(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-16
(54)【発明の名称】アデノ随伴ウイルスベクター製剤及び方法
(51)【国際特許分類】
A61K 48/00 20060101AFI20220609BHJP
A61K 35/76 20150101ALI20220609BHJP
A61K 47/12 20060101ALI20220609BHJP
A61K 47/02 20060101ALI20220609BHJP
A61K 47/26 20060101ALI20220609BHJP
A61K 9/19 20060101ALI20220609BHJP
A61K 9/08 20060101ALI20220609BHJP
A61K 47/10 20060101ALI20220609BHJP
A61K 47/34 20170101ALI20220609BHJP
【FI】
A61K48/00
A61K35/76
A61K47/12
A61K47/02
A61K47/26
A61K9/19
A61K9/08
A61K47/10
A61K47/34
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021561002
(86)(22)【出願日】2020-04-17
(85)【翻訳文提出日】2021-11-09
(86)【国際出願番号】 US2020028716
(87)【国際公開番号】W WO2020214929
(87)【国際公開日】2020-10-22
(32)【優先日】2019-04-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】518362720
【氏名又は名称】レジェンクスバイオ インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100097456
【氏名又は名称】石川 徹
(72)【発明者】
【氏名】トリスタン マーシャル
(72)【発明者】
【氏名】ジャレド ビー
(72)【発明者】
【氏名】ユー ザング
(72)【発明者】
【氏名】ロベルト デパズ
【テーマコード(参考)】
4C076
4C084
4C087
【Fターム(参考)】
4C076DD07F
4C076DD24
4C076DD26Z
4C076DD38
4C076DD43
4C076DD50Z
4C076DD67
4C076EE23F
4C076FF63
4C084AA13
4C084MA05
4C084MA44
4C084NA03
4C087AA01
4C087AA02
4C087BB65
4C087BC83
4C087MA05
4C087MA44
4C087NA03
(57)【要約】
本明細書中提供されるのは、組換えAAV粒子を含む製剤である。実施形態によっては、製剤は、凍結製剤または凍結乾燥製剤である。同じく本明細書中提供されるのは、rAAV粒子からのrAAVゲノム放出の減少法である。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)粒子と、ならびに
a)緩衝剤、
b)糖、及び
c)非晶質塩と
を含む、安定製剤であって、
凍結乾燥に適している、前記製剤。
【請求項2】
前記緩衝剤は、約1mM~約50mMのTrisを含む、請求項1に記載の製剤。
【請求項3】
約1mM~約30mM、約1mM~約20mM、約5mM~約30mM、約5mM~約20mM、約10mM~約30mM、約10mM~約20mM、または約20mM~約50mMのTrisを含む、請求項2に記載の製剤。
【請求項4】
約1mM、約2mM、約3mM、約5mM、約10mM、約15mM、約20mM、約25mM、約30mM、または約40mMのTrisを含む、請求項2に記載の製剤。
【請求項5】
約5mMのTrisを含む、請求項2に記載の製剤。
【請求項6】
組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)粒子と、ならびに
a)緩衝剤、
b)糖、及び
c)イオン強度が60mMより高い非晶質塩と
を含む、安定製剤であって、
凍結乾燥に適している、前記製剤。
【請求項7】
前記rAAV粒子は、AAV8カプシドを有する、請求項6に記載の製剤。
【請求項8】
組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)粒子と、ならびに
a)緩衝剤、
b)糖、及び
c)イオン強度が60mM~150mMである非晶質塩と
を含む、安定製剤であって、
凍結乾燥に適している、前記製剤。
【請求項9】
前記rAAV粒子は、AAV8カプシドを有する、請求項8に記載の製剤。
【請求項10】
組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)粒子と、ならびに
a)緩衝剤、
b)糖、及び
c)イオン強度が30~100mMである非晶質塩と
を含む、安定製剤であって、
凍結乾燥に適している、前記製剤。
【請求項11】
前記rAAV粒子は、rAAV9カプシドを有する、請求項10に記載の製剤。
【請求項12】
組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)粒子と、ならびに
a)緩衝剤、
b)糖、及び
c)イオン強度が200mMより高い非晶質塩と
を含む、安定製剤であって、
凍結乾燥に適している、前記製剤。
【請求項13】
前記rAAV粒子は、rAAV8カプシドもrAAV9カプシドも有さない、請求項12に記載の製剤。
【請求項14】
前記非晶質塩は、クエン酸ナトリウムである、請求項1から13のいずれか1項に記載の製剤。
【請求項15】
前記非晶質塩は、硫酸ナトリウムである、請求項1から13のいずれか1項に記載の製剤。
【請求項16】
前記非晶質塩は、硫酸アンモニウムである、請求項1から13のいずれか1項に記載の製剤。
【請求項17】
前記非晶質塩は、硫酸マグネシウムである、請求項1から13のいずれか1項に記載の製剤。
【請求項18】
前記非晶質塩は、クエン酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、硫酸アンモニウム、硫酸マグネシウム、またはそれらの組み合わせである、請求項1から13のいずれか1項に記載の製剤。
【請求項19】
クエン酸ナトリウムを含む、請求項1から13のいずれか1項に記載の製剤。
【請求項20】
硫酸ナトリウムを含む、請求項1から13のいずれか1項に記載の製剤。
【請求項21】
硫酸アンモニウムを含む、請求項1から13のいずれか1項に記載の製剤。
【請求項22】
硫酸マグネシウムを含む、請求項1から13のいずれか1項に記載の製剤。
【請求項23】
クエン酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、硫酸アンモニウム、硫酸マグネシウム、またはそれらの組み合わせを含む、請求項1から13のいずれか1項に記載の製剤。
【請求項24】
前記製剤は、約10mM、約20mM、約30mM、約40mM、約50mM、約60mM、約70mM、約80mM、約90mM、約100mM、約120mM、約140mM、約150mM、または約200mMの硫酸ナトリウムを含む、請求項1から13のいずれか1項に記載の製剤。
【請求項25】
pHが約6.5~8.0である、請求項1から24のいずれか1項に記載の製剤。
【請求項26】
pHが約7.2~7.8である、請求項25に記載の製剤。
【請求項27】
pHが約7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、または7.8である、請求項25に記載の製剤。
【請求項28】
pHが約7.5である、請求項25に記載の製剤。
【請求項29】
約50mM~約400mMの糖を含む、請求項1から28のいずれか1項に記載の製剤。
【請求項30】
約50mM~約350mM、約50mM~約300mM、約50mM~約250mM、約50mM~約200mM、または約50mM~約150mMの糖を含む、請求項29に記載の製剤。
【請求項31】
約100mM~約400mM、約150mM~約400mM、約200mM~約400mM、約250mM~約400mM、または約300mM~約400mMの糖を含む、請求項29に記載の製剤。
【請求項32】
約100mM~約300mM、約150mM~約250mM、約200mM~約300mM、または約250mM~約350mMの糖を含む、請求項29に記載の製剤。
【請求項33】
約50mM、約100mM、約150mM、約160mM、約170mM、約180mM、約190mM、約200mM、約210mM、約220mM、約230mM、約240mM、約250mM、約260mM、約270mM、約280mM、約290mM、約300mM、または約350mMの糖を含む、請求項29に記載の製剤。
【請求項34】
約190mM~約230mM、約170mM~約250mM、または約150mM~約270mMの糖を含む、請求項29に記載の製剤。
【請求項35】
約210mMの糖を含む、請求項29に記載の製剤。
【請求項36】
前記糖は、非還元糖である、請求項1から35のいずれか1項に記載の製剤。
【請求項37】
前記非還元糖は、スクロース、トレハロース、またはラフィノースである、請求項36に記載の製剤。
【請求項38】
前記非還元糖は、スクロースである、請求項36に記載の製剤。
【請求項39】
前記糖は、還元糖である、請求項1から35のいずれか1項に記載の製剤。
【請求項40】
前記還元糖は、グルコース、フルクトース、マンノース、ガラクトース、またはラクトースである、請求項39に記載の製剤。
【請求項41】
約100mM未満のクエン酸ナトリウムを含む、請求項1から40のいずれか1項に記載の製剤。
【請求項42】
約10mM~約100mMのクエン酸ナトリウムを含む、請求項41に記載の製剤。
【請求項43】
約10mM~約100mM、約20mM~約100mM、約30mM~約100mM、約40mM~約100mM、約50mM~約100mM、約10mM~約80mM、約10mM~約60mM、約10mM~約50mM、約10mM~約40mM、または約10mM~約30mMのクエン酸ナトリウムを含む、請求項41に記載の製剤。
【請求項44】
約10mM~約50mM、約20mM~約60mM、約30mM~約70mM、または約10mM~約30mMのクエン酸ナトリウムを含む、請求項41に記載の製剤。
【請求項45】
約10mM、約20mM、約30mM、約40mM、約50mM、または約60mMのクエン酸ナトリウムを含む、請求項41に記載の製剤。
【請求項46】
約20mMのクエン酸ナトリウムを含む、請求項41に記載の製剤。
【請求項47】
さらに、約0.0005%~約0.01%の非イオン性界面活性剤を含む、請求項1から46のいずれか1項に記載の製剤。
【請求項48】
約0.002%の非イオン性界面活性剤を含む、請求項47に記載の製剤。
【請求項49】
前記非イオン性界面活性剤は、ポロキサマー188、ポロキサマー407、ポリソルベート80、ポリソルベート20、Pluronic F-68、またはBRIJ 35を含む、請求項46または請求項47に記載の製剤。
【請求項50】
前記非イオン性界面活性剤は、ポロキサマー188を含む、請求項49に記載の製剤。
【請求項51】
組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)粒子と、ならびに
a)約1mM~約25mMのTris、
b)約50mM~約400mMの糖、
c)約10mM~約100mMのクエン酸ナトリウム、及び
d)約0.0005%~約0.01%の非イオン性界面活性剤と
を含む、安定製剤であって、
pHが約7.2~約7.8である、前記製剤。
【請求項52】
組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)粒子と、ならびに
a)約2mM~約10mMのTris、
b)約150mM~約250mMの糖、
c)約10mM~約20mMのクエン酸ナトリウム、及び
d)約0.001%~約0.005%の非イオン性界面活性剤と
を含む、安定製剤であって、
pHが約7.2~約7.8である、前記製剤。
【請求項53】
組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)粒子と、ならびに
a)約5mMのTris、
b)約210mMの糖、
c)約20mMのクエン酸ナトリウム、及び
d)約0.002%の非イオン性界面活性剤と
を含む、安定製剤であって、
pHが約7.5である、前記製剤。
【請求項54】
前記糖は、非還元糖である、請求項51から53のいずれか1項に記載の製剤。
【請求項55】
前記非還元糖は、スクロース、トレハロース、またはラフィノースである、請求項54に記載の製剤。
【請求項56】
前記非還元糖は、スクロースである、請求項55に記載の製剤。
【請求項57】
組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)粒子と、ならびに
a)約5mMのTris、
b)約210mMのスクロース、
c)約20mMのクエン酸ナトリウム、及び
d)約0.002%(w/v)のポロキサマー188と
を含む、安定製剤。
【請求項58】
組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)粒子と、ならびに
a)約5mMのTris、
b)約210mMのスクロース、
c)約20mMのクエン酸ナトリウム、
d)約0.002%(w/v)のポロキサマー188、及び
e)約0.25%(w/v)のグリセロールと
を含む、安定製剤。
【請求項59】
組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)粒子と、ならびに
a)約5mMのTris、
b)約210mMのスクロース、
c)約20mMのクエン酸ナトリウム、
d)約0.002%(w/v)のポロキサマー188、及び
e)約0.5%(w/v)ソルビトールと
を含む、安定製剤。
【請求項60】
組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)粒子と、ならびに
a)約5mMのTris、
b)約30mMの硫酸ナトリウム、
c)約263mMのスクロース、及び
d)約0.005%(w/v)のポロキサマー188と
を含む、安定製剤。
【請求項61】
凍結乾燥に適している、請求項1から60のいずれか1項に記載の製剤。
【請求項62】
pHが約7.5である、請求項1から61のいずれか1項に記載の製剤。
【請求項63】
pHが約7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、または7.8である、請求項1から61のいずれか1項に記載の製剤。
【請求項64】
pHが約7.1である、請求項1から61のいずれか1項に記載の製剤。
【請求項65】
pHが約6.5~8.0である、請求項1から61のいずれか1項に記載の製剤。
【請求項66】
pHが約7.2~約7.8である、請求項1から61のいずれか1項に記載の製剤。
【請求項67】
約1.0E+11ゲノムコピー/mL(GC/mL)~約1.0E+15GC/mLのrAAV粒子を含む、請求項1から66のいずれか1項に記載の製剤。
【請求項68】
約1.0E+11GC/mL、約1.0E+12GC/mL、約1.0E+13GC/mL、約1.0E+14GC/mL、または約1.0E+15GC/mLのrAAV粒子を含む、請求項67に記載の製剤。
【請求項69】
前記rAAV粒子は、AAV1、AAV2、AAV3、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、AAV9、AAV10、AAV-11、AAV-12、AAV-13、AAV-14、AAV-15及びAAV-16、rAAV.rh8、rAAV.rh10、rAAV.rh20、rAAV.rh39、rAAV.Rh74、rAAV.RHM4-1、AAV.hu37、rAAV.Anc80、rAAV.Anc80L65、rAAV.7m8、rAAV.PHP.B、rAAV2.5、rAAV2tYF、rAAV3B、rAAV.LK03、AAV.HSC1、AAV.HSC2、AAV.HSC3、AAV.HSC4、AAV.HSC5、AAV.HSC6、AAV.HSC7、AAV.HSC8、AAV.HSC9、AAV.HSC10、AAV.HSC11、AAV.HSC12、AAV.HSC13、AAV.HSC14、AAV.HSC15、またはAAV.HSC16のカプシドタンパク質を含む、請求項1から68のいずれか1項に記載の製剤。
【請求項70】
前記rAAV粒子は、AAV-8またはAAV-9血清型のカプシドタンパク質を含む、請求項69に記載の製剤。
【請求項71】
さらに、グリセロールまたはソルビトールからなる群より選択される安定剤を含む、請求項1から70のいずれか1項に記載の製剤。
【請求項72】
さらに、グリセロールを含む、請求項1から70のいずれか1項に記載の製剤。
【請求項73】
約0.1%~約5%のグリセロールを含む、請求項1から70のいずれか1項に記載の製剤。
【請求項74】
約0.1%~約2%のグリセロールを含む、請求項1から70のいずれか1項に記載の製剤。
【請求項75】
約0.25%~約2%のグリセロールを含む、請求項1から70のいずれか1項に記載の製剤。
【請求項76】
マンニトールを含まない、請求項1から70のいずれか1項に記載の製剤。
【請求項77】
150mM、100mM、50mM、20mM、または10mM未満のマンニトールを含む、請求項1から70のいずれか1項に記載の製剤。
【請求項78】
前凍結乾燥製剤である、請求項1から77のいずれか1項に記載の製剤。
【請求項79】
残存水分量が約1%~約7%である、請求項に記載の製剤。
【請求項80】
前記残存水分量は、約1%~約7%、約2%~約7%、約3%~約7%、約4%~約7%、約5%~約7%、約1%~約6%、約1%~約5%、約1%~約4%、または約1%~約3%である、請求項79に記載の製剤。
【請求項81】
前記残存水分量は、約3%~約7%、約3%~約6%、または約3%~約5%である、請求項79に記載の製剤。
【請求項82】
前記残存水分量は、約3%、約3.5%、約4%、約4.5%、約5%、約5.5%、または約6%である、請求項79に記載の製剤。
【請求項83】
前記水分量は、約1%~約2%である、請求項79に記載の製剤。
【請求項84】
前記水分量は、約1.5%、約1.4%、約1.3%、約1.2%、または約1.1%である、請求項79に記載の製剤。
【請求項85】
前記水分量は、約1%である、請求項79に記載の製剤。
【請求項86】
前記製剤の凍結乾燥ケーキのガラス転移温度(Tg)は、35℃より高い、請求項1から78のいずれか1項に記載の製剤。
【請求項87】
前記製剤の最大凍結濃縮溶液のガラス転移温度(Tg’)は、-40℃より高い、請求項1から78のいずれか1項に記載の製剤。
【請求項88】
前記rAAV粒子の相対効力%は、前記製剤を室温で3ヶ月間貯蔵した後、少なくとも約60%、少なくとも約70%、または少なくとも約80%であり、ただし参照rAAV粒子は、0.001%ポロキサマー188緩衝剤を含むDPBS中、-70℃で貯蔵されている、請求項1から78のいずれか1項に記載の製剤。
【請求項89】
前記rAAV粒子の相対効力%は、前記製剤を室温で6ヶ月間貯蔵した後、少なくとも約60%、少なくとも約70%、または少なくとも約80%であり、ただし参照rAAV粒子は、0.001%ポロキサマー188緩衝剤を含むダルベッコリン酸緩衝食塩水(DPBS)中、-70℃で貯蔵されている、請求項1から78のいずれか1項に記載の製剤。
【請求項90】
前記rAAV粒子の相対効力%は、前記製剤を35℃で1週間貯蔵した後、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、または少なくとも60%であり、ただし参照rAAV粒子は、0.001%ポロキサマー188緩衝剤を含むDPBS中、-70℃で貯蔵されている、請求項1から78のいずれか1項に記載の製剤。
【請求項91】
前記rAAV粒子の相対効力%は、前記製剤を35℃で2週間貯蔵した後、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、または少なくとも60%であり、ただし参照rAAV粒子は、0.001%ポロキサマー188緩衝剤を含むDPBS中、-70℃で貯蔵されている、請求項1から78のいずれか1項に記載の製剤。
【請求項92】
前記rAAV粒子の相対効力%は、前記製剤を35℃で4週間貯蔵した後、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、または少なくとも60%であり、ただし参照rAAV粒子は、0.001%ポロキサマー188緩衝剤を含むDPBS中、-70℃で貯蔵される、請求項1から78のいずれか1項に記載の製剤。
【請求項93】
前記製剤は、貯蔵前に凍結乾燥される、請求項87から92のいずれか1項に記載の製剤。
【請求項94】
前記凍結乾燥製剤は、貯蔵後に再構築される、請求項94に記載の製剤。
【請求項95】
前記rAAV粒子の相対効力%は、凍結乾燥直後、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、または少なくとも約99%である、請求項1から78のいずれか1項に記載の製剤。
【請求項96】
前記製剤のrAAV粒子凝集のレベルは、参照製剤中のrAAV粒子凝集のレベルと比較した場合に、約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、または約100%低下している、請求項1から78のいずれか1項に記載の製剤。
【請求項97】
前記製剤の安定性は、ベクターゲノム含有量またはウイルス力価アッセイにより評価され、前記製剤は、前記製剤を1日間、2日間、3日間、4日間、5日間、6日間、1週間、2週間、3週間、4週間、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、7ヶ月、8ヶ月、9ヶ月、10ヶ月、11ヶ月、1年間、2年間、または3年間貯蔵後、同じ条件下で貯蔵した参照製剤のゲノム含有量と比較した場合、前記ゲノム含有量が、少なくとも約5%、約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約100%、または約200%多い、請求項1から78のいずれか1項に記載の製剤。
【請求項98】
前記製剤の安定性は、前記製剤の相対効力を測定することにより評価され、前記製剤は、前記製剤を1日間、2日間、3日間、4日間、5日間、6日間、1週間、2週間、3週間、4週間、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、7ヶ月、8ヶ月、9ヶ月、10ヶ月、11ヶ月、1年間、2年間、または3年間貯蔵後、同じ条件下で貯蔵した参照製剤のゲノム含有量と比較した場合、前記相対効力が、少なくとも約5%、約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約100%、または約200%高い、請求項1から78のいずれか1項に記載の製剤。
【請求項99】
前記製剤の安定性は、感染力の低下により評価され、前記製剤は、前記製剤を1日間、2日間、3日間、4日間、5日間、6日間、1週間、2週間、3週間、4週間、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、7ヶ月、8ヶ月、9ヶ月、10ヶ月、11ヶ月、1年間、2年間、または3年間貯蔵後、同じ条件下で貯蔵した参照製剤の感染力の低下と比較した場合、前記感染力の低下が、少なくとも約5%、約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約100%、または約200%少ない、請求項1から78のいずれか1項に記載の製剤。
【請求項100】
前記製剤の安定性は、rAAVゲノム放出により評価され、前記rAAVゲノム放出は、DNA特異的蛍光染色の存在下で相対蛍光を測定することにより特定され、及び前記製剤は、前記製剤を1日間、2日間、3日間、4日間、5日間、6日間、1週間、2週間、3週間、4週間、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、7ヶ月、8ヶ月、9ヶ月、10ヶ月、11ヶ月、1年間、2年間、または3年間貯蔵後、同じ条件下で貯蔵した参照製剤の相対蛍光レベルと比較した場合、前記相対蛍光レベルが、少なくとも約5%、約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約100%、または約200%低い、請求項1から78のいずれか1項に記載の製剤。
【請求項101】
前記製剤は、貯蔵前に凍結乾燥される、請求項97から100のいずれか1項に記載の製剤。
【請求項102】
前記凍結乾燥製剤は、貯蔵後に再構築される、請求項101に記載の製剤。
【請求項103】
前記製剤は、-80℃、-70℃、-20℃、4℃、20℃、25℃、30℃、35℃、または40℃で貯蔵される、請求項97から102のいずれか1項に記載の製剤。
【請求項104】
前記参照製剤は、0.001%のポロキサマー188緩衝剤を含むDPBSである、請求項96から103のいずれか1項に記載の製剤。
【請求項105】
前記参照製剤は、糖を含まない製剤である、請求項96から104のいずれか1項に記載の製剤。
【請求項106】
前記参照製剤は、可塑剤を含まない製剤である、請求項96から105のいずれか1項に記載の製剤。
【請求項107】
前記製剤は、凍結乾燥のプロセスにおいて、約-20℃の温度に凍結される、請求項1から106のいずれか1項に記載の製剤。
【請求項108】
凍結製剤は、-20℃に凍結されるときに、pHを約pH6~約pH9に維持する、請求項1から107のいずれか1項に記載の製剤。
【請求項109】
凍結製剤は、-20℃で凍結される場合に、pH値を凍結前のpH値のプラスまたはマイナス1単位の範囲内に維持する、請求項1から107のいずれか1項に記載の製剤。
【請求項110】
凍結乾燥用のrAAVの安定化水性製剤である、請求項1から109のいずれか1項に記載の製剤。
【請求項111】
組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)粒子を含む安定製剤の製造法であって、rAAV粒子を、請求項1から108のいずれか1項に記載の製剤の緩衝剤、糖、塩、任意選択で可塑剤、及び任意選択で非イオン性界面活性剤と混合し、それによりrAAVを含む前記製剤を製造することを含む、前記方法。
【請求項112】
rAAV粒子からのrAAVゲノム放出の減少法であって、rAAV粒子、緩衝剤、糖、塩、及び任意選択で非イオン性界面活性剤を含む製剤を製造することを含み、3回の凍結融解サイクル後の前記rAAV粒子からのrAAVゲノム放出は、前記糖を含まない製剤におけるrAAVゲノム放出に比べて減少している、前記方法。
【請求項113】
rAAV粒子からのrAAVゲノム放出の減少法であって、rAAV粒子、緩衝剤、糖、塩、及び任意選択で非イオン性界面活性剤を含む製剤を製造することを含み、凍結乾燥及び再構築後の前記rAAV粒子からのrAAVゲノム放出は、前記糖を含まない製剤におけるrAAVゲノム放出に比べて減少している、前記方法。
【請求項114】
さらに、前記製剤を凍結乾燥させて、残存水分量を約1%~約5%にすることを含む、請求項112または113に記載の方法。
【請求項115】
rAAV粒子からのrAAVゲノム放出の減少法であって、rAAV粒子、緩衝剤、糖、塩、可塑剤、及び任意選択で非イオン性界面活性剤を含む製剤を製造することを含み、3回の凍結融解サイクル後の前記rAAV粒子からのrAAVゲノム放出は、前記糖を含まない製剤におけるrAAVゲノム放出に比べて減少している、前記方法。
【請求項116】
rAAV粒子からのrAAVゲノム放出の減少法であって、rAAV粒子、緩衝剤、糖、塩、可塑剤、及び任意選択で非イオン性界面活性剤を含む製剤を製造することを含み、凍結乾燥及び再構築後の前記rAAV粒子からのrAAVゲノム放出は、前記糖を含まない製剤におけるrAAVゲノム放出に比べて減少している、前記方法。
【請求項117】
rAAV粒子からのrAAVゲノム放出を減少させるための糖の使用であって、rAAV粒子、緩衝剤、糖、塩、及び任意選択で非イオン性界面活性剤を含む製剤を製造することを含み、3回の凍結融解サイクル後の前記rAAV粒子からのrAAVゲノム放出は、前記糖を含まない製剤におけるrAAVゲノム放出に比べて減少している、前記使用。
【請求項118】
rAAV粒子からのrAAVゲノム放出を減少させるための糖の使用であって、rAAV粒子、緩衝剤、糖、塩、及び任意選択で非イオン性界面活性剤を含む製剤を製造することを含み、凍結乾燥及び再構築後の前記rAAV粒子からのrAAVゲノム放出は、前記糖を含まない製剤におけるrAAVゲノム放出に比べて減少している、前記使用。
【請求項119】
さらに、前記製剤を凍結乾燥させて、残存水分量を約1%~約7%にすることを含む、請求項117または118に記載の使用。
【請求項120】
rAAV粒子からのrAAVゲノム放出を減少させるための可塑剤の使用であって、rAAV粒子、緩衝剤、糖、塩、可塑剤、及び任意選択で非イオン性界面活性剤を含む製剤を製造することを含み、3回の凍結融解サイクル後の前記rAAV粒子からのrAAVゲノム放出は、前記糖を含まない製剤におけるrAAVゲノム放出に比べて減少している、前記使用。
【請求項121】
rAAV粒子からのrAAVゲノム放出を減少させるための可塑剤の使用であって、rAAV粒子、緩衝剤、糖、塩、可塑剤、及び任意選択で非イオン性界面活性剤を含む製剤を製造することを含み、凍結乾燥及び再構築後の前記rAAV粒子からのrAAVゲノム放出は、前記糖を含まない製剤におけるrAAVゲノム放出に比べて減少している、前記使用。
【請求項122】
rAAVゲノム放出は、DNA特異的蛍光染色の存在下で相対蛍光を測定することにより特定される、請求項112から116のいずれか1項に記載の方法または請求項117から121のいずれか1項に記載の使用。
【請求項123】
凍結により誘導されるrAAVゲノム放出は、少なくとも約10%、20%、50%、80%、または90%減少している、請求項112から116及び122のいずれか1項に記載の方法または請求項117から121のいずれか1項に記載の使用。
【請求項124】
凍結により誘導されるrAAVゲノム放出は、実質的に排除されている、請求項112から116及び122のいずれか1項に記載の方法または請求項117から121のいずれか1項に記載の使用。
【請求項125】
前記糖は、非還元糖である、請求項112から116及び122から124のいずれか1項に記載の方法または請求項117から124のいずれか1項に記載の使用。
【請求項126】
前記非還元糖は、スクロース、トレハロース、またはラフィノースである、請求項125に記載の方法または請求項125に記載の使用。
【請求項127】
前記非還元糖は、スクロースである、請求項125に記載の方法または請求項125に記載の使用。
【請求項128】
前記糖は、還元糖である、請求項112から116及び122から124のいずれか1項に記載の方法または請求項117から124のいずれか1項に記載の使用。
【請求項129】
還元糖は、グルコース、フルクトース、マンノース、ガラクトース、またはラクトースである、請求項122に記載の方法または請求項122に記載の使用。
【請求項130】
前記還元糖は、ブドウ糖である、請求項128に記載の方法または請求項128に記載の使用。
【請求項131】
前記可塑剤は、グリセロールを含む、請求項111から117及び122から130のいずれか1項に記載の方法または請求項82から105のいずれか1項に記載の使用。
【請求項132】
前記製剤は、請求項1から110のいずれか1項に記載のものである、請求項111から117及び122から131のいずれか1項に記載の方法または請求項82から106のいずれか1項に記載の使用。
【請求項133】
rAAV産物の安定凍結乾燥製剤の製造法であって、前凍結乾燥された製剤を凍結乾燥に供する工程を含み、前凍結乾燥された製剤は、請求項1から110のいずれか1項に記載のものである、前記方法。
【請求項134】
疾患の治療または予防法であって、それを必要とする対象に、再構築された安定凍結乾燥製剤であるrAAV製剤を治療上有効量で投与することを含み、前記安定凍結乾燥製剤の前凍結乾燥された製剤は、請求項1から110のいずれか1項に記載のものである、前記方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
1.関連出願の相互参照
本出願は、米国仮特許出願第62/836,115号、出願日2019年4月19日、の優先権を主張し、これはそのまま全体が本明細書中参照として援用される。
【0002】
電子提出される配列表の参照
本出願は、テキストファイルとして本出願とともに提出される配列表を参照により組み込み、このテキストファイルは、ファイル名「12656-131-228_Sequence_Listing.txt」、作成日2020年4月16日、及びファイルサイズ70,092バイトである。
【0003】
2.導入部
組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)産物の安定製剤及びその製剤化法が記載される。本製剤及び方法は、様々な疾患及び障害を治療するために治療用rAAV産物をヒト対象に送達するのに適している。
【背景技術】
【0004】
3.発明の背景
組換えアデノ随伴ウイルス(AAV)を利用したベクターは、開発中の遺伝子治療製品の中で現在最も広く用いられているものである。rAAVベクターシステムが使用に好適であるのは、部分的には、野生型ウイルスに付随する疾患が付随しないこと、分裂細胞だけでなく非分裂細胞にも形質導入するAAVの能力、及び臨床試験では長期の堅牢な導入遺伝子発現という結果が観察され、このことが、遺伝子治療適応症において送達の大きな可能性を示していることによる。また、天然及び組換えのrAAVベクターは、血清型が異なることで、異なる組織、臓器、及び細胞を特異的に標的とし、しかもベクターに対するいずれかの既存の免疫から逃れる助けとなることから、AAVを利用した遺伝子療法の治療用途は拡大している。
【0005】
AAV産物は、安全性及び有効性を実証するだけでなく、製造、輸送、貯蔵、及び投与中、安定を保ちかつ強力であり続けなければならない。どのような医薬品であれ、それを商品化する場合、輸送またはた貯蔵の必要条件が、周辺温度であるのか、冷蔵条件下であるのか、または凍結条件下であるのかにかかわらず、長期間の安定性を提供する製剤を同定することが有利であると思われる。rAAV産物の場合、製剤は、様々な条件により導入されるストレスに耐えることができ、それでもなお製品の品質を維持することができなくてはならない。すなわち、組換えAAV粒子を含む改善された製剤が必要とされている。
【発明の概要】
【0006】
本開示は、組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)粒子と、ならびに緩衝剤、凍結保護及び凍結乾燥保護賦形剤、及び非晶質塩とを含む、製剤を提供する。実施形態によっては、本明細書中提供されるのは、組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)粒子と、ならびに緩衝剤、糖、及び非晶質塩とを含む、安定製剤である。実施形態によっては、当該製剤は、凍結乾燥に適している。
【0007】
実施形態によっては、緩衝剤は、Tris、スクロース、及び約100mM未満のクエン酸ナトリウムを含む。実施形態によっては、製剤は、さらに、非イオン性界面活性剤、例えば、ポロキサマー188を含む。実施形態によっては、製剤は、さらに、可塑剤または安定剤、例えば、グリセロールを含む。実施形態によっては、rAAVは、AAV1、AAV2、AAV3、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、AAV9、AAV10、AAV-11、AAV-12、AAV-13、AAV-14、AAV-15及びAAV-16、rAAV.rh8、rAAV.rh10、rAAV.rh20、rAAV.rh39、rAAV.Rh74、rAAV.RHM4-1、AAV.hu37、rAAV.Anc80、rAAV.Anc80L65、rAAV.7m8、rAAV.PHP.B、rAAV2.5、rAAV2tYF、rAAV3B、rAAV.LK03、AAV.HSC1、AAV.HSC2、AAV.HSC3、AAV.HSC4、AAV.HSC5、AAV.HSC6、AAV.HSC7、AAV.HSC8、AAV.HSC9、AAV.HSC10、AAV.HSC11、AAV.HSC12、AAV.HSC13、AAV.HSC14、AAV.HSC15、またはAAV.HSC16のカプシドタンパク質を含む。実施形態によっては、rAAVは、AAV-8またはAAV-9血清型のカプシドタンパク質を含む。
【0008】
本開示は、組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)粒子と、ならびに緩衝剤、糖、及びクエン酸ナトリウムを含む塩とを含む、製剤を提供する。実施形態によっては、緩衝剤は、Tris、スクロース、及び約100mM未満のクエン酸ナトリウムを含む。実施形態によっては、製剤は、さらに、非イオン性界面活性剤、例えば、ポロキサマー188を含む。実施形態によっては、製剤は、さらに、可塑剤または安定剤、例えば、グリセロールを含む。実施形態によっては、rAAVは、AAV1、AAV2、AAV3、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、AAV9、AAV10、AAV-11、AAV-12、AAV-13、AAV-14、AAV-15及びAAV-16、rAAV.rh8、rAAV.rh10、rAAV.rh20、rAAV.rh39、rAAV.Rh74、rAAV.RHM4-1、AAV.hu37、rAAV.Anc80、rAAV.Anc80L65、rAAV.7m8、rAAV.PHP.B、rAAV2.5、rAAV2tYF、rAAV3B、rAAV.LK03、AAV.HSC1、AAV.HSC2、AAV.HSC3、AAV.HSC4、AAV.HSC5、AAV.HSC6、AAV.HSC7、AAV.HSC8、AAV.HSC9、AAV.HSC10、AAV.HSC11、AAV.HSC12、AAV.HSC13、AAV.HSC14、AAV.HSC15、またはAAV.HSC16のカプシドタンパク質を含む。実施形態によっては、rAAVは、AAV-8またはAAV-9血清型のカプシドタンパク質を含む。
【0009】
実施形態によっては、製剤は、凍結乾燥に適している。実施形態によっては、医薬組成物は、本明細書中開示される液体組成物を凍結乾燥させた組成物である。実施形態によっては、医薬組成物は、再構築された凍結乾燥製剤である。
【0010】
実施形態によっては、製剤は、液剤である。実施形態によっては、製剤は、凍結製剤である。実施形態によっては、製剤は、本明細書中開示される液剤を凍結乾燥させた製剤である。実施形態によっては、製剤は、再構築された凍結乾燥製剤である。
【0011】
実施形態によっては、製剤は、残存水分量が約1%~約7%である凍結乾燥製剤である。
【0012】
本開示は、組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)粒子を含む安定製剤の製造法も提供する。
【0013】
本開示は、rAAV粒子からのrAAVゲノム放出の減少法も提供する。
【0014】
本開示は、rAAV粒子からのrAAVゲノム放出を減少させるための糖の使用も提供する。
【0015】
本開示は、rAAV粒子からのrAAVゲノム放出を減少させるための可塑剤の使用も提供する。
【0016】
本開示は、疾患または障害の治療を必要としている対象における疾患または障害の治療法も提供し、本方法は、本明細書中開示される組換えAAV粒子を含む製剤を投与することを含む。
【0017】
実施形態によっては、本開示は、以下を提供する:
[1]組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)粒子と、ならびに
a)緩衝剤、
b)糖、及び
c)クエン酸ナトリウムを含む塩と
を含む、安定製剤。
【0018】
[2]前記緩衝剤は、約1mM~約50mMのTrisを含む、[1]に記載の製剤。
【0019】
[3]約1mM~約30mM、約1mM~約20mM、約5mM~約30mM、約5mM~約20mM、約10mM~約30mM、約10mM~約20mM、または約20mM~約50mMのTrisを含む、[2]に記載の製剤。
【0020】
[4]約1mM、約2mM、約3mM、約5mM、約10mM、約15mM、約20mM、約25mM、約30mM、または約40mMのTrisを含む、[2]に記載の製剤。
【0021】
[5]約5mMのTrisを含む、[2]に記載の製剤。
【0022】
[6]pHが約6.5~8.0である、[1]から[4]のいずれか1つに記載の製剤。
【0023】
[7]pHが約7.2~7.8である、[6]に記載の製剤。
【0024】
[8]pHが約7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、または7.8である、[6]に記載の製剤。
【0025】
[9]pHが約7.5である、[6]に記載の製剤。
【0026】
[10]約50mM~約400mMの糖を含む、[1]から[9]のいずれか1つに記載の製剤。
【0027】
[11]約50mM~約350mM、約50mM~約300mM、約50mM~約250mM、約50mM~約200mM、または約50mM~約150mMの糖を含む、[10]に記載の製剤。
【0028】
[12]約100mM~約400mM、約150mM~約400mM、約200mM~約400mM、約250mM~約400mM、または約300mM~約400mMの糖を含む、[10]に記載の製剤。
【0029】
[13]約100mM~約300mM、約150mM~約250mM、約200mM~約300mM、または約250mM~約350mMの糖を含む、[10]に記載の製剤。
【0030】
[14]約50mM、約100mM、約150mM、約160mM、約170mM、約180mM、約190mM、約200mM、約210mM、約220mM、約230mM、約240mM、約250mM、約260mM、約270mM、約280mM、約290mM、約300mM、または約350mMの糖を含む、[10]に記載の製剤。
【0031】
[15]約190mM~約230mM、約170mM~約250mM、または約150mM~約270mMの糖を含む、[10]に記載の製剤。
【0032】
[16]約210mMの糖を含む、[10]に記載の製剤。
【0033】
[17]前記糖は、非還元糖である、[1]から[16]のいずれか1つに記載の製剤。
【0034】
[18]前記非還元糖は、スクロース、トレハロース、またはラフィノースである、[17]に記載の製剤。
【0035】
[19]前記非還元糖は、スクロースである、[17]に記載の製剤。
【0036】
[20]前記糖は、還元糖である、[1]から[16]のいずれか1つに記載の製剤。
【0037】
[21]前記還元糖は、グルコース、フルクトース、マンノース、ガラクトース、またはラクトースである、[20]に記載の製剤。
【0038】
[22]前記還元糖は、ブドウ糖である、[20]に記載の製剤。
【0039】
[23]約100mM未満のクエン酸ナトリウムを含む、[1]から[22]のいずれか1つに記載の製剤。
【0040】
[24]約10mM~約100mMのクエン酸ナトリウムを含む、[23]に記載の製剤。
【0041】
[25]約10mM~約100mM、約20mM~約100mM、約30mM~約100mM、約40mM~約100mM、約50mM~約100mM、約10mM~約80mM、約10mM~約60mM、約10mM~約50mM、約10mM~約40mM、または約10mM~約30mMのクエン酸ナトリウムを含む、[23]に記載の製剤。
【0042】
[26]約10mM~約50mM、約20mM~約60mM、約30mM~約70mM、または約10mM~約30mMのクエン酸ナトリウムを含む、[23]に記載の製剤。
【0043】
[27]約10mM、約20mM、約30mM、約40mM、約50mM、または約60mMのクエン酸ナトリウムを含む、[23]に記載の製剤。
【0044】
[28]約20mMのクエン酸ナトリウムを含む、[23]に記載の製剤。
【0045】
[29]さらに、約0.0005%~約0.01%の非イオン性界面活性剤を含む、[1]から[28]のいずれか1つに記載の製剤。
【0046】
[30]約0.002%の非イオン性界面活性剤を含む、[29]に記載の製剤。
【0047】
[31]前記非イオン性界面活性剤は、ポロキサマー188、ポロキサマー407、ポリソルベート80、ポリソルベート20、Pluronic F-68、またはBRIJ 35を含む、[28]または[29]に記載の製剤。
【0048】
[32]前記非イオン性界面活性剤は、ポロキサマー188を含む、[31]に記載の製剤。
【0049】
[33]組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)粒子と、ならびに
a)約1mM~約25mMのTris、
b)約50mM~約400mMの糖、
c)約10mM~約100mMのクエン酸ナトリウム、及び
d)約0.0005%~約0.01%の非イオン性界面活性剤と
を含む、安定製剤であって、
pHが約7.2~約7.8である、前記製剤。
【0050】
[34]組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)粒子と、ならびに
a)約2mM~約10mMのTris、
b)約150mM~約250mMの糖、
c)約10mM~約20mMのクエン酸ナトリウム、及び
d)約0.001%~約0.005%の非イオン性界面活性剤と
を含む、安定製剤であって、
pHが約7.2~約7.8である、前記製剤。
【0051】
[35]組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)粒子と、ならびに
a)約5mMのTris、
b)約210mMの糖、
c)約20mMのクエン酸ナトリウム、及び
d)約0.002%の非イオン性界面活性剤と
を含む、安定製剤であって、
pHが約7.5である、前記製剤。
【0052】
[36]前記糖は、非還元糖である、[33]から[35]のいずれか1つに記載の製剤。
【0053】
[37]前記非還元糖は、スクロース、トレハロース、またはラフィノースである、[36]に記載の製剤。
【0054】
[38]前記非還元糖は、スクロースである、[17]に記載の製剤。
【0055】
[39]約1.0E+11ゲノムコピー/mL(GC/mL)及び約1.0E+15GC/mLのrAAV粒子を含む、[1]から[38]のいずれか1つに記載の製剤。
【0056】
[40]約1.0E+11GC/mL、約1.0E+12GC/mL、約1.0E+13GC/mL、約1.0E+14GC/mL、または約1.0E+15GC/mLのrAAV粒子を含む、[39]に記載の製剤。
【0057】
[41]前記rAAV粒子は、AAV1、AAV2、AAV3、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、AAV9、AAV10、AAV-11、AAV-12、AAV-13、AAV-14、AAV-15及びAAV-16、rAAV.rh8、rAAV.rh10、rAAV.rh20、rAAV.rh39、rAAV.Rh74、rAAV.RHM4-1、AAV.hu37、rAAV.Anc80、rAAV.Anc80L65、rAAV.7m8、rAAV.PHP.B、rAAV2.5、rAAV2tYF、rAAV3B、rAAV.LK03、AAV.HSC1、AAV.HSC2、AAV.HSC3、AAV.HSC4、AAV.HSC5、AAV.HSC6、AAV.HSC7、AAV.HSC8、AAV.HSC9、AAV.HSC10、AAV.HSC11、AAV.HSC12、AAV.HSC13、AAV.HSC14、AAV.HSC15、またはAAV.HSC16のカプシドタンパク質を含む、[1]から[40]のいずれか1つに記載の製剤。
【0058】
[42]前記rAAV粒子は、前記AAV-8またはAAV-9血清型のカプシドタンパク質を含む、[41]に記載の製剤。
【0059】
[43]さらに、グリセロール、キシリトール、ソルビトール、またはマンニトールからなる群より選択される可塑剤を含む、[1]から[42]のいずれか1つに記載の製剤。
【0060】
[44]さらに、グリセロールを含む、[1]から[42]のいずれか1つに記載の製剤。
【0061】
[45]約0.1%~約5%のグリセロールを含む、[44]に記載の製剤。
【0062】
[46]約0.1%~約2%のグリセロールを含む、[44]に記載の製剤。
【0063】
[47]約0.25%~約2%のグリセロールを含む、[44]に記載の製剤。
【0064】
[48]液剤である、[1]から[47]のいずれか1つに記載の製剤。
【0065】
[49]凍結製剤である、[1]から[47]のいずれか1つに記載の製剤。
【0066】
[50]凍結乾燥製剤または再構築された凍結乾燥製剤である、[1]から[47]のいずれか1つに記載の製剤。
【0067】
[51]残存水分量が約1%~約7%である、[50]に記載の製剤。
【0068】
[52]前記残存水分量は、約1%~約7%、約2%~約7%、約3%~約7%、約4%~約7%、約5%~約7%、約1%~約6%、約1%~約5%、約1%~約4%、または約1%~約3%である、[51]に記載の製剤。
【0069】
[53]前記残存水分量は、約3%~約7%、約3%~約6%、または約3%~約5%である、[51]に記載の製剤。
【0070】
[54]前記残存水分量は、約3%、約3.5%、約4%、約4.5%、約5%、約5.5%、または約6%である、[51]に記載の製剤。
【0071】
[55]前記rAAV粒子の相対効力%は、前記製剤を室温で3ヶ月間貯蔵した後、少なくとも約60%、少なくとも約70%、または少なくとも約80%であり、ただし参照rAAV粒子は、0.001%ポロキサマー188緩衝剤を含むダルベッコリン酸緩衝食塩水(DPBS)中、-70℃で貯蔵されている、[1]から[54]のいずれか1つに記載の製剤。
【0072】
[56]前記rAAV粒子の相対効力%は、前記製剤を室温で6ヶ月間貯蔵した後、少なくとも約60%、少なくとも約70%、または少なくとも約80%であり、ただし参照rAAV粒子は、0.001%ポロキサマー188緩衝剤を含むDPBS中、-70℃で貯蔵されている、[1]から[54]のいずれか1つに記載の製剤。
【0073】
[57]前記rAAV粒子の相対効力%は、前記製剤を35℃で1週間貯蔵した後、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、または少なくとも60%であり、ただし参照rAAV粒子は、0.001%ポロキサマー188緩衝剤を含むDPBS中、-70℃で貯蔵されている、[1]から[54]のいずれか1つに記載の製剤。
【0074】
[58]前記rAAV粒子の相対効力%は、前記製剤を35℃で2週間貯蔵した後、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、または少なくとも60%であり、ただし参照rAAV粒子は、0.001%ポロキサマー188緩衝剤を含むDPBS中、-70℃で貯蔵されている、[1]から[54]のいずれか1つに記載の製剤。
【0075】
[59]前記rAAV粒子の相対効力%は、前記製剤を35℃で4週間貯蔵した後、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、または少なくとも60%であり、ただし参照rAAV粒子は、0.001%ポロキサマー188緩衝剤を含むDPBS中、-70℃で貯蔵されている、[1]から[54]のいずれか1つに記載の製剤。
【0076】
[60]組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)粒子を含む安定製剤の製造法であって、rAAV粒子を、[1]から[47]のいずれか1つに記載の製剤の緩衝剤、糖、塩、任意選択で可塑剤、及び任意選択で非イオン性界面活性剤と混合し、それによりrAAVを含む前記製剤を製造することを含む、前記方法。
【0077】
[61]rAAV粒子からのrAAVゲノム放出の減少法であって、rAAV粒子、緩衝剤、糖、塩、及び任意選択で非イオン性界面活性剤を含む製剤を製造することを含み、3回の凍結融解サイクル後の前記rAAV粒子からのrAAVゲノム放出は、前記糖を含まない製剤におけるrAAVゲノム放出に比べて減少している、前記方法。
【0078】
[62]rAAV粒子からのrAAVゲノム放出の減少法であって、rAAV粒子、緩衝剤、糖、塩、及び任意選択で非イオン性界面活性剤を含む製剤を製造することを含み、凍結乾燥及び再構築後の前記rAAV粒子からのrAAVゲノム放出は、前記糖を含まない製剤におけるrAAVゲノム放出に比べて減少している、前記方法。
【0079】
[63]さらに、前記製剤を凍結乾燥させて、残存水分量を約1%~約5%にすることを含む、[61]または[62]に記載の製剤。
【0080】
[64]rAAV粒子からのrAAVゲノム放出の減少法であって、rAAV粒子、緩衝剤、糖、塩、可塑剤、及び任意選択で非イオン性界面活性剤を含む製剤を製造することを含み、3回の凍結融解サイクル後の前記rAAV粒子からのrAAVゲノム放出は、前記糖を含まない製剤におけるrAAVゲノム放出に比べて減少している、前記方法。
【0081】
[65]rAAV粒子からのrAAVゲノム放出の減少法であって、rAAV粒子、緩衝剤、糖、塩、可塑剤、及び任意選択で非イオン性界面活性剤を含む製剤を製造することを含み、凍結乾燥及び再構築後の前記rAAV粒子からのrAAVゲノム放出は、前記糖を含まない製剤におけるrAAVゲノム放出に比べて減少している、前記方法。
【0082】
[66]rAAV粒子からのrAAVゲノム放出を減少させるための糖の使用であって、rAAV粒子、緩衝剤、糖、塩、及び任意選択で非イオン性界面活性剤を含む製剤を製造することを含み、3回の凍結融解サイクル後の前記rAAV粒子からのrAAVゲノム放出は、前記糖を含まない製剤におけるrAAVゲノム放出に比べて減少している、前記使用。
【0083】
[67]rAAV粒子からのrAAVゲノム放出を減少させるための糖の使用であって、rAAV粒子、緩衝剤、糖、塩、及び任意選択で非イオン性界面活性剤を含む製剤を製造することを含み、凍結乾燥及び再構築後の前記rAAV粒子からのrAAVゲノム放出は、前記糖を含まない製剤におけるrAAVゲノム放出に比べて減少している、前記使用。
【0084】
[68]さらに、前記製剤を凍結乾燥させて、残存水分量を約1%~約7%にすることを含む、[66]または[67]に記載の使用。
【0085】
[69]rAAV粒子からのrAAVゲノム放出を減少させるための可塑剤の使用であって、rAAV粒子、緩衝剤、糖、塩、可塑剤、及び任意選択で非イオン性界面活性剤を含む製剤を製造することを含み、3回の凍結融解サイクル後の前記rAAV粒子からのrAAVゲノム放出は、前記糖を含まない製剤におけるrAAVゲノム放出に比べて減少している、前記方法。
【0086】
[70]rAAV粒子からのrAAVゲノム放出を減少させるための可塑剤の使用であって、rAAV粒子、緩衝剤、糖、塩、可塑剤、及び任意選択で非イオン性界面活性剤を含む製剤を製造することを含み、凍結乾燥及び再構築後の前記rAAV粒子からのrAAVゲノム放出は、前記糖を含まない製剤におけるrAAVゲノム放出に比べて減少している、前記使用。
【0087】
[71]rAAVゲノム放出は、DNA特異的蛍光染色の存在下で相対蛍光を測定することにより特定される、[61]から[65]のいずれか1つに記載の方法または[66]から[70]のいずれか1つに記載の使用。
【0088】
[72]凍結により誘導されるrAAVゲノム放出は、少なくとも約10%、20%、50%、80%、または90%減少している、[61]から[65]及び[71]のいずれか1つに記載の方法または[66]から[71]のいずれか1つに記載の使用。
【0089】
[73]凍結により誘導されるrAAVゲノム放出は、実質的に排除されている、[61]から[65]及び[71]のいずれか1つに記載の方法または[66]から[71]のいずれか1つに記載の使用。
【0090】
[74]前記糖は、非還元糖である、[61]から[65]及び[71]から[73]のいずれか1つに記載の方法または[66]から[73]のいずれか1つに記載の使用。
【0091】
[75]前記非還元糖は、スクロース、トレハロース、またはラフィノースである、[74]に記載の方法または[74]に記載の使用。
【0092】
[76]前記非還元糖は、スクロースである、[74]に記載の方法または[74]に記載の使用。
【0093】
[77]前記糖は、還元糖である、[61]から[65]及び[71]から[73]のいずれか1つに記載の方法または[66]から[73]のいずれか1つに記載の使用。
【0094】
[78]前記還元糖は、グルコース、フルクトース、マンノース、ガラクトース、またはラクトースである、[77]に記載の方法または[77]に記載の使用。
【0095】
[79]前記還元糖は、ブドウ糖である、[77]に記載の方法または[77]に記載の使用。
【0096】
[80]前記可塑剤は、グリセロールを含む、[61]から[65]及び[71]から[79]のいずれか1つに記載の方法または[66]から[79]のいずれか1つに記載の使用。
【0097】
[81]前記製剤は、[1]から[47]のいずれか1つに記載のものである、[61]から[65]及び[71]から[80]のいずれか1つに記載の方法または[66]から[80]のいずれか1つに記載の使用。
【0098】
実施形態によっては、本明細書中開示される方法は、組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)粒子を含む安定製剤を製造することを含み、当該rAAV粒子は、不純物を含む供給物(例えば、rAAV産生培養物)からrAAV粒子を単離することにより製造され、rAAV粒子を単離する当該方法は、1つまたは複数の処理工程を含む。実施形態によっては、処理は、細胞培養物の収集、収集した細胞培養物の清澄化(例えば、遠心または深層濾過による)、タンジェンシャルフロー濾過、アフィニティークロマトグラフィー、アニオン交換クロマトグラフィー、カチオン交換クロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィー、疎水的相互作用クロマトグラフィー、滅菌濾過のうちの少なくとも1つである。さらなる実施形態において、処理は、細胞培養物の収集、収集した細胞培養物の清澄化(例えば、遠心または深層濾過による)、タンジェンシャルフロー濾過、アフィニティークロマトグラフィー、アニオン交換クロマトグラフィー、カチオン交換クロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィー、疎水的相互作用クロマトグラフィー、及び滅菌濾過のうち少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、または少なくとも6つを含む。実施形態によっては、処理は、収集した細胞培養物の遠心を含まない。
【0099】
本開示は、単離組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)粒子を含む安定製剤を製造する方法を提供し、本方法は、(a)遠心、深層濾過、タンジェンシャルフロー濾過、限外濾過、アフィニティークロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、及び疎水的相互作用クロマトグラフィーのうち1つまたは複数により、不純物を含む供給物からrAAV粒子を単離すること、ならびに単離されたrAAV粒子を製剤化して安定製剤を製造すること、を含む。
【0100】
本開示は、単離組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)粒子を含む安定製剤の医薬単位剤形を製造する方法を提供し、本方法は、(a)遠心、深層濾過、タンジェンシャルフロー濾過、限外濾過、アフィニティークロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、及び疎水的相互作用クロマトグラフィーのうち1つまたは複数により、不純物を含む供給物からrAAV粒子を単離すること、ならびに単離されたrAAV粒子を製剤化すること、を含む。
【0101】
ある特定の実施形態において、本明細書中提供されるのは、組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)粒子と、ならびに
a)約5mMのTris、
b)約210mMのスクロース、
c)約20mMのクエン酸ナトリウム、及び
d)約0.002%(w/v)のポロキサマー188と
を含む、安定製剤である。
【0102】
ある特定の実施形態において、本明細書中提供されるのは、組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)粒子と、ならびに
a)約5mMのTris、
b)約210mMのスクロース、
c)約20mMのクエン酸ナトリウム、
d)約0.002%(w/v)のポロキサマー188、及び
e)約0.25%(w/v)のグリセロールと
を含む、安定製剤である。
【0103】
ある特定の実施形態において、本明細書中提供されるのは、組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)粒子と、ならびに
a)約5mMのTris、
b)約210mMのスクロース、
c)約20mMのクエン酸ナトリウム、
d)約0.002%(w/v)のポロキサマー188、及び
e)約0.5%(w/v)ソルビトールと
を含む、安定製剤である。
【0104】
ある特定の実施形態において、本明細書中提供されるのは、組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)粒子と、ならびに
a)約5mMのTris、
b)約30mMの硫酸ナトリウム、
c)約263mMのスクロース、及び
d)約0.005%(w/v)のポロキサマー188と
を含む、安定製剤である。
【0105】
ある特定の実施形態において、本明細書中提供されるのは、組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)粒子と、ならびに
a)Tris、
b)スクロース、
c)クエン酸ナトリウム、及び
d)ポロキサマー188と
を含む、安定製剤であり、
ただし当該製剤は、イオン強度が60mM~150mMである。
【0106】
ある特定の実施形態において、本明細書中提供されるのは、組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)粒子と、ならびに
a)Tris、
b)スクロース、
c)クエン酸ナトリウム、
d)ポロキサマー188、及び
e)グリセロールと
を含む、安定製剤であり、
ただし当該製剤は、イオン強度が60mM~150mMである。
【0107】
ある特定の実施形態において、本明細書中提供されるのは、組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)粒子と、ならびに
a)Tris、
b)スクロース、
c)クエン酸ナトリウム、
d)ポロキサマー188、及び
e)ソルビトールと
を含む、安定製剤であり、
ただし当該製剤は、イオン強度が60mM~150mMである。
【0108】
ある特定の実施形態において、本明細書中提供されるのは、組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)粒子と、ならびに
a)Tris、
b)硫酸ナトリウム、
c)スクロース、及び
d)ポロキサマー188と
を含む、安定製剤であり、
ただし当該製剤は、イオン強度が60mM~150mMである。
【0109】
ある特定の実施形態において、本明細書中提供されるのは、組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)粒子と、ならびに
a)約5mMのTris、
b)約210mMのスクロース、
c)約20mMのクエン酸ナトリウム、及び
d)約0.002%(w/v)のポロキサマー188と
を含む、安定製剤である。
【0110】
ある特定の実施形態において、本明細書中提供されるのは、組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)粒子と、ならびに
a)約5mMのTris、
b)約210mMのスクロース、
c)約20mMのクエン酸ナトリウム、
d)約0.002%(w/v)のポロキサマー188、及び
e)約0.25%(w/v)のグリセロールと
を含む、安定製剤である。
【0111】
ある特定の実施形態において、本明細書中提供されるのは、組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)粒子と、ならびに
a)約5mMのTris、
b)約210mMのスクロース、
c)約20mMのクエン酸ナトリウム、
d)約0.002%(w/v)のポロキサマー188、及び
e)約0.5%(w/v)ソルビトールと
を含む、安定製剤である。
【0112】
ある特定の実施形態において、本明細書中提供されるのは、組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)粒子と、ならびに
a)約5mMのTris、
b)約30mMの硫酸ナトリウム、
c)約263mMのスクロース、及び
d)約0.005%(w/v)のポロキサマー188と
を含む、安定製剤である。
【0113】
ある特定の実施形態において、本明細書中提供されるのは、組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)粒子と、ならびに
a)Tris、
b)スクロース、
c)クエン酸ナトリウム、及び
d)ポロキサマー188と
を含む、安定製剤であり、
ただし当該製剤は、イオン強度が60mM~150mMである。
【0114】
ある特定の実施形態において、本明細書中提供されるのは、組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)粒子と、ならびに
a)Tris、
b)スクロース、
c)クエン酸ナトリウム、
d)ポロキサマー188、及び
e)グリセロールと
を含む、安定製剤であり、
ただし当該製剤は、イオン強度が60mM~150mMである。
【0115】
ある特定の実施形態において、本明細書中提供されるのは、組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)粒子と、ならびに
a)Tris、
b)スクロース、
c)クエン酸ナトリウム、
d)ポロキサマー188、及び
e)ソルビトールと
を含む、安定製剤であり、
ただし当該製剤は、イオン強度が60mM~150mMである。
【0116】
ある特定の実施形態において、本明細書中提供されるのは、組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)粒子と、ならびに
a)Tris、
b)硫酸ナトリウム、
c)スクロース、及び
d)ポロキサマー188と
を含む、安定製剤であり、
ただし当該製剤は、イオン強度が60mM~150mMである。
【0117】
ある特定の実施形態において、本明細書中提供されるのは、組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)粒子と、ならびに
a)約5mMのTris、
b)約210mMのスクロース、
c)約20mMのクエン酸ナトリウム、及び
d)約0.002%(w/v)のポロキサマー188と
を含む、安定製剤である。
【0118】
ある特定の実施形態において、本明細書中提供されるのは、組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)粒子と、ならびに
a)約5mMのTris、
b)約210mMのスクロース、
c)約20mMのクエン酸ナトリウム、
d)約0.002%(w/v)のポロキサマー188、及び
e)約0.25%(w/v)のグリセロールと
を含む、安定製剤である。
【0119】
ある特定の実施形態において、本明細書中提供されるのは、組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)粒子と、ならびに
a)約5mMのTris、
b)約210mMのスクロース、
c)約20mMのクエン酸ナトリウム、
d)約0.002%(w/v)のポロキサマー188、及び
e)約0.5%(w/v)ソルビトールと
を含む、安定製剤である。
【0120】
ある特定の実施形態において、本明細書中提供されるのは、組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)粒子と、ならびに
a)約5mMのTris、
e)約30mMの硫酸ナトリウム、
f)約263mMのスクロース、及び
g)約0.005%(w/v)のポロキサマー188と
を含む、安定製剤である。
【0121】
ある特定の実施形態において、本明細書中提供されるのは、組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)粒子と、ならびに
a)Tris、
b)スクロース、
c)クエン酸ナトリウム、及び
d)ポロキサマー188と
を含む、安定製剤であり、
ただし当該製剤は、イオン強度が60mM~150mMである。
【0122】
ある特定の実施形態において、本明細書中提供されるのは、組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)粒子と、ならびに
a)Tris、
b)スクロース、
c)クエン酸ナトリウム、
d)ポロキサマー188、及び
e)グリセロールと
を含む、安定製剤であり、
ただし当該製剤は、イオン強度が60mM~150mMである。
【0123】
ある特定の実施形態において、本明細書中提供されるのは、組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)粒子と、ならびに
a)Tris、
b)スクロース、
c)クエン酸ナトリウム、
d)ポロキサマー188、及び
e)ソルビトールと
を含む、安定製剤であり、
ただし当該製剤は、イオン強度が60mM~150mMである。
【0124】
ある特定の実施形態において、本明細書中提供されるのは、組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)粒子と、ならびに
a)Tris、
b)硫酸ナトリウム、
c)スクロース、及び
d)ポロキサマー188と
を含む、安定製剤であり、
ただし当該製剤は、イオン強度が60mM~150mMである。
【0125】
ある特定の実施形態において、本明細書中提供されるのは、組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)粒子と、ならびに
a)Tris、
b)スクロース、
c)クエン酸ナトリウム、及び
d)ポロキサマー188と
を含む、安定製剤であり、
ただし当該製剤は、イオン強度が200mM未満である。
【0126】
ある特定の実施形態において、本明細書中提供されるのは、組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)粒子と、ならびに
a)Tris、
b)スクロース、
c)クエン酸ナトリウム、
d)ポロキサマー188、及び
e)グリセロールと
を含む、安定製剤であり、
ただし当該製剤は、イオン強度が200mM未満である。
【0127】
ある特定の実施形態において、本明細書中提供されるのは、組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)粒子と、ならびに
a)Tris、
b)スクロース、
c)クエン酸ナトリウム、
d)ポロキサマー188、及び
e)ソルビトールと
を含む、安定製剤であり、
ただし当該製剤は、イオン強度が200mM未満である。
【0128】
ある特定の実施形態において、本明細書中提供されるのは、組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)粒子と、ならびに
a)Tris、
b)硫酸ナトリウム、
c)スクロース、及び
d)ポロキサマー188と
を含む、安定製剤であり、
ただし当該製剤は、イオン強度が200mM未満である。
【0129】
ある特定の実施形態において、安定製剤は、マンニトールを含まない。
【0130】
ある特定の実施形態において、安定製剤は、約150mM、約140mM、約130mM、約120mM、約110mM、約100mM、約90mM、約80mM、約70mM、約60mM、約50mM、約40mM、約30mM、約20mM、または約10mM未満のマンニトールを含む。
【0131】
ある特定の実施形態において、安定製剤は、スクロースを約210mMの濃度で含む。ある特定の実施形態において、安定製剤は、スクロースを約263mMの濃度で含む。ある特定の実施形態において、安定製剤は、スクロースを約409mMの濃度で含む。ある特定の実施形態において、安定製剤は、スクロースを約14.6mMの濃度で含む。ある特定の実施形態において、安定製剤は、スクロースを約45mMの濃度で含む。ある特定の実施形態において、安定製剤は、スクロースを約0mM~約20mMの濃度で含む。ある特定の実施形態において、安定製剤は、スクロースを約20mM~約50mMの濃度で含む。ある特定の実施形態において、安定製剤は、スクロースを約50mM~約100mMの濃度で含む。ある特定の実施形態において、安定製剤は、スクロースを約100mM~約200mMの濃度で含む。ある特定の実施形態において、安定製剤は、スクロースを約200mM~約300mMの濃度で含む。ある特定の実施形態において、安定製剤は、スクロースを約300mM~約400mMの濃度で含む。ある特定の実施形態において、安定製剤は、スクロースを約400mM~約500mMの濃度で含む。ある特定の実施形態において、安定製剤は、スクロースを約500mM~約600mMの濃度で含む。ある特定の実施形態において、安定製剤は、スクロースを約600mM~約700mMの濃度で含む。
【0132】
ある特定の実施形態において、安定製剤は、ソルビトールを約0.5%の濃度で含む。ある特定の実施形態において、安定製剤は、ソルビトールを約0.25%の濃度で含む。ある特定の実施形態において、安定製剤は、ソルビトールを約0.10%の濃度で含む。
【0133】
ある特定の実施形態において、安定製剤は、ソルビトールを約0%~約0.10%の濃度で含む。ある特定の実施形態において、安定製剤は、ソルビトールを約0.10%~約0.20%の濃度で含む。ある特定の実施形態において、安定製剤は、ソルビトールを約0.20%~約0.30%の濃度で含む。ある特定の実施形態において、安定製剤は、ソルビトールを約0.30%~約0.40%の濃度で含む。ある特定の実施形態において、安定製剤は、ソルビトールを約0.40%~約0.50%の濃度で含む。ある特定の実施形態において、安定製剤は、ソルビトールを約0.50%~約0.60%の濃度で含む。ある特定の実施形態において、安定製剤は、ソルビトールを約0.60%~約0.70%の濃度で含む。ある特定の実施形態において、安定製剤は、ソルビトールを約0.70%~約0.80%の濃度で含む。ある特定の実施形態において、安定製剤は、ソルビトールを約0.80%~約0.90%の濃度で含む。ある特定の実施形態において、安定製剤は、ソルビトールを約0.90%~約1.00%の濃度で含む。
【0134】
ある特定の実施形態において、安定製剤は、グリセロールを約0.5%の濃度で含む。ある特定の実施形態において、安定製剤は、グリセロールを約0.25%の濃度で含む。ある特定の実施形態において、安定製剤は、グリセロールを約0.10%の濃度で含む。
【0135】
ある特定の実施形態において、安定製剤は、グリセロールを約0%~約0.10%の濃度で含む。ある特定の実施形態において、安定製剤は、グリセロールを約0.10%~約0.20%の濃度で含む。ある特定の実施形態において、安定製剤は、グリセロールを約0.20%~約0.30%の濃度で含む。ある特定の実施形態において、安定製剤は、グリセロールを約0.30%~約0.40%の濃度で含む。ある特定の実施形態において、安定製剤は、グリセロールを約0.40%~約0.50%の濃度で含む。ある特定の実施形態において、安定製剤は、グリセロールを約0.50%~約0.60%の濃度で含む。ある特定の実施形態において、安定製剤は、グリセロールを約0.60%~約0.70%の濃度で含む。ある特定の実施形態において、安定製剤は、グリセロールを約0.70%~約0.80%の濃度で含む。ある特定の実施形態において、安定製剤は、グリセロールを約0.80%~約0.90%の濃度で含む。ある特定の実施形態において、安定製剤は、グリセロールを約0.90%~約1.00%の濃度で含む。
【0136】
ある特定の実施形態において、安定製剤は、ポロキサマー188を約0.001%(重量/体積、0.01g/L)の濃度で含む。ある特定の実施形態において、安定製剤は、ポロキサマー188を約0.002%(重量/体積、0.02g/L)の濃度で含む。ある特定の実施形態において、安定製剤は、ポロキサマー188を約0.005%(重量/体積、0.05g/L)の濃度で含む。
【0137】
ある特定の実施形態において、安定製剤は、ポロキサマー188を約0.0005%(重量/体積、0.005g/L)~約0.05%(重量/体積、0.5g/L)の濃度で含む。ある特定の実施形態において、安定製剤は、ポロキサマー188を約0.0001%(重量/体積、0.001g/L)~約0.01%(重量/体積、0.1g/L)の濃度で含む。ある特定の実施形態において、安定製剤は、ポロキサマー188を約0.0005%(重量/体積、0.005g/L)~約0.001%(重量/体積、0.01g/L)の濃度で含む。ある特定の実施形態において、安定製剤は、ポロキサマー188を約0.001%(重量/体積、0.01g/L)~約0.05%(重量/体積、0.5g/L)の濃度で含む。ある特定の実施形態において、安定製剤は、ポロキサマー188を約0.0005%(重量/体積、0.005g/L)の濃度で含む。ある特定の実施形態において、安定製剤は、ポロキサマー188を約0.0006%(重量/体積、0.006g/L)の濃度で含む。ある特定の実施形態において、安定製剤は、ポロキサマー188を約0.0007%(重量/体積、0.007g/L)の濃度で含む。ある特定の実施形態において、安定製剤は、ポロキサマー188を約0.0008%(重量/体積、0.008g/L)の濃度で含む。ある特定の実施形態において、安定製剤は、ポロキサマー188を約0.0009%(重量/体積、0.009g/L)の濃度で含む。ある特定の実施形態において、安定製剤は、ポロキサマー188を約0.001%(重量/体積、0.01g/L)の濃度で含む。ある特定の実施形態において、安定製剤は、ポロキサマー188を約0.002%(重量/体積、0.02g/L)の濃度で含む。ある特定の実施形態において、安定製剤は、ポロキサマー188を約0.003%(重量/体積、0.03g/L)の濃度で含む。ある特定の実施形態において、安定製剤は、ポロキサマー188を約0.004%(重量/体積、0.04g/L)の濃度で含む。ある特定の実施形態において、安定製剤は、ポロキサマー188を約0.005%(重量/体積、0.05g/L)の濃度で含む。ある特定の実施形態において、安定製剤は、ポロキサマー188を約0.01%(重量/体積、0.1g/L)の濃度で含む。ある特定の実施形態において、安定製剤は、ポロキサマー188を約0.05%(重量/体積、0.5g/L)の濃度で含む。
【0138】
実施形態によっては、本開示は、組換えアデノ随伴ウイルス(AAV)、塩賦形剤、糖を含む安定製剤を提供する。実施形態によっては、安定製剤は、界面活性剤も含む。実施形態によっては、安定製剤は、ポロキサマー188も含む。実施形態によっては、安定製剤は、凍結乾燥に適している。
【0139】
実施形態によっては、本明細書中提供されるのは、組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)粒子と、ならびに緩衝剤、糖、及びイオン強度が60mM~150mMである非晶質塩とを含む、安定製剤であり、当該製剤は、凍結乾燥に適している。実施形態によっては、安定製剤は、界面活性剤も含む。実施形態によっては、安定製剤は、ポロキサマー188も含む。実施形態によっては、製剤は、前凍結乾燥製剤である。
【0140】
実施形態によっては、本明細書中提供されるのは、組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)粒子と、ならびに緩衝剤、糖、及びイオン強度が30mM~100mMである非晶質塩とを含む、安定製剤であり、当該製剤は、凍結乾燥に適している。実施形態によっては、安定製剤は、界面活性剤も含む。実施形態によっては、安定製剤は、ポロキサマー188も含む。実施形態によっては、製剤は、前凍結乾燥製剤である。
【0141】
実施形態によっては、本明細書中提供されるのは、組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)粒子と、ならびに緩衝剤、糖、及びイオン強度が200mM超である非晶質塩とを含む、安定製剤であり、当該製剤は、凍結乾燥に適している。実施形態によっては、安定製剤は、界面活性剤も含む。実施形態によっては、安定製剤は、ポロキサマー188も含む。実施形態によっては、製剤は、前凍結乾燥製剤である。
【0142】
実施形態によっては、本明細書中提供されるのは、組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)粒子と、ならびに緩衝剤、糖、イオン強度が60mM~150mMである非晶質塩、及び界面活性剤とを含む、安定製剤であり、当該製剤は、凍結乾燥に適している。実施形態によっては、安定製剤は、界面活性剤も含む。実施形態によっては、安定製剤は、ポロキサマー188も含む。実施形態によっては、製剤は、前凍結乾燥製剤である。
【0143】
実施形態によっては、本明細書中提供されるのは、組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)粒子と、ならびに緩衝剤、糖、イオン強度が30mM~100mMである非晶質塩、及び界面活性剤とを含む、安定製剤であり、当該製剤は、凍結乾燥に適している。実施形態によっては、安定製剤は、界面活性剤も含む。実施形態によっては、安定製剤は、ポロキサマー188も含む。実施形態によっては、製剤は、前凍結乾燥製剤である。
【0144】
実施形態によっては、本明細書中提供されるのは、組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)粒子と、ならびに緩衝剤、糖、及びイオン強度が200mM超である非晶質塩、及び界面活性剤とを含む、安定製剤であり、当該製剤は、凍結乾燥に適している。実施形態によっては、安定製剤は、界面活性剤も含む。実施形態によっては、安定製剤は、ポロキサマー188も含む。実施形態によっては、製剤は、前凍結乾燥製剤である。
【0145】
実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、約0.0001%~約0.5%の非イオン性界面活性剤を含む。実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、約0.0005%~約0.1%の非イオン性界面活性剤を含む。実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、約0.001%、約0.002%、約0.003%、約0.004%、約0.005%、約0.007%、または約0.01%の非イオン性界面活性剤を含む。
【0146】
実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、約0.0001%~約0.5%のポロキサマー188を含む。実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、約0.0005%~約0.1%のポロキサマー188を含む。実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、約0.001%、約0.002%、約0.003%、約0.004%、約0.005%、約0.007%、または約0.01%のポロキサマー188を含む。
【0147】
実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、約0.0005%のポロキサマー188を含む。実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、約0.001%のポロキサマー188を含む。実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、約0.002%のポロキサマー188を含む。実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、約0.003%のポロキサマー188を含む。実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、約0.004%のポロキサマー188を含む。実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、約0.005%のポロキサマー188を含む。実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、約0.008%のポロキサマー188を含む。
【0148】
実施形態によっては、塩は、薬学上許容される塩である。実施形態によっては、塩は、結晶化しない非晶質塩である。実施形態によっては、塩は、ナトリウム塩である。実施形態によっては、塩は、クエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、または塩化ナトリウムである。実施形態によっては、塩は、クエン酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、硫酸アンモニウム、または硫酸マグネシウムである。実施形態によっては、塩は、多価塩であり、この塩は、より高いイオン強度を有する多荷電イオン(一価の塩化ナトリウムに比べて添加された賦形剤1分子あたり)で構成されており、結晶化を最小限に抑えながらAAV凝集を阻害することができる。
【0149】
実施形態によっては、塩賦形剤は、望ましいイオン強度を達成するように添加または調整される。実施形態によっては、非晶質塩は、イオン強度が約150mM、約145mM、約140mM、約135mM、約130mM、約125mM、約120mM、約115mM、約110mM、約110mM、約105mM、または約100mM以下である。ある特定の実施形態において、安定製剤は、緩衝剤のイオン強度が約150mM、約145mM、約140mM、約135mM、約130mM、約125mM、約120mM、約115mM、約110mM、約105mM、または約100mM以下である。実施形態によっては、製剤中のrAAV粒子は、rAAV8粒子またはrAAV9粒子である。
【0150】
実施形態によっては、安定製剤は、イオン強度が150mM、145mM、140mM、135mM、130mM、125mM、120mM、115mM、または110mM以下である。ある特定の実施形態において、安定製剤は、緩衝剤のイオン強度が150mM、145mM、140mM、135mM、130mM、125mM、120mM、115mM、または110mM以下である。実施形態によっては、製剤中のrAAV粒子は、AAV8カプシドを有する。
【0151】
ある特定の実施形態において、安定製剤は、イオン強度が60mM超である。ある特定の実施形態において、安定製剤は、イオン強度が約60mM~150mMである。ある特定の実施形態において、安定製剤は、イオン強度が約60mM~115mMである。ある特定の実施形態において、安定製剤は、イオン強度が約60mM~100mMである。特定の実施形態において、安定製剤は、イオン強度が約60mMである。特定の実施形態において、安定製剤は、イオン強度が約65mMである。特定の実施形態において、安定製剤は、イオン強度が約70mMである。特定の実施形態において、安定製剤は、イオン強度が約75mMである。特定の実施形態において、安定製剤は、イオン強度が約80mMである。特定の実施形態において、安定製剤は、イオン強度が約85mMである。特定の実施形態において、安定製剤は、イオン強度が約90mMである。実施形態によっては、製剤中のrAAV粒子は、AAV8カプシドを有する。
【0152】
ある特定の実施形態において、安定製剤は、イオン強度が30mM超である。ある特定の実施形態において、安定製剤は、イオン強度が約30mM~100mMである。特定の実施形態において、安定製剤は、イオン強度が約30mMである。特定の実施形態において、安定製剤は、イオン強度が約35mMである。特定の実施形態において、安定製剤は、イオン強度が約40mMである。特定の実施形態において、安定製剤は、イオン強度が約45mMである。特定の実施形態において、安定製剤は、イオン強度が約50mMである。特定の実施形態において、安定製剤は、イオン強度が約55mMである。特定の実施形態において、安定製剤は、イオン強度が約60mMである。特定の実施形態において、安定製剤は、イオン強度が約65mMである。特定の実施形態において、安定製剤は、イオン強度が約70mMである。特定の実施形態において、安定製剤は、イオン強度が約75mMである。特定の実施形態において、安定製剤は、イオン強度が約80mMである。特定の実施形態において、安定製剤は、イオン強度が約85mMである。特定の実施形態において、安定製剤は、イオン強度が約90mMである。特定の実施形態において、安定製剤は、イオン強度が約95mMである。特定の実施形態において、安定製剤は、イオン強度が約100mMである。実施形態によっては、製剤中のrAAV粒子は、AAV9カプシドを有する。
【0153】
ある特定の実施形態において、安定製剤は、イオン強度が約60mM~150mMである。ある特定の実施形態において、安定製剤は、イオン強度が約60mM~115mMである。ある特定の実施形態において、安定製剤は、イオン強度が約65mM~95mMである。ある特定の実施形態において、安定製剤は、イオン強度が約70mM~90mMである。ある特定の実施形態において、安定製剤は、イオン強度が約75mM~85mMである。実施形態によっては、製剤中のrAAV粒子は、AAV8カプシドを有する。
【0154】
ある特定の実施形態において、安定製剤は、イオン強度が約30mM~100mMである。ある特定の実施形態において、安定製剤は、イオン強度が約35mM~95mMである。ある特定の実施形態において、安定製剤は、イオン強度が約40mM~90mMである。ある特定の実施形態において、安定製剤は、イオン強度が約45mM~85mMである。ある特定の実施形態において、安定製剤は、イオン強度が約50mM~80mMである。ある特定の実施形態において、安定製剤は、イオン強度が約55mM~75mMである。ある特定の実施形態において、安定製剤は、イオン強度が約60mM~70mMである。実施形態によっては、製剤中のrAAV粒子は、AAV8カプシドを有さない。実施形態によっては、製剤中のrAAV粒子は、AAV9カプシドを有する。
【0155】
実施形態によっては、安定製剤は、イオン強度が約200mM超である。実施形態によっては、製剤中のrAAV粒子は、AAV2カプシドを有する。実施形態によっては、製剤中のrAAV粒子は、rAAV8カプシドもrAAV9カプシドも有さない。
【0156】
実施形態によっては、安定製剤は、イオン強度が200mM、210mM、220mM、230mM、240mM、250mM、260mM、270mM、280mM、290mM、または300mM超である。実施形態によっては、製剤中のrAAV粒子は、AAV2カプシドを有する。実施形態によっては、製剤中のrAAV粒子は、rAAV8カプシドもrAAV9カプシドも有さない。
【0157】
ある特定の実施形態において、安定製剤は、イオン強度が約200mM~約210mMである。ある特定の実施形態において、安定製剤は、イオン強度が約210mM~約220mMである。ある特定の実施形態において、安定製剤は、イオン強度が約220mM~約230mMである。ある特定の実施形態において、安定製剤は、イオン強度が約230mM~約240mMである。ある特定の実施形態において、安定製剤は、イオン強度が約240mM~約250mMである。ある特定の実施形態において、安定製剤は、イオン強度が約250mM~約260mMである。ある特定の実施形態において、安定製剤は、イオン強度が約260mM~約270mMである。ある特定の実施形態において、安定製剤は、イオン強度が約270mM~約280mMである。ある特定の実施形態において、安定製剤は、イオン強度が約280mM~約290mMである。ある特定の実施形態において、安定製剤は、イオン強度が約290mM~約300mMである。実施形態によっては、製剤中のrAAV粒子は、AAV8カプシドもAAV9カプシドも有さない。
【0158】
実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、約0.0001%~約0.5%の非イオン性界面活性剤を含む。実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、約0.0005%~約0.1%の非イオン性界面活性剤を含む。実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、約0.001%、約0.002%、約0.003%、約0.004%、約0.005%、約0.007%、または約0.01%の非イオン性界面活性剤を含む。
【0159】
実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、約0.0001%~約0.5%のポロキサマー188を含む。実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、約0.0005%~約0.1%のポロキサマー188を含む。実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、約0.001%、約0.002%、約0.003%、約0.004%、約0.005%、約0.007%、または約0.01%のポロキサマー188を含む。
【0160】
実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、約0.0005%のポロキサマー188を含む。実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、約0.001%のポロキサマー188を含む。実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、約0.002%のポロキサマー188を含む。実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、約0.003%のポロキサマー188を含む。実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、約0.004%のポロキサマー188を含む。実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、約0.005%のポロキサマー188を含む。実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、約0.008%のポロキサマー188を含む。
【0161】
実施形態によっては、塩は、薬学上許容される塩である。実施形態によっては、塩は、結晶化しない非晶質塩である。実施形態によっては、塩は、ナトリウム塩である。実施形態によっては、塩は、クエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、または塩化ナトリウムである。実施形態によっては、塩は、クエン酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、硫酸アンモニウム、または硫酸マグネシウムである。実施形態によっては、塩は、多価塩であり、この塩は、より高いイオン強度(一価の塩化ナトリウムに比べて添加された賦形剤1分子あたり)を有する多荷電イオンで構成されており、結晶化を最小限に抑えながらAAV凝集を阻害することができる。
【0162】
実施形態によっては、安定製剤は、イオン強度が約200mM、約195mM、180mM、175mM、170mM、165mM、160mM、155mM、150mM、145mM、140mM、135mM、130mM、125mM、120mM、115mM、または110mM以下である。
【0163】
実施形態によっては、塩賦形剤は、望ましいイオン強度を達成するように添加または調整される。実施形態によっては、安定製剤は、イオン強度が約200mM、約190mM、約180mM、約170mM、約160mM、約155mM、約150mM、約145mM、約140mM、約135mM、約130mM、約125mM、約120mM、約115mM、または約110mM以下である。ある特定の実施形態において、安定製剤は、緩衝剤のイオン強度が約150mM、約145mM、約140mM、約135mM、約130mM、約125mM、約120mM、約115mM、または約110mM以下である。実施形態によっては、製剤中のrAAV粒子は、rAAV8粒子である。実施形態によっては、製剤中のrAAV粒子は、AAV9カプシドを有する。
【0164】
ある特定の実施形態において、安定製剤は、イオン強度が約60mM~150mMである。ある特定の実施形態において、安定製剤は、イオン強度が約60mM~115mMである。ある特定の実施形態において、安定製剤は、イオン強度が約60mM~100mMである。特定の実施形態において、安定製剤は、イオン強度が約60mMである。特定の実施形態において、安定製剤は、イオン強度が約65mMである。特定の実施形態において、安定製剤は、イオン強度が約70mMである。特定の実施形態において、安定製剤は、イオン強度が約75mMである。特定の実施形態において、安定製剤は、イオン強度が約80mMである。特定の実施形態において、安定製剤は、イオン強度が約85mMである。特定の実施形態において、安定製剤は、イオン強度が約90mMである。実施形態によっては、製剤中のrAAV粒子は、AAV8カプシドを有する。
【0165】
ある特定の実施形態において、安定製剤は、イオン強度が約30mM~100mMである。特定の実施形態において、安定製剤は、イオン強度が約30mMである。特定の実施形態において、安定製剤は、イオン強度が約35mMである。特定の実施形態において、安定製剤は、イオン強度が約40mMである。特定の実施形態において、安定製剤は、イオン強度が約45mMである。特定の実施形態において、安定製剤は、イオン強度が約50mMである。特定の実施形態において、安定製剤は、イオン強度が約55mMである。特定の実施形態において、安定製剤は、イオン強度が約60mMである。特定の実施形態において、安定製剤は、イオン強度が約65mMである。特定の実施形態において、安定製剤は、イオン強度が約70mMである。特定の実施形態において、安定製剤は、イオン強度が約75mMである。特定の実施形態において、安定製剤は、イオン強度が約80mMである。特定の実施形態において、安定製剤は、イオン強度が約85mMである。特定の実施形態において、安定製剤は、イオン強度が約90mMである。特定の実施形態において、安定製剤は、イオン強度が約95mMである。特定の実施形態において、安定製剤は、イオン強度が約100mMである。実施形態によっては、製剤中のrAAV粒子は、AAV9カプシドを有する。
【0166】
ある特定の実施形態において、安定製剤は、イオン強度が約60mM~150mMである。ある特定の実施形態において、安定製剤は、イオン強度が約60mM~140mMである。ある特定の実施形態において、安定製剤は、イオン強度が約60mM~130mMである。ある特定の実施形態において、安定製剤は、イオン強度が約60mM~120mMである。ある特定の実施形態において、安定製剤は、イオン強度が約60mM~115mMである。ある特定の実施形態において、安定製剤は、イオン強度が約65mM~95mMである。ある特定の実施形態において、安定製剤は、イオン強度が約70mM~90mMである。ある特定の実施形態において、安定製剤は、イオン強度が約75mM~85mMである。実施形態によっては、製剤中のrAAV粒子は、AAV8カプシドを有する。
【0167】
ある特定の実施形態において、安定製剤は、イオン強度が約30mM~100mMである。ある特定の実施形態において、安定製剤は、イオン強度が約35mM~95mMである。ある特定の実施形態において、安定製剤は、イオン強度が約40mM~90mMである。ある特定の実施形態において、安定製剤は、イオン強度が約45mM~85mMである。ある特定の実施形態において、安定製剤は、イオン強度が約50mM~80mMである。ある特定の実施形態において、安定製剤は、イオン強度が約55mM~75mMである。ある特定の実施形態において、安定製剤は、イオン強度が約60mM~70mMである。実施形態によっては、製剤中のrAAV粒子は、AAV9カプシドを有する。
【0168】
ある特定の実施形態において、安定製剤のpHは、約7.4である。
【0169】
ある特定の実施形態において、安定製剤のpHは、約6.0~8.8である。ある特定の実施形態において、安定製剤のpHは、約6.0~9.0である。ある特定の実施形態において、安定製剤のpHは、約6.0である。ある特定の実施形態において安定製剤のpHは、約6.1である。ある特定の実施形態において、安定製剤のpHは、約6.2である。ある特定の実施形態において、安定製剤のpHは、約6.3である。ある特定の実施形態において、安定製剤のpHは、約6.4である。ある特定の実施形態において、安定製剤のpHは、約6.5である。ある特定の実施形態において、安定製剤のpHは、約6.6である。ある特定の実施形態において、安定製剤のpHは、約6.7である。ある特定の実施形態において、安定製剤のpHは、約6.8である。ある特定の実施形態において、安定製剤のpHは、約6.9である。ある特定の実施形態において、安定製剤のpHは、約7.0である。ある特定の実施形態において、安定製剤のpHは、約7.1である。ある特定の実施形態において、安定製剤のpHは、約7.2である。ある特定の実施形態において、安定製剤のpHは、約7.3である。ある特定の実施形態において、安定製剤のpHは、約7.4である。ある特定の実施形態において、安定製剤のpHは、約7.5である。ある特定の実施形態において、安定製剤のpHは、約7.6である。ある特定の実施形態において、安定製剤のpHは、約7.7である。ある特定の実施形態において、安定製剤のpHは、約7.8である。ある特定の実施形態において、安定製剤のpHは、約7.9である。ある特定の実施形態において、安定製剤のpHは、約8.0である。ある特定の実施形態において、安定製剤のpHは、約8.1である。ある特定の実施形態において、安定製剤のpHは、約8.2である。ある特定の実施形態において、安定製剤のpHは、約8.3である。ある特定の実施形態において、安定製剤のpHは、約8.4である。ある特定の実施形態において、安定製剤のpHは、約8.5である。ある特定の実施形態において、安定製剤のpHは、約8.6である。ある特定の実施形態において、安定製剤のpHは、約8.7である。ある特定の実施形態において、安定製剤のpHは、約8.8である。ある特定の実施形態において、安定製剤のpHは、約8.9である。ある特定の実施形態において、安定製剤のpHは、約9.0である。
【0170】
ある特定の実施形態において、安定製剤のベクターゲノム濃度(VGC)は、約3×109GC/mL、4×109GC/mL、5×109GC/mL、6×109GC/mL、7×109GC/mL、8×109GC/mL、9×109GC/mL、約1×1010GC/mL、約2×1010GC/mL、約3×1010GC/mL、約4×1010GC/mL、約5×1010GC/mL、約6×1010GC/mL、約7×1010GC/mL、約8×1010GC/mL、約9×1010GC/mL、約1×1011GC/mL、約2×1011GC/mL、約3×1011GC/mL、約4×1011GC/mL、約5×1011GC/mL、約6×1011GC/mL、約7×1011GC/mL、約8×1011GC/mL、約9×1011GC/mL、約1×1012GC/mL、約2×1012GC/mL、約3×1012GC/mL、約4×1012GC/mL、約5×1012GC/mL、約6×1012GC/mL、約7×1012GC/mL、約8×1012GC/mL、約9×1012GC/mL、約1×1013GC/mL、約1×1013GC/mL、約2×1013GC/mL、または約3×1013GC/mLである。
【0171】
ある特定の実施形態において、安定製剤中の組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)粒子は、参照製剤中の同じrAAV粒子に比べて、凍結乾燥または再構築プロセスに対して、安定性が、少なくとも約2%、約5%、約7%、約10%、約12%、約15%、約17%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約100%、約2倍、約3倍、約5倍、約10倍、約100倍、または約1000を超えて高い。ある特定の実施形態において、rAAV粒子の安定性は、第6.8章に開示されるアッセイ(単数または複数)により特定される。
【0172】
ある特定の実施形態において、安定製剤中のrAAV粒子は、参照製剤中の同じrAAV粒子に比べて、感染力が、少なくとも約2%、約5%、約7%、約10%、約12%、約15%、約17%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約100%、約2倍、約3倍、約5倍、約10倍、約100倍、または約1000を超えて高い。ある特定の実施形態において、rAAV粒子のウイルス感染力は、第6.8章に開示されるアッセイ(単数または複数)により特定される。ある特定の実施形態において、感染力は、凍結乾燥の前または後に測定される。ある特定の実施形態において、感染力は、凍結乾燥製剤の再構築の前または後に測定される。
【0173】
ある特定の実施形態において、安定製剤中のrAAV粒子は、参照製剤中の同じrAAV粒子に比べて、凝集が、少なくとも約2%、約5%、約7%、約10%、約12%、約15%、約17%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約100%、約2倍、約3倍、約5倍、約10倍、約100倍、または約1000倍少ない。ある特定の実施形態において、rAAV粒子の凝集は、第6.8章に開示されるアッセイ(単数または複数)により特定される。ある特定の実施形態において、凝集は、凍結乾燥の前または後に測定される。ある特定の実施形態において、凝集は、凍結乾燥製剤の再構築の前または後に測定される。
【0174】
ある特定の実施形態において、安定製剤は、貯蔵前に凍結乾燥される。
【0175】
ある特定の実施形態において、安定製剤は、貯蔵後に再構築される。
【0176】
ある特定の実施形態において、製剤は、-80℃、-70℃、-20℃、4℃、20℃、25℃、30℃、35℃、37℃、または40℃で貯蔵される。
【0177】
ある特定の実施形態において、製剤は、約1週間、約2週間、約3週間、約4週間、約1ヶ月、約2ヶ月、約3ヶ月、約4ヶ月、約5ヶ月、約6ヶ月、約7ヶ月、約8ヶ月、約9ヶ月、約10ヶ月、約11ヶ月、12ヶ月、約15ヶ月、約18ヶ月、約24ヶ月、約2年間、約3年間、または約4年間貯蔵される。
【0178】
ある特定の実施形態において、安定製剤中の組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)粒子は、参照製剤中の同じrAAV粒子に比べて、凍結乾燥または再構築プロセスに対して、安定性が、少なくとも約2%、約5%、約7%、約10%、約12%、約15%、約17%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約100%、約2倍、約3倍、約5倍、約10倍、約100倍、または約1000倍高い。ある特定の実施形態において、rAAV粒子の安定性は、第6.8章に開示されるアッセイ(単数または複数)により特定される。
【0179】
ある特定の実施形態において、安定製剤中のrAAV粒子は、参照製剤中の同じrAAV粒子に比べて、感染力が、少なくとも約2%、約5%、約7%、約10%、約12%、約15%、約17%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約100%、約2倍、約3倍、約5倍、約10倍、約100倍、または約1000倍高い。ある特定の実施形態において、rAAV粒子のウイルス感染力は、第6.8章に開示されるアッセイ(単数または複数)により特定される。ある特定の実施形態において、感染力は、凍結乾燥の前または後に測定される。ある特定の実施形態において、感染力は、凍結乾燥製剤の再構築の前または後に測定される。
【0180】
ある特定の実施形態において、安定製剤中のrAAV粒子は、参照製剤中の同じrAAV粒子に比べて、凝集が、少なくとも約2%、約5%、約7%、約10%、約12%、約15%、約17%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約100%、約2倍、約3倍、約5倍、約10倍、約100倍、または約1000倍少ない。ある特定の実施形態において、rAAV粒子の凝集は、第6.8章に開示されるアッセイ(単数または複数)により特定される。ある特定の実施形態において、凝集は、凍結乾燥の前または後に測定される。ある特定の実施形態において、凝集は、凍結乾燥製剤の再構築の前または後に測定される。
【0181】
ある特定の実施形態において、安定製剤は、貯蔵前に凍結乾燥される。
【0182】
ある特定の実施形態において、安定製剤は、貯蔵後に再構築される。
【0183】
ある特定の実施形態において、製剤は、-80℃、-70℃、-20℃、4℃、20℃、25℃、30℃、35℃、37℃、または40℃で貯蔵される。
【0184】
ある特定の実施形態において、製剤は、約1週間、約2週間、約3週間、約4週間、約1ヶ月、約2ヶ月、約3ヶ月、約4ヶ月、約5ヶ月、約6ヶ月、約7ヶ月、約8ヶ月、約9ヶ月、約10ヶ月、約11ヶ月、12ヶ月、約15ヶ月、約18ヶ月、約24ヶ月、約2年間、約3年間、約4年間、または約5年間貯蔵される。ある特定の実施形態において、安定製剤中のrAAV粒子は、製剤をある期間にわたり、例えば、約1週間、約2週間、約3週間、約4週間、約1ヶ月、約2ヶ月、約3ヶ月、約4ヶ月、約5ヶ月、約6ヶ月、約7ヶ月、約8ヶ月、約9ヶ月、約10ヶ月、約11ヶ月、12ヶ月、約15ヶ月、約18ヶ月、約24ヶ月、約2年間、約3年間、約4年間、または約5年間貯蔵した後、同じ条件で貯蔵した参照製剤中の同じrAAV粒子に比べて、安定性が、少なくとも約2%、約5%、約7%、約10%、約12%、約15%、約17%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約100%、約2倍、約3倍、約5倍、約10倍、約100倍、または約1000を超えて高い。ある特定の実施形態において、rAAV粒子のある期間にわたる安定性は、第6.8章に開示されるアッセイ(単数または複数)により特定される。
【0185】
ある特定の実施形態において、安定製剤中のrAAV粒子は、製剤をある期間にわたり、例えば少なくとも、約1週間、約2週間、約3週間、約4週間、約1ヶ月、約2ヶ月、約3ヶ月、約4ヶ月、約5ヶ月、約6ヶ月、約7ヶ月、約8ヶ月、約9ヶ月、約10ヶ月、約11ヶ月、12ヶ月、約15ヶ月、約18ヶ月、約24ヶ月、約2年間、約3年間、約4年間、または約5年間貯蔵した後、参照製剤中の同じrAAV粒子に比べて、安定性が、少なくとも約2%、約5%、約7%、約10%、約12%、約15%、約17%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約100%、約2倍、約3倍、約5倍、約10倍、約100倍、または約1000を超えて高い。ある特定の実施形態において、rAAV粒子のある期間にわたる安定性は、第6.8章に開示されるアッセイ(単数または複数)により特定される。
【0186】
ある特定の実施形態において、安定製剤中のrAAV粒子は、参照製剤中の同じrAAV粒子に比べて、in vitro相対効力(IVRP)が、少なくとも約2%、約5%、約7%、約10%、約12%、約15%、約17%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約100%、約2倍、約3倍、約5倍、約10倍、約100倍、または約1000倍高い。ある特定の実施形態において、rAAV粒子のin vitro相対効力(IVRP)は、第6.8章に開示されるアッセイ(単数または複数)により特定される。ある特定の実施形態において、IVRPは、凍結乾燥の前または後に測定される。ある特定の実施形態において、IVRPは、凍結乾燥製剤の再構築の前または後に測定される。
【0187】
ある特定の実施形態において、安定製剤中のrAAV粒子は、参照製剤中の同じrAAV粒子に比べて、遊離DNAが、少なくとも約2%、約5%、約7%、約10%、約12%、約15%、約17%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約100%、約2倍、約3倍、約5倍、約10倍、約100倍、または約1000倍少ない。ある特定の実施形態において、rAAV粒子の遊離DNAは、第6.8章に開示されるアッセイ(単数または複数)により特定される。ある特定の実施形態において、遊離DNAは、凍結乾燥の前または後に測定される。ある特定の実施形態において、遊離DNAは、凍結乾燥製剤の再構築の前または後に測定される。
【0188】
ある特定の実施形態において、安定製剤中のrAAV粒子は、参照製剤中の同じrAAV粒子に比べて、rAAVゲノム放出が、少なくとも約2%、約5%、約7%、約10%、約12%、約15%、約17%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約100%、約2倍、約3倍、約5倍、約10倍、約100倍、または約1000倍少ない。ある特定の実施形態において、rAAVゲノム放出は、DNA特異的蛍光染色の存在下で相対蛍光を測定することにより特定される。ある特定の実施形態において、rAAVゲノム放出は、第6.8章に開示されるアッセイ(単数または複数)により特定される。ある特定の実施形態において、rAAVゲノム放出は、凍結乾燥の前または後に測定される。ある特定の実施形態において、rAAVゲノム放出は、凍結乾燥製剤の再構築の前または後に測定される。
【0189】
ある特定の実施形態において、安定製剤中のrAAV粒子は、製剤をある期間にわたり、例えば、約1週間、約2週間、約3週間、約4週間、約1ヶ月、約2ヶ月、約3ヶ月、約4ヶ月、約5ヶ月、約6ヶ月、約7ヶ月、約8ヶ月、約9ヶ月、約10ヶ月、約11ヶ月、約12ヶ月、約15ヶ月、約18ヶ月、約24ヶ月、約2年間、約3年間、約4年間、または約5年間貯蔵した後、寸法の変化が最大で約20%、約15%、約10%、約8%、約5%、約4%、約3%、約2%、または約1%である。ある特定の実施形態において、rAAV粒子寸法は、第6.8章に開示されるアッセイ(単数または複数)により特定される。ある特定の実施形態において、寸法は、凍結/融解サイクルの前または後に測定される。
【0190】
ある特定の実施形態において、安定製剤中のrAAV粒子は、製剤をある期間にわたり、例えば少なくとも、約1週間、約2週間、約3週間、約4週間、約1ヶ月、約2ヶ月、約3ヶ月、約4ヶ月、約5ヶ月、約6ヶ月、約7ヶ月、約8ヶ月、約9ヶ月、約10ヶ月、約11ヶ月、約12ヶ月、約15ヶ月、約18ヶ月、約24ヶ月、約2年間、約3年間、約4年間、または約5年間貯蔵した後、寸法の変化が最大で20%、15%、10%、8%、5%、4%、3%、2%、または約1%である。ある特定の実施形態において、rAAV粒子寸法は、第6.8章に開示されるアッセイ(単数または複数)により特定される。ある特定の実施形態において、寸法は、凍結乾燥の前または後に測定される。ある特定の実施形態において、寸法は、凍結乾燥製剤の再構築の前または後に測定される。
【0191】
ある特定の実施形態において、安定製剤中のrAAV粒子は、-80℃、-70℃、-20℃、4℃、20℃、25℃、30℃、35℃、37℃、または40℃で貯蔵した場合、参照製剤中の同じrAAV粒子に比べて、安定性が、少なくとも約2%、約5%、約7%、約10%、約12%、約15%、約17%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約100%、約2倍、約3倍、約5倍、約10倍、約100倍、または約1000倍高い。ある特定の実施形態において、rAAV粒子の安定性は、第6.8章に開示されるアッセイ(単数または複数)により特定される。
【0192】
ある特定の実施形態において、安定製剤中のrAAV粒子は、-80℃、-70℃、-20℃、4℃、20℃、25℃、30℃、35℃、37℃、または40℃で、ある期間、例えば、約1週間、約2週間、約3週間、約4週間、約1ヶ月、約2ヶ月、約3ヶ月、約4ヶ月、約5ヶ月、約6ヶ月、約7ヶ月、約8ヶ月、約9ヶ月、約10ヶ月、約11ヶ月、約12ヶ月、約15ヶ月、約18ヶ月、約24ヶ月、約2年間、約3年間、約4年間、または約5年間貯蔵した場合、参照製剤中の同じrAAV粒子に比べて、感染力が、少なくとも2%、5%、7%、10%、12%、15%、17%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、100%、2倍、3倍、5倍、10倍、100倍、または1000倍高い。ある特定の実施形態において、rAAV粒子のウイルス感染力は、第6.8章に開示されるアッセイ(単数または複数)により特定される。
【0193】
ある特定の実施形態において、安定製剤中のrAAV粒子は、-80℃、-70℃、-20℃、4℃、20℃、25℃、30℃、35℃、37℃、または40℃で、ある期間、例えば少なくとも、約1週間、約2週間、約3週間、約4週間、約1ヶ月、約2ヶ月、約3ヶ月、約4ヶ月、約5ヶ月、約6ヶ月、約7ヶ月、約8ヶ月、約9ヶ月、約10ヶ月、約11ヶ月、約12ヶ月、約15ヶ月、約18ヶ月、約24ヶ月、約2年間、約3年間、約4年間、または約5年間貯蔵した場合、参照製剤中の同じrAAV粒子に比べて、感染力が、少なくとも2%、5%、7%、10%、12%、15%、17%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、100%、2倍、3倍、5倍、10倍、100倍、または1000倍高い。ある特定の実施形態において、rAAV粒子のウイルス感染力は、第6.8章に開示されるアッセイ(単数または複数)により特定される。
【0194】
ある特定の実施形態において、安定製剤中のrAAV粒子は、-80℃、-70℃、-20℃、4℃、20℃、25℃、30℃、35℃、37℃、または40℃で、ある期間、例えば、約1週間、約2週間、約3週間、約4週間、約1ヶ月、約2ヶ月、約3ヶ月、約4ヶ月、約5ヶ月、約6ヶ月、約7ヶ月、約8ヶ月、約9ヶ月、約10ヶ月、約11ヶ月、約12ヶ月、約15ヶ月、約18ヶ月、約24ヶ月、約2年間、約3年間、約4年間、または約5年間貯蔵した場合、参照製剤中の同じrAAV粒子に比べて、凝集が、少なくとも2%、5%、7%、10%、12%、15%、17%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、100%、2倍、3倍、5倍、10倍、100倍、または1000倍少ない。ある特定の実施形態において、rAAV粒子の凝集は、第6.8章に開示されるアッセイ(単数または複数)により特定される。
【0195】
ある特定の実施形態において、安定製剤中のrAAV粒子は、-80℃、-70℃、-20℃、4℃、20℃、25℃、30℃、35℃、37℃、または40℃で、ある期間、例えば少なくとも、約11週間、約2週間、約3週間、約4週間、約1ヶ月、約2ヶ月、約3ヶ月、約4ヶ月、約5ヶ月、約6ヶ月、約7ヶ月、約8ヶ月、約9ヶ月、約10ヶ月、約11ヶ月、約12ヶ月、約15ヶ月、約18ヶ月、約24ヶ月、約2年間、約3年間、約4年間、または約5年間貯蔵した場合、参照製剤中の同じrAAV粒子に比べて、凝集が、少なくとも2%、5%、7%、10%、12%、15%、17%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、100%、2倍、3倍、5倍、10倍、100倍、または1000倍少ない。ある特定の実施形態において、rAAV粒子の凝集は、第6.8章に開示されるアッセイ(単数または複数)により特定される。
【0196】
ある特定の実施形態において、安定製剤中のrAAV粒子は、-80℃、-70℃、-20℃、4℃、20℃、25℃、30℃、35℃、37℃、または40℃で、ある期間、例えば、約1週間、約2週間、約3週間、約4週間、約1ヶ月、約2ヶ月、約3ヶ月、約4ヶ月、約5ヶ月、約6ヶ月、約7ヶ月、約8ヶ月、約9ヶ月、約10ヶ月、約11ヶ月、約12ヶ月、約15ヶ月、約18ヶ月、約24ヶ月、約2年間、約3年間、約4年間、または約5年間貯蔵した場合、参照製剤中の同じrAAV粒子に比べて、安定性が、少なくとも2%、5%、7%、10%、12%、15%、17%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、100%、2倍、3倍、5倍、10倍、100倍、または1000倍高い。ある特定の実施形態において、rAAV粒子のある期間にわたる安定性は、第6.8章に開示されるアッセイ(単数または複数)により特定される。
【0197】
ある特定の実施形態において、安定製剤中のrAAV粒子は、-80℃、-70℃、-20℃、4℃、20℃、25℃、30℃、35℃、37℃、または40℃で、ある期間、例えば少なくとも、約1週間、約2週間、約3週間、約4週間、約1ヶ月、約2ヶ月、約3ヶ月、約4ヶ月、約5ヶ月、約6ヶ月、約7ヶ月、約8ヶ月、約9ヶ月、約10ヶ月、約11ヶ月、約12ヶ月、約15ヶ月、約18ヶ月、約24ヶ月、約2年間、約3年間、約4年間、または約5年間貯蔵した場合、参照製剤中の同じrAAV粒子に比べて、安定性が、少なくとも2%、5%、7%、10%、12%、15%、17%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、100%、2倍、3倍、5倍、10倍、100倍、または1000倍高い。ある特定の実施形態において、rAAV粒子のある期間にわたる安定性は、第6.8章に開示されるアッセイ(単数または複数)により特定される。
【0198】
ある特定の実施形態において、安定製剤中のrAAV粒子は、-80℃、-70℃、-20℃、4℃、20℃、25℃、30℃、35℃、37℃、または40℃で、ある期間、例えば、1週間、約2週間、約3週間、約4週間、約1ヶ月、約2ヶ月、約3ヶ月、約4ヶ月、約5ヶ月、約6ヶ月、約7ヶ月、約8ヶ月、約9ヶ月、約10ヶ月、約11ヶ月、約12ヶ月、約15ヶ月、約18ヶ月、約24ヶ月、約2年間、約3年間、約4年間、または約5年間貯蔵した場合、参照製剤中の同じrAAV粒子に比べて、in vitro相対効力(IVRP)が、少なくとも2%、5%、7%、10%、12%、15%、17%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、100%、2倍、3倍、5倍、10倍、100倍、または1000より高い。ある特定の実施形態において、rAAV粒子のin vitro相対効力(IVRP)は、第6.8章に開示されるアッセイ(単数または複数)により特定される。
【0199】
ある特定の実施形態において、安定製剤中のrAAV粒子は、-80℃、-70℃、-20℃、4℃、20℃、25℃、30℃、35℃、37℃、または40℃で、ある期間、例えば少なくとも、約1週間、約2週間、約3週間、約4週間、約1ヶ月、約2ヶ月、約3ヶ月、約4ヶ月、約5ヶ月、約6ヶ月、約7ヶ月、約8ヶ月、約9ヶ月、約10ヶ月、約11ヶ月、約12ヶ月、約15ヶ月、約18ヶ月、約24ヶ月、約2年間、約3年間、約4年間、または約5年間貯蔵した場合、参照製剤中の同じrAAV粒子に比べて、in vitro相対効力(IVRP)が、少なくとも2%、5%、7%、10%、12%、15%、17%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、100%、2倍、3倍、5倍、10倍、100倍、または1000倍高い。ある特定の実施形態において、rAAV粒子のin vitro相対効力(IVRP)は、第6.8章に開示されるアッセイ(単数または複数)により特定される。
【0200】
ある特定の実施形態において、安定製剤中のrAAV粒子は、参照製剤中の同じrAAV粒子に比べて、-80℃、-70℃、-20℃、4℃、20℃、25℃、30℃、35℃、37℃、または40℃で、ある期間、例えば、約1週間、約2週間、約3週間、約4週間、約1ヶ月、約2ヶ月、約3ヶ月、約4ヶ月、約5ヶ月、約6ヶ月、約7ヶ月、約8ヶ月、約9ヶ月、約10ヶ月、約11ヶ月、約12ヶ月、約15ヶ月、約18ヶ月、約24ヶ月、約2年間、約3年間、約4年間、または約5年間貯蔵した場合、参照製剤中の同じrAAV粒子に比べて、in vitro相対効力(IVRP)が、少なくとも2%、5%、7%、10%、12%、15%、17%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、100%、2倍、3倍、5倍、10倍、100倍、または1000よりも高い。ある特定の実施形態において、rAAV粒子のin vitro相対効力(IVRP)は、第6.8章に開示されるアッセイ(単数または複数)により特定される。
【0201】
ある特定の実施形態において、安定製剤中のrAAV粒子は、-80℃、-70℃、-20℃、4℃、20℃、25℃、30℃、35℃、37℃、または40℃で、ある期間、例えば少なくとも、約1週間、約2週間、約3週間、約4週間、約1ヶ月、約2ヶ月、約3ヶ月、約4ヶ月、約5ヶ月、約6ヶ月、約7ヶ月、約8ヶ月、約9ヶ月、約10ヶ月、約11ヶ月、約12ヶ月、約15ヶ月、約18ヶ月、約24ヶ月、約2年間、約3年間、約4年間、または約5年間貯蔵した場合、参照製剤中の同じrAAV粒子に比べて、in vitro相対効力(IVRP)が、少なくとも2%、5%、7%、10%、12%、15%、17%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、100%、2倍、3倍、5倍、10倍、100倍、または1000倍高い。ある特定の実施形態において、rAAV粒子のin vitro相対効力(IVRP)は、第6.8章に開示されるアッセイ(単数または複数)により特定される。
【0202】
ある特定の実施形態において、安定製剤中のrAAV粒子は、-80℃、-70℃、-20℃、4℃、20℃、25℃、30℃、35℃、37℃、または40℃で、ある期間、例えば、約1週間、約2週間、約3週間、約4週間、約1ヶ月、約2ヶ月、約3ヶ月、約4ヶ月、約5ヶ月、約6ヶ月、約7ヶ月、約8ヶ月、約9ヶ月、約10ヶ月、約11ヶ月、約12ヶ月、約15ヶ月、約18ヶ月、約24ヶ月、約2年間、約3年間、約4年間、または約5年間貯蔵した場合、参照製剤中の同じrAAV粒子に比べて、遊離DNAが、少なくとも2%、5%、7%、10%、12%、15%、17%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、100%、2倍、3倍、5倍、10倍、100倍、または1000倍少ない。ある特定の実施形態において、rAAV粒子の遊離DNAは、第6.8章に開示されるアッセイ(単数または複数)により特定される。
【0203】
ある特定の実施形態において、安定製剤中のrAAV粒子は、-80℃、-70℃、-20℃、4℃、20℃、25℃、30℃、35℃、37℃、または40℃で、ある期間、例えば少なくとも、約1週間、約2週間、約3週間、約4週間、約1ヶ月、約2ヶ月、約3ヶ月、約4ヶ月、約5ヶ月、約6ヶ月、約7ヶ月、約8ヶ月、約9ヶ月、約10ヶ月、約11ヶ月、約12ヶ月、約15ヶ月、約18ヶ月、約24ヶ月、約2年間、約3年間、約4年間、または約5年間貯蔵した場合、参照製剤中の同じrAAV粒子に比べて、遊離DNAが、少なくとも2%、5%、7%、10%、12%、15%、17%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、100%、2倍、3倍、5倍、10倍、100倍、または1000倍少ない。ある特定の実施形態において、rAAV粒子の遊離DNAは、第6.8章に開示されるアッセイ(単数または複数)により特定される。
【0204】
ある特定の実施形態において、安定製剤中のrAAV粒子は、-80℃、-70℃、-20℃、4℃、20℃、25℃、30℃、35℃、37℃、または40℃で、ある期間、例えば、約1週間、約2週間、約3週間、約4週間、約1ヶ月、約2ヶ月、約3ヶ月、約4ヶ月、約5ヶ月、約6ヶ月、約7ヶ月、約8ヶ月、約9ヶ月、約10ヶ月、約11ヶ月、約12ヶ月、約15ヶ月、約18ヶ月、約24ヶ月、約2年間、約3年間、約4年間、または約5年間貯蔵した場合、粒子寸法の変化が、最大で20%、15%、10%、8%、5%、4%、3%、2%、または1%である。ある特定の実施形態において、rAAV粒子寸法は、第6.8章に開示されるアッセイ(単数または複数)により特定される。
【0205】
ある特定の実施形態において、安定製剤中のrAAV粒子は、-80℃、-70℃、-20℃、4℃、20℃、25℃、30℃、35℃、37℃、または40℃で、ある期間、例えば少なくとも、約1週間、約2週間、約3週間、約4週間、約1ヶ月、約2ヶ月、約3ヶ月、約4ヶ月、約5ヶ月、約6ヶ月、約7ヶ月、約8ヶ月、約9ヶ月、約10ヶ月、約11ヶ月、約12ヶ月、約15ヶ月、約18ヶ月、約24ヶ月、約2年間、約3年間、約4年間、または約5年間貯蔵した場合、参照製剤中の同じrAAV粒子に比べた場合に、粒子寸法の変化が、最大で20%、15%、10%、8%、5%、4%、3%、2%、または1%である。ある特定の実施形態において、rAAV粒子寸法は、第6.8章に開示されるアッセイ(単数または複数)により特定される。
【0206】
ある特定の実施形態において、rAAV粒子寸法は、第6.8章に開示されるアッセイ(単数または複数)により特定される。
【0207】
ある特定の実施形態において、参照製剤は、0.001%のポロキサマー188緩衝剤を含むDPBSである。
【0208】
ある特定の実施形態において、参照製剤は、糖を含まない製剤である。ある特定の実施形態において、参照製剤は、可塑剤を含まない製剤である。
【0209】
ある特定の実施形態において、製剤は、凍結乾燥プロセスにおいて、約-20℃の温度に凍結される。ある特定の実施形態において、凍結製剤は、-20℃に凍結された場合に、pHを約pH6~約pH9に維持する。ある特定の実施形態において、凍結製剤は、-20℃に凍結された場合に、pH値を凍結前のpH値のプラスマイナス1単位の範囲内に維持する。
【0210】
ある特定の実施形態において、製剤の凍結乾燥ケーキのガラス転移温度(Tg)は、35℃より高い。
【0211】
ある特定の実施形態において、製剤の最大凍結濃縮溶液(maximally freeze-concentrated solution)のガラス転移温度(Tg’)は、-40℃より高い。
【0212】
ある特定の実施形態において、水分量は、約0.5%~約1%である。ある特定の実施形態において、水分量は、約1%~約2%である。ある特定の実施形態において、水分量は、約2%~約3%である。ある特定の実施形態において、水分量は、約3%~約4%である。ある特定の実施形態において、水分量は、約4%~約5%である。
【0213】
ある特定の実施形態において、水分量は、約0.1%、約0.2%、約0.3%、約0.4%、約0.5%、約0.6%、約0.8%、約1.0%、約1.2%、約1.2%、約1.3%、約1.4%、約1.5%、約1.6%、約1.7%、約1.8%、約1.9%、約2.0%、約3.0%、約4.0%、または約5.0%である。
【0214】
実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、可塑剤または安定剤を含む。薬学上許容される安定剤または可塑剤として、グリセロール、キシリトール、及びソルビトールが挙げられるが、これらに限定されない。実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、グリセロール、キシリトール、ソルビトール、またはそれらの組み合わせを含む。実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、グリセロールを含む。
【0215】
実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、約0.1%~約5%の可塑剤または安定剤を含む。実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、約0.1%~約2%の可塑剤または安定剤を含む。実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、約0.25%~約2%の可塑剤を含む。
【0216】
実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、約0.1%~約5%のグリセロールを含む。実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、約0.1%~約2%のグリセロールを含む。実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、約0.25%~約2%のグリセロールを含む。
【0217】
実施形態によっては、「約」という用語は、所定の値または範囲のプラスまたはマイナス10%を意味する。実施形態によっては、「約」という用語は、表示された数字または範囲より約10~20%大きいまたは小さい範囲を示す。ある特定の実施形態において、「約」という用語は、挙げられた数字そのものを包含する。
【0218】
本明細書中記載される組成物及び方法のさらに他の特長及び利点が、添付の図面と合わせて以下の詳細な説明を読むことで、より明確になるだろう。
【0219】
4.1例示の実施形態
4.1.1セット1
1.組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)粒子と、ならびに
a)緩衝剤、
b)糖、及び
c)クエン酸ナトリウムと
を含む、安定製剤。
【0220】
2.前記緩衝剤は、約1mM~約50mMのTrisを含む、条項1に記載の製剤。
【0221】
3.約1mM~約30mM、約1mM~約20mM、約5mM~約30mM、約5mM~約20mM、約10mM~約30mM、約10mM~約20mM、または約20mM~約50mMのTrisを含む、条項2に記載の製剤。
【0222】
4.約1mM、約2mM、約3mM、約5mM、約10mM、約15mM、約20mM、約25mM、約30mM、または約40mMのTrisを含む、条項2に記載の製剤。
【0223】
5.約5mMのTrisを含む、条項2に記載の製剤。
【0224】
6.pHが約6.5~8.0である、条項1から4のいずれか1つに記載の製剤。
【0225】
7.pHが約7.2~7.8である、条項6に記載の製剤。
【0226】
8.pHが約7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、または7.8である、条項6に記載の製剤。
【0227】
9.pHが約7.5である、条項6に記載の製剤。
【0228】
10.約50mM~約400mMの糖を含む、条項1から9のいずれか1つに記載の製剤。
【0229】
11.約50mM~約350mM、約50mM~約300mM、約50mM~約250mM、約50mM~約200mM、または約50mM~約150mMの糖を含む、条項10に記載の製剤。
【0230】
12.約100mM~約400mM、約150mM~約400mM、約200mM~約400mM、約250mM~約400mM、または約300mM~約400mMの糖を含む、条項10に記載の製剤。
【0231】
13.約100mM~約300mM、約150mM~約250mM、約200mM~約300mM、または約250mM~約350mMの糖を含む、条項10に記載の製剤。
【0232】
14.約50mM、約100mM、約150mM、約160mM、約170mM、約180mM、約190mM、約200mM、約210mM、約220mM、約230mM、約240mM、約250mM、約260mM、約270mM、約280mM、約290mM、約300mM、または約350mMの糖を含む、条項10に記載の製剤。
【0233】
15.約190mM~約230mM、約170mM~約250mM、または約150mM~約270mMの糖を含む、条項10に記載の製剤。
【0234】
16.約210mMの糖を含む、条項10に記載の製剤。
【0235】
17.前記糖は、非還元糖である、条項1から16のいずれか1つに記載の製剤。
【0236】
18.前記非還元糖は、スクロース、トレハロース、またはラフィノースである、条項17に記載の製剤。
【0237】
19.前記非還元糖は、スクロースである、条項17に記載の製剤。
【0238】
20.前記糖は、還元糖である、条項1から16のいずれか1つに記載の製剤。
【0239】
21.前記還元糖は、グルコース、フルクトース、マンノース、ガラクトース、またはラクトースである、条項20に記載の製剤。
【0240】
22.前記還元糖は、ブドウ糖である、条項20に記載の製剤。
【0241】
23.約100mM未満のクエン酸ナトリウムを含む、条項1から22のいずれか1つに記載の製剤。
【0242】
24.約10mM~約100mMのクエン酸ナトリウムを含む、条項23に記載の製剤。
【0243】
25.約10mM~約100mM、約20mM~約100mM、約30mM~約100mM、約40mM~約100mM、約50mM~約100mM、約10mM~約80mM、約10mM~約60mM、約10mM~約50mM、約10mM~約40mM、または約10mM~約30mMのクエン酸ナトリウムを含む、条項23に記載の製剤。
【0244】
26.約10mM~約50mM、約20mM~約60mM、約30mM~約70mM、または約10mM~約30mMのクエン酸ナトリウムを含む、条項23に記載の製剤。
【0245】
27.約10mM、約20mM、約30mM、約40mM、約50mM、または約60mMのクエン酸ナトリウムを含む、条項23に記載の製剤。
【0246】
28.約20mMのクエン酸ナトリウムを含む、条項23に記載の製剤。
【0247】
29.さらに、約0.0005%~約0.01%の非イオン性界面活性剤を含む、条項1から28のいずれか1つに記載の製剤。
【0248】
30.約0.002%の非イオン性界面活性剤を含む、条項29に記載の製剤。
【0249】
31.前記非イオン性界面活性剤は、ポロキサマー188、ポロキサマー407、ポリソルベート80、ポリソルベート20、Pluronic F-68、またはBRIJ 35を含む、条項28または条項29に記載の製剤。
【0250】
32.前記非イオン性界面活性剤は、ポロキサマー188を含む、条項31に記載の製剤。
【0251】
33.組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)粒子と、ならびに
a)約1mM~約25mMのTris、
b)約50mM~約400mMの糖、
c)約10mM~約100mMのクエン酸ナトリウム、及び
d)約0.0005%~約0.01%の非イオン性界面活性剤と
を含む、安定製剤であって、
pHが約7.2~約7.8である、前記製剤。
【0252】
34.組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)粒子と、ならびに
a)約2mM~約10mMのTris、
b)約150mM~約250mMの糖、
c)約10mM~約20mMのクエン酸ナトリウム、及び
d)約0.001%~約0.005%の非イオン性界面活性剤と
を含む、安定製剤であって、
pHが約7.2~約7.8である、前記製剤。
【0253】
35.組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)粒子と、ならびに
a)約5mMのTris、
b)約210mMの糖、
c)約20mMのクエン酸ナトリウム、及び
d)約0.002%の非イオン性界面活性剤と
を含む、安定製剤であって、
pHが約7.5である、前記製剤。
【0254】
36.前記糖は、非還元糖である、条項33から35のいずれか1つに記載の製剤。
【0255】
37.前記非還元糖は、スクロース、トレハロース、またはラフィノースである、条項36に記載の製剤。
【0256】
38.前記非還元糖は、スクロースである、条項17に記載の製剤。
【0257】
39.約1.0E+11ゲノムコピー/mL(GC/mL)~約1.0E+15GC/mLのrAAV粒子を含む、条項1から38のいずれか1つに記載の製剤。
【0258】
40.約1.0E+11GC/mL、約1.0E+12GC/mL、約1.0E+13GC/mL、約1.0E+14GC/mL、または約1.0E+15GC/mLのrAAV粒子を含む、条項39に記載の製剤。
【0259】
41.前記rAAV粒子は、AAV1、AAV2、AAV3、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、AAV9、AAV10、AAV-11、AAV-12、AAV-13、AAV-14、AAV-15及びAAV-16、rAAV.rh8、rAAV.rh10、rAAV.rh20、rAAV.rh39、rAAV.Rh74、rAAV.RHM4-1、AAV.hu37、rAAV.Anc80、rAAV.Anc80L65、rAAV.7m8、rAAV.PHP.B、rAAV2.5、rAAV2tYF、rAAV3B、rAAV.LK03、AAV.HSC1、AAV.HSC2、AAV.HSC3、AAV.HSC4、AAV.HSC5、AAV.HSC6、AAV.HSC7、AAV.HSC8、AAV.HSC9、AAV.HSC10、AAV.HSC11、AAV.HSC12、AAV.HSC13、AAV.HSC14、AAV.HSC15、またはAAV.HSC16のカプシドタンパク質を含む、条項1から40のいずれか1つに記載の製剤。
【0260】
42.前記rAAV粒子は、AAV-8またはAAV-9血清型のカプシドタンパク質を含む、条項41に記載の製剤。
【0261】
43.さらに、グリセロール、キシリトール、ソルビトール、またはマンニトールからなる群より選択される可塑剤を含む、条項1から42のいずれか1つに記載の製剤。
【0262】
44.さらに、グリセロールを含む、条項1から42のいずれか1つに記載の製剤。
【0263】
45.約0.1%~約5%のグリセロールを含む、条項44に記載の製剤。
【0264】
46.約0.1%~約2%のグリセロールを含む、条項44に記載の製剤。
【0265】
47.約0.25%~約2%のグリセロールを含む、条項44に記載の製剤。
【0266】
48.液剤である、条項1から47のいずれか1つに記載の製剤。
【0267】
49.凍結製剤である、条項1から47のいずれか1つに記載の製剤。
【0268】
50.凍結乾燥製剤または再構築された凍結乾燥製剤である、条項1から47のいずれか1つに記載の製剤。
【0269】
51.残存水分量が約1%~約7%である、条項50に記載の製剤。
【0270】
52.前記残存水分量は、約1%~約7%、約2%~約7%、約3%~約7%、約4%~約7%、約5%~約7%、約1%~約6%、約1%~約5%、約1%~約4%、または約1%~約3%である、条項51に記載の製剤。
【0271】
53.前記残存水分量は、約3%~約7%、約3%~約6%、または約3%~約5%である、条項51に記載の製剤。
【0272】
54.前記残存水分量は、約3%、約3.5%、約4%、約4.5%、約5%、約5.5%、または約6%である、条項51に記載の製剤。
【0273】
55.前記rAAV粒子の相対効力%は、前記製剤を室温で3ヶ月間貯蔵した後、少なくとも約60%、少なくとも約70%、または少なくとも約80%であり、ただし参照rAAV粒子は、0.001%ポロキサマー188緩衝剤を含むDPBS中、-70℃で貯蔵されている、条項1から54のいずれか1つに記載の製剤。
【0274】
56.前記rAAV粒子の相対効力%は、前記製剤を室温で6ヶ月間貯蔵した後、少なくとも約60%、少なくとも約70%、または少なくとも約80%であり、ただし参照rAAV粒子は、0.001%ポロキサマー188緩衝剤を含むダルベッコリン酸緩衝食塩水(DPBS)中、-70℃で貯蔵されている、条項1から54のいずれか1つに記載の製剤。
【0275】
57.前記rAAV粒子の相対効力%は、前記製剤を35℃で1週間貯蔵した後、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、または少なくとも60%であり、ただし参照rAAV粒子は、0.001%ポロキサマー188緩衝剤を含むDPBS中、-70℃で貯蔵されている、条項1から54のいずれか1つに記載の製剤。
【0276】
58.前記rAAV粒子の相対効力%は、前記製剤を35℃で2週間貯蔵した後、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、または少なくとも60%であり、ただし参照rAAV粒子は、0.001%ポロキサマー188緩衝剤を含むDPBS中、-70℃で貯蔵されている、条項1から54のいずれか1つに記載の製剤。
【0277】
59.前記rAAV粒子の相対効力%は、前記製剤を35℃で4週間貯蔵した後、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、または少なくとも60%であり、ただし参照rAAV粒子は、0.001%ポロキサマー188緩衝剤を含むDPBS中、-70℃で貯蔵されている、条項1から54のいずれか1つに記載の製剤。
【0278】
60.組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)粒子を含む安定製剤の製造法であって、rAAV粒子を、条項1から47のいずれか1つに記載の製剤の緩衝剤、糖、塩、任意選択で可塑剤、及び任意選択で非イオン性界面活性剤と混合し、それによりrAAVを含む前記製剤を製造することを含む、前記方法。
【0279】
61.rAAV粒子からのrAAVゲノム放出の減少法であって、rAAV粒子、緩衝剤、糖、塩、及び任意選択で非イオン性界面活性剤を含む製剤を製造することを含み、3回の凍結融解サイクル後の前記rAAV粒子からのrAAVゲノム放出は、前記糖を含まない製剤におけるrAAVゲノム放出に比べて減少している、前記方法。
【0280】
62.rAAV粒子からのrAAVゲノム放出の減少法であって、rAAV粒子、緩衝剤、糖、塩、及び任意選択で非イオン性界面活性剤を含む製剤を製造することを含み、凍結乾燥及び再構築後の前記rAAV粒子からのrAAVゲノム放出は、前記糖を含まない製剤におけるrAAVゲノム放出に比べて減少している、前記方法。
【0281】
63.さらに、前記製剤を凍結乾燥させて、残存水分量を約1%~約5%にすることを含む、条項61または62に記載の方法。
【0282】
64.rAAV粒子からのrAAVゲノム放出の減少法であって、rAAV粒子、緩衝剤、糖、塩、可塑剤、及び任意選択で非イオン性界面活性剤を含む製剤を製造することを含み、3回の凍結融解サイクル後の前記rAAV粒子からのrAAVゲノム放出は、前記糖を含まない製剤におけるrAAVゲノム放出に比べて減少している、前記方法。
【0283】
65.rAAV粒子からのrAAVゲノム放出の減少法であって、rAAV粒子、緩衝剤、糖、塩、可塑剤、及び任意選択で非イオン性界面活性剤を含む製剤を製造することを含み、凍結乾燥及び再構築後の前記rAAV粒子からのrAAVゲノム放出は、前記糖を含まない製剤におけるrAAVゲノム放出に比べて減少している、前記方法。
【0284】
66.rAAV粒子からのrAAVゲノム放出を減少させるための糖の使用であって、rAAV粒子、緩衝剤、糖、塩、及び任意選択で非イオン性界面活性剤を含む製剤を製造することを含み、3回の凍結融解サイクル後の前記rAAV粒子からのrAAVゲノム放出は、前記糖を含まない製剤におけるrAAVゲノム放出に比べて減少している、前記使用。
【0285】
67.rAAV粒子からのrAAVゲノム放出を減少させるための糖の使用であって、rAAV粒子、緩衝剤、糖、塩、及び任意選択で非イオン性界面活性剤を含む製剤を製造することを含み、凍結乾燥及び再構築後の前記rAAV粒子からのrAAVゲノム放出は、前記糖を含まない製剤におけるrAAVゲノム放出に比べて減少している、前記使用。
【0286】
68.さらに、前記製剤を凍結乾燥させて、残存水分量を約1%~約7%にすることを含む、条項66または67に記載の使用。
【0287】
69.rAAV粒子からのrAAVゲノム放出を減少させるための可塑剤の使用であって、rAAV粒子、緩衝剤、糖、塩、可塑剤、及び任意選択で非イオン性界面活性剤を含む製剤を製造することを含み、3回の凍結融解サイクル後の前記rAAV粒子からのrAAVゲノム放出は、前記糖を含まない製剤におけるrAAVゲノム放出に比べて減少している、前記使用。
【0288】
70.rAAV粒子からのrAAVゲノム放出を減少させるための可塑剤の使用であって、rAAV粒子、緩衝剤、糖、塩、可塑剤、及び任意選択で非イオン性界面活性剤を含む製剤を製造することを含み、凍結乾燥及び再構築後の前記rAAV粒子からのrAAVゲノム放出は、前記糖を含まない製剤におけるrAAVゲノム放出に比べて減少している、前記使用。
【0289】
71.rAAVゲノム放出は、DNA特異的蛍光染色の存在下で相対蛍光を測定することにより特定される、条項61から65のいずれか1つに記載の方法または条項66から70のいずれか1つに記載の使用。
【0290】
72.凍結により誘導されるrAAVゲノム放出は、少なくとも約10%、20%、50%、80%、または90%減少している、条項61から65及び71のいずれか1つに記載の方法または条項66から71のいずれか1つに記載の使用。
【0291】
73.凍結により誘導されるrAAVゲノム放出は、実質的に排除されている、条項61から65及び71のいずれか1つに記載の方法または条項66から71のいずれか1つに記載の使用。
【0292】
74.前記糖は、非還元糖である、条項61から65及び71から73のいずれか1つに記載の方法または条項66から73のいずれか1つに記載の使用。
【0293】
75.前記非還元糖は、スクロース、トレハロース、またはラフィノースである、条項74に記載の方法または条項74に記載の使用。
【0294】
76.前記非還元糖は、スクロースである、条項74に記載の方法または条項74に記載の使用。
【0295】
77.前記糖は、還元糖である、条項61から65及び71から73のいずれか1つに記載の方法または条項66から73のいずれか1つに記載の使用。
【0296】
78.前記還元糖は、グルコース、フルクトース、マンノース、ガラクトース、またはラクトースである、条項77に記載の方法または条項77に記載の使用。
【0297】
79.前記還元糖は、ブドウ糖である、条項77に記載の方法または条項77に記載の使用。
【0298】
80.前記可塑剤は、グリセロールを含む、条項61から65及び71から79のいずれか1つに記載の方法。または条項66から79のいずれか1つに記載の使用。
【0299】
81.前記製剤は、条項1~47のいずれか1つに記載のものである、条項61から65及び71から80のいずれか1つに記載の方法または条項66から80のいずれか1つに記載の使用。
【0300】
4.1.2セット2
1.組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)粒子と、ならびに
a)緩衝剤、
b)糖、及び
c)非晶質塩と
を含む、安定製剤であって、
凍結乾燥に適している、前記製剤。
【0301】
2.前記緩衝剤は、約1mM~約50mMのTrisを含む、条項1に記載の製剤。
【0302】
3.約1mM~約30mM、約1mM~約20mM、約5mM~約30mM、約5mM~約20mM、約10mM~約30mM、約10mM~約20mM、または約20mM~約50mMのTrisを含む、条項2に記載の製剤。
【0303】
4.約1mM、約2mM、約3mM、約5mM、約10mM、約15mM、約20mM、約25mM、約30mM、または約40mMのTrisを含む、条項2に記載の製剤。
【0304】
5.約5mMのTrisを含む、条項2に記載の製剤。
【0305】
6.組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)粒子と、ならびに
a)緩衝剤、
b)糖、及び
c)イオン強度が60mMより高い非晶質塩と
を含む、安定製剤であって、
凍結乾燥に適している、前記製剤。
【0306】
7.前記rAAV粒子は、AAV8カプシドを有する、条項6に記載の製剤。
【0307】
8.組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)粒子と、ならびに
a)緩衝剤、
b)糖、及び
c)イオン強度が60mM~150mMである非晶質塩と
を含む、安定製剤であって、
凍結乾燥に適している、前記製剤。
【0308】
9.前記rAAV粒子は、AAV8カプシドを有する、条項8に記載の製剤。
【0309】
10.組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)粒子と、ならびに
a)緩衝剤、
b)糖、及び
c)イオン強度が30~100mMである非晶質塩と
を含む、安定製剤であって、
凍結乾燥に適している、前記製剤。
【0310】
11.前記rAAV粒子は、rAAV9カプシドを有する、条項10に記載の製剤。
【0311】
12.組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)粒子と、ならびに
a)緩衝剤、
b)糖、及び
c)イオン強度が200mMより高い非晶質塩と
を含む、安定製剤であって、
凍結乾燥に適している、前記製剤。
【0312】
13.前記rAAV粒子は、rAAV8カプシドもrAAV9カプシドも有さない、条項12に記載の製剤。
【0313】
14.前記非晶質塩は、クエン酸ナトリウムである、条項1から13のいずれか1つに記載の製剤。
【0314】
15.前記非晶質塩は、硫酸ナトリウムである、条項1から13のいずれか1つに記載の製剤。
【0315】
16.前記非晶質塩は、硫酸アンモニウムである、条項1から13のいずれか1つに記載の製剤。
【0316】
17.前記非晶質塩は、硫酸マグネシウムである、条項1から13のいずれか1つに記載の製剤。
【0317】
18.前記非晶質塩は、クエン酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、硫酸アンモニウム、硫酸マグネシウム、またはそれらの組み合わせである、条項1から13のいずれか1つに記載の製剤。
【0318】
19.クエン酸ナトリウムを含む、条項1から13のいずれか1つに記載の製剤。
【0319】
20.硫酸ナトリウムを含む、条項1から13のいずれか1つに記載の製剤。
【0320】
21.硫酸アンモニウムを含む、条項1から13のいずれか1つに記載の製剤。
【0321】
22.硫酸マグネシウムを含む、条項1から13のいずれか1つに記載の製剤。
【0322】
23.クエン酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、硫酸アンモニウム、硫酸マグネシウム、またはそれらの組み合わせを含む、条項1から13のいずれか1つに記載の製剤。
【0323】
24.前記製剤は、約10mM、約20mM、約30mM、約40mM、約50mM、約60mM、約70mM、約80mM、約90mM、約100mM、約120mM、約140mM、約150mM、または約200mMの硫酸ナトリウムを含む、条項1から13のいずれか1つに記載の製剤。
【0324】
25.pHが約6.5~8.0である、条項1から24のいずれか1つに記載の製剤。
【0325】
26.pHが約7.2~7.8である、条項25に記載の製剤。
【0326】
27.pHが約7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、または7.8である、条項25に記載の製剤。
【0327】
28.pHが約7.5である、条項25に記載の製剤。
【0328】
29.約50mM~約400mMの糖を含む、条項1から28のいずれか1つに記載の製剤。
【0329】
30.約50mM~約350mM、約50mM~約300mM、約50mM~約250mM、約50mM~約200mM、または約50mM~約150mMの糖を含む、条項29に記載の製剤。
【0330】
31.約100mM~約400mM、約150mM~約400mM、約200mM~約400mM、約250mM~約400mM、または約300mM~約400mMの糖を含む、条項29に記載の製剤。
【0331】
32.約100mM~約300mM、約150mM~約250mM、約200mM~約300mM、または約250mM~約350mMの糖を含む、条項29に記載の製剤。
【0332】
33.約50mM、約100mM、約150mM、約160mM、約170mM、約180mM、約190mM、約200mM、約210mM、約220mM、約230mM、約240mM、約250mM、約260mM、約270mM、約280mM、約290mM、約300mM、または約350mMの糖を含む、条項29に記載の製剤。
【0333】
34.約190mM~約230mM、約170mM~約250mM、または約150mM~約270mMの糖を含む、条項29に記載の製剤。
【0334】
35.約210mMの糖を含む、条項29に記載の製剤。
【0335】
36.前記糖は、非還元糖である、条項1から35のいずれか1つに記載の製剤。
【0336】
37.前記非還元糖は、スクロース、トレハロース、またはラフィノースである、条項36に記載の製剤。
【0337】
38.前記非還元糖は、スクロースである、条項36に記載の製剤。
【0338】
39.前記糖は、還元糖である、条項1から35のいずれか1つに記載の製剤。
【0339】
40.前記還元糖は、グルコース、フルクトース、マンノース、ガラクトース、またはラクトースである、条項39に記載の製剤。
【0340】
41.約100mM未満のクエン酸ナトリウムを含む、条項1から40のいずれか1つに記載の製剤。
【0341】
42.約10mM~約100mMのクエン酸ナトリウムを含む、条項41に記載の製剤。
【0342】
43.約10mM~約100mM、約20mM~約100mM、約30mM~約100mM、約40mM~約100mM、約50mM~約100mM、約10mM~約80mM、約10mM~約60mM、約10mM~約50mM、約10mM~約40mM、または約10mM~約30mMのクエン酸ナトリウムを含む、条項41に記載の製剤。
【0343】
44.約10mM~約50mM、約20mM~約60mM、約30mM~約70mM、または約10mM~約30mMのクエン酸ナトリウムを含む、条項41に記載の製剤。
【0344】
45.約10mM、約20mM、約30mM、約40mM、約50mM、または約60mMのクエン酸ナトリウムを含む、条項41に記載の製剤。
【0345】
46.約20mMのクエン酸ナトリウムを含む、条項41に記載の製剤。
【0346】
47.さらに、約0.0005%~約0.01%の非イオン性界面活性剤を含む、条項1から46のいずれか1つに記載の製剤。
【0347】
48.約0.002%の非イオン性界面活性剤を含む、条項47に記載の製剤。
【0348】
49.前記非イオン性界面活性剤は、ポロキサマー188、ポロキサマー407、ポリソルベート80、ポリソルベート20、Pluronic F-68、またはBRIJ 35を含む、条項46または条項47に記載の製剤。
【0349】
50.前記非イオン性界面活性剤は、ポロキサマー188を含む、条項49に記載の製剤。
【0350】
51.組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)粒子と、ならびに
a)約1mM~約25mMのTris、
b)約50mM~約400mMの糖、
c)約10mM~約100mMのクエン酸ナトリウム、及び
d)約0.0005%~約0.01%の非イオン性界面活性剤と
を含む、安定製剤であって、
pHが約7.2~約7.8である、前記製剤。
【0351】
52.組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)粒子と、ならびに
a)約2mM~約10mMのTris、
b)約150mM~約250mMの糖、
c)約10mM~約20mMのクエン酸ナトリウム、及び
d)約0.001%~約0.005%の非イオン性界面活性剤と
を含む、安定製剤であって、
pHが約7.2~約7.8である、前記製剤。
【0352】
53.組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)粒子と、ならびに
a)約5mMのTris、
b)約210mMの糖、
c)約20mMのクエン酸ナトリウム、及び
d)約0.002%の非イオン性界面活性剤と
を含む、安定製剤であって、
pHが約7.5である、前記製剤。
【0353】
54.前記糖は、非還元糖である、条項51から53のいずれか1つに記載の製剤。
【0354】
55.前記非還元糖は、スクロース、トレハロース、またはラフィノースである、条項54に記載の製剤。
【0355】
56.前記非還元糖は、スクロースである、条項55に記載の製剤。
【0356】
57.組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)粒子と、ならびに
a)約5mMのTris、
b)約210mMのスクロース、
c)約20mMのクエン酸ナトリウム、及び
d)約0.002%(w/v)のポロキサマー188と
を含む、安定製剤。
【0357】
58.組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)粒子と、ならびに
a)約5mMのTris、
b)約210mMのスクロース、
c)約20mMのクエン酸ナトリウム、
d)約0.002%(w/v)のポロキサマー188、及び
e)約0.25%(w/v)のグリセロールと
を含む、安定製剤。
【0358】
59.組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)粒子と、ならびに
a)約5mMのTris、
b)約210mMのスクロース、
c)約20mMのクエン酸ナトリウム、
d)約0.002%(w/v)のポロキサマー188、及び
e)約0.5%(w/v)ソルビトールと
を含む、安定製剤。
【0359】
60.組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)粒子と、ならびに
a)約5mMのTris、
b)約30mMの硫酸ナトリウム、
c)約263mMのスクロース、及び
d)約0.005%(w/v)のポロキサマー188と
を含む、安定製剤。
【0360】
61.凍結乾燥に適している、条項1から60のいずれか1つに記載の製剤。
【0361】
62.pHが約7.5である、条項1から61のいずれか1つに記載の製剤。
【0362】
63.pHが約7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、または7.8である、条項1から61のいずれか1つに記載の製剤。
【0363】
64.pHが約7.1である、条項1から61のいずれか1つに記載の製剤。
【0364】
65.pHが約6.5~8.0である、条項1から61のいずれか1つに記載の製剤。
【0365】
66.pHが約7.2~約7.8.である、条項1から61のいずれか1つに記載の製剤。
【0366】
67.約1.0E+11ゲノムコピー/mL(GC/mL)~約1.0E+15GC/mLのrAAV粒子を含む、条項1から66のいずれか1つに記載の製剤。
【0367】
68.約1.0E+11GC/mL、約1.0E+12GC/mL、約1.0E+13GC/mL、約1.0E+14GC/mL、または約1.0E+15GC/mLのrAAV粒子を含む、条項67に記載の製剤。
【0368】
69.前記rAAV粒子は、AAV1、AAV2、AAV3、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、AAV9、AAV10、AAV-11、AAV-12、AAV-13、AAV-14、AAV-15及びAAV-16、rAAV.rh8、rAAV.rh10、rAAV.rh20、rAAV.rh39、rAAV.Rh74、rAAV.RHM4-1、AAV.hu37、rAAV.Anc80、rAAV.Anc80L65、rAAV.7m8、rAAV.PHP.B、rAAV2.5、rAAV2tYF、rAAV3B、rAAV.LK03、AAV.HSC1、AAV.HSC2、AAV.HSC3、AAV.HSC4、AAV.HSC5、AAV.HSC6、AAV.HSC7、AAV.HSC8、AAV.HSC9、AAV.HSC10、AAV.HSC11、AAV.HSC12、AAV.HSC13、AAV.HSC14、AAV.HSC15、またはAAV.HSC16のカプシドタンパク質を含む、条項1から68のいずれか1つに記載の製剤。
【0369】
70.前記rAAV粒子は、AAV-8またはAAV-9血清型のカプシドタンパク質を含む、条項69に記載の製剤。
【0370】
71.さらに、グリセロールまたはソルビトールからなる群より選択される安定剤を含む、条項1から70のいずれか1つに記載の製剤。
【0371】
72.さらに、グリセロールを含む、条項1から70のいずれか1つに記載の製剤。
【0372】
73.約0.1%~約5%のグリセロールを含む、条項1から70のいずれか1つに記載の製剤。
【0373】
74.約0.1%~約2%のグリセロールを含む、条項1から70のいずれか1つに記載の製剤。
【0374】
75.約0.25%~約2%のグリセロールを含む、条項1から70のいずれか1つに記載の製剤。
【0375】
76.マンニトールを含まない、条項1から70のいずれか1つに記載の製剤。
【0376】
77.150mM、100mM、50mM、20mM、または10mM未満のマンニトールを含む、条項1から70のいずれか1つに記載の製剤。
【0377】
78.前凍結乾燥製剤である、条項1から77のいずれか1つに記載の製剤。
【0378】
79.残存水分量が約1%~約7%である、条項に記載の製剤。
【0379】
80.前記残存水分量は、約1%~約7%、約2%~約7%、約3%~約7%、約4%~約7%、約5%~約7%、約1%~約6%、約1%~約5%、約1%~約4%、または約1%~約3%である、条項79に記載の製剤。
【0380】
81.前記残存水分量は、約3%~約7%、約3%~約6%、または約3%~約5%である、条項79に記載の製剤。
【0381】
82.前記残存水分量は、約3%、約3.5%、約4%、約4.5%、約5%、約5.5%、または約6%である、条項79に記載の製剤。
【0382】
83.前記水分量は、約1%~約2%である、条項79に記載の製剤。
【0383】
84.前記水分量は、約1.5%、約1.4%、約1.3%、約1.2%、または約1.1%である、条項79に記載の製剤。
【0384】
85.前記水分量は、約1%である、条項79に記載の製剤。
【0385】
86.前記製剤の前記凍結乾燥ケーキのガラス転移温度(Tg)は、35℃より高い、条項1から78のいずれか1つに記載の製剤。
【0386】
87.前記製剤の最大凍結濃縮溶液のガラス転移温度(Tg’)は、-40℃より高い、条項1から78のいずれか1つに記載の製剤。
【0387】
88.前記rAAV粒子の相対効力%は、前記製剤を室温で3ヶ月間貯蔵した後、少なくとも約60%、少なくとも約70%、または少なくとも約80%であり、ただし参照rAAV粒子は、0.001%ポロキサマー188緩衝剤を含むDPBS中、-70℃で貯蔵されている、条項1から78のいずれか1つに記載の製剤。
【0388】
89.前記rAAV粒子の相対効力%は、前記製剤を室温で6ヶ月間貯蔵した後、少なくとも約60%、少なくとも約70%、または少なくとも約80%であり、ただし参照rAAV粒子は、0.001%ポロキサマー188緩衝剤を含むダルベッコリン酸緩衝食塩水(DPBS)中、-70℃で貯蔵されている、条項1から78のいずれか1つに記載の製剤。
【0389】
90.前記rAAV粒子の相対効力%は、前記製剤を35℃で1週間貯蔵した後、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、または少なくとも60%であり、ただし参照rAAV粒子は、0.001%ポロキサマー188緩衝剤を含むDPBS中、-70℃で貯蔵されている、条項1から78のいずれか1つに記載の製剤。
【0390】
91.前記rAAV粒子の相対効力%は、前記製剤を35℃で2週間貯蔵した後、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、または少なくとも60%であり、ただし参照rAAV粒子は、0.001%ポロキサマー188緩衝剤を含むDPBS中、-70℃で貯蔵されている、条項1から78のいずれか1つに記載の製剤。
【0391】
92.前記rAAV粒子の相対効力%は、前記製剤を35℃で4週間貯蔵した後、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、または少なくとも60%であり、ただし参照rAAV粒子は、0.001%ポロキサマー188緩衝剤を含むDPBS中、-70℃で貯蔵されている、条項1から78のいずれか1つに記載の製剤。
【0392】
93.前記製剤は、貯蔵前に凍結乾燥される、条項87から92のいずれか1つに記載の製剤。
【0393】
94.前記凍結乾燥製剤は、貯蔵後に再構築される、条項94に記載の製剤。
【0394】
95.前記rAAV粒子の相対効力%は、凍結乾燥直後に、少なくとも約25%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、または少なくとも約99%である、条項1から78のいずれか1つに記載の製剤。
【0395】
96.前記製剤のrAAV粒子凝集のレベルは、参照製剤におけるAAV粒子凝集のレベルと比較した場合に、約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、または約100%低下している、条項1から78のいずれか1つに記載の製剤。
【0396】
97.前記製剤の安定性は、ベクターゲノム含有量またはウイルス力価アッセイにより評価され、前記製剤は、1日間、2日間、3日間、4日間、5日間、6日間、1週間、2週間、3週間、4週間、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、7ヶ月、8ヶ月、9ヶ月、10ヶ月、11ヶ月、1年間、2年間、または3年間貯蔵後、同一条件で貯蔵された参照製剤のゲノム含有量と比較した場合に、前記ゲノム含有量が、少なくとも約5%、約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約100%、または約200%多い、条項1から78のいずれか1つに記載の製剤。
【0397】
98.前記製剤の安定性は、前記製剤の相対効力を測定することにより評価され、前記製剤は、1日間、2日間、3日間、4日間、5日間、6日間、1週間、2週間、3週間、4週間、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、7ヶ月、8ヶ月、9ヶ月、10ヶ月、11ヶ月、1年間、2年間、または3年間貯蔵後、同一条件で貯蔵された参照製剤のゲノム含有量と比較した場合に、前記相対効力が、少なくとも約5%、約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約100%、または約200%高い、条項1から78のいずれか1つに記載の製剤。
【0398】
99.前記製剤の安定性は、感染力の低下により評価され、前記製剤は、1日間、2日間、3日間、4日間、5日間、6日間、1週間、2週間、3週間、4週間、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、7ヶ月、8ヶ月、9ヶ月、10ヶ月、11ヶ月、1年間、2年間、または3年間貯蔵後、同一条件で貯蔵された参照製剤の感染力の低下と比較した場合に、前記感染力の低下が、少なくとも約5%、約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約100%、または約200%少ない、条項1から78のいずれか1つに記載の製剤。
【0399】
100.前記製剤の安定性は、rAAVゲノム放出により評価され、前記rAAVゲノム放出は、DNA特異的蛍光染色の存在下で相対蛍光を測定することにより特定され、前記製剤は、1日間、2日間、3日間、4日間、5日間、6日間、1週間、2週間、3週間、4週間、1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月、4ヶ月、5ヶ月、6ヶ月、7ヶ月、8ヶ月、9ヶ月、10ヶ月、11ヶ月、1年間、2年間、または3年間貯蔵後、同一条件で貯蔵された参照製剤の相対蛍光レベルと比較した場合に、前記相対蛍光レベルが、少なくとも約5%、約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約100%、または約200%低い、条項1から78のいずれか1つに記載の製剤。
【0400】
101.前記製剤は、貯蔵前に凍結乾燥される、条項97から100のいずれか1つに記載の製剤。
【0401】
102.前記凍結乾燥製剤は、貯蔵後に再構築される、条項101に記載の製剤。
【0402】
103.前記製剤は、-80℃、-70℃、-20℃、4℃、20℃、25℃、30℃、35℃、または40℃で貯蔵される、条項97から102のいずれか1つに記載の製剤。
【0403】
104.前記参照製剤は、0.001%ポロキサマー188緩衝剤を含むDPBSである、条項96から103のいずれか1つに記載の製剤。
【0404】
105.前記参照製剤は、糖を含まない製剤である、条項96から104のいずれか1つに記載の製剤。
【0405】
106.前記参照製剤は、可塑剤を含まない製剤である、条項96から105のいずれか1つに記載の製剤。
【0406】
107.前記製剤は、前記凍結乾燥プロセスにおいて、約-20℃の温度に凍結される、条項1から106のいずれか1つに記載の製剤。
【0407】
108.前記凍結製剤は、-20℃に凍結されるときに、pHを約pH6~約pH9に維持する、条項1から107のいずれか1つに記載の製剤。
【0408】
109.前記凍結製剤は、-20℃で凍結されるときに、pH値を凍結前のpH値からプラスマイナス1単位の範囲内に維持する、条項1から107のいずれか1つに記載の製剤。
【0409】
110.凍結乾燥用の安定化水性rAAV製剤である、条項1から109のいずれか1つに記載の製剤。
【0410】
111.組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)粒子を含む安定製剤の製造法であって、rAAV粒子を、条項1から108のいずれか1つに記載の製剤の緩衝剤、糖、塩、任意選択で可塑剤、及び任意選択で非イオン性界面活性剤と混合し、それによりrAAVを含む前記製剤を製造することを含む、前記方法。
【0411】
112.rAAV粒子からのrAAVゲノム放出の減少法であって、rAAV粒子、緩衝剤、糖、塩、及び任意選択で非イオン性界面活性剤を含む製剤を製造することを含み、3回の凍結融解サイクル後の前記rAAV粒子からのrAAVゲノム放出は、前記糖を含まない製剤におけるrAAVゲノム放出に比べて減少している、前記方法。
【0412】
113.rAAV粒子からのrAAVゲノム放出の減少法であって、rAAV粒子、緩衝剤、糖、塩、及び任意選択で非イオン性界面活性剤を含む製剤を製造することを含み、凍結乾燥及び再構築後の前記rAAV粒子からのrAAVゲノム放出は、前記糖を含まない製剤におけるrAAVゲノム放出に比べて減少している、前記方法。
【0413】
114.さらに、前記製剤を凍結乾燥させて、残存水分量を約1%~約5%にすることを含む、条項112または113に記載の方法。
【0414】
115.rAAV粒子からのrAAVゲノム放出の減少法であって、rAAV粒子、緩衝剤、糖、塩、可塑剤、及び任意選択で非イオン性界面活性剤を含む製剤を製造することを含み、3回の凍結融解サイクル後の前記rAAV粒子からのrAAVゲノム放出は、前記糖を含まない製剤におけるrAAVゲノム放出に比べて減少している、前記方法。
【0415】
116.rAAV粒子からのrAAVゲノム放出の減少法であって、rAAV粒子、緩衝剤、糖、塩、可塑剤、及び任意選択で非イオン性界面活性剤を含む製剤を製造することを含み、凍結乾燥及び再構築後の前記rAAV粒子からのrAAVゲノム放出は、前記糖を含まない製剤におけるrAAVゲノム放出に比べて減少している、前記方法。
【0416】
117.rAAV粒子からのrAAVゲノム放出を減少させるための糖の使用であって、rAAV粒子、緩衝剤、糖、塩、及び任意選択で非イオン性界面活性剤を含む製剤を製造することを含み、3回の凍結融解サイクル後の前記rAAV粒子からのrAAVゲノム放出は、前記糖を含まない製剤におけるrAAVゲノム放出に比べて減少している、前記方法。
【0417】
118.rAAV粒子からのrAAVゲノム放出を減少させるための糖の使用であって、rAAV粒子、緩衝剤、糖、塩、及び任意選択で非イオン性界面活性剤を含む製剤を製造することを含み、凍結乾燥及び再構築後の前記rAAV粒子からのrAAVゲノム放出は、前記糖を含まない製剤におけるrAAVゲノム放出に比べて減少している、前記方法。
【0418】
119.さらに、前記製剤を凍結乾燥させて、残存水分量を約1%~約7%にすることを含む、条項117または118に記載の方法。
【0419】
120.rAAV粒子からのrAAVゲノム放出を減少させるための可塑剤の使用であって、rAAV粒子、緩衝剤、糖、塩、可塑剤、及び任意選択で非イオン性界面活性剤を含む製剤を製造することを含み、3回の凍結融解サイクル後の前記rAAV粒子からのrAAVゲノム放出は、前記糖を含まない製剤におけるrAAVゲノム放出に比べて減少している、前記方法。
【0420】
121.rAAV粒子からのrAAVゲノム放出を減少させるための可塑剤の使用であって、rAAV粒子、緩衝剤、糖、塩、可塑剤、及び任意選択で非イオン性界面活性剤を含む製剤を製造することを含み、凍結乾燥及び再構築後の前記rAAV粒子からのrAAVゲノム放出は、前記糖を含まない製剤におけるrAAVゲノム放出に比べて減少している、前記方法。
【0421】
122.rAAVゲノム放出は、DNA特異的蛍光染色の存在下で相対蛍光を測定することにより特定される、条項112から116のいずれか1つに記載の方法または条項117から121のいずれか1つに記載の使用。
【0422】
123.凍結により誘導されるrAAVゲノム放出は、少なくとも約10%、20%、50%、80%、または90%減少している、条項112から116及び122のいずれか1つに記載の方法または条項117から121のいずれか1つに記載の使用。
【0423】
124.凍結により誘導されるrAAVゲノム放出は、実質的に排除されている、条項112から116及び122のいずれか1つに記載の方法または条項117から121のいずれか1つに記載の使用。
【0424】
125.前記糖は、非還元糖である、条項112から116及び122から124のいずれか1つに記載の方法または条項117から124のいずれか1つに記載の使用。
【0425】
126.前記非還元糖は、スクロース、トレハロース、またはラフィノースである、条項125に記載の方法または条項125に記載の使用。
【0426】
127.前記非還元糖は、スクロースである、条項125に記載の方法または条項125に記載の使用。
【0427】
128.前記糖は、還元糖である、条項112から116及び122から124のいずれか1つに記載の方法または条項117から124のいずれか1つに記載の使用。
【0428】
129.前記還元糖は、グルコース、フルクトース、マンノース、ガラクトース、またはラクトースである、条項122に記載の方法または条項122に記載の使用。
【0429】
130.前記還元糖は、ブドウ糖である、条項128に記載の方法または条項128に記載の使用。
【0430】
131.前記可塑剤は、グリセロールを含む、条項111から117及び122から130のいずれか1つに記載の方法または条項82から105のいずれか1つに記載の使用。
【0431】
132.前記製剤は、条項請求項1から110のいずれか1つに記載のものである、条項111から117及び122から131のいずれか1つに記載の方法または条項82から106のいずれか1つに記載の使用。
【0432】
133.rAAV産物の安定凍結乾燥製剤の製造法であって、前凍結乾燥させた製剤を凍結乾燥に供する工程を含み、前記前凍結乾燥させた製剤は、条項請求項1から110のいずれか1つに記載のものである、前記方法。
【0433】
134.疾患の治療法または予防法であって、治療または予防を必要としている対象に、安定凍結乾燥製剤から再構築されたものであるrAAV製剤を治療上有効量で投与することを含み、前記安定凍結乾燥製剤の前記前凍結乾燥させた製剤は、条項請求項1から110のいずれか1つに記載のものである、前記方法。
【図面の簡単な説明】
【0434】
5.図面の簡単な説明
【
図1】ウイルス粒子凝集は、イオン強度の影響を受ける。(A)イオン強度の異なる緩衝剤に希釈した際に観察されるウイルス粒子凝集。塩1は塩化ナトリウムであり、塩2はクエン酸ナトリウムである。(B)ウイルス粒子凝集は、時間とともに増加する。
【
図2】凝集を防ぐための最小イオン強度。異なるNaCl濃度で調製した1.8E+13GC/mLのAAV8粒子の有効直径。粒子の直径が示すところによれば、粒子凝集を防ぐには90mM以上のイオン強度が必要であるように思われる。
【
図3】最小イオン強度は、血清型依存性である。異なるNaCl濃度で調整したAAV8(白抜き四角)及びAAV9(白抜き三角)の有効直径。ベクター濃度は、6.0E+11GC/mLであった。
【
図4】凝集の阻止は必要であるが、確実に安定製剤とするには不十分である。-80℃で6ヶ月(6ヶ月、-80℃)または25℃で6ヶ月(6ヶ月、25℃)貯蔵した後のウイルス粒子の寸法分布を示す。
【
図5】DNAと結合した際に蛍光強度の顕著な上昇を呈する色素であるSYBR金の存在下でのAAVゲノム放出の検出。溶液は、(A)NaClまたは(B)クエン酸ナトリウムいずれかの存在下ポロキサマー188を含有するTris緩衝剤中に、9.7E+11GC/mLのAAV8粒子を含有する。実線は、凍結させなかった対照であり、破線は、3回の凍結融解サイクル後である。
【
図6】凍結中に結晶化する塩の存在下では、DNA放出が増加する。塩1はクエン酸ナトリウムであり、塩2は塩化ナトリウムである。対照試料中及び3回の凍結融解サイクル(3×F/T)後のDNA放出を示す。緩衝剤1はTrisであり、緩衝剤2はリン酸ナトリウムであり、緩衝剤3はヒスチジンである。
【
図7】SYBR金の存在下でのAAVゲノム放出の検出。溶液は、リン酸緩衝食塩水(PBS)(A)または4%スクロース含有PBS(B)いずれか中に、1E+12GC/mLのAAV8を含有する。実線は、凍結させなかった対照であり、破線は10回の凍結融解サイクル後である。
【
図8】非晶質糖の添加は、共溶質結晶化を阻害し、より少ないDNA放出を呈する。結晶マンニトール成分及び非晶質スクロース成分を異なる比で含む緩衝剤での対照試料及び3回の凍結融解サイクル(3×F/T)後のDNA放出を示す。
【
図9】GCの減少は、凍結乾燥後の相対効力の同時低下を招く。凍結乾燥後の製剤の相対効力及びウイルスDNA力価を示す。「C」で標識した試料には、結晶性の増量剤が含まれていた。
【
図10】凍結溶液のpHは、凍結乾燥固体の安定性に影響を及ぼす。液体及び凍結溶液のpHを、色で示す。25℃で6ヶ月貯蔵後の凍結乾燥製剤の相対効力を示す。
【
図11】凍結乾燥させなかった対照(「Liquid」)、凍結乾燥後(「Post Lyo」)、ならびに室温で3ヶ月及び6ヶ月貯蔵後におけるAAV8製剤の相対効力パーセント。製剤は、Tris緩衝剤(黒塗りつぶし)またはリン酸緩衝剤(灰色塗りつぶし)のいずれかである。
【
図12】35℃で貯蔵中の凍結乾燥AAV8製剤の相対効力パーセント。残存水分量は、5.8%(丸)、4.7%(三角)、3.6%(菱形)、及び2.1%(四角)である。
【
図13】5℃(三角)または室温(四角)で貯蔵中の凍結乾燥AAV8製剤の相対効力パーセント。
【
図14】SYBR金の存在下でのAAVゲノム放出の検出。溶液は、製剤緩衝剤のみ含有(太実線)、あるいは2.4E+11GC/mLのAAV8を含有し、凍結乾燥前(実線)または異なる残存水分レベル:4.7%(点線)、3.6%(破線)、及び2.1%(一点鎖線)、まで凍結乾燥させ続いて水を用いて最初の体積に再構築させた後、のいずれかである。残存水分が低下するにつれてより多くのAAVゲノムが放出される。
【
図15】凍結乾燥後の製剤1A、6A、及び7AのAAV安定性の比較。Aは、AAVカプシド損傷による遊離DNA放出を示す。蛍光強度が高いほど、遊離DNAが多いことを示す。Bは、ウイルス力価減少の対数を示す。Cは、in vitro相対効力を示す。
【
図16】低温DSCにより特性決定した製剤4Aの熱転移。
【
図17】35℃で2週間後の製剤1A、2A、3A、4A、及び5Aの比較。Aは、AAVカプシド損傷による遊離DNA放出を示す。Bは、ウイルス力価を示す。Cは、in vitro相対効力を示す。
【
図18】イオン強度の異なるNaClまたはNa
2SO4溶液に希釈した後のAAVの粒子寸法、Aは、T
0での直径を示す。Bは、8時間後の直径を示す。Cは、30mMのNa
2SO4の存在下でスクロース濃度を上昇させていった場合の、室温で24時間後の直径を示す。
【
図19】-20℃に凍結させる場合の、dPBS、製剤4A、及び製剤5AのpHシフトを示す。
【
図19】-20℃に凍結させる場合の、dPBS、製剤4A、及び製剤5AのpHシフトを示す。
【
図20】AAVカプシド1~9(配列番号41~51)のClustal多重配列アラインメント。アミノ酸置換(最終行中、太字で示す)は、他の整列させたAAVカプシドの相当する位置からアミノ酸残基を「動員する」ことにより、AAV9カプシド及びAAV8カプシドに対してもたらすことができる。「HVR」で指定される配列領域=超可変領域。
【発明を実施するための形態】
【0435】
6.詳細な説明
本明細書中提供されるのは、rAAV粒子を含む製剤である。実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、緩衝剤、1種または複数の安定剤(例えば、糖、ポリオール、アミノ酸)、塩、及び任意選択で非イオン性界面活性剤を含む。実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、凍結製剤または凍結乾燥製剤である。実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、凍結する間、非晶質のままである。実施形態によっては、本明細書中開示されるrAAV粒子を含む製剤は、室温で長期間貯蔵した場合、安定であり、感染力を大幅に低下させることがない。
【0436】
実施形態によっては、本明細書中提供されるのは、安定製剤、安定製剤が関係する治療法、及び安定製剤が関係するキットである。
【0437】
実施形態によっては、第6.2章に記載される製剤は、第6.2章に記載される1つまたは複数の機能特性をそれらが有するように製剤化される。実施形態によっては、第6.2章に記載される安定製剤は、第6.2章に記載される1つまたは複数の特性をそれらが有するように製剤化される。ある特定の実施形態において、本明細書中提供される製剤は、様々な利点、例えば、凍結乾燥後の安定性の改善、及び様々な条件下での長期安定性の改善を有する。同じく本明細書中提供されるのは、第6.8章で使用される場合があるアッセイである。本発明者らは、驚いたことに、凝集を阻止するために必要な最小イオン強度がAAV血清型依存性であることを見出した。AAV8凝集は、200mM未満のイオン強度で阻止することができ、AAV9に必要とされるイオン強度は、AAV8よりも低い。本発明者らは、さらに驚いたことに、凍結する間の製剤成分の結晶化がrAAV粒子からのrAAVゲノムの減少を促進することを見出した。本発明者らの知る限り、この種のゲノム減少についても、製剤開発を通じたゲノム減少を阻止する方法についても、公開された報告はない。本発明者らは、ゲノム減少が、以下の2通りの製剤化アプローチのいずれかにより軽減可能であることを見出した:(a)凍結する間に結晶化する塩の代わりに結晶化しない塩を用いて製剤化する、及び(b)製剤に、結晶化を阻害する成分(例えば、糖)を含ませる。実施形態によっては、本明細書中開示される組成物のさらなる独自性として、クエン酸ナトリウムとスクロースの併用があり、これにより、他の塩に比べて凍結乾燥プロセスに独自の利点がもたらされる。実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、凍結する間のpHシフトを阻止する緩衝剤を使用する。
【0438】
本発明者らは、さらに驚いたことに、実施形態によっては、凍結乾燥rAAV製剤を可能な限り乾燥させることが、乾燥状態での最高の安定性をもたらすのではないことを見出した。結果として、実施形態によっては、本明細書中開示される安定rAAV製剤は、約1%~7%の残存水分量を含む。また、実施形態によっては、特定の理論に固執するつもりはないが、本明細書中開示される安定rAAV製剤は、乾燥状態で水の代用品として作用する可能性がある可塑剤(例えば、グリセロール)を含む。
【0439】
6.1定義
特に定義されない限り、本明細書中使用される全ての技術用語及び科学用語は、本開示が関連する分野の当業者が一般的に理解するのと同じ意味を有する。開示される方法をわかりやすくするため、複数の用語及び語句を、以下に定義する。
【0440】
「約」は、例えば、本明細書中提供される方法で用いられる、組成物中の成分量、組成物中の成分濃度、流速、rAAV粒子収率、供給量、塩濃度、及び同様な値、ならびにそれらの範囲を修飾するが、この語は、例えば、濃縮物を作成または溶液を使用するのに用いられる典型的な測定及び取り扱い手順を通じて、そうした手順の故意ではない誤りを通じて、組成物の作成または方法の実行に用いられる成分の製造、原料、もしくは純度の違いを通じて、及び同様な考慮から起こり得る数量の変動を示す。「約」という用語は、特定の初期濃度または混合状態を持つ組成物の熟成故に異なる量も包含する。「約」という用語は、特定の初期濃度または混合状態を持つ組成物の混合または処理故に異なる量も包含する。「約」という用語で修飾されているか否かにかかわらず、特許請求の範囲は、当該量に対する等価物を含む。実施形態によっては、「約」という用語は、表示される数字または範囲より約10~20%大きいまたは小さい範囲を示す。さらなる実施形態において、「約」は、表示される数字または範囲のプラスマイナス10%を示す。例えば、「約10%」は、9%~11%の範囲を示す。ある特定の実施形態において、「約」という用語は、挙げられた数字そのものを包含する。
【0441】
「AAV」とは、アデノ随伴ウイルスの略記であり、ウイルスそれ自身、またはその修飾物、誘導体、もしくは偽型を示すのに使用することができる。この用語は、全てのサブタイプならびに天然型及び組換え型の両方を包含するが、別途要求される場合を除く。「rAAV」という略記は、組換えアデノ随伴ウイルスを示す。「AAV」という用語は、AAV1型(AAV-1)、AAV2型(AAV-2)、AAV3型(AAV-3)、AAV4型(AAV-4)、AAV5型(AAV-5)、AAV6型(AAV-6)、AAV7型(AAV-7)、AAV8型(AAV-8)、AAV9型(AAV-9)、トリAAV、ウシAAV、イヌAAV、ウマAAV、霊長類AAV、非霊長類AAV、及びヒツジAAV、ならびにそれらの修飾物、誘導体、または偽型を含む。「霊長類AAV」は、霊長類に感染するAAVを示し、「非霊長類AAV」は、非霊長類哺乳類に感染するAAVを示し、「ウシAAVAAV」は、ウシ科哺乳類に感染するAAVを示す、などである。
【0442】
「組換え」は、AAV粒子に適用される場合、当該AAV粒子が、自然のAAV粒子とは区別されるAAV粒子構築物をもたらす1つまたは複数の手法の生成物であることを意味する。
【0443】
組換えアデノ随伴ウイルス粒子「rAAV粒子」は、少なくとも1種のAAVカプシドタンパク質と、及びカプシドに包まれた異種ポリヌクレオチド(すなわち、野生型AAVゲノム以外のポリヌクレオチド、例えば、哺乳類細胞に送達される導入遺伝子)を含むポリヌクレオチドrAAVベクターとで構成されたウイルス粒子を示す。rAAV粒子は、任意のAAV血清型のものが可能であり、そのような粒子には、任意の修飾物、誘導体、または偽型が含まれる(例えば、AAV-1、AAV-2、AAV-3、AAV-4、AAV-5、AAV-6、AAV-7、AAV-8、AAV-9、またはAAV-10、あるいはそれらの誘導体/修飾物/偽型)。そのようなAAV血清型及び誘導体/修飾物/偽型、ならびにそのような血清型/誘導体/修飾物/偽型を生成する方法は、当該分野で既知である(例えば、Asokan et al., Mol. Ther. 20(4):699-708 (2012)を参照)。
【0444】
本開示のrAAV粒子は、任意の血清型、または血清型の任意の組み合わせ(例えば、2種以上の血清型を含むrAAV粒子の集団、例えば、rAAV2粒子、rAAV8粒子、及びrAAV9粒子のうち2種以上を含むもの)のものが可能である。実施形態によっては、rAAV粒子は、rAAV1、rAAV2、rAAV3、rAAV4、rAAV5、rAAV6、rAAV7、rAAV8、rAAV9、rAAV10、または他のrAAV粒子、あるいはそれらの2種以上の組み合わせである。実施形態によっては、rAAV粒子は、rAAV8粒子またはrAAV9粒子である。
【0445】
実施形態によっては、rAAV粒子は、AAV-1、AAV-2、AAV-3、AAV-4、AAV-5、AAV-6、AAV-7、AAV-8、AAV-9、AAV-10、AAV-11、AAV-12、AAV-13、AAV-14、AAV-15、及びAAV-16からなる群より選択される血清型のAAVカプシドタンパク質、またはそれらの誘導体、修飾物、もしくは偽型を有する。実施形態によっては、rAAV粒子は、AAV-8、AAV-9の血清型のAAVカプシドタンパク質、またはそれらの誘導体、修飾物、もしくは偽型を有する。
【0446】
「精製する(purifying)」、「精製(purification)」、「分離する(separate)」、「分離する(separating)」、「分離(separation)」、「単離する(isolate)」、「単離する(isolating)」、または「単離(isolation)」という用語は、本明細書中使用される場合、目的産物及び1種または複数の不純物を含む試料由来のrAAV粒子の純度を上昇させることを示す。典型的には、目的産物の純度は、試料から少なくとも1種の不純物を(完全にまたは部分的に)除去することにより上昇する。実施形態によっては、試料中のrAAVの純度は、本明細書中記載される方法を使用することにより、試料から1種または複数の不純物を(完全にまたは部分的に)除去することにより上昇する。
【0447】
本開示及び特許請求の範囲で使用される場合、単数形の「a」、「an」、及び「the」は、文脈から明白にそうではないと示されない限り、複数形を含む。
【0448】
当然ながら、実施形態が「含む(comprising)」という語を用いて本明細書中記載される場合はいつでも、「からなる(consisting of)」及び/または「から本質的になる(consisting essentially of)」で記載されるそれ以外の類似の実施形態も提供されている。同じく当然ながら、実施形態が「から本質的になる(consisting essentially of)」という語を用いて本明細書中記載される場合はいつでも、「からなる(consisting of)」で記載されるそれ以外の類似の実施形態も提供されている。
【0449】
「及び/または」という用語は、例えば「A及び/またはB」などの語句中で本明細書中使用される場合、A及びBの両方;AまたはB;A(単独);ならびにB(単独)を含むことを意図する。同様に、「及び/または」という用語は、「A、B、及び/またはC」などの語句中で使用される場合、以下の実施形態のそれぞれを包含することを意図する:A、B、及びC;A、B、またはC;AまたはC;AまたはB;BまたはC;A及びC;A及びB;B及びC;A(単独);B(単独);ならびにC(単独)。
【0450】
本開示の実施形態が、選択肢のマーカッシュグループまたは他のグループ分けで記載される場合、開示される方法は、列挙されるグループ全体をそのまま丸ごとでだけでなく、グループの個別の各メンバー及び主グループの全ての可能なサブグループ、ならびにグループメンバーのうち1つまたは複数が欠けている主グループも、包含する。開示される方法は、開示される方法のグループメンバーのいずれか1つまたは複数の明白な排除も構想している。
【0451】
6.2rAAV粒子を含む製剤
実施形態によっては、本開示は、組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)粒子と、ならびに緩衝剤、糖、及び塩とを含む、製剤を提供する。実施形態によっては、塩は、薬学上許容される塩である。実施形態によっては、塩は、結晶化しない非晶質塩である。実施形態によっては、塩は、ナトリウム塩である。実施形態によっては、塩は、クエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、または塩化ナトリウムである。実施形態によっては、塩は、クエン酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、硫酸アンモニウム、または硫酸マグネシウムである。多価塩は、より高いイオン強度を有する多荷電イオン(一価の塩化ナトリウムに比べて添加された賦形剤1分子あたり)で構成されており、この塩は、結晶化を最小限に抑えながらAAV凝集を阻害することができる。そのため、組成物の非晶質マトリクスを維持する、一価の塩化ナトリウム以外の塩を含有するrAAV配合組成物は、有用である可能性を秘めている。
【0452】
6.2.1塩
実施形態によっては、塩賦形剤は、望ましいイオン強度を達成するように添加または調整される。
【0453】
実施形態によっては、本明細書中提供されるのは、組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)粒子と、ならびに緩衝剤、糖、及び非晶質塩とを含み、イオン強度が60mM~150mMである安定製剤であり、当該製剤は、凍結乾燥に適している。実施形態によっては、安定製剤は、界面活性剤も含む。実施形態によっては、安定製剤は、ポロキサマー188も含む。
【0454】
実施形態によっては、本明細書中提供されるのは、組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)粒子と、ならびに緩衝剤、糖、及び非晶質塩とを含み、イオン強度が200mM超である安定製剤であり、当該製剤は、凍結乾燥に適している。実施形態によっては、安定製剤は、界面活性剤も含む。実施形態によっては、安定製剤は、ポロキサマー188も含む。
【0455】
実施形態によっては、本明細書中提供されるのは、組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)粒子と、ならびに緩衝剤、糖、及び非晶質塩とを含み、イオン強度が200mM、210mM、220mM、230mM、240mM、250mM、260mM、270mM、280mM、290mM、または300mM超である安定製剤であり、当該製剤は、凍結乾燥に適している。実施形態によっては、安定製剤は、界面活性剤も含む。実施形態によっては、安定製剤は、ポロキサマー188も含む。
【0456】
実施形態によっては、塩は、薬学上許容される塩である。実施形態によっては、塩は、結晶化しない非晶質塩である。実施形態によっては、塩は、ナトリウム塩である。実施形態によっては、塩は、クエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、または塩化ナトリウムである。実施形態によっては、塩は、クエン酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、硫酸アンモニウム、または硫酸マグネシウムである。実施形態によっては、塩は、多価塩であり、この塩は、より高いイオン強度を有する多荷電イオン(一価の塩化ナトリウムに比べて添加された賦形剤1分子あたり)で構成されており、結晶化を最小限に抑えながらAAV凝集を阻害することができる。
【0457】
実施形態によっては、本開示は、組換えアデノ随伴ウイルス(AAV)、塩賦形剤、糖を含む安定製剤を提供する。実施形態によっては、安定製剤は、界面活性剤も含む。実施形態によっては、安定製剤は、ポロキサマー188も含む。実施形態によっては、安定製剤は、凍結乾燥に適している。
【0458】
実施形態によっては、本明細書中提供されるのは、組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)粒子と、ならびに緩衝剤、糖、及びイオン強度が60mM~150mMである非晶質塩とを含む、安定製剤であり、当該製剤は、凍結乾燥に適している。実施形態によっては、安定製剤は、界面活性剤も含む。実施形態によっては、安定製剤は、ポロキサマー188も含む。実施形態によっては、製剤は、前凍結乾燥製剤である。
【0459】
実施形態によっては、本明細書中提供されるのは、組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)粒子と、ならびに緩衝剤、糖、及びイオン強度が30mM~100mMである非晶質塩とを含む、安定製剤であり、当該製剤は、凍結乾燥に適している。実施形態によっては、安定製剤は、界面活性剤も含む。実施形態によっては、安定製剤は、ポロキサマー188も含む。実施形態によっては、製剤は、前凍結乾燥製剤である。
【0460】
実施形態によっては、本明細書中提供されるのは、組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)粒子と、ならびに緩衝剤、糖、及びイオン強度が200mMより高い非晶質塩とを含む、安定製剤であり、当該製剤は、凍結乾燥に適している。実施形態によっては、安定製剤は、界面活性剤も含む。実施形態によっては、安定製剤は、ポロキサマー188も含む。実施形態によっては、製剤は、前凍結乾燥製剤である。
【0461】
実施形態によっては、本明細書中提供されるのは、組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)粒子と、ならびに緩衝剤、糖、イオン強度が60mM~150mMである非晶質塩、及び界面活性剤とを含む、安定製剤であり、当該製剤は、凍結乾燥に適している。実施形態によっては、安定製剤は、界面活性剤も含む。実施形態によっては、安定製剤は、ポロキサマー188も含む。実施形態によっては、製剤は、前凍結乾燥製剤である。
【0462】
実施形態によっては、本明細書中提供されるのは、組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)粒子と、ならびに緩衝剤、糖、イオン強度が30mM~100mMである非晶質塩、及び界面活性剤とを含む、安定製剤であり、当該製剤は、凍結乾燥に適している。実施形態によっては、安定製剤は、界面活性剤も含む。実施形態によっては、安定製剤は、ポロキサマー188も含む。実施形態によっては、製剤は、前凍結乾燥製剤である。
【0463】
実施形態によっては、本明細書中提供されるのは、組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)粒子と、ならびに緩衝剤、糖、及びイオン強度が200mMより高い非晶質塩、及び界面活性剤とを含む、安定製剤であり、当該製剤は、凍結乾燥に適している。実施形態によっては、安定製剤は、界面活性剤も含む。実施形態によっては、安定製剤は、ポロキサマー188も含む。実施形態によっては、製剤は、前凍結乾燥製剤である。
【0464】
実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、約0.0001%~約0.5%の非イオン性界面活性剤を含む。実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、約0.0005%~約0.1%の非イオン性界面活性剤を含む。実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、約0.001%、約0.002%、約0.003%、約0.004%、約0.005%、約0.007%、または約0.01%の非イオン性界面活性剤を含む。
【0465】
実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、約0.0001%~約0.5%のポロキサマー188を含む。実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、約0.0005%~約0.1%のポロキサマー188を含む。実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、約0.001%、約0.002%、約0.003%、約0.004%、約0.005%、約0.007%、または約0.01%のポロキサマー188を含む。
【0466】
実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、約0.0005%のポロキサマー188を含む。実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、約0.001%のポロキサマー188を含む。実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、約0.002%のポロキサマー188を含む。実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、約0.003%のポロキサマー188を含む。実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、約0.004%のポロキサマー188を含む。実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、約0.005%のポロキサマー188を含む。実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、約0.008%のポロキサマー188を含む。
【0467】
実施形態によっては、塩は、薬学上許容される塩である。実施形態によっては、塩は、結晶化しない非晶質塩である。実施形態によっては、塩は、ナトリウム塩である。実施形態によっては、塩は、クエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、または塩化ナトリウムである。実施形態によっては、塩は、クエン酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、硫酸アンモニウム、または硫酸マグネシウムである。実施形態によっては、塩は、多価塩であり、この塩は、より高いイオン強度を有する多荷電イオン(一価の塩化ナトリウムに比べて添加された賦形剤1分子あたり)で構成されており、結晶化を最小限に抑えながらAAV凝集を阻害することができる。
【0468】
実施形態によっては、塩賦形剤は、望ましいイオン強度を達成するように添加されるまたは調整される。実施形態によっては、非晶質塩は、イオン強度が約150mM、約145mM、約140mM、約135mM、約130mM、約125mM、約120mM、約115mM、約110mM、約110mM、約105mM、または約100mM以下である。ある特定の実施形態において、安定製剤は、緩衝剤イオン強度が約150mM、約145mM、約140mM、約135mM、約130mM、約125mM、約120mM、約115mM、約110mM、約105mM、または約100mM以下である。実施形態によっては、製剤中のrAAV粒子は、rAAV8粒子またはrAAV9粒子である。
【0469】
実施形態によっては、安定製剤は、イオン強度が150mM、145mM、140mM、135mM、130mM、125mM、120mM、115mM、または110mM以下である。ある特定の実施形態において、安定製剤は、緩衝剤イオン強度が150mM、145mM、140mM、135mM、130mM、125mM、120mM、115mM、または110mM以下である。実施形態によっては、製剤中のrAAV粒子は、AAV8カプシドを有する。
【0470】
ある特定の実施形態において、安定製剤は、イオン強度が60mM超である。ある特定の実施形態において、安定製剤は、イオン強度が約60mM~150mMである。ある特定の実施形態において、安定製剤は、イオン強度が約60mM~115mMである。ある特定の実施形態において、安定製剤は、イオン強度が約60mM~100mMである。特定の実施形態において、安定製剤は、イオン強度が約60mMである。特定の実施形態において、安定製剤は、イオン強度が約65mMである。特定の実施形態において、安定製剤は、イオン強度が約70mMである。特定の実施形態において、安定製剤は、イオン強度が約75mMである。特定の実施形態において、安定製剤は、イオン強度が約80mMである。特定の実施形態において、安定製剤は、イオン強度が約85mMである。特定の実施形態において、安定製剤は、イオン強度が約90mMである。実施形態によっては、製剤中のrAAV粒子は、AAV8カプシドを有する。
【0471】
ある特定の実施形態において、安定製剤は、イオン強度が約30mM超である。ある特定の実施形態において、安定製剤は、イオン強度が約30mM~100mMである。特定の実施形態において、安定製剤は、イオン強度が約30mMである。特定の実施形態において、安定製剤は、イオン強度が約35mMである。特定の実施形態において、安定製剤は、イオン強度が約40mMである。特定の実施形態において、安定製剤は、イオン強度が約45mMである。特定の実施形態において、安定製剤は、イオン強度が約50mMである。特定の実施形態において、安定製剤は、イオン強度が約55mMである。特定の実施形態において、安定製剤は、イオン強度が約60mMである。特定の実施形態において、安定製剤は、イオン強度が約65mMである。特定の実施形態において、安定製剤は、イオン強度が約70mMである。特定の実施形態において、安定製剤は、イオン強度が約75mMである。特定の実施形態において、安定製剤は、イオン強度が約80mMである。特定の実施形態において、安定製剤は、イオン強度が約85mMである。特定の実施形態において、安定製剤は、イオン強度が約90mMである。特定の実施形態において、安定製剤は、イオン強度が約95mMである。特定の実施形態において、安定製剤は、イオン強度が約100mMである。実施形態によっては、製剤中のrAAV粒子は、AAV9カプシドを有する。
【0472】
ある特定の実施形態において、安定製剤は、イオン強度が約60mM~115mMである。ある特定の実施形態において、安定製剤は、イオン強度が約65mM~95mMである。ある特定の実施形態において、安定製剤は、イオン強度が約70mM~90mMである。ある特定の実施形態において、安定製剤は、イオン強度が約75mM~85mMである。実施形態によっては、製剤中のrAAV粒子は、AAV8カプシドを有する。
【0473】
ある特定の実施形態において、安定製剤は、イオン強度が約30mM~100mMである。ある特定の実施形態において、安定製剤は、イオン強度が約35mM~95mMである。ある特定の実施形態において、安定製剤は、イオン強度が約40mM~90mMである。ある特定の実施形態において、安定製剤は、イオン強度が約45mM~85mMである。ある特定の実施形態において、安定製剤は、イオン強度が約50mM~80mMである。ある特定の実施形態において、安定製剤は、イオン強度が約55mM~75mMである。ある特定の実施形態において、安定製剤は、イオン強度が約60mM~70mMである。実施形態によっては、製剤中のrAAV粒子は、AAV8カプシドを有さない。実施形態によっては、製剤中のrAAV粒子は、AAV9カプシドを有する。
【0474】
実施形態によっては、安定製剤は、イオン強度が約200mM超である。実施形態によっては、製剤中のrAAV粒子は、AAV2カプシドを有する。実施形態によっては、製剤中のrAAV粒子は、AAV8カプシドもAAV9カプシドも有さない。
【0475】
実施形態によっては、安定製剤は、イオン強度が200mM、210mM、220mM、230mM、240mM、250mM、260mM、270mM、280mM、290mM、または300mM超である。実施形態によっては、製剤中のrAAV粒子は、AAV2カプシドを有する。
【0476】
ある特定の実施形態において、安定製剤は、イオン強度が約200mM~約210mMである。ある特定の実施形態において、安定製剤は、イオン強度が約210mM~約220mMである。ある特定の実施形態において、安定製剤は、イオン強度が約220mM~約230mMである。ある特定の実施形態において、安定製剤は、イオン強度が約230mM~約240mMである。ある特定の実施形態において、安定製剤は、イオン強度が約240mM~約250mMである。ある特定の実施形態において、安定製剤は、イオン強度が約250mM~約260mMである。ある特定の実施形態において、安定製剤は、イオン強度が約260mM~約270mMである。ある特定の実施形態において、安定製剤は、イオン強度が約270mM~約280mMである。ある特定の実施形態において、安定製剤は、イオン強度が約280mM~約290mMである。ある特定の実施形態において、安定製剤は、イオン強度が約290mM~約300mMである。実施形態によっては、製剤中のrAAV粒子は、AAV8カプシドもAAV9カプシドも有さない。
【0477】
実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、約100mM未満の塩を含む。実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、約10mM~約100mMの塩を含む。
【0478】
実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、約10mM~約100mM、約20mM~約100mM、約30mM~約100mM、約40mM~約100mM、約50mM~約100mM、約10mM~約80mM、約10mM~約60mM、約10mM~約50mM、約10mM~約40mM、または約10mM~約30mMの塩を含む。
【0479】
実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、約10mM~約50mM、約20mM~約60mM、約30mM~約70mM、または約10mM~約30mMの塩を含む。
【0480】
実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、約10mM、約20mM、約30mM、約40mM、約50mM、または約60mMの塩を含む。
【0481】
実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、約20mMの塩を含む。
【0482】
実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、約100mM未満のクエン酸ナトリウムを含む。実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、約10mM~約100mMのクエン酸ナトリウムを含む。
【0483】
実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、約10mM~約100mMのクエン酸ナトリウムを含む。実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、約20mM~約100mMのクエン酸ナトリウムを含む。実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、約30mM~約100mMのクエン酸ナトリウムを含む。実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、約40mM~約100mMのクエン酸ナトリウムを含む。実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、約50mM~約100mMのクエン酸ナトリウムを含む。実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、約10mM~約80mMのクエン酸ナトリウムを含む。実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、約10mM~約60mMのクエン酸ナトリウムを含む。実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、約10mM~約50mMのクエン酸ナトリウムを含む。実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、約10mM~約40mMのクエン酸ナトリウムを含む。実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、約10mM~約30mMのクエン酸ナトリウムを含む。
【0484】
実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、約10mM~約50mMのクエン酸ナトリウムを含む。実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、約20mM~約60mMのクエン酸ナトリウムを含む。実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、約30mM~約70mMのクエン酸ナトリウムを含む。実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、約10mM~約30mMのクエン酸ナトリウムを含む。
【0485】
実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、約10mMのクエン酸ナトリウムを含む。実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、約20mMのクエン酸ナトリウムを含む。実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、約30mMのクエン酸ナトリウムを含む。実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、約40mMのクエン酸ナトリウムを含む。実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、約50mMのクエン酸ナトリウムを含む。実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、約60mMのクエン酸ナトリウムを含む。
【0486】
実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、約20mMのクエン酸ナトリウムを含む。
【0487】
6.2.2緩衝剤
緩衝剤は、当該分野で周知であり、緩衝剤として、特に制限なく、リン酸緩衝剤、ヒスチジン、クエン酸ナトリウム、HEPES、Tris、Bicine、グリシン、N-グリシルグリシン、酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、グリシルグリシン、リシン、アルギニン、リン酸ナトリウム、及びそれらの混合物が挙げられる。ある特定の実施形態において、緩衝剤は、ヒスチジン(例えば、L-ヒスチジン)である。実施形態によっては、緩衝剤は、薬学上許容される緩衝剤である。実施形態によっては、緩衝剤は、Trisを含む。
【0488】
実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、約1mM~約50mMの緩衝剤を含む。実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、約1mM~約30mM、約1mM~約20mM、約5mM~約30mM、約5mM~約20mM、約10mM~約30mM、約10mM~約20mM、または約20mM~約50mMの緩衝剤を含む。実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、約1mM、約2mM、約3mM、約5mM、約10mM、約15mM、約20mM、約25mM、約30mM、または約40mMの緩衝剤を含む。実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、約5mMの緩衝剤を含む。
【0489】
実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、約1mM~約50mMのTrisを含む。実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、約1mM~約30mM、約1mM~約20mM、約5mM~約30mM、約5mM~約20mM、約10mM~約30mM、約10mM~約20mM、または約20mM~約50mMのTrisを含む。実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、約1mM、約2mM、約3mM、約5mM、約10mM、約15mM、約20mM、約25mM、約30mM、または約40mMのTrisを含む。実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、約5mMのTrisを含む。
【0490】
実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、本明細書中開示される製剤に液状及び凍結状態で実質的に同じpHを提供することができる緩衝剤を含む。
【0491】
実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、pHが約6.5~8.0である。実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、pHが約7.0~8.0である。実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、pHが約7.2~7.8である。
【0492】
実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、pHが約6.6である。実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、pHが約6.8である。実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、pHが約7.0である。実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、pHが約7.2である。実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、pHが約7.3である。実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、pHが約7.4である。実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、pHが約7.5である。実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、pHが約7.6である。実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、pHが約7.7である。実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、pHが約7.8である。
【0493】
実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、pHが約7.5である。
【0494】
実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、液状及び凍結状態でpHが実質的に同じである。
【0495】
実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、液状及び凍結状態でpHが約6.5~8.0である。実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、液状及び凍結状態でpHが約7.0~8.0である。実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、液状及び凍結状態でpHが約7.2~7.8である。実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、液状及び凍結状態でpHが約6.6、6.8、7.0、または7.2である。実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、液状及び凍結状態でpHが約7.2、7.3、7.4、7.5、7.6、7.7、または7.8である。実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、液状及び凍結状態でpHが約7.5である。
【0496】
6.2.3糖
実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、非還元糖を含む。実施形態によっては、非還元糖は、スクロース、トレハロース、ラフィノース、またはそれらの組み合わせである。実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、スクロースを含む。
【0497】
実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、還元糖を含む。実施形態によっては、還元糖は、グルコース、フルクトース、マンノース、ガラクトース、ラクトース、またはそれらの組み合わせである。実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、ブドウ糖を含む。
【0498】
実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、約50mM~約400mMの糖を含む。実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、約50mM~約350mM、約50mM~約300mM、約50mM~約250mM、約50mM~約200mM、または約50mM~約150mMの糖を含む。
【0499】
実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、約100mM~約400mM、約150mM~約400mM、約200mM~約400mM、約250mM~約400mM、または約300mM~約400mMの糖を含む。
【0500】
実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、約100mM~約300mM、約150mM~約250mM、約200mM~約300mM、または約250mM~約350mMの糖を含む。
【0501】
実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、約50mM、約100mM、約150mM、約160mM、約170mM、約180mM、約190mM、約200mM、約210mM、約220mM、約230mM、約240mM、約250mM、約260mM、約270mM、約280mM、約290mM、約300mM、または約350mMの糖を含む。
【0502】
実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、約190mM~約230mM、約170mM~約250mM、または約150mM~約270mMの糖を含む。
【0503】
実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、約210mMの糖を含む。
【0504】
実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、約50mM~約400mMのスクロースを含む。実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、約50mM~約350mMのスクロースを含む。実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、約50mM~約300mMのスクロースを含む。実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、約50mM~約250mMのスクロースを含む。実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、約50mM~約200mMのスクロースを含む。実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、約50mM~約150mMのスクロースを含む。
【0505】
実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、約100mM~約400mMのスクロースを含む。実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、約150mM~約400mMのスクロースを含む。実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、約200mM~約400mMのスクロースを含む。実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、約250mM~約400mMのスクロースを含む。実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、約300mM~約400mMのスクロースを含む。
【0506】
実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、約100mM~約300mMのスクロースを含む。実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、約150mM~約250mMのスクロースを含む。実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、約200mM~約300mMのスクロースを含む。実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、約250mM~約350mMのスクロースを含む。
【0507】
実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、約50mMのスクロースを含む。実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、約100mMのスクロースを含む。実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、約150mMのスクロースを含む。実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、約160mMのスクロースを含む。実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、約170mMのスクロースを含む。実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、約180mMのスクロースを含む。実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、約190mMのスクロースを含む。実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、約200mMのスクロースを含む。実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、約210mMのスクロースを含む。実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、約220mMのスクロースを含む。実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、約230mMのスクロースを含む。実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、約240mMのスクロースを含む。実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、約250mMのスクロースを含む。実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、約260mMのスクロースを含む。実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、約270mMのスクロースを含む。実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、約280mMのスクロースを含む。実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、約290mMのスクロースを含む。実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、約300mMのスクロースを含む。実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、約350mMのスクロースを含む。
【0508】
実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、約190mM~約230mMのスクロースを含む。実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、約170mM~約250mMのスクロースを含む。実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、約150mM~約270mMのスクロースを含む。
【0509】
実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、約210mMのスクロースを含む。
【0510】
実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、糖及び塩を特定の比で含む。実施形態によっては、糖対塩の比は、モル比である。実施形態によっては、糖対塩のモル比は、約1、約2、約3、約5、約10、約20、約40、または約60である。実施形態によっては、糖対塩のモル比は、約5~約20である。実施形態によっては、糖対塩のモル比は、約10である。実施形態によっては、糖はスクロースを含み、塩はクエン酸ナトリウムを含む。
【0511】
実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、塩及び糖を特定の比で含む。実施形態によっては、塩対糖の比は、重量対重量(w:w)比である。実施形態によっては、塩対糖のw:w比は、約3:1、約1:1、または約1:3である。実施形態によっては、塩対糖のw:w比は、約3:1~約1:3である。実施形態によっては、塩対糖のw:w比は、約1:1である。実施形態によっては、糖はスクロースを含み、塩はクエン酸ナトリウムを含む。
【0512】
6.2.4界面活性剤
実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、さらに、非イオン性界面活性剤を含む。薬学上許容される非イオン性界面活性剤として、特に制限なく、ポロキサマー188、ポロキサマー407、ポリソルベート80、ポリソルベート20、Pluronic F-68、またはBRIJ 35が挙げられる。実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、ポロキサマー188、ポロキサマー407、ポリソルベート80、ポリソルベート20、Pluronic F-68、BRIJ 35、またはそれらの組み合わせを含む。実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、ポロキサマー188を含む。
【0513】
実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、さらに、約0.0001%~約0.5%の非イオン性界面活性剤を含む。実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、さらに、約0.0005%~約0.1%の非イオン性界面活性剤を含む。実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、さらに、約0.001%、約0.002%、約0.003%、約0.004%、約0.005%、約0.007%、または約0.01%の非イオン性界面活性剤を含む。
【0514】
実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、さらに、約0.0001%~約0.5%のポロキサマー188を含む。実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、さらに、約0.0005%~約0.1%のポロキサマー188を含む。実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、さらに、約0.001%、約0.002%、約0.003%、約0.004%、約0.005%、約0.007%、または約0.01%のポロキサマー188を含む。
【0515】
実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、さらに、約0.0005%のポロキサマー188を含む。実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、さらに、約0.001%のポロキサマー188を含む。実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、さらに、約0.002%のポロキサマー188を含む。実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、さらに、約0.003%のポロキサマー188を含む。実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、さらに、約0.004%のポロキサマー188を含む。実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、さらに、約0.005%のポロキサマー188を含む。実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、さらに、約0.008%のポロキサマー188を含む。
【0516】
6.2.5安定剤または可塑剤
実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、さらに、可塑剤または安定剤を含む。薬学上許容される安定剤または可塑剤として、グリセロール、キシリトール、及びソルビトールが挙げられるが、これらに限定されない。実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、さらに、グリセロール、キシリトール、ソルビトール、またはそれらの組み合わせを含む。実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、さらに、グリセロールを含む。
【0517】
実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、さらに、約0.1%~約5%の可塑剤または安定剤を含む。実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、さらに、約0.1%~約2%の可塑剤または安定剤を含む。実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、さらに、約0.25%~約2%の可塑剤を含む。
【0518】
実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、さらに、約0.1%~約5%のグリセロールを含む。実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、さらに、約0.1%~約2%のグリセロールを含む。実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、さらに、約0.25%~約2%のグリセロールを含む。
【0519】
6.2.6製剤特性
実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、ガラス転移温度が、相応する純粋な糖溶液及び純粋な塩溶液のガラス転移温度よりも高い。実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、スクロース及びクエン酸ナトリウムを含み、ガラス転移温度が、相応する純粋なスクロース及び純粋なクエン酸ナトリウム塩のガラス転移温度よりも高い。実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、約50mM~約400mMのスクロース、及び約10mM~100mMのクエン酸ナトリウムを含む。
【0520】
実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、約1.0E+11GC/mL~約1.0E+14GC/mLのrAAV粒子を含む。実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、約1.0E+11GC/mL~約1.0E+15GC/mLのrAAV粒子を含む。実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、約1.0E+11GC/mL、約1.0E+12GC/mL、約1.0E+13GC/mL、約1.0E+14GC/mL、または約1.0E+15GC/mLのrAAV粒子を含む。実施形態によっては、rAAV粒子は、AAV1、AAV2、AAV3、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、AAV9、AAV10、AAV-11、AAV-12、AAV-13、AAV-14、AAV-15及びAAV-16、rAAV.rh8、rAAV.rh10、rAAV.rh20、rAAV.rh39、rAAV.Rh74、rAAV.RHM4-1、AAV.hu37、rAAV.Anc80、rAAV.Anc80L65、rAAV.7m8、rAAV.PHP.B、rAAV2.5、rAAV2tYF、rAAV3B、rAAV.LK03、AAV.HSC1、AAV.HSC2、AAV.HSC3、AAV.HSC4、AAV.HSC5、AAV.HSC6、AAV.HSC7、AAV.HSC8、AAV.HSC9、AAV.HSC10、AAV.HSC11、AAV.HSC12、AAV.HSC13、AAV.HSC14、AAV.HSC15、もしくはAAV.HSC16、またはそれらの組み合わせのカプシドタンパク質を含む。実施形態によっては、rAAV粒子は、AAV-8血清型、AAV-9血清型、またはそれらの組み合わせのカプシドタンパク質を含む。
【0521】
実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、液剤である。
【0522】
実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、凍結製剤である。
【0523】
実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、本明細書中開示される液剤を凍結乾燥させた凍結乾燥製剤である。
【0524】
実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、再構築された凍結乾燥製剤である。
【0525】
実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、前凍結乾燥製剤である。
【0526】
実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、残存水分量が約1%~約7%である凍結乾燥製剤である。実施形態によっては、残存水分量は、カールフィッシャー滴定法を用いて特定される。実施形態によっては、残存水分量は、約1%~約7%である。実施形態によっては、残存水分量は、約2%~約7%である。実施形態によっては、残存水分量は、約3%~約7%である。実施形態によっては、残存水分量は、約4%~約7%である。実施形態によっては、残存水分量は、約5%~約7%である。実施形態によっては、残存水分量は、約1%~約6%である。実施形態によっては、残存水分量は、約1%~約5%である。実施形態によっては、残存水分量は、約1%~約4%である。実施形態によっては、残存水分量は、約1%~約3%である。
【0527】
実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、残存水分量が約1%~約7%である凍結乾燥製剤である。実施形態によっては、残存水分量は、約3%~約7%である。実施形態によっては、残存水分量は、約3%~約6%である。実施形態によっては、残存水分量は、約3%~約5%である。
【0528】
実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、残存水分量が約1%~約7%である凍結乾燥製剤である。実施形態によっては、残存水分量は、約3%である。実施形態によっては、残存水分量は、約3.5%である。実施形態によっては、残存水分量は、約4%である。実施形態によっては、残存水分量は、約4.5%である。実施形態によっては、残存水分量は、約5%である。実施形態によっては、残存水分量は、約5.5%である。実施形態によっては、残存水分量は、約6%である。
【0529】
本明細書中開示される製剤の実施形態によっては、rAAV粒子の相対効力%は、製剤を室温で3ヶ月間貯蔵した後、少なくとも約60%、少なくとも約70%、または少なくとも約80%である。本明細書中開示される製剤の実施形態によっては、rAAV粒子の相対効力%は、製剤を室温で3ヶ月間貯蔵した後、少なくとも約60%である。本明細書中開示される製剤の実施形態によっては、rAAV粒子の相対効力%は、製剤を室温で3ヶ月間貯蔵した後、少なくとも約70%である。本明細書中開示される製剤の実施形態によっては、rAAV粒子の相対効力%は、製剤を室温で6ヶ月間貯蔵した後、少なくとも約60%、少なくとも約70%、または少なくとも約80%である。本明細書中開示される製剤の実施形態によっては、rAAV粒子の相対効力%は、製剤を室温で6ヶ月間貯蔵した後、少なくとも約60%である。本明細書中開示される製剤の実施形態によっては、rAAV粒子の相対効力%は、製剤を室温で6ヶ月間貯蔵した後、少なくとも約70%である。本明細書中開示される製剤の実施形態によっては、rAAV粒子の相対効力%は、製剤を35℃で1週間貯蔵した後、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、または少なくとも60%である。本明細書中開示される製剤の実施形態によっては、rAAV粒子の相対効力%は、製剤を35℃で1週間貯蔵した後、少なくとも約30%である。本明細書中開示される製剤の実施形態によっては、rAAV粒子の相対効力%は、製剤を35℃で1週間貯蔵した後、少なくとも約50%である。本明細書中開示される製剤の実施形態によっては、rAAV粒子の相対効力%は、製剤を35℃で2週間貯蔵した後、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、または少なくとも60%である。本明細書中開示される製剤の実施形態によっては、rAAV粒子の相対効力%は、製剤を35℃で2週間貯蔵した後、少なくとも約30%である。本明細書中開示される製剤の実施形態によっては、rAAV粒子の相対効力%は、製剤を35℃で2週間貯蔵した後、少なくとも約50%である。本明細書中開示される製剤の実施形態によっては、rAAV粒子の相対効力%は、製剤を35℃で4週間貯蔵した後、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、または少なくとも60%である。本明細書中開示される製剤の実施形態によっては、rAAV粒子の相対効力%は、製剤を35℃で4週間貯蔵した後、少なくとも約30%である。本明細書中開示される製剤の実施形態によっては、rAAV粒子の相対効力%は、製剤を35℃で4週間貯蔵した後に少なくとも約50%である。実施形態によっては、参照rAAV粒子は、0.001%ポロキサマー188緩衝剤を含むDPBS中、-70℃で貯蔵される。実施形態によっては、相対効力%は、PCT国際出願第PCT/US19/56042号、2019年10月14日出願、名称「METHODS FOR MEASURING THE INFECTIVITY OF REPLICATION DEFECTIVE VIRAL VECTORS AND VIRUSES」に開示されるとおりに特定され、この出願は、そのまま全体が本明細書中参照として援用される。実施形態によっては、製剤は、凍結製剤である。実施形態によっては、製剤は、凍結乾燥製剤である。実施形態によっては、製剤は、前凍結乾燥された製剤である。実施形態によっては、製剤は、液剤である。実施形態によっては、は、rAAV粒子と、ならびに約1mM~約25mMのTris、約50mM~約400mMのスクロース、約10mM~約100mMのクエン酸ナトリウム、及び約0.0005%~約0.01%の非イオン性界面活性剤とを含み、当該製剤は、pHが約7.2~約7.8である。
【0530】
実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、rAAV粒子と、ならびに約1mM~約25mMの緩衝剤、約50mM~約400mMの糖、約10mM~約100mMのクエン酸ナトリウム、及び約0.0005%~約0.01%の非イオン性界面活性剤とを含み、当該製剤は、pHが約7.2~約7.8である。実施形態によっては、緩衝剤はTrisを含み、糖はスクロースを含む。実施形態によっては、緩衝剤はTrisを含み、糖はスクロースを含み、非イオン性界面活性剤はポロキサマー188を含む。実施形態によっては、緩衝剤はTrisを含み、糖はスクロースを含み、非イオン性界面活性剤はポロキサマー188を含み、製剤はさらに可塑剤(例えば、約0.1%~約2%のグリセロール)を含む。実施形態によっては、製剤は、凍結製剤である。実施形態によっては、製剤は、凍結乾燥製剤である。実施形態によっては、製剤は、液剤である。実施形態によっては、rAAV粒子は、rAAV-8、rAAV-9、またはそれらの組み合わせを含む。実施形態によっては、製剤は、約1.0E+11GC/mL~約1.0E+14GC/mLのrAAV粒子を含む。実施形態によっては、製剤は、約1.0E+11GC/mL~約1.0E+15GC/mLのrAAV粒子を含む。
【0531】
実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、rAAV粒子と、ならびに約2mM~約10mMの緩衝剤、約150mM~約250mMの糖、約10mM~約20mMのクエン酸ナトリウム、及び約0.001%~約0.005%の非イオン性界面活性剤とを含み、当該製剤は、pHが約7.2~約7.8である。実施形態によっては、緩衝剤はTrisを含み、糖はスクロースを含む。実施形態によっては、緩衝剤はTrisを含み、糖はスクロースを含み、非イオン性界面活性剤はポロキサマー188を含む。実施形態によっては、緩衝剤はTrisを含み、糖はスクロースを含み、非イオン性界面活性剤はポロキサマー188を含み、製剤はさらに可塑剤(例えば、約0.1%~約2%のグリセロール)を含む。実施形態によっては、製剤は、凍結製剤である。実施形態によっては、製剤は、凍結乾燥製剤である。実施形態によっては、製剤は、液剤である。実施形態によっては、rAAV粒子は、rAAV-8、rAAV-9、またはそれらの組み合わせを含む。実施形態によっては、製剤約1.0E+11GC/mL~約1.0E+14GC/mLのrAAV粒子を含む。実施形態によっては、製剤は、約1.0E+11GC/mL~約1.0E+15GC/mLのrAAV粒子を含む。
【0532】
実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、rAAV粒子と、ならびに約5mMの緩衝剤、約210mMの糖、約20mMのクエン酸ナトリウム、及び約0.002%の非イオン性界面活性剤とを含み、当該製剤は、pHが約7.5である。実施形態によっては、緩衝剤はTrisを含み、糖はスクロースを含む。実施形態によっては、緩衝剤はTrisを含み、糖はスクロースを含み、非イオン性界面活性剤はポロキサマー188を含む。実施形態によっては、緩衝剤はTrisを含み、糖はスクロースを含み、非イオン性界面活性剤はポロキサマー188を含み、製剤はさらに可塑剤(例えば、約0.1%~約2%のグリセロール)を含む。実施形態によっては、製剤は、凍結製剤である。実施形態によっては、製剤は、凍結乾燥製剤である。実施形態によっては、製剤は、液剤である。実施形態によっては、rAAV粒子は、rAAV-8、rAAV-9、またはそれらの組み合わせを含む。実施形態によっては、製剤は、約1.0E+11GC/mL~約1.0E+14GC/mLのrAAV粒子を含む。実施形態によっては、製剤は、約1.0E+11GC/mL~約1.0E+15GC/mLのrAAV粒子を含む。
【0533】
本明細書中開示される製剤は、任意のAAVカプシド血清型由来のカプシドタンパク質を含むrAAV粒子を含むことができる。実施形態によっては、rAAV粒子は、AAV1、AAV2、AAV3、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、AAV9、AAV10、AAV-11、AAV-12、AAV-13、AAV-14、AAV-15及びAAV-16、rAAV.rh8、rAAV.rh10、rAAV.rh20、rAAV.rh39、rAAV.Rh74、rAAV.RHM4-1、AAV.hu37、rAAV.Anc80、rAAV.Anc80L65、rAAV.7m8、rAAV.PHP.B、rAAV2.5、rAAV2tYF、rAAV3B、rAAV.LK03、AAV.HSC1、AAV.HSC2、AAV.HSC3、AAV.HSC4、AAV.HSC5、AAV.HSC6、AAV.HSC7、AAV.HSC8、AAV.HSC9、AAV.HSC10、AAV.HSC11、AAV.HSC12、AAV.HSC13、AAV.HSC14、AAV.HSC15、またはAAV.HSC16由来のカプシドタンパク質を含む。実施形態によっては、rAAV粒子は、AAV1、AAV2、AAV3、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、AAV9、AAV10、AAV-11、AAV-12、AAV-13、AAV-14、AAV-15及びAAV-16、rAAV.rh8、rAAV.rh10、rAAV.rh20、rAAV.rh39、rAAV.Rh74、rAAV.RHM4-1、AAV.hu37、rAAV.Anc80、rAAV.Anc80L65、rAAV.7m8、rAAV.PHP.B、rAAV2.5、rAAV2tYF、rAAV3B、rAAV.LK03、AAV.HSC1、AAV.HSC2、AAV.HSC3、AAV.HSC4、AAV.HSC5、AAV.HSC6、AAV.HSC7、AAV.HSC8、AAV.HSC9、AAV.HSC10、AAV.HSC11、AAV.HSC12、AAV.HSC13、AAV.HSC14、AAV.HSC15、もしくはAAV.HSC16カプシドタンパク質の誘導体、修飾物、または偽型であるカプシドタンパク質を含む。
【0534】
実施形態によっては、rAAV粒子は、AAV-8及びAAV-9から選択されるAAVカプシド血清型に由来するカプシドタンパク質を含む。実施形態によっては、rAAV粒子は、AAV-8のAAVカプシド血清型を有する。実施形態によっては、rAAV粒子は、AAV-9のAAVカプシド血清型を有する。
【0535】
実施形態によっては、rAAV粒子は、AAV-8またはAAV-9カプシドタンパク質の誘導体、修飾物、または偽型であるカプシドタンパク質を含む。実施形態によっては、rAAV粒子は、AAV-8カプシドタンパク質のVP1、VP2、及び/またはVP3配列に対して少なくとも80%以上同一である、例えば、85%、85%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%など、すなわち最大100%同一であるAAV-8カプシドタンパク質を有する、カプシドタンパク質を含む。
【0536】
実施形態によっては、rAAV粒子組成物は、AAV-9カプシドタンパク質の誘導体、修飾物、または偽型であるカプシドタンパク質を含む。実施形態によっては、供給組成物中のrAAV粒子は、AAV-9カプシドタンパク質のVP1、VP2、及び/またはVP3配列に対して少なくとも80%以上同一である、例えば、85%、85%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%など、すなわち最大100%同一であるAAV-9カプシドタンパク質を有する、カプシドタンパク質を含む。
【0537】
さらなる実施形態において、rAAV粒子は、モザイクカプシドを含む。さらなる実施形態において、rAAV粒子は、偽型rAAV粒子を含む。さらなる実施形態において、rAAV粒子は、2種以上のAAVカプシド血清型のキメラカプシドタンパク質を含むカプシドを含む。
【0538】
実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、薬学上許容されるキャリアを含む安定製剤である。
【0539】
本明細書中使用される場合、「薬学上許容される」という用語は、生物学的に許容される製剤、その気体、液体、もしくは固体、または混合物であって、投与、in vivo送達、または接触を行う1種または複数の経路に適しているものを意味する。「薬学上許容される」組成物とは、生物学的にもそれ以外でも望ましくないところがない材料であり、例えば、そのような材料は、実質的に望ましくない生物学的効果を引き起こすことなく、対象に投与することができる。すなわち、そのような安定製剤は、例えば、本開示の方法に従って単離されたrAAVを対象に投与するのに使用することができる。補充活性化合物(例えば、保存剤、抗菌剤、抗ウイルス剤、及び抗真菌剤)を組成物に組み込むことができる。医薬組成物は、本明細書中記述されるとおりまたは当業者に既知であるとおり、特定経路の投与または送達に適合性があるように製剤化することができる。したがって、医薬組成物は、様々な経路での投与に適した、キャリア、希釈剤、または賦形剤を含む。本発明のrAAV粒子及び方法ならびに使用に適切な医薬組成物及び送達は、当該分野で既知である(例えば、Remington: The Science and Practice of Pharmacy (2003) 20th ed., Mack Publishing Co., Easton, Pa.;Remington’s Pharmaceutical Sciences (1990) 18th ed., Mack Publishing Co., Easton, Pa.;The Merck Index (1996) 12th ed., Merck Publishing Group, Whitehouse, N.J.;Pharmaceutical Principles of Solid Dosage Forms (1993), Technonic Publishing Co., Inc., Lancaster, Pa.;Ansel and Stoklosa, Pharmaceutical Calculations (2001) 11th ed., Lippincott Williams & Wilkins, Baltimore, Md.;及びPoznansky et al., Drug Delivery Systems (1980), R. L. Juliano, ed., Oxford, N.Y., pp.253-315を参照)。
【0540】
実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、既知の方法による投与用の、そのような製剤を必要としている患者に投与するのに適している薬学上許容される組成物であり、既知の方法とは、例えば、静脈内投与(例えば、ボーラスとして、またはある長さの時間にわたる持続点滴による)、あるいは筋肉内、腹腔内、脳脊髄内、皮下、関節内、滑膜内、くも膜下腔内、経口、外用、または吸入経路によるものである。実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、全身投与または局所投与に適している。全身投与として、特に制限なく、経口、真皮下、腹腔内、皮下、経鼻、舌下、または直腸経路の投与が挙げられる。局所投与として、特に制限なく、外用、皮下、筋肉内、網膜下、くも膜下腔内、及び腹腔内経路の投与が挙げられる。
【0541】
実施形態によっては、本明細書中開示される製剤は、医薬単位用量である。「単位用量」は、治療される対象に単位投薬するのに適した物理的に離散した単位を示し、各単位は、あらかじめ決められた量を、任意選択で医薬キャリア(賦形剤、希釈剤、ビヒクル、または充填剤)とともに含有し、この量は、1回または複数回用量で投与される場合に、所望の効果(例えば、予防効果または治療効果)をもたらすように計算されている。単位剤形は、例えば、アンプル及びバイアルに入っている場合があり、アンプル及びバイアルは、液体組成物、または凍結乾燥(freeze-dried)もしくは凍結乾燥(lyophilized)状態の組成物を含む場合があり、例えば、滅菌液体キャリアを、投与またはin vivo送達前に加えることができる。個別の単位剤形は、複数回用量キットまたは容器に入れることができる。組換えベクター(例えば、AAV)配列、プラスミド、ベクターゲノム、及び組換えウイルス粒子、ならびにそれらの医薬組成物は、投与の簡便さ及び投薬の均一性を目的として、一回または複数回の単位剤形でパッケージ化することができる。実施形態によっては、組成物は、AAV1、AAV2、AAV3、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、AAV9、AAV10、AAV-11、AAV-12、AAV-13、AAV-14、AAV-15及びAAV-16、rAAV.rh8、rAAV.rh10、rAAV.rh20、rAAV.rh39、rAAV.Rh74、rAAV.RHM4-1、AAV.hu37、rAAV.Anc80、rAAV.Anc80L65、rAAV.7m8、rAAV.PHP.B、rAAV2.5、rAAV2tYF、rAAV3B、rAAV.LK03、AAV.HSC1、AAV.HSC2、AAV.HSC3、AAV.HSC4、AAV.HSC5、AAV.HSC6、AAV.HSC7、AAV.HSC8、AAV.HSC9、AAV.HSC10、AAV.HSC11、AAV.HSC12、AAV.HSC13、AAV.HSC14、AAV.HSC15、またはAAV.HSC16由来のAAVカプシドタンパク質を含むrAAV粒子を含む。実施形態によっては、AAVカプシド血清型は、AAV-8である。実施形態によっては、AAVカプシド血清型は、AAV-9である。
【0542】
実施形態によっては、本開示は、本明細書中開示される組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)粒子を含む製剤の製造法を提供し、本方法は、rAAV粒子を、本明細書中開示される製剤の緩衝剤、糖、塩、任意選択で可塑剤、及び任意選択で非イオン性界面活性剤と混合し、それによりrAAVを含む前記製剤を製造することを含む。製剤の各成分を混合して製剤を製造する方法は、当業者に既知である。
【0543】
ある特定の実施形態において、本明細書中提供されるのは、組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)粒子と、ならびに
a)約5mMのTris、
b)約210mMのスクロース、
c)約20mMのクエン酸ナトリウム、及び
d)約0.002%(w/v)のポロキサマー188と
を含む、安定製剤である。
【0544】
ある特定の実施形態において、本明細書中提供されるのは、組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)粒子と、ならびに
a)約5mMのTris、
b)約210mMのスクロース、
c)約20mMのクエン酸ナトリウム、
d)約0.002%(w/v)のポロキサマー188、及び
e)約0.25%(w/v)のグリセロールと
を含む、安定製剤である。
【0545】
ある特定の実施形態において、本明細書中提供されるのは、組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)粒子と、ならびに
a)約5mMのTris、
b)約210mMのスクロース、
c)約20mMのクエン酸ナトリウム、
d)約0.002%(w/v)のポロキサマー188、及び
e)約0.5%(w/v)ソルビトールと
を含む、安定製剤である。
【0546】
ある特定の実施形態において、本明細書中提供されるのは、組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)粒子と、ならびに
a)約5mMのTris、
b)約30mMの硫酸ナトリウム、
c)約263mMのスクロース、及び
d)約0.005%(w/v)のポロキサマー188と
を含む、安定製剤である。
【0547】
ある特定の実施形態において、安定製剤は、マンニトールを含まない。
【0548】
ある特定の実施形態において、安定製剤は、150mM、140mM、130mM、120mM、110mM、100mM、90mM、80mM、70mM、60mM、50mM、40mM、30mM、20mM、または10mM未満のマンニトールを含む。
【0549】
ある特定の実施形態において、安定製剤は、スクロースを約210mMの濃度で含む。ある特定の実施形態において、安定製剤は、スクロースを約263mMの濃度で含む。ある特定の実施形態において、安定製剤は、スクロースを約409mMの濃度で含む。ある特定の実施形態において、安定製剤は、スクロースを約14.6mMの濃度で含む。ある特定の実施形態において、安定製剤は、スクロースを約45mMの濃度で含む。ある特定の実施形態において、安定製剤は、スクロースを約0mM~約20mMの濃度で含む。ある特定の実施形態において、安定製剤は、スクロースを約20mM~約50mMの濃度で含む。ある特定の実施形態において、安定製剤は、スクロースを約50mM~約100mMの濃度で含む。ある特定の実施形態において、安定製剤は、スクロースを約100mM~約200mMの濃度で含む。ある特定の実施形態において、安定製剤は、スクロースを約200mM~約300mMの濃度で含む。ある特定の実施形態において、安定製剤は、スクロースを約300mM~約400mMの濃度で含む。ある特定の実施形態において、安定製剤は、スクロースを約400mM~約500mMの濃度で含む。ある特定の実施形態において、安定製剤は、スクロースを約500mM~約600mMの濃度で含む。ある特定の実施形態において、安定製剤は、スクロースを約600mM~約700mMの濃度で含む。
【0550】
ある特定の実施形態において、安定製剤は、ソルビトールを約0.5%の濃度で含む。ある特定の実施形態において、安定製剤は、ソルビトールを約0.25%の濃度で含む。ある特定の実施形態において、安定製剤は、ソルビトールを約0.10%の濃度で含む。
【0551】
ある特定の実施形態において、安定製剤は、ソルビトールを約0%~約0.10%の濃度で含む。ある特定の実施形態において、安定製剤は、ソルビトールを約0.10%~約0.20%の濃度で含む。ある特定の実施形態において、安定製剤は、ソルビトールを約0.20%~約0.30%の濃度で含む。ある特定の実施形態において、安定製剤は、ソルビトールを約0.30%~約0.40%の濃度で含む。ある特定の実施形態において、安定製剤は、ソルビトールを約0.40%~約0.50%の濃度で含む。ある特定の実施形態において、安定製剤は、ソルビトールを約0.50%~約0.60%の濃度で含む。ある特定の実施形態において、安定製剤は、ソルビトールを約0.60%~約0.70%の濃度で含む。ある特定の実施形態において、安定製剤は、ソルビトールを約0.70%~約0.80%の濃度で含む。ある特定の実施形態において、安定製剤は、ソルビトールを約0.80%~約0.90%の濃度で含む。ある特定の実施形態において、安定製剤は、ソルビトールを約0.90%~約1.00%の濃度で含む。
【0552】
ある特定の実施形態において、安定製剤は、グリセロールを約0.5%の濃度で含む。ある特定の実施形態において、安定製剤は、グリセロールを約0.25%の濃度で含む。ある特定の実施形態において、安定製剤は、グリセロールを約0.10%の濃度で含む。
【0553】
ある特定の実施形態において、安定製剤は、グリセロールを約0%~約0.10%の濃度で含む。ある特定の実施形態において、安定製剤は、グリセロールを約0.10%~約0.20%の濃度で含む。ある特定の実施形態において、安定製剤は、グリセロールを約0.20%~約0.30%の濃度で含む。ある特定の実施形態において、安定製剤は、グリセロールを約0.30%~約0.40%の濃度で含む。ある特定の実施形態において、安定製剤は、グリセロールを約0.40%~約0.50%の濃度で含む。ある特定の実施形態において、安定製剤は、グリセロールを約0.50%~約0.60%の濃度で含む。ある特定の実施形態において、安定製剤は、グリセロールを約0.60%~約0.70%の濃度で含む。ある特定の実施形態において、安定製剤は、グリセロールを約0.70%~約0.80%の濃度で含む。ある特定の実施形態において、安定製剤は、グリセロールを約0.80%~約0.90%の濃度で含む。ある特定の実施形態において、安定製剤は、グリセロールを約0.90%~約1.00%の濃度で含む。
【0554】
ある特定の実施形態において、安定製剤は、ポロキサマー188を約0.001%(重量/体積、0.01g/L)の濃度で含む。ある特定の実施形態において、安定製剤は、ポロキサマー188を約0.002%(重量/体積、0.02g/L)の濃度で含む。ある特定の実施形態において、安定製剤は、ポロキサマー188を約0.005%(重量/体積、0.05g/L)の濃度で含む。
【0555】
ある特定の実施形態において、安定製剤は、ポロキサマー188を約0.0005%(重量/体積、0.005g/L)~約0.05%(重量/体積、0.5g/L)の濃度で含む。ある特定の実施形態において、安定製剤は、ポロキサマー188を約0.0001%(重量/体積、0.001g/L)~約0.01%(重量/体積、0.1g/L)の濃度で含む。ある特定の実施形態において、安定製剤は、ポロキサマー188を約0.0005%(重量/体積、0.005g/L)~約0.001%(重量/体積、0.01g/L)の濃度で含む。ある特定の実施形態において、安定製剤は、ポロキサマー188を約0.001%(重量/体積、0.01g/L)~約0.05%(重量/体積、0.5g/L)の濃度で含む。ある特定の実施形態において、安定製剤は、ポロキサマー188を約0.0005%(重量/体積、0.005g/L)の濃度で含む。ある特定の実施形態において、安定製剤は、ポロキサマー188を約0.0006%(重量/体積、0.006g/L)の濃度で含む。ある特定の実施形態において、安定製剤は、ポロキサマー188を約0.0007%(重量/体積、0.007g/L)の濃度で含む。ある特定の実施形態において、安定製剤は、ポロキサマー188を約0.0008%(重量/体積、0.008g/L)の濃度で含む。ある特定の実施形態において、安定製剤は、ポロキサマー188を約0.0009%(重量/体積、0.009g/L)の濃度で含む。ある特定の実施形態において、安定製剤は、ポロキサマー188を約0.001%(重量/体積、0.01g/L)の濃度で含む。ある特定の実施形態において、安定製剤は、ポロキサマー188を約0.002%(重量/体積、0.02g/L)の濃度で含む。ある特定の実施形態において、安定製剤は、ポロキサマー188を約0.003%(重量/体積、0.03g/L)の濃度で含む。ある特定の実施形態において、安定製剤は、ポロキサマー188を約0.004%(重量/体積、0.04g/L)の濃度で含む。ある特定の実施形態において、安定製剤は、ポロキサマー188を約0.005%(重量/体積、0.05g/L)の濃度で含む。ある特定の実施形態において、安定製剤は、ポロキサマー188を約0.01%(重量/体積、0.1g/L)の濃度で含む。ある特定の実施形態において、安定製剤は、ポロキサマー188を約0.05%(重量/体積、0.5g/L)の濃度で含む。
【0556】
ある特定の実施形態において、医薬組成物のpHは、約7.4である。
【0557】
ある特定の実施形態において、医薬組成物のpHは、約6.0~8.8である。ある特定の実施形態において、医薬組成物のpHは、約6.0~9.0である。ある特定の実施形態において、医薬組成物のpHは、約6.0である。ある特定の実施形態において、医薬組成物のpHは、約6.1である。ある特定の実施形態において、医薬組成物のpHは、約6.2である。ある特定の実施形態において、医薬組成物のpHは、約6.3である。ある特定の実施形態において、医薬組成物のpHは、約6.4である。ある特定の実施形態において、医薬組成物のpHは、約6.5である。ある特定の実施形態において、医薬組成物のpHは、約6.6である。ある特定の実施形態において、医薬組成物のpHは、約6.7である。ある特定の実施形態において、医薬組成物のpHは、約6.8である。ある特定の実施形態において、医薬組成物のpHは、約6.9である。ある特定の実施形態において、医薬組成物のpHは、約7.0である。ある特定の実施形態において、医薬組成物のpHは、約7.1である。ある特定の実施形態において、医薬組成物のpHは、約7.2である。ある特定の実施形態において、医薬組成物のpHは、約7.3である。ある特定の実施形態において、医薬組成物のpHは、約7.4である。ある特定の実施形態において、医薬組成物のpHは、約7.5である。ある特定の実施形態において、医薬組成物のpHは、約7.6である。ある特定の実施形態において、医薬組成物のpHは、約7.7である。ある特定の実施形態において、医薬組成物のpHは、約7.8である。ある特定の実施形態において、医薬組成物のpHは、約7.9である。ある特定の実施形態において、医薬組成物のpHは、約8.0である。ある特定の実施形態において、医薬組成物のpHは、約8.1である。ある特定の実施形態において、医薬組成物のpHは、約8.2である。ある特定の実施形態において、医薬組成物のpHは、約8.3である。ある特定の実施形態において、医薬組成物のpHは、約8.4である。ある特定の実施形態において、医薬組成物のpHは、約8.5である。ある特定の実施形態において、医薬組成物のpHは、約8.6である。ある特定の実施形態において、医薬組成物のpHは、約8.7である。ある特定の実施形態において、医薬組成物のpHは、約8.8である。ある特定の実施形態において、医薬組成物のpHは、約8.9である。ある特定の実施形態において、医薬組成物のpHは、約9.0である。
【0558】
ある特定の実施形態において、安定製剤のベクターゲノム濃度(VGC)は、約3×109GC/mL、4×109GC/mL、5×109GC/mL、6×109GC/mL、7×109GC/mL、8×109GC/mL、9×109GC/mL、約1×1010GC/mL、約2×1010GC/mL、約3×1010GC/mL、約4×1010GC/mL、約5×1010GC/mL、約6×1010GC/mL、約7×1010GC/mL、約8×1010GC/mL、約9×1010GC/mL、約1×1011GC/mL、約2×1011GC/mL、約3×1011GC/mL、約4×1011GC/mL、約5×1011GC/mL、約6×1011GC/mL、約7×1011GC/mL、約8×1011GC/mL、約9×1011GC/mL、約1×1012GC/mL、約2×1012GC/mL、約3×1012GC/mL、約4×1012GC/mL、約5×1012GC/mL、約6×1012GC/mL、約7×1012GC/mL、約8×1012GC/mL、約9×1012GC/mL、約1×1013GC/mL、約1×1013GC/mL、約2×1013GC/mL、または約3×1013GC/mLである。
【0559】
6.3rAAV粒子からのrAAVゲノム放出を減少させる方法
実施形態によっては、本開示は、rAAV粒子からのrAAVゲノム放出を減少させる方法を提供し、本方法は、rAAV粒子、緩衝剤、糖、塩、及び任意選択で非イオン性界面活性剤を含む本明細書中開示される製剤を製造することを含み、本方法では、3回の凍結融解サイクル後のrAAV粒子からのrAAVゲノム放出は、糖を含まない製剤におけるrAAVゲノム放出に比べて減少している。実施形態によっては、製剤は、凍結製剤である。実施形態によっては、製剤は、凍結乾燥製剤である。実施形態によっては、塩は、クエン酸ナトリウムを含む。実施形態によっては、塩はクエン酸ナトリウムを含み、糖はスクロースを含む。実施形態によっては、本明細書中開示されるrAAVゲノム放出を減少させる方法は、さらに、製剤を凍結乾燥させて、残存水分量を約1%~約5%にすることを含む。
【0560】
実施形態によっては、本開示は、rAAV粒子からのrAAVゲノム放出を減少させる方法を提供し、本方法は、rAAV粒子、緩衝剤、糖、塩、及び任意選択で非イオン性界面活性剤を含む本明細書中開示される製剤を製造することを含み、本方法では、凍結乾燥及び再構築後のrAAV粒子からのrAAVゲノム放出は、糖を含まない製剤におけるrAAVゲノム放出に比べて減少している。実施形態によっては、製剤は、凍結製剤である。実施形態によっては、製剤は、凍結乾燥製剤である。実施形態によっては、塩は、クエン酸ナトリウムを含む。実施形態によっては、塩はクエン酸ナトリウムを含み、糖はスクロースを含む。実施形態によっては、本明細書中開示されるrAAVゲノム放出を減少させる方法は、さらに、製剤を凍結乾燥させて、残存水分量を約1%~約5%にすることを含む。
【0561】
実施形態によっては、本開示は、rAAV粒子からのrAAVゲノム放出を減少させる方法を提供し、本方法は、rAAV粒子、緩衝剤、糖、塩、可塑剤、及び任意選択で非イオン性界面活性剤を含む本明細書中開示される製剤を製造することを含み、本方法では、3回の凍結融解サイクル後のrAAV粒子からのrAAVゲノム放出は、糖を含まない製剤におけるrAAVゲノム放出に比べて減少している。実施形態によっては、製剤は、凍結製剤である。実施形態によっては、製剤は、凍結乾燥製剤である。実施形態によっては、塩は、クエン酸ナトリウムを含む。実施形態によっては、塩はクエン酸ナトリウムを含み、糖はスクロースを含む。実施形態によっては、塩はクエン酸ナトリウムを含み、糖はスクロースを含み、可塑剤はグリセロールを含む。実施形態によっては、本明細書中開示されるrAAVゲノム放出を減少させる方法は、さらに、製剤を凍結乾燥させることを含む。
【0562】
実施形態によっては、本開示は、rAAV粒子からのrAAVゲノム放出を減少させる方法を提供し、本方法は、rAAV粒子、緩衝剤、糖、塩、可塑剤、及び任意選択で非イオン性界面活性剤を含む本明細書中開示される製剤を製造することを含み、本方法では、凍結乾燥及び再構築後のrAAV粒子からのrAAVゲノム放出は、糖を含まない製剤におけるrAAVゲノム放出に比べて減少している。実施形態によっては、製剤は、凍結製剤である。実施形態によっては、製剤は、凍結乾燥製剤である。実施形態によっては、塩は、クエン酸ナトリウムを含む。実施形態によっては、塩はクエン酸ナトリウムを含み、糖はスクロースを含む。実施形態によっては、塩はクエン酸ナトリウムを含み、糖はスクロースを含み、可塑剤はグリセロールを含む。実施形態によっては、本明細書中開示されるrAAVゲノム放出を減少させる方法は、さらに、製剤を凍結乾燥させることを含む。
【0563】
実施形態によっては、本開示は、rAAV粒子からのrAAVゲノム放出を減少させるための糖の使用を提供し、本使用は、rAAV粒子、緩衝剤、糖、塩、及び任意選択で非イオン性界面活性剤を含む本明細書中開示される製剤を製造することを含み、本使用では、3回の凍結融解サイクル後のrAAV粒子からのrAAVゲノム放出は、糖を含まない製剤におけるrAAVゲノム放出に比べて減少している。実施形態によっては、製剤は、凍結製剤である。実施形態によっては、製剤は、凍結乾燥製剤である。実施形態によっては、塩は、クエン酸ナトリウムを含む。実施形態によっては、塩はクエン酸ナトリウムを含み、糖はスクロースを含む。実施形態によっては、本明細書中開示されるrAAVゲノム放出を減少させるための糖の使用は、さらに、製剤を凍結乾燥させて、残存水分量を約1%~約7%にすることを含む。
【0564】
実施形態によっては、本開示は、rAAV粒子からのrAAVゲノム放出を減少させるための糖の使用を提供し、本使用は、rAAV粒子、緩衝剤、糖、塩、及び任意選択で非イオン性界面活性剤を含む本明細書中開示される製剤を製造することを含み、本使用では、凍結乾燥及び再構築後のrAAV粒子からのrAAVゲノム放出は、糖を含まない製剤におけるrAAVゲノム放出に比べて減少している。実施形態によっては、製剤は、凍結製剤である。実施形態によっては、製剤は、凍結乾燥製剤である。実施形態によっては、塩は、クエン酸ナトリウムを含む。実施形態によっては、塩はクエン酸ナトリウムを含み、糖はスクロースを含む。実施形態によっては、本明細書中開示されるrAAVゲノム放出を減少させるための糖の使用は、さらに、製剤を凍結乾燥させて、残存水分量を約1%~約7%にすることを含む。
【0565】
実施形態によっては、本開示は、rAAV粒子からのrAAVゲノム放出を減少させるための可塑剤の使用を提供し、本使用は、rAAV粒子、緩衝剤、糖、塩、可塑剤、及び任意選択で非イオン性界面活性剤を含む本明細書中開示される製剤を製造することを含み、本使用では、3回の凍結融解サイクル後のrAAV粒子からのrAAVゲノム放出は、糖を含まない製剤におけるrAAVゲノム放出に比べて減少している。実施形態によっては、製剤は、凍結製剤である。実施形態によっては、製剤は、凍結乾燥製剤である。実施形態によっては、塩は、クエン酸ナトリウムを含む。実施形態によっては、塩はクエン酸ナトリウムを含み、糖はスクロースを含む。実施形態によっては、塩はクエン酸ナトリウムを含み、糖はスクロースを含み、可塑剤はグリセロールを含む。実施形態によっては、本明細書中開示されるrAAVゲノム放出を減少させるための糖の使用は、さらに、製剤を凍結乾燥させることを含む。
【0566】
実施形態によっては、本開示は、rAAV粒子からのrAAVゲノム放出を減少させるための可塑剤の使用を提供し、本使用は、rAAV粒子、緩衝剤、糖、塩、可塑剤、及び任意選択で非イオン性界面活性剤を含む本明細書中開示される製剤を製造することを含み、本使用では、凍結乾燥及び再構築後のrAAV粒子からのrAAVゲノム放出は、糖を含まない製剤におけるrAAVゲノム放出に比べて減少している。実施形態によっては、製剤は、凍結製剤である。実施形態によっては、製剤は、凍結乾燥製剤である。実施形態によっては、塩は、クエン酸ナトリウムを含む。実施形態によっては、塩はクエン酸ナトリウムを含み、糖はスクロースを含む。実施形態によっては、塩はクエン酸ナトリウムを含み、糖はスクロースを含み、可塑剤はグリセロールを含む。実施形態によっては、本明細書中開示されるrAAVゲノム放出を減少させるための糖の使用は、さらに、製剤を凍結乾燥させることを含む。
【0567】
本明細書中開示されるrAAVゲノム放出を減少させる方法またはrAAVゲノム放出を減少させるための化合物の使用の実施形態によっては、rAAVゲノム放出は、DNA特異的蛍光染色の存在下で相対蛍光を測定することにより特定される。実施形態によっては、DNA特異的蛍光染色は、SYBR金である。
【0568】
本明細書中開示されるrAAVゲノム放出を減少させる方法またはrAAVゲノム放出を減少させるための化合物の使用の実施形態によっては、凍結により誘導されるrAAVゲノム放出は、少なくとも約10%、20%、50%、80%、または90%減少している。実施形態によっては、凍結により誘導されるrAAVゲノム放出は、少なくとも約20%減少している。実施形態によっては、凍結により誘導されるrAAVゲノム放出は、少なくとも約50%減少している。実施形態によっては、凍結により誘導されるrAAVゲノム放出は、少なくとも約80%減少している。実施形態によっては、凍結により誘導されるrAAVゲノム放出は、実質的に排除されている。
【0569】
本明細書中開示されるrAAVゲノム放出を減少させる方法またはrAAVゲノム放出を減少させるための化合物の使用の実施形態によっては、糖は、非還元糖である。実施形態によっては、非還元糖は、スクロース、トレハロース、ラフィノース、またはそれらの組み合わせである。実施形態によっては、非還元糖は、スクロースである。
【0570】
本明細書中開示されるrAAVゲノム放出を減少させる方法またはrAAVゲノム放出を減少させるための化合物の使用の実施形態によっては、糖は、還元糖である。実施形態によっては、還元糖は、グルコース、フルクトース、マンノース、ガラクトース、ラクトース、またはそれらの組み合わせである。実施形態によっては、還元糖は、ブドウ糖である。
【0571】
本明細書中開示されるrAAVゲノム放出を減少させる方法またはrAAVゲノム放出を減少させるための化合物の使用の実施形態によっては、可塑剤はグリセロール、キシリトール、ソルビトール、マンニトール、またはそれらの組み合わせを含む。実施形態によっては、可塑剤は、グリセロールである。
【0572】
6.4rAAV粒子
提供される製剤は、任意の単離組換えAAV粒子を含むのに適しているとともに、任意の単離組換えAAV粒子の投与を含む、疾患または障害の治療を必要としている対象における疾患または障害の治療法に使用するのに適している。また、提供される方法は、任意の単離組換えAAV粒子を製剤化するのに適しているとともに、任意の単離組換えAAV粒子からのrAAVゲノム放出を減少させるのに適している。そのため、rAAVは、任意の血清型、当該分野で既知であるそれらの修飾物または誘導体、あるいは当該分野で既知であるそれらの任意の組み合わせ(例えば、2種以上の血清型を含むrAAV粒子集団、例えば、rAAV2粒子、rAAV8粒子、及びrAAV9粒子のうち2種以上を含むもの)のものが可能である。実施形態によっては、rAAV粒子は、AAV1、AAV2、AAV3、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、AAV9、AAV10、AAV-11、AAV-12、AAV-13、AAV-14、AAV-15及びAAV-16、rAAV.rh8、rAAV.rh10、rAAV.rh20、rAAV.rh39、rAAV.Rh74、rAAV.RHM4-1、AAV.hu37、rAAV.Anc80、rAAV.Anc80L65、rAAV.7m8、rAAV.PHP.B、rAAV2.5、rAAV2tYF、rAAV3B、rAAV.LK03、AAV.HSC1、AAV.HSC2、AAV.HSC3、AAV.HSC4、AAV.HSC5、AAV.HSC6、AAV.HSC7、AAV.HSC8、AAV.HSC9、AAV.HSC10、AAV.HSC11、AAV.HSC12、AAV.HSC13、AAV.HSC14、AAV.HSC15、もしくはAAV.HSC16、または他のrAAV粒子、あるいはそれらの2種以上の組み合わせである。
【0573】
実施形態によっては、rAAV粒子は、AAV1、AAV2、AAV3、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、AAV9、AAV10、AAV-11、AAV-12、AAV-13、AAV-14、AAV-15及びAAV-16、rAAV.rh8、rAAV.rh10、rAAV.rh20、rAAV.rh39、rAAV.Rh74、rAAV.RHM4-1、AAV.hu37、rAAV.Anc80、rAAV.Anc80L65、rAAV.7m8、rAAV.PHP.B、rAAV2.5、rAAV2tYF、rAAV3B、rAAV.LK03、AAV.HSC1、AAV.HSC2、AAV.HSC3、AAV.HSC4、AAV.HSC5、AAV.HSC6、AAV.HSC7、AAV.HSC8、AAV.HSC9、AAV.HSC10、AAV.HSC11、AAV.HSC12、AAV.HSC13、AAV.HSC14、AAV.HSC15、またはAAV.HSC16から選択されるAAV血清型由来のカプシドタンパク質、あるいはそれらの誘導体、修飾物、または偽型を有する。実施形態によっては、rAAV粒子は、例えば、AAV1、AAV2、AAV3、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、AAV9、AAV10、AAV-11、AAV-12、AAV-13、AAV-14、AAV-15及びAAV-16、rAAV.rh8、rAAV.rh10、rAAV.rh20、rAAV.rh39、rAAV.Rh74、rAAV.RHM4-1、AAV.hu37、rAAV.Anc80、rAAV.Anc80L65、rAAV.7m8、rAAV.PHP.B、rAAV2.5、rAAV2tYF、rAAV3B、rAAV.LK03、AAV.HSC1、AAV.HSC2、AAV.HSC3、AAV.HSC4、AAV.HSC5、AAV.HSC6、AAV.HSC7、AAV.HSC8、AAV.HSC9、AAV.HSC10、AAV.HSC11、AAV.HSC12、AAV.HSC13、AAV.HSC14、AAV.HSC15、またはAAV.HSC16から選択されるAAVカプシド血清型のVP1、VP2、及び/またはVP3配列に対して、少なくとも80%以上同一である、例えば、85%、85%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%など、すなわち最大100%同一であるカプシドタンパク質を含む。
【0574】
実施形態によっては、rAAV粒子は、AAV1、AAV2、AAV3、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、AAV9、AAV10、AAV-11、AAV-12、AAV-13、AAV-14、AAV-15及びAAV-16、rAAV.rh8、rAAV.rh10、rAAV.rh20、rAAV.rh39、rAAV.Rh74、rAAV.RHM4-1、AAV.hu37、rAAV.Anc80、rAAV.Anc80L65、rAAV.7m8、rAAV.PHP.B、rAAV2.5、rAAV2tYF、rAAV3B、rAAV.LK03、AAV.HSC1、AAV.HSC2、AAV.HSC3、AAV.HSC4、AAV.HSC5、AAV.HSC6、AAV.HSC7、AAV.HSC8、AAV.HSC9、AAV.HSC10、AAV.HSC11、AAV.HSC12、AAV.HSC13、AAV.HSC14、AAV.HSC15、またはAAV.HSC16から選択されるAAVカプシド血清型由来のカプシドタンパク質、あるいはそれらの誘導体、修飾物、または偽型を含む。実施形態によっては、rAAV粒子は、例えば、AAV1、AAV2、AAV3、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、AAV9、AAV10、AAV-11、AAV-12、AAV-13、AAV-14、AAV-15及びAAV-16、rAAV.rh8、rAAV.rh10、rAAV.rh20、rAAV.rh39、rAAV.Rh74、rAAV.RHM4-1、AAV.hu37、rAAV.Anc80、rAAV.Anc80L65、rAAV.7m8、rAAV.PHP.B、rAAV2.5、rAAV2tYF、rAAV3B、rAAV.LK03、AAV.HSC1、AAV.HSC2、AAV.HSC3、AAV.HSC4、AAV.HSC5、AAV.HSC6、AAV.HSC7、AAV.HSC8、AAV.HSC9、AAV.HSC10、AAV.HSC11、AAV.HSC12、AAV.HSC13、AAV.HSC14、AAV.HSC15、またはAAV.HSC16から選択されるAAVカプシド血清型のVP1、VP2、及び/またはVP3配列に対して少なくとも80%以上同一である、例えば、85%、85%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%など、すなわち最大100%同一であるカプシドタンパク質を含む。
【0575】
ある特定の実施形態において、rAAV粒子は、Zinn et al., 2015, Cell Rep. 12(6): 1056-1068に記載されるとおりのAnc80またはAnc80L65を含み、この文献は、そのまま全体が参照として援用される。ある特定の実施形態において、rAAV粒子は、米国特許第9,193,956号、同第9458517号、及び同第9,587,282号、ならびに米国特許出願公開第2016/0376323号に記載のとおりのLGETTRPまたはLALGETTRPというアミノ酸挿入のうち1つを含み、これら文献はそれぞれ、そのまま全体が本明細書中参照として援用される。ある特定の実施形態において、rAAV粒子は、米国特許第9,193,956号、同第9,458,517号、及び同第9,587,282号、ならびに米国特許出願公開第2016/0376323号に記載のとおりのAAV.7m8を含み、これら文献はそれぞれ、そのまま全体が本明細書中参照として援用される。ある特定の実施形態において、rAAV粒子は、米国特許第9,585,971号に開示されるいずれかのAAV、例えばAAV-PHP.Bを含む。ある特定の実施形態において、rAAV粒子は米国特許第9,840,719号及びWO 2015/013313に開示されるいずれかのAAV、例えば、AAV.Rh74及びRHM4-1を含み、これら文献はそれぞれ、そのまま全体が本明細書中参照として援用される。ある特定の実施形態において、rAAV粒子は、WO 2014/172669に開示されるいずれかのAAV、例えば、AAV rh.74を含み、この文献は、そのまま全体が本明細書中参照として援用される。ある特定の実施形態において、rAAV粒子は、Georgiadis et al., 2016, Gene Therapy 23: 857-862及びGeorgiadis et al., 2018, Gene Therapy 25: 450に記載されるとおりのAAV2/5を含み、これら文献はそれぞれ、そのまま全体が参照として援用される。ある特定の実施形態において、rAAV粒子は、WO 2017/070491に開示されるいずれかのAAV、例えば、AAV2tYFを含み、この文献は、そのまま全体が本明細書中参照として援用される。ある特定の実施形態において、rAAV粒子は、Puzzo et al., 2017, Sci. Transl. Med. 29(9): 418に記載されるとおりのAAVLK03またはAAV3Bを含み、この文献は、そのまま全体が参照として援用される。ある特定の実施形態において、rAAV粒子は、米国特許第8,628,966号、同第8,927,514号、同第9,923,120号、及びWO 2016/049230に開示されるいずれかのAAV、例えば、HSC1、HSC2、HSC3、HSC4、HSC5、HSC6、HSC7、HSC8、HSC9、HSC10、HSC11、HSC12、HSC13、HSC14、HSC15、またはHSC16を含み、これら文献はそれぞれ、そのまま全体が参照として援用される。
【0576】
ある特定の実施形態において、rAAV粒子は、以下の特許及び特許出願のいずれかに開示されるAAVを含み、これら文献はそれぞれ、そのまま全体が本明細書中参照として援用される:米国特許第7,282,199号、同第7,906,111号、同第8,524,446号、同第8,999,678号、同第8,628,966号、同第8,927,514号、同第8,734,809号、同第9,284,357号、同第9,409,953号、同第9,169,299号、同第9,193,956号、同第9458517号,及び同第9,587,282号、米国特許出願公開第2015/0374803号、同第2015/0126588号、同第2017/0067908号、同第2013/0224836号、同第2016/0215024号、同第2017/0051257号、ならびに国際特許出願第PCT/US2015/034799号、同第PCT/EP2015/053335号。実施形態によっては、rAAV粒子は、以下の特許及び特許出願のいずれかに開示されるAAVカプシドのVP1、VP2、及び/またはVP3配列に対して少なくとも80%以上同一である、例えば、85%、85%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%など、すなわち最大100%同一であるカプシドタンパク質を有し、これら文献はそれぞれ、そのまま全体が本明細書中参照として援用される:米国特許第7,282,199号、同第7,906,111号、同第8,524,446号、同第8,999,678号、同第8,628,966号、同第8,927,514号、同第8,734,809号、同第9,284,357号、同第9,409,953号、同第9,169,299号、同第9,193,956号、同第9458517号,及び同第9,587,282号、米国特許出願公開第2015/0374803号、同第2015/0126588号、同第2017/0067908号、同第2013/0224836号、同第2016/0215024号、同第2017/0051257号、ならびに国際特許出願第PCT/US2015/034799号、同第PCT/EP2015/053335号。
【0577】
実施形態によっては、rAAV粒子は、国際出願公開WO 2003/052051(例えば、配列番号2を参照)、WO 2005/033321(例えば、配列番号123及び88を参照)、WO 03/042397(例えば、配列番号2、81、85、及び97を参照)、WO 2006/068888(例えば、配列番号1及び3~6を参照)、WO 2006/110689、(例えば、配列番号5~38を参照)、WO 2009/104964(例えば、配列番号1~5、7、9、20、22、24、及び31を参照)、WO 2010/127097(例えば、配列番号5~38を参照)、及びWO 2015/191508(例えば、配列番号80~294を参照)、ならびに米国出願公開第20150023924号(例えば、配列番号1、5~10を参照)に開示されるカプシドタンパク質を有し、これら文献それぞれの内容は、そのまま全体が本明細書中参照として援用される。実施形態によっては、rAAV粒子は、国際出願公開WO 2003/052051(例えば、配列番号2を参照)、WO 2005/033321(例えば、配列番号123及び88を参照)、WO 03/042397(例えば、配列番号2、81、85、及び97を参照)、WO 2006/068888(例えば、配列番号1及び3~6を参照)、WO 2006/110689(例えば、配列番号5~38を参照)、WO 2009/104964(例えば、配列番号1~5、7、9、20、22、24、及び31を参照)、WO 2010/127097(例えば、配列番号5~38を参照)、及びWO 2015/191508(例えば、配列番号80~294を参照)、ならびに米国出願公開第20150023924号(例えば、配列番号1、5~10を参照)に開示されるAAVカプシドのVP1、VP2、及び/またはVP3配列に対して、少なくとも80%以上同一である、例えば、85%、85%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%など、すなわち最大100%同一であるカプシドタンパク質を有する。
【0578】
AAVに基づくウイルスベクターの核酸配列、ならびに組換えAAV及びAAVカプシドの作製法は、例えば、米国特許第7,282,199号、同第7,906,111号、同第8,524,446号、同第8,999,678号、同第8,628,966号、同第8,927,514号、同第8,734,809号、同第9,284,357号、同第9,409,953号、同第9,169,299号、同第9,193,956号、同第9458517号,及び同第9,587,282号、米国特許出願公開第2015/0374803号、同第2015/0126588号、同第2017/0067908号、同第2013/0224836号、同第2016/0215024号、同第2017/0051257号、国際特許出願第PCT/US2015/034799号、同第PCT/EP2015/053335号、WO 2003/052051、WO 2005/033321、WO 03/042397、WO 2006/068888、WO 2006/110689、WO 2009/104964、WO 2010/127097、及びWO 2015/191508、ならびに米国出願公開第20150023924号に教示されている。
【0579】
提供される方法は、導入遺伝子をコードする組換えAAVの製造で使用するのに適している。実施形態によっては、本明細書中提供されるのは、抗VEGF FabをコードするAAVウイルスベクターである。特定の実施形態において、本明細書中提供されるのは、抗VEGF FabをコードするAAV8を利用したウイルスベクターである。より具体的な実施形態において、本明細書中提供されるのは、ラニビズマブをコードするAAV8を利用したウイルスベクターである。実施形態によっては、本明細書中提供されるのは、イズロニダーゼ(IDUA)をコードするAAVウイルスベクターである。特定の実施形態において、本明細書中提供されるのは、IDUAをコードするAAV9を利用したウイルスベクターである。実施形態によっては、本明細書中提供されるのは、イズロン酸2-スルファターゼ(IDS)をコードするAAVウイルスベクターである。特定の実施形態において、本明細書中提供されるのは、IDSをコードするAAV9を利用したウイルスベクターである。実施形態によっては、本明細書中提供されるのは、低密度リポタンパク質受容体(LDLR)をコードするAAVウイルスベクターである。特定の実施形態において、本明細書中提供されるのは、LDLRをコードするAAV8を利用したウイルスベクターである。実施形態によっては、本明細書中提供されるのは、トリペプチジルペプチダーゼ1(TPP1)タンパク質をコードするAAVウイルスベクターである。特定の実施形態において、本明細書中提供されるのは、TPPをコードするAAV9を利用したウイルスベクターである。
【0580】
さらなる実施形態において、rAAV粒子は、偽型rAAV粒子を含む。実施形態によっては、偽型AAVは、rAAV2/8またはrAAV2/9の偽型AAVである。偽型rAAV粒子の製造法及び使用法は、当該分野で既知である(例えば、Duan et al., J. Virol., 75:7662-7671 (2001);Halbert et al., J. Virol., 74:1524-1532 (2000);Zolotukhin et al., Methods 28:158-167 (2002);及びAuricchio et al., Hum. Molec. Genet. 10:3075-3081, (2001)を参照)。
【0581】
さらなる実施形態において、rAAV粒子は、2種以上のAAVカプシド血清型のキメラカプシドタンパク質を含むカプシドを含む。実施形態によっては、カプシドタンパク質は、AAV1、AAV2、AAV3、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、AAV9、AAV10、AAV-11、AAV-12、AAV-13、AAV-14、AAV-15及びAAV-16、rAAV.rh8、rAAV.rh10、rAAV.rh20、rAAV.rh39、rAAV.Rh74、rAAV.RHM4-1、AAV.hu37、rAAV.Anc80、rAAV.Anc80L65、rAAV.7m8、rAAV.PHP.B、rAAV2.5、rAAV2tYF、rAAV3B、rAAV.LK03、AAV.HSC1、AAV.HSC2、AAV.HSC3、AAV.HSC4、AAV.HSC5、AAV.HSC6、AAV.HSC7、AAV.HSC8、AAV.HSC9、AAV.HSC10、AAV.HSC11、AAV.HSC12、AAV.HSC13、AAV.HSC14、AAV.HSC15、またはAAV.HSC16から選択されるAAV血清型由来の2種以上のAAVカプシドタンパク質のキメラである。
【0582】
ある特定の実施形態において、一本鎖AAV(ssAAV)を使用することができる。ある特定の実施形態において、自己相補的ベクター、例えば、scAAVを使用することができる(例えば、Wu, 2007, Human Gene Therapy, 18(2):171-82, McCarty et al, 2001, Gene Therapy, Vol. 8, Number 16, Pages 1248-1254;ならびに米国特許第6,596,535号、同第7,125,717号、及び同第7,456,683号を参照、これら文献はそれぞれ、そのまま全体が本明細書中参照として援用される)。
【0583】
実施形態によっては、rAAV粒子は、AAV1、AAV2、AAV3、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、AAV9、AAV10、AAV-11、AAV-12、AAV-13、AAV-14、AAV-15及びAAV-16、rAAV.rh8、rAAV.rh10、rAAV.rh20、rAAV.rh39、rAAV.Rh74、rAAV.RHM4-1、AAV.hu37、rAAV.Anc80、rAAV.Anc80L65、rAAV.7m8、rAAV.PHP.B、rAAV2.5、rAAV2tYF、rAAV3B、rAAV.LK03、AAV.HSC1、AAV.HSC2、AAV.HSC3、AAV.HSC4、AAV.HSC5、AAV.HSC6、AAV.HSC7、AAV.HSC8、AAV.HSC9、AAV.HSC10、AAV.HSC11、AAV.HSC12、AAV.HSC13、AAV.HSC14、AAV.HSC15、またはAAV.HSC16から選択されるAAV血清型由来のカプシドタンパク質、あるいはその誘導体、修飾物、または偽型を有する。実施形態によっては、rAAV粒子は、例えば、AAV1、AAV2、AAV3、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、AAV9、AAV10、AAV-11、AAV-12、AAV-13、AAV-14、AAV-15及びAAV-16、rAAV.rh8、rAAV.rh10、rAAV.rh20、rAAV.rh39、rAAV.Rh74、rAAV.RHM4-1、AAV.hu37、rAAV.Anc80、rAAV.Anc80L65、rAAV.7m8、rAAV.PHP.B、rAAV2.5、rAAV2tYF、rAAV3B、rAAV.LK03、AAV.HSC1、AAV.HSC2、AAV.HSC3、AAV.HSC4、AAV.HSC5、AAV.HSC6、AAV.HSC7、AAV.HSC8、AAV.HSC9、AAV.HSC10、AAV.HSC11、AAV.HSC12、AAV.HSC13、AAV.HSC14、AAV.HSC15、またはAAV.HSC16から選択されるAAVカプシド血清型のVP1、VP2、及び/またはVP3配列に対して、少なくとも80%以上同一である、例えば、85%、85%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%など、すなわち最大100%同一である、カプシドタンパク質を含む。
【0584】
実施形態によっては、rAAV粒子は、AAV-8またはAAV-9から選択されるAAVカプシド血清型由来のカプシドタンパク質を含む。実施形態によっては、rAAV粒子は、AAV-8のAAVカプシド血清型を有する。実施形態によっては、rAAV粒子は、AAV-9のAAVカプシド血清型を有する。
【0585】
実施形態によっては、rAAV粒子は、AAV-8またはAAV-9カプシドタンパク質の誘導体、修飾物、または偽型であるカプシドタンパク質を含む。実施形態によっては、rAAV粒子は、AAV-8カプシドタンパク質のVP1、VP2、及び/またはVP3配列に対して、少なくとも80%以上同一である、例えば、85%、85%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%など、すなわち最大100%同一であるAAV-8カプシドタンパク質を有する、カプシドタンパク質を含む。
【0586】
実施形態によっては、rAAV粒子は、AAV-9カプシドタンパク質の誘導体、修飾物、または偽型であるカプシドタンパク質を含む。実施形態によっては、rAAV粒子は、AAV-9カプシドタンパク質のVP1、VP2、及び/またはVP3配列に対して、少なくとも80%以上同一である、例えば、85%、85%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、99.5%など、すなわち最大100%同一であるAAV-9カプシドタンパク質を有する、カプシドタンパク質を含む。
【0587】
さらなる実施形態において、rAAV粒子は、モザイクカプシドを含む。モザイクAAV粒子は、異なる血清型のAAVに由来するウイルスカプシドタンパク質の混合物で構成される。実施形態によっては、rAAV粒子は、AAV-1、AAV-2、AAV-3、AAV-4、AAV-5、AAV-6、AAV-7、AAV-8、AAV-9、AAV-10、rAAVrh10、AAV-11、AAV-12、AAV-13、AAV-14、AAV-15、及びAAV-16から選択される血清型のカプシドタンパク質を含むモザイクカプシドを含む。実施形態によっては、rAAV粒子は、AAV-1、AAV-2、AAV-5、AAV-6、AAV-7、AAV-8、AAV-9、AAV-10、AAVrh.8、及びAAVrh.10から選択される血清型のカプシドタンパク質を含むモザイクカプシドを含む。
【0588】
さらなる実施形態において、rAAV粒子は、偽型rAAV粒子を含む。実施形態によっては、偽型rAAV粒子は、(a)AAV ITRを含む核酸ベクター、及び(b)AAVx(例えば、AAV-1、AAV-3、AAV-4、AAV-5、AAV-6、AAV-7、AAV-8、AAV-9、AAV-10、AAV-11、AAV-12、AAV-13、AAV-14、AAV-15、及びAAV-16)に由来するカプシドタンパク質で構成されたカプシド、を含む。さらなる実施形態において、rAAV粒子は、AAV1、AAV2、AAV3、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、AAV9、AAV10、AAV-11、AAV-12、AAV-13、AAV-14、AAV-15及びAAV-16、rAAV.rh8、rAAV.rh10、rAAV.rh20、rAAV.rh39、rAAV.Rh74、rAAV.RHM4-1、AAV.hu37、rAAV.Anc80、rAAV.Anc80L65、rAAV.7m8、rAAV.PHP.B、rAAV2.5、rAAV2tYF、rAAV3B、rAAV.LK03、AAV.HSC1、AAV.HSC2、AAV.HSC3、AAV.HSC4、AAV.HSC5、AAV.HSC6、AAV.HSC7、AAV.HSC8、AAV.HSC9、AAV.HSC10、AAV.HSC11、AAV.HSC12、AAV.HSC13、AAV.HSC14、AAV.HSC15、及びAAV.HSC16から選択されるAAV血清型のカプシドタンパク質で構成される偽型rAAV粒子を含む。さらなる実施形態において、rAAV粒子は、AAV-8カプシドタンパク質を含む偽型rAAV粒子を含む。さらなる実施形態において、rAAV粒子は、AAV-9カプシドタンパク質で構成される偽型rAAV粒子を含む。実施形態によっては、偽型rAAV8またはrAAV9粒子は、rAAV2/8またはrAAV2/9偽型粒子である。偽型rAAV粒子の製造法及び使用法は、当該分野で既知である(例えば、Duan et al., J. Virol., 75:7662-7671 (2001);Halbert et al., J. Virol., 74:1524-1532 (2000);Zolotukhin et al., Methods 28:158-167 (2002);及びAuricchio et al., Hum. Molec. Genet. 10:3075-3081, (2001)を参照)。
【0589】
さらなる実施形態において、rAAV粒子は、2種以上のAAVカプシド血清型のキメラであるカプシドタンパク質を含むカプシドを含む。実施形態によっては、rAAV粒子は、AAV-8カプシドタンパク質と、AAV1、AAV2、AAV3、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、AAV9、AAV10、AAV-11、AAV-12、AAV-13、AAV-14、AAV-15及びAAV-16、rAAV.rh8、rAAV.rh10、rAAV.rh20、rAAV.rh39、rAAV.Rh74、rAAV.RHM4-1、AAV.hu37、rAAV.Anc80、rAAV.Anc80L65、rAAV.7m8、rAAV.PHP.B、rAAV2.5、rAAV2tYF、rAAV3B、rAAV.LK03、AAV.HSC1、AAV.HSC2、AAV.HSC3、AAV.HSC4、AAV.HSC5、AAV.HSC6、AAV.HSC7、AAV.HSC8、AAV.HSC9、AAV.HSC10、AAV.HSC11、AAV.HSC12、AAV.HSC13、AAV.HSC14、AAV.HSC15、及びAAV.HSC16から選択されるAAV血清型由来の1種または複数のAAVカプシドタンパク質とのキメラであるAAVカプシドタンパク質を含む。実施形態によっては、rAAV粒子は、AAV-8カプシドタンパク質と、AAV-1、AAV-2、AAV-5、AAV-6、AAV-7、AAV-9、AAV-10、rAAVrh10、AAVrh.8、及びAAVrh.10から選択されるAAV血清型由来の1種または複数のAAVカプシドタンパク質とのキメラであるAAVカプシドタンパク質を含む。実施形態によっては、rAAV粒子は、AAV-9カプシドタンパク質と、AAV1、AAV2、AAV3、AAV4、AAV5、AAV6、AAV7、AAV8、AAV9、AAV10、AAV-11、AAV-12、AAV-13、AAV-14、AAV-15及びAAV-16、rAAV.rh8、rAAV.rh10、rAAV.rh20、rAAV.rh39、rAAV.Rh74、rAAV.RHM4-1、AAV.hu37、rAAV.Anc80、rAAV.Anc80L65、rAAV.7m8、rAAV.PHP.B、rAAV2.5、rAAV2tYF、rAAV3B、rAAV.LK03、AAV.HSC1、AAV.HSC2、AAV.HSC3、AAV.HSC4、AAV.HSC5、AAV.HSC6、AAV.HSC7、AAV.HSC8、AAV.HSC9、AAV.HSC10、AAV.HSC11、AAV.HSC12、AAV.HSC13、AAV.HSC14、AAV.HSC15、及びAAV.HSC16から選択される1種または複数のAAVカプシド血清型のカプシドタンパク質とのキメラであるAAVカプシドタンパク質を含む。実施形態によっては、rAAV粒子は、AAV-9カプシドタンパク質と、AAV1、AAV2、AAV3、AAV4、AAV5、AA6、AAV7、AAV8、AAV9、AAVrh.8、及びAAVrh.10から選択される1種または複数のAAVカプシド血清型のカプシドタンパク質とのキメラであるAAVカプシドタンパク質を含む。
【0590】
6.5rAAV粒子の単離法
実施形態によっては、本開示は、本明細書中開示される単離組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)粒子を含む製剤の製造法を提供し、本方法は、(a)不純物(例えば、rAAV産生培養物)を含む供給物からrAAV粒子を単離すること、及び(b)単離したrAAV粒子を、本明細書中開示される方法を使用して製剤化し、製剤を製造すること、を含む。実施形態によっては、本明細書中開示される単離組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)粒子を含む製剤の製造法は、(a)不純物(例えば、rAAV産生培養物)を含む供給物からrAAV粒子を単離すること、(b)単離したrAAV粒子のゲノム力価を特定すること、及び(c)単離したrAAV粒子を、本明細書中開示される方法を使用して製剤化し、製剤を製造すること、を含む。
【0591】
実施形態によっては、本開示は、さらに、本明細書中開示される単離組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)粒子を含む製剤の医薬単位剤形を製造する方法を提供し、本方法は、不純物(例えば、rAAV産生培養物)を含む供給物からrAAV粒子を単離すること、単離したrAAV粒子のゲノム力価を特定すること、及び単離したrAAV粒子を、本明細書中開示される方法を使用して製剤化すること、を含む。実施形態によっては、本明細書中開示される単離組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)粒子を含む製剤の医薬単位剤形を製造する方法は、不純物(例えば、rAAV産生培養物)を含む供給物からrAAV粒子を単離すること、及び単離したrAAV粒子を、本明細書中開示される方法を使用して製剤化すること、を含む。
【0592】
単離されたrAAV粒子は、当該分野で既知である方法を用いて単離されたものであることが可能である。実施形態によっては、rAAV粒子の単離法は、下流処理、例えば、細胞培養物の収集、収集した細胞培養物の清澄化(例えば、遠心または深層濾過による)、タンジェンシャルフロー濾過、アフィニティークロマトグラフィー、アニオン交換クロマトグラフィー、カチオン交換クロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィー、疎水的相互作用クロマトグラフィー、ヒドロキシルアパタイトクロマトグラフィー、滅菌濾過、またはそれらの任意の組み合わせ(複数可)を含む。実施形態によっては、下流処理は、以下のうち少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ、少なくとも5つ、または少なくとも6つを含む:細胞培養物の収集、収集した細胞培養物の清澄化(例えば、遠心または深層濾過による)、タンジェンシャルフロー濾過、アフィニティークロマトグラフィー、アニオン交換クロマトグラフィー、カチオン交換クロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィー、疎水的相互作用クロマトグラフィー、ヒドロキシルアパタイトクロマトグラフィー、及び滅菌濾過。実施形態によっては、下流処理は、細胞培養物の収集、収集した細胞培養物の清澄化(例えば、深層濾過による)、滅菌濾過、タンジェンシャルフロー濾過、アフィニティークロマトグラフィー、及びアニオン交換クロマトグラフィーを含む。実施形態によっては、下流処理は、収集した細胞培養物の清澄化、滅菌濾過、タンジェンシャルフロー濾過、アフィニティークロマトグラフィー、及びアニオン交換クロマトグラフィーを含む。実施形態によっては、下流処理は、収集した細胞培養物の深層濾過による清澄化、滅菌濾過、タンジェンシャルフロー濾過、アフィニティークロマトグラフィー、及びアニオン交換クロマトグラフィーを含む。実施形態によっては、収集した細胞培養物の清澄化は、滅菌濾過を含む。実施形態によっては、下流処理は、遠心を含まない。実施形態によっては、rAAV粒子は、AAV-8血清型のカプシドタンパク質を含む。実施形態によっては、rAAV粒子は、AAV-9血清型のカプシドタンパク質を含む。
【0593】
実施形態によっては、rAAV粒子の単離法は、細胞培養物の収集、収集した細胞培養物の清澄化(例えば、深層濾過による)、第一滅菌濾過、第一タンジェンシャルフロー濾過、アフィニティークロマトグラフィー、モノリスアニオン交換クロマトグラフィー、第二タンジェンシャルフロー濾過、及び第二滅菌濾過を含む。実施形態によっては、rAAV粒子の単離法は、収集した細胞培養物の清澄化、第一滅菌濾過、第一タンジェンシャルフロー濾過、アフィニティークロマトグラフィー、モノリスアニオン交換クロマトグラフィー、第二タンジェンシャルフロー濾過、及び第二滅菌濾過を含む。実施形態によっては、rAAV粒子の単離法は、収集した細胞培養物の深層濾過による清澄化、第一滅菌濾過、第一タンジェンシャルフロー濾過、アフィニティークロマトグラフィー、モノリスアニオン交換クロマトグラフィー、第二タンジェンシャルフロー濾過、及び第二滅菌濾過を含む。実施形態によっては、本方法は、遠心を含まない。実施形態によっては、収集した細胞培養物の清澄化は、滅菌濾過を含む。実施形態によっては、rAAV粒子は、AAV-8血清型のカプシドタンパク質を含む。実施形態によっては、rAAV粒子は、AAV-9血清型のカプシドタンパク質を含む。
【0594】
rAAV粒子の製造に関して多数の方法が当該分野で既知であり、そのような方法として、形質移入、安定細胞株の産生、ならびにアデノウイルス-AAVハイブリッド、ヘルペスウイルス-AAVハイブリッド、及びバキュロウイルス-AAVハイブリッドをはじめとする感染性ハイブリッドウイルス産生システムが挙げられる。rAAVウイルス粒子産生のためのrAAV産生培養物は全て、以下を必要とする;(1)安定宿主細胞、そのような細胞として、例えば、HeLa、A549、またはHEK293細胞及びそれらの誘導体(HEK293T細胞、HEK293F細胞)などのヒト由来細胞株、Veroなどの哺乳類細胞株、またはバキュロウイルス産生システムの場合のSF-9などの昆虫由来細胞株;(2)適切なヘルパーウイルス機能、これは、野生型または変異型のアデノウイルス(例えば温度感受性アデノウイルス)、ヘルペスウイルス、バキュロウイルス、またはヘルパー機能を提供するプラスミド構築物により提供される;(3)AAVのrep遺伝子及びcap遺伝子、ならびに遺伝子産物;(4)AAV ITR配列に挟まれた導入遺伝子(例えば、治療用導入遺伝子);ならびに(5)rAAV産生を支援する適切な培地及び培地成分。当該分野で既知である適切な培地を、rAAVベクターの産生に使用することができる。こうした培地として、特に制限なく、改変イーグル培地(MEM)、ダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)をはじめとするHyclone Laboratories及びJRH製の培地、ならびに米国特許第6,723,551号に記載されるとおりのSf-900 II SFM培地が挙げられ、米国特許第6,723,551号はそのまま全体が本明細書中参照として援用される。
【0595】
rAAV産生培養物は、利用される特定の宿主細胞に適切な様々な条件下(広い温度範囲にわたり、時間の長さを変化させながら、など)、定法で成長させることができる。当該分野で既知であるとおり、rAAV産生培養物として、付着依存性培養物が挙げられ、この培養物は、適切な付着依存性容器、例えば、ローラーボトル、中空繊維フィルター、マイクロキャリア、及び充填床または流動床バイオリアクターなどにおいて培養することができる。rAAVベクター産生培養物として、浮遊培養に適した宿主細胞、例えば、HeLa、HEK293、Vero、及びその誘導体など、ならびにSF-9細胞も挙げることができ、これら細胞は、さまざまなやり方で培養することができ、例えば、スピナーフラスコ、撹拌槽バイオリアクター、及びWaveバッグシステムなどの使い捨てシステムが挙げられる。rAAV粒子の産生に関して多数の浮遊培養物が、当該分野で既知であり、そのような培養物として、例えば、米国特許第6,995,006号、同第9,783,826号、及び米国特許出願公開第20120122155号に開示される培養物が挙げられ、これら文献はそれぞれ、そのまま全体が本明細書中参照として援用される。
【0596】
実施形態によっては、rAAV粒子の産生法は、rAAVを産生することができる細胞を含む細胞培養物を用意すること;細胞培養物に、ヒストンデアセチラーゼ(HDAC)阻害剤を最終濃度約0.1mM~約20mMで加えること;及び、細胞培養物を、rAAV粒子の産生が許容される条件下に維持すること、を包含する。実施形態によっては、HDAC阻害剤は、短鎖脂肪酸またはその塩を含む。実施形態によっては、HDAC阻害剤は、酪酸塩(例えば、酪酸ナトリウム)、バルプロ酸塩(例えば、バルプロ酸ナトリウム)、プロピオン酸塩(例えば、プロピオン酸ナトリウム)、またはそれらの組み合わせを含む。
【0597】
実施形態によっては、rAAV粒子は、米国PCT国際公開第WO2020/033842号、2020年2月13日公開、名称「SCALABLE METHOD FOR RECOMBINANT AAV PRODUCTION」に開示されるとおりに産生され、この文献は、そのまま全体が本明細書中参照として援用される。
【0598】
組換えAAV粒子は、宿主細胞を含む産生培養物の収集により、または産生培養物からの使用済み培地の収集により、rAVV産生培養物から収集することができるが、ただし培地を収集する場合、細胞は、インタクト宿主細胞から培地へのrAAV粒子の放出を引き起こすことが当該分野で既知である条件下で培養されていることが条件である。組換えAAV粒子は、産生培養物の宿主細胞の溶解により、rAVV産生培養物から収集することもできる。細胞を溶解させる適切な方法は、当該分野で既知であり、そのような方法として、例えば、複数回の凍結融解サイクル、超音波処理、マイクロ流体化、ならびに界面活性剤及び/またはプロテアーゼなどの化学物質を用いた処理が挙げられる。
【0599】
収集時、rAAV産生培養物は、以下のうち1種または複数を含有している可能性がある:(1)宿主細胞タンパク質、(2)宿主細胞DNA、(3)プラスミドDNA、(4)ヘルパーウイルス、(5)ヘルパーウイルスタンパク質、(6)ヘルパーウイルスDNA、及び(7)培地成分、培地成分には、例えば、血清タンパク質、アミノ酸、トランスフェリン、及び他の低分子量タンパク質が含まれる。rAAV産生培養物は、さらに、産物関連不純物、例えば、不活性型ベクター、空のウイルスカプシド、凝集したウイルス粒子またはカプシド、誤って折り畳まれたウイルスカプシド、分解したウイルス粒子を含有する可能性がある。
【0600】
実施形態によっては、rAAV産生培養収集物は、清澄化されて、宿主細胞デブリが除去される。実施形態によっては、産生培養収集物は、一連の深層濾過フィルターでの濾過により清澄化される。清澄化は、当該分野で既知である様々な他の標準技法、例えば、遠心または当該分野で既知である孔径0.2mm以上の任意の酢酸セルロースフィルターでの濾過により達成することもできる。実施形態によっては、収集した細胞培養物の清澄化は、滅菌濾過を含む。実施形態によっては、産生培養収集物は、遠心により清澄化される。実施形態によっては、細胞培養物の清澄化は、遠心を含まない。
【0601】
実施形態によっては、収集された細胞培養物は、濾過を用いて清澄化される。実施形態によっては、収集した細胞培養物の清澄化は、深層濾過を含む。実施形態によっては、収集した細胞培養物の清澄化は、さらに、深層濾過及び滅菌濾過を含む。実施形態によっては、収集した細胞培養物は、1種または複数の異なる濾過媒体を含むフィルター列車(filter train)を用いて清澄化される。実施形態によっては、フィルター列車は、深層濾過媒体を含む。実施形態によっては、フィルター列車は、1つまたは複数の深層濾過媒体を含む。実施形態によっては、フィルター列車は、2つの深層濾過媒体を含む。実施形態によっては、フィルター列車は、滅菌濾過媒体を含む。実施形態によっては、フィルター列車は、2つの深層濾過媒体及び滅菌濾過媒体を含む。実施形態によっては、深層濾過フィルター媒体は、多孔質深層濾過フィルターである。実施形態によっては、フィルター列車は、Clarisolve(登録商標)20MS、Millistak+(登録商標)C0HC、及び滅菌グレードのフィルター媒体を含む。実施形態によっては、フィルター列車は、Clarisolve(登録商標)20MS、Millistak+(登録商標)C0HC、及びSartopore(登録商標)2 XLG 0.2μmを含む。実施形態によっては、収集した細胞培養物を、前処理してから、深層濾過フィルターと接触させる。実施形態によっては、前処理は、収集した細胞培養物に塩を加えることを含む。実施形態によっては、前処理は、収集した細胞培養物に化学凝集剤を加えることを含む。実施形態によっては、収集した細胞培養物は、深層濾過フィルターと接触させる前に、前処理されない。
【0602】
実施形態によっては、産生培養収集物は、PCT国際公開第WO2019212921A1号、2019年11月8日公開、名称「SCALABLE CLARIFICATION PROCESS FOR RECOMBINANT AAV PRODUCTION」に開示される濾過により清澄化され、この文献は、そのまま全体が本明細書中参照として援用される。
【0603】
実施形態によっては、rAAV産生培養収集物は、ヌクレアーゼ(例えば、Benzonase(登録商標))またはエンドヌクレアーゼ(例えば、Serratia marcescens由来エンドヌクレアーゼ)で処理されて、産生培養物中に存在する高分子量DNAが消化される。ヌクレアーゼまたはエンドヌクレアーゼ消化は、当該分野で既知である標準条件下、定法で行うことができる。例えば、ヌクレアーゼ消化は、Benzonase(登録商標)の最終濃度1~2.5単位/ml、温度範囲が室温~37℃で、30分間~数時間の期間、行われる。
【0604】
滅菌濾過は、滅菌グレードのフィルター媒体を用いる濾過を包含する。実施形態によっては、滅菌グレードのフィルター媒体は、0.2または0.22μm孔径フィルターである。実施形態によっては、滅菌グレードのフィルター媒体は、ポリエーテルスルホン(PES)を含む。実施形態によっては、滅菌グレードのフィルター媒体は、ポリビニリデンフルオリド(PVDF)を含む。実施形態によっては、滅菌グレードのフィルター媒体は、親水性異種二層設計を有する。実施形態によっては、滅菌グレードのフィルター媒体は、0.8μm前フィルター及び0.2μm最終フィルター膜の親水性異種二層設計を有する。実施形態によっては、滅菌グレードのフィルター媒体は、1.2μm前フィルター及び0.2μm最終フィルター膜の親水性異種二層設計を有する。実施形態によっては、滅菌グレードのフィルター媒体は、0.2または0.22μm孔径フィルターである。さらなる実施形態において、滅菌グレードのフィルター媒体は、0.2μm孔径フィルターである。実施形態によっては、滅菌グレードのフィルター媒体は、Sartopore(登録商標)2 XLG 0.2μm、Durapore(商標)PVDF膜0.45μm、またはSartoguard(登録商標)PES 1.2μm+0.2μm公称孔径組み合わせのものである。実施形態によっては、滅菌グレードのフィルター媒体は、Sartopore(登録商標)2 XLG 0.2μmである。
【0605】
実施形態によっては、清澄化供給物は、タンジェンシャルフロー濾過(「TFF」)で濃縮されてから、クロマトグラフィー媒体、例えば、アフィニティークロマトグラフィー媒体に添加される。TFF限外濾過を用いたウイルスの大規模濃縮は、Paul et al., Human Gene Therapy 4:609-615 (1993)に記載されている。清澄化供給物のTFF濃縮は、技術的に管理可能な体積の清澄化供給物をクロマトグラフィーにかけることを可能にし、冗長な再循環時間を必要とせずに、カラム寸法をより合理的なものにすることを可能にする。実施形態によっては、清澄化供給物は、少なくとも2倍~少なくとも10倍に濃縮される。実施形態によっては、清澄化供給物は、少なくとも10倍~少なくとも20倍に濃縮される。実施形態によっては、清澄化供給物は、少なくとも20倍~少なくとも50倍に濃縮される。実施形態によっては、清澄化供給物は、約20倍に濃縮される。当業者ならわかるだろうが、TFFは、小分子不純物(例えば、培地成分、血清アルブミン、または他の血清タンパク質を含む、細胞培養物混入物)を除去し、透析濾過により、清澄化供給物を形成するために使用することも可能である。実施形態によっては、清澄化供給物は、透析濾過にかけられて、小分子不純物が除去される。実施形態によっては、透析濾過は、約3~約10透析濾過体積の緩衝剤の使用を含む。実施形態によっては、透析濾過は、約5透析濾過体積の緩衝剤の使用を含む。当業者なら同じくわかるだろうが、TFFは、精製プロセスにおいて、精製プロセスの次の工程を行う前に緩衝剤を交換することが望ましい任意の工程で使用することも可能である。実施形態によっては、本明細書中開示される清澄化供給物からrAAVを単離する方法は、緩衝剤を交換するためのTFFの使用を含む。
【0606】
アフィニティークロマトグラフィーを使用して、組成物からrAAV粒子を単離することができる。実施形態によっては、アフィニティークロマトグラフィーを使用して、清澄化供給物からrAAV粒子を単離する。実施形態によっては、アフィニティークロマトグラフィーを使用して、タンジェンシャルフロー濾過にかけられた清澄化供給物からrAAV粒子を単離する。適切なアフィニティークロマトグラフィー媒体は、当該分野で既知であり、そのような媒体として、特に制限なく、AVB Sepharose(商標)、POROS(商標)CaptureSelect(商標)AAVX親和性樹脂、POROS(商標)CaptureSelect(商標)AAV9親和性樹脂、及びPOROS(商標)CaptureSelect(商標)AAV8親和性樹脂が挙げられる。実施形態によっては、アフィニティークロマトグラフィー媒体は、POROS(商標)CaptureSelect(商標)AAV9親和性樹脂である。実施形態によっては、アフィニティークロマトグラフィー媒体は、POROS(商標)CaptureSelect(商標)AAV8親和性樹脂である。実施形態によっては、アフィニティークロマトグラフィー媒体は、POROS(商標)CaptureSelect(商標)AAVX親和性樹脂である。
【0607】
アニオン交換クロマトグラフィーを使用して、組成物からrAAV粒子を単離することができる。実施形態によっては、アフィニティークロマトグラフィーの後に、アニオン交換クロマトグラフィーを、最終濃縮及び精製工程として使用する。適切なアニオン交換クロマトグラフィー媒体は、当該分野で既知であり、そのような媒体として、特に制限なく、Unosphere Q(Biorad、Hercules、Calif.)、及びN荷電アミノもしくはイミノ樹脂、例えば、POROS 50 PI、または任意のDEAE、TMAE、第三級もしくは第四級アミン、または当該分野で既知であるPEI系樹脂(米国特許第6,989,264号;Brument et al., Mol. Therapy 6(5):678-686 (2002);Gao et al., Hum. Gene Therapy 11:2079-2091 (2000))が挙げられる。実施形態によっては、アニオン交換クロマトグラフィー媒体は、第四級アミンを含む。実施形態によっては、アニオン交換媒体は、モノリスアニオン交換クロマトグラフィー樹脂である。実施形態によっては、モノリスアニオン交換クロマトグラフィー媒体は、メタクリル酸グリシジル-二メタクリル酸エチレンまたはスチレン-ジビニルベンゼン重合体を含む。実施形態によっては、モノリスアニオン交換クロマトグラフィー媒体は、CIMmultus(商標)QA-1 Advanced Composite Column(第四級アミン)、CIMmultus(商標)DEAE-1 Advanced Composite Column(ジエチルアミノ)、CIM(登録商標)QA Disk(第四級アミン)、CIM(登録商標)DEAE、及びCIM(登録商標)EDA Disk(エチレンジアミノ)からなる群より選択される。実施形態によっては、モノリスアニオン交換クロマトグラフィー媒体は、CIMmultus(商標)QA-1 Advanced Composite Column(第四級アミン)である。実施形態によっては、モノリスアニオン交換クロマトグラフィー媒体は、CIM(登録商標)QA Disk(第四級アミン)である。実施形態によっては、アニオン交換クロマトグラフィー媒体は、CIM QA(BIA Separations、Slovenia)である。実施形態によっては、アニオン交換クロマトグラフィー媒体は、BIA CIM(登録商標)QA-80(カラム体積は80mL)である。当業者なら認めることができるだろうが、rAAVは樹脂に結合したままで、不純物は洗い落とされるように、適切なイオン強度の洗浄緩衝剤を同定することができ、不純物として、上流の精製工程により導入される可能性があるものが挙げられるが、特に限定されない。
【0608】
実施形態によっては、アニオン交換クロマトグラフィーは、PCT国際公開出願第WO2019/241535号、2019年12月19日公開、名称「Anion Exchange Chromatography for Recombinant AAV production」に開示される方法に従って行われ、この文献は、そのまま全体が本明細書中参照として援用される。
【0609】
実施形態によっては、rAAV粒子の単離法は、単離されたrAAV粒子を含む組成物において、ベクターゲノム力価、カプシド力価、及び/またはフル対空カプシドの比を特定することを含む。実施形態によっては、ベクターゲノム力価は、定量的PCR(qPCR)またはデジタルPCR(dPCR)または液滴デジタルPCR(ddPCR)により特定される。実施形態によっては、カプシド力価は、血清型特異的ELISAにより特定される。実施形態によっては、フル対空カプシドの比は、分析用超遠心(AUC)または透過型電子顕微鏡観察(TEM)により特定される。
【0610】
実施形態によっては、ベクターゲノム力価、カプシド力価、及び/またはフル対空カプシドの比は、分光光度測定により、例えば、組成物の260nmでの吸光度を測定し、及び組成物の280nmでの吸光度を測定することにより、特定される。実施形態によっては、rAAV粒子は、組成物の吸光度を測定する前に、変性していない。実施形態によっては、rAAV粒子は、組成物の吸光度を測定する前に、変性している。実施形態によっては、組成物の260nm及び280nmでの吸光度は、分光光度計を用いて特定される。実施形態によっては、組成物の260nm及び280nmでの吸光度は、HPLCを用いて特定される。実施形態によっては、吸光度は、ピーク吸光度である。組成物の260nm及び280nmでの吸光度を測定する方法は、複数、当該分野で既知である。単離された組換えrAAV粒子を含む組成物のベクターゲノム力価及びカプシド力価を特定する方法は、PCT国際公開第WO2019212922A1号、2019年11月7日公開、名称「Systems and methods of spectrophotometry for the determination of genome content, capsid content and full/empty ratios of adeno-associated virus particles」に開示されており、この文献はそのまま全体が本明細書中参照として援用される。
【0611】
6.6キット
実施形態によっては、本開示は、単離された組換えAAV粒子の投与を含む、疾患または障害の治療を必要としている対象における疾患または障害の治療法を行うために使用可能な、本明細書中開示される製剤を含むキットを提供する。実施形態によっては、キットは、1つまたは複数の容器に、本明細書中開示されるrAAV粒子を含む製剤を含む少なくとも1つの製剤を含む。実施形態によっては、キットは、単離された組換えAAV粒子の投与を含む、疾患または障害の治療を必要としている対象における疾患または障害の治療法を行うために必要及び/または十分な成分全てを含む。当業者なら容易にわかるだろうが、本明細書中開示されるrAAV粒子を含む製剤は、確立されたキット様式のうちの1つに容易に組み込むことができ、そのようなキット様式は当該分野で周知である。
【0612】
本明細書中提供される本開示が容易に理解でき、かつ本開示を実用的な効果のあるものにする目的で、ここでいくつかの実施形態を、以下の制限をかけない実施例により説明する。
【0613】
6.7機能特性
ある特定の実施形態において、本明細書中記載される製剤または安定製剤は、静脈内投与、皮下投与、筋肉内注射、上脈絡膜注射(例えば、マイクロニードルを備えた微量注入器などの上脈絡膜薬物送達デバイスを介する)、経硝子体手法(外科手技)を介した網膜下注射、強膜近傍投与、硝子体内投与、結膜下投与、網膜内投与、上脈絡膜腔を介した網膜下投与(例えば、上脈絡膜腔に挿入し後極に向かって進めることができるカテーテルを備えた網膜下薬物送達デバイスを介した外科手技、この場合微小針が網膜下腔に注射する)、及び/または後強膜近傍デポ手術(例えば、先端を挿入して強膜表面への直接付着を維持することができるカニューレを備えた強膜近傍薬物送達デバイスを介して)に適している。
【0614】
ある特定の実施形態において、医薬組成物は、静脈内投与、皮下投与、筋肉内注射、上脈絡膜注射(例えば、マイクロニードルを備えた微量注入器などの上脈絡膜薬物送達デバイスを介する)、経硝子体手法(外科手技)を介した網膜下注射、強膜近傍投与、硝子体内投与、結膜下投与、網膜内投与、上脈絡膜腔を介した網膜下投与(例えば、上脈絡膜腔に挿入し後極に向かって進めることができるカテーテルを備えた網膜下薬物送達デバイスを介した外科手技、この場合微小針が網膜下腔に注射する)、及び/または後強膜近傍デポ手術(例えば、先端を挿入して強膜表面への直接付着を維持することができるカニューレを備えた強膜近傍薬物送達デバイスを介して))に適した所望の密度を有する。
【0615】
ある特定の実施形態において、医薬組成物は、静脈内投与、皮下投与、筋肉内注射、上脈絡膜注射(例えば、マイクロニードルを備えた微量注入器などの上脈絡膜薬物送達デバイスを介する)、強膜近傍投与、硝子体内投与、結膜下投与、網膜内投与、経硝子体手法(外科手技)を介した網膜下注射、上脈絡膜腔を介した網膜下投与(例えば、上脈絡膜腔に挿入し後極に向かって進めることができるカテーテルを備えた網膜下薬物送達デバイスを介した外科手技、この場合微小針が網膜下腔に注射する)、及び/または後強膜近傍デポ手術(例えば、先端を挿入して強膜表面への直接付着を維持することができるカニューレを備えた強膜近傍薬物送達デバイスを介して))に適した所望の粘度を有する。
【0616】
ある特定の実施形態において、安定製剤中の組換えアデノ随伴ウイルス(rAAV)粒子は、参照製剤中の同じrAAV粒子に比べて、凍結乾燥または再構築プロセスに対する安定性が、少なくとも約2%、約5%、約7%、約10%、約12%、約15%、約17%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約100%、約2倍、約3倍、約5倍、約10倍、約100倍、または約1000倍高い。ある特定の実施形態において、rAAV粒子の安定性は、第6.8章に開示されるアッセイ(単数または複数)により特定される。
【0617】
ある特定の実施形態において、安定製剤中のrAAV粒子は、参照製剤中の同じrAAV粒子に比べて、感染力が、少なくとも約2%、約5%、約7%、約10%、約12%、約15%、約17%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約100%、約2倍、約3倍、約5倍、約10倍、約100倍、または約1000倍高い。ある特定の実施形態において、rAAV粒子のウイルス感染力は、第6.8章に開示されるアッセイ(単数または複数)により特定される。ある特定の実施形態において、感染力は、凍結乾燥の前または後に測定される。ある特定の実施形態において、感染力は、凍結乾燥製剤の再構築の前または後に測定される。
【0618】
ある特定の実施形態において、安定製剤中のrAAV粒子は、参照製剤中の同じrAAV粒子に比べて、凝集が、少なくとも約2%、約5%、約7%、約10%、約12%、約15%、約17%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約100%、約2倍、約3倍、約5倍、約10倍、約100倍、または約1000倍少ない。ある特定の実施形態において、rAAV粒子の凝集は、第6.8章に開示されるアッセイ(単数または複数)により特定される。ある特定の実施形態において、凝集は、凍結乾燥の前または後に測定される。ある特定の実施形態において、凝集は、凍結乾燥製剤の再構築の前または後に測定される。
【0619】
ある特定の実施形態において、安定製剤は、貯蔵前に凍結乾燥される。
【0620】
ある特定の実施形態において、安定製剤は、貯蔵後に再構築される。
【0621】
ある特定の実施形態において、製剤は、-80℃、-70℃、-20℃、4℃、20℃、25℃、30℃、35℃、37℃、または40℃で貯蔵される。
【0622】
ある特定の実施形態において、製剤は、約1週間、約2週間、約3週間、約4週間、約1ヶ月、約2ヶ月、約3ヶ月、約4ヶ月、約5ヶ月、約6ヶ月、約7ヶ月、約8ヶ月、約9ヶ月、約10ヶ月、約11ヶ月、12ヶ月、約15ヶ月、約18ヶ月、約24ヶ月、約2年間、約3年間、約4年間、または約5年間貯蔵される。ある特定の実施形態において、安定製剤中のrAAV粒子は、製剤をある期間にわたり、例えば、約1週間、約2週間、約3週間、約4週間、約1ヶ月、約2ヶ月、約3ヶ月、約4ヶ月、約5ヶ月、約6ヶ月、約7ヶ月、約8ヶ月、約9ヶ月、約10ヶ月、約11ヶ月、12ヶ月、約15ヶ月、約18ヶ月、約24ヶ月、約2年間、約3年間、約4年間、または約5年間貯蔵した後、同じ条件で貯蔵された参照製剤中の同じrAAV粒子に比べて、安定性が、少なくとも約2%、約5%、約7%、約10%、約12%、約15%、約17%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約100%、約2倍、約3倍、約5倍、約10倍、約100倍、または約1000より高い。ある特定の実施形態において、rAAV粒子のある期間にわたる安定性は、第6.8章に開示されるアッセイ(単数または複数)により特定される。
【0623】
ある特定の実施形態において、安定製剤中のrAAV粒子は、製剤をある期間にわたり、例えば少なくとも、約1週間、約2週間、約3週間、約4週間、約1ヶ月、約2ヶ月、約3ヶ月、約4ヶ月、約5ヶ月、約6ヶ月、約7ヶ月、約8ヶ月、約9ヶ月、約10ヶ月、約11ヶ月、12ヶ月、約15ヶ月、約18ヶ月、約24ヶ月、約2年間、約3年間、約4年間、または約5年間貯蔵した後、参照製剤中の同じrAAV粒子に比べて、安定性が、少なくとも約2%、約5%、約7%、約10%、約12%、約15%、約17%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約100%、約2倍、約3倍、約5倍、約10倍、約100倍、または約1000より高い。ある特定の実施形態において、rAAV粒子のある期間にわたる安定性は、第6.8章に開示されるアッセイ(単数または複数)により特定される。
【0624】
ある特定の実施形態において、安定製剤中のrAAV粒子は、参照製剤中の同じrAAV粒子に比べて、in vitro相対効力(IVRP)が、少なくとも約2%、約5%、約7%、約10%、約12%、約15%、約17%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約100%、約2倍、約3倍、約5倍、約10倍、約100倍、または約1000倍高い。ある特定の実施形態において、rAAV粒子のin vitro相対効力(IVRP)は、第6.8章に開示されるアッセイ(単数または複数)により特定される。ある特定の実施形態において、IVRPは、凍結乾燥の前または後に測定される。ある特定の実施形態において、IVRPは、凍結乾燥製剤の再構築の前または後に測定される。
【0625】
ある特定の実施形態において、安定製剤中のrAAV粒子は、参照製剤中の同じrAAV粒子に比べて、遊離DNAが、少なくとも約2%、約5%、約7%、約10%、約12%、約15%、約17%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約100%、約2倍、約3倍、約5倍、約10倍、約100倍、または約1000倍少ない。ある特定の実施形態において、rAAV粒子の遊離DNAは、第6.8章に開示されるアッセイ(単数または複数)により特定される。ある特定の実施形態において、遊離DNAは、凍結乾燥の前または後に測定される。ある特定の実施形態において、遊離DNAは、凍結乾燥製剤の再構築の前または後に測定される。
【0626】
ある特定の実施形態において、安定製剤中のrAAV粒子は、参照製剤中の同じrAAV粒子に比べて、rAAVゲノム放出が、少なくとも約2%、約5%、約7%、約10%、約12%、約15%、約17%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約100%、約2倍、約3倍、約5倍、約10倍、約100倍、または約1000倍少ない。ある特定の実施形態において、rAAVゲノム放出は、DNA特異的蛍光染色の存在下で相対蛍光を測定することにより特定される。ある特定の実施形態において、rAAVゲノム放出は、第6.8章に開示されるアッセイ(単数または複数)により特定される。ある特定の実施形態において、rAAVゲノム放出は、凍結乾燥の前または後に測定される。ある特定の実施形態において、rAAVゲノム放出は、凍結乾燥製剤の再構築の前または後に測定される。
【0627】
ある特定の実施形態において、安定製剤中のrAAV粒子は、製剤をある期間にわたり、例えば、約1週間、約2週間、約3週間、約4週間、約1ヶ月、約2ヶ月、約3ヶ月、約4ヶ月、約5ヶ月、約6ヶ月、約7ヶ月、約8ヶ月、約9ヶ月、約10ヶ月、約11ヶ月、約12ヶ月、約15ヶ月、約18ヶ月、約24ヶ月、約2年間、約3年間、約4年間、または約5年間貯蔵した後、寸法の変化が最大で約20%、約15%、約10%、約8%、約5%、約4%、約3%、約2%、または約1%である。ある特定の実施形態において、rAAV粒子の寸法は、第6.8章に開示されるアッセイ(単数または複数)により特定される。ある特定の実施形態において、寸法は、凍結融解サイクルの前または後に測定される。
【0628】
ある特定の実施形態において、安定製剤中のrAAV粒子は、製剤をある期間にわたり、例えば少なくとも、約1週間、約2週間、約3週間、約4週間、約1ヶ月、約2ヶ月、約3ヶ月、約4ヶ月、約5ヶ月、約6ヶ月、約7ヶ月、約8ヶ月、約9ヶ月、約10ヶ月、約11ヶ月、約12ヶ月、約15ヶ月、約18ヶ月、約24ヶ月、約2年間、約3年間、約4年間、または約5年間貯蔵した後、寸法の変化が最大で20%、15%、10%、8%、5%、4%、3%、2%、または1%である。ある特定の実施形態において、rAAV粒子の寸法は、第6.8章に開示されるアッセイ(単数または複数)により特定される。ある特定の実施形態において、寸法は、凍結乾燥の前または後に測定される。ある特定の実施形態において、寸法は、凍結乾燥製剤の再構築の前または後に測定される。
【0629】
ある特定の実施形態において、安定製剤中のrAAV粒子は、-80℃、-70℃、-20℃、4℃、20℃、25℃、30℃、35℃、37℃、または40℃で貯蔵した場合、参照製剤中の同じrAAV粒子に比べて、安定性が、少なくとも約2%、約5%、約7%、約10%、約12%、約15%、約17%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約100%、約2倍、約3倍、約5倍、約10倍、約100倍、または約1000倍高い。ある特定の実施形態において、rAAV粒子の安定性は、第6.8章に開示されるアッセイ(単数または複数)により特定される。
【0630】
ある特定の実施形態において、安定製剤中のrAAV粒子は、-80℃、-70℃、-20℃、4℃、20℃、25℃、30℃、35℃、37℃、または40℃で、ある期間にわたり、例えば、約1週間、約2週間、約3週間、約4週間、約1ヶ月、約2ヶ月、約3ヶ月、約4ヶ月、約5ヶ月、約6ヶ月、約7ヶ月、約8ヶ月、約9ヶ月、約10ヶ月、約11ヶ月、約12ヶ月、約15ヶ月、約18ヶ月、約24ヶ月、約2年間、約3年間、約4年間、または約5年間貯蔵した場合、参照製剤中の同じrAAV粒子に比べて、感染力が、少なくとも2%、5%、7%、10%、12%、15%、17%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、100%、2倍、3倍、5倍、10倍、100倍、または1000倍高い。ある特定の実施形態において、rAAV粒子のウイルス感染力は、第6.8章に開示されるアッセイ(単数または複数)により特定される。
【0631】
ある特定の実施形態において、安定製剤中のrAAV粒子は、-80℃、-70℃、-20℃、4℃、20℃、25℃、30℃、35℃、37℃、または40℃で、ある期間にわたり、例えば少なくとも、約1週間、約2週間、約3週間、約4週間、約1ヶ月、約2ヶ月、約3ヶ月、約4ヶ月、約5ヶ月、約6ヶ月、約7ヶ月、約8ヶ月、約9ヶ月、約10ヶ月、約11ヶ月、約12ヶ月、約15ヶ月、約18ヶ月、約24ヶ月、約2年間、約3年間、約4年間、または約5年間貯蔵した場合、参照製剤中の同じrAAV粒子に比べて、感染力が、少なくとも2%、5%、7%、10%、12%、15%、17%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、100%、2倍、3倍、5倍、10倍、100倍、または1000倍高い。ある特定の実施形態において、rAAV粒子のウイルス感染力は、第6.8章に開示されるアッセイ(単数または複数)により特定される。
【0632】
ある特定の実施形態において、安定製剤中のrAAV粒子は、-80℃、-70℃、-20℃、4℃、20℃、25℃、30℃、35℃、37℃、または40℃で、ある期間にわたり、例えば、約1週間、約2週間、約3週間、約4週間、約1ヶ月、約2ヶ月、約3ヶ月、約4ヶ月、約5ヶ月、約6ヶ月、約7ヶ月、約8ヶ月、約9ヶ月、約10ヶ月、約11ヶ月、約12ヶ月、約15ヶ月、約18ヶ月、約24ヶ月、約2年間、約3年間、約4年間、または約5年間貯蔵した場合、参照製剤中の同じrAAV粒子に比べて、凝集が、少なくとも2%、5%、7%、10%、12%、15%、17%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、100%、2倍、3倍、5倍、10倍、100倍、または1000倍少ない。ある特定の実施形態において、rAAV粒子の凝集は、第6.8章に開示されるアッセイ(単数または複数)により特定される。
【0633】
ある特定の実施形態において、安定製剤中のrAAV粒子は、-80℃、-70℃、-20℃、4℃、20℃、25℃、30℃、35℃、37℃、または40℃で、ある期間にわたり、例えば少なくとも、約11週間、約2週間、約3週間、約4週間、約1ヶ月、約2ヶ月、約3ヶ月、約4ヶ月、約5ヶ月、約6ヶ月、約7ヶ月、約8ヶ月、約9ヶ月、約10ヶ月、約11ヶ月、約12ヶ月、約15ヶ月、約18ヶ月、約24ヶ月、約2年間、約3年間、約4年間、または約5年間貯蔵した場合、参照製剤中の同じrAAV粒子に比べて、凝集が、少なくとも2%、5%、7%、10%、12%、15%、17%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、100%、2倍、3倍、5倍、10倍、100倍、または1000倍少ない。ある特定の実施形態において、rAAV粒子の凝集は、第6.8章に開示されるアッセイ(単数または複数)により特定される。
【0634】
ある特定の実施形態において、安定製剤中のrAAV粒子は、-80℃、-70℃、-20℃、4℃、20℃、25℃、30℃、35℃、37℃、または40℃で、ある期間にわたり、例えば、約1週間、約2週間、約3週間、約4週間、約1ヶ月、約2ヶ月、約3ヶ月、約4ヶ月、約5ヶ月、約6ヶ月、約7ヶ月、約8ヶ月、約9ヶ月、約10ヶ月、約11ヶ月、約12ヶ月、約15ヶ月、約18ヶ月、約24ヶ月、約2年間、約3年間、約4年間、または約5年間貯蔵した場合、参照製剤中の同じrAAV粒子に比べて、安定性が、少なくとも2%、5%、7%、10%、12%、15%、17%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、100%、2倍、3倍、5倍、10倍、100倍、または1000倍高い。ある特定の実施形態において、rAAV粒子のある期間にわたる安定性は、第6.8章に開示されるアッセイ(単数または複数)により特定される。
【0635】
ある特定の実施形態において、安定製剤中のrAAV粒子は、-80℃、-70℃、-20℃、4℃、20℃、25℃、30℃、35℃、37℃、または40℃で、ある期間にわたり、例えば少なくとも、約1週間、約2週間、約3週間、約4週間、約1ヶ月、約2ヶ月、約3ヶ月、約4ヶ月、約5ヶ月、約6ヶ月、約7ヶ月、約8ヶ月、約9ヶ月、約10ヶ月、約11ヶ月、約12ヶ月、約15ヶ月、約18ヶ月、約24ヶ月、約2年間、約3年間、約4年間、または約5年間貯蔵した場合、参照製剤中の同じrAAV粒子に比べて、安定性が、少なくとも2%、5%、7%、10%、12%、15%、17%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、100%、2倍、3倍、5倍、10倍、100倍、または1000倍高い。ある特定の実施形態において、rAAV粒子のある期間にわたる安定性は、第6.8章に開示されるアッセイ(単数または複数)により特定される。
【0636】
ある特定の実施形態において、安定製剤中のrAAV粒子は、-80℃、-70℃、-20℃、4℃、20℃、25℃、30℃、35℃、37℃、または40℃で、ある期間にわたり、例えば、1週間、約2週間、約3週間、約4週間、約1ヶ月、約2ヶ月、約3ヶ月、約4ヶ月、約5ヶ月、約6ヶ月、約7ヶ月、約8ヶ月、約9ヶ月、約10ヶ月、約11ヶ月、約12ヶ月、約15ヶ月、約18ヶ月、約24ヶ月、約2年間、約3年間、約4年間、または約5年間貯蔵した場合、参照製剤中の同じrAAV粒子に比べて、in vitro相対効力(IVRP)が、少なくとも2%、5%、7%、10%、12%、15%、17%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、100%、2倍、3倍、5倍、10倍、100倍、または1000より高い。ある特定の実施形態において、rAAV粒子のin vitro相対効力(IVRP)は、第6.8章に開示されるアッセイ(単数または複数)により特定される。
【0637】
ある特定の実施形態において、安定製剤中のrAAV粒子は、-80℃、-70℃、-20℃、4℃、20℃、25℃、30℃、35℃、37℃、または40℃で、ある期間にわたり、例えば少なくとも、約1週間、約2週間、約3週間、約4週間、約1ヶ月、約2ヶ月、約3ヶ月、約4ヶ月、約5ヶ月、約6ヶ月、約7ヶ月、約8ヶ月、約9ヶ月、約10ヶ月、約11ヶ月、約12ヶ月、約15ヶ月、約18ヶ月、約24ヶ月、約2年間、約3年間、約4年間、または約5年間貯蔵した場合、参照製剤中の同じrAAV粒子に比べて、in vitro相対効力(IVRP)が、少なくとも2%、5%、7%、10%、12%、15%、17%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、100%、2倍、3倍、5倍、10倍、100倍、または1000倍高い。ある特定の実施形態において、rAAV粒子のin vitro相対効力(IVRP)は、第6.8章に開示されるアッセイ(単数または複数)により特定される。
【0638】
ある特定の実施形態において、安定製剤中のrAAV粒子は、-80℃、-70℃、-20℃、4℃、20℃、25℃、30℃、35℃、37℃、または40℃で、ある期間にわたり、例えば、約1週間、約2週間、約3週間、約4週間、約1ヶ月、約2ヶ月、約3ヶ月、約4ヶ月、約5ヶ月、約6ヶ月、約7ヶ月、約8ヶ月、約9ヶ月、約10ヶ月、約11ヶ月、約12ヶ月、約15ヶ月、約18ヶ月、約24ヶ月、約2年間、約3年間、約4年間、または約5年間貯蔵した場合、参照製剤中の同じrAAV粒子に比べて、in vitro相対効力(IVRP)が、少なくとも2%、5%、7%、10%、12%、15%、17%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、100%、2倍、3倍、5倍、10倍、100倍、または1000より高い。ある特定の実施形態において、rAAV粒子のin vitro相対効力(IVRP)は、第6.8章に開示されるアッセイ(単数または複数)により特定される。
【0639】
ある特定の実施形態において、安定製剤中のrAAV粒子は、-80℃、-70℃、-20℃、4℃、20℃、25℃、30℃、35℃、37℃、または40℃で、ある期間にわたり、例えば少なくとも、約1週間、約2週間、約3週間、約4週間、約1ヶ月、約2ヶ月、約3ヶ月、約4ヶ月、約5ヶ月、約6ヶ月、約7ヶ月、約8ヶ月、約9ヶ月、約10ヶ月、約11ヶ月、約12ヶ月、約15ヶ月、約18ヶ月、約24ヶ月、約2年間、約3年間、約4年間、または約5年間貯蔵した場合、参照製剤中の同じrAAV粒子に比べて、in vitro相対効力(IVRP)が、少なくとも2%、5%、7%、10%、12%、15%、17%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、100%、2倍、3倍、5倍、10倍、100倍、または1000倍高い。ある特定の実施形態において、rAAV粒子のin vitro相対効力(IVRP)は、第6.8章に開示されるアッセイ(単数または複数)により特定される。
【0640】
ある特定の実施形態において、安定製剤中のrAAV粒子は、-80℃、-70℃、-20℃、4℃、20℃、25℃、30℃、35℃、37℃、または40℃で、ある期間にわたり、例えば、約1週間、約2週間、約3週間、約4週間、約1ヶ月、約2ヶ月、約3ヶ月、約4ヶ月、約5ヶ月、約6ヶ月、約7ヶ月、約8ヶ月、約9ヶ月、約10ヶ月、約11ヶ月、約12ヶ月、約15ヶ月、約18ヶ月、約24ヶ月、約2年間、約3年間、約4年間、または約5年間貯蔵した場合、参照製剤中の同じrAAV粒子に比べて、遊離DNAが、少なくとも2%、5%、7%、10%、12%、15%、17%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、100%、2倍、3倍、5倍、10倍、100倍、または1000倍少ない。ある特定の実施形態において、rAAV粒子の遊離DNAは、第6.8章に開示されるアッセイ(単数または複数)により特定される。
【0641】
ある特定の実施形態において、安定製剤中のrAAV粒子は、-80℃、-70℃、-20℃、4℃、20℃、25℃、30℃、35℃、37℃、または40℃で、ある期間にわたり、例えば少なくとも、約1週間、約2週間、約3週間、約4週間、約1ヶ月、約2ヶ月、約3ヶ月、約4ヶ月、約5ヶ月、約6ヶ月、約7ヶ月、約8ヶ月、約9ヶ月、約10ヶ月、約11ヶ月、約12ヶ月、約15ヶ月、約18ヶ月、約24ヶ月、約2年間、約3年間、約4年間、または約5年間貯蔵した場合、参照製剤中の同じrAAV粒子に比べて、遊離DNAが、少なくとも2%、5%、7%、10%、12%、15%、17%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、100%、2倍、3倍、5倍、10倍、100倍、または1000倍少ない。ある特定の実施形態において、rAAV粒子の遊離DNAは、第6.8章に開示されるアッセイ(単数または複数)により特定される。
【0642】
ある特定の実施形態において、安定製剤中のrAAV粒子は、-80℃、-70℃、-20℃、4℃、20℃、25℃、30℃、35℃、37℃、または40℃で、ある期間にわたり、例えば、約1週間、約2週間、約3週間、約4週間、約1ヶ月、約2ヶ月、約3ヶ月、約4ヶ月、約5ヶ月、約6ヶ月、約7ヶ月、約8ヶ月、約9ヶ月、約10ヶ月、約11ヶ月、約12ヶ月、約15ヶ月、約18ヶ月、約24ヶ月、約2年間、約3年間、約4年間、または約5年間貯蔵した場合、粒子寸法の変化が最大で20%、15%、10%、8%、5%、4%、3%、2%、または1%である。ある特定の実施形態において、rAAV粒子の寸法は、第6.8章に開示されるアッセイ(単数または複数)により特定される。
【0643】
ある特定の実施形態において、安定製剤中のrAAV粒子は、-80℃、-70℃、-20℃、4℃、20℃、25℃、30℃、35℃、37℃、または40℃で、ある期間にわたり、例えば少なくとも、約1週間、約2週間、約3週間、約4週間、約1ヶ月、約2ヶ月、約3ヶ月、約4ヶ月、約5ヶ月、約6ヶ月、約7ヶ月、約8ヶ月、約9ヶ月、約10ヶ月、約11ヶ月、約12ヶ月、約15ヶ月、約18ヶ月、約24ヶ月、約2年間、約3年間、約4年間、または約5年間貯蔵した場合、参照製剤中の同じrAAV粒子に比べて、粒子寸法の変化が、最大で20%、15%、10%、8%、5%、4%、3%、2%、または1%である。ある特定の実施形態において、rAAV粒子の寸法は、第6.8章に開示されるアッセイ(単数または複数)により特定される。
【0644】
ある特定の実施形態において、rAAV粒子の寸法は、第6.8章に開示されるアッセイ(単数または複数)により特定される。ある特定の実施形態において、参照製剤は、0.001%ポロキサマー188緩衝剤を含むDPBSである。
【0645】
ある特定の実施形態において、参照製剤は、糖を含まない製剤である。ある特定の実施形態において、参照製剤は、可塑剤を含まない製剤である。
【0646】
ある特定の実施形態において、製剤は、凍結乾燥のプロセスにおいて、約-20℃の温度に凍結される。ある特定の実施形態において、凍結製剤は、-20℃に凍結された場合に、pHを約pH6~約pH9に維持する。ある特定の実施形態において、凍結製剤は、-20℃に凍結された場合に、pH値を凍結前のpH値のプラスまたはマイナス1単位の範囲内に維持する。
【0647】
ある特定の実施形態において、製剤の凍結乾燥ケーキのガラス転移温度(Tg)は、35℃より高い。
【0648】
ある特定の実施形態において、製剤の最大凍結濃縮溶液のガラス転移温度(Tg’)は、-40℃より高い。
【0649】
ある特定の実施形態において、水分量は、約0.5%~約1%である。ある特定の実施形態において、水分量は、約1%~約2%である。ある特定の実施形態において、水分量は、約2%~約3%である。ある特定の実施形態において、水分量は、約3%~約4%である。ある特定の実施形態において、水分量は、約4%~約5%である。
【0650】
ある特定の実施形態において、水分量は、約0.1%、約0.2%、約0.3%、約0.4%、約0.5%、約0.6%、約0.8%、約1.0%、約1.2%、約1.2%、約1.3%、約1.4%、約1.5%、約1.6%、約1.7%、約1.8%、約1.9%、約2.0%、約3.0%、約4.0%、または約5.0%である。
【0651】
本明細書中使用される場合、及び特に記載がない限り、「約」という用語は、所定の値または範囲のプラスマイナス10%を意味する。ある特定の実施形態において、「約」という用語は、挙げられた数字そのものを包含する。
【0652】
6.8アッセイ
当業者なら、本明細書中記載されるとおりのアッセイ及び/または当該分野で既知である技法を使用して、本明細書中記載される組成物及び方法を調べる、例えば、本明細書中提供される製剤を試験することができる。第8章に提示される実施例も、そうしたアッセイをどのように使用して本明細書中提供される製剤を試験することができるかをより詳細に実証する。
【0653】
Li et al., 2019 Cell & Gene Therapy Insights, 5(4):537-547(本明細書中そのまま全体が参照として援用される)に記載されるとおり、アッセイの例として、以下が挙げられるが、それらに限定されない:(1)ゲノムコピー特定のためのデジタル液滴PCR(ddPCR)、(2)分光光度測定によるAAVのゲノム含有量及びフルカプシド%の分析、(3)カプシドのDNA分布及び純度を特定するサイズ排除クロマトグラフィー、(4)キャピラリー電気泳動を用いたカプシドウイルスタンパク質純度の評価(5)In Vitro効力法-in vitroでのAAVベクターの感染力の差異を定量する信頼できる方法としての相対感染力、ならびに(6)カプシドの空/フル比及び寸法分布を特定する分析用超遠心(AUC)。
【0654】
6.8.1温度ストレスアッセイ
rAAV産物の安定凍結乾燥製剤は、前凍結乾燥された製剤を凍結乾燥することにより製造可能であり、前凍結乾燥された製剤は、第6.2章で提供される製剤のいずれかに従うものである。安定凍結乾燥製剤について選択した濃度で、ある期間にわたり、例えば、約1週間、約2週間、約3週間、約4週間、約1ヶ月、約2ヶ月、約3ヶ月、約4ヶ月、約5ヶ月、約6ヶ月、約7ヶ月、約8ヶ月、約9ヶ月、約10ヶ月、約11ヶ月、約12ヶ月、約15ヶ月、約18ヶ月、約24ヶ月、約2年間、約3年間、または約4年間、-80℃、-70℃、-20℃、4℃、20℃、25℃、30℃、35℃、37℃、または40℃で、温度ストレス展開安定性試験を行い、本明細書中提供される製剤の相対安定性を評価することができる。安定凍結乾燥製剤は、ある期間にわたり製剤を貯蔵した後、再構築される。
【0655】
安定製剤の安定性を評価するのに使用可能なアッセイとして、in vitro相対効力(IVRP)、ベクターゲノム濃度(ddPCRによるVGC)、色素蛍光による遊離DNA、動的光散乱、外観、感染力、効力、及びpHが挙げられるが、これらに限定されない。
【0656】
6.8.2長期安定性アッセイ
rAAV産物の安定凍結乾燥製剤は、前凍結乾燥された製剤を凍結乾燥することにより製造可能であり、前凍結乾燥された製剤は、第6.2章で提供される製剤のいずれかに従うものである。長期展開の安定性試験を、ある期間の間、例えば、約12ヶ月、約13ヶ月、約14ヶ月、約15ヶ月、約18ヶ月、約24ヶ月、約2年間、約3年間、または約4年間行い、本明細書中提供される製剤の-80℃(≦-60℃)及び-20℃(-25℃~-15℃)でのin-vitro相対効力及び他の品質の維持を実証することができる。
【0657】
長期貯蔵後の安定性を評価するのに使用可能なアッセイとして、in vitro相対効力(IVRP)、ベクターゲノム濃度(ddPCRによるVGC)、色素蛍光による遊離DNA、動的光散乱、外観、感染力、効力、及びpHが挙げられるが、これらに限定されない。
【0658】
6.8.3In Vitro相対効力(IVRP)アッセイ
ddPCRによるGC力価と遺伝子発現を関連づけるため、HEK293細胞に形質導入し、細胞培養物上清を抗VEGF Fabタンパク質レベルについて評価することにより、in vitroバイオアッセイを行うことができる。HEK293細胞を、3枚のポリ-D-リシンコート96ウェル組織培養プレートに一晩播種する。次いで、細胞を野生型ヒトAd5ウイルスで前感染させ、続いて、別個に調製した3種のrAAV標準試料及び試験品の系列希釈物で形質導入する。各調製物は、別々のプレートの異なる位置に播種する。形質導入から3日目、細胞培養培地をプレートから収集し、ELISAによりVEGF結合Fabタンパク質レベルを測定する。ELISAを行うため、VEGFコーティングされた96ウェルELISAプレートをブロックし、次いで、収集した細胞培養培地とともにインキュベートして、HEK293細胞が産生した抗VEGF Fabを捕捉する。Fab特異的抗ヒトIgG抗体を用いて、VEGF捕捉されたFabタンパク質を検出する。洗浄後、西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)基質溶液を加え、展開させ、停止緩衝剤で停止させ、プレートをプレートリーダーで読む。HRP生成物の吸光度またはODを、希釈の対数に対してプロットし、各試験品の相対効力を、同一プレート上の標準試料を基準にして計算し、平行性類似性検定を合格した4パラメーターロジスティック回帰モデルで曲線当てはめする。以下の式を使用:EC50標準試料÷EC50試験品。試験品の効力は、3枚のプレートの重み付け平均から計算される、標準試料効力に対するパーセンテージとして報告する。
【0659】
ddPCRによるGC力価と機能的遺伝子発現を関連づけるため、HEK293細胞に形質導入し、導入遺伝子(例えば、酵素)活性について評価することにより、in vitroバイオアッセイを行うことができる。HEK293細胞を、3枚の96ウェル組織培養プレートに一晩播種する。次いで、細胞を野生型ヒトアデノウイルス血清型5のウイルスで前感染させ、続いて、別個に調製した3種の酵素標準試料及び試験品の系列希釈物で形質導入する。各調製物は、別々のプレートの異なる位置に播種する。形質導入から2日目、細胞を溶解させ、低pHで処理して酵素を活性化させ、導入遺伝子(酵素)により切断されると蛍光シグナルの上昇をもたらすペプチド基質を用いて酵素活性をアッセイする。蛍光またはRFUを、希釈の対数に対してプロットし、各試験品の相対効力を、同一プレート上の標準試料を基準にして計算し、平行性類似性検定を合格した4パラメーターロジスティック回帰モデルで曲線当てはめする。以下の式を使用:EC50標準試料÷EC50試験品。試験品の効力は、3枚のプレートの重み付け平均から計算される、標準試料効力に対するパーセンテージとして報告する。
【0660】
IVRPは、前凍結乾燥製剤の凍結乾燥前に測定することができる。IVRPは、凍結乾燥製剤の再構築後に測定することができる。製剤の安定性は、凍結乾燥前のrAAV粒子のIVRPと凍結乾燥製剤の再構築後のrAAV粒子のIVRPを比較することにより、評価することができる。製剤の安定性は、凍結乾燥製剤をある期間にわたり貯蔵した後の凍結乾燥製剤の再構築後のrAAV粒子のIVRPを同じ条件で貯蔵及び再構築した参照製剤中のrAAV粒子のIVRPと比較することによっても評価することができる。
【0661】
6.8.4ベクターゲノム濃度アッセイ
ベクターゲノム濃度(GC)も、ddPCRを用いて評価することができる。GCは、前凍結乾燥製剤の凍結乾燥前に測定することができる。GCは、凍結乾燥製剤の再構築後に測定することができる。製剤の安定性は、凍結乾燥前の製剤のGC値と凍結乾燥製剤の再構築後の製剤のGC値を比較することにより、評価することができる。製剤の安定性は、凍結乾燥製剤をある期間にわたり貯蔵した後の再構築した製剤のGC値を同じ条件で貯蔵及び再構築した参照製剤のGC値と比較することによっても評価することができる。
【0662】
6.8.5色素蛍光アッセイを用いた遊離DNA分析
製剤の安定性は、rAAVゲノム放出により評価することができ、この場合、rAAVゲノム放出は、DNA特異的蛍光染色の存在下で相対蛍光を測定することにより特定される。遊離DNAは、DNAに結合するSYBR(登録商標)金核酸ゲル染色(「SYBR金色素」)の蛍光により特定することができる。蛍光は、マイクロプレートリーダーを用いて測定することができ、DNA標準物質を用いて定量することができる。ng/μL単位で結果を報告することができる。
【0663】
測定された遊離DNA(ng/μL)を遊離DNAのパーセンテージに変換する目的で、合計DNAを推定するために2つのアプローチを使用することができる。1つ目のアプローチでは、紫外可視分光測定により特定されたGC/mL(OD)を用いて、試料中の合計DNAを推定した。式中、MはDNAの分子量であり、1E6は、単位変換係数である:
【0664】
推定される合計DNA(ng/μL)=1E6×GC/mL(OD)×M(g/mol)/6.02E23
【0665】
2つ目のアプローチでは、試料を、例えば0.05%のポロキサマー188とともに、85℃で20分間加熱することができ、加熱した試料でSYBR金色素アッセイにより測定された実際のDNAを、合計として使用することができる。したがって、これは、全てのDNAが回収されて定量されたという仮定を用いる。遊離DNAをng/μLからパーセンテージに変換する上で、どのような変動も、報告結果における範囲として捕捉される可能性がある)。傾向を見るために、生のng/μLを使用することも、一貫した方法により特定されたパーセンテージを使用することも、いずれも可能である。
【0666】
相対蛍光レベルは、前凍結乾燥製剤の凍結乾燥前に測定することができる。相対蛍光レベルは、凍結乾燥製剤の再構築後に測定することができる。製剤の安定性は、凍結乾燥前の製剤の相対蛍光レベルと凍結乾燥製剤の再構築後の相対蛍光レベルを比較することにより、評価することができる。製剤の安定性は、凍結乾燥製剤をある期間にわたり貯蔵した後の再構築した製剤の相対蛍光レベルを同じ条件で貯蔵及び再構築した参照製剤の相対蛍光レベルと比較することによっても評価することができる。
【0667】
6.8.6サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)
製剤の安定性は、rAAV粒子の寸法を測定することにより評価することができ、この場合、rAAV粒子の寸法は、SECにより特定される。SECは、Waters Acquity Arc Equipment ID 0447(C3PO)で25mm経路長のフローセルを用い、Sepax SRT SEC-1000 Peekカラム(PN 215950P-4630、SN:8A11982、LN:BT090、5μm1000A、4.6x300mm)を用いて行うことができる。移動相は、例えば、20mMのリン酸ナトリウム、300mMのNaCl、0.005%のポロキサマー188、pH6.5が可能であり、流速は0.35mL/分で20分間、カラムは周辺温度である。データ収集は、2点/秒のサンプリング速度及び1.2nm分解能で行うことができ、214、260、及び280nmで25点平均平滑化する。理想目的添加量は、1.5E11のGCが可能である。試料は、50μL、理想目的量の約1/3で注入する、または5μLで注入することが可能である。rAAV粒子の寸法は、前凍結乾燥製剤の凍結乾燥前に測定することができる。rAAV粒子の寸法は、凍結乾燥製剤の再構築後に測定することができる。製剤の安定性は、凍結乾燥前の製剤のrAAV粒子の寸法を凍結乾燥及び再構築後の同じ製剤のrAAV粒子の寸法を比較することによって評価することができる。製剤の安定性は、凍結乾燥製剤をある期間にわたり貯蔵した後の再構築した製剤のrAAV粒子の寸法を同じ条件で貯蔵及び再構築した参照製剤のrAAV粒子の寸法と比較することによっても評価することができる。
【0668】
6.8.7動的光散乱(DLS)アッセイ
製剤の安定性は、rAAV粒子の凝集レベルを測定することにより評価することができ、この場合、rAAV粒子の凝集レベルは、動的光散乱(DLS)により特定される。DLSは、Wyatt DynaProIIIで、Corning 3540 384ウェルプレートを用いて、30μLの試料体積で行うことができる。1回の測定あたり、それぞれ10秒間の捕捉を10回行って収集することができ、試料1つあたり3回の測定を繰り返した。溶媒は、試料に使用された溶媒に従って設定することができ、例えば、dPBS中のrAAV試料には「PBS」、及びスクロース含有修飾dPBS中のAAV試料には「4%スクロース」である。データ品質基準(ベースライン、SOS、雑音、当てはめ)を満たさない結果には「印をつけ」て分析から除外することができる。スクロース含有修飾dPBS試料については、低い遅延時間カットオフを1.4μsから10μsに変更して、人工的に低いキュムラント分析直径結果を引き起こすことに対する約1nmでのスクロース賦形剤ピークの影響を除外することができる。rAAV粒子の凝集レベルは、前凍結乾燥製剤の凍結乾燥前に測定することができる。rAAV粒子の凝集レベルは、凍結乾燥製剤の再構築後に測定することができる。
【0669】
方法の例は、Wright et al., 2005, Molecular Therapy 12(1):171-189に記載されている(本明細書中そのまま全体が参照として援用される)。
【0670】
6.8.8示差走査熱量測定
示差走査熱量測定(DSC)は、頻繁に使用される熱分析技法である。DSCは、試料の物理的特性及び化学的特性の変化によるエンタルピー変化を、温度または時間の関数として測定する。低温示差走査熱量測定(低温DSC)は、TA Instruments DSC250を用いて実行することができる。試料約20μLを、Tzeroパンに添加し、Tzero(商標)Hermetic蓋で密閉することができる。試料は、25℃で2分間平衡化し、次いで5℃/分で-60℃に冷却し、2分間平衡化し、次いで5℃/分で25℃に加熱することができる。熱流データは、従来様式で収集することができる。
【0671】
6.8.9リアルタイム緩衝剤pH追跡
異なる製剤緩衝剤のpHを、INLAB COOL PRO-ISM低温pHプローブを用いてモニタリングした。このプローブは、-30℃に下がってもpHを検出することができる。緩衝剤1ミリリットルを、15mL Falcon試験管に入れ、次いでpHプローブを緩衝剤に沈めた。パラフィルム片を用いてFalcon試験管とpHプローブの間の隙間を密閉し、混入及び蒸発を回避した。プローブをFalcon試験管とともに-20 AD冷凍庫に入れた。緩衝剤のpH及び温度を、約20時間の間、またはpH対温度の挙動が繰り返しパターンになるまで、2.5分ごとに記録した。自動除霜プロセスにより引き起こされる温度変化は、緩衝剤pH安定性にとってのストレス条件を作り出した。製剤のpHは、前凍結乾燥製剤の凍結乾燥前に測定することができる。製剤のpHは、凍結乾燥製剤の再構築後に測定することができる。
【0672】
6.8.10密度測定
密度は、参照として水を用いて、Anton Paar DMA500濃度計で測定することができる。濃度計は、試料ごとに、水、次いでメタノールで洗い、続いて風乾することができる。製剤の密度は、前凍結乾燥製剤の凍結乾燥前に測定することができる。製剤の密度は、凍結乾燥製剤の再構築後に測定することができる。
【0673】
6.8.11粘度測定
粘度は、当該分野で既知である方法、例えば、2019年刊行及びその以前の版の米国薬局方(USP)(そのまま全体が本明細書中参照として援用される)に提示される方法を用いて測定することができる。製剤の粘度は、前凍結乾燥製剤の凍結乾燥前に測定することができる。製剤の粘度は、凍結乾燥製剤の再構築後に測定することができる。
【0674】
6.8.12ウイルス感染力アッセイ
Francois, et al. Molecular Therapy Methods & Clinical Development (2018) Vol. 10, pp. 223-236(そのまま全体が本明細書中参照として援用される)に記載されるとおりのTCID50感染力価アッセイを使用することができる。PCT国際出願第PCT/US19/56042号、出願日2019年10月14日に記載されるとおりの相対感染力アッセイを使用することができる。製剤のウイルス感染力は、前凍結乾燥製剤の凍結乾燥前に測定することができる。製剤のウイルス感染は、凍結乾燥製剤の再構築後に測定することができる。
【0675】
6.8.13結晶化及びガラス転移温度
方法例は、Croyle et al., 2001, Gene Ther. 8(17):1281-90(そのまま全体が本明細書中参照として援用される)に記載される。
【0676】
製剤の安定性は、凍結乾燥したケーキのガラス転移温度(Tg)を測定することにより評価することができる。
【0677】
製剤の安定凍結ケーキのTgは、35℃より高い。
【0678】
あるいは、製剤の安定性は、最大凍結濃縮溶液のガラス転移温度(Tg’)を測定することにより評価することができる。
【0679】
安定製剤のTg’は、-40℃より高い。
7.配列表
【表1】
【実施例】
【0680】
8.実施例
8.1実施例1:AAV遺伝子治療用産物の製剤化及び送達の課題。
アデノ随伴ウイルス(AAV)は、遺伝子治療ベクターの中でも最も盛んに研究されており、その研究は、有望な臨床結果及び商業的承認が増加する見込みによりますます盛んになっている。AAV産物は、安全性及び有効性を実証するだけでなく、製造、輸送、貯蔵、及び投与中、安定を保ちかつ強力であり続けなければならない。AAVを商品化するためには、長期にわたり安定性を提供する製剤を同定することが必要である。冷蔵条件下、または室温で安定である製剤を同定することは、凍結条件下で輸送及び貯蔵する必要性を回避する目的において、有利であると思われる。凍結させなければならない産物の場合、製剤は、凍結により導入されるストレスに耐えることができなければならない。
【0681】
乾燥製剤は、溶液で起こる分解経路の割合を大幅に減少させることにより、安定性を改善する可能性を提供する。凍結乾燥(Lyophilized)、すなわち凍結乾燥(freeze-dried)製剤は、凍結及び乾燥工程中、安定でなければならない。さらに、凍結乾燥を受ける製剤は、一貫して優れたケーキをもたらさなければならない。製剤成分は、凍結乾燥プロセスで製品が崩壊する危険性を軽減するように注意深く選択しなければならない。
【0682】
AAVは、従来のタンパク質治療薬に比べて、独特の製剤化の課題を提供する。そのような課題として、AAV粒子の複雑な性質、分析性、巨大分子の充填/完成面での課題、刊行された安定性/製剤情報の欠如、及び投与経路により課される制限が挙げられる。
【0683】
AAV粒子は、異なる化学的及び物理的分解経路に対して敏感な異なるタンパク質及び核酸からなる複雑な巨大分子集合体である。単一巨大分子実体(例えば、抗体などのポリペプチド、または核酸)用に開発された製剤に関する情報では、ポリペプチド及び核酸の両構成要素を含むAAV粒子も、同じ製剤で安定であるだろうという合理的予測を立てることができない。産業利用に適切なGMP対応分析性の欠如も、AAV製剤開発を妨げている。当該分野では、不正確なバイオアッセイに頼るところが大きい。AAV特異的分解経路は、特定される必要がある。ウイルス粒子凝集は、0.2μm濾過後に損失を招く可能性があるため、充填/完成プロセスの課題となっている。AAV粒子について刊行された安定性/製剤情報が不足している。これは、部分的には、PBS系緩衝剤中の凍結貯蔵(≦-60℃)の一般的な欠陥によるところが大きい。ある種の投与経路、例えば、網膜下用及びくも膜下腔内用の製剤についても、一部のrAAV産物について計画されているが、非常に限られた情報しかない。まとめると、これら及び他の課題により、新規安定AAV製剤の開発は、非常に不確実な冒険的事業になっている。
【0684】
8.2実施例2.凝集は、AAV製剤の課題である。
AAV粒子凝集についてはすでに記載があり、この凝集を防ぐには、溶液イオン強度が少なくとも200mMであることが必要であると報告されている。米国特許第9,051,542号。
【0685】
AAV粒子の凝集または自己会合を防ぐには、最小イオン強度が必要である。(
図1A及び
図1B)。粒子の凝集または自己会合を防ぐために必要とされる最小イオン強度は、AAV血清型依存性であることがわかった。AAV8凝集は、200mM未満のイオン強度で防ぐことが可能であり(
図2)、AAV9は、AAV8よりも低いイオン強度を必要とする(
図3)。少ない塩で製剤化できることは、凍結及び乾燥製剤にとっては有利である。しかしながら、粒子の凝集に血清型特異的差異があることは、血清型ごとに異なる製剤が必要になる可能性があることを示す。
【0686】
8.3実施例3.凍結製剤におけるrAAVゲノム放出は、製剤の課題である。
凝集を防ぐことは、必須ではあったが、確実に安定薬剤製品とするのに十分ではなかった。粒子凝集を防ぐことができる製剤中25℃で貯蔵されたウイルス粒子の相対効力は、同じ製剤中-80℃で貯蔵されたウイルス粒子の相対効力より顕著に低かった。このことは、溶液中のウイルス粒子にさらなる分解経路が存在することを示す。
【0687】
凍結する間の製剤成分の結晶化が、AAVベクター粒子からのベクターDNA減少を促進することがわかった。この種のベクターDNA減少、及びそれを製剤開発に応用することは、これまでに報告されたことがなかった。このDNA減少は、以下の2種の製剤化アプローチのいずれかにより軽減することができる:(1)凍結する間に結晶化する塩の代わりに、結晶化しない塩を用いて製剤化すること、及び(2)結晶化を阻害する成分(例えば、糖)を、製剤に含ませること。
【0688】
ウイルスゲノム放出は、3回の凍結融解サイクル後、対照に比べて増加することが検出された。
図5。ゲノム放出の程度は、製剤中の塩の種類により影響を受けた。NaCl存在下での凍結融解サイクルは、クエン酸ナトリウム存在下での凍結融解サイクルよりも多いゲノム放出を招いた。
図5は、SYBR金とDNAの結合を示し、DNAは、凍結する間に結晶化するNaCl(A)の存在下で放出されるが、非晶質のままであるクエン酸ナトリウム(B)では最小限になる。
【0689】
凍結する際に結晶塩に誘導されるウイルスゲノム放出を、Tris、リン酸ナトリウム、及びヒスチジン緩衝剤中で試験した。
図6。これら緩衝剤のそれぞれにおいて、NaClの存在は、非晶質クエン酸ナトリウムが存在する場合よりも多いウイルスゲノム放出がNaClの存在下で検出されることを招いた。
【0690】
結晶化を阻害する成分(例えば、糖)を、製剤に含ませることは、凍結する際のウイルスゲノム放出を減少させる。ウイルスゲノム放出は、PBS中10回の凍結融解サイクル後でも検出された。
図7A。製剤に4%のスクロースを含ませることで、凍結する際のウイルスゲノム放出が阻止された。
図7B。
【0691】
非晶質糖を加えることで、共溶質結晶化が阻害され、より少ないDNA放出につながった。
図8。AAVを、様々な質量比のマンニトール及びスクロースを用いて製剤化した。質量比には、マンニトール3部対スクロース1部、マンニトール2部対スクロース2部、スクロース1部対マンニトール3部、ならびにスクロース4部対マンニトールなし、及びマンニトール4部対スクロースなしが含まれていた。3回の凍結/融解後、DNA放出は、スクロース(非晶質である)対マンニトール(結晶性である)の比が高いほど減少した。それより高いスクロース対マンニトールの比では、凍結していない対照と同等であることから裏付けられるとおり、遊離DNA放出は、完全に阻害された。
【0692】
8.4実施例4.AAVの凍結乾燥が突きつける独特の課題。
上記で検討したとおり、粒子凝集を防ぐために最低溶液イオン強度が必要である。凍結乾燥させる間、塩は、完全に結晶化しない限り、一般に崩壊温度を低下させる。しかしながら、結晶化すると、凍結する際のDNA放出に有利に働く。また、ゲノムコピー(GC)減少は、凍結乾燥後の相対効力の同時減少を招く。
図9。AAV粒子用の凍結乾燥プロセスは、崩壊温度を許容できないレベルまで低下させることなく、製剤成分の結晶化を防ぐやり方を見つけなければならない。緩衝剤(Tris、リン酸塩、及びヒスチジン)、塩(NaCl及びクエン酸ナトリウム)、及び賦形剤(マンニトール、スクロース、及びグリセロール)を含む様々な配合を多数試験した。試験した全ての製剤には、Pluronic F-68が含まれていた。
【0693】
最大凍結濃縮溶液のガラス転移温度(Tg’)は、崩壊温度と密接に相関するパラメーターである。スクロース/クエン酸塩製剤のTg’は、純スクロース(-32℃)(Chang and Randall, Cryobiology, 29: 632-656 (1992))及びクエン酸ナトリウム(-43℃)(Izutsu et al, Chem Pharm Bull, 57: 1231-1236 (2009))の個別Tg’値よりも高いことがわかった。この結果は、2種の分子間の相互作用に起因すると推定された。Kets et al, Cryobiology, 48: 46-54(2004)。スクロース/クエン酸塩製剤のこの特性により、この製剤は、AAV凝集を阻止するために必要なイオン強度も提供しながら、凍結乾燥プロセスの開発により有利なものとなっている。
【0694】
8.5実施例5.AAVの凍結乾燥が突きつける独特の課題。
凍結した溶液のpHは、凍結乾燥製剤の安定性に影響を及ぼす。3種の凍結乾燥rAAV製剤の安定性を、25℃で6ヶ月貯蔵後に相対効力を測定することにより評価した。
図10。製剤1、2、及び3には、それぞれ、リン酸緩衝剤、Tris緩衝剤、ヒスチジン緩衝剤が含まれていた。製剤1は、液体製剤と凍結製剤の間の呈色の差により示されるとおり、凍結する際pH7.5からより酸性のpHへのpHシフトを起こした。製剤2(pH7.5)及び製剤3(pH6.5)のpHは安定したままであった。製剤1及び製剤3の相対効力は、25℃で6ヶ月貯蔵後、製剤2の相対効力よりも大幅に低下した。
【0695】
Trisまたはリン酸緩衝剤を含む凍結乾燥AAV8製剤の安定性を比較した。凍結乾燥していない対照(「Liquid」)、凍結乾燥後(「Post Lyo」)、ならびに室温貯蔵で3ヶ月後及び6ヶ月後の製剤の相対効力パーセントを、
図11に示す。リン酸緩衝剤製剤の相対効力は、Tris製剤の相対効力よりも大幅に低下した。リン酸緩衝剤は、凍結する間に酸性pHシフトを起こした。
【0696】
8.6実施例6.残存水分量はrAAV安定性に影響を及ぼす。
残存水分レベルの異なる凍結乾燥製剤について安定性データを得た。
図13及び
図14。最も高い安定性は、中間の水分レベルで見られた。最大限乾燥させることは、必ずしも最良の安定性をもたらさない。乾燥しすぎは、rAAV粒子からのrAAVゲノム放出の増加を招く。
図15。
【0697】
過剰な残存水分は、凍結乾燥ケーキの可塑化機構を介してrAAV粒子を安定化させる可能性がある。したがって、可塑剤または安定剤、例えばグリセロールなどを、残存水分をより高めるための代用品として製剤に用いることができる。可塑剤または安定剤、例えば、グリセロールの使用は、大部分の水の除去を単に目的とする乾燥プロセスも可能にしながら、安定性の改善という利益をもたらす。
【0698】
開示される方法は、現段階で最も実用的かつ好適な実施形態であるとみなされるものに関して記載されてきたものの、当然のことながら、本開示により包含される方法は、開示される実施形態に限されず、そうではなくて、添付の特許請求の範囲の趣旨及び範囲に含まれる様々な修飾及び等価な配置を包含することを意図する。
【0699】
8.7実施例7.凍結乾燥製剤においてAAVを安定化させるには独特の賦形剤組成物が必要とされる。
緩衝剤系、可塑剤、及び塩/増量剤の影響を評価するため、5種の異なる製剤を、凍結乾燥試験1で比較した(表1)。40℃で1ヶ月のストレス試験、ならびに25℃及び5℃で12ヶ月後、ベクターゲノム含有量(VGC)/ウイルス力価及び効力データを、表2で比較した。表2に列挙した製剤及びそれらの濃度は、前凍結乾燥賦形剤濃度である。リン酸ナトリウムで緩衝化された製剤(製剤1、2、3、及び4)は全て、40℃で1ヶ月(<5%残存)及び25℃で12ヶ月(<80%残存)後に効力の低下を示した。製剤5(TRISで緩衝化)は、製剤1と比較した場合、40℃で1ヶ月(35%)及び5℃で12ヶ月(90%)後にはるかにそれより高い効力を示したが、これら2種の製剤の間の唯一の違いは緩衝剤系であった。このことは、AAVの凍結乾燥には、tris緩衝剤がリン酸緩衝剤よりも優れていることを示唆する。この試験に基づき、Trisを、基本緩衝剤系として選択した。
【0700】
また、マンニトール含有製剤(製剤3及び4)は、水分量が低いにもかかわらず、はるかに低いVGCを示した。結晶性増量剤であるマンニトールは、ケーキ安定性及び構造ならびに凍結乾燥プロセス設計を改善する(すなわち崩壊させることなくより高温で主に乾燥を行う能力)ために一般的に使用される賦形剤であるが、この試験では、マンニトールの使用によりAAVは不安定化した。製剤1の水分量(2.9%)が製剤3及び製剤4(1.2%及び1.4%)よりも高かったことを考慮して、凍結乾燥試験2では異なる製剤から同様な水分量である凍結乾燥ケーキを生成させて、マンニトールがAAVを不安定化させる効果の機構をさらに調べた。
【0701】
表1.凍結乾燥試験1で試験した製剤組成物
【表2】
【0702】
表2.凍結乾燥試験1の安定性データまとめ
【表3】
【0703】
凍結乾燥試験2の製剤組成物を表3に列挙する。表3に列記する製剤及びそれらの濃度は、前凍結乾燥賦形剤濃度である。マンニトールの影響の他、スクロース濃度、可塑剤、及び代替多価塩の効果を、凍結乾燥試験2で試験した。生物学的製剤において、スクロースは、凍結乾燥保護剤/凍結保護剤として及び安定剤としての両方で機能することができ、一方マンニトールは、より簡単な再構築、優れたケーキ外観、ならびに潜在的に効率的及び堅固な凍結乾燥サイクルのための増量剤として追加機能をもたらす。(Shreya, 2018)。従来の巨大分子治療薬、例えば、抗体及び酵素とは異なり、AAVは、ウイルスゲノムを保護するため、ならびに細胞取り込み及び細胞内輸送を仲介するため、カプシドの完全性を必要とする複雑な実体である。(Giles, 2018)。SYBR金蛍光アッセイを用いて、AAVカプシド完全性を評価した。このアッセイでは、SYBR金色素は、微量の遊離DNA分子に結合して、カプシド損傷を間接的に検出する(すなわち、これは、損傷したカプシドから放出されたDNAを検出する)。表4に示すとおり、純粋スクロース含有製剤(1A)及びマンニトー含有製剤(6A及び7A)について、同様な水分量(約1%)が、凍結乾燥試験2で達成され、これらは、凍結乾燥試験1の水分量より低かった。マンニトールを、1:14及び1:4のスクロース対マンニトールモル比でAAV製剤に加えた場合(製剤6A及び7A)、マンニトール含有製剤ではるかに高い蛍光強度が検出された。このことは、マンニトールにより形成された結晶性マトリクスが、AAVカプシドを損傷することにより、より多くのウイルスゲノムの放出を引き起こしたことを示唆する(
図15A)。カプシド損傷と一致して、製剤6A及び7Aは、力価の0.4logの減少を示した。1Aは、力価の減少は0.16logだけだった(
図15B)。同じく、凍結乾燥直後、6A及び7Aの効力は、それぞれ25%及び57%に減少したが、一方で1Aは、108%の効力を維持した(表4)。これらのデータは合わせて、マンニトール含有製剤での力価及び効力の減少が、結晶性マトリクスによるものであって、水分量の低下によるものではないことを示した。アデノウイルスに関する以前の製剤研究は、マンニトール対スクロースのモル比が8:1から2:1に低下するのと合わせて水分量が0.6%から1.4%に上昇することで、凍結乾燥後の力価回復の改善を示した。その研究者らは、低水分量の方が力価が不良であることは、低水分量、すなわち「過剰乾燥」によると結論付けた。(Croyle, 2001)しかしながら、それは妥当な結論ではない。なぜなら、彼らの研究において、水分量は、製剤の組成とともに変更されたからである。マンニトール含有製剤及びスクロース含有製剤で同様な水分量を達成することにより、本発明者らは、凍結乾燥製剤においてAAVを安定化させるには、結晶性マトリクスよりも非晶質マトリクスの方が良いことを証明した。
【0704】
表3.凍結乾燥試験2で試験した製剤組成物
【表4】
*凍結乾燥試験2の製剤1Aは、凍結乾燥試験1の製剤5と同じ組成物であるが、検討を容易にするため新たな番号付けを用いている。
【0705】
製剤1A、5A、及び4Aにおいて、それぞれ濃度を210mM、263mM、及び409mMと変えることで、スクロースの影響をさらに試験した。
【0706】
塩化ナトリウムは、塩の一部が結晶化しなければ、製剤の崩壊温度を大幅に低下させることができる。凍結及びアニーリング中のNaClの結晶化は、他の賦形剤により阻害することができる。(Carpenter, 2002)。製剤4Aの熱分析を
図16の低温DSCにより特性決定した。-37℃未満では、結晶化事象は検出されなかった。-36.1℃のTg’は、スクロースのガラス転移によるものであった。製剤4Aで非常に高いスクロース濃度を用いた場合、NaClの結晶化は抑制された。製剤4A及び5A(409mM及び263mMのスクロース)は、カプシド損傷による遊離DNAの放出が、製剤1A(210mMのスクロース)よりも少ないことを示した。このことは、AAV製剤における、NaCl結晶化を阻害するスクロースの臨界及びスクロースの濃度依存性保護効果を実証する。
図17。
【0707】
表4.凍結乾燥直後の結晶性製剤及び非晶質製剤におけるAAV安定性の比較
【表5】
【0708】
クエン酸ナトリウムに加えて、溶液Tg’が凍結乾燥サイクルの開発に適したままであることを確実にしつつ、AAV凝集を阻害する代替多価イオンを検討した。クエン酸塩をスクロースと組み合わせると、乾燥ケーキのガラス転移温度(Tg)が高くなる点で利益があり、これは、凍結乾燥AAVのより高い安定性をもたらすことが予想される(Kets, 2003)。しかしながら、クエン酸塩は、特に筋肉内注射または皮下注射に関して注射部位痛を引き起こすことも知られている(Brazeau, 1998)。エリスロポエチンの皮下製剤については、クエン酸塩を含まないことが推奨された(Brazeau, 1998)。別の例は、「ヒュミラ無クエン酸塩」である。これは、「注射直後の痛みをより少なく」提供する改善された製剤として販売されている。(ヒュミラ無クエン酸塩ウェブサイト、閲覧日19Mar20)。一部の投与経路に関して、クエン酸塩の存在は、疼痛感覚に影響するとは予想されていない。その理由は、経路及び疼痛受容体の有無によるか、クエン酸塩疼痛の相対的認知をマスクする手術が行われる可能性があるためかのいずれかによる。例えば、ゆっくりとした静脈内注入は、痛覚を希釈及び最小限にする可能性があり、または網膜下注射手術は、クエン酸塩製剤に伴う疼痛の認知を相対的に高く有することはない。こうした場合において、クエン酸塩の存在は、注射時の痛みに関する問題とはならない。筋肉内、上脈絡膜、及び皮下注射などの場合に関して、クエン酸塩の存在は、疼痛のより強い認知を引き起こす可能性がある。一部の投与経路に関するこの問題に対処するため、本発明者らは、凍結乾燥製剤用のクエン酸塩代替物を評価した。
図18Aに示すとおり、同様なAAV凝集阻害効果を達成するために硫酸ナトリウムが必要とした濃度は、塩化ナトリウムよりもはるかに低かった。これは、スクロースがより低濃度の硫酸ナトリウムの結晶化をより十分に抑制することができるという点で有利である。結晶化は、マンニトール含有製剤の安定性の欠如により示されるとおり、AAVの安定化に負の影響を及ぼすように思われる。AAVの粒子寸法は、Na
2SO
4の存在下、室温で24時間ストレスを加えた後も、一定したままであった。
図18B及び
図18C。より重要なことは、30mMのNa
2SO
4が、最大14%のスクロース(409mM)の存在下でも、AAV凝集を有効に阻害できることである。
図18C。他の同様な多価塩、MgSO
4及び(NH4)
2SO
4も、凍結乾燥製剤においてAAV凝集を阻害するための代替塩として使用可能である。
【0709】
凍結乾燥製剤に硫酸ナトリウムを使用することの実現可能性を評価するため、様々な製剤緩衝剤のTg’を表5に示す。堅固な凍結乾燥プロセスのためには、Tg’は高いほど(マイナスが小さいほど、冷たくないほど)望ましく、理想的には-40℃超である。製剤1A、2A、3A、4A、及び5Aは全て、望ましいTg’温度を示したが、一方でPBS及びNaCl含有製剤(緩衝剤1及び2)は、凍結乾燥サイクルが長くなると思われ、サイクルが長くなると、塩の結晶化による崩壊を起こしやすくなる。
【0710】
また、凍結する間のpH安定性は、AAV効力を維持する上で重要である。3pH単位のシフトが、dPBS系製剤緩衝剤で凍結する際に観察された。しかしながら、製剤4A及び5Aでは1pH単位のシフトしか見られなかった。
図19。これにより、部分的に、なぜTris緩衝系がリン酸緩衝系よりも凍結乾燥に適切であるかを説明できる。リン酸緩衝剤が凍結する間AAVを低pHにさらすことは、不安定化につながる。
【0711】
表5.異なる賦形剤で構成された凍結乾燥製剤のTg’
【表6】
【0712】
少量の賦形剤添加物、例えば、グリセロールまたはソルビトールを加えることで、一部の凍結乾燥生物製剤が安定化する可能性があることは、実例も理論も存在するが、そのようなアプローチがAAVでも機能するかどうかは不明である(Cicerone, 2003)。水-二糖H結合をより強力なグリセロール-糖H結合で置き換えることによる「水の置き換え」または「可塑剤」挙動などの理論が、こうした添加物により生物製剤の安定性がどのように改善されるかを説明するために用いられるが、凍結乾燥AAVの安定性に対するこうした類の賦形剤の影響は、不明である。(Starciuc, 2017;Cicerone, 2003)。「水の置き換え」または「可塑剤」が安定性を助ける可能性を評価するため、製剤1Aにグリセロール及びソルビトールを加えて(製剤2A及び3A)、より良好な凍結乾燥AAV安定性を達成することが可能かどうか評価した。凍結乾燥ケーキのTgは、全成分のTg、それらの重量パーセンテージ、及び水分量により特定した。前記章で検討したとおり、クエン酸塩とスクロースの間の分子間相互作用は、1AのTgを58.7℃に上昇させたが、一方2A及び3Aは、それぞれTgが42.0℃及び37.8℃であった(表6)。グリセロール及びソルビトールなどの可塑剤は、非晶質凍結乾燥ケーキTgを低下させるものの、それらは、凍結乾燥ケーキがそのガラス転移温度より低い温度で貯蔵された場合に、逆可塑化を通じてガラスマトリクスのβ緩和を遅くすることにより、タンパク質治療薬を安定化させることができることが報告されている。(Cicerone, 2003)。製剤1A、2A、及び3AのTgより低い35℃では、グリセロールを添加した製剤2Aにおいて、遊離DNAの放出をもたらすAAVカプシド破壊がより少なく、効力がより高い結果となったが、ソルビトールを添加した製剤3Aではそうはならなかった。このことは、凍結乾燥製剤においてAAVを安定化するグリセロールの独自能力を実証しており、これは以前に報告されたことがなかった。
図17。驚いたことに、ソルビトール含有製剤(製剤3A)は、グリセロールと同じ利益をもたらさず、ソルビトールを含まない製剤組成物に一致するほぼ理想的な遊離DNA放出となった。このことは、グリセロールの凍結乾燥AAVを安定化する能力が特異的及び独特のものであること、ならびに「水の置き換え」または「可塑剤」賦形剤を使用することの一般概念が、凍結AAVにもたらすグリセロールの安定化の有益性を完全には説明しないことを示唆する。
【0713】
表6.製剤1A~5Aの凍結乾燥ケーキの水分量及びTg
【表7】
【0714】
1A、2A、3A、4A、及び5Aのウイルス力価及びin vitro相対効力を、35℃で2週間の短期間ストレス試験後に試験した。5種の製剤は、35℃で2週間後、47%~75%の効力を保持することができた(
図17C)。40℃で4週間後に35%の効力を有した製剤1Aは、5℃で12ヶ月後に90%の効力を示した(表1の製剤5は、表3の製剤1Aである)。
図12に示すとおり、効力は、35℃という温度ストレスゆえに低下し、2週間から4週間でプラトーになる。本発明者らは、1%水分量範囲での製剤1A~5Aの長期安定性を知らないが、35℃ストレス試験の結果は、より良好な長期安定性を示唆している。
【0715】
今回、本発明者らは、Trisで緩衝化されており、AAV自己凝集を防ぐための塩として20または30mMいずれかで最小量のクエン酸塩または硫酸塩いずれか、塩結晶化を阻害し凍結保護及び凍結乾燥保護ガラス状態をもたらすためのスクロース、AAVの表面吸着を防ぐためのポロキサマー188、ならびに「可塑剤」グリセロールを含有する製剤が、AAVに適切な凍結乾燥安定性をもたらすことを実証した。製剤1A、2A、4A、及び5Aは全て、好適なTg’温度ならびにAAVカプシドを凍結及び乾燥ストレスから保護することによる高い効力を維持ししつつ、AAV凝集を阻害するために異なる賦形剤を独自に選択することによる、AAV凍結乾燥用の製剤の候補である。
【0716】
等価物
本発明は、その特定の実施形態に関連して詳細に記載されているものの、当然のことながら、機能的に等価である変異形態は、本発明の範囲内に含まれる。実際、本明細書中示され及び記載されるものに加えて、本発明の様々な修飾が、上記の説明及び添付の図面から当業者に明らかとなるだろう。そのような修飾は、添付の特許請求の範囲内に含まれるものとする。当業者なら、本明細書中記載される本発明の特定の実施形態に対する多くの等価物が、わかる、または常用実験に過ぎないものを用いて確かめることができるだろう。そのような等価物は、以下の特許請求の範囲により包含されるものとする。
【0717】
本明細書中言及される、全ての刊行物、特許、及び特許出願は、それらの中で引用されるポリヌクレオチド配列及びポリペプチド配列の両方も含めて、個別の刊行物、特許、または特許出願それぞれが、具体的及び個別にそのまま全体が本明細書中参照として援用されると示されたのと同じ程度に、本明細書に参照として援用される。
【手続補正書】
【提出日】2022-03-08
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】配列表
【補正方法】追加
【補正の内容】
【配列表】
【国際調査報告】