(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-16
(54)【発明の名称】バルブ
(51)【国際特許分類】
B29C 45/14 20060101AFI20220609BHJP
B29C 45/13 20060101ALI20220609BHJP
B29C 45/26 20060101ALI20220609BHJP
B65D 47/20 20060101ALI20220609BHJP
【FI】
B29C45/14
B29C45/13
B29C45/26
B65D47/20 111
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021559705
(86)(22)【出願日】2020-04-13
(85)【翻訳文提出日】2021-11-30
(86)【国際出願番号】 EP2020060364
(87)【国際公開番号】W WO2020208252
(87)【国際公開日】2020-10-15
(32)【優先日】2019-04-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】513145966
【氏名又は名称】オブリスト クロージャーズ スウィッツァランド ゲーエムベーハー
【氏名又は名称原語表記】OBRIST CLOSURES SWITZERLAND GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100107984
【氏名又は名称】廣田 雅紀
(74)【代理人】
【識別番号】100182305
【氏名又は名称】廣田 鉄平
(74)【代理人】
【識別番号】100096482
【氏名又は名称】東海 裕作
(74)【代理人】
【識別番号】100131093
【氏名又は名称】堀内 真
(74)【代理人】
【識別番号】100150902
【氏名又は名称】山内 正子
(74)【代理人】
【識別番号】100141391
【氏名又は名称】園元 修一
(74)【代理人】
【識別番号】100221958
【氏名又は名称】篠田 真希恵
(74)【代理人】
【識別番号】100192441
【氏名又は名称】渡辺 仁
(72)【発明者】
【氏名】ブル マーティン
(72)【発明者】
【氏名】パルゲン ペーター
【テーマコード(参考)】
3E084
4F202
4F206
【Fターム(参考)】
3E084AA12
3E084AB01
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4F202AA11
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(57)【要約】
バイインジェクション成形された自動閉鎖バルブアセンブリが記載される。アセンブリは、インサートにおいてオーバーモールドされたバルブを含む。オーバーモールドされたバルブは、モールドの側面ゲーティングを使用して射出される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
インサートにおいてオーバーモールドされたバルブを含む自動閉鎖バルブアセンブリであって、前記インサートは、横方向の射出によって形成され、オーバーモールドされたバルブは、一般に、中心の射出、中心から外れた射出、又は横方向の射出によって射出される、自動閉鎖バルブアセンブリ。
【請求項2】
前記インサートは、側壁を含み、前記射出点は、前記側壁の一端に配置される、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項3】
前記バルブは、側壁を含み、前記射出点は、前記側壁の一端に配置される、請求項1又は2に記載のアセンブリ。
【請求項4】
前記バルブは、バルブヘッドを含み、前記射出点は、一般に前記ヘッドにおいて中心に配置される、請求項1~3のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項5】
前記バルブは、1つ以上のスリットラインが形成されるバルブヘッドであって、前記バルブの射出点が前記スリットラインから離れて配置されるバルブヘッドを含む、請求項1~4のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項6】
前記インサートは、保持リングである、請求項1~5のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項7】
前記バルブは、TPE材料から形成される、請求項1~6のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項8】
前記インサートは、ポリプロピレンから形成される、請求項1~7のいずれか一項に記載のアセンブリ。
【請求項9】
側面ゲート式ポリプロピレンリングと側面ゲート式TPEバルブとを含む、バイインジェクションされたバルブサブアセンブリ。
【請求項10】
側面ゲート式ポリプロピレンリングと中心ゲート式TPEバルブとを含む、バイインジェクションされたバルブサブアセンブリ。
【請求項11】
側面ゲート式ポリプロピレンリングと中心から外れたゲート式TPEバルブとを含む、バイインジェクションされたバルブサブアセンブリ。
【請求項12】
TPE材料から形成された射出成形された本体を含む自動閉鎖バルブであって、前記本体は、周囲側壁及び中心バルブヘッドを含み、前記本体における前記射出ゲートは、前記バルブヘッドの中心から離れて形成される、自動閉鎖バルブ。
【請求項13】
前記射出ゲートは、前記周囲側壁において形成される、請求項12に記載のバルブ。
【請求項14】
自動閉鎖バルブと、外側保持リングとを含むバルブサブアセンブリであって、前記サブアセンブリは、バイインジェクション射出成形プロセスによって形成され、前記リングは、側面ゲート式射出プロセスを使用して射出され、前記バルブは、側面ゲート式射出プロセスを使用して射出される、バルブサブアセンブリ。
【請求項15】
分配クロージャーと組み合わされた、請求項1~14のいずれか一項に記載のバルブ又はバルブサブアセンブリ。
【請求項16】
インサートとバルブとを含むタイプのバルブサブアセンブリを形成する方法であって、横方向のゲートを使用して前記インサートを射出成形する工程と、横方向のゲートを使用して前記バルブをオーバーモールドする工程とを含む方法。
【請求項17】
請求項16に記載のサブアセンブリを形成するためのモールド。
【請求項18】
中心バルブヘッドと周囲壁とを含むタイプの自動閉鎖バルブを形成する方法であって、中心を外れた射出ゲートで前記バルブを射出成形する工程を含む方法。
【請求項19】
前記バルブをスリットする工程を更に含み、前記スリットは、その上の前記射出ゲートの痕跡と一致しないように形成される、請求項16又は請求項17に記載の方法。
【請求項20】
請求項19に記載のバルブを形成するためのモールド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、バルブ、特に、限定的ではないが、自動閉鎖バルブ及び/又はフレキシブルバルブを保持するための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
フレキシブルバルブには、多くの形態がある。例えば、国際公開第A-2004/026721号パンフレットは、層状タイプのフレキシブル膜バルブについて記載しているが、欧州特許第B-0545678号明細書と欧州特許第B-1005430号明細書はどちらも、形状が非層状のシリコン系のフレキシブルバルブについて記載している。
【0003】
非層状の自動閉鎖フレキシブルバルブの構造は、少なくとも1つのスリット、側壁部分、及びフランジを備えた凹状又は凸状の形状のヘッド部分を含むものとして一般化されることができる。この用途では、「層状」という用語は、主要な表面が互いに平行である実質的に均一な厚さを有する形態に関する。「非層状」という用語は、厚さが変動し、形状が、互いに平行な主要な表面を有さない形態に関する。
【0004】
非層状バルブは、液体石鹸、ケチャップ、及び化粧品などの消耗品を保持する容器に関連してそれ自体使用されるクロージャーに関連して使用されることが多い。それらは、使用者が容器の壁に圧力を加えると(例えば、絞ることによって)、バルブのヘッド部分が「花びら」の形で外側に開くことによって、容器内のこの増加した圧力に応答するという性質を有する。次いで、容器内に含まれる流体は、バルブのヘッド部分のスリットを通過する。更に、容器の壁は、典型的には、使用者がそれらを絞るのをやめると元の形状に戻り、従って容器内の体積が増加し、それに応じて容器内の圧力が低下するように弾力性がある。この圧力低下により、バルブの開いた「花びら」が吸い込まれ、元の閉じた位置に戻る。この自動閉鎖の特性は、バルブヘッドの凹状形状によって支援される。
【0005】
フレキシブルバルブの問題の1つは、フレキシブルバルブが非常にしなやかであるため、組み立て中にクロージャー内で取り扱うこと及び配置することが非常に難しいことである。これにより、クロージャーの組み立てが遅くなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、バルブ、自動閉鎖バルブ、バルブアセンブリ、バルブサブアセンブリ及びこれらのためのクロージャー、並びに前述のものを形成するための方法における、又はこれらに関連する改善を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様は、インサートにおいてオーバーモールドされたバルブを含む自動閉鎖バルブアセンブリを提供し、インサートは、横方向の射出によって形成され、オーバーモールドされたバルブは、一般に、中心(central)の射出、中心から外れた射出、又は横方向の射出によって射出される。
【0008】
一態様は、バイインジェクション成形された自動閉鎖バルブアセンブリを提供し、このアセンブリは、インサートにおいてオーバーモールドされたバルブを含み、このオーバーモールドされたバルブは、モールドの側面ゲーティングを使用して射出される。
【0009】
インサートは、側壁を含み得、射出点は、側壁の一端に配置される。
【0010】
バルブは、側壁を含み得、射出点は、側壁の一端に配置される。
【0011】
バルブは、バルブヘッドを含み得、射出点は、一般にヘッドにおいて中心に配置され得る。
【0012】
バルブは、バルブヘッド(例えば、一般に円形のヘッド)を含み得、射出点は、ヘッドにおいて中心から外れた位置に配置され得る。
【0013】
バルブは、1つ以上のスリットラインが形成されるバルブヘッドであって、バルブの射出点がスリットラインから離れて配置されるバルブヘッドを含むことができる。
【0014】
インサートは、保持リングであり得る。保持リングは、例えば、分配クロージャーに取り付けられるように適合されることができる。保持リングは、クロージャーにおいて係合するためのスナップビーズなどを有することができる。
【0015】
バルブは、熱可塑性エラストマー(TPE)材料から形成されることができる。熱可塑性エラストマー(TPE)は、熱可塑性ゴムと呼ばれることもあり、熱可塑性とエラストマーの両方の特性を備えた材料からなるコポリマーの部類又はポリマーの物理的混合物(通常はプラスチックとゴム)である。
【0016】
インサートは、例えば、ポリプロピレンから形成されることができる。
【0017】
本発明はまた、側面ゲート式ポリプロピレンリングと側面ゲート式TPEバルブとを含む、バイインジェクションされたバルブサブアセンブリを提供する。
【0018】
本発明はまた、側面ゲート式ポリプロピレンリングと中心(centre)ゲート式TPEバルブとを含む、バイインジェクションされたバルブサブアセンブリを提供する。
【0019】
本発明はまた、側面ゲート式ポリプロピレンリングと中心から外れたゲート式TPEバルブとを含む、バイインジェクションされたバルブサブアセンブリを提供する。
【0020】
本発明はまた、TPE材料から形成された射出成形された本体を含む自動閉鎖バルブを提供し、この本体は、周囲側壁及び中心バルブヘッドを含み、本体における射出ゲートは、バルブヘッドの中心から離れて形成される。
【0021】
例えば、側面ゲーティングにより、TPEにおける応力レベルを下げることができ、これによってスリットを改善することができる。
【0022】
射出ゲートは、周囲側壁において、例えば「より下の」端部に形成されることができる。
【0023】
本発明はまた、自動閉鎖バルブと外側保持リングとを含むバルブサブアセンブリを提供し、サブアセンブリは、バイインジェクション成形プロセスによって形成され、リングは、側面ゲート式射出プロセスを使用して射出され、バルブは、側面ゲート式射出プロセスを使用して射出される。
【0024】
本発明はまた、分配クロージャーと組み合わせて、本明細書に記載されるバルブ又はバルブサブアセンブリを提供する。
【0025】
本発明はまた、インサートとバルブとを含むタイプのバルブサブアセンブリを形成する方法を提供し、この方法は、横方向のゲートを使用してインサートを射出成形する工程と、横方向のゲートを使用してバルブをオーバーモールドする工程とを含む。
【0026】
本発明はまた、本明細書に記載されるサブアセンブリを形成するためのモールド、例えば側面ゲート式モールドを提供する。
【0027】
本発明はまた、中心バルブヘッドと周囲壁とを含むタイプの自動閉鎖バルブを形成する方法を提供し、この方法は、中心を外れた射出ゲートでバルブを射出成形する工程を含む。
【0028】
本発明の方法はまた、バルブをスリットする工程を含み得る。
【0029】
例としての射出条件
PP射出:
モールド温度、約30℃。
溶融温度、約230℃。
射出時間:0.5秒。
冷却時間:5秒。
【0030】
TPE射出:
モールド温度、約30℃。
溶融温度、約230℃。
射出時間:0.5秒。
冷却時間:5秒。
【0031】
スリットは、その上の射出ゲートの痕跡と一致しないように形成されることができる。
【0032】
本発明はまた、本明細書に記載されるバルブを形成するためのモールド、例えば側面ゲート式モールドを提供する。
【0033】
いくつかの態様及び実施形態は、以下でより詳細に論じられるように、(スリットの品質を改善するために)側面ゲート式PPリング及び側面ゲート式TPEの両方に関する。
【0034】
バルブアセンブリ(バルブとリング)は、多成分射出成形プロセス(共射出とも呼ばれる)、マルチショット射出成形(連続的射出成形とも呼ばれる)、又はオーバーモールドなどの多材料射出成形プロセスによって形成されることができる。
【0035】
以下でより詳細に論じられるように、側面(横方向の)ゲート対中心ゲーティングを使用することには利点がある。
【0036】
いくつかの実施形態は、TPEバルブの中心から外れた直接的供給によって形成される方法及び装置、並びにPPの外側リングの側面ゲーティングに関する。
【0037】
中心から外れたゲーティング、例えば側面ゲーティングは、TPEの内部応力を小さくし、その結果、スリットが改善される。
【0038】
いくつかの態様及び実施形態は、より小さい内部応力を示し、従って高品質のバルブ(より少ない漏れ、より安全、より良い性能など)を提供するTPEバルブをもたらし(場合により、外側リングと組み合わせて)、スリットも改善され得る、プロセスに関する。
【0039】
いくつかの態様及び実施形態は、モールドの側面ゲーティングに関する。
【0040】
中心ゲートにより、ゲートの痕跡をスリットするときにスリットの品質の問題が発生する場合があり、ゲートの痕跡は、キャビティごとに、及び時間の経過とともに、サイズ及び規則性が変動する可能性があり、このため、側面ゲートには利点がある。
【0041】
側面ゲートは、他の問題につながるであろう内部材料応力を生じない。
【0042】
本発明はまた、TPEバルブ及びオーバーモールドされた外側リングに関する。外側リングは、バルブ/リングをクロージャーの中に/クロージャーに対して取り付けるために使用されることができる。
【0043】
オーバーモールドによって得られたTPEバルブ設計とVSA設計の組み合わせを提供することができる。
【0044】
リング及び/又は外側リングは、バルブ/クロージャー間の上部シール領域と組み合わされることができる。
【0045】
バルブヘッドプレートにウェルドラインがないことを確認するために、設計フィーチャーが含まれている場合がある。
【0046】
本明細書に記載されるバルブ及び/又はバルブ保持装置が取り付けられたクロージャーも提供される。
【0047】
本発明の様々な態様及び実施形態は、別々に又は一緒に使用することができる。
【0048】
本発明の更に特定の好ましい態様は、添付の独立請求項及び従属請求項に記載されている。従属請求項の特徴は、必要に応じて、独立請求項の特徴と組み合わせることができ、請求項に明示的に記載されているもの以外の組み合わせにすることができる。
【0049】
本発明に関連する非限定的な例、説明及び支持データは、添付の図面に示されている。
【0050】
例示的な実施形態は、当業者が本明細書に記載のシステム及びプロセスを具体化及び実施することを可能にするのに十分詳細に以下に記載される。実施形態は多くの代替形態で提供されることができ、本明細書に記載の例に限定されると解釈されるべきではないことを理解することが重要である。
【0051】
従って、実施形態は、様々な方法で修正され、様々な代替形態をとることができるが、その特定の実施形態は、図面に示され、例として以下に詳細に説明される。開示された特定の形態に限定する意図はない。それどころか、添付の特許請求の範囲内にある全ての修正、同等物、及び代替物を含める必要がある。例示的な実施形態の要素は、図面全体を通して同じ参照番号及び適切な場合には詳細な説明によって一貫して示されている。
【0052】
実施形態を説明するために本明細書で使用される用語は、範囲を限定することを意図するものではない。冠詞「1つの(a)」、「1つの(an)」及び「その(the)」は、単一の指示対象を持つという点で単数であるが、本明細書での単数形の使用は、複数の指示対象の存在を排除するものではない。言い換えると、文脈で明確に示されていない限り、単数で参照される要素は1つ以上の数を付けることができる。本明細書で使用される場合、「含む(comprises)」、「含む(comprising)」、「含む(includes)」、及び/又は「含む(including)」という用語は、記載された特徴、品目、工程、操作、要素、及び/又は構成要素の存在を特定するが、1つ以上の他の特徴、品目、工程、操作、要素、構成要素、及び/又はこれらのグループの存在又は追加を排除するものではないことが更に理解されよう。
【0053】
別段の定義がない限り、本明細書で使用される全ての用語(技術用語及び科学用語を含む)は、当技術分野で慣習的であると解釈されるべきである。一般な使用法における用語は、本明細書で明示的に定義されない限り、関連技術において慣習的であり、理想化された又は過度に形式的な意味ではなく解釈されるべきであることが更に理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0054】
図1は、自動閉鎖バルブと外側保持リングとを含む、自動閉鎖バルブサブアセンブリを示している。このサブアセンブリは、バイインジェクション成形プロセスによって形成される。
【0055】
図2Aは、この実施形態では、熱可塑性エラストマー(TPE)材料から形成されている自動閉鎖バルブを示している。このバルブは、周囲壁と凹状の中心バルブヘッドを含む。この壁とこのバルブヘッドは、接続壁によって接合されており、この実施形態では、ヒンジとして機能して、使用中にバルブヘッドを持ち上げ、場合により反転させることができる。スリット(例えば、十字形の2つのスリット)は、一般に、バルブヘッドで中心に設けられることができる。
【0056】
図2Bは、この実施形態では、ポリプロピレンから形成されているバルブ保持アセンブリ/装置を示している。装置は、装置をクロージャーにスナップフィットするためのビーズを含む。
【0057】
図2Cに、装置(バルブとリング)が示される。これは、別個にクロージャーから形成され、及び容器からも形成される。
【0058】
図3及び4は、例えば、化粧品及び/又は食品容器で使用するためのクロージャー内にリングを有するバルブを示すクロージャーを示している。バルブ構成要素(バルブとリング)は、一般にディスク状の上部プレートに取り付けられ、次いでそれ自体がクロージャーのベースに受け入れられる(例えば、クリップされる/スナップされる)。
【0059】
上部プレートの構成要素は、
図5及び6におけるクロージャーで別個に示されている。クロージャーの蓋の下側には、バルブヘッドの凹状形状に対応するように形作られたドーム型の突き出した部分が含まれ、蓋が閉じられたときに良好なシールを保証する。
【0060】
他の実施形態(図示せず)では、上部プレートは、クロージャーのベースと一体的に形成される。
【0061】
従って、クロージャーには、ポリプロピレンインサートにおいてオーバーモールドされたTPEバルブが含まれる。この実施形態では、側面ゲート式ポリプロピレンリング及び側面ゲート式TPEバルブが提供される。
【0062】
この実施形態は、オーバーモールドによって得られた、TPEバルブ設計とバルブサブアセンブリ(VSA)設計を組み合わせる。
【0063】
リング及び/又は外側リングは、バルブ/クロージャー間の上部シール領域と組み合わせることができる。
【0064】
バルブヘッドプレートにウェルドラインがないことを確認するために、設計フィーチャーが含まれることができる。
【0065】
この実施形態では、これは、バルブ/クロージャー間の上部シール領域と組み合わされる。
【0066】
この実施形態では、バルブヘッドプレートにウェルドラインはない。
【0067】
インサートには、クロージャー保持フィーチャーが含まれ、システムは、2つのシールが同時に機能すること:TPEに対する垂直圧縮、及びアニュアルの(annual)PP干渉に依存する。
【0068】
いくつかの実施形態では、ヘッドスリーブヒンジ、クロージャー保持形態への干渉が、スリットの閉鎖を助けるために水平方向の圧力を提供し、シールの品質を高める。
【0069】
結果パート1:
図7~57
結果は、PPのインサートにおいてオーバーモールドされたTPEバルブの射出の分析を示しており、2つのゲート位置が、TPEバルブ及び射出条件へのその影響について試験された。計算は、等温モールド設定で行われる。反りと応力の結果は、収縮のない完全なPP形状を想定して示されており、その理由は、これはTPE部品において応力テンソルを得る唯一の方法であるためである。
【0070】
図面に示されているのは、2K射出によるTPEバルブが組み込まれている部品のシール要素である。
オーバーモールド材料:TPE Thermolast K TF3 ATL(Kraiburg TPE GmbH)
インサート材料:PP Moplen HP501L(Basell Polyolefins Europe)。
【0071】
PPインサートは、30℃のモールドに230℃にて0.2秒で射出される。横方向の射出が検証された。ゲートの反対領域にウェルドラインが作成される。注入物の端部に特定の通気が必要になる場合がある。キャビティにおける圧力は、約70バールである。ほとんどの広大な領域には、その前の表皮の固化によるヒケ/空隙気泡の危険性が含まれる可能性がある。この広大な領域では、充填圧力をできるだけ長く送出することはできない。いくつかの実施形態では、厚さを均一化することが推奨される。
【0072】
TPEオーバーモールドも、30℃のモールドに200℃にて0.2秒で射出される。横方向及び中心の射出が試みられ、図に示されている。ゲートで計算された剪断速度は、ゲート直径は0.6mmで、射出時間は0.2秒で、Moldflowデータベースで公に述べられる限界下にある。遅い射出は、ためらい効果を増幅し、空気トラップが発生する可能性がある。
【0073】
切り替えでのキャビティにおける圧力は、使用されるゲートの位置に応じて約25~35バールである。中心領域に射出すると部品周囲の充填の送出が制限される一方で、横方向の射出では、部品の周りの充填をより良好に制御できるが、中心領域の充填はわずかに少なくなる。これにより、ゲートの位置によっては、ほとんどの広大な領域でヒケ/空隙気泡が発生する可能性がある。平坦性の点で、部品の反りは、値については非常に似ているが、横方向の射出ではより規則的に見える。部品の周りの充填をより良好に制御できるため、横方向の射出では、充填と収縮をより良好に制御できるはずである。応力テンソル分析では、値と方向に関して大きな差は示されない。
【0074】
結果2:
図58~112
TPEとその影響について2つのゲートの位置を試験するために、PPのインサートにおいてオーバーモールドされたTPEバルブの射出を分析する。計算は等温モールド設定で行われる。反りと応力の結果は、収縮がない完全なPP形状を想定して示され、その理由は、これが、Moldflowソフトウェアを使用した計算においてTPE部品の応力テンソルを得る唯一の方法であるためである。
オーバーモールド材料:TPE Thermolast K TF3 ATL(Kraiburg TPE GmbH)
インサート材料:PP Moplen HP501L(Basell Polyolefins Europe)。
【0075】
PPとTPEの両方が、30℃のモールドに0.5秒で射出される。この射出時間は、ゲートでの剪断速度を制限し、現実的な射出での結果の概要を把握するために選択された(0.5秒より短い射出時間で射出すると、プレス射出の慣性を正確に認識することを示唆している)。0.2秒で射出しても、横方向の射出で見られるフローフロントパターンと空気トラップの問題は大幅には修正されない。切り替えでのキャビティにおける圧力は、中心の射出と横方向の射出の両方で同様であり、キャビティ内で約25~30バールである。傾斜射出により、ウェルドライン/空気トラップなしでバランスの取れた注入が可能になるが、横方向の射出では、部品の厚さと部品の対称軸から外れたゲート位置により、ためらい効果が生じる。横方向の射出で生成された空気トラップは、非常に重要であり、フローフロントの速度変動、空気トラップ位置における注入の終了時での流れの加速などの様々な問題を引き起こす。
【0076】
部品の中心で射出することにより、部品の中心を正しく充填できるが、最も厚い部品の周囲は充填が少なく、ヒケ/空隙気泡の危険性が存在する可能性がある。横方向の射出では、部品の中心の充填が制限されるという逆の問題が発生し、この場合、射出後のプロセスで切削操作が行われることになる。
【0077】
両方の射出は、ゲートから遠く離れた広大な領域を除いて、全体に均一な収縮をもたらす。計算された部品の反りは、どちらの場合も同様であり、値が小さい(0.05mm未満)。TPE部品における応力テンソル値を制限するために、低い充填圧力を使用して、部品における計算された応力の結果を確認することが、推奨される。
【0078】
両方の応力テンソルの方向を各ゲート位置と比較すると、応力テンソルの主要な方向は、横方向の射出よりも中心の射出でより均一であるという結論になる。いくつかの実施形態では、空気トラップ/ウェルドラインの問題を回避し、より均一な応力テンソルの方向を有するために、中心ゲートで部品を射出することが好ましい可能性がある。他の実施形態では、ゲートの痕跡と一致するスリットラインの問題を回避するために、中心を外れたゲートで部品を射出することが好ましい可能性がある。
【0079】
現在の計画は、TPEを中心から外れて直接的に供給し、PPを側面ゲートする(side gate)ことである。中心ゲーティングに対する側面ゲーティングの利点が示される。中心の射出では、周囲でのより広大な領域の維持が制限される。
【0080】
いくつかの実施形態では、厚さの均一化によって部品設計を修正することは、中心の射出での部品周囲のほとんどの広大な領域においてより均一な体積収縮及びより少ないヒケの危険性を有するのに役立つことができる。可能性のある形状の最適化を検証するために計算を行うことができる(部品の固化の分析に基づいて、厚さの差を小さくし、周囲の領域を薄くして厚さを最適化できることを意味する)。
【0081】
厚さを均一化できれば、圧縮の方が良い場合がある。
【0082】
2つの閾値の状況を比較すると、交換がより堅調であることが明確に示される。
【0083】
横方向の射出は、空気の閉塞、応力テンソルの主要な方向の差のある配向、中心のサブコンパクション(sub-compaction)を生成する可能性がある。
【0084】
次いで、ゲートの痕跡(モールドキャビティごとに、及び時間の経過とともにサイズと規則性が変動する可能性がある)をスリットする可能性があるため、中心ゲートにより、スリットの品質の問題が発生する場合があり、このため、側面ゲーティングには利点があり得る。
【0085】
いくつかの実施形態では、側面ゲーティングは、他の問題につながるであろう内部材料応力を生じない。
【0086】
本発明の例示的な実施形態は、添付の図面を参照して本明細書に詳細に開示されているが、本発明は、示される正確な実施形態に限定されず、添付の特許請求の範囲及びこれらの同等物によって定義されるように本発明の範囲から逸脱することなく、当業者によって様々な変更及び修正を本明細書において行うことができることが理解される。
【国際調査報告】