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特表2022-528870圧縮機の電子制御装置、圧縮機および冷却装置
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  • 特表-圧縮機の電子制御装置、圧縮機および冷却装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-16
(54)【発明の名称】圧縮機の電子制御装置、圧縮機および冷却装置
(51)【国際特許分類】
   F04B 39/00 20060101AFI20220609BHJP
   H05K 7/20 20060101ALI20220609BHJP
   H05K 1/14 20060101ALI20220609BHJP
   H02M 7/48 20070101ALI20220609BHJP
【FI】
F04B39/00 106Z
H05K7/20 B
H05K7/20 F
H05K1/14 D
H02M7/48 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2021558684
(86)(22)【出願日】2020-03-09
(85)【翻訳文提出日】2021-10-15
(86)【国際出願番号】 BR2020050074
(87)【国際公開番号】W WO2020198825
(87)【国際公開日】2020-10-08
(31)【優先権主張番号】BR102019006685-7
(32)【優先日】2019-04-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】BR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519115130
【氏名又は名称】エンブラコ インドゥストリア デ コンプレッソレス エー ソリューションズ エン レフリジラサン リミターダ
(74)【代理人】
【識別番号】100109380
【弁理士】
【氏名又は名称】小西 恵
(74)【代理人】
【識別番号】100109036
【弁理士】
【氏名又は名称】永岡 重幸
(72)【発明者】
【氏名】ステイン,フェリペ ギエルメ
(72)【発明者】
【氏名】グルニツキー ファッキネロ,ガブリエル
(72)【発明者】
【氏名】サミストラロ,ロベルト ジェラルド
(72)【発明者】
【氏名】サントス,マルセロ アレッサンドロ
【テーマコード(参考)】
3H003
5E322
5E344
5H770
【Fターム(参考)】
3H003AA01
3H003AC01
3H003BE01
3H003CF01
5E322AA03
5E322AB02
5E322FA06
5E344AA01
5E344AA08
5E344AA12
5E344AA28
5E344BB01
5E344BB06
5E344CD09
5E344DD02
5E344EE02
5E344EE12
5H770AA21
5H770BA05
5H770PA01
5H770PA26
5H770PA28
5H770QA01
5H770QA02
5H770QA21
5H770QA28
5H770QA33
(57)【要約】
【課題】
【解決手段】本発明は、圧縮機(2)の電子制御装置(1)に関する。電子制御装置(1)は、筐体(3)内に配置されており、少なくとも1つの補助基板(5,6,7)に関連付けられた主基板(4)を備える。補助基板(5,6,7)の1つは発熱基板(7)であり、発熱基板(7)は、筐体の第1の壁(P)に対して第1の距離(D)離れて配置され、他の補助基板(5,6)は、筐体の第1の壁(P)に対して少なくとも第2の距離(D,D)離れて配置されている。第1の距離(D)は第2の距離(D)より小さい。圧縮機(2)と冷却装置も開示されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮機(2)の電子制御装置(1)であって、筐体(3)内に配置されており、
少なくとも1つの補助基板(5,6,7)に関連付けられた主基板(4)を備え、
補助基板(5,6,7)の1つは発熱基板(7)であり、
発熱基板(7)は、筐体の第1の壁(P)に対して第1の距離(D)離れて配置され、
他の補助基板(5,6)は、筐体の第1の壁(P)に対して少なくとも第2の距離(D,D)離れて配置され、
第1の距離(D)は第2の距離(D)より小さいことを特徴とする電子制御装置(1)。
【請求項2】
補助基板(5,6,7)と主基板(4)の関連付けが、半田付けプロセスによって行われることを特徴とする
請求項1に記載の電子制御装置(1)。
【請求項3】
補助基板(5,6,7)と主基板(4)の各々は、動作面(4a,5a,6a,7a)と(配線面4b,5b,6b,7b)を備え、発熱基板(7)の動作面(7a)が筐体の第1の壁(P)に対面しており、他の補助基板(5,6)の動作面(5a,6a)が筐体の第2の壁(P)に対面しており、第1の壁(P)は第2の壁(P)と反対側にあることを特徴とする
請求項2に記載の電子制御装置(1)。
【請求項4】
補助基板(5,6,7)と主基板(4)に関する動作面(4a,5a,6a,7a)が基板(4,5,6,7)の電子部品(8)の大半を備えることを特徴とする
請求項3に記載の電子制御装置(1)。
【請求項5】
補助基板(5,6,7)は、電源ブロックとして構成された第1の補助基板(5)、制御ブロックとして構成された第2の補助基板(6)、およびブロックインバーターとして構成された第3の補助基板(7)からなり、第3の補助基板(7)が発熱基板(5)であることを特徴とする
請求項4に記載の電子制御装置(1)。
【請求項6】
補助基板(5,6,7)の各々が主基板(4)に対して並列的に配置されていることを特徴とする
請求項5に記載の電子制御装置(1)。
【請求項7】
補助基板(5,6,7)の少なくとも1つが主基板(4)に対して垂直に配置されていることを特徴とする
請求項6に記載の電子制御装置(1)。
【請求項8】
主基板(4)の動作面(4a)が筐体の第3の壁(P3)に対面しており、第3の壁(P)は、筐体の第1の壁(P)および第2の壁(P)に隣接していることを特徴とする
請求項8に記載の電子制御装置(1)。
【請求項9】
主基板(4)の動作面(4a)がさらに圧縮機(2)に対面していることを特徴とする
請求項8に記載の電子制御装置(1)。
【請求項10】
第2の補助基板の動作面(6a)が第1の補助基板の配線面(5b)に対面しており、第2の補助基板の配線面(6b)が第3の補助基板の配線面(7b)に対面していることを特徴とする
請求項9に記載の電子制御装置(1)。
【請求項11】
発熱基板(7)の動作面(7a)がさらに導電性接着剤(9)を備え、導電性接着剤は放熱器(10)に関連付けられていることを特徴とする
請求項10に記載の電子制御装置(1)。
【請求項12】
半田付けプロセスは、ウェーブ半田付けプロセスであることを特徴とする
請求項11に記載の電子制御装置(1)。
【請求項13】
冷却装置の圧縮機(2)であって、圧縮機(2)は電子制御装置(1)を備え、電子制御装置(1)は、
少なくとも1つの補助基板(5,6,7)に関連付けられた主基板(4)を備え、
補助基板(5,6,7)の1つは発熱基板(7)であり、
発熱基板(7)は、筐体の第1の壁(P)に対して第1の距離(D)離れて配置され、
他の補助基板(5,6)は、筐体の第1の壁(P)に対して少なくとも第2の距離(D,D)離れて配置され、
第1の距離(D)は第2の距離(D)より小さいことを特徴とする圧縮機(2)。
【請求項14】
電子制御装置(1)を備える冷却装置であって、電子制御装置(1)は、
少なくとも1つの補助基板(5,6,7)に関連付けられた主基板(4)を備え、
補助基板(5,6,7)の1つは発熱基板(7)であり、
発熱基板(7)は、筐体の第1の壁(P)に対して第1の距離(D)離れて配置され、
他の補助基板(5,6)は、筐体の第1の壁(P)に対して少なくとも第2の距離(D,D)離れて配置され、
第1の距離(D)は第2の距離(D)より小さいことを特徴とする冷却装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧縮機の電子制御装置(electronic control)に関するものであり、より具体的には、コンパクトな電子制御装置と、効率的な熱放散を可能にするその電子制御装置の部品の配置に関する。また、圧縮機と冷却装置も対象となる。
【背景技術】
【0002】
電子制御装置は、現状の技術水準において、一般的に冷却装置に適用される圧縮機の制御に使用されている。例えば、可変容量型の圧縮機では、電子制御装置は、一般的には、圧縮機モーターの回転速度を変更するためのコマンドを送信する役割を担い、その結果、冷却装置の温度を制御することを可能にする。
【0003】
現状の技術水準では、電子制御装置と圧縮機を組み立てるための十分なスペースがないことが問題となっていた。そのため、効率と信頼性が損なわれないことを条件に、小規模のセット(電子制御装置と圧縮機)が常に求められている。
【0004】
スペースが狭くなるだけでなく、圧縮機とその電子制御装置の両方から熱が発生することに関する問題もある。
【0005】
冷却装置に使用される圧縮機の動作中には、当該圧縮機が加熱される傾向があることが知られており、熱の発生は、圧縮機の電子制御装置自体の動作を悪化させ、その部品(温度に敏感なもの)の効率と信頼性を低下させる可能性がある。
【0006】
同様に、圧縮機の電子制御装置自体も、その動作中に熱を発生させる傾向があり、そのエネルギーが温度に敏感な部品に吸収され、また電子制御装置の動作を損なうことになる。
【0007】
したがって、現状の技術水準では、効率的な熱特性を持つコンパクトな電子制御装置の需要が継続している。
【0008】
本発明に関連する現状の技術水準から、圧縮機に適用される電子制御装置は、通常、2つ以上の層を備えた単一のプリント回路基板で形成され、これらの層に電子部品が配置されていることが知られている。
【0009】
現状の技術水準では、先行技術、米国特許出願公開第2018/0287466号に記載されているように、電子制御装置が補助基板に取り付けられた主基板によって形成された刊行物も開示されている。米国特許出願公開第2018/0287466号には、電動モーターを制御するのに適した回路が記載されている。おそらく、提案された回路をコンパクトにする試みでは、前記先行技術は、主基板に取り付けられた「ドーター(daughter)」電子基板を利用しており、前記取り付けは、そのための基準スロットを使用した筐体によって行われる。
【0010】
前記先行技術では、電子基板と電動モーターのセットの熱効率を向上させる手段を露出させることで、電子回路に関連する電動モーターの動作を大きく損なうという誤りがあった。
【0011】
また、前記先行技術では、主基板に対するドーター基板と呼ばれる物の配置形態、および各基板の電子部品の配置に関する配慮がなされていない。
【0012】
本発明の教示から理解されるように、電子制御装置とその部品の配置形態は、その圧縮効率と熱効率に重要である。
【0013】
また、現状の技術水準は、インバーター(電子制御装置)の回路が圧縮機のシェルの内部に配置されている圧縮機を記載している先行技術、欧州特許出願公開第1,617,081号を開示する。
【0014】
前記欧州の先行技術では、圧縮機がそのシェル内にインバーターを搭載しやすいように、つまり圧縮機のシェル内にインバーターが気密に配置されるように説明に重点を置いている。
【0015】
一方、欧州特許出願公開第1,617,081号には、インバーターの基板の配置に関連する特性、および放熱に関する問題を克服するための形態が記載されており、これらの問題は、欧州特許出願公開第1,617,081号のように圧縮機のシェル内にインバーターを配置することを目的としている場合に確実に発生する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明は、現状の技術水準の問題点を解決するために、基板の配置が適切な小型化および効率的な放熱を可能にする電子制御装置によって問題を克服することを意図している。
【0017】
より具体的には、本発明は、熱的に最も敏感な部品が、より多くの熱を発生する部品から避けられており、したがって、電子制御装置の効率および信頼性が損なわれない、電子制御装置を提供示する。
【0018】
また、本発明で提案する電子制御装置は、主基板に関連付けされた補助基板を利用するものであり、補助基板と主基板との間に提案する関連付けの形態は、本発明の対象である電子制御装置の小型化を高めるものである。
【0019】
本発明の教示から得られる利点は、本明細書の途中で詳細に説明される。
【0020】
本発明の目的は、主電子基板と少なくとも補助電子基板とによって形成されている、圧縮機の電子制御装置を提供することにある。
【0021】
本発明の他の目的は、電子制御装置の発熱部品を温度に敏感な部品から離して配置することができる電子制御装置を提供することである。
【0022】
本発明のさらなる目的は、電子基板の1つが発熱部品の大部分を集中させる基板であって、電子制御装置における発熱基板の配置により、当該基板で発生した熱の放散を改善することができる電子制御装置を提供することにある。
【0023】
また、本発明の目的は、発熱基板が筐体の壁に対して第1の距離離れて配置され、他の補助基板がこの同じ壁から第2の距離離れて配置され、第1の距離が第2の距離よりも小さい電子制御装置を提供することである。
【0024】
本発明のさらなる目的は、発熱基板の動作面が筐体の第1の壁に(向かって)対面しており、他の補助基板の動作面が筐体の第2の壁に対面しており、第1の壁が第2の壁と反対側にある電子制御装置を提供することにある。
【0025】
また、本発明の目的は、主基板と3つの補助基板を備えた電子制御装置を提供することである。
【0026】
本発明の他の目的は、補助基板の主基板への関連付けが、半田付けプロセスによって行われる電子制御装置を提供することである。
【0027】
本発明のさらなる目的は、圧縮機および冷却装置を提供することであり、圧縮機は、本発明で限定された電子制御装置を有する。
【0028】
本発明のさらなる目的は、本発明で提案した電子制御装置を備えた冷却装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0029】
本発明の目的は、圧縮機の電子制御装置によって達成され、この電子制御装置は、筐体に配置され、少なくとも1つの補助基板に関連付けられた主基板を備え、補助基板の1つは発熱基板であり、発熱基板は、筐体の第1の壁に対して第1の距離離れて配置されている。この第1の壁は、電子制御装置の最終的な使用位置を考慮して、筐体の上部に関連しており、他の補助基板は、筐体の第1の壁に対して少なくとも第2の距離離れて配置されており、第1の距離は第2の距離よりも小さい。
【図面の簡単な説明】
【0030】
以下、本発明を、図面に表された例示的な実施形態に基づいて、より詳細に説明する。
図1】本発明で提案する電子制御装置の図であって、主基板と補助基板を示す。
図2】圧縮機の筐体に配置された本発明で提案する電子制御装置の破断図である。
図3】筐体の内部に配置された本発明で提案する電子制御装置の破断図である。
図4】筐体の内部に配置された本発明で提案する電子制御装置の追加の破断図である。
図5】本発明で提案された電子制御装置をパッケージ化するために使用される筐体の斜視強調図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本発明について、まず図1から図5から理解されるように、電子制御装置(electronic control)1について説明する。
【0032】
本発明の完全に有効な実施形態では、電子制御装置1は、圧縮機2の制御に適用することができ、より具体的には、電子制御装置1は、圧縮機2の電動モーターの速度を制御するために使用することができる。
【0033】
いずれにしても、電子制御装置1を圧縮機2の制御に適用することは、本発明の限定的な特徴と考えるべきではなく、ここで提案する電子制御装置1は、一般的なモーターの制御や、圧縮機と冷蔵庫の統合制御など、他の様々な用途に使用できる可能性が非常に高いことを強調する。
【0034】
本発明の有効な実施形態において、図1および図2を参照すると、電子制御装置1は、冷却装置に適用される圧縮機2の制御に使用される。ここで、冷却装置とは、家庭用および/または商業用のあらゆる冷蔵庫および/または冷凍庫、ならびに家庭用、住宅用、ポータブル用、および自動車に適用されるあらゆる空調装置であると理解される。
【0035】
いずれにしても、本発明の教示を冷却装置に適用することは、本発明の限定的な特徴と考えるべきではない。
【0036】
電子制御装置1を適切に梱包・保護するために、図2および図3に表されているように、電子制御装置1を筐体(encasement)3の中に配置することを提案する。
【0037】
当該図における筐体3の図示は、本発明の限定的な特徴と考えるべきではないことを強調する。筐体3は電子制御装置1を保護することができるあらゆる部品でよいと理解されるべきであり、また筐体3は、プラスチックボックス、金属ボックス、いかなるタイプのキャビネット、圧縮機のシェルそのものなど、制御装置1を収容するためのいかなる場所でもよいと理解することができる。
【0038】
図2および図3に示された本発明のこの実施形態では、筐体3は、側壁P,P,P,Pを持つ長方形の箱として理解することができ、電子制御装置1は、当該筐体3の内側の領域に配置されている。
【0039】
図1から図4を参照すると、本発明は、電子制御装置1を電子基板4(主基板4)と、少なくとも補助基板5(補助電子基板5)から形成されていることを提案する。
【0040】
本発明のこの実施形態は、図1から4に表されているように、3つの補助基板5,6,7を使用することを提案する。本発明において言及されている補助基板の量は、本明細書で提案されている教示の限定的な特性として考えられるべきではないことを強調する。任意の量の補助基板を使用することができる。
【0041】
補助電子基板5,6,7は、それぞれ、第1の補助基板5、第2の補助基板6、第3の補助基板7として理解することができる。
【0042】
また、主基板4および補助基板5,6,7の各々は、動作面(operation face)4a,5a,6a,7aと、配線面(track face)4b,5b,6b,7bを備えることが理解される。
【0043】
図1および図3を具体的に参照すると、基板4,5,6,7の動作面4a,5a,6a,7aは、電子部品8(キャパシター、抵抗、ダイオード、トランジスター、バリスターなど)のほとんどが配置されている電子基板の面であると理解すべきである。「ほとんどの電子部品8」は、当該基板の反対側の面と比較して、基板4,5,6,7の面がより多くの量の電子部品を備えるとして理解されるべきである。
【0044】
さて、図3は、電子基板4,5,6,7の各々の動作面4a,5a,6a,7aを目立たせている。
【0045】
配線面4b,5b,6b,7bは、動作面4a,5a,6a,7aの反対側の面と理解すべきであるから、配線面4b,5b,6b,7bは、基板の導電性配線(conducting tracks)の大部分を備える面と理解することができる。いずれにしても、配線面4b,5b,6b,7bは、その表面にいくつかの電子部品8を含んでいてもよいことを強調する。
【0046】
一般に、動作面4a,5a,6a,7aは、電子部品8を収容するために好ましく使用される面であると理解することができ、配線面4b,5b,6b,7bは、導電性配線を配置するために好ましい面であると理解することができ、配線面4b,5b,6b,7bは、電子部品8を収容することもできる。
【0047】
さらに、ある電子部品8が半田付けプロセスによって主基板4に固定されていることを考慮すると、配線面4bは、半田付け箇所が見える面として理解することができる。
【0048】
一般的に、配線面は、ほとんどの電子部品8を備える面の反対側の面として理解されるべきである。
【0049】
この意味で、図3は、本発明で提案する電子制御装置1を構成する電子基板4,5,6,7の各々の配線面4b,5b,6b,7bを示している。
【0050】
上述の教示から、図1は、主電子基板4および補助基板5,6の動作面4a,5a,6aを可視化することができるとともに、第3の補助電子基板7の配線面7bを可視化することができることが理解される。
【0051】
本発明で提案する電子制御装置1の重要な特徴は、補助基板5,6,7に加えて主電子基板4の配置にある。より具体的には、主基板4ならびに補助基板5,6,7の各々が電子制御装置のある動作ブロックを表し、各動作ブロックは、当該ブロックの動作に必要な特定の電子部品を備えることにある。
【0052】
さらに、先に詳述したように、補助基板5,6,7と主基板4(およびその動作ブロック)の配置場所および配置も、本発明の重要な特徴に関する。
【0053】
主電子基板4は、マザーボードと理解することができる。マザーボードには、電子制御装置1のすべてのPTH(ピン・スルー・ホール)部品、つまり電子部品8が集中する。すなわち電子部品8の端子が電子基板4の孔(オリフィス)に挿入され、その後、例えば、半田付けによって固定されている。
【0054】
本発明のこの実施形態では、電子基板4は、明らかに補助基板5,6,7も備える以外に、コネクター、EMCフィルター、ヒューズ、整流ダイオード、バスバーキャパシター、ケーブル、ジャンパーといった電子部品8を備える。
【0055】
したがって、主基板4は、実装ブロックとして理解することができ、このブロックは、前述したように、電子制御装置1のPTH部品を集中させる役割を担う。
【0056】
同様に、本発明は、第1補助電子基板5を電源ブロックとして構成することを提案しており、より具体的には、電子基板5は、SMPS(switched mode power supply)基板として理解することができ、したがって、製品の他の基板に低電圧の電力を供給する役割を担う。
【0057】
したがって、本発明の構成では、補助電子基板5は、集積型SMPS回路、インダクター、電圧レギュレーター、キャパシター、ダイオード、および抵抗といった電子部品8を備える。
【0058】
提案されているように、第1の補助基板5を電源ブロックとして構成すると、所望の用途の種類ごとに、所望の効率を有する補助基板5を使用できるように、異なる効率を有する様々な補助基板5を設計することが完全に可能である。
【0059】
したがって、電子制御装置1の効率を変える必要がある場合には、主基板4または他の補助基板6,7に手を加えず、補助基板5だけを交換する可能性がある。
【0060】
上述したものと同様に、第2の補助基板6は、電子制御装置1の制御ブロックを表している。より具体的には、補助基板6には、光通信カプラー、マイクロプロセッサー、マイクロコントローラーおよびその周辺装置が集中している。
【0061】
したがって、電子制御装置1のマイクロコントローラー/マイクロプロセッサーを変更することが望ましい場合には、新しい補助基板6のみを設計することが可能であり、したがって、制御装置1の他の基板には影響を与えないことになる。同様に、修理や交換の必要性が生じた場合には、第2の基板6のみを交換することが可能であり、結果的に関連するコストを大幅に削減することができる。
【0062】
第3の補助基板7は、ブロックインバーターとして機能し、当該基板7は、圧縮機2の電動モーターの駆動を担う電子キーを備えるとともに、電子制御装置1のドライバーと周辺回路を備える。
【0063】
したがって、圧縮機2の電動モーターの動作に必要な部品を効果的に集中させるために、ブロックインバーター(第3の基板7)は、電子制御装置1の中で最も発熱するものと理解される。換言すれば、電子制御装置1の他の基板(主基板4および補助基板5,6)と比較した場合、第3の補助基板7は、(本質的に電子キーの動作から来る)最も熱を発生するものであり、熱を発生する基板と理解することができる。
【0064】
したがって、発熱基板7は、電子制御装置1の中で最も発熱する基板であると理解すべきである。
【0065】
電子制御装置1において最も発熱するのがブロックインバーター(第3の補助基板7)であることを考えると、補助基板5,6,7の配置・配列は、本発明で提案された電子制御装置1において重要な特徴を想定している。
【0066】
具体的には、電子制御装置1のための最良の熱性能を考慮して、本発明のこの実施形態は、発熱基板7を制御装置1の他の構成部品、特に温度に最も敏感な構成部品から離すことを提案する。本発明の実施形態において、温度に最も敏感な部品は、図3に表されるように、主基板4に配置されたバスバーキャパシター80、第1の補助基板5に配置されたキャパシター80’、および第2の補助基板6に配置されたマイクロプロセッサー80”として理解することができる。
【0067】
図2、3、4は、本発明の教示を考慮して電子制御装置1を配置するための有効な配置を示している。図2は、圧縮機2に対する制御装置1の有効な配置を示している。なぜなら、図3および4は、図2に表示された配置形態を考慮しつつ、電子制御1のみを示すからである。
【0068】
既に説明したように、図2の示すところによれば、電子制御装置1が筐体3に配置され、その筐体が圧縮機2に取り付けられることが提案されている。この図に表された実施形態では、電子制御装置1が圧縮機2の隣に配置されており、主基板4が鉛直に(その動作面4aを圧縮機2に向けて)配置されるようになっていることに留意すべきであるが、その他の配置も十分に許容されるであろう。
【0069】
本発明に記載された電子制御装置1に重要な熱的利点を提供するために、制御装置1で最も熱を発生する基板、すなわち第3の補助基板7を電子制御装置1の他の基板から離すことが提案されている。
【0070】
したがって、本発明は、発熱基板7が筐体の第1の壁Pに対して第1の距離D離れて配置されることを提案する(図4を参照)。したがって、他の補助基板5および6は、それぞれ、同じ壁Pに対して第2の距離Dおよび第3の距離D離れて配置されなければならない。
【0071】
図4に示すように、第1の距離Dが第2及び第3の距離D,Dよりも小さいこと、すなわち、発熱基板7が他の補助基板5,6よりも第1の壁Pに近いことが提案されている。
【0072】
本明細書で提案する電子制御装置1のもう一つの重要な特徴として、主に第3の補助基板7で発生する熱の効率的な放熱を考慮して、図3に表したように、発熱基板7の動作面7aが筐体の第1の壁Pに対面することが提案されている。
【0073】
「対面」とは、図3および図4に表したように、発熱基板7の動作面7aが第1の壁Pの方を向くことを意味する。
【0074】
同様に、やはり図3および図4を参照すると、補助基板5および6は、当該基板の動作面5a、6aが筐体の第2の壁Pに対面するように配置されることが好ましい。図3に表されているように、第1の壁Pは第2の壁Pの反対側にある。
【0075】
より具体的には、やはり図3を参照すると、第2の補助基板6の動作面6aは第1の補助基板5の配線面5bに対面しており、第2の補助基板6の配線面6bは発熱基板7の配線面7bに対面していることに注意すべきである。
【0076】
この配置形態により、主基板4に配置されたバスバー電解キャパシター80、補助基板6に配置されたマイクロプロセッサー80”、および補助基板5に配置された電解キャパシター80’などの熱的に最も敏感な部品が、第3の補助基板7によって発生する熱からの干渉を著しく受けないことが保証され、電子制御装置1の効率および信頼性が向上する。
【0077】
さらに、電子制御装置1に提案されている配置に関連して、図3および図4に示されているように、主基板4の動作面4aは、筐体の第3の壁Pに対面することに注意すべきである。第3の壁Pは、第1の壁Pおよび第2の壁Pに隣接する。より具体的には、図2の示すところに基づいて、マザーボード(主基板)の動作面4aが、圧縮機2の側面部に対面することに注目すべきである。
【0078】
上述のように、圧縮機本体に対して横方向の平面上にマザーボード4の電子部品8を配置することで、対流を介した環境との熱交換が妨げられ、結果的に電子制御装置1の動作を促進することができる。なぜなら、主基板4は、温度に最も敏感な部品8の1つ(バスバーキャパシター80)を備えるからである。
【0079】
したがって、提案された配置は、発熱基板7から主基板4に配置されている熱的に最も敏感な部品を遠ざけることになる。言い換えれば、当該配置では、補助基板5および6がシールドとして機能し、主電子基板4に配置されている熱的に最も敏感な部品を保護する。
【0080】
さらに、発熱基板7の動作面7aが第1の壁Pに面するように配置するという当該提案は、最終的にはシステムの熱効率を向上させる。限定されないが、第1の壁Pは、電子制御装置1を格納する筐体3の上壁と理解すべきであり、電子制御装置1と筐体3は最終的な使用位置に取り付けられている。この最終的な使用位置は、図2に示されている。
【0081】
この意味で、また、電子制御装置1の放熱に関連する特性をさらに高める観点から、図5に表したように、筐体3の第1の壁Pが放熱器10を備えることが提案される。
【0082】
一般的に、放熱器10は、アルミニウムなどの金属材料で製造された基板として理解することができ、その目的は、第3の補助基板7で発生した熱を直接環境に伝えることである。
【0083】
1つの構成では、筐体の壁(第1の壁P)そのものが放熱器10を構成することができるので、壁Pそのものが金属材料で製造されることができ、その結果、放熱器10として機能することが理解される。他の完全に有効な構成では、放熱器10は、第1の壁Pに取り付けることができ、当該壁は、ポリマー材料などの任意の材料で製造することができる。
【0084】
さらに、図4を参照すると、電子制御装置1が、発熱基板7の動作面7aに取り付けられた導電性接着剤9をさらに備えることが提案される。具体的には、導電性接着剤9は、補助基板7の構成部品で発生した熱を対流によって放熱器10に伝達する役割を果たし、その後、対流および照射によって熱が環境に放散されるようになっている。
【0085】
図4に表されているような導電性接着剤9の形態および配置部位は、本発明の限定的な特徴を表すべきではないことを強調する。
【0086】
本発明の限定されない特徴では、補助基板5,6,7と主基板4との取り付けが、半田付けプロセスによって行われることが提案される。好ましくは、この取り付けは、十分な機械的応力と振動を備えた電子制御装置1をもたらすウェーブ半田付けプロセスによって行われる。
【0087】
いずれにしても、半田付けプロセスの使用において、ウェーブが本発明の限定として考えられるべきではないことを強調する。選択的な半田付けやロボットによる半田付けの使用など、他の形態の取り付けが十分に許容される。
【0088】
したがって、ここで提案されているのは、図1から図4に表されているように、補助基板5,6,7が主電子基板4に対して並列的に配置されている電子制御装置1であり、つまり、補助基板5,6,7の各々が規定する平面は、主基板4が規定する平面に対して並列的であることが理解される。
【0089】
本発明の限定されない特徴として、図1から図4に表されているように、補助基板5,6,7は主基板4に対して垂直に配置されているが、いずれにしても、主基板4に対して補助基板5,6,7の少なくとも1つを傾斜させて配置するなど、他の配置形態が許容されることは注意すべきである。
【0090】
別の有効な構成では、補助基板5,6,7の少なくとも1つが主基板4に対して垂直に配置され、電子制御装置の他の基板が基板4に対して傾斜して配置されてよい。
【0091】
さらに、補助基板5,6,7を互いに平行に配置することも、本発明の限定を示すものではない。
【0092】
したがって、提案されているのは、効率的な動作と優れた熱的・電磁的特性を持ち、しかも小型で、好ましくは120(L)×90(A)×45(P)mmの範囲の寸法を持つ筐体3に配置できる電子制御装置1である。
【0093】
さらに、本発明の教示を限定するものではないが、主基板4を単層基板として構成し、ドーター基板5,6,7を二層基板、すなわち基板の2つの面に電子部品を配置することができる基板として構成することを提案する。この特徴は本発明の限定を意味するものではないことに注意すべきである。
【0094】
本発明は、冷却装置に使用される圧縮機2をさらに提案するものであり、圧縮機2は、先に説明したような電子制御装置1を備える。
【0095】
最後に、本発明で提案する電子制御装置1を備えた冷却装置をさらに提案する。
【0096】
好ましい実施形態の例を説明してきたが、本発明の範囲は他の可能な変形例を包含し、添付の特許請求の範囲の内容によってのみ限定され、潜在的な均等物がそこに含まれることを理解すべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
【手続補正書】
【提出日】2021-02-02
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧縮機の電子制御装置(electronic control)に関するものであり、より具体的には、コンパクトな電子制御装置と、効率的な熱放散を可能にするその電子制御装置の部品の配置に関する。また、圧縮機と冷却装置も対象となる。
【背景技術】
【0002】
電子制御装置は、現状の技術水準において、一般的に冷却装置に適用される圧縮機の制御に使用されている。例えば、可変容量型の圧縮機では、電子制御装置は、一般的には、圧縮機モーターの回転速度を変更するためのコマンドを送信する役割を担い、その結果、冷却装置の温度を制御することを可能にする。
【0003】
現状の技術水準では、電子制御装置と圧縮機を組み立てるための十分なスペースがないことが問題となっていた。そのため、効率と信頼性が損なわれないことを条件に、小規模のセット(電子制御装置と圧縮機)が常に求められている。
【0004】
スペースが狭くなるだけでなく、圧縮機とその電子制御装置の両方から熱が発生することに関する問題もある。
【0005】
冷却装置に使用される圧縮機の動作中には、当該圧縮機が加熱される傾向があることが知られており、熱の発生は、圧縮機の電子制御装置自体の動作を悪化させ、その部品(温度に敏感なもの)の効率と信頼性を低下させる可能性がある。
【0006】
同様に、圧縮機の電子制御装置自体も、その動作中に熱を発生させる傾向があり、そのエネルギーが温度に敏感な部品に吸収され、また電子制御装置の動作を損なうことになる。
【0007】
したがって、現状の技術水準では、効率的な熱特性を持つコンパクトな電子制御装置の需要が継続している。
【0008】
本発明に関連する現状の技術水準から、圧縮機に適用される電子制御装置は、通常、2つ以上の層を備えた単一のプリント回路基板で形成され、これらの層に電子部品が配置されていることが知られている。
【0009】
現状の技術水準では、先行技術、米国特許出願公開第2018/0287466号に記載されているように、電子制御装置が補助基板に取り付けられた主基板によって形成された刊行物も開示されている。米国特許出願公開第2018/0287466号には、電動モーターを制御するのに適した回路が記載されている。おそらく、提案された回路をコンパクトにする試みでは、前記先行技術は、主基板に取り付けられた「ドーター(daughter)」電子基板を利用しており、前記取り付けは、そのための基準スロットを使用した筐体によって行われる。
【0010】
前記先行技術では、電子基板と電動モーターのセットの熱効率を向上させる手段を露出させることで、電子回路に関連する電動モーターの動作を大きく損なうという誤りがあった。
【0011】
また、前記先行技術では、主基板に対するドーター基板と呼ばれる物の配置形態、および各基板の電子部品の配置に関する配慮がなされていない。
【0012】
本発明の教示から理解されるように、電子制御装置とその部品の配置形態は、その圧縮効率と熱効率に重要である。
【0013】
また、現状の技術水準は、インバーター(電子制御装置)の回路が圧縮機のシェルの内部に配置されている圧縮機を記載している先行技術、欧州特許出願公開第1,617,081号を開示する。
【0014】
前記欧州の先行技術では、圧縮機がそのシェル内にインバーターを搭載しやすいように、つまり圧縮機のシェル内にインバーターが気密に配置されるように説明に重点を置いている。
【0015】
一方、欧州特許出願公開第1,617,081号には、インバーターの基板の配置に関連する特性、および放熱に関する問題を克服するための形態が記載されており、これらの問題は、欧州特許出願公開第1,617,081号のように圧縮機のシェル内にインバーターを配置することを目的としている場合に確実に発生する。
【0016】
また、米国特許出願公開第6,704,202号公報には、小型で安価な電力制御装置が開示されている。インバーター回路を搭載した放熱性の高い第1の基板と、制御回路を搭載した第2の基板が平行に配置されて、ケースに収納されている。ケースはスリットを有し、スリットを通じてヒートシンクとコネクターがケース外に延び出ることができる。さらに、ケースは、ケースをコンプレッサーに固定するための固定部を有する。この構造により、電力コントローラーの最適な放熱と小型化が可能となり、さらに圧縮機にコントローラーを内蔵することも可能となる。冷凍機の中でコントローラーが占める容量を大幅に減らすことができる。しかし、温度感受性の高い部品7と54の物理的なレイアウトは、熱的な観点からは不利な位置にあり、これらは伝導と対流の両方によって加熱されることになる。反対に、本発明の大きなメリットは、熱源と感温部品の物理的な距離を確保し、製品の信頼性を向上させることである。
【0017】
文献米国特許出願公開第2005/219827号公報には、コントローラー、ドライバー、補助板、ケースを有する電気回路装置が開示されている。コントローラーは、ドライバーに駆動信号を入力する。ドライバーは、駆動信号に基づいて電気負荷への電力供給をオン/オフする複数の半導体リレーを有する。ドライバーはケースに収納されている。コントローラーからドライバーへ駆動信号は、シリアル通信で送信される。この構成では、パラレル通信に比べて、通信線や通信コネクターの数、電気回路機器の大きさが小さくて済む。他のドライバーを追加する場合には、コントローラーのソフトウェア修正と、コントローラーとドライバー間のシリアル通信ラインの追加のみが要求される。そのため、電気回路装置は車種ごとに簡単に変更することができる。しかし、反対に、補助プレートの使用は、本発明の焦点ではない。本発明は、これらのプレートの配置を保護し、最良の熱管理を提供することを目的としている。
【0018】
さらに、文献米国特許出願公開第2015/216089号公報は、制御回路を開示し、制御回路の電力モジュールが発熱量の少ない他の回路基板よりもケーシングの側壁に近い位置に固定されている。この文献では、液体循環式の冷却構造を取り上げている。この構造は、複数の発熱体を有し、それらを同一の冷却体(金属製ヒートシンク)で冷却するものである。しかし、反対に、本願発明は、異なるプレートの冷却ではなく、熱源と敏感な部品との間の熱管理を要するものである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
本発明は、現状の技術水準の問題点を解決するために、基板の配置が適切な小型化および効率的な放熱を可能にする電子制御装置によって問題を克服することを意図している。
【0020】
より具体的には、本発明は、熱的に最も敏感な部品が、より多くの熱を発生する部品から避けられており、したがって、電子制御装置の効率および信頼性が損なわれない、電子制御装置を提供示する。
【0021】
また、本発明で提案する電子制御装置は、主基板に関連付けされた補助基板を利用するものであり、補助基板と主基板との間に提案する関連付けの形態は、本発明の対象である電子制御装置の小型化を高めるものである。
【0022】
本発明の教示から得られる利点は、本明細書の途中で詳細に説明される。
【0023】
本発明の目的は、主電子基板と少なくとも補助電子基板とによって形成されている、圧縮機の電子制御装置を提供することにある。
【0024】
本発明の他の目的は、電子制御装置の発熱部品を温度に敏感な部品から離して配置することができる電子制御装置を提供することである。
【0025】
本発明のさらなる目的は、電子基板の1つが発熱部品の大部分を集中させる基板であって、電子制御装置における発熱基板の配置により、当該基板で発生した熱の放散を改善することができる電子制御装置を提供することにある。
【0026】
また、本発明の目的は、発熱基板が筐体の壁に対して第1の距離離れて配置され、他の補助基板がこの同じ壁から第2の距離離れて配置され、第1の距離が第2の距離よりも小さい電子制御装置を提供することである。
【0027】
本発明のさらなる目的は、発熱基板の動作面が筐体の第1の壁に(向かって)対面しており、他の補助基板の動作面が筐体の第2の壁に対面しており、第1の壁が第2の壁と反対側にある電子制御装置を提供することにある。
【0028】
また、本発明の目的は、主基板と3つの補助基板を備えた電子制御装置を提供することである。
【0029】
本発明の他の目的は、補助基板の主基板への関連付けが、半田付けプロセスによって行われる電子制御装置を提供することである。
【0030】
本発明のさらなる目的は、圧縮機および冷却装置を提供することであり、圧縮機は、本発明で限定された電子制御装置を有する。
【0031】
本発明のさらなる目的は、本発明で提案した電子制御装置を備えた冷却装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0032】
本発明の目的は、圧縮機の電子制御装置によって達成され、この電子制御装置は、筐体に配置され、少なくとも1つの補助基板に関連付けられた主基板を備え、補助基板の1つは発熱基板であり、発熱基板は、筐体の第1の壁に対して第1の距離離れて配置されている。この第1の壁は、電子制御装置の最終的な使用位置を考慮して、筐体の上部に関連しており、他の補助基板は、筐体の第1の壁に対して少なくとも第2の距離離れて配置されており、第1の距離は第2の距離よりも小さい。
【図面の簡単な説明】
【0033】
以下、本発明を、図面に表された例示的な実施形態に基づいて、より詳細に説明する。
図1】本発明で提案する電子制御装置の図であって、主基板と補助基板を示す。
図2】圧縮機の筐体に配置された本発明で提案する電子制御装置の破断図である。
図3】筐体の内部に配置された本発明で提案する電子制御装置の破断図である。
図4】筐体の内部に配置された本発明で提案する電子制御装置の追加の破断図である。
図5】本発明で提案された電子制御装置をパッケージ化するために使用される筐体の斜視強調図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
本発明について、まず図1から図5から理解されるように、電子制御装置(electronic control)1について説明する。
【0035】
本発明の完全に有効な実施形態では、電子制御装置1は、圧縮機2の制御に適用することができ、より具体的には、電子制御装置1は、圧縮機2の電動モーターの速度を制御するために使用することができる。
【0036】
いずれにしても、電子制御装置1を圧縮機2の制御に適用することは、本発明の限定的な特徴と考えるべきではなく、ここで提案する電子制御装置1は、一般的なモーターの制御や、圧縮機と冷蔵庫の統合制御など、他の様々な用途に使用できる可能性が非常に高いことを強調する。
【0037】
本発明の有効な実施形態において、図1および図2を参照すると、電子制御装置1は、冷却装置に適用される圧縮機2の制御に使用される。ここで、冷却装置とは、家庭用および/または商業用のあらゆる冷蔵庫および/または冷凍庫、ならびに家庭用、住宅用、ポータブル用、および自動車に適用されるあらゆる空調装置であると理解される。
【0038】
いずれにしても、本発明の教示を冷却装置に適用することは、本発明の限定的な特徴と考えるべきではない。
【0039】
電子制御装置1を適切に梱包・保護するために、図2および図3に表されているように、電子制御装置1を筐体(encasement)3の中に配置することを提案する。
【0040】
当該図における筐体3の図示は、本発明の限定的な特徴と考えるべきではないことを強調する。筐体3は電子制御装置1を保護することができるあらゆる部品でよいと理解されるべきであり、また筐体3は、プラスチックボックス、金属ボックス、いかなるタイプのキャビネット、圧縮機のシェルそのものなど、制御装置1を収容するためのいかなる場所でもよいと理解することができる。
【0041】
図2および図3に示された本発明のこの実施形態では、筐体3は、側壁P,P,P,Pを持つ長方形の箱として理解することができ、電子制御装置1は、当該筐体3の内側の領域に配置されている。
【0042】
図1から図4を参照すると、本発明は、電子制御装置1を電子基板4(主基板4)と、少なくとも補助基板5(補助電子基板5)から形成されていることを提案する。
【0043】
本発明のこの実施形態は、図1から4に表されているように、3つの補助基板5,6,7を使用することを提案する。本発明において言及されている補助基板の量は、本明細書で提案されている教示の限定的な特性として考えられるべきではないことを強調する。任意の量の補助基板を使用することができる。
【0044】
補助電子基板5,6,7は、それぞれ、第1の補助基板5、第2の補助基板6、第3の補助基板7として理解することができる。
【0045】
また、主基板4および補助基板5,6,7の各々は、動作面(operation face)4a,5a,6a,7aと、配線面(track face)4b,5b,6b,7bを備えることが理解される。
【0046】
図1および図3を具体的に参照すると、基板4,5,6,7の動作面4a,5a,6a,7aは、電子部品8(キャパシター、抵抗、ダイオード、トランジスター、バリスターなど)のほとんどが配置されている電子基板の面であると理解すべきである。「ほとんどの電子部品8」は、当該基板の反対側の面と比較して、基板4,5,6,7の面がより多くの量の電子部品を備えるとして理解されるべきである。
【0047】
さて、図3は、電子基板4,5,6,7の各々の動作面4a,5a,6a,7aを目立たせている。
【0048】
配線面4b,5b,6b,7bは、動作面4a,5a,6a,7aの反対側の面と理解すべきであるから、配線面4b,5b,6b,7bは、基板の導電性配線(conducting tracks)の大部分を備える面と理解することができる。いずれにしても、配線面4b,5b,6b,7bは、その表面にいくつかの電子部品8を含んでいてもよいことを強調する。
【0049】
一般に、動作面4a,5a,6a,7aは、電子部品8を収容するために好ましく使用される面であると理解することができ、配線面4b,5b,6b,7bは、導電性配線を配置するために好ましい面であると理解することができ、配線面4b,5b,6b,7bは、電子部品8を収容することもできる。
【0050】
さらに、ある電子部品8が半田付けプロセスによって主基板4に固定されていることを考慮すると、配線面4bは、半田付け箇所が見える面として理解することができる。
【0051】
一般的に、配線面は、ほとんどの電子部品8を備える面の反対側の面として理解されるべきである。
【0052】
この意味で、図3は、本発明で提案する電子制御装置1を構成する電子基板4,5,6,7の各々の配線面4b,5b,6b,7bを示している。
【0053】
上述の教示から、図1は、主電子基板4および補助基板5,6の動作面4a,5a,6aを可視化することができるとともに、第3の補助電子基板7の配線面7bを可視化することができることが理解される。
【0054】
本発明で提案する電子制御装置1の重要な特徴は、補助基板5,6,7に加えて主電子基板4の配置にある。より具体的には、主基板4ならびに補助基板5,6,7の各々が電子制御装置のある動作ブロックを表し、各動作ブロックは、当該ブロックの動作に必要な特定の電子部品を備えることにある。
【0055】
さらに、先に詳述したように、補助基板5,6,7と主基板4(およびその動作ブロック)の配置場所および配置も、本発明の重要な特徴に関する。
【0056】
主電子基板4は、マザーボードと理解することができる。マザーボードには、電子制御装置1のすべてのPTH(ピン・スルー・ホール)部品、つまり電子部品8が集中する。すなわち電子部品8の端子が電子基板4の孔(オリフィス)に挿入され、その後、例えば、半田付けによって固定されている。
【0057】
本発明のこの実施形態では、電子基板4は、明らかに補助基板5,6,7も備える以外に、コネクター、EMCフィルター、ヒューズ、整流ダイオード、バスバーキャパシター、ケーブル、ジャンパーといった電子部品8を備える。
【0058】
したがって、主基板4は、実装ブロックとして理解することができ、このブロックは、前述したように、電子制御装置1のPTH部品を集中させる役割を担う。
【0059】
同様に、本発明は、第1補助電子基板5を電源ブロックとして構成することを提案しており、より具体的には、電子基板5は、SMPS(switched mode power supply)基板として理解することができ、したがって、製品の他の基板に低電圧の電力を供給する役割を担う。
【0060】
したがって、本発明の構成では、補助電子基板5は、集積型SMPS回路、インダクター、電圧レギュレーター、キャパシター、ダイオード、および抵抗といった電子部品8を備える。
【0061】
提案されているように、第1の補助基板5を電源ブロックとして構成すると、所望の用途の種類ごとに、所望の効率を有する補助基板5を使用できるように、異なる効率を有する様々な補助基板5を設計することが完全に可能である。
【0062】
したがって、電子制御装置1の効率を変える必要がある場合には、主基板4または他の補助基板6,7に手を加えず、補助基板5だけを交換する可能性がある。
【0063】
上述したものと同様に、第2の補助基板6は、電子制御装置1の制御ブロックを表している。より具体的には、補助基板6には、光通信カプラー、マイクロプロセッサー、マイクロコントローラーおよびその周辺装置が集中している。
【0064】
したがって、電子制御装置1のマイクロコントローラー/マイクロプロセッサーを変更することが望ましい場合には、新しい補助基板6のみを設計することが可能であり、したがって、制御装置1の他の基板には影響を与えないことになる。同様に、修理や交換の必要性が生じた場合には、第2の基板6のみを交換することが可能であり、結果的に関連するコストを大幅に削減することができる。
【0065】
第3の補助基板7は、ブロックインバーターとして機能し、当該基板7は、圧縮機2の電動モーターの駆動を担う電子キーを備えるとともに、電子制御装置1のドライバーと周辺回路を備える。
【0066】
したがって、圧縮機2の電動モーターの動作に必要な部品を効果的に集中させるために、ブロックインバーター(第3の基板7)は、電子制御装置1の中で最も発熱するものと理解される。換言すれば、電子制御装置1の他の基板(主基板4および補助基板5,6)と比較した場合、第3の補助基板7は、(本質的に電子キーの動作から来る)最も熱を発生するものであり、熱を発生する基板と理解することができる。
【0067】
したがって、発熱基板7は、電子制御装置1の中で最も発熱する基板であると理解すべきである。
【0068】
電子制御装置1において最も発熱するのがブロックインバーター(第3の補助基板7)であることを考えると、補助基板5,6,7の配置・配列は、本発明で提案された電子制御装置1において重要な特徴を想定している。
【0069】
具体的には、電子制御装置1のための最良の熱性能を考慮して、本発明のこの実施形態は、発熱基板7を制御装置1の他の構成部品、特に温度に最も敏感な構成部品から離すことを提案する。本発明の実施形態において、温度に最も敏感な部品は、図3に表されるように、主基板4に配置されたバスバーキャパシター80、第1の補助基板5に配置されたキャパシター80’、および第2の補助基板6に配置されたマイクロプロセッサー80”として理解することができる。
【0070】
図2、3、4は、本発明の教示を考慮して電子制御装置1を配置するための有効な配置を示している。図2は、圧縮機2に対する制御装置1の有効な配置を示している。なぜなら、図3および4は、図2に表示された配置形態を考慮しつつ、電子制御1のみを示すからである。
【0071】
既に説明したように、図2の示すところによれば、電子制御装置1が筐体3に配置され、その筐体が圧縮機2に取り付けられることが提案されている。この図に表された実施形態では、電子制御装置1が圧縮機2の隣に配置されており、主基板4が鉛直に(その動作面4aを圧縮機2に向けて)配置されるようになっていることに留意すべきであるが、その他の配置も十分に許容されるであろう。
【0072】
本発明に記載された電子制御装置1に重要な熱的利点を提供するために、制御装置1で最も熱を発生する基板、すなわち第3の補助基板7を電子制御装置1の他の基板から離すことが提案されている。
【0073】
したがって、本発明は、発熱基板7が筐体の第1の壁Pに対して第1の距離D離れて配置されることを提案する(図4を参照)。したがって、他の補助基板5および6は、それぞれ、同じ壁Pに対して第2の距離Dおよび第3の距離D離れて配置されなければならない。
【0074】
図4に示すように、第1の距離Dが第2及び第3の距離D,Dよりも小さいこと、すなわち、発熱基板7が他の補助基板5,6よりも第1の壁Pに近いことが提案されている。
【0075】
本明細書で提案する電子制御装置1のもう一つの重要な特徴として、主に第3の補助基板7で発生する熱の効率的な放熱を考慮して、図3に表したように、発熱基板7の動作面7aが筐体の第1の壁Pに対面することが提案されている。
【0076】
「対面」とは、図3および図4に表したように、発熱基板7の動作面7aが第1の壁Pの方を向くことを意味する。
【0077】
同様に、やはり図3および図4を参照すると、補助基板5および6は、当該基板の動作面5a、6aが筐体の第2の壁Pに対面するように配置されることが好ましい。図3に表されているように、第1の壁Pは第2の壁Pの反対側にある。
【0078】
より具体的には、やはり図3を参照すると、第2の補助基板6の動作面6aは第1の補助基板5の配線面5bに対面しており、第2の補助基板6の配線面6bは発熱基板7の配線面7bに対面していることに注意すべきである。
【0079】
この配置形態により、主基板4に配置されたバスバー電解キャパシター80、補助基板6に配置されたマイクロプロセッサー80”、および補助基板5に配置された電解キャパシター80’などの熱的に最も敏感な部品が、第3の補助基板7によって発生する熱からの干渉を著しく受けないことが保証され、電子制御装置1の効率および信頼性が向上する。
【0080】
さらに、電子制御装置1に提案されている配置に関連して、図3および図4に示されているように、主基板4の動作面4aは、筐体の第3の壁Pに対面することに注意すべきである。第3の壁Pは、第1の壁Pおよび第2の壁Pに隣接する。より具体的には、図2の示すところに基づいて、マザーボード(主基板)の動作面4aが、圧縮機2の側面部に対面することに注目すべきである。
【0081】
上述のように、圧縮機本体に対して横方向の平面上にマザーボード4の電子部品8を配置することで、対流を介した環境との熱交換が妨げられ、結果的に電子制御装置1の動作を促進することができる。なぜなら、主基板4は、温度に最も敏感な部品8の1つ(バスバーキャパシター80)を備えるからである。
【0082】
したがって、提案された配置は、発熱基板7から主基板4に配置されている熱的に最も敏感な部品を遠ざけることになる。言い換えれば、当該配置では、補助基板5および6がシールドとして機能し、主電子基板4に配置されている熱的に最も敏感な部品を保護する。
【0083】
さらに、発熱基板7の動作面7aが第1の壁Pに面するように配置するという当該提案は、最終的にはシステムの熱効率を向上させる。限定されないが、第1の壁Pは、電子制御装置1を格納する筐体3の上壁と理解すべきであり、電子制御装置1と筐体3は最終的な使用位置に取り付けられている。この最終的な使用位置は、図2に示されている。
【0084】
この意味で、また、電子制御装置1の放熱に関連する特性をさらに高める観点から、図5に表したように、筐体3の第1の壁Pが放熱器10を備えることが提案される。
【0085】
一般的に、放熱器10は、アルミニウムなどの金属材料で製造された基板として理解することができ、その目的は、第3の補助基板7で発生した熱を直接環境に伝えることである。
【0086】
1つの構成では、筐体の壁(第1の壁P)そのものが放熱器10を構成することができるので、壁Pそのものが金属材料で製造されることができ、その結果、放熱器10として機能することが理解される。他の完全に有効な構成では、放熱器10は、第1の壁Pに取り付けることができ、当該壁は、ポリマー材料などの任意の材料で製造することができる。
【0087】
さらに、図4を参照すると、電子制御装置1が、発熱基板7の動作面7aに取り付けられた導電性接着剤9をさらに備えることが提案される。具体的には、導電性接着剤9は、補助基板7の構成部品で発生した熱を対流によって放熱器10に伝達する役割を果たし、その後、対流および照射によって熱が環境に放散されるようになっている。
【0088】
図4に表されているような導電性接着剤9の形態および配置部位は、本発明の限定的な特徴を表すべきではないことを強調する。
【0089】
本発明の限定されない特徴では、補助基板5,6,7と主基板4との取り付けが、半田付けプロセスによって行われることが提案される。好ましくは、この取り付けは、十分な機械的応力と振動を備えた電子制御装置1をもたらすウェーブ半田付けプロセスによって行われる。
【0090】
いずれにしても、半田付けプロセスの使用において、ウェーブが本発明の限定として考えられるべきではないことを強調する。選択的な半田付けやロボットによる半田付けの使用など、他の形態の取り付けが十分に許容される。
【0091】
したがって、ここで提案されているのは、図1から図4に表されているように、補助基板5,6,7が主電子基板4に対して並列的に配置されている電子制御装置1であり、つまり、補助基板5,6,7の各々が規定する平面は、主基板4が規定する平面に対して並列的であることが理解される。
【0092】
本発明の限定されない特徴として、図1から図4に表されているように、補助基板5,6,7は主基板4に対して垂直に配置されているが、いずれにしても、主基板4に対して補助基板5,6,7の少なくとも1つを傾斜させて配置するなど、他の配置形態が許容されることは注意すべきである。
【0093】
別の有効な構成では、補助基板5,6,7の少なくとも1つが主基板4に対して垂直に配置され、電子制御装置の他の基板が基板4に対して傾斜して配置されてよい。
【0094】
さらに、補助基板5,6,7を互いに平行に配置することも、本発明の限定を示すものではない。
【0095】
したがって、提案されているのは、効率的な動作と優れた熱的・電磁的特性を持ち、しかも小型で、好ましくは120(L)×90(A)×45(P)mmの範囲の寸法を持つ筐体3に配置できる電子制御装置1である。
【0096】
さらに、本発明の教示を限定するものではないが、主基板4を単層基板として構成し、ドーター基板5,6,7を二層基板、すなわち基板の2つの面に電子部品を配置することができる基板として構成することを提案する。この特徴は本発明の限定を意味するものではないことに注意すべきである。
【0097】
本発明は、冷却装置に使用される圧縮機2をさらに提案するものであり、圧縮機2は、先に説明したような電子制御装置1を備える。
【0098】
最後に、本発明で提案する電子制御装置1を備えた冷却装置をさらに提案する。
【0099】
好ましい実施形態の例を説明してきたが、本発明の範囲は他の可能な変形例を包含し、添付の特許請求の範囲の内容によってのみ限定され、潜在的な均等物がそこに含まれることを理解すべきである。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮機(2)の電子制御装置(1)であって、筐体(3)内に配置されており、
複数の補助基板(5,6,7)に関連付けられた主基板(4)を備え、
補助基板(5,6,7)の1つは発熱基板(7)であり、
発熱基板(7)は、筐体の第1の壁(P)に対して第1の距離(D)離れて配置され、
他の補助基板(5,6)は、筐体の第1の壁(P)に対して少なくとも第2の距離(D,D)離れて配置され、
第1の距離(D)は第2の距離(D)より小さく、
補助基板(5,6,7)と主基板(4)の各々は、動作面(4a,5a,6a,7a)と(配線面4b,5b,6b,7b)を備え、発熱基板(7)の動作面(7a)が筐体の第1の壁(P )に対面しており、他の補助基板(5,6)の動作面(5a,6a)が筐体の第2の壁(P )に対面しており、第1の壁(P )は第2の壁(P )と反対側にあることを特徴とする電子制御装置(1)。
【請求項2】
補助基板(5,6,7)と主基板(4)の関連付けが、半田付けプロセスによって行われることを特徴とする
請求項1に記載の電子制御装置(1)。
【請求項3】
補助基板(5,6,7)と主基板(4)に関する動作面(4a,5a,6a,7a)が基板(4,5,6,7)の電子部品(8)の大半を備えることを特徴とする
請求項に記載の電子制御装置(1)。
【請求項4】
補助基板(5,6,7)は、電源ブロックとして構成された第1の補助基板(5)、制御ブロックとして構成された第2の補助基板(6)、およびブロックインバーターとして構成された第3の補助基板(7)からなり、第3の補助基板(7)が発熱基板(5)であることを特徴とする
請求項に記載の電子制御装置(1)。
【請求項5】
補助基板(5,6,7)の各々が主基板(4)に対して並列的に配置されていることを特徴とする
請求項に記載の電子制御装置(1)。
【請求項6】
補助基板(5,6,7)の少なくとも1つが主基板(4)に対して垂直に配置されていることを特徴とする
請求項に記載の電子制御装置(1)。
【請求項7】
主基板(4)の動作面(4a)が筐体の第3の壁(P3)に対面しており、第3の壁(P)は、筐体の第1の壁(P)および第2の壁(P)に隣接していることを特徴とする
請求項に記載の電子制御装置(1)。
【請求項8】
主基板(4)の動作面(4a)がさらに圧縮機(2)に対面していることを特徴とする
請求項に記載の電子制御装置(1)。
【請求項9】
第2の補助基板の動作面(6a)が第1の補助基板の配線面(5b)に対面しており、第2の補助基板の配線面(6b)が第3の補助基板の配線面(7b)に対面していることを特徴とする
請求項に記載の電子制御装置(1)。
【請求項10】
発熱基板(7)の動作面(7a)がさらに導電性接着剤(9)を備え、導電性接着剤は放熱器(10)に関連付けられていることを特徴とする
請求項に記載の電子制御装置(1)。
【請求項11】
半田付けプロセスは、ウェーブ半田付けプロセスであることを特徴とする
請求項10に記載の電子制御装置(1)。
【請求項12】
冷却装置の圧縮機(2)であって、請求項1から11のいずれか1項に記載の電子制御装置(1)を備えることを特徴とする圧縮機(2)。
【請求項13】
請求項1から11のいずれか1項に記載の電子制御装置(1)を備えることを特徴とする冷却装置
【国際調査報告】