(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-16
(54)【発明の名称】ベース要素
(51)【国際特許分類】
A47J 47/16 20060101AFI20220609BHJP
A47B 77/08 20060101ALI20220609BHJP
【FI】
A47J47/16 Z
A47B77/08 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021558023
(86)(22)【出願日】2020-03-18
(85)【翻訳文提出日】2021-09-29
(86)【国際出願番号】 EP2020057453
(87)【国際公開番号】W WO2020212059
(87)【国際公開日】2020-10-22
(31)【優先権主張番号】102019109868.8
(32)【優先日】2019-04-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】504467554
【氏名又は名称】ポール ヘティッヒ ゲーエムベーハー ウント ツェーオー. カーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】特許業務法人 有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】レハーゲ, ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】マッテス, アンドレアス
【テーマコード(参考)】
4B066
【Fターム(参考)】
4B066AA20
4B066AB10
4B066BC09
4B066EE60
(57)【要約】
本発明は、厨房機器用、特に熱い飲料機械用、又は格納コンテナ又は廃棄物コンテナ用のベース要素(2)に関し、ベースパネル(3)と、ベースパネル(3)に対して、少なくとも部分的には同時に回転且つ変位可能である支持パネル(5)を備え、転動体ケージに保持された転動体(61)が案内される走行溝(33、34、53、54)が、ベースパネル(3)と支持パネル(5)の互いに対向する面(31、51)に形成されている。走行溝(33、34、53、54)は、支持パネル(5)を一方向(A)に並進移動させる方法で基本位置から互いに反対方向の最大で160°の回転角度(α)を通って回転させることができる形状である。本発明は更に、厨房機器及び格納コンテナ又は廃棄物コンテナに関する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
厨房機器用、特に熱い飲料の機械用、又は格納コンテナ又は廃棄物コンテナ用のベース要素(2)であって、
ベースパネル(3)と、
ベースパネル(3)に対して、少なくとも部分的には同時に回転可能であり、且つ変位可能である支持パネル(5)を備え、
転動体ケージ(6)に保持された転動体(61)が案内される走行溝(33、34、53、54)が、前記ベースパネル(3)と前記支持パネル(5)の互いに対向する面(31、51)に一体的に形成されたベース要素(2)において、
走行溝(33、34、53、54)は、支持パネル(5)を一方向(A)に並進移動させることができ、且つ基本位置から互いに反対方向の160°までの最大回転角度(α)を通って回転させることができる形状である、ベース要素(2)。
【請求項2】
回転の各方向における最大回転角度(α)が100°から140°の間にある、請求項1に記載のベース要素(2)。
【請求項3】
支持パネル(5)は棚プレート(4)に固定されている、請求項1又は2に記載のベース要素(2)。
【請求項4】
棚プレート(4)は、支持パネル(5)が収容される凹部を有する、請求項3に記載のベース要素(2)。
【請求項5】
前記支持パネル(5)の走行溝(53,54)は閉じた走行溝として形成され、前記ベースプレート(3)の第1の走行溝(33)は開放された走行溝として形成され、前記ベースプレート(3)の第2の走行溝(34)は閉じた走行溝として形成されている、請求項1乃至4の何れかに記載のベース要素(2)。
【請求項6】
転動体ケージ(6)内の転動体が、軸方向に対称な六角形に並べられる、請求項1乃至5の何れかに記載のベース要素(2)。
【請求項7】
前記ベースパネル(3)又は前記支持パネル(5)にスロット(32)が設けられ、該スロット(32)には、前記支持パネル(5)を前記ベースパネル(3)に取り付けるための固定装置(7)のガイド要素(71)が案内され、前記支持パネル(5)は、前記スロット(32)の方向に並進移動可能である、請求項1乃至6の何れかに記載のベース要素(2)。
【請求項8】
本体(91)、前面領域(92)及び少なくとも1つの充填可能な格納ユニット(93)を備え、請求項1乃至7の何れかに記載のベース要素(2)が厨房機器(9)の下側に配置されていることを特徴とする、厨房機器(9)。
【請求項9】
ベース要素(2)の支持パネル(5)が厨房機器(9)の下側に配置される、請求項8に記載の厨房機器。
【請求項10】
厨房機器(9)の下側は、ベース要素(2)の棚プレート(4)上に配置される、請求項8に記載の厨房機器。
【請求項11】
ベース要素(2)の棚プレート(4)が一体的に形成されている、請求項8に記載の厨房機器(9)。
【請求項12】
前記ベース要素(2)の支持パネル(5)が一体的に形成されている、請求項8に記載の厨房機器。
【請求項13】
前記少なくとも1つの充填可能な格納ユニット(93)は、前記本体(91)の後方領域に配置される、請求項8に記載の厨房機器。
【請求項14】
少なくとも1つの格納ユニットを有し、請求項1乃至7の何れかに記載のベース要素(2)が下側に配置される、格納コンテナ又は廃棄物コンテナ。
【請求項15】
家具における請求項8乃至13の何れかに記載の厨房機器の使用、特に家具の前側に対して所定の角度に、特に直角に整列された角度、特に直角に整列された少なくとも1つの側壁(82)と該側壁(82)に接続されたワークトップ(83)を有する厨房ユニットの使用であって、
厨房機器(9)は側壁(82)に接近したワークトップ(83)上に位置して、少なくとも1つの充填可能な格納ユニット(93)が、前記家具の前側から離れた基本位置に配置され、
該格納ユニット(93)は基本位置を出て家具の前側に接近した位置への厨房機器(9)の少なくとも部分的な並進及び回転の同時移動によって移動される、厨房機器の使用。
【請求項16】
家具における請求項14の格納コンテナ又は廃棄物コンテナの使用、特に家具の前側に対して所定の角度に、特に直角に整列された角度、特に直角に整列された少なくとも1つの側壁(82)を有する厨房ユニットの使用であって、
格納コンテナ又は廃棄物コンテナは側壁(82)に接近して位置して、少なくとも1つの格納ユニットが家具の前側から離れた基本位置にて本体の後方領域に位置して、
該格納ユニットは基本位置を出て家具の前側に接近した位置への格納コンテナ又は廃棄物コンテナの少なくとも部分的な並進及び回転の同時移動によって移動される、格納コンテナ又は廃棄物コンテナの使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前文に記載の厨房機器用のベース要素、特に全自動コーヒー機のような熱い飲料の機械用のベース要素、又は格納コンテナ又は廃棄物コンテナ用のベース要素に関する。
【背景技術】
【0002】
全自動コーヒー機のような厨房機器は、多くの場合、厨房機器の棚に置かれている。これらの全自動コーヒー機のサービスフラップ、水又はコーヒー豆容器は、通常、厨房機器の後部に設置される。
【0003】
サービスフラップや水やコーヒー豆容器に完全にアクセスするためには、全自動機を前面に引っ張らなければならず、また、厨房内の好ましくない位置(壁キャビネットを備えた隙間)に置いている場合には、一部回転させなければならず、このような全自動機の重さゆえに多大な労力を必要とする。
【0004】
これらのサービスフラップ又は水又はコーヒー豆容器へのアクセスを容易にするために、一部の厨房機器には、機械の前面領域にできるだけ多くのサービスフラップ又は水又はコーヒー豆容器が配置されている。また、厨房機器にスライドに最適にされた足又は単純なターンテーブルを装備することも知られている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、ほとんど労力をかけずに、サービスフラップ又は水又はコーヒー豆容器への容易なアクセスを保証するベース要素を提供するとともに、このような厨房機器又は格納コンテナ又は廃棄物コンテナを更に開発して、ほとんど労力をかけずにサービスフラップ又は水又はコーヒー豆容器又は格納コンテナ又は廃棄物コンテナへの簡易なアクセスを確保することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的は、請求項1の特徴を有するベース要素、又は請求項8の特徴を有する厨房機器、及び請求項14の特徴を有する格納コンテナ又は廃棄物コンテナによって解決される。
【0007】
厨房機器、特に全自動コーヒー機のための本発明によるベース要素は、ベースパネルと、ベースパネルに対して同時に回転可能かつ変位可能である支持パネルとを備える。ベースパネルと支持パネルの対向面には走行溝が形成されており、該走行溝内にて、転動体ケージに保持された転動体が案内される。
【0008】
ベースパネル又は支持パネルにスロットが配備され、固定装置のガイド要素が案内されて支持パネルをベースパネルに固定することができる。また、スロットは、走行溝の構成及びその結果としての少なくとも部分的に重ね合わされた並進運動及び回転運動に応じて、少なくとも一部が湾曲した形状を有する。
【0009】
走行溝は、支持パネルが基本位置から、並進的に且つ夫々反対の回転方向に160°の最大回転角度を介して、回転することができるように形成されている。
【0010】
このようなベース要素により、このような厨房機器又は格納コンテナ又は廃棄物コンテナの最適な移動経路を実現することができる。ベース要素は、このような厨房機器又はそのような格納コンテナ又は廃棄物コンテナにおける平面構成要素のように、コスト効率的に一体化することができ、又は、このような厨房機器又は格納コンテナ又は廃棄物コンテナの下に設置することができる。
【0011】
基本位置からの2つの反対方向の最大160°の回転が可能であるため、厨房機器の本体の側面又は背面に配置された水、コーヒー豆などのサービスフラップ又は格納ユニットに簡単な方法で到達することができる。
厨房機器の動き(並進と回転を組み合わせた動き)は、手間をかけずに簡便なやり方でベース要素によって可能になっている。
【0012】
本発明の有利な実施形態の変形例は、従属請求項の主題事項である。
有利な実施形態の変形例によれば、各回転方向の回転角度は100°から140°の間である。
【0013】
並進と回転の間の取り得る最善の妥協を表す厨房機器の組み合わせられた動作により、厨房機器を厨房ユニットの隙間又はコーナーに省スペースで配置することができ、必要に応じて容易に移動することができる。特に、これにより、厨房機器の後部に配置されたサービスフラップ又は格納要素又は制御要素に容易にアクセスすることができる。この場合、全体的な動作における並進と回転の割合は、動作の経過とともに変化する可能性がある。
【0014】
更に有利な開発例によれば、この支持パネルは棚プレートに取り付けられ、棚プレートが厨房機器に配置されて、例えば取り付けられる。
また、厨房機器に棚プレートを固定することなく、厨房機器を棚プレートの上に置くことも考えられる。
【0015】
更に有利な実施形態の変形例によれば、棚プレートは、支持パネルが収容される凹部を構成する。これにより、ベース要素は、全体的にさらに平坦に構成されることができる。
本発明によるベース要素の更なる実施形態によると、支持パネルの走行溝は、閉じた走行溝として形成され、一方、ベースパネルの第1の走行溝は、開放された走行溝として形成され、ベースパネルの第2の走行溝は、閉じた走行溝として形成される。
【0016】
これにより、ベースパネルに対する支持パネルの移動の可能性が最適化され、2つの反対の回転方向における少なくとも100°の回転運動が、同時に並進運動を行うことが可能となる。
【0017】
更なる好ましい実施形態によると、転動体ケージは、軸対称の六角形として構成される。即ち、転動体は、軸対称の六角形に配置される。
これにより、厨房機器の重心を支えるための十分なサポートが常に確保される。
【0018】
本発明に係る本体と前方領域と後方領域内に少なくとも1つの充填可能な格納ユニットを有する厨房機器は、上記の如く、厨房機器の下部に配置されたベース要素を特徴とする。
【0019】
好ましい実施形態の変形例では、厨房機器の下側がベース要素の棚プレート上に配置されているため、このようなベース要素を有する厨房機器を簡易な方法で据え付けることができる。或いは、厨房機器は、ベース要素の棚プレートを一体的に備えることができる。
【0020】
代替の実施形態の変形例によれば、ベース要素の支持パネルは、厨房機器の下側に取り付けられる。或いは、厨房機器は、ベース要素の支持パネルを一体的に備えることができる。
【0021】
代わりに、本発明に係るベース要素を、少なくとも1つの格納ユニットを備えた格納コンテナ又は廃棄物コンテナに適用することもできる。
適切な格納コンテナ又は廃棄物コンテナは、しばしば、厨房内のコーナーや隙間に設置されるか、あるいは家具の一部に設置されるため、格納コンテナの後方へのアクセスが困難である。
本発明に係るベース要素を用いることにより、必要であれば、格納コンテナ又は廃棄物コンテナは、並進・回転を組み合わせた形で移動することができ、所望の格納ユニットの後方への良好なアクセスが可能になる。
【0022】
この場合、格納コンテナ又は廃棄物コンテナは、その下側がベース要素の棚プレート上に配置され、又はベース要素の支持パネル上に配置することができる。
或いは、格納コンテナ又は廃棄物コンテナは、支持パネルと一体的に形成することもできるし、又はベース要素の棚プレートと一体的に形成することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
好ましい実施形態の変形例は、添付の図面を参考にして、以下より詳細に説明されている。
【
図1】本発明に係るベース要素の一実施形態の変形例の概略斜視図である。
【
図2】厨房機器がその上に配置された家具の概略斜視図を示し、厨房機器は
図1に基づいてベース要素を基部にて基本位置に配置している。
【
図3】
図2に対応した家具要素を前進位置で表し、第1の回転方向に約120°回転している。
【
図4】
図2に対応する家具要素を前進位置で表し、第1の回転方向と反対方向に約120°回転している。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下の図の説明において、上部、下部、左、右、前部、後部等の用語は、夫々の図において選択されるベース要素、本体、走行溝、ベースパネル、転動体等の例示的な表現及び位置のみを指す。これらの用語は、限定的に理解されるものではない。即ち、これらの引用は、異なる作業上の位置又はミラー対称構成等によって変化する可能性がある。
【0025】
図1において、符号2は、本発明に係るベース要素の一実施形態の変形例を示す。ベース要素2は、少なくとも1つのベースパネル3と、該ベースパネル3に対して同時に回転可能且つ変位可能となるように配置された支持パネル5とを有する。
【0026】
ここに示す実施形態の変形例では、ベース要素2はまた、棚プレート4を備え、該棚プレート4は支持パネル5が収容可能な凹部42を有する。これにより、ベース要素2の全体的な厚さは僅かに増加する。
支持パネル5とは反対を向いている棚プレート4の上側43は、厨房機器の下側に取り付けられる。
【0027】
また、このような厨房機器を棚プレート4の上側43に配置することも考えられるので、厨房機器は、長尺の摩擦嵌め合い方式で棚プレート4の上に立っており、棚プレート4及び支持パネル5と一緒にベースパネル3に対して移動させることができる。この場合、棚プレート4は、少なくとも部分的に上方に突き抜けているエッジ又はスリップ防止の上側43を備えて、厨房機器を確実に収容することができる。
【0028】
図1にさらに示すように、ベースパネル3と支持パネル5の互いに対向する面31、51には、走行溝33、34、53、54が一体的に形成されている。転動体61は、これらの走行溝33,34,53,54に案内されて、転動体ケージ6に係留されている。
ここでの転動体ケージ6は六角形の形を有し、一対の等しい長さの側部を備え、すなわち、転動体は、軸上に対称な六角形に並べられている。走行溝の配置及び構成に応じて、転動体ケージ6は、異なる幾何学的形状及び異なる数の転動体61を有することができる。
【0029】
ベースパネル3にスロット32が設けられており、このスロット32の中では、固定装置7のガイド要素71が案内されて、支持パネル5をベースパネル3に取り付ける。
ここでガイドブッシュとして構成されたガイド要素71に加えて、固定装置7はボルト72を有し、該ボルト72は棚プレート4の下面41に対して載置され、支持パネル5の孔52を通して突出し、例えばネジ螺合によってガイド要素71に固定される。
【0030】
走行溝33、34、53、54は、ここでは、支持パネル5をスロット32の方向に並進するように回転させることができ、
図2に示す基本位置から最大160°の回転角度αを介して、
図3及び
図4に示すように、反対の回転方向に回転させることができるように形成されている。
回転角度αは、各回転方向での100°と140°の間の最大回転角度に限定するのが望ましい。ここに示す実施形態の変形例では、各回転方向における最大回転角度αは、約120°であることが好ましい。走行溝33、34、53、54は、円周方向には形成されず、最大の許容回転角度αを実現するためにピッチ円のみを表す。ピッチ円の大きさに応じて、最大の回転角度αを大きくしたり小さくしたりすることができる。
【0031】
回転運動と同時に、支持パネル5の重心を確実に支持し、支持パネル5又は棚プレート4に立つ厨房機器の重心を確実に支持するため、支持パネル5の走行溝は閉じた走行溝として設計され、ベースパネル3の第1の走行溝33は開放した走行溝として設計され、ベースパネル3の第2の走行溝34は閉じた走行溝として構成されている。
ここで「閉じた」とは、走行溝がベースパネル3の外縁を横切らないことを意味する。
【0032】
また、実施形態の例では、支持パネル5の走行溝53、54が支持パネル5内で同心円状又はほぼ同心円状に配置されているのに対して、ベースパネル3の走行溝33、34はベースパネルの一隅からベースパネル3の直上半分まで延びていることが分かる。
この構成により、並進移動と回転移動との間で取り得る最善の妥協を達成することができ、厨房機器を省スペースで厨房ユニットの隙間又はコーナーに配置でき、必要に応じて容易に移動できる。
【0033】
走行溝33、34、53、54をこのように配置することにより、全体の動きの間に、厨房機器がコーナーの背壁や側壁に接触したり、隙間に接触したりしないようにする。
このようなベース要素2は、ここに全自動コーヒー機として構成された厨房機器9の下側に配置される。
【0034】
図2に見られるように、厨房機器9はここでは、ベース要素2の棚プレート4に置かれる。ベースパネル3は、ここで厨房ユニットとして構成された家具8のワークトップ83に位置する。家具8は、厨房ルームの部屋壁に配置することができる。
ワークトップ83は、後壁81及び側壁82によって2つの側面から囲まれており、これらはワークトップ83及び後壁81に対して垂直に整列されている。後壁81又は側壁82は、厨房空間の部屋壁の一部によって形成することもできる。
【0035】
厨房機器9は、その基本的な位置に位置して、家具8の側壁82に側壁を閉じた状態、又は緊密な状態に位置する。
この文脈において、家具8の側壁82に近い厨房機器の位置とは、例えば、平面視で丸いのではなく長方形である横断面を有する厨房機器の単なる回転移動が、その回転移動中に側壁との衝突につながるような位置と理解される。
【0036】
厨房機器9は本体91を有し、該本体91は前方領域92と本体91の側部後方領域内の2つの格納ユニット93を備える。
厨房機器9のこの格納ユニット93に便利な方法で、しかもあまり手間をかけずにアクセスするために、厨房機器9は、単にA方向に前方に引っ張り、基本的に同時に横方向に回すだけで移動され、例えば
図3に示す位置に移動され、該位置は厨房機器9が約120°だけ僅かに前方及び反時計回りに回された位置である。
【0037】
図4は、家具8内にて回転させた厨房機器9の対応図を示し、時計回りに約120°回転させている。これにより、厨房機器9の正面側から見て右側の格納ユニット93に、便宜的にアクセスできる。
最大の回転角度αを160°に制限すると、厨房機器の後方に位置する少なくとも1本の電源ケーブルがソケットから引き出されず、開始位置に戻るときにケーブルによる動きの妨げがないことが保証される。
本発明の意味における厨房機器は、好ましいと言及されている温い飲料の機器に加えて、食品及び/又は飲料の処理又は備蓄に使用される他の器具又は機器を含むものと理解される。
【0038】
従って、家具における厨房機器の使用、特に少なくとも1つの側壁が、家具の前側に対して角度を持って整列し、特に直角に整列した少なくとも1つの側壁と、側壁82に接続されたワークトップ83を有する厨房ユニットの使用は、上述のベース要素を取り付けるか、又は一体化することによって可能になり、厨房機器9は少なくとも1つの格納ユニットが、家具の前面から離れた基本位置にて、本体の後部領域に配置されるように、側壁82に近い調理台83上に設置される。
それによって可能になる厨房機器の少なくとも部分的に同時に起こる並進及び回転運動により、基本位置から家具の前側に近い位置への移動が確実になる。
【0039】
少なくとも1つの格納貯蔵庫又は廃棄物貯蔵庫を有する格納コンテナ又は廃棄物コンテナもまた、本発明に係るベース要素に対する有用な適用例である。
これにより、家具におけるこのような格納コンテナ又は廃棄物コンテナの使用、特に家具の前側に対して所定の角度、特に直角に整列した少なくとも1つの側壁を有する厨房ユニットの使用は、上記のベース要素を取り付け又は統合することにより可能となり、格納コンテナ又は廃棄物コンテナは側壁82に接近して位置し、少なくとも1つの格納コンテナ又は廃棄物コンテナは家具の前側から離れた基本位置にて本体の後方領域に位置する。
格納コンテナ又は廃棄物コンテナの並進移動及び回転移動を少なくとも部分的に同時に行うことにより、基本位置から家具の前面に近い位置への移動を確実にすることができる。
【符号の説明】
【0040】
符号のリスト
2 ベース要素
3 ベースパネル
31 領域
32 スロット
33 走行溝
34 走行溝
4 棚プレート
41 下側
42 凹部
43 上側
5 支持パネル
51 領域
52 孔
53 走行溝
54 走行溝
6 転動体ケージ
61 転動体
7 固定装置
71 ガイド要素
72 ボルト
8 家具
81 後壁
82 側壁
83 ワークトップ
9 厨房機器
91 本体
92 前面領域
93 格納ユニット
A 方向
α 回転角度
【国際調査報告】