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特表2022-528856印刷プロセスにおける印刷不良を防ぐか、または最小限にするためのシステムおよび方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-16
(54)【発明の名称】印刷プロセスにおける印刷不良を防ぐか、または最小限にするためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   B41J 2/175 20060101AFI20220609BHJP
   B41M 5/00 20060101ALI20220609BHJP
   B41J 2/01 20060101ALI20220609BHJP
   C09D 11/102 20140101ALI20220609BHJP
   C09D 11/54 20140101ALI20220609BHJP
   C09D 11/30 20140101ALI20220609BHJP
【FI】
B41J2/175 133
B41M5/00 100
B41M5/00 132
B41M5/00 120
B41J2/175 305
B41J2/01 401
B41J2/01 101
B41J2/01 123
B41J2/01 451
B41J2/01 501
B41J2/01 125
C09D11/102
C09D11/54
C09D11/30
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021557841
(86)(22)【出願日】2020-03-30
(85)【翻訳文提出日】2021-10-14
(86)【国際出願番号】 IL2020050384
(87)【国際公開番号】W WO2020202145
(87)【国際公開日】2020-10-08
(31)【優先権主張番号】62/827,083
(32)【優先日】2019-03-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】514210005
【氏名又は名称】ランダ コーポレイション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】チェチク,ヘレナ
(72)【発明者】
【氏名】ティロシュ,アイナト
(72)【発明者】
【氏名】フィンケルスタイン,ガル
(72)【発明者】
【氏名】ツァポフスキー,レフ
(72)【発明者】
【氏名】レヴィ,ドル
【テーマコード(参考)】
2C056
2H186
4J039
【Fターム(参考)】
2C056EA04
2C056EB27
2C056EB50
2C056EC15
2C056EC18
2C056EC21
2C056EC29
2C056EC44
2C056FA13
2C056FC02
2C056FD13
2C056HA29
2C056HA42
2C056HA44
2C056HA47
2C056KB09
2C056KC01
2H186AA01
2H186AB02
2H186AB05
2H186AB06
2H186AB12
2H186AB17
2H186AB23
2H186AB34
2H186AB35
2H186AB36
2H186AB43
2H186AB44
2H186AB49
2H186FB16
2H186FB17
2H186FB22
2H186FB25
2H186FB48
4J039AD10
4J039BE01
4J039CA05
4J039CA06
4J039EA42
4J039GA24
(57)【要約】
本開示は、印刷のためのシステムを提供する。本開示は、印刷プロセスにおける印刷不良を防ぐか、または最小限にするための方法をさらに提供する。
【選択図】図14A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷のためのシステムであって、
配合物を保持するために構成された液体リザーバーであって、前記配合物は少なくとも1つの枯渇し得る化学薬品の第1の量を含み、前記第1の量は実質的に所定の閾値以上であり、前記配合物は任意選択で少なくとも1つのさらなる成分をさらに含む、液体リザーバーと、
前記少なくとも1つの枯渇し得る化学薬品の第2の量を、任意選択で少なくとも1つの液体担体中に、保持するために構成された補充リザーバーと、
(i)前記枯渇し得る化学薬品の前記第1の量における前記所定の閾値を下回る低下、および/または(ii)前記少なくとも1つの枯渇し得る化学薬品の機能性における低下、を少なくとも識別するように構成された検出手段と、
一旦、前記低下が識別されると、前記少なくとも1つの枯渇し得る化学薬品の前記第2の量の少なくとも一部を前記補充リザーバーから前記液体リザーバーへ移送するように構成された移送手段であって、任意選択で手動手段である、前記移送手段と
を備える、システム。
【請求項2】
前記検出手段は前記低下を測定および/または計算するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記検出手段は、前記低下を記録および/または報告するように構成される、請求項1または2に記載のシステム。
【請求項4】
前記検出手段は、一旦、前記低下が識別されると、前記移送手段を作動させるように構成される、請求項1~3のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項5】
前記システムは、前記液体リザーバー内の前記少なくとも1つの枯渇し得る化学薬品の補充を制御するように構成され、任意選択で、一旦、前記低下が識別されると、前記移送手段を作動させるように構成された、制御ユニットをさらに備える、請求項1~4のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項6】
前記システムは、前記検出手段と前記制御ユニットとの間でデータ/情報を伝達するように構成された通信手段をさらに備える、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記移送手段は、圧力ベースの手段、噴射手段、噴霧手段または重力手段から選択される、請求項1~6のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項8】
前記システムは、印刷液体を保持するために構成された少なくとも1つの印刷液体リザーバーをさらに備え、前記印刷液体は任意選択でインクであり、さらに任意選択で水性インクである、請求項1~7のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項9】
前記システムは間接印刷のためである、請求項1~8のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項10】
前記システムは中間転写部材をさらに備える、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記配合物は、前記中間転写部材の剥離表面の少なくとも1つの領域に塗布されて被覆層をその上に形成するように構成された処理配合物である、請求項8~10のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項12】
前記配合物は、前記印刷液体が前記剥離表面に塗布される前に、前記剥離表面に塗布される、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記少なくとも1つの枯渇し得る化学薬品は前記補充リザーバー内に液体状で存在し、前記補充リザーバーおよび液体リザーバーは液体連通して、一旦、前記低下が識別されると、前記少なくとも1つの枯渇し得る化学薬品の前記第2の量の少なくとも一部の、前記補充リザーバーから前記液体リザーバーへの移送を可能にする、請求項1~12のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項14】
前記移送手段は、前記枯渇し得る化学薬品の、前記補充リザーバーから前記液体リザーバーへ前記移送される量を調節し、かつ/または前記液体リザーバーから前記補充リザーバーへの液体の逆流を回避するように構成された調節手段をさらに含む、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記調節手段は、前記補充リザーバーから前記液体リザーバーへの、液体の一方向の流れを許可する少なくとも1つの安全弁を含む、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記補充リザーバー内の前記少なくとも1つの枯渇し得る化学薬品の前記第2の量は、前記液体リザーバー内の前記少なくとも1つの枯渇し得る化学薬品の前記第1の量よりも大きい、請求項1~15のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項17】
前記システムは任意選択で、前記液体リザーバーおよび/または補充リザーバー内の前記少なくとも1つの枯渇し得る化学薬品を混合するように構成された混合手段をさらに備える、請求項1~16のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項18】
前記補充リザーバー内の前記少なくとも1つの枯渇し得る化学薬品は固体形状で存在する、請求項1~17のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項19】
前記システムは任意選択で、前記固体の枯渇し得る化学薬品を混合、溶解または分散するように構成された手段をさらに備える、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記システムは任意選択で、前記固体の枯渇し得る化学薬品を可溶化するのを支援するように構成された加熱手段をさらに備える、請求項18または19に記載のシステム。
【請求項21】
前記低下を検出/識別すると、前記制御ユニットは、前記液体リザーバー内の前記少なくとも1つの枯渇し得る化学薬品の補充を、前記液体リザーバー内の前記枯渇し得る化学薬品の前記量を増加させて、実質的に前記所定の閾値以上の値に達するように選択された補充プロファイルに従って、制御するように構成される、請求項1~20のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項22】
前記システムは処理ユーティリティをさらに備える、請求項1~21のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項23】
前記処理ユーティリティは、前記低下を識別すると、ユーザーに信号表示を提供して、前記液体リザーバー内の前記少なくとも1つの枯渇し得る化学薬品を補充する必要性を示すように構成される、請求項22に記載のシステム。
【請求項24】
前記システムは任意選択で、印刷プロセスを停止し、一旦、補充を達成/完了すると、前記印刷プロセスを再開する手段をさらに備える、請求項1~23のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項25】
前記補充プロファイルは:前記補充リザーバーから前記液体リザーバーへ移送される前記少なくとも1つの枯渇し得る化学薬品の前記量、前記補充の頻度、前記移送の持続時間、前記移送の方法、前記移送速度、の1つ以上を定義する、請求項21~24のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項26】
前記補充プロファイルは:前記枯渇し得る化学薬品の前記第1の量および/または第2の量、前記低下の程度、前記枯渇し得る化学薬品の、前記配合物量または前記配合物中に含まれている他の1つ以上の成分の前記量に対する相対量、の1つ以上に基づいて判断される、請求項21~25のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項27】
前記補充プロファイルは、印刷条件の1つ以上に基づいて定義される、請求項21~26のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項28】
前記処理ユーティリティは、前記システムによって生成された画像を処理し、その前記画像印刷品質を評価するように構成され、前記画像印刷品質が所定の要求される品質を下回る場合、前記制御ユニットは、前記液体リザーバー内の前記少なくとも1つの枯渇し得る化学薬品の補充を引き起こすように構成される、請求項22~27のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項29】
前記処理ユーティリティは、前記画像の前記品質を示す出力を生成するように構成され、前記出力が所定の閾値パラメータを下回る場合、前記制御ユニットは、前記液体リザーバー内の前記少なくとも1つの枯渇し得る化学薬品の補充を引き起こすように構成される、請求項28に記載のシステム。
【請求項30】
前記処理ユニットは、前記出力を視覚的ディスプレイユニット、オーディオ装置またはそれらの組合せ上に表示するように構成される、請求項29に記載のシステム。
【請求項31】
前記所定の閾値パラメータは、前記印刷画像の所望の品質を表す本質的に明確な値または値の範囲を含む、請求項29に記載のシステム。
【請求項32】
前記出力が所定の閾値パラメータを下回る場合、前記システムは任意選択で、前記印刷プロセスを停止するように前記ユーザーに直ちに警告するか、または自動的に停止し、任意選択で、一旦、前記液体リザーバー内の前記枯渇し得る化学薬品の補充が完了すると、前記印刷プロセスを再開するように構成される、請求項29~31のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項33】
前記出力は、前記画像の粒状性を示す値を反映する、請求項29~32のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項34】
ユーザーインタフェースをさらに備える、請求項1~33のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項35】
前記ユーザーインタフェースは、ユーザーが、印刷プロセスに対する1つ以上の所望の印刷条件を前記処理ユーティリティに導入するのを可能にするためである、請求項34に記載のシステム。
【請求項36】
メモリをさらに備える、請求項1~35のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項37】
前記メモリは、印刷プロセスの画像品質の所定の閾値パラメータ(複数可)のデータベースを含む、請求項36に記載のシステム。
【請求項38】
前記処理ユーティリティは、前記データベースからの前記画像品質の所定の閾値パラメータを前記出力と相関させるように構成される、請求項36または37に記載のシステム。
【請求項39】
前記システムは、前記補充履歴を記録するための手段をさらに備える、請求項1~38のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項40】
前記検出手段は、視覚的手段、分光学的手段、分光測光手段、電子的手段、化学的手段、物理的手段、印刷品質ベースの手段またはそれらの任意の組合せから選択される、請求項1~39のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項41】
前記手段は、前記液体リザーバー内の前記少なくとも1つの枯渇し得る化学薬品の前記量を検出/測定するように構成され、前記システムは、前記検出/測定された量に基づき、前記少なくとも1つの枯渇し得る化学薬品の前記第1の量における低下を計算するように構成される、請求項40に記載のシステム。
【請求項42】
前記システムは、前記配合物のアリコットをさらなる分析のために前記液体リザーバーから引き抜くように構成された試料採取ユニットをさらに備える、請求項1~41のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項43】
前記試料採取ユニットは、前記配合物のアリコットを前記液体リザーバーから、要求に応じて、および/または所定の時間間隔で、および/または所定の印刷サイクル数の後に、引き抜くように構成される、請求項42に記載のシステム。
【請求項44】
前記枯渇し得る化学薬品の前記第1の量における前記低下は、前記配合物の別の1つ以上の成分の量に対してである、請求項1~43のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項45】
前記枯渇し得る化学薬品の前記第1の量における前記低下は、前記枯渇し得る化学薬品の望ましくない副反応に起因して生じる、請求項1~44のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項46】
前記枯渇し得る化学薬品の前記望ましくない副反応は、前記液体リザーバー内での望ましくない副生成物の形成となり、前記システムは任意選択で、前記副生成物を除去するように構成された手段をさらに備える、請求項45に記載のシステム。
【請求項47】
前記システムは、前記望ましくない副生成物の前記形成を検出し、任意選択で、前記液体リザーバー内のその前記量を測定/判断するための手段をさらに備える、請求項46に記載のシステム。
【請求項48】
前記システムは、前記望ましくない副生成物の前記検出された形成と、前記枯渇し得る化学薬品の前記第1の量における前記低下とを相関させるように構成された手段をさらに備える、請求項47に記載のシステム。
【請求項49】
前記枯渇し得る化学薬品の前記第1の量における前記低下は、前記液体リザーバー内の前記配合物の、少なくとも1つの汚染物質での汚染に起因しており、少なくとも1つの望ましくない副生成物の前記形成は、前記少なくとも1つの枯渇し得る化学薬品と少なくとも1つの汚染物質との相互作用に起因する、請求項1~48のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項50】
前記システムは、印刷液体を保持するために構成された少なくとも1つの印刷液体リザーバーをさらに備え、任意選択で前記印刷液体はインク配合物であり、前記枯渇し得る化学薬品の前記第1の量における前記低下は、前記液体リザーバー内の印刷液体汚染に起因する、請求項1~49のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項51】
前記印刷液体はインクであり、少なくとも1つのバインダーおよび少なくとも1つの着色剤を含み、前記枯渇し得る化学薬品の前記第1の量における前記低下は、前記枯渇し得る化学薬品の前記少なくとも1つのバインダーとの望ましくない副反応に起因する、請求項50に記載のシステム。
【請求項52】
前記システムは、前記液体リザーバーを汚染、例えば、インク混入から保護するように構成された保護ユニットをさらに備える、請求項1~51のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項53】
前記システムは任意選択で、前記液体リザーバー内の前記液体の体積を測定するように構成された測定手段をさらに備え、前記測定された体積が所定の最小体積を下回っている場合、前記システムは、前記液体リザーバーを液体配合物の追加量で補充することをユーザーに示すように構成される、請求項1~52のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項54】
前記システムは任意選択で、前記補充リザーバー内の前記枯渇し得る化学薬品の前記量(例えば、体積/液体または重量/固体)を測定するように構成された測定手段をさらに備え、前記測定された量が所定の最小量を下回っている場合、前記制御ユニットは、前記補充リザーバーを前記枯渇し得る化学薬品の追加量で補充することをユーザーに示すように構成される、請求項1~53のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項55】
前記枯渇し得る化学薬品は、同じである必要がなく結合できる複数の官能基中のアミン性窒素原子を含有するポリマー剤である、請求項1~54のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項56】
前記ポリマーは比較的高い電荷密度を有する、請求項55に記載のシステム。
【請求項57】
前記ポリマーは10,000g/モル以上の分子量を有する、請求項55または56に記載のシステム。
【請求項58】
前記枯渇し得る化学薬品は、(a)前記薬剤の少なくとも3meq/gの正電荷密度および少なくとも5,000の平均分子量、(b)前記薬剤の少なくとも6meq/gの正電荷密度および少なくとも1,000の平均分子量、(c)少なくとも1wt.%の窒素含有量および少なくとも50,000の平均分子量、ならびに(d)少なくとも18wt.%の窒素含有量および少なくとも10,000の平均分子量、の1つ以上を有するポリマー剤である、請求項1~57のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項59】
前記枯渇し得る化学薬品は、正電荷密度を有するポリマー剤である、請求項1~58のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項60】
前記正電荷密度は、前記薬剤の、少なくとも0.5meq/g、少なくとも1meq/g、少なくとも2meq/g、少なくとも3meq/g、少なくとも4meq/g、少なくとも5meq/g、少なくとも6meq/g、少なくとも7meq/g、少なくとも8meq/g、少なくとも9meq/g、少なくとも10meq/g、少なくとも11meq/g、少なくとも12meq/g、少なくとも13meq/g、少なくとも14meq/g、少なくとも15meq/g、少なくとも16meq/g、少なくとも17meq/g、少なくとも18meq/g、少なくとも19meq/g、または少なくとも20meq/gである、請求項59に記載のシステム。
【請求項61】
前記枯渇し得る化学薬品は、少なくとも500、少なくとも800、少なくとも1,000、少なくとも1,300、少なくとも1,700、少なくとも2,000、少なくとも2,500、少なくとも3,000、少なくとも3,500、少なくとも4,000、少なくとも4,500、少なくとも5,000、少なくとも10,000、少なくとも15,000、少なくとも20,000、少なくとも25,000、少なくとも50,000、少なくとも100,000、少なくとも150,000、少なくとも200,000、少なくとも250,000、少なくとも500,000、少なくとも750,000、少なくとも1,000,000、または少なくとも2,000,000の平均分子量を有するポリマー剤である、請求項1~60のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項62】
前記枯渇し得る化学薬品は、少なくとも2,000、少なくとも10,000または少なくとも25,000の平均分子量を有するポリマー剤である、請求項1~61のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項63】
前記枯渇し得る化学薬品は、1つ以上の陽荷電性窒素原子を含有する、請求項1~62のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項64】
前記1つ以上の窒素原子は、前記枯渇し得る化学薬品の、重量で少なくとも1%、少なくとも1.4%、少なくとも2%、少なくとも5%、少なくとも8%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも18%、少なくとも20%、少なくとも24%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、または少なくとも50%を構成する、請求項63に記載のシステム。
【請求項65】
前記枯渇し得る化学薬品は、ポリ(ジアリルジメチルアンモウニウムクロライド)[
【化1】
]単位を含有するポリマー剤である、請求項1~64のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項66】
前記枯渇し得る化学薬品は、ポリアリルアミン[
【化2】
]単位を含有するポリマー剤である、請求項1~64のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項67】
前記枯渇し得る化学薬品は、ポリ(4-ビニルピリジン)[
【化3】
]単位を含有するポリマー剤である、請求項1~64のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項68】
前記枯渇し得る化学ポリマー剤は、直鎖状ポリエチレンイミン、分岐ポリエチレンイミン、変性ポリエチレンイミン、ポリ(ジアリルジメチルアンモウニウムクロラド)、ポリ(4-ビニルピリジン)、ポリアリルアミン、ビニルピロリドン-ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド共重合体(ViViprint 131)、ビニルカプロラクタム-ジメチルアミノプロピルメタクリルアミドメタクリル酸ヒドロキシエチル共重合体(ViViprint 200)、ジエチル硫酸でのビニルピロリドンとメタクリル酸ジメチルアミノエチルの四級化共重合体(ViViprint 650)、グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド、およびヒドロキシプロピルグアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドから成る群から選択される、請求項1~67のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項69】
前記枯渇し得る化学ポリマー剤は、ポリエチレンイミン(PEI)である、請求項68に記載のシステム。
【請求項70】
前記液体リザーバー内の前記配合物中の前記枯渇し得る化学ポリマー剤の前記第1の量は、約5wt.%、4wt.%、3wt.%、2wt.%、1wt.%、0.5wt.%、0.4wt.%、0.3wt.%、0.2wt.%、0.1wt.%以下であるか、または約0.05wt.%に等しいかもしくは少なくとも約0.05wt.%、または時には、少なくとも約0.01%である、請求項1~69のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項71】
前記枯渇し得る化学薬品はPEIであるポリマー剤であり、前記所定の閾値は、少なくとも0.01wt.%、少なくとも0.05wt.%、少なくとも0.10wt.%、少なくとも0.15wt.%または少なくとも0.20wt.%である、請求項1~70のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項72】
前記枯渇し得る化学薬品はPEIであるポリマー剤であり、前記液体リザーバー内のその前記第1の量は、重量での濃度であり、最大6%、最大5%、最大4%、最大3%、最大2.5%、最大2.0%である、請求項1~71のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項73】
前記枯渇し得る化学薬品はPEIであるポリマー剤であり、前記液体リザーバー内のその前記第1の量は重量での濃度であり、0.01~1%、0.01~0.8%、0.01~0.7%、0.01~0.6%、0.1~0.5%、0.2~0.7%、0.2~0.6%、または0.2~0.5%の範囲内である、請求項1~72のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項74】
前記少なくとも1つの枯渇し得る化学薬品はPEIであり、前記液体リザーバー内の前記配合物中のその前記第1の量は0.25wt.%であり、前記補充リザーバー内のその前記第2の量は水中で25wt.%である、請求項1~73のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項75】
前記液体リザーバー内の前記PEIの前記第1の量が0.01wt.%の所定の閾値を下回って低下すると、前記システムは前記PEIの前記第2の量の一部を、前記補充リザーバーから前記液体リザーバーへ移送し、それにより、前記所定の閾値(0.01wt.%)に等しいかもしくは上回る値まで、前記液体リザーバー内の前記PEIの前記量を補充するか、または前記第1の量(0.25wt.%)に等しい値まで前記液体リザーバー内の前記PEIの前記量を補充するように構成される、請求項74に記載のシステム。
【請求項76】
前記枯渇し得る化学薬品はPEIであるポリマー剤であり、その前記平均分子量は、少なくとも20,000、少なくとも50,000、少なくとも100,000、少なくとも200,000、少なくとも350,000、少なくとも500,000、少なくとも700,000、少なくとも750,000および任意選択で、最大3,000,000、最大2,500,000、または最大2,000,000である、請求項1~75のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項77】
前記枯渇し得る化学薬品はPEIであるポリマー剤であり、前記PEIは、表面活性剤、湿潤剤、固定剤またはそれらの任意の組合せである、請求項1~76のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項78】
前記枯渇し得る化学薬品はPEIであるポリマー剤であり、前記PEIポリマーの前記電荷密度は材料の16~20meq/gの範囲内である、請求項1~77のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項79】
前記枯渇し得る化学薬品はPEIであるポリマー剤であり、前記PEIポリマーの前記電荷密度は8meq/gである、請求項1~77のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項80】
前記枯渇し得る化学薬品はシリコン官能化PEIである、請求項1~79のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項81】
前記枯渇し得る化学薬品は第四級アンモニウム化合物である、請求項1~80のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項82】
前記第四級アンモニウム化合物はLarostat264A(BASF)である、請求項81に記載のシステム。
【請求項83】
前記第四級アンモニウム化合物はFoamquat SAQ(リノールアミドプロピルエチルジモニウムエトサルフェート90)である、請求項81に記載のシステム。
【請求項84】
前記枯渇し得る化学薬品は水分散性である、請求項1~83のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項85】
前記枯渇し得る化学薬品は水溶性である、請求項1~83のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項86】
前記枯渇し得る化学薬品は室温で固体である、請求項1~85のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項87】
前記インク中の前記少なくとも1つのバインダーは、アニオン性バインダーである、請求項51~86のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項88】
前記アニオン性バインダーはアクリル系バインダーおよび/またはスルホンバインダーである、請求項87に記載のシステム。
【請求項89】
前記インク中の前記少なくとも1つのバインダーは、負に帯電した有機ポリマー樹脂である、請求項51~88のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項90】
前記負に帯電した有機ポリマー樹脂の前記平均分子量は、少なくとも8,000である、請求項89に記載のシステム。
【請求項91】
前記インク中の前記少なくとも1つのバインダーは、アクリルポリマーおよび/またはアクリルスチレンコポリマーである、請求項89または90に記載のシステム。
【請求項92】
前記バインダーは、Joncryl 538 BASFである、請求項51~91のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項93】
前記枯渇し得る化学薬品はPEIであり、PEIの前記第1の量における前記低下は、前記少なくとも1つのバインダーとのその望ましくない副反応に起因する、請求項51~92のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項94】
前記システムは、前記液体リザーバー内に含まれている前記配合物中の前記枯渇し得る化学薬品の前記濃度を検出、測定または計算して、前記枯渇し得る化学薬品の前記第1の量における前記低下をそれから計算する手段をさらに備える、請求項1~93のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項95】
前記枯渇し得る化学薬品はPEIである、請求項94に記載のシステム。
【請求項96】
前記手段は、銅の前記PEIとの反応に基づいて前記PEIを検出するように構成された分光学的手段である、請求項94に記載のシステム。
【請求項97】
前記印刷システムは間接印刷システムであり、前記システムは、
i.剥離層表面を含む中間転写部材(ITM)と、
ii.本明細書で開示されるような水性処理配合物を保持するために構成された前記液体リザーバーを含む処理ステーションであって、前記水性処理配合物を前記ITMの前記剥離層表面に塗布して処理層をその上に形成するために構成される処理ステーションと、
iii.本明細書で開示されるような前記補充リザーバーを含む補充ユニットと、
iV.印刷液体を塗布して、前記中間転写部材上に形成された前記水性処理配合物上に画像を形成するために構成された画像形成ステーションと、
V.前記画像を印刷基材上に、例えば、前記ITMと前記印刷基材との間の加圧接触によって、転写するための転写ステーションと
をさらに備える、請求項1~96のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項98】
前記印刷液体は、任意選択で噴射によって塗布されるインクであり、前記システムは、
前記中間転写部材上に形成された前記水性処理配合物上の前記インクを少なくとも部分的に乾燥させてインク画像残留物を生成するように構成された乾燥ステーションと、任意選択で、前記水性処理配合物を乾燥させるための乾燥手段と
をさらに備える、請求項97に記載のシステム。
【請求項99】
前記処理配合物は、
少なくとも1つの水溶性ポリマーと、
(i)少なくとも1つの熱可塑性ポリマー粒子材料、任意選択でエマルジョンおよび/もしくは分散液の形で、(ii)少なくとも1つの熱硬化性ポリマー粒子材料、任意選択で分散液および/もしくはエマルジョンの形で、または(iii)その組合せ、から選択された少なくとも1つの粒子材料と、
水を含有する担体液体と、
任意選択で、(a)少なくとも1つの保水剤、(b)少なくとも1つの界面活性剤、および(c)少なくとも1つの湿潤剤、の1つ以上と
を含む、請求項11~98のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項100】
前記処理配合物は、少なくとも1つの湿潤剤をさらに含む、請求項99に記載のシステム。
【請求項101】
前記湿潤剤はPEIである、請求項100に記載のシステム。
【請求項102】
前記水溶性ポリマーは、少なくとも1つの改質多糖類である、請求項99に記載のシステム。
【請求項103】
前記改質多糖類は、セルロース誘導体、セルロースエーテル、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースまたはそれらの任意の組合せから選択される、請求項102に記載のシステム。
【請求項104】
前記改質多糖類は、ヒドロキシプロピルメチルセルロースである、請求項103に記載のシステム。
【請求項105】
前記処理配合物は、本明細書で開示されて例示されているとおりである、請求項1~104のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項106】
印刷プロセスにおける印刷不良を防ぐか、または最小限にするための方法であって、前記印刷不良は、水性配合物中(任意選択で液体担体中)に含まれる少なくとも1つの枯渇し得る化学薬品の第1の量における低下と関連付けられ、前記方法は、
前記少なくとも1つの枯渇し得る化学薬品の前記第1の量において所定の閾値を下回る低下、および/または前記配合物中の少なくとも別の成分の量に対する低下を識別/検出することと、
前記低下を識別/検出すると、前記少なくとも1つの枯渇し得る化学薬品の第2の量の少なくとも一部を前記配合物に添加することであって、第2の量の前記少なくとも一部は、前記液体配合物中の前記枯渇し得る化学薬品の前記第1の量が復旧して実質的に前記所定の閾値以上になるために十分であり、かつ/または前記第2の量の前記少なくとも一部は、前記配合物中の少なくとも別の成分の量に対する前記第1の量の前記低下を打ち消すために十分であり、それによって前記印刷不良を防ぐか、もしくは最小限にすることと
を含む、方法。
【請求項107】
前記少なくとも1つの枯渇し得る化学薬品の前記第2の量は、液体状で提供される、請求項106に記載の方法。
【請求項108】
前記少なくとも1つの枯渇し得る化学薬品の前記第2の量は、固体形状で提供される、請求項106に記載の方法。
【請求項109】
前記方法は、前記少なくとも1つの枯渇し得る化学薬品の前記第2の量の前記少なくとも一部を前記液体配合物中に混合することをさらに含む、請求項106~108のいずれか1項に記載の方法。
【請求項110】
前記固体の枯渇し得る化学薬品を少なくとも1つの液体担体(前記液体配合物の前記液体担体と同じか、または異なり得る)中で溶解または分散することをさらに含む、請求項108に記載の方法。
【請求項111】
前記固体の枯渇し得る化学薬品を加熱し、それによりそれが溶解するのを支援することをさらに含む、請求項110に記載の方法。
【請求項112】
前記液体配合物は、画像がその上に印刷される基材上、または間接印刷プロセスにおける中間転写部材上に塗布されるように構成される、請求項106~111のいずれか1項に記載の方法。
【請求項113】
前記方法は、
i.中間転写部材(ITM)を提供することと、
ii.処理配合物を提供することと、
iii.前記処理配合物を前記ITMの画像受容表面に塗布して湿潤処理層を形成することと、
iV. 前記湿潤処理層を少なくとも部分的に乾燥させて少なくとも部分的乾燥処理層を形成することと、
V.印刷液体を前記少なくとも部分的に乾燥された処理層に塗布して画像を形成することと、
Vi.前記ITMの前記表面と前記印刷基材との間の加圧接触により、前記画像を印刷基材に転写することと
をさらに含む、請求項106~112のいずれか1項に記載の方法。
【請求項114】
前記印刷液体はインク、任意選択で水性インクであり、前記方法は、
インク液滴を前記少なくとも部分的に乾燥された処理層上に塗布してインク画像を形成することと、
前記水性処理層上の前記湿潤インク画像を少なくとも部分的に乾燥させて、印刷基材に転写される部分的に乾燥されたインク画像薄膜を形成することと
をさらに含む、請求項113に記載の方法。
【請求項115】
前記少なくとも1つの枯渇し得る化学薬品の前記第2の量の少なくとも一部の前記添加は、前記液体配合物中の前記枯渇し得る化学薬品の量を増加させて実質的に所定の閾値以上の値に達するように選択された所定の補充プロファイルに従って実行される、請求項106~114のいずれか1項に記載の方法。
【請求項116】
前記方法は、前記少なくとも1つの枯渇し得る化学薬品の前記第1の量における、前記配合物中の少なくとも別の成分の量に対する低下を識別して、前記少なくとも1つの枯渇し得る化学薬品を前記液体配合物に添加する必要性を示す、信号表示を提供し、それにより前記液体配合物中の前記枯渇し得る化学薬品の前記第1の量を、実質的に前記所定の閾値以上になるように復旧し、従って、前記低下を打ち消すことをさらに含む、請求項106~115のいずれか1項に記載の方法。
【請求項117】
前記補充プロファイルは、前記印刷条件の1つ以上に基づいて判断される所定のプロファイルである、請求項116に記載の方法。
【請求項118】
前記方法は、前記方法で生成された画像を処理することと、その前記画像印刷品質を評価することとをさらに含み、前記画像印刷品質が所定の要求される品質を下回る場合、前記方法は、前記少なくとも1つの枯渇し得る化学薬品の前記第2の量の少なくとも一部の前記液体配合物への添加を含む、請求項106~117のいずれか1項に記載の方法。
【請求項119】
前記方法は、前記画像の前記品質を示す出力を生成することを含み、前記出力が所定の閾値パラメータを下回る場合、前記方法は、前記少なくとも1つの枯渇し得る化学薬品の前記第2の量の前記少なくとも一部の前記液体配合物への添加を含む、請求項118に記載の方法。
【請求項120】
前記方法は、前記出力を視覚的ディスプレイユニット、オーディオ装置またはそれらの組合せ上に表示することを含む、請求項119に記載の方法。
【請求項121】
前記出力は、前記画像の前記粒状性を示す値を反映する、請求項119または120に記載の方法。
【請求項122】
前記所定の閾値パラメータは、前記印刷画像の所望の品質を表す本質的に明確な値または値の範囲を含む、請求項119に記載の方法。
【請求項123】
前記少なくとも1つの枯渇し得る化学薬品の前記第1の量における所定の閾値を下回る低下を識別することをさらに含み、前記識別することは、視覚的手段、分光学的手段、分光測光手段、電子的手段、化学的手段、物理的手段、印刷品質ベースの手段またはそれらの任意の組合せから選択された検出手段によって達成され、前記方法は、前記少なくとも1つの枯渇し得る化学薬品の前記第1の量において前記識別された低下に基づき、前記配合物中の別の1つ以上の成分の量に対して前記少なくとも1つの枯渇し得る化学薬品の前記第1の量における前記低下を計算することをさらに含む、請求項106~122のいずれか1項に記載の方法。
【請求項124】
前記液体配合物のアリコットを分析のために試料採取することをさらに含む、請求項106~123のいずれか1項に記載の方法。
【請求項125】
前記試料採取は、要求に応じて、および/または所定の時間間隔で、および/または所定の印刷サイクル数の後に実行される、請求項124に記載の方法。
【請求項126】
前記枯渇し得る化学薬品の前記第1の量における前記低下は、前記配合物中に含まれる別の1つ以上の成分の量に対してである、請求項106~125のいずれか1項に記載の方法。
【請求項127】
前記枯渇し得る化学薬品の前記第1の量における前記低下は、前記枯渇し得る化学薬品の望ましくない副反応に起因する、請求項106~126のいずれか1項に記載の方法。
【請求項128】
前記枯渇し得る化学薬品の前記望ましくない副反応は、前記液体配合物中での望ましくない副生成物の形成となる、請求項127に記載の方法。
【請求項129】
前記方法は、前記望ましくない副生成物の前記形成を検出し、任意選択で、前記液体配合物中のその前記量を測定/判断することをさらに含む、請求項128に記載の方法。
【請求項130】
前記方法は、前記望ましくない副生成物の前記検出された形成と、前記枯渇し得る化学薬品の前記第1の量における前記低下とを相関させることをさらに含む、請求項129に記載の方法。
【請求項131】
前記枯渇し得る化学薬品の前記第1の量における前記低下は、前記液体配合物の、少なくとも1つの汚染物質での汚染に起因しており、少なくとも1つの望ましくない副生成物の前記形成は、前記少なくとも1つの枯渇し得る化学薬品と前記少なくとも1つの汚染物質との相互作用に起因する、請求項106~130のいずれか1項に記載の方法。
【請求項132】
前記枯渇し得る化学薬品の前記第1の量における前記低下は、前記液体配合物中のインク混入に起因する、請求項106~131のいずれか1項に記載の方法。
【請求項133】
前記インク混入は、インクのこぼれ、インクのはね、および処理配合物の再循環プロセスの1つ以上に起因する、請求項132に記載の方法。
【請求項134】
前記インクは少なくとも1つのバインダーと少なくとも1つの着色剤とを含み、前記枯渇し得る化学薬品の前記第1の量における前記低下は、前記枯渇し得る化学薬品の前記少なくとも1つのバインダーとの望ましくない副反応に起因する、請求項114~133のいずれか1項に記載の方法。
【請求項135】
前記方法は、前記液体配合物を汚染から保護することをさらに含む、請求項106~134のいずれか1項に記載の方法。
【請求項136】
前記方法は、前記副生成物を前記液体配合物から除去することをさらに含む、請求項128~135のいずれか1項に記載の方法。
【請求項137】
前記方法は、前記液体配合物の体積を測定することをさらに含み、前記測定された体積が所定の最小体積を下回っている場合、前記方法は、前記液体配合物を、実質的に前記所定の最小体積以上になるまで、液体配合物で補充することをさらに含む、請求項106~136のいずれか1項に記載の方法。
【請求項138】
前記枯渇し得る化学薬品は、同じである必要がなく結合できる複数の官能基中のアミン性窒素原子を含有するポリマー剤である、請求項106~137のいずれか1項に記載の方法。
【請求項139】
前記ポリマーは比較的高い電荷密度を有する、請求項138に記載の方法。
【請求項140】
前記ポリマーは10,000g/モル以上の分子量を有する、請求項138または139に記載の方法。
【請求項141】
前記枯渇し得る化学薬品は、(a)前記薬剤の少なくとも3meq/gの正電荷密度および少なくとも5,000の平均分子量、(b)前記薬剤の少なくとも6meq/gの正電荷密度および少なくとも1,000の平均分子量、(c)少なくとも1wt.%の窒素含有量および少なくとも50,000の平均分子量、ならびに(d)少なくとも18wt.%の窒素含有量および少なくとも10,000の平均分子量、の1つ以上を有するポリマー剤である、請求項106~140のいずれか1項に記載の方法。
【請求項142】
前記枯渇し得る化学薬品は、正電荷密度を有するポリマー剤である、請求項106~141のいずれか1項に記載の方法。
【請求項143】
前記正電荷密度は、前記薬剤の、少なくとも0.5meq/g、少なくとも1meq/g、少なくとも2meq/g、少なくとも3meq/g、少なくとも4meq/g、少なくとも5meq/g、少なくとも6meq/g、少なくとも7meq/g、少なくとも8meq/g、少なくとも9meq/g、少なくとも10meq/g、少なくとも11meq/g、少なくとも12meq/g、少なくとも13meq/g、少なくとも14meq/g、少なくとも15meq/g、少なくとも16meq/g、少なくとも17meq/g、少なくとも18meq/g、少なくとも19meq/g、または少なくとも20meq/gである、請求項142に記載の方法。
【請求項144】
前記枯渇し得る化学薬品は、少なくとも500、少なくとも800、少なくとも1,000、少なくとも1,300、少なくとも1,700、少なくとも2,000、少なくとも2,500、少なくとも3,000、少なくとも3,500、少なくとも4,000、少なくとも4,500、少なくとも5,000、少なくとも10,000、少なくとも15,000、少なくとも20,000、少なくとも25,000、少なくとも50,000、少なくとも100,000、少なくとも150,000、少なくとも200,000、少なくとも250,000、少なくとも500,000、少なくとも750,000、少なくとも1,000,000、または少なくとも2,000,000の平均分子量を有するポリマー剤である、請求項106~143のいずれか1項に記載の方法。
【請求項145】
前記枯渇し得る化学薬品は、少なくとも2,000、少なくとも10,000または少なくとも25,000の平均分子量を有するポリマー剤である、請求項106~144のいずれか1項に記載の方法。
【請求項146】
前記枯渇し得る化学薬品は、1つ以上の陽荷電性窒素原子を含有する、請求項106~145のいずれか1項に記載の方法。
【請求項147】
前記1つ以上の窒素原子は、前記枯渇し得る化学薬品の、重量で少なくとも1%、少なくとも1.4%、少なくとも2%、少なくとも5%、少なくとも8%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも18%、少なくとも20%、少なくとも24%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、または少なくとも50%を構成する、請求項146に記載の方法。
【請求項148】
前記枯渇し得る化学薬品は、ポリ(ジアリルジメチルアンモウニウムクロライド)[
【化4】
]単位を含有するポリマー剤である、請求項106~147のいずれか1項に記載の方法。
【請求項149】
前記枯渇し得る化学薬品は、ポリアリルアミン[
【化5】
]単位を含有するポリマー剤である、請求項106~147のいずれか1項に記載の方法。
【請求項150】
前記枯渇し得る化学薬品は、ポリ(4-ビニルピリジン)[
【化6】
]単位を含有するポリマー剤である、請求項106~147のいずれか1項に記載の方法。
【請求項151】
前記枯渇し得る化学ポリマー剤は、直鎖状ポリエチレンイミン、分岐ポリエチレンイミン、変性ポリエチレンイミン、ポリ(ジアリルジメチルアンモウニウムクロラド)、ポリ(4-ビニルピリジン)、ポリアリルアミン、ビニルピロリドン-ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド共重合体(ViViprint 131)、ビニルカプロラクタム-ジメチルアミノプロピルメタクリルアミドメタクリル酸ヒドロキシエチル共重合体(ViViprint 200)、ジエチル硫酸でのビニルピロリドンとメタクリル酸ジメチルアミノエチルの四級化共重合体(ViViprint 650)、グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド、およびヒドロキシプロピルグアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドから成る群から選択される、請求項106~147のいずれか1項に記載の方法。
【請求項152】
前記枯渇し得る化学ポリマー剤は、ポリエチレンイミン(PEI)である、請求項151に記載の方法。
【請求項153】
前記液体リザーバー内の前記配合物中の前記枯渇し得る化学ポリマー剤の前記第1の量は、約5wt.%、4wt.%、3wt.%、2wt.%、1wt.%、0.5wt.%、0.4wt.%、0.3wt.%、0.2wt.%、0.1wt.%以下であるか、または約0.05wt.%に等しいかもしくは少なくとも約0.05wt.%、または時には、少なくとも約0.01%である、請求項106~152のいずれか1項に記載の方法。
【請求項154】
前記枯渇し得る化学薬品はPEIであるポリマー剤であり、前記所定の閾値は、少なくとも0.01wt.%、少なくとも0.05wt.%、少なくとも0.10wt.%、少なくとも0.15wt.%または少なくとも0.20wt.%である、請求項106~153のいずれか1項に記載の方法。
【請求項155】
前記枯渇し得る化学薬品はPEIであるポリマー剤であり、前記液体配合物中の、重量でのその前記第1の量は、最大6%、最大5%、最大4%、最大3%、最大2.5%、最大2.0%である、請求項106~154のいずれか1項に記載の方法。
【請求項156】
前記枯渇し得る化学薬品はPEIであるポリマー剤であり、前記液体配合物中の、重量でのその前記第1の量は、0.01~1%、0.01~0.8%、0.01~0.7%、0.01~0.6%、0.01~0.5%、0.2~0.7%、0.2~0.6%、または0.2~0.5%の範囲内である、請求項106~155のいずれか1項に記載の方法。
【請求項157】
前記少なくとも1つの枯渇し得る化学薬品はPEIであり、前記液体リザーバー内の前記配合物中のその前記第1の量は0.25wt.%であり、前記補充リザーバー内のその前記第2の量は水中で25wt.%である、請求項106~156のいずれか1項に記載の方法。
【請求項158】
前記液体配合物中の前記PEIの前記第1の量が0.01wt.%の所定の閾値を下回って低下すると、前記PEIの前記第2の量の一部が前記液体配合物に添加され、それにより、前記所定の閾値(0.01wt.)に等しいかもしくは上回る値まで前記液体配合物中の前記PEIの前記量を補充するか、または前記第1の量(0.25wt.%)に等しい値まで前記液体配合物中の前記PEIの量を補充する、請求項157に記載の方法。
【請求項159】
前記枯渇し得る化学薬品はPEIであるポリマー剤であり、その前記平均分子量は、少なくとも20,000、少なくとも50,000、少なくとも100,000、少なくとも200,000、少なくとも350,000、少なくとも500,000、少なくとも700,000、少なくとも750,000および任意選択で、最大3,000,000、最大2,500,000、または最大2,000,000である、請求項106~158のいずれか1項に記載の方法。
【請求項160】
前記枯渇し得る化学薬品はPEIであるポリマー剤であり、前記PEIは、表面活性剤、湿潤剤、固定剤またはそれらの任意の組合せである、請求項106~159のいずれか1項に記載の方法。
【請求項161】
前記枯渇し得る化学薬品はPEIであるポリマー剤であり、前記PEIポリマーの前記電荷密度は材料の16~20meq/gの範囲内である、請求項106~160のいずれか1項に記載の方法。
【請求項162】
前記枯渇し得る化学薬品はPEIであるポリマー剤であり、前記PEIポリマーの前記電荷密度は8meq/gである、請求項106~160のいずれか1項に記載の方法。
【請求項163】
前記枯渇し得る化学薬品はシリコン官能化PEIである、請求項106~162のいずれか1項に記載の方法。
【請求項164】
前記枯渇し得る化学薬品は第四級アンモニウム化合物である、請求項106~163のいずれか1項に記載の方法。
【請求項165】
前記第四級アンモニウム化合物はLarostat264A(BASF)である、請求項164に記載の方法。
【請求項166】
前記第四級アンモニウム化合物はFoamquat SAQ(リノールアミドプロピルエチルジモニウムエトサルフェート90)である、請求項164に記載の方法。
【請求項167】
前記枯渇し得る化学薬品は水分散性である、請求項106~166のいずれか1項に記載の方法。
【請求項168】
前記枯渇し得る化学薬品は水溶性である、請求項106~166のいずれか1項に記載の方法。
【請求項169】
前記枯渇し得る化学薬品は室温で固体である、請求項106~168のいずれか1項に記載の方法。
【請求項170】
前記インク配合物中の前記少なくとも1つのバインダーは、負に帯電した有機ポリマー樹脂である、請求項134~169のいずれか1項に記載の方法。
【請求項171】
前記負に帯電した有機ポリマー樹脂の前記平均分子量は、少なくとも8,000である、請求項170に記載の方法。
【請求項172】
前記インク配合物中の前記少なくとも1つのバインダーは、アクリルポリマーおよび/またはアクリルスチレンコポリマーである、請求項170または171に記載の方法。
【請求項173】
前記バインダーは、Joncryl 538 BASFである、請求項170または171に記載の方法。
【請求項174】
前記枯渇し得る化学薬品はPEIであり、PEIの前記第1の量における前記低下は、前記少なくとも1つのバインダーとのその望ましくない副反応に起因する、請求項106~173のいずれか1項に記載の方法。
【請求項175】
前記方法は、前記液体配合物中の前記枯渇し得る化学薬品の前記濃度を検出および/または測定および/または計算して、前記枯渇し得る化学薬品の前記第1の量における前記低下をそれから計算することをさらに含む、請求項106~174のいずれか1項に記載の方法。
【請求項176】
枯渇し得る化学薬品はPEIであり、前記検出および/または測定および/または計算は、銅の前記PEIとの反応を利用する分光学的手段によって実行される、請求項175に記載の方法。
【請求項177】
前記処理配合物は、
少なくとも1つの水溶性ポリマーと、
(i)少なくとも1つの熱可塑性ポリマー粒子材料、任意選択でエマルジョンおよび/もしくは分散液の形で、(ii)少なくとも1つの熱硬化性ポリマー粒子材料、任意選択で分散液および/もしくはエマルジョンの形で、または(iii)その組合せ、から選択された少なくとも1つの粒子材料と、
水を含有する担体液体と、
任意選択で、(a)少なくとも1つの保水剤、(b)少なくとも1つの界面活性剤、および(c)少なくとも1つの湿潤剤、の1つ以上と
を含む、請求項106~176のいずれか1項に記載の方法。
【請求項178】
前記処理配合物は、少なくとも1つの湿潤剤をさらに含む、請求項177に記載の方法。
【請求項179】
前記湿潤剤はPEIである、請求項178に記載の方法。
【請求項180】
前記水溶性ポリマーは、少なくとも1つの改質多糖類である、請求項177に記載の方法。
【請求項181】
前記改質多糖類は、セルロース誘導体、セルロースエーテル、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースまたはそれらの任意の組合せから選択される、請求項180に記載の方法。
【請求項182】
前記改質多糖類は、ヒドロキシプロピルメチルセルロースである、請求項181に記載の方法。
【請求項183】
前記処理配合物は、本明細書で開示されて例示されているとおりである、請求項1~182のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は印刷不良を防ぐか、または最小限にするためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
本開示の主題に対する背景として関連があると考えられる参照文献を以下にリストする:
[1]Piotr Warszynskiら、「Chara .cteristics of polyelectrolyte multilayers: Effect of PEI anchoring layer and posttreatment after deposition」Journal of Colloid and Interface Science,Volume 305,Issue 1,1 January 2007,46~56ページ。
【0003】
本出願人に対する以下の特許出願/公開は、潜在的に関連する背景資料を提供し、全て参照により全体として本明細書に組み込まれる:
[2]WO 2017/208246(2017年6月1日に出願されたPCT/IL2017/050616の公開);
[3]WO 2019/111223(2018年12月7日に出願されたPCT/IB2018/059761の公開);
[4]WO 2015/036812(2013年9月12日に出願されたPCT/IB2013/002571の公開);
[5]WO 2015/036865(2014年9月11日に出願されたPCT/IB2014/002395の公開);
[6]WO 2013/132439(2013年3月5日に出願されたPCT/IB2013/051755の公開);
[7]WO 2013/132418(2013年3月5日に出願されたPCT/IB2013/051716の公開);
[8]WO 2013/132345(2013年3月5日に出願されたPCT/IB2013/000840の公開);
[9]WO 2013/132339(2013年3月5日に出願されたPCT/IB2013/000757の公開);
[10]WO 2017/208152(2017年5月30日に出願されたPCT/IB2017/053177の公開);
[11]WO 2019/012456(2018年7月11日に出願されたPCT/IB2018/055126の公開);
[12]WO 2020/003088(2019年6月24日に出願されたPCT/IB2019/055288の公開);
[13]米国特許第9,914,316号;
[14]米国特許第9,186,884号;
[15]WO 2013/132424(2013年3月5日に出願されたPCT/IB2013/051727の公開);
[16]米国特許出願公開第2015/0054865号;ならびに
[17]米国仮出願第62/787,984号、米国仮出願第62/790,890号、米国仮出願第62,825,568号および対応する国際出願第PCT/IB2020/050001号)。
【0004】
本明細書における前述の参照文献の承認は、これらが本開示の主題の特許性に何らかの形で関連することを意味すると推論されるわけではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の発明人は、印刷プロセスで使用される少なくとも1つの成分の望ましくない枯渇(depletion)と関連した印刷不良を防ぎ、かつ/または最小限にするシステムおよび方法を開発した。その成分は、印刷画像の品質にとって非常に重要であり、その枯渇は印刷画像の品質に大きな影響を及ぼすことがわかった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
具体的には、本発明の発明人は、中間転写部材(ITM)の剥離表面が、インク画像をそれに付着する前に、処理配合物(例えば、水性処理配合物)で前処理(例えば、コーティング)される、印刷プロセス、例えば、間接印刷プロセスのためのシステムを利用した。処理配合物はITMの表面に塗布されて薄い湿潤処理層をその上に形成し、その薄い湿潤処理層はITM剥離表面上で乾燥プロセスに通されて、薄い実質的に乾燥した処理薄膜をITM剥離表面上に残す。次いでその後、少なくとも1つの有機ポリマー樹脂および少なくとも1つの着色料を水性担体中に含有する、水性インクの液滴が薄い実質的に乾燥された処理薄膜上に付着されて(例えば、インクジェット方式で)その上にインク画像を形成する。形成されたインク画像は次いで、乾燥プロセスに通されて実質的乾燥インク画像残留物が実質的に乾燥された処理薄膜上に残る。実質的に乾燥されたインク画像は次いで、薄い実質的に乾燥された処理薄膜と一緒に、ITM表面から最終印刷基材(例えば、ホイルベース、紙ベースまたはプラスチックベース)へ転写される。
【0007】
かかる印刷プロセスおよびシステムの例は、本出願人に対する前述の特許出願/公開(例えば、WO 2013/132418、およびWO 2017/208152)で開示されており、その内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0008】
印刷プロセス中に、インクおよび処理配合物を、印刷プロセスでのその消費に起因して、および印刷目的のために、補充する必要がある。
【0009】
本発明の発明人は、前述の印刷プロセスで生成されるインク画像の品質は、印刷プロセスが進むにつれて低下し得ることが分かった。時には、印刷画像の品質は、印刷プロセスの様々な段階で低下し得、時には、印刷プロセスのごく初期においてさえ低下して、印刷品質における低下は、印刷サイクルの実行回数に関連していない可能性があることを暗示する。
【0010】
さらに、本発明の発明人は、時には画像の粒状性に反映され得る、印刷画像品質における低下は、驚くことに、処理配合物中の少なくとも1つの成分の存在に強く依存することが分かった。本発明人は、前記成分を欠く場合、印刷画像は非常に低品質であることが分かった。
【0011】
本発明人は、印刷品質における低下は、処理配合物の物理的特性(例えば、粘度および表面張力)にも、処理配合物の齢(新鮮さ)にもその温度にも関連していない可能性があることがさらに分かった。
【0012】
その上さらに、本発明の発明人は、驚くことに、時には処理配合物の補充必要量が、印刷基材ごとに処理配合物の計算された量に基づいて予期される量を超えていることが分かった。
【0013】
本発明の発明人は、驚くことに、画像印刷品質にとって(およびそのため印刷プロセスの性能にとって)重要な成分が、印刷プロセス中に、または活発な印刷が進行中でない場合でさえ、枯渇し得ることが分かった。前記成分の枯渇は、印刷プロセスにおいて印刷目的のためのその消費に起因するのではなく、むしろ、前述の成分を含有する配合物(例えば、処理配合物)を保持しているリザーバーに意図せず到達した汚染物質との望ましくない反応の結果であることに留意されたい。具体的には、汚染物質は、印刷プロセスで使用されたインク配合物に起因し得る。本発明人は、汚染物質は前述の成分を含有する配合物の品質に有意な悪影響を及ぼすことが分かった。
【0014】
画像印刷品質にとって重要で、その欠乏が印刷品質に悪影響を及ぼす前述の特定の成分は、本明細書では「枯渇し得る化学薬品(depletable chemical agent)」またはその任意の言語的変形、例えば、「枯渇した化学薬品」、「化学的に枯渇した薬剤」などと呼ばれる。
【0015】
印刷画像の品質における低下を回避するため、および/または低下を防ぐか、もしくは最小限にするために、本発明人は、本明細書で詳述される新規のシステムおよびプロセスを開発した。
【0016】
具体的には、本発明人は、間接印刷プロセスで使用された処理配合物の不十分な品質と関連している印刷品質における低下を打ち消すために、処理配合物全体(担体を含むその全成分)を補充する必要はないことが分かった。処理配合物の性能は、枯渇した化学薬品を単にそれに添加することによって修復され得る。これは、コスト削減および廃棄物削減の両方の観点から利点を持ち、開示されるシステムおよびプロセスをさらに環境に優しくする。
【0017】
本発明のシステムおよび方法は、印刷品質の安定性も有益に確実にする。
【0018】
従って、本発明は、その態様の1つにおいて、印刷のためのシステムを提供し、
配合物を保持するために構成された液体リザーバーであって、配合物は少なくとも1つの枯渇し得る化学薬品の第1の量(例えば、重量、体積、濃度)を(液体担体、例えば、水を含有する液体担体中に)含み、前記第1の量は実質的に所定の閾値以上であり、前記配合物は任意選択で少なくとも1つのさらなる成分をさらに含む、液体リザーバー;
前記少なくとも1つの枯渇し得る化学薬品の第2の量(例えば、重量、体積、濃度)を、任意選択で少なくとも1つの液体担体(例えば、液体リザーバー内に含まれている配合物の液体担体と同じか、または異なる担体を含有する水)中に、保持するために構成された補充リザーバー;
(i)前記枯渇し得る化学薬品の前記第1の量における前記所定の閾値を下回る低下、および/または(ii)前記少なくとも1つの枯渇し得る化学薬品の機能性における低下、を少なくとも識別するように構成された検出手段;
一旦、前記低下が識別されると、少なくとも1つの枯渇し得る化学薬品の前記第2の量の少なくとも一部を前記補充リザーバーから前記液体リザーバーへ移送するように構成された移送手段であって、任意選択で手動手段である移送手段;
を含む。
【0019】
その態様の別の1つにおいて、本発明は、印刷プロセスにおける印刷不良を防ぐか、または最小限にするための方法を提供し、印刷不良は、水性配合物中(任意選択で液体担体中)に含まれる少なくとも1つの枯渇し得る化学薬品の第1の量における低下と関連付けられ、本方法は、
前記少なくとも1つの枯渇し得る化学薬品の第1の量において所定の閾値を下回る低下、および/または配合物中の少なくとも別の成分の量に対する低下を識別/検出すること、ならびに
前記低下を識別/検出すると、少なくとも1つの枯渇し得る化学薬品の第2の量の少なくとも一部を配合物に添加することであって、第2の量の前記少なくとも一部は、前記液体配合物中の枯渇し得る化学薬品の第1の量が復旧して実質的に前記所定の閾値以上になるために十分であり、かつ/または前記第2の量の前記少なくとも一部は、配合物中の少なくとも別の成分の量に対する第1の量の前記低下を打ち消すために十分であり、それによって前記印刷不良を防ぐか、もしくは最小限にする、添加すること
を含む。
【0020】
その態様のさらなる1つにおいて、本発明は、印刷プロセスにおける印刷不良を防ぐか、または最小限にするための方法を提供し、本方法は本明細書で説明されるシステムを利用する。
【0021】
さらに、その態様のさらなる1つにおいて、本発明は、本明細書で説明されるシステムおよびプロセスを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
本明細書で開示される主題をより良く理解して、それがどのように実際に実施され得るかを例証するために、実施形態がここで、添付の図面を参照して、非限定的例としてのみ、説明される。
【0023】
図1A】本発明のいくつかの実施形態に従ったシステム(例えば、装置)の概略図を示す。
図1B】本発明のいくつかの実施形態に従った、印刷システム(例えば、デジタル印刷システム)の概略側面図である。
図2】本発明のいくつかの実施形態に従った処理配合物の平均粘度対時間の測定値を表す図表を示す。
図3】本発明のいくつかの実施形態に従った処理配合物の平均表面張力対時間の測定値を表す図表を示す。
図4A】処理配合物を利用する間接印刷プロセスで取得された印刷画像の一部分(拡大された、ズームイン部分)を示しており、配合物は、本発明のいくつかの実施形態に従い、異なる温度および異なるエージングである。
図4B】処理配合物を利用する間接印刷プロセスで取得された印刷画像の一部分(拡大された、ズームイン部分)を示しており、配合物は、本発明のいくつかの実施形態に従い、異なる温度および異なるエージングである。
図4C】処理配合物を利用する間接印刷プロセスで取得された印刷画像の一部分(拡大された、ズームイン部分)を示しており、配合物は、本発明のいくつかの実施形態に従い、異なる温度および異なるエージングである。
図5A】本発明のいくつかの実施形態に従った、以前に使用されていない新鮮な処理配合物(図5A)および何回かの印刷サイクルに対する印刷プロセスで使用されている処理配合物(図5B)を利用する間接印刷プロセスで取得された印刷画像を示す。
図5B】本発明のいくつかの実施形態に従った、以前に使用されていない新鮮な処理配合物(図5A)および何回かの印刷サイクルに対する印刷プロセスで使用されている処理配合物(図5B)を利用する間接印刷プロセスで取得された印刷画像を示す。
図6A】本発明のいくつかの実施形態に従った、新鮮な(未使用の)処理配合物(TF)および使用されたTFを、新鮮および使用された(古い)ブランケット(ITM)と組み合わせて、利用する間接印刷プロセスで取得された印刷画像および対応するその拡大された(ズームイン)部分を示す。
図6B】本発明のいくつかの実施形態に従った、新鮮な(未使用の)処理配合物(TF)および使用されたTFを、新鮮および使用された(古い)ブランケット(ITM)と組み合わせて、利用する間接印刷プロセスで取得された印刷画像および対応するその拡大された(ズームイン)部分を示す。
図6C】本発明のいくつかの実施形態に従った、新鮮な(未使用の)処理配合物(TF)および使用されたTFを、新鮮および使用された(古い)ブランケット(ITM)と組み合わせて、利用する間接印刷プロセスで取得された印刷画像および対応するその拡大された(ズームイン)部分を示す。
図6D】本発明のいくつかの実施形態に従った、新鮮な(未使用の)処理配合物(TF)および使用されたTFを、新鮮および使用された(古い)ブランケット(ITM)と組み合わせて、利用する間接印刷プロセスで取得された印刷画像および対応するその拡大された(ズームイン)部分を示す。
図7】本発明のいくつかの実施形態に従った、処理配合物のエージング(時間)および温度の、間接印刷プロセスで生成された印刷画像のグレイニング(graining)への影響を表す図表を示す。
図8】本発明のいくつかの実施形態に従った、(室温、RTでの)処理配合物におけるインク混入の、間接印刷プロセスで生成された印刷画像のグレイニングへの影響を表す図表を示す。
図9】本発明のいくつかの実施形態に従った、(50℃での)処理配合物におけるインク混入の存在の、間接印刷プロセスで生成された印刷画像のグレイニングへの影響を表す図表を示す。
図10A】本発明のいくつかの実施形態に従った、新鮮なTF、(異なる齢および温度の)インクが混入したTFおよび濾過した処理配合物を利用する間接印刷プロセスで取得された印刷画像を示す。
図10B】本発明のいくつかの実施形態に従った、新鮮なTF、(異なる齢および温度の)インクが混入したTFおよび濾過した処理配合物を利用する間接印刷プロセスで取得された印刷画像を示す。
図10C】本発明のいくつかの実施形態に従った、新鮮なTF、(異なる齢および温度の)インクが混入したTFおよび濾過した処理配合物を利用する間接印刷プロセスで取得された印刷画像を示す。
図10D】本発明のいくつかの実施形態に従った、新鮮なTF、(異なる齢および温度の)インクが混入したTFおよび濾過した処理配合物を利用する間接印刷プロセスで取得された印刷画像を示す。
図11A】本発明のいくつかの実施形態に従った、ポリエチレンイミン(PEI)を含有する処理配合物(図11A)およびPEIを含有していない処理配合物(図11B)でコーティングされたポリエチレンテレフタレート(PET)スライドの画像(Zygo ×50)を示す。
図11B】本発明のいくつかの実施形態に従った、ポリエチレンイミン(PEI)を含有する処理配合物(図11A)およびPEIを含有していない処理配合物(図11B)でコーティングされたポリエチレンテレフタレート(PET)スライドの画像(Zygo ×50)を示す。
図12】インクバインダーをPEIの溶液へ添加した時にガラス管内で観察された相分離および沈殿を示す。
図13A】PEIを含有する処理配合物(図13A)、PEIを含有していない処理配合物(図13B)、3日齢および50℃のインクが混入したTF(図13C)ならびにインクが混入しているが追加の修復量のPEIを含むTF(図13D)でコーティングされたPETスライド(図の左側)の画像を示す。さらに、対応する処理配合物を利用する、本発明のいくつかの実施形態に従った、間接印刷プロセスで取得された対応する印刷画像(ズームイン)(図の右側)を示す。
図13B】PEIを含有する処理配合物(図13A)、PEIを含有していない処理配合物(図13B)、3日齢および50℃のインクが混入したTF(図13C)ならびにインクが混入しているが追加の修復量のPEIを含むTF(図13D)でコーティングされたPETスライド(図の左側)の画像を示す。さらに、対応する処理配合物を利用する、本発明のいくつかの実施形態に従った、間接印刷プロセスで取得された対応する印刷画像(ズームイン)(図の右側)を示す。
図13C】PEIを含有する処理配合物(図13A)、PEIを含有していない処理配合物(図13B)、3日齢および50℃のインクが混入したTF(図13C)ならびにインクが混入しているが追加の修復量のPEIを含むTF(図13D)でコーティングされたPETスライド(図の左側)の画像を示す。さらに、対応する処理配合物を利用する、本発明のいくつかの実施形態に従った、間接印刷プロセスで取得された対応する印刷画像(ズームイン)(図の右側)を示す。
図13D】PEIを含有する処理配合物(図13A)、PEIを含有していない処理配合物(図13B)、3日齢および50℃のインクが混入したTF(図13C)ならびにインクが混入しているが追加の修復量のPEIを含むTF(図13D)でコーティングされたPETスライド(図の左側)の画像を示す。さらに、対応する処理配合物を利用する、本発明のいくつかの実施形態に従った、間接印刷プロセスで取得された対応する印刷画像(ズームイン)(図の右側)を示す。
図14A】新鮮なTF、インクが混入したTF、および追加された(修復)量のPEIを含むインクが混入したTFを利用する、間接印刷プロセスにおいて生成された印刷画像のグレイニングを表す図表(図14A)を示す。図14Bは、本発明のいくつかの実施形態に従った、対応する処理配合物を利用する間接印刷プロセスで取得された、対応する印刷画像のズームイン部分を示す。
図14B】新鮮なTF、インクが混入したTF、および追加された(修復)量のPEIを含むインクが混入したTFを利用する、間接印刷プロセスにおいて生成された印刷画像のグレイニングを表す図表(図14A)を示す。図14Bは、本発明のいくつかの実施形態に従った、対応する処理配合物を利用する間接印刷プロセスで取得された、対応する印刷画像のズームイン部分を示す。
図15A】新鮮なTF(図15A)、インクが混入したTF(図15B)、および追加された(修復)量のPEIを含むインクが混入したFT(図15C)を利用する、間接印刷プロセスにおいて生成された印刷画像を示す(上側)。さらに、本発明のいくつかの実施形態に従った、対応する印刷画像のズームイン部分を示す(下側)。
図15B】新鮮なTF(図15A)、インクが混入したTF(図15B)、および追加された(修復)量のPEIを含むインクが混入したFT(図15C)を利用する、間接印刷プロセスにおいて生成された印刷画像を示す(上側)。さらに、本発明のいくつかの実施形態に従った、対応する印刷画像のズームイン部分を示す(下側)。
図15C】新鮮なTF(図15A)、インクが混入したTF(図15B)、および追加された(修復)量のPEIを含むインクが混入したFT(図15C)を利用する、間接印刷プロセスにおいて生成された印刷画像を示す(上側)。さらに、本発明のいくつかの実施形態に従った、対応する印刷画像のズームイン部分を示す(下側)。
図16】銅イオンのPEI溶液への添加によるPEIの検出を説明する図式を示しており、添加は、溶液からの青色発光および約275nmでの強い吸収(約650nmでの低い吸収を伴う)となる。
図17A】異なるPEI濃度を有する様々な新鮮なTFの銅での滴定時に観察された呈色反応を(これらの図の上部に列挙された数である対応する観察された粒状性値と共に)示す。
図17B】異なるPEI濃度を有する様々な新鮮なTFの銅での滴定時に観察された呈色反応を(これらの図の上部に列挙された数である対応する観察された粒状性値と共に)示す。
図17C】異なるPEI濃度を有する様々な新鮮なTFの銅での滴定時に観察された呈色反応を(これらの図の上部に列挙された数である対応する観察された粒状性値と共に)示す。
図17D】異なるPEI濃度を有する様々な新鮮なTFの銅での滴定時に観察された呈色反応を(これらの図の上部に列挙された数である対応する観察された粒状性値と共に)示す。
図17E】異なるPEI濃度を有する様々な新鮮なTFの銅での滴定時に観察された呈色反応を(これらの図の上部に列挙された数である対応する観察された粒状性値と共に)示す。
図17F】異なるPEI濃度を有する様々な新鮮なTFの銅での滴定時に観察された呈色反応を(これらの図の上部に列挙された数である対応する観察された粒状性値と共に)示す。
図17G】異なるPEI濃度を有する様々な新鮮なTFの銅での滴定時に観察された呈色反応を(これらの図の上部に列挙された数である対応する観察された粒状性値と共に)示す。
図17H】異なるPEI濃度を有する様々な新鮮なTFの銅での滴定時に観察された呈色反応を(これらの図の上部に列挙された数である対応する観察された粒状性値と共に)示す。
図17I】異なるPEI濃度を有する様々な新鮮なTFの銅での滴定時に観察された呈色反応を(これらの図の上部に列挙された数である対応する観察された粒状性値と共に)示す。
図17J】異なるPEI濃度を有する様々な新鮮なTFの銅での滴定時に観察された呈色反応を(これらの図の上部に列挙された数である対応する観察された粒状性値と共に)示す。
図17K】異なるPEI濃度を有する様々な新鮮なTFの銅での滴定時に観察された呈色反応を(これらの図の上部に列挙された数である対応する観察された粒状性値と共に)示す。
図17L】異なるPEI濃度を有する様々な新鮮なTFの銅での滴定時に観察された呈色反応を(これらの図の上部に列挙された数である対応する観察された粒状性値と共に)示す。
図18】本発明のいくつかの実施形態に従った、異なるPEI濃度を有する様々なTFへの銅の添加時に観察された吸収スペクトルを示す。
図19】本発明のいくつかの実施形態に従い、銅の存在下で、既知のPEI濃度を有する処理配合物で生成された、285nmでの較正曲線を示す。
図20図19の較正曲線に基づいて計算された、2つの異なる希釈度での、本発明のいくつかの実施形態に従った、様々なTFのPEIの濃度を示す
図21図19の較正曲線に基づいて計算された、銅を含有しているものと、銅を含有していない、本発明のいくつかの実施形態に従った様々なTFのPEIの濃度を示し、後者は対照試験として役立つ。
図22】本発明のいくつかの実施形態に従った、印刷画像の粒状性と、その画像を生成するために使用されたTF中のPEIの濃度との間の相関関係を示す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明は、印刷プロセスで使用される特定の成分を補充することにより、印刷プロセスで取得される印刷画像の品質を保証するという新規の概念に基づく。
【0025】
従って、本発明は、その態様の1つにおいて、印刷のためのシステムを提供し、
配合物を保持するために構成された液体リザーバーであって、配合物は少なくとも1つの枯渇し得る化学薬品の第1の量を含み、前記第1の量は実質的に所定の閾値以上であり、前記配合物は任意選択で少なくとも1つのさらなる成分をさらに含む、液体リザーバー;
前記少なくとも1つの枯渇し得る化学薬品の第2の量を、任意選択で少なくとも1つの液体担体中に、保持するために構成された補充リザーバー;
(i)前記枯渇し得る化学薬品の前記第1の量における所定の閾値を下回る低下、および/または(ii)前記少なくとも1つの枯渇し得る化学薬品の機能性における低下、を少なくとも識別するように構成された検出手段;
一旦、前記低下が識別されると、少なくとも1つの枯渇し得る化学薬品の前記第2の量の少なくとも一部を前記補充リザーバーから前記液体リザーバーへ移送するように構成された移送手段であって、任意選択で手動手段である移送手段;
を含む。
【0026】
その態様の別の1つにおいて、本発明は、印刷プロセスにおける印刷不良を防ぐか、または最小限にするための方法を提供し、印刷不良は、水性配合物中(任意選択で液体担体中)に含まれる少なくとも1つの枯渇し得る化学薬品の第1の量における低下と関連付けられ、本方法は、
前記少なくとも1つの枯渇し得る化学薬品の第1の量において所定の閾値を下回る低下、および/または配合物中の少なくとも別の成分の量に対する低下を識別/検出すること、ならびに
前記低下を識別/検出すると、少なくとも1つの枯渇し得る化学薬品の第2の量の少なくとも一部を配合物に添加することであって、前記第2の量の前記少なくとも一部は、前記液体配合物中の枯渇し得る化学薬品の第1の量が復旧して実質的に前記所定の閾値以上になるために十分であり、かつ/または前記第2の量の前記少なくとも一部は、配合物中の少なくとも別の成分の量に対する第1の量の前記低下を打ち消すために十分であり、それによって前記印刷不良を防ぐか、もしくは最小限にする、添加すること
を含む。
【0027】
様々な実施形態はここでは、前述の態様と関連して詳述される。本発明のシステムと関連して詳述される1つ以上の実施形態は、変更すべきところは変更して本発明の方法にも適用可能であり、逆もまた同様であることに留意されたい。
【0028】
いくつかの実施形態では、液体リザーバー内、および補充リザーバー内の枯渇し得る化学薬品の第1の量および第2の量はそれぞれ、%w/w(例えば、それが含まれる配合物/溶液の100グラム当たりの枯渇し得る化学薬品のグラム)で提供される。
【0029】
特に指定のない限り、用語「濃度」はw/w-すなわち、配合物/溶液/分散液(例えば、処理配合物、インク配合物などの印刷液体および同様のもの)の成分の、その配合物/溶液/分散液の総重量当たりの重量を指す。時には、濃度は、w/w%(%w/wまたは重量%と交換可能である)、すなわち、配合物/溶液/分散液(例えば、処理配合物、インク配合物などの印刷液体および同様のもの)の成分の、それが含まれている配合物/溶液/分散液の100グラム当たりの重量で提供される。
【0030】
本発明のシステムおよび方法は、印刷プロセスにおけるその存在が印刷プロセスの性能および結果として生じる印刷画像の品質にとって重要である、少なくとも1つの枯渇し得る化学薬品の枯渇と関連付けられた影響を打ち消すことにより印刷品質を改善することを目的とする。特に断りのない限り、前記枯渇し得る化学薬品の枯渇は、本発明のシステムおよび方法が打ち消すことを目的とする次の「低下」シナリオの1つ以上に反映され得る:
-枯渇し得る化学薬品の第1の量における所定の閾値を下回る低下、
-少なくとも1つの枯渇し得る化学薬品の機能性における低下、および
-枯渇し得る化学薬品の第1の量における、配合物中の少なくとも別の成分の量に対する低下。
【0031】
いくつかの実施形態では、枯渇し得る化学薬品の枯渇は、枯渇し得る化学薬品の第1の量における所定の閾値を下回る低下に反映され得る。
【0032】
いくつかの実施形態では、枯渇し得る化学薬品の枯渇は、少なくとも1つの枯渇し得る化学薬品の機能性における低下に反映され得る。
【0033】
いくつかの実施形態では、枯渇し得る化学薬品の枯渇は、枯渇し得る化学薬品の第1の量における、配合物中の少なくとも別の成分の量に対する低下に反映され得る。
【0034】
以下の開示は、前述の詳述された低下シナリオをさらに詳述する。
【0035】
それに応じて、少なくとも1つの枯渇し得る化学薬品は、実質的に所定の閾値以上の第1の量で配合物中に存在する。
【0036】
「所定の閾値」という用語は本明細書では、(液体リザーバー内に保持されている)配合物中の少なくとも1つの枯渇し得る化学薬品の量に関連して使用され、前記値は第1の量以下であり、配合物の安定性、機能性および(例えば、その配合物を利用する印刷プロセスとの)互換性の1つ以上を満足する品質を備える参照配合物に基づいて事前に決定された本質的に明確な値(すなわち、明確な整数±標準偏差)を示す。これらの品質は、印刷プロセスにおいて配合物を利用して生成された画像の品質に直接関連し得る。
【0037】
「および/または」という句は本明細書では、前記句が指す一方もしくは他方または両方の用語を定義すると考えられるべきである。
【0038】
本発明によれば、枯渇した化学薬品は、単独で、または組み合わせて、印刷プロセスでの配合物の性能にとって重要な、1つ以上の機能を満足し、前記性能は、画像印刷品質にも反映され得る。従って、本明細書では、枯渇し得る化学薬品に関して使用される「機能性」、「機能」という用語またはその任意の言語的変形は、前記1つ以上の機能を指す。
【0039】
枯渇し得る化学薬品が有し得る機能の非限定的例は:配合物の溶解度、水和性、粘度、弾性、粘着性、吸湿性、密度、空隙率、および引張強度の1つ以上に影響を及ぼすことである。
【0040】
枯渇し得る化学薬品のさらなる非限定的機能は:枯渇し得る薬剤を含有する配合物でコーティングされたITMの表面の良好な水和性、ITM上に形成された薄膜の良好な粘着性、改善されたインク画像品質(画像の低粒状性に反映され得る)、コーティングされたITM上での良好なインク湿潤およびインク拡散特性、の1つ以上を提供することである。この目的のため、いくつかの実施形態では、枯渇し得る化学薬品は、湿潤剤、表面活性剤および固定剤(後者はとりわけ、処理配合物のITMへの固定を改善してITMからの湿潤処理コーティングの合体を減らす)の1つ以上として機能し得る。
【0041】
いくつかの実施形態では、枯渇し得る化学薬品が果たす機能は、表面活性剤、湿潤剤、および固定剤の1つ以上である。
【0042】
いくつかの実施形態では、枯渇し得る化学薬品が果たす機能は、枯渇し得る薬剤を含有する処理配合物でコーティングされたITMの表面の良好な水和性を提供することである。
【0043】
枯渇し得る薬剤の機能性は、印刷プロセスで利用される本発明に従った処理配合物中のその量に直接関連し得る。従って、時には、少なくとも1つの枯渇し得る化学薬品の機能性における低下は、配合物中の枯渇し得る化学薬品の第1の量における所定の閾値を下回る低下に直接関連する。
【0044】
いくつかの実施形態では、例えば、間接印刷システムで利用される場合、少なくとも1つの枯渇し得る化学薬品の機能性における低下および/または枯渇し得る化学薬品の第1の量における所定の閾値を下回る低下は、印刷品質に直接関連する。
【0045】
いくつかの実施形態では、印刷品質は、印刷画像の粒状性に反映され得る(粒状性が低ければ品質はそれだけ良好である)。この目的のため、枯渇し得る化学薬品は、画像の粒状性に関連した役割を果たし得る。
【0046】
いくつかの実施形態では、枯渇し得る化学薬品の第1の量は実質的に前述した所定の閾値以上であり得る。
【0047】
いくつかの実施形態では、枯渇し得る化学薬品の量は、重量、体積または濃度で提供され得る。
【0048】
いくつかの実施形態では、補充リザーバーは、少なくとも1つの枯渇し得る化学薬品だけを、任意選択で少なくとも1つの液体担体中に、保持するように構成される、すなわち、液体配合物中の配合物の他の機能性成分が補充リザーバー内に存在せず、補充はその枯渇し得る化学薬品だけである。
【0049】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの枯渇し得る化学薬品が補充リザーバー内に液体状(例えば、溶液または分散液、任意選択で液体リザーバー内に存在する液体担体と同じか、または異なる液体担体中)で存在する。
【0050】
いくつかの実施形態では、補充リザーバーおよび液体リザーバーは(例えば、流体導管を介して)液体連通して(例えば、枯渇し得る化学薬品の第1の量における所定の閾値を下回る低下、または少なくとも1つの枯渇し得る化学薬品の機能性における低下を識別すると)少なくとも1つの枯渇し得る化学薬品の量(例えば、前記第2の量の少なくとも一部)の補充リザーバーから液体リザーバーへの移送を可能にする。
【0051】
いくつかの実施形態では、移送手段は、枯渇し得る化学薬品の、補充リザーバーから液体リザーバーへ移送される量を調節し、かつ/または前記液体リザーバーから前記補充リザーバーへの液体の逆流を回避するように構成された調節手段をさらに含み得る。
【0052】
いくつかの実施形態では、本発明のシステムは、液体リザーバーから補充リザーバーへの液体の逆流を回避するため(例えば、汚染、例えば、液体リザーバーへのインクの浸透に起因し得るインクの混入、を回避するため)の手段(例えば、調節手段)をさらに含み得る。いくつかの実施形態では、前記手段は、補充リザーバーから液体リザーバーへの、液体の一方向の流れを許可する少なくとも1つの安全弁を含む。例えば、閉じた弁が液体リザーバーと補充リザーバーとの間に置かれ得、閉じた弁が開かれる場合、補充流体が補充リザーバーから液体リザーバーへ移送されるのを許可する。いくつかの実施形態では、本発明のシステムは、弁を開状態へ操作するための手段および、補充が完了した場合、例えば、液体リザーバー内の少なくとも1つの枯渇し得る化学薬品の量が、(前記移送で)前述した所定の閾値以上の値に達した場合に、弁を閉じるための手段をさらに含み得る。
【0053】
いくつかの実施形態では、補充は、液体リザーバー内の少なくとも1つの枯渇し得る化学薬品の量が、(前記移送時に)第1の量を下回っているが、所定の閾値より低い検出/測定された値を上回る値に達した場合に完了したと考えられ得る。
【0054】
いくつかの実施形態では、補充は、液体リザーバー内の少なくとも1つの枯渇し得る化学薬品の量が、(前記移送時に)第1の量を下回っているが、所定の閾値より大きい値に達した場合に完了したと考えられ得る。
【0055】
いくつかの実施形態では、補充リザーバー内の少なくとも1つの枯渇し得る化学薬品の第2の量(例えば、wt.%)は、液体リザーバー内の少なくとも1つの枯渇し得る化学薬品の第1の量(例えば、wt.%)を上回り得、移送時に、枯渇し得る化学薬品の移送された分量の希釈は、液体リザーバー内で起こる。
【0056】
本発明の方法およびシステムは、例えば、均一性を提供するために、少なくとも1つの枯渇し得る化学薬品の混合を伴い得る。従って、いくつかの実施形態では、本システムは任意選択で、液体リザーバーおよび/または補充リザーバー内の少なくとも1つの枯渇し得る化学薬品を混合する(および/または均一に分散する)ように構成された混合手段を(例えば、液体リザーバーおよび補充リザーバーの1つ以上内に)さらに含む。この目的のため、本発明の方法は、対応する混合をさらに含み得る。
【0057】
本発明のシステムは、少なくとも1つの枯渇し得る化学薬品の前記第2の量の少なくとも一部を補充リザーバーから液体リザーバーへ移送するように構成された移送手段を含む。いくつかの実施形態では、本システムは、枯渇し得る化学薬品の制御された量を補充リザーバーから液体リザーバーへ送り込むための計量ポンプおよび任意選択で混合手段、例えば、移送された量を液体リザーバー内で混合するための、混合装置をさらに含み得る。
【0058】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、移送は、例えば、システムオペレータによって、手動で達成され得る。
【0059】
いくつかの実施形態では、枯渇し得る化学薬品(補充リザーバー内に存在する)の添加される量は固体形状で提供され得る。この目的のため、枯渇し得る化学薬品は補充リザーバー内に固体形状で存在し、本システムは任意選択で、固体の枯渇し得る化学薬品を、例えば、液体リザーバー内に含まれている配合物の液体担体と同じか、または異なり得る少なくとも1つの液体担体中で、混合、溶解(例えば、可溶化)または分散する手段をさらに含み得る。この目的のため、本発明の方法は、補充リザーバー内に存在する枯渇し得る化学薬品を混合、溶解(例えば、可溶化)または分散することをさらに含み得る。
【0060】
いくつかの実施形態では、本方法は、少なくとも1つの枯渇し得る化学薬品の第2の量の少なくとも一部を液体配合物中に混合することをさらに含み得る。
【0061】
いくつかの実施形態では、本方法およびシステムは、固体の枯渇し得る薬剤を可溶化するのを支援するために加熱することを伴い得る。この目的のため、本発明のシステムは、固体の枯渇し得る化学薬品を可溶化するのを支援するように構成された加熱手段をさらに含み得る。この目的のため、本発明の方法は、(固体の枯渇し得る化学薬品を可溶化するのを支援するための)対応する加熱をさらに含み得る。
【0062】
いくつかの実施形態では、本発明のシステムおよび方法は、間接印刷のためである。
【0063】
いくつかの実施形態では、本発明のシステムは、印刷液体を保持するために構成された少なくとも1つの印刷液体リザーバー(例えば、印刷バー)をさらに含み得、印刷液体は任意選択でインクであり、さらに任意選択で水性インク(例えば、水性インク配合物)である。
【0064】
いくつかの実施形態では、本システムは中間転写部材(ITM)をさらに含み得る。
【0065】
本発明の方法およびシステムでは、いくつかの実施形態において、液体リザーバー内の配合物は、ITMの剥離表面の少なくとも1つの領域に塗布されて被覆層をその上に形成するように構成された(例えば、実質的に本明細書で説明するような)処理配合物である。
【0066】
いくつかの実施形態では、配合物は、前記印刷液体(例えば、水性インク配合物)が剥離表面上に塗布される前に剥離表面上に塗布される。
【0067】
本明細書で使用される「処理配合物」という用語は、その配合物はITMの剥離表面を前記配合物で処理する目的で、印刷システムのITMと共に使用するためであることを意味する。処理配合物は、ITMの剥離表面を冷却および/または洗浄するためにも使用され得る。
【0068】
いくつかの実施形態では、本発明の方法およびシステムは、配合物(例えば、処理配合物)中の枯渇し得る化学薬品の存在を、任意選択で継続的に、識別して、配合物中のその量を測定および/もしくは計算し、かつ/または配合物量に関して、もしくは配合物の他の成分に関して、その割合を計算するように構成された1つ以上の検出手段(検出ユニットなど)を利用し得る。かかる検出手段の非限定的例は、分光学的手段[例えば、視覚(比色)、赤外線]、物理的手段、伝導度測定手段、pH測定手段、屈折率測定手段、密度測定手段、比重測定手段またはそれらの任意の組合せである。検出された値(例えば、測定された、および/または計算された)は次いで、所定の閾値と比較され得、枯渇し得る化学薬品のその量が、そのように要求される場合に補充される。
【0069】
いくつかの実施形態では、検出手段は、視覚的手段、分光学的手段、分光測光手段、電子的手段、化学的手段、物理的手段、印刷品質ベースの手段またはそれらの任意の組合せから選択される。
【0070】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、検出手段は、枯渇し得る化学薬品の第1の量における所定の閾値を下回る低下を測定および/または計算するように構成される。この目的のため、本発明の方法は、前記低下の測定および/または計算を伴い得る。
【0071】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、検出手段は、液体リザーバー内の少なくとも1つの枯渇し得る化学薬品の量を検出/測定するように構成され、本システムは、検出/測定された量に基づき、少なくとも1つの枯渇し得る化学薬品の第1の量における所定の閾値を下回る低下を計算するように構成される。この目的のため、本発明の方法は、前記低下の検出/測定および/または計算を伴い得る。
【0072】
いくつかの実施形態では、本発明の方法は、前記少なくとも1つの枯渇し得る化学薬品の第1の量における所定の閾値を下回る低下を識別することをさらに含み、前記識別することは、視覚的手段、分光学的手段、分光測光手段、電子的手段、化学的手段、物理的手段、印刷品質ベースの手段またはそれらの任意の組合せから選択された検出手段によって達成され、前記方法は、前記少なくとも1つの枯渇し得る化学薬品の前記第1の量における識別された低下に基づき、前記少なくとも1つの枯渇し得る化学薬品の第1の量における、配合物中の1つ以上の別の成分の量に対する低下を計算することをさらに含む。
【0073】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、検出手段は、枯渇し得る化学薬品の第1の量における、配合物中の少なくとも1つの別の成分の量に対する低下を測定および/または計算するように構成される。この目的のため、本発明の方法は、前記低下を測定および/または計算することを伴い得る。
【0074】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、検出手段は、前記少なくとも1つの枯渇し得る化学薬品の機能性における低下を測定および/または計算するように構成される。この目的のため、本発明の方法は、前記低下を測定および/または計算することを伴い得る。
【0075】
いくつかの実施形態では、本システムは、液体リザーバー内に含まれている配合物中の枯渇し得る化学薬品の濃度を検出、測定または計算して、前記枯渇し得る化学薬品の第1の量における低下をそれから計算する手段を含む。
【0076】
いくつかの実施形態では、本方法は、液体配合物中の枯渇し得る化学薬品の濃度を検出および/または測定および/または計算し、前記枯渇し得る化学薬品の第1の量における低下をそれから計算することを含む。
【0077】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、検出手段は、前述の低下の1つ以上を記録および/または(例えば、システムオペレータに)報告するように構成される。
【0078】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、検出手段は、一旦、前述の低下の1つ以上が識別されると、移送手段を作動させるように構成される。
【0079】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、本システムは、液体リザーバー内の少なくとも1つの枯渇し得る化学薬品の補充を制御するように構成され、任意選択で、一旦、前記枯渇し得る化学薬品の第1の量における所定の閾値を下回る低下および/または少なくとも1つの枯渇し得る化学薬品の機能性における低下が識別されると、移送手段を作動させるように構成された制御ユニットをさらに含み得る。
【0080】
いくつかの実施形態では、制御は、自動的または半自動的(機械および人間操作の組合せ)であり得る。
【0081】
いくつかの実施形態では、移送は手動であり得る。
【0082】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、本システムは、検出手段と制御ユニットとの間でデータ/情報を伝達するように構成された通信手段をさらに含み得る。
【0083】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、移送手段は、圧力ベースの手段、噴射手段、噴霧手段または重力手段の1つ以上であり得る。当技術分野で周知の他の手段も適し得る。この目的のため、本発明の方法は、その手段を利用することをさらに伴い得る。
【0084】
いくつかの実施形態では、検出手段は、本明細書で開示されるような枯渇し得る化学薬品の量における低下を、その化学的および/または物理的特性に基づいて明確に識別するように構成され得る。この目的のため、本発明の方法は、配合物中の枯渇し得る化学薬品の量を、前記薬剤の化学的および/または物理的特性に基づいて数値化することを伴い得る。
【0085】
いくつかの実施形態では、本発明のシステムは、配合物中の枯渇し得る化学薬品の量を、前記薬剤の化学的および/または物理的特性に基づいて数値化するように構成されたキットをさらに含み得る。
【0086】
いくつかの実施形態では、枯渇し得る化学薬品は窒素原子を含み、検出/測定手段および/またはキットは窒素原子の検出に対して特異的である。
【0087】
いくつかの実施形態では、枯渇し得る化学薬品は、窒素含有薬剤(例えば、ポリエチレンイミン)であり、前記検出ユニットは、銅カチオン/塩の前記窒素を含有する枯渇し得る化学薬品との反応に基づいて窒素含有薬剤を検出するように構成された分光学的手段(例えば、可視および/または赤外線における)を含む。この目的のため、本発明のシステムは、配合物中の枯渇し得る化学薬品の量を数値化するように構成されたキットをさらに含み得、そのキットは、銅イオンの溶液および使用のための指示を含む。
【0088】
いくつかの実施形態では、本発明のシステムおよび方法は、液体配合物からのアリコットを分析のために試料採取する(例えば、配合物中の前記少なくとも1つの枯渇し得る化学薬品の量を識別/判断/測定/計算する)ことをさらに含み得る。この目的のため、本発明のシステムは、配合物のアリコットをさらなる分析のために液体リザーバーから引き抜くように構成された少なくとも1つの試料採取ユニットをさらに含み得る。
【0089】
いくつかの実施形態では、試料採取は、要求に応じて、および/または所定の時間間隔で、および/または所定の印刷サイクル数の後に実行される。
【0090】
いくつかの実施形態では、試料採取ユニットは、配合物のアリコットを前記液体リザーバーから、要求に応じて、例えば、低印刷品質が認められて、補充される量を判断する必要がある場合に、および/または所定の時間間隔で、および/または所定の印刷サイクル数の後に、引き抜くように構成される。
【0091】
いくつかの実施形態では、本発明のシステムは、液体リザーバー内に含まれている配合物中の枯渇し得る化学薬品の濃度を検出および/または測定および/または計算し、枯渇し得る化学薬品の第1の量における低下をそれから計算する手段をさらに含み得る。この目的のため、本発明の方法は、枯渇し得る化学薬品の濃度を検出および/または測定および/または計算して、枯渇し得る化学薬品の第1の量における、例えば、所定の閾値を下回る、低下をそれから計算することをさらに含む。
【0092】
本発明に従ったいくつかの実施形態では、枯渇し得る化学薬品の第1の量における低下は、配合物の別の1つ以上の成分の量に対してであり得、すなわち、配合物の別の1つ以上の成分の量は、例えば、相対濃度、従って処理配合物中、一定であり、他方、枯渇し得る化学薬品の濃度だけが低下する。言い換えれば、枯渇し得る化学薬品は、枯渇する唯一の薬剤であり、他方、残りの成分は、相互に対して、一定量、例えば、wt.%を維持する。
【0093】
いくつかの実施形態では、本発明のシステムは、少なくとも1つの枯渇し得る化学薬品の第1の量における、配合物中の少なくとも別の成分の量に対する低下を識別するように構成される。いくつかの実施形態では、本システムは、信号表示を提供して、前記少なくとも1つの枯渇し得る化学薬品を前記液体配合物に添加する必要性を示すように構成されて、それにより前記液体配合物中の枯渇し得る化学薬品の第1の量を、実質的に前記所定の閾値以上になるように復旧し、従って、少なくとも1つの枯渇し得る化学薬品の第1の量における、配合物中の少なくとも別の成分の量に対する低下を打ち消す。この点において、本発明の方法は、少なくとも1つの枯渇し得る化学薬品の第1の量における、配合物中の少なくとも別の成分の量に対する低下を識別すること、および少なくとも1つの枯渇し得る化学薬品の第2の量の少なくとも一部を配合物に添加し、それにより前記液体配合物中の枯渇し得る化学薬品の第1の量を、実質的に所定の閾値以上になるように復旧し、従って、少なくとも1つの枯渇し得る化学薬品の第1の量における、配合物中の少なくとも別の成分の量に対する低下を打ち消すことを含む。この目的のため、本方法は、信号表示をさらに提供して、少なくとも1つの枯渇し得る化学薬品を前記液体配合物に添加する必要性を示し得る。
【0094】
この点において枯渇し得る化学薬品の枯渇は、印刷プロセスのための枯渇し得る化学薬品の消費(例えば、ITMをコーティングするための処理配合物の消費)に起因したものではないと考えられるべきであることに留意されたい。印刷プロセスでは、枯渇し得る化学薬品は、例えば、所定のプログラムに従った制御された方法で、配合物の他の成分と一緒に消費されている。従って、枯渇し得る化学薬品の、配合物の他の成分の量に対する相対量は、印刷プロセスの間、実質的に一定に維持される。一旦、枯渇し得る化学薬品の枯渇が生じると(例えば、インク混入のため)、前述の相対量は枯渇の程度に応じて変化する。本発明のシステムおよび方法は、その枯渇を埋め合わせるために枯渇し得る薬剤のさらなる量を添加することによりかかる枯渇を相殺するために利用され、それによりかかる枯渇と関連する悪影響(例えば、印刷品質における低下)を最小限にする。
【0095】
いくつかの実施形態では、本発明の方法およびシステムにおいて、枯渇し得る化学薬品の第1の量における、前述した所定の閾値を下回る低下を識別すると、例えば、少なくとも1つの枯渇し得る化学薬品の所望の量が液体配合物に添加されて、例えば、液体配合物中の枯渇し得る化学薬品の第1の量を復旧するか、または少なくともその量を所定の閾値以上に増加させる。添加は、本明細書で所定の補充プロファイルと呼ばれる所定のプロファイルで提供され得る。
【0096】
いくつかの実施形態では、所定の補充プロファイルは、枯渇し得る化学薬品の量を増加して実質的に前述した所定の閾値以上の値に達するか、または時には、所定の閾値を下回る/上回る任意の他の値に達するように選択される。
【0097】
この目的のため、本発明のシステムは、前記補充プロファイルに従い、液体リザーバー内の少なくとも1つの枯渇し得る化学薬品の補充を制御するように構成された制御ユニットをさらに含み得る。
【0098】
ここで、図1Aを参照すると、本発明のいくつかの実施形態に従ったシステム100(例えば、装置)の概略図が示されている。本システムは、少なくとも1つの枯渇し得る化学薬品の第1の量を含有する配合物を保持するために構成された液体リザーバー102を含む。本システムは、少なくとも1つの枯渇し得る化学薬品のある量を保持する補充リザーバー104をさらに含む。本システムは、少なくとも1つの枯渇し得る化学薬品のある量を補充リザーバー104から液体リザーバー102へ移送するために構成された移送ユニット106をさらに含む。移送ユニット106は、移送される量を調節し、かつ/または逆流を防ぐように構成された調節手段をさらに含み得る。
【0099】
かかる移送ユニット106の一例は、少なくとも1つの枯渇し得る化学薬品のある量を補充リザーバー104から液体リザーバー102へ移送するのを可能にする流体導管である。この目的のため、本システムは任意選択で、液体リザーバー102から補充リザーバー104への液体の逆流を回避するように構成された安全弁をさらに含む。
【0100】
図1Aでは、システム100は、液体リザーバー102内の少なくとも1つの枯渇し得る化学薬品の量を測定し、かつ/またはその枯渇を識別するように構成された検出ユニット108をさらに含む。
【0101】
本システムは、さらなる分析のために(例えば、少なくとも1つの枯渇し得る化学薬品の量を判断する)液体リザーバー102内の配合物のアリコットを引き抜くように構成された試料採取ユニット(図1Aには図示せず)をさらに含み得る。代替として、検出ユニットは、少なくとも1つの枯渇し得る化学薬品を測定および/もしくは検出し、かつ/またはリザーバー内でのその枯渇を識別できる。
【0102】
本システムは任意選択で、補充リザーバー104から液体リザーバー102への枯渇し得る化学薬品のある量の移送を作動させることにより、液体リザーバー102内の少なくとも1つの枯渇し得る化学薬品の補充を制御するように構成された制御ユニット110をさらに含む。
【0103】
制御ユニット110は、補充を要求に応じて、例えば、検出ユニットからのフィードバックに基づき制御でき、かつ/または所定の補充プロファイル(例えば、枯渇し得る化学薬品の所定の量を所定の期間に一度)に基づき補充を定期的に作動できる。
【0104】
いくつかの実施形態では、図1A中のシステム100は、例えば、本明細書で詳述されるように、さらに1つ以上のユニットを含み得る。
【0105】
いくつかの実施形態では、本発明のシステム、例えば、図1A中のシステム100は、例えば、本明細書で詳述されるように、印刷システムの一部を形成し得る(例えば、図1Bの印刷10システムを参照)。
【0106】
いくつかの実施形態では、本発明のシステムは、処理ユーティリティをさらに含み得る。
【0107】
いくつかの実施形態では、処理ユーティリティは、枯渇し得る化学薬品の第1の量における前述した所定の閾値を下回る低下を識別すると、および/または少なくとも1つの枯渇し得る化学薬品の機能性における低下(印刷画像の品質に反映され得る)を識別すると、ユーザー(例えば、システムオペレータ)に信号表示を提供して、液体リザーバー内の少なくとも1つの枯渇し得る化学薬品を補充する必要性を示すように構成され得る。
【0108】
いくつかの実施形態では、信号表示器は、視覚信号、音声信号またはそれらの組合せであり得る。
【0109】
いくつかの実施形態では、補充はユーザーにより、例えば、印刷条件に基づいて判断されるプロファイルに従って、任意選択で、所定の補充プロファイルに従って実行され得るか、または例えば、システムオペレータによる承認により、制御ユニットによって、例えば、所定の補充プロファイルに従い、例えば、コントローラ、例えば、ON/OFFスイッチ、を作動させることによって、自動的に実行され得る。
【0110】
いくつかの実施形態では、本システムは任意選択で、印刷プロセスを停止し、一旦、補充を達成/完了すると、印刷プロセスを再開する手段をさらに含み得る。
【0111】
いくつかの実施形態では、補充プロファイルは:補充リザーバーから液体リザーバーへ移送される少なくとも1つの枯渇し得る化学薬品の量(例えば、体積)、補充の頻度、移送の持続時間、移送の方法(例えば、連続的または逐次的)、移送速度、の1つ以上を定義し得る。
【0112】
いくつかの実施形態では、補充プロファイルは:枯渇し得る化学薬品の第1の量および/または第2の量、前記低下の程度、検出された低下(例えば、低下後、液体リザーバー内に残っている枯渇し得る化学薬品の量)、枯渇し得る化学薬品の、配合物量または配合物中に含まれている他の1つ以上の成分の量に対する相対量、の1つ以上に基づいて判断され得る。
【0113】
いくつかの実施形態では、補充プロファイルは、印刷条件、例えば、印刷媒体の性質、印刷時間/所要時間、印刷サイクルの回数、印刷ページ数、印刷温度/複数の温度、印刷速度、配合物の品質/齢、ITMの品質/齢、インクなど、外部汚染物質による配合物の汚染の程度、の1つ以上に基づいて定義され得る。
【0114】
いくつかの実施形態では、本発明のシステムおよび方法は、印刷プロセスによって生成された画像を処理し、その画像印刷品質を評価することをさらに含み、前記画像印刷品質が所定の要求される品質を下回る場合、液体配合物中の枯渇し得る化学薬品の補充/添加が必要とされる(従って、少なくとも1つの枯渇し得る化学薬品の第2の量の少なくとも一部の液体配合物への添加が実行される)。この目的のため、本発明のシステムは、画像を処理して、その印刷品質を評価するように構成される処理ユーティリティを利用し、画像印刷品質が所定の要求される品質を下回る場合、本システムの制御ユニットは、液体リザーバー内の少なくとも1つの枯渇し得る化学薬品の補充を制御するように構成される。
【0115】
いくつかの実施形態では、本発明の方法およびシステムは、画像の品質を示す出力を生成し、その出力が所定の閾値パラメータを下回る場合、液体配合物中の枯渇し得る化学薬品の補充/添加が必要とされる(従って、少なくとも1つの枯渇し得る化学薬品の第2の量の少なくとも一部の液体配合物への添加が実行される)。この目的のため、本発明のシステムは、前記出力を生成するように構成される処理ユーティリティを利用し、前記出力が所定の閾値パラメータを下回る場合、制御ユニットは、前記液体リザーバー内の前記少なくとも1つの枯渇し得る化学薬品の補充を制御するか、または引き起こすように構成される。
【0116】
いくつかの実施形態では、画像印刷品質は、画像の粒状性に基づいて判断される(粒状性が低ければ品質はより良好である)。この目的のため、出力は画像の粒状性を示す値を反映する。
【0117】
いくつかの実施形態では、本発明のシステムおよび方法は、前記出力を視覚的ディスプレイユニット、オーディオ装置またはそれらの組合せ上に表示する。この目的のため、本発明のシステムは、ディスプレイユニットをさらに含み得る。
【0118】
いくつかの実施形態では、所定の閾値パラメータは、印刷画像の所望の品質を表す本質的に明確な値または値の範囲を含む(例えば、印刷品質は、1つ以上の画像画素に基づいて判断され得、閾値パラメータは1つの画素の明確な値、いくつかの画素の平均または様々な画素の値の範囲である)。
【0119】
いくつかの実施形態では、出力が所定の閾値を下回っている(例えば、欠陥画像を示している)場合、本発明のシステムは、アラートをユーザーに提供するように構成され、方法はアラートをユーザーに提供して、時には、印刷プロセスを自動的に停止し、任意選択で、一旦、(液体リザーバー内の)枯渇し得る化学薬品の補充が完了すると、印刷プロセスを再開する。
【0120】
いくつかの実施形態では、本発明のシステムは、ユーザーインタフェースをさらに含み得る。時には、ユーザーインタフェースは、ユーザーが、印刷プロセスに対する1つ以上の所望の印刷条件を処理ユーティリティに導入するのを可能にするためであり得る。
【0121】
いくつかの実施形態では、本発明のシステムは、印刷プロセスの画像品質の所定の閾値パラメータ(複数可)のデータベースを含むメモリをさらに含み得る。
【0122】
いくつかの実施形態では、処理ユーティリティは、データベースからの画像品質の所定の閾値パラメータを印刷プロセスで生成された出力と相関させるように構成される。
【0123】
いくつかの実施形態では、本発明のシステムは、補充履歴を記録するための手段をさらに含み得る。この目的のため、本システムは、補充の発生を記録し、任意選択でメモリに格納するように構成され得る。本システムは、後者に基づいて処理配合物の品質を判断し、補充サイクルの所定の一定量および/もしくは枯渇し得る化学薬品の一定量が補充され、かつ/または補充リザーバー内の枯渇し得る化学薬品の一定量が消費された場合には、印刷プロセスを停止し、かつ/または補充履歴に関する表示をユーザーに提供し、任意選択でユーザーによって行われる判断に続いて(または自動的/半自動的に)さらなる補充を進めるか、または液体リザーバー内の配合物を廃棄して(その品質が、例えば、所定の補充サイクル数を超える多数回の補充サイクルに起因して、不十分である場合)それを新しい(新鮮な)配合物で充填するようにさらに構成され得る。
【0124】
いくつかの実施形態では、枯渇し得る化学薬品の第1の量における低下または少なくとも1つの枯渇し得る化学薬品の機能性における低下は、枯渇し得る化学薬品の望ましくない副反応に起因し得る。
【0125】
いくつかの実施形態では、枯渇し得る化学薬品の望ましくない副反応は、望ましくない副生成物の形成となる。
【0126】
本明細書で使用される「望ましくない副生成物」という用語は、処理配合物中で一部を形成しないか、またはいかなる機能性も満足しない少なくとも1つの成分の、枯渇し得る化学薬品との反応時に生成される副生成物を指し、その副生成物は、配合物中で、例えば、処理配合物中で、および/または印刷プロセスにおいて、機能性を有していない。
【0127】
いくつかの実施形態では、本発明のシステムおよび方法は、望ましくない副生成物の形成の検出、および任意選択でその量の測定をさらに含み得る。この目的のため、本発明のシステムは、それを検出し、液体リザーバー内の副生成物の量を測定/判断/計算するための手段をさらに含み得る。
【0128】
いくつかの実施形態では、本発明の方法およびシステムは、望ましくない副生成物の検出された形成と、枯渇し得る化学薬品の第1の量における低下とを相関させることをさらに含み得る。この目的のため、本発明のシステムは、望ましくない副生成物の検出された形成と、枯渇し得る化学薬品の第1の量における低下とを相関させるように構成された手段をさらに含み得る。いくつかの実施形態では、本システムは、液体リザーバー内の望ましくない副生成物の量から、枯渇し得る化学薬品の第1の量における低下を計算するように構成された手段をさらに含み得る。
【0129】
いくつかの実施形態では、枯渇し得る化学薬品の第1の量における低下は、少なくとも1つの汚染物質での配合物(液体リザーバー内)の汚染、および少なくとも1つの枯渇し得る化学薬品と少なくとも1つの汚染物質との相互作用(可逆的相互作用または不可逆的相互作用であり得る)から生じた少なくとも1つの望ましくない副生成物の形成に起因し得る。
【0130】
いくつかの実施形態では、本発明の方法およびシステムは、印刷用である。この目的のため、本システムは、印刷液体(例えば、およびインク配合物)を保持するために構成された少なくとも1つの印刷液体リザーバー(例えば、インクリザーバー)をさらに含み、枯渇し得る化学薬品の第1の量における低下は、本発明に従った処理配合物を保持している液体リザーバー内の印刷液体汚染(例えば、インク混入)に起因する(例えば、枯渇し得る化学薬品を含有する処理配合物を保持する液体リザーバーへのインク成分の混入)。
【0131】
いくつかの実施形態では、本発明のシステムは、インク画像残留物または処理配合物残留物をITMの剥離層表面から取り除き、その処理配合物残留物を(液体リザーバーに)再循環させるための手段をさらに含み得る。この目的のため、本発明のシステムは:
(i)インク画像残留物または処理配合物残留物を剥離層表面から機械的に除去するように適合された機械的残留物除去機構、
(ii)インク画像残留物または処理配合物残留物を剥離層表面から機械的に除去するように適合された掻き取りブレード機構、および
(iii)インク画像残留物または処理配合物残留物を剥離層表面から除去するための洗浄ステーション、
の1つ以上をさらに含み得、
本システムは任意選択で、処理配合物残留物を液体リザーバーへ再循環させるための手段をさらに含む。
【0132】
いくつかの実施形態では、インク混入は処理配合物残留物の再循環から起こる。
【0133】
いくつかの実施形態では、インク混入は:インクのこぼれ、インクのはね(例えば、インクジェットノズルから)、インク画像残留物の不十分な除去、再循環された処理配合物残留物中のインク残留物の存在(例えば、ITMから最終基材へのインクの不十分な移送に起因した)、の1つ以上に起因し得る。
【0134】
いくつかの実施形態では、インク混入は、インクのこぼれ、インクのはね、および処理配合物の再循環プロセスの1つ以上に起因し得る。
【0135】
いくつかの実施形態では、インク混入は、処理配合物の再循環プロセスに起因し得る。
【0136】
時には、インク混入は、インク混入の望ましくない蓄積に起因して増加した印刷サイクルに伴って増大し得る。
【0137】
いくつかの実施形態では、印刷液体は、少なくとも1つのバインダー(例えば、負に帯電した有機ポリマー樹脂)および少なくとも1つの着色剤(例えば、着色剤は顔料から成る)を含むインク(例えば、インク配合物)であり、枯渇し得る化学薬品の第1の量における低下または少なくとも1つの枯渇し得る化学薬品の機能性における低下は、望ましくない副生成物を(本発明に従った処理配合物を保持している液体リザーバー内に)形成する、枯渇し得る化学薬品の少なくとも1つのバインダーとの望ましくない副反応に起因する。
【0138】
いくつかの実施形態では、本発明に従ったシステムでは、補充リザーバーは、少なくとも1つのインクリザーバー(例えば、印刷バー)から十分に離して(十分に間隔を空けて)配置されて、補充リザーバーの(例えば、インクのはね/こぼれに起因した)インク混入の影響を回避する。
【0139】
いくつかの実施形態では、本発明のシステムは、液体リザーバー(本発明の処理配合物を保持している)を汚染、例えば、インク混入から保護するように構成された保護ユニットをさらに含み得る。この目的のため、本発明の方法は、液体配合物を汚染から保護することをさらに含む。
【0140】
いくつかの実施形態では、保護ユニットは、例えば、1つ以上のインク成分、例えば、バインダーと化学的に相互作用する、選択フィルタを利用して、1つ以上のインク成分を選択的に捕捉し得る。保護ユニットは、液体リザーバーの開口部の下流もしくは開口部にごく近接して、または液体リザーバーの開口部に配置され得る。この目的のため、本システムは、保護ユニットを液体リザーバーに連結するように構成された連結手段をさらに含み得る。本システムは、補充リザーバーを保護するために同じ保護ユニットをさらに利用し得る。
【0141】
いくつかの実施形態では、本発明の方法およびシステムは、望ましくない副生成物の除去をさらに含み得る。この目的のため、本発明のシステムは、前記副生成物を(例えば、一旦形成され、かつ/または一旦検出されると)前記液体リザーバーから除去するように構成された手段をさらに含み得る。かかる手段は、処理配合物のさらなる性能を可能にし、任意選択で前記副生成物と関連付けられた望ましくない副作用、例えば、システム構成要素/ユニットの1つ以上を詰まらせること、を回避し得る。
【0142】
望ましくない副生成物を除去する手段の非限定的例は:濾過、例えば、副生成物が液体処理配合物から物理的に除去され得る固体または半固体である場合;相分離、例えば、副生成物が、液体配合物から分離相を形成するゲルなどの異なる相を形成する場合;例えば、副生成物が固体生成物である場合、任意選択で液体成分(溶液)のデカンテーションおよび副生成物の廃棄がその後に続く循環、ならびに液体成分の液体リザーバーへの再循環、の1つ以上である。
【0143】
いくつかの実施形態では、本発明の方法およびシステムは、(前記液体リザーバー内の)液体配合物の体積の測定をさらに含み、測定された体積が所定の最小体積を下回っている場合、印刷プロセスは停止されて、体積が実質的に前記所定の最小体積以上に達するまで、液体配合物を液体配合物の追加量で補充する。この目的のため、本発明のシステムは、前記液体リザーバー内の液体の体積を測定するように構成された測定手段をさらに含み得、本システム(例えば、制御ユニットまたは処理ユニット)は、液体リザーバーを新しい液体配合物で補充することをユーザーに示すように構成される。同様に、本発明のシステムは、補充リザーバー内の枯渇し得る化学薬品の量(例えば、体積/液体または重量/固体)を測定するように構成された測定手段をさらに含み得、測定された量が所定の最小量を下回っている場合、制御ユニットは、補充リザーバーを枯渇し得る化学薬品の追加量(体積/重量)で補充することをユーザーに示すように構成される。
【0144】
前述のように、本発明のシステムは、いくつかのユニット含む。当業者によって理解されるように、これらのユニットは、有線または無線通信モジュールを使用して通信し得る。
【0145】
いくつかの実施形態では、枯渇し得る化学薬品は、同じである必要がなく結合できる複数の官能基中のアミン性窒素原子(例えば、直鎖状、分枝状または環状であり得る、一級、二級、三級アミンまたは第四級アンモニウム塩)を含有するポリマー剤であり得る。
【0146】
いくつかの実施形態では、枯渇し得る化学薬品は、比較的高い電荷密度を有するポリマー剤であり得る。
【0147】
いくつかの実施形態では、枯渇し得る化学薬品は、10,000g/モル以上の分子量を有するポリマー剤であり得る。
【0148】
いくつかの実施形態では、枯渇し得る化学薬品は、(a)前記薬剤の少なくとも3meq/gの正電荷密度および少なくとも5,000の平均分子量、(b)前記薬剤の少なくとも6meq/gの正電荷密度および少なくとも1,000の平均分子量、(c)少なくとも1wt.%の窒素含有量および少なくとも50,000の平均分子量、ならびに(d)少なくとも18wt.%の窒素含有量および少なくとも10,000の平均分子量、の1つ以上を有するポリマー剤であり得る。
【0149】
いくつかの実施形態では、枯渇し得る化学薬品は、
(1)少なくとも1wt.%の窒素含有量および
(a)化学薬品の少なくとも3meq/gの正電荷密度および少なくとも5,000の平均分子量、
(b)化学薬品の少なくとも6meq/gの正電荷密度および少なくとも1000の平均分子量、
(c)少なくとも50,000の平均分子量、
の少なくとも1つ、ならびに/または
(2)少なくとも18wt.%の窒素含有量および少なくとも10,000の平均分子量、
を有するポリマー剤であり得る。
【0150】
いくつかの実施形態では、枯渇し得る化学薬品は、正電荷密度を有するポリマー剤であり得る。
【0151】
いくつかの実施形態では、正電荷密度は、前記薬剤の、少なくとも0.5meq/g、少なくとも1meq/g、少なくとも2meq/g、少なくとも3meq/g、少なくとも4meq/g、少なくとも5meq/g、少なくとも6meq/g、少なくとも7meq/g、少なくとも8meq/g、少なくとも9meq/g、少なくとも10meq/g、少なくとも11meq/g、少なくとも12meq/g、少なくとも13meq/g、少なくとも14meq/g、少なくとも15meq/g、少なくとも16meq/g、少なくとも17meq/g、少なくとも18meq/g、少なくとも19meq/g、または少なくとも20meq/gであり得る。
【0152】
いくつかの実施形態では、枯渇し得る化学薬品は、少なくとも500、少なくとも800、少なくとも1,000、少なくとも1,300、少なくとも1,700、少なくとも2,000、少なくとも2,500、少なくとも3,000、少なくとも3,500、少なくとも4,000、少なくとも4,500、少なくとも5,000、少なくとも10,000、少なくとも15,000、少なくとも20,000、少なくとも25,000、少なくとも50,000、少なくとも100,000、少なくとも150,000、少なくとも200,000、少なくとも250,000、少なくとも500,000、少なくとも750,000、少なくとも1,000,000、または少なくとも2,000,000の平均分子量を有するポリマー剤であり得る。
【0153】
いくつかの実施形態では、枯渇し得る化学薬品は、少なくとも2,000、少なくとも10,000、または少なくとも25,000の平均分子量を有するポリマー剤であり得る。
【0154】
いくつかの実施形態では、枯渇し得る化学薬品は、1つ以上の陽荷電性窒素原子を含有するポリマー剤であり得る。
【0155】
本明細書で使用される「正帯電性ポリマー(positiVely chargeable polymer)」または「正荷電性基(positiVely chargeable group)」という用語は、容易に陽子を付加できる(例えば、-NH)か、または永久正荷電を有する(例えば、-N(CH )ポリマーまたは化学的部分を意味する。いくつかの実施形態では、これらの用語はポリマーまたは部分の固有の特性を指し、従って、かかる陽子が付加される環境内にあるポリマーまたは部分、およびかかる陽子が付加されない環境内にあるポリマーを包含し得る。対照的に、「正に帯電した」ポリマーまたは基という用語は、1つ以上のかかる陽子が付加されているか、または永久正荷電を有する環境内のポリマーまたは基を指す。いくつかの実施形態では、枯渇し得る化学薬品の1つ以上の荷電性窒素原子は、一級、二級、および三級アミンならびに第四級アンモニウム塩の基ならびにかかる基の組合せから選択される。いくつかの実施形態では、かかる基はポリマー骨格に共有結合し、かつ/またはかかる骨格の一部を構成する。いくつかの実施形態では、1つ以上の窒素原子は環状部分の一部である。
【0156】
いくつかの実施形態では、1つ以上の窒素原子は、枯渇し得る化学薬品の、重量で、少なくとも1%、少なくとも1.4%、少なくとも2%、少なくとも5%、少なくとも8%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも18%、少なくとも20%、少なくとも24%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、または少なくとも50%を構成する。
【0157】
いくつかの実施形態では、枯渇し得る化学薬品はポリ(ジアリルジメチルアンモウニウムクロライド)[
【化1】
]単位を含有するポリマー剤である。
【0158】
いくつかの実施形態では、枯渇し得る化学薬品は、ポリアリルアミン[
【化2】
]単位を含有するポリマー剤である。
【0159】
いくつかの実施形態では、枯渇し得る化学薬品は、ポリ(4-ビニルピリジン)[
【化3】
]単位を含有するポリマー剤である。
【0160】
いくつかの実施形態では、枯渇し得る化学ポリマー剤は、直鎖状ポリエチレンイミン、分岐ポリエチレンイミン、変性ポリエチレンイミン、ポリ(ジアリルジメチルアンモウニウムクロラド)、ポリ(4-ビニルピリジン)、ポリアリルアミン、ビニルピロリドン-ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド共重合体(ViViprint 131)、ビニルカプロラクタム-ジメチルアミノプロピルメタクリルアミドメタクリル酸ヒドロキシエチル共重合体(ViViprint 200)、ジエチル硫酸でのビニルピロリドンとメタクリル酸ジメチルアミノエチルの四級化共重合体(ViViprint 650)、グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド、およびヒドロキシプロピルグアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドから成る群から選択される。
【0161】
いくつかの実施形態では、枯渇し得る化学ポリマー剤は、ポリエチレンイミン(PEI)(例えば、Loxanol P、Loxanol MI6730)である。
【0162】
いくつかの実施形態では、(液体リザーバー内の)配合物中の枯渇し得る化学ポリマー剤の濃度(例えば、第1の量)は、約5wt.%、4wt.%、3wt.%、2wt.%、1wt.%、0.5wt.%、0.4wt.%、0.3wt.%、0.2wt.%、0.1wt.%以下であるか、または約0.01wt.%に等しいかもしくは少なくとも約0.01wt.%、時には、少なくとも約0.05%である。
【0163】
いくつかの実施形態では、枯渇し得る化学薬品はPEIであり、その第1の量は、(液体リザーバー内の)配合物中の重量での濃度で、少なくとも0.01%、少なくとも0.05%、少なくとも0.10%、少なくとも0.15%または少なくとも0.20%である。
【0164】
いくつかの実施形態では、枯渇し得る化学薬品はPEIであり、所定の閾値は、(液体リザーバー内の)配合物中の重量での濃度で、少なくとも0.01%、少なくとも0.05%、少なくとも0.10%、少なくとも0.15%または少なくとも0.20%である。
【0165】
本発明に従ったいくつかの非限定的実施形態では、(液体リザーバー内の)PEIの第1の量は、処理配合物中の重量で、0.25%濃度であり得る(例えば、300Lの処理配合物を保持する液体リザーバー内で0.75grのPEI)。(補充リザーバー内の)PEIの第2の量は、25wt.%(例えば、水中で)であり得る。(液体リザーバー内の)PEIの第1の量が所定の閾値、例えば、0.01wt.%を下回って低下すると(例えば、前記値を下回ると、PEIは印刷プロセスにおいてもはやその機能を果たさない)、本発明の方法およびシステムは、PEIの第2の量の少なくとも一部を、補充リザーバーから液体リザーバーへ移送し、それにより、所定の閾値以上の値、例えば、0.01wt.%に等しいか、もしくは0.01wt.%を上回る値まで、(液体リザーバー内の)PEIの量を補充するか、または第1の量、例えば、0.25wt.%に等しい値まで(液体リザーバー内の)PEIの量を補充するように構成される(後者は、補充リザーバーから液体リザーバーへ移送されている間に、PEIの×100希釈が要求される例、すなわち、3Lの補充25wt.%溶液の液体リザーバーの300Lの液体配合物への移送である)。
【0166】
いくつかの実施形態では、枯渇し得る化学薬品PEIおよびその第1の量は、(液体リザーバー内の)配合物中の重量での濃度であり、最大6%、最大5%、最大4%、最大3%、最大2.5%、最大2.0%である。
【0167】
いくつかの実施形態では、枯渇し得る化学薬品はPEIであり、その第1の量は、(液体リザーバー内の)配合物中の重量での濃度であり、0.01~1%、0.01~0.8%、0.01~0.7%、0.01~0.6%、0.1~0.5%、0.2~0.7%、0.2~0.6%、または0.2~0.5%の範囲内である。
【0168】
いくつかの実施形態では、PEIは、少なくとも20,000、少なくとも50000、少なくとも100,000、少なくとも200,000、少なくとも350,000、少なくとも500,000、少なくとも700,000、少なくとも750,000および任意選択で、最大3,000,000、最大2,500,000、または最大2,000,000の平均分子量を有する。
【0169】
いくつかの実施形態では、PEIは750,000の平均分子量を有する。
【0170】
いくつかの実施形態では、枯渇し得る化学薬品はPEIであるポリマー剤であり、前記PEIは、表面活性剤、湿潤剤、固定剤またはそれらの任意の組合せである。
【0171】
いくつかの実施形態では、PEIは表面活性剤である。
【0172】
いくつかの実施形態では、PEIは湿潤剤である。
【0173】
いくつかの実施形態では、PEIは固定剤である。
【0174】
いくつかの実施形態では、PEIポリマーの電荷密度は材料の16~20meq/gの範囲内である。
【0175】
いくつかの実施形態では、PEIは8meq/gの電荷密度を有する。
【0176】
いくつかの実施形態では、枯渇し得る化学薬品は、シリコン官能化PEI[例えば、X 22 3939A(Shin Edsu)]、例えば、次の構造のシリコン官能基(silicon function)である:
【0177】
【化4】
【0178】
いくつかの実施形態では、枯渇し得る化学薬品は、第四級アンモニウム化合物である。
【0179】
いくつかの実施形態では、第四級アンモニウム化合物はLarostat264A(BASF)である。
【0180】
いくつかの実施形態では、第四級アンモニウム化合物はFoamquat SAQ(リノールアミドプロピルエチルジモニウムエトサルフェート90)である。
【0181】
いくつかの実施形態では、枯渇し得る化学薬品は、水分散性(例えば、ポリマー水分散性)である。
【0182】
いくつかの実施形態では、枯渇し得る化学薬品は、水溶性(例えば、水溶性ポリマー)である。
【0183】
いくつかの実施形態では、枯渇し得る化学薬品は、室温で固体である。
【0184】
いくつかの実施形態では、インク配合物中の少なくとも1つのバインダーは、アニオン性バインダー、例えば、アクリル系バインダーおよび/またはスルホンバインダー(sulfonic binder)である。類似のアニオン性バインダーは、本発明の範囲内である。
【0185】
いくつかの実施形態では、インク配合物中の少なくとも1つのバインダーは、負に帯電した有機ポリマー樹脂である。
【0186】
いくつかの実施形態では、負に帯電した有機ポリマー樹脂の平均分子量は、少なくとも8,000である。
【0187】
いくつかの実施形態では、インク配合物中の少なくとも1つのバインダーは、アクリルポリマーおよび/またはアクリルスチレンコポリマー(例えば、約60,000g/モルの平均分子量をもつ)である。
【0188】
いくつかの実施形態では、インク配合物中の少なくとも1つのバインダーは、Joncryl(登録商標)538 BASFである。
【0189】
いくつかの実施形態では、枯渇し得る化学薬品はPEIであり、その第1の量における低下は、例えば、COO-またはSOOO-基を側鎖として有する、前記少なくとも1つの塩基性バインダーとのその望ましくない副反応に起因する。
【0190】
いくつかの実施形態では、(液体リザーバー内の)配合物は、印刷プロセスに関して不活性である、すなわち、印刷プロセスそれ自体において機能性を有していない、少なくとも1つの競合成分をさらに含み得、その競合剤は、インクの1つ以上の汚染成分(例えば、バインダー)と(枯渇し得る化学薬品に比べて)急速に相互作用し、それにより、競合成分(および枯渇し得る化学薬品ではない)の汚染インク成分(例えば、インクバインダー)との相互作用に起因して、枯渇し得る化学薬品、例えば、PEIの枯渇を防ぐか、または最小限にするように選択される。かかる競合成分の非限定的例はポリアニオン性材料である。
【0191】
この目的のため、いくつかの実施形態では、本システムは、少なくとも1つの競合成分と1つ以上の汚染インク成分との間で生成された生成物を除去するための手段をさらに含み得る。
【0192】
いくつかの実施形態では、本発明のシステムは間接印刷用であり、本システムは、
i.剥離層表面を含む中間転写部材(ITM)、
ii.本明細書で開示されるような水性処理配合物を保持するために構成された液体リザーバーを含む処理ステーションであって、水性処理配合物をITMの剥離層表面に塗布して処理層をその上に形成するために構成される処理ステーション、
iii.本明細書で開示されるような補充リザーバーを含む補充ユニット、
iV.印刷液体を塗布して、中間転写部材上に形成された水性処理配合物上に画像を形成するために構成された画像形成ステーション、
V.画像を印刷基材上に、例えば、ITMと印刷基材との間の加圧接触によって、転写するための転写ステーション
をさらに含む。
【0193】
いくつかの実施形態では、印刷液体は、任意選択で噴射によって塗布されるインクであり、本システムは、
中間転写部材上に形成された水性処理配合物上のインクを少なくとも部分的に乾燥させてインク画像残留物を生成するように構成された乾燥ステーション、および任意選択で、水性処理配合物を乾燥させるための乾燥手段
をさらに含む。
【0194】
いくつかの実施形態では、本発明の方法において、液体配合物は、画像がその上に印刷される基材上、または間接印刷プロセスにおける中間転写部材上に塗布されるように構成される。
【0195】
いくつかの実施形態では、本発明の方法は、間接印刷プロセスにおいて利用され、本方法は、
i.中間転写部材(ITM)を提供すること、
ii.本明細書で開示されるような処理配合物を提供すること、
iii.処理配合物をITMの画像受容表面に塗布して湿潤処理層を形成すること、
iV. 湿潤処理層を少なくとも部分的に乾燥させて少なくとも部分的乾燥処理層を形成すること、
V.印刷液体を少なくとも部分的乾燥処理層に塗布して画像を形成すること、
Vi.ITMの前記表面と印刷基材との間の加圧接触により、画像を印刷基材に転写すること
をさらに含む。
【0196】
いくつかの実施形態では、印刷液体はインク、任意選択で水性インクであり、本方法は、
インク液滴を少なくとも部分的に乾燥された処理層上に塗布してインク画像を形成すること、および
水性処理層上の湿潤インク画像を少なくとも部分的に乾燥させて、印刷基材に転写される部分的に乾燥されたインク画像薄膜を形成すること
をさらに含む。
【0197】
図1Bは、本発明のシステムがその一部を形成する例示的な印刷システムの図を提供する。具体的には、図1Bは、本発明のいくつかの実施形態に従った、デジタル印刷システム10の概略側面図である。いくつかの実施形態では、システム10は、画像形成ステーション14、乾燥ステーション16、刷ステーション18およびブランケット処理ステーション20を通り抜けて循環する回転可撓性ブランケット12を含む。
【0198】
本明細書で使用される「ブランケット」という用語は、ベルト状の構造を2つ以上のローラー上に形成するために印刷装置内に取り付けることができる可撓性転写部材を指し、2つ以上のローラーの少なくとも1つはブランケットを(例えば、そのベルトを移動させることにより)回転または移動させて、ローラーの周りを移動させることが可能である。
【0199】
本明細書では、「ブランケット」および「中間転写部材」ITMという用語は区別しないで使用されて、本明細書で説明されるとおり、インク画像を受容して、インク画像を標的基材に転写するように構成された中間部材として使用される剥離層を少なくとも含む可撓性部材を指す。
【0200】
動作モードでは、画像形成ステーション14は、デジタル画像の、本明細書で「インク画像」(図示せず)とも呼ばれる、ミラーインク画像を、ブランケット12の表面の上部ラン上に形成するように構成される。その後、インク画像は、ブランケット12の下部ランの下に配置された、標的基材(例えば、紙、折畳み箱、またはシートもしくは連続ウェブの形の任意の適切な可撓性包装材料)に転写される。
【0201】
本明細書では、「インク画像」および「画像」という用語は区別しないで使用される。時には、前記用語は、ブランケット12上に形成されて、標的基材に転写される印刷画像を指す。時には、それらは、基材自体(例えば、紙、折畳み箱、またはシートもしくは連続ウェブの形の任意の適切な可撓性包装材料)上の画像を指す。従って、これらの用語はそれらが使用されるテキストの文脈内で解釈されるべきである。
【0202】
本明細書で使用される「ラン(run)」という用語は、ブランケット12がその上を誘導される任意の2つの所与のローラー間のブランケット12の長さまたはセグメントを指す。
【0203】
いくつかの実施形態では、設置中、ブランケット12は、縁と縁が付着されて(例えば、縫い合わされて)連続するブランケットループ(図示せず)を形成し得る。継ぎ目部の取付けのための方法およびシステムの一例が、米国仮出願第62/532,400号に詳細に記述されており、その開示は参照により本明細書に組み込まれる。
【0204】
いくつかの実施形態では、画像形成ステーション14は典型的には、複数の印刷バー22を含み、各々は、ブランケット12の上部ランの表面の上に固定の高さで位置付けられたフレーム(図示せず)上に(例えば、スライダを使用して)取り付けられている。いくつかの実施形態では、各印刷バー22は、ブランケット12上の印刷領域と同じ幅の印刷ヘッドのストリップを含み、個別に制御可能な印刷ノズルを含む。
【0205】
いくつかの実施形態では、画像形成ステーション14は、任意の適切な数のバー22を含み得、各バー22は、異なる色の水性インクなどの、印刷流体を含み得る。インクは典型的には、シアン、マゼンタ、赤、緑、青、黄、黒および白などであるがそれらに制限されない、可視色を有する。図1Bの例では、画像形成ステーション14は、7つの印刷バー22を含むが、例えば、シアン、マゼンタ、黄および黒などの任意の選択された色を有する4つの印刷バー22を含み得る。
【0206】
いくつかの実施形態では、印刷ヘッドは、インク画像(図示せず)をブランケット12の表面上に形成するために、異なる色のインク液滴をブランケット12の表面上に噴射するように構成される。
【0207】
いくつかの実施形態では、異なる印刷バー22は、矢印24によって表される、ブランケット12の移動軸に沿って相互に間隔が空けられている。この構成では、バー22間の正確な間隔空け、および各バー22のインクの液滴の方向付けとブランケット12の移動との間の同期化は、画像パターンの正確な配置を可能にするために不可欠である。
【0208】
いくつかの実施形態では、システム10は、高温ガスまたは空気送風機26などの、加熱器を含み、それらは印刷バー22の間に配置されて、ブランケット12の表面上に付着されたインク液滴を部分的に乾燥させるように構成される。
【0209】
印刷バー間のこの熱風の流れは、例えば、印刷ヘッドの表面における凝結を減らし、かつ/またはサテライト(例えば、主インク液滴の周囲に分散した残留物または小液滴)を処理し、かつ/または印刷ヘッドのインクジェットノズルの詰まりを防ぎ、かつ/またはブランケット12上の異なるカラーインクの液滴が不必要に相互に混ざるのを防ぐのに役立ち得る。いくつかの実施形態では、システム10は、熱風(または別のガス)をブランケット12の表面に吹き付けるように構成された、乾燥ステーション16を含む。いくつかの実施形態では、乾燥ステーションは送風機または任意の他の適切な乾燥装置を含む。
【0210】
乾燥ステーション16では、ブランケット12上で形成されたインク画像は、インクをもっと完全に乾燥させるために照射および/または熱風に曝されて、液体担体のほとんど、または全部を蒸発させて、粘着性のあるインク薄膜になるポイントまで加熱される樹脂および着色剤の層だけが残る。
【0211】
いくつかの実施形態では、システム10は、ブランケット12などの、回転ITMを移動させるように構成された、ブランケット搬送組立体26を含む。いくつかの実施形態では、ブランケット搬送組立体26は1つ以上のローラー28を含み、ローラー28の少なくとも1つはエンコーダ(図示せず)を含み、エンコーダは、ブランケット12のセクションの位置をそれぞれの印刷バー22に対して制御するために、ブランケット12の位置を記録するように構成される。いくつかの実施形態では、ローラー28のエンコーダは典型的には、それぞれのローラーの角変位を示すロータリーベースの位置信号を生成するように構成されたロータリーエンコーダを含む。
【0212】
追加または代替として、ブランケット12は、システム10の様々なモジュールの動作を制御するための組込みエンコーダ(図示せず)を含み得る。組込みエンコーダは、例えば、米国仮出願第62/689,852号に詳細に記述されており、その開示は参照により本明細書に組み込まれる。
【0213】
いくつかの実施形態では、システム10は刷ステーション18を含み、ブランケット12は圧胴シリンダ30と圧力シリンダ32との間を通り、それは圧縮性ブランケットを搬送するように構成される。
【0214】
いくつかの実施形態では、システム10は制御コンソール(図示せず)を含み、それは、システム10の複数のモジュールおよび組立体を制御するように構成される。
【0215】
いくつかの実施形態では、ブランケット処理ステーション20は、冷却ステーションとしても機能でき、ブランケットを、例えば、それを冷却し、かつ/または処理流体をブランケット12の外表面に塗布し、かつ/またはブランケット12の外表面を洗浄することによって、処理するように構成される。処理は、冷却および/または洗浄および/または処理流体をブランケットの外表面上に塗布するために構成された1つ以上のローラーまたはブレードの上を、ブランケット12を通過させることによって実行され得る。
【0216】
図1Bの例では、ステーション20は2つの特定のローラー28の間に取り付けられているが、ステーション20は、刷ステーション18と画像形成ステーション14との間の任意の他の適切な位置でブランケット12に隣接して取り付けられ得る。
【0217】
いくつかの実施形態では、本発明のシステムの液体リザーバーは、ステーション20の一部を形成する。
【0218】
いくつかの実施形態では、本発明のシステムの補充リザーバーは、ステーション20の一部を形成する。
【0219】
いくつかの実施形態では、刷ステーション18の圧胴シリンダ30は、基材搬送モジュール36(図式的に示されている)によって入力スタック38から出力スタック40へ圧胴シリンダ30を経由して運ばれた、個別のシート34などの、標的基材上にインク画像を押し付けるように構成される。いくつかの実施形態では、標的基材は、可撓性基材、一部可撓性基材(例えば、可撓部分と剛性部分を有する)、または剛性基材などであるがそれらに限定されない、任意の適切な基材を含み得る。
【0220】
いくつかの実施形態では、システム10は、両面印刷(すなわち、シート34の両面上への印刷)を可能にするために、追加の刷ステーションを含む。
【0221】
代替実施形態では、基材コンベヤ36の異なる構成が連続ウェブ基材上への印刷のために使用され得る。枚葉給紙の片面および両面印刷システム、ならびに連続ウェブ基材上への印刷のためのシステムの詳細な説明および様々な構成が、例えば、米国特許第9,914,316号および第9,186,884号、PCT国際公開第WO 2013/132424号、米国特許出願公開第2015/0054865号、および米国仮出願第62/596,926号で提供されており、各々の開示は参照により本明細書に組み込まれる。
【0222】
システム10の特定の構成が例として示されている。しかし、本発明の実施形態は、この特定の種類のシステム例に決して制限されるものではなく、本明細書で説明される原理は、任意の他の種類の印刷システムに同様に適用され得る。
【0223】
いくつかの実施形態では、(液体リザーバー内の)配合物、例えば、処理配合物は、(a)少なくとも1つの水溶性ポリマー、(b)少なくとも1つの界面活性剤、(c)少なくとも1つの保水剤、および(d)少なくとも1つの湿潤剤、の1つ以上をさらに含み得る。
【0224】
いくつかの実施形態では、(液体リザーバー内の)配合物、例えば、処理配合物は、(i)少なくとも1つの熱可塑性ポリマー粒子材料、(ii)少なくとも1つの熱硬化性ポリマー粒子材料、または(iii)その組合せ、から選択された少なくとも1つの粒子材料をさらに含み得る。
【0225】
本明細書で使用される「熱硬化性ポリマー粒子材料」という用語またはその任意の言語的変形は、例えば、熱作用または適切な照射によって硬化されると不可逆的に硬化するポリマー材料(例えば、比較的高い分子量を有する)である粒子材料を指す。一旦、硬化すると、この材料は再溶融できない。
【0226】
熱硬化性ポリマー粒子材料の非限定的例は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ペルフルオロアルコキシアルカン(PFA)、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)である。
【0227】
いくつかの実施形態では、熱硬化性ポリマー粒子材料はPTFEである。
【0228】
本明細書で使用される「熱可塑性ポリマー粒子材料」という用語またはその任意の言語的変形は、特定の温度を上回ると柔軟または成形可能になり、冷却すると凝固するポリマー材料(例えば、比較的高い分子量を有する)である粒子材料を指す。この材料は再溶融および再形成できる。
【0229】
熱可塑性ポリマー粒子材料の非限定的例はワックス粒子材料である。
【0230】
いくつかの実施形態では、ワックス粒子材料は、酸化ポリエチレンワックス粒子材料である。
【0231】
いくつかの実施形態では、ワックス粒子材料は、コーティングされたワックス粒子材料である。
【0232】
いくつかの実施形態では、コーティングされたワックス粒子材料は、二酸化ケイ素でコーティングされたワックス粒子材料である。
【0233】
かかる粒子材料を含有する処理配合物は、米国仮出願第62/787,984号、米国仮出願第62,825,568号、および国際出願第PCT/IB2020/050001号で開示されており、各々の内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0234】
いくつかの実施形態では、(液体リザーバー内の)配合物、例えば、処理配合物は、少なくとも1つの改質多糖類(例えば、セルロース誘導体、セルロースエーテル、メチルセルロースおよびヒドロキシプロピルメチルセルロース)をさらに含み得る。
【0235】
本明細書で使用される用語「改質多糖類(modified polysaccharide)」は、グリコシド結合によって一緒に結合した単糖単位の長鎖から構成されるポリマー炭水化物分子を指し、単糖単位中のヒドロキシル基の水素原子の少なくとも1つは別の基、例えば、Rと置換される。
【0236】
かかる改質多糖類を含有する処理配合物は、米国仮出願第62/790,890号、米国仮出願第62,825,568号および国際出願第PCT/IB2020/050001号で開示されており、各々の内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0237】
いくつかの実施形態では、(液体リザーバー内の)配合物は任意選択で、少なくとも1つの抗菌剤をさらに含み得る。
【0238】
いくつかの実施形態では、(液体リザーバー内の)配合物、例えば、処理配合物は、
少なくとも1つの水溶性ポリマー、
(i)少なくとも1つの熱可塑性ポリマー粒子材料、任意選択でエマルジョンおよび/もしくは分散液の形で、(ii)少なくとも1つの熱硬化性ポリマー粒子材料、任意選択で分散液および/もしくはエマルジョンの形で、または(iii)その組合せ、から選択された少なくとも1つの粒子材料、
水を含有する担体液体、ならびに
任意選択で、(a)少なくとも1つの保水剤、(b)少なくとも1つの界面活性剤、および(c)少なくとも1つの湿潤剤、の1つ以上
を含む。
【0239】
いくつかの実施形態では、水溶性ポリマーは、少なくとも1つの改質多糖類(例えば、セルロース誘導体、セルロースエーテル、メチルセルロースおよびヒドロキシプロピルメチルセルロース)であり得る。
【0240】
いくつかの実施形態では、改質多糖類はヒドロキシプロピルメチルセルロースである。
【0241】
いくつかの実施形態では、水溶性ポリマーは、ポリビニルアルコール、水溶性セルロース、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリエチレンオキシド、および水溶性アクリレートから成る群から選択され得る。
【0242】
いくつかの実施形態では、水溶性ポリマーは、ポリエチレンオキサイド鎖(PEO)またはポリプロピレンオキサイド鎖(PPO)ベースポリマーであり得る。
【0243】
いくつかの実施形態では、(液体リザーバー内の)配合物中の水溶性ポリマーの濃度は、0.5~8%、2.5~6.5%、2.5~6%、2.5~5.5%、または2.5~5%の範囲内であり、任意選択で最大10%または最大8%または最大6%または最大5%であり得る。
【0244】
いくつかの実施形態では、(液体リザーバー内の)少なくとも1つの水溶性ポリマーの、25℃における水への溶解度は、少なくとも2%、少なくとも7%、少なくとも10%、少なくとも12%、少なくとも15%、少なくとも20%、または少なくとも25%、および任意選択で、最大80%または最大60%である。
【0245】
いくつかの実施形態では、界面活性剤は非イオン界面活性剤、例えば、非イオンシリコーン含有界面活性剤であり得る。
【0246】
いくつかの実施形態では、(液体リザーバー内の)配合物は、少なくとも0.3%、少なくとも0.5%、少なくとも0.75%、少なくとも1%、少なくとも2%、少なくとも3%、少なくとも4%、少なくとも5%、少なくとも6%、少なくとも7%、少なくとも8%、少なくとも9%、少なくとも10%、少なくとも11%、少なくとも12%および任意選択で、6~40%、6~30%、6~20%、7~30%、7~20%、7~15%、8~25%、8~20%、8~15%、8~13%、9~25%、9~20%、9~15%、9~13%、10~25%、10~20%、10~15%、または10~13%の範囲内の、界面活性剤の総濃度を有する。
【0247】
いくつかの実施形態では、(液体リザーバー内の)配合物は、重量で、少なくとも6%、少なくとも7%、少なくとも8%、少なくとも9%、または少なくとも10%の非イオン界面活性剤を含む。
【0248】
いくつかの実施形態では、(液体リザーバー内の)配合物は、重量で、最大18%、最大16%、最大15%、最大14%、または最大13%の非イオン界面活性剤を含む。
【0249】
いくつかの実施形態では、(液体リザーバー内の)配合物中の、重量での、非イオン界面活性剤の濃度は、0.5~18%、1~18%、2~16%、6.5~18%、6.5~16%、7.5~18%、7.5~16%、8.5~18%、8.5~16%、9.5~18%、9.5~16%、10.5~18%、または10.5~16%の範囲内である。
【0250】
いくつかの実施形態では、非イオン界面活性剤の25℃における水への溶解度は、少なくとも2%、少なくとも8%、少なくとも10%、少なくとも12%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、または少なくとも30%、および任意選択で、最大80%または最大60%である。
【0251】
いくつかの実施形態では、非イオン界面活性剤はポリエトキシル化ソルビタンエステルである。
【0252】
いくつかの実施形態では、ポリエトキシル化ソルビタンエステルは、PEG-4ソルビタンモノラウレート、PEG-20ソルビタンモノラウレート、PEG-20ソルビタンモノパルミテート、PEG-20ソルビタンモノステアレート、およびPEG-20ソルビタンモノオレートから成る群から選択された少なくとも1つの化学種または少なくとも2つの化学種を含む。
【0253】
いくつかの実施形態では、前記非イオン界面活性剤のHLB数は、少なくとも11、少なくとも12、少なくとも13、少なくとも14、または少なくとも14.5、および任意選択で、最大22、最大21、最大20、最大19、最大18、または最大17、およびさらに任意選択で、11~25、11~23、11.5~21、11.5~20、11.5~18、12.5~21、12.5~20、12.5~18、13.5~21、13.5~20、13.5~18、14~20.5、14~18.5、14.5~20、14.5~19、14.5~18、または14.5~17.5の範囲内である。
【0254】
いくつかの実施形態では、(液体リザーバー内の)配合物は、重量で、少なくとも6%、少なくとも7%、少なくとも8%、少なくとも9%、または少なくとも10%の非イオン界面活性剤を含む。
【0255】
いくつかの実施形態では、(液体リザーバー内の)配合物は、重量で、最大18%、最大16%、最大15%、最大14%、または最大13%の非イオン界面活性剤を含む。
【0256】
いくつかの実施形態では、(液体リザーバー内の)配合物中の非イオン界面活性剤は、重量で、2~18%、5.5~18%、5.5~16%、6.5~18%、6.5~16%、7.5~18%、7.5~16%、8.5~18%、8.5~16%、9.5~18%、9.5~16%、10.5~18%、または10.5~16%の範囲内である。
【0257】
いくつかの実施形態では、非イオン界面活性剤の25℃における水への溶解度は、少なくとも2%、少なくとも8%、少なくとも10%、少なくとも12%、少なくとも15%、少なくとも20%、少なくとも25%、または少なくとも30%、および任意選択で、最大80%または最大60%である。
【0258】
いくつかの実施形態では、(液体リザーバー内の)配合物中の非イオン界面活性剤の、重量での濃度は、2~18%、1~18%、1~15%、1~12%、1~10%、1~8%、2~18%、2~15%、2~12%、2~10%、2~8%、3~18%、3~15%、3~12%、3~10%、3~8%、または4~18%、4~15%、4~12%、4~10%、または4~8%の範囲内である。
【0259】
いくつかの実施形態では、(液体リザーバー内の)配合物は、ポリシロキサン-ポリオキシアルキレン共重合体から選択された非イオンシリコーン含有界面活性剤をさらに含み、任意選択で、前記ポリシロキサン-ポリオキシアルキレン共重合体の濃度は、重量で、少なくとも0.3%、少なくとも0.5%、少なくとも0.75%、または少なくとも1.0%であり、さらに任意選択で、重量で、最大5%、最大4%、最大3%、最大2.5%、最大2%、または最大1.75%である。
【0260】
いくつかの実施形態では、(液体リザーバー内の)配合物は、重量で、少なくとも0.3%、少なくとも0.5%、少なくとも0.75%、または少なくとも1.0%、および任意選択で、重量で、最大5%、最大4%、最大3%、最大2.5%、最大2%、または最大1.75%のさらなる非イオンシリコーン含有界面活性剤を含む。
【0261】
いくつかの実施形態では、さらなる非イオンシリコーン含有界面活性剤は、ポリシロキサン-ポリオキシアルキレン共重合体を含み、任意選択で、前記ポリシロキサン-ポリオキシアルキレン共重合体の濃度は、重量で、少なくとも0.3%、少なくとも0.5%、少なくとも0.75%、または少なくとも1.0%であり、さらに任意選択で、重量で、最大5%、最大4%、最大3%、最大2.5%、最大2%、または最大1.75%である。
【0262】
いくつかの実施形態では、(液体リザーバー内の)配合物は、重量で、少なくとも0.3%、少なくとも0.5%、少なくとも0.75%、または少なくとも1.0%、および任意選択で、重量で、最大5%、最大4%、最大3%、最大2.5%、最大2%、または最大1.75%の前記さらなる非イオンシリコーン含有界面活性剤を含む。
【0263】
いくつかの実施形態では、(液体リザーバー内の)配合物は、少なくとも2%、少なくとも6%、少なくとも7%、少なくとも8%、少なくとも10%、または少なくとも12%、および任意選択で、6~40%、6~30%、6~20%、7~30%、7~20%、7~15%、8~25%、8~20%、8~15%、8~13%、9~25%、9~20%、9~15%、9~13%、10~25%、10~20%、10~15%、または10~13%の範囲内の、界面活性剤の総濃度を有する。
【0264】
いくつかの実施形態では、(液体リザーバー内の)配合物は、少なくとも1つの湿潤剤を含む。
【0265】
いくつかの実施形態では、湿潤剤はPEIである。
【0266】
いくつかの実施形態では、PEIは、以下の表1に列挙されるPEIの1つ以上である:
【表1】
【0267】
いくつかの実施形態では、PEIは水溶液で提供される(Lupasol(登録商標)PS、BASF)。
【0268】
適用可能な枯渇し得る化学薬品の非限定的例は、N-Hance(商標)BF 17カチオン性グアー、N-Hance(商標)CCG 45カチオン性グアー、N-Hance(商標)HPCG 1000カチオン性グアー、N-Hance(商標)BF 13カチオン性グアー、N-Hance(商標)CG 13カチオン性グアー、N-Hance(商標)3196カチオン性グアー(全てAshland Specialty Ingredients製)である。
【0269】
いくつかの実施形態では、枯渇し得る化学薬品はグアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド(GHPTC)である。
【0270】
いくつかの実施形態では、枯渇し得る化学薬品はヒドロキシルグアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド(HGHPTC)である。
【0271】
適用可能な枯渇し得る化学薬品のさらなる非限定的例は以下の表2のリストである:
【表2】
【0272】
適用可能な枯渇し得る化学薬品のさらなる非限定的例は以下の表3のリストである:
【表3】
【0273】
本発明に従った方法およびシステムに適した処理配合物に関するさらなる詳細は、例えば、WO 2013/132418、WO 2013/132339およびWO 2019/111223で開示されており、各々の内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0274】
本発明の印刷プロセスおよびシステムに適したインク組成の非限定的例のさらなる詳細は、WO 2013/132439、PCT/IB13/51755(WO 2013/132439)またはUS2015/0025179、PCT/IB14/02395(WO 2015/036865)またはUS14/917461で開示されており、それらの全ては参照により本明細書に組み込まれる。
【0275】
いくつかの実施形態では、配合物、例えば、処理配合物およびインク配合物は、本明細書で開示されて例示されているとおりである。
【0276】
明確にするために、別々の実施形態の文脈で説明されている、本発明のある特徴は、単一の実施形態に組み合わせても提供され得ることが理解される。逆に、簡潔にするために、単一の実施形態の文脈で説明されている、本発明の様々な特徴は、別々に、もしくは任意の適切な部分的組合せで、または本発明の任意の他の説明される実施形態に適するようにも提供され得る。
【0277】
実施形態の詳細な説明
次の例は、特許請求された本発明の範囲を制限することを決して意図していない。
【0278】
例1:水性処理配合物
本研究で使用されて、本明細書でV1、V2およびV3として参照される例示的な水性処理配合物は、それぞれ、表4、表5および表6で提供される。
【0279】
以下の表4にリストされた成分を混合して処理配合物V1を調製した:
【表4】
【0280】
以下の表5にリストされた成分を混合して処理配合物V2を調製した:
【表5】
【0281】
以下の表6にリストされた成分を混合して処理配合物V3を調製した:
【表6】
【0282】
本発明に従った処理配合物の成分は、任意の適切な方法で混合して、中間転写部材上へのコーティングとして塗布できる組成物を形成できることに留意されたい。時には、混合した成分は分散液を形成し得る。この目的のため、本発明のシステムは、処理配合物の均質な分散液を提供するために混合手段を提供するように構成される。
【0283】
例2:インク配合物
顔料の調製
以下で説明される例で使用される顔料は一般に、数マイクロメートルの初期粒子径で供給される。かかる顔料を、分散剤の存在下でサブミクロン範囲まで粉砕し、2つの材料を水性混合物として微粉砕装置(ビーズミル)に供給した。微粉砕の進捗は粒子径測定(例えば、MalVernまたはNanosizer器具)に基づき制御した。平均粒子径(d50)が70~100nmに達すると微粉砕を停止した。
【0284】
例示的なインク組成
本例では、インク組成の調製が説明される:説明のとおり、Heliogen(登録商標)Blue D7079をDisperbyk(登録商標)190と一緒に微粉砕して、材料を以下の割合で混合した:
Heliogen(登録商標)Blue D7079 30g
Disperbyk(登録商標)190(40%) 30g
水 140g
=============================
合計 200g
【0285】
微粉砕濃縮物は、100nm未満の、典型的には、70~100nmの間の、D50を有しており、50gの水でさらに希釈して、約12wt.%顔料濃度で微粉砕装置から抽出した。練り顔料(millbase)濃縮物は、インク組成の調製のために以下で説明されるようにさらに処理した。
【0286】
第1の段階で、2.4gのドデカン酸ナトリウムを200gの練り顔料濃縮物に添加して練り顔料を得た。その混合物を均一になるまで攪拌して(50rpmでの5分のマグネチックスターラー)60℃で1日間培養した。次いで混合物を放置して周囲温度まで冷却した。
【0287】
第2の段階で、次のように、インク成分を練り顔料に添加した:
練り顔料濃縮物(段階1から) 202.4g
Joncryl(登録商標)538(46.5%) 154.8g
BYK(登録商標)349 5g
BYK(登録商標)333 2g
プロピレングリコール 240g
水 595.8g
=================
合計 1200g
【0288】
混合物を周囲温度で30分間、攪拌して、10cP未満の粘度を有するインクジェット可能インク組成となった。
【0289】
例3:処理配合物の使用期限に影響を及ぼす要因の研究
処理配合物のストックを約200Lの量で調製した。
【0290】
ITMをコーティングするために、印刷プロセスにおいて印刷された1ページ当たり約0.5grの処理配合物が消費された。
【0291】
処理配合物の、追加量の処理配合物(全成分を含む)での補充が、消費量に基づいて要求された(約300Lの総量のために、約100Lの毎週の補充、1か月当たり、約300Lの総補充使用)。
【0292】
本発明の発明人は、印刷された1ページ当たり0.5grの処理配合物の計算に基づいてそれを補充する必要性を反映しない、非常に頻繁に処理配合物を補充する必要性に気付いた。
【0293】
印刷の必要性を超えた処理配合物の使用を最小限(ゼロ)まで削減するために、以下に詳述されるように様々な要因の影響を試験した:
【0294】
粘度および表面張力測定:
処理配合物の粘度および表面張力を、室温および50℃の両方で、6か月の期間、試験した。
【0295】
結果を図2および図3に示す。
【0296】
図2は、処理配合物の平均粘度の測定対時間を表している図表を示す。図3は、処理配合物の平均表面張力の測定対時間を表している図表を示す。
【0297】
図2および図3の両方は、処理配合物がその物理的特性を期間中、維持していたことを示す。
【0298】
処理配合物のエージングおよび温度の関数としての印刷品質の測定:
印刷品質を処理配合物の齢および温度の関数として調査した。
【0299】
図4A図4Cは、調製したばかりの処理配合物(t=0)(図4A)、室温での、1か月齢の処理配合物(図4B)、および50℃での、1か月齢の処理配合物(図4C)を利用する間接印刷プロセスで取得された印刷画像の一部分を示す。
【0300】
図4A図4Cは、処理配合物のエージング(1か月まで)に起因した印刷品質における変化は観察されなかったこと、および配合物はその性能特性を室温および50℃の両方で少なくとも1か月間維持したことを示す。
【0301】
処理配合物の使用の関数としての印刷品質の測定:
印刷粒状性に基づいて判断された低い印刷品質をもたらした、プレスから問題のある処理配合物を試験した。
【0302】
調製したばかりの処理配合物と比較してその物理的特性における差異は測定されなかった。
【0303】
図5A図5Bは、以前に使用されていない新鮮な処理配合物(図5A)および数回の印刷サイクルに対する印刷プロセスで使用されている処理配合物(図5B)を利用する間接印刷プロセスで取得された印刷画像を示す。
【0304】
図5A図5Bは、使用された処理配合物を利用して生成された画像の低品質を明瞭に示す。
【0305】
処理配合物の使用の関数として、およびブランケットのエージングの関数としての印刷品質の測定:
ブランケットのエージングおよびプレスからの処理配合物の利用とのその組合せの影響を試験した。
【0306】
図6A図6Dは、次の組合せ:新鮮なブランケット、新鮮な処理配合物(図6A)、新鮮なブランケット、使用された処理配合物(図6B)、古いブランケット、新鮮な処理配合物(図6C)、および古いブランケット、使用された処理配合物(図6C)、を利用する間接印刷プロセスで取得された、印刷画像およびその拡大された(ズームインされた)部分を示す。
【0307】
図6A図6Dは、画像の高い粒状性は印刷機における処理配合物のストックのリフレッシュを必要とした処理溶液の低品質を示していることを示す。時には、リフレッシュは、画像の粒状性を最小限にするためには不十分で、印刷プロセスにおける処理配合物の完全な交換が要求された。
【0308】
処理配合物の齢および温度の画像粒状性への影響:
処理配合物の温度およびエージングの、画像の粒状性から反映された画像品質への影響を試験した。
【0309】
新鮮な処理配合物(印刷プロセスで使用されていない)を使用した。
【0310】
3つの時点をt=0、t=1d(1日)およびt=3d(3日)として決定して、2つの温度、すなわち、室温および50℃を決定した。
【0311】
実験は、2時間齢ブランケットを135℃で使用した。
【0312】
粒状性-K570、70%、QEA(K570-黒インク、70%-印刷における黒インクの被覆割合、QEA-デジタル顕微鏡)。
【0313】
図7は、処理配合物のエージング(時間)および温度の、印刷された画像のグレイニングへの影響を表している図表を示す。
【0314】
図7に反映されているとおり、調査した時間フレームおよび温度は形成された画像の粒状性に影響を与えなかった。
【0315】
インク混入および濾過の画像粒状性への影響:
インク混入の画像粒状性への影響を試験した。
【0316】
新鮮な処理配合物(印刷プロセスで使用されていない)を使用した。
【0317】
3つの時点をt=0、t=1d(1日)およびt=3d(3日)として決定した。2つの温度、すなわち、室温および50℃を調査した。
【0318】
実験は、2時間齢ブランケットを135℃で使用した。
【0319】
粒状性-K570、70%、QEA(K570-黒インク、70%-印刷における黒インクの被覆割合、QEA-デジタル顕微鏡)。
【0320】
インク配合物(YMCK)を新鮮な処理配合物に4%および8%wt.で投入した。
【0321】
いくつかの配合物は下記のように濾過した。
【0322】
図8は、インク混入のある処理配合物を用いて、室温で生成された印刷画像のグレイニングへの影響を表す図表を示す。
【0323】
図9は、インク混入のある処理配合物を用いて、50℃で生成された印刷画像のグレイニングへの影響を表す図表を示す。
【0324】
図10A図10Dは、新鮮なTF(図10A)、50℃で、3日齢の、インクが混入したTF(図10B)、濾過した、室温でのインクが混入した新鮮なTF(図10C)、および濾過した、50℃で、3日齢の、インクが混入したTF(図10D)を利用する間接印刷プロセスで取得された印刷画像を示す。
【0325】
図8図9および図10A図10Dは、インク配合物を投入した処理配合物で生成された画像で観察された粒状性の増加に反映されるように、インク混入は、印刷プロセスにとって不可欠である処理配合物特性に重大な悪影響を及ぼすことを明瞭に示す。インク混入の処理配合物特性への悪影響は、室温および50℃の両方で認められた。汚染された処理配合物の濾過は処理配合物の性能を改善しなかった。
【0326】
時間的には、低い印刷品質は、インク配合物を投入した調製したばかり(時間ゼロ)の処理配合物でも認められた、すなわち、インク混入の悪影響が即刻である(図8)ことに留意されたい。この悪影響は、インクが混入した処理配合物の濾過によって直せない(図10C)。
【0327】
インク混入のPEI性能への影響:
前述の結果は、処理配合物のエージングおよびその温度はその性能に影響を及ぼさないが、インク混入は処理配合物の機能能力に強く影響を及ぼして、処理配合物をリフレッシュする(すなわち、新鮮な処理配合物を、印刷プロセスにおいて処理配合物を保持している液体リザーバーに追加する)必要性となることを示した。時には、処理配合物の品質は、その廃棄が要求された、かなりの程度まで害される。
【0328】
インク混入の悪影響は、汚染された処理配合物の濾過によって打ち消されず、それは、処理配合物の品質に影響を及ぼす、インク成分の1つと処理配合物との間の反応であることを意味する。
【0329】
本発明人は、処理配合物中の化学薬品PEIの量における低下がその品質に影響を及ぼす可能性を研究した。具体的には、本発明人は、その量における低下が、その良好な性能にとって必要な処理配合物の湿潤に悪影響を及ぼすかどうかを調査した。
【0330】
図11A図11Bは、PEIを含有する処理配合物(図11A)およびPEIを含有していない処理配合物(図11B)でコーティングされたポリエチレンテレフタレート(PET)スライドの画像を示す。図11A図11Bから、PEIを欠いているコーティングはあまり均質ではなく、PEIがない場合の湿潤問題(湿潤能力の低下)を示していることは明らかである。
【0331】
本発明人は、驚いたことに、PEIはインク配合物のバインダーと相互作用することが分かった。図12は、インクバインダーJoncryl 538 BASFのPEI溶液への添加時に観察された相分離および沈殿を示す。
【0332】
図13A図13Dは、PEIを含有する処理配合物(図13A)、PEIを含有していない処理配合物(図13B)、3日齢のインクが混入した、50℃のTF(図13C)およびインクが混入しているが追加量のPEIを含有するTF(図13D)でコーティングされたPETの画像(左側)を示す。図13A図13Dは、対応する処理配合物を利用する間接印刷プロセスで取得された印刷画像の対応する部分(ズームイン)(右側)をさらに示す。
【0333】
図13A図13Dは、処理配合物中のPEIの存在の重要性を明瞭に示す。それがない場合、ITMのコーティングにおける不均質性(例えば、湿潤問題)という結果となり、それは低い印刷品質という結果となった(図13B)。同様の影響は、インクが混入した処理配合物(図13C)でも認められた。ITMのコーティングにおける不均質性は、単に汚染された処理配合物へのPEIの添加で回復された(図13D)。
【0334】
図14Aは、新鮮なTF、インクが混入したTF、および追加量のPEIを含有するインクが混入したTFを利用する、間接印刷プロセスで生成された印刷画像のグレイニングを表す図表を示す。図14Bは、対応する処理配合物を利用する間接印刷プロセスで取得された、対応する印刷画像の一部分を示す。
【0335】
図15A図15Cは、新鮮なTF(図15A)、インクが混入したTF(図15B)、および追加量のPEIを含有するインクが混入したTF(図15C)を利用する、間接印刷プロセスで生成された印刷画像を示す。図15A図15Cはさらに、対応する印刷画像の一部分(ズームイン)を示す。
【0336】
前述の結果は、処理配合物の性能を修復するためにPEIだけを補充できること、および処理配合物を全体として補充する必要がなかったことを示す。これらの結果は、印刷品質における低下は、PEIの量における低下に起因したことをさらに示す。この低下は、PEIの、インク配合物のバインダーとの反応に起因した。
【0337】
理論に縛られることを望むものではないが、本発明人は、インクバインダーのPEI溶液への添加時に観察された即時の相分離および沈殿(図12)は、PEI(正に帯電した性質を有する)およびインクバインダー(負に帯電した性質を有する)の荷電特性に起因し、かつインクバインダーと反応するためにその低濃度を必要とするPEIの高い分子量に起因し得る。
【0338】
前述の結果は、処理配合物中のPEIの存在の重要性を示す。処理配合物中のその濃度におけるわずかな低下でさえ、処理配合物の性能に影響を及ぼした。処理配合物中の比較的少量のインク混入でさえ、その機能性に悪影響を及ぼした。
【0339】
前述の研究結果は、処理配合物のインク混入は、処理配合物の性能に強い悪影響を及ぼすことを示す。処理配合物の性能は、PEIの添加によって修復できる。この添加は、インク配合物のバインダーとPEIとの間の高速反応を引き起こしたインク混入の結果であった、処理配合物中のPEI濃度における低下を打ち消した。PEIの枯渇はITMのコーティングの品質、およびそれ故、印刷画像の品質に強く影響を及ぼした。前述の研究の発見は重要であり、とりわけ処理配合物全体の補充は必要でなく、単にPEIの補充だけが必要であるため、印刷プロセスに伴うコストの改善に寄与する。印刷品質の安定性は、そうでなければ、大量の低品質の処理配合物を廃棄する必要に伴う不必要な無駄の削減と共に獲得できる。
【0340】
例4:処理配合物中のPEIの検出および数量化
PEIの添加が、処理配合物中のその枯渇を修復するために必要とされるかどうかを判断するために、処理配合物中のPEIの濃度を、当技術分野で周知の分光学的手段を利用して検出した、例えば、以下のリンクを参照:
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S1878535213001779
https://www.ncbi.nlm.nih.goV/pubmed/12560058
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/abs/10.1002/pol.1967.150050816
https://www.researchgate.net/publication/299346733_Validation_of_a_New_Method_for_Spectrophotometric_Determination_of_Polyethyleneimine
【0341】
具体的には、PEI検出は、銅との反応を伴うアッセイを使用して実行した。PEIは、銅イオンの添加を使用して検出でき、溶液からの青色発光および285nmでの強い吸収となる(650nmでの吸収も利用され得るが、285nmで観察されたものに対してその強度は低いことに留意されたい)。
【0342】
本発明人は、処理配合物の様々な試料を試験した。1mlの試料を3mlのボトルに投入して、0.1MのCu溶液をピペットで加えた。渦を利用して溶液を3秒、混合した。
【0343】
図16は、銅イオンのPEI溶液への添加によるPEIの検出を説明する図式を示しており、添加は、溶液からの青色発光および285nmでの強い吸収となる。
【0344】
図17A図17Lは、異なるPEI濃度を有する様々な新鮮なTFの銅での滴定時に観察された呈色反応を示す(対応する観察された粒状性値は滴定したTFの入ったバイアル上の数として書き留められる)。図17A図17Lは、80μlの0.1M Cuが1mlの試料検出に対して十分であったことを示す(80μlを上回ると色におけるさらなる変化は認められなかった)。
【0345】
図18は、異なるPEI濃度を有する様々なTFへの銅の添加時に観察された吸収スペクトル(PEI+Cuスペクトル)を示す(3mlの試料をバイアルに入れた。20μlの0.1M Cu溶液を加えた。試料をまず、0.01%に希釈し、その後2回目の希釈を行った)。最終試料をキュベット(quiVette)に入れてスペクトル的に分析した。
【0346】
図19は、銅の存在下で、既知のPEI濃度を有する処理配合物で生成された、285nmでの較正曲線を示す。較正曲線は、0.9998の高いR値をもたらした。
【0347】
図20は、図19の較正曲線に基づいて決定された、2つの異なる希釈度での、様々なTFのPEIの濃度を示す。図20は、異なる希釈度は読みを妨げなかったことを示す。
【0348】
図21は、図19の較正曲線に基づいて決定された、銅を含有しているものと、銅を含有していない、様々なTFのPEIの濃度を示しており、後者は対照試験として役立つ。予想どおり、Cuの添加なしで観察された吸収強度は、全ての試料に対して非常に低かった。
【0349】
図22は、印刷画像の粒状性と、その画像を生成するために使用されたTF中のPEIの濃度との間の相関関係を示す。図22は、「良好」(粒状性2.3以下)と「不良」(粒状性2.3以上)との間に明らかな境界があることを示す。全ての「良好な試料」は、濃青色(図中ではグレースケールで示されている)を有しており、一方、他は異なる他の/明るい色合いの青(図中ではグレースケールで示されている)を有する。
【0350】
例示的な実施形態
以下の実施形態は例示であり、請求された主題を制限することを意図していない。
【0351】
実施形態1
配合物を保持するために構成された液体リザーバーであって、配合物は少なくとも1つの枯渇し得る化学薬品の第1の量を含み、前記第1の量は実質的に所定の閾値以上であり、前記配合物は任意選択で少なくとも1つのさらなる成分をさらに含むこと;
前記少なくとも1つの枯渇し得る化学薬品の第2の量を、任意選択で少なくとも1つの液体担体中に、保持するために構成された補充リザーバー;
(i)前記枯渇し得る化学薬品の前記第1の量における前記所定の閾値を下回る低下、および/または(ii)前記少なくとも1つの枯渇し得る化学薬品の機能性における低下、を少なくとも識別するように構成された検出手段;
一旦、前記低下が識別されると、少なくとも1つの枯渇し得る化学薬品の前記第2の量の少なくとも一部を前記補充リザーバーから前記液体リザーバーへ移送するように構成された移送手段であって、任意選択で前記移送手段は手動手段であること;
を含む、印刷のためのシステム。
【0352】
実施形態2 実施形態1に従ったシステムであって、前記検出手段は前記低下を測定および/または計算するように構成される。
【0353】
実施形態3 実施形態1または2に従ったシステムであって、前記検出手段は、前記低下を記録および/または報告するように構成される。
【0354】
実施形態4 実施形態1~3のいずれか1つに従ったシステムであって、前記検出手段は、一旦、前記低下が識別されると、前記移送手段を作動させるように構成される。
【0355】
実施形態5 実施形態1~4のいずれか1つに従ったシステムであって、前記システムは、液体リザーバー内の少なくとも1つの枯渇し得る化学薬品の補充を制御するように構成され、任意選択で、一旦、前記低下が識別されると、前記移送手段を作動させるように構成された、制御ユニットをさらに含む。
【0356】
実施形態6 実施形態5に従ったシステムであって、前記システムは、前記検出手段と前記制御ユニットとの間でデータ/情報を伝達するように構成された通信手段をさらに含む。
【0357】
実施形態7 実施形態1~6のいずれか1つに従ったシステムであって、前記移送手段は、圧力ベースの手段、噴射手段、噴霧手段または重力手段から選択される。
【0358】
実施形態8 実施形態1~7のいずれか1つに従ったシステムであって、前記システムは、印刷液体を保持するために構成された少なくとも1つの印刷液体リザーバーをさらに含み、前記印刷液体は任意選択でインクであり、さらに任意選択で水性インクである。
【0359】
実施形態9 実施形態1~8のいずれか1つに従ったシステムであって、前記システムは間接印刷のためである。
【0360】
実施形態10 実施形態9に従ったシステムであって、前記システムは中間転写部材をさらに含む。
【0361】
実施形態11 実施形態8~10のいずれか1つに従ったシステムであって、前記配合物は、前記中間転写部材の剥離表面の少なくとも1つの領域に塗布されて被覆層をその上に形成するように構成された処理配合物である。
【0362】
実施形態12 実施形態11に従ったシステムであって、配合物は、前記印刷液体が前記剥離表面に塗布される前に、前記剥離表面に塗布される。
【0363】
実施形態13 実施形態1~12のいずれか1つに従ったシステムであって、少なくとも1つの枯渇し得る化学薬品は前記補充リザーバー内に液体状で存在し、前記補充リザーバーおよび液体リザーバーは液体連通して、一旦、前記低下が識別されると、少なくとも1つの枯渇し得る化学薬品の前記第2の量の少なくとも一部の、前記補充リザーバーから前記液体リザーバーへの移送を可能にする。
【0364】
実施形態14 実施形態13に従ったシステムであって、前記移送手段は、前記枯渇し得る化学薬品の、前記補充リザーバーから前記液体リザーバーへ移送される量を調節し、かつ/または前記液体リザーバーから前記補充リザーバーへの液体の逆流を回避するように構成された調節手段をさらに含む。
【0365】
実施形態15 実施形態14に従ったシステムであって、前記調節手段は、補充リザーバーから液体リザーバーへの、液体の一方向の流れを許可する少なくとも1つの安全弁を含む。
【0366】
実施形態16 実施形態1~15のいずれか1つに従ったシステムであって、前記補充リザーバー内の前記少なくとも1つの枯渇し得る化学薬品の前記第2の量は、前記液体リザーバー内の前記少なくとも1つの枯渇し得る化学薬品の前記第1の量よりも大きい。
【0367】
実施形態17 実施形態1~16のいずれか1つに従ったシステムであって、前記システムは任意選択で、前記液体リザーバーおよび/または補充リザーバー内の前記少なくとも1つの枯渇し得る化学薬品を混合するように構成された混合手段をさらに含む。
【0368】
実施形態18 実施形態1~17のいずれか1つに従ったシステムであって、前記補充リザーバー内の少なくとも1つの枯渇し得る化学薬品は固体形状で存在する。
【0369】
実施形態19 実施形態18に従ったシステムであって、前記システムは任意選択で、固体の枯渇し得る化学薬品を混合、溶解または分散するように構成された手段をさらに含む。
【0370】
実施形態20 実施形態18または19に従ったシステムであって、前記システムは任意選択で、前記固体の枯渇し得る化学薬品を可溶化するのを支援するように構成された加熱手段をさらに含む。
【0371】
実施形態21 実施形態1~20のいずれか1つに従ったシステムであって、前記低下を検出/識別すると、前記制御ユニットは、前記液体リザーバー内の前記少なくとも1つの枯渇し得る化学薬品の補充を、前記液体リザーバー内の枯渇し得る化学薬品の量を増加して、実質的に前記所定の閾値以上の値に達するように選択された補充プロファイルに従って、制御するように構成される。
【0372】
実施形態22 実施形態1~21のいずれか1つに従ったシステムであって、前記システムは処理ユーティリティをさらに含む。
【0373】
実施形態23 実施形態22に従ったシステムであって、前記処理ユーティリティは、前記低下を識別すると、ユーザーに信号表示を提供して、前記液体リザーバー内の前記少なくとも1つの枯渇し得る化学薬品を補充する必要性を示すように構成される。
【0374】
実施形態24 実施形態1~23のいずれか1つに従ったシステムであって、前記システムは任意選択で、印刷プロセスを停止し、一旦、補充を達成/完了すると、印刷プロセスを再開する手段をさらに含む。
【0375】
実施形態25 実施形態21~24のいずれか1つに従ったシステムであって、前記補充プロファイルは:補充リザーバーから液体リザーバーへ移送される少なくとも1つの枯渇し得る化学薬品の量、補充の頻度、移送の持続時間、移送の方法、移送速度、の1つ以上を定義する。
【0376】
実施形態26 実施形態21~25のいずれか1つに従ったシステムであって、前記補充プロファイルは:枯渇し得る化学薬品の前記第1の量および/または第2の量、前記低下の程度、枯渇し得る化学薬品の、配合物量または配合物中に含まれている他の1つ以上の成分の量に対する相対量、の1つ以上に基づいて判断される。
【0377】
実施形態27 実施形態21~26のいずれか1つに従ったシステムであって、前記補充プロファイルは、印刷条件の1つ以上に基づいて定義される。
【0378】
実施形態28 実施形態22~27のいずれか1つに従ったシステムであって、前記処理ユーティリティは、前記システムによって生成された画像を処理し、その画像印刷品質を評価するように構成され、前記画像印刷品質が所定の要求される品質を下回る場合、制御ユニットは、前記液体リザーバー内の前記少なくとも1つの枯渇し得る化学薬品の補充を引き起こすように構成される。
【0379】
実施形態29 実施形態28に従ったシステムであって、前記処理ユーティリティは、前記画像の品質を示す出力を生成するように構成され、前記出力が所定の閾値パラメータを下回る場合、制御ユニットは、前記液体リザーバー内の前記少なくとも1つの枯渇し得る化学薬品の補充を引き起こすように構成される。
【0380】
実施形態30 実施形態29に従ったシステムであって、前記処理ユニットは、前記出力を視覚的ディスプレイユニット、オーディオ装置またはそれらの組合せ上に表示するように構成される。
【0381】
実施形態31 実施形態29に従ったシステムであって、前記所定の閾値パラメータは、印刷画像の所望の品質を表す本質的に明確な値または値の範囲を含む。
【0382】
実施形態32 実施形態29~31のいずれか1つに従ったシステムであって、前記出力が所定の閾値パラメータを下回る場合、システムは任意選択で、印刷プロセスを停止するようにユーザーに直ちに警告するか、または自動的に停止し、任意選択で、一旦、液体リザーバー内の枯渇し得る化学薬品の補充が完了すると、印刷プロセスを再開するように構成される。
【0383】
実施形態33 実施形態29~32のいずれか1つに従ったシステムであって、前記出力は、画像の粒状性を示す値を反映する。
【0384】
実施形態34 実施形態1~33のいずれか1つに従ったシステムであって、ユーザーインタフェースをさらに含む。
【0385】
実施形態35 実施形態34に従ったシステムであって、前記ユーザーインタフェースは、ユーザーが、印刷プロセスに対する1つ以上の所望の印刷条件を処理ユーティリティに導入するのを可能にするためである。
【0386】
実施形態37 実施形態1~35のいずれか1つに従ったシステムであって、メモリをさらに含む。
【0387】
実施形態38 実施形態36に従ったシステムであって、前記メモリは、印刷プロセスの画像品質の所定の閾値パラメータ(複数可)のデータベースを含む。
【0388】
実施形態39 実施形態36または37に従ったシステムであって、前記処理ユーティリティは、前記データベースからの画像品質の所定の閾値パラメータを前記出力と相関させるように構成される。
【0389】
実施形態40 実施形態1~38のいずれか1つに従ったシステムであって、前記システムは、補充履歴を記録するための手段をさらに含む。
【0390】
実施形態41 実施形態1~39のいずれか1つに従ったシステムであって、前記検出手段は、視覚的手段、分光学的手段、分光測光手段、電子的手段、化学的手段、物理的手段、印刷品質ベースの手段またはそれらの任意の組合せから選択される。
【0391】
実施形態42 実施形態40に従ったシステムであって、前記手段は、前記液体リザーバー内の前記少なくとも1つの枯渇し得る化学薬品の量を検出/測定するように構成され、前記システムは、検出/測定された量に基づき、前記少なくとも1つの枯渇し得る化学薬品の前記第1の量における低下を計算するように構成される。
【0392】
実施形態43 実施形態1~41のいずれか1つに従ったシステムであって、前記システムは、配合物のアリコットをさらなる分析のために前記液体リザーバーから引き抜くように構成された試料採取ユニットをさらに含む。
【0393】
実施形態44 実施形態42に従ったシステムであって、前記試料採取ユニットは、配合物のアリコットを前記液体リザーバーから、要求に応じて、および/または所定の時間間隔で、および/または所定の印刷サイクル数の後に、引き抜くように構成される。
【0394】
実施形態45 実施形態1~43のいずれか1つに従ったシステムであって、前記枯渇し得る化学薬品の第1の量における前記低下は、配合物の別の1つ以上の成分の量に対してである。
【0395】
実施形態46 実施形態1~44のいずれか1つに従ったシステムであって、前記枯渇し得る化学薬品の第1の量における前記低下は、枯渇し得る化学薬品の望ましくない副反応に起因して生じる。
【0396】
実施形態47 実施形態45に従ったシステムであって、枯渇し得る化学薬品の前記望ましくない副反応は、前記液体リザーバー内での望ましくない副生成物の形成となり、前記システムは任意選択で、前記副生成物を除去するように構成された手段をさらに含む。
【0397】
実施形態48 実施形態46に従ったシステムであって、前記システムは、前記望ましくない副生成物の形成を検出し、任意選択で、前記液体リザーバー内のその量を測定/判断するための手段をさらに含む。
【0398】
実施形態49 実施形態47に従ったシステムであって、前記システムは、検出された前記望ましくない副生成物の形成と、枯渇し得る化学薬品の第1の量における低下とを相関させるように構成された手段をさらに含む。
【0399】
実施形態50 実施形態1~48のいずれか1つに従ったシステムであって、前記枯渇し得る化学薬品の第1の量における前記低下は、液体リザーバー内の配合物の、少なくとも1つの汚染物質での汚染に起因しており、少なくとも1つの望ましくない副生成物の形成は、前記少なくとも1つの枯渇し得る化学薬品と少なくとも1つの汚染物質との相互作用に起因する。
【0400】
実施形態51 実施形態1~49のいずれか1つに従ったシステムであって、前記システムは、印刷液体を保持するために構成された少なくとも1つの印刷液体リザーバーをさらに含み、任意選択で前記印刷液体はインクであり、前記枯渇し得る化学薬品の第1の量における前記低下は、液体リザーバー内の印刷液体汚染に起因する。
【0401】
実施形態52 実施形態50に従ったシステムであって、前記印刷液体はインクであり、少なくとも1つのバインダーおよび少なくとも1つの着色剤を含み、前記枯渇し得る化学薬品の第1の量における前記低下は、枯渇し得る化学薬品の前記少なくとも1つのバインダーとの望ましくない副反応に起因する。
【0402】
実施形態53 実施形態1~51のいずれか1つに従ったシステムであって、前記システムは、液体リザーバーを汚染、例えば、インク混入から保護するように構成された保護ユニットをさらに含む。
【0403】
実施形態54 実施形態1~52のいずれか1つに従ったシステムであって、前記システムは任意選択で、前記液体リザーバー内の液体の体積を測定するように構成された測定手段をさらに含み、測定された体積が所定の最小体積を下回っている場合、システムは、液体リザーバーを液体配合物の追加量で補充することをユーザーに示すように構成される。
【0404】
実施形態55 実施形態1~53のいずれか1つに従ったシステムであって、前記システムは任意選択で、補充リザーバー内の枯渇し得る化学薬品の量(例えば、体積/液体または重量/固体)を測定するように構成された測定手段をさらに含み、測定された量が所定の最小量を下回っている場合、制御ユニットは、補充リザーバーを前記枯渇し得る化学薬品の追加量で補充することをユーザーに示すように構成される。
【0405】
実施形態56 実施形態1~54のいずれか1つに従ったシステムであって、枯渇し得る化学薬品は、同じである必要がなく結合できる複数の官能基中のアミン性窒素原子を含有するポリマー剤である。
【0406】
実施形態57 実施形態55に従ったシステムであって、前記ポリマーは比較的高い電荷密度を有する。
【0407】
実施形態58 実施形態55または56に従ったシステムであって、ポリマーは10,000g/モル以上の分子量を有する。
【0408】
実施形態59 実施形態1~57のいずれか1つに従ったシステムであって、枯渇し得る化学薬品は、(a)前記薬剤の少なくとも3meq/gの正電荷密度および少なくとも5,000の平均分子量、(b)前記薬剤の少なくとも6meq/gの正電荷密度および少なくとも1,000の平均分子量、(c)少なくとも1wt.%の窒素含有量および少なくとも50,000の平均分子量、ならびに(d)少なくとも18wt.%の窒素含有量および少なくとも10,000の平均分子量、の1つ以上を有するポリマー剤である。
【0409】
実施形態60 実施形態1~58のいずれか1つに従ったシステムであって、前記枯渇し得る化学薬品は、正電荷密度を有するポリマー剤である。
【0410】
実施形態61 実施形態59に従ったシステムであって、正電荷密度は、前記薬剤の、少なくとも0.5meq/g、少なくとも1meq/g、少なくとも2meq/g、少なくとも3meq/g、少なくとも4meq/g、少なくとも5meq/g、少なくとも6meq/g、少なくとも7meq/g、少なくとも8meq/g、少なくとも9meq/g、少なくとも10meq/g、少なくとも11meq/g、少なくとも12meq/g、少なくとも13meq/g、少なくとも14meq/g、少なくとも15meq/g、少なくとも16meq/g、少なくとも17meq/g、少なくとも18meq/g、少なくとも19meq/g、または少なくとも20meq/gである。
【0411】
実施形態61 実施形態1~60のいずれか1つに従ったシステムであって、前記枯渇し得る化学薬品は、少なくとも500、少なくとも800、少なくとも1,000、少なくとも1,300、少なくとも1,700、少なくとも2,000、少なくとも2,500、少なくとも3,000、少なくとも3,500、少なくとも4,000、少なくとも4,500、少なくとも5,000、少なくとも10,000、少なくとも15,000、少なくとも20,000、少なくとも25,000、少なくとも50,000、少なくとも100,000、少なくとも150,000、少なくとも200,000、少なくとも250,000、少なくとも500,000、少なくとも750,000、少なくとも1,000,000、または少なくとも2,000,000の平均分子量を有するポリマー剤である。
【0412】
実施形態62 実施形態1~61のいずれか1つに従ったシステムであって、枯渇し得る化学薬品は、少なくとも2,000、少なくとも10,000、または少なくとも25,000の平均分子量を有するポリマー剤である。
【0413】
実施形態63 実施形態1~62のいずれか1つに従ったシステムであって、前記枯渇し得る化学薬品は、1つ以上の陽荷電性窒素原子を含有する。
【0414】
実施形態64 実施形態63に従ったシステムであって、1つ以上の窒素原子は、枯渇し得る化学薬品の、重量で少なくとも1%、少なくとも1.4%、少なくとも2%、少なくとも5%、少なくとも8%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも18%、少なくとも20%、少なくとも24%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、または少なくとも50%を構成する。
【0415】
実施形態65 実施形態1~64のいずれか1つに従ったシステムであって、枯渇し得る化学薬品はポリ(ジアリルジメチルアンモウニウムクロライド)[
【化5】
]単位を含有するポリマー剤である。
【0416】
実施形態66 実施形態1~64のいずれか1つに従ったシステムであって、枯渇し得る化学薬品は、ポリアリルアミン[
【化6】
]単位を含有するポリマー剤である。
【0417】
実施形態67 実施形態1~64のいずれか1つに従ったシステムであって、枯渇し得る化学薬品は、ポリ(4-ビニルピリジン)[
【化7】
]単位を含有するポリマー剤である。
【0418】
実施形態68 実施形態1~67のいずれか1つに従ったシステムであって、枯渇し得る化学ポリマー剤は、直鎖状ポリエチレンイミン、分岐ポリエチレンイミン、変性ポリエチレンイミン、ポリ(ジアリルジメチルアンモウニウムクロラド)、ポリ(4-ビニルピリジン)、ポリアリルアミン、ビニルピロリドン-ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド共重合体(ViViprint 131)、ビニルカプロラクタム-ジメチルアミノプロピルメタクリルアミドメタクリル酸ヒドロキシエチル共重合体(ViViprint 200)、ジエチル硫酸でのビニルピロリドンとメタクリル酸ジメチルアミノエチルの四級化共重合体(ViViprint 650)、グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド、およびヒドロキシプロピルグアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドから成る群から選択される。
【0419】
実施形態69 実施形態68に従ったシステムであって、枯渇し得る化学ポリマー剤は、ポリエチレンイミン(PEI)である。
【0420】
実施形態70 実施形態1~69のいずれか1つに従ったシステムであって、液体リザーバー内の配合物中の枯渇し得る化学ポリマー剤の第1の量は、約5wt.%、4wt.%、3wt.%、2wt.%、1wt.%、0.5wt.%、0.4wt.%、0.3wt.%、0.2wt.%、0.1wt.%以下であるか、または約0.05wt.%に等しいかもしくは少なくとも約0.05wt.%、または時には、少なくとも約0.01%である。
【0421】
実施形態71 実施形態1~70のいずれか1つに従ったシステムであって、枯渇し得る化学薬品はPEIであるポリマー剤であり、所定の閾値は、少なくとも0.01wt.%、少なくとも0.05wt.%、少なくとも0.10wt.%、少なくとも0.15wt.%または少なくとも0.20wt.%である。
【0422】
実施形態72 実施形態1~71のいずれか1つに従ったシステムであって、枯渇し得る化学薬品はPEIであるポリマー剤であり、液体リザーバー内のその前記第1の量は、重量での濃度であり、最大6%、最大5%、最大4%、最大3%、最大2.5%、最大2.0%である。
【0423】
実施形態73 実施形態1~72のいずれか1つに従ったシステムであって、枯渇し得る化学薬品はPEIであるポリマー剤であり、液体リザーバー内のその前記第1の量は重量での濃度であり、0.01~1%、0.01~0.8%、0.01~0.7%、0.01~0.6%、0.01~0.5%、0.2~0.7%、0.2~0.6%、または0.2~0.5%の範囲内である。
【0424】
実施形態74 実施形態1~73のいずれか1つに従ったシステムであって、少なくとも1つの枯渇し得る化学薬品はPEIであり、液体リザーバー内の配合物中のその第1の量は0.25wt.%であり、補充リザーバー内のその第2の量は水中で25wt.%である。
【0425】
実施形態75 実施形態74に従ったシステムであって、液体リザーバー内のPEIの第1の量が0.01wt.%の所定の閾値を下回って低下すると、システムはPEIの前記第2の量の一部を、補充リザーバーから液体リザーバーへ移送し、それにより、前記所定の閾値(0.01wt.%)に等しいかもしくは上回る値まで、液体リザーバー内のPEIの量を補充するか、または第1の量(0.25wt.%)に等しい値まで液体リザーバー内のPEIの量を補充するように構成される。
【0426】
実施形態76 実施形態1~75のいずれか1つに従ったシステムであって、枯渇し得る化学薬品はPEIであるポリマー剤であり、その平均分子量は、少なくとも20,000、少なくとも50,000、少なくとも100,000、少なくとも200,000、少なくとも350,000、少なくとも500,000、少なくとも700,000、少なくとも750,000および任意選択で、最大3,000,000、最大2,500,000、または最大2,000,000である。
【0427】
実施形態77 実施形態1~76のいずれか1つに従ったシステムであって、枯渇し得る化学薬品はPEIであるポリマー剤であり、前記PEIは、表面活性剤、湿潤剤、固定剤またはそれらの任意の組合せである。
【0428】
実施形態78 実施形態1~77のいずれか1つに従ったシステムであって、枯渇し得る化学薬品はPEIであるポリマー剤であり、PEIポリマーの電荷密度は材料の16~20meq/gの範囲内である。
【0429】
実施形態79 実施形態1~77のいずれか1つに従ったシステムであって、枯渇し得る化学薬品はPEIであるポリマー剤であり、PEIポリマーの電荷密度は8meq/gである。
【0430】
実施形態80 実施形態1~79のいずれか1つに従ったシステムであって、枯渇し得る化学薬品はシリコン官能化PEIである。
【0431】
実施形態81 実施形態1~80のいずれか1つに従ったシステムであって、枯渇し得る化学薬品は第四級アンモニウム化合物である。
【0432】
実施形態82 実施形態81に従ったシステムであって、第四級アンモニウム化合物はLarostat264A(BASF)である。
【0433】
実施形態83 実施形態81に従ったシステムであって、第四級アンモニウム化合物はFoamquat SAQ(リノールアミドプロピルエチルジモニウムエトサルフェート90)である。
【0434】
実施形態84 実施形態1~83のいずれか1つに従ったシステムであって、枯渇し得る化学薬品は水分散性である。
【0435】
実施形態85 実施形態1~83のいずれか1つに従ったシステムであって、枯渇し得る化学薬品は水溶性である。
【0436】
実施形態86 実施形態1~85のいずれか1つに従ったシステムであって、枯渇し得る化学薬品は室温で固体である。
【0437】
実施形態87 実施形態51~86のいずれか1つに従ったシステムであって、インク中の少なくとも1つのバインダーは、アニオン性バインダーである。
【0438】
実施形態88 実施形態87に従ったシステムであって、前記アニオン性バインダーはアクリル系バインダーおよび/またはスルホンバインダーである。
【0439】
実施形態89 実施形態51~88のいずれか1つに従ったシステムであって、インク中の少なくとも1つのバインダーは、負に帯電した有機ポリマー樹脂である。
【0440】
実施形態90 実施形態89に従ったシステムであって、負に帯電した有機ポリマー樹脂の平均分子量は、少なくとも8,000である。
【0441】
実施形態91 実施形態89または90に従ったシステムであって、インク中の少なくとも1つのバインダーは、アクリルポリマーおよび/またはアクリルスチレンコポリマーである。
【0442】
実施形態92 実施形態51~91のいずれか1つに従ったシステムであって、前記バインダーは、Joncryl 538 BASFである。
【0443】
実施形態93 実施形態51~92のいずれか1つに従ったシステムであって、枯渇し得る化学薬品はPEIであり、PEIの第1の量における低下は、前記少なくとも1つのバインダーとのその望ましくない副反応に起因する。
【0444】
実施形態94 実施形態1~93のいずれか1つに従ったシステムであって、前記システムは、液体リザーバー内に含まれている配合物中の枯渇し得る化学薬品の濃度を検出、測定または計算して、前記枯渇し得る化学薬品の第1の量における低下をそれから計算する手段をさらに含む。
【0445】
実施形態95 実施形態94に従ったシステムであって、枯渇し得る化学薬品はPEIである。
【0446】
実施形態96 実施形態94に従ったシステムであって、前記手段は、銅のPEIとの反応に基づいてPEIを検出するように構成された分光学的手段である。
【0447】
実施形態97 実施形態1~96のいずれか1つに従ったシステムであって、前記印刷システムは間接印刷システムであり、本システムは、
i.剥離層表面を含む中間転写部材(ITM)、
ii.本明細書で開示されるような水性処理配合物を保持するために構成された液体リザーバーを含む処理ステーションであって、水性処理配合物をITMの剥離層表面に塗布して処理層をその上に形成するために構成される処理ステーション、
iii.本明細書で開示されるような補充リザーバーを含む補充ユニット、
iV.印刷液体を塗布して、中間転写部材上に形成された水性処理配合物上に画像を形成するために構成された画像形成ステーション、
V.画像を印刷基材上に、例えば、ITMと印刷基材との間の加圧接触によって、転写するための転写ステーション
をさらに含む。
【0448】
実施形態98 実施形態97に従ったシステムであって、印刷液体は、任意選択で噴射によって塗布されるインクであり、本システムは、
中間転写部材上に形成された水性処理配合物上のインクを少なくとも部分的に乾燥させてインク画像残留物を生成するように構成された乾燥ステーション、および任意選択で、水性処理配合物を乾燥させるための乾燥手段
をさらに含む。
【0449】
実施形態99 実施形態11~98のいずれか1つに従ったシステムであって、前記処理配合物は、
少なくとも1つの水溶性ポリマー、
(i)少なくとも1つの熱可塑性ポリマー粒子材料、任意選択でエマルジョンおよび/もしくは分散液の形で、(ii)少なくとも1つの熱硬化性ポリマー粒子材料、任意選択で分散液および/もしくはエマルジョンの形で、または(iii)その組合せ、から選択された少なくとも1つの粒子材料、
水を含有する担体液体、ならびに
任意選択で、(a)少なくとも1つの保水剤、(b)少なくとも1つの界面活性剤、および(c)少なくとも1つの湿潤剤、の1つ以上
を含む。
【0450】
実施形態100 実施形態99に従ったシステムであって、前記処理配合物は、少なくとも1つの湿潤剤をさらに含む。
【0451】
実施形態101 実施形態100に従ったシステムであって、前記湿潤剤はPEIである。
【0452】
実施形態102 実施形態99に従ったシステムであって、前記水溶性ポリマーは、少なくとも1つの改質多糖類である。
【0453】
実施形態103 実施形態102に従ったシステムであって、前記改質多糖類は、セルロース誘導体、セルロースエーテル、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースまたはそれらの任意の組合せから選択される。
【0454】
実施形態104 実施形態103に従ったシステムであって、前記改質多糖類は、ヒドロキシプロピルメチルセルロースである。
【0455】
実施形態105 実施形態1~104のいずれかに従ったシステムであって、前記処理配合物は、本明細書で開示されて例示されているとおりである。
【0456】
実施形態106 印刷プロセスにおける印刷不良を防ぐか、または最小限にするための方法であって、印刷不良は、水性配合物中(任意選択で液体担体中)に含まれる少なくとも1つの枯渇し得る化学薬品の第1の量における低下と関連付けられ、本方法は、
前記少なくとも1つの枯渇し得る化学薬品の第1の量において所定の閾値を下回る低下、および/または配合物中の少なくとも別の成分の量に対する低下を識別/検出すること、ならびに
前記低下を識別/検出すると、少なくとも1つの枯渇し得る化学薬品の第2の量の少なくとも一部を配合物に添加することであって、第2の量の前記少なくとも一部は、前記液体配合物中の枯渇し得る化学薬品の第1の量が復旧して実質的に前記所定の閾値以上になるために十分であり、かつ/または前記第2の量の前記少なくとも一部は、配合物中の少なくとも別の成分の量に対する第1の量の低下を打ち消すために十分であり、それによって前記印刷不良を防ぐか、もしくは最小限にすること
を含む。
【0457】
実施形態107 実施形態106に従った方法であって、少なくとも1つの枯渇し得る化学薬品の第2の量は、液体状で提供される。
【0458】
実施形態108 実施形態106に従った方法であって、少なくとも1つの枯渇し得る化学薬品の第2の量は、固体形状で提供される。
【0459】
実施形態109 実施形態106~108のいずれか1つに従った方法であって、前記方法は、少なくとも1つの枯渇し得る化学薬品の第2の量の少なくとも一部を前記液体配合物中に混合することをさらに含む。
【0460】
実施形態110 実施形態108に従った方法であって、固体の枯渇し得る化学薬品を少なくとも1つの液体担体(配合物の液体担体と同じか、または異なり得る)中で溶解または分散することをさらに含む。
【0461】
実施形態111 実施形態110に従った方法であって、前記固体の枯渇し得る化学薬品を加熱し、それによりそれが溶解するのを支援することをさらに含む。
【0462】
実施形態112 実施形態106~111のいずれか1つに従った方法であって、前記液体配合物は、画像がその上に印刷される基材上、または間接印刷プロセスにおける中間転写部材上に塗布されるように構成される。
【0463】
実施形態113 実施形態106~112のいずれか1つに従った方法であって、前記方法は、
i.中間転写部材(ITM)を提供すること、
ii.処理配合物を提供すること、
iii.処理配合物をITMの画像受容表面に塗布して湿潤処理層を形成すること、
iV. 湿潤処理層を少なくとも部分的に乾燥させて少なくとも部分的乾燥処理層を形成すること、
V.印刷液体を少なくとも部分的に乾燥された処理層に塗布して画像を形成すること、
Vi.ITMの前記表面と印刷基材との間の加圧接触により、画像を印刷基材に転写すること
をさらに含む。
【0464】
実施形態114 実施形態113に従った方法であって、印刷液体はインク、任意選択で水性インクであり、本方法は、
インク液滴を少なくとも部分的に乾燥された処理層上に塗布してインク画像を形成すること、および
水性処理層上の湿潤インク画像を少なくとも部分的に乾燥させて、印刷基材に転写される部分的に乾燥されたインク画像薄膜を形成すること
をさらに含む。
【0465】
実施形態115 実施形態106~114のいずれか1つに従った方法であって、少なくとも1つの枯渇し得る化学薬品の第2の量の少なくとも一部の添加は、液体配合物中の枯渇し得る化学薬品の量を増加して実質的に所定の閾値以上の値に達するように選択された所定の補充プロファイルに従って実行される。
【0466】
実施形態116 実施形態106~115のいずれか1つに従った方法であって、前記方法は、前記少なくとも1つの枯渇し得る化学薬品の第1の量における、配合物中の少なくとも別の成分の量に対する低下を識別して、前記少なくとも1つの枯渇し得る化学薬品を前記液体配合物に添加する必要性を示す、信号表示を提供し、それにより前記液体配合物中の枯渇し得る化学薬品の第1の量を、実質的に前記所定の閾値以上になるように復旧し、従って、前記低下を打ち消すことをさらに含む。
【0467】
実施形態117 実施形態116に従った方法であって、補充プロファイルは印刷条件の1つ以上に基づいて判断される所定のプロファイルである。
【0468】
実施形態118 実施形態106~117のいずれか1つに従った方法であって、前記方法は、前記方法で生成された画像を処理すること、およびその画像印刷品質を評価することをさらに含み、前記画像印刷品質が所定の要求される品質を下回る場合、本方法は、前記少なくとも1つの枯渇し得る化学薬品の前記第2の量の少なくとも一部の前記液体配合物への添加を含む。
【0469】
実施形態119 実施形態118に従った方法であって、前記方法は、前記画像の品質を示す出力を生成することを含み、前記出力が所定の閾値パラメータを下回る場合、本方法は、前記少なくとも1つの枯渇し得る化学薬品の前記第2の量の前記少なくとも一部の前記液体配合物への添加を含む。
【0470】
実施形態120 実施形態119に従った方法であって、前記方法は、前記出力を視覚的ディスプレイユニット、オーディオ装置またはそれらの組合せ上に表示することを含む。
【0471】
実施形態121 実施形態119または120に従った方法であって、前記出力は画像の粒状性を示す値を反映する。
【0472】
実施形態122 実施形態119に従った方法であって、前記所定の閾値パラメータは、印刷画像の所望の品質を表す本質的に明確な値または値の範囲を含む。
【0473】
実施形態123 実施形態106~122のいずれか1つに従った方法であって、前記少なくとも1つの枯渇し得る化学薬品の第1の量における所定の閾値を下回る低下を識別することをさらに含み、前記識別することは、視覚的手段、分光学的手段、分光測光手段、電子的手段、化学的手段、物理的手段、印刷品質ベースの手段またはそれらの任意の組合せから選択された検出手段によって達成され、前記方法は、前記少なくとも1つの枯渇し得る化学薬品の前記第1の量において識別された低下に基づき、配合物中の別の1つ以上の成分の量に対して前記少なくとも1つの枯渇し得る化学薬品の第1の量における低下を計算することをさらに含む。
【0474】
実施形態124 実施形態106~123のいずれか1つに従った方法であって、液体配合物のアリコットを分析のために試料採取することをさらに含む。
【0475】
実施形態125 実施形態124に従った方法であって、前記試料採取は、要求に応じて、および/または所定の時間間隔で、および/または所定の印刷サイクル数の後に実行される。
【0476】
実施形態126 実施形態106~125のいずれか1つに従った方法であって、前記枯渇し得る化学薬品の第1の量における前記低下は、配合物中に含まれる別の1つ以上の成分の量に対してである。
【0477】
実施形態127 実施形態106~126のいずれか1つに従った方法であって、前記枯渇し得る化学薬品の第1の量における前記低下は、枯渇し得る化学薬品の望ましくない副反応に起因する。
【0478】
実施形態128 実施形態127に従った方法であって、枯渇し得る化学薬品の前記望ましくない副反応は、前記液体配合物中での望ましくない副生成物の形成となる。
【0479】
実施形態129 実施形態128に従った方法であって、前記方法は、前記望ましくない副生成物の形成を検出し、任意選択で、前記液体配合物中のその量を測定/判断することをさらに含む。
【0480】
実施形態130 実施形態129に従った方法であって、前記方法は、検出された前記望ましくない副生成物の形成と、枯渇し得る化学薬品の第1の量における低下とを相関させることをさらに含む。
【0481】
実施形態131 実施形態106~130のいずれか1つに従った方法であって、前記枯渇し得る化学薬品の第1の量における前記低下は、液体配合物の、少なくとも1つの汚染物質での汚染に起因しており、少なくとも1つの望ましくない副生成物の形成は、前記少なくとも1つの枯渇し得る化学薬品と前記少なくとも1つの汚染物質との相互作用に起因する。
【0482】
実施形態132 実施形態106~131のいずれか1つに従った方法であって、前記枯渇し得る化学薬品の第1の量における前記低下は、液体配合物中のインク混入に起因する。
【0483】
実施形態133 実施形態132に従った方法であって、前記インク混入は、インクのこぼれ、インクのはね、および処理配合物の再循環プロセスの1つ以上に起因する。
【0484】
実施形態134 実施形態114~133のいずれか1つに従った方法であって、前記インクは少なくとも1つのバインダーおよび少なくとも1つの着色剤を含み、前記枯渇し得る化学薬品の第1の量における前記低下は、枯渇し得る化学薬品の前記少なくとも1つのバインダーとの望ましくない副反応に起因する。
【0485】
実施形態135 実施形態106~134のいずれか1つに従った方法であって、前記方法は、液体配合物を汚染から保護することをさらに含む。
【0486】
実施形態136 実施形態128~135のいずれか1つに従った方法であって、前記方法は、前記副生成物を前記液体配合物から除去することをさらに含む。
【0487】
実施形態137 実施形態106~136のいずれか1つに従った方法であって、前記方法は、液体配合物の体積を測定することをさらに含み、測定された体積が所定の最小体積を下回っている場合、本方法は、液体配合物を、実質的に前記所定の最小体積以上になるまで、液体配合物で補充することをさらに含む。
【0488】
実施形態138 実施形態106~137のいずれか1つに従った方法であって、枯渇し得る化学薬品は、同じである必要がなく結合できる複数の官能基中のアミン性窒素原子を含有するポリマー剤である。
【0489】
実施形態139 実施形態138に従った方法であって、前記ポリマーは比較的高い電荷密度を有する。
【0490】
実施形態140 実施形態138または139に従った方法であって、ポリマーは10,000g/モル以上の分子量を有する。
【0491】
実施形態141 実施形態106~140のいずれか1つに従った方法であって、枯渇し得る化学薬品は、(a)前記薬剤の少なくとも3meq/gの正電荷密度および少なくとも5,000の平均分子量、(b)前記薬剤の少なくとも6meq/gの正電荷密度および少なくとも1,000の平均分子量、(c)少なくとも1wt.%の窒素含有量および少なくとも50,000の平均分子量、ならびに(d)少なくとも18wt.%の窒素含有量および少なくとも10,000の平均分子量、の1つ以上を有するポリマー剤である。
【0492】
実施形態142 実施形態106~141のいずれか1つに従った方法であって、前記枯渇し得る化学薬品は、正電荷密度を有するポリマー剤である。
【0493】
実施形態143 実施形態142に従った方法であって、正電荷密度は、前記薬剤の、少なくとも0.5meq/g、少なくとも1meq/g、少なくとも2meq/g、少なくとも3meq/g、少なくとも4meq/g、少なくとも5meq/g、少なくとも6meq/g、少なくとも7meq/g、少なくとも8meq/g、少なくとも9meq/g、少なくとも10meq/g、少なくとも11meq/g、少なくとも12meq/g、少なくとも13meq/g、少なくとも14meq/g、少なくとも15meq/g、少なくとも16meq/g、少なくとも17meq/g、少なくとも18meq/g、少なくとも19meq/g、または少なくとも20meq/gである。
【0494】
実施形態144 実施形態106~143のいずれか1つに従った方法であって、前記枯渇し得る化学薬品は、少なくとも500、少なくとも800、少なくとも1,000、少なくとも1,300、少なくとも1,700、少なくとも2,000、少なくとも2,500、少なくとも3,000、少なくとも3,500、少なくとも4,000、少なくとも4,500、少なくとも5,000、少なくとも10,000、少なくとも15,000、少なくとも20,000、少なくとも25,000、少なくとも50,000、少なくとも100,000、少なくとも150,000、少なくとも200,000、少なくとも250,000、少なくとも500,000、少なくとも750,000、少なくとも1,000,000、または少なくとも2,000,000の平均分子量を有するポリマー剤である。
【0495】
実施形態145 実施形態106~144のいずれか1つに従った方法であって、枯渇し得る化学薬品は、少なくとも2,000、少なくとも10,000または少なくとも25,000の平均分子量を有するポリマー剤である。
【0496】
実施形態146 実施形態106~145のいずれか1つに従った方法であって、前記枯渇し得る化学薬品は、1つ以上の陽荷電性窒素原子を含有する。
【0497】
実施形態147 実施形態146に従った方法であって、1つ以上の窒素原子は、枯渇し得る化学薬品の、重量で少なくとも1%、少なくとも1.4%、少なくとも2%、少なくとも5%、少なくとも8%、少なくとも10%、少なくとも15%、少なくとも18%、少なくとも20%、少なくとも24%、少なくとも30%、少なくとも35%、少なくとも40%、少なくとも45%、または少なくとも50%を構成する。
【0498】
実施形態148 実施形態106~147のいずれか1つに従った方法であって、枯渇し得る化学薬品はポリ(ジアリルジメチルアンモウニウムクロライド)[
【化8】
]単位を含有するポリマー剤である。
【0499】
実施形態149 実施形態106~147のいずれか1つに従った方法であって、枯渇し得る化学薬品は、ポリアリルアミン[
【化9】
]単位を含有するポリマー剤である。
【0500】
実施形態150 実施形態106~147のいずれか1つに従った方法であって、枯渇し得る化学薬品は、ポリ(4-ビニルピリジン)[
【化10】
]単位を含有するポリマー剤である。
【0501】
実施形態151 実施形態106~147のいずれか1つに従った方法であって、枯渇し得る化学ポリマー剤は、直鎖状ポリエチレンイミン、分岐ポリエチレンイミン、変性ポリエチレンイミン、ポリ(ジアリルジメチルアンモウニウムクロラド)、ポリ(4-ビニルピリジン)、ポリアリルアミン、ビニルピロリドン-ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド共重合体(ViViprint 131)、ビニルカプロラクタム-ジメチルアミノプロピルメタクリルアミドメタクリル酸ヒドロキシエチル共重合体(ViViprint 200)、ジエチル硫酸でのビニルピロリドンとメタクリル酸ジメチルアミノエチルの四級化共重合体(ViViprint 650)、グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド、およびヒドロキシプロピルグアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリドから成る群から選択される。
【0502】
実施形態152 実施形態151に従った方法であって、枯渇し得る化学ポリマー剤は、ポリエチレンイミン(PEI)である。
【0503】
実施形態153 実施形態106~152のいずれか1つに従った方法であって、液体リザーバー内の配合物中の枯渇し得る化学ポリマー剤の第1の量は、約5wt.%、4wt.%、3wt.%、2wt.%、1wt.%、0.5wt.%、0.4wt.%、0.3wt.%、0.2wt.%、0.1wt.%以下であるか、または約0.05wt.%に等しいかもしくは少なくとも約0.05wt.%、または時には、少なくとも約0.01%である。
【0504】
実施形態154 実施形態106~153のいずれか1つに従った方法であって、枯渇し得る化学薬品はPEIであるポリマー剤であり、所定の閾値は、少なくとも0.01wt.%、少なくとも0.05wt.%、少なくとも0.10wt.%、少なくとも0.15wt.%または少なくとも0.20wt.%である。
【0505】
実施形態155 実施形態106~154のいずれか1つに従った方法であって、枯渇し得る化学薬品はPEIであるポリマー剤であり、液体配合物中の、重量でのその第1の量は、最大6%、最大5%、最大4%、最大3%、最大2.5%、最大2.0%である。
【0506】
実施形態156 実施形態106~155のいずれか1つに従った方法であって、枯渇し得る化学薬品はPEIであるポリマー剤であり、液体配合物中の、重量でのその前記第1の量は、0.01~1%、0.01~0.8%、0.01~0.7%、0.01~0.6%、0.01~0.5%、0.2~0.7%、0.2~0.6%、または0.2~0.5%の範囲内である。
【0507】
実施形態157 実施形態106~156のいずれか1つに従った方法であって、少なくとも1つの枯渇し得る化学薬品はPEIであり、液体リザーバー内の配合物中のその第1の量は0.25wt.%であり、補充リザーバー内のその第2の量は水中で25wt.%である。
【0508】
実施形態158 実施形態157に従った方法であって、液体配合物中のPEIの第1の量が0.01wt.%の所定の閾値を下回って低下すると、PEIの前記第2の量の一部が前記液体配合物に添加され、それにより、前記所定の閾値(0.01wt.)に等しいかもしくは上回る値まで液体配合物中のPEIの量を補充するか、または第1の量(0.25wt.%)に等しい値まで液体配合物中のPEIの量を補充する。
【0509】
実施形態159 実施形態106~158のいずれか1つに従った方法であって、枯渇し得る化学薬品はPEIであるポリマー剤であり、その平均分子量は、少なくとも20,000、少なくとも50,000、少なくとも100,000、少なくとも200,000、少なくとも350,000、少なくとも500,000、少なくとも700,000、少なくとも750,000および任意選択で、最大3,000,000、最大2,500,000、または最大2,000,000である。
【0510】
実施形態160 実施形態106~159のいずれか1つに従った方法であって、枯渇し得る化学薬品はPEIであるポリマー剤であり、前記PEIは、表面活性剤、湿潤剤、固定剤またはそれらの任意の組合せである。
【0511】
実施形態161 実施形態106~160のいずれか1つに従った方法であって、枯渇し得る化学薬品はPEIであるポリマー剤であり、PEIポリマーの電荷密度は材料の16~20meq/gの範囲内である。
【0512】
実施形態162 実施形態106~160のいずれか1つに従った方法であって、枯渇し得る化学薬品はPEIであるポリマー剤であり、PEIポリマーの電荷密度は8meq/gである。
【0513】
実施形態163 実施形態106~162のいずれか1つに従った方法であって、枯渇し得る化学薬品はシリコン官能化PEIである。
【0514】
実施形態164 実施形態106~163のいずれか1つに従った方法であって、枯渇し得る化学薬品は第四級アンモニウム化合物である。
【0515】
実施形態165 実施形態164に従った方法であって、第四級アンモニウム化合物はLarostat264A(BASF)である。
【0516】
実施形態166 実施形態164に従った方法であって、第四級アンモニウム化合物はFoamquat SAQ(リノールアミドプロピルエチルジモニウムエトサルフェート90)である。
【0517】
実施形態167 実施形態106~166のいずれか1つに従った方法であって、枯渇し得る化学薬品は水分散性である。
【0518】
実施形態168 実施形態106~166のいずれか1つに従った方法であって、枯渇し得る化学薬品は水溶性である。
【0519】
実施形態169 実施形態106~168のいずれか1つに従った方法であって、枯渇し得る化学薬品は室温で固体である。
【0520】
実施形態170 実施形態134~169のいずれか1つに従った方法であって、インク配合物中の少なくとも1つのバインダーは、負に帯電した有機ポリマー樹脂である。
【0521】
実施形態171 実施形態170に従った方法であって、負に帯電した有機ポリマー樹脂の平均分子量は、少なくとも8,000である。
【0522】
実施形態172 実施形態170または171に従った方法であって、インク配合物中の少なくとも1つのバインダーは、アクリルポリマーおよび/またはアクリルスチレンコポリマーである。
【0523】
実施形態173 実施形態170に従った方法であって、バインダーは、Joncryl 538 BASFである。
【0524】
実施形態174 実施形態106~173のいずれか1つに従った方法であって、枯渇し得る化学薬品はPEIであり、PEIの第1の量における低下は、前記少なくとも1つのバインダーとのその望ましくない副反応に起因する。
【0525】
実施形態175 実施形態106~174のいずれか1つに従った方法であって、前記方法は、液体配合物中の枯渇し得る化学薬品の濃度を検出および/または測定および/または計算して、前記枯渇し得る化学薬品の第1の量における低下をそれから計算することをさらに含む。
【0526】
実施形態176 実施形態175に従った方法であって、枯渇し得る化学薬品はPEIであり、前記検出および/または測定および/または計算は、銅の前記PEIとの反応を利用する分光学的手段によって実行される。
【0527】
実施形態177 実施形態106~176のいずれか1つに従った方法であって、前記処理配合物は、
少なくとも1つの水溶性ポリマー、
(i)少なくとも1つの熱可塑性ポリマー粒子材料、任意選択でエマルジョンおよび/もしくは分散液の形で、(ii)少なくとも1つの熱硬化性ポリマー粒子材料、任意選択で分散液および/もしくはエマルジョンの形で、または(iii)その組合せ、から選択された少なくとも1つの粒子材料、
水を含有する担体液体、ならびに
任意選択で、(a)少なくとも1つの保水剤、(b)少なくとも1つの界面活性剤、および(c)少なくとも1つの湿潤剤、の1つ以上
を含む。
【0528】
実施形態178 実施形態177に従った方法であって、前記処理配合物は、少なくとも1つの湿潤剤をさらに含む。
【0529】
実施形態179 実施形態178に従った方法であって、前記湿潤剤はPEIである。
【0530】
実施形態180 実施形態177に従った方法であって、前記水溶性ポリマーは、少なくとも1つの改質多糖類である。
【0531】
実施形態181 実施形態180に従った方法であって、前記改質多糖類は、セルロース誘導体、セルロースエーテル、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースまたはそれらの任意の組合せから選択される。
【0532】
実施形態182 実施形態181に従った方法であって、前記改質多糖類は、ヒドロキシプロピルメチルセルロースである。
【0533】
実施形態183 実施形態1~182のいずれかに従った方法であって、前記処理配合物は、本明細書で開示されて例示されているとおりである。
図1A
図1B
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図6A
図6B
図6C
図6D
図7
図8
図9
図10A
図10B
図10C
図10D
図11A
図11B
図12
図13A
図13B
図13C
図13D
図14A
図14B
図15A
図15B
図15C
図16
図17A
図17B
図17C
図17D
図17E
図17F
図17G
図17H
図17I
図17J
図17K
図17L
図18
図19
図20
図21
図22
【国際調査報告】