(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-16
(54)【発明の名称】加速度計データの記憶における改善又はそれに関する改善
(51)【国際特許分類】
G07C 5/00 20060101AFI20220609BHJP
G01D 9/00 20060101ALI20220609BHJP
【FI】
G07C5/00 Z
G01D9/00 A
G01D9/00 T
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021539638
(86)(22)【出願日】2020-01-14
(85)【翻訳文提出日】2021-07-07
(86)【国際出願番号】 GB2020050068
(87)【国際公開番号】W WO2020161464
(87)【国際公開日】2020-08-13
(32)【優先日】2019-02-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518238850
【氏名又は名称】ヴィオニア スウェーデン エービー
(74)【代理人】
【識別番号】100098143
【氏名又は名称】飯塚 雄二
(72)【発明者】
【氏名】リンゲバル、フレデリック
【テーマコード(参考)】
2F070
3E138
【Fターム(参考)】
2F070AA01
2F070BB01
2F070CC01
2F070DD01
2F070DD14
2F070FF04
2F070FF09
2F070FF12
3E138AA07
3E138MA02
3E138MB03
3E138ME01
(57)【要約】
車両のパラメータに関するデータを記憶する方法であって、このデータが、車両センサによって提供され、この方法は、ある時間間隔において、車両センサから一連の第1の値及び第2の値を受信するステップであって、各第1の値が、車両センサによって感知されるパラメータを表し、各第2の値が、車両センサの機能に関する、受信するステップと、受信される各新しい第1の値について、(a)新しい第1の値を、受信された直前の第1の値と比較するステップ、(b)新しい第1の値と直前の第1の値との間の差が差の閾値を下回る場合に、差をメモリに記憶するステップ、又は、(c)新しい第1の値と直前の第1の値との間の差が差の閾値を上回る場合、新しい第1の値をメモリに記憶するステップと、同一値を有した、受信された連続する第2の値の数を記録するカウンタを維持するステップと、を含む、方法。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のパラメータに関するデータを記憶する方法であって、前記データが、車両センサによって提供され、前記方法が、
ある時間間隔において、前記車両センサから一連の第1の値及び第2の値を受信するステップであって、各第1の値が、前記車両センサによって感知されるパラメータを表し、各第2の値が、前記車両センサの前記機能に関する、受信するステップと、
受信される各新しい第1の値について、
(a)前記新しい第1の値を、受信された前記直前の第1の値と比較するステップ、
(b)前記新しい第1の値と前記直前の第1の値との間の差が差の閾値を下回る場合に、前記差をメモリに記憶するステップ、又は、
(c)前記新しい第1の値と前記直前の第1の値との間の差が差の閾値を上回る場合に、前記新しい第1の値を前記メモリに記憶するステップと、
同一値を有した、受信された連続する第2の値の数を記録するカウンタを維持するステップと、
受信される各新しい第2の値について、
(a)前記新しい第2の値を、受信された前記直前の第2の値と比較するステップ、
(b)前記新しい第2の値が前記直前の第2の値と同一である場合に、前記カウンタをインクリメントするステップ、又は、
(c)前記新しい第2の値が前記直前の第2の値とは異なる場合に、前記現在のカウンタ値と共に前記直前の第2の値を前記メモリに記録し、次いで、前記カウンタをリセットするステップ、及び
(d)前記カウンタがカウンタ閾値に達した場合に、前記カウンタ閾値と共に前記新しい第2の値を前記メモリに記録し、カウンタをリセットするステップと、を含む、方法。
【請求項2】
前記新しい第1の値と前記直前の第1の値との間の前記差を記憶する前記ステップが、第1の長さを有するデータワードを記憶することを含み、
前記新しい第1の値を記憶する前記ステップが、第2の長さを有するデータワードを記憶することを含み、
前記第1の長さが、前記第2の長さよりも短い、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記新しい第1の値を記憶する前記ステップが、前記データワードが第1の値を含むことを示す1つ以上のビットを含むデータワードを記憶することを含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記新しい第1の値と前記直前の第1の値との間の前記差を記憶する前記ステップが、データワードが2つの連続する第1の値間の差を含むことを示す1つ以上のビットを含む前記データワードを記憶することを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記1つ以上のビットが、前記データワードの先頭に現れるヘッダを含み、好ましくは、前記1つ以上のビットが、単一ビットを含む、請求項3又は4に記載の方法。
【請求項6】
前記車両の前記パラメータに関する前記データが記憶されている時刻を示すタイムスタンプデータを記録するステップを更に含み、好ましくは、前記第1の値に関連するタイムスタンプデータと、前記第2の値に関連するタイムスタンプデータとを、別個に記録するステップを更に含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記第2の値に関連するタイムスタンプデータを周期的間隔で記録するステップと、
先行のタイムスタンプデータの記録以降の間隔に続いて、前記カウンタがインクリメント中である場合は、前記第2の値に関連するタイムスタンプデータを記録する前に、前記第2の値に関するデータが記録されるまで待機するステップと、を更に含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記車両センサから、前記新しい第1の値及び前記新しい第2の値を含むデータパッケージを受信するステップと、前記新しい第1の値と前記新しい第2の値とを分離するステップと、を含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記現在のカウンタ値と共に、前記直前の第2の値を前記メモリに記録することが、前記直前の第2の値及び前記現在のカウンタ値を含むデータワードを前記メモリに記憶することを含み、前記カウンタ閾値と共に、前記新しい第2の値を前記メモリに記録することが、前記新しい第2の値及び前記カウンタ閾値を含むデータワードを前記メモリに記憶することを含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか一項に従って第1の値及び第2の値を車両の前記メモリに記録して、現時点の直前の設定期間に関する第1の値及び第2の値を記憶することと、前記現時点の前の前記設定期間よりも長い時間に関する第1の値及び第2の値を上書きすることと、を含む、方法。
【請求項11】
コンピュータプログラムコードがコンピュータ上で実行されるとき、コンピュータに、請求項1~10のいずれか一項に記載のステップの全てを実行させるように動作可能な前記コードを含む、コンピュータプログラム製品。
【請求項12】
請求項11に記載のコンピュータプログラムコードを記憶する、コンピュータ可読媒体。
【請求項13】
使用中に、車両センサから一連の第1の値及び第2の値を生成する前記車両センサを有する車両であって、各第1の値が、前記車両センサによって感知されるパラメータを表し、各第2の値が、前記車両センサの機能に関し、
前記第1の値及び第2の値が、前記車両センサから車両プロセッサに送信され、請求項1~10のいずれか一項に従って前記車両のメモリに記憶される、車両。
【請求項14】
前記一連の第1の値及び第2の値が、一連のリンクされた第1の値及びリンクされた第2の値を含み、各リンクされた第1の値及びリンクされた第2の値において、前記第1の値が、前記車両センサによって感知されるパラメータを表し、前記第2の値が、前記パラメータを感知して、前記第1の値を生成するときの、前記車両センサの機能に関する、請求項13に記載の車両。
【請求項15】
前記センサが、加速度計であり、好ましくは、前記車両が、複数のセンサを含み、前記センサの各々からのデータが、請求項1~10のいずれか一項に従って前記メモリに記憶される、請求項13又は15に記載の車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両における加速度計データの記憶に関し、詳細には、加速度計データを効率的に記憶することに関する。
【背景技術】
【0002】
最新の車両の多くは、加速度計などのセンサを含んでいる。衝突などの事故の後に、多くの場合、事故の特定の態様が再現され得るために、事故の前、最中、及び後に、これらのセンサによって提供された信号を確認することが有用である。これにより、例えば、車両のセンサからの信号に基づいて起動されるエアバッグなどの安全システムが、正確に作動されたか、又は正しい時間に作動されたかどうかについて判定を可能にし得る。
【0003】
このため、いくつかの車両は、衝突などの事故が発生していると判定されると、特定の車両センサによって生成された信号の記録を開始することになる。ただし、このようにして記録された信号は、事故が発生し始める前に生成された信号が捕捉されないため、完全な画像を提供しないことになる。
【0004】
したがって、現時点の直前の期間にセンサによって生成された信号の記録を、常時、メモリに格納することが提案されている。この期間は、例えば2秒であり得る。衝突などの事故が発生すると、このデータは保持され得、事故が継続するのに合わせてセンサからの信号も記録され得る。したがって、この技術を使用して、調査担当者が、事故が始まる2秒前から開始して、事故全体にわたってセンサ信号の記録を取り出すことができるはずである。
【0005】
この技術は有利であるが、車両は、2秒のセンサデータ(すなわち、任意の所与の瞬間において、直前の2秒に関するデータ)が常に保持されるメモリを含むことを必要とする。これは、比較的大量のデータであり得る。
【発明の概要】
【0006】
本発明の目的は、この種の改善されたシステムを提供することを追求することである。
【0007】
したがって、本発明の一態様は、車両のパラメータに関するデータを記憶する方法を提供し、このデータは、車両センサによって提供され、この方法は、ある時間間隔において、車両センサからの一連の第1の値及び第2の値を受信するステップであって、各第1の値が、車両センサによって感知されるパラメータを表し、各第2の値が、車両センサの機能に関する、受信するステップと、受信される各新しい第1の値について、(a)新しい第1の値を、受信された直前の第1の値と比較するステップ、(b)新しい第1の値と直前の第1の値との間の差が差の閾値を下回る場合に、この差をメモリに記憶するステップ、又は、(c)新しい第1の値と直前の第1の値との間の差が差の閾値を上回る場合に、新しい第1の値をメモリに記憶するステップと、同一値を有した、受信された連続する第2の値の数を記録するカウンタを維持するステップと、受信される各新しい第2の値について、(a)新しい第2の値を、受信された直前の第2の値と比較するステップ、(b)新しい第2の値が直前の第2の値と同一である場合に、カウンタをインクリメントするステップ、又は、(c)新しい第2の値が直前の第2の値とは異なる場合に、現在のカウンタ値と共に直前の第2の値をメモリに記録し、次いで、カウンタをリセットするステップと、(d)カウンタがカウンタ閾値に達した場合に、カウンタ閾値と共に新しい第2の値をメモリに記録し、カウンタをリセットするステップと、を含む。
【0008】
有利には、新しい第1の値と直前の第1の値との間の差を記憶するステップは、第1の長さを有するデータワードを記憶することを含み、新しい第1の値を記憶するステップは、第2の長さを有するデータワードを記憶することを含み、第1の長さは第2の長さよりも短い。
【0009】
好ましくは、新しい第1の値を記憶するステップは、データワードが第1の値を含むことを示す1つ以上のビットを含むデータワードを記憶することを含む。
【0010】
好都合には、新しい第1の値と直前の第1の値との間の差を記憶するステップは、データワードが2つの連続する第1の値間の差を含むことを示す1つ以上のビットを含むデータワードを記憶することを含む。
【0011】
有利には、1つ以上のビットは、データワードの先頭に現れるヘッダを含む。
【0012】
好ましくは、1つ以上のビットは、単一ビットを含む。
【0013】
好都合には、本方法は、車両のパラメータに関するデータが記憶されている時刻を示すタイムスタンプデータを記録するステップを更に含む。
【0014】
有利には、本方法は、第1の値に関連するタイムスタンプデータと、第2の値に関連するタイムスタンプデータとを、別個に記録するステップを更に含む。
【0015】
好ましくは、本方法は、第2の値に関連して周期的間隔でタイムスタンプデータを記録するステップと、先行のタイムスタンプデータの記録以降の間隔に続いてカウンタがインクリメント中である場合は、第2の値に関連するタイムスタンプデータを記録する前に、第2の値に関するデータが記録されるまで待機するステップと、更に含む。
【0016】
好都合には、本方法は、車両センサから、新しい第1の値及び新しい第2の値を含むデータパッケージを受信するステップと、新しい第1の値と新しい第2の値とを分離するステップと、を含む。
【0017】
有利には、現在のカウンタ値と共に、直前の第2の値をモリに記録することは、直前の第2の値及び現在のカウンタ値を含むデータワードをメモリに記憶することを含み、カウンタ閾値と共に、新しい第2の値をメモリに記録することは、新しい第2の値及びカウンタ閾値を含むデータワードをメモリに記憶することを含む。
【0018】
本発明の別の態様は、上記のいずれかに従って第1値及び第2の値を車両のメモリに記録して、現時点の直前の設定期間に関する第1の値及び第2の値を記憶することと、現時点の直前の設定期間よりも長い時間に関する第1の値及び第2の値を上書きすることと、を含む方法を提供する。
【0019】
本発明の更なる態様は、コンピュータプログラムコードがコンピュータ上で実行されるとき、コンピュータに、上記のうちのいずれかのステップの全てを実行させるように動作可能なコードを含むコンピュータプログラム製品を提供する。
【0020】
本発明の別の態様は、上記によるコンピュータプログラムコードを記憶するコンピュータ可読媒体を提供する。
【0021】
本発明の更なる態様は、使用中に、車両センサから一連の第1の値及び第2の値を生成する車両センサを有する車両を提供し、各第1の値は、車両センサによって感知されるパラメータを表し、各第2の値は、車両センサの機能に関し、第1の値及び第2の値は、車両センサから車両プロセッサに送信され、上記のいずれかに従って車両のメモリに記憶される。
【0022】
有利には、一連の第1の値及び第2の値は、一連のリンクされた第1の値及びリンクされた第2の値を含み、各リンクされた第1の値及び第2の値のそれぞれにおいて、第1の値は、車両センサによって感知されるパラメータを表し、第2の値は、車両センサがパラメータを感知したときの、第1の値を生成する機能に関している。
【0023】
好ましくは、センサは、加速度計であり、好ましくは、車両は、複数のセンサを含み、センサの各々からのデータは、上記のいずれか1つに従ってメモリに記憶される。
【図面の簡単な説明】
【0024】
本発明がより容易に理解され得るように、添付図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。
【
図1】時間に対する加速度及びデータの有効性のグラフを示す。
【
図2】
図1に示されるデータについての、時間に対する加速度及びデータの有効性の変化を示す。
【
図15】有効性データの符号化における段階を示す。
【
図16】有効性データの符号化における段階を示す。
【
図17】有効性データの符号化における段階を示す。
【
図18】有効性データの符号化における段階を示す。
【
図19】有効性データの符号化における段階を示す。
【
図20】有効性データの符号化における段階を示す。
【
図21】有効性データの符号化における段階を示す。
【
図22】有効性データの符号化における段階を示す。
【
図23】有効性データの符号化における段階を示す。
【発明を実施するための形態】
【0025】
最新の車両は、250μs毎に、加速度値及び有効性フラグを生成する加速度計を含み得る。
【0026】
加速度値は、一般に、-512~+511の範囲を有する、10ビットの符号付きワードの形態をとり得る。
【0027】
有効性フラグは、単一ビット、すなわち0又は1のいずれかであり得る。有効性フラグは、センサによって提供されるデータが信頼できるかどうか、例えば、衝突の最中に時々発生し得るように、センサが非接続になっていないかどうかを示す。加速度値が、データが信頼できることを示す有効性フラグ値を伴う場合、その加速度値は、調査担当者によって使用されるか又は検討されることになる。ただし、加速度値が、データが信頼できないことを示す有効フラグ値を伴う場合、この加速度値は、調査担当者によって使用されないか又は検討されないことになる。調査担当者は、例えば、同時に他のセンサによって生成された信号を検討して、予備の方策を適用し得る。
【0028】
この種の8つのセンサが車両に存在する場合、最小必要な帯域幅は、
8×(10+1)ビット/(250μs)=352kbit/秒=44ko/秒
【0029】
上述のように、全てのセンサからのデータが2秒間保持される場合、この情報を記憶するために必要なメモリ(RAMなど)は88キロオクテットである。
【0030】
当業者であれば認識されるように、RAMは比較的高価であり、したがって、車両のマイクロコントローラを選択する場合に費用のかかるパラメータとなる。
【0031】
本発明の実施形態は、このデータを格納するために必要とされる記憶の量を低減し得る。
【0032】
本発明者らは、通常の状況下では、加速度値は、一般には、急速に変化しないことに注目した。更に、有効性フラグは、一般に、サンプルのかなり長いシーケンスについて「真」又は「偽」であり、連続したサンプル間では交互にならない。
【0033】
したがって、記憶されることになるデータの量は、各サンプリング時間において受信された値を記憶する代わりに、現在のサンプルと先行のサンプルとの間の差(又は差を表すデータ)を記憶することによって低減され得る。
【0034】
図1は、時間に関して、衝突事故中に加速度計によって感知され得る加速度1の概略図である。この図では、加速度1は、表される時間の大部分に対してゼロに近い値を有するが、衝突事故が発生する時間の一部(参照番号5によって示される)に対してかなり高い値を有する。
【0035】
図1はまた、同一の時間尺度で、このセンサに関する有効性フラグの値2を示す。
図1から分かるように、有効性フラグは、2つの値、比較的高い値3(「真」信号を表す、又はセンサからのデータが信頼できることを示す)及び比較的低い値4(「偽」信号を表す、又はセンサからのデータが信頼できないことを示す)のみをとる。
【0036】
図2は、各プロットされた点において、先行のプロットされた点と比較した加速度の差を示す線6を含むグラフを示す。
【0037】
衝撃事故を表す領域の外側では、この線6は比較的わずかに変化し、ほぼ完全に値-4~+3に位置することが分かり得る。
【0038】
図2はまた、各プロットされた点において、先行のプロットされた点と比較した有効性フラグの値の差を示す線7を含む。このグラフの尺度では、グラフの大部分にわたってこの線7によって占有される値はゼロに対応する。
【0039】
この線7はほぼ一定であることが分かり得る。
【0040】
本発明の実施形態による、このデータを符号化するためのスキームが以下に説明される。
【0041】
加速度の値については、サンプルの値と直前のサンプルの値との間の差が所定の閾値を下回る場合に、そのサンプルに関して差そのものが記憶される。好ましい実施形態では、このデータは、以下の値が差(又はデルタ値)であることを示すヘッダと共に記憶される。
【0042】
代替的に、サンプルの値と直前のサンプルの値との間の差が所定の閾値を上回る場合に、そのサンプルに関する感知された加速度の値が記憶される。好ましい実施形態では、このデータは、以下の値が(デルタ値ではなく)直截的なセンサ値であることを示すヘッダと共に記憶される。
【0043】
図1及び
図2に示されるデータの実施例では、このようにデータを記憶することは、デルタ値に対して2228ビット、及び感知された値に対して484ビットを必要とするであろう。したがって、合計2712ビットが必要とされる。
【0044】
対照的に、従来のシステムの場合と同様に、直截的なセンサ値の全てが記憶されている場合、6010ビットが必要とされたであろう。したがって、上述のスキームによれば、加速度値について221%の記憶効率、すなわち2.2の圧縮比を可能にする。
【0045】
有効性フラグの値について、有効性フラグが値を変化させる場合は、有効性フラグが同一値を保持していた直前のサンプルの数を記録する日時を記憶することが提案されている。好ましい実施形態では、有効フラグが同一値を保持するサンプルの数のカウントが維持される。有効性フラグが同一値を所定のサンプルの数まで保持すると、エントリがメモリに記憶されてこれを記録し、カウントが再開される。例えば、有効性フラグが同一値を127個のサンプルまで保持した場合、エントリがメモリに記憶されてこれを記録し得る。
【0046】
図1に示されるデータを再び参照すると、この技術は、データの最初の長い不変部分を記憶するために3x8ビット、負のパルスを記憶するために8ビット、及び負のパルスに続くデータの最後の部分を記憶するために更に8ビットを必要とし得る。これは、合計40ビットが必要であることを意味する。対照的に、有効性フラグが各サンプルについて従来の方法で記録される場合、これは601ビットを必要とするであろう。この実施例では、有効性フラグについて、この技術は、したがって、1502%の記録効率、すなわち15の圧縮比を可能にする。
【0047】
加速度値及び有効性フラグの両方について上記で与えられた数値を組み合わせると、従来の手法を使用して必要とされる合計6611ビットと比較して、本発明によるスキームを使用して合計2752ビットが必要とされる。したがって、これは、全体として240%の記憶効率、すなわち2.4の圧縮比を可能にする。
【0048】
図3~
図23は、この技術を使用したデータの記憶の表現を示す。
【0049】
まず、加速度を参照すると、
図3は、5の値が特定のサンプルにおいて受信されることを示す。先行の加速度値が0であったので、したがって、これは5のデルタ値を与える。これは閾値を下回るため、(上述のように)デルタ値が記憶されることになる。
図3は、メモリ11に記憶されたデータ10が、後続のデータがデルタ値であることを示すヘッダビット12を含むことを示している。この実施例では、0のヘッダ値が使用され、後続のデータがデルタ値であることを示すが、任意の他の好適なスキームが使用され得る。メモリ11に記憶されたデータ10はまた、デルタ値自体を符号化する4ビット13を含む。
【0050】
図4を参照すると、新しい値8が次のサンプルにおいて受信される。このサンプルの値と先行の値との間の差は3であり、これは再び閾値を下回るため、この差はデルタ値として記憶される。
図4は、メモリ11に記憶されるデータ10が、ヘッダビット12(これは、再び0になる)、及びデルタ値を符号化する4ビット13を含むことを再び示している。
図4では、2つのデルタ値がメモリ11に記憶されていることが分かり得る。
【0051】
図5は、値1が受信された新しいサンプルを示している。新しい差は-7であり、これは、1つのヘッダビット12及び4つのデータビット13としてメモリ11に再び記憶される。
【0052】
図6は、-200の値を有する新しいサンプルが受信されたことを示している。したがって、差は-201であり、これは閾値を上回る。したがって、デルタ値として記憶される代わりに、このサンプルは直截的なセンサ値として記憶される。
図6から分かるように、メモリ11に記憶されるデータ14は、ヘッダビット15を含み、これは、後続のデータが直截的なセンサ値であることを示す(この実施例では、1のヘッダビットは、後続のデータが直截的なセンサ値であることを示すために使用される)。メモリ11に記憶されるデータ14はまた、直截的なセンサ値自体を符号化する10個のデータビット16を含む。このデータ14は、上述のように、先行記憶されたデータと共にメモリ11に記憶される。
【0053】
図7を参照すると、次のサンプルでは、加速度の値は-195である。このサンプルと先行のサンプルとの間の差はしたがって5であり、これは、閾値を下回り、単一のヘッダビット12及び4つのデータビット13を有するデルタ値として記憶される。
【0054】
図8は、メモリ11に記憶されたデータを示している。このデータを脱圧縮して元の情報を復元するため1つの可能なプロセスが示される。
【0055】
図9から分かるように、記憶された情報の第1のビット17が分析される。この第1のビット17が0であるため、後続の4桁はデータ値を表すデータであることを意味する。
図10に示されるように、これらの次の4桁18が読み取られる。前の加速度の値はゼロであることが知られているため、新しい値38(これらの5ビット17、18によって符号化される)は、5であると判定され得る。
【0056】
図11では、次のビット19が読み取られ、再びこれはゼロであり、次の4ビット20がデルタ値を符号化することを示す。これらの4ビット20が読み取られ、これらのビット20によって符号化されたデルタ値が3であるとの判定を可能にする。これを先行のサンプル値(すなわち、5)に加えて、8の新しい値39に達する。
【0057】
図12では、再び次のビット21が読み取られる。これはゼロであり、次の4ビット22がデルタ値を符号化することを示す。これらの4ビット22が読み取られ、その値が先行のサンプルに加えられ、これらの次の5ビット21、22によって符号化された値40が1であるとの判定を可能にする。
【0058】
図13では、次の単一ビット23が読み取られる。このビット23は1であり、直後の10ビット24が、感知された加速度の値を符号化することを示す。次いで、これらの次の10ビット24が読み取られ、新しいサンプル41が-200の値を有するとの判定を得る(これは直截的なセンサ値であるため、ここでは先行のサンプル値は考慮されない)。
【0059】
最後に、
図14を参照すると、次の単一ビット25が読み取られ、0の値を有することが分かる。これは、後続の4ビット26がデルタ値を符号化することを意味する。これらのビット26が読み取られ、それによって符号化された5のデルタ値が-200の先行のサンプル値に加えられて、-195の新しいサンプル値42を得る。
【0060】
当業者であれば、どのようにして、このスキームが簡単な方法で元のサンプル値を圧縮データから復元することを可能にするかを容易に理解するであろう。
【0061】
有効性フラグ値の記憶について説明する。
【0062】
図15及びそれ以降の図は、(左手側に)有効性データを概略的に示すグラフ、及び(右手側に)メモリに記録されているデータの表現を含む。
【0063】
まず
図15を参照すると、1の第1の有効性フラグ値27が受信される。カウンタ28は、有効性フラグの値が引き続き同一であるサンプルの数を記録する。この段階では、カウンタ28は1の値を有する(すなわち、受信される第1の値である)。
【0064】
図16を参照すると、第2の有効性フラグ値29が受信される。再び、これは1であるため、カウンタ28は1だけインクリメントして2になる。同様に、
図17に示すように、次の有効性フラグ値30は1であり、カウンタ28は1だけ増分して3になる。
【0065】
127個の連続する有効性フラグ値が1になるまで、同様にそれぞれが1の値を有するそれ以降の有効性フラグ値が受信される。結果として生じる状況が
図18に示されており、カウンタ28が127に増分している。この段階では、上述したように、カウンタ値(127)は、カウンタのそれらの増分中の有効性フラグの値を表すフラグ値34と共にメモリ31に記録される。
図18から分かるように、このデータの記憶は、フラグ値34及びカウンタ値を含むメモリ31内の第1の行43によって表され、有効性フラグが127サンプルについて引き続き1であるという事実を表している。
【0066】
再び1である次の有効性フラグ値が受信されると、カウンタ28はインクリメントして1になる。1の更なる有効性フラグ値32は、
図19に示すように、カウンタ28はインクリメントして2になる。
【0067】
図20を参照すると、次の有効性フラグ値33は0であり、すなわち、有効性フラグの値が先行のサンプルから変化している。カウンタ28(すなわち、2)の既存の値は、そのカウンタ値、すなわち1に対応するフラグ値35と共に、メモリに記憶される。これは、
図20において、メモリ31内の第2の行44によって表される。カウンタ28はリセットされ、インクリメントして1になる。
【0068】
図21に示すように、49個の更なる連続したサンプルが受信され、それぞれが0の有効性フラグ値を有する。結果として、カウンタ28はインクリメントして50になる。次のサンプル(
図22によって表される)では、有効性カウンタは、1の値を有し、すなわち、先行のサンプル値とは異なり、したがって50のカウンタ値は、0のフラグ値36と共にメモリ31に記憶され、有効性フラグが50個の連続するサンプルについて0であったという事実を表す。カウンタ28はリセットされ、インクリメントして1になる。
【0069】
図23に示すように、次の(及び最終)サンプル値は、1の有効性フラグ値を提供し、カウンタ28はインクリメントして2になる。これがデータの最後であるため、2のカウンタ値は、1のフラグ値37と共にメモリ31内の最後の行46として記憶され、有効性フラグが2つの別個のサンプルについて1の値を有したことを示す。
【0070】
このデータの脱圧縮は、当業者には理解されるように、簡単であろう。メモリに記憶されたそれぞれの行によって表される元のデータを再構成するために、その行内のフラグ値は、その行内のカウンタ値に対応する回数だけ繰り返される。例えば、第1の行43は、フラグ値34が1であり、カウンタ値が127である。したがって、この第1の行43は、1の127個の連続する値を表す。
【0071】
本実施例における残りの行の脱圧縮は、当業者には明らかであろう。
【0072】
上述の議論では、フラグ値が127個の連続するサンプルについて引き続き同一である場合、これはメモリに記録され、カウンタはリセットされる。ただし、より大きい又はより小さい閾値が使用され得る。上記の実施例では、250μsに新しい値が受信され、したがって、127個のサンプルは約0.03秒で受信される。したがって、メモリ内の新しい「行」は、(フラグ値が問題の時間にわたって変化するか否かに応じて)0.03秒以上毎に記録されることになる。この実施例では、目的は、常に車両のメモリに2秒の活動を記録することであり、このことを念頭に置くと、システムはまた、より高い閾値カウント値を使用して、エントリをより低頻度でメモリに記録し得、したがって、関連する活動を確実に車両のメモリに記録し続けながら、より大きな圧縮を達成し得る。
【0073】
有効性フラグ値が比較的まれに変化することが予想される。実際には、有効性フラグは3つの値、すなわち、センサからデータが受信されないときの「入手不可」、センサが正しく作動しているときの「有効」、センサが正しく作動しているとみなされず、したがってセンサからの信号は信頼されない(又は、それらに依拠する前に更なる分析を受ける)ときの「失敗」を有し得る。
【0074】
好ましいスキームでは、車両の電子制御ユニット(electronic control unit、ECU)がオンにされると、フラグは、その値が「有効」又は「失敗」のいずれかに変化して、信号がセンサから受信され始めるまで「入手不可」の値を有し、「入手不可」に戻ることはできない。したがって、「使用不可」状態を含む値の切り替えは存在しないことになる。
【0075】
この値は、センサが使用される時間の大部分(又は実際にほとんど全て)に対して「有効」であると予測される。値が「失敗」に変化した場合、値が「有効」に戻るのに比較的長い時間(少なくとも数百マイクロ秒から数秒)を要する可能性が高い。したがって、「有効」状態と「失敗」状態との間で迅速に切り替わることも期待されない。
【0076】
これに鑑みると、本発明による有効性フラグ値の書き込みは、高い圧縮度を達成することが予想される。
【0077】
本発明を具現化するシステムの使用において、信号は、1つ以上の車両センサ(具体的には、加速度計)から受信され、本発明を具現化する方法を使用して圧縮され、上述のように車両のメモリに記憶される。本システムは、現時点(任意の時点)の直前の特定の期間、例えば、2秒を表すデータを記憶することが要求される。過去2秒を超える時間に対応するデータは、好ましくは削除され、より好ましくは、より最近のセンサ読み取り値を表す新しいデータによって上書きされる。
【0078】
本発明の実施形態では、圧縮データがメモリに書き込まれると、センサ値が取得された時間を示すために、圧縮されたセンサ値と共にタイムスタンプ情報も周期的にメモリに書き込まれることが予想される。調査担当者が、例えば衝突後のデータを分析する場合、このタイムスタンプ情報は、加速度計及び有効性フラグデータが正しい時間値を割り当てられることを可能にし、また、相互に相関させることができ、その結果、調査担当者は、後の段階で圧縮信号を完全に再構成することができる。
【0079】
タイムスタンプは、当業者が理解するように、後続の情報が時間を示すことを示すヘッダと、それに続く、時間を符号化した数字列を含み得る。
【0080】
タイムスタンプは、符号化される必要があるデータの総量を最小化するために、できるだけ含まれないことが好ましい。
【0081】
一実施例では、タイムスタンプ情報は、1秒毎又は2秒毎などの周期的間隔でメモリに書き込まれ得るが、それにより、2秒のウィンドウ毎に少なくとも1つのタイムスタンプが含まれる。次いで、メモリ内のデータを脱圧縮し、タイムスタンプによって与えられた時間に基づいて分析され得る。これらの期間は単なる例であり、タイムスタンプ情報は、任意の好適な間隔で含まれ得る。
【0082】
好ましい実施形態では、タイムスタンプ情報は、データの圧縮に可能な限り影響しない方法でメモリに書き込まれる。
【0083】
加速度計データについては、加速度計から信号が受信されるたびに(これが差であるか新しい直截的なセンサ値であるかにかかわらず)、新しい値がメモリに書き込まれ、したがって、タイムスタンプ情報は、メモリに書き込まれる任意の2つの値の間に含まれ得る。タイムスタンプ情報は、周期的な時間間隔で、又はメモリに書き込まれる特定の数の値の後に(又は、任意の他の好適なスキームの後に)、書き込まれ得る。
【0084】
ただし、有効性フラグについては、データは、有効性フラグの状態に変化があるときにのみ、又はカウント限界に達したときにのみ、メモリに書き込まれ得る。有効性フラグの状態が一定であり、カウントの途中でタイムスタンプがメモリに書き込まれる場合、これは、メモリに対してデータの効率的な符号化を妨害することになる。したがって、有効性フラグについては、システムは、間隔をおいて、時間スタンプをメモリに書き込むように試み得る(例えば、最後のデータスタンプからある長さの時間の後に、又は最後のデータスタンプからある数のデータ値の書き込み後に)。システムが、同一の有効性フラグ値のカウントを実行中である場合、システムは、有効性フラグデータがメモリに書き込まれるまで待機する(有効性フラグ値が変化したため、又はカウント限界に達したため)。次いで、この有効性フラグデータに続いて、タイムスタンプがメモリに書き込まれる。
【0085】
例えば、衝突後のデータが脱圧縮されると、加速度データ及び有効フラグデータはそれぞれ、一連の連続したデータ値に変換され、すなわち、圧縮された元のデータを再構成する。データシーケンスに含まれるタイムスタンプ(複数可)を使用することによって、データ値のそれぞれは、データ値が元々生成又は受信された時刻である時刻に関連付けられ得る。
【0086】
これが完了すると、最初に同時に(又は実質的に同時に)生成又は受信された加速度データ値及び有効フラグデータ値の対が、互いにリンクされ、対応する有効性フラグ値を伴う加速度データ値のセット一式を生成し得る。
【0087】
データは1つ以上のメモリに書き込まれ、データコントローラは、事前設定された閾値よりも古いデータを識別して(本明細書で論じられるように、この閾値は2秒であり得る)、新しいデータによって削除及び/又は上書きすることが予想される。これは、好ましくは、「ローリング」ベースで行われ、すなわち、メモリの領域内のより古いデータセンサデータが、より新しいセンサデータによって継続的に上書きされる。
【0088】
好ましい実施形態では、メモリの領域は、通常動作において、センサデータの記憶のために(すなわち、車両が、衝突に、巻き込まれていないとき、及びに巻き込まれている可能性が低いと思われるときに、データのローリングウィンドウを記憶するために)、確保される。確保されるメモリの領域のサイズは、センサからの信号が急速に変化している場合の2秒のデータを格納するために必要とされるメモリの量の控えめな推定値に基づいて計算され得る。
したがって、車両の通常運転中に、加速度計からのデータのローリング2秒ウィンドウが、コンパクトかつ効率的な方法で継続的に記憶される。
【0089】
車両が事故又は衝突の状況にある(又は車両がかかる状況にある可能性が高いか、又はそのような状況に入る可能性が高い)との判定がなされたときは、加速度計からのデータは、上述した種類の圧縮技術を使用してメモリに記録され続ける。ただし、データはもはやメモリから削除されず、新しいデータは、メモリに既に記憶されている既存のデータの全てに追加されるようにメモリに記録される。このようにして、衝突が終了すると、車両のメモリは、衝突が発生したと判定された時点の2秒前から、衝突が終了した後までの衝突を通して、加速度計データを記憶し得る。これは、衝突事故を分析するために、調査担当者に、関連データの全てが提供されるはずである。
【0090】
好ましい実施形態では、車両が衝突状況にある可能性が高いか、又はその中に入る可能性が高いと判定された場合、加速度計データは、全ての既存のデータが削除されることなく記録され得る。ただし、車両が最終的に衝突に巻き込まれていない場合、古いデータは削除され得、システムは、データのローリングウィンドウを記憶するその通常の動作に戻り得る。例えば、車両のプロセッサは、衝突状況が発生し得ると判定されたときに、信号を提供するか、又はフラグの値を変更し得る。この場合、記憶された加速度計データは削除されないことがある。信号が変化するか、又はフラグ値が正常に戻されると、古いデータが削除される。代替として、衝突事故が発生した可能性が高いという信号を最初に受信した後のある時間長(例えば、30秒)は、衝突事故が発生していない場合、システムは、衝突事故が発生しなかったと仮定し、通常動作に戻り得る。
【0091】
上記の技術は、効率的かつ効果的な方法、すなわち関連するデータストリームを圧縮する方法を提供し、そのうちの1つは、比較的広い範囲内の任意の値をとり得る「浮動」変数を表し、そのうちの1つは、より制限された値、特に、2つの異なる値のうちの1つのみをとり得るフラグ又は真/偽のインジケータのみを取り得る。本発明は、車両に搭載された1つ以上の加速度計によって生成されたデータの符号化及び記憶において特定の有用性を見出し、これにより、加速度の値、及び加速度値が有効であると考えられるかどうかを示す対応する値を生成する。
【0092】
ただし、加速度計以外のソースからのデータも符号化され得る。このようにして効果的に符号化され得る他のデータの実施例としては、
・ 対応する検証フラグと共に、ステアリングホイールが回転する角度又は車両ペダルが押圧された量を表すデータ、
・ 対応する検証フラグと共に、車両の前進速度を符号化するデータ、又は、
・ 対応する検証フラグと共に、車両のエンジン又は車両の車輪のドライブシャフトが回転する速度を表すデータ、を含む。
【0093】
本明細書及び特許請求の範囲で使用される場合、「含む(comprises)」及び「含んでいる(comprising)」という用語及びその変形は、指定された特徴、ステップ、又は整数が含まれることを意味する。この用語は、他の特徴、ステップ、又は整数の存在を除外すると解釈されるべきではない。
【0094】
特定の形態で、又は開示された機能を実行するための手段、又は開示された結果を得るための方法又はプロセスに関して表された、上述の説明、又は以下の特許請求の範囲、又は添付図面に開示された特徴は、必要に応じて、別個に、又はかかる特徴の任意の組み合わせで、本発明をその多様な形態で実現するために利用され得る。
【国際調査報告】