C081CG07
4C081DA02
(57)【要約】
本明細書では、被験体の皮膚への単回塗布工程で、被験体の皮膚上に薄膜を作製するのに用いうる組成物を開示する。より具体的には、本明細書で提供される組成物は、皮膚への塗布前に、複数のコンパートメントに保管したり、他の組成物や成分と混合したりする必要がない。そのかわり、単一組成物を、製造し、単一のコンパートメントに保管し、かつ、その後、被験体の皮膚に塗布して、被験体の皮膚上に膜を作製することができる。ある実施形態では、本明細書で提供される組成物は、皮膚への塗布前に混合する必要がないため、本明細書で提供される組成物を含む容器は、当該組成物を皮膚に塗布するのに適するアプリケーターも含むことができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
組成物であって、以下の:
(a)少なくとも1つの遷移金属;
(b)少なくとも1つの不飽和有機重合体;
(c)少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサン;及び
(d)前記不飽和有機重合体と前記水素化官能化ポリシロキサンとの間の架橋反応を減速するのに十分な濃度の、少なくとも1つのリガンドを含む組成物であって、
これらの成分は有意な架橋が生じないように混合物として配合かつ保存され、ここで、前記不飽和有機重合体の約25℃での粘度は、約10,000~約185,000cSt又はcPの間であり、かつ、前記水素化官能化ポリシロキサンの約25℃での粘度は、約30~約100cSt又はcPの間である、組成物。
【請求項2】
組成物であって、以下の:
(a)少なくとも1つの遷移金属;
(b)少なくとも1つのビニル官能化有機ポリシロキサン;
(c)少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサン;及び
(d)前記ビニル官能化有機ポリシロキサンと前記水素化官能化ポリシロキサンとの間の架橋反応を減速するのに十分な濃度の、少なくとも1つのリガンドを含む組成物であって、
これらの成分は有意な架橋が生じないように混合物として配合かつ保存され、ここで、前記ビニル官能化有機ポリシロキサンの約25℃での粘度は、約10,000~約185,000cSt又はcPの間であり、かつ、前記水素化官能化ポリシロキサンの約25℃での粘度は、約30~約100cSt又はcPの間である、組成物。
【請求項3】
被験体の皮膚上に薄膜を形成する方法であって、以下の:
(i)被験体の皮膚に組成物を塗布する工程であって、前記組成物は以下の:
(a)少なくとも1つの遷移金属;(b)少なくとも1つのビニル官能化有機ポリシロキサン;(c)少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサン;及び(d)前記ビニル官能化有機ポリシロキサンと前記水素化官能化ポリシロキサンとの間の架橋反応を減速するのに十分な濃度の、少なくとも1つのリガンドを含み、これらの成分は有意な架橋が生じないように混合物として配合かつ保存され;並びに
(ii)前記リガンドを前記遷移金属から分離する工程を含む、方法であって、
ここで、前記ビニル官能化有機ポリシロキサンの約25℃での粘度は、約10,000~約185,000cSt又はcPの間であり、かつ、前記水素化官能化ポリシロキサンの約25℃での粘度は、約30~約100cSt又はcPの間である;
方法。
【請求項4】
被験体の皮膚上に薄膜を形成する方法であって、以下の:
(i)被験体の皮膚に組成物を塗布する工程であって、前記組成物は以下の:
(a)少なくとも1つの遷移金属;(b)少なくとも1つのビニル官能化有機ポリシロキサン;(c)少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサン;及び(d)前記ビニル官能化有機ポリシロキサンと前記水素化官能化ポリシロキサンとの間の架橋反応を減速するのに十分な濃度の、少なくとも1つのリガンドを含み、これらの成分は有意な架橋なく混合物としてともに配合かつ保存されうる;並びに
(ii)前記リガンドを前記水素化官能化ポリシロキサンから分離する工程を含む、方法であって、
ここで、前記ビニル官能化有機ポリシロキサンの約25℃での粘度は、約10,000~約185,000cSt又はcPの間であり、かつ、前記水素化官能化ポリシロキサンの約25℃での粘度は、約30~約100cSt又はcPの間である;
方法。
【請求項5】
組成物であって、以下の:
(a)白金;
(b)少なくとも1つのビニル官能化有機ポリシロキサン;
(c)少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサン;及び
(d)前記ビニル官能化有機ポリシロキサンと前記水素化官能化ポリシロキサンとの間の架橋反応を減速するのに十分な濃度の、少なくとも1つのジビニルジシロキサンを含む組成物であって、
これらの成分は有意な架橋が生じないように混合物として配合かつ保存され、ここで、前記ビニル官能化有機ポリシロキサンの約25℃での粘度は、約10,000~約185,000cSt又はcPの間であり、かつ、前記水素化官能化ポリシロキサンの約25℃での粘度は、約30~約100cSt又はcPの間である、組成物。
【請求項6】
組成物中の白金から少なくとも1つのジビニルジシロキサンを分離させる一段階法において、単一の配合物として前記組成物を用いる方法であって、ここで、前記組成物は、以下の:
(a)白金;
(b)少なくとも1つのビニル官能化有機ポリシロキサン;
(c)少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサン;及び
(d)前記ビニル官能化有機ポリシロキサンと前記水素化官能化ポリシロキサンとの間の架橋反応を減速するのに十分な濃度の、少なくとも1つのジビニルジシロキサンを含む組成物であって、
これらの成分は有意な架橋が生じないように混合物として配合かつ保存され、ここで、前記ビニル官能化有機ポリシロキサンの約25℃での粘度は、約10,000~約185,000cSt又はcPの間であり、かつ、前記水素化官能化ポリシロキサンの約25℃での粘度は、約30~約100cSt又はcPの間である、方法。
【請求項7】
組成物であって、以下の:
(a)少なくとも1つの遷移金属;
(b)少なくとも1つのビニル官能化有機ポリシロキサン;
(c)少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサン;及び
(d)前記ビニル官能化有機ポリシロキサンと前記水素化官能化ポリシロキサンとの間の架橋反応を減速するのに十分な濃度の、少なくとも1つのカプセル化剤を含む組成物であって、前記カプセル化剤は、前記遷移金属又は前記水素化官能化ポリシロキサンとマイクロカプセルを形成し、ここで、前記ビニル官能化有機ポリシロキサンの約25℃での粘度は、約10,000~約185,000cSt又はcPの間であり、かつ、前記水素化官能化ポリシロキサンの約25℃での粘度は、約30~約100cSt又はcPの間である、組成物。
【請求項8】
組成物であって、以下の:
(a)少なくとも1つの遷移金属;
(b)少なくとも1つのビニル官能化有機ポリシロキサン;
(c)少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサン;及び
(d)前記ビニル官能化有機ポリシロキサンと前記水素化官能化ポリシロキサンとの間の架橋反応を阻害するのに十分な濃度の少なくとも1つのカプセル化剤;を含む組成物であって、ここで、前記カプセル化剤は、前記遷移金属と、又は前記水素化官能化ポリシロキサンとともにマイクロカプセルを形成し、ここで、前記ビニル官能化有機ポリシロキサンの約25℃での粘度は、約10,000~約185,000cSt又はcPの間であり、かつ、前記水素化官能化ポリシロキサンの約25℃での粘度は、約30~約100cSt又はcPの間である、組成物。
【請求項9】
被験体の皮膚上に薄膜を形成する方法であって、以下の:
(i)被験体の皮膚に組成物を塗布する工程であって、前記組成物は以下の:
(a)少なくとも1つの遷移金属、
(b)少なくとも1つのビニル官能化有機ポリシロキサン;
(c)少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサン;及び
(d)前記ビニル官能化有機ポリシロキサンと前記水素化官能化ポリシロキサンとの間の架橋反応を減速するのに十分な濃度の、少なくとも1つのカプセル化剤を含む組成物であって、これらの成分は有意な架橋なく混合物としてともに配合かつ保存されうる;並びに、
(ii)前記カプセル化剤を、前記遷移金属又は前記水素化官能化ポリシロキサンから分離する工程を含む方法であって、
ここで、前記ビニル官能化有機ポリシロキサンの約25℃での粘度は、約10,000~約185,000cSt又はcPの間であり、かつ、前記水素化官能化ポリシロキサンの約25℃での粘度は、約30~約100cSt又はcPの間である;
方法。
【請求項10】
被験体の皮膚上に薄膜を形成する方法であって、以下の:
(i)被験体の皮膚に組成物を塗布する工程であって、前記組成物は以下の:
(a)少なくとも1つの遷移金属、
(b)少なくとも1つのビニル官能化有機ポリシロキサン;
(c)少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサン;及び
(d)前記ビニル官能化有機ポリシロキサンと前記水素化官能化ポリシロキサンとの間の架橋反応を阻害するのに十分な濃度の、少なくとも1つのカプセル化剤を含む組成物であって、これらの成分は有意な架橋なく混合物としてともに配合かつ保存されうる;並びに、
(ii)前記カプセル化剤を、前記遷移金属又は前記水素化官能化ポリシロキサンから分離する工程を含む方法であって、
ここで、前記ビニル官能化有機ポリシロキサンの約25℃での粘度は、約10,000~約185,000cSt又はcPの間であり、かつ、前記水素化官能化ポリシロキサンの約25℃での粘度は、約30~約100cSt又はcPの間である;
方法。
【請求項11】
組成物であって、以下の:
(a)白金;
(b)少なくとも1つのビニル官能化有機ポリシロキサン;
(c)少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサン;及び
(d)前記ビニル官能化有機ポリシロキサンと前記水素化官能化ポリシロキサンとの間の架橋反応を減速するのに十分な濃度の、少なくとも1つのカプセル化剤を含む組成物であって、これらの成分は有意な架橋が生じないように混合物として配合かつ保存され、ここで、前記ビニル官能化有機ポリシロキサンの約25℃での粘度は、約10,000~約185,000cSt又はcPの間であり、かつ、前記水素化官能化ポリシロキサンの約25℃での粘度は、約30~約100cSt又はcPの間である、組成物。
【請求項12】
組成物であって、以下の:
(a)白金;
(b)少なくとも1つのビニル官能化有機ポリシロキサン;
(c)少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサン;及び
(d)前記ビニル官能化有機ポリシロキサンと前記水素化官能化ポリシロキサンとの間の架橋反応を阻害するのに十分な濃度の、少なくとも1つのカプセル化剤を含む組成物であって、これらの成分は有意な架橋が生じないように混合物として配合かつ保存され、ここで、前記ビニル官能化有機ポリシロキサンの約25℃での粘度は、約10,000~約185,000cSt又はcPの間であり、かつ、前記水素化官能化ポリシロキサンの約25℃での粘度は、約30~約100cSt又はcPの間である、組成物。
【請求項13】
組成物中の白金から少なくとも1つのカプセル化剤を分離させる一段階法において、単一の配合物として前記組成物を用いる方法であって、ここで、前記組成物は、(a)白金;(b)少なくとも1つのビニル官能化有機ポリシロキサン;(c)少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサン;及び(d)前記ビニル官能化有機ポリシロキサンと前記水素化官能化ポリシロキサンとの間の架橋反応を減速するのに十分な濃度の、少なくとも1つのカプセル化剤を含む組成物であって、これらの成分は有意な架橋が生じないように混合物として配合かつ保存され、ここで、前記ビニル官能化有機ポリシロキサンの約25℃での粘度は、約10,000~約185,000cSt又はcPの間であり、かつ、前記水素化官能化ポリシロキサンの約25℃での粘度は、約30~約100cSt又はcPの間である、方法。
【請求項14】
組成物中の白金から少なくとも1つのカプセル化剤を分離させる一段階法において、単一の配合物として前記組成物を用いる方法であって、ここで、前記組成物は、(a)白金;(b)少なくとも1つのビニル官能化有機ポリシロキサン;(c)少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサン;及び(d)前記ビニル官能化有機ポリシロキサンと前記水素化官能化ポリシロキサンとの間の架橋反応を阻害するのに十分な濃度の、少なくとも1つのカプセル化剤を含む組成物であって、これらの成分は有意な架橋が生じないように混合物として配合かつ保存され、ここで、前記ビニル官能化有機ポリシロキサンの約25℃での粘度は、約10,000~約185,000cSt又はcPの間であり、かつ、前記水素化官能化ポリシロキサンの約25℃での粘度は、約30~約100cSt又はcPの間である、方法。
【請求項15】
組成物中の水素化官能化ポリシロキサンから少なくとも1つのカプセル化剤を分離させる一段階法において、単一の配合物として前記組成物を用いる方法であって、ここで、前記組成物は、(a)白金;(b)少なくとも1つのビニル官能化有機ポリシロキサン;(c)少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサン;及び(d)前記ビニル官能化有機ポリシロキサンと前記水素化官能化ポリシロキサンとの間の架橋反応を減速するのに十分な濃度の、少なくとも1つのカプセル化剤を含む組成物であって、これらの成分は有意な架橋が生じないように混合物として配合かつ保存され、ここで、前記ビニル官能化有機ポリシロキサンの約25℃での粘度は、約10,000~約185,000cSt又はcPの間であり、かつ、前記水素化官能化ポリシロキサンの約25℃での粘度は、約30~約100cSt又はcPの間である、方法。
【請求項16】
組成物中の水素化官能化ポリシロキサンから少なくとも1つのカプセル化剤を分離させる一段階法において、単一の配合物として前記組成物を用いる方法であって、ここで、前記組成物は、(a)白金;(b)少なくとも1つのビニル官能化有機ポリシロキサン;(c)少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサン;及び(d)前記ビニル官能化有機ポリシロキサンと前記水素化官能化ポリシロキサンとの間の架橋反応を阻害するのに十分な濃度の、少なくとも1つのカプセル化剤を含む組成物であって、これらの成分は有意な架橋が生じないように混合物として配合かつ保存され、ここで、前記ビニル官能化有機ポリシロキサンの約25℃での粘度は、約10,000~約185,000cSt又はcPの間であり、かつ、前記水素化官能化ポリシロキサンの約25℃での粘度は、約30~約100cSt又はcPの間である、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2018年9月27日に出願された米国仮出願第62/737,652号の利益を主張し、その内容全体を参照により本明細書に援用する。
1.技術分野
本明細書では、皮膚の機能及び外観を改変し、被験体の皮膚上に層を形成することにより、皮膚を保護する、薄く、耐久性があり、非侵襲性であり、使用が簡便であり、皮膚様特性を有する組成物、装置及び方法である。
【背景技術】
【0002】
特許文献1~4は、化粧料及び治療用途のスキンケア製品に適する組成物及び重合体材料を開示する。正常な若々しい皮膚の特性を模倣する、弾性があり、装着可能な架橋性重合体層(XPL)の合成及び塗布は、非特許文献1に記載される。
皮膚欠陥、例えば、シワ、細線、老化斑、拡大した孔又は瘢痕の外観を低減する現在の方法としては、侵襲的及び非侵襲的方法及び組成物があげられる。外科手術、充填剤(例えば、レスチレン、ジュベダーム)、レーザーリサーフェシング又はボトックス(登録商標)等の侵襲的技術は、効果が長期持続する可能性があり、顕著な欠陥を治療することができる。しかしながら、多くの消費者は、当該劇的な美容処置を受ける経済的余裕がないか、又はそれを望まないかのいずれかである。
【0003】
非侵襲的方法の例としては、皮膚にファンデーション系化粧料を塗布して欠陥を隠す、又は経時的に欠陥のある外観を低減しうる成分(例えば、抗シワクリーム)を含む化粧料組成物を塗布すること、があげられる。残念ながら、ファンデーション系化粧料は耐久性がなく、深いシワ又は瘢痕等の顕著な皮膚欠陥の外観を低減できず、不完全な外観を低減する成分を含有する化粧料組成物は効果が現れるのに時間がかかり、また顕著に不完全な外観を低減させることもできない。特に、現在の化粧料組成物の多くには、顕著な欠陥の出現を低減させるのに必要な機械的特性がない。
【0004】
タンパク質及び多糖類を含む高分子量重合体が、アンチエイジングスキンケア化粧料組成物の開発の試みに用いられてきた(非特許文献2)。当該重合体は、皮膚に塗布すると皮膚の物理的特性(例えば、弾力性及び剛性)を変化させるが、長時間の着用時、自然に反復的に顔を動かす動作に対する耐久性はなかった。今日のスキンケア製品に用いられる市販の重合体材料は、必ずしも製品の性能を長期持続するための弾力性、耐環境性、及び皮膚への接着性を提供するものではなく、かつ、化粧料の消費者が求める美的感覚や外観を提供するものでもない。
【0005】
皮膚は外界からの保護バリアとして機能する。損傷を受けると、一連の反応が引き金となり、損傷した組織が修復される。創傷治癒は複雑な過程であり、4つの段階(炎症、増殖、リモデリング、上皮化)を経て、損傷部位の修復が進行する。創傷治癒は自然なプロセスであるが、関連する事象の破壊により、治癒が不完全となり、かつ、組織のさらなる損傷の原因となりうる。創傷を治療する現在の方法としては、創傷への包帯の適用があげられ、出血を防ぎ、感染を予防し、治癒を促進する。創傷包帯は、しばしば通気性のある材料(例えば、ガーゼ)で作製される。創傷には閉塞包帯が用いられるが、創傷皮膚を塞ぐことの影響は完全には解明されていない(例えば、非特許文献3)。しかしながら、これまでの閉塞包帯は耐久性がなく、便利でなく、長持ちしないため、創傷皮膚に閉塞を用いる現在の方法は満足のいくものではない。さらに、現在の閉塞性被覆材の中には、被験体が治療部位の周囲にプラスチックを巻く必要があるものもあり、治療が煩わしく不快であるため、被験体のコンプライアンスが低下する。最後に、現在の閉塞性被膜は、創傷の性質に基づいた、環境への創傷の露出の調節ができない。例えば、現在の閉塞包帯は空気及び水をともに排除するように設計されており、一般に、それらの一方には曝露するが、他方へは曝露しない、といったことはできない。今日、治療用製品で用いられる市販の重合体材料は、必ずしも製品の性能を長期間持続させる弾力性、耐環境性、及び皮膚への接着性を提供するものではなく、かつ、治療用製品の消費者が求める美的感覚や外観を提供するものでもない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】国際公開第2012/030984号
【特許文献2】国際公開第2012/030993号
【特許文献3】国際公開第2013/044098号
【特許文献4】国際公開第2017/083398号
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】Yu, Betty, et al.“An elastic second skin,” Nature materials 15.8 (2016): 911
【非特許文献2】Jachowicz et al, Skin Res. and Tech., 2008, 14:312-319
【非特許文献3】Leow and Maibach; J Dermatol Treat, (1997) 8, 139-142
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、皮膚の機能及び外観を改変し、かつ、皮膚を保護する組成物、装置及び方法に対する要望がある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
マイクロカプセル化とは、固体、液体、気体の活性成分を第2の材料で包み、周囲の環境から当該活性成分を遮断する技術である。すなわち、当該活性成分はコア材料として指定され、一方、周囲の材料はシェルを形成する。当該技術は、化学、医薬品、化粧品、印刷等、様々な分野で採用されている。Casanovaら、Journal of microencapsulation 33.1(2016):1-17及びDubeyら、Defence Science Journal 59.1(2009):82-95。
【0010】
3 要約
本明細書で提供される組成物は、被験体の皮膚への単回塗布工程で、被験体の皮膚上に薄膜を作製するのに用いうる。より具体的には、本明細書で提供される組成物は、皮膚への塗布前に、複数のコンパートメントに保管したり、他の組成物や成分と混合したりする必要がない。そのかわり、単一組成物を、製造し、単一のコンパートメントに保管し、かつ、その後、被験体の皮膚に塗布して、被験体の皮膚上に膜を作製することができる。ある実施形態では、本明細書で提供される組成物は、皮膚への塗布前に混合する必要がないため、本明細書で提供される組成物を含む容器は、当該組成物を皮膚に塗布するのに適するアプリケーターも含むことができる。リガンド(6.1.1項参照)は、理論に拘束されず、このような単一成分配合物の他の成分間の架橋反応を減速するか、又は阻害する。カプセル化剤(6.1.2項参照)は、理論に拘束されず、このような単一成分配合物の他の成分間の架橋反応を減速するか、又は阻害する。
【0011】
本明細書で提供されるのは、(a)少なくとも1つの遷移金属;(b)少なくとも1つの不飽和有機重合体;(c)少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサン;及び(d)前記不飽和有機重合体と前記水素化官能化ポリシロキサンとの間の架橋反応を減速するのに十分な濃度の、少なくとも1つのリガンドを含む組成物であり、これらの成分は有意な架橋なく混合物としてともに配合かつ保存されうる。
【0012】
本明細書で提供されるのは、(a)少なくとも1つの遷移金属;(b)少なくとも1つのビニル官能化有機ポリシロキサン;(c)少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサン;及び(d)前記ビニル官能化有機ポリシロキサンと前記水素化官能化ポリシロキサンとの間の架橋反応を減速するのに十分な濃度の、少なくとも1つのリガンドを含む組成物であり、これらの成分は有意な架橋なく混合物としてともに配合かつ保存されうる。
【0013】
本明細書で提供されるのは、(a)少なくとも1つの遷移金属;(b)少なくとも1つの不飽和有機重合体;(c)少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサン;及び(d)少なくとも1つのカプセル化剤を含む組成物であり、ここで、前記カプセル化剤は、前記遷移金属と前記水素化官能化ポリシロキサンとの間にマイクロカプセル等の物理的又は化学的バリアを形成することにより、前記不飽和有機重合体と前記水素化官能化ポリシロキサンとの間の架橋反応を減速するか又は阻害し、これらの成分は有意な架橋なく混合物としてともに配合かつ保存されうる。
【0014】
本明細書で提供されるのは、(a)少なくとも1つの遷移金属;(b)少なくとも1つのビニル官能化有機ポリシロキサン;(c)少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサン;及び(d)少なくとも1つのカプセル化剤を含む組成物であり、ここで、前記カプセル化剤は、前記遷移金属と前記水素化官能化ポリシロキサンとの間にマイクロカプセル等の物理的又は化学的バリアを形成することにより、前記ビニル官能化有機ポリシロキサンと前記水素化官能化ポリシロキサンとの間の架橋反応を減速するか又は阻害し、これらの成分は有意な架橋なく混合物としてともに配合かつ保存されうる。
【0015】
一実施形態では、本明細書で提供される成分はともに、混合され、均一な混合物として保存される。一実施形態では、本明細書に提供される成分はともに、混合され、不均一混合物、例えば、懸濁液又はエマルジョンとして保存される。
【0016】
一実施形態では、本明細書で提供される組成物は、目視できる変化なく、約-5、0、5、10、15、25、30、35又は40℃で保存することができる。一実施形態では、本明細書で提供される組成物は、目視できる変化なく、約30、60、90、120、又は180日間、又は約1、2、又は3年間保存することができる。一実施形態では、本明細書で提供される組成物は、光とともに保存することができる。一実施形態では、本明細書で提供される組成物は、光なしで保存される。一実施形態では、本明細書で提供される組成物は、遮光容器で保存される。一実施形態では、本明細書で提供される組成物は、防音容器で保存される。一実施形態では、本明細書で提供される組成物は、耐衝撃性容器で保存される。一実施形態では、本明細書で提供される組成物は、断熱容器で保存される。一実施形態では、本明細書で提供される組成物は、電磁的に遮蔽された容器で保存される。
【0017】
ある実施形態では、当該リガンドは、不飽和有機重合体と水素化官能化ポリシロキサンとの間の架橋反応を減速するのに十分な濃度であり、これらの成分は、約25℃で約30日間、有意な架橋なく混合物としてともに配合かつ保存されうる。ある実施形態では、当該リガンドは、不飽和有機重合体と水素化官能化ポリシロキサンとの間の架橋反応を減速するのに十分な濃度であり、これらの成分は、約25℃で約60日間、有意な架橋なく混合物としてともに配合かつ保存されうる。ある実施形態では、当該リガンドは、不飽和有機重合体と水素化官能化ポリシロキサンとの間の架橋反応を減速するのに十分な濃度であり、これらの成分は、約25℃で約90日間、有意な架橋なく混合物としてともに配合かつ保存されうる。ある実施形態では、当該リガンドは、不飽和有機重合体と水素化官能化ポリシロキサンとの間の架橋反応を減速するのに十分な濃度であり、これらの成分は、約25℃で約120日間、有意な架橋なく混合物としてともに配合かつ保存されうる。ある実施形態では、当該リガンドは、不飽和有機重合体と水素化官能化ポリシロキサンとの間の架橋反応を減速するのに十分な濃度であり、これらの成分は、約25℃で約180日間、有意な架橋なく混合物としてともに配合かつ保存されうる。ある実施形態では、当該リガンドは、不飽和有機重合体と水素化官能化ポリシロキサンとの間の架橋反応を減速するのに十分な濃度であり、これらの成分は、約25℃で約365日間、有意な架橋なく混合物としてともに配合かつ保存されうる。ある実施形態では、当該リガンドは、不飽和有機重合体と水素化官能化ポリシロキサンとの間の架橋反応を減速するのに十分な濃度であり、これらの成分は、約25℃で約730日間、有意な架橋なく混合物としてともに配合かつ保存されうる。ある実施形態では、当該リガンドは、不飽和有機重合体と水素化官能化ポリシロキサンとの間の架橋反応を減速するのに十分な濃度であり、これらの成分は、約25℃で約3年間、有意な架橋なく混合物としてともに配合かつ保存されうる。
【0018】
ある実施形態では、当該リガンドは、ビニル官能化有機ポリシロキサンと水素化官能化ポリシロキサンとの間の架橋反応を減速するのに十分な濃度であり、これらの成分は、約25℃で約30日間、有意な架橋なく混合物としてともに配合かつ保存されうる。ある実施形態では、当該リガンドは、ビニル官能化有機ポリシロキサンと水素化官能化ポリシロキサンとの間の架橋反応を減速するのに十分な濃度であり、これらの成分は、約25℃で約60日間、有意な架橋なく混合物としてともに配合かつ保存されうる。ある実施形態では、当該リガンドは、ビニル官能化有機ポリシロキサンと水素化官能化ポリシロキサンとの間の架橋反応を減速するのに十分な濃度であり、これらの成分は、約25℃で約90日間、有意な架橋なく混合物としてともに配合かつ保存されうる。ある実施形態では、当該リガンドは、ビニル官能化有機ポリシロキサンと水素化官能化ポリシロキサンとの間の架橋反応を減速するのに十分な濃度であり、これらの成分は、約25℃で約120日間、有意な架橋なく混合物としてともに配合かつ保存されうる。ある実施形態では、当該リガンドは、ビニル官能化有機ポリシロキサンと水素化官能化ポリシロキサンとの間の架橋反応を減速するのに十分な濃度であり、これらの成分は、約25℃で約180日間、有意な架橋なく混合物としてともに配合かつ保存されうる。ある実施形態では、当該リガンドは、ビニル官能化有機ポリシロキサンと水素化官能化ポリシロキサンとの間の架橋反応を減速するのに十分な濃度であり、これらの成分は、約25℃で約365日間、有意な架橋なく混合物としてともに配合かつ保存されうる。ある実施形態では、当該リガンドは、ビニル官能化有機ポリシロキサンと水素化官能化ポリシロキサンとの間の架橋反応を減速するのに十分な濃度であり、これらの成分は、約25℃で約730日間、有意な架橋なく混合物としてともに配合かつ保存されうる。ある実施形態では、当該リガンドは、ビニル官能化有機ポリシロキサンと水素化官能化ポリシロキサンとの間の架橋反応を減速するのに十分な濃度であり、これらの成分は、約25℃で約3年間、有意な架橋なく混合物としてともに配合かつ保存されうる。
【0019】
ある実施形態では、当該カプセル化剤は、遷移金属と水素化官能化ポリシロキサンとの間のマイクロカプセル等の物理的又は化学的バリアを形成し、不飽和有機重合体と水素化官能化ポリシロキサンとの間の架橋反応を減速するか又は阻害し、これらの成分を配合し、約25℃で約30日間、有意な架橋なく混合物としてともに配合かつ保存されうる。ある実施形態では、当該カプセル化剤は、遷移金属と水素化官能化ポリシロキサンとの間のマイクロカプセル等の物理的又は化学的バリアを形成し、不飽和有機重合体と水素化官能化ポリシロキサンとの間の架橋反応を減速するか又は阻害し、これらの成分を、約25℃で約60日間、有意な架橋なく混合物としてともに配合かつ保存されうる。ある実施形態では、当該カプセル化剤は、遷移金属と水素化官能化ポリシロキサンとの間のマイクロカプセル等の物理的又は化学的バリアを形成し、不飽和有機重合体と水素化官能化ポリシロキサンとの間の架橋反応を減速するか又は阻害し、これらの成分を、約25℃で約90日間、有意な架橋なく混合物としてともに配合かつ保存されうる。ある実施形態では、当該カプセル化剤は、遷移金属と水素化官能化ポリシロキサンとの間のマイクロカプセル等の物理的又は化学的バリアを形成し、不飽和有機重合体と水素化官能化ポリシロキサンとの間の架橋反応を減速するか又は阻害し、これらの成分を、約25℃で約120日間、有意な架橋なく混合物としてともに配合かつ保存されうる。ある実施形態では、当該カプセル化剤は、遷移金属と水素化官能化ポリシロキサンとの間のマイクロカプセル等の物理的又は化学的バリアを形成し、不飽和有機重合体と水素化官能化ポリシロキサンとの間の架橋反応を減速するか又は阻害し、これらの成分を、約25℃で約180日間、有意な架橋なく混合物としてともに配合かつ保存されうる。ある実施形態では、当該カプセル化剤は、遷移金属と水素化官能化ポリシロキサンとの間のマイクロカプセル等の物理的又は化学的バリアを形成し、不飽和有機重合体と水素化官能化ポリシロキサンとの間の架橋反応を減速するか又は阻害し、これらの成分を、約25℃で約365日間、有意な架橋なく混合物としてともに配合かつ保存されうる。ある実施形態では、当該カプセル化剤は、遷移金属と水素化官能化ポリシロキサンとの間のマイクロカプセル等の物理的又は化学的バリアを形成し、不飽和有機重合体と水素化官能化ポリシロキサンとの間の架橋反応を減速するか又は阻害し、これらの成分を、約25℃で約730日間、有意な架橋なく混合物としてともに配合かつ保存されうる。ある実施形態では、当該カプセル化剤は、遷移金属と水素化官能化ポリシロキサンとの間のマイクロカプセル等の物理的又は化学的バリアを形成し、不飽和有機重合体と水素化官能化ポリシロキサンとの間の架橋反応を減速するか又は阻害し、これらの成分を、約25℃で約3年間、有意な架橋なく混合物としてともに配合かつ保存されうる。
【0020】
ある実施形態では、当該カプセル化剤は、遷移金属と水素化官能化ポリシロキサンとの間のマイクロカプセル等の物理的又は化学的バリアを形成し、ビニル官能化有機ポリシロキサンと水素化官能化ポリシロキサンとの間の架橋反応を減速するか又は阻害し、これらの成分は、約25℃で約30日間、有意な架橋なく混合物としてともに配合かつ保存されうる。ある実施形態では、当該カプセル化剤は、遷移金属と水素化官能化ポリシロキサンとの間のマイクロカプセル等の物理的又は化学的バリアを形成し、ビニル官能化有機ポリシロキサンと水素化官能化ポリシロキサンとの間の架橋反応を減速するか又は阻害し、これらの成分は、約25℃で約60日間、有意な架橋なく混合物としてともに配合かつ保存されうる。ある実施形態では、当該カプセル化剤は、遷移金属と水素化官能化ポリシロキサンとの間のマイクロカプセル等の物理的又は化学的バリアを形成し、ビニル官能化有機ポリシロキサンと水素化官能化ポリシロキサンとの間の架橋反応を減速するか又は阻害し、これらの成分は、約25℃で約90日間、有意な架橋なく混合物としてともに配合かつ保存されうる。ある実施形態では、当該カプセル化剤は、遷移金属と水素化官能化ポリシロキサンとの間のマイクロカプセル等の物理的又は化学的バリアを形成し、ビニル官能化有機ポリシロキサンと水素化官能化ポリシロキサンとの間の架橋反応を減速するか又は阻害し、これらの成分は、約25℃で約120日間、有意な架橋なく混合物としてともに配合かつ保存されうる。ある実施形態では、当該カプセル化剤は、遷移金属と水素化官能化ポリシロキサンとの間のマイクロカプセル等の物理的又は化学的バリアを形成し、ビニル官能化有機ポリシロキサンと水素化官能化ポリシロキサンとの間の架橋反応を減速するか又は阻害し、これらの成分は、約25℃で約180日間、有意な架橋なく混合物としてともに配合かつ保存されうる。ある実施形態では、当該カプセル化剤は、遷移金属と水素化官能化ポリシロキサンとの間のマイクロカプセル等の物理的又は化学的バリアを形成し、ビニル官能化有機ポリシロキサンと水素化官能化ポリシロキサンとの間の架橋反応を減速するか又は阻害し、これらの成分は、約25℃で約365日間、有意な架橋なく混合物としてともに配合かつ保存されうる。ある実施形態では、当該カプセル化剤は、遷移金属と水素化官能化ポリシロキサンとの間のマイクロカプセル等の物理的又は化学的バリアを形成し、ビニル官能化有機ポリシロキサンと水素化官能化ポリシロキサンとの間の架橋反応を減速するか又は阻害し、これらの成分は、約25℃で約730日間、有意な架橋なく混合物としてともに配合かつ保存されうる。ある実施形態では、当該カプセル化剤は、遷移金属と水素化官能化ポリシロキサンとの間のマイクロカプセル等の物理的又は化学的バリアを形成し、ビニル官能化有機ポリシロキサンと水素化官能化ポリシロキサンとの間の架橋反応を減速するか又は阻害し、これらの成分を、約25℃で約3年間、有意な架橋なく混合物としてともに配合かつ保存されうる。
【0021】
一実施形態では、遷移金属は、不飽和有機重合体及び水素化官能化ポリシロキサンを架橋することにより、被験体の皮膚上に膜を形成することができる。一実施形態では、遷移金属は、ビニル官能化有機ポリシロキサン及び水素化官能化ポリシロキサンを架橋することにより、被験体の皮膚上に膜を形成することができる。一実施形態では、組成物は、膜形成が所望される前(例えば、被験体の皮膚への適用前)に、遷移金属が架橋反応を触媒することができないように構成され、それによって、触媒及び機能性成分の単一組成物を配合物できる。
【0022】
一実施形態では、当該リガンドは架橋反応を減速する。一実施形態では、リガンドは、錯体形成又は配位を介して架橋反応を減速する。一実施形態では、当該リガンドは、ジビニルテトラメチルジシラン、直鎖ビニルシロキサン、環状ビニルシロキサン、トリス(ビニルシロキシ)シロキサン、テトラキス(ビニルシロキシ)シラン、ビニルケトン、ビニルエステル、アセチレンアルコール、スルフィド、メルカプタン、ジビニルジシロキサン、ジビニルトリシロキサン、ジビニルテトラシロキサン、ジビニルジメチコン、1,5-ジビニル-3-フェニルペンタメチルトリシロキサン、1,1,5,5-テトラメチル-3,3-ジフェニル-1,5-ジビニルトリシロキサン、トリビニルトリメチルシクロトリシロキサン、テトラビニルテトラメチルシクロテトラシロキサン、ペンタビニルペンタメチルシクロペンタシロキサン、ヘキサビニルヘキサメチルシクロヘキサシロキサン、トリス(ビニルジメチルシロキシ)シラン、テトラキス(ビニルジメチルシロキシ)シラン、メタクリルオキシプロピルトリス(ビニルジメチルシロキシ)シラン、フマル酸ジメチル、マレイン酸ジメチル、メチルビニルケトン、メトキシブタノール、メチルイソブチノール、エチルメルカプタン、ジエチルスルフィド、硫化水素、ジメチルジスルフィドである。一実施形態では、当該リガンドとしては、ジビニルテトラメチルジシラン、直鎖ビニルシロキサン、環状ビニルシロキサン、トリス(ビニルシロキシ)シロキサン、又はテトラキス(ビニルシロキシ)シランである。一実施形態では、当該リガンドは、ビニルケトン、ビニルエステル、アセチレンアルコール、スルフィド、又はメルカプタンである。一実施形態では、当該リガンドはジビニルジシロキサン、ジビニルトリシロキサン、ジビニルテトラシロキサン、又はジビニルジメチコンである。一実施形態では、当該リガンドは、1,5-ジビニル-3-フェニルペンタメチルトリシルオキソアン又は1,1,5,5-テトラメチル-3,3-ジフェニル-1,5-ジビニルトリシロキサンである。一実施形態では、当該リガンドは、トリビニルトリメチルシクロトリシロキサン、テトラビニルテトラメチルシクロテトラシロキサン、ペンタビニルペンタメチルシクロペンタシロキサン、又はヘキサビニルヘキサメチルシクロヘキサシロキサンである。一実施形態では、当該リガンドは、トリス(ビニルジメチルシロキシ)シラン、テトラキス(ビニルジメチルシロキシ)シラン、又はメタクリルオキシプロピルトリス(ビニルジメチルシロキシ)シランである。一実施形態では、当該リガンドは、フマル酸ジメチル、マレイン酸ジメチル、メチルビニルケトン又はメトキシブタノンである。一実施形態では、当該リガンドはメチルイソブチノールである。一実施形態では、当該リガンドは、エチルメルカプタン、ジエチルスルフィド、硫化水素又はジメチルジスルフィドである。一実施形態では、当該リガンドは、ブタジエン、ペンタジエン、ヘキサジエン、ヘプタジエン、オクタジエンである。一実施形態では、当該リガンドは、メチルブタジエン、メチルペンタジエン、メチルヘキサジエン、メチルヘプタジエン、メチルオクタジエンである。一実施形態では、当該リガンドは、エチルブタジエン、エチルペンタジエン、エチルヘキサジエン、エチルヘプタジエン、エチルオクタジエンである。一実施形態では、当該リガンドは、ジメチルブタジエン、ジメチルペンタジエン、ジメチルヘキサジエン、ジメチルヘプタジエン、ジメチルロクタジエン、又はキシレンである。
【0023】
一実施形態では、当該カプセル化剤は架橋反応を減速するか又は阻害する。一実施形態では、当該カプセル化剤は、遷移金属と水素化官能化ポリシロキサンとの間のマイクロカプセル等の物理的又は化学的バリアによって架橋反応を減速するか又は阻害し、ここで、マイクロカプセルには、カプセル化剤によって形成されたシェル及び遷移金属によって形成されたコア又は水素化官能化ポリシロキサンによって形成されたコアがある。一実施形態では、カプセル化剤は、多糖類、タンパク質、脂質又は合成重合体である。一実施形態では、当該カプセル化剤は多糖類であり、ここで、当該多糖類はガム、デンプン、セルロース、シクロデキストリン又はキトサンである。一実施形態では、当該カプセル化剤はタンパク質であり、当該タンパク質はゼラチン、カゼイン又は大豆タンパク質である。一実施形態では、当該カプセル化剤は脂質であり、ここで、当該脂質はワックス、パラフィン又は油である。一実施形態では、カプセル化剤は、合成重合体であり、当該合成重合体は、アクリル重合体、ポリビニルアルコール又はポリビニルピロリドン、ポリエステル、ポリエーテル、ポリウレタン、ポリ尿素、ポリイミド、ポリアミド、ポリスルホン、ポリカーボネート、ポリリン酸塩、又はそれらの共重合体である。一実施形態では、カプセル化剤は無機材料である。一実施形態では、カプセル化剤は、無機材料であり、ここで、当該無機材料は、珪酸塩、粘土又はポリリン酸塩である。一実施形態では、カプセル化剤は、生体高分子又は生分解性高分子である。一実施形態では、カプセル化剤は、生体高分子であり、ここで、当該生体高分子はデンプンである。一実施形態では、カプセル化剤は、生分解性重合体であり、ここで、当該生分解性重合体は、キトサン、ヒアルロン酸、シクロデキストリン、アルギン酸塩、脂肪族ポリエステル、又は乳酸及びグリコール酸の共重合体である。一実施形態では、当該カプセル化剤は脂肪族ポリエステルであり、当該脂肪族ポリエステルはポリ(乳酸)である。一実施形態では、当該カプセル化剤は乳酸及びグリコール酸の共重合体であり、乳酸及びグリコール酸の共重合体はポリ(乳酸コグリコール酸)である。一実施形態では、カプセル化剤は、ポリウレタン1、ポリウレタン11、ポリウレタン14、ポリウレタン6、ポリウレタン2、ポリウレタン18又はそれらの混合物である。一実施形態では、カプセル化剤はポリウレタン1である。一実施形態では、カプセル化剤は、自己組織化重合体である。一実施形態では、カプセル化剤は、ネットワーク形成無機分散系である。一実施形態では、カプセル化剤は、ネットワーク形成無機-有機ハイブリッドシステムである。
【0024】
一実施形態では、架橋反応を減速させるリガンドの活性は、リガンドの蒸発、リガンドの分解、リガンドの相変態、リガンドの化学的分解、リガンドの不活性化、振動エネルギーの使用、又は電磁波を用いて、低下又は除去することができる。一実施形態では、リガンドの不活性化は、化学的、熱又は光への暴露によってトリガーされうる。一実施形態では、化学物質は酸化剤である。一実施形態では、化学物質は還元剤である。一実施形態では、酸化剤は酸素である。
【0025】
一実施形態では、マイクロカプセル等の物理的又は化学的バリアの分解により、架橋反応を減速するか又は阻害するカプセル化剤の活性を低下又は排除することができる。一実施形態では、架橋反応を減速するか又は阻害するカプセル化剤の活性は、機械的作用、音響、熱、光、溶解、拡散、分解、溶媒の使用、pH変化、温度変化、圧力、又はそれらの組み合わせによって低下又は排除することができる。一実施形態では、機械的作用は、こすることである。一実施形態では、熱は、カプセル化剤の蒸発を引き起こす。
【0026】
一実施形態では、架橋反応を減速させるか又は阻害するカプセル化剤の活性は、カプセル化剤の相変態、カプセル化剤の化学的分解、カプセル化剤の不活性化、振動エネルギーの使用、又は電磁波を用いて低下又は除去することができる。一実施形態では、当該カプセル化剤の不活性化は、音響、化学的、熱又は光への曝露によってトリガーすることができる。一実施形態では、化学物質は酸化剤である。一実施形態では、化学物質は還元剤である。一実施形態では、酸化剤は酸素である。
【0027】
一実施形態では、当該リガンドは揮発性リガンドである。一実施形態では、当該リガンドは約0、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65又は70℃で揮発性である。一実施形態では、当該リガンドは約20、25、30、35、40、45又は50℃で揮発性である。一実施形態では、当該リガンドは約20、25、30、35又は40℃で揮発性である。一実施形態では、当該リガンドは約35℃で揮発性である。一実施形態では、当該リガンドは約25℃で揮発性である。
【0028】
一実施形態では、カプセル化剤は揮発性物質である。一実施形態では、カプセル化剤は、約0、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65又は70℃で揮発性である。一実施形態では、カプセル化剤は約20、25、30、35、40、45又は50℃で揮発性である。一実施形態では、当該カプセル化剤は約20、25、30、35又は40℃で揮発性である。一実施形態では、当該カプセル化剤は約35℃で揮発性である。一実施形態では、カプセル化剤は約25℃で揮発性である。
【0029】
一実施形態では、揮発性リガンドは、ジビニルテトラメチルジシラン、ジビニルジシロキサン、ジビニルトリシロキサン、トリビニルトリメチルシクロトリシロキサン、テトラビニルテトラメチルシクロテトラシロキサン、トリス(ビニルジメチルシロキシ)シラン、テトラキス(ビニルジメチルシロキシ)シラン、ブタジエン、ペンタジエン、ヘキサジエン、ヘプタジエン、オクタジエン、キシレン、ジメチルヘキサジエン、メチルブタジエン、マレイン酸ジメチル、メチルビニルケトン、メチルイソブチノール、エチルメルカプタン、ジエチル硫化物、硫化水素又はジメチルジスルフィドである。
【0030】
一実施形態では、リガンドは電磁駆動型リガンドである。一実施形態では、電磁駆動型リガンドは、トリアジンの白金錯体である。一実施形態では、トリアジンの白金錯体は、テトラキス(1-フェニル-3-ヘキシル-トリアゼニド)Pt(IV)、Pt(II)-ホスフィン錯体、白金/シュウ酸塩錯体、Pt(II)-ビス-(ジケトネート)、ジカルボニル-Pt(IV)R3錯体、又はスルホキシド-Pt(II)錯体である。
【0031】
一実施形態では、当該リガンドは熱感受性リガンドである。一実施形態では、熱感受性リガンドは、トリアジンの白金錯体である。一実施形態では、トリアジンの白金錯体は、テトラキス(1-フェニル-3-ヘキシル-トリアゼニド)Pt(TV)又はPt(II)-ホスフィン錯体である。一実施形態では、リガンドは低温感受性リガンドである。
【0032】
一実施形態では、リガンドは、音響駆動型リガンドである。一実施形態では、当該リガンドは、音波からのエネルギーが、リガンド錯体から触媒(例えば、白金)を放出することができる、音響駆動型リガンドである。
【0033】
一実施形態では、当該リガンドは1,3-ジビニルテトラメチルジシロキサンである。一実施形態では、当該リガンドは1,1,3,3,5,5-ヘキサメチル-1,5-ジビニルトリシロキサンである。一実施形態では、当該リガンドは1,5-ジビニル-3-フェニルペンタメチルトリシロキサンである。一実施形態では、当該リガンドは1,1,5,5-テトラメチル-3,3-ジフェニル-1,5-ジビニルトリシロキサンである。一実施形態では、当該リガンドは1,3,5-トリビニル-1,3,5-トリメチルシクロトリシロキサンである。一実施形態では、当該リガンドは2,4,6,8-テトラメチルテトラビニルシクロテトラシロキサンである。一実施形態では、当該リガンドは1,3,5,7,9-ペンタメチル-1,3,5,7,9-ペンタビニルシクロペンタシロキサンである。一実施形態では、当該リガンドはトリス(ビニルジメチルシロキシ)メチルシランである。一実施形態では、当該リガンドはテトラキス(ビニルジメチルシロキシ)シランである。一実施形態では、当該リガンドはメタクリルオキシプロピルトリス(ビニルジメチルシロキシ)シランである。一実施形態では、当該リガンドは1,2-ジビニルテトラメチルジシランである。一実施形態では、当該リガンドはメチルビニルケトンである。一実施形態では、当該リガンドはマレイン酸ジメチルである。一実施形態では、当該リガンドはフマル酸ジメチルである。一実施形態では、当該リガンドは(3E)-4-メトキシ-3-ブテン-2-オンである。一実施形態では、当該リガンドは(E)-2-エチルヘックス-2-エナールである。一実施形態では、当該リガンドはペント-l-エン-3-オンである。一実施形態では、当該リガンドはマレイン酸である。一実施形態では、当該リガンドは1,5-ヘキサジエン、1,4-ヘキサジエン、2,4-ヘキサジエンである。
【0034】
一実施形態では、当該リガンドは、少なくとも1つの不飽和基、1つの孤立電子対を有する官能基、又は電子供与体として機能する能力を有する官能基を有する重合体である。一実施形態では、当該リガンドはジビニルジシロキサンである。
【0035】
一実施形態では、当該リガンドは白金毒である。
【0036】
一実施形態では、リガンドは、少なくとも1つの不飽和基を有するシロキサン重合体である。一実施形態では、当該リガンドはビニル含有シロキサン重合体である。一実施形態では、当該リガンドはジビニル含有シロキサン重合体である。一実施形態では、当該リガンドはジビニル含有ジシロキサンである。一実施形態では、当該リガンドはジビニルトリシロキサン又はジビニルテトラシロキサンである。
【0037】
一実施形態では、遷移金属は白金である。
【0038】
一実施形態では、当該リガンドに対する遷移金属のモル比は、約10:1~約1:10000である。一実施形態では、当該リガンドに対する遷移金属のモル比は、約1:250~約1:750である。一実施形態では、当該リガンドに対する遷移金属のモル比は約1:500である。一実施形態では、ビニル対官能性水素化モル比は、約1:10~約1:100である。一実施形態では、ビニル対官能性水素化モル比は、約1:15~約1:90である。一実施形態では、ビニル対官能性水素化モル比は、約1:25~約1:70である。一実施形態では、ビニル対官能性水素化モル比は、約1:30~約1:60である。一実施形態では、組成物の粘度は、約25℃で約5,000~700,000 cSt又はcPである。一実施形態では、水素化官能化ポリシロキサンのリガンドに対するモル比は、約10:1~約1:10000である。一実施形態では、水素化官能化ポリシロキサンのリガンドに対するモル比は、約1:250~約1:750である。一実施形態では、水素化官能化ポリシロキサンのリガンドに対するモル比は、約1:500である。
【0039】
一実施形態では、当該カプセル化剤に対する遷移金属又は水素化官能化ポリシロキサンのモル比は、約10:1~約1:10000である。一実施形態では、当該カプセル化剤に対する遷移金属のモル比は、約1:250~約1:750である。一実施形態では、当該カプセル化剤に対する遷移金属のモル比は、約1:500の間である。一実施形態では、水素化官能化ポリシロキサンのカプセル化剤に対するモル比は、約1:250~約1:750である。一実施形態では、水素化官能化ポリシロキサンカプセル化剤のモル比は、約1:500の間である。
【0040】
一実施形態では、不飽和有機重合体はビニル官能化有機重合体である。一実施形態では、不飽和有機重合体はアルケン官能化有機重合体である。一実施形態では、不飽和有機重合体はアルキン官能化有機重合体である。一実施形態では、ビニル官能化有機重合体はアクリレート有機重合体である。一実施形態では、ビニル官能化有機重合体はメタクリレート有機重合体である。一実施形態では、ビニル官能化有機重合体はアクリル有機重合体である。一実施形態では、ビニル官能化有機重合体はメタクリル有機重合体である。一実施形態では、アルケン官能化有機重合体はジエンとの有機重合体である。一実施形態では、アルケン官能化有機重合体は、ポリエンとの有機重合体である。一実施形態では、アルキン官能化有機重合体は、ポリインを有する有機重合体である。一実施形態では、不飽和有機重合体はビニル官能化有機ポリシロキサンである。
【0041】
一実施形態では、ビニル官能化有機ポリシロキサンはビニル末端である。一実施形態では、ビニル官能化有機ポリシロキサンは、ビニル末端ポリジメチルシロキサン;ビニル末端ジフェニルシロキサン-ジメチルシロキサン共重合体;ビニル末端ポリフェニルメチルシロキサン、ビニル末端ポリメチルシロキサン、ビニルフェニルメチル末端ビニルフェニルシロキサン-フェニルメチルシロキサン共重合体;ビニル末端トリフルオロプロピルメチルシロキサン-ジメチルシロキサン共重合体;ビニル末端ジエチルシロキサン-ジメチルシロキサン共重合体;ビニルメチルシロキサン-ジメチルシロキサン共重合体、トリメチルシロキサン共重合体;ビニルメチルシロキサン-ジメチルシロキサン共重合体、シラノール末端ビニルメチルシロキサン-ジメチルシロキサン共重合体、ビニルガム;ビニルメチルシロキサンホモ重合体、ビニルT構造重合体、ビニルQ構造重合体、モノビニル末端ポリジメチルシロキサン、ビニルメチルシロキサンター重合体、ビニルメトキシシランホモ重合体及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。一実施形態では、水素化官能化ポリシロキサンはアルキル末端である。一実施形態では、水素化官能化ポリシロキサンは、水素化末端ポリジメチルシロキサン;ポリフェニル-(ジメチルヒドロシロキシ)シロキサン、水素化末端;メチルヒドロシロキサン-フェニルメチルシロキサン共重合体、水素化末端;メチルヒドロシロキサン-ジメチルシロキサン共重合体、トリメチルシロキシ末端;ポリメチルヒドロシロキサン、トリメチルシロキシ末端;ポリエチルヒドロシロキサン、トリエチルシロキサン、メチルヒドロシロキサン-フェニルオクチルメチルシロキサン共重合体;メチルヒドロシロキサン-フェニルオクチルメチルシロキサンター重合体及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。一実施形態では、水素化官能化ポリシロキサンは、トリメチルシロキシ末端メチルヒドロシロキサン-ジメチルシロキサン共重合体を含む。一実施形態では、水素化官能化ポリシロキサンSiH含有率は、約3%~約45%;又は約0.5~約10mmol/g;又はその両方の組み合わせである。一実施形態では、水素化官能化ポリシロキサンの粘度は、約25℃で約5~約11,000cSt又はcPである。一実施形態では、水素化官能化ポリシロキサンには、平均して少なくとも2つのSi-H単位がある。
【0042】
一実施形態では、ビニル官能化有機ポリシロキサンは以下の式IIaの重合体であり、水素化官能化ポリシロキサンは式IIIの重合体:
【化1】
(式中、
R
1a’、R
3a’、R
4a’、R
5a’、R
6a’、R
8a’、R
9a’及びR
10a’は各々独立して、C
1~20アルキル、C
2~20アルケニル、C
5~10アリール、ヒドロキシル又はC
1~20アルコキシルであり;
p及びqは各々独立して、10~6000の整数であり;
R
1b、R
2b、R
3b、R
6b、R
7b及びR
8bは、C
1~20アルキルであり;
R
4b、R
5b、R
9b、R
10b、R
7bは、各々、水素、C
1~20アルキル、C
2~20アルケニル、C
5~10アリール、ヒドロキシル又はC
1~20アルコキシルからなる群から独立して選択され、ここで、R
4b、R
5b、R
9b、R
10bのうちの少なくとも2つは水素であり;かつ、
m及びnは各々独立して、10~6000の整数である)
である。
【0043】
一実施形態では、組成物は、さらに、サンスクリーン、抗老化剤、抗ニキビ剤、抗シワ剤、スポット還元剤、抗酸化剤、及びビタミンからなる群から選択される剤を含む。一実施形態では、組成物は、さらに、1つ以上の感触改良剤、粘着改良剤、拡散性改良剤、希釈剤、接着改良剤、光学改良剤、粒子、揮発性シロキサン、乳化剤、エモリエント、界面活性剤、増粘剤、溶剤、膜形成剤、湿潤剤、保存剤、又は顔料を含む。
【0044】
一実施形態では、ビニル官能化有機ポリシロキサンの粘度は、約25℃で約500~約500,000 cSt又はcPである。一実施形態では、ビニル官能化有機ポリシロキサンの粘度は、約25℃で約150,000~約185,000 cSt又はcPである。一実施形態では、ビニル官能化有機ポリシロキサンの粘度は、約25℃で約165,000 cSt又はcPである。一実施形態では、ビニル官能化有機ポリシロキサンの粘度は、約25℃で約10,000 cSt又はcPである。
【0045】
一実施形態では、ビニル官能化有機ポリシロキサンの粘度は、約25℃で約150,000~約185,000 cSt又はcPであり、水素化官能化ポリシロキサンの粘度は、約25℃で約30~約100 cSt又はcPの間である。一実施形態では、ビニル官能化有機ポリシロキサンの粘度は、約25℃で約165,000 cSt又はcPの粘度であり、水素化官能化ポリシロキサンの粘度は、約25℃で約45 cSt又はcPである。一実施形態では、ビニル官能化有機ポリシロキサンの粘度は、約25℃で約165,000 cSt又はcPであり、水素化官能化ポリシロキサンの粘度は、約25℃で約50 cSt又はcPである。
【0046】
一実施形態では、組成物は、さらに、補強成分を含む。一実施形態では、補強成分は、雲母、酸化亜鉛、二酸化チタン、酸化アルミニウム、粘土、シリカ、表面処理雲母、表面処理酸化亜鉛、表面処理二酸化チタン、表面処理酸化アルミニウム、表面処理粘土及び表面処理シリカからなる群から選択される。
【0047】
本明細書では、本明細書で提供される組成物を、薄膜を形成する他の成分とは別に、触媒を配合物して保存する必要なく、一段階法で単一配合物として用いる方法が提供される。代わりに、当該単一配合物を被験体の皮膚に塗布することができる。理論に拘束されず、皮膚への塗布中、リガンドは、触媒(例えば、遷移金属)又は水素化官能化ポリシロキサンから分離される。一実施形態では、本方法は、リガンドを蒸発させることによって、リガンドを遷移金属又は水素化官能化ポリシロキサンから分離することを含む。一実施形態では、本方法は、リガンドを他の相に吸収させて、リガンドを遷移金属又は水素化官能化ポリシロキサンから分離することを含む。一実施形態では、本方法は、リガンドを被験体の皮膚に吸収させて、リガンドを遷移金属又は水素化官能化ポリシロキサンから分離することを含む。一実施形態では、本方法は、錯体を形成する他の成分にリガンドを吸収させて、リガンドを遷移金属又は水素化官能化ポリシロキサンから分離することを含む。一実施形態では、本方法は、リガンドを遷移金属との非錯体又は水素化官能化ポリシロキサンから非錯体に変換することによって、リガンドを遷移金属又は水素化官能化ポリシロキサンから分離することを含む。一実施形態では、本方法は、熱を用いて、リガンドを遷移金属又は水素化官能化ポリシロキサンから分離することを含む。一実施形態では、本方法は、組成物を冷却することによって、リガンドを遷移金属又は水素化官能化ポリシロキサンから分離することを含む。一実施形態では、本方法は、噴霧-乾燥で発生した熱を用いて、リガンドを遷移金属又は水素化官能化ポリシロキサンから分離することを含む。一実施形態では、本方法は、より大きく音波を用いて、リガンドを遷移金属又は水素化官能化ポリシロキサンから分離することを含む。一実施形態では、本方法は、電磁波を用いて、リガンドを遷移金属又は水素化官能化ポリシロキサンから分離することを含む。一実施形態では、本方法は、可視光を用いて、リガンドを遷移金属又は水素化官能化ポリシロキサンから分離することを含み、一実施形態では、本方法は、紫外線を用いて、リガンドを遷移金属又は水素化官能化ポリシロキサンから分離することを含む。一実施形態では、本方法は、赤外線放射を用いて、リガンドを遷移金属又は水素化官能化ポリシロキサンから分離することを含む。
【0048】
本明細書では、本明細書で提供される組成物を、触媒及び水素化官能化ポリシロキサンを、薄膜を形成する他の成分とは別に、触媒を配合物して保存する必要なく、一段階法で単一配合物として用いる方法が提供される。代わりに、当該単一配合物を被験体の皮膚に塗布することができる。理論に拘束されず、皮膚への塗布中、カプセル化剤を触媒(例えば、遷移金属)又は水素化官能化ポリシロキサンから分離する。一実施形態では、本方法は、カプセル化剤を蒸発させることによって、カプセル化剤を遷移金属から、又は水素化官能化ポリシロキサンから分離することを含む。一実施形態では、本方法は、カプセル化剤を他の相に吸収させることによって、カプセル化剤を遷移金属から、又は水素化官能化ポリシロキサンから分離することを含む。一実施形態では、本方法は、被験体の皮膚にカプセル化剤を吸収させることによって、カプセル化剤を遷移金属から又は水素化官能化ポリシロキサンから分離することを含む。一実施形態では、本方法は、複合体を形成する他の成分にカプセル化剤を吸収させることによって、カプセル化剤を遷移金属から又は水素化官能化ポリシロキサンから分離することを含む。一実施形態では、本方法は、カプセル化剤を非マイクロカプセルに形質転換することによって、カプセル化剤を遷移金属又は水素化官能化ポリシロキサンから分離することを含む。一実施形態では、本方法は、熱を用いて、カプセル化剤を遷移金属又は水素化官能化ポリシロキサンから分離することを含む。一実施形態では、本方法は、組成物を冷却することによって、カプセル化剤を遷移金属又は水素化官能化ポリシロキサンから分離することを含む。一実施形態では、本方法は噴霧-乾燥で発生した熱を用いて、カプセル化剤を遷移金属又は水素化官能化ポリシロキサンから分離することを含む。一実施形態では、本方法は、より大きく音波を用いて、カプセル化剤を遷移金属又は水素化官能化ポリシロキサンから分離することを含む。一実施形態では、本方法は、電磁波を用いて、カプセル化剤を遷移金属又は水素化官能化ポリシロキサンから分離することを含む。一実施形態では、本方法は、可視光を用いて、カプセル化剤を遷移金属又は水素化官能化ポリシロキサンから分離することを含む。一実施形態では、方法は、紫外線を用いて、カプセル化剤を遷移金属から、又は水素化官能化ポリシロキサンから分離することを含む。一実施形態では、本方法は、赤外線放射を用いて、カプセル化剤を遷移金属から、又は水素化官能化ポリシロキサンから分離することを含む。
【0049】
一実施形態では、当該組成物は、被験体の皮膚上に膜を形成する。一実施形態では、当該組成物は、被験体の角質基質上に膜を形成する。一実施形態では、当該組成物は、被験体の毛髪上に膜を形成する。一実施形態では、当該組成物は、被験体の粘膜表面上に膜を形成する。一実施形態では、当該組成物は、被験体の皮膚上の医療装置上に膜を形成する。一実施形態では、当該組成物は、被験体の皮膚上の装着型装置上に膜を形成する。一実施形態では、当該組成物は、被験体の上皮層上に膜を形成する。一実施形態では、本方法は、可視光を用いてリガンドを分解すること、及び遷移金属を遊離することを含む。一実施形態では、本方法は、可視光を用いてリガンドを分解すること、及び水素化官能化ポリシロキサンを遊離させることを含む。一実施形態では、本方法は、可視光を用いてカプセル化剤を分解し、遷移金属を遊離することを含む。一実施形態では、本方法は、可視光を用いてカプセル化剤を分解し、水素化官能化ポリシロキサンを遊離させることを含む。
【0050】
一実施形態では、本明細書で提供される組成物は、一段階で室温加硫(RTV)できる単一配合物である。一実施形態では、本明細書で提供される配合物は、室温で一段階加硫することができる。
【0051】
本明細書では、シラン又は水素化官能化ポリシロキサン及び触媒錯体を、被験体の皮膚への塗布前に互いに分離しなくても、本明細書で提供される組成物を一段階法で単一配合物として用いる方法が提供される。
【0052】
本明細書では、被験体の皮膚上に薄膜を形成するために本明細書で提供される組成物を用いる方法が提供される。ある実施形態では、そのような方法は、本明細書で提供される組成物を被験体の皮膚に塗布し、架橋反応を促進するように、リガンドを、当該組成物中の触媒(例えば、少なくとも1つの遷移金属)又は水素化官能化ポリシロキサンから分離することを含む。ある実施形態では、そのような組成物は、以下の:(a)少なくとも1つの遷移金属;(b)少なくとも1つの不飽和有機重合体;(c)少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサン;及び(d)前記不飽和有機重合体と前記水素化官能化ポリシロキサンとの間の架橋反応を減速するのに十分な濃度の、少なくとも1つのリガンドを含む組成物であって、これらの成分は有意な架橋なく混合物としてともに配合かつ保存されうる。ある実施形態では、そのような組成物は、以下の:(a)少なくとも1つの遷移金属;(b)少なくとも1つのビニル官能化有機ポリシロキサン;(c)少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサン;及び(d)前記ビニル官能化有機ポリシロキサンと前記水素化官能化ポリシロキサンとの間の架橋反応を減速するのに十分な濃度の、少なくとも1つのリガンドを含む組成物であり、これらの成分は有意な架橋なく混合物としてともに配合かつ保存されうる。ある実施形態では、分離する工程には、リガンドを蒸発させること、リガンドを他の相に吸収させること、リガンドを被験体の皮膚に吸収させること、錯体を形成する他の成分にリガンドを吸収させること、リガンドを遷移金属又は水素化官能化ポリシロキサンを用いて非錯体に変換すること、組成物を加熱すること、組成物を冷却すること、組成物により大きく音波を印加すること、組成物に電磁波を印加すること、組成物に可視光を印加すること、組成物に紫外線を印加すること、又は組成物に赤外線を印加することが含まれる。本明細書では、本明細書で提供される組成物を、一段階法で単一配合物として用いる方法であって、(a)白金;(b)少なくとも1つの不飽和有機重合体;(c)少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサン;及び(d)前記不飽和有機重合体と前記水素化官能化ポリシロキサンとの間の架橋反応を減速するのに十分な濃度のジビニルジシロキサンを含む組成物等の本明細書で提供される組成物中の少なくとも1つのジビニルジシロキサンを白金から分離することを含む方法が提供される。本明細書では、(a)白金;(b)少なくとも1つのビニル官能化有機ポリシロキサン;(c)少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサン;及び(d)前記ビニル官能化有機ポリシロキサンと前記水素化官能化ポリシロキサンとの間の架橋反応を減速するのに十分な濃度の、少なくとも1つのジビニルジシロキサンを含む組成物等の本明細書で提供される組成物中の白金から少なくとも1つのジビニルジシロキサンを分離することを含む、一段階法で本明細書で提供される組成物を単一配合物として用いる方法が提供される。一実施形態では、本方法は、熱を用いて、又は用いずに、リガンドを蒸発させることによって、リガンドを遷移金属又は水素化官能化ポリシロキサンから分離することを含む。
【0053】
本明細書では、被験体の皮膚上に薄膜を形成するために本明細書で提供される組成物を用いる方法が提供される。ある実施形態では、そのような方法は、本明細書で提供される組成物を被験体の皮膚に塗布し、架橋反応を促進するように、カプセル化剤を、当該組成物中の触媒(例えば、少なくとも1つの遷移金属)又は水素化官能化ポリシロキサンから分離することを含む。ある実施形態では、そのような組成物は、以下の:(a)少なくとも1つの遷移金属;(b)少なくとも1つの不飽和有機重合体;(c)少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサン;及び(d)前記ビニル官能化有機ポリシロキサンと前記水素化官能化ポリシロキサンとの間の架橋反応を減速するか又は阻害するのに十分な濃度の、少なくとも1つのカプセル化剤を含み、これらの成分は有意な架橋なく混合物としてともに配合かつ保存されうる。ある実施形態では、そのような組成物は、以下の:(a)少なくとも1つの遷移金属;(b)少なくとも1つのビニル官能化有機ポリシロキサン;(c)少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサン;及び(d)前記ビニル官能化有機ポリシロキサンと前記水素化官能化ポリシロキサンとの間の架橋反応を減速するか又は阻害するのに十分な濃度の、少なくとも1つのカプセル化剤を含み、これらの成分は有意な架橋なく混合物としてともに配合かつ保存されうる。ある実施形態では、分離する工程には、カプセル化剤を蒸発させること、カプセル化剤を他の相に吸収させること、カプセル化剤を被験体の皮膚に吸収させること、カプセル化剤を錯体を形成する他の成分に吸収させること、カプセル化剤を遷移金属又は水素化官能化ポリシロキサンを用いて非錯体に変換すること、組成物を加熱すること、組成物を冷却すること、組成物により大きく音波を印加すること、組成物に電磁波を印加すること、組成物に可視光を印加すること、組成物に紫外線を印加すること、又は組成物に赤外線を印加することが含まれる。本明細書では、(a)白金;(b)少なくとも1つの不飽和有機重合体;(c)少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサン;及び(d)不飽和有機重合体と水素化官能化ポリシロキサンとの間の架橋反応を減速するか又は阻害するのに十分な濃度のポリウレタン1を含む組成物等の本明細書で提供される組成物中の少なくともポリウレタン1を白金から分離することを含み、これらの成分は有意な架橋なく混合物としてともに配合かつ保存されうる。本明細書では、単一配合物として本明細書で提供される組成物を用いる方法であって、以下の:(a)白金;(b)少なくとも1つのビニル官能化有機ポリシロキサン;(c)少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサン;及び(d)ビニル官能化有機ポリシロキサンと水素化官能化ポリシロキサンとの間の架橋反応を減速するか又は阻害するのに十分な濃度のポリウレタン1を含む組成物等の本明細書で提供される組成物中の少なくともポリウレタン1を白金を白金から分離することを含み、これらの成分は有意な架橋なく混合物としてともに配合かつ保存されうる、一段階法で本明細書で提供される組成物を単一配合物として用いる方法が提供される。
一実施形態では、本方法は、熱を用いて、又は用いずに、カプセル化剤を蒸発させることによって、カプセル化剤を遷移金属又は水素化官能化ポリシロキサンから分離することを含む。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【
図1】
図1は、マイクロカプセルのスキームを示す図である。
【0055】
【
図2】
図2は、マイクロカプセルの形態を示す図である。
【0056】
【
図3】
図3は、溶媒抽出/蒸発によるミクロスフェア調製における4つの主要な工程の概略図である。
【0057】
【
図4】噴霧乾燥によるマイクロカプセル化のプロセスの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0058】
5 用語、略語、規約
本明細書で用いる用語「皮膚」としては、正常な皮膚が、無傷である、損傷している、又は部分的若しくは完全に喪失若しくは除去されている身体表面があげられる。皮膚としては、さらに、通常「皮膚」の一部であると考えられる皮膚欠陥があげられる。皮膚欠陥の例としては、シワ、しみ、そばかす、にきび、ほくろ、疣贅、病変、瘢痕、刺青、あざ、肌荒れ、出生痕、日焼け、加齢による損傷、斑点(例えば、老化斑)、不均一な皮膚の色調、たるみのある皮膚、セルライト、ストレッチマーク、皮膚の弾力性の喪失、皮膚の粗さ、拡大した孔、色素沈着、毛細血管拡張、発赤、光沢、ポートワイン母斑(又は、扁平上皮母斑、例えば、縫合上皮母斑若しくは正中線上皮母斑)、及び黒色腫があげられる。皮膚としては、さらに、化粧料、身体ケア、医学的ケア、塗料、又はその他の異物、又はそれらの組み合わせが適用される皮膚領域があげられる。
【0059】
本明細書で用いる用語「層」としては、表面上に形成され、スプレーされ、又は表面上に広げられた被覆、膜、シート、バリア、コーティング、膜、装置、又は人工皮膚があげられる。層は、連続的であってよいが、必ずしも連続的でなくてよい。層の厚さは、実質的に均一及び/又は均一であってよいが、必ずしもそうでなくてよい。
【0060】
本明細書で用いる用語「皮膚バリア機能の低下」、「皮膚バリアの低下」、又は「皮膚状態の低下」としては、皮膚疾患、皮膚状態、及び創傷等の状態があげられる。
【0061】
本明細書で用いる用語「皮膚疾患」としては、医学的治療を必要とし得る被験体の皮膚に少なくとも1つの症状をおこす疾患があげられる。皮膚疾患は、とりわけ、自己免疫疾患及び/又はアレルゲン又は化学物質等の環境因子によって誘発されうる。皮膚疾患の症状の例としては、皮膚のかゆみ、乾燥皮膚、痂皮形成、水疱形成、又は皮膚のひび割れ、皮膚炎、皮膚浮腫、又は皮膚病変形成があげられるが、これらに限定されない。皮膚疾患としては、湿疹、乾癬、魚鱗癬、酒さ、慢性乾燥皮膚、皮膚ループス、慢性単純性苔癬、乾皮症、ざ瘡、疾患に起因する二次性皮膚疾患、及び潰瘍があげられるが、これらに限定されない。
【0062】
本明細書で用いる用語「皮膚状態」としては、皮膚のかゆみ、皮のむけた皮膚、皮膚の乾燥、剥離又は剥離した皮膚、皮膚上の水疱、皮膚の発赤、腫脹又は炎症、及び滲出、かさぶた形成又は鱗屑形成皮膚があげられるが、これらに限定されない。皮膚状態としてはまた、レーザー、光又は化学的剥離処理により生じた欠陥のある皮膚被覆状態があげられる。
【0063】
本明細書で用いる用語「創傷」としては、皮膚がトム、切開又は穿刺されている皮膚への損傷があげられる。創傷としては、開放創、例えば、擦過傷、裂傷、切開、穿刺、剥離、又は切断があげられる。創傷としては、また、熱、電気、風、化学物質、光、放射線、又は摩擦による皮膚及び/又は肉の損傷の一種である吹き出物創傷があげられる。
【0064】
本明細書で用いられる用語「治療(treat、treating及びtreatment)」としては、治療的手段及び予防(prophylactic)/予防的(preventative)手段がともにあげられる。「治療」としては、さらに、障害改変治療及び対症療法がともにあげられる。障害修飾治療及び対症療法の両方があげられる。治療は、皮膚バリア機能低下の態の少なくとも1つの症状の重症度及び/又は期間を改善又は軽減しうる。治療により、皮膚のバリア機能損傷状態が完全に回復しうる。
【0065】
本明細書で用いられる用語「塗布(apply、applied及びapplication)」としては、本明細書で提供される組成物を被験体の皮膚又は身体に接触又は投与するあらゆる公知の方法があげられる。当該塗布は、指、手、ブラシ、綿球、綿棒、ティッシュ、パッド、スポンジ、ロールオン、へら、ディスペンサー、滴剤、スプレー、スプラッシュ、フォーム、ムース、血清、スプリッツ、及び他の適当な方法で行いうる。
【0066】
本明細書で用いられる用語「被験体」としては、本明細書で開示される組成物を用いるのに適する被験体、特に動物(例えば、ヒト)があげられる。被験体としては、さらに、植物があげられ、その場合、皮膚は、花、葉、果実、茎、枝、樹皮、及び根等の、組成物の塗布から利益をうることができる植物の部分の表面をいう。
【0067】
本明細書で用いられる用語「インビトロ」は、試験又は形成が、被験体の皮膚又は身体の上部、内部、又はその上では行われないことを意味する。
【0068】
本明細書で用いられる用語「常套の日常活動」としては、食事(例えば、飲食、薬物摂取)、排尿(例えば、排尿及び排便)、排尿、着替え、入浴(例えば、シャワー、入浴)、身づくろい、歩行(例えば、歩行、交通手段を用いる)、会話(例えば、電話を用いる)、食事の準備、家事、洗濯、買い物、及び財務取り扱い等の日常生活の手段的活動があげられる。当該日常活動の例は、Lawton and Brody,Assessment of older people:self-maintaining and instrumental activities of daily living,Gerontologist 1969 Autumn;9(3):179-86及びKatz et al,Studies of Illness in the Aged.The Index of ADL:A Standardized Measure of Biological and Psychosocial Function,JAMA 1963 Sep 21;185:914-9に記載がある。
【0069】
本明細書で用いられる用語「きつい(demanding)活動」としては、日常の活動により生じる緊縮又はストレスと比較して、被験体の皮膚に高いレベルの緊縮及び/又はストレスが生じる活動があげられる。きつい活動の例としては、運動、遊泳(海水、淡水、塩素処理水)、蒸気室(高湿度の熱)、サウナ(低湿度の熱)等の活動があげられる。
【0070】
特断のない限り、本明細書に開示されているいかなる組成物の部分として用いられるいかなる材料の記載も、当該材料を組成物の他の成分と混合、組み合わせ及び/又は反応させる前の組成物の成分等の材料である。
【0071】
本明細書で用いられる用語「架橋性重合体」は、物理的又は化学的に相互作用しうる、又は物理的及び化学的に相互作用しうる重合体をいい、それが塗布される表面(例えば、皮膚、皮革、ガラス、プラスチック、金属)上に層を形成する。「物理的に相互作用する」とは、2又はそれ以上の重合体鎖間の非共有結合性相互作用(例えば、水素結合、又は静電的、極性、イオン性、ファンデルワールス力、又はロンドン力)の形成をいう。「化学的に相互作用する」とは、2又はそれ以上の重合体鎖間の共有結合の形成をいう。共有結合は、自発的に生じる化学反応を介して形成されてよく、又は、例えば、触媒、水分、熱、圧力、pHの変化、又は放射線により開始される化学反応を介して形成されてよい。架橋性重合体は、単重合体又は共重合体、例えば、ランダム共重合体、交互共重合体、周期的共重合体、統計的共重合体、ブロック共重合体、グラフト又はグラフト化共重合体、又はそれらの組み合わせであってよい。架橋性重合体は、線状重合体、分枝状重合体、星状重合体、ループ重合体、又はそれらの組み合わせであってよい。
【0072】
好ましい実施形態では、当該組成物は、1又はそれ以上の有機重合体を含む。「有機重合体」とは、炭素を含む重合体をいう。好ましい実施形態では、有機重合体は、有機ポリシロキサン重合体である。好ましい実施形態では、有機ポリシロキサン重合体は、線状シロキサン重合体である。好ましい実施形態では、有機ポリシロキサン重合体は、分枝シロキサン重合体である。
【0073】
用語「粘度」は、せん断応力又は引張応力で変形されつつある液体の抵抗の尺度を意味する。組成物の粘度は、基質上に形成された層の厚さ、広がり性、及び均一性及び/又は均一性に影響する。粘度は、動的粘度(絶対粘度、典型的な単位Pa s、Poise、P、cPとしても知られる)又は動的粘度(通常の単位cm2/s、Stokes、St、cSt)として報告でき、これは、測定された液体の密度で除算された粘度である。本明細書に開示される成分の粘度範囲は、一般に、レオメータ又はキャノン-フェンスケ管粘度計を用いて測定した場合の、成分の供給者により、動粘度単位(例えば、cSt)で提供される。
【0074】
液体粘度は、例えば、レオメータ(例えば、線形せん断レオメータ又は動的せん断レオメータ)又は粘度計(粘度計ともいう、例えば、毛細管粘度計又は回転粘度計)を用いて、器具特有の歪みでインビトロで測定することができる。例えば、Thomas G.Mezger,The Rheology Handbook:For Users of Rotational and Oscillatory Rheometers(2nd Ed.),Vincentz Network,2006及びASTM D3835-08、ASTM D2857-95、ASTM D2196-10、及びASTM D2983-09等のASTM(American Society for Testing and Materials)規格は、液体粘度の測定方法を教示する。液体粘度は、好ましくは、ここに記載されるRheometer粘度測定試験を用いてインビトロで測定される。液体の密度は、温度又は圧力により変化しうる。特断のない限り、粘度を含む、本明細書に開示されている組成物、層及び/又は装置のすべての特性は、室温(約25℃)及び約1気圧の空気圧で測定される。
【0075】
無水組成物は、一般に、細菌又はカビに対する防腐剤がなくても、類似成分を有するエマルジョンよりも保存期間が長い。本明細書で用いられる「無水」は、含有する成分が、水分の約10%、約5%、約2%、約1%又は約0.1%であることをいう。ある実施形態では、組成物は無水である。ある実施形態では、組成物はエマルジョンである。ある実施形態では、組成物は分散物である。ある実施形態では、組成物は、懸濁液である。ある実施形態では、組成物はペーストである。ある実施形態では、組成物は半固体である。ある実施形態では、組成物は軟膏である。ある実施形態では、組成物はクリームである。ある実施形態では、組成物は、血清である。ある実施形態では、組成物はローションである。ある実施形態では、組成物はパッチである。ある実施形態では、組成物は、拡散され、噴霧され、ステンシルでスタンプされ、パターン化され、パッチされ、転写され、層状にされ、被覆され、又は皮膚上に分割されうる。
【0076】
用語「ガラス転移温度」とは、固体状態から液体状態への転移温度をいう。ガラス転移温度は、温度(℃、°F又はK)として記載することができる。ガラス転移温度は、例えば、示差走査熱量計(DSC)又は熱質量分析(TGA)等の熱分析装置を用いて、インビトロで測定することができる。
【0077】
用語「非粘着時間」とは、膜に密着性を生じさせる0.15ニュートン未満の通常の力の下でそれに軽く接触する指又は基質に、層がもはや付着しないように十分に凝固する時間をいう。
【0078】
用語「接着力」は、皮革又はポリプロピレン又はポリウレタン等の標準的な基質に接着された材料を分離するのに必要な単位長さ当たりの力をいう。ある実施形態では、ポリプロピレン基質上の層の接着力は、約2N/mより大きい。
【0079】
用語「引張強さ」、「終局引張強さ」、「破壊応力」、「破断時応力」、「最大引張応力」、「破壊応力」、「破壊強度」、「破断強度」は、試験片が破壊する応力をいう。引張強さは、例えば、本明細書に記載されているように、繰返し試験及び伸長試験を用いて、インビトロで組成物から形成された試験片上で測定することができる。
【0080】
用語「破砕ひずみ(fracture strain)」、「破断伸長度(elongation at break)」、「破断伸縮度(stretchiness at break)」、「破断ひずみ(strain at break)」、「最大伸度(maximum elongation)」、「最大ひずみ(maximum strain)」、「最大伸縮度(maximum stretchiness)」、「破断伸展度(extension at break)」、「最大伸展度(maximum extension)」、は、試験片が破断により破断するひずみを意味する。破壊ひずみは、インビトロで、例えば、本明細書に記載されているように、繰返し試験及び伸長試験を用いて、組成物から形成された試験片上で測定することができる。
【0081】
引張弾性率は、例えば、本明細書に記載されているように、繰返し試験及び伸長試験を用いて、インビトロで組成物から形成された試験片上で測定することができる。引張弾性率はまた、ASTM D5083 RTS標準試験片を用いた強化熱硬化性プラスチックの引張特性を用いて測定することができる。
【0082】
用語「引張弾性率(tensile modulus)」又は「ヤング率(Young’s modulus)」又は「弾性率(modulus of elasticity)」又は「剛性(stiffness)」又は「引張剛性(tensile stiffness)」又は「弾性率(elastic modulus)」は、初期長をより大きくえて材料を伸張及び変形させるのに必要な単位面積当たりの力をいう。引張弾性率は、初期長より大きく材料の柔軟質又は変形性に関連するコンプライアンスの逆数である。引張弾性率は、例えば、本明細書に記載されているように、繰返し試験及び伸長試験を用いて、インビトロで組成物から形成された試験片上で測定することができる。引張弾性率はまた、ASTM D5083 RTS標準試験片を用いた強化熱硬化性プラスチックの引張特性を用いて測定することができる。
【0083】
用語「繰返し引張残留ひずみ」とは、繰返し引張変形後の引張残留ひずみをいう。用語「残留ひずみ」とは、元の応力の原因が除去された後に材料中に残留するひずみをいう。残留ひずみは、塑性ひずみ、非弾性ひずみ、非弾性ひずみ、粘弾性ひずみとして報告することができる。当該繰返し引張残留ひずみは、例えば、本明細書で記載されているような繰返し引張試験及び伸長試験を用いて、インビトロで組成物から形成された試験片上で測定することができる。
【0084】
用語「繰返し引張ヒステリシス損失エネルギー」又は「繰返しヒステリシスひずみエネルギー」とは、試料が繰返し引張変形を受けるときに熱として放散される過剰エネルギーを意味する。周期的な引張ヒステリシス損失エネルギーは、例えば、本明細書に記載されているような周期的及び伸長プル試験を用いて、インビトロで組成物から形成された試験片上で測定することができる。
【0085】
用語「破壊靭性(fracture toughness)」又は「靭性(toughness)」又は「引張靭性(tensile toughness)」又は「変形エネルギー(deformation energy)」又は「破壊エネルギー(fracture energy)」又は「破壊エネルギー(failure energy)」は、破壊点までの単位体積当たりの機械的変形のエネルギーを吸収する能力を意味する。破壊靭性は、インビトロで組成物から形成された試験片上で、例えば、本明細書に記載されているように、繰返し試験及び伸長試験を用いて測定することができる。
【0086】
用語「酸素透過速度」又は「OTR」とは、厚さが一定である膜を通過する酸素の透過フラックスを意味する。酸素透過速度は、例えば、ASTM F2622プラスチック膜を介した酸素ガス透過速度及び様々のセンサを用いたシート形成試験を用いて、インビトロで組成物から形成された試料上で測定することができる。
【0087】
用語「酸素透過性」は、膜間の単位酸素蒸気圧差(通常cmHg)当たり、厚さが一定の膜を通る酸素の透過流束を意味する。酸素透過性は、例えば、ASTM F2622プラスチック膜を通しての酸素ガス透過速度及び様々のセンサを用いたシート形成を用いて、インビトロで組成物から形成された試料上で測定することができる。
【0088】
用語「酸素透過係数」又は「内因性酸素透過性」とは、酸素が膜を通過して移動する速度の尺度をいい、膜への酸素吸着の連続プロセスを含み、その後、膜を通過して酸素が拡散する。酸素透過係数は、例えば、ASTM F2622「プラスチック膜を介した酸素ガスの透過速度」及び「様々のセンサを用いたシート形成」を用いて、インビトロで組成物から形成された試料上で測定することができる。
【0089】
「用語「水蒸気透過速度」又は「WVTR」とは、ある厚さの膜を通過する水蒸気の透過流束を意味する。水蒸気透過速度は、例えば、ASTM F1249水蒸気透過速度を用いて、変調赤外線センサ試験を用いて、インビトロで組成物から形成された試料上で測定することができる。
【0090】
用語「水蒸気透過性」は、バリアの一方の側と他方の側との間の単位水蒸気圧差(通常cmHg)当たりの、ある厚さのバリアを通る水蒸気の透過流束を意味する。水蒸気透過性は、例えば、ASTM F1249水蒸気透過速度を用いて、変調赤外線センサ試験を用いて、インビトロで組成物から形成された試料上で測定することができる。
【0091】
用語「水蒸気透過係数」又は「本質的水蒸気透過性」は、水蒸気がどのように速くバリアを通過して移動することができるかの尺度をいい、バリアへの水蒸気吸着と、それに続くバリアを通る水蒸気拡散の連続プロセスが関連する。水蒸気透過係数は、例えば、ASTM 1249水蒸気透過速度を用いて、変調赤外線センサ試験を用いて、インビトロで組成物から形成された試料上で測定することができる
【0092】
用語「経表皮的水分喪失」とは、体内から表皮層を通過して周囲の大気に拡散及び蒸発過程を介して通過する水分の量の測定を意味する。経表皮水分喪失は、本明細書に記載されている経表皮水分喪失(TEWL)測定試験を用いて測定する。被験体の年齢、人種、性別、及び/又は皮膚の面積により生じるTEWL測定値の差は、一般にTEWL測定値の標準誤差より小さい。
【0093】
用語「皮膚水和」とは、皮膚表面近傍の誘電性媒体の容量測定に基づくコメオメーターを通じた皮膚の水分含有量の測定を意味する。
【0094】
用語「引き込み時間」とは、吸引カップ装置による初期変形後に皮膚が元の状態に戻るのに要する時間を意味する。皮膚引き込み時間は、例えば、H.Dobrev,“Use of Cutometer to assess epidermal hydration”,Skin Research and Technology 2000,6(4):239-244に記載されている手順により、カットメーター/吸引カップを用いて測定することができる。
【0095】
本明細書で用いられる用語「約」は、及び他に特段の限り、組成物又は剤形の成分の投与量、量又は質量%に関連して用いられる場合、当業者によって認識される投与量、量又は質量%を意味する。具体的には、用語「約」は、特定の投与量、量又は質量%の30%、25%、20%、15%、10%又は5%以内の投与量、量又は質量%を意図する。
【0096】
用語「カプセル化」とは、材料(コア)を第2の材料(シェル/壁材料)のシェルに恒久的又は一時的にカプセル化するプロセスをいう。ある実施態様では、第2の材料は「カプセル化剤」という。このプロセスにより、マイクロカプセルという、
図1に記載されたような小さなカプセルが生じる。マイクロカプセルは、
図2に記載のように、単核、多核又はマトリックス型に分類することができる。ある実施形態では、マイクロカプセルの直径は、1ミクロンから数ミリメートルである。ある実施形態では、マイクロカプセルの直径は、約50nm~約2mmである。ある実施形態では、マイクロカプセルの直径は、約2mm~約2000mmである。ある実施形態では、マイクロカプセルの直径は、約50nm~約1000nmである。ある実施形態では、マイクロカプセルの直径は、約100nm~約500nmである。ある実施形態では、直径がナノメートル範囲であるマイクロカプセルは、ナノカプセルいう
【0097】
6 詳細な説明
本明細書で提供される組成物は、被験体の皮膚への単回塗布工程で、被験体の皮膚上に薄膜を作製するのに用いうる。より具体的には、本明細書で提供される組成物は、皮膚への塗布前に、複数のコンパートメントに保管したり、他の組成物や成分と混合したりする必要がない。そのかわり、単一組成物を、製造し、単一のコンパートメントに保管し、かつ、その後、被験体の皮膚に塗布して、被験体の皮膚上に膜を作製することができる。ある実施形態では、本明細書で提供される組成物は、皮膚への塗布前に混合する必要がないため、本明細書で提供される組成物を含む容器は、当該組成物を皮膚に塗布するのに適するアプリケーターも含むことができる。リガンド(6.1.1項参照)は、理論に拘束されず、このような単一成分配合物の他の成分間の架橋反応を減速するか、又は阻害する。カプセル化剤は、理論に拘束されず、このような単一成分配合物の他の成分間の架橋反応を減速するか、又は阻害する。
【0098】
ある実施形態では、本明細書では、以下の:(a)少なくとも1つの遷移金属;(b)少なくとも1つの不飽和有機重合体;(c)少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサン;及び(d)前記不飽和有機重合体と前記水素化官能化ポリシロキサンとの間の架橋反応を減速するのに十分な濃度の、少なくとも1つのリガンドを含む組成物であって、これらの成分は有意な架橋なく混合物としてともに配合かつ保存されうる組成物が提供される。
【0099】
ある実施形態では、本明細書では、以下の:(a)少なくとも1つの遷移金属;(b)少なくとも1つのビニル官能化有機ポリシロキサン;(c)少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサン;及び(d)前記ビニル官能化有機ポリシロキサンと前記水素化官能化ポリシロキサンとの間の架橋反応を減速するのに十分な濃度の、少なくとも1つのリガンドを含む組成物であり、これらの成分は有意な架橋なく混合物としてともに配合かつ保存されうる組成物が提供される。
【0100】
ある実施形態では、そのような組成物は、以下の:(a)少なくとも1つの遷移金属;(b)少なくとも1つの不飽和有機重合体;(c)少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサン;及び(d)前記ビニル官能化有機ポリシロキサンと前記水素化官能化ポリシロキサンとの間の架橋反応を減速するか又は阻害するのに十分な濃度の、少なくとも1つのカプセル化剤を含み、これらの成分は有意な架橋なく混合物としてともに配合かつ保存されうる。
【0101】
ある実施形態では、本明細書では、以下の:(a)少なくとも1つの遷移金属;(b)少なくとも1つのビニル官能化有機ポリシロキサン;(c)少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサン;及び(d)前記ビニル官能化有機ポリシロキサンと前記水素化官能化ポリシロキサンとの間の架橋反応を減速するか又は阻害するのに十分な濃度の、少なくとも1つのカプセル化剤を含む組成物であって、これらの成分は有意な架橋なく混合物としてともに配合かつ保存されうる組成物が提供される。
【0102】
一実施形態では、本明細書で提供される成分はともに、混合され、均一な混合物として保存される。一実施形態では、本明細書に提供される成分はともに、混合され、不均一混合物、例えば、懸濁液又はエマルジョンとして保存される。
【0103】
一実施形態では、本明細書で提供される組成物は、目視できる変化なく、約-5、0、5、10、15、25、30、35又は40℃で保存することができる。一実施形態では、本明細書で提供される組成物は、目視できる変化なく、約30、60、90、120、又は180間、又は約1、2、又は3年間保存することができる。一実施形態では、本明細書で提供される組成物は、光とともに保存することができる。
一実施形態では、本明細書で提供される組成物は、光なしで保存される。一実施形態では、本明細書で提供される組成物は、遮光容器で保存される。一実施形態では、本明細書で提供される組成物は、防音容器で保存される。一実施形態では、本明細書で提供される組成物は、耐衝撃性容器で保存される。一実施形態では、本明細書で提供される組成物は、断熱容器で保存される。一実施形態では、本明細書で提供される組成物は、電磁的に遮蔽された容器で保存される。
【0104】
本明細書では、被験体の皮膚上に膜を形成するのに用いることができる組成物を提供する。ある実施形態では、得られた膜は、本明細書に記載される特定の特性を備える。ある実施形態では、膜は、美容及び治療の用途に用いることができる。
【0105】
より具体的には、本明細書では、例えば、被験体の皮膚上に膜を形成する被験体の皮膚に塗布する単一配合物として用いることができる組成物が提供される。ある実施形態では、本明細書で提供される配合物は、不飽和有機重合体と水素化官能化ポリシロキサンとの間の架橋反応を触媒することができる少なくとも1つの遷移金属を含む。ある実施形態では、本明細書で提供される配合物は、ビニル官能化有機ポリシロキサンと水素化官能化ポリシロキサンとの間の架橋反応を触媒することができる少なくとも1つの遷移金属を含む。そのような組成物は、膜形成が所望される前(例えば、被験体の皮膚への適用前)に、遷移金属が架橋反応を触媒しないように構成され、それによって、触媒及び機能性成分の単一組成物を配合物できる。ある実施形態では、配合物は、遷移金属が架橋反応を触媒することを阻害する少なくとも1つのリガンドを含むことができる。ひとたび、膜形成が望まれると、架橋反応を阻害するリガンドの活性を、以下に記載されるように、リガンドの性質に応じて、異なる手段により軽減又は除去することができる。ある実施形態では、配合物は、遷移金属が架橋反応を触媒することを阻害する少なくとも1つのカプセル化剤、又は水素化官能化ポリシロキサンが遷移金属の近傍の不飽和有機重合体と自由に相互作用することを阻害する少なくとも1つのカプセル化剤を含むことができる。ある実施形態では、配合物は、遷移金属が架橋反応を触媒することを阻害する少なくとも1つのカプセル化剤、又は水素化官能化ポリシロキサンが遷移金属の近傍のビニル官能化有機ポリシロキサンと自由に相互作用することを阻害する少なくとも1つのカプセル化剤を含むことができる。ひとたび、膜形成が望まれると、架橋反応を阻害するカプセル化剤の活性を、以下に記載されるように、リガンドの性質に応じて、異なる手段により軽減又は除去することができる。
【0106】
6.1 本明細書に提供される方法で用いる組成物
ある実施形態では、本明細書で提供される方法で用いる組成物は、触媒;少なくとも1つのリガンド;少なくとも1つの不飽和有機重合体;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含む。ある実施形態では、本明細書で提供される方法で用いる組成物は、触媒;少なくとも1つのカプセル化剤;少なくとも1つの不飽和有機重合体;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含む。
【0107】
ある実施形態では、本明細書で提供される方法で用いる組成物は、触媒;少なくとも1つのリガンド;少なくとも1つのビニル官能化有機ポリシロキサン;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含む。ある実施形態では、本明細書で提供される方法で用いる組成物は、触媒;少なくとも1つのカプセル化剤;少なくとも1つのビニル官能化有機ポリシロキサン;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含む。これらの構成要素に関するより詳細な情報は、以下の項に記載される。
【0108】
6.1.1 リガンド
ある実施形態では、リガンドは、リガンド-触媒錯体を形成する触媒に結合する化学基又は官能基である。
【0109】
本明細書で提供される組成物及び方法で用いるリガンドとして、以下の化学物質:ジビニルテトラメチルジシラン、直鎖ビニルシロキサン、環状ビニルシロキサン、トリス(ビニルシロキサン)シラン、テトラキス(ビニルシロキシ)シラン及びそれ以上、ビニルケトン及びビニルエステル、アセチレンアルコール、スルフィド及びメルカプタン(それらの誘導体を全て含む);を用いうる。直鎖状ビニルシロキサンの例としては、ジビニルジシロキサン、ジビニルトリシロキサン、ジビニルテトラシロキサン、及びジビニルトリシロキサン誘導体の例として、1,5-ジビニル-3-フェニルペンタメチルトリシロキサン、1,1,5,5-テトラメチル-3,3-ジフェニル-1,5-ジビニルトリシロキサン等の誘導体があげられるそれ以降の(ジビニルジメチコン)があげられる。環状ビニルシロキサンの例としては、トリビニルトリメチルシクロトリシロキサン、テトラビニルテトラメチルシクロテトラシロキサン、ペンタビニルペンタメチルシクロペンタシロキサン、ヘキサビニルヘキサメチルシクロヘキサシロキサン等があげられ、メチルをエチルやエトキシ等のアルキルやアルコキシルに置換した例としての誘導体があげられる。分岐状(ビニルシロキシ)シラン及びその誘導体の例としては、トリス(ビニルジメチルシロキシ)シラン、テトラキス(ビニルジメチルシロキシ)シラン、メタクリロキシプロピルトリス(ビニルジメチルシロキシ)シラン等があげられる。ビニルケトン及びビニルエステル及びそれらの誘導体の例としては、フマル酸ジメチル、マレイン酸ジメチル、メチルビニルケトン、メトキシブタノンがあげられる。アセチレンアルコール及びその誘導体の例としては、メチルイソブチノールがあげられる。硫化物、メルカプタン及びそれらの誘導体の例としては、エチルメルカプタン、ジエチルスルフィド、硫化水素、ジメチルジスルフィドがあげられる。
【0110】
ある実施形態では、リガンドは、本明細書で提供される組成物が化学架橋ネットワークを形成するヒドロシリル化反応の触媒活性を減速することができる。
【0111】
ある実施形態では、当該リガンドは、不飽和有機重合体と水素化官能化ポリシロキサンとの間の架橋反応を減速するのに十分な濃度であり、有意な架橋なく混合物としてともに配合かつ保存されうる。特定の実施形態では、リガンドは、ビニル官能化有機ポリシロキサンと水素化官能化ポリシロキサンとの間の架橋反応を減速するのに十分な濃度であり、有意な架橋なく混合物としてともに配合かつ保存されうる。特定の実施形態では、リガンドは、約25℃での架橋反応の反応速度を、リガンドがない場合の反応速度の99%まで減速するのに十分な濃度である。特定の実施形態では、リガンドは、約25℃での架橋反応の反応速度を、リガンドがない場合の反応速度の50%まで減速するのに十分な濃度である。特定の実施形態では、リガンドは、約25℃での架橋反応の反応速度を、リガンドがない場合の反応速度の25%まで減速するのに十分な濃度である。特定の実施形態では、リガンドは、約25℃での架橋反応の反応速度を、リガンドがない場合の反応速度の10%まで減速するのに十分な濃度である。特定の実施形態では、リガンドは、約25℃での架橋反応の反応速度を、リガンドがない場合の反応速度の約1%まで減速するのに十分な濃度である。特定の実施形態では、リガンドは、約25℃での架橋反応の反応速度を、リガンドがない場合の反応速度の約0.1%まで減速するのに十分な濃度である。
特定の実施形態では、リガンドは、約25℃での架橋反応の反応速度を、リガンドがない場合の反応速度の約0.01%まで減速するのに十分な濃度である。特定の実施形態では、リガンドは、約25℃での架橋反応の反応速度を、リガンドがない場合の反応速度の約0.001%まで減速するのに十分な濃度である。特定の実施形態では、リガンドは、約25℃での架橋反応の反応速度を、リガンドがない場合の反応速度の約0.0001%まで減速するのに十分な濃度である。特定の実施形態では、リガンドは、約25℃での架橋反応の反応速度を、リガンドがない場合の反応速度の約0.00001%まで減速するのに十分な濃度である。特定の実施形態では、リガンドは、約25℃での架橋反応の反応速度を、リガンドがない場合の反応速度の約0.000001%まで減速するのに十分な濃度である。特定の実施形態では、リガンドは、約25℃での架橋反応の反応速度を、リガンドがない場合の反応速度の約0.00000001%まで減速するのに十分な濃度である。
【0112】
ある実施形態では、当該リガンドは、ビニル官能化有機ポリシロキサンと水素化官能化ポリシロキサンとの間の架橋反応を減速するのに十分な濃度であり、これらの成分は、有意な架橋なく混合物としてともに配合かつ保存されうる。特定の実施形態では、リガンドは、約5℃での架橋反応の反応速度を、リガンドがない場合の反応速度の99%まで減速するのに十分な濃度である。特定の実施形態では、リガンドは、約5℃での架橋反応の反応速度を、リガンドがない場合の反応速度の50%まで減速するのに十分な濃度である。特定の実施形態では、リガンドは、約5℃での架橋反応の反応速度を、リガンドがない場合の反応速度の25%まで減速するのに十分な濃度である。特定の実施形態では、リガンドは、約5℃での架橋反応の反応速度を、リガンドがない場合の反応速度の10%まで減速するのに十分な濃度である。特定の実施形態では、リガンドは、約5℃での架橋反応の反応速度を、リガンドがない場合の反応速度の約1%まで減速するのに十分な濃度である。特定の実施形態では、リガンドは、約5℃での架橋反応の反応速度を、リガンドがない場合の反応速度の約0.1%まで減速するのに十分な濃度である。特定の実施形態では、リガンドは、約5℃での架橋反応の反応速度を、リガンドがない場合の反応速度の約0.01%まで減速するのに十分な濃度である。特定の実施形態では、リガンドは、約5℃での架橋反応の反応速度を、リガンドがない場合の反応速度の約0.001%まで減速するのに十分な濃度である。特定の実施形態では、リガンドは、約5℃での架橋反応の反応速度を、リガンドがない場合の反応速度の約0.0001%まで減速するのに十分な濃度である。特定の実施形態では、リガンドは、約5℃での架橋反応の反応速度を、リガンドがない場合の反応速度の約0.00001%まで減速するのに十分な濃度である。特定の実施形態では、リガンドは、約5℃での架橋反応の反応速度を、リガンドがない場合の反応速度の約0.000001%まで減速するのに十分な濃度である。特定の実施形態では、リガンドは、約5℃での架橋反応の反応速度を、リガンドがない場合の反応速度の約0.0000001%まで減速するのに十分な濃度である。
【0113】
ある実施形態では、当該リガンドは、本明細書で提供される組成物が化学架橋ネットワークを形成するヒドロシリル化反応を遅延させることができる。ある実施形態では、当該リガンドは、約25℃でのヒドロシリル化反応の反応速度をリガンドがない場合の反応速度の99%まで低下させることができる。ある実施形態では、当該リガンドは、約25℃でのヒドロシリル化反応の反応速度をリガンドがない場合の反応速度の50%まで低下させることができる。ある実施形態では、当該リガンドは、約25℃でのヒドロシリル化反応の反応速度をリガンドがない場合の反応速度の25%まで低下させることができる。ある実施形態では、当該リガンドは、約25℃でのヒドロシリル化反応の反応速度をリガンドがない場合の反応速度の10%まで低下させることができる。ある実施形態では、当該リガンドは、約25℃でのヒドロシリル化反応の反応速度をリガンドがない場合の反応速度の約1%まで低下させることができる。ある実施形態では、当該リガンドは、約25℃でのヒドロシリル化反応の反応速度をリガンドがない場合の反応速度の約0.1%まで低下させることができる。ある実施形態では、当該リガンドは、約25℃でのヒドロシリル化反応の反応速度をリガンドがない場合の反応速度の約0.01%まで低下させることができる。ある実施形態では、当該リガンドは、約25℃でのヒドロシリル化反応の反応速度をリガンドがない場合の反応速度の約0.001%まで低下させることができる。ある実施形態では、当該リガンドは、約25℃でのヒドロシリル化反応の反応速度をリガンドがない場合の反応速度の約0.0001%まで低下させることができる。ある実施形態では、当該リガンドは、約25℃でのヒドロシリル化反応の反応速度をリガンドがない場合の反応速度の約0.00001%まで低下させることができる。ある実施形態では、当該リガンドは、約25℃でのヒドロシリル化反応の反応速度をリガンドがない場合の反応速度の約0.000001%まで低下させることができる。ある実施形態では、当該リガンドは、約25℃でのヒドロシリル化反応の反応速度をリガンドがない場合の反応速度の約0.00000001%まで低下させることができる。
【0114】
ある実施形態では、当該リガンドは、本明細書で提供される組成物が化学架橋ネットワークを形成するヒドロシリル化反応を遅延させることができる。ある実施形態では、当該リガンドは、約5℃でのヒドロシリル化反応の反応速度をリガンドがない場合の反応速度の99%まで低下させることができる。ある実施形態では、当該リガンドは、約5℃でのヒドロシリル化反応の反応速度をリガンドがない場合の反応速度の50%まで低下させることができる。ある実施形態では、当該リガンドは、約5℃でのヒドロシリル化反応の反応速度をリガンドがない場合の反応速度の25%まで低下させることができる。ある実施形態では、当該リガンドは、約5℃でのヒドロシリル化反応の反応速度をリガンドがない場合の反応速度の10%まで低下させることができる。ある実施形態では、当該リガンドは、約5℃でのヒドロシリル化反応の反応速度をリガンドがない場合の反応速度の約1%まで低下させることができる。ある実施形態では、当該リガンドは、約5℃でのヒドロシリル化反応の反応速度をリガンドがない場合の反応速度の約0.1%まで低下させることができる。ある実施形態では、当該リガンドは、約5℃でのヒドロシリル化反応の反応速度をリガンドがない場合の反応速度の約0.01%まで低下させることができる。ある実施形態では、当該リガンドは、約5℃でのヒドロシリル化反応の反応速度をリガンドがない場合の反応速度の約0.001%まで低下させることができる。ある実施形態では、当該リガンドは、約5℃でのヒドロシリル化反応の反応速度をリガンドがない場合の反応速度の約0.0001%まで低下させることができる。ある実施形態では、当該リガンドは、約5℃でのヒドロシリル化反応の反応速度をリガンドがない場合の反応速度の約0.00001%まで低下させることができる。ある実施形態では、当該リガンドは、約5℃でのヒドロシリル化反応の反応速度をリガンドがない場合の反応速度の約0.000001%まで低下させることができる。ある実施形態では、当該リガンドは、約5℃でのヒドロシリル化反応の反応速度をリガンドがない場合の反応速度の約0.00000001%まで低下させることができる。
【0115】
特定の実施形態では、リガンドは、不飽和有機重合体と水素化官能化ポリシロキサンとの間の架橋反応を減速するのに十分な濃度であり、これらの成分は、約25℃で約30日間、有意な架橋なく混合物としてともに配合かつ保存されうる。ある実施形態では、当該リガンドは、不飽和有機重合体と水素化官能化ポリシロキサンとの間の架橋反応を減速するのに十分な濃度であり、これらの成分は、約25℃で約30日間、有意な架橋なく混合物としてともに配合かつ保存されうる。特定の実施形態では、リガンドは、不飽和有機重合体と水素化官能化ポリシロキサンとの間の架橋反応を減速するのに十分な濃度であり、これらの成分は、約25℃で約60日間、有意な架橋なく混合物としてともに配合かつ保存されうる。ある実施形態では、当該リガンドは、不飽和有機重合体と水素化官能化ポリシロキサンとの間の架橋反応を減速するのに十分な濃度であり、これらの成分は、約25℃で約90日間、有意な架橋なく混合物としてともに配合かつ保存されうる。ある実施形態では、当該リガンドは、不飽和有機重合体と水素化官能化ポリシロキサンとの間の架橋反応を減速するのに十分な濃度であり、これらの成分は、約25℃で約120日間、有意な架橋なく混合物としてともに配合かつ保存されうる。特定の実施形態では、リガンドは、不飽和有機重合体と水素化官能化ポリシロキサンとの間の架橋反応を減速するのに十分な濃度であり、これらの成分は、約25℃で約180日間、有意な架橋なく混合物としてともに配合かつ保存されうる。特定の実施形態では、リガンドは、不飽和有機重合体と水素化官能化ポリシロキサンとの間の架橋反応を減速するのに十分な濃度であり、これらの成分は、約25℃で約365日間、有意な架橋なく混合物としてともに配合かつ保存されうる。ある実施形態では、当該リガンドは、不飽和有機重合体と水素化官能化ポリシロキサンとの間の架橋反応を減速するのに十分な濃度であり、これらの成分は、約25℃で約730日間、有意な架橋なく混合物としてともに配合かつ保存されうる。特定の実施形態では、リガンドは、不飽和有機重合体と水素化官能化ポリシロキサンとの間の架橋反応を減速するのに十分な濃度であり、これらの成分は、約25℃で約3年間、有意な架橋なく混合物としてともに配合かつ保存されうる。
【0116】
ある実施形態では、当該リガンドは、ビニル官能化有機ポリシロキサンと水素化官能化ポリシロキサンとの間の架橋反応を減速するのに十分な濃度であり、これらの成分は、約25℃で約30日間、有意な架橋なく混合物としてともに配合かつ保存されうる。ある実施形態では、当該リガンドは、ビニル官能化有機ポリシロキサンと水素化官能化ポリシロキサンとの間の架橋反応を減速するのに十分な濃度であり、これらの成分は、約25℃で約60日間、有意な架橋なく混合物としてともに配合かつ保存されうる。ある実施形態では、当該リガンドは、ビニル官能化有機ポリシロキサンと水素化官能化ポリシロキサンとの間の架橋反応を減速するのに十分な濃度であり、これらの成分は、約25℃で約90日間、有意な架橋なく混合物としてともに配合かつ保存されうる。ある実施形態では、当該リガンドは、ビニル官能化有機ポリシロキサンと水素化官能化ポリシロキサンとの間の架橋反応を減速するのに十分な濃度であり、これらの成分は、約25℃で約120日間、有意な架橋なく混合物としてともに配合かつ保存されうる。ある実施形態では、当該リガンドは、ビニル官能化有機ポリシロキサンと水素化官能化ポリシロキサンとの間の架橋反応を減速するのに十分な濃度であり、これらの成分は、約25℃で約180日間、有意な架橋なく混合物としてともに配合かつ保存されうる。ある実施形態では、当該リガンドは、ビニル官能化有機ポリシロキサンと水素化官能化ポリシロキサンとの間の架橋反応を減速するのに十分な濃度であり、これらの成分は、約25℃で約365日間、有意な架橋なく混合物としてともに配合かつ保存されうる。ある実施形態では、当該リガンドは、ビニル官能化有機ポリシロキサンと水素化官能化ポリシロキサンとの間の架橋反応を減速するのに十分な濃度であり、これらの成分は、約25℃で約730日間、有意な架橋なく混合物としてともに配合かつ保存されうる。ある実施形態では、当該リガンドは、ビニル官能化有機ポリシロキサンと水素化官能化ポリシロキサンとの間の架橋反応を減速するのに十分な濃度であり、これらの成分は、約25℃で約3年間、有意な架橋なく混合物としてともに配合かつ保存されうる。
【0117】
ある実施形態では、当該リガンドは、当該組成物の約1質量%の濃度である。ある実施形態では、当該リガンドは、当該組成物の約10質量%の濃度である。ある実施形態では、当該リガンドは、当該組成物の約20質量%の濃度である。ある実施形態では、当該リガンドは、当該組成物の約30質量%の濃度である。ある実施形態では、当該リガンドは、当該組成物の約40質量%の濃度である。ある実施形態では、当該リガンドは、当該組成物の約50質量%の濃度である。ある実施形態では、当該リガンドは、当該組成物の約60質量%の濃度である。ある実施形態では、当該リガンドは、当該組成物の約70質量%の濃度である。ある実施形態では、当該リガンドは、当該組成物の約80質量%の濃度である。ある実施形態では、当該リガンドは、当該組成物の約90質量%の濃度である。ある実施形態では、当該リガンドは、当該組成物の約95質量%の濃度である。ある実施形態では、当該リガンドは、当該組成物の約99質量%の濃度である。ある実施形態では、当該リガンドは、当該組成物の約99.9質量%の濃度である。
【0118】
一実施形態では、リガンドと遷移金属とのモル比は、約107:1である。一実施形態では、リガンドと遷移金属とのモル比は、約106:1である。一実施形態では、リガンドと遷移金属とのモル比は、約105:1である。一実施形態では、リガンドと遷移金属とのモル比は、約104:1である。一実施形態では、リガンドと遷移金属とのモル比は、約103:1である。一実施形態では、リガンドと遷移金属とのモル比は、約102:1である。一実施形態では、当該リガンドと遷移金属とのモル比は約10:1である。一実施形態では、当該リガンドと遷移金属とのモル比は、約1:1である。一実施形態では、当該リガンドと遷移金属とのモル比は、約1:2である。一実施形態では、当該リガンドと遷移金属とのモル比は、約1:5である。一実施形態では、当該リガンドと遷移金属とのモル比は、約500:1である。一実施形態では、当該リガンドと水素化官能化ポリシロキサンとのモル比は約107:1である。一実施形態では、当該リガンドと水素化官能化ポリシロキサンとのモル比は約106:1である。一実施形態では、当該リガンド及び水素化官能化ポリシロキサンの間のモル比は約105:1である。一実施形態では、当該リガンドと水素化官能化ポリシロキサンとのモル比は、約104:1である。一実施形態では、当該リガンドと水素化官能化ポリシロキサンとのモル比は約103:1である。一実施形態では、当該リガンドと水素化官能化ポリシロキサンとのモル比は約102:1である。一実施形態では、当該リガンドと水素化官能化ポリシロキサンとのモル比は、約10:1である。一実施形態では、当該リガンドと水素化官能化ポリシロキサンとのモル比は、約1:1である。一実施形態では、当該リガンドと水素化官能化ポリシロキサンとのモル比は、約1:2である。一実施形態では、当該リガンドと水素化官能化ポリシロキサンとのモル比は約1:5である。一実施形態では、当該リガンドと水素化官能化ポリシロキサンとのモル比は、約500:1である。
【0119】
一実施形態では、当該リガンドは、本明細書で提供される組成物が化学架橋ネットワークを形成するヒドロシリル化反応を遅延させる調節剤である。一実施形態では、当該リガンドは、触媒と錯体を形成することによってヒドロシリル化反応を遅延させる調節剤である。一実施形態では、当該リガンドは、触媒と可逆的に錯体を形成する調節剤である。一実施形態では、当該リガンドは、より高い温度、例えば、約25℃、約30℃、約35℃、約40℃、約50℃、約60℃、約70℃で触媒と解離する調節剤である。一実施形態では、当該リガンドは、蒸発によって触媒と解離する調節剤である。一実施形態では、当該リガンドは、溶媒抽出によって触媒と解離する調節剤である。一実施形態では、当該リガンドは、音波下で触媒と解離する調節剤である。一実施形態では、リガンドは、電磁波下で触媒と解離する調節剤である。一実施形態では、当該リガンドは、ジビニルテトラメチルジシロキサン、トリビニルテトラメチルトリシロキサン、トリメチルシクロトリシロキサン、テトラビニルテトラメチルシクロテトラシロキサン、又はジメチルフマル酸である。理論に拘束されず、リガンドが触媒から解離すると、ヒドロシリル化反応はもはや遅延しない。
【0120】
一実施形態では、当該リガンドは、本明細書で提供される組成物が化学架橋ネットワークを形成するヒドロシリル化反応を遅延させる遅延剤である。一実施形態では、当該リガンドは、触媒と錯体を形成することによってヒドロシリル化反応を遅延させる遅延剤である。一実施形態では、当該リガンドは、触媒と可逆的に錯体を形成する遅延剤である。一実施形態では、当該リガンドは、より高い温度、例えば、約25℃、約30℃、約35℃、約40℃、約50℃、約60℃、約70℃で触媒と解離する遅延剤である。一実施形態では、当該リガンドは、音波下で触媒と解離する遅延剤である。一実施形態では、当該リガンドは、電磁波の下で触媒と解離する遅延剤である。一実施形態では、当該リガンドは、ジビニルテトラメチルジシロキサン、トリビニルテトラメチルトリシロキサン、トリメチルシクロトリシロキサン、テトラビニルテトラメチルシクロテトラシロキサン、ジビニルテトラメチルジシロキサン、又はジメチルフマル酸である。理論に拘束されず、リガンドが触媒から解離すると、ヒドロシリル化反応はもはや遅延しない。
【0121】
一実施形態では、当該リガンドは、本明細書で提供される組成物が化学的架橋ネットワークを形成するヒドロシリル化反応を阻害する阻害剤である。一実施形態では、当該リガンドは、触媒との錯体形成によりヒドロシリル化反応を阻害する阻害剤である。一実施形態では、当該リガンドは、触媒との活性化のために除去することができる阻害剤である。一実施形態では、当該リガンドは、より高い温度、例えば、約25℃、約30℃、約35℃、約40℃、約50℃、約60℃、約70℃で除去することができる阻害剤である。一実施形態では、リガンドは、音波で除去することができる阻害剤である。一実施形態では、リガンドは、電磁波で除去することができる阻害剤である。一実施形態では、当該リガンドは低沸点アセチレンアルコールである。一実施形態では、当該リガンドはメチル-イソブタノールである。
【0122】
ある実施形態では、当該リガンドは、ヒドロシリル化に関連する他の官能性部分と比較して、触媒へより強い結合相互作用をもたらすことで、ヒドロシリル化反応の触媒活性を減速することができる。
【0123】
ある実施形態では、当該リガンドは、ヒドロシリル化反応の触媒活性を減速することができ、その結果、少なくとも約0.1%、0.5%、1%、2%、5%、8%又は10%の官能性部分が、1日、1週間、1ヵ月、又は1年にわたって反応する。
【0124】
ある実施形態では、当該リガンドは、触媒を安定化し、触媒を互いに空間的に分離することができる。このようにして、リガンドは触媒がより大きな構造を形成するのを阻害し、触媒活性を改変する。
【0125】
ある実施形態では、当該リガンドは、触媒を安定化し、水素化官能性有機ポリシロキサンから触媒を空間的に分離することができる。このようにして、リガンドはヒドロシリル化の中間状態の開始を阻害し、触媒活性を改変する。
【0126】
ある実施形態では、当該リガンドは、触媒がヒドロシリル化反応を触媒する触媒の最大約0.01%、0.05%、0.1%、0.5%、1%、2%、5%、10%又は50%であるように、触媒を安定化することができる。
【0127】
ある実施形態では、当該リガンドは、リガンド-触媒錯体を形成することによって、ヒドロシリル化反応のための触媒活性を減速することができる。
【0128】
ある実施形態では、当該リガンドは、当該触媒の少なくとも約99.9%、99.5%、99%、98%、95%、92%、90%、70%、50%、25%、10%又は5%がリガンド-触媒錯体を形成するように、リガンド-触媒錯体を形成することができる。
【0129】
ある実施形態では、当該リガンドは、当該リガンドの少なくとも約99.9%、99.5%、99%、98%、95%、92%、90%、70%、50%、25%、10%又は5%がリガンド-触媒錯体を形成するように、リガンド-触媒錯体を形成することができる。
【0130】
ある実施形態では、当該リガンドの少なくとも約5%は、リガンド-触媒錯体を形成し;一方、当該触媒の少なくとも約99%は、リガンド-触媒錯体を形成する。
【0131】
一実施形態では、当該リガンドの量は、触媒の約100%と共にリガンド-触媒錯体を形成するのに十分な量である。一実施形態では、当該リガンドの量は、触媒の約100%と共にリガンド-触媒錯体を形成するのに必要なモル量の、約1.1、1.2、1.3、1.4、1.6、1.8、2.0、2.2、2.4、2.6、2.8、3.0、3.4、3.6、3.9、4.0、4.5、5、6、6、7、8、9、10、15、20、25、30、40、50、60、70、80、90又は100倍の量である。
【0132】
ある実施形態では、ヒドロシリル化反応のための触媒活性を減速させる当該リガンドの活性は、リガンドの濃度を低下させることによって低下させることができる。
【0133】
ある実施形態では、ヒドロシリル化反応のための触媒活性の減速を阻害するリガンドの活性は、蒸発によってリガンドの濃度を低下させることによって低下させることができる。
【0134】
ある実施形態では、ヒドロシリル化反応のための触媒活性を減速するリガンドの活性は、物理吸着及び化学吸着;又は吸着及び吸収を含む吸着によってリガンドの濃度を低下させることによって低下させることができる。
【0135】
ある実施形態では、ヒドロシリル化反応の触媒活性を減速するリガンドの活性は、凝固、結晶化、沈殿、表面自己沈降、界面自己沈降、相抽出、相反転、又はコアセルベーションを含む相分離の手段によりリガンドの濃度を低下させることによって低下させることができる。
【0136】
ある実施形態では、ヒドロシリル化反応のための触媒活性を減速するリガンドの活性は、溶媒抽出等のリガンド移動の手段によりリガンドの濃度を低下させることによって低下させることができる。
【0137】
ある実施形態では、ヒドロシリル化反応のための触媒活性を減速するリガンドの活性は、化学的酸化、UVによる光学的分解等のリガンド分解の手段によりリガンドの濃度を低下させることによって低下させることができる。
【0138】
ある実施形態では、ヒドロシリル化反応の触媒活性を減速するリガンドの活性は、錯体形成、電荷移動、電子移動、プロトン移動、ラジカル移動等のリガンド再構成の手段によりリガンドの濃度を低下させることによって低下させることができる。
【0139】
ある実施形態では、ヒドロシリル化反応のための触媒活性を減速するリガンドの活性は、リガンド-触媒錯体から触媒をノックアウトするために振動エネルギーを供給するためのより大きく音波を用いて低下させることができる。
【0140】
ある実施形態では、ヒドロシリル化反応のための触媒活性を減速するリガンドの活性は、リガンド-触媒錯体から触媒を遊離させる電磁波を用いて低下させることができる。
【0141】
ある実施形態では、ヒドロシリル化反応のための触媒活性を減速するリガンドの活性は、リガンド-触媒錯体の相互作用強度を低下させる温又は冷の形態としての温度を用いて低下させることができる。
【0142】
ある実施形態では、ヒドロシリル化反応のための触媒活性を減速するリガンドの活性は、リガンド中の相転移をトリガーする環境を用いて低下させることができ、リガンド-触媒錯体の安定性に影響を及ぼす。
【0143】
ある実施形態では、当該リガンドは、約25℃における蒸気圧が0.1mm Hgより大きく揮発性リガンドである。一実施形態では、揮発性リガンドは、約0、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65又は70℃で揮発性である。一実施形態では、当該リガンドは約20、25、30、35、40、45又は50℃で揮発性である。一実施形態では、揮発性リガンドは、約20、25、30、35、又は40℃で揮発性である。一実施形態では、揮発性リガンドは約35℃で揮発性である。一実施形態では、揮発性リガンドは約25℃で揮発性である。
【0144】
一実施形態では、本明細書で提供される揮発性リガンドは、以下の式(la):
【化2】
(式中、
AはR
1R
2SiO-、-OR
4、-NR
5R
6、-CR
7R
8R
9又はC
5~10アリールであり;
Bは、存在しないか、-R
11R
12Si-0-、-OCONR
13-、-NR
14CONR
15-、-CO-、-NR
16CO-、-SO
2-、-0-、-S-又は-NR
17-であり;
Cは、存在しないか、C
1~20アルキル、C
2~20アルケニル、C
5~10アリール、-0-、-NR
10-又は-S-であり;
Dは、存在しないか、-R
18R
19Si-0-、-OCONR
20-、-NR
21CONR
22-、-C0-、-NR
23CO-、-SO
2-、-0-、-S-又は-NR
24であり;
Eは、C
1~20アルキル、-SiR
25R
26R
27、-OR
28、-NR
29R
30、-CR
31R
32R
33又はC
5~10アリールであり;
R
1、R
2、R
3、R
7、R
8、R
9、R
10、R
11、R
12、R
18、R
19、R
25、R
26、R
27、R
31、R
32及びR
33は、各々独立して、水素、C
1~20アルキル、C
2~20アルケニル、C
5~10アリール、ヒドロキシル又はC
1~20アルコキシルであり;
R
4、R
5、R
6、R
13、R
14、R
15、R
16、R
17、R
20、R
21、R
22、R
23、R
24、R
28、R
29及びR
30は、各々独立して、水素、C
1~20アルキル、C
2~20アルケニル、C
5~10アリールであり;かつ、
f及びgは、各々独立して、約0~約6000の整数である)
で表される、少なくとも1つ以上の化合物であるか、又はそれを含む。
【0145】
ある実施形態では、揮発性リガンドは、揮発性リガンドは、ジビニルテトラメチルジシラン、ジビニルジシロキサン、ジビニルトリシロキサン、トリビニルトリメチルシクロトリシロキサン、テトラビニルテトラメチルシクロテトラシロキサン、トリス(ビニルジメチルシロキシ)シラン、テトラキス(ビニルジメチルシロキシ)シラン、マレイン酸ジメチル、メチルビニルケトン、メチルイソブチノール、エチルメルカプタン、硫化ジエチル、硫化水素、ジメチルジスルフィドであってよい。理論に拘束されず、揮発性リガンドの活性は空気に曝露することによって低下し、リガンドは蒸発し、触媒は自由に触媒作用を始める。
【0146】
ある実施形態では、リガンドは、音響駆動型リガンドである。ある実施形態では、音響駆動型リガンドは、上記リガンドのいずれであってもよい。理論に拘束されず、当該音響駆動型リガンドの活性は、より大きく音波への曝露によって低下し、ここで、より大きく音波は、振動エネルギーを供給して、リガンド-触媒錯体から触媒をノックアウトする。周波数のより大きく音波範囲の選択は、ヒドロシリル化の速度を調節するであろう。ある実施形態では、音響キャビテーションからのエネルギーが、ヒドロシリル化を開始させるためのフリーラジカルの活性化に十分である場合、触媒及びリガンドは、ヒドロシリル化の進行に必要ない場合がある。一実施形態では、音響キャビテーションは、ヒドロシリル化のための水素終端化シリコン表面を活性化する。
【0147】
ある実施形態では、リガンドは、電磁駆動型リガンドである。ある実施形態では、当該電磁誘導リガンドは、テトラキス(1-フェニル-3-ヘキシル-トリアゼニド)Pt(TV)、Pt(II)-ホスフィン錯体、白金/シュウ酸塩錯体、Rt(II)-ビス-(ジケトン酸)、ジカルボニル-Pt(TV)R3錯体、スルホキシド-Pt(II)錯体等のトリアジンの白金錯体でありうる。理論に拘束されず、当該電磁リガンドの活性は、電磁波への曝露によって低下し、ここで、光、UV、赤外波、マイクロ波等の電磁波は、電磁エネルギーを供給して、リガンド-触媒錯体から触媒をノックアウトする。
【0148】
ある実施形態では、リガンドは、熱感受性リガンドである。ある実施形態では、当該熱感受性リガンドは、テトラキス(1-フェニル-3-ヘキシル-トリアゼニド)Pt(IV)、Pt(II)-ホスフィン錯体等のトリアジンの白金錯体でありうる。理論に拘束されず、当該熱感受性リガンドの活性は、化学反応、マイクロ波、及びその他の副産物としての直接的な熱源又は熱への曝露によって低下され、熱は、リガンド-触媒錯体から触媒の放出に機能する。
【0149】
ある実施形態では、当該揮発性リガンドは、音響駆動型リガンド、電磁気駆動型リガンド、又は熱感受性リガンドと組み合わせて用いられる。ある実施形態では、当該揮発性リガンドは、音響駆動型カプセル化剤、電磁気駆動型カプセル化剤、又は熱感受性カプセル化剤と組み合わせて用いられる。ある実施形態では、揮発性リガンドはジビニルジシロキサンである。
【0150】
ある実施形態では、揮発性リガンドは、ビニルジメチコンビニルシクロジメチコン等の不揮発性リガンドと組み合わせて用いられる。ある実施形態では、揮発性リガンドはジビニルジシロキサンである。
【0151】
ある実施形態では、当該揮発性リガンドは、揮発性成分と組み合わせて用いられ、ジシロキサン、トリシロキサン、イソドデカン、キシレン、オクテン、イソプロパノール、エタノール等の揮発性リガンドと混和するか、又は水、エステル等の揮発性リガンドと混和しないかのいずれかである。
【0152】
ある実施形態では、光感受性リガンドの例は、その全体が参照により本明細書に援用される、Wadge,Soizic,“Progressing towards a photoswitchable Karstedfs catalyst,”Diss.Dept of Chemistry-Simon Fraser University,2009及びKaur, Brahmjot,et al,“Using light to control the inhibition of Karstedfs catalyst,”Organic Chemistry Frontiers6.8(2019):1253-1256の開示により、見出し、製造することができる。
【0153】
6.1.2 カプセル化剤
ある実施形態では、当該カプセル化剤は、マイクロカプセル、自己組織化構造、又は触媒又は水素化官能化ポリシロキサンとのネットワーク構造等の物理的又は化学的バリアを形成する化学的又は官能基である。
【0154】
一実施形態では、当該カプセル化剤は、多糖類、タンパク質、脂質又は合成重合体である。一実施形態では、当該カプセル化剤は、多糖類であり、ここで、当該多糖類はガム、デンプン、セルロース、シクロデキストリン又はキトサンである。一実施形態では、当該カプセル化剤は、タンパク質であり、当該タンパク質はゼラチン、カゼイン又は大豆タンパク質である。一実施形態では、当該カプセル化剤は、脂質であり、ここで、当該脂質はワックス、パラフィン又は油である。一実施形態では、当該カプセル化剤は、合成重合体であり、ここで、当該合成重合体は、アクリル重合体、ポリビニルアルコール又はポリビニルピロリドンである。一実施形態では、当該カプセル化剤は、無機材料である。一実施形態では、当該カプセル化剤は、無機材料であり、ここで、当該無機材料は、珪酸塩、粘土又はポリリン酸塩である。一実施形態では、当該カプセル化剤は、生体高分子又は生分解性高分子である。一実施形態では、当該カプセル化剤は、生体高分子であり、ここで、当該生体高分子はデンプンである。一実施形態では、当該カプセル化剤は、生分解性高分子であり、ここで、当該生分解性高分子は、キトサン、ヒアルロン酸、シクロデキストリン、アルギン酸、脂肪族ポリエステル、又は乳酸及びグリコール酸の共重合体である。一実施形態では、当該カプセル化剤は、脂肪族ポリエステルであり、当該脂肪族ポリエステルはポリ(乳酸)である。一実施形態では、当該カプセル化剤は、乳酸及びグリコール酸の共重合体であり、当該乳酸及びグリコール酸の共重合体はポリ(乳酸コグリコール酸)である。一実施形態では、当該カプセル化剤は、ポリウレタン1、ポリウレタン-11、ポリウレタン14、ポリウレタン-6、ポリウレタン-2、ポリウレタン18又はそれらの混合物である。一実施形態では、当該カプセル化剤は、ポリウレタン1である。一実施形態では、当該カプセル化剤は、自己組織化重合体である。一実施形態では、当該カプセル化剤は、ネットワーク形成無機分散系である。一実施形態では、当該カプセル化剤は、ネットワーク形成無機-有機ハイブリッドシステムである。
【0155】
ある実施形態では、当該カプセル化剤は、本明細書で提供される組成物が化学架橋ネットワークを形成するヒドロシリル化反応の触媒活性を減速するか又は阻害することができる。
【0156】
ある実施形態では、当該カプセル化剤は、不飽和有機重合体と水素化官能化ポリシロキサンとの間の架橋反応を減速するか又は阻害するのに十分な濃度であり、これらの成分は、有意な架橋なく混合物としてともに配合かつ保存されうる。ある実施形態では、当該カプセル化剤は、ビニル官能化有機ポリシロキサンと水素化官能化ポリシロキサンとの間の架橋反応を減速するか又は阻害するのに十分な濃度であり、これらの成分は、有意な架橋なく混合物としてともに配合かつ保存されうる。ある実施形態では、当該カプセル化剤は、約25℃での架橋反応の反応速度をカプセル化剤がない場合の反応速度の99%まで減速するのに十分な濃度である。ある実施形態では、当該カプセル化剤は、約25℃での架橋反応の反応速度をカプセル化剤がない場合の反応速度の50%まで減速するのに十分な濃度である。ある実施形態では、当該カプセル化剤は、約25℃での架橋反応の反応速度をカプセル化剤がない場合の反応速度の25%まで減速するのに十分な濃度である。ある実施形態では、当該カプセル化剤は、約25℃での架橋反応の反応速度をカプセル化剤がない場合の反応速度の10%まで減速するのに十分な濃度である。ある実施形態では、当該カプセル化剤は、約25℃での架橋反応の反応速度をカプセル化剤がない場合の反応速度の約1%まで減速するのに十分な濃度である。ある実施形態では、当該カプセル化剤は、約25℃での架橋反応の反応速度をカプセル化剤がない場合の反応速度の約0.1%まで減速するのに十分な濃度である。ある実施形態では、当該カプセル化剤は、約25℃での架橋反応の反応速度をカプセル化剤がない場合の反応速度の約0.01%まで減速するのに十分な濃度である。ある実施形態では、当該カプセル化剤は、約25℃での架橋反応の反応速度をカプセル化剤がない場合の反応速度の約0.001%まで減速するのに十分な濃度である。ある実施形態では、当該カプセル化剤は、約25℃での架橋反応の反応速度をカプセル化剤がない場合の反応速度の約0.0001%まで減速するのに十分な濃度である。ある実施形態では、当該カプセル化剤は、約25℃での架橋反応の反応速度をカプセル化剤がない場合の反応速度の約0.00001%まで減速するのに十分な濃度である。ある実施形態では、当該カプセル化剤は、約25℃での架橋反応の反応速度をカプセル化剤がない場合の反応速度の約0.000001%まで減速するのに十分な濃度である。ある実施形態では、当該カプセル化剤は、約25℃での架橋反応の反応速度をカプセル化剤がない場合の反応速度の約0.0000001%まで減速するのに十分な濃度である。ある実施形態では、当該カプセル化剤は、約25℃での架橋反応の反応速度をカプセル化剤がない場合の反応速度の0%まで阻害するのに十分な濃度である。
【0157】
ある実施形態では、当該カプセル化剤は、ビニル官能化有機ポリシロキサンと水素化官能化ポリシロキサンとの間の架橋反応を減速するか又は阻害するのに十分な濃度であり、これらの成分は、有意な架橋なく混合物としてともに配合かつ保存されうる。ある実施形態では、当該カプセル化剤は、約5℃での架橋反応の反応速度をカプセル化剤がない場合の反応速度の99%まで減速するのに十分な濃度である。ある実施形態では、当該カプセル化剤は、約5℃での架橋反応の反応速度をカプセル化剤がない場合の反応速度の50%まで減速するのに十分な濃度である。ある実施形態では、当該カプセル化剤は、約5℃での架橋反応の反応速度をカプセル化剤がない場合の反応速度の25%まで減速するのに十分な濃度である。ある実施形態では、当該カプセル化剤は、約5℃での架橋反応の反応速度をカプセル化剤がない場合の反応速度の10%まで減速するのに十分な濃度である。ある実施形態では、当該カプセル化剤は、約5℃での架橋反応の反応速度をカプセル化剤がない場合の反応速度の約1%まで減速するのに十分な濃度である。ある実施形態では、当該カプセル化剤は、約5℃での架橋反応の反応速度をカプセル化剤がない場合の反応速度の約0.1%まで減速するのに十分な濃度である。ある実施形態では、当該カプセル化剤は、約5℃での架橋反応の反応速度をカプセル化剤がない場合の反応速度の約0.01%まで減速するのに十分な濃度である。ある実施形態では、当該カプセル化剤は、約5℃での架橋反応の反応速度をカプセル化剤がない場合の反応速度の約0.001%まで減速するのに十分な濃度である。ある実施形態では、当該カプセル化剤は、約5℃での架橋反応の反応速度をカプセル化剤がない場合の反応速度の約0.0001%まで減速するのに十分な濃度である。ある実施形態では、当該カプセル化剤は、約5℃での架橋反応の反応速度をカプセル化剤がない場合の反応速度の約0.00001%まで減速するのに十分な濃度である。ある実施形態では、当該カプセル化剤は、約5℃での架橋反応の反応速度をカプセル化剤がない場合の反応速度の約0.000001%まで減速するのに十分な濃度である。ある実施形態では、当該カプセル化剤は、約5℃での架橋反応の反応速度をカプセル化剤がない場合の反応速度の約0.0000001%まで減速するのに十分な濃度である。ある実施形態では、当該カプセル化剤は、約5℃での架橋反応の反応速度をカプセル化剤がない場合の反応速度の0%まで阻害するのに十分な濃度である。
【0158】
ある実施形態では、当該カプセル化剤は、本明細書で提供される組成物が化学架橋ネットワークを形成するヒドロシリル化反応の触媒活性を遅延するか又は阻害することができる。ある実施形態では、当該カプセル化剤は、約25℃でのヒドロシリル化反応の反応速度をカプセル化剤がない場合の反応速度の99%まで低下させることができる。ある実施形態では、当該カプセル化剤は、約25℃でのヒドロシリル化反応の反応速度をカプセル化剤がない場合の反応速度の50%まで低下させることができる。ある実施形態では、当該カプセル化剤は、約25℃でのヒドロシリル化反応の反応速度をカプセル化剤がない場合の反応速度の25%まで低下させることができる。ある実施形態では、当該カプセル化剤は、約25℃でのヒドロシリル化反応の反応速度をカプセル化剤がない場合の反応速度の10%まで低下させることができる。ある実施形態では、当該カプセル化剤は、約25℃でのヒドロシリル化反応の反応速度をカプセル化剤がない場合の反応速度の約1%まで低下させることができる。ある実施形態では、当該カプセル化剤は、約25℃でのヒドロシリル化反応の反応速度をカプセル化剤がない場合の反応速度の約0.1%まで低下させることができる。ある実施形態では、当該カプセル化剤は、約25℃でのヒドロシリル化反応の反応速度をカプセル化剤がない場合の反応速度の約0.01%まで低下させることができる。ある実施形態では、当該カプセル化剤は、約25℃でのヒドロシリル化反応の反応速度をカプセル化剤がない場合の反応速度の約0.001%まで低下させることができる。ある実施形態では、当該カプセル化剤は、約25℃でのヒドロシリル化反応の反応速度をカプセル化剤がない場合の反応速度の約0.0001%まで低下させることができる。ある実施形態では、当該カプセル化剤は、約25℃でのヒドロシリル化反応の反応速度をカプセル化剤がない場合の反応速度の約0.00001%まで低下させることができる。ある実施形態では、当該カプセル化剤は、約25℃でのヒドロシリル化反応の反応速度をカプセル化剤がない場合の反応速度の約0.000001%まで低下させることができる。ある実施形態では、当該カプセル化剤は、約25℃でのヒドロシリル化反応の反応速度をカプセル化剤がない場合の反応速度の約0.0000001%まで低下させることができる。ある実施形態では、当該カプセル化剤は、約25℃でのヒドロシリル化反応の反応速度をカプセル化剤がない場合の反応速度の0%まで低下させることができる。ある実施形態では、当該カプセル化剤は、カプセル化剤なしで、反応速度の約25℃~約0%まで阻害することができる。
【0159】
ある実施形態では、当該カプセル化剤は、本明細書で提供される組成物が化学架橋ネットワークを形成するヒドロシリル化反応を遅延するか又は阻害することができる。ある実施形態では、当該カプセル化剤は、約5℃でのヒドロシリル化反応の反応速度をカプセル化剤がない場合の反応速度の99%まで低下させることができる。ある実施形態では、当該カプセル化剤は、約5℃でのヒドロシリル化反応の反応速度をカプセル化剤がない場合の反応速度の50%まで低下させることができる。ある実施形態では、当該カプセル化剤は、約5℃でのヒドロシリル化反応の反応速度をカプセル化剤がない場合の反応速度の25%まで低下させることができる。ある実施形態では、当該カプセル化剤は、約5℃でのヒドロシリル化反応の反応速度をカプセル化剤がない場合の反応速度の10%まで低下させることができる。ある実施形態では、当該カプセル化剤は、約5℃でのヒドロシリル化反応の反応速度をカプセル化剤がない場合の反応速度の約1%まで低下させることができる。ある実施形態では、当該カプセル化剤は、約5℃でのヒドロシリル化反応の反応速度をカプセル化剤がない場合の反応速度の約0.1%まで低下させることができる。ある実施形態では、当該カプセル化剤は、約5℃でのヒドロシリル化反応の反応速度をカプセル化剤がない場合の反応速度の約0.01%まで低下させることができる。ある実施形態では、当該カプセル化剤は、約5℃でのヒドロシリル化反応の反応速度をカプセル化剤がない場合の反応速度の約0.001%まで低下させることができる。ある実施形態では、当該カプセル化剤は、約5℃でのヒドロシリル化反応の反応速度をカプセル化剤がない場合の反応速度の約0.0001%まで低下させることができる。ある実施形態では、当該カプセル化剤は、約5℃でのヒドロシリル化反応の反応速度をカプセル化剤がない場合の反応速度の約0.00001%まで低下させることができる。ある実施形態では、当該カプセル化剤は、約5℃でのヒドロシリル化反応の反応速度をカプセル化剤がない場合の反応速度の約0.000001%まで低下させることができる。ある実施形態では、当該カプセル化剤は、約5℃でのヒドロシリル化反応の反応速度をカプセル化剤がない場合の反応速度の約0.0000001%まで低下させることができる。ある実施形態では、当該カプセル化剤は、約5℃でのヒドロシリル化反応の反応速度をカプセル化剤がない場合の反応速度の0%まで低下させることができる。
【0160】
ある実施形態では、当該カプセル化剤は、不飽和有機重合体と水素化官能化ポリシロキサンとの間の架橋反応を減速するか又は阻害するのに十分な濃度であり、これらの成分は、約25℃で約30日間、有意な架橋なく混合物としてともに配合かつ保存されうる。ある実施形態では、当該カプセル化剤は、不飽和有機重合体と水素化官能化ポリシロキサンとの間の架橋反応を減速するか又は阻害するのに十分な濃度であり、これらの成分は、約25℃で約60日間、有意な架橋なく混合物としてともに配合かつ保存されうる。ある実施形態では、当該カプセル化剤は、不飽和有機重合体と水素化官能化ポリシロキサンとの間の架橋反応を減速するか又は阻害するのに十分な濃度であり、これらの成分は、約25℃で約90日間、有意な架橋なく混合物としてともに配合かつ保存されうる。ある実施形態では、当該カプセル化剤は、不飽和有機重合体と水素化官能化ポリシロキサンとの間の架橋反応を減速するか又は阻害するのに十分な濃度であり、これらの成分は、約25℃で約120日間、有意な架橋なく混合物としてともに配合かつ保存されうる。ある実施形態では、当該カプセル化剤は、不飽和有機重合体と水素化官能化ポリシロキサンとの間の架橋反応を減速するか又は阻害するのに十分な濃度であり、これらの成分は、約25℃で約180日間、有意な架橋なく混合物としてともに配合かつ保存されうる。ある実施形態では、当該カプセル化剤は、不飽和有機重合体と水素化官能化ポリシロキサンとの間の架橋反応を減速するか又は阻害するのに十分な濃度であり、これらの成分は、約25℃で約365日間、有意な架橋を行うことなく、有意な架橋なく混合物としてともに配合かつ保存されうる。ある実施形態では、当該カプセル化剤は、不飽和有機重合体と水素化官能化ポリシロキサンとの間の架橋反応を減速するか又は阻害するのに十分な濃度であり、これらの成分は、約25℃で約730日間、有意な架橋なく混合物としてともに配合かつ保存されうる。ある実施形態では、当該カプセル化剤は、不飽和有機重合体と水素化官能化ポリシロキサンとの間の架橋反応を減速するか又は阻害するのに十分な濃度であり、これらの成分は、約25℃で約3年間、有意な架橋なく混合物としてともに配合かつ保存されうる。
【0161】
ある実施形態では、当該カプセル化剤は、ビニル官能化有機ポリシロキサンと水素化官能化ポリシロキサンとの間の架橋反応を減速するか又は阻害するのに十分な濃度であり、これらの成分は、約25℃で約30日間、有意な架橋なく混合物としてともに配合かつ保存されうる。ある実施形態では、当該カプセル化剤は、ビニル官能化有機ポリシロキサンと水素化官能化ポリシロキサンとの間の架橋反応を減速するか又は阻害するのに十分な濃度であり、これらの成分は、約25℃で約60日間、有意な架橋なく混合物としてともに配合かつ保存されうる。ある実施形態では、当該カプセル化剤は、ビニル官能化有機ポリシロキサンと水素化官能化ポリシロキサンとの間の架橋反応を減速するか又は阻害するのに十分な濃度であり、これらの成分は、約25℃で約90日間、有意な架橋なく混合物としてともに配合かつ保存されうる。ある実施形態では、当該カプセル化剤は、ビニル官能化有機ポリシロキサンと水素化官能化ポリシロキサンとの間の架橋反応を減速するか又は阻害するのに十分な濃度であり、これらの成分は、約25℃で約120日間、有意な架橋なく混合物としてともに配合かつ保存されうる。ある実施形態では、当該カプセル化剤は、ビニル官能化有機ポリシロキサンと水素化官能化ポリシロキサンとの間の架橋反応を減速するか又は阻害するのに十分な濃度であり、これらの成分は、約25℃で約180日間、有意な架橋なく混合物としてともに配合かつ保存されうる。ある実施形態では、当該カプセル化剤は、ビニル官能化有機ポリシロキサンと水素化官能化ポリシロキサンとの間の架橋反応を減速するか又は阻害するのに十分な濃度であり、これらの成分は、約25℃で約365日間、有意な架橋なく混合物としてともに配合かつ保存されうる。ある実施形態では、当該カプセル化剤は、ビニル官能化有機ポリシロキサンと水素化官能化ポリシロキサンとの間の架橋反応を減速するか又は阻害するのに十分な濃度であり、これらの成分は、約25℃で約730日間、有意な架橋なく混合物としてともに配合かつ保存されうる。ある実施形態では、当該カプセル化剤は、ビニル官能化有機ポリシロキサンと水素化官能化ポリシロキサンとの間の架橋反応を減速するか又は阻害するのに十分な濃度であり、これらの成分は、約25℃で約3年間、有意な架橋なく混合物としてともに配合かつ保存されうる。
【0162】
ある実施形態では、カプセル化剤の濃度は組成物の約1質量%である。ある実施形態では、カプセル化剤の濃度は組成物の約10質量%である。ある実施形態では、カプセル化剤の濃度は組成物の約20質量%である。ある実施形態では、カプセル化剤の濃度は組成物の約30質量%である。ある実施形態では、カプセル化剤の濃度は組成物の約40質量%である。ある実施形態では、カプセル化剤の濃度は組成物の約50質量%である。ある実施形態では、カプセル化剤の濃度は組成物の約60質量%である。ある実施形態では、カプセル化剤の濃度は組成物の約70質量%である。ある実施形態では、カプセル化剤の濃度は組成物の約80質量%である。ある実施形態では、カプセル化剤の濃度は組成物の約90質量%である。ある実施形態では、カプセル化剤の濃度は組成物の約95質量%である。ある実施形態では、カプセル化剤の濃度は組成物の約99質量%である。ある実施形態では、カプセル化剤の濃度は組成物の約99.9質量%である。
【0163】
一実施形態では、当該カプセル化剤と遷移金属とのモル比は、約107:1である。一実施形態では、カプセル化剤と遷移金属とのモル比は、約106:1である。一実施形態では、当該カプセル化剤と遷移金属又は水素化官能化ポリシロキサンとのモル比は、約105:1である。一実施形態では、当該カプセル化剤と遷移金属とのモル比は、約104:1である。一実施形態では、当該カプセル化剤と遷移金属とのモル比は、約103:1である。一実施形態では、当該カプセル化剤と遷移金属とのモル比は、約102:1である。一実施形態では、当該カプセル化剤と遷移金属とのモル比は、約10:1である。一実施形態では、当該カプセル化剤と遷移金属とのモル比は、約1:1である。一実施形態では、当該カプセル化剤と遷移金属とのモル比は、約1:2である。一実施形態では、当該カプセル化剤と遷移金属とのモル比は、約1:5である。一実施形態では、当該カプセル化剤と遷移金属とのモル比は、約500:1である。
【0164】
一実施形態では、当該カプセル化剤と水素化官能化ポリシロキサンとのモル比は、約107:1である。一実施形態では、当該カプセル化剤と水素化官能化ポリシロキサンとのモル比は、約106:1である。一実施形態では、当該カプセル化剤と遷移金属又は水素化官能化ポリシロキサンとのモル比は、約105:1である。一実施形態では、当該カプセル化剤と水素化官能化ポリシロキサンとのモル比は、約104:1である。一実施形態では、当該カプセル化剤と水素化官能化ポリシロキサンとのモル比は、約103:1である。一実施形態では、当該カプセル化剤と水素化官能化ポリシロキサンとのモル比は、約102:1である。一実施形態では、当該カプセル化剤と水素化官能化ポリシロキサンとのモル比は、約10:1である。一実施形態では、当該カプセル化剤と水素化官能化ポリシロキサンとのモル比は、約1:1である。一実施形態では、当該カプセル化剤と水素化官能化ポリシロキサンとのモル比は、約1:2である。一実施形態では、当該カプセル化剤と水素化官能化ポリシロキサンとのモル比は、約1:5である。一実施形態では、当該カプセル化剤と水素化官能化ポリシロキサンとのモル比は、約500:1である。
【0165】
一実施形態では、当該カプセル化剤は、本明細書で提供される組成物が化学架橋ネットワークを形成するヒドロシリル化反応を遅延又は阻害する調節剤である。一実施形態では、当該カプセル化剤は、触媒又は水素化官能化ポリシロキサンでとマイクロカプセルを形成することでヒドロシリル化反応を遅延又は阻害する調節剤である。一実施形態では、当該カプセル化剤は、触媒又は水素化官能化ポリシロキサンを備えるマイクロカプセルを可逆的に形成する調節剤である。一実施形態では、カプセル化剤は、より高温、例えば、約25℃、約30℃、約35℃、約40℃、約50℃、約60℃、約70℃で触媒又は水素化官能化ポリシロキサンと解離する調節剤である。一実施形態では、当該カプセル化剤は、蒸発により触媒又は水素化官能化ポリシロキサンと解離する調節剤である。一実施形態では、当該カプセル化剤は、溶媒抽出によって触媒又は水素化官能化ポリシロキサンと解離する調節剤である。一実施形態では、当該カプセル化剤は、音波下で触媒又は水素化官能化ポリシロキサンと解離する調節剤である。一実施形態では、カプセル化剤は、電磁波下で触媒又は水素化官能化ポリシロキサンと解離する調節剤である。理論に拘束されず、カプセル化剤を触媒又は水素化官能化ポリシロキサンから解離させると、ヒドロシリル化反応はもはや遅延されない。
【0166】
一実施形態では、当該カプセル化剤は、本明細書で提供される組成物が化学架橋ネットワークを形成するヒドロシリル化反応を遅延させる遅延剤である。一実施形態では、当該カプセル化剤は、触媒又は水素化官能化ポリシロキサンと錯体を形成することでヒドロシリル化反応を遅延させる遅延剤である。一実施形態では、当該カプセル化剤は、触媒又は水素化官能化ポリシロキサンを備えるマイクロカプセルを可逆的に形成する遅延剤である。一実施形態では、カプセル化剤は、より高温、例えば、約25℃、約30℃、約35℃、約40℃、約50℃、約60℃、約70℃で触媒又は水素化官能化ポリシロキサンと解離する遅延剤である。一実施形態では、当該カプセル化剤は、音波下で触媒又は水素化官能化ポリシロキサンと解離する遅延剤である。一実施形態では、カプセル化剤は、電磁波下で触媒又は水素化官能化ポリシロキサンと解離する遅延剤である。理論に拘束されず、カプセル化剤を触媒又は水素化官能化ポリシロキサンから解離させると、ヒドロシリル化反応はもはや遅延されない。
【0167】
一実施形態では、当該カプセル化剤は、本明細書で提供される組成物が化学架橋ネットワークを形成するヒドロシリル化反応を阻害する阻害剤である。一実施形態では、当該カプセル化剤は、触媒又は水素化官能化ポリシロキサンでマイクロカプセル等の物理的又は化学的バリアを形成してヒドロシリル化反応を阻害する阻害剤である。一実施形態では、当該カプセル化剤は、触媒又は水素化官能化ポリシロキサンとの再活性化のために除去されうる阻害剤である。一具体例では、カプセル化剤は、より高温、例えば、約25℃、約30℃、約35℃、約40℃、約50℃、約60℃、約70℃で除去されうる阻害剤である。一実施形態では、当該カプセル化剤は、音波で除去されうる阻害剤である。一実施形態では、当該カプセル化剤は、電磁波で除去されうる阻害剤である。
【0168】
ある実施形態では、当該カプセル化剤は、ヒドロシリル化反応の触媒活性を、官能性部分のせいぜい約0.1%、0.5%、1%、2%、5%、8%又は10%が、1日、1週間、1カ月又は1年にわたり反応するように、減速するか又は阻害することができる。
【0169】
ある実施形態では、当該カプセル化剤は、触媒又は水素化官能化ポリシロキサンを安定化し、触媒又は水素化官能化ポリシロキサンを空間的に互いに分離することができる。このようにして、カプセル化剤は触媒がより大きな構造を形成するのを阻害し、触媒活性を改変させる。
【0170】
ある実施形態では、当該カプセル化剤は、触媒又は水素化官能化ポリシロキサンを安定化し、水素化官能性有機ポリシロキサンから触媒を空間的に分離することができ、その逆もできる。このように、カプセル化剤により、ヒドロシリル化の中間状態の開始が阻害しられ、触媒の触媒活性を改変させる。
【0171】
ある実施形態では、当該カプセル化剤は、触媒の最大約0.01%、0.05%、0.1%、0.5%、1%、2%、5%、10%又は50%がヒドロシリル化反応を触媒するように触媒を安定化させることができる。
【0172】
ある実施形態では、当該カプセル化剤は、水素化官能化ポリシロキサンの最大約0.01%、0.05%、0.1%、0.5%、1%、2%、5%、10%又は50%がヒドロシリル化反応にアクセスできるように、水素化官能化ポリシロキサンを安定化させることができる。
【0173】
ある実施形態では、当該カプセル化剤は、触媒又は水素化官能化ポリシロキサンと共にマイクロカプセル等の物理的又は化学的バリアを形成して、ヒドロシリル化反応の触媒活性を減速させることができる。
【0174】
ある実施形態では、当該カプセル化剤は、触媒又は水素化官能化ポリシロキサンの少なくとも約99.9%、99.5%、99%、98%、95%、92%、90%、70%、50%、25%、10%又は5%がカプセル化剤とともにマイクロカプセルを形成するように、触媒とともにマイクロカプセル等の物理的又は化学的バリアを形成することができる。
【0175】
ある実施形態では、当該カプセル化剤は、少なくとも約99.9%、99.5%、99%、98%、95%、92%、90%、70%、50%、25%、10%又は5%のカプセル化剤が触媒又は水素化官能化ポリシロキサンと共にマイクロカプセルを形成するように、触媒と共にマイクロカプセル等の物理的又は化学的バリアを形成することができる。
【0176】
ある実施形態では、当該カプセル化剤の少なくとも約5%はカプセル化剤-触媒マイクロカプセルを形成し、触媒の少なくとも約99%はカプセル化剤-触媒マイクロカプセルを形成する。
【0177】
一実施形態では、当該カプセル化剤の量は、触媒を約100%備えるカプセル化剤-触媒マイクロカプセルを形成するのに十分である。ある実施形態では、当該カプセル化剤の量は、触媒を約100%備えるカプセル化剤-触媒マイクロカプセルを形成するのに必要な量のモル単位の、約1.1、1.2、1.3、1.4、1.6、1.8、2.0、2.2、2.4、2.6、2.8、3.0、3.4、3.6、3.9、4.0、4.5、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、40、50、60、70、80、90又は100倍である。
【0178】
ある実施形態では、当該カプセル化剤の少なくとも約5%はカプセル化剤-水素化官能化ポリシロキサンマイクロカプセルを形成し、触媒の少なくとも約99%はカプセル化剤-水素化官能化ポリシロキサンマイクロカプセルを形成する。
【0179】
一実施形態では、当該カプセル化剤の量は、水素化官能化ポリシロキサンを約100%備えるカプセル化水素化官能化ポリシロキサンマイクロカプセルを形成するのに十分である。ある実施形態では、当該カプセル化剤の量は、水素化官能化ポリシロキサンを約100%備えるカプセル化水素化官能化ポリシロキサンマイクロカプセルを形成するのに必要な量のモル単位の、約1.1、1.2、1.3、1.4、1.6、1.8、2.0、2.2、2.4、2.6、2.8、3.0、3.4、3.6、3.9、4.0、4.5、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、40、50、60、70、80、90、又は100倍である。
【0180】
ある実施形態では、ヒドロシリル化反応のための活性を減速するか又は阻害するカプセル化剤の活性は、カプセル化剤の濃度を低下させて低下させることができる。
【0181】
ある実施形態では、ヒドロシリル化反応の活性を減速するか又は阻害するカプセル化剤の活性は、蒸発によりカプセル化剤の濃度を低下させて低下させることができる。ある実施形態では、ヒドロシリル化反応の活性を減速する又は阻害するカプセル化剤の活性は、物理吸着及び化学吸着;又は吸着及び吸収を含む吸着によってカプセル化剤の濃度を低下させて低下させることができる。
【0182】
ある実施形態では、凝固、結晶化、沈殿、表面自己偏析、界面自己偏析、相抽出、相反転、又はコアセルベーションを含む相分離の手段により、カプセル化剤の濃度を低下させて、ヒドロシリル化反応の活性を減速するか又は阻害するカプセル化剤の活性を低下させることができる。
【0183】
ある実施形態では、ヒドロシリル化反応の活性を減速するか又は阻害するカプセル化剤の活性は、溶媒抽出等のカプセル化剤の移動によりカプセル化剤の濃度を低下させて低下させることができる。
【0184】
ある実施形態では、ヒドロシリル化反応の活性を減速するか又は阻害するカプセル化剤の活性は、化学的酸化等のカプセル化剤分解、UVによる光学的分解等の手段によりカプセル化剤の濃度を低下させて低下させることができる。
【0185】
ある実施形態では、ヒドロシリル化反応の活性を減速するか又は阻害するカプセル化剤の活性は、電荷移動、電子移動、プロトン移動、ラジカル移動等のカプセル化剤再構成の手段によりカプセル化剤の濃度を低下させて低下させることができる。
【0186】
ある実施形態では、より大きく音波を用いて、ヒドロシリル化反応の活性を減速するか又は阻害するカプセル化剤の活性を低下させて、当該カプセル化剤-触媒又はカプセル化剤-水素化-官能化ポリシロキサンを含有するマイクロカプセルから触媒又は水素化官能化ポリシロキサンをノックアウトする振動エネルギーを供給することができる。
【0187】
ある実施形態では、ヒドロシリル化反応の活性を減速する又は阻害するカプセル化剤の活性は、カプセル化剤-触媒又はカプセル化剤-水素化-官能化ポリシロキサンを含むマイクロカプセルから触媒又は水素化官能化ポリシロキサンを遊離させる電磁波を用いて低下させることができる。
【0188】
ある実施形態では、ヒドロシリル化反応のための活性を減速するか又は阻害するカプセル化剤の活性は、カプセル化剤-触媒又はカプセル化剤-水素化官能化ポリシロキサンマイクロカプセルの相互作用強度を低下させる熱又は冷の形態として温度を用いて低下させることができる。
【0189】
ある実施形態では、ヒドロシリル化反応の活性を減速する又は阻害するカプセル化剤の活性は、カプセル化剤中の相転移を誘発し、カプセル化剤-触媒又はカプセル化剤-水素化官能化ポリシロキサンマイクロカプセルの安定性に影響を及ぼす環境を用いて低下させることができる。
【0190】
ある実施形態では、当該カプセル化剤は、約25℃での蒸気圧が0.1mmHgより大きくような揮発性カプセル化剤である。一実施形態では、当該カプセル化剤は揮発性カプセル化剤である。一実施形態では、当該カプセル化剤は、約0、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65又は70℃で揮発性である。一実施形態では、当該カプセル化剤は約20、25、30、35、40、45又は50℃で揮発性である。一実施形態では、当該カプセル化剤は約20、25、30、35又は40℃で揮発性である。一実施形態では、当該カプセル化剤は約35℃で揮発性である。一実施形態では、カプセル化剤は約25℃で揮発性である。理論に拘束されず、揮発性カプセル化剤の活性は空気に曝露されると低下し、ここで当該カプセル化剤は蒸発し、触媒は自由に触媒作用を発揮する。
【0191】
ある実施形態では、当該カプセル化剤は、音響駆動型カプセル化剤である。ある実施形態では、当該音響駆動型カプセル化剤は、上記のカプセル化剤のいずれであってもよい。理論に拘束されず、当該音響駆動型カプセル化剤の活性は、より大きく音波への曝露によって低下し、ここで、より大きく音波は、カプセル化剤-触媒又はカプセル化剤-水素化-官能化ポリシロキサンマイクロカプセルから触媒又は水素化官能化ポリシロキサンをノックアウトするために振動エネルギーを供給する。周波数のより大きく音波範囲を選択すると、ヒドロシリル化の速度が調節されるであろう。ある実施形態では、音響キャビテーションからのエネルギーは、ヒドロシリル化の開始のためにフリーラジカルを活性化するのに十分でありうるため、触媒及びカプセル化剤は、ヒドロシリル化の進行に必要ない。一実施形態では、音響キャビテーションは、水素終端化シリコン表面を活性化して、ヒドロシリル化をおこす。
【0192】
ある実施形態では、カプセル化剤は、電磁駆動型カプセル化剤である。理論に拘束されず、電磁気駆動カプセル化剤の活性は、電磁波への曝露によって低下し、ここで、光、UV、赤外波、マイクロ波等の電磁波は、電磁エネルギーを供給して、カプセル化剤-触媒又はカプセル化剤-水素化-官能化ポリシロキサンを含むマイクロカプセルから触媒又は水素化官能化ポリシロキサンをノックアウトする。
【0193】
ある実施形態では、カプセル化剤は、熱感受性カプセル化剤である。理論に拘束されず、熱感受性カプセル化剤の活性は、化学反応、マイクロ波、及びその他の副産物としての直接的な熱源又は熱への暴露により低下し;ここで、熱は、カプセル化剤-触媒又はカプセル化剤-水素化官能化ポリシロキサンを含むマイクロカプセルから触媒又は水素化官能化ポリシロキサンの放出に機能する。
【0194】
ある実施形態では、揮発性カプセル化剤は、音響駆動型カプセル化剤、電磁駆動型カプセル化剤、又は熱感受性カプセル化剤と組み合わせて用いられる。ある実施形態では、当該揮発性カプセル化剤は、音響駆動型リガンド、電磁気駆動リガンド、又は熱感受性リガンドと組み合わせて用いられる。
【0195】
ある実施形態では、揮発性カプセル化剤は、揮発性成分と組み合わせて用いられ、ジシロキサン、トリシロキサン、イソドデカン、キシレン、オクテン、イソプロパノール、エタノール等の揮発性カプセル化剤と混和するか、又は水、エステル等の揮発性カプセル化剤と混和しないかのいずれかである。
【0196】
6.1.3 触媒
ある実施形態では、組成物は、1つ以上の架橋性重合体のヒドロシリル化を促進する触媒をさらに含む。「触媒」には、物理的及び/又は化学的ヒドロシリル化反応をおこし、促進し、又は開始させるあらゆる物質があげられる。当該触媒は、プロセスの間、又はプロセスの終了時に、永久的な物理的及び/又は化学的変化を受けても、受けなくてもよい。好ましい実施形態では、当該触媒は、体温又は体温以下でヒドロシリル化を開始及び/又は促進することができ、例えば、例えば、VIII群金属触媒、例えば白金、ロジウム、パラジウム、コバルト、ニッケル、ルテニウム、オスミウム及びイリジウムの触媒等、並びにIVA族金属触媒、例えばゲルマニウム及びスズである。さらに好ましい実施形態では、当該触媒は、白金触媒、ロジウム触媒、又は錫触媒である。白金触媒の例としては、例えば、白金カルボニルシクロビニルメチルシロキサン錯体、白金ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体、白金シクロビニルメチルシロキサン錯体、白金オクタンアルデヒド/オクタノール錯体、及び他のPt(0)触媒、例えば、カールシュタット触媒、白金-アルコール錯体、白金-アルコキシド錯体、白金-エーテル錯体、白金-アルデヒド錯体、白金-ケトン錯体、白金-ハロゲン錯体、白金-硫黄錯体、白金-窒素錯体、白金-燐錯体、白金-炭素二重結合錯体、白金-炭素三重結合錯体、白金-イミド錯体、白金-アミド錯体、白金-エステル錯体、白金-リン酸エステル錯体、白金-リン酸エステル、白金-チオールエステル錯体、白金の孤立電子対錯体、白金-芳香族錯体、白金-π電子錯体、及びそれらの組み合わせ等があげられる。ロジウム触媒の例としては、トリス(ジブチルスルフィド)ロジウムトリクロリド及びロジウムトリクロリド水和物があげられる。スズ触媒の例としては、オクト酸スズII、ネオデカン酸スズII、ジイソオクチルマレイン酸ジブチルスズ、ジ-n-ブチルビス(2,4ペンタンジオン酸)スズ、ジ-n-ブチルブトキシクロロスズ、ジラウリン酸ジブチルスズ、ジネオデカン酸ジメチルスズ、ジメチルヒドロキシ(オレイン酸)スズ、オレイン酸スズII等があげられる。好ましい実施形態では、触媒は白金触媒である。さらに好ましい実施形態では、触媒は白金ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体である。
【0197】
好ましい実施形態では、組成物は、約0.001~約1質量%(すなわち、約10ppm~約1,000ppm)、好ましくは約0.005~約0.05質量%(すなわち、約50ppm~約500ppm)の触媒を含む。さらなる好ましい実施形態では、組成物は、約0.01質量%~約0.03質量%の触媒を含む。
【0198】
6.1.4 リガンド-触媒錯体
一実施形態では、リガンド-触媒錯体はカールシュタット触媒である。一実施形態では、当該リガンド-触媒錯体中のリガンドは1,3-ジビニルテトラメチルジシロキサンである。一実施形態では、当該リガンド-触媒錯体の化学式は、C
24H
540
3Pt
2Si
6である。一実施形態では、当該リガンド-触媒錯体の構造は以下のとおりである:
【化3】
【0199】
一実施形態では、当該リガンド-触媒錯体中の好ましいリガンドは、1,3-ジビニルテトラメチルジシロキサン又はジビニルジシロキサンである。一実施形態では、当該リガンド-触媒錯体中の最も好ましいリガンドは、1,3-ジビニルテトラメチルジシロキサンである。一実施形態では、当該リガンドの化学式は、C
8H
18OSi
2である。一実施形態では、リガンドの構造は以下のとおりである:
【化4】
【0200】
一実施形態では、当該リガンド-触媒錯体中のリガンドは、1,1,3,3,5,5-ヘキサメチル-1,5-ジビニルトリシロキサンである。一実施形態では、当該リガンドの化学式は、C
10H
24O
2Si
3である。一実施形態では、リガンドの構造は以下のとおりである:
【化5】
【0201】
一実施形態では、当該リガンド-触媒錯体中のリガンドは1,5-ジビニル-3-フェニルペンタメチルトリシロキサンである。一実施形態では、当該リガンドの化学式は、C
15H
260
2Si
3である。一実施形態では、リガンドの構造は以下のとおりである:
【化6】
【0202】
一実施形態では、当該リガンド-触媒錯体中のリガンドは、1,1,5,5-テトラメチル-3,3-ジフェニル-1,5-ジビニルトリシロキサンである。一実施形態では、当該リガンドの化学式は、C
20H
28O
2Si
3である。一実施形態では、リガンドの構造は以下のとおりである:
【化7】
【0203】
一実施形態では、当該リガンド-触媒錯体中のリガンドは、1,3,5-トリビニル-1,3,5-トリメチルシクロトリシロキサンである。一実施形態では、当該リガンドの化学式は、C
9H
18C
3Si
3である。一実施形態では、リガンドの構造は以下のとおりである:
【化8】
【0204】
一実施形態では、当該リガンド-触媒錯体中のリガンドは2,4,6,8-テトラメチルテトラビニルシクロテトラシロキサンである。一実施形態では、当該リガンドの化学式は、C
12H
24O
4Si
4である。一実施形態では、リガンドの構造は以下のとおりである:
【化9】
【0205】
一実施形態では、当該リガンド-触媒錯体中のリガンドは、1,3,5,7,9-ペンタメチル-1,3,5,7,9-ペンタビニルシクロペンタシロキサンである。一実施形態では、当該リガンドの化学式は、C
15H
30O
5Si
5である。一実施形態では、リガンドの構造は以下のとおりである:
【化10】
【0206】
一実施形態では、当該リガンド-触媒錯体中のリガンドは、トリス(ビニルジメチルシロキシ)メチルシランである。一実施形態では、当該リガンドの化学式は、C
13H
30O
3Si
4である。一実施形態では、リガンドの構造は以下のとおりである:
【化11】
【0207】
一実施形態では、当該リガンド-触媒錯体中のリガンドは、テトラキス(ビニルジメチルシロキシ)シランである。一実施形態では、当該リガンドの化学式は、C
16H
36O
4Si
5である。一実施形態では、リガンドの構造は以下のとおりである:
【化12】
【0208】
一実施形態では、当該リガンド-触媒錯体中のリガンドは、メタクリルオキシプロピルトリス(ビニルジメチルシロキシ)シランである。一実施形態では、当該リガンドの化学式は、C
19H
38O
5Si
4である。一実施形態では、リガンドの構造は以下のとおりである:
【化13】
【0209】
一実施形態では、当該リガンド-触媒錯体中のリガンドは1,2-ジビニルテトラメチルジシランである。一実施形態では、当該リガンドの化学式は、C
8H
18O
5Si
2である。一実施形態では、リガンドの構造は以下のとおりである:
【化14】
【0210】
一実施形態では、当該リガンド-触媒錯体中のリガンドは1,5-ヘキサジエンである。一実施形態では、当該リガンドの化学式は、C
6H
10である。一実施形態では、リガンドの構造は以下のとおりである:
【化15】
【0211】
一実施形態では、当該リガンド-触媒錯体中のリガンドは1,4-ヘキサジエンである。一実施形態では、当該リガンドの化学式は、C
6H
10である。一実施形態では、リガンドの構造は以下のとおりである:
【化16】
【0212】
一実施形態では、当該リガンド-触媒錯体中のリガンドはオクタジエンである。一実施形態では、当該リガンドの化学式は、C
8H
14である。一実施形態では、リガンドの構造は以下のとおりである:
【化17】
【0213】
一実施形態では、当該リガンド-触媒錯体中のリガンドはジメチルブタジエンである。一実施形態では、当該リガンドの化学式は、C
6H
10である。一実施形態では、リガンドの構造は以下のとおりである:
【化18】
【0214】
一実施形態では、当該リガンド-触媒錯体中のリガンドはジメチルヘキサジエンである。一実施形態では、当該リガンドの化学式は、C
8H
14である。一実施形態では、リガンドの構造は以下のとおりである:
【化19】
【0215】
一実施形態では、当該リガンド-触媒錯体中のリガンドはジメチルオクタジエンである。一実施形態では、当該リガンドの化学式は、C
10H
18である。一実施形態では、リガンドの構造は以下のとおりである:
【化20】
【0216】
一実施形態では、当該リガンド-触媒錯体中のリガンドはメチルビニルケトンである。一実施形態では、当該リガンドの化学式は、C
4H
6Oである。一実施形態では、リガンドの構造は以下のとおりである:
【化21】
【0217】
一実施形態では、リガンド-触媒錯体中のリガンドは、マレイン酸ジメチルである。一実施形態では、当該リガンドの化学式は、C
6H
8O
4である。一実施形態では、リガンドの構造は以下のとおりである:
【化22】
【0218】
一実施形態では、リガンド-触媒錯体中のリガンドは、フマル酸ジメチルである。一実施形態では、当該リガンドの化学式は、C
6H
8O
4である。一実施形態では、リガンドの構造は以下のとおりである:
【化23】
【0219】
一実施形態では、当該リガンド-触媒錯体中のリガンドは(3E)-4-メトキシ-3-ブテン-2-オンである。一実施形態では、当該リガンドの化学式は、C
5H
8O
2である。一実施形態では、リガンドの構造は以下のとおりである:
【化24】
【0220】
一実施形態では、当該リガンド-触媒錯体中のリガンドは(E)-2-エチルヘクサ-2-エナールである。一実施形態では、当該リガンドの化学式は、C
8H
14Oである。一実施形態では、リガンドの構造は以下のとおりである:
【化25】
【0221】
一実施形態では、当該リガンド-触媒錯体中のリガンドは、ペント-1-エン-3-オンである。一実施形態では、当該リガンドはC
5H
8Oである。一実施形態では、リガンドの構造は以下のとおりである:
【化26】
【0222】
一実施形態では、当該リガンドは、1,3-ジビニルテトラメチルジシロキサン、1,1,3,3,5,5-ヘキサメチル-1,5-ジビニルトリシロキサン、1,5-ジビニル-3-フェニルペンタメチルトリシロキサン、1,1,5,5-テトラメチル-3,3-ジフェニル-1,5-ジビニルトリシロキサン、1,3,5-トリビニル-1,3,5-トリメチルシクロトリシロキサン、2,4,6,8-テトラメチルテトラビニルシクロシロキサン、1,3,5,7,9-ペンタメチル-1,3,5,7,9-ペンタビニルシクロペンタシロキサン、トリス(ビニルジメチルシロキシ)メチルシラン、テトラキス(ビニルジメチルシロキシ)シラン、メタクリロキシプロピルトリ(ビニルジメチルシロキシ)シラン、1,2-ジビニルテトラメチルジシラン、メチルビニルケトン、ジメチルマレイン酸、ジメチルフマル酸、(3E)-4-メトキシ-3-ブテン-2-オン、(E)-2-エチルヘクサ-2-エナール、ペント-1-エン-3-オン、又はマレイン酸と併用される。一実施形態では、リガンドはジビニルジシロキサンと併用される。
【0223】
6.1.5 カプセル剤-触媒マイクロカプセル
一実施形態では、当該カプセル化剤-触媒マイクロカプセルは、乳化重合、懸濁重合、界面重合、コアセルベーション/相分離、溶媒蒸発/抽出、ゾル-ゲルカプセル化、より大きく臨界液体支援マイクロカプセル化、多層アセンブリ、噴霧乾燥、噴霧冷却、共押出、スピニングディスク、流動層コーティング、溶融凝固、又は重合体沈殿により調製される。一実施形態では、当該カプセル化剤-触媒マイクロカプセルは溶媒蒸発/抽出又は噴霧-乾燥により調製される。一実施形態では、当該カプセル化剤-触媒マイクロカプセルは溶媒蒸発/抽出により調製される。一実施形態では、当該カプセル化剤-触媒マイクロカプセルは噴霧乾燥により調製される。
【0224】
6.1.6 ビニル繊維化有機ポリシロキサン
一実施形態では、本明細書で提供されるビニル官能化有機ポリシロキサンは、少なくとも1つ以上の以下の式I:
【化27】
(式中、
Wは、R
1R
3SiO-、-OR
4、-NR
5R
6、-CR
7R
8R
9又はC
5~10アリールであり;
Xは、非存在か、-R
11R
12Si-0-、-OCONR
13-、-NR
14CONR
15-、-CO-、-NR
16CO-、-SO
2、-0-、-S-又は-NR
17-であり;
Vは、非存在か、C
1~20アルキル、C
2~20アルケニル、C
5~10アリール、-0-、-NR
10-又は-S-であり;
Yは、非存在か、-R
18R
19Si-0-、-OCONR
20-、-NR
21CONR
22-、-CO-、-NR
23CO-、-SO
2、-0-、-S-又は-NR
24であり;
Zは、C
1~20アルキル、-SiR
25R
26R
27、-OR
28、-NR
29R
30、-CR
31R
32R
33又はC
5~10アリールであり;
R
1、R
2、R
3、R
7、R
8、R
9、R
10、R
11、R
12、R
18、R
19、R
25、R
26、R
27、R
31、R
32及びR
33は、各々独立して、水素、C
1~20アルキル、C
2~20アルケニル、C
5~10アリール、ヒドロキシル又はC
1~20アルコキシルであり;
R
4、R
5、R
6、R
13、R
14、R
15、R
16、R
17、R
20、R
21、R
22、R
23、R
24、R
28、R
29及びR
30は、各々独立して、水素、C
1~20アルキル、C
2~20アルケニル、C
5~10アリールであり;かつ、
s及びtは、各々独立して、約0~約6000の整数である)
の少なくとも1つ又は複数の化合物であるか又はそれを含む。
【0225】
ある実施形態では、当該組成物に含まれる式Iの化合物は複数であり、当該式の化合物は各々、同一でも、異なってもよい。
【0226】
式IのX及びYは、独立した「モノマー単位」を表す。式Iに存在するX及びYモノマー単位の数は、各々、s及びtの値でもたらされる。代表的なモノマー単位としては、以下の:
【化28】
(式中、Rは、上記のR1、R2、R3等上記で定義されているものと同様である)
があげられる。
【0227】
複数のX(又はY)モノマー単位が存在する場合(例えば、s(又はt)が1より大きく場合)、R
11、R
12、R
13、R
14、R
15、R
16、R
17、R
18、R
19、R
20、R
21、R
22、R
23、及びR
24の値は、-[X]s-(又は-[Y]t-)と表される個他のモノマー単位ごとに独立して選択されることが理解される。例えば、モノマー単位Xの値が-R
11R
12Si-0-で、sの値が3の場合、-[X]s-は、以下の:
【化29】
である。
この例では、存在する3つのR
11基は、互いに同一であっても、異なっていてもよく、例えば、1つのR
11基は水素であり、2つの他のR
11基はメチルであってよいことが理解される。
【0228】
式IのW及びZは、重合体の各末端に1つずつ存在する独立した末端キャップを表す。例えば、当該末端キャップとしては、以下の:
【化30】
(式中、以下の:
【化31】
は、モノマー単位への付着を表し、かつ、Rは、上記のR1、R2、R3等上記で定義されているものと同様である)があげられる。
一実施形態では、
Wは、R
1R
2R
3SiO-、-OR
4、-NR
5R
6、-CR
7R
8R
9又はC
5~10アリールであり;
Xは、-R
11R
12Si-0-又は-NR
14CONR
15-であり;
Vは、非存在か、C
1~20アルキル、C
2~20アルケニル、C
5~10アリール、-0-、-NR
10-又は-S-であり;
Yは、-R
18R
19Si-0-又は-NR
21CONR
22-であり;
Zは、-SiR
25R
26R
27、-OR
28、-NR
29R
30、-CR
31R
32R
33又はC
5~10アリールであり;
R
1、R
2、R
3、R
7、R
8、R
9、R
11、R
12、R
18、R
19、R
25、R
26、R
27、R
31、R
32及びR
33は、各々独立して、水素、C
1~20アルキル、C
2~20アルケニル、C
5~10アリール、ヒドロキシル又はC
1~20アルコキシルであり;
R
4、R
5、R
6、R
14、R
15、R
21、R
22、R
28、R
29及びR
30は、各々独立して、水素、C
1~20アルキル、C
2~20アルケニル、C
5~10アリールであり;かつ、
s及びtは、各々独立して、約0~約6000の整数であるが、sとtの和は0ではない。
【0229】
一実施形態では、
Wは、R1R2R3SiO-、-CR7R8R9又はC5~10アリールであり;
Xは、-R11R12Si-0-又は-NR14CONR15-であり;
Vは、非存在か、C1~20アルキル、C2~20アルケニル、C5~10アリールであり;
Yは、-R18R19Si-0-又は-NR21CONR22-であり;
Zは、-SiR25R26R27、-CR31R32R33又はC5~10アリールであり;
R1、R2、R3、R7、R8、R9、R11、R12、R18、R19、R25、R26、R27、R31、R32及びR33は、各々独立して、水素、C1~20アルキル、C2~20アルケニル、C5~10アリール、ヒドロキシル又はC1~20アルコキシルであり;
R14、R15、R21及びR22は、各々独立して、水素、C1~20アルキル、C2~20アルケニル、C5~10アリールであり;かつ、
s及びtは、各々独立して、約0~約6000の整数であるが、sとtの和は0ではない。
【0230】
一実施形態では、Vは非存在であり、WはR1R2R3SiO-であり、Xは-R11R12Si-0-であり、Yは-R18R19Si-0-であり、Zは-SiR25R26R27であり、R1、R2、R3、R11、R12、R18、R19、R25、R26及びR27は、各々独立してC1~20アルキル(例えば、メチル等のC1アルキル)、C2~20アルケニル(例えば、ビニル等のC2アルケニル)から選択される。一実施形態では、R1、R2、R3、R11、R12、R18、R19、R25、R26及びR27の少なくとも1つは、C2~20アルケニル、例えばC2アルケニル(例えば、ビニル)である。他の実施形態では、R1、R2、R3、R11、R12、R18、R19、R25、R26及びR27の少なくとも2つは、C2~20アルケニル、例えばC2アルケニル(例えば、ビニル)である。ある実施形態では、R1、R2、R3、R25、R26及びR27の少なくとも1つは、C2~20アルケニル、例えばC2アルケニル(例えば、ビニル)である。
【0231】
一実施形態では、Vは非存在でありWはR1R2R3SiO-であり、Xは-R11R12Si-0-であり、Yは-R18R19Si-0-であり、Zは-SiR25R26R27であり、R1、R2、R3、R25、R26及びR27は各々独立してC1~20アルキル(例えば、メチル等のC1アルキル)、C2~20アルケニル(例えば、ビニル等のC2アルケニル)から選択され、R11、R12、R18及びR19は各々独立してC1~20アルキル(例えば、メチル等のC1アルキル)から選択される。一実施形態では、R1、R2、R3の少なくとも1つ、及びR25、R26及びR27の少なくとも1つは、C2~20アルケニル、例えばC2アルケニル(例えば、ビニル)である。一実施形態では、R1、R2、R3のうちの1つはC2アルケニル(例えば、ビニル)であり、他はC1~20アルキル(例えば、メチル等のC1アルキル)であり、R25、R26及びR27のうちの少なくとも1つはC2~20アルケニル、例えばC2アルケニル(例えば、ビニル)であり、他はC1~20アルキル(例えば、メチル等のC1アルキル)である。一実施形態では、R11又はR12の少なくとも1つ及びR18又はR19の少なくとも1つは、C2~20アルケニル、例えば、少なくとも1つのモノマー単位についてC2アルケニル(例えば、ビニル)であり、R11又はR12の1つは、C2アルケニル(例えば、ビニル)であり、他は、C1~20アルキル(例えば、メチル等のC1アルキル)であり、R18又はR19の少なくとも1つは、C2~20アルケニル、例えばC2アルケニル(例えば、ビニル)であり、他は、少なくとも1つのモノマー単位についてC1~20アルキル(例えば、メチル等のC1アルキル)である。
【0232】
ある実施形態では、有機ポリシロキサンは、重合体の末端キャップのみに不飽和部分を含む。ある実施形態では、当該有機ポリシロキサンは、実質的に不飽和官能化されている。ある実施形態では、当該有機ポリシロキサンは、重合体の末端キャップのみにビニル部分を含む。ある実施形態では、当該有機ポリシロキサンは実質的にビニル官能化されている。ある実施形態では、当該有機ポリシロキサンは、ビニル部分をモノマー単位にのみ含み、重合体の末端キャップには含まない。他の実施形態では、当該有機ポリシロキサンは、重合体の末端キャップ又はモノマー単位ともにビニル部分を含む。一実施形態では、当該重合体は、末端キャップ、若しくはモノマー単位内、又はそれらの組み合わせのいずれかに位置する2つのビニル部分を含む。少なくとも一実施形態では、当該有機ポリシロキサンは、重合体の末端キャップのみにビニル部分を含み、かつ、Si-H単位を末端キャップではなく、モノマー単位内のみに含む。
【0233】
一実施形態では、平均して少なくとも2つのビニル部分が重合体中に存在する。ある実施形態では、少なくともビニル部分は2つ重合体中に存在し、少なくとも2つのビニル部分は重合体の2つの末端キャップ上に存在する。ある実施形態では、ビニル部分は2つのみ重合体中に存在する。ある実施形態では、ビニル部分は2つのみ重合体中に存在し、各々の末端キャップ上に位置する。ある実施形態では、平均して、少なくとも2つのビニル部分が重合体中に存在し、少なくとも2つのビニル部分が重合体の1つ以上のモノマー単位中に存在する。ある実施形態では、少なくとも2つのビニル部分は、重合体中のいかなる場所に存在するが、約2000のモノマー単位、例えば、1500、1600、1700、1800、1900、2000、2100、2200、2300、2400、又は2500のモノマー単位によって、他のビニル部分から分離される。ある実施形態では、少なくとも2つのビニル部分は、平均して重合体中のいかなる場所に存在するが、他のビニル部分から約850のモノマー単位、例えば350、450、550、650、750、850、950、1050、1150、1250、又は1350のモノマー単位により分離される。ある実施形態では、平均してより大きな2つのビニル部分は、重合体中のいかなる場所に存在するが、他のビニル部分から約40のモノマー単位、例えば、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、又は80のモノマー単位により分離される。ある実施形態では、ビニル部分及び1つ以上のSi-H単位が存在する。あるいは、一実施形態では、ビニル部分が存在する場合、Si-Hは存在しない。
【0234】
一実施形態では、Vは非存在であり、WはR1R2R3SiO-であり、Xは-R11R12Si-0-であり、Yは-R18R19Si-0-であり、Zは-SiR25R26R27であり、R1、R2、R3、R11、R12、R18、R19、R25、R26及びR27は、各々独立してC1~20アルキル(例えば、メチル等のC1アルキル)から選択される。ある実施形態では、R1、R2、R3、R25、R26及びR27は各々独立して、C1~20アルキル(例えば、メチル等のC1アルキル)から選択され、R11、R12、R18、R19は各々独立して、水素又はC1~20アルキル(例えば、メチル等のC1アルキル)から選択され、ここで、R11、R12、R18、R19の少なくとも1つは、少なくとも1つのモノマー単位について水素である。一実施形態では、平均して2つより多いSi-H単位(例えば、R11、R12、R18、R19のうちの1つ以上は水素である)が重合体中に存在し、例えば、ある実施形態では、3~15個のSi-H単位が存在してよく、平均8つのSi-H単位が存在する。一実施形態では、1つ以上のSi-H単位(例えば、R11、R12、R18、R19のうちの1つ以上は水素である)が重合体中に存在する。一実施形態では、少なくとも2つのモノマー単位は、平均して-Si-H単位(例えば、R11、R12、R18、R19のうちの1つ以上は水素である)を含む。一実施形態では、少なくとも3つのモノマー単位は、平均して-Si-H単位(例えば、R11、R12、R18、R19のうちの1つ以上は水素である)を含む。一実施形態では、少なくとも4つのモノマー単位は、平均して-Si-H単位(例えば、R11、R12、R18のうちの1つ以上、及び、R19は水素である)を含む。一実施形態では、少なくとも5つのモノマー単位は、平均して-Si-H単位(例えば、R11、R12、R18のうちの1つ以上、及び、R19は水素である)を含む。一実施形態では、少なくとも6つのモノマー単位は、平均して-Si-H単位(例えば、R11、R12、R18のうちの1つ以上、及び、R19は水素である)を含む。一実施形態では、少なくとも7つのモノマー単位は、平均して-Si-H単位(例えば、R11、R12、R18のうちの1つ以上、及び、R19は水素である)を含む。一実施形態では、少なくとも8つのモノマー単位は、平均して-Si-H単位(例えば、R11、R12、R18のうちの1つ以上、及び、R19は水素である)を含む。一実施形態では、Si-H単位は、上記モノマー単位に存在し、かつ、末端キャップの一方又は両方に存在してよい。一実施形態では、1つ以上のSi-H単位は、上記のモノマー単位にのみ存在することができ、末端キャップのいずれにも存在しない。ある実施形態では、Si-(アルキル)又はSi-(ビニル)単位も重合体中に存在してよい。ある実施形態では、S1-CH3及びSi-H単位のみが存在し、ある実施形態では、モノマー単位又は末端キャップには、重合体の非Si-H位置について、C1~20アルキル、特にメチル基が含まれる。
【0235】
ある実施形態では、平均して少なくとも2つのSi-H単位が重合体中に存在する。ある実施形態では、少なくとも2つのSi-H部分は、平均して重合体中のいかなる場所に存在するが、約2000のモノマー単位、例えば、1500、1600、1700、1800、1900、2000、2100、2200、2300、2400、又は2500のモノマー単位によって他のSi-H部分から分離される。ある実施形態では、平均して、少なくとも2つのSi-H部分は、重合体のモノマー単位にのみ存在し、末端キャップには存在せず、約2000のモノマー単位、例えば、1500、1600、1700、1800、1900、2000、2100、2200、2300、2400、又は2500のモノマー単位によって、他のSi-H部分から分離される。ある実施形態では、少なくとも2つのSi-H単位は、平均して、重合体内のいかなる場所に存在するが、他のSi-H部分から約850モノマー単位、例えば、350、450、550、650、750、800、850、950、1050、1150、1250、又は1350モノマー単位により分離される。ある実施形態では、平均して、少なくとも2つのSi-H部分は、重合体のモノマー単位のみに存在し、末端キャップは存在せず、約2000のモノマー単位、例えば、350、450、550、650、750、800、850、950、1050、1150、1250、又は1350のモノマー単位によって、他のSi-H部分から分離される。ある実施形態では、平均して2つより大きいSi-H単位が、重合体中のいかなる場所に存在するが、他のSi-H部分から約40のモノマー単位、例えば、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、又は80のモノマー単位により分離される。ある実施形態では、平均して、少なくとも2つのSi-H部分は、重合体のモノマー単位にのみ存在し、末端キャップには存在せず、約2000のモノマー単位、例えば、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、又は80のモノマー単位によって、他のSi-H部分から分離される。
【0236】
上記実施形態のいずれか一実施形態では、sとtの和は、約1000~約8000、約1300~約2700、約1500~約2700、約1600~約2600、約1600~約2500、約1700~約2500、約1800~約2400、約1800~約2300、約1900~約2300、約2000~約2200、約2050~約2150、約2100の整数である。
【0237】
上記実施形態のいずれか一実施形態では、sとtの和は、約200~約1100、約600~約1100、約700~約1000、約800~約900、約825~約875、約850、約200~約800、約225~約700、約250~約600、約275~約500、約300~約400、約350~約400、約375の整数である。具体的な実施形態では、sとtの和は約850からの整数である。
【0238】
上記実施形態のいずれか一実施形態では、sとtの和は、約5~約1300、約10~約1100、約10~約600、約15~約500、約15~約400、約20~約300、約20~約200、約25~約100、約25~約75、約30~約50、約40である。
【0239】
ある実施形態では、当該組成物としては、以下の式II:
【化32】
(式中、R
1a、R
2a、R
3a、R
4a、R
5a、R
6a、R
7a、R
8a、R
9a及びR
10aは、各々独立して、水素、C
1~20アルキル、
C2~20アルケニル、C
5~10アリール、ヒドロキシル又はC
1~20アルコキシルから選択され、かつ、p及びqは、各々独立して、10~約6000の整数である)
で表される化合物があげられる。
【0240】
ある実施形態では、当該有機ポリシロキサンは、以下の式IIa:
【化33】
(式中、R
1a’、R
2a’、R
3a’、R
4a’、R
5a’、R
6a’、R
7a’、R
8a’、R
9a’及びR
10a’は、各々独立して、水素、C
1~20アルキル、
C2~20アルケニル、C
5~10アリール、ヒドロキシル又はC
1~20アルコキシルから選択され、かつ、p及びqは、各々独立して、10~約6000の整数である)
で表される化合物があげられる。
一実施形態では、R
1a’、R
3a’、R
4a’、R
5a’、R
6a’、R
8a’、R
9a’及びR
10a’は、アルキル(例えば、メチル等のC
1アルキル)である。
【0241】
ある実施形態では、当該不飽和有機重合体は、有機ポリシロキサンである。ある実施形態では、当該有機ポリシロキサンは、ビニル官能化される。ある実施形態では、当該有機ポリシロキサンは実質的にビニル官能化されている。用語「ビニル官能化有機ポリシロキサン」としては、重合体の両末端に少なくとも1つのビニル基を有する有機ポリシロキサンがあげられる。具体的には、「ビニル官能化有機ポリシロキサン」としては、式II1の有機ポリシロキサンがあげられ、式中、R2a及びR7aの一方又は両方は、C2アルキル部分、例えば、ビニル部分(例えば、-CH=CH2)で置換される。具体的な実施形態では、「ビニル官能化有機ポリシロキサン」としては、式II1の有機ポリシロキサンがあげられ、式中、R2a及びR7aの一方又は両方は、C2アルキル部分、例えば、ビニル部分(例えば、-CH=CH2)で置換され、かつ、R1a、R3a、R4a、R5a、R6a、R8a、R9a及びR10aは、独立して、C1~20アルキル、例えば、メチルから選択される。
【0242】
ある実施形態では、有機ポリシロキサンは以下の式IIb:
【化34】
(式中、R
1c、R
3c、R
4c、R
5c、R
6c、R
8c、R
9c、及びR
10cは、水素、C
1~20アルキル、
C2~20アルケニル、C
5~10アリール、ヒドロキシル又はC
1~20アルコキシルから選択され、かつ、e及びfは、各々独立して、10~約6000の整数である)
で表される化合物である。一実施形態では、R
1c、R
3c、R
4c、R
5c、R
6c、R
8c、R
9c、及びR
10cは、アルキル(例えば、メチル等のC
1アルキル)である。ある実施形態では、e及びfの合計は、約1000~約8000、約1300~約2700、約1500~約2700、約1600~約2600、約1600~約2500、約1700~約2500、約1800~約2400、約1800~約2300、約1900~約2300、約2000~約2200、約2050~約2150、約2100の整数である。
【0243】
ある実施形態では、有機ポリシロキサンは以下の式IIc:
【化35】
(式中、R
1d、R
3d、R
4d、R
5d、R
6d、R
8d、R
9d及びR
10dは、各々独立して、水素、C
1~20アルキル、
C2~20アルケニル、C
5~10アリール、ヒドロキシル又はC
1~20アルコキシルから選択され、かつ、g及びjは各々独立して、10~約6000の整数である)
で表される化合物である。一実施形態では、R
1d、R
3d、R
4d、R
5d、R
6d、R
8d、R
9d及びR
10dは、アルキル(例えば、メチル等のC
1アルキル)である。ある実施形態では、g及びjの合計は、約200~約1100;約600~約1100;約700~約1000;約800~約900;約825~約875;約850;約200~約800;約225~約700;約250~約600;約275~約500;約300~約400;約350~約400;約375である。ある実施形態では、g及びjの合計は、約850からの整数である。
【0244】
ある実施形態では、当該有機ポリシロキサンは、アルケニル官能化有機ポリシロキサンである。一実施形態では、当該アルケニル官能化重合体は、1つ以上のアルケニル官能化側鎖を含む。この実施形態では、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5及びR
6のいずれかが独立して以下の断片:
【化36】
(式中、Zは、Z
1及びZ
2について上記で定義したとおりであり、R
a、R
b及びR
cは、水素、置換若しくは非置換の分枝鎖又は直鎖のC
1~C
10アルキル、アルケニル、又はアルキニル基から独立に選択され、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、t-ブチル、ペンチル、ヘキシル、ビニル、アリル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、プロピニル、ブチニル、n-ペンチル、イソ-ペンチル、ネオ-ペンチル、tert-ペンチル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ハロアルキル、ベンジル、アルキル-アリール;置換若しくは非置換のアリール又はヘテロアリール基;C
1~C
6アルコキシ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、ヒドロキシル、カルボキシ、シアノ、又はハロゲンを含むが、これらに限定されない)であってよい。好ましくは、R
4はメチルである。例示として、アルケニル官能化有機ポリシロキサンとしては、メチルビニルシロキサン、メチルビニルシロキサン-ジメチルシロキサン共重合体、ジメチルビニルシロキシ-末端ジメチルポリシロキサン、ジメチルビニルシロキシ-末端ジメチルシロキサン-メチルフェニルシロキサン共重合体、ジメチルビニルシロキシ-末端ジメチルシロキサン-ジフェニルシロキサン-メチルビニルシロキサン共重合体、トリメチルシロキシ-末端ジメチルシロキサン-メチルビニルシロキサン共重合体、トリメチルシロキシ-末端ジメチルシロキサン-メチルフェニルシロキサン-メチルビニルシロキサン共重合体、ジメチルビニルシロキシ-末端(3,3,3-トリフルオロプロピル)ポリシロキサン、及びジメチルビニルシロキシ-末端ジメチル末端ジメチルシロキサン-メチル-(3,3,-トリフルオロプロピル)シロキサン共重合体があげられるが、これらに限定されない。
【0245】
一実施形態では、本明細書では、以下の成分(a)、(d)及び(b)又は(c)の少なくとも1つを含む硬化性シリコン配合物を含む組成物が提供される:
【0246】
a.分子当たり少なくとも3つのアルケニル基を有するM単位及びQ単位から構成されるポリ有機シロキサン樹脂、本明細書では「SiVi」基という。
【0247】
b.ポリシロキサン鎖上に少なくとも2つのSi結合水素基を有するポリ有機シロキサン化合物、以下「SiH」基という。
【0248】
c.末端Si-H基を有するテレケリックポリ有機シロキサン化合物、かつ、
【0249】
d.SiVi基を備えるSiH基との反応用のヒドロシリル化触媒;
【0250】
e.前記成分が硬化して基質上に連続膜を形成するときに、前記成分が40℃未満の温度でヒドロシリル化によってともに反応する、組成物の0質量%~最大質量%の量の液体希釈剤。
【0251】
一実施形態では、これらの要件を満たす配合物は、基質上の膜として室温/周囲で迅速に硬化することができ、接着性要件と密着性要件のバランスが良好であり、当該膜は、基質と反対側の表面の密着性が低い一方で、基質への接着性は良好である。
【0252】
一実施形態では、当該有機ポリシロキサンは、分子当たり少なくとも3つのシリコン結合アルケニル基があるポリジ有機シロキサン樹脂であり、好ましくは、残りのシリコン結合有機基はアルキル基及びアリール基から選択され、前記ポリジ有機シロキサン樹脂の分子量は、好ましくは、1,500ダルトン~50,000ダルトンである。
シリコン結合不飽和基を有する適当なポリ有機シロキサン樹脂には、重合体網目構造を形成するのに十分な不飽和基がある。機能性シロキサン樹脂構造は、R3SiO1/2単位(M単位)及びSiO4/2単位(Q単位)を含んでよく、ここで、各Rは、独立して、炭素原子が1~20個である直鎖、分枝鎖又は環状炭化水素基である。各Rは、所望により、同一でも異なってもよい。Rの炭化水素基は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ヘキシル、オクチル、ビニル、ヘキセニル及びフェニル等のアリール基等のアルキル基によって例示されることができる。
【0253】
6.1.7 水素化官能化ポリシロキサン
ある実施形態では、組成物は、少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含む。用語「水素化官能化ポリシロキサン」としては、以下の式III:
【化37】
(式中、R
1b、R
2b、R
3b、R
4b、R
5b、R
6b、R
7b、R
8b、R
9b及びR
10bは、各々独立して、各々独立して、水素、C
1~20アルキル、
C2~20アルケニル、C
5~10アリール、ヒドロキシル又はC
1~20アルコキシルから選択され、かつ、m及びnは各々独立して、10~約6000の整数であり、かつ、R
1b、R
2b、R
3b、R
4b、R
5b、R
6b、R
7b、R
8b、R
9b及びR
10bのうちの少なくとも1つは、水素である)で表される化合物があげられる。ある実施形態では、R
1b、R
2b、R
3b、R
4b、R
5b、R
6b、R
7b、R
8b、R
9b及びR
10bの少なくとも1つは水素であり、残りはC
1~20アルキルである。ある実施形態では、R
1b、R
2b、R
3b、R
4b、R
5b、R
6b、R
7b、R
8b、R
9b及びR
10bのうちの少なくとも2つは、水素である(例えば、官能化水素化ポリシロキサン分子当たり2つのSi-H単位)。他の実施形態では、R
1b、R
2b、R
3b、R
4b、R
5b、R
6b、R
7b、R
8b、R
9b及びR
10bの少なくとも3つは、水素である(例えば、官能化水素化ポリシロキサン分子当たり3つのSi-H単位)。ある実施形態では、R
1b、R
2b、R
3b、R
4b、R
5b、R
6b、R
7b、R
8b、R
9b及びR
10bのうちの少なくとも2つは水素(例えば官能化水素化ポリシロキサン分子当たり2つのSi-H単位)であり、残りはC
1~20アルキルである。他の実施形態では、R
1b、R
2b、R
3b、R
4b、R
5b、R
6b、R
7b、R
8b、R
9b及びR
10bのうちの少なくとも3つは水素(例えば官能化水素化ポリシロキサン分子当たり3つのSi-H単位)であり、残りはC
1~20アルキルである。ある実施形態では、R
4b、R
5b、R
9b及びR
10bの少なくとも2つは水素であり(例えば官能化水素化ポリシロキサン分子当たり2つのSi-H単位)、残りはC
1~20アルキルである。他の実施形態では、R
4b、R
5b、R
9b及びR
10bの少なくとも3つは水素であり(例えば、官能化水素化ポリシロキサン分子当たり3つのSi-H単位)、残りはC
1~20アルキルである。ある実施形態では、R
4b、R
5b、R
9b及びR
10bのうちの少なくとも2つは水素であり(例えば、官能化水素化ポリシロキサン分子当たり2つのSi-H単位)、残り及びR
1b、R
2b、R
3b、R
6b、R
7b及びR
8bはC
1~20アルキルである。他の実施形態では、R
4b、R
5b、R
9b及びR
10bの少なくとも3つは水素であり(例えば、官能化水素化ポリシロキサン分子当たり3つのSi-H単位)、残りのもの及びR
1b、R
2b、R
3b、R
6b、R
7b及びR
8bはC
1~20アルキルである。
【0254】
一実施形態では、式IIIの少なくとも2つより大きいモノマー単位は、-Si-H単位を含む(例えば、R4b、R5b、R9b及びR10bのうちの1つ以上は水素である)。一実施形態では、式IIIの少なくとも2つより大きいモノマー単位は-Si-H単位を含み(例えば、R4b、R5b、R9b及びR10bのうちの1つ以上は水素である)、残りの非Si-Hモノマー単位はSi-CH3である。例えば、式IIIのモノマー単位の平均2~15は、-Si-H単位を含む。一実施形態では、式IIIの少なくとも2つのモノマー単位は、-Si-H単位(例えば、R4b、R5b、R9b及びR10bのうちの1つ以上は水素である)を含む。一実施形態では、式IIIの少なくとも3つのモノマー単位は、-Si-H単位(例えば、R4b、R5b、R9b及びR10bのうちの1つ以上は水素である)を含む。一実施形態では、式IIIの少なくとも4つのモノマー単位は-Si-H単位(例えば、R4b、R5b、R9b及びR10bのうちの1つ以上は水素である)を含む。一実施形態では、式IIIの少なくとも5つのモノマー単位は、-Si-H単位(例えば、R4b、R5b、R9b及びR10bのうちの1つ以上は水素である)を含む。一実施形態では、式IIIの少なくとも6つのモノマー単位は-Si-H単位(例えば、R4b、R5b、R9b及びR10bのうちの1つ以上は水素である)を含む。一実施形態では、式IIIの少なくとも7つのモノマー単位は-Si-H単位(例えば、R4b、R5b、R9b及びR10bのうちの1つ以上は水素である)を含む。一実施形態では、式IIIの少なくとも8モノマー単位は、-Si-H単位(例えば、R4b、R5b、R9b及びR10bのうちの1つ以上は水素である)を含む。ある実施形態では、非Si-H位置は、Si-(アルキル)又はSi-(ビニル)単位を含んでもよい。ある実施形態では、非Si-H位置はSi-CH3である。ある実施形態では、R1b、R2b、R3b、R6b、R7b及びR8bはC1~20アルキルである。ある実施形態では、Si-H位置は、端子キャップに存在しない。ある実施形態では、式IIIの化合物は、実質的にアルキル末端である。ある実施形態では、式IIIの化合物は、アルキル末端である。一実施形態では、水素化官能化有機ポリシロキサン中のSi-H単位は、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、60、65、70、75、80、85、90、100、125、150、又は200のモノマー単位により分離される。
【0255】
上記実施形態のいずれか一実施形態では、mとnの和は、約10~約1300、約10~約1100、約10~約600、約15~約500、約15~約400、約20~約300、約20~約200、約25~約100、約25~約75、約30~約50、約40である。
【0256】
ある実施形態では、当該水素化官能化ポリシロキサンは、重合体の末端キャップのみにSi-H単位を含む。ある実施形態では、当該ポリシロキサンは、モノマー単位にのみSi-H単位を含み、重合体の末端キャップには含まない。他の実施形態では、当該ポリシロキサンは、重合体の末端キャップ又はモノマー単位の両方にSi-H単位を含む。一実施形態では、当該ポリシロキサンは、末端キャップに、又はモノマー単位内に、又はそれらの組み合わせのいずれかに位置する平均して2~12個のSi-H単位を含む。一実施形態では、当該ポリシロキサンは、末端キャップに、又はモノマー単位内に、又はそれらの組み合わせのいずれかに位置する平均して4~15個のSi-H単位を含む。一実施形態では、当該ポリシロキサンは、末端キャップに、又はモノマー単位内に、又はそれらの組み合わせのいずれかに位置する平均して8つのSi-H単位を含む。一実施形態では、当該ポリシロキサンは、モノマー単位内に位置し、末端キャップではなく、平均して2~12個のSi-H単位を含む。一実施形態では、当該ポリシロキサンは、モノマー単位内に位置し、末端キャップではなく、平均して4~15個のSi-H単位を含む。一実施形態では、当該ポリシロキサンは、モノマー単位内に位置し、末端キャップではなく、平均して8つのSi-H単位を含む。ある実施形態では、当該水素化官能化ポリシロキサンは、実質的にアルキル末端である。
【0257】
他の実施形態では、当該水素化官能化ポリシロキサンはアルキル末端である。他の実施形態では、当該水素化官能化ポリシロキサンは実質的にアルキル末端である。用語「アルキル末端(化)」としては、式III中、R2b及びR7bの一方又は両方がC1~20アルキルである水素化官能化ポリシロキサンがあげられる。ある実施形態では、「アルキル末端」としては、式III中、R1b、R2b、R3b、R6b、R7b及びR8bの1、2、3、4、5又は6個がC1~20アルキルである水素化官能化ポリシロキサンがあげられる。一実施形態では、式III中、R1b、R2b、R3b、R4b、R5b、R6b、R7b、R8b、及びR10bが各々C1~20アルキルである。一実施形態では、式III中はR1b、R2b、R3b、R4b、R5b、R6b、R7b、R8b、及びR9bが各々C1~20アルキル、例えば、C1アルキル(メチル等)であり、R10bは水素である。
【0258】
ある実施形態では、当該炭素二重結合がある有機ポリシロキサンには、炭素二重結合含有モノマー単位の質量比率が、約0.01~約2%、好ましくは約0.03~約0.6%ある。ある実施形態では、当該炭素二重結合がある有機ポリシロキサンには、ビニル当量がキログラム当たり約0.005~約0.5、好ましくは約0.01~約0.25ある。当該有機ポリシロキサンの炭素二重結合のおよそのモル量は、有機ポリシロキサンの平均分子量に基づいて計算することができる。
【0259】
ある実施形態では、当該ビニル官能化有機ポリシロキサンの粘度は、約25℃で約100 cPより大きく約1,000,000 cP未満である。ある実施形態では、当該ビニル官能化有機ポリシロキサンの粘度は、約750,000 cP未満、約500,000 cP未満、又は約25℃で約250,000 cP未満である。好ましい実施形態では、当該ビニル官能化有機ポリシロキサンの粘度は、約200,000 cP未満、約175,000 cP未満、約150,000 cP未満、約125,000 cP未満、約100,000 cP未満、又は約25℃で約80,000 cP未満である。ある実施形態では、当該ビニル官能化有機ポリシロキサンの粘度は、約100 cPより大きく、約500 cPより大きく、又は約25℃で約1000 cPより大きくである。
好ましい実施形態では、当該ビニル官能化有機ポリシロキサンの粘度は、約2000 cPより大きく、約5000 cPより大きく、約7500 cPより大きく、又は約25℃で約10,000 cPより大きくである。さらなる好ましい実施形態では、当該ビニル官能化有機ポリシロキサンの粘度は、約25℃で約15,000 cPより大きく。
【0260】
ある実施形態では、当該ビニル官能化有機ポリシロキサンの粘度は、約25℃で約10,000~約2,000,000 cStである。好ましい実施形態では、当該ビニル官能化有機ポリシロキサンの粘度は、約20,000より大きく、約40,000より大きく、約60,000より大きく、約80,000より大きく、又は約25℃で約100,000 cStより大きくである。さらに好ましい実施形態では、当該ビニル官能化有機ポリシロキサンの粘度は、約125,000より大きく、又は約25℃で約150,000 cStより大きくである。好ましい実施形態では、当該ビニル官能化有機ポリシロキサンの粘度は、約1,000,000 cSt未満、約500,000 cSt未満、約450,000未満、約400,000未満、約350,000未満、約300,000未満、又は約250,000 cSt未満(約25℃)である。さらに好ましい実施形態では、当該ビニル官能化有機ポリシロキサンの粘度は、約25℃で約200,000未満又は約180,000 cSt未満である。さらに好ましい実施形態では、当該ビニル官能化有機ポリシロキサンの粘度は、約25℃で約165,000 cStの粘度である。
【0261】
ある実施形態では、当該ビニル官能化有機ポリシロキサンの平均分子量は、約60,000Da~約500,000Daである。好ましい実施形態では、当該ビニル官能化有機ポリシロキサンの平均分子量は、約72,000Da、約84,000Da、約96,000Da、又は約100,000Daより大きく。さらなる好ましい実施形態では、当該ビニル官能化有機ポリシロキサンの平均分子量は、約140,000Da、又は約150,000Daより大きく。好ましい実施形態では、当該ビニル官能化有機ポリシロキサンの平均分子量は、約200,000Da未満、約190,000Da未満、約180,000Da未満、又は約170,000Da未満である。さらなる好ましい実施形態では、当該ビニル官能化有機ポリシロキサンの平均分子量は、約160,000Da未満である。さらなる好ましい実施形態では、当該ビニル官能化有機ポリシロキサンの平均分子量は、約155,000Daの平均分子量である。
【0262】
ある実施形態では、当該ビニル官能化有機ポリシロキサンの平均分子量は、約400~約500,000Daである。好ましい実施形態では、当該ビニル官能化有機ポリシロキサンの平均分子量は、約500Da、約800Da、約1,200Da、又は約1,800Daより大きく。さらなる好ましい実施形態では、当該ビニル官能化有機ポリシロキサンの平均分子量は、約2,000Daより大きく。好ましい実施形態では、当該ビニル官能化有機ポリシロキサンの平均分子量は、約250,000Da未満、約140,000Da未満、約100,000Da未満、約72,000Da未満、約62,700Da未満、約49,500Da未満、約36,000Da未満、又は約28,000Da未満である。さらに好ましい実施形態では、当該ビニル官能化有機ポリシロキサンの平均分子量は、約17,200Da未満である。さらなる好ましい実施形態では、当該ビニル官能化有機ポリシロキサンの平均分子量は、約2,200Da~6,000Daである。
【0263】
ある実施形態では、アルケニル(例えば、ビニル)官能基に対するSi-H官能基のモル比は、約60:1~約1:5である。好ましい実施形態では、アルケニル官能基に対するSi-H官能基のモル比は、約45:1~約15:1である。ある実施形態では、アルケニル官能基に対するSi-H官能基のモル比は、約60:1~約1:5である。好ましい実施形態では、アルケニル官能基に対するSi-H官能基のモル比は、約45:1~約15:1である。ある実施形態では、組成物中の重合体のSi-H対アルケニルモル比は、約1:5~約60:1;約10:1~約30:1;又は約20:1~約25:1である。ある実施形態では、アルケニル官能基に対するSi-H官能基のモル比は、約10:1~約100:1である。好ましい実施形態では、アルケニル官能基に対するSi-H官能基のモル比は、約30:1~約60:1である。好ましい実施形態では、アルケニル官能基に対するSi-H官能基のモル比は、約20:1~約50:1である。
【0264】
一実施形態では、当該不飽和有機重合体は、不飽和官能基が1つ以上ある有機重合体であり、その非限定的な例としては、ビニル基、アルキニル基、アルケニル基、不飽和脂肪アルコール、不飽和脂肪酸、不飽和脂肪酸エステル、不飽和脂肪酸アミド、不飽和脂肪酸ウレタン、不飽和脂肪酸尿素、セラミド、コセチン、レシチン及びスフィンゴシンの1つ以上があげられる。一実施形態では、当該不飽和有機重合体は、ビニル官能化有機ポリシロキサンである。一実施形態では、当該不飽和有機重合体は、アルキニル官能化有機ポリシロキサン、例えばエチニル官能化有機ポリシロキサン又はプロピニル官能化有機ポリシロキサンである。一実施形態では、当該不飽和有機重合体は、アルケニル官能化有機ポリシロキサン、例えばアリル官能化有機ポリシロキサン又はクロチル官能化有機ポリシロキサンである。
【0265】
一実施形態では、当該ビニル官能化有機ポリシロキサンはビニル末端である。好ましい実施形態では、当該ビニル官能化有機ポリシロキサンは、ビニル末端ポリジメチルシロキサン、ビニル末端ジフェニルシロキサン-ジメチルシロキサン共重合体、ビニル末端ポリフェニルメチルシロキサン、ビニルフェニルメチル末端ビニルフェニルシロキサン-フェニルメチルシロキサン共重合体、ビニル末端トリフルオロプロピルメチルシロキサン-ジメチルシロキサン共重合体、ビニル末端ジエチルシロキサン-ジメチルシロキサン共重合体、ビニルメチルシロキサン-ジメチルシロキサン共重合体、トリメチルシロキシ末端、ビニルメチルシロキサン-ジメチルシロキサン共重合体、シラノール末端、ビニルメチルシロキサン-ジメチルシロキサン共重合体、ビニル末端、ビニルガム、ビニルメチルシロキサンホモ重合体、ビニルT-構造重合体、ビニルQ-構造重合体、モノビニル末端ポリメチルシロキサン、ビニルメチルシロキサンテール重合体、ビニルメトキシシランホモ重合体、ビニル末端ポリアルキルシロキサン重合体、ビニル末端ポリアルコキシシロキサン重合体及びそれらの組み合わせから選択される。さらなる好ましい実施形態では、当該ビニル官能化有機ポリシロキサンはビニルジメチコンである。
【0266】
好ましい実施形態では、水素化官能化ポリシロキサン中のSi-H単位は、平均して少なくとも約1モノマー単位、約2モノマー単位、約5モノマー単位、約10モノマー単位、約20モノマー単位、約40モノマー単位、約200モノマー単位、約400モノマー単位、約1,000モノマー単位、又は約2,000モノマー単位だけ離間している。
【0267】
ある実施形態では、当該水素化官能化ポリシロキサンの粘度は、約25℃で約2~約500,000 cStである。好ましい実施形態では、当該水素化官能化ポリシロキサンの粘度は、約3 cStより大きく、約4 cStより大きく、又は約25℃で約12 cStより大きくである。さらなる好ましい実施形態では、当該水素化官能化ポリシロキサンの粘度は、約25℃で約40 cStより大きく。好ましい実施形態では、当該水素化官能化ポリシロキサンの粘度は、約200,000未満、約100,000未満、約50,000未満、約20,000未満、約10,000未満、約5,000未満、約2,000未満、又は約25℃で約1,000 cSt未満である。さらなる好ましい実施形態では、当該水素化官能化ポリシロキサンの粘度は、約25℃で約500 cSt未満である。さらなる好ましい実施形態では、当該水素化官能化ポリシロキサンの粘度は、約25℃で約45~約100 cStである。
【0268】
ある実施形態では、Si-H単位がある水素化官能化ポリシロキサンは、重合体の末端単位、重合体の非末端モノマー単位、又はそれらの組合せに、当該Si-H単位が含まれる。好ましい実施形態では、当該Si-H単位がある水素化官能化ポリシロキサンは、重合体の非末端モノマー単位中にそのようなSi-H単位を含む。好ましい実施形態では、当該水素化官能化ポリシロキサン中のSi-H含有モノマー単位は、平均して少なくとも約1モノマー単位、約2モノマー単位、約5モノマー単位、約10モノマー単位、約20モノマー単位、約40モノマー単位、約200モノマー単位、約400モノマー単位、約1,000モノマー単位、又は約2,000モノマー単位だけ離間されている。
【0269】
ある実施形態では、当該Si-H単位がある水素化官能化ポリシロキサンのSi-H含有モノマー単位の質量比率は、約0.003~約50%、好ましくは約0.01~約25%である。ある実施形態では、当該Si-H単位がある水素化官能化ポリシロキサンのSi-H含有量は、約0.1mmol/g~約20mmol/g、約0.5mmol/g~約10mmol/g、好ましくは約1mmol/g~約5mmol/gである。水素化官能化ポリシロキサン中のSi-H単位のおよそのモル量は、有機ポリシロキサンの平均分子量に基づいて計算することができる。本明細書に開示される成分の平均分子量又はモル質量は、一般に、ダルトン又はその等価なg/モル単位で表した成分の製造業者によって提供される。
【0270】
好ましい実施形態では、当該水素化官能化ポリシロキサンは、水素化末端ポリジメチルシロキサン、水素化末端ポリフェニル-(ジメチルヒドロシロキシ)シロキサン、水素化末端メチルヒドロシロキサン-フェニルメチルシロキサン共重合体、トリメチルシロキシ末端メチルヒドロシロキサン-ジメチルシロキサン共重合体、ポリメチルヒドロシロキサン、トリメチルシロキシ末端ポリエチルヒドロシロシロキサン、トリエチルシロキサン、メチルヒドロシロキサン-フェニルオクチルメチルシロキサン共重合体、メチルヒドロシロキサン-フェニルオクチルメチルシロキサン共重合体、及びそれらの組み合わせから選択される。さらなる好ましい実施形態では、水素化官能化ポリシロキサンは、水素ジメチコンである。
【0271】
水素化官能化ポリシロキサンの例としては、アルキルトリヒドロシラン、アリールトリヒドロシラン、ジアルキルジヒドロシラン、ジアリージヒドロシラン、トリアルキルヒドロシラン、トリアリールヒドロシラン、アルキルヒドロシロキサン及びアリールヒドロシロキサンがあげられるが、これらに限定されない。ポリメチルヒドロシロキサン、t-ブチルジメチルヒドロシラン、トリエチルヒドロシラン、ジエチルジヒドロシラン、トリイソプロピルヒドロシラン及びそれらの混合物については、特に言及することができる。
【0272】
ある実施形態では、水素化官能化ポリシロキサンは、好ましくはRHSiO基、R2ZSiO基及び場合によっては、R2SiO基から本質的に構成され、好ましくはその粘度は、約25℃で1,000mm2/s以下である、分子当たり少なくとも2個のシリコン結合水素原子があるヒドロシリド官能化ポリシロキサンであり、Rは炭素原子が8個以下であるアルキル又はアリール基を示し、ZはH又はRを示す。
【0273】
ある実施形態では、当該有機シロキサン重合体は、米国特許第8,691,202,9,114,096,9,114,096号、9,308,221号、9,333,223号、9,724,363号、9,937,200号及び10,022,396号、並びに国際特許公開2017/083398号(これらの開示は、その全体が参照により本明細書に援用される)の開示に記載された方法に従って調製することができる。当該シロキサン重合体はまた、当業者に明らかな他の方法により製造することができる。
【0274】
6.1.8 本明細書で提供される組成物及び方法と共に用いる単一配合物の有機ポリシロキサン重合体
理論に拘束されず、リガンドが不飽和有機重合体及び水素化官能化ポリシロキサンを架橋する触媒の活性を低減又は阻害する機能により、配合物の適用前、例えば、配合物を被験体者の皮膚に塗布する前に、架橋及び重合体形成を行わずに、様々な成分を単一の配合物に配合することができる。理論に拘束されることなく、不飽和オルガノ重合体及び水素化官能化ポリシロキサンを架橋する触媒の活性を低減又は阻害するカプセル化剤の機能、又は触媒によって促進される不飽和オルガノ重合体と反応する水素化官能化ポリシロキサンの活性を低減又は阻害する機能により、配合物の適用前、例えば、配合物を被験体者の皮膚に塗布する前に、架橋及び重合体形成を行わずに、様々な成分を単一の配合物に配合することができる。
【0275】
理論に拘束されず、リガンドがビニル官能化有機ポリシロキサン及び水素化官能化ポリシロキサンを架橋する触媒の活性を低減又は阻害する機能により、配合物の適用前、例えば、配合物を被験体者の皮膚に塗布する前に、架橋及び重合体形成を行わずに、様々な成分を単一の配合物に配合することができる。理論に拘束されず、ビニル官能化有機ポリシロキサン及び水素化官能化ポリシロキサンを架橋結合させる触媒の活性を低減又は阻害するカプセル化剤の機能、又は水素化官能化ポリシロキサンを架橋する触媒の活性を低減又は阻害するカプセル化剤の機能、又は触媒によって促進されるビニル官能化有機ポリシロキサンと反応する水素化官能化ポリシロキサンの活性を低減又は阻害する機能により、配合物の適用前、例えば、配合物を被験体者の皮膚に塗布する前に、架橋及び重合体形成を行わずに、様々な成分を単一の配合物に配合することができる。
【0276】
本明細書では、一段階室温加硫(RTV)を可能にする単一配合物が提供される。一実施形態では、本明細書で提供される配合物は、室温で、一段階で加硫することができる。一実施形態では、本明細書に提供される配合物は、水素化官能基及び触媒を個々に含む配合物に事前に分離せずに、室温で、一段階で加硫することができる。
【0277】
6.1.9 本明細書で提供される方法と共に用いられる補強成分
好ましい実施形態では、本明細書で提供される組成物は、さらに1以上の補強成分を含む。ある実施形態では、補強成分は、表面処理された炭素、銀、雲母、硫化亜鉛、酸化亜鉛、二酸化チタン、酸化アルミニウム、粘土(例えば、Al2O3、SiO2)、チョーク、タルク、方解石(例えば、CaCO3)、硫酸バリウム、二酸化ジルコニウム、重合体ビーズ及びシリカ(例えば、アルミン酸シリカ、ケイ酸カルシウム、又は表面処理されたシリカ(例えば、ヒュームドシリカ、水和シリカ、又は無水シリカ))、又はそれらの組み合わせから選択される。このような補強成分は、本明細書に記載されるように層の物理的特性を補強する。好ましい実施形態では、補強成分は、表面処理シリカ、例えば、ヘキサメチルジシラザン、ポリジメチルシロキサン、ヘキサデシルシラン又はメタクリルシランで処理されたシリカである。さらなる好ましい実施形態では、補強成分は、ヘキサメチルジシラザンで表面処理されたヒュームドシリカを含むヒュームドシリカである。さらなる好ましい実施形態では、補強成分はナノファイバーを含む。
【0278】
ある実施形態では、補強成分の粒子の平均表面積は、約50~約1000m2/gである。ある実施形態では、補強成分の粒子の平均表面積は、約50~約500m2/gである。好ましい実施形態では、補強成分の粒子の平均表面積は、約100~約350m2/gである。さらに好ましい実施形態では、補強成分の粒子の平均表面積は、約135~約250m2/gである。ある実施形態では、補強成分の粒子の平均粒径は、約1nmから約20mmである。好ましい実施形態では、補強成分の粒子の平均粒径は、約2nm~約1mm、さらに好ましくは約5nm~約50nmである。
【0279】
6.1.10 場合による追加薬剤
ある実施形態では、膜は、1以上のさらなる薬剤と組み合わせて用いられる。ある実施形態では、追加の治療剤は、保湿剤、鉱油、石油ゼリー、コールタール、アントラリン、コルチコステロイド、フルオシノニド、ビタミンD3類似体、レチノイド、光線療法剤、メトトレキサート、シクロスポリン、モノクローナル抗体、ピメクロリムス、タクロリムス、アザチオプリン、フルオルラシル、サリチル酸、過酸化ベンゾイル、抗生物質又はα-ヒドロキシ酸である。
【0280】
6.2 本明細書で提供される組成物及び方法と共に用いる添加剤
ある実施形態では、当該組成物は、1つ以上の添加剤をさらに含む。ある実施形態では、本明細書で提供される組成物は、さらに、1つ以上の添加剤を独立して含む。適当な添加剤としては、感触改良剤、粘着改良剤、拡散性改良剤、希釈剤、接着改良剤、揮発性シロキサン、乳化剤、皮膚軟化剤、界面活性剤、滑沢剤、増粘剤、溶媒、膜形成剤、湿潤剤、保存剤、顔料、皮膚浸透促進剤、光学改良剤、ガス輸送改良剤、液体輸送改良剤、pH改良剤、増感改良剤、審美的改良剤、及びそれらの組み合わせがあげられるが、これらに限定されない。さらなる適当な添加剤は、その全体が参照により本明細書に援用される、国際命名法化粧料成分辞書に開示されている。好ましい実施形態では、乳化剤は、アルコキシジメチコン、アルキルジメチコン、アモジメチコン、スルホジメチコン、ホスホジメチコン、ボロジメチコン、ハロジメチコン、フルオロジメチコン、クロロジメチコン、ブロモジメチコン、荷電ジメチコン、及びそれらの組み合わせである。好ましい実施形態では、乳化剤は、線形系、分枝系、エラストマー系のネットワーク、エラストマー系の有機/無機ネットワーク、及びそれらの組み合わせである。
【0281】
ある実施形態では、当該組成物は、1以上の追加の薬剤をさらに含む。特定の実施形態では、本明細書で提供される組成物は、さらに、化粧料、治療剤、刺激応答剤、センシング剤、薬剤送達剤、光学剤、着色剤、顔料、散乱剤、収着剤、温度活性剤、熱活性剤、UV活性剤、光活性剤、音響活性剤、圧活性剤、運動活性剤、放射活性剤、電気剤、磁性剤、及び他の有益な剤を含む、1つ以上の追加の剤を独立して含む。
【0282】
6.2.1 化粧料
適当な化粧料としては、保湿剤、日焼け止め、紫外線保護剤、皮膚保護剤、皮膚鎮静剤、皮膚光沢剤、皮膚軟化剤、皮膚美白剤、皮膚増白剤、皮膚軟化剤、皮膚平滑化剤、皮膚漂白剤、皮膚剥離剤、皮膚収れん剤、美容剤、ビタミン剤、抗酸化剤、細胞シグナル伝達剤、細胞調節剤、細胞相互作用剤、皮膚日焼け剤、抗老化剤、抗シワ剤、スポット低減剤、α-ヒドロキシ酸、β-ヒドロキシ酸、セラミド、又はそれらの組み合わせがあげられるが。これらに限定されない。
【0283】
6.2.2 治療製剤
適当な治療製剤には、神経調節剤、疼痛緩和剤、鎮痛剤、抗そう痒剤、抗刺激剤、逆刺激剤、免疫調節剤、免疫増強剤、免疫抑制剤、アントラリン、フルオシノニド、メトトレキサート、シクロスポリン、ピメクロリムス、タクロリムス、アザチオプリン、フルオロウラシル、セラミド、抗ニキビ剤(β-ヒドロキシ酸、サリチル酸、過酸化ベンゾイル)、抗炎症剤、抗ヒスタミン剤、コルチコステロイド、NSAID(非ステロイド性抗炎症剤)、血液凝固剤、抗腫瘍剤、微生物叢調節剤、抗敗血症剤、抗生物質、抗菌剤、抗真菌剤、抗ウイルス剤、抗アレルギー剤、皮膚保護剤、コールタール、防虫剤、光線療法剤、磁気療法剤、より大きく音波療法剤、温熱療法剤、皮膚温調節剤(冷却・温熱)又はその組合せがあげられるが、これらに限定されない。
【0284】
6.2.3 有益な薬剤
適当な有益な薬剤としては、抗酸化剤、ビタミン、ビタミンD3類似体、レチノイド、ミネラル、鉱油、ワセリン、脂肪酸、植物抽出物、ポリペプチド、抗体、タンパク質、糖、脂質、脂肪酸、アルコール、エステル、セラミド、ケモカイン、サイトカイン、ホルモン、神経伝達物質、潤滑剤、保湿剤、皮膚柔軟剤、又はそれらの組み合わせ及び当該分野で公知の局所適用に有益な他の類似の薬剤があげられるが、これらに限定されない。
【0285】
6.3 使用方法
本明細書では、本明細書で提供される組成物を、被験体の皮膚に塗布する前に、水素化及び触媒錯体を互いに分離せずに、一段階法で単一配合物として用いる方法が提供される。
【0286】
本明細書では、被験体の皮膚上に薄膜を形成する本明細書で提供される組成物を用いる方法が提供される。特定の実施形態では、そのような方法は、本明細書で提供される組成物で、リガンドを触媒(例えば、遷移金属)又は水素化官能化ポリシロキサンから分離することを含む。理論に拘束されず、リガンドを触媒(例えば、遷移金属)又は水素化官能化ポリシロキサンから分離すると、架橋反応が促進される。ある実施形態では、そのような組成物は、(a)少なくとも1つの遷移金属;(b)少なくとも1つの不飽和有機重合体;(c)少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサン;及び(d)前記不飽和有機重合体と前記水素化官能化ポリシロキサンとの間の架橋反応を減速するのに十分な濃度の、少なくとも1つのリガンドを含む組成物であり、これらの成分は有意な架橋なく混合物としてともに配合かつ保存されうる。ある実施形態では、そのような組成物は、(a)少なくとも1つの遷移金属;(b)少なくとも1つのビニル官能化有機ポリシロキサン;(c)少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサン;及び(d)前記ビニル官能化有機ポリシロキサンと前記水素化官能化ポリシロキサンとの間の架橋反応を減速するのに十分な濃度の、少なくとも1つのリガンドを含む組成物であり、これらの成分は有意な架橋なく混合物としてともに配合かつ保存されうる。ある実施形態では、分離工程は、リガンドを蒸発させること、リガンドを他の相に吸収させること、リガンドを被験体の皮膚に吸収させること、リガンドを錯体を形成する他の成分に吸収させること、リガンドを遷移金属又は水素化官能化ポリシロキサンと非錯体に変換すること、組成物を加熱すること、組成物を冷却すること、組成物により大きく音波を印加すること、組成物に電磁波を印加すること、組成物に可視光を印加すること、組成物に紫外線を印加すること、又は組成物に赤外線を印加することを含む。本明細書では、(a)白金;(b)少なくとも1つの不飽和有機重合体;(c)少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサン;及び(d)前記不飽和有機重合体と前記水素化官能化ポリシロキサンとの間の架橋反応を減速するのに十分な濃度のジビニルジシロキサンを含む組成物等の本明細書で提供される組成物中の少なくとも1つのジビニルジシロキサンを白金から分離することを含む、一段階法で本明細書で提供される組成物を単一配合物として用いる方法が提供される。本明細書では、(a)白金;(b)少なくとも1つのビニル官能化有機ポリシロキサン;(c)少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサン;及び(d)前記ビニル官能化有機ポリシロキサンと前記水素化官能化ポリシロキサンとの間の架橋反応を減速するのに十分な濃度のジビニルジシロキサン含む組成物であり、これらの成分は有意な架橋なく混合物としてともに配合かつ保存されうる。一実施形態では、本方法は、熱を用いて又は用いずにリガンドを蒸発させて、リガンドを遷移金属又は水素化官能化ポリシロキサンから分離することを含む。
【0287】
本明細書では、被験体の皮膚上に薄膜を形成するために本明細書で提供される組成物を用いる方法が提供される。ある実施形態では、そのような方法は、本明細書で提供される組成物で、カプセル化剤を触媒(例えば、遷移金属)又は水素化官能化ポリシロキサンから分離することを含む。理論に拘束されず、カプセル化剤を触媒(例えば、遷移金属)から分離することにより、架橋反応を加速し、又はカプセル化剤を水素化官能化ポリシロキサンから分離することによって、架橋反応が可能になる。ある実施形態では、そのような組成物は、(a)少なくとも1つの遷移金属;(b)少なくとも1つの不飽和有機重合体;(c)少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサン;及び(d)前記不飽和有機重合体と前記水素化官能化ポリシロキサンとの間の架橋反応を減速するか又は阻害するのに十分な濃度の少なくとも1つのカプセル化剤を含み、これらの成分は有意な架橋なく混合物としてともに配合かつ保存されうる。ある実施形態では、そのような組成物は、(a)少なくとも1つの遷移金属;(b)少なくとも1つのビニル官能化有機ポリシロキサン;(c)少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサン;及び(d)前記ビニル官能化有機ポリシロキサンと前記水素化官能化ポリシロキサンとの間の架橋反応を減速又は阻害するのに十分な濃度の少なくとも1つのカプセル化剤を含み、これらの成分は有意な架橋なく混合物としてともに配合かつ保存されうる。ある実施形態では、分離工程は、カプセル化剤を蒸発させること、カプセル化剤を他の相に吸収させること、被験体の皮膚にカプセル化剤を吸収させること、カプセル化剤を複合体を形成する他の成分に吸収させること、カプセル化剤を遷移金属又は水素化官能化ポリシロキサンで非マイクロカプセルに変換すること、組成物を加熱すること、組成物を冷却すること、組成物により大きく音波を印加すること、組成物に電磁波を印加すること、組成物に可視光を印加すること、組成物に紫外線を印加すること、又は組成物に赤外線を印加することを含む。本明細書では、(a)白金;(b)少なくとも1つの不飽和有機重合体;(c)少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサン;及び(d)前記不飽和有機重合体と前記水素化官能化ポリシロキサンとの間の架橋反応を減速するか又は阻害するのに十分な濃度のポリウレタン1を含む組成物など、本明細書で提供される組成物中の少なくとも1つのポリウレタンを、白金又は水素化官能化ポリシロキサンから分離することを含み、これらの成分は有意な架橋なく混合物としてともに配合かつ保存されうる、本明細書で提供される単一配合物として本明細書で提供される組成物を用いる方法が提供される。本明細書では、(a)白金;(b)少なくとも1つのビニル官能化有機ポリシロキサン;(c)少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサン;及び(d)前記ビニル官能化有機ポリシロキサンと前記水素化官能化ポリシロキサンとの間の架橋反応を減速するか又は阻害するのに十分な濃度のポリウレタン1を含む組成物など、本明細書で提供される組成物中の少なくとも1つのポリウレタンを、白金又は水素化官能化ポリシロキサンから分離することを含む、一段階法で本明細書で提供される組成物を用いる方法が提供される。一実施形態では、本方法は、熱を用いて、又は用いずに、カプセル化剤を蒸発させることによって、カプセル化剤を遷移金属又は水素化官能化ポリシロキサンから分離することを含む。
【0288】
本発明は、少なくとも部分的には、皮膚及び身体の欠陥をマスキングする化粧用途に用いられる耐久性の、自然な外観の、非侵襲性の組成物が、皮膚障害又は状態、及びレーザー若しくは光処置の後の回復管理又は化学的剥離治療管理等の皮膚バリア機能が損なわれた状態の治療に有用であるという発見に基づく。本発明の配合物、組成物又は膜は、治療部位のための透明又は着色コーティングを提供する。本発明の配合物、組成物又は膜は各々、美的に満足でき、耐久性があり、皮膚に適合する柔軟な層を皮膚の上に形成し、それによって、現在のコーティング又は包帯又はパッチと比較して、被験者のコンプライアンスが高まり、より快適である。さらに、本発明の配合物、組成物又は膜の化学的及び物理的特性は、被験体上の位置、治療される皮膚疾患又は状態の種類、又はレーザー又は光又は化学的処置の被験体上の位置、及び用いられるレーザー又は光又は化学的剥離処理の種類に最適なコーティングを形成するように調整できる。
【0289】
一実施形態では、本明細書では、治療が必要な被験体の皮膚疾患の治療方法であって、触媒;少なくとも1つのリガンド;少なくとも1つの不飽和有機重合体;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含む本明細書で提供される組成物を被験体の皮膚に塗布する工程であって、当該触媒が少なくとも1つの不飽和有機重合体のin situ架橋を促進する工程;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、その結果、皮膜が皮膚上に形成されるように、皮膚疾患を治療する工程を含む方法が提供される。
【0290】
一実施形態では、本明細書で、治療が必要な被験体の皮膚疾患の治療方法であって、触媒;少なくとも1つのリガンド;少なくとも1つのビニル官能化有機ポリシロキサン;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含む本明細書で提供される組成物を被験体の皮膚に塗布皮膚に塗布する工程であって、当該触媒が少なくとも1つのビニル官能化有機ポリシロキサンのin situ架橋を促進する工程;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、その結果、皮膜が皮膚上に形成される工程を含む方法が本明細書で提供される。
【0291】
一実施形態では、本明細書では、治療が必要な被験体の皮膚疾患の治療方法であって、触媒;少なくとも1つのカプセル化剤;少なくとも1つの不飽和有機重合体;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含む本明細書で提供される組成物を被験体の皮膚に塗布する工程であって、当該触媒が少なくとも1つの不飽和有機重合体のin situ架橋を促進する工程;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、その結果、皮膜が皮膚上に形成されるように、皮膚疾患を治療する工程を含む方法が本明細書で提供される。
【0292】
一実施形態では、本明細書で、治療が必要な被験体の皮膚疾患の治療方法であって、触媒;少なくとも1つのカプセル化剤;少なくとも1つのビニル官能化有機ポリシロキサン;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含む本明細書で提供される組成物を被験体の皮膚に塗布する工程であって、触媒が少なくとも1つのビニル官能化有機ポリシロキサンのin situ架橋を促進する工程;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、その結果、皮膜が皮膚上に形成されるように、皮膚疾患を治療する工程を含む方法が本明細書で提供される。
【0293】
一実施形態では、本明細書に開示された配合物及び膜を用いて、皮膚バリア機能が低下した状態の症状の治療方法が提供される。この実施形態の一態様では、本発明は、かゆみのある皮膚を治療する配合物、膜、及び方法;生の皮膚を治療する配合物;乾燥した皮膚を治療する配合物;剥離又は剥離皮膚を治療する配合物;皮膚上の水疱を治療する配合物;皮膚の発赤又は腫脹又は炎症を治療する配合物;並びに皮膚の滲出、かさぶた及び落屑を治療する配合物、膜、及び方法を提供する。
【0294】
一実施形態では、本明細書では、それが必要な被験体の皮膚を塞ぐ方法であって、触媒;少なくとも1つのリガンド;少なくとも1つの不飽和有機重合体;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含む本明細書で提供される組成物を被験体の皮膚に塗布する工程であって、当該触媒が少なくとも1つの不飽和有機重合体のin situ架橋を促進する工程;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、その結果、皮膜が皮膚上に形成されるように、皮膚を塞ぐ工程を含む方法が本明細書で提供される。
【0295】
一実施形態では、本明細書では、それが必要な被験体の皮膚を塞ぐ方法であって、触媒;少なくとも1つのリガンド;少なくとも1つのビニル官能化有機ポリシロキサン;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含む本明細書で提供される組成物を被験体の皮膚に塗布する工程であって、当該触媒が少なくとも1つのビニル官能化有機ポリシロキサンのin situ架橋を促進する工程;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、その結果、皮膜が皮膚上に形成が皮膚上に形成されることにより、皮膚を塞ぐ工程を含む方法が本明細書で提供される。
【0296】
一実施形態では、本明細書では、それが必要な被験体の皮膚を塞ぐ方法であって、触媒;少なくとも1つのカプセル化剤;少なくとも1つの不飽和有機重合体;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含む本明細書で提供される組成物を被験体の皮膚に塗布する工程であって、当該触媒が少なくとも1つの不飽和有機重合体のin situ架橋を促進する工程;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、その結果、皮膜が皮膚上に形成されることにより、皮膚を塞ぐ工程を含む方法が提供される。
【0297】
一実施形態では、本明細書で必要とされる被験体の皮膚を塞ぐ方法であって、触媒;少なくとも1つのカプセル化剤;少なくとも1つのビニル官能化有機ポリシロキサン;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含む本明細書で提供される組成物を被験体の皮膚に塗布する工程であって、触媒が少なくとも1つのビニル官能化有機ポリシロキサンのin situ架橋を促進する工程;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、その結果、皮膜が皮膚上に形成されて、皮膚を塞ぐ工程を含む方法が本明細書で提供される。
【0298】
ある実施形態では、皮膚の閉塞は、光又はレーザー又は化学的剥離処理後の皮膚疾患及び皮膚等の障害された皮膚バリアの状態の治療に用いられる。
【0299】
一実施形態では、本明細書では、それが必要な被験体の皮膚に、触媒;少なくとも1つのリガンド;少なくとも1つの不飽和有機重合体;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含む本明細書で提供される組成物を被験体の皮膚に塗布する工程であって、当該触媒が少なくとも1つの不飽和有機重合体のin situ架橋を促進する工程;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、その結果、皮膜が皮膚上に形成されることにより、皮膚を水和する工程を含む、皮膚を水和する方法が本明細書で提供される。
【0300】
一実施形態では、本明細書では、それが必要な被験体の皮膚に、触媒;少なくとも1つのリガンド;少なくとも1つのビニル官能化有機ポリシロキサン;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含む本明細書で提供される組成物を被験体の皮膚に塗布する工程であって、当該触媒が少なくとも1つのビニル官能化有機ポリシロキサンのin situ架橋を促進する工程;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、その結果、皮膜が皮膚上に形成されることにより、皮膚を水和する工程を含む、皮膚を水和する方法が本明細書で提供される。
【0301】
一実施形態では、本明細書では、それが必要な被験体の皮膚に、触媒;少なくとも1つのカプセル化剤;少なくとも1つの不飽和有機重合体;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含む本明細書で提供される組成物を被験体の皮膚に塗布する工程であって、当該触媒が少なくとも1つの不飽和有機重合体のin situ架橋を促進する工程;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、その結果、皮膜が皮膚上に形成されることにより、皮膚を水和する工程を含む、皮膚を水和する方法が本明細書で提供される。
【0302】
一実施形態では、本明細書ではそれが必要な被験体の皮膚に、触媒;少なくとも1つのカプセル化剤;少なくとも1つのビニル官能化有機ポリシロキサン;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含む本明細書で提供される組成物を被験体の皮膚に塗布する工程であって、触媒が少なくとも1つのビニル官能化有機ポリシロキサンのin situ架橋を促進する工程;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、その結果、皮膜が皮膚上に形成されることにより、皮膚を水和する工程を含む、皮膚を水和する方法が本明細書で提供される。
【0303】
少なくとも一実施形態では、被験体には1つ以上の皮膚疾患がある。少なくとも一実施形態では、被験体には1つの皮膚疾患がある。少なくとも一実施形態では、被験体には2つ以上の皮膚疾患がある。少なくとも一実施形態では、被験体は、皮膚疾患の原因となる、又は皮膚疾患と関連する状態である。
【0304】
少なくとも一実施形態では、皮膚疾患は、慢性単純性苔癬、皮膚ループス、乾癬、湿疹、慢性乾燥皮膚、乾皮症、酒さ、魚鱗癬、又は潰瘍、又はそれらのいかなる組み合わせである。具体的な実施形態では、皮膚疾患は乾皮症、湿疹、乾癬、酒さ、魚鱗癬、又はそれらのいかなる組み合わせである。具体的な実施形態では、湿疹はアトピー性皮膚炎である。ある実施形態では、皮膚疾患は乾皮症、アトピー性皮膚炎、乾癬、酒さ症及び魚鱗癬、又はそれらのいかなる組み合わせである。ある実施形態では、皮膚疾患は潰瘍である。
【0305】
一実施形態では、本明細書では、被験体への塗布時に膜を形成し、それによって皮膚疾患を改善する非侵襲性配合物が提供される。一実施形態では、本明細書では、そのような配合物を用いる方法が提供される。一実施形態では、本明細書では、当該膜を除去する洗浄剤が提供される。
【0306】
一実施形態では、本明細書では、皮膚疾患を治療する組成物であって、本明細書で提供される組成物は、触媒;少なくとも1つのリガンド;少なくとも1つの不飽和有機重合体;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、当該触媒は、少なくとも1つの不飽和有機重合体のin situ架橋を促進し、少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、その結果、膜が皮膚上に形成されるようにする、組成物である。一実施形態では、本明細書では、それが必要な被験体の皮膚疾患を治療する組成物であって、本明細書で提供される組成物は、触媒;少なくとも1つのカプセル化剤;少なくとも1つの不飽和有機重合体;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、当該触媒は、少なくとも1つの不飽和有機重合体のin situ架橋を促進し;少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、その結果、皮膜が形成される、組成物である。
【0307】
一実施形態では、本明細書では、皮膚疾患を治療する組成物であって、本明細書で提供される組成物は、触媒;少なくとも1つのリガンド;少なくとも1つのビニル官能化有機ポリシロキサン;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、当該触媒は、少なくとも1つのビニル官能化有機ポリシロキサンのin situ架橋を促進し;少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、その結果、皮膜が皮膚上に形成されるようにする、組成物である。一実施形態では、本明細書では、それが必要な被験体の皮膚疾患を治療する組成物であって、本明細書で提供される組成物は、触媒;少なくとも1つのカプセル化剤;少なくとも1つのビニル官能化有機ポリシロキサン;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、当該触媒は、少なくとも1つのビニル官能化有機ポリシロキサンのin situ架橋を促進し;少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、その結果、膜が皮膚上に形成される、組成物である。
【0308】
一実施形態では、本明細書では、皮膚疾患を治療するための膜が提供され、当該膜は、以下の:a)触媒、少なくとも1つのリガンド、少なくとも1つの不飽和有機重合体及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含む本明細書で提供される組成物を適用する工程であって、当該触媒が少なくとも1つの不飽和有機重合体のin situ架橋を促進し;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、その結果、皮膜が皮膚上に形成されるように調製される。一実施形態では、本明細書では、皮膚疾患を治療するための膜が提供され、当該膜は、以下の:a)触媒、少なくとも1つのカプセル化剤、少なくとも1つの不飽和有機重合体、少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含む本明細書で提供される組成物を適用する工程であって、当該触媒が少なくとも1つの不飽和有機重合体のin situ架橋を促進し;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、その結果、皮膜が皮膚上に形成されるように調製される。
【0309】
一実施形態では、本明細書では、皮膚疾患を治療するための膜が提供され、当該膜は、以下の:a)触媒、少なくとも1つのリガンド、少なくとも1つのビニル官能性オルガノポリシロキサン及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含む本明細書で提供される組成物を適用する工程であって、当該触媒が少なくとも1つのビニル官能化有機ポリシロキサンのin situ架橋を促進し;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、その結果、皮膜が皮膚上に形成されるように調製される。一実施形態では、本明細書では、皮膚疾患を治療するための膜が提供され、当該膜は、以下の:a)触媒、少なくとも1つのカプセル化剤、少なくとも1つのビニル官能性オルガノポリシロキサン及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含む本明細書で提供される組成物を適用する工程であって、当該触媒が少なくとも1つのビニル官能化有機ポリシロキサンのin situ架橋を促進し;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、その結果、皮膜が皮膚上に形成されるように調製される。
【0310】
一実施形態では、本明細書では、皮膚疾患を治療するために被験体に薬剤を送達する方法であって、本明細書で提供される組成物を、触媒、少なくとも1つのリガンド、少なくとも1つの不飽和有機重合体及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含む本明細書で提供される組成物を適用する工程であって、当該触媒が少なくとも1つの不飽和有機重合体のin situ架橋を促進し;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、その結果、皮膜が皮膚上に形成されることにより、薬剤を被験体に送達することを含む方法が提供される。一実施形態では、本明細書では、皮膚疾患を治療するために被験体に薬剤を送達するための方法であって、本明細書で提供される組成物を、触媒、少なくとも1つのカプセル化剤、少なくとも1つの不飽和有機重合体、少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含む本明細書で提供される組成物を適用する工程であって、当該触媒が少なくとも1つの不飽和有機重合体のin situ架橋を促進し;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、その結果、皮膜が皮膚上に形成されるように、少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンが被験体に送達される方法が提供される。
【0311】
一実施形態では、本明細書では、皮膚疾患を治療するために被験体に薬剤を送達する方法であって、本明細書で提供される組成物を、触媒、少なくとも1つのリガンド、少なくとも1つのビニル官能性オルガノポリシロキサン及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含む本明細書で提供される組成物を適用する工程であって、当該触媒が少なくとも1つのビニル官能化有機ポリシロキサンのin situ架橋を促進し;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、その結果、皮膜が皮膚上に形成されることにより、薬剤を被験体に送達することを含む方法が提供される。一実施形態では、本明細書では、皮膚疾患を治療するために被験体に薬剤を送達するための方法であって、本明細書で提供される組成物を、触媒、少なくとも1つのカプセル化剤、少なくとも1つの不飽和有機重合体、少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含む本明細書で提供される組成物を適用する工程であって、当該触媒が少なくとも1つのビニル官能化有機ポリシロキサンのin situ架橋を促進し;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、その結果、皮膜が皮膚上に形成されることにより、薬剤を被験体に送達することを含む方法が提供される。
【0312】
ある態様では、本明細書では、皮膚疾患がある被験体の治療に用いるキットが提供され、本明細書で提供される組成物は、触媒、少なくとも1つのリガンド、少なくとも1つの不飽和有機重合体及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサン並びに使用説明書を含む。ある態様では、本明細書では、皮膚疾患がある被験体の治療に用いるキットが提供され、本明細書で提供される組成物は、触媒、少なくとも1つのカプセル化剤、少なくとも1つの不飽和有機重合体、少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサン並びに使用説明書を含む。
【0313】
ある態様では、本明細書では、皮膚疾患がある被験体の治療に用いるキットが提供され、本明細書で提供される組成物は、触媒、少なくとも1つのリガンド、少なくとも1つのビニル官能性オルガノポリシロキサン及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサン並びに使用説明書を含む。ある態様では、本明細書では、皮膚疾患がある被験体の治療に用いるキットが提供され、本明細書で提供される組成物は、触媒、少なくとも1つのカプセル化剤、少なくとも1つのビニル官能化有機ポリシロキサン、少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサン並びに使用説明書を含む。
【0314】
一実施形態では、本明細書では、少なくとも1つの予め選択された機能調節成分を含み、当該組成物は、被験体への塗布の際に治療用膜を形成する、皮膚疾患を治療する必要のある被験体へ塗布する治療製剤が提供される。
【0315】
一実施形態では、本明細書では、皮膚疾患の治療のために被験体に塗布する、被験体上の治療領域を標的とする治療製剤であって、少なくとも1つの予め選択された機能調節成分を含み、当該組成物は、被験体への塗布の際に治療用膜を形成する、治療製剤が提供される。
【0316】
一実施形態では、本明細書では、皮膚疾患の治療のための治療用膜の除去に用いる膜除去洗浄剤が提供され、当該膜は、触媒、少なくとも1つのリガンド、少なくとも1つの不飽和有機重合体及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含む本明細書で提供される組成物を適用する工程を含む方法によって調製され、当該触媒が少なくとも1つの不飽和有機重合体のin situ架橋を促進する。一実施形態では、本明細書では、皮膚疾患の治療のための治療用膜の除去に用いる膜除去洗浄剤が提供され、当該膜は、触媒、少なくとも1つのカプセル化剤、少なくとも1つの不飽和有機重合体及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含む本明細書で提供される組成物を適用する工程を含む方法によって調製され、当該触媒が少なくとも1つの不飽和有機重合体のin situ架橋を促進する。
【0317】
一実施形態では、本明細書では、皮膚疾患の治療のための治療用膜の除去に用いる膜除去洗浄剤が提供され、当該膜は、触媒、少なくとも1つのリガンド、少なくとも1つのビニル官能性オルガノポリシロキサン及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含む本明細書で提供される組成物を適用する工程を含む方法によって調製され、当該触媒が少なくとも1つのビニル官能化有機ポリシロキサンのin situ架橋を促進する。一実施形態では、本明細書では、皮膚疾患の治療のための治療用膜の除去に用いる膜除去洗浄剤が提供され、当該膜は、触媒、少なくとも1つのカプセル化剤、少なくとも1つのビニル官能性オルガノポリシロキサン及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含む本明細書で提供される組成物を適用する工程を含む方法によって調製され、当該触媒が少なくとも1つのビニル官能化有機ポリシロキサンのin situ架橋を促進する。
【0318】
別の実施形態では、本明細書では、膜湿潤成分、浸透成分、膜膨張成分及び膜剥離成分を含む膜除去洗浄剤が提供される。
【0319】
ある実施形態では、本明細書では、皮膚疾患の治療のために皮膚に塗布された治療用膜を修復する配合物であって、当該配合物は、触媒、少なくとも1つのリガンド、少なくとも1つの不飽和有機重合体及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、当該触媒が少なくとも1つの不飽和有機重合体のin situ架橋を促進し;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、その結果、皮膜が皮膚上に形成される配合物が提供される。ある実施形態では、本明細書では、皮膚疾患の治療のために皮膚に塗布された治療用膜を修復する配合物であって、当該配合物は、触媒、少なくとも1つのカプセル化剤、少なくとも1つの不飽和有機重合体及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、当該触媒が少なくとも1つの不飽和有機重合体のin situ架橋を促進し;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、その結果、皮膜が皮膚上に形成される配合物が提供される。
【0320】
ある実施形態では、本明細書では、皮膚疾患の治療のために皮膚に塗布された治療用膜を修復する配合物であって、当該配合物は、触媒、少なくとも1つのリガンド、少なくとも1つのビニル官能性オルガノポリシロキサン及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、当該触媒が少なくとも1つのビニル官能化有機ポリシロキサンのin situ架橋を促進し;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、その結果、皮膜が皮膚上に形成される配合物が提供される。ある実施形態では、本明細書では、皮膚疾患の治療のために皮膚に塗布された治療用膜を修復する配合物であって、当該配合物は、触媒、少なくとも1つのカプセル化剤、少なくとも1つのビニル官能性オルガノポリシロキサン及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、当該触媒が少なくとも1つのビニル官能化有機ポリシロキサンのin situ架橋を促進し;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、その結果、皮膜が皮膚上に形成される配合物が提供される。
【0321】
ある実施形態では、本明細書では、皮膚疾患の治療のために皮膚に塗布された治療用膜を修復する方法であって、以下の:a)修復の必要がある膜の領域を同定する工程、b)場合によっては、膜の縁を平滑化する工程、c)膜を修復するための配合物を塗布する工程を含み、ここで、当該配合物は、触媒、少なくとも1つのリガンド、少なくとも1つの不飽和有機重合体及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、当該触媒が少なくとも1つの不飽和有機重合体のin situ架橋を促進し;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、その結果、皮膜が皮膚上に形成されることにより、治療用膜が修復される。ある実施形態では、本明細書では、皮膚疾患の治療のために皮膚に塗布された治療用膜を修復する方法であって、以下の:a)修復の必要がある膜の領域を同定する工程、b)場合によっては、膜の縁を平滑化する工程、c)膜を修復するための配合物を塗布する工程を含み、ここで、当該配合物は、触媒、少なくとも1つのカプセル化剤、少なくとも1つのビニル官能性オルガノポリシロキサン及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、当該触媒が少なくとも1つのビニル官能化有機ポリシロキサンのin situ架橋を促進し;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、その結果、皮膜が皮膚上に形成されることにより、治療用膜が修復される。
【0322】
ある実施形態では、本明細書では、皮膚疾患の治療のために皮膚に塗布された治療用膜を修復する方法であって、以下の:a)修復の必要がある膜の領域を同定する工程、b)場合によっては、膜の縁を平滑化する工程、c)膜を修復するための配合物を塗布する工程を含み、ここで、当該配合物は、触媒、少なくとも1つのリガンド、少なくとも1つのビニル官能性オルガノポリシロキサン及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、当該触媒が少なくとも1つのビニル官能化有機ポリシロキサンのin situ架橋を促進し;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、その結果、皮膜が皮膚上に形成されることにより、治療用膜が修復される。ある実施形態では、本明細書では、皮膚疾患の治療のために皮膚に塗布された治療用膜を修復する方法であって、以下の:a)修復の必要がある膜の領域を同定する工程、b)場合によっては、膜の縁を平滑化する工程、c)膜を修復するための配合物を塗布する工程を含み、ここで、当該配合物は、触媒、少なくとも1つのカプセル化剤、少なくとも1つのビニル官能性オルガノポリシロキサン及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、当該触媒が少なくとも1つのビニル官能化有機ポリシロキサンのin situ架橋を促進し;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、その結果、皮膜が皮膚上に形成されることにより、治療用膜が修復される。
【0323】
ある実施形態では、本明細書では、皮膚疾患の治療のための治療用膜を修復するキットであって、当該キットは、本願明細書で提供される組成物を含み、当該組成物は、触媒、少なくとも1つのリガンド、少なくとも1つの不飽和有機重合体及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、当該触媒が少なくとも1つの不飽和有機重合体のin situ架橋を促進し;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、その結果、皮膜が皮膚上に形成される。ある実施形態では、本明細書では、皮膚疾患の治療のための治療用膜を修復するキットであって、当該キットは、本願明細書で提供される組成物を含み、当該組成物は、触媒、少なくとも1つのカプセル化剤、少なくとも1つの不飽和有機重合体及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、当該触媒が少なくとも1つの不飽和有機重合体のin situ架橋を促進し;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、その結果、皮膜が皮膚上に形成される。
【0324】
ある実施形態では、本明細書では、皮膚疾患の治療のための治療用膜を修復するキットであって、当該キットは、本願明細書で提供される組成物を含み、当該組成物は、触媒、少なくとも1つのリガンド、少なくとも1つのビニル官能性オルガノポリシロキサン及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、当該触媒が少なくとも1つのビニル官能化有機ポリシロキサンのin situ架橋を促進し;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、その結果、皮膜が皮膚上に形成される。ある実施形態では、本明細書では、皮膚疾患の治療のための治療用膜を修復するキットであって、当該キットは、本願明細書で提供される組成物を含み、当該組成物は、触媒、少なくとも1つのカプセル化剤、少なくとも1つのビニル官能性オルガノポリシロキサン及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、当該触媒が少なくとも1つのビニル官能化有機ポリシロキサンのin situ架橋を促進し;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、その結果、皮膜が皮膚上に形成される。
【0325】
ある実施形態では、本明細書では、レーザー治療後の被験体を治療する方法であって、本明細書で提供される組成物を被験体に塗布することを含み、当該組成物は、触媒、少なくとも1つのリガンド、少なくとも1つの不飽和有機重合体及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、当該触媒が少なくとも1つの不飽和有機重合体のin situ架橋を促進し;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、その結果、皮膜が皮膚上に形成されることにより、レーザー治療後の被験体を治療する方法が提供される。ある実施形態では、本明細書では、レーザー治療後の被験体を治療する方法であって、本明細書で提供される組成物を被験体に塗布することを含み、当該配合物は、触媒、少なくとも1つのカプセル化剤、少なくとも1つの不飽和有機重合体及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、当該触媒が少なくとも1つの不飽和有機重合体のin situ架橋を促進し;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、その結果、皮膜が皮膚上に形成されることにより、レーザー治療後の被験体を治療する方法が提供される。
【0326】
ある実施形態では、本明細書では、レーザー治療後の被験体を治療する方法であって、本明細書で提供される組成物を被験体に塗布することを含み、当該組成物は、触媒、少なくとも1つのリガンド、少なくとも1つのビニル官能性オルガノポリシロキサン及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、当該触媒が少なくとも1つのビニル官能化有機ポリシロキサンのin situ架橋を促進し;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、その結果、皮膜が皮膚上に形成されることにより、レーザー治療後に被験体を治療する方法が提供される。ある実施形態では、本明細書では、レーザー治療後の被験体を治療する方法であって、本明細書で提供される組成物を被験体に塗布することを含み、当該組成物は、触媒、少なくとも1つのカプセル化剤、少なくとも1つのビニル官能性オルガノポリシロキサン及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、当該触媒が少なくとも1つのビニル官能化有機ポリシロキサンのin situ架橋を促進し;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、その結果、皮膜が皮膚上に形成されることにより、レーザー治療後に被験体を治療する方法が提供される。
【0327】
ある実施形態では、本明細書では、被験体のレーザー治療後に塗布される膜を形成し、当該被験体のレーザー治療後の治癒を促進する非侵襲性配合物が提供される。ある実施形態では、本明細書では、当該配合物を用いる方法が提供される。ある実施形態では、本明細書では、当該膜を除去する洗浄剤が提供される。
【0328】
ある実施形態では、本明細書では、レーザー治療後の被験体を処置する組成物が提供され、当該組成物は、触媒;少なくとも1つのリガンド;少なくとも1つの不飽和有機重合体;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、当該触媒は、少なくとも1つの不飽和有機重合体のin situ架橋を促進し、その結果、膜が皮膚上に形成される。ある実施形態では、本明細書では、レーザー治療後の被験体を処置する組成物が提供され、当該組成物は、触媒;少なくとも1つのカプセル化剤;少なくとも1つの不飽和有機重合体;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、当該触媒は、少なくとも1つの不飽和有機重合体のin situ架橋を促進し;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、その結果、皮膜が形成される。
【0329】
ある実施形態では、本明細書では、レーザー治療後の被験体を処置する組成物が提供され、当該組成物は、触媒;少なくとも1つのリガンド;少なくとも1つのビニル官能化有機ポリシロキサン;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、当該触媒は、少なくとも1つのビニル官能化有機ポリシロキサンのin situ架橋を促進し;少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、その結果、皮膜が皮膚上に形成される。ある実施形態では、本明細書では、レーザー治療後の被験体を処置する組成物が提供され、当該組成物は、触媒;少なくとも1つのカプセル化剤;少なくとも1つのビニル官能化有機ポリシロキサン;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、当該触媒は、少なくとも1つのビニル官能化有機ポリシロキサンのin situ架橋を促進し、その結果、膜が皮膚上に形成される。
【0330】
ある実施形態では、本明細書では、被験体のレーザー治療後に適用するための、触媒;少なくとも1つのリガンド;少なくとも1つの不飽和有機重合体;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、当該触媒は、少なくとも1つの不飽和有機重合体のin situ架橋を促進し、その結果、膜が皮膚上に形成され、当該膜は自然な皮膚の外観となるような、本明細書で提供される組成物が提供される。ある実施形態では、本明細書では、被験体のレーザー治療後に適用するための、触媒;少なくとも1つのカプセル化剤;少なくとも1つの不飽和有機重合体;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、当該触媒は、少なくとも1つの不飽和有機重合体のin situ架橋を促進し;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、その結果、膜が皮膚上に形成され、当該膜は自然な皮膚の外観となるような、本明細書で提供される組成物が提供される。
【0331】
ある実施形態では、本明細書では、被験体のレーザー治療後に適用するための、触媒;少なくとも1つのリガンド;少なくとも1つのビニル官能化有機ポリシロキサン;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、当該触媒は、少なくとも1つのビニル官能化有機ポリシロキサンのin situ架橋を促進し;少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、その結果、皮膜が皮膚上に形成されその結果、膜が皮膚上に形成され、当該膜は自然な皮膚の外観となるような、本明細書で提供される組成物が提供される。ある実施形態では、本明細書では、被験体のレーザー治療後に適用するための、触媒;少なくとも1つのカプセル化剤;少なくとも1つのビニル官能化有機ポリシロキサン;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、当該触媒は、少なくとも1つのビニル官能化有機ポリシロキサンのin situ架橋を促進し;少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、その結果、膜が皮膚上に形成され、当該膜は自然な皮膚の外観となるような、本明細書で提供される組成物が提供される。
【0332】
ある実施形態では、本明細書では、治療が必要な被験体のレーザー治療後に用いるキットであって、触媒;少なくとも1つのリガンド;少なくとも1つの不飽和有機重合体;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含む本明細書で提供される組成物;並びに使用説明書を含む。一実施形態では、本明細書では、治療が必要な被験体のレーザー治療後に用いるキットであって、触媒;少なくとも1つのカプセル化剤;少なくとも1つの不飽和有機重合体;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含む本明細書で提供される組成物;並びに使用説明書を含む。
【0333】
ある実施形態では、本明細書では、治療が必要な被験体のレーザー治療後に用いるキットであって、触媒;少なくとも1つのリガンド;少なくとも1つのビニル官能化有機ポリシロキサン;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含む本明細書で提供される組成物;並びに使用説明書を含む。一実施形態では、本明細書では、治療が必要な被験体のレーザー治療後に用いるキットであって、触媒;少なくとも1つのカプセル化剤;少なくとも1つのビニル官能化有機ポリシロキサン;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含む組成物;並びに使用説明書を含む。
【0334】
ある実施形態では、本明細書では、少なくとも1つの予め選択された機能調節成分を含み、組成物を被験体へ塗布すると治療膜を形成する、被験体のレーザー治療後に適用する治療製剤が提供される。
【0335】
ある実施形態では、本明細書では、被験体上の治療領域を標的とする当該被験体上の当該被験体のレーザー治療後に適用する治療製剤が提供され、ここで、当該標的領域は、少なくとも部分的にレーザー処理された領域を含み、少なくとも1つの予め選択された治療特異的成分を含み、ここで、組成物を当該被験体上の当該標的治療領域に塗布すると治療膜を形成する。
【0336】
ある実施形態では、本明細書では、レーザー治療後の回復管理に用いられる治療用膜の除去に用いられる膜除去洗浄剤が提供され、当該膜は、触媒;少なくとも1つのリガンド;少なくとも1つの不飽和有機重合体;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、当該触媒は、少なくとも1つの不飽和有機重合体のin situ架橋を促進し、少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含む、本明細書で提供される組成物を適用する工程を含む方法により調製される。一実施形態では、本明細書では、レーザー治療後の回復管理に用いられる治療用膜の除去に用いられる膜除去洗浄剤が提供され、当該膜は、触媒;少なくとも1つのカプセル化剤;少なくとも1つの不飽和有機重合体;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、当該触媒は、少なくとも1つの不飽和有機重合体のin situ架橋を促進し;少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含む、本明細書で提供される組成物を適用する工程を含む方法により調製される。
【0337】
ある実施形態では、本明細書では、レーザー治療後の回復管理に用いられる治療用膜の除去に用いられる膜除去洗浄剤が提供され、当該膜は、触媒;少なくとも1つのリガンド;少なくとも1つのビニル官能化有機ポリシロキサン;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、当該触媒は、少なくとも1つのビニル官能化有機ポリシロキサンのin situ架橋を促進し;少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含む、本明細書で提供される組成物を適用する工程を含む方法により調製される。一実施形態では、本明細書では、レーザー治療後の回復管理に用いられる治療用膜の除去に用いられる膜除去洗浄剤が提供され、当該膜は、触媒、少なくとも1つのカプセル化剤、少なくとも1つのビニル官能性オルガノポリシロキサン及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、当該触媒が少なくとも1つのビニル官能化有機ポリシロキサンのin situ架橋を促進し;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含む、本明細書で提供される組成物を適用する工程を含む方法により調製される。
【0338】
ある実施形態では、本明細書では、膜湿潤成分、浸透成分、膜膨張成分及び膜剥離成分を含む膜除去洗浄剤が提供される。
【0339】
ある実施形態では、本明細書では、被験体のレーザー治療後に適用される治療用膜を修復するための配合物であって、当該配合物は、触媒、少なくとも1つのリガンド、少なくとも1つの不飽和有機重合体及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、当該触媒が少なくとも1つの不飽和有機重合体のin situ架橋を促進し;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、その結果、皮膜が皮膚上に形成される組成物を含む。一実施形態では、本明細書では、被験体のレーザー治療後に適用される治療用膜を修復するための配合物であって、当該配合物は、触媒、少なくとも1つのカプセル化剤、少なくとも1つの不飽和有機重合体及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、当該触媒が少なくとも1つの不飽和有機重合体のin situ架橋を促進し;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、その結果、皮膜が皮膚上に形成される組成物を含む。
【0340】
ある実施形態では、本明細書では、被験体のレーザー治療後に適用される治療用膜を修復するための配合物であって、当該配合物は、触媒、少なくとも1つのリガンド、少なくとも1つのビニル官能性オルガノポリシロキサン及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、当該触媒が少なくとも1つのビニル官能化有機ポリシロキサンのin situ架橋を促進し;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、その結果、皮膜が皮膚上に形成される組成物を含む。一実施形態では、本明細書では、被験体のレーザー治療後に適用される治療用膜を修復するための配合物であって、当該配合物は、触媒、少なくとも1つのカプセル化剤、少なくとも1つのビニル官能性オルガノポリシロキサン及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、当該触媒が少なくとも1つのビニル官能化有機ポリシロキサンのin situ架橋を促進し;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、その結果、皮膜が皮膚上に形成される組成物を含む。
【0341】
ある実施形態では、本明細書では、レーザー治療後の被験体に適用される治療用膜を修復する方法であって、以下の:a)修復の必要がある膜の領域を同定する工程;b)場合によっては、膜の端部を平滑化する工程;及びc)膜を修復するための配合物を適用する工程を含む方法が提供され、ここで、本明細書で提供される組成物は、触媒、少なくとも1つのリガンド、少なくとも1つの不飽和有機重合体及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、当該触媒が少なくとも1つの不飽和有機重合体のin situ架橋を促進し;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、その結果、皮膜が皮膚上に形成されることにより、当該治療用膜が修復される。一実施形態では、本明細書では、レーザー治療後の被験体に適用される治療用膜を修復する方法であって、以下の:a)修復の必要がある膜の領域を同定する工程;b)場合によっては、膜の端部を平滑化する工程;及びc)膜を修復するための配合物を適用する工程を含む方法が提供され、ここで、本明細書で提供される組成物は、触媒、少なくとも1つのカプセル化剤、少なくとも1つの不飽和有機重合体及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、当該触媒が少なくとも1つの不飽和有機重合体のin situ架橋を促進し;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、その結果、皮膜が皮膚上に形成されることにより、当該治療用膜が修復される。
【0342】
ある実施形態では、本明細書では、レーザー治療後の被験体に適用される治療用膜を修復する方法であって、以下の:a)修復の必要がある膜の領域を同定する工程;b)場合によっては、膜の端部を平滑化する工程;及びc)膜を修復するための配合物を適用する工程を含む方法が提供され、ここで、本明細書で提供される組成物は、触媒、少なくとも1つのリガンド、少なくとも1つのビニル官能性オルガノポリシロキサン及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、当該触媒が少なくとも1つのビニル官能化有機ポリシロキサンのin situ架橋を促進し;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、その結果、皮膜が皮膚上に形成されることにより、当該治療用膜が修復される。一実施形態では、本明細書では、レーザー治療後の被験体に適用される治療用膜を修復する方法であって、以下の:a)修復の必要がある膜の領域を同定する工程;b)場合によっては、膜の端部を平滑化する工程;及びc)膜を修復するための配合物を適用する工程を含む方法が提供され、ここで、本明細書で提供される組成物は、触媒、少なくとも1つのカプセル化剤、少なくとも1つのビニル官能性オルガノポリシロキサン及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、当該触媒が少なくとも1つのビニル官能化有機ポリシロキサンのin situ架橋を促進し;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、その結果、皮膜が皮膚上に形成されることにより、当該治療用膜が修復される。
【0343】
ある実施形態では、本明細書では、レーザー治療後管理に用いられる治療用膜を修復するためのキットが提供され、当該キットは、触媒、少なくとも1つのリガンド、少なくとも1つの不飽和有機重合体及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、その結果、皮膜が皮膚上に形成される。一実施形態では、本明細書では、レーザー治療後管理に用いられる治療用膜を修復するためのキットが提供され、当該キットは、触媒、少なくとも1つのカプセル化剤、少なくとも1つの不飽和有機重合体及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、その結果、皮膜が皮膚上に形成される。
【0344】
ある実施形態では、本明細書では、レーザー治療後管理に用いられる治療用膜を修復するためのキットが提供され、当該キットは、触媒、少なくとも1つのリガンド、少なくとも1つのビニル官能性オルガノポリシロキサン及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、その結果、皮膜が皮膚上に形成される。一実施形態では、本明細書では、レーザー治療後管理に用いられる治療用膜を修復するためのキットが提供され、当該キットは、触媒、少なくとも1つのカプセル化剤、少なくとも1つのビニル官能性オルガノポリシロキサン及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、その結果、皮膜が皮膚上に形成される。
【0345】
ある実施形態では、本明細書では、レーザー治療後の被験体を治療する方法であって、本明細書で提供される組成物を含む配合物を被験体に塗布することを含み、当該組成物は、触媒、少なくとも1つのリガンド、少なくとも1つの不飽和有機重合体及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、当該触媒が少なくとも1つの不飽和有機重合体のin situ架橋を促進し;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、その結果、皮膜が皮膚上に形成されることにより、レーザー治療後の被験体を治療する方法が提供される。ある実施形態では、本明細書では、レーザー治療後に被験体を治療する方法であって、本明細書で提供される組成物を含む配合物を被験体に塗布することを含み、当該配合物は、触媒、少なくとも1つのカプセル化剤、少なくとも1つの不飽和有機重合体及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、当該触媒が少なくとも1つの不飽和有機重合体のin situ架橋を促進し;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、その結果、皮膜が皮膚上に形成されることにより、レーザー治療後の被験体を治療する方法が提供される。
【0346】
ある実施形態では、本明細書では、レーザー治療後の被験体を治療する方法であって、本明細書で提供される組成物を含む配合物を被験体に塗布することを含み、当該組成物は、触媒、少なくとも1つのリガンド、少なくとも1つのビニル官能性オルガノポリシロキサン及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、当該触媒が少なくとも1つのビニル官能化有機ポリシロキサンのin situ架橋を促進し;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、その結果、皮膜が皮膚上に形成されることにより、レーザー治療後に被験体を治療する方法が提供される。ある実施形態では、本明細書では、レーザー治療後の被験体を治療する方法であって、本明細書で提供される組成物を含む配合物を被験体に塗布することを含み、当該組成物は、触媒、少なくとも1つのカプセル化剤、少なくとも1つのビニル官能性オルガノポリシロキサン及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、当該触媒が少なくとも1つのビニル官能化有機ポリシロキサンのin situ架橋を促進し;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、その結果、皮膜が皮膚上に形成されることにより、レーザー治療後に被験体を治療する方法が提供される。
【0347】
ある実施形態では、本明細書では、被験体の光処置後に塗布すると膜を形成し、それによって被験体の光処置後の治癒を促進する非侵襲性配合物が提供される。本発明はまた、当該配合物を用いる方法を提供する。別の実施形態では、本発明は、膜を除去する洗浄剤を提供する。
【0348】
ある実施形態では、本明細書では、光処置後に被験体を治療する組成物が提供され、本明細書で提供される当該組成物は、触媒、少なくとも1つのリガンド、少なくとも1つの不飽和有機重合体及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、当該触媒が少なくとも1つの不飽和有機重合体のin situ架橋を促進し;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、その結果、皮膜が皮膚上に形成される。ある実施形態では、本明細書では、光処置後に被験体を治療する組成物が提供され、本明細書で提供される当該組成物は、触媒、少なくとも1つのカプセル化剤、少なくとも1つの不飽和有機重合体及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、当該触媒が少なくとも1つの不飽和有機重合体のin situ架橋を促進し;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、その結果、皮膜が皮膚上に形成される。
【0349】
ある実施形態では、本明細書では、光処置後に被験体を治療する組成物が提供され、本明細書で提供される当該組成物は、触媒、少なくとも1つのリガンド、少なくとも1つのビニル官能性オルガノポリシロキサン及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、当該触媒が少なくとも1つのビニル官能化有機ポリシロキサンのin situ架橋を促進し;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、その結果、皮膜が皮膚上に形成される。ある実施形態では、本明細書では、光処置後に被験体を治療する組成物が提供され、本明細書で提供される当該組成物は、触媒、少なくとも1つのカプセル化剤、少なくとも1つのビニル官能性オルガノポリシロキサン及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、当該触媒が少なくとも1つのビニル官能化有機ポリシロキサンのin situ架橋を促進し;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、その結果、皮膜が皮膚上に形成される。
【0350】
ある実施形態では、本明細書では、光処置後の被験体に塗布する配合物が提供され、当該配合物は、本明細書で提供される、触媒;少なくとも1つのリガンド;少なくとも1つの不飽和有機重合体;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、当該触媒は、少なくとも1つの不飽和有機重合体のin situ架橋を促進し、その結果、膜が皮膚上に形成され、当該膜は自然な皮膚の外観となるような、本明細書で提供される組成物を含む。ある実施形態では、本明細書では、光処置後の被験体に塗布する配合物が提供され、当該配合物は、本明細書で提供される、触媒;少なくとも1つのカプセル化剤;少なくとも1つの不飽和有機重合体;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、当該触媒は、少なくとも1つの不飽和有機重合体のin situ架橋を促進し;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、その結果、膜が皮膚上に形成され、当該膜は自然な皮膚の外観となるような、組成物を含む。
【0351】
ある実施形態では、本明細書では、光処置後の被験体に塗布する配合物が提供され、当該配合物は、本明細書で提供される、触媒;少なくとも1つのリガンド;少なくとも1つのビニル官能化有機ポリシロキサン;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、当該触媒は、少なくとも1つのビニル官能化有機ポリシロキサンのin situ架橋を促進し;少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、その結果、皮膜が皮膚上に形成されその結果、膜が皮膚上に形成され、当該膜は自然な皮膚の外観となるような、組成物を含む。ある実施形態では、本明細書では、光処置後の被験体に塗布する配合物が提供され、当該配合物は、本明細書で提供される、触媒;少なくとも1つのカプセル化剤;少なくとも1つのビニル官能化有機ポリシロキサン;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、当該触媒は、少なくとも1つのビニル官能化有機ポリシロキサンのin situ架橋を促進し;少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、その結果、膜が皮膚上に形成され、当該膜は自然な皮膚の外観となるような、組成物を含む。
【0352】
ある実施形態では、本明細書では、光処置後の被験体を治療するための膜が提供され、以下の:a)触媒、少なくとも1つのリガンド、少なくとも1つの不飽和有機重合体及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、当該触媒が少なくとも1つの不飽和有機重合体のin situ架橋を促進し;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、その結果、皮膜が皮膚上に形成される、本明細書で提供される組成物を適用する工程を含む方法により調製される。ある実施形態では、本明細書では、光処置後の被験体を治療するための膜が提供され、以下の:a)触媒、少なくとも1つのカプセル化剤、少なくとも1つの不飽和有機重合体及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、当該触媒が少なくとも1つの不飽和有機重合体のin situ架橋を促進し;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、その結果、皮膜が皮膚上に形成される、本明細書で提供される組成物を適用する工程を含む方法により調製される。
【0353】
ある実施形態では、本明細書では、光処置後の被験体を治療するための膜が提供され、以下の:a)触媒、少なくとも1つのリガンド、少なくとも1つのビニル官能性オルガノポリシロキサン及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、当該触媒が少なくとも1つのビニル官能化有機ポリシロキサンのin situ架橋を促進し;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、その結果、皮膜が皮膚上に形成される、本明細書で提供される組成物を適用する工程を含む方法により調製される。ある実施形態では、本明細書では、光処置後の被験体を治療するための膜が提供され、以下の:a)触媒、少なくとも1つのカプセル化剤、少なくとも1つのビニル官能性オルガノポリシロキサン及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、当該触媒が少なくとも1つのビニル官能化有機ポリシロキサンのin situ架橋を促進し;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、その結果、皮膜が皮膚上に形成される、本明細書で提供される組成物を適用する工程を含む方法により調製される。
【0354】
ある実施形態では、本明細書では、光処置後の被験体に薬剤を送達する方法であって、触媒、少なくとも1つのリガンド、少なくとも1つの不飽和有機重合体及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、当該触媒が少なくとも1つの不飽和有機重合体のin situ架橋を促進し;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、その結果、皮膜が皮膚上に形成されることにより、当該薬剤が当該被験体に送達される、本明細書で提供される組成物を被験体に塗布することを含む、方法が提供される。ある実施形態では、本明細書では、光処置後の被験体に薬剤を送達する方法であって、触媒、少なくとも1つのカプセル化剤、少なくとも1つの不飽和有機重合体及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、当該触媒が少なくとも1つの不飽和有機重合体のin situ架橋を促進し;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、その結果、皮膜が皮膚上に形成されることにより、当該薬剤が当該被験体に送達される、本明細書で提供される組成物を被験体に塗布することを含む、方法が提供される。
【0355】
ある実施形態では、本明細書では、光処置後の被験体に薬剤を送達する方法であって、触媒、少なくとも1つのリガンド、少なくとも1つのビニル官能性オルガノポリシロキサン及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、当該触媒が少なくとも1つのビニル官能化有機ポリシロキサンのin situ架橋を促進し;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、その結果、皮膜が皮膚上に形成されることにより、当該薬剤が当該被験体に送達される、本明細書で提供される組成物を被験体に塗布することを含む、方法が提供される。ある実施形態では、本明細書では、光処置後の被験体に薬剤を送達する方法であって、触媒、少なくとも1つのカプセル化剤、少なくとも1つのビニル官能性オルガノポリシロキサン及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、当該触媒が少なくとも1つのビニル官能化有機ポリシロキサンのin situ架橋を促進し;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、その結果、皮膜が皮膚上に形成されることにより、当該薬剤が当該被験体に送達される、本明細書で提供される組成物を被験体に塗布することを含む、方法が提供される。
【0356】
ある実施形態では、本明細書では、治療が必要な被験体の光処置後の治療で用いられるキットが提供され、当該キットは、触媒、少なくとも1つのリガンド、少なくとも1つの不飽和有機重合体及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含む組成物;並びに使用説明書を含む。ある実施形態では、本明細書では、治療が必要な被験体の光処置後の治療で用いられるキットが提供され、当該キットは、触媒、少なくとも1つのカプセル化剤、少なくとも1つの不飽和有機重合体及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含む組成物;並びに使用説明書を含む。
【0357】
ある実施形態では、本明細書では、治療が必要な被験体の光処置後の治療で用いられるキットが提供され、当該キットは、触媒、少なくとも1つのリガンド、少なくとも1つのビニル官能性オルガノポリシロキサン及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含む組成物;並びに使用説明書を含む。ある実施形態では、本明細書では、治療が必要な被験体の光処置後の治療で用いられるキットが提供され、当該キットは、触媒、少なくとも1つのカプセル化剤、少なくとも1つのビニル官能性オルガノポリシロキサン及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含む組成物;並びに使用説明書を含む。
【0358】
ある実施形態では、本明細書では、少なくとも1つの予め選択された機能調節成分を含み、組成物を被験体へ塗布すると治療膜を形成する、被験体の光処置後に塗布する治療製剤である。
【0359】
ある実施形態では、本明細書では、被験体上の治療領域を標的とする当該被験体上の当該被験体の光処置後に適用する治療製剤が提供され、ここで、当該標的領域は、少なくとも部分的に光処置された領域を含み、少なくとも1つの予め選択された治療特異的成分を含み、ここで、組成物を当該被験体上の当該標的治療領域に塗布すると治療膜を形成する。
【0360】
ある実施形態では、本明細書では、光処置後の回復管理に用いられる治療用膜の除去に用いられる膜除去洗浄剤が提供され、当該膜は、触媒;少なくとも1つのリガンド;少なくとも1つの不飽和有機重合体;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、当該触媒は、少なくとも1つの不飽和有機重合体のin situ架橋を促進し、少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含む、本明細書で提供される組成物を適用する工程を含む方法により調製される。ある実施形態では、本明細書では、光処置後の回復管理に用いられる治療用膜の除去に用いられる膜除去洗浄剤が提供され、当該膜は、触媒;少なくとも1つのカプセル化剤;少なくとも1つの不飽和有機重合体;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、当該触媒は、少なくとも1つの不飽和有機重合体のin situ架橋を促進し;少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含む、本明細書で提供される組成物を適用する工程を含む方法により調製される。
【0361】
ある実施形態では、本明細書では、光処置後の回復管理に用いられる治療用膜の除去に用いられる膜除去洗浄剤が提供され、当該膜は、触媒;少なくとも1つのリガンド;少なくとも1つのビニル官能化有機ポリシロキサン;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、当該触媒は、少なくとも1つのビニル官能化有機ポリシロキサンのin situ架橋を促進し;少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含む、本明細書で提供される組成物を適用する工程を含む方法により調製される。ある実施形態では、本明細書では、光処置後の回復管理に用いられる治療用膜の除去に用いられる膜除去洗浄剤が提供され、当該膜は、触媒、少なくとも1つのカプセル化剤、少なくとも1つのビニル官能性オルガノポリシロキサン及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、当該触媒が少なくとも1つのビニル官能化有機ポリシロキサンのin situ架橋を促進し;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含む、本明細書で提供される組成物を適用する工程を含む方法により調製される。
【0362】
ある実施形態では、本明細書では、膜湿潤成分、浸透成分、膜膨張成分及び膜剥離成分を含む膜除去洗浄剤が提供される。
【0363】
ある実施形態では、本明細書では、被験体の光処置後に適用される治療用膜を修復するための配合物であって、当該配合物は、触媒、少なくとも1つのリガンド、少なくとも1つの不飽和有機重合体及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、当該触媒が少なくとも1つの不飽和有機重合体のin situ架橋を促進し;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、その結果、皮膜が皮膚上に形成される組成物を含む。一実施形態では、本明細書では、被験体の光処置後に適用される治療用膜を修復するための配合物であって、当該配合物は、触媒、少なくとも1つのカプセル化剤、少なくとも1つの不飽和有機重合体及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、当該触媒が少なくとも1つの不飽和有機重合体のin situ架橋を促進し;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、その結果、皮膜が皮膚上に形成される組成物を含む。
【0364】
ある実施形態では、本明細書では、被験体の光処置後に適用される治療用膜を修復するための配合物であって、当該配合物は、触媒、少なくとも1つのリガンド、少なくとも1つのビニル官能性オルガノポリシロキサン及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、当該触媒が少なくとも1つのビニル官能化有機ポリシロキサンのin situ架橋を促進し;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、その結果、皮膜が皮膚上に形成される組成物を含む。一実施形態では、本明細書では、被験体の光処置後に適用される治療用膜を修復するための配合物であって、当該配合物は、触媒、少なくとも1つのカプセル化剤、少なくとも1つのビニル官能性オルガノポリシロキサン及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、当該触媒が少なくとも1つのビニル官能化有機ポリシロキサンのin situ架橋を促進し;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、その結果、皮膜が皮膚上に形成される組成物を含む。
【0365】
ある実施形態では、本明細書では、光処置後の被験体に適用される治療用膜を修復する方法であって、以下の:a)修復の必要がある膜の領域を同定する工程;b)場合によっては、膜の端部を平滑化する工程;及びc)膜を修復するための配合物を適用する工程を含む方法が提供され、ここで、本明細書で提供される組成物は、触媒、少なくとも1つのリガンド、少なくとも1つの不飽和有機重合体及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、当該触媒が少なくとも1つの不飽和有機重合体のin situ架橋を促進し;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、その結果、皮膜が皮膚上に形成されることにより、当該治療用膜が修復される。一実施形態では、本明細書では、光処置後の被験体に適用される治療用膜を修復する方法であって、以下の:a)修復の必要がある膜の領域を同定する工程;b)場合によっては、膜の端部を平滑化する工程;及びc)膜を修復するための配合物を適用する工程を含む方法が提供され、ここで、本明細書で提供される組成物は、触媒、少なくとも1つのカプセル化剤、少なくとも1つの不飽和有機重合体及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、当該触媒が少なくとも1つの不飽和有機重合体のin situ架橋を促進し;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、その結果、皮膜が皮膚上に形成されることにより、当該治療用膜が修復される。
【0366】
ある実施形態では、本明細書では、光処置後の被験体に適用される治療用膜を修復する方法であって、以下の:a)修復の必要がある膜の領域を同定する工程;b)場合によっては、膜の端部を平滑化する工程;及びc)膜を修復するための配合物を適用する工程を含む方法が提供され、ここで、本明細書で提供される組成物は、触媒、少なくとも1つのリガンド、少なくとも1つのビニル官能性オルガノポリシロキサン及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、当該触媒が少なくとも1つのビニル官能化有機ポリシロキサンのin situ架橋を促進し;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、その結果、皮膜が皮膚上に形成されることにより、当該治療用膜が修復される。一実施形態では、本明細書では、光処置後の被験体に適用される治療用膜を修復する方法であって、以下の:a)修復の必要がある膜の領域を同定する工程;b)場合によっては、膜の端部を平滑化する工程;及びc)膜を修復するための配合物を適用する工程を含む方法が提供され、ここで、本明細書で提供される組成物は、触媒、少なくとも1つのカプセル化剤、少なくとも1つのビニル官能性オルガノポリシロキサン及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、当該触媒が少なくとも1つのビニル官能化有機ポリシロキサンのin situ架橋を促進し;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、その結果、皮膜が皮膚上に形成されることにより、当該治療用膜が修復される。
【0367】
ある実施形態では、本明細書では、光処置後管理に用いられる治療用膜を修復するためのキットが提供され、当該キットは、触媒、少なくとも1つのリガンド、少なくとも1つの不飽和有機重合体及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、当該触媒が少なくとも1つのビニル官能化有機ポリシロキサンのin situ架橋を促進し;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、その結果、皮膜が皮膚上に形成される。一実施形態では、本明細書では、光処置後管理に用いられる治療用膜を修復するためのキットが提供され、当該キットは、触媒、少なくとも1つのカプセル化剤、少なくとも1つの不飽和有機重合体及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、当該触媒が少なくとも1つのビニル官能化有機ポリシロキサンのin situ架橋を促進し;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、その結果、皮膜が皮膚上に形成される。
【0368】
ある実施形態では、本明細書では、光処置後管理に用いられる治療用膜を修復するためのキットが提供され、当該キットは、触媒、少なくとも1つのリガンド、少なくとも1つのビニル官能性オルガノポリシロキサン及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、当該触媒が少なくとも1つのビニル官能化有機ポリシロキサンのin situ架橋を促進し;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、その結果、皮膜が皮膚上に形成される。一実施形態では、本明細書では、光処置後管理に用いられる治療用膜を修復するためのキットが提供され、当該キットは、触媒、少なくとも1つのカプセル化剤、少なくとも1つのビニル官能性オルガノポリシロキサン及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、当該触媒が少なくとも1つのビニル官能化有機ポリシロキサンのin situ架橋を促進し;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、その結果、皮膜が皮膚上に形成される。
【0369】
ある実施形態では、本明細書では、化学的剥離処理後の被験体を処置する方法であって、本明細書で提供される組成物を被験体に塗布することを含み、当該組成物は、触媒、少なくとも1つのリガンド、少なくとも1つの不飽和有機重合体及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、当該触媒が少なくとも1つの不飽和有機重合体のin situ架橋を促進し;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、その結果、皮膜が皮膚上に形成されることにより、化学的剥離処理後の被験体を処置する方法が提供される。ある実施形態では、本明細書では、化学的剥離処理後の被験体を治療する方法であって、本明細書で提供される組成物を被験体に塗布することを含み、当該配合物は、触媒、少なくとも1つのカプセル化剤、少なくとも1つの不飽和有機重合体及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、当該触媒が少なくとも1つの不飽和有機重合体のin situ架橋を促進し;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、その結果、皮膜が皮膚上に形成されることにより、化学的剥離処理後の被験体を治療する方法が提供される。
【0370】
ある実施形態では、本明細書では、化学的剥離処理後の被験体を処置する方法であって、本明細書で提供される組成物を被験体に塗布することを含み、当該組成物は、触媒、少なくとも1つのリガンド、少なくとも1つのビニル官能性オルガノポリシロキサン及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、当該触媒が少なくとも1つのビニル官能化有機ポリシロキサンのin situ架橋を促進し;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、その結果、皮膜が皮膚上に形成されることにより、化学的剥離処理後に被験体を治療する方法が提供される。ある実施形態では、本明細書では、化学的剥離処理後の被験体を処置する方法であって、本明細書で提供される組成物を被験体に塗布することを含み、当該組成物は、触媒、少なくとも1つのカプセル化剤、少なくとも1つのビニル官能性オルガノポリシロキサン及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、当該触媒が少なくとも1つのビニル官能化有機ポリシロキサンのin situ架橋を促進し;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、その結果、皮膜が皮膚上に形成されることにより、化学的剥離処理後に被験体を治療する方法が提供される。
【0371】
ある実施形態では、本明細書では、被験体の化学的剥離処理後に塗布される膜を形成し、当該被験体の化学的剥離処理後の治癒を促進する非侵襲性配合物が提供される。ある実施形態では、本明細書では、当該配合物を用いる方法が提供される。ある実施形態では、本明細書では、当該膜を除去する洗浄剤が提供される。
【0372】
ある実施形態では、本明細書では、化学的剥離処理後の被験体を処置する組成物が提供され、当該組成物は、触媒;少なくとも1つのリガンド;少なくとも1つの不飽和有機重合体;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、当該触媒は、少なくとも1つの不飽和有機重合体のin situ架橋を促進し、その結果、膜が皮膚上に形成される。ある実施形態では、本明細書では、化学的剥離処理後の被験体を処置する組成物が提供され、当該組成物は、触媒;少なくとも1つのカプセル化剤;少なくとも1つの不飽和有機重合体;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、当該触媒は、少なくとも1つの不飽和有機重合体のin situ架橋を促進し;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、その結果、皮膜が形成される。
【0373】
ある実施形態では、本明細書では、化学的剥離処理後の被験体を処置する組成物が提供され、当該組成物は、触媒;少なくとも1つのリガンド;少なくとも1つのビニル官能化有機ポリシロキサン;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、当該触媒は、少なくとも1つのビニル官能化有機ポリシロキサンのin situ架橋を促進し;少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、その結果、皮膜が皮膚上に形成される。ある実施形態では、本明細書では、化学的剥離処理後の被験体を処置する組成物が提供され、当該組成物は、触媒;少なくとも1つのカプセル化剤;少なくとも1つのビニル官能化有機ポリシロキサン;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、当該触媒は、少なくとも1つのビニル官能化有機ポリシロキサンのin situ架橋を促進し、その結果、膜が皮膚上に形成される。
【0374】
ある実施形態では、本明細書では、被験体の化学的剥離処理後に適用するための、触媒;少なくとも1つのリガンド;少なくとも1つの不飽和有機重合体;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、当該触媒は、少なくとも1つの不飽和有機重合体のin situ架橋を促進し、その結果、膜が皮膚上に形成され、当該膜は自然な皮膚の外観となるような、本明細書で提供される組成物が提供される。ある実施形態では、本明細書では、被験体の化学的剥離処理後に適用するための、触媒;少なくとも1つのカプセル化剤;少なくとも1つの不飽和有機重合体;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、当該触媒は、少なくとも1つの不飽和有機重合体のin situ架橋を促進し;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、その結果、膜が皮膚上に形成され、当該膜は自然な皮膚の外観となるような、本明細書で提供される組成物が提供される。
【0375】
ある実施形態では、本明細書では、被験体の化学的剥離処理後に適用するための、触媒;少なくとも1つのリガンド;少なくとも1つのビニル官能化有機ポリシロキサン;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、当該触媒は、少なくとも1つのビニル官能化有機ポリシロキサンのin situ架橋を促進し;少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、その結果、皮膜が皮膚上に形成されその結果、膜が皮膚上に形成され、当該膜は自然な皮膚の外観となるような、本明細書で提供される組成物が提供される。ある実施形態では、本明細書では、被験体の化学的剥離処理後に適用するための、触媒;少なくとも1つのカプセル化剤;少なくとも1つのビニル官能化有機ポリシロキサン;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、当該触媒は、少なくとも1つのビニル官能化有機ポリシロキサンのin situ架橋を促進し;少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、その結果、膜が皮膚上に形成され、当該膜は自然な皮膚の外観となるような、本明細書で提供される組成物が提供される。
【0376】
ある実施形態では、本明細書では、化学的剥離処理後の被験体を処置する膜が提供され、以下の:a)触媒、少なくとも1つのリガンド、少なくとも1つの不飽和有機重合体及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、当該触媒が少なくとも1つの不飽和有機重合体のin situ架橋を促進し;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、その結果、皮膜が皮膚上に形成される、本明細書で提供される組成物を適用する工程を含む方法により調製される。ある実施形態では、本明細書では、化学的剥離処理後の被験体を処置する膜が提供され、以下の:a)触媒、少なくとも1つのカプセル化剤、少なくとも1つの不飽和有機重合体及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、当該触媒が少なくとも1つの不飽和有機重合体のin situ架橋を促進し;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、その結果、皮膜が皮膚上に形成される、本明細書で提供される組成物を適用する工程を含む方法により調製される。
【0377】
ある実施形態では、本明細書では、化学的剥離処理後の被験体を治療するための膜が提供され、以下の:a)触媒、少なくとも1つのリガンド、少なくとも1つのビニル官能性オルガノポリシロキサン及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、当該触媒が少なくとも1つのビニル官能化有機ポリシロキサンのin situ架橋を促進し;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、その結果、皮膜が皮膚上に形成される、本明細書で提供される組成物を適用する工程を含む方法により調製される。ある実施形態では、本明細書では、化学的剥離処理後の被験体を治療するための膜が提供され、以下の:a)触媒、少なくとも1つのカプセル化剤、少なくとも1つのビニル官能性オルガノポリシロキサン及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、当該触媒が少なくとも1つのビニル官能化有機ポリシロキサンのin situ架橋を促進し;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、その結果、皮膜が皮膚上に形成される、本明細書で提供される組成物を適用する工程を含む方法により調製される。
【0378】
ある実施形態では、本明細書では、化学的剥離処理後の被験体に薬剤を送達する方法であって、触媒、少なくとも1つのリガンド、少なくとも1つの不飽和有機重合体及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、場合によっては、さらに1つ以上の薬剤及びb)場合によっては1つ以上の薬剤を含む触媒を含む組成物を含み、当該触媒が少なくとも1つの不飽和有機重合体のin situ架橋を促進し;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、その結果、皮膜が皮膚上に形成されることにより、当該薬剤が当該被験体に送達される、本明細書で提供される組成物を被験体に塗布することを含む、方法が提供される。ある実施形態では、本明細書では、化学的剥離処理後の被験体に薬剤を送達する方法であって、触媒、少なくとも1つのカプセル化剤、少なくとも1つの不飽和有機重合体及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、場合によっては、さらに1つ以上の薬剤及びb)場合によっては1つ以上の薬剤を含む触媒を含む組成物を含み、当該触媒が少なくとも1つの不飽和有機重合体のin situ架橋を促進し;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、その結果、皮膜が皮膚上に形成されることにより、当該薬剤が当該被験体に送達される、本明細書で提供される組成物を被験体に塗布することを含む、方法が提供される。
【0379】
ある実施形態では、本明細書では、化学的剥離処理後の被験体に薬剤を送達する方法であって、触媒、少なくとも1つのリガンド、少なくとも1つのビニル官能性オルガノポリシロキサン及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、当該触媒が少なくとも1つの不飽和有機重合体のin situ架橋を促進し;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、その結果、皮膜が皮膚上に形成されることにより、当該薬剤が当該被験体に送達される、本明細書で提供される組成物を被験体に塗布することを含む、方法が提供される。ある実施形態では、本明細書では、化学的剥離処理後の被験体に薬剤を送達する方法であって、触媒、少なくとも1つのカプセル化剤、少なくとも1つのビニル官能性オルガノポリシロキサン及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、その結果、皮膜が皮膚上に形成されることにより、当該薬剤が当該被験体に送達される、本明細書で提供される組成物を被験体に塗布することを含む、方法が提供される。
【0380】
ある実施形態では、本明細書では、治療が必要な被験体の化学的剥離処理後の治療で用いられるキットが提供され、当該キットは、触媒、少なくとも1つのリガンド、少なくとも1つの不飽和有機重合体及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含む組成物;並びに使用説明書を含む。ある実施形態では、本明細書では、治療が必要な被験体の化学的剥離処理後の治療で用いられるキットが提供され、当該キットは、触媒、少なくとも1つのカプセル化剤、少なくとも1つの不飽和有機重合体及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含む組成物;並びに使用説明書を含む。
【0381】
ある実施形態では、本明細書では、治療が必要な被験体の化学的剥離処理後の治療で用いられるキットが提供され、当該キットは、触媒、少なくとも1つのリガンド、少なくとも1つのビニル官能性オルガノポリシロキサン及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含む組成物;並びに使用説明書を含む。ある実施形態では、本明細書では、治療が必要な被験体の化学的剥離処理後の治療で用いられるキットが提供され、触媒、少なくとも1つのカプセル化剤、少なくとも1つのビニル官能性オルガノポリシロキサン及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含む組成物;並びに使用説明書を含む。
【0382】
ある実施形態では、本明細書では、少なくとも1つの予め選択された機能調節成分を含み、組成物を被験体へ塗布すると治療膜を形成する、被験体の化学的剥離処理後に塗布する治療製剤である。
【0383】
ある実施形態では、本明細書では、被験体上の治療領域を標的とする当該被験体上の当該被験体の化学的剥離処理後に適用する治療製剤が提供され、ここで、当該標的領域は、少なくとも部分的にレーザー処理された領域を含み、少なくとも1つの予め選択された治療特異的成分を含み、ここで、組成物を当該被験体上の当該標的治療領域に塗布すると治療膜を形成する。
【0384】
ある実施形態では、本明細書では、化学的剥離処理後に用いられる治療用膜の除去に用いられる膜除去洗浄剤が提供され、当該膜は、触媒;少なくとも1つのリガンド;少なくとも1つの不飽和有機重合体;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、当該触媒は、少なくとも1つの不飽和有機重合体のin situ架橋を促進し、少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含む、本明細書で提供される組成物を適用する工程を含む方法により調製される。ある実施形態では、本明細書では、化学的剥離処理後に用いられる治療用膜の除去に用いられる膜除去洗浄剤が提供され、当該膜は、触媒;少なくとも1つのカプセル化剤;少なくとも1つの不飽和有機重合体;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、当該触媒は、少なくとも1つの不飽和有機重合体のin situ架橋を促進し;少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含む、本明細書で提供される組成物を適用する工程を含む方法により調製される。
【0385】
ある実施形態では、本明細書では、化学的剥離処理後に用いられる治療用膜の除去に用いられる膜除去洗浄剤が提供され、当該膜は、触媒;少なくとも1つのリガンド;少なくとも1つのビニル官能化有機ポリシロキサン;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、当該触媒は、少なくとも1つのビニル官能化有機ポリシロキサンのin situ架橋を促進し;少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含む、本明細書で提供される組成物を適用する工程を含む方法により調製される。ある実施形態では、本明細書では、化学的剥離処理後に用いられる治療用膜の除去に用いられる膜除去洗浄剤が提供され、当該膜は、触媒、少なくとも1つのカプセル化剤、少なくとも1つのビニル官能性オルガノポリシロキサン及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、当該触媒が少なくとも1つのビニル官能化有機ポリシロキサンのin situ架橋を促進し;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含む、本明細書で提供される組成物を適用する工程を含む方法により調製される。
【0386】
ある実施形態では、本明細書では、膜湿潤成分、浸透成分、膜膨張成分及び膜剥離成分を含む膜除去洗浄剤が提供される。
【0387】
ある実施形態では、本明細書では、被験体の化学的剥離処理後に適用される治療用膜を修復するための配合物であって、当該配合物は、触媒、少なくとも1つのリガンド、少なくとも1つの不飽和有機重合体及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、当該触媒が少なくとも1つの不飽和有機重合体のin situ架橋を促進し;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、その結果、皮膜が皮膚上に形成される組成物を含む。ある実施形態では、本明細書では、被験体の化学的剥離処理後に適用される治療用膜を修復するための配合物であって、当該配合物は、触媒、少なくとも1つのカプセル化剤、少なくとも1つの不飽和有機重合体及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、当該触媒が少なくとも1つの不飽和有機重合体のin situ架橋を促進し;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、その結果、皮膜が皮膚上に形成される組成物を含む。
【0388】
ある実施形態では、本明細書では、被験体の化学的剥離処理後に適用される治療用膜を修復するための配合物であって、当該配合物は、触媒、少なくとも1つのリガンド、少なくとも1つのビニル官能性オルガノポリシロキサン及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、当該触媒が少なくとも1つのビニル官能化有機ポリシロキサンのin situ架橋を促進し;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、その結果、皮膜が皮膚上に形成される組成物を含む。ある実施形態では、本明細書では、被験体の化学的剥離処理後に適用される治療用膜を修復するための配合物であって、当該配合物は、触媒、少なくとも1つのカプセル化剤、少なくとも1つのビニル官能性オルガノポリシロキサン及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、当該触媒が少なくとも1つのビニル官能化有機ポリシロキサンのin situ架橋を促進し;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、その結果、皮膜が皮膚上に形成される組成物を含む。
【0389】
ある実施形態では、本明細書では、化学的剥離処理後の被験体に適用される治療用膜を修復する方法であって、以下の:a)修復の必要がある膜の領域を同定する工程;b)場合によっては、膜の端部を平滑化する工程;及びc)膜を修復するための配合物を適用する工程を含む方法が提供され、ここで、本明細書で提供される組成物は、触媒、少なくとも1つのリガンド、少なくとも1つの不飽和有機重合体及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、当該触媒が少なくとも1つの不飽和有機重合体のin situ架橋を促進し;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、その結果、皮膜が皮膚上に形成されることにより、当該治療用膜が修復される。
ある実施形態では、本明細書では、化学的剥離処理後の被験体に適用される治療用膜を修復する方法であって、以下の:a)修復の必要がある膜の領域を同定する工程;b)場合によっては、膜の端部を平滑化する工程;及びc)膜を修復するための配合物を適用する工程を含む方法が提供され、ここで、本明細書で提供される組成物は、触媒、少なくとも1つのカプセル化剤、少なくとも1つの不飽和有機重合体及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、当該触媒が少なくとも1つの不飽和有機重合体のin situ架橋を促進し;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、その結果、皮膜が皮膚上に形成されることにより、当該治療用膜が修復される。
【0390】
ある実施形態では、本明細書では、化学的剥離処理後の被験体に適用される治療用膜を修復する方法であって、以下の:a)修復の必要がある膜の領域を同定する工程;b)場合によっては、膜の端部を平滑化する工程;及びc)膜を修復するための配合物を適用する工程を含む方法が提供され、ここで、本明細書で提供される組成物は、触媒、少なくとも1つのリガンド、少なくとも1つのビニル官能性オルガノポリシロキサン及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、当該触媒が少なくとも1つのビニル官能化有機ポリシロキサンのin situ架橋を促進し;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、その結果、皮膜が皮膚上に形成されることにより、当該治療用膜が修復される。ある実施形態では、本明細書では、化学的剥離処理後の被験体に適用される治療用膜を修復する方法であって、以下の:a)修復の必要がある膜の領域を同定する工程;b)場合によっては、膜の端部を平滑化する工程;及びc)膜を修復するための配合物を適用する工程を含む方法が提供され、ここで、本明細書で提供される組成物は、触媒、少なくとも1つのカプセル化剤、少なくとも1つのビニル官能性オルガノポリシロキサン及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、当該触媒が少なくとも1つのビニル官能化有機ポリシロキサンのin situ架橋を促進し;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、その結果、皮膜が皮膚上に形成されることにより、当該治療用膜が修復される。
【0391】
6.4 本明細書で提供される組成物及び方法と共に用いるキット
ある態様では、本明細書では、皮膚疾患がある被験体の治療に用いるキットが提供され、当該キットは、触媒、少なくとも1つのリガンド、少なくとも1つの不飽和有機重合体及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含む本明細書で提供される組成物並びに使用説明書を含む。ある態様では、本明細書では、皮膚疾患がある被験体の治療に用いるキットが提供され、当該キットは、触媒、少なくとも1つのカプセル化剤、少なくとも1つの不飽和有機重合体及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含む本明細書で提供される組成物並びに使用説明書を含む。
【0392】
ある実施形態では、本明細書では、皮膚疾患の治療のための治療用膜を修復するキットが提供され、当該キットは、触媒、少なくとも1つのリガンド、少なくとも1つの不飽和有機重合体及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、当該触媒が少なくとも1つのビニル官能化有機ポリシロキサンのin situ架橋を促進し;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、その結果、皮膜が皮膚上に形成される。ある実施形態では、本明細書では、皮膚疾患の治療のための治療用膜を修復するキットが提供され、当該キットは、触媒、少なくとも1つのカプセル化剤、少なくとも1つの不飽和有機重合体及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、当該触媒が少なくとも1つのビニル官能化有機ポリシロキサンのin situ架橋を促進し;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、その結果、皮膜が皮膚上に形成される。
【0393】
ある態様では、本明細書では、治療が必要な被験体のレーザー治療後の治療に用いるキットが提供され、当該キットは、触媒、少なくとも1つのリガンド、少なくとも1つの不飽和有機重合体及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含む本明細書で提供される組成物並びにc)使用説明書を含む。ある態様では、本明細書では、治療が必要な被験体のレーザー治療後の治療に用いるキットが提供され、当該キットは、触媒、少なくとも1つのカプセル化剤、少なくとも1つの不飽和有機重合体及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含む本明細書で提供される組成物並びにc)使用説明書を含む。
【0394】
ある実施形態では、本明細書では、レーザー治療後管理に用いられる治療用膜を修復するためのキットが提供され、当該キットは、触媒、少なくとも1つのリガンド、少なくとも1つの不飽和有機重合体及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、当該触媒が少なくとも1つのビニル官能化有機ポリシロキサンのin situ架橋を促進し;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、その結果、皮膜が皮膚上に形成される。ある実施形態では、本明細書では、レーザー治療後管理に用いられる治療用膜を修復するためのキットが提供され、当該キットは、触媒、少なくとも1つのカプセル化剤、少なくとも1つの不飽和有機重合体及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、当該触媒が少なくとも1つのビニル官能化有機ポリシロキサンのin situ架橋を促進し;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、その結果、皮膜が皮膚上に形成される。
【0395】
ある態様では、本明細書では、治療が必要な被験体の光処置後の治療に用いるキットが提供され、当該キットは、触媒、少なくとも1つのリガンド、少なくとも1つの不飽和有機重合体及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含む本明細書で提供される組成物並びに使用説明書を含む。ある態様では、本明細書では、治療が必要な被験体の光処置後の治療に用いるキットが提供され、当該キットは、触媒、少なくとも1つのカプセル化剤、少なくとも1つの不飽和有機重合体及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含む本明細書で提供される組成物並びに使用説明書を含む。
【0396】
ある実施形態では、本明細書では、光処置後管理に用いられる治療用膜を修復するためのキットが提供され、当該キットは、触媒、少なくとも1つのリガンド、少なくとも1つの不飽和有機重合体及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、当該触媒が少なくとも1つのビニル官能化有機ポリシロキサンのin situ架橋を促進し;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、その結果、皮膜が皮膚上に形成される。ある実施形態では、本明細書では、光処置後管理に用いられる治療用膜を修復するためのキットが提供され、当該キットは、触媒、少なくとも1つのカプセル化剤、少なくとも1つの不飽和有機重合体及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、当該触媒が少なくとも1つのビニル官能化有機ポリシロキサンのin situ架橋を促進し;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、その結果、皮膜が皮膚上に形成される。
【0397】
ある態様では、本明細書では、治療が必要な被験体の化学的剥離処理後の処置に用いるキットが提供され、当該キットは、触媒、少なくとも1つのリガンド、少なくとも1つの不飽和有機重合体及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含む本明細書で提供される組成物並びに使用説明書を含む。ある態様では、本明細書では、治療が必要な被験体の化学的剥離処理後の処置に用いるキットが提供され、当該キットは、触媒、少なくとも1つのカプセル化剤、少なくとも1つの不飽和有機重合体及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含む本明細書で提供される組成物並びに使用説明書を含む。
【0398】
ある実施形態では、本明細書では、化学的剥離処理後に用いられる治療用膜を修復するためのキットが提供され、当該キットは、触媒、少なくとも1つのリガンド、少なくとも1つの不飽和有機重合体及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、当該触媒が少なくとも1つのビニル官能化有機ポリシロキサンのin situ架橋を促進し;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、その結果、皮膜が皮膚上に形成される。ある実施形態では、本明細書では、化学的剥離処理後に用いられる治療用膜を修復するためのキットが提供され、当該キットは、触媒、少なくとも1つのカプセル化剤、少なくとも1つの不飽和有機重合体及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、当該触媒が少なくとも1つのビニル官能化有機ポリシロキサンのin situ架橋を促進し;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、その結果、皮膜が皮膚上に形成される。
【0399】
ある実施形態では、本明細書では、触媒、少なくとも1つのリガンド、少なくとも1つの不飽和有機重合体及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含む本明細書で提供される組成物を含む治療製剤を含むキットが提供される。ある態様では、当該キットは、さらに、当該キットの使用指示書、1つ以上のブラシ、1つ以上のスワブ、膜除去洗浄剤又はミラーを含む。ある態様では、当該キットは、さらに、1以上の仕上げ配合物を含む。ある態様では、本明細書で提供されるキットは、触媒、少なくとも1つのカプセル化剤、少なくとも1つの不飽和有機重合体及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含む本明細書で提供される組成物を含む治療製剤を含むキットが提供される。ある態様では、当該キットは、さらに、当該キットの使用指示書、1つ以上のブラシ、1つ以上のスワブ、膜除去洗浄剤又はミラーを含む。ある態様では、当該キットは、さらに、1以上の仕上げ配合物を含む。
【0400】
ある態様では、本明細書で提供されるキットは、皮膚疾患がある被験体の治療、又は被験体のレーザー治療若しくは光処置若しくはしくは化学的剥離処理の後の処置に用いるキットであり、当該キットは、触媒、少なくとも1つのリガンド、少なくとも1つの不飽和有機重合体及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含む本明細書で提供される組成物並びに使用説明書を含む。ある態様では、当該キットは、1以上のさらなる化粧料をさらに含む。ある態様では、当該キットは、さらに、1以上のさらなる治療剤を含む。ある態様では、当該キットは、1つ以上のブラシ、1つ以上のスワブ、膜除去洗浄剤又はミラーを含む。ある態様では、本明細書で提供されるキットは、皮膚疾患がある被験体の治療、又は被験体のレーザー治療若しくは光処置若しくはしくは化学的剥離処理の後の処置に用いるキットであり、当該キットは、触媒、少なくとも1つのカプセル化剤、少なくとも1つの不飽和有機重合体及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含む本明細書で提供される組成物並びに使用説明書を含む。ある態様では、当該キットは、1以上のさらなる化粧料をさらに含む。ある態様では、当該キットは、さらに、1以上のさらなる治療剤を含む。ある態様では、当該キットは、1つ以上のブラシ、1つ以上のスワブ、膜除去洗浄剤又はミラーを含む。
【0401】
ある実施形態では、本明細書では、触媒、少なくとも1つのリガンド、少なくとも1つの不飽和有機重合体及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、当該触媒が少なくとも1つの不飽和有機重合体のin situ架橋を促進し;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、その結果、皮膜が皮膚上に形成される組成物を含む。ある実施形態では、本明細書では、化粧料の膜を修復するためのキットが提供され、当該キットは、触媒、少なくとも1つのリガンド、少なくとも1つの不飽和有機重合体及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、当該触媒が少なくとも1つの不飽和有機重合体のin situ架橋を促進し;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、その結果、皮膜が皮膚上に形成される組成物を含む。ある実施形態では、本明細書では、治療用膜を修復するためのキットであって、が提供され、当該キットは、触媒、少なくとも1つのリガンド、少なくとも1つの不飽和有機重合体及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、当該触媒が少なくとも1つの不飽和有機重合体のin situ架橋を促進し;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、その結果、皮膜が皮膚上に形成される組成物を含む。
【0402】
ある実施形態では、本明細書では、触媒、少なくとも1つのカプセル化剤、少なくとも1つの不飽和有機重合体及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、当該触媒が少なくとも1つの不飽和有機重合体のin situ架橋を促進し;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、その結果、皮膜が皮膚上に形成される組成物を含む。ある実施形態では、本明細書では、化粧料の膜を修復するためのキットが提供され、当該キットは、触媒、少なくとも1つのカプセル化剤、少なくとも1つの不飽和有機重合体及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、当該触媒が少なくとも1つの不飽和有機重合体のin situ架橋を促進し;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、その結果、皮膜が皮膚上に形成される組成物を含む。ある実施形態では、本明細書では、治療用膜を修復するためのキットであって、が提供され、当該キットは、触媒、少なくとも1つのカプセル化剤、少なくとも1つの不飽和有機重合体及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、当該触媒が少なくとも1つの不飽和有機重合体のin situ架橋を促進し;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、その結果、皮膜が皮膚上に形成される組成物を含む。
【0403】
ある態様では、本明細書では、皮膚疾患がある被験体の治療に用いるキットが提供され、当該キットは、触媒、少なくとも1つのリガンド、少なくとも1つのビニル官能性オルガノポリシロキサン及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含む本明細書で提供される組成物並びに使用説明書を含む。ある態様では、本明細書では、皮膚疾患がある被験体の治療に用いるキットが提供され、当該キットは、触媒、少なくとも1つのカプセル化剤、少なくとも1つのビニル官能性オルガノポリシロキサン及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含む本明細書で提供される組成物並びに使用説明書を含む。
【0404】
ある実施形態では、本明細書では、皮膚疾患の治療のための治療用膜を修復するキットが提供され、当該キットは、触媒、少なくとも1つのリガンド、少なくとも1つのビニル官能性オルガノポリシロキサン及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、当該触媒が少なくとも1つのビニル官能化有機ポリシロキサンのin situ架橋を促進し;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、その結果、皮膜が皮膚上に形成される。ある実施形態では、本明細書では、皮膚疾患の治療のための治療用膜を修復するキットが提供され、当該キットは、触媒、少なくとも1つのカプセル化剤、少なくとも1つのビニル官能性オルガノポリシロキサン及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、当該触媒が少なくとも1つのビニル官能化有機ポリシロキサンのin situ架橋を促進し;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、その結果、皮膜が皮膚上に形成される。
【0405】
ある態様では、本明細書では、治療が必要な被験体のレーザー治療後の治療に用いるキットが提供され、当該キットは、触媒、少なくとも1つのリガンド、少なくとも1つのビニル官能性オルガノポリシロキサン及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含む本明細書で提供される組成物並びにc)使用説明書を含む。ある態様では、本明細書では、治療が必要な被験体のレーザー治療後の治療に用いるキットが提供され、当該キットは、触媒、少なくとも1つのカプセル化剤、少なくとも1つのビニル官能性オルガノポリシロキサン及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含む本明細書で提供される組成物並びにc)使用説明書を含む。
【0406】
ある実施形態では、本明細書では、レーザー治療後管理に用いられる治療用膜を修復するためのキットが提供され、当該キットは、触媒、少なくとも1つのリガンド、少なくとも1つのビニル官能性オルガノポリシロキサン及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、当該触媒が少なくとも1つのビニル官能化有機ポリシロキサンのin situ架橋を促進し;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、その結果、皮膜が皮膚上に形成される。ある実施形態では、本明細書では、レーザー治療後管理に用いられる治療用膜を修復するためのキットが提供され、当該キットは、触媒、少なくとも1つのカプセル化剤、少なくとも1つのビニル官能性オルガノポリシロキサン及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、当該触媒が少なくとも1つのビニル官能化有機ポリシロキサンのin situ架橋を促進し;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、その結果、皮膜が皮膚上に形成される。
【0407】
ある態様では、本明細書では、治療が必要な被験体の光処置後の治療に用いるキットが提供され、当該キットは、触媒、少なくとも1つのリガンド、少なくとも1つのビニル官能性オルガノポリシロキサン及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含む本明細書で提供される組成物並びに使用説明書を含む。ある態様では、本明細書では、治療が必要な被験体の光処置後の治療に用いるキットが提供され、当該キットは、触媒、少なくとも1つのカプセル化剤、少なくとも1つのビニル官能性オルガノポリシロキサン及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含む本明細書で提供される組成物並びに使用説明書を含む。
【0408】
ある実施形態では、本明細書では、光処置後管理に用いられる治療用膜を修復するためのキットが提供され、当該キットは、触媒、少なくとも1つのリガンド、少なくとも1つのビニル官能性オルガノポリシロキサン及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、当該触媒が少なくとも1つのビニル官能化有機ポリシロキサンのin situ架橋を促進し;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、その結果、皮膜が皮膚上に形成される。ある実施形態では、本明細書では、光処置後管理に用いられる治療用膜を修復するためのキットが提供され、当該キットは、触媒、少なくとも1つのカプセル化剤、少なくとも1つのビニル官能性オルガノポリシロキサン及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、当該触媒が少なくとも1つのビニル官能化有機ポリシロキサンのin situ架橋を促進し;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、その結果、皮膜が皮膚上に形成される。
【0409】
ある態様では、本明細書では、治療が必要な被験体の化学的剥離処理後の処置に用いるキットが提供され、当該キットは、触媒、少なくとも1つのリガンド、少なくとも1つのビニル官能性オルガノポリシロキサン及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含む本明細書で提供される組成物並びに使用説明書を含む。ある態様では、本明細書では、治療が必要な被験体の化学的剥離処理後の処置に用いるキットが提供され、当該キットは、触媒、少なくとも1つのカプセル化剤、少なくとも1つのビニル官能性オルガノポリシロキサン及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含む本明細書で提供される組成物並びに使用説明書を含む。
【0410】
ある実施形態では、本明細書では、化学的剥離処理後に用いられる治療用膜を修復するためのキットが提供され、当該キットは、触媒、少なくとも1つのリガンド、少なくとも1つのビニル官能性オルガノポリシロキサン及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、当該触媒が少なくとも1つのビニル官能化有機ポリシロキサンのin situ架橋を促進し;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、その結果、皮膜が皮膚上に形成される。ある実施形態では、本明細書では、化学的剥離処理後に用いられる治療用膜を修復するためのキットが提供され、当該キットは、触媒、少なくとも1つのカプセル化剤、少なくとも1つのビニル官能性オルガノポリシロキサン及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、当該触媒が少なくとも1つのビニル官能化有機ポリシロキサンのin situ架橋を促進し;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、その結果、皮膜が皮膚上に形成される。
【0411】
ある実施形態では、本明細書では、触媒、少なくとも1つのリガンド、少なくとも1つのビニル官能性オルガノポリシロキサン及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含む本明細書で提供される組成物を含む治療製剤を含むキットが提供される。ある態様では、当該キットは、さらに、当該キットの使用指示書、1つ以上のブラシ、1つ以上のスワブ、膜除去洗浄剤又はミラーを含む。ある態様では、当該キットは、さらに、1以上の仕上げ配合物を含む。ある態様では、本明細書で提供されるキットは、触媒、少なくとも1つのカプセル化剤、少なくとも1つのビニル官能性オルガノポリシロキサン及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含む本明細書で提供される組成物を含む治療製剤を含むキットが提供される。ある態様では、当該キットは、さらに、当該キットの使用指示書、1つ以上のブラシ、1つ以上のスワブ、膜除去洗浄剤又はミラーを含む。ある態様では、当該キットは、さらに、1以上の仕上げ配合物を含む。
【0412】
ある態様では、本明細書で提供されるキットは、皮膚疾患がある被験体の治療、又は被験体のレーザー治療若しくは光処置若しくはしくは化学的剥離処理の後の処置に用いるキットであり、当該キットは、触媒、少なくとも1つのリガンド、少なくとも1つのビニル官能性オルガノポリシロキサン及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含む本明細書で提供される組成物並びに使用説明書を含む。ある態様では、当該キットは、1以上のさらなる化粧料をさらに含む。ある態様では、当該キットは、さらに、1以上のさらなる治療剤を含む。ある態様では、当該キットは、1つ以上のブラシ、1つ以上のスワブ、膜除去洗浄剤又はミラーを含む。ある態様では、本明細書で提供されるキットは、皮膚疾患がある被験体の治療、又は被験体のレーザー治療若しくは光処置若しくはしくは化学的剥離処理の後の処置に用いるキットであり、当該キットは、触媒、少なくとも1つのカプセル化剤、少なくとも1つのビニル官能性オルガノポリシロキサン及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含む本明細書で提供される組成物並びに使用説明書を含む。ある態様では、当該キットは、1以上のさらなる化粧料をさらに含む。ある態様では、当該キットは、さらに、1以上のさらなる治療剤を含む。ある態様では、当該キットは、1つ以上のブラシ、1つ以上のスワブ、膜除去洗浄剤又はミラーを含む。
【0413】
ある実施形態では、本明細書では、触媒、少なくとも1つのリガンド、少なくとも1つのビニル官能性オルガノポリシロキサン及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、当該触媒が少なくとも1つのビニル官能性オルガノポリシロキサンのin situ架橋を促進し;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、その結果、皮膜が皮膚上に形成される組成物を含む。ある実施形態では、本明細書では、化粧料の膜を修復するためのキットが提供され、当該キットは、触媒、少なくとも1つのリガンド、少なくとも1つのビニル官能性オルガノポリシロキサン及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、当該触媒が少なくとも1つのビニル官能性オルガノポリシロキサンのin situ架橋を促進し;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、その結果、皮膜が皮膚上に形成される組成物を含む。ある実施形態では、本明細書では、治療用膜を修復するためのキットであって、が提供され、当該キットは、触媒、少なくとも1つのリガンド、少なくとも1つのビニル官能性オルガノポリシロキサン及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、当該触媒が少なくとも1つのビニル官能性オルガノポリシロキサンのin situ架橋を促進し;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、その結果、皮膜が皮膚上に形成される組成物を含む。
【0414】
ある実施形態では、本明細書では、触媒、少なくとも1つのカプセル化剤、少なくとも1つのビニル官能性オルガノポリシロキサン及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、当該触媒が少なくとも1つのビニル官能性オルガノポリシロキサンのin situ架橋を促進し;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、その結果、皮膜が皮膚上に形成される組成物を含む。ある実施形態では、本明細書では、化粧料の膜を修復するためのキットが提供され、当該キットは、触媒、少なくとも1つのカプセル化剤、少なくとも1つのビニル官能性オルガノポリシロキサン及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、当該触媒が少なくとも1つのビニル官能性オルガノポリシロキサンのin situ架橋を促進し;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、その結果、皮膜が皮膚上に形成される組成物を含む。ある実施形態では、本明細書では、治療用膜を修復するためのキットであって、が提供され、当該キットは、触媒、少なくとも1つのカプセル化剤、少なくとも1つのビニル官能性オルガノポリシロキサン及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、当該触媒が少なくとも1つのビニル官能性オルガノポリシロキサンのin situ架橋を促進し;及び少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサンを含み、その結果、皮膜が皮膚上に形成される組成物を含む。
【0415】
特に断らない限り、本明細書に開示されている組成物、層及び/又は装置のすべての特性は、室温(約22~25℃)及び約1気圧の空気圧で測定される。
【0416】
6.5 本明細書で提供される組成物及び方法により作製された膜の特性
一実施形態では、本明細書で提供される組成物により形成された膜は、約24時間以上、皮膚上で実質的に無傷のままである。
【0417】
一実施形態では、本明細書で提供される組成物により形成された膜は、通常の日常活動及び/又は要求の厳しい活動によっても、約24時間以上、皮膚上で実質的に無傷のままである。
【0418】
一実施形態では、本明細書で提供される組成物により形成された膜は、通常の日常活動及び/又は要求の厳しい活動によっても、約24時間以上、当該皮膚の領域又は質量の、少なくとも約50%が無傷、少なくとも約60%が無傷、少なくとも約70%が無傷、少なくとも約80%が無傷、少なくとも約90%が無傷、又は少なくとも約95%が無傷、のままである。
【0419】
一実施形態では、本明細書で提供される組成物により形成された膜は、通常の日常活動及び/又は要求の厳しい活動によっても、約24時間より長く、約30時間より長く、約36時間より長く、約48時間より長く、約60時間より長く、約72時間より長く、約84時間より長く、約96時間より長く、約120時間より長く、約144時間より長く、又は約168時間より長く、当該皮膚上で実質的に無傷のままである。
【0420】
一実施形態では、本明細書で提供される組成物により形成された膜は、通常の日常活動及び/又は要求の厳しい活動によっても、約24時間より長く、約30時間より長く、約36時間より長く、約48時間より長く、約60時間より長く、約72時間より長く、約84時間より長く、約96時間より長く、約120時間より長く、約144時間より長く、又は約168時間より長く、当該皮膚の領域又は質量の、少なくとも約50%が無傷、少なくとも約60%が無傷、少なくとも約70%が無傷、少なくとも約80%が無傷、少なくとも約90%が無傷、又は少なくとも約95%が無傷、のままである。
【0421】
一実施形態では、本明細書で提供される組成物により形成された膜は、通常の日常活動及び/又は皮膚試験膜耐久性により決定される要求される活動によっても、約24時間より長く、約30時間より長く、約36時間より長く、約48時間より長く、約60時間より長く、約72時間より長く、約84時間より長く、約96時間より長く、約120時間より長く、約144時間より長く、又は約168時間より長く、当該皮膚上で実質的に無傷のままである。
【0422】
一実施形態では、本明細書で提供される組成物により形成された膜は、通常の日常活動及び/又は皮膚試験膜耐久性により決定される要求される活動によっても、約24時間より長く、約30時間より長く、約36時間より長く、約48時間より長く、約60時間より長く、約72時間より長く、約84時間より長く、約96時間より長く、約120時間より長く、約144時間より長く、又は約168時間より長く、当該皮膚の領域又は質量の、少なくとも約50%が無傷、少なくとも約60%が無傷、少なくとも約70%が無傷、少なくとも約80%が無傷、少なくとも約90%が無傷、又は少なくとも約95%が無傷、のままである。
【0423】
一実施形態では、本明細書で提供される組成物により形成された膜のセットタッチ時間(set-to-touch time)は、約30秒より大きく約7分未満、約30秒より大きく約4分未満、約30秒より大きく約2分未満、又は約2分である。
【0424】
一実施形態では、本明細書で提供される組成物により形成された膜のセットタッチ時間は、膜試験のセットタッチ時間で測定して、約30秒より大きく約7分未満、約30秒より大きく約4分未満、約30秒より大きく約2分未満、又は約2分である。
【0425】
一実施形態では、本明細書で提供される組成物により形成された膜の平均厚は、約1000ミクロン未満、約100ミクロン未満、約0.5~約100ミクロン、約1~約90ミクロン、約10~約80ミクロン、約30~約70ミクロン、約40~約60ミクロン、又は約50ミクロンである。
【0426】
一実施形態では、本明細書で提供される組成物により形成された膜の平均厚は、Cowhide Tooling皮革を用いたASTM D3767試験で測定して、約1000ミクロン未満、約100ミクロン未満、約0.5~約100ミクロン、約1~約90ミクロン、約10~約80ミクロン、約30~約70ミクロン、約40~約60ミクロン、又は約50ミクロンである。
【0427】
一実施形態では、当該組成物によりインビトロで形成された膜は、皮剥離接着性試験によって測定した場合の皮接着力が、約30 N/mmより大きく、約60 N/mmより大きく、約80 N/mmより大きく、約100 N/mmより大きく、又は200 N/mmより大きい。
【0428】
一実施形態では、当該組成物によりインビトロで形成された膜は、熱、冷、風、水、湿度、体液(例えば、血液、膿/酒精液、尿、唾液、喀痰、涙、精液、ミルク、膣分泌物、皮脂、生理食塩水、海水、石鹸水、洗剤水、又は塩素化水又はそれらの組み合わせから選択される環境因子に当該試験膜を曝露すると、ASTM D2765-95試験で測定して、形成後約1時間~約168時間の時点での質量の増加は、約10%未満、約5未満、又は約1%未満である。
【0429】
一実施形態では、当該組成物によりインビトロで形成された膜の引張強度は、繰返伸長引張試験で測定して、約0.25MPaより大きく、約0.5MPaより大きく、約1.0MPaより大きく、又は約2.0MPa大きく、かつ、一実施形態では、当該膜の引張強度は、約5MPa未満か、又は一実施形態では、当該膜の引張強度は、約3.0MPaである。
【0430】
一実施形態では、当該組成物によりインビトロで形成された膜の破壊ひずみは、繰返伸長引張試験で測定して、約100%より大きく、約200%より大きく、約400%より大きく、約600%より大きく、約800%より大きく、約1000%より大きく、約1200%より大きく、又は約1500%より大きく。
【0431】
一実施形態では、当該組成物によりインビトロで形成された膜の引張係数は、繰返伸長引張試験で測定して、約0.01~約40MPa、約0.05~約20MPa、約0.1~約10MPa、約0.1~約5MPa、約0.1~約1MPa、約0.25~約0.75MPa、又は約0.5MPaである。
【0432】
一実施形態では、当該組成物によりインビトロで形成された膜の剪断弾性率は、繰返伸長引張試験で測定して、約0.05~約10MPa、約0.1~約5MPa、約0.1~約1MPa、約0.25~約0.75MPa、又は約0.5MPaである。
【0433】
一実施形態では、当該組成物によりインビトロで形成された膜の環状引張残留歪は、繰返伸長引張試験で測定して、約10%未満、約5%未満、約2.5%未満、約1%未満、約0.5%未満、約0.25%未満、又は約0.1%未満である。
【0434】
一実施形態では、当該組成物によりインビトロで形成された膜の周期的引張ヒステリシス損失エネルギーは、繰返伸長引張試験で測定して、約1kJ/m3未満、約0.5未満、kJ/m3未満、又は約0.2kJ/m3未満である。
【0435】
一実施形態では、当該組成物によりインビトロで形成された膜の破壊靭性は、繰返伸長引張試験で測定して、約500kJ/m3より大きく、約5,000kJ/m3より大きく、約10,000kJ/m3より大きく、又は約50,000kJ/m3より大きい。
【0436】
一実施形態では、当該組成物によりインビトロで形成された膜の酸素透過速度は、ASTM F2622試験で測定して、約5×10-9cm3/(cm2秒)、約5×10-7cm3/(cm2秒)、約5×10-5cm3/(cm2秒)、約5×10-4cm3/(cm2秒)、約5×10-3cm3/(cm2秒)、約5×10-2cm3/(cm2秒)、又は約0.9cm3/(cm2秒)より大きく、かつ、一実施形態では、当該膜の酸素透過速度は、約5cm3/(cm2秒)未満である。
【0437】
一実施形態では、当該組成物によりインビトロで形成された膜の酸素透過性は、ASTM F2622試験で測定して、約5×10-11cm3/(cm2秒 cm Hg)、約5×10-9cm3/(cm2秒 cm Hg)、約5×10-7cm3/(cm2秒 cm Hg)、約5×10-6cm3/(cm2秒 cm Hg)、5×10-5cm3/(cm2秒 cm Hg)、約5×10-4cm3/(cm2秒 cm Hg)、約5×10-3cm3/(cm2秒 cm Hg)、約又は5×10-2cm3/(cm2秒 cm Hg)より大きく、かつ、一実施形態では、当該膜の酸素透過性は、約0.5cm3/(cm2秒 cm Hg)未満である。
【0438】
一実施形態では、当該組成物によりインビトロで形成された膜の酸素透過係数は、ASTM F2622試験で測定して、約5×10-4バレルより大きく、約5×10-2バレルより大きく、約5バレルより大きく、約50バレルより大きく、約500バレルより大きく、又は約5,000バレルより大きく、かつ、一実施形態では、当該膜の酸素透過係数は、約20,000バレル未満である。
【0439】
一実施形態では、当該組成物によりインビトロで形成された膜の水蒸気透過速度は、ASTM F1249試験で測定して、約1×10-9cm3/(cm2秒)、約1×10-8cm3/(cm2秒)、約1×10-7cm3/(cm2秒)、1×10-6cm3/(cm2秒)、約1×10-5cm3/(cm2秒)、又は約1×10-4cm3/(cm2秒)をより大きくえ、かつ、一実施形態では、該膜の水蒸気透過速度は、約10-1cm3/(cm2秒)未満又は約10-2cm3/(cm2秒)未満である。
【0440】
一実施形態では、当該組成物によりインビトロで形成された膜の水蒸気透過性は、ASTM F1249試験で測定して、約1×10-11cm3/(cm2秒 cm Hg)より大きく、約1×10-10cm3/(cm2秒 cm Hg)より大きく、約1×10-9cm3/(cm2秒 cm Hg)より大きく、約1×10-8cm3/(cm2秒 cm Hg)より大きく、約1×10-7cm3/(cm2秒 cm Hg)より大きく、かつ、一実施形態では、当該膜の水蒸気透過性は、約2×10-3cm3/(cm2秒 cm Hg)未満、又は約2×10-2cm3/(cm2秒 cm Hg)未満である。
【0441】
一実施形態では、当該組成物によりインビトロで形成された膜の水蒸気透過係数は、ASTM F1249試験で測定して、約1×10-3バレルより大きく、約0.01バレルより大きく、約0.1バレルより大きく、約1バレルより大きく、約10バレルより大きく、約100バレルより大きく、約1×103バレルより大きく、又は約1×104バレルより大きく、かつ、一実施形態では、当該膜の水蒸気透過係数は、約1×106バレル未満又は約1×105バレル未満である。
【0442】
一実施形態では、前記膜の経上皮水分喪失は、当該組成物の塗布後約1時間~約168時間の時点で、蒸発計を用いた経上皮水分喪失(TEWL)測定試験で測定すると、約40g/(m2時間)未満、約20g/(m2時間)未満、約10g/(m2時間)未満、約5g/(m2時間)未満、又は約1g/(m2時間)未満である。
【0443】
一実施形態では、前記膜コメオメーターの皮膚水和物は、当該組成物の塗布後約1時間~約168時間の時点で、コルネオメーターを用いてドブレブ法で測定すると、約20より大きいいかなるユニット、約40より大きいいかなるユニット、約60より大きいいかなるユニット、又は約80より大きいいかなるユニットである。
【0444】
一実施形態では、前記膜の皮膚水和は、当該組成物の塗布後約1時間~約168時間の時点で、コンダクタンス又はインピーダンス計を用いてClarys法で測定すると、約20マイクロシーメンスより大きく、約50マイクロシーメンスより大きく、約100マイクロシーメンスより大きく、約200マイクロシーメンスより大きく、又は約400マイクロシーメンスより大きい。
【0445】
一実施形態では、前記膜の皮膚収縮時間は、当該組成物の塗布後約1時間~約168時間の時点で、キュートメーター又は吸引カップを用いたドブレブ法で測定すると、約5%減少し、約10%減少し、約25%減少し、約50%減少し、又は約75%減少する。
【0446】
一実施形態では、当該組成物によってインビトロで形成された膜を、天然色のCowhide Tooling皮革を基質として用いるASTM D523試験で測定すると、当該組成物で処理された領域の光沢及び/又は光沢の変化が約20%未満、約10%未満、又は約5%未満である。
【0447】
一実施形態では、該組成物で処理された領域の色L*スケール変化は、天然色のCowhide Tooling皮革を基材として用いるASTM E313試験で測定すると、約2未満、約1.5未満、約1未満、又は約0.5未満である。
【0448】
一実施形態では、当該組成物によりインビトロで形成された膜の当該組成物で処理された領域の色a*スケール変化は、天然色のCowhide Tooling皮革を基材として用いるASTM E313試験で測定すると、約2未満、約1.5未満、約1未満、又は約0.5未満である。
【0449】
一実施形態では、当該組成物によりインビトロで形成された膜の当該組成物で処理された領域の色b*スケール変化は、天然色のCowhide Tooling皮革を基材として用いるASTM E313試験で測定すると、該組成物によってインビトロで形成された膜は、約2未満、約1.5未満、約1未満、又は約0.5未満である。
【0450】
一実施形態では、前記組成物によってインビトロで形成された膜の引張強度は、繰返伸長引張試験で測定して、約0.01MPa~約10MPaである。
【0451】
一実施形態では、前記組成物によってインビトロで形成された膜の引張強度は、繰返伸長引張試験で測定して、約0.1MPa~約2.5MPaである。
【0452】
一実施形態では、前記組成物によってインビトロで形成された膜の破壊歪みは、繰返伸長引張試験で測定して、約10%~約1500%である。
【0453】
一実施形態では、前記組成物によってインビトロで形成された膜の破壊歪みは、繰返伸長引張試験で測定して、約10%~約600%である。
【0454】
一実施形態では、前記組成物によってインビトロで形成された膜の引張弾性率は、繰返伸長引張試験で測定して、約0.01~約10MPaである。
【0455】
一実施形態では、前記組成物によってインビトロで形成された膜の引張係数は、繰返伸長引張試験で測定して、約0.01~約2.5MPaであり、かつ、一実施形態では、当該組成物によりインビトロで形成された膜の環状引張残留歪は、約0.1%~約10%である。
【0456】
一実施形態では、前記組成物によってインビトロで形成された膜の繰返し引張残留歪は、繰返伸長引張試験で測定して、約0.1%~約5%である。
【0457】
一実施形態では、前記組成物によってインビトロで形成された膜繰返引張ヒステリシス損失エネルギーは、繰返伸長引張試験で測定して、約0.01kJ/m3~約1kJ/m3である。
【0458】
一実施形態では、前記組成物によってインビトロで形成された膜の繰返引張ヒステリシス損失エネルギーは、繰返伸長引張試験で測定して、約0.05kJ/m3~約0.5kJ/m3である。
【0459】
一実施形態では、前記組成物によってインビトロで形成された膜の破壊靭性は、繰返伸長引張試験で測定して、約500kJ/m3~約50,000kJ/m3である。
【0460】
一実施形態では、前記組成物によってインビトロで形成された膜の破壊靭性は、繰返伸長引張試験で測定して、約1,000kJ/m3~約12,000kJ/m3である。
【0461】
一実施形態では、前記組成物によってインビトロで形成された膜の酸素透過速度は、ASTM F2622試験で測定すると、約0.5cm3/(cm2秒)である。
【0462】
一実施形態では、前記組成物によってインビトロで形成された膜の酸素透過速度は、ASTM F2622試験で測定すると、約0.18cm3/(cm2秒)より大きい。
【0463】
一実施形態では、前記組成物によってインビトロで形成された膜の酸素透過性は、ASTM F2622試験で測定すると、約0.005cm3/(cm2秒 cm Hg)である。
【0464】
一実施形態では、前記組成物によってインビトロで形成された膜の酸素透過性は、ASTM F2622試験で測定すると、約0.002cm3/(cm2秒 cm Hg)より大きい。
【0465】
一実施形態では、前記組成物によってインビトロで形成された膜の酸素透過係数は、ASTM F2622試験で測定すると、約3.5×105バラー(Barrer)である。
【0466】
一実施形態では、前記組成物によってインビトロで形成された膜の酸素透過係数は、ASTM F2622試験で測定すると、約14×105バラーより大きい。
【0467】
一実施形態では、前記組成物によってインビトロで形成された膜の水蒸気透過速度は、ASTM F1249試験で測定すると、約5×10-4cm3/(cm2秒)である。
【0468】
一実施形態では、前記組成物によってインビトロで形成された膜の水蒸気透過速度は、ASTM F1249試験で測定すると、約5×10-5cm3/(cm2秒)より大きい。
【0469】
一実施形態では、前記組成物によってインビトロで形成された膜の水蒸気透過速度は、ASTM F1249試験で測定すると、約5×10-6cm3/(cm2秒 cm Hg)である。
【0470】
一実施形態では、前記組成物によってインビトロで形成された膜の水蒸気透過性は、ASTM F1249試験により決定されるように、約5×10-7cm3/(cm2秒 cm Hg)より大きい。
【0471】
一実施形態では、前記組成物によってインビトロで形成された膜の水蒸気透過係数は、ASTM F1249試験で測定すると、約350バラーである。
【0472】
一実施形態では、前記組成物によってインビトロで形成された膜の水蒸気透過係数は、ASTM F1249試験で測定すると、約35バレルより大きい。
【0473】
6.6 本明細書で提供される組成物及び方法で用いるアッセイ
特定の実施態様では、例えば、組成物を被験体の皮膚に塗布することで、本明細書に記載された組成物から得られる膜には、特定の特性がある。以下のアッセイを用いて、本明細書で提供される組成物及び方法で生成された膜の特性を実証することができる。
【0474】
6.6.1 レオメータ粘度測定試験
以下の試験方法を用いて、20mm平行平板形状を取り付けたBohlin CVO100レオメータ(Malvern Instruments)を用いて、0.5s-1での液体材料の動的粘度(Pa・s)を測定することができる。粘度測定には同様のレオメータを用いることができる。試験した各材料について、少なくとも3つの試料を測定し、測定した平均粘度及び標準偏差を記録する。
【0475】
1検体あたり約1gが必要である。試料を目視検査し、試料が均一に見えることを確認する。Bohlin レオメータと温度コントローラの電源を入れ、Bohlinソフトウェアを起動し、粘度安定性試験テンプレートをロードし、幾何学的形状を取り付け、装置をゼロにする。幾何学的形状とプレートの両方が清潔であることを確認する。これは正確な試験結果を得るのに不可欠である。試験試料約1gをレオメータの底板に幾何学的形状の下方を中心としたマウンドに置く。ジオメトリを正しいギャップ(約250mm)まで下げる。スパチュラの平らな端を用いて、幾何学的形状の側面から余分な試料をすべて洗浄する。試験を開始し、試験終了後粘度(Pa・s)データを記録する。
【0476】
ある実施形態では、本明細書に提供される組成物及び方法で生成された膜は、特定の動的粘度を有する。ある実施形態では、当該動的粘度は、本明細書で提供されるレオメータ粘度測定試験のアッセイを用いて測定することができる。
【0477】
6.6.2 皮膚試験における膜の耐久性
試験組成物の塗布 健常被験体(3名以上)は、年齢、人種、性別に関係なく選択する。試験は室温、相対湿度約50%で行う。標準テンプレートをガイドとして用い、4×4cm2の四角形の輪郭を選択した前腕の掌側領域に描く。天秤を用いて、試験組成物の適当量(例えば、約0.1g~約0.3g)を秤量ボートに計量する。試験組成物を前腕の4×4cm2の正方形の上に指先で均一に塗布する。指先にはコットをつけることが望ましい。正方形のすべての領域が組成物で覆われていることを確認する。
【0478】
測定組成物を、約15分間、その領域に無処置で静置する。その後、被験体は日常活動を再開してよい。被験体は、運動、水泳、蒸気室、サウナ等の要求の厳しい日常活動又は日常活動のみを行うことができる。各要求活動のタイプと長さが記録される。被験組成物により形成された層は、皮膚上に約24時間以上放置される。組成物の塗布後の特定の時点で、各々0.5×0.5cm2の8×8正方形グリッド(合計64正方形)を用いて皮膚上の無傷領域の比率を測定することにより層の耐久性を評価する。4×4cm2四方の領域の外側の余分な層は、評価では考慮されない。各正方形は、層の目に見える欠陥、例えば、継ぎ目、剥離、亀裂、及び/又は剥離がない場合にのみ耐久性があるとみなされる。観察結果を記録する。
【0479】
ある実施形態では、本明細書に提供される組成物及び方法で生成された膜には、特定の膜耐久性が備わる。ある実施形態では、膜耐久性は、本明細書で提供される皮膚試験における膜耐久性のアッセイを用いて決定することができる。
【0480】
6.6.3 膜試験のセットタッチ時間及び非粘着時間
この方法はASTM D5895-03「機械的記録装置を用いた有機コーティングの膜形成中の乾燥又は硬化の評価」を改変した。選択された被験者への試験組成物の材料及び塗布は、「皮膚膜試験」の記載と同様である。この試験は、ヒトの皮膚の代わりに他の基質、例えば天然色のCowhide Tooling皮革、ポリウレタン、又はポリプロピレン基質に対しても実施することができ、同様の結果が得られる。試験された各組成物について、少なくとも3つの試料を試験し、測定された平均のセットタッチ時間、平均の非粘着時間及び標準偏差を記録する。
【0481】
測定試験組成物を前腕の試験領域全体に塗布した時点でタイマーを開始する。組成物を、一定時間、例えば、30秒又は1分間、その領域に無処置で静置する。ある時点で、試験区域の片方のコーナーに指先で軽く触れ、視覚的に評価する。まず、指先の被験物質の有無(セットタッチ時間)、次に、指先で引き上げられた膜面の有無(膜試験の非粘着時間)を評価する。試験区域の未処理部分について、15秒毎、30秒毎、1分間等の一定の時間間隔で指先の評価を繰り返す。指先で試験組成物が観察されない時間を試験組成物の「セットタッチ時間」とし、指先で膜面が引き上げられない時間を試験組成物の「非粘着時間」とする。
【0482】
ある実施形態では、本明細書に提供される組成物及び方法で生成された膜は、特定のセットタッチ時間及び非粘着時間を有する。ある実施形態では、当該セットタッチ時間及び非粘着時間は、本明細書で提供される膜試験のセットタッチ時間及び非粘着時間のアッセイを用いて決定することができる。
【0483】
6.6.4 インビトロ膜試験セットタッチ時間及び非粘着時間の設定
この方法はASTM D5895-03「機械的記録装置を用いた有機コーティングの膜形成中の乾燥又は硬化の評価」を改変した。選択された基材への試験組成物の材料及び塗布は、基材シートサイズ4.5インチ×1.5インチの上に50ミクロンのスペーサ(例えば、3Mマジックスコッチテープの1層)を置き、3.75インチ×0.75インチの開口長方形を形成し、基材表面を露出させることにより説明される。試験組成物を基材に塗布し、次に、ガラススライドをスペーサの縁に沿って前後に滑らせて、試験組成物の滑らかで均一な層を堆積させる。また、天然色のCowhide Toolingレザー、ポリウレタン、又はポリプロピレンの基質等の多くの基質についても比較結果を伴う試験を行うことができる。基材と同等の結果試験された各組成物について、少なくとも3つの試料を試験し、測定された平均セットタッチ時間、平均非粘着時間及び標準偏差を記録する。
【0484】
測定:基材上の試験領域全体に試験組成物を塗布して、タイマーを開始する。試験組成物を、室温及び周囲湿度で、一定の時間、例えば30秒又は1分間、その領域に無処置で静置する。ある時点で、試験組成物の表面に1.5cm×4cmのポリプロピレンシートを置き、次にポリプロピレンシートの上に15gのおもりを置く。おもり及びポリプロピレンシートを試験組成物の表面から除去する前に、2秒間待つ。目視で評価する:まず、ポリプロピレンシート上に試験組成物が存在するか否かを評価する。ポリプロピレンシートの評価は、試験区域の未処理部分について、一定の時間間隔(例えば、15秒毎、30秒毎、1分間)で繰り返す。ポリプロピレンシート上の試験組成物がそれ以上観察されない時間を試験組成物の「セットタッチ時間」として報告し、「セットタッチ時間」を報告した後、試料を30度の傾斜面に移し、「非粘着時間」を評価し、試料を最下点から6インチの傾斜面に沿って上方に置き、試料を傾斜面に固定し、膜表面の1インチ上から1/32インチの直径のステンレス鋼球を膜表面の上部に滴下する。膜表面のステンレス鋼ボールの動きを観察しながら、ボールがそれ自身の重力でロールダウンしようとする。膜が密着性を失うにつれて摩擦膜表面から中断せずに、ボールが膜表面の上部から下部へ連続的に転がることができる場合は、「非粘着時間」を報告する。
【0485】
ある実施形態では、本明細書に提供される組成物及び方法で生成された膜は、特定のセットタッチ時間及び非粘着時間を有する。ある実施形態では、セットタッチ時間及び非粘着時間は、本明細書においてインビトロで提供される膜試験のセットタッチ時間及び非粘着時間のアッセイを用いて決定することができる。
【0486】
6.6.5 引きはがし接着力試験
この接着力試験法は、ASTM C794「エラストマー継手シーラントの接着剥離」に準拠して開発された。インストロン3342単一カラム引張/圧縮試験システム(Instron,Norwood,MA)は、延長グリップ形状を取り付けた100Nロードセル(Instron #2519103)を用いて、厚さ1/32インチのポリプロピレンシートを試験基材として用いることができる。他の類似の装置及び他の柔軟で柔軟な試験基材を用いて、剥離力を測定することもできる。選択した基材への試験組成物の材料及び塗布は、以下の通りである。50ミクロンのスペーサ(例えば、3Mマジックスコッチテープの1層)を基材シートサイズ4.5インチ×1.5インチに配置し、基材表面を露出させる開口部3.75インチ×0.75インチの長方形を形成する。試験組成物を基材に塗布し、試験組成物の平滑かつ均一な層を堆積させるために、スペーサ端部にガラススライドを前後に滑らせ、試験組成物を室温及び周囲湿度の領域に3時間放置した後、シリコン接着テープをつける。ついで、上下0.75インチのシリコン接着テープ(メピタック)をフィルムの上につけて、ポリプロピレン基材上の膜表面を完全に覆って測定の準備をする。試験した各材料について、少なくとも3つの試料を測定し、測定の平均剥離力及び標準偏差を記録する。
【0487】
測定シリコンテープで覆われた試験片を一端で手で部分的に剥離し、シリコンテープで覆われた膜をポリプロピレン基材から十分に分離して、器具の延長グリップ幾何学マウントにより効果的に把持する。各剥離面は、専用の器具グリップで固定する。ストリップが形状に実質的に平行にクランプされることを確認する。2本の剥離帯が完全に剥離するまで1mm/sの速度で伸長試験を行う。剥離力と時間データを記録する。試料の平均剥離力(N/m)は、試料幅(0.75インチ又は0.019m)で正規化した実験中に装置により測定された瞬間的な力(N)を平均することにより計算される。
【0488】
ある実施形態では、本明細書に提供される組成物及び方法で生成された膜には、特定の接着力がある。ある実施形態では、当該粘着力は、本明細書に提供される剥離接着試験のアッセイを用いて測定することができる。
【0489】
6.6.6 曲面試験片の表面張力のカール試験
皮膚、弾性バンド、パラ膜等の基材上に被験物質が付着すると、体積損失(歪み)により膜内に残留する圧縮応力が生じ、その結果、基材下部に引張応力が生じる。基材上に堆積した膜の複合結果を観察し、膜の堆積後の基材の表面曲率のレベルに基づいて定量化した。
【0490】
カール試験用の被験物質を調製するため、最初に被験物質を、選択された基質への試験組成物の塗布で上記のように、弾性合成ゴムシート又はパラ膜基質のいずれかに沈着させた。選択された基材への試験組成物の材料及び塗布は、基材シートサイズ4.5インチ×1.5インチの上に50ミクロンのスペーサ(例えば、3Mマジックスコッチテープの1層)を配置し、3.75インチ×0.75インチの開口長方形を形成し、基材表面を露出させることにより説明される。試験組成物を基材に塗布し、次に、ガラススライドをスペーサの縁に沿って前後に滑らせて、試験組成物の滑らかで均一な層を堆積させる。試験組成物を、室温及び周囲湿度で24時間、その領域に無処置で静置する。
【0491】
測定Vernier Caliperを用いて、上方に湾曲した試験片の幅側の端から端までの距離を測定する。端から端までの距離は、翼弦長といい、不完全な上向きの円を形成し、円の対応する半径のその後の計算が計算される。半径値とその逆数を「曲率」値として報告する。曲率値を用いて、基材に生じる表面張力を計算する。皮膚等の固有の表面張力を有する本来の曲面の場合、堆積された最上層により生じる表面張力の変化は、それに応じて固有の表面張力を変化させる。
【0492】
ある実施形態では、本明細書に提供される組成物及び方法で生成された膜は、特定の表面張力を有する。ある実施形態では、表面張力は、本明細書で提供される曲面試験片の表面張力に関するカール試験のアッセイを用いて測定することができる。
【0493】
6.6.7 繰返し伸長引張試験
繰返し引張残留ひずみ(瞬間残留ひずみ)の試験方法、周期的引張ヒステリシス損失エネルギー、引張(ヤング)係数、せん断係数、引張強さ/最大応力、破壊ひずみ、及び破壊靭性は、ASTM D638、ASTM D412、ASTM D1876試験ガイドラインに準拠し、本明細書に開示された試験片により適するように開発された。延長グリップ形状を取り付けた100Nロードセル(Instron #2519-103)を有するInstron 3342単列張力/圧縮試験システム(Instron,Norwood,MA)を用いてよい。本明細書で試験した特性を測定するために、他の類似の装置を用いることもできる。各被験物質について、少なくとも3個の試料を測定し、測定結果の平均値と標準偏差を記録する。
【0494】
各試料として、試験される組成物約10gが必要である。試料は、ASTM D638ガイドラインと一致して、Teflon上に取り付けられたダンベル型の金型内に鋳造される。型の「ネック」の寸法は、長さが約20mm、幅が約5mm、深さが約1.5mmであり、型の「ハンドル/ベル」の寸法は、長さが約20mm、幅が約15mm、深さが約1.5mmであり、試験中の滑りのないグリップを確実に確保するのに十分な面積を提供する。充填された金型の上面を滑らかな顕微鏡用スライドで平らにする。ボイドがなく、上面が滑らかであることを確認してください。鋳造された試料を完全に硬化させ、約20~約30時間乾燥させる。形成された試料は、へらを用いて個々の型から抽出される。完成した供試体の「頸部」の幅と厚さをキャリパーで測定し、記録し、装置に入力する。供試体の「頸部」の面積は、その幅と厚さにより計算する。
【0495】
本明細書に開示された組成物により形成された層は、基材から一旦離した後にも試験することができる。当該層は、矩形形状に形成又はトリミングされることができ、層の断面積は、その幅及び厚さにより計算されうる。当該場合、長方形の試験片の端部は「ハンドル/ベル」部分と考えられ、長方形の試験片の中央は「ネック」部分と考えられる。
【0496】
別の標本作製法としては、ポリプロピレン基質シートサイズ4.5インチ×5インチの上に50ミクロンのスペーサ(例えば、3Mマジックスコッチテープの1層)を配置し、3.75インチ×0.75の開口長方形を形成し、基質表面を露出させることがあげられる。試験組成物を基質に塗布した後、ガラススライドをスペーサの縁に沿って前後に滑らせて、試験組成物の滑らかで均一な層を堆積させる。試験組成物を、室温及び周囲湿度で24時間、その領域に無処置で静置する。
【0497】
試験片の機械的特性評価は、100Nロードセルを装備したInstron 3342(Instron、Norwood、MA)で実施した。ダンベル型又は長方形の試料は、各端部のInstron 2710-101グリップを介して装置に取り付けられ、試験中に試料が滑ったり、グリップ内で破損しないことを保証するように修正される。試料は、試料の全ての矩形の「ハンドル/ベル」部分及び試料の「ネック」が計器グリップ内に固定されないように、計器上に取り付けられる。試料が両方の垂直面にほぼ垂直に取り付けられていることを確認する。器具のグリップ距離は、器具の力がゼロ(±0.01 N)に近いことにより示されるように、試料が中立伸長にあるように調整される。
【0498】
2種類の試験を、各試験片に対して連続的に実施する。まず、繰返し試験を実施し、次に、引き伸ばし試験を実施する。繰り返し試験は、同一検体の引き伸ばし試験の結果にほとんど影響を及ぼさないことに留意されたい。各試験は、装置に予めプログラムされている。
【0499】
繰返し試験:繰返し試験は、繰返し引張残留ひずみ(瞬間残留ひずみ)を測定することにより、試験材料の弾性を測定するように設計される。一般に、材料の弾性が高いほど、変形後に元の形状に戻る速度が速くなる。繰返し引張残留ひずみスコアが低いほど、弾性が良好であることを示す。完全弾性材料の場合、繰返し引張残留ひずみ及びサイクル試験面積はゼロに近づく。
【0500】
試料は、上記のように器具上に取り付けられる。装置により0.06~0.08 Nの力が記録されるまで、幾何学的形状を上げることにより、試料を約1mm/秒でわずかに伸ばし、試料の「ネック」部分の伸長した長さを初期試料長として記録する。周期延長は、初期供試体長の15%の最大延長まで約1mm/秒で行う。合計15(最大100)サイクルを実行し、応力ひずみデータを記録した。
【0501】
周期引張係数は、1%~4%のひずみの間の第1サイクルの応力-ひずみ曲線の直線勾配として計算される。線形適合のR二乗値が0.99を超えるか、又は試験データを異常値として記録し、廃棄する。周期的引張残留ひずみは、最初のサイクルの間に達成された最大応力の半分での荷重と除荷曲線の間のひずみ差として、各サイクルについて計算される。第1サイクルの繰返し引張残留ひずみ及び第2~第12サイクルの平均繰返し引張残留ひずみを記録する。また、各サイクルの荷重・アン荷重曲線により拘束される面積は、繰返し引張応力損失エネルギーとして計算される。繰返し引張残留ひずみと計算されたサイクル面積との間に良好な一致が見られた。
【0502】
本明細書に開示された組成物により形成された試料の大部分は、十分に柔軟で弾力的であり、計算された特性に有意な変化を生じさせずに、同一試料上で繰り返し試験を繰り返すことができ、このことは、この試験が試験した試料に長期間にわたって変化をもたらさなかったことを示唆している。
【0503】
引張試験:引張試験は、引張/ヤング率及び破壊ひずみを各々測定することにより、材料の剛性及び伸び/柔軟質を測定するために用いた。
【0504】
試料は、上記のように器具上に取り付けられる。0.01~0.02 Nの力が計器に記録されるまで形状を上げて10mm/秒程度に試験片を伸ばし、試験片の「ネック」部分の伸長した長さを「元の長さ」として記録し、伸長した引張/ヤング率を応力-ひずみ曲線の6%~11%の直線勾配として計算する。線形適合のR二乗値は、0.99以上であるか、又は応力ひずみ曲線上のより線形の5%ひずみ範囲から引張/ヤング率を計算する。
【0505】
せん断係数は、引張/ヤング率と同じひずみ範囲から決定される。せん断係数は、記録された応力とα-1/α2との間の最良線適合の勾配として計算される。ここで、αは1に瞬間ひずみを加えたものである。
【0506】
片側又は完全に折れるまで、約10mm/sで試料を伸ばす。試験片が破断したときの力を「最大引張力」として記録し、破断したときの試験片の「ネック」部の長さを「最大伸長」として記録し、引張強さ/最大応力は試験片の「ネック」部の面積に対する最大引張力として計算する。破壊ひずみは、元の長さに対する最大伸長の比率として計算される。
【0507】
破壊靭性(kJ/m3)は、引張試験における応力-ひずみ曲線下面積として計算される。降伏ひずみは、測定された応力が新フック応力と10%以上異なるひずみとして決定される。すなわち、せん断係数と(α-1/a2)の倍数である。
【0508】
ある実施形態では、本明細書で提供される組成物及び方法で生成された膜は、特定の繰返し引張残留ひずみ(瞬間残留ひずみ)、繰返し引張フラスティング損失エネルギー、引張(ヤング)係数、せん断係数、引張り、強度/最大応力、破壊ひずみ、破壊靱性を有する。ある実施形態では、繰返し引張残留ひずみ(瞬間残留ひずみ)、繰返し引張ヒステリシス損失エネルギー、引張(ヤング)係数、せん断係数、引張強さ/最大応力、破壊ひずみ、及び破壊靭性は、本明細書で提供される繰返し引張及び伸び試験のアッセイを用いて測定することができる。
【0509】
6.6.8 経表皮水分喪失試験(TEWL)
蒸発による水分喪失の測定は、皮膚バリア機能の機器による評価を提供する。TEWL Probeを用いた蒸発測定については、Grove et al, Comparative metrology of the evaporimeter and the DermaLab(登録商標)TEWL probe,Skin Res.&Tech.1999,5:1-8及びGrove et al,Computerized evaporimetry using the DermaLab(登録商標)TEWL probe,Skin Res.&Tech.1999,5:9-13に詳しく記載される。Pinnagoda (Pinnagodaら、TEWL測定に関するガイドライン、Contact Dermatitis 1990,22:164-178)に記載されるサーボメッドエバポリメータの使用に関するガイドラインは、DermaLab(登録商標)TEWL Probeにも適する。
【0510】
蒸発損失測定は、最近較正されたサーボメッド蒸発計を用いて行うことができる。あるいは、これらの測定は、TEWL Probe(デンマーク、ハドサンドのCortex Technologyにより製造され、サイバーDERM,Inc.,Broomall,PAを通じて米国で入手可能)を用いた最近較正されたサイバーDERM RG1蒸発計システム(Broomall,PA)又は他の類似の装置を用いて行うことができる。
【0511】
どちらの蒸発計も、Gert E.Nilsson(例えば、Nilsson,G.E.,Med Biol Eng Comput 1977,15:209-218)により開発された蒸気圧勾配推定法に基づく。DermaLab(登録商標)TEWL Probeでは、わずかな寸法差があり、センサ技術は大幅に改善されているが、測定の基本原理は変わらない。両方のプローブには、皮膚表面に垂直な軸に沿った2つの固定点における温度と相対湿度を測定する2つのセンサが含まれる。この構成は、装置が、gm/(m2・時間)で表される蒸発による水分喪失に対応する値を電子的に導出することができる。蒸発計システムは、いったん定常状態に達すると、20秒間隔で収集された平均蒸発水分喪失率の値を抽出する。
【0512】
被験体は、皮膚の膜耐久性試験に記載されるように、選択された掌側前腕試験領域上の試験組成物で治療される。治療前及び組成物塗布後の様々の時点(例えば、約1時間、約4時間、約6時間、約12時間、約24時間、約30時間、約36時間、約48時間、又は48時間から1週間の間)で、手掌前腕部位の各々から測定が行われる。測定は、相対湿度を約50%未満、温度を約19~22℃に保ち、管理された環境下で最低25分間順化した後に行う。各部位から水分喪失の測定値を重複して測定する。TEWL特性(g/(m2・時間))は、装置により記録されたデータに基づいて計算される。
【0513】
カラーL*a*b*試験による光学測定
この試験では、製造業者の指示に従ったミノルタCR-400クロマメーターを用いるが、これは一般的に当技術分野で公知である。次いで、L*(D65)、a*(D65)及びb*(D65)の3回の測定を、被験物質の異なる6箇所以上で採取する。
【0514】
ウイルス侵入法に基づくバリア保護試験
ウイルス侵入法に基づくバリア保護試験は、血液媒介性病原体の危害因子から保護することを目的とした保護材料のバリア機能を評価するために実施される。被験物質を、21±5℃及び60±10%相対湿度(%RH)で24時間以上調整した後、FC174バクテリオファージ懸濁液を用いてウイルス浸透について試験した。試験終了時に、被験物質の観察側を滅菌培地でリンスし、FC174バクテリオファージの存在をアッセイした。ウイルス侵入法はISO 16604に準拠している。各被験物質から3回の測定を行う。
【0515】
ある実施形態では、本明細書に提供される組成物及び方法で生成された膜には、特定の蒸発水分喪失性がある。ある実施形態では、蒸発水分喪失は、本明細書に提供される経表皮水分喪失(TEWL)測定試験のアッセイを用いて測定することができる。
【0516】
6.6.9 ニッケル接触に対する化学防護に基づくバリア保護試験
ニッケルは1%ジメチルオキシムと10%水酸化アンモニウム溶液を含む簡単なスポット試験でppmレベルで検出でき、これはニッケルと接触するとピンク色に変わる。硫酸ニッケル(II)六水和物溶液の0.2M溶液を基質に添加し、両者を被験物質で被覆する。その後スポット試液を試験に塗布する。色のピンク色への変化は、ニッケルが被験物質に浸透し、着色液と接触したことを示し、またその逆も同様である。対照的に、色調変化が認められない場合は、被験物質が浸透せず、バリア機能が損なわれていないことを示す。
【0517】
ある実施形態では、本明細書に提供される組成物及び方法で生成された膜は、ニッケル接触に対する特定のバリア保護を提供する。ある実施形態では、ニッケル接触に対するバリア保護は、本明細書で提供されるニッケル接触に対する化学的保護に基づくバリア保護試験のアッセイを用いて決定することができる。
【0518】
6.6.10 紫外線保護によるバリア保護試験
被験物質の存在は、特に被験物質がSPF活性成分、例えば二酸化チタン、酸化亜鉛、アボベンゾン、オクチノキサート、オクトクリレン、ホモサレート、又はオキシベンゾンを含有する場合、紫外線の皮膚吸収を減少させるのに有益でありうる。
【0519】
紫外線に対するバリア保護のために被験物質を調製するために、最初に、試験組成物を選択した基質に適用する前に記載したように、被験物質をブランクのセロファンシート基質上に堆積させた。セロファンシートサイズ12.78cm(L)×8.55cm(W)をUV‐Vis分光光度計のプレートホルダにマッチさせるために使用した。UV-Vis分光光度計を用い、波長260nm~400nm、走査間隔1nmの紫外線吸光度を測定する。少なくとも4箇所のスポット位置の平均値に基づいて吸収データを報告する。
【0520】
ある実施形態では、本明細書に提供される組成物及び方法で生成された膜は、紫外線に対する特定のバリア保護を提供する。ある実施形態では、紫外線に対するバリア保護は、本明細書で提供される紫外線からの保護に基づくバリア保護試験のアッセイを用いて決定することができる。
【0521】
一実施形態では、本明細書で提供されるのは、(a)少なくとも1つの遷移金属;(b)少なくとも1つの不飽和有機重合体;(c)少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサン;及び(d)前記不飽和有機重合体と前記水素化官能化ポリシロキサンとの間の架橋反応を減速するのに十分な濃度の、少なくとも1つのリガンドを含む組成物であり、これらの成分は有意な架橋なく混合物としてともに配合かつ保存されうる。一実施形態では、遷移金属は、不飽和有機重合体及び水素化官能化ポリシロキサンを架橋することにより、被験体の皮膚上に膜を形成することができる。一実施形態では、本明細書で提供されるのは、(a)少なくとも1つの遷移金属;(b)少なくとも1つのビニル官能化有機ポリシロキサン;(c)少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサン;及び(d)前記ビニル官能化有機ポリシロキサンと前記水素化官能化ポリシロキサンとの間の架橋反応を減速するのに十分な濃度の、少なくとも1つのリガンドを含む組成物であり、これらの成分は有意な架橋なく混合物としてともに配合かつ保存されうる。一実施形態では、遷移金属は、ビニル官能性オルガノポリシロキサン及び水素化官能化ポリシロキサンを架橋することができ、それにより、被験体の皮膚上に膜を形成する。一実施形態では、リガンドは架橋反応を遅くする。1つの態様において、リガンドは、錯体形成又は配位を介して架橋反応を減速させる。一実施形態では、当該リガンドは、ジビニルテトラメチルジシラン、直鎖ビニルシロキサン、環状ビニルシロキサン、トリス(ビニルシロキシ)シロキサン、テトラキス(ビニルシロキシ)シラン、ビニルケトン、ビニルエステル、アセチレンアルコール、スルフィド、メルカプタン、ジビニルジシロキサン、ジビニルトリシロキサン、ジビニルテトラシロキサン、ジビニルジメチコン、1,5-ジビニル-3-フェニルペンタメチルトリシロキサン、1,1,5,5-テトラメチル-3,3-ジフェニル-1,5-ジビニルトリシロキサン、トリビニルトリメチルシクロトリシロキサン、テトラビニルテトラメチルシクロテトラシロキサン、ペンタビニルペンタメチルシクロペンタシロキサン、ヘキサビニルヘキサメチルシクロヘキサシロキサン、トリス(ビニルジメチルシロキシ)シラン、テトラキス(ビニルジメチルシロキシ)シラン、メタクリルオキシプロピルトリス(ビニルジメチルシロキシ)シラン、フマル酸ジメチル、マレイン酸ジメチル、メチルビニルケトン、メトキシブタノール、メチルイソブチノール、エチルメルカプタン、ジエチルスルフィド、硫化水素、ジメチルジスルフィドである。一実施形態では、当該リガンドとしては、ジビニルテトラメチルジシラン、直鎖ビニルシロキサン、環状ビニルシロキサン、トリス(ビニルシロキシ)シロキサン、又はテトラキス(ビニルシロキシ)シランである。一実施形態では、当該リガンドは、ビニルケトン、ビニルエステル、アセチレンアルコール、スルフィド、又はメルカプタンである。一実施形態では、当該リガンドはジビニルジシロキサン、ジビニルトリシロキサン、ジビニルテトラシロキサン、又はジビニルジメチコンである。一実施形態では、当該リガンドは、1,5-ジビニル-3-フェニルペンタメチルトリシルオキソアン又は1,1,5,5-テトラメチル-3,3-ジフェニル-1,5-ジビニルトリシロキサンである。一実施形態では、当該リガンドは、トリビニルトリメチルシクロトリシロキサン、テトラビニルテトラメチルシクロテトラシロキサン、ペンタビニルペンタメチルシクロペンタシロキサン、又はヘキサビニルヘキサメチルシクロヘキサシロキサンである。一実施形態では、当該リガンドは、トリス(ビニルジメチルシロキシ)シラン、テトラキス(ビニルジメチルシロキシ)シラン、又はメタクリルオキシプロピルトリス(ビニルジメチルシロキシ)シランである。一実施形態では、当該リガンドは、フマル酸ジメチル、マレイン酸ジメチル、メチルビニルケトン又はメトキシブタノンである。一実施形態では、当該リガンドはメチルイソブチノールである。一実施形態では、当該リガンドは、エチルメルカプタン、ジエチルスルフィド、硫化水素又はジメチルジスルフィドである。一実施形態では、架橋反応を減速するリガンドの活性は、リガンドの蒸発、リガンドの分解、リガンドの相変態、リガンドの化学的分解、リガンドの不活性化、振動エネルギーの使用、又は電磁波を用いて、低下又は除去することができる。一実施形態では、リガンドの不活性化は、化学的、熱又は光への暴露によってトリガーされうる。一実施形態では、化学物質は酸化剤である。一実施形態では、化学物質は還元剤である。一実施形態では、酸化剤は酸素である。一実施形態では、当該リガンドは揮発性リガンドである。一実施形態では、揮発性リガンドは、ジビニルテトラメチルジシラン、ジビニルジシロキサン、ジビニルトリシロキサン、トリビニルトリメチルシクロトリシロキサン、テトラビニルテトラメチルシクロテトラシロキサン、トリス(ビニルジメチルシロキシ)シラン、テトラキス(ビニルジメチルシロキシ)シラン、マレイン酸ジメチル、メチルビニルケトン、メチルイソブチノール、エチルメルカプタン、ジエチル硫化物、硫化水素又はジメチルジスルフィドである。一実施形態では、リガンドは電磁駆動型リガンドである。一実施形態では、電磁駆動型リガンドは、トリアジンの白金錯体である。一実施形態では、トリアジンの白金錯体は、テトラキス(1-フェニル-3-ヘキシル-トリアゼニド)Pt(IV)、Pt(II)-ホスフィン錯体、白金/シュウ酸塩錯体、Pt(II)-ビス-(ジケトネート)、ジカルボニル-Pt(IV)R3錯体、又はスルホキシド-Pt(II)錯体である。一実施形態では、当該リガンドは熱感受性リガンドである。一実施形態では、熱感受性リガンドは、トリアジンの白金錯体である。一実施形態では、トリアジンの白金錯体は、テトラキス(1-フェニル-3-ヘキシル-トリアゼニド)Pt(TV)又はPt(II)-ホスフィン錯体である。一実施形態では、リガンドは低温感受性リガンドである。一実施形態では、リガンドは、音響駆動型リガンドである。一実施形態では、当該リガンドは1,3-ジビニルテトラメチルジシロキサンである。一実施形態では、当該リガンドは1,1,3,3,5,5-ヘキサメチル-1,5-ジビニルトリシロキサンである。
一実施形態では、当該リガンドは1,5-ジビニル-3-フェニルペンタメチルトリシロキサンである。一実施形態では、当該リガンドは1,1,5,5-テトラメチル-3,3-ジフェニル-1,5-ジビニルトリシロキサンである。一実施形態では、当該リガンドは1,3,5-トリビニル-1,3,5-トリメチルシクロトリシロキサンである。一実施形態では、当該リガンドは2,4,6,8-テトラメチルテトラビニルシクロテトラシロキサンである。一実施形態では、当該リガンドは1,3,5,7,9-ペンタメチル-1,3,5,7,9-ペンタビニルシクロペンタシロキサンである。一実施形態では、当該リガンドはトリス(ビニルジメチルシロキシ)メチルシランである。一実施形態では、当該リガンドはテトラキス(ビニルジメチルシロキシ)シランである。一実施形態では、当該リガンドはメタクリルオキシプロピルトリス(ビニルジメチルシロキシ)シランである。一実施形態では、当該リガンドは1,2-ジビニルテトラメチルジシランである。一実施形態では、当該リガンドはメチルビニルケトンである。一実施形態では、当該リガンドはマレイン酸ジメチルである。一実施形態では、当該リガンドはフマル酸ジメチルである。一実施形態では、当該リガンドは(3E)-4-メトキシ-3-ブテン-2-オンである。一実施形態では、当該リガンドは(E)-2-エチルヘックス-2-エナールである。一実施形態では、当該リガンドはペント-l-エン-3-オンである。一実施形態では、当該リガンドはマレイン酸である。一実施形態では、当該リガンドは、少なくとも1つの不飽和基、1つの孤立電子対を有する官能基、又は電子供与体として機能する能力を有する官能基を有する重合体である。一実施形態では、当該リガンドは白金毒である。一実施形態では、リガンドは、少なくとも1つの不飽和基を有するシロキサン重合体である。一実施形態では、当該リガンドはビニル含有シロキサン重合体である。一実施形態では、当該リガンドはジビニル含有シロキサン重合体である。一実施形態では、当該リガンドはジビニル含有ジシロキサンである。一実施形態では、当該リガンドはジビニルトリシロキサン又はジビニルテトラシロキサンである。一実施形態では、遷移金属は白金である。一実施形態では、当該リガンドに対する遷移金属のモル比は、約10:1~約1:10000である。一実施形態では、当該リガンドに対する遷移金属のモル比は、約1:250~約1:750である。一実施形態では、当該リガンドに対する遷移金属のモル比は約1:500である。一実施形態では、ビニル対官能性水素化モル比は、約1:10~約1:100である。一実施形態では、ビニル対官能性水素化モル比は、約1:15~約1:90である。一実施形態では、ビニル対官能性水素化モル比は、約1:25~約1:70である。一実施形態では、ビニル対官能性水素化モル比は、約1:30~約1:60である。一実施形態では、組成物の粘度は、約25℃で約5,000~700,000 cSt又はcPである。ビニル官能化有機ポリシロキサンは、ビニル末端ポリジメチルシロキサン;ビニル末端ジフェニルシロキサン-ジメチルシロキサン共重合体;ビニル末端ポリメチルシロキサン、ビニルフェニルメチル末端ビニルフェニルシロキサン-フェニルメチルシロキサン共重合体;ビニル末端トリフルオロプロピルメチルシロキサン-ジメチルシロキサン共重合体;ビニル末端ポリフェニルメチルシロキサン;ビニル末端ジエチルシロキサン-ジメチルシロキサン共重合体;ビニルメチルシロキサン-ジメチルシロキサン共重合体、トリメチルシロキサン共重合体、ビニルメチルシロキサン-ジメチルシロキサン共重合体、シラノール末端;ビニルメチルシロキサン-ジメチルシロキサン共重合体、ビニルガム;ビニルメチルシロキサンホモ重合体、ビニルT構造重合体、ビニルQ構造重合体、モノビニル末端ポリジメチルシロキサン、ビニルメチルシロキサンター重合体、ビニルメトキシシランホモ重合体及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。一実施形態では、水素化官能化ポリシロキサンはアルキル末端である。一実施形態では、水素化官能化ポリシロキサンは、水素化末端ポリジメチルシロキサン;ポリフェニル-(ジメチルヒドロシロキシ)シロキサン、水素化末端;メチルヒドロシロキサン-フェニルメチルシロキサン共重合体、水素化末端;メチルヒドロシロキサン-ジメチルシロキサン共重合体、トリメチルシロキシ末端;ポリメチルヒドロシロキサン、トリメチルシロキシ末端;ポリエチルヒドロシロキサン、トリエチルシロキサン、メチルヒドロシロキサン-フェニルオクチルメチルシロキサン共重合体;メチルヒドロシロキサン-フェニルオクチルメチルシロキサンター重合体及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。一実施形態では、水素化官能化ポリシロキサンは、トリメチルシロキシ末端メチルヒドロシロキサン-ジメチルシロキサン共重合体を含む。一実施形態では、水素化官能化ポリシロキサンSiH含有率は、約3%~約45%;又は約0.5~約10mmol/g;又はその両方の組み合わせである。一実施形態では、水素化官能化ポリシロキサンの粘度は、約25℃で約5~約11,000cSt又はcPである。一実施形態では、水素化官能化ポリシロキサンには、平均して少なくとも2つのSi-H単位がある。一実施形態では、ビニル官能性オルガノポリシロキサンは以下の式IIa:
【化38】
で表される重合体であり、水素化官能化ポリシロキサン以下の式III:
【化39】
(式中、
R
1a’、R
3a’、R
4a’、R
5a’、R
6a’、R
8a’、R
9a’及びR
10a’は各々独立して、C
1~20アルキル、C
2~20アルケニル、C
5~10アリール、ヒドロキシル又はC
1~20アルコキシルであり;p及びqは各々独立して、10~6000の整数であり;R
1b、R
2b、R
3b、R
6b、R
7b及びR
8bは、C
1~20アルキルであり;R
4b、R
5b、R
9b、R
10b、R
7bは、各々、水素、C
1~20アルキル、C
2~20アルケニル、C
5~10アリール、ヒドロキシル又はC
1~20アルコキシルからなる群から独立して選択され、ここで、R
4b、R
5b、R
9b、R
10bのうちの少なくとも2つは水素であり;かつ、m及びnは各々独立して、10~6000の整数である)で表される重合体である。一実施形態では、組成物は、さらに、サンスクリーン、抗老化剤、抗ニキビ剤、抗シワ剤、スポット還元剤、抗酸化剤、及びビタミンからなる群から選択される剤を含む。一実施形態では、組成物は、さらに、1つ以上の感触改良剤、粘着改良剤、拡散性改良剤、希釈剤、接着改良剤、光学改良剤、粒子、揮発性シロキサン、乳化剤、エモリエント、界面活性剤、増粘剤、溶剤、膜形成剤、湿潤剤、保存剤、又は顔料を含む。一実施形態では、ビニル官能化有機ポリシロキサンの粘度は、約25℃で約150,000~約185,000 cSt又はcPであり、水素化官能化ポリシロキサンの粘度は、約25℃で約30~約100 cSt又はcPの間である。一実施形態では、ビニル官能化有機ポリシロキサンの粘度は、約25℃で約165,000 cSt又はcPの粘度であり、水素化官能化ポリシロキサンの粘度は、約25℃で約45 cSt又はcPである。一実施形態では、ビニル官能化有機ポリシロキサンの粘度は、約25℃で約165,000 cSt又はcPであり、水素化官能化ポリシロキサンの粘度は、約25℃で約50 cSt又はcPである。一実施形態では、ビニル官能化有機ポリシロキサンの粘度は、約25℃で約10,000 cSt又はcPである。一実施形態では、組成物は、さらに、補強成分を含む。一実施形態では、補強成分は、雲母、酸化亜鉛、二酸化チタン、酸化アルミニウム、粘土、シリカ、表面処理雲母、表面処理酸化亜鉛、表面処理二酸化チタン、表面処理酸化アルミニウム、表面処理粘土及び表面処理シリカからなる群から選択される。
【0522】
一実施形態では、本明細書では、被験体の皮膚上に薄膜を形成する方法であって、以下の(i)組成物を被験体の皮膚に塗布する工程であって、当該組成物が以下の:(a)少なくとも1つの遷移金属;(b)少なくとも1つの不飽和有機重合体;(c)少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサン;及び(d)前記不飽和有機重合体と前記水素化官能化ポリシロキサンとの間の架橋反応を減速するのに十分な濃度の、少なくとも1つのリガンドを含む組成物であって、これらの成分は有意な架橋が生じないように混合物として配合かつ保存され;かつ、(ii)リガンドを遷移金属から分離する工程を含む方法が提供される。一実施形態では、本明細書では、被験体の皮膚上に薄膜を形成する方法であって、以下の(i)組成物を被験体の皮膚に塗布する工程であって、当該組成物が以下の:(a)少なくとも1つの遷移金属;(b)少なくとも1つのビニル官能性オルガノポリシロキサン;(c)少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサン;及び(d)前記ビニル官能性オルガノポリシロキサンと前記水素化官能化ポリシロキサンとの間の架橋反応を減速するのに十分な濃度の、少なくとも1つのリガンドを含む組成物であって、これらの成分は有意な架橋が生じないように混合物として配合かつ保存され;かつ、(ii)リガンドを遷移金属から分離する工程を含む方法が提供される。一実施形態では、当該方法は、さらに、当該リガンドを蒸発させることで、当該リガンドを遷移金属から分離することを含む。一実施形態では、当該方法は、さらに、当該リガンドを他の相に吸収させることで、当該リガンドを遷移金属から分離することを含む。一実施形態では、当該方法は、さらに、当該リガンドを被験体の皮膚に吸収させることで、当該リガンドを遷移金属から分離することを含む。一実施形態では、当該方法は、さらに、錯体を形成する他の成分に当該リガンドを吸収させることで、当該リガンドを遷移金属から分離することを含む。一実施形態では、当該方法は、さらに、当該リガンドを遷移金属を用いて非錯体に変換することで、当該リガンドを遷移金属から分離することを含む。一実施形態では、当該方法は、さらに、当該リガンドを、熱を用いて遷移金属から分離することを含む。一実施形態では、当該方法は、さらに、組成物を冷却することで、当該リガンドを遷移金属から分離することを含む。一実施形態では、当該方法は、さらに、噴霧-乾燥で発生した熱を用いて、当該リガンドを遷移金属から分離することを含む。一実施形態では、当該方法は、さらに、より大きく音波を印加することで、当該リガンドを遷移金属から分離することを含む。一実施形態では、当該方法は、さらに、電磁波を印加することで、当該リガンドを遷移金属から分離することを含む。一実施形態では、当該方法は、さらに、可視光を印加することで、当該リガンドを遷移金属から分離することを含む。一実施形態では、当該方法は、さらに、紫外線を印加することで、当該リガンドを遷移金属から分離することを含む。一実施形態では、当該方法は、さらに、赤外線を印加することで、当該リガンドを遷移金属から分離することを含む。
【0523】
一実施形態では、本明細書では、被験体の皮膚上に薄膜を形成する方法であって、以下の(i)組成物を被験体の皮膚に塗布する工程であって、当該組成物が以下の:(a)少なくとも1つの遷移金属;(b)少なくとも1つの不飽和有機重合体;(c)少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサン;及び(d)前記不飽和有機重合体と前記水素化官能化ポリシロキサンとの間の架橋反応を減速するのに十分な濃度の、少なくとも1つのリガンドを含む組成物であって、これらの成分は有意な架橋が生じないように混合物として配合かつ保存され;かつ、(ii)リガンドを水素化官能化ポリシロキサンから分離する工程を含む方法が提供される。一実施形態では、本明細書では、被験体の皮膚上に薄膜を形成する方法であって、以下の(i)組成物を被験体の皮膚に塗布する工程であって、当該組成物が以下の:(a)少なくとも1つの遷移金属;(b)少なくとも1つのビニル官能性オルガノポリシロキサン;(c)少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサン;及び(d)前記ビニル官能性オルガノポリシロキサンと前記水素化官能化ポリシロキサンとの間の架橋反応を減速するのに十分な濃度の、少なくとも1つのリガンドを含む組成物であって、これらの成分は有意な架橋が生じないように混合物として配合かつ保存され;かつ、(ii)リガンドを水素化官能化ポリシロキサンから分離する工程を含む方法が提供される。一実施形態では、当該方法は、さらに、当該リガンドを蒸発させることで、当該リガンドを水素化官能化ポリシロキサンから分離することを含む。一実施形態では、当該方法は、さらに、当該リガンドを他の相に吸収させることで、当該リガンドを水素化官能化ポリシロキサンから分離することを含む。一実施形態では、当該方法は、さらに、当該リガンドを被験体の皮膚に吸収させることで、当該リガンドを水素化官能化ポリシロキサンから分離することを含む。一実施形態では、当該方法は、さらに、錯体を形成する他の成分に当該リガンドを吸収させることで、当該リガンドを水素化官能化ポリシロキサンから分離することを含む。一実施形態では、当該方法は、さらに、当該リガンドを水素化官能化ポリシロキサンを用いて非錯体に変換することで、当該リガンドを水素化官能化ポリシロキサンから分離することを含む。一実施形態では、当該方法は、さらに、当該リガンドを、熱を用いて水素化官能化ポリシロキサンから分離することを含む。一実施形態では、当該方法は、さらに、組成物を冷却することで、当該リガンドを水素化官能化ポリシロキサンから分離することを含む。一実施形態では、当該方法は、さらに、噴霧-乾燥で発生した熱を用いて、当該リガンドを水素化官能化ポリシロキサンから分離することを含む。一実施形態では、さらに、より大きく音波を印加することで、当該リガンドを水素化官能化ポリシロキサンから分離することを含む。一実施形態では、当該方法は、さらに、電磁波を印加することで、当該リガンドを遷移金属から分離することを含む。一実施形態では、当該方法は、さらに、可視光を印加することで、当該リガンドを水素化官能化ポリシロキサンから分離することを含む。一実施形態では、当該方法は、さらに、紫外線を印加することで、当該リガンドを水素化官能化ポリシロキサンから分離することを含む。一実施形態では、当該方法は、さらに、赤外線を印加することで、当該リガンドを水素化官能化ポリシロキサンから分離することを含む。一実施形態では、当該組成物は、被験体の皮膚上に膜を形成する。一実施形態では、当該組成物は、被験体の角質基質上に膜を形成する。一実施形態では、当該組成物は、被験体の毛髪上に膜を形成する。一実施形態では、当該組成物は、被験体の粘膜表面上に膜を形成する。一実施形態では、当該組成物は、被験体の皮膚上の医療装置上に膜を形成する。一実施形態では、当該組成物は、被験体の皮膚上の装着型装置上に膜を形成する。一実施形態では、当該組成物は、被験体の上皮層上に膜を形成する。一実施形態では、本方法は、可視光を用いてリガンドを分解すること、及び遷移金属を遊離することを含む。一実施形態では、本方法は、可視光を用いてリガンドを分解すること、及び水素化官能化ポリシロキサンを遊離させることを含む。一実施形態では、本明細書で提供される組成物は、一段階単一配合物である。
【0524】
一実施形態では、本明細書では、(a)白金;(b)少なくとも1つの不飽和有機重合体;(c)少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサン;及び(d)前記不飽和有機重合体と前記水素化官能化ポリシロキサンとの間の架橋反応を減速するのに十分な濃度のジビニルジシロキサンを含む組成物であって、これらの成分は有意な架橋が生じないように混合物として配合かつともに保存されうる。本明細書では、本明細書で提供される組成物を、一段階法で単一配合物として用いる方法が提供され、組成物中の少なくとも1つのジビニルジシロキサンを白金から分離することを含む、当該組成物は、以下の(a)白金;(b)少なくとも1つの不飽和有機重合体;(c)少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサン;及び(d)前記不飽和有機重合体と前記水素化官能化ポリシロキサンとの間の架橋反応を減速するのに十分な濃度のジビニルジシロキサンを含み、これらの成分は有意な架橋が生じないように混合物として配合かつともに保存されうる。一実施形態では、リガンドは、ビニル官能化有機ポリシロキサンと水素化官能化ポリシロキサンとの間の架橋反応を減速するのに十分な濃度であり、約25℃で約30、90又は180日間、又は約1、2又は3年間有意な架橋なく混合物としてともに配合かつ保存されうる。一実施形態では、リガンドは、約25℃での架橋反応の反応速度を、リガンドがない場合の反応速度の約10%、1%、0.1%、0.01%、0.001%、0.0001%、0.00001%、0.000001%、又は0.00000001%まで減速するのに十分な濃度である。
【0525】
一実施形態では、本明細書では、以下の:(a)白金;(b)少なくとも1つのビニル官能化有機ポリシロキサン;(c)少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサン;及び(d)前記ビニル官能化有機ポリシロキサンと前記水素化官能化ポリシロキサンとの間の架橋反応を減速するか又は阻害するのに十分な濃度の、少なくとも1つのジビニルジシロキサンを含む組成物であって、これらの成分は有意な架橋なく混合物としてともに配合かつ保存されうる組成物が提供される。本明細書では、本明細書で提供される組成物を、一段階法で単一配合物として用いる方法であって、本明細書で提供される組成物中の少なくとも1つのジビニルジシロキサンを白金から分離することを含み、当該組成物は、(a)白金;(b)少なくとも1つのビニル官能化有機ポリシロキサン;(c)少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサン;及び(d)前記ビニル官能化有機ポリシロキサンと前記水素化官能化ポリシロキサンとの間の架橋反応を減速するのに十分な濃度のジビニルジシロキサンを含み、これらの成分は有意な架橋が生じないように混合物として配合かつともに保存されうる。一実施形態では、リガンドは、ビニル官能化有機ポリシロキサンと水素化官能化ポリシロキサンとの間の架橋反応を減速するのに十分な濃度であり、約25℃で約30、90又は180日間、又は約1、2又は3年間有意な架橋なく混合物としてともに配合かつ保存されうる。一実施形態では、リガンドは、約25℃での架橋反応の反応速度を、リガンドがない場合の反応速度の約10%、1%、0.1%、0.01%、0.001%、0.0001%、0.00001%、0.000001%、又は0.00000001%まで減速するのに十分な濃度である。一実施形態では、当該リガンドの濃度は、組成物の、約1、10、20、30、40、50、60、70、80、90、95、99又は99.9質量%である。一実施形態では、当該リガンドと遷移金属触媒のモル比は、約107:1、106:1、105:1、104:1、103:1、102:1、10:1、1:1、1:2、1:5、又は1:10である。一実施形態では、当該リガンドと水素化官能化ポリシロキサンのモル比は、約107:1、106:1、105:1、104:1、103:1、102:1、10:1、1:1、1:2、1:5、又は1:10である。
【0526】
一実施形態では、本明細書では、(a)白金;(b)少なくとも1つの不飽和有機重合体;(c)少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサン;及び(d)前記不飽和有機重合体と前記水素化官能化ポリシロキサンとの間の架橋反応を減速するのに十分な濃度のカプセル化剤を含む組成物が提供され、当該カプセル化剤が遷移金属又は水素化官能化ポリシロキサンと共にマイクロカプセルを形成する。一実施形態では、本明細書では、(a)白金;(b)少なくとも1つの不飽和有機重合体;(c)少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサン;及び(d)前記水素化官能化ポリシロキサンと前記水素化官能化ポリシロキサンとの間の架橋反応を阻害するのに十分な濃度のカプセル化剤を含む組成物が提供され、当該カプセル化剤が遷移金属又は水素化官能化ポリシロキサンと共にマイクロカプセルを形成する。一実施形態では、本明細書では、当該成分は有意な架橋が生じないように混合物として配合かつともに保存されることができる。一実施形態では、本明細書で提供される組成物は、一段階単一配合物である。一実施形態では、遷移金属は、不飽和有機重合体及び水素化官能化ポリシロキサンを架橋することにより、被験体の皮膚上に膜を形成することができる。
【0527】
一実施形態では、本明細書では、(a)白金;(b)少なくとも1つのビニル官能性オルガノポリシロキサン;(c)少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサン;及び(d)前記ビニル官能性オルガノポリシロキサンと前記水素化官能化ポリシロキサンとの間の架橋反応を減速するのに十分な濃度のカプセル化剤を含む組成物が提供され、当該カプセル化剤が遷移金属又は水素化官能化ポリシロキサンと共にマイクロカプセルを形成する。一実施形態では、本明細書では、(a)白金;(b)少なくとも1つのビニル官能性オルガノポリシロキサン;(c)少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサン;及び(d)前記ビニル官能性オルガノポリシロキサンと前記水素化官能化ポリシロキサンとの間の架橋反応を阻害するのに十分な濃度のカプセル化剤を含む組成物が提供され、当該カプセル化剤が遷移金属又は水素化官能化ポリシロキサンと共にマイクロカプセルを形成する。一実施形態では、本明細書では、当該成分は有意な架橋が生じないように混合物として配合かつともに保存されることができる。一実施形態では、本明細書で提供される組成物は、一段階単一配合物である。一実施形態では、遷移金属は、不飽和有機重合体及び水素化官能化ポリシロキサンを架橋することにより、被験体の皮膚上に膜を形成することができる。一実施形態では、当該カプセル化剤は、遷移金属をカプセル化して、架橋反応を減速する。一実施形態では、当該カプセル化剤は、遷移金属をカプセル化して、架橋反応を阻害する。一実施形態では、当該カプセル化剤は、水素化官能化ポリシロキサンをカプセル化して、架橋反応を減速する。一実施形態では、当該カプセル化剤は、水素化官能化ポリシロキサンをカプセル化して、架橋反応を阻害する。一実施形態では、当該カプセル化剤は、ポリウレタン1、ポリウレタン11、ポリウレタン14、ポリウレタン6、ポリウレタン2、ポリウレタン18又はそれらの混合物である。一実施形態では、当該カプセル化剤は、ポリウレタン1である。一実施形態では、架橋反応を減速させるカプセル化剤の活性は、カプセル化剤の蒸発、カプセル化剤の分解、カプセル化剤の相変態、カプセル化剤の化学的分解、カプセル化剤の不活性化、振動エネルギーの使用、又は電磁波を用いて低下又は除去することができる。一実施形態では、架橋反応を阻害するカプセル化剤の活性は、カプセル化剤の蒸発、カプセル化剤の分解、カプセル化剤の相変態、カプセル化剤の化学的分解、カプセル化剤の不活性化、振動エネルギーの使用、又は電磁波を用いて低下又は除去することができる。一実施形態では、当該カプセル化剤の不活性化は、化学的、熱又は光への曝露によってトリガーすることができる。一実施形態では、化学物質は酸化剤である。一実施形態では、化学物質は還元剤である。一実施形態では、酸化剤は酸素である。一実施形態では、カプセル化剤は揮発性カプセル化剤であり、一実施形態では、カプセル化剤は電磁駆動のカプセル化剤である。一実施形態では、カプセル化剤は、熱感受性カプセル化剤である。一実施形態では、カプセル化剤は、低温感受性カプセル化剤である。一実施形態では、カプセル化剤は、音響駆動のカプセル化剤である。一実施形態では、遷移金属は白金である。一実施形態では、ビニル対官能性水素化モル比は、約1:10~約1:100である。一実施形態では、ビニル対官能性水素化モル比は、約1:15~約1:90である。一実施形態では、ビニル対官能性水素化モル比は、約1:25~約1:70である。一実施形態では、ビニル対官能性水素化モル比は、約1:30~約1:60である。一実施形態では、組成物の粘度は、約25℃で約5,000~700,000 cSt又はcPである。一実施形態では、ビニル官能化有機ポリシロキサンは、ビニル末端ポリジメチルシロキサン;ビニル末端ジフェニルシロキサン-ジメチルシロキサン共重合体;ビニル末端ポリメチルシロキサン、ビニルフェニルメチル末端ビニルフェニルシロキサン-フェニルメチルシロキサン共重合体;ビニル末端トリフルオロプロピルメチルシロキサン-ジメチルシロキサン共重合体;ビニル末端ジエチルシロキサン-ジメチルシロキサン共重合体;ビニルメチルシロキサン-ジメチルシロキサン共重合体、トリメチルシロキサン共重合体;ビニルメチルシロキサン-ジメチルシロキサン共重合体、シラノール末端;ビニルメチルシロキサン-ジメチルシロキサン共重合体、ビニルガム;ビニルメチルシロキサンホモ重合体、ビニルT構造重合体、ビニルQ構造重合体、モノビニル末端ポリジメチルシロキサン、ビニルメチルシロキサンター重合体、ビニルメトキシシランホモ重合体及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。一実施形態では、水素化官能化ポリシロキサンはアルキル末端である。一実施形態では、水素化官能化ポリシロキサンは、水素化末端ポリジメチルシロキサン;ポリフェニル-(ジメチルヒドロシロキシ)シロキサン、水素化末端;メチルヒドロシロキサン-フェニルメチルシロキサン共重合体、水素化末端;メチルヒドロシロキサン-ジメチルシロキサン共重合体、トリメチルシロキシ末端;ポリメチルヒドロシロキサン、トリメチルシロキシ末端;ポリエチルヒドロシロキサン、トリエチルシロキサン、メチルヒドロシロキサン-フェニルオクチルメチルシロキサン共重合体;メチルヒドロシロキサン-フェニルオクチルメチルシロキサンター重合体及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。一実施形態では、水素化官能化ポリシロキサンは、トリメチルシロキシ末端メチルヒドロシロキサン-ジメチルシロキサン共重合体を含む。一実施形態では、水素化官能化ポリシロキサンSiH含有率は、約3%~約45%;又は約0.5~約10mmol/g;又はその両方の組み合わせである。一実施形態では、水素化官能化ポリシロキサンの粘度は、約25℃で約5~約11,000cSt又はcPである。一実施形態では、水素化官能化ポリシロキサンには、平均して少なくとも2つのSi-H単位がある。
一実施形態では、ビニル官能性オルガノポリシロキサンは以下の式IIa:
【化40】
で表される重合体であり、水素化官能化ポリシロキサン以下の式III:
【化41】
(式中、
R
1a’、R
3a’、R
4a’、R
5a’、R
6a’、R
8a’、R
9a’及びR
10a’は各々独立して、C
1~20アルキル、C
2~20アルケニル、C
5~10アリール、ヒドロキシル又はC
1~20アルコキシルであり;p及びqは各々独立して、10~6000の整数であり;R
1b、R
2b、R
3b、R
6b、R
7b及びR
8bは、C
1~20アルキルであり;R
4b、R
5b、R
9b、R
10b、R
7bは、各々、水素、C
1~20アルキル、C
2~20アルケニル、C
5~10アリール、ヒドロキシル又はC
1~20アルコキシルからなる群から独立して選択され、ここで、R
4b、R
5b、R
9b、R
10bのうちの少なくとも2つは水素であり;かつ、m及びnは各々独立して、10~6000の整数である)で表される重合体である。一実施形態では、組成物は、さらに、サンスクリーン、抗老化剤、抗ニキビ剤、抗シワ剤、スポット還元剤、抗酸化剤、及びビタミンからなる群から選択される剤を含む。一実施形態では、組成物は、さらに、1つ以上の感触改良剤、粘着改良剤、拡散性改良剤、希釈剤、接着改良剤、光学改良剤、粒子、揮発性シロキサン、乳化剤、エモリエント、界面活性剤、増粘剤、溶剤、膜形成剤、湿潤剤、保存剤、又は顔料を含む。一実施形態では、ビニル官能化有機ポリシロキサンの粘度は、約25℃で約150,000~約185,000 cSt又はcPであり、水素化官能化ポリシロキサンの粘度は、約25℃で約30~約100 cSt又はcPの間である。一実施形態では、ビニル官能化有機ポリシロキサンの粘度は、約25℃で約165,000 cSt又はcPの粘度であり、水素化官能化ポリシロキサンの粘度は、約25℃で約45 cSt又はcPである。一実施形態では、ビニル官能化有機ポリシロキサンの粘度は、約25℃で約165,000 cSt又はcPであり、水素化官能化ポリシロキサンの粘度は、約25℃で約50 cSt又はcPである。一実施形態では、ビニル官能化有機ポリシロキサンの粘度は、約25℃で約10,000 cSt又はcPである。一実施形態では、組成物は、さらに、補強成分を含む。一実施形態では、補強成分は、雲母、酸化亜鉛、二酸化チタン、酸化アルミニウム、粘土、シリカ、表面処理雲母、表面処理酸化亜鉛、表面処理二酸化チタン、表面処理酸化アルミニウム、表面処理粘土及び表面処理シリカからなる群から選択される。
【0528】
一実施形態では、本明細書では、被験体の皮膚上に薄膜を形成する方法であって、以下の(i)組成物を被験体の皮膚に塗布する工程であって、当該組成物が以下の:(a)少なくとも1つの遷移金属;(b)少なくとも1つの不飽和有機重合体;(c)少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサン;及び(d)前記不飽和有機重合体と前記水素化官能化ポリシロキサンとの間の架橋反応を減速するのに十分な濃度の、少なくとも1つのカプセル化剤を含む組成物であって、これらの成分は有意な架橋が生じないように混合物として配合かつ保存され;かつ、(ii)当該カプセル化剤を遷移金属又は水素化官能化ポリシロキサンから分離する工程を含む方法が提供される。一実施形態では、本明細書では、被験体の皮膚上に薄膜を形成する方法であって、以下の(i)組成物を被験体の皮膚に塗布する工程であって、当該組成物が以下の:(a)少なくとも1つの遷移金属;(b)少なくとも1つの不飽和有機重合体;(c)少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサン;及び(d)前記不飽和有機重合体と前記水素化官能化ポリシロキサンとの間の架橋反応を阻害するのに十分な濃度の、少なくとも1つのカプセル化剤を含む組成物であって、これらの成分は有意な架橋が生じないように混合物として配合かつ保存され;かつ、(ii)当該カプセル化剤を遷移金属又は水素化官能化ポリシロキサンから分離する工程を含む方法が提供される。
【0529】
一実施形態では、本明細書では、被験体の皮膚上に薄膜を形成する方法であって、以下の(i)組成物を被験体の皮膚に塗布する工程であって、当該組成物が以下の:(a)少なくとも1つの遷移金属;(b)少なくとも1つのビニル官能性オルガノポリシロキサン;(c)少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサン;及び(d)前記ビニル官能性オルガノポリシロキサンと前記水素化官能化ポリシロキサンとの間の架橋反応を減速するのに十分な濃度の、少なくとも1つのカプセル化剤を含む組成物であって、これらの成分は有意な架橋が生じないように混合物として配合かつ保存され;かつ、(ii)当該カプセル化剤を遷移金属又は水素化官能化ポリシロキサンから分離する工程を含む方法が提供される。一実施形態では、本明細書では、被験体の皮膚上に薄膜を形成する方法であって、以下の(i)組成物を被験体の皮膚に塗布する工程であって、当該組成物が以下の:(a)少なくとも1つの遷移金属;(b)少なくとも1つのビニル官能性オルガノポリシロキサン;(c)少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサン;及び(d)前記ビニル官能性オルガノポリシロキサンと前記水素化官能化ポリシロキサンとの間の架橋反応を阻害するのに十分な濃度の、少なくとも1つのカプセル化剤を含む組成物であって、これらの成分は有意な架橋が生じないように混合物として配合かつ保存され;かつ、(ii)当該カプセル化剤を遷移金属又は水素化官能化ポリシロキサンから分離する工程を含む方法が提供される。一実施形態では、当該方法は、さらに、当該カプセル化剤を蒸発させることで、当該カプセル化剤を遷移金属から分離することを含む。一実施形態では、当該方法は、さらに、当該カプセル化剤を蒸発させることで、当該カプセル化剤を水素化官能化ポリシロキサンから分離することを含む。一実施形態では、当該方法は、さらに、当該カプセル化剤を他の相に吸収させることで、当該カプセル化剤を水素化官能化ポリシロキサンから分離することを含む。一実施形態では、当該方法は、さらに、当該カプセル化剤を被験体の皮膚に吸収させることで、当該カプセル化剤を遷移金属から分離することを含む。一実施形態では、当該方法は、さらに、当該カプセル化剤を被験体の皮膚に吸収させることで、当該カプセル化剤を水素化官能化ポリシロキサンから分離することを含む。一実施形態では、当該方法は、さらに、錯体を形成する他の成分に当該カプセル化剤を吸収させることで、当該カプセル化剤を遷移金属から分離することを含む。一実施形態では、当該方法は、さらに、錯体を形成する他の成分に当該カプセル化剤を吸収させることで、当該カプセル化剤を水素化官能化ポリシロキサンから分離することを含む。一実施形態では、当該方法は、さらに、当該カプセル化剤を水素化官能化ポリシロキサンを用いて非錯体に変換することで、当該カプセル化剤を水素化官能化ポリシロキサンから分離することを含む。一実施形態では、当該方法は、さらに、当該カプセル化剤を、熱を用いて遷移金属から分離することを含む。一実施形態では、当該方法は、さらに、当該カプセル化剤を、熱を用いて水素化官能化ポリシロキサンから分離することを含む。一実施形態では、当該方法は、さらに、組成物を冷却することで、当該カプセル化剤を遷移金属から分離することを含む。一実施形態では、当該方法は、さらに、組成物を冷却することで、当該カプセル化剤を水素化官能化ポリシロキサンから分離することを含む。一実施形態では、当該方法は、さらに、噴霧-乾燥で発生した熱を用いて、当該カプセル化剤を遷移金属から分離することを含む。一実施形態では、当該方法は、さらに、噴霧-乾燥で発生した熱を用いて、当該カプセル化剤を水素化官能化ポリシロキサンから分離することを含む。一実施形態では、当該方法は、さらに、より大きく音波を印加することで、当該カプセル化剤を遷移金属から分離することを含む。一実施形態では、当該方法は、さらに、より大きく音波を印加することで、当該カプセル化剤を水素化官能化ポリシロキサンから分離することを含む。一実施形態では、当該方法は、さらに、電磁波を印加することで、当該カプセル化剤を遷移金属から分離することを含む。一実施形態では、当該方法は、さらに、電磁波を印加することで、当該カプセル化剤を水素化官能化ポリシロキサンから分離することを含む。一実施形態では、当該方法は、さらに、可視光を印加することで、当該カプセル化剤を遷移金属から分離することを含む。一実施形態では、当該方法は、さらに、可視光を印加することで、当該カプセル化剤を水素化官能化ポリシロキサンから分離することを含む。一実施形態では、当該方法は、さらに、紫外線を印加することで、当該カプセル化剤を遷移金属から分離することを含む。一実施形態では、当該方法は、さらに、紫外線を印加することで、当該カプセル化剤を水素化官能化ポリシロキサンから分離することを含む。一実施形態では、当該方法は、さらに、赤外線を印加することで、当該カプセル化剤を遷移金属から分離することを含む。一実施形態では、当該方法は、さらに、赤外線を印加することで、当該カプセル化剤を水素化官能化ポリシロキサンから分離することを含む。一実施形態では、当該組成物は、被験体の皮膚上に膜を形成する。一実施形態では、当該組成物は、被験体の角質基質上に膜を形成する。一実施形態では、当該組成物は、被験体の毛髪上に膜を形成する。一実施形態では、当該組成物は、被験体の粘膜表面上に膜を形成する。一実施形態では、当該組成物は、被験体の皮膚上の医療装置上に膜を形成する。一実施形態では、当該組成物は、被験体の皮膚上の装着型装置上に膜を形成する。一実施形態では、当該組成物は、被験体の上皮層上に膜を形成する。一実施形態では、本方法は、可視光を用いて当該カプセル化剤を分解すること、及び遷移金属を遊離することを含む。一実施形態では、本方法は、可視光を用いて当該カプセル化剤を分解すること、及び水素化官能化ポリシロキサンを遊離させることを含む。
【0530】
一実施形態では、本明細書では、(a)白金;(b)少なくとも1つの不飽和有機重合体;(c)少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサン;及び(d)前記不飽和有機重合体と前記水素化官能化ポリシロキサンとの間の架橋反応を減速するのに十分な濃度のカプセル化剤を含む組成物であって、これらの成分は有意な架橋が生じないように混合物として配合かつともに保存されうる。一実施形態では、本明細書では、(a)白金;(b)少なくとも1つの不飽和有機重合体;(c)少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサン;及び(d)前記不飽和有機重合体と前記水素化官能化ポリシロキサンとの間の架橋反応を阻害するのに十分な濃度のカプセル化剤を含む組成物であって、これらの成分は有意な架橋が生じないように混合物として配合かつともに保存されうる。本明細書では、本明細書で提供される組成物を、一段階法で単一配合物として用いる方法であって、本明細書で提供される組成物中の少なくとも1つのカプセル化剤を白金から分離することを含み、当該組成物は、以下の(a)白金;(b)少なくとも1つの不飽和有機重合体;(c)少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサン;及び(d)前記不飽和有機重合体と前記水素化官能化ポリシロキサンとの間の架橋反応を減速するのに十分な濃度のカプセル化剤を含み、これらの成分は有意な架橋が生じないように混合物として配合かつともに保存されうる。本明細書では、本明細書で提供される組成物を、一段階法で単一配合物として用いる方法であって、本明細書で提供される組成物中の少なくとも1つのカプセル化剤を白金から分離することを含み、当該組成物は、以下の(a)白金;(b)少なくとも1つの不飽和有機重合体;(c)少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサン;及び(d)前記不飽和有機重合体と前記水素化官能化ポリシロキサンとの間の架橋反応を阻害するのに十分な濃度のカプセル化剤を含み、これらの成分は有意な架橋が生じないように混合物として配合かつともに保存されうる。本明細書では、本明細書で提供される組成物を、一段階法で単一配合物として用いる方法であって、本明細書で提供される組成物中の少なくとも1つのカプセル化剤を水素化官能化ポリシロキサンから分離することを含み、当該組成物は、以下の(a)白金;(b)少なくとも1つの不飽和有機重合体;(c)少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサン;及び(d)前記不飽和有機重合体と前記水素化官能化ポリシロキサンとの間の架橋反応を減速するのに十分な濃度のカプセル化剤を含み、これらの成分は有意な架橋が生じないように混合物として配合かつともに保存されうる。本明細書では、本明細書で提供される組成物を、一段階法で単一配合物として用いる方法であって、本明細書で提供される組成物中の少なくとも1つのカプセル化剤を水素化官能化ポリシロキサンから分離することを含み、当該組成物は、以下の(a)白金;(b)少なくとも1つの不飽和有機重合体;(c)少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサン;及び(d)前記不飽和有機重合体と前記水素化官能化ポリシロキサンとの間の架橋反応を阻害するのに十分な濃度のカプセル化剤を含み、これらの成分は有意な架橋が生じないように混合物として配合かつともに保存されうる。一実施形態では、当該カプセル化剤は、ビニル官能化有機ポリシロキサンと水素化官能化ポリシロキサンとの間の架橋反応を減速するのに十分な濃度であり、約25℃で約30、90又は180日間、又は約1、2又は3年間有意な架橋なく混合物としてともに配合かつ保存されうる。一実施形態では、当該カプセル化剤は、ビニル官能化有機ポリシロキサンと水素化官能化ポリシロキサンとの間の架橋反応を阻害するのに十分な濃度であり、約25℃で約30、90又は180日間、又は約1、2又は3年間有意な架橋なく混合物としてともに配合かつ保存されうる。一実施形態では、当該カプセル化剤は、約25℃での架橋反応の反応速度を、当該カプセル化剤がない場合の反応速度の約10%、1%、0.1%、0.01%、0.001%、0.0001%、0.00001%、0.000001%、又は0.00000001%まで減速するのに十分な濃度である。一実施形態では、当該カプセル化剤は、約25℃での架橋反応の反応速度を、当該カプセル化剤がない場合の反応速度の約10%、1%、0.1%、0.01%、0.001%、0.0001%、0.00001%、0.000001%、又は0.00000001%まで阻害するのに十分な濃度である。一実施形態では、当該カプセル化剤の濃度は、組成物の、約1、10、20、30、40、50、60、70、80、90、95、99又は99.9質量%である。一実施形態では、当該カプセル化剤と遷移金属触媒のモル比は、約107:1、106:1、105:1、104:1、103:1、102:1、10:1、1:1、1:2、1:5、又は1:10である。一実施形態では、当該カプセル化剤と水素化官能化ポリシロキサンのモル比は、約107:1、106:1、105:1、104:1、103:1、102:1、10:1、1:1、1:2、1:5、又は1:10である。
【0531】
一実施形態では、本明細書では、(a)白金;(b)少なくとも1つのビニル官能性オルガノポリシロキサン;(c)少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサン;及び(d)前記ビニル官能性オルガノポリシロキサンと前記水素化官能化ポリシロキサンとの間の架橋反応を減速するのに十分な濃度のカプセル化剤を含む組成物であって、これらの成分は有意な架橋が生じないように混合物として配合かつともに保存されうる。一実施形態では、本明細書では、(a)白金;(b)少なくとも1つのビニル官能性オルガノポリシロキサン;(c)少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサン;及び(d)前記ビニル官能性オルガノポリシロキサンと前記水素化官能化ポリシロキサンとの間の架橋反応を阻害するのに十分な濃度のカプセル化剤を含む組成物であって、これらの成分は有意な架橋が生じないように混合物として配合かつともに保存されうる。本明細書では、本明細書で提供される組成物を、一段階法で単一配合物として用いる方法であって、本明細書で提供される組成物中の少なくとも1つのカプセル化剤を白金から分離することを含み、当該組成物は、以下の(a)白金;(b)少なくとも1つのビニル官能性オルガノポリシロキサン;(c)少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサン;及び(d)前記ビニル官能性オルガノポリシロキサンと前記水素化官能化ポリシロキサンとの間の架橋反応を減速するのに十分な濃度のカプセル化剤を含み、これらの成分は有意な架橋が生じないように混合物として配合かつともに保存されうる。本明細書では、本明細書で提供される組成物を、一段階法で単一配合物として用いる方法であって、本明細書で提供される組成物中の少なくとも1つのカプセル化剤を白金から分離することを含み、当該組成物は、以下の(a)白金;(b)少なくとも1つのビニル官能性オルガノポリシロキサン;(c)少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサン;及び(d)前記ビニル官能性オルガノポリシロキサンと前記水素化官能化ポリシロキサンとの間の架橋反応を阻害するのに十分な濃度のカプセル化剤を含み、これらの成分は有意な架橋が生じないように混合物として配合かつともに保存されうる。本明細書では、本明細書で提供される組成物を、一段階法で単一配合物として用いる方法であって、本明細書で提供される組成物中の少なくとも1つのカプセル化剤を水素化官能化ポリシロキサンから分離することを含み、当該組成物は、以下の(a)白金;(b)少なくとも1つのビニル官能性オルガノポリシロキサン;(c)少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサン;及び(d)前記ビニル官能性オルガノポリシロキサンと前記水素化官能化ポリシロキサンとの間の架橋反応を減速するのに十分な濃度のカプセル化剤を含み、これらの成分は有意な架橋が生じないように混合物として配合かつともに保存されうる。本明細書では、本明細書で提供される組成物を、一段階法で単一配合物として用いる方法であって、本明細書で提供される組成物中の少なくとも1つのカプセル化剤を水素化官能化ポリシロキサンから分離することを含み、当該組成物は、以下の(a)白金;(b)少なくとも1つのビニル官能性オルガノポリシロキサン;(c)少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサン;及び(d)前記ビニル官能性オルガノポリシロキサンと前記水素化官能化ポリシロキサンとの間の架橋反応を阻害するのに十分な濃度のカプセル化剤を含み、これらの成分は有意な架橋が生じないように混合物として配合かつともに保存されうる。一実施形態では、当該カプセル化剤は、ビニル官能化有機ポリシロキサンと水素化官能化ポリシロキサンとの間の架橋反応を減速するのに十分な濃度であり、約25℃で約30、90又は180日間、又は約1、2又は3年間有意な架橋なく混合物としてともに配合かつ保存されうる。一実施形態では、当該カプセル化剤は、ビニル官能化有機ポリシロキサンと水素化官能化ポリシロキサンとの間の架橋反応を阻害するのに十分な濃度であり、約25℃で約30、90又は180日間、又は約1、2又は3年間有意な架橋なく混合物としてともに配合かつ保存されうる。一実施形態では、当該カプセル化剤は、約25℃でのビニル官能性オルガノポリシロキサンと水素化官能化ポリシロキサンの架橋反応の反応速度を、当該カプセル化剤がない場合の反応速度の約10%、1%、0.1%、0.01%、0.001%、0.0001%、0.00001%、0.000001%、又は0.00000001%まで減速するのに十分な濃度である。一実施形態では、当該カプセル化剤は、約25℃でのビニル官能性オルガノポリシロキサンと水素化官能化ポリシロキサンの架橋反応の反応速度を、当該カプセル化剤がない場合の反応速度の約10%、1%、0.1%、0.01%、0.001%、0.0001%、0.00001%、0.000001%、又は0.00000001%まで阻害するのに十分な濃度である。一実施形態では、当該カプセル化剤の濃度は、組成物の、約1、10、20、30、40、50、60、70、80、90、95、99又は99.9質量%である。一実施形態では、当該カプセル化剤と遷移金属触媒のモル比は、約107:1、106:1、105:1、104:1、103:1、102:1、10:1、1:1、1:2、1:5、又は1:10である。一実施形態では、当該カプセル化剤と水素化官能化ポリシロキサンのモル比は、約107:1、106:1、105:1、104:1、103:1、102:1、10:1、1:1、1:2、1:5、又は1:10である。
【0532】
一実施形態では、本明細書で提供される組成物を、一段階法で単一配合物として用いる方法であって、本明細書で提供される組成物中の少なくとも1つのジビニルジシロキサンを白金から分離することを含み、当該組成物は、(a)白金;(b)少なくとも1つのビニル官能化有機ポリシロキサン;(c)少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサン;及び(d)前記ビニル官能化有機ポリシロキサンと前記水素化官能化ポリシロキサンとの間の架橋反応を減速するのに十分な濃度のジビニルジシロキサンを含み、これらの成分は有意な架橋が生じないように混合物として配合かつともに保存されうる。一実施形態では、本明細書で提供される組成物を、一段階法で単一配合物として用いる方法であって、本明細書で提供される組成物中の少なくとも1つのカプセル化剤を白金から分離することを含み、当該組成物は、(a)白金;(b)少なくとも1つのビニル官能化有機ポリシロキサン;(c)少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサン;及び(d)前記ビニル官能化有機ポリシロキサンと前記水素化官能化ポリシロキサンとの間の架橋反応を減速するのに十分な濃度のカプセル化剤を含み、これらの成分は有意な架橋が生じないように混合物として配合かつともに保存されうる。一実施形態では、本明細書で提供される組成物を、一段階法で単一配合物として用いる方法であって、本明細書で提供される組成物中の少なくとも1つのカプセル化剤を白金から分離することを含み、当該組成物は、(a)白金;(b)少なくとも1つのビニル官能化有機ポリシロキサン;(c)少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサン;及び(d)前記ビニル官能化有機ポリシロキサンと前記水素化官能化ポリシロキサンとの間の架橋反応を阻害するのに十分な濃度のカプセル化剤を含み、これらの成分は有意な架橋が生じないように混合物として配合かつともに保存されうる。本明細書で提供される組成物中の少なくとも1つのカプセル化剤を水素化官能化ポリシロキサンから分離することを含み、当該組成物は、(a)白金;(b)少なくとも1つのビニル官能化有機ポリシロキサン;(c)少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサン;及び(d)前記ビニル官能化有機ポリシロキサンと前記水素化官能化ポリシロキサンとの間の架橋反応を減速するのに十分な濃度のカプセル化剤を含み、これらの成分は有意な架橋が生じないように混合物として配合かつともに保存されうる。一実施形態では、本明細書で提供される組成物を、一段階法で単一配合物として用いる方法であって、本明細書で提供される組成物中の少なくとも1つのカプセル化剤を水素化官能化ポリシロキサンから分離することを含み、当該組成物は、(a)白金;(b)少なくとも1つのビニル官能化有機ポリシロキサン;(c)少なくとも1つの水素化官能化ポリシロキサン;及び(d)前記ビニル官能化有機ポリシロキサンと前記水素化官能化ポリシロキサンとの間の架橋反応を阻害するのに十分な濃度のカプセル化剤を含み、これらの成分は有意な架橋が生じないように混合物として配合かつともに保存されうる。
【0533】
7.実施例
実施例1、2、3、4及び5で用いた試験手順を、以下に記載する。
【0534】
セットタッチ時間:試験した配合物のセットタッチ時間を、下記に記載する改変ASTM D5895-03法(「機械的記録装置を用いた有機コーティングの膜形成中の乾燥又は硬化を評価するための標準試験法」)によりインビトロで測定した。これらの試験は、試験した配合物の皮膚(以下「バイオスキン(Bioskin)」という)上での挙動を模倣するものである。試験配合物を約100ミクロンの厚さのポリウレタン基質のシートに塗布したが、この厚さは蒸発により急速に減少した。試験配合物は、その輝度を肉眼で測定し、減少が完了するまで、室温及び周囲湿度で、基質上で凝固させた。次いで、おもり(15g;幅1cm、長さ2cm、高さ4.5cm、幅0.39インチ、長さ0.79インチ、高さ1.77インチに相当)を、おもりの長さ及び幅によって規定されるおもりの側面が試料と接触するよう、ポリプロピレンシートの頂部に配置した。2秒後、おもりを除去し、ポリプロピレンシートを試験配合物から注意深く剥離した。次に、ポリプロピレンシートを肉眼(すなわち、拡大装置なし)で視覚的に検査し、何らかの試験配合物がその上に存在するかどうか、及び硬化膜表面が損傷していないかを決定した。この試験は、上記おもりが置かれていない試験配合物の領域について、毎回新しいポリプロピレンシートを用いて、約15秒毎に繰り返した。ポリプロピレンシート上で硬化膜表面が損傷しない時間を試験配合物のインビトロセットタッチ時間と決定した。
【0535】
バイオスキン乾燥時間:試験された配合物の乾燥(ドライアップ)時間は、以下に記載する改変ASTM D5895-03法(「機械的記録装置を用いた有機コーティングの膜形成中の乾燥又は硬化を評価するための標準試験法」)によりインビトロで測定した。これらの試験は、試験した配合物の皮膚(以下「バイオスキン(バイオスキン)」という)上での挙動を模倣するものである。試験配合物を約100ミクロンの厚さのポリウレタン基質のシートに塗布したが、この厚さは蒸発により急速に減少した。試験配合物は、その輝度を肉眼で測定し、減少が完了するまで、室温及び周囲湿度で、基質上で凝固させた。次いで、多孔質ポリプロピレン膜(クリーン&クリアオイルコントロール膜)(1.5cm×4cm、0.59インチ×1.57インチに相当)のシートを、試験配合物の表面上に、壊さないように注意深く重層した。次いで、おもり(15g;幅1cm、長さ2cm、高さ4.5cm、幅0.39インチ、長さ0.79インチ、高さ1.77インチに相当)を、おもりの長さ及び幅によって規定されるおもりの側面が試料と接触するよう、ポリプロピレンシートの頂部に配置した。2秒後、おもりを除去し、シートを試験配合物から注意深く剥離した。次に、シートを肉眼(すなわち、拡大鏡なし)で視覚的に検査し、何らかの試験配合物がその上に存在するかどうかを決定した。この試験は、上記おもりが置かれていない試験配合物の領域について、毎回新しいシートを用いて、約15秒毎に繰り返した油吸着紙に試験組成物が観察されない時間を試験配合物のバイオスキン乾燥時間とする。
【0536】
ハンド乾燥時間:ハンド乾燥時間(Hand Dry up time)は、試験配合物がバイオスキン基質ではなく手の背側に塗布されることを除き、上記のバイオスキン乾燥時間と同様である。
【0537】
単位長さ当たりの接着剥離力:
この接着力試験法は、ASTM C794「エラストマー継手シーラントの接着剥離」に準拠して開発された。インストロン3342単一カラム引張/圧縮試験システム(Instron,Norwood,MA)は、延長グリップ形状を取り付けた100Nロードセル(Instron #2519103)を用いて、厚さ1/32インチのポリプロピレンシートを試験基材として用いることができる。他の類似の装置及び他の柔軟で柔軟な試験基材を用いて、剥離力を測定することもできる。選択した基材への試験組成物の材料及び塗布は、以下の通りである。試験組成物を基材に塗布し、スペーサ端部にガラススライドを前後に滑らせ、試験組成物の平滑かつ均一な層を堆積させる。試験組成物を、室温及び周囲湿度で24時間、その領域に無処置で静置する。幅0.75インチのシリコン接着テープ(メピタック)をフィルムの上につけて、ポリプロピレン基材上の膜表面を完全に覆う。測定前に被験体を室温に保ち、24時間周囲を加湿した後、試験した各材料について、少なくとも3つの試料を測定し、測定の平均剥離力及び標準偏差を記録する。シリコンテープで覆われた試験片を一端で手で部分的に剥離し、シリコンテープで覆われた膜をポリプロピレン基材から十分に分離して、器具の延長グリップ幾何学マウントにより効果的に把持する。各剥離面は、専用の器具グリップで固定する。ストリップが形状に実質的に平行にクランプされることを確認する。2本の剥離帯が完全に剥離するまで1mm/sの速度で伸長試験を行う。剥離力と時間データを記録する。試料の平均剥離力(N/m)は、試料幅(0.75インチ又は0.019m)で正規化した実験中に装置により測定された瞬間的な力(N)を平均することにより計算される。
【実施例1】
【0538】
工程1A - Karstedt触媒(Pt/DVDS)のさらなるジビニルジシロキサン(DVDS)での滴定(シリコン液希釈剤PMX-1184による希釈の有無を問わない)。表1A参照。
【0539】
【0540】
工程1Aでは、各組成物の全ての成分をガラスバイアルにまとめて入れ、ボルテックスミキサーで撹拌した。
【0541】
工程IB - ビニル官能性オルガノポリシロキサン類と水素化官能性オルガノポリシロキサン類(50-75% VS165K、5-15%XL-1、5-15% R812Sを含むOPM-003)の混合、工程1A由来Karstedt/DVDS滴定を伴う。表IB参照。
【0542】
【0543】
工程IBでは、全ての成分をガラスバイアルにまとめて入れ、ボルテックスミキサーで撹拌する。AAA-034-50A2を含む組成物AAA-034-50-B2の安定性及び硬化は、表IBに列挙された組成物の中で最も良好である。
【0544】
工程ICa - AAA-034-50A2を含む、他の官能性賦形剤を含むか又は含まない、工程1Aの混合物及び希釈剤中のビニル官能性オルガノポリシロキサン及び水素化官能性オルガノポリシロキサンの混合物(工程1パイロットA-55% OPM-003を45% PMX-1184シリコン液で混合)。表ICa参照。
【0545】
【0546】
工程ICaでは、全ての成分をガラスバイアルにまとめて入れ、ボルテックスミキサーで撹拌し、得られた組成物を皮膚に塗布する。
【0547】
工程ICaの結果を以下に記載する:
【0548】
AAA-034-50-C1a:得られた膜は薄くて光沢があり、質感はざらざらしていた。膜は5分で硬化した。
【0549】
AAA-034-50-C2a:5分で硬化した。
【0550】
AAA-034-50-C3a:KSG-710の添加により、厚い膜(ナイロンの添加で経験したものと同様)がもたらされたが、耐久性はわずかに低下した。膜は5分で硬化した。
【0551】
AAA-034-50-C4a:AAA-034-50-C2a及びAAA034-50-C3aの光沢及び質感の結果と類似する。膜は5分で硬化した。
【0552】
AAA-034-50-C5a:グリセロールの添加により、膜が滑らかになり、わずかに柔らかくなったが、質感は粗いままである。膜は5分で硬化した。
【0553】
AAA-034-50-C6a:結果はAAA-034-50-C5aと本質的に同じである。
【0554】
AAA-034-50-C7a:当該膜を5分で乾燥。得られた膜は、未だに粗く(still texture)て密着性がある。
【0555】
AAA-034-50-C8a:当該膜を4分で乾燥。得られた膜は、未だに粗くて除去すると薄くなる。
【0556】
AAA-034-50-C9a:当該膜を6分で乾燥。得られた膜は、未だに粗くて密着性がある。
【0557】
AAA-034-50-C10a:当該膜を6分で乾燥。得られた膜は、AAA-034-50-C7a、AAA-034-50-C8a、及びAAA-034-50-C9aよりやや軟らかいが、未だに粗くて除去すると薄くなる。
【実施例2】
【0558】
ヘテロ二官能性オルゴポリシロキサンとAAA-034-50A2との混合物。表2a参照。
【0559】
【0560】
全ての成分をガラスバイアルにまとめて入れ、ボルテックスミキサーで撹拌した。
【0561】
実施例2の組成物の各々について、当該組成物は、1日、7日、及び1か月後には決してセットされない。1ヵ月後、全て液体のままであった。
【実施例3】
【0562】
AAA034-50A2とはサイズ及び構造が異なるビニルオルガノポリシロキサンとXL-11水素化物の混合物。表3a参照。
【0563】
【0564】
全ての成分をガラスバイアルにまとめて入れ、ボルテックスミキサーで撹拌し、得られた組成物を皮膚(手)及びバイオスキンに塗布する。
【0565】
以下に、実施例3の結果を説明する:
【0566】
AAA-034-50-Dla:1週間後に液体のままであり、2週間後に軟質ゲルに変わった。ハンド乾燥時間は2.5分、バイオスキン乾燥時間は5.5分である。
【0567】
AAA-034-50-D2a:72時間後にゲルが柔らかくなる。ハンド乾燥時間は2.5分、バイオスキン乾燥時間は5分である。
【0568】
AAA-034-50-D3a:72時間後に軟質ゲル。ハンド乾燥時間は2.5分、バイオスキン乾燥時間は5.5分である。
【0569】
AAA-034-50-D4a:72時間後の硬質ゲル。ハンド乾燥時間は3分、バイオスキン乾燥時間は4.5分である。
【0570】
AAA-034-50-D5a:72時間後に乾燥した密着性;より硬質のゲル。ハンド乾燥時間は2分、バイオスキン乾燥時間は4.5分である。
【0571】
AAA-034-50-D6a:密着性の乾燥;5.0時間後に固化(ゲル)。ハンド乾燥時間は2.25分、バイオスキン乾燥時間は7分である。
【0572】
AAA-034-50-D7a:0.5時間後に固化。ハンド乾燥時間は3分、バイオスキン乾燥時間は5.5分である。
【0573】
AAA-034-50-D8a:48時間後で液体のままである。ハンド乾燥時間は4.5分、バイオスキン乾燥時間は10分である。
【0574】
AAA-034-50-D9a:18時間後に固化。ハンド乾燥時間は5分、バイオスキン乾燥時間は9分である。
【0575】
AAA-034-50-D10a:48時間後に固化(ゲル)。ハンド乾燥時間は6分、バイオスキン乾燥時間は15分である。
【0576】
AAA-034-50-D11a:48時間後に固化(ゲル)。ハンド乾燥時間は4.5分、バイオスキン乾燥時間は8分である。
【0577】
AAA-034-50-D12a:48時間後でより濃厚な液体。ハンド乾燥時間は4分、バイオスキン乾燥時間は10分である。
【0578】
AAA-034-50-D13a:48時間後に固化(ゲル)。ハンド乾燥時間は3分、バイオスキン乾燥時間は8分である。
【0579】
AAA-034-50-D14a:1週間後で液体のままであり、2週間後に軟質ゲルに変わった。ハンド乾燥時間は2.5分、バイオスキン乾燥時間は7分である。
【実施例4】
【0580】
AAA034-50A2と水素化密度が異なる分枝状水素化オルガノポリシロキサンとVS250(250cSt直鎖状ビニル末端オルガノポリシロキサン)の混合物。表4a参照。
【0581】
【0582】
全ての成分をガラスバイアルにまとめて入れ、ボルテックスミキサーで撹拌し、得られた組成物を皮膚(手)及びバイオスキンに塗布する。
【0583】
ここで、実施例4の結果を説明する。
【0584】
全ての組成物は、冷凍庫で保存した後も液体のままであった。
【0585】
AAA-034-50-F1a:ハンド乾燥時間は2.5分、バイオスキン乾燥時間は6分である。
【0586】
AAA-034-50-F2a:ハンド乾燥時間は4.5分、バイオスキン乾燥時間は6.25分である。
【0587】
AAA-034-50-F3a:ハンド乾燥時間は4分、バイオスキン乾燥時間は5分である。
【0588】
AAA-034-50-F4a:ハンド乾燥時間は6分、バイオスキン乾燥時間は7分である。
【0589】
AAA-034-50-F5a:ハンド乾燥時間は9分、バイオスキン乾燥時間は9分である。
【実施例5】
【0590】
工程ICb -工程1Aの混合物、及び希釈剤中のビニル官能性オルガノポリシロキサン及び水素化官能性オルガノポリシロキサンの混合物(工程1パイロットA- 55% OPM003を45% PMX-1184シリコン液と混合) AAA-034-50A3-他の官能性賦形剤を含むか又は含まない。表lCb参照。
【0591】
【0592】
工程lCbでは、全ての成分をガラスバイアルにまとめて入れ、ボルテックスミキサーで撹拌し、得られた組成物を皮膚に塗布する。
【0593】
工程lCbの結果を説明する:
【0594】
AAA-034-50-C1b:得られた膜は薄くて光沢があり、質感はざらざらしていた。膜は5分間で硬化し、一晩で耐久性がなくなった。
【0595】
AAA-034-50-C2b:ナイロンを添加しても光沢には寄与せず、質感はざらざらしていた。膜は5分で硬化し、一晩後の耐久性はAAA034‐50‐C1bよりもわずかに高かった。
【0596】
AAA-034-50-C3b:KSG-710の添加により、膜(ナイロンの添加と同様)は厚くなったが、耐久性も若干低下した。
【0597】
AAA-034-50-C4b:AAA-034-50-C2b及びAAA034-50-C3bの光沢及び質感の結果は類似する。
【0598】
AAA-034-50-C5b: グリセロールの添加により、膜は滑らかになり、若干の柔化が得られたが、質感は粗いままである。
【0599】
AAA-034-50-C6b:結果は本質的にAAA-034-50-C5bと同様である。
【0600】
AAA-034-50-C7b: 膜は5分後に乾燥する。得られた膜は、ざらざらなままで密着性がある。
【0601】
AAA-034-50-C8b:4分後に膜は乾燥する。得られた膜は、ざらざらなままで除去すると薄くなる。
【0602】
AAA-034-50-C9b:膜は6分で乾燥する。得られた膜は、ざらざらなままで密着性がある。
【0603】
AAA-034-50-C10b:膜は6分で乾燥する。得られた膜は、AAA-034-50-C7b、AAA-034-50-C8b、及びAAA-034-50-C9bよりやや軟らかいが、ざらざらなままで除去すると薄くなる。
【実施例6】
【0604】
ヘテロ二官能性オルゴポリシロキサンとAAA-034-50A3との混合物。表2b参照。
【0605】
【0606】
全ての成分をガラスバイアルにまとめて入れ、ボルテックスミキサーで撹拌する。
【0607】
実施例5の組成物の各々について、このような組成物は、1日、7日、及び1ヶ月後には決してセットされない。1ヵ月後、すべて液体のままであった。
【実施例7】
【0608】
AAA034-50A3とサイズ及び構造が異なるビニルオルガノポリシロキサンと及びXL-11水素化物の混合物。表3b参照。
【0609】
【0610】
全ての成分をガラスバイアルにまとめて入れ、ボルテックスミキサーで撹拌し、得られた組成物を皮膚(手)及びバイオスキンに塗布する。
【0611】
実施例7の結果をいかに説明する:
【0612】
AAA-034-50-Dlb:1週間後で液体のままであり、2週間後に軟質ゲルに変わった。ハンド乾燥時間は2.5分、バイオスキン乾燥時間は5.5分である。
【0613】
AAA-034-50-D2b:72時間後には、より柔らかいゲルになる。ハンド乾燥時間は2.5分、バイオスキン乾燥時間は5分である。
【0614】
AAA-034-50-D3b:72時間後に軟質ゲル。ハンド乾燥時間は2.5分、バイオスキン乾燥時間は5.5分である。
【0615】
AAA-034-50-D4b:72時間後に硬質ゲル。ハンド乾燥時間は3分、バイオスキン乾燥時間は4.5分である。
【0616】
AAA-034-50-D5b:72時間後に乾燥し密着性;より硬いゲル。ハンド乾燥時間は2分、バイオスキン乾燥時間は4.5分である。
【0617】
AAA-034-50-D6b:密着性の乾燥;5.0時間後に固化(ゲル)。ハンド乾燥時間は2.25分、バイオスキン乾燥時間は7分である。
【0618】
AAA-034-50-D7b:0.5時間後に固化。ハンド乾燥時間は3分、バイオスキン乾燥時間は5.5分である。
【0619】
AAA-034-50-D8b:48時間後に液体のままである。ハンド乾燥時間は4.5分、バイオスキン乾燥時間は10分である。
【0620】
AAA-034-50-D9b:18時間後に固化。ハンド乾燥時間は5分、バイオスキン乾燥時間は9分である。
【0621】
AAA-034-50-D10b:48時間後に固化(ゲル)。ハンド乾燥時間は6分、バイオスキン乾燥時間は15分である。
【0622】
AAA-034-50-D11b:48時間後に固化(ゲル)。ハンド乾燥時間は4.5分、バイオスキン乾燥時間は8分である。
【0623】
AAA-034-50-D12b:48時間後にはより濃厚な液体。ハンド乾燥時間は4分、バイオスキン乾燥時間は10分である。
【0624】
AAA-034-50-D13b:48時間後に固化(ゲル)。ハンド乾燥時間は3分、バイオスキン乾燥時間は8分である。
【0625】
AAA-034-50-D14b:1週間後に液体のままであり、2週間後に軟質ゲルに変わった。ハンド乾燥時間は2.5分、バイオスキン乾燥時間は7分である。
【実施例8】
【0626】
AAA-034-50A3とは水素化密度が異なる分枝状水素化オルガノポリシロキサンとVS250(250cSt直鎖状ビニル末端オルガノポリシロキサン)の混合物。表4b参照。
【0627】
【0628】
全ての成分をガラスバイアルにまとめて入れ、ボルテックスミキサーで撹拌し、得られた組成物を皮膚(手)及びバイオスキンに塗布する。
【0629】
以下に、実施例8の結果について説明する。
【0630】
全ての組成物は、冷凍庫に保存した後も液体のままであった。
【0631】
AAA-034-50-F1b:ハンド乾燥時間は2.5分、バイオスキン乾燥時間は6分である。
【0632】
AAA-034-50-F2b:ハンド乾燥時間は4.5分、バイオスキン乾燥時間は6.25分である。
【0633】
AAA-034-50-F3b:ハンド乾燥時間は4分、バイオスキン乾燥時間は5分である。
【0634】
AAA-034-50-F4b:ハンド乾燥時間は6分、バイオスキン乾燥時間は7分である。
【0635】
AAA-034-50-F5b:ハンド乾燥時間は9分、バイオスキン乾燥時間は9分である。
【実施例9】
【0636】
溶媒蒸発プロセスの概略図を
図3に示すが、この方法では、水不溶性の揮発性有機溶媒、例えば、ジクロロメタン又はクロロホルム、ジシロキサン又はイソドデカンに水不溶性のカプセル化剤を溶解し、その中に触媒を溶解又は分散させる。得られた溶液を、適当な安定剤を備える撹拌水溶液に滴下して添加し、カプセル化された材料を含有する小さな重合体小滴を形成する。また、コア材料は、この水溶液中に分散又は溶解されてもよい。適当な経過時間後、小滴を硬化して対応する重合体マイクロカプセルを生成する。この硬化プロセスは、溶媒蒸発(加熱又は減圧による)又は溶媒抽出(沈殿剤である第三の液体を用いる)のいずれかによって、重合体小滴から溶媒を除去することによって達成される。
【実施例10】
【0637】
工程1AA - 追加のヘキサジエン(HD)によるPt/ヘキサジエン(Pt/HD)の滴定(イソドデカン(IDD)希釈液による追加の希釈の有無によらず)。表1A参照。
【0638】
【0639】
工程1AAでは、全ての成分をガラスバイアルにまとめて入れ、ボルテックスミキサーで撹拌する。
【0640】
工程1BB- 工程1AA由来のPt/HD滴定を伴う、不飽和有機重合体及び水素化官能性オルガノポリシロキサンの混合物(50~75%の1,4-ブタンジオールジアクリレート、5~15%のXL-ll、515%のR812Sを含むOPM-001)。表5B参照。
【0641】
【0642】
工程1BBでは、全ての成分をガラスバイアルにまとめて入れ、ボルテックスミキサーで撹拌した。AAA-034-50AA2を含む組成物AAA-034-50-BB2の安定性及び硬化は、表1Bで挙げられた組成物の中で最も良好である。
【0643】
工程1CCa- 工程1AAの混合物、及び希釈剤中の不飽和有機重合体及び水素化官能性オルガノポリシロキサンの混合物(工程1パイロットAA-55% OPM-001と45% IDDの混合物)とAAA-034-50AA2との混合物- 他の官能性賦形剤の存在下又は非存在下。表5Caを参照。
【0644】
【0645】
工程1CCaでは、全ての成分をガラスバイアルにまとめて入れ、ボルテックスミキサーで撹拌し、得られた組成物を皮膚に塗布する。
【0646】
工程1CCaの結果について説明する:
【0647】
AAA-034-50-CC1a:得られた膜は薄くて光沢があり、質感はざらざらしていた。膜は5分で硬化した。
【0648】
AAA-034-50-CC2a:5分で硬化。
【0649】
AAA-034-50-CC3a:KSG-710の添加により、膜は厚くなったものの(ナイロンの添加時と同様)、耐久性も若干低下した。膜は5分で硬化した。
【0650】
AAA-034-50-CC4a:AAA-034-50-CC2a及びAAA034-50-CC3aの光沢及び質感に関する結果は、AAA-034-50-CC2a及びAAA034-50-CC3aと類似する。膜は5分で硬化した。
【0651】
AAA-034-50-CC5a:グリセロールの添加により、膜は滑らかになり、若干柔化したが、質感は粗いままである。膜は5分で硬化した。
【0652】
AAA-034-50-CC6a:結果はAAA-034-50-CC5aと本質的に同様である。
【0653】
AAA-034-50-CC7a:膜は5分後に乾燥する。得られた膜は、ざらざらなままで密着性がある。
【0654】
AAA-034-50-CC8a:膜は4分後に乾燥する。得られた膜は、ざらざらなままで除去すると薄くなる。
【0655】
AAA-034-50-CC9a:膜は6分後に乾燥する。得られた膜は、ざらざらなままで密着性がある。
【0656】
AAA-034-50-CC10a:膜は6分後に乾燥する。得られた膜は、AAA-034-50-CC7a、AAA-034-50CC8a、及びAAA-034-50-CC9aよりいくぶん柔らかいが、ざらざらなままで除去すると薄くなる。
【実施例11】
【0657】
ヘテロ二官能性オルゴポリシロキサンとAAA-034-50AA2との混合物。表6a参照。
【0658】
【0659】
全ての成分をガラスバイアルにまとめて入れ、ボルテックスミキサーで撹拌する。
【0660】
実施例11の各組成物について、このような組成物は、1日、7日、及び1ヶ月後には決してセットされない。1ヵ月後、全て液体のままであった。
【実施例12】
【0661】
AAA-034-50AA2とサイズ及び構造が異なる不飽和有機重合体と及びXL-11水素化物の混合物。表7a参照。
【0662】
【0663】
全ての成分をガラスバイアルにまとめて入れ、ボルテックスミキサーで撹拌し、得られた成分を皮膚(手)及びバイオスキンに塗布する。
【0664】
以下に、実施例12の結果を説明する:
【0665】
AAA-034-50-DD1a:1週間後で液体のままであり、2週間後に軟質ゲルに変わった。ハンド乾燥時間は2.5分、バイオスキン乾燥時間は5.5分である。
【0666】
AAA-034-50-DD2a: 72時間後にゲルが柔らかくなる。ハンド乾燥時間は2.5分、バイオスキン乾燥時間は5分である。
【0667】
AAA-034-50-DD3a:72時間後に軟質ゲル。ハンド乾燥時間は2.5分、バイオスキン乾燥時間は5.5分である。
【0668】
AAA-034-50-DD4a:72時間後の硬質ゲル。ハンド乾燥時間は3分、バイオスキン乾燥時間は4.5分である。
【0669】
AAA-034-50-DD5a:72時間後に乾燥した密着性;より硬いゲル。ハンド乾燥時間は2分、バイオスキン乾燥時間は4.5分である。
【0670】
AAA-034-50-DD6a:密着性の乾燥;5.0時間後に固化(ゲル)。ハンド乾燥時間は2.25分、バイオスキン乾燥時間は7分である。
【0671】
AAA-034-50-DD7a:0.5時間後に固化。ハンド乾燥時間は3分、バイオスキン乾燥時間は5.5分である。
【0672】
AAA-034-50-DD8a:48時間後でも液体のままであった。ハンド乾燥時間は4.5分、バイオスキン乾燥時間は10分である。
【0673】
AAA-034-50-DD9a:18時間後に固化。ハンド乾燥時間は5分、バイオスキン乾燥時間は9分である。
【0674】
AAA-034-50-DD10a:48時間後に固化(ゲル)。ハンド乾燥時間は6分、バイオスキン乾燥時間は15分である。
【0675】
AAA-034-50-DD11a:48時間後に固化(ゲル)。ハンド乾燥時間は4.5分、バイオスキン乾燥時間は8分である。
【0676】
AAA-034-50-DD12a:48時間後により濃厚な液体。ハンド乾燥時間は4分、バイオスキン乾燥時間は10分である。
【0677】
AAA-034-50-DD13a:48時間後に固化(ゲル)。ハンド乾燥時間は3分、バイオスキン乾燥時間は8分である。
【0678】
AAA-034-50-DD14a:1週間後でも液体のままであり、2週間後に軟質ゲルに変わった。ハンド乾燥時間は2.5分、バイオスキン乾燥時間は7分である。
【実施例13】
【0679】
AAA-034-50AA2と水素化密度が異なる分枝状水素化オルガノポリシロキサンとVS250(250cSt直鎖状ビニル末端オルガノポリシロキサン)の混合物。表8a参照。
【0680】
【0681】
全ての成分をガラスバイアルにまとめて入れ、ボルテックスミキサーで撹拌し、得られた組成物を皮膚(手)及びバイオスキンに塗布する。
【0682】
ここで、実施例13の結果を説明する。
【0683】
全ての組成物は、冷凍庫に保存した後も液体のままであった。
【0684】
AAA-034-50-FF1a:ハンド乾燥時間は2.5分、バイオスキン乾燥時間は6分である。
【0685】
AAA-034-50-FF2a:ハンド乾燥時間は4.5分、バイオスキン乾燥時間は6.25分である。
【0686】
AAA-034-50-FF3a:ハンド乾燥時間は4分、バイオスキン乾燥時間は5分である。
【0687】
AAA-034-50-FF4a:ハンド乾燥時間は6分、バイオスキン乾燥時間は7分である。
【0688】
AAA-034-50-FF5a:ハンド乾燥時間は9分、バイオスキン乾燥時間は9分である。
【実施例14】
【0689】
工程1CCb-工程1Aの混合物、及び希釈剤中の不飽和有機重合体及び水素化官能性オルガノポリシロキサンの混合物(工程1パイロットAA-55% OPM001に45% IDDを混合)AAA-034-50AA3-他の官能性賦形剤を含む又は含まない。表1CCb参照。
【0690】
【0691】
工程1CCbでは、全ての成分をガラスバイアルにまとめて入れ、ボルテックスミキサーで撹拌し、得られた組成物を皮膚に塗布する。
【0692】
工程1CCbの結果について説明する:
【0693】
AAA-034-50-CC1b:得られた膜は薄くて光沢があり、質感はざらざらしていた。膜は5分間で硬化し、一晩で耐久性がなくなった。
【0694】
AAA-034-50-CC2b:ナイロンを添加しても光沢はなく、質感は粗雑であった。膜は5分で硬化し、一晩での耐久性は、AAA034-50-CC1bよりもわずかに高かった。
【0695】
AAA-034-50-CC3b:KSG-710を添加すると、膜は厚くなった(ナイロンの添加と同様)が、耐久性は若干低下した。
【0696】
AAA-034-50-CC4b:AAA-034-50-CC2b及びAAA034-50-CC3bの光沢及び質感の結果は類似する。
【0697】
AAA-034-50-CC5b:グリセロールを添加すると、膜が滑らかになり、若干柔化したが、質感は粗いままである。
【0698】
AAA-034-50-CC6b:結果はAAA-034-50-CC5bと本質的に同じである。
【0699】
AAA-034-50-CC7b:膜は5分後に乾燥する。得られた膜は、ざらざらなままで密着性がある。
【0700】
AAA-034-50-CC8b:膜は4分後に乾燥する。得られた膜は、ざらざらなままで除去すると薄くなる。
【0701】
AAA-034-50-CC9b:膜は6分で乾燥する。得られた膜は、ざらざらなままで密着性がある。
【0702】
AAA-034-50-CC10b:膜は6分で乾燥する。得られた膜は、AAA-034-50-CC7b、AAA-034-50-CC8b、及びAAA-034-50-CC9bよりいくぶん柔らかいが、ざらざらなままで除去すると薄くなる。
【0703】
溶媒蒸発プロセスの概略図を
図3に示すが、この方法では、水不溶性の揮発性有機溶媒、例えば、ジクロロメタン又はクロロホルム、ジシロキサン又はイソドデカンに水不溶性のカプセル化剤を溶解し、その中に触媒を溶解又は分散させる。得られた溶液を、適当な安定剤が含まれる撹拌水溶液に滴下して添加し、カプセル化された材料を含有する小さな重合体小滴を形成する。また、コア材料は、この水溶液中に分散又は溶解されてよい。適当な経過時間の後、小滴を硬化して対応する重合体マイクロカプセルを生成する。この硬化プロセスは、溶媒蒸発(加熱又は減圧による)又は溶媒抽出(沈殿剤である第三の液体を用いる)のいずれかによって、重合体小滴から溶媒を除去することにより達成される。
【0704】
図4に噴霧乾燥プロセスの概略図を示すが、カプセル化する触媒を溶媒に添加し(触媒と溶媒の比率を最適化することができる)、混合物を均質化する。カプセル化剤は、この段階で添加される。次いで、この混合物を循環熱風とともにスプレードライヤに供給し、噴霧する。噴霧は、空気噴霧器、圧力ノズル、回転ディスク、液体ノズル及び音波ノズルの様々なタイプの噴霧器によって作成できる。溶媒を熱風によって蒸発させ、カプセル化剤で触媒をカプセル化する。得られたマイクロカプセルの小粒子を収集容器に沈着させて、そこで収集する。
【0705】
本発明を、例示的実施形態を参照して説明してきたが、本発明は開示された例示的実施形態に限定されるものではないことを理解されたい。以下の特許請求の範囲は、そのような改変、均等な構造及び機能の全てを包含するように、最も広い解釈が与えられる。
【国際調査報告】