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特表2022-529035マイクロRNAの安定化のための組成物及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-16
(54)【発明の名称】マイクロRNAの安定化のための組成物及び方法
(51)【国際特許分類】
   C12Q 1/6806 20180101AFI20220609BHJP
   C12Q 1/6876 20180101ALI20220609BHJP
   C12Q 1/686 20180101ALN20220609BHJP
【FI】
C12Q1/6806 Z ZNA
C12Q1/6876 Z
C12Q1/686 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2021561770
(86)(22)【出願日】2020-04-16
(85)【翻訳文提出日】2021-12-14
(86)【国際出願番号】 EP2020060760
(87)【国際公開番号】W WO2020212522
(87)【国際公開日】2020-10-22
(31)【優先権主張番号】19305496.2
(32)【優先日】2019-04-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】506236163
【氏名又は名称】ジェンフィット
【氏名又は名称原語表記】GENFIT
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ゾウハー・マジド
【テーマコード(参考)】
4B063
【Fターム(参考)】
4B063QA01
4B063QA19
4B063QQ03
4B063QQ52
4B063QS28
4B063QS36
(57)【要約】
本発明は、マイクロRNA分子の安定化に関する。本明細書に記載されている組成物及び方法は、生体液中のマイクロRNAの正規化された相対的又は絶対的定量に有用な、キットに含めるための内部標準及び標準マイクロRNAの提供のために有利に使用することができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
合成マイクロRNA(miRNA)及び脂質ベクターの複合体を含む1つ以上の容器を含む診断用キットであって、前記合成miRNAは規定の濃度である、診断用キット。
【請求項2】
前記キットは、2つ以上の容器を含む、請求項1に記載の診断用キット。
【請求項3】
各容器は同じ合成miRNAを含み、異なる各容器中の前記合成miRNAは異なる規定の濃度である、請求項2に記載の診断用キット。
【請求項4】
前記キットは、規定の濃度の前記合成miRNAを含む第1の容器と、前記第1の容器と同じ合成miRNAを含む少なくとも第2の容器とを含み、前記第2の容器中の前記合成miRNAの濃度は、前記第1の容器中のその濃度とは異なる、請求項3に記載の診断用キット。
【請求項5】
前記キットは、前記合成miRNAを含むさらなる第3の容器を含み、前記第3の容器中の前記合成miRNAの濃度は、前記第1の容器中のその濃度及び前記第2の容器中のその濃度とは異なる、請求項4に記載の診断用キット。
【請求項6】
- 第1の合成miRNAを含む1つ以上の容器と、
- 前記第1のmiRNAとは異なる第2の合成miRNAを含む1つ以上の容器と
を含む、請求項2に記載の診断用キット。
【請求項7】
- 第1の合成miRNAを含有する第1のセットの容器であって、前記第1のセットの容器の各容器中の前記第1の合成miRNAは異なる濃度である、第1のセットの容器と、
- 第2の合成miRNAを含有する第2のセットの容器であって、前記第2のセットの容器の各容器中の前記第2の合成miRNAは異なる濃度である、第2のセットの容器と
を含む、請求項6に記載の診断用キット。
【請求項8】
前記1つ以上の容器のうちの少なくとも1つは、hsa-miR-34a-5p、hsa-miR-193b-3p、hsa-miR-452-5p、cel-miR39-3p又はcel-miR-40-3pを含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の診断用キット。
【請求項9】
前記脂質ベクターは、カチオン性脂質、非カチオン性脂質及び複合脂質、例えば、アミノ酸とコンジュゲートした脂質、ペプチドとコンジュゲートした脂質、又はPEGとコンジュゲートした脂質から選択される、請求項1から8のいずれか一項に記載の診断用キット。
【請求項10】
前記脂質ベクターは、カチオン性脂質を含む、請求項1から9のいずれか一項に記載の診断用キット。
【請求項11】
前記脂質ベクターは、非カチオン性脂質及び複合脂質、例えば、アミノ酸とコンジュゲートした脂質、ペプチドとコンジュゲートした脂質、又はPEGとコンジュゲートした脂質から選択される、請求項1から8のいずれか一項に記載の診断用キット。
【請求項12】
前記脂質ベクターは、中性脂質を更に含む、請求項11に記載の診断用キット。
【請求項13】
前記脂質ベクターは、PEGとコンジュゲートした脂質を含む、請求項11に記載の診断用キット。
【請求項14】
合成マイクロRNA(miRNA)の複合体、脂質ベクター、及びマトリックスを含む1つ以上の容器を含み、前記合成miRNAは規定の濃度である、請求項1から13のいずれか一項に記載の診断用キット。
【請求項15】
対象、特に哺乳動物、更に具体的にはヒトの生体液中のmiRNAの定量のための方法における、請求項1から14のいずれか一項に記載の診断用キットの使用。
【請求項16】
定量は、相対的又は絶対的定量である、請求項15に記載の使用。
【請求項17】
定量は、正規化された相対的又は絶対的定量である、請求項15に記載の使用。
【請求項18】
前記キットは、前記miRNAの標準濃度曲線を確立するために使用される、請求項15又は16に記載の使用。
【請求項19】
前記キットは、試験対象の生物学的サンプルに、前記キットの容器に含まれる規定の量の前記合成miRNAをスパイクインするために使用される、請求項15又は17に記載の使用。
【請求項20】
前記生物学的サンプルは、血液、血清、血漿、尿、唾液又は精液、特に、血液、血清又は血漿、より具体的には、血清である、請求項15から19のいずれか一項に記載の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マイクロRNA(miRNA)分子の安定化に関する。本明細書に記載されている組成物及び方法は、生体液中のmiRNAの相対的又は絶対的定量に有用な、キットに含めるための標準マイクロRNAの提供のために有利に使用することができる。
【背景技術】
【0002】
循環miRNAは、それらを魅力的なバイオマーカーのクラスにする多くの特徴を提示する。それらは、安定であり、その配列は、進化的に保存されており、miRNA発現は、組織又は病態特異的であることが多く、それらをリアルタイムPCRによって検出することができるため、アッセイは、高感度で特異的であり得る。しかしながら、依然として対処が必要な循環miRNAの検出に関連する難題もある。難題の1つは、血液中の総RNAの量が少ないことに関し、それが、単離RNAの濃度及び品質を評価するのを困難にする。結果として、i)目的とするmiRNAの調整された正確な陽性対照を有すること、並びにii)出発材料の量及びmiRNA抽出に基づく変動に対して、検出されたmiRNA値を正確に正規化することが非常に重要である。正規化は、「ハウスキーピング」循環RNAを探すことによって試みられてきた。いくつかの報告は、ハウスキーピングRNAとしてU6又はその他のmiRNA(例えば、miR-16)を使用している。しかしながら、これらのRNAレベルは、病的状態下では変化することが多い。その他は、3つの合成エレガンス線虫(Caenorhabditis elegans)miRNA(ヒトmiRNAと相同性でない)を精製手順中に添加し、データ正規化のために使用したスパイクイン正規化アプローチを報告した。しかしながら、miRNAは、生体液中で比較的安定で、タンパク質及び脂質と会合し、マクロベシクル中に包まれるが、合成miRNAは、RNアーゼによって容易に加水分解されるため、取り扱い又は使用が難しい。これは、スパイクインアプローチが、生体液からのmiRNAレベルの絶対的又は相対的定量のための要件である既知の濃度のmiRNA標準を使用しなければならないため大きな懸念事項である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】WO9405624
【特許文献2】WO9427435
【特許文献3】WO9502698
【特許文献4】WO9517373
【特許文献5】WO9640961
【特許文献6】US8058068
【特許文献7】WO9840502
【特許文献8】US20060229246
【特許文献9】US20030069173
【特許文献10】WO200027795
【特許文献11】WO200234879
【特許文献12】WO2006102163
【特許文献13】WO201268176
【特許文献14】WO201611203
【特許文献15】US20190060482
【特許文献16】WO2012068176
【特許文献17】WO2016011203
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、この問題を解決する組成物及び方法を提供する。
【0005】
本発明者らは、本明細書において、合成miRNAは、脂質ベクターと複合体化された場合、疾患の診断、予測又はモニタリングに有用なキットに有利に組み込むことができることを示す。
【0006】
したがって、本発明の第1の態様は、合成miRNA及び脂質ベクターを含む1つ以上の容器を含む診断用キットであって、前記合成miRNAは、規定の濃度である、キットに関する。
【0007】
本発明の特定の態様は、合成miRNA、脂質ベクター及びマトリックス(例えば、合成血清、核酸除去血漿、血液由来のサンプル)を含む1つ以上の容器を含み、前記合成miRNAは、規定の濃度である、診断用キットに関する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】Invivofectamine(登録商標)は、血清中にスパイクインされる合成hsa-miR-34a-5pオリゴリボヌクレオチドを保護する。 Invivofectamine(登録商標)の非存在下(A)又は存在下(B)におけるhsa-miR-34a-5p発現レベル。黒いボックス:生物学的ベースマトリックスとして使用される非常に低いレベルのhsa-miR-34aを含む健康なドナーの血清のプール、灰色のボックス:変性の前後にInvivofectamine(登録商標)(IVF)を伴わない合成hsa-miR-34a-5pが加えられたベースマトリックス。白いボックス:IVF中にカプセル化された合成hsa-miR-34a-5pが加えられたベースマトリックス。
図2】4℃で最大4時間におけるmiRNA/Invivofectamine(登録商標)複合体の安定性。 2つのmiRNA/Invivofectamine(登録商標)複合体調製条件を試験した:温度4℃(黒いボックス)対室温(RT、白いボックス)並びに複合体調製からその使用までの間の時間(0、1及び4時間)。マトリックス:非常に低いレベルのhsa-miR-34a-5pを有する健康なドナーの血清のプール(Etablissement Francais du Sang社:EFS)。
図3】Invivofectamine(登録商標)は、血清中にスパイクインされる合成hsa-miR-34a-5pオリゴリボヌクレオチドを4℃で最大4週間保護する。
図4】Invivofectamine(登録商標)と組み合わされた場合の-20℃における繰り返しの凍結・解凍サイクル後の血清中における合成miRNAの安定性。
図5】NASH疾患患者の臨床コホートにおける内部標準を含む(A)又は内部標準を含まない(B)hsa-miR-34a-5pのROC曲線(n=562患者、NTBT=271患者及びTBT=291患者)。TBTと分類される標的の状態は、NAS≧4+F≧2であった。
図6】Invivofectamine(登録商標)(IVF)/hsa-miR-34-a-5p複合体調製条件。 温度;4℃(黒いボックス)、室温(RT、白いボックス)。複合体調製からその使用までの間の時間(0、1及び4時間)も試験した。NRT:逆転写酵素なし対照、NTC:鋳型なし対照、陰性対照:PCRブランク。全データは、平均qPCR増幅サイクル(Cq)±SDとして表し、n=3である。ND:不検出。
図7】Lipofectamine/hsa-miR-34-a-5p複合体調製条件。 温度;4℃(黒いボックス)、室温(RT、灰色のボックス)。複合体調製からその使用までの間の時間(0、1及び4時間)。NRT:逆転写酵素なし対照、NTC:鋳型なし対照、陰性対照:PCRブランク。全データは、平均qPCR増幅サイクル(Cq)±SDとして表し、n=3である。ND:不検出。
【発明を実施するための形態】
【0009】
特定の実施形態において、本キットは、2つ以上の容器を含む。
【0010】
第1の変形において、各容器は、同じ合成miRNAを含むことができ、異なる各容器中の前記合成miRNAは、異なる規定の濃度である。例えば、本キットは、規定の濃度の合成miRNAを含む第1の容器と、第1の容器と同じ合成miRNAを含む少なくとも第2の容器とを含んでもよく、第2の容器中の合成miRNAの濃度は、第1の容器中のその濃度とは異なる。本キットは、同じ合成miRNAを含むさらなる第3の容器を含んでもよく、第3の容器中の合成miRNAの濃度は、第1の容器中のその濃度及び第2の容器中のその濃度とは異なる。本キットは、異なる濃度の同じ合成miRNAを含有する1つ以上の追加の容器を含んでもよい。
【0011】
第2の変形において、本キットは、
- 第1の合成miRNAを含む1つ以上の容器と、
- 第1のmiRNAとは異なる第2の合成miRNAを含む1つ以上の容器と
を含む。
【0012】
例えば、本キットは、
- 第1の合成miRNAを含有する第1のセットの容器であって、第1のセットの容器の各容器中の前記第1の合成miRNAは、異なる濃度である、第1のセットの容器と、
- 第2の合成miRNAを含有する第2のセットの容器であって、第2のセットの容器の各容器中の前記第2の合成miRNAは、異なる濃度である、第2のセットの容器と
を含んでもよい。
【0013】
本キットは、追加の合成miRNA(例えば、第3の若しくは第4以上の合成miRNA)を含む少なくとも1つの他の容器又は少なくとも1つの他のセットの容器を更に含んでもよい。追加の合成miRNAは、第1の合成miRNA、第2の合成miRNA及びキットに含まれる低い順序の任意のその他のmiRNAとは異なることがある。例えば、第3の合成miRNAの場合、前記第3の合成miRNAは、第1の合成miRNA及び第2の合成miRNAとは異なる。別のセットの容器を含む実施形態において、追加(例えば、第3)のセットの容器の各容器中の追加の合成miRNA(例えば、第3の合成miRNA)は、異なる濃度であってもよい。
【0014】
本発明のキットに含まれる合成miRNAは、品質管理又は内部標準、診断、予測若しくはモニタリング評価に使用することができる任意の合成miRNAであってもよい。例えば、キットに含まれる合成miRNAは、生体液中のレベル、又は有無が疾患若しくは疾患ステージと相関関係があるか、又は疾患若しくは疾患ステージと潜在的に相関関係があるか、又は潜在的な疾患若しくは潜在的な疾患ステージと相関関係があるmiRNAの配列を有してもよい。診断が少なくとも1つのmiRNAのレベル、又は有無の評価を含む可能性がある実例となる疾患としては、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)、NASH、がん、線維症、ウイルス感染症、神経障害、心血管障害及び糖尿病が挙げられるが、限定されない。
【0015】
特定の実施形態において、合成miRNAは、そのレベル、又はその有無がNAFLD、NASH又は線維症、特に、線維症を伴うNASHに関連するmiRNAである。
【0016】
特定の実施形態において、1つ以上の容器のうちの少なくとも1つは、合成hsa-miR-34a(特に、hsa-miR-34a-5p)、hsa-miR-452(特に、hsa-miR-452-5p)又は合成hsa-miR-193(特に、hsa-miR-193b-3p)を含む。
【0017】
さらなる特定の実施形態において、1つ以上の容器のうちの少なくとも1つは、合成hsa-miR-34a(特に、hsa-miR-34a-5p)を含む。更に別の実施形態において、本キットは、それぞれが合成hsa-miR-34a(特に、hsa-miR-34a-5p)を異なる濃度で含む1セットの容器を含む。特定の変形において、前記キットは、それぞれが合成hsa-miR-34a(特に、hsa-miR-34a-5p)を異なる濃度で含む1つ、少なくとも2つ又は少なくとも3つの容器を含む。別の特定の変形において、前記キットは、それぞれが合成hsa-miR-34a(特に、hsa-miR-34a-5p)を異なる濃度で含む1つ、2つ又は3つの容器を含む。さらなる変形は、合成hsa-miR-34a(特に、hsa-miR-34a-5p)を規定の濃度で含む1つの容器を含むキットに関する。別の変形は、合成hsa-miR-34a(特に、hsa-miR-34a-5p)を規定の濃度で含む2つの容器を含むキットであって、第1の容器中の合成hsa-miR-34a(特に、hsa-miR-34a-5p)の濃度が、第2の容器中の合成hsa-miR-34a(特に、hsa-miR-34a-5p)の濃度とは異なるキットに関する。更に別の変形において、本キットは、合成hsa-miR-34a(特に、hsa-miR-34a-5p)を規定の濃度で含む3つの容器を含み、第1の容器中の合成hsa-miR-34a(特に、hsa-miR-34a-5p)の濃度は、第2の容器中の合成hsa-miR-34a(特に、hsa-miR-34a-5p)の濃度とは異なり、第3の容器中の合成hsa-miR-34a(特に、hsa-miR-34a-5p)の濃度は、第1の容器中及び第2の容器中の合成hsa-miR-34a(特に、hsa-miR-34a-5p)の濃度とは異なる。
【0018】
さらなる特定の実施形態において、1つ以上の容器のうちの少なくとも1つは、合成hsa-miR-193(特にhsa-miR-193b-3p)を含む。更に別の実施形態において、本キットは、それぞれが合成hsa-miR-193(特に、hsa-miR-193b-3p)を異なる濃度で含む1セットの容器を含む。特定の変形において、前記キットは、それぞれが合成hsa-miR-193(特に、hsa-miR-193b-3p)を異なる濃度で含む1つ、少なくとも2つ又は少なくとも3つの容器を含む。別の特定の変形において、前記キットは、それぞれが合成hsa-miR-193(特に、hsa-miR-193b-3p)を異なる濃度で含む1つ、2つ又は3つの容器を含む。さらなる変形は、合成hsa-miR-193(特に、hsa-miR-193b-3p)を規定の濃度で含む1つの容器を含むキットに関する。別の変形は、合成hsa-miR-193(特に、hsa-miR-193b-3p)を規定の濃度で含む2つの容器を含むキットであって、第1の容器中の合成hsa-miR-193(特に、hsa-miR-193b-3p)の濃度が、第2の容器中の合成hsa-miR-193(特に、hsa-miR-193b-3p)の濃度とは異なるキットに関する。更に別の変形において、本キットは、合成hsa-miR-193(特に、hsa-miR-193b-3p)を規定の濃度で含む3つの容器を含み、第1の容器中の合成hsa-miR-193(特に、hsa-miR-193b-3p)の濃度は、第2の容器中の合成hsa-miR-193(特に、hsa-miR-193b-3p)の濃度とは異なり、第3の容器中の合成hsa-miR-193(特に、hsa-miR-193b-3p)の濃度は、第1の容器中及び第2の容器中の合成hsa-miR-193(特に、hsa-miR-193b-3p)の濃度とは異なる。
【0019】
特定の実施形態において、1つ以上の容器のうちの少なくとも1つは、合成cel-miR-39(特に、cel-miR-39-3p)を含む。更に別の実施形態において、本キットは、それぞれが合成cel-miR-39(特に、cel-miR-39-3p)を異なる濃度で含む1セットの容器を含む。特定の変形において、前記キットは、それぞれが合成cel-miR-39(特に、cel-miR-39-3p)を異なる濃度で含む1つ、少なくとも2つ又は少なくとも3つの容器を含む。別の特定の変形において、前記キットは、それぞれが合成cel-miR-39(特に、cel-miR-39-3p)を異なる濃度で含む1つ、2つ又は3つの容器を含む。さらなる変形は、合成cel-miR-39(特に、cel-miR-39-3p)を規定の濃度で含む1つの容器を含むキットに関する。別の変形は、合成cel-miR-39(特に、cel-miR-39-3p)を規定の濃度で含む2つの容器を含むキットであって、第1の容器中の合成cel-miR-39(特に、cel-miR-39-3p)の濃度が、第2の容器中の合成cel-miR-39(特に、cel-miR-39-3p)の濃度とは異なるキットに関する。更に別の変形において、本キットは、合成cel-miR-39(特に、cel-miR-39-3p)を規定の濃度で含む3つの容器を含み、第1の容器中の合成cel-miR-39(特に、cel-miR-39-3p)の濃度は、第2の容器中の合成cel-miR-39(特に、cel-miR-39-3p)の濃度とは異なり、第3の容器中の合成cel-miR-39(特に、cel-miR-39-3p)の濃度は、第1の容器中及び第2の容器中の合成cel-miR-39(特に、cel-miR-39-3p)の濃度とは異なる。
【0020】
別の特定の実施形態において、1つ以上の容器のうちの少なくとも1つは、合成cel-miR-40(特に、cel-miR-40-3p)を含む。更に別の実施形態において、本キットは、それぞれが合成cel-miR-40(特に、cel-miR-40-3p)を異なる濃度で含む1セットの容器を含む。特定の変形において、前記キットは、それぞれが合成cel-miR-40(特に、cel-miR-40-3p)を異なる濃度で含む1つ、少なくとも2つ又は少なくとも3つの容器を含む。別の特定の変形において、前記キットは、それぞれが合成cel-miR-40(特に、cel-miR-40-3p)を異なる濃度で含む1つ、2つ又は3つの容器を含む。さらなる変形は、合成cel-miR-40(特に、cel-miR-40-3p)を規定の濃度で含む1つの容器を含むキットに関する。別の変形は、合成cel-miR-40(特に、cel-miR-40-3p)を規定の濃度で含む2つの容器を含むキットであって、第1の容器中の合成cel-miR-40(特に、cel-miR-40-3p)の濃度が、第2の容器中の合成cel-miR-40(特に、cel-miR-40-3p)の濃度とは異なるキットに関する。更に別の変形において、本キットは、合成cel-miR-40(特に、cel-miR-40-3p)を規定の濃度で含む3つの容器を含み、第1の容器中の合成cel-miR-40(特に、cel-miR-40-3p)の濃度は、第2の容器中の合成cel-miR-40(特に、cel-miR-40-3p)の濃度とは異なり、第3の容器中の合成cel-miR-40(特に、cel-miR-40-3p)の濃度は、第1の容器中及び第2の容器中の合成cel-miR-40(特に、cel-miR-40-3p)の濃度とは異なる。
【0021】
さらなる特定の実施形態において、1つ以上の容器のうちの少なくとも1つは、合成ath-miR-159a、cel-lin-4、cel-miR-2、cel-miR-238、cel-miR-54又はcel-miR-55、それぞれ、特にath-miR-1549a、cel-lin4-5p、cel-miR2-3p、cel-miR-238-3p、cel-miR-54-3p又はcel-miR-55-3pを含む。
【0022】
本発明のキットの容器は、miRNA及び脂質ベクターの複合体を含む。本発明の実施のための実例となる脂質ベクターは、カチオン性脂質、非カチオン性脂質(例えば、中性又はアニオン性脂質)及び複合脂質、例えば、アミノ酸とコンジュゲートした脂質、ペプチドとコンジュゲートした脂質、又はPEGとコンジュゲートした脂質を含み得るが、これらに限定されない。別の実施形態において、本発明の実施のための脂質ベクターは、非カチオン性脂質(例えば、中性又はアニオン性脂質)及び複合脂質、例えば、アミノ酸とコンジュゲートした脂質、ペプチドとコンジュゲートした脂質、又はPEGとコンジュゲートした脂質を含む。特定の実施形態において、脂質ベクターは、少なくとも1つのカチオン性脂質を含む。さらなる特定の実施形態において、少なくとも1つのカチオン性脂質は、少なくとも1つの中性脂質と、及び/又は少なくとも1つの複合脂質と混合される。さらなる特定の実施形態において、カチオン性脂質は、PEG、例えば、C12~C20、特に、C14~C18の、500~7500の分子量を有するPEGと混合されてもよい。
【0023】
特定の実施形態において、本発明の実施のための脂質ベクターは、PEGとコンジュゲートした脂質から選択される。別の特定の実施形態において、脂質ベクターは、PEGとコンジュゲートしたグリセロリン脂質である。更に別の実施形態において、脂質ベクターは、PEGとコンジュゲートしたモノグリセロホスホエタノールアミン若しくはPEGとコンジュゲートしたジアシルグリセロホスホエタノールアミン、又はその塩である。別の実施形態において、脂質ベクターは、PEGとコンジュゲートしたジアシルグリセロホスホエタノールアミン、又はその塩である。別の特定の実施形態において、脂質ベクターは、PEGとコンジュゲートしたジ(C14~C18)アシルグリセロホスホエタノールアミン又は、その塩、例えば、PEGとコンジュゲートしたジC16アシルグリセロホスホエタノールアミン、若しくはその塩である。本段落に開示されているそれぞれの実施形態において、PEG部分は、500から7500、特に、750から5000、例えば、1000から4000の分子量を有するPEGであってもよい。特定の実施形態において、本段落に記載されている脂質ベクターのPEG部分は、1000、2000、3000又は4000、特に、2000であってもよい。さらなる特定の実施形態において、脂質ベクターは、1,2-ジパルミトイル-sn-グリセロ-3-ホスホエタノールアミン-N-[メトキシ(ポリエチレングリコール)-2000](C16 PEG2000 PE)、又はその塩、例えば、そのアンモニウム塩である。
【0024】
特定の実施形態において、カチオン性脂質は、一価又は多価カチオン性脂質である。一価カチオン性脂質のうち、DOTMA、DOTAP、DMRIE、及びDDABを挙げることができるが、限定されない。実例となる多価カチオン性脂質としては、DOSPA、DOSPER、DOGS、TMTPS、TMTOS、TMTLS、TMTMS、及びTMDOSが挙げられるが、限定されない。中性脂質のうち、DOPE、DPhPE、及びコレステロールを挙げることができるが、限定されない。
【0025】
例えば、実例となる脂質ベクターとしては、WO9405624、WO9427435、WO9502698、WO9517373、WO9640961、US8058068、WO9840502、US20060229246、US20030069173、WO200027795、WO200234879、WO2006102163、WO201268176、WO201611203及びUS20190060482に開示されているものが挙げられるが、限定されない。
【0026】
特定の実施形態において、脂質ベクターは、以下:
2,3-ジオレイルオキシ-1-(N,N-ジメチルアミノ)プロパン;
2H-イソインドール-2-エタンアミニウム,N-[2,3-ビス(9-オクタデセニルオキシ)プロピル]-1,3-ジヒドロ-N,N-ジメチル-1,3-ジオキソ-,ブロミド;
1-プロパンアミニウム.N-(2-アミノ)エチル-N,N-ジメチル-2,3-ビス(9-オクタデセニルオキシ)-ブロミド;
3-オキサ-5,9,15-トリアザヘプタデカン-17-アミニウム,N-[2,3-ビス(9-オクタデセニルオキシ)プロピル]-9-[(1,1-ジメチルエトキシ)カルボニル]-13-{[(1,1-ジメチルエトキシ)カルボニル][3-{[(1,1-ジメチルエトキシ)-カルボニル]アミノールプロピル]アミノール-N,N,2,2-テトラメチル-4,14-ジオキソ-,ブロミド;
1-プロパンアミニウム.N-[2-[[2,5-ビス[(3-アミノプロピル)アミノ]-1-オキソ-ペンチル]アミノ]エチル]-n,n-ジメチル-2,3,-ビス(9-オクタデセニルオキシ)-,テトラ(トリフルオロアセタート)塩
1-プロパンアミニウム,N-[2-(2-ブロモ)エチル]-N,N-ジメチル-2,3-ビス(9-オクタデセニルオキシ)-,ブロミド;
1-プロパンアミニウム,N-{2-[[3-[[4-[(3-アミノプロピル)アミノ]ブチル]アミノ]プロピル]アミノ]エチル}-n,n-ジメチル-2,3-ビス-(9-オクタデセニルオキシ)-,ブロミド;及び
1-プロパンアミニウム,N-[2-[(3-アミノプロピル)アミノ]エチル]-N,N-ジメチル-2,3-ビス(9-オクタデセニルオキシ)-,ブロミド
から選択される。
【0027】
特定の実施形態において、脂質ベクターは、以下:
DOPEと混合された又はされていないN,N,N',N'-テトラパルミトイルスペルミン;
DOPEと混合された又はされていないN,N,N',N'-テトラパルミルスペルミン;
DOPEと混合された又はされていないN,N,N',N'-テトラメチルテトラパルミルスペルミンテトラアンモニウムヨージド;
N,N,N',N'-ヘキサメチルテトラパルミルスペルミンテトラアンモニウムヨージド;
DOTMA:DOPE(特に、1:1(w/w))及び
DOSPA:DOPE(特に、1.5:1(w/w))
から選択される。
【0028】
特定の実施形態において、脂質ベクターは、N,N,N',N'-テトラメチルテトラパルミルスペルミンテトラアンモニウムヨージド、特に、混合物、N,N,N',N'-テトラメチルテトラパルミルスペルミンテトラアンモニウムヨージド及びDOPEの1:1混合物である。
【0029】
特定の実施形態において、脂質ベースのベクターは、2,3-ジオレイルオキシ-N-[2(スペルミンカルボキサミド)エチル]-N,N-ジメチル-1-プロパンアミニウムトリフルオロアセタートを含む。別の実施形態において、2,3-ジオレイルオキシ-N-[2(スペルミンカルボキサミド)エチル]-N,N-ジメチル-1-プロパンアミニウムトリフルオロアセタートは、ジオレオイルホスファチジルエタノールアミン等の中性脂質に混合される。
【0030】
別の特定の実施形態において、脂質ベースのベクターは、以下:
N1,N4-ジオレオイル-ジアミノブタン
N1,N4-ジオレイル-ジアミノブタン
N1,N4-ジオレイル-N1,N4-ジ-[2-ヒドロキシ-3-(N-フタルアミド)プロピル]-ジアミノ-ブタン
N1,N4-ジオレイル-N1,N4-ジ-[2-ヒドロキシ-3-(N-アミノプロピル)]-ジアミノブタン(DHDOS)
N1,N4-ジミリスチル-N1,N4-ジ-[2-ヒドロキシ-3-(N-アミノプロピル)-ジアミノブタン;
N1,N4-ジパルミチル-N1,N4-ジ-[2-ヒドロキシ-3-(N-アミノプロピル)-ジアミノブタン;
N1,N4-ジパルミトイル-N1,N4-ジ-[2-ヒドロキシ-3-(N-アミノプロピル)-ジアミノブタン;
N1,N4-ジステアリル-N1,N4-ジ-[2-ヒドロキシ-3-(N-アミノプロピル)-ジアミノブタン;
N1,N4-ジラウリル-N1,N4-ジ-[2-ヒドロキシ-3-(N-アミノプロピル)-ジアミノブタン;
N1,N2-ジミリスチル-N1,N2-ジ-[2-ヒドロキシ-3-(N-アミノプロピル)-ジアミノエタン;
N1,N2-ジパルミチル-N1,N2-ジ-[2-ヒドロキシ-3-(N-アミノプロピル)-ジアミノエタン;
N1,N2-ジパルミトイル-N1,N2-ジ-[2-ヒドロキシ-3-(N-アミノプロピル)-ジアミノエタン;
N1,N2-ジステアリル-N1,N2-ジ-[2-ヒドロキシ-3-(N-アミノプロピル)-ジアミノエタン;
N1,N2-ジラウリル-N1,N2-ジ-[2-ヒドロキシ-3-(N-アミノプロピル)-ジアミノエタン;
N1,N2-ジオレイル-N1,N2-ジ-[2-ヒドロキシ-3-(N-アミノプロピル)-ジアミノエタン;
N1,N9-ジミリスチル-N1,N9-ジ-[2-ヒドロキシ-3-(N-アミノプロピル)-ジェファミン;
N1,N9-ジパルミチル-N1,N9-ジ-[2-ヒドロキシ-3-(N-アミノプロピル)-ジェファミン;
N1,N9-ジパルミトイル-N1,N9-ジ-[2-ヒドロキシ-3-(N-アミノプロピル)-ジェファミン;
N1,N9-ジステアリル-N1,N9-ジ-[2-ヒドロキシ-3-(N-アミノプロピル)-ジェファミン;
N1,N9-ジラウリル-N1,N9-ジ-[2-ヒドロキシ-3-(N-アミノプロピル)-ジェファミン;
N1,N9-ジオレイル-N1,N9-ジ-[2-ヒドロキシ-3-(N-アミノプロピル)-ジェファミン
N1,N4-ジオレイル-N1,N4-ジ-[2-ヒドロキシ-3-(N-カルボアミジン)アミノプロピル]-ジアミノブタン;
N1,N4-ジオレイル-N1,N4-ジ-{2-ヒドロキシ-3-[N-(NI,NII,NIII,NIV-ブトキシカルボニル-スペルミンカルボキサミド)]アミノプロピル}ジアミノブタン;
N1,N4-ジオレイル-N1,N4-ジ-[2-ヒドロキシ-3-(N-スペルミンカルボキサミド)-アミノプロピル]-ジアミノブタン、
N1,N4-ジミリスチル-N1,N4-ジ-[2-ヒドロキシ-3-(N-スペルミンカルボキサミド)アミノプロピル]-ジアミノブタン;
N1,N4-ジパルミチル-N1,N4-ジ-[2-ヒドロキシ-3-(N-スペルミンカルボキサミド)-アミノプロピル]-ジアミノブタン;
N1,N4-ジパルミトイル-N1,N4-ジ-[2-ヒドロキシ-3-(N-スペルミンカルボキサミド)アミノプロピル]-ジアミノブタン;
N1,N4-ジステアリル-N1,N4-ジ-[2-ヒドロキシ-3-(N-スペルミンカルボキサミド)-アミノプロピル]-ジアミノブタン;
N1,N4-ジラウリル-N1,N4-ジ-[2-ヒドロキシ-3-(N-スペルミンカルボキサミド)-アミノプロピル]ジアミノブタン;
N1,N9-ジミリスチル-N1,N9-ジ-[2-ヒドロキシ-3-(N-スペルミンカルボキサミド)アミノプロピル]-ジェファミン;
N1,N9-ジパルミチル-N1,N9-ジ-[2-ヒドロキシ-3-(N-スペルミンカルボキサミド)-アミノプロピル]-ジェファミン;
N1,N9-ジパルミトイル-N1,N9-ジ-[2-ヒドロキシ-3-(N-スペルミンカルボキサミド)アミノプロピル]-ジェファミン;
N1,N9-ジステアリル-N1,N9-ジ-[2-ヒドロキシ-3-(N-スペルミンカルボキサミド)-アミノプロピル]-ジェファミン;
N1,N9-ジラウリル-N1,N9-ジ-[2-ヒドロキシ-3-(N-スペルミンカルボキサミド)-アミノプロピル]ジェファミン;
N1,N9-ジオレイル-N1,N9-ジ-[2-ヒドロキシ-3-(N-スペルミンカルボキサミド)-アミノプロピル]ジェファミン;
N1,N2-ジミリスチル-N1,N2-ジ-[2-ヒドロキシ-3-(N-スペルミンカルボキサミド)-アミノプロピル]-ジアミノエタン;
N1,N2-ジパルミチル-N1,N2-ジ-[2-ヒドロキシ-3-(N-スペルミンカルボキサミド)アミノプロピル]-ジアミノエタン;
N1,N2-ジパルミトイル-N1,N2-ジ-[2-ヒドロキシ-3-(N-スペルミンカルボキサミド)-アミノプロピル]-ジアミノエタン;
N1,N2-ジステアリル-N1,N2-ジ-[2-ヒドロキシ-3-(N-スペルミンカルボキサミド)-アミノプロピル]ジアミノエタン;
N1,N2-ジラウリル-N1,N2-ジ-[2-ヒドロキシ-3-(N-スペルミンカルボキサミド)-アミノプロピル]ジアミノエタン;
N1,N2-ジオレイル-N1,N2-ジ-[2-ヒドロキシ-3-(N-スペルミンカルボキサミド)-アミノプロピル]-ジアミノエタン
を含む。
【0031】
別の実施形態において、脂質ベースのベクターは、以下:
N,N',N",N"'テトラメチルテトラパルミチルスペルミン(TMTPSヨージド又はTMTPSクロリド);
DOPEと混合されたN,N',N",N"'テトラメチルテトラパルミチルスペルミン(TMTPS-ヨージド)(例えば、1:1.5(M/M));
DOPEと混合されたリポソームN,N',N",N"'テトラメチルテトラパルミチルスペルミン(TMTPS-ヨージド)(例えば、1:1.5(M/M))
を含む。
【0032】
別の実施形態において、脂質ベースのベクターは、例えば、以下:
テトラデシル2-[3-メチルアミノプロピル-(2-オキソ-2-テトラデコキシエチル)アミノ]アセタート;
2-[2-[2-[2-[ビス[2-(ドデシルアミノ)-2-オキソ-エチル]アミノ]エチル-[2-(ドデシルアミノ)-2-オキソ-エチル]アミノ]エチルアミノ]エチル-[2-(ドデシルアミノ)-2-オキソ-エチル]アミノ]-N-ドデシル-アセトアミド;
2-[2-[2-[2-[ビス[2-(ドデシルアミノ)-2-オキソエチル]アミノ]エチルアミノ]エチルアミノ]エチル-[2-(ドデシルアミノ)-2-オキソエチル]アミノ]-N-ドデシル-アセトアミド;
ジペンタデシル4,4'-(3-(メチル(4-オキソ-4-(ペンタデシルオキシ)ブチル)アミノ)プロピルアザンジイル)ジブタノアート;及び
ペンタデシル4-(メチル(3-(4-オキソ-4-(ペンタデシルオキシ)ブチルアミノ)プロピル)アミノ)ブタノアート
のアミン含有脂質を含む。
【0033】
さらなる特定の実施形態において、脂質ベクターは、WO2012068176の化合物1から87のうちの少なくとも1つを含む。さらなる特定の実施形態において、脂質ベクターは、以下:
WO2012068176の化合物1;
WO2012068176の化合物2;
WO2012068176の化合物3;
WO2012068176の化合物4;
WO2012068176の化合物5;
WO2012068176の化合物6;
WO2012068176の化合物7;
WO2012068176の化合物8;
WO2012068176の化合物9;
WO2012068176の化合物10;
WO2012068176の化合物11;
WO2012068176の化合物12;
WO2012068176の化合物13;
WO2012068176の化合物14;
WO2012068176の化合物15;
WO2012068176の化合物16;
WO2012068176の化合物17;
WO2012068176の化合物18;
WO2012068176の化合物19;
WO2012068176の化合物20;
WO2012068176の化合物21;
WO2012068176の化合物22;
WO2012068176の化合物23;
WO2012068176の化合物24;
WO2012068176の化合物25;
WO2012068176の化合物26;
WO2012068176の化合物27;
WO2012068176の化合物28;
WO2012068176の化合物29;
WO2012068176の化合物30;
WO2012068176の化合物31;
WO2012068176の化合物32;
WO2012068176の化合物33;
WO2012068176の化合物34;
WO2012068176の化合物35;
WO2012068176の化合物36;
WO2012068176の化合物37;
WO2012068176の化合物38;
WO2012068176の化合物39;
WO2012068176の化合物40;
WO2012068176の化合物41;
WO2012068176の化合物42;
WO2012068176の化合物43;
WO2012068176の化合物44;
WO2012068176の化合物45;
WO2012068176の化合物46;
WO2012068176の化合物47;
WO2012068176の化合物48;
WO2012068176の化合物49;
WO2012068176の化合物50;
WO2012068176の化合物51;
WO2012068176の化合物52;
WO2012068176の化合物53;
WO2012068176の化合物54;
WO2012068176の化合物55;
WO2012068176の化合物56;
WO2012068176の化合物57;
WO2012068176の化合物58;
WO2012068176の化合物59;
WO2012068176の化合物60;
WO2012068176の化合物61;
WO2012068176の化合物62;
WO2012068176の化合物63;
WO2012068176の化合物64;
WO2012068176の化合物65;
WO2012068176の化合物66;
WO2012068176の化合物67;
WO2012068176の化合物68;
WO2012068176の化合物69;
WO2012068176の化合物70;
WO2012068176の化合物71;
WO2012068176の化合物72;
WO2012068176の化合物73;
WO2012068176の化合物74;
WO2012068176の化合物75;
WO2012068176の化合物76;
WO2012068176の化合物77;
WO2012068176の化合物78;
WO2012068176の化合物79;
WO2012068176の化合物80;
WO2012068176の化合物81;
WO2012068176の化合物82;
WO2012068176の化合物83;
WO2012068176の化合物84;
WO2012068176の化合物85;
WO2012068176の化合物86;
WO2012068176の化合物87;及び
それらの塩
からなる群から選択される少なくとも1つの脂質を含む。
【0034】
別の特定の実施形態において、脂質ベクターは、WO2012068176のTable 1(表1)、Table 2(表2)及びTable 3(表3)に開示されている脂質製剤であってもよく、これらを下に再現する。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
【0037】
【表3】
【0038】
さらなる特定の実施形態において、脂質ベクターは、DHDMS、HDMS、DOPE及びコレステロールの混合物である。別の実施形態において、脂質ベクターは、WO2016011203のTable 1(表4)に開示されている脂質製剤である。
【0039】
【表4】
【0040】
さらなる特定の実施形態において、脂質ベクターは、分子量750、2000又は5000の、14又は18の鎖長を有するPEG、DHDMS、HDMS、DOPE、及びコレステロールを含む、US20190060482に開示されている脂質ナノ粒子製剤を含む。特に、製剤は、US20190060482のTable 2(表5)の製剤の1つである。
【0041】
【表5】
【0042】
特定の実施形態において、脂質ベクターは、以下:
Invivofectamine(登録商標);
Invivofectamine(登録商標)2.0;
Invivofectamine(登録商標)3.0;
Lipofectamine(ポリカチオン性脂質、2,3-ジオレイルオキシ-N-[2(スペルミンカルボキサミド)エチル]-N,N-ジメチル-1-プロパンアミニウムトリフルオロアセタート(DOSPA)、及びDOPEの3:1(w/w)混合物);
Lipofectamine 2000;
Lipofectace(ジメチルジオクタデシルアンモニウムブロミド(DDAB)及びジオレオイルホスファチジルエタノールアミン(DOPE)の1:2.5(w/w)混合物);
DORI-エーテル;
DORI-エーテル/リゾ脂質;
Lipofectin(N-[1-(2,3-ジオレイルオキシ)プロピル]-N,N,N-トリメチルアンモニウムクロリド(DOTMA)及びジオレオイルホスファチジルエタノールアミン(DOPE)の1:1(w/w)混合物);
DOTAP;
BioPORTER;
Cellfectin(カチオン性脂質テトラメチルパルミチルスペルミン(TMTPS)及びDOPEの1:1.5 M/Mリポソーム製剤);及び
DMRIE-C(カチオン性脂質N-(2-ヒドロキシエチル)-N,N-ジメチル-2.3-ビス(テトラデシルオキシ)-1-プロパンアミニウムブロミド(DMRIE)及びコレステロールの1:1 M/Mリポソーム製剤)
から選択される脂質ベースのトランスフェクション試薬等の脂質ベースのトランスフェクション試薬である。
【0043】
特定の実施形態において、脂質ベクターは、Invivofectamine(登録商標)2.0又はInvivofectamine(登録商標)3.0、特に、Invivofectamine(登録商標)3.0である。
【0044】
本発明はまた、本発明の診断用キットの使用に関する。
【0045】
特定の実施形態において、本発明の診断用キットは、疾患の診断のための方法に使用される。特に、本キットは、キットに含まれるmiRNAのための較正標準を提供するために使用される。
【0046】
本発明の状況において、「診断のための方法」という表現は、疾患の診断、予測又はモニタリングのための方法を指すが、疾患に対する処置の効力を評価するための方法も指す。
【0047】
したがって、本発明は、疾患の診断、予測又はモニタリングのための方法における、本発明の診断用キットの使用に関する。本発明のキットは、国際公開第2017167934号に記載されているとおり、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)の診断のための方法、及びNASHに対する処置の潜在的な受け手として対象を分類するための方法であってもよい。
【0048】
本発明は、疾患の診断のための方法であって、対象の生物学的サンプル中のmiRNAのレベルの測定を含み、前記miRNAのレベルは、本発明のキットの標準又は陽性対照中の同じmiRNAのレベルと比較される、方法に更に関する。
【0049】
特定の実施形態において、本発明の使用及び方法は、生物学的サンプルから決定されたmiRNAのレベルの、キット中の標準又は陽性対照として使用される合成miRNAのレベルとの比較を含む。
【0050】
別の実施形態において、本発明の使用及び方法は、キットの内部標準として使用される合成miRNAのレベルに対する、生物学的サンプルから決定されたmiRNAのレベルの正規化を含む。
【0051】
別の実施形態において、本発明の使用及び方法は、キットの標準又は陽性対照として使用される合成miRNAの抽出収率を用いた生物学的サンプルから決定されたmiRNAのレベルの正規化を含む。
【0052】
本発明の使用及び方法は、対象の生体液サンプル、例えば、血液由来のサンプル、例えば、全血、血清又は血漿、特に、血清中のmiRNAの定量に有用である。
【0053】
別の実施形態において、本発明の使用及び方法は、本発明のキットの規定の量の合成miRNAの、miRNAレベルが決定される生物学的サンプルへのスパイクインを含む。特定の実施形態において、スパイクイン合成miRNAは、対象サンプル中には存在しない非ヒトmiRNA、外来性miRNAである。例えば、非ヒト合成又は外来性miRNAは、エレガンス線虫(cel)又はシロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)(ath)に由来することができる。特定の実施形態において、スパイクインmiRNAは、cel-miR39(特に、cel-miR-39-3p)である。本発明の状況において合成miRNAとして使用するためのその他の非ヒトmiRNAとしては、ath-miR-159a及びcel-miR-40-3pが挙げられるが、限定されない。
【0054】
したがって、本発明のキットは、生体液サンプル中の試験対象のmiRNAと同時に測定される内部標準を提供するために使用することができる。これは、以下の式を使用してサンプル中のmiRNAのレベルを計算するために使用することができ、この式は、サンプル中の試験対象のmiRNAとしてhsa-miR-34a-5p、並びに内部標準及び加えられる合成miRNAとしてcel-miR-39-3pの測定に対する説明の目的で示される:
hsa-miR-34a-5pレベル=2-ΔΔCq
式中、ΔΔCq=ΔCqサンプル-ΔCq標準
ΔCqサンプル=Cqサンプルのhsa-miR-34a-5p-Cqサンプル中にスパイクインされたcel-miR-39-3p
ΔCq標準=Cq陽性標準のhsa-miR-34a-5p-Cq陽性標準中にスパイクインされたcel-miR-39-3p
【実施例
【0055】
- Invivofectamine(登録商標)/miR複合体調製
高度に精製されたmiRNAオリゴリボヌクレオチドが、IDT(Integrated DNA Technologies社、Skokie、Illinois、USA)で受託合成される。
【0056】
Invivofectamine(登録商標)3.0試薬(IVF3001-3005、ThermoFisher Scientific社、USA)を、製造業者の推奨(公開番号MAN0013651 Rev A.0.pdf)に従ってmiRNAとの複合体を作製するために使用した。miRNA/Invivofectamine(登録商標)(IVF)複合体を、希釈せずに、又は1mLのPBS(pH7.4)を添加することによって6倍希釈して使用した。
【0057】
- 標準及び内部標準調製
標準miRNA又は内部標準を調製するために、5μLの調製物を、1)標準調製物用の生物学的ベースマトリックス(すなわち、健康なドナーの血清若しくは血漿、又はその他のベースマトリックス)に添加するか、或いは2)内部標準として生物学的サンプルに直接添加する。
【0058】
標準miRNA、陽性対照及び内部標準を、合成miRNAオリゴリボヌクレオチド(すなわち、hsa-miR-34a-5p、cel-miR-39-3p、cel-miR-40-3p)を用いて調製する。
【0059】
- スモールRNA抽出
試験対象のサンプルを、氷上で解凍する。生物学的サンプルを穏やかにボルテックスし、6,000×gで15分間遠心分離する。
【0060】
製造業者の推奨(KingFisher(商標)Flex_User_Manual_5400630.pdf、品番N07669)に従ってKingFisher(商標)System(KingFisher(商標)Flex System、カタログ番号5400630、ThermoFisher社)においてMagMax mirVana(商標)を用いて自動抽出を行った。MagMax mirVana(商標)Total RNA Isolation Kit(A27828、ThermoFisher社)を、ユーザーガイド(MagMax mirVana(商標)Total RNA Isolation Kit(マニュアル抽出)ユーザーガイド - 公開番号MAN0011131 - Rev. B.0.pdf)に従って使用した。
【0061】
- 逆転写(RT)
TaqMan(登録商標)MicroRNA Reverse Transcription Kit、カタログ番号4366597を使用して、以下のユーザーマニュアルプロトコルに従って逆転写反応を行った:TaqMan(登録商標)Small RNAアッセイプロトコル(PN 4364031E).pdf、品番4364031 Rev E 01/2011及びTaqman(登録商標)MicroRNAアッセイRTプライマー[60X]、カタログ番号4440888 (大型)。Bio-Rad T100サーモサイクラーにおいて製造業者の推奨(Bio-Rad T100サーマルサイクラー、カタログ番号186-1096.pdf)に従ってインキュベーションを行った。cDNAをさらなる使用まで-20℃で低吸着チューブ中において保存した。
【0062】
- 定量的PCR
成熟miRNAの発現を、製造業者の説明書に従って、Taqman miRNA RT-qPCR Assay 20X及びUracil-N-Glycosidase(UNG)2Xを伴わずにTaqMan Universal Master Mix II(Applied Biosystems、Life Technologies社、Carlsbad、CA)を使用してPCR Plate ThermoFisher 96-ウェル、透明なウェル、セミスカート、カタログ番号AB-0900において定量した。5μLの総RNA (total RNA)の固定体積を、製造業者のガイドライン(Bio-Rad CFX96 Touch_Instruction manual.pdf、品番110021337、Rev E US/EG)に従ってCFX96(商標)Real-Time System- C1000 - IVD保証 を使用して、qPCRアッセイのための鋳型として使用した。hsa-miR-34a-5p TaqManアッセイを使用した。合成miRNAからのRT産物を、連続希釈し、すべてのサンプル(標準及び血清由来のRNA)に対してPCRを行った。Cq決定方式は、回帰とした。
【0063】
成熟miRNAの配列及びTaq ManアッセイIDを、以下の表に示す。
【0064】
【表6】
【0065】
結果
A.Invivofectamine(登録商標)のhsa-miR-34a-5pとの複合体化は合成miRNAを分解から保護する。
図1:Invivofectamine(登録商標)は、血清中にスパイクインされる合成hsa-miR-34a-5pオリゴリボヌクレオチドを保護する。
Invivofectamine(登録商標)の非存在下(A)又は存在下(B)におけるhsa-miR-34a-5p発現レベル。黒いボックス:生物学的ベースマトリックスとして使用される非常に低いレベルのhsa-miR-34aを含む健康なドナーの血清のプール、灰色のボックス:変性の前後にInvivofectamine(登録商標)(IVF)を伴わない合成hsa-miR-34a-5pが加えられたベースマトリックス。白いボックス:IVF中にカプセル化された合成hsa-miR-34a-5pが加えられたベースマトリックス。
【0066】
健康な患者(マトリックス)ではhsa-miR-34a-5pが非常に低いレベル(33.6Cq)で検出される。血清への変性バッファーの添加後のスパイクインとして使用される合成hsa-miR-34a-5pの添加は、誘導をもたらす(23.3Cq)。添加が変性バッファーによる血清の処理前に行われる場合(マトリックス+hsa-miR-34a-5p)、合成miRNAは分解される。興味深いことに、Invivofectamine(登録商標)の1:6希釈前のhsa-miR-34a-5pとの組み合わせは、スパイクインmiRNAを、変性バッファー後に添加すると、検出されるmiRNAレベルを回復させる。複合体miRNA/Invivofectamine(登録商標)を、1/6希釈された複合体で使用してもよい(図1)。
【0067】
図2:4℃で最大4時間におけるmiRNA/Invivofectamine(登録商標)複合体の安定性。
2つのmiRNA/Invivofectamine(登録商標)複合体調製条件を試験した:温度4℃(黒いボックス)対室温(RT、白いボックス)並びに複合体調製からその使用までの間の時間(0、1及び4時間)。マトリックス:非常に低いレベルのhsa-miR-34a-5pを有する健康なドナーの血清のプール(Etablissement Francais du Sang社:EFS)。
【0068】
室温では、マトリックス中及びスパイクインhsa-miR-34a-5pを含むマトリックス中においてhsa-miR-34a-5pレベルが低下する。このレベルは、4℃では一定のままである。この結果は、血液由来のサンプルにおけるスパイクインの進行が、miRNA/Invivofectamine(登録商標)複合体調製後4℃では遅延される可能性があることを示唆する(図2)。
【0069】
図3:Invivofectamine(登録商標)は、血清中にスパイクインされる合成hsa-miR-34a-5pオリゴリボヌクレオチドを4℃で最大4週間保護する。
hsa-miR-34a-5pレベルは、hsa-miR-34a-5p/Invivofectamine(登録商標)複合体を加えられた血清中において4℃で最大4週間まで安定である(図3)。
【0070】
図4:Invivofectamine(登録商標)と組み合わされた場合の-20℃における繰り返しの凍結・解凍サイクル後の血清中における合成miRNAの安定性。
5回の凍結/解凍サイクルを試験した。hsa-miR-34a-5pレベルは、合成miRNAがInvivofectamine(登録商標)と組み合わされた場合、-20℃における繰り返しの凍結/解凍サイクルによる影響を受けない。
【0071】
B.miR/IVF複合体を使用したhsa-miR-34a-5pアッセイの堅牢性
【0072】
【表7】
【0073】
データは、以下の式を使用してCqの平均±SDとして又はhsa-miR-34a-pレベル発現倍率として表す:
hsa-miR-34a-pレベル=2-ΔΔCq
式中、ΔΔCq=ΔCqサンプル-ΔCq標準
ΔCqサンプル=Cqサンプルのhsa-miR-34a-5p-Cqサンプル中にスパイクインされたcel-miR-39-3p
ΔCq標準=Cq陽性標準のhsa-miR-34a-5p-Cq陽性標準中にスパイクインされたcel-miR-39-3p
【0074】
陽性標準は、NASH患者、n=12からプールされた血清である。
【0075】
スパイクインmiRNAは、Cq=28の非ヒトmiRNA:cel-miR-39-3pである。Invivofectamine(登録商標)は、cel-miR-39-3p/IVF=100/100の比で使用する。
【0076】
調製後、複合体IVF/cel-miR-39を、4℃で4hインキュベートするか、又は-80℃で直接凍結した。CVは、条件間では有意に異ならない。hsa-miR-34a-5pの正規化定量は、依然として条件間で安定で、再現性がある。
【0077】
内部標準生成は、堅牢である。
【0078】
【表8】
【0079】
C.hsa-miR-34a-5pアッセイの性能。
標準及び内部標準を使用して、NASH患者におけるhsa-miR-34a-5pアッセイの性能を評価した。
【0080】
図5:NASH疾患患者の臨床コホートにおける内部標準を含む(A)又は内部標準を含まない(B)hsa-miR-34a-5pのROC曲線(n=562患者、NTBT=271患者及びTBT=291患者)。TBTと分類される標的の状態は、NAS≧4+F≧2であった。
対応する肝生検を伴うRESOLVE-IT研究の562人の患者の血清を、内部標準を用いたアッセイの検証のために処理した。すべての患者からの血清サンプルを使用して、IVFと複合体化した内部標準(Cel-miR-40-3p)を使用したhsa miR-34a-5pアッセイの性能を評価し、その後、その試験を、内部標準を使用しないhsa-miR-34a-5pアッセイと比較した。患者を、2群に分けた:群#1:NASスコア<4及び線維症<2の処置されない(NTBT)患者及び群#2:NASスコア≧4及び線維症≧2の処置される患者(TBT)。NASスコアが4から6及び線維症グレードが1から3の患者が、この臨床コホートのより典型的な患者であった。標的の状態(TBT:NAS≧4+F≧2)の患者は、全コホート集団の51.8%に相当する。
【0081】
【表9】
【0082】
内部標準を使用したhsa-miR-34a-5pアッセイに対するAUROCは0.81(95%CI 0.77~0.85)であり、内部標準を使用しなかったhsa-miR-34a-5pアッセイに対するAUROCはわずか0.78(95%CI 0.74~0.82)を示し、これは、内部標準を使用したhsa-miR-34a-5pアッセイが、内部標準を用いないアッセイよりも著しく良好に機能することを示す(図5)。まとめると、これらすべてのデータは、NASH疾患に対するマーカーとしてhsa-miR-34a-5pを定量するためにCel-miR-40-3p/IVF複合体が使用される場合、hsa-miR-34a-5pアッセイがより特異的で、高感度であることを示す。
【0083】
C)Invivofectamine(登録商標)/Lipofectamineの比較
a- Invivofectamine(登録商標)又はLipofectamine/miR複合体調製
高度に精製されたmiR模倣オリゴリボヌクレオチドが、IDT(Integrated DNA Technologies社、Skokie、Illinois、USA)で受託合成される。標準又は内部標準としてインビトロ試験をするために、100μLのmiR模倣溶液を、RNアーゼを含まない水(整理番号733-2573、VWR社)中のmiR 50μLを、50μLの複合体化バッファー(Invivofectamine(登録商標)3.0試薬(IVF3001-3005、ThermoFisher Scientific社))と混合することによって調製する。例えば、対照28Cqを調製するために12.5fmol/mlのmiR、対照30Cqを調製するために2.5fmol/mlのmiR及び33Cqを調製するために0.5fmol/mlのmiRを使用する。その後、希釈miRを、予め室温にした20μLのInvivofectamine(登録商標)3.0又はLipofectamine(life Technologies社、Carlsbad、CA、USA)にすぐ添加する。Invivofectamine(登録商標)(又はLipofectamine)及び希釈miRを、その後、3秒間ボルテックスし、miR-IVF 3.0(又はmiR-Lipofectamine)複合体形成を確実にする。次に、Invivofectamine(登録商標)(又はLipofectamine)-miR混合物を、50℃で30分間インキュベートし、最後に、複合体を、1mLのPBS(pH7.4)を添加することによって6倍希釈して、対照28Cq、30Cq及び33Cqについてそれぞれ0.52fmol/ml、104amol/及び20.8amol/mlの最終濃度を得る。調製物を、アリコートとして-20℃で凍結保存する。
【0084】
標準miR又は内部標準を調製するために、5μLの調製物を、1)標準調製物用の生物学的ベースマトリックス(すなわち、健康なドナーの血清若しくは血漿、又は市販のベースマトリックス)に添加するか、或いは2)内部標準として生物学的サンプルに直接添加する。
【0085】
Invivofectamine(登録商標)/Lipofectamine複合体条件の比較
いくつかのInvivofectamine(登録商標)/hsa-miR-34-a-5p又はLipofectamine/hsa-miR-34-a-5p複合体調製条件を試験した:温度;(4℃対室温)及び複合体調製からその使用までの間の時間(0、1及び4時間)。マトリックスは、非常に低いレベルのhsa-miR-34a-5pを含む健康なドナーの血清のプールである。標準RNAは、既知のhsa-miR-34a-5pレベルを有するRNAのプールである。全データは、平均qPCR増幅サイクル(Cq)±SDとして表し、n=3である。ND:不検出。
【0086】
図6:Invivofectamine(登録商標)(IVF)/hsa-miR-34-a-5p複合体調製条件。
温度;4℃(黒いボックス)、室温(RT、白いボックス)。複合体調製からその使用までの間の時間(0、1及び4時間)も試験した。
【0087】
NRT:逆転写酵素なし対照、NTC:鋳型なし対照、陰性対照:PCRブランク。全データは、平均qPCR増幅サイクル(Cq)±SDとして表し、n=3である。ND:不検出。
【0088】
図7:Lipofectamine/hsa-miR-34-a-5p複合体調製条件。
温度;4℃(黒いボックス)、室温(RT、灰色のボックス)。複合体調製からその使用までの間の時間(0、1及び4時間)。
【0089】
NRT:逆転写酵素なし対照、NTC:鋳型なし対照、陰性対照:PCRブランク。全データは、平均qPCR増幅サイクル(Cq)±SDとして表し、n=3である。ND:不検出。
【0090】
結論:すべての条件(温度及び時間)において、LipofectamineによるmiR-34a-5pの保護は、観察されなかった。反対に、Invivofectamine(登録商標)の使用は、複合体マトリックス+hsa-miR34a-5pを保護する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【配列表】
2022529035000001.app
【国際調査報告】