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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-16
(54)【発明の名称】光マイクロフォンアセンブリ
(51)【国際特許分類】
   H04R 23/00 20060101AFI20220609BHJP
【FI】
H04R23/00 320
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021559459
(86)(22)【出願日】2020-03-20
(85)【翻訳文提出日】2021-11-17
(86)【国際出願番号】 GB2020050765
(87)【国際公開番号】W WO2020193962
(87)【国際公開日】2020-10-01
(31)【優先権主張番号】1904005.4
(32)【優先日】2019-03-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】521437781
【氏名又は名称】センシベル アクティーゼルスカブ
(74)【代理人】
【識別番号】110000556
【氏名又は名称】特許業務法人 有古特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ラコール, マチュー
(72)【発明者】
【氏名】サグベルク, ホーコン
(72)【発明者】
【氏名】ベナーロド, ヤコブ
【テーマコード(参考)】
5D021
【Fターム(参考)】
5D021DD01
5D021DD04
(57)【要約】
光マイクロフォンアセンブリ(2)は、微小電気機械システム(MEMS)構成要素(4)と、半導体チップ(6)と、非MEMS支持構造の少なくとも一部分を含み開口(32)を画定する外側ハウジングとを備える。MEMS構成要素は、膜(8)と、膜(8)から離間された少なくとも1つの光学素子(10)とを備える干渉計装置を備える。半導体チップ(6)は、少なくとも1つの光検出器(14)を備え、光源(16)が実装されているか、または一体化されている。MEMS構成要素(4)は、非MEMS支持構造に実装され、MEMS構成要素(4)が開口(32)を閉じるように外側ハウジングに対してシールされる。半導体チップ(6)は、MEMS構成要素(4)が膜(8)の反射面に垂直な方向において半導体チップ(6)に対して変位するように、MEMS構成要素(4)と離間した関係において非MEMS支持構造上のMEMS構成要素(4)とは別個に実装される。光源(16)は、上記光の第1の部分(40)が上記干渉計装置を介して第1の光路に沿って伝播し、上記光の第2の部分(42)が上記干渉計装置を介して異なる第2の光路に沿って伝播し、結果、上記第1の部分および第2の部分(40、42)のうちの少なくとも一方が膜(8)の反射面によって反射され、以て、膜(8)と光学素子(10)との間の距離に依存する、第1の光路と第2の光路との間の光路差を生じさせるように、干渉計装置に光(38)を提供するように配置構成されている。
少なくとも1つの光検出器(14)は、上記光路差に依存して、上記光の第1の部分および第2の部分(40、42)によって生成される干渉パターンの少なくとも一部分を検出するように配置構成されている。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光マイクロフォンアセンブリであって、
干渉計装置を備える微小電気機械システム(MEMS)構成要素であって、前記干渉計装置は、膜と、前記膜から離間した少なくとも1つの光学素子とを備える、MEMS構成要素と、
少なくとも1つの光検出器を備える半導体チップと、
前記半導体チップに実装または集積された光源と、
非MEMS支持構造と、
前記非MEMS支持構造の少なくとも一部分を含む外側ハウジングであって、開口を規定する、外側ハウジングとを備え、
前記MEMS構成要素は、前記非MEMS支持構造上に実装され、前記MEMS構成要素が前記開口を閉じるように前記外側ハウジングに対してシールされ、
前記半導体チップは、前記MEMS構成要素が、前記膜の反射面に垂直な方向において前記半導体チップに対して変位するように、前記MEMS構成要素と離間した関係において、前記非MEMS支持構造上の前記MEMS構成要素とは別個に実装され、
前記光源は、前記光の第1の部分が前記干渉計装置を介して第1の光路に沿って伝播し、前記光の第2の部分が前記干渉計装置を介して異なる第2の光路に沿って伝播し、結果、前記第1の部分および前記第2の部分のうちの少なくとも一方が前記膜の前記反射面によって反射され、以て、前記膜と前記光学素子との間の距離に依存する、前記第1の光路と前記第2の光路との間の光路差を生じさせるように、前記干渉計装置に光を提供するように配置構成されており、
前記少なくとも1つの光検出器は、前記光路差に依存して、前記光の第1の部分および第2の部分によって生成される干渉パターンの少なくとも一部分を検出するように配置構成されている、光マイクロフォンアセンブリ。
【請求項2】
前記開口は、少なくとも前記膜の幅または直径と同じ大きさの幅または直径を有する、請求項1に記載の光マイクロフォンアセンブリ。
【請求項3】
前記音響ポートの前記幅または直径は、少なくとも500μmである、請求項1または2に記載の光マイクロフォンアセンブリ。
【請求項4】
前記開口は、前記開口が前記光マイクロフォンアセンブリの内部に隣接する内側幅または直径と、前記光マイクロフォンアセンブリの外部に隣接する外側幅または直径とを有するように張り出しており、前記外側幅または直径は前記内側幅または直径よりも大きい、請求項1、2または3に記載の光マイクロフォンアセンブリ。
【請求項5】
前記膜の前記反射面に垂直な方向における前記半導体チップに対する前記MEMS構成要素の前記変位は、少なくとも250μmである、請求項1~4のいずれか一項に記載の光マイクロフォンアセンブリ。
【請求項6】
前記非MEMS支持構造は、
サブストレートと、
内部に形成された前記開口を有するスーパーストレートと、
前記サブストレートと前記スーパーストレートとを分離するスペーサとを備え、
前記MEMS構成要素は、前記スーパーストレート上に実装されて前記開口を閉じ、前記半導体チップは、前記MEMS構成要素に面して前記サブストレート上に実装される、請求項1~5のいずれか一項に記載の光マイクロフォンアセンブリ。
【請求項7】
前記非MEMS支持構造は、
内部に形成された前記開口を有するサブストレートと、
スーパーストレートと、
前記サブストレートと前記スーパーストレートとを分離するスペーサとを備え、
前記MEMS構成要素は、前記サブストレート上に実装されて前記開口を閉じ、前記半導体チップは、前記MEMS構成要素に面して前記スーパーストレート上に実装される、請求項1~5のいずれか一項に記載の光マイクロフォンアセンブリ。
【請求項8】
前記非MEMS支持構造は、壁によって囲まれた凹部を画定するサブストレートを備え、
前記半導体チップは凹部内に実装され、前記MEMS構成要素は、前記凹部の少なくとも一部分にまたがるように前記壁の上に実装され、
前記光マイクロフォンアセンブリは、エンクロージャおよび前記サブストレートがともに音響空洞を画定するように、前記壁の上に実装されたエンクロージャをさらに備え、前記開口は前記エンクロージャ内に形成され、前記MEMS構成要素が前記開口を閉じるように、前記MEMS構成要素は前記エンクロージャに対してシールされる、請求項1~5のいずれか一項に記載の光マイクロフォンアセンブリ。
【請求項9】
前記非MEMS支持構造は、壁によって囲まれた凹部を画定するサブストレートを備え、
前記開口は、前記サブストレート内に形成され、前記MEMS構成要素は、前記開口を閉じるために前記凹部内に実装され、
前記半導体チップは、前記凹部の少なくとも一部分にまたがるように前記壁の上に実装され、
前記光マイクロフォンアセンブリは、エンクロージャおよび前記サブストレートがともに音響空洞を画定するように、前記サブストレート上または壁上に実装されたエンクロージャをさらに備える、請求項1~5のいずれか一項に記載の光マイクロフォンアセンブリ。
【請求項10】
前記サブストレートは、前記壁が前記サブストレートの一体的に形成された部分であるように単一部品から形成される、請求項8または9に記載の光マイクロフォンアセンブリ。
【請求項11】
前記サブストレートは、ベース部品と、前記スペーサが前記壁を画定するように上に実装されたスペーサとから形成される、請求項8または9に記載の光マイクロフォンアセンブリ。
【請求項12】
前記半導体チップは、バンプボンディングによって前記壁の上に実装される、請求項8~11のいずれか一項に記載の光マイクロフォンアセンブリ。
【請求項13】
前記開口にダストカバーが設けられている、請求項1~12のいずれか一項に記載の光マイクロフォンアセンブリ。
【請求項14】
前記MEMS構成要素は、前記半導体チップとともに光マイクロフォンを画定し、前記光マイクロフォンアセンブリは、前記非MEMS支持構造上に1つまたは複数のさらなる光マイクロフォンを備える、請求項1~13のいずれか一項に記載の光マイクロフォンアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、光マイクロフォンアセンブリに関し、特に、光マイクロフォンのためのハウジング構造に関する。
【背景技術】
【0002】
マイクロフォンは、典型的には、周囲の音響振動に応答して振動する可動部材(例えば、膜)の変位を測定することによって、音波を電気信号に変換するために使用される。このような可動部材の変位を測定する方法には、容量性読み取り機構(一般にコンデンサマイクロフォンと呼ばれる)および静電または電磁読み取り機構(例えばダイナミックマイクロフォン)を含む、いくつかの方法がある。
【0003】
マイクロフォン膜の位置を読み取る代替的な方法は、光干渉読み取りである。そのようなシステムの典型的な例では、回折格子が膜に隣接して設けられ、電磁放射が回折格子に向けられる。光の第1の部分が、格子から反射し戻される。第2の部分が格子を透過し、格子は放射を回折させる。回折放射は膜に衝突し、膜は回折放射を格子に反射する。放射は格子を通過し、光の2つの部分は干渉して、検出器によって検出することができる干渉パターンを生成する。干渉パターンは、格子の回折次数に一致する形状(すなわち、空間分布)を有するが、これらの回折次数に向けられる光強度は、光の2つの部分の相対位相、したがって格子と膜との間の距離に依存する。したがって、膜の位置(したがって動き)を、検出器における光の強度の変化から決定することができる。
【0004】
そのようなシステムの構成要素の長さスケールに起因して、光マイクロフォンは、典型的には、微小電気機械システム(MEMS)構成要素として作製される。そのようなシステムでは、MEMS構成要素は、光源および1つまたは複数の検出器を、必要な干渉パターンを生成するように光源および検出器に対して位置付けられた膜および格子とともに備える。
【0005】
MEMS構成要素は、典型的には、ハウジングの内部に実装され、ハウジングは、音波がハウジングに入ることを可能にする音響ポートを有する。膜の一方の側は、音響ポートを介してハウジングの外部と流体連通し、一方、膜の他方の側は、ハウジング内の密閉された音響空洞(一般に後部容積と呼ばれる)と流体連通する。したがって、入来する音響波は、外部と流体連通する膜の側にのみ力を及ぼし、圧力差を生じさせて膜を振動させる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このようなマイクロフォンは、高い信号対雑音比(SNR)および高い感度を有する。しかしながら、そのようなマイクロフォンの性能のさらなる改善が望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の態様から見たとき、本発明は、光マイクロフォンアセンブリであって、
干渉計装置を備える微小電気機械システム(MEMS)構成要素であって、干渉計装置は、膜と、膜から離間した少なくとも1つの光学素子とを備える、MEMS構成要素と、
少なくとも1つの光検出器を備える半導体チップと、
半導体チップに実装または集積された光源と、
非MEMS支持構造と、
非MEMS支持構造の少なくとも一部分を含む外側ハウジングであって、開口を規定する、外側ハウジングとを備え、
MEMS構成要素は、非MEMS支持構造上に実装され、MEMS構成要素が開口を閉じるように外側ハウジングに対してシールされ、
半導体チップは、MEMS構成要素が、膜の反射面に垂直な方向において半導体チップに対して変位するように、MEMS構成要素と離間した関係において、非MEMS支持構造上のMEMS構成要素とは別個に実装され、
光源は、上記光の第1の部分が上記干渉計装置を介して第1の光路に沿って伝播し、上記光の第2の部分が上記干渉計装置を介して異なる第2の光路に沿って伝播し、結果、上記第1の部分および第2の部分のうちの少なくとも一方が膜の反射面によって反射され、以て、膜と光学素子との間の距離に依存する、第1の光路と第2の光路との間の光路差を生じさせるように、干渉計装置に光を提供するように配置構成されており、
少なくとも1つの光検出器は、上記光路差に依存して、上記光の第1の部分および第2の部分によって生成される干渉パターンの少なくとも一部分を検出するように配置構成されている、光マイクロフォンアセンブリを提供する。
【0008】
したがって、少なくとも本発明の実施形態によれば、MEMS構成要素は、膜の一方の側に「後部容積」音響空洞を形成するが、開口と、マイクロフォンの外部と流体連通する膜の側との間に「前部容積」音響空洞を形成しないように位置付けられる。
【0009】
本出願人は、そのような構成が改善された周波数応答を提供するため、有利であることを理解するに至った。上述のような従来技術による配置構成では、音響ポートと、ハウジング内に実装されたMEMS構成要素の膜との間に前部容積音響空洞が形成される。本出願人は、音響空洞および音響ポートの形状が、特に高周波数(例えば約20 kHz)において、マイクロフォンの周波数応答にアーチファクト(例えば、ピーク)を作り出すことを理解するに至った。これは、特にそれらの高周波を使用するマイクロフォン用途にとって望ましくない。したがって、本発明の実施形態は、有利には、高い信号対雑音比ならびに平坦な周波数応答を提供することができる。例えば、いくつかの実施形態は、20 Hz~20 kHzの範囲の平坦な周波数応答を提供することができ、これは、人間の聴覚の典型的な範囲に対応するため、特に有利であり得る。
【0010】
本発明による実施形態は、さらなる利点、すなわち製造の容易さの改善を提供することができる。従来技術による光マイクロフォンでは、検出器において適切な干渉パターンを生成するために、光源および検出器が互いに、ならびに膜および格子に対して適切に位置合わせされるようにMEMS構成要素を製造することは困難であり得る。本発明によれば、光源および光検出器(複数可)は、光源、検出器および膜がすべて1つのMEMS構成要素内に形成されるのではなく、膜を備えるMEMS構成要素とは別個に実装される。したがって、MEMS構成要素を半導体チップとは別個に非MEMS支持構造体上に実装することによって、構成要素がより容易に位置合わせされることを有利に可能にし、光マイクロフォンの製造の容易さを改善することができる。したがって、本発明は、好都合な統合された解決策を提供することができ、すなわち、光源が半導体チップ上に実装されるかまたは半導体チップ内に集積され、有利には、製造中にMEMS構成要素に対する半導体チップの位置合わせを介して光源の位置合わせを可能にする。本出願人は、本発明による実施形態が、複数の構成要素(すなわち、MEMS構成要素上の膜および光学素子ならびに半導体チップ上の光検出器および光源)の±10μmの精度までの位置合わせを可能にし得ることを見出した。
【0011】
微小電気機械システム(MEMS)という用語の意味は当業者にはよく理解されており、そのため、構成要素が「MEMS構成要素」であると説明される場合、これは、構成要素が、例えば微細加工技術を使用して作製されている場合がある、小型機械的および/または電気機械的要素(すなわち、デバイスおよび構造)を含むことを意味し、小型とは、小型要素の物理的寸法が、例えばミリメートル以下までなど、マイクロメートルのスケールであることを意味することが理解されよう。したがって、「非MEMS」構造は、上記で与えられたような「MEMS」の定義を満たさない構造であることも理解されよう。
【0012】
半導体チップが少なくとも1つの光検出器を備えると記載されている場合、これは、少なくとも1つの光検出器が半導体チップに集積されていることを意味すると理解されてもよく、例えば、光検出器(複数可)は、例えば集積回路または光電子回路の一部分として半導体チップに一体的に集積されてもよい。光源が半導体チップに集積される実施形態では、光源は、例えば光検出器(複数可)とともに、例えば集積回路または光電子回路の一部分として一体的に集積されてもよい。
【0013】
一組の実施形態では、開口は、少なくとも膜の幅または直径と同じ大きさの幅または直径を有する。例えば、いくつかの実施形態では、音響ポートの幅または直径は、少なくとも500μm、または少なくとも750μm、または少なくとも1 mm、または少なくとも2 mm、または少なくとも3 mmである。いくつかの実施形態では、開口は、膜よりもわずかに小さくてもよく、例えば、開口は、膜の幅または直径の少なくとも90%または95%の幅または直径を有してもよい。
【0014】
この特徴は、空気が流れなければならない狭いチャネルを膜とマイクロフォン外部との間に提供するのではなく、有利には、開口が膜をマイクロフォン外部に露出させることに起因して、開口を介して膜表面への空気流の制限を低減することができる。本出願人は、この特徴が、特に高周波数におけるマイクロフォンの周波数応答を有利に改善することを見出した。
【0015】
一組の実施形態では、開口は、開口が光マイクロフォンアセンブリの内部に隣接する内側幅または直径と、光マイクロフォンアセンブリの外部に隣接する外側幅または直径とを有するように張り出しており、外側幅または直径は内側幅または直径よりも大きい。
【0016】
そのような実施形態は、開口の張り出し形状がマイクロフォンの外部と膜表面との間の空気流の制限を低減することができるため、特に有利である。本出願人は、これによって、特に高周波数におけるマイクロフォンの周波数応答が有利に改善することを見出した。この特徴は、少なくとも膜と同じ大きさの開口と併せて設けられる場合に特に有利である。したがって、いくつかの実施形態では、張り出し開口の内側幅または直径は、少なくとも膜の幅または直径と同じ大きさであり、例えば、少なくとも1 mm、少なくとも2 mm、または少なくとも3 mmである。したがって、そのような実施形態は、膜の全領域をマイクロフォンの外部に露出させることができ、一方で、開口の張り出し形状が、マイクロフォンの外部と膜表面との間の空気流の任意の制限をさらに低減するという利点を提供する。
【0017】
開口にはダストカバーを設けることができる。ダストカバーは、光マイクロフォンアセンブリの外部に面する開口の側に配置されてもよく、または光マイクロフォンアセンブリの内部に面する、すなわちMEMS構成要素に面する開口の側に配置されてもよい。
【0018】
ダストカバーは、マイクロフォンの外部の粒子または物体が開口を介して膜に偶発的に接触するリスクを有利に低減することができる。ダストカバーまたはダストカバーの一部分は、光学的に不透明または実質的に光学的に不透明であってもよい。したがって、ダストカバーは、開口を介して光マイクロフォンアセンブリに出入りする光の漏れを有利に低減することができる。
【0019】
上述したように、開口を閉じるようにMEMS構成要素を位置付けることによって、開口と、マイクロフォン光マイクロフォンアセンブリの外部と流体連通する膜の側面との間に「前部容積」音響空洞が形成されることが回避される。
【0020】
したがって、ダストカバーは、膜との偶発的な接触を防止し、光漏れを低減することができるが、マイクロフォンの音響特性に大きく影響を与えないことを理解されたい。特に、これによって、開口と、マイクロフォン光マイクロフォンアセンブリの外部と流体連通する膜の側面との間に「前部容積」音響空洞が形成されない。例えば、ダストカバーは、光マイクロフォンアセンブリの共振周波数にほとんどまたはまったく影響を与えないことができ、例えば、共振周波数を10%以下、または5%以下だけ低下させることができる。ダストカバーは、孔を備えてもよく(例えば、メッシュまたは多孔質シートであってもよい)、孔の総面積は、ダストカバーの面積の少なくとも50%である。ダストカバーは、実質的に音響的に透過性であってもよい。音響透過度は、ダストカバーの厚さによって部分的に決定されてもよい。十分に薄い、例えば50μm、100μmまたは200μmのダストカバーを提供することによって、十分に高い音響透過性を達成することができる。そのような厚さは、上述したように、ダストカバーが実質的に音響的に透過性であることを保証するのに十分な穿孔が設けられている場合、十分に薄くすることができる。ダストカバーは、ダストカバーが膜との偶発的な接触を防止するのに十分に構造的に堅牢であることを保証しながら、実際に達成可能な最小の厚さ(これは、例えば、使用される材料および製造技法によって制約され得る)で製造することができる。
【0021】
膜の反射面に垂直な方向における半導体チップに対するMEMS構成要素の変位は、例えば、少なくとも250μm、少なくとも500μm、少なくとも1 mm、または少なくとも2 mmであり得る。これに関連して、半導体チップに対するMEMS構成要素の「変位」は、膜表面から半導体チップ上の光検出器(複数可)までの垂直距離を指す。上記に与えられた例示的な変位は、有利には、MEMS構成要素および半導体チップの好都合な位置合わせを可能にすることができる。変位は、光学素子のサイズに基づいて選択することができる。例えば、光源が発散を有する場合、光学素子に衝突する光の幅が光学素子の幅と実質的に一致するように、変位を選択することができる。
【0022】
光マイクロフォンアセンブリは、2つ以上のチップを備えてもよく、例えば、上述の半導体チップに加えて他のチップが設けられてもよい。例えば、光マイクロフォンアセンブリは、特定用途向け集積回路(ASIC)チップを備えてもよい。ASICチップは、チップ間に接続を提供することができるように、サブストレート上に、例えば半導体チップに隣接して実装することができる。しかしながら、ASIC向けに別個のチップを有することは必須ではない。付加的または代替的に、半導体チップおよび/またはサブストレートにASICが設けられてもよい(例えば、集積されてもよい)。
【0023】
外側ハウジングは、一体部品から形成されてもよく、または別個の部品から形成されてもよい。例えば、外側ハウジングは、エンクロージャを有するサブストレート、またはスペーサによって分離されたサブストレートおよびスーパーストレートを含んでもよい。いくつかの部品は、他の部品が取り付けられた状態で一体的に形成されてもよく、例えば、サブストレートおよびスペーサは、別個のスーパーストレートが取り付けられた状態で、単一の部品から一体的に形成されてもよい。
【0024】
すべての構成において、開口は、非MEMS支持構造または外側ハウジングの別の部分に画定され得る。
【0025】
光学素子は回折格子であってもよいが、これは必須ではない。光学素子は、適切な干渉パターンを生成するために使用することができる任意の素子、例えば、回折レンズまたは平面反射面であってもよい。
【0026】
一組の実施形態において、非MEMS支持構造は、
サブストレートと、
内部に形成された開口を有するスーパーストレートと、
サブストレートとスーパーストレートとを分離するスペーサとを備え、
MEMS構成要素は、スーパーストレート上に実装されて開口を閉じ、半導体チップは、MEMS構成要素に面してサブストレート上に実装される。
【0027】
一組の実施形態において、非MEMS支持構造は、
内部に形成された開口を有するサブストレートと、
スーパーストレートと、
サブストレートとスーパーストレートとを分離するスペーサとを備え、
MEMS構成要素は、サブストレート上に実装されて開口を閉じ、半導体チップは、MEMS構成要素に面してスーパーストレート上に実装される。
【0028】
「サブストレート」および「スーパーストレート」という用語は、光マイクロフォンアセンブリの可能な向き(例えば、実装のための)を示し得ることを理解されたい。例えば、「サブストレート」はベース部分を指すことができ、「スーパーストレート」は蓋部分を指すことができ、それにより、光マイクロフォンアセンブリは、サブストレートを介してプリント回路(PCB)などのマイクロフォン支持体に実装され得る。スーパーストレート内に開口を有する実施形態では、開口は光マイクロフォンアセンブリの上部にある。そのような構成は、通常、「トップポート」構成と呼ばれる。サブストレート内に開口を有する実施形態では、開口は光マイクロフォンアセンブリの下部にある。そのような構成は、通常、「ボトムポート」構成と呼ばれる。これに関連して、「上部」および「下部」は、必ずしも重力方向に関する向きを指すものではなく、それぞれ、光マイクロフォンアセンブリが実装され得るマイクロフォン支持体(例えば、PCB)から最も遠いマイクロフォンの部分、および、最も近いマイクロフォンの部分を指すことができる。
【0029】
したがって、サブストレートは、マイクロフォン支持体上に実装されるように構成されてもよい。例えば、サブストレートには、例えばサブストレートをPCB上に実装するためのはんだパッドが設けられてもよい。
【0030】
サブストレート、スーパーストレート、およびスペーサのうちのいくつかまたはすべては、互いに一体的に形成されてもよい。例えば、サブストレートおよびスペーサは、上部に取り付けられた別個のスーパーストレート部品を有する一体的に形成された部品であってもよい。
【0031】
一組の実施形態では、非MEMS支持構造は、壁によって囲まれた凹部を画定するサブストレートを備え、半導体チップは凹部内に実装され、MEMS構成要素は、凹部の少なくとも一部分にまたがるように壁の上に実装され、光マイクロフォンアセンブリは、エンクロージャおよびサブストレートがともに音響空洞を画定するように、サブストレート上または壁の上に実装されたエンクロージャをさらに備え、開口はエンクロージャ内に形成され、MEMS構成要素が開口を閉じるように、MEMS構成要素はエンクロージャに対してシールされる。本明細書における壁の上部への実装に対する言及は、凹部に面する壁の主面への実装ではなく、壁の端面への実装として理解されるべきであることを理解されたい。特定の向きは暗示されていない。
【0032】
一組の実施形態では、非MEMS支持構造は、壁によって囲まれた凹部を画定するサブストレートを備え、開口は、サブストレート内に形成され、MEMS構成要素は、開口を閉じるために凹部内に実装され、半導体チップは、凹部の少なくとも一部分にまたがるように壁の上に実装され、光マイクロフォンアセンブリは、エンクロージャおよびサブストレートがともに音響空洞を画定するように、サブストレート上または壁上に実装されたエンクロージャをさらに備える。
【0033】
上述の実施形態において、壁は、周壁(例えば、ハウジングの外壁も形成する)であってもよい。その場合、エンクロージャは周壁上に実装される。壁は、内壁であってもよい。その場合、エンクロージャはサブストレート上に実装される。
【0034】
壁によって囲まれた凹部を備える実施形態では、サブストレートは、壁がサブストレートの一体的に形成された部分であるように単一部品から形成されてもよい。しかしながら、これは必須ではなく、いくつかの実施形態では、壁およびサブストレートは、ともに取り付けられた別個の部品から形成される。例えば、サブストレートは、ベース部品と、スペーサが壁を画定するようにその上に実装されたスペーサとから形成されてもよい。
【0035】
半導体チップまたはMEMS構成要素は、任意の適切な手段によって壁の上に実装されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、半導体チップは、バンプボンディング(フリップチップボンディングとしても知られている)によって壁の上に実装される。
【0036】
一組の実施形態では、MEMS構成要素は、半導体チップとともに光マイクロフォンを画定し、光マイクロフォンアセンブリは、非MEMS支持構造上に1つまたは複数のさらなる光マイクロフォンを備える。したがって、そのような実施形態では、複数の光マイクロフォンを、有利には、同じサブストレートまたはスーパーストレート上に設けることができる。そのような構成は、例えば、改善された周波数応答および製造容易性の向上を有する、本発明の利点を提供するマイクロフォンのアレイを提供するために有利に使用され得る。
【0037】
第2の態様から見たとき、本発明は、光マイクロフォンアセンブリであって、
干渉計装置を備える微小電気機械システム(MEMS)構成要素であって、干渉計装置は、膜と、膜から離間した少なくとも1つの光学素子とを備える、MEMS構成要素と、
少なくとも1つの光検出器を備え、光源を実装された半導体チップと、
非MEMS支持構造と、
非MEMS支持構造の少なくとも一部分を含む外側ハウジングであって、開口を規定する、外側ハウジングとを備え、
MEMS構成要素は、非MEMS支持構造上に実装され、MEMS構成要素が開口を閉じるように外側ハウジングに対してシールされ、
半導体チップは、MEMS構成要素が、膜の反射面に垂直な方向において半導体チップに対して変位するように、MEMS構成要素と離間した関係において、非MEMS支持構造上のMEMS構成要素とは別個に実装され、
光源は、上記光の第1の部分が上記干渉計装置を介して第1の光路に沿って伝播し、上記光の第2の部分が上記干渉計装置を介して異なる第2の光路に沿って伝播し、結果、上記第1の部分および第2の部分のうちの少なくとも一方が膜の反射面によって反射され、以て、膜と光学素子との間の距離に依存する、第1の光路と第2の光路との間の光路差を生じさせるように、干渉計装置に光を提供するように配置構成されており、
少なくとも1つの光検出器は、上記光路差に依存して、上記光の第1の部分および第2の部分によって生成される干渉パターンの少なくとも一部分を検出するように配置構成されている、光マイクロフォンアセンブリを提供する。
【0038】
第1の態様を参照して上述した本発明の任意の特徴は、第2の態様による本発明の特徴でもあり得る。
【0039】
いくつかの好ましい実施形態を、添付の図面を参照して例としてのみ説明する。
【図面の簡単な説明】
【0040】
図1図1Aは本発明による光マイクロフォンアセンブリの第1の実施形態を示す図であり、図1Bは光マイクロフォンアセンブリがダストカバーを備える図1Aの実施形態の変形例を示す図であり、図1Cは光マイクロフォンアセンブリがダストカバーを備える図1Aの実施形態の変形例を示す図である。
図2】本発明による光マイクロフォンアセンブリの第2の実施形態を示す図である。
図3】本発明による光マイクロフォンアセンブリの第3の実施形態を示す図である。
図4図3に示す光マイクロフォンアセンブリの斜視図である。
図5】本発明による光マイクロフォンアセンブリの第4の実施形態を示す図である。
図6】本発明による光マイクロフォンアセンブリの第5の実施形態を示す図である。
図7図1Aの実施形態のさらなる変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
図1Aは、本発明の第1の実施形態による光マイクロフォンアセンブリ2を示す。光マイクロフォンアセンブリは、MEMS構成要素4および半導体チップ6を含む複数の内部構成要素を備える。MEMS構成要素4は、膜8と、光学素子支持体12上に設けられた光学素子10とを備える。この例では、光学素子は回折格子であるが、他の光学素子、例えば回折レンズまたは平面反射面を使用してもよい。
【0042】
半導体チップ6は、光検出器14を備え、この例示的な実施形態では垂直空洞面発光レーザ(VCSEL)である光源16を実装している。代わりに、光源16は半導体チップ6に一体化されてもよい。接続部18が、VCSEL 16と半導体チップ6との間に設けられ、VCSELに電力を供給して制御することを可能にする。接続部20は、半導体チップが遠隔電源および/またはコントローラによって電力供給および/または制御されることを可能にするために設けられる。この例示的な実施形態では、単一の光検出器のみが存在するが、典型的には、2つ以上の光検出器、例えば3~6個の光検出器を設けることができる。例えば、異なる回折パターンを測定することを可能にするために、または回折パターンの2以上の次数を測定することを可能にするために、複数の光検出器を設けることができる。
【0043】
光マイクロフォンアセンブリ2は、前述の内部構成要素を封入するハウジングを有し、光マイクロフォンアセンブリがそれによってマイクロフォン支持体上に実装されるサブストレート24と、スーパーストレート26と、サブストレート24をスーパーストレート26から分離するスペーサ28とを備える。サブストレート24、スーパーストレート26、およびスペーサ28は、非MEMS構成要素であり、ともに音響空洞30を画定する。スーパーストレート26は、その中に形成された開口32を有し、結果、膜8の第1の面が、開口32を介して光マイクロフォンアセンブリの外部34と流体連通する。空気チャネル36が光学素子支持体12内に設けられており、結果、膜8の第2の側が音響空洞30と流体連通する。
【0044】
サブストレートには、光マイクロフォンアセンブリが上述のようにPCBなどのマイクロフォン支持体上に実装されることを可能にするとともに、光マイクロフォンアセンブリとPCBとの間に電気接続を提供するためのはんだパッド44が設けられている。開口32がサブストレート24に対して遠位のハウジングの表面に設けられ、それによってマイクロフォン支持体に実装される図1Aに示す構成は、「トップポート」構成と呼ばれる場合がある。
【0045】
使用時に、光マイクロフォンアセンブリの外部34において空気を通じて伝播する音響波は、開口32を通って伝播し、膜8の第1の側に衝突する。膜8の第2の側は、マイクロフォンの外部ではなく音響空洞30のみと流体連通しているため、入来する音響波は圧力差を引き起こし、膜8を振動させる。膜の振動、したがって入来音響波は、下記に説明するように測定される。
【0046】
光マイクロフォンが動作しているとき、光源16は、光学素子10(この例では回折格子である)上に向けられる放射38を生成する。回折格子に衝突する放射のうち、第1の部分が回折格子を通過し(40)、回折される。次いで、この回折放射は、膜8によって回折格子を介して光検出器14へと反射される。第2の部分42が、回折格子によって光検出器14へと反射される。第2の部分42は、第1の部分40と干渉して干渉パターンを形成し、その結果、光検出器14において検出される光の強度は、干渉パターン、したがって光学素子10と膜8との間の距離に依存する。検出器14における光の強度は、光学素子10と膜8との間の距離に依存するため、膜8の位置(したがって、動き)を、検出された強度から推測することができる。
【0047】
この例では、光マイクロフォンアセンブリは、一次回折ピークを受けるように位置付けられ1つの検出器のみを有するが、これは必須ではない。検出器は、異なる回折ピーク、例えばより高次の回折ピークを受けるように位置付けられてもよい。複数の検出器を使用して、2つ以上のピーク、例えば0次および一次の回折次数を検出することができる。
【0048】
音響波がその振幅に対応する力を膜に及ぼし、膜を偏向させるため、上述のように測定された膜8の動きは、マイクロフォンに衝突する音響波の圧力振幅に対応する。しかしながら、本出願人は、膜が前部容積音響空洞内に配置される従来技術の光マイクロフォンアセンブリにおいて、光マイクロフォンアセンブリに到達する入来音響波の音響波形が、前部容積音響空洞の存在および狭い音響ポートの制限された空気流によって、特により高い周波数において影響を受けることを理解するに至った。
【0049】
対照的に、図1Aから、この実施形態では、MEMS構成要素4は、(開口を介してアセンブリ外部からアクセス可能な空洞内に配置されるのではなく)開口32を閉じるように位置付けられ、開口は、膜直径と同じ大きさの直径を有することが分かる。その結果、実質的に密閉された前部容積は存在せず、膜への空気流は狭い開口によって制限されない。本出願人は、これが大幅に改善された周波数応答をもたらすことを見出した。従来技術の光マイクロフォンアセンブリでは、人間の聴力範囲(例えば、15 kHz~20 kHzの範囲内)の高周波数における周波数応答に重大なアーチファクト(例えば、ピーク)が存在する。対照的に、本発明の実施形態では、20 Hz~20 kHzの範囲内で実質的に平坦な周波数応答を得ることができる。
【0050】
加えて、開口32は、光マイクロフォンアセンブリ2の外部付近(すなわち、膜から最も遠い)の直径が光マイクロフォンアセンブリ2の内部付近(すなわち、膜に最も近い)の直径よりも大きくなるように、張り出し形状を有することが分かる。本出願人は、これによって開口32への空気流の制限がさらに低減されるため、周波数応答のさらなる改善が提供されることを見出した。
【0051】
図1Aから、MEMS構成要素4および半導体チップ6がハウジングの内部に別個に実装されていることも分かる。MEMS構成要素4はスーパーストレート26上に実装され、一方、半導体チップ6はサブストレート24に実装されている。本出願人は、特に、光検出器14において適切な干渉パターンを生成するようにMEMS構成要素の膜8および光学素子10を光源16および光検出器14と位置合わせすることがより容易であるため、これが光マイクロフォンアセンブリ2の製造の容易さに著しい改善をもたらすことを見出した。本開示から、MEMS構成要素を製造するために使用される微細加工技法の一部分として、光学構成要素10および膜8を光源16および光検出器14と位置合わせする必要がないことが理解されよう。代わりに、この位置合わせは、位置合わせがより容易な非MEMSサブストレート24、スーパーストレート26、およびスペーサ28の位置に依存する。
【0052】
図1Bは、開口32の上にダストカバー45が設けられた図1Aの実施形態を示す。ダストカバー45は、多孔質シートを備える、すなわち孔を含む。孔の集約面積は、ダストカバー45の面積の少なくとも50%であり、これは、ダストカバー45が光マイクロフォンアセンブリ2の音響特性に大きく影響を与えず、特に開口32の音響特性に大きく影響を与えないことを意味する。したがって、ダストカバー45は、実質的に音響的に透過性であると説明することができる。
【0053】
ダストカバー45は、光マイクロフォンアセンブリ2の外部の物体による膜8との偶発的な物理的接触を防止するのに役立ち、開口32を介した光マイクロフォンアセンブリ2の内外への光の漏れを低減するのにも役立つ。
【0054】
図1Bにおいて、ダストカバー45は、光マイクロフォンアセンブリ2の外部に面する開口32の側にある。図1 Cは、この実施形態のさらなる変形例を示し、光マイクロフォンアセンブリ2は、図1Bのダストカバー45と同じ物理的および音響的特性を有するダストカバー45’を備える。しかしながら、図1 Cでは、ダストカバー45’は、膜8に面する開口32の側に配置されている。下記に説明する他の実施形態では、ダストカバーは任意選択的に設けられてもよい。
【0055】
図2は、本発明の第2の実施形態による光マイクロフォンアセンブリ46を示す。光マイクロフォンアセンブリ46は、MEMS構成要素48と、半導体チップ50とを備える。MEMS構成要素48および半導体チップ50は、それぞれ第1の実施形態のMEMS構成要素4および半導体チップ6と同じ構造および機能を有する。
【0056】
この実施形態では、光マイクロフォンアセンブリ46は、マイクロフォン支持体(例えば、PCB)に実装するためのはんだパッド60を有するサブストレート52と、スーパーストレート54と、スペーサ56とを備える。しかしながら、第1の実施形態とは対照的に、本実施形態では、開口58は、スーパーストレート54ではなくサブストレート52内に設けられている。開口の周縁をマイクロフォン支持体に対してシールするために、開口を囲むはんだリング61がサブストレート上に設けられる。MEMS構成要素48は、開口58を閉じるようにサブストレート52に対してシールされる。半導体チップ50は、第1の実施形態を参照して上述したのと同じ様態で、膜振動に対応する干渉パターンを生成するために、MEMS構成要素に面するスーパーストレート上に、それと位置合わせして実装される。
【0057】
開口58は、MEMS構成要素48の膜59の直径と同じ内径を有する張り出し形状を有し、MEMS構成要素48は、開口58を閉じるようにサブストレート52上に実装されることが分かる。したがって、光マイクロフォンアセンブリ46は前部容積音響空洞を有せず、マイクロフォンの外部から膜59への空気流は開口58によって実質的に制限されない。これは、有利には、上述したように、光マイクロフォンの改善された周波数応答を提供する。
【0058】
開口がマイクロフォン支持体に実装するためにサブストレートに対して近位のハウジングの表面に設けられる図2に示す構成は、「ボトムポート」構成と呼ばれる場合がある。
【0059】
図3は、本発明の第3の実施形態による光マイクロフォンアセンブリ62を示す。光マイクロフォンアセンブリ62は、MEMS構成要素64と、半導体チップ66とを備える。MEMS構成要素64および半導体チップ66は、図1および図2を参照して上述したMEMS構成要素および半導体チップと同等の構造および機能を有する。
【0060】
アセンブリの外側ハウジングは、周壁74によって囲まれた凹部72を画定するサブストレート70と、エンクロージャ76とを備える。半導体チップ66は、サブストレートの凹部72に実装される。MEMS構成要素64は、凹部72にまたがるように周壁74の上に実装される。MEMS構成要素64の実装は、図4に示されている光マイクロフォンアセンブリ62の三次元図においてより明確に見ることができる。図4から分かるように、MEMS構成要素は、サブストレート70内の凹部72よりもわずかに大きい幅を有し、それにより、MEMS構成要素は、サブストレート70の上に配置されると、周壁74の上に位置し、それにより、MEMS構成要素は、凹部72内の半導体チップ66の上方で、半導体チップから離間して周壁74によって支持される。
【0061】
再び図3を参照すると、エンクロージャ76は、その中に形成された開口78を有する。エンクロージャは、エンクロージャ76および凹状サブストレート70がともに音響空洞80を形成するように、周壁74上に実装される。開口78は、MEMS構成要素64の上方にあるように位置付けられる。開口の縁部82は、無応力接着剤84を使用してMEMS構成要素64に対してシールされる。これは、光マイクロフォンアセンブリ62に到達する音響波がMEMS構成要素64の膜86の片側、すなわち開口78に面する側にのみ衝突し、音響空洞80に面する膜86の側には衝突しないように、音響空洞80をマイクロフォンの外部からシールする。
【0062】
開口78は、膜86の直径と同じ直径を有し、MEMS構成要素64は、開口78を閉じるようにエンクロージャ76に対してシールされることが分かる。したがって、光マイクロフォンアセンブリ62は前部容積音響空洞を有せず、マイクロフォンの外部から膜86への空気流は開口78によって実質的に制限されない。これは、有利には、上述したように、光マイクロフォンの改善された周波数応答を提供する。
【0063】
この例では、開口78には張り出し形状は設けられていないが、この実施形態および他の実施形態の変形例では、張り出し開口が設けられてもよい。
【0064】
前述の実施形態と同様に、光マイクロフォンアセンブリ62には、光マイクロフォンアセンブリをPCBなどのマイクロフォン支持体上に実装することを可能にするために、サブストレート上のはんだパッド87も設けられている。第1の実施形態と同様に、開口がマイクロフォン支持体に取り付けるためにサブストレートに対して遠位のハウジングの表面に設けられている図3に示されている構成は、「トップポート」構成である。
【0065】
図5は、図3および図4の実施形態の変形例である光マイクロフォンアセンブリ88を示す。光マイクロフォンアセンブリ88は、MEMS構成要素90と、半導体チップ92とを備える。MEMS構成要素90および半導体チップ92は、それぞれ図3および図4の実施形態のMEMS構成要素64および半導体チップ66と同じ構造および機能を有する。
【0066】
図5の実施形態は、サブストレート94およびエンクロージャ96を含む、図3および図4の実施形態と同様の特徴を含む。しかしながら、この実施形態は、サブストレート94が周壁の代わりに凹部100を画定する内壁98を含むという点で、図3および図4の実施形態とは異なる。MEMS構成要素90は、凹部100にまたがるように内壁98の上に実装される。
【0067】
エンクロージャ96は、エンクロージャ96およびサブストレート94がともに音響空洞102を画定するように、サブストレート94上に実装される。エンクロージャ96は、その中に形成された開口104を有し、開口104は、MEMS構成要素90の上方にあるように位置付けられる。開口の縁部106は、無応力接着剤108を使用してMEMS構成要素90に対してシールされる。図3を参照して説明したものと同様に、これは、光マイクロフォンアセンブリ88に到達する音響波がMEMS構成要素90の膜110の片側、すなわち開口104に面する側にのみ衝突し、音響空洞102に面する膜110の側には衝突しないように、音響空洞102をマイクロフォンの外部からシールする。
【0068】
開口104は、膜110の直径と同じ直径を有し、MEMS構成要素90は、開口104を閉じるようにエンクロージャ96に対してシールされる。したがって、光マイクロフォンアセンブリ88は前部容積音響空洞を有せず、マイクロフォンの外部から膜110への空気流は開口104によって実質的に制限されない。これは、有利には、上述したように、光マイクロフォンの改善された周波数応答を提供する。
【0069】
前述の実施形態と同様に、光マイクロフォンアセンブリ88には、光マイクロフォンアセンブリをPCBなどのマイクロフォン支持体上に実装することを可能にするために、サブストレート上のはんだパッド112も設けられている。
【0070】
図6は、本発明による下部光マイクロフォンアセンブリ114の第5の実施形態を示す図である。光マイクロフォンアセンブリは、MEMS構成要素116と、半導体チップ118とを備え、これらは、上記の実施形態で説明したMEMS構成要素および半導体チップと同等の構造および機能を有する。図3および図5の実施形態と同様に、光マイクロフォンアセンブリ114は、PCBなどのマイクロフォン支持体に実装するためのはんだパッド132を有するサブストレート120と、エンクロージャ122とを備える。サブストレート120は、周壁126によって囲まれた凹部124を画定する。サブストレート120の下部には開口128が形成されている。
【0071】
MEMS構成要素120は、開口128を閉じるように凹部124内に実装される。半導体チップ118は、凹部124にまたがるように周壁126上に実装されている。半導体チップは、MEMS構成要素116に面し、MEMS構成要素116および半導体チップ118がともに、前述の実施形態を参照して上述したのと同じ様態で光マイクロフォンとして機能するように、MEMS構成要素と位置合わせされる。エンクロージャ114は、音響空洞130を形成するように周壁の上に実装される。
【0072】
開口128は、第1の実施形態および第2の実施形態の開口32、58と同様に張り出し形状を有し、これにより、上記で説明したように、光マイクロフォンの周波数応答が改善される。
【0073】
図7は、図1Aの実施形態の変形例を示し、対応する特徴は同様の数字で示されている。本実施形態では、半導体チップ136に加えて、ASICチップ134が設けられている。接続部138、140が、半導体チップ136とASICチップ134との間に設けられて、ASICチップ134による光検出器14および光源16の制御を可能にし、ASICチップ134とサブストレート24との間に設けられて、例えば電源などのオフチップ構成要素への接続を可能にする。不透明な「グラブトップ」カバー142がASICチップ134の上に設けられている。他の実施形態、例えば上述の他の実施形態の変形例では、別個のASICチップを同様に提供することができる。
【0074】
上述の実施形態は単なる例であり、特許請求項の範囲内で他の実施形態および変形が可能であることが理解されよう。
図1A
図1B
図1C
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】