(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-16
(54)【発明の名称】喫煙品
(51)【国際特許分類】
A24D 1/02 20060101AFI20220609BHJP
A24D 3/06 20060101ALI20220609BHJP
【FI】
A24D1/02
A24D3/06
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021559171
(86)(22)【出願日】2020-03-24
(85)【翻訳文提出日】2021-11-18
(86)【国際出願番号】 GB2020050782
(87)【国際公開番号】W WO2020201716
(87)【国際公開日】2020-10-08
(32)【優先日】2019-04-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】500252844
【氏名又は名称】ブリティッシュ アメリカン タバコ (インヴェストメンツ) リミテッド
【氏名又は名称原語表記】BRITISH AMERICAN TOBACCO (INVESTMENTS) LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】100183782
【氏名又は名称】轟木 哲
(72)【発明者】
【氏名】デュービー、ウメーシュ
(72)【発明者】
【氏名】デイビーズ、イアント
(72)【発明者】
【氏名】ブラントン、ピーター ジェームス
【テーマコード(参考)】
4B045
【Fターム(参考)】
4B045AB12
4B045AB14
4B045AB16
4B045BA08
4B045BC12
(57)【要約】
タバコロッドを形成するためにペーパーラッパーに包まれたタバコ材を含み、前記ペーパーラッパーは拡散率が約0.1cm/s~0.5cm/sであり、通気度が15CU未満である喫煙品が記載されており、その喫煙品の製造方法についても記載されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タバコロッドを形成するためにペーパーラッパーに包まれたタバコ材を含み、
前記ペーパーラッパーは拡散率が約0.1cm/s~0.5cm/sであり、通気度が15CU未満である喫煙品。
【請求項2】
前記ペーパーラッパーは、約0.1cm/s~0.3cm/sの拡散率を有することを特徴とする請求項1記載の喫煙品。
【請求項3】
前記ペーパーラッパーは、約0.15~約0.25、約0.15~約0.20または約0.17~約0.22cm/sの拡散率を有することを特徴とする請求項1または2記載の喫煙品。
【請求項4】
前記ペーパーラッパーは、ペーパーラッパーの表面積の少なくとも50%に亘って約15CU未満の通気度を有することを特徴とする請求項1乃至3いずれか1項記載の喫煙品。
【請求項5】
前記ペーパーラッパーは、通気度が約4~約12CUであることを特徴とする請求項4記載の喫煙品。
【請求項6】
前記ペーパーラッパーは、ペーパーラッパーの表面積の少なくとも90%に亘って約4~約12CUの通気度を有することを特徴とする請求項4記載の喫煙品。
【請求項7】
前記ペーパーラッパーは、ペーパーラッパーの表面積の少なくとも90%に亘って約10CU未満または約3~約7CU未満の通気度を有することを特徴とする請求項1乃至4いずれか1項記載の喫煙品。
【請求項8】
フィルターをさらに含むことを特徴とする請求項1乃至7いずれか1項記載の喫煙品。
【請求項9】
前記フィルターの圧力降下が約40mmWG~180mmWGであることを特徴とする請求項8記載の喫煙品。
【請求項10】
前記フィルターは、換気領域を含むことを特徴とする請求項8または9記載の喫煙品。
【請求項11】
前記換気領域は、40%~90%の換気を供することを特徴とする請求項10記載の喫煙品。
【請求項12】
前記フィルターは、2.5~9のフィラメント当たりのデニールを有するフィルター材を含むことを特徴とする請求項8乃至11いずれか1項記載の喫煙品。
【請求項13】
前記フィルターは、10,000~32,000の総デニールを有するフィルター材を含むことを特徴とする請求項8乃至12いずれか1項記載の喫煙品。
【請求項14】
前記ペーパーラッパーは、24~36g/m
2の坪量を有することを特徴とする請求項1乃至13いずれか1項記載の喫煙品。
【請求項15】
前記ペーパーラッパーは、27~32g/m
2の坪量を有することを特徴とする請求項14記載の喫煙品。
【請求項16】
前記ペーパーラッパーは、約28g/m
2の坪量を有することを特徴とする請求項15記載の喫煙品。
【請求項17】
前記ペーパーラッパーは、約32g/m
2の坪量を有することを特徴とする請求項15記載の喫煙品。
【請求項18】
前記ペーパーラッパーは、ペーパーラッパーの重量で30%未満の充填材を含むことを特徴とする請求項1乃至17いずれか1項記載の喫煙品。
【請求項19】
前記ペーパーラッパーは、重量で15~25%の充填材を含むことを特徴とする請求項18記載の喫煙品。
【請求項20】
前記充填材は、炭酸カルシウムを含むことを特徴とする請求項18または19記載の喫煙品。
【請求項21】
前記ペーパーラッパーは、不透明度が60%~80%または68%~80%であることを特徴とする請求項1乃至20いずれか1項記載の喫煙品。
【請求項22】
前記ペーパーラッパーは、ペーパーラッパーの重量で4%未満の燃焼添加剤を含むことを特徴とする請求項1乃至21いずれか1項記載の喫煙品。
【請求項23】
前記ペーパーラッパーは、重量で約1%の燃焼添加剤を含むことを特徴とする請求項22記載の喫煙品。
【請求項24】
前記燃焼添加剤は、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウムまたはクエン酸ナトリウムとクエン酸カリウムの混合物であることを特徴とする請求項22または23記載の喫煙品。
【請求項25】
約0.1cm/s~0.5cm/sの拡散率と約15CU未満の通気度を有するペーパーラッパーにタバコ材を包むことによってタバコロッドを形成することを含む喫煙品の製造方法。
【請求項26】
前記タバコロッドにフィルターを取り付けることをさらに含むことを特徴とする請求項25記載の喫煙品の製造方法。
【請求項27】
前記フィルター内を換気できるようにするための換気領域を設けることをさらに含むことを特徴とする請求項26記載の喫煙品の製造方法。
【請求項28】
前記ペーパーラッパーは、拡散率が約約0.1cm/s~0.3cm/sであることを特徴とする請求項25乃至27いずれか1項記載の喫煙品の製造方法。
【請求項29】
前記ペーパーラッパーは、ペーパーラッパーの表面積の少なくとも50%に亘って通気度が約4~約12CUであることを特徴とする請求項25乃至28いずれか1項記載の喫煙品の製造方法。
【請求項30】
前記ペーパーラッパーは、ペーパーラッパーの表面積の少なくとも90%に亘って通気度が約4~約12CUであることを特徴とする請求項25乃至29いずれか1項記載の喫煙品の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は喫煙品および喫煙品の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
紙巻きタバコおよび他の燃焼性喫煙品はユーザーによって吸い込まれる煙を製する。タバコがペーパーに包まれ、タバコロッドを形成し、フィルターをタバコロッドに接続してもよい。フィルターは、喫煙品によって製せられる煙の特性を例えば喫煙品によって製せられる煙に風味を加えることによって変性するように構成することができる。
【発明の概要】
【0003】
本発明の第1の態様の実施態様ではタバコロッドを形成するためにペーパーラッパーに包まれたタバコ材を含む喫煙品が提供され、ペーパーラッパーは、約0.1cm/s~0.5cm/sの拡散率と、15CU未満の通気度を有する。
【0004】
ペーパーラッパーは、約0.1cm/s~0.3cm/sの拡散率を有してもよい。
【0005】
ペーパーラッパーは、約0.15~約0.25、約0.15~約0.20または約0.17~約0.22cm/sの拡散率を有してもよい。
【0006】
ペーパーラッパーは、ペーパーラッパーの表面積の少なくとも50%に亘って約15CU未満の通気度を有してもよい 。
【0007】
ペーパーラッパーは、約4~約12CUの通気度を有してもよい。
【0008】
ペーパーラッパーは、ペーパーラッパーの表面積の少なくとも90%に亘って約4~約12CUの通気度を有してもよい。
【0009】
ペーパーラッパーは、ペーパーラッパーの表面積の少なくとも90%に亘って約10CU未満または約3~約7CU未満の通気度を有してもよい。
【0010】
喫煙品は、フィルターを含んでもよい。
【0011】
フィルターの圧力降下は、約40mmWG~180mmWGであってもよい。
【0012】
フィルターは、換気領域を含んでもよい。
【0013】
換気領域は、40%~90%の換気を供してもよい。
【0014】
フィルターは、2.5~9のフィラメント当たりのデニールを有するフィルター材を含んでもよい。
【0015】
フィルターは、10,000~32,000の総デニールを有するフィルター材を含んでもよい。
【0016】
ペーパーラッパーは、24~36g/m2の坪量を有してもよい。
【0017】
ペーパーラッパーは、27~32g/m2の坪量を有してもよい。
【0018】
ペーパーラッパーは、約28g/m2の坪量を有してもよい。
【0019】
ペーパーラッパーは、約32g/m2の坪量を有してもよい。
【0020】
ペーパーラッパーは、ペーパーラッパーの重量で30%未満の充填材を含んでもよい。
【0021】
ペーパーラッパーは、重量で15~25%の充填材を含んでもよい。
【0022】
充填材は、炭酸カルシウムを含んでもよい。
【0023】
ペーパーラッパーは、不透明度が60%~80%または68%~80%であってもよい。
【0024】
ペーパーラッパーは、ペーパーラッパーの重量で4%未満の燃焼添加剤を含んでもよい。
【0025】
ペーパーラッパーは、重量で約1%の燃焼添加剤を含んでもよい。
【0026】
燃焼添加剤は、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウムまたはクエン酸ナトリウムとクエン酸カリウムの混合物であってもよい。
【0027】
本発明の第2の態様の実施態様では喫煙品の製造方法が提供され、この方法は、約0.1cm/s~0.5cm/sの拡散率と約15CU未満の通気度を有するペーパーラッパーにタバコ材を包むことによってタバコロッドを形成することを含む。
【0028】
本発明の方法は、前記タバコロッドにフィルターを取り付けることをさらに含んでもよい。
【0029】
本発明の方法は、前記フィルター内を換気できるようにするための換気領域を設けることをさらに含んでもよい。
【0030】
ペーパーラッパーは、約0.1cm/s~0.3cm/sの拡散率を有してもよい。
【0031】
ペーパーラッパーは、ラッパーの表面積の少なくとも50%に亘って約4~約12CUの通気度を有してもよい。
【0032】
ペーパーラッパーは、ラッパーの表面積の少なくとも90%に亘って約4~約12CUの通気度を有してもよい。
【0033】
本発明の実施態様を添付図面を参照してあくまで例示として以下に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図2】カプセルを含むフィルターを有する別の実施態様による喫煙品を示している。
【
図3】管状部材を含むフィルターを有する別の実施態様による喫煙品を示している。
【
図4】管状部材と、フィルター材内に分散させた吸着材とを含むフィルターを有する別の実施態様による喫煙品を示している。
【発明を実施するための形態】
【0035】
本明細書で使用する「喫煙品」なる用語は、紙巻きタバコ、シガリロ、シガーおよび手巻き紙巻きタバコ(タバコ、タバコ派生物、膨張タバコ、再生タバコ、タバコ代替え品または他の喫煙材をベースにしているかに関係なく)などの燃焼性喫煙品およびそれらの部材を言う。
【0036】
本願明細書で説明するフィルターは、喫煙品の一体部材としてまたは喫煙品から離れる個別の部材としてユーザーに提供される。別個に提供される場合、フィルターユニットと喫煙品は別々に梱包されるまたは部品のキットとして一緒に梱包されてもよい。
【0037】
紙巻きタバコなどの喫煙品およびそのフォーマットは、「レギュラー」(通常、68~75mmの範囲内、例えば約68mm~約72mm)、「ショート」または「ミニ」(68mm未満)、「キングサイズ」(通常、75~91mmの範囲内、例えば79mm~約88mm)、「ロング」または「スーパーキング」(通常、91~105mmの範囲内、例えば約94mm~約101mm)および「ウルトラロング」(通常、約110mm~約121mmの範囲内)などの紙巻きタバコの長さによって命名される場合がある。
【0038】
また「レギュラー」(約23~25mm)、「ワイド」(25mm超)、「スリム」(約22~23mm)、「デミスリム」(約19~22mm)、「スーパースリム」(約16~19mm)および「ミクロスリム」(約16mm未満)などの紙巻きタバコの円周によっても命名される。従って、キングサイズ、スーパースリムフォーマットの紙巻きタバコは、例えば長さが約83mmで円周が約17mmである。レギュラーキングサイズフォーマットの紙巻きタバコは円周が23~25mmで全長が75~91mmである。
【0039】
各フォーマットは、異なる長さのフィルター付きで製造され、小さいフィルターが通常短く小さい円周のフォーマットに使用される。通常、フィルターの長さは、短いレギュラーフォーマットに使用される場合約15mmになり、ウルトラロングスーパースリムフォーマットに使用される場合30mmになる。チッピング紙は、チッピング紙がフィルターを覆い、タバコロッドに重なってフィルターをタバコロッドに接続するようにフィルターより長く、例えば3~10mmの長さを有する。
【0040】
本願明細書で説明する喫煙品とフィルターは、上記フォーマットのいずれかに作製できるがこれらフォーマットに限定されない。
【0041】
本願明細書で説明するフィルターを形成するフィルター材は、セルロースアセテート繊維トウを含んでもよい。フィルター材は、ポリビニルアルコール(PVOH)、ポリ乳酸(PLA)、ポルカプロラクトン(PCL)、ポリ(1,4-ブタンジオールスクシナート)(PBS)、ポリ(ブチレンアジペート-コ-テレフタレート)(PBAT)、スターチ系材料、紙、綿、脂肪族ポリエステル材および多糖ポリマーまたはこれらを組み合わせたものなどの繊維を形成するために使用される他の材料を使用して形成してもよい。フィルター材は、フィルター材がセルロースアセテートトウである場合、トリアセチンなどのフィルター材に適した可塑剤で可塑化してもよく、または可塑化されなくてもよい。フィルターユニットまたは他のフィルター部品を製するために使用されるトウは、「Y」字状または他の断面、フィラメント当たり2.5~15デニール、例えばフィラメント当たり3.0~9.0デニールの繊維のデニール値および10,000~50,000、例えば15,000~45,000の総デニール値などのあらゆる好適な仕様を使用することができる。
【0042】
本明細書中で使用する際の「風味」および「風味剤」なる用語は、各地の条例で許可されており、成人消費者が望む味や香りを製品に加えるのに用いることができる材料を指す。このような材料としては、抽出物(例えば、カンゾウ、アジサイ、ホオノキの葉、カミツレ、フェヌグリーク、クローブ、メントール、ニホンハッカ、アニシード、シナモン、ハーブ、ヒメコウジ、サクランボ、ベリー、モモ、リンゴ、ドランブイ、バーボン、スコッチ、ウイスキー、スペアミント、ペパーミント、ラベンダー、カルダモン、セロリ、カスカリラ、ナツメグ、サンダルウッド、ベルガモット、ゼラニウム、ハチミツエキス、ローズ油、バニラ、レモン油、オレンジ油、カシア、キャラウェイ、コニャック、ジャスミン、イランイランノキ、セージ、ウイキョウ、ピメント、ショウガ、アニス、コリアンダー、コーヒー、ハッカ属のいずれかの種からのハッカ油など)、調味料、苦味受容体部位遮断剤、感覚受容器部位活性化剤または刺激剤、糖及び/または糖置換体(例えば、スクラロース、アセスルファムカリウム、アスパルテーム、サッカリン、サイクラミン酸塩、ラクトース、スクロース、グルコース、フルクトース、ソルビトール、マンニトールなど)や、木炭、クロロフィル、鉱物、植物息消臭剤などのその他の添加剤などが挙げられる。これら材料は模造品、合成または天然成分であってもよく、またはこれらのブレンドであってもよい。これら材料は、例えば油、液体、粉末などの任意の好適な形体であってもよい。
【0043】
本明細書で図面において同等の特徴、物品または部材を示す場合には同じ参照番号が使用されている。
【0044】
図1は喫煙品1の側部断面図である。本例では紙巻きタバコである喫煙品1は、喫煙時にユーザーの口に入れられるように配置された吸い口端部1aと、喫煙時に着火されるように配置された着火端部1bとを有する。タバコ材2がペーパーラッパー3に包まれてタバコロッドを形成する。
【0045】
一部の例では喫煙品はフィルターを含まない。他の例ではフィルター4は、チッピング紙5によってタバコロッドに接続される。フィルター4は、プラグラッパー6に包まれる。換気領域7は、使用時に外気がフィルター4内に入るように設けられている。換気領域は、チッピング紙5とプラグラッパー6を通ってフィルター4内に達する一連のミシン目として設けてもよい。
【0046】
ペーパーラッパー3は、約0.1cm/s~0.5cm/sの拡散率を有する。一部の例ではペーパーラッパー3は、約0.1cm/s~約0.3cm/sの拡散率を有する。
【0047】
一部の例ではペーパーラッパー3は約0.30cm/s未満の拡散率を有する。一部の例ではペーパーラッパー3は、0.25cm/s未満の拡散率を有する。一部の例ではペーパーラッパー3は、0.15~0.2cm/sの拡散率を有する。このようなレベルの拡散率は、紙巻きタバコなどの喫煙品にパフ毎により一定の送出量および多くのパフ数を供する上で特に効果的であることが分かっているので有利である。そのような喫煙品は、当業界で知られている低延焼性テストに合格し、かつ、許容できる自由大気自己消火速度を呈することも分かっている。自由大気自己消火は、消費者の観点からは望ましくない自由大気中に保持した際に自己消火する喫煙品の特性(即ち、基材に置かれてではなく)である。一部の例ではペーパーラッパーは、0.10~0.3cm/s、0.15~0.25cm/s、0.15~0.20cm/sまたは0.17~0.22cm/sの拡散率を有する。
【0048】
ペーパーラッパー3は、低通気性であり、本例では約15コレスタ単位(CU)未満の通気度を有する。例えば、ペーパーラッパーは、ペーパーラッパーの表面積の少なくとも50%または表面積の少なくとも75%または90%に亘って約15CUの通気度を有してもよい。
【0049】
一部の例ではペーパーラッパー3は、約4~約12CUの通気度を有する。一部の例ではペーパーラッパー3は、表面積の少なくとも90%に亘って約4~約12CUの通気度を有する。
【0050】
一部の例ではペーパーラッパー3は、各場合においてペーパーラッパーの表面積の少なくとも50%またはより好ましくは75%または90%に亘って10コレスタ単位(CU)未満または約3~約7CUの通気度を有する。
【0051】
本明細書に記載の喫煙品の使用時に上述の低拡散率および低通気度の範囲を有するペーパーラッパー3は、喫煙品を喫煙した際に高いレベルの拡散率および通気度のペーパーを有する喫煙品に較べてタバコロッドに引き込まれる酸素の量を減少させる。タバコロッド内に引き込まれる酸素の量を減らすことはタバコ2をパフ間で遅く燃焼させ、したがってタバコロッドが燃焼する時間を長くする効果を有し、長い喫煙経験を提供する。
【0052】
一部の例ではペーパーラッパー3全体は、本明細書に記載の低拡散率および低通気度範囲を有する。
【0053】
一部の例ではペーパーラッパー3の拡散率は、ペーパーラッパー3がタバコロッドに巻かれた際にタバコロッドの長さに沿って均一であってもよい。さらにまたはこれとは別にペーパーラッパー3の拡散率は、タバコロッドの円周全体で均一であってもよい。ペーパーラッパー3は一部の領域の拡散率が高いまたは低くてもよい。一部の例ではペーパーラッパーの少なくとも50%は、例えば0.3cm/s以下の低拡散率が設けられてもよい。一部の例ではラッパーの75%超、または80%超または約100%に例えば0.3cm/s以下または0.25cm/s以下の低拡散率を設けてもよい。これとは別にまたは加えてペーパーラッパーの少なくとも50%に例えば15CU以下の低通気度を設けることができる。一部の例ではラッパーの80%超、90%超または約100%に例えば15CU以下の上述のような低通気度が設けられる。ペーパーラッパーは低通気度と低拡散率を有する1つ以上の不連続領域を有してもよい。一部の例ではペーパーラッパー全体は本明細書に記載の範囲内の均一な低拡散率と低通気度が設けられる。ペーパーラッパー全体に低拡散率と低通気度を設けることは、喫煙品の2つ以上の不連続領域に低拡散率と低通気度を設けることに較べて喫煙の継続時間において喫煙品の自由大気自己消火性の変動性を小さくする。
【0054】
フィルター4は、実質的に円筒状であってもよい。フィルター4は長さが6mm~30mm、例えば7mm~20mmであってもよい。1つの例ではフィルター4の長さは、18mmである。
【0055】
またタバコロッドは、もしフィルターが設けられるとしたら外径は実質的にフィルター4の外径に等しい実質的に円筒状であってもよい。タバコロッドは、ペーパーラッパー3に包まれた固められたタバコ材からなる実質的に円筒状の芯を含む。タバコ材2は、刻まれたタバコのブレンドを含んでもよく、また再生タバコ材を含んでもよい。ペーパーラッパー3は、タバコロッドの円周を延び、その長さに沿って延び、包装されたタバコロッドを形成する。タバコロッドの端部面は、気体流を軸方向にロッド内を通過できるように開口したままである。
【0056】
一部の実施態様ではタバコロッドは、喫煙品の大きさ、種類を基にした正味重量を有するタバコを含む。例えば、タバコ重量は同じサイズの従来の喫煙品に対応する標準的な重量であってもよい。一部の実施態様ではタバコ重量は同じサイズの従来の喫煙品に較べて少なくてもよい。タバコ重量は、喫煙品の所望の特徴を基に選択してもよい。低タバコ重量は、ペーパーラッパーの汚れの減少に関連する。さらに低タバコ重量は、COとタールのレベルの減少に関連する。しかしながら、低タバコ重量は、パフ数の減少にも関連する。その結果、タバコ重量は、達成すべき喫煙品の特徴に従って選択してもよい。
【0057】
一部の例では喫煙品は、長さが90mm、円周が21mmの喫煙品であってもよい。正味タバコ重量は、例えば510mgであってもよい。他の例では、喫煙品は、480mgの少ないタバコ重量を有してもよい。480mgと少ないタバコ重量の喫煙品は、少ない量のCOとタールを含み、ペーパーラッパーの染みの量が少なくなる。しかしながら、480mgと少ないタバコ重量の喫煙品のパフ数は、正味タバコ重量が480mgの同等の喫煙品と比較してユーザーによって喫煙される際、パフ数が少なくなる。
【0058】
他の例では長さが約90mmで、円周が約21mmの喫煙品は490mgのタバコ重量を含んでもよい。これとは別に喫煙品は、約460mgの少ないタバコ重量を含んでもよい。
【0059】
他の例では長さが約90mmで、約23mmの円周の喫煙品は約630mgのタバコ重量を含んでもよい。これとは別に喫煙品は、約560mgの少ないタバコ重量を含んでもよい。
【0060】
当業者には自明のことであるが、タバコ重量は、例えば染みを減少させ、COとタールを減少させるために少ないタバコ重量を選択するまたは喫煙時に得ることができるパフの数を増やすために高タバコ重量を選択することによって得られる喫煙品のこれらの特性に基づいて選択してもよい。
【0061】
喫煙品1がユーザーによって喫煙される使用時に空気が着火タバコロッドを介して引き込まれ、ユーザーに煙を提供する。フィルターを含む実施態様では煙はまたフィルターを介して引き込まれ、煙がユーザーに提供される前に煙から一部の粒状物を除去する。換気されたフィルターを含む実施態様では使用時空気がフィルター4の換気領域7を介して引き込まれ、フィルター4を介してユーザーに送られる煙を希釈する。
【0062】
一部の例では換気領域7は、フィルターチッピング紙5とプラグラッパー6にミシン目を含む。一部の例では換気領域7は、フィルターチッピング紙5および/またはプラグラッパー6にエンボス加工された領域を含む。これとは別にチッピング紙5とプラグラッパー6の内の少なくとも1つは、例えばフィルター4内に空気を入れる200コレスタ単位超の多孔度を有する多孔質材料として設けることができる。フィルター4は、レーザーまたは静電穿孔技術を使用して形成された換気溝によって換気されてもよい。換気領域7は、フィルター4の任意の部分、例えば喫煙品の吸い口端1aから少なくとも12mmの部分に設けることができる。複数のフィルターセクションまたはセグメントを有する例では換気領域は、例えばタバコロッドに隣接したフィルターセクションまたはセグメントに設けることができる。
【0063】
一部の例ではフィルター4の圧力降下は、40mmWG~180mmWGである。フィルターの圧力降下は、製品の所望の特徴に応じて選択してもよい。一部の例ではフィルターの圧力降下は、70mmWG~180mmWGである。一部の例ではフィルターの圧力降下は、130mmWG~180mmWGである。一部の例ではフィルターの圧力降下は、140mmWG~180mmWGである。一部の例ではフィルターの圧力降下は、70mmWG~100mmWGである。一部の例ではフィルターの圧力降下は、85mmWG~100mmWGである。
【0064】
一部の例ではフィルターは、換気領域が設けられない。他の例ではフィルターは、換気領域が設けられている。フィルター4の換気領域7は、喫煙品が使用時に喫煙される際、40%~90%の換気を供する。換気領域は、例えば55%~90%の換気を供する。一部の例では換気領域は、55%~85%の換気を供する。一部の例では換気領域は、60%~75%の換気を供する。一部の例では換気領域は、65%~75%の換気を供する。
【0065】
フィルターの換気レベルおよび圧力降下を変えることでユーザーに供されるCOおよびタールのレベルを変えてもよい。フィルターの高い換気レベルは、本願明細書で説明する低拡散率および低通気度のシガレットペーパーを使用したした際にタールとCOのレベルが減少する結果になる。高いレベルの換気は、喫煙時のパフの回数を増やす。しかしながら、フィルターの低い換気レベルは、喫煙品が喫煙時に大気中に自己消火する傾向が減少する。したがって、換気レベルは、喫煙品のこれらの特性に応じて選択してもよい。
【0066】
一部の例ではタバコロッドを囲むペーパーラッパーは、24~36g/m2の坪量を有する。ペーパーの重量はペーパーの拡散率に影響を与える要因の1つである。ペーパーの平方メートル当たりの重量を増加させるとペーパーの拡散率を増加させる。したがって、ラッパーの拡散率を小さくするためにペーパーの坪量が24~36g/m2になるように選択される。一部の例ではタバコロッドを囲むペーパーは、27~32g/m2の坪量を有する。一部の例ではタバコロッドを囲むペーパーは、約28g/m2の坪量を有する。一部の例ではタバコロッドを囲むペーパーは約32g/m2の坪量を有する。ペーパーラッパー3の平方メートルの重量を高くすることでペーパーラッパーの不透明性が増加する。ペーパーの拡散率を増加させてペーパーの坪量を増加させると喫煙時のシガレットペーパーの染み付きレベルが減少させる。
【0067】
一部の例ではペーパーは、充填材を含んでもよい。一部の例ではペーパーラッパー3の充填材含有量は、重量で30%未満である。一部の例ではペーパーラッパーの充填材含有量は、重量で15~25%である。これより低い充填材含有量は、ペーパーラッパーの拡散性能を低下させ、したがって、上昇LIP(低延焼性)合格率につながる場合がある。さらに充填材を低含有量で使用すると使用時に喫煙品が喫煙される際に得られるパフ数を増加させる。ペーパーラッパーの充填材含有量は、15%超であってもよい。一部の例ではペーパーラッパーの充填材含有量は、重量で21~22%であってもよい。一部の例では充填材は炭酸カルシウムである。しかしながら、当然のことながらあらゆる他の好適な充填材を使用してもよい。当然のことながら使用する充填材の量は、拡散率、パフ数、不透明度、煙生成量およびLIP合格率などの所望の特徴を達成するために当業者が選択してもよい。
【0068】
ペーパーの不透明度は、使用する充填材の粒径の影響を受ける。例えば、粒径が小さくなるほど不透明度が高くなる。一部の例では粒径は、0.3μm~2μmであってもよい。不透明度は充填材の構造によっても影響される。例えば、炭酸カルシウムを充填材として使用する場合、それは非限定的に方解石結晶、沈降炭酸カルシウムまたは重質炭酸カルシウムを含んでもよい。
【0069】
一部の例ではペーパーラッパーは、燃焼添加剤を含む。一部の例ではペーパーラッパーは、重量で4%未満の燃焼添加剤を含む。燃焼添加剤は、自由大気中、即ち例えばユーザーがパフの間に喫煙品を保持している際に喫煙品が自己消火する傾向を減少させる。しかしながら、燃焼添加剤の量を多くすると喫煙品のLIP合格率を下げる場合がある。一部の例ではペーパーラッパーは、重量で1%の燃焼添加剤を含む。一部の例では燃焼添加剤は、クエン酸三カリウムである。一部の例では燃焼添加剤は、クエン酸三ナトリウムである。一部の例では燃焼添加剤は、クエン酸三ナトリウムとクエン酸三カリウムとを含む。しかしながら、当然のことながらあらゆる好適な燃焼添加剤を使用してもよい。燃焼添加剤の量は、限定的ではないが煙発生量およびLIP合格率などの所望の特徴を得るために当業者によって選択されてもよい。
【0070】
一部の例ではフィルターは、フィラメント当たり約2.5~約9、例えば約3~約8のデニールを有するフィルター材を含む。
【0071】
一部の例ではフィルターは、約10,000~約32,000、例えば約12,000~約30,000の総デニールを有するフィルター材を含む。
【0072】
図2は別の実施態様による喫煙品1’を示し、この喫煙品1’はフィルター4がカプセル8を含むこと以外
図1の喫煙品1と同じである。本例ではフィルター4は、可塑剤、本例ではトリアセチンで処理されたフィルター材、本例ではセルロースアセテートトウから形成されている。カプセル8は、球体であり、3.5mmの直径を有するが、他の形状および大きさのカプセル、例えば約3mm、または0.5mm~6mmまたは2mm~5mmの直径を有するカプセルを使用することができる。カプセル8は、フィルター4のフィルター材内に埋め込まれ、すべての面が囲まれている。カプセル8は、喫煙品11を通過する主流煙の特性を変性する流体添加剤を含む。カプセル8は、既存の方法および装置を使用して製造でき、フィルター4内に挿入することができる。本例ではカプセル8は、メンソール風味剤を含むが、他の流体または粒状添加剤をカプセル8内に含有させることもできる。カプセルは、消費者がフィルターを押しつぶすことによって破裂させ、フィルター4のフィルター材内に流体添加剤を放出することができる。
図2のフィルター4の長さは、7mm~30mm、例えば7mm~20mmであってもよい。1つの例ではフィルター4の長さは18mmである。
【0073】
図3は別の実施態様による喫煙品1’’を示し、管状部材4bに同軸に接続された
図1のフィルター4に類似するフィルターセクション4aを有すること以外、
図1の喫煙品1と同じである。管状部材4bは本例では繊維性フィルター材から形成される。繊維性フィルター材は、本例ではトリアセチンで可塑化されたセルロースアセテートトウである。流路が管状部材4bの中央を通って長手方向に延びている。管状部材4bの中央を通って延びている流路の直径は、1mm~6mm、例えば2mm~5mmにすることができる。管状部材4bは非包装部材であってもよくまたはプラグラッパー(図示せず)に包まれてもよい。フィルターセクション4aは、包まれてなくてもよく、またはプラグラッパー(図示せず)に包まれてもよく、そして接合プラグラッパー10を使用して管状部材4bとフィルターセクション4aを接続してもよい。フィルターセクション4aは、長さが6mm~30mm、例えば6mm~20mmであってもよい。1つの例ではフィルターセクション4aの長さは、12mmまたは18mmである。中空の管状部材4bの長さは、6mm~15mm、例えば6mm~12mmまたは一例では7mmであってもよい。
【0074】
図4は別の実施態様による喫煙品1’’’を示し、この喫煙品1’’’は、フィルターセクション4aの上流のフィルター材内に分散させた吸着材9を含むフィルターセグメント4cを有すること以外
図3の喫煙品1’’と同じである。接合プラグラッパー10を使用して管状部材4b、フィルターセクション4aおよびフィルターセグメント4cを接続してもよい。吸着材9が本例では活性炭粒子の形で供されるが、イオン交換樹脂などの他の形体の吸着材を使用することができる。フィルターセクション4cは、長さが6mm~20mm、例えば6mm~18mmあるいは一例では12mmであってもよい。
【0075】
喫煙品、例えば本願明細書で説明した喫煙品の製造方法において 第1の工程でタバコロッドがタバコ材を拡散率が約0.1cm/s~0.5cm/s、通気度が約15CU未満のペーパーラッパーに包んで形成される。第2の工程でフィルターをタバコロッドに取り付けてもよい。第3の工程で換気領域を設けてフィルター内を換気できるようにしてもよい。
【0076】
本発明の方法の一部の例ではペーパーラッパーは、拡散率が約0.1cm/s~0.3cm/sである。一部の例ではペーパーラッパーは、ラッパーの表面積の少なくとも50%に亘って通気度が約4~約12CUである。一部の例ではペーパーラッパーは、ラッパーの表面積の少なくとも90%に亘って通気度が約4~約12CUである。
【0077】
いくつかの実施態様による喫煙品の例を以下に説明する。別段の定めがない限り、喫煙品の試験を60秒ごとに2秒間で35mlのパフが行われるISO3308:2000に従って実施した。
【0078】
実施例1
図4に示したフィルター構成で円周が約23.4mmである例示紙巻きタバコを作製した。タバコロッドの正味タバコ重量は、560mg/紙巻きタバコであった。ペーパーラッパーの坪量は、28g/m
2であった。燃焼添加剤の量は、1%であった。フィルターの全長は、34mmで、長さ56mmのタバコロッドに接続され、全長90mmの紙巻きタバコを得た。先端換気を約68%になるように配置した。フィルターの圧力降下は、約100mmWGであった。これらのパラメータを使用して得られるパフ数は、約5mgのタールを送出する9.5回であった。
【0079】
実施例2
図4に示したフィルター構成で円周が約23.4mmである例示紙巻きタバコを作製した。タバコロッドの正味タバコ重量は、630mg/紙巻きタバコであった。ペーパーラッパーの坪量は、28g/m
2であった。燃焼添加剤の量は、1%であった。フィルターの全長は27mmで、長さ63mmのタバコロッドに接続され、全長90mmの紙巻きタバコを得た。先端換気を約67%になるように配置した。フィルターの圧力降下は、約90mmWGであった。これらのパラメータを使用して得られるパフ数は、約7mgのタールを送出する11回であった。
【0080】
実施例3
図4に示したフィルター構成で円周が約21mmである例示紙巻きタバコを作製した。ペーパーラッパーの坪量は、28g/m
2であった。燃焼添加剤の量は1%であった。フィルターの全長は、27mmで、長さ63mmのタバコロッドに接続され、全長90mmの紙巻きタバコを得た。先端換気を約72%になるように配置した。フィルターの圧力降下は、約177mmWGであった。これらのパラメータを使用して得られるパフ数は、約6.1mgのタールを送出する10.3回であった。
【0081】
本明細書に記載の種々の実施態様は、特許請求された特徴の理解と教示の単なる補助に提供されている。これらの実施態様は単なる代表的な具体例であり、包括的でも排他的でもない。当然だが、本開示の利点、実施形態、具体例、機能、特徴、構造、および/または他の側面は本開示を特許請求の範囲に規定されたとおりに限定するあるいは特許請求の範囲の均等物に限定すると考えるべきではなく、本開示の範囲および/または思想から乖離することなく他の実施形態を利用しても改変してもよいと考えるべきである。種々の実施形態は、開示された構成要素、成分、特徴、部品、工程、手段他の組合せを適切に備えても、これらで構成されても、基本的にこれらで構成されてもよい。また本開示は、現在は特許請求されていないが将来特許請求される可能性がある他の発明を含む。
【国際調査報告】