(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-16
(54)【発明の名称】FAUトポロジー構造を有する高シリカY分子篩及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
C01B 39/24 20060101AFI20220609BHJP
C01B 39/04 20060101ALI20220609BHJP
B01J 29/08 20060101ALI20220609BHJP
【FI】
C01B39/24
C01B39/04
B01J29/08 M
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021558687
(86)(22)【出願日】2019-09-17
(85)【翻訳文提出日】2021-11-26
(86)【国際出願番号】 CN2019106165
(87)【国際公開番号】W WO2020211281
(87)【国際公開日】2020-10-22
(31)【優先権主張番号】201910312157.0
(32)【優先日】2019-04-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201910312367.X
(32)【優先日】2019-04-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201910312333.0
(32)【優先日】2019-04-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201910312310.X
(32)【優先日】2019-04-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】503190796
【氏名又は名称】中国科学院大▲連▼化学物理研究所
【氏名又は名称原語表記】DALIAN INSTITUTE OF CHEMICAL PHYSICS,CHINESE ACADEMY OF SCIENCES
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ティアン,ペン
(72)【発明者】
【氏名】ジュ,ダリ
(72)【発明者】
【氏名】リュウ,チョンミン
(72)【発明者】
【氏名】ワン,リンイン
(72)【発明者】
【氏名】チャン,ジャンミン
(72)【発明者】
【氏名】チャオ,シュエビン
【テーマコード(参考)】
4G073
4G169
【Fターム(参考)】
4G073BA04
4G073BA05
4G073BA07
4G073BA63
4G073BB04
4G073BB05
4G073BB06
4G073BB07
4G073BB13
4G073BB14
4G073BB24
4G073BB41
4G073BB44
4G073BB47
4G073BB66
4G073BD16
4G073CZ05
4G073CZ50
4G073DZ04
4G073FA12
4G073FB11
4G073FB12
4G073FB19
4G073FB21
4G073FB23
4G073FB24
4G073FB25
4G073FB26
4G073FB41
4G073FB42
4G073FC12
4G073FC19
4G073FC25
4G073FC27
4G073GA03
4G073GA11
4G073GB02
4G073GB05
4G073UA01
4G073UA04
4G073UB38
4G169AA02
4G169AA12
4G169BA07A
4G169BA07B
4G169BA21A
4G169BC02A
4G169BC03B
4G169BC16A
4G169BD02A
4G169BD05A
4G169BE13A
4G169BE17B
4G169CC07
4G169FA01
4G169FC04
4G169FC07
4G169FC08
(57)【要約】
本出願は、FAUトポロジー構造を有する高シリカY分子篩を開示する。前記分子篩の無水化学組成は、式1に示すとおりであり、kM(mR1(nR2((SixAly)O2(式1)、式中、Mは、アルカリ金属元素から選択される少なくとも1種であり、R1、R2は、機テンプレート剤を表し、kは、1モル当たり(SixAly)O2がアルカリ金属元素Mに対応するモル数を表し、k=0~0.20であり、m、nは、1モル当たり(SixAly)O2がテンプレート剤R1、R2に対応するモル数を表し、m=0~0.20、n=0.01~0.20であり、x、yは、Si、Alのモル数をそれぞれ表し、2x/y=7~40、且つx+y=1であり、R1、R2は、独立して、窒素含有複素環類化合物及びその誘導体、並びに四級アンモニウム系化合物からなる群から選択される1種である。本出願は、前記FAUトポロジー構造を有する高シリカY分子篩の合成方法をさらに開示する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
FAUトポロジー構造を有する高シリカY分子篩であって、
前記分子篩の無水化学組成は、式1に示すとおりであり、
kM(mR1(nR2((Si
xAl
y)O
2(式1)
式中、Mは、アルカリ金属元素から選択される少なくとも1種であり、
R1、R2は、有機テンプレート剤を表し、
kは、1モル当たり(Si
xAl
y)O
2がアルカリ金属元素Mに対応するモル数を表し、k=0~0.20であり、
m、nは、1モル当たり(Si
xAl
y)O
2がテンプレート剤R1、R2に対応するモル数を表し、m=0~0.20、n=0.01~0.20であり、
x、yは、Si、Alのモル数をそれぞれ表し、2x/y=7~40、且つx+y=1であり、
R1、R2は、独立して、窒素含有複素環類化合物及びその誘導体、並びに四級アンモニウム系化合物からなる群から選択される1種であり、
前記四級アンモニウム系化合物の化学構造式は、式2に示すとおりであり、
【化1】
式2中、R
21、R
22、R
23、R
24は、独立して、C
1~C
12のアルキル基、C
1~C
12のアルコキシ基、C
1~C
12のアルキロール基、アリル基、及びアダマンタン基からなる群から選択される少なくとも1種であり、
X
n-は、OH
-、Cl
-、Br
-、I
-、NO
3
-、HSO
4
-、H
2PO
3
-、SO
4
2-、HPO
3
2-、及びPO
3
3-からなる群から選択される1種である、ことを特徴とするFAUトポロジー構造を有する高シリカY分子篩。
【請求項2】
Mは、Na、K、及びCsからなる群から選択される少なくとも1種であり、2x/y=7~30である、ことを特徴とする請求項1に記載のFAUトポロジー構造を有する高シリカY分子篩。
【請求項3】
Mは、Na、K、及びCsからなる群から選択される少なくとも1種であり、2x/y=8~30である、ことを特徴とする請求項1に記載のFAUトポロジー構造を有する高シリカY分子篩。
【請求項4】
R1、R2は、独立して、四級アンモニウム系化合物から選択される少なくとも1種であり、
好ましくは、R1、R2は、独立して、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウム、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、テトラペンチルアンモニウムヒドロキシド、テトラヘキシルアンモニウムヒドロキシド、臭化テトラプロピルアンモニウム、テトラブチルアンモニウムクロライド、テトラペンチル臭化アンモニウム、トリプロピル-イソブチル臭化アンモニウム、トリブチル-シクロヘキサン水酸化アンモニア、ジブチル-ジヘキシル水酸化アンモニア、コリン、トリエチル-ヒドロキシエチル水酸化アンモニア、トリプロピル-ヒドロキシエチル水酸化アンモニア、トリブチル-ヒドロキシエチル水酸化アンモニア、トリブチル-ベンジル水酸化アンモニア、トリエチル-ベンジル水酸化アンモニア、トリプロピル-ベンジル水酸化アンモニア、N,N,N-トリエチル-アダマンタン基塩化アンモニア、及びN,N,N-トリプロピル-アダマンタン基塩化アンモニアからなる群から選択される少なくとも1種である、ことを特徴とする請求項1に記載のFAUトポロジー構造を有する高シリカY分子篩。
【請求項5】
R1は、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウム、及びコリンからなる群から選択される少なくとも1種であり、
R2は、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウム、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、テトラペンチルアンモニウムヒドロキシド、テトラヘキシルアンモニウムヒドロキシド、臭化テトラプロピルアンモニウム、テトラブチルアンモニウムクロライド、テトラペンチル臭化アンモニウム、トリプロピル-イソブチル臭化アンモニウム、トリブチル-シクロヘキサン水酸化アンモニア、ジブチル-ジヘキシル水酸化アンモニア、コリン、トリエチル-ヒドロキシエチル水酸化アンモニアトリプロピル-ヒドロキシエチル水酸化アンモニア、トリブチル-ヒドロキシエチル水酸化アンモニア、トリブチル-ベンジル水酸化アンモニア、トリエチル-ベンジル水酸化アンモニア、トリプロピル-ベンジル水酸化アンモニア、N,N,N-トリエチル-アダマンタン基塩化アンモニア、及びN,N,N-トリプロピル-アダマンタン基塩化アンモニアからなる群から選択される少なくとも1種である、ことを特徴とする請求項1に記載のFAUトポロジー構造を有する高シリカY分子篩。
【請求項6】
R1は、四級アンモニウム系化合物から選択される少なくとも1種であり、
R2は、窒素含有複素環類化合物及びその誘導体からなる群から選択される少なくとも1種である、ことを特徴とする請求項1に記載のFAUトポロジー構造を有する高シリカY分子篩。
【請求項7】
R1は、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウム及びコリンからなる群から選択される少なくとも1種であり、
R2は、窒素含有複素環化合物及びその誘導体からなる群から選択される少なくとも1種である、ことを特徴とする請求項1に記載のFAUトポロジー構造を有する高シリカY分子篩。
【請求項8】
R2は、ピリジニル、N-メチルピリジン、N-エチルピリジン、N-プロピルピリジン、N-ブチルピリジン、N-エチル-3-ブチルピリジン、水酸化1-エチル-2-プロピルピリジン、ピペリジン、N,N-ジメチルピペリジン、水酸化N,N-ジメチル-3,5-二エチルピペリジン、水酸化N,N-ジメチル-3,5-ジプロピルピペリジン、水酸化N,N-二エチル-3,5-ジプロピルピペリジン、水酸化N,N-二エチル-2,6-ジメチルピペリジン、水酸化N,N-ジメチル-2,6-二エチルピペリジン、イミダゾール、水酸化1-エチル-3-ブチルイミダゾール、水酸化1-エチル-3-ブチル-4-プロピルイミダゾール、水酸化1-ベンジル-3-メチルイミダゾール、水酸化1-ベンジル-3-エチルイミダゾール、水酸化1-ベンジル-3-ブチルイミダゾール、ピペラジン、N-メチルピペラジン、1,4-ジプロピルピペラジン、1-メチル-4-エチルピペラジン、及び1-エチル-4-ブチル-5-メチルピペラジンからなる群から選択される少なくとも1種である、ことを特徴とする請求項7に記載のFAUトポロジー構造を有する高シリカY分子篩。
【請求項9】
k=0.01~0.15、m=0.01~0.1、n=0.02~0.15である、ことを特徴とする請求項7に記載のFAUトポロジー構造を有する高シリカY分子篩。
【請求項10】
k=0.02~0.13、m=0.01~0.04、n=0.03~0.08である、ことを特徴とする請求項7に記載のFAUトポロジー構造を有する高シリカY分子篩。
【請求項11】
FAUトポロジー構造を有する高シリカY分子篩の合成方法であって、以下のステップを含み、 ステップa):アルミニウム源、ケイ素源、アルカリ金属源、有機テンプレート剤R及び水を含有する原料を混合して、初期ゲル混合物Iを調製し、前記原料において、アルミニウム源、ケイ素源、アルカリ金属源、有機テンプレート剤R及び水は、以下のモル比を有し、
SiO
2/Al
2O
3=10~200、
M
2O/Al
2O
3=0~30(式中、Mは、アルカリ金属元素から選択される少なくとも1種である)、
R/Al
2O
3=1~45、
H
2O/Al
2O
3=50~8000、
ステップb):FAU又はEMT構造を有するシリカアルミナ分子篩結晶種をステップa)で得られた初期ゲル混合物Iに加えて、混合して、混合物IIを得、
ステップc):ステップb)で得られた混合物IIを密閉反応釜にて結晶化し、前記FAUトポロジー構造を有する高シリカY分子篩を得、
前記ケイ素源のモル数はSiO
2で計算されるものであり、アルミニウム源のモル数はAl
2O
3で計算されるものであり、テンプレート剤Rのモル数はR自体のモル数で計算されるものであり、アルカリ金属源のモル数は、その対応するアルカリ性金属Mに対応する金属酸化物M
2Oモル数で計算されるものである、ことを特徴とするFAUトポロジー構造を有する高シリカY分子篩の合成方法。
【請求項12】
ステップa)において、H
2O/Al
2O
3=50~6000であり、
好ましくは、ステップa)において、H
2O/Al
2O
3=100~8000であり、
好ましくは、ステップa)において、R/Al
2O
3=0.1~25である、ことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項13】
ステップa)において、前記有機テンプレート剤Rは、窒素含有複素環類化合物及びその誘導体、並びに四級アンモニウム系化合物からなる群から選択される少なくとも1種であり、
前記四級アンモニウム系化合物の化学構造式は、式2に示すとおりであり、
【化2】
式2中、R
21、R
22、R
23、R
24は、独立して、C
1~C
12のアルキル基、C
1~C
12のアルコキシ基、C
1~C
12のアルキロール基、アリル基、及びアダマンタン基からなる群から選択される少なくとも1種であり、
X
n-は、OH
-、Cl
-、Br
-、I
-、NO
3
-、HSO
4
-、H
2PO
3
-、SO
4
2-、HPO
3
2-、及びPO
3
3-から選択される1種である、ことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項14】
ステップa)において、前記有機テンプレート剤Rは、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウム、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、テトラペンチルアンモニウムヒドロキシド、テトラヘキシルアンモニウムヒドロキシド、臭化テトラプロピルアンモニウム、テトラブチルアンモニウムクロライド、テトラペンチル臭化アンモニウム、トリプロピル-イソブチル臭化アンモニウム、トリブチル-シクロヘキサン水酸化アンモニア、ジブチル-ジヘキシル水酸化アンモニア、コリン、トリエチル-ヒドロキシエチル水酸化アンモニアトリプロピル-ヒドロキシエチル水酸化アンモニア、トリブチル-ヒドロキシエチル水酸化アンモニア、トリブチル-ベンジル水酸化アンモニア、トリエチル-ベンジル水酸化アンモニア、トリプロピル-ベンジル水酸化アンモニア、N,N,N-トリエチル-アダマンタン基塩化アンモニア、及びN,N,N-トリプロピル-アダマンタン基塩化アンモニアからなる群から選択される少なくとも1種である、ことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項15】
ステップa)において、前記窒素含有複素環類テンプレート剤Rは、窒素含有複素環化合物及びその誘導体からなる群から選択される少なくとも1種である、ことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項16】
ステップa)において、前記窒素含有複素環類テンプレート剤Rは、ピリジニル、N-メチルピリジン、N-エチルピリジン、N-プロピルピリジン、N-ブチルピリジン、N-エチル-3-ブチルピリジン、水酸化1-エチル-2-プロピルピリジン、ピペリジン、N,N-ジメチルピペリジン、水酸化N,N-ジメチル-3,5-二エチルピペリジン、水酸化N,N-ジメチル-3,5-ジプロピルピペリジン、水酸化N,N-二エチル-3,5-ジプロピルピペリジン、水酸化N,N-二エチル-2,6-ジメチルピペリジン、水酸化N,N-ジメチル-2,6-二エチルピペリジン、イミダゾール、水酸化1-エチル-3-ブチルイミダゾール、水酸化1-エチル-3-ブチル-4-プロピルイミダゾール、水酸化1-ベンジル-3-メチルイミダゾール、水酸化1-ベンジル-3-エチルイミダゾール、水酸化1-ベンジル-3-ブチルイミダゾール、ピペラジン、N-メチルピペラジン、1,4-ジプロピルピペラジン、1-メチル-4-エチルピペラジン、及び1-エチル-4-ブチル-5-メチルピペラジンからなる群から選択される少なくとも1種である、ことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項17】
ステップa)において、前記ケイ素源は、オルトケイ酸テトラメチル、オルトケイ酸エチル、ケイ酸ゾル、固体シリカゲル、ホワイトカーボン、及びケイ酸ナトリウムからなる群から選択される少なくとも1種であり、
ステップa)において、前記アルミニウム源は、メタアルミン酸ナトリウム、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、アルミニウムイソプロポキシド、2-ブタノールアルミニウム、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、硝酸アルミニウム、及び擬ベーマイトからなる群から選択される少なくとも1種であり、
ステップa)において、前記アルカリ金属源は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、及び水酸化セシウムからなる群から選択される少なくとも1種である、ことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項18】
ステップa)は、アルミニウム源、アルカリ金属源、有機テンプレート剤R及び水を混合した後、ケイ素源を加え、混合して初期ゲル混合物Iを得る工程を含む、ことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項19】
ステップa)において、前記原料において、アルミニウム源、ケイ素源、アルカリ金属源、有機テンプレート剤R及び水は、以下のモル比を有する、
SiO
2/Al
2O
3=10~200、
M
2O/Al
2O
3=0~30(式中、Mは、アルカリ金属元素から選択される少なくとも1種である)、
R/Al
2O
3=1~45、
H
2O/Al
2O
3=100~6000、ことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項20】
ステップb)において、前記混合物IIにおける前記FAU又はEMT構造を有するシリカアルミナ分子篩結晶種の加入量と初期ゲル混合物Iにおけるケイ素源の質量比は、0.01~0.3:1であり、
前記初期ゲル混合物Iにおけるケイ素源の質量は、SiO
2で計算されるものである、ことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項21】
ステップb)において、前記FAU又はEMT構造を有するシリカアルミナ分子篩結晶種のシリカアルミナモル比SiO
2/Al
2O
3は2~∞である、ことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項22】
ステップb)において、前記FAU又はEMT構造を有するシリカアルミナ分子篩結晶種のシリカアルミナモル比SiO
2/Al
2O
3は2.5~200である、ことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項23】
ステップc)において、前記結晶化の温度は、90~180℃であり、結晶化の時間は0.1~15日である、ことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項24】
ステップc)において、前記結晶化の方式は、動的結晶化及び/又は静的結晶化である、ことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項25】
FAUトポロジー構造を有する高シリカY分子篩の合成方法であって、以下のステップを含み、
ステップa):アルミニウム源A
1、ケイ素源Si
1、アルカリ金属源M
1、有機テンプレート剤R
1及び水を含有する原料Iを混合し、老化して指向剤を得、
前記原料Iにおいて、アルミニウム源A
1、ケイ素源Si
1、アルカリ金属源M
1、有機テンプレート剤R
1及び水は、以下のモル比を有し、
SiO
2/Al
2O
3=5~30、
M
1
2O/Al
2O
3=0~7(式中、M
1は、アルカリ金属元素から選択される少なくとも1種である)、
R
1/Al
2O
3=1~40、
H
2O/Al
2O
3=100~600、
ステップb):アルミニウム源A
2、ケイ素源Si
2、アルカリ金属源M
2、有機テンプレート剤R
2、水を含有する原料IIを混合して、初期ゲルを調製し、
前記原料IIにおいて、アルミニウム源A
2、ケイ素源Si
2、アルカリ金属源M
2、有機テンプレート剤R
2、水は、以下のモル比を有し、
SiO
2/Al
2O
3=10~200、
M
2
2O/Al
2O
3=0~30(式中、M
2は、アルカリ金属元素から選択される少なくとも1種である)、
R
2/Al
2O
3=1~45、
H
2O/Al
2O
3=100~8000、
ステップc):前記ステップa)における指向剤をステップb)における初期ゲルに加え、均一に混合した後、密閉反応釜にて結晶化し、前記FAUトポロジー構造を有する高シリカY分子篩を得、
前記ケイ素源Si
1、Si
2のモル数はSiO
2で計算されるものであり、アルミニウム源A
1、A
2のモル数はAl
2O
3で計算されるものであり、テンプレート剤R
1、R
2のモル数はR
1、R
2自体のモル数で計算されるものであり、アルカリ金属源M
1、M
2のモル数はその対応するアルカリ性金属M
1、M
2に対応する金属酸化物M
1
2O、M
2
2Oモル数で計算されるものである、ことを特徴とするFAUトポロジー構造を有する高シリカY分子篩の合成方法。
【請求項26】
ステップa)において、前記原料Iにおいて、アルミニウム源A
1、ケイ素源Si
1、アルカリ金属源M
1、有機テンプレート剤R
1及び水は、以下のモル比を有し、
SiO
2/Al
2O
3=5~30、
M
1
2O/Al
2O
3=0~3(式中、M
1は、アルカリ金属元素選択される少なくとも1種である)、
R
1/Al
2O
3=5~40、
H
2O/Al
2O
3=100~600、ことを特徴とする請求項25に記載の方法。
【請求項27】
ステップb)において、前記原料IIにおいて、アルミニウム源A
2、ケイ素源Si
2、アルカリ金属源M
2、有機テンプレート剤R
2、水は、以下のモル比を有し、
SiO
2/Al
2O
3=10~200、
M
2
2O/Al
2O
3=0~30(式中、M
2は、アルカリ金属元素から選択される少なくとも1種である)、
R
2/Al
2O
3=1~45、
H
2O/Al
2O
3=100~4000、ことを特徴とする請求項25に記載の方法。
【請求項28】
ステップa)とステップb)において、前記ケイ素源Si
1、Si
2は、独立して、オルトケイ酸テトラメチル、オルトケイ酸エチル、ケイ酸ゾル、固体シリカゲル、ホワイトカーボン、及びケイ酸ナトリウムからなる群から選択される少なくとも1種であり、
ステップa)とステップb)において、前記アルミニウム源A
1、A
2は、独立して、メタアルミン酸ナトリウム、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、アルミニウムイソプロポキシド、2-ブタノールアルミニウム、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、硝酸アルミニウム、及び擬ベーマイトからなる群から選択される少なくとも1種であり、
ステップa)とステップb)において、前記アルカリ金属源M
1、M
2は、独立して、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、及び水酸化セシウムからなる群から選択される少なくとも1種である、ことを特徴とする請求項25に記載の方法。
【請求項29】
ステップa)とb)において、前記有機テンプレート剤R
1、R
2は、独立して、窒素含有複素環化合物及びその誘導体、並びに四級アンモニウム系化合物からなる群から選択される少なくとも1種であり、
前記四級アンモニウム系化合物の化学構造式は、式2に示すとおりであり、
【化3】
式2中、R
21、R
22、R
23、R
24は、独立して、C
1~C
12のアルキル基、C
1~C
12のアルコキシ基、C
1~C
12のアルキロール基、アリル基、及びアダマンタン基からなる群から選択される少なくとも1種であり、X
n-はOH
-、Cl
-、Br
-、I
-、NO
3
-、HSO
4
-、H
2PO
3
-、SO
4
2-、HPO
3
2-、及びPO
3
3-からなる群から選択される1種である、ことを特徴とする請求項25に記載の方法。
【請求項30】
R
1、R
2は、独立して、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウム、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、テトラペンチルアンモニウムヒドロキシド、テトラヘキシルアンモニウムヒドロキシド、臭化テトラプロピルアンモニウム、テトラブチルアンモニウムクロライド、テトラペンチル臭化アンモニウム、トリプロピル-イソブチル臭化アンモニウム、トリブチル-シクロヘキサン水酸化アンモニア、ジブチル-ジヘキシル水酸化アンモニア、コリン、トリエチル-ヒドロキシエチル水酸化アンモニア、トリプロピル-ヒドロキシエチル水酸化アンモニア、トリブチル-ヒドロキシエチル水酸化アンモニア、トリブチル-ベンジル水酸化アンモニア、トリエチル-ベンジル水酸化アンモニア、トリプロピル-ベンジル水酸化アンモニア、N,N,N-トリエチル-アダマンタン基塩化アンモニア、及びN,N,N-トリプロピル-アダマンタン基塩化アンモニアからなる群から選択される少なくとも1種である、ことを特徴とする請求項25に記載の方法。
【請求項31】
R
1は、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウム、及びコリンからなる群から選択される少なくとも1種であり、
R
2は、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウム、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、テトラペンチルアンモニウムヒドロキシド、テトラヘキシルアンモニウムヒドロキシド、臭化テトラプロピルアンモニウム、テトラブチルアンモニウムクロライド、テトラペンチル臭化アンモニウム、トリプロピル-イソブチル臭化アンモニウム、トリブチル-シクロヘキサン水酸化アンモニア、ジブチル-ジヘキシル水酸化アンモニア、コリン、トリエチル-ヒドロキシエチル水酸化アンモニアトリプロピル-ヒドロキシエチル水酸化アンモニア、トリブチル-ヒドロキシエチル水酸化アンモニア、トリブチル-ベンジル水酸化アンモニア、トリエチル-ベンジル水酸化アンモニア、トリプロピル-ベンジル水酸化アンモニア-N,N,N-トリエチル-アダマンタン基塩化アンモニア、及びN,N,N-トリプロピル-アダマンタン基塩化アンモニアからなる群から選択される少なくとも1種である、ことを特徴とする請求項25に記載の方法。
【請求項32】
R
1は、有機アンモニウム化合物から選択される少なくとも1種であり、
前記四級アンモニウム系化合物の化学構造式は、式2に示すとおりであり、
【化4】
式2中、R
21、R
22、R
23、R
24は、独立して、C
1~C
12のアルキル基、C
1~C
12のアルコキシ基、C
1~C
12のアルキロール基、アリル基、及びアダマンタン基からなる群から選択される少なくとも1種であり、X
n-は、OH
-、Cl
-、Br
-、I
-、NO
3
-、HSO
4
-、H
2PO
3
-、SO
4
2-、HPO
3
2-、及びPO
3
3-からなる群から選ばれ、
R
2は、窒素含有複素環類化合物及びその誘導体からなる群から選択される少なくとも1種である、ことを特徴とする請求項25に記載の方法。
【請求項33】
R
1は、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウム、及びコリンからなる群から選択される少なくとも1種である、ことを特徴とする請求項32に記載の方法。
【請求項34】
R
2は、ピリジニル、N-メチルピリジン、N-エチルピリジン、N-プロピルピリジン、N-ブチルピリジン、N-エチル-3-ブチルピリジン、水酸化1-エチル-2-プロピルピリジン、ピペリジン、N,N-ジメチルピペリジン、水酸化N,N-ジメチル-3,5-二エチルピペリジン、水酸化N,N-ジメチル-3,5-ジプロピルピペリジン、水酸化N,N-二エチル-3,5-ジプロピルピペリジン、水酸化N,N-二エチル-2,6-ジメチルピペリジン、水酸化N,N-ジメチル-2,6-二エチルピペリジン、イミダゾール、水酸化1-エチル-3-ブチルイミダゾール、水酸化1-エチル-3-ブチル-4-プロピルイミダゾール、水酸化1-ベンジル-3-メチルイミダゾール、水酸化1-ベンジル-3-エチルイミダゾール、水酸化1-ベンジル-3-ブチルイミダゾール、ピペラジン、N-メチルピペラジン、1,4-ジプロピルピペラジン、1-メチル-4-エチルピペラジン、及び1-エチル-4-ブチル-5-メチルピペラジンからなる群から選択される少なくとも1種である、ことを特徴とする請求項32に記載の方法。
【請求項35】
ステップa)において、前記老化の温度は、25~140℃であり、老化の時間は、0.5~30日である、ことを特徴とする請求項25に記載の方法。
【請求項36】
ステップa)において、前記老化の温度は、25~140℃であり、老化の時間は、1~30日である、ことを特徴とする請求項25に記載の方法。
【請求項37】
ステップa)において、前記老化の温度は、30~120℃であり、老化の時間は、1~25日である、ことを特徴とする請求項25に記載の方法。
【請求項38】
ステップa)において、前記老化は、二段老化であり、一段目の老化の温度は、30~40℃であり、一段目の老化の時間は、0.5~5日であり、二段目の老化の温度は、50~100℃であり、二段目の老化の時間は、2~8日である、ことを特徴とする請求項25に記載の方法。
【請求項39】
ステップa)は、アルミニウム源A
1、アルカリ金属源M
1、有機テンプレート剤R
1と水を均一に混合し、ケイ素源S
1を加えて、攪拌混合した後、老化し、老化の温度は25~140℃であり、老化の時間は1~30日であり、指向剤を得る工程を含む、ことを特徴とする請求項25に記載の方法。
【請求項40】
ステップb)において、前記アルミニウム源A
2、ケイ素源Si
2、アルカリ金属源M
2、有機テンプレート剤R
2、水は、以下のモル比を有し、
SiO
2/Al
2O
3=10~200、
M
2
2O/Al
2O
3=0~30(式中、M
2は、アルカリ金属元素から選択される少なくとも1種である)、
R
2/Al
2O
3=1~45、
H
2O/Al
2O
3=100~6000、ことを特徴とする請求項25に記載の方法。
【請求項41】
ステップc)において、前記指向剤における二酸化ケイ素と初期ゲルにおける二酸化ケイ素との質量比は、0.01~0.3:1である、ことを特徴とする請求項25に記載の方法。
【請求項42】
ステップc)において、前記指向剤における二酸化ケイ素と初期ゲルにおける二酸化ケイ素との質量比は、0.01~0.2:1である、ことを特徴とする請求項25に記載の方法。
【請求項43】
ステップc)において、前記結晶化の温度は、90~180℃であり、前記結晶化の時間は1~15日である、ことを特徴とする請求項25に記載の方法。
【請求項44】
ステップc)において、前記結晶化の温度は、90~140℃であり、前記結晶化の時間は3~15日である、ことを特徴とする請求項25に記載の方法。
【請求項45】
ステップc)において、前記結晶化は、動的及び/又は静的の方式で行われる、ことを特徴とする請求項25に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、触媒製造分野に属し、FAUトポロジー構造を有する高シリカY分子篩、並びに合成ゲル体系に有機テンプレート剤を導入し、トポロジー構造がFAU又はEMTであるシリカアルミナ分子篩を結晶種として添加して高シリカY分子篩を合成する方法及び合成ゲル体系に有機テンプレート剤を導入し、指向剤溶液を添加して高シリカY分子篩を合成する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
Y沸石は、FAUトポロジー構造を有するシリカアルミナ沸石であり、主に流動触媒分解(FCC)に用いられており、現在使用量が最も多い沸石材料である。Y分子篩の骨格シリカアルミナ比は、触媒の性能に決定的な役割を果たしており、そのうち、シリカアルミナ比が高いほど触媒活性及び安定性が良い。現在、工業上で用いられる高シリカY沸石は、主に化学的/物理的脱アルミニウム法などによって得られており、このような後処理法は、プロセスが複雑であり、エネルギー消費が高く、深刻な汚染をもたらす一方で、直接水熱法合成は、上記欠点を有効に防ぐとともに、結晶構造の完全性とアルミニウム分布の均一性を維持することができる。そのため、直接法により高シリカアルミナ比Y型分子篩を合成することについての検討は、流動触媒分解プロセスに対して非常に重要な意義を持っている。
【0003】
直接法により高シリカY型分子篩を合成することに関して、最初、人々は非テンプレート剤体系にて合成し、即ち、反応ゲルにいかなる有機テンプレート剤も添加せず、ゲル配合比を調整するだけで、結晶化時間、結晶種又は無機指向剤の製造方法などを調整して、Y型分子篩シリカアルミナ比を高める目的を達成したが、効果はとても小さく、シリカアルミナ比は6に達することが困難であった。
【0004】
有機構造指向剤の使用は、Y型分子篩の合成を新たな分野に持ち込み、1987年、米国特許USP4714601は、アルキル基又はヒドロキシアルキル基四級アンモニウム塩をテンプレート剤とし、結晶種存在下で、70~120oCで水熱結晶化によって得られるシリカアルミナ比が6より大きいECR-4と呼ばれるFAU同質結晶多形体を開示した。
【0005】
1990年、米国特許USP4931267は、テトラプロピル及び/又はテトラブチルアンモニウム水酸化物を構造指向剤として90~120oCで水熱結晶化によって得られ、非常に高い熱安定性を有し、シリカアルミナ比が6より大きいECR-32と呼ばれるFAU同質結晶多形体を開示した。
【0006】
1990年、フランスDelpratoら(Zeolites.1990、10(6):546-552)は、初めてクラウンエーテルをテンプレート剤として立体構造を有するFAU沸石を合成し、骨格シリカアルミナ比は9.0に近く、最近の文献で報告されているワンステッププロセスで実現できる最高値であるが、クラウンエーテルの高価と猛毒は、その工業応用を制限している。その後、米国特許USP5385717は、ポリオキシエチレンをテンプレート剤としてシリカアルミナ比が6より大きいY沸石を合成した。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
一つの方面によれば、本出願は、FAUトポロジー構造を有する高シリカY分子篩を提供する。
【0008】
前記FAUトポロジー構造を有する高シリカY分子篩であって、前記分子篩の無水状態の化学組成は、式1に示すとおりである、ことを特徴とする。
kM(mR1(nR2((Si
xAl
y)O
2(式1)
そのうち、Mは、アルカリ金属元素からなる群から選択される少なくとも1種であり、
R1、R2は、有機テンプレート剤を表し、
kは、1モル当たり(Si
xAl
y)O
2がアルカリ金属元素Mに対応するモル数を表し、k=0~0.20であり、
m、nは、1モル当たり(Si
xAl
y)O
2がテンプレート剤R1、R2に対応するモル数を表し、m=0~0.20、n=0.01~0.20であり、
x、yは、Si、Alのモル数をそれぞれ表し、2x/y=7~40、且つx+y=1であり、
R1、R2は、独立して、窒素含有複素環類化合物及びその誘導体、四級アンモニウム系化合物からなる群から選択される1種であり、
前記四級アンモニウム系化合物の化学構造式は、式2に示すとおりであり、
【化1】
式2中、R
21、R
22、R
23、R
24は、独立して、C
1~C
12のアルキル基、C
1~C
12のアルコキシ基、C
1~C
12のアルキロール基、アリル基、アダマンタン基からなる群から選択される少なくとも1種であり、
X
n-は、OH
-、Cl
-、Br
-、I
-、NO
3
-、HSO
4
-、H
2PO
3
-、SO
4
2-、HPO
3
2-、PO
3
3-から選択される。
【0009】
選択的に、m=0.01~0.20である。
【0010】
選択的に、k=0.01~0.15、m=0.01~0.1、n=0.02~0.15である。
【0011】
選択的に、k=0.02~0.13、m=0.01~0.04、n=0.03~0.08である。
【0012】
選択的に、前記「C1~C12のアルキル基」は、「C7~C12フェニルアルキル基」を含む。
【0013】
選択的に、前記「アリル基」は、「C7~C12のアリル基」を含む。
【0014】
選択的に、前記「C7~C12のアリル基」は、「「C7~C12のアルキルアリル基」を含む。
【0015】
選択的に、Mは、Na、K、Csからなる群から選択される少なくとも1種であり、2x/y=7~30である。
【0016】
選択的に、Mは、Na、K、Csからなる群から選択される少なくとも1種であり、2x/y=8~30である。
【0017】
選択的に、2x/yの上限は、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、22、23、24、25、26、27、28、29又は30から選ばれ、下限は、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、22、23、24、25、26、27、28又は29から選択される。
【0018】
選択的に、R1、R2は、独立して、四級アンモニウム系化合物からなる群から選択される1種である。
【0019】
選択的に、R1、R2は、独立して、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウム、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、テトラペンチルアンモニウムヒドロキシド、テトラヘキシルアンモニウムヒドロキシド、臭化テトラプロピルアンモニウム、テトラブチルアンモニウムクロライド、テトラペンチル臭化アンモニウム、トリプロピル-イソブチル臭化アンモニウム、トリブチル-シクロヘキサン水酸化アンモニア、ジブチル-ジヘキシル水酸化アンモニア、コリン、トリエチル-ヒドロキシエチル水酸化アンモニア、トリプロピル-ヒドロキシエチル水酸化アンモニア、トリブチル-ヒドロキシエチル水酸化アンモニア、トリブチル-ベンジル水酸化アンモニア、トリエチル-ベンジル水酸化アンモニア、トリプロピル-ベンジル水酸化アンモニア、N,N,N-トリエチル-アダマンタン基塩化アンモニア、N,N,N-トリプロピル-アダマンタン基塩化アンモニアからなる群から選択される少なくとも1種である。
【0020】
選択的に、R1は、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウム、コリンからなる群から選択される少なくとも1種であり、
R2は、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウム、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、テトラペンチルアンモニウムヒドロキシド、テトラヘキシルアンモニウムヒドロキシド、臭化テトラプロピルアンモニウム、テトラブチルアンモニウムクロライド、テトラペンチル臭化アンモニウム、トリプロピル-イソブチル臭化アンモニウム、トリブチル-シクロヘキサン水酸化アンモニア、ジブチル-ジヘキシル水酸化アンモニア、コリン、トリエチル-ヒドロキシエチル水酸化アンモニアトリプロピル-ヒドロキシエチル水酸化アンモニア、トリブチル-ヒドロキシエチル水酸化アンモニア、トリブチル-ベンジル水酸化アンモニア、トリエチル-ベンジル水酸化アンモニア、トリプロピル-ベンジル水酸化アンモニア、N,N,N-トリエチル-アダマンタン基塩化アンモニア、N,N,N-トリプロピル-アダマンタン基塩化アンモニアからなる群から選択される少なくとも1種である。
【0021】
選択的に、R1は、四級アンモニウム系化合物からなる群から選択される少なくとも1種であり、R2は、窒素含有複素環類化合物及びその誘導体からなる群から選択される少なくとも1種である。
【0022】
選択的に、R1は、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムとコリンからなる群から選択される少なくとも1種であり、
R2は、窒素含有複素環化合物及びその誘導体からなる群から選択される少なくとも1種である。
【0023】
選択的に、R2は、ピリジニル、N-メチルピリジン、N-エチルピリジン、N-プロピルピリジン、N-ブチルピリジン、N-エチル-3-ブチルピリジン、水酸化1-エチル-2-プロピルピリジン、ピペリジン、N,N-ジメチルピペリジン、水酸化N,N-ジメチル-3,5-ジエチルピペリジン、水酸化N,N-ジメチル-3,5-ジプロピルピペリジン、水酸化N,N-ジエチル-3,5-ジプロピルピペリジン、水酸化N,N-ジエチル-2,6-ジメチルピペリジン、水酸化N,N-ジメチル-2,6-ジエチルピペリジン、イミダゾール、水酸化1-エチル-3-ブチルイミダゾール、水酸化1-エチル-3-ブチル-4-プロピルイミダゾール、水酸化1-ベンジル-3-メチルイミダゾール、水酸化1-ベンジル-3-エチルイミダゾール、水酸化1-ベンジル-3-ブチルイミダゾール、ピペラジン、N-メチルピペラジン、1,4-ジプロピルピペラジン、1-メチル-4-エチルピペラジン、1-エチル-4-ブチル-5-メチルピペラジンからなる群から選択される少なくとも1種である。
【0024】
選択的に、前記FAUトポロジー構造を有する高シリカY分子篩は、八面体構造である。
【0025】
選択的に、前記FAUトポロジー構造を有する高シリカY分子篩の粒子径サイズは、50nm~2500nmである。
【0026】
別の方面によれば、本出願は、FAUトポロジー構造を有する高シリカY分子篩の合成方法を提供する。この方法は、トポロジー構造がFAUであるか、又はEMTであるシリカアルミナ分子篩を結晶種とし、有機テンプレート剤を導入して塩基性条件下で、高シリカ(酸化シリコンアルミニウムモル比が7~40である)Y分子篩を水熱合成する。
【0027】
前記FAUトポロジー構造を有する高シリカY分子篩の合成方法であって、以下のステップを含むことを特徴とする。
【0028】
ステップa)、アルミニウム源、ケイ素源、アルカリ金属源、有機テンプレート剤Rと水を含有する原料を混合して、初期ゲル混合物Iを調製し、前記原料において、アルミニウム源、ケイ素源、アルカリ金属源、有機テンプレート剤Rと水は、以下のモル比を有し、
SiO2/Al2O3=10~200、
M2O/Al2O3=0~30、そのうち、Mは、アルカリ金属元素からなる群から選択される少なくとも1種であり、
R/Al2O3=1~45、
H2O/Al2O3=50~8000、
ステップb)、FAU又はEMT構造を有するシリカアルミナ分子篩結晶種をステップa)で得られた初期ゲル混合物Iに加えて、混合して、混合物IIを得、
ステップc)、ステップb)で得られた混合物IIを密閉反応釜にて結晶化し、前記FAUトポロジー構造を有する高シリカY分子篩を得、
そのうち、ケイ素源のモル数はSiO2で計算されるものであり、アルミニウム源のモル数はAl2O3で計算されるものであり、テンプレート剤Rのモル数はR自体のモル数で計算されるものであり、アルカリ金属源のモル数はその対応するアルカリ性金属Mに対応する金属酸化物M2Oモル数で計算されるものである。
【0029】
選択的に、ステップa)において、H2O/Al2O3=50~6000である。
【0030】
選択的に、ステップa)において、H2O/Al2O3=100~8000である。
【0031】
選択的に、ステップa)において、R/Al2O3=0.1~40である。
【0032】
選択的に、ステップa)において、前記有機テンプレート剤Rは、窒素含有複素環類化合物及びその誘導体、四級アンモニウム系化合物からなる群から選択される少なくとも1種であり、
前記四級アンモニウム系化合物の化学構造式は、式2に示すとおりであり、
【化2】
式2中、R
21、R
22、R
23、R
24は、独立して、C
1~C
12のアルキル基、C
1~C
12のアルコキシ基、C
1~C
12のアルキロール基、アリル基、アダマンタン基からなる群から選択される少なくとも1種であり、
X
n-は、OH
-、Cl
-、Br
-、I
-、NO
3
-、HSO
4
-、H
2PO
3
-、SO
4
2-、HPO
3
2-、PO
3
3-から選択される。
【0033】
選択的に、ステップa)において、前記有機テンプレート剤Rは、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウム、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、テトラペンチルアンモニウムヒドロキシド、テトラヘキシルアンモニウムヒドロキシド、臭化テトラプロピルアンモニウム、テトラブチルアンモニウムクロライド、テトラペンチル臭化アンモニウム、トリプロピル-イソブチル臭化アンモニウム、トリブチル-シクロヘキサン水酸化アンモニア、ジブチル-ジヘキシル水酸化アンモニア、コリン、トリエチル-ヒドロキシエチル水酸化アンモニアトリプロピル-ヒドロキシエチル水酸化アンモニア、トリブチル-ヒドロキシエチル水酸化アンモニア、トリブチル-ベンジル水酸化アンモニア、トリエチル-ベンジル水酸化アンモニア、トリプロピル-ベンジル水酸化アンモニア、N,N,N-トリエチル-アダマンタン基塩化アンモニア、N,N,N-トリプロピル-アダマンタン基塩化アンモニアからなる群から選択される少なくとも1種である。
【0034】
選択的に、ステップa)において、前記窒素含有複素環類テンプレート剤Rは、窒素含有複素環化合物及びその誘導体からなる群から選択される少なくとも1種である。
【0035】
選択的に、ステップa)において、前記窒素含有複素環類テンプレート剤Rは、ピリジニル、N-メチルピリジン、N-エチルピリジン、N-プロピルピリジン、N-ブチルピリジン、N-エチル-3-ブチルピリジン、水酸化1-エチル-2-プロピルピリジン、ピペリジン、N,N-ジメチルピペリジン、水酸化N,N-ジメチル-3,5-ジエチルピペリジン、水酸化N,N-ジメチル-3,5-ジプロピルピペリジン、水酸化N,N-ジエチル-3,5-ジプロピルピペリジン、水酸化N,N-ジエチル-2,6-ジメチルピペリジン、水酸化N,N-ジメチル-2,6-ジエチルピペリジン、イミダゾール、水酸化1-エチル-3-ブチルイミダゾール、水酸化1-エチル-3-ブチル-4-プロピルイミダゾール、水酸化1-ベンジル-3-メチルイミダゾール、水酸化1-ベンジル-3-エチルイミダゾール、水酸化1-ベンジル-3-ブチルイミダゾール、ピペラジン、N-メチルピペラジン、1,4-ジプロピルピペラジン、1-メチル-4-エチルピペラジン、1-エチル-4-ブチル-5-メチルピペラジンからなる群から選択される少なくとも1種である。
【0036】
選択的に、ステップa)において、前記ケイ素源は、オルトケイ酸テトラメチル、オルトケイ酸エチル、ケイ酸ゾル、固体シリカゲル、ホワイトカーボン、ケイ酸ナトリウムからなる群から選択される少なくとも1種であり、
ステップa)において、前記アルミニウム源は、メタアルミン酸ナトリウム、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、アルミニウムイソプロポキシド、2-ブタノールアルミニウム、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、硝酸アルミニウム、擬ベーマイトからなる群から選択される少なくとも1種であり、
ステップa)において、前記アルカリ金属源は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウムからなる群から選択される少なくとも1種である。
【0037】
選択的に、ステップa)は、アルミニウム源、アルカリ金属源、有機テンプレート剤Rと水を混合した後、ケイ素源を加え、混合して初期ゲル混合物Iを得る工程を含む。
【0038】
選択的に、ステップa)において、前記原料におけるアルミニウム源、ケイ素源、アルカリ金属源、有機テンプレート剤Rと水は、以下のモル比を有し、 SiO2/Al2O3=10~200、
M2O/Al2O3=0~30、そのうち、Mは、アルカリ金属元素からなる群から選択される少なくとも1種であり、
R/Al2O3=1~45、
H2O/Al2O3=100~6000。
【0039】
選択的に、SiO2/Al2O3のモル比上限は、15、20、30、40、45、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190又は200から選ばれ、下限は、10、15、20、30、40、45、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180又は190から選択される。
【0040】
選択的に、M2O/Al2O3のモル比上限は、1.8、2.0、3.0、4.0、4.5、4.8、5.0、6.0、7.0、8.0、9.0、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、19、20、22、25、28、29又は30から選ばれ、下限は、0.1、1.8、2.0、3.0、4.0、4.5、4.8、5.0、6.0、7.0、8.0、9.0、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、19、20、22、25又は28から選択される。
【0041】
選択的に、R/Al2O3のモル比上限は、2、3、3.6、4、4.5、4.8、5、5.2、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、19、20、22、25、28、29、30、32、35、38、40、42又は45から選ばれ、下限は、1、2、3、3.6、4、4.5、4.8、5、5.2、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、19、20、22、25、28、29、30、32、35、38、40又は42から選択される。
【0042】
選択的に、H2O/Al2O3のモル比上限は、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、1100、1200、1300、1400、1500、1600、1700、1800、1900、2000、2100、2200、2300、2400、2500、2600、2700、2800、2900、3000、3200、3500、3800、4000、5000又は6000から選ばれ、下限は、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、1100、1200、1300、1400、1500、1600、1700、1800、1900、2000、2100、2200、2300、2400、2500、2600、2700、2800、2900、3000、3200、3500、3800、4000又は5000から選択される。
【0043】
選択的に、ステップb)において、FAU又はEMT構造を有するシリカアルミナ分子篩結晶種をステップa)で得られた初期ゲル混合物Iに加えて、攪拌し、混合して混合物IIを得る。
【0044】
選択的に、ステップb)において、前記攪拌は、1~48時間を行う。
【0045】
選択的に、ステップb)において、前記攪拌の時間の上限は、48時間、44時間、40時間、36時間、32時間、28時間、24時間、20時間、16時間、12時間、8時間、4時間、2時間から選ばれ、下限は、1時間、2時間、4時間、8時間、12時間、16時間、20時間、24時間、28時間、32時間、36時間、40時間、44時間から選択される。
【0046】
選択的に、ステップb)において、前記混合物IIにおける前記FAU又はEMT構造を有するシリカアルミナ分子篩結晶種の加入量と初期ゲル混合物Iにおけるケイ素源の質量比は、0.01~0.3:1であり、
そのうち、初期ゲル混合物Iにおけるケイ素源の質量は、SiO2で計算されるものである。
【0047】
選択的に、ステップb)において、前記FAU又はEMT構造を有するシリカアルミナ分子篩結晶種のシリカアルミナモル比SiO2/Al2O3は2~∞である。
【0048】
選択的に、ステップb)において、前記FAU又はEMT構造を有するシリカアルミナ分子篩結晶種のシリカアルミナモル比SiO2/Al2O3は2.5~200である。
【0049】
選択的に、ステップc)において、前記結晶化の温度は、90~180℃であり、結晶化の時間は0.1~15日である。選択的に、ステップc)において、前記結晶化の温度の上限は、100℃、120℃、140℃、160℃又は180℃から選ばれ、下限は、80℃、90℃、100℃、110℃、120℃、140℃又は160℃から選択される。
【0050】
選択的に、ステップc)において、前記結晶化の時間の上限は、0.1日、0.5日、1日、1.5日、2.5日、4日、5日、6日から選ばれ、下限は、2日、4日、5日、6日、7日、8日、9日又は10日から選択される。
【0051】
選択的に、ステップb)において、前記FAU又はEMT構造を有するシリカアルミナ分子篩結晶種のシリカアルミナモル比SiO2/Al2O3上限は、2.5、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29又は30から選ばれ、下限は、2.2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28又は29から選択される。
【0052】
選択的に、ステップb)において、前記FAU又はEMT構造を有するシリカアルミナ分子篩結晶種のシリカアルミナモル比SiO2/Al2O3は3~10である。
【0053】
選択的に、ステップc)において、前記結晶化の方式は、動的結晶化及び/又は静的結晶化である。
【0054】
選択的に、ステップc)において、前記結晶化の方式は、回転結晶である。
【0055】
選択的に、ステップc)において、前記結晶化後、固体生成物を濾過、洗浄、乾燥して、前記高シリカY分子篩を得る。
【0056】
前記方法では、得られたY分子篩を洗浄、濾過、分離及び乾燥することは、いずれも通常な操作であり、そのうち、前記乾燥は、100~110℃下で12時間を放置することによって行うことができる。
【0057】
一つの具体実施形態では、前記高シリカY分子篩の合成プロセスは、以下のとおりであり、
a1)合成ゲル調製:アルミニウム源、ケイ素源、アルカリ金属源(M)、窒素含有複素環類テンプレート剤Rと脱イオン水を1Al2O3:(10~200)SiO2:(0.1~25)M2O:(1~45)R:(50~6000)H2Oのモル比で室温で均一に混合攪拌して、初期ゲルを得、さらに一定量の結晶種を加えて1~48時間攪拌し、合成ゲルを調製し、
b1)高シリカY分子篩合成:上記合成ゲルを90~180℃の自己生成圧で0.2~15日結晶化し、結晶化終了後、固体生成物を濾過分離し、脱イオン水で中性まで洗浄し、乾燥し、高シリカY分子篩を得ることができる。
【0058】
一つの実施形態として、前記方法は、以下のステップを含む。
【0059】
ステップa)、アルミニウム源、ケイ素源、アルカリ金属源、有機テンプレート剤Rと水の原料を混合して、初期ゲル混合物Iを調製し、前記原料において、アルミニウム源、ケイ素源、アルカリ金属源、有機テンプレート剤Rと水は、以下のモル比を有し、
SiO2/Al2O3=10~200、
M2O/Al2O3=0~30、そのうち、Mは、アルカリ金属元素からなる群から選択される少なくとも1種であり、
R/Al2O3=1~45、
H2O/Al2O3=100~8000、
ステップb)、FAU又はEMT構造を有するシリカアルミナ分子篩結晶種をステップa)で得られた初期ゲル混合物Iに加えて、混合し、混合物IIを得、
ステップc)、ステップb)で得られた混合物IIを密閉反応釜にて結晶化し、結晶化温度が80~180℃であり、結晶化圧力が自己生成圧であり、結晶化時間が0.1~15日であり、結晶化終了後、得られた生成物を分離、洗浄、乾燥し、前記FAUトポロジー構造を有する高シリカY分子篩を得、
そのうち、ケイ素源のモル数はSiO2で計算されるものであり、アルミニウム源のモル数はAl2O3で計算されるものであり、テンプレート剤Rのモル数はR自体のモル数で計算されるものであり、アルカリ金属源のモル数は、その対応する金属酸化物M2Oモル数で計算されるものである。
【0060】
一つの実施形態として、前記FAUトポロジー構造を有する高シリカY分子篩の合成プロセスは、以下のとおりであり、
a)初期ゲル調製:アルミニウム源、ケイ素源、アルカリ金属源、有機テンプレート剤Rと脱イオン水は、以下の比例に従って、
SiO2/Al2O3=10~200、
M2O/Al2O3=0~30、そのうち、Mは、アルカリ金属元素からなる群から選択される少なくとも1種であり、
R/Al2O3=1~45、
H2O/Al2O3=100~8000、
室温で均一に混合攪拌して、初期ゲルを得、
b)FAU又はEMT構造を有するシリカアルミナ分子篩結晶種をステップa)で得られた初期ゲル混合物に加えて、均一に攪拌し、そのうち、結晶種の加入量と初期ゲル混合物におけるSiO2の質量比は0.01~0.3:1であり、
c)、ステップb)で得られた混合物を80~180℃の自己生成圧で0.1~15日結晶化し、結晶化終了後、固体生成物を濾過分離し、脱イオン水で中性まで洗浄し、乾燥し、高シリカY分子篩を得る。
【0061】
別の方面によれば、本出願は、指向剤法によりFAUトポロジー構造を有する高シリカY分子篩を調製する合成方法を提供する。
【0062】
前記FAUトポロジー構造を有する高シリカY分子篩の合成方法であって、以下のステップを含むことを特徴とする。
【0063】
ステップa)、アルミニウム源A1、ケイ素源Si1、アルカリ金属源M1、有機テンプレート剤R1と水を含有する原料Iを混合し、老化して指向剤を得、
前記原料Iにおいて、アルミニウム源A1、ケイ素源Si1、アルカリ金属源M1、有機テンプレート剤R1と水は、以下のモル比を有し、
SiO2/Al2O3=5~30、
M1
2O/Al2O3=0~7、そのうち、M1は、アルカリ金属元素からなる群から選択される少なくとも1種であり、
R1/Al2O3=1~40、
H2O/Al2O3=100~600、
ステップb)、アルミニウム源A2、ケイ素源Si2、アルカリ金属源M2、有機テンプレート剤R2、水を含有する原料IIを混合して、初期ゲルを調製し、
前記原料IIにおいて、アルミニウム源A2、ケイ素源Si2、アルカリ金属源M2、有機テンプレート剤R2、水は、以下のモル比を有し、
SiO2/Al2O3=10~200、
M2
2O/Al2O3=0~30、そのうち、M2は、アルカリ金属元素からなる群から選択される少なくとも1種であり、
R2/Al2O3=1~45、
H2O/Al2O3=100~8000、
ステップc)、前記ステップa)における指向剤をステップb)における初期ゲルに加え、均一に混合した後、密閉反応釜にて結晶化し、前記FAUトポロジー構造を有する高シリカY分子篩を得、
そのうち、ケイ素源Si1、Si2のモル数はSiO2で計算されるものであり、アルミニウム源A1、A2のモル数はAl2O3で計算されるものであり、テンプレート剤R1、R2のモル数はR1、R2自体のモル数で計算されるものであり、アルカリ金属源M1、M2のモル数はその対応するアルカリ性金属M1、M2に対応する金属酸化物M1
2O、M2
2Oモル数で計算されるものである。
【0064】
選択的に、ステップa)において、前記原料Iにおいて、アルミニウム源A1、ケイ素源Si1、アルカリ金属源M1、有機テンプレート剤R1と水は、以下のモル比を有し、
SiO2/Al2O3=5~30、
M1
2O/Al2O3=0~3、そのうち、M1はアルカリ金属元素からなる群から選択される少なくとも1種であり、
R1/Al2O3=5~40、
H2O/Al2O3=100~600。
【0065】
選択的に、ステップa)において、SiO2/Al2O3のモル比上限は、6.0、7.0、8.0、9.0、10、11、12、13、14、15、20又は30から選ばれ、下限は、5.0、6.0、7.0、8.0、9.0、10、11、12、13、14、10、15又は20から選択される。
【0066】
選択的に、ステップa)において、M2O/Al2O3のモル比上限は、0.5、1.8、2.0、3.0、4.0、4.5、4.8又は5.0から選ばれ、下限は、0.1、0.5、1.8、2.0、3.0、4.0、4.5又は4.8から選択される。
【0067】
選択的に、ステップa)において、R/Al2O3のモル比上限は、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、19、20、22、25、28、29、30、32、35、34、38又は40から選ばれ、下限は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、19、20、22、25、28、29、30、32、35、34又は38から選択される。
【0068】
選択的に、ステップa)において、H2O/Al2O3のモル比上限は、150、180、200、250、300、350、400、450、500、550又は600から選ばれ、下限は、100、150、180、200、250、300、350、400、450、500又は550から選択される。
【0069】
選択的に、ステップa)とステップb)において、前記ケイ素源Si1、Si2は、独立して、オルトケイ酸テトラメチル、オルトケイ酸エチル、ケイ酸ゾル、固体シリカゲル、ホワイトカーボン、ケイ酸ナトリウムからなる群から選択される少なくとも1種であり、
ステップa)とステップb)において、前記アルミニウム源A1、A2は、独立して、メタアルミン酸ナトリウム、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、アルミニウムイソプロポキシド、2-ブタノールアルミニウム、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、硝酸アルミニウム、擬ベーマイトからなる群から選択される少なくとも1種であり、
ステップa)とステップb)において、前記アルカリ金属源M1、M2は、独立して、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化セシウムからなる群から選択される少なくとも1種である。
【0070】
選択的に、ステップa)とb)において、前記有機テンプレート剤R
1、R
2は、独立して、窒素含有複素環化合物及びその誘導体、四級アンモニウム系化合物からなる群から選択される少なくとも1種であり、
前記四級アンモニウム系化合物の構造化学式は、式2に示すとおりであり、
【化3】
式2中、R
21、R
22、R
23、R
24は、独立して、C
1~C
12のアルキル基、C
1~C
12のアルコキシ基、C
1~C
12のアルキロール基、アリル基、アダマンタン基からなる群から選択される少なくとも1種であり、X
n-はOH
-、Cl
-、Br
-、I
-、NO
3
-、HSO
4
-、H
2PO
3
-、SO
4
2-、HPO
3
2-、PO
3
3-から選択される。
【0071】
選択的に、R1、R2は、独立して、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウム、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、テトラペンチルアンモニウムヒドロキシド、テトラヘキシルアンモニウムヒドロキシド、臭化テトラプロピルアンモニウム、テトラブチルアンモニウムクロライド、テトラペンチル臭化アンモニウム、トリプロピル-イソブチル臭化アンモニウム、トリブチル-シクロヘキサン水酸化アンモニア、ジブチル-ジヘキシル水酸化アンモニア、コリン、トリエチル-ヒドロキシエチル水酸化アンモニア、トリプロピル-ヒドロキシエチル水酸化アンモニア、トリブチル-ヒドロキシエチル水酸化アンモニア、トリブチル-ベンジル水酸化アンモニア、トリエチル-ベンジル水酸化アンモニア、トリプロピル-ベンジル水酸化アンモニア、N,N,N-トリエチル-アダマンタン基塩化アンモニア、N,N,N-トリプロピル-アダマンタン基塩化アンモニアからなる群から選択される少なくとも1種である。
【0072】
選択的に、R1は、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウム、コリンからなる群から選択される少なくとも1種であり、
R2は、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウム、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、テトラペンチルアンモニウムヒドロキシド、テトラヘキシルアンモニウムヒドロキシド、臭化テトラプロピルアンモニウム、テトラブチルアンモニウムクロライド、テトラペンチル臭化アンモニウム、トリプロピル-イソブチル臭化アンモニウム、トリブチル-シクロヘキサン水酸化アンモニア、ジブチル-ジヘキシル水酸化アンモニア、コリン、トリエチル-ヒドロキシエチル水酸化アンモニアトリプロピル-ヒドロキシエチル水酸化アンモニア、トリブチル-ヒドロキシエチル水酸化アンモニア、トリブチル-ベンジル水酸化アンモニア、トリエチル-ベンジル水酸化アンモニア、トリプロピル-ベンジル水酸化アンモニア、N,N,N-トリエチル-アダマンタン基塩化アンモニア、N,N,N-トリプロピル-アダマンタン基塩化アンモニアからなる群から選択される少なくとも1種である。
【0073】
選択的に、R
1は、有機アンモニウム化合物からなる群から選択される少なくとも1種であり、
前記四級アンモニウム系化合物の化学構造式は、式2に示すとおりであり、
【化4】
式2中、R
21、R
22、R
23、R
24は、独立して、C
1~C
12のアルキル基、C
1~C
12のアルコキシ基、C
1~C
12のアルキロール基、アリル基、アダマンタン基からなる群から選択される少なくとも1種であり、X
n-は、OH
-、Cl
-、Br
-、I
-、NO
3
-、HSO
4
-、H
2PO
3
-、SO
4
2-、HPO
3
2-、PO
3
3-から選ばれ、
R
2は、窒素含有複素環類化合物及びその誘導体からなる群から選択される少なくとも1種である。
【0074】
選択的に、R1は、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムとコリンからなる群から選択される少なくとも1種である。
【0075】
選択的に、R2は、ピリジニル、N-メチルピリジン、N-エチルピリジン、N-プロピルピリジン、N-ブチルピリジン、N-エチル-3-ブチルピリジン、水酸化1-エチル-2-プロピルピリジン、ピペリジン、N,N-ジメチルピペリジン、水酸化N,N-ジメチル-3,5-ジエチルピペリジン、水酸化N,N-ジメチル-3,5-ジプロピルピペリジン、水酸化N,N-ジエチル-3,5-ジプロピルピペリジン、水酸化N,N-ジエチル-2,6-ジメチルピペリジン、水酸化N,N-ジメチル-2,6-ジエチルピペリジン、イミダゾール、水酸化1-エチル-3-ブチルイミダゾール、水酸化1-エチル-3-ブチル-4-プロピルイミダゾール、水酸化1-ベンジル-3-メチルイミダゾール、水酸化1-ベンジル-3-エチルイミダゾール、水酸化1-ベンジル-3-ブチルイミダゾール、ピペラジン、N-メチルピペラジン、1,4-ジプロピルピペラジン、1-メチル-4-エチルピペラジン、1-エチル-4-ブチル-5-メチルピペラジンからなる群から選択される少なくとも1種である。
【0076】
選択的に、ステップa)において、前記老化の温度は、25~140℃であり、老化の時間は、0.5~30日である。
【0077】
選択的に、前記老化の温度の上限は、30℃、35℃、40℃、45℃、50℃、55℃、60℃、65℃、70℃、75℃、80℃、85℃、90℃、95℃、100℃、110℃、120℃、130℃又は140℃から選ばれ、下限は、25℃、30℃、35℃、40℃、45℃、50℃、55℃、60℃、65℃、70℃、75℃、80℃、85℃、90℃、95℃、100℃、110℃、120℃又は130℃から選択される。
【0078】
選択的に、前記老化の時間の上限は、1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日、9日、10日、11日、12日、13日、14日、15日、18日、20日、25日又は30日から選ばれ、下限は、0.5日、1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日、9日、10日、11日、12日、13日、14日、15日、18日、20日又は25日から選択される。
【0079】
選択的に、ステップa)において、前記老化の温度は、25~140℃であり、老化の時間は、1~30日である。
【0080】
選択的に、ステップa)において、前記老化の温度は、30~120℃であり、老化の時間は、1~25日である。
【0081】
選択的に、ステップa)において、前記老化は、二段老化であり、一段目の老化の温度は、30~40℃であり、一段目の老化の時間は、0.5~5日であり、二段目の老化の温度は、50~100℃であり、二段目の老化の時間は、2~8日である。
【0082】
選択的に、ステップa)は、アルミニウム源A1、アルカリ金属源M1、有機テンプレート剤R1と水を均一に混合し、ケイ素源S1を加えて、攪拌混合した後、老化し、老化の温度は25~140℃であり、老化の時間は1~30日であり、指向剤を得る工程を含む。
【0083】
選択的に、ステップb)において、前記アルミニウム源A2、ケイ素源Si2、アルカリ金属源M2、有機テンプレート剤R2、水は、以下のモル比を有し、
SiO2/Al2O3=10~200、
M2
2O/Al2O3=0~30、そのうち、M2は、アルカリ金属元素からなる群から選択される少なくとも1種であり、
R2/Al2O3=1~45、
H2O/Al2O3=100~6000。
【0084】
選択的に、ステップb)において、前記原料IIにおいて、アルミニウム源A2、ケイ素源Si2、アルカリ金属源M2、有機テンプレート剤R2、水は、以下のモル比を有し、
SiO2/Al2O3=1~200、
M2
2O/Al2O3=0~30、そのうち、M2は、アルカリ金属元素からなる群から選択される少なくとも1種であり、
R2/Al2O3=1~45、
H2O/Al2O3=100~4000。
【0085】
選択的に、ステップb)において、SiO2/Al2O3のモル比上限は、15、20、30、40、45、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190又は200から選ばれ、下限は、10、15、20、30、40、45、50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180又は190から選択される。
【0086】
選択的に、ステップb)において、M2O/Al2O3のモル比上限は、1.8、2.0、3.0、4.0、4.5、4.8、5.0、6.0、7.0、8.0、9.0、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、19、20、22、25、28、29又は30から選ばれ、下限は、0.1、1.8、2.0、3.0、4.0、4.5、4.8、5.0、6.0、7.0、8.0、9.0、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、19、20、22、25又は28から選択される。
【0087】
選択的に、ステップb)において、R/Al2O3のモル比上限は、2、3、3.6、4、4.5、4.8、5、5.2、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、19、20、22、25、28、29、30、32、35、38、40、42又は45から選ばれ、下限は、1、2、3、3.6、4、4.5、4.8、5、5.2、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、19、20、22、25、28、29、30、32、35、38、40又は42から選択される。
【0088】
選択的に、ステップb)において、H2O/Al2O3のモル比上限は、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、1100、1200、1300、1400、1500、1600、1700、1800、1900、2000、2100、2200、2300、2400、2500、2600、2700、2800、2900、3000、3200、3500、3800、4000、5000又は6000から選ばれ、下限は、100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、1100、1200、1300、1400、1500、1600、1700、1800、1900、2000、2100、2200、2300、2400、2500、2600、2700、2800、2900、3000、3200、3500、3800、4000又は5000から選択される。
【0089】
選択的に、ステップc)において、前記指向剤における二酸化ケイ素と初期ゲルにおける二酸化ケイ素との質量比は0.01~0.3:1である。
【0090】
選択的に、ステップc)において、前記指向剤における二酸化ケイ素と初期ゲルにおける二酸化ケイ素との質量比は0.01:1、0.02:1、0.03:1、0.04:1、0.05:1、0.06:1、0.07:1、0.08:1、0.09:1、0.1:1、0.11:1、0.12:1、0.13:1、0.14:1、0.15:1、0.16:1、0.15:1、0.20:1、0.25:1、0.30:1のうちの任意の比値及びその任意の二つの比値の間の範囲値である。
【0091】
選択的に、ステップc)において、前記指向剤における二酸化ケイ素と初期ゲルにおける二酸化ケイ素との質量比は0.01~0.3:1である。
【0092】
選択的に、ステップc)において、前記指向剤における二酸化ケイ素と初期ゲルにおける二酸化ケイ素との質量比は0.01~0.2:1である。
【0093】
選択的に、ステップc)において、前記結晶化の温度は、90~180℃であり、前記結晶化の時間は、1~15日である。
【0094】
選択的に、ステップc)において、前記結晶化の温度の上限は、100℃、120℃、140℃、160℃又は180℃から選ばれ、下限は、90℃、100℃、110℃、140℃又は150℃から選択される。
【0095】
選択的に、ステップc)において、前記結晶化の時間の上限は、2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日、9日、10日、11日、12日、13日、14日又は15日から選ばれ、下限は、2日、3日、4日、5日、6日、7日、8日、9日、10日、11日、12日、13日又は14日から選択される。
【0096】
選択的に、ステップc)において、前記結晶化の温度は、90~140℃であり、前記結晶化の時間は、3~15日である。
【0097】
選択的に、ステップc)において、前記結晶化は、動的又は静的方式で行われる。
【0098】
選択的に、ステップc)において、前記結晶化は、動的と静的との結合方式で行われる。
【0099】
選択的に、ステップc)において、前記結晶化は、回転結晶である。
【0100】
選択的に、ステップc)は、前記ステップa)における指向剤をステップb)における初期ゲルに加えて、攪拌し、均一に混合した後、密閉反応釜にて結晶化し、前記FAUトポロジー構造を有する高シリカY分子篩を得る工程を含む。
【0101】
選択的に、ステップc)において、前記攪拌は、1~48時間を行う。
【0102】
選択的に、ステップc)において、前記攪拌の時間の上限は、48時間、44時間、40時間、36時間、32時間、28時間、24時間、20時間、16時間、12時間、8時間、4時間、2時間から選ばれ、下限は、1時間、2時間、4時間、8時間、12時間、16時間、20時間、24時間、28時間、32時間、36時間、40時間、44時間から選択される。
【0103】
選択的に、ステップc)は、前記ステップa)における指向剤をステップb)における初期ゲルに加えて、均一に混合した後、密閉反応釜にて結晶化し、結晶化温度は90~140℃であり、結晶化時間は3~15日であり、結晶化終了後、得られた固体を分離、洗浄、乾燥した後、前記FAUトポロジー構造を有する高シリカY分子篩を得る工程を含む。
【0104】
選択的に、前記方法は、以下のステップを含む。
【0105】
ステップa)、アルミニウム源A1、ケイ素源Si1、アルカリ金属源M1、有機テンプレート剤R1と水を含有する原料Iを混合し、老化して指向剤を得、
前記原料Iにおいて、アルミニウム源A1、ケイ素源Si1、アルカリ金属源M1、有機テンプレート剤R1と水は、以下のモル比を有し、
SiO2/Al2O3=5~30、
M1
2O/Al2O3=0~5、そのうち、M1はアルカリ金属元素からなる群から選択される少なくとも1種であり、
R1/Al2O3=5~40、
H2O/Al2O3=100~600、
ステップb)、アルミニウム源A2、ケイ素源Si2、アルカリ金属源M2、有機テンプレート剤R2、水を含有する原料IIを混合して、初期ゲルを調製し、
前記原料IIにおいて、アルミニウム源A2、ケイ素源Si2、アルカリ金属源M2、有機テンプレート剤R2、水は、以下のモル比を有し、
SiO2/Al2O3=10~200、
M2
2O/Al2O3=0~30、そのうち、M2はアルカリ金属元素からなる群から選択される少なくとも1種であり、
R2/Al2O3=1~45、
H2O/Al2O3=100~6000、
ステップc)、前記ステップa)における指向剤をステップb)における初期ゲルに加え、均一に混合した後、密閉反応釜にて結晶化し、結晶化温度は90~180℃であり、結晶化時間は2~15日であり、結晶化終了後、得られた固体を分離、洗浄、乾燥した後、前記FAUトポロジー構造を有する高シリカY分子篩を得、
そのうち、ケイ素源Si1、Si2のモル数はSiO2で計算されるものであり、アルミニウム源A1、A2のモル数はAl2O3で計算されるものであり、テンプレート剤R1、R2のモル数はR1、R2自体のモル数で計算されるものであり、アルカリ金属源M1、M2のモル数はその対応するアルカリ性金属M1、M2に対応する金属酸化物M1
2O、M2
2Oモル数で計算されるものである。
【0106】
一つの実施形態として、前記高シリカY分子篩の合成プロセスは、以下のとおりであり、
a)指向剤調製:アルミニウム源、ケイ素源、有機テンプレート剤R1と脱イオン水を、1Al2O3:(5~30)SiO2:(0~7)M1
2O:(1~40)R1:(100~600)H2Oのモル比に従って、2時間を攪拌して、均一混合物を調製し、次いで、25~140℃下で1~30日攪拌/静置して、指向剤を調製し、
b)合成ゲル調製:アルミニウム源、ケイ素源、水酸化ナトリウム、有機テンプレート剤R2と脱イオン水は、以下の比例に従って、
SiO2/Al2O3=10~200、
M2
2O/Al2O3=0~30、そのうち、M2はアルカリ金属元素からなる群から選択される少なくとも1種であり、
R2/Al2O3=1~45、
H2O/Al2O3=100~8000、
室温で均一に混合攪拌し、初期ゲルを調製し、一定量のステップa)における指向剤を加えて、1~4時間攪拌し、合成ゲルを調製し、
c)高シリカY分子篩合成:上記合成ゲルを90~180℃の自己生成圧で2~15日結晶化し、結晶化終了後、固体生成物を濾過分離し、脱イオン水で中性まで洗浄し、乾燥し、高シリカY分子篩を得ることができる。
【0107】
別の方面によれば、本出願は、前記方法によって調製された高シリカY分子篩を提供する。この分子篩の酸化シリコンアルミニウム比は、7~30に達し、水熱/熱安定性が良く、流動触媒分解に用いることができ、良好な触媒反応活性を有する。
【0108】
前記分子篩の無水化学組成は、式1に示すとおりであり、
kM(mR1(nR2((Si
xAl
y)O
2(式1)
そのうち、Mはアルカリ金属元素からなる群から選択される少なくとも1種であり、
R1、R2は、有機テンプレート剤を表し、
kは1モル当たり(Si
xAl
y)O
2がアルカリ金属元素Mに対応するモル数を表し、k=0~0.20であり、
m、nは1モル当たり(Si
xAl
y)O
2がテンプレート剤R1、R2に対応するモル数を表し、m=0~0.20、n=0.01~0.20であり、
x、yは、Si、Alのモル数をそれぞれ表し、2x/y=7~40、且つx+y=1であり、
R1、R2は、独立して、窒素含有複素環類化合物及びその誘導体、四級アンモニウム系化合物からなる群から選択される1種であり、
前記四級アンモニウム系化合物の化学構造式は、式2に示すとおりであり、
【化5】
式2中、R
21、R
22、R
23、R
24は、独立して、C
1~C
12のアルキル基、C
1~C
12のアルコキシ基、C
1~C
12のアルキロール基、アリル基、アダマンタン基からなる群から選択される少なくとも1種であり、
X
n-はOH
-、Cl
-、Br
-、I
-、NO
3
-、HSO
4
-、H
2PO
3
-、SO
4
2-、HPO
3
2-、PO
3
3-から選択される。
【0109】
選択的に、m=0.01~0.20である。
【0110】
選択的に、k=0.01~0.15であり、m=0.01~0.1であり、n=0.02~0.15である。
【0111】
選択的に、k=0.02~0.13であり、m=0.01~0.04であり、n=0.03~0.08である。
【0112】
選択的に、前記「C1~C12のアルキル基」は、「C7~C12フェニルアルキル基」を含む。
【0113】
選択的に、前記「アリル基」は、「C7~C12のアリル基」を含む。
【0114】
選択的に、前記「C7~C12のアリル基」は、「C7~C12のアルキルアリル基」を含む。
【0115】
選択的に、Mは、Na、K、Csからなる群から選択される少なくとも1種であり、2x/y=7~30である。
【0116】
選択的に、Mは、Na、K、Csからなる群から選択される少なくとも1種であり、2x/y=8~30である。
【0117】
選択的に、2x/yの上限は、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、22、23、24、25、26、27、28、29又は30から選ばれ、下限は、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、22、23、24、25、26、27、28又は29から選択される。
【0118】
選択的に、R1、R2は、独立して、四級アンモニウム系化合物からなる群から選択される1種である。
【0119】
選択的に、R1、R2は、独立して、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウム、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、テトラペンチルアンモニウムヒドロキシド、テトラヘキシルアンモニウムヒドロキシド、臭化テトラプロピルアンモニウム、テトラブチルアンモニウムクロライド、テトラペンチル臭化アンモニウム、トリプロピル-イソブチル臭化アンモニウム、トリブチル-シクロヘキサン水酸化アンモニア、ジブチル-ジヘキシル水酸化アンモニア、コリン、トリエチル-ヒドロキシエチル水酸化アンモニア、トリプロピル-ヒドロキシエチル水酸化アンモニア、トリブチル-ヒドロキシエチル水酸化アンモニア、トリブチル-ベンジル水酸化アンモニア、トリエチル-ベンジル水酸化アンモニア、トリプロピル-ベンジル水酸化アンモニア、N,N,N-トリエチル-アダマンタン基塩化アンモニア、N,N,N-トリプロピル-アダマンタン基塩化アンモニアからなる群から選択される少なくとも1種である。
【0120】
選択的に、R1は、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウム、コリンからなる群から選択される少なくとも1種であり、
R2は、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウム、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、テトラペンチルアンモニウムヒドロキシド、テトラヘキシルアンモニウムヒドロキシド、臭化テトラプロピルアンモニウム、テトラブチルアンモニウムクロライド、テトラペンチル臭化アンモニウム、トリプロピル-イソブチル臭化アンモニウム、トリブチル-シクロヘキサン水酸化アンモニア、ジブチル-ジヘキシル水酸化アンモニア、コリン、トリエチル-ヒドロキシエチル水酸化アンモニアトリプロピル-ヒドロキシエチル水酸化アンモニア、トリブチル-ヒドロキシエチル水酸化アンモニア、トリブチル-ベンジル水酸化アンモニア、トリエチル-ベンジル水酸化アンモニア、トリプロピル-ベンジル水酸化アンモニア、N,N,N-トリエチル-アダマンタン基塩化アンモニア、N,N,N-トリプロピル-アダマンタン基塩化アンモニアからなる群から選択される少なくとも1種である。
【0121】
選択的に、R1は、四級アンモニウム系化合物からなる群から選択される少なくとも1種であり、R2は、窒素含有複素環類化合物及びその誘導体からなる群から選択される少なくとも1種である。
【0122】
選択的に、R1は、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムとコリンからなる群から選択される少なくとも1種であり、
R2は、窒素含有複素環化合物及びその誘導体からなる群から選択される少なくとも1種である。
【0123】
選択的に、R2はピリジニル、N-メチルピリジン、N-エチルピリジン、N-プロピルピリジン、N-ブチルピリジン、N-エチル-3-ブチルピリジン、水酸化1-エチル-2-プロピルピリジン、ピペリジン、N,N-ジメチルピペリジン、水酸化N,N-ジメチル-3,5-ジエチルピペリジン、水酸化N,N-ジメチル-3,5-ジプロピルピペリジン、水酸化N,N-ジエチル-3,5-ジプロピルピペリジン、水酸化N,N-ジエチル-2,6-ジメチルピペリジン、水酸化N,N-ジメチル-2,6-ジエチルピペリジン、イミダゾール、水酸化1-エチル-3-ブチルイミダゾール、水酸化1-エチル-3-ブチル-4-プロピルイミダゾール、水酸化1-ベンジル-3-メチルイミダゾール、水酸化1-ベンジル-3-エチルイミダゾール、水酸化1-ベンジル-3-ブチルイミダゾール、ピペラジン、N-メチルピペラジン、1,4-ジプロピルピペラジン、1-メチル-4-エチルピペラジン、1-エチル-4-ブチル-5-メチルピペラジンからなる群から選択される少なくとも1種である。
【0124】
選択的に、前記FAUトポロジー構造を有する高シリカY分子篩は、八面体構造である。
【0125】
選択的に、前記FAUトポロジー構造を有する高シリカY分子篩の粒子径サイズは、50nm~2500nmである。
【0126】
さらに別の方面によれば、本出願は、触媒を提供する。本明細書に記載の方法によって調製されたFAUトポロジー構造を有する高シリカY分子篩が、流動触媒分解触媒及び水素添加分解、水素化脱硫黄などの二元機能触媒の反応担体と触媒に用いられることができる。
【0127】
本出願では、動的結晶化は、結晶化釜内でのサイジング剤が非静置状態にあることを指し、静的結晶化は、結晶化釜内でのサイジング剤が静置状態にあることを指す。
【0128】
本出願の文脈では、「シリカアルミナ比」という用語は、本明細に記載の「2x/y」及び「酸化シリコンアルミニウム比」と同じ意味を有する分子篩におけるSiO2とAl2O3で計算されるケイ素とアルミニウムとのモル比であることを意味する。
【0129】
本出願では、C1~C12、C7~C12等は、いずれも含まれる炭素原子数を指す。例えば、「C1~C12のアルキル基」とは、1~12炭素原子数を含むアルキル基を指す。
【0130】
本出願では、「アルキル基」は、アルカン化合物分子上で、任意の一つの水素原子を失って形成された原子団である。前記アルカン化合物は、直鎖アルカン、分岐アルカン、環式アルカン、分岐鎖状の環式アルカンを含む。
【0131】
本出願では、「アルコキシ基」は、アルキル基アルコール系化合物分子上で、-OH基上の水素原子を失って形成された原子団、例えば、CH3OH分子上で、-OH基上の水素原子を失って形成されたメチルオキシ基-OCH3である。
【0132】
本出願では、「アルキロール基」は、アルキル基アルコール系化合物分子上で、非-OH基上の任意の一つ水素原子を失って形成された原子団、例えば、CH3OH分子上で、メチル上の水素原子を失って形成されたヒドロキシメチル基HOCH2-である。
【0133】
本出願では、「アリル基」は、芳香族系化合物分子上で、芳香族環上の一つの水素原子を失って形成された原子団、例えば、トルエンがベンゼン環上のメチル位置の水素原子を失って形成されたパラトルエン基である。
【0134】
本出願では、「アルキルフェニル基」は、置換基を含有するベンゼン環が一つの水素原子を失って形成された原子団、例えば、トルエンがベンゼン環上のメチル位置の水素原子を失って形成されたパラトルエン基である。
【0135】
本出願では、「フェニルアルキル基」は、ベンゼン環上のアルキル基置換基が任意の水素原子を失って形成された原子団、例えば、トルエン上のメチルが一つの水素原子を失って形成されたフェニルメチル基(ベンジル)である。
【図面の簡単な説明】
【0136】
【
図1】試料X#1のX線回折パターン(XRD)である。
【
図2】試料X#1の走査型電子顕微鏡図(SEM)である。
【
図3】試料X#1のケイ素核磁気スペクトル(
29Si-NMR)である。
【
図4】試料V#1のX線回折パターン(XRD)である。
【
図5】試料X1のX線回折パターン(XRD)である。
【
図6】試料X1の走査型電子顕微鏡(SEM)写真である。
【
図7】試料X1のケイ素核磁気スペクトル(
29Si-NMR)である。
【
図8】対比試料V1のX線回折パターン(XRD)である。
【
図9】試料Y#1のX線回折パターン(XRD)である。
【
図10】試料Y#1の走査型電子顕微鏡(SEM)図である。
【
図11】試料Y#1のケイ素核磁気スペクトル(
29Si-NMR)である。
【
図12】試料S1のX線回折パターン(XRD)である。
【
図13】試料T1のX線回折パターン(XRD)である。
【
図14】試料Y1のX線回折パターン(XRD)である。
【
図15】試料Y1の走査型電子顕微鏡(SEM)写真である。
【
図16】試料Y1のケイ素核磁気スペクトル(
29Si-NMR)である。
【
図17】対比試料S1のX線回折パターン(XRD)である。
【
図18】対比試料T1のX線回折パターン(XRD)である。
【発明を実施するための形態】
【0137】
以下、実施例を参照しながら、本発明について詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例に限定されるものではない。
本出願の実施例における分析方法は、以下のとおりであり、
生成物の粉末X線回折物相分析(XRD)は、オランダパナリティカル社(PANalytical)のX’Pert PROX線回折計を採用し、Cuターゲット、Kα放射源(λ=0.15418 nm)、電圧40KV、電流40mAであった。
【0138】
走査式電子顕微鏡(SEM)試験に用いた機器は、Hitachi SU8020場放射走査型電子顕微鏡であり、加速電圧は2kVであった。
【0139】
元素成分は、Philips社のMagix 2424 X型射線蛍光分析装置(XRF)を用いて測定した。
【0140】
ケイ素核磁気スペクトル(29Si-NMR)実験はBruker Avance III 600(14.1 Tesla)分光計上で実験を行い、7mm双共鳴プローブを採用し、回転速度は、6kHzであった。高出力プロトン分断プロセスを採用し、サンプリング回数は1024であり、π/4のパルス幅は2.5μsであり、サンプリング遅れは10sであり、4,4-ジメチル-4-プロパンスルホン酸ナトリウム(DSS)を化学シフト参考として0ppmに補正した。
【0141】
炭素核磁気(13C MAS NMR)実験は、Bruker Avance III 600(14.1 Tesla)分光計上で実験を行い、4mm三共鳴プローブを採用し、回転速度は12kHzであり、アマンタジンを化学シフト参考として0ppmに補正した。
【0142】
実施例1:試料X#1の調製
合成ゲル調製:0.7gアルミン酸ナトリウム(Al2O3:48.3wt%、Na2O:36.3wt%、中国医薬(集団)上海化学試剤公司)、0.20g水酸化ナトリウム、13.0gテトラプロピルアンモニウム(25wt%)を2.40g脱イオン水に溶解して、清澄まで攪拌し、13.3gケイ酸ゾル(SiO2:30wt%、瀋陽化工股フン有限公司)を滴加して0.5時間攪拌し、酸化シリコンアルミニウム比が3であるY沸石0.4gを結晶種として加え、2時間撹拌継続する。
【0143】
高シリカY沸石合成:合成ゲルをステンレス反応釜に転入し、130℃で5日回転結晶し、結晶化終了後、固液を分離して中性まで洗浄し、100℃下で12時間乾燥し、試料X#1と記する。
【0144】
試料X#1の粉末X線回折図(XRD)は
図1に示すとおりであり、
図1から分かるように、試料X#1はFAU骨格構造を有する分子篩である。走査型電子顕微鏡写真(SEM)は
図2に示すとおりであり、試料1の顆粒は細片であり、サイズは50nm~200nmである。
29Si MAS NMRスペクトルは、
図3に示すとおりであり、フィッティング計算により得られた骨格シリカアルミナ比は、XRFにより計算されるものと一致し、XRFと
13C MAS NMR分析に基づいて、正規化し、得られた試料1の元素組成が0.07Na(0.07R2
1((Si
0.86Al
0.14)O
2であることを得、そのうち、R2
1はテトラプロピルアンモニウムである。
【0145】
実施例2試料X#2-X#30の調製
試料X#2-X#30のゲル配合プロセスは、実施例1と同じであり、試料X#2-X#30の原料種類、モル配合比、結晶種加入量(結晶種とゲルにおけるSiO2質量比)、結晶化条件、結晶体構造、シリカアルミナ比(生成物シリカアルミナ比はX型射線蛍光分析装置(XRF)の測定結果である)及び生成物組成は表1に示すとおりである。
【0146】
試料X#1~X#20の調製において、それぞれ、酸化シリコンアルミニウム比が3、2.8、3、3.5、45、6、6、6、6、7、70、10、4、5、6、8、3.5、35、12、20であるFAU構造を有するシリカアルミナ分子篩を結晶種とし、この分子篩結晶種は、シ博潤キン化工科技有限公司から購入されたものである。試料X#21~X#30の調製において、それぞれ、酸化シリコンアルミニウム比が10、8、8.5、7、7、8、21、7、8、22であるEMT構造を有するシリカアルミナ分子篩を結晶種とし、この分子篩結晶種は、河南環宇分子篩有限公司から購入されたものである。
【0147】
比較例1比較試料V#1-V#30の調製
具体的なゲルを合成する原料種類、モル配合比、配合過程及び結晶化条件は、実施例1における試料1#の調製と同じであり、結晶種添加ステップ無し、各生成物を合成する原料種類、モル配合比、結晶化条件、生成物結晶体構造の詳細は、表2に示すとおりである。得られた試料を比較試料V#1-V#30と記する。
【0148】
実施例3 試料X#1-X#30及び比較試料V#1の特性評価
X線回折法を採用して、試料X#1-X#30及び比較試料V#1-V#30の物相に対して分析を行う。
【0149】
結果から分かるように、実施例1と2で調製した試料X#1-X#30は、いずれも高純度と高結晶化度のY型分子篩であり、典型的代表は、
図1における試料X#1のXRDスペクトルに示すように、
図2は、X#1のSEM図であり、
図3は、X#1試料のケイ素核磁気スペクトルである。試料X#2-X#30のXRDスペクトル結果は、
図1に近く、即ち、回折ピーク位置と形状は、ほぼ同じであり、合成条件の変化によって、相対ピーク強度が±5%範囲内で変動し、試料X#1-X#30は、Y型沸石の構造特徴を有し、しかもドープト結晶がなく、シリカアルミナ比が通常のY沸石よりはるかに高いことを示唆した。有機テンプレート剤の導入は、高シリカY沸石を合成する工程のキーポイントである。
【0150】
表2のV#1-V#30生成物は、いずれも非晶形であり、典型的代表は、
図4における比較試料V#1のXRDスペクトルに示すように、このことからわかるように、高シリカY沸石の合成において、有機テンプレート剤に加えて、結晶種の導入も必要である。
【0151】
表1 X#1-X#30試料の原料種類、モル配合比、結晶種加入量、結晶化条件、結晶体構造、シリカアルミナ比及び生成物組成
【表1-1】
【表1-2】
【表1-3】
【表1-4】
注釈:Al
2O
3
1:酸化アルミニウム、SiO
2
1:ケイ酸ゾル、R2
1:テトラプロピルアンモニウム
Al
2O
3
2:アルミニウムイソプロポキシド、SiO
2
2:オルトケイ酸エチル、R2
2:トリエチルヘキシル水酸化アンモニア
Al
2O
3
3:アルミン酸ナトリウム、SiO
2
3:ホワイトカーボン、R2
3:トリエチルベンジル水酸化アンモニア
Al
2O
3
4:硝酸アルミニウム、SiO
2
4:シリカゲル、R2
4:N,N,N-トリプロピルアダマンタン基水酸化アンモニア
Al
2O
3
5:2-ブタノールアルミニウム、R2
5:ジプロピルジブチル水酸化アンモニア
Al
2O
3
6:硫酸アルミニウム、R2
6:ベンジルトリプロピル水酸化アンモニア
Al
2O
3
7:アルミニウム粉末、R2
7:コリン
R2
8:テトラブチルアンモニウムヒドロキシド
R2
9:テトラヘキシルアンモニウムヒドロキシド
R2
10:トリブチル-ヒドロキシエチル水酸化アンモニア
R2
11:トリプロピル-ヒドロキシエチル水酸化アンモニア
【0152】
表2 V#1-V#30試料の原料種類、モル配合比、結晶化条件、結晶体構造
【表2-1】
【表2-2】
【表2-3】
注釈:Al
2O
3
1:酸化アルミニウム、SiO
2
1:ケイ酸ゾル、R2
1:テトラプロピルアンモニウム
Al
2O
3
2:アルミニウムイソプロポキシド、SiO
2
2:オルトケイ酸エチル、R2
2:トリエチルヘキシル水酸化アンモニア
Al
2O
3
3:アルミン酸ナトリウム、SiO
2
3:ホワイトカーボン、R2
3:トリエチルベンジル水酸化アンモニア
Al
2O
3
4:硝酸アルミニウム、SiO
2
4:シリカゲル、R2
4:N,N,N-トリプロピルアダマンタン基水酸化アンモニア
Al
2O
3
5:2-ブタノールアルミニウム、R2
5:ジプロピルジブチル水酸化アンモニア
Al
2O
3
6:硫酸アルミニウム、R2
6:ベンジルトリプロピル水酸化アンモニア
Al
2O
3
7:アルミニウム粉末、R2
7:コリン
R2
8:テトラブチルアンモニウムヒドロキシド
R2
9:テトラヘキシルアンモニウムヒドロキシド
R2
10:トリブチル-ヒドロキシエチル水酸化アンモニア
R2
11:トリプロピル-ヒドロキシエチル水酸化アンモニア
【0153】
実施例4:試料X1の調製
合成ゲル調製:0.7gアルミン酸ナトリウム(Al2O3:48.3wt%、Na2O:36.3wt%、中国医薬(集団)上海化学試剤公司)、0.20g水酸化ナトリウム、13.74g水酸化N,N-ジメチル-3,5-ジプロピルピペリジン(25wt%)を1.82g脱イオン水に溶解して、清澄まで攪拌し、13.3gケイ酸ゾル(SiO2:30wt%、瀋陽化工股フン有限公司)を滴加して2時間攪拌し、酸化シリコンアルミニウム比が3であるY沸石0.4gを結晶種として加え、2時間撹拌継続する。
【0154】
高シリカY分子篩合成:上記合成ゲルをステンレス反応釜に転入し、130℃、自己生成圧下で、5日回転結晶し、結晶化終了後、固液を分離して中性まで洗浄し、100℃下で12時間乾燥し、試料X1と記する。
【0155】
試料X1の粉末X線回折図(XRD)は
図5に示すとおりであり、
図5から分かるように、試料はFAU骨格構造を有する分子篩である。試料X1の走査型電子顕微鏡写真(SEM)は
図6に示すとおりであり、この試料の顆粒は細片であり、サイズは50nm~200nmである。試料X1の
29Si MAS NMRスペクトルは、
図7に示すとおりであり、フィッティング計算により得られた骨格シリカアルミナ比は、XRFにより計算されるものと一致し、XRFと
13C MAS NMR分析に基づいて、正規化し、得られた試料X1の元素組成が0.07Na(0.07R
1((Si
0.86Al
0.14)O
2であることを得、そのうち、R
1は水酸化N,N-ジメチル-3,5-ジプロピルピペリジンである。
【0156】
実施例5:試料X2~X30の調製
試料X2~X30のゲル配合プロセスは、実施例4と同じであり、その原料種類、モル配合比、結晶種加入量(結晶種質量と初期ゲルにおけるSiO2の質量比で表される)、結晶化条件、生成物構造とシリカアルミナ比(生成物シリカアルミナ比は、X型射線蛍光分析装置(XRF)により測定される)及び試料組成は表3に示すとおりである。
【0157】
試料X1~X20の調製において、それぞれ、酸化シリコンアルミニウム比が3、2.8、3.5、40、5、6、6、6、6、7、92、10、3.5、4、6、8、4、35、12と20であるFAU構造を有するシリカアルミナ分子篩を結晶種とし、この分子篩結晶種は、シ博潤キン化工科技有限公司から購入されたものである。試料X21~X30の調製において、それぞれ、酸化シリコンアルミニウム比が7、7、8.5、7、8、10、21、32、8と7であるEMT構造を有するシリカアルミナ分子篩を結晶種とし、この分子篩結晶種は、河南環宇分子篩有限公司から購入されたものである。
【0158】
比較例2:比較試料V1~V30の調製
具体的な配合過程は、実施例4における試料X1の調製と同じであり、結晶種添加ステップという点で、実施例4とは異なる。各生成物を合成する原料種類、モル配合比、結晶化条件及び生成物構造の詳細は、表2に示すとおりである。得られた試料を比較試料V1~V30と記する。
【0159】
実施例6:試料X1~X30及び比較試料V1~V30の特性評価
X線回折法を採用して、試料X1~X30及び比較試料V1~V30の物相に対して分析を行う。
【0160】
結果から分かるように、実施例4と5で調製した試料X1~X30は、いずれも高純度と高結晶化度のY型分子篩であり、典型的代表は、
図5における試料X1のXRDスペクトルに示すように、
図6は、試料X1のSEM写真であり、
図7は、試料X1のケイ素核磁気スペクトルである。試料X2~X30のXRDスペクトル結果は、
図1に近く、即ち、回折ピーク位置と形状は、ほぼ同じであり、合成条件の変化によって、相対ピーク強度が±5%範囲内で変動し、試料X1~X30は、Y分子篩の構造特徴を有し、しかもドープト結晶がなく、且つシリカアルミナ比が通常のY沸石よりはるかに高いことを示唆した。このことからわかるように、本出願による高シリカY分子篩の合成において、窒素含有複素環類テンプレート剤の導入は、本出願による高シリカY分子篩を合成する工程のキーポイントである。
【0161】
表4の比較試料V1~V30は、いずれも非晶形であり、典型的代表は、
図4における比較試料V1のXRDスペクトルに示すように、このことからわかるように、本出願による高シリカY分子篩の合成において、窒素含有複素環類テンプレート剤の導入に加えて、結晶種の導入も必要である。
【0162】
表3 X1-X30試料の原料種類、モル配合比、結晶種加入量、結晶化条件、結晶体構造、シリカアルミナ比及び生成物組成
【表3-1】
【表3-2】
【表3-3】
【表3-4】
注釈:Al
2O
3
1:酸化アルミニウム、SiO
2
1:ケイ酸ゾル、R
1:水酸化N,N-ジメチル-3,5-ジプロピルピペリジン
Al
2O
3
2:アルミニウムイソプロポキシド、SiO
2
2:オルトケイ酸エチル、R
2:水酸化N,N-ジエチル-2,6-ジメチルピペリジン
Al
2O
3
3:アルミン酸ナトリウム、SiO
2
3:ホワイトカーボン、R
3:水酸化N,N-ジエチル-3,5-ジプロピルピペリジン
Al
2O
3
4:硝酸アルミニウム、SiO
2
4:シリカゲル、R
4:N-エチル-3-ブチルピリジン
Al
2O
3
5:2-ブタノールアルミニウム、R
5:水酸化N,N-ジエチル-3,5-ジプロピルピペリジン
Al
2O
3
6:硫酸アルミニウム、R
6:1,4-ジプロピルピペラジン
Al
2O
3
7:アルミニウム粉末、R
7:N-メチルピリジン
R
8:N-エチル-3-ブチルピリジン
R
9:水酸化1-エチル-3-ブチルイミダゾール
R
10:1-エチル-4-ブチル-5-メチルピペラジン
R
11:水酸化1-エチル-3-ブチル-4-プロピルイミダゾール
【0163】
表4 V1-V30試料の原料種類、モル配合比、結晶化条件、結晶体構造
【表4-1】
【表4-2】
【表4-3】
注釈:Al
2O
3
1:酸化アルミニウム、SiO
2
1:ケイ酸ゾル、R
1:水酸化N,N-ジメチル-3,5-ジプロピルピペリジン
Al
2O
3
2:アルミニウムイソプロポキシド、SiO
2
2:オルトケイ酸エチル、R
2:水酸化N,N-ジエチル-2,6-ジメチルピペリジン
Al
2O
3
3:アルミン酸ナトリウム、SiO
2
3:ホワイトカーボン、R
3:水酸化N,N-ジエチル-3,5-ジプロピルピペリジン
Al
2O
3
4:硝酸アルミニウム、SiO
2
4:シリカゲル、R
4:N-エチル-3-ブチルピリジン
Al
2O
3
5:2-ブタノールアルミニウム、R
5:水酸化N,N-ジエチル-3,5-ジプロピルピペリジン
Al
2O
3
6:硫酸アルミニウム、R
6:1,4-ジプロピルピペラジン
Al
2O
3
7:アルミニウム粉末、R
7:N-メチルピリジン
R
8:N-エチル-3-ブチルピリジン
R
9:水酸化1-エチル-3-ブチルイミダゾール
R
10:1-エチル-4-ブチル-5-メチルピペラジン
R
11:水酸化1-エチル-3-ブチル-4-プロピルイミダゾール
【0164】
実施例7:試料Y#1の調製
指向剤の調製:1.3g水酸化ナトリウム(分析試薬、天津市科密欧化学試剤有限公司)、1.7g酸化アルミニウム(化学試薬、中国医薬(集団)上海化学試剤公司)を84.1gテトラエチルアンモニウムヒドロキシド(35wt%水溶液、阿拉丁試剤(上海)有限公司)に溶解して、清澄まで攪拌し、34.7gオルトケイ酸エチル(化学試薬、中国医薬(集団)上海化学試剤公司)を滴加して2時間攪拌する。上記溶液を50℃で12時間静置し、老化後、100℃で48時間静置する。
【0165】
合成ゲル調製:0.7gアルミン酸ナトリウム(Al2O3:48.3wt%、Na2O:36.3wt%、中国医薬(集団)上海化学試剤公司)、0.20g水酸化ナトリウム、9.8gテトラプロピルアンモニウム(25wt%)を4.8g脱イオン水に溶解して、清澄まで攪拌し、13.3gケイ酸ゾル(SiO2:30wt%、瀋陽化工股フン有限公司)を滴加して2時間攪拌し、4.9g上記指向剤を加えて、3時間撹拌する。
【0166】
高シリカY分子篩合成:合成ゲルをステンレス反応釜に転入し、130℃で5日回転結晶し、結晶化終了後、固液を分離して中性まで洗浄し、100℃下で12時間乾燥し、試料Y#1と記する。
【0167】
試料Y#1の粉末X線回折図(XRD)は
図9に示すとおりであり、
図9から分かるように、試料Y1はFAU骨格構造を有する分子篩である。走査型電子顕微鏡写真(SEM)は
図10に示すとおりであり、試料Y1の顆粒は細片であり、サイズは50nm~200nmである。
29Si MAS NMRスペクトルは、
図11に示すとおりであり、フィッティング計算により得られた骨格シリカアルミナ比は、XRFにより計算されるものと一致し、XRFと
13C MAS NMR分析に基づいて、正規化し、得られた試料Y1の元素組成が0.07Na(0.02R1
2(0.05R2
1(Si
0.86Al
0.14)O
2であり、そのうち、R1
2はテトラエチルアンモニウムヒドロキシドであり、R2
1はテトラプロピルアンモニウムである。
【0168】
実施例8:試料Y#2-Y#30の調製
試料Y#2-Y#30のゲル配合プロセスは、実施例7と同じであり、その原料種類、モル配合比、結晶化条件及び生成物結晶体構造とシリカアルミナ比(生成物シリカアルミナ比はX型射線蛍光分析装置(XRF)の測定結果である)は、表5に示すとおりである。試料Y#2-Y#30指向剤老化温度、時間、老化方式、指向剤加入量及び試料組成の詳細は、表6に示すとおりである。
【0169】
表5 Y#1-Y#30試料の原料種類、モル配合比、結晶化条件、結晶体構造及び生成物シリカアルミナ比
【表5-1】
【表5-2】
【表5-3】
【表5-4】
注釈:Al
2O
3
1:酸化アルミニウム、SiO
2
1:ケイ酸ゾル、R1
1:テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、R2
1:テトラプロピルアンモニウム
Al
2O
3
2:アルミニウムイソプロポキシド、SiO
2
2:オルトケイ酸エチル、R1
2:テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、R2
2:トリエチルヘキシル水酸化アンモニア
Al
2O
3
3:アルミン酸ナトリウム、SiO
2
3:ホワイトカーボン、R1
3:テトラプロピルアンモニウム、R2
3:トリエチルベンジル水酸化アンモニア
Al
2O
3
4:硝酸アルミニウム、SiO
2
4:シリカゲル、R1
4:コリン、R2
4:N,N,N-トリプロピルアダマンタン基水酸化アンモニア
Al
2O
3
5:2-ブタノールアルミニウム、R2
5:ジプロピルジブチル水酸化アンモニア
Al
2O
3
6:硫酸アルミニウム、R2
6:ベンジルトリプロピル水酸化アンモニア
Al
2O
3
6:アルミニウム粉末、R2
7:コリン
R2
8:テトラブチルアンモニウムヒドロキシド
R2
9:テトラヘキシルアンモニウムヒドロキシド
R2
10:ブチル-ヒドロキシエチル水酸化アンモニア
R2
11:トリプロピル-ヒドロキシエチル水酸化アンモニア
【0170】
表6 Y#1-Y#30指向剤老化温度、時間及び加入量及び試料組成
【表6-1】
【表6-2】
【表6-3】
注釈:R1
1:テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、R2
1:テトラプロピルアンモニウム
R1
2:テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、R2
2:三エチル-己基水酸化アンモニア
R1
3:テトラプロピルアンモニウム、R2
3:トリエチルベンジル水酸化アンモニア
R1
4:コリン、R2
4:N,N,N-トリプロピルアダマンタン基水酸化アンモニア
R2
5:ジプロピル-ジブチル水酸化アンモニア
R2
6:トリプロピル-ベンジル水酸化アンモニア
R2
7:コリン
R2
8:テトラブチルアンモニウムヒドロキシド
R2
9:テトラヘキシルアンモニウムヒドロキシド
R2
10:トリブチル-ヒドロキシエチル水酸化アンモニア
R2
11:トリプロピル-ヒドロキシエチル水酸化アンモニア
【0171】
比較例3:比較試料S#1-S#30の調製
具体的なゲルを合成する原料種類、モル配合比、配合過程及び結晶化条件は、実施例7における試料Y#1の調製と同じであり、指向剤調製ステップ無し、後続のゲルを合成するステップにも指向剤を添加しない。各生成物を合成する原料種類、モル配合比、結晶化条件、生成物結晶体構造の詳細は、表7に示すとおりである。得られた試料を比較試料S#1-S#30と記する。
【0172】
表7 S#1-S#30試料の原料種類、モル配合比、結晶化条件、結晶体構造
【表7-1】
【表7-2】
【表7-3】
注釈:Al
2O
3
1:酸化アルミニウム、SiO
2
1:ケイ酸ゾル、R2
1:テトラプロピルアンモニウム
Al
2O
3
2:アルミニウムイソプロポキシド、SiO
2
2:オルトケイ酸エチル、R2
2:三エチル-己基水酸化アンモニア
Al
2O
3
3:アルミン酸ナトリウム、SiO
2
3:ホワイトカーボン、R2
3:トリエチル-ベンジル水酸化アンモニア
Al
2O
3
4:硝酸アルミニウム、SiO
2
4:シリカゲル、R2
4:N,N,N-トリプロピルアダマンタン基水酸化アンモニア
Al
2O
3
5:2-ブタノールアルミニウム、R2
5:ジプロピルジブチル水酸化アンモニア
Al
2O
3
6:硫酸アルミニウム、R2
6:ベンジルトリプロピル水酸化アンモニア
Al
2O
3
7:アルミニウム粉末、R2
7:コリン
R2
8:テトラブチルアンモニウムヒドロキシド
R2
9:テトラヘキシルアンモニウムヒドロキシド
R2
10:トリブチル-ヒドロキシエチル水酸化アンモニア
R2
11:トリプロピル-ヒドロキシエチル水酸化アンモニア
【0173】
比較例4:比較試料T#1-T#30の調製
具体的な原料種類、モル配合比、配合過程及び結晶化条件は、実施例7における試料Y#1の調製と同じであり、ただ、指向剤調製ステップ原料配合が終了した後、室温で2時間攪拌するだけで、老化せず、各生成物を合成する原料種類、モル配合比、結晶化条件、及び指向剤加入量、生成物結晶体構造の詳細は、表8に示すとおりである。得られた試料を比較試料T#1-T#30と記する。
【0174】
表8 T#1-T#30試料の原料種類、指向剤加入量、モル配合比、結晶化条件及び結晶体構造
【表8-1】
【表8-2】
【表8-3】
【表8-4】
注釈:Al
2O
3
1:酸化アルミニウム、SiO
2
1:ケイ酸ゾル、R1
1:テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、R2
1:テトラプロピルアンモニウム
Al
2O
3
2:アルミニウムイソプロポキシド、SiO
2
2:オルトケイ酸エチル、R1
2:テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、R2
2:トリエチルヘキシル水酸化アンモニア
Al
2O
3
3:アルミン酸ナトリウム、SiO
2
3:ホワイトカーボン、R1
3:テトラプロピルアンモニウム、R2
3:トリエチルベンジル水酸化アンモニア
Al
2O
3
4:硝酸アルミニウム、SiO
2
4:シリカゲル、R1
4:コリン、R2
4:N,N,N-トリプロピルアダマンタン基水酸化アンモニア
Al
2O
3
5:2-ブタノールアルミニウム、R2
5:ジプロピルジブチル水酸化アンモニア
Al
2O
3
6:硫酸アルミニウム、R2
6:ベンジルトリプロピル水酸化アンモニア
Al
2O
3
7:アルミニウム粉末、R2
7:コリン
R2
8:テトラブチルアンモニウムヒドロキシド
R2
9:テトラヘキシルアンモニウムヒドロキシド
R2
10:トリブチル-ヒドロキシエチル水酸化アンモニア
R2
11:トリプロピル-ヒドロキシエチル水酸化アンモニア
【0175】
実施例9:試料Y#1-Y#30及び比較試料S#1、T#1の特性評価
X線回折法を採用して、試料Y#1-Y#30及び比較試料S#1-S#30、T#1-T#30の物相に対して分析を行う。
【0176】
結果から分かるように、実施例7と8で調製した試料Y#1-Y#30は、いずれも高純度と高結晶化度のY型分子篩であり、典型的代表は、
図9における試料Y#1のXRDスペクトルに示すように、
図10は、Y#1のSEM図であり、
図11は、Y#1試料のケイ素核磁気スペクトルである。試料Y#2-Y#30のXRDスペクトル結果は、
図9に近く、即ち、回折ピーク位置と形状は、ほぼ同じであり、合成条件の変化によって、相対ピーク強度が±5%範囲内で変動し、試料Y#2-Y#30は、Y型分子篩の構造特徴を有し、しかもドープト結晶がない。
【0177】
表7と表8における比較試料S#1-S#30と比較試料T#1-T#30は、いずれも非晶形であり、そのうち、比較試料S#1、比較試料T#1のXRDスペクトルは、それぞれ、
図12及び
図13に示すように、図から分かるように、高シリカY分子篩合成において、指向剤の加入が必要なことであり、且つ、指向剤の調製過程において、必ず高温老化を経て結晶化を誘導する役割を果し、高シリカY分子篩を合成できるキーポイントである。
【0178】
実施例10:試料Y1の調製
指向剤の調製:1.3g水酸化ナトリウム(分析試薬、天津市科密欧化学試剤有限公司)、1.7g酸化アルミニウム(化学試薬、中国医薬(集団)上海化学試剤公司)を84.1gテトラエチルアンモニウムヒドロキシド(35wt%水溶液、阿拉丁試剤(上海)有限公司)に溶解して、清澄まで攪拌し、34.7gオルトケイ酸エチル(化学試薬、中国医薬(集団)上海化学試剤公司)を滴加し、室温で2時間攪拌し、その後、得られた溶液を50℃で12時間静置してから、70℃で2日静置する。
【0179】
合成ゲル調製:0.7gアルミン酸ナトリウム(Al2O3:48.3wt%、Na2O:36.3wt%、中国医薬(集団)上海化学試剤公司)、0.20g水酸化ナトリウム、10.30g水酸化N,N-ジメチル-3,5-ジプロピルピペリジン(25wt%)を4.40g脱イオン水に溶解して、清澄まで攪拌し、13.3gケイ酸ゾル(SiO2:30wt%、瀋陽化工股フン有限公司)を滴加して2時間攪拌し、その後、4.9g上記指向剤を加えて3時間撹拌する。
【0180】
高シリカY分子篩合成:上記合成ゲルをステンレス反応釜に転入し、120℃、自己生成圧下で、5日静置した後、固液を分離して中性まで洗浄し、100℃下で12時間乾燥し、試料Y1と記する。
【0181】
試料Y1の粉末X線回折図(XRD)は
図14に示すとおりであり、
図14から分かるように、この試料はFAU骨格構造を有する分子篩である。試料Y1の走査型電子顕微鏡写真(SEM)は
図15に示すとおりであり、この試料の顆粒は細片であり、サイズは50nm~200nmであることが分かった。試料Y1の
29Si MAS NMRスペクトルは、
図16に示すとおりであり、フィッティング計算により得られた骨格シリカアルミナ比は、XRFにより計算されるものと一致し、XRFと
13C MAS NMR分析に基づいて、正規化し、得られた試料Y1の元素組成が0.07Na(0.02R1
2(0.05R2
1(Si
0.86Al
0.14)O
2であることを得、そのうち、R1
2はテトラエチルアンモニウムヒドロキシドであり、R2
1は水酸化N,N-ジメチル-3,5-ジプロピルピペリジンである。
【0182】
実施例11:試料Y2~Y30の調製
試料Y2~Y30のゲル配合プロセスは、実施例10と同じであり、その原料種類、モル配合比、結晶化条件及び生成物構造とシリカアルミナ比(生成物シリカアルミナ比はX型射線蛍光分析装置(XRF)により測定される)は、表9に示すとおりである。試料Y2~Y30指向剤の老化温度と時間、指向剤加入量及び試料組成の詳細は、表10に示すとおりである。
【0183】
比較例5:比較試料S1~S30の調製
具体的な配合過程は、実施例1における試料Y1の調製と同じであり、指向剤調製ステップ無し、後続のゲルを合成するステップにも指向剤を添加しないという点で、実施例1とは異なる。各生成物を合成する原料種類、モル配合比、結晶化条件及び生成物構造の詳細は、表11に示すとおりである。得られた試料を比較試料S1~S30と記する。
【0184】
比較例6:比較試料T1~T30の調製
具体的な配合過程は、実施例1における試料Y1の調製と同じであり、指向剤調製ステップにおいて、原料配合が終了した後、ただ室温で2時間攪拌して老化しないという点で、実施例1とは異なる。各生成物を合成する原料種類、モル配合比、結晶化条件及び指向剤加入量、生成物構造の詳細は、表12に示すとおりである。得られた試料を比較試料T1~T30と記する。
【0185】
実施例12:試料Y1~Y30及び比較試料S1~S30、T1~T30の特性評価
X線回折法を採用して、試料Y1~Y30及び比較試料S1~S30、T1~T30の物相に対して分析を行う。
【0186】
結果から分かるように、実施例10と11で調製した試料Y1~Y30は、いずれも高純度と高結晶化度のY型分子篩であり、典型的代表は、
図14における試料Y1のXRDスペクトルに示すように、
図15は、試料Y1のSEM写真であり、
図16は、試料Y1のケイ素核磁気スペクトルである。試料Y2~Y30のXRDスペクトル結果は、
図14に近く、即ち、回折ピーク位置と形状は、ほぼ同じであり、合成条件の変化によって、相対ピーク強度が±5%範囲内で変動し、試料Y1~Y30は、Y型分子篩の構造特徴を有し、しかもドープト結晶がない。
【0187】
表9と表10における比較試料S1~S30と比較試料T1~T30は、いずれも非晶形であり、そのうち、典型的代表として、比較試料S1と比較試料T1のXRDスペクトルは、それぞれ、
図17及び
図18に示すように、図から分かるように、本出願による高シリカY分子篩合成において、指向剤の加入が必要なことであり、且つ、指向剤の調製過程において、必ず高温老化を経て結晶化を誘導する役割を果し、これは、本出願による高シリカY分子篩を合成できるキーポイントである。
【0188】
表9 試料Y1~Y30の原料種類、モル配合比、結晶化条件、生成物構造及び生成物シリカアルミナ比
【表9-1】
【表9-2】
【表9-3】
【表9-4】
注釈:Al
2O
3
1:酸化アルミニウム、SiO
2
1:ケイ酸ゾル、R1
1:テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、R2
1:水酸化N,N-ジメチル-3,5-ジプロピルピペリジン
Al
2O
3
2:アルミニウムイソプロポキシド、SiO
2
2:オルトケイ酸エチル、R1
2:テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、R2
2:水酸化N,N-ジエチル-2,6-ジメチルピペリジン
Al
2O
3
3:アルミン酸ナトリウム、SiO
2
3:ホワイトカーボン、R1
3:テトラプロピルアンモニウム、R2
3:水酸化N,N-ジエチル-3,5-ジプロピルピペリジン
Al
2O
3
4:硝酸アルミニウム、SiO
2
4:シリカゲル、R1
4:コリン、R2
4:N-エチル-3-ブチルピリジン
Al
2O
3
5:2-ブタノールアルミニウム、R2
5:水酸化N,N-ジエチル-3,5-ジプロピルピペリジン
Al
2O
3
6:硫酸アルミニウム、R2
6:1,4-ジプロピルピペラジン
Al
2O
3
7:アルミニウム粉末、R2
7:N-メチルピリジン
R2
8:N-エチル-3-ブチルピリジン
R2
9:水酸化1-エチル-3-ブチルイミダゾール
R2
10:1-エチル-4-ブチル-5-メチルピペラジン
R2
11:水酸化1-エチル-3-ブチル-4-プロピルイミダゾール
【0189】
表10 試料Y1-Y30の指向剤老化温度と時間、指向剤加入量及び試料組成
【表10-1】
【表10-2】
【表10-3】
注釈:R1
1:テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、R2
1:水酸化N,N-ジメチル-3,5-ジプロピルピペリジン
R1
2:テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、R2
2:水酸化N,N-ジエチル-2,6-ジメチルピペリジン
R1
3:テトラプロピルアンモニウム、R2
3:水酸化N,N-ジエチル-3,5-ジプロピルピペリジン
R1
4:コリン、R2
4:N-エチル-3-ブチルピリジン
R2
5:水酸化N,N-ジエチル-3,5-ジプロピルピペリジン
R2
6:1,4-ジプロピルピペラジン
R2
7:N-メチルピリジン
R2
8:N-エチル-3-ブチルピリジン
R2
9:水酸化1-エチル-3-ブチルイミダゾール
R2
10:1-エチル-4-ブチル-5-メチルピペラジン
R2
11:水酸化1-エチル-3-ブチル-4-プロピルイミダゾール
【0190】
表11 試料S1~S30の原料種類、モル配合比、結晶化条件及び生成物構造
【表11-1】
【表11-2】
【表11-3】
注釈:Al
2O
3
1:酸化アルミニウム、SiO
2
1:ケイ酸ゾル、R2
1:水酸化N,N-ジメチル-3,5-ジプロピルピペリジン
Al
2O
3
2:アルミニウムイソプロポキシド、SiO
2
2:オルトケイ酸エチル、R2
2:水酸化N,N-ジエチル-2,6-ジメチルピペリジン
Al
2O
3
3:アルミン酸ナトリウム、SiO
2
3:ホワイトカーボン、R2
3:水酸化N,N-ジエチル-3,5-ジプロピルピペリジン
Al
2O
3
4:硝酸アルミニウム、SiO
2
4:シリカゲル、R2
4:N-エチル-3-ブチルピリジン
Al
2O
3
5:2-ブタノールアルミニウム、R2
5:水酸化N,N-ジエチル-3,5-ジプロピルピペリジン
Al
2O
3
6:硫酸アルミニウム、R2
6:1,4-ジプロピルピペラジン
Al
2O
3
7:アルミニウム粉末、R2
7:N-メチルピリジン
R2
8:N-エチル-3-ブチルピリジン
R2
9:水酸化1-エチル-3-ブチルイミダゾール
R2
10:1-エチル-4-ブチル-5-メチルピペラジン
R2
11:水酸化1-エチル-3-ブチル-4-プロピルイミダゾール
【0191】
表12 試料T1-T30の原料種類、指向剤加入量、モル配合比、結晶化条件及び生成物構造
【表12-1】
【表12-2】
【表12-3】
【表12-4】
注釈:Al
2O
3
1:酸化アルミニウム、SiO
2
1:ケイ酸ゾル、R1
1:テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、R2
1:水酸化N,N-ジメチル-3,5-ジプロピルピペリジン
Al
2O
3
2:アルミニウムイソプロポキシド、SiO
2
2:オルトケイ酸エチル、R1
2:テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、R2
2:水酸化N,N-ジエチル-2,6-ジメチルピペリジン
Al
2O
3
3:アルミン酸ナトリウム、SiO
2
3:ホワイトカーボン、R1
3:テトラプロピルアンモニウム、R2
3:水酸化N,N-ジエチル-3,5-ジプロピルピペリジン
Al
2O
3
4:硝酸アルミニウム、SiO
2
4:シリカゲル、R1
4:コリン、R2
4:N-エチル-3-ブチルピリジン
Al
2O
3
5:2-ブタノールアルミニウム、R2
5:水酸化N,N-ジエチル-3,5-ジプロピルピペリジン
Al
2O
3
6:硫酸アルミニウム、R2
6:1,4-ジプロピルピペラジン
Al
2O
3
7:アルミニウム粉末、R2
7:N-メチルピリジン
R2
8:N-エチル-3-ブチルピリジン
R2
9:水酸化1-エチル-3-ブチルイミダゾール
R2
10:1-エチル-4-ブチル-5-メチルピペラジン
R2
11:水酸化1-エチル-3-ブチル-4-プロピルイミダゾール
【0192】
以上、本出願のいくつかの実施例にすぎず、これらの実施例は例示的なものであり、制限的なものではない。本出願は、好ましい実施例で上述したように開示されているが、本出願を限定するために用いられるのではなく、当業者であれば、本出願の技術案から逸脱することなく、上記開示された技術案内容を利用して、これらの実施例に対して若干の修正又は改善を行うことができ、これらの修正、改善は、いずれも同等の実施例であり、いずれも技術案の範囲内に属する。
【手続補正書】
【提出日】2021-11-26
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
FAUトポロジー構造を有する高シリカY分子篩であって、
前記分子篩の無水化学組成は、式1に示すとおりであり、
kM(mR1(nR2((Si
xAl
y)O
2(式1)
式中、Mは、アルカリ金属元素から選択される少なくとも1種であり、
R1、R2は、有機テンプレート剤を表し、
kは、1モル当たり(Si
xAl
y)O
2がアルカリ金属元素Mに対応するモル数を表し、k=0~0.20であり、
m、nは、1モル当たり(Si
xAl
y)O
2がテンプレート剤R1、R2に対応するモル数を表し、m=0~0.20、n=0.01~0.20であり、
x、yは、Si、Alのモル数をそれぞれ表し、2x/y=7~40、且つx+y=1であり、
R1、R2は、独立して、窒素含有複素環類化合物及びその誘導体、並びに四級アンモニウム系化合物からなる群から選択される1種であり、
前記四級アンモニウム系化合物の化学構造式は、式2に示すとおりであり、
【化1】
式2中、R
21、R
22、R
23、R
24は、独立して、C
1~C
12のアルキル基、C
1~C
12のアルコキシ基、C
1~C
12のアルキロール基、アリル基、及びアダマンタン基からなる群から選択される少なくとも1種であり、
X
n-は、OH
-、Cl
-、Br
-、I
-、NO
3
-、HSO
4
-、H
2PO
3
-、SO
4
2-、HPO
3
2-、及びPO
3
3-からなる群から選択される1種である、ことを特徴とするFAUトポロジー構造を有する高シリカY分子篩。
【請求項2】
Mは、Na、K、及びCsからなる群から選択される少なくとも1種であり、2x/y=7~30であ
り、
好ましくは、Mは、Na、K、及びCsからなる群から選択される少なくとも1種であり、2x/y=8~30であ
り、
好ましくは、k=0.01~0.15、m=0.01~0.1、n=0.02~0.15であり、
より好ましくは、k=0.02~0.13、m=0.01~0.04、n=0.03~0.08である、ことを特徴とする請求項1に記載のFAUトポロジー構造を有する高シリカY分子篩。
【請求項3】
R1、R2は、独立して、四級アンモニウム系化合物から選択される少なくとも1種であり、
好ましくは、R1、R2は、独立して、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウム、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、テトラペンチルアンモニウムヒドロキシド、テトラヘキシルアンモニウムヒドロキシド、臭化テトラプロピルアンモニウム、テトラブチルアンモニウムクロライド、テトラペンチル臭化アンモニウム、トリプロピル-イソブチル臭化アンモニウム、トリブチル-シクロヘキサン水酸化アンモニア、ジブチル-ジヘキシル水酸化アンモニア、コリン、トリエチル-ヒドロキシエチル水酸化アンモニア、トリプロピル-ヒドロキシエチル水酸化アンモニア、トリブチル-ヒドロキシエチル水酸化アンモニア、トリブチル-ベンジル水酸化アンモニア、トリエチル-ベンジル水酸化アンモニア、トリプロピル-ベンジル水酸化アンモニア、N,N,N-トリエチル-アダマンタン基塩化アンモニア、及びN,N,N-トリプロピル-アダマンタン基塩化アンモニアからなる群から選択される少なくとも1種であ
り、
好ましくは、
R1は、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウム、及びコリンからなる群から選択される少なくとも1種であり、
R2は、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウム、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、テトラペンチルアンモニウムヒドロキシド、テトラヘキシルアンモニウムヒドロキシド、臭化テトラプロピルアンモニウム、テトラブチルアンモニウムクロライド、テトラペンチル臭化アンモニウム、トリプロピル-イソブチル臭化アンモニウム、トリブチル-シクロヘキサン水酸化アンモニア、ジブチル-ジヘキシル水酸化アンモニア、コリン、トリエチル-ヒドロキシエチル水酸化アンモニアトリプロピル-ヒドロキシエチル水酸化アンモニア、トリブチル-ヒドロキシエチル水酸化アンモニア、トリブチル-ベンジル水酸化アンモニア、トリエチル-ベンジル水酸化アンモニア、トリプロピル-ベンジル水酸化アンモニア、N,N,N-トリエチル-アダマンタン基塩化アンモニア、及びN,N,N-トリプロピル-アダマンタン基塩化アンモニアからなる群から選択される少なくとも1種である、ことを特徴とする請求項1に記載のFAUトポロジー構造を有する高シリカY分子篩。
【請求項4】
R1は、四級アンモニウム系化合物から選択される少なくとも1種であり、
R2は、窒素含有複素環類化合物及びその誘導体からなる群から選択される少なくとも1種であ
り、
好ましくは、
R1は、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウム及びコリンからなる群から選択される少なくとも1種であり、
R2は、窒素含有複素環化合物及びその誘導体からなる群から選択される少なくとも1種であ
り、
好ましくは、R2は、ピリジニル、N-メチルピリジン、N-エチルピリジン、N-プロピルピリジン、N-ブチルピリジン、N-エチル-3-ブチルピリジン、水酸化1-エチル-2-プロピルピリジン、ピペリジン、N,N-ジメチルピペリジン、水酸化N,N-ジメチル-3,5-二エチルピペリジン、水酸化N,N-ジメチル-3,5-ジプロピルピペリジン、水酸化N,N-二エチル-3,5-ジプロピルピペリジン、水酸化N,N-二エチル-2,6-ジメチルピペリジン、水酸化N,N-ジメチル-2,6-二エチルピペリジン、イミダゾール、水酸化1-エチル-3-ブチルイミダゾール、水酸化1-エチル-3-ブチル-4-プロピルイミダゾール、水酸化1-ベンジル-3-メチルイミダゾール、水酸化1-ベンジル-3-エチルイミダゾール、水酸化1-ベンジル-3-ブチルイミダゾール、ピペラジン、N-メチルピペラジン、1,4-ジプロピルピペラジン、1-メチル-4-エチルピペラジン、及び1-エチル-4-ブチル-5-メチルピペラジンからなる群から選択される少なくとも1種である、ことを特徴とする請求項7に記載のFAUトポロジー構造を有する高シリカY分子篩。
【請求項5】
FAUトポロジー構造を有する高シリカY分子篩の合成方法であって、以下のステップを含み、 ステップa):アルミニウム源、ケイ素源、アルカリ金属源、有機テンプレート剤R及び水を含有する原料を混合して、初期ゲル混合物Iを調製し、前記原料において、アルミニウム源、ケイ素源、アルカリ金属源、有機テンプレート剤R及び水は、以下のモル比を有し、
SiO
2/Al
2O
3=10~200、
M
2O/Al
2O
3=0~30(式中、Mは、アルカリ金属元素から選択される少なくとも1種である)、
R/Al
2O
3=1~45、
H
2O/Al
2O
3=50~8000、
ステップb):FAU又はEMT構造を有するシリカアルミナ分子篩結晶種をステップa)で得られた初期ゲル混合物Iに加えて、混合して、混合物IIを得、
ステップc):ステップb)で得られた混合物IIを密閉反応釜にて結晶化し、前記FAUトポロジー構造を有する高シリカY分子篩を得、
前記ケイ素源のモル数はSiO
2で計算されるものであり、アルミニウム源のモル数はAl
2O
3で計算されるものであり、テンプレート剤Rのモル数はR自体のモル数で計算されるものであり、アルカリ金属源のモル数は、その対応するアルカリ性金属Mに対応する金属酸化物M
2Oモル数で計算されるものである、ことを特徴とするFAUトポロジー構造を有する高シリカY分子篩の合成方法。
【請求項6】
ステップa)において、H
2O/Al
2O
3=50~6000であり、
好ましくは、ステップa)において、H
2O/Al
2O
3=100~8000であり、
好ましくは、ステップa)において、R/Al
2O
3=0.1~25である、ことを特徴とする請求項
5に記載の方法。
【請求項7】
ステップa)において、前記有機テンプレート剤Rは、窒素含有複素環類化合物及びその誘導体、並びに四級アンモニウム系化合物からなる群から選択される少なくとも1種であり、
前記四級アンモニウム系化合物の化学構造式は、式2に示すとおりであり、
【化2】
式2中、R
21、R
22、R
23、R
24は、独立して、C
1~C
12のアルキル基、C
1~C
12のアルコキシ基、C
1~C
12のアルキロール基、アリル基、及びアダマンタン基からなる群から選択される少なくとも1種であり、
X
n-は、OH
-、Cl
-、Br
-、I
-、NO
3
-、HSO
4
-、H
2PO
3
-、SO
4
2-、HPO
3
2-、及びPO
3
3-から選択される1種であ
り、
好ましくは、ステップa)において、前記有機テンプレート剤Rは、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウム、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、テトラペンチルアンモニウムヒドロキシド、テトラヘキシルアンモニウムヒドロキシド、臭化テトラプロピルアンモニウム、テトラブチルアンモニウムクロライド、テトラペンチル臭化アンモニウム、トリプロピル-イソブチル臭化アンモニウム、トリブチル-シクロヘキサン水酸化アンモニア、ジブチル-ジヘキシル水酸化アンモニア、コリン、トリエチル-ヒドロキシエチル水酸化アンモニアトリプロピル-ヒドロキシエチル水酸化アンモニア、トリブチル-ヒドロキシエチル水酸化アンモニア、トリブチル-ベンジル水酸化アンモニア、トリエチル-ベンジル水酸化アンモニア、トリプロピル-ベンジル水酸化アンモニア、N,N,N-トリエチル-アダマンタン基塩化アンモニア、及びN,N,N-トリプロピル-アダマンタン基塩化アンモニアからなる群から選択される少なくとも1種であ
り、
好ましくは、ステップa)において、前記窒素含有複素環類テンプレート剤Rは、窒素含有複素環化合物及びその誘導体からなる群から選択される少なくとも1種であ
り、
好ましくは、ステップa)において、前記窒素含有複素環類テンプレート剤Rは、ピリジニル、N-メチルピリジン、N-エチルピリジン、N-プロピルピリジン、N-ブチルピリジン、N-エチル-3-ブチルピリジン、水酸化1-エチル-2-プロピルピリジン、ピペリジン、N,N-ジメチルピペリジン、水酸化N,N-ジメチル-3,5-二エチルピペリジン、水酸化N,N-ジメチル-3,5-ジプロピルピペリジン、水酸化N,N-二エチル-3,5-ジプロピルピペリジン、水酸化N,N-二エチル-2,6-ジメチルピペリジン、水酸化N,N-ジメチル-2,6-二エチルピペリジン、イミダゾール、水酸化1-エチル-3-ブチルイミダゾール、水酸化1-エチル-3-ブチル-4-プロピルイミダゾール、水酸化1-ベンジル-3-メチルイミダゾール、水酸化1-ベンジル-3-エチルイミダゾール、水酸化1-ベンジル-3-ブチルイミダゾール、ピペラジン、N-メチルピペラジン、1,4-ジプロピルピペラジン、1-メチル-4-エチルピペラジン、及び1-エチル-4-ブチル-5-メチルピペラジンからなる群から選択される少なくとも1種である、ことを特徴とする請求項
5に記載の方法。
【請求項8】
ステップa)において、前記ケイ素源は、オルトケイ酸テトラメチル、オルトケイ酸エチル、ケイ酸ゾル、固体シリカゲル、ホワイトカーボン、及びケイ酸ナトリウムからなる群から選択される少なくとも1種であり、
ステップa)において、前記アルミニウム源は、メタアルミン酸ナトリウム、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、アルミニウムイソプロポキシド、2-ブタノールアルミニウム、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、硝酸アルミニウム、及び擬ベーマイトからなる群から選択される少なくとも1種であり、
ステップa)において、前記アルカリ金属源は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、及び水酸化セシウムからなる群から選択される少なくとも1種である、ことを特徴とする請求項
5に記載の方法。
【請求項9】
ステップa)は、アルミニウム源、アルカリ金属源、有機テンプレート剤R及び水を混合した後、ケイ素源を加え、混合して初期ゲル混合物Iを得る工程を含む、ことを特徴とする請求項
5に記載の方法。
【請求項10】
ステップa)において、前記原料において、アルミニウム源、ケイ素源、アルカリ金属源、有機テンプレート剤R及び水は、以下のモル比を有する、
SiO
2/Al
2O
3=10~200、
M
2O/Al
2O
3=0~30(式中、Mは、アルカリ金属元素から選択される少なくとも1種である)、
R/Al
2O
3=1~45、
H
2O/Al
2O
3=100~6000、ことを特徴とする請求項
5に記載の方法。
【請求項11】
ステップb)において、前記混合物IIにおける前記FAU又はEMT構造を有するシリカアルミナ分子篩結晶種の加入量と初期ゲル混合物Iにおけるケイ素源の質量比は、0.01~0.3:1であり、
前記初期ゲル混合物Iにおけるケイ素源の質量は、SiO
2で計算されるものであ
り、
好ましくは、ステップb)において、前記FAU又はEMT構造を有するシリカアルミナ分子篩結晶種のシリカアルミナモル比SiO
2/Al
2O
3は2~∞であ
り、
好ましくは、ステップb)において、前記FAU又はEMT構造を有するシリカアルミナ分子篩結晶種のシリカアルミナモル比SiO
2/Al
2O
3は2.5~200である、ことを特徴とする請求項
5に記載の方法。
【請求項12】
ステップc)において、前記結晶化の温度は、90~180℃であり、結晶化の時間は0.1~15日であ
り、
好ましくは、ステップc)において、前記結晶化の方式は、動的結晶
化又は静的結晶化である、ことを特徴とする請求項
5に記載の方法。
【請求項13】
FAUトポロジー構造を有する高シリカY分子篩の合成方法であって、以下のステップを含み、
ステップa):アルミニウム源A
1、ケイ素源Si
1、アルカリ金属源M
1、有機テンプレート剤R
1及び水を含有する原料Iを混合し、老化して指向剤を得、
前記原料Iにおいて、アルミニウム源A
1、ケイ素源Si
1、アルカリ金属源M
1、有機テンプレート剤R
1及び水は、以下のモル比を有し、
SiO
2/Al
2O
3=5~30、
M
1
2O/Al
2O
3=0~7(式中、M
1は、アルカリ金属元素から選択される少なくとも1種である)、
R
1/Al
2O
3=1~40、
H
2O/Al
2O
3=100~600、
ステップb):アルミニウム源A
2、ケイ素源Si
2、アルカリ金属源M
2、有機テンプレート剤R
2、水を含有する原料IIを混合して、初期ゲルを調製し、
前記原料IIにおいて、アルミニウム源A
2、ケイ素源Si
2、アルカリ金属源M
2、有機テンプレート剤R
2、水は、以下のモル比を有し、
SiO
2/Al
2O
3=10~200、
M
2
2O/Al
2O
3=0~30(式中、M
2は、アルカリ金属元素から選択される少なくとも1種である)、
R
2/Al
2O
3=1~45、
H
2O/Al
2O
3=100~8000、
ステップc):前記ステップa)における指向剤をステップb)における初期ゲルに加え、均一に混合した後、密閉反応釜にて結晶化し、前記FAUトポロジー構造を有する高シリカY分子篩を得、
前記ケイ素源Si
1、Si
2のモル数はSiO
2で計算されるものであり、アルミニウム源A
1、A
2のモル数はAl
2O
3で計算されるものであり、テンプレート剤R
1、R
2のモル数はR
1、R
2自体のモル数で計算されるものであり、アルカリ金属源M
1、M
2のモル数はその対応するアルカリ性金属M
1、M
2に対応する金属酸化物M
1
2O、M
2
2Oモル数で計算されるものである、ことを特徴とするFAUトポロジー構造を有する高シリカY分子篩の合成方法。
【請求項14】
ステップa)において、前記原料Iにおいて、アルミニウム源A
1、ケイ素源Si
1、アルカリ金属源M
1、有機テンプレート剤R
1及び水は、以下のモル比を有し、
SiO
2/Al
2O
3=5~30、
M
1
2O/Al
2O
3=0~3(式中、M
1は、アルカリ金属元素選択される少なくとも1種である)、
R
1/Al
2O
3=5~40、
H
2O/Al
2O
3=100~600
、
好ましくは、
ステップb)において、前記原料IIにおいて、アルミニウム源A
2、ケイ素源Si
2、アルカリ金属源M
2、有機テンプレート剤R
2、水は、以下のモル比を有し、
SiO
2/Al
2O
3=10~200、
M
2
2O/Al
2O
3=0~30(式中、M
2は、アルカリ金属元素から選択される少なくとも1種である)、
R
2/Al
2O
3=1~45、
H
2O/Al
2O
3=100~4000
、
好ましくは、
ステップa)とステップb)において、前記ケイ素源Si
1、Si
2は、独立して、オルトケイ酸テトラメチル、オルトケイ酸エチル、ケイ酸ゾル、固体シリカゲル、ホワイトカーボン、及びケイ酸ナトリウムからなる群から選択される少なくとも1種であり、
ステップa)とステップb)において、前記アルミニウム源A
1、A
2は、独立して、メタアルミン酸ナトリウム、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、アルミニウムイソプロポキシド、2-ブタノールアルミニウム、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、硝酸アルミニウム、及び擬ベーマイトからなる群から選択される少なくとも1種であり、
ステップa)とステップb)において、前記アルカリ金属源M
1、M
2は、独立して、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、及び水酸化セシウムからなる群から選択される少なくとも1種である、ことを特徴とする請求項
13に記載の方法。
【請求項15】
ステップa)とb)において、前記有機テンプレート剤R
1、R
2は、独立して、窒素含有複素環化合物及びその誘導体、並びに四級アンモニウム系化合物からなる群から選択される少なくとも1種であり、
前記四級アンモニウム系化合物の化学構造式は、式2に示すとおりであり、
【化3】
式2中、R
21、R
22、R
23、R
24は、独立して、C
1~C
12のアルキル基、C
1~C
12のアルコキシ基、C
1~C
12のアルキロール基、アリル基、及びアダマンタン基からなる群から選択される少なくとも1種であり、X
n-はOH
-、Cl
-、Br
-、I
-、NO
3
-、HSO
4
-、H
2PO
3
-、SO
4
2-、HPO
3
2-、及びPO
3
3-からなる群から選択される1種であり
、
好ましくは、
R
1、R
2は、独立して、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウム、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、テトラペンチルアンモニウムヒドロキシド、テトラヘキシルアンモニウムヒドロキシド、臭化テトラプロピルアンモニウム、テトラブチルアンモニウムクロライド、テトラペンチル臭化アンモニウム、トリプロピル-イソブチル臭化アンモニウム、トリブチル-シクロヘキサン水酸化アンモニア、ジブチル-ジヘキシル水酸化アンモニア、コリン、トリエチル-ヒドロキシエチル水酸化アンモニア、トリプロピル-ヒドロキシエチル水酸化アンモニア、トリブチル-ヒドロキシエチル水酸化アンモニア、トリブチル-ベンジル水酸化アンモニア、トリエチル-ベンジル水酸化アンモニア、トリプロピル-ベンジル水酸化アンモニア、N,N,N-トリエチル-アダマンタン基塩化アンモニア、及びN,N,N-トリプロピル-アダマンタン基塩化アンモニアからなる群から選択される少なくとも1種であ
り、
好ましくは、
R
1は、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウム、及びコリンからなる群から選択される少なくとも1種であり、
R
2は、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウム、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、テトラペンチルアンモニウムヒドロキシド、テトラヘキシルアンモニウムヒドロキシド、臭化テトラプロピルアンモニウム、テトラブチルアンモニウムクロライド、テトラペンチル臭化アンモニウム、トリプロピル-イソブチル臭化アンモニウム、トリブチル-シクロヘキサン水酸化アンモニア、ジブチル-ジヘキシル水酸化アンモニア、コリン、トリエチル-ヒドロキシエチル水酸化アンモニアトリプロピル-ヒドロキシエチル水酸化アンモニア、トリブチル-ヒドロキシエチル水酸化アンモニア、トリブチル-ベンジル水酸化アンモニア、トリエチル-ベンジル水酸化アンモニア、トリプロピル-ベンジル水酸化アンモニア-N,N,N-トリエチル-アダマンタン基塩化アンモニア、及びN,N,N-トリプロピル-アダマンタン基塩化アンモニアからなる群から選択される少なくとも1種であ
り、
好ましくは、
R
2は、ピリジニル、N-メチルピリジン、N-エチルピリジン、N-プロピルピリジン、N-ブチルピリジン、N-エチル-3-ブチルピリジン、水酸化1-エチル-2-プロピルピリジン、ピペリジン、N,N-ジメチルピペリジン、水酸化N,N-ジメチル-3,5-二エチルピペリジン、水酸化N,N-ジメチル-3,5-ジプロピルピペリジン、水酸化N,N-二エチル-3,5-ジプロピルピペリジン、水酸化N,N-二エチル-2,6-ジメチルピペリジン、水酸化N,N-ジメチル-2,6-二エチルピペリジン、イミダゾール、水酸化1-エチル-3-ブチルイミダゾール、水酸化1-エチル-3-ブチル-4-プロピルイミダゾール、水酸化1-ベンジル-3-メチルイミダゾール、水酸化1-ベンジル-3-エチルイミダゾール、水酸化1-ベンジル-3-ブチルイミダゾール、ピペラジン、N-メチルピペラジン、1,4-ジプロピルピペラジン、1-メチル-4-エチルピペラジン、及び1-エチル-4-ブチル-5-メチルピペラジンからなる群から選択される少なくとも1種である、ことを特徴とする請求項
13に記載の方法。
【請求項16】
ステップa)において、前記老化の温度は、25~140℃であり、老化の時間は、0.5~30日であ
り、
好ましくは、ステップa)において、前記老化の温度は、25~140℃であり、老化の時間は、1~30日であ
り、
好ましくは、ステップa)において、前記老化の温度は、30~120℃であり、老化の時間は、1~25日である、ことを特徴とする請求項
13に記載の方法。
【請求項17】
ステップa)において、前記老化は、二段老化であり、一段目の老化の温度は、30~40℃であり、一段目の老化の時間は、0.5~5日であり、二段目の老化の温度は、50~100℃であり、二段目の老化の時間は、2~8日である、ことを特徴とする請求項
13に記載の方法。
【請求項18】
ステップa)は、アルミニウム源A
1、アルカリ金属源M
1、有機テンプレート剤R
1と水を均一に混合し、ケイ素源S
1を加えて、攪拌混合した後、老化し、老化の温度は25~140℃であり、老化の時間は1~30日であり、指向剤を得る工程を含む、ことを特徴とする請求項
13に記載の方法。
【請求項19】
ステップb)において、前記アルミニウム源A
2、ケイ素源Si
2、アルカリ金属源M
2、有機テンプレート剤R
2、水は、以下のモル比を有し、
SiO
2/Al
2O
3=10~200、
M
2
2O/Al
2O
3=0~30(式中、M
2は、アルカリ金属元素から選択される少なくとも1種である)、
R
2/Al
2O
3=1~45、
H
2O/Al
2O
3=100~6000、ことを特徴とする請求項
13に記載の方法。
【請求項20】
ステップc)において、前記指向剤における二酸化ケイ素と初期ゲルにおける二酸化ケイ素との質量比は、0.01~0.3:1であ
り、
好ましくは、ステップc)において、前記指向剤における二酸化ケイ素と初期ゲルにおける二酸化ケイ素との質量比は、0.01~0.2:1であ
り、
好ましくは、ステップc)において、前記結晶化の温度は、90~180℃であり、前記結晶化の時間は1~15日であ
り、
好ましくは、ステップc)において、前記結晶化の温度は、90~140℃であり、前記結晶化の時間は3~15日であ
り、
好ましくは、ステップc)において、前記結晶化は、動的及び/又は静的の方式で行われる、ことを特徴とする請求項
13に記載の方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0148
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0148】
実施例3 試料X#1-X#30及び比較試料V#1-V#30の特性評価
X線回折法を採用して、試料X#1-X#30及び比較試料V#1-V#30の物相に対して分析を行う。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0158
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0158】
比較例2:比較試料V1~V30の調製
具体的な配合過程は、実施例4における試料X1の調製と同じであり、結晶種添加ステップという点で、実施例4とは異なる。各生成物を合成する原料種類、モル配合比、結晶化条件及び生成物構造の詳細は、表4に示すとおりである。得られた試料を比較試料V1~V30と記する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0167
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0167】
試料Y#1の粉末X線回折図(XRD)は
図9に示すとおりであり、
図9から分かるように、試料Y1はFAU骨格構造を有する分子篩である。走査型電子顕微鏡写真(SEM)は
図10に示すとおりであり、試料Y1の顆粒は細片であり、サイズは50nm~200nmである。
29Si MAS NMRスペクトルは、
図11に示すとおりであり、フィッティング計算により得られた骨格シリカアルミナ比は、XRFにより計算されるものと一致し、XRFと
13C MAS NMR分析に基づいて、正規化し、得られた試料Y#1の元素組成が0.07Na(0.02R1
2(0.05R2
1(Si
0.86Al
0.14)O
2であり、そのうち、R1
2はテトラエチルアンモニウムヒドロキシドであり、R2
1はテトラプロピルアンモニウムである。
【国際調査報告】