(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-16
(54)【発明の名称】データロガーユニット、センサーユニット、吸収性物品管理システム、および識別方法
(51)【国際特許分類】
A61F 13/42 20060101AFI20220609BHJP
G01N 27/00 20060101ALI20220609BHJP
G01N 27/02 20060101ALI20220609BHJP
【FI】
A61F13/42 F
G01N27/00 H
G01N27/02 D
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021560984
(86)(22)【出願日】2019-04-15
(85)【翻訳文提出日】2021-10-14
(86)【国際出願番号】 EP2019059672
(87)【国際公開番号】W WO2020211922
(87)【国際公開日】2020-10-22
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】506215320
【氏名又は名称】エシティ・ハイジーン・アンド・ヘルス・アクチエボラグ
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ヘンリク・ペッテション-ファルク
【テーマコード(参考)】
2G060
3B200
【Fターム(参考)】
2G060AA07
2G060AE11
2G060AF06
2G060AF07
2G060AF15
2G060AG01
2G060AG10
2G060HD01
2G060HD02
2G060JA06
2G060KA05
3B200AA01
3B200AA11
3B200AA12
3B200CA08
3B200DF04
3B200DF05
(57)【要約】
本発明は、データロガーユニット、センサーユニットに関し、詳細には、吸収性物品の衛生状態を検知するのに適したデータロガーユニット、センサーユニットに関する。本開示は、センサーユニットと協働するようになっているデータロガーユニットによって実施される吸収性物品用のセンサーユニットを識別する方法、ならびに吸収性物品管理システムにも関する。データロガーユニットおよびセンサーは識別端子を有する。センサーユニットの特性は、各識別端子の所の電位でコード化される。データロガーユニットは、各識別端子の所の電位を復号して、接続されたセンサーユニットの特性を判定することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
データロガーユニットによって、吸収性物品用のセンサーユニットを識別する方法であって、
前記センサーユニットは、センサー側端子部と、前記センサー側端子部の少なくとも1つの測定端子に電気的に接続された少なくとも1つの検知要素とを備え、
前記データロガーユニットは、ロガー側端子部と、前記ロガー側端子部の少なくとも1つの検知端子に電気的に接続された測定モジュールとを備え、
前記センサー側端子部は、前記ロガー側端子部に係合し、それによって、前記センサー側端子部の端子をロガー側センサー部の対応する端子に電気的に接続させ、
前記データロガーユニットは、前記少なくとも1つの検知要素の電気計測を前記センサー側端子部の前記少なくとも1つの測定端子および前記ロガー側端子部の前記少なくとも1つの測定端子を介して実行するようになっており、
前記データロガーユニットは、前記ロガー側端子部の所に、前記測定モジュールに電気的に接続された複数の識別端子を有し、
前記センサー側端子部は、前記センサー側端子部の所に複数の識別端子を有し、
前記測定モジュールは、前記ロガー側端子部の前記複数の識別端子の電気計測を実行して、前記センサーユニットの特性を識別し、
前記センサーユニットの前記特性は、前記センサー側端子部の前記識別端子の電位でコード化される、方法。
【請求項2】
前記センサー側端子部は、基準端子を有し、
前記ロガー側端子部は、基準端子を有し、
前記測定モジュールは、前記ロガー側端子部の前記基準端子に基準電位を供給し、
前記センサー側端子部の前記識別端子のうちの少なくとも1つは、前記センサーユニットの導体を介して前記センサー側端子部の前記基準端子に電気的に接続され、
前記センサーユニットの前記特性は、前記基準電位に対して前記センサー側端子部の前記各識別端子における電位でコード化される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記データロガーユニットの抵抗器は、前記センサー側端子部の前記各識別端子と、前記基準電位とは異なる前記測定モジュールによって供給される電位に維持された前記データロガーユニットの導体との間に電気的に接続される、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記センサー側端子部の前記識別端子のうちの1つまたは複数は、前記センサーユニットの導体によって前記センサー側端子部の基準端子に電気的に接続され、前記センサー側端子部の残りの識別端子は、センサー基準端子に電気的に接続されない、請求項2または3に記載の方法。
【請求項5】
前記基準電位は、前記測定モジュールの接地電位である、請求項2、3、または4に記載の方法。
【請求項6】
前記センサー側端子部の基準端子は、接地基準端子であり、
前記センサー側端子部の基準端子は、接地基準端子であり、
前記ロガー側端子部の前記接地基準端子は、前記データロガーユニットの導体によって前記測定モジュールのグランドに接続され、
前記センサー側端子部の前記識別端子のうちの1つまたは複数は、前記センサーユニットの導体によってセンサー接地基準端子に電気的に接続される、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記基準電位は、前記測定モジュールの接地電位とは異なる電位である、請求項2、3、または4に記載の方法。
【請求項8】
前記センサー側端子部の前記基準端子は、供給端子であり、
前記ロガー側端子部の基準端子は、供給端子であり、
前記ロガー側端子部の供給端子は、前記データロガーユニットの導体によって前記測定モジュールの供給電位に電気的に接続され、
前記センサー側端子部の前記識別端子のうちの1つまたは複数は、互いに電気的に接続され、かつ前記センサーユニットの導体によってセンサー供給端子に電気的に接続される、請求項2、3、または4に記載の方法。
【請求項9】
前記センサー側端子部は、接地基準端子を有し、
前記ロガー側端子部は、接地端子を有し、
前記ロガー側端子部の前記接地基準端子は、前記データロガーユニットの導体によって前記測定モジュールの接地電位に接続される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記センサーユニットの前記特性は、前記ロガー側端子部の前記識別端子のうちで単一の端子を、基準電位を有する端子として識別することによって判定され、前記識別される端子は前記特性と相関する、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記センサーユニットの前記特性は、前記ロガー側端子部の前記識別端子のうちで1組の端子を、前記基準電位を有する端子として識別することによって判定され、前記1組の識別される端子は前記特性と相関する、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記ロガー側端子部の前記識別端子の電位は、2進数のシーケンスを定義し、前記データロガーユニットは、前記特性と相関する値を前記2進数のシーケンスから復号する、請求項2または3から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記検知要素は、前記センサーユニットのフレキシブル基板に設けられる、請求項1から12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記フレキシブル基板は、長軸に沿って縦長であり、前記検知要素は、前記フレキシブル基板の前記長軸に沿って配置された複数の導電プレートを備える、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記フレキシブル基板は、長軸に沿って縦長であり、前記検知要素は、一対または複数対の縦長の導電プレートを備え、導電プレートの各対は、前記長軸と交差する方向において、前記導電プレートの前記対の一方のプレートが前記長軸の一方の側に位置し、前記導電プレートの前記対の他方のプレートが前記長軸の他方の側に位置するように配置される、請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記検知要素は、前記フレキシブル基板の一方の表面上に配置され、前記一対または複数対の導電プレートが前記検知要素の下方に位置するように配置される前記側に前記フレキシブル基板の前記他方の表面が位置するように導電領域が配置される、請求項13から15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記導電プレートは、前記センサー側端子部の接地端子を介して前記測定モジュールの接地電位に接続される、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記測定モジュールが前記電気計測を実施する前に、前記データロガーユニットが前記センサーユニットに取り外し可能に取り付けられる、請求項1から17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記測定モジュールが前記電気計測を実施した後に、前記データロガーユニットが前記センサーユニットから取り外され、別のセンサーユニットに取り付けられる、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
吸収性物品に設けられたセンサーユニットからデータを受信するためのデータロガーユニットであって、
ロガー側端子部と、前記ロガー側端子部の少なくとも1つの測定端子に電気的に接続された測定モジュールとを備え、前記ロガー側端子部は、前記センサーユニットのセンサー側端子部に係合し、それによって、前記センサーユニットと前記データロガーユニットを接続するようになっており、
前記測定モジュールは、前記ロガー側端子部の前記少なくとも1つの測定端子を介して電気計測を実施するように配置され、
前記データロガーユニットは、前記ロガー側端子部の所に、前記測定モジュールに電気的に接続された複数の識別端子を有し、
前記測定モジュールは、前記複数の識別端子の測定を実施して前記センサーユニットの特性を識別するように構成され、
前記センサーユニットの前記特性は、前記識別端子の電位でコード化されるデータロガーユニット。
【請求項21】
前記ロガー側端子部は、基準端子を有し、
前記測定モジュールは、前記ロガー側端子部の前記基準端子に基準電位を供給するように構成され、
前記センサーユニットの前記特性は、前記基準電位に対する前記ロガー側端子部の前記各識別端子における電位でコード化される、請求項20に記載のデータロガーユニット。
【請求項22】
前記データロガーユニットの抵抗器は、前記ロガー側端子部の前記各識別端子と前記基準電位とは異なる前記測定モジュールによって供給される電位に維持される前記データロガーユニットの導体との間に電気的に接続される、請求項20または21に記載のデータロガーユニット。
【請求項23】
前記基準電位は、前記測定モジュールの接地電位である、請求項20、21、または22に記載のデータロガーユニット。
【請求項24】
前記ロガー側端子部の基準端子は、接地基準端子であり、
前記接地基準端子は、前記データロガーユニットの導体によって前記測定モジュールのグランドに接続される、請求項23に記載のデータロガーユニット。
【請求項25】
前記基準電位は、前記測定モジュールの接地電位とは異なる電位である、請求項20、21、または22に記載のデータロガーユニット。
【請求項26】
前記ロガー側端子部の基準端子は、供給端子であり、
前記供給端子は、前記データロガーユニットの導体によって前記測定モジュールの供給電位に電気的に接続される、請求項20、21、または22に記載のデータロガーユニット。
【請求項27】
前記ロガー側端子部は、接地端子を有し、
前記ロガー側端子部の前記接地端子は、前記データロガーユニットの導体によって前記測定モジュールの接地電位に接続される、請求項26に記載のデータロガーユニット。
【請求項28】
前記センサーユニットの前記特性は、前記ロガー側端子部の前記識別端子のうちで単一の端子を、前記基準電位を有する端子として識別することによって判定され、前記識別される端子は、前記特性と相関する、請求項26に記載のデータロガーユニット。
【請求項29】
前記測定モジュールは、前記ロガー側端子部の前記識別端子のうちで1組の端子を、前記基準電位を有する端子として識別することによって前記センサーユニットの前記特性を判定するように構成され、前記1組の識別される端子は前記特性と相関する、請求項20から28のいずれか一項に記載のデータロガーユニット。
【請求項30】
前記識別端子の電位は、2進数のシーケンスを定義し、前記データロガーユニットは、前記特性と相関する値を前記2進数のシーケンスから復号する、請求項21または22に記載のデータロガーユニット。
【請求項31】
前記データロガーユニットは、前記センサーユニットに取り外し可能に取り付け可能である、請求項20から30のいずれか一項に記載のデータロガーユニット。
【請求項32】
前記データロガーユニットは、前記吸収性物品に取り外し可能に取り付け可能である、請求項20から31のいずれか一項に記載のデータロガーユニット。
【請求項33】
前記測定モジュールは、前記データロガーユニットが前記センサーユニットから取り外され、別のセンサーユニットに取り付けられた後に、前記電気計測の実施を繰り返すようになっている、請求項20から32のいずれか一項に記載のデータロガーユニット。
【請求項34】
吸収性物品の衛生状態を判定するためにデータロガーユニットに接続される前記吸収性物品用のセンサーユニットであって、
センサー側端子部と、前記センサー側端子部の少なくとも1つの測定端子に電気的に接続された少なくとも1つの検知要素とを備え、
前記センサー側端子部は、前記データロガーユニットのロガー側端子部に係合し、それによって、前記センサーユニットと前記データロガーユニットを接続するようになっており、
前記センサー側端子部は、前記センサー側端子部の所に複数の識別端子を有し、
前記センサー側端子部の前記識別端子は、前記複数の識別端子の電気計測によって、前記センサーユニットの特性を提示するように構成され、
前記センサーユニットの前記特性は、前記データロガーユニットに接続されたときに前記センサー側端子部の前記識別端子の電位でコード化されるセンサーユニット。
【請求項35】
前記センサー側端子部は、基準端子を有し、
前記センサー側端子部の前記識別端子のうちの少なくとも1つは、センサーの導体を介して前記センサー側端子部の前記基準端子に電気的に接続され、
前記センサーユニットの前記特性は、前記基準電位に対する前記センサー側端子部の前記各識別端子における電位でコード化される、請求項34に記載のセンサーユニット。
【請求項36】
前記センサー側端子部の前記識別端子のうちの1つまたは複数は、前記センサーユニットの導体によって前記センサー側端子部の前記基準端子に電気的に接続され、前記センサー側端子部の残りの識別端子は、センサー基準端子に電気的に接続されない、請求項35に記載のセンサーユニット。
【請求項37】
前記センサー側端子部の前記基準端子は、接地基準端子であり、
前記センサー側端子部の前記識別端子のうちの1つまたは複数は、互いに電気的に接続され、かつ前記センサーユニットの導体によって前記センサー側端子部の前記接地基準端子に電気的に接続される、請求項35または36に記載のセンサーユニット。
【請求項38】
前記センサー側端子部の前記基準端子は、供給端子であり、
前記センサー側端子部の前記識別端子のうちの1つまたは複数は、互いに電気的に接続され、かつ前記センサーの導体によって前記センサー側端子部のセンサー供給端子に電気的に接続される、請求項35、36、または37に記載のセンサーユニット。
【請求項39】
前記センサー側端子部は、接地基準端子を有する、請求項38に記載のセンサーユニット。
【請求項40】
前記センサーユニットの前記特性は、前記センサー側端子部のセンサー識別端子のうちで単一の端子を、前記基準電位を有する端子として識別することによって判定され、前記識別される端子は、前記特性と相関する、請求項34から39のいずれか一項に記載のセンサーユニット。
【請求項41】
前記センサーユニットの前記特性は、前記センサー側端子部の前記識別端子のうちで前記センサー側端子部の複数の端子を、前記基準電位を有する端子として識別することによって判定され、前記1組の識別される端子は、前記特性と相関する、請求項34から39のいずれか一項に記載のセンサーユニット。
【請求項42】
前記センサー側端子部の前記識別端子の電位は、2進数のシーケンスを定義し、前記2進数のシーケンスは、前記特性と相関する値に復号される、請求項34または35から41のいずれか一項に記載のセンサーユニット。
【請求項43】
前記検知要素は、フレキシブル基板に設けられる、請求項34から42のいずれか一項に記載のセンサーユニット。
【請求項44】
前記フレキシブル基板は、長軸に沿って長軸に沿って縦長であり、前記検知要素は、前記フレキシブル基板の前記長軸に沿って配置された複数の導電プレートを備える、請求項43に記載のセンサーユニット。
【請求項45】
前記フレキシブル基板は、長軸に沿って縦長であり、前記検知要素は、一対または複数対の縦長の導電プレートを備え、導電プレートの各対は、前記長軸と交差する方向において、前記導電プレートの前記対の一方のプレートが前記長軸の一方の側に位置し、前記導電プレートの前記対の他方のプレートが前記長軸の他方の側に位置するように配置される、請求項44に記載のセンサーユニット。
【請求項46】
前記検知要素は、前記フレキシブル基板の一方の表面上に配置され、前記一対または複数対の導電プレートが前記検知要素の下方に位置するように配置される側に前記フレキシブル基板の他方の表面が位置するように導電領域が配置される、請求項43から45のいずれか一項に記載のセンサーユニット。
【請求項47】
前記導電プレートは、前記センサー側端子部の接地端子に接続される、請求項46に記載のセンサーユニット。
【請求項48】
前記センサーユニットは、前記データロガーユニットに取り外し可能に取り付け可能である、請求項34から47のいずれか一項に記載のセンサーユニット。
【請求項49】
前記センサーユニットは、前記吸収性物品に取り外し可能に取り付け可能である、請求項34から48のいずれか一項に記載のセンサーユニット。
【請求項50】
前記センサーユニットは、前記センサーユニットに近接する吸収性物品内の体液の存在を非接触式に検出するように構成される、請求項34から49のいずれか一項に記載のセンサーユニット。
【請求項51】
請求項34から50のいずれか一項に記載の複数の交換可能なセンサーユニットであって、前記各センサーユニットは、共通のデータロガーユニットのロガー側端子部に係合し、それによって、前記センサーユニットが、前記データロガーユニットに関連して交換されてもよいようになっているセンサー側端子部の共通の構成を有し、前記特性は、前記交換可能なセンサーユニット間で異なる特性であり、前記特性は、前記データロガーユニットに接続されたときに各センサーユニットの前記センサー側端子部の前記識別端子の電位によって一意に指定される、複数の交換可能なセンサーユニット。
【請求項52】
前記特性は、前記センサーユニットの伸長方向における長さである、請求項51に記載の複数の交換可能なセンサーユニット。
【請求項53】
前記特性は、前記少なくとも1つの検知要素に関連する電気的特性である、請求項51に記載の複数の交換可能なセンサーユニット。
【請求項54】
前記少なくとも1つの検知要素は、互いに平行に配置された2つの細長い検知要素を備え、前記特性は、前記検知要素間の容量である、請求項53に記載の複数の交換可能なセンサーユニット。
【請求項55】
前記特性は、前記少なくとも1つの検知要素に関連する寸法である、請求項51に記載の複数の交換可能なセンサーユニット。
【請求項56】
前記共通のデータロガーユニットに取り外し可能に取り付けられるようになっている、請求項51から55のいずれか一項に記載の複数の交換可能なセンサーユニット。
【請求項57】
吸収性物品管理システムであって、
請求項20から33のいずれか一項に記載のデータロガーユニットと、
請求項34から50のいずれか一項に記載のセンサーユニットであって、前記少なくとも1つの検知要素が吸収性物品の衛生状態を判定するように配置されるように前記吸収性物品に設けられるセンサーユニットと、
を備え、
前記データロガーユニットは、前記データロガーユニットが前記センサーユニットに接続された状態で請求項1から19のいずれか一項に記載の方法を実施するようになっており、
前記データロガーユニットは、前記センサー側端子部の前記少なくとも1つの測定端子および前記ロガー側端子部の前記少なくとも1つの測定端子を介して前記少なくとも1つの検知要素の電気計測を定期的に実施し、前記電気計測の結果に関する情報を前記センサー側端子部の前記識別端子の電位に関する情報に関連付けて前記センサーユニットの前記特性を識別する吸収性物品管理システム。
【請求項58】
前記データロガーユニットは、データ記憶ユニットを備え、前記データロガーユニットは、前記電気計測の結果に関する情報を前記センサーユニットの前記特性を識別するための情報に関連付けて記憶するようになっている、請求項57に記載の吸収性物品管理システム。
【請求項59】
リモート端末をさらに備え、前記データロガーユニットは、前記リモート端末にデータを送信するようになっている通信ユニットを備え、前記通信ユニットは、前記電気計測の結果に関する情報を前記センサーユニットの前記特性を識別するための情報に関連付けて前記通信ユニットに送信するようになっている、請求項57または58に記載の吸収性物品管理システム。
【請求項60】
前記リモート端末は、データベースを備え、前記データベースは、前記電気計測の結果に関する情報を前記センサーユニットの前記特性を識別するための情報に関連付けて記憶するようになっている、請求項59に記載の吸収性物品管理システム。
【請求項61】
前記データロガーユニットは、前記ロガー側端子部の前記識別端子の電位を復号して前記特性に関する情報を提供するようになっている、請求項57から60のいずれか一項に記載の吸収性物品管理システム。
【請求項62】
前記リモート端末は、前記ロガー側端子部の前記識別端子の電位を復号して前記特性に関する情報を提供するようになっている、請求項59から60のいずれか一項に記載の吸収性物品管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、データロガーユニット、センサーユニットに関し、詳細には、吸収性物品の衛生状態を検知するのに適したデータロガーユニット、センサーユニットに関する。本開示はまた、センサーユニットと協働するようになっているデータロガーユニットによって実施される、吸収性物品用のセンサーユニットを識別する方法、ならびに吸収性物品管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
おむつ、吸収性下着、衛生用品、および失禁シールドなどの吸収性物品は、物品の吸収性が損なわれないように使用時に定期的に交換する必要がある。
【0003】
家庭環境、組織環境、医療環境などの多くの環境では、ユーザに与えられる吸収性物品の状態を監視して、物品がその機能を実現するのに十分な吸収能力を含むようにする必要がある。
【0004】
従来、そのような監視は、ユーザが吸収性物品の吸収能力が低下したことを介護職員に知らせるユーザによる自己監視として行われるか、またはユーザもしくは介護職員による定期的な検査によって行われることがある。しかし、そのようなプロセスは多くの労力を必要とする。さらに、吸収性物品を交換する必要な頻度または吸収性物品の必要な容量に関するユーザの個人的なニーズに関して収集される情報は、集計するのに時間がかかり、収集が頻繁に行われかつ不完全である。
【0005】
したがって、データロギング電子機器に結合されたセンサーを含む吸収性物品を提供することが提案されている。データロギング電子機器は、吸収性物品の吸収状態を判定することができ、たとえば、吸収性物品の吸収状態が所定の状態に達したときにそのことを介護者に知らせることができる。
【0006】
吸収性物品の吸収性コアに埋め込まれた検知配線を使用し、それによって、データロギング電子機器が各配線間の抵抗を測定して吸収性コア内に液体が存在するかどうかを判定し、したがって、吸収性物品の状態を判定する構成が提案されている。
【0007】
いくつかの構成では、データロガーは、適切な視覚信号または聴覚信号によって、コア内に液体が存在し、したがって、吸収性物品を交換する必要があることをユーザまたは近くの介護者に知らせることができる。
【0008】
そのようなロギング電子機器を吸収性物品管理システムの一部として使用することも提案されている。そのようなシステムでは、データロギング電子機器は吸収性物品の吸収状態をリモート端末に通信してもよい。リモート端末は、吸収性物品の吸収状態を監視するために使用することができる。そのような管理システムは、乳児育児環境または病院環境などの、ユーザが自分の要求を職員に伝えるのが困難である場合に特に有用である。
【0009】
いくつかのシステムでは、リモート端末は、それぞれのユーザに関連付けられた多数のデータロガーから記録された情報を集計してもよい。そのような管理システムでは、多数のそれぞれのユーザに関連付けられた多数の物品の吸収状態を人材要件を低減させて好都合に監視することができる。
【0010】
しかし、センサーおよびデータロギング電子機器を有するそのような物品を設け、したがって、そのようなシステムを設ける場合、そのようなセンサーおよびデータロギング電子機器を備える吸収性物品は手動監視吸収性物品よりも著しく単価が高いので、多額の資金が必要になることがある。このような高いコストは、吸収性物品が一般に、ユーザ1日当たり数回程度頻繁に交換する必要があるので顕著である。
【0011】
これに対処するために、データロギング電子機器および対応するセンサーを、適切に設計された吸収性物品を監視するために吸収性物品に取り外し可能に設けられてもよい個別ロギングパッケージとして設けることが提案されている。物品を交換する際、ロギングパッケージを取り外して交換物品に取り付けることができる。
【0012】
しかし、そのようなセンサーは吸収性物品の吸収性コアに組み込むことが困難であるので、交換可能なロギングパッケージを使用するシステムでは検知機能が低下することがある。さらに、吸収性物品はある範囲の形状およびサイズで設けられることが多いので、ある種類またはサイズの吸収性物品に取り付けるのに適切なロギングパッケージは、別の種類またはサイズの吸収性物品と組み合わせて使用すると性能が損なわれることがある。
【0013】
したがって、従来の構成に伴う欠点の少なくともいくつかを解消する、吸収性物品の吸収状況についてのより融通性に富んだ測定および監視手段が必要である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の第1の態様によれば、データロガーユニットによって、吸収性物品用のセンサーユニットを識別する方法が提供される。センサーユニットは、センサー側端子部を備える。センサーユニットは、少なくとも1つの検知要素を備える。少なくとも1つの検知要素は、センサー側端子部の少なくとも1つの測定端子に電気的に接続される。データロガーユニットは、ロガー側端子部を備える。データロガーユニットは、ロガー側端子部の少なくとも1つの検知端子に電気的に接続された測定モジュールを備える。センサー側端子部は、ロガー側端子部に係合する。この係合は、センサー側端子部の端子をロガー側センサー部の対応する端子に電気的に接続させることなどである。データロガーユニットは、少なくとも1つの検知要素の電気計測を実行するようになっている。測定は、センサー側端子部の少なくとも1つの測定端子を介して実行される。測定は、ロガー側端子部の少なくとも1つの測定端子を介して実行される。データロガーユニットは、ロガー側端子部の所に複数の識別端子を有する。複数の識別端子は、測定モジュールに電気的に接続される。センサー側端子部は、センサー側端子部の所に複数の識別端子を有する。測定モジュールは、ロガー側端子部の複数の識別端子の電気計測を実行する。測定は、センサーユニットの特性を識別するために実行される。センサーユニットの特性は、センサー側端子部の識別端子の電位でコード化される。
【0015】
センサー側端子部は、基準端子を有してもよい。ロガー側端子部は、基準端子を有してもよい。測定モジュールは、ロガー側端子部の基準端子に基準電位を供給してもよい。センサー側端子部の識別端子のうちの少なくとも1つは、センサーユニットの導体を介してセンサー側端子部の基準端子に電気的に接続されてもよい。センサーユニットの特性は、基準電位に対してセンサー側端子部の各識別端子における電位でコード化されてもよい。
【0016】
データロガーユニットの抵抗器は、センサー側端子部の各識別端子と、基準電位とは異なる測定モジュールによって供給される電位に維持されたデータロガーユニットの導体との間に電気的に接続されてもよい。
【0017】
センサー側端子部の識別端子のうちの1つまたは複数は、センサーユニットの導体によってセンサー側端子部の基準端子に電気的に接続されてもよい。センサー側端子部の残りの識別端子は、センサー基準端子に電気的に接続されなくてもよい。
【0018】
基準電位は、測定モジュールの接地電位であってもよい。
【0019】
センサー側端子部の基準端子は、接地基準端子であってもよい。センサー側端子部の基準端子は、接地基準端子であってもよい。ロガー側端子部の接地基準端子は、データロガーユニットの導体によって測定モジュールのグランドに接続されてもよい。センサー側端子部の識別端子のうちの1つまたは複数は、センサーユニットの導体によってセンサー接地基準端子に電気的に接続されてもよい。
【0020】
基準電位は、測定モジュールの接地電位とは異なる電位であってもよい。
【0021】
センサー側端子部の基準端子は、供給端子であってもよい。ロガー側端子部の基準端子は、供給端子であってもよい。ロガー側端子部の供給端子は、データロガーユニットの導体によって測定モジュールの供給電位に電気的に接続されてもよい。センサー側端子部の識別端子のうちの1つまたは複数は、互いに電気的に接続され、かつセンサーユニットの導体によってセンサー供給端子に電気的に接続されてもよい。
【0022】
センサー側端子部は、接地基準端子を有してもよい。ロガー側端子部は、接地端子を有してもよい。ロガー側端子部の接地基準端子は、データロガーユニットの導体によって測定モジュールの接地電位に接続されてもよい。
【0023】
センサーユニットの特性は、ロガー側端子部の識別端子のうちで単一の端子を基準電位を有する端子として識別することによって判定されてもよい。識別される端子は特性と相関してもよい。
【0024】
センサーユニットの特性は、ロガー側端子部の識別端子のうちで1組の端子を基準電位を有する端子として識別することによって判定されてもよい。1組の識別される端子は特性と相関してもよい。
【0025】
ロガー側端子部の識別端子の電位は、2進数のシーケンスを定義してもよい。データロガーユニットは、特性と相関する値を2進数のシーケンスから復号してもよい。
【0026】
検知要素は、センサーユニットのフレキシブル基板に設けられてもよい。
【0027】
フレキシブル基板は、長軸に沿って縦長であってもよい。検知要素は、フレキシブル基板の長軸に沿って配置された複数の導電プレートを備えてもよい。
【0028】
フレキシブル基板は、長軸に沿って縦長であってもよい。検知要素は、一対または複数対の縦長の導電プレートを備えてもよい。導電プレートの各対は、長軸と交差する方向において、導電プレートの対の一方のプレートが長軸の一方の側に位置し、導電プレートの対の他方のプレートが長軸の他方の側に位置するように配置されてもよい。
【0029】
検知要素は、フレキシブル基板の一方の表面上に配置されてもよい。一対または複数対の導電プレートが検知要素の下方に位置するように配置される側にフレキシブル基板の他方の表面が位置するように導電領域が配置されてもよい。
【0030】
導電プレートは、センサー側端子部の接地端子を介して測定モジュールの接地電位に接続されてもよい。
【0031】
測定モジュールが電気計測を実施する前に、データロガーユニットをセンサーユニットに取り外し可能に取り付けてもよい。
【0032】
測定モジュールが電気計測を実施した後に、データロガーユニットをセンサーユニットから取り外し、別のセンサーユニットに取り付けてもよい。
【0033】
本発明の第2の態様によれば、吸収性物品に設けられたセンサーユニットからデータを受信するためのデータロガーユニットが提供される。データロガーユニットは、ロガー側端子部と、ロガー側端子部の少なくとも1つの測定端子に電気的に接続された測定モジュールとを備える。ロガー端子部は、センサーユニットのセンサー側端子部に係合するようになっている。この接続は、センサーユニットとデータロガーユニットを接続するためのものである。測定モジュールは、ロガー側端子部の少なくとも1つの測定端子を介して電気計測を実施するように配置される。データロガーユニットは、ロガー側端子部の所に複数の識別端子を有する。複数の識別端子は、測定モジュールに電気的に接続される。測定モジュールは、複数の識別端子の測定を実施するように構成される。測定は、センサーユニットの特性を識別するように実施される。センサーユニットの特性は、識別端子の電位でコード化される。
【0034】
ロガー側端子部は、基準端子を有してもよい。測定モジュールは、ロガー側端子部の基準端子に基準電位を供給するように構成されてもよい。センサーユニットの特性は、基準電位に対するロガー側端子部の各識別端子における電位でコード化されてもよい。
【0035】
データロガーユニットの抵抗器は、ロガー側端子部の各識別端子と基準電位とは異なる測定モジュールによって供給される電位に維持されるデータロガーユニットの導体との間に電気的に接続されてもよい。
【0036】
基準電位は、測定モジュールの接地電位であってもよい。
【0037】
ロガー側端子部の基準端子は、接地基準端子であってもよい。接地基準端子は、データロガーユニットの導体によって測定モジュールのグランドに接続されてもよい。
【0038】
基準電位は、測定モジュールの接地電位とは異なる電位であってもよい。
【0039】
ロガー側端子部の基準端子は、供給端子であってもよい。供給端子は、データロガーユニットの導体によって測定モジュールの供給電位に電気的に接続されてもよい。
【0040】
ロガー側端子部は、接地端子を有してもよい。ロガー側端子部の接地端子は、データロガーユニットの導体によって測定モジュールの接地電位に接続されてもよい。
【0041】
センサーユニットの特性は、ロガー側端子部の識別端子のうちで単一の端子を、基準電位を有する端子として識別することによって判定されてもよい。識別される端子は、特性と相関してもよい。
【0042】
測定モジュールは、ロガー側端子部の識別端子のうちで1組の端子を、基準電位を有する端子として識別することによってセンサーユニットの特性を判定するように構成されてもよい。1組の識別される端子は特性と相関してもよい。
【0043】
識別端子の電位は、2進数のシーケンスを定義してもよい。データロガーユニットは、特性と相関する値を2進数のシーケンスから復号してもよい。
【0044】
データロガーユニットは、センサーユニットに取り外し可能に取り付け可能であってもよい。
【0045】
データロガーユニットは、吸収性物品に取り外し可能に取り付け可能であってもよい。
【0046】
測定モジュールは、データロガーユニットがセンサーユニットから取り外され、別のセンサーユニットに取り付けられた後に、電気計測の実施を繰り返すようになっていてもよい。
【0047】
本発明の第3の態様によれば、吸収性物品の衛生状態を判定するためにデータロガーユニットに接続される吸収性物品用のセンサーユニットが提供される。センサーユニットは、センサー側端子部を備える。センサーユニットは、センサー側端子部の少なくとも1つの測定端子に電気的に接続された少なくとも1つの検知要素を備える。センサー側端子部は、データロガーユニットのロガー側端子部に係合するようになっている。係合によってセンサーユニットとデータロガーユニットが接続される。センサー側端子部は、センサー側端子部の所に複数の識別端子を有する。センサー側端子部の識別端子は、複数の識別端子の電気計測によって、センサーユニットの特性を提示するように構成される。センサーユニットの特性は、データロガーユニットに接続されたときにセンサー側端子部の識別端子の電位でコード化される。
【0048】
センサー側端子部は、基準端子を有してもよい。センサー側端子部の識別端子のうちの少なくとも1つは、センサーの導体を介してセンサー側端子部の基準端子に電気的に接続されてもよい。センサーユニットの特性は、基準電位に対するセンサー側端子部の各識別端子における電位でコード化されてもよい。
【0049】
センサー側端子部の識別端子のうちの1つまたは複数は、センサーユニットの導体によってセンサー側端子部の基準端子に電気的に接続されてもよい。センサー側端子部の残りの識別端子は、センサー基準端子に電気的に接続されなくてもよい。
【0050】
センサー側端子部の基準端子は、接地基準端子であってもよい。センサー側端子部の識別端子のうちの1つまたは複数は、互いに電気的に接続され、かつセンサーユニットの導体によってセンサー側端子部の接地基準端子に電気的に接続されてもよい。
【0051】
センサー側端子部の基準端子は、供給端子であってもよい。センサー側端子部の識別端子のうちの1つまたは複数は、互いに電気的に接続され、かつセンサーの導体によってセンサー側端子部のセンサー供給端子に電気的に接続されてもよい。
【0052】
センサー側端子部は、接地基準端子を有してもよい。
【0053】
センサーユニットの特性は、センサー側端子部のセンサー識別端子のうちで単一の端子を、基準電位を有する端子として識別することによって判定されてもよい。識別される端子は、特性と相関してもよい。
【0054】
センサーユニットの特性は、センサー側端子部の識別端子のうちでセンサー側端子部の複数の端子を、基準電位を有する端子として識別することによって判定されてもよい。1組の識別される端子は特性と相関してもよい。
【0055】
センサー側端子部の識別端子の電位は、2進数のシーケンスを定義してもよい。2進数のシーケンスは、特性と相関する値に復号されてもよい。
【0056】
検知要素は、フレキシブル基板に設けられてもよい。
【0057】
フレキシブル基板は、長軸に沿って縦長であってもよい。検知要素は、フレキシブル基板の長軸に沿って配置された複数の導電プレートを備えてもよい。
【0058】
フレキシブル基板は、長軸に沿って縦長であってもよい。検知要素は、一対または複数対の縦長の導電プレートを備えてもよく、導電プレートの各対は、長軸と交差する方向において、導電プレートの対の一方のプレートが長軸の一方の側に位置し、導電プレートの対の他方のプレートが長軸の他方の側に位置するように配置される。
【0059】
検知要素は、フレキシブル基板の一方の表面上に配置されてもよい。一対または複数対の導電プレートが検知要素の下方に位置するように配置される側にフレキシブル基板の他方の表面が位置するように導電領域が配置されてもよい。
【0060】
導電プレートは、センサー側端子部の接地端子に接続されてもよい。
【0061】
センサーユニットは、データロガーユニットに取り外し可能に取り付け可能であってもよい。
【0062】
センサーユニットは、吸収性物品に取り外し可能に取り付け可能であってもよい。
【0063】
センサーユニットは、センサーユニットに近接する吸収性物品内の体液の存在を非接触式に検出するように構成されてもよい。
【0064】
本発明の第4の態様によれば、第3の態様による複数の交換可能なセンサーユニットが提供される。複数の交換可能なセンサーユニットの各センサーユニットは、センサー側端子部の共通の構成を有する。センサー側端子部は、共通のデータロガーユニットのロガー側端子部に係合するようになっている。この係合によって、センサーユニットは、データロガーユニットに関連して交換されてもよい。特性は、交換可能なセンサーユニット間で異なる特性であってもよい。特性は、データロガーユニットに接続されたときに各センサーユニットのセンサー側端子部の識別端子の電位によって一意に指定されてもよい。
【0065】
特性は、センサーユニットの伸長方向における長さであってもよい。
【0066】
特性は、少なくとも1つの検知要素に関連する電気的特性であってもよい。
【0067】
少なくとも1つの検知要素は、互いに平行に配置された2つの細長い検知要素を備えてもよい。特性は、検知要素間の容量であってもよい。
【0068】
特性は、少なくとも1つの検知要素に関連する寸法であってもよい。
【0069】
複数の交換可能なセンサーユニットは、共通のデータロガーユニットに取り外し可能に取り付けられるようになっていてもよい。
【0070】
本発明の第4の態様によれば、吸収性物品管理システムが提供される。吸収性物品管理システムは、第2の態様によるデータロガーユニットを備える。吸収性物品管理システムは、第3の態様によるセンサーユニットを備える。センサーユニットは、少なくとも1つの検知要素が吸収性物品の衛生状態を判定するように配置されるように吸収性物品に設けられる。データロガーユニットは、データロガーユニットがセンサーユニットに接続された状態で第1の態様の方法を実施するようになっている。データロガーユニットは、センサー側端子部の少なくとも1つの測定端子およびロガー側端子部の少なくとも1つの測定端子を介して少なくとも1つの検知要素の電気計測を定期的に実施する。データロガーユニットは、電気計測の結果に関する情報をセンサー側端子部の識別端子の電位に関する情報に関連付けてセンサーユニットの特性を識別してもよい。
【0071】
データロガーユニットは、データ記憶ユニットを備えてもよい。データロガーユニットは、電気計測の結果に関する情報をセンサーユニットの特性を識別するための情報に関連付けて記憶するようになっていてもよい。
【0072】
吸収性物品管理システムは、リモート端末をさらに備えてもよい。データロガーユニットは、リモート端末にデータを送信するようになっている通信ユニットを備えてもよい。通信ユニットは、電気計測の結果に関する情報をセンサーユニットの特性を識別するための情報に関連付けて通信ユニットに送信するようになっていてもよい。
【0073】
リモート端末は、データベースを備えてもよい。データベースは、電気計測の結果に関する情報をセンサーユニットの特性を識別するための情報に関連付けて記憶するようになっていてもよい。
【0074】
データロガーユニットは、ロガー側端子部の識別端子の電位を復号して特性に関する情報を提供するようになっていてもよい。
【0075】
リモート端末は、ロガー側端子部の識別端子の電位を復号して特性に関する情報を提供するようになっていてもよい。
【0076】
本発明をより良く理解できるようにし、本発明がどのように実施され得るかを示すために、次に、一例として添付の図面を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0077】
【
図1】本発明の一実施形態であるセンサーユニットが設けられた吸収性物品を示す図である。
【
図2】本発明の一実施形態であるセンサーユニットを示す図である。
【
図3】本発明の一実施形態であるセンサーユニットとデータロギングユニットの組合せを示す図である。
【
図4】端子領域が露出された本発明の一実施形態であるデータロギングユニットを示す図である。
【
図5】端子領域がクランプバーによって覆われた本発明の一実施形態であるデータロギングユニットを示す図である。
【
図6】端子領域が位置合わせされた、本発明の一実施形態であるセンサーユニットとデータロギングユニットの組合せを示す図である。
【
図7】端子領域がクランプバーによって覆われた、本発明の一実施形態であるセンサーユニットとデータロギングユニットの組合せを示す図である。
【
図8】本発明の一実施形態であるデータロギングユニットの概略電気回路図である。
【
図9】本発明の一実施形態であるセンサーユニットの概略電気回路図である。
【
図10】本発明の変形実施形態であるデータロギングユニットの概略電気回路図である。
【
図11】本発明の別の変形実施形態であるデータロギングユニットの概略電気回路図である。
【
図12】本発明の別の変形実施形態であるデータロギングユニットの概略電気回路図である。
【
図13】本発明の別の変形実施形態であるデータロギングユニットの概略電気回路図である。
【
図14】本発明の別の変形実施形態であるデータロギングユニットの概略電気回路図である。
【
図15】本発明の別の変形実施形態であるデータロギングユニットの概略電気回路図である。
【
図16】吸収性物品管理システムを形成し、かつ本発明の一実施形態であるデータロギングユニットとリモート端末のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0078】
図1は、吸収性物品900、具体的にはおむつの例示的な構成を示す。おむつ900は、前腰部920と、後腰部930と、前腰部920を後腰部930に接続する股部940とを有する。おむつ900は、着用時にユーザから離れる方向を向く外面と、着用時にユーザの方を向く内面とを有する。
【0079】
図1に示すおむつ900の構成では、前腰部は、後腰部930に設けられた対応するタブ部924および925に係合するようになっているタブ部921および922を有する。たとえば、タブ部921および922は、付着領域を備えてもよく、タブ部924および925に設けられた付着領域に接着するように配置される。それによって、おむつ900をユーザの腰の周りに確実に合わせてもよい。
【0080】
おむつ900はまた、着用時に液体および/または固形の汚物をユーザからおむつに吸収するように構成された吸収性コアを有する。そのようなコアの構成、およびおむつの残りの部分の構成は、当技術分野で公知の従来の構成であってもよい。たとえば、コアは、超吸収性ポリマーなどの吸収性材料を単独でまたはセルロース系繊維などのさらなる構成要素と組み合わせて吸収層内に含み、かつ液体取り込み、液体分散、および漏れ防止などの機能を有する1つまたは複数の追加の層を備えてもよい。
【0081】
おむつ900は、その内面上に、コア910に柔らかく覆う透水性トップシートを有してもよい。おむつ900は、その外面上に、漏れを防止するために不透水性バックシートを有してもよく、吸収性コア910は、透水性トップシートと不透水性バックシートとの間に配設される。そのようなおむつの構成は、当技術分野で公知である。バックシートは一般に不透水性であるが、水蒸気透過性、つまり通気性であってもなくてもよいことに留意されたい。
【0082】
おむつ900は、センサーユニット100を備え、センサーユニット100の機能は、適切な測定電子機器と協働して、吸収性コア910の吸収状態、たとえば湿潤状態を検知することである。センサーユニット100は、細長い可撓性ストリップの形であり、吸収性コア910の上方に位置するように配置される。したがって、センサーユニット100は、平坦な状態で配置されたときに、伸長方向に長手方向軸を有し、かつ伸長軸を横切る方向に横軸を有し、それぞれの軸をストリップの平面内に有する。センサーユニット100は、図示のように矩形である必要はないが、曲線状縁部を備えるちょうネクタイ形にすることも、卵形にすることも、または別の細長い形状にすることができる。
【0083】
ユーザが着用するかまたは他の方法でユーザの体の上にもしくはユーザの体に接触させて配置もしくは固定する物品900などの吸収性物品は、従来、内側と外側を有するものと理解されており、内側は、使用時にユーザの体に接触して配置される部分であり、外側は、ユーザの体の外側を向く部分である。
図1に示すように、吸収性コア910は、吸収性物品の内側に位置し、一方、センサーユニット100は、吸収性物品の外側、具体的には、吸収性コア910から離れる方向を向くバックシートの側に設けられる。
【0084】
センサーユニット100は、接着剤層、面ファスナ、または当技術分野で公知の他の取り外し可能もしくは仮取り付け方法によって吸収性物品900の表面に固定されてもよい。有利なことに、センサーユニット100は、吸収性物品に取り付けられた後に吸収性物品から取り外し可能であるように設計され、それによって、同じセンサーユニットが、いくつかの異なる吸収性物品に再使用されてもよい。
【0085】
センサーユニット100は、検知プレート111、112、113、114を備え、検知プレート111、112、113、114は、平面平行板コンデンサのプレートとして働く。プレート111、112、113、114の対間のインピーダンスを測定することによって、吸収性コア内の液体の有無が判定されてもよい。理論によって拘束されることを望むものではないが、吸収性コア910内に液体が存在すると、センサーユニット100の下方に位置する領域の誘電率が修正され、それによって、上方の空間、たとえば、プレート111および112の誘電率が修正され、それにより、プレートによって形成されるコンデンサのインピーダンスが影響を受ける。
【0086】
そのような構成は、体液とセンサーユニットとが直接接触しないという意味で、非接触式に吸収性コア内の液体を検出するのを可能にする。したがって、センサーユニット100は、不透水性バックシートなどの不透水性層によって吸収性コアから分離されるときでも吸収性コアまたは吸収性コアの領域の状態を検知することができる。これに対して、たとえば、抵抗型検知構成では、吸収性コア内の液体と検知要素として働く導体との間の接触を必要とする傾向がある。
【0087】
センサーユニット100の例示的な構成のより詳細な図が、プレート111、112、113、114が読者の方を向くようにセンサーユニットの側から見た
図2に示されている。センサーユニット100は、たとえば、表面めっきによってプレート111、112、113、114が設けられたフレキシブル基板120を有する。したがって、フレキシブル基板120は、フレキシブルプリント基板(フレキシブルPCB)であってもよい。
【0088】
フレキシブル基板120においてプレート111、112、113、114を有する側と反対側には、フレキシブル基板120の表面の実質的に全体、具体的にはプレート111、112、113、114を保持する領域の下方に位置する接地プレート130がある。それによって、プレート111、112、113、114間のインピーダンスに対する影響は主として、フレキシブル基板120の反対側に隣接する環境ではなく、プレート111、112、113、114を保持するフレキシブル表面120の表面の上方の環境によって制御されることがある。
【0089】
各プレート111、112、113、114は、それぞれの導電トレース161、162、163、164によって、センサーユニットの端子領域140に配置されたそれぞれの導電パッド151、152、153、154に接続される。
【0090】
導電トレース161、162、163、164ならびにプレート111、112、113、114は、ポリマー上の薄膜などの誘電材料層によって覆われてもよい。これに対して、パッド151、152、153、154は、フレキシブル基板120の表面において露出され、それによって、プレート111、112、113、114と後述の測定およびデータロギング電子機器との間の接続を容易にする端子として働く。
【0091】
プレートの構成は変更されてもよい。たとえば、2対よりも多くのプレートが設けられてもよい。プレートは、図示のように縦長であってもよいが、そうする必要はない。プレートは、図示のように矩形であってもよいが、そうする必要はない。プレートは、フレキシブル基板の長軸を跨いで配置された対として設けられてもよいが、そうする必要はない。プレート同士は、互いに平行であってもよく、または互いに傾斜していてもよい。したがって、プレートの配置およびフレキシブル基板上のそれぞれの位置の広範な変形実施形態が考えられる。
【0092】
図1から理解できるように、センサーユニット100がおむつ900の吸収性コア910の長さに適合されると有利である。たとえば、センサーユニット100が過度に長い場合、プレート111、112、113、114は、液体を吸収することが期待されないおむつ900の領域の上方に位置することがあり、したがって、感度が低下することがあり、またはおむつ900における他の構成要素の影響によって読み取りに誤りが生じる。これに対して、センサーユニット100が長手方向吸収性コア910内の吸収性コア910よりも著しく短い場合、液体は、吸収性コア910内の、センサーユニット100が液体の存在を検知できない位置に蓄積することがある。
【0093】
したがって、いくつかの実施形態では、センサーユニット100または少なくとも、プレート111、112、113、114を保持するセンサーユニット100の部分が、吸収性コアと同一の広がりを有し、吸収性コアと同等の長さおよび/または幅、たとえば、コアのそれぞれの寸法の20%から100%の間、場合によっては、30%から80%の間、またはさらに場合によっては、40%から60%の間を有するのが適切であると考えられる。たとえば、吸収性コア910を結合する矩形とプレート111、112、113、114を結合する矩形はそれぞれ、平坦な状態では、同等の寸法を有してもよい。
【0094】
さらに、再び
図1を参照するとわかるように、コア910の構成は、図示の構成よりも著しく複雑である場合があり、吸収性コア910は、それぞれに異なる吸収性および/またはそれぞれに異なる幅を有するそれぞれに異なる領域を備えてもよい。したがって、センサーユニット100上のプレート111、112、113、114レイアウトは、吸収性コア910のそのような構成に適合されてもよい。そのような実施形態では、各プレートは、吸収性コアの境界内に位置するように配置されてもよいが、吸収性コアの長期保存領域などの特定の位置と同一の広がりを有する範囲で配置されてもよい。
【0095】
そのような構成によって、センサーユニット100は、そのような吸収性コアと併用されるときにのみ最も効果的になる。センサーユニット100は、異なる構成の吸収性コアと併用されると無効である場合がある。
【0096】
吸収性コア910の最も一般的な変形実施形態では、最も一般的には、ユーザのそれぞれに異なる年齢に関連する、ユーザの異なる体格に対処するように、おむつ900のサイズが変更される。したがって、たとえば、新生児に提供すべきおむつと併用するのに適したセンサーユニット100は、たとえば、成人男性に提供すべきおむつと併用するのに適している可能性は低い。
【0097】
したがって、センサーユニット100の適切な選択は、センサーユニット100と併用すべき吸収性物品に密接に依存することがある。したがって、任意の特定の状況において複数の異なる吸収性物品が提供される場合、対応する複数の対応するセンサーユニット100が提供されることもある。特定の種類の吸収性物品900と併用すべき各種類のセンサーユニット100は、同様の構成の他のセンサーユニット100とは1つまたは複数の特性が異なる場合がある。たとえば、フレキシブル基板120の寸法、特に長さ、および/またはプレート111、112、113、114の位置および寸法が異なる場合がある。さらに、センサーユニット100の電気的特性、たとえば、自由空間において測定される容量またはインピーダンスは、同様の構成の他のセンサーユニット100と異なる場合がある。
【0098】
重要な点として、
図2に示すセンサーユニット100は、単独で吸収性物品の吸収状態を監視することはできない。センサーユニット100が吸収性物品の吸収状態を監視するのを可能にするために、
図3に示すように、センサーユニット100は、データロギングユニット200がセンサーユニット100に電気信号を供給し、センサーユニット100の電気的特性の変化を測定することができるようにデータロギングユニット200と組み合わされる。
【0099】
たとえば、
図3の構成では、データロギングユニットは、端子領域140に設けられたパッド151、152、153、154によってプレート111、112、113、114の対間の電位を測定するように構成されてもよい。データロギングユニット200の例示的な構成を
図4に示す。
【0100】
図4に示すデータロギングユニット200は、後述のデータロギング電子機器を含むエンクロージャ210を有する。
【0101】
エンクロージャ210の端子領域220において、
図2に示すセンサーユニット100のパッド151、152、153、154に対応するように端子231、232、233、234が設けられる。端子231、232、233、234は、たとえば、ばね端子として設けられてもよい。そのようなばね端子は、エンクロージャ210の端子領域220から上向きに突き出して、端子領域220が形成されたエンクロージャ210の表面に押し付けられる導体との良好な電気接点を形成する可撓性導体プレートとして形成されてもよい。
【0102】
そのような端子構成は、ここでは例示的であり、当業者には公知の他の端子構成自体の、特定の構成に対する適切性に応じて、それらの端子構成をばね端子と置き換えることもできる。そのような他の端子構成には、たとえば、メザニンコネクタ、プラグソケットコネクタ、レジスタードジャックもしくはモジュラーコネクタ、ポゴピンコネクタ、チップリングスリーブコネクタ、D-サブコネクタ、DINコネクタ、または当技術分野で公知の他の端子もしくはコネクタタイプが含まれる。そのようなコネクタにオスメスがある場合、オス部品またはメス部品のいずれかがデータロギングユニット200に設けられてもよく、オス部品またはメス部品の他方がセンサーユニット100に設けられてもよい。そのような端子構成は、そのようなコネクタのロッキング変形実施形態またはその他の固定変形実施形態が提供されるときに、データロギングユニット200とセンサーユニット100を物理的に係合させるとともに電気的に接続して保持する機能を有してもよい。
【0103】
端子領域220は、データログ200の端子領域220に形成される端子231、232、233、234の数および位置がセンサーユニット100のパッド151、152、153、154の数および位置に対応するという点で、センサーユニット100上に形成された端子領域140に対応する。したがって、センサーユニット100の端子領域140がデータロギングユニット200の端子領域220に接触して配置されたときに、データロギングユニット200は、端子231、232、233、234によってプレート111、112、113、114に関連付けられる電気信号を供給し測定してセンサーユニット100による測定を実施してもよい。
【0104】
センサーユニット100の端子領域140をデータロギングユニット200の端子領域220に接触させて固定するために、データロギングユニット200は、エンクロージャ210に形成された孔241、242に圧入される不図示の突起を有する係合要素、ここではクランププレート250を備える。この構成を
図5に示す。圧入によって、クランププレート250は、端子領域220に力を加え、介在させたセンサーストリップを固定するのが可能になる。
【0105】
センサーユニット100の端子領域140をデータロギングユニット200の端子領域220に接触させて固定するために、
図6に示す構成が採用されてもよく、この場合、センサーユニット100の端子領域140が端子領域220に接触させて配置され、それによって、データロギングユニット200の端子231、232、233、234がセンサーユニット100のパッド151、152、153、154に揃えられる。
【0106】
その場合、クランププレート250は、クランププレート250の突起がエンクロージャ210の孔(241、242)に係合するようにエンクロージャ210に設けられる。最終的な構成は
図7に示されており、クランププレート250はセンサーユニット100の端子領域140をエンクロージャ210の端子領域220に接触させて固定し、それにより、センサーユニット100は、データロギングユニット200に適切に固定され接続され、それによって、データロギングユニット200は、信号を確実にセンサーユニット100のプレート111、112、113、114に送り、かつプレート111、112、113、114から取得することができる。
【0107】
センサーユニット100から受信された信号を正しく解釈するために、データロギングユニット200に接続されたセンサーユニット100に関する情報を有する必要がある。詳細には、プレートのそれぞれに異なる配置および/またはセンサーユニット100のそれぞれに異なる寸法は、センサーユニット100が設けられる吸収性物品においてそれぞれに異なる条件の下でインピーダンスのそれぞれに異なる変化を生じさせる。
【0108】
しかし、
図5に示すデータロギングユニット200の構成、特に関連する端子231、232、233、234を有する端子領域220の構成は、端子領域140内に同様の構成を有するパッド151、152、153、154を含むが、それぞれに異なる構成のプレート111、112、113、114を有する様々なセンサーユニット100をデータロギングユニット200に関連して使用することが可能になる。
【0109】
ユーザ、介護者、またはシステムのオペレータが、どのセンサー100がどの特定のデータロギングユニット200に関連付けられているかを手動で記録することが可能であり、それによって、この情報を使用してデータロギングユニットからの結果を解釈することができる。しかし、データロギングユニット200が、データロギングユニット200が接続されたセンサーユニット100に関する情報を取得することができ、それによって、この情報が直ちに利用可能になり、さらなる自動化データ処理動作において使用することができ、かつエラーを回避することができると有利である。
【0110】
したがって、データロギングユニット200は、以下で
図8~
図15に関してさらに説明するようにセンサーユニット100を識別する方法を実施する。
【0111】
データロギングユニット200のエンクロージャ210の内部に、全体的なデータロギングユニット200の一部として
図8に概略的に示されている測定ユニットMEASが設けられる。
【0112】
測定ユニットMEASは、複数のアナログ測定端子A0~A15と複数のデジタル検知端子D0~D7とを有するマイクロコントローラMCを備える。マイクロコントローラMCには電源PWRから電力が供給され、エンクロージャ210の端子領域220に設けられた一連の端子230に導電配線によって接続されたアナログ検知端子A0~A15およびデジタル端子D0~D7のうちの端子を選択している。
【0113】
これらの端子のうちで、端子230aのサブセットがアナログ検知端子A0~A15のサブセットに接続され、端子230cのサブセットがデジタル端子D0~D2に接続され、端子230bのうちの1つが測定ユニットMEASのグランドGNDに接続される。
【0114】
図8に示す構成では、マイクロコントローラMCのデジタル端子D0~D7は、端子領域220の端子230cに接続され、またそれぞれのプルアップ抵抗器R1、R2、R3によって電源PWRに個々に接続される。したがって、開路状態では、端子230cは、論理ハイまたは2進数1に対応する上昇電位に維持される。
【0115】
端子230aは、マイクロコントローラMCのアナログ検知端子A0~A15に接続され、電位によって駆動することができ、電位、たとえば静電位または振動電位の測定を実施して端子230aのいずれか間の単純インピーダンス(simple impedance)または複素インピーダンスを測定することができる。したがって、端子230aは測定端子と呼ばれる。
【0116】
図8に示し
図8に関して説明するように測定ユニットMEASとの協働について、
図9は、センサーユニット100の概略図を示す。
図9に示す構成では、6つの検知パッド、パッド111、112、113、114、115、116が設けられる。上述のように、パッドの数およびレイアウトは、用途に応じて変更されてもよい。
【0117】
パッド111、112、113、114、115、116は、それぞれの導電トレースによって端子領域140に接続される。具体的には、端子領域140に存在する端子のうちで、端子150aのセットは個々にそれぞれのパッド111、112、113、114、115、116に接続される。これらの端子150a、ならびに端子230aを測定端子と呼ぶ。
【0118】
端子150bは、接地プレート130に設けられ接続される。
【0119】
最後に、端子150cのセットが設けられ、このうちで順番が1番目の端子および3番目の端子がグランドに接続され、第2の端子が未接続のままになる。言い換えれば、このセットは開路として設けられる。
【0120】
したがって、
図9に示すセンサーユニット100が、
図8に示す測定ユニットMEASを有するデータロギングユニット200に接続されると、接地端子230bが接地端子150bに接続し、それによって、センサーユニットから基準グランドが生成され、検知端子230aが検知端子150aに接続し、それによって、測定ユニットMEASがパッド111、112、113、114、115、116の選択された対間のインピーダンスを測定するのが可能になり、データロギングユニット200の端子230cがセンサーユニット100の対応する端子150cに接続し、それによって、センサーユニット側において互いに接続され、さらにともにグランドに接続された1番目の端子1と3番目の端子3が、グランドに関連する電位、言い換えれば、デジタルローまたは2進数0電位に達する。これに対して、端子230c、150cのうちの2番目の端子は、プルアップ抵抗器R2の作用によって電源PWRに関連するデジタルハイ電位に維持される。
【0121】
端子150cのうちで、グランドに接続された端子および開放されたままの端子が、論理ハイまたはロー電位に関して電位を決定し、これらの電位がマイクロコントローラMCのデジタル端子D0~D7の所で検出される。これらの端子は、データロギングユニット200に設けられたセンサーストリップ100の特性を識別するために使用されてもよい。したがって、端子150cならびに端子230cを識別端子と呼ぶ。
【0122】
図10により詳しく示すように、後述の実施形態との比較を容易にするために、識別端子150c同士を接続するかまたは識別端子150cのうちの特定の端子によって、2進数、たとえば、バイナリトリプレットがコード化されてもよい。デジタル端子D0~D7のうちのいずれかをこの目的のために使用してもよい。
【0123】
このことを実証するために、
図9は、端子D5~D7のサブセットが、D0~D2の代わりにセンサー100を識別するために使用される変形構成を示す。
【0124】
図9および
図10に示す構成では、1番目および3番目の識別端子150cが互いに接続されかつグランドに接続され、一方、2番目の端子が開路として残される。これは、2進数010のシーケンスに対応してもよく、または10進表記法では2に対応してもよい。もちろん、代替構成では、1番目および3番目の端子の各々を単に独立してグランドに接続することができる。
【0125】
識別端子150cのそれぞれに異なる端子を接続し、これらの端子をグランドに接続すると、それぞれに異なる10進数が3つの2進数のシーケンスとしてコード化される。たとえば、以下の表は、特定の端子をグランドに接続してデジタルロー(または2進数0)を表し、特定の端子を開放したままにしてデジタルハイ(または2進数1)を表すことによって端子150c上に提示される一連の3つの2進数が、それぞれに異なるサイズおよび種類の吸収性物品に適したそれぞれに異なる長さのセンサーストリップにどのように対応できるかの例示的な可能性を示す。
【0126】
【0127】
したがって、3つの端子のみを用いた場合、ストリップが接続されていない状態を含む、センサーストリップの8つの状態を識別することができる。さらに、センサーユニット100側に別個の構成要素は必要とされず、単に、たとえばフレキシブル基板120上の導電トレースによって特定の端子150c同士を接続することによって、識別コード化が実施されてもよい。
【0128】
したがって、センサーストリップは、センサーユニット100上のセンサーストリップ上に追加の構成要素を設けて識別信号を供給する状況と比較して、変形を受けても堅固である。
【0129】
さらなる変形構成が
図11に示されており、ここでは、データロガー200の端子領域220の識別端子230cの各々が、それぞれの抵抗器R1、R2、R3を通じて個別にグランドGNDに接続され、抵抗器R1、R2、R3はプルダウン抵抗器として働く。さらに、センサーユニット100の端子領域140の選択された識別端子150cは、互いに接続され、かつさらなる端子150dに接続され、端子150dは、電源に接続されたデータロギングユニット200の端子領域220の端子230dに相当する。したがって、端子230dおよび150dは、電源端子と見なされてもよい。
【0130】
プルダウン抵抗器R1、R2、R3の結果として、識別端子230cは、開路状態のとき、デジタルロー(または2進数0)として維持される。しかし、互いに接続され、かつ電源端子150cおよび電源端子230dを介してデータロギングユニット200の電源PWRに接続された識別端子150dに接続されると、選択された識別端子230cはデジタルハイ(または2進数1)に対応する電位に設定される。
【0131】
この場合も、
図10の変形実施形態の場合と同様に、どの端子を電源電位に接続するか、およびどれを開路状態に残すかの選択を使用して、データロギングユニット200に接続されたセンサー100の特性をコード化することができる。
【0132】
図12に示すさらなる変形実施形態では、5つのデジタル端子D3~D7が、データロギングユニット200の端子領域220上の5つの識別端子230cに接続され、これらの端子の各々が、それぞれの抵抗器R1、R2、R3、R4、R5を介して電源PWRに個々に接続される。したがって、R1、R2、R3、R4、R5は、プルアップ構成で動作する。
【0133】
センサーユニット100側では、センサーユニット100の端子領域140に設けられた対応する識別端子150cのうちの選択された1つの端子が未接続状態に維持され、一方、残りの識別端子150cはグランド130に接続される。
【0134】
この構成は、2進コード化を使用するのではなく、数値コード化を使用し、グランドに接続されない端子150cの順番によって、接続されたセンサー100の種類がコード化される。センサータイプの復号は、
図12の構成よりも単純であるが、所定数の種類のセンサーユニット100間の識別を可能にするには、
図10および
図11の2進コード化変形実施形態と比べてより多くの識別端子230cが必要である。たとえば、
図12の実施形態では8つの端子が用いられ、8種類のセンサーユニット100がコード化されてもよく、一方、
図10または
図11の変形実施形態では、2^8(2の8乗)、または言い換えると、256個の異なる構成を8つの識別端子を用いて符号化することができる。
【0135】
さらなる変形実施形態が
図13に示されており、この場合、
図12のようにセンサーユニット100の種類を示すために使用される1つの識別端子を除く、センサーユニット100のすべての識別端子150cを接地するのではなく、
図13の実施形態では、接地され、したがって、取り付けられたセンサーユニット100の特性を示すために使用される1つの端子を除く、すべての端子150cが開路として残される。
【0136】
さらなる構成が
図14に示されており、
図11の構成と同様に、データロギングユニット200の端子領域220の電源端子230dの所にデータロガー200の電源PWRへの電源接続が形成される。電源端子230dは、センサーユニット100上の端子領域140の電源端子150dに接続される。
【0137】
データロギングユニット側では、識別端子220cが抵抗器R1、R2、R3、R4、R5を介してグランドに接続され、抵抗器R1、R2、R3、R4、R5はプルダウン抵抗器として働き、一方、センサーユニット側では、識別端子150cのうちの選択された識別端子が、導電トレースを介して電源端子150dに接続され、他の識別端子は開路のままである。したがって、識別端子150cのうちの選択された端子は、デジタルハイに対応する電位に設定され、一方、残りの識別端子150cはデジタルローに維持される。デジタルローとして設定された端子を選択すると、使用されるセンサー100の特性が符号化される。
【0138】
図14に示す構成に対応するさらなる変形実施形態が
図15に示されている。ただし、センサーユニット側のすべての識別端子150cは、互いに接続され、かつ開路に維持される端子を除いて、デジタルハイに対応するように電源端子150dに接続される。したがって、どの端子を、デジタルローに対応する開路として維持するかを選択すると、接続されるセンサー100の種類がコード化される。
【0139】
上記では、データロガー200の電源PWRに関して開示された。これは、交換可能バッテリー、非ユーザ交換可能バッテリー、再充電可能バッテリー、使い捨てバッテリー、または図示し説明したデータロギングユニットの供給ニーズを満たす任意の代替電源であってもよい。
【0140】
データロギングユニット200のエンクロージャ210は、たとえば、プラスチックエンクロージャであってもよく、プラスチックエンクロージャは、密閉されてもよく、またはメンテナンスおよび調整、たとえば電源の交換を可能にするように開放可能であってもよい。
【0141】
上記では、コンデンサのプレートとして働き、それによって、吸収性物品の吸収性コア内の液体の存在に関連するインダクタンスを測定する検知プレートによって吸収性物品の状況を測定するセンサーユニットの識別に関して説明した。しかし、上記の開示は、そのような構成に限定されず、吸収性物品の吸収状態を測定するために使用されてもよい任意の種類のセンサーユニットに関連して使用されてもよい。
【0142】
たとえば、抵抗に基づいて動作してもよく、特定の化学物質の存在に反応してもよく、または場合によっては、吸収性コアを検知要素によって貫通するかもしくは検知要素を吸収性物品の吸収性コアに感覚的に関連付ける他の手段によって吸収性物品に適用されてもよいセンサーに、本明細書に記載された開示が同等に適用されてもよいことが構想される。
【0143】
さらに、おむつに関して開示されたが、本開示はそのように限定されず、本明細書の技術は、吸収性パッド、パンツ型おむつ、ベルト型おむつ、失禁シールド、創傷包帯、生理用ナプキンなどの衛生用品など、別の吸収性物品の吸収状態を検知するためのセンサーに、限定なしに適用することができる。
【0144】
上記の開示では、データロギングユニットは、独立型データロギングユニットであってもよく、メモリMRYを備え、定期的な測定値が記憶される。これらの定期的補正は、経時的な吸収性物品の吸収状態のパターンを評価するために、後でデータロガーから管理コンソール、たとえば、パーソナルコンピュータにダウンロードされてもよい。データロギングユニットは、有線接続を介してダウンロードするためのUSBポートなどのデータ検索インターフェースを備えてもよく、または無線構成を介してダウンロードするためのBluetoothモジュールなどの短距離無線データ検索インターフェースを備えてもよい。
【0145】
代替として、データロギングユニットは、吸収性物品の状態を測定してもよく、たとえば、データロギングユニットから可聴(たとえば、ブザーによる)出力信号または可視(たとえば、発光ダイオード、またはLEDによる)出力信号を供給することによって、吸収性物品の状態の変化に関する通知を提供するために吸収性物品の状態に関する情報を一時的に保持してもよい。
【0146】
別の構成では、データロギングユニットは、リモート端末に関連付けて設けられてもよく、リモート端末は、ラップトップなどのポータブルコンピューティングデバイス、スマートフォンであってもよく、またはサーバもしくは仮想サーバであってもよい。データロギングユニットは、定期的に、必要に応じて、または吸収状況の変化の検出時に、リモート端末に発信して測定結果をリモート端末に供給するために無線リンクによってリモート端末に接続されてもよい。
【0147】
そのような構成は、
図16を参照することによって理解されてもよく、
図16では、測定ユニットMEAS、メモリコントローラMCO、メモリMRY、および送信コントローラTXに加えて、データロギングユニットが設けられる。
【0148】
図16の構成では、データロガー200は、吸収性物品の吸収状態を、センサーユニット100を介して定期的に測定してもよい。この測定の結果は、メモリコントローラMCOによってメモリMRYに記録されてもよい。その場合、所定のスケジュールに従って、または所定回数の測定が行われたときに、メモリコントローラMCOが、メモリMRYに記憶された情報を、送信コントローラTXを通して無線リンクLNK上でリモート端末300の受信コントローラRXに送信されるように、送信してもよい。
【0149】
リモート端末300は、データベースDBおよびユーザインターフェースUIに結合された中央演算処理装置CPUを備える。受信コントローラRXによって無線リンクLNKから受信されたデータは、中央演算処理装置CPUによってデータベースDBに記憶されてもよく、この情報は、ユーザインターフェースUIによって検索されてもよい。
【0150】
リモート端末300は、単一のデータロギングユニット200に関連付けられてもよく、または複数のデータロギングユニット200に関連付けられてもよい。前者の場合、ユーザインターフェースコントローラUIは、ユーザがデータベースDBに問い合わせて、データロガー200に関連付けられた吸収性物品の吸収状況に関する履歴データを評価するのを可能にしてもよい。後者の場合、ユーザインターフェースコントローラUIは、ユーザがデータベースDBに問い合わせて、リモート端末200に関連付けられた複数のデータロガー200からの結果を比較し解析するのを可能にしてもよい。
【0151】
図16では、データロガー200とリモート端末300が管理システム400を構成する。管理システム400では、メモリMRYは、測定コントローラMCOが、本明細書で開示した方法を使用してセンサーユニット100の特性を判定するのを可能にする参照テーブルを備えてもよく、それによって、センサーユニット100の特性を測定結果とともにメモリMRYに記憶してもよく、測定結果とともに無線リンクLNKを介してリモート端末300に送信してもよい。
【0152】
代替として、測定ユニットMEASは単に、識別端子230cの測定結果をメモリMRYに記憶してもよく、測定結果は、測定値とともに無線リンクLNKを介して送信されてもよい。そのような構成では、リモート端末300のデータベースDBは、識別端子230cに供給される識別情報の復号を可能にして、測定に関連付けられたセンサーユニット100の特性を識別するのを可能にする参照テーブルを含んでもよい。
【0153】
上記の構成の各々では、測定ユニットMEASは、センサーユニット100の特性を判定することができ、センサーユニット100を使用して吸収性物品の衛生状態の各測定が行われる。代替構成では、センサーユニット100がデータロガーユニット200に接続された後に一度判定が下されてもよく、このことは、識別端子230cのうちの1つの状態の変化によって検出することができる。
【0154】
上記の開示は、特定の例に対してなされているが、当業者には、本明細書において開示し説明した有利な構成、デバイス、方法、およびシステムにおける様々な概念から逸脱せずに実質的な修正および変形を施せることが理解されよう。したがって、本発明は、本明細書において図示し説明した実施形態に限定されず、添付の特許請求の範囲を参照して判定すべきであると理解されるべきである。
【符号の説明】
【0155】
100 センサーユニット、センサー
111、112、113、114、115、116 検知プレート
120 フレキシブル基板
130 接地プレート、グランド
140 端子領域
150a 端子、検知端子
150b 端子、接地端子
150c 端子、識別端子
150d 端子、電源端子
151、152、153、154 導電パッド、パッド
161、162、163、164 導電トレース
200 データロギングユニット、データロガー、リモート端末
210 エンクロージャ
220 端子領域
230 端子
230a 端子、検知端子
230b 端子、接地端子
230c 端子、識別端子
230d 端子、電源端子
231、232、233、234 端子
241、242 孔
250 クランププレート
300 リモート端末
400 管理システム
900 吸収性物品、おむつ
910 吸収性コア
920 前腰部
921 タブ部
922 タブ部
924 タブ部
925 タブ部
930 後腰部
A0~A15 アナログ測定端子、アナログ検知端子
D0~D7 デジタル端子、デジタル検知端子
GND グランド
LNK 無線リンク
MC マイクロコントローラ
MCO メモリコントローラ
MEAS 測定ユニット
MRY メモリ
PWR 電源
R1、R2、R3、R4、R5 抵抗器、プルアップ抵抗器
RX 受信コントローラ
TX 送信コントローラ
UI ユーザインターフェース
【国際調査報告】