IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ノルマ ジャーマニー ゲーエムベーハーの特許一覧

特表2022-528945流体ラインおよび他のラインを接続するための装置
<>
  • 特表-流体ラインおよび他のラインを接続するための装置 図1
  • 特表-流体ラインおよび他のラインを接続するための装置 図2a
  • 特表-流体ラインおよび他のラインを接続するための装置 図2b
  • 特表-流体ラインおよび他のラインを接続するための装置 図3a
  • 特表-流体ラインおよび他のラインを接続するための装置 図3b
  • 特表-流体ラインおよび他のラインを接続するための装置 図4
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-16
(54)【発明の名称】流体ラインおよび他のラインを接続するための装置
(51)【国際特許分類】
   F16L 37/248 20060101AFI20220609BHJP
【FI】
F16L37/248
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021560254
(86)(22)【出願日】2020-04-20
(85)【翻訳文提出日】2021-10-12
(86)【国際出願番号】 EP2020061022
(87)【国際公開番号】W WO2020221616
(87)【国際公開日】2020-11-05
(31)【優先権主張番号】102019111131.5
(32)【優先日】2019-04-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591044393
【氏名又は名称】ノルマ ジャーマニー ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100118913
【弁理士】
【氏名又は名称】上田 邦生
(74)【代理人】
【識別番号】100142789
【弁理士】
【氏名又は名称】柳 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100201466
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 邦彦
(72)【発明者】
【氏名】ステファン マン
【テーマコード(参考)】
3J106
【Fターム(参考)】
3J106BA01
3J106BB01
3J106BC04
3J106BD03
3J106BE29
3J106BE33
3J106CA19
3J106EA01
3J106EB12
3J106EE18
(57)【要約】
本発明は、流体ライン(12,14)と他のライン(36,38)とを接続するための装置(10)に関する。装置(10)は、流体ライン(12,14)を接続するための第1の接続部品(24)と、他のライン(36、38)を接続するための第2の接続部品(30)とを有する。第1の接続部品(24)は、第1の接続部品(24)が2つの流体ライン(12,14)を互いに切り離す第1の機能位置と、第1の接続部品(24)が2つの流体ライン(12,14)を接続する第2の機能位置とを有する。装置(10)の接続軸(20)に沿った第1の接続部品(24)の移動は、第1の接続部品(24)を第1の機能位置と第2の機能位置との間で移動させる。第2の接続部品(30)は、接続位置において、2つの他のライン(36,38)を接続し、解除位置において、2つの他のライン(36,38)を互いに切り離す。接続軸(20)を中心とした周方向(22)への第2の接続部品(30)の移動は、第1の接続部品(24)が第2の機能位置にあるときに、解除位置と接続位置との間で第2の接続部品(30)を移動させる。本発明は、製造および操作がより簡単な、改良された装置(10)を提供する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体ライン(12,14)および他のライン(36,38)を接続するための装置であって、前記流体ライン(12,14)を接続するための第1の接続部品(24)と、前記他のライン(36,38)を接続するための第2の接続部品(30)とを備え、前記第1の接続部品(24)は、該第1の接続部品(24)が2つの前記流体ライン(12,14)を互いに切り離す第1の機能位置と、前記第1の接続部品(24)が2つの流体ライン(12,14)を接続する第2の機能位置とを有し、前記装置(10)の接続軸(20)に沿う前記第1の接続部品(24)の移動が、前記第1の機能位置と前記第2の機能位置との間で前記第1の接続部品(24)を移動させ、前記第2の接続部品(30)が、1つの接続位置において、2つの前記他のライン(36,38)を接続し、解放位置において、2つの前記他のライン(36,38)を切り離し、前記第2の接続部品(30)の前記接続軸(20)回りの周方向(22)の移動が、前記第1の接続部品(24)が前記第2の機能位置にある場合に、前記第2の接続部品(30)を解放位置と接続位置との間で移動させる装置(10)。
【請求項2】
ロック位置において、前記第1の接続部品(24)を前記第2の機能位置にロックし、ロック解除位置において、前記第1の接続部品(24)を解放するロック部品(54)を有する請求項1に記載の装置(10)。
【請求項3】
前記ロック部品(54)が、周方向に沿って方向付けられるラッチ部材を有し、前記第1の接続部品(24)が前記第2の機能位置にある場合に、前記ロック部品(54)の前記周方向の移動が、前記ロック位置と前記ロック解除位置との間で前記ロック部品(54)を移動させる請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記第2の接続部品(30)が、前記ロック部品(54)である請求項2または請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記第1の接続部品(24)が、2つの流体ライン(12,14)の一方に第1の雄側接続部材(26)を有し、2つの流体ライン(12,14)の他方に第1の雌側接続部材(28)を有する請求項1から請求項4のいずれかに記載の装置。
【請求項6】
前記第1の雄側接続部材(26)および前記第1の雌側接続部材(28)が、前記接続軸(20)に沿って方向づけられている請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記第2の接続部品(30)が、2つの前記他のライン(36,38)の一方に第2の雄側接続部材(34)を有し、2つの前記他のライン(36,38)の他方に第2の雌側接続部材(32)を有する請求項1から請求項6のいずれかに記載の装置。
【請求項8】
前記第2の雄側接続部材(34)および前記第2の雌側接続部材(32)が、前記周方向(22)に沿って構成されている請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記他のライン(36,38)が加熱線である請求項1から請求項8のいずれかに記載の装置。
【請求項10】
第1のハウジング半体(16)および第2のハウジング半体(18)を有し、前記第1のハウジング半体(16)が2つの前記流体ライン(12,14)の一方に接続され、前記第2のハウジング半体(18)が2つの前記流体ライン(12,14)の他方に接続され、前記第1の接続部品(24)が前記第2の機能位置にある場合に、前記第1のハウジング半体(16)および前記第2のハウジング半体(18)がハウジングを形成し、前記第1の接続部品(24)および前記第2の接続部品(30)が、前記第1のハウジング半体(16)および前記第2のハウジング半体(18)の内部に配置されている請求項1から請求項9のいずれかに記載の装置。
【請求項11】
前記第1の接続部品(24)が前記第2の機能位置にある場合に、前記ハウジング半体(16、18)が互いに隙間のない接続を有する請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記第1のハウジング半体(16)が、前記第1の雄側接続部材(26)を有し、前記第2のハウジング半体(18)が、前記第1の雌側接続部材(28)を有する請求項5または請求項6と組み合わせた、請求項10または請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記第1のハウジング半体(16)が、前記第2の雄側接続部材(34)を有し、前記第2のハウジング半体(18)が、前記第2の雌側接続部材(32)を有する請求項7または請求項8と組み合わせた、請求項10から請求項12のいずれかに記載の装置。
【請求項14】
前記第1の接続部品(24)を第2の機能位置にロックするための他のロック部品(42)を有する請求項1から請求項13のいずれかに記載の装置。
【請求項15】
前記他のロック部品(42)が、閉鎖部材(44)を有する請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記他のロック部品(42)が、請求項10から請求項13のいずれかに記載の前記第1のハウジング半体(16)および/または前記第2のハウジング半体(18)に一体化されている請求項14または請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記第1の接続部品(24)が、2つの前記流体ライン(12,14)の間に配置される少なくとも1つのシール部材(40)を有する請求項1から請求項16のいずれかに記載の装置。
【請求項18】
前記少なくとも1つのシール部材(40)がOリングである請求項17に記載の装置。
【請求項19】
請求項1から請求項18のいずれかに記載の装置(10)を備えるシステムであって、2つの前記他のライン(36,38)および2つの前記流体ライン(12,14)を備え、前記装置(10)が、2つの前記他のライン(36,38)および2つの前記流体ライン(12,14)を互いに接続するシステム(100)。
【請求項20】
選択的触媒還元のための触媒コンバータ(52)または水噴射システムである請求項19に記載のシステム(100)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流体ラインおよび他のラインを接続するための装置、および2つの流体ライン、2つの他のライン、および装置を備えるシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
2つの流体ライン間の信頼性の高い接続を行うためには、例えば、プラグ接続が用いられる。プラグ接続は、電気ラインの場合にも同様に、2本の電気ラインを互いに接続するために用いられる。流体ラインと電気ラインとを備えるシステムの場合には、流体ラインと電気ラインとを同時に接続するために、例えば、DE 10 2010 053 736 A1に記載されているようなマルチコネクタが使用される。これらのマルチコネクタは、それぞれ異なるラインに配置される2つの半体を備える。さらに、マルチコネクタは、流体ライン用の雄側接続片と流体ライン用の雌側接続片とを備え、それぞれが片方の半体に配置されている。さらに、マルチコネクタは、電気ライン用の雄側接続片と電気ライン用の雌側接続片とを備え、これらも同様に、異なる半体に配置されている。この場合、雄側接続片は、流体ラインおよび電気ラインの接続を実現するために、マルチコネクタの接続軸に沿って、それぞれの雌側接続片に挿入される。接続片を製造するためには、全ての公差条件において信頼性の高い接続を確保するために、製造工程においてわずかな公差しか認めないことが必要である。さらに、各ラインが正しく接続されているかどうかを知らせる表示がない。このように、このマルチコネクタは、製造時および操作時に多くの労力を必要とする。
【0003】
したがって、本発明の目的は、製造時および操作時により少ない労力で済む、改良された装置および改良されたシステムを提供することであると考えられる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の主な特徴は、請求項1および請求項19に示されている。構成は、請求項2から請求項18および請求項20の主題である。
【0005】
流体ラインおよび他のラインを接続する装置であって、流体ラインを接続するための第1の接続部品と、他のラインを接続するための第2の接続部品とを備え、第1の接続部品は、第1の接続部品が2つの流体ラインを互いに切り離す第1の機能位置と、第1の接続部品が2つの流体ラインを接続する第2の機能位置とを有し、接続軸に沿った第1の接続部品の動作が、第1の機能位置と第2の機能位置との間で第1の接続部品を移動させ、本発明によれば、第2の接続部品が、1つの接続位置において2つの他のラインを接続し、解放位置において2つの他のラインを互いに切り離し、第2の接続部品の接続軸回りの周方向の移動が、第1の接続部品が第2の機能位置にある場合に、第2の接続部品を解放位置と接続位置との間で移動させる装置が提供される。
【0006】
本発明により、流体ラインおよび他のラインを接続するための装置が提供され、その場合、流体ラインおよび他のラインの接続は2ステップで行われる。最初に、流体ライン間の接続が第1の接続部品によって行われ、第1の接続部品は、第1の接続部品が2つの流体ラインを互いに切り離す第1の機能位置から、接続軸に沿って、第1の接続部品が2つの流体ラインを互いに接続する第2の機能位置に移動させられる。2つの流体ラインが互いに接続されている場合、すなわち、第1の接続部品が第2の機能位置にある場合には、接続軸を中心とした周方向への装置の移動が行われる。ここで、第2の接続部品は、第2の接続部品が他のラインを互いに切り離す解放位置から、第2の接続部品が他のラインを互いに接続する接続位置に移動させられる。周方向の装置の接続は、接続軸回りの装置の回転であってもよい。この場合には、第2の接続部品の接続位置への移動は、第1の接続部品が第2の機能位置にある場合、すなわち、2つの流体ラインが互いに接続されている場合にのみ可能である。他のラインが、例えば、電気ラインである場合には、流体ライン間の接続が正しく行われたかどうかを、例えば、電流回路を閉じることにより、2つの電気ラインの接続によって確認することができる。他のラインが光ラインである場合には、2つの流体ラインの正しい接続に関する情報は、光信号を受信することによって提供することができる。このようにして、本発明によって装置が提供され、この装置によって、流体ラインおよび他のラインの正しい接続の表示が提供される。このようにして、製造時および操作時に先行技術と比較して少ない労力で済む装置が提供される。
【0007】
本装置は、一例として、ロック位置において第1の接続部品を第2の機能位置にロックし、ロック解除位置において第1の接続部品を解除するロック部品を備えていてもよい。
【0008】
このようにして、第1の接続部品によって生成された2つの流体ライン間の接続をロックするインターロックが提供される。これにより、2つの流体ライン間の接続の信頼性が向上する。
【0009】
ロック部品は、周方向に沿って方向づけられたラッチ部材を有していてもよく、第1の接続部品が第2の機能位置にある場合に、ロック部品を周方向に移動させることにより、ロック部品がロック位置とロック解除位置との間で移動する。
【0010】
ロック部品によるロックは、まず、第1の接続部品が第2の機能位置にあるときに実行される。ロック部品のラッチ部材は、周方向に沿って方向付けられている。すなわち、ラッチ部材は、ロック部品が周方向に移動する場合に、ラッチ部材の長手軸に沿って移動する。ラッチ部材は、ソケット内に挿入することができ、ラッチ部材およびソケットは、2つの異なる流体ライン上に配置されている。このようにして、2つの流体ラインの間に効果的なロックを提供することができる。
【0011】
第2の接続部品は、さらに、ロック部品であってもよい。
【0012】
したがって、ロック部品および第2の接続部品は、一体的に形成されている。第1の接続部品の第2の機能位置をロックする場合には、ロックは第2の接続部品によって行われ、その場合には、第2の接続部品が、同時に接続位置に移動する。この場合、接続位置は同時にロック部品のロック位置でもある。このようにして、装置には、省スペースの多機能部品が提供される。その結果、装置の操作はさらに単純化される。
【0013】
他の例において、第1の接続部品は、2つの流体ラインの一方に第1の雄側接続部材を有し、2つの流体ラインの他方に第1の雌側接続部材を有していてもよい。
【0014】
したがって、2つの流体ラインの接続は、一方の流体ライン上に配置された第1の雄側接続部材が、他方の流体ライン上に配置された第1の雌側接続部材に挿入されることによって行われてもよい。
【0015】
第1の雄側接続部材および第1の雌側接続部材は、接続軸に沿って方向づけられていてもよい。
【0016】
第1の雄側接続部材と第1の雌側接続部材とを接続軸に沿って配置した結果、第1の雄側接続部材を第1の雌側接続部材に挿入するためには、装置を接続軸の方向に移動させるだけでよい。接続軸方向への装置の移動によって、この場合には、第1の雄側接続部材と第1の雌側接続部材とが互いに整列するように、接続軸に沿って配置され、方向付けられていることが必要である。このようにして、第1の雄側接続部材を第1の雌側接続部材に挿入することができる。第1の雄側接続部材と第1の雌側接続部材との間の相対的な移動で十分であり、すなわち、2つの接続部品のうちの1つ、すなわち、第1の雄側接続部材または第1の雌側接続部材のいずれか一方のみを軸方向に移動させる必要がある。
【0017】
さらに、第2の接続部品は、2本の他のラインのうちの一方に第2の雄側接続部材を備え、2本の他のラインのうちの他方に第2の雌側接続部材を備えていてもよい。
【0018】
このようにして、他のライン間の接続を実施することができ、2つの他のラインの一方に連結されている第2の雄側接続部材が、2つの他のラインの他方に連結されている第2の雌側接続部材に挿入される。
【0019】
また、第2の雄側接続部材と第2の雌側接続部材とは、周方向に沿って方向づけられていてもよい。
【0020】
周方向に沿う第2の雄側接続部材および第2の雌側接続部材の向きは、第1の接続部品が第2の機能位置にある場合に、第2の雄側接続部材および第2の雌側接続部材の周方向の動きが、2つの他のラインの接続につながるという効果を有する。第2の雄側接続部材と第2の雌側接続部材は、互いに向かう方向に移動する。第2の雄側接続部材と第2の雌側接続部材との間の相対的な移動で十分であり、すなわち、2つの接続部品のうちの1つ、すなわち、第2の雄側接続部材または第2の雌側接続部材のいずれか一方のみを周方向に移動させる必要がある。
【0021】
本装置は、さらに、複数の第2の雄側接続部材および第2の雌側接続部材を有していてもよい。一例において、各流体ラインは、例えば、それぞれ第2の雄側接続部材および第2の雌側接続部材を有していてもよい。第1の接続部品が第2の機能位置にある場合に、流体ラインの第2の雄側接続部材は、他の流体ラインのそれぞれの第2の雌側接続部材に挿入され得る。複数の第2の雄側接続部材は、周方向に沿って同じ方向に向いている。複数の第2の雌側接続部材は、これに対応して、周方向に沿って同じ方向に向いている。
【0022】
別の例において、流体ラインが全ての第2の雄側接続部材を有し、他の流体ラインが全ての雌側接続部材を有していてもよい。
【0023】
あるいは、第2の接続部品は、種々の流体ライン上に2つの平坦な接続部材を有していてもよく、平坦な接続部材は、接続部分において互いに接触する。
【0024】
他の例において、他のラインは、加熱線であってもよい。
【0025】
装置の凍結、特に、第1の接続部品内の流体の凍結を防止するために、加熱線によって装置が加熱されてもよい。加熱線は、第1の接続部品および装置の全面的な加熱を行うために、第1の接続部品に巻き付けられてもよい。
【0026】
他のラインは、代替的または追加的に、制御信号を伝導する制御ラインであってもよい。
【0027】
他のラインは、同様に、代替的または追加的に、例えば、グラスファイバのような光ラインであってもよい。
【0028】
装置は、さらに、第1のハウジング半体および第2のハウジング半体を有していてもよく、第1のハウジング半体は、2つの流体ラインのうちの一方に接続され、第2のハウジング半体は、2つの流体ラインのうちの他方に接続され、第1のハウジング半体および第2のハウジング半体は、第1の接続部品が第2の機能位置にある場合に、ハウジングを形成し、第1の接続部品および第2の接続部品は、第1のハウジング半体および第2のハウジング半体の内部に配置されている。
【0029】
ハウジング半体は、装置および接続部品の保護を提供する。さらに、ユーザは、2つのハウジング半体を、装置を取り扱うための接触面として使用することができる。
【0030】
ハウジング半体は、第1の接続部品が第2の機能位置にある場合に、互いに隙間なく接続することができる。
【0031】
第1の接続部品が第2の機能位置にある場合に、2つのハウジング半体間の隙間のない接続によって、2つの流体ライン間の接続の気密性が向上する。第1の接続部品が第2の機能位置にある場合に、隙間のない接続によって周囲と装置の内部との間に直接的な接続がないので、熱の損失がさらに最小化される。
【0032】
第1のハウジング半体は、さらに、第1の雄側接続部材を有していてもよく、第2のハウジング半体は、第1の雌側接続部材を有していてもよい。
【0033】
これにより、第1の雄側接続部材と第1の雌側接続部材は、異なる流体ライン上に配置される。第1の雄側接続部材は、さらに、第1のハウジング半体に包含されて保護され、第1の雌側接続部材は、第2のハウジング半体に包含されて保護される。
【0034】
さらに、第1のハウジング半体が第2の雄側接続部材を有し、第2のハウジング半体が第2の雌側接続部材を有していてもよい。
【0035】
したがって、第2の雄側接続部材および第2の雌側接続部材は、異なる流体ライン上に配置される。したがって、第2の雄側接続部材は、さらに第1のハウジング半体に包含されて保護され、第2の雌側接続部材は、第2のハウジング半体に包含されて保護される。
【0036】
他の例において、本装置は、第1の接続部品を第2の機能位置にロックするための他のロック部品を備えていてもよい。
【0037】
第1のロック部品に加えて、他のロック部品によって、第1のロック部品が損傷した場合であっても、第1の接続部品の第2の機能位置へのロックがもたらされるように、ロックが行われる。これにより、第1のロック部品が破損した場合であっても、2つの流体ライン間の接続が外れて流体が流出することを回避することができる。
【0038】
他のロック部品は、閉鎖部材を有していてもよい。
【0039】
閉鎖部材は、例えば、2本の流体ラインの一方に固定されるブラケットとして形成されてもよい。2つの流体ラインのうちの他方には、突起が設けられてもよい。ブラケットは、第1の接続部品をロックするために、突起によって案内されてもよい。
【0040】
他のロック部品は、第1および/または第2のハウジング半体に一体化されてもよい。
【0041】
このようにして、部品点数の低減がもたらされ、装置の製造が単純化される。
他の例において、他のロック部品を別個に設け、装置に副次的に接続してもよい。
【0042】
第1の接続部品は、さらに、2つの流体ラインの間に配置するための少なくとも1つのシール部材を有していてもよい。
【0043】
少なくとも1つのシール部材は、Oリングであってもよい。
【0044】
上記説明による装置を備えるシステムがさらに提供され、システムは、2つの他のラインと2つの流体ラインとを備え、装置は、2つの他のラインおよび2つの流体ラインを互いに接続する。
【0045】
システムの利点および効果、並びにさらなる発展は、上述した装置の利点および効果、並びに他の発展から明らかである。したがって、この点に関しては、上記の説明を参照する。
【0046】
システムは、選択的触媒還元のための触媒コンバータ、または水噴射システムであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0047】
本発明の他の特徴、詳細および利点は、特許請求の範囲の文言、および図面に基づいた例示的な実施形態の以下の説明から明らかである。図面は以下の通りである。
図1】流体ラインおよび他のラインを接続するための装置を概略的に示す図である。
図2a】解放位置を模式的に示す図である。
図2b】接続位置を模式的に示す図である。
図3a】装置のハウジング半体を模式的に表したものである。
図3b】装置の他のハウジング半体を模式的に表したものである。
図4】システムの模式的な図である。
【発明を実施するための形態】
【0048】
流体ラインおよび他のラインを接続するための装置は、以下に参照符号10によって、その全体が参照される。
【0049】
図1は、この場合、2つの流体ライン12,14および装置10を通る縦断面を示している。装置10は、流体ライン12を流体ライン14に接続する。装置10は、流体ラインを接続するための第1の接続部品24と、他のラインを接続するための第2の接続部品30とを備える。
【0050】
第1の接続部品24は、流体ライン12を流体ライン14から切り離す第1の機能位置を有する。第1の接続部品24は、さらに、図1に示されるように、流体ライン12を流体ライン14に接続する第2の機能位置を有する。第1の接続部品24は、さらに、流体ライン12に接続された第1の雄側接続部材26と、流体ライン14に接続された第1の雌側接続部材28とを備えている。第1の機能位置から第2の機能位置への移行は、第1の雄側接続部材26の、装置10の接続軸20に沿う第1の雌側接続部材28の方向への移動によってもたらされる。この場合には、第1の雄側接続部材26は、第1の雌側接続部材28に挿入される。
【0051】
接続軸20は、両方の流体ライン12,14が互いに整列された場合に、両方の流体ライン12,14の長手軸に沿って方向づけられる。
【0052】
第2の接続部品30は、第1の雄側接続部材26を第1の雌側接続部材28に挿入した後には、最初は、図2aに示されるように、第2の接続部品30が他のライン36,38を互いに切り離す解放位置に配置されている。第2の接続部品30を解放位置から、第2の接続部品30が他のライン36を他のライン38に接続する接続位置に移すために、流体ライン12,14は、接続軸20回りに互いに反対方向に回転させられる。接続位置は、図2bに示されている。
【0053】
図1による装置10は、第1の雄側接続部材26が第1の雌側接続部材28に挿入され、それによって第1の接続部品24が第2の機能位置に配置される場合に、シールを提供するために、第1の雄側接続部材26と第1の雌側接続部材28との間に配置することができる少なくとも1つのシール部材40をさらに備える。この場合には、装置10は、第1の接続部品24が第2の機能位置にある場合に、第1の雄側接続部材26と第1の雌側接続部材28との間に配置される2つのシール部材40を備えていてもよい。
【0054】
少なくとも1つのシール部材40は、第1の接続部品24が第1の機能位置にある場合に、第1の雄側接続部材26の周りに延びるOリングとして形成されてもよい。これに代えて、シール部材40は、第1の接続部品24の第1の機能位置において、第1の雌側接続部材28の、接続軸20の周りに延びる内面に沿って延びていてもよい。
【0055】
Oリングはさらに、第1の接続部品24が第2の機能位置にある場合に、第1の雄側接続部材26と第1の雌側接続部材28との間に配置される。
【0056】
この場合に、第2の接続部品30の第2の雄側接続部材34が流体ライン12上に配置され、第2の接続部品30の第2の雌側接続部材32が流体ライン14上に配置される。流体ライン12,14が接続軸20回りに互いに反対方向に回転することにより、第2の雄側接続部材34および第2の雌側接続部材32は、接続軸20回りの周方向22に沿って移動させられる。回転は、第2の雄側接続部材34が第2の雌側接続部材32に向かって移動するようにもたらされる。第2の雄側接続部材34は、第2の雌側接続部材32に挿入される。第2の雄側接続部材34を第2の雌側接続部材32に挿入することにより、他のライン36,38が互いに接続される。第1の接続部品24の第2の機能位置へのロックは、このようにしてさらに実行される。第2の接続部品30は、このように同時にロック部品54として機能し、解放位置は、ロック部品54のロック解除位置に対応し、第2の接続部品30の接続位置は、ロック部品54のロック位置に対応する。第2の雄側接続部材34は、ロック部品54のラッチ部材として作用する。
【0057】
装置10は、他のロック部品42を有していてもよい。他のロック部品42は、2つのハウジング半体16,18のうちの一方に配置することができる閉鎖部材44を備えている。図1において、閉鎖部材44は、ハウジング半体16上に配置され、ブラケットとして形成されている。さらに、ハウジング半体18には、閉鎖部材44を案内することができる突起46が配置されている。さらに、ロック部品42は、第2の接続部品30が接続位置にある場合に、第1の接続部品24を第2の機能位置にロックする。
【0058】
第1の接続部品24が第2の機能位置にある場合に、2つのハウジング半体16,18は互いに係合し、組み合わされて、隙間のないハウジングを形成する。すなわち、2つのハウジング半体16,18の間の流体のための流体ライン12,14の流路は、外部環境への開かれた接続を有していない。
【0059】
図3aは、流体ライン14に接続された第2のハウジング半体18を示している。装置10の第2のハウジング半体18は、流体ライン14に接続されたラインエンドピース48、第1の接続部品24の第1の雌側接続部材28、第2の接続部品30の少なくとも1つの第2の雌側接続部材32、および、他のライン36を囲んでいる。他のライン36が加熱線として形成されている場合には、他のライン36は、流体ライン14および第1の雌側接続部材28の周りの第2のハウジング半体18の内部に巻き付けられてもよい。加熱線として形成された他のライン36は、したがって、第2のハウジング半体18上の流体ライン14内の流体の凍結を防止するように、全周にわたって第2のハウジング半体18を加熱することができる。
【0060】
第1の雌側接続部材28は、接続軸20回りに延びる周方向22に沿って方向づけられている。接続軸20は、それ自体、流体ライン14が流体ライン12に接続されている場合に、流体ライン14の流れの方向に沿って方向づけられている。
【0061】
第2の雌側接続部材32は、接続軸20回りに延びる周方向22に沿って方向づけられている。この例において、第2のハウジング半体18は、2つの第2の雌側接続部材32を有する。両方の第2の雌側接続部材32は、流体ライン14の周方向に沿って径方向の反対側位置に配置されている。両方の第2の雌側接続部材32は、さらに、周方向22に沿って同じ方向に向いている。すなわち、周方向22をたどれば、両方の第2の雌側接続部材34が同じ向きである。
【0062】
図3bは、流体ライン12に接続された第1のハウジング半体16を示している。装置10の第1のハウジング半体16は、この場合、流体ライン12に接続されるラインエンドピース50を囲んでいる。第1のハウジング半体16は、さらに、第1の接続部品24の第1の雄側接続部材26、第2の接続部品30の少なくとも1つの第2の雄側接続部材34、および他のライン38を囲んでいる。他のライン38は、加熱線として形成されてもよく、流体ライン12および第1の雄側接続部材26の周りの第1のハウジング半体16の内部に巻かれてもよい。これは、流体ライン12内の流体の凍結を防止するために、他のライン38がその全周にわたって第1のハウジング半体16を加熱することができるという効果を有する。
【0063】
第1の雄側接続部材26は、流体ライン12が流体ライン14に接続されている場合に、流体ライン12内の流体の流れ方向に平行に方向づけられた接続軸20に沿って方向づけられている。したがって、第1の雄側接続部材26は、第1の接続部品24を第1の機能位置から第2の機能位置に移すために、接続軸20に沿って第1の雌側接続部材28に挿入することができる。
【0064】
少なくとも1つの第2の雄側接続部材34は、接続軸20回りに延びる周方向22に沿って方向づけられている。この例において、第2の接続部品30は、2つの第2の雄側接続部材34を備えている。両方の第2の雄側接続部材34は、周方向22に沿って径方向の反対側位置に配置されている。これらは、周方向22に沿って同じ方向を向いている。
【0065】
他のライン36,38は、代替的または追加的に、光ライン、例えば、グラスファイバであってもよい。
【0066】
代替的または追加的に、他のライン36,38は、信号を伝送する電気ラインであってもよい。
【0067】
図4は、選択的触媒還元のための触媒コンバータ52と、2つの流体ライン12,14と、2つの他のライン36,38とを備えるシステム100を示している。流体ライン14は、触媒コンバータ52内に配置されている。他のライン36も同様に、触媒コンバータ52に配置されている。流体ライン12および他のライン38は、触媒コンバータ52の外側に配置されている。装置10は、2つの流体ライン12,14を接続する。装置10は、同時に2つの他のライン36,38を接続する。
【0068】
装置10の第1のハウジング半体16は、流体ライン12に接続されている。装置10の第2のハウジング半体18は、さらに流体ライン14に接続されている。したがって、第2のハウジング半体18は、触媒コンバータ52にも接続されている。
【0069】
選択的触媒還元のための触媒コンバータ52の代わりに、流体ライン14および他のライン36を備える水噴射システムを設けてもよい。水噴射システムは示されていない。
【0070】
本発明は、上述した実施形態の1つに限定されるものではなく、様々な方法で変更することが可能である。
【0071】
構成的な詳細、空間的な配置、および方法ステップを含む、特許請求の範囲、説明および図面から明らかになる全ての特徴および利点は、個別に、または、幅広い組み合わせでも、本発明に不可欠なものとなり得る。
【符号の説明】
【0072】
10 装置
12 流体ライン
14 流体ライン
16 第1のハウジング半体
18 第2のハウジング半体
20 接続軸
22 周方向
24 第1の接続部品
26 第1の雄側接続部材
28 第1の雌側接続部材
30 第2の接続部品
32 第2の雌側接続部材
34 第2の雄側接続部材
36 他のライン
38 他のライン
40 シール部材
42 他のロック部品
44 閉鎖部材
46 突起
48 ラインエンドピース
50 ラインエンドピース
52 触媒コンバータ
54 ロック部品
100 システム

図1
図2a
図2b
図3a
図3b
図4
【国際調査報告】